2016年09月12日

最終話の解説、終了! フレンズ10-18その6

今日のこの記事がフレンズ最終話の最後の解説になります。最後のシーンは全部取り上げたかったのと、過去記事絡みの内容も多かったため、大変長い記事になってしまいました^^
フレンズ最後のシーンを一緒に楽しんでいただければ幸いです(^^)


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[Scene: Monica and Chandler's apartment. Chandler and Monica are holding the twins. Joey and Phoebe are sitting by the window, while Ross and Rachel are standing together. The apartment is completely empty. Two men are carrying a large dresser.]
モニカとチャンドラーのアパートメント。チャンドラーとモニカは双子を抱っこしている。
ジョーイとフィービーは窓のそばに座っており、ロスとレイチェルは一緒に立っている。アパートメントはすっかり空っぽである。二人の男性が大きなドレッサーを運んでいる。
モニカ: Okay, please be careful with that. It was my grandmother's. Be careful. Thank you. (どうかその家具は気をつけて(運んで)。私のおばあちゃんのものなの。気をつけて。ありがとう。)
(Two other men are rolling the big white dog out of the apartment.)
別の二人の男性が、大きな白い(陶器製の)犬を部屋から(台に付いているローラーを転がしながら)出そうとしている。
モニカ: If that falls off the truck, it wouldn't be the worst thing. (もしそれがトラックから落ちても、最悪ってことにはならないから。)
(She slips them some money.)
モニカは彼らにお金をそっと渡す。
ロス: Wow. ([がらんとなった部屋を見て] わお。)
レイチェル: I know. Seems smaller somehow. (そうね。何だか小さく見えるわ。)
ジョーイ: Has it always been purple? ((壁の色は)ずっと紫だったっけ?)
チャンドラー: (to his children) Look around, you guys. This was your first home. And it was a happy place, filled with love and laughter. But more important, because of rent control, it was a frigging steal. ([自分の子供たちに] 見ておくんだよ。これが君たちの最初の家だった。幸せな場所で、愛と笑い声であふれていた[いっぱいだった]。でももっと重要だったのは、家賃統制のおかげで、ものすごく格安(品)だったことだ。)
(Monica and Chandler put Jack and Erica in their stroller.)
モニカとチャンドラーがジャックとエリカ(二人の子供の名前)をベビーカーに乗せる。
フィービー: Hey, do you realize that, at one time or another, we all lived in this apartment? (ねぇ、気づいてる? 一度か二度は、みんなこのアパートメントに住んだことあるのよ?)
モニカ: Oh, yeah. That's true. (あぁ、そうね。ほんとだわ。)
ロス: Uh, I haven't. (あー、僕は住んだことないよ。)
モニカ: Wait a minute. What about that summer during college that you lived with grandma, and you tried to make it as a dancer? (ちょっと待って。あなたがおばあちゃんと住んでて、ダンサーとして成功しようとしてた、大学時代の夏についてはどうなの?)
ロス: Do you realize we almost made it 10 years without that coming up? (そのことを持ち出さないでもう少しで10年になろうとしていたってことに気づいてる?)
モニカ: Oh, honey, I forgot. I promised Treeger that we'd leave our keys. (あぁ、ハニー、忘れてたわ。(管理人の)トリーガーと約束したの、鍵を置いていくって。)
チャンドラー: Oh, okay. (あぁ、わかった。)
(Chandler and Monica walk over to the kitchen-counter and leave their keys. Then the other four pick out their keys and leave them as well.)
チャンドラーとモニカがキッチン・カウンターに歩いて行って、自分たちの鍵を置く。それから他の4人が自分たちの鍵を取り出し、同じようにそれを置く。
フィービー: So I guess this is it. (それじゃあ、いよいよのようね。)
ジョーイ: Yeah. I guess so. (あぁ、そうみたいだな。)
モニカ: (crying) This is harder than I thought it would be. ([泣きながら] これって、思ってたよりもつらいわ。)
チャンドラー: Oh, it's gonna be okay. Okay. (あぁ、大丈夫だよ。大丈夫だ。)
(Chandler hugs her. Monica hugs Ross and Rachel as Chandler gets the stroller with the twins.)
チャンドラーはモニカをハグする。モニカはロスとレイチェルをハグし、チャンドラーは双子の乗ったベビーカーを持つ。
レイチェル: (crying) Do you guys have to go to the new house right away, or do you have some time? ([泣きながら] あなたたちは今すぐ新居に行かなきゃいけないの? それとも時間あるの?)
モニカ: We got some time. (時間はあるわ。)
レイチェル: Okay. Should we get some coffee? (オッケー。みんなでコーヒー飲みましょうか?)
チャンドラー: Sure. Where? (そうだね。どこで?)
(They all leave the apartment. Joey helps Chandler with the stroller in the hallway, while Monica and Rachel have their arms around each other. Everybody walks downstairs to Central Perk. The camera goes inside the apartment again, and it pans around. We see the keys on the counter, and the final shot is of the frame around the peephole. The screen fades to black.)
全員がアパートメントを離れる。廊下でジョーイはチャンドラーがベビーカーを運ぶのを手伝う。モニカとレイチェルは腕をお互いに回している。みんながセントラルパークへと階段を降りて行く。カメラは再び、アパートメントの中に入り、カメラがぐるっと回転する(パンする)。視聴者にはカウンターの上の鍵が見える、そして最後のショットは覗き穴の周りの(黄色い)フレームである。スクリーンが徐々に暗くなる。
THE END

家具を運んでいる男性たちに、「その家具(ドレッサー)はおばあちゃんのものなの。気を付けて」と言っていたモニカですが、大きな白い陶器の犬が奥から運び出されて来ると、If that falls off the truck, it wouldn't be the worst thing. と言いながら、ブラウスの胸ポケットからお札を取り出して、チップとして彼らにお金をこっそり渡しています。
そのしぐさから、「チップ渡すから、私の希望通りにしてね」と言っていることがわかりますね。

If that falls off the truck, it wouldn't be the worst thing. は、「もしそれ(その陶器製の白い犬)が(運送用の)トラックから落ちても、(そのことが)最悪のことにはならないでしょうね」というところ。
「その犬がトラックから落ちたとしても、何も問題ないわよ」と言っているわけで、そう言ってわざわざチップを渡しているということは、「その犬、トラックから落として壊しちゃって」と頼んでいることになります。
この犬は、ジョーイがチャンドラーとの同居をやめ、ひとり暮らしを始めた頃(フレンズ2-19)、部屋のインテリアとして、カードで衝動買いしたもののうちの一つです。
同居に戻った後も、ジョーイ&チャンドラーの家に置いてありましたが、感謝のしるしに持っててほしい フレンズ6-6その6 で、チャンドラーがモニカとの同居を決め、それまで一緒に住んでいたジョーイの部屋から引っ越す時に、ジョーイがチャンドラーに、"I want you to have the big, white dog as a kinda of a, y'know, like a thank-you for being such a great roommate." (俺はお前にその大きな白い犬を持っていてもらいたい。ほら、そんなに素敵なルームメイトでいてくれたお礼としてさ。)と言って、あげたものでした。
モニカの趣味には合わないし、大きくて邪魔なのでしょうね、それでモニカは「これを新居に持って行きたくないから、引っ越しのどさくさに紛れて、壊れちゃったことにしたい」と思って、チップを渡したことになります。
モニカっぽい言動なので、観客からは笑いと拍手も起こっています。

部屋から荷物が運び出され、部屋はがらんとなっています。
長年過ごしたなじみの部屋が空っぽになって、みんなもしんみりしていますね。
「何だか小さく見えるわ」とレイチェルが言うと、ジョーイは、Has it always been purple? と言っています。
壁が紫になっているのですが、「壁の色ってずっと紫だったっけ?(俺、気づいてなかった)」みたいに言ったことになります。

チャンドラーは双子の赤ちゃんに、「見ておくんだよ。これが君たちの最初の家だった」と言っています。
すぐに引っ越すことになるけれども、病院からまずはここに帰ってきた、ということで、そう言っているわけですね。
「幸せな場所で、愛と笑い声であふれていた」という表現は、「フレンズ」というドラマのメインの舞台であったこの場所の形容として、本当にぴったりだな、と思います。
出演者も観客も視聴者も、その表現が胸に染みたことでしょう。
そんな素敵なことを言った後、やはりチャンドラーは笑いを取らないと気が済まないらしく(笑)、「でもそれよりもっと重要だったのは」と言って、金銭面でのメリットを述べています。
感動したセリフを言った後に、お金の話? みたいなギャップの面白さですね。

rent control は「家賃統制」という意味ですが、それについてはもう少し後で詳しく説明します。
frigging steal の frigging は「いまいましく、ひどく」という意味の強意語。
ファイナルシーズンの記事、君との毎日は冒険だ フレンズ10-12その6 でも、"Could someone get me a coat? I'm frigging freezing." (誰か私にコートを持って来てくれない? 超こごえそうなの。)というセリフで出てきました。

steal は「盗む」という動詞ですが、名詞では「盗み、盗品」という意味から、「格安品、掘り出し物、ただみたいな物」という意味としても使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
steal [noun, countable] : (informal)
be a steal : to be very inexpensive
例) The wine is a steal at $9.

つまり、「非常に価格が安いこと」。例文は「そのワインは9ドルで非常に安い(ものだ)」

ですから、it was a frigging steal は「(この家は)めちゃくちゃ掘り出し物だった、超格安物件だった」と言っていることになります。

この家が超格安だったのは、rent control 「家賃統制」のおかげと言っていますが、その rent control については、
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
rent control [noun, uncountable] : a situation in which a city or state uses laws to control the cost of renting apartments
つまり、「市や州が、アパートメントの賃貸の費用を統制(コントロール)する法律を使う状況」。

過去記事、家賃安定化条例 フレンズ3-6その16そっちこそ家賃安定化条例を聞いたことないな? フレンズ4-4その2 にも出てきたのですが、Rent Stabilization Act of 1968 「1968年の家賃安定化条例」という条例があり、その内容は、過去記事でも引用させていただいた、週刊ST 2003年4月25日号 での以下の説明が大変わかりやすいです。
ニューヨークは家賃統制によって賃貸料を更新する上限が定められており、同じ建物に長く住む人の家賃は安く抑えられている。
今、荷物が運び出されてがらんとなった、チャンドラーとモニカが住んでいた部屋は、フレンズ1-1 の冒頭では、モニカが一人で住んでいました。
向かいのジョーイ&チャンドラーが住んでいる部屋に比べるとかなり大きいのですが、それはモニカの部屋がおばあちゃんの名義で、いまだにそのおばあちゃんが住んでいることになっているから、家賃が安く抑えられたままである、ということが、フレンズ3-6その16 のセリフからわかります。
また、フレンズ4-4その2 では、「別人が住んでいるのに家賃は安いまま、その状態で又貸し(サブレット)、つまり別人とルームシェアまでしているのは違法になる」という、このアパートの管理人(super)であるトリーガーの発言もありました。
ここ最近は実際にはチャンドラーとモニカが住んでいたのに、元の持ち主のおばあちゃんの名義のままなので、rent control というしくみのお蔭で、「長年住んでいるから家賃が上がらない」というメリットを受けていた、ということですね。
「愛と笑い声にあふれた幸せな場所」と美しい表現をした後に、「いや、でもとにかく家賃が超安くて助かったよ」みたいに現実的な話をするというそのギャップが、チャンドラーらしいです。

フィービーは、「ねぇ、気づいてる? 一度か二度は、私たちみんなこのアパートメントに住んだことがある、って」と言っています。
モニカが「ほんとだわ」と言って、ロスが「僕は住んだことないよ」と言うのですが、モニカに「ダンサーとして成功しようとして、ここでおばあちゃんと同居していた、大学時代の夏はどうなの?」と言われてしまいます。
「ロスがダンサーを目指してた?」という話に、レイチェルも笑いをこらえている様子。
ロスは、フィービーが使った Do you realize...? という同じ表現を使って、we almost made it 10 years without that coming up? と続けています。
come up は「話題にのぼる、話題になる」。
make it 10 years は「it を10年にする」ということで、almost made という almost+過去形は、「もう少しで〜するところだった」というニュアンス。
ですから、ロスのセリフは、「その件(僕がダンサーを目指してたこと)が話題になることなしに、もう少しで10年になるところだった、ってことに気づいてる?」となります。
10年間、そのことが話題に出なかったのに、最後の最後に今になって、それを暴露しちゃうわけ? と言っているわけですね。

ちなみに、他のメンバーがこの部屋に住んでいた、という件については、
レイチェルは、フレンズ1-1 に転がり込んできて、6-6 まで同居。(6-7 からチャンドラーとモニカが同居)。
フィービーはレイチェルが同居するより前に、ここでモニカと同居していたことがある。
ある程度はわかってる フレンズ3-6その2 で、3年前にフィービーが同居していた頃の回想シーンが出てきます。
ジョーイについては、部屋を交換する条件で女子チームとのゲームに勝って、チャンドラーとジョーイの二人がこの部屋に住んでいた時期がありました。
仮定法過去完了で相手を責める フレンズ4-12その6 でゲームに勝って、そのエピソードの終わりに部屋を交換。
シットコムと吉本の共通点 フレンズ4-19その6 で、男性陣がニックスの試合を見に行っている間に、女性陣が部屋の中身を入れ替えて元の大きな部屋を奪還。(過去記事では省略しましたが)その後、男性陣は抗議するものの、二人の目の前でモニカとレイチェルがキスしているのを見せるという交換条件で、元の部屋に戻ることを承諾。(他のメンバーもこの部屋に住んだことがある、という話は以上)

その後モニカは、「部屋の鍵を置いて行くって、管理人のトリーガーと約束したの」と言い、モニカとチャンドラーがキッチン・カウンターに鍵を置きます。
その後、残りの4人が、ポケットなどをゴソゴソして、各自が持っていた鍵を取り出し、カウンターに置くのが面白いですね。
観客からもこみ上げるような笑いが起こっており、「この部屋の鍵を全員持ってたんかーい!」とツッコミたくなる感じですね。(まぁ、あれだけ入り浸っていれば、持ってないと不便でしょうけどw)

So I guess this is it. は、「じゃあ、いよいよのようね」という感じですね。
this (この状況)が it (私たちが頭に描いていた、その時)である、というところで、「この部屋とお別れする時がいよいよやってきた、来るべき時が来た」という感覚になります。
モニカの This is harder than I thought it would be. 「これは(そうなるだろうと)思っていたよりつらいわ」という言葉にも泣けてしまいますね。
フレンズの最終回として見ている私たちも、「こうして本当に終わってしまうと思うと、何だかとっても寂しい」という気持ちになってしまいます。

レイチェルは「チャンドラーとモニカはすぐに新居に行かなきゃだめ? それとも時間ある?」と尋ねています。
「時間はあるわ」と答えると、レイチェルは「じゃあ、みんなでコーヒー飲みましょうか?」と言います。
それに対して、普通の顔で、Sure. Where? とチャンドラーが言うのが洒落ていますね。
フレンズたちがコーヒーを飲むと言えば、いつもたむろしているセントラルパークしかないのに、「じゃあどこで飲むの? どこに行くの?」のように Where? と言っている面白さになります。
その後、廊下に出たみんなの姿を映し、部屋の中を映して、覗き窓を映したところで、画面が暗くなり、おしまい、、となります。

Where? が指す場所が、フレンズの象徴である、あのコーヒーハウス Central Perk であることを考えると、10年間のフレンズの最後のセリフが、チャンドラーが普通の顔、普通の声で言った、Where? だったのがとても印象的ですね。
みんなが静かに穏やかに部屋を出て行くのを見て、あぁ、これでフレンズは本当に終わっちゃうんだな、というのを実感しました。

最終回もジョーク全開でしたし(笑)、最後までパワーが落ちることなく、そしてフレンズ6人が誰一人欠けることなく全話に出演したというのも、キャスト交代・降板などが多いアメリカのドラマにあっては、本当に素晴らしいことですね。
10シーズンの長きに渡り続いた「フレンズ」の最後にふさわしい、素敵な最終回だったと思います(^^)


、、、ということで、フレンズのファイナルシーズン最終話、フレンズ10-18 の解説がこれで終了しました!

フレンズファイナルの最後のシーンということで、記事が非常に長くなってしまいましたので、無事ファイナル到達できましたことについての皆様への感謝の言葉は、次の記事、ファイナル到達しました! で書かせていただいています。
ファイナルまで読み続けて下さった皆様、本当にありがとうございました!<(_ _)>


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posted by Rach at 16:03| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月09日

ブレイク中なら話は別だけど フレンズ10-18その5

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飛行機の中から携帯電話でロスの留守電にメッセージを入れていたレイチェル。
ロスはそのメッセージを茫然とした顔で聞いています。
「私も愛してる、って言うことすらできなかった」と言っているうちに、「愛してる。愛してる、、、 私あなたに会わなきゃ。私この飛行機を降りなきゃ!」とレイチェルが言い始め、留守電の音声の様子から、降りようとするレイチェルを客室乗務員が止める、という状態になっていることがわかるのですが、肝心なところで留守電の録音が終了してしまい、ロスが慌てて電話機に近づく、というシーン。
(The message is finished. Ross jumps over to the answering machine.)
(ピーという音がして)留守電メッセージが終わる。ロスは留守電のところに飛んで行く[慌てて近づく]。
ロス: No! No! Oh, my God. Did she get off the plane? Did she get off the plane? (だめだ! だめだ! なんてこった。彼女は飛行機を降りたのか? 彼女は飛行機を降りたのか?)
レイチェル: I got off the plane. (私は飛行機を降りたわ。)
声の方向にカメラが向き、入口で立っているレイチェルを映す。
ロス: You got off the plane. (君は飛行機を降りたんだね。)
(He walks over and kisses her.)
ロスはレイチェルに近づきキスをする。
レイチェル: I do love you. (あなたを本当に愛してる。)
ロス: I love you too, and I am never letting you go again. (僕も君を愛してる。僕は君を二度と離さないよ。)
レイチェル: Okay. 'Cause this is where I wanna be, okay? No more messing around. I don't wanna mess this up again. (ええ、だって、これが私がいたいところだから[私が望む場所だから]。もうこれ以上ばかなことをするのはいや。このこと[この関係]をまた台無しにしたくない。)
ロス: Me neither, okay? We are - we're done being stupid. (僕もいやだよ、だろ? バカをやるのはもうこれで終わりだ。)
レイチェル: Okay. It's you and me, alright? This is it. (そうね。あなたと私、そうでしょう? これなのよ[これが私たちの求めていたものよ]。)
ロス: This is it. Unless we're on a break. (これなんだよ。僕たちがブレイク中なら話は別だけどね。)
(Rachel gives him a look.)
レイチェルはロスを見る。
ロス: Don't make jokes now. (今は冗談言っちゃいけないな。)
(They kiss again.)
二人はまたキスをする。

ロスは留守電のところに飛んで行って、「彼女は飛行機を降りたのか?」と繰り返しながら、どこかに何か声が入っていないかとでもいうように留守電を操作している様子で、巻き戻し・早送りの際の音のようなキュルキュル音も聞こえています。

ロスが必死に電話を操作して、Did she get off the plane? Did she get off the plane? と2回言った後、少しの間があって、ロスの背後から I got off the plane. という声が聞こえます。
そして、カメラがそちらに移動し、その声の主、戸口に立っているレイチェルを映し出します。
観客からは大きな歓声と拍手が上がっていますね。

そこにレイチェルがいるのを確認したロスは、震える声で、You got off the plane. 「君は飛行機を降りたんだね」と言います。
レイチェルは半泣きの状態で、その後二人は、近づいてキスをします。

レイチェルは、さっきは電話でしか言えなかった「愛してる」という言葉をここで改めて言っています。
「さっき言ったことは本当よ」というように、I do love you. 「あなたを本当に愛してる」と love を強調する do を入れているのが印象的ですね。
ロスは、I love you too. と答え、「もう君を二度と離さない」と言います。

'Cause this is where I wanna be は「(ええ、離さないで) だってこれが私がいたいところだから」というニュアンスになるでしょうか。
here is なら、「今ここにいる場所が、ここが(私がいたい場所)」ということになるでしょうが、here ではなく this を使っているので、「ここという場所」というよりも、「この状況」をさしている感じが出るように思います。
「パリではなくここNYが私のいたいと思う場所」ということではなくて、「あなた(ロス)と一緒にいる、というこの状況が[こうしてロスと一緒にいることが]、私がいたいと思うところ、私がいたいと思う環境」のように言っているように思うわけですね。
ロスが「君をもう離さない」と言った、この「ロスとレイチェルが離れないで一緒にいる」という状況を this と言った、ということでしょう。

その後レイチェルは、mess around, mess up という表現を使っています。
まず、mess around はここでは「ばかなことをする」というニュアンスですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
mess around : to play or do sillly things instead of working or paying attention (SYN: fool around)
例) Stop messing around and get ready for school.

つまり、「働いたり、または注意を払ったりする代わりに、遊んだり、ばかなことをしたりすること」。例文は「ばかなことはやめて[ばかなことをやってないで]、学校に行く準備をしなさい」。

mess up は「台無しにする、めちゃめちゃにする」。
LAAD では、
mess sth up / mess up sth : to spoil or ruin something, especially something important or something that has been carefully planned
例) His flight was canceled, which messed everybody's schedule up.

つまり、「何かを台無しにしたり、ダメにしたりすること、特に何か重要なこと、または注意深く計画されたことなどを」。例文は、「彼のフライトがキャンセルされて、それでみんなのスケジュールがめちゃくちゃになった」。

「二人の関係をまた台無しにしたくない」と言ったのを受けて、ロスも Me neither 「僕も(そんな風には)したくないよ」と言い、その後、we're done being stupid. と言っています。
done は do の過去分詞形ですが、be done で「〜を済ませる、〜を終える」という意味でも使われます。
ですから、we're done being stupid. は、「僕たちは、stupid でいることを[stupid であるという状態を]終える」という意味だと考えられるでしょう。
done と言っている時のロスの手のしぐさが、「もうこれでやめ、おしまい」という感じの手の動きに見えますし、「stupid でいることは[stupid という状態は](これで)もうおしまい」→「バカなことをするのはもうこれで終わりだ」と言っていると思われます。

It's you and me, alright? This is it. について。
It's you and me の it は訳さずに、「あなたと私なのよ」というニュアンスで考えれば良いでしょう。
This is it. は「これよ、これなのよ、これがそうなのよ」と訳せば良い感じになると思いますが、you and me というこの状態(this)が、it(私たちの求めるもの)である、という構造になります。
「あなたと私が一緒にいる、というこの状態が、私たちの求めていること、望んでいることよね」という感じですね。
ロスもその言葉に同意して、This is it. と答えるのですが、その後、ちょっといたずらっぽい顔で、Unless we're on a break. と言っています。
それを聞いたレイチェルは、ちょっとイライラしたような顔でロスをにらんでいます。
観客からも笑いが起こり、その笑いがかなり後を引く感じで、長く続いていますね。
それだけ「面白いセリフだった」ということになるわけですが、その Unless...のセリフについては、少し後で説明します。

レイチェルににらまれたロスは、Don't make jokes now. 「今はジョークを言っちゃいけないな、ジョークにしちゃダメだな」と言って、二人はまたキスをします。
この時に流れている音楽は、「U2 の With or Without You に良く似ているけれども少し違う曲」です。
フレンズ2-7 で、セントラルパークの前で初めてキスしたシーンに流れていた、ファンには思い出の曲ですね。
過去記事、ウィズオアウィズアウトユー フレンズ3-15その20 で、「2-7 の時は、似た音楽を使ったけれど、2-8 で「ロスがラジオでリクエストした曲」として、本物の With or Without You が使われた」など、そのU2風の音楽にまつわるトリビアについて触れています。

では、観客がオオウケしていた、Unless we're on a break. について。
on a break は「ブレイク中」みたいなことですが、この on a break は、フレンズにおけるキーワードですね。
レイチェルがファッション業界で働き始めるようになってから、ロスとレイチェルの二人はすれ違い状態になり、ブレイクをとる フレンズ3-15その14 で、レイチェルは、"maybe we should just take a break!" 「多分、私たちはただ、ブレイク(break)をとるべきだと思うの」という言葉を口にします。
その break という言葉にショックを受けたロスは動揺し、さらにレイチェルとマークとの仲を誤解して、その後、自分に好意を持っていたコピー屋のクロエと寝てしまうのですが、後でそのことで口論になった時に、お互いの break の認識が異なっていたことが判明します。
レイチェルの方は(自分の中でもはっきりしないながらも)「一時的に離れる」という感覚で break という言葉を出した、それに対してロスは break を「決定的な別れ」だと捉えていたことが、breakupとon a break フレンズ3-16その16 のセリフを見るとわかります。
その後も何かにつけて「他の女と寝た」ことをレイチェルが皮肉っぽく持ち出すたびに、"We were on a break!" 「僕たちはブレイク中だったんだ!」とロスが叫ぶのが、フレンズのお約束みたいになっています。
ロスが、We were on a break! と叫んでいるエピソードは、ブログの過去記事では、
君が非難できる立場か? フレンズ3-17その20valid reason フレンズ3-17その23
あなたが全責任を認めるのなら フレンズ4-1その5バランスの取れた見方 フレンズ4-1その6 などで出てきました。
その on a break というキーワードが、フレンズの最後のエピソード、それも二人がよりを戻してハッピーエンド♪ となったこの時にそのフレーズが出て来たことが、ファンにとっては面白くてしょうがないわけですね。

そして、unless は「もし〜でなければ(if ... not)」ということですが、今回のように何かを言った後で、付け足しのような感じで使う、Unless+文(SV). は、「もし(文)なら話は別だけど」と訳すとしっくりきます。
つまり、This is it. Unless we're on a break. は、「これがそうなんだ(僕たちが望んでいたことだ)。(でも)もし僕たちが(今)ブレイク中なら話は別だけどね」になるでしょう。
「僕たちが今、ブレイク中の状態じゃないのなら、This is it. って言えるけど、もしブレイク中なら、This is it. とは言えない」と言っている感覚になります。

「これがそうだ。今二人が一緒にいる状態が僕らの望む理想の姿だ」というのが、This is it. のニュアンスですが、「これがそうよね」「うん、そうだね」とレイチェルの言葉をいったんは認めた上で、Unless we're on a break. と付け足すことで、「僕らが今、ブレイク中だったりすると、This is it. とは言えなくなる・認められなくなるんだけど」→「ところで今は、ブレイク中じゃないよね、ブレイク中じゃない、って認識でオッケーだよね?」という発言をしているということだと思います。

レイチェルはパリ行きをやめてロスのところに戻ってきて、キスをして、お互い、I love you. と言い合った後なので、「何の問題も障害もない、大好きな二人がよりを戻したハッピーエンド」なわけですが、「念のために確認しとくけど、今のこの状態は、We are on a break. の状態じゃないよね? 僕たちはきちんとよりを戻したってことで大丈夫だよね。愛してるとは言い合ったけど、実はまだ別れた状態のまま、とかってことはないよね」のようなことを、これまで何度もモメる原因となっていたそのフレーズを持ち出すことで、表現したことになるでしょう。
これまで、「クロエと寝た時は、ブレイク中だったか、そうではなかったか」ということについて、二人の認識の違いが何かと喧嘩の原因になっていたわけですが、せっかく二人が幸せ絶頂な気分になっているこの時に、「今はブレイク中じゃないよね?」というフレーズを持ち出したことで、レイチェルは「今、そんなこと言う?」みたいな顔でにらんでいます。
ロスは嬉しくてつい、そんなジョークを口走ってしまったわけですが、「今はそんなジョークを言っちゃいけないな。このことをそんな風にジョークにしちゃいけないな」と反省し、二人はまたキスをすることになります。

ロスとレイチェルが離れ離れになってしまう、、というような悲しい結末はフレンズには似合わないと思いますので、二人がよりを戻すだろうことは、ある程度は想定内だったようにも思いますが、やっぱり実際にこうして幸せそうにキスする二人を見ると、あぁ〜良かった〜♪ と思えますね(^^)


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posted by Rach at 14:45| Comment(4) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月07日

言うべきだったのに言わなかったこと フレンズ10-18その4

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[Scene: Ross's apartment. Ross enters and checks his messages.]
ロスのアパートメント。ロスは部屋に入り、留守電のメッセージをチェックする。
レイチェル: (on the answering machine) Ross. Hi, it's me. I just got back on the plane, and I just feel awful. That is so not how I wanted things to end with us. It's just that I wasn't expecting to see you. And all of a sudden you're there and saying these things, and..... Now I'm just sitting here and thinking of all the stuff I should have said and I didn't. I mean, I didn't even get to tell you that I love you too. Because of course I do. I love you. I love you. I love you. What am I doing? I love you! God, I've gotta see you. I've gotta get off this plane. ([留守電で] ロス。私よ。今、飛行機に戻ったの。ただもう最悪の気分よ。私たちのことをあんな風に終わらせたくなかった。ただ、私はあなたに会うとは思ってなかっただけなの。それで突然、あなたがそこにいて、ああいうことを言うから… 今私はただここに座って、いろんなことを考えてるの、私が言うべきだったのに言わなかったことを。ほら、私は、私も愛してる、ってことすら言わなかった。だって、もちろんそうなんだから。あなたを愛してる。愛してる。愛してる。私何してるの? 愛してる! あぁ、あなたに会わなくちゃ。この飛行機を降りなくちゃ!)
ロス: Oh, my God! (なんてこった!)
レイチェル: (on the answering machine) Okay, ex-- excuse me? ([留守電で] いいわ、あの、すみません。)
客室乗務員(Air stewardess): (on the answering machine) Miss? Please, sit down! ([留守電で] お客様? どうかお座り下さい!)
レイチェル: (on the answering machine) No, I'm sorry. I'm really sorry, but I need to get off the plane, okay? I need to tell someone that I love them. ([留守電で] いいえ、ごめんなさい、ほんとにごめんなさい。でも私は飛行機を降りないといけないのよ。ある人に、その人を愛してる、って私は言わなくちゃいけないの。)
客室乗務員: (on the answering machine) Miss, I can't let you off the plane. ([留守電で] お客様、あなたを飛行機から降ろすことはできません[飛行機から降りることを認めるわけにはいきません]。)
ロス: Let her off the plane! (彼女を飛行機から降ろしてやれよ!)
客室乗務員: (on the answering machine) I am afraid you are gonna have to take a seat. ([留守電で] 申し訳ありませんがお席に着いていただかなければなりません。)
レイチェル: (on the answering machine) Oh, please, miss. You don't understand! ([留守電で] あぁ、お願いよ、あなたはわかってないのよ!)
ロス: Try to understand! (わかろうとしてやれよ[わかってやれよ]!)
レイチェル: (on the answering machine) Oh, come on, miss, isn't there any way that you can just let me off the-- ([留守電] あぁ、お願いよ、とにかく私を降ろす方法が何かないかしら…?)
(The message is finished. Ross jumps over to the answering machine.)
(ピーという音がして)留守電メッセージが終わる。ロスは留守電のところに飛んで行く[慌てて近づく]。

ロスは空港から自宅に帰ってきます。
留守電をチェックすると、レイチェルの留守電メッセージが入っていました。
「ちょうど飛行機に戻ったところで、ただもう最悪の気分よ」と言っています。
That is so not how I wanted things to end with us. は、「さっきのは、私が私たちのことで物事をこんな風に終わらせたいと思うようなものでは全くなかった」というところでしょう。
so は not を強調していて、That is not how I wanted 「さっきの(ような別れ方)は、私が望んだ状態ではない」が基本的な構造になります。

It's just that... は「ただ…なだけなの」という感覚なので、「私が望んでああしたわけじゃなくて、ただ、あなたに会うとは予期してなかったから・思ってなかったから、あんな別れ方をしてしまった、ってだけなの」と言っていることになります。

And all of a sudden you're there and saying these things は、「そして突然(そこにいるとは思いもしなかった)あなたがそこにいて、こういうことを(「行かないで。愛してるんだ」と)言っている」。
そして今、私はここ(飛行機の席)に座って、all the stuff I should have said and I didn't を考えている、と続けます。
all the stuff 以下は、「私が言うべきだったのに(実際には)言わなかったことすべて」。
「言うべきだったのに言わなかったこと」の内容を、I mean 「それはつまり」と続けて、I didn't even get to tell you that I love you too. と言っています。
even get to のニュアンスを出して訳すとすると、「私もあなたを愛してるということを、あなたに言うことにすらならなかった」というところでしょう。
ただ「言わなかった」と言っているのではなく、言う状況にすらならなかった、言葉にするところまでも行かなかった、という感じで、言いたいことを何一つ言えないままの別れになってしまったことを後悔している様子が感じられますね。

その後、Because of course I do. は「だって、もちろん、私はそうなんだから[あなたを愛しているんだから]」。
「あなたが”愛してる”と言ってくれたことに対して、”私も愛してる”という返事をしなかった」ことを悔いる発言をしているその理由として、because を使って、「だってもちろん私はあなたを愛してるんだもの」と言っていることになるでしょう。
Because の後は、I do のように、love ではなく、代動詞 do を使っていますが、その後、はっきりと love という動詞を使って、何度も何度も I love you. を繰り返しています。
留守電のメッセージで、何度も何度も I love you. と言っているので、観客からも少し笑いが漏れていますが、その後、What am I doing? 「私、何やってるの?」と言って、もう一度、I love you! と切ない感じで言った後に、「あなたに会わなくちゃ。この飛行機を降りなくちゃ」と言い始めます。

留守電メッセージを聞いていたロスは、メッセージの中でレイチェルが「飛行機を降りなくちゃ」と言い始めたので、驚きの表情を浮かべています。
その後も、留守電に録音されている音声で、レイチェルが飛行機を降りようとしている様子がわかるようになっています。
レイチェルが、excuse me? と言った後、客室乗務員が、「お客様? どうかお座り下さい!」と言っていることから、レイチェルが座席から立ち上がっていることがわかります。
もうすぐ出発しようとしている飛行機から降りようとしているのは明らかで、乗務員に注意されたレイチェルは、ごめんなさいと謝った後、「私は飛行機を降りないといけないの」、その後、I need to tell someone that I love them. と言っています。
love them の them は、someone を受ける代名詞ですね。
someone は単数形ですが、someone を代名詞で受ける場合、このように them という複数形を使うことがよくあります。(拙著「読むだけ なるほど! 英文法」の p.104 でも説明しています)
「私はある人に、私はその人を愛してる、って言わないといけないの」という感覚ですね。

客室乗務員は当然のことながら、I can't let you off the plane. 「あなたを飛行機から降ろすことはできません。飛行機から降りることを認める[許可する]わけにはいきません」と引き留めます。
留守電メッセージでそんなやりとりが行われているのを、自宅で音を聞くだけしかできないロスですが、思わず立ち上がり電話に向かって、Let her off the plane! 「彼女を飛行機から降ろしてやれよ!」と叫んでいるのが面白いですね。
相手に聞こえないとわかってはいるでしょうが、「降りたいと言ってるんだから、降ろしてやれよ。止めるなよ!」と言わずにはいられない心境なわけですね。

客室乗務員は「申し訳ありませんが(I am afraid)、お席に着いていただかなければなりません」と説得を続けていますが、レイチェルは、You don't understand! 「(私がどれほど降りなければいけないか)あなたはわかってないのよ」と叫びます。
ただのわがままで言ってるわけじゃない、これには深い深い理由があるのよ、と言いたい感じですね。
それを聞いたロスがまた電話に向かって、Try to understand! 「わかろうとしてやれよ。わかってやれよ」と叫ぶのも面白いです。

「とにかく私を降ろす方法はないかしら?」と just let me off the-- と言ったところで、録音終了のピー音が鳴ります。
留守電のメッセージが肝心なところで終わってしまったので、ロスは電話機のところに飛んで行きます。
続きは、次回といたします(^^)


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posted by Rach at 14:21| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年09月05日

今まで待つべきじゃなかったのに フレンズ10-18その3

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レイチェルが飛行機に乗ろうとした時に、何とか追いついたロスとフィービー。
二人を見て驚くレイチェルに、ロスは語り始めます。
ロス: Okay. Thing is.... (よし。言いたいことは…)
レイチェル: Yeah? (何?)
ロス: Don't go. (行くな。)
レイチェル: What? (何?)
ロス: Please, please stay with me. I am so in love with you. Please don't go. (どうかお願いだ、僕と一緒にいてくれ。僕は君をとても愛してる。どうか行かないでくれ。)
レイチェル: Oh, my God. (まぁ。)
ロス: I know. I know. I shouldn't have waited till now to say it, but I'm-- That was stupid, okay? I'm sorry. But I'm telling you now. I love you. Do not get on this plane. (そうだ、わかってる。それを言うのを今まで待つべきじゃなかったのに。でも僕は… 今までバカだった。ごめんよ。でも僕は今、これを言うよ。君を愛してる。この飛行機に乗らないで。)
ゲート案内係2: Miss? Are you boarding the plane? (お客様? 飛行機に乗られますか?)
ロス: Hey, hey. I know you love me. I know you do. (ねぇ。君が僕を愛してるってわかってる。君もそうだって僕にはわかってる。)
ゲート案内係2: Miss? (お客様?)
レイチェル: I.... I.... I have to get on the plane. (私、私…私は飛行機に乗らないといけないの。)
ロス: No, you don't. (だめだ、乗るな。)
レイチェル: Yes, I do. (いえ、乗るわ。)
ロス: No, you don't. (いや、乗っちゃだめだ。)
レイチェル: I do. They're waiting for me, Ross. I can't do this right now, I'm sorry. I'm sorry. (乗るわ。みんなが私を待ってるの、ロス。今はこんなことできない、ごめんなさい、ごめんなさい。)
ロス: Rachel? (レイチェル?)
レイチェル: I'm so sorry. (本当にごめんなさい。)
(She boards the plane.)
レイチェルは飛行機に乗り込む。
ロス: I really thought she'd stay. (彼女は残ってくれるって、僕は本当に思ってた。)
フィービー: I know. I'm sorry. (そうね。残念だわ。)
(Phoebe hugs Ross.)
フィービーはロスをハグする。

Thing is... / The thing is... は、これから大切なことを言おうとする際に、前振りとして使う表現。「そのこと=大事なこと」は(今から言う以下のこと)なんだ、という感覚ですね。
ロスはまず、端的に、Don't go. 「行くな」と言っています。
いきなりそう言われたレイチェルは、What? と返すしかありませんが、ロスはさらに「どうか僕と一緒にいてくれ」と言います。
そしてはっきりと、I am so in love with you. 「僕は君をとても愛してる」と言っていますね。
「愛してるから、行かないで」と空港で言われてしまったレイチェルは、感動した様子の震える声で、Oh, my God. と言います。

I shouldn't have waited till now to say it の shouldn't have p.p. は「〜すべきじゃなかったのに(実際には〜してしまった)」のような後悔の表現。
「それ(君をとても愛してる)という言葉を言うのを、今まで待つべきではなかったのに、結果として今言うことになってしまった。もっと前に言うべきだったのに言えなかった」という後悔になります。
That was stupid は「レイチェルに愛してると言えなかったことは、愚かだった」というところ。
言うべきことを言えなかった自分を反省し、僕がバカだった、と認めた上で、「でも今、僕は君に言うよ、僕は君を愛してる」と、はっきり I love you. という言葉を口にします。
自分の気持ちを正直に伝えた上で、さらに「この飛行機に乗らないで」と説得していますね。

ですが、出発間近の飛行機なので、空港の係員は、ゲートのところで乗るか乗らないかで迷っている乗客に対し、「お客様、飛行機に乗られますか?」と当然のように促すことになります。
係員にそう言われて困ってしまうレイチェルですが、ロスはレイチェルを全力で引き留めようと、強気な発言を続けます。
I know you love me. I know you do. 「君も僕を愛してるって僕にはわかってる」というのが泣けてしまいますね。
お互いがお互いを愛していることは、お互いをよく知る、長い付き合いの二人には当然わかっていたはずですが、これまでは心の底ではそう信じていても、過去の別れの経緯などもあり、なかなか口には出せなかった状態でした。
ここでレイチェルを引き留めなければ、レイチェルはパリに行ってしまう、という時になってやっと、「僕は君を愛してる。そして君も僕を愛してるはずだ。だからパリには行かずに僕と一緒にいて欲しい」という力強い発言をすることがロスにもやっとできたわけですね。

ロスがここまで正直な気持ちをぶつけたことで、レイチェルの心は大いに揺れ動いたはずですが、係員が「お客様?」とせかすので、レイチェルは「今はもう何も考えられない」という混乱した様子で、「とにかく私は飛行機に乗らなくちゃ」と言います。
ロスは必死に「乗るな」と止めるのですが、「みんなが私を待ってるのよ。今はこんなことできない。ごめんなさい」と言って、ついには飛行機に乗り込んでしまいます。

レイチェルが行ってしまった後、係員によってドアが閉められます。
レイチェルが去り、茫然とするロスに、フィービーは後ろからそっと近づき、慰めるようにロスの背中をさすります。
I really thought she'd stay. というロスのセリフが、本当に悲しみを誘います。
「レイチェルは残ってくれるだろうと、僕は本当に思っていた」ということですね。
実際のところ、「自分が気持ちを告白することで、絶対にレイチェルは残ってくれるはず」という自信があったとまでは言えなかったでしょうが、ロスが全力で自分の気持ちを伝えれば、僕のことを愛しているはずのレイチェルの心もきっと動いてくれるに違いない、という願いにも似た気持ちを持っていたのは間違いないでしょうね。
I love you. I know you love me. という言葉まで口にした後で、まさかレイチェルが僕の気持ちを受け入れずにそのままパリに旅立ってしまうなんて、、 というショックが隠しきれない様子が、このセリフからもよくわかります。
ロスに付き添っていたフィービーも、「そうね。残念だわ」と言ってハグするしかありません。

ロスが言うべきことを言えないままで、レイチェルが行ってしまう、、という流れは、コメディとしてよくあるパターンで、ここに至るまでもそういうことの繰り返しのようでしたが、今回のシーンのように、ロスがここまで自分の気持ちを正直に力強く告白したのに、それでもレイチェルは行ってしまった、、というのは、見ていてショックなものがありますね。
ロスの気持ちがよくわかる、という気持ちになったファンも多かったのではないでしょうか。


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2016年09月02日

念のために予備も積んでいます フレンズ10-18その2

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飛行機に乗ってしまったレイチェルを降ろそうと、フィービーは携帯電話で「その飛行機の左のフィランジ(フィービーの造語)が故障してる」と伝えます。
その会話を知ったレイチェルの隣の乗客が騒ぎ出し、乗っていた乗客は全て、飛行機を降りてしまいました。その後のシーン。
[Scene: The gate at the airport. The passengers are standing in line, and they're about to board the plane again.]
空港のゲート。乗客が列に並んでいて、再び飛行機に乗り込もうとしているところ。
ゲート受付係2(Gate attendant #2): Ma'am, I assure you, the plane is fine. (マダム、間違いなくこの飛行機は大丈夫です。)
乗客2: And you fixed the phalange? (それで、例のフィランジは修理したの?)
ゲート受付係2: Yes. The phalange's fixed. As a matter of fact, we've put a whole lot of extra phalanges onboard, just in case. (はい。そのフィランジは修理しました。実は、予備のフィランジも飛行機に積みました、念のために。)
(Rachel walks up to the gate. Cut to Ross and Phoebe who come running up to the gate.)
レイチェルがゲートに歩いてくる。ゲートに向かって走ってくるロスとフィービーに画面がカット。
ロス: Where is she? (レイチェルはどこ?)
フィービー: I don't see her. (姿が見えないわ。)
ロス: Rachel! Rachel Green! (レイチェル! レイチェル・グリーン!)
フィービー: There she is! (レイチェルはあそこよ!)
ロス: Rachel! (レイチェル!)
受付係2: Whoa, excuse me, sir, do you have a boarding pass? (おっと、失礼、搭乗券はお持ちですか?)
ロス: No, no. I just have to talk to someone. (いいや。僕はただある人に話をしないといけないだけなんだ。)
受付係2: I'm sorry. You cannot go any further without a boarding pass. (申し訳ありません。搭乗券なしではこれ以上先には進めません。)
ロス: No, no, no, but you don't-- (いやいや、でも…)
フィービー: (screaming) RACHEL!! ([叫んで] レイチェルー!!)
(Rachel comes back to the gate.)
レイチェルがゲートに戻ってくる。
レイチェル: What? Oh, my God. What.. What are you guys doing here? (何? なんてこと。あなたたち、ここで何してるの?)
フィービー: Okay. You're on. (よし。[ロスに] あなたの出番よ。)
レイチェル: What? What, Ross? Okay, you're scaring me. What's going on? (何? 何なの、ロス? [ロスはレイチェルの手を引っ張る] あぁ、私、怖いんだけど。何が起こってるの?)

ゲートのアテンダント(案内係)が乗客に、Ma'am, I assure you, the plane is fine. と言っています。
この ma'am だけでなく、その後も sir, Miss など丁寧な呼び掛け語を使っているところに、接客業の言葉遣いである感じが出ています。
assure は「保証する、請け合う」という動詞なので、I assure you (that) SV の形だと、「SV だと保証する」「大丈夫、SV だ」のように、後に続く SV という文の内容が「間違いない、保証する」感覚になります。
「左のフィランジに問題がある」と騒ぎになり、乗客全員が降りることになったので、乗客はまだその「フィランジ」のことを心配しています。
「あなたたち(航空会社)はその(例の問題になった)フィランジを修理した・直したの?」と尋ねた乗客に、Yes. The phalange's fixed. と答える係の人が面白いですね。
phalange というのはフィービーが言ったでまかせの造語で、本当にそんな部品や部分が飛行機にあるわけでもなかったのに、みんなが「フィランジが故障だ。フィランジがない」と大騒ぎをしたので、これ以上騒ぎにならないよう、客が納得するように話を合わせておこう、と思ったのがよくわかります。

それに続くセリフもまた面白いですね。
「実は(そのフィランジを修理しただけではなく)、予備のフィランジも飛行機に積みました、念のために」ということで、壊れただの、ないだのと騒がれたことへの対応として、ちゃんと予備の分も積んでありますから、さきほどのようなトラブルにはなりませんからご安心を、、と言ったことになります。

そんな時、ロスとフィービーがゲートの方に走ってきます。
二人はレイチェルの姿を探すのですが、すぐには見つかりません。
フィービーが「レイチェルはあそこよ!」と見つけた時には、飛行機の方に歩いていく後ろ姿が見えただけでした。
ロスはレイチェルを追いかけようとするのですが、係員にゲートで止められてしまいます。
こういう場合でも、sir という敬称を付け、客に対する言葉遣いで注意していますね。
「搭乗券はお持ちですか?」「持ってないけど、僕はただある人と話をしなくちゃいけないだけだ」との会話の後、「申し訳ありませんが、搭乗券なしではこれ以上先に(奥に)進むことはできません」と言われてしまいます。
それでも、、と何とか頑張ろうとするロスですが、ロスと一緒に来ていたフィービーが、すごい声で RACHEL!! (発音は、レイチョーーーーー!! みたいな感じw)と叫ぶので、その声が聞こえたらしいレイチェルが「何事?」という顔で戻ってくるのが、コメディっぽくて面白いですね。

名前を呼ばれて出てきたら、ロスとフィービーがそこにいるので、レイチェルは驚き、「(家でさよならを言ったはずなのに)どうしてあなたたちはここにいるの? どうして空港まで来たの?」と言います。
You're on. は「あなたの出番よ」という感覚ですね。
私が大声で叫んでレイチェルを連れ戻してあげたから、今後はあなたが頑張る番よ、あなたの出番よ、とフィービーは言っていることになります。

you're scaring me. の scare は「人を怖がらせる」という他動詞で、人が「怖い」と言う場合にはよく、I'm scared. という形で使われます。
何かによって私が怖がらせられるということから、be scared 「怖がらせられる」という受身形で「怖い。怖いと感じる」という意味になるわけですね。
今回は、「ここにいるはずのないロスがいて、飛行機に乗ろうとしている私に何か言おうとしている」というロスの様子が私を怖がらせる、というように、「私が何だか怖い、と感じる原因が、あなた(ロス)である。あなたが今私を怖がらせている」と、怖いと感じる原因が you であることをはっきり言及している表現になるでしょう。
「あなたがここにいて、そんな様子だから、私、今、怖いんだけど」というところですね。


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2016年08月31日

左のフィランジが故障 フレンズ10-18その1

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ついに、フレンズ最終話(フレンズ10-18)の解説に入りました♪

シーズン10 第18話
The Last One - Part 2 (グランド・フィナーレ - part 2)
原題は「最後の話 パート2」


パリに旅立つレイチェルを追いかけるため、フィービーは自分のキャブでロスを空港まで送ります。
二人は JFK空港に着いたのですが、レイチェルがいるのはニューアーク空港だとわかり茫然。
慌ててニューアーク空港にキャブで向かうのですが、間に合わないと言うロスに、フィービーは「携帯でレイチェルに電話すればいい」と言って、自分の携帯からレイチェルに電話をかけます。
レイチェル: Hello? (もしもし?)
フィービー: Rachel? Oh, good. (レイチェル? あぁ、良かった。)
レイチェル: Phoebe? Is everything okay? (フィービー? 大丈夫?)
フィービー: Uhm, actually no. No. You, you have to get off the plane. (あの、それが大丈夫じゃないの。あなたは飛行機を降りないといけないわ。)
レイチェル: What? Why? (何? どうして?)
フィービー: I have this feeling that something's wrong with it. Something is wrong with the left phalange. (何かがおかしい[異常がある]って気がするの。何かがおかしいわ、左のフィランジ[ファランジ]が。)
レイチェル: Oh, honey, I'm sure there's nothing wrong with the plane. (あぁ、ハニー、飛行機には何も問題ないって思うわよ。)
(The passenger in the seat next to Rachel looks at her and seems a little nervous.)
レイチェルの隣の席の乗客がレイチェルを見て、少し心配そうな様子。
レイチェル: Alright, look, I have to go. I love you, and I will call you the minute I get to Paris. (いいわ、ねぇ、私はもう行かなきゃいけないの。愛してるわ、それでパリに着いたら電話するわね。)
(Rachel hangs up.)
レイチェルは電話を切る。
乗客1(Passenger #1): Uhm, what was that? (あのー、今のは何?)
レイチェル: Oh, that was just my crazy friend. She told me I should get off the plane because she had a "feeling" that there was something wrong with the left phalange. (あぁ、今のはただの私の変な友達よ。彼女が、私に飛行機を降りろ、左のフィランジに何か異常がある[左のフィランジが故障してる]、って感じがするから、って言ったのよ。)
乗客1: Okay. That doesn't sound good. (そう。それって良くない感じだね。)
レイチェル: Oh, I wouldn't worry about it. She's always coming up with stuff like this, and you know what? She's almost never right. (あぁ、私なら気にしないわ。彼女はいつもこんな感じのことばっかり考えるのよ。でね、彼女はほとんど当たってることがないの。)
乗客1: But she is sometimes. (でも時々なら当たるんだ。)
レイチェル: Well.... (まあね…)
(The passenger stands up and gets his suitcase from the overhead compartment.)
その乗客は立ち上がり、頭上のコンパートメントから自分のスーツケースを取り出す。
客室乗務員(Air stewardess): Excuse me, sir. Where are you going? (お客様。どこへ行かれるのですか?)
乗客1: I have to get off this plane, okay? Her friend has a feeling something's wrong with the left phalange. (この飛行機を降りないといけないんだよ。彼女の友達が、左のフィランジが故障してる、って感じるんだって。)
レイチェル: Could I get some peanuts? (ピーナッツ、もらえます?)
乗客2: What's wrong with the plane? (飛行機が故障してるの?)
乗客1: Yeah! The left phalange! (あぁ! 左のフィランジが!)
客室乗務員: There's no "phalange." (”フィランジ”(なんてもの)はありません。)
乗客1: Oh, my God. This plane doesn't even have a phalange! (なんてこった! この飛行機にはフィランジを持ってさえいないんだ![フィランジがないんだ!])
乗客3: What's going on? (何が起こってるんだ?)
乗客1: We're all getting off. There is no phalange! (俺たち飛行機を降りるぞ![みんな、飛行機を降りよう!] (この飛行機には)フィランジがないんだぞ!)
(Everybody walks out of the plane.)
みんなが飛行機を降りる。

飛行機に乗った後で、フィービーがわざわざ携帯で電話をしてきたことから、レイチェルは「何か問題でもあるの?」というように Is everything okay? と尋ねています。
そう言われたフィービーは、「実は大丈夫じゃないの」と言って、「あなたは飛行機を降りないといけないわ」と言っています。
このままではロスと会わないままパリに旅立ってしまうので、とにかく飛行機を降りてもらわないと、、いう想いから、そのように言ったわけですね。
レイチェルは当然「どうして?」と返してきますので、そこでフィービーは、飛行機に何かしらの問題があるから降りないといけない、のように、理由をでっち上げています。

I have this feeling that something's wrong with it. について。
この wrong は「具合が悪くて、故障して、調子が狂って、おかしくて」というニュアンス。
研究社 新英和中辞典にも、
There's something wrong with the engine. そのエンジンはどこか故障がある
という例文が載っています。
it = the plane (レイチェルが乗っている飛行機)ですから、フィービーは「その飛行機がどこかおかしい、故障してるって気がする」と言っていることになります。
その後、さらに故障している箇所を Something is wrong with the left phalange. と言っていますが、隣のロスはそれを聞いて、「何だよ、それは、、」と少しあきれ顔をしています。

このフィランジ(ファランジ)と発音している単語ですが、DVDとブルーレイの英語字幕では phalange、ネットスクリプトでは Philange、Netflix では filangee と表記されています。
ツールごとに綴りが違っているのは、実際に飛行機にそういう部分・部品があるわけではないという、フィービーの造語だからですね。

この単語は、これまでのフレンズで、フィービーの偽名として何度も登場したものです。
ですから、フレンズをずっと見続けてきた人にとっては、「フィービー、またこの単語使ってる」と気づけて笑えてしまうわけですね。
グランドフィナーレに登場したということで、これまでの使用例を今日の記事の最後にまとめることにしますが、まずは今回のストーリーの方から説明します。

とにかくレイチェルを飛行機から降ろすために、適当な部品名をでっち上げて、そこに異常があるから、と説明したことになりますが、レイチェルは「そんな部品、部分があるのかな」と思ったようで、その名前について特に追求することもなく、「別に飛行機には異常がある様子じゃないわ」と説明し、「私は行かなくちゃ(だからそんなはっきりしない理由では降りられないわ)」と言い、「着いたら電話するから」と言って携帯を切ります。

ですが、フィービーとの電話でレイチェルが「飛行機には何も問題ないと思うわよ」と言ったのを聞いていた隣の男性が「今の電話は何? 飛行機のことで何を言って来たの?」のように尋ねます。
レイチェルはフィービーが言ってきた内容をそのまま素直に話します。
「今のは私の(ちょっと)変わった・変な友達(から)だったの」と言って、「彼女はこう言ったのよね、私は飛行機を降りるべきだ、左のフィランジが故障してるって「フィーリング」がするから、って」と説明します。
feeling を強調している感じなのは、「実際にここにいるわけでもなく、離れた場所から、”そんな感じがする、そんな気がする”みたいに言っているだけなのよ」というのをはっきりさせたいからですね。
ですが、隣の男性は心配性なのか、「それって良くない感じだね(聞く限り、あまりいい話とは言えないね)」と言います。

I wouldn't worry about it. の I wouldn't は「(あなたは心配しているようだけど)私ならそんなこと気にしないわ」のような「もし私なら〜しない」というニュアンスが含まれています。
その理由として、「電話をかけてきた彼女はいつもこんな感じだから」ということを説明していますね。

She's always coming up with stuff like this の「be always doing という現在進行形に always がついた形」は、「いつも・しょっちゅう〜してばかりいる」という話者の不満のニュアンスが込められています。
come up with は「思いつく、考えつく、考え出す」なので、「彼女はいつも、こんな感じのことを思いついてばっかりなの」というところ。
そう言った後、「でね、彼女の言うことはほとんど正解じゃないの、彼女はほとんど当たることがないの」と言います。
「こんなことばっか言ってて、当たった試しもほとんどないし」と言ったのですが、never ではなく、almost never のように almost がついたことが気になった様子の隣の客は、But she is sometimes (right). 「でも(ほとんど当たらないということなら)時には・時々は当たるんだね」と返します。
「絶対に当たらない」と言うこともできず、レイチェルが口をへの字にして、「まあね」という顔をすると、隣の客はすっくと立ち上がり、頭上から自分のスーツケースを取り出します。
もうすぐ離陸だと言うのに、降りようとする様子の乗客を見て、客室乗務員が声を掛けますが、乗客は「飛行機の部品が故障している、問題がある、という感じがする」という発言に囚われてしまった様子で、その内容を乗務員に伝えています。
自分が話してしまったことで、「飛行機を降りようとする客とそれを止めようとする客室乗務員」の状況を生んでしまったので、「彼女の友達がそう言ったんだ」と名指しされたレイチェルはただただ気まずい様子で、そのことを追求されたくもないのでしょう、乗務員に「ピーナッツもらえます?」と言って、その話題から逃れようとしています。

降りようとした乗客が「左のフィランジが故障してる」と大声で話したので、他の乗客たちもざわつき始めます。
「左のフィランジが!」と何度も言う乗客に、乗務員は「フィランジに異常があると言っておられますが、そもそも飛行機にはフィランジなんてものは存在しません。そんな部品や部分はありません」という意味で、There's no "phalange." という事実を述べるのですが、それを聞いた乗客は、「フィランジがない、だって? そこに異常があるどころか、必要な部品であるフィランジを積んですら[搭載してすら]いないのか?」のように、さらに勘違いしているのが面白いですね。
その乗客が「みんな、降りろ。フィランジがないんだぞ!」と叫んで、乗客は次々と飛行機を降りることとなります。

レイチェルは「いつものフィービーのたわごと」としか思っていなかったのに、それを聞いた隣の人がパニクってしまい、大ごとに発展してしまう、乗務員が言った一言でさらに状況が悪化してしまう、、という流れが英語で理解できればいいですね。

それでは、フレンズの過去エピソードでフィランジ(ファランジ)という言葉が出てきたことのまとめを書きます。
名前、それも偽名だということで、DVD でもネットスクリプトでも、その時々で綴りが違っていて、統一されていないのですが、私が調べたところ、この偽名が登場するのは、5-1, 5-24, 7-20, 8-4, 8-21, 10-13, 10-18 の回。
過去記事では、シーズン5に突入! フレンズ5-1その1 と、ジョーイとフィービーの偽名 フレンズ8-4その5 で、その名前について解説しています。

5-1 フィービーがロンドンに電話をかけて、
フィービー: (On the phone, in New York) Uh, hello, this is Ross Geller's personal physician, Dr. Philange. ([NYにいて、電話で] あぁ、こんにちは。こちらはロス・ゲラーの主治医のドクター・フィランジーです。)
と名乗る。(フィービーの偽名)

5-24 フィービーがベガスのカジノで、出張中のビジネスウーマンのふりをして、
フィービー: Hello. My name is Regina Falangie. I'm a businesswoman in town on business. Would you like to see my card? (こんにちは。私の名前はレジーナ・フィランジー[ファランジー]よ。私は出張中のビジネスウーマンなの。私の名刺をご覧になる?)
と名乗る。(フィービーの偽名)

7-20 レイチェルの大学の友人メリッサ(演じるはウィノナ・ライダー)と、ソロリティー(sorority: 大学の女子学生社交クラブ)の話をしていて、自分もそういうソロリティーに入ってた、と嘘をついたフィービーは、
フィービー: Yeah! Y'know, we were really huge too. But then they had to shut us down when Regina Phalangie died of alcohol poisoning. (ええ! ほら、私たち(のソロリティー)もすっごく大きかったのよ。でも、解散しないといけなくなったの、レジーナ・フィランジーが(急性)アルコール中毒で死んでしまった時にね。)
と説明する。(知り合いの女子学生の名前として使う)

8-4 チャンドラーとモニカが、知り合った夫婦に偽の電話番号を渡されたという話をした時、「きっと本当の名前も教えてないね」と言われ、
モニカ: Okay, maybe people give out fake numbers, but they don't give out fake names. (ねぇ、偽の番号を渡す人は多分いるだろうけど、でも偽の名前を名乗る人はいないわ。)
ジョーイ: Oh, yeah? (To Phoebe) Hi. Ken Adams. Nice to meet you. (あぁ、そうかい? [フィービーに] はーい、ケン・アダムズだ。こんにちは。)
フィービー: Regina Philange. (Ken and Regina shake hands.) (レジーナ・フィランジーよ。[ケンとレジーナは握手する])
(ジョーイはケン・アダムズ、フィービーはレジーナ・フィランジーという偽名をよく使っているという描写)

8-21 新しい仕事の面接を受けるつもりのチャンドラーに、面接の練習をしてあげるフィービー。
フィービー: All right, all right, we'll just do our best. Okay? So let's say I'm the interviewer and I'm meeting you for the first time. Okay. "Hi! Come on in. I'm uh, Regina Phalanges." (わかった、わかった、ベストを尽くしましょう、ね? じゃあ、私が面接官で、私はあなたと初対面よ。いい? 「こんにちは! 入って。私はレジーナ・ファランジーよ。)
(面接官のふりをする時の偽名)

10-13 フランス語を話す役が欲しいジョーイは(フランス語が話せる)フィービーと練習したけれど、結局フランス語が話せないままで、オーディションに落ちてしまう。オーディションが終了した直後、そのオーディション会場にフィービーが現れて、
フィービー: (in a French accent) Uh, excuse me? Uh, I am Reginé Philange. I was passing by when I heard this man speaking the regional dialect of my French town of Estée Lauder. ([フランス語のアクセントで] あの、よろしいかしら? 私はレジーン・フィラーンジュ。私はたまたま通りかかったの、この男性が私のフランスの故郷エスティローダーの訛り(なまり)を話しているのが聞こえたので。)
(その後、ジョーイにはわからないように「彼は私の弟なの」とフランス語で話す。つまりジョーイの姉を演じた時の偽名。フランス語風にしゃべっているので、名前もフランス語読み風となっている。
エスティローダーは化粧品の製造・販売メーカーですが、その名前をフランスのある地方の名前のように言っているのもジョークのポイント。)

この過去の使用一覧からわかるように、1回は友人の偽名で、他は全てフィービーが他人のふりをする際の偽名です。
そして今回のグランドフィナーレで初めて、「フィービーの偽名ではなく、ある部分の名称(今回は飛行機の装置または部品の名前)」として使われたことになります。
最終話では、いつもの「偽名」ではなく、ちょっと違った使われ方をしたのが何だか楽しいですね(^^)


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posted by Rach at 12:33| Comment(4) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月29日

忘れられる、でも忘れたくない フレンズ10-17その6

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チャンドラーとモニカは、エリカが妊娠していた赤ちゃんを養子に迎えることになっていましたが、その赤ちゃんは双子でした。
チャンドラーとモニカがその双子の赤ちゃんを家に連れ帰り、フレンズたちに披露した後、レイチェルはみんなにさよならを言って、パリに向かうため、チャンドラーとモニカのアパートメントを去ります。
その後のシーン。
フィービー: So you just let her go? (それでただレイチェルを行かせちゃうの?)
ロス: Yeah. (あぁ。)
ジョーイ: Hey, maybe that's for the best. (なぁ、多分、それが一番いいんだよ。)
ロス: Yeah? (そう?)
ジョーイ: Yeah. You know, you just-- Look, you gotta-- You gotta think about last night the way she does. Okay? You know, maybe.... Maybe sleeping together was the perfect way to say goodbye. (そうさ。ほら、レイチェルが考えたように、お前も昨日の晩のことを考えないとだめだ。だろ? ほら、多分、多分、一緒に寝たのは、さよならを言う完璧な方法だったんだ、って。)
フィービー: But now she'll never know how he feels! (でも、もうレイチェルはロスの気持ちを知ることはないのよ。)
ジョーイ: Maybe that's okay, you know? Maybe, maybe it is better this way. I mean, now.... Now you can move on. I mean, you've been trying to for so long. Maybe now that you're on different continents.... (Looks at Phoebe) Right? (多分それでいいんだよ、だろ? 多分、こうする方がいいんだよ。ほら、今、ロスは前に進める。お前はずっと長い間、そうしようと[前に進もうと]頑張ってきた。多分、今はもうお前らは違う大陸にいることになるから… [フィービーを見て] (俺の発言)合ってるよね?)
(Phoebe nods.)
フィービーはうなずく。
ジョーイ: Maybe now you can actually do it, you know? You can finally get over her. (多分、今お前は実際にそうすることができる、だろ? ついにレイチェルを忘れることができるんだ。)
ロス: Yeah, that's true. Except.... I don't wanna get over her. (あぁ、その通りだ。ただし… 僕が彼女を忘れたくない、ってことを除いては。)
ジョーイ: What? (何だって?)
ロス: I don't! I wanna be with her. (忘れたくないんだ! 僕は彼女と一緒にいたい。)
ジョーイ: Really? (ほんとか?)
ロス: Yeah, I'm gonna go after her. (あぁ、僕は彼女を追いかけるよ。)
ジョーイ: Yeah, you are! (あぁ、追いかけろ!)
フィービー: Woo! (ウー!)
(Monica and Chandler look shocked as Ross goes to leave.)
モニカとチャンドラーは驚いた様子で、ロスは出て行こうとする。
フィービー: Wait! Wait! Get your coat! Get your coat! (待って! 待って! コートを取って! コートを取って!)
ロス: My coat. (僕のコートだ!)
ジョーイ: This is so cool! (これって最高だよ!)
チャンドラー: I have no idea what's going on, but I am excited! (何が起こってるのか全くわからないけど、でも興奮してる!)
ジョーイ: But Ross, Ross. What do you, what do you think she's gonna say? (でも、ロス、ロス。彼女は何て言うと思う?)
ロス: I don't know, but I.. Look, even if she shoots me down, at least I won't spend the rest of my life wondering what would have happened. Where - where is my coat?! (わからないよ、でも、ほら、例えレイチェルに振られたとしても、少なくとも僕は残りの人生を、(もし告白していたら)どうなっていたかって悩みながら過ごさなくて済む。どこ、僕のコートはどこ?)
フィービー: You didn't bring one! My cab's downstairs. I'll drive you to the airport. (あなたはコートを持ってきてなかったわ! 私のタクシーがビルの下にある。あなたを空港まで送ってあげるわ。)
ロス: Okay, guys, wish me luck. (よし、みんな、僕に幸運を祈ってて。)
フィービー: Hurry! (急げー!)
ジョーイ: Good luck! Good luck! (頑張れ! 頑張れ!)
(Phoebe and Ross leave.)
フィービーとロスが去る。

レイチェルが出て行ってしまった後、フィービーはロスに「ただレイチェルを行かせちゃうの?(引き留めなくていいの?)」と尋ねます。
ロスはまだ頭の中が混乱している様子ながらも Yeah. と言うと、ジョーイは「なあ、多分それが一番いいんだよ」と言っています。
レイチェルがパリに行ってしまうことをものすごく嫌がっていたジョーイが、「それで(レイチェルを行かせて)良かったんだよ」と言うのは、他のフレンズや観客にも少し意外な印象を与えるところでしょう。
それでロスも、「やっぱりそうかな? ジョーイもそう思うの?」と言うように、Yeah? とジョーイの発言を促すような返事を返します。
その後、ジョーイは「これで良かったんだ」と思う理由を真剣な表情で述べていますね。
You gotta think about last night the way she does. は「彼女がするように、お前は昨晩のことを考えないといけない」ということで、つまりは、「彼女が考えるのと同じように、お前も昨晩のことを捉えないといけない。昨晩のことについては、レイチェルと同じように考えるべきだ」と言っていることになります。
「レイチェルが昨晩のことについてこう考えた」というのは、ジョーイのその次のセリフに出てくる「一緒に寝たことが、さよならを言うのに完璧な方法だった」という捉え方ですね。
レイチェルは「最後に寝たことで、最高のさよならができた」と思っているので、ロスもレイチェルと同じように考えるべきだ、とアドバイスしていることになります。

ジョーイはそのように受け入れろとアドバイスしていますが、フィービーはまだあきらめきれないようで、「でも(このままじゃ)レイチェルはロスの気持ちを知ることはないのよ!」と言っています。
よりを戻したいと思っているロスの気持ちを伝えない、こんなままで終わってしまっていいの? ということですね。
フィービーがそのように言っても、ジョーイは自分の意見を変えず、「それでいいんだよ。こうした方がいいんだよ」と言って、「今、ロスは前に進める」と続けます。
move on は「(失恋などの)つらい過去を忘れて前に進む」という意味で、フレンズに何度も出てきましたね。
you've been trying to for so long. というのは、「前に進もうと、ものすごく長い間、お前は頑張り続けてきた」ということで、レイチェルと別れた後も、また近づいてまた離れてを繰り返し、ロスはこれまで何度も「レイチェルのことは忘れて前に進もう」と頑張ってきたじゃないか、と言っていることになります。
ずっと move on しようと頑張ってあがいてきたけれど、今そのレイチェルが目の前からいなくなったわけだから、今こそ本当に move on できるじゃないか、やっと move on できるチャンスが巡って来たんだよ、みたいなことですね。

その後、Maybe now that you're on different continents.... と言ってから、隣のフィービーに向かって、Right? と尋ねるのもジョーイらしくていいですね。
continent は「大陸」ですから、「今や二人(ロスとレイチェル)は別の大陸にいる(ことになる)んだし…」と言っていることになります。
NYは北アメリカ大陸、フランスのパリはヨーロッパ大陸なので、ジョーイの言う通り、「二人は別々の大陸に離れ離れになる」わけですが、自分で大陸という言葉を出しておいてから、「パリは別の大陸にある、っていう俺の発言、合ってたよね? 間違ってないよね?」というように、フィービーに確認しているのがジョーイっぽくて微笑ましいところです。

レイチェルを忘れて前に進もうと長年もがいていたロスにとっては、レイチェルがすぐそばにいると忘れようとするのも難しいけれど、レイチェルが遠い場所、それも別の大陸に行ってしまえば忘れるのがずっと楽になるはずだ、とジョーイは言っていることになります。
now you can actually do it, you can finally get over her というのも、「今実際にお前は move on することができる、ついに彼女を忘れることができる」ということで、お前はずっとそれを望んでただろ、そうしようともがいてきたことがついにできることになるんだぞ、と言っているわけですね。

ちなみに、ジョーイがロスに語るこのセリフの中で、反復も含めると、ジョーイは合計8回も maybe という単語を言っています。
maybe は「多分」ということですが、自分でも100%確信を持っているわけではないけど、俺はこんな風に思うんだ、という意見を述べる感覚が出ているように思います。
ジョーイ自身も意見を言いながらも、「これが絶対の正解とは言えないかもしれないけど」という気持ちがどこかにある、ということを示しているような気がします。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
maybe :
1. used to say that something may happen or may be true, but you are not certain
4. (spoken) used to make a suggestion you are not very sure about

つまり、1. は「何かが起こるかもしれない、または何かが真実かもしれないけれど、自分は確信していないことを言うのに使われる」。
4. は「あまり確信が持てない提案をする時に使われる」。

「違う大陸にいることになって、これでやっとロスはレイチェルを忘れて前に進める」と言われたロスは、Yeah, that's true. 「あぁ、それは正しい(それは確かだ)」と言った後、思いを巡らすような顔をしながら、Except.... と言います。
この場合の except は接続詞で、except (that) SV で「SV であることを除いては、SV であること(事実)を別にすれば」というニュアンス。
つまり、Yeah, that's true. Except.... までを聞いた時点で、ロスは確かにジョーイの言う通りであると認めたけれど、「except 以下に出てくる条件においてはそうではない(ジョーイの言うことは正しくない、間違っている)」ことが示唆されるわけですね。
そしてその後に続くセリフは、I don't wanna get over her. となっています。
それらを続けた文章にすると、Yeah, that's true, except (that) I don't wanna get over her. となり、文章全体の意味としては、「僕が彼女を忘れたくないという事実を別にすれば、あぁ、それ(ジョーイが言ったこと)は正しいよ」ということになりますね。
実際には、前から順番に発言されているので、「あぁ確かにジョーイの言ったことは正しい。でもそれは僕が彼女を忘れたくないという事実を別にすれば、という話だけどね」→「ジョーイの意見は正しいけど、でも僕はやっぱり彼女を忘れたくないんだ」と言っていることになるでしょう。
Yeah, that's true. で発言が終わっていれば、「ジョーイの言う通りだね」と認めロスも納得した、ということになるのですが、そこに except... で言葉が続いた時点で、「ただ、でも」のように「別の条件なら話は別だ、また話は違ってくる」という流れになること、ロスが完全に納得しておらず何か別のことを今から言おうとしていることが察せられるということです。
英語でこのシーンを見ていて、ロスの Except.... という言葉で、風向きが変わったことに気付ければいい感じ♪ ということですね。

「ジョーイの言う通りだけど、でも僕はレイチェルを忘れたくない」という発言を聞いて、ジョーイは What? と返しますが、ロスは心が決まった様子で、I don't! I wanna be with her. 「忘れたくない! 僕はレイチェルと一緒にいたい」と言います。
それを聞いたジョーイは Really? と言いますが、その顔はとても嬉しそうですね。
もう迷いがなくなったロスは、「あぁ、僕は(これから)レイチェルを追いかける」と言います。

Except.... 以下のセリフを言う際、ロスは叫ぶでもなく、静かなトーンでそのセリフを語っています。
ジョーイやフィービーに対して高らかに宣言するという風ではなく、自分に言い聞かせているようなトーンで、「そうするしかない。それ以外考えれない」というように、改めて自分の本心に気付いてそれを噛み締めているようなニュアンスが感じられた気がしました。

「レイチェルを追いかける」と言って、「じゃあ」という感じで軽くジョーイの胸に手を置いて、フレンズたちへの挨拶もそこそこに出て行こうとしているのも、今は自分の正直な心のままに行動しようという気持ちのみであることが描写されている気がします。

そうやってロスが出て行こうとする時、フィービーが「ロス、コートは?」と言ったので、ロスはコートを取りに戻ってきます。
チャンドラーとモニカは、エリカの出産に付き添っていたため、ロスとレイチェルが今どういう状況になっているのか詳しいことを知りません。
それで「何が起こってるのか全くわからないけど」と言っているわけですが、それでもロスがレイチェルを追いかけようとしていることを知って、喜んでいます。
コートを探しているロスに、「レイチェルは何て言うと思う?」とジョーイが尋ねると、ロスは「わからないけど、でも、、」と言った後、even if she shoots me down, at least I won't spend the rest of my life wondering what would have happened. と言っていますね。
shoot down は「撃ち落とす、撃墜する」ということですから、この場合は「ロスが自分の気持ちを伝えて、レイチェルがそれを拒んでも(レイチェルが僕を振っても、レイチェルに撃沈されることになっても)」というニュアンスになるでしょう。
at least I won't spend the rest of my life wondering what would have happened. は、「少なくとも、(もしあの時気持ちを伝えていたら)何が起こっただろうなぁ、と悩みながら、残りの人生を過ごさなくて済む」ということですね。
「あの時、告白していれば自分が望む形になったかもしれない、、 そんな後悔をしながら残りの人生を過ごすのは嫌だ」、「後悔するくらいなら、今は当たって砕けろの精神で彼女に本心を伝えたい」と言っていることになります。

そんなことを言いながら、ロスは「僕のコートはどこ?」と探し回っていますが、フィービーが You didn't bring one! 「あなたはコートを持って来てなかったわ!」と叫ぶのが面白いですね。
そもそもロスが出て行こうとしていた時に、フィービーが、Get your coat! と言ったから探し回っていたと言うのに、言い出しっぺのフィービーが「ロスはコートなんか着て来なかったでしょ!」と言っている、そのズレ具合がフィービーっぽいところです。

フィービーは自分のキャブが下にある、と言って、空港まで送るわ、と申し出ます。
みんなの声援を背に受け二人が空港へ向かうところでエンドクレジットとなり、後は最終話の フレンズ1-18 を残すのみ、となります。

グランドフィナーレのパート1の終わりで、ロスがレイチェルを追いかけることを決めたことになるわけですが、このロスが心を決める様子は、セントラルパークでレイチェルに気持ちを伝えようとしてガンターに先を越されたことと、見事な対比になっていると思います。
セントラルパークの時は、ロスはフィービーに「自分の気持ちを伝えなきゃだめよ」と説得されて、自分の気持ちを伝える決心をしていました。
フィービーもジョーイも、ロスを応援する気持ちを持っていて、フレンズたちの後押しがあってこそ、というところがあったわけですね。
それがガンターに先を越されてしまったせいで、言うタイミングを失ってしまい、チャンドラーとモニカの家での最後のお別れの場面でも、何も言えないまま、さよなら、となってしまったわけですが、その後、「自分の気持ちを伝えなきゃだめよ」とフィービーが励ますと、今度はジョーイが「これで良かったんだ。これでやっとロスはレイチェルを忘れて前に進めるんだから」と、別れを認めるべきだと説得する流れになります。

「これでやっとレイチェルのことを忘れられるんだぞ」とジョーイに言われて初めて、ロスは「でも僕はやっぱりレイチェルを忘れたくない」という自分の本当の気持ちに気づき、「これで良かったんだよ」という意見を振り切る形で、自分の判断で、自分の正直な気持ちに従い、レイチェルを追いかけることになったわけですね。
「気持ちを伝えなさいよ」と友人にアドバイスされて「やっぱりそうすべきだよね」と思い、気持ちを伝える、というのと比べ、友人はこれで良かったんだとあきらめさせようとしたのに、それを振り切って追いかける、という方が、より強い気持ちが出ていることが描写されるように思うわけです。

ジョーイは大根役者という設定(笑)ですから、「これで良かったんだよ」のようにわざとあきらめさせるようなことを言って、逆にロスの心に火を付けようとした、というような策略(演技)ではなかっただろうと思います。
ロスが気持ちを告げずレイチェルが去ってしまった以上どうしようもない、ロスとレイチェルのくっついたり離れたりを繰り返す微妙な関係を長年見続けてきたジョーイとしては「これでレイチェルのことを忘れられるだろ」と言ったのは、本心からのアドバイスだったと思います。
ずっと一緒のフレンズたちの意見はもちろん大事ですが、こと恋愛については、当事者が自分の心で決めて欲しいと思いますし、今回のことも、レイチェルとの関係をどうするかについて、最終的にロス自身が決めた、というのが、これまでずっとフレンズを見続けてきたファンにとっても、嬉しい展開になってくれていたと思いました。
「そうだ、これでレイチェルのことを忘れられるんだ、、、 でもやっぱり僕はレイチェルを忘れたくない」ということに、ロス自身が気付いてくれたこの瞬間が、私には本当に嬉しく感じられましたね(^^)


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posted by Rach at 14:32| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月26日

太陽よりも輝く髪の毛の男性 フレンズ10-17その5

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ロスはフィービーに「よりを戻したいというあなたの気持ちをレイチェルに伝えるべきよ。そうしたら気が変わって、パリに行かないかもしれない」と説得されます。
その後、レイチェルがセントラルパークに入ってきて、少しの会話の後、レイチェルがカウンターの方に行っている間、
ロス: Alright. You know what? You're right. I should at least tell her how I feel. (わかったよ。ねぇ、フィービーは正しい。せめて(とにかく)僕は自分の気持ちをレイチェルに言うべきだ。)
(He stands up.)
ロスは立ち上がる。
ジョーイ: Ross. Wait, wait! (ロス、待って、待って!)
ロス: What? What? (何? 何?)
ジョーイ: Could you get me a muffin? (俺にマフィンを取ってきてくれる?)
(Ross walks up to Rachel, but Gunther gets there first.)
ロスは歩いてレイチェルに近づく、が、ガンターがそこに先に来る。
ガンター: Rachel? (レイチェル?)
レイチェル: Yeah? (はい?)
ガンター: I... I know you're leaving tonight, but I just have to tell you. I love you. (僕は、君が今夜旅立つことは知ってるんだけど、でもただ君に言わなくちゃ(と思って)。僕は君を愛してる。)
(Ross is shocked.)
ロスはショックを受ける。
ガンター: Now, I don't know if that changes your plans at all. But I thought you should know. (ほら、そのこと(僕が今の言葉を言ったこと)で君の予定が少しでも変わるのかどうかはわからないけど。でも君に知っておいて欲しいと思ったから。)
レイチェル: (touched) Gunther... Oh... I love you too. Probably not in the same way. But I do. And, and when I'm in a café having coffee, or I see a man with hair brighter than the sun, I'll think of you. Aw. ([感動した様子で] ガンター、、 あぁ… 私もあなたを愛してるわ。多分、同じようにではないけれど。でも愛してる。そして、私がコーヒーを飲みながら(パリの)カフェにいる時、または太陽よりも輝く髪の毛の男性を見る時、私はあなたのことを考えるわ。あぁ。)
(She kisses him on the cheek and looks over at the others.)
レイチェルはガンターの頬にキスして、他の人の方を見る。
レイチェル: Oh... Bye, you guys. (あぁ… さよなら、みんな。)
フィービー: Bye. (さよなら。)
(Rachel leaves.)
レイチェルは去る。
ロス: Oh, my God! (なんてこった!)
フィービー: Unbelievable! (信じられないわ!)
ジョーイ: Hey, you know what might help? (なぁ、今、助けになるかもしれないのが何かわかる?[今、何をしたらいいと思う?])
ロス: I'm not getting you a muffin! (僕はお前にマフィンを取って来ないぞ!)

セントラルパークに入ってきたレイチェルがカウンターに向かったので、ロスはフィービーに、「フィービーが言ったことは正しい。せめて僕は自分の気持ちをレイチェルに言うべきだ」と言います。
そうやって立ち上がったロスに、ジョーイは「ロス、待って待って」と呼び止めます。
これからレイチェルに気持ちを伝えようとする時に、わざわざ呼び止めたので、「頑張れよ」という励ましか、もしくは何らかのアドバイスでもするかのように感じられる行動です。
ロスもそういうことを期待したらしく、「何、何?」と興味深そうに耳を傾けるのですが、ジョーイが言ったのは、「俺にマフィン(を1個)取ってきてくれる?」でした。
レイチェルに話すためにカウンターに行くのなら、ついでにマフィンもらってきてくれよ、と頼んだわけですね。
ロスはそれには返事せず、ムッとした様子でカウンターに向かうのですが、ロスがレイチェルに近づこうとした際、奥からガンターが歩いてきて、ロスより先にレイチェルに声を掛けます。

ガンターは、「君が今夜(パリに)発つのは知ってるんだけど、ただ君に言わなくちゃいけないと思って」と言い、少し間を置いた後、レイチェルの顔をまっすぐ見て、I love you. と言います。
それを見たロスは驚きの顔をして、ジョーイやフィービーと顔を見合わせています。
「僕の気持ちをレイチェルに言うぞ」とロスは意気込んでいたのに、ガンターに先を越されてしまったのでショックを受けているわけですが、先を越されたこと以上に、ガンターの言葉が、I love you. というダイレクトで強い言葉だったことが、ロスには余計にショックだったことでしょう。
ずっと前からレイチェルのことが好きで、その一途な気持ちがこれまでの言動の端々に表れていたガンターでしたが、最後の最後のお別れの時になって、照れることなくまっすぐレイチェルの目を見て告白した、というのは、「昨夜レイチェルとベッドまで共にしたのに、肝心の自分の気持ちをレイチェルに伝えることができておらず、フィービーたちに説得されてやっと今、決死の覚悟で気持ちを告げようと向かった」というロスとは対照的な姿だと言えますね。
準レギュラーとして、フレンズ6人の次に出演回数が多かったガンターですが(出演したエピソードは 150回)、最後のフィナーレで良い出番があって良かったね、と感じたファンは多かったかもしれませんね。

I don't know if that changes your plans at all. を直訳すると、「そのこと(僕が君を愛してると告白したこと)が君の計画(パリに行くこと)を少しでも変えるかどうかはわからないけど」。
僕がこんな告白をして、君のパリ行きの予定が変わる、パリに行かなくなるなんてことが起こるかどうかはわからないけど、ということですね。
そう言った上で、「君が僕の気持ちを知っておいた方がいいと僕は思ったから(告白した)」と言います。
今そばでそれを聞いているロスも、「結果がどうなるかわからない、それでレイチェルを引き留められるかどうかはわからないけど、とにかく今は自分の気持ちを伝えなきゃ」という気持ちでレイチェルに告白しようとしていたので、そういうことまで含めて全く同じことを、先にガンターに言われてしまったことになります。

ガンターからのまっすぐな告白を聞いたレイチェルは感動した様子で、「あぁ、私もあなたを愛してるわ」と言います。
その後、Probably not in the same way. 「多分、同じようにではないけれど」とちゃっかり付け足すことで、「あなたが私を女性として愛しているように、私はあなたを男性として愛しているわけじゃないけれど、男女の恋愛関係として I love you too. と言ったわけじゃないけれど」というのを念押ししているのもレイチェルらしいですね。
そうは言いながらも、But I do. 「でも(本当に)あなたを愛しているわ」と言っているのは、さよならのこの時にガンターが告白してくれたことをレイチェルが嬉しく感じていることを表していることになるでしょう。

その後、「(パリの)カフェでコーヒーを飲んでいる時、または太陽よりも輝く(太陽よりも明るい、鮮やかな色の)髪の毛の男性を(パリで)見る時、あなたを思う、思い出す」と言っているのも面白いですね。
コーヒーハウスでいつもコーヒーを入れてくれていたガンターなので、「コーヒーと言えばガンターを思い出す」ということ、さらに、ガンターの銀髪は確かに「太陽よりも輝く」という表現がぴったりなので、パリで輝く髪の毛の色の人を見たらあなたを思い出すわ、あなたを思うわ、と言ったわけですね。
レイチェルはガンターの頬にキスをして、「今ガンターはこんな素敵な言葉を言ってくれたわ」というように、ロスたちの方を見ます。
ガンターからの告白に感動した様子のまま、フレンズたちには「さよなら」と言っただけで、レイチェルはセントラルパークを出て行きます。
告白しようとしていたロスは、Oh, my God! と言うしかありません。
茫然とするロスに、ジョーイは、Hey, you know what might help? と声を掛けます。
直訳すると、「なぁ、何が(今ここで)助けになるかもしれないかわかるか?」ということですね。
何も考えられない、何も行動できずに固まっているロスに、「今、何したらいいと思う? こうすればいいんだよ」のようにアドバイスしたような発言に聞こえますが、ジョーイの意図に気づいたロスは、「ジョーイは”今ロスがやるべきことはこれだよ”と言うつもりだろ」という気持ちを込めて、「僕は(お前が頼んでた)マフィンをお前のために取って来たりしないからな!」と先に言うことになります。


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2016年08月24日

お前の言葉で話そうとしてるだけ フレンズ10-17その4

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ジョーイとフィービーに、昨日レイチェルとベッドを共にしたことを話したロスは、フィービーに「よりを戻したいの?」と尋ねられ、昨日の夜のことを思い出すうちに、「そうだ、僕はレイチェルとよりを戻したい!」という自分の気持ちに気づきます。
ジョーイとフィービーが席を外した後、ロスとレイチェルはキスをして、昨日の晩の出来事は素敵だったと語り合うのですが、その会話の中でレイチェルが、It's just the perfect way to say goodbye. 「(昨日の晩のことは)さよならを言う完璧な方法だった」→「昨日は最高のさよならができた」と言ったので、ロスはショックを受けます。
その後のシーン。
[Scene: Central Perk. Ross, Phoebe and Joey are there.]
セントラルパーク。ロス、フィービー、ジョーイがそこにいる。
ロス: And then she said it was the perfect way to say goodbye. (それからレイチェルは言ったんだ、さよならを言う最高の方法だった[最高のさよならだった]、って。)
ジョーイ: Oh, my God! What did you say? (なんてこった! お前は何て言ったんだ?)
ロス: Nothing! What do you say to that? (何にも[言ってないよ]! それに対して何て言うんだよ?)
フィービー: Ross, you've got to tell her how you feel! (ロス、あなたは自分の気持ちをレイチェルに言わなきゃいけないわ!)
ロス: No way! (だめだよ[嫌だよ]!)
ジョーイ: Well, you can't just give up! Is that what a dinosaur would do? (ただあきらめちゃだめだ! 恐竜ならそんなことするか?)
ロス: What? (何?)
ジョーイ: Dude, I'm just trying to speak your language. (おいおい、俺はただ、お前の言葉で話そうとしただけだよ。)
フィービー: Ross, Rachel doesn't know that you even wanna get back together. If she did, she might feel differently. She might not even go. (ロス、あなたがよりを戻したいと思ってることをレイチェルは知らないわ。もし彼女がそれを知ったら、彼女は違う気持ちになるかもしれない。(パリに)行かないかもしれないわ。)
ロス: You really think so? (ほんとにそう思う?)
フィービー: I'm telling you! Oh, okay! This is the part of the musical where there'd be a really good, convincing song. (Singing) "Bum-bum-bum-bum. Don't take no for an answer, bum-bum-bum. Don't let love fly away, bum-bum-bum-bum." (本当よ[もちろんよ]! あぁ、よし! ここが、本当に素敵な、説得力のある歌の出てくるミュージカルのパートよ。[歌いながら] バンバンバンバン、ノーの答えは受け入れないで! バンバンバン、愛を飛んで行かせないで。バンバンバンバン…)
(Rachel enters and interrupts Phoebe's song.)
レイチェルが入ってくるので、フィービーの歌が中断される。
レイチェル: Hi! (はーい。)
フィービー: Can't a girl finish a song around here? (ここでは女の子が1曲歌い終えることもできないの?)

ロスはジョーイとフィービーに、レイチェルが言った言葉を説明しています。
ロスはレイチェルとよりを戻そうと思っていたのに、レイチェルには全くそのつもりがない様子のその言葉に、ジョーイとフィービーもショックを隠せません。
「そんな風に言われて、お前は何て言ったんだよ?」とジョーイに言われ、ロスは、Nothing! What do you say to that? と返します。
Nothing! は「(僕は)何も言わなかったよ!」ということですね。
What do you say to that? を直訳すると、「you はそれに対して何て言う?」ということですが、この場合の you は、ロスが話している相手のジョーイを指しているというよりも、一般の人々のニュアンスで使っているように思います。
「自分はよりを戻したいと思っていたけれど、自分がその気持ちを伝える前に相手の方から、最高のさよならができたわね、と言われてしまったら、それに対して(人は)何を言うんだ? 何を言えるって言うんだ?」みたいな一般論を語っている感覚になると思います。
「そんな風に言われたら、誰でも何も言えなくなるだろ」というところですね。

フィービーが、how you feel 「あなたがどのように感じているか」=「あなたの気持ち」をレイチェルに伝えなきゃだめよ、と強く言うのですが、ロスは、No way! と強く否定します。
それに対して「ただあきらめちゃだめだ」と言った後のジョーイのセリフ、Is that what a dinosaur would do? が面白いですね。
直訳すると、「それが、恐竜なら(そう)するだろうことか?」になるでしょうか。
つまりは、「自分の気持ちをレイチェルには言わない」と言ったことに対して、「恐竜ならそんなことするか?」と言ったことになります。
唐突に恐竜が出てきたので、ロスも「は?」となっていますが、I'm just trying to speak your language. と理由を言っているのも面白いです。
「俺はただ、お前の言葉・言語で話そうとしているだけだ」ということで、DVDの日本語訳では、「(字幕)お前向けの例だ/(音声)お前がわかる例を出したんだよ」となっていましたが、まさにそんな感じですね。
ロスにとって身近な存在である恐竜に例えてみたら、お前にはわかりやすいかと思ってそうしてみた、というところです。

フィービーはさらにロスの説得を続けています。
ロスがよりを戻したいと思っていることをレイチェルは知らないから、もしそのことを知れば、違う風に感じるかもしれない→気持ちが変わるかもしれない、ということですね。
「ほんとにそう思う?」とロスが言った後の、フィービーの I'm telling you! は「本当よ。本当なんだから」のように強調するニュアンス。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
I tell you also I'm telling you, let me tell you : used to emphasize that what you are saying is true, even though it may be difficult to believe
つまり、「自分が言っていることが真実であると強調するために使われる、例えそれが信じがたいことかもしれなくても」。

次の This is the part of the musical where there'd be a really good, convincing song. について。
convincing は「説得力のある、人を納得させる」ですから、直訳すると、「これは、本当に良い、説得力のある歌が存在する、ミュージカルのパートである」となるでしょう。
「今この時が、ミュージカルで素敵な説得力のある歌が登場するまさにその場面ね」という感覚ですね。
そう言ってフィービーは、バンバン…と言いながら、ミュージカル風の歌を歌い始めます。
今回のエピソードでは、ロスとレイチェルが復縁するかもしれない、チャンドラーとモニカの子供が生まれるかもしれない、などの嬉しいニュースが続いた時に、フィービーが、I feel like I'm in a musical! 「私、ミュージカル(にいる)みたいな気分よ」と言って、歌い始めるシーンがありました。
その時、レイチェルが部屋に入ってきて、歌が中断されてしまった時、フィービーは、"Guess you'll never know how it ends." 「その歌がどう終わるかを(人が)知ることはないようね」と言っていました。
最後まで歌いたかったのに中断されてしまったことを、「歌を最後まで聞いてもらえないようね」と表現したわけですね。
今回歌い始めたのは、先にそういう「ミュージカル風の歌を歌う」というシーンがあったことからの流れとなります。

not take no for an answer は、「答え・返事として、ノーを受け入れない」ということですから、don't take no for an answer は否定の命令文で、「ノーの返事を受け入れないで、相手にノーと言わせないで」と言っていることになるでしょう。
fly away は「飛び去る」ですから、don't let love fly away は「愛を飛び去らせないで」→「愛が逃げて行くのを許しちゃだめ、愛を逃がしちゃだめ」ということになります。
ご機嫌で歌い上げている時に、レイチェルが部屋に入ってきて歌が中断されてしまったフィービーは、すねたような顔をして、「ここでは女の子が1曲歌い終えることもできないの?」と言っています。
これはさきほど説明した、"Guess you'll never know how it ends." と同じ流れですね。
これより前のシーンで最初に歌った時も、レイチェルが入ってくることで歌が中断され、「歌を最後まで聞いてもらえない」とボヤいていましたが、今回もまたレイチェルが入ってきたことで邪魔されてしまったので、「この辺りでは、女の子が1曲歌い終えることもできないの?」と表現することで、「少し前にも邪魔されたし、また今回も邪魔された。ただ女の子が歌を歌おうとしているだけなのに、最後まで歌い切ることすらできないのね、ここでは」と言っていることになります。


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posted by Rach at 13:56| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月22日

キスしたことをしゃべるような男じゃない フレンズ10-17その3

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ジョーイとレイチェルの部屋。ジョーイとフィービーが話しているところにロスが入ってきます。
ロス: Is Rachel here? (レイチェルはここにいる?)
ジョーイ: Uh, I think she's still asleep. Hey, hey, how did it go with you guys last night? She seemed pretty pissed at you. (あー、レイチェルはまだ寝てると思うよ。なぁ、なぁ、昨日の晩、お前ら二人はどうなったんだ? レイチェルはお前にかなり怒ってるようだったぞ。)
ロス: Uh, we, y'know, we worked things out. (あー、僕ら、丸く収まったんだよ。)
フィービー: What's that smile? Did something happen with you two? (その微笑みは何? あなたたち二人に何か起こったの?)
ロス: Hey, I'm not one to kiss and tell. But I'm also not one to have sex and shut up. We totally did it! (もう、僕はキスしてしゃべる[キスしたことを(ペラペラ)しゃべる]ような男じゃないよ。でもエッチして黙ってるような男でもない。僕たち、本当にヤッちゃった[エッチしちゃった]んだ!)
ジョーイ: Oh, my God. You and Rachel? (なんてこった。お前とレイチェルが?)
ロス: I know, it's pretty great. (そうなんだ、最高だよ。)
ジョーイ: So, what does that mean? Are you guys getting back together? (それで、それってどういう意味? お前らはよりを戻すつもりなの?)
ロス: Oh, I.. I don't know. We didn't really get to talk. (あぁ、わかんないけど。僕たちちゃんと話をすることにはならなかったんだ。)
フィービー: But do you wanna get back together? (でも、ロスはよりを戻したいんでしょ?)
ロス: I don't know. It was incredible. I mean, it just felt so right. When I was holding her, I mean, I never wanted to let her go. You know what? Yeah, I do. I wanna be together. (どうかな。(昨日の晩のことは)素晴らしかった。ほら、しっくり・ぴったり来たんだ。僕がレイチェルを抱き締めている時、僕は彼女を絶対に離したくないと思った。ねぇ。そうだよ、そうだ。僕は彼女と一緒にいたい。)

ロスが「レイチェルはいる?」と尋ねると、ジョーイは「レイチェルはまだ寝てると思うけど、昨日の晩、お前ら二人はどうなったんだ? レイチェルはお前にかなり怒ってるようだったぞ」と心配そうに尋ねます。
レイチェルがロスにだけさよならを言わなかったことでロスが激怒し、ロスがその怒りをレイチェルにぶつけたことを知っていたので、そのまま喧嘩した状態なのかと心配しているわけですね。
we worked things out. の work out は「うまくいく、丸く収まる、良い結果となる」。
そう言ってニヤニヤしているロスを見て、フィービーは「その微笑み(にやけた顔)は何? あなたたち二人に何か起こったの?」と尋ねます。

それに対するロスの返事が、英語表現としてなかなか面白いですね。
I'm not one to A. But I'm also not one to B. という形になっていて、「僕は A するような男(人間)じゃない。でも B するような男でもない」となります。
A に当たる部分は、「キスして話す」ですから、前半部分は、「キスをした後、キスしたことを人に話すような男じゃない」ということですね。
恋愛がらみの出来事、二人の秘め事を人にペラペラ話すような男じゃない、というところです。

この kiss and tell というのは決まり文句で、kiss-and-tell として辞書にも載っています。
研究社 新英和中辞典では、
kiss-and-tell=【形】【A】 情事暴露のゴシップものの

アカデミックな辞書である、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも載っていて、
kiss-and-tell [adjective] : (informal) a kiss-and tell story, book etc. is one in which someone publicly tells the secret details of a romantic or business relationship.
つまり、「(インフォーマル) kiss-and-tell の話や本などは、その中で、恋愛関係またはビジネス関係の秘密の詳細を、誰かが公然と(世間に)話すもの」。

この語義を見ると、romantic relationship だけではなく、business relationship についても使われるようですから、必ずしも恋愛に限定されているわけでもなく、普通は他人には言わないようなプライベートな関係の詳細を暴露する場合に使われるということになるでしょう。

この言葉を知らなくても、「キスして(そのことを人に)しゃべる」という表現から、恋愛のプライベートな事柄を人にペラペラしゃべるイメージは連想できますよね。
kiss and tell と同じような形で、後半では、have sex and shut up という表現が使われています。
「エッチして黙る」ということから、「誰かとエッチしたことを、人に話さない、黙っておく」という意味であることがわかりますね。
kiss and tell という決まり文句に似せた表現を使ってみせたことになるでしょう。
tell 「人に話す」の反対の意味として、shut up 「人に話さないで黙っておく」を使い、「キスして話す」ような男じゃないけど、「エッチして黙る」ような男でもない、と続けることで、結局、「キスしたことを話すようなタイプじゃないけど、エッチしたことを黙ってられる人間でもないから、言っちゃうね」のように、結局は、have sex and tell を実行することになる、という流れです。
A はしない。でも B もしない、と表現することで、最初は「僕はキスしたことを人に話すような口の軽い男じゃないよ〜」みたいに思わせておいて、後半で、「B (エッチしたことを黙っている・人に言わない)ということもしない」=「エッチしたことを(ペラペラ)人にしゃべる・暴露する」というオチに繋がるわけですね。

「キスしたことをしゃべるような男じゃないけど、エッチしたことを黙ってられるような男でもない」という表現は、「キスしたとか言えないよ、、とか言いながら、結局、さらに過激な内容を暴露するんかーい!」とツッコミたくなるような、日本語に訳してもわかりやすい、なかなか面白い表現だと思います。
We totally did it! の did it はまさに have sex という意味で、「エッチして黙ってられるような男じゃないから言っちゃうけど、ほんとに僕ら、エッチしちゃったんだ!」と告白したことになります。

ロスとレイチェルがエッチしたと聞いて、ジョーイとフィービーも驚いています。
ジョーイが「二人がエッチしたってことは、お前らはよりを戻すつもりなのか?」と尋ねると、ロスは、わからない、と言って、We didn't really get to talk. と答えます。
get to talk の get to は「talk するという状態になる」と考えれば良いでしょう。
単に、We didn't talk. 「僕たちは話さなかった」というよりも、「自分たちのこれからについて話そうという状況にならなかった」という感じが出るように思います。
not really のように部分否定になっていますので、「それほど真剣に(じっくりと)話すような状況にはならなかった」のように解釈すれば良いでしょう。

二人がエッチしたと知ったフィービーは、嬉しそうな顔をして、「でもロスは、レイチェルとよりを戻したいんでしょ?」と尋ねます。
そう聞かれたロスはまた、I don't know. と答えるのですが、二人で過ごした夜のことを思い出して、「素晴らしかった」、そして it just felt so right. と続けます。
feel right は「正しいと感じる」ということですね。
これが正しい・本来の姿・状態である、というようなところで、「まさにこうなるべきだったという状態に感じられた、ぴったり・しっくり来た、何の違和感もなく感じられた」のようなニュアンスになるでしょう。
When I was holding her, I mean, I never wanted to let her go. は「彼女を(腕に)抱いていた時、僕は彼女を絶対に離したくないと思った」。
その言葉から、ロスがその時、どれほどレイチェルを愛しいと感じていたか、ということがよくわかりますね。

最初は、I don't know. と言いながらも、昨日二人で過ごした夜が素晴らしかったこと、レイチェルのことを離したくないほど愛おしいと思ったことに思いを巡らせたロスは、You know what? と言った後、Yeah, I do. I wanna be together. と言います。
これは、フィービーに do you wanna get back together? と問われたことに対して、いったんは、I don't know. と答えたけれど、その後、いろいろ考えた上で改めてそれ(よりを戻したいの?)に対しての返事として、「あぁ、そうだ。僕は一緒になりたい(レイチェルとよりを戻したい)」と答えたことになります。
自分の気持ちに正直になって考えてみたら、やっぱり僕はそうしたいと思った、という結論に至ったわけで、その気持ちの変化の過程を英語のセリフから感じられると、いい感じ♪ だと思います。


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2016年08月19日

両方の痛みを経験できる人はいない フレンズ10-17その2

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チャンドラーとモニカは、エリカという女性が妊娠中の赤ちゃんを養子として迎える約束になっています。
そのエリカに陣痛が来たので、チャンドラーとモニカも病室で付き添っています。
モニカがトイレに行くため、少しの間、部屋を離れることになり、部屋にはチャンドラーとエリカの二人だけとなった状態。
チャンドラー: So, ah... Any plans for the summer? (それで、あの… 夏には何か予定あるの?)
エリカ: I don't know. Maybe church camp? (さあね。多分、教会のキャンプとか?)
チャンドラー: Hah. May not wanna mention this. So you ever wonder which is worse? You know, going through labor or getting kicked in the nuts? (はは。こんなこと言わないほうがいいな。で、君はどっちがつらいか考えたことある? ほら、陣痛に耐えるのと、タマタマを蹴られるのと?)
エリカ: What? (何?)
チャンドラー: Well, it's just interesting. You know, because no one will ever know because no one can experience both. (うん、ただ興味あってさ。ほら、だって誰にもわからないだろ、誰も両方を経験することはできないから。)
(Erica just looks at him like he's crazy.)
エリカは、チャンドラーはクレイジーだというような目で彼を見る。
チャンドラー: One of life's great unanswerable questions. I mean, who knows? Maybe there's something even more painful than those things. Like this. (人生の答えられない大きな質問の一つだ。だって、誰にもわからないだろ? 多分、そういうのよりももっとつらいこともあるけどね。こんな風に[今のこの状況みたいに]。)

モニカが部屋を出て行ったため、妊婦のエリカと二人きりになったチャンドラーは、何か会話をしなければ、と思ったのでしょう、「この夏に何か予定ある?」と尋ねています。
聞かれたエリカは、「多分、church camp とか?」と答えます。
camp と言えば、ボーイスカウトのキャンプ(scout camp)や サマーキャンプ(summer camp)などがイメージされますね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で camp を見てみると、以下のように出ています。
camp : a place where children go to stay for a short time and take part in special activities, often as members of an organization.
つまり、「子供が短期間、滞在しに行き、特別な活動に参加する場所、しばしばある組織のメンバーとして」。
ですから、church camp は「所属する教会の一員として、参加するキャンプ」ということになるでしょうね。
Google 画像検索で、church camp を調べると、大勢の子供が参加している写真がたくさんヒットしましたので、やはり「子供が参加するキャンプ」のイメージで挙げたのだろうと思います。

今、陣痛で苦しんでいる妊婦のエリカに、「この夏の予定は?」などと尋ねるのは何ともトンチンカンな感じがしますよね。
エリカも今そんな質問をされたことに対して、あきれの気持ちがあるのでしょう、それで、子供に夏の予定を聞いた時のよくある答えである「キャンプ」を挙げて、「そういう返事を期待してるのかしら?」という気持ちで返事したのだろうと思います。
エリカがチャンドラーの質問にあきれていることがわかったので、チャンドラーは「こんなこと言うべきじゃないな、言わない方がいいな」と言ってから、話題を変えて、「それで君は、どっちがひどい(悪い、つらい)かって疑問に思ったことある?」とまずは問いかけます。
その後、「どっちがつらいと思うか?」の具体例を挙げていますが、その例えが面白いですね。

going through labor の go through は「体験する、経験する」、labor は妊娠の話だと「陣痛」ですね。
getting kicked in the nuts? の nuts は、俗語・卑語で「睾丸」という意味ですから、「タマタマを蹴られること」。
チャンドラーは、「ねぇ、どっちがつらい(痛い)と思う? 陣痛を体験する[陣痛に耐える]のと、タマタマを蹴られるのと」という質問を世間話として挙げたわけですが、今、陣痛で苦しんでいるエリカに対して、「今の君の痛みと、男が股を蹴られる痛みと、どっちが痛いだろうねぇ?」なんていう質問をぶつけるデリカシーのなさが、笑いのポイントになっていると言えるでしょう。

エリカは明らかに「今、陣痛中の私にそんな質問する?」みたいな顔をしていますが、話題に出した以上、引くに引けなくなったのか、まだその話で引っ張ろうとするチャンドラーが、彼らしくて面白いです。
「ほら、ただ興味あるんだよ、興味深いんだよ」と言った後の、because... のセリフもいいですね。
「だって誰にもわからないんだ、誰も(陣痛の痛みと、股を蹴られた痛みの)両方を経験することはできないから」ということです。
どちらも痛みも、「女にしかわからない痛み」「男にしかわからない痛み」の例えとして、日本人の会話でもよく挙げられる項目なだけに、日本人にもわかりやすいジョークだと言えるでしょう。

KYな質問にもかかわらず、まだ話を続けようとするチャンドラーに、エリカは冷たい視線を送っています。
One of life's great unanswerable questions. は「人生における答えられない[答えの出ない]偉大な質問の中の一つ」。
自分が言った質問を、さも「人生における最大の謎」のように仰々しく表現したチャンドラーでしたが、エリカの視線が相変わらず冷たいので、その後、Maybe there's something even more painful than those things. Like this. と続けています。
than those things までを 直訳すると、「多分、そういうこと(陣痛や股を蹴られること)よりもずっともっと痛い(つらい)ことがある」。
Like this. はここでは「(例えば)このような。こんな感じ・こんな状況」のように、今のチャンドラーが置かれている situation を指していることになるでしょう。
陣痛も股を蹴られるのも究極に痛いけど、今、変な質問をしてエリカに睨まれているこの状況は、もっと痛い(つらい)よね、と言っているわけですね。


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posted by Rach at 14:35| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月17日

今、笑ってるのは誰かな? フレンズ10-17その1

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シーズン10 第17話
The Last One - Part 1 (グランド・フィナーレ - part 1)
原題は「最後の話 パート1」


前回のエピソードの最後で、レイチェルはロスに「あなたにさよならが言えなかったのは、言うのがあまりにもつらすぎたから。あなたのことが誰よりも大事だったから」と告げます。
それを聞いたロスはレイチェルにキスをし、レイチェルもそのキスに応える、、というところでエンドクレジットになっていました。
その続きとなるシーン。
[Scene: Ross's bedroom. Rachel is putting on her shoes as Ross shows up from underneath the covers.]
ロスの寝室。レイチェルは靴を履いている。するとロスがベッドカバーの下から顔を出す。
ロス: Hey. (やあ。)
レイチェル: Shh.. Go back to sleep. I have to go home. (シー…。眠りに戻って[もう一度寝て]。私、家に帰らないと。)
ロス: Oh, God. This was amazing. (あぁ。素晴らしかったよ。)
レイチェル: It really was. You've learned some new moves! (ほんとにそうだったわね。あなた、新しい技(動き、動作、テク)、覚えたのね!)
ロス: Yeah, well, this guy at work gave me Sex for Dummies as a joke. (あぁ、職場のやつが僕に”バカのためのエッチ(バカでもできるエッチ)”(って本)を冗談で僕にくれたんだよ。)
レイチェル: Ah. (まぁ。)
ロス: Who's laughing now? (今、笑ってるのは誰かな?)
レイチェル: I know. (そうね。)(注:このセリフ、I am. と表記されているものもあります。詳しくは以下の解説にて)
(They kiss.)
二人はキスする。

前回のエピソードのラストでキスした二人は一体どうなったのか、、? とみんながハラハラする中、画面にはベッドに腰掛けて靴を履いているレイチェルと、ベッドカバーの下から顔を出すロスの姿が映ります。
顔を出したロスにレイチェルは「シー」と言って、「(あなたは)もう一度寝て。私は家に帰らないといけないから」と言います。
二人が愛し合っているシーンそのものは全く見せずに、その後の二人の雰囲気と様子だけの描写に留めていますが、普通の恋人同士のような穏やかな様子で自然に会話している二人の姿を見ると、お互いへの愛を再確認する素敵な時間を過ごせたんだな、ということがわかりますね。

"This was amazing." と言ったロスに、"It really was." とレイチェルが同意した後、レイチェルは急に何かを思い出したように、トーンを上げて、You've learned some new moves! と言っています。
この moves は「動き、動作」ということで、エッチにおける動作の話ですから、「新しい動作」→「新しい技、新しいテク」のようなことを指していることになるでしょう。
過去記事、コーヒーのだしがらをこぼさないと思うけど フレンズ7-12その5 でも、
チャンドラー: I was giving you some of my best moves, and you missed it. So please wake up so we can do it right! (俺は君に俺の最高のテクを行なおうとしてたんだ。で君はそれを逃した。だから、それをちゃんとできるように、お願いだからもう一回起きてよ。)
というセリフで moves が使われていました。
ロスとレイチェルがエッチしたのは、エマができた時のエッチ以来ですから、「あれから、あなた、新しい技覚えたのね!」と感心したように言ったことになります。

ロスは、職場のやつがジョークとして、僕に Sex for Dummies をくれた、と言っています。
DVD英語字幕でイタリック表記になっていることから、本のタイトルであることが想像できます。
dummy は「ダミー」として「替え玉」のような意味がありますが、ここでは「ばか、間抜け、とんま」のような意味。
「バカのためのエッチ」ということですから、本のタイトルとしてありがちな感じにすると、「バカにもわかる、バカでもわかる、バカでもできる(エッチ)」という雰囲気のタイトルだということですね。

その後、ロスはちょっと得意気な顔で、Who's laughing now? と言っています。
「今、笑ってるのは誰?」というのは、「同僚は(冗談とは言え)僕をバカにしてそんな本をくれたけど、その本を読んでからエッチして、相手の女性を喜ばせた僕の方が、今は笑う番じゃないかなぁ? 僕の方が勝者じゃないかなぁ?」という意味になるでしょう。
DVD日本語字幕では「バカはどっち?」と訳されていましたがまさにそういうところで、「こういう結果になったから、バカだったのは”僕をバカにして本をくれた”あいつの方だよね」「あいつは僕のことをバカにして笑っていたけど、今は僕が彼のことをバカにして笑う番だよね」という意味で言っていることになります。

そして、ロスの Who's laughing now? に対するレイチェルのセリフですが、この部分、I am. と表記されているものと、I know. と書かれているものがあります。
話の流れや、聞いた音の感じとイントネーションから、私は "I know." が正しいと思うのですが、それについて以下に説明させていただきますね。

まず、DVDの英語字幕では "I am." となっており、2012年発売のブルーレイの英語字幕でも、"I am." となっていました。
ですが、Netflix の英語字幕には、"I know." と書いてあります。

まずは、話の流れと意味から考えてみたいと思います。
DVDとブルーレイでの表記である、"I am." だとすると、ロスが「今、笑ってるのは誰?(勝者は僕だよね?)」と言ったことに対して、「勝者はあなたじゃなく、この私よ(I am laughing now.)」とレイチェルが言っていることになるでしょう。
その場合には「ロスの同僚がロスにそんな本をあげた結果、最終的な勝者は私よ」と言っていることになりますが、それだと「ロスのテクで最高の気分になれた私が勝者ね」みたいに言っていると考えられます。
"I know." だとした場合は、ロスのセリフが結局は「バカにした同僚よりも僕の方が勝者だよね」という意味であることを受けて、素直に「そうね」と認めた流れになりますね。

「僕の勝ちだよね」と言ったことに対して、「本当の勝者は私よ」と言えば、「一番得したのは私よ」的なニュアンスで、さっきのエッチが私にとってはとても素敵なものだった、すごく気持ちいいものだった、と言っていることになりますので、話の流れとしては I am. も可能だろうと思います。
ただ、もしそういう意味であれば、「おぉ〜、レイチェルそこまで言う?!」的な発言になるので、観客からも歓声が上がるとか、ロスの発言の後、さらにもう一度笑いが起こる、というような反応があるように思うのですが、観客の笑いの反応を見ると、レイチェルの発言に対して新たなリアクションがあるような感じはありません。

そして一番の決め手になると思われる、実際のレイチェルの発音ですが、私には I know. と言っているように聞こえました。
これがもし、"Who's laughing now?" "I am." ということだと、Who? という問いに対しての「答え」なので、「笑ってるのは(他でもないこの)私よ」というニュアンスから、I am. という単語2語ともが、「アイ・アム」とはっきり発音されると思うのです。
また「本当の勝者は私よ」という意味ならば、ロスの発言を否定して「あなたじゃなく私よ」と言っていることになるので、レイチェルはちょっと勝ち誇った感じの得意気でいたずらっぽいような顔で、そのセリフを言うように思うのですね。

実際のこのシーンのレイチェルのセリフでは、I ***. の部分をさらっと言っており、「誰が笑ってるの?」という「問いに対しての答え」というよりは、「誰が笑ってるの?」=「バカにしてた同僚より僕の方が勝者だよね」というロスの勝利宣言に対して、「そうね、ロスの言う通りね」と軽く返した感じの I know. の方が、今回のレイチェルのさらっとした感じの I ***. に近いと思うのです。

ロスの発言に対して、さらに笑いを取る意味での "I am." であったなら、レイチェル自身の言い方も、笑いを取るためにもう少しはっきり発音するでしょうし、カメラもレイチェルの顔をもう少しはっきり映すと思います。
実際の映像では、ロスの "Who's laughing now?" に対する笑いが起きたという流れのまま、レイチェルが軽く I ***. と言って、すぐにさらっとオープニングに繋がっていますので、このレイチェルの発言は、ジョークとして笑いを取ったり、観客に「おぉ!」と思わせるような内容ではなく、単なる相槌である I know. だという気が私にはする、ということです。

I know. か I am. かについて、「DVD/Blu-ray と Netflix とで字幕が違っていた→その場合、2つは意味が大きく異なってしまう」ということが興味深かったので長々語ってしまいました^^


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posted by Rach at 15:03| Comment(4) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月15日

10年経つのに何一つわかってない フレンズ10-16その6

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レイチェルは他のフレンズ4人には個別にさよならを言ったのに、ロスだけさよならを言ってもらえなかったことで、ロスはレイチェルの部屋に行き、「僕らの間にはいろいろあったのに、こんな終わらせ方をするなんて信じられない!」と怒りをぶつけ、去って行きました。
それからしばらく後のシーン。
[Scene: Ross's apartment. Rachel bursts in.]
ロスのアパートメント。レイチェルが突然入ってくる。
レイチェル: You really think I didn't say goodbye to you because I don't care? (私が(あなたのことを)どうでもいいと思ってるから私があなたにさよならを言わなかったと、本気で思ってるの?)
ロス: That's what it seemed like. (そんな風に見えたけどね。)
レイチェル: I cannot believe that after 10 years, you do not know ONE thing about me! (10年も経つのに、あなたが私のこと何一つわかってないなんて信じられない!)
ロス: Fine, then why didn't you say something? (いいだろう、で、どうして君は(何かしらの言葉を)言わなかったわけ?)
レイチェル: Because it is too damn hard, Ross! I can't even begin to explain to you how much I'm gonna miss you. When I think about not seeing you every day, it makes me not want to go. Okay? So if you think that I didn't say goodbye to you because you don't mean as much to me as everybody else, you're wrong. It's because you mean more to me. So there, all right? There's your goodbye! Oh! (それはあまりにも辛すぎるからよ、ロス! あなたをどれほど恋しく思うかってことをあなたに説明しようとしても言葉に詰まってしまう。あなたに毎日会えないと考えたら、私は行きたくなくなってしまうのよ。わかる? そして、あなたが他のみんなほど私にとって意味がないからという理由で私があなたにさよならを言わなかったともしあなたが思ってるなら、間違いよ。私にとってあなたが(他の人より)もっと大事だからよ。だからほら(それで)いい? 今のがあなたへのさよならよ。あぁ!)
ロス: Rach! (レイチェル!)
レイチェル: What? (何?)
ロス: You keep-- You keep-- You can't-- (君は…君は…君は…できない…)
レイチェル: WHAT? (何?)
(Ross walks over to her and starts to kiss her passionately. After a while Rachel backs out. She thinks a while and starts kissing him back.)
ロスはレイチェルのところに歩いて行って、レイチェルに情熱的なキスをし始める。しばらくして、レイチェルは身を引く。レイチェルはしばらく考えてから、レイチェルの方からキスを返し始める。

レイチェルは、ロスのアパートメントに入ってきて、いきなり、You really think I didn't say goodbye to you because I don't care? と言っています。
「私があなたのことをどうでもいいと思ってる[あなたのことを気にしてない]から私はあなたにさよならを言わなかった、って、あなたは本気で思ってるの?」ということですね。
「本気でそんな風に思ってるわけ?」というのは「そんなわけないでしょう?」という意味であることが示唆されますが、ロスはただ、That's what it seemed like. と返します。
seem like は「〜のように見える」ですから、「それ(今君が言ったこと)=”〜のように見えた”の〜の内容」ということになります。
「(僕には)そんな風に見えたけどね」→「僕のことをどうでもいいと思ってるから君はさよならをくれないんだって風に僕には見えたけどね」ということで、「本気でそう思ってるの?」って言われたけど、僕にはそうとしか見えなかったよ、と言っているわけですね。

それを聞いた後のレイチェルのセリフに泣けてしまいます。
I cannot believe that after 10 years, you do not know ONE thing about me! で、指で1を示しながら、one (ワン)の部分を強調して言っています。
「10年も経つのに、あなたが私について一つもわかってないなんて、信じられない」→「知り合ってからもう10年の付き合いになるのに、そんなに長い間一緒にいて、私のこと未だに何一つわかってくれてない!」ということですね。
レイチェルとしては、「長い間一緒にいたあなたなら、私から言葉で説明しなくても、私の気持ちわかってくれると思ってた」と言いたいわけですね。

そう言われたロスは「いいさ(わかったよ)」と言って、then why didn't you say something? と続けます。
ここが Why didn't you say anything? のような anything ではなく、something が使われている感覚としては、以下の研究社 新英和中辞典の説明が分かりやすいでしょうか。

something=[疑問文で] 何か、あるもの、ある事
(用法:疑問文・否定文では通例 something を用いず anything が用いられるが、話し手の心の中に肯定の気持ちが強い場合には something が用いられる)
Is there something to eat? 何か食べるものがありますか (比較 Is there anything to eat? 何か食べるものがありませんか)
Can't you do something? 何とかなりませんか (比較 Can't you do anything? どうにもなりませんか)


Why didn't you say anything? であれば、not anything 「何も〜ない」ということから、「(じゃあ)どうして(あの時)何も言わなかったの?」ということになりますが、something を使った場合は、「どうして何かしらの言葉を言う、ということを君はしなかったの?」のように、「何か言ってくれても良かったのに」「さよならの一言くらいあっても良かったはずなのに」という気持ちが込められているような気がします。

why? と理由を聞かれたレイチェルは、Because で理由を述べます。
too damn hard の damn は、Damn it! 「ちくしょう!」などの形で使われる単語ですが、今回は副詞で「すごく、ひどく」という強調語となりますので、too damn hard は「あまりにもものすごくつらすぎる」ということ。
「あなたにさよならを言わなかったのは、さよならを言うことがあまりにもつらすぎるからよ!」と言った後のセリフが、また泣けてしまいます。

I can't even begin to explain to you how much I'm gonna miss you. は「私がどんなに(どれほど)あなたを恋しく思うか[あなたがいなくなって寂しく思うか]を、あなたに説明し始めることすらできない」。
「説明し始めることができない」というのは、説明しようとしてもうまく言えない、言葉にならない、言おうとすると言葉に詰まって言えなくなってしまう、というようなことですね。

When I think about not seeing you every day, it makes me not want to go. は、「あなたと毎日会えないことを考えると、それが私を行きたくないという気持ちにさせる」。
「あなたと毎日会えなくなる、あなたの顔が毎日見れなくなるって考えたら、(パリに)行きたくなくなっちゃうのよ」ということ。

So if you think that I didn't say goodbye to you because you don't mean as much to me as everybody else, you're wrong. は長めの文章ですが、基本的な構造は、if you think that..., you're wrong. 「もしあなたが(that 以下)と思ってるなら、それは間違いよ[あなたは間違ってるわ]」ということですね。
that 以下の文章は、今回のシーンの冒頭でレイチェルが言っていた内容(I didn't say goodbye to you because I don't care)を少し言い換えた形になっています。
「気にしてないから、あなたのことがどうでもいいから」という I don't care の部分が、you don't mean as much to me as everybody else 「あなたが私にとって、他のみんなほど重要じゃない[大きな意味を持たない]から」のように、他のみんなとの比較の形を取っています。
とにかくロスが怒っていたのは、「他のみんなは個別に挨拶してもらえたのに、僕一人だけなかった。僕一人が軽んじられて、無視された」という内容だったので、レイチェルは自分がさよならを言わなかったのは、「他の5人に比べてあなたが重要じゃないからとか、あなたを軽んじていたからとか、そんな理由じゃない」という風に、比較で表現したわけですね。

「あなたが他のみんなより重要じゃない、大事な存在じゃないからって理由で、さよならを言わなかったとあなたが思ってるなら、それは間違いよ」と言った後、本当の理由として、It's because you mean more to me. 「それはあなたが私にとって、(他のフレンズたちよりも)もっと大切だからよ、重要だからよ」と説明します。
not mean as much as (everybody else) 「他の人より大切じゃない」だなんてとんでもない、その正反対で、mean more 「他の人より(あなたの方が)もっと大切」だからよ、と大切さの違いを比較で説明した形になります。
more と言う時に、人差し指でロスの胸をドンと突いているのが印象的ですね。
みんなより「あなた」の方が「もっと!」大切だからそうしたのに、どうしてそれがわかってくれないの! という気持ちがそのしぐさに出ています。

So there, all right? There's your goodbye! について。
So there, all right? は、「じゃあ、ほら[それで、今ので]いいわね?」というところでしょう。
There's your goodbye! は「そこにあなたのさよならがある!」という感覚ですから、「今言った言葉が、(あなたが欲しがっていた)あなたの分のさよなら(私からあなたへのさよなら)よ!」というニュアンスになるでしょう。

そう言い残して、レイチェルはドアの方に歩いて行きます。
ロスは Rach! と呼び掛けて、You keep-- You can't-- と言うのですが、言葉になりません。
レイチェルが二度目の What? を言うと、ロスは黙ってレイチェルにキスします。
キスの後、いったんは身を引いた形になるレイチェルですが、その後、しばらくして今度はレイチェルの方からキスをして、エンドクレジット、、となります。

今回のエピソードでは、「レイチェルからの言葉を期待して待っていたロスは、さよならさえ言ってもらえなかった」ということが、コメディとしては笑いの要素となっており、またロスへの同情にも繋がっていました。
「何でさよなら一つさえ言えないの?」と、ロスを始めフレンズたちも観客たちも、ずっと疑問に思い続けて、最後の最後にその理由を、「さよならを言うことがあまりにもつらすぎるから。どんなに寂しくなるか言葉にすることもできない。あなたに毎日会えないと思うと、パリに行きたくなくなっちゃう。さよならを言えないのはあなたが誰より一番大事だから」とレイチェルが告白することで、レイチェルの切なく苦しい気持ちをより強く感じられる、という効果が生まれたと言えるでしょう。
「10年も一緒にいたのに、あなたは私のこと、何一つわかってない!」と言って、レイチェルが気持ちを爆発させる様子が何とも切なく、またそのように「10年」という年月がセリフの中に言葉として出てくることも、フレンズをファイナルまで見続けたファンにとっては感慨深いものがありますね。


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posted by Rach at 15:21| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月12日

僕らにはいろいろあったのに、こんなの信じられない フレンズ10-16その5

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パリに転勤になるレイチェルは、フレンズ一人一人に個別にお別れの挨拶をするのですが、ロスにはさよならの一言もなく、自分の部屋に戻ってしまいます。
自分だけ無視された形になったロスは、怒ってレイチェルの部屋に入ってきます。
(Ross takes big steps leaving for Joey and Rachel's apartment, where Rachel is going through her papers.)
ロスは大股歩きで、ジョーイとレイチェルのアパートメントに向かう。そこではレイチェルが書類に目を通している。
ロス: I don't get a goodbye? (僕はさよなら一つもらえないの?)
レイチェル: What? (何?)
ロス: (talking agitated and angry) Everyone gets a goodbye but me? What do I gotta do to get a goodbye, huh? Be best friends with you? Uh, go out with you? Have a baby with you? Oh, wait a minute, wait a minute! I did all those things! ([イライラして怒りながら話す] 僕以外のみんなはさよならをもらえるのに? 僕がさよならをもらうには僕は何をすべきなんだろうね? 君と親友になる? 君とデートする? 君との間に赤ちゃんを持つ? あぁ、ちょっと待って、ちょっと待って! そういうこと全部、僕はしたよね!)
レイチェル: Ross-- (ロス…)
ロス: Or maybe it's me, I'm just not giving you enough credit. Uh, I mean, it is difficult to say goodbye to five people. Uh, goodbye, goodbye, goodbye, goodbye, g-- (makes choking noises) IT'S PHYSICALLY IMPOSSIBLE. You know what? After all we've been through, I can't believe this is how you want to leave things between us. Have a, have a good time in Paris. (He leaves the apartment. Rachel looks kind of desperate.) (もしくは多分、僕のせいなんだ、僕はただ君を十分に評価してないんだよね。ほら、5人の人間にさよならを言うのは難しいもんね。あぁ、さよなら、さよなら、さよなら、さよなら、さ… [喉が詰まるような音を出して] 物理的に不可能だ! ねぇ、僕たちが経験してきた全ての(こと)の後で、君が僕たちの間に物事をこんな風に残したいなんて[物事をこんな風に終わらせたいなんて]信じられないよ。パリで素敵な時間を過ごしなよ。[ロスはその部屋を去る。レイチェルは少し絶望的な顔をしているように見える])

Everyone gets a goodbye but me? 「僕以外のみんなはさよならをもらえるの?」と言った後、What do I gotta do to get a goodbye, huh? とロスは言います。
gotta = got to = have got to = have to ということで、I gotta go. 「行かなきゃ(ならない)」などの形で使われるように、gotta は「〜しなければならない」(have to)ということですね。
「さよならをもらうために僕は何をしなくちゃいけないのかな?」とロスは言い、その後、しなければならないことの例として、Be best friends with you? Uh, go out with you? Have a baby with you? の3つを挙げています。
be, go, have と原形が使われているのは、「僕は何をしなくちゃいけないの?」の続きとして、Do I have to be best friends with you? のように、gotta/have to の後に続く形として原形で表現していることになります。
ニュアンスとしては、「(君からさよならをもらうためには僕は)君と親友にならなくちゃいけないの? 君とデートしないといけないの? 君と子供を持たないといけないの?」というところですね。
興奮した様子で、そうまくし立てた後、「あ、ちょっと待って、ちょっと待って。僕はそれらのこと全部したよね!」と言っています。
それはつまり、「僕はレイチェルと親友で、恋人として付き合っていたこともあって、さらには二人の間にはエマという娘までいるのに、そんな間柄の僕に対して、レイチェルはさよならの一言すらくれないのか?」ということですね。
「他のフレンズたちよりも僕との方が関係も絆も深くて、挨拶に一番時間をかけてもいいはずなのに、一言さよならの挨拶すらないなんて信じられないよ」というレイチェルに対する大きな非難の言葉となるでしょう。

Or maybe it's me, I'm just not giving you enough credit. について。
この場合の it's me は「僕のせいだ」というニュアンスで、「問題となっているのは・原因は、僕だ」と言っている感覚になるでしょう。
give someone credit は「人を正しく評価する」という感覚。
ですから、このロスのセリフは、「(レイチェルが悪いんじゃなくて)多分、問題は僕の方にあるんだよね。僕がただ君を十分に評価していない、ってことなんだよね」と言っていることになるでしょう。
その後、「ほら、5人の人間にさよならを言うのは難しいんだよね」と言って、さよなら、さよなら、と4回まで言った後、5人目になった時に、グッ!と息を詰まらせて、「物理的に不可能だ!」と叫びます。
「4人にはさよならを言って、ただ最後の5人目の僕にも同じようにさよならって言うだけなのに、そんなことすらしてくれないなんて、ひどすぎるよ」という気持ちから、ここまでウザくて嫌味な(笑)言い方で非難していることになるでしょう。

After all we've been through, I can't believe this is how you want to leave things between us. について。
まず、最初の After all we've been through の after all は、「結局」というフレーズではなく、「all の後で」つまり「僕たちがこれまで be through してきたすべて(のこと)の後で」という意味になるでしょう。
through は「通り抜けて、中を通って」ということですから、「経てきた、経験してきた」のような感覚。
ですから、After all... は「友達で、恋人になって、娘もできて、僕たちはいろんなことを二人で経験してきた、そういう全ての出来事があった後(最後のお別れというこの時に)」というニュアンスになるでしょう。

次に、I can't believe this is how you want to leave things between us. について。
直訳すると、「僕には信じられない、僕たち二人の間に君が物事をどんな風に残したいかが[物事をどんな状態にしておきたいかが]、これだなんて」みたいになるでしょうか。
DVDの日本語訳(音声)では、「僕らの間には、いろいろあったのに、信じられないよ、こんな終わらせ方を君がするなんて、、」となっていましたが、意味としてはまさにそういうニュアンスだろうと思います。
他動詞 leave には「(もの)を残す」「(もの)を(補語)の状態にしておく」という意味がありますので、「君が僕の前から去ろうとする時に、ものごとを僕たちの間に、ある状態で残しておこうと君が望む、その状態がこれだなんて僕には信じられないよ」と言っている感覚になるでしょう。
こんな風に、僕たちの間に things を leave することが君の望みなの? いろいろあった僕たちの関係を、「一言のさよならも言わない」っていうこんな状態で終わらせることが君の希望なの? という気持ちですね。
「僕たち二人の間に、物事をこんな状態にしておく[こんな状態で残しておく]」というのが、「君が去る時に、僕たちの関係をこんな形で終わらせる」という感覚になる、ということです。

そう言った後、「パリで素敵な時間を過ごしなよ」と言って、ロスは部屋を出て行きます。
自分にだけさよならの挨拶がなかったことが、あまりにもショックでやりきれない、、 そういうロスの苛立ちと怒りがよく出ているシーンだと思います。


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posted by Rach at 13:29| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月09日

プライドあるからそんなことできない フレンズ10-16その4

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パリに転勤するレイチェルは、フレンズ一人一人を別室に呼んでお別れの挨拶をしています。
ジョーイとの挨拶も終わり、今は挨拶をしていないのはロスだけ、となった状態。
ロス: Okay, here we go. (よし、いよいよだ。)
レイチェル: Oh... (holding Ross's shoulder) Well.... (あぁ… [ロスの肩を掴んで] えーっと…)
ロス: Yeah. (あぁ。)
レイチェル: I think I'm gonna take off. (pats Ross on his back, but he looks very surprised) (じゃあ私は行くわね。[ロスの背中を叩くが、ロスは非常に驚いた顔をしている])
ロス: Huh? (は?)
レイチェル: Oh, you guys. This was an amazing night. Thank you so much. I love you. Good night. (あぁ、みんな。今夜は素晴らしい夜だったわ。ほんとにありがとう。愛してるわ。おやすみなさい。)
(She leaves the apartment and they all stare at Ross)
レイチェルはその部屋を去り、みんなはロスを見つめる。
ロス: What?! I don't get a goodbye? (何? 僕はさよならをもらえないの?)
ジョーイ: (still very emotional) Lucky bastard! ([いまだにとても感情的な様子で] ラッキーなやつめ!)
アドブレイク
[Scene: Monica's apartment continued... Phoebe, Chandler, Monica and Joey are sitting down and Ross is pacing up and down.]
引き続き、モニカのアパートメント。フィービー、チャンドラー、モニカ、ジョーイは座っていて、ロスは行ったり来たりしている。
ロス: Unbelievable. She says goodbye to everyone but me! (信じられないよ。レイチェルは僕以外のみんなにはさよならを言うのに!)
モニカ: Well, maybe she thought that with all of your history it could be, you know, implicit. (そうねぇ、多分レイチェルは思ったのよ、あなたたちにはいろいろあったから、ほら、暗黙の了解もありかな、って[言わなくてもわかるんじゃないか、って]。)
ロス: Well, it needs to be "plicit." (はっきりしてもらう必要があるよ。)
ジョーイ: All right, let's think about this. I mean, there's gotta be an explanation. Uh... did you do anything to make her mad? (よし、この件について考えよう。ほら、何か説明があるはずだ。うーんと、お前は何かレイチェルを怒らせるようなことをしたか?)
ロス: No, I don't think so. (うーん、そうは思わないけど[そんなことしてないと思うけど]。)
フィービー: You know, maybe she was just really spent from our talk. It was pretty intense. (ほら、多分、レイチェルはただ私たちとの話で疲れちゃったのよ。かなり真剣(で強い感情を起こすよう)なものだったから。)
モニカ: Yeah, mine too. (えぇ、私の[私とレイチェルの話]もね。)
チャンドラー: Mine was a humdinger. (俺のは、すごく素晴らしいものだったよ。)
ロス: (annoyed) O-kay! I mean, don't I deserve anything? I mean, a few tears, a cursory hug? (Joey gives Ross a hug) NOT FROM YOU! (Joey lets go) ([いらいらして] わかったよ! だって、僕は何も受ける価値がないの?[何を受けるにも値しないの?] ほら、2、3粒の涙とか、ぞんざいな[通り一遍の、お義理の]ハグとか? [ジョーイはロスをハグする] 君から(のハグ)じゃないよ! [ジョーイは離れる])
フィービー: Ross, if you're this upset, you should go and talk to her. (ロス、もしあなたがこんなに怒ってるなら、レイチェルのところに行って話すべきよ。)
モニカ: And say what? "You owe me a goodbye"? I mean, he's got more pride than that. (それで何て言うの? ”君は僕にさよならを言う義務がある”って? ほら、ロスはそんなことをする以上のプライドがあるのよ[ロスにはプライドがあって、そんなことはできないわ]。)
ロス: THE HELL I DO! (あぁ、もちろん、あるともさ!)
(Ross takes big steps leaving for Joey and Rachel's apartment, where Rachel is going through her papers.)
ロスは大股でジョーイとレイチェルのアパートメントに向かう。そこではレイチェルが書類に目を通している。


ついにレイチェルからの挨拶はロスを残すだけとなり、ロスもいよいよだと覚悟を決めるのですが、レイチェルは、I think I'm gonna take off. と言った後、ロスの背中をパンパンと叩いて、そのままスタスタと歩いて行くので、ロスは Huh? と言って驚いた顔をしています。
ドアの前で、今日のお別れパーティーのお礼をみんなに言って、そのまま部屋を去って行ってしまったので、フレンズたちも驚いてロスをじっと見つめます。
I don't get a goodbye? を直訳すると、「僕は(ひとつの)さよならもゲットしないの?」というところですね。
ロス以外のみんなは、個室に呼ばれ、それぞれさよならの言葉をもらえたのに、僕にはさよならの一言さえ言ってもらえないの? という気持ちです。
ロスだけ無視されたような形になってしまい、フレンズたちも何とも言えない顔でロスの方を見ていますが、その中でジョーイだけが、泣きながら恨みがましい目でロスを見て、Lucky bastard! と言っています。
bastard は「ひどい人、いやなやつ」、あるいは単に「やつ、野郎」という意味でも使われる言葉。
研究社 新英和中辞典では、
bastard=《俗》 【C】 ひどい人[もの], いやな人[もの]; 運の悪いやつ; やつ, 野郎
a lucky bastard 運のいいやつ
You bastard! この野郎

のように出ています。
憎々しげに You bastard! と言うと、「この野郎」という意味になるわけですが、a lucky bastard だと「運のいいやつ」という意味になるということで、今回のジョーイのセリフも、ロスに対して「お前は運のいいやつだな! ラッキーなやつめ」と言っていることになります。
この前のシーンで、レイチェルはバルコニーでジョーイにさよならを言っていましたが、挨拶が終わった後、ジョーイはバルコニーを乗り越え飛び降りようとするしぐさをして、慌ててレイチェルに止められていました。
ジョーイにとってはそれくらい、レイチェルの別れの挨拶がショックで悲しいものだった、ということで、それを経験しないで済んだロスのことを、「あんな辛くて悲しい思いをしなくて済んだお前は、ラッキーだったな」と言ってみせたわけですね。

アドブレイクで暗転の後、先ほどのシーンの続き。
ロスは「信じられないよ」と言って、She says goodbye to everyone but me! と言っています。
この but は「〜以外に、〜を除いて」という前置詞で、everyone but me で「僕以外のみんな」という意味になります。

次のモニカの maybe she thought that with all of your history it could be, you know, implicit. について。
with all of your history の with は「〜と一緒に(ある)」という感覚ですから、「〜が原因で、〜のために、〜のせいで」のような意味になるでしょう。
「あなたたちの歴史のすべてのせいで」→「あなたたちには二人の間にいろいろあった、という歴史があるから、そういうもののせいで、そういうものが原因で」というところですね。
it could be, you know, implicit. の implicit は「暗黙の、無言の、暗に示された」。
対義語は、explicit 「明白な、はっきりした」。
ですから、このモニカのセリフは、「あなたたちにはいろいろ(な歴史・経緯が)あったから、暗黙の了解となることが可能(かもしれない)とレイチェルは思ったのかもしれないわ」と言っていることになるでしょう。
お互いいろいろあって、もう言わなくてもお互いの気持ちはわかるから、あえて言葉では言わなかったんじゃない? ということですね。

それを聞いたロスは、it needs to be "plicit." と言っています。
plicit という単語は存在しませんし、わざわざ引用符でくくってあることからも、これは造語的に使っていることがわかります。
implicit という単語をモニカが使ったことに対して、ロスは im- を除いた形の「plicit である必要がある」と答えたことになりますね。
implicit という単語の成り立ち自体は、plicit という単語が存在しないことからもわかるように、「plicit という単語に im- という否定の接頭辞が付いたものではない」わけですが、今回のロスのセリフは、im- という接頭辞に「無、不」という not の意味があることを踏まえて、not のように見える im- を取り除くことで、「implicit ではない状態」を表したことになるでしょう。
ここで、not の意味の否定の接頭辞について少し説明しておきますと、通常は、in- になりますが(例:incredible=信じられない)、b, m, p の前では im- になります。
m の場合では immoral 「不道徳な」、今回のような p の場合だと、impossible 「不可能な」、impatient 「耐えられない、我慢できない」などがありますね。

上でも説明しましたように、implicit の対義語は explicit ですから、it needs to be explicit. のように表現すれば、「(暗黙の了解じゃなくて)明白に・はっきりする必要がある」という、ごく普通の表現になるわけですが、あえてその一般的な対義語を使わずに、ちょうど im- という「否定の接頭辞に見える部分」を取り除くことで、対義語っぽく表現したという面白さになるでしょう。

次にジョーイは、「この件について考えてみよう。(レイチェルがそういう行動を取ったことには)何か説明があるはずだ。何かレイチェルを怒らせるようなことしたか?」とロスに尋ねます。
何も思い当たる節がない様子のロスに、今度はフィービーが、「多分、私たちとの話でレイチェルはただ疲れちゃったのよ。かなり intense だったから」と言っています。
spent は spend の過去分詞ですが、形容詞として be spent の形で「疲れ切った」という意味で使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
spent [adjective] : (literary) extremely tired
つまり、「(文語的) 極度に疲れて」。
intense は「強烈な、激しい」ですが、ここでは「真剣な、本気の、まじめな」というニュアンスが近いでしょうか。
LAAD では、
intense : serious and making you feel strong emotions or opinions
例) an intense conversation

つまり、「真剣(本気・まじめ)で、強い感情や意見を感じさせるような」。例は「真剣で強い感情を起こさせる会話」。
ちょうどロングマンの例文に conversation が使われていますが、今回のフィービーのセリフも、our talk のことを言っていますので、上の語義の「intense な会話」と同じニュアンスだと考えればよいでしょう。

モニカが「私の会話もそうだったわ」と同意すると、チャンドラーは「俺のは humdinger だった」と言っています。
humdinger は「非常に素晴らしいもの」という意味。
LAAD では、
humdinger [noun] [singular] : (informal) a very exciting or impressive game, performance, or event
つまり、「(インフォーマル) 非常にエキサイティングな、または印象的な試合、演技、イベントなど」。

ロスは一言のさよならも貰えなかったというのに、みんなが口々に、疲れちゃうほど intense だった、すごく素晴らしかった、などと言うので、ロスは怒ったように Okay! と言ってから、「僕は何かをもらうに値しないの? 2、3(粒)の涙や、cursory hug をもらう価値もないの?[もらうにふさわしくないの?]」と言います。
cursory は「ぞんざいな、急ぎの」ですから、ぎゅーっとハグしてもらえなくてもいいから、ちょっと形だけのハグさえもないわけ? と言っていることになりますね。
それを聞いたジョーイは、ロスをハグしていますが、「僕が欲しいのは君(ジョーイ)からのハグじゃない!」とロスが怒ることになります。

次のフィービーのセリフの upset は「動揺・動転して、うろたえて、取り乱して、腹を立てて、憤慨して」などいろいろな訳語が可能ですが、とにかく「尋常ではない状態」を指します。
今のロスはオロオロしているというよりは怒っているので、「怒っている、激怒している」がこの場合はふさわしいですね。
「こんなに怒ってるのなら(私たちにいろいろ言ってないで)(直接)レイチェルのところに言って話すべきよ」とフィービーはアドバイスするのですが、モニカは「それで(実際に行って)何て言うの?」と言った後、"You owe me a goodbye"? と言います。
owe は owe A B の形で、「A(人)に B(義務・恩義など)を負っている」ですから、「君は僕にさよならを言う義務を負っている」→「君は僕にさよならを言う義務がある、さよならを言うべきだ」ということですね。

he's got more pride than that. の has got = has で、「彼(ロス)はそれ(今言ったこと)以上のプライドを持っている」→「彼にはプライドがあるから、そんなことはできない」と言っていることになります。
妹のモニカにそう言われたロスは、The hell I do! と言っていますが、the hell は What the hell is that? 「一体あれは何だ?」などの形で使われる強意語ですね。
the hell を強意語として使うのは下品とされていますが、ここではそういう言葉をセリフの中で使うことで、ロスの憤りとイライラが最高潮であることを表現していることになるでしょう。

The hell I do! は、I do! を強調しているので、I have more pride than that. 「僕にはそれよりもプライドがある」を強調していることになり、「あぁ、もちろん、僕にはプライドがあるからね、”レイチェルは僕にさよならを言うべきだ”なんてことは言えないよ」と言っていることになるわけですが、そんな風に言いながらも、大股歩きで、廊下を挟んだレイチェルの部屋に向かいます。
その行動はレイチェルに対して文句を言いに行っているのが明らかで、口では「僕にだってプライドがあるから、そんなことは言えないよ」と言いながらも、やはりこのまま済ますことはできずに、結局フィービーのアドバイス通りに行動している、という面白さになるでしょうね。


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posted by Rach at 16:29| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月04日

ブロー・ア・ラズベリー フレンズ10-16その3

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パリに転勤になるレイチェルは、フレンズ一人一人を別室に呼んでお別れの挨拶をしています。次はチャンドラーの番。
[Scene: The guest bedroom. Chandler and Rachel.]
客用寝室。チャンドラーとレイチェル。
レイチェル: Oh, honey.... (あぁ、ハニー…)
チャンドラー: Let me just say something because once we get into this, I'm gonna get all uncomfortable and probably make some stupid joke. I just want to say that I-- I love you. And I'm gonna miss you. And I'm so sad that you're leaving. (俺に一言言わせて、だってこのことにいったん入ったら(この別れの挨拶を始めちゃったら)、俺はすっかり居心地悪くなって、多分、バカなジョークを言っちゃうだろうと思うから。ただこう言わせて、君を愛してる。そして君がいなくなったら寂しくなる。そして君が行っちゃうのは俺はすごく悲しいよ。)
レイチェル: (all mushy) Oh, you know what? Let's not say anything else. I love you. (they hug) ([すっかり感傷的になって] あぁ、ねぇ。他には何も言わないようにしましょう。私もあなたを愛してるわ。[二人はハグする])
チャンドラー: Ooh, not so tight. (blows raspberry, and the hug ends) I'm sorry, just give me one more chance. (おぉ、そんなにきつく(ハグ)しないで。[口でおならの音真似をする。そしてハグが終わる] ごめんよ、もう一度チャンスをちょうだい。)
レイチェル: Okay. Oh... (わかったわ、あぁ…)
(Chandler blows raspberry again)
チャンドラーはまた、口でおならの音真似をする。
レイチェル: Oh! (まぁ!)
チャンドラー: I'm sor-- Just go. Just go. I can't. I can't. (ごめん… もう行って、行って。俺には無理、無理だよ。)

レイチェルは別室でチャンドラーにお別れの言葉を述べようとするのですが、チャンドラーはレイチェルがそれを言う前に、Let me just say something because... のセリフを言います。
最初から直訳すると、「俺に一言言わせて。その理由は、いったん俺たちがこれに入り込むと、俺はすっかり居心地悪くなって、そして多分、バカなジョークを言うだろう(からだ)」になりますね。
get into this というのは、レイチェルがこれからやろうとしている「チャンドラー一人に対してお別れの言葉を述べること」に入ったら、その挨拶が始まっちゃったら、という感覚ですね。
シリアスで真剣なやりとりが始まってしまったら、俺は落ち着いてられなくて、ついくだらない冗談言っちゃいそうだから、、と言っていることになるでしょう。
レイチェルの言葉に対して、おバカなジョークを返しそうになる前に、まず俺の方から君に言いたいことを言わせてくれ、ということで、その後チャンドラーは冗談を交えることなく、「君を愛してる。(君が去ってしまった後)君がいなくなって寂しいと思う。君が(NYを)去ることは俺はとっても悲しい」
と素直な気持ちを語ります。
すぐにジョークでごまかしたがるチャンドラーが、レイチェルがいなくなる悲しみを素直に語ってくれたことで、レイチェルは感動した様子で、「他には何も言わないようにしましょう。私も愛してるわ」と言ってチャンドラーとハグします。
レイチェルがハグすると、チャンドラーは「そんなにきつく(ハグ)しないで」と言った後、口から舌を出して、ブーとおならを真似た音を出しています。
ト書きにある、blows raspberry がまさにその動作を表す表現で、ぎゅ〜っ! とされたことで、まるでブーブークッションのように音を出してみたことになります。(ちなみに後で説明しますが、blow a raspberry のように a がつく形が一般的なようです)

その blow a raspberry について。
raspberry はジャムなどに使われる「キイチゴ、ラズベリー」のことですが、研究社 新英和中辞典では、キイチゴ以外の意味として、以下のものが出ています。
raspberry=【名】【C】《俗》 舌を両唇にはさんで震動させるやじ 《軽蔑・冷笑を表わす》
get the [a] raspberry 嘲笑(ちょうしょう)[嫌悪(など)]される
give a person the [a] raspberry 人を嘲笑[嫌悪]する


LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
raspberry :
2 (informal) an impolite sound made by putting your tongue out and blowing (SYN: Bronx cheer)
つまり、「(インフォーマル) 舌を突き出して息を吐き出すことによって出される無礼な音。同義語: Bronx cheer)


Macmillan Dictionary では、以下のように blow a raspberry の形で出ていました。(このことから、raspberry に a の付く形が一般的だと思われます)
blow (someone) a raspberry : to make a rude sound by putting your tongue through your lips and blowing

一般的な英英辞典では、「rude, impolite な音」という説明がされていますが、「おならの音」としての説明では、Urban Dictionary の以下の説明がわかりやすいように思います。
Urban Dictionary : Raspberry
Raspberry
2: Rhyming slang, meaning to make a fart sound with the mouth. Usually this is done on the stomach of a child.
Raspberry Tart rhymes with fart. Tart was dropped, leaving the less conspicuous, less gross sounding 'Raspberry'.


つまり、「口で fart (おなら)の音を出す、という意味の、押韻スラング。これ(この行為)はたいてい、子供のお腹の上で行われる。
Raspberry Tart(ラズベリー・タルト)は、fart (おなら)と韻を踏んでいる。(ラズベリー・タルトの)タルトが落ちて[省略されて]、(結果として)より目立たない、より下品でない”ラズベリー”の音が残った」。

すなわち、上の説明では、fart (ファート)と tart (英語読みではタート)の音が韻を踏んでいるという繋がりから、
fart → tart → raspberry tart → raspberry
と変化し、fart を連想させる tart ではない方の raspberry が残った、ということで、言葉の変遷として納得のいくものであると思えます。

ロングマンやマクミランの英英辞典では、「舌を出して息を出す」という表現にとどまっていますが、アーバンにあるような「子供のお腹の上でブーの音を出す」というのもイメージ湧きやすいですね。
お腹の上に口を当ててブーッ! とされたら、子供はその音とこちょばい(笑)のとでキャッキャ言って喜びますが、あれも raspberry だということです。
今回のチャンドラーのしぐさも、英和にあったような「軽蔑」のニュアンスというよりは、「ブーブークッションみたいなおならの音の真似」ということになるでしょう。

ちなみに「ラズベリー」と言えば、アカデミー賞とは対照的な「最低の映画(worst in film)を選ぶアメリカの映画賞」である「ゴールデンラズベリー賞(Golden Raspberry Award)」(別名:ラジー賞(Razzies)」を思い浮かべる方も多いかもしれません。
Wikipedia 日本語版: ゴールデンラズベリー賞:名称 の項目で説明されているように、やはり上で紹介したような raspberry の意味と関係があるようです。

Wikipedia 英語版: Golden Raspberry Awards には、金色のラズベリーがデザインされたトロフィーの画像もあります。
その英語版の説明にも、
The term raspberry in the name is used in its irreverent sense, as in "blowing a raspberry".
つまり、「名称の中の raspberry という言葉は、blowing a raspberry に見られるような、不敬・不遜な意味で使われている」
とありますので、やはり、blowing a raspberry と関係あるということですね。

ラジー賞(Razzies)の razz は「冷笑(する)」という意味で、LAAD では、
razz : (informal) to make jokes that insult or embarrass someone
Etymology (Word Origin) : 1900-2000 raspberry 2

つまり、「人を侮辱したり、人に恥ずかしい思いをさせるようなジョークを言うこと。語源:raspberry 2」。
このロングマンの説明によると、raspberry が razz の語源である、ということになります。

ラズベリーの説明が長くなってしまいましたが、別れるのが寂しいと言ってハグしている時に、「そんなにギューってしたら、俺ブーって鳴っちゃうよ」とチャンドラーがまるで子供のようなリアクションをしたことで、いったんはハグが中断するのですが、「(ふざけて)ごめん。もう1回チャンスをちょうだい」と言うので、レイチェルも気を取り直して再びハグしたところ、またこの雰囲気に耐えられないチャンドラーは、二回目のブー!音を出してしまった、というオチになります。
「ただ(もう黙って)行って。俺には無理だよ(できないよ)」とチャンドラーは言い、これで二人だけの挨拶は終わりとなりますが、この悲しみにどう対処していいかわからなくて、つい笑いに逃げてしまう、というのがいかにもチャンドラーらしいところですね。
最初に自分で言っていたように、「シリアスな挨拶が始まってしまうと、俺、バカなことをやっちゃいそうだから」というのが当たっていたということで、そうなる前に自分の素直な気持ち(レイチェルがいなくなることは本当に悲しくて寂しい)をきちんと伝えておいて良かったね、というところですが、脚本的に言うと、「この後、俺、バカなジョーク言っちゃいそうだから」とわざわざ言った上で真面目な発言をした後にはまず間違いなく、「チャンドラーがこの空気に耐えかねてやってしまいそうなジョーク」が出てくることが想定されますよね。
悲しい別れのシーンに、あまり辛辣な言葉でのジョークもそぐわないので、そういう意味では「ブーブークッションの真似」のような子供っぽいジョークがこの状況には一番合っていたのかなぁ、という気がしました。


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posted by Rach at 14:20| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年08月02日

あなたなしでは素晴らしいことは起きなかった フレンズ10-16その2

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仕事でパリに転勤になるレイチェルに対して、今夜はさよならパーティーが開かれています。
レイチェルはフレンズ一人一人を別室に呼んで、さよならを言っています。
まずはフィービーが呼ばれて、次にモニカが呼ばれます。
[Scene: The guest bedroom. Rachel and Monica are talking to each other.]
客用寝室。レイチェルとモニカが話をしている。
レイチェル: Mon. Okay. I better... just say what it is I'm gonna say. None of the amazing things that have happened to me in the last 10 years, would have happened if it wasn't for you. No one has been more like a sister to me. (モニカ。いいわ。私はただ私が言おうとしていることを言った方がいいわね。もしあなたがいなければ、この10年間で私に起こった素晴らしいことは何一つ起こらなかった。あなた以上に姉妹だと思える人は他にはいないわ。)
モニカ: I know what you mean. You're like a sister to me too. (あなたの言うことわかるわ。あなたも私にとっては姉妹みたいよ。)
レイチェル: (starts crying and speaking at the same time, making it almost impossible to understand what she's saying) I don't know what I'm gonna do without you.... ([泣き始めると同時に話しているので、レイチェルの言っていることを理解するのはほとんど不可能である] あなたがいないと、私はどうすればいいのかわからない…)
モニカ: (having the same problem) You're the greatest friend I ever had. ([同じ問題(泣きながら話しているので聞き取れない)の状態で] あなたは今までで最高の友達よ。)
レイチェル: (says something that cannot be understood) ([理解できないことを言いながら])
モニカ: What? (何?)
レイチェル: I-- I-- I-- (again saying something that cannot be understood) ([私、私、私… [また理解できないことを言いながら])
モニカ: That is so sweet. (they hug) (それってとっても優しいわ。[二人はハグする])
[Scene: Back to the living room. Monica and Rachel enter and hug each other. The guys see this.]
場面がリビングに戻る。モニカとレイチェルが入ってきて、お互いハグし合う。フレンズたちはそれを見る。
ロス: (to Joey) Oh, no, she took down Monica. And I'm the crier in the family. Oh, God! I could be next. Maybe she won't talk with me if it looks like we're deep in converstation. Oh, so that thing you said about the thing, it really made me think about that other thing. ([ジョーイに] あぁだめだ、モニカも落ちた[レイチェルはモニカも落とした]。そして僕は家族で一番の泣き虫なんだぞ。あぁ、なんてこった! 僕が次かもしれない。多分、僕たちが話に没頭しているように見えれば、レイチェルは僕と話そうとしないかも。あぁ、それで、君が例の件について言っていたあのことのせいで、また別のことを思い出しちゃったじゃないか。)
チャンドラー: Uh, Rach? (あのー、レイチェル?)
レイチェル: Yeah. (ええ。)
ロス: Oh, it's okay, Chandler's talking to her. (あぁ、よし、チャンドラーがレイチェルに話してる。)
ジョーイ: I really made you think about that thing, huh? (ほんとに、俺がお前にあの件のことを思い出させたんだな?)

客用寝室にモニカを呼んだレイチェルは、モニカに対してお別れの言葉を述べています。
None of the amazing things... のセリフは、とても感動的ですね。

まず、最後の部分の if it wasn't for you. について。
if it wasn't for you のような、if it wasn't for... の形は、if it were not for... とも表現されますが、「もし…がなければ、…がいなければ」という仮定法過去を使った表現。
実際には存在するけれども、もしそれがなかったと仮定したら、という意味で「現在の事実に反する仮定」であるために、仮定法過去が使われていることになります。
if it were not for... は、without... 「もし…がなければ」と言い換えることも可能です。

ちなみに文法書では、今説明したように、if it were not for という形で載っていることが多いですね。
If I were a bird などもそうですが、I や it のような単数主語であっても、was ではなく were を使うのが仮定法の原則・慣例であると説明されていることも多いですが、口語ではこのように、人称に合わせた形の、if it wasn't for... のような形で使われることもあり、今回はその典型例と言えそうですね。

次に if it wasn't for you より前の部分を見てみましょう。
長い文章ですが、None of... last 10 years までがこの文章の主語になっています。
シンプルな構造にすると、None of the things would have happened ということで、主語に否定語が入っているので、「(〜した)ことは何も起こらなかっただろう」と言っていることになります。
if... 以下と繋げると、「もしあなたがいなければ、(〜した)ことは何も起こらなかっただろう」ということになりますね。
そして things については、amazing things that have happened to me in the last 10 years だと説明されています。
「この10年間に私に起こった素晴らしいこと」ということで、「もしあなたがいなければ、この10年間に私に起こった素晴らしいことはどれも起こらなかったでしょう」と言っていることになります。
「10年間に私にはいろいろな素晴らしいことが起こったけれど、それは全てあなたがいてくれたからこそ起きた出来事だったのよ。私に素晴らしいことが起こったのはすべてあなたのおかげよ」と感謝の気持ちを述べているわけですね。

No one has been more like a sister to me. も主語に否定語が来ていますが、直訳すると、「私にとって、より姉妹のような人はいなかった」になるでしょう。
「(それ)より〜な人はいない」という比較は、今レイチェルが話しかけている相手(モニカ)との比較ですね。
「あなたよりそう感じられる人はいない」→「あなた(モニカ)は私にとって、一番、姉妹のような人だった」と言っていることになります。
「あなたより姉妹だと思える人は他にはいない」と言われたことに感動したモニカは、You're like a sister to me too. 「あなたも私にとって姉妹のようだわ。姉妹みたいよ」と返します。

その後、ト書きにあるように、レイチェルは泣き始めてしまったので、泣きながらしゃべる内容が聞いている人にはよくわからない、という状態になってしまっています。
「あなたがいないと私はどうすればいいのか…」「あなたは最高の友達よ」という二人の会話も、確かにそんなことを言っているようだな、とわかる程度ですね。

その後も言葉は続くものの、さらに大泣きになってしまい、今度は本当に聞き取れないような状態になってしまいます。
そのレイチェルのセリフの不明瞭な部分は、DVDの英語字幕では、"--seeing you every day." "--see you every day!" のように一応文字化されていますが、モニカも、"What?" と言っているように、ここは聞き取れないということで全く問題ないでしょう。
レイチェルが泣きながら、モニカが感動するようなことを言っているのは間違いないので、モニカも「何て言ってるの?」などと無粋なことは言わず、「それってとっても優しいわ」と返して、ハグすることになります。

レイチェルとモニカがリビングに戻ってきて、フレンズたちの前でハグし、それを見たロスは、she took down Monica. と言っています。
この take down は「倒す、やっつける」に近い感覚になると思われます。
DVD日本語訳では「モニカまで落とされたぞ」となっていましたが、まさにそういうニュアンスでしょう。
あのしっかり者のモニカが、あんなにボロボロに泣くところまで陥落されてしまった、というような感覚ですね。
And I'm the crier in the family. の crier は、「cry+ -er(人を表す接尾語)」ですから、「泣く人、泣き虫」。
よって、「僕は家族の中で(一番の)泣き虫だ」と言っていることになります。
妹のモニカよりも僕の方が泣き虫なんだぞ、モニカがあんなに泣いてたら、僕はどれだけ泣かされるはめになるだろう、というところですね。
「僕が次かも」と言ったロスは、Maybe she won't talk with me if it looks like we're deep in conversation. と続けます。
be deep in conversation は「会話の中に深くいる、会話にどっぷりつかっている」というような感覚ですから、「会話に熱中・没頭している、話し込んでいる」という意味。
ですから直訳すると、「多分、レイチェルは僕と話そうとしないだろう、もし僕たち(ジョーイと僕)が話し込んでいるように見えれば」→「僕たち二人が熱心に会話中のように見えれば、レイチェルは(次に挨拶をする相手として)僕を指名しないだろう」ということですね。

そう言った後、ロスは「何かしらの件でジョーイと話し込んでいる」様子を見せようとして、早速ジョーイに向かって話しかけることになります。
so that thing you said about the thing, it really made me think about that other thing. を直訳すると、「それで、君(ジョーイ)がそのことについて言ったあのことは、本当に僕に別のことについて考えさせたよ」になりますね。
英語も漠然とした thing という単語が連発していますが、別にレイチェルに内容が聞こえなくても「何かしら話し込んでいる」ことだけがわかればいいので、あえて具体的な内容ではなく、抽象的な単語を並べていることになるでしょう。

そうやって、とりあえずしゃべっている風を装っていると、レイチェルはチャンドラーを呼んだので、ロスは安心するのですが、ロスのさっきの意味不明な会話に対して、ジョーイが "I really made you think about that thing, huh?" と何だか嬉しそうに返しているのが面白いです。
ロスが言っていたのは適当に会話っぽくしただけのセリフで、thing と言っていたことはどれも特定の内容があるわけではないのですが、「その件でジョーイがあんなことを言うから、別のことを思い出しちゃったじゃないか」という言葉をそのまま受け止めて、「俺が何か言ったせいで、お前は何かを考えることになっちゃったんだな」「俺のせいでそうなっちゃったんだな」というような「俺のロスに対する影響力」のようなものをちょっと嬉しそうに語っていることになるでしょう。
ロスの発言に何も思い当たる節もないはずなのに、「俺のせいでそれを思い出しちゃったって?」と嬉しそうな顔をしているジョーイのズレ具合が、いかにもジョーイっぽい面白さだということですね。


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posted by Rach at 13:38| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月29日

表なら私の勝ち、裏ならあなたの負け フレンズ10-16その1

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シーズン10 第16話
The One With Rachel's Going Away Party (Good-Bye レイチェル)
原題は「レイチェルのさよならパーティーの話」


[Scene: Joey's place. Rachel and Joey are talking]
ジョーイの家。レイチェルとジョーイが話をしている。
ジョーイ: All right, all right, all right, let's play one more time, okay? And remember, if I win, you do not move to Paris. (よしよしよし、もう1回やろうよ、な? で、覚えてるよな、もし俺が勝てば、レイチェルはパリには行かない、って。)
レイチェル: Okay! Can't believe I'm risking this again, but you're on! All right, Joe, you remember the rules! Heads, I win. Tails, you lose. (いいわよ! もう一度こんなリスクを冒すなんて信じられないけど、でも受けて立つわ! いいわね、ジョーイ、ルール覚えてるわよね? 表なら私の勝ちで、裏ならあなたの負けよ。)
ジョーイ: Just flip! ((つべこべ言わずに)さっさと投げろよ!)
レイチェル: (she flips the coin): Ha, tails! ([レイチェルはコインを投げる] あは、裏よ!)
ジョーイ: Damn it! (くそっ!)
(Chandler and Monica enter the room)
チャンドラーとモニカが部屋に入ってくる。
チャンドラー: Hey! (やあ!)
ジョーイ: Hey! (よお!)
チャンドラー: So we thought we'd throw you a little going-away party around 7. (7時くらいに、レイチェルにちょっとしたさよならパーティーを開こうと思ってたんだけど。)
レイチェル: Oh, that sounds good! (あぁ、それって素敵ね。)
モニカ: Hey, Rach, you're leaving tomorrow. Shouldn't you be packing? (ねぇ、レイチェル、あなたは明日発つのよね。荷造りしなくていいの?)
レイチェル: It's all done! (全部済んでるわ!)
モニカ: Oh, yeah, right! And after I took a shower this morning, I just threw my towel on the floor! Oh God, it hurts to even joke about it. (あーぁ、[皮肉っぽく]そうよねぇ〜! それで私は今朝、シャワーを浴びた後に、床にタオルを投げ捨てた! あぁ、ジョークを言うだけでも胸が痛むわ。)
レイチェル: I know. Honey, seriously, I did it all. (そうよね。(でも)ハニー、真面目な話、私は荷造りを全部済ませたのよ。)

ジョーイはレイチェルに向かって、「もう一回プレイしよう」と言った後、「で、覚えてるよな、もし俺が勝てば、君(レイチェル)はパリに行かない、って」と言っています。
レイチェルのパリ行きを阻止するために、ジョーイが何かしらのゲームで勝とうとしていることがわかりますね。
Can't believe I'm risking this again は、主語の I が省略されていて、直訳すると、「もう一度、私がこの件を賭けようとしているのは[この件でリスクを冒そうとしているのは](自分でも)信じられないけど」という感覚になるでしょう。
「ゲームに負けたら、パリ行きはとりやめ、なんてリスキーなことをしようとしてる自分が信じられないけど」ということですね。
you're on は、過去記事、けがに悩まされた1年 フレンズ6-6その4 にも出てきました。
お金を賭けてフーズボールをしようというやりとりの中で、
チャンドラー: What do you say to $50? (50ドル(賭ける)ってのはどう?)
ジョーイ: Okay, you're on. (オッケー、受けて立つよ。)
チャンドラー: Okay, let's play! (オッケー、じゃあプレーしよう!)

You're on. は「お前はオンだ、オンの状態だ」という感じですが、この on については、研究社 新英和中辞典では以下のように説明されています。
on =【副】《口語》 賛成して、喜んで参加して
I'm on! よしきた, 賛成だ。
You're on! (取引・賭けで)ようし承知した。


LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
you're on! : (spoken, informal) used to accept something such as a bet or an offer.
例) "I bet you $20 he won't come." "You're on!"

つまり、「賭けや申し出のような何かを受け入れる時に使われる」。
例文は、「彼は来ないって(方に)20ドル賭けるよ」「(その賭け)受けて立つよ」。

その後、レイチェルは、「ジョーイ、あなた、ルールは覚えてるわよね」と言って、Heads, I win. Tails, you lose. と続けます。
コイン投げのゲームにおいては、heads は「表」、tails は「裏」ですね。
ですから、レイチェルが言ったルールは、「表なら私の勝ち。裏ならあなたの負け」と言ったことになります。
ジョーイは、「そんなこと言われなくてもわかってるさ。さっさと投げろよ」というように、Just flip! と言うのですが、よくよく考えてみるとこのルールでは「表が出ても裏が出ても、ジョーイが負ける」という仕組みになっているのがポイントですね。
Tails, you win. だったら問題なかったのですが、Tails, you lose. という表現になっていたことに英語のセリフで気づけて、「どっちにしてもジョーイが負けじゃん」とわかった方は、「英語が聞き取れていた、この英語のジョークが理解できた」ということになります。
日本語でも詐欺師などがこんなルールで人を騙すことがありますが、英語でもそういうひっかけは存在するということですね。
投げたコインは裏が出て、ジョーイは負けたことにがっかりしていますが、このルールでは一生勝てないということにジョーイが全く気づいていない面白さになるでしょう。

その後、チャンドラーとモニカが入ってきて、「7時くらいにレイチェルのために、ちょっとしたパーティーを開こうと思ってた」と言います。
モニカは、ジョーイと話していたレイチェルを見て、「明日、出発する予定よね? あなた(今)荷造りをしているべきじゃないの?」→「荷造りしなくていいの?」と尋ねます。
レイチェルが誇らしげに、It's all done! 「(荷造りは)全部済んだの!」と言うと、モニカはちょっと皮肉っぽい口調で、Oh, yeah, right! と言った後、And after... 以下のセリフを言っていますね。
Yeah, right. は、単語を直訳すると「えぇ、そうね」になりますが、今回のように大袈裟に皮肉っぽく言うと、「まさか」と思っている気持ちが出ます。

And after... のセリフを直訳すると、「(あなたは荷造りが済んだ。)そして私は今朝シャワーを浴びた後、床の上にタオルを投げた[投げ捨てた]」みたいに言っていることになるでしょう。
そして次のセリフは、「あぁ、なんてこと、それについてジョークを言うことでさえ、心が痛むわ」ということですね。
「几帳面なモニカが、タオルを床に投げ捨てるなんてありえない」というのは、みんなが感じることでしょうが、it hurts... のセリフからも、それがジョークとして言ったものであることがはっきりとわかります。
モニカは、「片付けとかが苦手なレイチェルが、荷造りもう全部終わったですって?」のような驚きの気持ちを感じたので、「レイチェルがそんなことしたなんて、何だか”らしくない”わね」と言いたい気持ちを込めて、「でもそう言えば、私も今朝、”整理整頓好きで几帳面な私”っぽくないことをしたばかりなのよ」という例として、「シャワーの後、タオルを床に投げ捨てた」と言ったことになります。

モニカのその発言を聞いたレイチェルは、I know. と言った後、「ハニー、真面目な(真剣な)話、私はそれを全部やったのよ[荷造りを全部済ませたのよ]」と言っています。
「荷造り完了なんてレイチェルらしくない」という意味でモニカが「床にタオル」の冗談を言ったことがレイチェルにはわかるので、「モニカが驚くのはわかるけど、真面目な話、本当に荷造りを済ませたのよ。冗談かと思ってるかもしれないけど、ほんとの話なのよ」という意味で、seriously を使っているという流れになるわけですね。


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posted by Rach at 16:26| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月27日

私たちの行く先々に現れる フレンズ10-15その6

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チャンドラーとモニカは郊外に引っ越す予定なのですが、その隣の家をジャニスが買うことになりそうな気配。チャンドラーは(表情から明らかに嘘だとわかるものの)ジャニスに「君が隣に来てくれて嬉しい。だってまだ君のことを愛してるから」と言うのでジャニスは驚いています。
ジャニス: Chandler, what are you talking about? (チャンドラー、あなた何言ってるの?)
チャンドラー: Now that you live next door, we can be together every day. Sid and Monica never have to know a thing. (今や君が隣に住むんだから、俺たちは毎日一緒にいられる。シドやモニカは何一つ知る必要はないんだ。)
ジャニス: I don't know what to say. I mean, you know, obviously we have this heat between us. (何て言えばいいかわからないわ。だって、ほら、明らかに私たちの間には、こんな熱さ[情熱]があるけど。)
チャンドラー: (stunned) Obviously. ([固まった顔をして] 明らかに、ね。)
ジャニス: But I love my husband. And I know you love your wife. Now, I don't think we should get this house now. (でも私は夫を愛してるわ。そしてあなたがあなたの奥さんを愛してることも知ってる。今、私たちがこの家を手に入れるべきではないと思うの。)
チャンドラー: Don't say that. Don't tangle the dream and take it away. (そんなこと言わないで。その夢を乱さないで、夢を奪い去らないで。)
ジャニス: Chandler, one of us has got to be strong. (チャンドラー、私たちの一人は強くならないといけないわ。)
チャンドラー: I understand. (わかったよ。)
ジャニス: Although, maybe just... one last moment of weakness. (she kisses Chandler flat on the mouth. Chandler squirms. When she's finished, he looks at her lovingly but uneasily.) Goodbye, Chandler Bing. (She leaves) (でも、多分、弱さの最後の一瞬ね。[ジャニスはチャンドラーのまさに口にキスする。チャンドラーはもがく。ジャニスが(キスを)終えた時、チャンドラーはジャニスを愛しそうだが不安な様子で見る] さよなら、チャンドラー・ビング。[ジャニスは立ち去る])
チャンドラー: (speaking as in pain) They're never coming down now. ([苦しそうに話す] 今は(それらは)下がらないな!)

チャンドラーが愛の言葉を述べたので、ジャニスは「何言ってるの?」と驚いています。
「今や君が隣に住むんだから、俺たちは毎日一緒にいられる。君の夫シド、俺の妻モニカは、何一つ知る必要はないんだ」とチャンドラーが言うと、ジャニスは「何て言えばいいのかわからないわ」と言って、「明らかに私たちの間には、この熱さ・情熱があるけど」のように言っています。
ジャニスは、チャンドラーの告白に驚きつつも、「でも確かに二人の間には熱いものが燃えさかっているわよね」と言ったことになりますね。
そんな風に返されたチャンドラーは、かなりの間があった後、そんな発言は認められないというように、嫌そうな固まった顔をして、ジャニスの言った言葉 Obviously. を繰り返します。
言葉上では「二人の間に熱さが存在するのは明らかだよね」とジャニスに同意したことになるのですが、心の中では「いや、そんなもん、一切存在してないだろ!」と完全否定していることが、その顔の固まり具合からよくわかりますよね。

その後、ジャニスは、「でも私は夫を愛してる。あなたが奥さんを愛してるのも知ってる。だから今、私たち(夫婦)はこの家をゲットすべき[買うべき]じゃないと思う」と言います。
あなたと私が隣に住んで関係を持ってしまったら大変だから、私たち夫婦はこの家を買っちゃいけないわよね、隣に住んじゃいけないわよね、ということですね。

チャンドラーにとっては、いい方向に話が進んできたのですが、チャンドラーはまだ気を抜くことなく、「俺としてはジャニスに隣に住んで欲しい」というようなアピールを続けています。
tangle は「〜をもつれさせる」「(物事を)紛糾させる、混乱させる」なので、「夢を混乱させないで・乱さないで・壊さないで」と言っていることになるでしょう。
take away は「取り去る、奪い去る」ですから、「その夢を奪い去らないで」。

言葉ではそんな風に言いながらも、目はジャニスではない別の場所を凝視している感じで、その言葉を語る口調も、ものすごく早口で棒読みです。
本心からの言葉ではないのはミエミエですが、ジャニスだけはそれを真に受けているという状態ですね。

「私たちの一人は強くならないといけないわ」とジャニスが言い、ガッツポーズをすると、チャンドラーも「わかったよ」と言いながら、軽くガッツポーズをしています。
この「私たちの一人は〜しないといけない」という言い回しは、最近のエピソード、君の弱みに付け込んでる気がする フレンズ10-13その5 にも出てきました。
メイクラブしたいと望むレイチェルに対して、
ロス: I think one of us has to be thinking clearly. So I'm gonna go! (僕たちの一人は[どちらかは]よく考えないといけないと思うんだ。だから、僕は行くよ[帰るよ]!)
と言っていましたね。
感情に任せてイケナイことをしてしまいそうな時、どちらかが冷静に判断しないといけない、どちらかが心を強く持たねばならない、と言う場合に、このフレーズが使われるということですね。

これで無事、ジャニスは家を買わずに去ってくれる、、とチャンドラーも安心したことでしょうが、その後ジャニスは、「でも、多分、弱さの最後の一瞬ね(これが最後の弱さね)」と言って、チャンドラーの唇にキスします。
キスされた瞬間、チャンドラーは「ん!」と言って、後ろに下がろうとするのですが、チャンドラーの頬を手で挟んだジャニスが、結構しつこくキスし続けるので、観客からは歓声も上がっています。
キスした後、ジャニスは別れを告げて去って行くのですが、キスされた後のチャンドラーは、ぐっと口をつむったままで、その後、苦しそうなダミ声で、They're never coming down now. と言っています。
この部分、DVDの日本語訳では、「(字幕)タマ 上がりっぱなし!/(音声)これでもう、タマは大丈夫」となっていましたが、まさにそういう意味のようですね。
このセリフでは、they のように漠然とした複数形の主語になっていますが、これはこれより前のシーンで、ジャニスが隣になるかもしれないとわかった時の、チャンドラーとモニカのやりとりが元になっています。
チャンドラー: Will we love it so much with her next door? And she's gonna be louder out here too! Just the crickets and, (apes Janice's voice) "Oh... my... God!" (彼女が隣にいるのを俺たちはすごく喜べるか? それにこの辺りでは、もっと声が大きくなったりもするんだぞ! ただコオロギの声と、[ジャニスの声を真似る] ”オー・マイ・ゴッド!”)
モニカ: Okay. But if we don't get this house, she's still gonna show up wherever we go! I mean, at least if she's here, it eliminates the element of surprise. I mean, never again will you have to hear the three words that make your balls jump back up inside your body! (She shows this with her index finger, mimicking it pushing something up) (そうね。でも、もし私たちがこの家を手に入れなかったら、これから先も、彼女は私たちの行くところ、どこへでも現れるわ! ほら、少なくとも彼女がここにいたら、驚きの要素は排除されるもの。ほら、もう二度と、あなたはあの3語を聞く必要がなくなるのよ、あなたのタマが驚いて身体の中に戻ってしまうような、あの3語をね! [モニカはこのことを自分の人差し指で示す、それが何かを押し上げるかのようなしぐさをして])

your balls jump back up inside your body については、DVDの日本語訳では「あなたのタマが縮み上がる」となっていましたが、そういう感じのニュアンスだと思います。
jump back up inside your body の意味を単語ごとにイメージしていくと、「ジャンプするように急いで・急激に、戻る、上に上がる、自分の身体の中に」という感じですから、「びっくりして身体の中に引っ込んじゃう、すっこんじゃう、すくんじゃう」みたいな感じになるように思います。
そのシーンで、「ジャニスが近くにいると、あの声が聞こえて、balls がそんな状態になる」と言ったことを受けて、今回のシーンでは、they という代名詞にとどめて、「balls はもう、決して下がらない」→「ジャニスの脅威から解放されて、ball も元通り元気になる」みたいなことを言ってみせたことになるでしょう。
この They're never... の一文だけを取り上げて、「これはどういう意味でしょう?」と問うても全くわからないわけですが、「ジャニスがいると、balls がこうなる」という話をしたシーンがあった後に、「ジャニスが去って行ったら、they はこうなる」ということを言っているわけなので、they = balls だと想像できて笑えてしまう、ということですね。
(2016.8.2 追記)
この部分のやりとりについて、非公開コメントにてご意見をいただきました。
まず、「少なくとも彼女がここにいたら、驚きの要素は排除される(at least if she's here, it eliminates the element of surprise)」という部分が私の解説では抜けていましたので訂正します。
「あなたのタマが驚いて身体の中に戻ってしまうような、あの3語」というのは、「思いがけないところでジャニスに再会した時に、ジャニスが発する Oh, my God.」という意味ですね。
「近所にいるとわかっていれば出会いに驚くこともないので、思いがけないところで突然聞くはめになるジャニスの Oh, my God! に縮こまることはなくなる」という意味でした。
次に、"They're never coming down now." について、「男性の生理としては down が正常な状態」とのご指摘を頂戴したのですが、確かにその通りだと思います。
「思いがけない再会に驚いたジャニスの声を聞くと、タマが身体の中に戻ってしまう(縮こまってしまう)」という話の流れに対して、「今のジャニスからのキスは強烈過ぎて、今度はタマが上がりっぱなしになってしまう」という正反対のことを言っている面白さになると思われます。
(追記はここまで)


ちなみに、上のやりとりですが、Just the crickets and, "Oh... my... God!" と、she's still gonna show up wherever we go! というのが、とても面白くて笑ってしまいました。
ここはNYとは違い郊外なので、虫の音などの聞こえる閑静な場所なのですが、そのことを、「聞こえてくるのはただコオロギの声と、そしてジャニスの”Oh, my God!" だ」と表現しているのが楽しいです。
そして、過去のエピソードでも、意外なところで再会して、おいしい登場を繰り返してきたジャニスですが、モニカたちもそう感じていて、she's still gonna show up wherever we go! 「これから先も、彼女は私たちの行くところどこへでも[行く先々に]現れる」と言葉でそう表現しているのが、ジャニスというキャラ設定を、劇中のキャラ(モニカ)に語らせている感じがして、何だかとても面白いなぁと思いました。


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posted by Rach at 18:15| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月25日

やめたところからまた始められる フレンズ10-15その5

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[Scene: The house next door to Chandler and Monica's new house. Chandler is pacing worriedly through the living room when Janice enters.]
チャンドラーとモニカの新居の隣の家。チャンドラーが心配そうにリビングを歩いていると、ジャニスが入ってくる。
ジャニス: Well... I just talked to Sid. We are definitely putting in an offer on the house. A-a-and I'll bet we get it! (私、ちょうどシド(ジャニスの夫の名前)と話したところなの。この家に絶対に申し込むわ。そして私たちが間違いなくゲットするわ。)
チャンドラー: The Hitlers will be so disappointed. (ヒトラー夫妻はすごくがっかりするだろうね。)
ジャニス: All right, I gotta run. Tell Monica I say goodbye. And... I'll see you later, neighbor. (Janice laugh) (いいわ、私行かなきゃ。私がさよならって言ってたって、モニカに言っといて。そして…また後でね、ご近所さん。[ジャニスは笑う])
チャンドラー: Wait! I just want you to know that... I'm so happy you're going to be here. (待って! ただ君に知っておいて欲しいんだ… 俺はすごく幸せだよ、君がここに来ることになって。)
ジャニス: Oh, me too! (laughs) (まぁ、私もよ! [笑う])
チャンドラー: Because... that way... we can pick up where we left off. (だって… そうすれば… 俺たちは、やめたところ(終わったところ)からまた始められるだろ。)
ジャニス: Huh? (は?)
チャンドラー: I never stopped loving you. (俺は君を愛することをやめてなかったんだ。)
ジャニス: Oh...my-- (オー、マイ…)
チャンドラー: Yeah, yeah, yeah, yeah! I want you. I need you. I must have you, Janice Litman-Goralnik nee Hosenstein. (そうそうそう、そうなんだ! 俺は君が欲しい。俺には君が必要だ。俺には君がいなくちゃだめなんだよ、ジャニス・リットマン・ゴラルニック、旧姓ホーゼンスティーン。)

We are definitely putting in an offer on the house. の put in は「中に入れる」ことから「申し込む、申請する、応募する」というニュアンス。
夫のシドと話して、「この家に絶対に申し込みをするわ」と言っていることになります。
bet は元々、「金を賭ける」という意味なので、「(人に賭けて)断言する」という意味にもなり、この場合は、「私たちがこの家をゲットすると断言する。私たちは間違いなく・確実にこの家をゲットするわ」という意味になります。

「この家に申し込んで、もう1組のライバルを蹴落として絶対にゲットするんだから!」と強気な発言のジャニスに対し、チャンドラーは、The Hitlers will be so disappointed. と言っています。
The Hilters の Hitler は、あのナチスドイツのヒトラーのこと。
ここでヒトラーの名前が出て来たのは、これより前のシーンで、ジャニスと驚きの再会をした後、モニカがつい「私たち隣の家を買う予定なの」としゃべってしまったシーンと関係しています。
「何でジャニスにしゃべっちゃうんだ」と言われ、モニカ自身も「何でそんなことを言っちゃったのかわからない」と困惑した様子でしたが、その後、
モニカ: Okay, the realtor said another couple made an offer. Maybe the Janices won't get it! Maybe the other couple will. (ねぇ、不動産屋が言ってたでしょ、もう一組のカップルが申し込みをした、って。多分、ジャニス夫婦はこの家をゲットできないわよ!多分もう一方のカップルがゲットするわね。)
チャンドラー: The only way that that is going to happen is if the other couple are the Hitlers! (そういうことが起こる唯一の方法は、もしもう一方のカップルがヒトラー夫婦だった場合だけどね。)

モニカは「もう一組のカップルがゲットするわよ、きっと」と言っているのですが、チャンドラーは「ジャニスに勝てそうなのは、相手がヒトラー(夫婦)だった場合くらいだね」みたいに、「喧嘩して負けなさそうな例」としてヒトラーの名前を挙げたことになります。
このやりとりで注目すべきは、the Janices, the Hitlers という「the+名前の複数形」の形。
英語では「the+名字の複数形」で、「(名字)一家」という意味を表します。
その名字の人がたくさんいる集団だからですね。
「一家」ほど大きくなくて、夫婦、兄弟姉妹の場合でも、同じ名字の人が2人以上いる場合には使えます。

ヒトラーの場合は、アドルフ・ヒトラーでヒトラーが名字ですから、まさに「ヒトラー夫婦」と表現していることになるのですが、ジャニスの方は名字ではなく名前の方の複数形で表現されています。
これはモニカが、ジャニスの名字を知らないからでしょう。
ジャニス夫婦は、夫シドと妻ジャニスで、その夫婦(一家)にはジャニスという名前は複数存在しないので、the Janices という表現は、厳密に言うとおかしいわけですが、モニカのイメージとしては「ジャニスとその夫のあの夫婦」なので、名字のように the Janices と表現したことになります。
仮に名字を知っていたところで、the+名字と表現しても、視聴者がジャニス夫婦のことだとピンとこないから、という脚本上の都合もあるでしょうが、モニカがジャニスの名字を知らないことを示唆しているのは間違いないと思います。

今回のシーンに戻ります。
少し前のシーンで、「ジャニスのライバルとなるもう1組のカップル」のことをヒトラー夫婦と表現したことを受けて、チャンドラーはここで、「ライバルのヒトラー夫婦はすっごくがっかりするだろうね」と言っていることになりますね。
「ジャニスに勝てそうなのはヒトラーぐらい」と思っていたチャンドラーですが、ジャニスが買う気満々、勝つ気満々のパワー全開モードなので、これはもう相手に勝ち目はないな、という意味で、「さすがのヒトラー夫婦でも、がっかりしちゃうだろうね」と言ったことになります。

I gotta run. を直訳すると、「私、走らなくちゃ」ということですが、これは「急いで行かなきゃ」というニュアンス。
I gotta go. はよく聞きますが、それを I gotta run. と表現すると「もう走ってでも行かなくちゃ」という感じが出て、より急ぎのニュアンスが出ると言えるでしょう。
ささいな表現の違いではありますが、いつもの表現をちょこっとアレンジすることで、言葉の幅が広がる気がしますよね。

ジャニスは「また後でね、neighbor (ご近所さん)」と言って、あの独特の「ジャニス笑い(Janice Laugh)」をしながら家を出ようとしますが、チャンドラーはそれを引き留め、「ただ君に知っておいてほしいんだ、君がここに来ることになって、俺はとっても幸せだってこと」と言います。
ジャニスは「私もよ」と言ってそのまま家を出ようとしますが、チャンドラーは、Because... と意味ありげに言葉を続けてから、that way... we can pick up where we left off. と言っていますね。

that way は「そのように、その方が」という感覚。
「俺たちが leave off したところを pick up できる」のように表現していますが、leave 「離れる」+off 「分離」ですから、leave off は「やめる」という意味。
pick up は「拾い上げる」が原義で、落ちたものを拾い上げる感覚から来るのでしょうね、「(話や活動などを)(中断後に)再び始める」という意味があります。
よって、チャンドラーのセリフは、「俺たちがやめたところからまた始められる」というような意味になるのですが、表現が抽象的であるため、それを聞いたジャニスは、まじで何のことかわからない、という顔で、Huh? と言っています。
するとチャンドラーは、先ほどの抽象的な言い方ではなく、もっと直接的に、I never stopped loving you. 「俺は君を愛することをやめていなかった」→「君のことをあれからもずっと愛してた」と言います。
既婚者である元カレから、愛の告白をされたことになるので、ジャニスはお得意の Oh, my God! を言おうとするのですが、チャンドラーが早口で Yeah, yeah, yeah, yeah! と言って、God まで言わせないのが面白いですね。
「もう、それ聞くのめんどくさいからやめて」みたいな感じの止め方です。

その態度を見ていると、「ジャニスを今でも愛してると嘘をついて、その場を切り抜けようとしている」のは明らかなのですが、チャンドラーはとにかく言葉上では、「ジャニスを愛してる」的な言葉をいくつも繰り出します。
I want you. I need you. I must have you と言った後、呼び掛け語としてジャニスの名前を言っていますが、それがやたらと長いフルネームなので笑ってしまいますね。

フレンズ8-24 で、レイチェルとジャニスが同じ病院で出産した時、ジャニスは自分の生まれたばかりの息子を連れて、レイチェルと娘エマの部屋に、以下のように挨拶に来ていました。
ジャニス: (entering) Yoo-hoo! Aaron Lipman-Guralnick would like to say hello to his future bride. ([入ってきて] やっほー! アーロン・リップマン=グラルニックが、未来の花嫁に挨拶したいって。)
この名前の部分、DVD英語字幕では、Aaron Lipman-Guralnick、ネットスクリプトでは、Aaron Litman-Neurolic と表記されていました。
多少綴りは異なっていますが、今回の 10-15 でチャンドラーが言ったフルネームの中の、Litman-Goralnik とほぼ同じですね。
基本的にスペルは、DVD字幕の方がオフィシャルであると考えるべきですが、サブキャラのフルネームなので、いまいち統一が取れていない、ということのようです。

そして、おまけのように最後についている、nee Hosenstein について。
この nee は、発音は「ネイ」で、「(結婚前の)旧姓は」という意味。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
nee [adjective] : (old-fashioned) used in order to show the family name that a woman had before she was married.
例) Mrs. Carol Cook, nee Williams

つまり、「(古い表現) ある女性が結婚する前に持っていた名字を表すために使われる」。例文は、「ミセス・キャロル・クック、旧姓ウィリアムズ」。

ですからチャンドラーは、ジャニスのフルネームを呼び掛ける時に、わざわざ旧姓まで言った、ということですね。
ジャニスとの再会におののいているわりには、その長いフルネームを旧姓まで含めてちゃんと覚えてるやん! という面白さになるのでしょう。
二人のくされ縁の深さがよく表れている感じですね。


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posted by Rach at 17:50| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月21日

ファイナルにもやはり登場のあの人 フレンズ10-15その4

★★★7月22日開催の枚方T-SITEでのセミナー、いよいよ明日となりました!
HIRAKATA T-SITE : 【イベント】海外ドラマDVDで英会話を学ぼう
私の準備は万全です! 海外ドラマの生きたセリフから英語を学ぶ楽しさを、皆さんにお伝えできるのをとても楽しみにしています♪


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郊外の家を買うことに決めたチャンドラーとモニカでしたが、購入予定の隣の家も売りに出ていると知り、買った後で後悔しないで済むよう、隣の家も見学することにします。
[Scene: house next to the one the Bings are moving into. Chandler and Monica knock, a lady opens the door.]
ビング夫妻が引っ越す予定の家の隣の家。チャンドラーとモニカがノックすると、ある女性がドアを開ける。
モニカ: Hi. We're buying the house next door, and we were wondering if we could just take a look around. (はーい。私たちは隣の家を買う予定で、ちょっと(この家の中を)見せてもらえないかなぁと思ってたんですが。)
女性: Oh, sure. I'm showing it to someone else right now, but please, look around. (あぁ、もちろん。たった今、別の人に家を見せているところなの。でも、どうか、見て下さいな。)
モニカ: Thanks. (ありがと。)
チャンドラー: I feel like we're cheating on our house. And if we're gonna cheat, shouldn't it be with like a hot, younger house, that does stuff that our house won't do? (俺たちの家に隠れて浮気しているような気がするよ。それでもし俺たちが浮気するのなら、セクシーでもっと若いような家とすべきじゃない? 俺たちの家がしてくれないようなことをするような家とさ。)
モニカ: Ours is so much better! This living room is smaller, the dining room looks like a cave! What a hole! (私たちの家の方がずっといいわ! この居間は(うちのより)小さいし、ダイニングは洞穴(ほらあな)みたい! なんて、ひどい住まいなの!)
女性: So, what do you think? (それで、どう思われますか?)
モニカ: Love it! (大好きです[最高です]!)
女性: Well, we already have one offer on it. I think the lady upstairs is going to make another one. (それで、この家にはすでに1件申し込みがあります。上の階にいるその女性も、申し込んでくれると思います。)
モニカ: They could be our neighbors. What are they like? (その人たちが私たちのご近所さんになる可能性があるのね。その人たち、どんな感じですか?)
女性: Oh, the woman upstairs is very nice. She and her husband have two kids. He's on Wall Street, and she's a-- (あぁ、上の階にいる女性はすごく素敵ですよ。彼女とご主人には二人の子供がいます。彼はウォール・ストリートに勤めてて、彼女は…)
ジャニス: Oh...my...God! (オー、マイ、ゴッド!)
(Chandler and Monica are speechless).
チャンドラーとモニカは言葉を失う。
チャンドラー: (to Monica): Sure. ([モニカに] もちろん(そうだよね)。)

We're buying the house next door の the house next door は「隣の家」ということ。
next door を直訳すると、「隣のドア」ということで名詞のように見えますが、the house next door の next door は副詞で「隣に(ある)」という意味になります。
副詞なので、the house next door のような語順になっているわけですね。
名詞の前に付く形の形容詞にする場合は、our next-door neighbors 「隣の人、隣家の人」のように、next-door とハイフンがつくことになります。
副詞の next door については、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) で、以下のように説明されています。
next door : [adverb] : in the house, room etc. next to yours or someone's else's.
例1) The boy next door cuts our grass for us.
例2) The Garcias bought the house next door to my mother's.

つまり、「自分、また他の別の人の隣の家や部屋の中」。例文1は、「隣の家の少年は私たちのために草を刈ってくれた」。例文2は、「ガルシア一家は、私の母の隣りの家を買った」。

the boy next door というと、アリー my Love (Ally McBeal)の挿入歌の Neighborhood という曲を思い出します。
Here's a photo I've been looking for
It's a picture of the boy next door
という歌詞で、アリーの幼なじみであるビリーをイメージする歌として、劇中で流れていました。
この曲のおかげで、the boy next door という語順にはなじみがあるため、the house next door という表現も私にはしっくりきます。

we were wondering if we could... は「私たちが〜できるかどうかなぁ、って思っていたんですが」という感覚で、過去進行形を使い、「〜できたりするかなぁ、って思っていた」と表現することで、遠慮がちに自分の希望を述べることができます。

女性が、「たった今、この家を他の人に見せているところだけど、どうかご覧になって」と言うので、二人はこの家を見ることになります。
cheat は「だます」という意味で、cheat on の形を取ると、「(配偶者などに隠れて)浮気をする」という意味になります。
ですからチャンドラーは、「買う家を決めたつもりなのに、その隣家をこうして見学に来ている」ことを、「自分が決めた家に隠れて、別の家と浮気してるみたいな気分だ」と言っているわけですね。
そのように「他の家に浮気している」みたいに言った後、その浮気ネタでさらにジョークを言っています。
And if we're gonna cheat, shouldn't it be with... は、「もし俺たちが浮気することになるのなら、その浮気は…との浮気であるべきじゃないか?」というところですね。
「どうせ浮気するのなら、こういう相手と浮気すべき」と言っているわけで、その相手の内容として、「例えば、セクシーでもっと若い家、俺たちの家がしないようなことをする家」と表現しています。
浮気に例えた流れで、浮気相手はどうせなら「若くてピチピチしてセクシーで、今の恋人がしてくれないような(エッチな)ことをしてくれる人」がいいんじゃないかな? と言ってみせたわけですね。
家の話なのに、まるで「人間との浮気」みたいに、理想の浮気相手を語っている面白さになります。

隣の家を見学しながら、モニカは「私たちの家の方がずーっといいわ!」と言います。
そして、「こっちのリビングの方が小さいし、ダイニングは洞穴(ほらあな)・洞窟(どうくつ)みたいに見える」と言った後、勝ち誇ったように、What a hole! と言います。
hole はご存知「穴」ですから、話の流れ的にも悪口のニュアンスで使っていることはわかりますね。
このニュアンスについては、研究社 新英和中辞典の以下の説明がわかりやすいと思います。
hole
1. (ウサギ・キツネなどの)巣穴
2. 《口語》 (穴のように小さく)むさくるしい家、ひどい住まい

「巣穴」という意味があることから、「まるで巣穴のような、ひどい住まい」という意味になるわけですね。
LAAD では、
hole : UNPLEASANT PLACE (informal) a place for living in, working in etc. that is dirty, small, or in bad condition
例) I have to get out of this hole.

つまり、「不愉快な場所 (インフォーマル) 汚い、小さい、または悪い状況にある、(その中に)住むため、または(その中で)働くための場所」。

そんな風にこの家の悪口を言いまくっている時、この家の案内人である女性がモニカたちに「それで(この家を)どう思います?」と尋ねます。
腕組みしてそう尋ねた様子からも、モニカが言っていた悪口が彼女に聞こえていただろうことがわかりますね。
悪口を聞かれて、しまった、と思ったらしいモニカは、Love it! を「ラーヴ」を強調して言い、横にいるチャンドラーは、両手を寄せてサムアップしています。
Love it! は、We love it! ということですが、わかり切った主語である we を省略して、この文章の一番のポイントとなる動詞の love を強調したセリフとなります。

女性は、「この家にはすでに1件の申し込みがあります。上の階にいる女性ももう一つの(新たな)申し込みをすると思います」と言います。
申し込みしそうな女性が今、上の階で見学中ということなので、モニカは「その人たちは私たちのご近所さんになる可能性があるわ。その人たちってどんな感じ?」と尋ねます。
What are they like? のような「be動詞+like」は、「〜のようである」ということですから、その人たちの人柄や雰囲気などを尋ねる感覚になります。
be動詞の部分を look にした形の、look like なら「見た目はどんな感じですか?」を尋ねる質問になりますね。

He's on Wall Street. は「(上の階で見学中の女性の)ご主人は、ウォールストリート(ウォール街)にいる」ということで、Wall Street は、ニューヨーク証券取引所(New York Stock Exchange, NYSE)がある、ニューヨークの金融街ですから、「金融関係の仕事をしている、証券マンである」と言っていることになります。
女性がそんな説明をしている時、背後から声が聞こえるのですが、「オ」という声が聞こえた瞬間に、その人物が誰だかわかってしまいますね^^

待ってました! という感じのジャニス登場で、観客からも歓声が上がっています。
あまりのことにショックで言葉もないチャンドラーとモニカの様子は、ト書きの speechless という表現がぴったりですね。

しばらーく言葉が出てこなかった二人ですが、かなりの間(ま)の後、チャンドラーが静かな口調で Sure. と言うのが面白いです。
Sure. という言葉は「もちろん。そうだよね」という意味で使われる言葉ですが、この部分、DVDの日本語字幕では「来たか」と訳されていて、そういうニュアンスが当たっているな、と思いました。
この日本語は「やっぱり来たか」というところでしょう。
「この家を買おうとしている別の女性がいるんです」みたいな話の流れで、ここで誰かが登場するとしたら、それはやっぱり、くされ縁であちこちで遭遇してしまうジャニスその人なんだよね、みたいに、あきらめの気持ちを込めて、「やっぱりジャニスだったか」と述べた感覚が、驚きもせず淡々と述べた Sure. に込められていると言える気がします。

ちなみに、ジャニスは、レギュラーのフレンズ6人に対して、準レギュラーと言えるキャラクターですが、フレンズ6人以外で、全てのシーズンに出演したことがあるのは、ジャニス、ガンター、ゲラー夫妻(ロスとモニカの両親)の4人だけとなっています。
Wikipedia 英語版 : List of Friends characters ; Recurring guest stars に、何度も登場するゲストキャラの一覧表があって、そのキャラがどのシーズンに登場したかが、一見してわかるようになっています。
それを見ても、全シーズンに出演しているのはその4人だけであること、中でもガンターの出演150回が断トツに多いこともよくわかりますね(ガンターはセリフがなくても、セントラルパークの背景の中によく映り込んでいますからw)
次いで、ジャック・ゲラーの20回、ジュディ・ゲラーとジャニスが並んで19回となります。

長くなってしまいますが、「ファイナルシーズン、ジャニス登場記念!」といたしまして、過去のジャニスの出演エピソードについて、以下に簡単に説明しておきますね。

1-5: チャンドラーはジャニスと別れようとするが、なかなかうまく行かない。フィービーの助けで無事別れられる。
1-10: チャンドラーは大晦日に一人でいることができなくて、パーティーにジャニスを呼んでしまう。
1-14: ジョーイがセッティングしたダブルデートに来た相手がジャニスだった。
2-3: ヘッケルさんが孤独に死んだことにショックを受け、チャンドラーは元カノのジャニスに電話してしまう。現れたジャニスは他の男性との間の子供を妊娠中だった。
2-24 から 3-8: チャンドラーがある女性とインターネットで惹かれ合う。実際にその女性と会う約束をしたら現れたのはジャニスだった。現在の夫と離婚協議中のジャニスと、チャンドラーはラブラブになるが、3-8 でジャニスが夫と復縁を考えていると知って、チャンドラーは身を引く。
4-15: ジャニスと偶然再会してしまったチャンドラーは、イエメンに転勤すると嘘をつく。
5-12: 元妻のエミリーが再婚すると知ってショックのロスは、ジャニスと関係を持ってしまう。
6-17: チャンドラーとモニカは、バレンタインに手作りのものを交換する約束をするが、チャンドラーはすっかり忘れていて、見つけたカセットテープをプレゼントとして渡すが、それは昔、ジャニスがチャンドラーのために作ったテープだった。(ジャニスは声のみの出演。それでもインパクト大でした^^ )
7-7: モニカはジャニスと偶然出会い、チャンドラーと結婚することをしゃべってしまう。
8-23 から 8-24: レイチェルが分娩室にいる時に、入ってきた妊婦がジャニスだった。
9-21: チャンドラーとモニカが不妊検査を受けに行った病院に、ジャニスも来ていた。
10-15: 今回のエピソード。チャンドラーとモニカが買う予定の隣りの家をジャニスが購入予定。

これを見るとわかるように、「思いがけないところでばったり出会ってしまう」というパターンが多いですね。
今回のような、「ちょっと登場をもったいつけたように、誰かが前振りでその人物のことを説明してからの〜」という流れは、ジャニス登場の典型的なパターンだと言えるでしょう。
ファイナルシーズンでもそろそろ出てくるはず、というファンの期待を裏切らなかったことで、観客も大喜び。うっとうしいんだけど憎めない、愛すべきキャラクターですね。


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posted by Rach at 16:56| Comment(10) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月19日

ボールを落とす=へまをする フレンズ10-15その3

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新聞の訃報欄で、ジョーイのエージェントのエステルが死んだことを知った、フィービー、チャンドラー、モニカたちですが、今、周りでいろんなことが起こっていて動揺しているジョーイにこれ以上のショックを与えまいと、ジョーイにはエステルが亡くなったことをしばらく黙っていることに決めました。
そのことを知らないジョーイが、セントラルパークに入ってきて、「俺にピッタリの役があったのに、エステルがその話を持ってこなかった」と愚痴ります。
何か理由があるのか聞きたいと言って、ジョーイがエステルに電話しようとするので、フィービーは「電話するのはちょっと待って」と言い残し、セントラルパークの外に出ます。
(Phoebe is outside, taking her cell phone out of her bag and making a call. Joey is inside, and his mobile phone starts ringing).
フィービーは外にいる、バッグから携帯を取り出して、電話をかける。ジョーイは中にいて、彼の携帯が鳴り始める。
ジョーイ: Hello? (もしもし?)
フィービー (doing Estelle): Joey, it's Estelle. ([エステルの真似をしながら] ジョーイ、エステルよ。)
ジョーイ: I was just gonna call you! That's weird. (ちょうど電話しようとしてたところなんだ!それって妙だよね。)
フィービー・エステル(Phoebe-Estelle、エステルの真似をしているフィービー): It's a little coincidental, but believable. (Joey nods in agreement) Listen, I'm sure you're wondering why I didn't get you an audition for that TV movie. (ちょっとした偶然の一致だけど、信じられないことじゃないわ。[ジョーイは同意してうなずく] ねぇ、例のテレビ映画のオーディションを私があなたに用意しなかったのはなぜかって、思ってるでしょう。)
ジョーイ: Yeah, actually I am! (あぁ、実はどうしてかな、って思ってるよ。)
フィービー・エステル: I guess I dropped the ball there. Whoopsie! (思うに、私はその件で、へましちゃったのよねぇ。おっととと!)
ジョーイ: That's it? You know, it seems like all you do lately is drop the ball. (それだけ? ほら、最近のあんたのやることは全部、へまばかりな気がするよ。)
フィービー・エステル: Don't take that tone with me. Who you think you are? Alan Lemon, the first black man to fly solo across the Atlantic? (私にそんな口調で話さないでよ[私にそんな口きかないでよ]。自分を誰[何様]だと思ってんの? アラン・レモン、大西洋を単独横断飛行した最初の黒人だとでも思ってんの?)
ジョーイ: No, no, look, all I'm saying is you're my agent, okay? And you're not getting me into any auditions and I'm tired of it. (いや、いや、ねぇ、俺が言ってるのは、あんたは俺のエージェントなんだ、ってことだ。そしてあんたは俺にどんなオーディションも用意しないから、俺はもううんざりなんだよ。)
フィービー・エステル: What are you saying? (何言ってるの?[何が言いたいの?])
ジョーイ: I'm saying that... (pause) This isn't working for me anymore, okay, Estelle? You're fired. Goodbye. (he hangs up the phone). (俺が言ってるのは… [間があって] もうこんなのは俺のためになってないよ、エステル。あんたはクビだ。さよなら。[ジョーイは電話を切る])
フィービー: Man, tough week for Estelle! (まぁ、エステルにとっては辛い週ね!)

ジョーイが自分からエステルに電話しようとするので、フィービーはエステルのふりをしてジョーイに電話をかけます。
ト書きに、doing Estelle とあるように、エステルの真似をしながら、開口一番、Joey, it's Estelle. と言っていますが、これが特徴的なエステルの喋り方によく似ているので、思わず笑ってしまいました^^

「ちょうど電話しようと思ってたところなのに、そっちから電話がかかってくるなんて妙だなぁ」みたいに言われたフィービーは、エステルの真似をしながら、「何となくエステルならそう返すかも」的なセリフを言っているのも面白いです。
エステルは、ちょっと常識とは感覚のズレた人で、話し相手を唖然とさせるところがあるのですが、It's a little coincidental, but believable. を直訳すると、「ちょっと偶然の一致だけど、信じられる」になりますね。
「かけようと思っていた相手からかかってくるなんて、何て偶然!って感じはするけど、信じられないことではない、ありえないことではない」と言っていることになります。
「かけようと思っていたまさにその時にかかってきた」なんて、まさにジョーイの言う通り、weird な話ですが、「偶然だな、とは思うけど、信じられないレベルの話じゃない」みたいに言いくるめられてしまった感じで、ジョーイもその説明に納得した様子でうなずいています。

I'm sure 以下のセリフは、「そのテレビ映画へのオーディションを、私があなたに get しなかっのはなぜかなぁ? ってあなたは今、間違いなく思ってるところよね」というところ。
「get+人+もの・こと」は「人に〜をあげる、用意する」という感覚なので、ここでは「エージェントとして俳優のあなたにオーディションを用意しなかった、オーディションの連絡をしなかった、オーディションを受けさせなかった」と言っていることになります。

Yeah, actually I am! は、actually I am wondering why... ということで、エステルが you're wondering why と現在進行形を使ったことを受けて、「あなたが今言った通り、俺は実際、まさに今、そんな風に思ってるところだよ」と返したことになります。

I guess I dropped the ball there. を直訳すると、「思うに、私はそこでボールを落とした」。
drop the ball は「へまをする、大失敗する」。
「ボールを落とす」という言葉がそういうイメージに繋がるのは、理解しやすいですよね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
drop the ball : to not do a job that you are expected to do, especially because you make mistakes
例) Investigators dropped the ball in the murder investigation.

つまり、「することを期待された仕事をしないこと、特に間違えるなどの理由で」。例文は、「捜査当局は、殺人捜査でへまをした」。

there は離れた場所を指す言葉ですから、ここでは「ジョーイにオーディションを紹介するしないの件」という少し前の出来事を there で表現していることになるでしょう。
「私、その件で、へましちゃったみたいね」と言った後、「ウプシー」みたいな言葉を付け足しています。
DVD英語字幕ではこの部分は表記されていませんが、ネットスクリプトでは、Whoopsie! と書かれています。
音やその文字から想像できる通り、Whoops! / Oops! 「ウープス! おっとー! しまった!」の変形バージョンですね。
一般的な Whoops! ではなく、ちょっと語尾を変な風に言ってみせることで、エステルの独特のしゃべり方っぽい雰囲気を出しているのでしょう。

もっともな理由を言ってくれるのかと思ったら、「へましちゃったみたいなのよ。おっとー!」としか言わなかったので、ジョーイは「それだけ?」と言った後、it seems like all you do lately is drop the ball. と言っています。
直訳すると、「あなたが最近することのすべては、へまをすることである、みたいに見える」というところで、「あなたは最近、へましてばっかりみたいに見えますよ」ということですね。

Don't take that tone with me. の tone は「口調、語気、口のききかた」なので、「私にそんな口のきき方をするな」ということ。
かなりの年長でもあり、仕事を紹介するエージェントでもある私に、「あんたは最近、へまばっかじゃないすか」みたいな、ものの言い方するんじゃないわよ、と注意した感じですね。
その次の、Who you think you are? は、「あなたは自分を誰だと思ってるの?」で、これは言葉や態度が偉そうな相手に対して、「あんた、自分を何様だと思ってんの?」と言う時の決まり文句となります。
そのフレーズで終わる場合もありますし、続いて「自分が〜であるみたいなつもりでいるの?」と、人の形容や固有名詞を出したりする場合もありますが、今回はそれが、Alan Lemon という固有名詞になっています。
Alan Lemon と出てきて、「誰それ?」となった後、同格で、「(それは)〜の人である」のように説明が続くのですが、それが「大西洋を単独横断飛行した最初の黒人男性」であるところが、笑いのポイントですね。
過去記事、スヌーピーが言わない限り大丈夫 フレンズ10-15その2 で、エステルのことを別の訃報記事と間違えて、「エステルって、大西洋を単独横断飛行した最初の黒人男性だったのねぇ」と、フィービーがトンチンカンなことを言うセリフがあったのですが、忘れた頃にそのネタを持ち出してくる、「そう言えばそんな話、このエピソードで出て来てたよな」と笑えるジョークなわけですね。
新聞の訃報欄を見て最初に言及されたシーンでは、その黒人男性の名前は語られませんでしたが、今回のシーンではまずその名前を先に出し、観客に「それって誰だろう?」と思わせた上で、「それってあの新聞に載っていた単独横断飛行の男性」だったとわかるオチで笑える仕組みとなっているということです。

ジョーイは、何でその人物の名前が出て来たのか全くわからなかったでしょうが、そこはさらっと流して、「俺が言ってるのは、あんたは俺のエージェントなんだ、ってことだ」と言い、「エージェントなのに、俺をどこかのオーディションに入れてくれることもしないから、俺はもうそのことにうんざりなんだ」と言います。
get me into any auditions は「俺をどれかのオーディションの中に入れる」という感覚ですから、オーディションを受けるようにセッティングするようなニュアンスになるでしょう。
「何を言ってるの? あなたは何が言いたいの?」のように言われたジョーイは、「俺が言ってるのはこういうことだ…」のように少し間を置いた後、this isn't working for me anymore と続けます。
work for は「〜の役に立つ、〜に有効である」ということで、this isn't working for me anymore は、「こんなこと(あなたが俺のエージェントをやっていること)は、俺にはもはや役に立っていない、有効に機能していない」と言っていることになります。
「オーディションも用意してくれないようなエージェントなら、何も俺の役に立ってくれてない」というところですね。
「役に立ってない」とまで言ってしまったジョーイは、その勢いで、You're fired. 「あんたはクビだ」と言い、冷たく Goodbye. と言い放ち、電話を切ります。

エステルのふりをして電話を聞いていたフィービーは、Man, tough week for Estelle! と言っています。
tough は「辛い(つらい)」なので、「なんてこと、(今週は)エステルにとって辛い週ね!」と言ったことになります。
解雇されたと言っても、当のエステルは亡くなってしまっていて、フィービー演じる、にせエステルを解雇しただけではありますが、「少し前にエステルが亡くなり、今はこうしてジョーイに解雇されてしまった」ことを、「エステルにとっては、踏んだり蹴ったりの週ね」みたいに言ったわけですね。


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posted by Rach at 14:29| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月14日

スヌーピーが言わない限り大丈夫 フレンズ10-15その2

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セントラルパーク。フィービー、チャンドラー、モニカがいる。
フィービーは新聞を読んでいて、
フィービー: Hey, isn't Joey's agent Estelle Leonard? (ねぇ、ジョーイのエージェントって、エステル・レナードじゃなかった?)
チャンドラー: Yeah. (ああ。)
フィービー: She died. (彼女、死んだわ。)
チャンドラー: You're kidding! (冗談だろ。)
モニカ: That's terrible! (それって大変!)
フィービー: Yeah, last Saturday. Wow! She was the first black man to fly solo across the Atlantic. (Chandler and Monica look puzzled) Oh, wait a minute, I read the wrong one. (えぇ、先週の土曜日にね。まぁ! 彼女は大西洋単独横断飛行した最初の黒人男性だったのね。[チャンドラーとモニカは困惑した顔をする] あぁ、ちょっと待って。私、違うのを読んでた。)
チャンドラー: Oh, yeah? (あぁ、そうなの?)
フィービー: Yeah, she was just an agent. (えぇ、エステルはただのエージェントだったわ。)
モニカ: Joey's gonna be so upset. (ジョーイはすごく動揺するでしょうね。)
チャンドラー: I know. He always wanted to be the first black man to cross the Atlantic. (そうだね。ジョーイは、大西洋を横断する最初の黒人男性にいつもなりたがってたもんな。)
フィービー: Well, we cannot tell Joey about this. He's already flipping out about everything that's changing. This will push him over the edge. (私たち、ジョーイにこのことを言っちゃいけないわ。ジョーイはすでに、変化しているあらゆることに動揺してるもの。このことで、彼が(限界を越えて)おかしくなっちゃうわ。)
モニカ: Seriously, you don't think we should tell him? (真面目な話、彼に言っちゃいけないって思う?)
フィービー: Well, not for a little while. Let's just give him a few days to get used to everything else. (えぇ、ちょっとしばらくの間はね。他のいろんなことに慣れるために、彼には数日(の期間を)与えてあげましょうよ。)
モニカ: What if he reads it in the paper? (もし、新聞のその記事をジョーイが読んだらどうなるの?)
チャンドラー: Unless Snoopy says it to Charlie Brown, I think we're okay. (スヌーピーがチャーリー・ブラウンにそのことを言わない限りは、大丈夫だと思うよ。)

新聞を読んでいたフィービーは、「ジョーイのエージェントって、エステル・レナードじゃなかった?」と尋ねます。
そうだよ、と答えるチャンドラーに、フィービーは、「彼女、死んだわ」と言うので、チャンドラーとモニカは驚きます。
新聞を読んでいてそのことを知ったのは、新聞の訃報欄を見ていたからですね。
フィービーは、その訃報欄の情報として、"She was the first black man to fly solo across the Atlantic." と語るのですが、それを聞いたチャンドラーとモニカは「え?」という顔をしています。
エステルがどんな人か知らない人でも、「彼女は…した最初の黒人”男性”(man)だった」という文章がおかしいことは明白ですよね。
ましてやその人の業績が、「大西洋を単独で横断飛行した(最初の黒人男性)」ですから、エステルとは全く違うことは明らかです。

「違うだろ」という顔をされたので、フィービーは記事を見直し、「待って、私、間違ったもの(彼女のじゃない別の人の訃報欄)を読んでた」と言います。
チャンドラーは、Oh, yeah? 「ああ、そうなの? そうなんだぁ」みたいに返していますが、「違うのを読んでた」ことは内容から明らかなのに、そのことにしばらくしてからしか気づいてないフィービーにあきれている様子が、その口調からは感じられますね。
ですが、「へえ、それ間違ってたんだ〜」と普通に返されたのをそのまま受ける感じで、「そうなの、彼女はただのエージェントだったわ」とフィービーが答えているのも、フィービーっぽいズレ具合で面白いです。

「(そのニュースを聞いたら)ジョーイは動揺するでしょうね」とモニカが言った後のチャンドラーのセリフがまた楽しいです。
チャンドラーのセリフを直訳すると、「ジョーイはいつも大西洋を横断する最初の黒人男性になりたがってたからな」になりますね。
つまり、モニカは「エージェントのエステルが死んだと知ったら、ジョーイは動揺するだろう」と言っているわけですが、チャンドラーはさっきフィービーが間違えた「大西洋を単独横断飛行した最初の黒人男性」ネタを使って、「その人が死んだってニュースを聞いたらジョーイは動揺するだろうね。だってジョーイはそんな人になりたいっていつも言ってたのに、その人に先を越されちゃった(その人がすでにそれをやり遂げていた)ってことをそのニュースで知っちゃうことになるから」みたいに言ったことになります。
「残念っていうのは、エステルのことじゃなくて、そっちかい!」という面白さになるでしょう。
また、そのチャンドラーのセリフの中で、「最初の黒人男性」というフレーズを使っているのが面白いですね。
フィービーが、白人女性であるエステルのことを「〜した最初の黒人男性」だと間違えたという先ほどの話を踏まえて、白人男性であるジョーイのことを、わざと「ジョーイも〜する最初の黒人男性になりたがってた」と表現したことになります。
フィービーのさきほどのトンチンカンな間違いを面白がって、自分も使ってみた感じですね。

フィービーは、「私たちはジョーイにこのこと(エステルが死んだこと)を言っちゃいけないわ」と言い、彼の今の状況と、この先どうなるかについて述べています。
flip out はここでは「正気を失う」という意味。
動詞 flip は「〜をはじく、ほうり上げる、さっと動かす」という意味で、flip a coin 「(表か裏かを決めるために)硬貨をはじき上げる」という意味でよく登場しますね。
フィービーのセリフは、「ジョーイはすでに、変化しているあらゆることについて、正気を失っている」と言っていることになります。
「変化しているあらゆること」というのは、今回のエピソードの最初にジョーイ自身が言っていましたが、「フィービーが結婚して、チャンドラーとモニカが郊外に引っ越すことになって、レイチェルが仕事でパリに行ってしまうかもしれない」という事柄を指します。

This will push him over the edge. を直訳すると、「このこと(エステルが死んだということ)が、彼を端(先端)を越えて押し出す」というところ。
「限界を越えて押し出してしまう」感覚から、push someone over the edge は「人の正気を失わせる、(主語のせいで)人が正気を失ってしまう」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、少し違う形の go over the edge が載っていました。
go over the edge : to go crazy or have a nervous breakdown
例) Nick needs to get some help before he goes completely over the edge.

つまり、「おかしくなる(気が狂う)こと、または神経衰弱(ノイローゼ)になること」。例文は、「ニックは完全に正気を失ってしまう前に、何らかの助けを受けることが必要だ」。

モニカが、「ほんとに彼には言うべきじゃない、って思ってる?」と尋ねると、フィービーは「しばらくは言うべきではない」と言って、「他の全てのことに慣れるための数日間を、彼に与えてあげましょうよ」と提案します。
それを聞いたモニカは、「隠すと言っても、新聞に書いてあるんだし、もしジョーイがそれを読んだらどうなるの?」と尋ねるのですが、それに対してのチャンドラーのセリフ Unless Snoopy says it to Charlie Brown, I think we're okay. がまた、面白いですね。
Unless は、これまでのフレンズで何度も出て来たように、「何かの文章を言った後で付け足しのように、Unless SV. という形で終わっている」場合は、「もし S が V するなら話は別だけど」と訳すとしっくりきます。
今回は、Unless SV, S' V'. のような形になっているので、その場合の Unless は「もし〜でなければ、〜しない限りは」と訳せば良いでしょう。
ですから、Unless Snoopy says it to Charlie Brown は「スヌーピーがそれをチャーリー・ブラウンに言わない限りは」ということで、モニカは「ジョーイが新聞を読んじゃうんじゃ、、」と心配してるようだけど、「スヌーピーがそれ(エステルが亡くなったこと)をチャーリー・ブラウンに言わない限りは大丈夫(心配ない)」と言っていることになります。
スヌーピーやチャーリー・ブラウンが出てくる「ピーナッツ」は、「新聞に載っている漫画」として有名ですから、チャンドラーは「ジョーイが新聞を読む場合は、漫画しか読まないから、その漫画の中で、エステルが亡くなった、という話が出ない限りは、ジョーイが訃報欄の記事を読んで知ることはありえない」と言っていることになります。
「彼は訃報欄なんか読まないよ」と言えば済むところを、「スヌーピーがチャーリー・ブラウンに言わない限りは大丈夫(彼がそれを知ることはない)」と表現することで、「彼は漫画しか読まないから問題ないよ」と言っていることになるわけですね。


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posted by Rach at 15:38| Comment(0) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月11日

通勤が超大変なことになる フレンズ10-15その1

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シーズン10 第15話
The One Where Estelle Dies (ジョーイに教えるな!)
原題は「エステルが死ぬ話」


前回のエピソードのラストで、「ルイ・ヴィトンから仕事のオファーがあった!」と喜びの報告をしたレイチェル。
ですが、The job is in Paris. 「パリでの仕事なの」と言うのを聞いて、フレンズたちは驚きと戸惑いを隠せません。その続きのシーン。
レイチェル: Oh, God, please, somebody say something. (ねぇ、お願いよ、誰か何か言ってよ。)
ロス: So if you take this job, you'll be moving to Paris? (それじゃあ、もし君がこの仕事を受けると、君はパリに引っ越すことになるの?)
チャンドラー: Or facing a bitch of a commute. (もしくは、大変な通勤に直面するか、だな。)
レイチェル: I know, it's huge, and it's scary and it's... really far, far away from you guys. But this is such an incredible opportunity for me. And I've already talked to them about our situation with Emma, and they said they'll do whatever we need to make us feel comfortable. (大ごとだし、怖いし、それにあなたたちから本当に本当に離れちゃうってわかってる。でも、これは私にとって、本当に素晴らしいチャンスなのよ。それでエマがいるっていう私たちの状況については、既に彼ら(先方)に話したの。そしたら、私たちが快適でいるのに必要なことは何でもしてくれるって言ってくれたのよ。)
ロス: Okay. (そうか。)
レイチェル: I mean, I'll fly back and forth, they'll fly you out. Anything we want. (例えば、私は飛行機で行き来できるし、あなたを飛行機に乗せてくれる[あなたの飛行機代も持ってくれる]。私たちが望むこと、何でもしてもらえるわ。)
チャンドラー: My boss said I might be getting a new lamp in my cubicle. (Monica looks at him and can't really place what he just said) (俺の上司は、俺のキュービクルの新しいランプ(電灯)を買えるかもしれないって言ったよ。[モニカはチャンドラーを見て、彼がたった今言ったことがよくわからない(という顔をする)])
ロス: All right. We'll work it out. (わかったよ。僕たちで何とか頑張ろう。)
レイチェル: Oh, thank you! Thank you! (あぁ、ありがとう! ありがとう!)
ロス: Yeah, yeah! (they hug) You sure this is what you want? (あぁ、あぁ。[二人はハグする] これが君のやりたいことだ、っていうのは間違いないんだね[確かに、これが君のやりたいことなんだね]。)
レイチェル: I think it is. (Ross looks very sad.) (そうだと思うわ。[ロスは非常に悲しそうな顔をする])

「新しい職場がパリになる」と聞き、フレンズたちは言葉を発することができません。
please, somebody say something. は「お願いだから、誰か何か言って」ということですが、「誰か何か言って」の英語は、日本語の直訳でオッケーなんだな、ということがわかりますね。
「この(パリでの)仕事を受けると、君はパリに引っ越すことになるの?」とロスはレイチェルに尋ねます。
「職場がパリになる」と聞いた場合に想定される当然の質問をしたことになりますが、そんなシリアスな状況の中、「当たり前の質問に対してチャチャを入れる」ことで場の空気を和まそうと思ったのか、チャンドラーは彼らしいジョークを言っています。

Or facing a bitch of a commute. は、Or you'll be facing a bitch of a commute. ということ。
bitch は「あま、尻軽女」のように女性を侮辱する言葉として使われますが、この場合は「とても嫌なこと、大変なこと、難しいこと」という意味で使われています。
Macmillan Dictionary では、
bitch : [singular] (very informal) something difficult or unpleasant
例) These milk cartons are a real bitch to open.

つまり、「(単数形で)(非常にインフォーマル) とても難しい、または不快なこと」。例文は、「このミルクカートンは、本当にとても開けにくい」。

commute は動詞では「通勤する、通学する」という意味で、commuter なら「(定期券利用の)通勤者」になりますね。
今回のセリフでは、a commute と不定冠詞が付いていますので、名詞で「通勤」という意味になります。
動詞 face は、「(問題・困難)に直面する」なので、チャンドラーのセリフは、「ものすごく大変な通勤に直面することになるだろう」→「通勤がめちゃくちゃ大変になるだろう」と言っていることになります。
「もしパリに引っ越すんじゃなかったら、NYからパリまで通うのに(通勤代、かかる時間など含めて)通勤がものすごく大変なことになるよね」と言ってみせたことになるでしょう。
職場がパリ=パリに引っ越す、ということは明らかで、いくらロスがショックを受けているとは言え、「パリに引っ越すの?」と当たり前の質問を口に出したことを少しからかう感じで、チャンドラーはそのセリフを言ったことになるでしょうね。

「パリに引っ越しちゃうの?」とみんなが驚いていることを意識しつつ、「私もわかってるの、(パリに引っ越すってことは)ものすごく大ごとだし、怖いし、それに本当にあなたたちみんなから遠く遠く離れちゃうってことは」と言います。
それを認めた上で、「でもこれは私にとってとても素晴らしいチャンスなのよ」と続けます。
I've already talked to them about の them は、「パリでの仕事をオファーしてきたルイ・ヴィトンの人々」を指す感覚。
our situation with Emma は「エマがいる、という私たちの状況」というところで、「私にはエマという娘がいて、その父親のロスもNYにいる」という状況を先方にちゃんと話したのよ、ということをロスに説明している感覚になるでしょう。
make us feel comfortable は「私たちが快適に感じられるようにする」ということですが、要は「私たちが困らないようにする、私たちが不便や不愉快さを感じないで済むようにする」ということですね。
私たちが嫌な思いをしないで済むように、必要なことは何でもするって言ってくれた、と説明していることになります。
「大ごとなのはわかってるけど、これは私にとってビッグチャンスなの。エマのいる状況を説明したら、何でも協力するって言ってくれたわ」のようにレイチェルが力説するので、ロスは静かに、Okay. と言っています。
ロスは寂しそうな顔をしていますが、怒ったりはせず、妙に落ち着いています。
レイチェルがパリに行ってしまうと聞いて、今のロスの心の中はどんな風になっているんだろう?? とこちらがいろいろ考えてしまいたくなるような「本心を隠した」表情と態度になっている感じですね。

「必要なことは何でもしてくれるって言ってくれた」ことの例として、I mean 「つまり」を使って、レイチェルは具体的に I'll fly back and forth, they'll fly you out. と説明しています。
back and forth は「前後に」「行ったり来たりして、往復して」というニュアンスですから、fly back and forth は「飛行機を使って、パリとNYを往復する・行き来する」。
they'll fly you out. を直訳すると、「ヴィトンの人が、あなた(ロス)を外に出る方向で飛行機で飛ばしてくれる」ということですから、「ロスがNYからパリに行くための飛行機代を、会社が持ってくれる、出してくれる」と言っていることになります。
DVD日本語訳では「あなたがパリに来るとき、旅費出すって」となっていましたが、まさにそういうことですね。
「パリへの飛行機代を会社が出してくれるって」ということを英訳したい場合、「会社が旅費を負担する」的な英語表現を探そうとしてしまいがちですが、fly には「人を飛行機に乗せて運ぶ」という他動詞があるので、「NYから出る方向(out)で、あなたを飛行機に乗せる」と表現すれば、それで事足りるわけですね。

新しい勤務先が、こちらの望むことを何でもしてくれる、という話を聞いて、またチャンドラーは口を挟んでいます。
My boss said I might be getting a new lamp in my cubicle. は、「俺の上司は言った、俺のキュービクルに、俺が新しいランプをゲットするかもしれないって」。
cubicle は「パーティションで区切った個人用オフィス・作業スペース」。
フレンズ1-15 のオープニング直後のシーンで、チャンドラーが入力仕事をしていた場所として、キュービクルが映っていました。
そのエピソードで、チャンドラーは昇進することになり、大きなオフィスを与えてもらえたのですが、それを見学に来たフィービーのセリフが以下のようになっていました。
フィービー: It's so much bigger than the cubicle. This is a cube! (例のキュービクルとか言う小部屋よりもずっと大きいわね。これぞ、キューブだわ!)
その仕事をしていた時は、そんな風に大きな部屋で仕事をしていたチャンドラーでしたが、タルサへの単身赴任に嫌気がさしてその会社をやめてしまいました。
その後、広告代理店のインターンの仕事につき、その後、アシスタントに昇格しましたが、かつての勤務先のような大きな部屋は与えられておらず、仕事部屋はキュービクルなのでしょう。

「レイチェルだけではなく、ロスの飛行機代も持ってくれる」という破格の好待遇の話をレイチェルがした後に、「うちの会社も本人の希望を聞いてくれて、俺の小さな部屋のランプを交換してくれそうなんだ」と、シケた話を持ち出してみた、という自虐的なジョークですね。
レイチェルとロスが、これからの生活に関する真剣な話し合いをしているところに、チャンドラーがそんなどーでもいい話を挟み込んで来たので、彼の妻であるモニカは「は?」というあきれた顔をしています。

レイチェルが必死に訴えるので、内心ものすごく複雑であろうロスも、レイチェルの言い分を理解した様子で、All right. We'll work it out. と言います。
work it out は「うまくやる」というニュアンスなので、「レイチェルがパリに行くことになっても、会社が僕たちのためにいろいろフォローしてくれるらしいのなら、何とか僕たちでうまくやっていこう」と言っていることになるでしょう。
ロスがその話を受け入れてくれたことで、レイチェルは感謝の言葉を述べます。
You sure this is what you want? は「これが君の望むことだってことは間違いないんだね?」というニュアンス。
Is this what you want? 「これは君のやりたいことなんだね?」に、さらに You sure...? をつけることで、「これが君のやりたいことである、という気持ちに間違いはないんだよね? それが君の本当の気持ち・願いなんだよね?」と念押しして尋ねた感覚になります。


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posted by Rach at 13:40| Comment(2) | フレンズ シーズン10 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年07月08日

今この時が最高級品の出番 フレンズ10-14その6

7月22日(金)開催の 枚方T-SITE でのセミナーについて、コメントやメッセージを下さった皆様、Twitter、Facebook などで、RT、いいね、をして下さった皆様、本当にありがとうございます!
セミナーは、
日時:2016年07月22日(金)19:00-21:00
場所:大阪府枚方市の 枚方T-SITE の 枚方 蔦屋書店 3F ラウンジスペース
となっています。
詳細、お申し込みは、以下の 枚方T-SITE 公式ホームページをご覧下さい。皆様のご参加をお待ちしております♪
HIRAKATA T-SITE : 【イベント】海外ドラマDVDで英会話を学ぼう


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レイチェルは、新しい仕事を紹介してくれるという元同僚マークとディナーに行っています。
モニカとチャンドラーの家で、「マークはレイチェルに下心があるに違いない」とロスがボヤいている時に、レイチェルがディナーから帰ってきます。
レイチェル: (entering) Hi, you guys! ([入りながら] はーい、みんな!)
ロス: Hi. So uhm... How was dinner? (はーい。それで、その… ディナーはどうだった?)
レイチェル: Oh, it was great. Mark is so sweet. (あぁ、最高だったわ。マークってとっても優しいのよ。)
ロス: (speaking without pause, agitated) Oh, yeah? Yeah? I wonder why? What could that smarmy letch possibly want? ([止まることなくしゃべる、イライラした様子で] あぁ、そう? どうしてなんだろうね? あのゴマすりのスケベが欲しいものって何があるんだろうなぁ?)
レイチェル: Oh, Ross. Come on. He is happily married. His wife just had twins. (あぁ、ロス。やめてよ。彼は幸せな結婚をしてるのよ。彼の奥さんはちょうど双子を産んだところなの。)
ロス: Should we send something? (僕たち(彼にお祝いとして)何か送った方がいいかな?)
チャンドラー: How did the job stuff go? (仕事の件はどうなった?)
レイチェル: He offered me one. (マークは仕事をオファーしてくれたの。)
チャンドラー: That's great! (それはすごい!)
ロス: Congratulations! (おめでとう!)
レイチェル: I know, it's amazing. It's amazing. It's so much better than what I had at Ralph Lauren. The money is great... (そうなの、素晴らしい、素晴らしいわ。ラルフ・ローレンでの仕事よりもずっといいの。お給料もすごいし…)
ロス: Can we, can we just stop for a second? Who said something better would come along, huh? You didn't believe me. I told you everything was gonna work out. (gasps) You know what? This calls for a bottle of Israel's finest. (ちょっと話を中断していい? もっといいことが起こるって言ったのは誰だったかなぁ? 君は僕を信じなかったけど。僕が君に言っただろ、すべてはうまくいくって。[息を呑む(注:ここでは「息を呑む」と同時に、”そうだ!”と何か思いついた様子で指を鳴らしている)] ねぇ? これはイスラエルの最高級(シャンパン)の出番だよ。)
レイチェル: The job is in Paris. (they all stare at each other) (その仕事はパリなの[職場がパリなの]。[みんな(動揺した様子で)お互いを見つめ合う])

ディナーは最高だった、と嬉しそうなレイチェルに、マークへの嫉妬心全開のロスは、マークの悪口を言っています。
What could that smarmy letch possibly want? の smarmy は「お世辞たらたらの、おべんちゃらを言う、ごますりの」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
smarmy [adjective] : (disapproving) polite in an insincere way that you do not like or trust
つまり、「(非難的な表現) 好まない、または信用できないような不誠実(偽善的)な様子で礼儀正しい」。
悪口のニュアンスで、「丁寧なんだけど、何かいけすかない」と感じるような様子だということですね。
letch は lech とも綴りますが、「好色な男、スケベ」という意味。
lecher も同様の意味で、LAAD では、lecher と lech が同じ項目で出ています。
lecher also lech : [noun, countable] (disapproving) a man who is always thinking about sex or trying to get sexual pleasure
つまり、「(非難的な表現) いつもエッチのことばかり考えている、または性的快楽を得ようとしている男性」。

smarmy letch は、どちらの単語も disapproving ですし、「ぱっと見、丁寧で親切そうに見えるけど、何かいけすかない、あのスケベ」みたいな意味ですから、ロスがマークに対してどれほどのヤキモチを妬いているかがよくわかりますよね。
What could that smarmy letch possibly want? は、「あのゴマすりスケベは何を欲しいと思ったりするんだろうなぁ?」のようなニュアンスですから、そのように表現することで、「下心のあるあいつは、君の身体を狙ってるに決まってるよ」ということを暗に言わんとしていることがわかります。

帰ってくるなり、マークの悪口を言いまくるロスに、レイチェルは「ロス、やめてよ」と言って、「彼は幸せに結婚してるのよ。彼の奥さんはちょうど(つい最近)双子の赤ちゃんを産んだばかりなの」と説明します。
その話を聞いたロスは、しばらく沈黙した後で、急に態度をコロッと変えて、「僕たち何か送るべき?(送った方がいいかな?)」みたいに言っていますね。
「双子が生まれたばかりという彼に、出産祝いとして何か送ってあげようか?」と言ったことになりますので、それまで猛烈な嫉妬モードだったのにもかかわらず、マークが幸せいっぱいの結婚生活を送っていると知った途端に、その嫉妬の気持ちが一気になくなった、ということを示していることになります。

チャンドラーが「仕事の件はどうなった?」と尋ねると、レイチェルは「彼は私に one (= a job) をオファーしてくれた」→「仕事を提供してくれた」と言うので、フレンズたちは口々にお祝いの言葉を述べています。
so much better than what I had at Ralph Lauren は、「私がラルフ・ローレンで持っていたものよりも、ずっと良い」ですから、与えられる仕事内容がもっと良いものとなる、と言っていることになります。
お給料もいいし、、と言いかけたところで、ロスは、「ちょっと話を止めていい?」みたいに言って、レイチェルの話を全て聞く前に、「ほら、僕がいいことあるって言ったろ?」と、自分はこんな風に最終的に良い結果となることを見越していた、僕の言った通りになった、ということを自慢げに語り始めます。
Who said something better would come along は、「何か良いことがやってくるだろうと言ったのは誰かな?」ということで、「そう言ったのは誰だったかな?」と言葉にすることで、それを予言したのは僕だった、ということをアピールしている感覚になります。
You didn't believe me. は、「僕は確かにそう言ったのに、君はそれを信じなかったよね」。
work out は「うまくいく」ですから、I told you everything was gonna work out. は「僕は君に言ったよね、すべてがうまくいく(ことになる)って」になります。

This calls for a bottle of Israel's finest. について。
finest は fine 「素晴らしい、上等の」の最上級。
「イスラエルの最高級のボトル」ということですが、これは今回のエピソードのアドブレイク前のシーンで、「終身在職権を得た!」という嬉しい出来事があったロスが、手にシャンパンを持ちながら、セントラルパークに入ってきたシーンの流れから来ています。

そのシーンでは、
ロス: Hey! What--? What's this? (showing the bottle) Well, it's a, it's a bottle of champagne. Why is this here? (やぁ! これは何かな? [ボトルを見せながら] シャンパンのボトルだ。どうしてこれがここにあるのでしょう?)
その後、チャンドラーがそのシャンパンのラベルを見て、
チャンドラー: Ooh! Israeli champagne. And it's vanilla! (あぁ! イスラエルのシャンパンだ。しかもバニラ(味)だ!)
ロス: I got tenure. I didn't win the lottery. (僕は終身在職権を得た。(けど)宝くじには当たってない。)
というやりとりもありました。
「シャンパンと言っても(フランス産とかじゃなくて)イスラエル産で、しかも味はバニラだって?」というチャンドラーの言い方から、そのシャンパンにケチを付けていることがわかりますし、それに対する「僕は終身在職権を得たんであって、宝くじに当たったわけじゃない」というロスの言い方からも、「宝くじに大当たりしたんじゃないんだから、高価なシャンパンは僕には買えないよ」と言っていることもわかります。
「ロスは終身在職権をフレンズみんなで祝おうと、イスラエルのシャンパンを持ってきた。けれどそのシャンパンはそれほど高価なものではなかった」ということで、しかもその時には、「レイチェルはラルフ・ローレンをクビになったという悪いニュースがあった」というタイミングだったため、一応、みんなグラスに入れて一口ずつ飲んだものの、「お祝いのシャンパン」としてちゃんと機能しないまま終わっていた、という状態でした。
一口飲んだフレンズたちも、みんな「何これ、まずい」という顔をしていたので、やっぱり高級品と呼べる代物ではなかったようでしたが、その「お祝いするためにせっかく買ったのに、役に立たないまま残っている」そのイスラエル産のシャンパンを、今こそ飲んでお祝いしようよ、と思いついたということです。
「イスラエル(産)の最高級品」のように、産地を限定した上で最上級にすることで、「そこで作られたシャンパンとしては上物」のように言ってみせたわけですね。
A call for B は「A が B を呼ぶ、求める」ですから、「このことがイスラエルの最高級シャンパンを求める」→「今この時こそ、イスラエルの最高級シャンパンの出番だ」と言っていることになります。

ロスが「ほら、僕が言った通りになったろ!」と一人でまくし立てている時、レイチェルは何とも言えない表情をしていたのですが、そのロスの発言が一通り済んだ後、レイチェルは、The job is in Paris. だと説明します。
「(オファーされた)その仕事はパリにある」→「その仕事の職場はパリになる」ということですね。
「新しい仕事、それも前よりいい仕事が見つかって、おめでとうー!」と大喜びだったフレンズたちも、「パリ」と聞いて動揺が隠せません。
この後のエンドクレジットでは、ジョーイが8歳の女の子マッケンジー(ダコタ・ファニング)から、電話で俳優についてのアドバイスを受けている、というコメディっぽいシーンがあるため、少し救われた感はありますが、最終話まであと4話、この先の怒涛の展開を予感させるエンディングになっていると思います。


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