2018年10月30日

ガムを膨らませるのはいたずらっ子っぽい フレンズ1-7改その22

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16:39
[SCENE: Cuts back to the bank. Chandler is trying to think of something to do to impress Jill.]
シーン:銀行に画面がカット。チャンドラーはジルに印象づけるためにすべきことを考えようとしている。
チャンドラー: (Voice over.) All right. Okay. What next? Blow a bubble. A bubble's good. It's got a boyish charm. It's impish. (He goes to blow a bubble.) Here we go. (But he ends up spitting the gum on to the counter.) Nice going, imp! Okay, okay. It's, It's okay. All I need to do is reach over and put it back in my mouth. (Chandler reaches over the counter, to retrieve the gum, but in order not to attract Jill's attention to what he is doing, he doesn't look at what his hand is doing. He picks up some gum off the counter, and puts it discreetly into his mouth.) Good save! We're back on track and I'm.... [He chews the gum a bit.] chewing some else's gum. This is not my gum! Oh, my God! Oh, my God! And now you're choking. Caac. (Chandler starts to choke.) Caac. ([ボイスオーバー]よし、オッケー。次は何だ? (ガムの)バブルを膨らませろ。バブルはいいぞ。少年っぽい魅力がある。いたずらっ子っぽいぞ。[チャンドラーはガムのバブルを膨らませる]。よしいいぞ。[しかし彼は結局、ガムをカウンターの上に(ペッと)吐き出してしまう]うまいぞ、このいたずら小僧! よし、大丈夫だ。手を伸ばしてそのガムを口に戻せばいいだけだ。[チャンドラーはカウンターに手を伸ばす、ガムを回収するために、しかし自分がやっていることがジルの興味を引かないように、自分の手がやっていることを彼は見ない。彼はカウンターからあるガムを拾い上げ、慎重に自分の口に戻す。] いいセーブだ[うまくセーブした]! 彼女と俺は元に戻って、そして俺は… [彼はそのガムを少し噛む] 誰か他の人のガムを噛んでる。これは俺のガムじゃない! なんてこった! なんてこった! そして今、お前は窒息しかかってるぞ。カーッ(のどを詰まらせた音)。[チャンドラーは窒息しそうになり始める]カーッ。)
ジル: Are you alright? (大丈夫?)
[Chandler makes a OK gesture with his hands and smiles, while choking.]
チャンドラーは窒息している間も、自分の手でOKのジェスチャーをして微笑む。
ジル: Oh my God, you're choking! (Jill gets up quickly and goes over to Chandler. She then performs the Heimlich manoeuvre and the gum shoots out of his mouth.) (なんてこと、あなた、窒息しかかってるわよ! [ジルは素早く立ち上がりチャンドラーのところに行く。それからジルがハイムリック法を行うと、ガムはチャンドラーの口から飛び出る。]
チャンドラー: Err...Hurr. (あー、はーぁ。)
ジル: Better? (気分ましになった?)
チャンドラー: Eh hur, yes, (Chandler clears his throat.) Thank you, that was, that was.... (あぁ、そうだね。[チャンドラーは咳ばらいをする] ありがとう、今のは、今のは…)
ジル: Perfection? (完璧だった?)

blow a bubble は「バブルガム・風船ガムをふくらませる」。blow は「息を吹く」「息を吹いて(ものを)作る」という感覚。
boyish charm は「少年ぽい・少年のような魅力」。
impish は「いたずらっ子のような、いたずらっぽい、わんぱくな、お茶目な」。
少し後のセリフで出てきますが、imp は名詞で「いたずらっ子、いたずら小僧、わんぱく小僧」そして「鬼の子、小鬼」という意味もあります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で、imp と impish は以下のように説明されています。

imp : [old-fashioned]
1. a child who behaves badly, but in a way that is funny
2. a small creature in stories, who has magic powers and behaves very badly

impish : tending to behave badly and showing a lack of respect or seriousness, but in a way that is amusing rather than annoying (SYN: mischievous)


つまり、imp の方は、1.は「(行儀が)悪い、だがある意味面白い振る舞いをする子供」。2. は「物語の生き物で、魔力を持ち、非常に悪い振る舞いをするもの」。

impish は、「悪い振る舞いをする傾向にあり、敬意や真面目さがないことを示す、しかし、うっとうしいよりも楽しいやり方で」。

ただただ悪いのではなく、悪い中にも面白さ、楽しさがあるということで、「困ったちゃんだけど、思わず笑ってしまう」的な「いたずらっ子のような」という訳語がふさわしいわけですね。
ちなみに imp という単語ですが、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」のメインキャラクターの一人、ピーター・ディンクレイジ演じるティリオン・ラニスターのあだ名が Imp です。背の低いティリオンのことを「小鬼」という意味で imp と呼んでいることになります。

ガムを膨らまそうとして、そのガムが口から飛んで行き、カウンターに落ちてしまいます。
Nice going. は「いいぞ、うまいぞ」という感覚ですが、これは自分自身に対する皮肉ですね。
ガムを膨らませて少年っぽい可愛さを見せようとしたのに失敗してしまったことを、「ダメじゃん、俺」ではなく、「やるじゃないか、この小僧」と自分で言った感じですね。
先に自分で impish 「imp っぽい」という形容詞を使っていたことから、呼びかけ語で imp を使ったことになります。
All I need to do is (do) を直訳すると「俺がする必要があることの全ては〜することである」ということなので、つまりは「〜すればいいだけだ」という意味になります。
reach over は「手を伸ばす」、put it back in my mouth は「そのガムを口に戻す」。

be back on track は「(元の)軌道に戻る、復活する」で、ジルにガムを噛んでいるところを見せようとして、間違ってガムを飛ばしてしまったけれど、ジルが見ていない間に口に戻してしまえば何事もなかったかのようにまた最初の状態に戻ることができる、ということを言っているのですね。
chew は「チューインガム(チューイング・ガム)」のチューで「噛む(かむ)」という意味。

過去記事、それがなくても生きられる フレンズ1-3改その29 で、フレンズたちの癖の話になった時に、
ジョーイ: Well, is it, like, a little annoying? Or is it like when Phoebe chews her hair? (ふーん、それってちょっとうっとうしいの? それともフィービーが自分の髪の毛を噛む時みたいな感じ(のうっとうしさ)なの?)
というセリフがありましたが、そのように「髪の毛を噛む」という時にも chew という単語が使われていました。
口に戻したのが別人のガムだったとわかり(ひぇ〜)、それでパニックになったチャンドラーはそのガムが喉に詰まったらしく、窒息しかかって「カーッ」という声を出しています。
choke は「窒息する、息が詰まる」。
And now you're choking. と主語が I ではなく you になっているのは、「今、お前、窒息しかかってるぞ」と客観的な視線で自分に言っているような感覚でしょうね。

それまでは一定の心理的距離を取って接していたジルも、窒息しかかっているチャンドラーを見て、さすがに心配した様子で「大丈夫?」と言うのですが、それに対して窒息で苦しそうな顔をしながらも両手の指で丸を作って微笑もうとしているチャンドラーに笑ってしまいます。
ジルもチャンドラーが窒息しかかっているとわかり、すばやくチャンドラーのところに行き、背後からチャンドラーの腹部を両手でぐっと押すような動作をしています。
この動きについては、ネットスクリプトのト書きでは、the Hiemlich manoeuvre と書かれていたのですが、この名前で検索すると、「ハイムリック法」という言葉が表示され、このやり方を教える動画もヒットしました。
正しい綴りは Heimlich maneuver/manoeuvre になるようです(上の会話では正しい綴りに訂正してあります)。
manoeuvre は maneuver のことで「処置、工作、操縦」などの意味がありますが、ここでは「技術を必要とする巧みな処置」のような感覚が近いでしょうか。

詳しい内容は以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: ハイムリック法

上のウィキペディアの説明を一部引用させていただきますと、

外因性異物によって窒息しかけた患者を救命する応急処置
救助者は、患者の後ろに立って手を腹部に当て、突き上げるようにし横隔膜を圧迫する。


とのことです。
今回、窒息したチャンドラーを救うためにジルは上に書かれた通りの動きをしていましたから、ハイムリック法を実施した、という表現は的確ですね。

ガムは無事にチャンドラーの口から飛び出て、彼は窒息から救われることになります。
ジルが「大丈夫?」と聞くと、「ありがとう、今のは、今のは…」とチャンドラーが言おうとするのですが、そこでジルが Perfection? と聞き返すのは面白くてしゃれていますね。

過去記事、こんな風にも言えたのに…自己嫌悪 フレンズ1-7改その18 で、いったん断ったガムを再度もらおうかな、と言う時に、Gum would be perfection. と妙に大袈裟な言い方をしてしまい、自己嫌悪に陥っていたチャンドラーでしたが、ジルはちゃんとその時のセリフを覚えていて、「今のガムは完璧だった?」みたいに返したことになります。
そんな風に言われてしまったら立つ瀬がないよ、みたいな顔をしているチャンドラーも微笑ましいですね。


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posted by Rach at 17:13| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
Rachさん、おはようございます。

>ジル: Perfection? (完璧だった?)

このオチに繋ぐための脚本やないか、とは思いながらこの場面を見るたびに「気づくの今か?口に入れるまでもなく指で触れた瞬間にわかるやろ?」と突っ込みたくなる、ガムを膨らませることが出来なくて吐き出しまったりする、どんくささ満開のチャンドラーが楽しいです。助かってよかった。(^^)

ところでこの Pergection? ですが私はジルがチャンドラーに施した「ハイムリック法」のことを指しているのかなと思ったのですが、 Rachさんの解説でチャンドラーの発言「Gum would be perfection.」との繋がりを考えると「今のガムは完璧だった?」の方が自然かも。

さらに「見知らぬ人の噛んだ中古のガムは完璧でしたか?」というちょっと皮肉な発言には、チャンドラーも「参りました」と言わざるを得ない形で、うまく収まるなぁと思いました。

では。
Posted by aki-kiyo at 2018年11月01日 10:26
こんにちは。コメントありがとうございます。
確かに、口に入れてしばらくしてから気づく、のはかなり無理があるものの、両手でオッケーマークを作っているチャンドラーの顔を見たら、その無理な設定も許せてしまう感じです^^

That was perfection. を解釈する際、Gum would be perfection. というセリフとの繋がりが連想されるので、「今のガムは」と訳したのですが、ジルから Perfection? という単語が出てくるまでは「ありがとう、今のは、、」と言っているだけなので、チャンドラーとしてはジルが施してくれたハイムリック法のことを言おうとしていたと考える方が自然ですね。
答えたジルの気持ちとしては「今のハイムリック法は”完璧”だったと言ってくれるの?」ということだったか、もしくは「今のガムこそまさに”完璧”よね」という皮肉だったか、のどちらとも取れる気がします。
that was... 「今のは〜だった」という that を受けての発言なので、特に「どれ」を指すかはあまり重要ではなく、「今のは”完璧”だった」のように、何かを形容する言葉として perfection という単語を出してきたという、忘れた頃に少し前のネタを使うという面白さだと解釈した方がいいのかもしれませんね。

チャンドラーが真剣にお礼を言おうとしていたところ、いたずらっぽく「これぞまさに”完璧”ってやつ?」みたいに返され(いつもは笑いを取る側の)チャンドラーがこりゃやられた、みたいになっていて、それをきっかけにぎくしゃくしていた二人の距離が縮まることにもなり、実に微笑ましいやりとりだったと思います。

楽しいコメントありがとうございました(^^)
Posted by Rach at 2018年11月02日 16:39
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