2017年07月21日

着ることができてれば、さらにいい フレンズ1-3改その35

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18:41
ロス: Hey Pheebs, you gonna have the rest of that Pop Tart? Pheebs? (ねぇ、フィービー、そのポップタルトの残りを食べるつもり? フィービー?)
フィービー: Does anyone want the rest of this Pop Tart? (誰かこのポップタルトの残りを欲しい人いる?)
ロス: Hey, I might. (ねぇ、僕、欲しいかも。)
フィービー: I’m sorry. Y'know, those stupid soda people gave me seven thousand dollars for the thumb.(ごめん。ほら、例のおバカなソーダ会社の人が、(缶に入っていた)親指のために、7,000ドルをくれたのよ。)
みんな: You're kidding. Oh my God. (冗談だろ。なんてこった。)
フィービー: And on my way over here I stepped in gum. What is up with the universe? (それでここに来る途中、私はガムを踏んだのよ。宇宙はどうなってるの?)
ジョーイ: (DRAGGED IN BY MONICA. HE HAS JUST COME OUT OF THE SHOWER) What's going on? ([モニカに引っ張られて。ジョーイはたった今、シャワーから出てきたところ] 一体何が起こってるんだよ?)
モニカ: Nothing. I just think it's nice when we're all here together. (何もないわ。私はただ、私たちがみんなここに一緒にいたらいいなと思うだけよ。)
ジョーイ: Even nicer when everyone gets to wear their underwear. (みんなが自分の下着を着られる状態になっていれば、さらにいいと思うけど。)
レイチェル: Uh, Joey.... (あぁ、ジョーイ…)
ジョーイ: Oh, God! (HURRIEDLY CLOSES HIS KNEES) (あぁ、しまった! [自分の膝を急いで閉じる])
モニカ: (TURNS OFF TV) Okay. ([テレビを消す] いいわ。)
みんな: Oh! That was Lamb Chop! (あぁ! 今のはラムチョップだったのに!)

フィービーはボーッと焦点が定まらない様子で固まっており、手にはお菓子の一片を持っています。
ロスのセリフで、それが Pop Tart 「ポップタルト」であることがわかりますね。
フィービーが、食べるでもなく、ただ手にそれを持っているので、「食べるつもりなら食べたらいいけど、君が食べないなら僕が貰ってもいいかな?」という意味で、ロスはフィービーに食べる意志があるかどうかを尋ねています。
そう尋ねたのに、それが聞こえなかったかのように「ポップタルトの残り欲しい人いる?」とフィービーが言うので、「だから僕が今そう聞いたところじゃん」と言いたげに、ロスは Hey, I might. 「ねぇ、僕、(ポップタルトの残り)欲しいかも」と答えたことになります。

字幕では Pop Tart と最初が大文字表記になっているので、商品名であることが想像できます。
こういう商品名は、Pop Tart で画像検索すれば一目瞭然ですね。
青い箱に白いポップな文字で、pop・tarts と書かれたケロッグ(Kellogg's)のパッケージや、中身の画像がたくさんヒットします。

Pop-Tarts Official Website
フレイバーもたくさん種類があるようで、WATERMELON(スイカ味)などもあります。

Wikipedia 英語版: Pop-Tarts
ウィキペディアの説明の中に以下の文章がありました。
Although sold pre-cooked, they are designed to be warmed inside a toaster or microwave oven.
つまり「調理済み(加熱処理済み)で売られているが、トースターや電子レンジの中で温められるように作られている」ということで、そのまま食べるのではなく、温めて食べることを想定したお菓子ということですね。

それを考えると、最後に残ったそれを食べるの食べないの? と尋ねているのは「フィービーが食べないのなら、冷めないうちに僕が食べようかと思うんだけど」という気持ちから来たのかな、という気がします。
「温かい方がおいしい食べ物」だからこそ、「食べないなら僕が貰ってもいい?」というのが自然に聞こえる気がする、ということですね。

those stupid soda people は「あのおバカなソーダ会社の人たち」。
会社の人を指して、... people と表現することがよくあります。
わざわざ「〜”会社の”人」と言わなくても、「〜の人」だけで意味は通じるということですね。
for the thumb は「親指のために」というところですが、「缶の中に人の親指が入っていた、という不愉快な思いをさせたお詫びと引き換えに」というニュアンスになるでしょう。
7,000ドルは今日のレートだと79万円くらいですね。

フレンズたちが口々に驚く中、フィービーはさらに話を付け加えます。
on my way over here は「ここにくる途中で」。on my way home なら「家に帰る途中で」ですね。
I stepped in gum. は「私はガムを踏んだ」。
前回の記事、手に30年もはめてりゃ、しゃべる フレンズ1-3改その34 でも、「ジョーイが俺の最後のガムを食べた」というセリフで gum という単語が出てきましたが、その時説明したように、ガムは不可算名詞ですから、ここでも無冠詞で使われています。
ちなみに、gum には「歯茎(はぐき)」という意味もあり(そういう名前の歯磨き粉もありますね)、その場合は、上下に2つあることから、通常複数形の gums の形で使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、healthy gums という例が挙がっていますが、これは「健康な歯茎」ということですね。

What is up with the universe? は「ユニバースは一体どうなっているの?」ということ。
ユニバースは「世界、宇宙」などと訳されますが、フィービーはこのエピソードでカルマの話をしていたように、一般的な世界を超越した感覚の持ち主ですから、「世界は」というよりも「宇宙は」のようによりスケールを大きくして訳した方が、フィービーっぽい感じが出るような気がしました。
言っているフィービーの方は「ソーダに入っていた指で 7,000ドルもらうし、ここに来る途中にガムは踏んじゃうし、この宇宙は一体全体どうなっちゃってるわけ?!」という気持ちらしいですが、ユニバースと大袈裟な言葉を使っているわりには、後の話が「ガムを踏んだ」になっているのがこのセリフのオチですね。
みんな、「ガムを踏んだのがそんなに大変なこと? それにどう反応すればいいの?」みたいな顔をしていて、「さらに、と付け足した情報がそれ?!」みたいな面白さということですね。

最後のガムを踏んだ話はともかくとして、最終的に 7,000ドルをもらうことになるまでの経緯をまとめておくと、、、

銀行の自分の口座に知らない間に 500ドルが入っていた。
それを銀行に言ったら、また 500ドルが入金されて、お詫びの品のフットボール・フォンまでおまけについて、1,000ドルになった。
理由のないそんなお金を持っていたくなかったフィービーは、友人の(ホームレスらしい)リジーにお金を譲り、ただでお金をもらいたくなかったリジーはフィービーにソーダをおごった。
そのソーダの中に親指が入っていたので、ソーダ会社から 7,000ドルをもらった。

という流れになります。
最後の「ガムを踏んだ」を除けば、確かに「宇宙は一体どうなってんの?」と言いたくなるような現象ではありますね。

モニカは向かいの部屋からジョーイをこちらの部屋に連れてきます。
シャワーから出てきたばかりでバスローブを着ているジョーイは、頭をタオルで拭きながら、What's going on? とボヤいています。
What's going on? は「一体何事だよ。どうしたんだ? どうなってるんだ? 何が起こってるんだ?」。

モニカが I just think it's nice when と言ったことを受けて、Even nicer when と続けているのが面白いですね。
モニカのセリフは「私はただ、私たちがみんなここで(この部屋で)一緒にいる時、ナイスだと思うだけよ」→「みんな一緒にいたらいいわね、素敵ねと思ってるだけよ」。
「〜するのがナイス」と言ったことに対して、ジョーイは比較級の nicer 「よりいい、よりナイス」を使って「モニカはそれがナイスだっていうけど、こっちの方がもっとナイスだよ」と言ったことになります。
even は、比較級 nicer を強めて、「いっそう、さらに、なお」という意味になります。

その「もっとナイス」な内容は「みんなが自分の下着を着る・付けるようになる時」。
get to は、to 以下の状態になる、という感覚。
「みんなが一緒にいるよりも、みんなが自分の下着を付けることの方がよりいい」→「そっちの方が先決じゃないかな」と言っているこのセリフから、下着をつけるという行為に至るまでの間にこっちに連れてこられた、下着(パンツ)をはかずにバスローブだけ羽織ってこちらに来たことがわかるという仕組みです。
その後、ちょっと脚を開いた感じでソファに座ったジョーイを見て、レイチェルが注意を促す声を出し、ジョーイが慌てて自分の膝を閉じたことで、服の中が丸見えであることをレイチェルに指摘された、ジョーイのセリフ通り、ジョーイは今、下着をはいていないことがよりはっきりするという流れになります。

モニカはみんなが見ているテレビを消します。
懐かしのラムチョップを見ていたのにモニカにテレビを消されてしまって、みんながブーブー言っているのも面白いですね。


★ Rach からのお知らせとご挨拶 ★
7月22日(土)の京都セミナー、いよいよ明日となりました!
明日も暑くなりそうですが、ご参加下さる皆様、どうか体調にお気をつけてお越し下さいませ。
海外ドラマの生きたセリフから英語を学ぶ楽しさを直接皆様にお伝えできるのを、とってもとっても楽しみにしています♪


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posted by Rach at 13:42| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月18日

手に30年もはめてりゃ、しゃべる フレンズ1-3改その34

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18:02
(CUT TO THE GANG MINUS MONICA AND JOEY WATCHING LAMBCHOP AT RACHEL+MONICA'S)
モニカとジョーイを除くフレンズたちが、レイチェルとモニカの家でラムチョップを見ているシーンにカット。
チャンドラー: Oh, Lamb Chop! How old is that sock? If I had a sock on my hand for 30 years, it'd be talking too. (あぁ、ラムチョップだ! あの靴下、何歳だよ? もし俺の手に30年靴下をはめてたら、その靴下も(今頃)しゃべってるだろうさ。)
ロス: Okay. I think it's time to change somebody's nicotine patch. (DOES SO) (よし。誰かさんのニコチンパッチを取り換える時間だね。[そうする(パッチを取り換える])
(ENTER MONICA)
モニカ登場。
モニカ: Hey. Where's Joey? (ねぇ。ジョーイはどこ?)
チャンドラー: Joey ate my last stick of gum, so I killed him. Do you think that was wrong? (ジョーイは俺のガムの最後の1枚を食べた。だから俺はジョーイを殺した。それって悪いことだったと思う?)
レイチェル: I think he's across the hall. (ジョーイは廊下の向こう側(廊下を挟んだ向こう側の部屋)だと思うわ。)
モニカ: Thanks. (GOES TO FETCH HIM) (ありがと。[彼を連れてくるために(そちらに)行く])
ロス: (FINISHES CHANGING CHANDLER'S NICOTINE PATCH) There you go. ([チャンドラーのニコチンパッチの交換を終えて] さあいいぞ。)
チャンドラー: (DEADPAN) Ooh, I'm alive with pleasure now. ([無表情に] あぁ、今、俺は喜びで生き生きしてる。)

チャンドラーはテレビを見て、Lamb Chop! と言っています。
ラムチョップ(Lamb Chop)は、羊の姿をした、手で動かすタイプの、靴下でできたパペット。
ネット検索で、lamb chop と調べると、lamb chops として、羊の(あばら骨付き)肉(チョップ)がたくさんヒットします。
lamb は日本語でも「ラム(肉)」と言うように「子羊の肉」のことですね。
また食肉だけではなく「子羊」という意味もあり、1991年の映画「羊たちの沈黙」の原題は、Silence of the Lambs です(邦題は英語タイトルの直訳なわけですね)。
chop も「ポークチョップ」(a pork chop)のように日本語になっていますが、通常あばら骨が付いた形の小さな肉を指します。
lamb chop は、単語の意味としては「ラム肉」を指すわけですが、それをパペットの名前にしているということですね。

Lamb Chop だけで検索すると、ラム肉ばかりが出てきてしまうのですが、Lamb Chop puppet というキーワードで調べると、puppet(操り人形、指人形)のラムチョップの情報がヒットします。
詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Lamb Chop (puppet)

フレンズの中のテレビ画面で、ラムチョップと一緒に映っている女性はシャリー・ルイス(Shari Lewis)という腹話術師。彼女がこのパペットを作り、動かしています。
シャーリー・ルイスさんについても、ウィキペディアに詳しいです。
Wikipedia 英語版: Shari Lewis

シャーリーさんは、1960年から1963年に The Shari Lewis Show という番組で活躍し、1990年代にも、Lamb Chop's Play-Along という番組が作られました。
今回のフレンズ1-3 が最初に放映されたのは、1994年10月なので、チャンドラーの言うように、30年以上の芸歴があるパペットということになるわけですね。
1990年代の Lamb Chop's Play-Along という番組は、1992年から1997年まで放映されていたようなので、1994年放映の フレンズ1-3 でみんなが見ているのは、当時放映されていた Lamb Chop's Play-Along という番組なのだろうと思います。

仮定法過去を使って、「もしも俺もあんな風に30年間靴下を手にはめてたとしたら」と仮定し、would be talking 「俺の手にはめているそいつがまさに今、あのテレビのラムチョップみたいにしゃべってるところだろう」という would+進行形の形になっていることに注目しましょう。
「靴下だって、人の手に30年もはまってたら、しゃべるくらいにはなるだろうさ」と言ってみせた面白さになります。

ニコチンパッチは「禁煙の禁断症状を抑えるために皮膚に貼るパッチ(ばんそうこう)」。
そう言ってロスはチャンドラーの腕に貼ったものを取り換えようとしているので、チャンドラーがそのパッチを貼っていること、チャンドラーは禁煙中であることがわかります。
前のシーンでアランに電話で説得されて吸っていたタバコを即座に消したチャンドラーでしたが、その後も、アランの言いつけを守って禁煙を続けていることがわかりますね。
それだけチャンドラーにとってはアランの一言が大きいということになるでしょう。

モニカが帰宅し、元気のないトーンで、ジョーイはどこ? と尋ねます。
それに対してチャンドラーは、「ジョーイが俺の最後のガムを食べたから、ジョーイを殺した。それって悪いことだったと思う?」などと、真面目な顔で冗談を言います。

my last stick of gum という表現について。
gum は不可算名詞。ガム1枚は a stick of gum なので、my last stick of gum は「ガムの最後の1枚」ということ。
後のシーンでまた、別の人が gum という単語の入ったセリフを言いますが、不可算名詞なのでそこでもまた冠詞のない形で出てきます(その時にまた触れます)。

モニカは「もう、ふざけないで。私、真面目に尋ねてるんだけど…」という顔をしていますが、チャンドラーはどこまでも大真面目な顔で、そのジョークを続けています。
見かねたレイチェルが、隣の部屋を指さしながら、彼は across the hall にいるわ、と教えてあげています。
across the hall は「廊下の向こう、廊下を隔てて向こう側に」ということですから、廊下を挟む形で向かいにある、ジョーイとチャンドラーの部屋にいる、つまり、ジョーイは向かいの自分の部屋にいるわ、と言っていることになります。
I'm alive with pleasure now. は「俺は今、喜び・快感で生き生きしてる」ということですが、言葉だけわざとらしく「パッチが効いてるぅ〜」みたいに言ってみせている感じですね。


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posted by Rach at 15:42| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月14日

そんな風に言ってくれた人はいなかった フレンズ1-3改その33

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17:08
レイチェル: (WITH PHONE) Chandler? It's Alan, he wants to speak to you. ([電話を持ちながら] チャンドラー? アランよ、彼があなたと話したいって。)
チャンドラー: Really? He does? (TAKES PHONE) Hey, buddy! What's up? Oh, she told you about that, huh? Well, yeah, I have one now and then. Well, yeah, now. Well, it's not that bad…. Well, that's true. Gee, y'know, no one, no one's ever put it like that before. Well, okay. Thanks. (HANDS BACK THE PHONE AND STUBS OUT HIS CIGARETTE) (ほんとに? 彼が(俺と話したいって)? [電話を取る] やぁ、バディ! どうした? あぁ、彼女(レイチェル)がそのことを言ったんだな? うーん、そうだな、吸ってるよ、時々(今とか別の時とかに)ね。あぁ、そう、今もね。うーん、そんなに悪くないよ… あぁ、そうだね。おぉ、ほら、誰も、これまで誰もそんな風に言ってくれなかったから、うん、わかった。ありがと。[電話を返して、自分のタバコをもみ消す])
レイチェル: (TO ROSS, WHO HAS WANDERED UP) God, he's good. ([ちょうど歩いて来たロスに] まぁ、彼はすごいわね。)
ロス: If only he were a woman. (アランが女性だったらなぁ。)
レイチェル: Yeah. (そうね。)
(THEY GIVE EACH OTHER A DUBIOUS LOOK)
二人はお互いに不審な表情をする。

電話(「しもしも〜?」の平野ノラさんが持っているようなでっかい電話が時代を感じさせます^^)を手にしているレイチェルがチャンドラーに「アラン(から)よ。あなたと話したいって」と言うと、チャンドラーはとても嬉しそうな顔をして Really? He does? と返します。
He does? は、He wants to speak to me? ということで、「ほんとに? 電話の向こうのアランが俺と話したいって言ってるの?」と、アランが自分と話したいと言ってくれたことを喜んでいることになります。
Hey, buddy! What's up? は、親しい友人が使う挨拶。
アランのことを気に入っているチャンドラーは、わざとそういう親しげな言葉を使って、「俺たち、仲良しだよな」というところを強調してみせている感じですね。

Oh, she told you about that, huh? 「あぁ、彼女がそのことについて君に話したんだな?」と言いながら、チャンドラーは右手に持ったタバコを少し持ちあげて、これのこと、という風に示しています。
レイチェルと視線を合わせると、レイチェルはいたずらっぽい顔をして、「ええあなたがタバコを吸ってること、アランに言ってあげたわ」というような、ちょっと得意げな顔をしています。

I have one now and then. Well, yeah, now. について。
have one は「それを持ってる」というところですが、タバコの話をしていることがわかるので、今タバコを持ってる、吸ってる、というようなニュアンス。
now and then は「時々」。every now and then と言うこともあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
(every) now and then, now and again : used in order to say that something happens sometimes but not always
つまり「何かが時々起こる、でもいつもではないことを言うために使われる」。

now and then を直訳すると「今とその時」ですが、「いつもじゃなくて時々」というニュアンスが now and then なわけですね。
レイチェルにタバコを吸っていることをチクられて、「いやぁまぁ、時々吸ってるんだけど」のように、now and then を使って答えたところ、アランに追及されたのか、「now and then で、実際に now(今)も吸ってるところ」のように続けたのが、yeah, now になります。
「いつも吸ってるわけじゃなくて、時たまだよ」と逃げようとして、now and then と言ったわけですが、「now and then... って、実際 now に吸ってるけどね」としぶしぶ認めた形ですね。

チャンドラーは自己弁護しようと、「(喫煙は)そんなに悪くない…」と言いかけるのですが、相手のアランが何か言っているらしく、真剣に聞き入りながら、「そうだね、それは確かだね」と言って、Gee, y'know, no one, no one's ever put it like that before. と続けます。

put it を直訳すると「それを置く」というところですが、今回の put it は「表現する、述べる」という意味で使われています。
研究社 新英和中辞典では、
put [通例 put it で様態の副詞(句)を伴って] 〈…を〉(…に)表現する、述べる
Let me put it in another way. 別な言い方で言ってみよう。
To put it briefly [mildly], …. 手短に[控え目に]言えば…。
I'm - how shall I put it? - in love with you. ぼくは、どう言ったらいいのか、あなたを愛しているのです。


ですから今回のチャンドラーのセリフは、「これまで誰もそんな風に言ったことはなかった」→「今アランが言ってくれたみたいに、表現してくれた人はいなかった」と言っていることになります。
その後、ありがと、と言って電話を切ったチャンドラーは、カウンターにあった灰皿に、吸っていたタバコを大げさに押し付けて、3回ほど叩いて火を消し、嬉しそうな顔でカウンターを手で2回叩き、立ち上がります。

今までさんざんフレンズたちがタバコをやめろと説得しても全く言うことを聞かなかったのに、ちょっと電話で話しただけであっさりタバコを消してしまったわけですから、アランの説得がものすごく効いたことがこの様子からよくわかりますね。
「これまでそんな風に言ってくれた人は誰もいなかった」と言ったその内容は視聴者には全くわからないわけですが、「アランは一体何を言ったんだろう?」と視聴者の想像に任せて、詳しいことはセリフでは語らないというのが、今回の脚本に共通する流れですね。
アランのすごさ、魅力みたいなものを視聴者にダイレクトに見せずに、フレンズたちがアランをすごいと思っている様子を描写することで視聴者に伝えようとしているのが、今回のエピソードのユニークな点だと思います。
「アランから電話と聞いてすごく嬉しそう。フレンズが長期間説得しても聞かなかったのに、アランが一言言っただけであっさりタバコをやめた」というチャンドラーの反応から、アランという人物をイメージさせる面白さと言えるでしょう。

今の電話すごかったわね、と言うように電話を手で軽く揺らして、レイチェルは「彼はグッドね」と言っています。
それに対して、ロスが If only he were a woman. と言っていますが、これは典型的な仮定法過去ですね。
意味としては「ただ彼(アラン)が女性なら良かったのに」。
アランは男性でそれを女性に変えることは不可能、つまり、現実には不可能な願望を言っているので、仮定法過去、つまり過去形(were)になります。
語順が逆の Only if は、「もし〜である場合のみ、〜の場合に限り」なので、混同しないように注意しましょう。
「アランが女性だったらなぁ」としみじみ言ったロスに対し、レイチェルも Yeah. と同意するのですが、その後、お互いに顔を見合わせて、気まずい顔をしています。
その様子から「アランが女だったら」と言ったロスの発言はロスにとって気まずいもので、「そうね」と同意したレイチェルの発言もレイチェルにとって気まずいものだったことが読み取れますね。

ロスは「アランが女だったらなぁ」と自分の願望を述べたことになるわけですが、それはまるで「アランが女だったら僕は好きになる。女だったら彼女にしたい」「彼みたいな人が恋人だったらいいのに」と言ったかのように、アランに対して恋愛感情を持っているかのように聞こえてしまうわけですね。

女性であるレイチェルは、アランが魅力的な人だった場合、魅力的な男性として見ることができるので、あえて女性になってくれたら、と思う必要はないはずですが、「女だったら」というのを肯定して、うなずいてしまったことで、「もし女性なら、素敵なレズビアンの恋人になってくれそう」みたいに聞こえてしまうということになるでしょう。
「あえて女性である方を望む」かのような発言になってしまっているわけですね。

つい口をついて出てしまった発言を、後からよーく考えてみると「なんか誤解されそうな発言だった」とお互いに気づいたことで、「今の発言は言わなかったことに、聞かなかったことにしよう」みたいな顔を二人はしているということですね。


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posted by Rach at 14:43| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月12日

君と君の〜にはうんざりだ フレンズ1-3改その32

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16:53
(CUT TO CENTRAL PERK, WHERE JOEY AND ROSS ARE PERSECUTING CHANDLER)
セントラルパークに画面がカット、そこではジョーイとロスがチャンドラーをいじめている。
ジョーイ: Do you have any respect for your body? (お前は自分の体に対して、少しも敬意を払わないのか?)
ロス: Don't you realize what you're-you're doing to yourself? (自分自身に対して何をやってるのか、自覚してないのか?)
チャンドラー: Hey, y'know, I have had it with you guys and your cancer and your emphysema and your heart disease. The bottom line is, smoking is cool, and you know it. (おい、なぁ、もううんざりなんだよ、お前らとお前らの(言う)癌(ガン)とか肺気腫とか心臓病には。大事なことはタバコを吸うことはかっこいいってことだ、お前らだってそれはわかってるだろ。)

have respect for は「〜に対して尊敬(の念)・敬意を持つ」ということですから、ジョーイのセリフは「自分の体に敬意を払わないのか、大切に思わないのか?」ということ。
ロスも「自分自身に対して何をやってるのか、お前はわかってないのか? 自覚してないのか?」と言っています。
タバコを吸っているチャンドラーに「タバコは体に悪い」ということを口々に言っている感じですね。

have had it with は「〜にはもううんざりした、あきあきした。〜はもうたくさんだ」という意味。
Macmillan Dictionary では、
have had it : to be so annoyed with someone or something that you do not want to be involved with them any longer
have had it with : He says he's had it with politics.

つまり、「誰かまたは何かに非常にうんざりしていて、そのことにそれ以上かかわりたくない」。例文は「彼は政略(駆け引き・権力闘争)にはうんざりだと言う」。

with 以下は、with you guys and your cancer and your emphysema and your heart disease となっていますね。
直訳すると、「お前らとお前らの(病名)」ということですが、このように you and your... 「お前とお前の…」という表現もまた、何かにうんざりしている時によく使われます。
研究社 新英和中辞典では、以下のように出ています。
You and your…!=…は君の口癖だね 《また始まったなど》
You and your sob stories! また例のお涙ちょうだいか!


「君と君の(その)〜」という表現をすることで「お決まりのように毎回出してくるそれ」みたいな感じが出ていると思います。
この先のフレンズのエピソードでは、フレンズ1-9 や フレンズ3-10 に、you and your stupid... 「あなたと、あなたのバカな(バカげた)…」という表現も出てきます。

「タバコは体に悪い」という話をもう何度も聞かされてきたのでしょう、そのたびに「タバコを吸うとこんな病気になる」ということで、cancer, emphysema, heart disease という病名を出してくるので、「そういう病気になるぞとかって脅されるのにはもううんざりだ」という気持ちからのセリフであることがわかります。
お前らにも、そしてお前らがすぐに名前を出すそういう病気の話もうんざりだ、聞き飽きたよ、という感じですね。

The bottom line is は「肝心なことは、重要なことは…」。
bottom line とは、決算書の一番下の行のことで、そこには、最終的な収支の結果が書いてあります。
そこから bottom line は「肝心なこと、重要なこと」という意味になります。
Macmillan Dictionary では、
the bottom line : the most basic fact or issue in a situation
例)The bottom line is that he lied to Parliament.

つまり「ある状況における、最も基本的な事実または問題」。例文は「大事なことは彼が議会に嘘をついたということだ」。

「タバコを吸うのはかっこいい」と言った後、and you know it と続けていますが、「お前らもそれを知ってる(だろ)」のように言っているところに、「お前らだってそう思うだろ? その点は認めるだろ?」というチャンドラーの気持ちが出ていますね。


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posted by Rach at 16:30| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月10日

私が心配してるのは他の5人 フレンズ1-3改その31

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16:01
SCENE 6: IRIDIUM (AGAIN, MONICA AND PAULA AT WORK)
シーン6: イリジウム(モニカの職場)(また、モニカとポーラが仕事中)
モニカ: Did you ever go out with a guy your friends all really like? (自分の友達全員が本当に好きだと思うような男性と付き合ったことこれまでにある?)
ポーラ: No. (いいえ。)
モニカ: Okay. I'm going out with a guy my friends all really like. (そう。私は自分の友達全員が本当に好きだと思う男性と付き合ってるのよ。)
ポーラ: Are we talking about the coyotes here? All right! A cow got through. (ここでは(今)例のコヨーテの話をしてるの? よし! 牛は切り抜けたのね。)
モニカ: Can you believe it? It’s just, you know what? I just don't feel the “thing.” I mean, they feel the thing, I don't feel the thing. (信じられる? ただ、ほらわかる? 私は(これ! というものを)何も感じないの。つまり、彼ら(友達)は感じる(けど)、私は感じないの。)
ポーラ: Honey, you should always feel... the thing. Listen, if that's how you feel about the guy, Monica, dump him. (ハニー、常に”感じる”べきよ。ねえ聞いて、もしあなたがその男についてそんな風に感じるのなら、モニカ、彼を捨てなさい。)
モニカ: I know. It's gonna be really hard. (わかってる。本当に難しいのよ。)
ポーラ: He's a big boy. He'll get over it. (彼は大人の男よ。彼は乗り越えるわ。)
モニカ: No, he'll be fine. It's the other five I'm worried about. (いいえ、彼は大丈夫なの。私が気にしてるのは他の5人の方よ。)

Did you ever go out with a guy your friends all really like? は、your friends 以下が、a guy の内容を詳しく説明する形になっています。
Did you ever go out with a guy 「(ある)男性とデートしたこと・付き合ったことがこれまでにある?」と先に尋ねておいてから、その男性っていうのはこういう男性のこと、と説明を追加している感覚ですね。
その後、モニカが「自分の友達が本気で気に入ってくれるような男性と、私は今付き合ってるのよ」と言うので、「ここで(今)私たちは例のコヨーテについて話しているの?」→「私たちが今話題にしてるのは、(前に話した)例のコヨーテのこと?」とポーラは尋ねています。
「彼氏を友達に紹介すると、友達がコヨーテのように彼を攻撃する」という話は、過去記事、群れの弱い者を狙い撃つコヨーテ フレンズ1-3改その14 に出てきました。

A cow got through. の get through の基本的な意味は「通り抜ける」。
ここでは、コヨーテに囲まれる中、牛が襲われずに食べられずに、うまく通り抜けた、切り抜けた、というニュアンス。
フレンズをコヨーテに、彼氏のアランを牛に例えていたので、アランがフレンズに認められたことを、「アランはコヨーテの攻撃を受けずに切り抜けた、生き延びた」と表現したわけですね。

その後のモニカのセリフでは、feel the thing というフレーズが3回登場しています。
thing は「もの」でそこに冠詞の the がつくと、何か特定のことを指すニュアンスが出ますね。
DVDの日本語訳では「彼にピンと来ないの」と訳されていましたが、私もそのようなニュアンスを感じました。
feel the thing で「これよ! という感じを持つ」みたいなことだろうと思います。
日本語でも「彼には感じるところがある」と言えば、何かしらの特別な感情を持っていることが想像されますよね。
feel something のように something を使うと「具体的に何かとは言えないけれど、何かしら(のもの)」という漠然とした感じがしますが、今回のように the thing と表現すると、「それ、あれ」のようにお互いが暗黙の了解でわかるものを指している感覚が出ることになるでしょう。
今は彼氏の話をしているので、「彼氏として彼に感じる部分があるかないか」という話をしていると理解すればいいわけですね。

I don't feel the thing. と言ったモニカに対して、同僚のポーラはちょっとニヤッとした顔で、Honey, you should always feel the thing. と返しています。
「感じないのよ」と言ったことに対して「常に感じるべきよ」と言っていること、feel... the thing とちょっと間を置いて言ったこと、ポーラのいたずらっぽい笑顔などから、日本語の「感じる」という言葉からも連想されるような「エッチの時に感じる」ことを言っていることになるでしょう。
DVDの日本語訳も「快感が得られない男なんて/快感くれる男じゃなきゃ」のようにエッチ系の「快感」という言葉で訳されていました。
モニカは恋人としてアランに感じるものがない、と言っているのを、「感じない、とか言ってちゃだめよ。いつも感じてないとダメでしょ」みたいな言い方をして、エッチの話にすり替えてからかった感じですね。
その後、今度は真面目なアドバイスとして、Listen 「ねぇ聞いて」と言った後、if that's how... 以下のセリフを言っています。
how you feel about the guy は「あなたがその男性(アラン)についてどのように感じるか」ですから、if の文章は「もしそれ(彼について何も感じない)というのが、モニカのアランに対する感じ方なのなら」→「もし何も感じないとアランについて感じているなら」という意味になります。
dump は「捨てる」で、恋愛については「恋人を捨てる、ふる」という意味。

「感じないなら、そんな男とは別れちゃいなさいよ」と言われたモニカは「それは本当に難しい(ことになる)だろう」と答えます。
big boy は「大きな少年」、つまりは「(子供ではなくて)大人の男」というニュアンス。
get over は「乗り越える、克服する」ですから、「ふられても、アランは大人なんだから、ちゃんと乗り越えるわよ」ということ。

モニカは「彼は大丈夫(だろう)」と言った後で、It's the other five I'm worried about. と言います。
これは強調構文ですね。
「私が心配しているのは(アランではなくて)他の5人(の方)よ」ということで、I'm not worried about Alan. I'm worried about the other five. 「私はアランについては心配していない。私は他の5人について心配している」ということを、「(アランではなくて)他の5人である、私が(実際に)心配しているのは」と表現した形が、この強調構文になります。


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posted by Rach at 15:26| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月05日

髪が口から出て手袋が脱げる フレンズ1-3改その30

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15:30
ロス: You know, there's nothing wrong with speaking correctly. (ほら、正しく話すことは何も悪いことないだろ。)
レイチェル: Indeed there isn't. I should really get back to work. (本当にないですね。私、ほんとに仕事に戻らなきゃ。)
フィービー: Yeah, otherwise someone might get what they actually ordered. (そうね、そうじゃないと[あなたが仕事に戻らないと]ある人が、実際に注文したものを受け取ってしまうかもしれないものね。)
レイチェル: Ohh-ho-hooohhh. The hair comes out and the gloves come off. (おーおーおーぉ(言ってくれるわねぇ)。髪の毛が口から出て、手袋が脱げるのね[決闘開始ね]。)
(THEY DEGENERATE INTO BICKERING AND CHANDLER HAPPILY STARTS TO SMOKE, UNDISTURBED.)
みんなは言い争い(口論)(という悪い状況)になり、チャンドラーは幸せそうにタバコを吸い始める、誰にも邪魔されずに。

くどい言い方の真似をされたロスは、「正しく発音することには何も悪いことはない」と主張しています。
それを聞いたレイチェルは、Indeed there isn't. と言っていますが、語尾の isn't の最後の t の音をことさら強調して発音しています。
t のように舌で弾かせる音を破裂音というのですが、ラフな会話の場合、そのような最後の破裂音は、破裂させないことが多いです。
普通なら、音としては「イズン」程度にしか聞こえないところを、レイチェルは最後の破裂音をはっきり発音することで「一字一句正しく発音する」ロスの癖をからかっていることになります。
「正しく発音することは何も悪くない」というロスの発言に対して、言葉通りの意味としては「(ロスの言うように)本当に何も悪くない、何も悪いことはない」と言ったことになりますが、その言葉を言う時に「極度に正しく発音してみる」ことで、結局、ロスの「くどすぎる発音」をバカにしていることになるわけですね。
自分の発音をからかわれたロスは、レイチェルを少しにらんでいます。

I should really get back to work. は「私は本当に仕事に戻るべきである。戻らないといけない」。
レイチェルはこのコーヒーハウス「セントラルパーク」のウェイトレスなので、フレンズたちとしばらく癖の話であれこれ盛り上がっていたけれど、そろそろまじで仕事に戻らないとね、と言って、みんなの会話から離れようとしたわけですが、そこでフィービーが Yeah, otherwise... のセリフを言って、みんなが「そこまで言うか?」みたいな反応をすることになります。
フレンズたちの反応、特に言われたレイチェルの反応から、それがレイチェルに喧嘩を売ったような発言であることがわかるのですが、フィービーがレイチェルにそういう発言をしたのは、「自分(フィービー)の髪を噛む癖を、ロスはかばって可愛いと褒めてくれた」→「フィービーの髪を噛む癖についてロスが反論したことで、ジョーイはロスの癖を持ち出しバカにした」→「さらにレイチェルがロスの癖をバカにする発言をした」という流れから、「自分をかばってくれたロスをバカにしたレイチェルに、フィービーが仕返しをした」ということになるでしょう。

そのフィービーのセリフについて。
otherwise は「さもなければ」。
セリフを訳すと「あなたが仕事に戻らなければ、誰かが実際に注文したものを受け取るかもしれない」と言っていることになりますが、裏を返すと、「あなたが仕事に戻れば、客が注文したものとは違うものを受け取ってしまう」と暗に言っていることになります。
同じエピソードの過去記事、親指から人差し指までの長さ フレンズ1-3改その8 で、レイチェルが自信満々に「みんなの注文、言わなくてもわかるから」と飲み物を配った後、レイチェルに見えないところでフレンズたちが飲み物を交換しているシーンがあって、レイチェルは注文通りのものを給仕できない人であることが明らかになっていました。
そういうシーンがあったことを受けての、フィービーのこのセリフなわけですね。

someone might get what they actually ordered の they は、someone を受けている代名詞。
本来なら、単数形 someone を受ける代名詞は、he か she になるところですが、性別がはっきりしていない場合だと、he/she や、he or she と表現しなければならなくなります。
そういう手間を省くためでしょうか、単数名詞である someone を受ける場合に、口語では、they という複数名詞が使われることが多いです。
実際、「フレンズ」にも someone を受ける they はよく登場しますので、以後、気をつけて見てみてください。

「あなたが仕事に戻ると、またお客が注文とは違う品を受け取ってしまう」と言われたレイチェルは、何ですって?! という顔で振り向いています。
その後のレイチェルのセリフ、The hair comes out and the gloves come off. について。
これについては過去記事でご質問をいただいたことがあり、それについて記事にした際(フレンズ1-3その7 ご質問4)、たくさんの方から貴重なご意見をいただきました。
いただいたそれらのご意見を参考に、今の私が考える解釈を以下に書かせていただきますね。

まずこのセリフは、A come out and B come off(A が come out して、B が come off する)という形になっています。
韻を踏んでいるというのとは少し違うかもしれませんが、動詞の部分を同じにすることで、基本的な動きが同じで、かつ動きの方向性がやや違うだけ、という感じを出しているのだろうと思います。
out は「外へ」、off は「離れて、分離」のニュアンスなので、come という動詞の動きのニュアンスを出すと「A が外に出ると、B が離れる」という感じになるでしょうか。
the hair については、フィービーが髪の毛を噛む(chew her hair)癖があるという話の流れがあるので、The hair comes out は「フィービーが噛んでいた髪の毛を口から(吐き)出した」ことを指す「髪の毛が(口から)外に出る」ということになると思います。

the gloves come off の glove は「手袋、グローブ」のこと(英語の発音はグラヴ)。
以下、とりあえずは、glove=手袋 と訳しますと、このシーンに特に手袋などは出てきていないので、一般的な表現として持ち出したことが想像できます。

この表現に関連して、Macmillan Dictionary に、以下の項目が出ていました。
take the gloves off : to start fighting or competing hard in order to achieve something. When this happens, you can say ‘the gloves are off’
例)With more than five months left until election day, it is somewhat early for the gloves to come off.

つまり、「take the gloves off(手袋を脱ぐ)とは、何かを達成するために、懸命に戦いや競争を始めること。これが起きる時、"the gloves are off"「手袋が外れる(脱げる)」と言うことができる」。
例文は「選挙日まで5か月以上残っているので、手袋が脱げる[真剣勝負を始める]には幾分早い」。

このマクミランの説明は、項目のタイトルは take the gloves off となっていますが、語義説明では the gloves are off、例文では for the gloves to come off という表現が使われています。
take off は「服を脱ぐ」など、身に付けているものを脱ぐ・取る・取り外す時の表現で、be off は「分離している状態」つまり「取れている、外れている、脱げている」、come off は「分離している状態になる」つまり「手袋が脱げる」動きを指していることになるでしょう。

上の語義に「懸命に戦いや競争を始める時に”手袋が外れる”と言う」とありますが、手袋が外れることと、真剣勝負の決闘が始まることの関連性については、以下の2つの可能性が考えられる気がします。

1. 西洋の決闘で、手袋を投げ捨てる。もしくは手袋を脱いで相手に投げつけることで決闘開始の合図とする。
2. ボクシングで手を怪我しないためのクッションとなっているグローブを外して、素手で殴り合う、本気でやり合う。

gloves が手袋なのかボクシングのグローブなのかは、過去記事にいただいたコメントでも意見が分かれていました。
語源がどちらなのかは気になるところではありますが、今ここで理解しておくべきことは、the gloves を脱ぐ、the gloves が取れる、という表現には「決闘開始」のニュアンスがある、ということですね。
上のマクミランの語義の、start fighting hard のニュアンスを感じ取ることが必要だということです。

それから、いただいたご意見にあったのですが、the hair comes out というのは単に「髪の毛が口から出る」だけではなく、「口に髪の毛をくわえていると話せない、髪の毛を口から離したことで言いたいことを言う」というニュアンスも感じられる気がします。
過去形ではなく現在形で語っているので、現在形のニュアンスを出そうとすると「髪の毛が口から出ると、手袋(グローブ)が脱げる・外れる」のようになりますね。
「髪の毛が口から出る」→「自由になった口で人にケチをつける」→「決闘開始、喧嘩売ってる」というような流れを表現したのが、The hair comes out and the gloves come off. というセリフなのだろうと思いました。

レイチェルのウェイトレスとしての仕事ぶりにケチをつけたフィービーの発言に対し、「あら、髪の毛を食べるのをやめて、戦闘開始ってわけ?」みたいに返したことで、ト書きにあるように、フレンズたちは口論状態になります。
喫煙を責められたチャンドラーが他の人の癖を話題に出したことで、他のみんなはチャンドラーのタバコのことも忘れて言い争うことになり、一人悠々とタバコを吸いながら去っていくチャンドラーの作戦勝ちというところですね。

ちなみに、今回のシーンで、フレンズたちの癖の話が出ましたが、ロスが丁寧で大げさな発音をしがちであるという癖は、このエピソード以降のロスにも見られる気がしますが、ジョーイの指関節鳴らし、モニカの鼻鳴らし、フィービーの髪噛み、などの癖は、これ以降のエピソードで出てくることはありません。
「君らだってこんな癖があるじゃないか!」と責めるために、このエピソードでだけ作られた設定、というところですね。

この一連のシーンは、ある人が発言した後、その発言にムッとして別の人が別の話を持ち出す、というパターンが続きますが、自分の癖をバカにされたから他の人の癖を持ち出す、自分をかばってくれた人をバカにしたから仕返しをする、など、それぞれのキャラの心の動きとともにセリフが理解できると、いい感じかなと思います。


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posted by Rach at 15:37| Comment(5) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月03日

それがなくても生きられる フレンズ1-3改その29

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14:59
ジョーイ: Does the knuckle-cracking bother everybody, or just him? (指の関節を(ポキポキ)鳴らすのに、みんなイライラしてる?? それとも(イライラしてるのは)彼(チャンドラー)だけ?)
レイチェル: Well, I-I could live without it. (そうねぇ、それがなくても生きられるわね[別になくても困らないわね、あっても役には立たないわね]。)
ジョーイ: Well, is it, like, a little annoying? Or is it like when Phoebe chews her hair? (ふーん、それってちょっとうっとうしいの? それともフィービーが自分の髪の毛を噛む時みたいな感じ(のうっとうしさ)なの?)
(PHOEBE SPITS OUT HER HAIR)
フィービーは自分の髪の毛を口から吐き出す。
ロス: Oh, now, don't listen to him, Pheebs. I think it's endearing. (あぁ、ねぇ、彼の言うことなんか聞かないで、フィービー。僕は(その癖が)愛らしいと思うよ。)
ジョーイ: Oh, (IMITATING ROSS) you do, do you? (おぉ、[ロスを真似て] 君はそう思うんだ、思うんだね?)
(MONICA LAUGHS AND SNORTS)
モニカは笑って、鼻を鳴らす。

bother は、前回の記事に出てきた annoy と同じで、「悩ます、困らせる」という他動詞。
Like Joey's constant knuckle-cracking isn't annoying? とチャンドラーが言ったので、同じような意味の動詞 bother を使ったことになります。
bother を「人を悩ませる」という他動詞として直訳すると、「俺の指関節ポキポキ鳴らしがみんなを悩ませてる? それとも悩ませてるのは彼だけ?」ということになりますが、自然な日本語にすると、「みんな、関節鳴らしにイライラしてる? それともイライラしてるのはチャンドラーだけ?」と言っていることになるでしょう。

チャンドラーに急にその話を持ち出されたので「みんな、俺の関節鳴らしを常々うっとうしいとか思ってた?」と改めて尋ねた感じで、一瞬沈黙が流れますが、少し間を空けてから、ソファの後ろに立って背もたれに手をついていたレイチェルが、I could live without it. と答えます。
直訳すると「それ(関節鳴らし)なしで、(生きようと思えば)生きることができる」ということになりますが、つまりは「別に生きるのに絶対に必要なものではない」「なくても別に困らない」と言っている感覚になるでしょう。
そのレイチェルの言い方からは、「これまではあえて文句を言ったことはなかったけど、あっても特にメリットはないから、ないほうがありがたいわね」みたいなニュアンスが感じられる気がしました。

自分の癖について「あれってみんな気にしてた? 嫌だった?」と尋ねたことについて、「全然気にしてないわ」と返事してもらえればジョーイも安心したでしょうが、わざわざ「なくても困らない」→「必要ではない、ないほうがありがたい」みたいに言われたので、ジョーイはカチンと来たようで、ジョーイは別の人の癖を挙げることになります。
is it, like, a little annoying? Or is it like when SV は「それって、ちょっとうっとうしいの? それとも S が V する時みたいな感じなの?」。
「ちょっとうっとうしいの、それとも」と言った後で、S が V する時みたいなうっとうしさなの? と比較に出しているので、「ちょっとではなく、かなりうっとうしい」ことの例えとして、when SV と言っていることになるでしょう。
例に出された SV は「フィービーが自分の髪の毛を噛む(かむ)」ということ。
chew は「…を噛む」という動詞で、chewing gum は「チューイングガム」ですね。
ジョーイにそう言われた時に、フィービーは自分の長い髪を口にくわえているところだったので、ペッと口を開いて、舌を出しつつ、くわえていた髪の毛を離すことになります。
ちょうどフィービーが髪の毛を噛んでいたのを見て、「自分の癖はフィービーのあの癖よりはましじゃない?」という気持ちでジョーイはその癖を挙げたのでしょう。
「俺の関節鳴らしよりも、フィービーの髪の毛噛みのほうがうっとうしいって思わない?」みたいに言われた時にまさに髪の毛を噛んでいたので、フィービーは恥ずかしくなって慌てて吐き出したわけですね。

ロスは「ジョーイの言うことなんか聞かないで。聞かなくていいよ。気にしなくていいよ」と言って、結構親身になって、フィービーのことをかばっています。
endearing は「かわいらしい、愛らしい」という意味。

ジョーイが非難したフィービーの癖をロスがかばったので、ロスに反論されたことになるジョーイは、今度は矛先をロスに向けます。
Oh, you do, do you? というのは、ト書きにあるようにロスの言い方を真似たもので、付加疑問的に、ちょっとくどい感じに念押しするような大げさな口調がロスっぽいとジョーイは言いたいようです。
この癖は、前回の記事でチャンドラーが And Ross, with his over-pronouncing every single word? と言ったことを受けてのものですね。

ロスの大げさな言い回しをジョーイがからかったのを聞いて、ロスの妹のモニカは笑い、その後、ゴッゴッ(ガッガッ)という感じのブタの鳴き真似のような音を鼻から出しています。
これがチャンドラーのセリフにあった、And Monica, with that snort when she laughs? の snort 「鼻を鳴らす(こと)」ですね。
兄ロスは眉をしかめて、なんて音を出すんだ、という顔をしています。
モニカが鼻を鳴らすことについては、チャンドラーも「ありゃあ一体何だよ?」と言っていましたので、女の子のモニカが笑ったついでにそういう音を出すことについて、男性陣が嫌だなぁ、と思っていることがよくわかります。
ロスはその音そのものに加え、ロスをからかったジョーイのセリフで、妹モニカがウケているのも気に入らないので、余計に嫌な顔をしているのでしょうね。


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posted by Rach at 14:36| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月30日

俺はみんなの欠点を受け入れてるのに フレンズ1-3改その28

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14:24
(CHANDLER LIGHTS A CIGARETTE)
チャンドラーがタバコに火をつける。
みんな: Oh, hey, don't do that. Put that out! Come on! (あぁ、ちょっと、そんなのやめてよ。それ(タバコ)の火を消してよ。ちょっと!)
レイチェル: It's worse than the thumb. (親指より(たちが)悪いわ。)
チャンドラー: Hey, this is so unfair. (おい、こんなの、すごく不公平だよ。)
モニカ: Oh, why is it unfair? (まぁ、どうして不公平なの?)
チャンドラー: So I have a flaw! Big deal! Like Joey's constant knuckle-cracking isn't annoying? And Ross, with his over-pronouncing every single word? And Monica, with that snort when she laughs? I mean, what the hell is that thing? I accept all those flaws. Why can't you accept me for this? (確かに俺には欠点がある! それがどうした![そんなの大したことじゃない!] 例えば、ジョーイがずっと指の関節を(ポキポキ)鳴らしてるのってうっとうしくない? それからロスには、単語の一語一語を大げさに発音する癖があるだろ? それからモニカには、笑う時に鼻を鳴らす癖があるだろ? ありゃ一体何なんだよ? 俺はそういう欠点をすべて受け入れている。どうしてお前らはこの(タバコの)件で俺を受け入れられないんだよ?)
(UNCOMFORTABLE SILENCE)
居心地の悪い[気まずい]沈黙。

フィービーのソーダ缶に親指が入っていた話の後、チャンドラーはタバコに火をつけています。
それを見てみんなが口々にやめろといい、レイチェルは「親指(the thumb)よりも悪い」と言っています。
缶の中に人の親指が入っていた話よりも、今チャンドラーがタバコを吸っている方がたちが悪い、嫌だ、と言っていることになります。

みんなに責められたチャンドラーは「こんなの、ものすごく不公平だ」と言います。
flaw は「欠点、欠陥、弱点」ですから、I have a flaw! は「(そりゃ確かに)俺には欠点がある!」と認めている感覚。
big deal は元々「一大事、大したこと、重大なこと」という意味で、no big deal の形で「大したことじゃない、重要じゃない」という意味で使われるのですが、no のない形の big deal だけでも、反語的に「大したことじゃない! (みんなが騒ぐような)おおごとじゃない!」という意味で使われることがよくあります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) の big deal の項目では、no big deal が2番目に出ていて、1番目の語義が以下のように出ています。
big deal : said when you do not think something is as important as someone else thinks it is
例1)Anyway, he gave me a raise of 50 cents an hour. I mean, big deal.
例2)What's the big deal? It's only a birthday, not the end of the world.

つまり「誰か他の人が考えるほど何かが重要ではないと自分が思っている時に使われる」。例文1は「とにかく、彼は俺の時間給を50セント(今日のレートで約56円)アップしてくれたんだ。まぁ、”大した話”だよな[ちっとも大したことないけどな]」。
例文2は「何が(そんなに)おおごとなんだ? ただの誕生日で、世界の終わりじゃないんだぞ」。

例文1は「たった56円ほどの昇給って、そんなの昇給のうちに入らない」という気持ちが入っていますし、例文2は、恐らく誕生日を迎えて一つ年を取ったと落ち込んでいる相手に対して、「世界の終わりじゃあるまいし、そこまで気にするようなことじゃない」と言っている感じですよね。

no のない Big deal! が「大したことじゃない」という意味で使われるのは、「そりゃあもう”おおごと”だよね」「とんだ”おおごと”だよな」と、ことさら強調して皮肉ったニュアンスか、あるいは例2の What's the big deal? 「何がおおごとなんだよ?(何もおおごとなことないじゃないか)」というニュアンスかのどちらかなのだろうと思います。
Big deal! と言った場合は、それをそのままの「重大なこと」という意味で使う場合もありますし、それを反語的に使って「そんなの全然大したことじゃない。おおごとじゃない」と皮肉っぽく使う場合もあるわけですが、それは、本人の言い方や表情、前後の文脈から判断することになるわけですね。
今回のセリフは、「あぁ、確かに俺には欠点がある。でもそれがどうしたっていうんだ? そんなに大騒ぎするようなことか?」という反語的ニュアンスで、Big deal! と言っていることになるでしょう。

ちなみに、LAAD の big deal の語義の3番目に以下のものが出ていました。
an important or exciting event or situation
例)This audition is a big deal for Joey.

つまり「重要な、またはわくわくする出来事(イベント)または状況」。例文は「このオーディションはジョーイにとって大きな出来事(ビッグ・イベント)だ」。
「フレンズ」のジョーイは俳優なので、この後のエピソードでオーディションの話がよく出てくるのですが、この例文は何だか「フレンズのジョーイ」をイメージして書かれたもののような気がして、ちょっと嬉しかったのでご紹介してみました(^^)

「俺には確かに欠点があるが、それがどうしたっていうんだよ?」みたいに言った後、チャンドラーはフレンズたちの癖を順番に挙げていきます。
knuckle-cracking 「指の関節をポキポキ鳴らすこと」。
annoy は「(人)をイライラさせる、悩ませる」という他動詞で、annoying は「人をイライラさせる」ということから「うっとうしい」という意味の形容詞として使われます。
ですから、Like 以下は、「例えば、ジョーイのコンスタントな(ひっきりなしの)指関節ポキポキ鳴らしは、うっとうしくない?」という意味になります。

その後、And Ross, with his 名詞 (動名詞). And Monica, with that 名詞 という文が続きますが、それらの with は、「その人物は、こういう癖を伴って(ともなって)いる」という感覚だろうと思います。
「ロス、〜をともなっている」ということですから、自然な日本語にすると、「ロスには、こういう癖があって」のような感じですね。

over-pronouncing every single word は「一字一句を大げさに発音すること」。
every single は「あらゆるひとつ」ということですから、「一つひとつ」「いちいち一語一語すべて」のように、every を強調する感覚。
snort は動詞で「鼻を鳴らす」という意味ですが、ここでは with that snort と that 「あの」がついているので「鼻を鳴らすこと、荒い鼻息」という名詞になります。
「そしてモニカは、笑う時のあの鼻鳴らしがあるだろ?」という感じで、その後、I mean, what the hell is that thing? と言っています。
the hell は強調語で、「ありゃ一体全体、何なんだよ?」みたいなニュアンスとなり、そのモニカの snort をあきれて非難する気持ちが出ています。

ジョーイ、ロス、モニカの欠点を挙げた後、「俺はそれらの(お前らの)欠点を受け入れている。(なのに)どうしてお前らはこの件で俺を受け入れることができないんだ」と言うので、みんなも言い返すことができず、気まずい沈黙が流れることになります。


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posted by Rach at 13:39| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月28日

5本全部集めよう フレンズ1-3改その27

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13:58
(PHOEBE OPENS THE CAN AND REACTS)
フィービーはソーダの缶を開けて、反応を示す。
フィービー: Huh! (は!)
(CUT TO CENTRAL PERK)
セントラルパークに画面がカット。
ロス: A thumb? ((1本の)親指?)
(PHOEBE NODS)
フィービーはうなずく。
みんな: Eww! (うぇ〜!)
フィービー: I know! I know, I opened it up and there it was, just floating in there, like this tiny little hitchhiker. (そうなの! そうなのよ、私が缶を開けたら、その中にそれがただ浮かんでいたの、ほら、ちっちゃなちっちゃなヒッチハイカーみたいに。)
チャンドラー: Maybe it's a contest, y'know? Like "Collect all five." (多分、それはコンテスト(競争)だよ、だろ? 「5本全部集めて」みたいな。)
フィービー: Does, um, anyone wanna see? (あの、誰か見たい?)
みんな: Nooo! (いらないよ!)

リジーが去った後、フィービーは缶を開けるのですが、なにやらチャポンと音がして、フィービーは缶の中を見て、Huh! と言っています。
缶の中は見せずに、すぐに画面はコーヒーハウスのセントラルパークにカットして、ロスが嫌そうな顔をしながらフィービーの持っている缶を指さし、"A thumb?" と言うので、中には「親指(が1本)」入っていたことがわかるという仕組みです。
そんなものが入っていたわりには、当事者のフィービーは意外と平然としていて、うんうんとうなずくのですが、聞いているフレンズたちの方が、Eww! と嫌そうな声を上げています。
Ew! というのは「嫌だ! 気持ち悪い!」という時に使われる言葉。

フィービーはその親指を見つけた時の様子を語っています。
缶を開けたらそこに浮かんでいた、と言うのですが、例えとして、like this tiny little hitchhiker と言っていますね。
tiny も little も「小さな、ちっちゃな」という意味で、二つ重ねることで「小さな小さな、ちっちゃいちっちゃい」と実に小さいことを強調している感覚になります。
hitchhiker は日本語にもなっているように「ヒッチハイカー」ですね。
ヒッチハイカーは、道行く車に乗せてもらうために、親指を立てて合図しますが、その親指を立てるイメージで、缶の中で小さなヒッチハイカーが親指立ててるみたいな感じだった、と表現していることになります。
それを聞いてモニカも嫌そうにひどく顔をしかめています。なんて表現するのよ、というところでしょう。

その次のチャンドラーのセリフが実にチャンドラーっぽいですね。
contest は「コンテスト」で、a beauty contest なら「美人コンテスト」ですが、今回のセリフでは人と競い合うものという意味の「競争」のニュアンスで考えると良いでしょう。
collect は「集める」、名詞形の collection は「コレクション」として日本語になっていますね。
"Collect all five" は「5つ全部集めろ」ということですから、商品についているシールやおまけを5種類全部集めて応募したら何かが当たる、という懸賞のイメージですね。
親指は5本の指のうちの1本ですから、5本の指を全部集めたら賞品がもらえるとかじゃないの? とチャンドラーはジョークを言ってみせたことになります。

フィービーはその缶をまだ手に持っていて「誰か見たい?」と言いますが、みんな嫌がっていますね。
缶の中に親指が入っていたというのは、工場で製品製造中に手作業をしていた人の親指が巻き込まれたみたいな事故なのでしょうね。
製造過程で異物が混入して自主回収みたいなニュースは最近でもよくありますが、それが親指?! というところが、コメディーっぽい部分だといえるでしょう。

ちなみに、今回のエピソードの英語タイトルは、The One With the Thumb つまり「親指の話」となっています。
このエピソードの最初の方で「親指と人差し指を広げた長さが、その男性のあの部分の長さと同じ」という話が出てきて、その後、「アランの指の長さ見た?」みたいにまた thumb ネタが登場していましたが、ここで「缶の中に a thumb が浮かんでいた」という風にまたまた親指が登場したことになりますね。
同じネタではなく、違う方面で a thumb が二回出てきた、という意味で、今回のエピソードが The One With the Thumb となっているのも納得、というところですね。


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posted by Rach at 17:34| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月26日

本当にプレッツェルいらないの? フレンズ1-3改その26

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12:48
(CUT TO CHANDLER'S OFFICE BLOCK)
チャンドラーのオフィスのブロックに画面がカット。
(CHANDLER LOOKS ROUND, THEN OPENS HIS DESK DRAWER AND TAKES A PUFF OF A CIGARETTE. THEN HE SPRAYS AROUND SOME AIR FRESHENER AND TAKES SOME BREATH SPRAY. HE TYPES FOR A MOMENT. THEN HE OPENS THE DRAWER AGAIN AND TAKES ANOTHER PUFF. NOT PAYING ATTENTION, HE SPRAYS THE BREATH SPRAY AROUND THE ROOM, TAKES A SQUIRT OF AIR FRESHENER AND GAGS)
チャンドラーはあたりを見回す。それからデスクの引き出しを開け、タバコを一服吸う。それから消臭スプレーをあたりにスプレーし口臭予防スプレーを摂取する[自分の口にかける]。彼はしばらくタイピングしている。それからまた引き出しを開け、もう一回タバコを吸う。不注意で、彼は部屋に口臭予防スプレーをまき、消臭スプレーの噴射を摂取し、おえっとなる。
13:47
(CUT TO PHOEBE AND LIZZIE AT A SODA STAND)
ソーダスタンドにいるフィービーとリジーに画面がカット。
リジー: Keep the change. (お釣りは取っといて。)
フィービー: Thanks, Lizzy. (ありがと、リジー。)
リジー: (TO PHOEBE) Sure you don't want a pretzel? ([フィービーに] ほんとにプレッツェルはいらないのかい?)
フィービー: No, I'm fine. Thanks. (いいえ、大丈夫よ。ありがと。)
リジー: (LEAVING) See ya. ([立ち去りながら] じゃあね。)

高層ビルを下から映して、パーティションで仕切られたチャンドラーのオフィスに画面がカットします。
チャンドラーは大きなビルで働いていることがわかる描写ですね。
約1分ほどセリフなしの状態ですが、フレンズでこんなに無セリフ状態が続くのは大変珍しいです(まだ 1-3 ですが、これ以降のエピソードでも、なかなかこんなに長いのはありません)。
チャンドラーの行動が笑いを誘う仕組みになっていますが、このような動作を描写するネットスクリプトのト書きには学べる部分も多いので、表現を見ていきましょう。
今回のエピソードで、ジョーイのタバコの演技に付き合った時に、禁煙していたはずのタバコを吸ってしまい、また喫煙者に戻ってしまったチャンドラーは、PCに入力しながら、引き出しの中に入れてあるタバコをこそこそ吸っています。
チャンドラーはスプレー状のものを2つ持っており、大きな缶スプレーは air freshener、「空気をフレッシュにするもの」つまり「消臭スプレー」、小さな方は breath spray、「息のスプレー」すなわち「口臭予防スプレー」ですね。
タバコを吸った後、臭いで周りに気づかれないように、消臭スプレーをまいて、ミニ扇風機でスプレー効果を広げた後、自分の口にもブレススプレーをシュッシュしています。
not paying attention というのは「注意を払わずに」。
口にスプレーするはずの口臭予防スプレーを部屋にまき、部屋にまくはずの消臭スプレーを間違って自分の口にスプレーしてしまうという間違いを犯し、部屋用のスプレーを飲んでしまったことで、チャンドラーは口をヘの字にして、おえっ! となってしまっているわけですね。
さっき使っていたミニ扇風機で自分の口をあおいでいるのにも笑えます。
ト書きの最後の gag は、過去記事、gagの動詞の意味 フレンズ1-2改その24 にも出てきました。
そこでは、"Dr. Farber, Jason Greenspan's gagging." 「ファーバー先生、ジェイソン・グリーンスパンさんが、えずいてます[おえっ、となってます]」という形で使われていました。

チャンドラーがこそこそ隠れてタバコを吸っているシーンを映した後、カメラはまたフィービーとリジーの場面に戻ります。
大金をただでもらうのは気が引けるらしいリジーに、フィービーが「じゃあ、ソーダ1本おごって」と言ったため、そのソーダを買っているところですね。
Keep the change. は「お釣りはとっといて」。
今回のエピソードの過去記事、サタンのミニオンズが活動中 フレンズ1-3改その10 に出てきた、"What are you talking about? Keep it!" 「何言ってんだよ? その金は、とっとけよ[もらっとけよ]!」の keep と同じニュアンスになります。
keep は所有権がある人にそのものを返さず持っておく、という意味。
私が受け取るべきおつりだけど、それは返さずにあんたが持ってなさい、あんたがおつりを取っといていい、もらっといていいよ、という感覚ですね。
リジーはホームレスのようなので、普段はそんなことは言わないのでしょうが、今回は大金をもらったため、「お釣りはいらないよ、あんたがもらっときなよ」と太っ腹なことを言ってみた、一度そう言ってみたかった、というところなのでしょう。

Sure you don't want a pretzel? の文頭の sure は、Are you sure you don't want...? の are you が省略されたものと考えればよいでしょう。
「プレッツェルは欲しくない[いらない]っていうのは確かなの?[間違いないの?」」という感覚ですね。
sure なしの「プレッツェルはいらないの?」だけなら、ここで初めてプレッツェルの話を出した感じに聞こえる気がするのですが、「いらないっていうのは間違いないの?」のような Sure がついた言い方だと、すでに一度、「ソーダと一緒にプレッツェルもどうだい?」と尋ねたような印象を受けます。
そのソーダスタンドには、実際にプレッツェルも置いてあり、大金とソーダ1本では釣り合わないからリジーはそれも勧めた、でもフィービーは断った、その後、最後にもう一度、「プレッツェルはほんとにいらないのかい?」と念押しした感じが、この Sure you don't want...? に感じられる気がするということですね。

リジーの気遣いに対して「いいえ大丈夫よ、ありがと」と言って、フィービーはソーダだけを買ってもらいます。
カートを押しながらリジーは去っていきますが、「じゃあね」「さよなら、さらば」という意味の See you. を、リジーは See ya. (発音は”スィー・ヤ”)と発音しています。
口語ではこのように you を ya と発音することが多いですね。
そういえば、先週の目黒セミナーでも、I can't tell ya. や See ya. というセリフが出てきて、そんな説明をしたばかりでした(^^)


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posted by Rach at 15:43| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月23日

ソーダ買って貸し借りなし フレンズ1-3改その25

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12:28
リジー: No, no, I ha-I have to give you something. (だめだめ、私はあなたに何かをあげなくちゃ。)
フィービー: No, it's fine. You don't.... (いいえ、いいのよ。そんなことしてもらわなくても…)
リジー: Do you want my tinfoil hat? (私のアルミホイル帽子、欲しい?)
フィービー: No. 'Cause you need that. No, it's okay. Thanks. (いいえ。だってあなたはそれが必要でしょ。ううん、大丈夫よ。ありがと。)
リジー: Please. Let me do something. (お願いだよ。私に何かさせてよ。)
フィービー: Okay, all right, I'll tell you what. You buy me a soda and then we're even. Okay? (いいわ、わかった。じゃあこうしましょう。あなたが私にソーダを買ってくれて、それで貸し借りなしよ。いい?)
リジー: Okay. (いいよ。)
フィービー: Okay. (オッケー。)

フィービーから高額のお金をもらうことになったリジーは、「私はあなたに何かしなくちゃ」と言っています。
こんな大金をもらいっぱなしじゃ悪いから、何かお返しさせて、ということですね。
フィービーが言った You don't... というのは、You don't have to ということで、「お返しなんかしてくれなくてもいいわ」のように、「〜する必要はない」ことを言っていることになります。

tinfoil は「アルミ箔、アルミホイル」。
日本語では「ホイル」と言いますが、英語の発音は「フォイル」で、「金属の薄片、箔(はく)」を意味します。
金箔(きんぱく)なら gold foil ですね。
アルミはアルミニウムのことなので、アルミニウムの英語である aluminum (英語の発音はアルーマナムでルにアクセント)を使って、aluminum foil とも表現されますが、今回のように tinfoil と呼ぶこともあるようです。
tin は金属の「錫(すず)」のことなので、厳密に訳すと「すず箔」ということになりますが、いわゆるアルミ箔であるという理解で問題ないでしょう。
tin には「ブリキ」という意味もあり、「オズの魔法使」に出てくるブリキ男は英語では Tin Man と呼ばれていました。

参考までに、英英辞典でのそれぞれの定義を見ておくと、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tinfoil : thin shiny metal that bends like paper and is used for covering food (SYN: aluminum foil)
aluminum foil : a very thin sheet of shiny metal that you wrap around food to protect it

tinfoil は「紙のように曲がる、薄くて光る金属で、食べ物を覆うのに使われる」。
aluminum foil は「光る金属の非常に薄いシートで、食べ物を保護するために食べ物を包む」。
どちらも「食べ物を包む、薄くて光る金属」ということですから、指しているものは同じですね。

あなたはそれが必要でしょ、あなたにとって大切なものでしょ、のようにフィービーは言って、帽子をもらうのを断っても、リジーはまだ訴えています。
Please. というのは「どうか、お願いだから」という懇願のニュアンス。
Let me do something. は文字通り「私に何かさせて」ということ。
もらういわれのないものをただでもらっても落ち着かないというところは、フィービーもリジーも似た者同士なのでしょうね。

I'll tell you what. を直訳すると「私は今からあること(これからすべきこと)を言うわ」という感覚で、「じゃあこういうのはどう? じゃあこうしましょうよ」のようなニュアンスになります。
その内容は「あなたが私にソーダを1つ買って、それで私たちは even である」ということ。

even の基本語義は「平らな、平坦な」で、類義語は flat になります。
「均一な」という意味から、「対等の、互角の」という意味にもなるので、今回の we're even は「貸し借りなし、おあいこ」という意味になります。
LAAD では、
be even : (informal) to not owe someone something anymore, especially money
例)If you pay for my ticket, we'll be even.

つまり、「もはや誰かに何かを借りてはいない、特にお金を」。例文は「もし君が僕のチケット代を払えば、それで僕らは貸し借りなしになる」。

「お礼に何かさせて」と言われて、「じゃあソーダを1本買ってもらってそれでチャラにしましょ」とフィービーは言ったわけですね。
1,000ドル(+フットボール・フォン)とソーダ1本では、金額的にはイーブンとは言えませんが、リジーの気が済むようにさせてあげるための優しい提案で、リジーもそれを受け入れることになります。


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posted by Rach at 15:34| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月21日

AEIOU 時々Y フレンズ1-3改その24

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11:55
(CUT TO A STREET WHERE LIZZIE IS RESTING. PHOEBE WALKS UP TO HER)
リジー(という女性)が休憩している通りにカット。フィービーは歩いてリジーに近づく。
フィービー: Hey, Lizzy. (はーい、リジー。)
リジー: Hey, Weird Girl. (はーい、変な女[変な娘]。)
フィービー: I brought you alphabet soup. (あなたにアルファベットスープを持ってきたわ。)
リジー: Did you pick out the vowels? (母音は抜いてくれた?)
フィービー: Yes. But I left in the Y’s. 'Cause, y'know, "--sometimes Y." And I also have something else for you. (SEARCHES IN HER PURSE) (ええ。でも Y は残したわ。だってほら「…時々 Y 」って言うでしょ? それであなたのために[あなたにあげるための]別のものもあるの。[自分のバッグの中を探す])
リジー: Saltines? (ソルティーンズ?)
フィービー: No, but would you like a thousand dollars and a football phone? (違うけど、あなたは 1,000ドルとフットボール・フォン欲しい?)
リジー: What? (OPENS THE ENVELOPE PHOEBE HAS GIVEN HER) Oh, my God! There's really money in here. (何だって? [フィービーがリジーに渡した封筒を開ける] なんてこった! この中には本当にお金が入ってる。)
フィービー: I know. (そうね。)
リジー: Weird Girl, what are you doing? (変な女、何やってる?[何をたくらんでる?])
フィービー: No, I want you to have it. I don't want it. (いいえ(何もたくらんでないわ)、私はあなたにそれを持っていてもらいたいのよ。私は欲しくないの。)

フィービーは通りにいるホームレスらしき女性に「はーい、リジー」と挨拶しています。
フィービーよりも随分年齢が上だと思われるその女性は、Hey, Weird Girl. と返していますね。
weird は「変な、妙な、奇妙な」という意味。
セリフなどの口語に頻出の形容詞で、普段は電話してこない フレンズ1-1改その2 でも、"... which is very, very weird, because... she never calls me." 「それってすっごくすっごくヘンなんだよな。だって… 俺の母親は俺に(普段は)電話してこないから」というセリフで登場していました。
DVD英語字幕では、Weird Girl のように大文字表記になっていましたので、固有名詞、つまり、あだ名ということですね。
いつもそう呼ばれているのでしょう、そのあだ名に動じることなく、フィービーはリジーに「あなたにアルファベットスープを持ってきた」と言ってそれを手渡します。
alphabet soup は、ABC などのアルファベットの形のパスタが入ったスープのこと。
こういうものは、Google 画像検索などで調べてみるのが一番手っ取り早いですね。
実際に alphabet soup で画像検索してみると、オレンジ色のスープに英文字のパスタが入ったものがたくさんヒットします。
文字であることから、スープの表面またはスプーンの中で、意味のある単語に並べてみたという画像も結構多いです。

vowel は「母音」。子音は、consonant になります。
pick out は「選び出す、取り出す」で、今回はスープの中に入っている母音を取り出す、ということなので、母音を抜く、はずす、ということ。
leave in は「〜をそのままにしておく、中に入れたままにしておく、中に残しておく」。
the Y's は「Yの形になっているパスタたち」という複数形。
このように文字や数字を複数形にする場合には、-’s とアポストロフィーをつけるのが原則ですが、近年はアポストロフィーをつけない形もよく見かけます。

「母音は抜いてくれた?」と言われて、「ええ、でも Y(たち)は残したわ」と言った後のセリフ、'Cause, y'know, "--sometimes Y." について。
sometimes Y は「時々 Y 」ということですね。
英英辞典で、母音の意味の vowel という単語を引くと、その語義説明に、sometimes y というフレーズが出てきます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
In English the vowels are a, e, i, o, u, and sometimes y.
と説明してあります。
つまり「母音は、英語では、a, e, i, o, u そして時々 y である」。
story や type などの単語では、「リーのイ」「タイのアイ」などで y が母音として使われていますよね。
学校で子供が言葉や文字について学ぶ際にも、このフレーズはよく使われるようで、辞書に載っていたり学校で習ったりするようなそのお決まりフレーズをフィービーは使ったということになります。
a, e, i, o, u の母音は抜いたけど、Y は「時々 Y」っていうくらいで、時々しか母音にならないから、完全な母音じゃないってことで残したわ、みたいなことですね。
「母音は抜いといて欲しい」という不思議なこだわりも一つ笑いのポイントでしょうが、フィービーはそのリクエストに素直に答えつつも、Y はどっちにも使えるからと残した、という細かい話をしているという面白さにもなるでしょう。
脚本的に言うと、sometimes Y という言葉を何かのオチに使うために、アルファベットスープを小道具として使ったのかな、という気がします。

saltines は「塩がまぶしてある薄いクラッカー」のこと。
LAAD にも以下のように出ています。
saltine : a type of cracker (=thin hard dry bread) with salt on top of it
つまり「表面に塩がついているクラッカー(薄くて固くて乾燥したパン)の一種」。
これもさっきのスープと同じで、画像検索でその姿を見てみるのが一番わかりやすいですね。
ORIGINAL Saltines と書かれた箱もあれば、ORININAL PREMIUM SALTINE CRACKERS と書かれた箱もあります。
クラッカーは正方形で小さな丸い穴が規則的にあいており、表面に塩がまぶしてあります。
リジーが「ソルティーンズ?」と尋ねたのは、スープの上に浮かべたり、スープに浸したりして食べるイメージなのかなぁ? と思ったりするのですが、、。

フィービーは「1,000ドルとフットボール・フォン欲しい?」と言って、封筒に入ったお金と電話を渡します。
これはアランが登場する前にフィービーが説明していた、銀行からもらったお金とお詫びの品ですね。
フィービーはこういうのを「もらっとく」のがかなり嫌らしく、友人らしきこの女性に譲ってしまおうと思っていることがわかります。
封筒の中に言った通りの高額なお金が入っているのを確認して、リジーは驚き、what are you doing? と言っています。
直訳は「あなた、何してるの?」ということですが、そんな大金を「あなたにあげるわ」とあっさりあげてしまうことがリジーには理解できず、「何やってんだよ、何たくらんでんだよ、あんた?」みたいに言ったわけですね。
フィービーはそれをもらった経緯を説明することなく、ただ「あなたにそれを持っていてもらいたい。私はそれを欲しくない」と言うことになります。


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posted by Rach at 18:08| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月13日

アランを1ガロン フレンズ1-3改その23

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11:35
モニカ: Can I ask you guys a question? Do you ever think that Alan is maybe... sometimes.... (あなたたちに質問していい? こんな風に思ったことない? アランって多分、時々…)
ロス: What? (何?)
モニカ: I don't know. A little too "Alan"? (わからないけど。ちょっと(過剰なまでに)”アラン”過ぎる]、って(思わない?)」
レイチェル: Oh, no. That's impossible. You can never be too "Alan." (そんなことないわ。そんなの不可能よ。”アラン”過ぎる、なんてことはあり得ないわ。)
ロス: Yeah, it's his, uh, innate "Alan-ness" that, that, that we adore. (そうだよ、彼の生まれながらの”アランであること[アランらしさ]”を僕たちは崇拝してるんだ。)
チャンドラー: I, personally, could have a gallon of Alan. (俺は個人的には[俺なら]1ガロンのアランがあってもいいくらいだよ[アランを1ガロン飲めるよ]。)

アランと一緒に試合に勝てて嬉しそうなフレンズたちに、モニカは言いにくそうに言葉を選びながら、A little too "Alan"? だと思わない? と尋ねています。
too には「あまりに〜すぎる」という「過剰」のニュアンスがありますね。
LAAD では、
too [adverb] : more than is needed, wanted, or possible, or more than is reasonable
つまり、「必要とされる、求められる、可能であるよりも多い、または妥当(適当・ほどほど)よりも多い」。

人が need, want する以上の量がある、という感覚で、悪い意味で使う場合には「過剰なまでに〜の度が過ぎる」「そんなにしなくてもいいのに、やりすぎ」というニュアンスが出ます。
今回もモニカが言いにくそうに言っていることからもわかるように、モニカは Alan という人が、あまりにも Alan 過ぎる、いかにも Alan って感じ、Alan っていうキャラが濃すぎる、みたいな意味で言っているように思います。
このエピソードの中では、実際のアランの言動はほとんど画面には出てこず、「アラン過ぎる」と言われても観客や視聴者にはピンとこないわけですが、それを絶賛しているフレンズたちの言葉だけからアランという人をイメージさせるというのが、今回のエピソードの演出の特徴でもありますね。
アランを気に入っているフレンズたちはその「アラン全開」な感じを気に入っていて、モニカはそれがあまり嬉しくないと思っていることがわかれば良いでしょう。

too "Alan" という表現を使ったモニカに対して、レイチェルは「そんなの不可能よ」と言った後、You can never be too "Alan." と続けます。
この you は話し相手のモニカではなくて、「一般の人」を指すニュアンスだろうと思います。
この部分、DVD英語字幕とネットスクリプトでは、You can never となっており、Netflix では、One can never となっています。
実際の音声は、You / One の部分はほとんど聞き取れないのですが、Netflix では「一般的な人」を表す one が使われていることからも、この you は「一般的な人」だと考えてよいということになるでしょう。

「人・人間は too "Alan" でいることは決してできない」というところで、それはつまり、too "Alan" なんてことはあり得ない、「悪い意味でアランが過剰、アラン過ぎる」なんてことは不可能、と言っているのだろうと思いました。
too の「(必要以上に、求める以上に)過多、過剰」というニュアンスを否定して「どんなに多くても、イヤってことにはならない、どんなに多すぎてもいい」ということをレイチェルは言っているのでしょうね。

innate は「持って生まれた、生来の、生得の、生まれながらの、天から授かった」。
adore は「あこがれる、崇拝する、敬愛する」。
ロスは興奮したように、that を何度も繰り返していますが、ロスのセリフをシンプルにすると、It's his innate "Alan-ness" that we adore. になりますね。
これは、We adore his innate "Alan-ness". という文の目的語を強調した形の強調構文になります。
「僕らは彼の生まれながらの”アランらしさ”を崇拝している」というのを「僕らが崇拝しているのは(何よりも)彼の生まれながらの”アランらしさ”なんだ」と表現したことになるわけですね。
モニカが too "Alan" のように、Alan っぽさが過剰であることに不満な様子なので、僕らは逆にその being "Alan" 「アランであること」(それを名詞化して "Alan-ness")が何より大好きなのに、と反論したことになります。

チャンドラーもロスに同意した様子で、俺なら have a gallon of Alan できる、のように表現しています。
gallon「ガロン」は液体の単位で、1ガロンは、約3.8リットル。
gallon と Alan はローマ字読みすると「ガロン」「アラン」になりますが、英語では、それぞれ最初の部分の ga- と A- にアクセントがあるため、後半の -lon と -lan はどちらもあいまい母音の発音になります。
また、gallon の ga- の a の音と、Alan の最初の A- の音は、cat の a の音(アとエの間のような音)で同じ発音になりますので、Alan の最初に g- を付けると、gallon と同じ発音になります。
よって、gallan, Alan は「ギャラン・アラン」( g +アラン・アラン)のようになり、韻を踏んだ状態になりますので、その発言の後、チャンドラーとロスが「お、今のは偶然、うまく韻を踏んでた! うまいこと言ったよね!」という風に顔を見合わせて喜んでいるわけですね。
「1ガロンのアラン、アランを1ガロン分」have する、のように言っていますが、それだけの量を「持つ」と考えることもできるでしょうし、また、「食べる・飲む」を意味する have と考えて、アランを 3.8リットル飲める、のように言っていると考えるのも自然だろうと思います。
ここでもまた、モニカ一人だけが「私には共感できないわ」という顔をしているのが面白いですね。


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posted by Rach at 12:13| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月05日

ひとつふたつ教えてやった フレンズ1-3改その22

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11:26
レイチェル: I mean, it-it was like, it was like he made us into a team. (つまり、アランが私たちをチームにしてくれた、って感じだったの。)
チャンドラー: Yep. We sure showed those Hasidic jewelers a thing or two about softball. (そうなんだ。間違いなく俺たちは、あのハシディック・ジュエラーズ[ユダヤ教ハシディズム派の宝石商]にソフトボールについて一つ二つ(いろいろ)教えてやったよ。)

it was like he made us into a team は「彼(アラン)が私たちを一つのチームにしてくれた、って感じだった」ということですね。
show someone a thing or two about... は、言葉上の意味としては「(人)に〜について、一つ二つ教えてやる」ということ。
「教える」という単語にはいろいろありますが、show は「”示して、見せて”教える」ことを指します。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、show ではなくて、know が使われた形が以下のように説明されています。
know a thing or two (about something) (informal) : to have a lot of useful information gained from experience
例)Coach Anderson knows a thing or two about winning.

つまり「経験から得られた有益な情報をたくさん持っていること」。例文は「コーチのアンダーソンは勝つということについて多くのことを知っている」。

a thing or two は直訳すると「一つか二つのこと」ですが、上のロングマンの語義を見ると、実際には「一つか二つの少しだけ」という意味ではなくて、a thing or two と言いながら、その実は a lot であることを暗に示していることになるでしょう。
know でも show でも、その a thing or two のニュアンスは同じでしょうから、あえて a lot と言わずに控えめに表現している、ということで、「一つ二つ教えてやったんだ」→「かなりのことを教えてやったよ」と言っていることになります。
今回のセリフでは、「あの Hasidic jewelers に、ソフトボールについていろいろと教えてやったよ」と自慢げに語っているわけですね。

最後の softball という部分ですが、これがジョークのオチにもなっているように思います。
過去記事、バッグス・バニーのような守備 フレンズ1-3改その21 の最初のト書きで、IN SOFTBALL GEAR 「ソフトボールの用具一式を持っている」と説明されていましたが、シーン最初のト書きで「ソフトボールと明言されていた」のは、後に出てくるチャンドラーのセリフから softball の試合をしていたことがわかったから、それをト書きに反映させているわけですね。
ただ、実際にこのエピソードを初見で見た場合には、「フレンズたちがしょげた様子で入ってきて、手には”野球”用具一式を持っている」のようにイメージする方が多いだろうと思います。
観客や視聴者は「フレンズたちは野球の試合をしてきたんだな」と思って、そのまま話を見ていると、チャンドラーのここのセリフで「ソフトボール」という単語が出てきたので、「野球じゃなくてソフトボール?!」とわかる感じのオチになっているのだろうということですね。
野球とソフトボールを比較すると、オリンピック種目でも、男子が野球、女子がソフトボールになっているように、ソフトボールにはどうしても女子のイメージが強いように思いますので、「野球かと思ってたら実はソフトボールだった」という「想像してたのと”ちょっぴり”違う面白さ」を醸し出していると思います。

Hasidic jewelers はソフトボールの対戦相手のを指すと考えられますね。
「そういう名前のチーム」ということだとそれで話は終わるのですが、調べているといろいろなことがわかってきたので、長くなってしまいますが、以下に Hasidic jewelers についての見解を書かせて下さいね。

jewel は「宝石」で、それに人を表す語尾 -er がついた jeweler は宝石に関わることをする人を意味しますから、宝石を作る人である「宝石職人、宝石細工人」や、宝石を売買する人である「宝石商、宝石商人」などの意味になります(綴りは、アメリカでは jeweler、イギリスでは jeweller)。

そして、Hasidic の方ですが、Hasidic というのはユダヤ教に関係する用語のようです。
Wikipedia 日本語版:ハシディズム
上のウィキペディアによると、ハシディズムは英語では、Hasidism や Hasidic Judaism と表記され、「超正統派のユダヤ教運動」を指す言葉だそうです。
Hasid という単語は、LAAD にも以下のように載っていました。
Hasid [noun] (plural: Hasidim) :
a member of a Jewish religious group who wear special clothes and believe in coming close to God through prayer
Hasidism [noun]

つまり、「特別な衣服を着用し、祈りを通じて神に近づくことを信じる、ユダヤ教の宗教グループのメンバー」。

上の語義の中の Jewish は「ユダヤ人の、ユダヤ教の」という意味で、Jew だと名詞で「ユダヤ人」を指しますね。
LAAD では、アルファベット順の単語の並びとして、Jew の次に jewel という単語が来ており、またその発音も jew「ジュー」の部分が全く同じ発音となります。
音的に Jew を連想させる jewel / jeweler を使って、「ユダヤ人のチームにありそうな架空のチーム名」を脚本上作った、という解釈がまずは考えられるのですが、、、ここで気になったのは、those Hasidic jewelers という字幕表記。

「架空のチーム名」であれば、jewelers の最初も Jewelers のように大文字になるような気がするのですが、DVD英語字幕は jewelers、ネットスクリプトは jewellers とどちらも単語の頭は小文字になっています(Netflix は全部大文字表記なので、大文字小文字の区別がつきません)。
また、those Hasidic jewelers のように、複数形の指示形容詞 those がついているのも、一つのチーム名としてではなく「jeweler たち」という「複数の人間」を意識したもののようにも思えるのですね。

そう思って、"Hasidic jewelers" という言葉で検索してみると、英語で書かれた本の文章中に Hasidic jewelers という言葉が登場していました。
架空のチーム名なら、フレンズの脚本にしか出てこないでしょうが、一般の本に出てきたことを考えると、この言葉は「ありそうなチーム名を作った」というよりは「(ユダヤ教)ハシディズム(派)の宝石商」のような意味で使っていると考えるべきかなと思います。

ユダヤ人というと、商才があり、大企業の経営者などビジネスで成功した人も多い、という印象がありますよね。
先ほど触れたように Jew と jewel の文字や発音が似ていることもありますし、高価なものを扱う宝石商は商才が発揮される職種でもありますから、Hasidic jewelers「ユダヤ人の宝石商」というのは、音的にも自然で、ユダヤ人の成功者としてイメージしやすい典型的な職種なのかなぁ、と思ったりもします。
Hasidic というユダヤ教の言葉が使われていることから、対戦相手がユダヤ人チームであった可能性は十分あると思いますが、その人たちが実際に「(ユダヤ教)ハシディズム(派)の宝石商」だったということではなく、「勝ち組、できるやつら、すごいやつら」の響きを持った対戦相手のイメージなのだろうと私は思いました。
いつもは勝てない自分たちが、アランのおかげで今回はそんな勝ち組にも勝ったんだよ、ということを強くアピールしている表現なんだろうと思った、ということですね。


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posted by Rach at 15:44| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月01日

バッグス・バニーのような守備 フレンズ1-3改その21

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10:51
SCENE 5: CENTRAL PERK (MONICA ALONE. ENTER ROSS, RACHEL, CHANDLER AND JOEY, DEJECTEDLY, IN SOFTBALL GEAR)
シーン5: セントラルパーク(モニカだけがいて、そこに、ロス、レイチェル、チャンドラー、ジョーイが登場。落胆した[しょげた]様子で、ソフトボールの用具一式を持っている)
モニカ: Hi. How was the game? (はーい、ゲームはどうだったの?)
ロス: Well.... (えーっと…)
みんな: We won! Thank you! Yes! (俺たちが勝った! ありがとう! やった!)
モニカ: Fantastic! One question: How is that possible? (素晴らしいわね! 一つ質問。そんなことがどうしてできたの?)
ジョーイ: Alan. (アランだ。)
ロス: He was unbelievable! He was like that-that-that Bugs Bunny cartoon where Bugs is playing all the positions, right. But instead of Bugs, it was 1st base, Alan. 2nd base, Alan. 3rd base, Alan.... (彼は信じられないくらい素晴らしかったんだ! 彼はまるで、あの…バッグス・バニーのアニメみたいだった、バッグスが全部のポジションを守ってる、っていうやつ。でもバッグスの代わりにこうなってたんだ、1塁がアラン、2塁がアラン、3塁がアラン…)

セントラルパークに、ロス、レイチェル、チャンドラー、ジョーイが何だか元気のない様子で入ってきて、それぞれ手には、バット、グローブ、スパイクなどを持っています。
ネットスクリプトのト書きには、IN SOFTBALL GEAR と書かれているのですが、この gear は「(使う)用具・道具一式、一揃いの装備」という意味なので、ト書きの IN SOFTBALL GEAR は「ソフトボールの用具一式を持って、ソフトボールの装備の状態で」のように説明してあることになります。
「ソフトボール」と限定しているのは、後のシーンで softball という単語が出てくるからなのですが、それについてはまたその時に語ります。

みんなの入ってきた様子は「スポーツをした後、がっかりして帰ってきた」感じが出ていますし、モニカもその流れに合う形で「試合はどうだった?」と尋ねていますね。
モニカはみんなが試合に行ったのを知っていて、そう尋ねていることがわかります。
4人はしばらく沈黙していたのですが、ちょっと間をあけてから一斉に We won! と叫んでいます。
won は win 「勝つ、勝利する」の過去形ですから、We won! は「俺・私たちは勝った!」ということですね。

モニカは、ファンタスティックね! と褒めた後、「1つ質問。どんな風にしてそれが可能なの?」のように尋ねています。
「どうして試合に勝つことができたの?」というニュアンスですね。

ジョーイが「(勝てた理由は)アランだ」と答えた後、ロスはアランのすごさを語り始めますが、that-that-that と、どもった感じになっているところにロスの興奮具合がよく出ていますね。
cartoon はアニメのこと。
日本にも「カートゥーン ネットワーク(CARTOON NETWORK)」というアニメ専用チャンネルもありますので、cartoon という言葉がアニメを指すことをご存じの方も多いでしょうか。
日本のアニメや漫画が世界で人気となった今は、anime や manga で通じるようになりましたので、日本のアニメは anime と呼ばれることが多いですね。

Bugs Bunny は「バッグス・バニー」。
アメリカのアニメ「ルーニー・テューンズ(Looney Tunes)」シリーズに登場するウサギのキャラクター。
好物のニンジンを手に持っている、グレーと白のウサギで、このキャラクターは有名なので日本でも知っている方は多いでしょう。
"What's up, doc?" というのが口癖で、現在の吹替担当の山口勝平さんバージョンでは「どったの センセー?」といつも訳されています。
「ルーニー・テューンズ」のキャラクターたちの、イラスト入りのわかりやすい説明は、以下のワーナー公式サイトで。
【ワーナー公式】ルーニー・テューンズ

2013年に映画館のワーナー・マイカル・シネマズがイオンシネマに名称変更したのですが、ワーナー・マイカル・シネマズの頃は、映画が始まる前に、バッグス・バニーを始めとするルーニー・テューンズの仲間たちが映画鑑賞時の注意などを述べている映像がよく流れていたものでした。
「フレンズ」もワーナーですから、セリフにバッグス・バニーが出てきたのはワーナー繋がりとも言えますね(^^)

is playing all the positions は「すべてのポジションをプレーする」つまり「全てのポジションを担当している、守っている」ということ。
that Bugs Bunny cartoon where SV という形の where は関係副詞で、意味としては「バッグスが全ポジションを守ってるっていうバッグス・バニーのアニメ」ということになりますが、聞こえた順番に前からイメージしていくと、「あのバッグス・バニーのアニメ、そこでは(その中で)バッグスが全ポジションを守ってる」というニュアンスになるでしょう。
先に「あのバッグス・バニーのアニメ」と言っておいてから、where を使ってその内容を詳しく付け足している感覚です。
instead of は「〜の代わりに」なので、そのアニメではバッグスが全ポジションを守っていたけど、今回の僕らの試合では、バッグスの代わりにアランが全ポジションを守ってるって感じだった、と言っていることになります。
「1塁アラン、2塁アラン、3塁アラン」と言いながら、各ポジションを守っている様子を描写しているロスの動きが面白いですね。

「一人で全ポジションを守る」というのはいかにもアメリカのアニメでありそうな感じですが、これは「ありそうな感じ」だけではなく、実際にそういう作品が存在しており、ロスは、バッグス・バニーが一人で全ポジションを守るという Baseball Bugs(邦題:バッグスの野球狂時代)という作品のことを言及しています。
映画やドラマの作品データが掲載されている、Internet Movie Database にも載っていました。
IMDb: Baseball Bugs (1946)
上の IMDb の最初の説明にも、以下のように出ています。
Bugs plays every defensive position against the Gashouse Gorillas.
つまり、「バッグスは、ガスハウス・ゴリラズ相手に[と対戦し]、すべての守備位置(ポジション)を守る」ということですね。

この作品が収録されているDVDが、Amazon にありました。
ルーニー・テューンズ コレクション バッグス・バニー 特別版 [DVD]
ルーニー・テューンズ コレクション バッグス・バニー 特別版 [DVD]

Amazon にはジャケットの裏面の画像も載っているのですが、13作品が収録されている中で、「バッグスの野球狂時代」は、リストの一番最初に出ています。
ちなみに、ジャケット裏面にある、このDVDの宣伝コピーの英文がなかなか面白いですね。
全部大文字なので、読みやすく小文字表記にしてみますと、
Bugs Bunny in his most hare-larious 13 cartoons!
その hare-larious というのは「とても楽しい・愉快な、大笑いを誘う、爆笑させられる」という意味の形容詞 hilarious をもじったもの。
hare (発音は「ヘア」)は「ウサギ」のことで、rabbit よりも大きなものを指します。
ヒラリアスをヘアラリアスのように、ウサギにかけたダジャレにした感覚で、「最も笑える13のアニメのバッグス・バニー。バッグス・バニーの最も大爆笑な13作品」のようなキャッチコピーになっているわけですね。
各作品のタイトルでは、hare も rabbit もどちらも使われていますし(rabbit の方が数は多い)、バッグスは擬人化されたキャラクターなので、厳密にどちらかに分類されるわけでもないのでしょう。
上に紹介したコピーの場合はたまたま hare だどダジャレとして使えるから、、ということで hare になっているということでしょうね。

参考までに私もこの作品をレンタルして見てみました。
ロスが言っているのによく似たシーンが確かに出てきます。
DVD の 2:42 辺りからで、英語音声は以下のようになっています。

Catching, Bugs Bunny. Left field, Bugs Bunny. Right field, Bugs Bunny.
Pitching, Bugs Bunny. Third base, Bugs Bunny. Center field, Bugs Bunny.
First base, Bugs Bunny. Shortstop, Bugs Bunny. Second base, Bugs Bunny.


日本語字幕では、
捕手 バッグス 左翼 バッグス 右翼 バッグス
投手 三塁 センター
一塁 二塁 全部バッグス

のように訳されていました(文字数制限と、「全部」という言葉を是非入れたいからでしょうね、、ショート(shortstop)がない!)

「フレンズ」でのロスは、まるで忍者のようにポジションを素早く移動するかのようなしぐさをしていましたが、実際のバッグスのアニメでは、ずっとピッチャーの位置のバッグスが画面に映っているだけで、アナウンスで各ポジションがバッグスであることを言っているのみでした。
ロスがした動きのように、バッグスが各ポジションにささっと移動していたら面白いなぁと思ったのですが、残念ながら本家の方ではそういう動きはなかったということです。
ですが、Third base, Bugs Bunny のように順番にポジションを言っていくのと、「ポジション+名前」をとことん続ける「くどい」感じが、元ネタの「バッグスの野球狂時代」にそっくりだと思います。
アニメでは、その後、「バッグスが投げた球を受けるために、ピッチャーだったバッグスが急いでホームベースに走って行ってキャッチャーになる」という、「いかにもアメリカのアニメ」っぽいシーンも出てくるのが楽しいです。
ロスの「ポジションを移動するかのようなしぐさ」は、そのシーンのイメージから来ているのかもしれませんね。
1946年の古い作品で、きっと何度も再放送されているので、みんなこのシーンのことをよく知っているのでしょう。
試合でアランが大活躍したということの形容として、「バッグスみたいに全ポジションを守ってた、って感じだよ」と表現すれば、みんなの頭にはその作品が瞬時に浮かぶということなのでしょうね。


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posted by Rach at 16:38| Comment(4) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月29日

俺ならあのものまねだけで結婚する フレンズ1-3改その20

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10:21
チャンドラー: Oh, yeah. I'd marry him just for his David Hasselhoff impression alone. You know I'm gonna be doing that at parties, right? (DOES IT)(あぁ、そうだよ。彼のデビッド・ハッセルホフのものまね(物真似)だけで、俺なら彼と結婚するね。パーティーで俺があのものまねをやるだろうって思うだろ?)
ロス: You know what I like most about him, though? (だけどさ、僕がアランのことで何が一番好きかわかる?)
みんな: What? (何?)
ロス: The way he makes me feel about myself. (僕に自分自身を感じさせてくれることだよ。)
みんな: Yeah... (そうだな…/そうね…)
(AD BREAK)
CMブレイク

レイチェルが「モニカの恋人はアランで決まりよ」のように言った後、チャンドラーも同意して、I'd marry him のセリフを言っています。
I'd marry him というのは、I would marry him で、would を使うことで、If I were you, I would 「もし俺がモニカの立場なら」という仮定のニュアンスが入ることになります。
このような I'd は、「俺ならこうするね」ということから「君はそうすべきだよ」というアドバイスとしてもよく使われます。
DVDの日本語訳(吹替)でも「絶対結婚すべきだよ」と訳されていました。

I would ではなく、I'd と省略されていることが多いため、音にしても一瞬、文字にしてもわずかなスペースの -'d になりますが、それが入ることで微妙なニュアンスを加えることができるということになります。
チャンドラーは男性ですし、チャンドラー自身が結婚相手としてアランのことを見ているわけではないので、I will marry him 「俺は彼と結婚する(ぞ)」のように will を使うと、まるでチャンドラーに彼と結婚する意志があるかのように聞こえてしまいますね。
ここではチャンドラーにそのつもりがあるかとか、チャンドラーがそうしたいかどうかの話ではなくて、「俺がモニカの立場なら、俺が女性なら」のようなニュアンスで、I'd (I would) を使っているということを意識して下さい。

impression はまずは「印象」という意味で覚えることが多いでしょうか。
first impression なら「第一印象」ですね。
このセリフの impression は「ものまね(物真似)」という意味で使われています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
impression : the act of copying the speech or behavior of a famous person in order to make people laugh (SYN: imitation)
例)Sandy does a pretty good impression of Madonna.

つまり「人を笑わせるために、有名な人の話し方や行動をコピーする行為」。例文は「サンディはかなり上手なマドンナのものまねをする、彼女はマドンナのものまねがかなり上手だ」。

デビッド・ハッセルホフ(David Hasselhoff)は、テレビドラマ「ナイトライダー」(Knight Rider)、「ベイウォッチ」(Baywatch)などで有名なアメリカの俳優です。
Wikipedia 日本語版: デビッド・ハッセルホフ

ここでは、ベイウォッチのシーンのものまねをしています。
DVDの日本語訳でも「”ベイウォッチ”のミッチ」と訳されていました。
Wikipedia 日本語版: ベイウォッチ
ベイウォッチとは水難監視救助隊のことで、デビッド・ハッセルホフは、ライフセイバーのミッチ・ブキャナン(Mitch Buchannon)役を演じています。
ベイウォッチは、海で事故があると走ってその現場に向かうので、走るシーンが多いです。
女性隊員はグラマーな肢体の水着姿で走るため、それを楽しみにしている男子が多いようで、チャンドラーとジョーイがこの番組のファンであることが後のエピソードにも出てきます。
女性達が走っている時、画面はスローモーションになっていて、それもこの番組の人気の大きな要素となっています(なぜスローモーションになると男子が嬉しいかはお察し下さい^^)。

アランがしたというハッセルホフの真似(まね)を、チャンドラーは再現していますが、そのしぐさを見ていると、指を差しながら、動きがスローになっている感じがしますね。
スローモーションでミッチが部下に指示を出しながら走っているシーンのまねをしているのでしょう。
アランがやったその真似が面白いから、これからパーティーがあったら俺もその真似をしよう、とチャンドラーは言っていることになります。

ちなみに 2017年5月25日に「ベイウォッチ」の劇場版新作が全米公開されたそうです。
ミッチ役がドウェイン・ジョンソン(ザ・ロック)で、ザック・エフロンも出演しているそうです。
また、元祖ミッチ役のデビッド・ハッセルホフもその映画にゲスト出演しているようですね(先週、新作映画が公開されたばかり、というのはかなりタイムリーなので、ご紹介させていただきました)。

その後、ロスが「僕がアランのことで何が一番好きかわかる?」と言った後、The way he makes me feel about myself. と言います。
それを言ったロスは遠い目をしていて、それを聞いた、モニカ以外のフレンズたちも「そうだよな、そうよねぇ」という感じで、各自がソファに座ります。
このシーン、Netflix では、Yeah. と言った4人の画面の配置に合わせて、Yeah. というセリフが4か所同時に表示されます。
普通は字幕は下に表示されるため、非常にイレギュラーな字幕表示ですが、それもロスのこの発言に対して4人全員が Yeah. と同時に言ったことを明確に示すためなのでしょうね。

立っていたのを座るというのは、何かをじっくり考えたいという行動だと思われますが、モニカ一人だけが、よく事情が呑み込めないという顔をしているところで、暗転、アドブレイク(CM)になります。

このロスのセリフ、The way he makes me feel about myself. はちょっと漠然としているのですが、このセリフの後、ラフトラック(笑い声)も起きています。
直訳すると「アランが僕に僕自身について感じさせる方法・様子」というところでしょうか。
もう少しセリフっぽくすると、「僕に僕自身について感じさせてくれる、そういうところがアランの一番好きなところなんだよ」という感じですね。
「感じさせてくれる」というのは、「アランを見ていると、僕は自分のことを感じる、自分のことを考えることができる」というようなことかなと思います。
DVDの日本語訳は「彼は僕に自信を持たせてくれるんだ」と訳されていましたが、ロスの言いたいことは多分そういうことなんだろうと私も思います。

これまでのフレンズたちは、モニカが連れてきた彼氏にケチをつけるのが常でしたが、今回はなぜだかみんなアランを大歓迎で、逆にモニカの方がその反応に驚いている様子。
今回の解説の「ベイウォッチの真似」はまあ普通に「面白い」という誉め言葉かと思いますが、その前には「アランの微笑みがひねくれている」という「それって誉め言葉?」と思えるような感想もありましたし、その流れから考えるとこのロスのセリフは「アランといると自分が卑屈にみじめにならなくて済む」みたいな意味なのかなと思うわけですね。

あまりに自分たちとは違う、完璧で理想的な男性がやってくると、自分たちがダメ人間みたいに思えてしまう、自分で自分のことを嫌悪してしまいそうになる、ということとの対比で、「彼を見ていると自分を感じることができる」というのは「彼といると自己嫌悪にならなくて済む、気後れしないで済む」とか「自分たちと同じような雰囲気を感じる、同じ類の人間だと思える、似た者同士だと思える」というようなことかなぁ、と。
ロスのセリフの後の観客の笑いは、ジョークに対する笑いのように感じられます。
普通にロスがアランを褒めているだけでは、ああいう笑いにはならないと思うのですね。
ですから「褒めているようで、実は褒めてないセリフ」というタイプのジョークなのかなぁ、と思ったわけです。

アランのことをえらく気に入ってしまったフレンズたちは、皆がそれぞれロスのセリフを自分に当てはめて、思いにふけっているようですが、モニカ一人だけが「???」となっているという描写も笑いのポイントなのでしょう。
デート相手のモニカがロスの発言の意味にピンとこないようなので、視聴者である我々も具体的なことについては「わからない」でいいのだろうと思います。
ロスのセリフが漠然としているのでロスが何をイメージしているのかはわからないわけですが、あえてどういうことかを詳しくは説明せずに「フレンズたちには、アランに何か感じるところがあったらしい」「ロスの言うことに他の4人は妙に納得している」という「わかったようなわからないような宙ぶらりん感」みたいなものも笑いのポイントなのかなと思いました。


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posted by Rach at 14:41| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月26日

未来の恋人を測るものさし フレンズ1-3改その19

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9:51
ジョーイ: Know what was great? The way his smile was kinda crooked. (最高だったの、何だかわかる? 彼の微笑みがちょっとゆがんだ[ひねくれた]感じだったことだ。)
フィービー: Yes, yes! Like the man in the shoe! (そう、そう! 靴の中の男みたいな!)
ロス: What shoe? (何の靴?[靴って何?])
フィービー: From the nursery rhyme. "There was a crooked man, who had a crooked smile, who lived in a shoe for a... while..." (わらべ歌(マザーグース)にあるでしょ。「曲がった[ひねくれた]男がおりました。彼は曲がった笑いをしていました。彼は靴に住んでいました。しばらくの…間…)
(DUBIOUS PAUSE)
あいまいな間(沈黙)。
ロス: So I think Alan will become the yardstick against which all future boyfriends will be measured. (それで、僕は思うんだよ。アランは未来の全ての恋人を測る基準(ものさし)になるだろう、って。)
レイチェル: What future boyfriends? No, no, I th- I think this could be, y'know, "it." (未来の恋人って何よ?[何の未来の恋人よ?] 違う、違うわ。私は、これが、ほら、「それ」(あなたの運命の恋人)じゃないかって[これで決まりじゃないかって]思うのよ。)
モニカ: Really? (ほんとに?)

Know what was great? は、You know what was great? の主語 You が省略された形で、「グレイト・最高だったことは何だと思う?」という意味。
「最高だったことって言えば、これだよな」と先に言っておいてから、その内容を続けるようなニュアンスです。

crooked の発音は「クルキッド」という感じで、「曲がっている、ゆがんだ」という意味があります。
物理的に曲がっていることも、また「心が曲がっている」という意味の「不正直な、不正な」という意味にもなります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
crooked
1. bent, twisted, or not in a straight line
2. dishonest

つまり、1. は「曲がった、ねじれた、まっすぐではない」、2. は「不正直な」。

形や見た目の話でも、性格の話でも、いずれの場合も誉め言葉として使うタイプの言葉ではない気がしますね。
アランについて、フレンズたちが揃って、We loved him. He's great. 「彼を気に入った。彼は最高」と言っているのですが、どこを気に入ったかの話で「彼の微笑みがゆがんでる、ひねくれてる」みたいに言っているところが、笑いのポイントであるような気がします。
「それって褒めてないよね?!」みたいな感じでもありますが、フレンズたちは皮肉っぽくそう言っているというよりは、普通の人なら魅力を感じないような部分を気に入ってしまっている、という面白さなのかなぁ、と。
これについては、この後もアランの感想を述べるシーンが続きますので、おいおい語りたいと思います。

「微笑みがゆがんでた、ひねくれてた」と言うのを聞いて、フィービーは「それよ、それ!」みたいにジョーイを指さし、「靴の中の男みたいな!」と言うのですが、そう思ったのはフィービーだけのようで、ロスは「え?」という顔で「靴って何?」と尋ねます。

nursery rhyme は「童謡、わらべ歌」ですが、ここでフィービーが言っているのはその中でも特に有名な Mother Goose (マザーグース)です。
フィービーが言っている歌詞は、2つのマザーグースが混じってしまっていて、それでみんなは「??」となっているようですね。

まず1つ目は、The crooked man 「曲がった男(ひねくれた男)」。
この歌は、
There was a crooked man, and he walked a crooked mile.
He found a crooked sixpence upon a crooked stile.
「曲がった男がおりました。彼は曲がった1マイルを歩きました。
彼は曲がった踏み段の上に6ペンスを見つけました。」
と続きます。

フィービーは smile が crooked (ここでの意味は「ひねくれた」)だと聞いて、crooked smile を思い出したようですが、実際のマザーグースは crooked mile であって、smile ではありません。
mile と smile の発音が似ていたから勘違いしたようです。

その勘違いに加え、さらには、他の唄も混じってきてしまったようです。
lived in a shoe のフレーズは、同じくマザーグースの There was an old woman 「あるおばあさんがおりました」という唄に出てきます。

There was an old woman who lived in a shoe.
She had so many children, she didn't know what to do.
「靴に住んでるおばあさんがいました。
彼女には子供がたくさんいて、どうしたらいいかわかりませんでした。」

ですから、his smile was (kinda) crooked というフレーズを聞いて crooked mile の入ったマザーグースを思い出したのですが、それを who had a crooked smile と言ってしまったため、よく似たニュアンスの、who lived in a shoe... という別のマザーグースに途中で変わってしまった、ということのようです。

こういうマザーグースあったでしょ、みたいに得意げに言い始めるのですが、while... と言っている部分の声が小さくなり、目も泳いでいるので、その辺りで自分でもなんか違うなと気づいたのでしょうね。
みんなは沈黙していて、チャンドラーは首を前に出して「ん?」という顔をしていますが、それも「それって違うんじゃない?」というような表情ですよね。

変な沈黙が流れた後、誰もそのフィービーの間違いに対してつっこみを入れたりすることもなく、ロスは立ち上がって、別の話を始めます。
フレンズ1-1 のロスは、このように話題を変えたい時に Anyway... を使ったりしていましたが、今回のこのシーンではそういう「話題を変えるサイン」すらなく話し始めています。
先ほどのフィービーの発言は、なかったことにされている、流されてしまっている感じですね。

measure は「測る、測定する」。
yardstick は文字通り、「ヤード・スティック」で、1ヤードの長さを測るための棒です。
長さを測るための棒であることから、「(評価・比較などの)基準、ものさし」という意味にもなります。
日本語の「ものさし」も、長さを測る器具であり、評価基準という意味にもなりますよね。

the yardstick against which... は、関係代名詞。
all future boyfriends will be measured against the yardstick ということで、それをわかりやすく能動態にしてみると、Monica (or We) will measure all future boyfriends against the yardstick. となり、そのヤードスティックがアランになるのよ、ということになります。
measure A against B は、「B と比較して、A を評価する、A の優劣を判断する」ということ。
その(基準となる)ものさしと比較して、未来の全ての恋人を判断する、将来の全ての恋人の良し悪しを判断するのに、彼がその比較の基準のものさしになるだろう、ということですね。
彼が今後全ての恋人の基準になる、ということは、つまり、彼を超えるような素晴らしい人に今後出会えるかどうかだよ、彼を超える人かどうかで今後は男を判断していけばいい、ということですね。
彼と比較したら、なかなかそれに勝る人は今後出てこないだろう、という感じの、かなりの褒め言葉になるだろうと思います。
ちなみに、boyfriend というのは、日本語のボーイフレンド、男友達、というニュアンスではなく、「恋人」です。
ですから、I have a lot of boyfriends. (私にはたくさんのボーイフレンドがいる)などと言うと、何股もかけているかのように誤解されますのでご注意下さい^^

「アランは未来の恋人のものさしになる」というロスの言葉も結構な褒め言葉だと思うのですが、レイチェルはさらにその上のことを言っています。
What future boyfriends? 「何の未来の恋人よ? 未来の恋人って何よ?」というのは、未来の恋人なんて表現自体が不思議だわ。未来の恋人なんてありえない、未来の恋人なんか要らないわ! という感じですね。

this could be "it" は「これ(今回の彼=アラン)が it になりうる」ということで、レイチェルは、"it" という言葉を強めに発音しています。
この it は、まさに待ち焦がれていた理想の恋人が彼よ! というニュアンスの、彼が「まさにそれ」なのよ、という感覚になります。
何か待ち焦がれていたもの、あるいは時期が来た場合に、This is it. 「さあいよいよだ。来るものが来た。これだ。これで決まりだ」と言いますが、その it と似た感覚ですね。
何かを指し示す代名詞の「それ」ではなく、頭の中にイメージして待ち焦がれていた“それ”、「理想のもの、至上のもの」を指す感じの it になります。
DVD の日本語訳では「彼で決まりよ」と訳されていましたが、This is it. の「これで決まりだ」というニュアンスと同じになるということですね。


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posted by Rach at 15:36| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月22日

その長さに気づいた? フレンズ1-3改その18

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9:08
SCENE 4: RACHEL+ MONICA'S (LATER IN THE EVENING)
レイチェルとモニカの家。その晩の後のほう。
モニカ: (AT THE DOOR, TO ALAN, WHO IS LEAVING) Thanks. I'll call you tomorrow. (TO ALL) Okay. Okay, let's let the Alan-bashing begin. Who's gonna take the first shot, hmm? ([ドアのところで、去ろうとしているアランに] ありがとう。明日電話するわね。[(アランを見送った後)みんなに向かって] はい、はい。アラン・バッシングを始めさせてあげましょう。最初の攻撃は誰がするのかしら?)
(SILENCE)
沈黙。
モニカ: C'mon! (さあ!)
ロス: I'll go. Let's start with the way he kept picking at... no, I'm sorry, I can't do this. Can't do it. We loved him. (僕が行くよ。まずはここから始めよう… 彼がずっと、つついているような様子が… いや、ごめん。僕にはこんなことできないよ。できない。僕たちは彼のことをすごく気に入ったんだ。)
みんな: We loved him! Yeah! He's great! (みんな彼を気に入ったの! そう、彼は最高!)
モニカ: Wait a minute! We're talking about someone that I'm going out with? (ちょっと待って! 私がデートしてる相手のことをみんな話してるの?)
みんな: Yeah! (そうだ、そうよ。)
レイチェル: And did you notice? (SPREADS HER THUMB AND INDEX FINGER) (で、あなたたち、気がついた?[見た?] [自分の親指と人差し指を広げる])
男性陣: (RELUCTANTLY) Yeah. ([しぶしぶ] あぁ。)

帰るアランを見送った後、ドアを閉めたモニカはフレンズたちに向かって、let's let the Alan-bashing begin と言っています。
直訳すると、「アラン・バッシングを始めさせましょう」というところですね。
let's は、let us の略ですが、このセリフでは、let's let のように、let が続いているのも興味深いです。
「私たちに〜させることをさせる」→「〜させましょう」ということで、let's の後に let が来ても何も問題ないわけですね。
bashing 「バッシング」は日本語になっているように「〜を非難すること、〜たたき」ということで、動詞 bash が「(ぶん)殴る、強くたたく」という意味になります。

ですからこのセリフは日本人にもわかりやすいと思うのですが、このセリフのポイントは、let's begin the Alan-bashing ではなくて、let's let the Alan-bashing begin という形になっていることでしょう。
意味としては「アラン・バッシングを始めましょう」ということですが、モニカとしては当然、自分の彼氏であるアランをバッシングしたいわけではないですね。
自分以外のフレンズたちが、「じゃあ、今からバッシングを始めようか」という気持ちになっているだろうことを見越して、「あなたたちがやろうとしているアラン・バッシングを始めさせることにしましょう、さあ開始させてあげましょう」のように、「モニカとしては嬉しくないことだけど、その開始を許可する」→「さあ、あなたたちがしたいことを始めていいわよ」という感覚が、let を使った表現に込められているのだろうと思います。

take the first shot の shot には「試み(こころみ)」という意味と「発射、発砲」という意味があります。
ここでは、相手を非難するバッシングの話の流れなので、「最初の攻撃をするのは誰かしら?」という理解で良いでしょう。
みんなが黙っているので、モニカが、C'mon! と促すと、ロスが I'll go. 「僕が行くよ、僕から始めるよ」と言って語り出します。
Let's start with... は「〜で始めよう」。
バッシングや攻撃を始めようということですから、with 以下に続く内容が、ロスが気に入らなかった部分だった、という風に話が進むだろうと想像できます。

the way he kept picking at は「彼が pick at し続ける様子」。
pick at には「〜のあら探しをする、文句を言う」(この場合は pick on とも言います)という意味や、「〜を引っ張る」「〜を(興味や食欲がなさそうに)少しずつ食べる、ついばむ」などの意味があります。
pick at... の at の後ろの言葉がないまま次のセリフに続いているので、ここは想像するしかないですし、文が完結していないことから、あえて pick at の意味を限定しなくても良いわけですが、このセリフを言っている時、ロスは手を口に持って行っています。
何となく爪楊枝(toothpick)を使うようなしぐさにも見えますし、pick には toothpick を使う時のような「つつく、ほじくる」という意味もありますので、「彼が爪楊枝を使う時の様子が嫌だ、彼が歯を何度も爪楊枝でいじっている(つついている、ほじくっている)のが嫌だ」みたいなことを言いかけたのかな、という気がします。

「あれがちょっとね」みたいにケチをつけるのかと思いきや、ロスは「僕にはこんなことできない」と言って、We loved him. と言い、フレンズたちはそれを待っていたかのように口々に We loved him. と続けます。

それを聞いたモニカは驚いた様子で、We're talking about someone that I'm going out with? と返しています。
直訳すると「私たちが話しているのは、私がデートしている人のことなの?」ということですね。
過去にデート相手をけなされてばかりだったモニカは、今回のアランのようにみんなが褒めるのは初めてのことなので、あなたたちがそんな風に褒めているのは、アランのことなの? と信じられない気持ちなのですね。
I'm going out with someone の someone が前に出た形になっているため、going out with の with が文の最後に残るのを忘れないようにしましょう。
What are you talking about? の about が最後に残る感覚と同じですね。

その後、レイチェルが、ト書きにあるように親指と人差し指を広げて、And did you notice? と言うと、男性陣が残念そうなトーンで、Yeah. と言っています。
動詞 notice は「気がつく、注目する」という意味ですね。
notice について改めて英英辞典で見てみると、
Macmillan Dictionary では、
notice : to become conscious of someone or something by seeing, hearing, or feeling them
つまり、「あるものを見ること、聞くこと、または触れることで、その人またはそのものを意識するようになること」。
notice の後に単語はありませんが、レイチェルが指を広げていることから、「アランのこの指を広げた長さ」についてレイチェルは言っていることになるでしょう。
長さは目に見えるものなので、「その長さを見て、その長さに気づいた?」と言っているわけですね。
「見て、こんな長さなんだと思った・気づいた」みたいに言っている感覚になるでしょう。

「親指と人差し指」というのは、過去記事 親指から人差し指までの長さ フレンズ1-3改その8 で話題に出てきた「男性の大事な部分の長さは、その人の親指と人差し指を広げた距離と同じ」という話のことですね。
画面で見ると、アランは身長がかなり高いようで、背の高い人は手も大きかったりしますから、その流れで親指と人差し指を広げた長さも長そうな気がします。
レイチェルが「彼の指を広げた長さ、長かったわよね」のように、ちょっといたずらっぽい顔で男性陣に言った後、男性陣が残念そうなトーンで「あぁ」と返しているのは、アランの広げた指の長さ(つまりは大事な部分の長さ)が長くて、自分たちが負けを認めざるを得ない、という意味の残念感が出ていることになるでしょう。
声のトーンだけではなく、彼らのしぐさを見ても、ジョーイは手を上げ、ロスもわかったという感じに同じく手を上げています。
「あれには負けたよ、かなわないよ」と降参した感じが出ている気がしますよね。
その8 のシーンで、指の間の長さの話が出たのは、その時だけの笑いではなくて、後でまたこうしてネタにするためでもあったのですね。
少し前に出てきたネタを忘れた頃に使う、というコメディの典型的なパターンだと思います。


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posted by Rach at 15:18| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月17日

君らのことはたくしゃん聞いてるよ フレンズ1-3改その17

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8:36
(DOOR BUZZER)
ドアのブザー(が鳴る)。
モニカ: Okay, it's him. (TO INTERCOM) Who is it? (ほら、彼よ。[インターコムに向かって] どなたですか?)
アラン(INTERCOM): Alan. (アランだ。)
ジョーイ: (SHOUTS TO CHANDLER) Chandler! He's here! ([チャンドラーに向かって叫ぶ] チャンドラー! 彼が来たぞ!)
(CHANDLER COMES IN, DRIPPING WET)
チャンドラーが入ってくる、ずぶ濡れの状態で。
モニカ: (TO ALL) Okay, please be good, please? Just remember how much you all like me. ([みんなに] じゃあ、お願いだからいい子にしててね、頼むわよ。あなたたちみんなが私のことをどれだけ好きかってことをただ思い出してね[みんな私のこと、嫌いなわけじゃないでしょ]。)
(OPENS THE DOOR- ENTER ALAN)
ドアが開く。アラン登場。
モニカ: Hi. Alan, this is everybody. Everybody, this is Alan. (はーい、アラン、こちらはみんなよ。みんな、こちらがアランよ。)
アラン: Hi. (はーい。)
みんな: Hi, Alan. (はーい、アラン。)
アラン: I've heard scho much about all you guys. (君たちみんなのことは、たくしゃん聞いてるよ。)
(GENERAL HYSTERIA)
全体的な興奮状態(みんなが興奮して(喜んで)いる)。

ブザーが鳴るのでモニカは、it's him. 「彼よ」と言っています。
ほぼ彼だとわかっている場合でも、やはりブザーへの返事では一応、Who is it? 「誰ですか」と尋ねているのは、自然な会話っぽいですね。

モニカはアランが入ってくる前に、フレンズたちに be good であることを念押ししています。
Just remember how much you all like me. を直訳すると、「あなたたちみんなが私のことをどれだけ好きかってことをただ思い出してね」になるでしょうか。
「みんな私のこと好きよね。嫌いじゃないわよね。それをしっかり認識していたら、私が嫌がるようなことはしないわよね」みたいなことを言いたいわけでしょう。

アランが部屋に入ってきて、モニカがアランとフレンズを紹介した後、アランは、I've heard scho much about all you guys. と言い、フレンズたちは大笑いしています。

この部分の表記は、ツールによってまちまちで、
DVD字幕: I've heard so much about all you guys.
ネットスクリプト: I've heard schho much about all you guyschh!
Netflix: I've heard scho musch about all you guys.
となっていました。
音的には、特に so の s- の部分が、sch- という発音になっているのが顕著なので、上のセリフでは scho の部分のみを採用しています。
これはカタカナで書いても、「ソウ」を「ショウ」とはっきり言っている感じですよね。

意味としては、DVD字幕の通りの、「君たちみんなのことは、たくさん聞いてるよ・聞いたよ」ということですが、それを特徴的な発音で話しているのを文字化してあるのが、ネットスクリプトや Netflix の字幕になります。
アランの発音は日本人が聞いても「変わった発音」なので、その「発音の変さ、奇妙さ」に笑っているかのように感じる方もおられるかもしれませんが、フレンズたちの笑いには「滑舌が悪いのをバカにして笑っている」ような感じはありません。
むしろ、「アランって面白いやつ、楽しいやつ」「これは一本取られた! やられた!」という感じの、アランに対して好意的な笑い方に感じられます。
そのセリフを言ってフレンズたちが大爆笑した後、アランはモニカの方を向いて、「えへ、今のウケたよね?」みたいな笑顔を見せています。
そのことからも、アランとモニカは最初から打ち合わせをして、このセリフを言おうと二人で決めていた、そのセリフが予想通りフレンズたちにウケた、ということを示していると思います。

過去記事、あんなことが起こった後では無理 フレンズ1-3改その13 で、
チャンドラー: We love Schteve. Schteve was schexy! (俺たちはシュティーブを愛してる! シュティーブはシェクシー!)
というセリフがありました。
これは、モニカの以前の彼氏スティーブが s- を sch- と発音する人であったことを、チャンドラーがからかう発言でしたね。
今回のアランのセリフの so の s- の部分が、sch- という発音になっているのは、チャンドラーのこの発言を受けたものだと言えるでしょう。

この I've heard scho much about all you guys. というセリフを言う前、モニカとアランの二人は顔を見合わせており、「よし、今からあれを言うよ」とお互いに確認し合っているように見えます。
モニカの方も「さあ言ってやって」というような、嬉しそうで得意げな顔をしています。
「君たちのことはたくさん聞いてるよ」という内容を、s- 音を sch- 音で発音することで、「君たちのことはモニカからよーく聞いてる。Steve が s- を sch- と発音するのをからかったのも知ってるぞ」ということを示していることになるでしょう。
so much を scho much と発音しているので、日本語訳も「たくさん」を「たくしゃん」にして、わざと「しゃししゅしぇしょ」発音を使っている感を出してみました。

「君たちは、モニカの彼氏にあれこれいちゃもん付けるんだってね」みたいな、場の空気が悪くなるような話を持ち出すことなく、I've heard scho much about all you guys. というこの一言だけで、フレンズたちがスティーブの発音をからかったことをモニカはアランに話した、というのもわかるし、それを使ってジョークを飛ばせるほど、アランはそんなことを気にしていないということもわかることになるでしょう。
何かしらからかう材料を探していただろうフレンズたちにとって、最初にガツンと一発かます一撃としては、かなり効果的だったのではないかと思います。


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posted by Rach at 14:35| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月15日

ご不便をおかけしたお詫びとして フレンズ1-3改その16

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8:08
(ENTER PHOEBE. SHE STRIDES TO THE COUCH, SITS DOWN AND BEGINS TO READ WITHOUT SAYING HI)
フィービー登場。カウチまで大またに歩き、カウチに座って、(みんなに)挨拶もせずに読み上げ始める。
ロス: Hey, Pheebs. (やぁ、フィービー。)
フィービー: "Dear Ms. Buffay: Thank you for calling attention to our error. We have credited your account five hundred dollars. We're sorry for the inconvenience and hope you'll accept this... (SEARCHES IN HER PURSE) football phone as our free gift.” Do you believe this? Now I have a thousand dollars and a football phone. (”親愛なるブッフェ様、私どもの間違いに注意を促していただきありがとうございます。あなたの口座に500ドルを入金しました。ご不便をおかけして申し訳ありません。お受け取りいただけると幸いです、この… [自分のバッグの中を探る] フットボール・フォンを私どもからの贈呈品として”。こんなの信じられる? 今、私は、1,000ドルとフットボール・フォンを持ってるのよ。)
レイチェル: What bank is this? (これってどこの銀行よ?)

フィービーは怖い顔で部屋に入ってきて、挨拶もせずに、持っていた紙を読み上げています。
call attention to... は「…に注意を促す」。
過去記事、引用符ジェスチャーをする フレンズ1-3改その9 で、フィービーは、"And there's five hundred extra dollars in my account." 「私の口座に余分に 500ドルが入ってたの」と言っていましたが、そのように銀行の入金額に誤りがあることをフィービーが銀行に伝えたということですね。

We have credited your account five hundred dollars. は「あなたの口座に500ドルを入金しました」。
credit は動詞で「〜を口座に入金する」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
credit verb [transitive not in progressive] : to add money to a bank account
with
例)For some reason, my account's been credited with an extra $76.
to
例)The check has been credited to your account.

つまり、credit という動詞(他動詞で、進行形では使わない)は、「銀行口座にお金を追加(入金)すること」という意味で、with の例文は「何らかの理由で、私の口座には余分に 76ドルが入金されていた」。to の例文は「その小切手(の金額)があなたの口座に入金されました」。

辞書には、with と to を使った形、すなわち、「credit someone's account with 金額」か、「credit 金額 to someone's account」の形が載っていましたが、フィービーのセリフでは、credit+someone's account+金額の形で、SVOOの形になっています。
厳密にいうと、辞書に載っているような with や to を使う形が正しいのかもしれませんが、SVOO の形でも意味はわかりますし、これで問題ないということなのでしょう。
ロングマンの with の例文は「余分に 76ドル入金されていた」となっており、その 76ドルを 500ドルに変えて、For some reason, my account's been credited with an extra $500. にすれば、今回のフィービーの状況「私の口座に余分に 500ドルが入ってた」と表現することも可能ですね。

We're sorry for the inconvenience は「ご不便をおかけして申し訳ありません」という意味で、手違いがあり、顧客に迷惑をかけた場合の決まり文句。
(We) hope you'll accept... は「あなたが…を受け取って下さることを願う」→「どうか…をお受け取り下さい」という意味になります。
as our free gift は「私たちからの無料の贈り物として」ということですが、日本語で言うと「お詫びの品として、粗品として」みたいな感覚でしょうね。

「間違って 500ドル入っていた」ということを知らせたはずなのに、銀行の人は「500ドル足りない」と勘違いしたらしく、また新たに 500ドル入金した上で、さらにはご不便をおかけしたお詫びとして、フットボールの形をした電話 football phone までくれた、、だから今私は、合計 1,000ドルとこのフットボール・フォンを持ってるのよ、とフィービーは説明していることになります。

レイチェルは銀行からの手紙を手にして、「これってどこの銀行よ?」みたいに言っていますが、間違ってお金を入金した上にさらにもう一度入金してお詫びの品までくれる銀行だなんて、私もその銀行使おうかしら、みたいな感じなのでしょうね。


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posted by Rach at 13:29| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月12日

胸に十字を切って、誓う フレンズ1-3改その15

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7:35
(CUT TO RACHEL+MONICA'S APARTMENT. CHANDLER IS SMOKING ON THE BALCONY, PHOEBE IS ABSENT)
レイチェルとモニカのアパートメント。チャンドラーはバルコニーでタバコを吸っている。フィービーはいない。
ジョーイ: Let it go, Ross. (もう忘れろよ、ロス。)
ロス: Yeah, well, you didn't know Chi-Chi. (ほら、君はチーチーを知らなかっただろ。)
モニカ: Do you all promise? (みんな約束できる?)
みんな: Yeah, we promise. We'll be good. (あぁ、俺たち約束するよ。俺たち、いい子にしてるよ。)
モニカ: (SHOUTS TO CHANDLER) Chandler, do you promise to be good? ([(ベランダにいる)チャンドラーに叫んで] チャンドラー、いい子にしてるって約束する?)
(CHANDLER MAKES A 'CROSS MY HEART' SIGN. IT STARTS TO RAIN AND
CHANDLER TAPS ON THE WINDOW)
チャンドラーは、胸に十字を切るしぐさをする。雨が降り出して、チャンドラーは窓を叩く。
ジョーイ: You can come in, but your filter tip little buddy has to stay outside! (お前は入ってきてもいいよ、でもお前のフィルター付きのちっちゃなダチは外にいないといけないぞ!)
(CHANDLER SULKILY PICKS UP A GARBAGE CAN LID AND SHELTERS HIMSELF UNDER IT)
チャンドラーは不機嫌な顔をして、ゴミ箱のふたを取り、その下に避難する。

let it go は過去記事にも出てきましたが、直訳で「それを行かせる」ということから、「それに固執するな、こだわるな」「(いつまでもこだわらずに)忘れろ、あきらめろ」という意味。
「自然と離れて行こうとしていることを引き留めるな」という感覚になります。
今回のエピソードの冒頭シーンで、ロスは、農場で余生を過ごしていると思っていた飼い犬チーチー(Chi-Chi)が実は安楽死させられていた、という衝撃の真実を知ってしまうのですが、ここでもまだそのことを気にしているということですね。

you didn't know Chi-Chi. を直訳すると、「君(ジョーイ)はチーチー(僕が飼ってた犬)を知らなかった」ということですが、「君はチーチーのことを知らないからそんな風に言えるんだ、そんな風に平然としてられるんだ」または「チーチーのことを知らないくせに、わかったようなことを言うなよ」みたいな感覚になるでしょう。
チーチーのことを知ってる当事者にしかわからないこの気持ちを、チーチーのことを知らない部外者があれこれ言うな、と言いたい気持ちが出ています。
you didn't know Chi-Chi. と言う時に、ロスは(定期入れみたいな見かけの)黒い革製品を見ながら、それを指さしています。
チーチーが安楽死させられたと今頃になって知ったロスは、チーチーが写っている昔の写真を眺めて悲しんでいたようですね。

モニカはみんなに「約束する?」と声を掛け、みんなは口々に we promise. We'll be good. と答えます。
We'll be good. は子供っぽい表現だと「いい子でいる、いい子にしてる」みたいな感覚ですが、「モニカが連れてきた彼氏をフレンズたちがからかうことでモニカは嫌がっていた」ことを考えると、「彼氏をいじめたりからかったりしないから」という意味の be good であると想像できます。

チャンドラーは胸に指でクロスマークを描いています。
この cross one's heart は「胸に十字を切る」ということで、「嘘ではないと、神にかけて誓う(I swear to God.)」ことを示すしぐさ。
彼は今ベランダにいて、声が届かないので、「約束する、誓うよ」とジェスチャーで示しているのですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cross my heart (and hope to die) : (spoken) used to say that you promise that you will do something, or that what you are saying is true
例)I didn't take it, cross my heart!

つまり、「自分が何かをすると約束する、または自分が言っていることが真実であると言うために使われる」。例文は「僕は取ってない[取らなかった]、神に誓って!」。

Macmillan Dictionary では、
cross your heart (and hope to die) : PHRASE SPOKEN
used as a way of making a promise, especially between children
例)"I won't tell – cross my heart!"

つまり、「約束をする方法として使われる、特に子供の間で」。例文は「僕は言わないよ、神に誓って!」

ロングマン、マクミランともに、and hope to die 部分がかっこ書きとなっており、どちらの例文も、cross my heart! だけが使われているので、一般的には、cross my heart だけで使われることが多いということでしょうね。
cross my heart and hope to die のように、hope to die がついた場合には「神に誓うよ、そして(嘘なら)死んでもいいよ」のような意味になるのだろうと思います。

また、このフレーズを調べると、cross my heart and hope to die, stick a needle in my eye というセットになったものもよくヒットします。
これも直訳してみると、「神に誓うよ、そして(嘘なら)死んでもいいよ、(嘘なら)自分の目に針を1本突き刺すよ」みたいな感じになるでしょうか。
このフレーズだと、die(ダイ)と eye(アイ)が韻を踏んでいることになりますね。
日本語でも、約束を守る誓いをする時の言葉として、「指切りげんまん、嘘ついたら針千本飲(呑)ます(の〜ます) 指切った」というのがありますが、日英ともに「針(needle)」が使われているのが興味深いです。
針は「怖いもの、恐ろしいもの」をイメージする、世界共通のイメージがあるのでしょうね。

ト書きの tap on の tap は「軽く叩く」。
「コツコツ叩く、コツコツと音を立てる」という意味もあり、靴をコツコツ鳴らして踊るタップダンス(tap-dance)の tap もその意味ですね。
雨が降ってきたので、中に入れてくれというように窓を叩くチャンドラーですが、中にいるジョーイはチャンドラーに向かって、You can come in but... のセリフを言っています。
「お前は入ってこられる・入ってきてもいいけど、your filter tip little buddy は(そのまま)外にいないといけないぞ」ということですね。
チャンドラーが今外で吸っているタバコのことを、「フィルター付きのお前の小さな友達」みたいに表現してみせたことになるでしょう。
そのタバコを手放すのなら入ってきてもいいけど、タバコを吸いたいならそのまま外にいろ、ということですね。

ト書きの sulkily は「不機嫌そうに、むすっとして」。形容詞形は sulky になります。
ゴミ箱のふたを手に取って、の後の、SHELTERS HIMSELF UNDER IT というト書きもわかりやすい表現ですね。
名詞 shelter は「シェルター、避難所」で、他動詞だと「〜を保護する、かばう、守る」という意味になるので、「ふたの下に自分を保護する」→「ふたを頭の上に掲げて、雨から自分を守る、雨をよける、雨宿りする、雨から避難する」という感覚になります。


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posted by Rach at 16:32| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月10日

群れの弱い者を狙い撃つコヨーテ フレンズ1-3改その14

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7:02
SCENE 3: IRIDIUM (MONICA AND PAULA ARE AT WORK)
シーン3:イリジウム(モニカが働いているレストラン)(モニカとポーラが仕事中)
モニカ: Why should I let them meet him? I mean, I bring a guy home and within five minutes they're all over him. They're like... coyotes picking off the weak members of the herd. (どうして彼ら(フレンズたち)に(今、付き合っている)彼を会わせなきゃいけないの? ほら、私が男性を家に連れてくると、5分以内にみんなは彼に殺到するのよ。彼らはまるで…群れの中の弱いメンバーを狙い撃ちするコヨーテみたいなの。)
ポーラ: Listen, as someone who's seen more than her share of bad beef, I'll tell you, that is not such a terrible thing. Come on. They're your friends, they're just looking out after you. (ねぇ、自分に与えられた取り分以上に、悪い牛肉(悪い男 かつ 腐肉)を掴んできた[と付き合ってきた]人間として言うけど、モニカが言ったようなことは、それほどひどいことじゃないわ。ほら、彼らはあなたの友達なのよ。ただあなたを心配してるだけよ。)
モニカ: I just wish that once, I'd bring a guy home that they actually liked. (私はただ願うわ、一度でいいから、彼らが本当に気に入る人を家に連れてきたい、って。)
ポーラ: Well, you do realize the odds of that happening are a little slimmer if they never get to meet the guy. (そうねぇ、もしあなたの友達がその男性(モニカのデート相手)に会うことにならなければ、その男性を気に入る確率がまたさらにわずかになってしまうってこと、あなたにはよくわかるでしょ?)

イリジウムというレストランでシェフとして働いているモニカは、同僚のポーラと話しています。
within five minutes は「5分以内に、5分と経たないうちに」。
be all over... は「…に一斉に(ワッと)殺到する」というようなニュアンス。
「…に覆いかぶさる」のようなニュアンスで考えるとわかりやすいでしょう。
They're like... は「彼らはまるで…のようだ」。
coyote は動物の「コヨーテ」のことですが、英語での発音は「カィオゥティ」という感じなので、その発音を知らないとコヨーテのことだとは気づけないかもしれません。
このように「自分の思っていた音と違う単語」というのは、会話中に音を聞いただけでは「???」となってしまい、「さっきの単語、何だったんだろう、、」で終わってしまうことも多いです。
DVD学習法では、コヨーテと日本語訳もされているし、英語字幕で coyote という文字で確認することもできるので(カタカナ読みだとコヨテになるのでコヨーテだと気づける可能性大)、そこが「日本語の意味と英語の文字を確認できる」DVD学習法の強みと言えるでしょう。

coyotes picking off the weak members of the herd は「群れから弱いメンバーを pick off するコヨーテたち」。
pick off の基本語義は「選び取る、摘み取る」ということで、そこから「狙い撃ちする」という意味にもなります。
pick off=選ぶ+分離、ということですから「多くあるものの中から、何かを選んで分離させる」ニュアンスで理解すると良いでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
pick somebody/something off : to shoot people or animals that are some distance away one at a time, by taking careful aim
例)One by one, the gunman picked off the soldiers below.

つまり、「一度に一つずつ、狙いを定めて、離れたところにいる人または動物を撃つこと」。例文は「一人ずつ、そのガンマンは下にいる兵士を狙い撃ちにした」。

彼氏を家に連れてくるとまたたくまに友達が彼に殺到する様子を、「群れの中の弱い動物を狙うコヨーテみたい」と形容していることになります。

次のポーラのセリフの As someone who..., I'll tell you は、「…する人間として、今から(以下のことを)言うよ」という感覚。
そして、her share of bad beef の部分については、ネットスクリプトでは、her fair share となっているのですが、DVD英語字幕や Netflix では、her share だけで fair はありません。
音声を聞いてみると、her share と言っていて、やはり fair は発音されていませんでした。
ですが、ネットスクリプトを書き起こした方が感じた通り、このセリフには、her fair share のニュアンスがあるように私は思っています。
fair share は決まり文句で、英辞郎には、
fair share=公正な取り分、正当な分け前
と出ています。
研究社 新英和中辞典では、share の項目に、
get a fair share=正当な[当然の]分け前をもらう
という例も出ています。

LAAD では、fair [adjective] の項目の 5 番目に、以下のフレーズが出ています。
5. have had more than your fair share of something :
to have had more of something, especially something bad, than seems reasonable or fair
例) Tim's had more than his fair share of bad luck this year.

つまり、「何かを、特に何か悪いものを、正当(妥当)、公平に思われるよりもいっそう多く持ってしまうこと」。
例文は、「ティムは今年、不公平だと思われるほどの不運を持ってしまった」。

そのフレーズを直訳すると、「何かの正当な分け前以上のものを持ってしまった」ということなので、特に something が悪いものの場合だと、「本来課せられるべき以上の悪いことをあてがわれてしまった、普通の人が持つべき一人分以上のものを持ってしまった」というような感覚になるのだろうと思います。
ロングマンの例文も、his fair share of bad luck のように bad が使われていますし、ポーラのセリフの言い回しはよく使われる表現だということになるでしょう。
fair share というフレーズは、フェア・シェアが「ェア」の音で韻を踏んでいるのもポイントなのだろうと思います。
have had のように常に「完了形」で使われるようですが、それは「今に至るまでのこれまでの人生でそういうものを持った、与えられてしまった」という「経験」のニュアンスになるのでしょう。

ポーラのセリフは、has seen more than her share of bad beef ですから、ロングマンに出ているフレーズ have had more than your fair share of something と比較すると、had が seen となり、「何か悪いもの(something bad)」は、bad beef になります。
ちょうどその前のセリフで、フレンズたちを「群れの弱いものを狙い撃ちするコヨーテ」に例えているので、その流れから「コヨーテに狙われるようなもの」として、bad beef と表現していることになりますね。
この bad beef という表現に関して、非公開コメントで「コヨーテは腐肉をあさることで知られている」「bad beef は「傷んだ牛肉」すなわちコヨーテの好物」というご意見をいただいたことがありました。
群れの中の弱者ということなら、群れの中の「動物」を表す言葉(例えば、cow=牛など)でも良いのでしょうが、cow ではなく beef 「牛肉」という単語をわざわざ使っているのは、確かに「コヨーテの好物、食べ物」としての「食肉」のニュアンスが入っているような気がします。
bad beef は文字通り「悪い肉」であり「腐った肉」というコヨーテの好物を想像させると同時に、「フレンズたちに狙い撃ちにされるような男」という意味も込められているはずなので、「フレンズたちが欠点をあげつらって攻撃するような欠点の多い男、ダメな男」という意味としての bad でもあるでしょう。

see は「見る」ですが、I'm seeing someone. 「私は誰かと付き合っている」のように、「付き合う、交際する」という意味もあるので、「一人の人間にとって正当な取り分だと思える以上に、ひどい男をたくさん見てきた、ダメな男とたくさん付き合ってきた」というニュアンスが出るように思います。
who's 以下が、someone を説明する形となって、「そういう経験をしてきた人間として言わせてもらうと」という意味になるのですね。

(正当な)取り分・分け前、という表現が使われているのは、「人間、誰でも悪い男を掴むことがあるけど、私は人と比べて必要以上に悪い男ばっかり掴んできた、付き合ってきた」という気持ちが入っているのだと思います。
「人よりたくさん悪い男を掴んできた人間の私としては」と表現する際に「悪い男」を意味する言葉として、その前のモニカが使ったコヨーテからの連想で「コヨーテが殺到するような悪い男」を bad beef 「コヨーテの好物である腐肉・死肉」のように表現したのだろうということですね。

that is not such a terrible thing. は、モニカがボヤいていることに対して、「それはそんなに(あなたが言うほど)ひどいことじゃない」と言っていることになりますから、友達に認めてもらえないようなひどい男と何人も付き合ってきたけど、その私に言わせると、フレンズたちがモニカの彼氏に群がってあーだこーだ言うこともそんなにひどいことじゃない、と言っている感覚になるでしょう。
look out after はそのままで載っている辞書はなかったのですが、look out が「外を見る」ことから「気を配る」、look after が「〜の世話をする、〜に注意を払う」という意味なので、それを合わせた感覚の「〜に気を配る、注意を払う」という感じの「〜のことを心配する」というニュアンスになるだろうと思います。
「そんなにひどいことじゃないわ」という流れから「彼らは友達で、あなたのことをただ心配してるだけよ」という風に自然に繋がりますよね。

I just wish that once は「私はただ一度だけ(それを)願う」。
先に that と言っておいてから、その後、SV という文が続いている形になります。
I just wish that I'd bring a guy... ということですが、「一度でいいから願うわ」という once があるために、SV の前にそれを先に言っているのでしょう。
彼らが本当に・実際に好きだと思うような男性を(一度でいいから)家に連れて来たいと願うわ、と言っていることになります。

ポーラの you do realize... は、you realize SV if... 「もし…なら SV になることがあなたにはわかるでしょ」という構造。
the odds of that happening は「それが起こる可能性、確率」、slim は 「(可能性・見込みが)少ない、かすかな、ほんのわずかな」。
a little slimmer は「少し、さらにわずかになる」という感覚だと思われますので、「元々わずかしかない可能性がさらに少しまたわずかになる・減る」と言っているように思います。
「可能性が減る」というシンプルな表現ではなく、「元々わずかな(slim)可能性がさらに少し減る(a little slimmer)」と言っていることになるでしょう。

you do realize の do は realize を強調していて、あなたは〜であることがよくわかっているわよね、という確認、念押しのニュアンス。
get to は「〜するようになる、〜の状態になる」なので、get to meet the guy は「その男性に会うことになる」。
ポーラのセリフを前からイメージすると、「あなたはよくわかってる(はず)、それが起こる可能性がさらにわずかになってしまうことを、もしフレンズたちがその男性に会うことにならなければ」という感じですね。
フレンズたちが彼を気に入るかどうかモニカは気をもんでいるけれども、「会わせない限りは、気に入られることもない、気に入ってもらいたいなら、会わせないことには始まらない」とポーラは言いたいのでしょう。
友達ってのはあれこれ心配して、連れてきた彼氏にいちゃもんを付けるものだから、みんなが気に入ってくれるような彼氏を連れてこられる可能性は元々わずか(slim)だけど、友達に引き合わせなければみんなが好きになってくれる可能性は、元々わずかだったのがそれよりさらに少し減る(a little slimmer)ことになっちゃうわよ、みたいに言ってみせたことになるだろうと思います。


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posted by Rach at 17:32| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月08日

あんなことが起こった後では無理 フレンズ1-3改その13

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6:25
モニカ: All right. I'm gonna go change. I've got a date. (よし。私は着替えに行くわね。デートがあるの。)
レイチェル: Is this Alan again? How's it going? (これってまたアランなの? どんな感じ?[どんな風に進んでるの?])
モニカ: It's going pretty good, y'know? It's nice and we're having fun. (かなりいい感じに進んでるわ。素敵で(いい感じで)私たち楽しんでるわよ。)
ジョーイ: So when do we get to meet the guy? (それで、俺たちはいつ、その男[モニカのデート相手]に会えることになるんだ?)
モニカ: Let's see, today's Monday.... Never! (そうねぇ、今日は月曜日だから…絶対に会えないわ!)
みんな: Oh, come on! Come on! (あぁ、いいだろ! いいじゃないか!)
モニカ: No. Not after what happened with Steve. (だめよ。スティーブに起こった出来事の後では無理ね。)
チャンドラー: What are you talking about? We love Schteve. Schteve was schexy! Sorry. (何言ってるんだよ? 俺たちはシュティーブを愛してる! シュティーブはシェクシー! ごめん。)
モニカ: Look, I don't even know how I feel about him yet. Just give me a chance to figure that out. (ねぇ、私はまだ、彼について自分がどう感じているかさえわかってないのよ。ただそれをわかるための機会(チャンス)を私にちょうだい。)
レイチェル: Well, then can we meet him? (それで、その後、私たちは彼に会える?)
モニカ: Nope. Schorry. (いいえ。ごめんなしゃい。)

go change は「服を着替えに行く、着替えてくる」。
change は「変わる、変化する」ですが、change だけで「服を着替える」という意味でよく使われます。
go change は、go to change 「着替えるために行く、着替えに行く」、または、go and change 「行って、着替える」という意味ですが、セリフのような口語では、go change のように to や and が入らない形で使うことが多いです。
I've got a date. は、I have got a date. ということで、have got は have と同じ意味ですから、I have a date. 「私、デートがあるの」ということ。

レイチェルは相手のアランの名前を聞いたことがあるようで、「またアランとのデートなの? 二人は今、どんな感じで進んでるの?」と尋ねます。
have fun は「楽しむ、楽しい時間を過ごす」。fun は不可算名詞で「楽しみ、面白いこと」という意味。
So when do we get to meet the guy? の get to meet は「会えるという状態になる」という感覚なので、「それで俺たちは、(アランっていうモニカが付き合ってる)その男性に、いつ会えることになるわけ?」と尋ねていることになります。
Let's see は「うーんと、えーっと」と何かを考える時に出てくる言葉。
「うーんと、今日は月曜日だから、、」と言えば、都合の良い曜日を考えているように聞こえますが、その後の言葉は never 「決して・絶対に会えない」なので、モニカはただ曜日を考えているふりをしていただけで、元々、彼をフレンズたちに会わせる気などなかったことがわかります。
みんなが、Come on! 「いいだろ、いいじゃないか、なあ!」という感じで促しても、モニカは No. Not after what happened with Steve. と言って会わせることを拒みます。
Not after what happened with Steve. は「スティーブに起こったこと(出来事)の後ではダメ」ということですから、「スティーブとああいうことがあった後では、あなたたちは私のデート相手に会うことは無理よ」と宣言されたことになります。
そのモニカの言い方から、「スティーブという人と付き合っている時に、フレンズたちに彼氏を二度と紹介したくない、と思うようなことが起こった」ことが想像されます。

「あのスティーブとの一件」のように持ち出したモニカに対して、チャンドラーは「何言ってるんだよ」と言った後に、We love Schteve. Schteve was schexy. と言っています。
この部分、DVDの英語字幕では、We love Steve. Steve was sexy! と書いてあり、意味もそういうことなのですが、
ネットスクリプトでは、We love Schhteve! Schhteve was schhexy!
Netflix では、( imitates Lisp ): We loved Schteve. Schteve was schexy.
と表記してありました。
(ちなみに、Netflix の loved という過去形は間違いで、love という現在形が正しいと思われます)

スティーブ、セクシーという言葉をそれぞれチャンドラーは「シュティーブ、シェクシー」と発音しているので、その発音を忠実に文字化したものが、Schteve, schexy になるということですね。
Netflix の英語字幕にある、( imitates Lisp ): というのは、音に関するト書きで、lisp というのは「舌足らずの発音・話し方」という意味なので、imitates Lisp は「舌足らずの話し方を真似る」という意味になります。

ちなみに、Netflix の英語字幕は、メニューに「字幕 英語 [CC] 」と表記されているのですが、CC というのは closed captioning(日本語では「クローズドキャプション」と訳される)という字幕システムのこと。
詳しくは以下のウィキペディアで↓
Wikipedia 日本語版:クローズドキャプション
CC は基本的には、DVDの英語字幕のように「セリフ」が表記されているのですが、それ以外にも上のウィキペディアでも説明されているように「聴覚障害者のために音楽や効果音が記号や文字でテレビ画面に表示されることが特徴」となっています。
今回のセリフで Netflix で表示されている ( imitates Lisp ): というト書きも、文字だけではイメージが伝わりにくい部分をト書きで補完している形ですね。
日本でもテレビがデジタル放送になってから字幕放送の番組が増えましたが、その場合もよく効果音などが字幕として入っていたりもします。
以上、「Netflix の英語字幕に入っているト書きは、もっぱら音に関するト書きである」ということを、この機会に説明させていただきました。

lisp というのは「舌足らずの発音・話し方」という意味だと説明しましたが、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
lisp [verb] : to pronounce "s" sounds as "th" when you are speaking
つまり「話す時に、s の音を th のように発音すること」。
この語義の通りだと、sing 「歌」が、thing 「こと、もの」のように聞こえる発音ということになりますね。
Macmillan Dictionary にも、「s を th と発音すること」と説明されていますので、lisp の定義はそういうことのようですが、チャンドラーのセリフは、Th-teve や、thexy ではなく、s が sh (シュ、シェ音)になっているパターンなので、厳密に言うと lisp とは少し異なるということになるのかもしれません。
今回のセリフについては、s が本来の発音ではなく、少し舌足らずになってしまう感覚として理解すればいいでしょう。
日本語の発音でも「さしすせそ」が「しゃししゅしぇしょ」になってしまう人がいますよね。
アメトーーク!の「滑舌悪い芸人」にも登場し、今は吉本新喜劇にも出演されている(元「ハム」の)諸見里(もろみざと)さんなどが有名でしょうか(吉本では、滑舌の悪さをツッコまれると「かちゅじぇちゅ、いいんでしゅけど(滑舌いいんですけど)」と答えるのがお約束)。

「俺たちはみんなスティーブのことが好きだし、彼はセクシーな男だったじゃないか!」と言葉上では褒めているのですが、チャンドラーがわざとそういう発音を真似して、「俺たちはシュティーブが大好きだよ。シュティーブはシェクシーじゃん」みたいに言っているということは、そのスティーブという男性が「ス」を「シュ」と発音する人で、モニカと付き合っていた当時、フレンズたちはそのことをネタにしてからかった、ということが想像されます。
その発音をすることで、「彼はこんな発音をする人だったよな、あの時みんなで彼の真似をしたよな」と言っているわけですね。
そんな風に、昔、彼の発音をからかわれたり、ジョークにされたりしたことが嫌だったのでしょう、「そういうことを言ってからかうから嫌なのよね」という顔でモニカはチャンドラーをにらみ、チャンドラーは素直に Sorry. 「ごめん」と謝ります。

モニカが「彼について自分がどう感じているかまだわかってさえいないのよ。それがわかるためのチャンスをちょうだい」と言うと、レイチェルは「じゃあ、その後(つまり、彼に対する気持ちについてモニカ自身がわかった後)には、彼に会える?」と尋ねます。
Nope. は「いいえ」という No. の意味の口語体。Yes の口語体は、Yep になります。
Yep. Nope. はどちらもラフな感じの返事になります。
Nope. と否定していることから、「自分の気持ちがはっきりしたとしても、やっぱりあなたたちには会わせない」と言っていることがわかりますね。

そして、このモニカのセリフは、最後の Schorry. がオチになっています。
そんな風に、sch の発音をネタにするような人たちには会わせたくないわ、ということを、モニカの方も、sch- の発音を強調することで伝えているのですね。
日本語風に言うと、「ごめんなシャいね〜」みたいな感じでしょう。

コメディの脚本として、この一連のやり取りを見てみると、s- を sch- と発音する男性の名前として、わざと、s- の入った Steve という名前にしたのでしょうね。
褒め言葉もいろいろある中で sexy を使ったのも、その sch- 発音が際立つように、、ということでしょう。
そして、チャンドラーはモニカがにらんでいるのを見て、Sorry. と謝るのですが、この時のチャンドラーは、Sorry に s- が使われているにもかかわらず、普通に発音していました。
これは本当に「ごめん」という反省の言葉として述べていることになりますね。
そして「フレンズたちはモニカの彼氏に会いたいと思っている」という願いを却下する時の最後の最後に「モニカの方が」ショーリーと特徴的な発音を使って返す、というオチになります。
チャンドラーが謝った時に、Sorry. を ショーリーと言ってしまうと、この最後のモニカのセリフで笑えませんので、チャンドラーの Sorry ではショーリーと言わずに温存しておいた、という感じがします。
普通の会話のように見えて、シットコムとして、つまりコメディとして、笑いどころを考えながら作られ練られている脚本ですから、そういう脚本としての構成の絶妙さ、みたいなものも感じていただきながら楽しんでいただけたらな、と思います。


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posted by Rach at 16:43| Comment(2) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月04日

よくやってたことへのご褒美 フレンズ1-3改その12

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5:50
モニカ: Chandler, what are you doing? (PULLING HIM UP) Hey. What are you doing? (チャンドラー、何してるの? [チャンドラーを引っ張り上げて] ちょっと、何してるのよ?)
(CHANDLER TRIES TO SHRUG NONCHALANTLY BUT EVENTUALLY HE HAS TO EXHALE A MOUTHFUL OF SMOKE)
チャンドラーは何食わぬ顔で肩をすくめるが、ついには(たまりかねて)口いっぱいの煙を吐き出さなければならない。
みんな: Oh! Oh, God! (あぁ! もう!)
モニカ: Oh, gross! (もう、いやだぁ〜!)
ロス: What is this? (何だよこれは?)
チャンドラー: I'm smoking! I'm smoking! I'm smoking! (タバコを吸ってる! タバコを吸ってる! タバコを吸ってるんだ!)
フィービー: Oh, I can't believe you! You've been so good for three years! (まぁ、あなたって信じられないわ。3年間もよくやってたのに!)
チャンドラー: And this is my reward. (そして、これは俺のご褒美だよ。)
ロス: Hold on a second, all right? Just think about what you went through the last time you quit. (ちょっと待てよ、いいか? 最後に禁煙した時に自分がしたつらい経験について考えてみろよ。)
チャンドラー: Okay, so this time I won't quit. (わかった、だから今回は禁煙しないよ。)
みんな: Ohhh! Put it out! (もうー! (タバコの)火を消せよ!)
チャンドラー: All right! I'm putting it out, I'm putting it out! (HE DROPS IT IN PHOEBE'S COFFEE) (わかったよ! 消すよ、火を消すよ! [チャンドラーはフィービーのコーヒーの中にタバコを落とす])
フィービー: Oh, no! I- I can't drink this now. (あぁ、もう! これ飲めないわ、今は。)

チャンドラーがカウチの背面に身を乗り出して、何かこそこそしている様子なので、モニカは、What are you doing? と言って、チャンドラーを引っ張り上げるようにします。
そしてト書きの通り、「何のこと?」みたいな顔でチャンドラーは肩をすくめてみせますが、しばらく口を閉じていて、数秒してから口から煙を吐き出します。
タバコを吸っていたことがわかって、フレンズたちは口々に非難の声を上げています。
その反応のひとつ、Oh, gross. の gross は「実に不快な、胸の悪くなるような、ぞっとする」という意味。
Gross! という一言で、「いやだー、不潔ー、きたなーい」というニュアンスでよく使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
gross : (spoken) very disgusting to look at or think about (SYN: disgusting)
つまり、「そのことを見たり考えたりすることが非常に不快なこと」。

みんなに責められ、ロスに「何だよこれは」みたいに言われたチャンドラーは、I'm smoking! を3回繰り返します。
「見りゃわかるだろ、タバコ吸ってんだよ!」と開き直ったような発言ですね。
フィービーは信じられないと言って、「あなたは3年間、とても good だったのに」みたいな言い方をしています。
have been+形容詞で、3年間ずっと(形容詞)の状態だった、という継続を表す完了形ですね。
今タバコの話をしているので、ずっと good だったというのは、「3年間、タバコを吸わずに我慢してた、頑張ってた、よくやってた」ということになるでしょう。
And this is my reward. の reward は「褒美(ほうび)、報酬」。
「頑張ったことへのご褒美なんだよ」のように言って、右手のタバコを見せています。
LAAD では、
reward : something that you receive because you have done something good or helpful
つまり、「何か良いこと、または助けになることをしたという理由で、受け取るもの」。
この語義の have done something good と、セリフの have been good は、good という言葉が共通していますね。
「good なことをしたことに対して受け取るもの」が reward ですから、「ずっと good だったのに」と言ったフィービーの発言を受けて、「ずっと good だったから、reward として今このタバコを吸ってるんだ」みたいに言ってみせたことになります。
頑張って禁煙したことを称えて、ご褒美としてタバコを吸っている、という本末転倒なチャンドラーらしい屁理屈ですが、「ずっとタバコをやめてたのに、ずっと禁煙してたのに」という「タバコをやめた」ことを指すセリフではなく、「ずっと good だった」、つまり「ずっといい子にしてたのに」のような good であったと語ったセリフになっているおかげで、「good にしてたから、こうして reward をもらってる」ときれいに繋がるわけですね。
逆に言うと、「これは頑張った俺へのご褒美だ」というニュアンスにするために、「やめてた」という言葉ではなく、good という言葉を、脚本上フィービーに言わせた、ということにもなるでしょう。
フィービーのセリフには「あなたは(せっかく)3年間も頑張ったのに」というニュアンスがあるわけですが、チャンドラーはそれを And で繋げることで「俺は3年間頑張った。そして(だから)これがご褒美」と表現したことになります。

the last time SV は「S が V した最後の時、この前・最後に S が V した時」。
quit は「〜をやめる」。quit one's job なら「仕事をやめる、辞職する」。
この場合はタバコの話なので、quit smoking 「タバコを吸うのをやめる、禁煙する」ということですね。
ロスのセリフは、「またこんな風に吸い始めちゃったようだけど、最後に禁煙した時に、自分が go through したことをただ思い出せ」ということ。
go through は「通り抜けて行く、通り抜ける」という感覚から「体験する、経験する」。
「最後に禁煙した時に、体験したことを思い出せ」ということは「前に禁煙した時の、つらかった、苦しかった経験を思い出せ」と言っているわけですね。

Okay, so this time I won't quit. は「わかった、だから今回は(今度は)俺はやめない(禁煙しない)」という宣言。
やめるのがつらかったことは俺だって覚えてる。だから今回は禁煙するつもりはないんだ、このまま吸い続けるつもりだ、ということですね。

ここでの put out は「火を消す」。
タバコの火を消せ! とみんなに言われ、「わかったよ、今から消すよ」という感じで I'm putting it out! と言ったチャンドラーは、隣のフィービーが手に持っていた黄色い大きなマグカップの中にタバコを放り投げます。
自分が飲もうとしていたコーヒーの中にタバコを入れられたわけなのでフィービーは嫌な顔をしていますが、この I can't drink this now. というセリフは、最後の now のオチが面白いですね。
タバコを入れられて「こんなの飲めないわ」というのは当たり前の反応ですが、フィービーは最後に now と言っていて、それも now の部分を特にはっきり言っているように思いますし、観客も、その最後の now を聞いたところで笑っている感じです。
not now 「今は飲めない」ということはつまり、「後で飲む、後でなら飲める」(I'll drink this later. / I can drink this later.)と言っていることになるので、観客も笑っているのですね。
この部分、DVDの日本語訳も「すぐには飲めないわ」と訳されていましたし、「すぐには飲めない、、って、じゃあ後で飲むつもりなんかーい!」とツッコミを入れたくなるようなセリフになっているところが、フィービーっぽいと言えるでしょう。
最後の now でオチになる感じを出して日本語に訳すと、「あぁ、もう! これ飲めないわ、今は」のような感じになるでしょうか。
日本語だと「今”は”」のように「は」を使うことで「今は無理だけど、後でならオッケー」感を出すことにもなりますが、英語では now などの副詞は文の最後に来るのが普通なので、ちょっと now を強めに言うだけで、自然なオチになるわけですね。


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posted by Rach at 12:18| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年05月02日

来世への巨大な借りになる フレンズ1-3改その11

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5:27
フィービー: Okay. Okay. Let's say I bought a really great pair of shoes. Do you know what I'd hear with every step I took? "Not mine. Not mine. Not mine." And even if I was happy, okay, and, and skipping, I'd hear, "Not-not mine. Not-not mine. Not-not mine. Not-not mine." (いいわ、いいわ。じゃあ私が本当に素敵な靴を買ったとしましょう。私がステップを踏むたびに何て聞こえる(だろう)か知ってる? ”ノッ・マイン、ノッ・マイン、ノッ・マイン[私のじゃない]” そしてもし私が幸せだったとしても、ほら、そしてスキップしてたとしても、私にはこんな風に聞こえるでしょうね、”ノ・ノッ・マイン、ノ・ノッ・マイン、ノ・ノッ・マイン、ノ・ノッ・マイン”)
モニカ: We're with you. We got it. (同感よ。わかったわ。)
(CHANDLER LEANS OVER THE BACK OF THE COUCH, OUT OF SIGHT)
チャンドラーはカウチの背面に身を乗り出して、みんなから見えない状態。
フィービー: Okay. I'd- just- I'd never be able to enjoy it. It would be like this giant karmic debt. (いいわ、私はただ、それを楽しむことができないでしょうね。巨大なカルマの借金(来世への巨大な借り)みたいになっちゃうわ。)

Let's say SV. は、文(SV)と言いましょう、ということですから、「例えば・仮に(文)としてみましょう」という感覚。
「知らぬ間に自分の口座に入っていたお金を使っちゃえば、それはショッピングになるわ」とレイチェルが言ったことを受けて、「じゃあ(レイチェルが言うように、そのお金で)本当に素敵な靴を1足買ったとしましょうよ」ということですね。
Do you know what I'd hear with every step I took? を前からまとまりごとに細切れにイメージすると、「知ってる? 私に何が聞こえる(だろう)かを、ステップごとに、私が take する(ステップ)」みたいな感じです。
意味するところは、「私が一歩進むたびに、私には何が聞こえるか知ってる(わかる)?」ということですが、最後の I took までを聞いてから日本語をイメージしていたのでは音の速さについていけませんから、区切りごとにこまめにイメージしていくようにしましょう。
I'd hear は、I would hear ということで、フィービーとしてはこのお金でそういう靴を買うつもりはないけれど、もし仮に買ったとしたら、という仮定法過去の bought を受ける形で、「もしそういう靴を買ったら、私にはこんなことが聞こえるだろう」という意味で would を使っていることになります。

「ステップ踏むたびに、こんな風に聞こえるわ」という、その音の描写が面白いですね。
not mine は、「私のものじゃない」ということですが、それを、「ノッ・マイン」とステップに合わせるようにリズミカルに発音しているのに笑えます。
歩くたびに、「私のお金で買ったものじゃないから、この靴は私のものじゃない」という音が聞こえてきそう、とフィービーは思っているわけですね。
とりあえずそこで終わっても「歩くたびにこう聞こえてくる」という面白さは出るわけですが、さらにダメ押しのような続きがあるところが、フレンズぽい面白さとなっています。
even if I was happy は、「例え私が幸せ・ハッピーだったとしても」。
これも「靴を買うことをフィービーは想定していない」ので、「靴を買った時に例えハッピーだったとしても」も仮定法過去が使われていることになります。
私がハッピーで、その時、スキップしていたとしても、私にはこんな風に聞こえちゃうわ、とフィービーは言い、その音を not-not mine と表現します。
普通に歩くのと違い、スキップになると独特のリズムが出ますが、聞こえてくる音もスキップバージョンの not-not mine になる、と言いたいのですね。

楽しそうにスキップしてても、そんな風に聞こえてくるわ、とまで言うフィービーに、モニカは、もうそれ以上言わなくてもいいわ、わかったから、という感じで手を伸ばし、We're with you. We got it. と言います。
We're with you. は「あなたに同意するわ。同感よ」という意味。
be with you は「あなたと一緒にいる」ということですが、「あなたの側にいる」という意味であることから、「〜に同意する、同感だ、賛成だ、あなたと同意見である」という意味になります。
「同意する」という場合には agree with you も使えますが、agree という動詞ではなく、be with だけでもそのニュアンスは出せるということですね。
We got it. は「わかった、理解した」。
この場合の get は understand の意味になります。

この時のチャンドラーはト書きにあるように、みんなから見えない角度でソファの向こう側で何かをしている様子ですが、フィービーはそれに気に留めることなく話を続けています。
I'd never be able to enjoy it. の I'd もまた、I would で、「もしそのお金で何かを買ったとしても、スキップするたびにそんな音が聞こえてくるような状態になるだろうから、私にはそれを楽しむことなんかできないでしょうね」と言っていることになります。

karmic は、名詞 karma の形容詞形。名詞の karma は、仏教やヒンズー教の言葉で「カルマ、業(ごう)、因縁、宿命」という意味で、「現世での行動が来世に影響を与える」という考え方のこと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
karma [noun] [uncountable] :
1. according to the Hindu and Buddhist religions, the force that is produced by the things you do in your life and that will influence you in the future or in future lives.
2. (informal) luck resulting from your actions (SYN: fate)

つまり、1. は「ヒンズー教または仏教によると、自分の人生において自分がすることによって生み出され、未来または来世において自分に影響を与えることになる力」。
2. は「(インフォーマル)自分の行動によって生じる運・運命。類義語は fate 」。

1. の語義は、the force that is... and that will... という形になっており、karma というのは、関係代名詞 that 以下で詳しく説明されているところの the force 「力」になります。
the force that... 以下が大変長いですが、その部分は SV という文の形にはなっておらず、the force (that...) のように、名詞を修飾する関係代名詞の that 以下が大変長くなっている形だということですね。
ですからシンプルにすると、「カルマというのは(ヒンズー教・仏教によると)〜という力である」と説明してあることになります。
元々はそのように宗教用語なのですが「自らの行動に起因する運」のような意味で、fate と似た感覚で日常的にも使われるのですね。

debt は「借金」。b の部分は発音せず「デット」のような音になります。
つまり、karmic debt は「カルマの借金、カルマ的な借金」ということで、貰ういわれのない大金を手にして幸せになることで、来世では、そのプラス分をチャラにするほどの不幸な出来事が起こってしまう、来世の運を現世で使いつくしてしまって、来世では不幸のどん底に落ちてしまう、来世でバチが当たる、というニュアンスで使っているようです。
フィービーは、フレンズ1-1 で、ロスのどんよりオーラを浄化しようとしていたこともありましたので、このような「来世への借りになる」という輪廻転生的な発言も、その流れを汲んでいるものと言えるでしょう。


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posted by Rach at 13:51| Comment(0) | フレンズ シーズン1改 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする