2007年04月19日

留守電応答メッセージの話 フレンズ3-2その31

モニカはまだ電話にこだわっています。
リチャード: (on machine) Hi, this is Richard. ([留守電の声で] はい、こちら、リチャードです。)
留守電: You have three new messages. (メッセージが3件あります。)
ピポパピポとボタンを操作するモニカ。
モニカ: Not anymore. (もうこれで、何もなし、よ。)
留守電: Message erased. To record your message, begin speaking at the tone. (メッセージは消去されました。[またボタンを操作するモニカ] メッセージを録音するには、ピーという音の後に話し始めて下さい。)
モニカ: Hi, uh, Richard. It's Monica. Um, listen, I did something kind of crazy tonight. Um, maybe I'm getting my period or something. I don't know. Um, anyway, I, I, I beeped into your machine and I heard this message that, that freaked me out, and um, you know what, Michelle will tell you the rest. I, I, um, I'm sorry, okay? I, I hope that we can just forget the whole thing. Okay, bye. (はい、リチャード。私、モニカよ。ねぇ、聞いて。私、今夜、ちょっとバカなことをしちゃったの。多分、今、生理中だからとかそんなことだと思うわ。自分でもよくわからないの。とにかく、私はボタンを操作してあなたの留守電を操作したら、私をパニクらせるメッセージを聞いちゃったのよ。ミシェルが残りのことは話すと思うわ。ごめんなさい。私たちがすべてのことをただ忘れられたらいいのにと思ってるわ。じゃあ、さよなら。)

erase は「文字などをこすって消す、…から削除する、黒板をふく、テープの録音を消す」。
eraser は「消しゴム」だと中学生くらいの時に習いましたが、黒板消しのことも eraser (a blackboard eraser)と言うんですね。
まぁ、文字を消す要領は同じですから、当たり前ですが…(笑)。
period は「月経、生理」。
しばらくの「期間」続くからですね(笑)。
period という単語を出したので、フィービーが「なんて話をしてるの」みたいな顔で見ているのがおかしいです。

とりあえず、言い訳、言いたいことが言えてホッとするモニカですが、
留守電: Your outgoing message has now been changed. (あなたの(留守番電話の)応答メッセージがただいま変更されました。)
モニカ: Outgoing? Did that say outgoing? Not outgoing! (「応答」? 「応答」って言った? 「応答」じゃないわ!)
モニカの声の留守電: (on machine) "Hi, uh, Richard it's Monica. Um, listen, I did something kind of crazy tonight. Um, maybe I'm getting my period or something. I don't know." (はい、リチャード。私、モニカよ。ねぇ、聞いて。私、今夜、ちょっとバカなことをしちゃったの。多分、今、生理中だからとかそんなことだと思うわ。自分でもよくわからないわ。)
モニカ: Nooo!! (いやー!!)
フィービー: How did you do that? (どうやったの、それ?)
モニカ: I don't know! (わからないわ!)
留守電: Goodbye. (さようなら。)
モニカ: Noooo!!!! (いやー!!!!)

電子メールの場合は、outgoing message というのは「送信メッセージ、出力メッセージ」ということで、その反対は incoming message 「受信メッセージ、入力メッセージ」ということになります。
留守番電話の場合は、outgoing message が「(留守番電話から流れる)応答メッセージ」、incoming message が「(電話をかけてきた人が、留守番電話に残す、吹き込む)入力メッセージ」ということになります。
モニカは前に入れた留守電のメッセージを消去して、新しくメッセージを入れ直すつもりだったのですが、どうやらコードを押し間違えたようです。
留守の時に流れるメッセージ、
"Hi, this is Richard. Please leave a message at the tone."
「はい、こちらリチャード。ピーという音のあとにメッセージを残して下さい。」
(このセリフは、フレンズ3-2その14 に出てきました)
を変更する操作をしてしまい、モニカのメッセージが、「留守電の応答メッセージ」に置き換わってしまった、ということです。
つまり、誰かがリチャードに電話をかけてきたら、この「今、生理中だから…」というメッセージが聞こえてくる、ってことですね。
フィービーが感じたように、やはり period なんて言葉まで使うべきではなかった、という感じ(笑)。

How did you do that? 「どうやったの、それ?、どうやったらそんなことができるの?」というのは、その「方法」を尋ねているのですね。
フレンズ2-4その1 では、鍋から鳩を出したレイチェルに向かって、ダンカンという人がこのセリフを言っていました。
相手の留守電の応答メッセージを遠隔操作で変更する、なんて高度な技は、どんなボタンをどう操作したらできちゃうのよ、という感じでしょうか。
でも、そのワザはそんなに高度なものでもないらしく、うちの電話の取説では、
リモコンコード 41# 「録音した応答メッセージの消去」
リモコンコード 42# 「応答メッセージを録音(最大30秒) # で録音が終わる」
と書いてあります。
モニカがやろうとした「用件(誰かが留守電に入れたメッセージ)を消去」というのは、コード 6# でできるとありますね。

そう言われてみると、モニカがメッセージを吹き込む前に流れたのは、"To record your message, begin speaking at the tone." というもので、声もリチャードのものではなく、ジョーイが フレンズ3-2その14 で面白がって真似をしていた「留守電のクールな声」の方でした。
つまり、いつもの "Hi, this is Richard. Please leave a message at the tone." 「はい、こちらリチャード。ピーという音のあとにメッセージを残して下さい。」ではなかったので、モニカはここで気付くべきだったのかも!?

モニカは留守電の中と、それを聞いた後で、I don't know. を2回言っています。
留守電の方は、「(そんなことだと思うけど)自分でもよくわからないわ。」で、後のセリフは、「(どうしてこんなことが出来ちゃったのか)わからないわ!」、ということですが、同じセリフを繰り返しているのが面白いのでしょうね。

モニカの Noooo!!!! (いやー!) が、いかにもモニカらしいのですが、その件に関して、明日もう少し触れてみたいと思います。

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2007年04月18日

フレンズ3-2その30

ロス: Okay, okay. Enough, enough with the lunging. No. I'm sick of this. Okay. I've had it up to here with you two! Neither you can come to the party! (わかった、わかった。もう十分だ。ランジはそれで十分だよ。やめてくれ。もうこんなのはいやだよ。もう君たち二人には我慢がならないよ! 二人ともパーティーには来ちゃだめだ!)
チャンドラー: Jeez, what a baby! (全く、子供だな。)
ジョーイ: Yeah, Ross. Way to ruin it. I was just gonna go get dressed. (あぁ、ロス。せっかく楽しんでたのに水を差してくれちゃって。ちょうど着替えに行こうと思ってたところだよ。)
ロス: You know what I don't care. The only person I cared about getting dressed, is the one person that says she's not even gonna go. Look Rach, I'm sorry, okay? Look, I-I wa, I was a jerk, okay? I'm sorry I yelled. I want you there, I need you there. Look, what, what can I do to show you how much, how much I want you to be there? (いいか、僕はそんなことどうでもいい。僕が着替えて欲しいと思っている唯一の人は、出席するつもりもない、って言うんだ。ねぇ、レイチェル。ごめんよ。僕はばかだった。怒鳴って悪かったよ。君に出席して欲しい。あの場所で君が必要なんだ。ねぇ、僕が君にどれだけ出席して欲しいと思っているかを示すには、僕は何をしたらいいんだろう?)
ジョーイ: You could drink the fat. (油を飲んでみたら?)
ロス: Hi, welcome to an adult conversation. (はーい、大人の会話にようこそ。)
レイチェル: No, no, no, now wait, wa, wa, waa-it a minute, wait a minute, wait a minute, wait a minute. That actually, uh, that sounds interesting. (いいえ、ちょっと待って、待って、待って、待って。それって本当に面白そうね。)
ロス: What? (何だって?)
レイチェル: I think you should drink the fat. (私はあなたが油を飲むべきだと思うわ。)
ジョーイ: Yaaaay! (やったぁー!)
ロス: Okay, okay. If that is what it takes to show you how much you mean to me, and how much I want you there. Then that's what I'll do. (わかった、わかった。もし、油を飲むことが、君が僕にとってどれほど意味のある[大切な]人か、どれほど君に出席して欲しいと思っているか、を示すのに必要なことならば。それなら、それを僕は今からするよ。)
フィービー: Oh, wait, let me get you another glass. That's been sitting out. (あぁ、待って。別のグラスのを持って来るわね。これは長い間、(冷蔵庫の)外に出ていたから。)
と言って、別の(冷蔵庫に入っている?)油を取りに行こうとするフィービー、ロスはそれを制して、
ロス: I think this will be fine. Okay, vanilla milkshake, just a vanilla milkshake, with chicken bits floating in it. Cheers. (これでいいよ。よし、バニラ・ミルクシェークだ。ただのバニラ・ミルクシェークだ。チキンのかけらが浮いているけどね。乾杯。)
(starts to drink, but Rachel stops him just before he starts drinking)
ロスは飲もうとするが、彼が飲み始める直前にレイチェルがロスを止める。
レイチェル: No, no, no, wait! Okay, okay. Don't! I'll go, I'll go! (だめ、だめ、だめ、待って! わかった、わかった。やめて。行くわ、私行くわ!)
ロス: You will?! (行くの?)
レイチェル: You were really gonna do that, weren't you? (ロスは本当に油を飲もうとしたのね?)
ロス: Well, yeah. (あぁ、そうだよ。)
レイチェル: You were gonna drink the fat. (あなたは油を飲もうとしたのね。)
ジョーイ: Let's see what else he'll do! (他にどんなことをするか、見てみようぜ!)

up to here は、実際にあごのところまで手を挙げて言う表現なのですが、「あごの所まで、ここまでいっぱいで、アップアップ状態で、うんざりして、我慢できなくて」のような意味になります。
実際にロスは、首・あごのところに手をやっていますね。
「もう我慢の限界だ、もう怒りはここまで来てるぞ。」という感じでしょうか。
チャンドラーは what a baby! 「何てベビーだ。」、つまり、「何て子供なんだ。何て子供じみたことを言うんだ。」とあきれているのですが、それはロスのセリフでしょう(笑)。
全く、ガキはどっちだよ!と怒っているに違いありません。

Way to ruin it. の ruin は「…を破滅させる、台無しにする、めちゃめちゃにする」ということですが、この場合は「(雰囲気を)ぶち壊す、(盛り上がって楽しんでいるところに)水を差す」みたいな意味でしょうね。
「(お前のそんな言い方は)それに水を差すやり方だな。」みたいな感じで、つまり「そんなこと言ったら、せっかくのお楽しみが台無しになるだろ。」ということなんだと思います。
welcome to an adult conversation. を直訳すると、「大人の会話へようこそ。」ということですから、ジョーイを子ども扱いして、「大人の会話に子供が入ってくるな、子供じみたことを言うな」と言いたいのですね。

このエピソードでは、最初から、何回か油について言及されていたのですが、ちゃんと最後にこんな風に使われることになっていたんですね。
何も使われないのなら、話を持ち出すのは無意味な気がしますので、伏線として登場させてあったのですね。
vanilla milkshake 「バニラ・ミルクシェーク」だと思って飲もうとするのですが、使い古しの油ですから、フライドチキンのチキンのかけらみたいなものが浮いているようです(笑)。
自分のために油を飲もうとしたロスに、さすがのレイチェルの怒りもおさまります。
ロスは振りをしていたわけではなく、本当に飲もうとしていたみたいですね。優しいなぁ…。
油を飲もうとするくらいだから、他の無理難題にもトライするかもしれない、と面白がるジョーイは、やっぱり子供ですね(笑)。

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2007年04月17日

フレンズ1-6その6

一昨日の記事、チャンドラーの口癖の話 フレンズ3-2その29 で、フレンズ1-6 のセリフについて触れたので、この機会に、1-6 のその部分の追加解説をしたいと思います。
今日の記事では一つ、「気になる点」があります。
それ以外の部分はおまけなので、そこだけ読みたいという方は、「気になる点はこちら」までワープして下さい(笑)。

一昨日の記事では、"Could 名詞 be any 形容詞の比較級 ?" が「チャンドラーの口癖、彼らしい言い回し」だということについて説明しました。
今日、取り上げる 1-6 には、それとよく似たバージョンのセリフ、"could she be more out of my league?" が出てきます。
any more ではなく、「ただの more 」(笑)なのですが、物真似と同じように、be を強調気味に発音しています。
恐らく、このセリフが、後のエピソードで真似をされることになる言い回しの”原型”だと思うんですよ。

過去記事では、フレンズ1-6その1 に当たる部分で、その過去記事でもセリフを一部取り上げています。

ジョーイのお芝居を見に行って、ものすごい美女を見たチャンドラー。
チャンドラー: She's amazing! She makes the women that I dream about look like short, fat, bald men! (彼女は素晴らしいよ! 彼女と比べると、今まで夢見てきた女が、チビで太ってはげたおっさんに見えるよ。)
モニカ: Well, go over to her! She's not with anyone. (それなら、彼女にアプローチしてみたら。誰か(男性)と一緒にいるわけじゃないし。)
チャンドラー: Oh yeah, and what would my opening line be? "Excuse me. Blarrglarrghh." (あぁ、そうだね。最初にかける言葉は何? 「すみません。うわわわわ。」)
レイチェル: Oh, c'mon. She's a person, you can do it! (ねぇ、大丈夫よ。彼女だって人間よ。あなたならできるわよ。)
チャンドラー: Oh please, could she be more out of my league? Ross, back me up here. (あぁ、お願いだから(そんなこと言うの)やめてくれよ。彼女は、俺にとって史上最高の高嶺の花だよ。 ロス、何とか言ってくれよ。)
ロス: He could never get a woman like that in a million years. (チャンドラーには、あんな女は100万年たってもゲットできないね。)
チャンドラー: Thank you, buddy. (ありがとう、友よ。)
フィービー: Oh, oh, but y'know, you always see these really beautiful women with these really nothing guys, you could be one of those guys. (でも、ほら、こういうすっごくきれいな女性が、全くつまらない男といるところをよく見るわよ。あなたなら、その男になれるかも。)
そう言われて、「なるほど。そういうことなら俺にも可能性があるかも?」みたいな顔をするチャンドラー。
他のフレンズたちも「フィービーの意見は正しい」と頷きます。
モニカ: You could do that! (それならできるかも。)
チャンドラー: Y'think? (そう思う?)
みんな: Yeah! (うん、思う。)
チャンドラー: Oh God, I can't believe I'm even considering this... I'm very very aware of my tongue... (なんてこった、声を掛けようと思ってることさえ信じられないよ。舌を意識しすぎちゃうよ…)
ロス: C'mon! C'mon! (頑張れ、頑張れ!)
チャンドラー: Here goes. (よし、行くぞ!)

彼女のところへ言って声を掛けたら?と提案されるのですが、what would my opening line be? "Excuse me. Blarrglarrghh." と言っています。
line は「セリフ」。
フレンズではこの意味で何度も出てきます。
opening というのは、open a conversation 「会話・話を始める」という意味の open ですから、opening line は「話の口火を切るためのセリフ、導入のセリフ」という感じになります。
フレンズ1-22その6 に、opener という単語も出てきましたが、それも「最初の話を切り出すもの」という意味ですね。
Blarrglarrghh 「バラグラガ…」と何だかよくわからないセリフを言っていますが(笑)、緊張してうまく舌が回らなくて噛んじゃった、みたいな感じですね。
声がドナルドダックみたい(笑)。

She's a person. は「彼女は一人の人間よ。」
いくらきれいだって言ったって、女神様ってことはなくて同じ人間でしょ、そんなに緊張することないわよ、という意味で言っているのですね。
日本語でもそんな風に「彼女も人間だ。」などと言って、いくら完璧な人でも何かしらの欠点があることを示唆したりしますよね。

You can do it! は「あなたならできるわ。」
フレンズ2-17その18 でも書いていますが、発音に注意。
「できるわ。」と言う場合は、do にアクセントを置きます。
逆に You can't do it! 「あなたにはできないわよ!」という場合は、can't という否定語「できない」にアクセントを置きますね。

そんな風に励まされて、逆にチャンドラーは「何と言っても、無理なものは無理なんだよ。俺を説得しようとするのはやめてくれよ。」という意味で Oh please. と言っているようです。
そのような please のニュアンスは、フレンズ1-5その3 で説明しています。

今日のメインテーマ、「気になる点はこちら」
out of one'e league は、フレンズ1-8その5 にも出てきますが、「高嶺の花」という意味。
league はメジャーリーグという言葉からわかる通り、「同盟、連盟」という意味ですが、そこから、「(同質の)グループ、仲間、部類」という意味にもなります。
ですから、「同じ部類には属さない」ということで、「手の届かない人、住む世界の違う人」みたいな感じの「高嶺の花」という意味になるのですね。
ロングマン現代英英辞典では、
be out of your league: to not be skilled or experienced enough to do or deal with something
つまり、「何かをするのに、または扱うのに十分なほど熟練していない、または経験がないこと」。
また、それと同じような not be in the same league という表現もあります。
同じくロングマンでは、
not be in the same league (as somebody/something)
also be in a different league (from somebody/something)
: to be not nearly as good or important as someone or something else
例) They're not in the same league as the French at making wine.

訳すと、「誰かや何かとほとんど同じくらい上手または重要ではないこと」。
つまり「…ほどの腕前ではない」という意味です。
例文は、「彼らはワイン作りに関してはフランス人ほどの腕前ではない。」という意味になります。

could she be more out of my league? は She could be more out of my league. の疑問形ですから、直訳すると、「彼女は俺にとって、これ以上高嶺の花になることは可能だろうか?」という意味になります。
これは反語的表現で、「可能だろうか? いや、そんなことはあり得ない、不可能だ」と言いたい、つまり「彼女が俺にとっては、史上最高の高嶺の花だ。」と言っているわけですね。
もし more がなくて、Could she be out of my league? ならば、「彼女が俺にとって高嶺の花だという可能性があるか? 必ずしも高嶺の花だとは言えない。」という意味になると思うのですが、more が入ってるために「それ以上…である可能性があるか? (いや)もうそれ以上…である可能性はない、これが最高だ。」という意味になると思います。

なぜここをしつこく解説しているかと言うと、この部分はDVDの日本語では以下のように訳されていて、少しニュアンスが異なるんですよね。
日本語訳は、(DVD日本語字幕/DVD日本語吹替)の順に書いています。
レイチェル: Oh, c'mon. She's a person, you can do it! (ビビることないわ/ビビることないじゃん。行って来なさいよ。)
チャンドラー: Oh please, could she be more out of my league? Ross, back me up here. (落とせないとでも? ロス 言ってやれ/ビビるかよ。俺が落とせないとでも思うのか? ロス 言ってやってくれよ。)
ロス: He could never get a woman like that in a million years. (絶対に落とせないね/100万年たっても彼女は落とせないだろうね。)
チャンドラー: Thank you, buddy. (ありがと/ありがとね。)

この訳だと、「彼女は高嶺の花だって言うのか? そんなことはない。俺だって頑張れば落とせるよ。」と高嶺の花であることを否定しているニュアンスになりますよね。
つまり、私の上の解釈とは正反対のことを言っていることになります。

DVDの日本語訳がこうなっているのは、そのように訳したら、それはそれでまた「別のジョークとして成立する」し、その方が話の流れがシンプルでわかりやすいからなんだろうなぁ、と思います。
この日本語の場合だと、レイチェルが She's a person. とまで言っているのに対して、「そこまで言われなくてもそんなことくらいわかってる。俺だってやろうと思えば出来るさ。だからそんなことは言わないでくれよ。」と答えて、ロスに back up 「後援(支援・援護・バックアップ・助太刀・加勢)する」ことを求めたのに、ロスが「絶対に無理だ。」と言い切ったので、「それじゃ全然援護になってないじゃん」という意味で、「思いっきり俺を”擁護”してくれて感謝するよ。」と言った…というオチになるという感じでしょうか。

ただ、英語音声で一連のやり取りを見ていると、チャンドラーが声を掛ける気になったのは、フィービーの「美人がつまらない男と一緒にいる」発言がきっかけで、それまではずっと一貫して「あんなすごい美人に声を掛けることなんて出来ない」と感じているようなんですね。
ですから、レイチェルにいくら促されてもその心境は変わらず、「いくら説得しようとしてもダメだ。だからそんなことを言うのはやめてくれ。彼女は間違いなく高嶺の花だよ。ロスもそう思うだろ? ロスも何か言ってくれよ。」と言ったんだと思うんです。
back up と言うと、けちょんけちょんに言われている人間をフォローして、「彼はいいやつだよ、できる人間だよ。」とバックアップする、みたいなイメージがありますが、実際のところは、あくまで、チャンドラーの「意見」を back up するのであって、この場合は、「チャンドラーが自分のことをネガティブに捉えている」ことを、ロスが「それは正しい」とバックアップすることになると思うんですね。

back up してくれと言われたロスは、"I also think she is out of his league." 「うん、確かに高嶺の花だね。」くらいで止めておいてくれたらいいのに、not in a million years 「決して(ゲットでき)ない、100万年たっても(ゲットでき)ない」とまで「断言」しています。
チャンドラーは、「ありがとう。」と言いながらも、「そこまではっきり言わなくてもいいじゃん、そんなに強調しなくてもいいじゃん…」とがっかりしてるのがおかしい、というジョークなのかなぁ?と。
Thank you, buddy. は「そこまで言ってくれてありがとう。さすがは”友達”だね。」という感じですが、「いくら友達だからって、そこまで正直に言わなくてもいいんじゃないの?」というニュアンスが入っている気がするのですがどうでしょう?

ですから、私の英語の解釈が合っているとしたら、DVDの日本語訳は、ジョークをわかりやすくシンプルにするための「意訳」なんだろうと思いますね。
それはコメディを訳す時の宿命みたいなものでしょうか。

…ということで長くなりましたが、Could she be more out of my league? の解釈について、「私はこう思うけど…」などのご意見がありましたら、是非お寄せ下さい。

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posted by Rach at 11:33| Comment(6) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月16日

フレンズ1-22その7

昨日の記事、チャンドラーの口癖の話 フレンズ3-2その29 で、フレンズ1-22 のセリフについて触れたので、この機会に、1-22 のその部分の追加解説をしたいと思います。

昨日の記事では、"Could 名詞 be any 形容詞の比較級 ?" が「チャンドラーの口癖、彼らしい言い回し」だということについて説明しました。
今日、取り上げる 1-22 にも、チャンドラーの口癖を真似た「物真似」のセリフが2箇所出てきます。

まず一つ目。
フレンズ1-22その4 辺りのシーンです。

フィービーはチャンドラーの会社で秘書としてバイトしていて、いろんな情報を仕入れてきます。
昇進してからのチャンドラーは、会社のみんなに嫌われている、という衝撃の発言をするフィービー。
フィービー: Yeah, yeah. They even do you. (みんなは、あなたの物真似もしてるわよ。)
チャンドラー: They "do" me? (俺の物真似だって?)
フィービー: You know like... uh okay... uh... "Could that report be any later?" (そうねぇ、ほら…あ、そうそう…「あのレポート、遅すぎるぞ!」)
[Joey and Ross laughs]
ジョーイとロスは笑う。
チャンドラー: I don't sound like that. (俺はそんな言い方はしないよ。)
ロス: Oh, oh Chandler... (またまたぁ、チャンドラー…)
ジョーイ: Oh... Yeah, you do. (あぁ、確かにそう言うよな。)

過去記事でも触れていますが、do (a) someone は「…の物真似(ものまね)をする」という意味です。
"Could that report be any later?" を直訳すると、「あのレポートがそれ以上少しでも遅くなることが可能だろうか?」ですから、「これ以上遅くなることなんてあり得ないぞ! あまりにも遅い、遅すぎる!」ということですね。
"Could 名詞 be any 形容詞の比較級 ?" の形にぴったり当てはまっています。
フィービーはこのセリフを言う時に、be any later の be を強調して発音しています。
それが、チャンドラーの発音の特徴なんですね。
「そうそう、そんな感じ!」とジョーイとロスが手を叩き、指を指して大笑いしているのが面白いです。
本人はあまり自覚がないようですが、癖というのはそういうものですよね。

次に二つ目。
フレンズ1-22その6 で、モニカとイーサンが別れ話をした後のシーン。

[Scene: A hall on the floor where Chandler works. Chandler and Phoebe enters, and overhears some employees' conversation. One of
them is doing Chandler.]
チャンドラーが働いている階の廊下。チャンドラーとフィービーが登場する。社員の会話が聞こえてくる。その中の人がチャンドラーの物真似をしている。
ガーストン: Uh, like, "Could these margaritas be any stronger?" [They discover that Chandler is listening] Hey, Chandler. (例えば、「このマルガリータ(お酒)、最高にキツいよね!」 [社員たちはチャンドラーが聞いているのに気付く。] やぁ、チャンドラー。)
サントス: Hello, Mr. Bing. (こんにちは、ビングさん。)
ピートリー: Loved your "Stevie Wonder" last night. (昨夜の”スティービー・ワンダー”、あれは良かった。)
チャンドラー: Thanks. Listen, about the weekly numbers, I'm gonna need them on my desk by 9 o'clock. (ありがとう。週末の数字についてだけど、9時までに俺の机に提出してくれ。)
サントス: Sure. (わかりました。)
ガーストン: No problem. (問題ありません。)
[They go away, trying very hard not to laugh at Chandler]
チャンドラーを見て笑わないように苦労しながら[笑いをこらえながら]、彼らは去って行く。
チャンドラー: You have to give them something, you know. Okay, now that was Gerston, Santos, and who's the guy with the mustache? (あいつらに何か与えてやらないとな。よし、さっきのは、ガーストン、サントス、それからヒゲを生やしたやつは誰だっけ?)
フィービー: Petrie. (ピートリーよ。)
チャンドラー: Petrie, right, right. Okay, some people are gonna be working... this weekend. (ピートリーだ。わかった。よし、誰かさんたちは、仕事をすることになるな、この週末も。)

言うまでもなく、ガーストンの、"Could these margaritas be any stronger?" がチャンドラーの物真似です。
ここでも be に思いっきり力が入っています(笑)。
strong にはこのように「(酒が)強い、きつい」「(コーヒー・茶が)濃い」という意味がありますね。
お酒がキツいということを言うだけなのに、確かにちょっと回りくどい感じがします(笑)。

ピートリーのセリフから、チャンドラーが昨夜のパーティーで、スティービー・ワンダーの歌を歌った、または真似をした、ということがわかりますね。
そうやってチャンドラーを誉めながら、ピートリーは首を振ってスティービー・ワンダーの仕草をしてみせます。
このピートリーの顔がどことなくスティービー・ワンダーに似ていて、首を振るとそっくりな感じなので吹き出してしまいました。
これを見ていると、ピートリーの方が上手いんじゃないか、チャンドラーの物真似や歌は全然似てなくて空回りしていたのではないか?などと勘ぐりたくなりますが(笑)。

by 9 o'clock の by にアクセントを置くチャンドラー。
部下たちは笑いをこらえながら去っていきますが、「また、変なところにアクセントを置いてるよ!」とウケているんですね。

give them something は普通の場合は、「彼らに何かを与える」ですが、この場合は、彼らが陰口、またはコソコソ物真似をしていたことに腹を立てたチャンドラーが、「何かお仕置きしてやる、懲らしめてやる」か、そういうお仕置きのための「仕事」を与えてやる、かのどちらかでしょう。
どちらにしても、何か「悪いこと、大変なこと」を与えてやるぞ、と言う感じですね。
最後のセリフでは、this と weekend の最後の d に力を込めるチャンドラー。
「俺のアクセントを笑いたいなら笑え! それがどういう結果になるか見てろよ!」という感じで、わざとそのアクセントを強調しているわけですね。

(Rach からのちょっとした言い訳)
現在解説中のエピソード(フレンズ3-2)に関係する過去のセリフを説明するのに、わざわざ「フレンズ1-22その7」として記事を分ける理由、について。

これまでは、現在解説中のエピソードに盛り込む形で書いていましたが、例えばシーズン1のvol. 6 のDVDだけを持っている読者の方であれば、そこに入っている話の解説にしか目を通しませんよねぇ?
過去のシーズンのセリフについて、3-2 の解説記事で触れたところで、それを読むことがない、という可能性が大いにあります。
フレンズは10シーズンもあるので、その一部分だけを使って学習する人の方が圧倒的に多いわけですからね。

ですから、少しでも解説を有効に使っていただけるように、また、「私はこう思ったけど?」という意見を広く集められるように、それぞれのセリフは該当エピソードの解説内で収まるようにしたいのです。
そこで、今回のように記事タイトルを分けて、1-22 の追加解説とし、1-22 のオリジナルの記事の該当部分には追記としてリンクをはって、今日の記事にジャンプできるようにしてあります。

こんな風に脱線していると、本来の 3-2 の解説がちっとも進まないのですが(笑)、本来であれば初期のシーズンの解説ほど詳しく解説しておくべきだろうと思いますので、どうか、私の解説方針についてご理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。

明日も「チャンドラーの口癖」に関連して、過去エピソード(フレンズ1-6)の追加解説をします。

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posted by Rach at 16:08| Comment(6) | フレンズ シーズン1 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月15日

チャンドラーの口癖の話 フレンズ3-2その29

昨日の続きです。
恐ろしく長くて、かなりのフレンズ好きの人しか楽しめない(いや、フレンズ好きの人でも楽しめるかどうかわからない…笑)記事です。

ジョーイ: Look at me! I'm Chandler. Could I be wearing any more clothes? (俺を見てくれ! 俺はチャンドラーだ。これ以上あと少しでも服を着ることができるかな?[着込めるだけ着込んでるぞ。])

この "Could I be wearing any more clothes?" というセリフは、チャンドラーの口癖をジョーイが真似ているようです。
だから、「俺はチャンドラーだ。」とその前に言っているのですね。
直訳すると、「これ以上あと少しでも服を着ることができるだろうか?」
つまり「もうこれ以上は一枚も着ることができない。もう着込めるだけ最大枚数を着込んでるよ。」ということでしょうね。
そういう「最高、最大」であることを、"Could ... any more...?" と、わざわざ「疑問文で反語的に」表現するのが彼らしい、ということのようです。(回りくどい、と言うのでしょうか?…笑)

Wikipedia 英語版: Friends (前にもこのサイトを紹介しましたが、ネタバレ要素満載なのでお気をつけ下さい)の Running gags 「連続して登場する(?)ギャグ」という項目に 、Chandler's humour という項目があります。
そこで、今回の could I be wearing... のセリフが取り上げられていました。
以下にウィキペディアの英文を引用し、それを私なりに訳してみます。

Chandler often makes sarcastic, snide remarks, typically in response to the actions of his friends. A psychoanalyst tells him that he probably "started using humour as a defense mechanism when [his] parents divorced". Chandler occasionally uses these exact words to justify his behavior.

Chandler is also known for saying phrases in the form of "Could noun(s) be any more adjective?" His friends often imitate him using this phrase. For example, in the episode "The One Where No One's Ready", Joey dresses up in all the clothes that Chandler owns, and remarks, "Look at me, I'm Chandler, could I be wearing any more clothes?" This phrasing is known to have been a significant influence upon popular culture (see below).

チャンドラーは、たいてい、友達の行動に反応して、しばしば皮肉ないやみを言う。ある精神分析医は彼にこう言った、彼は恐らく「両親が離婚した時に防衛メカニズムとしてユーモアを使い始めたんだろう」と。チャンドラーは、自分の行動を正当化するために、時々、この精神分析医の言った言葉をそのまま使う。

チャンドラーは、"Could 名詞 be any more 形容詞?" という形式のフレーズを言うことでも知られている。彼の友達はしばしばこのフレーズを使って彼の真似をする。例えば、3-2 のエピソードでは、ジョーイがチャンドラーの所持している服全部を着込んで、以下のように言う。「俺を見てくれ。俺はチャンドラーだ! これ以上…(以下略)」 この言い回しは、ポップカルチャーに多大な影響を与えてきたことで知られている。


前半部分は今回のエピソードの話ではありませんが、面白いので引用してみました。
「ある精神分析医」とは、フレンズ1-13その1 で出てきたロジャーのことですね。
「この言い回しが、ポップカルチャーに多大な影響を与えた」とはえらく大層な表現ですが(笑)、see below と書いてあって、その下の項目の Cultural impact にジャンプするようになっています。
が、そこにこのチャンドラーのセリフのことは書いていませんね。(削除されてしまったのか、そのリンク自体が間違いなのか?)
でも、ウィキペディアで上のように書いてあるので、この言い回しが彼の特徴であるのは間違いないようです。

実際の過去のチャンドラーのセリフとしては、フレンズ1-6 で、オーロラという女性に声を掛けようとするシーンでこんなセリフがありました。
チャンドラー: Oh please, could she be more out of my league?
この場合は、any が入っていませんが、ニュアンスは似ていますね。
このセリフについては、過去記事できちんと説明していなかったのと、ちょっと気になる点があるので、明後日、フレンズ1-6 の追加解説記事 フレンズ1-6その6 として、別途説明したいと思います。

他にフレンズのセリフで、似た言い回しを探してみました。(他の人の発言も含みます。また、まだ登場していないエピソードもあるので、日本語訳は書きません。)

フレンズ2-10
ラス: You could not be more wrong. You could try but you would not be successfull.
チャンドラー: OK, I'm gonna get some more coffee before the pinching and eye poking begins. (こちらのチャンドラーのセリフは、フレンズ2-10その14 で取り上げています。)

フレンズ2-24
レイチェル: Afraid to ask him?
モニカ: Could not be more terrified.
これらのセリフは、フレンズ2-24その9 で解説しています。

フレンズ4-3
チャンドラー: Could there be more Kims?

フレンズ5-10
チャンドラー: Could I be more sorry?

私の探し方が悪いのかもしれませんが、チャンドラーのセリフで、"Could 名詞 be more ..." というのはありますが、"any more" ではありませんね。
それにラス(ロスではない…笑)が(肯定文ですが)普通に使っていますし、2-24 のモニカのセリフはチャンドラーの質問に答えたわけではないので、チャンドラーの口真似をしている、ということでもないようです。

肝心のチャンドラーのセリフに "Could 名詞 be any more 形容詞?" というのが見当たらないので悩んでいたのですが、ふと、"more 形容詞" じゃなくて、"形容詞+ -er " の比較級かも、と思い付きました。

形容詞の比較級の作り方について、数研出版「基礎と完成 新英文法」では、以下のように説明してあります。
1音節の語、または2音節の語のうち -y で終わるものには、-er をつける。
その他の大部分の2音節の語、または3音節以上の語は、原級の前に more をつける。


ということで、"Could 名詞 be any ..." となっているものを探してみました。
すると、フレンズ1-22 のエピソードで、興味深いセリフを2箇所発見!

フィービー: You know like... uh okay... uh... "Could that report be any later?" (そうねぇ、ほら…あ、そうそう…「あのレポート、遅すぎるぞ!」)

ガーストン: Uh, like, "Could these margaritas be any stronger?" (例えば、「このマルガリータ(お酒)、最高にキツいよね!」)

これらはチャンドラー本人のセリフではないのですが、それぞれ、チャンドラーの「物真似」をしているのです。
長くなるので、1-22 のチャンドラーの物真似の部分については、明日の記事 フレンズ1-22その7 で詳しく説明したいと思います。

これが物真似だとわかったところで、もう一つ物真似があったことに気付きました。

フレンズ2-20その28 で解説している部分。
リチャード: Could that shot BE any prettier? (あのショットは、かなり見事だっただろ?)
これは、リチャードとジョーイ&チャンドラーがフーズボールゲームで遊んでいて、見事にショットを決めた時のリチャードのセリフ。
このセリフを言った後、リチャードはちょっと舌を出して「ふざけてみたよ」みたいな顔をしていますし、チャンドラーたちに対して、チャンドラーの口癖を使ってみた、ということのようです。

また、ネットスクリプトでは、上のように BE が大文字になっているのですが、実際の音声も、be の部分をかなり強調してしゃべっています。
今回の 3-2 のジョーイのセリフも、1-22 の二つの物真似も、そしてこのリチャードのセリフも、注意して聞いてみると、すべてこの be の部分を強めに発音しています。
ここにアクセントを置いて、
"Could 名詞 BE any 形容詞の比較級 ?"
となるのが、チャンドラーの癖だ、ということですね。
3-2 のジョーイのセリフは、"Could 名詞 be wearing any more 名詞?" という変形バージョンになっていますが。

とここまで見つかったのはいいのですが、やっぱり肝心のチャンドラー本人のセリフが見当たりません。
私が見落としているのかもしれませんので、チャンドラーがこのフレーズを使っているのを知っている、という方はご一報下さい(笑)。
もしかすると、1-22 で「チャンドラーの物真似」として出てきたのが初出で、本人がそれを使ったことがないにもかかわらず、それがすっかり「チャンドラーの口癖」として浸透してしまったということかもしれません。

ちょっと面白い記述を発見しました。
AOL Entertainment TV turnarounds に Matthew Perry (マシュー・ペリー。チャンドラーを演じている俳優さん)のことが書いてあります。
引用すると、

As Friends' Chandler Bing, Matthew Perry was a lovable loser, but he shed his gag-a-minute image when he took a part in political drama The West Wing during its final two seasons.

Perry played a republican attorney and earned himself an Emmy nomination for the serious role - could he be any more successful?!


訳してみると、
フレンズのチャンドラー・ビングとして、マシュー・ペリーは「愛すべき負け犬」であったが、政治ドラマ「ザ・ホワイトハウス」(原題:The West Wing)のファイナルの2つのシーズンで(訳注:「ファイナル」ではないはずですが…)ある役を演じて、彼の「1分に1回ギャグを言うイメージ」(?)を払拭した。

ペリーは共和党の弁護士を演じて、そのシリアスな役でエミー賞にノミネートされた。
彼がこれ以上あと少しでも成功することが可能だろうか?[これ以上ないほどの成功を収めている。]


その最後のフレーズ、"could he be any more successful?!" が、チャンドラーの口癖を使ったものですよね。
こういう記事でそれが使われていることからも、このフレーズがチャンドラーのものとして有名だ、ということがわかりますよね。

ちなみに、The West Wing に登場した回、というのは、
4-20 ホワイトハウス閉鎖(原題: Evidence of Things Not Seen)
4-21 スキャンダル(原題: Life On Mars)
です。
また、5-7 Separation of Powers(日本未放映?)でもゲスト出演しているようです。
ちなみに、私は 4-20 はテレビで見ました。
チャンドラーとは違って、「クールで出来る男」って感じでしたよ(笑)。

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posted by Rach at 12:19| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月14日

フレンズ3-2その28

(Joey enters wearing a lot of clothes)
ジョーイはたくさんの服を着込んで部屋に入ってきます。
ジョーイ: Okay, buddy boy. Here it is. You hide my clothes, I'm wearing everything you own. (さぁ、友よ。これでどうだ。お前が俺の服を隠すから、俺はお前の持ってる服全てを、今、着てるぞ。)
チャンドラー: Oh, my God! That is so not the opposite of taking somebody's underwear! (なんてこった! そんなの、「人の下着を取ることの正反対」とは全く違うじゃないか。)
ジョーイ: Look at me! I'm Chandler. Could I be wearing any more clothes? Maybe if I wasn't going commando... (俺を見てくれ! 俺はチャンドラーだ。これ以上あと少しでも服を着ることができるかな?[着込めるだけ着込んでるぞ。] 多分、もし俺が下着をつけていたとしたら…)
チャンドラー: Oooo-ooh! (わあぁ!)
ジョーイ: Yeah. Whew, it's hot with all of this stuff on. I ah, I better not do any, I don't know, lunges. (starts doing lunges) (あぁ。ふぅ。こんなの全部着てたら暑いな。こんなことしない方がいいんだろうな、ほら、ランジ[突き出し運動]とか。)
と言って、ランジをし始めるジョーイ。

That is so not the opposite of... の so not は「全く…でない」ということですね。
not so なら「それほど…ではない」になるのですが。
この not の位置によって、打ち消す対象がはっきりする、という話は、フレンズ2-21その21 で出てきました。

Look at me! I'm Chandler. Could I be wearing any more clothes? の部分について。
実はこの、Could I be wearing any more...? というフレーズは、「チャンドラーの口癖」らしいのです。
その件については長くなりそうなので、明日、お話したいと思います。

if I wasn't going commando の go commando が「下着をつけない」という意味なのは、コマンドーの話 フレンズ3-2その21 に出てきました。
それを否定している進行形が過去形になっているのですが、この過去形は「仮定法過去」ですね。
「現在の事実に反対の仮定」で、「もし下着をつけない、ってことがなかったなら」というのは、今の状態は、I'm going commando だ、と言っているということですね。
「もしかしてお前、下着つけてないのかよっ!」って感じで指を指しているチャンドラーに笑えます。

lunge は「(フェンシングなどの)突き。突っ込み、突進」「突き出す」という意味。
英辞郎には、
lunge=(名-3)突き出し。足や手を突き出す運動
というのが載っていますが、まさにそういう運動のことですね。
ジョーイがやっているしぐさが lunge だということです。
この lunge という言葉は、「ランジ」として日本語のトレーニング用語として使われているようです。
「ランジ」でぐぐると、そういうトレーニング系のサイトがいくつもヒットしました。

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posted by Rach at 19:20| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月13日

発音を磨くべきか?

昨日に引き続き、発音の話です。

ネイティブのような発音、帰国子女に間違えられるような発音で話せるようになりたくて英語の勉強を始めた、と言う人も結構いるのではないでしょうか? 私もその一人です。
日本人がイメージする「英語がペラペラな人」というのは、「自分の考えを英語ではっきりと述べることができる人」というよりも、「発音がネイティブみたいでかっこいい人」みたいなイメージが強いのではないでしょうかねぇ?
ただ、世界で活躍している人たちを見ていると、母国語が英語でない人の場合は、発音がネイティブ並み、という人は少ない気がします。
それぞれ母国語の影響を大きく受けた英語を話している人が多い気がしますよね。
でも、だからと言って、それで国際人として認められていないわけじゃない。
立派に英語を使って重要な仕事をこなしておられるわけです。
フレンズ2-14その11+ゲイシャの話 で、アメリカで活躍する他国出身の俳優さんの話を書いたのですが、ネイティブとは違う発音が、その俳優さんの個性だったりすることもありますよね。

私は発音は大事だと思っていて、「意味さえ通じれば発音はどうでもいい。」と思っているわけではありません。
でも、音声だけネイティブ並みであっても、中身の伴わない英語であれば、それはあまり意味のないことだとも思います。
よく言われる「大事なのは発音よりも中身である」という話はまったくその通りで、発音に対してコンプレックスを持つことが多い日本人にとっては、発音を気にしすぎるな!という意見は、歓迎すべきものですよね。

発音の参考書(その1) で「発音できる音は、聞き取れる」と書いたのですが、そんな風に「正しく発音する」ことには、「リスニング能力を高める」という効果があります。
では、ある程度リスニングが出来るようになった場合に、リスニングのためではなく、アウトプットの英語として、自分の発音をもっと磨いた方がいいのかどうか?というのが今日のテーマです。

私の一般的な見解を述べさせていただくと、「リスニングできるようになれば、それ以上発音を磨くかどうかは個人の嗜好の問題だ」と思っています。
磨きたい人は磨けばいいし、今の発音でも十分にやっていけると思う人はそれでいい、ということです。

で、私個人としてはどう思っているかと言うと、
「できることならば」よりネイティブに近い発音になりたい!
のです。
上にも書いたように、それは個人の好みの問題ですから、私は誰かに「発音を磨いた方がいい!」と押し付けるつもりはありません。
あくまでも、私がそうなりたい、と思う理由を以下に書くので、そんな意見もあるのか、くらいに聞いておいて下さいね。

私がネイティブの発音を目標にしているのは、ネイティブの発音が一番自然で無駄がなくてクセがない、だから、聞き易い、と思うからです。
コミュニケーションの基本は、自分の意見を相手に伝えること、ですよね。
まず、自分の意見を発信する場合に、「発音が下手だから」ということで黙ってしまうと、コミュニケーションそのものが成り立ちません。
ですから、そういう理由で黙ってしまいがちな日本人はやはり問題なんだ、ということになりますね。

そして、その発信したメッセージを相手が受け取ることを考えると、相手が受け取りやすい形であるのが望ましいのだと思います。
あまり日本語っぽい発音だと、日本人なら何となく「この人、ローマ字読みしてるな」などと察することができるでしょうが、日本語を知らない人にとってはその聞き取りがかなり難しいことになります。
それを、「私は日本人だから日本人っぽい英語でいいんだ!」と「開き直る」ことは、相手にとって聞き取り易い英語をしゃべろうという努力や意欲が感じられない気がするのです。
もちろん、しゃべれない場合は今のレベルで精一杯しゃべればいいですが、それを発音の練習なんかしないでいいんだ、という「言い訳」にしてはいけない気がするんですよ。

それは人が書く「文字」と同じ話かもしれません。
字が汚くても、読めればいい、という人がいて、それは確かにそうなんですが、読む人間が読みにくいと思うような字を書くのは親切だとは思えませんよね。
正式な書類では、「楷書で丁寧に」などと書いてありますが、字の形の美しさとかの問題ではなくて、相手が読みやすい字かどうか、読み取れる字かどうか、というのが大事なんだと思うのです。
字が下手、というと語弊があるかもしれないので、「クセ字」に置き換えてもいいでしょう。
クセ字は一種の個性ですが、極端に読みにくいクセ字はコミュニケーションに支障をきたしてしまいますよね。
私の発音のイメージも、そういうクセをできるだけ排除していく方向に向かうべきだ、ということなのです。
いちから英語を学ぶ場合は、一番メジャーだと思われる「わかりやすい」発音を身につけた方がいい、と思うのです。

誤解のないように言っておくと、メジャーなところでも、アメリカ、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドなど、英語を母国語にする国がいくつかありますが、それぞれの母国語はそれぞれが「正しい英語」であると思っていますので、それをどこかの国(例えばアメリカ)の英語の発音に統一すべきだ、と言っているのではないのです。

世界中ではいろいろな英語が話されていますし、それぞれ歴史があって、個性があります。
それは文化であり、そこに懐かしさを感じる人もいるだろうし、まぁ、日本語の方言みたいなものでしょうか。
だから、それを否定するつもりはありませんが、そういう人たちでも、自分の英語が他の国で通じないと思えば、特徴的だと思われている部分に気をつけて話しているはずだと思うんですよ。
発音の特徴から出身国が分かる、というのは楽しいことですし、それがその人の個性でもあるのですが、相手が聞き取りにくいと眉をひそめるほどの極端な特徴を持った言葉を話してはいけない、と思うのです。

日本人が話す英語は、歴史と伝統のある「ジャパニーズ英語」ではなく、「ただ日本語っぽい発音の影響をモロに受けたカタカナ読みもしくはローマ字読みの英語」になっているだけのことです。
それを日本人の個性として、大事に育てていく必要はないと思います。
日本では英語は公用語になっていないので、普段は日本人同士で妙なジャパニーズ英語を使って話す状況にはなりません。
だから、変なクセをつけなくても済むわけですから、英語を学ぶ時には、一番メジャーなものをお手本にしてきちんと学びたいと思うのです。
そういう音声を入手するのがラクな時代になりましたからねぇ。

やはり訛りがキツすぎる英語というのは聞き取りにくくて、すんなり耳に入ってこない気がします。
私はアメリカ英語に慣れているので、イギリス英語やオーストラリア英語ですら、聞きづらいと思うほどです。
だから、自分にとっては一番自然で聞きなれているアメリカ英語により近い発音になるように「私は」心がけたいと思っているのです。
アメリカ英語でも南部訛りとかいろいろあるので、「アメリカ英語」という大雑把なくくりもどうなのかとは思いますが、フレンズたちがしゃべっている英語が私には一番慣れているから、あれが私の英語のイメージですね。

私が言いたいのは、発音が下手だからと言って卑下する必要はない、けれど、下手な発音で満足すべきでもない、ということです。
下手、というのは、基本的な発音の基礎からずれた「変な癖がついている」という意味です。
もしくは、舌の位置が正しくないとか、息の強さが弱いとか、でしょうか。

私はネイティブ並みの発音に近づきたい!とかなり熱烈に思っているクチですが、それでも、この程度ですからね。
発音を極めるのが難しい、というのはいやと言うほどわかっています。
それを音声学的な才能の差(耳が良い、とか)で片付けるのは簡単ですが、多分、一番の問題は、英語を発音する「筋肉が出来ていない、筋肉が訓練されていない」ということなんだろうと思います。
本を読んでの独学ですから、何か勘違いしていること、掴めていないこと、というのも多いのかもしれません。

発音専門のスクールと言うのを時々聞きますので、そこに通えば、徹底的に訓練させてもらえるかも…という期待はありますね。
また、普通に英会話スクールに通う場合でも、ネイティブの人と向き合って話していることで、相手の呼吸とか息遣いとかを肌で感じることができたり(何だか、やらしい意味に聞こえる…笑)、また熱意のある相手なら、私の発音をいちいち「それは違うよ」と教えてくれるかもしれないですね(笑)。
DVDでも生の英語に触れているとは言え、やはり目の前の生きたネイティブが話していることから学べることは全く違うのではないかなぁ、と思ったりします。

私にとってはやはりネイティブの話す英語が一番「かっこよくて」、それに近づくために日々奮闘している、ということでしょうか。
それは一番の憧れではあるけれども、なかなか簡単には身に付くものではない、と思います。
すべての人が英語の習得にたくさんの時間を割けるわけではないので、発音の優先順位が低くなるのも自然なことでしょう。
最初に書いたように、発音だけ磨いてもしょうがない、というのは全くその通りだからです。
「発音ができるようになれば聞き取れるようになる」のは私の経験上からも間違いないですが、でもそれだけでは英語を使えるようになったとは言えないわけですからね。

私はいろんな理屈を上に書いてきましたが、ただ「かっこいい」発音に憧れているだけです。
好きな歌手の歌をそっくり真似したいのと同じ心境でしょうね。
もともと英語を勉強していること自体が「憧れ」の気持ちから来ているものですから…。
ネイティブ並みの発音になることは不可能だと思いますが(笑)、少しでもそれに近づくことができるようにこれからも頑張っていきたいと思っています。

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posted by Rach at 15:58| Comment(8) | 発音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月12日

己の発音を知る

今日は、1級面接体験記であまり触れなかった、「発音」について書いてみたいと思います。

面接試験では、「最重要課題ではないけれども、無視もできない存在(笑)」の「発音」という分野がありますよね。
100点中、20点を占めていて、私はその6割の12点ですから、何も偉そうに言えることはないのですが、これもできるだけ点が取れるように頑張ろう、とは思っていました。(私の場合は、少しの失点が命取りになるので…笑)

発音については、発音の参考書(その1)発音の参考書(その2)発音は難しい? という記事を、このブログを始めて2ヶ月後くらいに書いています。(カテゴリー 発音 から入ると、発音関連の記事をまとめて見ることができます。)

私が発音練習に使った「ザ・ジングルズ」は、「筋肉を鍛える」ことを目的にした訓練法で、私もそういう筋肉を鍛えることを意識しながら、発音練習をしていました。

フレンズでDVD学習をする時は、必要最小限の回数を見たら、私はどんどん次のエピソードに進んでいきました。
ですから、私は「1エピソードにつき、最低何回シャドーイングをする」などの決め事はしていませんでした。(英語らしくかっこ良く聞こえるように、気に入ったセリフを面白がって真似する、というのはよくやりましたが…笑)
ただ、セリフの意味を考える時に、「それはどういう意味だろう? どういうニュアンスなんだろう?」と思ったら、それを何度も口に出して言ってみる、ということはしましたね。
やはり、言葉は感情を表すものですから、イントネーションやどこにアクセントがあるかに注目(注耳?)することで、その言葉に込められた気持ちや意味がわかる、ということが大いにあるからです。

当時の私は、「英語のセリフを字幕なしで理解すること」を目標にしていて、アウトプット能力を伸ばすことまでは考えていませんでしたから、アウトプットの練習はあまりしていなかったんですね。
ですが、フレンズの台詞を真似てスピーキングの練習をやっていれば、それなりの効果があっただろう、とは思います。
台詞を覚えることは、自分の中に使える英語表現をたくさんストックすることにつながりますし、自然な英語の語順を学ぶことにもつながります。

私は同じ部分を繰り返して「暗記する」ということはしなかったけれど、結局フレンズは10シーズン全て見ましたし、他にも全シーズン見たドラマ(アリー my Love や、新スタートレック)がありますので、そんな風にたくさんの「生きた台詞」にぶつかってきた結果、暗記しようとは思わなくても、知らず知らずの間に自分の中に蓄積されてきたものがあるのだろう、とは思っています。

実際に、英検で面接試験を受けないといけない、と思った時に、私は自分の発音がどの程度のものであるかを客観的に聞いてみないといけない、と思いました。
それで、ちょっとパソコンで自分が英語を話している声を録音して、試しに聞いてみたんですね。
すると、これが何とまぁ、「自分で思っていたほどには上手くなかった…」(爆)という衝撃の事実が判明しました(笑)。
自分では、フレンズによく出てくるセリフなんかは、それなりに真似できている、という気がしていたのですが、やっぱり「筋肉」ができていない、というか、それなりに真似しようとしても、基礎が欠けている、というか…。
英語の「深み」と「響き」と「重み」が欠けているように感じましたね。
歌のあまり上手くない人がゴスペルに挑戦しているかのような、大きなギャップを感じました(笑)。

ブログ1周年の記事(リンクははりません…笑)で、自分の音声を公開したのも、「発音」が、英検では避けて通れない道だったからです。
読者の皆さんは、私が突然、あのようなものを公開したので何事だ!?と思われたかもしれませんが、別に自分の美声(爆)を公開したかったからではないのです。
こんなブログを書いていて、写真も公開していないわけですし、名前も Rach と可愛いから(笑)、わざわざ声を公開して、変なイメージを皆さんに植えつける必要もないのです。
さらには、音声を公開しない方が、「えらそうに「解説」ブログを書いていることだし、もしかしたらネイティブ並みの発音なのかもしれない」と皆さんに誤解してもらえて、夢があっていいのかもしれませんね(笑)。
が、恥ずかしくてもいいから、一度、自分の発音がどれほどのものかに「自分で向き合う度胸」をつけたかったのです。
こういうものを公開すると、皆さんが「気を遣って」、発音や声を褒めて下さるだろう、ということもわかっていました。
それはそれとして、そういう皆さんの暖かいお心遣いに感謝しつつ(皆様からのお褒めの言葉はニコニコしながら読ませていただきました)、「発音」をもっと磨かないといけない!と自分を戒めるための材料として使いたかったのです。

実際の面接においては、発音部門の3回の変遷は、20点満点中、8点→10点→12点、でした。
徐々に上がってはいますけど(笑)、まぁ、私の実力はこんなところでしょう。
皆さんにお褒めいただくほどのレベルでないのは、この「お墨付き」を見ても明らかですね。

実際に、面接での発音の採点基準というのがどこにあるのかわからないのですが、私は自分の発音がまだまだ未熟であることを深く認識した上で、できるだけ高得点を取るために、「とにかくゆっくり、はっきり、大きな声で、発音の基本に忠実にしゃべる」ということだけを心がけました。
まぁ、心がけた、と言っても、文を朗読するように、自分の発音だけに意識を集中できる状況ではありませんから、実際は、発音に関しては、あまり気が回っていなかったのだろうと思います。
ただ、「自分の意見を伝える、はっきり述べる」という意味で、使っている単語が不明瞭に聞こえないようにだけは注意していました。
ゆっくり話すのは、面接官が少し早口で話しかけてきた場合に、それにつられて、何となく早口で答えてしまう自分を戒めようと思ったからです。
私は私のペースで話すことを心がけました。
普段から、発音にネイティブらしさを出したくて、ちょっとラフに発音してみたり、早口でまくし立ててみたり、というのをしがちなのですが、あれはネイティブだから、ラフで早口でも聞き取れるのであって、英語を話す筋肉ができていない私が同じようにしゃべっても、ただの不明瞭な発音にしかならない、ということに気付いたからです。
ですから、せめて、舌の位置や口の形など、発音の勉強で習った知識に忠実に、小学校低学年が一生懸命話している、くらいにはきはきと(笑)、発音しようと思いました。
それでやっとこさ12点ですから、まだまだ道は険しいのですが(笑)。

明日、もう少し発音の話をしたいと思います。

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posted by Rach at 11:07| Comment(2) | 発音 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月11日

フレンズ3-2その27

レイチェルはなかなか機嫌を直してくれません。
ロス: Right. Right, okay, okay. I'm sorry. I'm sorry I yelled. (わかった、よくわかったよ。ごめん。怒鳴ったりして悪かったよ。)
レイチェル: That's fine. (そのことはもういいのよ。)
ロス: No, but, you're-you're mad. (でも、君は怒ってるよね。)
レイチェル: I'm not mad. (私は怒ってないわ。)
ロス: No. (いや、怒ってる。)
レイチェル: I'm just not going. (私はただ行かないだけよ。)
ロス: You're not going. (君は行かないんだ。)
レイチェル: Right. (その通り。)
ロス: Okay. You know that I-I have to go, right? (わかった。でも、僕が行かないといけない、っていうのは知ってるよね?)
レイチェル: Um, hum. (えぇ。)
ロス: Right. So is it gonna be, like, I'm abandoning you while you're upset? (そうか。じゃあ、こういうことになるのかな、僕は君が怒ってるのに、君を見捨てて行ってしまう、みたいなことに。)
レイチェル: No. (いいえ。)
ロス: No? Because you're not upset. (違う? それは君が怒ってないから?)
ロス: Right. (その通り。)
ロス: About the yelling. (怒鳴ったことについて?)
レイチェル: Right. And the humiliating. (えぇ、それから恥をかかされたことについても。)

このやり取り、とても短い言葉の応酬なのですが、とてもテンポが良くて、くすっと笑ってしまいます。
意味は簡単なものばかりですが、なかなかこんなテンポのよい喧嘩はできないなぁ、と思ったりしますね。恋人同士、やはり気が合っていると言いましょうか…。
abandon は「(人や国などを)捨てる、見捨てる、捨て去る」。
upset は「気が動転して、狼狽(ろうばい)して、動揺して、憤慨して」…など、とにかく落ち着いていない、平穏な状態ではないさまを表す言葉です。
この場合は、上に出てきた mad と同じ「怒った、憤慨して、腹を立てて」という意味ですね。


モニカの部屋からフィービーの叫び声が聞こえてきます。
フィービー: (yelling from the bedroom) Get away from that phone! (she comes into the living room carrying the phone) She's just getting dressed now. (その電話から離れなさい! [フィービーは電話(の受話器)を手に持って、部屋に入ってくる] 彼女は今、ちょうど着替えているところよ。)
チャンドラー: Is it wrong that I was totally aroused by that? (そのことで俺がすっかり興奮しちゃったのは、悪いことかな?)

フィービーは受話器のコードを引きちぎったようです(笑)。
arouse は「(人を)(眠りから)起こす、(人の)目を覚まさせる」という意味ですが、「(人を)性的に刺激する」という意味もあります。
発音は「アラウズ」です。

by that の that は何か?について。
多分、「モニカが着替えている姿」なのでしょう。
ちょっと違う見方をしてみると…。
フィービーは大きな叫び声を上げていたので、フィービーとモニカが取っ組み合いみたいな形になって、最終的にフィービーが電話を奪い取ったのだろうと思われます。
その女性同士の激しい絡み(笑)が、チャンドラーを刺激した、ということもあるのかもしれません。(まぁ、どっちでもいいですが…笑)

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posted by Rach at 16:30| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年04月10日

フレンズ3-2その26

(Rachel comes out from her room wearing sweat pants and a sweatshirt)
レイチェルが自分の部屋から出てくるのですが、何とスウェットの上下を着ています。
KNICKS BASKETBALL と書いてあるスウェットなんですが、レイチェルもニックスファンなんでしょうかねぇ?
彼女がバスケの話をしているのをあまり聞いたことないのですが、特にバスケに興味がなくても、NYっ子がこれを着るのはごく自然なことなのかも?
あ、ここではスウェットの文字が重要なのではなくて、どうしてドレスを着てないんだ!?というのが問題なのですが…(笑)。
ロス: Um. I know it says "black tie optional," but, um, this may be pushing it a little, um. (確かに、「ブラックタイはしてもしなくても良い。」と(案内状に)書いてあるけど、でも、これはちょっとやり過ぎなんじゃないのかな。)
レイチェル: I'm not gonna go. (私は行かないわよ。)
ロス: You're not gonna go? (行かないの?)
レイチェル: No, I think I'm gonna catch up on my correspondence. (えぇ、行かないわ。これから手紙の返事を書くつもりなの。)
ロス: How, how, um, how can you not be going? (どうして行かない、なんてことになるの?)
レイチェル: I'm not gonna go. So I think that will accomplish the "not going." (私は行くつもりはないの。だから、「行かないということ」を貫き通すつもりよ。)
ロス: Um, you know, just out of curiosity... (あぁ、ほら、ちょっと好奇心から尋ねたいんだけど…)
レイチェル: Well, ever since I was humiliated and yelled at in front of my friends, I'm just, I don't know, not in a very museum benefit-y kind of mood. (友達の前で恥をかかされて、大声でどなられてから、私は、そうねぇ、博物館の利益になること[博物館の寄付集め]をするような気分じゃないのよ。)

optional は「任意の、選択の、選択が自由の、自由意志の」という意味。
an optional tour 「オプショナルツアー」は日本語になっていますよね。
"A tie is optional." なら、「ネクタイはしてもしなくても、どちらでも結構です。」という意味で、「必ずネクタイ着用のこと」ではない、ということですね。
black tie は「黒の蝶ネクタイ」のことですが、その蝶ネクタイを含めた「男子の礼装、タキシードに黒の蝶ネクタイ」という意味にもなります。
上のセリフも、ただ「蝶ネクタイ」のことを言っているのではなくて、それを含めた礼服、礼装のことを言っているのですね。
よく似た表現に、white tie というのもあって、こちらは、「白の蝶ネクタイ」、そして、「燕尾服に白の蝶ネクタイ」という意味になります。

pushing it a little について。
英辞郎には、
push it too far=無茶をする、やり過ぎる、度を超す
というのが載っています
ですから、push it a little は、too far とまでは言わないけど、a little 「ちょっぴり」無茶をしている、という感じでしょうかね。
本当は push it too far と言いたいのでしょうが、怒らせないためにこう言っているのでしょう。
go too far という表現も、「度が過ぎる、度を越す、やりすぎる、行きすぎる」という意味です。
That's going too far! なら「それはやりすぎだ。それは言いすぎだ。」ということですね。

correspondence は「文通、手紙による通信」。
catch up on は「…に追いつく、(遅れ)を取り戻す」ですから、誰かから以前に手紙をもらっていて、それに返事を書かないといけないの、という感じでしょう。
be in correspondence with なら「…と文通している」、keep up a regular correspondence なら「欠かさず文通を続ける」という意味になります。

I'm not gonna go. So I think that will accomplish the "not going." というのは直訳すると、「私は行かない[行くつもりはない。] だから、その私の気持ちが「行かない」ということを完成させるだろうと思うわ。」という感じなのかと思うのですが…。
理由は特にないけど、行かないと決めたから、それを貫き通そうと思うだけよ、ということかな、と。

out of curiosity は「好奇心から、もの好きに、興味があるので、気になるので」。
深い理由はないけど、ちょっと参考までに聞きたいだけだ、ちょっとどうかなぁ?と思ったりして…みたいな、深刻な理由から詮索しているのではない、ということを表す表現ですね。
こういう言葉をあえて使っている場合は、実はものすご〜く気になっていて、どうしてもその理由が知りたくてたまらない、という場合が多いような気がします。
フレンズ2-18その9 では、curiosity の形容詞形 curious を使ったよく似た表現が出てきました。
リチャード: It's not that big a deal. I was just curious. (それほどのおおごとじゃないよ。僕はただ興味があっただけだよ。)
というセリフでしたね。

I'm just, I don't know, not in a very museum benefit-y kind of mood. は、I'm not in a mood. 「私は(ある)気分じゃない。」と言っていて、それはどういう気分かと言うと、very museum benefit-y (kind of) な気分、ではない、と言っているのです。
benefit は「利益、ためになること」、また フレンズ3-2その20 に出てきたように、「慈善興業、募金興業」という意味もありましたね。
benefit には beneficial 「有益な、…のためになって」という形容詞がありますが、ここではそれを使わずにあえて benefit-y と表現しています。
日本語の「〜的」みたいに、-y をつけて形容詞化することで、「それにまつわる、関係する」という意味を 表しているんでしょうね。
えらそうに言われて自尊心が傷ついたので、今は「benefit 的な、benefit がらみの、benefit っぽい、benefit チックな」気分じゃないのよ、「博物館の寄付、献金」事業に参加するような気分じゃないのよ、ということですね。

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posted by Rach at 16:02| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする