2009年08月31日

20ドルでお釣りは出た? フレンズ4-6その5

チャンドラーはキャシーの誕生日プレゼントに「ビロードうさぎ」の初版本という、高価で貴重な品をあげようとしています。
ですが、キャシーの恋人であるジョーイのプレゼントは、文房具屋で買った「時計つきペン」。
それはまずいということで、「ビロードうさぎ」を超えるプレゼントを捜したけれど結局見つけられなかったチャンドラーは、「自分からのプレゼントでなくても、キャシーがその本をもらってくれればそれでいい」と、「ビロードうさぎ」の初版本をジョーイからのプレゼントとして譲ることにします。
チャンドラー: I got something for her. (Joey picks up the package, shakes it next to his ear, can't hear anything, switches ears, shakes it again.) It's a book. (彼女のためにあるものを買ってきたんだ。[ジョーイはその包装されたものを取り上げ、それを耳の隣で振るが、何も聞こえない。耳を変えて、再度それを振る] それは本だ。)
ジョーイ: (Unimpressed) A book? (Suddenly interested) Is it like a book that's also a safe? ([感銘を受けない様子で] 本?[本1冊?] (突然、興味を持ったように) 本であり、なおかつ金庫でもあるようなやつか?)
チャンドラー: No, it's a book that's just a book, okay? It's an early edition of the Velveteen Rabbit. It was her favorite book as a kid. So, uh, just... let me know if she likes it, okay? (いいや。ただの本であるだけの本だ。いいか? それは「ビロードうさぎ」の初版本なんだ。彼女が子供の頃の愛読書だよ。それであの…ただ、彼女がそれを気に入るかどうかだけ、俺に教えてくれよ、いいだろ?)
ジョーイ: You got it. Thanks man. Thanks for doing this. I owe you one. (Joey leaves, comes back in.) Oh, hey! There wasn't any change from that twenty, was there? (わかった[了解したよ]。ありがとな。こんなことしてくれてありがと。お前には借りができたな。[ジョーイは立ち去ろうとして、戻ってくる] あぁ、おい! あの20ドルでお釣りはなかったんだよな?)
チャンドラー: No, it came out to an even twenty. (なかったよ。ちょうど20ドルになった。)
ジョーイ: Wow. That's almost as much as a new book. (わぁ。その古本は、ほとんど新本並み(の値段)なんだな。)

包装された形を見たらどう見ても本なのに、それを振って音を確かめているジョーイ。
実は、フレンズ1-24その2 で、ジョーイはレイチェルの誕生日に本をプレゼントしていました。
ですから、プレゼントが本であることは、それほど意外なことでもないと思うのですが、今回のジョーイは、女の子へのプレゼントに関してはかなり無頓着であるというキャラ設定が強調されているようです。

ジョーイにしてみれば、時計つきのペンにケチをつけたチャンドラーが買ってきたものなので、もっと素敵なプレゼントを買ってきたはずと思ったということでしょうか。
チャンドラーが、A pen? と言ったのと同じように、今度はジョーイが、A book? と言っています。
えらそうなことを言ってて、結局、本1冊だけかよ!という感じですね。

でもそこで何かひらめいた風なジョーイは、「もしかして、俺の「ペン兼時計」みたいに、これも、本であってなおかつ金庫にもなるやつだったりするの?」と尋ねています。
そういえば、本の形になってる金庫、というか、へそくりや貯金を泥棒から隠すのに最適!みたいなアイディア商品がたまにありますよね。
1つで2役こなすグッズの連想から離れられないところがポイントです。

チャンドラーは、本のタイトルやそれが彼女の愛読書であったことなどを説明し、ただ一つのお願いとして、彼女がこの本を気に入ったかどうかだけ、後で俺に教えてくれよ、と頼んでいます。
ジョーイの、You got it. は、「お前の頼みを承知したよ、わかったよ」という感じですね。
I owe you one. は「お前に借りができたな。恩に着るよ」というニュアンスです。

ありがとうと言って出て行こうとして、あることを尋ねるジョーイ。
There wasn't any change from that twenty, was there? を直訳すると、「あの20ドルから少しもお釣りはなかったんだよな?」ということで、「プレゼントを買ってもらうために、俺がチャンドラーに20ドル渡したけど、お前がお釣りをくれないところを見ると、そのプレゼントを買って、お釣りは出なかった、ってことだよな?」ということです。
チャンドラーがプレゼントだけ渡してお釣りをくれなかったので、「多分、お釣りは出なかったってことだろうけど、念のために尋ねておくよ」みたいな感じの付加疑問文です。

come out to は「(経費が総計)…になる」ですから、そのプレゼントを買ったことによる出費は、20ドルちょうどになったよ、ということです。
even が「ちょうど」という意味になることについては、ちょうどのeven フレンズ3-17その25 でも触れています。

フレンズ4-6その1 で紹介したように、ウィキペディアによると、この本の実際の価値は、15000ドルくらい、ということだったので、「20ドルでお釣りが出た?」なんてとんでもない話です。
ジョーイにはこの本の初版本の価値が全くわかっていない、ということですね。
さらには、20ドルでお釣りが出ないと聞いて、「古本なのにほとんど新本並みの金額がするんだな」と驚いています。
ブックオフで、ベストセラーの中古本を買うような感覚で思っているようですね(笑)。

観客は、チャンドラーがどれだけ苦労して手に入れたかを知っていますし、具体的な金額は知らないまでも、どれほどレアで高価なものであるかは、だいたい見当がついています。
「キャシーが喜んでくれるなら…」と、それをジョーイのために身を切る思いで譲ってあげたのに、当のジョーイはその本の価値が全くわかっていない、というのがポイントですね。
20ドルでお釣りはなかったんだよな?という質問もかなりひどいですが、「ちょうど20ドルということにしといてやるよ」とウソをついたチャンドラーに対して、「古本なのに20ドルもするなんて高いよな」と言い残して去っていくのがさらに面白いわけです。
ますますチャンドラーがかわいそうになってきますね。


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2009年08月29日

ゴミの上にゴミを投げる フレンズ4-6その4

デート相手シェリル(Cheryl)の部屋に行ったロスは、その部屋のあまりの汚さにびっくり。
デートから帰ってきて、そのことをジョーイに話します。
[Scene: Chandler and Joey's, Ross and Joey are standing and talking, Ross is tying a tie.]
チャンドラーとジョーイの部屋。ロスとジョーイは立ち話をしている。ロスはネクタイを結んでいるところ。
ジョーイ: So you just left? Her place was really that bad? (それで、ただそこを立ち去ったのか? 彼女のところは本当にそんなにひどかったのか?)
ロス: You know how you throw your jacket on a chair at the end of the day? (一日の終わりに、椅子の上にジャケットを放り投げるだろ?)
ジョーイ: Yeah. (あぁ。)
ロス: Well, like that, only instead of a chair, it's a pile of garbage. And instead of a jacket, it's a pile of garbage. And instead of the end of the day, it's the end of time, and garbage is all that has survived. (Ross takes the loosely tied tie off and hands it to Joey who puts it on.) Here. (あぁ、そんな感じなんだよ。ただ椅子の代わりに、ゴミの山に、だ。そして、ジャケットの代わりに、ゴミの山を、だ。そして、一日の終わりの代わりに、時間の終わりごとに、だ。そしてゴミだけが生き残る。[ロスはゆるく結んだネクタイを外し、そのネクタイをつける(ことになる)ジョーイに渡す] どうぞ。)
ジョーイ: Wow. Thanks. So, uh, what happened? (わぁ、ありがと。で、何が起こったの?)
ロス: What do you mean? Nothing happened. I had to get out of there. (どういう意味? 何にも起こらなかったよ。そこから出て行くしかなかったんだ。)
ジョーイ: All right, so... next time, you take her to your place. (わかったよ、それじゃあ…次は、お前が彼女を自分の部屋に連れてこい。)
ロス: No, I tried that. She says it has a weird smell. (だめだよ。そうしようとしたんだ。彼女は、僕の部屋は変なにおいがするって言うんだ。)
ジョーイ: What kind of smell? (においってどんな?)
ロス: I don't know. Soap? (さあね。石鹸かな?)

シェリルの部屋の汚さを説明するロス。
ジョーイは、Her place was really that bad? と聞き返しています。
that bad は「そんなに、それほどまでに汚い」という感じですね。
ものすごい美人のシェリルの部屋に案内されて、普通ならロマンティックなムードになりそうなところですが、そんな気持ちにもならずただ部屋を出てきた、そんな結果になるほど汚かったのか?というニュアンスです。

ロスはシェリルの部屋の様子を、ジョーイに語って聞かせます。
一日の終わりに、椅子にジャケットを放り投げる様子を、ロスはジョーイに説明します。
You know how+S+V という構文はフレンズに時々登場しますが、「どんな風に…するかを知ってるだろ?」みたいなことですね。
「ほら、よく、ジャケットをポンと椅子に放り投げるだろ」と、その時の様子を相手に思い出させているのですね。
それを思い出させた上で、instead of という言葉を3回も使って、シェリルの場合はこうなんだよ、と説明しています。
僕たちが椅子の上にジャケットを放るように、シェリルはゴミの山の上にゴミの山を投げるんだよ、ということですね。
僕らが何気なくジャケットを放る感じで、何の罪悪感もなく、ポーンとゴミを投げちゃうんだ、ということです。
そして、僕らがジャケットを投げるのは、一日の終わりだけだけど、彼女の場合は、the end of time だと言っています。
漠然とした表現のような気もしますが、一日という区切りではなく、ことあるごとに、しょっちゅう、ゴミを投げてるんだ、という感覚かな?と思います。
一日なんて長いスパンの終わりじゃなくて、もっと短い単位の終わりのたびに投げている、それを、day と time という長さの対比で表している気がします。

Garbage is all that has survived. は、Garbage is all (that has survived). で、that は関係代名詞ですね。
直訳すると、「ゴミは、生き残った・生き延びたすべてのものだ」ということになり、そんな風にゴミの上にゴミをまた捨てることを繰り返しているから、その部屋にはゴミしか残ってない、ゴミしか存在していない、まさにゴミだらけの部屋なんだよ、と言いたいのでしょう。

ト書きに表示されているように、ロスはゆるく結んだネクタイをジョーイに渡しています。
このシーンの最初から、ネクタイを結んでいたロスですが、実はそれはネクタイの結び方を知らないジョーイのためにロスが結んでやっていたものだ、ということがここでわかるのですね。
キャシーの誕生日なので、おしゃれしてネクタイをしてみた、ということでしょう。

What happened? と改めてジョーイに聞かれて、ロスは、What do you mean? Nothing happened. と答えていますね。
「何が起こった?と聞かれても、起こったも何も、そんなゴミだらけの部屋で何も起こるはずないじゃないか」というニュアンスですね。
彼女の部屋がダメなら、お前の部屋に連れて来いよ、とジョーイは言うのですが、ロスもそのことはすでにトライしようとしていました。
が、シェリルの一言で、それも不可能だとわかったのですね。
ロスが言っている She says it has a weird smell. は、実際にシェリルの部屋でのシーンでは、以下のようなセリフでした。
ロスが、「僕の部屋に来ない?」と誘った時、彼女は行きたくないと言い、その理由として挙げたのが、
シェリル: Okay, um, don't take this the wrong way, but your place kinda has a weird smell. (いいわ。あの、悪いように取らないで欲しいんだけど、でも、あなたの家は変なにおいがするって感じなのよ。)

don't take this the wrong way という前置きがあるので、その後、相手に対して失礼な言葉が続くことが示唆されますね。
ロスも観客も、a weird smell がするのはどっちの部屋だよ!?とツッコミたくなるセリフです。

a weird smell という言い方は明らかにいやなにおいを示唆しています。
こんなゴミだらけの部屋の人に、a weird smell と言われて、ロスもカチンと来たのでしょう。
僕の部屋は彼女の部屋と違って清潔だから、清潔感あふれる石鹸の香りがしたんじゃないの?、彼女の鼻はおかしくなっていて、その清らかな石鹸の香りを変なにおいだと感じるんだろ、と怒っていますね。


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2009年08月27日

ペンであり時計でもある フレンズ4-6その3

ジョーイ: (entering the apartment) Hey. Man, it is so hard to shop for girls. ([アパートに入ってきて] あぁ、もう。女の子のために買い物するのは大変だよ。)
チャンドラー: Yes, it is... at Office Max! (そりゃそうだよな…オフィスマックスならな!)
レイチェル: What did you get her? (Joey opens up a rectangular black box and holds up a pen.) (キャシーに何を買って来たの? [ジョーイは長方形の黒い箱を開け、ペンを持つ])
チャンドラー: A pen. (ペンだ。)
ジョーイ: It's two gifts in one. It's a pen that's also a clock. Huh? (1つで2つの贈り物なんだぜ。ペンで、しかも時計なんだ。どうだ?)
チャンドラー: Huh-huh! You can't give her that. (ハッハッ! 彼女にそれをあげちゃだめだ。)
ジョーイ: Why not? (どうしてだめなんだよ。)
チャンドラー: Because she's not 11! And it's not the seventh night of Chanukah. (なぜなら、彼女は11歳じゃないんだぞ! それに、ハヌカーの7夜目でもない。)
レイチェル: Okay, honey, what he means by that is, while this is a very nice gift, maybe it's just not something a boyfriend gives? (ねぇ、ハニー。今の言葉でチャンドラーが言いたかったのは、このペンはとっても素敵な贈り物だけど、多分、恋人があげるものではない、ってことなのよ。)

キャシーの誕生日プレゼントを買ってきたジョーイ。
「女の子へのプレゼント選びは大変だよ」みたいなことを言っています。
チャンドラーは「あぁ、全くお前の言う通りだよ」と賛同するように、Yes, it is と言っていますが、その後、at Office Max と叫んでいますね。
ジョーイが持っているレジ袋を見て、オフィスマックスで買ってきたことがわかったからです。

Wikipedia 英語版: OfficeMax
ウィキペディアによると、アメリカ第2位の事務用品チェーンのようです。
公式サイトはこちら(↓)
Office Supplies, Office Furniture & Office Technology at OfficeMax

このお店の名前を知らなくても、「オフィスマックス」という名前を聞いたら、なんとなく事務用品や文房具を扱う店だという見当はつきますね。
「オフィスマックスで、女の子への誕生日プレゼントを買おうとしたら、そりゃ大変に決まってるさ」という感じです。
「どこでプレゼントを買ってるんだよ、そんなところで探すなよ」と言いたいのですね。

オフィスマックスで買ってきたものを見せるジョーイ。
何と、ペン1本。
チャンドラーが "A pen." と言っていますが、この不定冠詞の a が「ある1つのペン、1本のペン」という感じを出していますね。
ペン、それもたった1本だけ、みたいな感じです。

1本のペンだけ?と言われて、ジョーイは反論します。
見た目は1本のペンだけど、この1本のペンは2つの贈り物になるんだぞ、これはペンであって、なおかつ時計にもなるんだ、と自慢しています。

あまりにもチャチでしけたプレゼントなので、チャンドラーはそんなのを恋人であるキャシーにあげちゃだめだ、と言います。
そしてだめな理由を2つ挙げていますね。
1つ目の理由の「彼女は11歳じゃない」というのは、小学校高学年くらいの子供じゃない、ということで、そんな文房具を喜ぶのはせいぜい小学生までだろ、と言いたいようです。
そして、2つ目の理由は「ハヌカーの第7夜(7夜目)じゃないから」。

ハヌカーは、ユダヤ教の8日間の宮清めの祭りです。
過去記事でもハヌカーに関係する事柄が登場しました。
フレンズ1-7その1 では、ハヌカーで用いるメノーラという燭台が登場し、それを持ってきたジョーイのことを Rabbi 「ラビ(ユダヤ教の先生、指導者)」と呼んでいました。
また、フレンズ3-10その12 では、
ロス: No, but ah, there's coconut in the Hanukkah Menorah-eos. I tell you what, I'll put you down for 8 boxes. One for each night. ((チャンドラーの希望するココナッツ・フレーバーは)ないな。でも、ハヌカ・メノリオスにココナッツが入ったものはある。よし、8箱購入って書いとくよ。毎晩1箱ずつね。)
というセリフがあり、チャンドラーはココナッツ・フレーバーを所望したせいで、ハヌカーは8日間あるからと強引に8個分買わされるはめになっていました。

今回のセリフ、ネットスクリプトでは、Hanukkah と表記されていましたが、DVD英語字幕では Chanukah という綴りになっていました。
どちらの綴りも使われるようですね。

詳しくはウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: ハヌカー
Wikipedia 英語版: Hanukkah

ハヌカーは8日間のお祭りで、チャンドラーのセリフでは、7日目の夜、という言葉が出ていますね。
このセリフの意味については、ウィキペディア日本語版の以下の説明がヒントになるように思いました。
引用させていただくと、

ハヌカーはキリスト教のクリスマスとほぼ同じ時期に祝われるが、この二つの祭日は起源も性格も異なる。近年はクリスマスプレゼントのようにハヌカーの期間中毎日子供に「ハヌカー・プレゼント」を与える家庭や、クリスマスツリーに似た「ハヌカー・ブッシュ」と呼ばれる常緑樹を飾る家庭もあるが、これらは伝統的なユダヤ教の習慣ではないため好ましくないと考えるユダヤ教徒も多い。

「毎日子供にハヌカー・プレゼント」と説明にありますね。
8日間の期間中、毎日あげるとすると、少額なものを少しずつあげることになるでしょうから、その7日目に、時計付きペンをあげる、ということもありそうな気がします。
このペンだと、「はい、今日はハヌカーの7日目。7日目のプレゼントはこれね」と渡すレベルのプレゼントになってしまう、毎日ちょっとした小物を8日間あげるというハヌカーじゃあるまいし、大人の女性、しかも恋人に贈る誕生日プレゼントにしてはちゃちすぎる、とチャンドラーは言いたいわけでしょう。
その後で、チャンドラーの言いたいことを、レイチェルがジョーイを傷つけないようにやんわりと、説明を加えていますね。


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2009年08月25日

モニキャントはネガティブなモニカ フレンズ4-6その2

モニカ: (Entering from her bedroom, talking on the phone) Yeah, once again, I am sorry. Thank you. Bye. (To the gang) I just had to turn down a job catering a funeral for 60 people. ([寝室からリビングに入ってくる、電話で話をしながら] えぇ、もう一度言いますが、申し訳ありません。ありがとう。さよなら。[フレンズたちに] 60人のお葬式のケータリングの仕事を私はただ断らないといけなかったのよ。)
レイチェル: Oh, my God! What happened? (まぁ、なんてこと! 何が起こったの?)
モニカ: Sixty guests. (お客さんが60人、ってことよ。)
ロス: So, uh, why'd you have to turn it down? (それで、その、モニカはどうしてそれを断らないといけなかったの?)
モニカ: Because I don't have the money or the equipment to handle something that big on such short notice. I mean there's no way. (なぜって、こんなに急な依頼で、そんな大きなことに対処するだけのお金も設備もないんだもの。)
フィービー: Wow, what is with all the negativity? You sound like "Moni-can't," not "Moni-can"! (Monica looks almost puzzled) ...Moni-ca. (まぁ、その消極性[後ろ向きな態度]は何? あなたの言い方は「モニ・キャント」に聞こえるわ、「モニ・キャン」じゃなくて。[モニカはかなり困惑した顔をする] …(あなたの名前は)「モニ・カ」か。)

モニカは、自分が電話で謝っている理由について、had to turn down a job catering a funeral for 60 people だとフレンズたちに説明しています。
turn down は「(申し出などを)断る、辞退する」。
モニカの発言を聞いて、レイチェルがかなり驚いたように、「何が起こったの?」と尋ね、それに対してモニカは、60 people と言ったのは、60 guests のことよ、と言い直しています。
つまり、レイチェルは、 a funeral for 60 people を、「60人の死者を弔う1つのお葬式」と解釈した、ということですね。
60人の人の合同葬、みたいな感じで、何か大きな事故でも起こって大勢の人が亡くなった、と勘違いしたようで、それで、What happened? 「60人もの人が一気に亡くなるなんて、一体どんな大事故が起こったの?」という質問をした、ということです。
レイチェルの勘違いに気づいたモニカは、「60人の人のためのお葬式、じゃなくて、60人の人がゲスト、お客さんとして参列するお葬式のことよ」と言い直したわけです。

お葬式の60人のケータリングを断った理由についてモニカは説明します。
on such short notice は「こんなに急な通知[依頼]で[にもかかわらず]」。
on such short notice については、過去記事、フレンズ3-23その3 で詳しく解説しています。

handle something that big は、「(60人の料理を準備するという)そんなに大きなもの[お葬式のケータリング]を扱う、に対処する、を処理する」。
equipment は「準備、したく」という意味がありますが、この場合はもっと具体的な「設備、備品、器材」などを指すでしょう。
そんな大人数の料理を一気に準備するためには、材料をごっそり買い込むためのお金も必要だし、それだけの量をこなせるような道具や器材が必要になってくるけど、私にはお金も器材もないもの、と愚痴っているわけですね。

「どうせ今の私にはお金も器材もないし…」というモニカのネガティブな話を聞いて、フィービーは、あなたの言い方は、「モニ can(できる)」じゃなくて、「モニ can't(できない)」に聞こえるわ、と言っています。
「できない、できない、って不可能なことばかり挙げて、あなたは「できないちゃん」なの?」とでも言いたいニュアンスですが、たまたまモニカの名前の綴りが Monica なので、その最後の ca を、can/can't とかけたわけですね。
似たようなニュアンスを日本語で無理やり表現してみるとすると、「秀樹さん。あなたの言い方は、「秀樹ない(ひ・できない)」に聞こえるわ、「秀樹る(ひ・できる)」じゃなくて」みたいになるでしょうか??(笑)

フィービーの言い方は、「あなたは、Moni-can のくせに、Moni-can't みたいな否定的なことを言わないでよ、あなたの名前が泣くわよ」とでも言いたげな感じですが、実際にはモニカの名前はあくまで Monica なわけなので、Moni-can と言われてもモニカは「???」という感じ。
can/can't にうまくかけたつもりが、モニカに伝わらなかったので、「あぁ、あなたの名前は Moni-can じゃなくて、ただの Moni-ca だったわね…」という感じで、ボソッと Moni-ca. と言い直した、ということです。


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2009年08月23日

ビロードうさぎ The Velveteen Rabbit フレンズ4-6その1

シーズン4 第6話
The One with the Dirty Girl (恋人はダーティ・ガール)
原題は「ダーティな女の子の話」


モニカとレイチェルの部屋。本を手に持ちながら入ってきて、包装紙持ってる?と尋ねるチャンドラー。
チャンドラー: Actually, it is for Kathy's birthday. It's an early edition of her favorite book. (実は、キャシーの誕生日用なんだ。彼女のお気に入りの本[愛読書]の初版本なんだよ。)
フィービー: Oh, The Velveteen Rabbit! Oh, my God, when the boy's love makes the rabbit real.... (まぁ、ビロードうさぎ[ビロードのうさぎ]ね! あぁ、そうなのよ、少年の愛がそのうさぎを本物に変える…)
チャンドラー: Okay, but don't touch it because your fingers have destructive oils. (そうさ、でもその本を触らないでくれ、だって君の指には有害な油がついてるから。)
レイチェル: Huh. Well, then you'd better keep it away from Ross' hair. So this is pretty rare. How did you get that? (そう。それなら、その本をロスの髪の毛から遠ざけた方がいいわよ。それで、この本は、相当レアよね。どうやってそれを入手したの?)
チャンドラー: Oh, it wasn't a big deal. I just went to a couple of bookstores, talked to a couple of dealers, called a couple of the author's grandchildren. (あぁ、大したことなかったよ。ただ、2、3軒の本屋に行って、2、3の卸売り業者と話をして、著者の孫2、3人に電話しただけだよ。)
レイチェル: Oh, honey, that's so sweet. (まぁ、ハニー。それってすっごく素敵ね。)
フィービー: Yeah, and what a great way to say, "I secretly love you, roommate's girlfriend." (そうね。それに「俺は密かに君を愛してる、ルームメイトの恋人さん」って言うのに、すっごくいい方法ね。)
チャンドラー: It doesn't say that. Does it? (そんな意味にならないよな? なっちゃう?)

チャンドラーが持っていたのは、キャシーへの誕生日プレゼント。
キャシーの愛読書の初版本だと言っています。
英語でのタイトルは、The Velveteen Rabbit。
velveteen は「綿ビロード、別珍(ベッチン)」。
(英辞郎によると、日本語の「ベッチン」という言葉は、velveteen から来たそうです。)

velvet 「ベルベット、ビロード」とよく似た単語ですが、素材に違いがあるようですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
velveteen [noun] [uncountable]: cheap material that looks like velvet
つまり、「ベルベットのように見える安価な素材」。

DVDの日本語訳では本のタイトルが「ビロードうさぎの涙」となっていましたが、これまでいろんなタイトルの日本語訳が出ているようですね。

以下に日本語版の2冊を紹介します。

童話館出版
Margery Williams(マージェリィ ウィリアムズ)/著
William Nicholson(ウィリアム ニコルソン)/イラスト
いしい ももこ/翻訳
ビロードうさぎ
ビロードうさぎ


ブロンズ新社
マージェリィ・W・ビアンコ/原作
酒井駒子/絵・抄訳
ビロードのうさぎ
ビロードのうさぎ


半年ほど前、本屋さんの絵本コーナーでブロンズ新社の「ビロードのうさぎ」が積んであったので、「あ、これはチャンドラーがキャシーにプレゼントした本だ!」と、思わず衝動買いしてしまいました。
このブロンズ新社の黄色い本には、白い帯がついていて、
帯の背表紙には、
2007年のベスト絵本
帯の表には、
圧倒的な支持をあつめて
『月刊MOE』(白泉社)2007年絵本ベスト
『この絵本が好き!』(平凡社「別冊太陽」編集部=編)2007年の絵本(国内絵本)
堂々の第1位!

と書いてあります。
このことからも、日本でも有名な絵本であることがわかりますね。
このブロンズ新社の挿絵は、酒井駒子さんという方が描かれているので、チャンドラーの持っている初版本の絵とは異なりますが、こちらの日本版の挿絵もとっても素敵です。

童話館出版のイラストはオリジナルの絵のようです。
Wikipedia 英語版: The Velveteen Rabbit にも表紙の画像があります。

「私もこの本大好きなのよー」と感激して触ろうとするレイチェルに、「指の有害な油がつくから触らないで」と言うチャンドラー。
この本を大切に扱いたい気持ちが出ていますね。
destructive は「破壊的な、有害な」というやや大袈裟な形容詞ですが、ジョークとしてわざとそういう大袈裟な言葉を使っているようです。
お宝を扱う人や鑑定士さんなどが、白い手袋をしていることがありますが、そんな感覚で、素手でべたべた触らないでよ、油が付いて傷んじゃうじゃんか、みたいなことが言いたいようですね。
レイチェルは、ちょっと触ったくらいで、油油って言わないでよと言いたげに、油を気にするんだったら、ジェルがいっぱい付いたロスの髪の毛に気をつけた方がいいわよ、あっちの方がもっとベタベタだから、と言っています。

有名な本の初版本なので、こんなレアなもの、どうやって手に入れたの?とレイチェルは尋ねます。
それに対する返事がチャンドラーっぽいですね。
「いやぁ、大したことないよ」と言った後、自分がやったことを3つ挙げるのですが、最初は本屋、次に卸売り業者、そして最後には、著者の孫にまで連絡を取ったと言っています。
まず本屋に行くのは当たり前として、その後、ない本を捜し求めて、ついには著者の親族にまでアプローチし、やっと手に入れた本だということです。

そのチャンドラーの行動を聞いて、フィービーは、what a great way to say, "I secretly love you, roommate's girlfriend." と言っています。
What a great way to say... は感嘆文で、「・・・と言うのに何てすごい方法だ」という意味ですね。
「ルームメイト(ジョーイ)の恋人であるキャシー、僕は君を密かに愛してるんだ」と伝えるのに最高の方法じゃん、と言いたいわけです。
そんな風に指摘されて、チャンドラーは慌てます。
It doesn't say that. Does it? の say は直訳で「言う」でもいいですが、「…ということを表している、物語っている」という感覚がより近いでしょうか。
「キャシーを密かに愛してる」なんて意味を表さないよな、そんな意味があるように見えないよな、と否定しているのですが、その後、不安になって、Does it? 「もしかして、そんな意味になっちゃう?」と尋ねていますね。
そういうつもりは全くなかったのに、フィービーに指摘されて、焦るチャンドラーがかわいいです。

ちなみに、上で紹介した Wikipedia 英語版: The Velveteen Rabbit の References in popular culture にも、フレンズ4-6 で登場したことが書いてあります。
フレンズ8-6 のセリフにも登場します。

ウィキペディアではこの初版本の説明として、worth about $15000 in reality と書いてあります。
実際には約 15000ドルの価値がある、その初版本を実際に買うとすると 15000ドルくらいする、ということですね。
フレンズの脚本を書いた人が、それくらいの価格のものであると認識していたかどうかは別にして、ルームメイトの恋人へのプレゼントにしては、あまりにも高価すぎる、希少価値の高いものであることがよくわかりますね。


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2009年08月21日

恋人じゃなくベビーシッター フレンズ4-5その7

モニカとレイチェルの部屋。
モニカはひどい風邪をひいています。
ロスはアマンダという子持ちママ、レイチェルはジョシュというかるーい大学生と会っていて、元恋人同士であるロスとレイチェルは、相手の今の関係について悪口を言い合っています。
「咳止めドロップを取って」と言う風邪のモニカを気遣うことなく、低レベルの喧嘩を繰り広げているので、とうとうモニカが切れて、
モニカ: (interrupting) You have nothing! You're not even going out! You're her babysitter. You have a 12-year-old girl's job! ([ロスの言葉をさえぎって] (アマンダとの間には)何もないじゃないの! あなたはデートすらしてないわ! あなたは彼女のベビーシッターよ。あなたの仕事は、12歳の女の子の仕事よ!)
レイチェル: (laughing) Ohh, that is soo sad. ([笑いながら] あぁ、それってすっごく悲しいわね!)
モニカ: And what are you laughing at, Miss My-keg-sucking-boyfriend-is-stealing-from-me? (それから、あなたも何を笑ってるのかしら? 「ビールを樽ごと飲む私のボーイフレンドは私から(ものを)盗んでるのよ」さん?)
(Ross starts laughing)
ロスは(口を閉じたまま)笑い始める。
レイチェル: Hey, so he stole a couple bucks from me! Big deal! At least he bought me something with it. (Shows her, her ring) (ねぇ、そりゃ彼は私から2、3ドル盗んだわ! それが大変なことだって言うの?[そんなの大したことじゃないわ!] 少なくとも、彼はそのお金で私にあるものを買ってくれたんだもの。[モニカに腕輪を見せる])
モニカ: That's mine! Now, would you both please start acting like adults? And give me my cough drops! (それは私のよ! もう、お願いだから二人とも、大人のように振舞ってくれるかしら? それから、私に咳止めドロップをちょうだい!)
ロス: Fine. (わかった。)
レイチェル: Sorry. (ごめんなさい。)
ロス: Here. (Hands her, her cough drops) (ほら。[モニカに咳止めドロップを手渡す])
モニカ: Thank you. (ありがとう。)
ロス: (to Rachel) At least I made ten bucks in my relationship. ([レイチェルに] 少なくとも僕は、彼女との関係において、10ドル稼いだからね。)

アマンダとは恋人同士どころか、あなたは彼女のベビーシッターをやったんじゃないの!と、ロスはモニカに暴露されます。
フレンズ4-5その3 で解説しましたが、ロマンティックな夜を過ごすつもりでアマンダの家に出向いたら、子供を残してアマンダは別の人とのデートに出かけてしまった、という場面がありましたね。
その後(解説では省略しましたが)、モニカに、Her date tipped me ten dollars! (彼女のデート相手が僕に10ドルのチップをくれたんだよ!)と愚痴っているセリフもありました。
彼女のデート相手からチップをもらうなんて、アマンダ自身からお金をもらうより、さらに惨めな感じかも…。
子供の面倒を見て10ドルもらう…まさに少女のバイトの代表であるベビーシッターをあなたはやってただけじゃない!ということです。

それを聞いて、おっほっほ…と高笑いするレイチェルですが、あなただって人のことは言えないでしょ、と今度は矛先がレイチェルに向かいます。
音声は、what are YOU laughing at と you の部分が強調されています。
「あなたこそ何を笑えるって言うの? あなたも同類じゃない」という非難ですね。

keg は「ビールなどの小だる、ミニ樽」のことで、suck は「吸う、しゃぶる」ですね。
ですから、keg-sucking は、ビールをちゅーちゅーと小さな樽から直接飲んでいる感じかなぁ、と思います。
少し前のシーンで、ジョシュはパーティーで1日中ビールを飲むぞー!的なことを言っていたので、モニカはそのことを言っているようです。

ちょっと前に財布からお金がなくなって騒いでいたレイチェルは、犯人はジョシュに間違いないと言っていました。
そのことをモニカに指摘されたので、「確かに彼は盗んだわ。でもそんなの大したことじゃない。それで私にものを買ってくれたんだから。」と言っています。
小銭は盗まれたけど、その金額を超える品物を買ってくれたんだから、私としては損したわけじゃないのよ、実質は「盗まれた」わけでもないのよ、という感じですね。
Big deal! は反語的に使われています。

レイチェルがジョシュに買ってもらったと思っていた腕輪は、モニカのものだったようですね。
ト書きには ring と書いてあります。
一瞬、指輪かな?と思ったのですが、実際の映像を見ると、飾りのついた細いチェーン状のブレスレットのようでした。
実際、英和で調べると、ring は「輪形の飾り」を指し、具体的には「指輪、腕輪、耳輪、鼻輪…」などが含まれるようです。
ここのト書きでは、「腕輪」の意味で、ring と表現したようですね。

レイチェルの皮ジャン(leather jacket)を黙って着て帰り、財布から小銭を盗み、モニカの持ち物を自分からのプレゼントだと偽る…、ジョシュはとんでもない大学生だったようです。

お互い、恋人ともいえない相手のことで言い合いをしていたので、もうそんな子供じみた真似はやめて大人になって、とモニカは言っています。
でも、負けず嫌いのロスは、まだ張り合おうとしていますね。
さきほど、レイチェルが、At least... 「少なくとも彼は…してくれた」と少しでもいいところを挙げようとしましたが、それと同じ At least というフレーズを使って、物を盗られてばかりで大損の君と違って、僕の方は、ベビーシッターをやって、彼女との関係で 10ドルもうけたんだよ、と自慢しています。
損しなかった分だけ、僕の関係の方がまだましだったよねー、という感じですね。


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2009年08月19日

availableの意味 フレンズ4-5その6

ナイトクラブで、チャンドラーは、キャシー、ジョーイと一緒に夕食を食べているところ。
キャシーとジョーイはベタベタしていて、チャンドラーは居場所がない感じ。
すぐ傍に座っているセクシー美女が話題になって、
キャシー: (to Chandler) So? Huh? What do you think? ([チャンドラーに] それで? ねぇ? あなたはどう思うの?)
チャンドラー: Ohh, she's-she's not really my type. (あぁ、彼女は、彼女はそれほど俺のタイプじゃないんだ。)
キャシー: Not your type? She's gorgeous. (あなたのタイプじゃない、ですって? 彼女はゴージャスよ。)
チャンドラー: Y'know what I think it is? It's the fishnet stockings. Y'know? Whenever I see a girl in fishnet stockings, it reminds me of my father in fishnet stockings. (何が理由だと俺が思ってるかわかる? 網目のストッキングだよ。ほら、網目のストッキングをはいた女の子を見るといつも、網目のストッキングをはいた俺の父親を思い出すんだ。)
キャシー: Okay. Understanding a little more of why you're single. Ohh! Y'know, I have a friend you would like, she's really pretty. And then we could double date. (わかった。なぜあなたがシングル(ひとり)なのかの理由が少しわかってきたわ。あぁ! ねぇ、あなたが気に入りそうな友達がひとりいるわよ。彼女はとっても可愛いの。そしたら、私たち、ダブルデートができるわ。)
チャンドラー: Uhh, no-no thanks. (あー、いや、結構だ。)
キャシー: Okay, I've got some ugly friends, and they're all available too. (わかった。私にはぶさいくな友達もいて、その子たちも全員空いているわよ[全員フリーよ]。)

予想通り、恋人同士のジョーイとキャシーがいちゃいちゃ、ベタベタしているので、心の底でキャシーを愛しているチャンドラーは、居場所がなく落ち着かない感じです。
自分のことを好きだとも知らず、キャシーは、隣のあのセクシー美人なんかどう?と尋ねます。
確かに普段のチャンドラーなら喜びそうな女性ですが、キャシーのことで頭がいっぱいの彼には、他の女性のことなど考えられるはずもありません。

彼女はタイプじゃないんだ、と言った後、何とか理由をつけるのですが、その理由は、fishnet stocking でした。
fishnet は文字通り「魚網」ですね。
セクシーなものの代表として日本でもよく使われる「網タイツ、網目のストッキング」ですが、英語では、fishnet と表現されるのですね。
fish と入っていると、何となく魚が想像されて、セクシーさも半減してしまうような気がするのは私だけ?(笑)
もう言葉として定着しているので、fishnet と聞いて、漁師さんが魚を引き上げているあの網を想像する人もいないのでしょうが。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fishnet: [noun] [uncountable] a type of material with a parttern of small holes that look like a net
例) fishnet stockings

つまり、「ネットのように見える小さな穴のパターンがある素材(生地)の種類」。
例として、fishnet stockings という言葉も登場していますね。

網目のストッキングをはいているような女の子は苦手なんだ、と言っているのですが、どうして苦手なのかにはさらに理由がありました。
ストッキングをはいている自分の父親を思い出すんだよ、ということです。

チャンドラーのパパの話はこれまでに何度か出てきましたが、チャンドラーのパパはゲイで、そういう女装もするだろう、と思われる感じの人です。(実際に登場するのはシーズン7になります。)
キャシーはそういう話は初耳だったと思いますが、そのチャンドラーの話を聞いて、「あぁ、パパは、それ系の人なのね」と理解したでしょう。
そういうトラウマとか、複雑な家庭環境のせいで、あなたは女性にアプローチするのが苦手なのね、なかなか恋人ができないのね、と言っています。

キャシーに対する気持ちの整理がつかなくて、ちょっと無愛想な感じのチャンドラーではありますが、「網タイツの女性は苦手」→「パパを思い出すから」というオチは、いつものチャンドラーらしいジョークですね。

次に網タイツをはかないタイプの really pretty な子を紹介しようとしたら遠慮されたので、だったらその正反対の ugly な友達もいるわよ、とキャシーは言います。
チャンドラーが何か言うと、すぐにそれを察して切り返しをしてくる、そこがキャシーの賢い(smart)ところでもあるのでしょう。
チャンドラーはキャシーのことをフレンズに語る時に、"She's smart and funny, y'know?" 「キャシーは賢くて面白い。だろ?」と言っていたことがありますが、今回のやり取りからも、彼女が smart and funny な人だというのはよくわかります。

ugly というのは「(容姿が)みにくい、ぶさいくな」というかなりひどい形容詞ですね。
フレンズでは、向かいのアパートに住んでいる Ugly Naked Guy 「裸のブ男」の名前で、ugly という単語はよく登場します。
私には、ugly な友達も何人かいるわよ、その子たちも available だしね、と言っています。

available は「利用できる、入手できる」という意味で、TOEIC の頻出単語でもありますね。
TOEIC では、readily available 「すぐに利用・入手できる」というコロケーションでよく登場するでしょうか?
Someone is available の形で使う場合は、「手があいていて誰かに会える、電話などに出られる、人に応対できる、応じられる」という意味にもなります。
今回の意味の場合は、それよりさらに意味が恋愛に限定された形で、「今は恋人がいなくてフリーだから、誰かと付き合える」みたいな意味のようです。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
available: [adjective]
1. something that is available is able to be used or can easily be bought or found
2. [not before noun] someone who is available is not busy and has enough time to talk to you
3. someone who is available does not have a wife, BOYFRIENDS etc., and therefore may want to start a new romantic relationship with someone else

つまり、1. は「available であるものとは、使用されることができる、または簡単に買ったり見つけたりすることができるもの」
2. は「available である人とは、忙しくなくて、人と話す時間が十分にある人」
3. は「available である人とは、妻や恋人などがいなくて、そのために誰かと新しい恋愛関係を始めたいと思っているかもしれない人」。

いずれの意味も「利用できる」という意味から派生したもので、「利用できる」から「人と話せる、人に応じられる」「異性と付き合える」という意味に広がるわけで、そこには共通したイメージがありますね。

ugly なので、男性にモテないから、その子たちも全員今はフリーよ、かわいい子がだめなら、そういう子達を紹介しようか?とジョークを言っているのですね。


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2009年08月17日

今度はお前が努力する番だ フレンズ4-5その5

チャンドラーとジョーイの部屋。
チャンドラーが、ヒヨコとアヒル相手にかくれんぼをしようとしていたところに、ジョーイが帰ってきます。
ジョーイ: Hey guys. (to Chandler) Listen uh, you wanna get some dinner with me and Kathy tonight? ([ヒヨコとアヒルに]よう、お前ら。[チャンドラーに] なぁ、今夜、俺とキャシーと一緒に夕食を食べないか?)
チャンドラー: Ohh, umm, y'know what? I already ate. (あぁ、うーんと。あのさ、俺はもう食べたんだ。)
ジョーイ: It's 4:30. (4時半だぞ。)
チャンドラー: Y'know I had a big meal on Monday, y'know. So that's just gonna get me straight through the week. (ほら、月曜日にたくさん食べたんだよ。それで、その大量の食事のお陰で、この一週間乗り切れることになるんだ。)
ジョーイ: Okay, I see what's going on here. (わかった。俺はここで(今)何が起こっているかわかるぞ。)
チャンドラー: You-you do? (わかるの?)
ジョーイ: Yeah! You don't like Kathy. (ああ! お前はキャシーが好きじゃないな[キャシーが嫌いだな]。)
チャンドラー: You got me. (降参だ[図星だよ]。)
ジョーイ: Yeah, you've been avoiding her ever since we started going out. Look, I made an effort to like Janice. Now I think it's your turn to make an effort to like Kathy by going out to dinner with us. Right? (そうさ。お前は俺たちが付き合い出した時からずっと彼女を避け続けてた。なぁ、俺は(チャンドラーの恋人だった)ジャニスを好きになろうと努力した。今は、お前が、俺たちと一緒に食事に行くことで、キャシーを好きになる努力をする番だと思うよ。)
チャンドラー: Yeah, right. (あぁ、そうだね。)
ジョーイ: Good. And hey, my treat. (He turns to go into his bedroom then stops.) But that's only because you're not eating anything, right? (よし。それに、ほら、俺のおごりだから。[ジョーイは自分の寝室に入ろうとして立ち止まる] でも(俺がおごりって言ったのは)お前が何も食べない予定だからだぞ。そうだよな?)
チャンドラー: Right. (そうだ。)

3人で一緒に夕食を食べようと誘うジョーイ。
キャシーのことが好きなチャンドラーはその場に同席するのが辛いので、「もう夕食は食べた」と言っています。
まだ4時半だ、夕食を食べたと言うには早すぎる、とジョーイに指摘されると、月曜日にいっぱい食べたから、その後は何も食べないでも1週間乗り切れるんだよ、と適当な返事をしています。

一緒にディナーを食べたがらないチャンドラーを見て、ジョーイは「俺はどういうことかわかってるぞ」と言います。
キャシーを愛しているという俺の気持ちに気付いたのか?と焦るチャンドラーでしたが、ジョーイの答えはその逆の「お前はキャシーを好きじゃないな」でした。
だいたい、ジョーイが「ははーん、わかったぞ、こういうことだな」と言う場合は、全く見当違いの想像をしていることが多いのですが、今回もそのパターンですね。
チャンドラーはまさかその逆で、お前の彼女を愛してるんだよ、とも言えず、ジョーイの発言を正解だと認めます。

ジョーイは、「俺はジャニスが苦手だったけど、お前のために好きになろうと努力した。だから今度はお前がそれと同じことをする番だ。」と言っています。

treat は少し前の記事、フレンズ4-4その1 では、「(特別な)楽しみ、喜び」という意味で使われていましたが、今回の my treat のように、treat に所有格がつくと、「…のおごり、…がおごること、…がおごる番」という意味になります。
My treat. で、「(今回のこの食事は)俺のおごりだからさ。」と言っているのですね。

嫌いなキャシーを好きになるために、無理して夕食の席に参加してくれるんだから、俺がおごるよ、と言っているわけですが、その後、付け足しで、「お前は何も食べないんだったよな? だから俺はおごりだって言ったんだぞ。」と念押ししています。
このシーンの最初に言っていた、「月曜日にたくさん食べたから1週間何も食べない」という嘘っぽい話をちゃんと覚えていて、食べないって言ってたよな、もし気が変わってたくさん食べても、俺はお前におごる金はないんだぞ」みたいなことが言いたいようですね。
食べないとわかっていて誘う場合には「俺のおごり」とは普通言わないような気もしますが(笑)。


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2009年08月15日

俺はひどい人間だ フレンズ4-5その4

フレンズたちに、「(ジョーイの恋人の)キャシーを愛してるんじゃないの?」と言われたチャンドラー。
それを否定するチャンドラーでしたが、ジョギングをしているキャシーを見て、刑事物のチェイスばりに、キャシーを追いかけてしまいます。
ただ挨拶したかっただけなのに、そこまでしてしまう自分の本当の気持ちに、チャンドラーも気付いてしまいます。
チャンドラー: (entering) Okay. You were right. I'm in love with Joey's girlfriend. ([モニカたちの部屋に入ってきて] わかった。君たちは正しかったよ。俺はジョーイの彼女に恋してる。)
フィービー: What? (何ですって?)
ロス: Are you serious? (まじで言ってるのか?)
フィービー: Well, how-how-how is that possible? You barely know her. (そうよ、そんなことがどうして可能なわけ? あなたはほとんど彼女を知らないのに。)
チャンドラー: I don't know. I can't--I just, I can't get her out of my head. Y'know? I mean, I'm a very bad person. I'm a very, very bad person. I'm a horrible person. (he waits for a reaction, when he doesn't get one) "No, you're not, Chandler! We still love you, Chandler!" (俺にもわからないよ。俺はただ、彼女のことを頭から追い出すことができないんだ。わかる? つまり俺はすごく悪い人間だってことだ。俺は、すごくすごく悪い人間なんだ。俺はひどい人間だ。[チャンドラーは反応を待つが、(フレンズたちから)反応が得られない] 「違うよ。君はひどい人間じゃないよ、チャンドラー! 私たちはまだあなたを愛してるわ、チャンドラー!」)

チャンドラーは部屋に入ってきて、早速、You were right. と言っています。
この前は否定したけど、やっぱり君たちの言う通りだった、やっぱり俺はキャシーに恋してる、と言っていますね。
知り合って間もないし、キャシーのこともまだよく知らないのに、be in love with とまで言えるほどの気持ちになるなんてあり得るの?とフィービーは言っています。

過去の記事でも何度か触れたことがあるのですが、love という言葉は日本人が考えているよりもずっと重い言葉です。
もちろん、チャンドラーの最後のセリフのように、友達として愛してる、という場合にも love は使いますが、男女の恋愛においては、相手に気がある、いいなと思っている程度では love という言葉を使うことはないようです。
それをはっきり、I'm in love with Joey's girlfriend. と言ったので、フレンズたちはびっくりしているのですね。
この前のシーンの必死にキャシーを追いかけるチャンドラーを見ていると、決して、love という表現が誇張でないこともわかります。

チャンドラー自身も、自分の気持ちを整理することができないようです。
彼女のことを頭から追い出すことができない、つまり、一日中ずーっと、彼女のことばかり考えてしまう、彼女のことが頭から離れない、と言っています。
ルームメイトであり長年の親友であるジョーイの恋人だと知っていながらこんな気持ちになるなんて俺はひどい人間だ、と very bad → very, very bad → horrible と、徐々に「悪い、ひどい」という形容詞の段階を上げて、自分のことを悪く言います。

普通、「俺は最低の人間だ」と言うと、「そんなことないよ」とかばって慰めてくれるのが友達だと思うのですが、今回フレンズたちは、あまりの内容に黙りこくっています。
フレンズたちが沈黙しているのを見て、チャンドラー自らが、「そんなことないよ、それでもまだ愛してるよ、チャンドラー」とフレンズたちが言うべきセリフを自分で叫んでいますね。
ほら、こんな風に言ってくれないの?、こういう慰めのセリフは出てこないのかよ!という感じですね。


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2009年08月13日

堅苦しいことを言うつもりはないけれど フレンズ4-5その3

アマンダという女性の部屋で、お互いの子供を遊ばせることになったロス。
子供が寝た後、アマンダといい雰囲気になることを期待して、ワインのボトルを持参して、アマンダの部屋を訪れたロス。
アマンダ: I am so glad that you could come over tonight. (今夜、うちに来てくれてとっても嬉しいわ。)
ロス: Oh no-no-no. It's my pleasure. (あぁ、いやいやいや。どういたしまして。)
アマンダ: Okay, well, my cell phone number is right here on the counter. Please help yourself to anything in the fridge. (さて。えーっと、私の携帯の番号はカウンターの上にあるから。冷蔵庫のものは何でも自由に食べてくれていいわ。)
ロス: What? (何だって?)
アマンダ: I appreciate this soo much. I've been trying to go out with this guy for like a month. (今回のことはとっても感謝しているわ。もう1ヶ月くらい、彼とデートしようと試みていたのよ。)
ロス: I-I-I.... (僕は、僕は…)
アマンダ: (noticing the bottle of wine he has) Oh, I don't mean to be a square, but I'd really appreciate it if you wait and drink your wine after the kids are asleep? Oh uh, thanks for this. I hope I can do the same for you sometime. (She leaves) (ロスの持っているワインのボトルに気付いて) あぁ、堅苦しい人間みたいなことを言うつもりはないけど、でも、子供たちが寝てしまうまでそのワインを飲むのを待ってくれると本当にありがたいわ。あぁ、今回のことはありがとう。いつか、あなたのために同じことができるといいなと思ってるわ。[アマンダは出て行く])
ロス: Who wants to make some long-distance calls? ([二人の子供たちに向かって] 誰か、長距離電話をしたい人はいる?)

ロスが自分の部屋に来たことを、アマンダはとても喜んでいます。
それを見て、ロスは今夜アマンダとの仲が進展することを期待したはずですが、アマンダはそそくさと出かけようとします。
アマンダは、I've been trying to go out with this guy for like a month. と言っていますね。
継続を表す現在完了進行形で、ここ1ヶ月くらいずっと、ある男性(今からデートすることになる男性)とデートしようとトライし続けていた、という感じです。
ずっとデートしたい、デートしたい、と思っていたけれど、なかなか子供の預け先が見つからなくて、こうしてあなたが子供の面倒を見てくれることになったお陰で、やっとデートできるわ、ありがとう、というニュアンスです。

感謝の言葉を述べつつも、アマンダはロスに一言注意してから出て行きます。
square は「四角、正方形」ですが、人を指す場合は「堅苦しい人、堅物(かたぶつ)、まじめな人、保守的な人」という意味になります。
日本語の「四角四面」も、まじめな様子を指しますので、その感覚は同じでしょうか?
丸くなくて”かくかく”している感じが、そういう意味に繋がるのでしょうね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
square [noun]: BORING PERSON (old-fashioned informal) someone who is boring and unfashionable
つまり、「退屈で、ファッショナブルでない人」。

このロングマンの語義だと、「真面目で細かいことを言ってノリを悪くしてしまう人、雰囲気をぶち壊してしまう人、真面目すぎて野暮(やぼ)ったく見える人」みたいな感じでしょうか。

ですから、I don't mean to be a square は、「堅物(かたぶつ)になるつもりはないけど、堅物みたいなことを言うつもりはないけど、堅苦しいことを言うつもりはないけれど」という感じです。
ロスがワインを持ってきているのを見て、それを飲むのは待ってね、子供たちが寝てしまってからそれを飲んでね、ということです。

ロスは子供たちが寝た後にアマンダと二人で飲むつもりで持ってきたのですが、アマンダは最初から自分の彼とデートするつもりだったので、ロスのそういう意図には全く気付いていません。
「この状況で、どうしてあなたはワインを持ってきたのかしら? 二人の小さい子供の世話をするのに、ワインを飲みながら世話するつもり?」と、ロスの行為を少々非常識なものだと捉えたようです。
ですから、「堅苦しいことを言うつもりはないけれど」と前置きした後、「それを飲むのは子供が寝た後にしてね。子供が寝るまでは、酔っ払ったりしないでね。」と釘を刺しているということです。

デートするつもりが子供二人の世話を任されてしまった、ワインのことまでケチをつけられてしまった…むっとしたロスは、まだ小さい子供二人に向かって、「誰か、長距離電話をしたい人はいる?」と尋ねています。
子供たちは意味がわからずきょとんとしていますが、いろいろなことを押し付けられたので、せめてもの仕返しに、お金がかかる長距離電話でもしてやるか、と言っているわけですね。
その怒りが子供たちに通じないだけに、余計に惨めなロスです。


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2009年08月11日

ハムスターを買いに行く理由 フレンズ4-5その2

セントラルパーク。フィービーのライブの後、出かけようとするジョーイとその恋人キャシー。
ジョーイ: Oh, Kath, we should get going. We're going to buy hamsters. (あぁ、キャス。俺たち行かなくちゃ。俺たちこれからハムスターを買いに行くんだ。)
みんな: Ooh, that's great, I love those little guys. (わぁ。それって最高。僕もあの小さいやつ大好きだよ。)
キャシー: No, no, it's not like that. I, I work for a medical researcher. (違う、違うの、そういうのじゃないの。私は医療研究者のところ[の下]で働いているのよ。)
レイチェル: Well, have fun. (そうなの。楽しんできて。)
キャシー: Okay. (わかった。)
フィービー: Well, I think it's nice that the medical community is finally trying to help sick hamsters. (ねぇ、医学界がついに病気のハムスターを助けようとするなんて、いいことだと思うわ。)

ハムスターを買いに行くというジョーイとキャシー。
二人でペットを飼うのね、それって素敵、とフレンズたちは口々に言うのですが、キャシーは、it's not like that 「そういうんじゃない、みんなが想像しているようなことじゃない」と言います。
ジョーイとは演劇クラス、演劇レッスン(acting class)で出会ったキャシーですが、I work for a medical researcher だと言っています。
医療研究者の元で、恐らくアシスタントとして、働いている、ということですね。
その説明だけで、ハムスターを医療研究の実験のために使うことが想像されます。

恋人同士が二人でペットを飼う、というのはラブラブであることの証明のようで、過去記事、フレンズ2-7その2 でも、ロスと当時の恋人ジュリーが、ネコを飼う予定である、という話が出てきました。
「今回はそういう可愛らしい話じゃなくて、実験用のハムスターなのよねぇ。」と言われたので、レイチェルも何と返していいかわからず、「まぁ、とりあえず楽しんできて」みたいなことしか言えません。
ハムスターに待ち受ける残酷な運命が想像されても、とりあえずこう言って送り出すしかなかった感じです。

二人が出て行った後、フィービーがまたトボケたことを言っています。
医療研究のためにハムスターを買うと聞いて、「ついに医療業界も、ハムスターの病気の研究に乗り出す気になったのね。」みたいなことを言っていますね。
ハムスターの病気を研究し、その治療法を開発するために、ハムスターが必要なのだ、と思ったようです。
実際のところは、人間の病気を治すための薬の開発において、人体への影響を調べるための実験に使われるので、ハムスターの病気を治すどころか、人間の薬の開発のために、逆に病気にさせられたり、最悪の場合は死に至ることにもなるんですよね。
他のフレンズたちはそのことに気付いているので、キャシーに何と声をかけていいか一瞬絶句していたわけですが、フィービーだけはハムスターの病気の研究のためだと思っていた、そのズレ具合がフィービーらしい、ということです。

ちなみに、日本語で実験動物と言えば、モルモットのイメージが強いでしょうか。
モルモットという言葉は、リス科のマーモット(marmot)から来た言葉のようですが、実験動物として使われるモルモットは、英語では、guinea pig と言います。
guinea pig は「テンジクネズミ」。
日本語で「モルモットにされた」というと、何かの実験材料にされた、実験台として使われた、という意味になりますが、英語の場合でも、use someone as a quinea pig は「人を実験台として使う」という意味になります。

ですから、今回のセリフで、guinea pigs を買いに行くと言ってしまうと、実験動物であるというイメージが強くなり、オチが見えてしまいますよね。
ハムスターなら、実際にペットとして飼っている人も多いし、また実験に使われると言われればそれはそれで想像できます。
ここでは、hamsters であることで、ペットを飼うとみんなが勘違いし、実は実験動物だった、というダークなオチにうまく繋がる仕組みになっていると思います。


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2009年08月10日

自分の足を口に入れる フレンズ4-5その1

シーズン4 第5話
The One with Joey's New Girlfriend (間違いだらけの恋人選び)
原題は「ジョーイの新しい恋人の話」


セントラルパークにいる美女に目が釘付けのチャンドラー。
モニカに促されて、思い切って声をかけることにしますが、いつものようにぎくしゃくしてしまい、うまくナンパできません。
お互いに名前を名乗った後、
キャシー(Kathy): Wow, you are really good at this! (まぁ。あなたは本当にこういうナンパが得意なのね!)
チャンドラー: Hey, come on, give me a break. I'm out on a limb here! (ねぇ、お願いだよ、大目に見てよ[そんな風に皮肉を言うのは勘弁してよ]。俺は今ギリギリの状態なんだ。)
キャシー: I'm sorry. You're right. I apologize, but I should tell you that I'm waiting for a date. (Joey enters) Oh, and there he is now! ((からかって)ごめんなさい。あなたのいうことは正しいわ。謝るわね。でも、あなたに言っておかないと。私はデート相手を待っているところなのよ。[ジョーイが入ってくる] あぁ、今、彼が来た!)
ジョーイ: Hey! (よう!)
チャンドラー: Hey! Hey, hey-hey, hey. (よう! ようようようよう。)
ジョーイ: Hey, I see you guys already met, huh? (Joey kisses Kathy.) (なぁ、すでに二人は知り合いになったみたいだな、だろ? [ジョーイはキャシーにキスする])
チャンドラー: Yes-yes, I was just trying to figure out a way to uh, demonstrate how I could get my exceptionally large feet into my even bigger mouth. (そう、そうなんだよ。俺はただあることをする方法を見つけ出そうとしていただけなんだ。それは、俺の例外的にデカい足(両足)を、それよりさらにデカい口にどんな風に入れるかを実演してみせること、だ。)
ジョーイ: Didn't I tell ya? Always showin' off. (俺が君に話してたろ? (チャンドラーは)いつも自分の能力を見せびらかすんだよ[自分をよく見せようとするんだよ]。)

やはり美人をうまく口説けないチャンドラー。
気まずい空気が流れ、キャシーという相手の女性は、「あなたってほんとに女の子を誘う、口説くのが上手ねぇ。」というようなことを言っています。
これは明らかに皮肉ですね。
それを聞いたチャンドラーは、Give me a break. 「そういう皮肉は勘弁してよ」と言っています。

out on a limb は「枝の上に乗り出して」という意味から、「危険な[不利な、困難な]立場[状態]で、孤立無援の状態で」という意味になります。
フレンズ3-1その14 にも出てきました。
この場合は、いつ細い枝がポキッと折れて下に転落するかわからない、という非常に危険な状態で、危険を顧みず決死の覚悟で、俺は勇気を振り絞って声をかけたんだから、そんな皮肉を言わないでくれよ、という感じでしょう。

からかってしまったことを詫びたキャシーは、自分は今、デート相手を待っているところだったの、と説明します。
なんとその相手はジョーイ。
ジョーイのデート相手に声をかけてしまったことを、大変気まずく感じたチャンドラーは、自分がしていたことをジョーイに説明しています。

I was just trying to figure out a way... というチャンドラーのセリフは、直訳しただけでは意味がよくわかりませんが、put one's foot into one's mouth というイディオムを元にしているように思います。
(以下、このイディオムが元になっている、という想定で話を進めていきます。)

英辞郎では、
put one's foot into one's mouth (または、put one's foot into it
=へま[不謹慎]なことをうっかり言ってしまう、失言する、問題発言をする、へまをする、どじを踏む、しくじる、失敗する、自縄自縛
(直訳) 自分の足を口に入れる

と出ています。
有名なイディオムなので、one's mouth を it で済ますことも多いようですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
put your foot in your mouth: to say something that is embarrassing or that upsets someone, because you have not thought carefully about what you are saying
つまり、「恥ずかしいこと、あるいは誰かを困らせることを言うこと。自分が言おうとすることを事前に注意深く考えなかったために。」

チャンドラーのセリフを直訳すると、「自分のでっかい足を、でっかい口に入れるのを実演してみせようとしていた」ということですが、上のイディオムを下敷きにしていると考えると、「どれだけものすごいヘマや失言ができるかを試していた」→「俺はとんでもないヘマをした、とんでもない失言をしていたところなんだ」という意味で言っているのではないかな?と思います。

ちなみに、辞書に出ているイディオムは、英和、英英とも、put one's/your foot into one's/your mouth となっていて、上のセリフでは、get my feet into my mouth にいろいろな形容詞の修飾語がついたものになっていますよね。
つまり、動詞が put ではなく get、足は単数形 foot ではなく、複数形 feet、という違いがあります。
特に、足が複数形 feet になっていることに関しては、片方の足を口に入れるだけでも大変、もしくはとんでもないことなのに、それを両足(feet)入れるという、さらに上の状況になっていることを示しているのかな、と思います。

このように、put one's foot into one's mouth というイディオムとは完全に一致していないので、このイディオムの存在をあらかじめ知っていないと、このセリフに隠された意味を瞬時に理解することは難しいかもしれません。

このイディオムは、アリーmy Love (Ally McBeal)にも出てきたことがあります。
それもあって、私にはこのイディオムがとても印象的なのですね。
アリーのシーズン1第4話「ラブ・アフェア」(原題:The Affair)。
恩師のお葬式でアリーが失言してしまった時、アリーが自分の足をカポッと自分の口に入れる映像が挿入されます。
アリーの表情も、「あ、しまった、失言しちゃった!」という感じの顔になっています。
「どうして足を口に入れるんだろう? これって何かのイディオム?」と思って調べて、このイディオムの存在を知ったのですね。
アリーでは、イディオムなどの表現を文字通りの映像にして見せることがたびたびあり、これもその一つだったわけですが、その衝撃的な映像(笑)のお陰で、このイディオムが深く頭に刻まれたわけです。

(フレンズのセリフに戻ります)
その何とも回りくどい表現をしたチャンドラーを見て、ジョーイはキャシーに、Didn't I tell ya? Always showin' off. と言っています。
「俺は君にルームメートのチャンドラーの話をしなかったか?(したよね?)、チャンドラーはいつもこんな風に、show off するんだよ」ということです。
show off には、「(自分の力量などを)見せびらかす、ひけらかす、よく見せる、誇示する」「注意を引こうとする、人目を引くようなことをする」という意味があります。
ジョーイはここでは「(力量・能力を)見せびらかす」という意味で使っているようですね。
チャンドラーのセリフ「足が口に入るかを実演してみせようとしていた」を文字通りにとって、「自分はこんなすごいことを出来るんだぞ、ってすぐに自慢したがるんだよ、コイツ。」みたいに言っている気がしました。
もしくは、大袈裟な話をして、相手の気を引こうとするんだよ、と言いたいのかもしれません。

いずれにしても、チャンドラーはこのセリフで、俺は今、自分の友達の彼女に声をかけちゃうっていうヘマをしちゃったんだ、と言っているのですが、ジョーイはセリフに隠された「ヘマをした、失言した」という意味がわからず、ただチャンドラーが何が大袈裟な自慢話をしているように思って、「ほら、俺が言ってたように、こいつはすぐに何でもひけらかすんだよ」と言っている、そのズレが面白いジョークなんだろうと思いました。
多分、キャシーはチャンドラーのセリフの意味がわかっていたと思いますが、あまりにも回りくどい表現だったために、ジョーイにはわからなかった、ということだと思います。


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posted by Rach at 05:55| Comment(7) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月07日

nail ものにする、うまくやる フレンズ4-4その7

フランク・シナトラの Night and Day に合わせて、屋上でダンスの最後の仕上げをするトリーガーとジョーイ。
今回は上手くスピンも出来て、成功した二人は大喜び。
ジョーイ: We did it! (やったぞ!)
トリーガー: I know, we did it! Hey, that was incredible, huh? (そうだな、やったな! なぁ、今のはすごかったよな、だろ?)
ジョーイ: That was amazing! I mean, we totally nailed it! It was beautiful. (さっきのは素晴らしかったよ! つまり、俺たちは完全にものにしたんだ! 美しかった。)
トリーガー: Hey, listen. Thanks a lot, Tribbiani. (checks watch) Oh, my God! Look at the time. I gotta catch the bus to the ball. (なぁ、聞いてくれ。ほんとうにありがとう、トリビアーニ。[時計を見て] あぁ、いけない! こんな時間だ。舞踏会の会場までのバスに(間に合うように)乗らなくちゃ。)
ジョーイ: Oh well, okay, good luck. (あぁ、そうだな。よし、幸運を。)
トリーガー: Yeah. (あぁ。)
ジョーイ: Unless you wanna practice the fox trot again? Or-or the Tango? (もう一度、フォックス・トロットを練習したいのなら話は別だけど。それとか、タンゴとか?)
トリーガー: Ahh, thanks, but no. You see, I-I think I'm ready to dance with girls. (あぁ、ありがと。でもいいんだ。ほら、もう俺は女の子と踊れる準備ができてるって思うから。)
ジョーイ: Okay. (わかった。)
トリーガー: Yeah. (あぁ。)
ジョーイ: Go get 'em, Treeger. (女の子たちをものにしろよ、トリーガー。)
トリーガー: Right. (Starts to leave) Hey, ahh, you wanna come? Marge has a girlfriend. (オッケー。[行こうとする] なぁ、お前も行きたいか? マージには女友達がいるんだ[マージは女友達を連れてくるんだ]。)
ジョーイ: (intrigued) Really? ([興味をひかれて] ほんとか?)
トリーガー: Yeah, you could dance real good with her, she's the same size as me. (あぁ。ジョーイならその子とすごく上手く踊れるよ。彼女は俺と同じサイズなんだ。)
ジョーイ: No, I'm good. (遠慮しとくよ。俺は大丈夫だ。)

I did it! や We did it! は、何かに成功して「やったぞ! できたぞ!」という時の決まり文句ですね。
we totally nailed it の nail は「確実にものにする、うまくやる」という意味です。
nail は日本語のネイルからもわかるように、「爪(つめ)」の意味があり、また「くぎ」という意味もあります。
動詞として使うと「…をくぎ付けにする」で、そこから「…を動けなくする」という意味にもなります。
まるでくぎで刺したようにしっかり固定することから、「確実にものにする」という意味になるのですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
nail [verb]: (informal) to do something exactly right, or to be exactly correct
例) She nailed a superb jump.

つまり、「何かを完全に正しく行うこと、または完全に正しくすること」。
例文は、「彼女は卓越したジャンプを成功させた。」

トリーガーは時計を見て、I gotta catch the bus to the ball. と言っています。
舞踏会の会場までのバスがあって、そのバスの時間が迫っているから、それに乗り遅れないように、そのバスに無事に乗ることができるように、もう行かなくちゃ、というニュアンスですね。
フレンズたちは、どこかへ急いでいく場合、タクシーをつかまえなきゃ、とよく言っていますが、トリーガーはもっと節約型で、常にバスで移動する人のようです。
舞踏会用に正装をしているのに、移動手段はバスであるところが、トリーガーらしいのかもしれません。

最初はあんなにダンスの練習をいやがっていたのに、いつの間にかトリーガーとのダンスが楽しくなってきたジョーイ。
もう行くよ、と言うトリーガーに、Unless... 「…なら話は別だけど」と言いながら、別のダンスのステップを練習しないか?と誘います。
もう行く、って言うけど、あと少しの時間、練習していったらどうかな?、とすぐにここを立ち去る以外の選択肢を示す感覚ですね。
トリーガーはそのジョーイの申し出に感謝しつつも、ジョーイと練習したお陰で、もう女の子と踊れる度胸も自信もついたからこれ以上の練習はしなくても大丈夫だよ、と言います。

少し寂しそうにしているジョーイを見て、トリーガーは「ジョーイも良かったら一緒に来るか?」と誘います。
トリーガーが踊りたいマージという女性も、女性二人のペアで来るからさ、ということですね。

その後のトリーガーのセリフ、Yeah, you could dance real good with her, she's the same size as me. について。
前半で、「ジョーイはそのマージの友達とほんとに上手に踊れるだろう」と言っています。
real good は、really good の口語表現です。
そして後半で、その彼女についての説明がありますが、彼女はトリーガーと同じサイズ、つまり、かなりサイズの大きな女の子のようですね(笑)。
トリーガーには別に悪気(?)はなく、俺と上手く踊れたジョーイだから、そのジョーイなら、あの彼女とも上手く踊れそうだし、という意味もあって、ジョーイを誘ってみたようです。
前半部分だけを聞いていると、ジョーイがトリーガーと練習を重ねてきて、ジョーイ自身もダンスが上手くなったから、ジョーイも女の子とすっごく上手に踊れるさ、という意味で言っているのかと思いきや、「その子は俺と同じ大きさだから(俺と練習してきたジョーイならうまく踊れるはず)」というオチになっていた、ということですね。(トリーガーはジョークのつもりで言ったわけではないようですが)
一瞬、舞踏会に興味を持ったジョーイでしたが、トリーガーと同じサイズの女の子と聞いて、即座に遠慮するのがジョーイらしいです。


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2009年08月06日

当座預金口座を作ることになってしまった フレンズ4-4その6

ジムの会費を払わないで済むように、会費を引き落としている銀行口座を閉鎖しようとしたロスとチャンドラーでしたが、口座解約担当者は魅力的な美人でした。その後のシーン。
[Scene: Monica and Rachel's, Chandler and Ross are telling Joey, Rachel, and Monica of their bank woes.]
モニカとレイチェルの部屋。チャンドラーとロスは、ジョーイ、レイチェル、モニカに、銀行での災難を話しているところ。
モニカ: So you didn't leave the bank? (それで、あなたたちは銀行をやめなかった[解約しなかった]のね?)
ロス: No! And somehow we ended up with a joint checking account. (解約しなかったよ! それにどういうわけか僕たちは、共同の当座預金口座を持つはめになった。)
レイチェル: What are you ever gonna use that for? (そんな口座、何のために使うことになるの?)
チャンドラー: To pay for the gym. (ジムに支払いをするために使うんだ。)

グッドアイディアだ!と言って、張り切って銀行口座を閉鎖しに行った二人でしたが、口座を閉鎖できなかったばかりか、新たに、二人共同の(?)当座預金口座(checking account)まで作らされてしまったことがわかります。
銀行の担当者が美人だったので、また結局その魅力に負けてしまったようですね。
「どうして口座を解約しようと思われたんですか?」「ジムの会費を払う口座を元から断とうと思って…」「あぁ、ジムの口座の引き落としなら、別に当座預金口座を作られた方が便利ですよ」などという宣伝文句に乗ってしまった、その誘いを断りきれなかった、ということなのでしょう。


(Phoebe enters)
フィービーが入ってくる。
チャンドラー: Hey. (やあ。)
フィービー: Hey! So I had a great day. Rick and I really hit it off, and we started making out, and then my boss walked in and fired me for being a whore. (はーい! 最高の1日だったわ。リックと私は本当に意気投合して、二人でいちゃつき始めたの。その部屋に(マッサージ店の)ボスが入って来て、売春婦であるという理由で私をクビにしたのよ。)
ジョーイ: What? (何だって?)
レイチェル: You got fired? (クビになったの?)
モニカ: Oh, my gosh! (まぁなんてこと!)
フィービー: It's so weird. I have never been fired from anything before. (すごく変な感じよ。私はこれまでどんなものからも解雇されたことはなかったのに。)
レイチェル: Sweetie. (スウィーティ[ハニー]。)
フィービー: I just-I just started walking around, not knowing what to do next, y'know? I-I started asking people on the street if they wanted massages. Then these policemen thought I was a whore too. It's really been a bad day, whore-wise. (私はただそこらへんを歩き始めたの。次に何をすべきかわからないままにね。私は通りにいる人たちに、マッサージはいりませんか?って尋ね始めたわ。すると、警官たちも私を売春婦だと思ったの。本当にひどい日だったのよ、売春婦的にはね。)

マッサージ師としてマッサージ店で働いているフィービーは、クビになったと言って帰ってきます。
少し前のシーンで、リックというお客に惚れてしまったフィービーは、とうとうリックに告白します。
リックもフィービーのことを気に入っていて、二人はマッサージの部屋でキスし始めるのですが、そこをマッサージ店のボス(恐らく店主)に見つかってしまったのですね。
客に対してそういう行為をしたら、それは売春婦の仕事になってしまう、うちはそれ系の店じゃないから契約違反をしたあなたはクビよ!と解雇されてしまったのです。
whore は「売春婦、ふしだらな女」。
フレンズでは、hooker と表現されることが多いですね。

I have never been fired from anything before. という経験を表す現在完了形は「これまでに何からも解雇されたことはなかった」という意味です。
フィービーは自らの意志で仕事を辞め、転職したことはあっても、雇っている側から解雇を言い渡されたことなんて一度もなかったのに、ということでしょう。
売春婦であるように言われてクビになるなんて、プロのマッサージ師として頑張ってきたつもりの私にとっては屈辱だわ、ショックだわ、という感じだと思います。

クビになったフィービーは、その後、どうしていいかわからず、ただ街を歩いていた、と言っています。
仕事がなくなったので、今度はフリーのマッサージ師としてお客を取ろうとしたのでしょう。
通りで道行く人に「マッサージはいりませんか?」と声をかけるのですが、通りでそんな客引きのようなことをしていたために、今度は警官にまで売春婦と間違えられた、ということですね。
マッサージというと、フレンズ3-5その26 でフィービーの弟が勘違いしたように、エッチ系の方を想像する人も多いですから。

-wise は、suffix (接尾辞、接尾語)で、今回は「…の点で、…に関しては、…の観点では」というような意味になるでしょう。
フレンズ1-8その4 では、weatherwise という言葉も出てきました。
職場では売春婦と間違えられ、さらには通りでもそれに間違えられ、売春婦の観点から言うと、売春婦の方面では、売春婦にとっては、最悪の日、厄日だったわ、と言いたいわけです。
自分が whore であることは否定しているのに、a bad day, whore-wise と表現しているのがちょっとピント外れな感じがして、そこがフィービーらしいということでしょうね。


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2009年08月04日

一緒に銀行に行けなくなる フレンズ4-4その5

セントラルパークにロスとチャンドラーが戻ってきます。
レイチェル: Hey. So did you quit? (はーい。それで(ジムを)やめたの?)
チャンドラー: No, I almost did. Couldn't leave Ross there without a spotter. (いいや。俺はほとんどやめるところまで行ったんだけどね。監視人[お目付け役]なしに、ロスをジムに残しておけなかったんで。)
モニカ: Wait, now, so you joined the gym? (待って。じゃあ、ロスはジムに入会したの?)
(Rachel starts to laugh.)
レイチェルは笑い出す。
ロス: And that's funny, why? (そして、それは大笑いだ、と。どうして面白いの?)
レイチェル: Oh, umm, I was just, y'know, picturing you working out, and umm.... Oh, that's it. (あぁ、うーんと、私はただ、ほら、あなたがジムで運動している[ワークアウトしている]姿を想像しただけで…あぁ、それだけよ。)
チャンドラー: We're doomed. Okay, they're gonna take 50 bucks a month out of our accounts for the rest of our lives. What are we gonna do? (俺たちは破滅だ。いいか、俺たちの残りの人生の間[俺たちが死ぬまで]、やつらは俺たちの口座から毎月50ドルを取っていくことになるんだ。俺たちはどうすればいい?)
モニカ: Well, you could actually go to the gym. (そうねぇ、あなたたちが実際にジムに行くこともできるでしょ。)
(Chandler and Ross both laugh)
チャンドラーとロスは二人とも笑う。
ロス: Or! Or we could go to the bank, close our accounts and cut them off at the source. (もしくは! もしくは、僕たちで銀行に行って、口座を閉鎖して、元から遮断する、っていうのも可能だ。)
チャンドラー: You're a genius. (お前は天才だよ。)
ジョーイ: Oh, man! But then, we won't be bank buddies. (あぁ、なんてこった! でもそしたら、俺たちは、銀行友達ができなくなる[一緒に銀行に行けなくなる]よ。)
チャンドラー: Now there's two reasons. (これで、(口座閉鎖の)理由が2つになったな。)

退会手続きのためにジムに行ったロスとチャンドラー。
少し前のシーンで、付き添いで行ったはずのロスが、マリアというレオタード美人に声をかけられるシーンがありました。
チャンドラーは、almost did、つまり、「ほとんどやめかけてたんだけど、結局やめなかった」と言っています。
spotter は「監視人、お目付け(役)」。
動詞 spot 「…を見つける、見抜く、見極める」から来た言葉のようです。
チャンドラーは、「俺はやめようと思ったし、やめることも可能だったんだけど、ロスを残しておけなくてね。意志の弱い、一人じゃ何をしでかすかわからないロスの傍に、監視人として俺がついていないといけないようだったんで。」みたいに言っています。
このセリフで、ロスは結局、マリアの魅力に抗えず(笑)、ジムに入会してしまったことがわかる仕組みです。

spotter について、もう少し詳しく見てみます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
spotter [noun] [countable]:
1. someone whose job is to look for a particular thing or person
2. someone who prevents someone else from getting hurt while they do an activity like GYMNASTICS or WEIGHTLIFTING, by being there to help them move correctly if needed

つまり、1. は「ある特定のことや特定の人を探すことを仕事とする人」。
2. は「体操(競技)や重量挙げのような活動をする時に、その人がケガするのを防ぐ人。必要であれば競技者が正しく動くのを助けるためにその場にいることによって。」

何か悪いこと、まずいことをしないかどうか監視する人、という意味は 1. ですが、2. の意味もあるのがちょっと興味深いなと思いました。
2. は直訳したので意味がわかりにくいですが、危険を伴う競技の時に、競技者のすぐ傍についている人を指すようです。
鉄棒から落ちそうになったり、バーベルを落としそうになった時に、とっさに介添えするような役目のことでしょう。
今はちょうど、ジムの話をしているので、危険な運動競技の介添え人の意味である、spotter という言葉を使って、「俺がロスの傍にずっとついていてやらないと、ロスが大怪我をしそうなんでね。」みたいな意味で、「俺は a spotter なしで、ロスをそこには残しておけなかった」→「俺が彼の spotter になるために、やめかけていた俺も残った」ということを言っているように思います。
マリアの誘惑やジムの人の言いなりになって、もっとぼったくられちゃうかもしれないから、という感じでしょう。
立場が逆転したので、チャンドラーはここぞとばかりにロスの意志の弱さを強調しているようですね。

ロスがジムに入会したと聞いて、元恋人のレイチェルは、あっはっはーという感じで大声で笑い出します。
ロスは、「僕がジムに入会したのが、君にはそんなに面白いんだね。どうして?」と尋ねます。
レイチェルは、ただロスがジムでワークアウトしている姿を想像しているだけよ、と答えるのですが、ロスとジムが、イメージ的にあまりにも結びつかないので、思わず笑ってしまった、ということです。

今度は、チャンドラーとロスの二人とも、残りの人生、すなわち死ぬまでずっと、毎月50ドル引き落とされることになる、と言って悩んでいます。
doomed は「運の尽きた、不運の、絶望的な、破滅の」という形容詞。
doom は名詞で「(悪い)運命、破滅」、他動詞で「…を(悪く)運命づける」という意味があり、その他動詞を受身にした形の形容詞が doomed だということです。

お金をただ取られるのがいやなら、実際にジムに行って会費分きちんと利用したらいいじゃない、とモニカが言うと、ロスとチャンドラーは二人、顔を見合わせて笑います。
先ほど、レイチェルが笑った時は「失礼な」という顔をしていたロスですが、自分たちがお互いにワークアウトをしている姿を想像したら、やっぱり笑ってしまうのですね。
そんなのあり得ないよ、想像できないよ、という笑いです。

ロスは、Or! と言って、別の可能性を示唆します。
お金を自動的に引き落とされるのがいやなら、source 「元、起源、源、出所(でどころ)」で、そのお金を遮断してしまえばいいんだ、ということですね。
素晴らしいアイディアをひらめいた相手に対しては、このように、You're a genius. 「お前は天才だよ」という表現がよく使われます。

その話を聞いたジョーイは、そんなことしたら、俺たちは、bank buddies じゃなくなる、みたいなことを言っています。
buddy は「相棒、仲間、友達」ですね。
銀行仲間、銀行の相棒でいられなくなる、みたいなことですが、DVDの日本語訳では、「”連れ銀行”できなくなる」と訳されていて、まさにそういうニュアンスだと思います。
同じ銀行に預けている仲間なので、銀行に行く時は二人で連れ立って行く、という感覚ですね。

「一緒に行けなくなるじゃんか」と嘆くジョーイに対して、チャンドラーは満足そうに、Now there's two reasons. と答えます。
直訳すると、「(そのジョーイの話を聞いた)今、(銀行口座を閉鎖する)2つの理由が存在する。」ということになります。
ジョーイの話が、銀行閉鎖をする2番目の理由になる、ということですね。

恐らく、ジョーイと一緒に銀行に行くと、「俺、今、金欠だから、今下ろした現金の中から、ちょっとだけお金を貸してくれよ」とか言われるのでしょう。
だから、銀行口座を閉鎖すれば、ジョーイと一緒に行かなくて済むから、金貸して、と言われることもなくなり一石二鳥だ、とチャンドラーは喜んでいるわけです。
ジョーイがこれほどまでに bank buddies 解消をいやがる理由はそれしかないでしょう。


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posted by Rach at 07:15| Comment(4) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年08月03日

刑務所の隠語じゃないよな? フレンズ4-4その4

モニカとレイチェルをアパートから追い出すという管理人のトリーガー。
ジョーイは何とかトリーガーのご機嫌を取ろうとします。
[Scene: Mr. Treeger's apartment, Joey is there to suck up.]
トリーガーの部屋。ジョーイは彼のご機嫌を取るためにそこにいる。
トリーガー: What? (何だ?)
ジョーイ: Please don't kick Monica and Rachel out. This wasn't their fault, it was mine. (お願いだから、モニカとレイチェルを追い出さないでくれ。今回のことは二人が悪いんじゃない[これは二人のせいじゃない]。俺が悪いんだよ。)
トリーガー: You want me to kick you guys out instead? (代わりにあんたら二人を追い出して欲しいか?)
ジョーイ: No, you can't do that. Where would the chick and the duck live? (だめだ、そんなことはできないよ。あのチック[ヒヨコ]とダック[アヒル]はどこに住むんだ?)
トリーガー: You have pets? (ペットを飼ってるのか?)
ジョーイ: Noo-no-no, no, those are nicknames. I'm the "chick" and Chandler is the "duck." (違う違う違う違う。今のはニックネームだよ。俺が「チック」で、チャンドラーが「ダック」だ。)
トリーガー: Huh, I would've thought it was the other way around. (ほう。俺なら逆だと思った[逆に考えた]だろうな。)
ジョーイ: Come on, man, just-just let the girls stay, I'll do whatever you want. (お願いだよ。ただあの子たちをこのままいさせてやってくれよ。あんたの望むことを何でもするからさ。)
トリーガー: Really? You'd do anything? (ほんとか? 何でもするんだな?)
ジョーイ: Yeah-yeah, absolutely. (あぁ。もちろんだよ。)
トリーガー: Yeah, I got something you can do. (そうだな。あんたにできることがある。)
ジョーイ: What, what is it? (何? それは何だ?)
トリーガー: Can you be my dancing partner? (俺のダンス・パートナーになってくれる?)
ジョーイ: That's not prison lingo, is it? (それって、刑務所の専門用語じゃないよな?)
[Scene: Central Perk, Joey is telling Monica and Rachel what he has to do.]
セントラルパーク。ジョーイはモニカとレイチェルに、自分がしなければならないことを説明しているところ。
モニカ: His dancing partner? (彼のダンス・パートナー?)
ジョーイ: Yeah, there's this superintendents' dance, "The Super Ball." And he wants to impress Marge, this lady super that he's got a crush on. (そうなんだよ。管理人(スーパー)のダンス「ザ・スーパー・ボール」があるんだ。それで、トリーガーはマージにいい印象を与えたいんだよ。マージっていうのは、女性の管理人で、トリーガーは彼女に惚れてるんだ。)

悪いのは俺だから、どうか彼女たちを追い出さないでくれ、と頼むジョーイ。
じゃ、代わりにお前たち男性二人組が部屋を出て行くか?といじわるな質問をされて、ジョーイは思わず「とんでもない。そんなことしたら、ヒヨコとアヒルはどこに住めばいいんだよ、誰が世話するんだよ? あいつらを残して出て行けないよ」みたいに返事してしまいます。
セリフでは、the chick and the duck と定冠詞の the がついていますね。
フレンズたちと話をしている時の感覚で、つい、「(君も知ってる)あの、例の」という the をつけてしまった、ということでしょう。
「俺たちが出て行ったら、”あいつら”はどうなると思う?」みたいに口が滑ってしまった感じなのだと思います。

トリーガーが、You have pets? と怖い顔をして問い返したところを見ると、このアパートではペットを飼うことは許可されていない、もしくはペットを飼う場合には事前の許可が必要なのかもしれません。
トリーガーが2匹のペットの存在を知らないことに、ここで改めて気付いたジョーイは、the chick and the duck っていうのはペットのことじゃなくて、俺たちのニックネームなんだ、と苦しい言い訳をしています。
ジョーイがチック(ヒヨコ)で、チャンドラーがダック(アヒル)だ、という説明に、トリーガーは、I would've thought it was the other way around. と返します。
I would've thought は「もし俺なら…と思っただろうに」という感じでしょうか。
俺が名前を付けるとしたら、逆に考えただろうに、名前を今のと逆にしただろうに…みたいなことだと思います。

なぜ逆か?ですが、これは、chick には「若い女の子」の意味があるからかな、と思います。
チャンドラーとジョーイを比較すると、女性によくモテるジョーイの方が男性っぽいと言えますし、チャンドラーはゲイに間違えられることも多いですよね。
ですから、どちらかに chick という名前を付けるとするならば、俺ならチャンドラーの方を chick にするけどなぁ、ということが言いたいようです。

何でもするから、というジョーイに、トリーガーはある一つのお願いをします。
それが、「俺のダンス・パートナーになってくれる?」でした。
あまりに唐突な話で、一瞬、その言葉の意味がわからなかったジョーイは、「今言ったのは、prison lingo じゃないよな?」と尋ねています。
lingo は「(特定の団体の人たちが使う)専門用語、言葉遣い」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
lingo: [noun] [countable usually singular] (informal)
words used only by a group of people who do a particular job or activity (SYN: jargon)

つまり、「ある特定の仕事や活動をする人々のグループによって使われる言葉。同義語は jargon」

同義語として挙げられている jargon は、英和辞典で「隠語」と訳されていて、今回の lingo もそういう「隠語」のニュアンスが近いように思います。

この直後のシーンで説明されるように、トリーガーは本当に、「ダンスのパートナーになって欲しい」と頼んだのですが、ジョーイは、これは刑務所の隠語、または専門用語、特殊用語で、何か別の意味が隠されているのでは?と勘ぐったようです。
例えば、「俺とダンスを踊ってくれ」は「俺とベットを共にしてくれ、俺と寝てくれ」みたいな意味になるのかな?、刑務所でゲイの気がある男性が、他の男性をベッドに誘う言葉か何かだろうか?と思ったのかもしれません。

結局、その後のジョーイの説明で、トリーガーの依頼の内容が明らかになります。
トリーガーはダンス大会に出場し、好きな女性に好印象を与えるためにダンスの練習がしたい、だからジョーイにその練習相手になってくれ、と頼んだのですね。

管理人のダンス大会の名前が、The Super Ball であることも笑いのポイントです。
アメリカでスーパーボウルというと、アメリカのプロフットボールの王座決定戦のこと。
フレンズ2-12その1 で少し説明しましたが、フレンズ2-12 のタイトルは、The One After the Superbowl, Part 1 「スーパーボウルの後の話 パート1」でした。
視聴率断トツ1位のスーパーボウルに続けて、このフレンズのエピソードが放映されたから、こういうタイトルだったのです。

このアメフトのスーパーボウルの綴りは、The Super Bowl になります。
フットボール(football)の ball ではありません。
bowl は料理に使う「ボウル、鉢(はち)、どんぶり」のことで、鉢形のスタジアムで競技が行われるために The Super Bowl と呼ばれるのです。

トリーガーのダンス大会の方は、ball という単語が使われています。
これは、「ボール、球」の ball ではなく、「舞踏会」という意味の ball です。
発音は同じですが、語源が異なるので、別の単語扱いになるようです。
ballroom だと「舞踏場、ダンスホール」、ballroom dancing は「舞踏会のダンス、社交ダンス」という意味ですね。

また、トリーガーのようなアパートの管理人を super と呼びますが、これは、superintendent の省略形です。
ジョーイの説明通り、superintendent たちのダンスパーティー・舞踏会だから、super の ball、すなわち、The Super Ball というネーミングになっているのですね。
bowl 「ボウル」と ball 「ボール」は発音が違いますが、 よく似た発音なので、有名なアメフトの The Super Bowl をもじった名前が付けられている、管理人のことを super と呼ぶからこそつけられる名前、というところです。


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posted by Rach at 07:02| Comment(0) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする