2007年02月06日

フレンズ3-1その3

チャンドラーとジョーイの部屋にジャニスが歌いながら入ってきます。
ジャニス: Monica and Rachel had syrup. Now I can get my man to cheer up. (♪モニカとレイチェルはシロップを持ってた、(だから)今、私は恋人を元気にすることができる♪)
チャンドラー: Hey, you know what, here's a thought. Why don't you stay home from work today and just hang out with me? (ねぇ、ちょっと考えたんだけど。今日は仕事には行かずにここにいて、ただ俺と過ごすことにしたらどう?)
ジャニス: Oh, I wish. Look, honey, you have that report to finish, and I gotta go see my lawyer. (あぁ、そうできたらいいんだけど。ねぇ、ハニー、あなたは終わらせないといけないレポートがあるし、私は弁護士に会わないといけないのよ。)
チャンドラー: I can not believe that I am going out with someone that is getting divorced. I'm such a grownup. (離婚しようとしている人と付き合っているなんて信じられないよ。俺も大人になったな。)
ジャニス: I-I-I gotta go, I gotta go. Okay, not without a kiss. (行かなくちゃ、行かなくちゃ。キスをしないと行けないわ。)
チャンドラー: Well, maybe I won't kiss you, and then you'll have to stay. (じゃあ、キスしないぞ。そしたら、ここに留まらないといけなくなるだろ。)
ジョーイ: Kiss her. Kiss her! (キスしろ、キスしろ!)

syrup 「シロップ」と cheer up 「元気になる」の up が韻を踏んでいるようです。
パンケーキにかけるシロップをモニカとレイチェルから借りてきて、これでおいしいパンケーキが食べられる、そしてチャンドラーは元気が出る、ということですね。
stay home from work は「仕事を休んで家にいる」。
この from は出発点を表す「…から」ではなくて、隔たり・不在を表す「…から離れて」という意味ですね。
away from home 「家に不在で」、His house is 5 miles from here. 「彼の家はここから5マイルです[離れています]。」 と同じです。
is getting divorced は、現在進行形で「近い将来の予定」を表しています。
ジャニスの夫は秘書と浮気をし、ジャニスは弁護士に会う、と言っているので、離婚話がかなり進んでおり、近々離婚することになっている、ということでしょうね。
女性関係が苦手なチャンドラーなのに、既婚者と恋愛しているなんてすごい、俺って大人じゃん、と自画自賛しています。

ジャニスは "not without a kiss" と言っていますね。
ただ "Without a kiss" なら「キスはなし、でね。キスはしないでね。」ということになるのかもしれませんが、ここではその前に not がついているので、"I'm not going [I will not go] without a kiss." という感じでしょうか。
「キスなしでは、出かけないわよ。これからでかけるんだから、さよならのキスをしてよ。」と言っているのですね。
さらにチャンドラーの返事が輪をかけて「あま〜い」のですが、「じゃあ、キスをしなかったら出かけないんだな、キスをしないで君をここに引き止めておくぞ。」というセリフなんですよねぇ。
聞いているだけでも他人にはかなり恥ずかしいセリフで、また相手が今までいろいろと腐れ縁のあったジャニスなので、ジョーイとしては我慢ならないのでしょう。
「もうこんなの聞いてらんないよ、さっさとキスして、とっとと出て行ってくれ!」と言わんばかりに、Kiss her! と言うジョーイが面白いです。
この "Kiss her!" のスクリプトのト書きには、under his breath と書いてあります。
「声をひそめて」ということですね。


ジャニス: I'll see you later, sweetie. Bye, Joey. (じゃあね、ハニー。さよなら、ジョーイ。)
ジョーイ: Bye-bye, Janice... So when are you dumping her? (バイバイ、ジャニス…[チャンドラーに向かって]それで、いつ彼女と別れるつもりだ?)
チャンドラー: Nope. Not this time. (いや。今回は別れない。)
ジョーイ: Come on, quit yankin' me. (うそだろう? 俺をからかうのはやめろよ。)
チャンドラー: I'm not yanking you. (からかってなんかいないよ。)
ジョーイ: This is Janice. (ジャニスだぞ。)
チャンドラー: Yeah, I know. She makes me happy. (あぁ、わかってるよ。彼女は俺を幸せにしてくれるんだ。)
ジョーイ: Okay. All right. You look me in the eye and tell me, without blinking, that you're not breaking up with her. No blinking. (そうか、わかった。俺の目を見て言うんだ。まばたきなしで。「彼女とは別れない」って。まばたきなしで、だぞ。)
ジョーイの目をじーっと見て、
チャンドラー: I'm not breaking up with her! (俺は彼女とは別れない!)

ラブラブな二人に対して、「いつ別れるの?」とはヒドイ感じもしますが、かつての二人をいやというほど見ているジョーイがそう思うのも無理はないですかね。
yank は「…をぐいと引く、引っ張る」という意味。
Merriam-Webster Online Dictionary には、
yank: to pull or extract with a quick vigorous movement
つまり、「素早く勢いある動きで引っ張る、または引き抜くこと」なのですが、ここでの意味は「騙す、からかう」みたいな感じなのでしょうか?
ジョーイはチャンドラーの言葉が信じられず、子供が「命賭けるか?」みたいなノリで、まっすぐ目を見て別れないと宣言してみろ、というのですが、それにちゃんと答えるチャンドラーです。
女性関係には常に自信のないチャンドラーがここまで言うとは…さすがのジョーイもびっくりでしょうね。そしてチャンドラー本人もびっくりしているのかもしれません。
妙な沈黙が流れた後、チャンドラーの顔にフッと息を吹きかけるジョーイ。
何かしないではいられないほど、チャンドラーのリアクションが意外だった、ということですね。

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posted by Rach at 09:17| Comment(8) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
思いつきで書いてるだけなので自信ないですけど、yankの意味は日本語にある「足を引っ張る」と同じような意味ではないでしょうか。
つまり「俺に迷惑かけないでくれよ」という感じで・・・
「足を引っ張る」という表現は日本語なので英語にそういう表現の仕方がなければおかしいと思いますけど、チャンドラーや観客の反応を見ると、「からかう」だと弱い感じがしたので、一応可能性の一つとして・・・
Posted by corporal at 2008年08月16日 14:55
corporalさんへ
コメントありがとうございます。

yank のニュアンスは難しいですね。私の印象では、チャンドラーの「別れない」というセリフが、ジョーイには本気には思えなくて、「冗談を言うのはやめろよ。嘘を言うのはやめろよ。」みたいなニュアンスなのかな、と思いました。

そのセリフについて文句を言っているのではなくて、「付き合い続ける」ということに対して苦言を呈しているのであれば、「迷惑をかける」「足を引っ張る」というニュアンスも考えられるかもしれませんね。「ジャニスと付き合うなんて言って、俺を困らせるのはやめてくれよ。」という感じかもしれません。

英英辞典にある yank の意味を考えると、チャンドラーがジョーイに対して、何か困ったことをしている、というのは間違いないようです。その「ぐいと引っ張る」という感覚が実際には何を示唆しているのか、難しいなと思います。「からかう」では確かに弱いかもしれません。

ちなみに、英語では、pull someone's leg という表現がありますが、これは日本語の「足を引っ張る」とは異なり、「人をからかう、かつぐ、だます」という意味ですね。「足を引っ張る」という行為の意味が日本語と英語で異なるのが興味深いです。

一緒に考えて下さってありがとうございました。
Posted by Rach at 2008年08月18日 07:18
こんにちは。シリーズ1から、勉強させて頂いています。
yankの部分の会話ですが、以下のように解釈しました。

ジョーイ:Come on, quit yankin' me.(からかうなよ。※Rachさんの解釈と同じ)
チャンドラー: I'm not yanking you. (お前のを、オレが抜いたりするかよ。)

※もしくは、「お前を"オカズ"になんかしてないよ。」という解釈もありうるかも。
この場合は、自分が"抜く"形になりますが(下品で恐縮です…)。
なお、yankにそのような意味があることは、英辞郎で確認できます。

脚本的に、ジョーイのセリフは、チャンドラーの下ネタを引き出すための「前フリ」みたいなものだと感じました。だから若干不自然な言い方になり、その時点で気づいた観客が笑っているのではないでしょうか。
Posted by Mark at 2009年06月24日 03:58
Markさんへ
一緒に解釈を考えていただき、ありがとうございます。

yank にはそれ系(笑)の卑語の意味があるようですね。ロングマンには載っていませんでしたが、確かに英辞郎に masturbate の意味が載っています。
そういう卑語の意味でも、yank someone のように他動詞として目的語を取ることができるのかどうか?がよくわからないのですが、「誰かを対象にして、そういう行為をする」という意味でも使えるとすると、yank という言葉を使ったジョーイに対して、下ネタで返した、という可能性も出てきますね。

>脚本的に、ジョーイのセリフは、チャンドラーの下ネタを引き出すための「前フリ」みたいなものだと感じました。
という解釈は興味深いです。
英英辞典ではもっぱら「強く引っ張る」という意味しか載っていないのですが、yank という言葉でどれだけの人がそういう卑語をイメージするか?にもよるかもしれませんね。

Quit yankin' me. と言われて、I'm not yanking you. とまた同じ yank という単語を使って返したことから、それがダブルミーニングである可能性は高いです。ネットスクリプトでは、I'm not *yanking* you. とアスタリスクでくくっているので、その yank という言葉に何らかの意味があると考えるのが自然かもしれませんね。

また、「yank=からかう(に近い意味)」のまま解釈すると、「俺を yank するのをやめろよ」というジョーイに、「やめろと言われても、そもそも俺はお前を yank しちゃあいない。」という風なやり取りで、ジャニスと真剣に付き合うなんて全くあり得ないと思っているジョーイと、今度ばかりは真剣に付き合うつもりのチャンドラーとの温度差が出たセリフなのかな、とも思います。

フレンズで yank という単語が登場するのは、この 3-1 の他に、8-20 でも出てくるようですが、そこでは「…を強く引っ張る」という意味で使われているようです。ちょっと下品な卑語も想像されるような yank という言葉を使って「からかうなよ」的なことを言ったジョーイに対して、yank してるなんてとんでもない、俺は大真面目だよ、と言い返している、yank だなんて失敬な、みたいな意味である可能性もあるような…。今は正直よくわかりません。
難しい部分ですが、いろいろな可能性を考えると面白いですね。

ご意見ありがとうございました。
Posted by Rach at 2009年06月26日 12:29
こんにちは。
いつも勉強させてもらっています。

quit yanking me.ですが、ヤフーアンサー(アメリカ版の知恵袋?)に回答がありました。

http://answers.yahoo.com/question/index?qid=20100214133920AAYztaL

rachさんの解釈であっている気がしますね^^
Posted by muramasa at 2011年09月21日 18:54
muramasaさんへ
温かいお言葉、ありがとうございます。

まさに、その言葉についての Yahoo! Answers が存在したんですね。
その回答のニュアンスだと、「困らせる」「からかう」のような感覚のようですね。
意味としては、やはりそれが流れ的に自然な気もしますしね。
そういう意味の「もう少し語気が荒く、激しい感じ」が yank なのかもしれません。

一緒に考えていただき、ありがとうございました!
Posted by Rach at 2011年09月22日 15:27
いつもお世話になっています。
音声、サブタイトルも意味がかけ離れている
ようです。

02:22 Yeah, like there’s any way
I could ever so that.

解説をお願いします。
Posted by Tamashiro-OB at 2019年06月10日 16:57
Tamashiro-OBさんへ
ご質問ありがとうございます。

"Yeah, like there's any way I could ever do that." を直訳すると、「あぁ、俺がそんなことをできる方法が何かあるみたいに」のような感じになるでしょうか。
過去のフレンズにも何回か出てきている、
Like+文=まるで〜みたいに言うけど(そんなわけないじゃないか)
というニュアンスに該当すると思います。

「パンケーキ焼いたの?」と驚くジョーイに対して「俺がそんなことできるわけないじゃん、するわけないじゃん。そんなわけあるか」みたいに答えているセリフで、その後、ジャニスが入ってきて、これはジャニスが作ったんだとわかる流れになるわけですね。
Posted by Rach at 2019年06月10日 21:39
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