ロスとレイチェルから、恋人同士の駆け引きについていろいろ学んで喜ぶチャンドラー。
チャンドラー: Okay, this is good, this is good. All right, listen, I have one. Janice likes to cuddle, at night, which, you know, I'm all for. But, uh, you know when you want to go to sleep, you want some space. So, uh, how do I tell her that without, you know, accidentally calling her fat or something? (わかった。これはいい、これはいいね。よし、じゃあ、一つ質問。ジャニスは夜に抱き合って眠るのが好きなんだ。それは、ほら、俺も大賛成だよ。でも、ほら、眠りたい時って、ちょっとスペースが欲しいと思うだろ。それで、そのことをどうやって彼女に言ったらいいのかな。間違って彼女が太ってるとか言わないで済むように、さ。)
レイチェル: Oh honey, I'm sorry we can't help you there, 'cause we're cuddly sleepers. (Chandler makes an 'Ewww' face) Okay, I'm late for work. (まぁ、ハニー。悪いけど、その件に関しては私たちは助言できないわ。だって、私たち、カドリー・スリーパーズだもの。[チャンドラーは「ウヘェ〜」という顔をする。] あ、仕事に遅れるわ。)
cuddle は「抱き合う、(愛情を込めて)抱き締める」「ぴったり寄り添う、寄り添って寝る・座る」。
ロングマン現代英英辞典には、
cuddle: to hold someone or something very close to you with your arms around them, especially to show that you love them
つまり、「誰かや何かに手を回して自分にぴったり接近するように抱く、特にそれを愛していることを示すために。」
ただ、ぎゅう〜っ!としてるだけじゃなくて、それで「愛情」が示されているところにポイントがあるようですね。
フレンズ3-1その27 には、for a little Moni-cuddle. 「ちょっとしたモニカドルをするために[ちょっとモニカをハグするために]」というフレーズも出てきました。
フレンズ3-2その19 で、アリー my Love のあるシーンを取り上げたのですが、そこでアリーは、
アリー: I would be home at night cuddled up with my husband, reading... (夜には家でダンナさんに抱き締められながら、…という本を読む)
という自分の夢を語っています。
私は本を読む時は一人で読みたいクチですが(笑)、まぁ、ダンナさんに抱き締められて眠るというのは確かに幸せかもしれませんね。
女性陣たちが cuddle という行為に重要な意味を感じているのはよくわかる気がします。
accidentally は「偶然に、ついうっかり」。
ロングマン現代英英辞典では、形容詞 accidental について以下のようにあります。
accidental: happening without being planned or intended
つまり、「計画・意図されることなく、起こる」。
「そんなつもりはないのに」という感じですね。
チャンドラーは太ってると言うつもりはなかったのに、チラッとジャニスを見ただけでそう取られてしまったので、そんな風に勝手に誤解されないように、「cuddle がいやなんじゃないけど、スペースが欲しいんだ」と言うにはどうしたらいいのか?ということです。
ところで、フレンズ1-1 では、accidentally という言葉が効果的に使われていました。
その accidentally の説明と合わせて、フレンズ1-1 のシーンを、明日説明したいと思います。
チャンドラーの質問に対して、自分たちには助言ができない、と答えるレイチェル。
cuddly は cuddle の形容詞形で「抱き締めたくなるような、とても可愛い、愛らしい」。
cuddly sleepers のニュアンスについて。
cuddle の形容詞形だから単に「cuddle の、cuddle をする」という意味で、「抱き合って眠る人たち」でもいいのかもしれませんが、それなら、cuddling sleepers になるような気もします。
その cuddly の形容詞のニュアンスをあえて出そうとすると、「お互いに寝る時に抱き締めたくなるような人種(同士)」というか、「抱っこするのが好きな睡眠者たち(?)」みたいな感じでしょうかねぇ?
「だっこおねんねちゃん」???(←だんだん変になってきた…笑)
sleeper も、「眠る人、睡眠者」よりも、「スリーパー」の方がニュアンスが通じ易い気がしますが。
ト書きに、Chandler makes an 'Ewww' face とありますが、チャンドラーはよくこういう顔をしますね。
ラブラブで聞いていて恥ずかしいような話をされた時によくやります。
"Ew!" 「ウヘ!」というのは、フレンズ2-24その22 で、
フィービー: Oh, wait, no, no you have to take a shower, 'cause, eww. (あ、待って。シャワーを浴びなきゃ、だって、ほら、ウヘーッって匂いでしょ。)
というのもありましたね。
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2007年05月11日
2007年05月10日
どこまで迎えに行くかの話 フレンズ3-3その13
恋人の質問には即座にノー!と答えた方が良いものもある、というロスとレイチェルの話を聞いて、
チャンドラー: Okay, so you both just know this stuff? (わかった。それで、このことを二人はただ知っていただけってこと?)
レイチェル: Well you know, after about 30 or 40 fights, you kinda catch on. (そうねぇ、30回、40回くらいけんかした後に、わかったりするものよ。)
ロス: Okay, For instance: Let's say, Janice is coming back from a trip and she gives you two options. Option number one: She'll take a cab home from the airport. Option number two: You can meet her at baggage claim. Which do you do? (よし、例えば、こう仮定しよう。ジャニスが旅行から帰ってくる、そして彼女はチャンドラーに二つの選択肢を示す。選択肢1:彼女がタクシーで空港から家に帰る。選択肢2:手荷物受取所で彼女と待ち合わせ。君はどうする?)
チャンドラー: That's easy. Baggage claim. (そんなの簡単だよ。手荷物受取所だ。)
ロス: (buzzes) Wrong! Now you're single. It's actually secret option number three. You meet her at the gate. That way she knows you love her. ([ブザーの音を真似て] 不正解! 今や君は独り者だね。実は、秘密の選択肢3があるんだよ。(飛行機を降りたところの)ゲートで彼女と会う。そうすれば、君が彼女を愛していることが彼女にわかるだろ。)
just know this stuff 「このことをただ知っていた」のか?と尋ねるチャンドラーに対して、たくさんけんかしたら、そういうことがわかる、と答えるレイチェル。
うかつなことを言って大喧嘩をして、「あぁ、こんなことは言っちゃいけないんだなぁ…」ということを経験から学んだ、ということですね。
「雨降って地固まる」という感じでしょうか。
catch on は「わかる、理解する、…の意味を悟る」。
catch は「捕まえる」で on という接触を表す前置詞が使われているので、on 以下のものに「手が届く」感じが出ていますよね。
baggage claim は「手荷物受取所、手荷物引渡所」。
フレンズ2-1その1 にも出てきました。
Now you're single は「今や、君はカップルではない(恋人のいない)男だね。」のような感じでしょうね。
そんな風に女心がわからないようなら、彼女に振られちゃって一人になるよ、と言っているのです。
ロスの質問では、ジャニスが「私は自分でタクシーを拾って一人で帰るわ。それとも手荷物受取所まで迎えに来てくれる?」と尋ねる設定になっています。
チャンドラーにしてみたら、優しい俺は、一人で帰れなんて言わずに、ちゃんと指定の場所に迎えに行ってやるさ、という感じなのですが、本当に愛してるなら、一秒でも早く会いたい!と、もっと早く会える場所で待ってあげるもんだ、そうすれば彼女は「手荷物受取所って言ってたのに、ここまで来てくれたのね!」と感激するからさ、と助言しているようですね。
そんな風に女性が何か提案した時には、相手が自分が提案した以上のことをしてくれるかどうかを確かめようとしていることがあるから気をつけろ、という感じでしょうか。
まぁ、確かに女性には概してそういうところはありますが、私は上のような駆け引きは、面倒くさいからあまりやりません。
待ち合わせ場所などの決め事を勝手に変えられると、却って困ります。
こっちにはこっちの段取りっちゅーもんがありまして、彼に会う前にトイレで鏡を見てお化粧や髪型をチェックしよう…と思ってる前に登場されると大変慌てます(笑)。
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チャンドラー: Okay, so you both just know this stuff? (わかった。それで、このことを二人はただ知っていただけってこと?)
レイチェル: Well you know, after about 30 or 40 fights, you kinda catch on. (そうねぇ、30回、40回くらいけんかした後に、わかったりするものよ。)
ロス: Okay, For instance: Let's say, Janice is coming back from a trip and she gives you two options. Option number one: She'll take a cab home from the airport. Option number two: You can meet her at baggage claim. Which do you do? (よし、例えば、こう仮定しよう。ジャニスが旅行から帰ってくる、そして彼女はチャンドラーに二つの選択肢を示す。選択肢1:彼女がタクシーで空港から家に帰る。選択肢2:手荷物受取所で彼女と待ち合わせ。君はどうする?)
チャンドラー: That's easy. Baggage claim. (そんなの簡単だよ。手荷物受取所だ。)
ロス: (buzzes) Wrong! Now you're single. It's actually secret option number three. You meet her at the gate. That way she knows you love her. ([ブザーの音を真似て] 不正解! 今や君は独り者だね。実は、秘密の選択肢3があるんだよ。(飛行機を降りたところの)ゲートで彼女と会う。そうすれば、君が彼女を愛していることが彼女にわかるだろ。)
just know this stuff 「このことをただ知っていた」のか?と尋ねるチャンドラーに対して、たくさんけんかしたら、そういうことがわかる、と答えるレイチェル。
うかつなことを言って大喧嘩をして、「あぁ、こんなことは言っちゃいけないんだなぁ…」ということを経験から学んだ、ということですね。
「雨降って地固まる」という感じでしょうか。
catch on は「わかる、理解する、…の意味を悟る」。
catch は「捕まえる」で on という接触を表す前置詞が使われているので、on 以下のものに「手が届く」感じが出ていますよね。
baggage claim は「手荷物受取所、手荷物引渡所」。
フレンズ2-1その1 にも出てきました。
Now you're single は「今や、君はカップルではない(恋人のいない)男だね。」のような感じでしょうね。
そんな風に女心がわからないようなら、彼女に振られちゃって一人になるよ、と言っているのです。
ロスの質問では、ジャニスが「私は自分でタクシーを拾って一人で帰るわ。それとも手荷物受取所まで迎えに来てくれる?」と尋ねる設定になっています。
チャンドラーにしてみたら、優しい俺は、一人で帰れなんて言わずに、ちゃんと指定の場所に迎えに行ってやるさ、という感じなのですが、本当に愛してるなら、一秒でも早く会いたい!と、もっと早く会える場所で待ってあげるもんだ、そうすれば彼女は「手荷物受取所って言ってたのに、ここまで来てくれたのね!」と感激するからさ、と助言しているようですね。
そんな風に女性が何か提案した時には、相手が自分が提案した以上のことをしてくれるかどうかを確かめようとしていることがあるから気をつけろ、という感じでしょうか。
まぁ、確かに女性には概してそういうところはありますが、私は上のような駆け引きは、面倒くさいからあまりやりません。
待ち合わせ場所などの決め事を勝手に変えられると、却って困ります。
こっちにはこっちの段取りっちゅーもんがありまして、彼に会う前にトイレで鏡を見てお化粧や髪型をチェックしよう…と思ってる前に登場されると大変慌てます(笑)。
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2007年05月09日
反射的にノーと答える話 フレンズ3-3その12
部屋で二人きりのロスとレイチェルは、カウチに倒れこむ…の続きです(笑)。
(Chandler enters and they both jump up and pretend that Ross is showing her something in the couch.)
ところがそこにチャンドラーが入ってきたので、二人はカウチから飛び上がり、ロスはレイチェルにカウチの中にあった何かを見せているふりをします。
ロス: There it is. (ほら、ここにあるよ。)
レイチェル: Oh, oh, that's what you're talking about. (to Chandler) Hey. (あぁ、それがあなたが言っていたものなのね。[チャンドラーに] ハーイ。)
ロス: Hey. (やぁ。)
やっぱり恥ずかしいんですね、いくら友達でも(当たり前か…)。
何か探しモノをしてるふりをするのが可愛い。
二人に質問するチャンドラー。
チャンドラー: Do I look fat? (俺って、太ってるように見える?)
ロス&レイチェル: Noo. (ううん、見えない。)
チャンドラー: Okay, I accept that. When Janice asked me and I said no, she took that to mean that I was calling her a cow. (よし、俺はその言葉をそのまま受け取るんだ。ジャニスは俺に同じように尋ねて俺がノーと言ったら、それを「俺がジャニスを牛だと言っている」という意味に受け取るんだ。)
レイチェル: Okay, walk us through it, honey, walk us through it. (それじゃあ、最初から話して、最初から。)
チャンドラー: Okay, well. Janice said, "Hi. Do I look fat today?" And I, I looked at her.... (わかった。えーっと、ジャニスが「はーい、今日の私は太って見える?」って言ったんだ。それで、俺は彼女を見て…)
ロス: Whoa, whoa, whoa. You looked at her? You never look. You just answer, it's just a reflex. "Do I look fat?" "Nooo!" "Is she prettier than I am? "Noo!" "Does size matter?" (おいおいおい。彼女を見た、だって? 絶対に見ちゃダメだよ。ただ、こう答えるんだ。ただの反射(神経)で。「太って見える?」「ノー!」 「彼女は私より可愛い?」「ノー!」 「サイズは重要?」)
レイチェル: Nooo! (「ノー!」)
ロス: And it works both ways. (その方法は、どっちにもうまく作用する[うまく働く、都合がいい]んだよ。)
日本語では、太っている時の例えではブタがよく出てきますが、「牛」だともっと「でっかい」感じがしますし、「牛」と言われて誉め言葉だと思う人もいないでしょう(笑)。
英語でも、人を cow と呼ぶ、というのは、そういう侮辱的な意味になるのですね。
フレンズ1-17その4 でも、モニカのふりをしているレイチェルが、
レイチェル: And have I mentioned that back in high school I was a cow? (高校の時、私、牛みたいに大きかったって話、もう話したかしら?)
と言っていましたね。
walk us through it について。
英辞郎には、
walk someone through=(人)に(式典など)を最初から最後まで経験させる、(人)に〜の予行演習をさせる
とあります。
誰かの横に付き添って、一緒に最初から最後まで歩いていく、という感じでしょうか。
walk という言葉があることから、「ゆっくりと」というニュアンスも入っているのかなぁ、と思います。
この場合は、チャンドラーが話の最後の部分だけを言っていて、どうしてそういう顛末になったのかわからないから、順を追って最初から話してよ、と言っているのでしょうね。
チャンドラーが look という言葉を使ったことに、ロスは反応しています。
フレンズ2-20その4 で、
モニカ: All right, yes, I see other women in the shower at the gym. And no, I don't look. (わかったわ。そうね、ジムでシャワーを浴びる時、他の女性の姿は目に入るけど、わざわざ視線を止めて見たりはしないわよ。)
というセリフがありましたが、look にはそのように「見ようと思って視線を向ける」という意味がありますよね。
つまり、チャンドラーはそう質問されて、「どうかな?」とジャニスを見てみた、ということです。
ロスの返事は、「太ってる?」と聞かれた場合に、相手を見ちゃいけないんだ、と言っているのです。
見ないで即座にノー!と言え、と(笑)。
reflex は「反射作用、反射運動」、複数形 reflexes だと「反射神経」になります。
ロスたちの話は、なかなか真理をついていますね。
だいたい女性が恋人に自分のことを悪く言う時は、ただ相手から「そんなことないよ。」という返事を聞きたいだけなのです。
「こんな私可愛くないよね…」「ううん、そこが可愛いよ。」みたいなやり取りを期待してるわけで(爆)。
ですから、いちいち本当にそうであるかどうかを「吟味」する必要などない、無条件に「太ってない」と言って欲しい、ということですね。
さんざん時間をかけて髪型を整えた後で、「この髪型おかしくない?」と聞いて、恋人が「ちょっと変だよね。」なんて言おうものなら、ねぇ?
「彼女、私より可愛い?」という質問では、くどくどと理由をつけて説明したり、具体的な部分を比較したりしない方がいいですよ(笑)。
その後の「サイズ」の話に、すかさずレイチェルがノー!というのがおかしいです。
matter は自動詞で「問題となる、重要である」という意味ですね。
both ways は「両方とも、両方に」ということですから、it works both ways は「そういう方法が、質問した方と答えた方の双方にとってうまくいくんだ。」ということです。
ちょっとした間があると、質問した方は、相手が嘘を言っているのではないかと疑うし、答えた方もその質問にいつまでも食い下がられると困りますよね。
だから、そういうはっきり答えるとまずい質問は、考える間もなくノー!と言え、というアドバイスなのです。
このやり取りを聞いていると、二人はやっぱりカップルなんだわ、としみじみ思います(笑)。
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ところがそこにチャンドラーが入ってきたので、二人はカウチから飛び上がり、ロスはレイチェルにカウチの中にあった何かを見せているふりをします。
ロス: There it is. (ほら、ここにあるよ。)
レイチェル: Oh, oh, that's what you're talking about. (to Chandler) Hey. (あぁ、それがあなたが言っていたものなのね。[チャンドラーに] ハーイ。)
ロス: Hey. (やぁ。)
やっぱり恥ずかしいんですね、いくら友達でも(当たり前か…)。
何か探しモノをしてるふりをするのが可愛い。
二人に質問するチャンドラー。
チャンドラー: Do I look fat? (俺って、太ってるように見える?)
ロス&レイチェル: Noo. (ううん、見えない。)
チャンドラー: Okay, I accept that. When Janice asked me and I said no, she took that to mean that I was calling her a cow. (よし、俺はその言葉をそのまま受け取るんだ。ジャニスは俺に同じように尋ねて俺がノーと言ったら、それを「俺がジャニスを牛だと言っている」という意味に受け取るんだ。)
レイチェル: Okay, walk us through it, honey, walk us through it. (それじゃあ、最初から話して、最初から。)
チャンドラー: Okay, well. Janice said, "Hi. Do I look fat today?" And I, I looked at her.... (わかった。えーっと、ジャニスが「はーい、今日の私は太って見える?」って言ったんだ。それで、俺は彼女を見て…)
ロス: Whoa, whoa, whoa. You looked at her? You never look. You just answer, it's just a reflex. "Do I look fat?" "Nooo!" "Is she prettier than I am? "Noo!" "Does size matter?" (おいおいおい。彼女を見た、だって? 絶対に見ちゃダメだよ。ただ、こう答えるんだ。ただの反射(神経)で。「太って見える?」「ノー!」 「彼女は私より可愛い?」「ノー!」 「サイズは重要?」)
レイチェル: Nooo! (「ノー!」)
ロス: And it works both ways. (その方法は、どっちにもうまく作用する[うまく働く、都合がいい]んだよ。)
日本語では、太っている時の例えではブタがよく出てきますが、「牛」だともっと「でっかい」感じがしますし、「牛」と言われて誉め言葉だと思う人もいないでしょう(笑)。
英語でも、人を cow と呼ぶ、というのは、そういう侮辱的な意味になるのですね。
フレンズ1-17その4 でも、モニカのふりをしているレイチェルが、
レイチェル: And have I mentioned that back in high school I was a cow? (高校の時、私、牛みたいに大きかったって話、もう話したかしら?)
と言っていましたね。
walk us through it について。
英辞郎には、
walk someone through=(人)に(式典など)を最初から最後まで経験させる、(人)に〜の予行演習をさせる
とあります。
誰かの横に付き添って、一緒に最初から最後まで歩いていく、という感じでしょうか。
walk という言葉があることから、「ゆっくりと」というニュアンスも入っているのかなぁ、と思います。
この場合は、チャンドラーが話の最後の部分だけを言っていて、どうしてそういう顛末になったのかわからないから、順を追って最初から話してよ、と言っているのでしょうね。
チャンドラーが look という言葉を使ったことに、ロスは反応しています。
フレンズ2-20その4 で、
モニカ: All right, yes, I see other women in the shower at the gym. And no, I don't look. (わかったわ。そうね、ジムでシャワーを浴びる時、他の女性の姿は目に入るけど、わざわざ視線を止めて見たりはしないわよ。)
というセリフがありましたが、look にはそのように「見ようと思って視線を向ける」という意味がありますよね。
つまり、チャンドラーはそう質問されて、「どうかな?」とジャニスを見てみた、ということです。
ロスの返事は、「太ってる?」と聞かれた場合に、相手を見ちゃいけないんだ、と言っているのです。
見ないで即座にノー!と言え、と(笑)。
reflex は「反射作用、反射運動」、複数形 reflexes だと「反射神経」になります。
ロスたちの話は、なかなか真理をついていますね。
だいたい女性が恋人に自分のことを悪く言う時は、ただ相手から「そんなことないよ。」という返事を聞きたいだけなのです。
「こんな私可愛くないよね…」「ううん、そこが可愛いよ。」みたいなやり取りを期待してるわけで(爆)。
ですから、いちいち本当にそうであるかどうかを「吟味」する必要などない、無条件に「太ってない」と言って欲しい、ということですね。
さんざん時間をかけて髪型を整えた後で、「この髪型おかしくない?」と聞いて、恋人が「ちょっと変だよね。」なんて言おうものなら、ねぇ?
「彼女、私より可愛い?」という質問では、くどくどと理由をつけて説明したり、具体的な部分を比較したりしない方がいいですよ(笑)。
その後の「サイズ」の話に、すかさずレイチェルがノー!というのがおかしいです。
matter は自動詞で「問題となる、重要である」という意味ですね。
both ways は「両方とも、両方に」ということですから、it works both ways は「そういう方法が、質問した方と答えた方の双方にとってうまくいくんだ。」ということです。
ちょっとした間があると、質問した方は、相手が嘘を言っているのではないかと疑うし、答えた方もその質問にいつまでも食い下がられると困りますよね。
だから、そういうはっきり答えるとまずい質問は、考える間もなくノー!と言え、というアドバイスなのです。
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2007年05月08日
再びdingusの話 フレンズ3-3その11
witchの話 フレンズ3-3その7 で、dingus という単語が出てきました。
そのセリフでは、「バカ」というニュアンスで使われていたのですが、私がいつも使っている辞書類には、「(名前のよく知らない、名前がわからない)何とかいうもの」という語義しか載っていませんでした。
そこで私は、「何とか」とわざとはぐらかすことで、暗に「バカ」であることを表現しているのかなぁ、と思ったのですが…。
その dingus という単語について、アークエットさんの話 フレンズ3-3その9 のコメント欄 で、興味深い情報を教えていただきました。
The American Heritage Dictionary (AHD) という辞書には、ちゃんと stupid という言葉を使った語義が載っているそうです。
Wikipedia 英語版: The American Heritage Dictionary of the English Language の External links に、以下のオンライン辞書へのリンクが載っていたので、私もそれを使って調べてみました。
yourDictionary's American Heritage Dictionary online
Bartleby's American Heritage Dictionary online
確かに、AHD には、
dingus:
Slang
1. An article whose name is unknown or forgotten.
2. A person regarded as stupid.
という語義が載っており、今回のフレンズのセリフで使われたニュアンスは、2. の「愚かだとみなされる人」ということになるでしょう。
dingus についてもう少し調べてみると、Urban Dictionary にも、そういう stupid 関連の dingus の語義が載っていました。
この Urban Dictionary は、フレンズ2-20その10 でも説明しましたが、Wikipedia のように、たくさんの人が定義や意味を投稿して作られている辞書です。
ですから、例えば上に上げた AHD などの正統な辞書に比べると、学術的な信憑性というのは低いのかもしれませんが、「世間一般のネイティブ」がその言葉に対して持っている「感覚」みたいなものはよりリアルに出ているのではないかなぁ、と思います。
その説明が必ずしも正しいかどうかはわかりませんが、なかなか面白い解釈だと思ったので、以下に紹介してみます。
Urban Dictionary の語義を引用すると、
dingus: another word for a spaz.
NOTE: a dingus is NOT a stupid person, because a dingus is someone who can make you laugh by doing stupid THINGS, but they are not stupid people. a stupid person is an idiot. idiot and dingus are different.
(your friend is rocking back and forth on their chair and it topples over, thus flinging them across the room)
you say "dude, you're such a DINGUS"
訳すと、
dingus=spaz(どんくさい人)の別の言葉。
(注釈) dingus は a stupid person のことではない。なぜなら、dingus は愚かな「こと」をして人を笑わせることのできる人だが、その人は愚かな人ではないからだ。愚かな人は、an idiot であり、idiot と dingus は別物である。
例文) 君の友人が、椅子の上で前後に揺れていて[椅子を前後に揺らしていて]、その椅子がひっくり返る。そして、友人は、部屋の向こう側[あっち側]へ飛ばされる。
君は言う、「おまえ、ばかだねぇ。」
この説明によると、stupid "THINGS" をするヤツだから、「何とかという”もの””こと”」を意味する dingus という単語が使われている、ということのようです。
その人物そのものが「愚か」であるという idiot とは異なり、ここでの dingus はあくまで「バカな”こと”をした人」というニュアンスである、と力説していますね。
もう少し、おまけ(笑)。
上に上げられている例文は、your friend という単数名詞が主語になっていますが、その後、on 'their' chair, flinging 'them' など、複数形の代名詞が使われていますね。
フレンズ2-24その7 でも、someone を they で受ける文章が出てきたように、口語では単数名詞を they で受けることがあります。
上の例文も、「その友人」が男性か女性かを限定しないで済むように、わざと their や them で受けているのだろうと思うので、日本語にする時は、on his chair, flinging him として訳しました。(こういうことしそうなのは男性だと思うので(←偏見?…笑) his, him と書いてあってもいいと思うのですが…)
そして、fling them across the room というのが意外と訳しにくい。
ロングマン現代英英辞典によると、
across: from one side of something to the other
つまり、「あるものの一つの側からもう一つ別の側へ」という感じでしょうか。
日本語で「横切って、渡って、向こう側に」などと訳されているのがこれですね。
「部屋を横切って」と表現すると、「部屋を歩いて通過する」みたいに聞こえてここにはそぐわない気がします。
この場合は、椅子がコケただけなので、「横切る」ほどの距離の移動はないと思われますから、ひっくり返った勢いで、「元々いた場所から、少し離れた別の場所へ」「部屋のこっち側からあっち側へ」飛ばされた、という感じなんだと思うのですが、どうでしょう?
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そのセリフでは、「バカ」というニュアンスで使われていたのですが、私がいつも使っている辞書類には、「(名前のよく知らない、名前がわからない)何とかいうもの」という語義しか載っていませんでした。
そこで私は、「何とか」とわざとはぐらかすことで、暗に「バカ」であることを表現しているのかなぁ、と思ったのですが…。
その dingus という単語について、アークエットさんの話 フレンズ3-3その9 のコメント欄 で、興味深い情報を教えていただきました。
The American Heritage Dictionary (AHD) という辞書には、ちゃんと stupid という言葉を使った語義が載っているそうです。
Wikipedia 英語版: The American Heritage Dictionary of the English Language の External links に、以下のオンライン辞書へのリンクが載っていたので、私もそれを使って調べてみました。
yourDictionary's American Heritage Dictionary online
Bartleby's American Heritage Dictionary online
確かに、AHD には、
dingus:
Slang
1. An article whose name is unknown or forgotten.
2. A person regarded as stupid.
という語義が載っており、今回のフレンズのセリフで使われたニュアンスは、2. の「愚かだとみなされる人」ということになるでしょう。
dingus についてもう少し調べてみると、Urban Dictionary にも、そういう stupid 関連の dingus の語義が載っていました。
この Urban Dictionary は、フレンズ2-20その10 でも説明しましたが、Wikipedia のように、たくさんの人が定義や意味を投稿して作られている辞書です。
ですから、例えば上に上げた AHD などの正統な辞書に比べると、学術的な信憑性というのは低いのかもしれませんが、「世間一般のネイティブ」がその言葉に対して持っている「感覚」みたいなものはよりリアルに出ているのではないかなぁ、と思います。
その説明が必ずしも正しいかどうかはわかりませんが、なかなか面白い解釈だと思ったので、以下に紹介してみます。
Urban Dictionary の語義を引用すると、
dingus: another word for a spaz.
NOTE: a dingus is NOT a stupid person, because a dingus is someone who can make you laugh by doing stupid THINGS, but they are not stupid people. a stupid person is an idiot. idiot and dingus are different.
(your friend is rocking back and forth on their chair and it topples over, thus flinging them across the room)
you say "dude, you're such a DINGUS"
訳すと、
dingus=spaz(どんくさい人)の別の言葉。
(注釈) dingus は a stupid person のことではない。なぜなら、dingus は愚かな「こと」をして人を笑わせることのできる人だが、その人は愚かな人ではないからだ。愚かな人は、an idiot であり、idiot と dingus は別物である。
例文) 君の友人が、椅子の上で前後に揺れていて[椅子を前後に揺らしていて]、その椅子がひっくり返る。そして、友人は、部屋の向こう側[あっち側]へ飛ばされる。
君は言う、「おまえ、ばかだねぇ。」
この説明によると、stupid "THINGS" をするヤツだから、「何とかという”もの””こと”」を意味する dingus という単語が使われている、ということのようです。
その人物そのものが「愚か」であるという idiot とは異なり、ここでの dingus はあくまで「バカな”こと”をした人」というニュアンスである、と力説していますね。
もう少し、おまけ(笑)。
上に上げられている例文は、your friend という単数名詞が主語になっていますが、その後、on 'their' chair, flinging 'them' など、複数形の代名詞が使われていますね。
フレンズ2-24その7 でも、someone を they で受ける文章が出てきたように、口語では単数名詞を they で受けることがあります。
上の例文も、「その友人」が男性か女性かを限定しないで済むように、わざと their や them で受けているのだろうと思うので、日本語にする時は、on his chair, flinging him として訳しました。(こういうことしそうなのは男性だと思うので(←偏見?…笑) his, him と書いてあってもいいと思うのですが…)
そして、fling them across the room というのが意外と訳しにくい。
ロングマン現代英英辞典によると、
across: from one side of something to the other
つまり、「あるものの一つの側からもう一つ別の側へ」という感じでしょうか。
日本語で「横切って、渡って、向こう側に」などと訳されているのがこれですね。
「部屋を横切って」と表現すると、「部屋を歩いて通過する」みたいに聞こえてここにはそぐわない気がします。
この場合は、椅子がコケただけなので、「横切る」ほどの距離の移動はないと思われますから、ひっくり返った勢いで、「元々いた場所から、少し離れた別の場所へ」「部屋のこっち側からあっち側へ」飛ばされた、という感じなんだと思うのですが、どうでしょう?
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2007年05月07日
emptyとvacantの話 フレンズ3-3その10
[Scene: Monica and Rachel's, Ross and Rachel are entering]
ロスとレイチェルが部屋に戻ると、机の上にはジャムのビンがたくさん置いてあり、その上にモニカのメモが置いてあります。
レイチェル: (reading) "Gone for more jars. Back later. Monica Geller." ([メモを読みながら] 「もっとビンを買いに行く。すぐ戻る。モニカ・ゲラー」)
主語や be動詞などが省略されていますが、メモではこんな風に書くんですね、という良い例、でしょうか。
ロス: Wait a minute, look! (ちょっと待って、ねぇ!)
レイチェル: What? (何?)
ロス: Look, look, look. (ほら、ほら、ほら。)
レイチェル: What, what, what? (何、何、何?)
ロス: It's an empty apartment. (部屋には誰もいないよ。)
レイチェル: Oooh. (まぁ。)
ロス: We're all alone in an empty apartment. (ひと気のない部屋に、僕たちだけなんだよ。)
レイチェル: Honey, come on, I have to be at work in like ten minutes. (Ross starts kissing her neck) Oh, all right, well, it's not like I'm employee of the year or anything. (they fall onto the couch) (ハニー、だめよ。私、あと10分くらいで仕事に行かなきゃいけないのよ。[ロスはレイチェルの首にキスする] あぁ、わかったわ。そうよね、私って、年間最優秀社員とかってわけじゃないものね。)
と言いながら、二人はカウチに倒れこむ。
上のセリフで、ロスが Look を3回繰り返すのに合わせて、レイチェルが What を3回繰り返すのが、何だか可愛いと思いますね。
empty は「空っぽの」「人がいない、誰もいない」という意味。
ロングマン現代英英辞典では、
empty: an empty place does not have any people in it
つまり、「empty place は、その中に誰も人間がいない。」ということです。
同じような意味で vacant という単語もありますが、こちらは、「(家・部屋・席などが)使用されていない」という意味の「空いている」です。
チェア・シティの話 フレンズ3-2その11 でも説明しましたが、a vacant seat なら「空席」、a vacant house なら「空き屋」ですね。
ロングマン現代英英辞典の語義は以下の通り。
vacant: a vacant seat, building, room or piece of land is empty and available for someone to use
つまり、「vacant 〜 というのは、空いていて、誰かが使用できる状態であること」ということです。
この場合は、この部屋が空き部屋だと言っているのではなく、今、他の人がいないということなので、empty なんですね。
all alone の all は alone を強調していますね。「全くの二人きり」という感じでしょうか。
alone は「一人で」とよく訳されますが、こんな風に「二人だけで」という時にも alone を使います。別に単数でなくてもいいわけです。
そういう alone については、フレンズ2-15その19 でも "We are not alone in the universe." などを例に出して説明しています。
「二人きりだよ」と誘うロスに、「仕事があるから」と言うレイチェルはえらく真面目ですが(いつから彼女はそんなに真面目になったんだろう?…笑)、首にキスされて、もう仕事なんてどうでもいいや、って感じになってしまうのがおかしい。
employee of the year というのは、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」などと同じで、その年で一番優れているものを表彰する時の名称ですね。
ここで、盛り上がりかけてるのを振り切って仕事に行ったところで、年間最優秀社員になれるわけじゃないし、ということです。
(Rach からのお願い)
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ロスとレイチェルが部屋に戻ると、机の上にはジャムのビンがたくさん置いてあり、その上にモニカのメモが置いてあります。
レイチェル: (reading) "Gone for more jars. Back later. Monica Geller." ([メモを読みながら] 「もっとビンを買いに行く。すぐ戻る。モニカ・ゲラー」)
主語や be動詞などが省略されていますが、メモではこんな風に書くんですね、という良い例、でしょうか。
ロス: Wait a minute, look! (ちょっと待って、ねぇ!)
レイチェル: What? (何?)
ロス: Look, look, look. (ほら、ほら、ほら。)
レイチェル: What, what, what? (何、何、何?)
ロス: It's an empty apartment. (部屋には誰もいないよ。)
レイチェル: Oooh. (まぁ。)
ロス: We're all alone in an empty apartment. (ひと気のない部屋に、僕たちだけなんだよ。)
レイチェル: Honey, come on, I have to be at work in like ten minutes. (Ross starts kissing her neck) Oh, all right, well, it's not like I'm employee of the year or anything. (they fall onto the couch) (ハニー、だめよ。私、あと10分くらいで仕事に行かなきゃいけないのよ。[ロスはレイチェルの首にキスする] あぁ、わかったわ。そうよね、私って、年間最優秀社員とかってわけじゃないものね。)
と言いながら、二人はカウチに倒れこむ。
上のセリフで、ロスが Look を3回繰り返すのに合わせて、レイチェルが What を3回繰り返すのが、何だか可愛いと思いますね。
empty は「空っぽの」「人がいない、誰もいない」という意味。
ロングマン現代英英辞典では、
empty: an empty place does not have any people in it
つまり、「empty place は、その中に誰も人間がいない。」ということです。
同じような意味で vacant という単語もありますが、こちらは、「(家・部屋・席などが)使用されていない」という意味の「空いている」です。
チェア・シティの話 フレンズ3-2その11 でも説明しましたが、a vacant seat なら「空席」、a vacant house なら「空き屋」ですね。
ロングマン現代英英辞典の語義は以下の通り。
vacant: a vacant seat, building, room or piece of land is empty and available for someone to use
つまり、「vacant 〜 というのは、空いていて、誰かが使用できる状態であること」ということです。
この場合は、この部屋が空き部屋だと言っているのではなく、今、他の人がいないということなので、empty なんですね。
all alone の all は alone を強調していますね。「全くの二人きり」という感じでしょうか。
alone は「一人で」とよく訳されますが、こんな風に「二人だけで」という時にも alone を使います。別に単数でなくてもいいわけです。
そういう alone については、フレンズ2-15その19 でも "We are not alone in the universe." などを例に出して説明しています。
「二人きりだよ」と誘うロスに、「仕事があるから」と言うレイチェルはえらく真面目ですが(いつから彼女はそんなに真面目になったんだろう?…笑)、首にキスされて、もう仕事なんてどうでもいいや、って感じになってしまうのがおかしい。
employee of the year というのは、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」などと同じで、その年で一番優れているものを表彰する時の名称ですね。
ここで、盛り上がりかけてるのを振り切って仕事に行ったところで、年間最優秀社員になれるわけじゃないし、ということです。
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2007年05月06日
英検長文の面白さ 1級一次(読解編)その2
昨日の続きです。
英検の読解問題に出てくる、「論説・評論」調の文章には、よく出てくる文章のパターンというものがあります。
長々とある事実について語っていて、however と来たら、その前のことは全部前置きで、however 以下が本人の言いたいことなのだ、というようなことですね。
予想問題ドリルのヒントにも、そういう「つなぎ言葉」に注意して読め、と書いてあります。
(これは日本語の文章を読む場合にも当てはまりますよね。)
この手の文章は「何を言いたいのか」ということが実はとてもはっきりしていて、予想問題ドリルをやってみることで、その「論理の展開」のパターンを掴めてきたように感じました。
その作業が、私にはとても面白かったです。
実際の試験でも、予想問題ドリルでも、英検の長文の内容は興味深い話題が多いです。
私が使った、旺文社 7日間完成 英検1級予想問題ドリル [改訂版] で、一番印象に残っているのは、p.26 の Political Correctness(政治的公正)という文章。
その文の中で、"challenged" という言葉を使った婉曲表現の話が出てきます。
私は、過去記事 フレンズ2-21その14 で、physically challenged 「身体が不自由な」という表現と、P.C. (politically correct) について解説しています。
P.C. という言葉は以前から知っていたのですが、challenged にそういう意味があるのを最初に知ったのは、この予想問題ドリルの問題に出てきた文章だったのです。
その文中では、
"vertically challenged" for short,
"horizontally challenged" for fat,
という記述があります。
つまり、「背が低い」ことを「垂直(方向)に challenged 」、「太っている」ことを「水平(方向)に challenged 」と表現する場合がある、ということで、筆者はそれを pretentious euphemisms 「もったいぶった婉曲表現」を呼んで、批判的な視点から論旨を展開しています。
そんな風に、「ただテストの練習問題として見るだけではもったいないような、文章の内容そのものが興味深いもの」が英検には多い気がします。
p.75 の Writer's Block (ライターズ・ブロック。作家が文章を書けなくなること。)という文章も面白かったですね。
こういう読解問題に強くなるには、この手の文章に慣れることですね。
そして、この手の文章を見ているとわかるのですが、よく出てくる単語、というのもあります。
私は語彙を増やすことは早々にあきらめましたが、どうせ単語を覚えるのなら、こういう文章を何度も読んで(できれば音読して)、その言っている内容が頭の中でイメージできるように、その単語の意味を理解しながら読んでいけば、自然とそういう単語の使い方に慣れていって、それが自分のボキャブラリーになっていくのではないかな、と思いました。
その中でも、特に、「動詞」と「接続詞」に注目したらいいのではないかと思います。
これらの単語は、文脈の中で使われている姿を見ることで、よりその意味を捉え易いと思うからです。
問題集を一通りやり終えた後、この読解分野の文章を毎日一つ、2、3回音読する、というのをノルマにしようと決めたのですが、結局それはやらずに終わってしまいました(笑)。
でも、もしそれをやっていたら、もう少し語彙も覚えられたのではないかなぁ、と今でも思っています。
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長々とある事実について語っていて、however と来たら、その前のことは全部前置きで、however 以下が本人の言いたいことなのだ、というようなことですね。
予想問題ドリルのヒントにも、そういう「つなぎ言葉」に注意して読め、と書いてあります。
(これは日本語の文章を読む場合にも当てはまりますよね。)
この手の文章は「何を言いたいのか」ということが実はとてもはっきりしていて、予想問題ドリルをやってみることで、その「論理の展開」のパターンを掴めてきたように感じました。
その作業が、私にはとても面白かったです。
実際の試験でも、予想問題ドリルでも、英検の長文の内容は興味深い話題が多いです。
私が使った、旺文社 7日間完成 英検1級予想問題ドリル [改訂版] で、一番印象に残っているのは、p.26 の Political Correctness(政治的公正)という文章。
その文の中で、"challenged" という言葉を使った婉曲表現の話が出てきます。
私は、過去記事 フレンズ2-21その14 で、physically challenged 「身体が不自由な」という表現と、P.C. (politically correct) について解説しています。
P.C. という言葉は以前から知っていたのですが、challenged にそういう意味があるのを最初に知ったのは、この予想問題ドリルの問題に出てきた文章だったのです。
その文中では、
"vertically challenged" for short,
"horizontally challenged" for fat,
という記述があります。
つまり、「背が低い」ことを「垂直(方向)に challenged 」、「太っている」ことを「水平(方向)に challenged 」と表現する場合がある、ということで、筆者はそれを pretentious euphemisms 「もったいぶった婉曲表現」を呼んで、批判的な視点から論旨を展開しています。
そんな風に、「ただテストの練習問題として見るだけではもったいないような、文章の内容そのものが興味深いもの」が英検には多い気がします。
p.75 の Writer's Block (ライターズ・ブロック。作家が文章を書けなくなること。)という文章も面白かったですね。
こういう読解問題に強くなるには、この手の文章に慣れることですね。
そして、この手の文章を見ているとわかるのですが、よく出てくる単語、というのもあります。
私は語彙を増やすことは早々にあきらめましたが、どうせ単語を覚えるのなら、こういう文章を何度も読んで(できれば音読して)、その言っている内容が頭の中でイメージできるように、その単語の意味を理解しながら読んでいけば、自然とそういう単語の使い方に慣れていって、それが自分のボキャブラリーになっていくのではないかな、と思いました。
その中でも、特に、「動詞」と「接続詞」に注目したらいいのではないかと思います。
これらの単語は、文脈の中で使われている姿を見ることで、よりその意味を捉え易いと思うからです。
問題集を一通りやり終えた後、この読解分野の文章を毎日一つ、2、3回音読する、というのをノルマにしようと決めたのですが、結局それはやらずに終わってしまいました(笑)。
でも、もしそれをやっていたら、もう少し語彙も覚えられたのではないかなぁ、と今でも思っています。
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2007年05月05日
英検長文は難しいけど… 1級一次(読解編)その1
今日は、英検1級一次試験の読解分野について書きたいと思います。
読解とは、ある程度の長さの英文を読んで、空欄を埋める、または、内容に一致する選択肢を選ぶ、という形式の問題のことです。
このパートは点は良かったです。
「空欄補充」の問題、すなわち、「2. 長文の語句空所補充問題」とは、「300〜400字程度のパッセージの空所に正しい語句や表現を選び、補充する問題」のこと。
ここは、6点中6点(合格者平均5点、全体平均4点)で、全問正解でした。
「内容把握」の問題、すなわち、「3. 長文の内容一致選択問題」とは、「3つのパッセージのうち2つは500語程度、1つは800語程度のものを読み、その内容に関する設問に答える問題」のこと。
ここは、20点中18点(合格者平均16点、全体平均11点)で、1問、間違えました。
Pass単断念 1級一次(語彙編) で、語彙分野で高得点は望めないとあきらめた話を書きましたが、その分、この読解分野で点を取っていこうと思っていました。
ですから、この分野では1問も落とさないぞ!と意気込んでいたので、1問間違えて少しショックでしたね。
内容把握で1問間違えたのは、2番目の500語程度のパッセージの問題。
ざっと内容を読んで話の流れは掴んでいたつもりだったのに、細かい部分まで読みきれていなかったようです。
今、改めて見直してみると、まさに本文に書いてあるものを言い換えたものが選択肢にあったのに、「何となく文章中に書いてあるような気がした」選択肢を選んでしまったようです。
本文中には、
an unresolved dispute in political science: while some scholars feel .... , others think...
「政治学上の未解決の論争、つまり、ある学者はこう考え、また別の学者はこう考える、という論争」
とあり、選択肢に、
Specialists are unable to decide what the criteria for...
「専門家たちは…の基準が何かを決定できない」
というものがありました。
scholars が specialists に言い換えられ、an unresolved dispute が are unable to decide what... と表現されているわけですね。
こういうところを落としている、ということは、TOEIC でもこんな感じで長文問題を落としているんじゃないか、という気がします(笑)。
こういうアカデミック、というか、大学入試のような文章を読むのは久しぶりな気がして(いつもは軽いウィキペディアとかばっかり読んでるから…笑)、そういう意味では最初、予想問題集にトライする時にとても不安でした。
でも、大学生の時に1級を受けて感じた「もう単語が全然わかんないから、何が書いてあるか全然わかんないっ!」みたいな感覚はもうなかったですね。
そこに自分の成長の跡をはっきり見た気がしました。
何しろ私は語彙が少ないですから(笑)、やっぱりわからない単語はチラホラ出てくるんです。
ですが、分からない単語はそのままにしていても、一応、話の流れは読めるようになっていたのです。
何故読めるようになったか、というのを私なりに分析すると、このブログでフレンズのセリフを分析することで、「文の構造を理解しながら読むクセ」がついていたからだと思います。
一見、長く複雑な文章でも、その一番メインとなる主語と動詞がどれか、を瞬時に見極める感覚を養う、と言ったら良いでしょうか。
単語本で日本語訳を覚えていたとしても、その単語の品詞を間違って捉えてしまうと、その文の構造が全くわからなくなります。
私は逆に、単語の日本語訳は思いつかなくても、その単語の品詞が何か、ということだけは多分間違えずに理解できていたのだと思います。
ハートで感じる英文法 大西泰斗/ポール・マクベイ著 Lesson 12 「「文の形」にも感覚がある」 の p.198 で、大西先生は、eelie という「得体の知れない動詞(実際には存在しない動詞)」を使った文章、
I eelied Jim a Martian.
をネイティブに見せ、文の意味を類推してもらう、という実験をされています。
ネイティブはその文章から、「文型の感覚」を読み取って、内容をある程度、類推することができる、という結果でした。(具体的にどういう意味を類推するかは、直接先生の本をご覧下さい。)
そんな風に、意味不明の単語でも意味がわかる、というのは、「文の構造を意識していれば、個々の単語の意味を知っているかどうかは”それほど”重要ではない」ということの証明だと思うし、「英語では語順が大切だ」ということの証明でもあるのだと思います。
明日、引き続き、もう少し英検の読解問題について語ります。
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読解とは、ある程度の長さの英文を読んで、空欄を埋める、または、内容に一致する選択肢を選ぶ、という形式の問題のことです。
このパートは点は良かったです。
「空欄補充」の問題、すなわち、「2. 長文の語句空所補充問題」とは、「300〜400字程度のパッセージの空所に正しい語句や表現を選び、補充する問題」のこと。
ここは、6点中6点(合格者平均5点、全体平均4点)で、全問正解でした。
「内容把握」の問題、すなわち、「3. 長文の内容一致選択問題」とは、「3つのパッセージのうち2つは500語程度、1つは800語程度のものを読み、その内容に関する設問に答える問題」のこと。
ここは、20点中18点(合格者平均16点、全体平均11点)で、1問、間違えました。
Pass単断念 1級一次(語彙編) で、語彙分野で高得点は望めないとあきらめた話を書きましたが、その分、この読解分野で点を取っていこうと思っていました。
ですから、この分野では1問も落とさないぞ!と意気込んでいたので、1問間違えて少しショックでしたね。
内容把握で1問間違えたのは、2番目の500語程度のパッセージの問題。
ざっと内容を読んで話の流れは掴んでいたつもりだったのに、細かい部分まで読みきれていなかったようです。
今、改めて見直してみると、まさに本文に書いてあるものを言い換えたものが選択肢にあったのに、「何となく文章中に書いてあるような気がした」選択肢を選んでしまったようです。
本文中には、
an unresolved dispute in political science: while some scholars feel .... , others think...
「政治学上の未解決の論争、つまり、ある学者はこう考え、また別の学者はこう考える、という論争」
とあり、選択肢に、
Specialists are unable to decide what the criteria for...
「専門家たちは…の基準が何かを決定できない」
というものがありました。
scholars が specialists に言い換えられ、an unresolved dispute が are unable to decide what... と表現されているわけですね。
こういうところを落としている、ということは、TOEIC でもこんな感じで長文問題を落としているんじゃないか、という気がします(笑)。
こういうアカデミック、というか、大学入試のような文章を読むのは久しぶりな気がして(いつもは軽いウィキペディアとかばっかり読んでるから…笑)、そういう意味では最初、予想問題集にトライする時にとても不安でした。
でも、大学生の時に1級を受けて感じた「もう単語が全然わかんないから、何が書いてあるか全然わかんないっ!」みたいな感覚はもうなかったですね。
そこに自分の成長の跡をはっきり見た気がしました。
何しろ私は語彙が少ないですから(笑)、やっぱりわからない単語はチラホラ出てくるんです。
ですが、分からない単語はそのままにしていても、一応、話の流れは読めるようになっていたのです。
何故読めるようになったか、というのを私なりに分析すると、このブログでフレンズのセリフを分析することで、「文の構造を理解しながら読むクセ」がついていたからだと思います。
一見、長く複雑な文章でも、その一番メインとなる主語と動詞がどれか、を瞬時に見極める感覚を養う、と言ったら良いでしょうか。
単語本で日本語訳を覚えていたとしても、その単語の品詞を間違って捉えてしまうと、その文の構造が全くわからなくなります。
私は逆に、単語の日本語訳は思いつかなくても、その単語の品詞が何か、ということだけは多分間違えずに理解できていたのだと思います。
ハートで感じる英文法 大西泰斗/ポール・マクベイ著 Lesson 12 「「文の形」にも感覚がある」 の p.198 で、大西先生は、eelie という「得体の知れない動詞(実際には存在しない動詞)」を使った文章、
I eelied Jim a Martian.
をネイティブに見せ、文の意味を類推してもらう、という実験をされています。
ネイティブはその文章から、「文型の感覚」を読み取って、内容をある程度、類推することができる、という結果でした。(具体的にどういう意味を類推するかは、直接先生の本をご覧下さい。)
そんな風に、意味不明の単語でも意味がわかる、というのは、「文の構造を意識していれば、個々の単語の意味を知っているかどうかは”それほど”重要ではない」ということの証明だと思うし、「英語では語順が大切だ」ということの証明でもあるのだと思います。
明日、引き続き、もう少し英検の読解問題について語ります。
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2007年05月04日
アークエットさんの話 フレンズ3-3その9
一昨日のセリフの続きです。
フィービー: Wait, (grabs him) you know what, I got a little story. When I was in junior high school, I went through this period where I thought I was a witch. And there was this guidance counselor who said something to me, that I think will help you a lot. He said, "Okay, you're not a witch. You're just an average student." See what I'm saying? (待って。[彼を掴む。] ねぇ、ちょっとした話があるのよ。私が中学生だった頃、自分がひどい女だって思っていた時期を乗り越えたの。その時、私にあることを言ってくれた生徒指導のカウンセラーがいたのよ。私は、その言葉があなたに大きな救いとなると思うの。その人はこう言ったわ。「君はひどい女なんかじゃない。君はただの平均的な生徒だよ。」って。私の言おうとしていることがわかる?)
男: Not really. (よくわからないよ。)
フィービー: Um, well, get over it. So, I mean you, you just seem like a really nice guy, you know. Don't be so hard on yourself, okay? (あぁ、まぁ、それを乗り越えなさい。つまり、私が言いたいのは、あなたは本当に良い人に見えるってことよ。自分をそんなに責めないで。わかった?)
男: Wait. You're right. I know you're right. And, thanks for being so nice. Here. (gives her the flowers he bought.) (待って。君は正しいよ。君が正しいことを言ってるってわかるよ。それから、優しくしてくれてありがとう。これ。)
さっき花屋で買った花をフィービーに渡す。
フィービー: Oh, thanks a lot. Do you want to get a cup of coffee? (まぁ、ありがとう。コーヒーでも飲む?)
男: Yeah, okay. (あぁ、いいよ。)
フィービー: Okay. (じゃ、そうしましょう。)
(they start to leave, he is still following her)
二人は歩き始めるが、男はまだフィービーの後をついて[つけて]行く。
フィービー: Okay, you don't have to walk behind me anymore. (ねぇ、もう私の後ろを歩く必要はないんだけど。)
男: Sorry. (ごめん。)
witchの話 フレンズ3-3その7 で、witch 「ひどい女、嫌な女」という意味について触れましたが、自分を witch だと思って悩んでいたフィービーに対して、当時のカウンセラーが励ましてくれた…という逸話を披露するフィービーですが…。
何かとても感動的なことを言われたのかと思ったら、「君は悪い人じゃない。平均的な人だよ。」と言われただけ?(笑)
普通こういう場合だと、「平均」じゃなくて、「良い人だ、素晴らしい人だ」って言いますよね。
もしくは、「他の人にはわからなくても、僕には君の魅力がわかる」とか。
このトンチンカン具合がいかにもフィービーですね。
男性が、Not really. 「よくわかるってことはないけど…。よくわかんないけど。」と答えるのも当然です。
be hard on... は「(人)につらく当たる」、be hard on oneself だと「自分に厳しい、自分を責める、思い詰める」という感じになります。
嫌いな姉の被害者だから同情したのか、ちょっと好みのタイプだったのか、フィービーは自分からお茶に誘います。
つい今までのクセで、後ろをつけてしまう彼がおかしいですね。
ちなみに、このストーカーの男性を演じているのは、デヴィッド・アークエット(David Arquette)という俳優さんです。
この俳優さんは、モニカ役のコートニー・コックスと結婚しています。
フレンズ2-24その19+名前のハイフンの話 で、フレンズ3-3 で”アークエット”ネタを書く、と予告していましたが、今回がその話になります。
IMDb: David Arquette
コートニーとデヴィッドの二人は、スクリーム(Scream、1996年)、スクリーム2(Scream 2、1997年)という映画で共演したのが縁で1999年に結婚した、とのことです。
このフレンズのエピソードも1996年なので、その映画の共演と、このゲスト出演には何か関係があるのかもしれません。
かなり先のエピソードになりますが、フレンズ6-1 のオープニング・クレジットでは、俳優とプロデューサーの名前が以下のように表示されていました。
COURTENEY COX ARQUETTE
JENNIFER ANISTON ARQUETTE...(略)
DAVID SCHWIMMER ARQUETTE
CREATED BY
DAVID CRANE ARQUETTE
MARTA KAUFFMAN ARQUETTE
つまり、コートニー以外の人にも全て Arquette がついているのですが、これは二人の結婚を記念してのもののようです。
実際、6-1 のラストに、
FOR COURTENEY AND DAVID WHO DID GET MARRIED
という文字が出ます。
訳すと、「結婚したコートニーとデヴィッドのために」ということで、日本語字幕では、「結婚したコートニーに捧ぐ」と書いてありました。
フレンズ6-1 の放映は1999年9月23日。
二人が結婚したのは、1999年8月なので、その直後のエピソードだから、ということでしょう。
ちょっと、話は、ずれますが、
IMDb: Jennifer Aniston の Alternate Names(代わりの名前?)の項目に以下のように書いてあります。
Alternate Names:Jennifer Aniston Arquette / Jennifer Aniston Pitt
ブラッド・ピットと結婚していたジェニファーがジェニファー・アニストン・ピットと紹介されたりクレジットされたりするのは当然ですが、このフレンズ6-1 一回きりのお祝い兼お遊び感覚のクレジット、ジェニファー・アニストン・アークエットまでご丁寧に情報として拾っている IMDb(Internet Movie Database)の細かさに脱帽します(笑)。
二人の間には子供が一人います。
IMDb の Trivia によると、
Jennifer Aniston is the godmother of his daughter Coco.
つまり、ジェニファーは、コートニーの一人娘ココちゃんの godmother (名付け親、名親)だそうです。
godfather, godmother, godparent というのは、単に名前を付けるというだけではなく、
研究社 新英和中辞典によると、
「生まれた子の洗礼式に立ち会って名を与え, 霊魂上の親として宗教教育を保証する」
という役目があるそうです。
コートニーとジェニファーが実生活でも仲が良い、というのは有名で、家族ぐるみでお付き合いしているようですね。
Wikipedia 英語版: David Arquette には、スクリーム2 で共演している写真が載っています。
彼の家は芸能一家で、姉や兄も俳優です。
姉のロザンナ・アークエット(Rosanna Arquette)は、有名女優たちへのインタビューをドキュメンタリーにした映画「デブラ・ウィンガーを探して」(Searching for Dabra Winger)の監督をしていましたね。
この映画、見ていませんが、その出てくる女優陣がすごいです。
Wikipedia 日本語版: デブラ・ウィンガーを探して にその女優たちの名前が載っているのですが、芸能一家出身だから顔が広いのか、単にロザンナさんの交友範囲が広いのか…。
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フィービー: Wait, (grabs him) you know what, I got a little story. When I was in junior high school, I went through this period where I thought I was a witch. And there was this guidance counselor who said something to me, that I think will help you a lot. He said, "Okay, you're not a witch. You're just an average student." See what I'm saying? (待って。[彼を掴む。] ねぇ、ちょっとした話があるのよ。私が中学生だった頃、自分がひどい女だって思っていた時期を乗り越えたの。その時、私にあることを言ってくれた生徒指導のカウンセラーがいたのよ。私は、その言葉があなたに大きな救いとなると思うの。その人はこう言ったわ。「君はひどい女なんかじゃない。君はただの平均的な生徒だよ。」って。私の言おうとしていることがわかる?)
男: Not really. (よくわからないよ。)
フィービー: Um, well, get over it. So, I mean you, you just seem like a really nice guy, you know. Don't be so hard on yourself, okay? (あぁ、まぁ、それを乗り越えなさい。つまり、私が言いたいのは、あなたは本当に良い人に見えるってことよ。自分をそんなに責めないで。わかった?)
男: Wait. You're right. I know you're right. And, thanks for being so nice. Here. (gives her the flowers he bought.) (待って。君は正しいよ。君が正しいことを言ってるってわかるよ。それから、優しくしてくれてありがとう。これ。)
さっき花屋で買った花をフィービーに渡す。
フィービー: Oh, thanks a lot. Do you want to get a cup of coffee? (まぁ、ありがとう。コーヒーでも飲む?)
男: Yeah, okay. (あぁ、いいよ。)
フィービー: Okay. (じゃ、そうしましょう。)
(they start to leave, he is still following her)
二人は歩き始めるが、男はまだフィービーの後をついて[つけて]行く。
フィービー: Okay, you don't have to walk behind me anymore. (ねぇ、もう私の後ろを歩く必要はないんだけど。)
男: Sorry. (ごめん。)
witchの話 フレンズ3-3その7 で、witch 「ひどい女、嫌な女」という意味について触れましたが、自分を witch だと思って悩んでいたフィービーに対して、当時のカウンセラーが励ましてくれた…という逸話を披露するフィービーですが…。
何かとても感動的なことを言われたのかと思ったら、「君は悪い人じゃない。平均的な人だよ。」と言われただけ?(笑)
普通こういう場合だと、「平均」じゃなくて、「良い人だ、素晴らしい人だ」って言いますよね。
もしくは、「他の人にはわからなくても、僕には君の魅力がわかる」とか。
このトンチンカン具合がいかにもフィービーですね。
男性が、Not really. 「よくわかるってことはないけど…。よくわかんないけど。」と答えるのも当然です。
be hard on... は「(人)につらく当たる」、be hard on oneself だと「自分に厳しい、自分を責める、思い詰める」という感じになります。
嫌いな姉の被害者だから同情したのか、ちょっと好みのタイプだったのか、フィービーは自分からお茶に誘います。
つい今までのクセで、後ろをつけてしまう彼がおかしいですね。
ちなみに、このストーカーの男性を演じているのは、デヴィッド・アークエット(David Arquette)という俳優さんです。
この俳優さんは、モニカ役のコートニー・コックスと結婚しています。
フレンズ2-24その19+名前のハイフンの話 で、フレンズ3-3 で”アークエット”ネタを書く、と予告していましたが、今回がその話になります。
IMDb: David Arquette
コートニーとデヴィッドの二人は、スクリーム(Scream、1996年)、スクリーム2(Scream 2、1997年)という映画で共演したのが縁で1999年に結婚した、とのことです。
このフレンズのエピソードも1996年なので、その映画の共演と、このゲスト出演には何か関係があるのかもしれません。
かなり先のエピソードになりますが、フレンズ6-1 のオープニング・クレジットでは、俳優とプロデューサーの名前が以下のように表示されていました。
COURTENEY COX ARQUETTE
JENNIFER ANISTON ARQUETTE...(略)
DAVID SCHWIMMER ARQUETTE
CREATED BY
DAVID CRANE ARQUETTE
MARTA KAUFFMAN ARQUETTE
つまり、コートニー以外の人にも全て Arquette がついているのですが、これは二人の結婚を記念してのもののようです。
実際、6-1 のラストに、
FOR COURTENEY AND DAVID WHO DID GET MARRIED
という文字が出ます。
訳すと、「結婚したコートニーとデヴィッドのために」ということで、日本語字幕では、「結婚したコートニーに捧ぐ」と書いてありました。
フレンズ6-1 の放映は1999年9月23日。
二人が結婚したのは、1999年8月なので、その直後のエピソードだから、ということでしょう。
ちょっと、話は、ずれますが、
IMDb: Jennifer Aniston の Alternate Names(代わりの名前?)の項目に以下のように書いてあります。
Alternate Names:Jennifer Aniston Arquette / Jennifer Aniston Pitt
ブラッド・ピットと結婚していたジェニファーがジェニファー・アニストン・ピットと紹介されたりクレジットされたりするのは当然ですが、このフレンズ6-1 一回きりのお祝い兼お遊び感覚のクレジット、ジェニファー・アニストン・アークエットまでご丁寧に情報として拾っている IMDb(Internet Movie Database)の細かさに脱帽します(笑)。
二人の間には子供が一人います。
IMDb の Trivia によると、
Jennifer Aniston is the godmother of his daughter Coco.
つまり、ジェニファーは、コートニーの一人娘ココちゃんの godmother (名付け親、名親)だそうです。
godfather, godmother, godparent というのは、単に名前を付けるというだけではなく、
研究社 新英和中辞典によると、
「生まれた子の洗礼式に立ち会って名を与え, 霊魂上の親として宗教教育を保証する」
という役目があるそうです。
コートニーとジェニファーが実生活でも仲が良い、というのは有名で、家族ぐるみでお付き合いしているようですね。
Wikipedia 英語版: David Arquette には、スクリーム2 で共演している写真が載っています。
彼の家は芸能一家で、姉や兄も俳優です。
姉のロザンナ・アークエット(Rosanna Arquette)は、有名女優たちへのインタビューをドキュメンタリーにした映画「デブラ・ウィンガーを探して」(Searching for Dabra Winger)の監督をしていましたね。
この映画、見ていませんが、その出てくる女優陣がすごいです。
Wikipedia 日本語版: デブラ・ウィンガーを探して にその女優たちの名前が載っているのですが、芸能一家出身だから顔が広いのか、単にロザンナさんの交友範囲が広いのか…。
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2007年05月03日
助詞「が」「は」の話 フレンズ3-3その8
フレンズ3-3その5 で、
フィービー: ...everywhere I look, there's you.
というセリフが出てきました。
そして、それに関連して、There 構文について私の思うところを書いたのですが、その記事のコメント欄で、「日本語の助詞「が」「は」の使い分け」に関するコメントをいただきました。
大変興味深いお話だと思ったので、コメント欄のご意見を参考にしながら、日本語の助詞「が」「は」の機能・役割などを説明し、There 構文との関係について探ってみたいと思います。
(あくまで「私はそんな気がする」という程度の内容ですので、そんな意見もあるのか…くらいに聞いておいて下さい。)
The Japan Times 発行の、伊藤サムさんの著書 第一線の記者が教える ネイティブに通じる英語の書き方 Write Like a Pro の p.29 に、日本語の助詞「〜が」と「〜は」の訳し分けに関する課題が載っています。
そこに以下のことが書いてあります。
多くの場合、助詞の「〜が」は 冠詞 a, an に対応し、助詞の「〜は」は the に対応する。
つまり、日本人が苦手な冠詞の「特定」「不特定」ですが、日本人も助詞「が」「は」の使い分けで同じようなことをしているのだ、ということですね。
サムさんは、日本の昔話の冒頭部分(昔、むかし、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは…)を使って、a と the の使い分けを説明されていて、非常にわかりやすいです。
興味のある方は是非、サムさんの著書をご覧になって下さい。
今日の私の記事では、冠詞との関係ではなく、There 構文と「が」「は」との関係について語るのですが、同じように「昔話の冒頭」を例として使ってみたいと思います。
まずは日本語の助詞についての話なのですが、細かい文法用語に興味のない方は飛ばして下さい(笑)。
「が」と「は」の広辞苑での語義は以下のとおり。(重要だと思われる部分には、私が下線を引きました。)
が=(格助詞) 主格を示す。
(1) 体言、活用語の連体形について主語を表す。
例文) 雀の子をいぬきが逃がしつる (源氏物語 若紫)
わ(は)=(係助詞) 体言・副詞・形容詞や助詞などを受け、物事を他と区別して取り上げ、その説明を下文に期待させて、下文をも引き立てさせる。下文は終止形で終止する。(この助詞は、主格・目的格・補格などの格の区別を示すものではない)
(1) 他と区別して取り出していう意を表す。
例文) はじめより我はと思ひ上がり給へる御方々 (源氏物語 桐壺)
これまで、私は、「が」「は」のどちらも、主語(主格)を示す助詞だと思っていたのですが、広辞苑ではその辺りを、「が」は格助詞、「は」は係助詞として厳密に区別しているようです。
念のために、広辞苑に載っている、格助詞、係助詞の語義を書いておきます。
格助詞(かくじょし)=助詞の分類の一。主として体言につき、その体言と他の語との格関係を示す助詞。「桜が咲く」「枝を折る」の「が」「を」の類。文語では「が」「の」「を」「に」「と」「へ」「より」「から」「にて」、口語ではこのほかに「で」がある。
係助詞(かかりじょし)=助詞の分類の一で、係りに用いる助詞。述語に関係する語に付いて、その句の陳述に影響を及ぼし、また句末に付いて文の成立を助ける働きを有する助詞。文語の「は」「も」「ぞ」「なむ(なん)」「や」「か」「こそ」、口語の「は」「も」「しか」など。けいじょし。
今まで「が」や「は」について、こんな風に厳密に文法に照らし合わせて熟考したことはないのですが(笑)、日本人が自然に持っている言語感覚で、上に書かれてあるような内容について何となくわかっている気はしますよね。
昔話で、「おじいさんとおばあさんが住んでいました。」という時には、「誰が」住んでいたのか、というのがポイントで、住んでいた、という述語(動詞)の主格が誰かを示すために、「が」という格助詞が使われています。
そして、「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。」という場合は、「おじいさんは」の「は」には、おばあさんでもないし、その他の誰かでもない、という「他と区別する」機能が働いていて、同時に、「その説明を下文に期待させて」いるという機能もあるわけですね。
この文のポイントは、「その人(既知の人物)が、”何をしたのか”」という部分にポイントがあるわけです。
There's you. などの There 構文の感覚は、最初に There is などの存在を表す構文が来ているので、「何かが存在する」ということを前もって示していて、その存在するものは何かと言うと、you である、と There is の後に新しい情報を提示している形になっているのでしょう。
その There 構文をその語順のまま日本語にすると、「ある人がいるの。それ「は」あなたよ。」という感じになるのでしょうね。
「それはあなたよ。」の「は」には、「説明を下文に期待させる」機能があるので、「それは」の次の「あなた」にポイントが来る、ということになるのでしょうか。
つまり、There's you. をもったいぶって訳すと(笑)、
「ある人が存在する…それは”あなた”よ。」
という感じになり、もう少しダイレクトに表現すると、
「そうだ、あなたがいるわね。」
になるのでしょうね。
どちらも「あなた」にポイントがあります。
There you are. は、「”そこに”、あなたは”いる”のね。」と、場所を表す there を前に出して強調していて、あなたという主語が「そこに居る(be)」ことにポイントがあります。
There 構文で既知のもの(the のついた名詞)を使う例として、フレンズ3-3その5 で引用した例文、
There's the [that] party. 「あのパーティーのことがある。」
There's Heather. 「ヘザーがいるじゃないの。(忘れてるの?)」
では、それぞれの日本語訳が、「パーティーのことが」「ヘザーが」と「が」になっていますね。
日本語訳に「が」を使うことで、その存在している主格(主語)が何であるかが新しい情報で、その文のポイントとなる部分である、ということを示しているのかなぁ、と思います。
英語の冠詞と、日本語の助詞は、文法的に品詞が異なるので、全く同じように置き換わる、とは言い切れないのだろうと思います。
実際、伊藤サムさんも、「多くの場合(そのように)対応する」と断りを入れておられますので…。
つまり、日本語訳で「が」か「は」のどちらを使うか?が重要なのではなくて、その文章に流れているニュアンスを掴むのに、「が」「は」の使い分けが有効だ、ということですね。
言葉を話す時にポイントとなるのは、「新しい情報を提供している」部分なのだと思います。
不定冠詞の a(an) が使われている時は、その不定冠詞の付いている名詞が新しい情報で、それを「引っ張り込む」ために、There 構文が使われるのでしょう。
そして、一度言及してしまうと、それはもう既知のものとなり、その存在は新しい情報ではなくなるので、以降は、the+名詞の形となり、それは「新しい情報を提供する」「引っ張り込む」 There 構文では使えなくなってしまう、ということなのかな、と思います。
結局、There 構文は「不特定の名詞」で使われる構文なので、サムさんのおっしゃる、「が」「は」と a(an), the の対応関係が、There 構文の和訳をする時にも関係してくる、ということなんでしょうね。
今日の記事は、そういう対応関係を There 構文の視点から眺めてみた、ということになるかと思います。
日本語の文法の話が多過ぎて、申し訳ありませんでした。
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フィービー: ...everywhere I look, there's you.
というセリフが出てきました。
そして、それに関連して、There 構文について私の思うところを書いたのですが、その記事のコメント欄で、「日本語の助詞「が」「は」の使い分け」に関するコメントをいただきました。
大変興味深いお話だと思ったので、コメント欄のご意見を参考にしながら、日本語の助詞「が」「は」の機能・役割などを説明し、There 構文との関係について探ってみたいと思います。
(あくまで「私はそんな気がする」という程度の内容ですので、そんな意見もあるのか…くらいに聞いておいて下さい。)
The Japan Times 発行の、伊藤サムさんの著書 第一線の記者が教える ネイティブに通じる英語の書き方 Write Like a Pro の p.29 に、日本語の助詞「〜が」と「〜は」の訳し分けに関する課題が載っています。
そこに以下のことが書いてあります。
多くの場合、助詞の「〜が」は 冠詞 a, an に対応し、助詞の「〜は」は the に対応する。
つまり、日本人が苦手な冠詞の「特定」「不特定」ですが、日本人も助詞「が」「は」の使い分けで同じようなことをしているのだ、ということですね。
サムさんは、日本の昔話の冒頭部分(昔、むかし、おじいさんとおばあさんがいました。おじいさんは…)を使って、a と the の使い分けを説明されていて、非常にわかりやすいです。
興味のある方は是非、サムさんの著書をご覧になって下さい。
今日の私の記事では、冠詞との関係ではなく、There 構文と「が」「は」との関係について語るのですが、同じように「昔話の冒頭」を例として使ってみたいと思います。
まずは日本語の助詞についての話なのですが、細かい文法用語に興味のない方は飛ばして下さい(笑)。
「が」と「は」の広辞苑での語義は以下のとおり。(重要だと思われる部分には、私が下線を引きました。)
が=(格助詞) 主格を示す。
(1) 体言、活用語の連体形について主語を表す。
例文) 雀の子をいぬきが逃がしつる (源氏物語 若紫)
わ(は)=(係助詞) 体言・副詞・形容詞や助詞などを受け、物事を他と区別して取り上げ、その説明を下文に期待させて、下文をも引き立てさせる。下文は終止形で終止する。(この助詞は、主格・目的格・補格などの格の区別を示すものではない)
(1) 他と区別して取り出していう意を表す。
例文) はじめより我はと思ひ上がり給へる御方々 (源氏物語 桐壺)
これまで、私は、「が」「は」のどちらも、主語(主格)を示す助詞だと思っていたのですが、広辞苑ではその辺りを、「が」は格助詞、「は」は係助詞として厳密に区別しているようです。
念のために、広辞苑に載っている、格助詞、係助詞の語義を書いておきます。
格助詞(かくじょし)=助詞の分類の一。主として体言につき、その体言と他の語との格関係を示す助詞。「桜が咲く」「枝を折る」の「が」「を」の類。文語では「が」「の」「を」「に」「と」「へ」「より」「から」「にて」、口語ではこのほかに「で」がある。
係助詞(かかりじょし)=助詞の分類の一で、係りに用いる助詞。述語に関係する語に付いて、その句の陳述に影響を及ぼし、また句末に付いて文の成立を助ける働きを有する助詞。文語の「は」「も」「ぞ」「なむ(なん)」「や」「か」「こそ」、口語の「は」「も」「しか」など。けいじょし。
今まで「が」や「は」について、こんな風に厳密に文法に照らし合わせて熟考したことはないのですが(笑)、日本人が自然に持っている言語感覚で、上に書かれてあるような内容について何となくわかっている気はしますよね。
昔話で、「おじいさんとおばあさんが住んでいました。」という時には、「誰が」住んでいたのか、というのがポイントで、住んでいた、という述語(動詞)の主格が誰かを示すために、「が」という格助詞が使われています。
そして、「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。」という場合は、「おじいさんは」の「は」には、おばあさんでもないし、その他の誰かでもない、という「他と区別する」機能が働いていて、同時に、「その説明を下文に期待させて」いるという機能もあるわけですね。
この文のポイントは、「その人(既知の人物)が、”何をしたのか”」という部分にポイントがあるわけです。
There's you. などの There 構文の感覚は、最初に There is などの存在を表す構文が来ているので、「何かが存在する」ということを前もって示していて、その存在するものは何かと言うと、you である、と There is の後に新しい情報を提示している形になっているのでしょう。
その There 構文をその語順のまま日本語にすると、「ある人がいるの。それ「は」あなたよ。」という感じになるのでしょうね。
「それはあなたよ。」の「は」には、「説明を下文に期待させる」機能があるので、「それは」の次の「あなた」にポイントが来る、ということになるのでしょうか。
つまり、There's you. をもったいぶって訳すと(笑)、
「ある人が存在する…それは”あなた”よ。」
という感じになり、もう少しダイレクトに表現すると、
「そうだ、あなたがいるわね。」
になるのでしょうね。
どちらも「あなた」にポイントがあります。
There you are. は、「”そこに”、あなたは”いる”のね。」と、場所を表す there を前に出して強調していて、あなたという主語が「そこに居る(be)」ことにポイントがあります。
There 構文で既知のもの(the のついた名詞)を使う例として、フレンズ3-3その5 で引用した例文、
There's the [that] party. 「あのパーティーのことがある。」
There's Heather. 「ヘザーがいるじゃないの。(忘れてるの?)」
では、それぞれの日本語訳が、「パーティーのことが」「ヘザーが」と「が」になっていますね。
日本語訳に「が」を使うことで、その存在している主格(主語)が何であるかが新しい情報で、その文のポイントとなる部分である、ということを示しているのかなぁ、と思います。
英語の冠詞と、日本語の助詞は、文法的に品詞が異なるので、全く同じように置き換わる、とは言い切れないのだろうと思います。
実際、伊藤サムさんも、「多くの場合(そのように)対応する」と断りを入れておられますので…。
つまり、日本語訳で「が」か「は」のどちらを使うか?が重要なのではなくて、その文章に流れているニュアンスを掴むのに、「が」「は」の使い分けが有効だ、ということですね。
言葉を話す時にポイントとなるのは、「新しい情報を提供している」部分なのだと思います。
不定冠詞の a(an) が使われている時は、その不定冠詞の付いている名詞が新しい情報で、それを「引っ張り込む」ために、There 構文が使われるのでしょう。
そして、一度言及してしまうと、それはもう既知のものとなり、その存在は新しい情報ではなくなるので、以降は、the+名詞の形となり、それは「新しい情報を提供する」「引っ張り込む」 There 構文では使えなくなってしまう、ということなのかな、と思います。
結局、There 構文は「不特定の名詞」で使われる構文なので、サムさんのおっしゃる、「が」「は」と a(an), the の対応関係が、There 構文の和訳をする時にも関係してくる、ということなんでしょうね。
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2007年05月02日
witchの話 フレンズ3-3その7
昨日の続きです。
男: Oh, that's great. I'm stalking the wrong woman. I am such a dingus! (あぁ、最高だね。僕は間違った(別の)女性をストーカーしているんだ。僕は何てバカなんだろう!)
フィービー: Oh, you're not a dingus. (あぁ、あなたはバカじゃないわ。)
dingus は「(名前のよく知らない、名前がわからない)何とかいうもの」という意味。
Merriam-Webster Online Dictionary には、
dingus: DOODAD 2
とあり、その doodad という単語の語義は、
doodad: an often small article whose common name is unknown or forgotten : GADGET
つまり、「その一般名称が知られていない、または忘れられた、しばしば小さな品物。gadget と同じ。」ということです。
DVDでは、dingus を「バカ」と訳していましたが、このセリフでのニュアンスはそういうことだと思います。
辞書を見る限り、直接「バカ」という意味は載っていないのですが、「俺は”何とか”だよね。」と卑下して使うと、バカだというニュアンスに聞こえますよね。
日本語で「ばかとはさみは使いよう」という言葉がありますが、これもはっきりとバカとは言わずに、「何とかとハサミは使いよう」などと言ったりしますよね。それと似た感じかなぁ、と。
(2007.5.9 追記)
4日後の記事、再びdingusの話 フレンズ3-3その11 で、dingus という単語についての追加解説をしています。
興味のある方は合わせてご覧下さい。
(追記はここまで)
男: I just, I want you to know I didn't used to be like this. Before I meet your sister, I was like this normal guy who sold beepers and cellular phones. (僕はただ、君に知って欲しいんだ。僕は昔はこんなんじゃなかった、って。君のお姉さんに会う前は、僕は、ポケベルと携帯電話を売ってる普通の男だったんだよ。)
フィービー: Well, I mean look it's, it's not your fault, you know. I mean this is just what, what she does to guys, okay? (えぇ、あなたのせいじゃないわ。つまり、アースラはいつも男性に対してそういうことをするのよ、わかる?)
男: Well thanks. (starts to leave) (あぁ、ありがとう。)
男は立ち去ろうとする。
フィービー: Wait, (grabs him) you know what, I got a little story. When I was in junior high school, I went through this period where I thought I was a witch. (待って。[彼を掴む。] ねぇ、ちょっとした話があるのよ。私が中学生だった頃、自分がひどい女だって思っていた時期を乗り越えたの。)
(注:セリフの途中ですが、いったん、ここで切ります。)
witch は「魔女」で、「卑劣な女」という意味にもなります。
ロングマン現代英英辞典では、
witch: (informal) an insulting word for a woman who is old or unpleasant
つまり、「年をとった、または嫌な女性を侮辱する言葉」ということ。
最近、偶然見かけたCD論評の記事で、面白いタイトルのCDを発見しました。
日本版はこちら(↓)。
イエス・アイム・ア・ウィッチ (ヨーコ・オノ)
輸入版はこちら(↓)。
Yes, I'm a Witch [from US] [Import] (Yoko Ono)
このCDは、ジョン・レノンの妻として有名な、ヨーコ・オノ(Yoko Ono)さんの最新アルバムです。
(私は、オノ・ヨーコ、という名前の方がなじみがあるのですが、今は、ヨーコ・オノ、の方が一般的みたいですね。)
フレンズ1-10その5 で、マックスという男性がフィービーに向かって、
マックス: Yoko. (ヨーコ・オノ。)
と呼び掛けるセリフが出てきたので、そこで、ヨーコ・オノさんに対するイメージについて語っています。
このCDのタイトル、YES, I'M A WITCH は、「その通り、私は魔女よ。」という感じかなぁ、と思うのですが…。
これまでビートルズやジョン・レノンに与えた影響のことでいろいろと悪く言われてきたことを、(悪い意味ではなく)開き直って、これが私なのよ!と逃げも隠れも言い訳もしない、というオノさんの強い意志が表れたタイトルなのかなぁ、と思います。
ちょっとタイムリーなので紹介してみました。
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男: Oh, that's great. I'm stalking the wrong woman. I am such a dingus! (あぁ、最高だね。僕は間違った(別の)女性をストーカーしているんだ。僕は何てバカなんだろう!)
フィービー: Oh, you're not a dingus. (あぁ、あなたはバカじゃないわ。)
dingus は「(名前のよく知らない、名前がわからない)何とかいうもの」という意味。
Merriam-Webster Online Dictionary には、
dingus: DOODAD 2
とあり、その doodad という単語の語義は、
doodad: an often small article whose common name is unknown or forgotten : GADGET
つまり、「その一般名称が知られていない、または忘れられた、しばしば小さな品物。gadget と同じ。」ということです。
DVDでは、dingus を「バカ」と訳していましたが、このセリフでのニュアンスはそういうことだと思います。
辞書を見る限り、直接「バカ」という意味は載っていないのですが、「俺は”何とか”だよね。」と卑下して使うと、バカだというニュアンスに聞こえますよね。
日本語で「ばかとはさみは使いよう」という言葉がありますが、これもはっきりとバカとは言わずに、「何とかとハサミは使いよう」などと言ったりしますよね。それと似た感じかなぁ、と。
(2007.5.9 追記)
4日後の記事、再びdingusの話 フレンズ3-3その11 で、dingus という単語についての追加解説をしています。
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(追記はここまで)
男: I just, I want you to know I didn't used to be like this. Before I meet your sister, I was like this normal guy who sold beepers and cellular phones. (僕はただ、君に知って欲しいんだ。僕は昔はこんなんじゃなかった、って。君のお姉さんに会う前は、僕は、ポケベルと携帯電話を売ってる普通の男だったんだよ。)
フィービー: Well, I mean look it's, it's not your fault, you know. I mean this is just what, what she does to guys, okay? (えぇ、あなたのせいじゃないわ。つまり、アースラはいつも男性に対してそういうことをするのよ、わかる?)
男: Well thanks. (starts to leave) (あぁ、ありがとう。)
男は立ち去ろうとする。
フィービー: Wait, (grabs him) you know what, I got a little story. When I was in junior high school, I went through this period where I thought I was a witch. (待って。[彼を掴む。] ねぇ、ちょっとした話があるのよ。私が中学生だった頃、自分がひどい女だって思っていた時期を乗り越えたの。)
(注:セリフの途中ですが、いったん、ここで切ります。)
witch は「魔女」で、「卑劣な女」という意味にもなります。
ロングマン現代英英辞典では、
witch: (informal) an insulting word for a woman who is old or unpleasant
つまり、「年をとった、または嫌な女性を侮辱する言葉」ということ。
最近、偶然見かけたCD論評の記事で、面白いタイトルのCDを発見しました。
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イエス・アイム・ア・ウィッチ (ヨーコ・オノ)
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Yes, I'm a Witch [from US] [Import] (Yoko Ono)
このCDは、ジョン・レノンの妻として有名な、ヨーコ・オノ(Yoko Ono)さんの最新アルバムです。
(私は、オノ・ヨーコ、という名前の方がなじみがあるのですが、今は、ヨーコ・オノ、の方が一般的みたいですね。)
フレンズ1-10その5 で、マックスという男性がフィービーに向かって、
マックス: Yoko. (ヨーコ・オノ。)
と呼び掛けるセリフが出てきたので、そこで、ヨーコ・オノさんに対するイメージについて語っています。
このCDのタイトル、YES, I'M A WITCH は、「その通り、私は魔女よ。」という感じかなぁ、と思うのですが…。
これまでビートルズやジョン・レノンに与えた影響のことでいろいろと悪く言われてきたことを、(悪い意味ではなく)開き直って、これが私なのよ!と逃げも隠れも言い訳もしない、というオノさんの強い意志が表れたタイトルなのかなぁ、と思います。
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