2010年07月02日

結婚式の誓いの言葉 フレンズ4-24その6

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ロスとエミリーの結婚式が始まりました。
牧師(Minister): Friends, family, we are gathered to celebrate here today the joyous union of Ross and Emily. May the happiness we share with them today be with them always. Now, Emily, repeat after me. I, Emily... (友人、家族、我々は、今日ここで、ロスとエミリーの喜びに満ちた婚姻を祝うために集いました。今日我々が彼らと分かち合う幸せが常に彼らと共にありますように。さあ、エミリー、私に続けて。私、エミリーは…)
エミリー: I, Emily... (私、エミリーは…)
牧師: ...take thee, Ross... (汝、ロスを…)
エミリー: ...take thee, Ross... (汝、ロスを…)
牧師: ...as my lawfully wedded husband in sickness and in health till death parts us. (法に定めた夫とします。病める時も健やかなる時も、死が私たち(二人)を分かつまで。)
エミリー: As my lawfully wedded husband, in sickness and in health, until death parts us. (法に定めた夫とします。病める時も健やかなる時も、死が私たち(二人)を分かつまで。)
牧師: Now, Ross. Repeat after me. I, Ross... (さあ、ロス。私に続けて。私、ロスは…)
ロス: I, Ross... (私、ロスは…)
牧師: ...take thee, Emily... (汝、エミリーを…)
ロス: Take thee, Rachel-- (All his friends have looks of shock on their faces. He realises what he said. Quickly he says.) Emily! (A slight chuckle.) Emily. (汝、レイチェルを…。[フレンズは全員、顔に驚きの表情を浮かべる。ロスは自分が言ったことに気づく。急いでロスは言う] エミリー! [声に出さすにクスっと笑い] エミリー。]
牧師: (Looking and feeling awkward. he looks towards Emily.) Uhh...Shall I go on? ([決まり悪い様子で、牧師はエミリーの方を向いて] あー、続けましょうか?)

牧師さんのセリフは、結婚式での決まり文句ですね。
日本人がチャペルで結婚式をする場合にも、牧師さんが同じようなことをおっしゃいますが、その日本語バージョンは、英語でのお決まりの言葉をほぼ直訳したものなのだ、ということが、今回の英語のセリフを見ているとよくわかります。

May the happiness we share with them today be with them always. は、「願わくは…ならんことを、どうか…でありますように」というような「願望」を表す 「May+S+V」の形ですね。
修飾語を取り払うと、May the happiness be with them. になります。
つまり、「幸せが彼ら(ロスとエミリー)と共にあらんことを!」という願望で、その幸せとは、「今日(ここで)我々参加者が彼ら二人と分かち合った(この)幸せ」になります。
today (今日)の幸せが、always (今日だけではなく、これからずっと、いつも)、二人と共にありますように、という感覚ですね。

I, Emily は、「私、エミリーは」という感じの同格のニュアンス。
thee は you の古語で、「汝を」という意味。
ですから、thee, Ross も「汝、ロスを」という同格になります。
普段は使わないような古語の thee を使っているので、日本語の誓いの言葉も「汝」という古い言葉を用いているのですね。

take someone as a husband は「(人)と夫とする」なので、take someon as my lawfully wedded husband は「(人)を法に定められた夫とする」になります。
wed は wedding 「結婚」という言葉からわかる通り「結婚する」という意味ですが、marry に比べると文語なので、このような儀式、または形式的な場面で使われることが多いですね。

「病める時も健やかなる時も」「死が(私たち)二人を分かつまで」というのも決まり文句。
「病める時も…」などを前に回して訳した方が日本語っぽくなりますが、今回は英語の流れに合わせて、前から順番に訳してみました。

part はここでは他動詞で「…を分ける、引き離す」という意味。
研究社 新英和中辞典では、「離す、分ける」という意味の類語(seperate, divide, sever)との比較の中で、
part は密接な関係にある人やものを分け離す
というように説明されています。

今度はロスが同じように誓いの言葉を述べるのですが、なんと、「エミリー」と言うべきところを「レイチェル」と言ってしまいます。
「レイチェル」と言った瞬間、フレンズたちの驚いた顔が次々と映ります。
フィービーは、エミリーのママと携帯で電話していた流れで、NYにいながら、そのまま音声だけを聞いていたのですが、そのお陰で、このセリフをフィービーも聞くことになる、という仕組みも面白いなと思いました。
やっぱりこの決定的なセリフは、フレンズ全員が聞かないとだめなんだ、みたいな「お約束」ですね。

言った後で、ロスは名前を言い間違えたことに気づきます。
慌ててエミリーと言い直し、あまりのことに笑うしかない、という感じのロス。
何とも言えない沈黙が流れ、牧師さんがエミリーに、このまま式を続けてもいいかどうかを尋ねるシーンでシーズン4は終わります。
誰もが「このまま、どうなっちゃうの?」と思わずにはいられない、典型的なクリフハンガーです。
(クリフハンガーについては、フレンズ1-24その6 で説明しています)

今回のエピソードでは、チャンドラーとモニカに関する大きな動きがあったのですが、サブカルネタ系の解説を優先させた結果、その部分は解説記事では取り上げることができませんでした。すみません。


今日でシーズン4の解説はおしまいです。
来週からは「シーズン5」に突入します。
「ブログ5周年」の記事で、ブログ閉鎖も考えていることをお伝えしたりもしましたが、皆様からの応援クリック、激励のお言葉のお陰で、今は新たな気持ちでシーズン5に入ることができます。
本当にありがとうございました!
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posted by Rach at 10:46| Comment(8) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月30日

ドイツ語を話してるだろう フレンズ4-24その5

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(Ross and Emily's parents are seated at a table. Ross is between them and they are discussing the wedding bill.)
ロスとエミリーの両親はテーブルに座っている。ロスは彼らの間にいて、両親たちは、結婚式の費用を議論している。
ゲラーパパ: There's no way in hell I'm paying for it. (私がそれに金を払うなんて、絶対にありえない。)
ロス: Look, we're down to just one point. Could we please maybe just settle it after the wedding? (ねぇ、(僕たちには)ちょうど1点だけしか残ってない。多分、お願いだから、結婚式の後にそれを解決することにしようよ。)
ゲラーパパ: All right, fine, but I just want to say I'm not paying for your wine cellar, you thieving, would-be-speaking-German-if-it-weren't-for-us, cheap little man! (Emily's stepmum looks shocked. Jack and Judy get up and leave.) (わかったよ、いいさ。でもな、ただこれだけは言わせてくれ。私は君のワインセラー代は支払わない。この、盗人(ぬすっと)で、我々がいなければドイツ語をしゃべってるだろう、ケチな小男め! [エミリーの継母はショックを受けた様子。ジャックとジュディは立ち上がって去る])

フレンズ4-24その1 で、結婚式にかかる費用を喜んで分担させてもらう、とゲラー夫妻(ロスの両親)は言っていたのですが、請求書を見ると、何じゃこりゃ?というような、およそ結婚式とは関係なさそうな費用がたくさん盛り込まれていたので、ゲラー夫妻は怒っています。
これまでに何度かモメた後、まだその口論は続いています。

「There's no way+文」は、「…はとうていできない、決してできない」という意味。
ここでは、強意語の in hell もついて、it に私がお金を払うなんて、絶対にできない、だめだ、と言っています。
ここでは、it がまだ何を指すかはわかりませんが、it という単数形なので、何かしら払いたくない項目が1つある、ということですね。

We're down to just one point. の be down to は「…しか残っていない」。
英辞郎では、
down to=《be 〜》〜しか残っていない
例) I'm down to my last cigarette. たばこが最後の1本になってしまった。


LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be down to something : to have only a small amount left from a larger amount
例) Now we're down to our last eight dollars.

つまり、「より大きな量から小さな量が残った状態になること」
例文は、「今、(我々には)最後の8ドルしか残っていない。」

つまり、ロスのセリフは、「僕たちには、払う払わないでモメる問題はもう1点しか残っていない。1点だけになった。1点に絞られた」という意味でしょう。
もう1点だけになったんだから、今ここでモメるのはもうやめて、その決着は結婚式が終わった後にしようよ、そうしてくれない?みたいに言っているのですね。
音声では、after が強調されていますが、それは、「何で今モメるんだ、どうして”後”にしてくれないんだよ!」と言いたいわけです。

息子のロスにそう言われて、今すぐの決着は保留にするパパ。
ですが、捨てゼリフのように、これだけは言わせてくれ、と言っています。
ここでは it ではなく、I'm not paying for your wine cellar. とはっきり言っていて、パパが it と呼んでいたものは、「ワインセラー、地下のワイン貯蔵室」だったことがここで初めて観客にわかる、という仕組みです。
結婚式の費用の中に、「家に新しくワインセラーを作る」費用を盛り込まれたら、そりゃ誰でも怒るわな、と思えて、エミリーの親がどれだけ厚かましい人かがわかる、という流れですね。

you thieving, would-be-speaking-German-if-it-weren't-for-us, cheap little man! というのは、エミリーのパパを非難している言葉。
thieving は名詞で「盗み、泥棒」、形容詞で「泥棒の」。ここでは、最後の man にかかっている形容詞だということになるでしょう。
cheap は「けちな、せこい」ですね。

明らかに相手を罵倒するセリフだと思われるのですが、would-be-speaking-German-if-it-weren't-for-us とは何か?
man という名詞を形容するために、ハイフンでつなげて形容詞化しているわけですが、すると、元の文章は、... would be speaking German, if it weren't for us. という仮定法の文章になります。

speaking-German if-it-weren't-for-us でぐぐってみると、その言葉について説明したサイトがいくつかヒットします。
You'd (all) be speaking German, if it weren't for us. という形で使われることが多いようです。
直訳すると、「我々がいなければ、君らはドイツ語を話しているだろう」。
if it weren't for... というのは、「現在の事実に反対の仮定」で「もし〜がなかったら」という仮定法のフレーズですね。
これは受験生の時にも、仮定法の典型的なフレーズとして習った記憶があります。

LAAD では、
if it weren't for/if it hadn't been for somebody/something :
if something had not happened, or if a situation were different
例) If it hadn't been for you, I would not be alive now.
If it weren't for Michell's help, we'd never get this job done.

つまり、「もし何かが起こらなかったら、または状況が違っていたなら」。
例文は、「もしあなたが(あの時)いなかったなら、私は今頃生きていないでしょう。」
「もしマイケルの助けがなければ、我々はこの仕事をやり遂げていないでしょう。」

「もし〜がなかったら」という仮定は、もっと簡単に Without... と表現することもできますね。

このセリフの、「我々」は「アメリカ人」、「君たち」は「イギリス人」を指します。
これは、アメリカ人がイギリス人に向かって言うセリフで、意味は「第二次大戦で、アメリカが関与・参戦しなければ、お前たちイギリス人はドイツに占領されて、ドイツ語をしゃべってるだろうよ」という意味のようです。
実際、このセリフは、アメリカ人のゲラーパパから、イギリス人のエミリーパパへ向けられたものですよね。
パパにしてみれば、「お前らイギリス人は、アメリカ人の私らにもっと感謝すべきなのに、それを恩を仇で返すようなことをしやがって。この恩知らずのイギリス人が!」という感じで使っているように思います。
あまり物事に動じそうにないエミリーママ(継母)までもが、頬を押さえて、「まぁ、なんてことを言うの?!」みたいな顔をしていますから、かなり失礼な発言であることもわかりますね。

アメリカ人がイギリス人と喧嘩する時によく使われるセリフ、ということで、今回のような、イギリスロケというスペシャル版にふさわしい(?)セリフだったのだろうと思います。
実際の場面でアメリカ人がイギリス人に対してこう言うと喧嘩になりそうですが、「フレンズ」はコメディなので、観客もジョークとして笑ってそれを受け入れている、ということでしょうね。


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posted by Rach at 13:06| Comment(3) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月28日

皆が君の名前を知っている場所 フレンズ4-24その4

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チャンドラーに続いて、2人目のベストマンのジョーイがスピーチをします。
ジョーイ: Hey, best man number two, Joey Tribbiani. Now I'm not good with the jokes like Chandler here. Boy...but ahh, I just want to say congratulations to the happy couple. I first met Ross in this coffeehouse back home. Home. New York City. Where everybody knows my name. Well anyway, ahh, I love you guys. (pointing at everyone.) But not as much as I love America. (Looking at Chandler.) Could we please go home now? (はい、ベストマン・ナンバー2の、ジョーイ・トリビアーニです。さて、僕はここにいるチャンドラーのようにジョークは得意じゃありませんが。全く… [と言いながら、隣のチャンドラーを指で示す] でも、あの、僕はただ幸せなカップルにおめでとうを言いたいです。僕は故郷のコーヒーハウスでロスに初めて会いました。[ちょっと感傷的な間があって] 故郷。ニューヨーク・シティ。そこではみんなが僕の名前を知っている。[自分1人が浮いてしまっていることに気づき] ああ、とにかく、あの、君らを愛してるぜ。でも、アメリカをもっと愛してる] [と言って、会場のみんな(周り)を指差す]。[チャンドラーを見て] お願いだから、今すぐアメリカに帰ろうよ。)

思い切りスベってしまったチャンドラーのスピーチに続き、ベストマン2人目のジョーイが挨拶します。
(通常はベストマンは1人ですが、フレンズ4-22 で二人がベストマン争いをした結果、ロスは結局二人ともベストマンにすることに決めた…という経緯があります)

「僕はここにいるチャンドラーのようにジョークは得意じゃありませんが…」と言いながらも、チャンドラーを親指でみんなに示しながら、「まったく、もう…」みたいにちょっと笑っています。
「こいつがすっかりハズしちゃって、すみません、困ったやつでして…」みたいなニュアンスが感じられる気がします。

back home は「故郷で(は)、祖国で(は)」という意味。
今は別の国のイギリスに来ているので、アメリカのことをそう表現しているのですね。
フレンズ4-23 の終わり頃から、早速ホームシックにかかってしまっているジョーイは、自分自身が発した back home という言葉がトリガー(引き金)になってしまったように、ふるさとを懐かしむような感傷的な表情になります。

「僕のふるさと、ニューヨーク…」みたいに言った後、Where everybody knows my name. と続けています。
このフレーズは、Cheers というドラマの主題歌の歌詞を少し変えたもの。
前回のフレンズ4-23 で、フィービーからの電話を切った後、ロンドンのホテルの部屋でジョーイがテレビをつけると Cheers の再放送をやっていました。

Wikipedia 英語版: Cheers
Cheers は 1980年代から90年代にかけて11シーズン続いたアメリカのシットコム。
私は見たことないのですが、Cheers という名前のバーが舞台になっているようですね。

最初は子供のような笑顔で、ジョーイはその再放送を嬉しそうに見ていたのですが、そのオープニングテーマを聞いている間に、眉毛が下がり、口もヘの字になってきて、だんだん泣きそうな顔になっていきます。
アメリカのドラマを見ているうちに、すっかりホームシックになってしまった、という描写です。
4-23 のネットスクリプトのト書きでは以下のように表現されていました。

... So Joey decides to watch some TV and turns on a rerun of Cheers, with the theme song playing. At first, he's happy, but as the song progresses Joey gets depressed and homesick.
(フィービーが電話を切ったので)ジョーイは何かテレビを見ることに決め、チアーズ(Cheers)の再放送をつける。そこではテーマソングが流れている。最初はジョーイはハッピーだが、その歌が進むにつれて、ジョーイは落ち込み、ホームシックになる。

DVDの英語字幕では、そのテーマソングの歌詞が表示されますが、そこに、
You want to be
Where everybody knows your name
という歌詞が出てきます。
「君は、みんなが君の名前を知っている場所にいたい」という歌詞がホームシックの決定打になってしまった感じです。

ホームシックにかかった時のことを思い出したのか、ジョーイはその歌詞を少しもじって(your name を my name に変えて)、「僕はこんな知らない人ばかりのイギリスにはもういたくない。知っている親しい人たちに囲まれた故郷に早く帰りたい」という意味で、Where everybody knows my name. と言ったのですね。

Where Everybody Knows Your Name というフレーズはかなり有名らしく、以下のウィキペディア英語版も存在します。
Wikipedia 英語版: Theme from Cheers (Where Everybody Knows Your Name)

DVDでは、4-23, 4-24 のように2話に分けられていますが、実際のテレビの本放送では、2つの話はスペシャル版として一気に放映されました。
ですから、スペシャル版の前半でジョーイが Cheers を見てホームシックにかかる様子を見せ、後半でその歌詞を使ったセリフを言わせる、という流れですね。
伏線からオチまでの時間がかなり離れているだけに、元ネタを知っている人なら余計に笑えてしまうところでしょう。

一人感傷に浸っているジョーイは、ロスまでもが怪訝な顔でジョーイの様子を伺っているので、変な雰囲気を作ってしまったことに気付き、ロスらカップルに向かって「愛してるぜ」と言って挨拶に代えます。
その後、「愛してると言っても、アメリカを愛するほどの気持ちじゃない」みたいなことを言っていますね。
ネットスクリプトのト書きの (pointing at everyone.) が実際の映像よりも少し早いタイミングで書いてあるのですが、実際は、I love America と言うあたりで、周りにいる人たちを軽く示しています。
ここにいる君らイギリス人たち、わかったか? 愛してると言ったって、アメリカを愛する気持ちはもっと強いんだ、みたいな感じでしょうか。

全くベストマンの挨拶とは関係ない言葉でスピーチを終えたジョーイは、隣にいるチャンドラーに情けない顔で、「もう帰ろうよ」と言っています。
Could I...? ならば、「俺は今、故郷に帰ることができる? お願いだから俺、今、帰ってもいい?」みたいな許可を求める感じになりますが、ここでは、Could we と主語が we になっているので、「チャンドラーと俺、二人で今すぐ帰れるかな? 今すぐ二人で帰ろうよ、お願いだから」と誘っている感覚になるでしょう。


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posted by Rach at 12:05| Comment(2) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月24日

モンティ・ホール問題 フレンズ4-24その3

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チャンドラー: (Continuing his toast.) And I'm sure we're all very excited that Ross and Emily are getting married at Montgomery Hall. I mean, to think, my friend getting married in Monty Hall. (No reaction from the people.) Ohh, come on, Monty Hall! Let's Make a Deal. Come on, you people! All right, forget it. Congratulations, Ross and Emily. (He sits down.) ([乾杯(の挨拶)を続けている] そして、ロスとエミリーがモントゴメリー・ホール[モンゴメリー・ホール]で結婚しようとしていることに我々全員がわくわくしていることを、僕は確信しています。つまり、考えれば、僕の友人はモンティ・ホールで結婚するのですから。[人々からの反応はない] ああ、おい、モンティ・ホールだよ! 「レッツ・メイク・ア・ディール」だよ。おい、みんな! いいよ、もう忘れて。おめでとう、ロスとエミリー。[チャンドラーは座る])

チャンドラーは、ロスたちがモントゴメリー[モンゴメリー]・ホールで結婚することに皆さんもわくわくしているでしょう?みたいなことを言っています。
結婚式場がそういう名前だということですね。
その後、追加説明のように I mean を付け足して、モントゴメリー・ホールはつまり(or 略して)モンティ・ホールですからね、みたいに言っています。
ジョークのつもりで言ったのに、また誰も笑わずシーンとしているので、そのあまりの反応のなさにチャンがキレています。

「モンティ・ホールっていうのは、Let's Make a Deal で有名なあの人のことだよ! どうして反応がないの?」みたいに叫びますが、やはりリアクションがないので、もういいや、とあきらめて、カップルに適当におめでとうを言って座ってしまいます。

Let's Make a Deal はDVD字幕でイタリック表示になっていますが、これはアメリカのクイズ番組(game show)のタイトル。
モンティ・ホールはその司会者の名前です。
Wikipedia 英語版: Monty Hall
Wikipedia 英語版: Let's Make a Deal

私はこの番組を見たことないのですが、この番組に由来する「モンティ・ホール問題」(The Monty Hall Problem)という確率の問題が有名なようです。
司会者の「モンティ・ホール」や、番組名の「レッツ・メイク・ア・ディール」はウィキペディアの日本語版が存在しないのに、「モンティ・ホール問題」については、日本語版で詳しい説明が載っていました。
Wikipedia 日本語版: モンティ・ホール問題

ウィキペディアの説明を引用させていただくと、
モンティ・ホール問題は、モンティ・ホール (Monty Hall、Maurice "Monty Hall" Halperin) がホストを務めるアメリカのゲームショー番組「Let's make a deal」の中で行われたあるゲームに由来する、次のような確率の問題である。この問題は「直感で正しいと思える解答と、論理的に正しい解答が異なる問題」の適例とされる。

上のウィキペディアではさらに詳しく説明されていますので、興味のある方は是非お読み下さい。

そんな風に、確率の問題の名前として使われるくらいの有名な人気番組なわけですが、モンティ・ホールはアメリカのクイズ番組の司会者の名前ですから、イギリスではそれほど有名ではないのかもしれない…それでみんなにウケなかった、ということでしょうか?
または、イギリスでもその名前は知られているかもしれないけれど、まるで「おやじギャグのようなダジャレ」ですから、チャンドラーのジョークとしてはイマイチな感じもしますので、またまたジョークがスベってしまった、ということかもしれません。

次から次へと繰り出すジョークをことごとく外し、最後はどうでもいいや、みたいにだらしない発音で、適当に祝いの言葉を述べて座ってしまうチャンドラーに笑えますね。


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posted by Rach at 10:05| Comment(5) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月21日

inflateで連想するもの フレンズ4-24その2

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リハーサル・ディナーの席で、チャンドラーがロスのベストマンの1人として挨拶をします。
チャンドラー: I'd like to toast Ross and Emily. Of course, my big toast will be tomorrow at the wedding. So this is kind of my little toast or Melba toast, if you will. (No one in the room laughs. He starts to get flustered.) Okay. I've known Ross for a long time. In fact, I knew him when he was going out with his first girlfriend. (Ross looks embarrassed.) And I thought things were really gonna work out for him until the day he over-inflated her. (He laughs. Jack looks at Judy and no one in the room laughs.) Ohh, dear God! (ロスとエミリーに乾杯(トースト)したいと思います。もちろん、僕がする重要な乾杯は明日の結婚式でになりますが。ですから、これは私のちっちゃな乾杯(トースト)、もしくはメルバ・トーストみたいなものです、言うなれば。[部屋にいる誰も笑わない。チャンドラーは狼狽し始める] オッケー、僕はロスを長い間知っています。実際、最初の彼女と付き合っていた頃のロスを知っていました。[ロスは恥ずかしそうな顔をする] それでその時僕は思ってたんですよね、彼にとっては何もかもがうまくいくことになるだろうって。ロスが”彼女”を膨らませすぎて割っちゃった日まではね。[チャンドラーは笑う。ジャック(ゲラーパパ)はジュディ(ゲラーママ)を見て、その部屋の誰もが笑わない] あぁ、なんてこった!)

チャンドラーの最初のセリフでは、toast は「(…のために、…に)乾杯する」という他動詞で使われています。
toast を名詞として使う、make a toast (to 人)、propose a toast (to 人)という表現もよく使われますね。
ベストマンがグラスを鳴らしてみんなの注意を引いて挨拶する、というシーンは、フレンズ2-24その23 にも出てきました。
今は結婚式前夜のリハーサル・ディナーの席なので、「本当の重要な乾杯は明日になりますが…」とチャンドラーは言っています。
正式な my big toast は明日なので、今日のこれは、my little toast か Melba toast ですね、と続けます。

Melba toast は「メルバトースト、天火でかりかりに焼いたごく薄いトースト」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
Melba toast : [noun] [uncountable] a type of thin hard TOAST that breaks easily into small pieces
(Etymology, Word Origin)
1900-2000 Nellie Melba (1861-1931), Australian singer; because she was given it when she was ill

つまり、「簡単に小さなかけらに割れる、薄くて硬いトーストの種類」。語源は「20世紀に出来た言葉。ネリー・メルバというオーストラリアの歌手が語源。彼女が病気の時、それを与えられたから。」

英辞郎には「米語」と書いてあるのですが、英語・米語の区別が書いてある LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では特に、米語(American English)であるとは書いてありません。
これが「アメリカ英語」であったなら、出席者の半分くらい(半分以上?)がイギリス人なので、アメリカ英語の意味がわからずジョークがすべってしまった、という解釈も可能ですが、LDOCE で「米語」だと限定されていないところを見ると、イギリス人も知っている単語で、ただ単に、チャンドラーのジョークがイマイチだったのでしらけてしまった、ということになるでしょう。(確かに、チャンドラーのジョークとしてはあんまり面白くないですし…笑)

いつものようにジョークがウケないので、徐々に焦り始めるチャンドラーですが、気を取り直して、スピーチを進めます。
彼とは長い付き合いなんで、彼の最初の彼女も知ってるんですよ…という、学生時代の友人にありがちなスピーチを始めるのですが、オチであるはずの最後のセリフで、チャンドラー自身は「面白いでしょ?」みたいな感じで「ナッ!」と笑って終わるのですが、ロスの両親は顔を見合わせ、エミリーの両親も表情が固まったままで、誰もが笑おうとしません。
完全に空気が凍ってしまい、チャンドラーもヤバい、という顔をしています。

その最後のセリフは、And I thought things were really gonna work out for him until the day he over-inflated her. となっています。
この解釈については、あまり自信がないのですが、多分、こういう意味だろうなぁ、と思ったことを以下に説明しておきます。(長くなりますので適当に読んで下さい)

I thought things were really gonna work out for him until... は「(…の時)まで、物事は本当にうまくいくことになるだろうと思っていた」という意味。
彼にとって物事がうまくいく、というのは、最初の彼女ができて、彼女との関係がうまく発展し、いい感じになるだろう、いい仲までいくだろう、みたいなことでしょう。
「…までそう思っていた」という過去形は、「実際に起きたことは違っていた」ということで、「ある時に、それがうまくいかないということがわかった」というニュアンスになります。
until 以下で、「どの時点で」それがうまくいかないことがわかったか、を説明しているのですが、それが、the day he over-inflated her 「ロスが彼女を over-inflate した日」だとのこと。

inflate は「(空気・ガスなどで)…を膨(ふく)らませる、膨張させる」という他動詞。
inflate a balloon だと「風船を膨らませる」ですね。
「膨らませる」という物理的な意味から、「感情を膨らませる」→「感情を煽(あお)る、得意がらせる」という意味にもなるようです。
そこに over- がついているので、over-inflate は「限度を超えて、過度に膨らませる」という意味になりますね。

目的語の her が his first girlfriend を指していると考えると、「人間を膨らませる」のは変だから、「感情を過度に煽る」という意味かな、とも思ったのですが、良い意味の「彼女を大喜びさせる」、悪い意味の「彼女を激怒させる」のどちらにしても、チャンドラーが「今度こそ外さないぞ!」と意気込んでいるはずのジョークですから、ちょっと意味が通じない気がするんですよね。
「彼女をむっちゃ怒らせて、ああ、こりゃうまくいかないな、と思った」というのはあり得る話ですが、ただそういう意味だけなら別に over-inflate という単語を使う必要もないし、「彼女を激怒させて関係が終わった」という事実はあまりにもありきたりでスピーチで語るほどのことでもありません。

チャンドラーが自分で最後に、ナッ!と笑っているのは、これはジョークなんですけどね、という目印だと思います。
ですがそれを聞いて、両親たちはどう反応したらいいかわからない、という顔をし、会場の空気は凍ってしまっている様子から、場にそぐわない不適切なジョークを言ってスベってしまった、という感じが私にはするのですね。

やはりポイントは、over-inflate という動詞だと思います。
私が inflate という単語を聞いて思い出すのはやはり「風船を膨らませる」などのイメージ、そして、an inflatable doll 「ビニール人形」です。
「ビニール人形」については、ビニール人形の話 フレンズ3-2その19 で詳しく説明しています。(そこでは、ビニール人形が出てくる、「アリー my Love」のセリフも解説しています)
カンヌ国際映画祭で上映された是枝裕和監督の「空気人形」という映画もありましたねぇ…。

私はこのチャンドラーのセリフを聞いた瞬間、そういう an inflatable doll のイメージが頭に浮かんでしまいました。
(勘ぐりすぎかもしれませんが)チャンドラーは、he over-inflated her と表現することで、「ロスが空気人形を持っていた」ことを示唆しているように私は感じました。
だとすると、over-inflate は「膨らませすぎて割れる」という意味でしょう。
ロスとチャンドラーは学生時代、(確か)ルームメートだったはずだと思うので、ある日、チャンドラーは、ロスがビニール人形を膨らませすぎてパン!と割れた音を聞いたのではないかと思うのですね。
彼女とデートしたりしてうまくいきそうなのかと思ってたけど、ある日、隣の寝室から、ビニール人形が破裂する音が聞こえたので、「なんだ、ロスが一緒に寝てたのは、人間の彼女じゃなくて、ビニール人形だったのか」と気づいた、というオチかなと私は思いました。

人間の彼女を over-inflate できるはずないのに、わざと、he over-inflated "her" と表現しているのでしょう。
「(彼女と寝てると思ってたのに)その”彼女”を膨らませて割っちゃった日に、俺は気づいちゃったんだよね、それが人間じゃなかったってことに」みたいなことを言いたかったのかな、と。

こういう内容だと、彼女に振られて欲求不満のロスがそういう人形を使っていたことになり、本当にしても(笑)、またはただのジョークにしても、両親や親戚が集まる場で言うには、かなり不適切なジョークである気がします。
それで、あんな風に会場が凍りついてしまったのだと思います。

inflate という単語から私はそこまで連想したわけですが、考えすぎかなぁ?? もしくは全然見当外れのことを書いているのかも…。
かなりヤバいジョークを言ってしまった…という空気になっているので、この仮説もありうると思うのですが、どうでしょう??


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posted by Rach at 13:49| Comment(4) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月18日

これが唯一の結婚式になるかも フレンズ4-24その1

(はじめに…)
今日から「フレンズ4-24」に入ります。
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シーズン4 第24話
The One With Ross' Wedding - Part II (ロスの結婚式 ― Part 2)
原題は「ロスの結婚式の話 パート2」


明日はロスとエミリーの結婚式。rehearsal dinner (リハーサルディナー。結婚式の前の晩に親しい者が集う夕食会)の席で、ロスとエミリーのそれぞれの両親が対面します。(ゲラーがロスの両親で、ウォルサムがエミリーの両親)
初顔合わせなのに、携帯電話に夢中なエミリーのママ(彼女はエミリーの stepmom (義理の母親)である)に、夫が見かねて声をかけます。
ウォルサム氏: It's the Gellers, darling. (ゲラーさんだよ、ダーリン。)
ウォルサム夫人: Where? (どこ?)
ウォルサム氏: Well, that's one (pointing towards Jack) and that's another one. (pointing towards Judy) (えーっと、それが一人目で[ジャックを指差す]、それからあっちがもう一人だ。[ジュディを指差す])
ウォルサム夫人: Lovely to meet you. (お会いできて嬉しいですわ。)
ウォルサム氏(Mr. Waltham): Terribly nice of you two to offer to pay for half the wedding. (He hands a multipage bill to Jack.) (結婚式の半分の費用の支払いを申し出て下さるなんて、あなた方お二人は実に親切だ。[複数のページからなる請求書[勘定書]をジャックに手渡す])
ゲラーパパ(Mr. Geller): Ohh, forget it. The hell with tradition. We're happy to do it. (ああ、気にしないで。伝統なんてくたばっちまえ、ですよ。私たちは喜んで(払います)。)
ゲラーママ(Mrs. Geller): Oh, no. We know how expensive weddings can be. Besides this may be the only wedding we get to throw. (patting Monica on the shoulder.) (いいんですよ。結婚式がどれほど費用がかかるものかは知っていますもの。それに、今回の式が、私たちが(これから)開くことになるたった一つの式かもしれませんしね。)
モニカ: Ha ha, a joke that's funny in all countries. (ハハ。全ての国で面白いジョークね。)
(Ross quickly directs the families to their tables.)
ロスは素早く、家族をそれぞれの席に案内する。

the Gellers という名字の複数形は、そういう名字の人が複数いることを表します。
家族を指す場合だと「ゲラー家(け)、ゲラー一家(いっか)」、ロスとモニカならば「ゲラー兄妹」と訳すことになります。
今回は、初対面のゲラーパパ、ゲラーママをエミリーのパパが妻に紹介している場面なので、「ゲラー夫妻」になりますね。

自分の携帯電話での会話に夢中だったウォルサム夫人は、ゲラー夫妻を紹介されて、Where? と尋ねています。
Where? も何も、今目の前にいるその見知らぬ人に決まっているわけですが、ウォルサム氏が「それが一人目で、あっちがもう一人だ」「そいつと、あいつだ」みたいに、まるでモノのように指差しているのも何だか失礼な感じ。
そんな風に指を指されて、ゲラー夫妻もあまり嬉しくなさそうな顔をしています。

Terribly nice of you two to offer to pay for half the wedding. は、It's nice of you to... 「…して下さるなんてあなたは親切だ」と同じ形ですね。
「結婚式の半分の費用を支払うことを申し出て下さるなんて、あなた方二人(ゲラー夫妻)は何て親切なんだ!」みたいな意味になります。
それに対して、ゲラーパパ(ジャック)は、The hell with tradition. と言っています。
The hell with...! や To hell with...! は「…なんてくたばれ! …なんてうんざりだ! …なんてくそったれ!」という俗語の、ののしり言葉ですね。
「伝統なんてくそくらえだ」的なことを言っているので、新郎側のロスの親が費用を半分持つことが伝統に反する、ということになります。
伝統に則った場合だと、新婦のエミリーの親が全額負担することになる、ということでしょうか?? (この辺りの tradition についてはよく知りません)

感謝の意を示す相手側に対して、ゲラーママも「結婚式はお金がかかりますものね」ということを言っています。
ロスはバツイチで一度は結婚式を経験済みなので、どのくらいコストがかかるものかを両親は知っているのですね。
…とそれだけでおいておけばいいのですが、「その上…」と、いつものママらしく、モニカに対するイヤミのセリフも付け加えます。

get to は「…するようになる」。throw は「(パーティーなどを)開く、催す」という throw a party などのコロケーションでよく使われる動詞。
ゲラーママは、モニカの肩をポンポンと叩きながら、ちょっとひそひそ声になって、「これが唯一の結婚式かも…」というセリフを相手の親に言っています。
つまり、「ロスの下にも妹のこの子がいるんですけどねぇ、この子の結婚式を開くことはあまり期待できないもので…」と言いたいわけですね。
それを「今回の式が、これから開くことになる唯一の式になるかもしれない」などと、”モニカの名前は出さずに”、でも”モニカという妹は存在していることを仕草で示しながら”言っている、というのが何ともイヤミなわけです。
シーズン1の最初から、ママはモニカの結婚のことで何かと皮肉を言うのですが、こういうめでたい席でもまだ、こういうことを言っているのですね。

モニカも、「全ての国で面白いジョーク(の一つ)ね」と言って、笑い飛ばすしかありません。
「この手のジョークは万国共通ですものね」と言っているのは、(息子の嫁の親とはいえ)初対面のイギリス人相手にいきなりこんなことを言うママに対するモニカの精一杯の皮肉でもあるのでしょう。


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posted by Rach at 13:00| Comment(8) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月11日

詳しい情報に基づいた決定 フレンズ4-23その6

フィービーと二人でアメリカに残っていたレイチェルは、フィービーと話している間に、自分がまだロスを愛していることに気付いてしまいます。
レイチェルは「これからロンドンに行くわ!」と言って、大きな荷物を持って出かけようとします。
それを何とかして止めようとするフィービー。
フィービー: I, Rachel, you can't go! Ross loves Emily. (私は…レイチェル、行っちゃだめよ! ロスはエミリーを愛してるのよ。)
レイチェル: I know, I know, I know he does. But I have to tell him how I feel! He deserves to have all the information and then he can make an informed decision. (わかってる、わかってるわ。彼がエミリーを愛してるのは知ってる。でも、私がどんな気持ちかを彼に伝えないといけないの! 彼にはすべての情報を知る権利がある。そしてそれから(それを知った後で)、情報に基づいた決断を下すことができるわ。)
フィービー: That's not why you're going! You're going because you hope he's gonna say: "Yeah, I love you too, Rach. Forget about that British chippy." (あなたが行こうとしているのはそんな理由じゃないでしょ。あなたが行こうとしてるのは、彼がこう言うだろうと願っているからよ。「ああ、僕も君を愛してるよ、レイチェル。あんなイギリスのあばずれ女のことなんか忘れよう」ってね。)
レイチェル: Ohh. Do you think he will? (まあ。彼はそう言うと思う?)
フィービー: No! Because he's in love with the British chippy! Look, Rachel, if you go, you're just gonna mess with his head and ruin his wedding! Y'know, it's too late! You missed your chance! I'm sorry. I know this must be really hard. But it's over. (いいえ! だってロスはそのイギリスのあばずれ女を愛してるんだもん! ねぇ、レイチェル、もしあなたが行ったら、あなたはロスの頭を混乱させて、彼の結婚式を台無しにすることになるだけよ! ほら、もう遅すぎるわ! あなたは自分のチャンスを逃しちゃったのよ! ごめんなさい。これがほんとうに(あなたにとって)つらいことだってわかってるわ。でも、終わったのよ。)
レイチェルは、大きくため息をついて、
レイチェル: Y'know what? No, it's not over until someone says, "I do." (Exits) (ねえ知ってる? いいえ、(まだ)終わってないわ、誰かが「誓います」と言うまではね。[出て行く])
フィービー: I do! I do! I do! (Chases her into the hall, but Rachel doesn't stop.) I do! (Gives up.) Ugh. Like I can really chase you. I'm carrying a litter! (誓います! 誓います! 誓います! [廊下までレイチェルを追いかけるが、レイチェルは立ち止まらない] 誓います! [フィービーは(レイチェルを止めるのを)あきらめる] あー、あなたを追いかけられるはずないのに。私は何匹もお腹にかかえてるのよ!)

how I feel は「私がどう感じているか」ですから、「私の気持ち」ですね。
deserve to は「…する価値がある、…するにふさわしい、…するべきだ」。
ロスは全ての情報を得るべきなのよ、それを知る権利を当然持ってるのよ、という感じです。
make a decision は「決定する、決心する」という決まり文句ですが、今回は decision に informed という形容詞がついています。
inform は「(情報など)を与える、知らせる」という意味ですから、informed は「詳しい情報に基づいた、情報を得た上での」という意味になります。
「医者が患者に詳細な説明をした上での同意」という意味の informed consent 「インフォームド・コンセント」は日本語になっていますよね。
情報に基づいた決定、というのは、レイチェルがロスを今でも愛している、ということを知った上で、エミリーと結婚するかどうか決めて欲しい、ということですね。

That's not why you're going! は、That's not the reason why you're going! ということで、「それ(今レイチェルが言ったこと)が、あなたが(ロンドンに)行こうとしている理由ではない」という意味。
「そんなことでロンドンに行こうとしてるんじゃないでしょ」とも訳せます。
「あなたは…だから行こうとしているのよ、あなたが行こうとしている理由はこうよ」と、You're going because... を使って、レイチェルの本音を突きます。

chippy というのは、「売春婦、いかがわしい女」という意味のアメリカの俗語。
なぜか、ロングマン、マクミランなどの英英辞典には載っていませんでしたが、研究社 新英和中辞典、英辞郎などの英和には載っていました。

あなたの本音はこうでしょ?と言うフィービーに一瞬、息を呑むレイチェル。
それを聞いた時は「何てひどいことを言うの?私はそんなこと思ってもいないわ」とでも言いそうに見えたのですが、その次に出た言葉は「彼はそんな風に言うと思う?」
私が告白したら、彼はそう言ってくれるかしら?とレイチェルが期待していることがわかりますね。
それにあきれたフィービーは、「とんでもない!」と言って、ロスはエミリーを愛してるんだから、そんなこと言うはずないでしょ、と否定します。
否定しながらも、自分が言った the British chippy という悪口をまだ使っているのがフィービーらしいです。
あなたが行けば彼を、そして結婚式をめちゃくちゃにしてしまうだけ、と、mess with や ruin を使って説明しています。
遅すぎる、チャンスをもう逃してしまった、と言うと、レイチェルはちょっと顔を伏せます。
それを見て、キツいことを言いすぎたと思ったフィービーは、ごめんなさい、と謝るのですが…。

ホーと大きくため息をついたレイチェルは、それであきらめる決心がついた…のかと思いきや、No, it's not over until someone says, "I do." と言い残して、心を決めたように部屋を出て行きます。

I do. は結婚式での決まり文句、
"Do you take this woman/man to be your lawful wedded wife/husband?" "I do."
「あなたは(汝は)この女性(男性)を妻(夫)とすることを誓いますか?」「誓います」
のことですね。

レイチェルは、「ロスが」ではなく「誰かが、誰かさんが」とわざとはぐらかして言ったため、フィービーは、「誰かがそれを言えばいいのなら、私が言うわ」とばかりに、何度も I do! を繰り返します。
が、心を決めたレイチェルはフィービーの言葉にひるむことなく、ロンドンに向かってしまいました。

Like I can really chase you. を直訳すると、「まるで私があなた(レイチェル)を追いかけることができるみたいに」。
つまり、「あなたを追いかけて捕まえることができるみたいに追いかけようとしてみたけれど、この私が追いかけられるはずもないのにね」というような反語表現です。

litter は「動物(犬などの)ひと腹の子」。
自分が三つ子を身ごもっていることをそう表現しているのですね。


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posted by Rach at 11:52| Comment(2) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月09日

空飛ぶ尼さんごっこ フレンズ4-23その5

ロスは、結婚式の延期を提案したモニカに怒りをぶつけます。
結婚式場がなくなったくらいで、結婚式を延期するなんてばかげてる…という話をモニカにするロスですが、今度はそれを聞いてモニカが逆にあきれ、怒っています。
モニカ: Ross, how long have you been planning this wedding? (ロス、あなたはこの結婚式をどのくらいの間、計画してきた?)
ロス: I don't know. A month? (さあね。1ヶ月かな?)
モニカ: Emily's probably been planning it since she was 5. Ever since the first time she took a pillowcase and hung it off the back of her head. That's what we did! We dreamed about the perfect wedding. In the perfect place. With the perfect four-tiered wedding cake. (Starting to cry) With the little people on top. (Ross gets thrown a box of Kleenex from the bathroom and he gives her one.) But the most important part is that we had the perfect guy who understood just how important all that other stuff was. (多分、エミリーは5歳から結婚式を計画してきたわ。初めて枕カバー(ピローケース)を取って、それを頭の後ろに垂らしてひっかけて(かぶって)からずっとね。そういうことを私たち(女子)はしたのよ! 完璧な結婚式を夢見たわ。完璧な場所で。4段になった完璧なウェディングケーキもね。[泣き始める] (ケーキの)上には小さな人が乗ってるのよ。[トイレからティッシュの箱がロスに投げられ、ロスはティッシュをモニカに渡す] でも一番大切な部分は、その他の全部のことがただどれほど重要かを理解してくれる完璧な男性がいることなのよ。)
ロス: I had no idea. And that, that pillowcase thing, I thought you guys were just doing The Flying Nun. (全然知らなかったよ。それに、その枕カバーのことだけど、モニカたちはただ「空飛ぶ尼さん」ごっこをしているだけだと思ってた。)
モニカ: Sometimes we were. (時にはそれもやってたけどね。)

結婚式の予定をいつからずっと計画してきたか、という文章で、「現在完了形の継続」を表す、現在完了進行形(have been planning)が使われています。
ロスは結婚が決まってから、ここ1カ月ほど計画してきただけだけど、エミリーは5歳の頃からずーっとそれを計画してきたのよ、とその期間の違いを強調していますね。
pillowcase は「ピローケース、枕カバー」。
それを頭にかぶって…みたいなことを言っているのは、白い枕カバーを花嫁のベールの代わりにして、結婚式ごっこをしたりして、いつか来る結婚式を夢見ていた、と言いたいようです。

tier は名詞で「段、層」、動詞で「…を段々に積む」ですから、four-tiered wedding cake は結婚式でよく見かける「4段のウェディングケーキ」。
ケーキの上には小さな人も乗っていて…と言っていますが、確かに花婿花嫁の小さな人形が乗っていたりしますよね。
キャロルとスーザンの結婚式の時のケーキにもそういう人形が乗っていましたが、彼女たちの場合はレズビアンの結婚式だったため、女性の人形が2つ乗っていましたが…。

女の子がどれほど結婚式を夢見ていたか…という話をしながら、モニカは泣き出してしまいます。
ロスとモニカが喧嘩を始めそうになったので、気まずくなったチャンドラーとジョーイはトイレに隠れてしまったのですが、その隠れているトイレから、ティッシュの箱が飛んでくるのが面白いです。
画面から消えてしまった二人のことを、観客も忘れかけていたと思うのですが、二人はトイレに隠れながらもしっかり話を聞いていたのですね。
絶妙のタイミングで投げられたティッシュ箱に観客も大ウケしています。

モニカのスピーチの最後はちょっと感動的ですね。
あんなこともしたい、こんなこともしたい、といろいろ夢見ているけれど、一番大切なのは、そういう気持ちをきちんと理解してくれる男性がいることなのだと。
「予定していた式場が壊されたぐらいで…」みたいなことを愛する人に言って欲しくない、それがどれだけ重要なことかを誰よりもわかってくれる人であって欲しいのよ、というエミリーの気持ちをモニカは代弁しているのです。

それを聞いてロスは自分の過ちに気付きます。
女の子がそんな小さな頃から結婚式のことを考えていたなんて知らなかった…と言いながらも、その枕カバーは、The Flying Nun ごっこをしていたんだと思ってた、とも付け足します。
そう言われたモニカは、ちょっとばつが悪そうに、「まぁ、たまにはそれをやってた時もあるんだけど」と答えていますね。

The Flying Nun は、60年代後半のアメリカのシットコム。
日本では「いたずら天使」というタイトルで放映されていたようです。(私は見たことなかったですが)

詳しくは以下で。
Wikipedia 英語版: The Flying Nun
IMDb: "The Flying Nun" (1967)

nun は、修道院で生活する修道女、尼僧のことですから、The Flying Nun を直訳すると「空飛ぶ尼さん」みたいになります。
何かの比喩かと思ったら、本当に空を飛ぶ、空を飛ぶ能力がある尼僧なんですね!
演じているのは、サリー・フィールド。
アカデミー主演女優賞を二度受賞している女優さんですね。
ウィキペディアの下の方の画像の、サントラLPのジャケットでは、明らかに町の上を飛んでいる姿が映っています。
(リンクははりませんが)YouTube でも、The Flying Nun の映像があるようですので、興味のある方は一度探してみて下さい。ほんとに飛んでます!(笑)

枕カバーを小さな頃から被って、お嫁さんごっこをしていたのよ!と力説していたモニカですが、ロスに指摘されて、そのうちのいくつかは「空飛ぶ尼さん」ごっこだったんだけどね、と少々トーンダウンしているのが、感動的なセリフだけでは終わらないフレンズらしいところですね。


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2010年06月07日

英国のセーラ元妃がゲスト出演 フレンズ4-23その4

イギリスの土産(みやげ)物のスタンドで、イギリス国旗のユニオン・ジャックがでかでかと書かれた大きなハットを買おうとしたジョーイは、チャンドラーと喧嘩になってしまいます。
結局二人は別々に行動することになり、ジョーイはチャンドラーより遅れてホテルに帰ってきました。
チャンドラーは「やっぱり一人じゃつまらなかった」と言うのですが、ジョーイはロンドン一人旅を満喫してきた様子で、自分の撮影したビデオを見せます。
ジョーイ: (on tape) Okay, so say hi to my friend and tell him you like the hat. ([ビデオテープの中でしゃべっている] オッケー。じゃあ、俺の友達に挨拶して、あなたがその(ユニオンジャックの)帽子を気に入ってるって彼に言ってやって。)
ファーギー(Fergie): (Yep, Sarah, the Duchess of York) Okay, so umm, what's your friend's name? ([その通り。ヨーク公爵夫人セーラである] わかったわ。それじゃあ、あの…あなたの友達のお名前は?)
ジョーイ: (on tape) Oh, Chandler. ([ビデオテープの中で] ああ、チャンドラーだよ。)
ファーギー: Hi, Chandler! (Waves) (はーい、チャンドラー! [手を振る])
チャンドラー: That's-- That's was-- (それって…。それって…。)
モニカ: Oh, my God! (まあ、なんてこと!)
ジョーイ: That's Fergie, baby! (ファーギーだぜ、ベイビー!)
ファーギー: Joey says you don't really like his hat, but I think it's kinda dashing. (あなたは彼の帽子があんまり好きじゃないってジョーイは言うけど、でも私は颯爽としていておしゃれかな、って思うわ。)
チャンドラー: How did you--? How? How? (どうやってお前は…? どうやって? どうやって?)
ジョーイ: Well, I was trying to figure out how to get to Buckingham Palace, right? So I'm in my map and, and-- (Ross enters) Hey! (そうだな、バッキンガム宮殿へどうやって行ったらいいかを考えようとしてたんだよ。な? それで俺が地図の中に立ってたら、そしたら、そしたら… [ロスが入ってくる] よう!)

ジョーイは自分がある人と一緒に映っているビデオをチャンドラーに見せます。
その姿を見て観客はオオーッと言っていますし、チャンドラーも画面を指差しながら絶句しています。
この人物は、ト書きに書かれている通り、「ヨーク公爵夫人セーラ」ですね。

詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: セーラ・ファーガソン

ジョーイは、Fergie(ファーギー)だ、と言っていますが、そのように一般的には「ファーギー」の愛称で呼ばれているようです。
上のウィキペディアの説明にもあるように、ファーギーは「イギリス王子ヨーク公アンドルーの元夫人」です。
ヨーク公アンドルーは、エリザベス女王(エリザベス2世)の第二王子で、チャールズ皇太子(王太子)の弟さんに当たります。
ファーギーの起こしたスキャンダルで、アンドルー王子とは1996年に離婚。
今回のエピソードは 1998年5月に放映されたものですから、まだその離婚のニュースが大勢の人の記憶に強く残っている時期でもあるでしょう。
離婚後とは言え、エリザベス女王の王子の元妻(元妃)がフレンズにゲスト出演した、ということになります。何ともビッグなゲストですね。

エンドクレジットでも、
special guest star
Sarah, The Duchess of York
as Herself
のように紹介されています。
ウィキペディア日本語版の説明にもあるように、「離婚後も「ヨーク公爵夫人」の称号を保持している」のですね。

以下の英語版Wikipedia や IMDb には、フレンズに出演したことが書かれています。
Wikipedia 英語版: Sarah, Duchess of York
IMDb: Sarah Ferguson (I)

チャンドラーはこの帽子をけなしているらしいけど、私は素敵だと思うわ、とファーギーは言っていますね。
dashing は「颯爽とした」「めかした」というような褒め言葉です。
ものすごい有名人と一緒にカメラに収まっているジョーイに、チャンドラーはただ、驚きっぱなし。
How? は、「どうやって、こんな有名人と知り合って一緒にビデオに写ることになったんだよ?」とその経緯を知りたがっているのですね。

「バッキンガム宮殿に行こうとして、(またもや)地図の上に立っていたら…」と説明しかけたところにロスが入ってきて、話は中断されてしまいますが、たいだいその話で後の展開は想像がつきますね。
ユニオンジャックのでっかいハットをかぶった明らかに旅行者風の男性が、地図を踏みつけながら周りをきょろきょろしていたら、いやでも人目をひくでしょう。
好奇心旺盛そうなファーギーが、Where would you like to go? 「どこに行きたいの?」みたいに声を掛けたんだろうなぁ、という想像もできそうです。

日本語ウィキペディアにあるように、ファーギーは離婚後はニューヨークに住んでいたようですから、もちろん「フレンズ」というドラマもよくご存知だったでしょう。
どういう経緯で彼女が「フレンズ」にゲスト出演することになったのかは知りませんが、このように楽しそうに出演されている姿を見ると、彼女も「フレンズ」というドラマが好きだったことは間違いないでしょうね。
フレンズファンの一人として、私も何だか嬉しい気持ちです。
記念すべきイギリスロケで、イギリスを象徴するようなビッグなゲストが登場したことで、さらにパワーアップした感じがします。


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posted by Rach at 10:24| Comment(0) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月04日

now or never フレンズ4-23その3

エミリーが結婚式を挙げるつもりだった教会は、予定よりも早く取り壊されていました。
代わりに最適の場所が見つからない場合は、結婚式を延期したらいい、と、エミリーとモニカは意見が一致したようです。
それを聞いてロスは、「両親はこの結婚式にたくさんのお金を使ってくれているし、多くの人がアメリカから忙しい時間を割いて飛行機でイギリスに飛んで来てくれているのに…」と言って、エミリーの出した案に驚き、あきれ、怒っています。

ロス: I can't ask people to do that. Would you ask people to do that? (Holds out his pants) (僕はみんなにそんなことをしてくれって言えないよ。君はそんなことをみんなに言うつもりか? [自分のパンツを前に差し出す])
エミリー: Don't you point your pants at me! (She throws them on the floor.) We have no choice! Anywhere that's half-decent would've be booked months ago. Ross, don't you understand? This is our wedding I'm talking about. (パンツで私を指さないで! [エミリーはロスのパンツを床に投げる] 選択肢はないのよ! そこそこのところはどこも何か月も前に予約されてるでしょうし。ロス、わからないの? 私たちが話し合ってるのは、私たちの結婚式のことなのよ。)
ロス: The only thing I understand is postponing it is not an option. This is when we're getting married. (僕がわかってるのは、結婚式を延期するというのは選択肢にはない、ってことだけだ。今この時が、僕らが結婚する時なんだよ。)
エミリー: So what are you saying? It's now or never? (それであなたは何を言ってるの? やるなら今で、今じゃないならやらない、って(言いたいの)?)
ロス: No. I'm saying it's now. (He starts putting on his pants, backwards again.) (いいや、僕は、今だ、と言ってるんだ。[ロスはパンツをはき始めるが、また前後逆になる])
エミリー: Or? (それとも?)
ロス: There's no "or" in mind. What is wrong with these pants?! (僕の考えには「それとも」はないよ。このパンツは一体どうしたんだ?[このパンツ、おかしいよ])
エミリー: It's not the pants. It's you who's backwards. And if, and if you don't understand how important this is to me, well then, perhaps we shouldn't get married at all! (She storms out.) (パンツの問題じゃないわ。逆さま[逆向き・後ろ向き]なのはあなたよ。それに、もし、もしこのことが私にとってどれほど重要かをあなたがわかってくれないのなら、そしたら、多分、私たちは結婚すべきじゃないのね! [エミリーは怒って部屋を飛び出す])

周りの人の苦労を考えると、「結婚式を延期しますから、またその時来て下さい」なんて僕は言えない、君はそんなこと言えるのか、言うつもりか?とロスはエミリーを問い詰めています。
「君はそんなこと言うつもりか?」とエミリーを指差す時に、手に持っていた自分がはきかけていたパンツ[ズボン]を突きつける形になってしまったので、エミリーは「パンツで私を指さないで!」と怒っています。

decent は「見苦しくない、きちんとした」。必要とされる基準に達しているという感覚ですね。
エミリーは、half-decent なところでさえ、何か月も前に予約で埋まっているでしょうから、今から明日の結婚式に、最高の場所を探すなんて無理よ、と言いたいのですね。
これは私たちの結婚式なのよ!というのは、自分たちの結婚式のことだから、いい加減なことで済ましたくない、きちんと悔いのないようにきちんとやりたいのよ、ということ。
「わからないの?」と言うエミリーに、「僕がわかっている唯一のことはこれだけだ」と言って、延期なんてものは選択肢にはない、と言っています。
This is when は、「今が…する時だ」。

結婚は今しかない、と言うロスに、It's now or never. だと言いたいの?とエミリーは尋ねます。
It's now or never. や、Now or never. を直訳すると「今か、もしくは、(これから)二度と、決してない、か」。
「今やらないと、この先やることはない」という意味で、何かをする際に、「今がチャンスだ。今しかないんだ。今を逃すと一生ないぞ」と今すぐ何かをやることを促す言葉になります。

「あなたは今しかない、って言いたいわけ?」とエミリーは言っているわけですが、now or never という言葉を使ったエミリーに対して、ロスは、now or never じゃなくて、now だ、と答えます。
それでもエミリーは食い下がって、「もし今じゃなかったら…?」と、or 以下の選択肢はないのか尋ねます。
ロスは断固として now にこだわっているので、or なんて言葉は僕の考え、気持ちの中にはないよ、と言います。
そんな風に怒りながらパンツをはいているので、(上のやり取りの前にも一度、前後、逆にはいてしまったのですが)、また、パンツを逆さまにはいてしまいます。
何で何度もパンツを前後逆にはいちゃうんだ!という気持ちから、「このパンツは一体どうなってるんだ?」という言葉が出たのですね。

パンツを逆にばかりはいてしまうロスに対して、その後のエミリーの言葉が辛辣です。
逆なのはパンツじゃなくてあなたの方よ、と言っています。
あるべき方向とは反対方向を向いて、見当違いのことを進めようとしているあなたが「さかさま」なのよ、と言っているのですね。
このことがどれほど大事なのかわかってくれないのなら、結婚はやめるべきだわ、と言って、エミリーは部屋を飛び出すことになります。
ロスは、now or never じゃなくて、now しかない、と言ったのですが、now という条件を受け入れられないエミリーの方が、never という(結婚しないという)選択肢を選んでしまった形になりますね。

その後(上のセリフでは省略しましたが)、出て行くエミリーを追いかけようとして、ジッパーを急いで上げたら、大事なものを挟んでしまい、ロスは崩れ落ちる…というオチもあるのですが(笑)、パンツを何度も逆向きにはいてしまう、という行動が、エミリーの It's not the pants. It's you who's backwards. に上手に繋がっているところが、脚本としてうまく出来ているなと思いました。

フレンズでは、ある二人が喧嘩する場面、というのがよく登場しますが、今回のやり取りも、相手がああ言えばこちらはこう言う、というやり取りがうまい具合に絡んでいますね。
「わからないの?」「わかってるのはこれだけだ」
「now or never なの?」「now だ」「or....」「or はない」
「このパンツはどうなってるんだ?」「逆さまでおかしいのはあなたの方よ」
などなど。
コミュニケーションというのは、相手の言うことをしっかり理解した上で、自分の考えを適切に述べることですから、こんな風に喧嘩で丁丁発止と渡り合うことができるようになれば、英語もネイティブ並み、と言えるのかもしれません。


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posted by Rach at 08:35| Comment(11) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年06月02日

地図の中の俺を踏み潰せ フレンズ4-23その2

[Scene: Street in front of the London Marriott, Joey and Chandler exit. Joey is carrying a video camera and is shooting Chandler.]
ザ・ロンドン・マリオット(ホテル)の前の通り。ジョーイとチャンドラーがホテルから出てくる。
ジョーイはビデオカメラを持っていて、チャンドラーを撮影中。
ジョーイ: Hey, Chander, do something! Come on! Do something! (おい、チャンドラー、何かしろよ! なあ、何かしろよ!)
チャンドラー: I am. I'm ignoring you. (してるさ。お前を無視してるんだ。)
ジョーイ: Okay, here. (Gives him the camera.) I wanna be the on-camera guy. All right. First stop... (地図を広げる) Westminster Abbey. (Joey folds out his "pop-up" map of London. All of the major landmarks pop-up like in a pop-up book.) (よし、これ持ってて。[チャンドラーにビデオカメラを渡す] (今度は)俺がカメラに映る。よし、最初に行くのは…ウエストミンスター寺院だな。[ジョーイはロンドンのポップアップ[飛び出す]地図を広げる。飛び出す絵本のように、主要なランドマークの全てが飛び出している])
チャンドラー: Oh, what the hell is that? (あー、それは一体何だよ?)
ジョーイ: That's London, baby! All right, the hotel's here. (Points to the map.) Wait. No, we wanna go-- No. I know. (Sets the map down.) I'm gonna have to go into the map. (So Joey literally steps into the map.) (それがロンドンだぜ、ベイビー! よし、ホテルはここだ。[地図を指差す] 待てよ、違う。俺たちが行きたいのは…違う。わかった。[地面に地図を置く] 俺は地図の中に入らないといけないことになるな。[そうしてジョーイは文字通り地図の中に足を踏み入れる])
チャンドラー: Okay, if you see a little version of me in there, kill it! (よし、もしお前がその地図の中に俺のちっちゃい版を見つけたら、そいつを殺してくれ!)

画面には次々とロンドンの名所が映り、チャンドラーとジョーイはザ・ロンドン・マリオットという名前のホテルから出てきます。
今回はロンドンが舞台になっていますが、実際にフレンズたちはロンドンに行ってロケをしているのですね。
イギリスでも「フレンズ」は大人気で、彼らのロケ中、大勢のファンが集まったそうです。

ジョーイは典型的な観光客のように、手にビデオカメラを持って、チャンドラーを撮影しています。
接近してビデオを撮るので、チャンドラーは嫌気がさしているようですね。
「カメラに向かって何かしろ!」というのは、ビデオを撮影する人の決まり文句ですが、チャンドラーの答え、「してるよ。お前を無視してるとこだ」というのが、いかにもチャンドラーらしいです。

ジョーイは地図を広げますが、その地図は広げると、主要なランドマークが飛び出る仕組みになっている地図でした。
ト書きにあるようにまさに「飛び出す絵本」の地図バージョンですね。
確かにこういう仕組みになっていると、観光には便利かも(笑)。
a pop-up book 「飛び出す絵本」は、フレンズ2-10その11 のセリフにも登場しました。

そんな便利な地図なのに、ジョーイは地図を読み取るのが苦手なようです。
ついには地面にその地図を置いて、「俺が今いるのはここだ」とばかりに、地図のその地点に足を乗せます。
地図を踏みつけているジョーイにあきれたチャンドラーは、「もしその地図の中に、小さな俺がいたら、それをお前がその足で踏みつけて殺してくれ」と言っています。
あまりにおバカな行動をするジョーイと一緒に行動するのはこりごりだから、地図を踏んでいるついでに、その地図の中の俺を踏みつけて、その存在を消しちゃってくれ、と言っているのです。

ロンドンですっかり舞い上がっているジョーイに、冷めた答えを返し続けるチャンドラーが面白いですね。


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2010年05月31日

パスポートは引き出しの中 フレンズ4-23その1

シーズン4 第23話
The One With Ross' Wedding - Part I (ロスの結婚式 ― Part 1)
原題は「ロスの結婚式の話 パート1」


ロスとエミリーの結婚式はイギリスのロンドンで行われます。
妊婦のフィービーと、ロスの元カノのレイチェルは欠席。他の3人はロスの式に出席するため、ロンドンへ旅立つ準備をしています。
[Scene: Chandler and Joey's, Joey and Chandler are getting ready for the flight to London and Monica comes running in.]
チャンドラーとジョーイの部屋。ジョーイとチャンドラーはロンドンへのフライトの準備をしている。すると、モニカが走って入ってくる。
モニカ: You guys, hurry up! The flight leaves in four hours! It could take time to get a taxi! There could be traffic! The plane could leave early! When we get to London, there could be a line at customs! Come on! (She runs back to her apartment.) (ねえ、みんな! 急いで! フライトは4時間で出発よ! タクシーをつかまえるのに時間がかかるかもしれないし! 渋滞するかもしれないし! その飛行機が早く出ちゃうかもしれないし! ロンドンに着いたら、税関に行列ができてるかもしれないし! 早く! [モニカは自分の部屋に走って戻る])
チャンドラー: Six-hour trip to London. That's a lot of Monica. (ロンドンまで6時間の旅。それって、モニカがいっぱい…だな。)

モニカは、どどど…と男子の部屋に駆け込んできて、早口で一気に叫んだ後、また自分の部屋へ戻っていきます。
早口で有名なモニカですが、そのキャラ全開、という感じのオープニングですね。
急いで!と言った後、あんなことやこんなことがあるといけないから、と、時間に遅れる可能性を次々に挙げています。
その文章では全て could が使われていますね。「そういう可能性があるかもしれない、そういうこともありうる」というニュアンスです。
custom は「習慣」ですが、このように複数形 customs だと「税関」の意味になりますね。

言いたいことだけ言って、嵐のように去っていたモニカを見て、チャンドラーはあきれたように、「ロンドンまで6時間。モニカがいっぱいだな」と言っています。
兄の結婚式でロンドンに行く、というこの状況では、モニカの興奮は収まりそうにない。ロンドンに着くまでの6時間、ずっとあの調子で、「モニカ」っぽいあれやこれやにつき合わされないといけないんだな…とちょっとげんなりしているのですね。


チャンドラーとジョーイの部屋。
ジョーイ: It's all London, baby! Here we go. (He takes a picture of a less than enthused Chandler and starts towards the girls' apartment.) (すっかりロンドンだぜ、ベイビー! 行くぞ。 [ジョーイはそれほど熱狂していない[あまり乗り気でない]チャンドラーの写真を撮り、女性陣の部屋に向かおうとする])
チャンドラー: You got your passport? (パスポートはあるか?)
ジョーイ: Yeah, in my third drawer of my dresser. You don't want to lose that! (ああ、ドレッサーの3番目の引き出しの中だよ。それ(そんな大事なもの)をなくしたくないだろ!)
(Chandler glares at him. At first Joey doesn't know why, it takes him a little bit to figure it out.)
チャンドラーはジョーイをにらむ。最初はジョーイはなぜ(チャンドラーがそんな顔をしているの)かわからず、それに気づくのに少し時間がかかる。
ジョーイ: Ohh!! (Runs to his room.) (おおー! [自分の寝室に走る])
チャンドラー: There it is. (ほら、そうだろ。)

ジョーイは「ロンドンだ、ベイビー!」と大はしゃぎ。
チャンドラーも、かなり前にロンドンへの航空券を買ったと言っていましたので、ロンドン行きそのものは喜んでいるはずですが、あまりにジョーイがはしゃぎ過ぎるので、ちょっとヒイている感じです。
部屋にいる間から、ジョーイがフラッシュを焚いて写真を撮ったりするので、チャンドラーは憮然とした顔をしています。
はりきって出かけようとするジョーイにチャンドラーは、「パスポートはあるか?パスポートは持ったか?」と尋ねます。
それに対する返事、「ああ、パスポートは引き出しにあるよ。大事なものだから、失いたくないだろ?」がいかにもジョーイらしいですね。
You don't want to...? は、I don't want to... 「俺はパスポートをなくしたくない(から大事にしまっておいた)」と言いたいわけですが、自分のことを語る場合に、主語を You にすることで相手の共感を得る、という話し方です。
ほら、お前もそうだし、俺を含めてみんなそうだと思うけど、大切なものをなくしたくはないだろ? なくしちゃったら困るもんな?みたいなニュアンスです。

パスポートは何のためにあるのかわかってないのか?みたいな顔でジョーイをじーっと見つめるチャンドラー。ジョーイが大事なことに気づくよう、促しているような顔です。
しばらく経ってから、またいつものように、あっ!という顔をして、やっと自分の間違いに気付いたジョーイは、慌ててパスポートを取りに戻ります。
トンチンカンなことをして、さらにはその間違いに気づくのも人より少し遅い、というのもジョーイらしい部分で、イギリスに行く、という特殊な状況においても、モニカもジョーイもみんないつもと変わらない様子なのが何だか微笑ましいですね。


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2010年05月28日

国際色豊かな偽名 フレンズ4-22その6

ストリッパーから指輪を取り戻したいけれど、派遣事務所はストリッパーの連絡先を教えてくれません。そこで、ストリッパーを誘い出すために、チャンドラーは偽名で、自分のオフィスにストリッパーを派遣してくれるよう依頼します。
[Scene: Chandler's office, the guys are there waiting to ambush the stripper.]
チャンドラーのオフィス。男性陣はストリッパーを待ち伏せするために、そこで待っている。
ジョーイ: All right, okay, okay, this is great. Uh, Chandler, you get behind the desk. And, and when she comes in, hopefully, she won't recognize you because-- Well, why would she? Uh, okay, and then you buzz Ross and I. (to Ross) You be Mr. Gonzales, and I'll be Mr. Wong. (よーし、いいぞ、これで最高だ。あー、チャンドラー、お前は机の後ろにいろ。それから、彼女が入ってきた時、うまくいけば、彼女はお前が誰だかわからないだろう、だって、ほら、どうして彼女がわかるって言うんだ[わかる理由なんてないよ]? あぁ、よし、それからお前はブザーでロスと俺を呼んで、[ロスに] お前はミスター・ゴンザレスで、それから俺はミスター・ウォンになる。)
ロス: Diverse. (多種多様だね[国際色豊かだね])
(There's a knock on the door.)
ドアにノックの音。
ストリッパー: Anybody call for security? (誰か警備を要請する人はいますか?)
チャンドラー: (to Ross) You be cool. (He opens the door and lets her in as they all turn their backs on her.) ([ロスに] お前は冷静にしろよ。[チャンドラーはドアを開け、彼女を中に入れる。その時、彼らは全員、彼女に背中を向ける]
ストリッパー: Okay, which one of you guys is Gunther Central Perk? (Sees Joey.) Hey, Joey? (オッケー。あなたたちのうち、どの人が、ガンター・セントラルパークさん? [ジョーイを見る] あら、ジョーイ?)
ロス: Where's my ring? My dead grandmother's wedding ring! Where is it? Where is it? (僕の指輪はどこだ? 僕の死んだおばちゃんの結婚指輪だぞ! どこなんだ? どこにあるんだ?)

ストリッパーが入ってくるまでに、誰がどう行動すべきかを打ち合わせしています。
You get, You buzz, You be のように、「You+動詞の原形」を使って話していますが、これは、動詞の原形で始まる命令文を、さらに強調する形になるように主語の You をつけたものですね。
hopefully は「うまくいけば」。
うまくいけば、多分ストリッパーは、お前の顔を見ても誰だかわからないだろう、とジョーイは言っています。
ジョーイとはベッドインしているので顔は覚えているだろうし、ロスはバチェラーパーティーの主役だったのでやはり顔は覚えているだろう、でも、ただの参加者の一人だったチャンドラーのことは多分忘れてるだろうと思うよ、と言っているのですね。
「なぜ彼女がお前を認識するんだ?」というのは、チャンドラーを認識できる、覚えてると考えられる理由がないよ、という感じです。
お前のことは多分覚えてないだろうから、お前は最初から顔を見せておいても怪しまれないだろう、と言っているわけですが、何とも失礼な発言なのでチャンドラーはむっとした顔をしています。

ジョーイは、自分とロスに偽名をつけようとします。
この状況で、偽名までつける必要はないのですが、そこは俳優の性(さが)でしょうかねぇ?(笑)
その名前も、よくあるアメリカ人の名前ではなく、ロスはゴンザレスで、ジョーイはウォン。

Wikipedia 日本語版: ゴンサレス
上のウィキペディアによると、ゴンザレスは「スペインでは2番目に多い苗字とされる」そうです。

Wikipedia 英語版: Wong (surname)
こちらは中国系の名字ですね。

スペイン系や中国系の名字を聞いて、ロスは、Diverse. と言っています。
diverse は形容詞で「多様な、多様性のある」。
名詞は diversity 「多様性」で、日本語でも「ダイバーシティ」というカタカナで使われることがありますね。
一瞬使うだけの偽名なのに、やたらと国際色が豊かだねぇ、と言っていることになります。

ノックの音がして、ストリッパーの声が聞こえます。
Anybody call for security? というのは、ストリッパーが警備員である、という設定でのセリフのようです(色っぽい声で言っているのにも笑えますね)。
実際、入ってきた彼女は、警備員のような服装をしています。
オフィスでストリッパーの仕事をする時は、まずは警備員の格好で入ってくる、という彼女なりの演出なのでしょう。コスプレみたいなものでしょうね。

入ってきた時、みんなは彼女に背中を向けます。
いきなり顔を見せて誰だかわかってしまうと、彼女が逃げ出すかもしれないからでしょう。
ネットスクリプトのト書きには、as they all turn there backs on her とあるのですが、恐らく、there は their のタイポ(タイプミス)だと思います(there だと意味が取れないので)。

顔を向けない3人に対して、依頼人はどの人?と尋ねていますが、その依頼人の名前は「ガンター・セントラルパーク」!(笑)。
過去記事、ガンターの名字は? フレンズ4-22その2 でも解説しましたが、ガンターにベストマンを頼もうとしたチャンドラーは、ガンターの名字がわからず、「ガンター・セントラルパークだっけ?」と言っていましたね。
このエピソードの終わり近くになって、その名前を偽名に使っている!という面白さです。
忘れた頃に登場するのがミソですね。

今回の記事で取り上げた部分は、ジョーイの使った偽名に笑い、さらにはチャンドラーが使った偽名にも笑えてしまう、という風に、偽名にからむジョークが続くところもポイントかな、と思いました。


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2010年05月26日

消毒してないから産んじゃだめ フレンズ4-22その5

モニカとレイチェルの部屋で、妊婦のフィービーは突然、お腹を押さえ、contraction 「子宮の収縮、陣痛」みたい、と言います。
それを聞いて慌てるモニカとレイチェル。
フィービー: Yeah, I thought I felt one a couple of minutes ago, and now I know that definitely was one. (ええ、2、3分前に陣痛を感じたと思ったの。今、それは間違いなく陣痛だってわかるわ。)
モニカ: Oh, wait, wait, wait. You can't have the baby here! I mean, I haven't sterilised the apartment since the guys moved out! (ああ、待って待って待って。ここで赤ちゃんは産めないわ! だって、男子たちが(引っ越して)出て行ってから、アパートを消毒してないんだもん!)
レイチェル: Okay. It's okay. We're gonna be okay. Y'know what? It's okay. I'm gonna, I'm gonna, I'm gonna boil some water and just rip up some sheets! (わかった、大丈夫よ。私たちは大丈夫だわ。ほら、大丈夫。私はお湯を沸かして、シーツを裂くわ!)
フィービー: No. It's all right. It's probably false labor. They said that that can happen near the end. So just somebody get the book. (いいえ、大丈夫よ。多分、偽陣痛[前駆陣痛]ね。妊娠の終わり頃に、そういうのが起こるって言ってたわ。だから、誰か本を取って。)
モニカ: Rachel, get the book! The book! (レイチェル、本を取って! 本を取って!)
レイチェル: Okay! (Runs and grabs a book and hands it to Monica.) Okay! Here! (わかった! [走っていって、ある本を掴み、それをモニカに渡す] オッケー。はいどうぞ!)
モニカ: The Bible? (聖書?)
レイチェル: I don't know! (わかんないのよ!)

少し前に陣痛らしき痛みを感じたけど、今はそれが陣痛だって確信できる、みたいなことをフィービーは言っています。
それを聞いてモニカは、「陣痛が来たとしても、今、ここで産めないわ、産んじゃだめよ!」と叫んでいます。
その理由は、「男子たち(チャンドラーとジョーイ)が引っ越して出て行ってから、この部屋を消毒してないのよ」ということでした。
今は、モニカとレイチェルのものであるこの部屋は、賭けに負けたことで、一時期、チャンドラーとジョーイの部屋になっていました。
結局また、それぞれ元々住んでいた部屋に今は戻っているのですが、彼らが出て行ってから一度もこの部屋を消毒してないから、ここで産んじゃいけないわ、と言っているのですね。
、、、って、チャンドラーとジョーイは病原菌かっ!?と突っ込みたいところです。
どさくさに紛れて、何て失礼なことを…という感じの発言ですね。

同じように慌てているレイチェルですが、大丈夫、大丈夫、と言いながら、「私はお湯を沸かして、シーツを裂く」と言っています。
それも、何だか時代劇に出てくる江戸時代のお産の風景のようですね。

そのうちフィービーは、これは本当の陣痛ではなく、false labor だと言っています。

Wikipedia 日本語版: 分娩 の「正常分娩」の「分娩の前兆」という項目に以下の記述があります。
分娩の3〜4週間前より、不規則で1時間に2〜3回の陣痛が見られるようになり、これを偽陣痛または前駆陣痛という。

Wikipedia 英語版: Pre-labor にも以下の記述があります。
Pre-labor, also called "prodromal labor," consists of the early signs before labor starts. It is the body's preparation for real labor.
Prodromal labor has been misnamed as “false labor."

つまり、「pre-labor は、prodromal labor とも呼ばれ、陣痛が始まる前の初期兆候から成る。本当の陣痛に向けての体の準備である。predromal labor 「前駆陣痛」は false labor という誤った名前で呼ばれてきた。」

false だと「偽物」みたいで聞こえが悪いですが、実際に妊娠の過程で起こるれっきとした一症状だということですね。
それなのにまるで「偽物」みたいに、false labor という名前で呼ばれてきた、ということでしょう。

また、Braxton Hicks contractions 「ブラクストン・ヒックス収縮」も、false labor と呼ばれるようです。
Wikipedia 英語版: Braxton Hicks contractions に以下の記述があります。
Braxton Hicks contractions, also known as false labor or practice contractions are sporadic uterine contractions that usually start around 6 weeks however are not usually felt until the second trimester or third trimester of pregnancy.
つまり、「ブラクストン・ヒックス収縮(false labor や practice contractions としても知られている)は、散発的な子宮の収縮で、たいていは6週目あたりで始まるが、妊娠4-6カ月や、妊娠7-9カ月になるまでは通常感じられない。」

ブラクストン・ヒックス収縮の方は、臨月などの妊娠終期ではなく、もっと前の時期に起こる子宮の収縮を指すようですね。

フィービーは臨月くらいですから、いわゆる「前駆陣痛」を false labor と呼んでいるのでしょう。
(私は前駆陣痛を経験しなかったので、どんなものかよくわかりませんが)

妊娠終期、臨月には、本当の陣痛ではない、そういう陣痛らしきものを感じることがあると言っていたのを聞いたことがあるから、本を取って、とフィービーは言います。
妊娠のガイドブックに書いてあるだろうから、それを見せて、ということですね。
ですが、レイチェルが手渡した本は聖書。
フィービーとモニカは、the book 「その本」と特定することで、the book とは「妊娠のことが書いてある本」だという共通認識があったのですが、レイチェルは、the book と言われても、どの本のことかわかっていなかった、それで、よくわからないのでとりあえず近くに置いてあった聖書を手渡した、ということでしょう。
話し手と聞き手に共通認識があり、「その本」だと特定できる場合に the という定冠詞を使うわけですから、フィービーやモニカは、the book と表現することで、「妊娠の本」であることがレイチェルにも当然伝わると思ったのですね。
でもレイチェルだけ、「the book と言われても、いったいどの本?、そこに置いてるその聖書のこと?」のように、二人の指しているものがわかっていなかった、ということがわかりますね。


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2010年05月24日

警察に突き出すことはないだろ フレンズ4-22その4

ロスがエミリーにあげる予定の指輪は、ロスのおばあちゃんが使っていて、ゲラー家が代々受け継ぐ大事な指輪でした。
その指輪がどれほど大切なものかがわかった後、その指輪が盗まれてしまったことを、ジョーイはロスに小さな声で告げます。
ジョーイ: (laughs, softly) Yeah, the stripper stole it. ([笑いながら、静かにそっと] ああ、あのストリッパーが指輪を盗んだ。)
ロス: My, my ring? My, my wedding ring? The, the stripper stole my wedding ring? H, how?! How, how could this happen? (僕の、僕の指輪を? 僕の結婚指輪を? あの、あのストリッパーが僕の結婚指輪を盗んだ? どうやって、どうやってこんなことが起こったんだよ。)
チャンドラー: Well, I think it all started when you said, "Hey Joey, why don't you be my best man?" (そうだな、お前がこう言った時に、すべては始まったんだと思うよ。「なあ、ジョーイ、俺のベストマンになってくれないか?」)
ロス: (dialling the phone) All right, all right, fine! I'm gonna, I'm gonna call the cops! ([電話をダイヤルしながら] わかった、わかったよ、いいよ! 僕は、僕は警察に電話する!)
ジョーイ: Dude, I, I screwed up. You, you don’t have to turn me in! (なあ、おい、俺は、俺は(確かに)取り返しのつかないことをしちゃったよ。(でも)俺を警察に売ることはないだろ!)
ロス: Not on you, on the stripper! (ジョーイのことじゃないよ、ストリッパーの方(で電話するん)だ。)

その指輪はゲラー家に代々伝わるものだと聞いた後、ジョーイはもごもごとした口調で、「ストリッパーにその指輪を盗まれちゃった」と言います。
あまりの事実にロスは驚いて、「どうしてそんなことが起こったんだ、どういう成り行きでそんなことになったんだ?」と叫んでいます。
それに対するチャンドラーの返事、I think it all started when you said, "Hey Joey, why don't you be my best man?"が面白いですね。
ロスがジョーイに「ベストマンをお願いするよ」と頼んだことがそもそもの発端で原因だ、とチャンドラーは言いたいのです。
ジョーイみたいな人にベストマンを頼んで、そいつに指輪を預けたりするから、こんなことになっちゃたんだ、ということですね。
ロスのセリフ、How could this happen? は、信じられない事実が起こった時に、「どうしてこんなことが…」と反射的に出るセリフでもありますし、また、実際にロスが疑問に思っているのは、「どうしてストリッパーに指輪を盗まれることになってしまったのか?」という詳しい事情ですよね。
それに対する返事としては、これこれこういうことがあって…と指輪をジョーイに預けた後の出来事を順番に説明するのが普通の返答ですが、ベストマンの座を争ってジョーイに負けたチャンドラーは、「だいだい、ロスがジョーイをベストマンに選ぶから、こんなことになっちゃったんだよ」と、ロスの選択が間違っていたことを指摘しているわけです。

フレンズ4-2その6 では、ジョーイが客の応対中、自らすすんで棚の中に入っている間に、家財道具一式が盗まれるという事件がありました。
その時のやり取りで、
モニカ: (entering) Oh my God! What happened? ([入ってきて] なんてこと! 何が起こったの?)
チャンドラー: Oh, umm, Joey was born, and then 28 years later, I was robbed! (あぁ、そうだな。ジョーイが生まれた。そしてそれから 28年後に、俺は(所持品を)盗まれたんだ!)
というのがありましたが、それも、「盗まれることになった事情、経緯」を説明しているのではなく、ジョーイの存在そのものが盗難被害にあった原因だ、みたいなことを言っていますね。
表現は異なりますが、その 4-2 のセリフと、今回の 4-22 のセリフは、同じような感覚だな、と思いました。
いかにもチャンドラーが言いそうなセリフだということです。

警察に電話するというロス。
screw up は「しくじる、大失敗する、へまをする」。
turn someone in は「人を警察に届け出る、通報する」。
turn oneself in だと「警察に自首する」という意味になります。
また、turn in は「(書類・レポートなどを)提出する」という意味でもよく使われますね。
(TOEIC に出そうなのは、「警察に通報する」ではなくて、「レポートを提出する」の方でしょう…笑)

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
turn somebody in / turn in somebody : to tell the police who or where a criminal is
つまり、「犯人は誰か、または犯人がどこにいるかを警察に言うこと」。

ジョーイは、「確かに俺は大ヘマをしちゃったけど、でも、だからって警察に俺を突き出す必要はないだろ? そこまですることはないだろ?」と言っているのですが、ロスは、「電話してるのは、お前のやった件じゃなくて、ストリッパーの方だよ」と答えます。
自分のやった罪の大きさにおののいて、警察に突き出されちゃうの、俺?と不安がっているジョーイに笑ってしまいますね。


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2010年05月21日

これが緊急事態じゃないなら フレンズ4-22その3

バチェラー・パーティーに来ていたストリッパーとベッドインしたジョーイ。
夜中目が覚めたジョーイは、ストリッパーの姿がなく、また、ロスから預かっていた結婚指輪もなくなっていることに気づきます。
あのストリッパーが盗んだんだ!と大騒ぎしているジョーイ。
ジョーイ: Ugh! I don't know what I'm going to do! I called the company that sent her and th, they don't care! Then I called 911 and they yelled at me. If this isn't an emergency, then what is? (あー! 俺はどうすればいいのかわかんないよ! そのストリッパーを派遣した会社に電話したけど、やつらは気にもかけないんだ! それで俺は911(警察への緊急電話番号)に電話したけど、やつらは俺に怒鳴るんだぜ。もしこれが緊急事態じゃないなら、そしたら何が緊急事態だよ?)
ロス: (entering) Hey, guys! ([入ってきて] やあ、みんな!)
チャンドラー: Hey! (よお!)
ジョーイ: Hey... (よぉ…)
ロス: I just wanted to thank you again for last night. What a great party! And the guys from work had a blast. Y'know, one of them had never been to a bachelor party before. Yeah! And-and another one had never been to a party before, so... (昨晩のことで、ただもう一度ありがとうって言いたくてね。すごいパーティーだったよ! それに仕事の同僚も楽しい時を過ごしてた。ほら、彼らのうちの一人はこれまでバチェラー・パーティーに出席したことがなくてさ。そうなんだよ! それに、別の一人は、これまでパーティー(そのもの)に出席したことがなかったから、だから…。)

ストリッパーと指輪が同時に消えているので、ストリッパーが指輪を盗んだと推理したジョーイは、自分が指輪を取り戻すためにやったことをチャンドラーに説明しています。
911 というのはアメリカの緊急電話番号(警察・救急・消防を呼ぶ番号)ですね。
フレンズ1-22その6 でも、911 という番号について説明しています。
ジョーイは、「ストリッパーに指輪を盗まれた!」と警察に電話したのですが、どうやら電話の相手に怒鳴られたようです。
yell at は「(人)に怒鳴る、(人)を怒鳴りつける」。
「そんなくだらないことで電話してくるな!」みたいに言われて、取り合ってもらえなかったようです。

その後のジョーイのセリフ、If this isn't an emergency, then what is? が面白いですね。
直訳すると、「もしこれが緊急事態じゃないのなら、(そしたら)何が緊急事態なのか?」ということで、よくある日本語に直すと、「これが緊急事態じゃないって言うんなら、一体何が緊急事態だって言うんだよ?」「これが緊急事態じゃなくて、何が緊急事態だ?」というところ。
「まさに緊急事態だから、緊急電話番号に電話したのに、まともに応対してくれないなんてどういうことだ!?」と怒っているわけですね。

何も知らないロスは、昨日のバチェラー・パーティーのお礼を述べています。
ここでの blast は「にぎやかな時、楽しい時」という意味で、have a blast で「にぎやかな時を過ごす」という意味になります。
フレンズ1-10その4 にも、I had a blast with him the other night. というセリフが出てきました。

職場(博物館)の同僚を3人ほど呼んでいたようでしたが、そのうちの一人は、バチェラー・パーティーは初めてだったから、ものすごく楽しめたみたいだ、と言っています。
そして、もう一人についても語るのですが、その人は、バチェラー・パーティーどころか、これまで「パーティー」というもの自体に参加したことがなかった、招かれたことがなかったんだよ、と言っています。
アメリカ人はよくパーティーを開きますので、パーティーが初体験ということはあまり友達もいない人だということでしょう。
自分の同僚はそういうタイプの人たちだったから、すっごく楽しんだみたいだよ、ありがと、と主催者であるジョーイにお礼を言っているのですね。

このエピソードでジョーイは、博物館の同僚はあまりたくさん呼ばないでくれ、とロスに頼んでいました。
その時のセリフは以下。
ジョーイ: Listen, I know it's your party, but I'd really like to limit the number of museum geeks that are gonna be there. (なぁ、ロスのパーティーだってことはわかってるんだけどさ、パーティーに出席する博物館のオタクの人数は制限させて欲しいんだよ。)

ジョーイのイメージ通り、やはりロスの同僚は一風変わった人が多いことが、ロスのセリフで証明されたことになりますね。


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2010年05月19日

ガンターの名字は? フレンズ4-22その2

ロスのベストマンを誰にするか?で男性陣3人は口論になります。
ロスは最初はチャンドラーに頼むつもりだったのですが、チャンドラーが自分のベストマンをジョーイに頼むようなことを言ったので、「チャンドラーは僕(ロス)の時に2回もベストマンをしたのに、僕はチャンドラーのベストマンになれないのか?」とロスは機嫌を損ねてしまい、結局ロスはジョーイを選びます。

その後に開かれたロスのバチェラー・パーティー。
ロスの男性の友人たちと、ストリッパーがいます。
チャンドラー: (banging a spoon against his beer bottle) Okay, a little announcement, a little announcement. I've decided that my best man is my best friend Gunther. (ビール瓶をスプーンで叩いて) オッケー。ちょっと聞いてくれ、ちょっと聞いてくれ。俺は(たった今)決めた。俺のベストマンは俺の親友のガンターだ。)
ガンター: What's my last name? (僕の名字は何?)
チャンドラー: Central Perk? (セントラルパーク?)
ガンター: (to Ross) Thanks for not marrying Rachel. (He starts to leave.) ([ロスに] レイチェルと結婚しないでくれてありがとう。[ガンターは去ろうとする])
ジョーイ: Oh, hey, Gunther! Don't, don't forget your shirt. (He gives Gunther his shirt and Gunther leaves.) (ああ、おい、ガンター。シャツを忘れちゃだめだぞ。[ジョーイはガンターにシャツを渡し、ガンターは去る])
ロス: Hey, hey, what are those? (おいおい、それ(そのシャツ)は何だ?)
ジョーイ: Oh, little party favors. Check it out! (It's a shirt that reads, "Ross Geller, Bachelor Bash 1998") (ああ、ちょっとしたパーティーの記念品だよ。見てくれ! [「ロス・ゲラー、バチェラー・バッシュ 1998」と書いてあるTシャツである])
ロス: Wow! Yeah! (わぁ、おお!)
ジョーイ: Oh, oh! (Shows him what's on the back, "Best Man Joey Tribbiani, with a huge picture of him.) Oh! (おー、おー? [ジョーイは、シャツの裏にある、「ベストマン、ジョーイ・トリビアーニ」という文字と彼の巨大な写真を見せる] おー!)
チャンドラー: (banging on the bottle again) Okay, okay, a little announcement. Just want everybody to know the position of my best man is still open! And uh, (to the stripper) you know, so is the position of the bride. ([ボトルをまた叩いて] オッケー、オッケー。ちょっと聞いてくれ。みんなにちょっと知っておいて欲しいんだ、俺のベストマンのポジションはまだ空いてる、って[俺のベストマンはまだ空席だ、って]。それに、[ストリッパーに向かって] ほら、花嫁のポジションもまだ空いてるよ。)
ストリッパー: Great! (最高ね!)

ロスがベストマンをジョーイに選んだことで、チャンドラーは二人に対してのあてつけのように、「俺はベストマンを”親友の”ガンターに頼むことにするよ」とみんなの前で宣言しています。
ガンターを親友と呼ぶことで、「ロスやジョーイなんて、俺にとっては親友じゃない」と言っているわけですね。
ガンターはチャンドラーが自分のことを親友、と呼んだことに対して、「僕のことを親友と言うんなら、当然、僕の名字も知ってるよね?」という意味で、What's my last name? と尋ねます。
改めてそう言われてみると、これまでガンターの名字って出てきたことないんですよね(笑)。
観客も「そういや、ガンターの名字って何だっけ?」ときっと思ったはずで、そういう意味でも笑えるセリフなのですが、それに対するチャンドラーのセリフ、「ガンターの名字は…セントラルパーク、かな?」でさらに笑えてしまいます。
確かに、喫茶店セントラルパークでいつも働いているガンターですから、「ガンターといえばセントラルパーク」という感じなのですが、「僕の名字知ってる?」の問いに、Oh, sorry, I don't know. 「ああ、ごめん、知らないや」などのありきたりの返事ではなく、何とか答えをひねり出そうとする、そのチャンドラーの返しが彼らしいです。

帰ろうとするガンターに、シャツを手渡すジョーイ。
favor は「好意、親切」という意味でよく使われますが、ここでは「記念品、贈り物」という意味です。
つまりは、パーティー参加者へのお土産ですね。
そのシャツを得意気に見せるジョーイ。
bash は動詞で「殴りつける、強く打つ」という意味ですが、名詞で「にぎやかなパーティー、どんちゃん騒ぎ」という意味もあります。
bachelor party のことを、bachelor bash と表現しているわけですね。
ba- という音が続くことでリズム感も出る呼び方です。
それを見て喜ぶロスですが、裏を返すと、デカデカとしたジョーイの顔写真が。
自分の写真入りTシャツを作りたくて、ロスのパーティーをダシに使った、という感じです。

チャンドラーはまた、瓶を鳴らしてみんなの注意を引きます。
最初のセリフにも出てきましたが、A little announcement. と言いながら瓶を鳴らしていますね。
announcement は「アナウンス、お知らせ、告知、発表」ですから、A little announcement. は「ちょっとしたお知らせがある(ので聞いてくれ)」というニュアンスになります。

ガンターにベストマンを頼むと言ったところ、ガンターの名字も知らないで頼んだことがバレてしまったので、今はまだ俺のベストマンのポジションは空いてるよ、とみんなに報告しているのです。
やりたい人がいたら名乗り出てね、ということでもあります。

So is the position of the bride. という、「So+(助)動詞+主語」というのは、I like him. / So do I. 「私は彼が好き」「私もよ」の、So do I. と同じですね。
フレンズ2-15その17 にも、同じような「So+(助)動詞+主語」というパターンのセリフが出てきました。

ここでは、ベストマンのポジションが空いてる、と言ったついでに、「花嫁のポジションもまだ空いてるから、良かったら君、立候補してみない?」みたいに、傍にいるストリッパーを口説いてみているわけです。
ベストマンの話をしておきながら、実は花嫁もまだ決まってない、結婚する相手もまだいないんだけど、という自虐っぽいニュアンスも少し入っている気がします。
意味としては、And the position of the bride is still open, too. ということですが、「ベストマンのポジションは空いてるよ、それに花嫁のポジションもね」と軽く付け足す感じの上のセリフの方が、セリフとしてはしゃれていると思います。
おまけのように付け足しながら、実は本当に言いたいのは後半の方だった、という感じですね。

ストリッパーは言葉では、Great! と言っていますが、その言葉とは裏腹に、「何言ってんの?」みたいなあきれた顔で去っていきます。
こういうセリフは、ト書きに、sarcastically 「皮肉っぽく」と書いてある場合もよくありますね。
文字で Great! と書いてあるからと言って、本当に「最高だわ!」と喜んでいるかどうかは、実際の表情や言い方を確認してみないとわかりません。
そういう皮肉っぽい表現を学べるのも、映像がついたドラマで学ぶ醍醐味ですね。


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2010年05月17日

一生ベストマンになれない フレンズ4-22その1

シーズン4 第22話
The One with the Worst Best Man Ever (消えた指輪の行方)
原題は「史上最悪のベストマンの話」


チャンドラーとジョーイの部屋にやってきたロス。
ロス: All right. Here's the ring. (Shows Chandler the wedding ring he plans on giving Emily) (よし、ほら、これが指輪だ。[エミリーにあげる予定にしている結婚指輪をチャンドラーに見せる])
チャンドラー: (shocked) Yes, yes! A thousand times, yes! ([衝撃を受けたように] イエス、イエス! 1000回言う。イエス!って。)
ロス: So uh, any ideas for the bachelor party yet? (バチェラー・パーティーの案は何か決まった?)
ジョーイ: Whoa-whoa-whoa! Before you start handing out wedding rings and planning bachelor parties, don't you have to decide who your best man is gonna be? (おいおいおい! 結婚指輪を配ったり、バチェラー・パーティーを計画したりを始める前に、誰がベストマンになるかを決める必要があるんじゃないのか?)
チャンドラー: Oh, it's awkward. It's awkward. It's awkward. (ああ、気まずい。気まずい。気まずい。)
ロス: I sort of already asked Chandler. (僕は、その、すでにチャンドラーに頼んだんだ。)
ジョーイ: What? He got to do it at your first wedding! (何だって? チャンドラーはロスの最初の結婚式でベストマンをやったじゃないか。)
ロス: Joey, I figured you'd understand. I mean, I-I've known him a lot longer. (ジョーイ、君ならわかってくれると思うけど。ほら、(ジョーイより)チャンドラーの方をよりずっと長く知ってるし[チャンドラーの方が付き合い長いし]。)
ジョーイ: Come on, Ross! Look, I-I don't have any brothers. I'll never get to be a best man! (頼むよ、ロス! なあ、俺には男兄弟が一人もいないんだぞ。俺は一生ベストマンになることができないよ!)
チャンドラー: You can be the best man when I get married. (俺が結婚する時に、ジョーイはベストマンになれるさ。)
ジョーイ: (pause) I'll never get to be a best man! ([少しの間(ま)があって] 俺は一生、ベストマンになることができないよ!)

ロスは指輪のケースをパカッと開けて、中の指輪を見せています。
それを見てチャンドラーが、何度も Yes! と言っていますね。
このちょっと大げさな言い方は、プロポーズされた女性の真似をしているのかな?と思いました。
アメリカではプロポーズする時に、男性が女性の前にひざまずいて、指輪を見せながら、"Will you marry me?" 「僕と結婚してくれる?」と問い、それに対して女性が、"Yes." 「はい」と答える、というお決まりのパターンがありますね。
そのイメージで、結婚指輪を見せたロスに対して、恋人の女性の真似をして、「ええ、もちろんイエスよ。1000回イエスって言っちゃうわ!」みたいなセリフを言ったのかな?と思います。(言い方がちょっと女性っぽい感じもしますし)

実際のところは、ロスはチャンドラーにベストマン(花婿の付き添い役)をやってもらうために、指輪を託しているようです。(後のセリフでそれがはっきりします)
ベストマン(best man)は、複数いる花婿付き添い役(groomsmen)の中で、主要な役割を果たす人物。
ベストマンについては、フレンズ2-24その6 でも説明しています。

そういう意味では、「指輪を渡すこと=ベストマンをやってくれとお願いすること」を意味していて、ベストマンの依頼は喜んで受けるよ、という意味で何度もイエス!と言っているという解釈も可能な気がしますが、後のやり取りを聞いていると、チャンドラーにベストマンを頼むことは、もう暗黙の了解でずっと前から決まっていたような印象があります。
ですからやはり、ここでチャンドラーが何度もイエス!と言っているのは、「よっしゃ!ベストマンなら任せとけ!」という意味ではなく、プロポーズで指輪を見せられてときめく女性の真似をしている、と考えるのが自然かな?と私は思いました。

指輪を渡して、バチェラーパーティーの予定はどうなってる?と尋ねるロス。
「バチェラー・パーティー」(花婿の男性の友人が集まる、独身さよならパーティー)については、バチェラー・パーティーに付き物の… フレンズ3-12その3 でも説明しています。

その二人のやり取りを聞いていたジョーイは、指輪とかバチェラーパーティーとかよりも、ベストマンを決める方が先だろ?と言います。
それを聞いてチャンドラーは、 It's awkward. 「気まずい」と言っていますね。
awkward は「気まずい、きまり悪い」という意味。
ジョーイがベストマンを先に決めなくちゃ、と言ったことから、ジョーイはまだ誰がベストマンになるかを知らない、そして、自分もベストマン候補だと思っていることがわかりますね。
すでにベストマンの依頼を受けているチャンドラーは、そのジョーイの気持ちを知って、「もう俺に決まってるんだ」と言うことになるのが気まずい、と思っているわけです。
チャンドラーが気まずい、気まずい、と言ってつらそうなので、ここはやはり依頼人であるロスが、ジョーイに真実を告げます。
それを告げる場合も、sort of という「ちょっとはぐらかす」表現を使っていますね。
フレンズによく出てくる kind of と同じで、「はっきりと断言するのを避ける」言い方です。
ニュアンスを出して訳すと、「僕は、その、何ていうか、すでにチャンドラーに(ベストマンになってくれと)頼んじゃったんだ」という感じですね。
ジョーイがやりたがっているのがわかるので、ジョーイを傷つけないように、「あのー、そのー、実はもう頼んじゃってて…」みたいに言いにくそうに言っているのです。

それを聞いてジョーイは驚きの声を上げます。
1回目の(キャロルとの)結婚式でもチャンドラーはベストマンをやったのに、2回目もチャンドラーなのか?、チャンドラーが2回もするなんてずるいよ、チャンドラーは1回経験済みだから、今度の結婚式は当然俺だろ?と言いたいのですね。

I figured you'd understand. の you'd は、you would の略で、丁寧に訳すと、「君なら理解してくれるだろうと僕は思う」という感覚。
ベストマンをやりたいって言うジョーイの気持ちはわかるけど、チャンドラーは大学時代からの知り合いで、付き合いもずっと長いから、彼に頼むのが自然な流れなんだよ。その事情を考えたら、今回の僕の決定を受け入れてくれるだろ?という感じです。

それでもジョーイはあきらめません。
俺には男兄弟がいないから、今回のロスの結婚式を逃したら、一生ベストマンにはなれない、と言っています。
ベストマンというのは、「花婿の友人」から選ばれると思っていたのですが、ジョーイのこのセリフから判断すると、男兄弟がいる場合は、その兄弟の付添い人をすることも可能、なんでしょうか??

「一生ベストマンになれないよ!」と嘆くジョーイに、チャンドラーが「俺の時にすればいいじゃないか」と言うのですが、それを聞いて、また同じセリフ、「一生ベストマンになれないよ!」と訴えるジョーイに笑ってしまいます。
ジョーイは、チャンドラーは結婚できないと思っていることがわかります。
チャンドラーの結婚式を待ってたら一生ベストマンになれずに終わってしまう、だから今回が最後のチャンスだから、どうかロスの結婚式でベストマンをやらせてくれよ!という感じですね。
チャンドラーはジョーイを慰め、助け舟を出すつもりで「俺の時にすればいい」と言ったのに、そのセリフには全く意味がないかのようにジョーイは同じセリフを繰り返す、という面白さを感じていただければと思います。


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2010年05月14日

その場所にいるのも同然 フレンズ4-21その6

ロスとエミリーの結婚式でロンドンに行く予定のチャンドラーとジョーイは、ロンドンのガイドブックを読んでいます。
チャンドラー: All right, check it out. Check this out. It says here that there's a place you can go to rent videos of all the museums. (Reading from the book.) "It's almost as good as being there." (よーし、ほら見て、これを見ろよ。全ての美術館[博物館]のビデオを借りに行くことができる場所がある、って、ここに書いてある。[本を読み上げる] 「ほぼ、その場所にいるのも同然です。」)
ジョーイ: It's better! You can't go to a museum in your underwear. (その方がいいよ! 下着のまま美術館には行けないもんな。)
チャンドラー: Well, You could, but... probably just the one time. (そうだな、やれないことはないけど…多分、1回きりだな。)
ジョーイ: I bet we could get videos of all the sights, get a VCR in our hotel room... we'd never even have to go outside! (全ての名所のビデオを借りて、ホテルの部屋にビデオデッキを持ち込むってのができそうだぞ…(そしたら)外に出かける必要さえなくなるんだ!)
チャンドラー: If we do that, we've gotta rent Die Hard. (もしそれをするなら、「ダイ・ハード」を借りなくちゃな。)
ジョーイ: Oh-ho! I bet the British version is gooooood! (ほほーう。きっと、イギリス版は最高だぞ!)

ガイドブックを見ながら、全てのミュージアムのビデオを借りられる場所がある、と喜んでいるチャンドラー。
そこの説明にある、"It's almost as good as being there." の as good as は、「…も同然、…したも同然」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
as good as : almost
と書いてあります。
good という言葉が使われていますが、良いことばかりではなく、悪い状況を表す時にも使います。
He's as good as dead. だと、「彼は死んだも同然だ」になります。
そのガイドブックが言いたいことは、「そのビデオを借りたら、そこにいるのも同然の気分になれる、まるで実際にそこにいるような感覚になれる」ということですね。

それをジョーイも、「実際にミュージアムに足を運ぶより、ビデオで見る方がいいな!」と同意しています。
You can't go to a museum in your underwear. の you は、一般の人を表し、この場合は、自分自身のことも含めている感覚ですね。
俺を含めてみんな、下着姿でミュージアムに行くことはできない、ということです。
つまり、ビデオなら下着姿でくつろぎながら見ることができるし、と言いたいのですね。

それに対するチャンドラーの返事が楽しいです。
You could, but... probably just the one time. の could は「可能性」を表し、「やろうと思えばできる」という感覚。
下着姿でミュージアムに行くことは可能だけど、多分、それをやったら追い出されるし、みんなに注目されて恥ずかしい思いもするし、やっても1回だけだな、ということですね。
「できるかできないか」という可能性の話で言うと、できないことはないけど、一度やったらもう二度とできることじゃないな、というニュアンスです。

ジョーイはミュージアムだけではなく、全ての名所・観光地のビデオを借りて、ホテルの部屋にビデオデッキを用意したら、外に出なくて済むぞ!と騒いでいます。
デッキを持ち込むなら、「ダイ・ハード」も借りようぜ!とチャンドラーもその話に乗っています。
「ダイ・ハード」のビデオを借りるという話は、過去記事、なかなか死なぬダイハード フレンズ4-21その2 に出てきました。
最後の最後にまたそのネタが出てくるのが面白いですね。

さらに、ジョーイのとぼけたセリフにも注目です。
今回 I bet という言葉が何度も登場していますが、「きっと…だと思う」という感覚ですね。
bet は元々「(金などを)賭ける」という意味なので、そこから「(賭けてもいいほど)主張する、断言する」という意味になります。
ジョーイが言っているのは、「きっと、(ダイ・ハードの)イギリス版は、いけてるだろうなぁ」みたいなことですが、それを聞いてチャンドラーは肩をすくめています。
イギリスは英語圏ですから、イギリスで借りても、ダイ・ハードはアメリカ版と同じ内容のはず。イギリス用に別の吹き替えがされている、ということもないですよね。
(小説の世界だと、「ハリー・ポッター」は、オリジナル原稿の「イギリス版」と、それをアメリカ英語に修正した「アメリカ版」があるそうですが…)

外国に行くとはしゃぐジョーイは、別の国のバージョンのダイ・ハードが見られる!と喜んでいるのですが、アメリカ版と何も変わりがない、ということに気づいていない、という面白さです。
でも、ジョーイなら、イギリスで「ダイ・ハード」を見た後でも、「やっぱり、イギリス版は最高だったな!」とか喜びそうな気もしますね(笑)。


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2010年05月11日

いつでもずっと君だった フレンズ4-21その5

ロスとエミリーの結婚式の招待状をもらったレイチェルは、出席するか欠席するかを、悩んだ末に決めます。
ちょうど、出欠にチェックを入れた時に、モニカがやってきます。
モニカ: (seeing the decision) Nooooo. You're really not going? ([決めたことを見て] えー? レイチェルは本当に行かないの?)
レイチェル: Yeah. It's just gonna be too hard. Y'know, I mean... it's Ross. How can I watch him get married? Y'know it's just, it's for the best, y'know it is, it's.... Y'know, plus, somebody's got to stay here with Phoebe! Y'know she’s gonna be pretty big by then, and she'll need someone to help her tie her shoes. Drive her to the hospital in case she goes into labor. (ええ。ただものすごくつらくなるから。ほら、だって…ロスよ。彼が結婚するのを私がどうやって見ていられるって言うの? ほら、ただこれが結局は一番いい結果になるのよ。ほら、ほら…。それに、誰かがここでフィービーと一緒にいてあげないといけないでしょ! ほら、フィービーはその時までにはかなり(お腹が)大きくなってるから。それに彼女には、靴紐を結ぶのを手伝ってくれる誰かが必要だし。フィービーが産気づいた場合には、彼女を病院に車で連れていくとか。)
モニカ: You don't have a car. And your license expired. (レイチェルは車を持ってないでしょ。それに、あなたの免許は期限切れだし。)
レイチェル: Yeah. (Starts to cry) Yeah. See, there's so much to do, and I have so little time to do it in. (そうね。[泣き出しながら] そうね、ほら、しなきゃならないことがたくさんあるのに、それをするための時間はほんの少ししかないわ。)

結局、ロスの元カノであるレイチェルは、ロスとエミリーの結婚式を欠席することに決めました。
驚くモニカに、「ものすごくつらいことになるから」と言っていますね。

I mean... it's Ross. 「だって…ロスなのよ」という言い方が非常に英語っぽい表現だと思います。
この it's は日本語に訳さない方がいいですね。
日本語で言うところの、「ロスよ。ロスだもん。ロスなんだもん」みたいな感じですが、ただの Ross. だけでは文として不完全なので、It's Ross. という形にしている、という感覚です。
こういう It's... については、イッツ・ユーのニュアンス フレンズ3-16その18 で引用させていただいた、佐藤良明先生とマーティ・フリードマンさんによるご説明が感覚的に非常にわかりやすいです。

今回のエピソードは過去のシーンがたくさん登場する総集編でもありますが、回想シーンで、ロスがジュリーと別れたことをレイチェルに告白する場面が出てきます。
ジュリーと別れたと聞いて、
レイチェル: Really? (ほんとに?)
ロス: Really. It's always been you, Rach. (ほんとさ。いつでもずっと君だった、レイチェル。)
というセリフがありました。
この It's always been you. というのは、It's you. 「君だ。君なんだ」という言葉の現在完了形バージョンだと言えそうです。
初めて君を好きになった昔から現在に至るまで、「いつでも、いつも、常に」ずっと「君だったんだ」みたいな感じですね。

レイチェルは、「それに誰かが妊婦のフィービーと一緒にいてあげないといけないし」と、何とか自分がここに残る理由を見つけようとしています。
結婚式の頃には、お腹がこんなに大きくなってるわ、と手でお腹がでっかくなっている様子を示しながら、フィービーが靴紐を結ぶのを手伝ってあげる誰かが必要だ、と言っています。
臨月の妊婦さんのために何かしてあげることとして、「靴紐を結ぶ」というささいなことを持ち出すのが面白いですね。
とっさに浮かんだのがそれだった、という感じです。(確かに結びにくいですし、臨月では自分が乗った体重計の針もよく見えなかったりしますが…笑)

その後、「産気づいたら・陣痛が始まったら、彼女を病院に車で送っていく」という、もっともらしい理由も述べています。
ですがモニカに、「あなたは車を持ってないし、免許だって切れてるじゃない」と指摘されてしまっています。
expire は「(免許などの)有効期限が切れる、満了する、失効する」。
TOEIC にも登場する単語ですね。

「あなたの今の状態では、車で病院まで送ることはできないでしょ」と言われてしまったレイチェルは、その結婚式までわずかな時間しかないのに、することが山ほどあるわね、と言いながら泣いています。
この言い方だと、その時までに車を調達して、免許の更新もしなくちゃならない、と言いたいようですね。
There's so much to do, and I have so little time to do it in. は、so much と so little が対になっています。
することはものすごくたくさんあるのに、それをするための時間がほんのわずかしかない、という対比ですね。


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2010年05月06日

彼女が行かないなら私達も フレンズ4-21その4

ロスとエミリーの結婚式の招待状をみんなが見ているところに、レイチェルが帰ってきます。
レイチェル: (entering) Hi, guys! What's up? ([入ってきて] はーい、みんな! 何してる?)
ジョーイ: Heyyy. (They all try and hide their invitations.) (よーお。[フレンズたちは全員、自分たちに来た招待状を隠そうとする])
モニカ: We're hanging out. (私たちは、(ただ)時を過ごしてるだけよ。)
(Rachel starts going through her mail, and come across her invitation.)
レイチェルは自分宛のメールをチェックし始め、自分への招待状を発見する。
レイチェル: What's this? Is this Ross' wedding invitation? (これは何? これは、ロスの結婚式の招待状?)
チャンドラー: See, maybe that's the one we should've actually hidden. (ほら、多分、俺たちが本当に隠すべきだったのは、あっちだよ。)
レイチェル: Oh, no! No, you guys, come on. You don't have to do that! I'm happy for him. I am. I really-- I'm, I'm happ-- I'll work on it. (ああ、いいえ! 違うわ、みんな、よしてよ。みんなはそんなことする必要はないわ! 私は彼のことを喜んでるわ。そうよ。私は本当に… 私は、私は喜んで…。(そうなるよう)努力するわ。)
モニカ: I'm sorry, honey. (同情するわ[気持ち、わかるわ]、ハニー。)
レイチェル: Umm. (うん…。)
モニカ: Rach, you're gonna come, though, aren't you? (レイチェル、でも、あなたは行く[出席する]わよね?)
レイチェル: Oh, honey, I don't know. I.... (あぁ、ハニー、わからないわ、私は…)
チャンドラー: This isn't one of those uh, y'know "If she doesn't come, we, we don't, we don't come?" Right? Because I already bought my ticket. (これって、よくあるあれじゃないよな。ほら、「もし彼女が行かないなら、私たちは行かない」っていう。な? だって、俺はすでに自分のチケット(航空券)を買っちゃったんだ。)

ロスとエミリーの結婚式の招待状を見ていたところ、ロスの元カノであるレイチェルが入ってきたので、みんなは慌ててその招待状を隠しています。
What's up? は「どうしたの?」または「元気?」という感じの軽い挨拶なのですが、自分たちがさっきまで招待状を見ていたことを悟られまいと、モニカは、We're hanging out. と答えています。
hang out は「ぶらぶらして時を過ごす」という意味。
今回のエピソードの最初の方、フレンズ4-21その2 でも、
フィービー: So you guys'll stay here and hang out with me? (それじゃあ、あなたたちはここにいて、私と時間を過ごす?)
というセリフの中で hang out が使われていました。
「私たちは別になーんにもしてないわ、ただ、時間を過ごしてるだけ」みたいにモニカは答えているのですが、それがかえって不自然な返事になっているわけですね。
自分たちが直前までやっていたことを隠そうとする感じが出ています。

ですが、自分宛に来た手紙をチェックしている時に、レイチェルは自分宛の招待状を発見します。
それを見てチャンドラーは、「隠すべきだったのは、あっちのレイチェル宛の招待状だった」と言っています。
いくら自分たちのを隠しても、レイチェルへの招待状を隠さなかったら何にもならないじゃん、ということですね。
we should've actually hidden は「should+have+過去分詞」で、「…すべきだったのに(そうしなかった)」という意味になります。

みんなが元カノの自分に気を遣っていることに気づいて、「そんなことしなくていいわ。私はロスのことを喜んでるもの…」と言うのですが、ちょっと涙声になって、I'll work on it. と言っています。
work on it は「努力する」。
I'm happy for him. と言ったものの、やはりまだそこまでの気持ちにはなれていないので、そんな気持ちになるように頑張る、努力する、と言っているのですね。

You're gonna come, aren't you? は「あなたはロスの結婚式に出席するわよね?」という付加疑問文。
「レイチェルももちろん行くわよね?」「いいえ、わからないわ」というやり取りを聞いていたチャンドラーは、This isn't one of those... 「これって、例の(よくある)あれ(のひとつ)じゃないよね…?」と尋ねています。
その「よくあるあれ」とは、"If she doesn't come, we don't come." つまり「もし彼女が行かないなら、私たちは(私たちも)行かない」ということ。
こういうセリフは、女子の会話でよく聞きますよね。
今回のエピソードは、過去の回想シーンがたくさん登場します。
そこで使われている フレンズ2-14 のセリフの中にも、
レイチェル: I can't go to my own prom without a date. I can't. It's too late. (プロム(卒業パーティー)に、彼氏なしでは行けないわ。無理よ。遅すぎるわ。)
モニカ: If you're not going, then I don't want to go either. (もしあなたが行かないなら、それなら私も行きたくないわ。)
というセリフが出てきました。
女子高生を始めとして女子の間でよく聞かれるセリフ、今回のロスの結婚式の話も、そんな風に「レイチェルが行かないなら、私たちも行かない」とかいう話にならないよな?、だって俺はもう、イギリス行きの飛行機のチケットを買っちゃったから…とチャンドラーは言っているわけです。
俺はチケット購入済みなんで、「レイチェルが行かないなら、みんなで行くのをやめましょ」てな話にならないよね?と心配しているのですね。


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2010年04月30日

ティッシュペーパーと鼻紙 フレンズ4-21その3

[Scene: Monica and Rachel's, Joey, Monica, and Phoebe are opening their invitations.]
モニカとレイチェルの部屋で、ジョーイ、モニカ、フィービーは、(ロスから彼らに送られてきた)結婚式の招待状を開封しているところ。
モニカ: Ohh, this is soo amazing! I can't believe my brother's getting married and in London! It's just, it's so romantic. (あぁ、これってすっごく素晴らしいわ! 私の兄さんが結婚する、それもロンドンで結婚するなんて信じられない! ただ、すっごくロマンティックだわ。)
ジョーイ: (taking apart the invitation) Hey, pretty smart! Tissue paper. You're at the wedding. You have to cry. Handkerchief? No, no, I got my invitation. (招待状を開けながら) おい、すっごく賢いな! ティッシュペーパーだ。結婚式にいるとするだろ。泣かずにはいられない。ハンカチーフは? いやいや、俺には自分の招待状があるからね。)

invitation は「招待」ですが、invitation で「招待状」という意味にもなります。その場合は数えられるので可算名詞扱いになりますね。
モニカは招待状を見て感動しています。
my brother's getting married and in London! は、and のない場合の getting married in London とは少しニュアンスが異なる気がします。
and がないと、「私の兄さんがロンドンで結婚するなんて信じられない」という感じになりますが、getting married and in London だと、「私の兄さんが結婚するなんて信じられない、しかもロンドンで(なんて信じられない)」というニュアンスになると思われます。
兄の結婚に驚いていると同時に、しかもその結婚する場所がロンドンだなんて、さらにびっくりだわ、という感じですね。

ジョーイは招待状からある紙を取り出してヒラヒラさせています。
ジョーイのセリフにあるように、この紙は tissue paper なのですが、それを招待状に入れとくなんて賢いよな、と言っていますね。
You're at the wedding. というのは、「ほら、結婚式にいるとするだろ」と、結婚式にいる状況を仮定して話している感覚です。
ここでの you は「あなた」ではなくて、「あなたを含めた一般の人、回りまわって自分も含む」というニュアンス。
結婚式では感動して泣いてしまう。その時に涙を拭くためのハンカチを持ってるか?となった時に、俺にはハンカチはいらないよ、この招待状に入ってる tissue paper を使うからね、と言っているわけです。
泣くのを見越してあらかじめ招待状の中に tissue paper を入れとくなんて冴えてるよな、とジョーイは言いたいわけですが…。

ここで、tissue paper というものについて説明します。
日本語で「ティッシュペーパー」というと、鼻をかむ時に使う「ちり紙、鼻紙」を指しますが、それを英語で言う場合はたいてい、tissue と言います。
涙が出そうになってティッシュを取って欲しい時には、Get me that tissue. / Would you get me that tissue? 「そこのティッシュ取って。/そのティッシュを取ってくれる?」などと言いますね。

これが tissue paper になると、英語ではそういう「ちり紙」ではなく、包装などに使われる薄い紙を指すことになります。

研究社 新英和中辞典でも、
tissue paper=【名】【U】 薄葉(うすよう)紙 《包装・トレーシングなどに用いる》 (比較:「ちり紙」の意では用いない)

tissue
1. 【C】 ティッシュペーパー、ちり紙 (比較:ちり紙の意の「ティッシュペーパー」は和製英語; 参照: tissue paper)
2. tissue paper


と出ています。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tissue [noun]
1. [countable] a piece of soft thin paper, used especially for blowing your nose on (SYN: Kleenex (R) )
例) a box of tissues
2. [uncountable] also tissue paper light thin paper used for wrapping, packing etc

つまり、1. は「柔らかく薄い一片の紙、特に鼻をかむために使われる。同義語 Kleenex」
2. は「tissue paper ともいう。ラッピングやパッキングに使われる軽くて薄い紙」

つまり、tissue は「ちり紙、鼻紙」の意味で、tissue paper は「包装用の薄葉紙」。
tissue だけで「薄葉紙」(tissue paper)を指すことはあるが、tissue paper と言うと「ちり紙」ではなく「薄葉紙」を指すことになってしまう、ということですね。

その tissue と tissue paper の違いを認識した上で、ジョーイのセリフのシーンを見てみると、ジョーイが手に持ってヒラヒラさせている紙は、「ちり紙」ではなく、「包装用の薄葉紙」のようです。
トレーシングペーパーみたいな感じの紙で、振ると音がシャラシャラ鳴っていますね。

ですからこの紙は、涙を拭くための tissue ではなく、正式な招待状に挟み込まれた薄葉紙だということでしょう。
日本でも、人にお祝いの品をあげる場合などに、丁寧に包装されたものには、品物の上にそういう薄葉紙を乗せてあったりしますので、それと同じ感覚なのかなと思います。

ジョーイは tissue paper を見て、「涙を拭くための tissue の上等版」が入ってるかのように勘違いした、ということでしょう。
ジョーイがヒラヒラしてシャラシャラ音がしているように、この紙で涙を拭いたらちょっとゴワゴワするし、あまり涙も吸い取ってくれなさそうなのですが…(笑)。


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2010年04月28日

なかなか死なぬダイハード フレンズ4-21その2

チャンドラーとジョーイは、「俺たち、エベレストに登るぞ!」と盛り上がったものの、命の危険性があることをフィービーに指摘されて、「それじゃあ、エベレスト登山のビデオを見るだけにしよう」とトーンダウンします。
ジョーイ: And while we're down at the video store, you know what else we could rent? Die Hard! (Chandler's excited.) But, y'know what? I just remembered. That Everest thing is only available through mail order. (そして、ビデオ屋にいる間に、他に何が借りられるかわかるか? ダイ・ハードだよ! [チャンドラーは興奮する] でも、ほら、俺、今、思い出しちゃった。そのエベレストのやつ(ビデオ)は、通信販売でしか買えないんだ。)
チャンドラー: (dejected) Oh, well.... ([落胆して] ああ、そうか…)
フィービー: So you guys'll stay here and hang out with me? (それじゃあ、あなたたちはここにいて、私と時間を過ごす?)
チャンドラー: Yeeeeahhhh. (あーー、そうだね。)
ジョーイ: Yeah. Yeah. (ああ。ああ。)
チャンドラー: But I'll tell you something. One of these days we're gonna get off our butts and rent Die Hard again! (でも、言っとくけどさ。いつかそのうちに、再び俺たちは腰を上げて動き出し、ダイ・ハードを借りるぞ!)
ジョーイ: Yeah we are! (そうだ、そうするぞ!)

エベレスト登山のビデオを借りるために(レンタル)ビデオショップに行けば、そのついでに「ダイ・ハード」も借りられるじゃん!とジョーイは大喜びしています。
1988年の映画「ダイ・ハード」(原題:Die Hard)は日本でも有名ですよね。
最近の洋画の邦題は「カタカナでそのまんま」のものが多くて味気ない、という意見もありますが、そういうカタカナタイトルだと、今回のように英語のセリフ内で言及された場合、日本人でも「ああ、あの映画か」とわかる利点もありますよね。

Wikipedia 日本語版: ダイ・ハード
いかにも男子が好きそうな、アクション映画の代名詞で、実際、後のエピソード フレンズ7-6 でも、フレンズ男性陣がダイ・ハードのビデオを見るシーンが出てきます。その後、ダイ・ハードに関するセリフのやり取りもあります。
そのダイ・ハードの主役を演じるブルース・ウィリスは、フレンズ6-21,22,23 にゲスト出演します(そこでは一般人を演じています)。
フレンズではこのように、俳優(有名人)として認識されているはずの人物が、別人の(一般人の)役柄でゲスト出演する、ということが時々あります。
(ウィノナ・ライダーは、3-5, 3-24 で俳優として名前が言及されますが、7-20 では一般人を演じています。スーザン・サランドンも 3-5 で俳優として名前が挙げられますが、7-15 で別の名前の女優を演じています。)

ちなみに、die hard は「なかなか死なない」「(習慣・慣習・考え方などが)なかなかなくならない、容易に滅びない」という意味です。
ブルース・ウィリス演じるジョン・マクレーン刑事が「なかなか死なない」タフな奴、だからですね。(そういうキャッチコピーがあったような、なかったような…ちょっとうろ覚えです)

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
old habits/prejudices/customs etc. die hard :
used to say that it takes a long time to change to a new way of doing something

つまり、「古い習慣・偏見・慣習などが die hard 」という表現は、「新しいやり方に変わるのに長い時間がかかることを言うのに用いられる」ということ。
「昔からの古い習慣などは、いつまでも残っていて”なかなか死なない”」というニュアンスですね。
上にも書きましたが、映画のタイトルとして原題そのままの「ダイ・ハード」という言葉を知っている日本人は多いですよね。
英語を学びたいと思うのなら、そこからもう一歩進んで、その die hard という言葉の意味と、Old habits die hard. のような決まり文句とを一緒に覚えることで、英語の知識を増やしていけると思います。
「エンターテインメントなどの娯楽」と「語学学習」を別物と考えないこと、それが楽しく英語を学べるコツだと思っています。

エベレスト登山のビデオをレンタルしようとしたジョーイは、ある残念なことに気づきます。
そのビデオはレンタル屋さんで借りることはできず、only available through mail order だと言っていますね。
available は「入手できる」、つまり「販売されている」ということで、メールオーダー、つまり通信販売を通してのみ入手可能、通販でのみ購入できる、というニュアンスです。
こういう available は TOEIC によく登場しますね。

エベレストのビデオがレンタル店で借りられないことを知り、がっくりする二人。
結局、いつものように、セントラルパークで時を過ごすことになるのですが、チャンドラーは決意表明のように、「いつかダイ・ハードのビデオを借りるぞ!」と叫んでいます。

one of these days は「いつかそのうちに、近いうちに、近日中に」。
LAAD では、
one of these days : at some time in the future
例) One of these days I'm going to clean out the garage.

つまり、「未来のいつか」。例文は「いつかそのうちに、ガレージをきれいに掃除するつもりだ」
この例文も、今回のセリフと同じように、未来形の be going to が使われていますね。

one of がつかない these days の例文では、LAAD に以下の文章が載っています。
I don't have the time to do much exercise these days (= now, as opposed to in the past).
意味は「今は十分な運動をする時間がない」で、these days は「now の意味で、「過去に」と対照的な言葉である」と説明されています。
these days は「現在」で、one of these days は「未来」になるという違いが興味深いですね。

get off one's butt は「腰を上げる、(仕事に)取りかかる」。
今はこうして、セントラルパークでだらだら過ごしてるけど、いつかきっと、ここからすっくと立ち上がって、ビデオ店にダイ・ハードを借りに行くぞー!ということですが、よく考えてみると、そんなことはいつでもできちゃいそうな簡単なことですよね。

「エベレストに登るぞ!」→「死の危険があるから、ビデオを借りるだけにする」→「ついでにダイ・ハードも借りる」→「エベレストのビデオは通販のみで、レンタルできないことが判明」→「セントラルパークでいつものように過ごすしかない」→「でも、いつかそのうちに、ダイ・ハードのビデオを借りに行くぞ!」という流れですね。
エベレストに登ると言っていたのが、最終的に「ダイ・ハードのビデオを借りるぞ!」という話に変化してしまって、いつもの日常にスケールダウンしているにもかかわらず、それをエベレスト登山と同じような決意表明のように叫んでいる面白さ、なのでしょう。
それじゃあ、結局いつもとおんなじじゃん!というところで、それなら one of these days とか言ってないで、If you wanna rent Die Hard, just do it, now! とツッコミたくなる感じですね。


(おまけの話)
全くの余談ですが、今回の記事タイトルは、「なかなか死なないダイ・ハード」と書きたいところを「なかなか死なぬダイハード」にしました。
というのは、人気ブログランキングの新着記事のタイトルが12文字までしか表記されないので、何とかそれに全部入るように合わせたからです。
いつも12文字以内に収まるわけではありませんが、収まらない場合でも、最初の12文字で何とか記事の内容が伝わるように、いつもタイトルを考えています。

4月26日の日経新聞夕刊の「話題新書インフォメーション」で「ヤフー・トピックスの作り方」という話題の本が紹介されていました。
ヤフトピは「見出しが13文字」と決まっていて、その理由は「ひと目で内容を理解しやすい長さ」であること、また「(見出しを)13文字で抽出する、大変だけど面白い作業です」という著者のお話も載っていました。
私もいつも12文字を意識しながらタイトルを考えているので、その「13文字へのこだわり」には共感する部分が多くありました。
いざ文字にしてみると、12文字や13文字というのは、すっごく少ない文字数なんですよね。
私も、ヤフトピほどバシッとキメることはできないながらも、12文字でどこまで読者の方にアピールできるかを意識しながら記事タイトルを考えて行きたい、と改めて思いました。


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posted by Rach at 09:24| Comment(7) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月26日

couldとwould フレンズ4-21その1

シーズン4 第21話
The One with the Invitation (ふたりの思い出、ロスとレイチェル)
原題は「招待状の話」


ロスは結婚、フィービーは出産、と、友達の人生にビッグな出来事が起きているのに、自分たちはただここセントラルパークで座ってるだけだ、と嘆くチャンドラーとジョーイ。
エベレストに登る人のビデオの広告を見た、と言うジョーイは、二人でエベレストに登ろう!と言い出します。
フィービーが入ってきて、
フィービー: What, what's up? (どうしたの?)
ジョーイ: We're gonna climb Mt. Everest. (俺たち、エベレスト(山)に登るんだ。)
チャンドラー: Yeah, baby! (そうさ、ベイビー!)
フィービー: Really? I looked into that. Yeah, but, I mean it costs like $60,000, and y'know, you could die. And you would die. (ほんとに? 私もそのこと(エベレストに登ること)を調べた[検討した]わ。そうなのよ、でも、6万ドルくらい費用がかかるし、ほら、死ぬ可能性もあるしね。そして、あなた(たち)なら(本当に)死んじゃうわ。)
チャンドラー: (dejected) Yeah, well.... ([落胆して] ああ、そうか…)
ジョーイ: We could get that Everest video, though. (でも、俺たちはそのエベレストのビデオをゲットすることはできるぞ。)
チャンドラー: Yeah, we could do that without, y'know, risking our lives at all. (そうだ、俺たちはそうすることが可能だ、ほら、自分たちの命を全く危険にさらすことなく。)

エベレストに登ろうと思ってるんだ、と話すジョーイたちに、フィービーは、I looked into that. と言っています。
look into は「…を詳しく調べる、検討する」。
まさに「その中に入り込んで見る」感覚ですね。
フィービーもかつて、エベレスト登山に興味を持ったことがあるらしく(笑)、それについていろいろ調べてみたんだけど、費用がものすごくかかるのよ、と言っています。

Wikipedia 日本語版: エベレスト に「登山料」という項目があり、金額が書いてありますが、そこでは最も安いルートで、25,000 ドルだとあります。
フィービーの言っている金額と少し違いますが、いずれにしても、かなりの高額の登山料を払わないと登れない、ということですね。

高額な費用の話をした後で、...and y'know, you could die. And you would die. とフィービーは言っています。
you could die の could は「可能性」。
世界最高峰の登山ですから、「死ぬ可能性がある」という話です。
ここでは「コストもかかるし、死ぬ可能性もある」という一般論を述べているので、you could die の you は「一般の人」を指すと考えられます。

そういう一般論を述べた後、And you would die. と言う時に、フィービーはチャンドラーの顔をまじまじと見て、その後、ジョーイの方も見ていますね。
一般論として「死ぬ可能性がある」という話をした後、「エベレストに登るぞ!」と張り切っているチャンドラーたちを見て、「そういう死の危険性のあるところに行ったら、あなた(たち)は多分死ぬでしょうね」と、今度は話者の「推量」を述べている、ということです。
登山家でもない素人で、登山を甘く見ているあなたたちなら、間違いなく死ぬわね、みたいな言い方です。

...you could die. And you would die. というセリフは、同じような内容を繰り返しているように見えますが、2つの you のニュアンスも異なりますし、could と would を使い分けていることで、そこに話者の考えが見えます。
「エベレスト登山では(人が)死ぬ可能性がある。そして(あなたたちの姿を見ていると)あなたたちなら死ぬだろうな、って思える」という厳しい指摘ですね。
「死の危険のある場所へ行ったら、あなたたちなら間違いなくその「死ぬ方の人間」になっちゃうわ。だからやめた方がいい」とやんわり忠告しているわけです。
それで、チャンドラーもがっかりしたように、Yeah, well.... と言っているのですね。
could を would と言い換えたことで生じるニュアンスの違いを楽しめるようになれば「いい感じ!」です。
英語を理解するためには、難しい単語をたくさん知っていることよりも、こういう could と would のニュアンスの違いを知っていることの方がずっと大切だと思います。

エベレスト登山は無理だと言われたジョーイですが、気を取り直して、「実際に登ることはできなくても、そのビデオを入手して見ることなら俺たちにもできる!」と言っています。
チャンドラーも、「ビデオを見るだけなら、死ぬ危険性もないもんな」とそれに賛同していますね。
「エベレストに登る」という壮大な話が、「ビデオを見る」といういつもと変わらぬ話にトーンダウンしている面白さを感じて下さい。

この後に続くやり取りについては、次回の「その2」で解説します。


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posted by Rach at 11:33| Comment(3) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年04月23日

花婿は花嫁のドレスを見てはいけない フレンズ4-20その6

ロスとエミリーの結婚に焦ったレイチェルは、ジョシュアに対して「私たち、結婚するっていうのはどうかしら?」と言ってしまい、ジョシュアをビビらせてしまいます。
落ち込んだ時に元気を出すのはこれよ!ということで、女性陣3人がしたことは、ウェディングドレスを着ること!でした。
今回のエピソードでは、まずはモニカが、エミリーの代わりに受け取ったドレスを部屋で試しに着てみて、それを見たフィービーが妊婦用のレンタルドレスを借りてきて、最後のこのシーンで、レイチェルもがドレスを着ることになるのですね。
ドレスを着た状態で、いつものようにソファに座り、ポップコーンを食べながらテレビを見ている女性陣3人の姿に笑えます。
レイチェルのドレスは、フレンズ1-1 (パイロット版)で着ていたドレスのようですね。
クローゼットにしまってあったものを引っ張り出してきた、というところでしょう。

レイチェル: Y'know, I gotta tell ya, this really does put me in a better mood. (ねぇ、ちょっと言わせて。これ(こんな風にウェディングドレスを着ること)は、本当に気分が良くなるわ。)
モニカ: Oh, I wish there was a job where I could wear this all the time. (Pause) Maybe someday there will be. (あぁ、これをずっと着ることができるような仕事があればいいのに。[間があって] 多分、いつの日か、そういう仕事が存在することになるわ。)
(There's a knock on the door.)
ドアにノックの音。
モニカ: Oh God! That's Chanlder. He's gonna come by and borrow some candles for his big date. (まあ大変! あれはチャンドラーよ。彼が来て、大切なデートのためのキャンドルを借りることになってるの。)
レイチェル: Oh, okay! (She goes to answer the door.) (ああ、いいわ! [レイチェルは応対しようとドアへ行く])
モニカ: No-no, Rachel, don't get it! He'll see us! (だめだめ、レイチェル。出ちゃだめよ! チャンドラーが私たちの姿を見ちゃうわ!)
フィービー: No, yeah! The groom cannot see the bride. (だめ。そうよ! 花婿は花嫁を見ちゃいけないのよ。)
レイチェル: I'm not gonna marry Chandler! (私はチャンドラーと結婚するわけじゃないわ。)
フィービー: Not after this! (これを見た後は、結婚することにはならないわね。)

this really does put me in a better mood を直訳すると、「これ(ドレスを着ること)は、私を、本当に、より良い気分に置く」というような感じですね。
これを着たら、ずっと気分が良くなるわ、嫌なことや落ち込んだことを忘れちゃうわ、ということです。

I wish there was a job where I could wear this all the time. は、I wish の後に仮定法過去(過去形 was)が使われていて、「現在の事実に反する願望」が述べられています。
a job where I could wear this all the time の where は関係副詞で、「仕事(の中)で、このドレスをずっと着ることができる」ような、そういう仕事が(1つ)あればいいのに!という願いですね。
その後、there was という仮定法過去が、there will be という未来形に変化し、「いつか、そういう仕事が存在する時代が来るわ、いつかそういう仕事が存在するようになるわ」と言っています。
未来には、こんなきれいなドレスを着ながらできる仕事もきっとあるはずよ、と自分に言い聞かせている感じですね。

3人がドレス姿でくつろいでいる時に、ノックの音がします。
チャンドラーがキャンドルを借りに来る予定だったことを思い出したモニカ。
構わず応対しようとするレイチェルに、「今のこの状態で、応対しちゃだめよ、ドアを開けたら、チャンドラーが私たちのこのドレス姿を見ちゃうでしょ!」とモニカは注意しています。
それは当然、3人が揃ってドレスを着ているところを他人に見られたら恥ずかしいでしょ!ということですね。
「君ら、そんな格好で何やってんの?」と笑われたり、ジョークのネタにされたり、他のフレンズたちに言いふらされたりしかねないので、それを心配して、「そんな姿のままで出ちゃだめよ」と言っているわけです。

ですが、「彼が私たちの姿を見ることになる」というセリフを、フィービーは別の意味に理解したようですね。
「モニカの言う通りよ、だって花婿は花嫁のドレス姿を見ちゃいけないもの」とフィービーは言っています。
日本では特にそういう風習(?)はないように思いますが、アメリカでは、結婚式当日まで、花婿は花嫁のドレス姿を見てはいけない、という決まりのようなものがある…のでしょうか?
今回のエピソードの最初の方で、「エミリーはロンドンでウェディングドレスを見つけた。でも、サイズが合わなくて、彼女のサイズに合うものがアメリカの店にあることがわかった」とロスが説明した後、
ロス: But I'm the groom, I'm not supposed to see the dress-- (でも、僕は花婿だろ。僕はそのドレスを見ちゃいけないことになってるから…)
モニカ: I'll pick it up for you. (私がロスのために[ロスの代わりに]そのドレスを受け取りに行くわ。)
というやり取りもありました。

ロスが結婚式当日の感動をとっておくために、「僕は花嫁のドレス姿を(式の前に)見たくないんだ」という個人的な希望を述べるのであれば、I don't wanna see the dress-- のようなセリフになるだろうと思います。
ですが、上のセリフでは、「花婿は花嫁のドレスを見てはいけないことになっている」と be not supposed to が使われていることと、そのロスのセリフが自然に受け止められていることからも、それがアメリカでの一般的な感覚だと考えられると思います。

フィービーが「だって花婿は花嫁のドレスを見ちゃいけないもの!」というのを聞いてレイチェルは、「私は別にチャンドラーと結婚するわけじゃない」と言っています。
チャンドラーが花婿じゃないから、花婿と花嫁の話はここでは関係ないでしょ、というところですね。
それを聞いたフィービーは、Not after this! と言っています。
これは省略されている部分を補うとすると、You're not gonna marry Chandler after this! になるでしょう。
after this というのは、「3人が揃ってドレスを着ているこんな姿を見た後」ということでしょうね。
「私はチャンドラーと結婚しないわ」というレイチェルのセリフを受けて、「ええ、そうでしょうね。例え、結婚する予定だったとしても、この3人の姿を見た後では、結婚することにはならないわ」と言っているのだと思います。
私たちのこの姿を見たら、唖然として、あきれてしまって、ドン引きして、相手はとても結婚する気にはなれないでしょうね、ということでしょう。
Not after this! は「(そりゃあ)この後では(結婚)しない」というニュアンスになるでしょう。

「姿を見せちゃだめ」→「そうよ、花婿は花嫁のドレスを見ちゃいけない」→「チャンドラーは私と結婚しない」→「そりゃこの姿を見たら、(チャンドラーとあなたは)結婚しないでしょうね」という、トンチンカンながらも「ああ言えばこう言う」的フィービーの返しの面白さを感じていただけたら、と思います。


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