2014年09月01日

「メントス?」「いや結構」 フレンズ8-19その4

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ジョーイは雑誌「ソープオペラ・ダイジェスト」のインタビューを受けています。
フレンズたちはジョーイが失言をしないように、すぐそばのソファで、他人のふりをしながらジョーイのインタビューを聞いていたのですが、ジョーイが「昔、雑誌のインタビューで失言してしまったこと」を話そうとし出すので、それを止めるために、さも今、ジョーイを見つけたかのように言って、彼を取り囲むことになります。
インタビュアーは、ジョーイの友達であるフレンズたちと軽く挨拶して、休憩で席を立ちます。
その間、フレンズたちはジョーイと話をしています。
モニカ: Joey! You're doing great! (ジョーイ! うまくやってるじゃない!)
ロス: Yeah, so far, nothing stupid. (そうだよ。ここまでは、バカなことは何も言ってないよ。)
チャンドラー: Mento? (メントー(メントス)?)
ジョーイ: No, thanks. (いや、(メントスは)いらないよ。)
インタビュアー: (returning) So, as Joey's friends, is there anything that you guys think our readers ought to know? ([戻ってきて] それで、ジョーイの友達として、私たちの読者が知っておくべきだとあなたたちが思うような何かがある?)
ロス: Uh no, no just-just that he is a great guy. (あぁ、いや、ただ、彼は素敵な男だ、ってことだけだね。)
レイチェル: (scoffs at him) Yeah, that's gonna get you into Soap Opera Digest. Well I-- (leans into the microphone again)... I would just like to say that Joey truly has enriched the days of our lives. ([ロスをばかにするように笑って] そうよねぇ、今のであなたはソープオペラ・ダイジェストに載るわねぇ。うーんと、私は… [またマイクに身を乗り出して] 私はただ、こう言いたいの。ジョーイは本当に「ザ・デイズ・オブ・アワ・ライブズ」(私たちの生活の日々)を豊かにしてくれてるの。)

モニカやロスは、ジョーイに対して、「うまくやってる」「今のところ、バカなことは言ってない」とジョーイのインタビューの出来を褒めています。
その次の、チャンドラーが、"Mento? " と言い、ジョーイが、"No, thanks." と答えるやりとりが面白いですね。

今回のエピソードの記事では、ジョーイが「俺は子供たちのメンター(a mentor)になってる」と言おうとして、間違って、a mento (お菓子のメントス mentos の単数形)と言ってしまったということを説明しました。
ジョーイは結局、自分が間違っていることに気づかないまま、そのインタビューのやりとりを終えたのですが、チャンドラーは、「さっき、お前、mento って言ってたよな」というニュアンスで、"Mento?" 「メントーだって?」とここで尋ねているわけです。
それに対するジョーイの返事、No, thanks. は、人に何かを薦められて、「いや、結構だ」と断るお決まりフレーズですが、この返事から、ジョーイは、チャンドラーの "Mento?" を、「(お前)メントスいる? メントスどう?」のように、メントスを薦めてきたのだと勘違いしていることがわかる、ということですね。

以前の記事でも、ジョーイが a mentor (メンター、ロールモデル)を a mento だと勘違いしたままの方が、そのネタをずっと使える、という話をしましたが、一通り、メントー/メンターのやりとりが終わったかに見えた少し後に、またこうして、「さきほどのネタをぶり返す」のが、コメディーらしくて、とても面白いと思います。

mento が食べ物だから、「メンターだって?」とチャンドラーが言ったセリフを、「メンターいる?」のように薦めてきたセリフだと勘違いできるわけで、逆に言うと、"No, thanks." という返事から、「お前、mento とか言って失言してただろ」と言いたいチャンドラーの意図が全然伝わっていない、自分が間違っていたことを指摘されたことに、ここに至ってもまだ気づいていないとわかる面白さなわけですね。

戻ってきたインタビュアーは、フレンズたちに向かって、「ジョーイの友達として、読者が知っておくべきだとあなたたちが思うような何かはあるかしら?」と尋ねています。
ロスは「ただ、彼は素敵な男だ、ってことだけだね」みたいに褒めているのですが、レイチェルはそれをバカにしたように笑って、Yeah, that's gonna get you into Soap Opera Digest. と言っています。
直訳すると、「そうね、今の(ロスの発言)は、あなたをソープオペラ・ダイジェストの中に入れる(get someone into)ことになるわね」ということになるのですが、ト書きの scoff は「あざける、ばかにする」という動詞で、その後のこのセリフは、皮肉っぽくこう表現していることになります。
ちょっとバカにした感じで、「そうねぇ〜、そんな発言なら、きっとあなたは(その発言で)ソープオペラ・ダイジェストに掲載してもらえるわねぇ」と皮肉っぽく言っているニュアンスになり、それを言ったレイチェルの本音は、「そんなありきたりな、誰にでも言えるようなことで、ソープオペラ・ダイジェストに発言を載せてもらえるわけないでしょ」と言っていることになります。

「そんなの全然だめよ」みたいにロスに言った後、レイチェルは録音マイクに身を乗り出して、「私はただこんな風に言いたいわ」と言いながら、レイチェルの意見を述べています。
ロスの発言をバカにした後のセリフですから、「私なら、こんな素敵なことを言って、絶対、掲載してもらえるんだから」みたいに満を持して言った言葉になるわけですが、その内容はと言うと、Joey truly has enriched the days of our lives. でした。
enrich は「リッチにする」、つまり「豊かにする」ということですね。
ジョーイが出演しているソープオペラのタイトル Days of our Lives を使って、「友達である”私たち”の生活・人生の日々をジョーイはほんとに豊かにしてくれたの」と、洒落て(しゃれて)みたことになります。
それを言った後、きょろきょろしてみんなの反応を見ていますが、インタビュアーは、何とも言えない顔をしています。
レイチェルは「きっとウケるはず」と思ったのに、みんなの反応は薄かった、、という、レイチェルがスベったセリフになってしまったわけですね。

このように、Days of our Lives というタイトルを使って、ちょっと洒落たことを言ってみよう、という試みは、実は、ジョーイが先にトライしていました^^
フレンズ2-11(その1) で、
ジョーイ: I'm on Days of our Lives. Then I started thinking about us, and how these are the days of our lives. (俺は「デイズ・オブ・アワ・ライブズ」(愛の病院日誌)に出演するんだ。それで、俺たちのことも考え始めたんだ、俺たちの生活の日々(デイズ・オブ・アワ・ライブズ)はどんな感じだろうって。)

この 2-11 のジョーイのセリフも、特にひねりがなく、そのまんまな感じ、ですね。
days of our lives は一般的な表現なので、いろいろ応用して使えそうな感じがするけれども、逆にどう使ってもありきたりにしかならない、、ということかもしれません。
フレンズ2-11 のジョーイも、今回のレイチェルも、「タイトルをひねって、かっこいいことを言ってみたい」という試みが失敗して空回りしている感じが似ていて、面白いなと思いました。


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posted by Rach at 13:06| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月29日

「〜みたい」と「好き」のlike フレンズ8-19その3

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前回の続きです。
ジョーイは、「俺は子供たちのメンター(ロールモデル)でもあるんだ」と言おうとして、a mentor ではなく、間違って a mento と言っています。
a mento だと、お菓子のメントス(mentos)の単数形になってしまうので、インタビュアーは、"A mento?" 「メントーなの?」と聞き返すのですが、ジョーイは間違いに気づく様子もなく、"Right." と答えた続きのシーン。
インタビュアー: Like the candy? (キャンディーみたいなもの?)
ジョーイ: Matter of fact, I do. (実は、俺はキャンディーは好きなんだよ。)
(Chandler tries to jump over the couch but everyone stops him.)
チャンドラーはカウチを乗り越えようとするが、みんなが彼を止める。
インタビュアー: Well umm, another thing our readers always want to know is how soap stars stay in such great shape. Do you have some kind of fitness regime? (えーっと、読者がいつも知りたいと思う、もう一つのことは、ソープ(オペラ)のスターは、どうやってそんな素晴らしい体型(or 体調)を維持してるのかってことなの。何か、フィットネスの方法があるの?)
ジョーイ: Uh, we stars usually just try to eat right and get lots of exercise. (あぁ、俺たちスターはいつも、きちんと食事して、エクササイズをたくさんするようにしてるよ。)

前回からのメントー(メントス)の話の続きとなっている、"Like the candy?" "Matter of fact, I do." というやりとりはなかなか面白いですね。
これは、like という単語に2つの意味があることを利用したオチになっています。
インタビュアーが、"Like the candy?" と尋ねたのは、"A mento is (something) like the candy?" 「メントーっていうのは、キャンディーみたいなもの?」という意味。
それに対してジョーイが、"Matter of fact, I do." と答えていますが、これを省略しないで完全な文で言おうとすると、"As a matter of fact, I like the candy." と言っていることになるでしょう。
I do. という返事の do は、直前のインタビュアーが使った「一般動詞」の言い換えになりますから、そのジョーイの返事から、ジョーイは like を「(一般)動詞」だと捉えて、I do. (= I like the candy.) と答えたということになるわけです。
ですからジョーイは、インタビュアーの Like the candy? を、Do you like the candy? 「あなたはキャンディーが好き?」という質問だと勘違いした、ということですね。

ジョーイが、I do. と答える前に、もったいぶった感じで、(as a) matter of fact 「実は、実を言うと、実際のところ」という言葉が挿入されているのも、「君は意外に思うかもしれないけど、何を隠そうこの俺は、キャンディーが大好きなんだよ」のように答えた感じを出すのに一役買っていると思います。

インタビュアーは、a mento の話の続きとして、「それって、キャンディーみたいなもの?」と尋ねたわけですが、ジョーイの中では、a role model の話はすでに終わっていて、唐突に「(あなた、)キャンディーは好き?」と尋ねられたと思ったため、「そんな質問をわざわざするくらいだから、俺はキャンディーとか嫌いに見えるのかもしれないけど、実のところ俺は、キャンディーは大好きだよ」と答えた感じが、Matter of fact, I do. のニュアンスだと思われるということです。

前回の記事でも説明したように、インタビュアーは、このやりとりの中では一切、a mentor (メンター)という正しい単語を口に出してはいません。
ですが、"A mento?" と尋ねることで、「a mento っていうのはメントスってキャンディーのことで、それを言うなら、a mentor じゃないの?」というニュアンスで助け舟を出したようになっていたのに、そのヒントにも気付かない上に、「キャンディーみたいな?」と尋ねた質問を「キャンディーは好き?」だと勘違いして、トンチンカンな答えをしているジョーイが、「まだ、わかってないのか!」的に面白いわけです。
a mentor という正しい単語で訂正することなく、a mento で(脚本上)話を続けたからこそ、この Like the candy? ネタのオチを作ることもできた、ということですね。
そんなジョーイを見かねて、「あぁ、もう俺が止めてくる!」みたいにカウチを乗り越えようとするチャンドラー、それを必死に止めるフレンズたちも楽しいです。

話がちぐはぐなまま、インタビュアーは次の質問に進みます。
another thing our readers always want to know is how soap stars stay in such great shape. は長いセリフですが、とにかくこういうものは、文の最後まで待たずに、聞こえた順番でイメージしていくことが大切で、前からイメージしてみると、「もう一つ別のこと、私たちの読者がいつも知りたいと思う、は、どんな風に、ソープ(オペラ)のスターが、そんな素晴らしい shape を維持するのか」になるでしょう。
ラフに訳すと、「読者が知りたいと思っていることがもう一つあるんだけど、あなたたちスターは、どんな風に素晴らしい shape を維持してるわけ?」みたいなことですね。

stay in such great shape という表現について。
in good shape に代表されるような、shape が使われているこういうフレーズを英英辞典で調べると、もっぱら「良い体調(健康状態)」という意味で説明されています(後で詳しく述べます)。
また、英和辞典では「良い体調」という意味以外に、「良い体型」という意味も載っています。
英辞郎では、
stay in good shape=体形[体調]を保つ
体型を保つ=keep [stay] in shape [fit]

また、
研究社 新英和中辞典では、
She has a slender shape. 彼女はすらりとした体つきをしている。
という例文も出ています。

shape の基本語義は「形、かっこう」で、「姿、外見、様子」という意味もあることから、「体型」という意味で理解するのは受け入れやすいですが、「体調」を表すのにも使えるということです。
ですから、stay in great shape というフレーズ自体は、「素晴らしい体型を維持する」または「素晴らしい体調・健康状態を維持する」のどちらにも解釈できる、ということになりますね。

今回のセリフについては、DVDの日本語訳では、
(字幕)読者の関心が強いのは スターの体型維持のコツよ
(音声)それから、うちの読者が特に知りたがってるのが、昼メロのスターは、どうやって体形を維持してるのか、ってことなの。
となっていました。
その質問をしている時のインタビュアーは、ジョーイの体の方にチラッと視線を向けているような気がしますし、ファンが知りたいと思う質問としては、「どうして体調が良いのか?」よりも、「どうしてそんな体型をキープできるのか」の方がもっともらしい気はしますよね。
テレビで見ている視聴者は、体調が良いなどという内面のことはわからないから、きっと見た目の話をしているのだろう、と。
また、ファンが興味があるのも、体調管理ではなく、体型キープの方法だろうと思われるので^^

なので、このセリフの意味としては、「スターはどうやって体型を維持しているのか?」という話だと解釈するのが自然だろうと思いました。

ただ、今回はそっち(体型の話)だろうとは思うのですが、英英辞典では、stay in shape, in great shape というフレーズの意味は、「体調」の意味で説明されているので、そのことを以下で少し説明させていただきますね。
日本人は「シェイプアップ」のような言葉のイメージから、good shape, great shape と聞くと、「良い体型・スタイル」しか逆に浮かばないだろうと思うので、「体型、スタイル」という見た目の話ではない、「コンディション、健康が良い」という意味もあるということを、この機会に確認しておいた方がいいかな、と思ったわけです。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、「体調」の意味で以下のような様々なフレーズが紹介されていました。
2. in good/bad/poor etc. shape : in good, bad etc. condition, or in good, bad etc. health
3. in shape/out of shape : in a good or bad state of physical fitness
keep/stay in shape
He plays basketball to keep in shape.
in good/awful/great etc. shape
Eddie is in better shape than anyone else on the team.


つまり、2. の in good/bad shape は「体調(コンディション)や健康が良い・悪い」。
3. の in shape/out of shape は「体の健康が良い・悪い」。
例文は、「彼は体調維持のために、バスケットボールをする」。「エディーはチームの誰よりも体調・調子が良い」。

stay in shape と in great shape という例がロングマンに出ていますが、それを組み合わせると、今回のセリフの、stay in (such) great shape になるわけで、そういう意味でも今回のセリフは、英英の語義をそっくり当てはめると、「素晴らしい体調を維持する」という風に解釈することも十分可能だと思うわけです。
ただ、今回のセリフについて言うと、話の流れと内容から、「体型維持」の話をしているのだろうと判断できる、ということですね。

その後に続く質問、Do you have some kind of fitness regime? について。
fitness は「フィットネス」という日本語になっていますが、元々は「フィットすること」→「適合、適合性」という意味で、そこから「健康状態の良好・健康」という意味としても使われます。
改めて、英英辞典の語義を見ておくと、
fitness : the condition of being healthy and strong enough to do hard work or sports
つまり、「健康であり、重労働やスポーツをするのに十分に強い体調」。

regime という単語は「体制、政権」という意味で、a puppet regime なら「傀儡(かいらい)政権」、the ancient regime なら「旧制度、旧体制」という意味になります。
世界史で「アンシャン・レジーム」(ancien regime)という言葉が出てきたのですが、それも、1789年フランス革命以前の「旧社会・政治体制」を指す言葉でした。

そのように regime は政治・制度の話では「体制、政権」という意味でよく使われるのですが、今回のセリフの regime は、regimen の意味で使われています。
英和辞典でも、英英辞典でも、regime の語義説明として、= regimen という記載があります。
その regimen の意味を見てみると、研究社 新英和中辞典では、
regimen 【名】【C】 〔医〕 (ダイエット・運動などによる)摂生、養生法、食養生
keep to a prescribed regimen 処方された養生法を守る。

と出ています。

LAAD では、
regimen : (formal) a special plan for food, exercise etc. that is intended to improve your health
例) a fitness regimen

つまり、「健康を促進することを目的とする食べ物や運動(エクササイズ)の特別なプラン」。
例は、「健康養生(ようじょう)法」。

「養生(ようじょう)」と表現すると、何だか古めかしい感じがしてしまいますが、要は、健康維持・体型維持のためのフィットネスプランみたいなものはあるのか?と尋ねていることになるでしょう。

その質問に対して、we stars usually 「俺たちスターは、たいてい…」みたいに答えているのも面白いですね。
インタビュアーが、soap stars と表現したことに気を良くして、「そうだね、俺たち、ソープオペラのスターたちは」と得意げに答えたことになるでしょう。
eat right は「正しい食事をする、きちんと食べる」、get lots of exercise は「たくさんエクササイズをする」ですね。
えらく、かっこいいことを言っているのですが、その後に続く回想シーンでは、ジョーイはそれと正反対なことをしているシーンが次々と登場することになるのも、コメディーのお約束的展開で面白いなと思いました。


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posted by Rach at 15:48| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月27日

メントスとメンター フレンズ8-19その2

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ジョーイは、コーヒーハウスのセントラルパークで、女性のインタビュアーから質問を受けています。
フレンズたちは、他人のふりをしながらも、すぐそばのソファに座って、ジョーイが失言しないかを心配しながら、二人の話を耳をそばだてて聞いています。
インタビュアー(The Interviewer): Okay, how about when you're not working. What do you do in your spare time? (それじゃあ、あなたが仕事をしていない時はどう? 空いた時間には何をするの?)
(ここに、過去エピソードの回想シーンが入りますが、ブログ解説では省略します)
ジョーイ: In my spare time, I uh, read to the blind. And I'm also a mento for kids. (The gang shake their heads.) ((仕事のない)空いた時間には、俺は目の見えない人に本を読んでる。それから子供たちのメントー[メントス]でもあるよ。[フレンズたちは首を振る(と、ト書きには書いてありますが、実際には「え?」という顔をする程度)])
インタビュアー: A mento? (メントー?)
ジョーイ: Y'know, a mento. A role model. (Chandler bites his fist to keep from talking.) (ほら、メントー。ロールモデル(手本・模範になる人)のことだよ。[チャンドラーはしゃべりたいのを我慢するのにこぶしを噛む])
インタビュアー: A mento? (メントーなの?)
ジョーイ: Right. (そうだ。)

spare time は「空き時間、余暇」ですね。
「仕事をしていない余暇(空き時間)には、あなたは何をするの?」ということで、「暇な時とかは、普段は何をしているのかしら?」と尋ねている感覚になります。

ジョーイは、I read to the blind. と答えています。
the blind は「盲目の人、目が見えない・目の不自由な人」ということですね。
the+形容詞で、「(形容詞の状態)の人」を指すことになります。
read to someone は「人に(何かを)読んで聞かせる」という意味で、「人に何かを読んで聞かせる」という場合には、read someone something という、SVOO の形を取ることもできます。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
read : READ AND SPEAK
to say the written words in a book, newspaper etc. so that people can hear them
read somebody something
例1) Daddy, will you read me a story?
read (something) to somebody
例2) Mom always read to us at bedtime.

つまり、「本や新聞などに書かれた文字を口に出す。そうすることで人がそれを聞くことができるように」。
例文1は、「パパ、私にお話を読んで(聞かせて)くれる?」。例文2は、「ママはいつも寝る前に、私たちに(本を)読んで聞かせてくれた」。
(ちなみに、例文2の read は過去形(発音は [red](レッド))。「いつも読んで聞かせてくれる」という現在形なら、reads のように3単現の -s がつくことになります。)

文字が読めない目の不自由な人のために、本を読み聞かせるボランティアをしている、とジョーイは言いたいのですね。
雑誌の読者に良い印象を持ってもらうために、そういう活動をしていると言っていることになります。

次の、And I'm also a mento for kids. について。
ジョーイがそう言った後、フレンズたちは「え?」という感じで固まり、インタビュアーも、「あなた、今、a mento って言った?」のように聞き返していますね。
その後、ジョーイが、"Y'know, a mento. A role model." 「ほら、メントーだよ。ロール・モデル(のこと)」と答えたことで、ジョーイが言葉を間違って使っていたことがわかる仕組みです。

ジョーイは、a mento (発音は「メントウ、メントゥ」という感じで、語尾の o は二重母音の「オウ、オゥ」[ou])と言っていますが、それだと、mentos 「メントス」というお菓子の「単数形」を指すことになってしまいます。
メントスは日本でも売っているのでご存知の方も多いでしょう。
Wikipedia 日本語版: メントス

「メントゥ?(メントスの単数形?)」みたいに聞き返されたジョーイは、その単語が間違っていることに気づかず、「a mento だよ。A role model のことだよ」と別の言葉で言い換えています。
a role model 「ロールモデル。お手本・模範となる人」という意味で、a mento と間違えそうな単語と言えば、それは、a mentor になります。
意味は「良き指導者・助言者」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mentor : an experienced person who advises, encourages, and helps a less experienced person
つまり、「より経験の少ない人にアドバイスしたり、励ましたり、助けたりする、経験豊かな人」。

日本語でも「メンター」のようなカタカナの言葉で使われることがありますが、英語の mentor の発音は、「メントァ または メンター」のようになります。
Merriam-Webster Dictionary : mentor では、その2種類の発音記号が表示されています。

ジョーイはどこかで、a role model と同じ意味である、a mentor という言葉を聞いたことがあって、知的な感じでそれをインタビューの答えに使おうとして、間違ってお菓子の名前を言ってしまった、ということになります。

そのジョーイの発言を聞いた後の、チャンドラーのト書きが面白いですね。
keep from doing は「〜することを避ける、〜しないようにする」という感覚。
「お前が言おうとしているのは、a mentor だろ!」と言ってしまいたくなるのを我慢して、こぶしをぐぐっと噛んでいることになります。

ジョーイが言い間違いに気づかないので、インタビュアーはもう一度、「あなたが言いたいのは、本当に a mento なの?」と聞き返していますが、ジョーイはその質問を不思議に思うことなく、「そうだ」と答えます。

インタビュアーが "A mento?" と聞き返すセリフは、DVDの日本語訳では「メンターじゃなくて?」と訳されていました。
これは、訳者の方が、日本人にわかりやすいように、「情報を補足する形で訳した」ことになりますね。
今回の英語のやりとりでは、本来ジョーイが使うべき言葉だった mentor という正しい単語は、実は一度も登場しません。
"You mean a mento? Not a mentor?" 「あなたが言っているのは、メントー[メントス]? メンター(ロールモデル)じゃなくて?」のように、「正しい単語」を出して、丁寧に聞き返してしまうと、さすがのジョーイも気づいてしまう、、というか、「ジョーイはずっと、メンターをメントーだと勘違いしている」ということで笑いを取るのが難しくなってしまいます。
ずっとジョーイに勘違いさせたままにするためにも mentor という正しい単語は使えないし、また、英語圏の人は、ジョーイが、a role model だと言い換えたことで、ジョーイは本当はメンターと言いたかったことがわかるので、わざわざ説明チックに、「それって、mentor の間違いよね」とセリフで言わせる必要もないわけです。

ですが! その「あえて mentor という言葉を使わない」という英語のセリフをそのまま日本語に訳すと、role model の意味を持つ、mentor という単語を知っている人以外は、「ジョーイはメントスを何と勘違いしてるの?」となってしまいますよね。
だから、英語では「メントー?(メントス?)」みたいにおうむ返しに聞き返したセリフを、「メンターじゃなくて?」と「正しい言葉はこっちよね?」と聞き返した風に訳さないと、日本人には説明不足になってしまうわけです。
英語では一切、mentor という単語を出していないという「面白さ」は、やはり「英語で見る」ことでしか気づけないということで、そこが「英語のコメディーを英語で理解する楽しさ、面白さ」ということにもなるでしょう。

また、今回のように「よく似た音の英単語を使ったジョーク」は、日本語でカタカナ表記にするのも難しい部分です。
英語のセリフでは、a mento と a mentor とを間違っていることになっていますが、DVDの日本語訳ではそれぞれ、「メントス」「メンター」と訳されていました。
日本人は「メントス」という複数形なら、あのお菓子の名前だとわかるけれど、ジョーイの言った通りの単数形で「メントゥ(メントー)」とカタカナにしてしまうと、それが「メントス」のことだとわかりませんよね。
ただ、実際の英語のセリフでは、「メントス」の単数形である「ア・メントゥ」と言っているから、それとよく似た a mentor 「ア・メントァ」と間違っているのが瞬時にわかって面白いわけで、日本語訳の「メントス」と「メンター」ほどには、実際の英語の発音は違わない、というのがポイントでもあるわけです。
こういう英語のダジャレ的な部分は、やはり原語である英語を確認しないことには、脚本家が意図した本当の面白さはわからないのだな、ということがよくわかります。
「メントス」と複数形にしてしまうと「よく似た発音」であることがわかりにくくなる、でも「メントゥ」としてしまうと「メントス」というお菓子だとわからなくなる、、というところが、「英語のセリフの面白さを、100%、日本語訳に反映することはできない」という葛藤であるとも言えそうですね。


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posted by Rach at 14:51| Comment(4) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月25日

その単語のスペルは負け犬? フレンズ8-19その1

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シーズン8 第19話
The One With Joey's Interview (ジョーイのインタビュー大作戦!)
原題は「ジョーイのインタビューの話」


[Scene: Monica and Chandler's, everyone except Phoebe is there as Rachel enters carrying a magazine.]
モニカとチャンドラーの家。フィービー以外のみんながそこにいて、そこにレイチェルが雑誌を持って入ってくる。
レイチェル: Hi! (はーい!)
ロス: Hey! (やあ!)
モニカ: Hey! (はーい!)
レイチェル: So I'm in my apartment doing the Soap Opera Digest crossword puzzle, and guess who is the clue for three down? (She hands the magazine to Joey.) (それでね、私は自分のアパートメントで、「ソープオペラ・ダイジェスト」のクロスワードをやってるのよ。で、タテの3のカギ(ヒント)は誰だと思う? [レイチェルはその雑誌をジョーイに手渡す])
ジョーイ: (reading) Three down, "Days Of Our Lives star, blank Tribbiani." That's me!! I'm blank!! ([読んで] タテの3、「デイズ・オブ・アワ・ライブズ(愛の病院日誌)のスター、「空白」トリビアーニ」。それって俺だ! 俺が空白だ!)
モニカ: How cool is this?! We know three down! I'm touching three down! (She has her hand on his shoulder.) (これってなんてかっこいいの! 私たちは「タテの3」を知ってるのよ! 私(今)、タテの3に触ってる! [モニカは自分の手をジョーイの肩に置く])
ジョーイ: Yeah, you are, baby. (あぁ、そうだね、ベイビー。)
モニカ: Three down knows I'm married. What's three down doin'? (タテの3は私が既婚だって知ってるわよね。タテの3は(一体)何やってるの?)
ジョーイ: Sorry. (ごめん。)
レイチェル: So do they call you to tell you your name's gonna be in this? (それで、あなたの名前がこの(クロスワードの)中に入ることになるって、(出版社から)あなたに電話はあるの?)
ジョーイ: No. They really like me over there. They wanted to do a big profile on me, but I said no. (いいや(電話はないよ)。あそこの人(出版社の人たち)は、俺をほんとに気に入っててね。俺を大きく紹介する記事を書きたいって言ってたんだけど、でも、俺は断った。)
ロス: Why'd you say no? (どうして断ったの?)
ジョーイ: Remember what happened the last time I did an interview for them? I said I write a lot of my own lines, and then the writers got mad and made my character fall down the elevator shaft. So who knows what I might say this time. (ソープオペラ・ダイジェストのインタビューを、俺が前に受けた時に、何が起こったか覚えてるだろ? 俺が俺のセリフの大部分を書いてるって言ったら、脚本家が怒って、俺のキャラクター(ドクター・ラモレー)をエレベーター・シャフトに落としたんだ。だから、今回も俺がどんなことを言うかもしれないってことは誰にもわからないだろ?)
チャンドラー: If only there was something in your head to control the things you say. (Joey nods his agreement.) (お前の頭に、お前が言うことをコントロールするものがあればねぇ。[ジョーイは同意してうなずく])
レイチェル: Oh, come on, Joey! You will totally keep it in check this time. And plus, y'know the publicity would be really good for your career! And you deserve that! And if you do the interview, you can mention, oh I don't know, "gal pal Rachel Green?" (ねぇ、お願いよ、ジョーイ! あなたは今回はちゃんと制御できるわ。それに、ほら、宣伝(人に知ってもらうこと)はあなたのキャリアにとって本当に良いことになるもの! そしてあなたにはその資格があるもの! それにもし、あなたがインタビューを受けたら、こんな風に言えるでしょ、ほら、よくわからないけど、「ギャルパル(女友達)のレイチェル・グリーン」とか?)
チャンドラー: Is that "gal pal" spelled L-O-S-E-R? (その”ギャル・パル”のスペルは、LOSER(負け犬)かな?)
レイチェル: Okay, don't listen to him. Please? (もう、チャンドラーの言うことなんか聞かないで。いいでしょ?)

レイチェルは、I'm in my apartment doing... というセリフを言っています。
今、モニカとチャンドラーの家に入って来たところなので、「私は(今)自分のアパートメントで〜をしているところ」というのはちょっと不思議な感じがしますが、これは「さっき、自分のアパートでしていたことを、臨場感を持って語っている」というニュアンスになるでしょう。

guess who の guess は「推測する、推量する」なので、Guess who...? なら「誰だと思う? 誰だか当ててみて」というクイズを出している感覚になります。
そのような言葉が後から続くことからも、まるで日本語のクイズの前振りのように、「私は今、アパートでクロスワードをしています。さてそのクロスワードに出てきた人は誰でしょう?」という感じで、現在形が使われているのもわかりやすい気がしますね。

「ソープオペラ・ダイジェスト」は、ソープオペラ、つまり昼メロの情報が載っている雑誌。
クロスワードの話なので、the clue for three down は、「タテの3のカギ・ヒント」になります。タテは down で、ヨコは across になります。
それを聞いたジョーイは、ソープオペラ・ダイジェストのクロスワードを声に出して読んでいます。
blank は「空白、空欄」ですね。
「デイズ・オブ・アワ・ライブズ(愛の病院日誌)のスター、○○(空白)・トリビアーニ」と書いてあるのを読んで、「それって俺(のこと)じゃん! 俺がブランク(空白)だ!」と喜んでいるのが微笑ましいです。

自分の友人であるジョーイが、クロスワードの「タテの3」になっていることをモニカは喜んでいます。
ジョーイのことを何度も「タテの3」と表現して、「私はタテの3と知り合いで、今もこうしてタッチしてるのよ」と面白がっている様子。
ジョーイの Yeah, you are, baby. は、Yeah, you are touching three down, baby. ということで、「あぁ、そうだね、君は今、「タテの3」(=俺)に触ってるんだよ、ベイビー」と、モニカの発言を繰り返している感覚になります。
プレイボーイのジョーイっぽく、ちょっと、くどきモードでそう言ったので、モニカはまた「タテの3」という言葉を使って、「タテの3は、私が結婚してるって知ってるのに、そんな色目使って、一体何やってるのよ」とからかうことになります。

次のレイチェルの質問、So do they call you to tell you your name's gonna be in this? について。
これは、「で、あなたの名前がこのクロスワードに載ることになる、ってことを言うために、彼らはあなたに電話するの?」という感じですね。
they は「この雑誌社の人」を漠然と指す感覚になります。

ジョーイは、No. と言って、「いや、電話連絡はないんだ」と答えた後、They really like me over there. と言っています。
over there は「あそこでは、むこうでは」という感覚なので、「その出版社では、彼ら(そこで働いている人たち)が、俺のことを本当に気に入っているんだ」と言っていることになるでしょう。
They wanted to do a big profile on me の profile は日本語の「プロフィール」の感覚、つまり「人物紹介」ということですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
profile [noun] : a short description that gives important details about a person, a group of people, or a place
つまり、「ある人、人々のグループ、場所に関する重要な詳細を説明する短い記述(解説)」。

do a big profile on me を直訳すると、「俺について、大きな人物紹介をする」という感じなので、「俺を大きく紹介する(記事を書く)」ということになるでしょう。
その後ジョーイは、「でも俺はノーと言った、それを断った」と言っていますね。
ロスに理由を問われたジョーイは、「彼ら(ソープオペラ・ダイジェスト)のために、俺がインタビューを受けた時に、何が起こったか覚えてるだろ?」と言っています。
その後、続けて、その時のことを、ジョーイ自ら説明していますね。
「俺が俺のセリフの多くを書いてる、って俺は言って、そしたらライター(脚本家)が怒って、俺のキャラクター(ドクター・ラモレー)をエレベーターシャフトに落ちるようにした」ということになります。
これは、フレンズ2-18(その8) に出てきたお話ですね。
脚本家が実際に、キャラを突き落すわけではないので(笑)、「そういう展開になるように脚本を書くことで、ラモレーがエレベーターシャフトに落ちるようにした」という使役の感覚になります。

Who knows...? は、「誰が…を知っているのか? 知っていると言うのか?」→「いや、誰も知らない、誰にもわからない」という修辞疑問。
「今回、俺が何を言うかもしれないかは誰にもわからない」ということで、前にあんなことがあったから、今回もマズいことを言っちゃうかもしれない、だからインタビューされる前に断っちゃったんだよ、と言っていることになります。

If only there was something... について。
この if only は、「ただ〜でありさえすればいいのに」という感覚。

LAAD では、
if only : used to express a strong wish, especially when you know what you want cannot happen
例) If only I could be 18 again!

つまり、「強い願いを表現するのに使われる。特に望むことが起こることはありえないとわかっている時」。例文は、「もう一度、18歳になれさえすればいいのに!」

ちなみに、上の語義と例文は、単語 if の欄に載っていたものですが、LAAD では、単語 only の項目にも、同じく if only の意味が載っていて、そちらの例文は、
If only I could be 15 again!
になっていました。
あの頃に戻りたい!という年齢が2つの例文で異なっているのが面白かったのと同時に、どちらも10代なのね、、ということには、妙に納得したりもします^^

語義にあるように「願っていることが起こらないとわかっている」ことから、「現実とは反対の仮定」を表す「仮定法過去」を使うことになるので、ロングマンの例文は could 、そして、チャンドラーのセリフも was という過去形が使われていることになります。

つまりチャンドラーは、「お前が言うことをコントロールするものがお前の頭にあればいいのになぁ」と言っていることになります。
「仮定法過去」で、「それがありさえすればなぁ」と言われているということは、「実際にはそれは存在しない」と言っていることになり、つまり、「お前、自分の発言を、頭でコントロールできてないぞ」とバカにされていることになるのですが、それに対して「うん、発言をコントロールするものが頭にあればいいと思う」みたいに、チャンドラーの皮肉に怒ることなく、うんうんとうなずいているのもジョーイらしいですね。

ジョーイがインタビューを断ったと聞いて、レイチェルは「ねぇ、お願いよ、ジョーイ!」みたいに言って、You will totally keep it in check this time. と言います。
check は「チェック」「検査」みたいな意味が真っ先に浮かぶかと思いますが、keep ... in check というフレーズは、「〜を抑制・防止する」という意味で、この check は「抑制、防止」というニュアンスになります。

LAAD では、
keep/hold something in check : to keep someone or something under control
例) The law is designed to keep rents in check.

つまり、「誰かや何かを、コントロールすること[制御下に置くこと]」。例文は、「その法は家賃のコントロールを目的として作られたものである」。

「発言をコントロールするものが頭にない」みたいにチャンドラーに言われてしまったことに対して、「今度はコントロールできるわよ」と言っているニュアンスですね。

publicity は「宣伝、広告」「世間の注目、広く一般に知れ渡ること」なので、そうやって雑誌に載せてもらって人に知られることは、あなたのキャリアにとっても良いことよと説得していることになります。
deserve は「〜の価値がある、〜を受けるに値する」なので、「あなたはそんな風に雑誌に掲載してもらえる価値がある、その資格は十分にあるわ」と言っていることになるでしょう。
その辺りまでは、「友人として、ジョーイの俳優としてのキャリアを思って言っている」感が出ていますが、その次のセリフは、レイチェルっぽいですね。
「もしあなたがインタビューを受けたら、こんな風に言えるわよ」と言っていますが、その内容はと言うと、gal pal Rachel Green。
gal は「ギャル」で、girl が変形した言葉ですね。pal は「友達」なので、gal pal は「女友達」ということになりますが、-al で韻を踏んだ感じはするものの、その後のチャンドラーがツッコミを入れていることからも、あまりしゃれた表現ではないように思えます。
読者は、ソープオペラ(昼メロ)好きな人なので、そういう人が使いそうな(一昔前の?)言葉みたいなことでしょうか。

それを聞いたチャンドラーの反応は、「今、レイチェルが言った、gal pal っていうのは、LOSER っていう綴りで書くのかな?」ということですね。
「A の単語のスペルは B?」と尋ねるのは、「A は B って意味?」と言っているのと同じことなので、「そのギャルパルっていうのは、負け犬のこと?」とチャンドラーは返していることになります。
友人に雑誌に載るように薦めて、そこで自分が「女友達のレイチェル」のように名前を出してもらおうとしていること、つまり「ジョーイのためになるように言っておいて、実は自分の名前を出して欲しいだけ、という本音がミエミエ」なことを、負け犬っぽい行動だと言っていることになるのでしょう。

チャチャを入れてきたチャンドラーのことを、「彼の言うことなんて聞かないで。お願いだからインタビューを受けてよ」とレイチェルが頼むので、結局、ジョーイはこの後、インタビューを受けることになります。

今回のお話は、この後、実際にインタビューされているジョーイのシーンの間に、「インタビューで質問されて、昔の自分を思い出す」という、過去エピソードの回想シーンが挿入されるパターンのエピソードになっています。
ブログの記事は、回想シーン以外の「新作」部分を解説することになりますが、実際にこのエピソードをご覧になっている方は、回想シーンも思い出して懐かしんでいただけると嬉しいなと思います。
回想シーンで表わされるような「過去の言動」の積み重ねで、今のジョーイというキャラクターが出来上がっているわけですよね。
今回取り上げたシーンも、「その雑誌のインタビューで、昔マズいことを言って、役を降ろされた」ことがネタとして使われていますが、そういう過去の経緯もひっくるめて楽しめるのが、複数のシーズンを重ねたドラマの楽しみとも言えるでしょうね。


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posted by Rach at 15:18| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月22日

それにノーというのは難しかったでしょうね フレンズ8-18その6

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[Scene: Ross and Rachel's, they're returning from the party.]
ロスとレイチェルの家。二人はパーティーから帰ってきたところ。
(二人は結婚している、とパーティー会場で嘘をついていたロスとレイチェルは、そこで話したありもしない結婚式のホラ話の続きをしています)
ロス: ...and then, we could've gone from the ceremony to the reception with you in the sidecar! (…その後、結婚式から披露宴へ、君をサイドカーに乗せて行った、というのもありえたね。)
レイチェル: Ross, it just wouldn't have been feasible. (ロス、それは、もっともらしくなかっただろうけど。)
ロス: But having a dove place the ring on your finger would've been no problem. (でも、ハトに、君の指に指輪をはめさせたってこと[はめさせたって話]だったら、何の問題もなかったんだろうにね。)
レイチェル: It was really fun being married to you tonight. (今夜、あなたと結婚していたことは本当に楽しかったわ。)
ロス: Yeah! And! And, it was the easiest 400 bucks I've ever made. (そうだね! それに! それに僕がこれまで稼いだうち、一番楽に稼げた 400ドルだったよ。)
レイチェル: Okay, Ross, can I uh, can I ask you something? (そうね、ロス。あなたに質問していい?)
ロス: Yeah. (うん。)
レイチェル: That proposal at the planetarium? (プラネタリウムでのあのプロポーズ(のこと)。)
ロス: I know, I know. It was stupid. (わかってる、わかってるよ。バカげてたよね。)
レイチェル: Are you kidding?! With the, with the lilies, and-and the song, and the stars? It was... really wonderful! Did you just make that up? (冗談でしょ? あのユリの花と、あの歌と、あの星(で書かれた言葉)よ。ほんとに素晴らしかったわ! ただ(即興で)話を作ったの?)
ロス: No, actually I thought about it when, when we were going out. That's how I imagined I uh, I would ask you to marry me. (いや、実はそれを考えてたんだよ、僕らがデートしていた頃に。あんな風に、僕は君に結婚を申し込もうと思っていたんだ。)
レイチェル: Wow. Well, that would've been very hard to say no to. (わぉ。あのプロポーズなら、それにノーと言うのはすごく難しかったでしょうね。)
ロス: It's a good thing I didn't do it, because it sounds like it would've been a very expensive wedding. (Rachel laughs) Okay, good night. (そうしなくて(そんなプロポーズしなくて)良かったよ。だってものすごくお金のかかる結婚式になっただろうって思えるからね。[レイチェルは笑う] それじゃあ、おやすみ。)
レイチェル: Good night. (おやすみ。)
(They go off to their bedrooms)
二人はそれぞれの寝室に向かう。
ロス: Even if the sidecar had a, had a windscreen so your hair wouldn't get messed up? (あのサイドカーにフロントガラス(風よけガラス)がついていて、君の髪の毛がぐしゃぐしゃにならなかったとしても?)
レイチェル: I will think about it. (考えとく。)
ロス: That's all I'm askin'. (それで十分だ。)

パーティーの会場で、他人の手前、「結婚している」と嘘をつくことになったロスとレイチェルでしたが、その時にでっちあげた様々なホラ話が面白かったようで、同じ家に戻ってきてからも、その話の続きをしています。
このシーンでは、「would/could have+過去分詞」の形が何回も登場しているのに注目したいところ。
would have+過去分詞なら「〜した・〜だっただろうに」
could have+過去分詞なら「〜できただろうに」「〜した可能性もあっただろうに」
という感覚になります。
「過去の時点でもしそうだったのなら、〜だっただろうに」というニュアンスですね。

最初の、we could've gone from the ceremony to the reception with you in the sidecar! について。
「結婚式(ceremony)から披露宴(reception)へ、君をサイドカーに乗せて(君がサイドカーに乗った状態で)行く」という話をしています。(サイドカーと聞くと、いまだに「キカイダー」のイメージしか浮かばないのですがw)

we could have gone というのは、「行くということもできただろうに」(可能)か「行ったということもありうる」(可能性)かのどちらかになるでしょうが、この場合は可能性を述べているような気がします。
「君をサイドカーに乗せて移動した」っていうのも、話としてはアリだったね、という感じだろうと思います。
ロスとレイチェルがでっちあげた偽の結婚式の話の中で、「式場から披露宴会場まで、レイチェルをサイドカーに乗せて行った、とかいうのもアリだったよね。そんな風に言っても良かったよね」みたいなことになるでしょう。

それに対して、レイチェルも、wouldn't have+過去分詞の形で返事をしています。
feasible は「ありそうな、もっともらしい」なので、「そのロスのサイドカーの話は、もっともらしくなかっただろう」と言っていることになりますね。
この場合は、「もしロスがそういうことをみんなの前で言っていたら、それはもっともらしく聞こえなかっただろう」と言っていることになるでしょう。

もっともらしくない、人に信じてもらえない、みたいにレイチェルが言ったので、ロスは、レイチェルの発言を比較として持ち出しています。
But having a dove place the ring on your finger would've been no problem. の、would've been no problem は、「主語は、問題なしだったんだろうのにね」という感覚だろうと思います。

主語は「(一羽の)ハトが指輪を君の指に place するようにさせること」という使役の意味ですね。
この place は名詞では「場所、所」で、動詞の一般的な意味は「(ものを)(…に)置く」になります。
ですから、「置く」と訳すと、「レイチェルの指の上に指輪を置く」になりそうなのですが、結婚式の指輪の話だと、place the ring on someone's finger は「人の指に指輪をはめる」という意味で使われていると考えるのが妥当な気がします。

フレンズでは過去に何度か結婚式のエピソードがありましたが、過去記事、与えられた権限によって宣言する フレンズ7-24その6 では、チャンドラーとモニカの指輪交換のシーンで、以下のト書きがありました。

(Chandler and Monica both turn, take the rings from Ross and Rachel respectively, and place them on each other's fingers.)
チャンドラーとモニカは向きを変え、それぞれ、ロスとレイチェルから指輪を受け取る。そしてお互いの指にはめる。

その記事で、指輪交換シーンの比較として、フレンズ5-1 のセリフも紹介しているのですが、それは以下のようになっていました。

司祭(Minister): Do you have the rings? (He is given the rings) Emily, place this ring on Ross' finger as a symbol of your bond everlasting. (She jams the ring onto his finger) Ross, place this ring in Emily's hand as a symbol of the love that encircles you forever. (指輪はありますか? [司祭は指輪を渡される] エミリー、あなたたちの絆が永遠に続く象徴として、この指輪をロスの指にはめなさい。[エミリーはロスの指に指輪を押し込む] ロス、あなたの周りを永遠に回る愛の象徴として、この指輪をエミリーの手にはめなさい。)

これは司祭が「相手の指に指輪をはめなさい」と言っているセリフで、
エミリーには、place this ring on Ross' finger
ロスには、place this ring in Emily's hand
という表現を使っていますね。
「ロスの指に」「エミリーの手に」という違いはありますが、どちらも動詞は place が使われていることがよくわかります。

フレンズ5-1 でも、フレンズ7-24 でも、place the ring on someone's finger の形が使われていることからも、「結婚式で相手の指に指輪をはめる」というお決まりフレーズの動詞は、place が使われると言ってよいでしょう。

ですから今回も、「ハトがレイチェルの指の”上に”指輪を”置く”」と言っているのではなくて、「ハトがレイチェルの指に(接触の on)指輪をはめる」という意味で言っていると考えるのが自然だと思いました。
ハトがパタパタ飛んできて、手の上に指輪を置く、とかだけでもかなり無理がある話なのに、あろうことか、ハトがそのくちばしを使って(?)、ロスの代わりにレイチェルに指輪をはめさせる、みたいな話を言っているという面白さだろうと思うわけです。

「サイドカーの話は非現実的で無理があるわよ」と言ったレイチェルに対して、レイチェルがロスに「こんなのはどう?」と披露した案である「ハトが指輪をはめてくれる」という話だったら、何の問題もなかっただろうにね、とロスが皮肉っぽく言っているセリフだということですね。
皮肉っぽく、というのはつまり、「何の問題もなかっただろうにねぇ、、」→「そっちの方がよほど変だと思われるんじゃない?」というニュアンスで言ったんだろう、ということです。

would have been no problem のように would have+過去分詞を使っていることから、その発言は、みんなの前で実際に話されたものではない、という気がします。
恐らく、家に帰ってくるまでの間に、「ハトが指輪をはめてくれる」みたいな案をレイチェルがロスに話していたことがあって、そんな話をしていた君が、それよりはずっとありうる話のサイドカーの話を非現実的だとか言うつもり?みたいなことだろうと思います。

その後、レイチェルは、It was really fun being married to you tonight. と言っています。
直訳すると、「今夜、あなたと結婚していたことは本当に楽しかった」。
前後の話の流れもなく、この一文だけ聞いていると、「今夜、あなたと結婚していた」という表現に、「は?」となってしまうところですが、今夜のパーティーの時だけ、「二人は結婚している」というふりをしていたというドラマの状況がわかっていると、微笑ましいと思ってしまえるセリフですね。
今夜のパーティーの間だけ、私たちは結婚しているってことになっていた、その時間がとっても楽しかったわ、と言っていることになります。

それに賛同したロスは、同時にお金の話もしています。
it was the easiest 400 bucks I've ever made. を直訳すると、「僕が今までに作った(稼いだ)最も簡単な 400ドルだった」ということになります。
結婚したということで、多くの親戚にお祝い金をもらえたことをそう表現しているのですね。
「結婚しました」ということにしただけで、何の苦労もなく、400ドルも稼げちゃったよ、ということです。

その後、レイチェルは、プラネタリウムでのプロポーズのことを質問しています。
そのことを問われて即座にロスは、「わかってるよ。ばかげてたよね」と言うのですが、レイチェルは本心から、「あの(部屋いっぱいの)ユリに、あのフレッド・アステアの歌に、あの星で書かれたプロポーズの言葉。本当に素晴らしかったわ」と言っています。
そして、「あれは、ただ(その場で)即興で作ったの?」のように尋ねていますね。
make up は、一般的に「作り上げる」という意味ですが、「作り話をする、話をでっちあげる」という意味としても使われます。
今回は「でっちあげる」というような悪い意味ではなくて、「実際にあったわけでもないプロポーズの話を、あの場で即興で作り上げたの? あの場で瞬時に作り話をしたの?」と尋ねる感覚になるでしょう。

ロスは正直に、「実は、そのこと(プロポーズ)について、前に考えていたんだよね、僕たちがデートしていた時・付き合っていた時に」と言っています。
そして、「あんな風に君に結婚してほしいと申し込もう、って僕は想像してたんだよ」とも言っています。
それを聞いたレイチェルは、that would've been very hard to say no to. と言います。
ここでもまた、would've been という、would have+過去分詞が出てきましたが、これは、「もしあなたが想像してくれていた通りに実際にプロポーズされていたら、そのプロポーズに対してノーと言うことはとても難しかったでしょうね」と言っていることになります。
「(それ)に対してノーと言う」(say no to (that))ということなので、文の最後に to が残っているのにも注目したいところ。
レイチェルは、そう言ってロスを見つめ、少し微笑んでいます。

そう言われたロスは冗談ぽく、「僕がそれをしなかった[そんなプロポーズをしなかった]ことは良いことだ」と言って、「だって、(もし実行されていたら)ものすごく高価な結婚式になっていただろうって思えるから」と言います。
sounds like は「聞いた感じからそう思う」という感想を述べる時に使うフレーズで、今回の結婚式の話は全部、「口で語られた話」であったことから、言葉で語られた結婚式の内容を考えると、随分と高価な結婚式になりそうだって思えるから、と言っていることになるでしょう。

何だかお互い、いい雰囲気になった状態で、ロスはレイチェルのお腹に手を当てて、おやすみ、と言い、レイチェルもおやすみ、と言ってそれぞれの寝室に向かいます。
部屋に入る前に、ふと思い出したようにロスは、windscreen の話をしていますね。
windscreen は一般的には「車のフロントガラス」のこと。辞書を見ると、windscreen はイギリス英語で、アメリカ英語では、windshield というようです。
ここではサイドカーの話をしているので、「フロント」ガラスというよりは、「風よけ」ガラスという感覚で使っていることになるでしょう。

Even if... は「たとえ…だとしても」なので、「君が乗るのを拒んで(笑)いるそのサイドカーに、もし風よけガラスがついていて、君の髪の毛が風で乱れなかったとしても、それでもやっぱり君は乗りたくない、って言うのかな?」とロスは言っていることになりますね。

I will think about it. /I'll think about it. は「考えておきます。考えておきましょう」という決まり文句。
文字通りに「それについて考えておくわ。これから考えてみるわ」というニュアンスにもなりますし、日本語の「考えておきます」に近いような「とりあえず、考えます、と言っておくけれど、事実上はやんわりした断り」のニュアンスにもなります。
今回の場合は、「まあ考えておくわ」のように、「ここで即答ではっきりノーとは言わないでおくわ」というニュアンスが近いように思います。

それに対するロスの返事、That's all I'm asking. について。
この ask は「求める、頼む、請う」のニュアンスでしょうね。
LAAD では、demand/expect の意味に、All I ask is というフレーズが載っていました。
ask : DEMAND/EXPECT if you ask something of someone, you expect them to do it
例) All I ask is (= the only thing I expect from you is) that you get here on time.

つまり、「要求する・期待する。誰かに何かを ask するというのは、その人にそれをするように期待すること」。例文は、「私が求めることのすべては(=私が君に期待する唯一のことは)君が時間通りにここに着くこと(だけ)だ」。

ここでは、「考えておきましょう」みたいに言ったレイチェルの返事のことを、that と表現しているので、「それが僕が君に期待していることの全てだ」と言っている感覚になるでしょう。
「話にならないと拒んでいたサイドカーの件を、考えときましょ、と言ってくれただけで、僕には十分だよ。その返事で僕は満足だ」と言っている感じになるように思います。

「あんなプロポーズされたら断れなかったわね」みたいに、いいムードになりかけていた二人ですが、最後のこのシーンは、いつもの「友達のロスとレイチェル」に戻っている感じがあります。
二人の口調も、この最後の部分だけは、あまり気持ちが入った感じではなく、「考えとく」「それで十分」とぶっきらぼうに訳す感じのイメージで、あぁ、やっぱりいつもの二人に戻ってる、、と安心させて笑わせて終わる、というエンディングが「フレンズ」らしくていいなぁ、と思いました。


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posted by Rach at 16:14| Comment(0) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年08月20日

こんな風に言っていた人もいた フレンズ8-18その5

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ロスのママに、「結婚せずに子供を持つことに抵抗がある人もいるから、二人は結婚したと言っといたわ」と言われたロスとレイチェルは、そのパーティー会場では「二人は結婚している」ということで他の人と話を合わせています。
最初は嘘をつくことに抵抗があった二人ですが、お祝い金をもらったり、素敵ねと褒められたりしているうちに、結婚式にまつわるありもしないホラ話をするようになります。
ロスとレイチェルの二人に画面がカットすると、レイチェルのまわりには人だかりができていて、レイチェルのホラ話がますますヒートアップしていることが一目瞭然な状態になっています。
レイチェル: And my veil was lace, made by blind Belgian nuns. (そして私のベールはレースだったんです。目の不自由なベルギー人の修道女たちが作ったんですよ。)
女性: Blind? (目の不自由な?)
レイチェル: Well, not at first, but it was very intricate work and they said even though they lost their sight, it was all worth it. (えぇ、最初は、目が不自由ではなかったんです。でもすごく複雑で細かい仕事で、例え視力を失うことになっても、その価値があるって、彼女たちは言っていましたわ。)
リサおばさん(Aunt Lisa): I bet you looked beautiful. (あなたはきれいだったでしょうね。)
レイチェル: Oh, well, I don't know about that. But there were some people that said I looked like a floating angel. (えぇ、まぁ、それについては何とも言えないですね。でも、私のことを、天使が浮かんでいるようだって言った人もいましたわ。)
女性: (To Ross) How did you propose? ([ロスに] あなたはどうやって(彼女に)プロポーズしたの?)
レイチェル: Oh, yeah, that's a great story. (えぇ、それは素敵な話なんです。)
ロス: Well, um, actually, I-I took her to the planetarium. That's-that's where we had our first date. Um, she walked in and I had the room filled with lilies, her favorite flower. (えーっと、実は、僕はレイチェルをプラネタリウムに連れて行ったんです。そこは僕たちが最初のデートをした場所で。彼女がそこに入って来ると、僕はその部屋をユリでいっぱいにしておいたんです、彼女のお気に入りの花なんですよ。)
リサおばさん: Oh, that is so sweet! (まぁ、それってすっごく素敵!)
レイチェル: Shhh! I want to hear the rest! (シーッ! 私は残りの(続きの)話を聞きたいの!)
ロス: Then Fred Astaire singing, "The Way You Look Tonight" came on the sound system, and the lights came down. And I got down on one knee and written across the dome in the stars, were the words: "Will you marry me?" (それから、「今宵の君は」を歌うフレッド・アステア(の声)がサウンドシステムから流れてきて、ライトが落ちるんです。それから僕が片膝をつくと、ドームいっぱいに、星でこの文字が書かれてるんです。「僕と結婚してくれる?」)
(Various oohs and ahhs)
さまざまな、おぉ、あぁ、という声(ため息)が起こる。
レイチェル: And the ring was the size of my fist! (makes a fist) (そして指輪は私のこぶしのサイズだったんですよ! [手でこぶしを作る])

レイチェルは(ありもしなかった)結婚式のベール自慢をしています。
nun は「尼僧、修道女」ということですね。
盲目の修道女たちが作った、と言うので、聞いている人は「盲目の人が作ったの?」と驚き聞き返すのですが、レイチェルは、「最初は盲目ではなかったけれど、とても複雑で入り組んだ(intricate)仕事だったから」と説明しています。
その後の文章、they said even though they lost their sight, it was all worth it. について。
they/their は nuns (そのベールを作った修道女たち)を指します。
worth it は「それだけの価値がある」。
彼女たちが言った内容を引用符でくくって表現すると、
they said, "Even though we lost our sight, it was all worth it."
になるでしょう。
「たとえ私たちが視力を失ったとしても、(ベールを作る・編むことは)それだけの価値が十分ある」と修道女たちは言った。
ということですね。
何人もの修道女がそれで目を悪くしてしまうほどの、とても細かく複雑な模様でできた、非常に手の込んだ素晴らしいベールだった、と言っていることになります。

「レイチェル、あなたはきっと美しかったでしょうね」とおばさんに言われたレイチェルは、まずは、I don't know about that. 「それについては私にはわかりませんわ。どうでしょうか?」みたいに自分ではイエスと言うのを避けています。
ですがその後に、But there were some people that said 「でも、〜だと言った人もいましたわ」と付け加えるのが、レイチェルらしいですね。
その言った内容が、I looked like a floating angel. 「私(レイチェル)は、浮かんでいる天使のように見えた」。
日本語的には「天使が浮かんでいるように見えた」の方が、表現としては美しいでしょうか。
いずれにしても、「結婚式のレイチェルはまるで天使がフワフワと浮いているようだった」と言ってくれた人もいましたわ、と自分で言っているわけですね。
先に「きれいだったかどうかは私にはわかりませんわ」みたいに言っておいて、「人には天使みたいだと言われましたけれど」などと付け加えているところに、「きれいだと褒められたい女心」が見えていて面白い、しかもこの場合は、実際に人にそう言われたわけでもないところを、自分で「天使のようだった」と表現しているのもポイントだということですね。
「自分ではよくわかりませんが、私のことをこんな風に言ってくれる人もいました」という表現は、自分の長所をアピールするのが苦手な日本人には、利用価値が高い表現かなと思います^^

女性がロスに「どうやって・どのようにして、ロスはレイチェルにプロポーズしたの?」と質問します。
ロスが説明する前にレイチェルが、「それはもう素敵な話なんですよ」みたいに言うので、ロスには変なプレッシャーがかかってしまいそうなところですが、意外にもロスは、言葉に詰まることなく、その「実際にはなかった」プロポーズの話をリアルに説明しているのも面白いです。

ロスは、「実は僕は、彼女をプラネタリウムに連れて行ったんです。そこは僕たちが最初のデートをした場所だったんです」と説明しています。
そのプラネタリウムのデートは、フレンズ2-15(その18) に出てきましたね。

ここで、フレンズトリビア的な話をすると、今回のセリフで、ロスはそのプラネタリウムのデートを「二人の初デート」だと言っていますが、プラネタリウムのデートは実は2回目のデートで、本当の1回目のデートは、フレンズ2-15(その11) に出てきた、「字幕付きの外国映画を見に行ったけれど、レイチェルは眼鏡をかけたくなくて、字幕が読めず、内容がわからなかった」というものです。
その後、レイチェルの部屋で良いムードになるものの、レイチェルが笑ってしまって、先に進めなかった、、というのが、本当のファーストデートでした。

とはいえ、二人が初めて結ばれたのが、その2回目のプラネタリウムだったのは間違いないので、今回ロスが「プラネタリウム」のことを言ったのは、フレンズファンにとって嬉しいことだったと言えるでしょう。

I had the room filled with lilies は、「その部屋(プラネタリウムの部屋)をユリで満たされた状態にした」という感覚ですね。
ユリ(lily, lilies)がレイチェルのお気に入りの花である、という話は、彼に手を出さないようにするのが大変だろ? フレンズ8-12その2 にも出てきましたね。
ジョーイがレイチェルをデートに誘いに来た時に、持ってきた花がユリでした。

ユリでいっぱいのプラネタリウム、、というロマンチックな話に、聞いていたおばさんは「それってすっごく素敵ね!」と感動したように言っているのですが、この話の続きが聞きたいレイチェルは、年上のおばさんに向かって、シーッ!と言い、言われたおばさんはムッとした顔をしています。

ロスはその後も話を続けています。
Then Fred Astaire singing, "The Way You Look Tonight" came on the sound system を直訳すると、「それから、”今宵の君は”を歌うフレッド・アステアがサウンド(音響)システムに出てきて」みたいな感じですね。
もっと日本語っぽく言うと、「”今宵の君は”を歌うフレッド・アステアの歌声が、スピーカーから流れてきて」ということになるでしょう。

"The Way You Look Tonight" という歌は、今宵の君は、を入れたテープ フレンズ6-17その4 にも出てきたことがあります。
チャンドラーがモニカにあげたプレゼントのカセットテープに入っていた曲ですが、実はそれは昔、ジャニスがチャンドラーに贈ったテープだった、ということが、ジャニスのメッセージが入っていたことでバレてしまう、、というものでしたね。
その曲に関して、その記事より1つ前の記事、望むものを何でも、こっちとあっちで フレンズ6-17その3 のコメント欄 で、
「この曲は映画「有頂天時代」のために書かれた曲なんですが,フレッド・アステアとジンジャー・ロジャースがこの曲に乗って踊るシーンは,ミュージカル映画の中でも一,二を争うロマンチックなダンスナンバーなんです.」
という情報を教えていただいたことがありました。
過去のフレンズでもそのように「ロマンチックな曲」として使われたものが、今回もプロポーズの時に流す曲として使われたということになりますね。

アステアのロマンチックな曲が流れる中、ライトが落ちて、僕は片膝をついて、、とロスは説明を続けています。
片膝をついて、Will you marry me? と言うのは、プロポーズの定番ですね。
ロスの場合は、そのセリフを「自分の口で言った」のではなく、「文字として書かれた」のがポイントだと言えるでしょう。
その「書かれた」ことが説明されたセリフ、written across the dome in the stars, were the words: "Will you marry me?" が、長めの文章になっているので、構造の説明をさせて下さい。
これは、通常のSVの文章にすると、
The words: "Will you marry me?" were written across the dome in the stars.
になるでしょう。
それを、このセリフの最大のポイントとなる "Will you marry me?" を最後に持ってきた倒置の形が、ロスのセリフになるわけですね。

ロスのセリフを聞いたままにイメージすると、
written across the dome in the stars 「書かれていた、ドームを横切って(ドームいっぱいに)、星々で」
were the words: "Will you marry me?" 「(書かれていたのは)”僕と結婚してくれる?”という言葉だった」
になるでしょう。

途中に、across the dome という言葉が挿入されていますが、written in the stars の in は、「筆記体で書く」(write in cursive letters)のように、「〜で書く」のニュアンスだと思われます。
「星々の中に書かれていた」のではなく、「星々で(文字が)書かれていた」ということだと思うのですね。

ですから、その文全体のイメージは、
「僕は片膝をつきました。そして、ドームいっぱいに、星で書かれていたその言葉は「僕と結婚してくれる?」だったんです」
ということになり、「そこに書かれていた言葉は〜だった」と表現する倒置になっていたということです。

ト書きの Various oohs and ahhs という表現が、なかなか面白いですね。
聞いている人たちが口々に、Ooh, Ahh と言っている感じで、どよめきのようなため息があちこちから聞こえてくる様子がよく出ていると思います。

シーンのオチとして、「指輪の宝石の大きさ」のことを言っているのも面白いですね。
レイチェルの説明は文字通りの、「指輪(の宝石)は、こぶし大の大きさだった」ということで、それはいくらなんでも大げさだろ!と言いたいところですが、ロスのロマンチックなプロポーズの話に感動しつつも、「私の話も聞いてよ」的に、「金銭的な自慢話」を盛り込んで、レイチェルの見栄っ張りな部分も見せているのが、フレンズっぽくて楽しいなと思いました。


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posted by Rach at 15:23| Comment(2) | フレンズ シーズン8 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする