2006年01月11日

みたび、完了形-完結編

昨日の続きです。
最初にお断りしておきますが、今日の記事は、今現在、私が正しいと思っていることを書いただけです。
また、コメントをいただいて考えが変わることもあるでしょうし、今後、英語学習を進めていくうちに気付くこともあるでしょう。
ですから、あくまで一英語学習者の意見として聞いて下さい。
また、お気づきの点などありましたら、ご指摘下さいませ。
今日の記事で、ひとまず完了形は終わりにしたいと思いますので、これ以降の議論は、コメント欄で進めていきたいと思います。
興味のある方はコメント欄もチェックして下さいね。

昨日は、現在完了形の「継続」について書きました。
今日は、現在完了形の「経験」について説明します。

この「経験」は、実は、過去の一種です。
普通の過去形の表現と同じように明らかに過去に起こったことでも、その起こった「時期」を「特定したくない場合、する必要がない」場合に、現在完了形を使うのです。
この「特定しない過去」のことを、F.D.J.さんは「不特定の過去」と表現されています。(「いついつだと特定しない、とある時点の過去」ということですね。)
F.D.J.さんの現在完了形の記事 から以下の文章を引用させていただきます。

ネイティブ・イングリッシュ・スピーカー達は「過去形」と「現在完了形」の使い分けに際しいちいち文全体を考えているわけではありません。「いつのことか」、またそれが重要なことなのか、そして現在への影響はどうであるのか、という事から使い分けを無意識におこなっているわけです。

つまり、F.D.J.さんは、”「いつのことか」が重要かどうかにポイントがある”ことにちゃんと気付かれている、というか、ご存知なんですねぇ。

・・・と私が感心しているのは、実は私がこの考え方を知ったのは、結構最近の話なんですよ(笑)。(単に勉強不足だったという話も・・・)
デビッド・バーカーさんが書かれた「会話に生かせる英文法」という週刊STのコラム(2005年5月13日の記事)で、このことについて書かれていたのを読んで、「えっ?そうなの?」と驚いた記憶があります。

「明確に過去を表す語句は、現在完了形の文では使えない」というのは、文法書で必ず出てくる話です。
そしてその逆を考えると、「明確に過去を表す語句を使いたくない場合は、現在完了形を使う」ということになるわけですね。
日本人の認識では、とりあえず過去に起こったことは過去形で表せば良いと思うのですが、ただ、I went to Tokyo. と言っただけでは、逆にとても不自然で中途半端だとネイティブは感じるようです。
「それって、いつよ?」といつのことか聞き返したくなる感じです。
本人の体験談として過去形が出てくると、それは、話者がこれまで生きてきた期間すべて(生まれ落ちてから現在まで)の期間のどこかの時点での話ということになります。
あまりに幅が広すぎて、特定しないと、昨日の話か、一ヶ月前の話か、子供の頃の話かわかりませんから、過去形を使う場合には、時期を明確にする語句を使うのですね。
そして、「いつであるかが問題ではない」、「過去にそういうことがあった、という事実だけを述べて、時期については述べたくない、述べる必要もない」場合には、現在完了形を使えば良いのです。
そうすると、「これまでの人生の間で」そういう「経験」をした、という経験を述べる現在完了形になるのですね。

現在完了形というのは、過去から現在にかけての時間の経過と共にある時制ですが、この「経験」では、その過去から現在にかけての期間の中で、「どこかの”とある”1点」における話ができるわけです。
具体的にいつの話だと述べなくても、聞いた人は、「この人の人生のとある時点での話だな。」とわかるわけですね。

ここで日本語と比較するのは危険かもしれませんが、日本語で経験を述べる場合にも、「・・・した、ことがある。」と言いますよね。
「した」のは「した」んだけど、「した」というと「いつしたの?」と聞き返される恐れがあるので、「した」という事実があるんだ、と言っているわけです。
いつしたのかは問題ない、したという経験だけを語りたいわけですね。

このように、過去の話は過去形でしてればいいや、というのもとりあえずはオッケーですが、ネイティブは「時期を特定しないで済むから便利」ということで、現在完了形を使っているらしいです。
日本人にとって、現在完了形は特殊な形に思えますが、ネイティブは「過去形より使いやすい」と思って使っている、というのは、私にとっては、逆転の発想に近いものがありました。

ここで「経験」について説明したところで、では「継続かつ経験」という解釈が可能かどうか考えてみます。

例えば、あり得る話として、ロスは高校生の頃からレイチェルが好きだったので、好きになってから現在までの間に、ある時は30分間彼女をずっと見ていた、とか、またある時は2時間見ていた、とか(ストーカーみたいだけど・・・笑)、そういう「継続した行為」があったとしますよね。
私が一度、「経験プラス継続もあり得るかも」と思ったのは、現在完了形が過去から現在にかけての時間の経過を示す時制で、その間に起こった、時間の幅のある行為を表すことも可能なのではないかと思ったからです。
または、現在完了形でそういうニュアンスを含めることが出来るのかも、とか・・・。

でもその過去の一定期間の行為は、「過去形」で表します。
昨日の記事に書いたように、過去の一定期間続いた行為は、I lived in Japan for 5 years. と過去形で表現するのです。
現在完了形で「継続」のニュアンスを出そうとする場合には、あくまでも「現在までの」継続になるわけですね。
ですから、現在完了形の継続の形で、「不特定の過去」の前後にまたがる継続した期間を表現することは出来ないのです。

結局、「不特定の過去」である経験は、「現在の状態を含む」継続とは、同時に起こらない概念なのです。
だから、私がちょっと考えた「継続かつ経験」という解釈は成り立たない、ということになります。
まったく同じ文章が、状況によって、ある時は継続、またある時は経験とみなされる、ということはあります。
が、継続と経験が共存することはないのです。
(と断言してますが、実はあんまり自信がない・・・笑)

以上が、”今のところの”私の結論でした。
ご意見、反論、お待ちしております。

文法用語満載の、目のチラチラする記事で申し訳ありませんでした。
(うーん、時代に逆行してる感じだ・・・笑)

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posted by Rach at 15:57| Comment(4) | 英文法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月10日

完了形、ふたたび

フレンズ2-8その8+完了形、継続か経験か の記事で、次のセリフ
ロス: And I've seen her be a little too into her looks.
における現在完了形について、じっくり考察してみました。
その記事ではいったん、「経験」だということで結論づけたのですが、その後、コメントをいただいて、私の意見も二転三転しました。
「継続かつ経験」かもしれないとか、「経験で、ちょっと継続のニュアンスが入ってる感じ?」とか、いろいろ考え直している間に、私の完了形の認識がまだあやふやだったことに気付きました。

そこで、ふたたび(!)、現在完了形について考えてみたいと思います。
またもやくどくどと説明が続き、「ハートで感じる英文法」に対抗した「理詰めで押し切る英文法」って感じになってます。(これで論理が破綻してたらどうしよう・・・笑)
「フレンズ解説にしか興味ないよー!」という方には、度々のことで本当に申し訳ありません。
が、今後、よりネイティブの感覚に近づいた解説をするためには、避けては通れない道なのですっ!(←大袈裟)
ということで、興味のない方は、フレンズ解説まで、もうしばらくお待ち下さいませ(笑)。
なお、前回の完了形の記事では「フレンズ2-8その8」とタイトルに”フレンズ”とつけていたのですが、結局、セリフの解説というよりは、文法解説になってしまったので、これ以上「その○○」が増えても困るので(笑)、今回は潔く文法がらみのタイトルにしました。(問題となったセリフからはリンクをはってこちらに来れるようにしておきます。)

まず、最初に皆様に謝りたいのは、私がある意見を聞くたびに、自分の考えがあっちへフラフラ、こっちへフラフラしてしまうことです。
やはり自分がわからなくて、間違った箇所なので、人の意見を聞くと「なるほどぉ!」と思ってしまうんですね。
それから、日本語でも日本国憲法をいろんな風に解釈できるように(笑)、英語も「聞く人によっては、違った解釈になる」というのもアリなのかもしれない、と思いたい気持ちがどこかにあるんだと思います。(そう思うと楽だから・・・笑)

ただ、「そういう解釈はあり得ない」という部分だけははっきり認識しておかないと、英語を誤解することになってしまいますよね。

で、あれから、私も現在完了形について、手元の本などをもう一度じっくり調べ直しました。
(もちろん、F.D.J.さんの現在完了形の記事 も読みましたよ!)
私の認識が甘かったのは「継続」の概念でした。
(「分類にはじまり分類に終わる学習は無意味」との指摘を受けたばかりなのですが、ここでは「継続」「経験」と分類することによる弊害には、ちょっと目をつぶって下さい・・・笑)

日本語で「継続」というと、「ずっと続いていること」という意味ですが、「現在完了形」における「継続」の期間にははっきりした決まりがあるんでしたね。
(以下の文章は、自分の考えを整理して、間違ってるところがあれば指摘していただくために書いてます・・・笑)

同じように「5年間日本に住んでいた」という文章でも、
(1)現在完了形
I have lived in Japan for 5 years.
「過去のある時点から、現在まで5年間」住んでいる。(今でも住んでいる。)
(2)過去形
I lived in Japan for 5 years.
「過去において5年間」住んでいた。(が、今はもう住んでいない。)
(3)過去完了形
I had lived in Japan for 5 years until I got married.
「結婚した過去の時点まで、5年間」住んでいた。(過去の時点での話なので、今との関連性はないから、今の状態はわからない???)
↑ここで「過去完了形」を持ち出すと、話がややこしくなるのは承知しているのですが、日本語で「継続」というと、こういうことも思い浮かべる、という意味で並べてみました。

上に挙げたような、完了形や、完了形と間違いやすい表現に関しては、週刊ST のコラム「これであなたも英文記者」の課題で何度もやっていたし、伊藤サムさんの新刊 伊藤サムのこれであなたも英文記者 にもくわしく書かれていたので、ちゃんとわかっていたつもりだったのですが・・・。

私が混乱していたのは、「継続」という日本語から、とにかく「ある期間ずっと続いていたこと」を全部「継続」だと思ってしまっていた、ということです。
現在完了形の継続はあくまで「現在まで」の継続。「現在完了形」と”現在”がついているのは、ダテじゃない!ってことですね。

だから、ロスのセリフで言うと、
I've seen her be a little too into her looks.
をもし「継続」だと解釈すると、
過去のある時点から「現在」まで、ルックスを気にするレイチェルを、文字通り「ずっと見ていた。」
ということになるのですが・・・。
やはり「現在までずっと彼女を見ていた」という解釈には無理があると思います。

そもそも、最初に私が勘違いしたのは、「ずっと彼女を見ていた」という日本語が、恋する男性のセリフとして成立するから。(これが、いわゆる「日本語に訳すことの弊害」ってヤツですね・・・)
でも、現在完了形で「ずっと見ていた」というのは、本当に物理的に「ずっと見ていた」ことを指すわけで、この日本語のニュアンスとは異なるはず。

また、動詞に注目すると、see という単語は「ものが見える、視覚に映る」という意味。
英英辞典では、see = to notice or examine someone or something, using your eyes とあります。
つまり、「目に映ったものの存在に気付いて、その対象を理解しようとすること」という感じでしょうか。
(英英辞典で調べたものを、いちいち日本語に直したら意味がないじゃないか!、というご指摘は、甘んじて受けます・・・笑)
ですから、「ずっと続く継続」の概念とは共存できない単語に思えてきました。
これが watch だと「動いているものを注意して見る」という意味なので、継続の意味も可能かと思いますが。
(2006.1.30 追記)
上に「動詞 see は継続の概念とは共存できない」と書いたのですが、それが誤りである、つまり「see は継続の概念と共存可能」と言えることがわかりました。
それに関して、以下の記事で解説しておりますので、興味のある方は覗いてみて下さい。
知覚動詞seeの完了形(その1) 
知覚動詞seeの完了形(その2)
(追記はここまで)

ということで、「継続」という解釈は不可能で、かつてそういうことがあった、という「経験」の意味として解釈すべきだ、ということになります。

明日は「経験」について説明し、その「継続」と「経験」との決定的な違いから、二つが共存することは出来ない、という話をするつもりです。

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posted by Rach at 19:55| Comment(8) | 英文法 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月09日

フレンズ2-8その9

「レイチェルとジュリーの良い点・悪い点リスト」の作成は続いています。
ロス: And Julie and I have a lot in common, because we're both paleontologists, right? (そして、ジュリーと僕は共通点がたくさんある。だって、僕らは二人とも古生物学者だからね、そうだろ?)
in common は「共通の、共通して」という意味、have a lot in common は「共通点がたくさんある」という意味です。
この表現はよく出てきますし、「共通点がある」ことは、人間同士の気が合うかどうかを判断する材料としてもよく使われますね。
最後の right? は付加疑問の代わりのようなもので、「・・・なんだ、そうだろ?」という感じ。
相手にもちょっと同意を求めている感じです。

チャンドラー: Okay, let's do Julie. What's wrong with her? (オーケー。今度はジュリーの方を作ろう。彼女の悪いところは?)
ロス: She's not Rachel. (彼女はレイチェルじゃない。)
ジュリーはロスと共通点があり、同じ古生物学者です。
きっとレイチェルほどわがままでもないし、ルックスばかり気にするような女性でもないのでしょう。(←かといってむさくるしいわけでもないですし。)
そのように理詰めで考えれば、ジュリーと別れる理由が見つからないのですが、でも、唯一の欠点とも言えるのは「レイチェルではない」ことでした。
このセリフを聞いた時、ちょっとホロリとしてしまいました。
この一言に、ずーっと彼女を思い続けてきた、ロスの気持ちや想いが込められていますものね。
結局、愛とは理屈ではないのです。好きだから好き。わがままでもなんでも、好きなものは好きなんですね。(←何を書いてるんだ、私は・・・笑)

チャンドラーが電話で怒っています。
チャンドラー: I tell you, it won't print. I pressed that button, like, 100 times. For a hotline, you're not so hot. (だから、プリンターが印刷できないんだよ。そのボタンなら、そうだな、100回は押したよ。ホットラインにしては、あなたはあんまりホットじゃないねぇ。)
「そのボタン」はきっと「リセットボタン」でしょう(笑)。(電源を一回切って、しばらくしてからもう一度入れ直して下さい・・・というのもよく言われるけどね・・・笑)
a million times(100万回)ではなく、100 times(100回)押した、というのは、チャンドラーにしては穏やかな表現ですね。
hot は「激しい、興奮する、活気に満ちた」という意味ですが、hotline という名前がついてるのに、対応してる電話口のあなたは hot ではなく、「妙に冷静、またはやる気が感じられない」と言いたいようです。
そもそも hotline とは、米ソ冷戦時代に設置された、米ソの首脳を結ぶ直通電話のことです。(ソビエトという名前も、今となっては懐かしい・・・笑)
そこから、「緊急非常用直通電話」という意味にもなり、今では「電話身の上相談サービス」という意味にも使われています。
ここでは、「機械が壊れた時などの緊急事態にかける電話」という意味で、電話の相手は、メーカーのカスタマーセンターでしょうね。

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posted by Rach at 15:53| Comment(6) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月08日

フレンズ2-8その8+完了形、継続か経験か

昨日の フレンズ2-8その7以下のように解説しました。

ロス: And I've seen her be a little too into her looks. (それから、レイチェルは自分のルックスを気にしすぎる、ってずっと思ってた。)
I've seen her は現在完了形、この場合は継続を表し、「ずっとそういう彼女を見てきた」つまり「彼女はいつもそうだった。」「僕にはずっとそう見えてた。」という意味になるようです。


すると、F.D.J. さんから、「継続では無いように思えますが」とのご指摘をいただきました。

実は、このご指摘、やっぱり来たか!という感じで(笑)、昨日は、継続の意味だと自分で判断した上で投稿したのですが、実は投稿前にかなり悩んだんです。
それで「・・・という意味になるようです。」と自信なさげに書いているんですね(笑)。
まぁ、本当のところは笑い事ではなくて、まぎらわしくないように、はっきり「継続か経験かで迷った」と書くべきでした。
裏話を言うと、実は投稿前の下書きの時点で
「継続・・・もしくは、何度もそんなところを見た、という経験の意味か? 完了形が継続か経験かのどれを表すかは、期間を表す表現などのヒントがないと、はっきり区別できないのが実状かと。」
と自分で書いているんですよ。(←そんな内輪ネタはどうでもいいんですが。)

で、ご指摘を受けたこともあり、私の解釈も間違っている気がしてきたので、ここで、改めて考え直してみます。

実は現在完了形については、今話題沸騰中(!)の「ハートで感じる英文法」で大西泰斗先生が説明された”現在完了形のイメージ”で、感覚を掴まれた方も多いと思います。
そういう意味では、タイムリーな話題(?)と言えるかもしれません。
また、現在完了は、日本語にはない概念で、常に英語学習においてのつまずきとなる部分でもあるので、ちょっとじっくり考えてみたいと思いました。

「ハートで感じる英文法」の現在完了のお話は、過去形と現在完了形との明確な差を説明することに重点が置かれていました。
それは現在完了形を日本語に訳すときに、どうしても「・・・したことがある、・・・したところだ」などと日本語の過去形の言葉が入るために、過去形と現在完了形とのはっきりした区別がつきにくく、日本人にとっては「過去形の亜種」くらいの感覚しか持てないからでしょうね。
だから、現在完了というのは、過去とも現在とも全く違う時制なのだということを理解するために、その説明を徹底されていたように思います。
具体的に先生の使われたキーワードはここではあえて出しませんが(先生の説明を直接聞かれた方が、ダイレクトにそのイメージが伝わると思うからです)、大西先生のポイントは、「過去から現在への動き、時間の流れ」だと私は感じました。

大西先生のポリシーとも思われる発言に、「丸覚えや用法や和訳は必要ない」というのがありますが、完了形でも、「完了、継続、経験などの用法に捉われるな!」と強調されていましたね。
それは、英文を理解する時に、まず「これはどの用法なのか」というところから入り、その用法だからこういう訳(「・・・したところだ」「ずっと・・・してきた」「・・・したことがある」など)を当てはめて訳す、という理解の仕方ではダメだ、ということですよね。
現在完了形の基本的なイメージがあれば、その感覚と、前後の文脈、使われる動詞などを合わせて、その意味が理解できるから、用法で分けることは必要ない、ということなんだと思います。

で、その大西先生の現在完了のイメージで、この問題のセリフを解釈すると、基本的なイメージはわかりました。
「過去から現在にかけての間で、ルックスを気にするレイチェルの姿を見た」
ということです。

とりあえず現在完了のイメージを掴むという意味では、これで良いのかもしれません。
過去に見たのとも、今見ているのとも違う、というのがわかっただけでも、かなり時制の理解は進んでいるわけですね。

大西先生の完了形の解説がこの後、どういう展開になっていくのか私は知りません。
著書を読んだわけでもないし、現在完了の基本イメージを捉えるという(恐らくは文法の導入部の)あの番組を見ただけの、超にわかファンなものですから・・・(笑)。

で、私はいつものフレンズ解説と同じように、この現在完了が実際は、具体的にどういうイメージになるのかを考えました。
基本的なイメージを発展させると、「ずっと見ていた」か、「見たことがある」かのどちらかだと思いました。(「今・・・したところだ」という完了の意味はあり得ないはずなので除外)
つまりは「継続」か「経験」か、ということですね。

ここで用法を持ち出すのは、この「ハートで感じる」時代に逆行(笑)している感もあるのですが、結局、その具体的なニュアンスは、伝統的な「完了」「継続」「経験」にある程度は分類されることになるはずです。
もちろん、二つ以上のイメージを持っている文章もあるでしょうし、厳密にきっちり区分けができるわけではないでしょうが、やはり「日本語で言うとこんな状況でのこういう感じ」とはっきり説明できるところまで理解したいわけです。

でも、このセリフには、継続か経験かを判断するためのヒントとなるフレーズがありませんよね。
つまりは以下のようなヒント。

for ten years などの期間を表す語句があれば継続のニュアンスが出る。
疑問文でeverが入っていれば「これまでに・・・したことがありますか?」と経験を尋ねる文章になる。
neverと否定文になっていると「・・・したことない」という経験がないという表現になる。
平叙文でも once(一度)、often(何度も)、three times(3回)などの回数を表す表現が入っていれば、経験だとわかる。

という、文脈上で判断できるヒントのことです。
で、このセリフにはそれがないから、わかんないなぁーと悩んだ結果、ロスが言いそうなことを考えると、「ルックスにこだわるところを(何度か、何度も、かつて)見たことがあるよ。」というより、「いつ見てもルックスにこだわってたよ。ルックスにこだわる姿をこれまでずーっと見てきたよ。」という方が、”それっぽい”と判断して、継続を選んだんですね。(こういう選び方をしたのは邪道だ、と今になって思います。)

でも、完了形の意味が「継続」か「経験」かを判断するには、使われる動詞から判断する、という方法もあったんですよね。
つまり、”「状態動詞」や「持続的な動作を表す動詞」の場合は「継続」を表す”というものです。(こう断言していいのかどうかは知りません。)
see は恐らく「持続的な動作を表す動詞ではない」ですよね。
だから、普通、seeという単語を使った現在完了形と言うと、I've never seen this before. 「こんなの今まで見たことない。」や Have you ever seen a panda? 「パンダを見たことありますか?」などの経験を表す表現になるわけです。
つまり、see という動詞と継続という概念は合わない、I've seen... で「ずっと見ていた」という意味になることはない、と言えるのかもしれない、と思えて来ました。

それからおまけですが、a little too into ですから、「気にしすぎる」というところが「ちょっとある」んですね。「ちょっと」を抜かしてました。(ちょっと、たるんどる! 昨日の私。)

だから無理やり訳すとすると、「レイチェルが自分のルックスをちょっと気にしすぎる、ってところを見たことがあるよ。」、それをもう少し日本語らしくすると「レイチェルには自分のルックスをちょっと気にしすぎるところがあるよ[あったよ]。」って感じでしょうかねぇ。
結局、私は完了形のニュアンスを何とか掴もうとして、さらにそれを訳に出そうとして、却って間違った方向に進んでしまった気がします。

ということで、長かったですが、結論は「継続ではなくて、経験を表している」ということになります。
ここまで書いて、また「これは継続でも経験でもないよ。」と誰かに指摘されたら、ひっくり返っちゃいますけどね(笑)。
長文、失礼いたしました。

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posted by Rach at 19:57| Comment(7) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月07日

フレンズ2-8その7

レイチェルかジュリーかで迷っているロスに、
チャンドラー: Let's get logical about this. We'll make a list. "Rachel and Julie: Pros and Cons." (これは論理的に考えよう。リストを作るんだ。「レイチェルとジュリー:良い点と悪い点」というリストをさ。)
logical は「論理的な」という意味。
感情面でいろいろ考えていても埒が明かないから、ここは理詰めで行こう、ということですね。
pro は「賛成(して)」、con は「反対(して)」という意味。
pros and cons だと、「賛否、賛否両論、良い点と悪い点、プラス面とマイナス面」という意味になります。
pro- と接頭語にすると、「・・・賛成の、・・・支持の」という意味になり、pro-American line は「親米路線」という意味になります。
この接頭語 pro- の反対語は con ではなく、anti- になりますのでご注意を。

新しく買ったパソコンでリストを作ろうというチャンドラーに、
ロス: Can't we use a pen? (ペンを使っちゃだめなの?)
チャンドラー: No, Amish boy. (だめだよ、アーミッシュ・ボーイ。)
アーミッシュの話は本当によく出てきますね。
フレンズ1-19その2フレンズ1-21その5 にも出てきました。
アーミッシュの人々は現代文明を否定しているので、パソコンを使いたくないと言ったロスを、チャンドラーはアーミッシュに例えています。
新しく買ったパソコンを使いたくてしょうがないんですね、チャンドラーは。
というより、他の使い道を見つけられないから、無理して使おうとしてるだけかも?

先に欠点から書き始めようというジョーイ。
ロス: And I've seen her be a little too into her looks. (それから、レイチェルは自分のルックスを気にしすぎる、ってずっと思ってた。)
I've seen her は現在完了形、この場合は継続を表し、「ずっとそういう彼女を見てきた」つまり「彼女はいつもそうだった。」「僕にはずっとそう見えてた。」という意味になるようです。
(2006.1.30 追記)
このセリフの現在完了形の解釈を上では「継続」だと書いたのですが、「経験」なのではないか、という議論になりました。
そのどちらであるか、また現在完了形についての文法的な説明を以下の記事に書きましたので、興味のある方は合わせてご覧下さいませ。
フレンズ2-8その8+完了形、継続か経験か
完了形、ふたたび
みたび、完了形-完結編
知覚動詞seeの完了形(その1) 
知覚動詞seeの完了形(その2)
(追記はここまで)

ここで現在完了形の用法として「継続」という用語を出しましたが、今話題の「ハートで感じる英文法」では、
「完了形をそうやって『経験、継続、完了、結果』などの用法で分けようとするからわからなくなるのだ、それに、そんなにきっちりと分けられるものではない」
と大西先生はおっしゃっていますよね。
実は、伊藤サムさんも、「現在完了形が表す基本概念は一つしかない」とおっしゃっています。
(サムさんの解説は、 伊藤サムのこれであなたも英文記者 に詳しく書かれています。)
ですから、本当は前後の文脈とそのイメージから、セリフの中身を判断すべきなんですが、ここでは便宜上、「継続」という言葉を使わせていただきました。
あくまで”便宜上”です。(←強調!)
「継続」と書くだけで「ずっとそうだった」というニュアンスが掴みやすくなるかも、と思っただけです。
確かに「用法にはこだわり過ぎない方が良い」と私も思っていますので、ピンと来ない方は、適当にあしらっておいて下さい(笑)。

into は「・・・の中へ」という前置詞ですが、その「中へ」というニュアンスから、「・・・に関心・興味を持って、夢中になって、入れ込んで」という意味にもなります。
この辺の感覚はわかりやすいですよね。
looks は複数形で「容貌、顔つき、ルックス」です。
女の子なら誰でもルックスは気にするものですが、ロスは逆に服装とかにはこだわらないタイプなので、余計にレイチェルのこだわりが目に付くのか?
それとも、もっと中身で勝負しろ、といいたいのか?
ロスはレイチェルに惚れているので、そんなに見かけばっかり気にしなくても可愛いのに、という意味もあるんでしょうね。

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posted by Rach at 15:56| Comment(4) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月06日

フレンズ2-8その6

会社は感謝祭をマコレートの日にして、売り上げを伸ばしたいらしい。
日本で言うと、バレンタインデーのチョコレート、土用の丑の日のうなぎみたいなものですかね。
その感謝祭向けのメニューを考えるように言われたモニカは、フィービーに相談します。
モニカ: How about Mockolate mousse? (マコレート・ムースはどう?)
フィービー: It's not very Thanksgiving-y. (それじゃあ、あんまり感謝祭って感じがしないわ。)
モニカ: How about Pilgrim Mockolate mousse? (ピルグリム・マコレート・ムースはどう?)
フィービー: What makes it Pilgrim? (どうやって「ピルグリム」にするの?)
モニカ: We'll put buckles on it. (ムースにバックルをつけるのよ。)
フィービーは「名詞に -y をつけて形容詞にする」というのをよく使います。
taste (味)が tasty (おいしい)になるようなものですね。
pilgrim は「巡礼者、旅人」という意味ですが、この場合は、Pilgrim Fathers 「ピルグリムファーザーズ」を指しています。
そもそも感謝祭とは、英国から1620年にメイフラワー号に乗ってやってきた英国清教徒団(ピルグリムファーザーズ)が、最初の収穫を神に感謝することから始まった祭りなのです。
buckle は「(ベルトの)バックル、(靴の)飾り留め金」のことですが、恐らく当時の移民たち(ピルグリムファーザーズ)の服装に、バックルのついた服か靴かがあったのでしょう。(詳しくは知りませんが)
バックルをつけることで感謝祭っぽさを出すというのは邪道のようですが(モニカはレシピを作るのが仕事なので、そんな見た目で勝負してはいけないのだ!・・・笑)、日本のケーキでも、ひなまつりケーキにはおひなさまの小さい人形が、クリスマスケーキにはサンタの人形やちっちゃいモミの木がついてますよね。
まぁ、そういうもんです(笑)。

ロスが自分ではなくてジュリーを選ぶのではと心配するレイチェル。
ジュリーが勝ち誇った様子を真似してみるレイチェルですが、
フィービー: No offense, but that sounds nothing like her. (気を悪くしないでね。でも、それって全然彼女に似てないわよ。)
No offense (to you), but... は「(あなたの)気分を害するために言うんじゃないけど、気を悪くしないで欲しいんだけど」という決まり文句です。
好きな人が誰を選ぶかという大事なこの時に、ちょっと的外れな意見を言うフィービー。
"No offense, but..."と言うから、「レイチェルのこういうところが良くない」とかの厳しい指摘があるのかと思ったら、話題の本質とは見当違いのオチを言う、その辺りがいかにもフィービーっぽいわけですね。

(今日のおまけ。「ハートで感じる英文法 会話編」見ましたよ!)
昨日(1/5)の夜11:10、大西泰斗先生の「ハートで感じる英文法 会話編」が放送されましたね。
にわかファンの私ですが、これからの会話編もとっても楽しみにしています。(具体的な感想はまた折りに触れて書くかもしれません。まずは会話編1回目、期待を裏切らないものでした!)

ところで、新聞のテレビ欄や、うちのDVDレコーダーの番組表には、「ハートで感じる英文法」というタイトルではなく、「3ヶ月トピック英会話」としか書いてないんですけど・・・。(皆さんの番組表はどうですか?)
せっかく冬休みに二度も再放送して、英語ブロガーの間でもかなりの話題になっている番組なのに、新シリーズの「ハートで感じる・・・」というタイトルを番組欄に書かないと、せっかくファンになった人が、見逃してしまうんじゃないかなぁー、と要らぬ心配をしてしまいます。
まあNHK教育は再放送するので(確か水曜日の朝と昼)、見逃しても大丈夫なのかもしれないけど。
実は私ももう少しで見逃すところでした。わはは。

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posted by Rach at 16:50| Comment(6) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月05日

フレンズ2-8その5

モニカは就職の面接を受けています。
モニカ: What does this job entail? The ad wasn't clear. (この仕事はどんなものですか? 広告でははっきり書いてなかったので。)
entail は「・・・を必然的に伴う、必要とする、(・・・に)(労力を)課する」という意味。
直訳すると、「この仕事は何を必要としていますか? どんなことを伴うんですか?」ということで、仕事の内容を尋ねる表現になります。

相手がサッと取り出したのは・・・?
ラスタター(←面接相手の名前): Mockolate. It's a synthetic chocolate substitute. (モコレート(マコレート)。合成して人工的に作った、チョコレートの代用食品だ。)
synthetic は「合成の、人工的な」という意味。
動詞は synthesize 「・・・を合成する」で、synthesizer だと「シンセサイザー(電子回路を用いて音を合成する装置)」という意味になりますね。
(2019.2.8 追記)
チョコの代用食品だという「モコレート(マコレート)」の綴りについて。
DVD英語字幕では Macholate と表記されていたのですが、最近、動画配信でこのシーンを見た際、綴りが Mockolate になっていることに気づきました。
Netflix, hulu どちらも Mockolate と表記されており、また、ラスタターさんが見せているパッケージの文字を見ると確かに Mockolate と書かれています。
パッケージが Mockolate であるなら、脚本上は Mockolate が正しいと考えられますので、ブログ記事の表記も Mockolate に変更しました。

Mockolate という表記を見て気づいたのですが、これは mock という単語を使ったダジャレ的なネーミングになっていると思われます。
mock には動詞「まねてばかにする」、形容詞「にせの、まがいものの」という意味があるので、チョコレートの最初の部分を「にせ」に置き換えた「にせコレート」的なネーミングになっているという面白さになるようです。
英語の発音では chocolate が「チャカレット」、Mockolate が「マカレット」に近い感じで、音の違いは語頭の ch- と m- だけになります。
カタカナで書く場合には「チョコレート」に対して「モコレート」になるというところですね。
DVD日本語訳が「マコレート」となっていて、そのネーミングに馴染んだ方も多いかと思うので、これ以降の和訳はブログ記事投稿時の「マコレート」のままで残しました。
(追記はここまで)

ラスタター: We should be getting our FDA approval any day now. Hopefully, in time for Thanksgiving. (我々は、今すぐにでも、米国食品医薬品局の承認をもらいたいところなんだ。できれば、感謝祭に間に合うように。)
FDA は、Food and Drug Administration の略で、「米国(アメリカ)食品医薬品局」のことです。
食品、医薬品の検査、認可を行う政府機関です。
よくニュースにも出てくる名前ですね。
最近では、インフルエンザ治療薬「タミフル」の服用によって日本人の子供12人が死亡したとされる報告を発表、さらにその問題を調査し、薬の服用と死亡との因果関係を示す証拠はない、という結論を出した、などの一連のニュースに名前が登場していました。

ところで、このラスタターさんがするしぐさに注目。
中指を曲げて人差し指の上に重ねていますよね。
これは「指で十字架を作って成功を祈る」という、おまじないのしぐさです。

飲み込むのもつらいほど、まずい食品だったのですが、なんとか就職先を見つけたいモニカはお世辞を言います。
モニカ: Especially that aftertaste, I tell you that'll last you till Christmas. (特にあと味が[気に入りました]。このあと味ならクリスマスまで残りそうですね。)
aftertaste は「あと口、あと味」。(そのまんま、ですね・・・笑)
last は自動詞で「続く、持続する」という意味ですが、ここでは目的語に you を取って、他動詞として使われています。(ちなみに、この you は相手のラスタターさんを指しているのではなく、一般の人を指していると思います。)
他動詞の意味は「(人に)(ある期間)もつ、間に合う」という感じ。(←ちょっと訳しにくいんですが・・・)
例えば、「この食糧があれば私は3日持ちこたえることが出来るだろう」なら、"These groceries will last me for three days." という文章になるわけです。
だから、無理に直訳すると、「このあと味が、クリスマスまで人を持ちこたえさせてくれそうだ」という感じなのですが、空腹の時の貴重な食糧と違って、嬉しくないものなので、「あと味が残る」という方がピッタリ来るでしょうね。
感謝祭は11月の第4木曜日。
まだ感謝祭には時間があるわけですが、このマコレートのあと味は、今食べても年末近くまで残りそうだとのこと(笑)。
かなり、しつこい、というか、強烈な味なんですねぇ。

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posted by Rach at 15:01| Comment(2) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月04日

フレンズ2-8その4

気まずい雰囲気を何とかしようと、ロスはフィービーに歌ってもらうことにするのですが・・・。
フィービー: This is a song about a love triangle between three people I made up. (これは三角関係の歌なの。そこに出てくる三人は私が想像で作った人たちよ。)
love triangle は「三角関係」。英語では「愛の三角形」って言うんですね(笑)。
make up は「(物語を)作る、でっちあげる」という意味。
ここでも、フレンズ2-8その2 で関係代名詞について語ったように、「私の作り上げた(ところの)三人の人間に関する三角関係の歌よ。」と訳すのではなく、「三角関係の歌で、その三人っていうのは、私が made up したの。」と付け足しみたいに言う方が、フィービーの言ったセリフのニュアンスがよく出るわけです。
実際、英語ではその順番に言っているので、観客が「三角関係」ってそのままじゃん、と笑うのを、「それはフィクションです」とフィービーが付け加えることで実話ではないと誤魔化せたと(少なくともフィービーだけは)思っている、のが面白いわけですね。
私が作り上げた、とわざわざ言っているところが、却って怪しさをかもし出してるのですけどね(笑)。
「ねえねえ、私の友達のことなんだけどさぁ。」とわざわざ断る場合は、だいたい本人のことだったりする、というのと同じでしょうか。

さらにその歌のタイトルが・・・。
フィービー: It's called "Two of Them Kissed Last Night." (これは、「三人のうちの二人が昨日の晩、キスをした。」という歌よ。)
be called は「・・・と呼ばれている、・・・という名前である」という意味。
げっ、そのままじゃん(笑)。それもご丁寧に last night と限定してるし・・・。

歌の中でも、「彼女はベティーと呼ぼう、彼はニールと呼ぼう」と仮名(かめい)のオンパレード。
でも、歌詞は辛辣で、「cast aside するのはどちらか決めないといけない」と言っています。
cast は「投げる」という意味で、cast aside は「投げ捨てる、放棄する、(人を)見捨てる」という意味。
cast away だと、「(孤島などに)置き去りにする、(船を)漂流させる、難破させる」という意味です。
Cast Away という、トム・ハンクス、ヘレン・ハント主演の映画がありましたね。
これは飛行機事故で島に孤立するというストーリーでした。

「彼は決めないといけない」と連呼するフィービー。
ロスには悪夢のライブだったに違いない。もちろんレイチェルにも。
まあ、宙ぶらりんはいけないけど、ここまで責められちゃあねぇ・・・(笑)。
ちょっとロスに同情しちゃいます。
歌で気持ちを伝える、というのは方法のひとつだけど、フィービーは歌だとこんなに大胆になれるんですね(笑)。

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posted by Rach at 15:17| Comment(3) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月03日

フレンズ2-8その3

レイチェル登場。
見つめ合うロスとレイチェルですが、そこにジュリーもやってきます。
ジョーイ: Julie, I didn't know you wore lenses. (ジュリー、君がコンタクトつけてるって知らなかったよ。)
wear は「身につけている」という意味。
日本語では「服を着ている」「靴を履いている」「指輪をはめている」「眼鏡をかけている」などそれぞれ動詞が異なりますが、英語は身につけている”状態”を表すのは全て wear となります。
「香水をつけている」「化粧をしている」もwearです。
また「服を着る」「靴履く」という「身につける”動作”」を表すのはすべて put on です。
かのマリリン・モンローが、ベッドで裸で寝ているのではないか?という噂があった時のインタビューで、
"What do I wear in bed? Why, Chanel No.5, of course." (私がベッドで何を[身に]つけているか、ですって? シャネルの5番よ。)
と答えたエピソードは有名ですね。
この答えが有名なのは、インタビューではどんな服を着ているのか(wear)を尋ねているのに、つけている(wear)のは服ではなくて、香水だ、と答えた、というところです。
英語では服も香水も wear という動詞を使いますので、これが自然に聞こえるのです。
日本語に訳すと、「身につけている」になるでしょうが、日本語では「服を着ている」が普通の表現で、「服を身につけている」だとちょっと不自然に聞こえるので、このセリフを日本語にしてしまうと、英語ほどさらりとは聞こえないでしょうね。
そして、wear しているのは「香水」だったので、噂どおり、服を着ないで裸で寝ていることも示唆しているわけです。
このモンローのセリフは、ギャグやジョークではなく、しゃれでもなく、「ウイットに富んだ答え」という表現が一番当たってるでしょうね。
興味津々のマスコミを軽く煙に巻く見事なセリフと言えるでしょう。

コンタクトレンズ(contact lens)のことを、日本語ではコンタクトと言いますが、英語で省略する場合は上のジョーイのセリフのように、レンズ(片方なら lens、両目なら lenses)と言います。
「目に接触しているレンズ」だから、コンタクトレンズなわけで、それをコンタクト(接触)と言ってしまっては、本質を表していないわけですが、日本人は何かを省略する場合は言葉の前だけを取って短くする傾向があるので、こうなってしまったんですね。
(2018.3.4 追記)
コンタクトレンズのことを英語では lens と言う、と上で説明しましたが、英語でも日本語のように contact と表現することもできるようです。
ロングマンやマクミランなどの英英辞典では、lens だけではなく、contact の方も、contact : a contact lens と説明されていました。
フレンズではもっぱら lens と表現されているのですが、contact でも間違いとは言えない、ということになるかと思いますので、ここに謹んで訂正いたします。
(追記はここまで)

外国から言葉を輸入する場合は、もしカタカナで外来語として表現するのなら、実際に英語で使われている言葉をそのまま使えばいいのになぁーと思うのですが。
カタカナで書いてあると、英語でもそのまま通じると思いがちなのに、実際は和製英語だったというのが、かなりありますからね。
これだけ国際化が進むと、そんな日本でしか通じない妙な英語もどきの単語を覚えても無意味かと。
数が少ないと、「これは和製英語で本当は・・・と言います」というのが却って印象深くて忘れないんですが、あまりにも和製英語が多すぎると思いませんか?
外から入ってきたものを自分流にアレンジするのが上手な日本人なので(漢字からひらがな、カタカナを生み出した、とか)、そうやっていろんな言葉をアレンジした結果なのでしょう。
が、安易に和製英語を作って、和製英語だと知らずに使った日本人が困ったり恥をかいたりしたならば、罪作りなことをしたとも言えるのではないかな、と思ったりします。

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posted by Rach at 15:53| Comment(6) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月02日

フレンズ2-8その2

昨日はレイチェルとキスしたというのに、何だか浮かない顔のロス。
モニカ: Wait a minute. I thought last night was great. (ちょっと待ってよ。昨日の夜は最高だったんでしょ?)
ロス: Yeah, it was. But I get home and I see Julie's saline solution on my night table and I think, "My God! What am I doing?" (あぁ、確かに最高だった。でも家に帰って、ナイトテーブルに置いてあるジュリーのコンタクトの洗浄液を見たら、こう思ったんだ。「あぁ、おれは何をやってるんだ。」ってね。)
Here I am with Julie, this incredible, great woman, who I care about and who cares about me, and I'm just throwing all that away? (僕は今ジュリーといるんだ。こんなにものすごく素敵な女性と。僕がとても大事に思っていて、彼女も僕を大事に思ってくれてる。そして、僕はそれを全部捨ててしまおうとしているのか?)
ジョーイ: You got all that from saline solution? (それ全部が、コンタクトの洗浄液からの発想なのか?)
saline は「塩分を含んだ」という意味。
solution は「解答、解決法」という意味もありますが、「溶液」という意味もあるので、saline solution は「食塩水、食塩溶液」ということです。
ここではコンタクトレンズの洗浄保存液を指しているようですね。(→後に出てくるジョーイのセリフで、コンタクト関係だということがわかるので)
care about は「・・・を気に掛ける、大事に思う」という意味。
throw away は「投げ捨てる」ということです。
Here I am... 以下のロスのセリフは長いですが、関係代名詞を使った英語らしい表現になっていますね。
まず、Julie = this incredible, great woman で、これは同格を表します。
ジュリー、と言った後、彼女が素敵な女性であると同時に説明しているのです。
そして、その女性について関係代名詞 who で続けて、who I care about 「僕が(その人を)大事に思っている」、who cares about me 「(その人が)僕を大事に思ってくれている」と説明を続けています。
このように、英語は最初に「僕はジュリーといるんだ。」と言っておいてから、「そのジュリーとは・・・」と説明を付け足す形で文章がどんどん長くなるのです。
セリフをリスニングする場合は、短い文章の切れ目を意識していると、どんなに長い文章でも聞き取れるようになります。
日本語にはない概念の関係代名詞を訳す場合、「・・・するところの」と後から訳し上げる方法を昔、学校で習いましたが(今はそんなことは教えてないかもしれませんけど・・・)、英語をしゃべる人が考えている思考の流れどおり訳さないと早さについていけないし、やはり発した言葉の順番を変えてしまっては、ニュアンスが変わってしまうわけです。
それにしても、ジョーイは妙なところに感心していますね。
確かにジョーイなら、コンタクトの洗浄液からそこまで考えが膨らむことはないでしょうが(笑)。

ロス: I've been dreaming about me and Rachel for 10 years. (僕は10年間も、僕とレイチェルがうまく行くことをずっと夢見ていたのに。)
have been dreaming は継続を表す現在完了進行形です。
10年間ずーっと夢見てきた、というロスの思いが表現されていますね。

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posted by Rach at 13:58| Comment(8) | フレンズ シーズン2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする