2007年10月31日

それが原因で彼は死ぬ フレンズ3-8その5

とにかく歯医者に行きなさい、と言われて、
フィービー: All right, fine, fine, but if you're my next victim, don't come back as a poltergeist and like sucks me into the TV set. (わかったわ、そうね、そうね。でももしレイチェルが私の次の犠牲者になっても、ポルターガイストとして戻って来て、私をテレビの中に吸い込んだりしないでね。)
レイチェル: I promise. (約束するわ。)
フィービー: Although, don't feel like you can't visit. (でも、訪れることができない、とは思わないでね。)

ポルターガイスト、というのは「音を立てる幽霊」のこと。
ei をアイと発音することからもわかるように、これはドイツ語から来た言葉です。
意味は、ドイツ語でまさに「音を立てる幽霊」という意味だそうです。
つまり、ドイツ語の Geist は英語の ghost ということです。(見た目も似ていますね。)

ロングマン現代英英辞典では、
poltergeist: a ghost that makes objects move around and causes strange noises
つまり、「物体をあちこち動かしたり、奇妙な音を立てたりする幽霊」。

1982年の映画で、Poltergeist というのもありました。
邦題も「ポルターガイスト」だったので、上のフィービーのジョークは、日本人にもわかりやすいですね。

Wikipedia 英語版: Poltergeist (film)
上のウィキペディアには、映画のポスターの画像が載っていますが、テレビの前に女の子が座っていますよね。
Wikipedia 日本語版: ポルターガイスト (映画) にあらすじが書いてありますが、フィービーが言っているように「TVの中に引き込まれてしまった」という記載があります。

日本語でも「私を恨んで仕返しに来ないでよ。」とか、「私に取り付いたりしないでよ。」とか言ったりしそうです。
ポルターガイストになってテレビに…というのは、誰もが言いそうなことですが、その後に、「幽霊になって私を訪れるのは構わないのよ。」みたいなことを言っているところが、霊感の強いフィービーらしいわけですね。


ジョーイ: (entering with Monica) Hey, is, is, is Chandler here? ([モニカと一緒に入ってくる] ねぇ、チャンドラーはここにいる?)
ロス: (patting his clothes like he is looking for his wallet) No, no he's not.
([自分の財布を探しているように服をポンポンと叩いて] いいや、彼はいないよ。)
モニカ: You guys, Joey just saw Janice kissing her ex-husband. (ねぇみんな、ジョーイが見たのよ、ジャニスが元夫とキスしてるところを。)
ロス: What? (to Joey) So what are you gonna do? I mean, how, how are you gonna tell Chandler? (何だって? [ジョーイに] それで君らはどうするつもりなんだ? つまり、どうやってチャンドラーに(それを)言うつもりなんだ?)
ジョーイ: Well, I was thinking about that and I, I think the best way would be, to not. (そうだな、それについて考えていたんだけど、最善の方法は、「言わない」ことだと思うよ。)
レイチェル: Joey, you can't keep this to yourself, if you know about this, you have to tell him. (ジョーイ、こんなことを心にしまっておく[誰にも言わないでおく]なんてことはできないわ。もしそれを知っているのなら、彼に言わないといけないわ。)
ジョーイ: It'll kill him. I mean, it'll, it'll just kill him. (そんなことしたら、彼は死んじゃうよ。ただ、彼を殺すことになっちゃうよ。)
フィービー: Well, you could wait till I go to the dentist, maybe I'll kill him. (そうね、私が歯医者に行くまで待つこともできるわね、多分、私が彼を殺すことになるから。)

チャンドラーはいる?と聞かれて、財布を探すように服をポンポンと叩いてみるロス。
チャンドラーがいるかいないか、なんて、見回せばすぐにわかることなのに、わざわざ質問して尋ねているので、ロスの方もあり得ない場所をわざと探してみたのでしょう。
「探してみたけど、やっぱりいないよ。」みたいな感じでしょうか。
こんな風に服をポンポンしたり、ポケットやカバンを探してみたりするようなジョークなら、日本人にも使えそうですね。
もちろん、相手が急いでいる、深刻そうである場合にはあまり使わない方がいいでしょうが。

keep something to yourself は、ロングマン現代英英辞典では、
keep something to yourself: to not tell anyone about something
例) I'd appreciate it if you kept it to yourself.

つまり、「あることについて誰にも言わないこと」、例文は、「あなたがそれを誰にも言わないでいてくれたら、ありがたい。」
「自分の中だけに留めておく」「心にしまっておく」という感じですね。

it は「ジャニスが元夫とキスしていたという事実」、あるいは、「その事実をチャンドラーに言うこと」でしょうか。
もしくは、「言えって言うけど、そんなことしたら、kill him することになる」という「状況」を it で表しているのかもしれません。
「殺す」とは物騒な表現ですが、フレンズ2-20その9 では、kill oneself 「自殺する」という表現が出てきました。
そこでも説明しましたが、kill は「殺す」というよりは「…を死なせる」という感じなんですね。
フレンズ2-6その1 では、
ロス: That's what's gonna kill me. I'm allergic to kiwi. (それを食べたら僕は死んじゃうよ。僕はキウイアレルギーなんだ。)
というセリフもありました。
直訳すると、「キウイ(入りのパイ)は僕を殺すことになるものなんだ」ということですが、日本語では「殺す」よりも「食べると死ぬ」の方が自然ですよね。
今さらながら、ロングマン現代英英辞典で語義を見てみると、
kill: MAKE SOMEBODY/SOMETHING DIE
to make a person or animal die

つまり、「人や動物を死なせること」。
主語は「殺人などの行為者」ではなくて「原因」なんですね。

今、チャンドラーとラブラブであるはずの恋人のジャニスが元夫とキスしていた、なんて、そんなこと聞いたら、チャンドラーは死ぬほど落ち込んじゃうよ、という感じだろうと思います。
世を儚(はかな)んで自殺する、とまでは言っていないと思うのですが、むちゃくちゃショックに思うだろう、ものすごい衝撃を与えてしまうだろう、という感じでしょうね。
そんなこと俺は言えない、というジョーイに、もう少し待ってれば、私の歯医者のジンクス(jinx)、つまり「私が歯医者に行くと人が死ぬ」という法則(?)に則って、彼が死ぬことになるから、そうしたらあなたに責任がなくなる、もしくは軽くなるわよ、と言っています。
ちなみに、「ジンクス」と書きましたが、日本語では幸運についても使いますが、英語の jinx は、bad luck 「縁起の悪いこと」だけに使われるそうです。


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2007年10月30日

全てを持っているくせにまだ欲しい? フレンズ3-8その4

[Scene: Central Perk, Ross, Rachel, and Phoebe are there.]
セントラルパーク。ロス、レイチェル、フィービーがそこにいる。
ロス: Thanks, Gunther. (takes the plate Gunther serves him and Rachel comes up and kisses him) (to Rachel) Hey! (to Gunther) Umm, can I get a napkin too? (ありがとう、ガンター。[ガンターが渡したお盆を受け取る。レイチェルが近づいてきてロスにキスをする] [レイチェルに] やあ! [ガンターに] うーんと、ナプキンももらえる?)
ガンター: Oh, like you don't already have everything. (あぁ、まるで君は全てのものを持っていないかのように言うんだな。)

最後のガンターのセリフですが、これはロスに対して怒っているセリフですね。
まず、already のニュアンスが何とも訳しにくいのですが、you already have everything を don't で否定している感じでしょうか?
「”もう既に全てのものを持っている”ってことはない」というニュアンスになるかなぁ、と。

そして、誰かのセリフを受けて、このように「Like+文」と返す場合、「like+文は、文を否定しているニュアンスになる」と私は考えています。
フレンズ1-7その1 でも、そういう like について解説しています。
一番わかりやすい例で言うと、Like you didn't know! 「知らないふりをして!」→「本当は知ってるくせに。」みたいなものですね。

つまり、上のセリフだと、「全てのものを持っていないように言うけど、本当は持ってるくせに。」「全てのものを持っているのに、持っていないように言うんだな。」みたいな感じになるでしょうか。

どうしてそういう否定的なニュアンスになるかを私なりに説明してみたいと思います。
like の基本的な意味は「まるで…のように」。
ロングマン現代英英辞典では、
like [conjunction (接続詞)]:
(informal) as if.
Some people think that this use is not correct English

つまり、as if 「まるで…であるかのように」と同じ意味、ということなのですが、これは正しい用法ではないとするネイティブも多いようです。

フレンズのセリフでよく出てくる、It's like... は「それはまるで…だ、…という感じだ」という意味で、その前に言及していた事柄を例えで言い換えるとこんな感じになる、と言う時に使いますね。
フレンズ1-18その5 では、
サックス・フィフス・アベニューというNY五番街のデパートからレイチェルに面接通知が来て、
レイチェル: Saks Fifth Avenue! (サックス・フィフス・アベニューよ。)
フィービー: It's like the mother ship is calling you home. (マザーシップがあなたを迎えに来た、って感じね。)
というやり取りがありました。

今回のような、誰かのセリフを受けての like... は「今の君の言い方(セリフ)は、まるで…ってことみたいだ。」という意味になって、それを肯定的に受け止める場合はただの例え・言い換えになるのですが、それを挑むように、あきれたように、不満そうに言うと、「まるで君は…と言いたいみたいだね。でも僕は違うと思う。」という否定的なニュアンスが入るように思います。
だから、「君はもう既に全てのものを持っているのに、そうじゃないとでも言うのか?」「全てのものを持ってないみたいに言っちゃってさ。」とその相手の発言にケチをつけるようなニュアンスが出るのだと思います。

フレンズ3-7その1 で、
ガンター: What does Rachel see in this guy? I love Rachel. I wish she was my wife. (レイチェルはこの男(ロス)のどこがいいんだろう? レイチェルを愛してる。レイチェルが僕の妻ならいいのに。)
と心の中で呟くシーンがあったように、ガンターはレイチェルが好きなんですね。
だから、自分の目の前でキスしたりいちゃつかれたりして怒っているわけです。
ガンターにしてみれば、レイチェルを恋人にしているロスは、have everything 「全てのものを持っている」という感じなのに、ナプキンくれる?とナプキンを欲しがるので、「これだけ満ち足りているのに、まだ欲しいものがあるのか。まだこれ以上何か必要なものがあるのか?」という意味で、怒ったようにこのセリフを言っているのでしょう。
言われた方のロスは、ガンターの気持ちを知らないので、「何怒ってるんだろう?」みたいな顔をしていますね。


フィービー: (trying to bite into an apple) Ow! Ow! (drops the apple in disgust.) ([リンゴにかじりつこうとして] あぁ! あぁ! [不快そうにリンゴを落とす。])
レイチェル: Phoebe, you're in pain, would you just go to the dentist? Just go. (フィービー、あなたはそんなに痛がっているんだから、まずは歯医者さんに行ったらどう? とにかく行くのよ。)

bite into は「…にかぶりつく、…に食い込む」。
ただ bite 「噛む」んじゃなくて、その対象物に into 「入り込む」感じですね。
人や動物だけではなくて、ものが「食い込む」場合にも使います。(その部分は日本語と同じですね。)
ロングマン現代英英辞典では、
bite [verb]: PRESS HARD
[intransitive] if an object bites into a surface, it presses firmly into it and does not move or slip
bite into
例1) The hooves of the galloping horses had bitten deep into the soft earth.
例2) He wore boots that bit into the ice.

つまり、「bite は、強く押すこと。物体が表面に bite into するというのは、その物体が表面を堅く圧迫し、動いたり滑ったりしない、こと」。
例文1は、「ギャロップしている馬の蹄(ひづめ)は、柔らかい地面に食い込んだ。」
例文2は、「氷に食い込む[食い込んで滑らない]ブーツをはいた。」

今回のセリフは、リンゴを丸かじりしようとして、大きな口を開けてかぶりついた、けど、痛くて落としてしまった、ということですね。

Just go. について。
フレンズ3-2その23 で、
ロス: Just, just, just pick one, okay? (とにかくどちらかを選んでよ、わかった?)
というセリフが出てきた時に説明しましたが、この just は、「他の(くだらない、つまらない)ことは一切考えずに、「ただ」それだけをしたら」という感じです。
歯医者に行きたがらないのは、人が死ぬからだ、という理由は以前に聞いてるけど、そんなこと言ってる場合じゃないでしょ、そんな状態なら、とにかく何はさておき、歯医者には真っ先に行かなくちゃ、というニュアンスですね。


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2007年10月29日

歯の衛生・美しさが重要なアメリカ フレンズ3-8その3

「私が歯医者に行くと、誰かが死ぬのよ。」とフィービーが言うので、
レイチェル: Phoebe, what? Umm...what? (フィービー、(死ぬ、って)何? 何のこと?)
フィービー: Yeah, yeah, first it was my Aunt Mary, and then there was umm, John, my mailman, and then my, my cowboy friend, Albino Bob. (そうなの、そうなのよ。最初は、私のマリーおばさん。それからジョンっていう郵便配達屋さん。そして、それから、私のカウボーイの友達の、アルビノのボブ。)
レイチェル: And all these people actually died? (それで、この人たち全員が実際に死んだの?)
フィービー: Yes, while I was in the chair. That's why I take such good care of my teeth now, y'know, it's not about oral hygiene, I floss to save lives. (そうよ。私が(歯医者の)椅子に座っていた間にね。だから、私は今、歯をよく手入れしているのよ。私の歯の衛生のためじゃなくて、人の命を救うために、私はフロスを使っているのよ。)
ロス: Pheebs, come on, you didn't kill anybody, these people just happened to die when you went to the dentist. It's, it's, it's just ah, a coincidence. (フィービー、よしてよ。君は誰も殺してないよ。君が歯医者に行った時に、その人たちがたまたま死んだだけだ。それは、それはただの偶然の一致だよ。)
フィービー: Well, tell that to them. Oh, you can't! They're dead! (そうじゃあ、そのことを彼らに話して。あぁ、無理だわ! 彼らは死んでるんだった!)

albino は「アルビノ、先天的に皮膚などの色素が欠けている人・動物」。
Wikipedia 日本語版: アルビノ
上のウィキペディアに詳しく書いてありますが、白馬やホワイトタイガーなどは厳密にはアルビノではないようです。
英語の発音は、アルバイノゥ、と言う感じです。

フレンズ1-1 では、初めて自立するというのは大変なことだ、とフィービーがレイチェルに語るシーンがありましたが、そこに albino という言葉が出てきました。(過去記事で説明をとばしたので、以下で触れておきます。)

フィービー: You're welcome. I remember when I first came to this city. I was fourteen. My mom had just killed herself and my step-dad was back in prison, and I got here, and I didn't know anybody. And I ended up living with this albino guy who was, like, cleaning windows outside port authority, and then he killed himself, and then I found aromatherapy. So believe me, I know exactly how you feel. ([御礼を言われて]どういたしまして。私がこの街に初めて来た時のことを覚えてるわ。私は14歳だった。私のママが自殺した直後で、育ての父[継父・義父]は刑務所に逆戻り。そして私はここに来たのよ。だから誰も知り合いがいなかった。そして私はアルビノの彼と暮らすことになったの。その人は、港湾管理局の外の窓を(?)掃除していたわ(2017.8.25 訂正→ポート・オーソリティ・バスターミナルの外で、自動車の窓(フロントガラス)を拭いていたわ)。それから、彼は自殺した。それから私はアロマセラピーを見つけたのよ[アロマセラピーに出会ったのよ]。だから信じて。私はまさにあなたの気持ちがわかるのよ。)

「私の生い立ちはこんなのだから、レイチェルの気持ちがよくわかる。」とフィービーは言っていますが、この壮絶な話を聞いたレイチェルは、自分の悩みがまだまだ小さいものであると悟ったでしょうね(笑)。

このセリフに出てきた albino の彼は自殺した、と言っていますが、それが今回の my cowboy friend, Albino Bob なのかどうなのかは微妙なところです。
フィービーが歯医者さんに行った直後に自殺した、のなら、彼だということになりそうですが…。

oral hygiene は「口の・歯の衛生」。
フレンズ1-1その4 では、「歯の衛生」に非常に拘る人物、アリー my Love のサブキャラ、ボイル判事も取り上げました。
「私がフロスをきちんと使って歯を手入れしているのは、自分のためじゃない、人の命を救うためなのよ」とフィービーは言っています。
何だか正義の味方みたいで大袈裟な話ですが、フィービーは大真面目なようですね。

ここで、floss 「デンタルフロスで歯をきれいにする」という言葉が出てきましたが、日本人の場合だと、I brush my teeth to save lives. 「私は人の命を救うために、”歯を磨いて”いるのよ。」と言うのが一般的な気がします。
最近は日本人もフロスを使っている人が結構いるとは思うのですが、やっぱり最初に頭に浮かぶのは「歯ブラシで歯を磨く」という行為かなぁ、と。

フレンズ2-13その15 で、floss という単語が出てきたのですが、そのコメント欄で「アメリカ人はフロスをよく使う」という話が書いてあります。
ちなみに私は使っていないのですが、私はフロスと言うと、映画「プリティ・ウーマン」を思い出します。
ジュリア・ロバーツ演じる娼婦が洗面所でこそこそしているのを見て、ドラッグか何かと勘違いしたリチャード・ギアでしたが、彼女はただフロスを使おうとしていただけだった…みたいなシーンでした。

また、アメリカ人は歯並びがきれいなことも大変重要ですよね。
フレンズ1-8その3 では、retainer 「歯列固定[保定]装置」という単語も出てきました。

現実的で科学的なロスは、「そんなの迷信や気のせいで、ただの偶然だよ。」と言うのですが、フィービーは死んだ人に対して申し訳ないと思っているようです。
「ただの偶然だから、フィービーを恨むな、ってその死んだ人たちに説明して欲しい。」と思った後、「でも、もう死んでるから話ができないんだった。」と自分で気付くのもおかしいです。

フィービーは常々、死んだ人とも交信できる、というのが自慢(?)なのですが、この場合は、ロスに直接話して欲しいと思った、でもロスには出来ない、だから、"you can't" となっているのでしょうね。


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2007年10月28日

「会えない」と「見えない」 フレンズ3-8その2

ロス: So what's matter, you need a dentist? I've got a good one. (それで、どこが悪いの? 歯医者が必要なら、僕は良い歯医者を知ってるよ。)
フィービー: Thanks, I have a good one too. I just, I, I can't see him. (ありがとう。(私にも)良い歯医者さんはいるのよ。ただ、その歯医者さんに会えないの。)
チャンドラー: See, that is the problem with invisible dentists. (ほら、それって、目に見えない(透明の)歯医者さんにつきものの問題だね。)
ロス: Why? Why can't you go to him? (どうして? どうしてその歯医者さんに行けないの?)
フィービー: Because every time I go to the dentist, somebody dies. (だって、私がその歯医者さんに行くたびに、誰かが死ぬのよ。)
チャンドラー: That is so weird, because every time I go to the dentist, I look down the hygienist's blouse. (それってすごく奇妙だよね。だって俺は、歯医者に行くたびに、衛生士さんのブラウスを覗き込むんだから。)

problem with は「…に関する問題」。
この場合は、「…にはよく起こる問題」みたいな感じでしょうか。
I can't see the doctor. 「良い歯医者さんを私も知ってるけど、私はその人に see できない、その人を see できない」と言っていますね。
普通は、「会う」という意味に解釈するものですが、チャンドラーはそれを「見る」という意味にとって、「彼が見えないの。」→「透明の歯医者さんなら、そういう問題も起こるよねぇ。」と言っているのですね。

フレンズ2-9その10 で、
ジョーイ: Phoebe here with the cab yet? (フィービーとタクシーはまだここに来てないのか?)
チャンドラー: Yeah, she brought the invisible cab. Hop in! (あぁ、フィービーは透明なタクシーに乗ってきたよ。さあ、飛び乗れ!)
というのもありました。
「見えない」→「透明」というネタが彼は好きなようです。
でも、smart な(賢い)チャンドラーにしては、ヒネリがなくて、これくらいのジョークなら、日本人でも言えそうですよ(笑)。
フレンズ3-7その1 で、「もし俺が透明なスーパーヒーローだったら…」という空想もありましたけど、とにかく透明なものを想像したがるのは、子供っぽい感じがして可愛い…のかな?(笑)

そのやり取りの後、ロスは、"Why can't you go to him?" と尋ねています。
can't see を、「会えない」ではなくて、「見えない」とチャンドラーが解釈したので、話を本題に戻すために(?)、see him 「彼に会う」ではなく、go to him 「彼のところに行く」と言い換えているのですね。

フィービーが歯医者に行くたびに誰かが死ぬ、と聞いて、チャンドラーは、"That is so weird." と反応しています。
普通は、「歯医者に行くと人が死ぬなんて、おかしな・奇妙な話だよ。」と言っているのかと思いますが、チャンドラーは、「変だなぁ。俺の場合は、歯医者に行くたびに、衛生士のブラウスを覗き込むのに、フィービーの場合は人が死ぬんだね。」と変なオチをつけています。
フィービーの表情を見ると、真面目な話をしているだろうというのはわかるのですが、「誰かが死ぬ」というあまりにも突拍子もない話なので、チャンドラーはチャチャを入れずにはいられないのでしょうね。

フレンズ1-1その4 で歯にまつわる話を書いて、アリー my Love のあるエピソードを取り上げたのですが、そこにも歯科衛生士(hygienist)が出てきます。
チャンドラーの場合は、その衛生士はいつも女性で、look down 「下を見る」という言葉に、ブラウスの隙間からその人の胸を覗き込んでいる感じが出ているような気がします。


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2007年10月27日

単語はわかるのに文の意味がわからない

今日も、Rach流DVD学習法に関する追加説明になります。
DVD学習法の最終段階「英語音声、英語字幕」における「調べ方」の場合分けの最後になります。

・使われている単語は簡単なのに、どうしてそういう意味になるのかわからない場合
DVDの日本語訳が意訳かどうかを確認しつつ、自分で「どうしてそういう意味になるのか考えてみる」ことが大切です。

でも、こういうところが一番難しい部分なので、わからないことも多いです。
その時に考えてわからなくても気にしないで下さい。
でも、一度は「今の自分なりに」考えてみて下さい。
そして、将来の自分へのヒントのようなつもりで、自分でわかる部分をメモしておくなどしておいて下さい。
「わからない」場合でも、全くお手上げなのか、少しはわかる部分があるのか、で、理解度は全く異なります。
「今はこう思った」という自分の考えが、後で役立つことは結構あります。

意味を考える場合に、一番大切なのは、「個々の単語の意味」ではなくて、その「文の構造」です。
大事だと思われている個々の単語の意味ですら、文の構造によって決められてしまっている、とも言えます。
つまり、文の構造・仕組みを読み間違えていると、ある単語を、違った意味、または違った品詞に取り違えてしまうこともある、ということです。

その「文の構造を掴む」というのが、実は一番難しいのですね。
これはもう、普段から英文に接する時に、常に「どういう構造になっているか?」を念頭に置きながら読むクセをつけることでしか、対応できないような気がします。


構造を掴む例題として
例えば、That's what this is all about. というよく使われるフレーズがあります。
そのバリエーションが以下の二つのエピソードに出てきます。
フレンズ1-16その5
I mean, that's what this is all about, right? (こうして頑張っているのは、全部その目的のためでしょう?)
フレンズ1-17その3
Is that what this is about? (そのことを言わせたくて、食事に誘ったのか?)

That's what this is all about. は大雑把に言えば、「これはそういうことだ/そういうわけだ。」もしくは「これはそういうことなのね/そういうわけなのね。」みたいに訳せば、だいたいそれで意味が通るかなと思うのですが、大事なことはそういう日本語訳を覚えることではなくて、どうしてそういう意味になるのかの感覚を養うことなのです。
どの言葉が何を指しているかがわかれば、そういう日本語訳を頭に浮かべる前に、その状況から意味が判断できるようになります。

このフレーズを見て、どうしてそういう意味になるのかピンと来ない、という方は、それぞれのエピソードの場面の状況、話の流れを参考にして、that や this はそれぞれ何を指しているか?を確認してみて下さい。
だいたい、that というのは、そのセリフの前に出てきた誰かのセリフや行動、this は現在の状況を指している、ということがわかるかな、と思います。

この文の基本的な構造は、That = what (this is all about) です。

what は疑問代名詞、または、先行詞を含む関係代名詞のどちらにも解釈できると思うのですが、まぁ、そんな文法用語はともかくとして(笑)、This is all about A. の名詞Aに当たる部分が前に出た形ですね。
(2008.1.10 追記)
上では、what の文法的解釈について、「二通りのどちらにも考えられる」と書きましたが、what を疑問代名詞だと解釈するのは難しい気がします。恐らく「先行詞を含む関係代名詞」である、と今は思います。
(追記はここまで)

この今の状況(this)は全て、Aに関することである。つまり、Aがこの今の状況を生み出した原因、要因になっているという感じでしょうか。
そのAの部分が前に出てきて what になって、what this is all about は「”何が”この状況に関することか(疑問代名詞)」または、「この状況が関する”こと・もの”(先行詞を含む関係代名詞)」という意味になります。
そして、that と指している何か=「この状況が関すること」すなわちAである、ということになるのですね。
だから、犯人の意図・目的や黒幕が分かったときなどに、「これは全てそういうことだったのね。」「これはすべてそこに繋がっていたのね。」みたいな意味で使われる、ということです。

そういうものをきっちり押さえていくことで、英語の this や that の指すものの感覚が身に付いてくると思います。
慣れてくると、いちいち上のように、文の構造をどれがイコールでなどと結ばなくても、聞いた順番でそれがイメージ化されるようになってきます。

That's what までで、「”それ”は”何か”だ」「”それ”は”あること”だ」と言っているのがわかります。
そしてその「何か」「あること」の説明が後ろに続いているのですね。
「何か」とは、this is all about ○○、の○○に当たる部分だと。

それを瞬時に理解できるようにするためには、一度きちんと文の構造を理解してみなくてはなりません。
「なんとなく、そういう意味になるんだろ。」くらいの理解では、少しバリエーションが変わってしまうととたんに意味が取れなくなってしまいます。


文の構造がわかれば、関係代名詞も理解できる
日本人が苦手だと言われている関係代名詞、あれも、その関係代名詞が何を指しているか、何の代わりに使われているかがはっきりつかめていれば、難しい文法用語は全く必要ありません。

on which, in which という関係代名詞が出てきたら、必ずその which が指しているものがあるはずです。
英語は情報を付け足していく言語で、いったん何らかの情報を示した後、on which 「そのさっき言った…の上には」、「そのさっき言った…の中には」という形で、次々に情報を継ぎ足していくんですね。
物事を詳しく話そうとすればするほど、頭でっかちになって、最後の結論が随分後回しになってしまう日本語と比べると、ずっと論理的でわかりやすい言語だと思います。(どっちが「良い悪い」の話ではありません。)

そういう感覚を掴むには、大量の英語に触れて、そのニュアンスを一つ一つ紐解いていき、「英語のスピリット」のようなもの(?)を少しずつ掴んでいくしか方法はないと思っています。

今回、例に挙げた「単語の意味を当てはめてみたけど、よくわからない」場合こそ、文法書を見てみたり、構文をじっくり考えてみたりする必要があるでしょうね。
それはとても手間で時間のかかることだと思います。
が、そのセリフをドラマのスピードで瞬時に理解するためには、英文の仕組みを理解することが必ず必要で、実際、字幕なしで理解している人は、その英文の構造を頭の中で整理しながら理解しているのですね。
まずは、文字になった文章の構造を目で見てじっくり理解する、それをこなしていくと、他の構造も見えてくる。
構造が掴めるようになれば、ナチュラル・スピードの音声にも対応できるようになるのかな、と思います。


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posted by Rach at 07:39| Comment(4) | DVD学習法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月26日

まずいものを勧められた時 フレンズ3-8その1

シーズン3 第8話
The One With the Giant Poking Device (フィービーに殺人疑惑?)
原題は「巨大な突っつく装置の話」

[Scene: Monica and Rachel's, Phoebe, Chandler, and Ross are there, Rachel is serving brownies.]
モニカとレイチェルの部屋。フィービー、チャンドラーとロスがそこにいて、レイチェルはブラウニーを出している。
レイチェル: Here you go, Pheebs. Who else wants one of my special home-baked brownies? (どうぞ、フィービー。他に誰か、私が家で焼いたスペシャルブラウニーを欲しい人はいる?)
チャンドラー: I will have one. (Ross and him both take one.) (一つもらうよ。[ロスとチャンドラーはブラウニーを取る])
(Phoebe takes a bite and spits it out and screams.)
フィービーは一口食べて、それを吐き出し、叫ぶ。
チャンドラー: That's okay, I’m not gonna have one. (やっぱりいいよ。俺は食べない。)
ロス: Neither will I. (they both put back the brownies.) (僕もいらないや。[二人ともブラウニーを返す])
フィービー: No, no, it's just my tooth. (違う違う。私の歯のせいよ。)
チャンドラー: All right I'll have one. (he and Ross take another brownie.)
(わかった、もらうよ。[チャンドラーとロスは別のブラウニーを取る])

レイチェルが家でブラウニーを作ったようです。
でもそれを食べたフィービーが、ペッと吐き出したので、それほどマズいのかと思って返そうとするチャンドラーたち。
でも、フィービーは歯が痛くて叫んだだけだったのですね。
it's just my tooth. としか言っていませんが、「みんなは私がマズいから吐き出したと思ったようだけど、ブラウニーのせいじゃないのよ。私の歯の方に問題があるのよ、歯のせいなのよ。」と説明しているわけです。

元々、レイチェルはあまり料理が上手ではないので、「きっとマズいんだろう」という想像が容易に働いてしまった、ということもあるんでしょうね。

フレンズ1-1 ではレイチェルがどれほど料理が不得意かがわかるシーンがありました。
過去記事ではとばしていたので、脱線になりますが、以下で触れておきます。

SCENE 4: MONICA + RACHEL'S APARTMENT. RACHEL IS MAKING COFFEE FOR JOEY AND CHANDLER
モニカとレイチェルのアパート。レイチェルはジョーイとチャンドラーにコーヒーを入れている。
レイチェル: Isn't this amazing? I mean, I have never made coffee before in my entire life. (これってすごくない? だって、私は今までの人生で、コーヒーを入れたことが一度もないんだもの。)
チャンドラー: That is amazing. (それはすごいね。)
ジョーイ: Congratulations. And while you're on a roll, if you feel like you gotta make like a Western omelette or something... (JOEY AND CHANDLER TASTE THE COFFEE, GRIMACE, AND POUR IT INTO A PLANT POT) Although actually I'm really not that hungry... (おめでとう。レイチェルの調子が良い間に、ウエスタン・オムレツか何かを作りたいと思ったら…。 [ジョーイとチャンドラーはコーヒーを味見して、顔をゆがめる。そして(テーブルの上にある)植物の鉢にコーヒーを注ぐ] だけど、実は俺、本当に、(オムレツを食べたいほど)お腹はすいてなくて…。)

いくらお金持ちのお嬢様だとは言っても、コーヒーを入れたことがない、というのはすごい(笑)。
on a roll は「好調で、成功して、うまくいって」。
ジョーイは、コーヒーがうまく入れられたんなら、今度はオムレツにでも挑戦してみたら…と言うのですが、そのコーヒーがあまりにまずかったので、「俺、お腹すいてないから、やっぱりオムレツの話はいいや(作ってくれなくてもいい)。」みたいに言い直しているのですね。

actually I'm really not that hungry... という言い方が面白いな、と思います。
actuallly 「(いや)本当のところ、実際のところ」
not that hungry 「オムレツを食べたい!って思うほどには(それほどには)お腹が減っていない」
not really だったら、「それほど…ない、あまり…ない」ですが、ここでは really not なので、「全く…じゃない、本当に…じゃない」と not であることを思いっきり強調しているのです。

まずいものを勧められそうになった時、「もうお腹いっぱいなんで。」とあっさり言えば角が立ちませんよね。
ジョーイの場合は、「いや、ほんとに、もう、全然、お腹減ってないんだよねぇ…」と、いかにも「食べたくないオーラ」が出ているセリフになっています。
観客にはジョーイの本心がわかるから、笑えるのですね。
オムレツなんて言葉を出しちゃった自分を必死にフォローしている感じです。

ト書きの grimace は「しかめっ面をする、顔をゆがめる」。
レイチェルの入れたコーヒーがどれほどまずかったか、が伺えますね。
そのレイチェルが、今はコーヒーハウスで働いているわけですからねぇ…(笑)。
でも、今回のエピソードでは、ブラウニーをみんなに振舞うほど成長していたんだなぁ、と(笑)。

フレンズ3-7その27 では、「ブラウニーにはマリファナが入っていることがある」と説明しました。
さすがに今回のは、普通のブラウニーのようです。
前回のエピソード 3-7 で、セリフにブラウニーが出てきたことと、今回実際にブラウニーが画面に登場したこととは、何か関係があるのでしょうか? ただの偶然でしょうか?(どうでもいい話ですが…笑)

ちょっと勘ぐってみると、「一口食べて、フィービーにはマリファナが入っているのがわかった、だから吐き出した」と、ロスたちが誤解した、という可能性があるかもしれません。


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最後に書いていた(今日のポイント)は、今回からやめにします。
結局、記事の長さが余計に長くなるだけだ、というのに気付いたので…(笑)。


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2007年10月25日

子供のように「遊ぶ」 フレンズ3-7その34

[Scene: Mattress King, Monica is trying to return her bed.]
マットレス・キング。モニカはベッドを返品しようとしている。
ジェスター(Jester): Uh, may I help you? (何かご用ですか?)
モニカ: Yes, hi. I talked to you on the phone, I'm the lady who got stuck with the racecar bed. (はい。私はあなたと電話で話したわ。私が例のレースカー・ベッドで困っている女よ。)
ジェスター: Look, it's like I told you, there's nothing I can do. You signed for it, "Monica Felula Geller." (いいですか、私があなたに言ったように、私に出来ることはありません。あなたはそれにサインをしたんです。「モニカ・フェルーラ・ゲラー」と。)
ジョーイ: All right, Jester man, look, we wanna see the King. (わかったよ、ジェスターさん。なぁ、俺たちはキングに会いたいんだ。)
ジェスター: Nobody sees the King. (誰もキングに会えません。)
ジョーイ: Oh-ho-kay, I'm talking to the King. (starts to go to a back room) (ほーぉ、オーケー。俺がキングに話をしてくるよ。[裏の部屋に行こうとする])
ジェスター: Hey, you can't go back there! (ちょっと、その裏に行ってはだめだ!)
(Joey goes to the door, but stops and looks through the window at Janice and the Mattress King, her ex-husband, kissing.)
ジョーイはドアのところに行く、が、そこで立ち止まって窓から中を見る。ジャニスとマットレス・キング、つまり彼女の元夫とがキスをしているのを見る。)
ジャニス: Oh, my God. (まぁ、なんてこと。)
(Joey fakes a scream.)
ジョーイは叫ぶような顔をする。

jester は「道化師」。
研究社 新英和中辞典の語義は、
jester=(特に、中世王侯・貴族に雇われた)道化師
応対した担当者が、道化師のような赤い変わった形の帽子をかぶっていたので、Jester man とジョーイは呼び掛けたのですね。
(ですから、その名前のわからない担当者のことを、スクリプトでは、Jester と表記してあるわけです。)
ここはマットレス・キングの王国(キングダム)ですから(笑)、従業員の中には、中世のおかかえ道化師風の装いをした者がいるわけですね。

I'm the lady who got stuck with the racecar bed. について。
get stuck with は「…で動きが取れない、…から逃れられない」「(やっかいなものを)押し付けられる」。
フレンズ3-3その22 で出てきた「挟まって動けない」イメージですね。
昨日の記事、フレンズ3-7その33 でも、
ジョーイ: I'm stuck here teaching a bunch of people. (僕はここで、たくさんの人に教えている状態から抜け出せないでいる。)
というセリフがありましたね。
これも、オーディションに受かった生徒は、華々しい未来が約束されてこれからどんどん活躍していくのに、俺はこのひどい状態から抜け出せないんだ、というセリフです。

今回のモニカのセリフは、そのレースカー・ベッドのお陰で、動きが取れない、どうしていいかわからず困っている、妙なベッドを押し付けられてしまった、という感じです。

普通は「社長(president)を出せ、社長と話がしたい。」と言うものですが、この王国のしきたりに則って(?)というか、「ここは王国である」というそのイメージに感化されてしまって、the King に会いたい、というジョーイもおかしいですね。

Nobody sees the King. という現在形には、「習慣、慣習」が表れているような気がします。
「誰も王の姿を見ることはないのだ。」みたいな感じで、「王様へのお目通りはかないません。」とか、「王はそんな風に誰とでも会うわけではありません。」みたいな「しきたり」感が出ているように思います。
You can't see the King. だともっと普通に「王様には会えませんよ。」というニュアンスになるのでしょうが、Nobody で「何人(なんぴと)たりとも」みたいな大袈裟な感じが出ていますね。

fake は日本語で「フェイク」という言葉になっているように、「見せかける、ふりをする」。
ですが、この場合のト書きの fake a scream を「叫び声を上げるふりをする」と訳すと何だか変な感じがしますね。
実際のシーンでは、声は出さないけれど、口を縦に開けて驚いている顔をしています。
動詞の mouth と似たイメージで、「叫び声を上げそうになるけれども、聞こえるとマズいので声には出さない」ということでしょう。

このシーン、最初、ジョーイが窓から覗いた時には、キングと女性がキスをしている姿が見えていて、その女性が誰かはわかりません。
それを見て、「おぉ、キングもお盛んだね。」みたいにニヤニヤしていたジョーイですが、キスが終わって顔を離すと、それがジャニスだったので驚いた、という展開になっています。
ジャニスの決まり文句の Oh, my God. も、「別れたはずの夫とこんな風にキスしてしまって、私どうしよう。」みたいな、少し困った感じの Oh, my God. ですね。(二人はジョーイが見ていることには気付いていません。)


[Scene: Monica’s bedroom, Chandler is playing with the bed.]
モニカのベッドルーム。チャンドラーはベッドで[ベッドをおもちゃにして]遊んでいる。
チャンドラー: Varrrrrroom! Hey, watch it lady! Varrrrrrrrrrom! (makes a screeching sound as he pretends to stomp on the brakes.) Hey-hey, good-lookin'. (honks the bed’s little horn on the steering wheel.) Varrrrrrrrroom. (notices Rachel and stops) All right, I'll leave. My bed's so boring. (ヴァルーン! おい、気をつけろ、おばさん! ヴァルーン! [ブレーキを踏む真似をして、キーッという音を出す] よーよー、べっぴんさん。 [ベッドのハンドルに付いている、小さなホーンでパフパフ♪と音を出す] ヴァルーン! [レイチェルに気付いて、やめる。] わかった。行くよ。俺のベッドはすごく退屈なんだ。)

play with というのは「子供がおもちゃで遊んでいる」というニュアンスです。
フレンズ3-4その4 のコメント欄 でも、ネイティブの方が「英語の play のニュアンスは、本当に子供っぽい」というコメントを下さっていました。
このチャンドラーも、まさに、子供が遊んでいるような状態ですね(笑)。
フレンズたちが一緒に時間を過ごす、という意味の「遊ぶ」だと、hang out (with someone) を使うことが多いですね。

screeching sound の screech 「自動車などがキーという音を立てる」については、フレンズ3-7その26 で説明しています。

stomp は「足を踏み鳴らす、足を踏み鳴らして踊る」。
オフ・ブロードウェイで有名な、足を踏み鳴らし、モップなどをリズミカルに叩いて音を出す、STOMP 「ストンプ」というミュージカルもありますよね。
この場合は、ブレーキを足でギューっと踏みつけるイメージでしょう。

honk は「警笛・クラクションを鳴らす」。
「パフパフ、プップーという音を出す」感じですね。
フレンズ2-22その2 では、"Honk, honk!" 「プップー、パフパフ」という擬音語で使っていました。
その記事のコメント欄では、もう少し詳しく、honk a horn について触れています。

すっかりドライブしたつもりになっているチャンドラー。
危ないおばさんに文句を言ってみたり、きれいなおねえさんに声を掛けてみたり(笑)。
いかにもおもちゃという感じの「パフパフ♪」というチープなクラクションの音が笑えます。

見られているのに気付いて退散するのですが、捨てゼリフのように、「だって俺のベッドは退屈なんだもん。」と言うチャンドラー。
普通のベッドはたいてい退屈で(笑)、こんな風には遊べませんよね。
モニカも返品できないのなら、チャンドラーとジョーイにあげたら良かったのかも(笑)。


(今日のポイント)
・get stuck with のネガティブなニュアンス。
・Nobody sees the King. という言葉に出た厳格な感じ。
従業員も、あくまでも「ここは王国であり、彼は王様である」というスタンスで接客しているようです(笑)。
・まさに play with しているチャンドラー。
子供っぽいですが、すっかりドライバーになりきって楽しんでいる様子をセリフから感じて下さい。


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2007年10月24日

昼間のファースト・レディー フレンズ3-7その33

[Scene: Classroom, Joey is talking to his students.]
教室。ジョーイは生徒に話をしている。
ジョーイ: (sadly) There will come a time in each of your careers when you'll have a chance to screw over another soap opera actor. I had such an opportunity in the recent present. And I'm ashamed to say that I took it, I advised a fellow actor to play a role, homosexually. Yeah, we both auditioned for the part, and uh, as it turned out, they ah, they liked the stupid "gay" thing and cast him. And now, he's got a two-year contract opposite Susan Lucci, the first lady of daytime television, and me? Me, I'm stuck here teaching a bunch of people, most of whom are too ugly to even be on TV. I'm sorry, I'm sorry, I'm sorry. (he gets a huge round of applause from his students.) Thank you.
([悲しそうに] 君たちそれぞれのキャリアの中で、別のソープオペラの俳優をダメにする[だます、陥れる]チャンスが来るだろう。僕は最近、そういう機会があった。そしてこれを言うのは恥ずかしいけど、僕はそのチャンスを利用した。僕は共演俳優に、役柄をホモセクシャル風に演じろ、とアドバイスしたんだ。あぁ、僕ら二人はその役のオーディションを受けて、結局、審査員はバカなゲイの役を気に入って、彼を役に選んだんだ。そして今、彼はスーザン・ルッチの相手役として2年の契約を得た。スーザン・ルッチと言えば、昼間のテレビのファースト・レディーだよ。そして僕は? 僕はここで、たくさんの人に教えている状態から抜け出せないでいる。教えている人のうちのほとんどは、あまりに不細工で、テレビに出ることすら出来ない[テレビに出るには不細工すぎるやつばかりだ]。ごめん、ごめん、ごめん…。[ジョーイは生徒たちから、一斉に沸き上がる大きな拍手喝采を受ける] [嬉しそうに] ありがと。)

随分と長いセリフです。
これが台本を覚えたものだったら、どこかで詰まるのでしょうが(笑)、これは、今の自分の気持ちを正直に述べたものなので、すらすら話せるわけです。

ジョーイがここの生徒に「ボクサー役をスーパー・ゲイで演じろ。」とアドバイスした話を語っていますね。
フレンズ3-7その29 で出てきた、screw over というフレーズがここでも使われています。

彼を「だました、陥れた、ダメにした」つもりが、逆にそのユニークな役作りを担当者が気に入ってしまったらしい(笑)。
人間、悪いことはできませんねぇ。
そして、そのオーディションに合格したお陰で、彼の未来がどれほど素晴らしいものであるかを語っています。

opposite は「…の向こう側に、反対側に」。
ロングマン現代英英辞典では、
opposite (preposition = 前置詞)
play/star/appear etc opposite somebody: to act with someone in a film, especially as the two main characters
例) a comedy in which he stars opposite Julia Roberts

つまり、「映画で誰かと共演すること、特に二人のメイン・キャラクターとして」
例文は、「彼がジュリア・ロバーツと共演するコメディ」

相手を向こう側において演技している、というイメージですね。
上のロングマンの例文に、ジュリア・ロバーツが登場しているのが何だかすごい(笑)。

Susan Lucci とは、実在の人物のようです。
Susan Lucci :: Official Website
Wikipedia 英語版: Susan Lucci
上のウィキペディアには、All My Children のオープニングの写真も載っています。
実際に、All My Children に Erica Kane 役で出演している女優さんです。
ウィキペディアの説明にあるように、彼女は、Daytime Emmy Award を受賞した女優さんで、TVガイドではずっと Daytime's Leading Lady と呼ばれているようです。
IMDb: Susan Lucci
上の IMDb の Trivia をクリックすると、Nickname が載っていますが、そこに、
Nickname: Looch, La Lucci, Daytime's Leading Lady, The Queen of Daytime
とあります。

ジョーイは、the first lady of daytime television と言っていますが、それが Daytime's Leading Lady のことですね。
the first lady は言うまでもなく「アメリカ大統領夫人」、また「州知事夫人」も指すそうです。
そして他の国でも「元首夫人」を指しますし、「(ある分野の)第一線に立つ女性、第一人者の女性」も指しますね。
ジョーイが All My Children について語っている部分は、本当の話だということです。

round of applause は、ロングマン現代英英辞典によると、
round of applause: when people clap for a short time to show that they enjoyed something or approve of something
例) She got a big round of applause. The passengers gave the pilot a round of applause.

つまり、「人が何かを楽しんだ、または何かを承認することを示すために、少しの間、拍手をする(こと)」。
例文は、「彼女は大きな拍手を受けた。」「乗客はパイロットに拍手をした。」

「いいぞー!」とか「よくやった!」という意思表示のためにする拍手のことですね。

泣いたり取り乱したりしてごめん、と謝るジョーイですが、生徒はそれが実話だとは思わなかったようです。
迫真の演技だと思って拍手喝采する生徒たち。それに気を良くするジョーイ(笑)。
単純だなぁ、って感じですが、落ち込むよりはいいでしょう(笑)。


(今日のポイント)
・opposite という前置詞から、「相手役をする」というニュアンスを掴む。
・round of applause という表現。
・All My Children の楽屋オチネタ。
あの有名な Susan Lucci, the first lady of daytime television の相手役なんだぞ!と、その凄さを強調しています。
本物の出演者である具体的な個人名が出てくることで、余計に笑えるわけですね。


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2007年10月23日

脚の長さが違う フレンズ3-7その32

自分が通っているカイロプラクターを必死に弁護するレイチェル。
レイチェル: And um, excuse me, he helps me. (それから、あなたたちには悪いけど、彼は私を救ってくれるのよ。)
ロス: Oh-ho please. Ask her how? (もう、よしてよ。[ドクターに] どのように助けになってくれているか、彼女に尋ねて下さい。)
ドクター・グリーン: What do you need help for? (何のために助けが必要なんだ?)
レイチェル: My alignment. I've got one leg shorter than the other. (私の身体が真っ直ぐになること、よ。私は片方の脚がもう片方の脚より短いの。)
ドクター・グリーン: Oh, my God. (なんてこった。)
ロス: Argue with that. (説得してやって下さいよ。)
レイチェル: What? It's true, my right leg is two inches shorter! (何? 本当よ。私の右脚は2インチ短いんだから!)
ドクター・グリーン: Come on, you're just titling! (to Ross) Her legs are fine. (冗談だろ。お前はただ傾いているだけだよ! [ロスに] 彼女の脚は問題ない。)
ロス: I know that. (わかってます。)
ドクター・グリーン: So what do you let her go to a chiropractor for? (それじゃあ、どうしてロスはレイチェルをカイロに行かせてる[行くのを許してる]んだ?)
レイチェル: I'm sorry, "let her"? (何ですって? 「行かせる」?)

alignment は「一直線、一直線にすること、位置合わせ」。
ロングマン現代英英辞典では、
alignment: [uncountable] the state of being arranged in a line with something or parallel to something
つまり、「何かと一列になって、または何かに対して平行に、配置される状態」
alignment だけだと漠然としていて意味がわかりませんが、その後のレイチェルの説明で何のことを言っているのかがわかります。
体が真ん中で線対称になっていない、という感じでしょうか。

argue with は「…と議論する」ですから、その今のレイチェルのコメントに対して、いろいろ言いたいことがあるでしょうから、論理的に議論して論破してみて下さいよ、というところですね。
恋人の僕がいくら言っても聞かないから、今度はパパから言ってやって下さいよ、ということです。

そこでパパは説明します。
立っている時に体が傾いているから、そんな結果が出るだけだ、しゃんと真っ直ぐ立ってきちんと計れば、同じ長さという結果が出るに決まってる、お前は騙されてるんだよ、とパパは言いたいのですね。

let her という言葉にカチンと来たレイチェル。
私はもういい大人なのに、子供みたいに「行かせる、行かせない」とかいちいち恋人に許可を貰う必要なんてないはずよ、ということです。


ロス: What can I do, she doesn't listen to me about renter's insurance, either. (僕に何ができますか? レイチェルは借家人[レンター]の保険についても僕の言うことを聞かないんですよ。)
ドクター・グリーン: Wait a minute, you don't have renter's insurance? (ちょっと待て。借家人の保険に入ってないのか?)
レイチェル: No. (えぇ、入ってないわ。)
ドクター・グリーン: Well, what if somebody steals something? How are you gonna run after him with one leg shorter than the other? (そうか、もし誰かが何かを盗んだらどうするんだ? どうやってその泥棒を追いかけるつもりなんだ、片方の脚がもう片方の脚よりも短いっていうのに。)
(Both he and Ross start laughing)
ドクターとロスは二人で笑い始める。
ロス: Hey, would you ah, would you like some juice? (あの、ジュースはいかがですか?)
ドクター・グリーン: I'd love some juice. Thanks. (ジュースを貰えるかな。ありがとう。)
ロス: Okay. (to Rachel) Wow! This is going so well! Did you see us? Did you see? (わかりました。[レイチェルに] わぉ! 今回はすっかりうまく行ったね。僕ら二人を見た? 見た?)
レイチェル: Yeah, honey, I was standing right there. Why didn't you just tell him about the mole I haven't got checked yet. (えぇ、ハニー。私はその話の真っ只中に立っていたもの[その時そこにいたもの]。私がまだ検査してもらっていない、あざ(ほくろ)について、どうしてパパに言わなかったの?)
ロス: Excellent! (それはいいね!)

renter's insurance は「借家人の保険」ということで、詳しいことはわかりませんが、こんな風にアパートを借りている場合、そのアパートを傷つけたりしたときに、保険に入っていれば、全額負担しないで済む、とかそういうことなんでしょう。
レイチェルは健康保険にも入ってない、という話が、フレンズ1-17その1 で出てきましたが、健康保険に入っていないのなら、アパートの保険にも入っていない、という話も頷ける気がします。

話のついでに、関係ないことまでパパにバラさないでよ、と苦々しい顔で怒っているレイチェル。
with one leg... は「片方の足が…という状態で」ということ。
お前の言うように本当に2インチも違っていたら、追いかけるのすら大変だぞ、と言っているのです。

すっかり意気投合してしまったパパとロス。
誰かの悪口を言っている間に仲間意識が生まれてしまった、みたいな感じですね。

パパと仲良くなれて嬉しいロス。
レイチェルを悪者にしたことも忘れて喜んでいるのでレイチェルは不満そうです。
レイチェルはそこで mole の話を持ち出します。
mole は、ロングマン現代英英辞典では、
mole: a small dark brown mark on the skin that is slightly higher than the skin around it
つまり、「肌にある小さな濃い茶色の跡で、その周りの皮膚よりも少しだけ高くなっているもの」。
この意味を考えると「ほくろ」を指すようですが、英和辞典には「ほくろ、あざ」と書いてあります。
要は、皮膚に出来ている少し色の違う部分を指すのかなぁ、と思います。
このレイチェルの言っているものも、ほくろみたいな感じの変色したできもの?みたいなものかもしれません。

Why didn't you just tell him about the mole I haven't got checked yet. について。
the mole の説明を文にすると、I haven't got the mole checked yet. になるでしょうか。
「私はまだ、そのあざのチェックを受けていない、あざの検査を受けていない」ということでしょうね。
「get+目的語+過去分詞形」で「…を〜してもらう」ということです。
get one's shoes shined 「靴を磨いてもらう」などと同じですね。

mole があざのようなものだとすると、それが何かの病気に繋がる可能性もある、ということでしょうか。
きっとロスに「そこにあざみたいなのがあるよ。一度、お医者さんで精密検査してもらった方がいいよ。」などと言われて、そのままになっている、という感じかなぁ、と思います。
脚が短いと思い込んでいること、借家人保険のこと、といろいろと言われたので、そのついでに「あざがあるのに、精密検査を受けようとしないんですよ。」ってこともチクっちゃったらどう?とちょっとヤケになって言っているのですね。

そしたらそれをロスは真に受けて「それはいい!」と言っています。
ますますパパに怒られることになりそうなレイチェルです。


(今日のポイント)
・alignment という漠然とした名詞の意味を、他のセリフから掴む。
その言葉そのものを知らなくても、それを説明したセリフから内容がわかる場合もありますね。
英語の試験でわからない単語が出てきた時も、そうやって意味を類推することができます。
・let her という表現にカチンと来たレイチェル。
「許可する、許す」という単語を使われたので、子供じゃあるまいし!と怒ったのですね。
日本語でも「させてやる」などと言われると、言われた方はムッとします。日本語でも英語でも、言葉は選ばないといけないし、そのちょっとした言い回しがトラブルの元になったりもするわけですね。


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2007年10月22日

ボビー・ボビー フレンズ3-7その31

必死にロスを引きとめようとするレイチェルですが、
ロス: Oh, please. Sweetie, it's hopeless, okay, I'm just gonna go. (starts to leave rubbing his neck) (あぁ、よしてくれ、ハニー。もう望みはないよ。僕は行くからね。[首をさすりながら出て行こうとする])
レイチェル: What? (何言ってるの?)
ロス: Look, look, I’m sorry. It's just that.... (ねぇ。ごめんよ。ただ…)
ドクター・グリーン: Ross? What's with the neck? (ロス? 首をどうしたんだ?)
レイチェル: He's got this thing. And I keep telling him to go to my chiropractor. (彼にはこういう(首が痛い)症状があるの。それで私が彼にずっと言ってるの。私のカイロプラクターに行ったら、って。)
ドクター・グリーン: You still going to that chiropractor? That man couldn't get into med school in Ixtapa! (お前はまだあのカイロプラクターに行ってるのか? あの男はイスタパ(イクスターパ)の医学校にも入れなかったんだぞ。)
ロス: Thank you. That's what I keep saying. (ありがとう。僕もいつもそう言っているんですよ。)
レイチェル: Excuse me, Dr. Bobby happens to be an excellent doctor. (ちょっと待ってよ、ボビー先生は(偶然にも)素晴らしい先生なのよ。)
ロス: Uh. (ほう。)
ドクター・グリーン: Wait a minute, his name is Dr. Bobby? (ちょっと待て。その医者の名前はボビー先生[ドクター・ボビー]っていうのか?)
レイチェル: Well that's his last name. (えぇ、それが彼の苗字なの。)
ロス: And his first name. (そして、彼の名前(ファースト・ネーム)でもある。)
ドクター・グリーン: He's Bobby Bobby? (そいつは、ボビー・ボビーっていうのか?)
レイチェル: It's Robert Bobby. (ロバート・ボビーよ。)
ドクター・グリーン: Oh. (おぉ。)

He's got this thing. = He has got this thing. = He has this thing. で、「彼はこれを持っている。」、つまり、こんな風に首をさすって、首の調子が悪い状態、症状を持っている、という感じですね。
Ixtapa について。
Wikipedia で Ixtapa を調べると、下のページに飛ぶようになっています。
Wikipedia 英語版: Zihuatanejo
メキシコの有名なリゾート地のようで、ウィキペディアにはきれいな写真がたくさん載っています。
In popular culture には、映画「ショーシャンクの空に」(The Shawshank Redemption)でその地名が言及されたことが書いてあります。
そこにホテルを持つことが夢だというキャラクターが出てくるようですね。(映画、見てなくて…泣)

この Ixtapa という地名、ざっとネットで調べると、日本語表記は「イスタパ」と書いてあるのが多いようです。
ドクターは「イクスターパ」みたいに発音していますね。
アメリカの医学校でもなく、メキシコの、それも、リゾート地で、学校が少なそうな(失礼!)地域の医学校にさえ行っていない、ペテンの、まやかしの医者だ、と言いたいわけですね。

パパは外科医、ロスは古生物学者、それぞれ科学者として、きちんと正規の学校を出た人間として、そんな誰が認定したかもわからないようないい加減な医者に見てもらうなんて、という気持ちは同じようです。
ロスはドクターとの確執も忘れたように、ここでは素直な気持ちでありがとう、と言っていますね。
僕がいつも言っているのはそれなんです、僕もそれと全く同じ意見です、という感じです。

happen to は「偶然・たまたま…する、図らずも…する」。
この場合は、ちゃんとした医学校は出ていないかもしれないけど、あの先生はそういう学歴に関わらず、たまたま運よく良い先生だったのよ、ということです。

Robert (ロバート)の愛称は、Robin (ロビン), Rob (ロブ)などの他に、Bob (ボブ), Bobby (ボビー)というのもあるそうです。
ですから、Robert Bobby (ロバート・ボビー)なら、Bobby Bobby (ボビー・ボビー)になっちゃうよ、と言っているのですね。


(今日のポイント)
・Ixtapa という地名を出した意図。
・Robert Bobby = Bobby Bobby になる。
英語の名前の愛称って、日本人にはピンと来ないものも多いですよね。
William (ウィリアム)→ Will (ウィル)→ Bill (ビル)
Richard (リチャード)→ Rick (リック)→ Dick (ディック)
などなど…。


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2007年10月21日

ここまで泳いで来た フレンズ3-7その30

[Scene: Monica and Rachel's, Rachel is greeting her Father for their brunch.]
モニカとレイチェルの部屋。レイチェルはブランチのために来た父親を迎えている。
レイチェル: (opening the door) Hi, Daddy. ([ドアを開けて] はーい、パパ。)
ドクター・グリーン: Baby. Ross. ([嬉しそうに] ベイビー。[不満そうに] ロス。)
ロス: Dr. Greene. How are you? (offers his hand, and Dr. Green puts his scarf on it.) (ドクター・グリーン、ご機嫌いかがですか? [手を差し出すが、ドクター・グリーンはその手にスカーフを置く]
ドクター・グリーン: Thanks for dinner last night. (昨晩のディナーはごちそうさま。)
ロス: Thank you for teaching me a valuable lesson. (僕に貴重な教訓を教えて下さってありがとうございます。)
ドクター・グリーン: Nice hair. What did you do, swim here? (いい髪型だね。何をしたんだ? ここまで泳いで来たのか?)
ロス: (to Rachel) Okay, that's it, I can't take it anymore. ([レイチェルに] わかった。ここまでだ。もうこれ以上我慢できないよ。)
レイチェル: What? What? He's interested in you. He-he likes your hair, he just wants to know how you got here. (何が何が? パパはあなたに興味があるのよ。彼はあなたの髪型を気に入っているわ。そして、あなたがここまでどうやって来たか、について知りたがってるでしょ。)


日本語でグリーティング・カードという言葉があるので、greet が「挨拶する」という意味は有名ですね。
この場合は、「挨拶する」というよりも「いらっしゃい、どうぞ」と迎えている感じでしょうか。
ロングマン現代英英辞典では、
greet: to say hello to someone or welcome them
「誰かにハローと言う、または歓迎する」

昨晩のディナーでは、ロスがドクターのチップにケチをつけるような形になってしまって、結局ロスが全額払うハメになってしまいました。
ドクターは早速、そのことでイヤミのように礼を言っています。
それに対してロスも「いい勉強になりました」と返事していますね。

ロングマン現代英英辞典では、
lesson: EXPERIENCE
something that provides experience or information that you can learn from and use
learn a lesson (=gain useful experience or information)

つまり、「そこから学んでそれを使うことのできる経験や情報を与えるもの」。
learn a lesson は「有用な経験や情報を得る」。
日本語では「教訓」と訳されることが多いですね。
「貴重なレッスンをありがとうございました。」でも、雰囲気は伝わる気がします。
日本でも何か失敗をしてしまった時に「授業料が高くついたなぁ。」などと言いますが、似た感じでしょうかね。

"Nice hair. What did you do, swim here?" とドクターは言っています。
ナイスな髪型だね、と言いながら、「どうしたらそんな素敵な髪型になるんだろう?」という意味で、Swim here? と尋ねているのですね。
フレンズ3-7その6 で、
ロス: Please, he refers to me as "Wet-Head." (やめてよ。君のパパは僕のことを「ウェット・ヘッド(濡れた頭)」と呼んでるんだよ。)
というセリフがありました。
ここでは実際には Wet-Head とは呼んでいませんが、「どうして君の髪の毛はそんなに濡れているんだ?」という意味で、swim という動詞を使っているのです。

swim here を普通に訳すと「ここで泳ぐ」になるのでしょうが、ここでの意味は「ここまで泳いで来る」のようなニュアンスになると思います。
それは後ほど説明します。

Okay, that's it, I can't take it anymore. について。
take it は直訳すると「それを受け入れる」という感じでしょうか。
I can't take it. または、I can't take it anymore. というのは、決まり文句ですね。
「もう我慢できない、耐えられない。」と我慢が限界に達してしまった時に出る怒りのセリフです。

それを押し止めるレイチェルのセリフが面白いですね。
パパの言葉を文字通り受け取って、パパは Nice hair だって言ったから、あなたの髪型を気に入っているのよ、そして、ここにどうやって来たのか?(how you got here)って尋ねていたでしょ?と言っています。

自動詞 get は「(ある場所に)達する、到着する」という意味です。
その場所が名詞の場合は、get to、つまり、前置詞 to が必要になります。(get to the station など)
here (ここに、ここへ)、there (そこに)、home (家に)という副詞とくっついた場合は、その副詞に方向を示す to の意味が含まれていますので、to を付けない get here, get there, get home で「ここ・そこ・家に到着する」という意味になるのですね。

how はその方法・手段を尋ねているので、「この部屋に来るのに、歩いて来たのか、泳いで来たのか?ってことをパパは知りたがっているのよ」とレイチェルは言っているわけです。

そのレイチェルのセリフを考えると、ドクターの "Swim here?" という質問は、「get の代わりに swim を使ったもの」と捉えるべきかな、と思います。
例えば、プールで泳ぐ練習をしている子供に向かって、親が少し離れた場所に立って「こっちに来て。」と言う場合、"Come here." のニュアンスで、"Swim here." 「こっちに”泳いで”来て。」と言うような、そんな感じかと思います。

ですから、ドクターの質問、What did you do, swim here? は、「何をしたんだ? ここで泳いだのか?」じゃなくて、「何をしたんだ? ここまで泳いで来たのか?」になるのかな、と思います。
here は「ここで」という場所を示しているのではなく、here 「ここへ」という方向を示している、ということですね。

「ここで泳いだのか?」という質問だったとすると、最後のレイチェルのセリフが、"he just wants to know what you were doing [what you did] here?" になるのかな、と思います。


(今日のポイント)
・That's it, I can't take it anymore. のようなキレる時の決まり文句。
この時のロスの置かれている状況、気持ちをよく理解していると、自分が同じような状況になった時に口からスッと出てくる気がします。
・"Nice hair. What did you do, swim here?" というドクターの皮肉を必死にフォローするレイチェル。
ここに来た手段にまで興味を持っているのよ!というそのフォローが微笑ましいです。
・Wet-Head というあだ名を連想させるジョーク、"swim here?"
エピソードの最初の方でそのあだ名が登場しましたが、これが、最終的なオチなんですね。
・swim here のニュアンスを、その後のセリフの get here との対比から掴む。


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2007年10月20日

ジョークを理解するために

今日は、Rach流DVD学習法に関する追加説明になります。
DVD学習法の最終段階「英語音声、英語字幕」における「調べ方」について、
私は英和辞典をこう使った では、主に単語についての調べ方を語りました。
今回は、それ以外のものについて述べます。
また、それがどのようにジョークと絡んでくるか、についても語ります。

・イディオム(慣用句)
単語と同じように辞書で調べます。
イディオムは、複数の単語が連結して、元の単語の意味とはかけ離れた意味を持つものです。
つまり、比喩のような形になっているので、ジョークに使われやすいんですね。
ジョークと絡めて覚えることで、そのイディオムが忘れられなくなります。

例えば、
フレンズ2-24その4 でこんなシーンがありました。

役作りのために男性とキスする練習をしたいジョーイがロスを見つめると、
ロス: Over my dead body. (絶対にいやだ。[僕を倒してからにしてくれ。])
今度は、ジョーイの視線がチャンドラーに。
チャンドラー: And I'll be using his dead body as a shield. (そして俺はロスの死体を盾として使うぞ。)

これは「絶対にイヤだ、ダメだ。」というイディオムの over my dead body が出た後に、dead body を使ったジョークを言っているわけです。
そのジョークのお陰で、Over my dead body. というイディオムも忘れないし、そのイディオムを使ったジョークも覚えられるわけですね(笑)。

辞書で確認して、そのイディオムの成り立ちや使用例を読むと、セリフのニュアンスがよりはっきりすると思います。


・知らない固有名詞
有名人の名前とか商品名など。
これも「何かの例え」として、ジョークに使われやすいので、日本人にはパッとわからないものが多いです。
所謂「サブカルネタ」というやつですね。

まぁ、これは気持ちや時間に余裕があったらやって下さい(笑)。
別にこれがわからなくても、英文解釈として問題はないのですが、ジョークに笑えない、という寂しさも味わうことにはなりますね。

この「調査」には、結構時間がかかるので、「絶対に調べた方がいい」とは言いませんが、これを調べて、そのジョークの意味がわかった時は格別です。

「そんな細かいこと知ってどうする?」という方は必ずおられると思うのですが、私は「テストに出る、出ない」という判断基準で、英語に関する知識を分けたくないのです。
受験勉強であれば、そして TOEIC で高得点を取ること”だけ”が目的であれば、そういう試験に出ない知識を調べる時間は全くの無駄でしょう。
でも、「英語を使いこなしたい、英語を楽しみたい」のなら、視野を広く持って、いろんな情報を貪欲に取り込んでいきたいと思うのですね。
ちょっとした豆知識で、英語をもっと楽しめるようになる、楽しめるようになれば、もっと英語を深く知りたくなる。
そういう相乗効果が必ずあります。


・アメリカン・ジョークはわからない、という方に
「文化的背景が違うため、アメリカのジョークは日本人にはわかりにくい」という意見がありますが、フレンズを見ている限りは、「笑いどころ」に関して、あまり違和感は感じませんね。
私は関西人なのでどうしても吉本新喜劇と比べてしまうのですが(「一緒にするなぁ〜!」というご意見もあるかもしれませんが…笑)、ジョークのパターンが似ていると思う部分がたくさんあります。

「忘れた頃に少し前の話題を持ち出す」ような「まだその話してんのかい!」的ジョーク、
相手の言葉を別の違った意味に解釈するジョーク、
など、英語字幕をしっかり追っていけば、日本人にも十分理解できるものがたくさんあります。

なぜアメリカン・ジョークはわからない、というイメージがあるかというと、それは日本語字幕や吹替で見ている時にそう感じたから、という方も多いかもしれません。
それは当然のことで、長さに制限のある日本語字幕や吹替では、笑うために必要な情報をすべて盛り込むことが不可能、だから、わからない、んですね。
上に上げたイディオムやサブカルネタの場合も、その内容を知っていて初めて、それを使ったジョークが面白く感じられるわけです。

英語のジョークの面白さを100%訳しきれないと判断された部分は、おそらく別の日本語のジョークなどに置き換えられてしまうでしょう。
そうすると、その「英語本来の意味から来る面白さ」を感じることができない、「どうしてこのセリフで観客は笑ってるの? アメリカ人の感覚ってわかんない。」ということになってしまうわけです。

ジョークではないのですが、よく似た単語を聞き間違う、というシーンが、フレンズ2-24その10 に出てきました。
bassinet 「新生児用かご型ベッド」を、basset 「バセット犬(胴長短脚の猟犬)」に聞き間違えたのですが、DVDの日本語訳ではそれが、「ベッド」を「ペット」に聞き間違えたことになっていました。
英語と意味もほとんど同じで、同じように聞き間違えることの可能な、発音の似た日本語に訳せた、なんて奇跡に近い!(笑)。
これは、非常に稀有な例だと思います。

オリジナルの英語のセリフでは、ストーリーに関連づけながら、ダジャレや言葉遊びに使う単語を選びますよね。
その意味を訳そうとすると、言葉遊びにならなくなる…だから、笑わせるように日本語のダジャレに変えてしまうと、ストーリーとは関係のない言葉が使われてしまうことになって、その脚本の妙が味わえない、ということになるのですね。

ダジャレはもちろんのこと、英語のセリフの本来の面白さ、というのは英語でないとわからない、だから英語の字幕を調べて欲しい、と思うのです。
上のサブカルネタの話ともカブりますが、ただその人名や商品名を知らないから笑えないだけ、それがどういう人かどういうものか知れば大笑いできる、というのもたくさんあるんですよ。

英語でジョークの一つも言いたいな、と思うなら、やはりジョークのたくさん出てくる映画やドラマを見るしかない、と思います。
洒落た恋愛の会話を学びたければ、おしゃれな恋愛映画をたくさん見ればいいし、エッチな言葉をたくさん覚えたければ、エッチなビデオ(?)を見ていれば自然と覚えられる(笑)…それと同じですね。

ジョーク、またはユーモアに溢れたセリフ、なんて、なかなか自分で生み出せるものではないですし、人からその作り方を教えてもらうようなものでもありません。
日本語の場合でも、漫才を見たり、テレビでお笑い芸人の人がしゃべったりするのを見て、その「笑いどころ」みたいなものを人は学んでいる気がします。

ドラマでジョークやユーモアの混じった「複数の人のやり取り」を見ることで、そのボケとツッコミ、笑いのノリみたいなものが身に付いていくのかな、と思います。
英語のセリフを聞いて、自分も観客と同じように笑うことができたら、それはその「笑いどころ」が自分にもわかった、ということの証明です。
「何が面白いのか」「ネイティブは何を面白いと感じるか」が分かれば、自分もそういうジョークやユーモアを使えるようになる、と私は信じています。

だからジョークを解説する時はいつでも、「どこが面白いのか?」に注目しているわけですね。


(今日のポイント)
・イディオムやサブカルネタはジョークによく登場する。
それが意味するところがわかっていれば「笑える」、ということに気付けば、英語のジョークがより身近に感じられるようになります。
・ジョークを使えるようになるには、まずジョークの面白さを理解することから始める。
その面白さの本質がわかって初めて、自分でも使えるようになるのでしょう。
ユーモアの要素は会話にとても大切です。
だから、私は笑いどころの多い「シットコム」をオススメしているわけですね。(最後は宣伝かよ!…笑)


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posted by Rach at 07:30| Comment(4) | DVD学習法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月19日

スクリュー フレンズ3-7その29

[Scene: Classroom, Joey is coaching his student.]
教室。ジョーイは生徒にコーチをしている。
生徒: Look, I just saw my best friend's brains smeared across the canvas, it's not gonna be me, not me. (なぁ、俺はたった今、俺の親友の脳みそがキャンバスに塗りつけられるのを[脳みそでキャンバスが汚れるのを] 見たんだ。俺はそんな風にはならないぞ。俺はならない。)
ジョーイ: Wow! That was good. That was... (points to his pocket) Tweezers? (わぉ! 今のは良かったよ。それは…[ポケットを指差して] ピンセット?)
生徒: No. (違います。)
ジョーイ: Whoa. That was really good. (うわぁ。今のは本当に良かったよ。)
生徒: Thanks, any suggestions? (ありがとう。何か忠告はありますか?)
(Joey gets the evil look on his face.)
ジョーイの顔が邪悪な表情になる。

canvas は絵を描くときに使う「キャンバス、カンバス」、それに使われる厚手の布を指しますが、ボクシングのリングの床のことも指します。
今回は、Nick the boxer (ボクサーのニック)のセリフを練習しているので、「リングの床」ですね。

smear は「…を塗りつける、汚す」。
ロングマン現代英英辞典では、
smear:
1. SPREAD
to spread a liquid or soft substance over a surface, especially in a careless or untidy way

つまり、「表面の一面に、液体や柔らかい物質を撒き散らすこと。特に不注意な、またはずさんなやり方で。」
4. INK/PAINT
if writing, a picture, or paint smears or is smeared, the ink or paint is accidentally touched and spread across the surface

つまり、「書いたもの、絵や絵の具が smear または smear された、ということは、そのインクや絵の具が偶然に触れられて、表面に広がる、ということ。」
4. の場合は、書いたものに手などが触れて、それがこすれてしまった、という感じですね。
いずれも、失敗して表面を汚してしまった、という感じがします。

brain はご存知、「脳」ですが、このように一人の人の脳でも複数形の brains で使うようですね。(大脳、小脳とかの部分に分かれているからでしょうか?)
日本語に訳すと、グロテスクなスプラッター映画みたいですが、相手に殴られて倒れて、頭から血などが飛び散って、リング中にその汚れがついた、ということでしょうね。
「頭がリングにたたきつけられたんだ。」というのをもっと衝撃的に表現している、もしくは本当にそれくらいひどい状態だったのかもしれません。
絵のキャンバスに乱暴に絵を書きなぐるように、ボクシングのキャンバスも血などで汚れた、というニュアンスかもしれません。
フレンズ2-18その4 では、エディーが彼女と別れた時の状況をこう説明していました。
エディー: It was literally like she had reached into my chest, ripped out my heart and smeared it all over my life! (それは文字通り、”彼女が俺の胸の中に手を伸ばして、心臓を引きちぎって、俺の人生に塗りつけた”って感じだったよ!)
この smear には毒々しい感じがしますね。

あまりに泣き方がリアルなので、フレンズ3-7その21 でジョーイが伝授したピンセットのアドバイスを使っているのか?と尋ねるジョーイ。
彼はそんなことをしなくても、演技に即、感情が込められるタイプの人のようです。

suggestion は「提案、示唆」で、何か良い提案はありますか? 今のに対して何か参考になるような意見はありますか?という感じ。
any suggestions? は決まり文句ですね。
ト書きの the evil look は、フレンズ3-7その21 で出てきた I've-got-a-fish-hook-in-my-eyebrow-and-I-like-it (眉毛に釣り針がついていて、それを気に入る)というやつですね。
ソープオペラ風の変なBGMに笑えます。


[Scene: Central Perk, Chandler, Monica, and Phoebe are there, yelling at Joey.]
セントラルパーク。チャンドラー、モニカ、フィービーがそこにいて、ジョーイに叫んでいる。
チャンドラー: You told him to play the boxer gay? (その生徒に、ボクサーをゲイで演じろって言ったのか?)
ジョーイ: Well, I-I might've said "super-gay." (あぁ。「スーパー・ゲイで」って言ったかもしんない。)
チャンドラー: You totally screwed him over. (お前は彼(の将来)をすっかりダメにしてしまったんだぞ。)
モニカ: Joey, you're this guy's teacher. I mean, how could you do this? (ジョーイ、あなたはその人の先生よ。どうしてこんなことができるの?)
ジョーイ: Because, Monica, the guy's so good, and I really, really want this part. (だって、モニカ、その男はすごく良かったんだよ、そして、俺はこの役を本当に本当に欲しかったんだ。)
フィービー: Well, if you really, really want it, then it's okay. (そうね、もしあなたが本当に本当にそれが欲しかったなら、問題ないわ。)

play the boxer gay ですが、これは play the boxer 「ボクサーの役を演じる」に補語の gay がついて、「ボクサーをゲイの状態で演じる、ゲイのように演じる」というニュアンスだと思います。
ジョーイはただそれを "Yes." と認めるのではなくて、「ただのゲイじゃなくて、スーパー・ゲイ(とびっきりのゲイ…?)で演じろ、と言ったかも…」と、もごもご言っているのがおかしいですね。

screw over は「台無しにする、騙す」。
この意味では screw up という形で出てくることが多いですね。
ロングマン現代英英辞典では、
screw up (phrasal verb):
screw somebody up, screw up somebody:
(informal) to make someone feel very unhappy, confused, or upset so that they have emotional problems for a long time

つまり、「誰かを非常に不幸にする、困惑・混乱させて、その結果、その人が長い間感情的問題を持つこと」
screw そのものは日本語のスクリューでもわかるように「ねじる」、また「ひねる、くしゃくしゃにする、搾り取る」という意味にもなります。
screw up 「ねじって上に持ち上げる」、screw over 「ねじってひっくり返す」みたいな感覚から、「だめにする、台無しにする」というネガティブな意味が生まれたのかな?と思います。

最後のフィービーのセリフ、言葉上はジョーイのしたことを許しているようになっていますが、本当はジョーイのしたことにあきれていて、あなたって人はなんてことするの?と言いたいのですね。
「本当に欲しいもののためなら、どんなにひどいことをしてもいいものね。」みたいに皮肉って言っているのです。


(今日のポイント)
・smear 「塗りつける」
・screw over, screw up 「台無しにする」
・ジョーイの演技のコツ「ピンセット」と「邪悪な表情」が登場。
そういうコツを生徒に伝授するシーンが先にあったので、絶対にその後どこかで再登場するんだろうと思っていました(笑)。


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posted by Rach at 09:35| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月18日

プラスチックとビニール フレンズ3-7その28

チャンドラー: Knock, knock! (ノック、ノック!)
モニカ: (to Phoebe) Quick! Take off your dress, he won't notice the bed. ([フィービーに] 急いで! ドレスを脱いで、(そうすれば)チャンドラーはそのベッドに気付かないわ。)
チャンドラー: Hey, I'm going for sushi. Does anybody want..? (enters and sees the bed) Whoa-whoa, somebody missed the off-ramp! (やあ、スシを食べに行くんだけど。誰か他に食べたい人は…? [部屋に入ってきて、そのベッドを見る] ほほぉー、誰かさんは出口を下り損ねたようだね。)
フィービー: It's Monica's bed. What? (モニカのベッドよ。それがどうかした?)
チャンドラー: Okay. (to Monica) It's a racecar! (いいか。[モニカに] それはレースカーだぞ!)
フィービー: So. This has always been Monica's bed, what, you're just noticing now, how self-involved are you? (そうよ。これはずっとモニカのベッドだったわ。あなたはたった今気付いたのね。あなたって何て自分のことで頭がいっぱいな人なのかしら。)
チャンドラー: Okay, well, if this bed isn't new, how come there is plastic on the mattress? (もしこのベッドが新しくないのなら、どうしてマットレスにビニールがかかっているんだ?)
モニカ: Sometimes I have bad dreams. (starts to break down, and Phoebe offers her, her hand to comfort her.)
(時々、悪い夢を見るのよ。[泣き崩れる。そしてフィービーがモニカを慰めるために、手を出す])


こんなベッドを見られたら、間違いなく笑われると思ったんでしょうね。
裸になればそっちに視線が釘付けでベッドに目なんか行かなくなるから、いますぐ服を脱いで!と言っているのです。

somebody missed the off-ramp! について。
フレンズ3-6その26 で、
キキ: You missed the exit. (あなた、出口を下り損ねたわよ。)
というセリフがあって、そこで miss という動詞について説明していますが、miss は「(下りるべき出口で)下り損ねる」というニュアンスです。

off-ramp について。
日本語でも「ランプ」と言うのでわかりやすいと思いますが、道路から「離れる・下りる(off)」ランプ、ということです。
ロングマン現代英英辞典では、
off-ramp: [countable] American English
a road for driving off a freeway

つまり、「フリーウェイを下りる(降りる)道」

ramp という言葉のイメージをもう少し深く探るために、ロングマン現代英英辞典で調べると、
ramp: [countable]
1. a slope that has been built to connect two places that are at different levels
例) Ramps are needed at exits and entrances for wheelchair users.
2. (American English) a road for driving onto or off a large main road (British Equivalent: slip road)

つまり、1. は「違うレベル(高さ)にある二つの場所を繋げるために作られたスロープ」
例文は、「車椅子の利用者のために、出口と入り口にランプが必要だ。」
2. は「大きなメインの道路を車で運転して乗る、または車で運転して下りるための道」
イギリス英語では、slip road と言うそうです。

ということで、"somebody missed the off-ramp!" は、部屋の中にあるレースカーを見て、「この車、出口を下り損ねて、とんでもないところを走ってるな!」というところでしょうか。

This has always been Monica's bed, what, you're just noticing now, how self-involved are you? について。
継続を表す現在完了形を使って、「これはいつでもずっとモニカのベッドだった。」と言っています。
そして、現在進行形と now を使って、「(ずっとそうだったのに)今やっと気付いたの?」と驚いたように言っているのですね。
involved は「熱中して、夢中になって」と何かに深く関わっている状態を表すので、self-involved は「いつも自分のことばかり考えていて、他人のことなんて全く気にしていない」ということです。

there is plastic on the mattress? について。
ベッドに plastic がついている、つまり、まだビニールがかかっていて新品じゃないか、とチャンドラーは言いたいのですね。
日本語では「ビニール」と言いますが、英語では plastic と言いますね。
レジ袋のようなビニール(ビニル)袋は、a plastic bag と呼びます。
ゴミの分別の際に、「プラスチック製容器包装」を分ける際には、「プラ」と書いてあるマークが目印になりますね。
それを見ると、いわゆるビニール製品がそれに該当するのがわかるので、最近では「プラスチック」という呼称もそれほど違和感はないかもしれません。

日本語の「ビニール」は vinyl という単語から来たようです。
ちなみに、英語の vinyl の発音は「ヴァイヌル」という感じです。

plastic と vinyl の違いをロングマン現代英英辞典で調べてみると、
plastic: [uncountable and countable] a light strong material that is produced by a chemical process, and which can be made into different shapes when it is soft
つまり、「化学的過程で製造された軽くて強い素材。それが柔らかい時には、違った形に変化させることができる」
vinyl: [uncountable] a type of strong plastic
つまり、「強いプラスチックの一種」。

ということで、日本人のビニールのイメージはペラペラの薄っぺらい感じですが、英語の vinyl は、もっと分厚く硬いものを言うのかもしれません。

Wikipedia 英語版: Plastic を見ると、プラスチック製品として、たくさんのものが写真に載っていますが、Wikipedia 英語版: Vinyl の方は、説明も簡単で、化学的な説明が多くなっています。
ビニル基(a vinyl group)を持つ有機化合物(ポリ塩化ビニルなど)の総称という感じですね。

vinyl という単語は、フレンズ1-13 で出てきました。
フィービーの彼のロジャーが精神科医なので、
モニカ: So, you think you'll do it on his couch? (それで、彼のカウチでエッチしようとか思ってる?)
フィービー: Oh, I don't know... I don't know. I think that’s a little weird... You know, it's vinyl. (まぁ、わからない、わからないわ。それってちょっと変だと思うもの。ほら、カウチはビニール製だから。)

ベッドではなくカウチでエッチするのが weird なのかと思ったら、その vinyl の素材の感触が weird だから、そこでエッチすると妙な感じかも…と返事しているのですね。
このセリフを聞いても、日本人のイメージするビニールよりはもっと丈夫なものを指しているのだろうと思います。

have bad dreams は「悪夢を見る、悪い夢を見る」ということですが、これは悪い夢を見て、怖くて、おもらしをしてしまう、ということを言っているのでしょう。
だから、マットレスが濡れないように、防水のためにビニールを敷いている、ということです。
泣き真似までしていますが、そんな見え透いた嘘では、チャンドラーはだまされないでしょうけど(笑)。


(今日のポイント)
・「ランプ」と日本語にもなっている ramp の基本的な意味。
・plastic と vinyl の違い。
日本人の思っている「プラスチック」と「ビニール」の違いとは異なります。
環境問題の話、またはショッピングなどでレジ袋について語る機会は多いと思いますので、「レジ袋は、a plastic bag と言う」と覚えていたらそれで十分かな、と思います。
・ランプ、プラスチック、ビニールなどのようなカタカナの日本語になっている言葉こそ、余裕があれば、英英辞典で調べるなどして、そのイメージの違いを確認しておいた方がいいですね。


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posted by Rach at 11:20| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月17日

大麻のいろんな呼び名 フレンズ1-15その7

一昨日の記事、フレンズ3-7その27 で、「マリファナ入りブラウニー」について解説しました。
今日はそれに関連して、フレンズ1-15 を解説します。
英語の原題は、The One With the Stoned Guy 「麻薬で酔っぱらった[ラリった]男の話」でした。
過去記事では、フレンズ1-15その6 辺りのシーンになります。

スティーブというレストランのオーナーがヘッドシェフを探していて、モニカの料理の腕を確かめるために、モニカの部屋に面接にやって来ます。
スティーブはフィービーのマッサージ店のお客さんなので、フィービーは一緒に車に乗って来たのですが、その途中、スティーブが車の中でマリファナを吸うところを見てしまったのですね。
それをレイチェルに必死に説明するシーンです。

レイチェル: What's up? (どうしたの?)
フィービー: [whispers] In the cab, on the way over, Steve blazed up a doobie. ([ささやき声で] タクシーの中で、ここに来る途中に、スティーブは、doobie に火を付けた[doobie を吸った]のよ。)
レイチェル: What? (何?)
フィービー: Smoked a joint? You know, lit a bone? Weed? Hemp? Ganja? (joint を吸ったのよ。ほら、bone に火をつけたの。weed よ、hemp よ、ganja よ!)
レイチェル: OK, OK. I'm with you, Cheech. OK. (わかった、わかった。あなたの言っていることがわかったわ、チーチ。わかった。)

上に出てきた見慣れない英単語(doobie, joint, bone, weed, hemp, ganja)は全てマリファナを表す言葉ですね。
bone 以外は、英辞郎に全て「大麻、マリファナ、マリファナたばこ」などの意味で載っていました。
研究社 新英和中辞典にも、joint, weed, hemp はそういう意味だと書いてありました。

bone は Urban Dictonary に以下の語義が載っていました。
bone: 5) (n) A joint. "Smokin' bones in the staircase" -- Wu-Tang Clan (C.R.E.A.M. 1993).
つまり、bone = joint (マリファナたばこ)ということです。
ウータン・クラン(Wu-Tang Clan)とは、NYをベースに活動するラップグループで、彼らの C.R.E.A.M. という曲に、"Smokin bones in the staircase" という歌詞が出てくるようですね。

weed は普通、「草、雑草」という意味ですが、日本語でも大麻のことを「ハッパ」という隠語で呼んだりしますので、その辺りの感覚は同じようです。
フレンズ3-7その27 でも触れましたが、cannabis という呼び名もありますね。

I'm with you. は、I agree with you. 「あなたに同感よ。」という意味で使うことが多いですが、今回の場合は、「あなたの話が理解できるわ、わかったわ。」みたいな感じでしょう。
「あなたと一緒にいる」→「あなたの話についていっている」というニュアンスですね。

最後のレイチェルのセリフの Cheech について調べてみました。
Urban Dictonary で調べてみると、以下の語義が見つかりました。
Cheech: Another name for weed, or to smoke weed. Named from Cheech Marin (from cheech and chong)
つまり、「weed(大麻)の別名、または大麻を吸うこと。Cheech & Chong の Cheech Marin から命名された。」

その由来となった Cheech & Chong というのはこちら。
Wikipedia 英語版: Cheech & Chong
上のウィキペディアによると、70年から80年代に人気のあった a comedy duo (お笑いコンビ?)だそうで、コメディ・アルバムを出したり、映画になったりもしたようです。
その当時の "hippie, free love and especially drug culture movements" をベースにしたお笑いだった、と書いてありますので、上でフィービーが言ったような麻薬がらみの言葉が彼らのネタには頻出するのでしょうね。

Urban Dictionary によると、cheech は「大麻」そのものも指すし、チーチという名前でもあるのですが、今回のセリフでは、名前を呼び掛け語のように使っているようです。
仮に、「大麻」という意味で使っていて、「わかったわ。チーチ、つまり大麻のことね。」と言っているのだとすると、
"I'm with you. Cheech." とピリオドになるか、
"I'm with you. That's cheech." みたいになるでしょうか?
上のセリフは、DVD英語字幕も、ネットスクリプトも、"I'm with you, Cheech." と Cheech の前はコンマで区切られていて、コンマの後に大文字になっているから固有名詞だ、と考えられるわけです。
実際のレイチェルの言い方も、you と Cheech が繋がっている感じで発音されています。
ピリオドだったら、そこに一呼吸、間(ま)があくはずなので、やはり呼び掛け語の人名として使っているのだと思えます。

ですからここでは、「そんなに隠語をたくさん出して詳しく説明してくれてありがとう、チーチ。よくわかったわ。」みたいな感じで、フィービーをチーチと呼んでいるのでしょうね。


(今日のポイント)
・今回はマリファナの隠語がたくさん出てきましたが、このフィービーの言い方から、それが全てマリファナを指す言葉であることは想像できますね。
私は確認のため、本当にそういう意味があるのかどうか裏を取ってみましたが、実際はそこまでする必要はないでしょう。
こんなにたくさんの表現があるんだなぁ、とどこかに心に留めておけば、また別の映画などで出てきた時に、「今回はこれを使っているな。」と楽しめる…そんな感じかな、と思います。
でも、調べてみると、Cheech が人名だった、というサブカルネタが楽しめたりもしますので(笑)、裏を取る作業も無駄ではないと思うのですが…。


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2007年10月16日

ファニー・ブラウニー フレンズ2-9その17

昨日の記事、フレンズ3-7その27 で、セリフ中に brownies (brownie) 「ブラウニー」という言葉が出てきて、それは「マリファナ入りブラウニー」を示唆している、と説明しました。

フレンズ2-9 では「マリファナ入り」であることをもう少しはっきり示しているやり取りがありましたので、今日は、それについて説明したいと思います。
ちょうど、フレンズ2-9その2 の辺りのシーンなのですが、私は過去記事で説明を省いてしまっていました。

クリスマスに、チップ(お金)の代わりに手作りクッキーをあげようとしているモニカ。
モニカ: Money is so impersonal. Cookies says someone really cares... Alright, we're broke, but cookies do say that. (お金だと非個人的だわ。クッキーなら誰かが心を込めたってことが伝わるでしょ。[チャンドラーたちに「本当にそう思ってるの?」みたいな顔をされて] 確かに私たちはお金がないわ。でも、クッキーは確かにそういうこと(心を込めたってこと)を伝えるのよ。)
フィービー: I can see that. A plate of brownies once told me a limerick. (それわかるわ。昔、お皿いっぱいのブラウニーが私にリメリック(5行詩)を語ってくれたもの。)
チャンドラー: Phoebs, let me ask you something, were, were these, uh, "funny" brownies? (フィービー、質問させて。そのブラウニーって、「ファニー」ブラウニーだったの?)
フィービー: Not especially. But you know what, I think they had pot in them. (特に「ファニー・ブラウニー」だってことはなかったけど、ブラウニーの中には pot (マリファナ)が入っていたと思うわ。)

Cookies (do) say that. は、「クッキーがそのことを伝える」ということですが、フィービーはその say という言葉を「言う、しゃべる」と捉えて、(a plate of) brownies が tell した(= told)と言っているのですね。
クッキーもしゃべるでしょうね、だって、昔ブラウニーがしゃべってるのを聞いたもの、みたいな感じです。

limerick は、研究社 新英和中辞典によると、
5行の戯れの詩
だそうです。
ロングマン現代英英辞典では、
limerick: [countable] a humorous short poem that has five lines that rhyme
つまり、「韻を踏む5行のユーモラスな短い詩」。
Wikipedia 英語版: Limerick (poetry) には、リメリックの例がいくつか載っています。

funny brownies は具体的に「マリファナ入りブラウニー」を指す言葉のようです。
ネット辞書などで裏が取れなかったのですが、このやり取りでは、そういう意味でないと面白さが伝わらないので、言っているチャンドラーも観客もそういう意味で理解しているはずだと思います。

ただブラウニーがしゃべるだけでもかなり尋常ではないのに(笑)、それがリメリックを語ると言うので、「しゃべるブラウニーってどんなのだよ?、リメリックを語るブラウニーなんて、マリファナ入りでラリってるブラウニーじゃないのか?」という感じで、"funny" brownies? とチャンドラーは尋ねているのですね。

pot は「マリファナ、大麻」という意味です。
フィービーは、「特に、funny brownies ってわけじゃなかったけど、ブラウニーにはマリファナが入っていた」と言っています。
チャンドラーにしてみれば、「そのマリファナ入りブラウニーのことを、funny brownies って言うんだよ! 否定したけど、やっぱり funny brownies なんじゃないかよ!」と心の中でツッコミを入れたくなるのですね。
いかにもフィービーっぽいトンチンカンな答えだった、ということです。

Urban Dictionary には、funny brownies は載っていなかったのですが、hash brownies という言葉は載っていました。
hash は hashish、つまり「ハシシ、大麻」のことですね。
Urban Dictionary の語義は以下の通り。
hash brownies: Brownies baked with marijuana for the intention of getting high.
例) You want some of these hash brownies? / Yeah, I need to get stoned.

つまり、「hash brownies とは、ハイになるためにマリファナを入れて焼いたブラウニー。」
例文は、「このハッシュ・ブラウニーが欲しい?」「あぁ、ハイになりたいからね。」

この例文の stoned は「(麻薬などで)酔っぱらって、ハイになって、ラリって」という意味ですね。
フレンズ1-15 のタイトルは、The One With the Stoned Guy 「麻薬で酔っぱらった[ラリった]男の話」で、実際にマリファナを吸った男性が出てきます。
それについては、明日、説明します。

hash という言葉だと、マリファナであることがあまりにも明白なので、それを隠すために、funny brownies というマイルドな表現があるのかなぁ?と思います。
そういう意味では、チャンドラーは、hash brownies と言うと語弊があるので、わざと funny brownies とボカしてみたのかもしれません。
それなのに、フィービーは、大麻を容易にイメージさせる pot という言葉をはっきり出して説明したので、「俺が気を使って言葉を選んだ意味がないじゃん。」みたいな感じが出ているのかもしれません。
「funny brownies ってわけじゃないけど…」と否定しながら、もっとはっきりとした言葉で説明してしまう、という面白さもあるのでしょうね。

funny には「奇妙な、変な(strange)」または「おかしい、滑稽(こっけい)な、人を笑わせるような」という意味があります。
「奇妙な」という意味で使っているとすると、普通の normal brownies ではないというニュアンスで、「変わったブラウニー」という感じになるでしょうか。
「人を笑わせるような」という意味だと、マリファナを摂取するとハイになって、笑いが止まらなくなったりすることから来ているのかな?と思ったりもします。
ファニーとブラウニー(ズ)で韻を踏んでいるようでもありますし、うまく考えたネーミングだなぁ、と思います。


(今日のポイント)
・funny brownies とは?
こういう隠語はなかなか辞書では語義が見つからないのですが、二人のやり取りからそれが何を指すかを想像することはできるかな、と思います。
今回の場合、pot がマリファナだと知っていて、なおかつ、フィービーがトンチンカンな答えを言う人だと知っていれば(笑)、結局、
"Funny brownies had/have pot in them."
ということに気付けるかなぁ?と。


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2007年10月15日

ブラウニーに入っているもの フレンズ3-7その27

間違ってレースカー・ベッドを受け取ってしまったことを言い訳するフィービー。
フィービー: Y'know what, it's all Joey's fault, 'cause he left his nose open! (ほら、全部ジョーイのせいなのよ、だって彼の鼻が無防備だったんだもの。)
モニカ: Did you make brownies today? (今日、ブラウニーを作ったの?)

leave(left) his nose open は「彼の鼻を open な状態にしておく」ということで、これはボクシングで、「鼻を殴られないように防御するのを怠る」ということでしょう。
ジョーイは全く無防備で、いつパンチを食らってもおかしくない状態だったのよ、と非難しているわけですね。
そこがオープンじゃなかったら、私も攻撃しなくて、鼻血を出すこともなくて、こんなことにならなかったのに、ということです。
ロングマン現代英英辞典では、open の語義の説明に、
語義4 not covered, 語義14 not blocked
という見出しが載っていますが、その「カバーされていない」「ブロックされていない」が近いような気がしますね。

Did you make brownies today? について。
「あなたもしかして今日ブラウニーを作った?」と、モニカは怪訝そうな顔で尋ねています。

まず、普通にブラウニーと言うと、チョコレートケーキのことですね。
下のウィキペディアには、写真もあります。
Wikipedia 英語版: Chocolate brownie
(ちなみに、この次のエピソード フレンズ3-8 では、冒頭シーンにブラウニーが登場します。)

でも、ここでのセリフの意味は、フィービーが一生懸命言い訳している内容がモニカには理解不可能なので、「フィービー、あなた一体何わけのわからないこと言ってるの? 頭、大丈夫?」みたいな感じになります。
レースカー・ベッドと、ジョーイの鼻が無防備だったことと、どういう関係があるのよ!?と言いたいのですね。

どうして「ブラウニー」なのか?
それは「ブラウニーにマリファナ(大麻)を入れて作る」ことがあるからです。
だから、「あなた、ヤクでもやったの?、ラリってるの?」みたいな意味になるのですね。

「マリファナ入りブラウニー」というものが存在することを、ある人が教えてくれたのですが、それを聞かなかったら、「ブラウニー」の隠された意味に一生気付かなかったかもしれません。

Wikipedia では、Wikipedia 英語版: Cannabis foods (Cannabis brownie) に詳しいことが載っています。(cannabis も「大麻」という意味です。)
大麻を入れた食べ物が世界中にはいろいろあって、その代表格がブラウニーなんですね。
色や味が濃いから、混ぜてもわかりにくい、ということかな?と思ったりします。

上のウィキペディアの In pop culture という項目では、さまざまな映画でそういう「マリファナ入りブラウニー」が出てきたことが載っています。
残念ながら、私はどの映画も見たことありませんでした。
また、フレンズのことも書いてありません。
セリフで言及されているだけで、実際にマリファナ入りブラウニーが出てきたわけではないから、でしょうね。
フレンズのような若い人が見る可能性が高いテレビドラマでは、実際に「そのもの」を登場させるのは難しいのかもしれません。

これだけいろんな映画に出てくるので、日本人の中でも「マリファナ入りブラウニー」についてご存知の方は多いのかも…。
「ブラウニーと言えば、もしかしたらアレが入ってるかもしれない」っていうのは暗黙の了解みたいなもので、だから今回のセリフのように、ただ、brownies と言うだけで観客は笑うのですね。

実は、以前のエピソード フレンズ2-9 にもそういうブラウニーの話が出てきました。
また、フレンズ1-15 には、マリファナの話が出てきました。

どちらとも、当時の解説では省いてしまっているので、明日、明後日に、その過去エピソードについて触れたいと思います。
「マリファナの話なんてどうでもいいぞー!」という方には申し訳ありません。


(今日のポイント)
・ブラウニーの隠された意味。
上のセリフで、ただのチョコレートケーキだと思ってしまうと、このセリフの面白みが伝わってきませんよね。
自分が外国で暮らした時に、こういうブラウニーに遭遇することがあるのかもしれません。
「ブラウニーにはマリファナが入っているものもある」ということを知識として持っていないと、誰かが勧めてくれたものを知らずに食べてしまうかもしれない。
自分の身を守るためにも、そういうことに関する知識は必要なのかな、と思います。


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2007年10月14日

コンテストに勝つ フレンズ3-7その26

[Scene: Monica's bedroom, Phoebe is trying to hide the bed from Monica.]
モニカの寝室。フィービーはモニカから例のベッド(レースカー・ベッド)を隠そうとしている。
モニカ: (sees the bed) What's this? ([ベッドを見て] これは何?)
フィービー: Isn't it cool? Varoom! Varoom! (それクールじゃない? バルーン、バルーン!)
モニカ: This is not the bed I ordered. (これは私が注文したベッドじゃないわ。)
フィービー: I know! You must've won like a contest or something. (そうね! 懸賞か何かに当たったに違いないわ。)
(Phoebe starts to make a sound like a car accelerating)
フィービーは車が加速するような[車のアクセルを踏むような]音を出し始める。
モニカ: Phoebe! ([怒って] フィービー!)
(Phoebe makes a sound like a car screeching to a halt.)
フィービーは車がキーと音を立てて止まるような音を出す。
モニカ: Why is this car in my bedroom? (この車がどうして私の寝室にあるの?)
フィービー: I'm sorry, okay, I-I wasn't looking, and the store says that they won't take it back, because you signed for it. (ごめんなさい。いいわ、私は(それを運び入れるところを)見ていなかったの。そして店側は、返品は受け付けないって、だってあなたがそれにサインをしたから。)
モニカ: When did I sign for it? (私がいつサインをしたのよ?)
フィービー: When I was you. (いつって、私があなただった時によ。)

フィービーは Varoom! と車の音の真似をしていますね。
日本語では「ブロブロ、ブルンブルン」となるところが、英語では「ヴァルーム」っていう感じになるんだなぁ。

contest は「コンテスト、競争、競演」。
日本語でコンテストと言うと、「美人コンテスト(a beauty contest)」のように、参加者の「技術・能力・才能」などを競うようなイメージがあるように私は思うのですが(←私だけ?)、今回のセリフの場合は、何らかの賞・賞品を目指して争うこと、つまり、たくさん応募した中から抽選で選ばれて賞品が当たる、応募した懸賞に当たる、みたいな感じのことのようですね。

ロングマン現代英英辞典では、
contest: [countable] a competition or a situation in which two or more people or groups are competing with each other
つまり、「二人またはそれ以上の人々やグループがお互いに競争するという競技または状況」
懸賞に応募すると、たくさんの人とその賞品を巡って争うことになる、そういう situation を contest と呼ぶ、ということでしょう。
フレンズ1-3その2 では、缶ジュースの中に入っている親指(!)を見て、
チャンドラー: Maybe it's a contest? Like "Collect all five." (それってコンテストじゃない? 「5本全部集めよう」、みたいな。)
というセリフがありましたね。

contest という単語を手持ちの英和で調べても「懸賞」という語義は載っていなかったのですが、
研究社 新和英中辞典で「懸賞」を調べると、
けんしょう(懸賞)= a prize contest [competition]
句例) 懸賞に当たる win [carry off] a prize (in a contest)
懸賞に応募する participate in [enter] a prize competition

などと出ています。
prize (賞、賞金)という言葉が出てくると、それをかけた懸賞であることがよくわかるのですが、今回の場合は、そのベッドが賞品で、won a contest 「コンテストに勝った(それを欲しいと思う人の中での競争に勝った)」からそれが貰えた、というニュアンスでしょうね。
ただ、日本語で「コンテストに勝った」と書いてしまうと、モニカが「なんとかコンテストに出場して優勝した」みたいに聞こえてしまうので、「懸賞に当たった」という訳の方がいいかなぁ、と思いました。
ちなみに、DVDの日本語訳は「何かの景品が当たったのかと思った」になっていて、やはり同じように「抽選で当たった」ようなニュアンスが出ていますよね。

ト書きの screech は「鋭い叫び声をあげる」こと。
また「自動車などがキーという音を立てる」という意味にもなります。
「スクリーチ」という音でも何となくそういう雰囲気がわかりますよね。
同じような音の単語に scream がありますが、あれも「叫び」ですね。
フレンズ3-1その2 では、
フィービー: ... all I could hear was, like, this high squeaky sound. (私に聞こえるのは、ほら、甲高いキーキーいう音だけだったのよ。)
というセリフがありましたが、その squeaky という形容詞やその動詞の squeak もよく似た感じですね。

screech は、ロングマン現代英英辞典では、
screech:
1. to shout loudly in an unpleasant high voice because you are angry, afraid, or excited (synonym: shriek, scream)

つまり、「人が怒ったり、恐れたり、興奮したりしているために、不快な高い声で大きく叫ぶこと。同義語 shriek, scream 」
2. if a vehicle screeches, its wheels make a high unpleasant noise as it moves along or stops
例) The car screeched to a halt.

つまり、「乗り物が screech する、というのは、乗り物の車輪が、動く時または止まる時に、高い不快な音を立てる、ということ。」
例文は、「その車はキーッという音を立てて止まった。」

halt は動詞「止まる」、名詞「停止、止まること」なので、
「キーという音を出す」 to (→) 停止(a halt)
つまり、キーと言う音を出して停止する、という感じになりますね。
この screech to a halt というのは決まり文句のようです。
「ほら、かっこいいでしょ!」とノリノリで運転している風を装うのですが、モニカに怒られて、キキーッとブレーキを踏むのが面白い。
ごまかしきれなかったわ、というところですね。
それにしても、「ヴァルーム!」「キキーッ!」…こういう音を出すのが英語圏の人はうまいですねぇ。

サインのやり取りはおかしいですね。
サインをしてしまっているから返品できない、とフィービーは言うのですが、モニカはサインした覚えはない。
「あなたがサインした時」→「それっていつ?」→「私があなただった時、あなたに成りすましていた時よ。」
いかにもフィービーっぽい答えですよね。


(今日のポイント)
・win a contest
contest を「コンテスト」と訳さない方が良いと思う例。
・screech to a halt 「キーという音を出して止まる」
・screech, scream, squeak などに共通する「キーという音を出す」という意味。
スクリー、スクウィーという音からそういうニュアンスを感じて下さい。


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2007年10月13日

私が使っている辞書たち

私は英和辞典をこう使った のコメント欄 で、「お勧めの辞書はありますか?」というご質問をいただいていました。
コメント欄のお返事で、簡単に説明したのですが、一度、記事として書いておいた方がいいかと思ったので、今日は私の使っている辞書についての話になります。

私はたくさんの辞書を使った経験があるわけではないので、「いろいろある中でどれが一番か?」というのはよくわからないのですが、以下に私が使っている辞書の名前を挙げてみます。

英和は、「研究社 新英和中辞典」、
和英もそれと同じシリーズの、「研究社 新和英中辞典」です。
英和に関しては、学生時代にたまたま(?)研究社の辞書を使っていて、主婦になってからまた英語のやり直し学習を始める際に、懐かしかったのと慣れていて使いやすいだろう、ということで、それを新たに買い直したんですね。
ですから、他の英和辞典はほとんど使ったことがないのです。

この研究社の英和は、私は英和辞典をこう使った で説明したような「用法、文法事項」が詳しく書いてありますので、私はこの辞書を使うことで文法力が付いてきたのかなぁ、と思っています。

和英は、学生時代には使っていませんでした。というより、そもそも持っていませんでした。
「和英は使っちゃだめだ。」みたいなことを誰かが言っていて、それを鵜呑みにしていたようですが(笑)、今は時々使います。
「使います」と言うより、「この日本語って、こんな風に訳すんだぁ〜。へぇ〜。」みたいに「参考資料」として参照する、という感じですね。

和英に頼りすぎて英作文を書くと、「日本人っぽい英語」を書いてしまう恐れがあるので、その和英に書いてある英語訳を自分なりに吟味してからでないと、安易に使うのは危険な気がします。
その和英に書いてあるものを「当てはめてみて」それが自然な英語として通るかどうかがわかるようになる、のがなかなか難しいことなんですよね。
それがナチュラルかどうかを見極めるための訓練として、自然で生きた英語にたくさん触れていかないといけない、ということです。
「これってちょっと変じゃない?」とわかる感覚は、その人が触れてきた英語の量に間違いなく比例すると思います。

後は、「英辞郎」も使っています。
これは「データベース」という感じで使っていて、新しい言葉を捜すのに便利です。
商品名などの固有名詞も多く載っています。
そういうものはネットで調べてもだいたいわかりますが、「すぐにパッとわかる」というのはやはりありがたいですね。
一般の辞書にあるような「用例、文法事項」はあまり詳しく書かれていませんので、「英辞郎だけ」では、「英文を”深く”解釈する」のは難しいと思います。
とりあえず、英語で書いてあることの「概要」がわかればよい、という方なら英辞郎だけで十分やっていけるし、実際ネットの英語を読む時は、英辞郎を使っていると便利なことは確かですね。
ただ、「本当の英語を読み取る力」を付けるためには、やはり伝統的な辞書が必ず必要になってくると思います。
「英辞郎」という辞書は、他の辞書と併用することを最初から想定されている辞書のように思います。
ですから、それぞれの用途に合わせて、辞書を併用したり使い分けたりしないといけない、ということですね。

英辞郎には、イディオムの語源について詳しく書いてあるものも多いですし、「今どきの言葉」もたくさん書いてあります。
そういう英辞郎の「特長」はどんどん使っていきたいですね。


英英辞典に関しては、私はロングマンをおすすめします。
ロングマンはお勧めしておられる方が多いので、私がいまさらここで説明することもないのですが、簡単な単語で語義が定義されており、とてもわかりやすいと思います。
これもたまたま本屋さんでいろいろ見ていて、ロングマンが合いそうだな、と思って買っただけなのですが、今では手放せなくなってしまいました。

私が持っているのは、
ロングマン現代英英辞典
LONGMAN Dictionary of Contemporary English (略称 LDOCE)
で、紙の分厚い辞書に、CD-ROM がついていました。
今はその CD-ROM をパソコンにインストールしたものを使っています。

ロングマンは、オンラインの辞書もあるようですね。
LONGMAN Dictionary of Contemporary English ONLINE Home

私はあまりオンラインの方を使ったことがないのですが、CD-ROM の方が機能が多彩なのではないでしょうか?
関連語のリンクを辿っていくことで、いろんな言葉をどんどん調べることができます。
調べる単語やフレーズも、「一字一句ドンピシャ」な言葉を入れなくても、「それらしいフレーズ」をボックスに入れてサーチすると、似たような言葉が検索結果として出てきますので、そこから探せばよいわけです。
CD-ROM 版は本当に「探し易い」ので、分厚い本の方はほとんど使っておらず、ただ飾ってあるだけです(笑)。
パソコンを立ち上げるのが面倒くさい時に見る程度でしょうか?(笑)

単語の綴りはイギリス方式が優先されているので、アメリカ英語に慣れた私にとっては「あれ?」と思うこともあるのですが、アメリカ英語についても大変詳しく触れられていて、語義の内容はイギリス方式に重点が置かれているようにも思いません。

ロングマンの中にもいろいろな種類があるようですから、アマゾンなどのレビューや、実際に本を手に取られて検討されたらよいかもしれませんね。

そういうメインで使う英英辞典と併用する形で、
オンラインの Merriam-Webster Online Dictionary や、Urban Dictionary も使っています。
ロングマンで見つからなかった時、あるいはロングマンの語義で納得できなかった時などにそれらを使っています。

英英辞典を使う時期、については、また近いうちに語ります。
私の経験から言うと、ある程度使いこなせるようになってから、つまり、英英辞典の語義の中に出てくる単語を再度調べなくても済むくらいの力がついてから、の方が、英英辞典を使うことによるメリットが大きいような気がします。

「英英辞典を使った方がいいよ」と数多くの方に忠告されながらも、つい最近までそれを実行に移せなかった私の言うことですから、そうとしか言えないのです(笑)。
最初からずっと英英辞典だけを使ってきた、それで実力をつけてきた、という方の意見は当然違うと思いますし、その方法が望ましいのは確かです。
私ももっと早くから英英辞典を使っていれば、もっと上達したんだろうなぁ、と思ったりもします。

でも、今現在の私の心境としては、
時期が来れば、自然に英英の方に手が伸びるようになってくる、
その時には、その英語の語義が頭にすんなり入ってくるようになる、
…私はそんな気がしています。

またそれについては詳しく話します。


(今日のポイント)
・辞書は用途に合わせて使い分ける。
人は性格や好みも違うので、どれが一番か、なんてことは私には言えません。
当たり前ですが、自分にとって使いやすいものが一番だし、慣れてきたらどれでも使いやすくなるのではないでしょうか。
・結局、その辞書に書いてあることを使いこなせるかどうかのセンスは、やはり本物の生きた英語にたくさんぶつかることで養われると思います。
辞書は必要不可欠なものですが、辞書だけに頼りすぎてはいけませんね。


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posted by Rach at 10:49| Comment(6) | DVD学習法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年10月12日

ビッグになれ! フレンズ3-7その25

レイチェル: All right, look, here's the bottom line, Ross, this is fixable if we act fast, okay? So, I'll invite him to brunch tomorrow, and you can make nice. (わかった。ねぇ、ここが肝心なところなのよ、ロス。もし私たちが素早く行動したら[対処したら]、これは修復可能よ。いい? だから、私はパパを明日ブランチに招待するわ。そしてあなたが(パパに対して)好意的に優しく振舞うの。)
ロス: Look, honey, I have tried to make nice, it doesn't work. (ねぇ、ハニー、僕は仲良くするようにこれまでトライしてきたんだ。うまくいかないよ。)
レイチェル: Okay, look, Ross, I realise that my father is difficult, but that's why you have got to be the bigger man here. (わかった、ねぇ、ロス。私のパパが難しい人だってことはよくわかってる、でもだから、あなたがここでもっと大きな男にならないといけないのよ。)
ロス: Look, sweetie, I could be the bigger man, I could be the biggest man, I could be a big, huge, giant man, and it still wouldn't make any difference, except that I could pick your father up and say, "Like me! Like me, tiny doctor!" (ねぇ、ハニー。僕はより大きな男にはなれるだろう。一番大きな男にもなれるかもしれない。大きくて巨大でジャイアントな男に。そしてそれでも何も変わらないんだ。君のパパを持ち上げて「僕を好きになれ! 好きになれ! 小さなドクター!」って言える場合を除いてはね。)

the bottom line は「最終結果、結論」「肝心なこと、大事なこと、重要なこと、要点」。
bottom line は元々、決算説明書などのような計算書の一番下の行を指します。
そこには、最終的な計算・集計結果、収支決算の数字が表示されるので、そこが一番大事だ、だから、「肝心なこと」という意味になったのですね。
普通は、The bottom line is that... の形で、「つまりは、要は、大事なことは…ということだ。」のように使います。
the bottom line と必ず the をつけましょう。

make nice について。
nice はロングマン現代英英辞典では、
nice: FRIENDLY
friendly, kind, or polite

という意味ですから、「良い感じで振舞う、(けんかしないで)仲良くする」というようなニュアンスでしょうね。

big というレイチェルの言葉に対して、big, huge, giant と同じような類義語を並べて、例えどんなに「大きく」なったとしても、心の広い男になったとしても、パパは心を開いてはくれないよ、パパとうまく行くのは難しいよ、と言っています。
except that は「(that 以下)であることを除いては」で、つまりは、「that 以下だというのなら、話は別だけど、別の可能性がでてくるけど」、that 以下でないならば何も変わらない、ということです。
否定の条件を表す接続詞の unless 「もし…でなければ、…なら話は別だが」と似た感じですね。

いくら大きくなっても、何も状況は変わらない。
でも、僕がパパを指でつまめるくらいの、a big, huge, giant man 「(身長や体のサイズが)でっかい男」になって、パパを怒鳴って威圧すれば、さすがのパパも歯向かえなくて、僕の言いなりになるだろうけどね、と言っているのですね。

レイチェルは「精神的」に大きな心を持って、とお願いしているのを、いくら精神的に大きくなっても無駄だよ、「物理的」に大きくなれたら可能かもしれないけど、と茶化しているわけです。

このビッグについては、日本語の「大きい、ビッグ」にも同じように二通りの意味があるので、日本人にもわかりやすいジョークですよね。

脱線しますが、たまたまテレビを見ていたら、10月20日から公開される「ヘアスプレー(Hairspray)」という映画のCMをやっていました。
サイズが big な(つまり太めの)女の子がスターになる、というお話のようですが、父親に「ビッグになれ!」と激励されているシーンが映っていました。
日本語字幕で「ビッグになれ!」と書かれている部分、実際の英語のセリフでは、
"You've got to think big to be big."
と言っているようです。
Hairspray の英語版オフィシャルサイトの ABOUT THE FILM に書いてあるあらすじでセリフを確認できました。ちなみにこのサイト、音楽が流れるので、会社などでは開かないで下さい…笑)

直訳すると、「ビッグになるためにビッグに[ビッグなことを]考えないといけない。」みたいなことですね。
ロングマン現代英英辞典には、
think big: (informal) to plan to do things that are difficult, but will be very impressive, make a lot of profit etc
つまり、「難しいが、非常に目覚ましい強い印象を与え、多くの利益を生み出すようなことをしようと計画すること。」
日本語で言うと、「野心や大志を抱け、でっかい夢を持て」みたいなことでしょうか?
小さいことにくよくよせずに、目標に向かって大きく考えろ、という感じでしょうね。

この女の子が big であることがその映画の特徴なので、わざと big という言葉を連呼しているのが面白いわけです。(このパパのセリフだけでも2回も出てきますし…笑)
日本語字幕には文字数制限があるので、「大きく考えろ」という部分まではとても盛り込めないのが、翻訳者の方の辛いところですが、その「ビッグになれ!」という訳(やく)で、日本人にも「ビッグな女の子に、ビッグになれ!と言っている面白さ」が十分伝わってきますよね。
ビッグという単語だけは、絶対に日本語訳に盛り込まないといけない、省いてはいけない、ということです。


レイチェル: Okay, well, can't you just try it one more time, Ross? For me? For me? (わかった、それじゃあ、ただあともう1回だけトライしてくれない、ロス? 私のために、私のために?)
ロス: Rachel, one brunch is not gonna solve anything. You gotta face it, okay? We're never gonna get along. (レイチェル、1回のブランチじゃ、何も解決しないよ。君はその現実を認めなきゃ、わかった? パパと僕は決してうまくいかないって。)
レイチェル: Okay, well, you are just going to have to, okay? Because I've already got a mother and a father who cannot stay in the same room together, okay? I don't wanna have a separate room for you too! (starts to cry) (ねぇ、ロスはただそうしなければならないのよ。だって、私はすでに同じ部屋に居られないパパとママを持ってしまったのよ、わかる? ロスとパパの二人のためにも別の部屋を持ちたくない[用意したくない]わ。)
ロス: Okay, okay, okay. (hugs her) I'll get the bagels. (わかった、わかった、わかった。[レイチェルをハグする] ベーグルを買ってくるよ。)

フレンズ2-22 では、仲の悪いレイチェルのパパとママが同じ部屋に居られないので、会場を2つ用意した、という話がありましたね。
この上、パパとロスの時までもそんな気を使わないといけないなんて、我慢できないわ、ということです。

ベーグルは、日本でも見かけますが、「ドーナツ型をした堅いロールパン」のことですね。
フレンズ1-9 で、ロスが、キャロルのお腹の中にいるベンに歌ってあげた歌の歌詞に出てきました。
ロス: Hey, hey, you're my baby, and I can't wait to meet you. When you come out, I'll buy you a bagel, and then we'll go to the zoo. (♪ヘイヘイ、君は僕のベイビー、君に会うのが待ちきれないよ。君が出てきたら、僕は君にベーグルを買ってあげる。それから二人で動物園に行くんだ♪)

ロスがレイチェルにベーグルを買ってくる、と言っているのは、レイチェルの好物だからでしょうかねぇ?
年齢的には立派な女性であるレイチェルが、パパとママのことで心配し悩み、子供のように泣いているのを、ロスが幼い女の子に言うようなセリフで慰めているのが微笑ましい、という感じでしょうか。


(今日のポイント)
・the bottom line 「肝心なこと」
・big 「大きい」の二つの意味。
これは日本語でも同じように表現できるので、感覚的にはわかりやすいと思います。
たまたま近日公開の「ヘアスプレー」のセリフで、同じように両方の意味で使われていたので、タイムリーかな、と思って取り上げてみました。


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posted by Rach at 12:23| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする