最初にお断りしておきますが、今日の記事は、今現在、私が正しいと思っていることを書いただけです。
また、コメントをいただいて考えが変わることもあるでしょうし、今後、英語学習を進めていくうちに気付くこともあるでしょう。
ですから、あくまで一英語学習者の意見として聞いて下さい。
また、お気づきの点などありましたら、ご指摘下さいませ。
今日の記事で、ひとまず完了形は終わりにしたいと思いますので、これ以降の議論は、コメント欄で進めていきたいと思います。
興味のある方はコメント欄もチェックして下さいね。
昨日は、現在完了形の「継続」について書きました。
今日は、現在完了形の「経験」について説明します。
この「経験」は、実は、過去の一種です。
普通の過去形の表現と同じように明らかに過去に起こったことでも、その起こった「時期」を「特定したくない場合、する必要がない」場合に、現在完了形を使うのです。
この「特定しない過去」のことを、F.D.J.さんは「不特定の過去」と表現されています。(「いついつだと特定しない、とある時点の過去」ということですね。)
F.D.J.さんの現在完了形の記事 から以下の文章を引用させていただきます。
ネイティブ・イングリッシュ・スピーカー達は「過去形」と「現在完了形」の使い分けに際しいちいち文全体を考えているわけではありません。「いつのことか」、またそれが重要なことなのか、そして現在への影響はどうであるのか、という事から使い分けを無意識におこなっているわけです。
つまり、F.D.J.さんは、”「いつのことか」が重要かどうかにポイントがある”ことにちゃんと気付かれている、というか、ご存知なんですねぇ。
・・・と私が感心しているのは、実は私がこの考え方を知ったのは、結構最近の話なんですよ(笑)。(単に勉強不足だったという話も・・・)
デビッド・バーカーさんが書かれた「会話に生かせる英文法」という週刊STのコラム(2005年5月13日の記事)で、このことについて書かれていたのを読んで、「えっ?そうなの?」と驚いた記憶があります。
「明確に過去を表す語句は、現在完了形の文では使えない」というのは、文法書で必ず出てくる話です。
そしてその逆を考えると、「明確に過去を表す語句を使いたくない場合は、現在完了形を使う」ということになるわけですね。
日本人の認識では、とりあえず過去に起こったことは過去形で表せば良いと思うのですが、ただ、I went to Tokyo. と言っただけでは、逆にとても不自然で中途半端だとネイティブは感じるようです。
「それって、いつよ?」といつのことか聞き返したくなる感じです。
本人の体験談として過去形が出てくると、それは、話者がこれまで生きてきた期間すべて(生まれ落ちてから現在まで)の期間のどこかの時点での話ということになります。
あまりに幅が広すぎて、特定しないと、昨日の話か、一ヶ月前の話か、子供の頃の話かわかりませんから、過去形を使う場合には、時期を明確にする語句を使うのですね。
そして、「いつであるかが問題ではない」、「過去にそういうことがあった、という事実だけを述べて、時期については述べたくない、述べる必要もない」場合には、現在完了形を使えば良いのです。
そうすると、「これまでの人生の間で」そういう「経験」をした、という経験を述べる現在完了形になるのですね。
現在完了形というのは、過去から現在にかけての時間の経過と共にある時制ですが、この「経験」では、その過去から現在にかけての期間の中で、「どこかの”とある”1点」における話ができるわけです。
具体的にいつの話だと述べなくても、聞いた人は、「この人の人生のとある時点での話だな。」とわかるわけですね。
ここで日本語と比較するのは危険かもしれませんが、日本語で経験を述べる場合にも、「・・・した、ことがある。」と言いますよね。
「した」のは「した」んだけど、「した」というと「いつしたの?」と聞き返される恐れがあるので、「した」という事実があるんだ、と言っているわけです。
いつしたのかは問題ない、したという経験だけを語りたいわけですね。
このように、過去の話は過去形でしてればいいや、というのもとりあえずはオッケーですが、ネイティブは「時期を特定しないで済むから便利」ということで、現在完了形を使っているらしいです。
日本人にとって、現在完了形は特殊な形に思えますが、ネイティブは「過去形より使いやすい」と思って使っている、というのは、私にとっては、逆転の発想に近いものがありました。
ここで「経験」について説明したところで、では「継続かつ経験」という解釈が可能かどうか考えてみます。
例えば、あり得る話として、ロスは高校生の頃からレイチェルが好きだったので、好きになってから現在までの間に、ある時は30分間彼女をずっと見ていた、とか、またある時は2時間見ていた、とか(ストーカーみたいだけど・・・笑)、そういう「継続した行為」があったとしますよね。
私が一度、「経験プラス継続もあり得るかも」と思ったのは、現在完了形が過去から現在にかけての時間の経過を示す時制で、その間に起こった、時間の幅のある行為を表すことも可能なのではないかと思ったからです。
または、現在完了形でそういうニュアンスを含めることが出来るのかも、とか・・・。
でもその過去の一定期間の行為は、「過去形」で表します。
昨日の記事に書いたように、過去の一定期間続いた行為は、I lived in Japan for 5 years. と過去形で表現するのです。
現在完了形で「継続」のニュアンスを出そうとする場合には、あくまでも「現在までの」継続になるわけですね。
ですから、現在完了形の継続の形で、「不特定の過去」の前後にまたがる継続した期間を表現することは出来ないのです。
結局、「不特定の過去」である経験は、「現在の状態を含む」継続とは、同時に起こらない概念なのです。
だから、私がちょっと考えた「継続かつ経験」という解釈は成り立たない、ということになります。
まったく同じ文章が、状況によって、ある時は継続、またある時は経験とみなされる、ということはあります。
が、継続と経験が共存することはないのです。
(と断言してますが、実はあんまり自信がない・・・笑)
以上が、”今のところの”私の結論でした。
ご意見、反論、お待ちしております。
文法用語満載の、目のチラチラする記事で申し訳ありませんでした。
(うーん、時代に逆行してる感じだ・・・笑)
(Rachからのお願い)
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