2015年11月30日

過去によく間違えたから フレンズ9-24その6

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ロスの同僚のチャーリーは、「ジョーイと別れた」とロスに話します。
「ジョーイと私は違い過ぎる」(We're so different.)ということ以外にも、他の理由があると言ったチャーリーは、I started to realize that I was having feelings for someone... else. 「誰か他の人に対して、好きな気持ちを持っていると気づき始めた」と言うのですが、ちょうどその話をしている時に、他の教授たちがやってきます。
毎回恒例として、基調講演者はプールに投げ込まれることになっていて、基調講演者であるロスを見つけた他の教授たちは、ロスをプールに投げ込もうとします。
一緒にいるチャーリーも含め、君たち二人まとめてプールに投げ込むという手もある、と言われ、ロスはチャーリーと一緒に、その場を逃げ出しました。
その後のシーン。
[Scene: Hotel's bar. Ross is running to Charlie trying not to be seen with two cocktails in his hands. She's hidden behind a huge plant]
ホテルのバー。ロスは手に2つのカクテルを持ちながら、見つからないようにチャーリーのところに走って行く。チャーリーは大きな植物の後ろに隠れている。
チャーリー: They are still looking for us? (彼ら(他の教授たち)はまだ、私たちを探してる?)
ロス: Yeah. The bartender said that they split up into two search parties. The herbivores and the carnivores. Oh, look out. (あぁ。バーテンダーが言ってたよ、彼らは2つの捜索班に分かれた、って。草食班と肉食班だ。あぁ、気をつけて。)
(Three paleontologists walk by and Ross hugs Charlie trying not to be seen)
3人の古生物学者が近くを通りかかる。ロスはチャーリーが見えないように[見つからないように]、チャーリーをハグする。
ロス: I don't think they saw us. (僕らは見つからなかったと思うよ。)
チャーリー: I don't think they did. (私もそう思うわ。)
(They realize that they are hugging closely and he draws back)
自分たちが接近してハグしていることに気づき、ロスは後ろに下がる。
チャーリー: Hum, so, I started to tell you something earlier, hum... (pause) There was another reason that I realized it was time to end it with Joey. I kind of realized I... was starting to have feelings... for someone else. (あの、それでさっき私はあることを言いかけたんだけど… [間があって] ジョーイとの関係を終わりにする時だと気づいたのには、もう一つ理由があったの。気づいたっていうか… 私が(特別な)気持ちを持ち始めてるってことに… (ジョーイではない)他の誰かに対して。)
ロス: (apparently unruffled) Oh. Can I... can I ask who? ([一見、涼しい顔をして] あぁ。それが誰か尋ねてもいい?)
チャーリー: I think you know. (あなたはわかってると思うけど。)
ロス: I think I know too, but I've been really wrong about this stuff in the past, so.... (僕もわかってると思うけど、でも、過去にこういうことについてはよく間違えてきたから、だから…)
(Charlie kisses Ross, they stop for a moment and then he kisses her back)
チャーリーはロスにキスをする。二人はしばらく止まって(固まって)から、彼は彼女にキスを返す。
ロス: I'm sorry, we... we can't. (ごめん。僕たちは(こんなこと)できない。)
チャーリー: All right. All right. (そうね。わかった。)
ロス: I mean, you just went out with my best friend, you know? I just think it'd be a really, really bad idea. (pause) Or-or not! I mean-- (they kiss passionately) (つまり、君は僕の親友と付き合っていたばかりだろ? そういうことはほんとにほんとにいけない考えだと思うんだ。[間があって] もしくは、もしくは、そんなことない![いけない、ってことはない!] つまり… [二人は情熱的にキスする])
(Joey walks in and sees Ross and Charlie kissing. He gives a faint, rueful smile, then he seems to recollect something and suddenly he moves back to Rachel's room. He knocks on her door and she opens)
ジョーイが歩いてやってきて、ロスとチャーリーがキスしているのを見る。ジョーイはかすかな、悲しそうな微笑みを浮かべ、それから、何かを思い出した様子で、突然、レイチェルの部屋に戻る。ジョーイがレイチェルの部屋のドアをノックすると、レイチェルがドアを開ける。
レイチェル: What? (何?)
(Joey says nothing, but enters the room and kisses her. They are kissing passionately only to stop for a brief "oh" from Rachel. They continue their passionate kiss and Joey closes the door with his foot and it shuts in the camera's "face". And that's the end of the ninth season.)
ジョーイは何も言わずに部屋に入り、レイチェルにキスする。二人が情熱的なキスをした後、いったんキスをやめて、レイチェルが一言 oh と言うが、また情熱的なキスを続け、ジョーイが足でドアを閉め、カメラの目の前でドアは閉まる。そしてそれが第9シーズンの終わりとなる。


私たちを追いかけている教授たちは、まだ私たちを探しているかしら? とチャーリーが尋ねると、ロスは、「彼らは2つの捜索班に分かれた、ってバーテンダーが言ってた」と答えます。
split up into two search parties は「(集団が)2つの捜索グループに分かれた」ということで、日本語の「二手に分かれる」という感覚ですね。

The herbivores and the carnivores. について。
herbivore は「草食動物」、carnivore は「肉食動物」という意味。
自分たちを追いかけている教授はみんな古生物学者たちで、ロスと同じように恐竜を研究している学者たち、という設定なのでしょう。
それで二手に分かれる場合にも、研究対象の違いで分かれることになり、1班は草食恐竜を研究しているグループ、もう1班は肉食恐竜を研究しているグループとなった、というような、恐竜に絡めたオチになっている、ということですね。
herbivore や carnivore という単語そのものは日頃見かけないかもしれませんが、まずは一つ目の herbivore については、herb は「ハーブ、草」なので、何となくピンと来た方もいたかもしれません。
carnivore の方も、carnival 「カーニバル、謝肉祭」を連想させますが、carne というのがイタリア語で「肉」(meat)という意味なんだそうです。
こちらも、カーニバル(謝肉祭)の語源を知っていた方なら、「肉」に関する言葉だとわかったかもしれませんね。
恐竜の研究をしているロスが、「草」「肉」関係の単語を言っていれば、「草食恐竜」「肉食恐竜」のことかな、という連想も働くように思うので、この単語そのものズバリを知っていなくても、音の感じでわかることも可能なセリフだったと言える気がします。

その教授たちが近くを通りかかったので、ロスは見つからないように、チャーリーを引き寄せます。
I don't think they saw us. を直訳すると、「彼らが僕たちを見たとは、僕は思わない」ですから、つまりは、「僕らは彼らに見つからなかったと思う」と言っていることになります。
チャーリーもそれに同意した後、二人はお互いが密着していたことに気づき、少し離れて、気まずさから逃れるようにカクテルを飲みます。

チャーリーは、先ほど言いかけた話の続きとして、「少し前に私はあなたにあることを言おうとしていた」と言った後、「ジョーイとのこと(関係)を終わらせる時だと私が気づいた、もう一つ(別の)理由があった」と言って、I kind of realized... のセリフを言っています。
kind of は「〜のような、〜みたいな、〜っていうか」のように、言葉の断定を避けるニュアンスですね。
「私は他の誰かに対して(特別な)気持ちを持ち始めていた、っていうことに気づいた、っていうか、、」みたいなニュアンスになります。

ト書きの apparently unruffled について。
apparently は「どうやら」という訳語で訳されることが多いですが、ここでは「一見したところ・見たところ(では)」という感覚が近いですね。
ruffle は「くしゃくしゃにする」という他動詞で、「人(の心など)をかき乱す、いら立たせる」という意味にもなります。
ですから、unruffled は「かき乱されないで」という意味となり、すなわち、「落ち着いて、平穏で、冷静で、涼しい顔で」というような意味になるのですね。
「ジョーイとは違う、別の誰かを好きになり始めてる」と言いながら、チャーリーはロスを見つめているので、ロスもそれが自分のことだとはわかっているわけですが、そこで素直に嬉しそうな顔をしたり、照れたりするのではなく、一見、平静を装って、「それって誰のことか、尋ねてもいいかな?」と、「他の誰かが今の時点ではわからない」ような様子を見せている、他人事のようにその言葉を聞いているふりをしているわけですね。

そんな風に言われたチャーリーは、ダイレクトにそれがロスであるとは言わず、I think you know. 「あなたはわかっている(それが誰のことか知っている)と私は思う(けど)」のように言っています。
「あなただって、わかってるくせに(私の口からはっきり言わせたいの?)」みたいな気持ちですね。
そう言われたロスは、「僕もわかってると思うけど」と言った後、but I've been really wrong about this stuff in the past, so.... と続けます。
wrong about は「〜について間違う・誤解する」なので、「僕は過去に、こういうことについてよく誤解してきたから」と言っていることになります。
「僕に気があるのかと期待したら、別の男が好きだった」みたいな経験をしたことある、という話で、「僕は初対面でチャーリーが好きになったのに、チャーリーは僕ではなく、ジョーイを選んだ」ということも、このセリフと繋がっている感じですね。

「多分、チャーリーは僕のことを言ってくれてるんだと思うけど、いつもみたいに僕が誤解してるだけだと困るんで、、」みたいにロスが言ったことになるので、チャーリーは、自分からロスにキスすることで、その答えを教えます。
チャーリーにキスされた後、少しの間があり、ロスもチャーリーにキスを返すのですが、ロスは「ごめん。僕らはこんなことできない(こんなこと、しちゃいけない)」と言います。

you just went out with my best friend は、「君はちょっと前まで、僕の親友と付き合っていた(ばかり)」という感覚ですね。
僕の親友と付き合って、さっき別れたばかりなのに、その直後に僕たちがそういう関係に進もうとするのは、悪い考えだ、いけないことだ、とロスは諭すように言います。
ですが、その後、しばらくの間があった後、やはり拒みきれなかった様子で、or not! と言っています。
or not は、その前の「(二人が付き合おうとすることは)悪い考えだ」に続く言葉として、「もしくは、悪い考えじゃない」と、前言撤回していることになりますね。
そう言って、今度はロスの方から、情熱的なキスをします。

その直後にジョーイがそこに歩いてきて、ロスとチャーリーのキスを目撃することになります。
それ以降は、ほとんどト書きでの説明になりますが、その中にも、勉強になる表現がたくさん含まれていますので、いくつか注目してみたいと思います。
a rueful smile は「悲しげな微笑み」、recollect は「思い出す、回想する」ですね。
別れたばかりの元カノが、他の男性と、それも自分の親友であり、彼女にお似合いだろうとジョーイ自身も思っているロスと、キスしているところを見ると、やはり、「悲しげな微笑み」を浮かべることになってしまうでしょうね。
そんな二人の姿を見て、「何かを思い出し」、突然、レイチェルの部屋に戻る、とありますが、先ほどのレイチェルとの話の中で、「レイチェルの元彼のロスに対して、こんなことはできない」と言ったけれど、そのロスが自分の元カノとキスしているのを見て、ジョーイの中で何かが吹っ切れた、という描写ですね。

その後、ト書きにあるように、ジョーイはレイチェルの部屋を訪れ、ドアを開けたレイチェルに何も言わずキスをします。
ドアが閉まるシーンのト書きでは、it shuts in the camera's "face" の表現が面白いですね。
in someone's face は「(人の)面前(めんぜん)で」という意味で、it shuts in his face であれば、「彼の面前でドアが閉まる」という意味になりますが、この場合は、閉まるドアの前にいるのは人ではなくて、シーンを映しているカメラなので、「そのカメラの面前でドアが閉まって、中の様子がわからなくなる」というのを、in the camera's "face" 「カメラの”面前”で」と擬人っぽく表現しているわけですね。

ジョーイがレイチェルにキスして、カメラの面前でドアが閉まってしまう、、というのが、ト書きに書かれている通り、「第9シーズンの終わり」となります。
各シーズンの終わりには、「次はどうなるんだろう〜?」とハラハラしてしまう「クリフハンガー」状態で「来シーズンに続く、、」となることが多いですが、今回のものも、ものすごく次が気になってしまいますよね。

、、ということで、今回の記事でシーズン9は終了し、次回から、シーズン10に入ります。
フレンズは次のシーズン10で終了しますので、シーズン10がファイナル・シーズンとなります。
幸せな気持ちで、ファイナルのシーズン10に入ることができることを、とても嬉しく思っております。
ここまで続けて来られたのも、読んで下さり、応援して下さる読者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます!

シーズン9までお読み下さり、ありがとうございました。
次回から入るシーズン10は、全部で18話あります。残り18話も、全力で頑張りますので、引き続きシーズン10でも、どうかよろしくお願いいたします(^^)


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posted by Rach at 14:55| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月26日

頭の中では一度もノーと言ったことない フレンズ9-24その5

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「レイチェルはジョーイを男性として好きである」ことがジョーイ本人にわかってしまい、ジョーイもレイチェルのことが好きなものの、「こういうことはいけないよ」と必死に止めようとしています。
そう言われても、レイチェルはあきらめがつかないらしく、
レイチェル: Why, why not? (どうして、どうしてダメなの?)
ジョーイ: Because, look, no one wants this to happen more than me, okay? (in a trembling voice) I have gone over this moment in my head a hundred times and not once did I ever say no! (sighs) I couldn't do it to Ross! (だって、ほら、俺よりそれを望む人なんていないよ[俺が一番、そうなって欲しいと思ってるよ]。[震える声で] 俺はこの瞬間を、頭の中で100回も繰り返してきた、そして、ノーと言ったことなんて一度もないんだ! [ため息をついて] ロスに対してそんなことはできないよ!)
レイチェル: But that wasn't gonna stop you before! (でも、以前は、ロスのことがあなたを止めることにはならなかったでしょ!)
ジョーイ: I know, I know! But I've thought about it a lot since, and it just wouldn't be right. (painfully) I'm sorry. (わかってる、わかってるよ! でもそれ以来、俺はそのことをいっぱい考えてきた、そしてそういうのは正しくないと思うんだよ。[苦しげに] ごめんよ。)
レイチェル: (regretful) I'm sorry too. (they look at each other sadly, then she recollects, and puts her hands over her eyes) OH GOD! I shouldn't have said anything! ([後悔している様子で] 私もごめんなさい。[二人はお互いを悲しげに見つめて、それからレイチェルは思い出し、目の上に手を乗せる] なんてこと! 私は何も言うべきじゃなかったのに!)
ジョーイ: NO! No-no-no-no-no-no! Hey! Hey, we'll be fine! Li... Hey. Like you said, it's no big deal! (そんなことないよ! ないないない! ねぇ! ねえ、俺たちは大丈夫だよ。君が言ったように、大したことない!)
レイチェル: It's not a big deal! (大したことないわ!)
ジョーイ: No big deal! (全く大したことない!)
レイチェル: It's so not a big deal! (ものすごく、大したことない!)
ジョーイ: Yeah! I'll see ya later! All right, hey. (そうだよ! じゃあ後でね。よし。)
レイチェル: Okay, great. (いいわ、良かった。)
(They shake hands, he walks out and shuts the door, then seems to change his mind, moves to open the door, than changes his mind again and leans over the door. Just then, Rachel opens the door)
二人は握手し、ジョーイは部屋から出て行き、ドアを閉める。それから気持ちが変わった様子で、ドアを開けようと動くが、また考えを変えて、ドアにもたれる。ちょうどその時、レイチェルがドアを開ける。
レイチェル: Okay-- (あの…)
(Joey falls backwards into the room)
ジョーイは後ろ向きに、部屋の中に倒れる。
レイチェル: AAAHHHH! (ああーーー!)
(Joey hurriedly stands up, arms akimbo, gives her an embarrassed look and walks away)
ジョーイは急いで立ち上がり、手を腰に当てて、レイチェルに恥ずかしそうな顔をして、歩いて去る。

「レイチェルと俺とが、恋愛関係になるとか、付き合うとか、そういうのは絶対だめだ!」とジョーイが必死に否定するので、レイチェルは「どうしてだめなの?」と理由を問うています。
Why? に対して、定石通りの Because... で理由を述べようとしているジョーイですが、because 以下で語られた内容は、直接の理由というよりは、まずは今の自分の気持ちがどういうものであるかを、レイチェルに説明しようとしている感じですね。

no one wants this to happen more than me, okay? は、no one という否定語と more than という比較級を組み合わせて、「〜(という人)より…する人はいない」と表現することで、「〜という人が一番…する」と最上級を表わす仕組みですね。
拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.162 でも、『「否定+比較級」で「最上級」を表わす』という項目で、そのような例文をいくつかご紹介しています。

否定語と比較級の意味をそのまま出して直訳すると、「俺よりも、このことが起こって欲しいと思う人間は誰もいない」になりますね。
「俺よりもそのことをより(強く)願う・欲する人間はいない」ということはつまり、「俺が一番そうなって欲しいと願っている人間である」ということですね。
this 「このこと」というのは、ジョーイとレイチェルが、友達から恋愛関係に進むことを指し、「二人がそういう関係になっちゃダメ?」とレイチェルに聞かれて、「絶対にだめだ!」と言っている、まさしくこの俺が、一番そういう関係になりたいと願ってるんだよ、とまずは言っていることになります。
そうなりたいと願ってるのは、誰よりこの俺なんだ、ということですね。

その後の、I have gone over... のセリフが、何とも切ないですよね。
go over は「繰り返す、読み返す、見返す、思い返す」のような感覚ですから、I have gone over this moment in my head a hundred times は、「この瞬間を自分の頭の中で、100回、繰り返してきた」と言っていることになるでしょう。
レイチェルに「私もジョーイのことが好きよ」と言われる瞬間を、何度も頭の中で繰り返しイメージしてきた、ということですね。

後半の not once did I ever say no! について。
not once は「一度も〜しない」というニュアンス。
once は「一度」という副詞なので、否定文で使うと、「ただの一度も〜しない」という意味になります。
このセリフは、否定語の not once が前に出た形になっており、否定語が前に出たことで、後ろの文が倒置になっています。
このような否定語句の倒置については、数研出版「基礎と完成 新英文法」の p.533 「倒置」の項目で、「強調のための倒置 <否定語句+V+S>」として説明されています。
今回と同じような「否定の副詞語句が文頭に置かれた形の倒置」としては、以下の例文が挙げられています。
In no way can John be held responsible. 「どう見てもジョンの責任を問うことはできない」。

否定語句が前に来たため倒置になった構文としては、No sooner A than B 「AするやいなやBする」の構文もありますね。
その構文については、研究社 新英和中辞典の以下の説明がわかりやすいと思います。

no sooner…than…=[接続詞に用いて] …するとすぐ、…するやいなや (比較:as soon as よりも文語的)
He had no sooner arrived than he fell sick.=No sooner had he arrived than he fell sick. 「彼は到着するやいなや病気になった」
(用法:no sooner が文頭にくる時には倒置される)


今回のジョーイのセリフも、「たったの一度だって、ノーと言ったことなんてない」のように、強調のために not once が文頭に来ることで、後ろの文章が倒置されていることになります。

頭の中で何回もこういう場面を想像してきたけど、ノーと言ったことは一度もない、ということはつまり、答えはいつもイエスだった、と言っているわけですね。
それなのに、実際には今はこうしてノーと言わなければならない理由として、I couldn't do it to Ross! 「ロスに対して、俺はこんなことできない」とジョーイは言っています。

それを聞いたレイチェルは、But that wasn't gonna stop you before! と返します。
that は直前のジョーイの発言を指しており、「そのこと(ロスに対してそんなことできない、ということ)は、前にはあなたを止めることにはならなかった」ということですね。
前に私に告白してくれた時も、ロスのことが気になっていたはず、それでもあの時は告白してくれたのに、どうして今回はダメなの? というところでしょう。

ジョーイは、I know! 「そうだよ、わかってるよ」と言って、「あれ以来、そのことについてたくさん考えてきた。ただそういうことをするのは正しくないって思うんだ」と言い、苦しそうに「ごめん」と謝ります。
レイチェルも「私もごめんなさい」と謝り、その後、I shouldn't have said anything. と言っていますね。
shouldn't have said は「(あの時)何も言うべきではなかったのに(私は言ってしまった)」という感覚で、言わなくてもいいことを言ってしまった、あなたのことが好きとか言うんじゃなかった、と後悔しているニュアンスになります。

Like you said, it's no big deal! は、「レイチェルが言ったように、大したことない[大ごとじゃない]!」ということですね。
大ごとにするようなことじゃないから、お互い気にしないでおこう! というように、二人は big deal であることをとにかく否定するセリフを重ね、二人が握手した後、ジョーイは部屋を出て行きます。
ト書きにあるように、ドアを出て行った後も、ジョーイはドアの外で葛藤しています。
ジョーイが悩みながらドアにもたれていると、中からレイチェルがドアを開けたので、ジョーイはドアにもたれた状態のまま、後ろ向きに部屋の中に倒れます。
レイチェルは、あー! と声を上げるのですが、ジョーイはすっくと立ち上がり、むっとした顔のままで、そのまますたすたと去って行ってしまいます。

ト書きの arms akimbo は、「両手を腰に当ててひじを張って」というしぐさ。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
akimbo [adjective] :
(with) arms akimbo
with your hands on your hips so that your elbows point away from your body

つまり、「ひじが体から突き出すように、手を腰に当てること」。

見事に倒れてしまったことは恥ずかしいけれど、今、レイチェルに何も言えないジョーイとしては無言でそのまま去るしかなかった、、ということですね。


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posted by Rach at 15:07| Comment(4) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月24日

興味津々、おさるのジョージと同じくらい フレンズ9-24その4

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ここ1か月くらい、ジョーイに対して好きという気持ちを持っていた、二人のことをずっと考えてばかりいた、とジョーイに告白したレイチェル。
以前、レイチェルに告白するものの振られてしまっていたジョーイが、「そんな気持ちでいたことをずっと俺に黙ってたなんて一体レイチェルは何やってんだよ!」と混乱した様子で言うと、
レイチェル: I don't know, I'm not trying to do anything. It's just, we have such a good time when we're together, you know? And I mean, aren't you just a... little curious... (insinuating) what that would be like? (わからないわ、何もしないように努力してるのよ。ただ、私たちが一緒にいると、とっても楽しい時間を過ごすでしょ? だから、あなたもちょっとだけ興味ないかしら… [ほのめかすように] それがどんな感じかってことに?)
ジョーイ: Uh, am I curious? I mean, I'm as curious as... as... George!! (あー、俺に興味があるかって? 俺は同じくらい興味あるよ…ジョージと同じくらいね!)
レイチェル: (puzzled) Who? ([困惑して] 誰?)
ジョーイ: Curious George! You know, the monkey and the guy with the yellow hat! (キュリアス・ジョージだよ! ほら、あのサルと、黄色い帽子の人!)
レイチェル: Oh, yes, of course. I remember him! (あぁ、そうね、もちろんよ。彼のことは覚えてるわ!)
ジョーイ: Yeah, he had a paper route. (あぁ、彼は新聞配達してたよね。)
レイチェル: Yeah, he did! (smiling) Oh, see, this is what I'm talking about! (えぇ、してたわ! [微笑んで] ほら、私が言っているのはこういうことなのよ!)
ジョーイ: No, I know, yeah I know. We're great! But, Rach, no, this... this can't happen! (いや、わかってる、わかってるよ。俺たちは最高だ! でも、レイチェル、だめなんだ、こんなことはいけないよ。)
レイチェル: But can it... just... happen a little bit? (でも、ちょっとだけでもだめ?)
ジョーイ: (charmed, but then recoiling) NO, NO! It can't happen at all! ([うっとりするが、その後、ひるんで] だめだ、だめだ! 少しでもだめだ!)

レイチェルは、「(自分でも何やってるのか)よくわからないわ」と言って、「何もしないようにしようと努力している」とも言っています。
It's just, we have such a good time when we're together, you know? は、「ただ、私たちが一緒にいると、とっても楽しい時間を過ごすでしょ?」というところですね。
二人でいるといつも楽しいわよね、ということです。
aren't you just a... little curious... what that would be like? は、音のまとまりごとに意味を取ると、「あなたはただ、ちょっとした興味がないかしら? … それがどんな感じだろうか? ということに」になるでしょう。
that 「それ」というのは、「私たちが、男女として付き合ったら」ということですね。
二人で一緒にいると、いつもとっても楽しいんだから、そんな二人が恋人同士になって付き合ったりしたら、どんな感じになるのか、あなたは興味ない? と言っていることになります。

「ちょっとは興味ない?」と問われたジョーイは、「俺が興味あるか、だって?」と言った後、「俺は、同じくらい興味あるよ… ジョージと同じくらい!」と答えます。
突然、ジョージという名前が出てきたので、「そんな友達、知り合い、いたかしら?」という感じで、「それって誰のこと?」とレイチェルが尋ねると、ジョーイの答えが、Curious George だったので、観客も笑っています。
Curious George は、日本では「ひとまねこざる」や「おさるのジョージ」として知られている作品ですね。
今でも、NHK(Eテレ)でアニメが再放送されていたりもします。
原題が Curious George であると知らない場合でも、ジョーイがその後、「ほら、あのサルと、黄色い帽子の人!」と言っているので、そこでピンと来た方もいるかもしれません。
「黄色い帽子のおじさん」は、ジョージの飼い主で、ジョージがとんでもないいたずらをしても怒らない、という、とっても優しいおじさんですね。

curious は「知りたがり屋で、好奇心の強い」という形容詞。
「人間のやることに興味津々で、人の真似(=ひとまね)したがる」ので、Curious George 「知りたがり屋のジョージ、好奇心の強いジョージ」というタイトルになっているわけですが、「二人が付き合ったらどんな感じになるか、興味ない?」と言われたジョーイは、「知りたがりのおさるのジョージと同じくらい、俺も興味津々だよ。どんな感じになるか知りたくて知りたくてしょうがないよ」と言っていることになるわけですね。

過去記事、フレンズ1-21その1 でも、
レイチェル: Let's just say my Curious George doll is no longer curious. (私のキュリアス・ジョージはもはやキュリアス[好奇心旺盛]ではなくなった、とだけ言っておくわ。)
というセリフで使われていました。

レイチェルが、「キュリアス・ジョージね。もちろん覚えてるわ」と嬉しそうに反応すると、ジョーイはその話に乗る形で、he had a paper route. と言っています。
paper route は「紙のルート・経路」ということですが、paper とは「新聞紙」のことで、paper route は「新聞配達のルート」、または「新聞配達」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
paper route [noun, countable] : the job of delivering newspapers to a group of homes, or the group of homes you have to deliver newspapers to
つまり、「家のグループ(家々)に新聞を配る仕事、または、新聞を配らなければならない家のグループ」。
語義にあるように、新聞配達という仕事(job)も指すし、新聞を配る対象である the group of homes(家のグループ)も指す、ということですね。

ですから、he had a paper route. というセリフは、直訳だと「ジョージは新聞配達のルートを持っていた」となりそうなところですが、ルートではなく「新聞配達という仕事をしていた」というニュアンスで捉えれば良いのだろうと思います。
ちなみに、Google で「Curious George newspaper」のキーワードで検索すると、Curious George Rides a Bike というタイトルがいくつもヒットしました。
これが、ジョージが新聞配達をする、というお話のようですね。
ウィキペディアではこちら。
Wikipedia 英語版: Curious George Rides a Bike
その Plot の説明にも、He helps a newspaper boy with his route, but... とありますので、新聞配達の少年のお手伝いをしたらしいことがわかります。

上のウィキペディアは、絵本の説明ですが、アニメ版にもこのお話はあるようで、Wikipedia 日本語版: ひとまねこざる の「サブタイトル(アニメ版)」の一覧に、
第26話(シーズン1) 「しんせつなハンドリー しんぶんでーす」(原題:Housebound! Curious George Rides A Bike)
というサブタイトルが出ています。
いかにも、ジョージが新聞配達しました!的な邦題なので、わかりやすいですね^^

「俺だって興味津々だよ、キュリアス・ジョージと同じくらいにね」というセリフから、「そう言えば、ジョージは新聞配達してたよね」という話になり、レイチェルも「そうね、彼、新聞配達してたわね」と嬉しそうに反応した後、Oh, see, this is what I'm talking about! 「あぁ、ねぇ、これが私が言ってることなのよ![私が言っているのはこういうことなのよ!]」と続けます。
一緒にいたら楽しいって私が言っているのはこういうことよ、「ジョージ、新聞配達してたよねー!」「ねー!」みたいに盛り上がれたりする、それが私たちでしょ、みたいなことですね。

ジョーイも、「あぁ、わかってるよ。俺たち(二人は)(一緒にいたら)最高だよ」と言うのですが、「でも、こんなことは起こっちゃいけないんだ![こういうことはだめなんだ!]」と続けます。
そう言われても、すぐには納得できないらしいレイチェルは、「ただ、ちょっとだけでも、だめ?」みたいに、かわいい顔をしてみせます。
「どんな感じになるか、ちょっとだけでも試してみない?」みたいに誘われて、一瞬、ジョーイは嬉しそうな顔をするのですが、やっぱりだめだ! という顔になって、It can't happen at all! 「全くだめ!(ちょっとだけでもだめ!)」と必死に否定することになります。
こういうことはいけないよ、とジョーイが必死に押しとどめようとしているのに、「ちょっとくらいなら、、」とか言っているレイチェルは、いかにもレイチェルっぽいですし、それにグラつきそうになっているジョーイもとても可愛らしいですね(^^)


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posted by Rach at 14:32| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月20日

Dial it down! フレンズ9-24その3

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チャーリーと別れたことを、ジョーイはレイチェルに話します。「どうして俺はいつも間違った女の子ばっかり追いかけちゃうんだろ」というジョーイに対し、レイチェルは「いつも間違った女の子を追いかけてるわけじゃないわ」と言って、「前にジョーイは、私に告白してくれたけど、今では私もジョーイのことが好きよ」ということを伝えようとするのですが、ジョーイはなかなか気づいてくれません。
いったん部屋を出た後、レイチェルの気持ちにようやく気づいたジョーイは、、、
[Scene: Rachel's hotel room. Joey is standing at the door, facing Rachel]
ホテルのレイチェルの部屋。ジョーイはドアのところに立っている、レイチェルと向かい合って。
ジョーイ: You like me? (shuts the door) (レイチェルは俺を好きなの? [ドアを閉める])
レイチェル: (nearly whispering) Okay. Let's not make a big thing about this! ([ほとんどささやくように] いいわ。この件を大ごとにはしないようにしましょう!)
ジョーイ: (shocked) It's a huge thing! ([ショックを受けて] すっごい大ごとだよ!)
レイチェル: Okay, not working with me, Joe! Look, here's the thing. Lately, I have been having thoughts. (pauses) Musings, if you will! (ねぇ、私と話がかみ合ってないわよ、ジョーイ! あのね、こういうことなの。最近、ずっとある思いを持ってて[抱いてて]。[間があって] いうなれば「物思い」ね!)
ジョーイ: Well, for how long? (で、どのくらいの間?)
レイチェル: Oh, only like a month! (あぁ、たったの1か月くらいよ!)
ジョーイ: (outraged) A MONTH?? ([憤慨して] 1か月だって??)
レイチェル: What the... dial it down! (Joey goes to sit on the bed) Listen, okay, and maybe they're crazy thoughts, but sometimes I do. I have, I've been thinking about, you know, us! (looks at Joey, who's totally distraught) Okay, dial it up a little! (何を… 抑えて! [ジョーイはベッドに座りに行く] ねぇ、多分、おかしな考えだろうけど、でも時々、私はそんな風に思うのよ。ずっと、ほら、私たちのことを考えてばかりいるの! [ジョーイを見るが、彼は完全に困惑した様子] いいわ、もうちょっと、テンション上げて!)
ジョーイ: (stands up) Oh, you're right. Okay. I just have one question! ([立ち上がって] あぁ、レイチェルは正しいよ。わかった、ちょっと1つ質問があるんだけど!)
レイチェル: Shoot! (どうぞ!)
ジョーイ: (desperate) What the hell are you doin'??? ([絶望的な顔で] 一体、君は何やってんだよ??)

ジョーイは驚いた顔で、「レイチェルは俺のことが好きなの?」と言い、ドアを閉めます。
レイチェルはささやき声で、「この件については、a big thing (大ごと)にしないようにしましょう」と言うのですが、ジョーイは、big を huge に変えて、It's a huge thing! 「(big どころか) huge なことだよ!」のように返します。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、big の THESAURUS(シソーラス、類語)に、類語として、huge も出ており、
huge/enormous : extremely big
と説明されています。ただの big どころか、「極めて、とても、非常に」 big なことだよ、と言っていることになりますね。

not working with me の work with の基本語義は「〜と一緒に働く」ということですが、ここでは「連動する、連携する」のような意味で使われているように思います。
「そのあなたの発言は、私と連動していない」のようなことを言いたいんだろうなぁ、と。
この部分、DVDの日本語訳は、
(字幕)私の話 聞いてる?/(音声)ちゃんと、話、聞いてる?
となっていました。
レイチェルが「大ごとにするのはよしましょう」と言っているのに、ジョーイが「大ごとだよ」と言っている、レイチェルの発言を聞いていなかったかのようなジョーイのセリフを、そのように言っているわけで、「私が言っていることと、あなたの言っていることはちぐはぐで、全然かみ合ってない」と表現しているように思いました。

here's the thing は「こういうことなの」と、これからあることを説明しようとする時の前置きのフレーズ。
Lately, I have been having thoughts. Musings, if you will! について。
前半は「最近、私はずっと(ある)考えを持っている[持ち続けている]」。
後半の musings は「物思い(にふけること)」という意味。
muse という動詞が「熟考する、物思いにふける」という意味で、それに -ing をつけて名詞にしたものですね。

LAAD では、
muse : [intransitive] to think carefully about something for a long time
on/about/over
例) He mused on how different his life might have been.

つまり、「何かについて長い間、じっくり考えること」。例文は、「彼は、自分の人生がどんなに違っていたかもしれないかということについて、じっくり考えた」。

if you will は、英辞郎では以下のように出ています。
if you will=可能ならば、いうなれば
LAAD では、
if you will : (formal) used when choosing a word to describe something, which you think the person listening may not agree with, approve of, believe in etc.
例) She possessed all sorts of secret wisdom, or magic, if you will.

つまり、「聞いている人が同意したり承認したり信じたりしないかもしれないようなことを述べるために、ある言葉を選ぶ時に使われる」。例文は、「彼女はさまざまな秘められた知恵、いうなれば魔法を持っていた」。

レイチェルが、have been having という「継続を表わす現在完了進行形」を使ったので、ジョーイは「ずっとそういう思いを持ってた、ってどのくらいの期間?」という意味で、for how long? 「どのくらいの間?」と尋ねます。
レイチェルは、大ごとにはしたくない、という気持ちから、「たったの(only)1ヶ月くらいよ」と答えるのですが、それを聞いたジョーイは怒ったように、「1か月だって?」と言っていますね。
ジョーイは以前、レイチェルのことを好きになって告白したけれど振られてしまった、それなのに、「ここ1か月間、レイチェルがずっと俺のことを好きだったなんて、1か月間もそれを黙ってたなんてどういうことだよ!?」という気持ちなのでしょう。

怒っているジョーイを見て、レイチェルは、dial it down! と言っています。
この dial it down というフレーズは、手持ちの辞書には載っていないのですが、ネット上の Macmillan Dictionary の以下のページに、From our crowdsourced Open Dictionary (大勢の人から集められたオープンな辞書より)という形で、以下の語義が載っていました。
Macmillan Dictionary: dial sth down
dial sth down PHRASAL VERB or dial it down
From our crowdsourced Open Dictionary
to reduce the tension or intensity of a situation

つまり、「ある状況のテンション(緊張)や激しさを減らすこと」。

DVDの日本語訳では、
(字幕)抑えて/(音声)ちょっとー。抑えてよ!
となっていましたが、確かにそのような、相手が「うわぁ〜!」と興奮気味になっているところを「抑えて(おさえて)」と言うようなニュアンスなんだろうと思います。
レイチェルのしぐさも、両手を下に下げる動きで、まさに「抑えて」と言っている感じですね。

dial という動詞は、LAAD では以下のように出ています。
dial : to press the buttons or turn the wheel on a telephone in order to make a telephone call
つまり、「電話をかけるために、電話のボタンを押す、またはホイールを回すこと」。
turn the wheel という表現がわかりやすいと思うのですが、dial がそのように「ホイールを回す」という感覚だとすると、「down する(下げる)方向にホイールを回す」というニュアンスから、「テンションが上がっているのを抑える、下げる」という意味になるのも、何となくわかる気がしますね。

「抑えて」と言われたジョーイはベッドに座り、その後、レイチェルが自分の気持ちを話すことになります。

maybe they're crazy thoughts, but sometimes I do. は、「多分、それはおかしな(ばかげた)考えかもしれないけど、でも時々、私は考えるの(考えちゃうの)」みたいなことですね。
they は、その前に言っていた、I have been having thoughts の thoughts を指すでしょう。
私がずっと持っているその思いというのは、おかしな思い(考え)かもしれないけど、と言った上で、sometimes I do. = sometimes I have (those) thoughts. 「時々、私はそういう思いを持つの」と言っていることになるでしょう。
I do. と言った後、I have, I've been thinking... と時制を変えて言い直していますが、I do. の後、I have been thinking のように「継続を表わす現在完了進行形」を用いることで、「そういう考えを持つの。そう、そういう考えをずーっと持ち続けてきたの」とそれが長期間継続していたこと、ずっとそればかり考えていたことを表現していることになります。

thinking about, you know, us! というのは、「ずっと考えてきたのよ、ほら、私たちのことを!」という意味ですが、about us と表現するだけで、「私とあなたにまつわるいろんなことを、あれこれ想像して考えてきた」というのがよくわかる気がします。
「私とあなたのことをずっと考えてきたの。私たちがどうなるか、どうすればいいのか、どうしたいのか、などなど」みたいなことをレイチェルは言っているのですが、さっきまで大騒ぎしていたジョーイは、困惑した様子で、何を言ったらいいかわからない、という顔で黙っているので、レイチェルは今度は、両手を上に上げるしぐさで、Okay, dial it up a little! と言っています。
先ほどの、dial it down の反対語として使っていることは明白ですね。
マクミランには、dial it/sth down は載っていますが、その反対語としての dial it/sth up は出ていませんので、「抑えて」という意味で dial it down を使うことはあっても、その反対の意味で dial it up を使うことは通常はない、と言えるように思います。
「さっきは、下げて、抑えて、って言ったけど、それは撤回するわ。今はもうちょっとテンション上げて」という意味で、dial it down の反対語として、造語っぽく dial it up と言った感覚になるのでしょう。
「アップする方向に、上向きにダイヤルを回せ」ということですから、そういう意味で使っていることはイメージできますね。
DVD日本語訳でも、
(字幕)テンション 上げて/(音声)少し、テンション上げて
となっていました。

レイチェルがどんな気持ちでいたかを聞いた後、ジョーイは「わかった。それで一つ質問があるんだけど」と言っています。
Shoot! は「(じゃあ)話して! どうぞ!」という意味。
それでジョーイが何か具体的なことを質問するのかと思ったら、What the hell are you doin'??? 「一体、君は何やってんだよ?」という、質問とも言えない質問だった、というオチですね。
聞きたいことはいろいろあるんでしょうけれど、ジョーイの頭の中はまだまだ混乱していて、「俺のことを1か月も好きで、それをずっと黙ってたなんて、一体レイチェルは何やってるんだよ? 俺が昔レイチェルが好きだったことを知ってるくせに!」みたいな思いで、それしか言えなかった、ということですね。


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posted by Rach at 16:13| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月18日

いつも間違った子を好きになってるわけじゃない フレンズ9-24その2

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チャーリーと別れたことを、ジョーイがレイチェルに話した後、
ジョーイ: I feel so stupid, you know? Why... why do I keep going after the wrong girls? (すっごくバカみたいな気がする、だろ? どうして俺は間違った女の子を求め続ける[追いかけ続ける]んだろう?)
レイチェル: W-What are you, what are you talking about? (何、何言ってるの?)
ジョーイ: Oh, c'mon. I mean, there's you, then there's Charlie. And it's like.... (sighs) What the hell's my problem? OH! I just.... (He falls back on the bed) (わかるだろ、だって、君がいて、それからチャーリーがいる。まるで… [ため息をつく] 俺の問題って一体何? ああ! 俺はただ… [彼はベッドに寝転ぶ])
レイチェル: Okay. Maybe you're not always going after the wrong girl. (いいわ。多分、あなたはいつも間違った女の子を求めてるわけじゃない。)
ジョーイ: (sitting up again) I'm telling you, Rach, Charlie is not right for me. ([また身体を起こして] 本当だよ、レイチェル。チャーリーは俺にはふさわしくないよ。)
レイチェル: Yeah, I'm not talking about her. (えぇ、私は彼女のことを言ってるんじゃないわ。)
ジョーイ: Well, then, who? The waitress I went out with last month? (gives her a meaningful look) (へぇ、じゃあ、誰なの? 先月デートした、あのウェイトレス? [レイチェルに意味ありげな表情をする])
レイチェル: You know what? Forget it! (ねぇ。今のは忘れて!)
ジョーイ: (stands up) No-no-no-no, no! Who, who are you talking about? ([立ち上がって] だめだめだめだめ! 誰、誰のことを言ってるんだよ?)
レイチェル: No, I-I-I-I don't, I don't. I actually don't know who I'm talking about, so.... (いいえ、違うわ。私は自分が誰のことを言ってるのか実はわかってないのよ、だから…)
ジョーイ: Okay! (わかった。)
レイチェル: Yeah. (そうね。)
ジョーイ: All right, well, I'm gonna see if I can get a room for the night and I'll... I'll see you later! (よし、じゃあ、泊まれる部屋があるかどうか確かめてくるよ。また後でね。)
レイチェル: Yeah, sure. Okay. (えぇ、そうね。オッケー。)
(Joey walks out, while Rachel is pensive. Once he's out of her room, he suddenly realizes who she was talking about and goes back in. He looks at her in disbelief and she looks like she was caught red-handed)
ジョーイは歩いて外に出る、レイチェルは憂いに沈んだ様子。いったんジョーイが部屋の外に出ると、彼は突然、レイチェルが誰のことを話していたかに気づき、部屋の中に戻る。信じられないという顔でジョーイはレイチェルを見る。レイチェルは、現行犯で捕まったような顔をする。

「すっごくバカみたいな気がする」と言って、ジョーイは、「どうして俺は間違った女の子(the wrong girls)を go after し続けるんだろう?」と言っています。
go after は「〜の後を追う、〜を追いかける、〜を求める」という感覚ですね。
どうして俺は、自分に合ってない、ふさわしくない、お似合いじゃない女の子ばっかり、好きになってしまうのかな、ということですね。
「何言ってるのよ?」と言われた後も、「だって、君がいて、チャーリーがいて」と、「自分には合っていない間違った女の子」の例を挙げます。

以前、ジョーイがレイチェルに告白した時、「ジョーイのことは友達として大好きよ、でも…」とレイチェルが振る形になってしまったので、そのことを「レイチェルを好きになったのは間違いだった」とジョーイは今、言っているのですね。
そのように、いったんはジョーイを振ってしまったレイチェルでしたが、その後、レイチェルの方が、ジョーイを男性として意識することになってしまい、今は「ジョーイはレイチェルのことを吹っ切れているが、レイチェルはジョーイと恋愛関係に進みたいという気持ちがありながら、葛藤している」という状態です。
それで、「レイチェルを好きになったのも間違いだった」と言っているのを訂正したくて、レイチェルは「あなたはいつも間違った女の子を求めているわけじゃないわ」と言っているのですね。

そういうレイチェルの意図に、ジョーイは全く気づく様子がなく、「本当に、チャーリーは俺には合ってない、似合いじゃない、ふさわしくない」と言うと、レイチェルは「チャーリーのことを言ってるんじゃないわ」と、また意味ありげな風に言うのですが、そこまで言ってもジョーイはまだ、「先月デートした、あのウェイトレスのこと?」と言って、あの子も全然、俺には合ってなかったよ、という顔をしています。

レイチェルは自分のことだと気づいてもらいたいのに、ジョーイは全然わかってくれないので、レイチェルはあきらめた様子で、 Forget it! 「今のは忘れて!」と言います。

ジョーイには全然ピンと来ないものの、レイチェルが何か言おうとしかけて「もういいわ、忘れて」と言うと、それはそれで気になるのでしょうね、誰のことを言ってるんだよ? とジョーイは頑張ります。
レイチェルは、「私自身も、具体的に誰のことを言ってるかわかってないんだけど、はっきり誰をイメージして話しているわけじゃないの」みたいに言って、とりあえずその質問をかわします。

I'm gonna see if I can get a room for the night は、「その夜(今夜)のための部屋を、俺がゲットできるかどうか見てくる(確かめてくる)」ですね。
ジョーイとチャーリーは恋人同士ということで、二人一部屋を取っていたのですが、別れてしまった以上、同じ部屋に泊まるわけにもいかず、今夜自分が寝るための部屋を取れるかどうか、フロントに行って確かめてくる、と言っていることになります。

この後は、ト書きになりますが、見ていてドキドキするシーンなので(笑)、ト書きの表現も、あわせて解説しておきますね。

Rachel is pensive の pensive は、「憂いに沈む、哀愁を漂わせた」という意味。
「レイチェルのことを好きになったのは間違いだった」と言ったジョーイに対して、「それは間違いなんかじゃなかった。今では私もジョーイのことが好き」というのを伝えるチャンスだったのに、それがうまく伝えられずに、切ない気持ちになっている、という顔ですね。

いったんは部屋の外に出たジョーイでしたが、ふと何かに気づいた様子で、いろいろと考える顔をしています。
ようやく、「レイチェルは自分自身のことを言っていた」ことに気づいたジョーイは、また部屋に戻り、「まさか、レイチェルが俺のことを好きなの?」というような、信じられないという顔でレイチェルを見る(looks at her in disbelief)のですが、それに対してのレイチェルの表情が、なんとも可愛らしいですね(^^)

戻ってきたジョーイに対して、レイチェルは、親指をかんでジョーイを上目づかいに見て、わかっちゃった? みたいな顔をしています。
それをト書きでは、she looks like she was caught red-handed と表現してあるのですが、red-handed は「現行犯で」という意味で、catch someone red-handed は「人を現行犯で捕らえる・つかまえる」という意味になります。
red-handed を直訳すると「赤い手の状態で」という感じになるでしょうか。
この語源については、どこかで読んだ気がするのですが、手持ちの辞書には載っていないので、とりあえず記憶のままに書いておくと、、
「殺人などを犯し、犯人の手が血で赤く染まっているという状態で」というところから、「犯罪直後に犯人を逮捕する」→「現行犯で捕らえる」という意味になる。
という説明だったと記憶しています。
語源はそのように殺人から来たもののようですが、実際の使用例は殺人に限らず、何らかの犯罪で現行犯逮捕された場合に使われるようで、必ずしも「手が赤い状態で捕らえられる」わけではない、ということになります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
red-handed [adjective]
catch somebody red-handed : to catch someone at the moment when they are doing something wrong
例) The FBI caught the mayor red-handed using drugs.

つまり、「人が何か悪いことをしている瞬間に、その人を捕まえること」。例文は、「FBI は、その市長を、薬物使用で現行犯逮捕した」。

今回のレイチェルの場合は、別に doing something wrong 「何か悪いことをしていた」わけではないのですが、「私はジョーイのことが好きよ」と暗に伝えようとしていたことが、今、そのジョーイにわかってしまった、という瞬間なので、「悪事がバレた」ということではなく、「本心がバレた」ことを、そのように「現行犯逮捕されたような顔」だと表現したことになるでしょうね。


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posted by Rach at 14:19| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月16日

難解な言葉を使う賢い人は退屈 フレンズ9-24その1

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シーズン9 第24話
The One In Barbados - Part 2 (運命のカリビアン・ナイト part 2)
原題は「バルバドスの話 パート2」


パソコンに入れていた、ロスの基調講演の原稿がウイルスによって消えてしまい、それを復元するために、同僚のチャーリーはずっとロスに付き添っていました。
それが無事完成したことで、二人の距離が縮まり、初対面の時からチャーリーが好きだったロスに対して、チャーリーもロスを意識するようになっています。
恋人のチャーリーがロスと一緒にいる間、ジョーイはレイチェルと薬剤師の学会で楽しい時を過ごしていました。
そうやって別行動をしていたジョーイとチャーリーが、しばらくぶりに顔を合わせた時、「チャーリーはロスと」「ジョーイはレイチェルと」それぞれ楽しい時間を過ごしていた、と知って、二人はお互いにとってベストな相手ではないと悟った様子。
その後のシーン。
[Scene: Rachel's hotel room. She is watching the Weather Channel on TV.]
ホテルのレイチェルの部屋。レイチェルはテレビで天気チャンネルを見ているところ。
アレクサンドラ・スティール(Alexandra Steele): (meteorologist) (pointing to the East Coast) All the East Coast is having beautiful weather. In New York, it's 72 and sunny! ([気象学者] [東海岸を指さしながら] 東海岸全ては素晴らしい天気です。ニューヨークでは、華氏72度(摂氏22.2度)で、晴れです!)
レイチェル: Oh! Weather bitch! (turns the TV off) (もう! 天気ビッチ[やな女]め! [テレビを消す])
(Someone knocks on the door)
誰かがドアをノックする。
レイチェル: It's open! (Joey walks in) Hi, Joe! (開いてるわ! [ジョーイが入ってくる] はーい、ジョーイ!)
ジョーイ: (downhearted) Hey. ([落胆した様子で] やぁ。)
レイチェル: (worried) What? Is everything okay? ([心配そうに] 何? 大丈夫?)
ジョーイ: Uh... Charlie and I broke up. (あぁ… チャーリーと俺は別れたんだ。)
レイチェル: Nooooo. Why? (えー? どうして?)
ジョーイ: Oh, well, she said we have nothing in common. (うーんと、チャーリーが言ったんだよ、俺たちには共通点がない、って。)
レイチェル: (laughing) Oh, that's crazy! ([笑いながら] まぁ、そんなのおかしいわ。)
ジョーイ: No, it's not. We have nothing in common! (いいや、おかしくない。俺たちには共通点がないんだよ。)
レイチェル: Yeah, that's true. (そうね、それは正しい。)
ジョーイ: Yeah. I mean, she should be with someone like... Ross! You know, I mean, he uses all those big words too! Man, smart people are dull! (あぁ。ほら、チャーリーは、ロスみたいなやつと付き合うべきだよ! ほら、彼も、ああいう難しい言葉を使うだろ! もう、賢い人って退屈なんだよな!)
レイチェル: (pretending to be offended) Well, hey! ([気分を害したふりをして] ねぇ、ちょっと!)
ジョーイ: (laughing sarcastically) Okay, Rach! ([皮肉っぽく笑いながら] わかったよ、レイチェル!)
(He punches her on her shoulder mockingly, then goes and sits down on her bed)
ジョーイは、からかうようにレイチェルの肩をパンチして、それから彼女のベッドのところに行って座る。

バルバドスは、いったんは晴れたものの、また雨となり、レイチェルは部屋でテレビの天気予報を見ています。
そのテレビの画面には、Today's Forecasts New York Alexandra Steele METEOROLOGIST THE WEATHER CHANNEL と書いてありますね。
The Weather Channel は、アメリカのお天気専用チャンネル。
Alexandra Steele さんの名前で検索すると、以下の Weather Center Live という番組がヒットしました。
スティールさんは、その「ウェザー・センター・ライブ」という番組のアンカーをされていたようですね。
Wikipedia 英語版: Weather Center Live
お天気専用チャンネルの The Weather Channel については、以下。
Wikipedia 英語版: The Weather Channel
その ウィキペディアの In popular culture では、今回のフレンズ9-24 で、レイチェルがこの番組を見ていたことも説明されています。

バルバドスは今、雨なのに、天気予報では「ニューヨーク東海岸は晴れです!」と言っているので、レイチェルは面白くないわけですね。
ニューヨークがお天気であることを、朗らかに伝えているので、レイチェルとしてはつい、彼女に毒づいてしまった、というところですが、実在の人物に、Weather bitch! とか言っているセリフもすごいですね^^

その後、レイチェルの部屋を、ジョーイが訪ねてきます。
落胆した様子のジョーイは、「チャーリーと俺は別れた」と告げています。
理由を聞かれたジョーイが「チャーリーが、”俺たちには共通点がない”って言ったんだ」と言うので、レイチェルは、that's crazy! と返します。
「そんなのおかしいわ」というのは、「ばかなこと言わないで。共通点が全くないなんて、そんなことないでしょう? 何か共通点くらいあるはずよ」というニュアンスですが、ジョーイは「いや、crazy なんかじゃない。(チャーリーが言うように)(確かに)俺たちには共通点がない」と再度強調することになります。
建前的に、「共通点がない、なんてことないわ」と言ったものの、確かにチャーリーとジョーイには全くと言っていいほど共通点がありませんし、ジョーイ本人も認めているので、レイチェルも今度は「そうね」と認めることになります。

she should be with someone like... Ross! は、「彼女は誰かと付き合うべきだ…ほら、ロスみたいなやつと!」という感覚ですね。
big word は「難しい・難解な言葉、もったいぶった言葉」で、チャーリーみたいに、ロスも難しい言葉をいっぱい使うから、二人はお似合いだよ、と言っていることになります。
smart people are dull! は「賢い人々は退屈だ」ですね。

それを聞いたレイチェルは、ト書きにあるように、「気分を害したふりをして」、hey! 「ちょっと!」と抗議する態度を見せますが、ジョーイは皮肉っぽく笑いながら、「わかったよ、レイチェル!」と言って、肩をポンと叩きます。

offended は、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
offended [adjective] : very angry and upset by someone's behavior or remarks
つまり、「誰かの行動や発言によって、非常に怒っている、または憤慨していること」。

ジョーイが言った、「賢い人は退屈だ」という言葉は、賢い人に対する悪口みたいなものなので、レイチェルは自分がそういう人の一人(賢い人)だとでも言うように、「賢い人が退屈だ、なんて失礼ね!」という意味で、Hey! と抗議したわけですね。
ですが、「ロスとチャーリーはいわゆる”賢い人”だけど、レイチェルはそういうタイプじゃないだろ」とジョーイは思っている様子で、「賢い人ぶって抗議しても、レイチェルがそうじゃないって俺にはわかってるからね。はいはい」みたいな感じで、皮肉っぽく笑って、「そんな冗談やめなよ」という感じで、軽く肩をパンチしたことになります。

ジョーイにそういう反応をされたレイチェルは、何だか少し驚いた顔(「失礼ね」というような顔)をしていますので、最初っから冗談で言ったわけでもないのかもしれません。
ト書きでは、「気分を害した”ふりをする”」となっていましたが、「そんなわけないだろ、レイチェル」とつっこまれるのを想定した上で、ジョークとして「賢い人のグループのふりをした」という感じでもないようにも思います。
とりあえずここでは、レイチェルが気分を害したかのような態度を取ったことで、「今の発言は私にとって失礼なものだった」「あなたが批判した人たちのグループに、私も属する」とレイチェルは言いたい、ということがわかればいいということですね。


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posted by Rach at 14:47| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月13日

どこかに向かっていると、未来があると フレンズ9-23その6

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バルバドスまでやってきて、フィービーに Will you marry me? 「結婚してくれる?」とプロポーズしたマイク。
その言葉を幸せそうな顔で聞いていたフィービーですが、その返事は意外にも No! で、みんな驚いています。
フィービー: I love you, but I never needed a proposal from you. I just needed to know that we were headed somewhere, you know, that we had a future. ((私も)愛してるわ、でも私はあなたからのプロポーズが欲しかったんじゃないの。私はただ、私たちがどこかに向かってるって、ほら、私たちには未来があるって、知りたかっただけなの。)
マイク: We can have any future you want. (僕らには、君の望むどんな未来もあるよ。)
(they hold their hands, gazing at each other)
二人は手を繋ぎ、お互いをじっと見つめている。
デビッド: Okay, well, I'm gonna take off. (よし、じゃあ、僕は行くね。)
フィービー: David, I'm so sorry. I'm sorry. (デビッド、本当にごめんなさい。ごめんなさい。)
デビッド: Just so I know, if I had asked first...? (ちょっと知りたいんだけど[参考までに聞いておきたいんだけど] もし僕が最初に君に尋ねていたら…?)
フィービー: Yeah, I might have said yes, but that would've been wrong. (ええ、私はイエスと言ったかもしれないわ。でもそれは間違いだったでしょうね。)
デビッド: Please, you don't have to explain. I mean, perhaps if I hadn't gone to Minsk, things would have worked out for us, and I wouldn't have ruined my career. Or lost that toe to frostbite. It was a good trip! (he leaves) (お願いだから、君はそのことを説明しなくていいよ。ほら、多分僕がミンスクに行かなかったら、物事は僕らにとって良い結果となっていただろう。そして僕は自分のキャリアに傷をつけることもなかったし、凍傷で足の指をなくすこともなかった。良い旅だったよ! [彼は去る])
マイク: Is it okay if I hug you now? (今、君をハグしてもいい?)
フィービー: Oh, yes! (they hug) (ええ! [二人はハグする])
モニカ: (to everybody) Because of our meddling! All right? ([(周りにいる)みんなに] 私たちが口出ししたおかげ、よね?)

フィービーは、マイクのプロポーズに対して No! と言った後、どうしてイエスと言わなかったのかについて語り始めます。
「私もあなたを愛してるわ、でも」と言った後、I never needed... 以下のセリフを言っていますね。
このセリフの構造は、I never needed (A). I just needed (B). 「私は A が欲しかった(必要だった)んじゃなくて、ただ B が欲しかったの」になります。
A は、a proposal from you 「あなたからのプロポーズ」ですね。
日本語ではこのように「プロポーズ」と言いますが、英語では、「求婚する」という動詞が propose で、「プロポーズ、結婚の申込」という意味の名詞は a proposal になります。

フィービーが求めていたことは、needed to know that... で語られていますが、それは「私たちがどこかに向かっていると、私たちには未来があると、ただそれが知りたかっただけ」ということになります。
マイクが、「前の結婚で懲りたから、僕はもう二度と結婚はしない。絶対にその気持ちは変わらない」と言ったことで、フィービーには「二人の未来」が見えなかったわけですね。
今すぐ結婚して欲しいわけじゃないけど、「結婚する可能性はゼロ」と言われてしまったことで、フィービーはマイクとの未来を考えられなくなってしまった、その人と一緒にいてもこの先何も変わらないとわかってしまった、だから別れた、ということでした。

フィービーとしては、「デビッドに取られそうになったからといって、勢いで求婚して欲しくない」という気持ちもあったのでしょうね。
「結婚することをかたくなに拒んでいたあなたが、そこまで言ってくれただけで、今の私には十分よ。この先、結婚する可能性もあるとわかるだけで私は幸せだから」と言ってあげた感じになるでしょう。

「二人に未来があると知りたかっただけ」というフィービーに、マイクは、「僕たちは、君が望むどんな未来をも持つことができる」と言っています。
僕らの未来は、君の望むもの、望む形にしよう、というところですね。

手を繋いで、お互い見つめ合っている二人を見て、完全に敗者となってしまったデビッドは、「僕は行くね[ここを離れるね]」と声を掛けます。
フィービーがデビッドに謝ると、デビッドは「もしあの時、僕が〜していたら」という、もしもの話をしています。
Just so I know は、今回のエピソードの別のシーンにも出てきたフレーズで、過去記事、不適切な冗談言えなかったの? フレンズ9-23その2 で解説しています。
「ただ、僕が知る(ことができる)ように」というニュアンスで、「参考までに知って(聞いて)おきたいんだけど」というような感覚でしたね。

if I had asked first...? は典型的な仮定法過去完了で、「もしあの時〜していたら」というような、「過去の事実とは反対の仮定」を言っていることになります。
実際には、「僕が Will you marry me? と君に ask する前に、マイクがその言葉を言ってしまい、フィービーは No! と返事しつつも、マイクの気持ちを受け止め、二人で未来を歩いて行くと決めた」わけだけど、もしその事実とは異なり、「僕がマイクより先に、結婚してくれる? と君に尋ねていたら(君は何と返事しただろうか)?」と、デビッドは仮定法過去完了を使って問うていることになります。

デビッドの予想通り、Yeah, I might have said yes 「えぇ、私はイエスと言ったかもしれない」という可能性をフィービーは伝えます。
その後、「でも」と続けて、that would've been wrong と答えていますが、どちらも、デビッドの仮定法過去完了の問いかけに合わせた、might have+過去分詞(said)、would have+過去分詞(been)の形を取っていますね。
デビッドが求婚してくれたら、多分私はその時、イエスと答えたかもしれないけど、でもそこであなたのプロポーズを受け入れてしまっていたら、それは間違いだっただろうと思う、と言っていることになります。
こんな風にマイクへの気持ちが残っている状態では、デビッドのプロポーズを受けるべきではなくて、仮に受けたとしても、結局、二人は不幸な結果となってしまったでしょうね、と言っていることになるでしょう。

「あなたのプロポーズを受けたとしても、それは間違いだっただろうと思う」と言われたデビッドは、「どうか、お願いだから(それ以上は言わないで)」というニュアンスで、Please と言った後、「君は(その件について)説明する必要はない。説明してくれなくていい」と言っています。
その後、「多分、僕があの時」(if I hadn't gone...)のように、また仮定法過去完了を使って、「もしあの時こうだったら、こうなっていたかもしれない」ということを語っています。
前から順番に見ていくと、
perhaps if I hadn't gone to Minsk =多分、もし僕が(あの時)ミンスクに行かなかったら
things would have worked out for us =物事は僕たちにとって良い結果となっていただろうに
and I wouldn't have ruined my career =そして僕は、僕のキャリアをダメにすることもなかっただろうに
Or lost that toe to frostbite = Or I wouldn't have lost that toe to frostbite =または、凍傷であの指をなくす(失う)こともなかっただろうに
となります。
work out は「うまくいく、良い結果となる」という意味ですね。
ruin my career というのは、前回のエピソードで、デビッドがフィービーに再会した時に言っていた、「8年間研究を続けて、それが不可能だとわかった」ということを指しています。
frostbite は「凍傷」、lose A to B は「B(病気やケガ)で A をなくす」という意味。
ミンスクという非常に寒い場所にいたので、凍傷になってしまった、と言っているのですね。

It was a good trip! は、今回のこのバルバドスへ来たことについて、そう言っているようですね。
「良い旅行だった。今回の旅行、楽しかったよ」というのを最後の挨拶として、デビッドは去って行ったことになるでしょう。
このセリフについては、その直前に「もしミンスクに行っていなかったら」という話をしていたので、It was a good trip! が「ミンスクに行っていたこと」を指す可能性(ミンスクへの旅は”最高”だった、と、皮肉っぽくわざと good と言っている感覚)もチラッと頭をかすめたのですが、研究のために長年ミンスクに行っていた、そこで長年暮らしていたことは trip 「旅行」とは言い難いと思えますし、ここはやはり、別れ際のセリフとして、「フィービーに告白しようと、バルバドスに一緒に来た今回の旅行」のことを、そのように表現しているのだろうと思います。
他の男性と未来を一緒に生きると決めたフィービーに対しては、恋愛的な気持ちを言葉にすることもできないので、去り際に「今回の旅行は、いい旅行だったよ。楽しかったよ」という挨拶しか言えなかった、というところでしょうか。

デビッドが去った後、マイクはフィービーに「ハグしてもいい?」と言い、二人はハグし、それからキスすることになります。
完全によりを戻した二人を見て、モニカは、レストランにいる人みんなに聞こえるような大声で、Because of our meddling! All right? と叫んでいます。
because of... は「…のために、…のせいで」という意味ですね。
meddle は「干渉する、おせっかいをやく」。
直訳すると、「私たちのおせっかいのおかげ! そうよね?」というところですが、ここで meddle の話をしているのは、今回のエピソードで、チャンドラーがデビッドに要らぬアドバイスをしたことについて、モニカが meddle という言葉を使い、その後、チャンドラーとモニカが meddle について口論しているシーンがあったからです。
解説を飛ばした部分ですので、ここであわせてそのシーンをご紹介しておきますね。

(Chandler walks in)
チャンドラーが歩いて入ってくる。
モニカ: (sarcastically) Well, I hope you're happy! Phoebe's going to say yes to David. See, that's what happens when you meddle in people's lives! ([皮肉っぽく] あぁ、あなたが嬉しいといいけど! フィービーはデビッドにイエスって言うわ。ほら、それが、あなたが人々の生活におせっかいをやく[干渉する]時に起きることなのよね[あなたが人におせっかいやくと、そういうことが起こるのよね]。)
チャンドラー: Phoebe's gonna say yes? That's, that's great! (フィービーはイエスって言うつもりなの? それって、それって良かったじゃん!)
モニカ: No, it's not. B'cause she's still in love with Mike! (いいえ、良くないわ。だって、フィービーはまだマイクを愛してるもの。)
チャンドラー: And there's not chance that will work? (で、それ(フィービーがマイクをまだ愛していること)がうまく行くチャンスってないの?)
モニカ: No, I called him. It's not gonna happen. (ないわ、私、マイクに電話したの。そういうことは起こらないわ。)
チャンドラー: (pointing at her) Oooooooh! Meddler! Meddler! ([モニカを指さして] ああー!! おせっかい(やき)だ! おせっかいだ!)
モニカ: Well, if you hadn't meddled to start with, I wouldn't have had to go in there and meddle myself. Now, no matter how much we meddle, we will never be able to unmeddle the thing that you meddled up in the first place! (そもそもあなたがおせっかいをやいていなければ、私がそこに入って(首を突っ込んで)私自身がおせっかいをやく必要なんかなかった。今は、私たちがどれだけおせっかいをやこうと、あなたが最初におせっかいをやいたことを、おせっかいをやかなかったことにすることは決してできないの!)
チャンドラー: This vacation sucks!! (この休暇は、最悪だな!)

チャンドラーが meddle したこと(おせっかいをやいたこと)を非難していたモニカですが、モニカもマイクに電話したと知って、チャンドラーは勝ち誇ったようにモニカを指さしながら、Meddler! Meddler! と言っています。
meddle + -er で「meddle する人、おせっかいをやく人」ということですね。
俺が余計なおせっかいをやいたって非難してたくせに、モニカ自身がメドラー(おせっかいをやく人)になってるじゃん! と言っているわけです。
そう言われたモニカが、反撃するために早口で言い返していますが、そこでは何度も meddle という単語が使われていることが、このセリフを面白いものにしていますね。


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posted by Rach at 15:35| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月11日

俺ならそんなものを自慢したりしない フレンズ9-23その5

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バルバドスで、デビッドがフィービーにプロポーズしようとしていたその時、マイクが現れ、「フィービーが聞かなければならないことがある(これから僕が言うことを、フィービーに聞いてもらいたい)」と言います。
デビッド: (annoyed) Okay. Would you care for my seat as well? ([ムッとした様子で] わかったよ。(そのうえ)僕の席も欲しい?[僕の席にも座りたい?])
マイク: Actually, yeah, that'd be great. (実は、そうだね、それはありがたい。)
デビッド: Well, that's fair, you've had a long trip. (he leaves his seat to Mike, and stands there looking for a chair. He finally goes to Monica and Chandler's table) (あぁ、それがフェアだよね。君は長い旅をしてきたところだから。[デビッドはマイクに席を譲り、椅子を探しながらそこに立っている。彼は最終的に、モニカとチャンドラーのテーブルのところに行く])
マイク: Phoebe, I love you. I mean, I've missed you so much these last few months. And I thought we were apart for a good reason, but then I suddenly realized that there was no reason good enough to keep me from spending the rest of my life with you. (フィービー、愛してる。この2、3か月、君のことがすっごく恋しかった。僕たちは十分な理由があって別れたけれど、でもその後、気づいたんだ。残りの人生を君と過ごすことができないような十分な理由なんかない、ってことに。)
(Phoebe looks very flattered)
フィービーはとても嬉しそうな顔をする。
マイク: Now, I don't actually have a ring. (今は、実は指輪は持ってないんだけど。)
デビッド: I have a ring. (僕は指輪を持ってるよ。)
チャンドラー: I wouldn't brag too much about that thing, big guy. (俺ならそんなものを、そんなに[必要以上に]自慢したりしないけどな、大物さん。)
マイク: But, Phoebe... will you marry me? (でも、フィービー… 僕と結婚してくれる?)
フィービー: (smiles at him happily for a few seconds before answering) No! ([答える前に、2、3秒、マイクに幸せそうに微笑んで] いいえ![ノーよ!])
デビッド: Uhm... Ha ha! (あー… ハハ!)

Would you care for my seat as well? の care for は「〜が欲しい、〜を欲する」という意味で、Would you care for a drink? 「お飲物はいかがですか?」の形でよく使われますね。
as well は「そのうえ、おまけに」ということですから、「そのうえ、君は僕の席も必要かな?」と言っているニュアンスになります。
デビッドはマイクに、自分がプロポーズしていたところを邪魔されて、「僕の話を先に聞いて欲しい」と言われたわけですが、マイクの要望通り、先に順番を譲ってあげることにしたので、「そのうえ」、この席に座りたいのなら、それも譲ってあげるよ、と言った感覚が、as well に出ていると思います。

マイクはその申し出を、「実は、そうしてくれると(ほんとに)ありがたい」と言って、席に座らせてもらうことになります。
恋のライバルであるマイクに順番も席も譲ったデビッドは、以前からのキャラ通り、本当にお人よしだと思うのですが、その後のセリフもまた、デビッドっぽくて面白いですね。
that's fair, you've had a long trip. は、「それ(デビッドが席に座ること)はフェア(公正)だ、君は長い旅をしてきたんだから」ということ。
NYからバルバドスまで飛んできて、今、到着したばかりの君だから、その君が立ち話をするんじゃ、公正さに欠けるよね、長旅で疲れている君が椅子に座るのがフェアだよね、と言ったことになるわけですね。

席を立ったデビッドが、隣のテーブルのチャンドラーとモニカのところに行った後、マイクは目の前のフィービーに語りかけます。
最初に I love you. という言葉を言って、自分の気持ちは以前と変わらず、今も君を愛していると告げた後、I've missed you so much these last few months. と言っています。
「この(ここ最近の、直近の)2、3ヶ月、僕は君がすごく恋しかった」と現在完了形の継続を使って、君と離れていた数か月、君のことをずっと恋しく思っていた、君がいなくてとても寂しかった、と説明しています。

その後の、And I thought... 以下のセリフは、非常に長い文章になっているのですが、これがマイクが一番言いたかったことであり、マイクがここに来ることを決心した理由でもあるので、前から順番にイメージして、解説していきたいと思います。

And I thought we were apart for a good reason の a good reason は「もっともな・十分な理由」というニュアンスですから、「僕たちは十分な理由があって別れた(離れた)と僕は思っていた」になります。
I thought (A), but then I suddenly realized that (B) という構造は、「僕は A だと思っていたけど、それから(その後)突然、僕は B だと気づいた・わかった」という意味ですね。
I thought 「僕は〜だと思っていた」という「過去形」は、「そんな風に思っていたけれど、実際には違った、違っていることが後で分かった」という流れを示唆しており、今回のマイクのセリフも、その流れ通りの展開になっていることがわかります。

何に気づいたかが、that 以下の there was で説明されていますが、前から順番に意味を取って行くと、
there was no reason =理由はなかった
good enough to =〜するのに十分な、もっともな(理由)
keep me from spending the rest of my life with you =僕が残りの人生を君と過ごさせないようにする
となります。
keep someone from doing は、「人に〜させないようにする、人が〜することを避けさせる」という意味ですね。
自然な日本語として組み立てると、「僕が残りの人生を君と過ごすことができないようにするのに十分なもっともな理由など何もなかった、ということに僕は気づいたんだ」と言っていることになります。

「正当な理由があって別れたと思っていたけど、残りの人生を君と一緒に過ごしちゃいけないなんて理由は何もない、ってことに気づいたんだ」ということで、「どうして大好きな君と離れて残りの人生を過ごさなければいけないのか、そうしなければいけない理由なんて何もないのに」とマイクは言いたいわけですね。

マイクのその言葉を聞いたフィービーは、ト書きにあるように、とても嬉しそうな顔をしています。
「今は実は(プロポーズするための)指輪を持ってないんだけど」とマイクが言うと、横でそれを聞いていたデビッドが、マイクの方に近づいて、I have a ring. 「僕は指輪を持ってるよ」と、少し得意気な様子で口を挟んでくるのが面白いですね。

それを聞いたチャンドラーは、I wouldn't brag too much about that thing, big guy. と言っています。
brag about は「〜を自慢する」で、I wouldn't は「もし僕が君の立場なら、僕なら自慢しないけど」のような仮定のニュアンスが込められています。
I wouldn't 「僕なら(そんな風には)しない」と表現することで、「そんなことしない方がいいと思うけど」と忠告してあげている感覚になるのですね。

チャンドラーがなぜ、「俺ならその指輪のことをそんなに必要以上に自慢したりしない」と言っているかと言うと、このエピソードの前半で、デビッドがチャンドラーに指輪のことを説明するシーンがあったからです。
そのシーンをここでご紹介しておくと、
デビッド: So, ehm... I'm proposing to Pheobe tonight. (Removes a ring box from his pocket and opens it to show Chandler the ring) (それで、その… 僕は今夜、フィービーにプロポーズするつもりなんだ。[ポケットから指輪の箱を取り出して、チャンドラーに指輪を見せるためにそれを開ける])
チャンドラー: Tonight?! (looks at the ring) Isn't an engagement ring supposed to have a diamond? (squints at the ring to emphasize how tiny the diamond is) (今夜?! [指輪を見る] 婚約指輪は、ダイヤモンドがついてるもんじゃなかったっけ? [そのダイヤモンドがどれほど小さいかを強調するために、その指輪を目を細めて見る])
デビッド: That's uhm... one-seventieth of a carat. And the clarity is uhm... is quite poor. (それはその… 70分の1カラット(のダイヤ)なんだ。そして透明度は…かなり悪い。)
チャンドラー: (slaps him on the shoulder) Nice! (goes to Monica) ([デビッドの肩を叩いて] ナイス! [モニカのところに行く])

小さなダイヤしかついていなくて、ダイヤの透明度も低い、という指輪であることを、デビッドはチャンドラーに恥ずかしそうに報告していましたが、自分がそんな風に言っていた指輪のことを、ここでそんなに自慢し過ぎない方がいいんじゃない? 俺ならそんな指輪なら、自慢しないけどね、と言っていることになります。
big guy という呼び掛け語は、文字通り「ビッグ・ガイ、大物、大したやつ」みたいな感じですが、これは、安い指輪しか用意できなかったことを自虐的に言っていたデビッドを、わざと反対の「大物さん」と皮肉っぽく呼んでいることになるでしょう。

「今は指輪は持ってないけど、でも…」と言ったマイクは、「フィービー、僕と結婚してくれる?(will you marry me?)」という決め台詞を言います。
ドラマや映画でよく見る場面だと、指輪を見せながら、ひざまずいて Will you marry me? というところですが、今は指輪を持っていないこともあるのでしょう、ひざまずいたりはせず、テーブルに座った状態で、まっすぐ正面のフィービーに向かって、そのセリフを言っています。

それを聞いたフィービーは、ト書きにあるように「答える前に、2、3秒マイクに微笑んで」います。
つまり、「2、3秒ほど、幸せそうな顔でマイクに微笑んだ後で、プロポーズに対して返事した」ということですが、そんな幸せそうな顔をしていたのに、口から出た答えは、No! でした。
この表情からすると、間違いなくイエスと言いそうな雰囲気だったのに、No! という意外な返事だったことにマイクは驚き、そばで聞いていたデビッドは、「ざまあみろ」と言いたい様子で、Ha ha! と得意気な顔でマイクに言っているのも面白いですね。


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posted by Rach at 14:38| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月09日

一緒になれたからもう離れたくない フレンズ9-23その4

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フィービーはまだ、元彼マイクのことを忘れられずにいるのですが、チャンドラーの要らぬ助言のせいで、デビッドがフィービーにプロポーズすることを決めたため、責任を感じた妻のモニカは、事前にフィービーに「デビッドは今夜、フィービーにプロポーズするつもりだ」ということを伝えます。
マイクにまだ未練があるのは明らかながらも、フィービーはデビッドが求婚することを受け入れるつもりの様子。
フィービーがまだマイクを好きなことを知っているモニカは、マイクに電話してこの件を伝えたようですが、マイクからは良い返事がもらえなかったと言っています。
その後のシーン。
[Scene: The restaurant. Chandler and Monica are sitting at a table]
レストラン。チャンドラーとモニカがテーブルに座っているところ。
(Phoebe and David walk in)
フィービーとデビッドが歩いて入ってくる。
(David and Phoebe sit down at a table close to Chandler and Monica's)
デビッドとフィービーは、チャンドラーとモニカの近くのテーブルに座る。
デビッド: Uh, Phoebe, uh, I have... something I wanna say. You're an amazing woman, and the time we spent apart was, was unbearable. Of course, the sanitation strikes in Minsk didn't help! (あぁ、フィービー。言いたいことがあるんだ。君は素晴らしい女性だ。そして僕たち二人が離れていた時間は耐えがたいものだった。ミンスクでのゴミ回収のストライキも、もちろん役に立たなかったし[あのストライキも耐えがたかったけど]。)
フィービー: Sure. Okay. Yeah. (もちろん、そうね、ええ。)
デビッド: But, well, now that we're together again, I don't ever want to be apart. So, to that end... (でも、ほら、今や僕たちはまた一緒なわけだから、もう離れたくない。だから、そのために…)
(David produces the ring. At the same time, Mike walks in, behind David)
デビッドは指輪を出して見せる。ちょうどその時、マイクが入ってくる、デビッドの後ろに。
フィービー: Oh, my God, Mike! (なんてこと、マイク!)
デビッド: It's David, actually! ((僕は)デビッドだよ、実際にはね!)
フィービー: No, Mike's here. (いいえ、マイクがここにいるの。)
デビッド: (turns around) Oh, hey, Mike! ([振り向いて] あぁ、やあ、マイク!)
マイク: Hi, David. Chandler. Monica... (Looks at Monica, checking her big hair, aghast) Oh! (やあ、デビッド、チャンドラー、モニカ… [モニカに視線をやり、彼女の大きな髪型を見て、びっくりして] おぉ!)
モニカ: It's the humidity! (湿気よ![湿気のせいよ!])
マイク: Hi, Phoebe. (やあ、フィービー。)
フィービー: What are you, what are you doing here? (あなたはここで何をしてるの?[何しに(どうして)ここにいるの(来たの)?])
マイク: I have a question I need to ask you. (君に尋ねなければいけない質問があるんだ。)
デビッド: I have a question I was kinda gonna ask her myself. (僕自身も、彼女に尋ねようとしていた質問があるんだけど。)
マイク: Yeah, I understand, but before you do, she really needs to hear this. (あぁ、わかってる、でも君がそうする前に、フィービーはこれ(僕が今から言うこと)を本当に聞く必要があるんだよ。)

デビッドはフィービーに「話したいことがあるんだ」と言って、語り始めます。
「君は素晴らしい女性だ。僕たちが離れていた時間は耐えがたい・耐えられない(unbearable)ものだった」と言った後、Of course, the sanitation strikes in Minsk didn't help! と言っていますね。
the sanitation strikes in Minsk が主語にあたり、自動詞の help は「役に立つ、足しになる」という意味。
sanitation は「公衆衛生」という意味ですが、ここでは「公衆衛生業務」としての「ゴミ回収」の意味で使われているようです。
つまり、直訳すると、「ミンスクでのゴミ回収のストライキは、もちろん役に立たなかった」と言っていることになりますが、これは、「ミンスクにいることで、君と離れていた時間は本当に耐えがたかったけど、ミンスクでゴミ回収のストライキがあって、ゴミを回収してくれなかったことも、同じように耐えがたかった」と、unbearable な事柄を挙げていることになるのだろうと思います。
「君と離れていたことも苦しかったし、実際の生活もいろいろ大変だった」と、話のついでに語っている感覚でしょう。

そんな風にちょっと話が脱線しながらも、デビッドは、「今は僕たちはまた一緒なわけだから、もう離れたくない」と言った後、So, to that end... と言いながら、持ってきた指輪を取り出すことになります。
to that end は「そのために」という意味。
この場合の end は「目的」という意味ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、goal 「目的、目標」の意味として、以下の語義が出ています。
end : GOAL [countable] an aim or purpose, or the result that you hope to achieve
例) He wants to cut costs, and to that end (= to achieve that) is trying to improve efficiency.

つまり、「目的(目標)。目標(aim)または目的(purpose)、または自分が達成したいと願う結果」。例文は、「彼はコストをカットしたいと思うので、それを達成するために、効率を良くしようとしている」。

「指輪を取り出す」という意味のト書きでは、David produces the ring. のように produce という動詞が使われていますが、このように produce という動詞には「出して見せる、提示する」という show のような意味があります。
produce という単語には「製作する、プロデュースする」という意味があることから、ここを「指輪をプロデュースする」と訳してしまうと、何だか、デビッドが指輪をデザインしたみたいな意味に聞こえてしまいそうですね^^

デビッドが指輪を見せて、プロポーズしようとしたその時に、デビッドの背後に、マイクが入ってくるのが見えます。
それを見たフィービーが思わず、Oh, my God, Mike! と叫ぶと、デビッドが、It's David, actually! と言うのが面白いですね。
以前、名前を間違えられたことがあるので、今回も驚きのあまり、名前を言い間違えたのかと勘違いして、「(君はマイクと言い間違えたようだけど)実際には僕はデビッド(って名前)なんだけど」と訂正した感じですね。
その後、フィービーの説明で、本当に今ここにマイクが来ていると知り、あっけらかんとした様子で、「やあ、マイク!」と挨拶しているのも、人の良さそうなデビッドらしいところです。

いきなりやってきたマイクは、まずは知り合いにそれぞれ挨拶して行くのですが、モニカを見た時に、モニカの頭が爆発しているのを見て、驚きの声を上げています。
モニカは、humidity 「湿気」のせいよ! と言っていますね。
解説では飛ばしてしまったのですが、バルバドスに到着した直後から、モニカの髪の毛は、湿気で膨らんで爆発頭になっており、「ダイアナ・ロスに見える」とか、「ザ・シュープリームス(ザ・スプリームス、ザ・スプリームズ)を脱退するの?(Are you leaving "The Supremes"?)」など、大きな髪型で有名なダイアナ・ロスがらみのネタで何度かイジられていました。
「デビッドがプロポーズしようとしたその時、元彼のマイクが登場」という、これからのシリアスな展開が予想されるシーンなのですが、「モニカの爆発頭を見て、マイクが驚いてみせる」というシーンをとりあえず入れておくのが、コメディであるフレンズっぽいところだとも言えますね。

What are you doing here? を直訳すると「ここであなたは何をしているの?」ですが、これは「どうしてあなたが今ここにいるの? 何しにここに来たの?」という驚きのニュアンスとなります。

I have a question I need to ask you. を直訳すると、「僕が君に尋ねる必要がある質問が僕にはある」。
自然な日本語にすると、「君に尋ねたい質問(こと)があるんだ」ということですね。
大事な場面を邪魔されてしまったデビッドは、マイクと同じような表現を使って、I have a question I was kinda gonna ask her myself. と言っています。
「僕自身、彼女に尋ねようとしていた(ような)質問が僕にはある」ということで、「君はフィービーに質問がある、って言うけど、僕も今ちょうど、質問しようとしていたところだったんだけどね(君に邪魔されちゃったけど)」のように、根の優しいデビッドが、精一杯の抗議の気持ちで言い返したことになるでしょう。

「デビッドはフィービーに求婚するつもりだ」という話を、マイクはモニカから電話で聞いていたので、デビッドがフィービーにプロポーズするところだった、ということは承知の上で、「わかってるけど、でも君がそうする(彼女にプロポーズする)前に、フィービーはこのこと(今から僕が言おうとすること)を聞く必要が本当にあるんだ」とはっきり言うことになります。

これまでは、結婚したいフィービーと、(前回の結婚がひどい結果となったため)結婚は二度としないと決めていたマイクとの溝が、ずっと埋まらない状態だったのですが、マイクがわざわざバルバドスまでやってきたこと、デビッドがプロポーズするとわかっていて、それを中断させてまで「フィービーが聞かなければならないことがある」と揺るぎない様子で言っていることからも、これまでとはかなりマイクの心境・心情が変化していることが見て取れます。
まだ、大切なことを言う前の段階ですが、この時点で既に「今までのマイクとは違う」部分が表れていることで、この先の大事なセリフに対する期待も高まる、、という効果を生んでいると言えそうですね。


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posted by Rach at 16:45| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月06日

これはウイルスですと書いてなかった フレンズ9-23その3

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ロスは、バルバドスのホテルの部屋で、基調講演の原稿を同僚のチャーリーに読んできかせます。
そこにチャンドラーが入ってきて、自分のEメールのチェックをするため、ロスのパソコンを借ります。
そのチャンドラーが急に騒ぎ出して、
チャンドラー: (at the laptop) Oh, no, no, no! Dear God, no! ([ラップトップコンピュータを使っていて] あぁ、だめだ、だめだ!お願い、だめだ!)
ジョーイ: Oh what, did someone outbid you for the teapot? (Chandler looks annoyed at him and Joey leans in to him) Secret teapot? (あぁ何? 誰かがあの(例の)ティーポットにお前より高値をつけたの? [チャンドラーはジョーイをムッとした顔で見て、ジョーイはチャンドラーの方に身を傾けて(静かな声で)] 秘密のティーポッド?[ティーポッドのことは秘密だった?])
チャンドラー: Your computer, I don't know wha-- Everything's gone! (ロスのコンピューター、何だかわからないけど…全部消えちゃったんだ!)
ロス: Wha... what do you mean? (Goes to the laptop) (ど、どういう意味? [ラップトップのところに行く])
チャンドラー: It must be a virus. I think it erased your hard drive. (ウイルスに違いない。ウイルスがお前の(パソコンの)ハードドライブを消去したんだと思う。)
ロス: What? Oh, my God. What did you do? (何? なんてこった。お前は何をしたんだよ?)
チャンドラー: Someone I don't know sent me an e-mail and I opened it. (俺の知らない誰かが俺にEメールを送ってきて、俺はそれを開封したんだ。)
ロス: Why? Why would you open it? (どうして? どうしてそれを開封したりしたんだよ?)
チャンドラー: Well, it didn't say, "This is a virus"!! (うーんと、「これはウイルスです」って書いてなかったから。)
ロス: What did it say? (何て書いてあったんだよ?)
チャンドラー: "Nude--" (Ross looks at him) "... Pictures of Anna Kournikova." I'm so sorry. (”ヌード…” [ロスはチャンドラーを見る] ”…アンナ・クルニコワの写真”って。ほんとにごめん。)
ロス: What... what am I gonna do? My speech is gone, Chandler! (僕はどうしたらいいんだ? 僕のスピーチが消えちゃったよ、チャンドラー!)
チャンドラー: It's not gone! I mean, I'm sure you printed out a copy. You have a hard copy, right? (消えてないよ! だって、お前はコピーを印刷したはずだろ。ハードコピーあるよな?)
ロス: No, I don't!! (いや、ない!)
チャンドラー: Well, you must be pretty mad at yourself right now. (うーん、今お前は、お前自身にかなり激怒してるに違いないな。)

パソコンを見ながら、チャンドラーが騒いでいるので、ジョーイは、did someone outbid you for the teapot? と言っています。
outbid は、「競売で(人)よりも高値をつける」という意味ですから、「誰かが例のティーポットに、お前よりも高値をつけたのか?」と尋ねていることになります。
それを聞いたチャンドラーがムッとした顔をしたので、ジョーイはチャンドラーの方に身体を近づけて、小声で、「秘密のティーポット?」と付け足しています。
「ティーポットに、誰かがお前より高値をつけた」というセリフから、チャンドラーもネットオークションでそのポットに入札していたことが連想されますね。
「ネットオークションで気に入ったティーポットを買う」というのは、かなり女性っぽい行為であると思われるので、オークションでポットを競り落とそうとしていた、ということをみんながいる前でバラされたことにチャンドラーは怒っているわけですね。
the teapot のように定冠詞の the がついていることで、「その・あの・例のティーポット」のような特定感が出ています。
チャンドラーが怒っているのを見て、ジョーイはチャンドラーに近づいて小さな声で、「秘密のティーポット?」と言い直していますが、それは、「みんなの前で、”あのティーポット”って言っちゃいけなかった? みんなには内緒にすべき秘密のティーポットだったかな?」みたいに言ってみせた感じですね。

その後のチャンドラーの会話で、チャンドラーが騒いでいた本当の理由がわかります。
自分のメールをチェックするため、ロスのパソコンを借りていたのですが、「お前のコンピューター、全てが消えた!」と言っていることから、チャンドラーが使っている時に、パソコンのデータがなくなってしまった! と言っていることわかりますね。
It must be a virus. は「(消えた原因は)(コンピューター)ウイルスに違いない」。
I think it erased your hard drive. の erase は「〜を消す、を削除する」ですから、「そのウイルスがお前のパソコンのハードドライブを消した・消去した、と思う」になりますね。
eraser は「消しゴム」を意味する単語ですが、erase するものだから、eraser という名前なわけです。
-er のつく単語は「〜するもの」という意味であることが多く、その単語に出会った時に、ついでに元の動詞も一緒に覚えてしまうと、一石二鳥ですよね。

Someone I don't know sent me an e-mail and I opened it. は、「俺の知らない誰かが俺にEメールを送ってきて、俺はそれを開封した」になります。
「知らない人からのメールを開封してしまった」などと言うので、ロスは、Why would you open it? 「どうしてそんなメールを開封したりしたんだ?」と非難します。
Why did you open it? ではなく、Why would you open it? になっていることで、その行動をした時の「相手の意志」を問うニュアンスが入っているように感じられます。
過去形の did であれば、「そういうことをした理由」をシンプルに尋ねていることになりますが、Why would you...? になると、「なぜ、そういうことをしようと思ったのか?」というような、その時の相手の意志・判断を問うている感覚になるだろうと思うわけですね。

そう言われたチャンドラーが、「そのメールには、”これはウイルスです”って書いてなかったから」とか言っているのが、子供の言い訳みたいで面白いです。
「じゃあ、何で書いてあったんだ?」と問われたチャンドラーは、Nude-- (ヌード…)と、つい正直に本当のことを言ってしまい(笑)、ロスににらまれながらも、「(ヌード)写真、アンナ・クルニコワの」と、そのメールのタイトルを説明することになります。
アンナ・クルニコワがどんな人かは、Google 画像検索をすれば一発でわかりますが、確かに美人ですね(^^)
Wikipedia 日本語版: アンナ・クルニコワ にも、「モデルとしても活躍」「“女子テニス界の妖精”と評された」という記述もあります。
そのウィキペディアの記事の中で、非常に興味深い内容を見つけました。
参考までに引用させていただくと、
2001年初頭には彼女の人気につけこんで「クルニコワ・ウイルス」(ファイル名「AnnaKournikova.jpg」のコンピュータウイルス)がインターネット上に流されたほどである。
とあります。
今回のエピソード、フレンズ9-23 は、アメリカでは 2003年5月15日に放映されていますので、そのウイルスが出回っていた時期よりも2年ほど後にはなりますが、「アンナ・クルニコワの写真って書いてあるから開封しちゃった」というのは、そういうウイルスが実在していたということを踏まえたセリフになっていると思われます。
きれいな女優さんやモデルさんであれば誰でも、「〜のヌード写真って書いてあるから、メール開封しちゃった」というオチは成立するわけですが、特にクルニコワさんの場合は、実際にそういうウイルスが存在していたので、そのニュースが記憶にある人は、「そう言えば、そんなウイルスが一時期ニュースになってたな」と思い出して、このセリフのインパクトが余計に強くなるわけですね。

Wikipedia 英語版: Anna Kournikova では、最初の部分に以下の記述があります。
This article is about the tennis player. For the computer virus, see Anna Kournikova (computer virus).
つまり、「この記事はテニスプレーヤー(のアンナ・クルニコワ)についてのものである。コンピュータウイルスについては、「アンナ・クルニコワ(コンピュータ・ウイルス)」を参照」ということですね。
ウィキペディアに「アンナ・クルニコワ(コンピュータ・ウイルス)」という一つの記事が存在している、ということが、そのウイルスの有名具合をよく表していると言えるでしょう。
その、コンピュータウイルスを説明した、ウィキペディア英語版のサイトは以下。
Wikipedia 英語版: Anna Kournikova (computer virus)
その説明にもあるように、「クルニコワの写真が含まれているというメールを開封させる」という手口で、まさにチャンドラーが引っ掛かった手口と同じですね。
その英語版ウィキペディアの In popular culture には、今回のフレンズ9-23 にそのウイルスが登場したことも書かれています。

ハードドライブが消去されてしまったので、ロスは「僕のスピーチが消えた!」と大パニックになっています。
それを聞いたチャンドラーは、「お前のスピーチは消えてないだろ!」と言って、I'm sure 以下のセリフを言っていますね。
直訳すると、「俺は確信している、お前がコピーをプリントアウト(印刷)したと。ハードコピーを持ってると。だろ?」になりますね。
大事な原稿だから、もしもの時、データが消えた、パソコンが壊れた時のために、印刷するとかの措置を取ってるはずだよな、とチャンドラーは期待を寄せたわけですが、「いや、ない(印刷してない)!」とロスが答えたことで、データは完全に消えてしまった上、それを確認するような資料も全く存在しないことが判明します。
チャンドラーも当然、申し訳ない、という気持ちでいっぱいなのでしょうが、ロスの怒りがものすごいであろうことは想像できますので、ジョークで逃げるしかない様子。
最後のセリフは、「たった今、お前は、お前自身にものすごく怒ってるに違いないな」になりますね。
チャンドラーに対して、pretty mad であることは明白なのですが、せめてコピーなりを取っておけば何とか乗り切れたのに、万が一に備えて、印刷しておかなかった自分に対して、お前は今、怒りを感じてるだろ、自分自身が許せない気持ちでいっぱいだろ? とロスに言うことで、チャンドラーに向けられる怒りを少しでも回避しようというところですね。


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posted by Rach at 13:36| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年11月04日

不適切な冗談言えなかったの? フレンズ9-23その2

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フィービーは、付き合っていた恋人マイクに結婚の意志がないと知り、同棲寸前で別れてしまいました。
その後も二人はお互いのことが忘れられないと言って、よりを戻しそうになりながらも、結局、マイクに結婚するつもりがないことで、今はかなり疎遠な状態になっている様子。
前回のエピソード(フレンズ9-22)では(解説を飛ばしてしまったのですが)、フィービーはマイクの妹からパーティーに誘われ、「マイクも来るけど、マイクはあなたに会うのは全然平気だと言っていた」と聞き、「私も全然平気だってことを見せてやる」とばかりに、おしゃれしてパーティーに参加する計画を立てていました。
めいっぱいおしゃれして、フィービーがそのパーティーに出かけようとした時、ミンスクから帰ってきた元彼デビッドと劇的な再会をします。
今度はもうミンスクには戻らない、完全にニューヨークに戻ったというデビッドに、フィービーは、"Mike and I broke up." 「マイクと私は別れたの」と言い、フィービーとデビッドは「今は二人ともニューヨークにいるし、二人とも今は恋人がいないし」(we're both living in New York, not seeing anyone.)ということで、恋人同士に戻ることになりました。
そんな風に晴れて恋人同士に戻れたものの、今回のエピソード(フレンズ9-23)では、デビッドのことをマイクと呼び間違えてしまったりして、フィービーはまだ、マイクのことを完全に忘れられていないことが見て取れます。
名前を言い間違えられたことを気にするデビッドは、そのことをチャンドラーに相談します。
「フィービーがマイクと別れたのは、マイクが結婚することを拒んだから」という話をチャンドラーから聞き、デビッドは「じゃあ、僕がフィービーにプロポーズする」と言い出します。
その後のシーン。
[Scene: Back in New York, Monica and Chandler in Central Perk on the couch]
ニューヨーク。モニカとチャンドラーはセントラルパークにいて、カウチに座っている。
モニカ: Wow! That Mike thing was interesting! I don't know what's gonna happen with Phoebe and David. (わぉ! そのマイクの件、興味深かったわ。フィービーとデビッドに何が起こるかわからないわね。)
チャンドラー: (smiling cheekily) I do! David is gonna propose to Phoebe. ([生意気そうに(得意気に)微笑んで] 俺にはわかるよ! デビッドはフィービーにプロポーズするつもりなんだ。)
モニカ: What? (looks very shocked) Why? (何ですって? [非常にショックを受けた表情になる] どうして?)
チャンドラー: Be-cause, we were talking about ways that he could beat Mike and I told him that Phoebe wanted to get married. (それは、俺たち(デビッドと俺)が、デビッドがマイクを負かす(マイクに勝つ)ことができる方法について話してて、俺が彼に言ったんだよ、フィービーは結婚したいと思ってる、って。)
モニカ: Chandler, we have talked about this. You are not supposed to give people advice! Now couldn't you have made some sort of inappropriate joke? (チャンドラー、この件については(既に、これまで)話したでしょ。あなたは人にアドバイスを与えてはいけないことになってるの! 不適切なジョークとか言えなかったの?)
チャンドラー: I did! A penis one! Look, just so I know, what was so wrong about what I said? (言ったよ! ペニスのジョークをね! で、(俺がわかるように)聞いておきたいんだけど、俺の言ったことの何が悪かったの?)
モニカ: They've only been going out for a few weeks. Phoebe is completely hung up on Mike! She'll say no, David's heart will be broken, it'll be too hard for them to recover from and then Phoebe will end up alone again. (二人は、2、3週間、付き合ってるだけよ。フィービーは完全にマイクにこだわってるの! フィービーはノーと言って、デビッドの心は傷つき、二人にとってはそこから立ち直るのがとても大変になる、そしてその後、フィービーは結局また一人になるのよ。)
チャンドラー: Man, that's some bad advice! (なんてこった、それはひどいアドバイスだな!)

チャンドラーと話しているモニカは、「そのマイクの件、興味深かった」と言っています。
そのセリフから、「フィービーが、デビッドのことをマイクと呼び間違えた話」を、今チャンドラーがモニカに語っていたらしいことが想像できますね。
モニカが「(そんなことがあった後)この先、フィービーとデビッドに何が起こるかわからないわね」と言うと、チャンドラーは、I do! David is gonna... と答えます。
「モニカはわからない、っていうけど、俺には(二人にこの先、何が起こるか)わかってるよ。デビッドはフィービーにプロポーズするんだ」と、得意げに言っている感じですね。
それを聞いたモニカは驚いていますが、その口調が「どうしてそんなことするの? どうしてそういうことになるわけ?」というような非難めいたものだったので、得意気な顔をしていたチャンドラーは、「もしかして、それってやばかった? まずかった?」みたいに、急におどおどし始め、次のセリフも、Be-cause... という感じで、少しどもりがちになっています。

beat Mike は「(競争相手である)マイクを負かす(マイクに勝つ)、マイクを抜く」というニュアンス。
俺とデビッドは、デビッドが(フィービーの元彼)マイクに勝つ方法を話し合っていて、「フィービーは結婚したがってる」ということを俺がデビッドに言ったんだ、と言っていることになります。
チャンドラーがそう言ったことで、デビッドがプロポーズを決めたと知ったモニカは、いきなりチャンドラーに非難の言葉を浴びせるのではなく、まず、Chandler, we have talked about this. 「チャンドラー、私たちはこのことについて話し合ったでしょ」と言います。
this の内容がその後に続いていて、be not supposed to は「〜してはいけないことになっている」ですから、「あなたは人(人々)にアドバイスを与えてはいけないことになっている」と言っていることになります。
「あなたが人にアドバイスをしても、ろくなことにならないんだから、アドバイスはしちゃだめよ、って言ったでしょ。この件については、よく話し合った上で了解済みだったのに、何で、人にアドバイスなんかしたりしたの?」と非難しているニュアンスですね。

couldn't you have made some sort of inappropriate joke? は、「不適切なジョークとか、言えなかったの?」ということ。
そんな人生にかかわるような真面目で重大なアドバイスとかしないで、いつもみたいに、「その場にふさわしくない、不真面目なジョーク」でかわせば良かったのに、と言いたいのですね。
チャンドラーの I did! は、「俺は(そう)した!」ですから、「(今さら言われなても、その時)俺は(いつものように)不適切なジョークを言ったさ!」と言っていることになります。
A penis one の one は joke のことですね。
「ペニスのジョークを言った」というのは、(ブログの解説では飛ばしてしまいましたが)以下のようなやりとりでした。
デビッド: Why did Phoebe and Mike break up? (フィービーとマイクはどうして別れたの?)
チャンドラー: Oh, because his penis was too big. (he notices that David is not amused) Oh, I'm sorry. That's the kind of thing I do. (pause) They broke up because Mike didn't want to get married. (あぁ、それは彼のペニスがデカすぎたからだよ。[デビッドが面白がっていないのに気付いて] あぁ、ごめん。俺って、そういうことしちゃう(言っちゃう)んだよね。[間があって] 二人が別れたのは、マイクが結婚したがらなかったからだ。)

チャンドラーが訴えているように、「俺は不適切なジョークで乗り切ろうと思ったのに、デビッドが納得してくれなくて、それで真剣な話をせざるを得なくなった」ことが、上のセリフによく出ていると思います。
そう説明した上で、チャンドラーはまだ、自分の発言のどこに問題があったのかわかっていない様子で、「俺が言ったことについて、何がそんなに悪かったの?(俺の言ったことの、どこがいけなかったの?)」と尋ねます。
just so I know は、just so you know と似た感じのフレーズですね。
just so you know は、英辞郎では以下のように出ています。
just so you know=一言申し上げておきますが、だから何だという訳ではないが
「一言申し上げておきますが」というのは、FYI (for your information)「参考までに言っておくと」に近いニュアンスが感じられますね。
just so you know は、just so (that) you know、つまり、just so that you know 「ただ、あなたが知るように・知るために(知ることができるように)」の so that の that が省略されたものと考えることができます。
それを踏まえて、今回の just so I know を見てみると、「ただ、俺が知ることができるように」ということになりますから、「参考のため聞きたいんだけど、どうしてそうなのかわからないから知っておきたいんだけど」という意味で、just so I know を挿入した上で、「俺の発言の何がいけなかったの?」と言ったことになるでしょう。

モニカはフィービー、マイク、デビッドの状況と、その行く末を語っています。
go out は恋愛話では「デートする、付き合う」ですから、「フィービーとデビッドは、まだほんの2、3週間しか付き合っていない」。
Phoebe is completely hung up on Mike! の hung up on は「〜に(心理的に)こだわっている」という意味なので、「フィービーは完全にマイクにこだわっている。マイクのことを忘れられずにいる」ということになります。
「フィービーとデビッドはまだ付き合いが浅い。フィービーは元彼マイクのことが忘れられない」という現状を語った後、「この先こういうことになる」という予測・予想を、will を使って述べています。
and then までの文章は、「フィービーは(デビッドのプロポーズに)ノーと言う。デビッドの心は引き裂かれる(壊れる)。二人にとってそこから回復する(立ち直る)のは非常にハードになる」ですね。
そして最後に、「フィービーは結局最後には、また一人になるの」と言うことになります。

チャンドラーにしてみれば、「元彼のマイクは結婚したくないと言う。フィービーも再会を喜んでいるデビッドが求婚すれば、それで万事丸く収まるじゃん」と思ったのでしょうが、事態はもっと複雑で、「フィービーがマイクのことを忘れられていない以上、デビッドとの関係がうまく行くはずない」とモニカに指摘されてしまったわけですね。

それを聞いたチャンドラーは、Man, that's some bad advice! と言っています。
「なんてこった、それは悪いアドバイスだな!」ということですが、それは、「俺のアドバイスの一体どこが悪かったの?」というチャンドラー自身の質問に対して、自分で答えている感じですね。
「どこが悪かったのかなぁ? 俺には悪いアドバイスには思えなかったんだけど」みたいに呑気に考えていたはずのチャンドラーですが、「あなたのせいで、最終的にはこんなことになっちゃうのよ。今付き合っているデビッドともすぐに別れなきゃいけないはめになるのよ」と説明されたことで、「そんな結果を引き起こすとしたら、俺のしたアドバイスは、ひどいアドバイスだったんだな!」と、改めて思い知ったことを、「あぁ、そりゃあ、ひどいアドバイスだわ」みたいに、どこか他人事っぽい客観的な言い回しで、言葉にしている感じになるでしょうね。


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2015年11月02日

thongとthongs フレンズ9-23その1

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シーズン9 第23話
The One In Barbados - Part 1 (運命のカリビアン・ナイト part 1)
原題は「バルバドスの話 パート1」


古生物学者であるロスは、カリブ海のバルバドス(英語の発音は、バーベイドスという感じ)で行われる学会の基調講演をすることになります。
その姿を見てもらおうと、ロスはフレンズたち全員をバルバドスに招待します。
[Scene: Joey in his hotel room in Barbados]
ジョーイはバルバドス島のホテルの部屋にいる。
(Trying on a hat and talking to his own reflection in the mirror)
(白い)帽子をかぶって、鏡に映った自分の姿に話しかけているところ。
ジョーイ: Yeah! How you doin'? Yeah alright! (やあ! 元気か〜い? やあ!)
(Charlie comes out the bathroom)
チャーリーがバスルームから出てくる。
ジョーイ: Hey, hey! You said you're gonna wear a thong. Where's the thong? (おいおい! a thong (Tバック)を着るって言ってたじゃないか。Tバックはどこ?)
チャーリー: (laughing) I didn't mean a thong. I meant thongs. ([笑いながら] a thong って言ったんじゃないのよ。私が言ったのは、thongs (サンダル)よ。)
ジョーイ: You really should have been more clear about that! (そこのところ、君はもっとはっきり(明瞭に)しとくべきだったね。)
(Someone knocks the door, Joey goes to open it and Ross is on the other side)
誰かがドアをノックする。ジョーイがドアを開けにいくと、相手側にロスがいる(その相手はロスである)。
ロス: Hey! (やあ!)
ジョーイ: Hey! (やあ!)
ロス: (Excited) You're never gonna guess who I just saw downstairs! ([興奮して] 下の階で僕が誰にあったか、君には想像できないと思うな!)
ジョーイ: Oh! ah! eh... Britney Spears!? (あぁ、! あぁ… ブリトニー・スピアーズ?)
ロス: Yeah. She never misses these conferences! (then to Charlie) No, I just saw Dr. Kenneth Schwartz! (そうだね。彼女はこういう会議を決して(見)逃したりしないもんね(こういう会議にはいつも来てるもんね)。[それからチャーリーに向かって] 違うんだ、たった今、ケネス・シュワルツ博士に会ったんだよ!)
チャーリー: Oh, my God! (なんてこと!)
ロス: I know! (そうだろ!)
チャーリー: Did you talk to him? (彼に話しかけたの?)
ロス: Oh, yeah. What am I gonna say to Kenneth Schwartz? (あぁ。僕がケネス・シュワルツに何て言うんだよ?)
ジョーイ: You could say, "Hey, Kenny, how come you're not Britney Spears?" (looks at Ross matter-of-factly) (こんな風に言えるんじゃないか。「やあ、ケニー、どうしてあんたはブリトニー・スピアーズじゃないの?」 [ロスを事もなげに見る])

いかにもカリブ海に来ました的な、「白い帽子に青いシャツ、柄物のショートパンツ」姿のジョーイは、鏡に映った自分に向かって、How you doin'? と言っています。
これは、彼がナンパする時の決め台詞で、「この格好の俺もなかなかイケてるよな」とご満悦な感じが出ています。
ジョーイは今、ロスの同僚の教授であるチャーリーと付き合っているので、同じ部屋に泊まっています。
そのチャーリーがバスルームから出てきたのを見て、ジョーイは、"You said you're gonna wear a thong. Where's the thong?" と言っていますね。
それを聞いたチャーリーが笑いながら、I didn't mean a thong. 以下のセリフを言っていますが、とりあえず、キーワードとなっている、a thong/thongs は英語のままで、他の部分を日本語に訳すと、
ジョーイ: 君は a thong を身に付けるって言ってたじゃないか。a thong はどこだよ?(a thong を身に付けてないよ)。
チャーリー: 私は a thong とは言ってない。私が言ったのは、thongs (という複数形)だった。
と言っていることになります。
単数形ではなくて、複数形であることをはっきりさせるために、thongs の -s 「ズ」の部分を、特に強調していますね。
仮に thong の意味がわからないにしても、ジョーイが期待していたのは a thong で、チャーリーが言っていたのは thongs の方だった、そして、a thong じゃなくて、thongs なら、ジョーイは嬉しくない、ということがまずはわかれば良いでしょう。

その上で、thong という単語を見てみると、thong は元々「革ひも」という意味で、身に付ける服装の話だと、「Tバック」という意味になります。
そして、thong にはまた「サンダル」という意味があって、その場合は「2つで1足」という靴の習性上、thongs という複数形で使われます。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
thong [noun]
1. [countable] a piece of underwear or the bottom half of a bikini that has a single string instead of the back part
2. thongs [plural] a type of shoe that covers the bottom of your foot, with a strap that goes between your toes to hold it on your foot as you walk (SYN: flip-flops)

つまり、1. は、「下着の一つ、またはビキニの下部分で、後ろ部分の代わりに1本の紐があるもの」。2. は、「足の底をカバーするタイプの履物で、歩く時に足に固定するように、足の指の間を通るストラップがついているもの。(類義語 flip-flops (サンダル))」
私が PC にインストールしている LAAD では、thongs の説明の後、「→ see picture at shoe」と書いてあり、実際に shoe を見てみると、靴・履物の一覧の図があります。
全部で絵は8種類(8足分)載っているのですが、thongs はプールサイドで履くようなまさに「ビーチサンダル、ビーサン」の絵が載っていました。

最初に説明したように、thong は「革ひも」という意味でした。
Tバックの場合は、お尻の部分をカバーする布地が紐(ひも)状になっている、ビーサンの場合は指を固定する部分が(日本の下駄や草履の鼻緒のように)紐状になっている、だからそれぞれ、紐(ひも)を意味する thong という名前が付いている、ということのようですね。
ちなみに、和英辞典で調べると、日本の草履の鼻緒もやはり、thong と言うそうです。fix a thong だと「鼻緒をすげる」という意味になります。

過去のフレンズでも、Tバックの意味の thong が出てきていました。
まずは、フレンズ5-8 のセリフをご紹介したいのですが、過去記事では解説を飛ばした部分ですので、「ジョーイがTバックについて話している」この機会に、ここで併せて解説しておきます。
フレンズ5-8 は感謝祭のエピソードで、「一人一人が感謝することを言っていくゲームをしよう」ということになり、
ジョーイ: Ooh-ooh, I! I am thankful for this beautiful fall we've been having. (あーあー! 俺! 俺は(俺たちがずっと持っている、今ある)この美しい秋に感謝してる。)
モニカ: That's very nice. (それってすごくいいわね。)
チャンドラー: That's sweet, Joey. (それって素敵だよ、ジョーイ。)
ジョーイ: Yeah, the other day, I was at the bus stop and this lovely fall breeze came in out of nowhere and blew this chick's skirt right up. Oh! Which reminds me, I'm also thankful for thongs. (あぁ、ある日、俺がバス停にいると、どこからともなく素敵な秋のそよ風が吹いてきて、女の子のスカートを吹き上げた(風がスカートをめくり上げた)んだ。あぁ! それで思い出したけど、俺はTバックにも感謝してるよ。)

ジョーイが「美しい秋に感謝してる」などと柄にもないことを言うのには、やはりオチがあった、というところですね。
「スカートをめくってくれた秋のそよ風に感謝してる」の流れで、「そう言えば、Tバックにも感謝してる」と思い出したということは、その時にジョーイが見たその女性がはいていた下着がTバックだった、ということですね。
ここでは thongs という複数形になっていますが、「Tバックというもの」を全体的に指すイメージから複数形になっているのであって、複数形だからと言って「サンダル」を意味しているわけではありません。
I'm also thankful for thongs. という1文だけを提示された場合には、「サンダル」の意味に考えることも可能ですが、その直前に「風がスカートをめくった」という話がありましたので、サンダルではなくTバックの方だとわかる、ということですね。

また、別のエピソードでは、過去記事、フレンズ2-13その16 でも、thong=Tバック、の意味で出てきました。
ジョーイ: I'm getting heat from the guy in the hot pink thong. (ホットなピンクのTバックをはいてる男から熱さを分けてもらえるからね。)
ジュリア・ロバーツ演じるスージーに騙されて、女物の下着を履くはめになったチャンドラーをからかってのセリフでした。
その同じエピソード、フレンズ2-13その17 では、以下のセリフもありました。
フィービー: I think I want to write a song about all this. Except one of the strings on my guitar is broken. Chandler, can I borrow your G-string? (今までのこと全部を歌にしたいなと思ってるの。ただ、私のギターの弦がひとつ壊れてるのよね。チャンドラー、あなたのGストリングを借りてもいい?)
この G-string というのも、「Tバック」を指しています。
G-string は、フレンズ6-3 で以下のやりとりで出てきました。
ジョーイがルームメイト候補に質問しているシーンで、
ジョーイ: Now, I'm gonna say a word and then you say the first thing that comes to mind. (じゃあ、俺が今から、一つの単語を言うから、その後、君が頭に浮かんだ最初のもの(言葉・単語)を言って。)
ルームメイト候補(The Potential Roommate): I can do that. (できるわ。)
ジョーイ: Okay, here we go. Pillow. (よし、いくよ。ピロー(枕)。)
ルームメイト候補: Fight. (ファイト。)
ジョーイ: Very good. Okay. "G." (非常によろしい。オッケー。”G”)
ルームメイト候補: String? (ストリング?)
ジョーイ: Excellent! (素晴らしい!)

「枕と言えば…?」「枕投げ(ピローファイト)」と答えるような、ジョーイと同じ発想の持ち主(笑)を、ジョーイはルームメイトとして迎えたいと思っていて、「Gと言えば…?」「Gストリング(Tバック)」と答えてくれたので、ジョーイは大喜びしていたわけですね。

そんな風に、これまでのフレンズでも、ジョーイは何度か Tバック(a thong または G-string)の話をしていましたので、今回、Tバック(a thong)だと期待していたのに、ビーサン(thongs)だとわかってがっかりした、という話も、ジョーイらしいなぁ〜と笑えるわけですね。

You really should have been more clear about that! の、should have been は、「should have+過去分詞」の形ですから、「(過去のあの時)〜であるべきだったのに(実際にはそうしなかった)」と言っていることになります。
「それについてもっとクリアーであるべきだった」というのは、「もっと、はっきりと・明瞭であるべきだった」ということで、複数形の語尾の -s がよく聞き取れず、単数形の a thong と聞き間違えるような言い方を君はすべきじゃなかった、複数形なら複数形であると、明瞭に thongs と発音すべきだった、と言っていることになるでしょう。

そんな話をしていると、ドアにノックがあり、ドアを開けるとロスが興奮した表情で、「僕が下の階でたった今、誰に会ったかを君は決して想像できないだろう」と言います。
You're never gonna guess... は「君には決して想像できない」→「君が驚くようなすごい人に会ったんだ!」と言っていることになりますね。
「すごい人に会ったんだよ、誰だと思う?」と言われたので、ジョーイは guess してみせるのですが、それがブリトニー・スピアーズだったので、ロスはあきれた顔をしています。
こういう会議、とは、ロスが基調講演を行う古生物学者が集まる会議のことで、miss は「機会を逃す、見逃す」ということですから、She never misses these conferences! を直訳すると、「彼女は決して、こういう古生物学の会議を逃さない(見逃さない)」になります。
もちろん、それは皮肉で、「歌手のブリトニー・スピアーズが、自分とは何の関係もない(そして恐らく興味もない)、古生物学者の集まる会議に来るわけないじゃないか」とロスは思っているわけですが、それをあきれた顔で、「あぁ、そうだよね。スピアーズはこういう会議には、いつも欠かさず出席するもんねぇ」みたいに皮肉っぽく返したことになります。

ジョーイでは話にならないと思ったロスは、一言皮肉を言った後、チャーリーの方を向いて、「僕はたった今、ケネス・シュワルツ博士に会ったんだ!」と興奮気味に語っています。
それを聞いたチャーリーの反応からも、彼らの世界ではかなりの有名人であることがわかりますね。
「彼に会った(彼を見た)のなら、彼に話した? 話しかけた?」と尋ねるチャーリーに、ロスは「僕がケネス・シュワルツに何て言うんだ?」と言っています。
あまりに凄すぎる相手で、話すと言っても、何を話したらいいかわからないよ、僕からあんなすごい人に声を掛けるなんてできないよ、ということですね。
そんな話を聞いていたジョーイは、「こんな風に言えるんじゃないか。こんな風に言えばいいじゃん」と言って、「どうしてあんたはブリトニー・スピアーズじゃないの?」と言っています。
how come は「どうして…?」という意味で、why と同じようなニュアンスで使われます。
ジョーイにしてみれば、そんな聞いたことないおじさん(笑)よりも、ブリトニー・スピアーズとかの方が良かったのに、、ということで、「どうしてあんたはブリトニーじゃないの? 俺、どうせ有名人に会うのなら、ブリトニーの方が良かったんだけど…」みたいに言ってみせたことになりますね。

ト書きの matter-of-factly は「事もなげに、淡々と、事務的に、感情を交えずに」というニュアンス。
専門分野での有名人の話なので、それを知らないジョーイは黙っていればいいものを、今自分の恋人であるチャーリーが、自分の知らないことでロスと盛り上がっているのもしゃくなのか、「何大騒ぎしてんだよ。”あんたよりブリトニーの方が良かった”って言ってやれば?」みたいに言った、ということですね。


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posted by Rach at 15:10| Comment(2) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月30日

これで残された選択肢は〜になる フレンズ9-22その6

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チャンドラーは、精子ドナーの候補として、同僚のザックを家の夕食に招待し、モニカに彼のことを知るチャンスを与えようとします。
いろいろ質問攻めにされたザックが帰った後、「ザックに精子ドナーの件を頼もうか?」と言ったチャンドラーに、モニカははっきり「いいえ」と返事し、「もしあなたとの子供を妊娠できないのなら、彼とか他の誰かによって妊娠したくはない」と言います。
チャンドラー: (sighs with relief) Oh. Thank God, because I don't wanna do this either. You know, I was just doing it because I thought that was what you wanted to do. You know, I'm the husband. I'm supposed to... bring the sperm. ([安心したようにため息をついて] あぁ、良かった。だって俺もこんなことはしたくなかったから。ほら、俺はただ、それが君のしたいことだと思ってたから、そうしただけなんだ。ほら、俺は夫だろ。夫は精子を運んでくることになってるからさ。)
モニカ: That is so sweet. I love you. (they kiss) (それってとっても優しいわ。愛してる。[二人はキスする])
チャンドラー: So you know this leaves us with.... (それじゃあ、これで俺たちに残されたのは…)
モニカ: Adoption. (養子ね。)
チャンドラー: How do you feel about that? (それについてはどう思う?)
モニカ: I think I feel okay about it. Actually, I think I feel really good about it. (それについては問題ないと思うわ。実際、それってすごくいい感じだと思うの。)
チャンドラー: Me too. I wanna find a baby that needs a home, and I wanna raise it with you. And I wanna mess it up in our own specific way. (俺もだよ。家が必要な赤ちゃんを見つけたいし、そしてその子を君と一緒に育てたい。それから俺ら独自のやり方で、その子をいじくり回したいよ。)
モニカ: So this is it? We're really gonna adopt? (じゃあ、これで決まりね? 私たち本当に養子を迎えるのね?)
チャンドラー: (smiling) Yeah. ([微笑みながら] あぁ。)
モニカ: (excitedly) Oh, my God! We're gonna be parents! ([興奮して] なんてこと! 私たち、親になるのよ!)
チャンドラー: We are gonna be great parents. (俺たちは素晴らしい親になるよ。)
モニカ: And it could be soon. I mean, think about it. Right now, somewhere out there (they go look through the window) our baby could be being conceived. (それに、それはすぐかもしれないわ。ほら、考えてみて。たった今、世界のどこかで [窓越しに外を見る] 私たちの赤ちゃんがみごもられている最中かもしれないわよ。)
チャンドラー: Wait. If we're lucky, and we're really, really, really quiet, we may be able to hear the sound of a condom breaking! (待って。もし俺たちに運があって、本当に本当に本当に静かにしていたら、聞こえるかもしれないよ、コンドームの破れる音が。)
(they hug)
二人はハグする。

精子ドナーの候補として、ザックを推薦することにばかり気を取られていたチャンドラーでしたが、モニカがはっきり「あなたとの子供でなければ、妊娠したくない」と言ったので、チャンドラーはモニカの本心にようやく気付いた様子で、「あぁ良かった(ありがたい)、だって俺もこんなことはしたくなかったから」と言っています。
続いて、「したくなかったけれど、そうした理由」について語っていますね。
その理由は、「それが君のしたいこと(望むこと)だと俺は思っていたから(俺はただそうしただけだ)」。
その後も、「俺は夫だ。夫である俺は精子を運んでくることになっているから」と続けます。
DVDの日本語訳では、
(字幕)夫として精子を調達した/(音声)だって、夫のつとめだろ。精子を運ぶのは。
と訳されていましたが、まさにそういうニュアンスですね。
本来、妊娠のために夫は精子を提供するけれど、俺は自ら提供できないとわかったので、他から調達できるように夫として頑張った、みたいなことを、ちょっと冗談めかして言っていることになります。

「俺はこんなことしたくなかったけど、君が望んでいるんだと思ってそうした」「調達するのが夫のつとめだと思った」という発言は(冗談めかしているものの)彼の正直な気持ちだったのでしょうね。
チャンドラーが必死にザックを推薦し、モニカが前向きではない態度を見せると、「俺より彼の方がずっといいじゃん!」という自虐的発言までして、彼をプッシュし続けたのも、「子供が欲しいというモニカの望みを叶えたかった」一心なのだろうと思います。
「彼(ザック)はあなたじゃないもの」というモニカの発言の意図に気づくことなく、「俺よりザックの方がいいって!」と彼を推薦し続けた、という描写も(もちろんコメディとしての面白さを出す目的もあるでしょうが)、「チャンドラーはモニカの願いを叶えてあげたくて必死だった」部分が出ていた気がします。

「精子を運ぶのは夫のつとめ」などとジョークにしながらも、自分の気持ちや考えを伝えたチャンドラーに、モニカは「それってとっても優しいわ。愛してる」と言ってキスします。
ザックを紹介し、推薦するという一連の行動は、コメディとしてところどころで笑いのポイントになっていましたが、その根底に流れる「モニカのためにやった」という部分を、モニカがしっかり理解し、それに対して感謝の言葉を述べたということですね。

チャンドラーとモニカは、"So you know this leaves us with...." "Adoption." と言っていますが、モニカが Adoption と言うことで、文章が完成した形ですね。
leave A with B の形で、「A(人)に B(もの)を残す」という意味になります。
leave A B のように、前置詞なしで「A に B を残す」という形でも使えるのですが、今回のような with B という形も可能です。
これについては、研究社 新英和中辞典に、以下のように出ています。

leave
(3) 〔+目+目 / +目+for+【(代)名】〕〈人に〉〈…を〉残す
He left her nothing.=He left nothing for her. 彼は彼女に何も残さなかった。
I was left no choice.=No choice was left (for) me. 私には選ぶべき道が残されていなかった。
(5) 〔+目+with+【(代)名】〕〈人に〉〔ものを〕残す
The payment left me with only one dollar. 支払ったら1ドルしか残らなかった。
They were left with nothing to eat. 彼らには食べ物は何も残されていなかった。


今回のセリフは、this leaves us with adoption なので、「これ(このこと=精子ドナーの方法は採用しないこと)が、俺たちに養子(という方法)を残す」と言っていることになります。
つまり、「これで俺たちに残されたのは…」「養子ね(養子ってことになるわね)」と二人で言っているわけですね。

「養子という方法について、どう感じる? どう思う?」と聞かれて、モニカは、I think I feel okay about it. Actually, I think I feel really good about it. と言っています。
どちらも feel 〜 で、「〜だと感じる・思う」と言っているのですが、前半で okay と言った後、後半で、okay というよりも、really good ね、と言い直している感覚ですね。
feel okay の方は、「オーケーと思う」ですから、「悪くないと思う、問題ないと思う」というところでしょう。
そう言った後、「でもよく考えてみたら、実際にはこっちね」という感じで、「養子については、すっごくいいなと感じると思う」と言い直したことになります。
他に方法がないから、それでいいんじゃない? のような消極的な賛成ではなく、「養子って方法は、実はすごくいい方法なんじゃないかしら」と言ったわけですね。

チャンドラーもそれに同意して、I wanna という言葉を3回連続して使って、「あれもしたい、これもしたい、それもしたい」と、あれこれしたいことを挙げることになります。
I wanna find a baby that needs a home は、「家(家庭)が必要な赤ちゃんを見つけたい」、I wanna raise it with you は、「その赤ちゃんを君と育てたい」ですね。
親に事情があって子供を育てられない場合に、他の夫婦の養子として養子縁組を行うことになるので、それを「自分を育ててくれる家庭を求めている赤ちゃんを探したい。自分たちがその子を受け入れる家庭になりたい」と言っていることになります。
raise は「持ち上げる」「高める」という他動詞ですが、子供の話だと、「子供を育てる、養う」という意味になります。
raise it の it = a baby ですが、この場合は、その養子となる赤ちゃんの性別がわからないので、中性の代名詞である it を使っていることになりますね。
性別がわかった時点で、him/her などの人称代名詞を使うことになりますが、わからない間は it を使う、ということになります。
mess up は「めちゃめちゃにする」というニュアンス。
チャンドラーのセリフを直訳すると、「俺たち独自のやり方で、その子をめちゃくちゃにしたいよ」と言っていることになりますが、これは「破壊する、傷つける」タイプのめちゃくちゃにする、ということではなく、かわいらしい赤ちゃんにいろいろちょっかいかけて、こねくり回していじくり回して、、ってしてみたいな、と言っている感覚になるでしょう。
よその子だったら、好き放題にいじくれないけれど、うちの子になったら自分たちの好きなようにできちゃうよね、というのを、mess up という表現を使って言っていることになるでしょう。

So this is it? We're really gonna adopt? の So this is it? は、自然な日本語にすると、「それじゃあ、これで決まりね?」が一番しっくり来るでしょうか。
this は「養子を迎えること」で、it は「自分たちが求めているもの、自分たちが頭の中でイメージしているもの」という感覚です。
待ちに待っていたものがついにやってきた、という場合にも、This is it! 「いよいよだ!」と言ったりしますが、「これが、自分(たち)が望んでいたもの、求めていたものである」という感覚が、this is it なわけですね。

「私たち、本当に養子を迎えることになるのね?」と嬉しそうにモニカが言い、チャンドラーも優しく微笑みながら、それに同意しています。
モニカが興奮気味に、We're gonna be parents! と言うと、チャンドラーは、それに great を付け足して、We are gonna be great parents. と言っていますね。
直訳すると、「私たちは親になる!」「俺たちは素晴らしい親になる」ということですが、もう少し、ドラマティックな感じにすると、「私たちは親になる!」「あぁ、それも素晴らしい親にね」という感じになるでしょう。
モニカとほぼ同じセリフを言っているのですが、great を強調して強めに発音することで、「ただ、親になるだけじゃない、俺たちは”素晴らしい親”になるんだよ」と言っていることになりますね。
俺たちならきっといい親になれるさ、だからこれから二人で頑張って行こう、という気持ちから出た言葉でしょう。

it could be soon は「間もなく、という可能性もある」ということですから、「私たちが親になるのは、もうすぐかもしれない」ということ。
「だってほら、考えてみて。たった今、(外の、この世界の)どこかで」と言いながら、二人で窓の方へ行き、our baby could be being conceived. と言っています。
conceive は「考える、思う」という動詞ですが、妊娠出産関係では「子をはらむ、宿す、みごもる」という意味で使われます。
could は「可能性」を表わし、be being conceived は、be being の部分が「be動詞+ -ing 形」の「進行形」で、be conceived は「be動詞+過去分詞」で「受動態」を表わしていることになります。
つまり、be being conceived は「(私たちの赤ちゃんが)みごもられているところである、みごもられている最中である」という「受動態の進行形」(〜されているところである)になりますね。
赤ちゃんがみごもられているところである、というのは、カップルが赤ちゃんができるような行為をしているところである、ということで、要はエッチしているところ、ということですが、そのカップルではなく、赤ちゃんの方にモニカの意識は向いていますので、赤ちゃんを主語にした「受動態の進行形」が使われたことになります。
ダイレクトに言ってしまえば「今、どこかのカップルが、私たちの子供を作っている最中かもしれないわ」という内容を、赤ちゃんを主語にして、conceive 「みごもる」という言葉を受身形にして使っているという表現の面白さになるでしょう。

それを聞いたチャンドラーは、「待って。もし俺たちがラッキーで、俺たちがすっごくすっごく静かにしていたら、〜の音が聞こえるかもしれないよ」と言っています。
「静かにしていたら、聞こえるかもしれない」ということなので、これがクリスマスであれば、「サンタさんのソリの鈴(sleigh bells)の音が遠くからかすかに聞こえる」と続きそうなロマンティックな雰囲気なのですが、最後まで聞いてみると、その音とは、the sound of a condom breaking 「コンドームの破れる音」のことだった、というオチですね。

「ついに私たちは親になるのね。子供が持てるのね!」と喜び合っている時に、ロマンティックとは言い難いリアルな話のオチですが、それもまた、フレンズっぽいところなんだろうなと思います。
日本のドラマでは、「妊娠したこととコンドームとの関係」などが言及されることはあまりなく、「妊娠した=避妊していなかった(コンドームを使っていなかった)」ということが暗黙の了解みたいになっていて、劇中でわざわざその部分が説明されることなどありませんが、アメリカのドラマでは(性教育上も使用を促すことが必要だからでしょう)コンドームなどの避妊の話がはっきり出てきます。
レイチェルが、ロスとの間の娘エマを妊娠した時、ロスは「僕たち、コンドームを使ったのに、どうして妊娠したの?」と大騒ぎしていました。レイチェルに「コンドームが有効なのは 97% くらい」と言われ、さらに大騒ぎしていましたね。
ロスから 97% の話を聞いたジョーイは、その注意書きを確かめるために、ポケットから大量のコンドームを取り出していましたが、「プレイボーイのジョーイだからこそ、常に携帯している」みたいな描写をするところも、アメリカ的だな、と思うわけです。
養子に迎えることになる赤ちゃんは、実の親に事情があって育てられない環境にあるわけで、「予期せぬ妊娠」だった場合が多いわけですね。
そういう意味でも、「コンドームを使用していたが、それが破れてしまった」というのは、「妊娠しないようにしていたが、子供ができてしまった」という予期せぬ妊娠と大きく関連しているわけで、わざわざ「コンドームが破れた」と言及することで、「そういう行為をする場合は、普通はコンドームを使っているはず」という大前提が存在することを示唆している気がします。
日本のドラマだと、避妊方法うんぬんの話をするのはリアル過ぎる、ということで敬遠されるのでしょうが、アメリカではそういう部分をはっきり言いますし、今回のセリフもその一環だと感じました。


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posted by Rach at 14:57| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月28日

確かに完璧に見えるわね フレンズ9-22その5

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チャンドラーとモニカは、精子提供者としてザックが適切かどうかを知るため、健康に関する細かいことを、あれこれザックに尋ねて質問攻めにします。
それにうんざりしたザックが逃げるように帰った後、
チャンドラー: I think we found our sperm! (俺たちの精子を見つけたよね。)
モニカ: He does seem pretty perfect. (確かに彼はかなり完璧(パーフェクト)に見えるわね。)
チャンドラー: Yeah? You think so? Well? Should I ask him? (そうだろ? 君もそう思う? で? 彼に頼もうか?)
モニカ: (pause) No. ([間があって] いいえ。)
チャンドラー: Why not? Just because his great-grandmother was obese? Our kids are gonna get that from you anyway! (どうしてノーなの? ただ彼のひいおばあちゃんが肥満だったから? どのみち、君に似て、俺たちの子供はそんな風になるよ!)
モニカ: No, that's not it. It's just that when we were asking him all those questions before, I just... I just realized I don't care if he is the most perfect guy in the world. He's not you. (いいえ、そういうことじゃないの。ただ、さっき私たちが、彼にああいう質問をしていた時、私はただわかったの、彼が世界中で最も完璧な男性かどうかなんて関係ない、って。彼はあなたじゃないもの。)
チャンドラー: Yeah, he's better! (あぁ、彼は俺よりいいよ。)
モニカ: No, he's not. And if I can't get pregnant with you, then I don't want to get pregnant by... him or anyone else. (いいえ、そんなことないわ。それにもし私があなたとの子供を妊娠できないのなら、彼とか他の誰かによって妊娠したくはないの。)
チャンドラー: Really? Are you sure? (ほんとに? 本気なの?)
モニカ: Yeah, I'm sure. (えぇ、本気よ。)

ザックが帰った後、チャンドラーはモニカに、「俺たちの精子を見つけた、って思うよ」と言います。
それに対してモニカは、He does seem pretty perfect. と返します。
does は seem を強調していて、「彼はかなり完璧に見える、思える」の「そう見える、そう思える」というところを強調していることになります。
seem については、研究社 新英和中辞典に、以下のような言葉で説明されています。
seem は通例話し手の推量をこめた見方・判断を示す語
seem は通例話し手の主観的判断を表わす

He is pretty perfect. 「彼はかなり完璧ね」のように be動詞を使うのではなく、あえて seem を使うことで、「実際にそうであるかどうかではなく、とりあえず、私の目にはそう見える」のように、「見たところ、思うに、彼は完璧みたいね」と言った感覚になるわけですね。

seem を使い、さらにはそれを強調する does まで加えているので、「確かにそう見えるわね」という部分を強調していることになり、また、それを言っているモニカの言い方や表情が、嬉しそうなチャンドラーとは対照的に、どこか冷静であることも、このセリフのポイントとなるでしょう。
「確かにそう見える」という何だか含みのある言い回しを使っていますが、彼に対する評価が悪くないことは明らかなので、チャンドラーは、「君もそう思うよね? 俺が彼に(ドナーの件を)頼もうか?」と言っています。

それに対してモニカは、非常に真剣な顔をして、しばらく間を置いてから、No. としっかり否定します。
Why not? は文字通り、「どうして not なの? どうしてダメなの?」ということですね。
Just because his great-grandmother was obese? の obese は「太った、太りすぎの、肥満した」という形容詞で、名詞形は obesity 「肥満」になります。
Just because...? は、「それってただ、〜(という理由)だから?」と問い返す感覚ですね。
つまり、「彼をドナーにすることを拒否する理由は、彼のひいおばあちゃんが肥満だったから?」と言っていることになります。
ザックが精子ドナーとして最適かどうかを確認するのに、彼の家系の人の病歴などを尋ねまくっていたシーンがこの前にあったので、その流れで「そんな縁遠い人の肥満がどうのこうの」と言っている面白さになるでしょう。

Our kids are gonna get that from you anyway! を直訳すると、「俺たちの子供は、どのみち(どうせ、いずれにしても)、君から受け継いで(from you)、そうなる(get that、肥満になる)ことになる」というところですね。

「ザックが精子提供者となった場合でも、卵子を提供するのは君(モニカ)だから、ザックのひいおばあちゃんの肥満歴があるなしにかかわらず、どうせ君の遺伝子を受け継いで、その子(俺たちの子)は肥満になっちゃうんだから」→「相手が誰であっても、君の子なんだから太るに決まってる」と言っているわけで、それで観客からも、「それを言っちゃうかぁ〜?」みたいな歓声が起こっているわけですね。
「君の子供は肥満になると約束されてる」みたいに言われたモニカは、本来ならば少し怒っても良いところですが、今回はそれを聞いて何だか嬉しそうに笑っています。
「もし彼の家系の肥満の遺伝子を気にしてるんだとしたら、そんなの気にする必要ないよ」みたいなことを、チャンドラーらしいジョークで言ってみせたのが、何だか微笑ましいと感じた、というような笑顔ですね。

その後、モニカは、「そういうことじゃないの。ただこういうことなの」と言って、モニカが感じている正直な気持ちを語り始めることになるのですが、最初の No, that's not it. という表現が、とてもネイティブっぽいなと感じました。
that はその前にチャンドラーが言った内容を指しており、it は「今、話者の頭の中で、重要なポイント・焦点となっている事柄」を指します。
「あなたが言った内容は、私が言おうとしたことじゃない」「私が言いたかったのは、私が思っているのは、そういうこと(あなたが言ったようなこと)じゃない」という感覚ですね。
このような、that や it が何を指すかという感覚については、(宣伝になって申し訳ないのですが)拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.69 This is it. That's it. の部分で詳しく説明しています。

次のセリフ、It's just that... は長い文章ですが、シンプルな構造にすると、It's just that when..., I (just) realized 〜 「ただ、…した時に、私は〜だと気づいた(わかった)というだけのことなの」になるでしょう。
それぞれの内容を詳しく見ていくと、when 以下は、「さっき私たちが彼(ザック)にああいう(全ての)質問をしていた時」、そして、「〜だと気づいた」内容は、「彼が世界で一番完璧な男性かどうかなんて関係ない(どうでもいい)」ということ。
その後、「彼はあなたじゃないもの」とも言っています。

ここで、「彼が世界で一番(最も)完璧な男性であるかどうかなんかどうでもいい」と表現していることで、少し前の He does seem pretty perfect. という意味ありげな言い回しをした理由がわかった気がしますね。
モニカがわざわざ、「確かにかなり完璧に見えるわね」というように、「彼が実際にパーフェクトかどうか」ではなく、「そんなふうに確かに見える、思える」という主観的な意見を述べたのは、「見たところはそんな風に見えるけれど、実際のところはわからないし、実際に彼が完璧であるかどうかは私にとっては重要ではない」という意識が、その時にすでにあったから、ということになるでしょう。
ザックをベタ褒めしているチャンドラーに話を合わせる形で「確かに完璧に見えるわね」と言っただけで、「実際に、本質的にそうであるかどうかはモニカにとっては興味のないことである」ということが、does seem という持って回った言い回しに出ていた、ということになると思うわけです。

「彼がどんなに素敵な人であっても、そんなことはどうでもいい。彼はあなたじゃないんだもの」というのは、「私にはあなたじゃなきゃだめなの」と言いたい感じが滲み出ていて、普通なら聞いている方もそのニュアンスを察しても良さそうなところですが、とにかくここでのチャンドラーは「俺の連れてきた友達が、ドナーとして最適かどうか」で頭がいっぱいらしく、「ドナーとして彼が否定されないように、されないように」と説得することに必死の様子。
「彼はあなたじゃない、あなたとは違う」みたいに言われたのを受けて、「あぁ、彼は俺と同じなんかじゃない。彼の方が(男性として)いいよ(ベターだよ)!」とまで言っています。
「俺なんかより、彼の方がずっといいじゃん!」という自虐的なことまで言って、ザックの「男性としての良さ」をアピールしているわけですね。

次のモニカの、No, he's not. は、その前のチャンドラーの発言、he's better を受けてのものなので、No, he's not better. 「いいえ、彼はあなたよりベターなんかじゃない」と言っていることになるでしょう。
「俺より彼の方がいい男だよ」みたいに言った自虐的発言を、「そんなことないわ。あなたの方が素敵よ」と、妻としてまずは訂正してあげた感じですね。

その次のモニカのセリフ、And if I can't get pregnant with you, then I don't want to get pregnant by... him or anyone else. について。
これも構造をシンプルにしてみると、if I can't... I don't want to〜 「もし…できないのなら、私は〜したくない」になりますね。
get pregnant 「妊娠する」という表現が出ていますが、前半の文では、get pregnant with で、後半の文では、get pregnant by のように、前置詞が異なっているところもポイントになると思います。
with と by の違いをあまり意識しないで、まずは大意を取ってみると、「もしあなたと妊娠できないのなら、彼(ザック)や他の誰かとも妊娠したくはない」という感じになるでしょう。
つまりは、「あなたとの間の子供を妊娠することができないのなら、他の人との間の子供を妊娠したくない」ということですね。
「あなた以外の人との子供なら要らない」と言っているわけですが、「妊娠して子供ができる」ことを get pregnant という言葉で表現する際、チャンドラーとの間の子供を妊娠する場合には、get pregnant with you と表現し、他の人の場合は、get pregnant by him/anyone else と表現しています。
with の方は、「あなたと一緒に、あなたの子供を二人で作って妊娠する」という共同作業的ニュアンス、「あなたと私の間にできた子供」という感覚が感じられますが、get pregnant by him のように by が使われた場合は、「彼によって妊娠するという状態になる、彼によって妊娠させられる」という感じが出て、by 以下の人物が、モニカが妊娠するという結果をもたらしたわけだけれど、そこには「その人との間の子供」というニュアンスは感じられない気がします。
with の場合は、二人の子供を作りたいと願う相手で、by の場合は、子供を作るのに必要な男性、という感覚の違いに思えます。

子供が欲しいということで、精子ドナーの件を考えてみたけれど、「とにかく子供を作りたい」ということであれば、by him で妊娠できるけど、「私はあなたとの間の子供が欲しかった(with you)」ので、with you が不可能であれば、by him という手段は選びたくない、と言っていることになるでしょう。
妊娠すること、子供を身ごもることがまずは先決、みたいになってしまっていたけれど、自分が望んでいたことは何だったか? に今になって気づいた、ということなのだろうと思います。
チャンドラーとの間に子供ができることと、ドナーの男性の助けを借りて子供ができることの違いを、with/by という前置詞の違いで表現した、ということですね。


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2015年10月26日

跡を付けたくないからコースターを フレンズ9-22その4

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[Scene: Monica's apartment, Chandler walks in with a friend of his while Monica is putting fruit in a bowl.]
モニカのアパートメント。チャンドラーは自分の友人と一緒に入ってくる。その時、モニカはボウルにフルーツを入れている。
モニカ: Hi, honey! (はい、ハニー!)
チャンドラー: Hey! Look, I brought a friend home for dinner. This is Zack from work! (やあ! ねぇ、夕食のために[夕食に誘おうと]、家に友達を連れて帰ってきたんだ。こちらは職場のザックだ!)
モニカ: Oh, of course. It's so nice to see you again, Zack! (あぁ、もちろん(そうよね)。またお会いできて本当に嬉しいわ、ザック!)
ザック: (shaking Monica's hand) You too. ([モニカと握手して] こちらこそ。)
チャンドラー: You guys haven't actually met before. But, boy! You're both polite! (pause) Go to have a seat, Zack. I'll get you a beer. (君らは実際には前に会ったことないよな。でもさ! 二人とも礼儀をわきまえてるね! [間があって] 席に着いてくれ、ザック。君にビールを持ってくるよ。)
モニカ: I got it. (私が取るわ。)
ザック: Thanks. (ありがと。)
チャンドラー: (to Mon) So Zack's pretty nice, huh? ([モニカに] それでザックはなかなかナイス(いい)だろ、な?)
モニカ: Yeah, I guess. (えぇ、そう思うわ。)
チャンドラー: So how would you like to have a baby that's half yours and half his! (それで、君が半分、彼が半分の赤ちゃんを持つことについてどう思う?)
モニカ: (turns around and she's quite shocked) Excuse me? ([見回して、かなりショックを受けて] なんですって?)
チャンドラー: Well, we're talking about sperm donors, and Zack may be the guy! I mean, look. He's intelligent, he's healthy, he's athletic. I mean, he's sperm-tastic! (うーんと、俺たちは精子提供者について話してただろ。で、ザックがその男(提供者)かもしれないんだ! つまり、ほら、彼は知的だし、彼は健康だし、彼は運動神経がいいし。つまり、彼はスパームタスティックなんだよ[精子の点で素晴らしいんだよ]!)
モニカ: Chandler, this is crazy! What did you even say to him! "Come up. Meet my wife! Give us your sperm!" (チャンドラー、こんなのクレイジーよ! 彼に何て言ったのよ? 「うちに来てよ! 妻に会ってよ! 俺たちに君の精子をくれよ!」)
チャンドラー: No, I invited him to dinner so you could get a chance to get to know him! You know? I mean, if we go through a sperm bank, you never meet the guy, get to check him out. (いいや、彼をディナーに招待したのは、君が彼を知るチャンスを持てるようにだよ! ね? つまり、もし俺たちが精子バンクを調べるとしたら、君はその相手に決して会うことはできないし、その相手をよく調べることもできないだろ。)
モニカ: Chandler! (チャンドラー!)
チャンドラー: I'm telling you, he's great! I mean, even if my sperm worked fine, I'd think he'd be the way to go! (つまりだな、彼は最高なんだよ! ほら、もし俺の精子が正常に[機能通り]働くとしても、彼が進むべき道だ[彼を選ぶべきだ]と俺は思うだろうな。)
モニカ: I'm not going to be a part of this! You can't just bring some random guy home and expect him to be our sperm donor! (こんなこと(話)に私は乗りたくないわ! ただ、適当な男性を家に連れてきて、その人が私たちの精子提供者になることを期待するなんて、できっこないわよ!)
チャンドラー: Okay! (わかったよ!)
モニカ: Uh! (あぁ。)
チャンドラー: (bringing the beer to Zack) Zack! ([ザックにビールを持ってくる] ザック!)
ザック: Thanks! Do you have a coaster? I don't wanna make a ring. (ありがと! コースターあるかな? 輪(の跡)をつけたくないんだ。)
(Monica hears that and is suddenly very interested in Zack)
モニカはそれを聞いて、突然、ザックに非常に興味を持つ。
モニカ: Tell me about yourself, Zack! (あなたのこと聞かせて、ザック!)

チャンドラーは家に人を連れてきて、「夕食に友達を連れてきた」と言い、「職場のザックだ」と説明しています。
このザックを演じているのは、ジョン・ステイモス、シットコム「フルハウス」のジェシーを演じている俳優さんですね。
過去記事、Have mercy! フレンズ9-20その6 で、フルハウスのジェシーの口癖である、Have mercy! という言葉が出てきた時に、「フレンズ9-22 に、ジェシー役のジョン・ステイモスがゲスト出演する」と書いたのですが、今回がそのゲスト出演になります。

ザックを紹介されたモニカが「またお会いできて嬉しいわ」と言うと、ザックも「こちらこそ」と言って、二人は握手するのですが、それを見たチャンドラーのセリフが面白いですね。
最初の部分は、「君たち二人は実際には以前に会ったことがない」。
But, boy! は「でも、すごいよ!」みたいなニュアンスですね。
You're both polite! の polite は「礼儀正しい、礼儀をわきまえている」という意味なので、「(でも)二人とも礼儀をわきまえてるよね!」と言っていることになります。
それは、「実際には二人は初対面なのに、以前に会ったことあるかのように親しげな挨拶をしている」ことを指しているわけですね。
DVDの日本語音声(吹替)では、「あれ、君たちが会うの、初めてだけど、二人とも大人だね」と訳されていましたが、まさにそういう感じですね。
「以前にお会いしたことありましたっけ?」などと不粋(無粋・ぶすい)なこと、野暮(やぼ)なことは言わず、ただの最初の挨拶に過ぎないんだからと、「以前に会ったことある風で、挨拶を交わしている」様子を、polite と表現していることになります。

ザックを席に着かせて、チャンドラーとモニカはビールを取りに冷蔵庫の方に行きます。
「ザックはなかなかナイス(な男)だろ?」と言うので、そうね、と普通に返事するモニカですが、その後、チャンドラーがものすごいことを言うので、モニカは驚きの声を上げています。
そのチャンドラーのセリフを前から順番にイメージすると、「それで、(ある)赤ちゃんを持つことについて君はどう思う? (その赤ちゃんというのは)半分が君のもので半分が彼のものなんだけど」という感じになるでしょう。
「半分がモニカで半分がザックの赤ちゃん」というのは、モニカとザックの間の子供、という意味なので、モニカはびっくりしたわけです。

チャンドラーは、「ほら、俺たち、精子提供者について話してたろ? 彼がその提供者(になる)かもしれないんだ!」と言っています。
その後、彼の長所となる「知的で、健康で、運動神経がよい」という項目を挙げた後、he's sperm-tastic! と言っています。
音を聞いているとわかりますが、これは、fantastic 「素晴らしい」と sperm 「精子」を合体させた、チャンドラーの造語ですね。
「精子の観点から見て素晴らしい」みたいなことを、そういう造語で表現してみせたわけです。

そんな衝撃的な話をさらりと言うチャンドラーに、モニカは「こんなのクレイジーよ」と言っています。
そんな理由で家に誘うなんて、一体彼に何て言ったのよ? とモニカは尋ねています。
「家に来い! 妻に会え! 俺たちに君の精子をくれ!」って言ったわけ? そんなの絶対クレイジーよ、とモニカは言いたいわけですね。

チャンドラーは「そんなことは言ってない」と否定した後、彼をディナーに招待した理由を述べています。
so you could get... がその理由で、「君が彼のことを知るようになるチャンスを持つことができるように(俺は彼をディナーに招待したんだ)」ということですね。
その後、それとの比較として、精子バンクの話を持ち出します。
go through は「検討する、(細かく)調べる」ですから、「(最適なドナーを求めて)精子バンクを調べるとしても、決してその相手に会うことはない」ということですね。
その次の、get to check him out の部分ですが、これは恐らく、前の文章の you never の続きで、you never get to check him out という意味で言っているのだろうと思います。(つまり、him = the guy)
その場合だと、「精子バンクなら、その相手に会うことができない(し)、その人物をよく調べることができるようにもならない」になるでしょうか。
get to は、先ほど出てきた、get to know him 「彼を知るようになる」のように「〜するようになる」という意味で使われますが、それ以外にも、「(許可を得て)〜できるようになる、〜できる機会・チャンスを得る」という意味でも使われます。
このセリフが、never get to check him out なら、「彼をよく調べることができるようにはならない」→「彼を調べる機会・チャンスがない」ということになるでしょう。

「精子バンクでは相手に会うことができないから、(今、目の前にいる)彼(ザック)を(今、君が)よくチェックしてみてよ!」のような解釈も流れ的には可能な気がしたのですが(つまり、him = Zack)、その場合だと、... you never meet the guy, so check him out! のように表現するように思うのですね。
「(だから)君が彼をチェックアウトしてよ(彼をよく調べてよ)」という命令文なら、「〜するようになる、〜できるようになる」という意味の get to は使わない、get to は不要である、という気がするのです。

精子ドナーを探す場合には、精子バンクという方法があるけれど、その場合は相手の男性に実際に会えないから、(さらにその先の)その人をよく調べたり吟味したりするところまで行きつかない、という意味で、「会えない、(だから) check him out するという状況にならない」のように、get to を使っているように思うわけです。

あきれた様子のモニカに対して、チャンドラーはさらに説得を続け、「つまり、彼は最高なんだよ!」と言った後、仮定法を使って説明しています。
even if my sperm worked fine は、「もし俺の精子がよく(機能通りに)働く[活動する]としても」。
the way to go は「進むべき道」ということですから、I'd think he'd be the way to go! は、「彼が進むべき道だろうと(彼を選ぶべきだろうと)俺は思うだろう」になります。
if ... worked, I would think というのは典型的な仮定法過去ですね。
チャンドラーの精子は実際には、work fine ではないため、このようにドナーの話をしているのですが、仮に俺のが正常に機能していた場合であっても、俺は彼をオススメするよ、と言っていることになるでしょう。

I'm not going to be a part of this! を直訳すると、「私はこんなことの一部になるつもりはない」ですから、「こんなことには関わりたくない、こんな話には乗りたくない」と、this という事柄に巻き込まれたくない、関係したくない、と言っていることになります。

random は日本語にもなっている「ランダム」で、「無作為の、適当な、でまかせの、任意の」という意味ですから、「どこかの適当に選んだ男性を家に連れてきて、その人に自分たちのドナーになってもらうことを期待することなんかできない」と言っていることになります。
You can't は、モニカのセリフの相手であるチャンドラーのことではなく、「人は、人間は、そんなことできない」という一般論を語っていることになるでしょう。

「適当に男性を連れてきて、その人をドナーにしよう! だなんて、そんなのできっこないわ!」とはっきり拒絶されて、チャンドラーは「あぁ、そうかい!」みたいに怒り、モニカも不満そうな顔をしています。
お互いに、「イーッ! だ!」とむくれている感じですね。

その後、チャンドラーがザックに緑のビール瓶を渡すと、ザックは、ありがとうと受け取った後、「コースターあるかな? リングを作りたくないんだ」と言っています。
make a ring は漠然とした表現ですが、その前にコースターの話をしていたことを考えると、「ビール瓶を直接テーブルに置くと、輪の跡がついてしまう」ということを、make a ring と表現していると想像できますね。

ザックのそのセリフを聞いたモニカが、ト書きにあるように突然、ザックに興味を示した風で、「あなたのこと、聞かせて、ザック!」と寄ってくるのが、このシーンのオチになります。

「テーブルに瓶の跡を付けたくないからコースターを使う」というところが、モニカの波長に合った、ということですね。
これについては、過去記事、フレンズ1-6その3 で、似たようなセリフが出ていました。
モニカ自身は否定しているものの、他の人が「どれほどモニカが神経質で几帳面か」という話をしている流れで、
チャンドラー: Someone's left a glass on the coffee table. There's no coaster. It's a cold drink. It's a hot day. Little beads of condensation are inching their way closer and closer to the surface of the wood.... (誰かがコーヒーテーブルにグラスを置き忘れる。コースターはない。冷たいドリンクだ。暑い日だ。水滴が木の表面に少しずつ近づいてくる…)
モニカ: Stop it! (やめて!)
という会話でした。
「コースターなしのグラスの水滴が垂れてきて、それが木のテーブルに…」だなんて、想像しただけで、やめて! と言いたくなる、ということで、モニカの神経質さがよく表れたやりとりとなっていました。
シーズン1の最初の頃の話なので、きっとファンの印象も強かったでしょう。
直前まで、「よく知りもしない人にドナーを頼むなんてありえない!」と言っていたのに、ザックが「コースターある?」と言ったことで、モニカが手の平を返したように、急にザックに興味を持ち始める、という流れも、この フレンズ1-6 のコースターのことが記憶にあれば、ものすごく納得できる言動だと思えますね。

上でリンクした、フレンズ1-6その3 は、2005年7月(ブログを開始して1か月くらいの頃)に書いたものですが、その記事の中で私は、
『ずっと後のエピソードで、モニカの部屋で「コースターが欲しいんだけど?」と聞いた男性のことを、モニカが一瞬で気に入ってしまうという話もありました。』
と書いています。その「ずっと後のエピソード」というのが、今回の「フレンズ9-22」のことでした。
ブログ開始当初は、シーズン9なんて行けるはずない、そんなにブログが続いているはずない、と思っていましたので、10年後の 2015年に、こうして「あの時言っていたのは、今回のエピソードのことでした」と言えるのは、私としては非常に感慨深いです。
こんなことが書けるのも、私にブログを続ける原動力を与えて続けて下さった読者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます!

私の中では「フレンズ」で「コースター」と言えば、まず、フレンズ1-6 が浮かび、そのモニカの性格を踏まえた上での今回の フレンズ9-22 のザックのセリフへと繋がります。
「そういえば、似たようなセリフ、あったよね!」という「繋がり」が、シリーズものを見続ける楽しさであり、それに気づいて笑えるのが、見続けた者へのご褒美という気もしています。
これからもそういう「繋がり」をいろいろご紹介して、皆さんとシェアできるのを楽しみにしています♪


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posted by Rach at 14:51| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月23日

除外するなら知らなくていいよな? フレンズ9-22その3

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男性陣3人だけがセントラルパークにいるシーン。
チャンドラー: (sitting down on the couch) Ok. ([カウチに座りながら] よし。)
ジョーイ: All right. So how did it go at the fertility clinic? (よし。それで、不妊治療クリニックではどうだった?)
チャンドラー: Not as much fun as last time. Apparently, you only get porn if you're giving a sperm sample. (こないだほどには楽しくなかったよ。どうやら、精子サンプルを提供する場合のみ、ポルノが見られるようなんだよね。)
ロス: So-so what did the doctor say? (で、それで、医者は何て言ってたの?)
チャンドラー: Well, there's surrogacy, but Monica's dreamt her whole life of carrying a child, and she just felt that watching a surrogate would be... too hard for her. (うーん、代理母(っていう選択肢)があるんだけど、でも、モニカは(人生)ずっと、子供を身ごもることを夢見てきたから、代理母を見ていることはその…自分にとってあまりにも辛すぎるだろうってモニカは感じたんだ。)
ジョーイ: So you're ruling out surrogacy? (じゃあ、surrogacy(代理母)は除外するんだな?)
チャンドラー: Yeah. (あぁ。)
ジョーイ: So I don't have to learn what that means? (それじゃあ、それ(その言葉)がどんな意味かを俺は知る[学ぶ]必要はないな?)
チャンドラー: Aside from adoption, the only other choice is insemination, so... we're talking about sperm donors. (養子は別として、他の唯一の選択肢は(人工)授精なんだ。それで…俺たちは、精子提供者について話し合ってるんだよ。)
ジョーイ: Enough said. I'm there for you, man. Where is she, upstairs? (十分わかった。お前らのために俺はいるんだぞ。彼女はどこだ? 上の階か?)
チャンドラー: (stopping Joey) ah-ha! ([ジョーイを止めながら] ちょっと!)
ロス: How do you feel about all this? (この件に関してはどんな気持ちなの?)
チャンドラー: I wish there was an easier way for us to have a child, but I don't think there is one. (俺たちが子供を持つ、もっと簡単が方法があればいいのに、って思うよ。でも、(そういうものは)1つもないだろうって思うんだ。)
ジョーイ: Come on, Ross, be a good guy. Step up and do it! (おい、ロス、いい男になれよ! 一段階進んで、行動を起こせ!)
ロス: (puzzled) What? ([困惑した様子で] 何?)
(Joey moves close to Ross and whispers something in his ear)
ジョーイはロスに近づいて、何かを彼の耳にささやく。
ロス: (looking astonished) What? NO! I'm not gonna give them Ben! ([非常に驚いた様子で] 何だって? ダメだよ! 二人にベンはあげないよ!)

So how did it go at the fertility clinic? は、「不妊治療クリニックでは、どうだった?」と、クリニックでの様子を尋ねる感覚ですね。
how did it go at...? を直訳すると、「(その場所)では、状況はどのように進んだか?」と言っていることになりますので、そこでどのようなことが起こったかを尋ねる質問になるわけです。
俳優であるジョーイに対して、"How did the audition go?" 「オーディションはどうだった?」と尋ねるセリフもよくありますが、そのバリエーションということになります。

Not as much fun as last time. は、not as ... as 「同じほど〜ではない」ということですから、「こないだの(一番最近の)時と同じほどの fun (楽しみ、楽しいこと)ではなかった」、つまり、「今回は、前回ほど、楽しくなかったな」と言っていることになります。
何がどのように楽しくなかったかを、続いて説明していますが、その内容は、「どうやら、精子サンプルを提供する予定の場合のみ、ポルノがゲットできる、ということらしい」ということですね。
前回のエピソードでは(ブログ解説では飛ばしてしまったのですが)、クリニックで鉢合わせしたジャニスのセリフに以下のものがありました。
ジャニス: Oh! Sid is still in his room. I don't allow porn at home, so this is like a vacation for him. (まぁ! シド(ジャニスの夫)はまだ彼の部屋にいるわ。私は家でポルノを禁止してるから、彼にとってはこれは休暇みたいなものね。)
そのジャニスのセリフも、「彼はまだ部屋から出てこないけど、ポルノ鑑賞に夢中なんじゃないかしら。うちでは見ることができないから」と言っているわけですが、そんな風に、不妊治療クリニックに行くとポルノなどが見られたりする、ということは、こんな風にエッチ系のジョークとして使われることも多いですね。

「医者は何て言ってたの?」と聞かれたチャンドラーは、自分たち夫婦の状況を語り始めます。
「代理母(という方法)はあるんだけど」と言った後の、チャンドラーのセリフが何だかとても切ないですね。
前から順番に意味を見ていくと、Monica's dreamt her whole life of (doing) の has dreamt は、dream の現在完了形で、「彼女は、これまでの人生(の間じゅう)ずっと、〜することを夢見てきた」という「完了形の継続」の意味になります。
carry a child は「(女性が)子をはらむ、みごもる」なので、「モニカは今までずっと、子供をみごもることを夢見続けていた」ということですね。

she just felt that は「彼女はただこう(that 以下だと)感じた、思った」。
watching a surrogate の a surrogate は、a surrogate mother ということで、このように、mother をつけなくても、a surrogate という名詞形で「代理母」という意味で使うことができます。
代理母に関する名詞では、上に出てきた surrogacy もありますが、それは「代理母をする・行うということ(役割)」などの「事柄」を示す言葉であり、a surrogate は、a surrogate mother のことですから、まさに赤ちゃんをお腹に抱えている「みごもった女性」という「人」を示す言葉になります。
watch は、他の「見る」の意味である、see や look との違いとして、「動いているものを観察する」というニュアンスがありますので、watching a surrogate をくどく訳すと、「代理母(をしている女性)が動いている様子を見る・観察する」といった感覚になるでしょう。
too hard for her は「彼女(モニカ)にとって、あまりに辛すぎる」ですから、「代理母の姿を見ることは、自分にとってあまりにも辛すぎるだろうと、モニカはただ感じた」と言っていることになりますね。
自分の子供がその人のお腹にいると思えば、見ないではいられない、でも、私のお腹で育てたかった、という思いが強いので、代理母のお腹が日々大きくなっていく様子をずっと見ている(watch)のはきっと辛いだろうと今想像するだけでもわかる、と言っていることになるわけで、非常に切ないセリフになっていると思います。

So you're ruling out surrogacy? の rule out は「除外する」なので、「モニカがそう思ってるんだったら、いろいろな選択肢の中で、surrogacy っていうのは除外するんだな? 選択肢から外すつもりなんだな?」と尋ねていることになります。
そのジョーイの質問は、この話の流れからすると自然なものなのですが、その後の So I don't have to learn what that means? がここでのオチとなっています。
「それじゃあ、俺はそれ(その surrogacy という言葉)がどんな意味かを学ぶ(知る)必要はないんだな?」ということで、そのセリフから、「その言葉の意味を知らなかったんだけど、選択肢の候補から外れたんなら、これ以降の話にも出てこないだろうし、俺はその意味を知らないままでも構わないよな」と言ったことになります。

チャンドラーは選択肢の話を続けて、「養子は別にすると、(代理母の案が消えたので)他の唯一の選択肢が人工授精となる。それで俺たちは精子提供者について話し合ってるんだ」と言います。
精子提供者の話が出たところで、ジョーイはチャンドラーの話を遮るように、Enough said. と言っています。
直訳すると、「十分に言われた」ということですから、「もう何も言わなくていい。もう十分だ。よくわかった」という意味になりますね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
enough said : used to say that there is no need to say any more because you understand everything
例) "Of course he got the job. His father's a Senetor." "Enough said."

つまり、「全てを理解したので、それ以上言う必要がない、ということを言うために使われる」。例文は、「もちろん彼はその仕事をゲットしたさ。彼の父親は上院議員だぜ」「よくわかった(それ以上は何も言わなくていい)」。

その後、ジョーイは、I'm there for you, man. Where is she, upstairs? と言っています。
前半を直訳すると、「俺はお前(たち)のために(そこに)いるんだぞ」というところですね。
there というのは具体的な場所を指すよりも漠然なニュアンスで、フレンズのオープニングの I'll Be There For You のように、「君のために、そっちに(君のそばに、君の近くに、君の方に、君のところに)いてあげるよ」という感覚になるでしょう。

「お前(ら)のために俺はいるんだぜ」と言った直後に、「モニカはどこだ? この上(階上)か?」と尋ねており、要は、「モニカは今、上の自分の家にいるのか?」と聞いたことになります。
そうやって、モニカの部屋に向かおうとするジョーイを、チャンドラーが止めていますね。
ジョーイは、「精子提供者が必要だってことだから、俺にそれを提供してくれ、って言いたいんだな?」と勝手に勘違いし、ジョーイは直接(笑)それを提供するために、つまり、モニカとエッチをするために、部屋に向かおうとした、ということですね。
すぐ、「そっち系」の方向に早合点してしまうところが、ジョーイらしいセリフになっていると思います。

ロスは「この件に関しては、どういう気持ちなの?」と尋ねています。
その質問に、チャンドラーは、I wish there was... というセリフで答えます。
I wish there was というのは、I wish I were a bird. 「私が鳥だったらなぁ」などで説明される典型的な仮定法過去ですね。
訳すと、「俺たちが子供を持つための、(ある)もっと簡単な方法があればいいのに」となります。
今、チャンドラーとモニカには、限られた選択肢しかなく、そのどれもが簡単な方法ではありません。
「今、医者から言われているよりも、もっと簡単な方法」は、現実には存在しないため、「現実には不可能な願望を表す」 I wish there was という仮定法が使われていることになります。
普通は、「もっと簡単な方法があればいいのに」という仮定法で表現されていれば、実際にはそんな方法はないことが十分示唆されるのですが、今回のセリフでは、その後、はっきりと「(実際には)そういう方法はないと思う」と言っています。
日本語でも、「もっと簡単な方法があればいいのに、、」という形で文章を切ると、実際にはそんな方法はないらしいことが示唆されますが、それをさらに強めるように、「そういう方法があるとは思えないんだ、そういう方法はないと思うんだ」ということを、わざわざ付け足した形になるでしょう。
本当にそんな方法があったらいいのに! と思っているけれど、実際にはない、ということを、自分自身に言い聞かせるために言ったのかもしれない、という気もしますし、また、フレンズの脚本の流れ的に言うと、この後、「それより簡単な方法なんてないよね」を受ける形で、ジョーイがロスに話を振るので、その流れをスムーズにするための一文だったのかな、という気もします。

「簡単な方法なんてない」というチャンドラーの話を聞いたジョーイは、ロスに向かって、「おい、ロス。いい男になれよ」と言った後、Step up and do it! と言っています。
step up は「ステップアップ」というカタカナのイメージがあるように、「上がる、登る」というのが基本語義で、そこから「強める、強化する」というような意味にもなります。
今回は、一段上の段階に上がって、それをしろ、という感覚かなと思いました。
今までしなかったようなことにトライしてみろ、やってみろ、みたいなことかなぁ、と。
そう言われたロスは困惑した表情で、「何のこと?」と尋ね、ジョーイはロスの耳に何やらささやいています。
ジョーイが言った内容は聞こえないのですが、その後のロスのセリフで、ジョーイが言ったことがわかる、という仕組みですね。
ロスのセリフは、「何だって? ダメだよ! 僕は(自分の息子の)ベンを彼ら(チャンドラーとモニカ)にあげたりしない!」と言っているので、ジョーイが、「お前の息子のベンを、二人にあげたら?」などと提案したことがわかるわけですね。

フレンズはコメディなので、こんなシリアスな話題でもところどころでジョークが入ってきますが、それが「深刻な話が重苦しくなりすぎるのを避ける」効果となっているんだろうなぁ、と思いました。


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posted by Rach at 15:20| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月21日

居心地悪い環境とはまさにこのこと フレンズ9-22その2

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不妊治療クリニックで、チャンドラーとモニカが担当医から話を聞いているところ。
ドクター・コネリー: Ok, given your situation, the options with the greatest chances for success would be surrogacy or insemination using a sperm donor. (で、君たちの状況を考えると、成功の可能性が最も高い選択肢は、代理母か、精子提供者を使う(人工)授精だ。)
モニカ: (long pause) Okay. ([長い間があって] わかりました。)
ドクター・コネリー: And, of course, if you feel that neither of those is right for you, you could always adopt. (それから、もちろん、それらのうちのどちらも君たちには適切ではないと君たちが感じるのならば、いつでも養子をとることもできるよ。)
チャンドラー: Is that a hint? Because we love you, Doctor Connelly, but we don't think we want you to be our child! (Dr. Connelly glares at him) Wow! Talk about an inhospitable environment! (それって何かのヒントですか? というのは、僕らはあなたのことが大好きですよ、コネリー先生、でも、あなたを僕らの子供にしたいとは思いません! [ドクター・コネリーは彼をにらむ] わぉ! 居心地悪い環境、とはまさにこのことですね!)

given your situation の given は「〜を考えると、〜を前提とすると」という接続詞のニュアンスになります。
この場合は、「君たちの状況を考えると、the options would be... (選択肢は…だろう)」と言っていることになりますね。
the options には、もう少し説明の言葉が付け加えられていて、「成功のために最も大きな(高い)可能性を持つ選択肢」という意味になります。
surrogacy は「代理母(という任務)を務めること」を指し、子宮を提供する女性である「代理母」のことは、surrogate mother になります。
insemination は「授精」。
生物学において「じゅせい」という場合には、「受精卵」の「受精」の漢字が先に浮かぶと思うのですが、「じゅせい」という用語には「受精」「授精」という2種類の漢字があり、今回の insemination は「授精」の方になります(受精は、fertilization となります)。
その違いについては、Wikipedia 日本語版: 人工授精 の『「授精」と「受精」』の項目で説明されていますので、ご興味のある方はそちらをご覧下さい。

insemination が「授精」で、artificial insemination が「人工授精」という意味になりますが、今回は、a sperm donor 「精子提供者を使った授精」のことなので、あえて、artificial 「人工の」という言葉を使わなくても人工授精だとわかる、ということになるでしょう。
上でご紹介したウィキペディアの中に、非配偶者間人工授精(AID:Artificial Insemination by Donor)という用語も出てくるのですが、それがつまり、ドクター・コネリーが言っている insemination using a sperm donor のことですね。
参考までに、英英辞典の語義を見てみると、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
inseminate : (BIOLOGY) to put sperm into a woman or female animal in order to make her have a baby
つまり、「(生物学)子供ができるように、女性または動物の雌に精子を入れること」。
artificial insemination : (BIOLOGY) the process of making a woman or female animal pregnant using a piece of equipment, rather than naturally
つまり、「自然によりもむしろ、装置を使って、女性または動物の雌を妊娠させる過程(プロセス)」。

自然妊娠の可能性が非常に低いという結果から、ドクターは2つの選択肢を示したわけですが、それが「代理母」か「精子提供者による人工授精」だとわかったので、モニカは、かなり長い間を置いてから、静かに、Okay. 「わかりました」と言っています。
「自然妊娠の可能性が低い」と言われたことから、ある程度、予期された選択肢だとは言え、やはり実際にその言葉を聞くと、それを Okay. と受け止めるのに時間が必要だった、という描写なのでしょう。
その後、ドクター・コネリーは、And, of course, if you... というセリフを言っていますが、構造をシンプルにすると、And, of course, if you..., you could〜 「そしてもちろん、君たちが…なら、君たちは〜することができる[〜することが可能だ]」ということですね。
前回と今回のシーンでは、「医者が患者に状況や選択肢を説明する」セリフが何度も出てきますが、そのどれもが、「相手にショックを与えないように、相手の気持ちが少しでも楽になるように、それでいて説明すべきことはもれなく説明してある」という内容のセリフになっているように感じます。
厳しい事実を冷静に告げる中でも、さまざまな挿入句や前振りのフレーズで、ワンクッション置いた感じになっているように思うわけですね。
お医者さんのセリフだと、どうしてもいかつい医学用語が頻出してしまい、私も先ほどそういう用語について解説したばかりですが、そういう難しい単語を調べて意味がわかったと安心してしまうのではなく、お医者さんの患者さんに対する「言い回し」のようなものから「話術」を学ぶ方が、英語学習者的には大いに意味があると思いました。

if you feel that neither of those is right for you は、「それら(代理母、精子提供者による人工授精)のどちらもが、君たちにとって適切(right)ではないと君たちが感じるのならば」ということですね。
この場合の right は、「正しいか間違っているか」の「正しい」というよりは、自分たちにとって「良い、適した、適切な、ふさわしい」という感覚になるでしょう。
「その選択肢がしっくりこない、自分たちに合っていると思えない場合は」というニュアンスですね。
you could always adopt の could は「君たちがその気になれば、できる」という感覚になるでしょう。
adopt は「採用する、採択する」というのが基本語義で、「(人を)養子にする、養子をとる・もらう」という意味にもなります。
always がついていることから、「君たちがその気になれば、いつでも養子を迎えることができるよ」と言っていることになりますね。

3番目の選択肢として「養子縁組」を挙げたドクターに対して、チャンドラーは、「それって(何かの)ヒントですか?」みたいに尋ねています。
Because... 以下は、「それってヒントですか?」と尋ねた理由を、「なぜ僕がそんなことを言ったかというと…」と表現している感覚になるでしょう。
Because 以下を訳すと、「僕らはあなたのことが大好きですよ、コネリー先生、でも、僕らは、あなたを僕らの子供にしたいとは思いません」になるでしょうか。
養子の話を持ち出したドクターに対して、「それは”私を養子に迎えてはどうですか?”っていう自己アピールですか? 先生のことは大好きですけど、先生を子供にするつもりはないですよ」みたいに言ったことになります。
そのジョークにニコリともせず、冷たい顔でチャンドラーをにらむドクター・コネリー。
その気迫に押されたように、チャンドラーは、Wow! Talk about an inhospitable environment! と言っています。
ネットスクリプトでは、Talking about と表記されていましたが、正しくは Talk about で、DVD英語字幕でも Talk about と表記されています。
この Talk about...! というのは、お決まり表現で、「まさに・実に・すごい…である」「…とはまさにこのことである」という意味になります。
過去記事、まさにこのこと トークアバウト フレンズ4-15その3 では、
ジャニス: I mean, talk about "meant to be." (つまり、まさに「運命づけられてる」っていうのはこのことね。)
という形で出てきました。

LAAD では、
talk about rich/funny/stupid etc. : used to emphasize that the person or thing you are talking about is very rich, funny stupid etc.
例) Talk about lucky. That's the second time he's won this week!

つまり、「自分が話している(内容の)人やものが、非常に、rich/funny/stupid などであることを強調するために使われる」。
例文は、「ラッキーとはまさにこのことだ。あれは今週彼が勝ったのの二度目だよ!(今週彼が勝利したのはもう二度目になるんだよ!)」。
たまたま、rich/funny/stupid などの例が挙げられていますが、要は、「ある人・あるものが、非常に〜である」という話をしている時に、そのことを強調するために使われるフレーズ、ということですね。

Macmillan Dictionary では、
talk about... : [phrase, spoken] used for emphasizing something
例1) Talk about cold - I was freezing!
例2) Talk about being lazy - she wouldn't move an inch!

つまり、「何かを強調するために使われる」。例文1は「寒いとはまさにこのことだ。凍えそうだったよ!」。例文2は「怠惰であるとはまさにこのことだ。彼女は1インチも動こうとしなかったんだ!」

an inhospitable environment というのは、不妊検査の結果として知らされた、「モニカの子宮は、(精子にとって)居心地の悪い環境である」で使われたフレーズですね。
医者がまじめな話をしているのに、チャンドラーがついいつものようにジョークで茶化してしまい、きまずーい雰囲気になっている今の状態を、そのキーワードのフレーズを使って、「今のこの状態は、まさに”居心地悪い環境”ですよね。”居心地悪い環境”っていうのは、まさにこのことですよね!」と、さらにジョークで逃げた感じになるでしょう。


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2015年10月19日

しばらくしたら気に留めなくなる フレンズ9-22その1

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シーズン9 第22話
The One With The Donor (求む! 精子提供者)
原題は「ドナー(提供者)の話」


[Scene: Doctor Connelly's office]
ドクター・コネリーのオフィス。
チャンドラー: (looking at the picture of the female reproductive system) Wow! Fortunately, she has a very pretty face! ([女性生殖器系の図を見ながら] わぉ! 幸運なことに、この子(子宮の中の赤ちゃん)はすごく可愛い顔してるね!)
モニカ: Oh, I still can't believe this! My uterus is an inhospitable environment? I've always tried so hard to be a good hostess! (あぁ、こんなこと、私にはまだ信じられないわ! 私の子宮が居心地悪い(もてなしの悪い)環境ですって? 私は良いホステス(もてなし上手)になろうと、ずっと一生懸命、頑張ってきたのに!)
チャンドラー: Oh, I can't believe my sperm have low motility because, let me tell you, when I was growing up, they sure seemed to be in a hurry to get places!! (あぁ、俺の精子の動きが悪いなんて信じられないよ、だって、俺が成長期の頃には、そいつら(精子)は、場所に到着しようと急いでいるように確かに見えたよ!)
ドクター・コネリー(Doctor Connelly): (entering) Hi there. ([入ってきて] やあ、こんにちは。)
チャンドラー: Hi. (こんにちは。)
モニカ: Hi. (こんにちは。)
ドクター・コネリー: I'm sorry there wasn't better news from your tests last week but I wanted to talk to you about your options. (残念ながら、先週の君たちの検査から、より良い知らせ(情報)はなかった。でも、君たちの選択肢について、君たちに話したいと思ったのでね。)
モニカ: Okay. (はい。)
ドクター・コネリー: Well, first of all, even though your chances of conceiving through natural means aren't great, you never know, so keep having sex on a regular basis. (あぁ、まず最初に、自然な方法を通じて妊娠する可能性はあまりないとしても、どうなるかはわからないからね、だから、定期的に性交渉は続けるように。)
チャンドラー: Oh, DAMN IT! (あぁ、くそっ!(なんてこった!))
(Dr. Connelly glares at Chandler)
ドクター・コネリーはチャンドラーをにらむ。
モニカ: Don't worry. After a while, you'll tune it out. (ご心配なく。しばらくすれば、気に留めなくなりますよ。)

医院のオフィスで先生が来るのを待っている間、チャンドラーは壁に貼ってある女性生殖器の仕組みが書かれた図を見て、子宮の中で丸まっている胎児を手で指しながら、「幸運なことに、この子はすごく可愛い顔してるね。この子はすごく可愛い顔をしててラッキーだね」みたいなことを言っています。
図をまじまじ見ていて、述べた意見がそれ? みたいな面白さになるでしょう。

モニカは、「このことが、まだ私には信じられないわ。私の子宮がもてなしの悪い(居心地の悪い)環境ですって?」と言った後、I've always tried so hard to be a good hostess! と続けます。
hostess は「ホステス、女主人」のことですが、これは「客をもてなす女主人」というニュアンスですね。
モニカは、パーティーを開き、プロのシェフとしておいしい料理をふるまうなど、客をもてなすのが好きな女性なので、「うちに来て喜んでもらえるような、もてなし上手な女主人になるように、これまでものすごく頑張ってきたのに、そんな私の子宮が”もてなし下手、居心地悪い”って言われちゃうなんて、、」とがっかりしていることになります。

チャンドラーも自分の診断結果を信じられないと思っているようで、「俺も精子の運動性が悪いなんて信じられない」と言った後、because 以下でその理由を述べています。
let me tell you は「俺に言わせてくれ」ということですから、「ちょっとこれだけは言わせて、これだけは聞いて」みたいな挿入句ですね。
they sure seemed to be in a hurry to get places. は、they = my sperm で、get places は「場所に到達する」ですから、「俺が成長していた頃には(俺の成長期には)、俺の精子は場所に到達しようと急いでいるように確かに見えた」と言っていることになるでしょう。
DVDの日本語音声(吹替)では、「成長期の頃は、あいつら、競い合って飛び出してきた、っていうのにさぁ」と訳されていましたが、まさにそういうことでしょうね。

そんな話をしているところに、担当医のドクター・コネリーが入ってきます。
I'm sorry there wasn't better news from your tests last week を直訳すると、「残念ながら、先週の君たちの検査から、より良い知らせ(情報)はなかった」になるでしょうか。
better という比較級が使われているのは、恐らく、前回のエピソードの終わりでコネリーが電話連絡をした結果よりも良い結果がその後出た、ということはなかった、という意味だろうと思います。
こうやってわざわざ来てもらったけれど、この前伝えた結果よりも何か良い結果が新たに出たわけではないんだけれどね、と言っている感覚になるでしょう。
そう言った後、「でも君たちの選択肢について君たちに話をしたかったんだ」と続けます。
「残念ながら、こないだ伝えたよりも何かより良い結果が出たわけではないけれど、その結果を踏まえて、今後の選択肢について君たちに話しておきたいと思ったから君たちを呼んだ」のように、今回の話し合いのテーマを言っていることになるでしょう。

first of all... 以下のセリフは少し長めですが、大きな流れを言うと、even though SV, you never know, so keep doing... という構造になりますね。
you never know は「決してわからない」ということですから、「先のことは誰にも分からない、何とも言えない、どうなるかわからない」という意味。
ですから、「例え〜だとしても、どうなるかはわからない、だから…を続けなさい」と言っていることになります。
それぞれの項目を細かく見ていくと、means は「手段、方法」なので、through natural means は「自然な方法を通じて」、conceive は「思う、考える」と訳されることが多いですが、この場合は「子供を宿す、妊娠する」という意味。
ですから、your chances of conceiving through natural means aren't great は、「自然な方法で子供ができる可能性は大きくはない」→「可能性は少ない」と言っていることになります。
検査結果は、自然妊娠の可能性は少ないと出たけれど、と言った上で、「でも先のことは誰にもわからないからね。それが絶対とは言えないからね」という意味で you never know を挿入して、「だから、on a regular basis (定期的なベースで、定期的に)、性交渉を続けなさい」とアドバイスしていることになります。

自然妊娠の可能性が低いとわかった夫婦に対して、「無理と決まったわけじゃないから、これまで通り、行為は続けていいよ」と言ってあげた感じですが、それに対してチャンドラーは、少し大きな声で、Oh, DAMN IT! と言っています。
Damn it! は「くそっ!」と悔しがる、残念がる時に発する言葉ですから、文字通りの意味だと、「性交渉を続けていい」と言われたことに対して、「せっかくやめられると思ったのに、まだ続けないといけないの?」みたいに、モニカとそういう行為をすることをいやがっているかのように言っているセリフとなります。
それを言った後、チャンドラーは少しニヤっと笑っている(俺、今、面白いこと言ったよね、というような顔をしている)ので、それが本心ではなく冗談であることもわかるのですが、先生としては気落ちしているだろう二人に希望を持たせる発言をしたのに、そんな風にいきなりジョークで返されたので、無言でチャンドラーをにらんでいます。

その後、夫の発言に動じる様子もなく、Don't worry. After a while, you'll tune it out. と言っているのも、こういうことに慣れているモニカらしいですね。
you'll tune it out の部分、ネットスクリプトでは、he'll tune it out となっていましたが、正しくは you'll tune it out のように主語が you となります(DVD字幕では you'll となっていますし、実際の音声も you'll と発音されています)。
「ご心配なく。しばらくすれば[経てば]、あなたは tune it out するでしょう[しますよ]」と言っていることになりますが、tune out は、研究社 新英和中辞典では、以下のように出ています。
tune out 《【他】+【副】》
(1) 〈雑音などを〉(ダイヤルを調整して)聞こえなくする
(2) 《米俗》〈…に〉関心を示さなくなる、〈…を〉無視する

動詞の tune は「調子を合わせる」「周波数を合わせる」という意味ですから、「out になるように合わせる」ということから、上の語義にあるように「ダイヤルを調節して聞こえなくする」という意味になり、そこから「対象となるものを(自分で調節して)聞こえなくする」→「〜に関心を示さなくなる、〜を無視する」という意味としても使われるわけですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tune out [phrasal verb] (informal) : to ignore or stop listening to someone or something
tune somebody/something ⇔ out
例) Liz didn't like what we were talking about, so she tuned us out.

つまり、「誰かや何かを無視する、または聞くのをやめる」。例文は、「リズは我々の話していること(内容・話題)が好きではなかったので、我々を無視した」。

Macmillan Dictionary では、
tune out [phrasal verb] (informal) : to stop paying attention
例) I just tune out and let Chrissie take over.

つまり、「注意を払う[気に留める]ことをやめること」。例文は、「私はただ気に留めず、クリッシーに引き継ぎさせた[任せた]」。

チャンドラーのこのジョークを聞いて、最初はいちいち反応してしまいたくなるかもしれませんが、こういうことが続くうちに、ジョークにいちいち関心を示さなくなりますよ、無視できるようになりますよ、気に留めなく(気にならなく)なりますよ、と言っているわけですね。


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posted by Rach at 14:54| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月15日

安楽椅子から離れようとしない フレンズ9-21その6

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クリニックでの不妊検査が終わり、今は、チャンドラー一人が自宅にいるシーン。
[Scene: Monica and Chandler's. Chandler is sitting on the sofa, reading the newspaper.]
モニカとチャンドラーの家。チャンドラーはソファに座って、新聞を読んでいる。
チャンドラー: (picking up a plastic cup similar to the one he deposited his specimen in) It is not okay that I'm aroused by this now. ([(クリニックで)検体を入れたものに似ているプラスチックのカップを手に取り] 今、これに欲情してるのって、よくないよね。)
(phone rings)
電話が鳴る。
チャンドラー: Hello? Oh. Hi, Dr. Connelly. (pause) No. Well, she's not here but, you know, I can tell her. Should I be sitting down for this? (his smile fades as he hears the answer) Oh. (pause) Well, so, what does that mean? (pause) Okay. Okay, thank you. Thanks. (hangs up) (もしもし? あぁ、こんにちは。ドクター・コネリー。[間があって] いえ、彼女はここにはいませんが、僕が彼女に伝えます。この(話をする)ために僕は座ってるべきですかね? [答えを聞くとチャンドラーの笑みが消える] あぁ。[間があって] で、それはどういうことですか? [間] わかりました、ありがとう。ありがとう。[電話を切る])
(Monica walks in)
モニカが入ってくる。
モニカ: Hey, sweetie. (はーい、スウィーティ。)
チャンドラー: Dr. Connelly just called. (たった今、ドクター・コネリーが電話してきた。)
モニカ: With good news? (very quickly and wringing hands) Of course it's not good news. You just said, (deadpan) "Dr. Connelly just called." If it was good news, you would have said, (excitedly) "Dr. Connelly just called! " But, so, what is it? Is it...? Is there a problem? Is there a problem with me, or with you? (良いニュース? [非常に早口で、(動揺して)手を揉みながら] もちろん良いニュースじゃないわよね。あなたはただこう言ったもの [無表情で] 「ドクター・コネリーが電話してきた」って。もしそれが良いニュースなら、あなたはこう言ったでしょうね [興奮して] 「ドクター・コネリーが電話してきた!」って。でも、そうなら、何なの? 問題でもあるの? 私に問題が? それともあなたに?)
チャンドラー: Actually, it's both of us. (実は、俺たち二人ともなんだ。)
モニカ: What? (何ですって?)
チャンドラー: Apparently, my sperm have low motility and you have an inhospitable environment. (どうやら、俺の精子は運動性が悪くて、君は快適ではない(もてなしの悪い、居心地の悪い)環境を持ってるんだって。)
モニカ: Oh.... Well, what does that mean? (あぁ… あの、それってどういう意味?)
チャンドラー: It means that my guys won't get off their Barcaloungers and you have a uterus that is prepared to kill the ones that do. (pause) It means-- (つまり、俺のやつらはバーカラウンジャー(安楽椅子)から離れようとしなくて、君はそうする(安楽椅子から離れる)やつらを殺す準備をしている子宮を持ってる、ってことだ。[間があって] つまり…)
モニカ: Wait, Chandler? (待って、チャンドラー? [半泣きで、そんな冗談言わないで、という顔で])
チャンドラー: (seriously) It means that we can keep trying, but there's a good chance this may never happen for us. ([真剣に] つまり、俺たちはトライを続けることはできるけど、でも、これ(子供ができること)が俺たちに起こることはないって可能性が高い。)
モニカ: (weeping) Oh, my God! ([すすり泣いて] なんてこと!)
チャンドラー: I'm sorry. (ごめんよ。)
モニカ: I'm sorry too. (私もごめんなさい。)
(they hug)
二人はハグする。
チャンドラー: Well... we're gonna... we're gonna figure this out. (あぁ… 俺たちは、俺たちはこのことをよく考えないとね。)
モニカ: (still weeping) I know. ([まだ泣いたままで] そうね。)

チャンドラーは、テーブルの上に置いてある、プラスチックのカップを手に取り、It is not okay... のセリフを言っています。
arouse は「人を(眠りから)起こす、目を覚まさせる」「刺激する」という意味で、ここでは「性的に刺激する、欲情させる」というようなことですね。
ト書きにあるように、「クリニックの不妊検査で、検体を入れたものに似ているカップ」ということなので、このカップを「相手」にそういう行為をしたことを踏まえて、「カップを見てまたその時みたいな気持ちになっちゃだめだぞ、俺」と、冗談っぽく言ってみせたことになるでしょう。

そこに電話が鳴り、チャンドラーの応答から、相手がドクター・コネリーだということがわかります。
「モニカは今いませんが、僕から伝えます」という内容で、医者、つまり、不妊検査を行ったクリニックの医者が結果を電話で知らせてきた、ということもわかりますね。
Should I be sitting down for this? は、「これに対して、僕は座っているべきですか?」ということですから、「これから先生の話を聞くに当たり、俺は座ってじっくり話を聞いた方がいいですかね?」と尋ねたことになります。
そのセリフをチャンドラーは少し笑いながら言っていて、「座って聞いた方がいいような深刻な話ですかねぇ〜?」みたいに、冗談っぽい感じで言った様子だったのですが、ト書きにあるように、「その(先生からの)答えを聞いた時、彼の笑みが(次第に、徐々に)消える」という表情を見せ、その後も、先生が言うことに対して、深刻な顔で相槌を打つ姿が続きます。

先生がひとしきり説明した後、「つまりはそれはどういうことですか?」のようにチャンドラーが尋ね、その内容を理解した様子で、「ありがとう」と言ってチャンドラーは電話を切ります。
その少し後に、モニカが帰って来て、挨拶すると、チャンドラーはすぐに、「たった今、ドクター・コネリーが電話してきた」ということを伝えます。

それを聞いたモニカは、With good news? と言っていますが、この with は、Dr. Connelly called with good news? ということで、with のニュアンスを無理やり出して訳すと、「ドクター・コネリーが電話してきた? 良いニュースを持って? 伴って?」みたいな感覚になるでしょう。
その電話の内容には、良いニュースが含まれてた? 彼は良いニュースを伝えてくれた? みたいなことですね。

その後、ト書きに very quickly and wringing hands と書いてありますが、これは、Of course 以下のモニカのセリフに対する描写で、very quickly は「非常に早口で話す」様子を指しています。
実際にこのシーンを見てみるとよくわかるのですが、普段から早口のモニカが、さらに早口になっています。
wringing hands の wring は「絞る(しぼる)」「ねじる」という動詞で、wring hands については、以下の研究社 新英和中辞典に、以下の意味が出ていました。
wring one's hands=(悲痛・絶望などのしぐさとして自分の)手をもむ、絞るようにする

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
wring your hands : to rub and twist your hands together because you are worried and upset
つまり、「心配している、または動揺しているという理由で、自分の手をこすり合わせる、ねじり合わせること」。

この時のモニカは、早口でしゃべりながら、時々、手振りも入れていますが、それ以外の時は自分の不安や動揺を抑えるような気持ちで、手を揉むように握っている、そのことをト書きでは、wringing hands と表現しているわけですね。

その後のセリフが、モニカの動揺している気持ちを大変よく表していると思います。
「良いニュース?」と聞いた後、チャンドラーの返事も待たずに、「もちろん良いニュースじゃないわよね」と言って、あなたはこんな顔でこう言ったもの、というように、無表情(deadpan)の顔で「ドクターが電話してきた」と言い、さっきのチャンドラーの姿を真似ています。
もし良いニュースなら、あなたはきっとこう言ったでしょうね、と言って、今度は嬉しそうな顔をして、「ドクターが電話してきた!」と言ってみせます。
If it was good news, you would have said は、典型的な仮定法ですね。
if 節(条件節)は「もしそれが良いニュースなら」、帰結節は「あなたは(さっき)こう言っただろうに」となり、条件節と帰結節に時制のずれがあるパターンになります。
仮定法を使っているところからも、「ドクターの電話は良い知らせではなかった」ということをチャンドラーの態度からモニカが確信していることがわかりますね。

「ドクターから電話があった」と言われ、反射的に「良いニュース?」と尋ねたけれど、チャンドラーの態度を見たら、良いニュースじゃないことくらいすぐにわかる、それを説明するのに、「良いニュースなら、あなたはもっと嬉しそうな顔でそう言うはずなのに、さっきのあなたは無表情だったもの。それなのに、良いニュース? って聞いたりして私ってバカよね」みたいなことを一気にまくしたてるように言っているわけですね。
動揺していることと、「少し考えればわかることなのに、何てバカな発言をしてしまったのかしら、私」的な気持ちとで、こんなに早口になってしまっている、という描写です。

「良いニュースじゃないとしたら何? 何が問題なの? 私に問題があるの? それともあなたに問題があるの?」とモニカがストレートに尋ねると、チャンドラーは「実は俺たち二人なんだ」と答えます。
その後、もう少し長めの文章で、二人の問題について語っていますね。
motility は「運動性」なので、my sperm have low motility は、「俺の精子は低い運動性を持っている」→「俺の精子は運動性が低い、動きが悪い」。

inhospitable は、hospitable 「もてなしの良い」「(環境が)快適な、住みやすい」「〜を快く受け入れて」に、「無」「不」という not の意味を表す接頭辞 in- がついた形。
hospitality 「ホスピタリティ(親切にもてなすこと)」の関連語ですね。
ですから、you have an inhospitable environment. は、「君は、もてなしの悪い(快適ではない、居心地の悪い)環境を持っている」と言っていることになります。
こういう場合の「環境」というのは、精子を受け入れる側の子宮内の環境、という意味ですから、「君の子宮は精子にとって快適ではない環境だ」と言っているわけですね。

モニカがさらに詳しく内容を尋ねると、今度はチャンドラーは、それぞれの状態を擬人化して説明しようとします。
my guys = my sperm で、Barcaloungers 「バーカラウンジャー」は、チャンドラーとジョーイが使っている、リクライング可能な安楽椅子のこと。
過去記事 他の全てを時代遅れにする フレンズ7-13その6 では、そのネーミングの由来を説明しています。

get off は「(バスなどを)降りる」という意味でよく使いますが、要は off 「分離、離れる」という動きをする、ということなので、安楽椅子の場合だと、椅子に座ったまま離れない、起き上がらない、立ち上がらない、と言っていることになりますね。
先ほど、「精子の運動性が悪い」と説明したことを、「やつらは安楽椅子でくつろいじゃって、立ち上がろうとしないんだ、椅子から離れようとしないんだ」と言っていることになります。

チャンドラーは続いて、モニカの側の状態を説明しています。
you have a uterus that is prepared to kill the ones that do. の the ones that do は、my guys that get off their Barcaloungers になるでしょう。
that do のように、「否定語 not のない肯定形」になっているので、「安楽椅子から離れないやつら」ではなくて、「安楽椅子から離れる(立ち上がる)やつら」を恐らく指しているのだろうなぁ、と。
is prepared to kill は、「〜を殺す準備ができている」ですから、子宮の説明の文章は、「安楽椅子から立ち上がるやつらを殺す準備ができている子宮を、君は持っている」と言っていることになるでしょう。
「安楽椅子から離れない」=「運動性が悪い」ということですから、そういうものは子宮に到達しない、その中で運動性の高い、「椅子から離れるやつら」がいたとして、無事、子宮に到達したとしても、その子宮は精子にとって良い環境ではなくて、精子が死んでしまうことになる、とチャンドラーは言っているのだろうと思います。
椅子から離れないやつらを殺す、なら、is prepared to kill them だけで事足りると思うので、わざわざ、kill the ones that do と表現しているというのは、「仮に椅子から立ち上がるやつらがいるとしても」という意味で言っているのだろうと思ったわけです。

そんな例えを使って説明したチャンドラーは、さらに It means-- と言って、何か説明しようとするのですが、モニカは、そのチャンドラーを止めるように、半泣きの顔で、Wait, Chandler? と言っています。
そんな風に冗談っぽく表現しないで、辛くてそんな風に言わずにはいられないあなたの気持ちはよくわかるけど、もっと真剣にその問題に向き合いましょうよ、みたいな表情に私には見えました。

今度はチャンドラーも真剣な表情で、辛い結果をはっきりと言葉にしています。
we can keep trying は、「俺たちは(これからも)子作りにトライし続けることは可能である」。
there's a good chance this may never happen for us. の there's a good chance は「十分な可能性がある」。
good chance という言葉から、「グッド・チャンス、良いチャンス」と訳してしまいそうになりますが、この場合は「良いチャンスがある」ということを言っているのではなくて、this may never happen for us という可能性が高い、と言っていることになります。
this may 以下は、「これは俺たちに(決して)起こらないかもしれない」なので、「子供ができることはないかもしれない、という可能性が高い」→「子供ができる可能性はほとんどない、可能性が低い」と言っていることになりますね。

その後、チャンドラーが、I'm sorry. と言い、続けて、モニカも I'm sorry too. と言っています。
フレンズでは、「相手の気持ちに共感する」 I'm sorry、つまり、「”ごめんなさい”ではない I'm sorry」がよく出てきますが、今回のこのセリフは「ごめんなさい」とお互い言い合っていることになるでしょう。
子供ができる、できないの問題については、どちらかに原因があった場合でも、ごめんと謝ると余計にお互いが辛くなる(自分ではどうしようもないことだから)と思うのですが、何か口にするとなると、やはり、「ごめん」という言葉しか出てこないのだろうなぁ、というのをこのシーンを見て感じました。
今回の結果は、二人に問題がある、ということだったので、それぞれが「ごめん」と言って抱き合うこのシーンは、本当に見ていて辛いものがありました。

figure out は「理解する」「解決する」という意味。
今回こういう結果が出たことで、これから二人は子作りについてどうして行くか、子供ができない可能性が高いとわかった上で、これからはどういう人生設計を考えるか、というようなことを二人で考えて、決めて、解決していかないといけないね、ということですね。
それに対してモニカは、I know. 「そうね、分かってる」と返事していますが、I know. と言えば、モニカが人に褒められたりした時に、I know! 「そうでしょ! 知ってる!」と自慢げに大声で叫ぶという彼女の口癖でもあります。
今回は、いつものような元気のいい I know! ではないのですが、その彼女の決め台詞である、I know. を、こんな悲しい状況で聞くことになるなんて、、という気持ちを、観客も視聴者も抱いたことだろうと思います。


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posted by Rach at 14:44| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月13日

タイムカードに打刻する フレンズ9-21その5

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マッサージのチェーン店の無料招待券をもらったレイチェルは、そのマッサージ店に行こうと思っていたのですが、チェーン店を嫌っているフィービーに、券を破られてしまいます。
ビリビリに破られた券をテープで貼っ付けて、チェーン店のサービスを受けに来たレイチェルですが、その店を嫌っていたはずのフィービーが「お給料が良いから」という理由でそこで働いていました。
チェーン店をけなしてしまった手前、レイチェルに見つかったらやばいと思ったフィービーは、レイチェルがマッサージ台で下を向いているのをいいことに、謎のスウェーデン人のふりをしてごまかすのですが、台の穴から見えた靴が、フィービーが自慢していた新品の靴だったので、レイチェルはそれがフィービーだと気付きます。
様々な会話をふっかけて、フィービーであることを白状させようとしたのですが、なかなか自白しないフィービーに、レイチェルは顔を上げて、フィービーの名前を叫びます。
レイチェル: (now lifts her head) Phoebe!! ([そこで、自分の頭を上げて] フィービー!)
フィービー: You know it's me? (私だって知ってたの?)
レイチェル: Well, for like a half an hour! Man, you can lie about Sweden! (えぇ、半時間(30分)くらいね。なんてこと、スウェーデン人のふりなんかできるのね!)
フィービー: How, how can you come here? (どうやって(どのようにして)ここに来られたの?)
レイチェル: How could you not tell me you worked here? (あなたがここで働いていることを私に言わなかったなんて、どうしてそんなことができたの?[言わなかったなんて信じられない])
フィービー: I don't have to tell you everything! (全てをあなたに話す必要はないわ。)
レイチェル: Yes, you do, if you're gonna make me feel guilty for getting a free massage! (いいえ、あなたは話す必要があるわ、あなたが無料のマッサージをしてもらうことで私に罪悪感を持つように仕向けているのならね。)
フィービー: Tip's not included. (チップは含まれていないわよ[チップは別途必要よ]。)
レイチェル: Oh! Phoebe, why did you lie to me about working here? (もう! フィービー、ここで働いていることについて、なぜ私に嘘をついたの?)
フィービー: Because I was ashamed, okay? I sold out for the cash! And then they give me benefits, like medical and dental and a four-oh-wunk (401K). But, you know, you pay a price. Now I'm this corporate stooge and punching a clock and Ugh! Paying taxes! (だって恥ずかしかったんだもん、でしょ? 私はお金(現金)のために自分を売ったの! それからここは手当をくれるのよ、医療とか歯科とか 401K とか。でも、ほら、代価(代償)を払うの。今や私は、こんな企業の手先となり、タイムレコーダーを押して[タイムカードに打刻して]、それから、あー! 税金を払ってる!)

レイチェルが顔を上げて、「フィービー!」と名前を呼ぶので、スウェーデン人のふりをしてうまく騙せていたと思っていたフィービーは、You know it's me? 「私だってわかってたの? 知ってるの?」と驚きの声を上げています。
「半時間ほどね」と言った後、you can lie about Sweden! と言っていますが、直訳すると、「あなたはスウェーデンについて嘘をつける」になりますね。
化けの皮をはがそうとしたレイチェルに、スウェーデンのことをあれこれ質問されたフィービーは、適当なことを答え、でたらめな国歌まで歌っていました。
それを見ている観客や視聴者は、その嘘のクオリティーの低さに笑ってしまうわけですが、レイチェルは、その質の悪さに気づくこともなく、「フィービー、あなた、なかなか、スウェーデンの嘘、うまいじゃない」と言った面白さになるわけですね。

how can you come here? を直訳すると、「どのようにして、あなたはここに来られたの?」ですね。
Why did you come here? 「どうしてここに来たの?」という理由を尋ねているのではなくて、フィービーがここの無料サービス券をビリビリに破ったにもかかわらず、どうして来ることができたのか? を問うていることになるでしょう。
レイチェルはそれには答えず、逆に、How could you not tell me you worked here? と言っています。
これもくどい感じで直訳すると、「あなたがここで働いていることを私に言わない、ってことが、あなたにはどのようにして可能だったの?」というところでしょうか。
レイチェルがここのサービス券を持っていた時、自分がそこで働いていることも言わずに、フィービーが券を破ってしまったことを怒っているわけですが、「自分が働いているくせに、それを黙ってたなんてどうしてあなたにはそんなことができるの? そんなことするなんて信じられない」と言っているニュアンスになります。

「ここで働いてることを言わなかったなんて、信じられない」と言われたフィービーは、「(友達だからって)あなたに全てを(何もかも)話す必要はない」と答えます。
「人に全てを話す必要はない」というのは、場合によっては正論ですが、レイチェルはもっともな理由でフィービーを非難しています。
Yes, you do は、Yes, you have to tell me ということで、「あなたに話す必要はない」という発言に反論して、「いいえ、あなたは私に話さないといけないわ」と言っていることになります。
その後、if という条件付けをして、「もしあなたが、無料のマッサージを受けることで私が罪悪感を持つ(覚える)ようにしているのであれば」と言っています。
確かに、何でもかんでも話す必要はないのかもしれない、でもあなたは、チェーン店のサービス券で、無料のマッサージを受けようとした私を非難して、罪の意識を感じさせたんだから、それでそこの店で働いていることを黙ってるなんて、最低よ! と言っていることになるのですね。

get a free massage 「無料のマッサージを受ける」という表現を使ったレイチェルに対して、Tip's not included. 「チップは含まれていないわよ」と答えるのも面白いですね。
無料と言ったって、サービスを施した私に対して、別途チップは払ってもらう必要があるんだけど、みたいに言っていることになり、怒っているレイチェルに対して、そんなしれっとした返しをするところがフィービーらしいとも言えるでしょう。

why did you lie to me about working here? は「ここで働いていることについてなぜあなたは私に嘘をついたの?」ということで、シンプルに嘘をついた理由を尋ねる文ですね。

理由を聞かれたフィービーは、定番通り、Because... を使って、「だって私は恥ずかしかったから」と答えます。
I sold out for the cash! について。
sell out は「商品などを売り切る、売り尽くす」という意味で使われることが多く、be sold out 「売り切れた(売り切られた、売り尽くされた)」という意味の Sold out. 「ソールドアウト」は、もう日本語になっていますね。
目的語を取って、「(金などのために)(人)を売る」という意味にもなりますし、自動詞的に「身売りする」という意味にもなります。
今回は「私は金のために自分を身売りした」という感覚ですね。
売り切れる方の sell out の out は、out of fuel 「燃料切れ」の out の感覚で、「ものが不足して、なくなって」というニュアンスになるでしょう。
「人を売る、(自分を)身売りする」方の sell out の out は「外に差し出す」という感覚になるのでしょうね。

その後、「彼ら(雇ってくれるこの店・会社)は、私に benefits をくれる」とも言っています。
benefit はまず「利益」という意味で習いますが、ここでは、「(社会保障制度の)手当、給付」のことですね。
その後、like medical and dental 「医療とか歯科とか」のような言葉が続いていることからも、医療給付的なものを言っていることがわかります。
そしてその次のセリフですが、その部分、ネットスクリプトでは、and a 401K. そして DVD字幕では、a four-oh-wunk. と表示されています。
実際のフィービーの発音も、「ア・フォー・オゥ・ワンク」という感じですね。
フィービーがそのように発音したのを聞いて、レイチェルは、「ん?」という顔をして、観客のラフトラック(笑い声)もかなり起こっているのですが、これは、401k のことをよく知らないフィービーが、正確には、four-oh-one-K [kei] と発音する(LAAD で確認済み)ところを、4-0-wunk のように、1k を wunk という単語だと思って発音している、という面白さなのかなぁ、と思いました。

401k というのは、アメリカの企業年金制度(確定拠出年金)のことで、日本でも2001年に同様の制度が開始した際には、「日本版401k」という表現もよく耳にしました。
LAAD の説明では、
401K : a way of saving money for your retirement that is handled through the company where you work
つまり、「自分が働く会社を介して取り扱われる、退職のためにお金を貯蓄する方法」。

フィービーは、「手当もくれるし、年金も、、」と言いたいわけですが、正確な用語を知らずに発音を間違えているので、レイチェルは「ん?」となっているし、観客も笑っている、ということですね。

you pay a price の pay a price は文字通り「代価を払う」ということで、この場合は「何かを得ることに対して代償を支払っている」「得たものがある分だけ、犠牲も払っている」という感覚になるでしょう。
you pay a price. は主語が you になっていますが、これは、「自分の体験を語る時に you を使う」というものですね。
「会社は手当や年金をくれるけど、その分、代償を払うことにもなる」という「自分の体験」を、you know, you pay a price. 「ほらね、わかるでしょ、代償を払うことになっちゃうのよ」と相手にイメージさせる、という効果ですね。

Now I'm this... 「今や私はこんな〜になって」という表現で、自分がこんな者に成り下がってしまった、的な話を続けています。
stooge は「手先、傀儡(かいらい)」という意味。
ですから、corporate stooge は「企業の手先」ということですね。
LAAD では、
stooge : (disapproving, informal) someone who is used by someone else to do something unpleasant, dishonest, or illegal
つまり、「(非難の言葉、インフォーマル) 不快な、不正な、不法なことを行う誰か他の人によって使われる人」。
disapproving とあるように、非難のニュアンスのある言葉、すなわち悪口ですから、まさに日本語の「手先」という言葉に通じるものがありますね。

punch a clock は「タイムレコーダーを押す、タイムカードに打刻する」という意味。
LAAD では、
punch the clock : (informal) to record the time that you start or finish work by putting a card into a special machine
つまり、「特別な機械にカードを入れることで、仕事を始める時間、または仕事を終わる時間を記録すること」。
出社時、退社時にタイムカードに時刻を打つ(打刻する)ということで、フィービーとしては、そういう行為がいかにも「いち従業員として、会社に雇われている」というイメージを強くするのでしょう。
その後、Ugh! と嫌そうな声を上げてから、Paying taxes! とも言っています。
手当を貰える代わりに、税金もしっかり取られてしまう、ということで、自由人フィービーにとっては耐えられないことのようです。
これまでフリーランスで働いていたマッサージ師の仕事では、どうやら税金を払っていないらしいこともわかる、という面白さになるでしょうね。


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2015年10月09日

可能な限り最も優しい言い方で言うと フレンズ9-21その4

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チャンドラーとモニカは、不妊検査のため、医院に来ています。
[Scene: doctor's waiting room]
医者の待合室。
チャンドラー: I have a weird feeling about this place. (pause) How do I know that they are not gonna secretly videotape me and put it all over the Internet? (この場所に、変な感じがするんだけど。[間があって] (医院の人たちが)密かに(こっそり)俺を録画して[隠し撮りして]、それをインターネットに載せる[上げる、公開する]ことはない、ってどうやってわかるの?[そういうことは絶対しないって断言できないじゃないか])
モニカ: Because, honey, and I mean this in the sweetest way possible, nobody's gonna wanna watch that. (だってね、ハニー、可能な限り最も優しい言い方であなたに言うと、誰もそんなの見たいとは思わないわよ。)
(a nurse walks in)
看護師が入ってくる。
看護師: Mr. Bing? (Chandler jumps up) Here you are! You'll go into that room and deposit your specimen into the container. (ビングさん? [チャンドラーは飛び上がる] ここにいるのね! あの部屋に入って、あなたの検体を容器(コンテナ)の中に置いて下さい。)
チャンドラー: Deposit my specimen? You know, usually I have to call a 900 number for that kind of talk. Thanks. Got it. (俺の検体を置く? ほら、普通、そういうトークをするには、900ナンバーに電話しないといけないだろ? [看護師にいやそうな顔をされて] ありがと。了解。)
モニカ: All right. Honey, my tests are down the hall. Are you sure you're gonna be okay? (いいわ、ハニー、私の検査は廊下の先であるわ[行なわれるわ]。あなた、ほんとに大丈夫?)
チャンドラー: Yeah, I guess! (あぁ、大丈夫だと思うよ!)
モニカ: Look, I know this is embarrassing, but nobody cares! No one here even knows you! (ねぇ、これが恥ずかしいってことはわかるわ。でも、気にする人なんかいないわ! ここには誰もあなたを知っている人すらいないのに!)
ジャニス: OH MY GOD!! (オー、マイ、ゴッド!)
チャンドラー: Oh, Come on! (あぁ、勘弁してよ!)

待合室で、チャンドラーはいらいら、そわそわしています。
「この場所について変な感情を持っている」というのは、「この場所って、何か変な感じがするんだよな」みたいなことですね。
How do I know that they are not gonna は、「彼ら(医院の関係者)が〜することはないと、どのようにして俺が知る?」→「彼らがそうしないって、どうして俺にわかる?」→「彼らがそうしないって、俺には言い切れない、断言できない。彼らはそうしちゃうかもしれない(が俺にはそれを知りようがない)」になるでしょう。
何をしないとも限らないと言っているのかが、secretly 以下で、
secretly videotape me 「俺を密かにビデオテープに録画する[隠し撮りする]」
and put it all over the Internet 「そしてそれ(撮ったビデオ)をインターネット上に出す」
になるでしょう。
videotape は「ビデオテープ」ということですが、me を目的語に取る形になっていることから、この場合は「人をビデオテープに撮る、人をビデオ撮影する」という動詞として使われていることもわかりますね。

チャンドラーは不妊検査のため、今から採取などをしないといけないわけですが、そういう行為をしているところを隠しカメラで撮られて、ネットに上げられたりしない、ってどうしてわかる? 医院がそういうことしようとしてるかもしれないじゃないか! と言っているわけですね。

それを聞いたモニカは、Because... 以下のセリフを言っていますが、「なぜならそれは」と理由を説明する部分は、nobody's 以下で、その間のセリフ、honey, and I mean this in the sweetest way possible は、その理由をはっきり言う前に、ワンクッション置いた感じの挿入文となっています。
Because, honey... 以下を訳すと、「だってね、ハニー、そして私はこのことを、可能な限り最も優しい方法で言うんだけどね」という感覚になるでしょう。
「可能な限り最も優しい方法(言い方)で言うと」というのはつまり、「どう表現しても、キツい表現になってしまいそうだけど、そこを精一杯優しく言ってあげるわね」と言っているニュアンスになります。

そんな前振りを付けて言ったその後のセリフは、nobody's gonna wanna watch that. 「誰もそれ(そんなもの)を見たいとは思わない。見たいと思うことにはならない」。
チャンドラーが、「俺のそういう秘密の行為を撮影されて、ネットに上げられたらどうしよう?」と心配しているので、モニカは、「そんなものを誰がネットに上げるもんですか。そんなの、誰が見たいっての? そんなの、見たい人がいるとでも思ってるのー?」みたいに、いつものようにキャンキャンと容赦なく言いたいのでしょうが、感情的に言うことは避け、「できる限り優しい言い方で表現してあげるわね」と言った上で、「誰もそれを見たいとは思わない」という事実だけを淡々と述べた感じになるでしょう。
言い方そのものはキツい感じではないのですが、言っている内容はそのものズバリで結構キツいよね、みたいな面白さですね。

二人がそんな話をしているところに、看護師さんが入ってきます。
看護師は、採取用のカップをチャンドラーに手渡しながら、You'll go into that room and... とこの後の指示をしています。
deposit は「〜を預ける」「〜を(…に)置く」。
specimen は「見本、標本」という意味ですが、今回の場合は、「(検査の対象となる)検体、サンプル」というところですね。

「あなたの検体を置いて(預けて)」と言われたことを受けて、「俺の検体を置け、ですか?」と繰り返した後、チャンドラーは、「そんな類のトークのためには、普通、a 900 number に電話しないといけない」みたいに言っています。
この部分、DVDの日本語訳では「ダイヤルQ2」と訳されていましたが、まさにそれと同じニュアンスですね。
「ダイヤルQ2」と言っても、若い方はご存じないかもしれませんが、「アダルト向け音声が聞けるサービスで、情報料として通常の電話料金以上の料金がかかる」という電話サービスでした。
サービスが始まったのが1989年とのことで(当時私は大学生)、そのサービスを利用した人が高額請求されたなどというニュースを当時よく耳にしたものでした。

そのアメリカ版が、チャンドラーの言っている、a 900 number ということで、以下のウィキペディアに詳しい説明があります。
Wikipedia 英語版: Premium-rate telephone number
premium rate というのは「割り増し料金」ということで、通常の通話料以外に別料金がかかる電話番号ということですね。

北米のアメリカとカナダの例として、英語版ウィキペディアでは、以下のように説明されています。
A 1-900 telephone number, in the North American Numbering Plan, has the form 1-900-###-####, and is often called a 900 number or a 1-900 number ("one-nine-hundred").
チャンドラーのセリフ通り、アメリカではこういう有料通話サービスを、a 900 number (または、a 1-900 number)と呼んでいることがこの説明でわかりますね。
そのウィキペディアには、アジア圏の例も挙がっていて、日本のところには以下の説明がありました。
In Japan, premium rate telephone number service is known as "DIAL Q2" and begin with the prefix 0990 followed by six digits.
やはり、アメリカの 900 number は、日本で言うところの「ダイヤルQ2」であることがここからもよくわかりますね。

看護師さんは、不妊検査の説明として、通常通りの説明をしているだけですが、チャンドラーはそういう会話をしていることが恥ずかしいのでしょうね、どうしてもジョークに逃げたくなって、「あなたの検体を預けて」みたいな会話って、アダルト有料電話での会話みたいですね、などと言ってしまったわけです。
相手の看護師さんは、年配のベテランという感じで、チャンドラーのそのジョークにニコリともせず、真顔でチャンドラーを見つめています。
それでチャンドラーは、それ以上、おふざけを言うのはやめて、「ありがと。了解(わかった)」と小さな声で言うことになります。

モニカはチャンドラーに、「私の検査は down the hall である(行われる)」と言っています。
down の基本的な意味は、「下へ、低い方へ」という意味で、方位で言うと「南へ」になります。
この場合は、厳密な方位を言っているのではなくて、「(今いるここから)離れて、離れたところへ」「ここから離れて、向こうに行った先」という感覚になります。
ですから、down the hall は「廊下の先で(に)、廊下を行った所で(に)」ということですね。
廊下を行ったところにある部屋で私の検査は行われる、私はあなたと違う場所で検査を受ける、ということで、それで「私は一緒にいられないけど、あなた一人で大丈夫?」と尋ねているわけですね。
「大丈夫だと思う」と答えるチャンドラーに対して、モニカは励ましの言葉をかけています。
「これ(こういう検査を受けること)が恥ずかしいってことはわかるわ。でも、誰も気にしない(気にする人なんか誰もいない)! ここではあなたを知っている人すら誰もいないのよ!」ということですね。
そういう言葉を言いながら、チャンドラーの首に手を回してハグし、そして軽くキスをするのですが、そういう二人の背後から、あのおなじみの声が聞こえてきたので、観客も大爆笑、拍手と歓声も起こっています。
出てきただけでこれほど喜ばれるって、ジャニスは本当に「おいしいキャラ」ですね。
シーズン8では、フレンズ8-23, 8-24 (エマの出産のためにレイチェルが入院した時)に出てきましたので、ほぼ1年ぶりの登場となります。
「ここには誰も知ってる人なんかいないんだから」とモニカが励ました矢先、「誰よりも会いたくない人に会ってしまった」チャンドラーの衝撃いかばかりか、という面白さなわけですね。


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posted by Rach at 13:42| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月07日

The MetとMets フレンズ9-21その3

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前回のエピソードでは、ロスは新任教授のチャーリーに惹かれ、レイチェルはソープオペラパーティーで、出演俳優といい感じになりながらも、やはりジョーイへの気持ちを断ち切れず、彼にアプローチしようとしていました。
そのエピソードの終わりのシーンで、チャーリーを探していたロス、ジョーイを探していたレイチェルは、ジョーイとチャーリーがキスしているところを目撃してしまいます。
「ジョーイとチャーリー」というのは、非常に意外な組み合わせなのですが(笑)、二人はパーティーで意気投合し、お互いに惹かれ合ってしまった様子で、今はすっかり仲睦まじくなっています。
ジョーイの部屋にチャーリーがやって来て、軽くキスをした後で、二人が会話している場面。
チャーリー: So I am just so excited to be here. And I can't wait to start exploring the city! (それで、ここにいる(ニューヨークにいる)なんて、とってもわくわくするの。街を探索するのが待ちきれないわ!)
ジョーイ: Hey, if you need a tour guide... (point to himself) (ねぇ、もしツアーガイドが必要なら… [自分自身を指さす])
チャーリー: Oh, you mean it? That would be so fun! (まぁ、ほんとに? もしそうならとっても楽しいわ!)
ジョーイ: Oh, yeah, definitely, definitely. Okay. What do you wanna see first? (あぁ、そうだ、その通りだよ。よし。最初に何を見たい?)
チャーリー: Oh, well, we could go see the Kronos Quartet at Avery Fisher Hall. (あぁ、そうね、エイヴリー・フィッシャー・ホールで、クロノス・カルテットを見に行けるかも。)
ジョーイ: (looking puzzled and nodding) Okay! ([悩むような顔をしてからうなずいて] オッケー!)
チャーリー: And there's a collection of Walt Whitman letters on display at the public library. (それから、ウォルト・ホイットマンの書簡コレクションが公立図書館で展示されてるわ。)
ジョーイ: I know, yeah! (知ってる、そうだよね!)
チャーリー: But first, I have to see the Met. (でも(やっぱり)最初に、ザ・メット(the Met)を見ないと。)
ジョーイ: Okay, let me stop you right there. The Mets suck, okay? You wanna see the Yankees. (ちょっと、ここで君を止めさせて。ザ・メッツ(the Mets)は最低だよ、いい? 君はヤンキースを見た方がいい。)
チャーリー: No. No, not the Mets. The Met. Singular. (違う、違うの、ザ・メッツじゃないわ。ザ・メット。単数形よ。)
ジョーイ: Which one? They all suck. (どれ[どいつ]のこと? (メッツの)やつらは全員、最低だよ。)
チャーリー: The museum. (美術館よ。)
ジョーイ: (looking puzzled) I don't think so. ([悩んだ顔をして] 俺はそうは思わないな。)

チャーリーは「ここ(ニューヨーク)にいるなんて、すごくわくわくする。この街(ニューヨーク)を探索するのが待ちきれない」と言っています。
すると、ジョーイは、「もし、ツアーガイド(観光ガイド)が必要なら…」と言って自分自身を指さします。
なんなら、ニューヨーカーの俺が君を案内してあげるけど? という申し出になります。

you mean it? は、「それってほんと?」みたいな感じですね。
mean は「〜のつもりで言う」という意味なので、「ただ話の流れ的におあいそでそう言ってるだけじゃなくて、本当にそのつもりで言ってくれてるの?」と、相手の発言が本心からのものであるかどうかを尋ねている感覚になります。
That would be so fun! は、would に仮定のニュアンスが込められていて、「もしほんとにジョーイが案内してくれるんだとしたら、すっごく楽しいものになるわね」という意味になります。

ジョーイが「最初に何を見たい?」と尋ねると、チャーリーは、the Kronos Quartet at Avery Fisher Hall と言っています。
それを聞いたジョーイは、口をつぐんで、しばらく目を丸くした後で、Okay! と言っています。
その表情から、「チャーリーの言った場所の見当がつかない。何のことを言っているのか全然わからない」ということがわかりますね。
ジョーイも知らないわけですし(笑)、このやりとりについては、「チャーリーが行きたいと言った場所が、ジョーイにはわからなかった」ということが読み取れればそれで良い、ということになります。
大学教授であるチャーリーが行きたがっている場所で、ジョーイが知らない場所、であることから、おハイソな場所、高尚な場所であることも想像できればそれで十分ですね。
一応どんなところか知っておきたいという方は、Google 画像検索で、Avery fisher hall と入れると、オーケストラが演奏するような絢爛豪華なホールの写真がたくさんヒットします。
いかにも、「こーゆーのはジョーイは知らないだろうなぁ」という場所ですね。

詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: エイヴリー・フィッシャー・ホール
ウィキペディアの説明にあるように、「ニューヨーク・フィルハーモニックの本拠地」ということで、それだけでこのホールの格がわかるというもの。
ホールがこの名前になった経緯なども、ウィキペディアで説明されています。

Kronos Quartet も、ウィキペディアにありました。
Wikipedia 日本語版: クロノス・クァルテット

次にチャーリーが挙げたのも、固有名詞が入っていて、それを聞いたジョーイは I know, yeah! と知ったかぶりをしていますが、その様子から「今度のこれも全然わかんない」ことは明白ですね。
there's a collection of Walt Whitman letters on display at the public library. を直訳すると、「公立図書館で展示(陳列)されている、ウォルト・ホイットマンの書簡(手紙)コレクションがある」ということですから、もう少し自然な日本語っぽくすると、「ホイットマンの書簡コレクションが公立図書館で展示されている」ということですね。

ウォルト・ホイットマンは、アメリカの詩人。
Wikipedia 日本語版: ウォルト・ホイットマン
ウィキペディアに詳しい説明がありますが、代表作は「草の葉」(原題: Leaves of Grass)だそうです。
ウィキペディアの記事中、他の著者との交流に関する説明で、「二人はホイットマンの死まで書簡を交わしていた」という記述もありますので、「ホイットマン書簡展」という展示は、「いかにもありそうな展示」ということになるでしょう。

ジョーイが全くわからないものを2つ挙げた後、チャーリーは、But first, I have to see the Met. と言っています。
それまでは何を聞いてもチンプンカンプンで、さも知っているような顔で軽く流していたジョーイですが、ここでは、let me stop you right there. と言って、チャーリーの発言を軽く止めています。
「ちょうどそこで君を止めさせて」ということですから、「その発言、ちょっと待って。そのまま続けて話さないで、ここで俺に一言、言わせて」という感覚ですね。

チャーリーの発言を止めてのジョーイの言葉、The Mets suck, okay? You wanna see the Yankees. について。
まず、The Mets suck, okay? と言ったところで、観客がかなり笑っています。
これは、チャーリーが言った、the Met を、ジョーイが the Mets と勘違いしていることがわかったので、観客は即座に反応しているわけですが、その後の、the Yankees. の発言が、その勘違いをさらにはっきりさせる効果を生んでいます。

これについてはまず、チャーリーが言った the Met が何を指しているかをわかっていないといけませんね。
The Met とは、マンハッタンにある「メトロポリタン美術館」のことで、Google 検索で、「the Met」と入れると、The Metropolitan Museum of Art がしっかりヒットします。
そのことからも、The Met は、「誰でもそれだけでピンと来る」広く知られた略称だということがわかりますね。
日本人の場合は、「メトロポリタン美術館」という名称は知っていても、その略称 The Met は知らないかもしれないので、その場合には、チャーリーのこのセリフも、瞬時にわかるのは難しいかもしれません。
ちなみに私は「メトロポリタン美術館」と聞くと、昔、「NHKみんなのうた」に出てきた「メトロポリタン美術館(ミュージアム)」という歌が、頭の中をグルグルします^^ (歌っていたのは、大貫妙子さん)

チャーリーとジョーイのこのやりとりの面白さは、誰でも知っているはずの、The Met = The Metropolitan Museum of Art であることをジョーイが知らなくて、チャーリーが、The Mets のことを言っていると勘違いしたところにあります。
ジョーイが言った、その The Mets の方ですが、こちらは日本人でも「メッツ」と聞けばピンと来るように、アメリカ大リーグの球団「ニューヨーク・メッツ(New York Mets)」のことですね。
Wikipedia 日本語版: ニューヨーク・メッツ に、興味深いことが書いてありました。
ちなみに「メッツ」とは1880年代に存在したニューヨーク・メトロポリタンズ(メトロポリタンとは都会人の意)というチームの愛称を元にしている。
野球チームの「メッツ」という名前の由来も、美術館と同様に、metropolitan という単語の略称から来ている、ということですね。

The Mets suck, okay? の suck は「最低である」(= be terrible)という意味の動詞。
フレンズでは、That sucks. 「そんなのってひどい。そんなのって最低」のような形でよく登場しますが、このように主語が that などの場合は、「3単現の -s 」がついて、sucks という形になります。
今回のジョーイのセリフでは、主語が the Mets と複数形になっているので、3単現の -s がつかない suck が使われているということですね。
このセリフで、ジョーイが「(野球チームの)メッツは最低だよ」とけなしているわけですが、その後のセリフ、「君は(メッツじゃなくて)ヤンキースを見た方がいいよ(見るべきだ)」という発言で、「ジョーイは the Met という美術館を、the Mets (野球チームのメッツ)と勘違いしている」ということがより明確になる、という仕組みです。
ヤンキースとメッツは、共に本拠地がニューヨークで、2チームの試合は「サブウェイ・シリーズ」と呼ばれて盛り上がったりしますよね。
ジョーイはニューヨークの2つのチームのうち、ヤンキースの方が好きであることがこの発言からわかります。

「ニューヨークでメッツを見るんなら、ヤンキースを見た方がいい」というジョーイの言葉で、ジョーイが勘違いしていることに気づいたチャーリーは、No. No, not the Mets. The Met. Singular. 「違うわ。the Mets じゃなくて、the Met よ。単数形よ」と言って、間違いを指摘しています。
「メッツって言ったら野球チームになっちゃうけど、私が言ったのは、メッツじゃなくて、メットなの、-s はつかない方よ」と説明したことになるのですが、その後のジョーイのセリフが、さらにまた面白いですね。

Which one? は、「単数形の Met って、Mets のうちのどの Met のこと?」と問い返している感覚。
つまり、Which one? = Which Met? 「どれ? どいつ?」=「どのメット?」というニュアンスですね。
そして、They all suck. は、「彼ら(Mets の中の Met たち)はみんな(全員)、最低だ」と言っていることになります。
そして、ジョーイが言わんとしている、単数形の Met とは、この場合は、「メッツという野球チームの中の選手一人」を意味します(これについては、後述します)。

「メトロポリタン美術館の略称が The Met である」ということを少しでも知っていれば、チャーリーが「複数形じゃなくて、単数形の方」と指摘した際、「あぁ、君が言ったのは、メッツじゃなくて、メット(美術館)の方ね!」とわかるのですが、美術館などに関心なさそうなジョーイは、それが美術館の略称であるなんて、全く気付いていないのでしょう。
the Met という単数形だと説明しても、まだ野球のメッツのイメージから抜け出すことができず、「単数形ってことは、チームじゃなくて、選手個人の話? 君はメッツの選手の誰のことを言ってるの?」みたいに問い返したことになります。
そして、「君はメッツのどの選手を見たいのか知らないが、メッツの選手はどいつもこいつも最低だよ」という意味で、They all suck. と続けたことになります。
そのセリフを言わせることで、「ジョーイがまだ野球チームの話だと勘違いしていること」が一段とはっきりするという(脚本上の)効果もあるわけですね。

その後、チャーリーは、「The Met というのは美術館のことよ」という意味で、The museum. と答えるのですが、ジョーイはそれを聞いて、しばらく考えた後、I don't think so. と言っています。
この I don't think so. については、DVDの日本語訳では
(字幕)そんな選手いない/(音声)そんな選手、いないよ
と訳されていましたが、「その発言のジョーイの意図」を汲むと、確かにそういう意味で言っているように、私にも思えました。

とにかくこのシーンでは、ジョーイは、The Met が美術館であるとは全く気付いていない、ジョーイとしては、Met/Mets と聞くと、ニューヨーク・メッツしか思い浮かばない、という徹底ぶりが面白さの基礎となっています。
ですから、シーンの最後でチャーリーが、「私が言っている The Met は美術館のことよ」とまではっきり言ったのに、それでもまだ(!)ジョーイは野球チームのことだと思い込んでいて、「ジョーイの Which one? (Which Met?) に対する答えが、The Museum であると思った」、つまり、「メッツのどの選手のこと?」という問いに対して、チャーリーが、「ザ・ミュージアム」という「名前(らしきもの)を答えた」とジョーイは勘違いしたのだろうと思います。
それで、しばらーく考えた上で、「俺はそうは思わない」と返したわけですが、その意味は、「チャーリーは、メッツのザ・ミュージアムという名前の[と呼ばれている]選手に会いたいと言っているようだけど、そんな選手聞いたことないなぁ。でもチャーリーがわざわざ名前を出したんだから、そういう名前の選手いるのかな」みたいに思って、名前に聞き覚えがないながらも、名前を出したチャーリーに話を合わせる形で、「チャーリーはその選手がすごいと思っているみたいだけど、俺はそうは思わないな」と否定した、それが、I don't think so. なんだろうなと私も思ったわけです。
つまり、You want to see him (= the Museum) that much? I don't think he's that good. 「君はその彼にそんなに会いたいの? その選手、そんなにすごいって俺は思わないけど」ということなんだろうなぁ、と。
I don't think so. と言うまでの間に、かなりの時間の間(ま)があるのですが、それも「そんな選手いたっけなぁ〜?」と考えを巡らせてみていることの表れなのかなと思うわけです。

最初、このセリフを見た時には、「メットって美術館のことよ」と指摘したチャーリーに対して、「俺はそうは思わないな。メットってのは、野球チームのことだけど?」という意味で、I don't think so. と返したのかと思ったのですが、DVDの日本語訳が「そんな選手、いないよ」となっていたのを見て、「ジョーイは、The museum をメッツの選手の名前だと思っている」方が、確かに面白いな、と思ったのです。
The museum を文字通りの「美術館」という意味だとも気づかずに、「メッツの1選手の名前」だと最後まで勘違いしていると考えた方が、フレンズっぽいオチになるような気がしたのですね。

I don't think so. 「俺はそうは思わない」という表現が、何だかとても漠然としているので、具体的に何についてそう言っているのかがはっきりしないのが残念なのですが、「チャーリーがメッツを見たいと言っている、メッツのある選手に会いたいと言っている」ということに対して、「メッツなんか最低だよ」と思っているジョーイが、「君はそんな風に思っているようだけど、俺は賛成・同意しかねる」という意味で、I don't think so. と言った感覚なのかな、と私は思ったということですね。
もし、the Museum を人名と勘違いしたのだとしたら、この最後のセリフが、I've never heard of him. 「その彼(the museum って名前の選手)のこと、今まで聞いたことない」みたいなセリフになっていれば、人の名前と勘違いしていることがはっきりしたのかもしれません。

最後に、「単数形の Met が、メッツ(Mets)という野球チームの中の選手一人を意味する」ことについて説明します。
まずは簡単にイメージの話から。
野球チームなど、複数で行うスポーツのチーム名は、Mets, Yankees のような複数形になっていることが多いですね。
これは複数の選手が集まっているからで、逆に考えると、「Mets というチームは、単数形 Met が集まったもの」だと言えるので、Mets というチームの中の選手一人は、Met という単数形で表わすことができる、ということになります。
これについては、過去記事、フレンズ2-20その20 で、Yankees という言葉が出てきた時に、「ヤンキースの選手一人を指す時は、Yankee と言います」と解説したことがありました。
その時に参考例として挙げたのが、松井秀喜選手の英語版ウィキペディアだったのですが、
英語版ウィキペディア: Hideki Matsui
今回改めて調べてみると、その松井選手のウィキペディアでは、「ヤンキースの(一人の)選手」として、単数形の Yankee が使われている文章が、合計3回も出てきていました。
3箇所の文章を引用させていただくと、

1. On July 28, 2013, Matsui signed a one-day minor league contract with the New York Yankees in order to officially retire as a Yankee.
2. At the 2003 Yankee home opener, he became the first Yankee to hit a grand slam in his first game at Yankee Stadium.
3. He became the first Yankee to drive in seven runs in a game at Fenway since Lou Gehrig in 1930.


1. の as a Yankee は、「ヤンキースの選手として」ということですね。(これを「ヤンキーとして」と訳すと、何だか別の意味(「ヤンキーの兄ちゃん」みたい)に聞こえてしまいそうですね^^)
2. と 3. はどちらも、he became the first Yankee to... 「彼は〜した最初のヤンキース選手となった」という表現になります。

ヤンキースを例に挙げて説明することになってしまいましたが、今回のジョーイのセリフもこれと同じように、the Met という単数形を「メッツの1選手」という意味で解釈した、ということですね。


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posted by Rach at 15:03| Comment(2) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月05日

全てが問題ないとわかるのは良いこと フレンズ9-21その2

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明日、不妊検査(fertility tests)を受けることについて、話をしているチャンドラーとモニカ。
チャンドラー: Do we really need to take those tests? (俺たち本当に、そんなテストを受ける必要あるの?)
モニカ: Honey, we've been trying to have a baby for over a year. I think it's a good idea to find out if everything's okay. Just a few routine tests. (ハニー、私たち、一年以上も赤ちゃんを作ろうとトライし続けてるのよ。全てがオッケーか(問題ないか)どうかわかることはいい考えだわ。2、3のお決まりのテストがあるだけよ。)
チャンドラー: But I don't wanna do it in a cup! (でもカップの中でそんなことしたくないよ。)
モニカ: What is the big deal? (何がそんなにおおごとなの?)
チャンドラー: It's weird! You're in a doctor's office. (ヘンだよ! (それをする時には)医院にいるんだよ[医院の中でそんなことをするんだよ]。)
モニカ: It's not okay to do it in a doctor's office but it is okay to do it in a parked car behind a Taco Bell? (それを医院でするのはオッケーじゃないけど、それをタコベルの後ろに駐車した車の中でするのはオッケーなわけ?)
チャンドラー: (embarrassed) I cannot believe Ross told you that! (pause) And in my defense, it was a Wendy's! ([恥ずかしそうに] そのことをロスが君に話したなんて信じられないよ。[間があって] そして、自己弁護のために言っとくけど、(タコベルじゃなくて)ウェンディーズだったんだ!)

「明日は不妊検査がある」と言ったモニカに対して、チャンドラーは、「俺たち本当に、そういうテスト受ける必要ある? 受けなきゃダメ?」と返します。
モニカは、have been trying という「継続を表す現在完了進行形」を使って、「私たちは、1年以上に渡って(for over a year)、子供を持とうと(子供を作ろうと)トライし続けてるわ」と言っています。

二人が子作りにトライしよう、と決めたのは、過去記事、今じゃないといけないって言ってるわけじゃないけど フレンズ8-23その2 の頃でした。
レイチェルの出産を待ちながら病院にいる時に、育児室にいる赤ちゃんを見て、チャンドラーが最初にそれを口にして、モニカもすぐにそれに同意して、その病院の空きベッドで早速エッチしたりしていた二人でしたが(笑)、今がフレンズ9-21 で、決めたのがフレンズ8-23 ですから、エピソードの放映時期で考えると、厳密には「1年弱」となり、for over a year 「1年以上に渡って」ではないですね^^
また、エピソードの内容面で見た場合でも、エマの出産直前に子作りを決めたことになるのですが、エマの1歳の誕生日のエピソードはフレンズ10-4 に当たるので、エマが1歳になる前の現在だとやはり、「1年以内」ということになってしまいます(まぁ、よくある”設定の不一致”というやつに過ぎませんが…笑)。

その後、モニカは、「全てがオーケーかどうかがわかることは、良い考えだと思う」と続けます。
everything's okay とは、「妊娠するために必要な項目が全てオッケーである」というような感覚ですね。
子作りしようとする時に、何も問題ない、とわかっているのはいいことでしょ、と言っているわけで、モニカとしては、「何か問題があるかどうかを知りたい」というよりも、「何も問題ないと言ってもらえたら、これからも安心して引き続きトライし続けることができるでしょ」みたいな、前向きな言い方をしているように思えます。
それはモニカ自身がそう思いたいこともあるでしょうし、また、テストを受けることに後ろ向きなチャンドラーに対して、「子供ができない原因が何かを探す」と表現してしまうと、ますます後ろ向きになりそうなので、「何も問題ないってわかったら、心配もなくなるでしょ」みたいな方向で話を進めているような気もします。
モニカが、「2つ3つのルーティンテスト(お決まりのテスト)があるだけ」と言うと、チャンドラーは、「でも俺は、カップの中でそれをしたくない!」と言っています。
不妊検査でのカップに採取するというその行為がいやだということですね。

「何がおおごとなのよ。何をそんなに大騒ぎしてるのよ」みたいにモニカに言われ、チャンドラーは、「ヘン(weird)だよ!」と言って、You're in a doctor's office. と続けます。
doctor's office は「医者の診療室」ということですが、日本語に訳す場合は「医院」くらいで良いでしょう。
医院の一室で、カップの中にそういう行為をするのがイヤだと言っているわけですが、この主語の You're は、「自分のことを、一般の人々を表す you で表現している感覚」になるだろうと思います。
「そういう行為をしないといけない時には、俺も君も医院にいるんだぞ」と、いる場所を相手にイメージさせるようなニュアンスになるでしょう。
I have to do it in a doctor's office. ということを言いたいわけですが、とにかくその「場所」がチャンドラーにとっては問題であって、本来は人に隠れて行うような行為を、人がたくさんいるような医院でする、というのがいやだということですね。
それで、It's weird! You're in a doctor's office. 「ヘンだよ! (だって想像してみてよ)医院にいるんだよ!」と、相手にその状況をリアルに想像させるような言い回しを使っているのだろうと思います。

医院でするのはいや、というチャンドラーに対して、モニカは、It's not okay to do it in A, but it is okay to do it in B という文を使って、「A (という場所)でするのはオッケーじゃなくて、B (という場所)でするのはオッケーなの[オッケーなわけ]?」みたいに問い返します。
A はチャンドラーが言っている医院で、「医院ではダメなのに、B ではオッケーなの?」と言ったことになるので、その表現から、過去にチャンドラーがその B の場所でそういうことをしたことがある、と言っていることになります。

B の場所は、(in) a parked car behind a Taco Bell で、「タコベル(大文字なので店の名前)の後ろに駐車した車の中で」になりますね。
タコベルは、taco という単語から想像できる通り、タコス(tacos)などのメキシコ料理のチェーン店。
Wikipedia 日本語版: タコベル にも説明がありますが、2015年4月に、渋谷に(日本再上陸の)日本第1号店がオープンしたそうです。
たまたまこうして、ブログでセリフを解説する半年ほど前に、日本にお店がオープンした、というのも何だか嬉しいです(^^)

そう言われたチャンドラーは、恥ずかしそうな顔をして、「そのことをロスが君に話したなんて信じられない」と言っています。
その発言から、「その話、ロスから聞いたんだな!」「その話を知ってるのはロスだけだったのに、ロスが妹である君(モニカ)に話したんだな!」と言っていることがわかりますね。

その後、少し間を置いてから、And in my defense, it was a Wendy's! とも言っています。

in my defense は、「自己弁護のために言うと」という意味。
まさにそのまんまのタイトルの過去記事、自己弁護のために言うと フレンズ5-13その6 でも、そのフレーズについて解説しています。

直訳すると、「そして俺の自己弁護のために言うと、それは(タコベルじゃなくて)ウェンディーズだった」と言っていることになります。
DVDの日本語訳も、「名誉のために言っとくけど」となっていましたが、まさにそういうニュアンスで使っていることになりますね。

「ロスがそれをしゃべったんだな。でも俺の名誉のために言わせてもらうと、、」という流れになった場合、「ロスはそう思ってるようだけど、実際には俺はそこでそんなことはしてない!」と、「そんな行為はしていない」という話になることが(普通は)予想されます。
それが、「そんな行為はしてない」ではなくて、「(行為をした場所は)(タコベルじゃなくて)ウェンディーズだった」と場所を訂正しているところに、ジョークのポイントがある、ということになるでしょう。

と同時に、「自己弁護のために言うと」の続きとして、店の名前を訂正していることから、チャンドラーとしては、「本当はウェンディーズだったのに、それをタコベルだった、と思い違いされているのは心外だ」という気持ちがあることが示唆されるわけですね。
タコベルとしては、あまり嬉しくない言われようですが(笑)、チャンドラーの中での位置付けでは、ウェンディーズの方が上になっているということになるでしょう。
わざわざ in my defense と言って付け足した情報が、「そんなことはしてない」ではなくて、「場所はそこじゃない」だったという面白さと、わざわざ訂正した店の名前が、メキシコ料理(タコス)とアメリカ料理(ハンバーガー)という違いがあるものの、どちらもファストフードのチェーンなので、「超高級レストランと比較するほどの極端な差があるような気もしない」ところに、このセリフの面白さがある気がしました。


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posted by Rach at 15:21| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年10月02日

観衆を知れ=相手を考えて フレンズ9-21その1

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シーズン9 第21話
The One With The Fertility Test (不妊検査にドッキドキ!)
原題は「不妊検査の話」


[Scene: Monica and Chandler's apartment]
モニカとチャンドラーのアパートメント
モニカ: (entering) Hey, honey! I missed you today! ([入ってきて] はい、ハニー! 今日はあなたが恋しかったわ!)
チャンドラー: Oh, yeah? (おぉ、そうなの?)
モニカ: Yeah. Hey. (they kiss) What d'you wanna do tonight? (そうよ。ねぇ。[二人はキスする] 今夜、何したい?)
チャンドラー: Oh, well, maybe we could.... (he sweeps the stuff off the table and wordlessly invites Monica to have sex on it) (あぁ、そうだな、多分、俺たちはこうできるんじゃないかな… [チャンドラーはテーブルの上からものを払い落として、その上でエッチしようと無言でモニカを誘う])
モニカ: Okay, trying to turn me on by making a mess? Know your audience! Besides, tomorrow we're doing those fertility tests. And until then, you need to keep your tadpoles in the tank. (そうね、散らかすことで私をその気にさせようとしてるの? 観衆を知りなさい![相手を考えなさい! 私を誰だと思ってるの?] それに、明日は私たち、例の不妊検査を受ける予定よ。だからそれまでは、水槽(タンク)にオタマジャクシを貯めておく必要があるのよ。)

帰宅したモニカは、チャンドラーを見て、「恋しかったわ」と言っています。
キスした後に、モニカが、「今夜何したい?」と尋ねると、チャンドラーは、「多分、俺たちはこういうことできるよね…」と言いながら、ト書きにあるように、テーブルの上にあるものを手で払いのけて、「この上でエッチするっていうのはどうかな?」と誘うような表情を見せています。

それを見たモニカは、trying to turn me on by making a mess? と言っています。
(You are) trying to... ということで、turn on は「スイッチを入れる」ということから恋愛関係だと「その気にさせる」という意味になり、make a mess は「散らかす、めちゃくちゃにする」ですから、「あなたは、散らかすことで、私をその気にさせ(私に火をつけ、私を燃えさせ)ようとしてるの?」と言っていることになります。
その次の、Know your audience. という表現が面白いですね。
直訳すると、「あなたの(自分の)観衆(観客・聴衆)を知れ」ということで、つまりは、「あなたがその行動を披露した相手が誰であるかを知りなさい」と言っていることになります。
DVDの日本語字幕では、「散らかされて 私が燃えると? 相手を考えて」となっていましたが、まさにそういうことですね。
テーブルのものを払いのけることで、ここでエッチしようよ、とアピールしたチャンドラーでしたが、そういうアピールがウケる、通じる相手かどうか考えて行動しなさいよ、みたいに言ったことになるでしょう。
他の人なら、「まぁ、あなたってワイルドね」みたいに喜ぶかもしれないけれど、「整理整頓大好き」な私モニカが、ものを散らかされて喜ぶわけないでしょ、片付けなきゃとか思って、エッチどころじゃなくなるわ、みたいに言った感覚になるでしょう。
行為・行動で自分の意図を示したチャンドラーに対して、「その行動を見る相手の観衆が誰かを考えて行動しなさい」と言ったことになるわけですね。

その後、Besides 「それに加えて、その上」、「明日、私たちはあの(例の)fertility tests をする(受ける)予定よ」とも言っています。
fertility は、fertile 「(土地が)肥沃な」「(動物が)多産な、繁殖力のある」の名詞形で、「肥沃、多産」「繁殖力、受精力」という意味になります。
つまり、fertility tests は「受精力を測るテスト」ということで、もう少し一般的な用語で言うと「不妊検査」ということですね。
その後、「だからそのテストを受けるまでは、あなたは、keep your tadpoles in the tank する必要がある」とも言っています。

tadpole は「おたまじゃくし」。
研究社 新英和中辞典の語源では、
語源:toad+poll 「頭」
と説明されています。
どちらも微妙に綴りが違いますが、tad は toad から、pole は「頭」の意味の poll から来た、ということになります。
toad は「ヒキガエル」のこと。
そして、poll という単語は、現在では「世論調査」という意味で使われますが、その poll の語源については、研究社 新英和中辞典に、
語源:中期オランダ語「頭」の意
と説明されているように、元々は「頭」という意味だったようですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) の poll [noun] の Etymology にも、
1600-1700 poll head (13-19 centuries), from Middle Low German ; from the idea of counting heads
と説明されています。
「頭を数える」ことから「世論調査」という意味になった、ということですね。

tank は「タンク、水槽」ということですから、直訳すると、「(不妊検査まで)あなたはタンク(水槽)にあなたのオタマジャクシをキープしておく(貯めておく)必要がある」と言っていることになります。
形や動きのイメージから、精子(sperm)のことを、ちょっとユーモラスに「オタマジャクシ」と表現しているわけで、検査で必要だから、その前にエッチしちゃダメでしょう? と言っていることになるわけですね。


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posted by Rach at 15:22| Comment(0) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年09月30日

Have mercy! フレンズ9-20その6

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アパートメントの屋上で行われているソープオペラのパーティーで、レイチェルは、出演俳優から電話番号をもらったりしています。
それを見たモニカは、
モニカ: (to Rachel) Look at you with all the guys! ([レイチェルに] あの男性たちと一緒にいるなんて[うまくやってるなんて]、あなたってすごいわね!)
レイチェル: Yeah! (そうでしょ。)
モニカ: I guess you've forgotten all about Joey? (あなたはジョーイのことをすっかり忘れちゃったみたいね。)
レイチェル: Yeah, well, I guess I have forgotten about Joey. And clearly, you've forgotten about Chandler! (そうね、ジョーイのことは忘れちゃったみたい。そして明らかに、あなたはチャンドラーのことを忘れちゃってるわね。)
モニカ: Please. Chandler's the love of my life. (At which point a man in leather pants walks by) ... oooh, leather pants! Have mercy! (Follows the man in the leather) (よしてよ。チャンドラーは私の運命の恋人よ。[その時、革パンをはいた男性が近くを歩いて通る] うぅ〜、革パンよ! どうかお慈悲を! [革の男性の後についていく])

Look at you with all the guys! を直訳すると、「あの男性全てと一緒のあなたを見てよ!」みたいになるでしょうか。
DVDの日本語訳では、「なんなの、あなた。モテモテじゃん」と訳されていましたが、まさにそんな感じですね。
マシューを始め、他の俳優たちともいい感じになっている様子のレイチェルを見て、「あの男性たちと一緒にいるあなた自身を見てみてよ!」→「あんな大勢の男性にモテモテなんて、あなたって何てすごいの!」と褒めている感覚ですね。

I guess you've forgotten all about Joey? は、「あなたはジョーイに関する全てのことを(すっかり)忘れてしまった(完了形)と思う」というところ。
そう言われたレイチェルは、ほぼ同じ内容を繰り返す形で、I guess I have forgotten about Joey. 「私はジョーイのことを忘れてしまった、と思う」と返します。
ソープオペラの俳優たちと仲良くしている間に、ジョーイに対する気持ちは忘れてしまえた、というところですね。
「ジョーイのことは忘れられたみたい」と言った後、And clearly, you've forgotten about Chandler! とレイチェルはモニカに言っています。
「そして、明らかに、あなたはチャンドラーのことを忘れてしまっているわね」ということで、既婚者であるあなたが、ソープオペラの俳優とキャッキャ言って騒いでる、夫のチャンドラーのこと、あなたすっかり忘れてるでしょ、と言っていることになります。

Please. Chandler's the love of my life. の Please. は「やめてよ、よしてよ(そんなこと言うの)」というニュアンスですね。
the love of one's life という表現は、過去のフレンズ、彼は君の運命の恋人だ フレンズ5-24その2 にも、
チャンドラー: I know he's the love of your life. (リチャードは君の運命の恋人だって、俺は知ってるんだぞ。)
というセリフで出てきました。
そこでも、the love of one's life という表現について解説したのですが、love は抽象的な「愛」というよりも「恋人、愛しい人」を意味していて、「人生の恋人」みたいな感覚で使っているように思います。
もう少し自然な日本語にすると、「運命の恋人、運命の人」みたいな意味でしょう。

夫チャンドラーのことをすっかり忘れてるわね、と言われて、モニカは、「よしてよ、チャンドラーは私の運命の恋人・運命の人よ」と答えたのですが、そんなことを言っている時に、すぐそばを革パンの男性が通って行ったのを見て、「うぅ〜、レザーパンツ(革パン)よ!」と叫んだ後、Have mercy! と言いながら、その革パン男性の後を追うようについていきます。
「チャンドラーが最愛の人よ」と言ったばかりなのに、かっこいい男性が通過するとふらふらついていってしまう、という面白さですね。

mercy は名詞で「慈悲、情け」という意味で、have mercy (on) は「(〜に)慈悲をかける、情けをかける」という意味になります。

Macmillan Dictionary では、
have mercy (on someone) : to treat someone in a kind way instead of a cruel way
つまり、「残酷な(無慈悲な)やり方の代わりに、優しいやり方で人を扱うこと」。

今回のモニカのセリフは、チャンドラーを運命の恋人だと言っておきながら、それに背くような言動をした自分について、「神よ、こんな私を許したまえ、どうかお慈悲を」と言っている感覚なのだろうと思います。

Have mercy. というセリフで思い出すのは、シットコム「フルハウス」。
ジョン・ステイモス演じるジェシーがよく使っていたフレーズでした。
シーズン1で、私の記憶にあるだけでも、以下のエピソードに出てきました。(かっこ内は、そのセリフが出てきた時間です^^)
1-1 (14:48), 1-5 (9:48), 1-6 (3:53), 1-6 (8:45), 1-8 (8:06), 1-14 (2:42), 1-14 (24:06), 1-19 (5:41)
ちょっと変わったところでは、
1-6 (17:43) で、ジョーイ・グラッドストーンが、ジェシーのセリフの真似として、
I threw the babe on the back of the bike, popped a wheelie, and said, "Have mercy."
と言うシーンがあったり、
1-19 (8:32) では、シャワーカーテンから顔を出した女性を見て、(ジェシーではなく)ダニーが Have mercy. (字幕:ドッキリ!/吹替:びっくりしたなぁ〜)と言うシーンもあったりしました。

ジェシーが使うのは大抵、「女性を見た時」もしくは「女性にセクシーなことを言われた時」ですね。
ドアを開けると、そこにガールフレンドが立っていて、驚いた様子で、"Vanessa. Have mercy." みたいに言うパターンや、"I'm gonna go take a shower and I'll be thinking about you." 「シャワーを浴びてくるわね、(そこで)あなたのことを考えてるわ」と言われて、その女性が去った後に、"Have mercy!" とつぶやくようなパターンが多いです。
日本語訳はその時々によって違った訳がつけられていて、「マイッたな」「神よ」「すげえな」「たまんねえ」「ドッキリ!」みたいな感じのものでした。

このジェシーの "Have mercy." はしょっちゅう出てくるので、これがジェシーの口癖、決め台詞であることは、英語音声で見ている人なら、すぐに気付くだろうと思います。
それを裏付けるように、1-1 (14:48) で "Vanessa. Have mercy." というシーンのDVDの音声解説(副音声)でも、「ジョンの初めての "Have mercy" だ。彼が考えた決めゼリフだ」と説明されていました(ジョンとは、ジェシー演じる俳優ジョン・ステイモスのこと)。

今回のフレンズのモニカのセリフの場合は、「夫がいるのに他の男性に見とれちゃってごめんなさい」的な意味の「どうかお慈悲を」というニュアンスになるでしょうが、フルハウスのジェシーの場合は「お慈悲を」というよりも、「驚き、感嘆」のニュアンスで使っている感覚ですね。

LAAD には、名詞の mercy 以外に、以下の「間投詞、感嘆詞」の語義も出ていました。
mercy also mercy me [interjection] (old-fashioned) : used to show strong emotions, especially when you are shocked, surprised, or frightened
つまり、「(古い表現) 強い感情を示すのに使われる、特にショックを受けた時、驚いた時、恐怖を感じた時に」。

上の説明では、そういう強い感情を表すのに、"Mercy!" または "Mercy me!" という形で使われる、ということになりますが、フルハウスのジェシーが使っている、"Have mercy!" というニュアンスも、それらの感覚に近い「強い感情を表す言葉」になるような気がしました。

ちなみに、「フルハウス」のスピンオフシリーズが、2016年より配信開始される、というニュースもありましたね(タイトルは、「フラー・ハウス」(Fuller House)だそうです)。
そこでもやはり、ジェシーの "Have mercy!" を聞くことができるんでしょうねぇ^^
また、もうすぐこのブログで解説することになる フレンズ9-22 に、ジェシー役のジョン・ステイモスがゲスト出演します。
その少し前のタイミングで、ジェシーの口癖の、Have mercy! が出てきたのが、何だかとても楽しいな♪ と思いました。


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posted by Rach at 15:17| Comment(2) | フレンズ シーズン9 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする