昨日に引き続き、フレンズ1-18 に関するご質問から記事にしました。
(質問)サーモン・ルーレットって何?
モニカ: Alright, here we go. We've got salmon roulettes and assorted crudites. (さぁ、どうぞ。サーモン・ルーレットと、生野菜の盛り合わせよ。)
ジョーイ: Whoa, whoa, whoa, Monica, what're you doin'? This is a poker game. You can't serve food with more than one syllable. It's gotta be like chips or dip or pretz-- (おいおいおい、モニカ。何やってんだよ。これはポーカーゲームだぞ。1音節より多い食べ物は出しちゃいけないんだ。オッケーなのは、チップスとかディップとかプレッツ…。)
このサーモン・ルーレット(salmon roulettes)というのは、一体どんな料理なんでしょうねぇ、というご質問です。
サーモン・ルーレットって多分こんな感じの料理だよねぇ…というのは後で触れますが、その次のジョーイのセリフもちょっと面白いと思ったので、解説してみたいと思います。
more than... は「…より多い、…より大きい、…を越える、…より上」という意味なので、…に当たる部分は含まれないことになります。
日本語の「〜以上」は「〜」を含みますから、more than は「以上」と訳してはいけないわけです。
日本語には「…より下」を表す「未満」という言葉はあるのに、どうしてその逆の「…より上」を表す単語がないんでしょうねぇ。
「友達以上、恋人未満」という言葉がありますが、これは限りなく恋人に近いけれど、恋人ではない、というのをうまく表している気がしますよね。
「これは○○だ。それ以上でも、それ以下でもない。」というフレーズをたまに聞きますが、「以上」や「以下」が「それを含めて」という意味であるとすると、「それ以上でもそれ以下でもない」というのは、結局「それそのものでもない」ということになってしまい、変な気がするけど…(って、どうでもいい話…)。
とにかく、more than one syllable は「音節・シラブルが1個より上」ということなので、すなわち「2個以上の音節」を持つ食べ物はダメだ、と言っているわけです。
音節は母音とその前後の子音のまとまりを一つと数えます。
辞書では単語の見出しによく「・」で区切って書いてありますよね。
ですから、chips と dip は確かに1音節なのですが、次にジョーイが言おうとしたのは、pretzel で、でも pretzle は pret・zel で2音節なのです。
自分で1音節のものじゃなきゃ…と言ってしまったので、pretz で止まった、あるいは1音節で強引に止めたわけですね。
ジョーイはとにかく名前も簡単でカードゲームをしながら片手で食べられるような簡単なもの、という意味で音節の話を出したのでしょうが、自滅してしまった感じかな(笑)。
そういう簡単なものが似つかわしいポーカーに、おしゃれで凝っていて、恐らく片手では食べにくくて名前も長いオードブル、ということで、サーモン・ルーレットの名前を出したってことなんでしょうね。
ネットで検索すると、メニュー(献立)がいくつかヒットしました。
Greek Taverna KONAKI Chiristmas Dinner Menu
のメニューには、以下のように書いてあります。
SMOKED SALMON ROULETTE
Prawns in rosemarie sauce wrapped with smoked salmon
つまり、
スモーク・サーモン・ルーレット
ローズマリーソース漬けのクルマエビをスモーク・サーモンで巻いて包んだもの
Menu - The New York Grill
これは、ニューヨーク・グリルというお店のメニューのようです。
SEAFOOD の項目に、サーモン・ルーレットが載っています。
引用すると、
SALMON ROULETTE
Baked salmon roulette stuffed with snow crab, spinach and feta cheese, served with rice & vegetables.
つまり、
サーモン・ルーレット
ズワイガニ、ほうれん草、フェタ・チーズを詰めて焼いたサーモン・ルーレット、ライス・野菜添え
ということで、説明に「サーモン・ルーレット」と書いてあるので、ルーレットの説明にはなっていませんが(笑)、何となく雰囲気はわかりますよね。
他にも、Pork Roulette や Chicken Breast Roulette などもあるようです。
The Foody UK & IRELAND: Beef Roulette Recipe に、ビーフ・ルーレットのレシピ(調理法)が書いてあります。
Spread the mixture over the beef.
Roll up the beef firmly and tie with soft twine, ...
「(ハムや卵を)混ぜたものをビーフに塗る。ビーフを堅く巻いて、柔らかい麻糸で結ぶ…(以下略)」
つまりルーレットというのは、横から見たらあのゲームに使うルーレットみたいに見えるように、くるくる巻いたもの、ということなんでしょうね。
このシーンのサーモン・ルーレットがどういうものかよくわかりませんが、中に何かを詰めてくるくる巻いたサーモンのオードブルで、盛り合わせた生野菜の上にそのサーモンが乗っかっている、という感じなのかなぁ? 画面ではよく見えないですね。
サーモン・ルーレットが、上に挙げたような料理だとすると、とても手づかみで食べられそうなものではないし、食べると中身がベチョッと出てきて、手が汚れそうな気もします(笑)。
そんな手づかみで簡単に食べられないようなものを出すなよ、ということなのでしょう、きっと。
料理は「グーグルのイメージ検索」を使うと、あっさりその写真が見つかることが多いのですが、今回は、「なんちゃらルーレット」という名前の料理の写真を見つけることができませんでした。
写真を見れば一目瞭然なんですけどねぇ…(笑)。
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2006年12月21日
2006年12月20日
フレンズ1-18その8 ご質問2
先日の、フレンズ1-18その7 ご質問1+Tridentの話 に引き続き、フレンズ1-18 に関するご質問からヒントを得て、また別の記事を書いてみました。
(いただいたご質問は、フレンズ2-23その20 のコメント欄 にあります。)
記事にするのは、Trident の話だけにしようと思っていたのですが、調べているうちに深みにハマってしまったので(笑)、いっそのこと記事にしたら何日分か稼げるしね…というのが本音なんですが。(もうすぐ冬休み、年末年始でバタバタするのが目に見えていますのでねぇ…笑)
でも、真面目な理由もあるんですよ。
以前にも、いただいたご質問から記事にしたことが何度かあります。
それはコメント欄よりも本文記事の方が記事を書きやすい、というのがまず一つ目の理由として挙げられます。
リンクもはりやすいし(何故か最近コメント欄では、ウィキペディアへのリンクがはれない)、辞書や文法書から引用する場合に、引用箇所の文字色を変えることができる…とかで、より見やすいものができるからです。
それから、質問をいただいた部分で私が記事にしようと思う部分は、私が過去の解説で飛ばしている箇所です。
過去の解説で飛ばしているのは、ほぼ間違いなく、当時の私には意味がわからなかった、もしくはうまく説明できないと思った部分なんですよね。
それを今の私が改めて解説しようとするとどうなるか、に挑戦してみたいなぁ、と。
質問された方と私以外にも、その部分がよくわからなかった、という方はきっとおられると思いますので、その方たちに読んでいただくことも想定して書いています。
なお、今も、そしてこれからも、ですが、質問者の方(かた)が必要以上に恐縮される必要はありません。
コメント欄での返事もそうなのですが、いつも私のコメントのレスが長いのは、質問した方に返事を書いている、というよりは、私自身が頭を整理するために書いているところがあります。
その時、思ったことや感じたこと、調べたことを全部ノートに書いておく、という感じかな。
後でそれが役立つことも度々ありますしね。
「フレンズを解説するブログだ」と謳(うた)っている以上、過去に説明漏れしているところは、できるだけ埋めていきたいと思いますし、わからないなりに、今の私に出来る限りの仮説を立てることも、それなりの意味があると思うんですよね。
ここで記事にしておくと、また何年後かにでも読者の方が有益なご意見を下さる、もしくは成長した私自身が(笑)また別の解釈を思いつくかもしれないし…。
ということで、このような記事を書いたことについて、ご理解いただけるとありがたいと思います。
こんな風に過去のエピソードを再度説明するチャンスが巡ってくることは、私としてはとても嬉しいことですし、「あぁ、そんなシーン、あった、あった!」と覚えておられる読者の方々に、私なりの見解を読んでいただけるだけで幸せなのです。
(長い前振りでした…)
質問への回答は、思いついた順に書いているので、ストーリーの流れには合っていませんが、何卒ご了承下さい。
(質問)ポピュラー・メカニックスって何?
フレンズたちは、レイチェルの履歴書を送る手伝いをしています。
履歴書の宛先を見て、
モニカ: Do you really want a job with Popular Mechanics? (レイチェルは本当にポピュラー・メカニックスでの仕事をやりたいの?)
チャンドラー: Well, if you're gonna work for mechanics, those are the ones to work for. (もしメカニックス(メカニック)関係の職場で働くつもりなら、それが一番適した職場だよ。)
この「ポピュラー・メカニックス」とは何でしょう?というご質問です。
Popular Mechanics は単語が大文字で始まっていることから、固有名詞であることがわかりす。
またDVD字幕ではイタリック体で書いてあります。
映画のタイトルや本の題名はそのようにイタリック体で書かれることが多いですね。
ということで、固有名詞であると想像した上で、グーグルで検索してみると、雑誌の名前であることがわかりました。
Popular Mechanics 公式ホームページ
このサイトの下の方に、その雑誌の写真が載っていますね。
また、日本でも購入できるようです。
紀伊國屋書店BookWeb: Popular Mechanics
上のサイトでは、日本語で解説が書いてあるのでわかりやすいですね。
Wikipedia 英語版: Popular Mechanics の解説をざっと訳すと、
「科学や技術をテーマにしたアメリカの雑誌。車、アウトドア、科学、技術に関する定期記事を扱う。」
レイチェルはどう考えてもメカに強そうでもないし、また興味がありそうでもない(笑)。
それなのにそんなメカ好きの人が買うような雑誌の会社(ポピュラー・メカニックスを発行している雑誌社、その雑誌の編集部?)に応募しようとしているから、モニカは驚いているんですね。
それに対するチャンドラーの返事ですが、2通りに解釈しました。
1つ目は、メカに興味がないレイチェルをからかって、「”メカ好きのレイチェル”なら、お似合いの会社だよな。」と言っている。
2つ目は、「メカニックス」という名前がついているとは言え、実際の仕事は雑誌の編集などの雑誌業界としての仕事になるから、メカニック好きの人にとっては憧れの職場だとは言えない、というのを逆説的に表現している。
2つ目の場合ですが、確かに一日中機械いじりをする仕事ではないけれど、取材でいろんな最新のメカに触ったり、新しい情報をいち早く知ったりできるでしょうから、メカ好きの人に相応しくない、とも言い切れないですよね。
だから、やっぱり1つ目の解釈が正しくて、びっくりしているモニカに、「何もおかしなことはないよ、そこに応募してるくらいならレイチェルはメカ好きなんだろうし、メカ好きにはたまらなく魅力的な会社だよ。」と言っているのかなぁ、と。
DVDの日本語吹替(ふきかえ)では、
「ポピュラー修理工場なんてとこにも出すの?」
「修理工場で働くなら、ポピュラーなところがいいさ。」
というやり取りになっていました。
これは、雑誌の固有名詞を出しても日本人にはわからないから、雑誌のジョークであることは訳出(やくしゅつ)せずに、ポピュラーという日本語から来るイメージのジョークに置き換えたのでしょうね。
ここで誤解のないように書いておきたいのですが…。
そんな風に、日本語では全然違うものに置き換わっている部分を見た時に、「誤訳だ、意訳しすぎだ」と批判する人がたまにおられるようですが、私はそんな風には思いません。
ちょうど1年ほど前に「日本語字幕の限界?」という記事を書いたのですが、そこにも書いたように、「DVDの日本語字幕・音声(吹替)は英語学習者のためのものではない!」のです。
翻訳をされている方は、まずはコメディとして成り立つことを真っ先に考えないといけないので、そのポピュラー・メカニックスが雑誌であるかどうかをここで説明しても、却って説明が長くなるだけですから、あえてそれを雑誌であるとは言わなかった「だけ」のことだと思います。
これをどうしても雑誌名だと言いたい場合はどうすればいいか?
「ポピュラー・メカニックスという雑誌(の仕事)」というだけでは、ちょっとつらい気もします。
「アイ・ラブ・メカニックスという(名前の)雑誌」みたいに、メカ好きの人が読む雑誌であることがわかるような名前に変えないと日本人にはピンと来ないと思いますし、でもそんな風に勝手に名前を変えてしまっては、あまり意味もないですしねぇ。
映画やドラマの翻訳をされた方は、こんな風に「字幕や吹替」と「オリジナルの英語」との違いが話題になるたびに、「私は、英語学習者向けに訳したわけじゃないですし…」と訴えたいだろうなぁ、と思ってしまうのですが(笑)。
私は、そういう「日本語には訳しにくい」部分をこのブログで解説しているのですが、決して、字幕や吹替の日本語訳が全然違っていることを批判しているわけではないんですよ!(そんな風には絶対に思わないで下さいね。)
日本語に訳すのがどれだけ大変かは、誰よりも(←言いすぎ…笑)わかっているつもりですからね。
それくらい、短い言葉でそっくりそのままの意味に訳すのは難しい、言葉を理解するには、文化的背景などの知識が不可欠だ、ということですね。
私のオススメするDVD学習法は、字幕や吹替をヒントにニュアンスを掴む、というものですが、それがヒントになるものか、あるいは全くの意訳なので参考にはならないか、を判断する必要が出てきますね。(中には一見意訳のように見えて、そこにうまく英語のセリフのニュアンスが入っている、というのもあったりして、翻訳者のセンスを感じることもよくあります。)
そういう判断は、結構難しいことなのかもしれませんが、ずっと同じドラマを見ていると、だんだんそういうところもわかってくるような気もします。
(何だか、日本語字幕・吹替の話になってしまいましたが…笑)
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それから、質問をいただいた部分で私が記事にしようと思う部分は、私が過去の解説で飛ばしている箇所です。
過去の解説で飛ばしているのは、ほぼ間違いなく、当時の私には意味がわからなかった、もしくはうまく説明できないと思った部分なんですよね。
それを今の私が改めて解説しようとするとどうなるか、に挑戦してみたいなぁ、と。
質問された方と私以外にも、その部分がよくわからなかった、という方はきっとおられると思いますので、その方たちに読んでいただくことも想定して書いています。
なお、今も、そしてこれからも、ですが、質問者の方(かた)が必要以上に恐縮される必要はありません。
コメント欄での返事もそうなのですが、いつも私のコメントのレスが長いのは、質問した方に返事を書いている、というよりは、私自身が頭を整理するために書いているところがあります。
その時、思ったことや感じたこと、調べたことを全部ノートに書いておく、という感じかな。
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「フレンズを解説するブログだ」と謳(うた)っている以上、過去に説明漏れしているところは、できるだけ埋めていきたいと思いますし、わからないなりに、今の私に出来る限りの仮説を立てることも、それなりの意味があると思うんですよね。
ここで記事にしておくと、また何年後かにでも読者の方が有益なご意見を下さる、もしくは成長した私自身が(笑)また別の解釈を思いつくかもしれないし…。
ということで、このような記事を書いたことについて、ご理解いただけるとありがたいと思います。
こんな風に過去のエピソードを再度説明するチャンスが巡ってくることは、私としてはとても嬉しいことですし、「あぁ、そんなシーン、あった、あった!」と覚えておられる読者の方々に、私なりの見解を読んでいただけるだけで幸せなのです。
(長い前振りでした…)
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(質問)ポピュラー・メカニックスって何?
フレンズたちは、レイチェルの履歴書を送る手伝いをしています。
履歴書の宛先を見て、
モニカ: Do you really want a job with Popular Mechanics? (レイチェルは本当にポピュラー・メカニックスでの仕事をやりたいの?)
チャンドラー: Well, if you're gonna work for mechanics, those are the ones to work for. (もしメカニックス(メカニック)関係の職場で働くつもりなら、それが一番適した職場だよ。)
この「ポピュラー・メカニックス」とは何でしょう?というご質問です。
Popular Mechanics は単語が大文字で始まっていることから、固有名詞であることがわかりす。
またDVD字幕ではイタリック体で書いてあります。
映画のタイトルや本の題名はそのようにイタリック体で書かれることが多いですね。
ということで、固有名詞であると想像した上で、グーグルで検索してみると、雑誌の名前であることがわかりました。
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また、日本でも購入できるようです。
紀伊國屋書店BookWeb: Popular Mechanics
上のサイトでは、日本語で解説が書いてあるのでわかりやすいですね。
Wikipedia 英語版: Popular Mechanics の解説をざっと訳すと、
「科学や技術をテーマにしたアメリカの雑誌。車、アウトドア、科学、技術に関する定期記事を扱う。」
レイチェルはどう考えてもメカに強そうでもないし、また興味がありそうでもない(笑)。
それなのにそんなメカ好きの人が買うような雑誌の会社(ポピュラー・メカニックスを発行している雑誌社、その雑誌の編集部?)に応募しようとしているから、モニカは驚いているんですね。
それに対するチャンドラーの返事ですが、2通りに解釈しました。
1つ目は、メカに興味がないレイチェルをからかって、「”メカ好きのレイチェル”なら、お似合いの会社だよな。」と言っている。
2つ目は、「メカニックス」という名前がついているとは言え、実際の仕事は雑誌の編集などの雑誌業界としての仕事になるから、メカニック好きの人にとっては憧れの職場だとは言えない、というのを逆説的に表現している。
2つ目の場合ですが、確かに一日中機械いじりをする仕事ではないけれど、取材でいろんな最新のメカに触ったり、新しい情報をいち早く知ったりできるでしょうから、メカ好きの人に相応しくない、とも言い切れないですよね。
だから、やっぱり1つ目の解釈が正しくて、びっくりしているモニカに、「何もおかしなことはないよ、そこに応募してるくらいならレイチェルはメカ好きなんだろうし、メカ好きにはたまらなく魅力的な会社だよ。」と言っているのかなぁ、と。
DVDの日本語吹替(ふきかえ)では、
「ポピュラー修理工場なんてとこにも出すの?」
「修理工場で働くなら、ポピュラーなところがいいさ。」
というやり取りになっていました。
これは、雑誌の固有名詞を出しても日本人にはわからないから、雑誌のジョークであることは訳出(やくしゅつ)せずに、ポピュラーという日本語から来るイメージのジョークに置き換えたのでしょうね。
ここで誤解のないように書いておきたいのですが…。
そんな風に、日本語では全然違うものに置き換わっている部分を見た時に、「誤訳だ、意訳しすぎだ」と批判する人がたまにおられるようですが、私はそんな風には思いません。
ちょうど1年ほど前に「日本語字幕の限界?」という記事を書いたのですが、そこにも書いたように、「DVDの日本語字幕・音声(吹替)は英語学習者のためのものではない!」のです。
翻訳をされている方は、まずはコメディとして成り立つことを真っ先に考えないといけないので、そのポピュラー・メカニックスが雑誌であるかどうかをここで説明しても、却って説明が長くなるだけですから、あえてそれを雑誌であるとは言わなかった「だけ」のことだと思います。
これをどうしても雑誌名だと言いたい場合はどうすればいいか?
「ポピュラー・メカニックスという雑誌(の仕事)」というだけでは、ちょっとつらい気もします。
「アイ・ラブ・メカニックスという(名前の)雑誌」みたいに、メカ好きの人が読む雑誌であることがわかるような名前に変えないと日本人にはピンと来ないと思いますし、でもそんな風に勝手に名前を変えてしまっては、あまり意味もないですしねぇ。
映画やドラマの翻訳をされた方は、こんな風に「字幕や吹替」と「オリジナルの英語」との違いが話題になるたびに、「私は、英語学習者向けに訳したわけじゃないですし…」と訴えたいだろうなぁ、と思ってしまうのですが(笑)。
私は、そういう「日本語には訳しにくい」部分をこのブログで解説しているのですが、決して、字幕や吹替の日本語訳が全然違っていることを批判しているわけではないんですよ!(そんな風には絶対に思わないで下さいね。)
日本語に訳すのがどれだけ大変かは、誰よりも(←言いすぎ…笑)わかっているつもりですからね。
それくらい、短い言葉でそっくりそのままの意味に訳すのは難しい、言葉を理解するには、文化的背景などの知識が不可欠だ、ということですね。
私のオススメするDVD学習法は、字幕や吹替をヒントにニュアンスを掴む、というものですが、それがヒントになるものか、あるいは全くの意訳なので参考にはならないか、を判断する必要が出てきますね。(中には一見意訳のように見えて、そこにうまく英語のセリフのニュアンスが入っている、というのもあったりして、翻訳者のセンスを感じることもよくあります。)
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2006年12月19日
フレンズ2-23その22
リチャード: You know, I like the way you have efficiently folded this tab under. See, in a tape emergency you could shave valuable seconds off your time. (ねぇ、君がこのタブを、効率良く、下に折っているのが好きだなぁ。だって、テープの緊急事態には、貴重な数秒を縮めることが可能だからね。)
モニカ: Exactly! God, I love that I can be totally neurotic around you now. Tell me the truth. Don't you like it better now that everything on your desk is perpendicular? (その通りよ! あぁ、私は今あなたの傍で思いっきり神経質になれる、そのことがとっても嬉しいの。ねぇ本当のことを言って。机の上のものが全て垂直に並んでいる方が今は好きでしょう?)
リチャード: If it's not a right angle, it is a wrong angle. (もし直角(a right angle)じゃなかったら、それは間違った角度(a wrong angle)だね。)
shave は「ひげをそる」という意味ですが、reduce 「減らす、縮める」という意味もあります。
ロングマン現代英英辞典には、
shave sth(=something) off sth: if you shave a small amount off something such as a price or a record, you make the price slightly smaller or the record time slightly shorter
例) She shaved half a second off the world record.
訳すと「価格や記録などで少しの量を shave すると、価格は少し安くなり、記録は少し短くなる。」
例は「彼女は世界記録を0.5秒縮めた。」という意味になります。
リチャードはモニカの几帳面なクセをわざと大袈裟に称賛していますね。
恋人なので、バカにしてあきれているということではないのでしょう。
モニカらしいな、と思って、ちょっとからかいの意味も含めつつ、「緊急事態」「時間を縮める」などという表現を使っているのでしょうね。
それを素直に Exactly! と答えるモニカも面白いですね。
「それってイヤミ?」とも聞かず、純粋に褒めてもらった、自分のやっていることの意味を理解してもらえて嬉しい!という感じが出ています。
確かにガムテープなどは端を折っておかないと、いざ使う時に慌てて剥がそうとして変な風に裂けちゃう、ってことありますよね。
食品包装用ラップフィルム(我が家はサランラップを使ってます)が箱からころげ落ちて、端っこがペターッとくっついてしまったら、もう手の施しようがありませんよね(笑)。(説明書きには「引き出し口がわからなくなった場合」の対処法が書いてありますが…)
今は箱から簡単に落ちないように箱の両端に「ラップのとび出しを防ぐストッパー」なるものが標準装備されていて、さらにラップを切る部分に軽い粘着テープのようなものもついていて、簡単には巻き込まれてしまわないようになっています。
この新機能がついたラップを初めて見た時、私は「おぉ、これは便利だ。考えた人、えらい!」と一人で感動していたのですが…。
会社にいた時、いろんな部屋で説明会を行う時に、各部屋の周辺に張り紙をして回っていたのですが、その時、先輩に「テープの端をこう折っておけば、あとで張り紙を剥がす時に、テープが壁に残らずきれいに剥がせるよ」と言われて、それ以来、張り紙をする時は必ずテープの端を折るようになりました。
結構これが便利、というか本当に剥がすのが楽でねぇ(笑)。
そういう細かい小さなことの積み重ねが、仕事の手早さにつながったりするので、あなどれません。
(すっかり話がずれてしまいました…)
neurotic は「極度に神経質な、…に神経過敏な」。
Don't you like it better now that...? を直訳すると「今は、that 以下の方が好きじゃない?」ですが、否定の疑問形で尋ねることで、「好きじゃないかしら? もちろん好きよねぇ?」という肯定の答えを期待している疑問文になるのだと思います。
angle は日本語のアングルから分かるように「角度、角」で、a right angle は「直角」という意味になります。
リチャードは、「直角じゃないとダメだよね。」と言いながら、right (正しい)と wrong (間違った)という形容詞を対比させて「正しくない角度なら、間違った角度だよね。」という言葉遊びもしているのです。
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モニカ: Exactly! God, I love that I can be totally neurotic around you now. Tell me the truth. Don't you like it better now that everything on your desk is perpendicular? (その通りよ! あぁ、私は今あなたの傍で思いっきり神経質になれる、そのことがとっても嬉しいの。ねぇ本当のことを言って。机の上のものが全て垂直に並んでいる方が今は好きでしょう?)
リチャード: If it's not a right angle, it is a wrong angle. (もし直角(a right angle)じゃなかったら、それは間違った角度(a wrong angle)だね。)
shave は「ひげをそる」という意味ですが、reduce 「減らす、縮める」という意味もあります。
ロングマン現代英英辞典には、
shave sth(=something) off sth: if you shave a small amount off something such as a price or a record, you make the price slightly smaller or the record time slightly shorter
例) She shaved half a second off the world record.
訳すと「価格や記録などで少しの量を shave すると、価格は少し安くなり、記録は少し短くなる。」
例は「彼女は世界記録を0.5秒縮めた。」という意味になります。
リチャードはモニカの几帳面なクセをわざと大袈裟に称賛していますね。
恋人なので、バカにしてあきれているということではないのでしょう。
モニカらしいな、と思って、ちょっとからかいの意味も含めつつ、「緊急事態」「時間を縮める」などという表現を使っているのでしょうね。
それを素直に Exactly! と答えるモニカも面白いですね。
「それってイヤミ?」とも聞かず、純粋に褒めてもらった、自分のやっていることの意味を理解してもらえて嬉しい!という感じが出ています。
確かにガムテープなどは端を折っておかないと、いざ使う時に慌てて剥がそうとして変な風に裂けちゃう、ってことありますよね。
食品包装用ラップフィルム(我が家はサランラップを使ってます)が箱からころげ落ちて、端っこがペターッとくっついてしまったら、もう手の施しようがありませんよね(笑)。(説明書きには「引き出し口がわからなくなった場合」の対処法が書いてありますが…)
今は箱から簡単に落ちないように箱の両端に「ラップのとび出しを防ぐストッパー」なるものが標準装備されていて、さらにラップを切る部分に軽い粘着テープのようなものもついていて、簡単には巻き込まれてしまわないようになっています。
この新機能がついたラップを初めて見た時、私は「おぉ、これは便利だ。考えた人、えらい!」と一人で感動していたのですが…。
会社にいた時、いろんな部屋で説明会を行う時に、各部屋の周辺に張り紙をして回っていたのですが、その時、先輩に「テープの端をこう折っておけば、あとで張り紙を剥がす時に、テープが壁に残らずきれいに剥がせるよ」と言われて、それ以来、張り紙をする時は必ずテープの端を折るようになりました。
結構これが便利、というか本当に剥がすのが楽でねぇ(笑)。
そういう細かい小さなことの積み重ねが、仕事の手早さにつながったりするので、あなどれません。
(すっかり話がずれてしまいました…)
neurotic は「極度に神経質な、…に神経過敏な」。
Don't you like it better now that...? を直訳すると「今は、that 以下の方が好きじゃない?」ですが、否定の疑問形で尋ねることで、「好きじゃないかしら? もちろん好きよねぇ?」という肯定の答えを期待している疑問文になるのだと思います。
angle は日本語のアングルから分かるように「角度、角」で、a right angle は「直角」という意味になります。
リチャードは、「直角じゃないとダメだよね。」と言いながら、right (正しい)と wrong (間違った)という形容詞を対比させて「正しくない角度なら、間違った角度だよね。」という言葉遊びもしているのです。
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2006年12月18日
フレンズ2-23その21
モニカがベッドルームにダクトテープ(duct tape)を持って入ってきます。
リチャード: Ooh, duct tape. Was I supposed to bring something too? (あぁ、ダクトテープか。僕も何か持って来た方が良かった?)
モニカ: This is for the scratchy twins out there. I taped oven mitts to their hands. (これは外にいる「かゆかゆペア」のためのものよ。彼らの手にオーブンのミトンをテープで止めてきたわ。)
リチャード: You're strict. (モニカは厳しいんだね。)
モニカ: Well, It's for their own good. (だって、それが彼ら自身のためなのよ。)
英辞郎では duct tape をこう説明しています。
duct tape=ダクトテープ(米軍が第二次大戦中に弾薬ケースの防湿密封用として開発した粘着力が強く耐水性に優れた銀色のテープで、冷暖房のダクトや配水管などの補修に使われる。)
参考までにウィキペディア(笑)↓
Wikipedia 英語版: Duct Tape
be supposed to は「…することになっている、…することを予期(予想)されている」という意味。
この場合は、モニカがダクトテープを持ってきたので、リチャードはそれをエッチに使う小道具だと認識したふりをして、僕も何かそういう小道具を用意することになってたっけ?と返しているのですね。
scratchy は動詞 scratch 「(かゆい所などを)(つめなどで)かく」の形容詞形で、「(衣服などが)かゆくなる、ちくちくする」という意味。
a scratchy wool sweater なら「ちくちくするウールのセーター」という意味になります。
この場合は、「かゆがっている、すぐにかきたがる、かいてばかりいる」というニュアンスで使っているんでしょうね。
twin は「双子(ふたご)」ですが、本当の血縁関係がなくても、「似た人(もの)」という意味で使えます。
また twin という名詞は可算名詞で、単数形では「双子の一人」を指します。
フレンズ1-16その1 に、
チャンドラー: They're twins. (二人は双子だぞ。)
というセリフがありましたが、二人を指す場合は、twins と複数形になるわけですね。
何となく日本語の感覚だと、a couple 「(1組の)カップル、夫婦」などと同じイメージで、twin という名詞が「2人揃った双子のペア」を指すのかと思ってしまい、They're twin. とか、They're a twin. とか言っちゃいそうな気がしませんか?
twin には形容詞で「双子の」という意味がありますが、この形容詞は名詞の前でしか使えません。
こういう形容詞の用法を、「限定(的)用法」と呼びますね。
辞書には【A】と表示されていますが、これはattributive 「限定的な、修飾的な」という意味です。
それに対して、補語としてのみ使われる形容詞の用法は、「叙述(的)用法」と呼ばれます。
辞書では【P】と表示されていて、predicative 「叙述的な」という意味です。
つまり、twin という形容詞は「限定用法」のみで、「叙述用法」はないので、be 動詞の後ろで補語になることは出来ません。
ですから、「双子である」ことを be twin とは表現できないのです。
そういう意味でも、They're twin. という表現は間違いだ、ということになります。
形容詞として使う場合は、They're twin sisters. と、後ろに sisters、brothers、children など何らかの名詞がつく必要があります。
mitt は日本語にもなっているように「(野球の捕手・一塁手用の)ミット」のことです。
mitten 「ミトン、親指だけ離れているふたまたになった手袋」の語尾が取れて mitt になったので、意味は mitten と同じですね。
ですから、an oven mitt = an oven mitten で「オーブン用の手袋、ミトン」です。
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リチャード: Ooh, duct tape. Was I supposed to bring something too? (あぁ、ダクトテープか。僕も何か持って来た方が良かった?)
モニカ: This is for the scratchy twins out there. I taped oven mitts to their hands. (これは外にいる「かゆかゆペア」のためのものよ。彼らの手にオーブンのミトンをテープで止めてきたわ。)
リチャード: You're strict. (モニカは厳しいんだね。)
モニカ: Well, It's for their own good. (だって、それが彼ら自身のためなのよ。)
英辞郎では duct tape をこう説明しています。
duct tape=ダクトテープ(米軍が第二次大戦中に弾薬ケースの防湿密封用として開発した粘着力が強く耐水性に優れた銀色のテープで、冷暖房のダクトや配水管などの補修に使われる。)
参考までにウィキペディア(笑)↓
Wikipedia 英語版: Duct Tape
be supposed to は「…することになっている、…することを予期(予想)されている」という意味。
この場合は、モニカがダクトテープを持ってきたので、リチャードはそれをエッチに使う小道具だと認識したふりをして、僕も何かそういう小道具を用意することになってたっけ?と返しているのですね。
scratchy は動詞 scratch 「(かゆい所などを)(つめなどで)かく」の形容詞形で、「(衣服などが)かゆくなる、ちくちくする」という意味。
a scratchy wool sweater なら「ちくちくするウールのセーター」という意味になります。
この場合は、「かゆがっている、すぐにかきたがる、かいてばかりいる」というニュアンスで使っているんでしょうね。
twin は「双子(ふたご)」ですが、本当の血縁関係がなくても、「似た人(もの)」という意味で使えます。
また twin という名詞は可算名詞で、単数形では「双子の一人」を指します。
フレンズ1-16その1 に、
チャンドラー: They're twins. (二人は双子だぞ。)
というセリフがありましたが、二人を指す場合は、twins と複数形になるわけですね。
何となく日本語の感覚だと、a couple 「(1組の)カップル、夫婦」などと同じイメージで、twin という名詞が「2人揃った双子のペア」を指すのかと思ってしまい、They're twin. とか、They're a twin. とか言っちゃいそうな気がしませんか?
twin には形容詞で「双子の」という意味がありますが、この形容詞は名詞の前でしか使えません。
こういう形容詞の用法を、「限定(的)用法」と呼びますね。
辞書には【A】と表示されていますが、これはattributive 「限定的な、修飾的な」という意味です。
それに対して、補語としてのみ使われる形容詞の用法は、「叙述(的)用法」と呼ばれます。
辞書では【P】と表示されていて、predicative 「叙述的な」という意味です。
つまり、twin という形容詞は「限定用法」のみで、「叙述用法」はないので、be 動詞の後ろで補語になることは出来ません。
ですから、「双子である」ことを be twin とは表現できないのです。
そういう意味でも、They're twin. という表現は間違いだ、ということになります。
形容詞として使う場合は、They're twin sisters. と、後ろに sisters、brothers、children など何らかの名詞がつく必要があります。
mitt は日本語にもなっているように「(野球の捕手・一塁手用の)ミット」のことです。
mitten 「ミトン、親指だけ離れているふたまたになった手袋」の語尾が取れて mitt になったので、意味は mitten と同じですね。
ですから、an oven mitt = an oven mitten で「オーブン用の手袋、ミトン」です。
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2006年12月17日
フレンズ1-18その7 ご質問1+Tridentの話
昨日の記事、フレンズ2-23その20 のコメント欄 で、フレンズ1-18 に関する質問をいくつかいただきました。
コメント欄でいただいた質問は、基本的にはコメント欄でお返事しているのですが、その中で一つ、いかにもフレンズ的、チャンドラー的と思えるセリフが出てきましたので、今回、記事にしてみました。
1-18 はフレンズたちがポーカーをする話です。
ロスの部屋に嬉しそうに入ってきたレイチェル。
レイチェル: Guys! Guess what, guess what, guess what, guess what? (みんな! 何だと思う? 何があったか当ててみて!)
チャンドラー: Um, okay... the... the fifth dentist caved, and now they're all recommending Trident? (よーし、わかった、えーっと…5番目の歯医者さんが降参して、今では彼ら全員がトライデントを推薦してる?)
レイチェル: Noooo... the interview! She loved me! She absolutely loved me. (違うわ、仕事の面接よ! 面接を担当した女性が私を気に入ってくれたのよ。本当に気に入られたわ。)
このチャンドラーの「5番目の歯医者さん…」というジョークの意味は何か?というご質問です。
レイチェルが嬉しそうに「何があったと思う?」と尋ねているので、チャンドラーがそれに対してジョークで返す、というシーンです。
本当のところは、レイチェルは就職のための面接試験を受けに行き、そこで面接担当の女性に気に入ってもらえた、というのが、レイチェルの話したいビッグニュース。
そもそも、レイチェルが面接を受けに行ったのはみんな知っているはずなので、ここでは「面接がうまく行ったのね?」とか、本人の口から言いたいだろうからと「何、何? 早く教えて!」とねだるのが普通だろうと思うのですが。
チャンドラーは、レイチェルが何か面白いネタを仕入れてきたかのように、「それってこういうビッグニュースのこと?」とトライデントの話を持ち出しているようなんですが…。
まず、トライデント(Trident)について。
Wikipedia 英語版: Trident gum
シュガーレス・チューインガムのブランド名ですね。
上のウィキペディアに、今回のチャンドラーのセリフを解く鍵となる説明が書いてありますので、そのまま引用します。
In the mid-1960s, the Adams gum company acquired American Chicle and introduced a new slogan for Trident:
"4 out of 5 Dentists surveyed would recommend sugarless gum to their patients who chew gum."
The phrase became strongly associated with the Trident brand.
1960年代半ば、アダムス・ガム・カンパニーはアメリカン・チクルを買収し、トライデントの新しいスローガンを導入した。
そのスローガンとは、
「調査対象となった(調査によると)歯科医の5人に4人は、ガムを噛む習慣のある自分の患者にシュガーレス・ガムを勧めるという。」
そのフレーズはトライデント・ブランドと強く結び付けられるものとなった。
上のスローガンでは「シュガーレス・ガム」と書いてあるだけですが、それはすなわち自社のトライデントのことを言っているわけでしょう。
who chew gum と現在形になっているのは、「現在の習慣」を表し、ガムを噛む習慣のある人なら、そのガムはシュガーレスにした方がいいですよ、と歯医者さんが勧める、ということですね。
そう言えば、日本のCMでも、「それを使った…パーセントの人が」などとアンケートの結果などを示して、その効果が素晴らしいことを示しますよね。
上に挙げたトライデントのそのフレーズはとても有名なもので、随分昔(1960年代半ば)からあるようです。
cave は「(圧力・説得などで)(…に)屈服する、降参する (to)、折れる」という意味。
フレンズ2-3その6 にもそういう意味で出てきました。
「5人に4人(4 out of 5)は勧める」わけですから、5人のうちの最後の1人は、トライデントを勧めない、効果を認めていない、ということですよね。
それがついに最後の一人も降参して、とうとう5人全員が(5人が5人とも)トライデントを勧めるようになったんだ、っていう話のことかい? それなら、ものすごいビッグニュースだねぇ、とチャンドラーは言いたいわけです。
「Trident fifth dentist」でグーグル検索したら、面白いCMを発見しました。
AdvertisementAve.com - The Fifth Dentist
↑上のサイトでは、CMを動画で見ることができます。
ADWEEK BestSpots: Trident "Squirrel"
↑上のサイトでは、CMの動画を見ることはできませんが、the fifth dentist の写真は載っています。
また、CMについての簡単な説明が書いてあります。
また写真の上に February 17, 2003 と書いてあるので、2003年のCMということでしょうかねぇ?
上のサイトでCMが見られるのでその内容はわかるのですが、何故か、CNN.com のサイトにこのCMの完全スクリプトが載っていました(笑)。
番組の途中に入るビデオクリップまでご丁寧に拾っている、ということみたいですが…。
CNN.com Transcripts
CMのスクリプト部分を以下に引用します。
(BEGIN VIDEO CLIP)
ANNOUNCER: Four out of five dentists surveyed would recommend Trident for their patients who chew gum. But what about the fifth dentist?
UNIDENTIFIED MALE: Yes.
UNIDENTIFIED MALE: Yes.
UNIDENTIFIED MALE: Yes.
UNIDENTIFIED MALE: Yes!
UNIDENTIFIED MALE: No!
ANNOUNCER: One thing's for sure. Long lasting Trident is good for teeth.
(END VIDEO CLIP)
訳しますと、
ナレーション:調査対象となった歯科医の5人に4人は、ガムを噛む習慣のある自分の患者にトライデントを勧めるという。でも、5人目の歯科医は(どうなんだろう)?
1人目から4人目:(順番に)イエス
5人目:ノー!
ナレーション:確かなことはひとつ。効き目が長持ちするトライデントは歯にグッド。
5番目の歯医者さんが何で「ノー!」と叫んでいるかというと、リス(Squirrel)がその歯医者さんの脚をかじった(見えないが、かじった音がする)からですね。
まぁ、日本語訳はイマイチですが、勘弁して下さい(笑)。
このCMは有名なようで、あちこちのサイトで取り上げられているのですが、きっとトライデントの最新CMなんでしょうね。
「5人に4人は」の有名なキャッチコピーを使って、「その5番目の歯医者さん」をモチーフにした、セルフパロディのようなものでしょうか。
他の4人はイエスと言っていて、5人目だけがノーと言うけれど、それはリスに噛まれたからであって、トライデントの効果を否定しているのではないですよ、と言いたいのですね。
上にも書いたように、恐らく2003年頃のCMのようなので、チャンドラーがこのセリフを言った時は、そのリスに噛まれるCMはまだ放映されていなかったわけです。
が、そのキャッチコピーが有名なので、チャンドラーが the fifth dentist, Trident と言うだけで、観客は Four out of five dentists を思い出すのでしょう。
あるいは、その当時も、the fifth dentist を使った他のバージョンのCMが放映されていた、ということかもしれません。
以前に、フレンズ2-23その2 のコメント欄 で、"Guess what?" と聞かれたら、何と返すべきか?について語り合ったことがあるのですが(笑)、そこで私はこんなことを書いています。
相手が "Guess what?" と尋ねてきたら、"What?" と返すのが無難で、また失礼にも当たらないのでしょうね。
そりゃあ、チャンドラーのように何かひねったギャグで面白い guess を披露できたら、それに越したことはないのでしょうが…でもあまりにも面白いジョークにこだわりすぎると、それは話の腰を折ったような(チャチャを入れたような)形になって、"Guess what?" と質問した側は気分を害するかも…(笑)
このコメントを書いた時、チャンドラーがそういう「ひねった面白い返事」をどこかで言っていたような気がしてたんです。
私がそんな風に思ったのは、きっとこの歯医者さんのジョークを何となく覚えていたんでしょうね。
チャンドラーはレイチェルが "Guess what?" と言った後、しばらく考えてから、これでどうだ、みたいな感じで返事をしています。
彼にとっては練りに練ったジョークだったのでしょう。
観客も大笑いしていますので、チャンドラーのジョークは大成功だったようです。
このジョーク、そのキャッチコピーを知っている人なら、大ウケ間違いなしだったでしょうね。
あいにく、私は今まで知りませんでしたので、今になってやっと大笑いしておりますが(笑)。
しかし、どうして私は、この解説をスルーしたんでしょうねぇ?
当時の私はウィキペディアも使っていなかったし、リサーチ力(検索力)も非常に低かったですからねぇ。
今だからこそ、ここまで調べられたのかな、とも思います(って、自画自賛…笑)。
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コメント欄でいただいた質問は、基本的にはコメント欄でお返事しているのですが、その中で一つ、いかにもフレンズ的、チャンドラー的と思えるセリフが出てきましたので、今回、記事にしてみました。
1-18 はフレンズたちがポーカーをする話です。
ロスの部屋に嬉しそうに入ってきたレイチェル。
レイチェル: Guys! Guess what, guess what, guess what, guess what? (みんな! 何だと思う? 何があったか当ててみて!)
チャンドラー: Um, okay... the... the fifth dentist caved, and now they're all recommending Trident? (よーし、わかった、えーっと…5番目の歯医者さんが降参して、今では彼ら全員がトライデントを推薦してる?)
レイチェル: Noooo... the interview! She loved me! She absolutely loved me. (違うわ、仕事の面接よ! 面接を担当した女性が私を気に入ってくれたのよ。本当に気に入られたわ。)
このチャンドラーの「5番目の歯医者さん…」というジョークの意味は何か?というご質問です。
レイチェルが嬉しそうに「何があったと思う?」と尋ねているので、チャンドラーがそれに対してジョークで返す、というシーンです。
本当のところは、レイチェルは就職のための面接試験を受けに行き、そこで面接担当の女性に気に入ってもらえた、というのが、レイチェルの話したいビッグニュース。
そもそも、レイチェルが面接を受けに行ったのはみんな知っているはずなので、ここでは「面接がうまく行ったのね?」とか、本人の口から言いたいだろうからと「何、何? 早く教えて!」とねだるのが普通だろうと思うのですが。
チャンドラーは、レイチェルが何か面白いネタを仕入れてきたかのように、「それってこういうビッグニュースのこと?」とトライデントの話を持ち出しているようなんですが…。
まず、トライデント(Trident)について。
Wikipedia 英語版: Trident gum
シュガーレス・チューインガムのブランド名ですね。
上のウィキペディアに、今回のチャンドラーのセリフを解く鍵となる説明が書いてありますので、そのまま引用します。
In the mid-1960s, the Adams gum company acquired American Chicle and introduced a new slogan for Trident:
"4 out of 5 Dentists surveyed would recommend sugarless gum to their patients who chew gum."
The phrase became strongly associated with the Trident brand.
1960年代半ば、アダムス・ガム・カンパニーはアメリカン・チクルを買収し、トライデントの新しいスローガンを導入した。
そのスローガンとは、
「調査対象となった(調査によると)歯科医の5人に4人は、ガムを噛む習慣のある自分の患者にシュガーレス・ガムを勧めるという。」
そのフレーズはトライデント・ブランドと強く結び付けられるものとなった。
上のスローガンでは「シュガーレス・ガム」と書いてあるだけですが、それはすなわち自社のトライデントのことを言っているわけでしょう。
who chew gum と現在形になっているのは、「現在の習慣」を表し、ガムを噛む習慣のある人なら、そのガムはシュガーレスにした方がいいですよ、と歯医者さんが勧める、ということですね。
そう言えば、日本のCMでも、「それを使った…パーセントの人が」などとアンケートの結果などを示して、その効果が素晴らしいことを示しますよね。
上に挙げたトライデントのそのフレーズはとても有名なもので、随分昔(1960年代半ば)からあるようです。
cave は「(圧力・説得などで)(…に)屈服する、降参する (to)、折れる」という意味。
フレンズ2-3その6 にもそういう意味で出てきました。
「5人に4人(4 out of 5)は勧める」わけですから、5人のうちの最後の1人は、トライデントを勧めない、効果を認めていない、ということですよね。
それがついに最後の一人も降参して、とうとう5人全員が(5人が5人とも)トライデントを勧めるようになったんだ、っていう話のことかい? それなら、ものすごいビッグニュースだねぇ、とチャンドラーは言いたいわけです。
「Trident fifth dentist」でグーグル検索したら、面白いCMを発見しました。
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また、CMについての簡単な説明が書いてあります。
また写真の上に February 17, 2003 と書いてあるので、2003年のCMということでしょうかねぇ?
上のサイトでCMが見られるのでその内容はわかるのですが、何故か、CNN.com のサイトにこのCMの完全スクリプトが載っていました(笑)。
番組の途中に入るビデオクリップまでご丁寧に拾っている、ということみたいですが…。
CNN.com Transcripts
CMのスクリプト部分を以下に引用します。
(BEGIN VIDEO CLIP)
ANNOUNCER: Four out of five dentists surveyed would recommend Trident for their patients who chew gum. But what about the fifth dentist?
UNIDENTIFIED MALE: Yes.
UNIDENTIFIED MALE: Yes.
UNIDENTIFIED MALE: Yes.
UNIDENTIFIED MALE: Yes!
UNIDENTIFIED MALE: No!
ANNOUNCER: One thing's for sure. Long lasting Trident is good for teeth.
(END VIDEO CLIP)
訳しますと、
ナレーション:調査対象となった歯科医の5人に4人は、ガムを噛む習慣のある自分の患者にトライデントを勧めるという。でも、5人目の歯科医は(どうなんだろう)?
1人目から4人目:(順番に)イエス
5人目:ノー!
ナレーション:確かなことはひとつ。効き目が長持ちするトライデントは歯にグッド。
5番目の歯医者さんが何で「ノー!」と叫んでいるかというと、リス(Squirrel)がその歯医者さんの脚をかじった(見えないが、かじった音がする)からですね。
まぁ、日本語訳はイマイチですが、勘弁して下さい(笑)。
このCMは有名なようで、あちこちのサイトで取り上げられているのですが、きっとトライデントの最新CMなんでしょうね。
「5人に4人は」の有名なキャッチコピーを使って、「その5番目の歯医者さん」をモチーフにした、セルフパロディのようなものでしょうか。
他の4人はイエスと言っていて、5人目だけがノーと言うけれど、それはリスに噛まれたからであって、トライデントの効果を否定しているのではないですよ、と言いたいのですね。
上にも書いたように、恐らく2003年頃のCMのようなので、チャンドラーがこのセリフを言った時は、そのリスに噛まれるCMはまだ放映されていなかったわけです。
が、そのキャッチコピーが有名なので、チャンドラーが the fifth dentist, Trident と言うだけで、観客は Four out of five dentists を思い出すのでしょう。
あるいは、その当時も、the fifth dentist を使った他のバージョンのCMが放映されていた、ということかもしれません。
以前に、フレンズ2-23その2 のコメント欄 で、"Guess what?" と聞かれたら、何と返すべきか?について語り合ったことがあるのですが(笑)、そこで私はこんなことを書いています。
相手が "Guess what?" と尋ねてきたら、"What?" と返すのが無難で、また失礼にも当たらないのでしょうね。
そりゃあ、チャンドラーのように何かひねったギャグで面白い guess を披露できたら、それに越したことはないのでしょうが…でもあまりにも面白いジョークにこだわりすぎると、それは話の腰を折ったような(チャチャを入れたような)形になって、"Guess what?" と質問した側は気分を害するかも…(笑)
このコメントを書いた時、チャンドラーがそういう「ひねった面白い返事」をどこかで言っていたような気がしてたんです。
私がそんな風に思ったのは、きっとこの歯医者さんのジョークを何となく覚えていたんでしょうね。
チャンドラーはレイチェルが "Guess what?" と言った後、しばらく考えてから、これでどうだ、みたいな感じで返事をしています。
彼にとっては練りに練ったジョークだったのでしょう。
観客も大笑いしていますので、チャンドラーのジョークは大成功だったようです。
このジョーク、そのキャッチコピーを知っている人なら、大ウケ間違いなしだったでしょうね。
あいにく、私は今まで知りませんでしたので、今になってやっと大笑いしておりますが(笑)。
しかし、どうして私は、この解説をスルーしたんでしょうねぇ?
当時の私はウィキペディアも使っていなかったし、リサーチ力(検索力)も非常に低かったですからねぇ。
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2006年12月16日
フレンズ2-23その20
上司の味方をしたジョーイに激怒するチャンドラー。
ジョーイ: Hey, hey, I just figured Joseph's the kinda guy that likes to mix it up. Ya know, get in there, ruffle some feathers. (おいおい、俺はただ、ジョセフが状況を混乱させるのが好きなタイプの男だって想像してるだけなんだよ。ほら、そこに行って、人をいらいらさせる、っていう。)
チャンドラー: Why? (何のために?)
ジョーイ: Look, I'm sorry but that's what Joseph does. Okay? If you try to pull somethin', he'll call you on it. "What're you tryin' to pull?" he'll say. (いいか、悪いけどそれがジョセフのいつものやり方なんだよ。いいか? もしお前が何かを引っ張ろうとしたら、ジョセフは call you on it してくるだろう。「何を引っ張ろうとしてんの?」って彼は言うさ。)
mix up は「…をごちゃ混ぜにする、混乱させる、わけがわからなくする」、mix it up (with) だと「(…と)けんかする、殴り合う」という意味にもなります。
この場合の likes to mix it up は「けんか好き」でもいいですが、「人がモメているのをもっとモメさせる、状況を余計に混乱させる、波風を立てる」のが好き、という感じなんでしょうね。
ruffle は「(鳥が)(怒った時などに)(羽毛を)逆立てる」という意味なので、ruffle someone's feathers だと「人を怒らせる、いらだたせる」という意味になります。
このセリフでは、some feathers になっていますが、まぁ、自分の傍にいる人間の羽毛を逆立てる、という意味で、someone's feathers と同じニュアンスで使っているのでしょうね。
that's what Joseph does. を直訳すると「それがジョセフのすることだ。」となります。
現在形は「現在の習慣的行為」を表しますので、「ジョセフはいつもそうする、彼はそういうことをするやつだ、それが彼のやり方なんだ」というニュアンスになるわけですね。
he'll call you on it. の call someone on... がよくわからないのですが…。
実は、次のエピソード(フレンズ2-24)にも、とある男性のセリフで、
Well, she totally called me on it, okay? She said... 「で、彼女は完璧に call me on it したんだよ、いいか? 彼女はこう言ったんだ…」
というものがあり、同様の call me on it というフレーズが出てきます。
単純に call を「電話する」という意味に取ると、call someone on it は「(人に)その件で電話をする」という意味になりそうですが…ここで「電話」というのも唐突な気がしますし。
ちょっと気になる意味としては、英辞郎に
call someone on=(人)を非難する
call someone on one's stuff=(人)に抱えている悩みなどから目をそらすことなく直視するように迫る、(人)に自分自身をきちんと見詰めるように言う
という意味が載っていました。
それに似た意味では、研究社 新英和中辞典に、
(+目+to+(代)名詞)(人の注意を)(…に)向けさせる
call a person's attention to an oversight 見落とし個所に人の注意を向けさせる
call a person to account 人に釈明を求める
(+目+to+(代)名詞)(…を)(心に)思い起こす
I can still call the scene to mind. 私は今でもその情景を思い出すことができる。
という意味も載っています。
残念ながら、英英辞典にはそのようなニュアンスは載っていませんでした。(英英辞典に書いてないと、とても不安になるのですが…笑)
でも、どうして上の英和辞典に書かれているような意味になるのか、というのはわかる気がします。
call の基本的意味というのは「(…を)大声で呼ぶ、(…に)呼び掛ける」ということ。
ロングマン現代英英辞典によると、
call: SAY/SHOUT to say or shout something loudly so that someone can hear you
つまり「誰かに聞こえるように何かを大声で言う、または叫ぶ」ということですよね。
英辞郎にある「非難する」という意味は、大声で誰かに言うという威圧的なイメージからそういうニュアンスになるのでしょうし、「目をそらすことなく直視するように迫る」というのは、誰かの注意や意識を大声で喚起(call)して、接触を表す前置詞 on を使って、その on 以下のものに意識を持っていくように仕向ける、そっちに相手の意識を押し付ける、という動きを表すのではないか、と。
見た感じは call you on it とあっさりしており、あまり深い意味はなさそうなフレーズなんですが、この意味がジョークに関係してくると思うので、流せないんですよねぇ…。
次のセリフを見てみると、"What're you tryin' to pull?" とジョセフは言うんだ、となっていますよね。
この文章の解釈を2通り考えてみました。
1番目は、 "What are you talking about?" 「何(ばかなこと、わけのわかんないこと)言ってんだよ。」と同じで、「全く何を pull しようとしてるんだよ、そんなことをしても無駄だよ。そんなの pull しても意味ないよ。」という非難の気持ちで言っている。
その場合は、チャンドラーが何かを引っ張ろうとしたら、「何を引っ張ろうとしてるんだよ、まったく…」と非難する、という意味になるのでしょうか。
とりあえず、何かしようとすると、何でも止めようとする、とりあえず非難しようとする、という解釈です。
2番目は、そのまんまの意味で「何を pull しようとしているんだい?」という単純な疑問だという解釈。
このジョセフという男は人にチャチャを入れて困らせるのが好き、という設定になっているので、この pull の件でも、何か非難めいたことを言うのかと思わせておいて、「何を引っ張ってんの?」とただ単純に質問して終わる、というのが拍子抜けした感じがして笑える、という解釈。
そのセリフを聞いた後、チャンドラーが首を傾げて「ジョーイは一体何を言いたいのか俺にはわかんないよ。」みたいな顔をしてますから、やはりジョーイの言ってることはトンチンカンで、ちぐはぐなやり取りだ、ということなんだと思います。
ですから、私は2番目の「非難するかのように言っておいて、ただ質問しているだけ」という解釈が面白いかな、と思うのですが。
となると、やはり call you on it というフレーズに「非難する、迫る」ニュアンスがあって、そういうセリフが来るのを期待していたのに裏切られた、という方が、オチが面白い気がするのですが…。
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ジョーイ: Hey, hey, I just figured Joseph's the kinda guy that likes to mix it up. Ya know, get in there, ruffle some feathers. (おいおい、俺はただ、ジョセフが状況を混乱させるのが好きなタイプの男だって想像してるだけなんだよ。ほら、そこに行って、人をいらいらさせる、っていう。)
チャンドラー: Why? (何のために?)
ジョーイ: Look, I'm sorry but that's what Joseph does. Okay? If you try to pull somethin', he'll call you on it. "What're you tryin' to pull?" he'll say. (いいか、悪いけどそれがジョセフのいつものやり方なんだよ。いいか? もしお前が何かを引っ張ろうとしたら、ジョセフは call you on it してくるだろう。「何を引っ張ろうとしてんの?」って彼は言うさ。)
mix up は「…をごちゃ混ぜにする、混乱させる、わけがわからなくする」、mix it up (with) だと「(…と)けんかする、殴り合う」という意味にもなります。
この場合の likes to mix it up は「けんか好き」でもいいですが、「人がモメているのをもっとモメさせる、状況を余計に混乱させる、波風を立てる」のが好き、という感じなんでしょうね。
ruffle は「(鳥が)(怒った時などに)(羽毛を)逆立てる」という意味なので、ruffle someone's feathers だと「人を怒らせる、いらだたせる」という意味になります。
このセリフでは、some feathers になっていますが、まぁ、自分の傍にいる人間の羽毛を逆立てる、という意味で、someone's feathers と同じニュアンスで使っているのでしょうね。
that's what Joseph does. を直訳すると「それがジョセフのすることだ。」となります。
現在形は「現在の習慣的行為」を表しますので、「ジョセフはいつもそうする、彼はそういうことをするやつだ、それが彼のやり方なんだ」というニュアンスになるわけですね。
he'll call you on it. の call someone on... がよくわからないのですが…。
実は、次のエピソード(フレンズ2-24)にも、とある男性のセリフで、
Well, she totally called me on it, okay? She said... 「で、彼女は完璧に call me on it したんだよ、いいか? 彼女はこう言ったんだ…」
というものがあり、同様の call me on it というフレーズが出てきます。
単純に call を「電話する」という意味に取ると、call someone on it は「(人に)その件で電話をする」という意味になりそうですが…ここで「電話」というのも唐突な気がしますし。
ちょっと気になる意味としては、英辞郎に
call someone on=(人)を非難する
call someone on one's stuff=(人)に抱えている悩みなどから目をそらすことなく直視するように迫る、(人)に自分自身をきちんと見詰めるように言う
という意味が載っていました。
それに似た意味では、研究社 新英和中辞典に、
(+目+to+(代)名詞)(人の注意を)(…に)向けさせる
call a person's attention to an oversight 見落とし個所に人の注意を向けさせる
call a person to account 人に釈明を求める
(+目+to+(代)名詞)(…を)(心に)思い起こす
I can still call the scene to mind. 私は今でもその情景を思い出すことができる。
という意味も載っています。
残念ながら、英英辞典にはそのようなニュアンスは載っていませんでした。(英英辞典に書いてないと、とても不安になるのですが…笑)
でも、どうして上の英和辞典に書かれているような意味になるのか、というのはわかる気がします。
call の基本的意味というのは「(…を)大声で呼ぶ、(…に)呼び掛ける」ということ。
ロングマン現代英英辞典によると、
call: SAY/SHOUT to say or shout something loudly so that someone can hear you
つまり「誰かに聞こえるように何かを大声で言う、または叫ぶ」ということですよね。
英辞郎にある「非難する」という意味は、大声で誰かに言うという威圧的なイメージからそういうニュアンスになるのでしょうし、「目をそらすことなく直視するように迫る」というのは、誰かの注意や意識を大声で喚起(call)して、接触を表す前置詞 on を使って、その on 以下のものに意識を持っていくように仕向ける、そっちに相手の意識を押し付ける、という動きを表すのではないか、と。
見た感じは call you on it とあっさりしており、あまり深い意味はなさそうなフレーズなんですが、この意味がジョークに関係してくると思うので、流せないんですよねぇ…。
次のセリフを見てみると、"What're you tryin' to pull?" とジョセフは言うんだ、となっていますよね。
この文章の解釈を2通り考えてみました。
1番目は、 "What are you talking about?" 「何(ばかなこと、わけのわかんないこと)言ってんだよ。」と同じで、「全く何を pull しようとしてるんだよ、そんなことをしても無駄だよ。そんなの pull しても意味ないよ。」という非難の気持ちで言っている。
その場合は、チャンドラーが何かを引っ張ろうとしたら、「何を引っ張ろうとしてるんだよ、まったく…」と非難する、という意味になるのでしょうか。
とりあえず、何かしようとすると、何でも止めようとする、とりあえず非難しようとする、という解釈です。
2番目は、そのまんまの意味で「何を pull しようとしているんだい?」という単純な疑問だという解釈。
このジョセフという男は人にチャチャを入れて困らせるのが好き、という設定になっているので、この pull の件でも、何か非難めいたことを言うのかと思わせておいて、「何を引っ張ってんの?」とただ単純に質問して終わる、というのが拍子抜けした感じがして笑える、という解釈。
そのセリフを聞いた後、チャンドラーが首を傾げて「ジョーイは一体何を言いたいのか俺にはわかんないよ。」みたいな顔をしてますから、やはりジョーイの言ってることはトンチンカンで、ちぐはぐなやり取りだ、ということなんだと思います。
ですから、私は2番目の「非難するかのように言っておいて、ただ質問しているだけ」という解釈が面白いかな、と思うのですが。
となると、やはり call you on it というフレーズに「非難する、迫る」ニュアンスがあって、そういうセリフが来るのを期待していたのに裏切られた、という方が、オチが面白い気がするのですが…。
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2006年12月15日
フレンズ2-23その19
報告書の提出が遅くなることに不満の、上司ダグラスさん。
チャンドラー: Well, the people in my group wanna spend the holiday weekend with their families. (私のグループの者は週末を家族と過ごしたいと望んでいるんです。)
ダグラス I have a family. I'm gonna be here. (私にも家族はいる。(でも)私は(週末に)ここに出社するつもりだが。)
ジョーイ: Yeah, Bing. What's that about? (そうだよ、ビング。それってどういうことなんだよ?)
チャンドラー: It's about cutting my people a little slack, ya know, for morale. Look, if you wanna see some rough numbers, I can get them to you by Wednesday. (部下たちに少し息抜きをさせてやりたいってことなんですよ、ほら、士気を高めるために。もしざっとした数字を見たいとおっしゃるなら、水曜日までにそれをお見せすることは可能ですが。)
ダグラス: Rough numbers? (ざっとした数字、だって?)
ジョーイ: This company was not built on rough numbers. Am I right, Mr. Douglas? (この会社はざっとした数字の上に成り立ってるわけじゃないぞ。そうですよね、ダグラスさん?)
ジョーイの "What's that about?" を直訳すると「that (チャンドラーの言っていること)は何についての話だよ?」ということになり、つまり「お前は一体何を言ってるんだよ。仕事とプライベートとどっちが大事なんだよ。」という意味で問い詰めている感じです。
それに対してチャンドラーは "It's about cutting... " と返事しています。
つまり「何についての話だ?」とジョーイに聞かれたので、その返事をダグラスさんに対してしているんですね。
「It (私が言いたいのは)cut... ということをする、という話です。」と答えているわけです。
slack は「ゆるい、たるんだ、ゆるみ、たるみ」という意味。
この場合は「ひと休み、息抜き」というような意味で、cut someone some slack で「…に息抜きをさせてやる」という意味になります。
cut の代わりに、give someone some slack とも言います。
つまり、cut と give が同じような動詞として使われている、ということですが、この場合の cut は cut+目的語A+目的語Bで、「A(人)にB(もの)を切ってやる」という感じでしょうか。
cut him another piece of pie 「彼にパイをもう一切れ切ってやる。」と同じ cut のニュアンスだと思います。
フレンズ2-8その13 にも、cut someone some slack という表現が出てきました。
そこでは「人を勘弁してやる、人に理解を示す」という意味で使われていました。
morale は moral 「道徳、モラル、品行」とは別の単語です。
morale は「(軍隊・国民の)士気、意気込み、気力、やる気」という意味で、発音も「モラァル」という感じで後ろにアクセントがあります。
build+目的語+on は「(希望・判断などの)基礎を(…に)置く」という意味。
build one's hopes on promises だと「約束を当てにして希望を持つ」という意味になります。
上のセリフは受動態になっていますが、これを能動態にすると、We don't build this company on rough numbers. という感じになるのでしょうか。
「我々はこの会社の基礎を概算数字には置いていない。」ということになるかと思うのですが、この場合はむしろ build を「事業を築く、建設する、造る、建てる」という意味のままで捉えて、「我々は概算数字の上に(概算数字をを元にして)会社を作っている(もしくは運営している)のではない」と言った方がわかりやすいかもしれません。
上のセリフが受動態になっているのは、「会社の状態がどうであるか」を説明したいから、This company を主語に持ってきているわけですね。
We を主語にすると、We がどういう意思を持ってどういう行為を行っているか、という方にポイントが移ってしまうので、言ってる内容は同じでも、微妙にニュアンスは異なると思います。
それにしても、いちいちつっかかるジョーイがおかしいですよね。
いくらそのジョセフという役に成りきっているからって、どうして友達じゃなくて上司の方につくんだよ、お前は!って感じです。
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チャンドラー: Well, the people in my group wanna spend the holiday weekend with their families. (私のグループの者は週末を家族と過ごしたいと望んでいるんです。)
ダグラス I have a family. I'm gonna be here. (私にも家族はいる。(でも)私は(週末に)ここに出社するつもりだが。)
ジョーイ: Yeah, Bing. What's that about? (そうだよ、ビング。それってどういうことなんだよ?)
チャンドラー: It's about cutting my people a little slack, ya know, for morale. Look, if you wanna see some rough numbers, I can get them to you by Wednesday. (部下たちに少し息抜きをさせてやりたいってことなんですよ、ほら、士気を高めるために。もしざっとした数字を見たいとおっしゃるなら、水曜日までにそれをお見せすることは可能ですが。)
ダグラス: Rough numbers? (ざっとした数字、だって?)
ジョーイ: This company was not built on rough numbers. Am I right, Mr. Douglas? (この会社はざっとした数字の上に成り立ってるわけじゃないぞ。そうですよね、ダグラスさん?)
ジョーイの "What's that about?" を直訳すると「that (チャンドラーの言っていること)は何についての話だよ?」ということになり、つまり「お前は一体何を言ってるんだよ。仕事とプライベートとどっちが大事なんだよ。」という意味で問い詰めている感じです。
それに対してチャンドラーは "It's about cutting... " と返事しています。
つまり「何についての話だ?」とジョーイに聞かれたので、その返事をダグラスさんに対してしているんですね。
「It (私が言いたいのは)cut... ということをする、という話です。」と答えているわけです。
slack は「ゆるい、たるんだ、ゆるみ、たるみ」という意味。
この場合は「ひと休み、息抜き」というような意味で、cut someone some slack で「…に息抜きをさせてやる」という意味になります。
cut の代わりに、give someone some slack とも言います。
つまり、cut と give が同じような動詞として使われている、ということですが、この場合の cut は cut+目的語A+目的語Bで、「A(人)にB(もの)を切ってやる」という感じでしょうか。
cut him another piece of pie 「彼にパイをもう一切れ切ってやる。」と同じ cut のニュアンスだと思います。
フレンズ2-8その13 にも、cut someone some slack という表現が出てきました。
そこでは「人を勘弁してやる、人に理解を示す」という意味で使われていました。
morale は moral 「道徳、モラル、品行」とは別の単語です。
morale は「(軍隊・国民の)士気、意気込み、気力、やる気」という意味で、発音も「モラァル」という感じで後ろにアクセントがあります。
build+目的語+on は「(希望・判断などの)基礎を(…に)置く」という意味。
build one's hopes on promises だと「約束を当てにして希望を持つ」という意味になります。
上のセリフは受動態になっていますが、これを能動態にすると、We don't build this company on rough numbers. という感じになるのでしょうか。
「我々はこの会社の基礎を概算数字には置いていない。」ということになるかと思うのですが、この場合はむしろ build を「事業を築く、建設する、造る、建てる」という意味のままで捉えて、「我々は概算数字の上に(概算数字をを元にして)会社を作っている(もしくは運営している)のではない」と言った方がわかりやすいかもしれません。
上のセリフが受動態になっているのは、「会社の状態がどうであるか」を説明したいから、This company を主語に持ってきているわけですね。
We を主語にすると、We がどういう意思を持ってどういう行為を行っているか、という方にポイントが移ってしまうので、言ってる内容は同じでも、微妙にニュアンスは異なると思います。
それにしても、いちいちつっかかるジョーイがおかしいですよね。
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2006年12月14日
フレンズ2-23その18
とうとうあまりの痒さに我慢できずに、お互いの身体を掻(か)き合う二人。
そう言えば、英語の諺(ことわざ)に、
Scratch my back and I will scratch yours.
「私の背中を掻いてくれれば君の背中を掻いてあげる」
というものがあります。
日本語の諺にすると 「魚心あれば水心」ですね。
お互いをカキカキしている二人は、今まさにこの諺の状態のようです。
セリフだけ聞いていると、エッチしているかのように聞こえるのがポイントですね。
その部分のセリフを訳すのは恥ずかしいのでやめときますが…(笑)。
その現場を、帰宅してきたロスとレイチェルに見られてしまいました。
ロス: You know, I might have expected this of you Phoebe, but, Ryan, you're a military man. (ねぇ、フィービーのこんな姿はありうるかも、と想像したかもしれないけど、でも、ライアン、君は軍人なんだよ。)
might have+過去分詞は「…したかもしれなかったのだが(実際は…しなかった)」という「過去の事実に反対の推量を表す」表現ですね。
I expected this of you Phoebe. なら、「フィービーがこんな状態(掻くのを我慢できなくて掻いてしまうこと)になるのを想像していた。」になるのですが、この場合のロスは「絶対にそうなるはずだ」と確信していたわけではないのですね。
こういう姿を見たら、まぁ、あり得ない話ではないと思ったので、全くの「予想外だった!」というほどのこともない、そんなに驚かないよ、という感じです。
でも、ライアンは軍人で、「男の中の男」(?)なわけですから、いくら恋人のフィービーが痒さを我慢できなくても、そこは自制しないといけないだろう、そんな精神力の弱いことでどうする!とロスは怒ってるわけですね。
うん、確かに…でも、痒いのって辛いですよねぇ。
ある意味、痛いのよりも辛(つら)くないですかねぇ?
ちなみに、itch というのはその「かゆみ」という意味から、「むずむずするようなもの欲しさ、切望、(…したくて)むずむずする気持ち」という意味にもなります。
have an itch for や have an itch to do の形で「…したくてむずむず(うずうず)する、…したくてじっとしていられない」という意味になります。
また 自動詞 itch を進行形の形で使って、be itching for, be itching to do という形にしても同じような意味になります。
She's itching for him to come. なら「彼女は彼が来るのをうずうずしながら待っている。待ち兼ねている。今か今かと待っている。」という意味になります。
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Scratch my back and I will scratch yours.
「私の背中を掻いてくれれば君の背中を掻いてあげる」
というものがあります。
日本語の諺にすると 「魚心あれば水心」ですね。
お互いをカキカキしている二人は、今まさにこの諺の状態のようです。
セリフだけ聞いていると、エッチしているかのように聞こえるのがポイントですね。
その部分のセリフを訳すのは恥ずかしいのでやめときますが…(笑)。
その現場を、帰宅してきたロスとレイチェルに見られてしまいました。
ロス: You know, I might have expected this of you Phoebe, but, Ryan, you're a military man. (ねぇ、フィービーのこんな姿はありうるかも、と想像したかもしれないけど、でも、ライアン、君は軍人なんだよ。)
might have+過去分詞は「…したかもしれなかったのだが(実際は…しなかった)」という「過去の事実に反対の推量を表す」表現ですね。
I expected this of you Phoebe. なら、「フィービーがこんな状態(掻くのを我慢できなくて掻いてしまうこと)になるのを想像していた。」になるのですが、この場合のロスは「絶対にそうなるはずだ」と確信していたわけではないのですね。
こういう姿を見たら、まぁ、あり得ない話ではないと思ったので、全くの「予想外だった!」というほどのこともない、そんなに驚かないよ、という感じです。
でも、ライアンは軍人で、「男の中の男」(?)なわけですから、いくら恋人のフィービーが痒さを我慢できなくても、そこは自制しないといけないだろう、そんな精神力の弱いことでどうする!とロスは怒ってるわけですね。
うん、確かに…でも、痒いのって辛いですよねぇ。
ある意味、痛いのよりも辛(つら)くないですかねぇ?
ちなみに、itch というのはその「かゆみ」という意味から、「むずむずするようなもの欲しさ、切望、(…したくて)むずむずする気持ち」という意味にもなります。
have an itch for や have an itch to do の形で「…したくてむずむず(うずうず)する、…したくてじっとしていられない」という意味になります。
また 自動詞 itch を進行形の形で使って、be itching for, be itching to do という形にしても同じような意味になります。
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2006年12月13日
フレンズ2-23その17+Monopolyの話
モノポリー(Monopoly)というボードゲームをやっている、フィービーとライアン。
フレンズ1-7その4 にも出てきました。
ほとんど英語がしゃべれないイタリア人パウロが、何故かモノポリーの名前だけは知っていた、という話でしたね。
Wikipedia 英語版: Monopoly (game)
上のウィキペディアの説明を訳しますと、
「モノポリーは世界で最も売れている市販ボードゲームである。プレーヤーはサイコロの目に従って、順番にボードの上を動き回りながら、play money (おもちゃのお金、ゲーム専用のお金)を使って、財産(資産、所有物)を購入、レンタル、または交換(トレード)するという定型化された経済活動を通して、富を獲得するのを競う。このゲームは、モノポリー(独占権、専売権)という経済概念、すなわち、1つの売主による市場支配、にちなんで名付けられた。」
う〜ん、日本語に訳すと却ってややこしく感じますねぇ。
簡単な英語で書いてあるので、直接ウィキペディアの英語の説明を読んだ方が多分ニュアンスは掴みやすいでしょう(笑)。
フィービー: Uhh, I can't stop thinking about it. It's just so hard. I just wanna grab all these houses and rub 'em all over my body. (あぁ、この痒さのことを考えないではいられないわ。ただものすごくつらいのよ。この家全部を掴んで、身体中にこすり付けたいわ。)
フィービーはモノポリーの駒(こま)を使って身体を掻こうとしていますね。
上のセリフで house という言葉が出てきたので、私はこういうゲームの駒のことを house というのかな?と思って辞書を調べたら、house にはそういう意味は載っていませんでした。
ちょっと話は脱線しますが、日本語の駒(すごろくや将棋に使う駒)というのは元々は馬のことなんですよねぇ。
広辞苑によると、
駒(こま)=1.馬の子。小さい馬。2.転じて、馬。特に乗用の馬。馬と同義になってからは、歌語として使われることが多い。
ですから、house じゃなくて horse (馬)なら、「おぉ、日本語と同じだ!」ということで面白いなぁ…と思ったのですが、やっぱり誤植ではなくて、このセリフは実際に house と言っているんですよ。
で、ウィキペディアを見て、やっと house の意味がわかりました。
Equipment (備品)の項目に、
32 wooden or plastic houses and 12 wooden or plastic hotels. 「32個の木製またはプラスチック製の家と、12個の木製またはプラスチック製のホテル」
と書いてあります。
これをゲームの備品として使う、ということですね。
だからボードの上に家がたくさん並んでいて、フィービーはそれを引っ掴んで、それを使って掻きむしろうとした、という意味なわけです。
モノポリーというゲームを知っている人なら「家」と聞けば、あぁ、あの小さい家ね、とわかるということですね。
History の項目に載っている写真にその家らしきものが写っていますし、Properties in detail の項目には、real estate properties (不動産物件)の価格(?)らしきものが載っているのですが、そこにも、Price per house だとか、Rent (4 Houses) だとか、Mortgage (抵当、担保)だとかの用語が書いてあります。
最初にモノポリーの説明に書いたように、これは資産を増やす、富を獲得するゲームなので、「家」は重要アイテムなわけですね。
モノポリーというゲームをご存知の方には、当たり前のつまらない話だったと思います。申し訳ありません。
でも、私、このゲーム、やったことないから全然知らなくて、調べたらいろいろわかったので嬉しくて…(笑)。
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ほとんど英語がしゃべれないイタリア人パウロが、何故かモノポリーの名前だけは知っていた、という話でしたね。
Wikipedia 英語版: Monopoly (game)
上のウィキペディアの説明を訳しますと、
「モノポリーは世界で最も売れている市販ボードゲームである。プレーヤーはサイコロの目に従って、順番にボードの上を動き回りながら、play money (おもちゃのお金、ゲーム専用のお金)を使って、財産(資産、所有物)を購入、レンタル、または交換(トレード)するという定型化された経済活動を通して、富を獲得するのを競う。このゲームは、モノポリー(独占権、専売権)という経済概念、すなわち、1つの売主による市場支配、にちなんで名付けられた。」
う〜ん、日本語に訳すと却ってややこしく感じますねぇ。
簡単な英語で書いてあるので、直接ウィキペディアの英語の説明を読んだ方が多分ニュアンスは掴みやすいでしょう(笑)。
フィービー: Uhh, I can't stop thinking about it. It's just so hard. I just wanna grab all these houses and rub 'em all over my body. (あぁ、この痒さのことを考えないではいられないわ。ただものすごくつらいのよ。この家全部を掴んで、身体中にこすり付けたいわ。)
フィービーはモノポリーの駒(こま)を使って身体を掻こうとしていますね。
上のセリフで house という言葉が出てきたので、私はこういうゲームの駒のことを house というのかな?と思って辞書を調べたら、house にはそういう意味は載っていませんでした。
ちょっと話は脱線しますが、日本語の駒(すごろくや将棋に使う駒)というのは元々は馬のことなんですよねぇ。
広辞苑によると、
駒(こま)=1.馬の子。小さい馬。2.転じて、馬。特に乗用の馬。馬と同義になってからは、歌語として使われることが多い。
ですから、house じゃなくて horse (馬)なら、「おぉ、日本語と同じだ!」ということで面白いなぁ…と思ったのですが、やっぱり誤植ではなくて、このセリフは実際に house と言っているんですよ。
で、ウィキペディアを見て、やっと house の意味がわかりました。
Equipment (備品)の項目に、
32 wooden or plastic houses and 12 wooden or plastic hotels. 「32個の木製またはプラスチック製の家と、12個の木製またはプラスチック製のホテル」
と書いてあります。
これをゲームの備品として使う、ということですね。
だからボードの上に家がたくさん並んでいて、フィービーはそれを引っ掴んで、それを使って掻きむしろうとした、という意味なわけです。
モノポリーというゲームを知っている人なら「家」と聞けば、あぁ、あの小さい家ね、とわかるということですね。
History の項目に載っている写真にその家らしきものが写っていますし、Properties in detail の項目には、real estate properties (不動産物件)の価格(?)らしきものが載っているのですが、そこにも、Price per house だとか、Rent (4 Houses) だとか、Mortgage (抵当、担保)だとかの用語が書いてあります。
最初にモノポリーの説明に書いたように、これは資産を増やす、富を獲得するゲームなので、「家」は重要アイテムなわけですね。
モノポリーというゲームをご存知の方には、当たり前のつまらない話だったと思います。申し訳ありません。
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2006年12月12日
フレンズ2-23その16
ジョーイ: I figure my character has kids. (俺の[この会社での]キャラクターには子供がいるんだ。)
チャンドラー: Ya know there isn't a part of that sentence I don't need explained. (なぁ、お前のその文章には、「説明不要」って部分が全くないんだけど。)
ジョーイ: Well, see when you're acting, you need to think about stuff like that. My character, Joseph the processor guy, has two little girls, Ashley and Brittany. Ashley copies everything Brittany does. (なぁ、ほら、演技してる時って、そんなことを考える必要があるだろ? 俺のキャラクター、情報処理担当のジョセフには小さい娘が二人いるんだ、アシュリーとブリタニー。アシュリーはブリタニーのすること全てを真似するんだよ。)
チャンドラー: Well, invisible kids can be that way sometimes. (そうか、見えない子供達には時々そういうことがあるよなぁ。)
ジョーイ: Yeah. Joseph and his wife, Karen, are thinking of having a third kid... Ya know what? Just did. (そう、ジョセフと彼の妻カレンは3人目の子供を作ろうかと考えているんだ…おっ? ちょうど今[子供が]できたよ。)
チャンドラー: Really? Wow. That's some pretty powerful imaginary sperm you must have there. (マジで? すごいな。その世界でお前が持ってるに違いない、かなり強力な想像上の精子のお陰だね。)
"there isn't a part of that sentence I don't need explained" は not が2つもあって、回りくどい、というか、わかりにくい表現です。
まず 基本構造は、"there isn't a part of ..." 「…という部分がない。」です。
その…の部分は、"I don't need (a part of that sentence) explained." の a part of that sentence が前に出てそれを後ろから修飾している、という形になります。
need +目的語+過去分詞は「(目的語が)…される必要がある、(目的語を)…してもらう必要がある」という意味になり、この場合は don't need になっているので、「その(ジョーイが今言った)文章の一部分を説明してもらう必要がない」 となります。
そしてそれをさらに "there isn't" で「…は存在しない」と言っているのですから、「説明してもらう必要がないという部分が1つも存在しない。」、つまり、「その文章は全てに関して説明してもらわないと理解できない。全然わかんない。」という意味になるようですね。
ジョーイは自分の娘に名前まで付けていました(笑)。
妹が姉のすることを真似して…と嬉しそうに話すジョーイ。
確かに下の子は上の子の真似をしたがるものです。
小さい子供にとっては、少し上の兄弟は憧れの存在らしくて(笑)、うちも2歳の妹が6歳の兄の真似をしたがるので困ります。(だいたい、「これっ、そんなことするのやめなさいっ!」というようなことを真似するんですよねぇ…)
が、独身のジョーイの口からそんな言葉が簡単に出てくるところがすごいなぁ。
ジョーイには姉や妹がたくさんいて、甥や姪も多いので、そういう子供の習性をよく知ってるということなんでしょう。
次のチャンドラーのセリフですが、想像上の姉妹の話をジョーイがえらくリアルに語るものだから、invisible kids 「目に見えないそういう想像上の子供たち」にはそういうことはよくあるよね、と軽く流しているようです。
本音は「そんなことはあり得ないよ。何でお前の設定は、そこまでのリアリティを持たせているんだよ?」とあきれていることの裏返しのセリフですね。
That's some pretty powerful... の文章なんですが、you must have there は後ろから sperm を修飾しているので、この文章の基本形は That's some sperm. ということになりますよね。
that は、想像上のキャラクターがあっという間に子供を作ってしまった(笑)という状況を指していると考えた場合は、That's some sperm. は「そんなことができたなんて、それはすごい sperm だね。」というニュアンスになるかと思うので、上の和訳では「…のお陰だね。」と訳してみました。
(そんな風に、ここの that を「状況を指すもの」と捉えることが可能なのかどうかが自分ではよくわからないのですが…。)
もしくは、that = that sperm 「そこで今使われた sperm は」と言う意味で、話題に上っているものを指す指示語「それ」と捉えると、「それって、すごくパワフルな想像上の sperm なんだね。」というニュアンスかもしれません。
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チャンドラー: Ya know there isn't a part of that sentence I don't need explained. (なぁ、お前のその文章には、「説明不要」って部分が全くないんだけど。)
ジョーイ: Well, see when you're acting, you need to think about stuff like that. My character, Joseph the processor guy, has two little girls, Ashley and Brittany. Ashley copies everything Brittany does. (なぁ、ほら、演技してる時って、そんなことを考える必要があるだろ? 俺のキャラクター、情報処理担当のジョセフには小さい娘が二人いるんだ、アシュリーとブリタニー。アシュリーはブリタニーのすること全てを真似するんだよ。)
チャンドラー: Well, invisible kids can be that way sometimes. (そうか、見えない子供達には時々そういうことがあるよなぁ。)
ジョーイ: Yeah. Joseph and his wife, Karen, are thinking of having a third kid... Ya know what? Just did. (そう、ジョセフと彼の妻カレンは3人目の子供を作ろうかと考えているんだ…おっ? ちょうど今[子供が]できたよ。)
チャンドラー: Really? Wow. That's some pretty powerful imaginary sperm you must have there. (マジで? すごいな。その世界でお前が持ってるに違いない、かなり強力な想像上の精子のお陰だね。)
"there isn't a part of that sentence I don't need explained" は not が2つもあって、回りくどい、というか、わかりにくい表現です。
まず 基本構造は、"there isn't a part of ..." 「…という部分がない。」です。
その…の部分は、"I don't need (a part of that sentence) explained." の a part of that sentence が前に出てそれを後ろから修飾している、という形になります。
need +目的語+過去分詞は「(目的語が)…される必要がある、(目的語を)…してもらう必要がある」という意味になり、この場合は don't need になっているので、「その(ジョーイが今言った)文章の一部分を説明してもらう必要がない」 となります。
そしてそれをさらに "there isn't" で「…は存在しない」と言っているのですから、「説明してもらう必要がないという部分が1つも存在しない。」、つまり、「その文章は全てに関して説明してもらわないと理解できない。全然わかんない。」という意味になるようですね。
ジョーイは自分の娘に名前まで付けていました(笑)。
妹が姉のすることを真似して…と嬉しそうに話すジョーイ。
確かに下の子は上の子の真似をしたがるものです。
小さい子供にとっては、少し上の兄弟は憧れの存在らしくて(笑)、うちも2歳の妹が6歳の兄の真似をしたがるので困ります。(だいたい、「これっ、そんなことするのやめなさいっ!」というようなことを真似するんですよねぇ…)
が、独身のジョーイの口からそんな言葉が簡単に出てくるところがすごいなぁ。
ジョーイには姉や妹がたくさんいて、甥や姪も多いので、そういう子供の習性をよく知ってるということなんでしょう。
次のチャンドラーのセリフですが、想像上の姉妹の話をジョーイがえらくリアルに語るものだから、invisible kids 「目に見えないそういう想像上の子供たち」にはそういうことはよくあるよね、と軽く流しているようです。
本音は「そんなことはあり得ないよ。何でお前の設定は、そこまでのリアリティを持たせているんだよ?」とあきれていることの裏返しのセリフですね。
That's some pretty powerful... の文章なんですが、you must have there は後ろから sperm を修飾しているので、この文章の基本形は That's some sperm. ということになりますよね。
that は、想像上のキャラクターがあっという間に子供を作ってしまった(笑)という状況を指していると考えた場合は、That's some sperm. は「そんなことができたなんて、それはすごい sperm だね。」というニュアンスになるかと思うので、上の和訳では「…のお陰だね。」と訳してみました。
(そんな風に、ここの that を「状況を指すもの」と捉えることが可能なのかどうかが自分ではよくわからないのですが…。)
もしくは、that = that sperm 「そこで今使われた sperm は」と言う意味で、話題に上っているものを指す指示語「それ」と捉えると、「それって、すごくパワフルな想像上の sperm なんだね。」というニュアンスかもしれません。
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