2007年05月31日

マニアック フレンズ3-3その28

フィービーがご機嫌で入ってきます。
ロス: How's the maniac? (例の変人くんはどう?)
フィービー: Oh, well he's yummy. We did a little kissin'. (えぇ、そうね、彼は素敵よ。ちょっとキスをしたの。)
レイチェル: Phoebe, what are you doing? (フィービー、あなた、何てことしてるのよ?)
フィービー: Oh, no, no, no, no. You know what, he's not into that stuff anymore. He quit for me. (ちがう、ちがう。ほら、彼はもうそんなこと(ストーカー行為)はしていないわ。私のために辞めたのよ。)
レイチェル: Pheebs, this guy has been obsessed with your sister, for God knows how long, okay, you don't just give up something like that. (フィービー、その人は、あなたのお姉さんに心を奪われているのよ。どのくらいの期間かは知らないけど。人間って、そういうことを簡単にはやめられないわ。)

maniac の発音は「メイニアック」とメイにアクセントがありますが、日本語でも、マニアとかマニアックと言うように、「熱中者、熱狂的愛好家、…狂」という意味があります。
また、「狂気の人」のような意味もあります。
ロングマン現代英英辞典では、
maniac:
1. (informal) someone who behaves in a stupid or dangerous way

つまり、「愚かな、または危険な振る舞いをする人」。
3. someone who is mentally ill
例) homicidal maniac (=one who kills people)

つまり、「精神的な病(やまい)にかかっている人」、例は「殺人狂(=人々を殺す人間)」。

今回のセリフでは、どういうニュアンスで使っているのでしょうね?
アースラにすっかりのぼせている、という意味の「マニア」なのか、ストーカーの傾向があるという意味で「病的な人」という意味で使っているのか?
恐らく、後者の方で、あまり良いニュアンスでは使っていないようですね。

yummy というのは「おいしい」ですが、この場合は「素敵な、素晴らしい」ということですね。
フレンズ1-12その3 でも、フィービーの同僚のマッサージ師がパウロというイタリア人男性を見て、"Yum!" (おいしそう!)と言っていましたが。
まぁ、「食べちゃいたいくらい素敵」という感じの表現なのでしょうが、日本語で女性が男性を見て「おいしそう!」と言っちゃうと、何だかやらしい感じがしますよねぇ(笑)。
英語では日本語の「おいしそう!」ほどの生々しいニュアンスはないのかな?
We kissed. じゃなくて、We did a little kissin'. という表現になっているのが面白いような気がします。

"what are you doing?" は、ただ単に「何をしてるの?」と、していることの内容を尋ねているのではなく、「自分が何をやってるかわかってるの? とんでもないことをしてるのよ。」という非難の言葉ですね。
What are you talking about? と同じニュアンスです。

for God knows how long について。
God knows は「神のみぞ知る」ですから、「(神以外の人間は)誰も知らない」ということですね。
God knows how long ですから、「神はどのくらいの長さかを知っている」、つまり、「誰もどのくらいの長さか知らない」に「時間・期間」を表す for がついて、「誰も知らないけど、きっとかなり長い間」という意味になっているのでしょう。
you don't just give up の you は「一般の人」で、「人間とはそういうものだ」という性質を述べている、ということだと思います。
「そういうことをしている人は、簡単にはやめられないものよ。」ということですね。

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2007年05月30日

燃料補給、活気づける フレンズ3-3その27

レイチェル: When did you go to a sperm bank? (いつ、精子バンクに行ったのよ?)
ジョーイ: Well, right after I did that sex study down at NYU. (to Chandler) Hey, Remember that sweater I gave you for your birthday? (あぁ、ニューヨーク大学で性の研究に参加した直後にね。[チャンドラーに向かって] ほら、覚えてるか、お前の誕生日にあげたあのセーター。)
チャンドラー: And that's how you bought it? (その時手に入れた金で、それを買ったのか?)
ジョーイ: Noooo, that's what I was wearing when I donated. I'm kinda surprised there's any of my boys left. (違うよ。俺が精子を提供した時に、着てたのがそのセーターだってことだ。ちょっとびっくりだな、俺の息子たちが少しでも残っていたなんて。)
モニカ: Well, honey, it is pretty competitive. I mean I've got an actual rocket scientist here. (ねぇ、ハニー。ものすごく競争が激しいのよ。このリストの中には、本物のロケット工学者も入ってるのよ。)
ジョーイ: Maybe, I should call this place and get them to put my Days of Our Lives gig on here. You know, juice this puppy up a little. (多分、ここに電話して、担当者に俺の「愛の病院日誌(デイズ・オブ・アワ・ライブズ)」での仕事をここに載せてもらうべきだな。ほら、この子犬を少しパワーアップさせないとね[燃料を注ぎ込んでやらないとね]。)

「ニューヨーク大学で性の研究」というのは、フレンズ1-24その2 に出てきました。
受精率の研究のために、定期的に自分の精子を提供する、というバイトでしたね。

チャンドラーの質問、"that's how you bought it?" を直訳すると、「それがそのセーターを買った方法か?」「どうやってそれを買ったか、というのがそれか」という感じで、つまり「精子バンクに行って、そこで精子を売った金で俺のプレゼントを買ったのか?」と尋ねているわけです。
「あのプレゼントは”そんなことをして”手に入れたものなのか?」という感じで、いや〜な気持ちがしているということでしょうね。
でも、チャンドラーの予想に反して、ジョーイはただ、その時にそのセーターを着てただけだよ、と答えています。
それって、そのプレゼントは新品じゃなくて、ジョーイのお古(おふる)だと言っているわけですし、提供するという行為をしている時(笑)にそれを着ていた、ということにもなるので、よく考えるとそっちの方がいやかなぁ…みたいな(笑)。
my boys という表現が面白いですね。これは日本人にもピンと来る表現ですよね(笑)。

gig は仕事。
フレンズ2-6その5 にも出てきました。
juice up は「…に燃料を補給する、(モーターなどの)動力を上げる、(物事を)活気づける」。
ガソリンなどの液体燃料を注ぎ込む、注ぎ足すイメージなんでしょうね。
juice には「分泌液、体液」という意味もあって、フレンズ2-2 では以下のようなやりとりもありました。

キャロルの母乳を温めたフィービーが、温度を測るために腕に垂らしたその母乳をペロっと舐めたのを見て、
チャンドラー: What did you just do? (今何をしたんだ?)
フィービー: I licked my arm, what? (腕を舐めたんだけど…何?[何か問題でも?])
ロス: It's breast milk. (それは母乳だよ。)
フィービー: So? (それで?)
レイチェル: Phoebe, that is juice, squeezed from a person. (フィービー、それはジュース[分泌液]よ、人間から搾り出した。)

そんな風に、「分泌液」という意味もあるので、ジョーイが上のセリフで juice up という表現を使っているのは、”もしかすると” sperm ともちょっとかけているのかもしれない、とも思ったりするのですが…また、私の深読みしすぎかもしれません(爆)。
言い訳がましいですが(笑)、Urban Dictionary の juice の項目にも、”そういう”意味があるように書いてあります。

Days of Our Lives (愛の病院日誌)はジョーイの俳優の経歴の中で一番の出世作。
有名な作品のようですが、昼メロですし、それほどの演技力が要求されるようなものではありませんから、それで俳優として箔がつく、というほどのこともないでしょうね。
その経歴を書いたら効果抜群だ、と言わんばかりのジョーイに対して、「そりゃあ、ものすごく効果的だねぇ!」みたいに大袈裟に感心してみせているチャンドラーに笑えます。

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posted by Rach at 10:27| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月29日

ニックス最高! フレンズ3-3その26

精子バンクを利用して子供を作ろうとしているモニカに、
ロス: Look, you can't do this, Mon. All right, if you do this, I'm, I'm gonna, I'm, I'm gonna... (ねぇ、モニカ、そんなことしちゃだめだよ。よし、もしモニカがこんなことをするって言うのなら、僕は、僕は…)
モニカ: You're gonna what? (どうするつもり?)
ロス: I'm gonna tell Mom. (僕は、ママにそのことを言うぞ。)
レイチェル: Honey, I'm sorry, but he's right. I love you, but you're crazy. (ハニー、同情するわ。でも、ロスが正しい。モニカを愛してるけど、クレイジーよ。)
ロス: Crazy. (クレイジーだよ。)
モニカ: What?! Why? Why is this crazy? So this isn't the ideal way to do something... (何が? 何で? どうしてこれがクレイジーなの? それじゃあ、これは何かをするのに理想的な方法じゃないと…)
ロス: (interrupting her) Oh, it's not the ideal way... ([モニカを遮って] あぁ、それは理想的な方法とは言えない…)
モニカは自分の唇を指差しながら、
モニカ: Lips moving, still talking. I mean it may not be ideal, but I'm so ready. No, I-I-I see the way Ben looks at you. It makes me ache, you know? (唇が動いてるの、まだ話してるのよ。私が言いたいのは、理想的ではないかもしれない、でも、私はすっかり覚悟ができているのよ。ベンがあなたを見つめる様子を見ていると、心が痛くなるの。)
クラッカーにジャムをたっぷりつけて、
ジョーイ: Check it out! Jam crackers! (見て見て! ジャム・クラッカーだぜ!)

そんなことをしたら「ママに言いつける」と言うロス。(子供かいっ!…笑)
自分がしゃべっているのに話し始めたロスに対して、モニカは唇を指しながら、Lip moving, still talking. と言っています。
「まだ私の話は終わってないわ。」ということで、母が子供に言うような言い方ですね。
きっとモニカのママもこんな言い方をするのでしょう(笑)。
ready は「用意が整って、準備ができて」ということですが、この場合は精神的なことを言っているようで、「覚悟ができている」という感じでしょうね。
これが一番良い方法ではないことぐらいわかっているけれど、そのことは覚悟の上よ、ということでしょう。
こういう深刻な話をしている時でも、全くマイペースのジョーイ。
子供が欲しいというシリアスな話をしている時に、あぁ、こっちにもちっちゃい子供が一人いてるわぁ…みたいな感じで、呑気と言うか、無邪気と言うか、ねぇ?


モニカ: Okay, all right, how's this? Twenty-seven, Italian-American guy. He's an actor, born in Queens. Wow! Big family, seven sisters, and he's the only...boy. (they all turn and look at Joey) Oh my God! Under personal comments: "New York Knicks rule." (わかったわ。こっちはどう? 27歳。イタリア系アメリカ人。彼は俳優で、クイーンズ生まれ。まぁ! 大家族ね、7人の姉妹がいて、彼は(その中で)ただ一人の…男性。[フレンズたちはみんな振り向いてジョーイを見る] なんてこと! 本人によるコメントのところには、「ニューヨーク・ニックス、最高。」)
ジョーイ: Yeah, the Knicks rule! (あぁ、ニックスは最高だ!)
ここで観客が喝采します。
モニカ: Joey, this is you! (ジョーイ、これってあなたよ!)
ジョーイ: Let me see. (goes over and looks at the form) Oh, right! (見せて。[傍に来て用紙を見る] あぁ、そうだよ!)

モニカは別の候補を挙げます。
イタリア系、と聞いて「おや?」と思い、アクターと聞いたあたりではロスが眉間に皺を寄せて、どこかで聞いたようなプロフィールだなぁ、と思っている様子。
ちょっと観客からも笑い声が聞こえます。
大家族、辺りで全員が気付いたようですね。
Queens はニューヨーク市にあります。
ロングアイランドという島の西側がニューヨーク市で、そこにクイーンズやブルックリンがあるんですね。
Wikipedia 英語版: Queens

rule は他動詞で「…を支配する、統治する」、自動詞で「(…で)支配的である、優勢・有力である」という意味があります。
研究社 新英和中辞典の例文では、
Crime rules in the city. その町では犯罪が支配している。
Baseball rules in the field of sport. スポーツの分野では野球が圧倒的に人気がある。

というのが載っています。
ロングマン現代英英辞典には、
somebody/something rules: (informal) used to say that the team, school, place etc mentioned is better than any other
つまり、「(インフォーマルな表現) 言及されたチーム・学校・場所などが他のどれよりも良い、ということを言う時に使われる」ということで、今回のセリフでの意味はまさにこれですね。
堅苦しく言うと、「ニックスは全てのものに勝る、全てを支配する、ニックスが圧倒的に人気がある」という感じですが、「最高! 一番!」というのがジョーイっぽいかもしれません。
DVDの日本語は「ニックスは王者だ!」となっていました。

ジョーイがニックスのファンだと言うのは、これまでのエピソードに何度か出てきました。
フレンズ1-23その4 でも少し触れているのですが、元々はそのフレンズ1-23 の最初の方で、妊婦のリディアとこんなやり取りがあったんですね。

テレビでニックスを応援しているジョーイを見て、
リディア: Knick fan? (ニックスのファンなの?)
ジョーイ: Oh, yeah. (あぁ、そうだよ。)
リディア: Oh, boy, do they suck! (あらまぁ、ニックスなんか最低よ!)
ジョーイ: Hey, listen, lady...whoa. (おい、なぁ、お姉ちゃん… [その声の主を見ようと顔を向けると、大きなお腹が見えたので] わぁっ。[と驚く])

フレンズ2-20その4 では、ジョーイとチャンドラーがニックスのゲームに誰を誘うか、という話をしていましたよね。

ですから、"New York Knicks rule." というのはジョーイの口癖で、そのコメントから、これはジョーイに間違いない、というのがわかったわけです。
その言葉を耳にしたジョーイは、自分が書いたプロフィールが話題になっているとは知らずに、おうむ返しのように、「その通り、ニックスは最高さ!」と答えているのが笑えるのですね。

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posted by Rach at 12:23| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月28日

男版ジーナ・デービス フレンズ3-3その25

[Scene: Monica and Rachel's, Joey is eating jam straight out of the jar, and Chandler is staring at him in amazement. Joey offers him some.]
モニカとレイチェルの部屋。ジョーイは瓶から直接ジャムを食べている。チャンドラーはあっけにとられた顔でジョーイを見つめている。ジョーイは彼にジャムを勧める。
チャンドラー: No, that's all right. I just had a jar of mustard. (いや。いいよ。ちょうど瓶一杯のマスタードを食べたところだから。)
モニカ: (entering from her bedroom) Okay, sperm donor number 03815, come on down! Okay, he's 6'2", 170 pounds, and he describes himself as a male Gina Davis. ([寝室から入って来る] よし、精子提供者番号03815、いらっしゃい。彼は身長6フィート2インチ(約188cm)、体重170ポンド(約77kg)、自分のことを男版ジーナ・デービスだと言ってるわ。)
チャンドラー: You mean there's more than one of us? (俺たちのどちらかを超えるものをそいつは持ってるか?)

ジョーイにジャムを勧められて、マスタードを例えに出すチャンドラー。
チャンドラーにしてみれば、マスタードを瓶から直接食べているのと同じくらいの衝撃だったんでしょうか?(笑)

6'2" の発音は、six two と発音していますが、それで6フィート2インチという意味になるのですね。

さて、今日の問題は、男版ジーナ・デービス(ジーナ・デイヴィス)という例えが、どんな感じの男性を表すのか?ということなんですが…。
その名前を聞いて、そういう名前の女優さんがいるなぁ…と思い出しました。

詳しくは、以下のウィキペディアに載っています。
Wikipedia 日本語版: ジーナ・デイヴィス
Wikipedia 英語版: Geena Davis
1956年生まれのアメリカの女優、1989年に「偶然の旅行者(The Accidental Tourist)」でアカデミー助演女優賞を受賞しています。

ただ、ここで一つ大きな問題が!
この女優ジーナ・デービスさんの名前の綴りは Geena Davis です。
ネットスクリプトでは、Geena Davis と書いてあるのですが、実はDVDの英語字幕では、Gina Davis という綴りになっていて、ジーナの綴りが違います。
もちろん、ただの誤植、という可能性もあるのですが、念のために、Gina Davis さんという人もいるのかどうか調べてみました。
すると、以下のサイトがヒットしました。
Gina Davis IFBB Professional Bodybuilder
famele bodybuilder(女性ボディビルダー)として有名な方のようで、他にもいくつかのサイトに名前が載っています。

では改めて、このモニカのセリフに出てきたジーナ・デービスさんとは、Geena さんという女優か、Gina さんというボディビルダーか、どちらのことを言っているのでしょう??

女優の Geena さんの方は元ファッション・モデルで、写真を見ても、いわゆる「美人女優」という感じの方のようです。(実は出演作を見たことないので、実物はよく知らないのです。)
彼女の特徴を挙げるとすると、「長身である」ことが有名なようですね。
ウィキペディアでは、日本語版、英語版ともに、彼女の身長について触れられています。
英語版ウィキペディアの Career の項目を見ると、彼女の身長は six feet(183cm)。
フレンズ3-1その24 で、エル・マクファーソンというモデルさんについて触れた時、「背が高い!」と書きましたが、彼女と同じ身長ですね。
日本人に比べると、アメリカ人はとにかく背が高いので(笑)、アメリカではどのくらいの身長を「高い」と言うのかあまりピンと来ないのですが、やはり女性が180cmあれば「高い」ということになるのでしょう。
それで、もしこの女優さんの Geena のことを言っているのだとすれば、男性の中でも背が高くて、なおかつ俳優のようにかっこいい、という自分自身を誉めたプロフィール、ということになるのかな?と思うのですが、その男性の身長は6フィート2インチ(約188cm)ですから、「男性の中でも”ものすごく”背が高い人」ということではないような気がします。(実際、その女優の Geena さんと2インチ、つまり約5cmしか違いませんし。)
ということで、「女優 Geena Davis の男版」というその例えが、何を指しているのかがあまりはっきりしない気がします。

もう一人のボディービルダーの Gina Davis さんの男版、ということであれば、ものすごいマッチョマンということになりますよねぇ。
それは例えとして非常にわかりやすいし面白いと思うのですが、問題は、この Gina さんの知名度がどのくらいなのか?ということです。
多分、Geena も Gina も英語の発音は同じ「ジーナ」で、セリフを音声として聞いている限りは、アカデミー賞を受けたことのあるような有名な女優 Geena Davis を思い出す人が多いと思うのですが…。
アメリカ人の間で、Gina Davis という人もかなり有名であるならば、「あぁ、女優の方じゃなくて、ボディビルダーの方ね。そりゃ、すごいマッチョだねぇ。」とピンと来る人も結構いるのでしょうか?

こればっかりはネイティブに聞いてみないとわからないのですが、DVDの英語字幕が Gina になっていることと、女優さんの例えだとイマイチ例えの意味がよくわからない、ということで、やっぱりボディービルダーの Gina さんを指しているのかなぁ?と思うのですが、どうでしょう?

そのモニカの説明を聞いた後のチャンドラーのセリフは、「そのプロフィールの中に俺たちを超えるような何かすごいことが書いてあったか?」みたいな意味だと思います。
つまり、「そんなのがすごいか?、俺たちよりいい? 大したことないじゃん、俺たちとそんなに変わらないじゃん。」みたいな感じかと。
実際は「俺たちとは全然違うタイプの男だ!」と思って、負け惜しみを言っているのでしょうね。
ですから、その男版ジーナ・デービスの例えが、男性としての魅力的な部分を説明しているということになるわけですから、筋骨隆々のマッチョマンだ、という方がわかりやすいと思うんですよねぇ。

モニカが「男版ジーナ・デービス」だと言った後、特に観客が爆笑しているわけではありませんので、ただ単に、顔や雰囲気(?)が女優のジーナ・デービスに似ている、というだけのことかもしれません。
が、フレンズでわざわざ固有名詞を使って例える場合には、それなりの意味があることが多いので、ここも何がしかの意味を読み取りたいと思うのですが、またいつもの深読みしすぎかもしれないな(爆)。

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posted by Rach at 12:12| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月27日

あらゆる行動を記録 フレンズ3-3その24

フィービー: Oh, yeah. What's this? (picks up a book) (えぇ。これは何? [本を取り出す])
マルコム: Oh, this is the log I kept, recording her every movement. Do you wanna hear something from it? (あぁ、これは僕がつけてる記録日誌[日記]だよ。彼女のあらゆる行動を記録しているんだ。その一部を聞きたい?)
フィービー: Um, not even a little bit. (あぁ、少しも聞きたくないわ。)
マルコム: It's about you. (君についてのところだよ。)
フィービー: Oh, okay then. (あ、それならオッケーよ。)
マルコム: (reading) "I met Phoebe today. She was really nice to me even though I'm such a loser. And, then when I was walking home, I thought about her a lot, it was weird, but kinda cool." ([日記を読む] 「今日、フィービーに会った。僕は全くの負け犬なのにも関わらず、彼女は本当に僕に優しくしてくれた。それから、僕は家に歩いて帰る時、彼女のことをいっぱい考えた。それは変な感じだったけど、ちょっと素敵だと思った。」)
フィービー: Good. So what were you thinking? (素敵。それであなたは何を考えていたの?)
マルコム: I was thinking what it would be like to kiss you. (君にキスしたらどんな感じかなぁ、って考えてた。)
フィービー: Really? (ほんとに?)
マルコム: No. (うそ。)
フィービー: Oh. (まぁ。)
マルコム: See that's just something I said now so that maybe I could kiss you. (ねぇ、今ただそう言ってみただけだけど、(そんな風に言ったら)もしかして君にキスできるかな、と思って。)
フィービー: Oh, okay. (he kisses her) (えぇ、オッケーよ。)
マルコムはフィービーにキスする。

log はログハウスなどから「丸太」のイメージが強いですが、「航海日誌、航空日誌、旅行日記」という意味もあります。
ロングマン現代英英辞典によると、
log: an official record of events, especially on a journey in a ship or plane
例文) The captain always keeps a log .

つまり、「イベントの公式記録、特に船や飛行機での旅行中の記録」、例文は「キャプテンはいつもログ(航海日誌)をつけている。」

ブログという言葉は、Weblog (ウェブログ、ウェブ上のログ)を略したものだ、という話は有名ですから、log にそういう「記録、日記」という意味があるのを知っている方は多いかもしれませんね。

新スタートレック(Star Trek TNG)では、ピカード艦長の声で、
Captain's Log, Stardate 41209.2: We are running at warp 7... 「恒星日誌(←艦長日誌を日本語版ではこう呼んでいる)、宇宙暦 41209.2。我々はワープ7で航行中…」
のようなナレーションが要所要所に入るようになっているので、私はブログという言葉が流行る前から、log にそういう意味があるのを知っていました(…って、妙な自慢ですが…)。

recording her every movement 「彼女のあらゆる行動を記録している」という表現が、何ともストーカーチックですよねぇ(笑)。
1時に昼食にサンドイッチを食べた、とか、今日はくしゃみを3回した、みたいな感じでしょうか?

この every を見て、ちょっと思い出したことがあります。
2007年1月から3月の間、NHKで「ジュークボックス英会話 歌詞から学ぶ感情表現」という番組を放送していました。
その第2回目の放送では「切ない想い」というテーマで、The Police の Every Breath You Take (邦題:見つめていたい)を取り上げていましたね。
その歌詞は、

Every breath you take
Every move you make
Every bond you break
Every step you take
I'll be watching you

となっていて、every という単語が繰り返し出てきます。
I'll be watching you 「(これからも)君を(ずっと)見つめている」という歌詞と、every 「あらゆる、すべての」という言葉に、「切ない想い」が込められているという話でしたね。
every の「何一つ見逃さない」「何から何まで全てを」というニュアンスが、この歌詞にも、そしてマルコムのセリフにも出ていると思います。

ところで、
日本語で日記というとまず diary(ダイアリー)が浮かびますね。
その他にも journal という表現もあります。(フレンズ3-23 で、"(someone) keeps a journal" という表現も出てきます。)
そういう diary や journal に比べて、log をつけている、というと、書いている本人の感情よりも「事実の記録」に重点が置かれているような気がします。(あくまで私のイメージですが…)
もちろん、上でマルコムが読んでいたように、自分の気持ちなども書いてあるので、やはり「日記」ということになるのでしょうが、感覚的には「日誌、記録」という感じが近いのかなぁ、と思うのですが、どうでしょう?

kiss という単語を出して思わせぶりなことを言ったり、それを否定してみたり、なんかもじもじしている二人が初々しいですねぇ。
フィービーは、アースラの行動記録なんか聞きたくない、といやがっていましたが、そういう記録をつけていると聞いても幻滅したりはしなかったようですね。

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posted by Rach at 16:05| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月26日

マドリブズ(Mad Libs) フレンズ3-3その23

[Scene: Central Perk, Malcolm is giving Phoebe all of his spy stuff]
セントラルパーク。マルコムはフィービーに自分のスパイ道具(笑)の全てを渡している。
マルコム: Here's my binoculars. (これが僕の双眼鏡だ。)
フィービー: Oh, great. Great. You're doing great, you know real strong. Going strong. Keep going. (えらい、えらいわ。あなたは立派なことをしてるのよ。本当に強いわ。頑張って、続けて。)
マルコム: These are my night-vision goggles. This is the book I pretend to read when I'm watching her in the park. And these are Madlibs. They're just for fun. (これは僕の暗視ゴーグルなんだ。これは、公園で彼女を見ているときに読んでいるふりをするための本。これはマドリブズ。これは好きで読んでる。)

双眼鏡とか暗視ゴーグルとか、装備は万全ですね。
特に暗視ゴーグルを持ってるって、すごいんじゃないですか?!(笑)
日本語で「ゴーグル」と言いますが、英語の発音は「ゴー」という感じ。

fun は「楽しみ、おもしろさ」ですから、just for fun は「ただ楽しみのために」ということです。
マドリブズ(Madlibs)は自分が楽しんで読むために持っている、つまり「好きで、趣味で」読んでいる、ということですね。
本はただ不審に思われないようにするための小道具で実際に読んではいないけれど、マドリブズはそういう小道具ではない、ということです。

マドリブズ(Madlibs)は、DVDの日本語字幕は「虫食いパズル」、吹替は「小学校の教材」となっていましたが、そういう雰囲気のもののようですね。
DVDの英語字幕の綴りは、Madlibs となっていましたが、普通は、Mad Libs と間にスペースが入るようです。
Wikipedia 英語版: Mad Libs
に詳しい説明が載っています。
ストーリーの空欄に言葉を埋めていくゲーム、のようですね。
実際にどんな風に空欄が空いていて、それを埋めるとどんな文が出来上がるかの例がウィキペディアに載っていますので、興味のある方はご覧下さい。

言葉を入れるプレーヤーは全体の文脈を知らずに言葉を入れることになるので、意味不明で不思議な文章が出来上がってしまうんですね。
そのへんてこりん具合が楽しい、子供たちがパーティーなどでよくやるゲームのようです。

上のウィキペディアの Mad Libs in Pop Culture という項目には、マドリブズが、フレンズのエピソードに出てきたことも書いてあります。
今回の 3-3 以外に、5-5 にも登場するようです。

ウィキペディアによると、Mad Libs という名前は、ラテン語の ad libitum から来ている、と書いてあります。
ad libitum は、日本語にもなっている「アドリブ」(ad lib)の元となった言葉です。
ですから、日本人にとっては、マドリブ(ズ)はアドリブをもじった名前だ、と説明した方がわかりやすいでしょうね。
ad lib は「即興的な演奏・セリフ、アドリブ」。
ad libitum はラテン語で「好みに合わせて、自由に」、また、音楽用語で「(演奏家の)自由に」という意味になります。
発音は、「アドバタム」という感じで、リにアクセントがあります。

アドリブのように自由に即興で作ったら、mad 「狂気の、無分別な」文章が出来上がる、という意味で、Mad Libs という名前にになっているのだと思います(多分)。

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posted by Rach at 08:44| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月25日

挟まって動けない フレンズ3-3その22

ジャニスと抱き合って寝ているチャンドラー。
(he starts thinking to himself)
チャンドラーはひそかに考え始める。
チャンドラーの心の声: Look at all that room on her side! You could fit a giant penguin over there. That would be weird, though. Okay, hug and roll time. I'm huggin', I'm huggin', you're rollin', and....yes! Freedom! (his one arm is still under her) Except for this arm! I'm stuck. Stuck arm. Okay, time for the old tablecloth trick, one fluid motion. Quick like a cat, quick like a cat. And one, two... three! (Pulls his arm out from under her and she is spun off of the bed.) (ジャニスの側のあの空間を見ろよ! あそこに巨大なペンギンでも入りそうだよ。それって(想像すると)変だけどね。よし、ハグ・アンド・ロールの時間だ。ハグして、ハグして、ジャニスはロールして、そして…やった! 自由だ! [チャンドラーの片腕はまだ彼女の下にある。] この腕以外は離れたのに![この腕だけが残ってる!] 動かないよ。腕が挟まっちゃった。よし、例のテーブルクロスのトリックの時間だ。流れるようなワン・モーションで。猫のように素早く、猫のように素早く。1、2…3! [腕を彼女の下から引き抜く、ジャニスはベッドから回転して落ちる])

場所が大きく空いていることの例えに、「でっかいペンギンでもしっくり収まりそうだ」と言っているのですが、言った後でその光景を想像して、それはちょっと奇妙だけど、と思っているのがおかしいですね。
penguin はご存知「ペンギン」ですが、発音は「ングウィン」という感じで、-guin を -gwin と発音します。
w の音は、ちょっと口をすぼめて発音してみましょうね(笑)。

stuck は、フレンズ1-16その3 にも出てきましたが、「行き詰まって、動かない、動きが取れない」という意味です。
元々は、動詞 stick 「刺す、突き刺す、差し込む、突っ込む」「はまり込ませる」の過去分詞形 stuck で、それを形容詞的に使っているのですね。
こういう stuck を見ると、いつも思い出すフレーズがあります。
以前に(最近はあまり見ないけど)「くまのプーさんで英語を学ぶ」という教材(CDかDVD?)の広告が新聞に時々載っていました。
そこには、はちみつを食べ過ぎてお腹がいっぱいになってしまって、木の穴に挟(はさ)まったまま抜けなくなっているプーさんの絵が載っていて、英語のセリフが書いてありました。
"It's no use. I'm stuck."
確か、日本語訳は、
「だめだよ。つっかえちゃった。」
みたいな感じだったと思うのですが、そんな風に「挟まって動けない、身動きがとれない」というのが、stuck のイメージで、今回のチャンドラーの腕も同じような状態になっているということです。

old は「いつもの、例の」。
つい最近の記事、フレンズ3-3その15 にも the old "hug and roll" というフレーズが出てきました。
ロングマン現代英英辞典には、
old: FAMILIAR [only before noun] old things are things that are familiar to you because you have seen them or experienced them many times before
つまり、「old things とは人によく知られていること。なぜなら、過去にそれを何度も見た、または何度も経験したことがあるから」。

fluid は名詞で「流体、流動体」、形容詞で「流動性の、流動的な、流れるような」という意味になります。
tablecloth trick というのは、テーブルの上にテーブルクロスを敷いて、その上に皿やコップを置き、クロスだけをさっと勢い良く引き抜いて、皿やコップを落とさないようにする、というワザのことですよね。
その後のチャンドラーのセリフからも、それと同じ要領で、「1、2、3!」で思いっきり手を引き抜こうとしている様子がわかります。
が、ドサッと音がして、ジャニスが落ちてしまったことがわかりますね(笑)。
トリックは失敗に終わった、ということです。

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2007年05月24日

チャンドラーの愛称 フレンズ3-3その21

[Scene: Chandler's bedroom, Janice and him are cuddling]
チャンドラーの部屋。ジャニスとチャンドラーは抱き合って寝ている。
ジャニス: Night-night Bing-a-ling. (おやすみ、ビング・ア・リング。)
チャンドラー: Night-night.....Janice. (おやすみ…ジャニス。)

ジャニスはチャンドラーのことを、Bing-a-ling と呼んでいます。
チャンドラーの名前が Chandler Bing (チャンドラー・ビング)だから、韻を踏んでリズムのある愛称としてこう呼んでいるようです。
DVDの日本語では字幕・吹替とも「チャンちゃん」(チャンドラーちゃん、という意味)になっていましたが、その英語で韻を踏んでいる感じが日本語にも出ていて、うまくハマっていて面白いなぁ、と思いました。
別のエピソードだったと思うのですが、「ビングりん」という日本語訳になっていたこともあった気がします(多分)。
日本語の名前の後ろに「りん」を付けると、可愛い愛称になりますよね?(アイドルの小倉優子ちゃんの愛称が「ゆうこりん」だったり…笑)
だから、「ビングりん」という訳も、英語の発音に似ていながら愛称っぽく聞こえて、これまた面白いなぁ、と思いました。

ただ、ちょっと調べてみると、こういう「音声的に韻を踏む」ということ以外にも、このフレーズには意味があるようにも思えてきました。(あまり自信はないですが…)

ding-a-ling という言葉があるようです。
ロングマン現代英英辞典によると、
ding-a-ling: also dingbat (American English spoken) a stupid person
英辞郎にも、
dingaling=おばかさん
とありますし、
Merriam-Webster Online Dictionary には、
ding-a-ling: NITWIT, KOOK
と書いてあります。
nitwit は「ばか、まぬけ」。
kook は「変人」という意味で、フレンズ1-6その5 に出てきましたね。

ということで、Bing-a-ling というのは、韻を踏んでいる愛称でありながら、「バカ」というニュアンスの言葉 ding-a-ling にも似ているわけですね。
もちろん愛する恋人への呼び掛けですからおふざけに過ぎないのですが、こんな名前で呼ばれて、一瞬「ん?!」と思ったチャンドラーが、何か同じような表現で返そうと思ったけど思いつかなかった、もしくはこんな名前で呼ばれたことにちょっとムッとして、「(普通の、ただの・・・)ジャニス」になってしまった、ということかな?と思うのですが、どうでしょう?

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2007年05月23日

リテンションが物を言う 1級一次(リスニング編)その2

昨日に引き続き、英検1級一次試験のリスニングについて書きます。

Part 3 は「Real-Life 形式の内容一致選択問題」。
英文が放送される前に10秒間の時間が与えられ、印刷されている Situation と Question を読む時間がある。

妙にリアルな効果音(笑)が入っていて、いつもこの問題を聞くと、クスッと笑ってしまうのですが。
これは雰囲気的には、TOEIC の Part 4 に似ていますね。
TOEIC のように焦って問題と選択肢を「先読み」しなくても、それを読む時間を与えてくれる、という点で親切です。
ただ、TOEIC よりは選択肢の内容が難しい、というか、TOEIC ほど簡単には答えが見つからない、という気はします。
家で模擬試験をやっている時も、全問正解ではなかったけれど、割と正答率が良くて、何とかなりそうな手ごたえをこのパートだけは感じていたのですが、結果は1問間違い。
やはり私はどこか詰めが甘い(笑)。

Part 4 は「インタビューの内容一致選択問題」。
3分程度のインタビューに対して、質問は2つ。選択肢はそれぞれ4つ。

これも、「質問の内容が問題用紙に書いていない!」です。
3分ものインタビューを聞いて答えるのに、「質問が書いてない!」というのは、ものすごく辛いですねぇ。
この攻略法として、旺文社 英検1級教本 p.264 に「メモをとる」というアドバイスが書いてあります。
が、結局、私はメモは取らない、と決め、本番でも全くメモを取りませんでした。
私はそうした、というだけで、オススメはしません。
取った方がいいような気はするのですが、私はきっと「メモを取ることに気を取られる」ように思ったし、慌てて汚い字で書いて、結局読めない、ということになりそうに思ったから、です。
隣で受験していた人が、もの凄い勢いでメモを取っている音が聞こえて、私は圧倒されていたのですが、それでもやはりメモは取りませんでした。

かっこいい言い方をすると、「自分のリテンション能力にかけてみた」のですね。
リテンション(retention)というのは「記憶の保持、保持力、記憶力」のことで、聞いたことを頭でちゃんと覚えている、ということです。
ロングマン現代英英辞典の語義は以下のとおり(笑)。
retention: the ability to keep something in your memory
つまり、「記憶に何かを保っておく能力」。
リスニングをしている時、「だいたい」言っている内容はわかります。
後は具体的にどんな話をしていたか、ということをどこまで細かく覚えているか、ということなんですが、その話している内容が頭の中である程度イメージされていれば、それなりに記憶に残っているはずだと思うのです。
実際のところは、2問中1問正解で、1問落としてしまったので、私のリテンション能力も大したことなかったなぁ、という結果になってしまったのですが…(爆)。
最後の問題は、2つの間で迷って、間違った方を選んでしまいました。もう一つの方が正解でした。
だから、「何となく」は記憶に残っていたのでしょうね。

それは、プロのピアニストのインタビューで、「大人にピアノを教える時に、どんな困難(苦労)がありますか?」という質問でした。
インタビュー中で、子供に教える時と大人に教える時に、それぞれ困難なことを語っているのですが、私が選んだ選択肢は子供に教える時の問題点でした。
インタビューの内容を聞きながら、人に教える場合の困難な点を述べているのはわかったのですが、いざ質問を聞いた時に、どちらが子供の問題でどちらが大人の問題であったかを忘れてしまったみたいです。
それを考えるとやっぱりメモを取っていた方が良かったのかもしれないな(爆)。

リテンションというのは、とても大切な能力ですね。
私はドラマを見ることで、そういうリテンション能力がついてきたのかな、と思います。
例えば、フレンズをまるまる1話見ると20分強ですが、始めの方で出てきた話を忘れていては、ドラマを楽しむことができませんよね。
ドラマを楽しめる、ジョークで笑える、というのは、そのエピソード内で出てきた話題や単語をちゃんと頭で覚えている、ということです。

英語の勉強を始めた頃、よく感じたのは、「聞いた瞬間は意味がわかっても、その後、すぐに頭に残らず忘れてしまう。」という感覚でしょうか。
一文一文毎にポーズで止めて、その一文の意味を訳すことはできても、ある程度まとまった文章を聞かされた時に、その内容を大雑把でもいいから説明しろ、と言われると難しい、という感じでしょうか。
ドラマを鑑賞することに慣れてくると、その一つのドラマの中で、Aさんがこんなこと言ってた、Bさんがこんなこと言ってた、ということが結構頭に残っているものです。
それはもちろん、映像がついているから余計に記憶が鮮明なのですが、例えば、それがラジオドラマであっても、それくらい頭に残っていないといけないし、インタビューでも、本人がどんなことを順番に話していたか、どんな例を挙げていたか、か頭に残っていないといけない、ということなんですね。
そういう能力を試す問題があるところが、英検の難しさであり、また素晴らしさでもあるのだろう、と思います。


ということで、英検合格後、英検に関する記事をいくつか書いてきましたが、今回が英検に関する最後の記事となります。
英検受験を決めてから合格するまでの間は、ずっと「英検」のことが頭から離れなくて、いろんな気持ちの浮き沈みもありました。
ですから、記憶に残っている間に、自分のブログの中で記事にしておきたかったのです。
これまで英検の記事を読んで下さった読者の方々、本当にありがとうございました。
ここで英検にケリをつけて、「試験対策」ではない、「自分の好きなやり方」で、英語を学んで行きたいと思います。

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posted by Rach at 10:20| Comment(2) | 英検 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年05月22日

英検とTOEICとの比較 1級一次(リスニング編)その1

今日は、英検1級一次試験のリスニングについて書きたいと思います。

リスニングは難しかったですねぇ。
TOEIC のリスニングで満点を取ったことがありますが、やはり TOEIC よりは英検1級の方がずっと難しいです。
それは、ナレーションがより長い、より難しい、というのもあるでしょうが、「質問内容が問題用紙に書いてない!」というのが大きいのかな、と思います。

TOEIC のテクニックとして、「先読み」というのがありますね。
実際にナレーションが流れる前に、どんな質問であるかをあらかじめ読んでおいて、そのことを念頭に置きながらリスニングする、というものです。
問われる内容がわかっていれば、それに関する単語が聞こえてきたときに、「おっ、ここ、ここ!」と思って、そこに神経を集中することができます。
あらかじめ事前に見ておいた選択肢の言い換えが出てきたら、これで間違いなし!と自信を持ってマークすることができるわけですね。

英検では、質問(Question)が書いてあるのは Part 3 のみです。
他のパートは質問が書いていなくて、ただ解答の4つの選択肢が並んでいるだけ。
ナレーションが流れる前に選択肢に目を通していても、その答えだけから想像できることには限りがあります。
で、結局、そのナレーションの内容をある程度、頭に入れた上で、いざ質問になった時に、それを思い出して答えないといけない、ということになるのですね。

リスニングの点数の内訳は以下のとおり。
会話文 (Part 1, Part 4) 9点 (14点満点。合格者平均12点、全体平均9点)
一般文 (Part 2, Part 3) 15点 (20点満点。合格者平均17点、全体平均13点)

実際の試験のパート毎の内訳で言うと、
Part 1 10問中3問間違い
Part 2 10問中3問間違い
Part 3 5問中1問間違い
Part 4 2問中1問間違い

ちょっと間違い多すぎますね(笑)。

旺文社 2007年度版 英検1級全問題集 というのが2007年3月に発売になったのですが、私はそれを購入してしまいました(笑)。
もちろん(?)、合格がわかった後です。
せっかく1級に向けていろいろと対策を立てて勉強したので、それをブログ上で記録に残しておきたいと思い、そうすると、持ち帰った問題用紙だけではリスニングのナレーションの内容がわからないし、解答の解説を読めば自分が何で間違ったかがはっきりするかもしれないし、と思ったからですね。
TOEIC は問題用紙を持ち帰れないので自分で反省して復習する、というのが難しいですが、英検はそれをさせてくれる試験なので、気合を入れて解いた本番の問題でどこを間違ったかをチェックすることは、今後の英語学習において、非常に有益だと思ったからです。(おぉ、我ながらまじめだ…あ、さすがに別売CDまでは買ってません、高いから…笑)

2006年度第3回の英検二次試験が終わった直後に出た本なので、その第3回の問題は載っていないのが残念なのですが、過去6回分(2004年度第3回、2005年度第1〜3回、2006年度第1,2回)の問題が二次面接(の一部)も含めて載っています。

そういえば、私が使った 旺文社 7日間完成 英検1級予想問題ドリル [改訂版] は、7回分の模擬試験が収録されているのですが、リスニングは6日目、7日目の2回分しかありません。
リスニングテストは形式に慣れることが大事だと思うので、2回分だけではちょっと物足りないような気もします。
そういう意味では、この「全問題集(過去問)とその別売CD」を買っておけば、過去6回分のリスニングテストに挑戦することができたのですね。
我ながら、どうして過去問をやろうと思わなかったのかよくわからないのですが…。
過去問と全く同じものは出ないだろう…と思っていたからかもしれませんが、でも、実際の試験が、形式・難易度など、その試験の内容を一番よく伝えるものであるのは間違いないですよね。

リスニングについては、やはりちょっと練習不足であった、と思います。
ドリルの2回分を一通りやっただけで、後はただそのリスニングテスト部分を iPod に入れて、たまに台所で聞いていた程度ですから、TOEIC で出来上がっている自分のパターンのように、英検リスニングに対する完全な時間配分のできたパターンというのを確立しないまま試験に臨んでしまった、という感じかもしれません。
(英語に堪能な方なら、どんなパターンでも解けるのでしょうが、今の私では、パターンを熟知して初めて最大限の力が発揮できる、という感じなのですよ、悲しいことに…。)

Part 1 は「会話の内容一致選択問題」。
1つの会話に対して選択肢が4つ。その選択肢は問題に印刷されているが、質問は印刷されていない。
最後の2問は会話が長く、3名による会話も含まれる。

会話を聞いて正しい選択肢を選ぶ、という意味では、TOEIC の Part 3 に似ているのですが、決定的な違いは、「質問が印刷されていない」ということです。
最初にも書きましたが、質問がわからない、というのはちょっと辛いですね。
質問があらかじめわかっていると、その質問の「主語」に注目してリスニングすれば、自ずと答えが見えてくるのですが、質問がわからない場合は、そういうピンポイントで聞く、ということが難しくなるように思います。
間違ったNo.4 と No.5 はイディオムを聞き漏らしたようです。
No.10 は3人による会話で、今でもその内容をだいたい覚えていますから、ほとんど内容は聞き取れていたのだと思います。
ただ、質問の主語が「男性は…」だったのに、「女性が」言ったことを選んでしまったみたいです。
内容はわかったつもりでも、いざ答える時になって、「誰がどの意見を言ったか」で迷ってしまう…という感じですね。

Part 2 は「英文の内容一致選択問題」。
200〜250語程度のパッセージが読まれた後、2つの質問があり、4つの選択肢から選ぶ。

ナレーターは一人なので、TOEIC の Part 4 に似ていますが、これまた「質問は印刷されていない」ので、不安になります(笑)。
さらに、TOEIC よりも内容が学術的なものが多く、抽象的で難しいんですよ。
TOEIC のように具体的な場面や情景が頭に思い浮かぶような類のものではないので、イメージするのが難しい気がします。
こういう文は、接続詞などのつなぎ言葉に気をつけて、論理の展開を掴むことが大切なのですが、自分が間違ったところを見てみると、そのナレーションの「主題」が理解できていないようでした。
そのナレーション全体で何を言おうとしているのかが掴みきれていない、という感じです。

TOEIC では、「誰が何をしたか?」「誰がどう思ったか?」「誰がこれからどうする予定か?」などと、ピンポイントで質問してくることが多いので、それを丁寧に打ち返していけばいいのですが、英検の質問はそのナレーションの主題であり重要な部分に当たるところを尋ねることで、本当にこのナレーションを理解できているかを確かめようとしているような気がします。
そして、それをちょこちょこ間違っているということは、聞き取りをするのに精一杯で、「一つの興味深い話」として聞けていない、ということなんだろうなぁ、と思います(反省)。

明日も引き続き、英検リスニングについて語ります。

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posted by Rach at 11:15| Comment(2) | 英検 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする