2012年09月28日

船頭多くして船山に上る フレンズ7-2その1

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シーズン7 第2話
The One With Rachel's Book (モニカの結婚式プラン)
原題は「レイチェルの本の話」


チャンドラー、モニカ、フィービーの家。婚約したことで、ハッピーな気分のモニカに、
レイチェル: Yeah, so let's get started on the wedding plans! (じゃあ、結婚式のプランを始めましょう!)
モニカ: Okay! (Runs off.) (オッケー! [走って行く])
チャンドラー: (incredulous) Already? ([懐疑的な顔で] もう?)
レイチェル: Yeah, we got a lot to do! We gotta think about the flowers, the caterers, the music-- (そうよ、やることがたくさんあるんだもの! 花を考えないといけないでしょ、ケータリング業者でしょ、音楽でしょ…)
チャンドラー: Oh, I got some thoughts on the music. (あぁ、音楽ならちょっと考えがあるんだけど。)
レイチェル: Oh, Chandler, too many cooks.... (あぁ、チャンドラー、船頭多くして…)
ロス: Take it from me. As the groom all you have to do is show up and try to say the right name. (僕の言葉を信じて。花婿として君がすべきことは、(式に)出席して、正しい名前を言うようにすることだけだよ。)
モニカ: (returning) Okay! (Sets down a huge 3" 3-ring binder on the table.) ([戻ってきて] オッケー! [巨大な、3インチの3リングバインダーを机の上に置く])
チャンドラー: What in God's name is that?! (一体そりゃ何だ?!)
ロス: Oh, my God, the wedding book? I haven't seen that since the forth grade! (なんてこった、あのウェディングブックか? それを見たのは4年生以来だよ!)
モニカ: This baby has got everything. Take, y'know, locations for instance: (She opens up the binder to the locations chapter.) First organized alphabetically, then geographically, then by square footage. (この子は何でも持ってるの[この子の中には何もかも入ってるの]。例えば、場所(ロケーション)を例にとるとね。[モニカはバインダーの場所の章(チャプター)を開ける] 最初にアルファベット順に整理されてて、それから地理的な順番、それから面積順。)
フィービー: That is so smart! (To Chandler, under her breath) Break it off. Break it off, now. (それってほんとに賢いわね! [チャンドラーに声をひそめて] (婚約を)解消しなさい、解消して、すぐに。)

レイチェルはモニカに「結婚式のプランを始めましょう」と言っています。
start は「始める」という動詞なので、「始めましょう」と言う場合は、Let's start. でいいような気がしますが、セリフでは、Let's get started. という表現をよく聞きますね。

チャンドラーの Already? は、「もう、すでに」の already で、婚約が決まったばかりだと言うのに、「もう」結婚式のプランを考えるのか?と言っているニュアンスになります。

We got a lot to do! は、We have a lot to do. 「やるべきことをたくさん持っている、やるべきことがたくさんある」ということ。
音楽という言葉を聞いて、音楽なら俺にもプランがあるよ、と言ったチャンドラーですが、レイチェルは、too many cooks.... と言っています。
これは、Too many cooks spoil the broth. 「多すぎるコック(料理人)はスープをだめにする、コックが多すぎるとスープがだめになる・まずくなる」という諺(ことわざ)で、日本語の「船頭多くして船山に上る」と同じ意味ですね。
大勢の人間が好き勝手にやろうとすると、物事はうまく行かない、というような意味のことわざですが、cook や broth 「煮汁、だし」「スープ」で例えるところが、西洋っぽい感じですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
too many cooks (spoil the broth) : used when you think there are too many people trying to do the same job at the same time, so that the job is not done well
つまり、「同時に同じ仕事をしようとする人があまりにも多くいて、そのため、その仕事がうまく行かないと思う時に使われる」。

ロングマンでも、spoil the broth の部分がカッコ書きになっているように、このような有名なことわざは、その前半部分だけで済ませてしまう場合も多いようですね。
レイチェルも、「船頭多くして…ってやつよ、わかるでしょ」みたいに言っているわけですが、それは日本語で「噂をすれば(何とやら)…だな」みたいに、最後まで言わずともわかる、というのと同じ感覚だと言えるでしょう。

Take it from me. は「僕を信じてよ。僕を信じていいよ」という感覚。
LAAD では、
take it from me : used to persuade someone that what you are saying is true
つまり、「自分の言っていることが本当だと誰かを説得するために使われる」。

直訳すると、「僕からそれを取ってよ」みたいな感じでしょうから、僕の言うことを正しいこととして、そのまま素直に受け取って、持って行って、みたいに言っているニュアンスだろうと思います。

As the groom all you have to do is... は、「花婿として、君がしなければいけないことの全ては…だ」。
つまり、「花婿として、君は…だけをすればいい」と言っていることになります。
経験者として、ロスは何をすればいいと言っているかと言うと、show up and try to say the right name 、すなわち、「(その場に)現れて(出席して)、正しい名前を言おうとする」。
これは、フレンズ4-24 の、ロンドンでのロスとエミリーの結婚式の誓いの言葉で、ロスが take thee, Emily... 「汝、エミリーを…」と言うべきところを、Take thee, Rachel-- 「汝、レイチェルを…」と言ってしまったことに由来しています。
「花婿は、花嫁の名前を間違えたりしなけりゃそれでいいんだ、一番大切な仕事は花嫁の名前を正しく言うことさ」と、自分の大失敗を自虐的に持ち出しているのですね。

そんなことを言っていると、モニカは大きなバインダーを持って帰ってきます。
ト書きに、3" 3-ring binder と書いてありますが、「"」は inch 「インチ」の省略記号なので、「3インチの3リングバインダー」ということだろうと思います。
おまけにその省略記号の話をしておくと、「"」はインチで、「'」はフィートの略ですね。
例えば、IMDb (Internet Movie Database)では、レイチェル役のジェニファー・アニストンの身長は、
Height
5' 4½" (1.64 m)
のように表記されています。
つまり、5フィート4.5インチということですね。

チャンドラーは、What in God's name is that?! と驚愕しています。
通常の、What's that? (What is that?) に、in God's name という言葉を挿入してより強調しているわけですね。

ロスは、the wedding book のように the を付けて呼んでいることからもわかるように、そのバインダーのことを知っているようです。
I haven't seen that since the forth grade! は「4年生以来、僕はそれを見たことない」ということですから、「そのバインダーを見るのは、実に4年生以来だね」と言っていることになります。

This baby has got everything. は「このベイビーは全てを持っている」という感覚。
「この子(私のかわいいこのバインダーちゃん)の中にはあらゆる情報が詰まってるの、この子はかなりの優れモノなのよ」みたいなニュアンスでしょう。

take ... for instance は「…を例に取る、例に挙げる」。
ロケーションを例にとって見てみると…と言いながらページを開けて、どんな風に情報が便利に整理されているかを説明しています。
first, then, then は「最初は A、それから B、それから C」みたいに順番に説明していく感覚ですね。

organized alphabetically は「アルファベット順に整理されている」で、その後もすべて「〜(順)に整理されている(organized)」と言っていることになります。
square footage は「平方フィート」ということで、「(平方フィート表示された)面積」を表します。
by は「〜によって、〜に基づいて」整理されている、ということですね。

結婚式の場所の候補地を、アルファベット順(名前順)、地理順(近い順?)、面積順(大きい順)に並べて整理しているわけですが、それを見たフィービーは、「それってほんとに賢いわ」と感心したようなことを言った後、チャンドラーにだけ聞こえるように声をひそめて、Break it off. と言っています。
break off は「切断する」+「分離」のようなニュアンスですから、「中止する、やめる」「別れる、縁を切る」「(婚約を)解消する、破棄する」のような日本語訳が浮かんできます。
婚約したばかりのチャンドラーとモニカのことなので、「今すぐ婚約を解消しなさい」というのが一番ニュアンス的に近いと思いますが、「結婚するのを中止しなさい」や「別れなさい」みたいな感じに取ることも可能かもしれません。
いずれにしても、結婚式の場所についてだけでも、それだけの情報を集めているという「モニカのマニアック的なこだわり」みたいなものを見て、「こんな人が妻になったら、あとあと大変そうよ、別れるなら今よ」と小声でアドバイスしているわけですね。
「こだわりの強すぎるモニカとそれにうんざりしているフレンズたち」というお決まりの構図が楽しいです。


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posted by Rach at 10:56| Comment(8) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月26日

もう少しで〜させるところだった フレンズ7-1その6

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モニカはレイチェルに、「昔、太っていた友達(モニカのこと)が、自分より先に結婚するって事実があなたは我慢ならないのね、だから私のお株を奪おうとしてるのよ」と指摘します。
売り言葉に買い言葉で、「じゃあ、本当にあなたのお株を奪ってあげる」と言って、レイチェルはロスに「エッチしに行きましょう(Let's go have sex!)と言って、自分の寝室に向かいます。
嬉しそうに後に続いたロスでしたが(笑)、レイチェルはただ、モニカに「ロスとエッチしてる」と思わせたかっただけで、実際にはそういうことをする気は全くありません。
後を追ってきたモニカに問い詰められ、レイチェルは自分の気持ちを正直に語り始めます。
レイチェル: Because! Because I was sad. (だって! だって私は悲しかったのよ。)
モニカ: What do you mean? (どういう意味?)
レイチェル: Look, I am so... so happy for you guys. But you getting married just reminds me of the fact that I'm not. I'm not even close. And I don't know, maybe I just wanted to make myself feel better. And I know that that's dumb, but, oh my God, you were so depressed when Ross got married, you slept with Chandler! (ねえ、私はすごく…すごくあなたたちのことを喜んでるわ。でも、あなたが結婚することで、私は自分が結婚する予定がない、という事実を思い出しちゃうの。私はもうちょっとで結婚するってことすらない。それで、わからないけど、多分、私は、自分の気持ちを良くしたかったのね。そんなの、ばかなことだってわかってるけど、でも、ああ、あなた(モニカ)もすごく落ち込んだでしょ、ロスが結婚する時に。あなただってチャンドラーと寝たじゃない!)
(Ross looks at Chandler.)
ロスはチャンドラーを見る。
チャンドラー: (To Ross) I don't care, she slept with me. ([ロスに] 構わないよ、彼女は俺と寝たんだから。)
レイチェル: Anyway, sweetie, I am, I'm so sorry I ruined your night. (とにかく、ハニー、私は、私はとっても申し訳ないと思ってるわ、あなたの夜を台無しにしたことを。)
モニカ: (starting to cry) I'm sorry I almost made you sleep with Ross. (They hug.) ([泣き出しそうになって] 私もごめんなさい。もうちょっとで、あなたをロスと寝させるところだったわ。[二人はハグする])
ロス: (deadpan) Well, I'm going to take off. (To Chandler) Congratulations, man. ([無表情で] そうだな、僕は行くよ。[チャンドラーに] おめでとう。)
チャンドラー: Thanks. (ありがと。)
ロス: (at the door) And uh, Rachel. ([ドアのところで] それで、あー、レイチェル。)
レイチェル: Yeah. (ええ。)
ロス: What can I say? You missed your chance. From now on the only person who's going to enjoy these bad boys (holds up his hands) is me. (Quickly realizes what he said and exits disgustedly.) (何て言えばいいのかな[言葉もないよ]。君はチャンスを逃したんだ。これから先は、このバッドボーイズを [と言って、自分の手を掲げる] 楽しめる[味わえる]のは僕だけだよ。[自分の言ったことにすぐに気付いて、気分を害して部屋を出る])

ロスとキスしたりした理由を、レイチェルは、Because I was sad. 「だって私は悲しかったから」と説明しています。
もちろん、あなたたち二人のことは祝福してるし喜んでるけど、と言った後、you getting married just reminds me of... と言っていますね。
このセリフを直訳すると、「あなたが結婚することは、ただ、私に、I'm not であるという事実を思い出させる」になります。
I'm not は、I'm not getting married 「私は結婚しない、結婚する予定がない」ですね。
モニカが結婚することで、自分は結婚する予定がないことを、改めて思い知らされた、みたいなことでしょう。
I'm not even close. の close は「近い、惜しい」という感覚ですね。
私は、結婚までもうちょっと、もうちょっとで結婚できる、というところにさえいない、みたいなニュアンスです。

わからないけど多分、と言いながら、自分を feel better にしたかったと言っていますね。
元カレのロスと、いちゃついたりすることで、幸せな楽しい気分に浸りたかった、みたいなことでしょう。
dumb は「愚かな、ばかな」。
そんな風に元カレのロスと戯れ(たわむれ)たりするのはバカなことだってわかってるけど、と言いながら、「モニカも(兄さんの)ロスが結婚する時に落ち込んで、チャンドラーと寝たりしたじゃない」とも言っています。
落ち込んだりした時に、そういうことに走っちゃうのは、何も私だけに限ったことじゃないでしょ、と言いたいようですね。

どことなくレイチェルの言い方が、「落ち込んだから、(しょうがなく)チャンドラーと寝た」みたいにも聞こえるので、ロスは隣にいるチャンドラーを「こんなこと言われちゃってるよ」みたいな顔で見ています。
チャンドラーは全く動じず、「別に俺は(何て言われようと)構わないよ。モニカは俺と寝たんだから」と言っていますね。
俺はモニカと寝られたんだし、モニカが他の男と寝たわけじゃないし、俺にとっては理由なんか別にどうでもいいさ、結果オーライだよ、みたいなことでしょう。

レイチェルが正直な気持ちを話したので、モニカも怒りが消えたようです。
「あなたの(大切な)夜を台無しにしちゃってごめんなさい」と謝るレイチェルに、モニカは「あなたをもう少しでロスと寝させるところだった、ごめんなさい」と詫びていますね。
これまでのフレンズでも何度も出てきましたが、「almost+過去形」は、「もう少しで〜するところだった」という意味になります。
実際にはそうしなかった、そこまでは行かなかったけれど、あとちょっとでそうなってしまうところだった、みたいなニュアンスが almost 「ほとんど」という単語から感じ取れますよね。
make you sleep の make は使役動詞で「(強制的に)〜させる」というニュアンスがあります。
このように、使役動詞 make を使うと、「レイチェルはロスとなんか寝たくなかっただろうに、私がムキになったせいで、(あなたの意に反して)ロスと寝ることに追い込むところだった」みたいな感じに聞こえます。
これはある意味、「モニカだってチャンドラーと寝たじゃない」発言よりも失礼な感じで、そう言われたロスを見ると、目が死んでいます(笑)。
「あなたの手が好きだったわ」とかさんざんその気にさせられた後での、この言われように、ロスは「もう僕は退散するよ」みたいに部屋を出て行こうとします。
が、ドアのところで振り向いて、捨て台詞のようなものを言っていますね。

What can I say? を直訳すると、「僕は何て言える?」みたいなことですが、ここでは「何て言ったらいいか、言葉もないよ」みたいなニュアンスでしょう。
その後に、You missed your chance. という文も続いていますので、「全く残念だったねぇ〜、君はチャンスを逃したんだ」という感じでしょうね。

From now on 以下の文章はちょっと長いですが、文の構造を単純化すると、the (only) person is me 「(唯一の)人は僕だ、〜するのは僕だけだ」と言っていることになります。
ト書きのように、自分の手を見せていることからもわかるように、these bad boys は、ロス自身の手のことですね。
enjoy は「〜を楽しむ、味わう」。
結局、ロスとは寝ないまま終わってしまったレイチェルに対して、「君が僕と寝ることを拒んだせいで、君が好きだと言った僕のこの手を、君はもうこれから先、楽しめないんだよ。まったく君は、もったいないことをしたよ」みたいに言いたいわけですが、そのロスのセリフが、「僕のこの手を楽しめるのは、今後、僕だけしかいない」みたいな表現になっているので、ロスが一人でそういうことをする、ということを示唆しているように聞こえてしまうわけです。

勝ち誇ったように、「君は僕のこの手を味わえなくて残念だねぇ」と言ってみせたつもりだったのに、自分の言った内容が、却ってみじめに聞こえてしまうことに気付いた、というオチになる、ということですね。


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posted by Rach at 15:50| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月24日

誰も行かない秘密の廊下で フレンズ7-1その5

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16歳の誕生会でも、あなたは私のお株を奪ったわ!と怒るモニカに、
レイチェル: Monica, your sweet 16 was like a million years ago. (モニカ、あなたの愛しの16歳なんて、まるで100万年前のことよ。)
モニカ: And yet, here we are doing it again. (それなのに、ここでまた、私たちは同じことをしてるわ。)
レイチェル: Ugh, Monica, I don't want to steal your stupid thunder! (あー、モニカ、私はあなたのくだらないお株なんか奪いたくないわ!)
モニカ: Oh, please! Why else would you have made out with Ross?! (ああ、やめてよ! 他にどんな理由で、あなたがロスといちゃついたりするわけ?)
ロス: Got me. (He shows of his hands.) (わからないよねぇ。[ロスは自分の手を見せる])
レイチェル: All right, easy, mimey, the moment has passed. It ain't gonna happen. (いいわ、落ち着いて、パントマイム師さん、その瞬間(時機)は過ぎたのよ。もう(ロスが考えてることは)起こらないわ。)
モニカ: I just thought it would be nice if I could have just this one night! (私がこの夜だけがあってくれれば良かったのに、と思っていただけなのに。)
レイチェル: I swear, I never wanted any part of your night! No one was supposed to see us kissing! (誓うわ、私は決して、あなたの夜のどんな部分も欲しくはなかった(奪うつもりはなかった)! 誰も私たちがキスしているところを見ることにはなっていなかったのよ。)
モニカ: Oh, is that why you did it the secret hallway, where nobody ever goes? (まぁ、だからあなたたちは秘密の廊下でキスしたのね、そこは誰も行かないところだから?)

16歳の誕生日に、主役の私を差し置いて、自分が話題の中心になったくせに、と昔の話を持ち出すモニカ。
レイチェルは、16歳の頃なんて、like a million years ago 「100万年前みたい」なものだと言っています。
そんな随分と昔の話、という意味で 100万年と言っているわけですが、million という単語で大袈裟な数字を強調するのが、英語っぽいところだと思います。

and yet は「それでもなお、それなのに」という感覚。
ずっと昔のことと言いながら、また今も同じことをしてるじゃない、と言いたいのですね。
「私はあなたのサンダーを盗みたくない、あなたのお株なんか奪いたくない」とレイチェルは言っています。
your stupid thunder の stupid には「くだらない、ばかばかしい」みたいなニュアンスが感じられますね。
あなたは大騒ぎしてるけど、私には別にそんなことどうでもいい、あなたの thunder なんて興味はないし、そんなくっだらないものを奪おうとも思ってない、みたいなことですね。

why else は「その他になぜ、さもなければなぜ」のような感覚。
他にどんな理由があって、あなたが make out with Ross 「ロスとキスしたりして、いちゃつく」ようなことをするのよ、とモニカは言っているわけです。
自分の兄なのにひどい言いぐさですが(笑)、私のお株を奪うためにやった以外の理由なんて考えられないわ、と言いたいのですね。

Got me. は You got me. とも言いますが、何か人に質問されて答えがわからない場合に、I don't know the answer. 「その答えがわからない」という意味で使います。
ここでは、「僕にもわからないよ」と言いながら、手をひらひらさせることで、レイチェルに「僕の手が魅力的だからだよねぇ?」と訴えているのですね。

ロスがやたらと自分の手をアピールしてくるので、レイチェルはいい加減にして、という感じで怒っています。
easy は「落ち着いて」という感覚ですね。
easy, mimey, the moment has passed. は「落ち着いて、マイミー、その瞬間は過ぎたのよ」と言っていることになるでしょう。
mimey は呼び掛け語のように挿入されていますが、DVDの日本語音声(吹替)でも、「やめて、そのパントマイム」と訳されていたように、mime という単語の変形バージョンのようです。

mime はいわゆる「パントマイム」のマイムで、名詞では「身ぶり手ぶり」「パントマイム」「パントマイム役者、パントマイム師」、動詞では「パントマイムをする」という意味があります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mime :
1. the use of actions or movements to express what you want to say without using words
2. an actor who performs without using words

つまり、1. は、」「言葉を使うことなしに、言いたいことを表現するための、動作や動きの使用」。2. は「言葉を使うことなしに演技する俳優」。

ことあるごとに、言葉で説明せずに、手をヒラヒラさせて何かを訴えようとするロスにあきれたレイチェルは、ロスを「パントマイム師」だと言っているのですね。
mime ではなくて、mimey になっているのは、easy の -y と押韻するような形で、mime も mimey にしてリズム感を出している感覚でしょう。

モニカは、I just thought... と言って、「ただ…であってくれればそれだけで良かったのに」みたいなことを言っています。
私が望んだのはただ、人生でたった一度の婚約のこの夜が私のものとしてあってくれればそれだけで良かったのに、みたいなことですね。
それを聞いたレイチェルも、「誓って言うわ。あなたの夜のどんな部分も欲しいと思ったことなんて絶対にない」と言っています。
No one was supposed to see us kissing! は「誰も私とロスがキスしているところを見ることにはなっていなかった、誰も見るはずではなかった」みたいなことですね。
話題をさらいたくて人前でキスしたんじゃない、キスしたけど人に見られるとは思わなかったのよ、モニカに見られたのは予想外、想定外のことだったのよ、と訴えているわけです。

それに対してモニカは、皮肉を言っています。
Oh, is that why you did it は、「あぁ、だからあなたはそれをしたのね、それがあなたがそうした理由ね」みたいな感覚。
秘密の廊下でキスした理由はそれなんだぁ、みたいなことです。
the secret hallway と言った後、where という関係副詞を使って、the secret hallway という場所をさらに詳しく説明しています。
「秘密の廊下、そこは誰も行かないところである」というニュアンスになります。

これは明らかな皮肉で、「廊下なんて誰もが自由に行き来する、人目に付きやすいところじゃない。そんなところでキスしておいて、人に見られるとは思わなかった、だなんてよく言うわ。人に見られるとわかっててそこでこれ見よがしにキスしたに決まってるわ!」とモニカは言いたいわけですね。


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posted by Rach at 15:46| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月20日

初めてじゃないとだけ言っておこう フレンズ7-1その4

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婚約が決まった日に、ロスとレイチェルがキスをして、私のお株が奪われたと怒っていたモニカ。
レイチェルはその時の発言、
モニカ: No-no, I-I really don't want to talk about it! I don't. I don't. (To Rachel) Especially with you. (いいえ、私は本当にそのことについて話したくないの! 話したくない! [レイチェルに対して] 特にあなたとは。)
がずっと気になっている様子。
また、さっきはエッチしようとしてできなかったことで落ち込んでいたチャンドラーでしたが、今は寝室で、いいムードになってきているところ。
そこに、レイチェルが訪ねてきます。
レイチェル: Monica, what did you mean before when you said you didn't want to talk to anyone, especially me? (モニカ、さっきのはどういう意味だったの? 「誰とも話したくない、特に私(レイチェル)とは」って言った時のことよ。)
チャンドラー: What a great apology! (To Monica) And you accept it! Okay, bye-bye! (何て素晴らしい謝罪なんだ! [モニカに] で、君は謝罪を受け入れる! オッケー、バイバイ!)
レイチェル: No-no, seriously-seriously, what was the "especially me" part about? (いいえ、真剣によ(真剣に尋ねてるのよ)、「特に私」っていう部分はどういうこと?)
モニカ: Well, let's just say it's not the first time you've stolen my thunder. (そうね、あなたが私のお株を奪ったのはそれが初めてじゃない、とだけ言っておきましょ。)
レイチェル: What?! (何ですって?)
ロス: (To Rachel) Hey, here's a thought.... ([レイチェルに] ねぇ、考えがあるんだけど…)
(Rachel ignores him and follows Monica into the kitchen.)
レイチェルはロスを無視して、モニカに続いてキッチンに行く。
レイチェル: Monica, what are you talking about? (モニカ、あなた何言ってるの?)
モニカ: My Sweet Sixteen! Remember, you went to third base with my cousin Charlie. (私の愛しの[素敵な]16歳よ! 覚えてる? あなたは私のいとこのチャーリーと3塁まで行ったのよ。)
チャンドラー: (entering) Ahh, third base. ([入ってきて] あぁ、3塁ね。)
モニカ: It's all everybody at the party could talk about! (それ(あなたとチャーリーの件)だけが、その(私の16歳の誕生日)パーティーでのみんなの話題だったわ。)
レイチェル: Monica, y'know what? The only reason I did that was because your party was so boring! (モニカ、知ってる? 私がそれをしたのは、あなたのパーティーがすっごく退屈だったからよ!)
モニカ: (gasps) We had a caricaturist! ([息を呑んで] 似顔絵師がいたわ!)
レイチェル: Oh!! (まあ!)

レイチェルは、"Especially with you." と言われたことがずっと引っかかっているようで、what did you mean 「どういう意味だったの? どういう意味であなたはそう言ったの?」と尋ねています。
明らかに抗議のニュアンスでやって来たことがわかりますが、今、調子が出かかっている(笑)チャンドラーは、さっさとレイチェルに退散して欲しくて、「何て great な謝罪なんだ!」と大げさに言っています。
「おぉ、レイチェルはわざわざ謝罪に来てくれたんだね。モニカもその謝罪を受け入れるから、じゃあね、バイバイ!」みたいに、手早く話を切り上げようとしているのが面白いですね。

accept 「受け入れる」は、謝罪(apology)との組み合わせでよく使われる動詞です。
Apology accepted. は、謝罪した相手に対して、「(あなたの)謝罪は受け入れました」と言う時の決まり文句ですね。

チャンドラーがそうやって冗談で話をうやむやにしようとするので、レイチェルは、seriously 「真剣に、真面目な話なんだけど」と言いながら、What was the "especially me" part about? と言って、再度、especially me の部分について問うています。
What was the "especially me" part about? は、The "especially me" part was about 〜. 「その”特に私”の部分は、〜について(〜に関するもの)であった」 の〜の部分を what で尋ねる形の疑問文。
「その”特に私”って部分は、一体何のことを言ってたわけ?、何に関して”特に私”なわけ?」みたいな感覚になるでしょう。

モニカはそれに対して具体的な答えは言わずに、let's just say... というセリフを言っています。
これは、「あなたが私のお株を奪ったのはこれが最初じゃない、とだけ言っておきましょう」というニュアンス。
日本語でも、あえて詳しく説明することはせずに、「〜とだけ言っておきましょう」みたいに言うことがありますから、わかりやすいですね。

モメている二人を見ていたロスは、間に入るように、here's a thought... と言って、嬉しそうな顔で何か提案しようとしていますが、レイチェルに無視されて、自分の手を見ています。
レイチェルに「あなたの手が好きよ」と言われた時の「ボーナス・ナイト」の話を、ここでまた持ち出そうとしたのに、レイチェルはそれどころではなかった、という感じです。

レイチェルに問い詰められて、「私のお株を奪ったのは今回が初めてじゃない」と言った理由をモニカは説明しています。
「16歳の時、あなたは私のいとこのチャーリーと3塁まで行ったわ」というのは、モニカの16歳のお誕生日会で、モニカのいとこのチャーリーと、レイチェルが、エッチ寸前まで行った、みたいな意味ですね。
そういう言い回しが慣用句として存在するわけでもないようですが(笑)、あとちょっとで得点できる、ゴールまであともうちょっとのところまで行った、みたいな感覚は、日本人にもわかりやすいと思います。

It's all everybody at the party could talk about! について。
it はここでモニカが話題にしていること、レイチェルとチャーリーがあと寸前というところまで行ったこと、を指します。
パーティーの出席者みんなが話題にできることすべてはそれだった、ということですから、出席者はそのことばかり話していた、それが話題の中心だった、と言っていることになります。
パーティーの主役である私を差し置いて、あなたが話題の中心になったのよ、「あなたが過去にも私のお株を奪ったことがある」と言ったのはそのことよ!と怒っているのですね。

The only reason I did that was because... は、「私がそれをした(チャーリーとエッチ寸前まで行った)ことの唯一の理由は、…だったから」。
あなたの誕生日会があまりにも退屈だったから、退屈しのぎにそんなことしただけよ、みたいな言い方ですね。

caricaturist は英和辞典には「風刺画家、戯画家」などと出ています。
caricature は名詞で「風刺画、戯画」、またそういうものを描くという動詞にもなります。
「カリカチュア」という言葉で日本語でも使われたりしますね。

LAAD では、
caricature [noun] [countable] : ENG. LANG. ARTS a funny drawing of someone that makes them look silly or stupid
例) caricatures of politicians in the newspaper

つまり、「愚かに、またはまぬけに見えるような、ある人物の面白い絵」。
例は、「新聞での政治家の風刺画」。

そんな風に、新聞に載っているような風刺画ということですが、ああいう感じで、その人の特徴をことさらに強調したような似顔絵もカリカチュアと言いますね。

Wikipedia 英語版: Caricature でも、そういうカリカチュアの画像を見ることができます。
このウィキペディアの、Modern use of caricature に、以下の興味深い説明がありました。

Beside the political and public-figure satire, most contemporary caricatures are used as gifts or souvenirs, often drawn by street vendors.

Caricature artists are sometimes hired for parties, where they will draw caricatures of the guests for their entertainment.


つまり、

「政治的、または公人の風刺(皮肉)以外に、現代のカリカチュアの多くは、ギフトまたはお土産として使われる、しばしば、露店(屋台)商人によって」。

「カリカチュア・アーティストはパーティーで雇われることがある、そこで彼らは娯楽のために、ゲストのカリカチュアを描くことになる」。

まさにこれがモニカが言っていることですね。
日本でも、ショッピングセンターや遊園地などで、「似顔絵、描きます」というコーナーを時折見かけます。
さらには、モニカが言っているように、誕生日などのパーティーに呼ばれて、そこで出席者の似顔絵を描いて、みんなを楽しませる、ということもあるようです。
モニカは、「パーティーが退屈だって言うけど、似顔絵師だって来てたのに!」みたいに言っているわけですね。
似顔絵を描いてもらえたら、楽しそうにも思いますが、16歳というお年頃の女の子のパーティーの企画としては似つかないような気もしますよね。
「退屈だなんて…こんなこともしてたじゃない」と名前を挙げたのが caricaturist だった、というのが、「面白い企画って、それ?!」みたいなジョークになっているのでしょうね。


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posted by Rach at 18:13| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月18日

私のお株を奪ったのよ フレンズ7-1その3

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これから、ザ・プラザに行って、シャンパンでお祝いすることになっているモニカたち。
ロスとレイチェルは、廊下でチャンドラーとモニカの結婚について話しながら、自分たちが付き合っていた頃のことを思い返しています。
I really liked your hands. 「あなたの手がとっても好きだったわ」とか、We never had a bonus night. 「(別れた二人が一晩だけよりを戻す)ボーナスナイトをしてないわね」とか、思わせぶりなことを言うレイチェル。
「そういうことはすべきじゃないよ」と言いながら、レイチェルが好きだと言った自分の手をヒラヒラさせたりして、ロスもまんざらでもない様子。
そんなシーンのしばらく後、「みんなを呼んでくるわ」と廊下へのドアを開けたモニカは、そこでロスとレイチェルがキスしているのを目撃してしまいます。
ロス: Okay, Monica. Mon. Okay, uh what-what you just saw-- (ねぇ、モニカ。いいかい、君がたった今見たのは…)
モニカ: (interrupting) Can I ask you just a little question, huh? Why tonight? ([(ロスの発言を遮って] ちょっとした質問をしてもいいかしら? どうして今夜なの?)
レイチェル: What? (何?)
モニカ: See, I've been waiting my whole life to be engaged, and unlike some people, I'm only planning on doing this once. So, uh y'know, maybe this is selfish and I'm sorry about it, but I was kinda hoping tonight could just be about that. (ねぇ、私はこれまでの人生ずっと、婚約するのを待ってたのよ。そして、他の人とは違って、私はこれ(婚約)をするのは一度だけと計画してるの。だから、ほら、多分、これはわがままで、そのことについては申し訳ないと思ってるけど、でも、私は願っていたのよ、今夜がそのこと(私の婚約)についてだけであってくれたら、って。)
レイチェル: Oh, honey, but it is just about that. (あぁ、ハニー、でもただそのこと(モニカの婚約)についてだけよ。)
ロス: It is! It is! (そうだよ、そうだよ!)
モニカ: No, it's not! No! No! Now it's about you and Ross getting back together! (いいえ、違うわ! 違う、違う! 今や、あなたとロスが復縁した(よりを戻した)ことについてよ!)
レイチェル: What?! (何ですって?)
モニカ: See, yeah, umm, you kinda stole my thunder! (ほら、そうよ、あなたは私のサンダーを盗んだ[私のお株を奪った]みたいな感じね!)
ロス: Okay! Ho-ho! We did not steal your thunder, because we are not getting back together. (ちょっと! ちょっと! 僕たちは君のお株を奪ったりしなかった。だって僕たちはよりを戻そうとしてないんだから。)
レイチェル: Yeah, no, and you know what? Nobody even saw! (ええ、違うわ、それにほら。誰も見てさえいないわ!)
ロス: Yeah! (そうだよ!)
モニカ: That's true. (それはそうね。)

ドアを開けた途端、廊下でロスとレイチェルがキスしているのを目撃したモニカは、驚いて部屋に戻ります。
キスを見られたロスとレイチェルは、モニカを追いかけて部屋に入ってきて、「モニカが今見たのは…」と言い訳しようとしていますね。
そのロスの言い訳を聞くことなく遮って、モニカは、「ちょっと質問してもいい?」の後、Why tonight? と聞いています。
Why tonight? は、まさに直訳通りの「どうして今夜(なの)?」というニュアンスですね。
Why 以下が文章ではなく、tonight という単語になっています。
あえて文章にするならば、Why is it tonight? とでもなるでしょうが、口語ではこういう言い方をよく耳にしますね。
例えば、Why me? なら「なぜ、私なの?」という感覚。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、why somebody? の項目で、そのニュアンスが載っています。
why somebody? : used to ask why something has been done, given etc. to someone and not to a different person
例) Why me? Can't someone else drive you?

つまり、「なぜ、別の人ではなく、誰かに対して、あることがなされる、与えられるかを尋ねるために用いられる」。
例文は、「どうして俺なの? 他の人は君を車で送ることができないの?」

この例文も、「他の人もいるだろうに、どうして俺が君を車で送んなきゃいけないんだよ」みたいな気持ちが感じられますね。
こういう Why me? と同じで、Why tonight? も、「仮にロスとレイチェルがキスするにしても、別の日、別の夜でもいいのに、どうしてよりにもよって今夜なわけ?」というニュアンスが入っているわけですね。

I've been waiting my whole life to be engaged は継続を表す現在完了進行形。
my whole life は「私の人生ずっと」という感覚ですから、be engaged 「婚約する(という状態)」になるのを、これまでの人生ずっと待っていた、という意味になります。

unlike some people は「ある人たちとは違って」。
I'm only planning on doing this once. の plan on doing は「〜をする計画である」、only ... once は「1度だけ」、つまり、「私はこれ(婚約すること)を(人生で)一度だけと計画・予定している」ということになります。
「ある人たちとは違って、私は一度しか計画してない」というのは、何度も結婚・離婚をしている兄ロスに対する皮肉ですね。
ロスのように何度も婚約する人だったら、「今回がダメならまた今度」と思えるかもしれないけど、私は婚約は人生に一度きりだと決めていて、婚約した日、というのは今日しかないのよ、という感覚です。

モニカはさらに続けて、わがままかもしれないけど、tonight could just be about that と願っていたのよ、と言っています。
that は「婚約(すること、している状態)」を指すでしょう。
tonight is about that を直訳すると、「今夜はそのことについてである」という感じになりますが、つまりは、「今夜が、ただ私の婚約に関することだけであってくれたらと願っていた」というニュアンスになるでしょう。
私にとって一生に一度の大事な夜だったから、他の話題がのぼることなく、私たちの婚約だけが話題の中心であってくれと願っていた、ということでしょうね。

「私たちの婚約についてだけであってくれと願っていた」と言うモニカに、レイチェルとロスは口を揃えて、「実際に、今夜の話題はモニカたちの婚約のことだけになってる」と言います。
が、モニカはそれを否定して、Now it's about... 「今や…についてである」と言っています。
今夜の話題はもはや、あなた(レイチェル)とロスがよりを戻したことになっているわ、ということですね。

そして、モニカは、 you kinda stole my thunder! と言っています。
今回のエピソードの英語タイトル(原題)は、The One with Monica's Thunder なのですが、それはこのセリフが元になっているわけですね。

研究社 新英和中辞典では、
steal a person's thunder=人の考え[方法]を横取りする、人のお株を奪う、人を出し抜く
と出ています。

LAAD では、
steal somebody's thunder : to get the success and praise someone else should have gotten, by doing what they had intended to do
つまり、「誰か他の人が得るべきだった成功や賞賛を得る(取る)こと、その人がやろうと意図していたことをすることによって」。

実はこのフレーズは、すでに過去記事、人の雷鳴を盗む フレンズ5-3その2 に出てきました。
出産間近のフィービーが苦痛に耐えている横で、ジョーイはさらに痛そうな顔をしているので、
フィービー: Umm, sympathy pains. I thought it was really sweet at first, but now I think he's just trying to steal my thunder. (あぁ、シンパシー・ペインよ。最初は本当に優しいって思ってたの。でも今は、彼はただ、私のお株を奪おうとしているだけだ、って思うわ。)
というセリフでした。

フレンズ5-3 の場合は、妊婦のフィービーがみんなにいたわってもらうべきなのに、ジョーイがあまりに痛がるからみんながジョーイの方を心配してしまう、とボヤいているセリフになります。
そして今回のモニカのセリフも、「今夜は私が婚約した日ってことで、その話題が中心となるはずなのに、ロスとレイチェルが復縁したりしたら、みんなの注意がそっちに向いちゃうわ!」と怒っているのですね。

「モニカのお株なんか奪ってない」「そうよ、第一、モニカの他には誰も私たちのキスを目撃してないじゃない」と言われて、とりあえず納得するモニカですが、この後、フィービーがその会話を聞いてしまい、やはり「ロス&レイチェルが復縁?!」というビッグニュースにお株を奪われてしまうことになります。
一瞬安心したものの、やはりそのままでは済まないところが、コメディーっぽいと言えるでしょうね。


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posted by Rach at 17:14| Comment(4) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月14日

最高尺度10でレベル19 フレンズ7-1その2

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チャンドラーがリビングでプレステをしていると、ジョーイが寝室から出てきます。
が、その恰好はというと、ニット帽にニックスのジャージ、腰パンという状態。
少し前に「19歳の役のオーディションに出るんだ」と言っていたジョーイなので、19歳に見えるような恰好をしているわけですね。
ジョーイ: ‘Sup? ‘Sup, dude? (よう? よう、どうだい?)
チャンドラー: (putting his hands up) Take whatever you want, just please don't hurt me. ([手を上げて] 欲しいものは何でも持って行け、ただどうか俺を傷つけないでくれ。)
ジョーイ: So you're playing a little PlayStation, huh? That's whack! PlayStation is whack! ‘Sup with the whack PlayStation, ‘sup? Huh? Come on, am I 19 or what? (んで、あんたはプレステやってんだな? それってヤバいよな! プレステ、やばいよ! ヤバいプレステはどうだい? なぁ、俺って19って感じ?)
チャンドラー: Yes, on a scale from 1 to 10, 10 being the dumbest a person can look, you are definitely 19. (そうだな、1から10のスケールで、人が最もおバカに見えるのが10なんだけど[10だとすると]、お前は間違いなく19だよ。)
ジョーイ: Come on, man, really. How old? (おいおい、ほんとにさぁ。何歳(に見える)?)
チャンドラー: Young. You're a man-child, okay? Now go get changed, because everybody's ready. And please, oh please, keep my underwear. (若いよ。お前は「おとなこども」だ。さあ、着替えて来いよ、みんな準備できてるんだから。それから、頼むから、どうかお願いだから、俺の下着(パンツ)はお前が取っといてくれ(俺に返さないでくれ)。)
ジョーイ: Wow, thanks! (He goes into his bedroom and closes the door.) (わーい、ありがと。[ジョーイは寝室に行き、ドアを閉める])

ジョーイが、無理やり19歳の格好をして部屋から出て来たので、チャンドラーは唖然としています。
‘Sup? とは、What's up? のことですね。
What's up? は「よお、元気?」「どうだい? 調子はどう?」という感じの軽く短い挨拶ですが、その最初の部分を聞こえない感じで省略して、「サップ?」みたいに言うのが、‘Sup? になるのですね。
「調子どう?」じゃなくて、「調子、ど?」みたいになるような感覚でしょうか。

えらく若作りの恰好な上に、若者言葉を真似してしゃべっているジョーイを見た後の、チャンドラーのセリフが面白いです。
Take whatever you want は、「お前の欲しいものは何でも持って行け」、just please don't hurt me は「ただどうかお願いだから俺を傷つけないでくれ」。
真面目なビジネスマン、チャンドラー(笑)が、ストリートや路地裏で、チンピラ少年たちに絡まれ、親父狩りをされそうになっている、という状況をセリフにした感覚ですね。
その服装、態度、口調が、まるで親父狩りでもしそうな少年みたいだ、とジョークを言っているわけです。

ジョーイはまだ、19歳少年の演技を続けています。
さきほどは、‘Sup を連発していましたが、今度は、whack という言葉を多用していますね。
whack は動詞では「〜を強く・激しく打つ」というような意味で、名詞だと「強打」「(擬音語)ビシッ、バシッ」という意味があります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
whack [noun] [countable] (spoken) : the act of hitting something hard or the noise this makes
つまり、「何かを強く打つ行為、またはこの行為が出す音」。

「バシッ」という感じの音のイメージの言葉なので、それを若者が使うと、恐らく、cool 「かっこいい、イケてる」、 awesome 「すごい、ヤバい」みたいな感じになるのかなぁ、と思うのですが…。
日本語でも、「サッカーのゴールを決める」「スーツ姿で決める」という場合に、「ビシッと決める」「バシッと決める」みたいな擬音語を使うことがありますよね。それと似た感覚かなぁ、と。

私としては awesome みたいな意味だとは思うのですが、英英辞典、ネット辞書などを調べてみたところでは、whack にそれらしい意味が見当たらないので裏が取れません…。
したがって、「多分、イケてる、ヤバいみたいな意味でしょう」としか、残念ながら今の私には言えません。すみません。

とりあえずここでは、「ジョーイが無理やり若者言葉を使っている、ということが whack の連発から感じ取れれば良い」ということにさせて下さい。
ジョーイは元々そんなにボキャブラリーが豊富なタイプではないですが(笑)、無理に慣れない若者言葉を使っているために、さらにボキャ貧になっているのが面白いですね。
いろいろ言ってみせているようで、実は、‘sup? と whack しか言っていない、というのが笑いのポイントになるでしょう。
よくラッパーがやるような仕草で、手をブンブン振りながら言っているのがさらに笑えますね。

Come on, am I 19 or what? は「なぁ、俺って19、それとも何?」という感覚。
「俺って19に見えるよなぁ? 19にしか見えないよなぁ?」と同意を求めている感じになります。
「俺って19?」と質問したジョーイに、チャンドラーは Yes と肯定の返事をした後、ちょっと長いセリフを言っていますね。
このセリフの構造がちょっとややこしいので、じっくり見てみましょう。

on a scale from 1 to 10 は、「1から10までのスケール(尺度、程度、段階、等級)で」。
10 being the dumbest a person can look は、その前の部分に出てきた「10」について、挿入句としてさらに説明を加えた文になるでしょう。
being と -ing 形になっているのは、分詞構文に似た感覚だと思います。
私自身、確信はないながらも、「(挿入句的な)分詞構文」だと考えるのが一番しっくりくる気がするので、一応、以下に私の考えを述べておきます。

文法書では、分詞構文の意味として様々なものが出てきますよね。
例えば、数研出版 基礎と完成 新英文法 p.384 では、
「時、原因・理由、条件、譲歩、付帯情況」などの意味が挙げられていますが、今回の場合は、
「譲歩」:though(〜けれども)で書き換えられる
の意味が近いように思いました。
あるいは、
「条件」:if (もし〜ならば)で書き換えられる
も近いかもしれません。

私がこのセリフを音で聞いた時のイメージは、
on a scale from 1 to 10, 10 is the dumbest a person can look, though...
あるいは、
on a scale from 1 to 10, 10 is the dumbest a person can look, by the way...
「1から10までのスケールで、10は人が見える最高におバカなレベルなんだけどね…」
みたいに聞こえる気がしたということです。

その譲歩の感覚を出して、挿入句的な分詞構文にしたために、is が being という現在分詞(-ing 形)になり、being の主語である 10 が、being の前についた形になっていると思われます。
メインの文の主語(この場合は you)と分詞の主語が同じであれば、主語は省略されますが、文の主語と異なる場合は -ing の前に意味上の主語をつけなければなりません。
こういう構文は「独立分詞構文」と呼ばれます。
「基礎と完成 新英文法」では、「独立分詞構文」の例として以下のものが載っています。

<理由> The day being fine (= As the day was fine), we decided to go swimming.
その日は天気がよかったので、私たちは泳ぎに行くことに決めた。
<条件> We will start, weather permitting (= if the weather permits).
天気がよければ、私たちは出発します。


The day being と同じような形が、今回のチャンドラーのセリフ、10 being だと私は思うわけです。
元々、10 is the dumbest.., you look という文章だとすると、10 以下の文を分詞構文にした場合、10 being the dumbest のように、being の主語 10 が必要になってくるということですね。

10 is the dumbest a person can look という意味だとして、その内容を見てみましょう。
10 は、最も dumb 「愚かな、ばかな」と言っていることになりますが、その the dumbest の具合について、さらに a person can look という言葉で説明しています。
つまり、the dumbest a person can look は「人が見えることのできる最もばかな」という意味になります。
「人がどれだけバカに見えるか」という尺度があるとして、その尺度が1から10だとすると、10が「人が最もおバカに見える」レベルだ、と言っていることになるでしょう。

「1から10のレベルで、10がおバカ度最高なんだけどさ」と言った後、チャンドラーは、you are definitely 19 「お前は間違いなく19だ」と言っています。
つまり、チャンドラーがイエスと言ったのは、ジョーイが19歳に見えると言ったのではなく、確かにお前は19だけど、それはおバカの尺度の最高レベル10をはるかに超えたレベル19だってことだよ、と言っているのですね。
だいたい、何かのスケールを考える場合には10点満点で考えることが多いために、それを使って、お前は10点満点を超越した19点の超おバカだ、とからかっていることになります。

バカにされてもジョーイはめげずに、「ふざけないで何歳に見えるか言ってくれよ」と言いますが、チャンドラーは、「お前は a man-child だ」と言います。
a man-child は「おとなこども」みたいなニュアンスでしょう。
みんな準備できてるんだから、お前も着替えて来い、と言ったチャンドラーは、どうかお願いだから、と言って、keep my underwear と言っています。
今のジョーイは腰パン姿で、下着のボクサーパンツが見えている状態ですが、ここでフレンズファンなら思い出すのが、「ジョーイは下着をはかない、だから下着を持ってない」という「フレンズのお約束」。
つまり、今見えているそのパンツは、チャンドラーのパンツを借りたものであって、チャンドラーもそれに気づいて、「お前が今はいているそのパンツ、お前が取っといてくれ(俺には返さないでくれ)」と言っていることになります。
洗濯して返してくれれば問題ないようにも思いますが(?)、チャンドラー的にはそのジョーイのあまりにもおバカな姿が脳裏に焼き付いてしまっていて、そのパンツをはこうとしたら、きっとジョーイの格好を思い出す、だからもうお前にくれてやるから俺に返すな、と言っているのでしょうね。


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posted by Rach at 14:27| Comment(7) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月10日

シーズン7に突入! フレンズ7-1その1

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今日からシーズン7に入ります!
これからもよろしくお願いします。


シーズン7 第1話
The One with Monica's Thunder (チャンドラーのプロポーズ… その後)
原題は「モニカのサンダーの話」


晴れて婚約したチャンドラーとモニカ。モニカが、フレンズたちが一緒に祝ってくれることに謝辞を述べた後、プラザホテル(The Plaza)でお祝いのシャンパンでも飲みましょうということになります。
[Scene: Monica and Chandler's bedroom, they're getting ready.]
モニカとチャンドラーの寝室。二人は(でかける)用意をしているところ。
モニカ: (looking at her hand) Y'know what shoes would look great with this ring? Diamond shoes! (Sees Chandler sitting on the bed.) You're not getting dressed. (Chandler quietly folds over the comforter on the bed making a spot for her.) ([自分の手を見ながら] この指輪によく似合う靴は何だと思う? ダイヤモンドの靴よ! [チャンドラーがベッドに座っているのを見る] あなたはまだ服を着替えてないのね。[チャンドラーはベッドの上の羽根布団を静かに折り曲げて、モニカのための場所を空ける])
チャンドラー: Know what I mean? (俺の言いたいことわかるだろ?)
モニカ: Yeah, but I don't think we have time. (ええ(わかるわ)、でも時間がないと思うんだけど。)
チャンドラー: There's gonna be a wedding. You're gonna be the bride. Two hundred people are going to be looking at you in a clean, white dress. (結婚式があるんだよ。君は花嫁になるんだ。200人の人が君を見ていることになる、清楚な白いドレスを着た君をね。)
モニカ: (lustily) Let's do it! (She kisses him and they fall back onto the bed.) ([性的に高まった様子で] (エッチ)しましょ! [モニカはチャンドラーにキスして、二人はベッドに倒れ込む])
[Scene: Monica, Chandler, and Phoebe's, time lapse, Chandler is fully dressed and slowly walking out of the bedroom with a distressed look on his face.]
モニカ、チャンドラー、フィービーの家。時間が経過し、チャンドラーは正装をしていて、ゆっくり寝室から出てきている、苦悩の表情を浮かべながら。
モニカ: (chasing after him) Chandler! It happens to lots of guys! You-you-you were probably tired, you had a lot of champagne. Don't worry about it! ([チャンドラーを追いかけてきて] チャンドラー! そんなのは多くの男性に起こることよ! あなたは多分、疲れてたのよ、たくさんシャンパンを飲んだし。気にすることないわ!)
チャンドラー: (motioning with his hands) I'm not worried, I'm uh, I'm fascinated. Y'know? It's like uh, biology! Which is funny, because in high school I uh, I-I failed biology and tonight biology failed me. ([手で(大袈裟な)身ぶりをしながら] 俺は気にしてなんかいないよ。俺は(逆に)興味をかき立てられたね、だろ? まるでほら、生物学みたいなもんだよ! それって面白いよね、だって高校の時、俺は生物学(の試験)を落としたんだけど、今夜は生物学が俺の役に立たなかったんだ。)

婚約指輪をはめた手を見つめながら、モニカは「この指輪に似合う靴はどんな靴? ダイヤモンドの靴よ!」と盛り上がっています。
これからお祝いをしに、プラザホテル(The Plaza)に行くことになっているのに、着替えもせずベッドの上に座っているチャンドラーを見て、モニカは「まだ着替えてないのね」と言っています。
プラザホテルは、ニューヨーク・マンハッタン、セントラルパーク(公園)の近くにある高級ホテルですね。

Wikipedia 日本語版: プラザホテル
Wikipedia 英語版: Plaza Hotel

英語版ウィキペディアにも載っているように、NYを舞台にした様々な映画やドラマで登場するランドマークですよね。

チャンドラーはまだ着替えていない理由を言葉では説明せず、自分が寝ている場所の隣の布団をめくって、ここ空いてるよ、というようなしぐさをしています。
つまりは、モニカをベッドに誘っているわけですが、わざわざ低い声で「わかるだろ?」とも言っているのがお茶目な感じです。
「あなたの言いたいことはわかるけど、でも時間がないし」と言うモニカですが、チャンドラーは be gonna (be going to) という未来を表すフレーズを使って、「これから先に、結婚式がある、君は花嫁になる、200人の人が清楚な白いドレスを着た君を見る」と、モニカが長年夢見てきた情景を、言葉にして説明します。

プラザに行くからもう時間ないし…と言っていたモニカも、そういう自分の姿を想像して、気分が盛り上がってしまったようで(笑)、モニカの方が積極的になってしまうのも面白いですね。

婚約した当日の話ですから、ラブラブの二人はさぞ盛り上がったことだろう…と思いきや、その後、正装して寝室から出て来たチャンドラーは、えらく動揺した顔つきをしています。
その後、続いて寝室を出て来たモニカのセリフから、彼の苦悩の原因がわかる、という仕組みです。
「多くの男性に起こることよ」というフレーズから、エッチしようとしたけどできなかった、ということがわかりますね。
この It happens to ... guy(s). というフレーズで思い出すのが、フレンズ4-1その7 でのセリフ。
ロスとよりを戻しかけたのに、また決裂してしまった直後の大喧嘩で、
レイチェル: And hey. Just so you know, it's not that common. It doesn't happen to every guy. And it is a big deal! (それから、一言言っておくと、(それは)そんなにありふれたことじゃないわ。全ての男に起こることじゃない。そしてそれは一大事なのよ!)
チャンドラー: I knew it! (そんなことわかってたさ!)
というやり取りがありました。
このやり取りも、具体的にエッチに関する単語が使われているわけではないけれど、「エッチの時にできなかった」ことが観客にもピンと来るセリフになっているのがポイントです。
「多くの/全ての男性に起こること」と言えばこの手の話だ、というフレンズのお約束みたいなものですね。
また、フレンズ4-1 のセリフでは、レイチェルはロスに対して言っているのに、横からチャンドラーが「(そんなことわざわざ言われなくても)わかってたさ!」みたいに言うのが、自虐的なチャンドラーらしいところですよね。

モニカはさらに続けて、「あなたは疲れてたし、お酒もたくさん飲んだし…。心配することないわ」と慰めの言葉をかけていますが、それを聞いた観客は「やっぱり、”できなかった”話をしてるんだ」ということをさらに確信するという流れになります。

「俺は心配なんかしてない」と言って、チャンドラーは、I'm fascinated. と言っています。
be fascinated は「…に魅了される、心を奪われる」というような意味ですね。
心配するよりも却って、興味津々、面白いなと思ったよ、みたいなことでしょう。
そして、それは生物学みたいなものだ、と言っています。
それが面白い理由は…と言って、チャンドラーは、fail という単語を2回使っていますね。
高校時代に I failed biology というのは、fail one's exam 「試験に落ちる」、fail+科目 「科目の試験に落ちる、科目を落とす・落第する」という意味で、「生物学の試験に落ちた、生物学を落とした」ということ。
そして、今夜は…と対比する形で、主語と目的語を入れ替えて、biology failed me と言っています。
この fail の意味は、研究社 新英和中辞典での、以下の意味が近いでしょうか。

fail=(いざという時に)〈人の〉役に立たない、〈人を〉見捨てる
My legs failed me and I fell. 足がきかなくなって倒れた。


LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、以下のフレーズも出ていました。
your courage/nerve fails (you) : if your courage, nerve etc. fails or fails you, you suddenly do not have it when you need it
例) At the last minute his courage failed him.

つまり、「度胸(courage, nerve)などが人を fail するということは、それが必要な時に突然それを持たなくなること(突然それがなくなること)」。
例文は、「最後の瞬間に、彼は度胸が出なかった」。

まさに、研究社の語義の「(いざという時に)〈人の〉役に立たない」という感覚ですね。
このチャンドラーのセリフも、「生物学がいざという時に俺の役に立たなかった、大事な時に生物学の仕組みが機能しなかった」と言っていることになるでしょう。
一般的に、科目の試験を落とす、という意味で、「fail+科目」の形が使われるわけですが、その主語と目的語を入れ替えることで、「科目が人の役に立たない、機能しない」という意味で使っているのが、このセリフの面白さだということですね。


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posted by Rach at 16:07| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月07日

可能だと思った以上に幸せにする フレンズ6-25その6

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モニカを捜しに、自宅に戻って来たチャンドラーは、廊下でゴミを出しに行こうとしているジョーイに会います。
ジョーイは、「モニカはカバンを持って出て行った。両親のところに行った」とチャンドラーに告げます。チャンドラーは口を両手で押さえて、泣きそうな声で、
チャンドラー: I can't believe I ruined this. (俺が今回のことをダメにしたなんて信じられないよ。)
ジョーイ: I am so sorry, man. (ほんとに残念だな。)
(He walks dejectedly into his apartment to find it lit with about a thousand candles and Monica standing in the living room.)
チャンドラーが落胆してアパートメントに入ると、約1000個もの(たくさんの)キャンドルが灯っていること、モニカがリビングに立っているのに気づく。
モニカ: You wanted it to be a surprise. (あなたは驚かせたかったんでしょ。)
(He turns to look at Joey who smiles slyly and closes the door leaving them alone.)
チャンドラーは振り返ってジョーイを見る、ジョーイはいたずらっぽく微笑んで、彼ら二人だけを残してドアを閉める。
チャンドラー: Oh, my God. (なんてことだ。)
(Monica gets down on one knee.)
モニカが、片膝をつく(ひざまづく)。
モニカ: Chandler... In all my life... I never thought I would be so lucky... (Starting to cry) as to... fall in love with my best... my best.... There's a reason why girls don't do this! (チャンドラー… 私の今までの人生の中で…私がそんなにもラッキーだなんて思ったことなかった、[泣き出す] 恋に落ちるほどに(ラッキーだなんて)…私の一番の…一番の…。女の子がこれ(プロポーズ)をしないのには理由があるのよ!)
チャンドラー: Okay! (He joins her on one knee) Okay! Okay! I'll do it. I thought... (Starting to cry, pauses) Wait, I-I can do this. (Pause) I thought that it mattered what I said or where I said it. Then I realized the only thing that matters is that you, (Pause) you make me happier than I ever thought I could be. (Starting to cry again.) And if you let me, I will spend the rest of my life trying to make you feel the same way. (Pause as he gets out the ring.) Monica, will you marry me? (わかった! [チャンドラーは片膝をついて彼女に加わる] わかった、わかった! 俺がするよ。俺は思ってたんだ… [泣きそうになって、少しの間があって] ちょっと待って。俺はこれをちゃんとできるから。[間があって] 俺は、俺が言うこととか、俺がそれをどこで言うかとかが重要なんだと思ってた。そして気付いたんだ。重要なのはこのことだけだって、君が [間があって] 俺が可能だと思っていた幸せ以上に、君が俺を幸せにしてくれるってことがね。[また泣きそうになる] そして、もし君が俺にそうさせてくれるなら、君を俺と同じような気持ちにさせるように残りの人生を過ごすつもりだ。[間があって、チャンドラーは指輪を取り出す] モニカ、俺と結婚してくれる?)
モニカ: Yes. (はい。)
(The crowd goes wild as he puts the ring on her finger. They hug and kiss this time as an engaged couple.)
チャンドラーがモニカの指に指輪をはめた時、聴衆(観客)は熱狂する。二人はハグしてキスする、今回は婚約したカップルとして。
モニカ: I knew you were likely to take a wife! (あなたが妻を迎えるだろうって、私にはわかってたわ!)
(They hug again.)
二人はまたハグをする。

モニカが出て行ったとジョーイから聞いたチャンドラーは、泣きそうな顔をしています。
自分がくだらない計画を立てたせいで、すべてをめちゃくちゃにしてしまったなんて…と後悔していますが、自宅のドアを開けると、そこにはたくさんのキャンドルが灯っていて、出て行ったはずのモニカが立っていました。
You wanted it to be a surprise. は、あなたは、今回のプロポーズを a surprise 「驚き、驚くべきこと」にしたかったんでしょ、と言っている感覚になるでしょう。
あなたが驚かせようとして、いろいろお芝居をして嘘をついてたこと、私にはわかってるわ、と言っているわけですね。

モニカが出て行った、というのは嘘だったとわかったチャンドラーは、「ジョーイ、お前はこのことを知ってたんだな」と言うように、後ろのジョーイを振り返ります。
ト書きにある slyly は、この場合は「いたずらっぽく」という感覚ですね。
sly (発音はスライ)という形容詞は、「ずるい、悪賢い」という意味もありますが、「いたずらな、茶目っ気のある」という意味もあり、今回の場合はジョーイの表情を見てもわかる通り、いたずらっぽく茶目っ気たっぷりに微笑んだ、ということになります。

まだ状況が信じられないチャンドラーは、Oh, my God. としか言えませんが、その後のト書きにある、Monica gets down on one knee. の瞬間は、フレンズの中でも、感動的な名シーンだと言えるでしょう。
このシーンは何度見ても泣けてしまいますね。
アメリカのドラマや映画を見ていると、プロポーズのシーンでは、「男性が片膝をついて、指輪の箱を取り出して、Wiil you marry me? とプロポーズの言葉を述べる」のが、定番となっていますが、今回は驚きのあまり絶句しているチャンドラーに対して、女性であるモニカから、プロポーズの言葉を述べようとしていることが「片膝をつく」という仕草でわかるからです。
特にそれを、「結婚願望が強い、結婚に対する憧れが人一倍強い」モニカがそうやってプロポーズの言葉を言おうとした、ということに、ものすごい意味がある気がしますよね。

モニカとしては、男性から素敵な言葉でプロポーズして欲しい、それを一生の思い出にしたい、という思いが強かったでしょうが、もう二人はダメなのかも…と思った後に、それまでの理不尽な出来事が「モニカを驚かせたい、より感動させたい」というチャンドラーのお芝居だと知ったモニカは、「男性からプロポーズするのが決まり」とかそんなことはもうどうでもいい、と、世間体や決まりみたいなものを超越した次元で、自分の素直な気持ちを伝えようとしていることが、この仕草から伝わってくるように思いました。

モニカが泣きそうになりながら話しているセリフの、as to... の部分。
これは、so 〜 as to... 「…するほど〜である」の意味だと思います。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
so cold/heavy/quick etc. as to... or such an idiot/a disaster etc. as to... :
(formal) used to show the reason that makes something happen or not happen
例) The water was so cold as to make swimming impossible.

つまり、「何かが起こるようにする、または起こらないようにする理由を示す時に使われる」。
例文は、「水泳が不可能なほど、その水は冷たかった」。

ネットスクリプトでは、I would be so lucky. As to... のように2文に分けて書いてありましたが、DVDの英語字幕では、途切れ途切れに言っているこのモニカのセリフは、
...in all my life... I never thought I would be so lucky... as to fall in love with my best... my best...
のように、まるで1つの長い文であるかのように書かれています。
ちなみに、my best の後は、friend 「私の親友」が続くことも想像できますね。
そのことからも、I would be so lucky as to fall in love with my best (friend) 「親友と恋に落ちるほど[恋に落ちるという出来事が起こるほど]私がラッキー(な人間)だなんて(昔は思いもしなかった)」と言っているのだろうと思います。

There's a reason why girls don't do this! を直訳すると、「女の子がこれをしない理由が1つある」。
this とは、今モニカがやっている「プロポーズ(の言葉を述べること)」ですね。
つまり、モニカからプロポーズしようと言葉を言い始めるものの、泣いてしまってうまく話せない、女の子がプロポーズしようとすると、こんな風に泣いてしまって言えなくなるから、だから(一般的に)プロポーズは男性がすることになってるのよ!と言っている感覚になるでしょう。

泣いて続きが言えないモニカに、チャンドラーは、男らしく、Okay! I'll do it. 「わかった。俺が(プロポーズを)やるよ」と言います。
そう言うチャンドラーも、涙ぐんでしまいなかなか言葉が出てきませんが、モニカは、頑張って、と言うように、チャンドラーの手を握っていますね。

チャンドラーは、「(プロポーズの言葉で)何を言うか、(プロポーズの言葉を)どこで言うか、が大事だと思ってたけど」と言いながら、唯一大事なことはこれだって気付いたんだ、と言って、その後、you make me happier than I ever thought I could be と言います。
これは、happy の度合いを比較している文ですね。
自分がこれまでに思っていた、可能な限りの happy というものがあるとして、君は俺を、その思っていた可能な happy よりももっと happy にしてくれる、という意味になります。
君は、俺が自分で想像もできなかったほどの幸せな気持ちにしてくれるんだ、ということですね。

if you let me は、「もし君が俺に(そうすることを)許してくれるなら」。
「君を(俺と)同じような気持ちにしようとトライすることで、俺の残りの人生を過ごしたい」というのは、「俺の残りの人生をずっと、君を(君が思っている以上に)幸せにすることに努力しながら過ごしたい」という感覚ですね。
君が俺をこんなにも幸せにしてくれるから、君にも同じ気持ちになってもらえるように、残りの人生を頑張っていきたいんだ、ということになります。

感動的なセリフを述べた後、Will you marry me? と言って、指輪を差し出すチャンドラー。
モニカも素直に Yes. と答えます。
ト書きにあるように、まさに The crowd goes wild という感じの観客の熱狂ですね。
シーズン最後のエピソードのラストシーンですし、ここまで来るとほぼもう、言うのがわかっているセリフではあるのですが、やはり実際に二人がそう言い合っているのを聞くと、ファンとしては拍手喝采に口笛と、熱狂せざるを得ないでしょう。

I knew you were likely to take a wife! の be likely to は「〜しそうである」という意味ですね。
take a wife は「妻を迎える、妻を娶(めと)る」という感覚で、直訳すると、「あなたが妻を迎えそうだって[迎えるだろうって]私にはわかってたわ」ということですが、これは、チャンドラーがモニカを驚かせようと、ずっと「結婚制度に懐疑的な男」を演じていたことに対して言っているのですね。
「結婚のけの字も考えてないみたいに言ってたけど、私にはこうなるってわかってたわ」みたいな意味になります。

ちなみに、ト書きに as an engaged couple 「婚約したカップルとして」というフレーズが出てきましたが、婚約した(engaged)と言えば…レイチェル役のジェニファー・アニストンが婚約した、というニュースが1ヵ月ほど前にありましたね。
IMDb : Biography for Jennifer Aniston にも、
Became engaged to her boyfriend of 15 months Justin Theroux on his 41st birthday. [August 10, 2012]
つまり、「15カ月交際していた恋人のジャスティン・セローと、彼の41歳の誕生日に婚約した。(2012年8月10日)」ということです。
ジェニファーは1969年生まれで、私と同い年なんですよねぇ〜。
同い年の人間として、そして、フレンズ、レイチェルファンとして、ジェニファーの幸せを心から祈っています! どうかお幸せに!!

チャンドラーとモニカのプロポーズの直後、廊下で待っていたフレンズたち(ロスはいないのですが)がなだれ込んで来て、みんなで二人の婚約を祝うところでエンドクレジットになります。
エンドクレジットは、チャンドラーとモニカが静かにダンスをするシーンで終わります。
フレンズの各シーズンの最後は「次はどうなっちゃうの?!」というクリフハンガーで終わることが多いですが、シーズン6はクリフハンガーではなかった、ということになりますね。
次のシーズン7では、無事、婚約を果たしたチャンドラーとモニカの今後に注目です。

今回のエピソードの「チャンドラーがモニカにプロポーズする」というのは、フレンズ全シーズンの中でも、ビッグイベントであることは間違いないですね。
このブログを書いている私の中では、「チャンドラーとモニカが婚約するシーズン6のラストまで、このブログは続いているだろうか?」というのが常に頭のどこかにありました。
今回無事、シーズン6を終えることができて、とても嬉しく思っています。
今後、どこまで続けられるかはわかりませんが、読者の皆様と一緒に、フレンズの楽しさと面白さをもっともっとシェアしていけたら幸せです。
シーズン7以降も、どうかよろしくお願いします!


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posted by Rach at 19:58| Comment(10) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月05日

赤い糸で結ばれている フレンズ6-25その5

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チャンドラーは、リチャードの家を訪れます。
そこにモニカの痕跡を感じ取って、モニカはどこだ?と問い詰めるチャンドラーに、「モニカはここに来ていたけれど、出て行った」と告げるリチャード。
チャンドラーは、リチャードに怒りをぶつけています。
チャンドラー: It was working till you showed up, you big tree! I mean, this isn't fair. You had your chance with her! You had your chance and you blew it! And this is my chance and I am not going to blow it because we are meant for each other! And this has all just been one stupid mistake! (Sits down heavily.) I was gonna propose tonight. (あんたが現れるまでは、うまくいってたんだよ、この巨木(ノッポ)め! だって、こんなのフェアじゃないよ。あんたはモニカとのチャンスがあったんだ! そのチャンスがあったのに、それをダメにした! そして、これは俺のチャンスなんだ、俺はこのチャンスを逃したりしない、だって俺たちは(お互いのために生まれてきた、赤い糸で結ばれた)最高のパートナーだからだ! ただ、ずっと、バカな間違いが一つあっただけなんだよ! [どっしりと座り込む] 今夜プロポーズする予定だったのに。)
リチャード: You were gonna propose? (Sits on the arm of the couch.) (君はプロポーズするつもりだったのか? [カウチの腕に座る])
チャンドラー: Yeah, I even (pause) got a ring. (Puts in on the center cushion.) Did you get a ring? (そうさ、俺は [間があって] 指輪を買いさえしたんだ[指輪だって買ったんだ]。[センタークッションの上に指輪を置いて] あんたは指輪を買ったか?)
リチャード: No, I don't have a ring! (Pause) You go get her, Chandler. (Pause) And can I give you a piece of advice? If you do get her, don't let her go. Trust me. (いや、僕は指輪は持ってない。[間があって] 彼女を掴まえに行け、チャンドラー。[間があって] そして、1つアドバイスをしてもいいか? 彼女を手に入れたら、彼女を行かせるな[彼女を離すな]。本当だぞ[僕を信じろ]。)
チャンドラー: Y'know, Richard... you are a good guy. (なぁ、リチャード…。あんたはいいやつだな。)
リチャード: I know. (Pause) I hate that! (知ってる[そうだな]。[間があって] それがいやなんだよ[いやになるよ]!)
(Chandler gets up and runs out, but as soon as the door closes behind him he opens it, runs back in, picks up his ring Richard is holding up for him, and runs back out.)
チャンドラーは立ち上がり、走って出て行くが、彼の後ろでドアが閉まるやいなや、チャンドラーはドアを開け、走って戻ってきて、リチャードがチャンドラーのために掲げている指輪を取って、また外に走って行く。

「あんたが現れる前はうまくいってたんだ!」とチャンドラーは言っています。
you big tree は、「この、big tree め」みたいな感じで、背が高くて大柄なリチャードのことを、そう言っているようですね。
少し前のシーンで、モニカがジョーイに、「私と結婚したがってる人もいるんだから。リチャードよ」と言った時に、ジョーイは、自分の頭より少し上の方に手を上げて、「リチャードって、あの背の高いリチャードのことか?」みたいな仕草もしていました(ちなみに、IMDb によると、リチャード役のトム・セレックの身長は、192cm だそうです)。

そして、「こんなのフェアじゃない。あんたはモニカとのチャンスがあったのに、それをダメにしたんだぞ」とも言っています。
blow は自動詞では「風が吹く」「息を吹く」「爆発する」などの意味があり、他動詞だと「〜を吹き飛ばす」「〜を爆破する」という意味がありますね。
そこから、目的語に chance が来た場合には、「(好機・チャンス)を逸する、棒に振る」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
blow : RUIN/LOSE OPPORTUNITY [transitive] (informal) to miss a good opportunity or ruin something, by making a mistake or by being careless
例) We've blown our chance of getting that contract.

つまり、「良い機会(好機)を逃すこと、または何かを台無しにすること、間違いを犯すことや注意不足であることによって」。
例文は、「その契約を取るチャンスを逃してしまった」。

リチャードはチャンスがあったのにそれを逃した、と言った後、「これは俺のチャンスで俺はそれを逃さない、なぜなら…」と続けています。
その理由として言った、we are meant for each other! について。

LAAD では、
be meant for somebody/something : to be intended for a particular person or purpose
例) a book meant for children

つまり、「ある人やある目的のために意図されていること」。例は、「子供向けの本」。

be meant for each other : if two people are meant for each other, they are very good partners for each other
例) Judith and Eric were meant for each other.

つまり、「2人の人間が be meant for each other ということは、その二人はお互いにとって、非常に良いパートナーである、ということ」。
例文は、「ジュディスとエリックは、良いパートナーである」。

Macmillan Dictionary では、
be meant for : if two people are meant for each other, they are suitable for each other as romantic partners
つまり、「2人の人間が be meant for each other ということは、ロマンティックな関係(恋愛関係)のパートナーとして、お互いにふさわしい(適している)ということ」。

mean が「意図する」という意味であることから、それを受動態にした、be meant for は「〜のために意図されている」というような意味になり、「〜のために作られている、〜のために生まれてきた」のような意味にもなるわけです。
そういう意味では、このチャンドラーのセリフは、「俺たち(俺とモニカ)は、お互いのために作られている、お互いのために生まれてきた」のような訳にすることも可能なようですが、
マーク・ピーターセンさんの 続・日本人の英語 (岩波新書) によると、そのような日本語訳ほど大袈裟なニュアンスではないようです。

「続 日本人の英語」の p.8 小指に結んだ赤い糸 という項目で、映画「雨に唄えば」の "You Were Meant For Me" という歌の日本語訳についてのお話をされています。
そのお話の中で、日本人の学生に、実験的に you were meant for me を和訳してもらったところ、
「君は僕のために生まれてきたんだ」
「あなたは私と出会うために現われた」
という訳になった、という話が出てきます。
その訳に対するピーターセンさんの見解は以下のようになっていました。

いずれも、実際問題として、日本の男性が真面目な顔をして言えるような台詞ではなさそうだが、英語の原文は、むしろあっさりした言い方で、和訳に比べたら、はるかに口にしやすい。

つまり、mean の意味を汲んで訳すと、「〜のために生まれてきた、〜と出会うために現われた」というような意味になるけれど、You are meant for me. や、We are meant for each other. というような言い回しそのものは、和訳の日本語から感じられるほどの大仰しさ(おおぎょうしさ)はなく、もっと普通の言い回しだということのようです。

映画「雨に唄えば」の(日本語の)字幕スーパーでは、
「ふたりは結ばれていた、小指を赤い糸で」
と訳されていたそうで、それに対して、ピーターセンさんも、

確かに、"meant for" は、前から縁があったという意味である。

とおっしゃっています。
だとすると、上のチャンドラーのセリフも、「俺たちはお互いのために作られている、生まれてきた」と訳すよりも、「俺たちは赤い糸で結ばれてるんだ」と訳す方がしっくりくる、とピーターセンさんならおっしゃるのかなぁ?と思ったりもします。

説明が長くなりましたが、be meant for の元々のニュアンスはやはり、「〜のために意図されている、作られている」という感覚ではあるけれども、We are meant for each other. のような決まり文句を訳す場合は、上のロングマンやマクミランの語義のように、「お互いにとって非常に良いパートナーである、ふさわしい・適している」のような感覚で訳せばそれで良いのであって、あまり大袈裟に訳すと「訳しすぎ」ということになる、ということかなと思いました。

ちなみに、過去記事、隠れた主語の神が前面に出てくる フレンズ3-16その13 でも、meant について、ピーターセンさんのご意見を参考にして、記事を書いていますので、興味のある方は併せてご覧下さい。

次の、this has all just been... について。
これは、has been という現在完了形になっていますが、シンプルな現在形にすると、This is one stupid mistake. になります。
これ、つまり、今回のことは、1つのバカな間違いだ、と言っているわけですが、それを現在完了形にして、「今回のことは(それが始まった時から今までずっと)すべてただ、1つのバカな間違いであっただけなんだ」と言っている感覚になるでしょう。
ちょっとしたバカな手違い、勘違いで、こんなことになっちゃってるだけなんだ、と言いたいのでしょうね。

チャンドラーは、I was gonna 「俺は〜する予定だった(のに)」を使って、今夜モニカにプロポーズする予定だったことをリチャードに告げます。
それまでは、「僕だってモニカを愛しているんだ」と、簡単には譲る気配のなかったリチャードですが、「今夜プロポーズするつもりだったのに」と言われて、やっと、チャンドラーの真剣さに気づいたようですね。
「俺は指輪を買った。あんたは指輪を買ったか?」とまで言われて、リチャードもようやく身を引く決心が出来たようです。

You go get her. は、Go and get her. または、Go to get her. という意味。
口語的に and や to が省略され、go get の形になり、さらに命令文を強調するニュアンスで、主語の You がついた形ですね。
Can I give you a piece of advice? は「僕が君に一つアドバイスをあげてもいいかな?」。
advice は不可算名詞(Uncountable)なので、一つのアドバイスは、an advice ではなく、a piece of advice になることも、ここで一緒に覚えておきましょう。

If you do get her, don't let her go. の do は、get を強調するニュアンス。
彼女をゲットしたら、掴まえたら、彼女を行かせるな、と言った後、Trust me. と言うのに泣けますね。
彼女を手に入れたのに、僕(リチャード)はそれを手離してしまった、僕はそのことをすごく後悔してるから、君もそうならないように気をつけろよ、彼女を絶対に離すなよ、と彼女に未練がある元カレらしいアドバイスをしているわけですね。
すごく後悔してる元カレの言うことだから、信じろ、絶対間違いないから、みたいな感覚が、Trust me. に出ているように思います。

チャンドラーの本気度を知って、身を引き、さらには激励するようなアドバイスもしたリチャード。
チャンドラーも、彼に対して怒っていたことは忘れ、素直に「あんた、いい人だね」と言っています。
これは、チャンドラーがリチャードの部屋に来た直後に言っていたセリフ、
チャンドラー: Oh, my God. I can't believe this. Y'know, I thought... I thought you were a good guy. (なんてこった。こんなの信じられないよ。俺は…俺はあんたはいい人だと思ってたのに。)
と対照的なセリフですね。
モニカに愛を告白して、モニカを悩ませる結果となった、あんたはいい人だと俺は思っていたのに、そんなことをするなんて…(あんたは何てひどい人間なんだ)、というのが、I thought と言った時の気持ちですね。
それがまたここで、「やっぱり、あんたはいい人だな」と、最初の頃の印象に戻ったということです。
リチャードの I know. I hate that! も面白いですね。
「君の言う通り、僕はいい人間で、それがいやなんだよ」という感覚。
チャンドラーがプロポーズすると聞いて、身を引いた自分のことを、「もっといやな人間になって、モニカを奪っても良かったのに、自分の人の良さがいやになるよ」みたいに自虐的に言っているのですね。

その後、チャンドラーは慌ててモニカを捜しに行きますが、ト書きにあるように、いったんドアが閉まった後、また戻ってきて、部屋の中ではリチャードが手を高く挙げて、指輪の箱を持っています。
モニカに今夜プロポーズするんだ!と決意表明をしたのに、肝心の指輪の箱を忘れて行った、というドジっぷりが、シリアスなシーンの後の笑いとなっていて、何だかフレンズらしくてホッとしますね。


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posted by Rach at 16:56| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年09月03日

蹴られても解決にはならない フレンズ6-25その4

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リチャードがモニカに「結婚して欲しい」と言ったことをジョーイから聞いて、チャンドラーは激怒しています。
チャンドラー: He's not supposed to ask my girlfriend to marry him! I'm supposed to do that! (リチャードは俺の彼女に結婚してくれなんて言っちゃいけないことになってるんだ[言うべきじゃないんだ]! 俺がそれをすることになってるんだよ!)
ジョーイ: I know! (そうさ!)
チャンドラー: Well what-- Y'know what I'm gonna do? I'm gonna go over there and I'm gonna kick his ass! (Pause) Will you help me?! (うーん、俺がどうしたらいいかわかるか? 俺はこれからあそこ(リチャードの家)に行って、リチャードのケツを蹴り飛ばしてやる! [間があって] 俺を助けてくれるよな?)
ジョーイ: Look, Chandler, I don't think us getting our asses kicked is a solution. Okay? Look, just go and find Monica! (なぁ、チャンドラー、俺たちのケツが蹴られてもそれは解決にはならないと思うぞ。だろ? なぁ、とにかく出かけて、モニカを捜すんだ。)
チャンドラー: You're right. (お前が正しいよ。)
ジョーイ: Yeah! (そうだよ!)
チャンドラー: Okay. (Starts running for the bedroom) I'm gonna get the ring! I'm gonna get the ring! (Does so) I'm gonna go find her and (starts running for the door) I'm just going to propose! (よし。[寝室に走って行く] 指輪を取ってくる! 指輪を取ってくる! [チャンドラーはそうする(実際に指輪を取る)] 俺はこれから彼女を捜しに行って、それから [ドアの方に走って行く] ただプロポーズするんだ!)
ジョーイ: Okay. (よし!)
チャンドラー: Okay great. (よし、いいぞ。)
ジョーイ: Dude-dude-dude! (おい、おい、おい!)
チャンドラー: What?! (何だ?)
ジョーイ: Let me know about that coconut phone, it might be good for the boat. (さっきのココナッツ電話のことを俺に教えてくれよな。ボートで役立つかもしれないから。)

チャンドラーは、フレンズ頻出の be supposed to を使って、「リチャードは俺の彼女(モニカ)に結婚を申し込むべきじゃない、俺がそうするべきなんだ」と言っています。
そして、「俺はこれから彼の家に言って、彼のケツを蹴ってやる!」みたいに強気な発言をしていますね。
ですが、少しの沈黙の後、「俺を助けてくれる?」みたいに、すぐ弱気なことを言ってしまうのが、チャンドラーらしいです。

その次のジョーイのセリフですが、これがちょっと面白いですね。
I don't think us getting our asses kicked is a solution. の構造が少しわかりにくいかもしれませんが、構造を単純化すると、I don't think (something) is a solution. と言っていることになります。
something を仮に A とすると、A が解決(解決法、解決策)であるとは思えない、ということなので、A では(A をしたところで)何の解決にもならないぞ、と言っているわけです。

その A が、us getting our asses kicked になるのですが、これは getting... という動名詞で、動名詞の主語が、us という目的格になっているパターンですね。(これまで何度も出てきましたが、口語では、動名詞の主語が目的格になることが多いです)。

この動名詞を文の形にすると、We get our asses kicked. 「俺たちは自分たちのケツを蹴られる」になります。
(ass は卑語なので、「尻」(butt)よりも、「ケツ」と訳す方がしっくりくると思うので、この後も「ケツ」という言葉が頻出しますが、お許し下さい…笑)
自分たちのお尻がキックされる状態を被る(こうむる)という感覚ですね。

この会話をなにげなく聞いていると、「リチャードのケツを蹴り飛ばしてやる」「そんなことしても(リチャードの尻を蹴っても)、何の解決にもならないぞ」と言っているように思ってしまいそうですが、もしそう言いたい場合なら、I don't think (us) kicking his ass is a solution. 「(俺たちが)彼のケツを蹴っても、何の解決にもならない」という文章になるはずです。
実はジョーイが言っているのは、「リチャードのケツを蹴ること」ではなく、「俺たちのケツが蹴られること」であって、それがこのセリフの笑いのポイントになっているわけですね。

「一緒にリチャードのケツを蹴り飛ばしに行ってくれるよな?」と弱気なチャンドラーに、「二人で行ったところで、逆に、頑強で大柄(おおがら)の彼にケツを蹴り飛ばされてしまうのがオチだ」と言っているのでしょう。
喧嘩しに行ったところで、逆に俺たちがヤラれるだけで、それじゃあ何の解決にもならないだろ、と言っているのです。
その後、勝てるはずのないリチャードに挑む前に、まずはモニカを捜せよ、とジョーイにしては冷静なアドバイスをしていることになるわけですね。

このジョーイのセリフの「ひねり」みたいなものは、聞き流してしまいがちな部分ですが、シットコム特有の「ラフトラック(laugh track、笑い声)」を意識していると、気付ける部分のように思います。
チャンドラーが、Will you help me? と情けないことを言った時にも、観客のラフトラックが入っていましたが、ジョーイが ... is a solution. と言った後には、それと同じ、もしくはそれを上回るようなラフトラックが入っていました。
「リチャードのケツを蹴りに行くぞ」「そんなことしても何の解決にもならないと思うぞ」だとすると、結構、常識的な当たり前の指摘で、そこで笑い声が入るのは違和感がありますよね。
この笑い声は、「(逆に)俺たちのケツが蹴られることになる」ことを当然のように想定しているジョーイのセリフに笑ってしまう、ということで、そのセリフの意味に気づき、ネイティブと同じように、このタイミングで笑うことができる、ということが、英語力を測る良いバロメーターになると言えるでしょう。

その後、モニカを捜しに行くことを決めたチャンドラーは、指輪を持って出掛けようとします。
それを引き留めるジョーイ。
最後に何か、良いアドバイスでもするのかと思いきや、Let me know about that coconut phone と言っているのに笑ってしまいますね。
前回の記事、教授とココナッツ電話を作ってた フレンズ6-25その3 で解説させていただいたように、船長のかっこうをしているジョーイを見て、チャンドラーがココナッツ電話のジョークを言ったのですが、ジョーイはそのことをまだ覚えていて、ボートで役立つかもしれないから、つまり、無人島で遭難して連絡が取れない時に、それが作れたりすると便利だから、みたいなことを言って、後で詳しくココナッツ電話のこと、教えてくれよな、と言っているのですね。
そのジョークを言った後、大変な事態になってしまって、チャンドラー本人もそんなジョークを言ったことを忘れているだろうというこの時に、「ここでそれを持ち出す?」的な面白さが、ジョーイらしくて楽しいです。


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posted by Rach at 18:30| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする