2008年12月31日

最初は怒りを覚え、それから… フレンズ3-17その2

ジョーイ: Anyway, her and Ross just started yelling at each other. (とにかく、レイチェルとロスがお互いに相手に怒鳴り始めたんだ。)
フィービー: Wait. Why was he yelling at her? He's the one who slept with someone else. (待ってよ。どうしてロスがレイチェルに怒鳴っていたの? 他の誰かと寝たのはロスなのよ。)
ジョーイ: Well, I guess he says that because they were on a break when it happened, that she should've forgiven him by now. (そうだな、俺はロスがこう言ったんだと思うよ。例の浮気が起こった時に、二人はブレイク中だったから、レイチェルは今頃はもう、ロスを許しているべきなのに、って。)
フィービー: Whoa!! He is soo unreasonable! God! Although I think I understand what he means. Oh my God! This is like 60 Minutes, okay, when, when, at first you're really mad at that pharmaceutical company for making the drug and then y'know you just feel bad for the people because they needed to make their hair grow. (まぁ! 彼は何て理屈に合わないことを言う人なの! もう! 彼の言いたいことは理解できるけどね。あぁ! これはまるで「60ミニッツ」みたいね。最初は、あの薬を作ったことで製薬会社に対してものすごく怒りを覚えて、その後、あの人たち[薬を使った・薬を求めた人たち]に同情するのよ。だって、彼らは髪の毛を生やす必要があったんだから。)

最初の部分のセリフで、ジョーイは、her and Ross と言っています。(実際の音声でも、her と言っています。)
her はレイチェルのことで、ここでは主語なので、本来は She であるべきですよね。
例えば、その前の文章で目的語 her の形で出ていたのなら(例えば、We were talking about her. Anyway, her and Ross... と続くのだったら)、前文を受けての流れで主語が her になるのも何となくわかる気がするのですが、フレンズ3-17その1 で解説したように、Rachel came over to borrow "something." の後に続くセリフなので、前文に目的格 her は使われていませんしねぇ…。
不思議な感じがするのですが、まぁ意味はわかりますので、問題ということもないのでしょう。
どうして、she ではなくて、her になったのかが気にはなるのですが…。
ジョーイが昨晩の出来事を話していて、「レイチェルがチャンドラーにローションを借りに来て…」と言ったところで、「ローションって言わずに、「何か」ってボカしといてくれよ!」というチャチャが入った。
そこで、話を本題に戻す感じで、前から話を引き継いだ感じの her にした、という感覚なのかな?と思ったりもしますが。(「引き継いだ感じ」という言葉が意味不明かも…すみません。)

I guess he says that は、that 以下でロスが言ったと思われる内容を説明しています。
that because.... that she should've... で、that 以下にある2つの文の内容をロスが話しただろう、ということですね。
Ross said, "Because we were on a break when it happened, you should've forgiven me by now." だろうとジョーイは考えた、ということです。
男性としてロスの言い分を理解しているので、ロスは多分こう言ったんだと思うよ、と説明しているのです。
浮気を知った時に怒ったのは無理もないけど、考えてみたらあの時は「ブレイク中」(be on a break)だったんだから、その事情も考慮すべきだ、もうそろそろ浮気のことを許してもいい時期なんじゃないの、ということですね。

He is soo unreasonable! God! Although I think I understand what he means. について。
reasonable は、日本語では「リーズナブル」として使われるように「値段があまり高くない、手ごろな」という意味がありますね。
また「理性的な、道理にかなった」という意味もあります。
reason には「理由」という意味以外に「道理、理屈」という意味もありますよね。
ですから、否定語 un- のついた unreasonable は「理性的でない、道理をわきまえない」です。
「ロスの言うことは道理にかなっていない、でも彼の言いたいことはわかる」って、フィービーはどっちの味方やねん?という感じですね。

フィービーが例えに出した 60 Minutes について。
Wikipedia 日本語版: 60 Minutes
ウィキペディアによると、「アメリカのドキュメンタリーテレビ番組、テレビニュースショー」といったものですね。

at first は「最初は、当初は、初めは。」
ロングマン現代英英辞典では、
at first: used to talk about the beginning of a situation, especially when it is different now
つまり、「状況の始まりについて語る時に使う。特に今では状況が違っている時(に使う)」。

日本語でも、「最初は」と言うと、「最初はそうだったけど、そのうち(事情が変わった)」というニュアンスが出ますよね。
「最初に」だと、In the first place または、ただの First になるでしょうか。

実はこのフィービーのセリフの後半の意味がいまいちよくわからないのですが、最初に at first と言っているところを見ると、最初の文の事情がその後変わった、ということを示唆することになりますよね。
the people というのは、that pharmaceutical company 「その製薬会社」との対比で、「(その会社の薬を使った)消費者」ということだと思います。

何を悩んだかと言うと、feel bad for の解釈です。
以前に、フレンズ3-11その5 でも、I almost feel bad for whipping that kid's pretzel at them. という文章が出てきた時に、記事とコメント欄で、feel bad について説明しました。

feel bad には「恥ずかしいと思う、当惑する、居心地が悪い」「かわいそうに思う、気の毒に思う、遺憾に思う」「気分が悪い、不愉快に思う」などの意味があるようです。
今回のセリフでは、「気の毒に思う」のか「不愉快に思う」かのどちらかだと思います。
普通は、I feel bad for と for が使われている場合は、「…をかわいそうに思う」、つまり、feel sorry for と同じような意味になることが多いようです。

ロングマン現代英英辞典では、
feel bad:
a) to feel ashamed or sorry about something
feel bad about (doing) something
I felt bad about not being able to come last night.
feel bad for
I feel bad for Ann - she studied so hard for that test and she still didn't pass.
b) to feel ill


a) は「何かについて恥ずかしい、または遺憾に思う」
feel bad about の例文は「昨晩、来られなかったことを申し訳なく思った。」
feel bad for は「僕はアンに同情するよ。彼女はあのテストに向けて一生懸命勉強したのに合格しなかったんだ。」
b) は「気分が悪い」

ちょっとニュアンスは異なりますが、日本語でも「彼に悪いと思う」(申し訳なく思う)のと「彼を悪いと思う」(彼に対して悪い感情を抱く?)のでは全然意味が違いますよね。
「悪い」という言葉が「申し訳ない」という気持ちに通じる、というのは、英語の feel bad も同じなんですね。

ということで、ロングマンの例文でも、feel bad for は feel sorry for と同じ意味で使われているようなので、やはり、feel bad for = feel sorry for だと考えるのが妥当かなと思います。
feel sorry for だと考えると、people つまり、その薬を買った人、使った人、その薬を欲しがった人たちに対して同情するわ、だって彼らは自分の毛を育てる(生やす)必要があったんだから、という意味になりそうです。
その薬を求めた人が薄毛で悩む人だった、ということで、セリフを最後まで聞くと、その薬というのは「毛生え薬」であることがわかるのですね。

でも、それだと、at first 「最初は…だけど、事情が変わって」という文脈に、内容が合っていない気がするんです。
今度は at first に注目してみます。
「最初は製薬会社がそういう薬を作ったことに対して怒りを覚え、その後…」と続くので、まだどんな薬かがセリフから判断できない間は、「危険な薬、人に害を与える薬、法律に違反するような薬、非人道的な薬」を作ったという話かな、と想像されますよね。
その後、事情が変わって、製薬会社ではなくそれを求めた人々に怒りの矛先が向かった、という流れだと、at first のニュアンスに合うような気がします。
「そういう薬を作った会社も悪いけど、元々はそういう薬を欲しがった消費者がいけないんだ」みたいな流れなら、何となく納得できる気がするし、「報道ドキュメンタリー番組っぽい」感じがする、ということです。
だから、you're really mad at と、you just feel bad for のどちらもが「…に対して怒りを覚える」という意味なら、怒りの矛先が変わった、という at first のニュアンスに合うようには思うのですが…。

でも、最後の文章が、(because) they needed to make their hair grow となっています。
これが、they wanted to make their hair grow なら、「髪の毛を伸ばしたい・生やしたいと思った」という意味になり、「(自然の摂理に反して?)そういうことを願った消費者がいけない」みたいにフィービーは考えた、という解釈も可能ですが、「彼らは増毛する”必要があった(needed)”から」と言っているのを見ると、やはり「そういう必要がある(やむを得ない事情がある)人たちに”同情する”」という意味になるような気がするのですね。

これが、for ではなくて、about を使った feel bad about なら、そういう消費者に対して、製薬会社と同じように「怒りに似た感情を覚える」という解釈も可能かもしれません。(上のロングマンでは、feel bad about の場合も「申し訳なく思う」という意味になっていますが。)
また、「怒り」を言いたいのであれば、feel bad for という、feel sorry for と解釈されそうな言葉を使わずに、もっとはっきり、feel angry at/with などを使うような気もします。

長くなりましたが、結局、私の解釈としては、

1. やはり、feel bad for は feel sorry for と同じく「同情する」という意味である。

2. at first you're really mad at that pharmaceutical company for making the drug and then... という流れから、今度は「本当に怒りを覚える相手は、製薬会社ではなくて、その薬を求めた消費者だ」という話に展開するのかと思いきや、「製薬会社に怒りを覚え、その後、髪の毛を生やしたいと思った人たちに同情しちゃうのよね。」と、話がヘンな方向に展開しているのがフィービーっぽくて面白い。

ということなのかな、と思いました。
ロスの発言を理屈に合わないと否定しながら、わからないでもない、とその後、理解を示したことを、この製薬会社のニュースに対する反応に例えたわけですが、本当にきちんと例えるのであれば、「最初は製薬会社に怒りを覚えたけど、製薬会社の言い分もわかる、そういうものを作ったのはそういう薬を求める人がいたからで、製薬会社だけを責めるわけにはいかない」という展開になるべきですよね。
それがそういう展開にならずに、何故か「増毛剤」を必要とする人へ同情する話になっている、というトンチンカンさがフィービーっぽいのかも、ということです。
製薬会社に同情するのなら、ロスへの気持ちの例えとして適切だと思うのですが、何故か違う人への同情になっている、というズレが面白い、ということなのかな、と。

わざわざ報道番組を例えに出して、違法で危険な薬を作った製薬会社のドキュメンタリーを彷彿とさせておいて、最後の最後に、それは増毛剤、毛生え薬であることが判明する、というオチも面白いですよね。
隣でその話を聞いているモニカの顔を見ても、「ん? どういう話?」みたいな顔になっているので、やはりここは、いつものフィービーのトンチンカンな例えだった、正しい例えとして機能していない、ということなんだろうと思うのですが、どうでしょう??


(Rach からの年末のご挨拶)
今日は大晦日。今年ももう終わりですね。
今年1年も、以前と同様に、また楽しくこのブログを続けさせていただくことができました。
そして、今年は、「自分の本を出版する」という、とても素敵な夢を叶えることができました。
何度もこのブログで言っていることですが、本を出版できたのは、このブログをずっと応援して下さった読者の皆様のお陰です。
本当に本当に感謝しています。

2005年6月から始めたこのブログ、もう3年半も続けていることになるのですね。
今でもランキングの上位にいさせていただけていること、本当に嬉しいです。
手間を惜しまずクリックして下さる方々、本当にありがとうございます。
また、温かい励ましのコメントを下さる方々、そして、フレンズ英語の解釈を一緒に考えて下さる方々、本当にありがとうございます。
楽しく英語学習を続けていられること、フレンズや英語に関することで、いろんな方と意見を交換できること、本当に私は幸せ者だと思います。

いつまで、とか、どのエピソードまで、とかは決めていません。
ただ、自分が楽しいと思える間は、そして、このブログを読んで下さる読者の方がおられる間は、ずっと続けて行きたいと思っています。
今年もいろいろとありがとうございました。
そして、来年もどうぞよろしくお願いいたします。


(Rach からのお願い)
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posted by Rach at 07:45| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月29日

何か、とボカして欲しかった フレンズ3-17その1

シーズン3 第17話
The One Without the Ski Trip (5人のスキー旅行!)
原題は「スキー旅行なしの話」 or 「スキー旅行なしの人」

今回のエピソードのタイトルですが、あるネットスクリプトでは、The One With The Ski Trip と表記されていて、また別のネットスクリプトや、Wikipedia、そして、DVDの英語字幕では、上に書いたように、The One Without the Ski Trip となっています。
よって多数決で(?)、The One Without the Ski Trip が正しいと判断しました。
今回の話の内容を考えると、The One With The Ski Trip 「スキー旅行の話」というタイトルでも可能は可能です。
(ちょっと今回のネタバレになりますが) The One Without the Ski Trip と without が使われている場合は、「スキー旅行がない話、スキー旅行なしの話」かもしれないし、今回の場合だけ、one は「話」ではなくて、「人」を指すのかもしれません。(自分でもちょっとわかりません)


[Scene: Central Perk, Chandler and Joey are sitting on the couch reading.]
セントラルパーク。チャンドラーとジョーイは(何かを)読みながらカウチに座っている。
ジョーイ: Can I see the comics? (漫画を見せてくれる?)
チャンドラー: This is the New York Times. (これはニューヨーク・タイムズだぞ。)
ジョーイ: Okay, may I see the comics? (わかったよ。漫画を見せてもらってもいいですか?)

私はニューヨーク・タイムズの現物を見たことがないのですが、きっと新聞に漫画は載っていないのでしょうね。
「記事は難しそうだけど、載ってる漫画だけでも見せてよ」という感じで言ったジョーイに対して、チャンドラーは、「漫画なんて載ってるかよ、だってこれは、ニューヨーク・タイムズなんだから」という意味で答えたように思います。
それをジョーイは、「高尚な新聞だから、読みたいんなら、もっと丁寧な言葉で頼め」と言われたかと思ったようで、丁寧な依頼文として言い直しています。
may は「許可」を表します。
Can I...? → Could I...? → May I... ? とすることで、より頼み方が丁寧になりますよね。


[Monica and Phoebe enter.]
モニカとフィービーが入ってくる。
モニカ: Guys. I thought you were taking Ross to the game? (はーい。あなたたちは、ロスをゲームに連れて行く予定だと思ってたのに?(どうしてここにいるの?))
チャンドラー: We are. He's meeting us here. (確かにその予定だよ。ロスは俺たちとここで会う予定なんだ。)
モニカ: No! Rachel is meeting us here! (だめよ! レイチェルは私たちとここで会う予定なのよ!)
フィービー: Oh come on! They can be in the same room. (ねぇ、いいじゃない! ロスとレイチェルは同じ部屋にいることはできるわ。)
ジョーイ: Yeah, you shoulda been there last night. (そうだねぇ、フィービーは昨日の晩、あの場所にいるべきだったよ。)
フィービー: Why? What happened now? (どうして? その時、何が起こったの?)
ジョーイ: Well, Ross was hangin' out over at our place, Rachel comes over to borrow some moisturizer from Chandler.... (うーんと、ロスが俺たちの部屋で時間をつぶしてて、レイチェルがチャンドラーにモイスチャーローションを借りに来て…)
チャンドラー: Yeah y-you, how hard is it to say "something"? Rachel came over to borrow "something." (なぁ、「何か」って言うのがどんなに難しいんだ? レイチェルが「何か」を借りに来た、って。)

I thought という過去形は「思っていたけど、実際は違うようね。」というニュアンスがありますね。
ゲームに行くはずなのに、どうして今こんなところにいるの? ここで会うなんて意外ね、という感じです。
We are. というのは、モニカの言葉を受けて、We are taking Ross to the game. ということで、モニカが言うとおり、今でもその予定だよ、という意味です。

He's meeting us here. は「ここで落ち合うことになっている、会う約束をしている」というニュアンス。
モニカは、Rachel is meeting us here! と言っていますが、meeting US here と、us の発音を強調しています。
男性陣がここで会う約束してるっていうけど、「女性陣の私たちも」ここで会う予定なのよ、ここで会う予定にしているのは「私たち」よ。男性陣がここで会うつもりにしてるなんて困るわ、という感じですね。

フィービーは、「同席するぐらいは構わないわ、たまたまこのお店で鉢合わせしても大丈夫よ」と言うのですが、ジョーイは、you shoulda been there last night と答えます。
shoulda = should've で、「昨夜、君はそこにいるべきだった」と、何かしら問題があった場面を君も目撃しているべきだった、俺たちはその場面を見たから、二人が同席可能だなんて到底思えない、昨日の晩の様子を見たら、そんな暢気なこと、言えないんじゃないの?という感じです。

What happened now? について。
now は現在時制の動詞と一緒に使う、というイメージがありますが、このように、過去形とセットで使うこともあるようですね。
研究社 新英和中辞典では、
now=[物語の中で] 今や、そのとき、それから、次に
例) He was now a national hero. 彼は今や国民的英雄であった。

というのが載っています。

今回の now のニュアンスも、「昨日、あそこにいるべきだったね。」「”その時”一体何が起こったの?」ということでしょう。
これからその時起こったことが話されるであろうことを見越して、その「いるべきだった」っていう時に、何が起こったの?という感じです。

moisturizer は「肌をしっとりさせるクリーム・ローション、モイスチャークリーム、モイスチャーローション」。
動詞 moisturize は「…に湿気・潤いを与える、(肌を)しっとりさせる」という意味ですから、保湿クリーム、保湿ローションのようなものですね。

how hard is it to say "something"? Rachel came over to borrow "something." について。
これは、どうしてわざわざはっきりと、moisturizer だと言うんだ?という抗議ですね。
ここでの話のメインは、ロスとレイチェルが鉢合わせして、どんな状況になったか?ということなのに、その部分をそんなに細かく説明しないとだめなのか?、「何かを借りに来て」と言えばいいじゃないか、ということです。
ローションを「何か」と表現することがどんなに難しいんだ?、そんなに難しいのか?、どうして、ただ「何か」って表現してくれないんだよ、「何か」とボカして言ってくれないんだよ、と怒っているのです。
レイチェルがわざわざ借りに来るくらいですから、女性用のローションで、きっと品質も良いものなのでしょう。
いつもゲイ疑惑を持たれるチャンドラーですから、そんなローションを持っていることを知られたくないのに、わざわざ関係ないところで詳細に説明するなよ、ということですね。


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posted by Rach at 10:27| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月27日

こんなはずじゃない フレンズ3-16その24

レイチェル: (crying) No. I can't. You're a totally different person to me now. I used to think of you as somebody that would never, ever hurt me. Ever. God, and now I just can't stop picturing you with her, I can't, (Ross stands up and backs away) it doesn't matter what you say or what you do, Ross. It's just changed everything. Forever. ([泣きながら] いいえ、だめなの。今、あなたは私にとって、すっかり(前とは)別人なの。私はあなたを、決して絶対に私を傷つけたりすることのない人だと思っていたの。あぁ、そして今、私はあなたが彼女と一緒にいるところを想像しないではいられない。想像してしまうのよ。[ロスは立ち上がって、後ろに下がる] あなたが何を言おうが、何をしようが関係ないわ、ロス。ただ全てを変えてしまったのよ。永遠に。)
[We see the rest of them are now crying.]
観客は残りのフレンズたちが今、泣いているのを見る。
ロス: (crying) Yeah, but this can't be it, I mean. ([泣きながら] そうだね。でも、こんなはずないよ。)
(pause)
沈黙。
レイチェル: Then how come it is? (それなら、なぜ、今こういう状態なの?)

You’re a totally different person to me now. は「あなたは今や、全く違う人である」ということで、「あなたは昔のあなたとは変わってしまった、私にとってあなたはもう昔のロスじゃない、もう私の愛していたロスではない別人になってしまったの。」ということです。
I used to think は、「以前は…と思っていた」ということ。
研究社 新英和中辞典に、
used (to do)=[現在と対照的に過去の事実・状態を表わして] 以前は…で[…が]あった
という語義が載っていますが、今回も、I used to think... and now と言う風に、「過去と現在が対比」されていますね。
あなたは、「私を決して傷つけたりしない人」だと思っていた、ということです。
picture は「想像する」という動詞で、you with her は、「彼女と一緒にいるあなた」を想像するのを止めることができない、頭から振り払おうとしても、どうしても、あなたと彼女が愛し合っている姿を想像してしまう、ということです。

It's just changed の 's changed は、be changed という受身形ではなくて、has changed という現在完了形です。
It's just changed everything. の it は状況を指す it でしょうか。
it は無理に訳さずに、「ただ、全てを変えてしまった。」と訳すといいのかもしれません。
Everything has changed. 「全てが変わった。」ではなくて、つまり自動詞の「変わる」ではなくて、It has (just) changed everthing. と change が「全てを変える」という他動詞として使われているところにも注目です。
あらゆることが「変化した」のではなくて、ロスがクロエと寝たという状況・出来事が、私たちを取り巻く全てを「変えてしまった」と、その変化をもたらしたものの「力、大きさ、ことの重大さ」を言っているような気がします。
「全てが変えられてしまった」の後、Forever. と言っています。
このことをもう一生、永遠に忘れることはない、もう決して昔には戻れない、ということですね。

this can't be it. について。
can't は「…であるはずがない」。
It cannot be true. だと「本当のはずがない。」です。
また、英語の決まり文句に、This is it. というのがあります。
英辞郎では、
This is it.=いよいよ来るぞ。さあいよいよだ。これがそうです。これだ。来るものが来た。
という語義が載っています。
ロングマン現代英英辞典では、
this is it: (spoken) used to say that something you expected to happen is actually going to happen
つまり、「起こると期待していたことが実際に起ころうとするのを言うのに用いられる」

This is it. を直訳すると、「これが”それ”だ。」になりますが、その it というのが、頭の中に描いているあるイメージを指しているという感じでしょうか。
今回のロスのセリフはそれを「…であるはずがない」と強く否定しているので、「これが、この今の状況が、”それ”であるはずがない」、つまり、「こんな結果になるはずがない、これが僕たちの最終的な形であるはずがない、これが僕たちの期待していた姿ではない」という感じだろうと思います。
日本語で言うと、「こんなはずではない、こんなのってない」ということですね。
This is it. フレンズ3-4その5 でも、This is it. とそれに似た表現について触れています。

それに対するレイチェルの、Then how come it is? について。
it is は「今の状態」を指しているのでしょう。
how come は、why 「なぜ」ですね。
ロスは「こんなはずじゃない、こんなのおかしい」って言うけど、じゃあ、どうして今、こんな状態に私たちはなっているの?ということだと思います。
「こんなのは僕たちの想像とは違う」と言っても、現に今私たちは、こんな状態になってしまっているじゃない、ということです。


CLOSING CREDITS
[Scene: Monica's bedroom.]
モニカの寝室
フィービー: They've been quiet for a long time. (二人は長い間ずっと静かね。)
ジョーイ: Maybe she killed him. (多分、レイチェルがロスを殺したんだよ。)
チャンドラー: Let's go. (行こう。)
[Cut to Living Room, Rachel is sleeping on the couch, Ross is gone, the rest of them can finally emerge from their cell. They all wave good bye, and start to walk quietly out, as Monica goes and puts a blanket on Rachel. Joey starts walking all hunched over and bobbing his shoulders as he goes.]
リビングに画面がカット。レイチェルはカウチで眠っている。ロスは出て行ってしまった。残りのフレンズたちはついに彼らの独房から出ることができる。彼らは全員さよならと手を振り、静かに歩いて出て行こうとする。その時、モニカはレイチェルにブランケットをかけてやる。ジョーイは前かがみになって、肩を上下に動かしながら歩いている。
チャンドラー: (to Joey) Is that your new walk? ([ジョーイに] それがお前の新しい歩き方か?)
ジョーイ: (whispering) No, I really have to pee. ([ささやきながら] 違うよ、俺はすごくおしっこがしたいんだ。)

隣の部屋から口論の声が聞こえなくなってしばらく経つので、have been quiet for a long time という継続を表す現在完了形が使われています。
こんな時に、「静かなのは、きっとレイチェルが怒りのあまり、ロスを殺したからだな。」などと、ブラックなジョークを言うジョーイ。

ト書きの中の表現について。
emerge from their cell という表現が面白いですね。
emerge from は「…から出てくる、現れる」。
cell は「独房」。
彼らはずっと囚われの身だった、という感じです。

動詞 emerge の名詞形は、emersion 「出現」。
これとよく似た単語に immersion 「(液体に)浸すこと、熱中、没頭」というのもあります。
英語だけを使って「英語に浸りきった状態」で英語を学ぶことをイマージョンと言いますが、それが、immersion ですね。
immersion の動詞形は、immerse 「…を(液体などに)浸す」です。
動詞は、emerge と immerse で少し形が違いますが、名詞形は、emersion と immersion となり、綴りが似ていますのでややこしいですねぇ。

hunch は「背中を曲げる、猫背になる」。
hump 「(名詞)背中のこぶ、(動詞)背を丸くする」の変形です。
bob は「急に上下に動く・ゆれる、…を急に上下に動かす」。

ジョーイが妙な歩き方をしているので、それが、フレンズ3-16その20 で言っていた、a new walk 「新しい歩き方」、a take-notice walk 「注目される歩き方」か?と尋ねるチャンドラー。
ジョーイはただ、おしっこに行きたいだけで、それを我慢しながら歩いているので、変な歩き方になっていただけだった、という、「お前は子供か!?」とツッコミを入れたくなるようなオチです。
ただ、今回の話は、超重苦しいので、こんな無邪気なオチでもないと、救いがありませんよね。

寝室で唐突に話題に出た、a new walk が、最後の最後にオチで使われるとは予想していませんでしたが…でもよくよく考えてみると、あの歩き方の話があそこで終わっていたら、なおさらあのやり取りが無意味なものになってしまうので、最後のオチのために、あそこであんな話が出た、というのが正しい流れですね。
そんなに面白いオチでもないんですけど(ごめん)、後にジョークとして使うための伏線があちこちにちりばめられている、というところが、フレンズの脚本がよく練られているな、と思う大きな要因でもありますね。


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posted by Rach at 07:34| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月25日

プロフィールに写真を掲載しました

えーっと、別に「クリスマスプレゼント」というわけではないのですが(「そんなプレゼント、いらんわい!」という声が聞こえてきそうですしねぇ…笑)、サイドバーのプロフィール欄に、顔写真を掲載しました。

過去記事、スペースアルク特集に登場! でご説明しましたように、スペースアルクさんの英語特集、ネイティブの表現と動作を身につけろ! 海外ドラマ de 英語学習:実践した5人に聞く 海外ドラマが英語力アップに効く理由 で、私の写真を掲載していただきました。
この特集は今日までで、明日からはまた別の特集記事に変わります。
バックナンバーやアーカイブズとして見ることは可能だそうですが、アルクさんの特集記事が変わるこの機会に、自分のブログのサイドバーにも写真を載せておこうかな、と思いました。

かなり下にスクロールしないと見られません。見たくない方は、決して下にスクロールしないで下さい(笑)。
顔も出したことですし(?)、これまで以上に、フレンズ英語解説を頑張っていきたいと思います。
「フレンズと言えば、このブログ!」と言っていただけるように頑張ります!

最近はこのような「お知らせ」ばかりで申し訳ありません。
今日は、この記事の下(↓)に、フレンズ解説記事も投稿しておりますので、どうかご勘弁を。

それでは皆様、これからもよろしくお願いいたします。
I wish you a merry Christmas!


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posted by Rach at 10:49| Comment(2) | 節目となる出来事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

君のいない人生なんて フレンズ3-16その23

ロス: (moving over to stand in front of her) Okay, okay. This morning you said there was nothing so big that we couldn't work past it together.... ([移動してきて、レイチェルの前に立つ] いいか、いいか。今朝、君は言ったよね、僕たちが一緒に乗り越えることができないような大きなものは何もない、って。)
レイチェル: Yeah, what the hell did I know! (そうね、その時私は何を知っていたかしら!)
ロス: Look, look, there's got to be a way we can work past this. Okay, (takes a hold of one of her arms.) I can't imagine, I can't imagine my life without you. (Both of them are starting to cry.) Without, without these arms, and your face and heart... your good heart, Rach, (drops to his knees and hugs her around her waist) and, and.... (ねぇ、ねぇ。これを乗り越えてうまく解決する方法がきっとあるはずだ。そうだろ。[レイチェルの腕を掴む] 僕は想像できない、想像できないんだよ、君のいない人生なんて。[二人とも泣き始める] この腕、君の顔、君の心が僕の人生からなくなるなんて…君のその素晴らしい心が、レイチェル。[ひざをついて、彼女の腰に手を回して抱きしめる] それから、それから…)

work past のニュアンスの説明が難しいです。
実際の音声は、ネットスクリプト通り、we couldn't work past it together と発音されていますが、DVD英語字幕では、we couldn't work out と書いてあります。
work のニュアンスは、work out 「何とか解決する、うまくいく」ということですね。
past は「…を過ぎて、…を超えて」という前置詞でしょう。
ですから、work past it は、「(今の困難な)状況を通り過ぎて、そこを乗り越えて(問題を)解決する」というニュアンスだろうと思います。
「一緒に頑張れば乗り越えられないことなんてない。君は今朝そう言ったよね。」とロスは言っているのです。

what the hell did I know! は、the hell という強意語まで入っていて、「私はその時、一体何を知っていたの?」みたいな感じです。
疑問文を使った反語表現、でしょうか。
I didn't know anything about you and her, then. みたいなことですね。
その時はクロエとの一件を知らなかったから、そんなことが言えたのよ、ということです。

I can't imagine my life without you. というセリフには泣けますね。
「君のいない人生なんて想像できない」「君なしの人生なんて考えられない」ということです。
I can't live without you. と同じようなニュアンスですね。

without you の後に、もっと具体的なレイチェルの体の部分が出てきます。
それぞれが without の後ろに続くべき言葉で、そういうもののない人生なんて、想像できないよ、と言っているのです。
今こうして触れている腕に触れることができないなんて、この可愛い顔が僕の人生から消えてしまうなんて、そして、心、君の素晴らしい心。
見た目の可愛さや美しさだけではなく、ちょっとわがままだったり、いじわるだったり、そういうところも全部含めて君が大好きだ、君は素敵な心の持ち主なんだ、という告白ですね。

drop to one's knees は「がっくりひざをつく、ひざを落とす」。

一応、上では waist を「腰」と訳しましたが、厳密にはやや違うのかもしれません。
研究社 新英和中辞典では、
waist=(人体の)ウエスト (肋骨(ribs)とヒップ (hips)の間の胴のくびれた部分) (比較:日本語の「腰」にあたる語は loins が近い)
という説明があります。

hugs her around her waist というのも、過去記事、キスする対象は人間か部位か フレンズ3-16その22 で語った hit him on the head などと同じで、目的語は hug という行為の対象である人間の her になっていて、「彼女を抱きしめる、その抱きしめ方は、彼女の waist の周りをぐるっと抱きしめている」という感じです。


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2008年12月23日

ベルトンさんのメルマガ

先日、クリストファー・ベルトンさんの「英語は多読が一番!」を読んで という記事で、ベルトンさんのご本 英語は多読が一番! をご紹介しました。
そのベルトンさんはメルマガを発行されていて、そのメルマガ上で、拙著 シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法 の書評を書いて下さいました。(それも英語で!)

ベルトンさんのオフィシャルサイトはこちら(↓)。
Christopher Belton Official Web Site: 作家・翻訳家 クリストファー・ベルトン
ベルトンさんのメルマガについての情報はこちら(↓)。
まぐまぐ!:クリストファー・ベルトンの「英語の世界」(中級)

以下のリンクで、メルマガのバックナンバーが読めます。

2008/12/14 クリストファー・ベルトンの「英語の世界」 <第57号> では、私がこのブログで、ベルトンさんのご本の書評を書いたことについて触れて下さっています。
ベルトンさんのご家族が、フレンズのキャラの誰に似ているか、という話が面白いです。
ベルトンさんはイギリスご出身ですが、フレンズのDVDを全部揃えているほどの大ファンだそうです。

2008/12/21 クリストファー・ベルトンの「英語の世界」 <第58号> では、拙著に対して、素敵な書評を書いて下さいました。ありがとうございます!


ベルトンさんのメルマガは英語で書いてある部分が多いです。
そこが、日本人英語学習者にとっては、とても嬉しくありがたいですね。

英語のネイティブスピーカーの人が書いている英語日記はネット上でたくさん見つかります。
そういうものを読んで、自分のライティングの参考にする、ということも可能は可能なのですが、ただ、英語圏の人が読むことを想定して書いてあるものは、表現がかなり難しくなります。
難しい、というのは、単語が難解、ということではなくて、辞書には載っていないようなカジュアルな表現が頻繁に使われる、ということで、とても「手ごわい」のです。

例えば、方言の例で言うと、関西人ばかり集まっている中で交わされている関西弁は、多分、他の地域の人にはわかりにくいでしょう。
でも、関西以外の人が同席していると、アクセントやイントネーションはそのままでも、無意識にでも、単語や表現は出来るだけ他の地域の人にもわかるものを使おうと思うかなぁ、と。

そういう意味でも、日本人英語学習者が読むことを想定して書かれているベルトンさんの英語は、読みやすくわかりやすいのです。
日本人向けにリライト(rewrite)しているということはないと思いますが、「ネイティブのイギリス人ではない人が読んでいる」ということが意識の中にあるだけでも、文章というのは随分違ってくるような気がするのですね。
私も「日本語を勉強中のネイティブの方」にコメントの返事を書く時は、いつものラフな日本語よりも、もう少し丁寧にわかりやすく書こうと思いますし。

そして、ベルトンさんが書かれた文章は、ネイティブの方の文章ですから、当然「ナチュラルな英語」なわけです。
「ネイティブとしてナチュラルな英語」、ここが非常に重要なのです。

私も Karen という別名を使って、英語日記( Karen's blog supplemental )を(あくまで自分のライティング練習用に)書いていますが、Karen の英文は、「日本人はこーゆーところをよく間違うんだよね。」という「典型的な日本人英語」を研究するには良い素材(?)だと思いますが、同じように英語日記を書いておられる他の日本人英語学習者の方々の参考になるようなものでは決してありません。
謙遜ではなくて、やはり「日本語チックで、ナチュラルではない英語表現」が、そこかしこに出てきているだろうと思うんです。(自分では一生懸命書いてるつもりでも、そこは本当にわからない。逆に言うと、それがわかるくらいなら、そんな間違いはそもそもしないわけですし…笑)
ですから、英文ライティングに興味のある方は、ネイティブの方がわかりやすく書いた英文を参考にし、いろんな表現を「英借文」して、自分のフレーズにしていけばいいのだと思います。

また、ネイティブだから、という理由だけではなく、英国でも作家としてご活躍され、英国で出版された Crime Sans Frontieres が「ブッカー賞ノミネート作品」となった、ということですから、英語の文章の素晴らしさはお墨付きですね。
日本人の誰もが美しい日本語を書けるわけではないのと同じで、自分が英語を学ぶ際にも、素敵な英語を書く人の文章を参考にしたい、ということです。


今回、ベルトンさんのメルマガをご紹介したのは、私の本を英語で褒めて下さっているので、それを皆さんにも読んでいただきたい、という気持ちももちろんあるのですが、英語で書評を書く場合、どういった流れで書くべきかとか、褒め言葉にはどういうものが使われているかとか、そういう部分も大変参考になると思います。

興味のある方は、是非、ベルトンさんのメルマガを読んで下さいね。
私のこの日本語だらけのブログを読むよりも、ずっともっと勉強になること間違いなし!です。

クリストファー・ベルトンの「英語の世界」(中級) Backnumber (記事履歴) では、他にもいろいろなバックナンバーが読めます。
その中では特に、2008/10/26 クリストファー・ベルトンの「英語の世界」 <第50号> の「イギリスのジョーク」が私は好きですね。うふふ。

ベルトンさん、いろいろとありがとうございました!


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posted by Rach at 09:09| Comment(2) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月21日

キスする対象は人間か部位か フレンズ3-16その22

(He kisses her on her shoulder, then her neck, then the side of her face, then just before he kisses her on the lips....)
ロスは彼女の肩にキスをする。それから、首、そして彼女の顔の横に、そして彼女の唇にキスする直前に…)
レイチェル: No, Ross!! (stands up and moves away from him) Don't! You can't just kiss me and think you're gonna make it all go away, okay? It doesn't work that way. It doesn't just make it better. Okay? (いやよ、ロス! [立ち上がり、彼から離れる] やめて! ただキスをして、すべてがどこかに去ってしまうように思うことは出来ないのよ、いい? そんな風にうまくはいかないわ。それで状況をよくすることにはならないの、いい?)
ロス: Okay, okay, okay. (わかった、わかった、わかったよ。)
レイチェル: (softly) I think you should go. ([静かに] あなたは出て行くべきだと思う[出て行って]。)
ロス: What? (何だって?)
レイチェル: (softly) I really think you need to go now. ([静かに] 今、あなたは出て行く必要があるって、私は本当に思ってるのよ。)

He kisses her on her shoulder, then her neck.... というト書きについて。
今日は、この部分の説明が長くなります。

日本語では、「”彼女の肩に”キス(を)する」と表現しますが、ト書きではそれを、kisses her shoulder とは言わずに、kisses her on her shoulder と表現していますね。
通常は、kisses her on the shoulder と体の部分を表す名詞の前に the を用いることが多いように思いますが、kisses her on her shoulder というのも、このト書きを見る限りは、「アリ」なんでしょうね。
どうして、the ではなくて、her を使っているのかを、私なりに勝手に想像してみると、her shoulder の後、her neck, (the side of) her face と目的語だけが続くので、the だけだと、kiss her 「”彼女に”キスする」という「彼女」のイメージがだんだん薄まってしまうから、それぞれ、部位の名前に her をつけた、ということなのかなぁ、と。
ト書きの最後は、he kisses her on the lips で、ここでは、her lips ではなくて、the lips です。
彼女の唇にキスをする、というのは、この kiss her on the lips が一番自然な表現ですね。
the 「その」と定冠詞をつけることで、目的語となっている her の唇だ、ということはおのずとわかりますし、上の部分のように、shoulder, neck, face と3つも続かないので、通常通りの、kiss somebody on the lips の形になっているのだろうと思います。

今回はキスの話ですが、英語では「彼の頭をたたく、殴る」という場合でも、hit his head ではなくて、hit him on the head と表現しますね。
「顔を殴る」だと、hit him in the face、「手を掴む」だと、catch him by the hand と表現したりします。
この部分、日本語と違う感覚で、英語っぽくて面白いなぁ、といつも思っていたのですが、過去記事、「英語にもっと強くなる本」を読んで で語った、晴山陽一さん英語にもっと強くなる本 (青春新書INTELLIGENCE) でも、この日英表現の違いについて触れられていました。
p.27 から p.28 にかけて、以下のような例文を挙げて、説明があります。

He struck me on the head. 「彼は私の頭をぶった。」
A ball hit me on the head. 「ボールが頭に当たった。」
日本語だと、被害を受けているのは「私の頭」であって「私」ではない。どこか他人事みたいな冷めたところがある。
英語では明らかに直接目的語の me が被害者となっている。


つまり、何かが当たって痛い思いをしたのは「私」という人間である、ということですね。
「彼は私をぶった」、どこをぶったかというと、on the head 「頭の上を(ぶった)」ということになります。
日本語だと、「私の頭をぶった」という見た目でわかる状況を説明していて、「だから私は頭が痛くて、むっとしている」ことが想像されるわけですが、英語のように人を目的語に取るほどのインパクトはないような気がします。

晴山さんは、日本語は「ことがら中心主義」である、英語は「人間中心主義」であり「人格尊重主義」である、と説明されています。
キスの様子を説明した上のト書きの場合も、「ロス(という男性)がレイチェル(という女性)にキスをする」という、ある人からある人に対する行為を述べていて、その場所がちょっとずつ変わっていくので、on her shoulder, then her neck.... という風に描写される、ということですね。
日本語では、「彼女にキスする」「彼女の唇にキスする」のどちらも自然な表現ですが、英語の場合は、kiss her lips ではなく、kiss her on the lips が自然である、ということの説明として、ちょっと詳しく説明してみました。
丸暗記したらおしまい、という話もありますが、その根底に流れる、日英の意識の違いに注目してみることも大事だと私は思っています。

ロスは、キスする前に、I love you so much. という正直な言葉を言っていました。
そしてキスで、二人は元通り…とはいかないんですね。
確かに男女の喧嘩の場合、こうやって仲直りすることも多いですが、でも今回は、今回だけは、「こういうこと」をされると、「こういうこと」をクロエにもしたんだわ、といやなことを思い出してしまう、彼女との一件をどうしても思い出さずにはいられなくなり、つい拒んでしまうのですね。
別に私にこういう経験があるわけではありませんが(笑)、女として、気持ちはよくわかります。

make it all go away は、今の困難な状況全部が、どっかにパーッと去って行ってしまうようにする、というニュアンスでしょうね。
キスすることで、全てをなかったことのようにはできない、これですべての問題を解消することはできないのよ、ということです。

レイチェルは softly に「出て行って」というセリフを言っています。
softly は「ソフトに、静かに、柔らかく、そっと」という感じですが、「もう出てってよ!」と怒鳴っていない分、余計に見ている方が悲しくなりますね。
こんな悲しそうなレイチェルの顔は、これまで見たことがない気がします。


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2008年12月19日

戦うか逃げ出すか フレンズ3-16その21

[Cut to Living Room]
ロス: Y'know what, y'know what, I'm-I'm not the one that wanted that, that break, okay. You're the one that bailed on us. You're the one that, that ran the moment things got just a little rough! (ねぇ、あんな、あんなブレイクを望んだのは僕じゃない。僕たち(の関係)から逃げ出そうとしたのは君だ。物事がちょっと辛くなった途端に、逃げ出したのは君だ。)
レイチェル: That's.... (それって…)
ロス: That's what?! (それって何だよ。)
レイチェル: That is neither here nor there. (そんなの、重要なことじゃないわ。)
ロス: Okay, well, here we are. Now we're in a tough spot again, Rach. What do you want to do? How do you want to handle it? Huh? Do you wanna fight for us? Or, do you wanna bail? (sits down next to her) Look, I, (on the verge of tears) I did a terrible, stupid, stupid thing. Okay? And I'm sorry, I wish I could take it back, but I can't. (We see Monica and Phoebe are almost in tears.) I just can't see us throwing away something we know is so damn good. Rachel, I love you so much. (わかった。じゃあ、今僕たちはここにいる。今、僕たちは再び困難な位置[状況]にいるんだよ、レイチェル。君はどうしたいの? それをどうやって対処したいの? ねぇ? 僕たちのために戦いたいの? それとも、逃げ出したいの? [レイチェルの隣に座る] ねぇ僕は[今にも泣き出しそうになって] 僕はひどい、ばかなばかなことをしたんだ、そうだろ? ごめんよ。できることならそれを取り消したい、でもできない。 [観客・視聴者はモニカとフィービーがほとんど泣きそうになっているのを見る] ものすごく素敵だって僕たちがわかっていることを、僕たちが捨ててしまうのを見ることは僕にはできないよ。レイチェル、君をとても愛してるんだ。)

You're the one that, that ran the moment things got just a little rough! について。
君は、ran the moment things got just a little rough する人だ、ということで、関係代名詞 that 以下が、the one を修飾しています。
ran から rough までの文の切れ目は、ran / the moment... だと思います。
the moment は「…した瞬間に、…するやいなや」という意味。
つまり、「物事がほんの少し rough になるやいなや(すぐに)逃げ出す」ということかなぁ、と思います。
break を切り出した時のことを言っているようですね。
問題が起こった時に、それにじっくり取り組もうとせず、break を持ち出してそこからとりあえず逃げようとする、そのレイチェルの姿勢をロスは非難しているようです。

bailed on us と言っていますが、bail は「手を引く、逃げ出す」という意味。
ロングマン現代英英辞典では、
bail [verb]: (also bail out) (informal) to escape from a situation that you do not want to be in any more
つまり、「もうこれ以上そこにいたくないという状況から逃げ出すこと」。

今回のセリフでは、bail on として、前置詞 on が使われていますが、辞書には、bail on という組み合わせは載っていませんでした。
この on のニュアンスは、以下の研究社 新英和中辞典の語義が当てはまるでしょうか。
on=[不利益を表わして] …に対して
The joke was on me. そのジョークは私にあてつけたものだった。
She hung up on me. 彼女のほうから電話を切ってしまった。
He walked out on his wife. 彼は妻を置いて出ていってしまった。


このエピソードで何度か出てきている、cheat on 「(配偶者などに隠れて)浮気をする」の on のニュアンスもそれと同じかな、と思います。
他には、フレンズ1-1 で、妻が自分を捨てて出て行ったことを説明する時に、
ポール: Ever since she walked out on me, I, uh... (妻が僕を見捨てて出て行ってから、僕は…)
という表現を使っていました。
フレンズ2-9その5 では、
フィービー: No, that's my stepdad. My real dad's the one that ran out on us before I was born. (いいえ、あれは育ての親よ。私の本当のパパは、私が生まれる前に私たちを捨てた人よ。)
というセリフもありました。
walk out on も run out on も「(家族・友人などを)見捨てる、見捨てて出て行く」という意味ですね。
今回の bail on us もそれと同じ感じで、「僕たちを見捨てて、”僕たち”という関係を捨てて逃げ出す」みたいなことでしょう。

That is neither here nor there. について。
neither A nor B 「AでもなくBでもない」という否定形なので、ロスの言っていることを否定している、というのはわかりますね。
ロングマン現代英英辞典に、この表現の語義が載っていました。
be neither here nor there: (spoken) used to say that something is not important because it does not affect a fact or situation (synonym irrelevant)
例) The fact that she needed the money for her children is neither here nor there - it's still stealing.

つまり、「ある何かが事実や状況に影響を及ぼさないので重要ではない、ということを言う時に使う。同義語・類義語は、irrelevant」
例文は、「彼女が自分の子供のためにそのお金が必要であったという事実は重要ではない。−(どんな理由があったにせよ)やはりそれは窃盗(盗み)である。」

直訳すると、「ここにもないし、そこにもない」、つまり、メインのトピックとは関係のないものである、というニュアンスでしょうね。
それを受けて、ロスは、here we are. と言っています。
それなら、”あの時”ブレイクを切り出したのは逃げ出したのはどっちか…という話はもういいよ。今、現時点で、僕たちはここに存在しているんだ。過去のことはともかく、今、困難な状況にいるんだ。それを君はどうしたいと思ってるの?と、現実を直視するように言っているのですね。

Do you wanna fight for us? Or, do you wanna bail? について。
fight というと「殴り合いの喧嘩」というイメージが強いですが、恋人同士が喧嘩をする時も fight という単語を使います。
フレンズ3-15その14 でも、
レイチェル: I cannot keep having this same fight over and over again. (こんな同じ喧嘩を何度も何度も繰り返し続けることはできないわ。)
というセリフがありました。
ただ、ここでロスが言っているのは、「僕と君が喧嘩する」ということではなくて、「僕たちのために戦う」「僕たちの関係を守るために、困難や問題と戦う」というニュアンスです。
fight for は「…のために戦う」という意味で、研究社 新英和中辞典には、
He died fighting for his country. 彼は祖国のために戦って倒れた。
という例文も載っています。

fight or bail という風に、or で結ばれていますので、「僕たちの関係を守るために戦いたいのか、それとも、戦わずにただ逃げるのか?」というニュアンスになります。
bail という言葉を言う時に、ロスは外の方、ドアの方を指差していますね。
このことからも、bail は「逃げ出す」というニュアンスであることが確認できます。

take back は「元に戻す」「取り消す」。
I wish I could take it back. という仮定法過去は実現不可能な願望を表す表現で、「元に戻せたらいいのにと願う(けどそれはできない)。」ということですね。
日本語で言うと、「やり直せるものならばやり直したい。」ということです。

I just can't see us throwing away something we know is so damn good. について。
この文章の構造は、「僕ら二人が something を捨てているところをただ見ることはできない」で、「何かを捨てるのを見たくない」ということですね。
何を捨てるか、というのが、something we know is so damn good なのですが、something is so damn good であることを僕らが知っている、というニュアンスです。
so damn は強調で「ものすごく」。
このまま別れてしまったら、僕たちのこのものすごく素敵で素晴らしい関係を捨ててしまうことになる、ということを、改めてレイチェルに気付かせようとしてるのです。
"Rachel, I love you so much." というセリフに泣けますね。
最後はもう、ただこう言うしかないのですね。


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2008年12月17日

読書進化論サイトに私の感想文掲載中

先日の記事、「読書進化論」感想文入選! でお伝えしましたように、勝間和代さんのご本「読書進化論」のブログ感想文企画で「参加賞」をいただきました。
その私の書いた感想文が、現在、小学館さんの公式サイト 小学館:読書進化論 上で公開されています。
受賞者一覧 でブログタイトルと氏名を掲載していただいています。
そして、私の感想文を載せていただいているページはこちら(↓)。
読書進化論:参加賞

小学館さんのサイトで、感想文本文が掲載される、という話を知った時、私の感想文はあまりにも長い(way too long)なので、勝間さんのご本とあまり関係のない部分は省略されるだろうなと当然のように思っていたのですが、何と、私がこのブログで書いたまんまが載っていました。
小学館さんのサイトで、拙著を宣伝するような形になってしまい、何だか申し訳ないです…。

でも、この「私自身の体験談」がないと、参加賞をいただけることもなかっただろうと思うので、感想文としては一見邪魔に見える(笑)部分でありながら、安易に削ることもできない部分でもあるわけでしょうねぇ。
このように取り扱いの困る感想文で応募してしまったこと、反省しております…。

大賞、セレクト賞、参加賞、合計26名の感想文がそのサイトで読めるので、さっと読ませていただきました。
やはり長さでは私のがダントツ長かった。(I knew it!)
私のブログは、記事もコメントも「だだ長い」のが特徴で、読者の方はそれをブロガー Rach のキャラとして受け入れて下さっていると信じているのですが、初めてこの記事を読んだ人は、きっと読む気が失せたでしょうねぇ。
もっと簡潔にポイントを押さえて書く努力をしなければ!

とにかく、そのように超長い感想文を全文掲載して下さったことに対して、小学館の関係社の皆様に厚く御礼を申し上げます。
ご活躍でご多忙な中、長文を読んで下さった勝間さまも、ありがとうございます。(フォトリーディングのスキルを生かす絶好の材料だったでしょうか?…笑)

小学館さんのサイトに掲載、の件は以上になります。
以下はそれに関連して、本名の話 です。

今回、小学館さんのサイトで紹介していただくに当たっては、ハンドルネームの Rach ではなく、本名の南谷三世で載せていただいています。
過去記事、スペースアルク特集に登場! にも書きましたが、スペースアルクさんでも本名を使い、今ではサイドバーのプロフィールにも本名を載せています。
このように、最近、本名で掲載することが増えたのには理由があります。

勝間さんは常々、「実名にすることで、自分のアイデンティティを示しながら責任を持った意見を言うことができる」という趣旨の発言をしておられます。
私もその意見には賛成です。
もちろん、ネットでブログをやっている人間として、ネットの怖さというのもよくわかっているつもりです。
ですから、誰も彼もが実名を出しても大丈夫ということもなく、自分の身はやはり自分で守らないといけないので、どこまでを明らかにするか、というのは自分で決めるべきことなのでしょう。

私自身、ずっとハンドルネームでブログをやってきて、いざ自分の本を出せると決まった時に、実名を出すか、ペンネームを使うか、で随分迷いました。
(恥ずかしいのでここには書きませんけど)ペンネーム、考えてたんですよ。
それを編集者の方に見せたりもしたのですが、結局、いろいろ悩んだ末、やっぱり本名で行こう!と決めました。
それはやはり、お金を出して本を買っていただく著者として、自分のアイデンティティを示し、責任を持って自分の意見を伝えたい、と思ったからです。

実際に本を出してみて、今は本名で出して良かったと思っています。
ペンネームだったら、自分の本であって自分の本でないような気がしていたかもしれません。

今回のスペースアルクさん、小学館さん、どちらの掲載も、本の著者である私のアイデンティティが大きく関わっています。
それを考えて、どちらもハンドルネームではなく、本名を使っていただくことにした、ということです。

(どんどん脱線しますので、興味のない方はこの辺で…)
まぁ、非常に拍子抜けする話をすると、本名と言っても、結婚して苗字が変わった後の今の名前は、自分を 100% 出している感じはしないんですが。
旧姓の時の人生を背負っていない感じがする…んでしょうかねぇ。
ちなみに(これも書きませんが)私の旧姓は珍しい苗字で「きれいな苗字!」といろんな人に褒められて、名前をすぐに覚えてもらえました。
結婚する時に、その苗字でなくなるのが、一番悲しかったです。
まぁ、若くてバリバリ頑張っていた時の思い出がその旧姓に込められているようなところもあって、旧姓で呼ばれる、そして旧姓の時のあだ名で呼ばれるのは、今でもとっても嬉しいんですよね。

逆に今の南谷という名前は、結婚して専業主婦になってからの人生を示しているので、「子持ち専業主婦になってから英語学習を始めた」という私の英語学習人生を象徴する名前でもあります。
ジャパンタイムズの週刊STに掲載されていた伊藤サムさんのコラム「これであなたも英文記者」では、投稿英作文の優秀者が紙上で発表されていました。
そこに何度も名前(実名)を載せていただき、その記事中でコメントを引用していただけたりもしました。

そんな風に、伊藤サムさんのコラムに投稿していたことで、伊藤サムさんのご著書にも、名前とコメントを掲載していただいています。
英語は「やさしく、たくさん」―中学レベルから始める「英語脳」の育て方 (講談社パワー・イングリッシュ) の p.92
伊藤サムのこれであなたも英文記者 の p.35 と p.71
に名前が載っていますので、これらの本をお持ちの方は「あぁ、これが Rach かぁ」と思っていただけると嬉しいです。
まだブログを始めていない頃の「いちST読者」であった頃のコメントですが、いかにも私らしい文章です。

フレンズ1-1(パイロット版)、つまり、フレンズの一番最初のエピソードのタイトルは、
The One Where It All Began (すべてはここから始まった、の話)
です。
思い返してみれば、私の今のこのような英語人生も、週刊STに優秀者として実名を載せていただけたこと、がすべての始まりのような気がします。
やはり「名前が載る」ということは、自分にとって大きな出来事だったわけですね。
家で一人孤独に英語学習しているだけの私でも、ただの「いち英語学習者」に過ぎなくても、私にも「何か」できるのかもしれない、と思わせてくれる力がありました。

ブロガーの Rach も、著者の南谷も、どちらも「私」なので、厳密な使い分けをするつもりはありません。
個人的には、「シットコムで笑え!の Rach」と名乗るのが、一番好きなんですが。
本名を出す機会が増えたことについて、私から何らかのご説明ができれば、と思って、今回の話を書いてみました。

うーん、結局、長い記事になってしまった…「簡潔に書くように心がけよう!」という話は、一体どうなったんや?!(笑)

こんな私ですが、今後ともよろしくお願いいたします。


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posted by Rach at 11:53| Comment(2) | メディア掲載 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月15日

僕は浮気をするような人間じゃない フレンズ3-16その20

長い沈黙の後、
ジョーイ: You think I need a new walk? (俺には、新しい歩き方が必要だと思う?)
チャンドラー: What? (何だって?)
ジョーイ: Well y'know, I've been walking the same way since high school. Y'know, y'know how some guys walk into a room and everybody takes notice. I think I need a take-notice walk. (うーんと、ほら、俺は高校の時からずっと同じ歩き方をしてきてる。ある男たちが、部屋に歩いて入ってきて、みんながそれに注目する、っていうの、知ってるだろ。俺は、「注目される」歩き方が必要だと思うんだ。)
チャンドラー: Are you actually saying these words? (お前は実際にこの言葉を(価値[意味]のある言葉として)しゃべっているのか?)

walk はご存知「歩く」という動詞ですが、ここでは名詞として使われており、「歩きぶり、歩き方」という意味になります。
研究社 新英和中辞典には、
walk=[単数形で]歩きぶり、歩き方
(例) I can usually recognize him by his walk. 私はたいてい歩き方で彼だとわかる。

という語義が載っています。

take notice は「注目する、気に留める、気付く」。「…に気付く」と目的語を取る場合は、take notice of になりますね。

y'know how some guys walk について。
この y'know は「ほら、あの」という感じの挿入句ではなくて、You know how some guys walk into... ということ、つまり、some guys が walk into する「様子」を知ってるだろ、「どんな風に」 walk into するかを知ってるだろ、ということだと思います。
some guys は「何人かの男たち」と訳してしまうと変で、部屋に入ってくるだけで、おっ!?と注目したくなるような「男たちっている」だろ、みたいなニュアンスですね。

フレンズ3-6その4 では以下のようなセリフもありました。
ロス: Yeah, y'know how I have you guys? (あぁ、ほら、僕は君たちみたいな友達を持ってるだろ?)
これも、y'know how+SVの形で、直訳すると、「僕がどんな風に君たちを持っているか知ってるだろ?」ということで、それは「こんな風にいつも一緒に時間を過ごして仲良くしている様子、僕と僕の友達がどんな感じかを知ってるだろ?」というニュアンスですよね。

Are you actually saying these words? の say のニュアンスについて。
say は「言葉を言う」という意味ですが、ここでは実際にジョーイがしゃべっていることは明白なので、「お前は(これらの)言葉をしゃべっているのか?」という意味だとすると、妙な質問になってしまいます。
チャンドラーが言いたいことは、「ロス&レイチェルの今後をみんなで心配しているこんな時に、どうしてそんな「どうでもいい話」をしてるんだ?」みたいなことだろうと思います。

この say のニュアンスを考えるに当たり、興味深い記事がありましたので、ここでご紹介します。
神崎正哉先生の TOEIC Blitz BlogTalk vs. Say という記事で、The Specials の Do Nothing という曲の歌詞 I talk and talk, say nothing の talk と say の違い、について語られた記事です。
ビジネス英語雑記帳 の日向清人先生もコメント欄で参加されています。
日向先生のお言葉をお借りすると、「say は、相手にとって information としての価値のあることを言う」というニュアンスがあるのでは、とのことです。

そのニュアンスを今回のチャンドラーのセリフにも適用してみると、「ジョーイは何か言葉を発しているようだけど、本当に何がしかの information として価値のあることを、今実際に言ってるか?、言ってるつもりか?」みたいなことになるのかなぁ?と思いました。
つまり、ジョーイのしゃべっていることは、音としては耳に入ってくるけれど、それが何か意味のあることのようには思えない、「何の役にも立たないようなことを、何ペラペラしゃべってんだよ!」みたいなことなのかなぁ、と。


[Later, in the living room, Rachel is sitting on the couch, Ross is on the chair.]
リビングのその後。レイチェルはカウチに座っていて、ロスは椅子に座っている。
ロス: What, now you're not even taking to me? (moves over to the coffee table) Look, Rachel, I-I'm sorry, okay, I'm sorry, I was out of my mind. I thought I'd lost you, I didn't know what to do. Come on! Come on, how insane must I have been to do something like this? Huh? I-I don't cheat, right? I, that's not me, I'm not Joey! (ねぇ、今は僕と話すことさえしないの? [コーヒーテーブルの方に移動する] ねぇ、レイチェル。ごめん、ごめんよ。僕は正気を失ってたんだ。僕は君を失ってしまったと思っていたんだ。どうしたらいいか僕はわからなかったんだよ。ねぇ、ねぇ! こんなことをするなんて、僕がどれほど正気でなかったか。そうだろ? 僕は浮気をするような人間じゃない、そうだろ? 僕は…そんなの僕じゃないんだ。僕はジョーイじゃないんだから。)
[Cut to Monica's bedroom]
モニカの寝室に画面がカット。
ジョーイ: Whoa-ho-ho! (He looks at Chandler, who gives him a 'come on' look.) Yeah, okay. (おいおいおい! [ジョーイはチャンドラーを見る。チャンドラーは「何、怒ってるんだよ/いいじゃないか」というような顔をする。] まぁ、いいや。)
モニカ: Hey. It's 3 in the morning. They don't know that I've come home yet. You notice how neither one of them are wondering where I am? (ねぇ、(もう)朝の3時よ。あの二人は私が家に帰っていることをまだ知らない。ねぇ、気付いてる? 二人のどちらも、私が今どこにいるのか、って考えたりしてない、って。)
フィービー: Yeah, y'know, people can be so self-involved. (そうね。ほら、人はものすごく自分のことばかり考えてしまうものだから[ひたすら自分のことだけを考えることができるのね]。)

I thought I'd lost you. は、過去の時点で「君を(その時すでに)失ってしまっていた」と思っていた、ということですね。
think (thought) の時点よりも、lose (lost) した時点の方が「より過去」であるために、ここでは過去完了形が使われている、ということですね。

how insane must I have been to do something like this? について。
I must have been (so) insane to do something like this. という文章の、insane の度合いを尋ねる疑問文ということでしょうか。
must have been は、「must have+過去分詞」で、過去についての推定を表し、「(過去の時点で)…したに違いない、…だったに違いない」というニュアンスですよね。
「こんな浮気をするなんて、僕はあの時、ものすごく insane だった(常軌を逸していた)に違いないんだ。」のその「どのくらい insane だったか?」という部分を how で疑問文にしている、という構造かなと思います。
無理に日本語に訳すとすると、「こんなことをするなんて、僕はどれほどおかしくなっていたに違いないか?」みたいな感じになるでしょうか?
「こんな行動を起こしてしまったあの時の僕は、尋常じゃなかったはずなんだ。」というニュアンスかな、と思います。
その後、I don't cheat, right? と続いているのも、「(あの時、どうかしていたに違いない僕は浮気をしてしまったけれど)いつもの僕は、浮気をするような人間じゃない。そうだろ?」というニュアンスですね。
このように「現在形」には、習慣・習性を表す性質があります。
普段の僕はそんなことをしない、あんなのは僕じゃない、僕はジョーイのようなプレイボーイじゃないんだから。つまり、そういう普段しないようなことをしてしまうほど、自分はあの時、insane だった、普段しないようなことをしてしまったのを見ても、あの時 insane だったに違いないと断言できるはずだ、ということが言いたいわけですね。

浮気者のように言われて隣室で抗議の声を上げるジョーイ。
ジョーイが「今の言い方はひどいよな。」という感じでチャンドラーを見た後、チャンドラーがジョーイに対してある表情をするのですが、それがト書きでは、who gives him a 'come on' look と書いてあります。
この "Come on!" のニュアンスをうまく説明できないのですが、「まぁまぁそんなに怒るなよ。」といさめているのか、「何怒ってるんだよ、実際、当たってるだろ、その通りだろ。」「(怒るのは)よせよ、ほんとのことだろ?」みたいなニュアンスなのかのどちらかでしょう。
そんな顔をされたジョーイは、まぁ、いいや、という感じで再び、ドアにくっついて聞き耳を立てています。

They don't know that I've come home yet. は、Monica has come home. 「モニカが(すでに)家に帰ってきている」ということを、They don't know yet. 「まだ知らない」という構造かな、と思います。
つまりモニカたちが隣室にいることを知らない、ということですね。
You notice how+SVは、今回の記事に出てきた y'know how some guys walk と同じで、SがVする様子にあなたたちは気付いてる?という感じでしょうか。
ロス&レイチェルのどちらも「そう言えばもうこんな時間なのに、モニカは帰ってきていない。今どこにいるんだろう?」みたいなことを思っていない様子であることに、フィービーたちは気付いてる?ということですね。

involved は「熱中して、夢中になって」と何かに深く関わっている状態を表すので、self-involved は「いつも自分のことばかり考えていて、他人のことなんて全く気にしていない。自分のことで頭がいっぱい」という感じだと思います。
self-involved は、フレンズ3-7その28 にも出てきました。
フィービーのこのセリフは、モニカを援護しているようでいて、その実は、「ロスとレイチェルが大問題を抱えている時に、「私がいないことを気にしないなんて二人は冷たい」と言っているあなたも、かなり自己中よね、人はそれぞれ、自分のことを中心に物事を考えてしまうものなのね。人間というものは、どこまでも self-involved になることが可能なのね。」と言っているようです。


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posted by Rach at 09:44| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月13日

クリストファー・ベルトンさんの「英語は多読が一番!」を読んで

この12月に発売になったばかりのクリストファー・ベルトンさんの新刊、英語は多読が一番! (ちくまプリマー新書、筑摩書房。クリストファー・ベルトン[著]、渡辺順子[訳])を読みました。

イギリス人のクリストファー・ベルトンさんは、晴山陽一さん と長年のご友人だそうで、晴山さんからのメールの中に、ベルトンさんのお名前がよく登場します。
ベルトンさんのオフィシャルサイトはこちら(↓)。
Christopher Belton Official Web Site: 作家・翻訳家 クリストファー・ベルトン

その公式サイトを見ていただくとわかると思いますが、ベルトンさんはたくさんの英語関連の本を執筆されていて、「ハリー・ポッター」Vol.1が英語で楽しく読める本 の著者の方です。
この『「ハリー・ポッター」が英語で楽しく読める本』は、Vol.7 まで刊行されていますね。(「ハリー・ポッター」Vol.7が英語で楽しく読める本

ベルトンさんの「英語は多読が一番!」が近々出版されることは、少し前に晴山さんがメールで教えて下さいました。
「興味があるので是非読みます!」とお返事したところ、晴山さんがベルトンさんにそれをお伝え下さり、書店販売よりも先行して私が読めるように、と、その新刊を私に送って下さることになったのです。
そのようにご配慮下さったベルトンさん、晴山さん、そして本を送って下さった筑摩書房のご担当者の方にお礼申し上げます。ありがとうございました!

英語学習の方法として「多読」を勧めている人は多いですが、ただ「読め! 読め!」と言われても、「何を読んだらいいのか? どう読み進めていけばいいのか? わからない部分はどうしたらいいのか?」と途方に暮れてしまうことって多いですよね。
そういう経験のある方にとって、この本は素晴らしい「多読への入門書」になると思います。
そして、ある程度、英語に慣れてきた方にとっても、英語の本質、英語学習の本質に気付かせてくれるヒントが満載の本です。

以下、私のいつもの書評どおり(笑)、気になった点、そうそう!と思った点について、気付いた部分を挙げていきます。

序章 多読に向けての心の準備
では、「物語の本を読むこと」の意義を語っておられます。

p.8 英語を習得するためには、まだ解決していない事柄どうしを結びつけて何らかの結論を導きだすという作業が不可欠です。

この後、「人間の脳は、コンピューターと同じように、データベースとメインメモリ(主記憶装置)に分かれている」という話の説明があり、以下のように続きます。

物語はあなたのメインメモリを刺激してくれます。物語を読んでいると同じ単語、同じ表現、同じ構文にたびたび出会うので、物語に親しむにつれてあなたの脳は鍛えられ、ますます早い判断を下せるようになります。また、物語を読むときは常に頭のデータベースから必要な情報を探すことになり、同じ情報を何度も用いるうちに、その情報はあなたの頭のなかにしっかりと組みこまれるのです。

データベースとメインメモリの例えはとてもわかりやすいです。
データベースにデータを蓄積するだけではだめだ、というのは、英語学習に時間をかけて知識を蓄積しているのに、なかなかそれが英語力として開花しない、というのと通じる部分があると思います。

英語を時間をかけて学んでいるはず、たくさんの知識を覚えているはずなのに、それが実際に英語を扱う時に生きてこない、と感じるのは、その学んだことがデータベースとして保管されているだけで、その情報を使って何かを判断したり計算したりするような「刺激が足りない」ということでしょう。
物語を読み進めることで、「過去に得た情報を引っ張り出してきて、その情報と照らし合わせて判断する」という作業が行われる、そうしてメインメモリを作動させることで、英語を読むコツのようなものがつかめていく、ということだと思います。
私もこのブログで、「前のエピソードにもこういう表現(もしくは似た表現)がありました。」と度々書いていますが、それは、同じ表現や似た表現と何度も出会うことで、その正しいニュアンスが掴めてくる、と思っているからなのですね。


p.13 日本語をどうやって覚えたか?
(母国語である日本語を学ぶ時)みなさんは状況からすべてを学んだのです。つまり、自分の置かれた状況からことばの意味を想像し、次にもう一度そのことばが現れたときに、それまで推測していた意味を訂正したり確認したりすることによって、ことばの意味を把握したのです。


私もこの点については同感です。ベルトンさんは「テーブル」という言葉をどう覚えるかを例に挙げておられますが、そういう目に見えるものの名前だけではなく、心情を表すような言葉でさえ、子供は「状況」から学んでいるのですね。

拙著でも拙ブログでも、「状況」という言葉は頻出していますが、言葉を学ぶ際に「状況」は不可欠な要素なのです。
状況なしで言葉を覚えようとするのは無理があります。

「生きた英語」である「物語」を使って学ぶ際に、これは大切なことだよなぁ、と思ったこと。
p.16 英語を学ぶとき、自分の脳が知らせてくれることを受け入れることは非常に大切ですが、あとで自分の意見を訂正できる能力を保持することが、さらに大切なことです。
(中略)
英語の文は、すべてが基本5文型にあてはまるわけではありません。ですから、自分が教わった型にはてはまらない表現や文に出会うこともあるはずです。なぜなら英語は生きた言語であり、常に変化しているからです。
(中略)
みなさんには自分が本のなかで出会うものをそのまま受け入れ、それまで大切にしてきた情報のデータベースを、たとえそれが学校で習ったことと相容れなくても、積極的に更新していってほしいのです。


ドラマのセリフを学んでいる時にも全く同じことが言えます。
英語を学ぶ時、ノンネイティブの日本人にとって判断が難しいのは、「この英語はナチュラルな表現なのかどうか?」という部分だと思います。
私は「自然か不自然か」の判断は、「ネイティブがそういう表現を使うかどうか?」で決めます。
そして私が判断する材料は、「ドラマのセリフで聞いたことがあるかどうか?」なのですね。

学校で習ってきたことや文法書に書いてある内容と違っていた、という理由で、その「生きた英語表現」を切り捨てるようなことは絶対にしてはいけない、ということです。
生きた英語のいろんなバリエーションを覚えることが、自分の語彙や表現を増やしていくことになるのですから。

フレンズでの一例を出してみます。
フレンズのジョーイが女の子をナンパする時のセリフに、"How you doin'?" というのがあります。
フレンズ4-13 で初めて登場するのですが、それに関する話を、フレンズ3-1その28 でも少し書きました。

挨拶の決まり文句、"How are you?" の変形バージョンのような感じで、現在進行形になっている形ですが、文法的に言うと、be動詞の are が必要になるはずです。
これが中学校の英語のテストなら、"How are you doing?" と書かないとバツにされてしまうところですが、ジョーイは実際に are を発音していませんし、ネットスクリプトや英語字幕でも、are は書かれていません。
この be動詞のない "How you doin'?" という言い方が、「ネイティブっぽい言い回し」なのですね。
それを、「be動詞がないから、こんな表現おかしい、こんな中途半端な表現ばっかり出てくるドラマは、やっぱり英語学習には使えない」と言ってしまっては本末転倒です。
"How are you doing?" になったところで、are は微かにしか発音されません。
are は情報としてはあまり意味のない言葉で、ただ、現在進行形を作る、という文法上の役目を果たしているに過ぎません。
だから、実際に発音される時も、そこにアクセントは来ないし、場合によっては省略も可、だということです。
それが「生きた英語を学ぶ」ということですね。
省略されているのが「いかにもそれっぽい」と思って、逆に私は嬉しくなってしまうのですが。

ドラマの会話はブロークンだから役に立たない、と思っている人は結構いるように思うのですが、日本人が作るブロークンな英語と、ネイティブが話す「わかりきったことは省略する英語」とは、全然質が違います。
ずっと英語で生きてきたネイティブが、「はしょっても構わない、はしょっても意味が通じるから省略している」わけですから、その「省略のされ方」で、逆にどこは省略できないか、どこははずせないか、というのがわかるのです。

私はドラマのセリフを例に挙げましたが、当然、物語のセリフにも同じことが言えます。
物語を多読することで、生きた英語表現を学ぶことの楽しみも、きっとそこにあります。


第2章 英語の本を読むためのアドバイス
会話の前後に使われている動詞に注目
(p.85)では、「said 代用語」についての解説があります。
「said 代用語」というのはベルトンさんの造語で、「会話の直前または直後に使われている動詞」で、「だれかが何かを言ったことを示す動詞 said の代わりに使われる動詞」のことです。
p.88 から、「said 代用語」リストとして、140 もの said 代用語を挙げて下さっています。
これをただ、単語カードを使って丸暗記してもきっと意味はないでしょう。
物語の筋を追いながら、登場人物の状況や心情を推し量りながら、それぞれの said 代用語に出会うことで、その言葉のニュアンスがつかめるようになってくるのだと思います。
日本語に訳すとあまり違いの出ない言葉の使い分けを覚えることはとても難しい、だからこそ、そういうものは、物語の状況を掴みながら覚えていくべきなのですね。


第3章 本の選び方 では、本を5つのレベルに分けて紹介して下さっています。
ここでポイントとなるのは、「語彙ではなく、実際に読むときの難しさに基づく分類」である、ということ。
その「実際に読むときの難しさ」を示す指標として、レベル1から5まで例文が載っているのですが、「例文はどれも基本的に同じ設定、同じ内容になっています。」というところが秀逸です。
晴山さんもこの部分を「同じパッセージを5つのレベルで書き分けてみせるという名人芸」とおっしゃっていましたが、まさにその通りだと思いました。
作家としても活躍されているネイティブスピーカーのベルトンさんだからこそできることだと私も思いました。


第4章 おすすめの本一覧
p.137 英語で本を読む楽しみのひとつは、原作者がネイティブスピーカーに向けて書いたそのままの語で読むことではないでしょうか。
p.138 同じ作家による本をシリーズで読むことは、学習にとって非常に有効です。シリーズ物には同じ登場人物、同じ設定が用いられ、その作家独自の文体を反映した「said 代用語」、形容詞、副詞が頻繁に登場するはずですから、全体的な理解のスピードが上がるにちがいありません。


私がDVDの英語のセリフを英語のまま理解しようとしているのも、「ネイティブが楽しんでいるものをそのまま見て、私も楽しみたい」という思いからです。
「同じ作家による本をシリーズで読む」効果も、私はよくわかります。
ドラマの場合、いろんなジャンルのドラマを見るのももちろん有効だと思うのですが、私がひたすら「フレンズ」に取り組んでいるのは、フレンズというシリーズをずっと見続けることで、ベルトンさんのおっしゃるようなシリーズ物を読むことによる効用と同じ効果を期待できる、ということですね。


以上、いつもの書評どおり超長くなりましたが(笑)、ネイティブの方の書かれた本ということで、本当に様々な気付き、発見がありました。
ベルトンさん、素晴らしい本をありがとうございました!

レベル別に具体的なおすすめの本も挙げられていますので、とても参考になります。
読者の皆様も、ベルトンさんの「英語は多読が一番!」を是非お読みになって、それから、いろんな英語の本に挑戦してみて下さいね!


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2008年12月11日

スペースアルク特集に登場!

前回の記事、「読書進化論」感想文入選! に引き続き、嬉しいニュースです。
フレンズ解説をお休みしてばかりで本当に申し訳ありませんが、いつも応援して下さる読者の皆様にご報告させて下さい。

昨日 2008年12月10日(水)から 12月25日(木)にかけて、英語・語学書の総合出版社アルクさんが運営する語学学習サイト スペースアルク(SPACE ALC) の英語学習の「特集」のページで、
特集 ネイティブの表現と動作を身につけろ! 海外ドラマ de 英語学習
という特集が組まれています。
そこに、
実践した5人に聞く 海外ドラマが英語力アップに効く理由
という「体験者の声」が載っているのですが、その5人の1人として、私 Rach のコメントが紹介されています。
私の体験談と「ハマった」ドラマベスト3が載っていて、ベスト1はもちろん「フレンズ」。(こんなブログをやっていて、フレンズがベスト1じゃなかったら、みんな、ひっくり返りますね…笑)

プロフィールでは、拙著や拙ブログへのリンクもはって下さっています。
本は本名で出しているので、今回は、Rach ではなく、本名の南谷三世で登場させていただきました。

また、プロフィールには、小さいながら私の顔写真が載っています。
私はこのブログで自分の姿の写真を出したことがないので、ネット上では初公開となります(おぉ!)。
今回、スペースアルクのご担当者の方より、「写真を掲載させていただきたいのですが」というご依頼があって、そういうご依頼が来たことも何かのご縁と思い、今回思い切って出すことにしました。

お付き合いのあるブロガーの方の写真を見ると、より親近感が増すことってありますよね。
それで、これまでも顔写真くらいはブログに載っけようかな…と思ったこともあったのですが、ブログを3年以上続けていると、「今さら、どのタイミングで写真を公開したらいいのやら」という気持ちになり、なかなかきっかけがつかめなかったのです。
2008年は本を出版できたこともあり、その年の最後にこうして皆様に顔をお見せできるのは、ちょうど良い機会だと思いました。
これまでずっと応援して下さった読者の方に対して、「初めまして、私が Rach です。」というご挨拶代わりになればな、と思っています。

こんな感じ、というイメージがわかるくらいで、大阪の町を歩いている私を発見できる、ということはないでしょうが、「怖いもん見たさ」(笑)というか、「Rach は一体どーゆー顔をしてるんやろ?」と何かしらの興味(?)をもたれた方は、是非、スペースアルクさんのサイトにジャンプしてみて下さい。

また、特集の内容も、海外ドラマを使って英語を学ぶコツが満載の充実したものになっていますので、「Rach の顔写真には興味がない!」という方も(笑)、是非、その特集記事をお読みになって下さいね。

アルクさんと言えば、英語学習者の誰もが知っている超有名な会社です。
そのアルクさんのサイトで紹介していただけるなんて、英語学習者として本当に光栄です。ありがとうございます!

スペースアルクさんの特集で紹介されたことを励みに、これからもブログを頑張って続けて行きたいと思っています。
読者の皆様、これからもどうぞよろしくお願いいたします。


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2008年12月08日

「読書進化論」感想文入選!

勝間和代のBook Lovers (ブックラバーズ) で、「読書進化論、読書の未来を語ろうキャンペーン」の入賞者の発表がありました。
私がこのブログで書いた記事が、なんと「参加賞」に選ばれました!
私のブログを「参加賞」として紹介していただいている記事はこちら(↓)。
読書進化論、読書の未来を語ろうキャンペーン、発表: 参加賞はこの方たちです

勝間和代さま、そして小学館の皆様、拙ブログの記事を参加賞として選んでいただきまして、本当にありがとうございました!!

以下、もう少し詳しく説明させていただきます。
過去記事、勝間和代さんの「読書進化論」を読んで(その1)「読書進化論」を読んで(その2) という記事で、勝間和代さんの 読書進化論~人はウェブで変わるのか。本はウェブに負けたのか~ (小学館101新書) についての感想文(書評)を書きました。

この本では、「『読書進化論』ブログ感想文企画 勝間和代と読書の未来を語ろうキャンペーン」という企画があって、ブログなどに書く感想文を募集していました。
私も、自分のブログで記事を書いた後に、勝間さんのブログ 勝間和代のBook Loves:「読書進化論」の感想のブログのトラックバックはこちらにお願いします。 に記事をトラバして、そのキャンペーンに応募していたんですね。

先日、この本の編集ご担当者である小学館出版局の小川美奈子さまから、拙ブログにコメントがあり、私の記事が「参加賞」に決定したとのお知らせをいただきました。
そのコメントはこちら(↓)。
「読書進化論」を読んで(その2) のコメント欄
コメントいただいた時は、本当にびっくりしました。
私の書いた記事を読んでいただければわかるのですが、「感想文」と言うよりも、自分の体験をひたすら語った記事になってしまっていたので…(笑)。
ですが、その記事に対して、
Rach様が、実際にブログ→著者へと進化されたご体験からの、まさにインタラクティブな感想文でした。とても長い感想文でしたが(笑)、本と感想文の出会いとして最も幸福なカップリングなのでは、と意見が一致しました。
とのありがたい評価をいただけましたこと、本当に光栄で嬉しかったです。
私は私なりに自分の体験と絡めて語ったことで、他の方とはまた違った「感想文」を書くことができたのだ、と思うと、いわゆる「感想文」とは違った表現になってしまったことも、結果としては良かったのだろうと思いました。

もちろん、そのキャンペーンを知って応募したからには、「賞に選ばれるといいなぁ〜」と心のどこかで思っていたのは間違いありません。
でも、たくさんの応募者の中から選ばれるのは難しいだろうなぁ、というあきらめもありました。
賞の内容については、小学館:読書進化論 に詳しく書いてあります。
大賞1名、セレクト賞5名、参加賞20名。その参加賞20名の一人に私は選ばれた、ということですね。

大賞1名に選ばれた方は、「ブログ感想文を『読書進化論』増刷版に抜粋掲載予定」+「勝間和代と本を語る会ご招待」だそうです。すごいですね。
私の場合は、自分の経験を延々書いていたので、例え抜粋であったとしても、これが勝間さんのご本に載ることはあり得ないだろう、ということはわかっていました(笑)。
ただ、「勝間さんと本を語る会」というのに、すごく興味があったんですよ。
今、いろんなメディアでご活躍されている勝間さんに直接お会いしたかったんですよね。
会って、そのバイタリティーやパワーに直接触れてみたいな、と思ったのです。

セレクト賞5名に入ると、その「本を語る会」に招待してもらえたのですが…セレクト賞に入れなかったのは、ちょっぴり残念でした。
が、私のようなものが書いた記事が参加賞に選ばれたこと自体が奇跡なので、そんな贅沢を言ってはいけませんね。
私の名前の入った、勝間さんのサイン本をいただけるとのこと、楽しみに待っています!

記事中にも書きましたが、私は勝間さんと同い年(というか同学年)で、誕生日はきっと2ヶ月も違わないはずです。
勝間和代公式ブログ:私的なことがらを記録しよう!! の2008年12月1日の記事、サキヨミでの流行語大賞の予言(?)が当たりました で、「アラフォー」が流行語大賞を受賞したことについて、「アラフォーの1人として、ちょっとうれしいです。」と書かれていました。
私も今年の流行語が「アラフォー」に決まった時、何だか嬉しかったですね。

「アラフォー」という言葉が流行った年に、「アラフォー」の私が、若い頃には考えもしなかったような「本の出版」という夢を叶えることができた…私にとって、本当に素晴らしい年になりました。

世の中には、いろんな「分類」「カテゴリー」というものがあります。
勝間さんは今をときめくスーパー・ワーキングマザー、私は大阪府以外に住んだことがない、という何ともフットワークの重い(笑)子持ち専業主婦、それを考えると、カテゴリーが違いすぎてあまり接点はなさそうなのですが、同じアラフォー世代で、ブロガーから著者に進化(!)した、という部分は同じでした。
今回多くの参加者の中から「参加賞」として選んでいただけた、ということは、私の書いた記事中に、勝間さんが何かしら反応して下さる部分があったからなのだ、と信じています。

(アラフォー、アラフォーとうるさいですが…笑)同じアラフォー世代の勝間さんの読書感想文コンクールに入賞できたこと、も、「アラフォーの年」2008年の一生忘れられない思い出の一つになります。
勝間さん、本当にありがとうございました。
今後ますますのご活躍を、心よりお祈り申し上げております。

また、このように素晴らしい賞をいただけましたことは、私が本を出したブロガーであったこと、が何よりも大きな要因でした。
そして、本を出せることが出来たのは、このブログをずっと応援して下さった読者の皆様のお陰です。
読者の皆様、本当にありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします。


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2008年12月07日

”ロスとレイチェル”だぞ フレンズ3-16その19

[Cut to Living Room]
ロス: Hey, can I, can I get in on that? Because I'm kinda hungry myself. (ねぇ、僕も、僕もそれに乗っていい? だって僕自身もちょっとお腹がすいてるから。)
レイチェル: Fine. (on phone) Hi! Yes, I'd like to order a large pizza. (いいわ。[電話で] はーい。そうよ、大きな[ラージの、Lサイズの]ピザを注文したいの。)
ロス: No anchovies. (アンチョビは、なしで。)
レイチェル: With ah, extra anchovies. (アンチョビは増量で。)
ロス: That's okay, I'll just pick 'em off. (それでもかまわないよ。ただアンチョビを(手で)つまんで取り除くから。)
レイチェル: Yeah, and could you please chop some up and just put it right there in the sauce? (そうねぇ、で、お願いだから、そのアンチョビを細かく刻んでソースの中にそれを入れてくれるかしら?)

get in on は「…に加わる、参加する」。
get in on a discussion は「討論に加わる」、get in on the act は「仲間に加わる、(人の始めたことに)加わる、一口乗る」。
今回のセリフでは、ピザを電話で注文しようとするレイチェルに対して、自分もピザの注文に参加していい? 僕の食べたいものも一緒にオーダーしていい?、僕の希望も言っていい?ということですね。

ロスはアンチョビ(カタクチイワシの塩漬け)が嫌いらしく、アンチョビなしで、とお願いするのですが、それを聞いたレイチェルは、「アンチョビなしで」どころか、"With extra anchovies." と言っています。
これは元々のラージのピザにアンチョビが入っていて、それをさらに増量、というニュアンスだと思います。

フレンズではピザを注文するシーンが何度か出てきましたが、extra という単語は、extra cheese という表現で2回登場しています。
フレンズ1-4その2 では、
レイチェル: We ordered a fat-free crust with extra cheese! (注文したのは、脂肪分を含まないクラスト(皮)のチーズ増量よ!)
フレンズ2-15その7 では、
チャンドラー: Two larges, extra cheese on both. (Lサイズを2枚、チーズ増量で。)
というセリフでした。

いらないって言ったのに増量されたので、「いいよ、自分でアンチョビを手で取り除くからさ」と言うロス。
pick は「つまむ」で、off は「分離」ですから、ピザの上の乗っているアンチョビを手でつまんで取り除く感じですね。
それを聞いたレイチェルは、細かく切ってソースに混ぜちゃって、と言っています。
どれがアンチョビかわからないような形にしてソースに混ぜ込んでしまって、ということですね。
アンチョビの嫌いな子供に食べさせるための方法みたいな手ですが(笑)。


[Cut to later, they are finishing up the pizza, there's one piece left.]
しばらく後のシーンに画面がカット。二人はピザをすっかり食べ終わって、ピザの一片だけが残っている。
ロス: You can have the last piece if you want. (最後のピザ、欲しかったら食べていいよ。)
レイチェル: Well, I should think so. You slept with someone. (そうね、そう考えるべきね。あなたは誰かさんと寝たんだから。)

一通りピザを食べ終わって、最後に残ったピザを勧めるロス。
You can have... というのは、「僕は君に譲ってもかまわないと思ってるから、もし君が欲しいなら食べてもいいよ。」みたいなニュアンスでしょうね。
それに対して、I should think so. というのは、「私が食べることができると思うのが当然ね。」という感じでしょう。
最後に残った分を、彼女のために譲ってあげるみたいな言い方(You can have... if you want.)をしたロスでしたが、「譲る」も何も、食べたいと思ったら私が食べるのが当然でしょ、だってあなたは浮気という大きな罪を犯したんだもの、ということでしょうね。


[Cut to Monica's bedroom, they're all eating the wax, Chandler and Phoebe, don't like it. Joey tries some and makes a face like: 'Hey, that's not so bad.']
モニカの寝室に画面がカット。彼らは全員、例の(脱毛用)ワックスを食べている。チャンドラーとフィービーはワックスが嫌い・まずいという顔をしている。ジョーイはワックスを試食してみて、「おぉ、そんなにまずくないじゃん。」という顔をしている。
フィービー: They're gonna get through this, aren't they? (二人はこの(辛い)状況を切り抜ける[乗り越える]わよね。)
チャンドラー: Yeah, come on, it's Ross and Rachel. They've got to. (あぁ、そりゃそうだよ。”ロスとレイチェル”だぞ。二人は(きっと)切り抜けるはずだ。)
モニカ: What if they don't? (もし切り抜けなかったら、どうなるの?)
(Long pause.)
長い沈黙。

隣ではピザを食べているのに、モニカの寝室では「オーガニックだから食べられそう」という理由で、4人が脱毛用ワックスを食べています。
モニカは寝転がっているので顔は見えませんが、チャンドラーとフィービーはいやそう、まずそうな顔をしています。
ト書きにもあるように、ジョーイはいやそうな顔をした後、ちょっと眉毛を上げて「いけるかも?」みたいな顔をしています。

get through は「…を通り抜ける」で、そこから「(困難などを)乗り越える、切り抜ける」という意味にもなります。
フレンズ2-22その20 などにも出てきました。

二人はこの困難を切り抜けられるわよね、と付加疑問文で尋ねるフィービーに、"it's Ross and Rachel." と答えるチャンドラー。
この it's も、前回の記事、イッツ・ユーのニュアンス フレンズ3-16その18 で説明した it's のニュアンスと同じだと思います。
チャンドラーの言いたいことは、"They're gonna get through this, because it's Ross and Rachel." ということで、「あの二人はこの問題を乗り越えるさ、だって(あの二人は)ロスとレイチェルだから。(俺たちがずっと見てきたベストカップルの)”ロスとレイチェル”なんだぞ。」というニュアンスでしょうね。
親友のチャンドラーが言う "it's Ross and Rachel." という言葉、とても素敵だなと思います。

でもその後のモニカの "What if they don't?" という質問を聞いて、みんな沈黙してしまいます。
そんなことこれまで考えてもみなかったけど、と深刻そうなみんな。
今回の喧嘩は今までのものとは違う、ということをみんな感じ取っているということですね。


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posted by Rach at 12:53| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月05日

イッツ・ユーのニュアンス フレンズ3-16その18

[Cut to Living Room]
ロス: Don't you realize none of this would've ever happened if I didn't think at that same moment you were having sex with Mark? (君はこのことに気づいてないの? あの同じ時に、君がマークとエッチしてるって僕が思わなかったのなら、こんなことは何一つ起こることはなかっただろう、ってことに。)
レイチェル: All right. Let's say I had slept with Mark. Would you have been able to forgive me? (わかったわ。じゃあ仮に、私がマークと寝てしまっていたとしましょう。あなたは私を許すことができていたかしら?)
ロス: (pause) Yes, I would. ([少し沈黙があって] うん、できていたと思うよ。)
レイチェル: You'd be okay if you knew that Mark had kissed me, and been naked with me, and made love to me? (マークが私にキスをして、私と(二人で)裸でいて、私とエッチした、ってことをその時知っていたとしても、あなたは大丈夫なのね。)
ロス: (less sure) Yes. ([さっきよりは自信なさげに] うん。)
レイチェル: You knew that our hot, sweaty, writhing bodies were.... (マークと私の、熱い、汗をかいた、身もだえする体が…)
ロス: (covering his ears and screaming) La-la-la-la-la-la-la-la-la-la! Okay, okay, yeah, I would have been devastated but, I would still want to be with you. Because it's, I mean it's you. ([耳を覆って叫んで]ららららら! わかった、わかった、そうだね、僕は(そんなことを知っていたら)ショックで途方に暮れていただろう。でも、僕はそれでもまだ君と一緒にいることを望んだだろう。だって、つまり、君だから。)
[Cut to Monica's bedroom]
全員: Ohhhhh! (おぉぉ〜!)

Don't you realize none of this would've ever happened.... について。
これは、レイチェルと仲直りしようとしてロスが電話をかけた時、レイチェルの部屋にマークがいたことを指しています。
マークと二人きりなのがわかったから、きっとマークとエッチしているんだろうと思った、だから僕は余計に頭が混乱してしまって、やけになって、あんな行動(クロエと寝たこと)に出てしまったんだ、ということですね。
僕が誤解するような行動を君がしたから、こんなことになってしまった、という感じでしょう。

マークと寝たと思ったから、という話題を持ち出したロスに、じゃあ実際に寝ていたとしたらどうなるかしら、あなたは私を許すことができていたかしら?と言っています。
恋人が他の人と寝た、という事実がどれほど辛いかをわからせるために、レイチェルは、もし立場が逆だったらどう思うかしら、と、マークと寝たと仮定して、ロスがどんな気持ちになるかを試そうとするのですね。

You'd be okay if you knew that Mark had kissed me, and been naked with me, and made love to me? は、knew 「知っていた」内容について、that 節以下で、過去完了形が使われています。
had kissed me, and (had) been naked with me, and (had) made love to me ということですね。
(もしマークとエッチした事実があるとして)その事実を知った時期よりも、エッチした行為の方が過去になるので、エッチした行為の方を過去完了形で表現しているわけです。

ト書きに less sure とありますが、それは、「こんなこと、あんなことがあったと知っても、あなたは大丈夫なのね?」と言われて、だんだん yes に確信がなくなってきていることを示していますね。
さっきよりは自信なさげに yes と答えた、ということです。

writhing の writhe は「もがく、身もだえする」。
ぱっと見た目の綴りは、writing 「ライティング、書くこと、書いている」に似ていますが。
ロングマン現代英英辞典では、
writhe: [intransitive]
to twist your body from side to side violently, especially because you are suffering pain
writhe in pain/agony etc

つまり、「右に左に激しく体をねじる・よじること、特に痛みに苦しんでいる時」。
用例として、「痛み(pain)にもがく、激しい苦痛(agony)にもがく」とありますね。
「特に痛みに…」とロングマンにもあるように、痛さのためにもがく場合が多いようですが、今回のレイチェルのセリフでは、エッチの時の身もだえとして使われています。
英辞郎にも、
writhe with pleasure=快感に身もだえする
というのが載っていますので(笑)、そういう使い方もアリのようですね。

マークとレイチェルが激しく愛し合っているかのような描写をするので、ロスは「聞きたくない!」という風に、耳を押さえながら、La-la-la-la-la.... と言っています。
フレンズ3-13その31 では、ジョーイがシャイニングのあらすじを話そうとした時、
レイチェル: Oh, no, meh-nah-nah-nah, come on, you're gonna ruin it! (あぁ、だめ。だめだめだめ。やめてよ。台無しにするところよ。)
と言っていました。
相手の言うことを聞きたくない、という感じで「マナナナ!」と言っていたのですが、今回のロスの La-la-la-la... もこれに似ていますね。

La-la-la... というのは歌を歌う時の音に似ていますが、これは大声で歌を歌うことで、レイチェルのそれ以降のセリフが聞こえないようにする、という心理から来たものなのかな?と(私個人の印象では)感じました。
相手の発言を止める、のではなく、自分の耳を外部の音から遮断するために大声を張り上げる、とでもいいましょうか。

ロスは、そんなことを知ってしまったらもちろん平気ではいられない、と認めます。
でも、レイチェルが他の男性と寝たと知っても、それでも僕は君といたいと願うだろう、と言っていますね。

It's you. という表現は、英語っぽい表現、という気がします。
この It's you. というフレーズは、歌詞によく出てくる表現です。
ビートルズがカバーしていた曲にも、Baby It's You というタイトルの歌がありましたよね。

以前にNHKで放送していた「ジュークボックス英会話〜歌詞から学ぶ感情表現〜」の第2回「Every Breath You Take (The Police) 」で、It's you. というフレーズについて、詳しい解説がありました。
Every Breath You Take の歌詞の中に、
I look around but it's you I can't replace
というのがあって、その流れで、「今日の感情表現」として、it's you のニュアンスが取り上げられていたのです。

テキスト p.32-33 に書いてある佐藤良明先生の解説を一部引用させていただきますと、
that は何かを「指さす」言葉。これに対して it は基本的に何も指さない。あれだ、これだとは意識せずに、でも何か1つ入れないと文の作りがヘンになるから入ってくる、そんな、*印みたいな存在が it だと言えるでしょう。

番組中で、マーティ・フリードマンさんも以下のようにコメントされていました。
答える、んですよね。It's の後は「答え」です。It's と「です」はほぼ同じ意味ですよ。ネイティブだから、It's とかいうことは全然考えないんですけど、完全に無意識に出るんですけど、考えたら、答えの前に It's をつければ確実だと思います。

それはつまり、「君だ。君なんだ。」ということが言いたい場合に、You. じゃなくて、It's you. と言う、という感覚ですよね。

ロスのセリフは何度か言い直して言っていますが、結局ズバリ言いたいことは、「君が他の男と寝ていたとしても、それでも僕はまだ君と一緒にいたい。」… Because it's you. ということですね。
「何か」が you である、と言っているのでなくて、「君と一緒にいたい理由は、君が「君」だからだ。「君」だから僕は何があっても一緒にいたいんだ。」というニュアンスだろうと思います。
別れたくない理由は「君だ」という感じでしょう。

そのロスのセリフを聞いて、いいこと言うなぁ、と隣室で聞き耳を立てながら感動している4人に笑ってしまいますね。


[Later, Ross and Rachel are sitting in the kitchen.]
その後、ロスとレイチェルは台所に座っている。
ロス: What? Come on Rach, tell me what you're thinking? (何? ねぇ、レイチェル。何を考えているか言ってよ。)
レイチェル: I'm thinking, I'm gonna order a pizza. (私が考えてるのは、ピザを注文しようかな、って。)
ロス: Order a pizza, like, "I forgive you"? (ピザを注文、っていうのは、「私はあなたを許す」って感じ?)
(She turns around and glares at him, he turns away.)
レイチェルは振り向いて、ロスをにらみつける。ロスはそっぽを向く。)
[Cut to Monica's bedroom]
ジョーイ: Oh, man, pizza? I like pizza. (makes like he is trying to send a telepathic message to Rachel) Put olives on the pizza. (あぁ、なんてこった、ピザ? 俺はピザが好きなのに。 [レイチェルにテレパシーのメッセージを送ろうとするような仕草をする] ピザにオリーブを乗せろ。)
フィービー: We could eat the wax! It's organic! (私たち、そのワックスを食べることができそうよ! オーガニック[天然有機物]だもの!)
チャンドラー: Oh, great. Food with hair on it. (あぁ、最高だね。上に毛がついてる食べ物だなんて。)
フィービー: No, not the used wax. (違うわ。使ったワックスじゃない方よ。)
チャンドラー: Because that would be crazy? (使ったワックスを食べるのはクレイジーだろうから?)

Order a pizza, like, "I forgive you"? について。
これは、とりあえず相手を非難することから離れて、ピザを注文、という食べ物・食欲の話になったので、もう僕に対する怒りは消えたの?、ピザを注文する、ってことは、僕を許す、って意味かな?と尋ねているようです。

少し前に、"I'm hungry." と言って部屋を出て行こうとしていたジョーイですから、隣室でピザを取る、という話が出たのに反応しています。
おでこの上で指をうにうに動かした後、テレパシーを飛ばすような仕草をしています。
カーッ、カーッ!という顔で「このテレパシーよ、飛んで行け!」みたいに思念を投げるので、チャンドラーがあきれてヒイているのに笑えます。
こういう子供っぽいところが、ジョーイの魅力なのですが(笑)。

お腹がすいたのなら、ワックスを食べることができるんじゃない? だってあれはオーガニックだから、と言うフィービー。
脱毛に使ったやつだから、上に毛がついてるよ、と言うチャンドラーですが、その後、"No, not the used wax." "Because that would be crazy?" と会話が続きます。

脱毛に使って毛がついてるものを食べろっての?と言ったチャンドラーに対して、「使ったやつだなんて言ってないわ、未使用のを食べるってことよ。」とえらそうに言い返したフィービー。
そんなこともわかんないの?という口調ですね。

チャンドラーの that は、使用済みのワックスを食べること、つまり、eating the used wax の意味かな、と思います。
「使用済みのじゃないわよ!」とフィービーがえらそうに言ったことに対して、チャンドラーの Because that would be crazy? は、「(そんなにえらそうに非難する理由は)使用済みを食べることはクレイジーだから?」みたいなことだと思います。
それはつまり、「使用済みでなければ、未使用のワックスならクレイジーじゃない、とでも言うのか?」みたいな意味で、使用済みでも未使用でも、どっちにしても、オーガニックだからという理由でワックスを食べるなんて、尋常じゃないだろ、と言い返している、ということだろうと思います。


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posted by Rach at 11:08| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月03日

僕が望んだみたいに言うけど フレンズ3-16その17

[Cut to Monica's bedroom]
ジョーイ: Y'know what, I don't think we should listen to this anymore. (Goes to open the door) (ねぇ、もうこれ以上、この喧嘩を聞く必要はないと思うけど。[ドアを開けに行く])
モニカ: (stopping him) What, what are you doing? You can't go out there. ([ジョーイを止めながら] 何、何してるの? あそこに出て行くことはできないわ。)
ジョーイ: Why not?! (to Chandler) I'm hungry. (どうしてできないんだよ! [チャンドラーに] 俺は腹が減ったんだ。)
モニカ: Because they'll know we've been listening. (だって、(出て行ったら)私たちがずっと(ここで)聞いてたって、彼らが知ることになるわ。)
[Cut to Living Room]
レイチェル: God! And to have to hear about it from Gunther!! (なんてこと! それに、そのことをガンターから聞かなきゃいけないなんて!)
ロス: Come on! Like I wanted him to tell you, I ran all over the place trying to make sure that didn't happen! (ねぇ! 僕が彼の口から君に言ってもらいたかったみたいに君は言うけど、僕はそんなことが起こらないようにしようとして、あちこちは走ったんだ!)
レイチェル: Oh, that is so sweet. I think I'm falling in love with you all over again. (まぁ、なんて優しいの。私はすっかりもう一度、あなたに恋をしそうだわ。)

Like I wanted him to tell you について。
こういう like の使い方は、過去記事、フレンズ1-4その4 ご質問フレンズ1-7その1 でも解説しました。
この「Like+文」は、「まるで・・・のように(言うが実際はそうではない)」というニュアンスだと私は思っています。
「ガンターの口からあなたが他の女性と寝たことを聞くはめになって」みたいにレイチェルが言うので、「まるで僕がそれを望んだかのように言わないでくれ。他人からそんなことを聞くことになったらいけないと思って、僕はかけずり回っていたんだよ。」みたいなことですね。
僕だって、ガンターの口からそれを聞いて欲しくなかった、ということです。

Oh, that is so sweet. I think I'm falling in love with you all over again. について。
ガンターから聞くなんて最低、という感じのレイチェルに、そうならないように頑張ったんだと説明するロス。
それを聞いて、そんなに必死になって頑張ってくれたなんて、なんて優しいの。また惚れ直してしまいそう、と言っています。
もちろんそれは皮肉で、自分の尻拭いをするために東奔西走していたくせに、それをさも、恋人のために必死に頑張ったみたいに語らないでよ、ということです。


[Cut to Monica's bedroom]
チャンドラー: Y'know what, I think we can go out there. I mean they have more important things to worry about. (ねぇ、俺たち、あそこに出て行けると思うよ。だって、あの二人には、悩むべきもっと重要なことがあるからさ。)
ジョーイ: Yeah, we'll be fine. (そうだよ、俺たちは大丈夫だよ。)
[Cut to Living Room]
ロス: Look Rachel, I wanted to tell you, I thought I should, I-I did, and then Chandler and Joey convinced me not to! (ねぇ、レイチェル、僕は君に話したいと思ったんだ。僕はそうすべきだと思ってた、ほんとに思ったんだ、(でも)その時、チャンドラーとジョーイが、僕に、話さないようにと説得したんだ[僕を説得して、話さないようにさせたんだ]!)
[Cut to Monica's bedroom]
チャンドラー: (handing Monica the wax) Wax the door shut, we're never leaving, ever. ([モニカにワックスを手渡して] そのドアをワックスで閉じろ、俺たちは決してここを出ることはない、決して。)
[Later, Phoebe is on the phone, they're all still trapped in Monica's bedroom.]
その後、フィービーは電話中。モニカたちは全員、まだ、モニカの寝室で身動きが取れない状態である。
フィービー: Hi, it's Phoebe. Listen, someone's gonna have to take my 9:00 with Mr. Rehak, 'cause it's like 9:15 now and I'm not there. (はーい。フィービーよ。ねぇ、誰か、私が担当する、リハックさんとの9:00の分(マッサージ)をやってくれないといけないわ。だって、今はほら、9:15 で、私はそっちにいないから。)

先ほどは、モニカに出て行っちゃダメ、と止められたジョーイですが、今度はチャンドラーも「出ても大丈夫だろ」と言っています。
確かに、喧嘩を聞いていたことは気まずいけど、あっちは今、盗み聞きされていたことを気にする暇も余裕もないさ、自分たちの喧嘩で他のことは気にならないさ、と言っています。

ところが、僕は自分の口からレイチェルに正直に話そうと思ってたのに、チャンドラーとジョーイに「話しちゃいけない」って説得されて、だから結局言わないことになっちゃったんだ、と語るロス。
大丈夫だと思っていたチャンドラーとジョーイの雲行きが一転怪しくなってきます。

ここで部屋から出たら、俺たちが総攻撃されてしまう、だから、ドアにワックス(脱毛用ワックス)を塗って、shut の状態にしろ、と言っています。
Wax the door shut は、(S)VOCの形で、door に wax を塗って、the door is shut の状態にする、ということですね。
接着剤みたいに、ちょうどここにあるワックスで塗り固めちゃえ、あんなこと言われたら、出られなくなっちゃったから、ということです。

缶詰状態になっているので、フィービーは自分の仕事場であるマッサージ店に電話しています。
9:00 にリハックさんにマッサージするという予約が入ってて、でも、それを誰かに代わって欲しい、という内容なのですが、その後の説明が、いかにもフィービーっぽいです。
9:00 からの予約であれば、普通は 9:00 より少し前に電話するものですが、「9:00 の予約を誰かにお願いね、もう 9:15 だけど私はそこにはいないから。」と当たり前の事実を述べているのに笑えます。
電話を受けた相手にしたら、フィービーが店に来てないのは見りゃわかるよ、こっちは連絡がないので、いらいらして待ってたよ、というところでしょうか。
だから、その電話の内容を聞いている他の3人も、変な説明だなぁという感じで、ちょっとあきれているのですね。


(Rach からのお知らせ)
日向先生のブログ「ビジネス英語雑記帳」の最新記事、英会話は教えることができるのか で、海外ドラマのDVDを使って英会話を学ぶ効用について書いて下さっています。

然るべき素材で英会話の何たるかを研究し、基本的なツールの使い方を学び、DVDで海外ドラマの「フレンズ」あるいは「ザ・ホワイトハウス」などを見ながら、「そうか、こう使うのか」と頭の中で繰り返しリハーサルを繰り返す習慣を形成すれば、ある日、英会話に参加する機会が訪れても十分こなせるはずです。

普通の人が生の英会話に近いものに触れることができるのは海外テレビドラマでのやり取りではないでしょうか。


日向先生にそう言っていただけると、「私の学習法の方向性は間違っていなかった!、これからもこのブログを頑張って続けて行こう!」と思えます。
日向先生、いつもありがとうございます!
「英会話って何だろう?」「英会話を学ぶにはどうしたらいいだろう?」と思っておられる読者の方は、是非、日向先生のこの記事をご覧になって下さいね。


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posted by Rach at 12:00| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年12月01日

breakupとon a break フレンズ3-16その16

[Cut to Living Room]
ロス: I'm sorry, okay? I'm sorry. I wa-I was disgusted with myself, and this morning I was so, I was so upset and then I got your message and I was so happy, and all I wanted was to get her out of my apartment as fast as possible. (ごめんよ、ねぇ、ごめんよ。僕は自分自身にうんざりしてた。今朝、僕はとても、とても混乱していて、それから君のメッセージを受け取って僕はとっても幸せだった。僕が望んだのはただ、僕のアパートからできるだけ早く彼女を追い出すことだった。)
レイチェル: Whoa!! Whoa, whoa, wait a minute. What time did your little friend leave? (Ross can't answer that) Oh my God. She was there? She was still there? She was in there when I was in there?! (おぉ、おぉ、おぉ、ちょっと待ってよ。あなたのちょっとしたオトモダチは何時に部屋を出たの? [ロスはそれに答えることができない] なんてこと。彼女はあそこにいたの? 彼女はまだあそこにいたの? 私があそこにいた時に、彼女はあそこにいたの?)
(Ross hands Rachel back the newspaper, and she starts beating him with it again.)
ロスはレイチェルに(前にたたくのに使った)新聞を手渡して返す。そして、レイチェルはその新聞を使って、再びロスをたたき始める。
ロス: Listen. Oh hey, hey, the important thing is she meant, she meant nothing to me! (ねぇ聞いて。重要なことは、彼女は、彼女は僕にとって何の意味もない人だった、ってことだよ。)
レイチェル: And yet she was worth jeopardizing our relationship!! (それでも、彼女は私たちの関係を脅かすだけの意味があったわ。)
(She throws the paper at him, misses and hits Monica's door, they all jump back at the sound.)
レイチェルは新聞をロスに向かって投げる、それが(ロスに当たらずに)外れてモニカのドアに当たる。(寝室で聞いている)モニカたちは全員、その音で、後ろに飛びのく。

僕は混乱してて、でも君からのメッセージが嬉しくて…とその時の正直な気持ちを述べるロスですが、最後に余計なことを言ってしまいます。
Whoa, whoa, whoa というのは、「ちょっと待ってよ、今のは聞き捨てならないわ」みたいな、相手に対する抗議の気持ちを表す言葉ですね。
ここでは whoa の後に、はっきり Wait a minute. と言っていますので、その「ちょっと待ってよ」というニュアンスがよりはっきり出ています。
your little friend の little は「ちょっとした」というニュアンスだと思います。
浮気相手、寝てしまった相手のことをわざと friend と言うのは、レイチェルの皮肉ですね。
「オトモダチ」とカタカナで書くと、その皮肉っぽいニュアンスが出るかな、と思いました。

レイチェルがやってきた時、クロエが部屋にいることを必死で隠そうとし、そしてその時は隠し通せたのに、今になって、自分の正直な気持ちを語る流れで、ついその事実を語ってしまう…という最悪のパターンです。
ロスは「彼女もいたのね?」という質問には答えず、ただ新聞を返すのが面白いですね。
もう弁解のしようもないから、好きなだけたたいていいよ、ということです。

and yet は「それにもかかわらず、しかしそれでも、それでも」というニュアンス。
ロスは彼女が mean nothing だと言う、「それでも」彼女の存在が私たちの関係を脅かすのよ、何の意味もないなんてことはないわ、私たちの関係に重大な影響を与える存在だわ、ということですね。
be worth doing は「…するだけの価値がある」ということで、「価値」と言うと、良い意味の日本語になってしまいますが、この場合は、「意味がある、存在意義がある」みたいな感じでしょうね。


ロス: Look, I didn't think there was a relationship to jeopardize. I thought we'd broken up. (ねぇ、僕は脅かされるような関係は存在していないと思ったんだ。僕たちは別れてしまった、と思ってた。)
レイチェル: We were on a break! (私たちは、ブレイク中だったのよ。)
ロス: That, for all I knew, would, could last forever. That to me is a breakup. (それは、僕が知る限りでは、永遠に続きそうだった。それは僕にとっては、ブレイクアップ[別れ、別離]なんだよ。)
レイチェル: You think you're gonna get out of this on a technicality? ((言葉を)専門的に厳密に解釈することで、この問題から逃げ出そうって思ってる?)
ロス: Look, I'm not trying to "get out" of anything, okay. I thought our relationship was dead! (ねぇ、僕は何からも「逃げ出」そうとしてないよ、いいかい。僕は、僕たちの関係は死んでると思ってたんだ。)
レイチェル: Well, you sure had a hell of a time at the wake! (そうね、あなたはお通夜で、ひどい目にあった[つらい時を過ごした]に違いないわね。)

jeopardize our relationship という言葉に対して、ロスが反論します。
関係を脅かす存在だと言うけど、そもそもあの時、our relationship は存在してたのか?ということですね。
I thought we'd broken up. の 'd broken up は、had broken up という過去完了形です。
I thought という過去の時点で、「その時すでに break up してしまっていた」ということで、過去完了形が使われているのです。
だから、クロエと寝た時は、our relationship という男女の関係は僕たちの間には存在していなかったはずだ、と言っているのです。

それに対して、レイチェルは、We were on a break! と言い返します。
同じように「別れ」を示唆する break という言葉を使っているのですが、on a break のニュアンスは、「ブレイク中」みたいな感じだと思います。
ロスのように break を動詞の過去形や過去完了形として使うと、break という行為が「行われた、行われてしまった」という感じになりますが、on a break となることで、break という「状態が続いている」ニュアンスになって、「たまたまその時は、break という状態であった」という感じが出るのかな、と思います。

過去記事、ブレイクをとる フレンズ3-15その14 でも、break について詳しく説明しましたが、on a break には、「休憩中である、(仕事などを)休んで」という意味がありますよね。
大喧嘩している二人の関係をとりあえず冷静にするために休憩中だった、というような、「とりあえず、一時的に、その時は」というニュアンスが、on a break に出るのだろうと思います。

for all ... know は、研究社 新英和中辞典では、
for all ... know=(よくは知らないが)多分、おそらく
例) He may be a good man for all I know. 彼は案外よい人かもしれない(がよくはわからない)。

と出ています。
「自分が知っている限りは」みたいな感じですね。
今回の、for all I knew は「僕が知っていた限りは、僕のその時の知識・知見では」みたいなことでしょう。
I ではなく you を使った for all you know という表現は、フレンズ2-24その13フレンズ3-14その10 にも出てきました。

君が今になって「あの break は一時的なものだった」と主張しても、あの時の僕の考えでは、一時的なものには思えなかった、「しばらく、当分」とか、「いついつまで」という期限もなかったんだから、それは僕にとっては、on a break が永遠に続くものだと思えたよ、僕にとっては、on a break 「ブレイク中」ではなくて、はっきりとしたブレイクアップ(a breakup)だったよ、と言っているのです。
a breakup を発音する時に、「ア・ブレイクアップ」ではなくて、「エイ・ブレイクアップ」と言っていますね。
不定冠詞をはっきり発音することで、「あれは、ブレイクアップの一つの形だ、いわゆるひとつの(?)ブレイクアップだ」と言いたいわけでしょう。

technicality は「専門的なこと、専門的であること、専門的事項」。
研究社 新英和中辞典では、
on a technicality=細かい専門的な事柄[厳密な法解釈]によって

と出ています。
break という言葉を自分はどう受け止めたかを語ったロスに対して、そういう言葉の問題、言葉の上での解釈の問題を持ち出して、逃げようとしてるの?と言っているのですね。
レイチェルとしては、仮に一時的に別れたとしても、別れた直後に他の女性と寝るの?という気持ちですし、ロスとしては勢いで寝てしまって、それが正しいことだと思ってるわけじゃないけれど、ブレイクという言葉を持ち出したのは君で、ブレイクと言われたら、別れたと思わざるを得ないじゃないか、それなのに今になって「二人の関係」を大事そうに君が持ち出すのはおかしいじゃないか、という気持ちなのでしょう。

実は、フレンズ3-16その1 から フレンズ3-16その2 にかけて、レイチェルは、"we kinda broke up instead." 「記念日のディナーを食べる代わりに、別れた、って感じなの。」と言っていました。
レイチェル自身も、モニカに説明する時に、kinda でぼかしているとは言え、break up という動詞を使っているのですね。
ですから、レイチェルも「別れた」という認識はあるし、今すぐに仲直りできるかどうかの保証もないことはわかっていたはずです。
ただ、その break という言葉尻をとらえて、「だってブレイクって言ったじゃないか。だから、僕たちの関係は”完全に”消滅してたんだ。」と、感情を超越したかのような言葉上の杓子定規の解釈を持ち出すことが許せなかった、ということでしょう。
technicality という単語を「テクニキャリティー?」という風に、思いっきりアクセントを置いて発音しています。
屁理屈のような理屈に対する抗議の気持ちですね。

you sure had a hell of a time at the wake! について。
hell は「地獄」で、そこから「強意語」としても使われますね。
研究社 新英和中辞典では、
a [the] hell of a ... (口語)=
1. 大変な
take a hell of a time すごく時間がかかる
2. 非常にひどい, 悪い
have a hell of a time ひどい目にあう
3. [副詞的に] とても、ずばぬけて
a hell of a good book すごくすばらしい本


ですから、文字通りに解釈すると、「wake でひどい目にあった、ひどい時を過ごした」みたいなことでしょう。
その前のロスのセリフに、dead という言葉が出ていることから、この wake は「通夜」のことだと思います。
ロングマン現代英英辞典では、
wake [noun]: the time before or after a funeral when friends and relatives meet to remember the dead person
つまり、「葬式の前後に、故人を偲ぶために友達や親戚が集まる時間」。
ロングマンには、この「通夜」の意味の語源として、動詞の wake つまり「起きる」という意味が挙げられていますが、故人のことを語りながら親戚たちがずっと「起きている」から「通夜= wake」なんだ、ということを、私もどこかで聞いた気がします。

ですから、このレイチェルのセリフは、「二人の関係は死んだ」というロスに対して、その関係が死んだ日の夜、つまりお通夜に、大変な目にあったのね!と言っていることになります。
が、レイチェルの本心は、「関係が死んだその日の晩に、あなたは早速、別の女性と寝てたわけね!」みたいなことでしょうね。
ですから、この had a hell of a time は、文字通りの意味というよりはむしろ、had a hell of a good time つまり、「最高に楽しい時を過ごしていた」みたいなニュアンスで言っているのかもしれません。
もしくは「あなたは他の女性とお楽しみだったのね」というのをわざと「つらい目にあった」と皮肉っているのかもしれません。
いずれにしても、「関係は死んだ」とロスが思っていたにせよ、「まさにその晩」にその行動?という意味で、wake 「お通夜」という単語を出して来ているのが、絶妙だなぁ、と思いました。


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posted by Rach at 11:53| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする