2007年07月31日

ヌギーとウェッジー フレンズ3-5その19

[Scene: Monica and Rachel's, Phoebe is eating breakfast with Monica while Frank is playing with num-chucks on the balcony]
モニカとレイチェルの部屋。フィービーはモニカと朝食を食べている。一方、フランクは、バルコニーでヌンチャクを操っている。
モニカ: What kind of karate is that? (あれはどんな種類の空手なの?)
フィービー: No kind. He just makes it up. (どんな種類でもないわ。フランクがただ自分で考えた[編み出した]ものよ。)
モニカ: So how's it going with you guys? (それで、あなたたち二人はどんな感じなの?)
フィービー: So far it kinda blows. I don't know, I just thought y'know that he'd feel more like a brother y'know, like you and Ross, just like close and connected and.... (今までのところは、「ダメダメ」って感じね。わからないけど、私はただこんな風に考えていたのよ。彼はただの(一人の)弟である以上のものを感じてくれるかなぁ、って。ほら、あなたとロスみたいに、すごく親しくて、繋がってて…)
モニカ: Oh honey, we're close now. But you-you wouldn't believe the years of-of noogies, and wedgies, and flying wedgies, and atomic wedgies and... (Phoebe shakes her head like she doesn't understand) That's when the waistband actually goes over your head. (まぁ、ハニー。今は私たちは(確かに)親しいわよ。でも、きっと信じられないでしょうね。「頭ぐりぐり」(ヌギー)に、「パンツ引っ張り上げ」(ウェッジー)、それがさらにすごいウェッジーになって、もっと強力なウェッジーにエスカレートして…というのを何年もやってたのよ。 [フィービーは、よくわからないという風に頭を振る] その(一番ひどい)時には、ベルト(腰回り部分)が本当に頭の上まで来てたのよ。)
フィービー: Ah!! (まぁ!)

ト書きに書いてある num-chuck(s) とは、「ヌンチャク」という、ブルース・リーが使っていた武器のことですね。
nunchaku, nunchuku などいろんな綴りがあるようです。
またその起源については、中国説、沖縄説など意見が分かれているようですね。
Wikipedia 英語版: Nunchaku
Wikipedia 日本語版: ヌンチャク では、「ヌンチャクの実演」の動画が見られます(笑)。
フレンズ3-5その10 でフランクは、"pick up some ninja stars" 「忍者スターを見つける(見つけたい)」という話をしていましたが、彼は、忍者映画とか、そこで使われるヌンチャクに興味があるようですね。
何かの「型」通りにやっているのか?と尋ねるモニカですが、フィービーの言うように、フランクは自己流の型で適当にやっているだけでしょう(笑)。

blow は「風が吹く、爆発する」ですから、it blows. は「嵐で大荒れだ、大爆発だ」みたいな感じでしょうか。
「もうドッカーン!って感じよ。」みたいに、「大失敗、うまくいってない、ダメダメ」という悪い状況を説明しているのでしょうね。
また、blow は他動詞で「(チャンスを)棒に振る・逃す、失敗する」という意味もあります。
ロングマン現代英英辞典では、
blow: LOSE AN OPPORTUNITY
[transitive] (informal) to lose a good opportunity by making a mistake or by being careless

つまり、「間違ったり、不注意であったりしたために、良い機会を逃すこと」。
ロングマンでは、こういう意味は他動詞(transitive)としてしか載っていませんが、そういうニュアンスの自動詞として it blows が「だめだ、失敗だ」みたいな意味になっている、ということかもしれません。
フレンズ1-13その2 では、パパに愛人がいることを知ったジョーイが、その二重生活をまるでスパイであるかのように例えた後、
ジョーイ: That'd be cool! This blows. (もしパパがそんな風にスパイだったら、かっこいいな。こんなふうに「愛人がいた」っていうのは最低だ。)
というセリフもありました。
ちなみに、フレンズ3-4その27 に、
フィービー: I am so busted! (もうダメね(おしまいね、大失敗ね)。)
というセリフがありましたが、この bust と、この blow という単語のイメージが似ているような気がします。

So far it kinda blows. という表現は、So far so good. 「これまでのところは順調だ。」という決まり文句に対して、so good の全く反対だ、と言いたいわけですね。

he'd feel more like a brother. について。
feel like A は「(主語が自分を)Aであるように感じる、Aのような気がする」ということ。
この feel like は、feel as if... 「まるで…のような気がする」と同じニュアンスになるようです。
つまり、
he feels like a brother = he feels as if he was a brother
ということになるのでしょう(多分)。

そしてセリフは、feel more like と more が入っているのですが、この more のニュアンスは、「"a brother" 以上の何か」のように感じてくれるかなぁ、と期待していた、彼がただの血の繋がった一人の兄弟としてではなく、もっと何か口では言えないような深い絆を感じてくれるのを期待していた、ということなのかな?と思います。
ロスとモニカみたいに、と言っているのは、ロスとモニカがお互いのことをよくわかっていて、そういう絆みたいなものが感じられたらいいのにな、ということなのでしょう。

ヌギーズ&ウェッジーズ(noogies and wedgies)について。

まず noogies (noogie) から。
発音は、「ヌジー(ズ)」ではなくて「ヌギー(ズ)」のようです。

Merriam-Webster Online Dictionary には、
noogie
Etymology: origin unknown
: the act of rubbing one's knuckles on a person's head so as to produce a mildly painful sensation

つまり、「緩やかに痛い感覚を生み出すため、指の関節を人の頭にこすりつける行為。」

要は、「人の頭にこぶしをグリグリすること」ですね。
よく「クレヨンしんちゃん」で、お母さんのみさえさんがしんちゃんの頭をグリグリやってますが、あんな感じでしょうか?(笑)。
ガツン!と殴られるような衝撃はないけれど、そうやってギリギリ、グリグリされるのも、結構痛いですよねぇ。

次に、wedgies (wedgie) について。
フレンズ2-20その10 で大変詳しく(笑)解説しています。
「相手のお尻にパンツを食い込ませる」という、いたずらのことですね。

モニカは、その wedgies がどんどんエスカレートしていくさまを、flying wedgies, atomic wedgies... と表現しています。
この flying にどういうニュアンスがあるのかよくわからないのですが、flying bomb という言葉があるようです。
意味は「飛行爆弾」。
ですから、flying bomb 級のものが、atomic bomb 級のものに発展した、という意味で使っているのかな、と思います。
パンツを上げて、というのですが、そのウエストが頭の上まで上がってた、と言っています。
随分思いっきり引っ張り上げていた、ということになりますね。
男女間の喧嘩なのに、なんと激しいこと(笑)。

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posted by Rach at 09:53| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月30日

ひたすら溶かす フレンズ3-5その18

[Scene: Phoebe's, Frank is melting a plastic spoon.]
フィービーの部屋。フランクはプラスティックのスプーンを溶かしている。
フィービー: Okay. So by "melting" you meant melting. (なるほど。それじゃあ、あなたが言ってた「溶かす」っていうのは、本当に「溶かす」ことだったのね。)
フランク: Yeah. (あぁ。)
フィービー: So is it, like, art? (それで、それは、ほら、芸術(アート)みたいなものなの?)
フランク: Yeah, you can melt art. Hey, can I use your phone? (あぁ、アートも溶かせるよ。ねぇ、電話借りていい?)
フィービー: Um, yeah sure. Why you wanna call your mom? (あぁ、いいわよもちろん。どうして? ママに電話したいの?)
フランク: No, I wanna melt it. (違うよ。電話を溶かしたいんだ。)
フィービー: Oh, well, um, not right now. Y'know I'm just gonna go to bed, I think the fumes are giving me a headache. So... (あぁ、今はダメね。私はこれからベッドに入るわ。その臭気[発煙、煙]のせいで頭痛がするのよ、だから…)
フランク: (starts laughing) Yeah! ([(溶かすのが楽しくて)笑い出す] あぁ!)
フィービー: Good night, "bro." (おやすみ、弟くん。)
フランク: Good night. (おやすみ。)
フィービー: Here. (gives him a fire extinguisher) Y'know, just in case. (これ。[フランクに消火器を渡す] ほら、念のために。)
フランク: Oh, excellent! (starts to melt the fire extinguisher's hose.) (おぉ、最高! [(フィービーが去った後)消火器のホースを燃やし始める])

フレンズ3-5その14 で、
フィービー: So, um, what kinda things do you like to do at home? (それで、あなたは家でどんなことをするのが好きなの?)
フランク: Melt stuff. (ものを溶かす。)
というやり取りがありました。
その Melt stuff. の意味がここで明らかになったわけですね(笑)。
melt stuff というのは、何かの比喩などの可能性もあったわけです。
はんだを溶かすなどの作業だったらまだ意味のあることなのですが、本当にただ物体を溶かす、という行為が好き、ということを今目の当たりにして、「あなたの言ってたことは、やっぱりこのことだったのね。」と改めて驚いているのですね。

ここのやり取りのトンチンカン具合も相変わらず面白いですね。
何となく前衛芸術のオブジェになりそうな感じなので、アートみたいなものか?と聞くと、「アートでも溶かせる」と返してくるし…(笑)。
電話を使って何をするのかと思ったら、その電話は「溶かす対象物」だったという…。
さすがのフィービーも電話を渡すまいとするのがおかしいですね。
何だかフィービーがとってもまともな人に見えてきます。

フィービーはその溶かすときに発生する臭い(におい)がきついから…とさりげなくそれをやめて欲しいと”匂わす”のですが(笑)、全くフランクには伝わっていないようです。
本当に「溶かす」のが好きみたいで、エキサイトしていて人の言ってることなど聞いてないという感じです。
彼自身がそのヘンな臭いのせいで、ちょっとラリったような状態になっているということなんでしょうね。
火を使うだけではなく、そういう意味でもこの遊びはかなり「危ない」です。

bro は brother の略で「兄弟」ということですね。
フランクをブロウと呼ぶのがちょっと嬉しそうなフィービーです。

extinguish は「(火・光などを)消す」。
fire extinguisher は「消火器」ですね。
日本に置いてある赤い消火器にも、英語でそう書いてあるので、この単語には、なじみのある人も多いかもしれません。

just in case は「念のため、もしもの場合に備えて、万一…の場合には、もし…があるといけないので」という意味。
just in case の後に文章が続くと、「(その文章の内容が)起こるといけないので」という意味になります。
また今回のように、ただ、just in case とだけ言う、またはそれだけを文末に置くと、「万一に備えて」という意味になり、その「万一の場合」の内容はあえて言わなくてもわかりきっている場合に使いますね。
この場合は、フランクが火を使っているので、「火事になると危ないから」消火器を「万一のために」置いておくわ、と言っているのです。
あえて言うとすれば、"just in case a fire breaks out" とか、"just in case you cause a fire" と言ったところでしょうね。
just in case+S+V の形は、フレンズ2-12その4 に出てきました。

hose は「ホース」ですが、発音は「ホーズ」と濁ります。
パンストのことは、panty hose と言いますね。
それにしても、消火器のホースを燃やしたりするって、ものすごく危険なんじゃ…?(笑)。

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posted by Rach at 08:47| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月29日

国際派のイザベラ・ロッセリーニ フレンズ3-5その17

ロス: And Isabella Rossellini. (それから、イザベラ・ロッセリーニ。)
チャンドラー: Ooh-hoo. Very hot, very sexy. But ah, y'know she's too international, y'know she's never gonna be around. (ほほぅ。すごくホットで、すごくセクシーだ。でも、ほら、彼女は国際派だから、彼女がこの辺にいる[姿を見せる]ことはないよ。)
レイチェル: So? (それで?)
チャンドラー: So, you gotta play the odds. Pick somebody who's gonna be in the country like all the time. (それで、確率を考えてみないとな。いつもこの国にいるだろうと思われる誰かを選べよ。)
レイチェル: Yeah, because that's why you won't get Isabella Rossellini. Geography. (そうね。だから、あなたはイザベラ・ロッセリーニをゲットできないのよね。”地理的な”問題のために。)

イザベラ・ロッセリーニ。
Wikipedia 日本語版: イザベラ・ロッセリーニ
母が女優イングリッド・バーグマン。父はイタリアの映画監督ロベルト・ロッセリーニ。
イングリッド・バーグマンについてはこちら(↓)。
Wikipedia 日本語版: イングリッド・バーグマン
イングリッド・バーグマンは、「カサブランカ」(Casablanca)などで有名な女優。
アカデミー賞は、1944年に「ガス燈」(Gaslight)で主演女優賞、1956年に「追想」(Anastasia)で主演女優賞、1974年に「オリエント急行殺人事件」(Murder on the Orient Express)で助演女優賞を受賞しています。
その「ガス燈」と「追想」の間の時期に、イングリッドはイタリアのロッセリーニ監督と恋愛関係になり、双方ともに家族がいたためハリウッドの大スキャンダルになってしまいました。
そのロッセリーニ監督との間に生まれた子供のうちの一人が、このイザベラ・ロッセリーニなのですね。
顔立ちが母親のイングリッドに似ている、ということはあちこちで言われているようです。

ちなみに、イングリッド・バーグマンは美人女優で有名ですが、フレンズ1-20 のセリフで彼女の名前が出てきたことがあります。
過去記事ではその部分の解説を飛ばしていますので、以下に簡単にそのセリフの説明をします。

向かいのアパートからフレンズたちの部屋を望遠鏡で覗いている人(peeper)がいるので、ムッとしたジョーイは、ドアマンから名前を聞き出して、文句を言うために電話をします。
ところが、その peeper はシドニーという名の女性で、相手の誉め言葉でうまく話を反らされてしまうジョーイ。
モニカはジョーイにはっきりと文句を言うように促すのですが…。

ジョーイ: (STILL ON PHONE) Yeah, my neighbour... Yeah, the brunette... (TO MONICA) She says you looked very pretty the other day in the green dress. ([電話で]あぁ、俺の隣に住んでる人だよ…。そう、ブルネット(黒髪)の…。[モニカに]この前、モニカが緑のドレスを着てた時、とっても可愛くみえた、って、(peeper の)シドニーが言ってるよ。)
モニカ: The green dress? Really? (あの緑のドレス? 本当に?)
ジョーイ: Yeah, she said you looked like Ingrid Bergman that day. (あぁ、彼女は、あの日の君はイングリッド・バーグマンみたいだったって言ってた。)
モニカ: (WAVES DISMISSIVELY TO SIDNEY) Nooo! ([シドニーに否定するように手を振って]もう、やめてよぉ〜!)

怒っていたモニカも、「イングリッド・バーグマンみたい」と言われてすっかり舞い上がってしまい、怒っていたことも忘れて、覗き魔の相手に向かって、「そんなに誉めないでよ、恥ずかしいじゃない!」と手を振って見せるのが、面白いですよね。
それだけ、イングリッド・バーグマンは美人で有名だ、ということです。

イザベラ・ロッセリーニ自身は、1979年から1983年の間、マーティン・スコセッシ監督と結婚していたそうです。
女優さんが映画監督と結婚する、というのはよくある話ですが、お父さんが映画監督である、ということが多少は関係しているのかな、と思ったり思わなかったり…(笑)。

彼女が国際派である、というのはみんなの一般的な見解なのでしょうね。
出演作をあまり知らないのですが、両親がそれぞれ別の国の出身の女優、監督であるので、自然と選ぶ舞台もインターナショナルになるわけでしょう。
本人の生い立ちや両親の経歴を考えると、一国にとどまっているような人ではない、という気もしますね。

odds は「見込み、可能性、確率」。
フレンズ1-17その2 では、
ジョーイ: Man, what are the odds of that happening? (もう、どういう確率でそんなことが起きるんだよ。)
というセリフが出てきました。

つまりチャンドラーは、彼女は国際派だから、会う確率が少なくなる、寝る相手のリストを考えているんだったら、もっと会う確率の高い人を入れておいた方が効果的なんじゃないか?と言いたいのですね。
でも、その話の流れで行くと、まるでアメリカにいる人なら、すぐにでもゲットできそうな話に聞こえます。
そこでレイチェルは、「あなたたちはその地理的な問題や出会う確率を口にするけれど、本質的にゲットできるかどうかのポイントは、もっと別のところにあるんじゃないの?」と言いたいわけですね。

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2007年07月28日

ポリティカルなスーザン・サランドン フレンズ3-5その16

「寝てもいい[(恋人から)寝るのを許されている]セレブ」の名前を次々と挙げていくロス。
ロス: Susan Sarandon. (スーザン・サランドン。)
チャンドラー: Eh, y'know what, she's too political. She'd probably wouldn't let you do it, unless you donated four cans of food first. (おぉ。ほら、彼女はものすごく政治的(ポリティカル)だよ。彼女は君がリストに載せることを許さないと思うなぁ。まず食べ物の缶を4つ寄付したら話は別だと思うけど。)

スーザン・サランドン。
Wikipedia 日本語版: スーザン・サランドン
スーザン・サランドンは「デッドマン・ウォーキング」(Dead Man Walking)でアカデミー主演女優賞を受賞しています。
さよならゲーム(原題: Bull Durham)で共演したティム・ロビンス(Tim Robbins)との間に二人の子供がいます。
上に挙げた日本語版のウィキペディアには、political な面については簡単にしか書いていないのですが…。
Wikipedia 英語版: Susan Sarandon の Personal life という項目には、リベラルな社会運動(liberal social causes)に関わっていることや、2007年のワシントンD.C.の反戦集会(an Anti-War rally in Washington, D.C.)に参加したことについての記載があります。
また、同性愛者への理解を高める運動にも熱心なようです。

(恐らく、飢餓地域に?)食糧を寄付すればOKしてもらえるかも、とチャンドラーは言っています。
もちろん、「寝る」ことをOKするんじゃなくて、「リストに載せる」ことをOKするという意味だとは思うのですが(笑)、それにしても、それがたったの”4缶”だけでいいの??(笑)
4缶だけでも彼女の心を動かせる、ということであれば、それだけそういう福祉活動に熱心だということの表れなんでしょう。
そういうチャリティー精神を少しでも持っている人には、心を開くことができる…という感じですね。
「4缶」という極端に少ない数字を使って、彼女がどれだけ too political であるか、を表現しているのでしょう。

ちなみに彼女は後のエピソード、フレンズ7-15 でゲスト出演します。
ソープオペラ界で有名な女優、という設定の役柄ですが、スーザン本人の大女優ぶりを彷彿とさせる役のようです。

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2007年07月27日

寛大なエリザベス・ハーレー フレンズ3-5その15

[Scene: Central Perk, Ross is working on his list]
セントラルパーク。ロスはリスト作りに励んでいる。
ロス: Okay, I've got three of my five. (よし。僕の5(人)のうち3(人)は決まった。)
レイチェル: Three of your five what? (何の5のうちの3なの?)
ロス: Celebrities I'm allowed to sleep with. (僕が寝てもいい[寝るのを許されている]セレブ[有名人]だよ。)
レイチェル: Oh my God! You are giving this a lot of thought. (まぁ! その選択には熟考に熟考を重ねているのね。)
ロス: Yeah, it's hard okay, I only have two spots left. (あぁ。難しいよ。残り枠が2つしかない。)
チャンドラー: All right, so who do you got it narrowed down to? (わかった。で、誰に絞ったんだ?)
ロス: Okay, Elizabeth Hurley.... (うん。エリザベス・ハーレー…)
チャンドラー: Oooh-hoo. Very attractive. Forgiving. (ほほう。すごく魅力的。寛大だしね。)

give ... a lot of thought は「…にたくさんの思考を与える」、つまり、「…についてたくさん考える、じっくり考える」ということですね。
five と聞いてレイチェルがピンと来なかったくらいですから、レイチェルはすっかりそのリストのことを忘れていたのに、ロスはその間もずっとそのことについて考えを巡らせていた、ということにあきれているセリフです。
hard と言っているのは、思い浮かばないのではなくて、たくさん思い浮かぶけど、2人に絞るのが難しいということですね。
spot は「(順番などの)順位、位置」。
ロングマン現代英英辞典では、
spot:
8. POSITION
a position in a list of things or in a competition

つまり、「物事のリストや試合での位置(地位)」。
narrow は形容詞で「狭い」、動詞で「狭くする、圧縮する」なので、narrow down で「…の範囲を限定する、絞り込む」という意味になります。

エリザベス・ハーレー(ハーレイ)はイギリスの女優。
このエピソードよりもずっと後になりますが、「エリザベス・ハーレーの明るい離婚計画」(原題: Serving Sara)という2002年の映画で、チャンドラー役のマシュー・ペリーと共演しています。
Wikipedia 英語版: Serving Sara には、マシューとエリザベスが肩を組んでいる(?)映画のポスターの写真が載っています。

forgive は「許す」。
ロングマン現代英英辞典では、
forgive: to stop being angry with someone and stop blaming them, although they have done something wrong
つまり、「ある人が何か悪いことをしたにもかかわらず、その人に対して怒ったり非難したりするのをやめること」。
その動詞 forgive に -ing 形をつけた形容詞の forgiving は「(快く)許す、寛大な、寛容な」ということです。

この Forgiving. という単語を言った後に、観客が笑っていますね。
つまり、Forgiving という言葉がオチのようなのですが、これは一体どういう意味で言っているのでしょう?
形容詞だけで主語がないので、そもそも何が forgiving だと言っているかがわからないのですが…。
可能性としては、
(1) ロスが、もしくはロスの発言が forgiving という意味
(2) エリザベス・ハーレーが forgiving という意味
の2つが考えられると思います。

もし、(1) だとすると、「ロスの選択が寛大だ→ロスの選択はそれほどシビアではないね」というニュアンスになるのでしょうか。
そうすると、エリザベスを選んだという選択が「あまり趣味が良くない」と言っているように聞こえますね。
でも、その前に彼女のことを very attractive 「非常に魅力的だ」と誉めています。
attractive は「魅力的な」ですが、主にルックス、容貌が魅力的だ、という場合に使いますね。

ロングマン現代英英辞典では、
attractive: someone who is attractive is good looking, especially in a way that makes you sexually interested in them
つまり、「attractive な人、というのは、美人(ハンサム)である、特に人が性的に興味を持つような美しい容姿である」。

つまり、異性から「素敵!」と思われるような見た目の美しさを持っている、ということになります。
ですから、そういう誉め言葉を使った直後に、ロスの選択にケチをつけるのは、何となくしっくり来ない気がします。

そこで、私は (2) のように受け止めました。
She is very attractive and forgiving. 「彼女は魅力的で寛大だ」と言っているんだろうなぁ、と。
そして、ここでみんなが笑っている、ということは、彼女は本当にものすごく forgiving な人なのか、もしくはその正反対かのどちらかなのだろうと思います。

Wikipedia 日本語版: エリザベス・ハーレイ
Wikipedia 英語版: Elizabeth Hurley
で彼女について調べてみると…。

彼女はヒュー・グラントとの交際で有名だったようです。
また、ヒューと破局後、出来た子供の父親が誰かについて別の恋人とモメた挙句、父親をはっきりさせるためにDNA鑑定(DNA test)をした、とあります。
そのDNA鑑定は2002年に行われ、このフレンズ3-5 のエピソードは1996年に放映されています。
もし、DNA鑑定の事実があった後の、このチャンドラーのセリフだったら、そんな風に自分にとって大切なことは徹底してこだわる、相手が何と言っても「容赦しない(don't forgive)」ことを、「彼女は”寛容な”人だよ。」と皮肉っぽく言っているのかなぁ、と思えるのですが、残念ながら順序が逆なので、直接このDNA鑑定の話は関係なさそうですね。

…と思っていると、「寛大、寛容」に関係のありそうな話を発見しました。
エリザベスの英語版ウィキペディアの Personal life に、1995年に当時の恋人であったヒュー・グラントが、L.A.で売春婦(prostitute)と一緒にいるところを逮捕された、という話が載っています。
そのスキャンダルの間、ハーレーは彼に付き添い続けた・彼の傍に留まった(remained by his side)、つまりその騒動が原因で別れたりしなかった、ようですね。
(そのスキャンダルについては、Wikipedia 日本語版: ヒュー・グラント にも簡単に書いてあります。)

このスキャンダルが起こったのが1995年、今回のフレンズは1996年なので、エリザベス・ハーレーというと、この一連の事件がアメリカ人の間では記憶に新しいわけですね。
イギリスの俳優がアメリカで逮捕された、という意味でも、事件の印象は強いでしょう。
また、その相手の prostitute はその事件の後、テレビに出演したりもしているようです。

…ということで、そういう事件を起こすとファンが離れていったり人気が落ちたりするものですが、恋人であるハーレーは彼を見捨てたりせず(?)、恋人であり続けた。
そこが彼女の forgiving 「寛大な」ところで、彼女なら、ロスが別の女性と寝てもきっと許してくれるだろうね、という意味で、チャンドラーは forgiving という言葉を使っているのでしょうね。

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posted by Rach at 09:24| Comment(15) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月26日

チグハグなやり取り フレンズ3-5その14

[Scene: Phoebe's, Frank and her, are sitting on the couch, watching TV]
フィービーの部屋。弟のフランクとフィービーは、カウチに座って、テレビを見ている。
フィービー: (sits up) Oh, ew! ([上半身を起こして座り直して]あぁ、そうだ!)
フランク: What? (何?)
フィービー: Yeah I know what I wanted to ask you. Um, can you roll your tongue? Because I can and my Mom couldn't. And I thought y'know, I figured that was something I got from our dad. (あなたに尋ねたいことがあったのよ。あなた、自分の舌を巻ける? どうしてこういう質問をしてるかって言うと、私は舌を巻けるけど私のママは巻けなかったの。だから私は思ったのね、その「舌が巻ける」っていう特技は私たち(共通の)パパから受け継いだものだろう、って。)
フランク: What, wait, you mean like this? (does it) (ちょっと待って。フィービーの言ってるのはこんなやつ?)
と、やってみせる。
フィービー: Yeah, yeah. You can do it too. Yeah. (tries to do it, but can't) (そうそう。あなたもできるのね。やったわ。)
フィービーはやってみようとするが、できない。
フランク: You're not doing it. (フィービーは舌が巻けてないよ。)
フィービー: Oh, right, yeah okay, my Mom could and I can't. We don't have that. (あぁ、そう。わかったわ。ママは出来たけど、私はできないんだった。あなたと私が共通に受け継いだもの、っていうのはないわけね。)

いかにも手持ち無沙汰(ぶさた)の二人。
特にフランクがぼぉーっとテレビを見ているこの表情、見ているだけで笑えます。(役者やなぁ)
今さらですが、フランクはフィービーの half brother で、お父さんが同じでお母さんが違う、という「腹違いの弟」です。
フレンズ2-18その1 には、half brother という単語が出てきました。

ママはできないことだったから、それはママからの遺伝ではなくパパからの遺伝で、同じパパの血を分けたあなたもできるかな?と思った、ということですね。
結局、舌を巻くという特技(?)は、フランクにはできて、フィービーにはできないということがわかります。
ですから、二人がパパから揃って受け継いだ遺伝ではない、ということになるのですね。
また、こんな風に「舌を巻く」のはそれほど難しいことではないような気がします。(私も出来ましたし…笑)
だから、人に聞いてみたら大概の人ができることで、「特技」と言うほどのものではないのに、「遺伝」を引き合いに出して大袈裟に言っているのがおかしい、さらには、その言いだしっぺのフィービーがそれをできない、というのがなおさらおかしいわけですね。
フィービーができたら、それが珍しいことじゃなくて誰にでもできることだったとしても、「二人とも、ほらこんな風に舌が巻けるところがおんなじね!」と盛り上がれたのに…というところです。
We don't have that. の that は、something we got from our dad in common. 「私たちがパパから共通して[同じように]受け継いだこと」のような意味でしょうね。


フランク: When's your birthday? (誕生日はいつ?)
フィービー: Feburary 16th. (2月16日。)
フランク: I know a guy who's the 18th. (2月18日生まれのヤツを知ってる。)
フィービー: Wow, that's close. When's yours? (まぁ、近いわね。あなたはいつ?)
フランク: October 25th. (10月25日。)
フィービー: That's the same month as Halloween. So, um, what kinda things do you like to do at home? (それってハロウィーンと同じ月ね。それで、あなたは家でどんなことをするのが好きなの?)
フランク: Melt stuff. (ものを溶かす。)

誕生日に関するやり取りは何ともチグハグです。
特に解説しなければならないような難しい表現はないのですが、これがどれほどチグハグなやり取りになっているかが、英語のセリフから感じられたらいいですね。

例えばパパかもしくはフランクが2月18日生まれなら、「あら、近いわね!」と話も弾むのですが、全然知らない赤の他人が2月18日生まれだったとしても、話の盛り上がりようがないですし…。
10月の話が出た時に、同じように近い誕生日の友達の話を持ち出すのではなくて、ハロウィーンという、10月にある一般的な行事の名前を持ち出すのが、これまたトンチンカンなんですよねぇ…。
そこから話を弾ませることができない様子が伝わってきます。

話に詰まった時は、趣味や好きなことを聞いたりしますね。
フィービーもそうやって話を続けようとするのですが、返って来た答えが「ものを溶かす」という漠然としたものであり、またあまり一般的な答えではなかったので、さすがのフィービーもビビっています。
「一体この人、どんな人なんだろう??」とますます悩みが深まる感じですね。

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posted by Rach at 09:29| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年07月25日

外科医が取り出した後に フレンズ3-5その13

ジョーイ: Relax. Here hold this. (hands her his beer) This old stuff just comes right up. I'll show you. (he bends down to try and lift some tile right in the middle of the floor, in his tight pants.) (落ち着けよ。これ持ってて。[モニカにビールを渡す] この古いヤツ(タイル)はすぐにはがせるよ。やって見せてやるよ[見ててよ]。)
ジョーイは、タイトなパンツをはいた姿で、かがんで、床のど真ん中にあるタイルを持ち上げようとする。
モニカ: A little more than I wanted to see. (私が見たいと思っていたのより、ちょっと余計なものが見えるわ。)
ジョーイ: (manages to pry off only a small piece) Aw! Look at that! Every inch of this is glued down! It'd take forever to pry this up. You should ah, you should just leave it. (starts to walk away, but Monica grabs him) ([何とか1枚の小さな(タイルの)ピースをてこで剥がす。] ほら! それを見ろよ! このタイルは一面べったり糊付けされてる! これを(てこで)剥がすのはものすごく時間がかかるだろうね。そのままで放っておいたらいいよ。)
立ち去ろうとするがモニカがジョーイを掴む。

come up は「上に上がる」ということですから、「上に向かって取れる」、つまり、「(上向きに)はがせる」という感じでしょう。
show は、ロングマン現代英英辞典では、
show:
4. EXPLAIN WITH ACTIONS
to explain to someone how to do something, by doing it yourself or using actions to help them learn

つまり、「自分でそれをすることで、または、人が学ぶのに役立つ行動を使って、あることをする方法を誰かに説明すること」。
ですから、口で理屈を説明する、とかではなくて、実際にやってみせて説明する、ということですね。
I'll show you. は「俺が今から(実際に)やって見せてやるよ。ちょっとやってみるから見てな。」みたいなニュアンスになります。

そこで、モニカはジョーイのすることをじっと見ているわけですが、モニカは「見たいもの以上のものが見えてしまう。」と言っていますね。
これはモニカにお尻を向けて、タイルを剥がしているジョーイに対してのセリフなのですが、ジョーイが今はいているこのジーンズについては、タイトであることをみんなが口々に言っていましたね。
こんな風にしゃがむと、余計にジーンズが密着して、ジョーイのお尻の形がリアルに出すぎちゃって、見ている方としては目のやり場に困る、見たくないものが見えちゃう…みたいな感じでしょう。

簡単に剥がれると言っておきながら、1枚剥がすのがやっとのジョーイ。
manage to 「どうにかして…する、何とか…する」という表現が使われています。
pry は「…をてこで上げる・動かす」。
every inch of は「…の毎インチ」ということですから、「…の隅から隅まで、寸分の隙もなく」。
take forever は「永遠の時間がかかる」ということで、「ものすごく長い時間がかかる」というのを大袈裟に表現しているわけです。


モニカ: I can't leave it! You gouged a hole in my dingy floor! (そんなままで置いておけないわ! ジョーイはうちのくすんだ床をえぐって穴をあけちゃったのよ!)
(Joey places the toilet brush and holder over the hole, which is in the middle of the floor.)
ジョーイはトイレットブラシのホルダーを穴の上に置く。そこは床のど真ん中に位置する。
ジョーイ: There. There you go. (ほら、うまく行ったろ。)
モニカ: You know that's nice, y'know we could put it back there after the surgeons remove it from your colon! (それはいいわね。外科医がそのブラシをあなたの結腸から取り出した後に、私たちはそれをそこに戻すことができるわね。)

簡単に剥がせると安請け合いしておきながら、固く糊付けされてるとわかって、1枚だけ剥がした状態で逃げようとするジョーイ。
「知らぬが仏」(Innocence is bliss.)状態で、何も知らない間は気にせず毎日を過ごせていたのに、タイルがくすんでいるという事実を知らされて、その上、タイルを1枚剥がされて、そこまでした後で、放棄しちゃうの?、という意味で、わざわざ dingy 「くすんだ」という言葉を使っているのですね。

剥がした部分を隠すために、トイレットブラシを置くジョーイ。
大きさ的にはちょうど良かったのですが、何しろ床のど真ん中ですから、そんなところにブラシがあるのは、大いに違和感ありますよね。
そう、普通なら、何かを試しに剥がしてみる場合には、目立たない端っこから始めるのが筋でしょうから、そういう意味でも、ジョーイのやった行為は、かなり軽率だった、ということになりますね。

最後のセリフ、モニカはそのトイレットブラシを指差しながら言っていますので、it = the toilet brush and holder を指しているようです。
このセリフは何とも遠まわしな表現なのですが…。
we could というのは「私とジョーイとで」ということで、「こういうことも可能よ」という「ある可能性」を以下で示唆しています。
その可能性とは何かと言うと、put it back there after... 「何かをした後にそのブラシをそこの床に戻す」で、after の後には、「外科医がそれをあなたの結腸(大腸の直腸・盲腸以外の部分)から取り除いた後」という言葉が続いています。
remove は「異物を取り除く」ような感じで、「結腸にそのブラシが刺さっていたのを取り除く」というニュアンスになりますね。
ですから、「あなたの結腸に刺さったブラシを外科医が取り除いてから、またそこの床に置き直す(戻す)」ということで、つまりは、まずそこにブラシを置く前に、先にあなたの大腸(お尻)に刺してあげるわ!と言って激怒しているわけですね。

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2007年07月24日

リフォーム フレンズ3-5その12

[Scene: Monica and Rachel's. Joey is entering]
モニカとレイチェルの部屋。ジョーイが入ってくる。
モニカ: Hey! Where you heading in those pants? 1982? (あら! そんなパンツをはいてどちらにお出かけ? 1982年?)
ジョーイ: Oh Monica, listen, I ah, I saw down at the hardware store, they got those designer tiles on sale. If you ever want to redo the bathroom floor. (あぁ、モニカ。ねぇ、俺が金物屋[ホームセンター]を見に行ったら、デザイナー・タイルが特価で売ってたよ。もし、モニカが浴室の床をやり直したい[張り直したい]と思うなら(どうかな?)。)
モニカ: Why, what's wrong with my bathroom floor? (どうして? うちの浴室の床に何か問題でも?)
ジョーイ: Nothing. It's just old and dingy, that's all. (別に。ただ、古くて、くすんでる。それだけだよ。)
モニカ: I highly doubt that. (they both go to the bathroom)
(そのあなたの言葉には大いに疑問を感じるわ。)
二人は浴室[バスルーム、トイレ]に行く。
ジョーイ: Oh yeah. If you ah, move your hamper, you see what color the tile used to be. (Monica gasps) Yeah. (もし、その洗濯かごをどけたら[動かしたら]、そのタイルの元の色がどんな色だったかがわかるよ。[どけた後のタイルの色を見て、モニカははっと息をのむ。] ほらね。)
モニカ: I can't live like this! What are we gonna do? What are we gonna do? (こんな状態で生活できないわ! 私たちどうすればいい? 私たちはどうすればいいの?)

モニカは、ジョーイに、1982年に行くの?と尋ねていますが、ジョーイがはいているそのタイトなジーンズのスタイルが80年代に流行った型だ、一昔前に流行したスタイルだ、とモニカは言いたいわけでしょうね。
フレンズ1-19その1 で、少し古臭い言葉を使ったロスに、
チャンドラー: You know what you should do? Take her back to the 1980s when that phrase was last used. (何をしたらいいかわかるか? 彼女を「求愛」って言葉が最後に使われた1980年代に連れて行けばいい。)
と言っていましたね。
それと似た感じのからかい、でしょう。

redo は「…を再びする、やり直す」ということなので、この場合はタイルを張り替える、リニューアルする、という感じでしょうか。
こんな風に家の一部を新しくすることを、カタカナ英語で「リフォーム」などと言いますが、英語の reform にはそういう意味はありません。
reform は「(社会制度などを)改正する、改革する」「(人を)改心させる」という意味になります。
postal reform だと「郵政改革」ですね。

ロングマン現代英英辞典には、
reform:
1. to improve a system, law, organization etc by making a lot of changes to it, so that it operates in a fairer or more effective way
2. to change your behaviour and become a better person, or to make someone do this

つまり、1. は「多くの変更を加えて、システム、法律、機構などを改善し、その結果、それがより公正な、またより効率的な方法で機能すること」
2. は「自分の行動を変えてより良い人間になること、または誰かがそうなるようにすること」

日本語でのリフォームは、英語では、remodel, remake などになります。
ロングマンでは、
remodel:
to change the shape, structure, or appearance of something, especially a building

つまり、remodel は「何かの、特に建物の、形や構造や外観を変えること」
remake:
2. to build or make something again
例) She remade her wedding dress to fit her daughter.

つまり、remake は、「何かを建て直す、または作り直す」、例文は「彼女は自分のウェディングドレスを娘に合うように作り直した。」

dingy はロングマン現代英英辞典では、
dingy: dark, dirty, and in bad condition
つまり、「黒ずんでいて、汚れていて、悪い状態である」。
highly doubt は「大いに疑問に思う」。
highly doubtful なら「非常に・極めて疑わしい」ということ。
ジョーイのそのセリフには賛同しかねる、そんなことないわよ!と思う、ということですね。
上の dingy の語義を考えると、きれい好きのモニカが自分の家のタイルをそんな風に形容されると怒るのも無理はない、というところです。

でも、そのタイルの色の違いを見せられて、驚くモニカ。
モニカは何にびっくりすると、こんな風に大袈裟に息をのむことが多いです。
「私、知らなかったわ、全然気付かなかったわ。なんてこと!」という感じ。

I can't live like this! を「こんな風には生きられない!」としてしまうと大袈裟すぎますが、この場合の live は「住む、暮らす、生活する」ということですね。
長い年月が経つうちに、タイルの色が変わるのは当たり前ですし、普通の人の場合だったら「へぇ、こんなに色が違ってるんだ〜」で済んじゃうところでしょう。
でも、モニカはとてもきれい好きな人で、タイルの色の変化に気付いていない時は良かったけれど、いったんその事実を知ってしまったら、それが気になってしょうがないタイプなんですね。
きっとバスルームに入る度に、「このタイルは汚れてる、くすんでる」と思いながら過ごすのは我慢できない、そんな生活は考えただけでぞっとしちゃうわ!という意味の「生活できない」という叫びなわけです。
ジョーイはタイルの色が変わっているのも知っていて、モニカのそういう性格も熟知しているので、タイルの色を見せたら、タイルを張り替えたくなるだろうと思ったのですね。

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2007年07月23日

killの意味のget フレンズ3-5その11

[Scene: Chandler and Joey's. Joey is drilling a hole in the wall and the drill comes out the other side really close to Chandler's head.
Chandler then rushes out to talk to Joey.]
チャンドラーとジョーイの部屋。ジョーイはドリルで壁に穴を開けている。そしてそのドリルが壁のもう一方側のチャンドラーの頭のすぐ傍に出てくる。
それで(びっくりした)チャンドラーはジョーイに話をするために慌てて部屋を出る。
ジョーイ: Oh, sorry. Did I get you? (あぁ、ごめん。俺、お前を get しちゃった?[ドリルが当たっちゃった?])
チャンドラー: No, you didn't "get" me!! It's an electric drill! You "get" me, you kill me! (いいや、get なんかしてないよ! それは電気ドリルだぞ! お前が(それで) 俺を get するってのは、俺を殺す、ってことだぞ!)

Did I get you? の get をうまく日本語に訳すのは難しいのですが、この get は、以下のニュアンスが近いでしょうか。
ロングマン現代英英辞典では、
get:
12. REACH A POINT
to reach a particular point or stage of something

つまり、「あるものの特定の地点や段階に到達すること」
28. HURT/KILL SOMEBODY
(informal) to attack, hurt, or kill someone

つまり、「人を攻撃する、怪我をさせる、または殺すこと」

チャンドラーがドリルに驚いて部屋から出てきたのはさすがにジョーイにもわかったので、ドリルの先がお前の傍まで来たか? もしくはそれがチャンドラーに到達した、つまりチャンドラーに触れちゃった? 接触しちゃった?と尋ねているのでしょう。
もしくは、ドリルで怪我しちゃった?かもしれません。
それに対して、そんな生易しいもんじゃない。だってそれは電動ドリルだぞ。当たったら死んじまうよ!と抗議しているわけです。

上のロングマンの語義にもあるように、get は「相手をゲットする」のようなニュアンスから、「やっつける、殺す」という意味でもよく使います。
喧嘩の時に、Get him! 「やっちまえ!」などと使ったりしますね。

このセリフの場合は、ジョーイの使った get にはそこまで「殺す」に限定した意味はなくて、「何らかの被害を加えた」程度の漠然とした意味で使っているのでしょう。
そんないろんな意味に取れる漠然とした get じゃなくて、はっきり「殺す」という意味の kill になっちまうよ!、おまえはもう少しでドリルで「殺人」をするところだったんだぞ、と怒っているのです。


ジョーイ: Calm down! Do you want this unit or not? (落ち着けよ! このユニットが欲しいのか欲しくないのかどっちだよ?)
チャンドラー: I do NOT want this unit! (こんなユニット、欲しくない!)
ジョーイ: Well, you should've told me that before, I'm not a mind reader. Hey, we're out of beer. I'm going to Monica's. (あぁ、そんなことは前に言っておくべきだったのに(言わなかったじゃないか)。俺は読心術者じゃないんだぞ。なぁ、俺たちビールを切らしてるから、モニカのところに行って来るぞ。)
チャンドラー: Fine! (goes into his room and slams the door, then he slams the bottom half of the door.) (ああどうぞ[いいよ]!)
チャンドラーは自分の部屋に行き、ドアをバタンと閉める。(ドアが半分に切れているので上半分しか閉まらないので)その後、ドアの下半分もバタンと閉める。

mind reader は「他人の心を読み取る人、読心術(どくしんじゅつ)を行う人」。
まさに mind (心)を read (読む)わけですね。
mind reading なら「読心術(どくしんじゅつ)」です。
日本語で、「どくしんじゅつ」というと、「(声は聞かずに)唇の動きから言っている内容を読み取る」という技術の「読唇術」もありますが、それは英語では、lip reading 、読唇術者は lip reader になります。
read someone's mind/thoughts だと「…の心の中・考えを読み取る・察する」ということで、日本語でも「相手の手を読む」のように、予想することを「読む」と言いますので、その辺りの感覚は同じですね。

ジョーイが勝手にユニットを作っているだけで、チャンドラーはそれに賛成したわけでも、作って欲しいと言ったわけでもありません。
「それならそうと言ってくれないと、わからないよ。」などと言われて、「俺は作って欲しいなんて、一言も言ってない!」とチャンドラーは怒ってしまうのですね。
怒ってドアをバタンと閉める、というのはよくあるシーンですが、チャンドラーのドアは普通のドアとは違っています(笑)。
少し間が空いてから、後で下の方も閉めるのがおかしいですね。
怒っているのに、間抜けな感じにしか見えません。
上しか閉まらないのを見て、彼の怒りは余計に増幅されたことでしょう(笑)。

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2007年07月22日

ひっかけるもの フレンズ3-5その10

レイチェル: What about you, honey? Who would be on your list? (あなたはどうなの? ハニー。誰がリストに載りそう?)
ロス: Well I-I-I, that kind of thing requires some serious thought. First, I'd divide my prospective candidates into categories. (そうだな、僕は…そういう類のことは、少し真剣に考える必要があるな。まず第一に、候補に挙がりそうな人(予想される候補者)をカテゴリーに分けるだろうね。)
チャンドラー: (coughing) What a geek! ([咳をしながら] 何てオタクなんだ!)

その前に、ジョーイがモニカに言っていたように、ただのお遊びなのに、真剣な考慮が必要だ、カテゴリー分けしないと…などと言うロス。
カテゴリー分けって?
肉体派、知性派、アニメキャラ?みたいな感じでしょうかねぇ?
チャンドラーが咳のように見せかけてさりげなく、「こだわり過ぎるやつ」と言うのがおかしいですね。


フィービーの弟フランクがセントラルパークにやってきます。
フィービーが彼をフレンズたちに紹介するシーン。
フランクは、男性陣には普通に Hey. と挨拶しているのに、女性陣になると、急に Whoa! とリアクションが大きいのがおかしいですね。


フランク: Hey, how do you guys get anything done? (ねぇ、どんな風にやってるの?)(→訂正:モニカやレイチェルのような魅力的な女性に囲まれたこんな状態では、仕事も何も手につかないよね 訂正ここまで)
チャンドラー: We don't, really. (別に、何もやってないよ。)(→訂正:別に、仕事なんか何もこなしてないよ。訂正ここまで)
レイチェル: Well, so, now, do you guys have a lot of big plans? (で、そう、今、二人は何か大きな予定があるの?)
フィービー: Oh yeah! Yeah, we're gonna connect, y'know bond, and everything. (えぇ! そう、私たちは結びついて絆を深めて、あらゆることをするのよ。)
フランク: Yeah, I was thinking that maybe we could go down to Times Square and pick up some ninja stars. And, oh, um, my friend Larry, he wants me to take a picture of a hooker. (そうなんだ。俺が考えていたのは、多分、タイムズ・スクエアに行って忍者スターを見つけられる(→訂正:手裏剣を手に入れられる 訂正ここまで)かな、って。それから、俺の友達のラリーは、俺に売春婦の写真を取ってきて欲しいって言ってた。)
チャンドラー: You know, we don't really take advantage of living in the city. (なぁ、俺たちって都会に住んでる利点をあまり生かせてないんだな。)
ジョーイ: I know. (そうだな。)

how do you guys get anything done? のニュアンスがよくわかりません。
get ... done は「…を done の状態にする」ということで、「…を終わらせる、済ませる、片付ける」という感じですね。
直訳すると、「あなたたちは、(何らかの)物事をどんな風に終わらせるの?、やっちゃうの?」という感じになるのでしょうか。
初めて会った時の最初の言葉なので、感覚としては、「毎日どうしてる?、どんな風に生活してる? どんな風に日々を過ごしてる?」みたいなニュアンスなんでしょうかねぇ?
そして、フランクは done という単語を「ダン」ではなく「ドン」という感じで発音しています。
それが気になったチャンドラーが don't 「ドン(ト)」と同じような発音を使って、done してない、つまり don't だ、と答えているような気がするのですが…。(この辺はよくわかりません)
(2018.7.24 追記)
"how do you guys get anything done?" について、コメント欄にて「この疑問文は「(特定の状況で)どうして何かできようか、いやできない」という反語として定着しているようです」というご意見を頂戴しました。
「どうやって何か(仕事など)をこなしてるの?」が反語的に「(こんな状態では)仕事(も何も)手につかないよね」という意味で使われるのですね。
今回のやりとりでは、モニカやレイチェルに魅力を感じたフランクが「こんな魅力的な女性がそばにいる状況では何も手につかないでしょ」という意味で言っているようです。
以下のコメント欄で、フレンズ1-5 や「ザ・ホワイトハウス」に出てきた同様のセリフもご紹介していますので、併せてお読みいただければ幸いです。
(追記はここまで)

connect, bond は人と人の結び付きを表す言葉ですね。
フレンズ3-1その17 には、bonding 「誰かと絆を結ぶ、誰かと結びつきを持つ」という表現が出てきました。

pick up はロングマン現代英英辞典では以下のような語義が載っています。
pick:
8. NOTICE
pick something up / pick up something:
to notice something that is not easy to notice, such as a slight smell or a sign of something

つまり、「気付くことが簡単ではないことに気付く、例えばかすかな匂いや何かの兆しなど。」

何となくその上の語義が近いような気がしますね。
pick up は、ただ「気付く、見つける」んじゃなくて、「見つけにくいものを見つける、気付きにくいものに気付く」というニュアンスなのかなぁ、と思います。
注意深くキョロキョロ探していて、「あ、あんなところにニンジャスターが!」みたいに、発見する感じ、でしょうか。
(2009.10.14 追記)
pick up some ninja stars について、下のコメント欄でご指摘いただきました。
ninja star(s) は、忍者が持っている「手裏剣」を指すようです。
ですから、「(タイムズ・スクエアで)手裏剣をいくつか買う・手に入れる」というニュアンスになるようですね。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)


hooker は「売春婦」。
hook は、名詞では、日本語にもなっているように「フック、ホック」などの「(先の曲がった)鉤(かぎ)」、動詞では「かぎで引っかける」という意味になります。
-er という人を表す語尾がついて、「(かぎで)引っかけるもの(人)」、すなわち「男をひっかける」売春婦、ということになるのですね。
他に売春婦という単語だと、whore や、prostitute などがあります。

どうやら、フランクは、ここは都会だから、その辺を歩いていると売春婦に簡単に会える、売春婦がゴロゴロしているように思っているようです。
フランクの言う通りなら、俺たちもしょっちゅう、ニンジャスターや売春婦と出会ってるはずなのに、おかしいよねぇ、これじゃあ、都会に住んでるメリットをちっとも生かせてないってことかな、と言っているわけですが、それはつまり、都会だからってそんな人たちに簡単に会えるわけじゃないよ、ということですね。

(Rach からのお願い)
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posted by Rach at 10:53| Comment(11) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする