2007年08月21日

初対面でゲイだと思われる人 フレンズ3-6その6

[Scene: Chandler's, Chandler is interviewing Joey.]
チャンドラーの部屋。チャンドラーはジョーイをインタビューしているところ。
チャンドラー: (running around the apartment pointing out things) Bedroom, bathroom, living room. This right here is the kitchen, and thanks for coming by. (opens door) Bye-bye. ([ものを指差しながら、アパートを走り回っている] ベッドルーム、バスルーム、リビングルーム。ここがキッチン。来てくれてありがとう。[ドアを開けて] バイバイ。)
ジョーイ: Don't you ah, don't you wanna ask me any questions? (何か俺に質問したいことはないの?)
チャンドラー: Sure. Ummm. What's up? (そうだな。うーん、調子はどう?)
ジョーイ: Well, ah, I'm an actor. I'm fairly neat. I ah, I got my own TV. Oh, and don't worry, I'm totally okay with the gay thing. (あぁ、俺は俳優なんだ。かなりの「きれい好き」だよ。自分のテレビを持ってる。それから、心配しなくていいよ、俺は全く大丈夫だからね、ゲイのことに関しては。)
チャンドラー: What gay thing? (ゲイのことって何?)
と聞かれて、目を丸くするジョーイ。
ジョーイ: Ah, just y'know, in general. The whole "people-being-gay" thing. Totally cool with that. (あぁ、ほら、一般的な話だよ。「(多くの)人々がゲイである」っていうことだ。それについては全く問題ないよ。)

ルームメート候補には、普通はもう少しちゃんと部屋を案内するのでしょうね。
フレンズ1-15その6 で、
スティーブ: It's a lovely apartment. (いい部屋だね。)
モニカ: Thank you. Would you like a tour? (ありがとう。ご案内しましょうか?)
というやり取りがありましたが、そんな風に部屋を見て(見せて)回ることを tour と言います。
日本語で「ツアー」と言うと、旗を持った添乗員さんが「右手に見えますのは…」と案内しているイメージがあるのですが、アパートの部屋部屋を案内するのにも使うのですね。

全く説明する気がないのが見え見えで、かなり失礼なことをチャンドラーはやっていると思うのですが、ジョーイは少し変だなぁ、とは思いながらも、気分を害したりはしていないようです。
敏感な人なら、怒って帰ってしまいそうですが。

質問くらいしたら?というジョーイに、何も質問することがないチャンドラーは、What's up? と言っています。
What's up? は「元気? 調子はどうだい?」みたいなごくありきたりの挨拶なので、「それが質問かよ?」みたいな感じ。

neat というのは、「きちんとした、こぎれいな」「きれい好きな、身だしなみの良い」などの意味があります。
ロングマン現代英英辞典によると、
neat:
1. TIDY
tidy and carefully arranged
2. LIKING THINGS TIDY
someone who is neat likes to keep things tidy

つまり、1. は「きちんとしていて、注意深く整えられた」、2. は「neat な人というのは、物を tidy にしておくことが好きな人」
今回のジョーイのセリフの意味は、2. の「きれい好きな、整理整頓好きな(人)」ということでしょうね。
部屋を汚くする人間だと思われると、同居を断られそうだから、こんな風にいつも言っているのでしょう。
…が、ジョーイがそれほどきれい好きかというと若干疑問です。
フレンズ2-16その1 で、ジョーイは使ったスプーンをペロッとなめて引き出しにしまったことがありましたね。
それが元で喧嘩になってしまったくらいですから、あまりきれい好きとも思えません。
でも、ジョーイの部屋がゴミだらけ、ということでもないので、それなりにこぎれいにはしているような気もしますが。

I'm totally okay with the gay thing. について。
don't worry と言った後に、ゲイの話を持ち出していますね。
「自分がゲイであることを、同居相手が認めてくれるかどうか」について、チャンドラーは心配してるかもしれないけど、それについては俺は大丈夫だからね、心配無用だよ、とジョーイは言っているわけです。
ところが、チャンドラーが「何故ゲイの話を?」と聞き返したので、ジョーイは目を丸くして驚いています。「なんだ、こいつ違うのか」みたいな(笑)。

チャンドラーはよくゲイに間違えられるのですが、最初はみんなそうだと思っていた、という話が、
フレンズ1-8その1 に出てきました。(過去記事ではセリフを一部しか取り上げていませんので、以下に一連のやり取りを書いておきます。)

チャンドラー: Can you believe she actually thought that? (同僚の女性が、本当に俺をゲイだと思ってた、なんて信じられるか?)
レイチェル: Um... yeah. Well, I mean, when I first met you, y'know, I thought maybe, possibly, you might be... (うーん、そうね。私も最初にあなたに会った時、もしかして、そうかも[ゲイかも]って思ったわ。)
チャンドラー: You did? (レイチェルもそう思ったの?)
レイチェル: Yeah, but then you spent Phoebe's entire birthday party talking to my breasts, so then I figured maybe not. (えぇ。でも、その後、フィービーの誕生日パーティーの間、ずっと私の胸に話しかけていたから、それで、多分違うな、と思ったの。)
チャンドラー: Huh. Did, uh... any of the rest of you guys think that when you first met me? (そうか。俺に最初に会った時、そんな風に思った人は他にもいる?)
モニカ: I did. (私は思ったわ。)
フィービー: Yeah, I think so, yeah. (えぇ、私もそうね。)
ジョーイ: Not me. (俺は違うよ[俺はそんな風には思わなかった]。)
ロス: No no, me neither. Although, uh, y'know, back in college, Susan Sallidor did. (違う、違う。僕も思わなかったよ。だけど、ほら、大学の頃、スーザン・サリダーはそう思ってたよ。)

女性陣はみんな最初、チャンドラーをゲイだと思った、と言っています。
ゲイじゃないかも、とレイチェルが気付く理由も面白いですね。
普通、人と会話する時には相手の顔を見ながら話すものですが、この時、チャンドラーは、talking to my breasts 「胸に話しかける」ように、つまり、じーっとレイチェルの胸を見ながら、胸から視線を外すことなく話をしていた、ということですね。
パーティーの時の話なので、胸の大きく開いたドレスでも着ていたのでしょうか。
女性の胸に興味があるんなら、ゲイじゃないかも、と思ったということです。

ジョーイとロスの男性陣は、「(ゲイだとは)思わなかった。」と言っています。
初対面の時、ジョーイがチャンドラーをゲイだと思わなかった、という 1-8 のセリフは、今回のエピソード 3-6 とはつじつまが合わなくなってしまうのですが…。
ただ単に脚本家がこのセリフを忘れていた、という長期シリーズにありがちな「つじつまの合わない部分」というやつかもしれませんし、ジョーイのことですから、最初に会った時にどう思ったかなんてすっかり忘れていて、1-8 では適当に答えただけ、ということもありますよね。

なお、1-8 の一連のやり取りでは、タブー語のように gay という言葉が全く使われていないのが面白いと思います。

ついでの話ですが、つじつまが合わないと言えば、レイチェルのセリフ、「フィービーの誕生日パーティーの間、ずっと私の胸に話しかけていたから」というのも少し変です。
フレンズ1-17その3 に、フィービーの誕生日パーティーのシーンがありますが、これはレイチェルとチャンドラーが初対面した(はずの)フレンズ1-1 からは随分と後の、それも 1-8 よりも後のエピソードになりますので話が合わないですよね。(細かい話ですが…笑)

(3-6 の解説に戻ります。)
チャンドラーがゲイじゃないとわかって、「個人的に君のことを言っているんじゃなくて、最近の風潮の話だよ。」とごまかすジョーイ。
The whole "people-being-gay" thing. というのは、訳しにくいですが、「あの人がゲイ、この人もゲイ、と最近はゲイの人をよく見かけるようになったよね。」というそういう風潮”全体”を指して言っているんだ、という感じでしょうか。

Totally cool with that. は、その少し前に出てきた I'm totally okay with the gay thing. を言い換えたものですね。
昨日の記事、フレンズ3-6その5 で、「平気だ、構わない、問題ない」という意味の cool について説明しましたが、今回の cool もそれと同じで、そのことについては okay だ、と言っているわけです。

ゲイの話は一般論だよ、と言った後、「おぉ、やべぇー、どうしよぅ〜」みたいにキョロキョロしてチャンドラーと目を合わせないジョーイがおかしいですね。

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2007年08月20日

ノット・ジョーク フレンズ3-6その5

[Scene: Chandler's, Chandler is interviewing a potential roommate.]
チャンドラーの部屋。チャンドラーはルームメート候補をインタビューしている。
チャンドラー: Soo, ah, Eric, what kind of photography do you do? (それで、エリック、君はどんな写真を撮ってるの?)
エリック: Oh, mostly fashion, so there may be models here from time to time, I hope that's cool. (あぁ、たいていはファッション関係。だから、時々モデルがここに来るかもしれない。それが平気ならいいけど。)
チャンドラー: Yes, that is cool. Because I have models here, y'know ...... never. (そうだね、それはクールだ。だって、僕もこの部屋にモデルを連れて…きたことないから。)

potential は日本語では「ポテンシャル、将来の可能性、潜在能力」という名詞で使うことが多いですね。
形容詞では「将来の可能性のある、なり得る、潜在的な」で、名詞の前につくと、「…になる可能性のある(もの・人)」という意味になります。
この場合は、「ルームメートになる可能性のある人」ということで、「ルームメート候補」ということ。

cool は「かっこいい、イケてる」みたいな意味で使うことが多いですが、エリックのセリフでの意味は「冷静な、平気な、構わない」という感じでしょうね。

ロングマン現代英英辞典では、
cool: AGREEMENT
(spoken) used to say that you agree with something, that you understand it, or that it does not annoy you

つまり、「同意(agreement)。何かに同意する、それを理解する、またはそれを不快に感じない、ということを言う時に使われる」
something is cool with somebody
例) Would Friday be cool with you guys?

「君たちは金曜日で構わない?」
somebody is cool with something
例) 'Do you want to come over to my house and watch a video tonight?' 'I'm cool with that.'

「今夜、僕のうちに来て、ビデオを見たい?」「それ、いいねぇ(それに賛成)。」

上のロングマンにあるように、"物 is cool with 人" でも、"人 is cool with 物" でも、どちらの形でも使えるようですね。

上のセリフ、I hope that's cool. は物(事柄)が主語になっています。
つまり、I hope that's cool with you. ということで、「そのことについて君が不快感を感じなければいいけど。それが平気ならいいけど。それについて問題を感じなければいいけど。」というところでしょうか。
フレンズ2-16その19 では、
ジョーイ: Hey, are you cool with this? (おい、俺の引っ越しについて、お前は平気なのか?)
というセリフがありました。
こちらは、人が主語になっている文ですね。

エリックのセリフに対して、チャンドラーはおうむ返しのように、Yes, that is cool. と返事しています。
これは、「平気、問題ない」と返事しているようにエリックには聞こえるはずですが、チャンドラーの本心「それって素敵だね、かっこいいね。」という気持ちが大いに入っているのでしょう。
「それについてクールだといいけど」「うん、実にクールだね。」というやり取りなわけですが、お互いのクールのニュアンスが微妙に違っているのが面白いのかなぁ、と。

I have models here. は「僕のこの部屋にモデルがいる」ということで、「モデルが部屋に来る」という意味ですね。
でも、最後に never をつけて、「…ってそんなことは一度もないけど。」と否定しているわけです。
「モデルが来ても全然問題ないよ、だってここにはよくモデルが来るからね…」と言いたいところだったのですが、そんな見え見えの嘘もつけなかった…ということですね。

ところで、こんな風に文章の最後に否定語をつけて、その前の文章全部を否定する、という「ノット・ジョーク(NOT joke)」というのが英語にはあるそうです。
I love you... Not! 「愛してる…って、ウソだよ〜ん!」みたいな感じ。
日本語では「…ではない」という否定の言葉は元々最後に来ることになっているので、こういうジョークはあり得ないのですが、英語では否定語は出来るだけ前に置く傾向がありますよね。
だから、最後の最後に「…じゃない。」と否定して落とす、ことがジョークになるわけです。
チャンドラーのセリフ "Because I have models here, y'know......never." は、正式にはノット・ジョークではないのかもしれませんが、その落とし方のニュアンスは同じような気がします。


エリック: Oh, yeah, during the summer I spend most weekends at my sister's beach house, which you're welcome to use by the way. Although, I should probably tell you, she's a porn star. (Chandler breaks his pencil in half) (あぁ、夏の間、ほとんどの週末は姉のビーチハウスで過ごすんだ。ところで、そのビーチハウスだけど、自由に使ってくれていいからね。だけど、多分このことを言っとかないといけないな。姉はポルノ・スター[ポルノ女優]なんだ。)
チャンドラーは持っていた鉛筆を机に押し付けて二つに折ってしまう。
チャンドラー: Well, listen I ah, still have one more person to ah meet, but unless it turns out to be your sister, I think your chances are pretty good. (Eric offers to shake hands) All right. (Chandler hugs him.) (ねぇ、僕にはまだ会わないといけない人がもう一人いるんだけど、もしその人が実は君のお姉さんだった、ということがなければ、君がルームメートになる可能性はかなり高いと思うよ。[エリックは握手を申し出る(握手しようと手を出す)] オッケー。[チャンドラーはエリックをハグする。])

インタビューのために持っていた鉛筆を机に押し当てながら話を聞いていたのですが、姉がポルノ・スターだと聞いて、思わず力が入ってしまうチャンドラー(笑)。
言葉でびっくりするのではなく、こういう仕草で驚きを表すリアクションは日本でも同じですね。
エリックは、相手がいやがるといけないかも、という意味で事前に情報を知らせているようですが、チャンドラーは思ってもみないラッキーな話で喜んでいます(笑)。

その後のチャンドラーのセリフが面白いです。
「もう一人候補者がいるけど、ほぼ君に決定だ」と、この時点で告げています。
もし、その次の候補者が君の姉さんじゃないならね、という条件付きなのですが、それくらい思いっきりセクシーな女性でも現れない限りは大丈夫だよ、ということ。
そのお姉さんの話が、チャンドラーの意思決定の大きな決め手になったこともわかりますね(笑)。
実際には、もう一人の候補者は男性であることがわかっているので、100% エリックで決まりだ、と言っているのと同じです。

「約束成立、これからもよろしく」の意味で、エリックは握手をしようしますが、嬉しいチャンドラーはハグします。
相手のエリックはちょっと戸惑っているようですが、ほとんど初対面の状態でハグをする、というのは少しやりすぎなんでしょうかね?
チャンドラーは本当にエリックを歓迎している気持ちを示すために、大袈裟な愛情表現(?)をしているのでしょうが、この頃から、やたらとハグするクセがあったんだよ、という描写でもあるのでしょう。
こんな風にすぐにハグをしたがるから、彼はゲイと間違えられたりするのでしょうか?(笑)

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posted by Rach at 09:08| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月19日

これには気付くのか フレンズ3-6その4

モニカ: (entering) Ross (who has his foot on the coffee table), foot on the floor or come over no more. ([入ってくる] ロス、[ロスはコーヒーテーブルに足を乗せている] 足を床に下ろすか、もう二度と来ないか、のどちらかよ。)
ロス: (to Phoebe) Sure, your dresser is missing, but this she notices. ([フィービーに] 本当だ。フィービーのドレッサーがなくなってるのに、モニカが気付いたのは、これだよ。[と言って、自分の足を指差す])
モニカ: What? (何?)

foot on the floor or come over no more という表現が面白いなと思います。
floor と more が韻を踏んでいるようですね。
「足を床に置くか、ここにもう二度と来ないか。」ということで、そんな風に足をテーブルに乗せておくつもりなら、もう出入り禁止にしちゃうわよ、ということ。

ロスはあえて foot とは言わずに、足を手で示しながら、this と表現しています。
フィービーの部屋から家具がなくなっていることにも気付かないのに、ちょっと机に足を乗せてることには、ドアから入ってくるなり気付くのか、とロスはあきれているのですね。
but she notices this. ではなくて、"but this she notices." と、this が前に来ているのもポイントでしょうか。
前に出して強調しているんですね。
「これだよ、彼女が気付くのは。」みたいなニュアンスで、this is what she notices. に近いかな、と思います。
notices と現在形が使われているので、そういうことに気付くのが「モニカの習性・習慣」だと言っているのですね。


ロス: I have to go. Yeah, Carol should be home by now, soo... (行かなくちゃ。そうだ、キャロルが今頃は家にいるはずだから…)
チャンドラー: Umm, how's it going with you guys? (あぁ、ロスとキャロルはどんな感じなの?)
ロス: Oh, better, actually. Y'know I-I-I think I finally figured out why we're having so much trouble lately. (あぁ、前よりはいいよ、ほんとに。ほら、僕たち最近トラブルが多いんだけど、その理由がついにわかった気がするんだ。)
フィービー: Oh, really? (へぇ、ほんとに?)
ロス: Yeah, y'know how I have you guys? Well, she doesn't have any close friends that are just hers. But last week, she met this woman at the gym, "Susan" something. And they really hit it off, and I-I-I think it's gonna make a difference. (あぁ、ほら、僕は君たちみたいな友達を持ってるだろ? 彼女には、彼女自身の親友がいないんだ。でも先週、キャロルはジムである女性に会ったんだよ、「スーザン」何とかっていう名前の。それで、二人はすっかり意気投合したんだ。それで何かが変わると思うよ。)

y'know how I have you guys? を直訳すると、「僕がどんな風に君たちを持っているか知ってるだろ?」ということで、それは「こんな風にいつも一緒に時間を過ごして仲良くしている様子」を説明しているのだと思います。
「ほら、僕らはこんな感じだろ?」ということですね。
she doesn't have any close friends that are just hers で、that are just hers (hers は「彼女のもの」)をわざわざつけているのは、夫である僕の親友たちとはもちろん友達だけど、夫の交友関係じゃなくて、彼女自身の交友関係の友達がいない、と言っているようですね。

"Susan" something (スーザン何とか)でみんな笑ってるのがおかしいですね。
言うまでもなく、キャロルの今の(レズビアンの)パートナーであるスーザンのことです。
こんな風に、今の人物がどんな風に過去のエピソードで絡んでいたか、がわかるのが、こういう過去回想エピソードの醍醐味でもありますね。

hit it off は「仲良くなる、意気投合する、ウマが合う」。
ロングマン現代英英辞典では、hit (verb) の22番目の語義に載っています。
hit it off (with somebody): (informal) if two people hit it off, they like each other as soon as they meet
つまり、「二人の人間が hit it off するというのは、会うとすぐにお互いを好きになる、ということ」
宇多田ヒカルさんの Can You Keep A Secret? という歌の最初の部分に、
Hit it off like this
Hit it off like this, oh baby
という歌詞もありますよね。

make a difference は「相違・違いを生じる」ということですから、「変わる」「影響を及ぼす、効果を生じる、プラスになる」という意味になります。
It doesn't make any difference to me whether A or B. なら、「AでもBでも何ら違いはない(私にはどうでもよい、問題ではない)」という意味ですね。
ロスは、キャロルに友達が出来たことで、今停滞しているこの夫婦関係に変化が起きるだろう、と言っています。
彼はもちろん、夫婦関係が良い方向に変わることを期待して言っているわけですが、実際は、思いがけない方向に変化してしまったわけですよね。
それを知っている観客は、it's gonna make a difference. というロスのセリフを聞くと笑えてしまうわけです。

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posted by Rach at 07:35| Comment(8) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月18日

発信音と間違えられる名前 フレンズ3-6その3

チャンドラー: (entering, with a goatee) Hey. ([やぎひげを生やして入ってくる] やぁ。)
ロス: Hey. (やぁ。)
チャンドラー: I'm never gonna find a roommate. Ever. (ルームメートが見つかりそうにないよ。ムリだ。)
フィービー: Why, nobody good? (どうして? 良い人がいないの?)
チャンドラー: Well, let's see, there was the guy with the ferrets. That's plural. The spitter. Oh-ho, and yes, the guy that enjoyed my name so much he felt the need to make a little noise every time he said it. "Nice to meet you, Chandler Bing. Bing!" "Great apartment, Chandler Bing. Bing!" (あぁ、そうだね。フェレットを飼ってるやつがいた。それも複数だよ。(それから)唾をはく人。あぁ、それから、俺の名前を思いっきり楽しむやつ。そいつは俺の名前を言う度に、ちょっとした音を立てる必要を感じるんだよ[音を立てずにはいられないんだよ]。「初めまして、チャンドラー・ビング。ビング!」 「良い部屋だね。チャンドラー・ビング。ビング!」)

goatee は「(下あごに生やす)やぎひげ」。
言うまでもなく、goat 「ヤギ」みたいなひげだから、ですね。
ferret は「フェレット。(ヨーロッパ)ケナガイタチの一種。」
Wikipedia 英語版: Ferret
Wikipedia 日本語版: フェレット
ウィキペディアの英語版には、写真もたくさん載っています。
結構かわいくて、ペットとして飼う人も多いようですが、チャンドラーは気に入らないようですね。
with the ferret と単数ではなくて、with the ferrets と複数形を使った後、That's plural. とさらにそれが複数であることを強調しています。
ビングという名前を必要以上に強調する人の話もおかしいですね。
ビング!と甲高い声で叫んでいます。
そりゃ、そんな風に度々自分の名前で遊ばれたら、いらいらしますよねぇ。


ロス: So how many more do you have tomorrow? (明日は、あと何人の人と面接があるの?)
チャンドラー: Two. This photographer who seemed really dull and this actor guy who I'm not sure about, because when he called and I answered the phone "Chandler Bing" he said, "Whoa-whoa! Short message!" (2人。本当に退屈そうな写真家と、よくわからない俳優の男だ。(どうしてわからないかって言うと)彼は電話をかけてきて、俺が電話で「チャンドラー・ビング」と答えたら、彼は言ったんだ。「ほーほー! 短いメッセージだな。」)

この俳優男(誰だかわかりますね…笑)は、Bing というのを「音」だと勘違いしたみたいですね。
チャンドラーも面倒くさかったのか、電話に出る時に、This is Chandler Bing. などと言わずに、ただ、Chandler Bing と名前だけを言ったのでしょう。
それを「チャンドラー。♪ビーン♪」みたいに、名前だけ言って、いきなり音(発信音みたいなもの)がした、と相手は思った、ということなんだと思います。
フレンズ3-2その14 で留守電のメッセージが出てきました。
リチャード: (on machine) "Hi, this is Richard. Please leave a message at the tone." ([留守電のメッセージで] 「はい、こちらリチャード。ピーという音のあとにメッセージを残して下さい。」)
これは留守電の決まり文句で、その後に「ピーという音」(tone)が流れますが、Bing という名前を、その tone だと勘違いした、ということのようです。

全くどいつもこいつも、俺の名字を「音」のように認識しやがって、ろくなやつがいないよ…とチャンドラーは怒っているのですね。

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posted by Rach at 08:40| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月17日

ある程度はわかってる フレンズ3-6その2

画面に、THREE YEARS EARLIER の文字が出ます。
「3年前」の話だ、ということですね。

[Scene: Monica and Phoebe's, three years earlier, Phoebe, Monica, and
Ross are there]
モニカとフィービーの部屋。3年前。フィービー、モニカ、ロスがそこにいる。
フィービー: Oh, that is so unfortunate. (あぁ、あれって、とっても不運ね。)
ロス: What? (何が?)
フィービー: Cute Naked Guy's really starting to put on weight. (裸の美男子が本当に太り始めたの。)
モニカ: (entering from bedroom) Okay, I'll be back in just a minute. Oh, Phoebe, I'm sorry that I left lipstick marks on the phone. ([寝室から入ってくる] 少しで戻るわ。あぁ、フィービー、ごめんなさいね、電話に口紅の跡をつけちゃって。)
フィービー: You didn't leave lipstick marks on the phone. (モニカは電話に口紅の跡なんかつけてなかったわよ。)
モニカ: Oh, then it must've been you. Bye. (leaves) (あぁ、そしたら、それはきっとあなただったに違いないわ。じゃあね。[去る])
フィービー: (angrily) Bye-bye! (to Ross) That's why I moved out. ([怒りながら] バイバイ! [ロスに] だから私は引っ越したのよ。)
ロス: Hey, y'know while we're on that, when are you gonna tell my sister that you don't live here anymore? (ねぇ、その話だけど、フィービーはもうここには住んでいないということをいつ僕の妹(モニカ)に話すつもりなの?)
フィービー: I think on some level, she already knows. (ある程度は、モニカもすでに知ってる[わかってる]と思うわ。)
ロス: Phoebe, she doesn't know that you sneak out every night, she doesn't know that you sneak back every morning, and she doesn't know that you've been living with your grandmother's for a week now. (フィービー、モニカは、君が毎晩こっそり抜け出しているのを知らない。毎朝こっそり帰ってくるのも知らない。もう1週間、君がおばあちゃんと暮らしていることも知らないんだ。)
フィービー: Okay, well, maybe not on those levels. (わかった。そうね、多分、そういうレベルでは知らないわね。)

3年前のシーンだ、という設定なので、みんなそれぞれ服装などが少し若めになってるのが面白いです。
いつもフレンズたちに窓から覗かれて、いろいろ言われている Ugly Naked Guy (裸のブ男)ですが、ここでは Cute Naked Guy (裸の美男子、かっこいい裸の男)と言われていますね。
彼にも cute な頃があったんだ(笑)。
いつもセリフに登場するだけで、なかなかその姿を見ることはできませんが、少し後のフレンズ3-8 でちらっと彼の姿が出てきます。

電話に口紅の跡をつけた、という話、相手のことを直接非難するのではなくて、「私がしちゃってごめんなさい。あら、私じゃなかったわ、あなただったわね。」だなんて、かなりのイヤミですねぇ。
フィービーが怒ってバイバイ!と言う気持ち、よくわかります。
それなら、「つけないように気をつけてね」と言われる方がまだ「まし」だろうと。

while we're on that というのは「私たちがそれに乗っかっている間に」→「私たちがその話題について話している間に」という感じでしょうか。
ちょうどその引越しの話が出た今だから、その話が出ている今、というニュアンスで、「そう言えばその話についてだけど、引越しの話と言えば」みたいに訳せるかな、と思います。
フィービーは moved out と過去形を使っているので、「もうすでに引っ越した、ここを出て行った」わけですが、その事実を話してない、というのがロスのセリフでわかります。

on some level 「あるレベルで、ある程度まで」はモニカも知ってる、というフィービーですが、ロスの話を聞くと、フィービーはかなり見え見えのことをしているのにもかかわらず、モニカは全くその気配すら感じていない、ということがわかります。
she already knows. というフィービーに対して、ロスは、she doesn't know that..., she doesn't know that..., and she doesn't know that... と she doesn't know that を3回も繰り返しています。
かなりくどい言い方ですが、「あれも知らない、これも知らない、それも知らない…なのに、一体モニカが何を知ってるって言うんだ?」という気持ちが入っているわけですね。
on some level どころか、実際は全く気付いていないじゃないか、と言いたいのです。

ですから、今ロスが言ったようなレベル(on those levels)では知らないわね、とフィービーは言い直しています。
フィービーは自分の口からモニカにはっきり説明するのを避けたいがために、「少しはわかってるわよ、気付いてるわよ。」と適当なことを言って、ごまかそうとしていただけですね。

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posted by Rach at 08:48| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月16日

酔っ払ってばかなことをする フレンズ3-6その1

シーズン3 第6話
The One With the Flashback (衝撃! 暴かれた過去)
原題は「フラッシュバックの話」

[Scene: Central Perk, the whole gang is there including Janice.]
セントラルパーク。ジャニスを含め、フレンズ全員がそこにいる。
ジャニス: Janice has a question. Who of the six of you has slept with who of the six of you? (ジャニスは一つ聞きたいことがあるのよ。あなたたち6人の中で誰が、6人のうちの誰かと寝た経験があるか?)
フィービー: Wow, it's like a dirty math problem. (まぁ。エッチな数学の問題みたい。)
ロス: I'm sorry, the answer there would be...none of us. (残念ながら、その答えは…誰もいない、だよ。)
ジャニス: Come on, over the years, none of you ever, y'know, got drunk and stupid? (よしてよ。何年もの間、あなたたちの中で誰も、ほら、酔っ払ってばかなことしたって経験がないの?)
ジョーイ: Well, that's really a different question. (あぁ、それは全く別の問題だよ。)

dirty は「エッチな」。フレンズではこの意味でよく出てきますね。
男3人、女3人の6人で、みんな仲がいいから、その中でいろんな恋愛関係になったことがあるんじゃないの?とジャニスは尋ねています。
もちろん、現在恋人同士のロスとレイチェルを除いて、ということです。
素朴な疑問、というか、確かにこの6人はいつも一緒にいるので、メンバー以外の人がそういう疑問を持つのも無理もないような…(笑)。
got drunk and stupid は 「酔っ払って愚かになる」ということですから、「酔っ払って理性を失ってばかなことをしてしまう」ということ。
日本語でもこんな風に言いますね。

それに対して、ジョーイは「それとこれとは別問題だ。」と返事しています。
人間酔っ払ってばかなことをしてしまう、ってのはよくあるけど、この仲間内ではそんなことはしてないよ、ということです。
つまり、フレンズ以外では、そういうこと(酔っ払って、寝るべきではない女性と寝てしまうこと…笑)はよくやっちゃうけどね、ということですね。


ジャニス: I'm sorry I find it hard to believe that a group of people who spends as much time together as you guys do has never bumped uglies. (悪いけど、信じられないのよね。あなたたちみたいに長い時間を一緒に過ごしているグループの人たちが、不道徳な状況になったことがないなんてね。)
ジョーイ: Well, there was that one time that Monica and Rachel got together. (あぁ、モニカとレイチェルが結ばれた、ってことは一度あったな。)
モニカ&レイチェル: What? (何ですって?)
レイチェル: Excuse me, there was no "time." (もしもし、(そんなこと)一度もないわよ。)
ジョーイ: Okay, but let's say there was. How might that go? (わかった、でも、あったってことにしてみよう。どんな感じになるかな?)
ジャニス: Okay, okay, well then answer me this; Have any of you ever.... almost...? (わかったわ。じゃあ、そしたら、この質問に答えて。あなたたち、もう少しで…ってことはなかった?)
レイチェル: Does anybody need more coffee? (誰かもっとコーヒー欲しい人いる?)
ロス: Yeah, I'll take some. (あぁ、少し[コーヒーを]もらうよ。)
ジョーイ: Hey, there's a dog out there! (おい、外に犬がいるぞ!)

ugly は「醜い、醜悪な」ですが、この場合は、「(道徳的に)悪い、卑劣な」という意味。
ugly は形容詞で、ugliness という名詞形が別にあるはずですが、ここでは uglies と名詞の複数形のような形で使っていますね。
bump は「ドンとぶつかる、たまたま出会う」という意味なので、何かのはずみでそういう「不道徳な状況」になってしまったことはないの?という意味でしょう。

get together は「集まる、一緒になる」という意味ですが、恋人同士に使うと「(男女が)結ばれる」というような意味になります。
よく出てくるのは、get back together という表現で、これは「よりを戻す、元の鞘(さや)に収まる」という意味ですよね。
ジョーイはレズビアンものが好きで、フレンズ1-20その4 でも、レイチェルとミンディの昔話に興味津々でした。
モニカとレイチェルにはっきり否定されたので、ちょっと想像してみるくらいいいだろ?、楽しいじゃん、みたいな感じ。

Have any of you ever almost...? は「今まであなたたちのうちで誰かが、もう少しで…しそうだったってことはなかった?」ということで、Have any of you ever almost slept with any of you? とか、almost had a sex with any of you? みたいな言葉が続く、ということでしょうね。

almost については、つい最近の過去記事 フレンズ3-5その27 で説明しました。
「almost +動詞の過去形」で、「もう少しで…するところだった、危うく…するところだった」「してないけど(するところまではいってないけど)もう少しで…してしまうところだった」のようなニュアンスです。
それを経験を表す現在完了形で尋ねているので、「寝た」ことはない、って言ったけど、「もう少しで寝ちゃうところだった」ってこともなかったの?、という質問になるのですね。
それを聞いてみんな急にそわそわし始めるのがおかしい。
これはきっと何かあるぞ(あったんだぞ)…と思わせるオープニングです。

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posted by Rach at 06:55| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月15日

出来ない方に5ドル賭ける フレンズ3-5その32

[Scene: Chandler and Joey's, they are admiring the entertainment center]
チャンドラーとジョーイの部屋。二人はエンターテインメント・センターに感心してほれぼれと眺めている。

admire は、フレンズ3-5その24 でも説明しましたが、「…を称賛する、感心する」「・・・を感心してほれぼれと眺める」という意味。
they are admiring the entertainment center. と上のト書きには書いてありますが、チャンドラーは内心ちっとも嬉しくないのでは?…(笑)
でも、admire は反語的に使われることもあるようです。

研究社 新英和中辞典には、
admire=[反語的に](…に)感服する、あきれる
例文) I admire his impudence. 「やつの厚かましさには感服するよ。」

という語義が載っています。

チャンドラーの気持ちは、きっとこっちの反語的な方ですね。(ト書きを書いた方がそこまで考えて書いたのかどうかは知りませんが…笑)。


ジョーイ: Y'know what? (なぁ。)
チャンドラー: Umm? (ん?)
ジョーイ: Bet you I could fit in there. (points to a hole in the center) (俺はあそこにフィットする[ぴったりはまる、すっぽり収まる]って断言できるよ。[とセンターの穴を指差す])
チャンドラー: I got five bucks says you can't. (出来ない、って方に5ドル賭けるよ。)
ジョーイ: Get out your checkbook, mister. (小切手帳を取り出しとけよ、ミスター。)
チャンドラー: Oh, I think I have the cash. (あぁ、そのくらいなら現金で持ってると思うよ。)

ジョーイの Bet you... は、I bet you... ということで、「俺は…だと確信してるんだけど。俺は絶対…だと思うよ。」みたいな感じです。
フレンズ3-1その18 で説明したように、bet の基本的な意味は、「(金などを)賭(か)ける」で、そこから「主張する、断言する」「思う」のような意味も表します。

それに対するチャンドラーの返事、I got five bucks says you can't. について。
DVD英語字幕は、上に書いたように、I got になっていて、ネットスクリプトは I've got になっています。(実際の音声は I get と言っているように聞こえるような気もする…)

「5ドルに「出来ない」と言わせる」のような使役の意味ならば、I got five bucks to say you can't. と to が必要でしょうし、「「出来ない」と言っている5ドルを持ってるよ」という意味なら、I got five bucks which says you can't. と主格の関係代名詞が必要になるでしょうか?

ここでの got は、ジョーイの使った bet と似た感じで、「思う、考える」のようなニュアンスなんでしょうか。
I got / five bucks says you can't. と切れ目が入り、「「5ドルが出来ないって言う」と思う。」のような意味になるのかと思うのですが、どうでしょう?

checkbook は「小切手帳」。
ジョーイは、「小切手帳を用意しておけよ。俺が賭けに勝って、お前が金を払わないといけなくなるんだからさ。」とかっこつけて言っているのですが、たったの5ドルで小切手なんか切らないよ、それくらいの現金は手元にあるよ、とチャンドラーはあきれているのですね。


(Joey successfully enters the entertainment center, and Chandler closes the door on Joey.)
ジョーイはうまくエンターテインメント・センターに入る。そしてチャンドラーはジョーイの前でドアを閉める。
ジョーイ: You are dog, man! I totally fit! (お前の負けだね。完全にフィットしてるよ!)
チャンドラー: Yeah, you got me. (picks up a 2x4 and puts it through the handles so that the doors won't open) I'm out five big ones. (puts the money in the crack between the door and frame) Here you go. (あぁ、お前の勝ちだ。[ツーバイフォー(2インチ×4インチ)の木材を拾い上げて、それをハンドルに通す。そうすると、ドアは開かない。] 5ドルの大金をすってしまったよ。[ドアとフレームの間の隙間にその紙幣を入れる] ほら、どうぞ。)
ジョーイ: Thank you. Cha-ching! (Chandler starts to leave) Oh, well, hello, Mr. Lincoln! Better luck next time, buddy! (Chandler leaves and closes the door) And the drinks are on me! (ありがとう。チ、チーン! [チャンドラーは出て行こうとする] あぁ、ハロー、リンカーンさん! 次はもっと幸運だといいな、友よ。 [チャンドラーは出て行ってドアを閉める] それから、飲み物は俺がおごるよ!)

You are dog, man! ですが、You are a dog. のように冠詞がついていませんね。
ここでは名詞ではなくて、形容詞的に、または「呼び掛け語」的に使われているようです。
ロングマン現代英英辞典の dog [noun] の6番目の項目に、
dog: DISHONEST
(informal not polite) an offensive word for an unpleasant or dishonest man
例) You dirty dog !

つまり、「不快な、不正直な人間に対する侮辱的な言葉」。
そういう相手に対して、例文のように、"You dirty dog!" 「この汚い犬め!」みたいな言葉をかけるのですね。

ここのセリフでは、「お前の言ったことは外れたね。」という感じの「うそつき」のような意味でしょうか。
underdog 「負け犬、敗北者」のニュアンスかもしれません。

run out of や be out of で「…がなくなって、切らしていて」という意味がありますよね。
I'm out five big ones. の out もそれと同じニュアンスです。

Cha-ching! はレジの音。
お金を貰ったので、「毎度あり〜!」みたいな感じで、レジの真似をしているのですね。
リンカーン、は、5ドル紙幣がリンカーンの絵柄だから。
Wikipedia 英語版: United States five-dollar bill にその紙幣の写真が載っています。

まだ自分の不幸がわかっていないジョーイ。
儲けた金で飲み物をおごってやるとまで言ってますが、この自分の状況にいつ気付くのでしょうか?

最後になりますが、今回ロスが作っていたリストについては、Wikipedia 英語版: Laminated list で、ウィキペディアの項目の一つに挙げられています。
A laminated list または a freebie list と言えば、フレンズ世代のネイティブには「あぁ、あのロスが作っていた5人のセレブのリストね。」と通じるのかもしれません。

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posted by Rach at 07:34| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月14日

リストから押しのけるbump フレンズ3-5その31

ロス: Yeah, um, okay, see, you were, you were on the list. But then my friend, Chandler (Chandler waves) brought up the very good point that you are international. So I bumped you for Wynona Ryder. Local. (はい、あなたはリストに載っていたんです。でもその時、僕の友達のチャンドラーが[チャンドラーが手を振る] 非常に良い点を指摘したんです。それは、あなたがインターナショナル(国際的)だ、ということ。それで、僕はあなたの代わりにウィノナ・ライダーを入れたんですよ。彼女はローカルですから。)
イザベラ: Y'know it's ironic... (ほら、それって皮肉よね…)
ロス: What? (何がですか?)
イザベラ: ...because I have a list of five goofy coffeehouse guys. And yesterday, I just bumped you for that guy over there. (points at a guy and leaves) (だって、私もおバカなコーヒーハウスの男5人のリストを持ってるの。それで、昨日、ちょうどあなたの代わりにあそこにいるあの男性をリストに入れたところよ。)
その男性を指差し、イザベラは去る。
ロス: (to the rest of the gang) We're just gonna be friends. ([残りのフレンズたちに] 僕と彼女は友達になれそうだね。)

ラミネートされた最終リストにイザベラが載っていない理由を説明するロス。
フレンズ3-5その17 で、イザベラについて、
チャンドラー: Ooh-hoo. Very hot, very sexy. But ah, y'know she's too international, y'know she's never gonna be around. (ほほぅ。すごくホットで、すごくセクシーだ。でも、ほら、彼女は国際派だから、彼女がこの辺にいる[姿を見せる]ことはないよ。)
というセリフがありました。
それを聞いてロスはイザベラを候補から外したのですが、そのことを今、本人に説明しているわけですね。

bump は「(…に)ドンと突き当たる」という意味が基本です。
ロングマン現代英英辞典では、
bump: to hit or knock against something
つまり、「何かに対してぶつかること、または当たること」。

そこから bump into someone だと「…にばったり出会う」という意味になりますね。(bump into someone という表現は、フレンズでよく出てきます。)

また、その bump の「ドンと当たる」という基本的意味から、「(人を)(飛行機などの便から)押しのける、はずす」「(人を)はじき出す」という意味にもなります。
bump:
4. [transitive] (informal) to move someone or something into a different class or group, or to remove them from a class or group altogether
例) The flight was overbooked, and Dad was the first one to be bumped.

「人や物を別のクラスやグループに動かすこと、またはあるクラスやグループからそれらを完全に取り除くこと。」
例文) そのフライト[便]は定員以上の予約を取っていたので、パパは外された最初の人になった[その便から真っ先に外された]。」

この bump のニュアンスを考えると、「ドンと押して弾き飛ばした、突き飛ばした」みたいな感じがしますから、目の前にいる大物女優を目的語とする動詞としては、相応しくない気がしますね。
「あなたを押しのけて、ウィノナを入れた」みたいな感じに聞こえて、理由はどうあれ、イザベラにとっては失礼な感じがするような…。

日本語でローカルというと、「中央ではなく地方の」みたいなイメージがありますが、
ロングマン現代英英辞典では、
local: relating to the particular area you live in, or the area you are talking about
「自分が住んでいる特別なエリア、または自分が話題にしているエリアに関係している」

上のセリフでは、もっぱらアメリカ国内で活躍している、という意味になります。
フレンズ3-5その17 で、
チャンドラー: Pick somebody who's gonna be in the country like all the time. (いつもこの国にいるだろうと思われる誰かを選べよ。)
と言っていましたが、それを一言で言い換えた形容詞が、local だ、ということですね。

goofy は「ばかな、まぬけな」。
ロングマン現代英英辞典では、
goofy: (informal) stupid or silly
goofy や その名詞形 goof については、フレンズ3-4その28 で詳しく説明しています。

イザベラは、「私も「愚かな男リスト」を作ってて…」などと話をでっち上げ、「あなたがやったのと同じように、あなたを押しのけて、別の人をリストに入れたわ。」と言っています。
ロスが言ったのと同じようなことを言って、「その場の状況に合わせて何とでも言えるわよね。私に会ったからって、急にそんな話をでっちあげて、それがあなたの口説き方、アプローチの仕方なんでしょ?」と言いたいのでしょう。
ロスは確かに失礼なことを言ったわけですから、goofy と言われても怒るわけにもいきませんね。
上手にあしらわれてしまったロス。
楽しく会話できたし、恋人は無理でも友達にならなれそうだね、と照れ隠しのようなセリフを言うのが精一杯ですね。

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posted by Rach at 07:02| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月13日

一生に一度の機会 フレンズ3-5その30

イザベラ・ロッセリーニに声を掛けるロス。
ロス: (to Isabella) Hi! Hi, I'm Ross. You don't know me, but I'm a big, big fan of yours. I mean, Blue Velvet, woo-oo hoo! Um, I was wondering if I could um, maybe buy you a cup of coffee. (Gunther hands her change) Or reimburse you for that one. ([イザベラに] こんにちは! あの、僕はロスと言います。あなたは私をご存じないでしょうが、僕はあなたの、大、大ファンなんです。「ブルーベルベット」、あれは最高! それで、僕は思ってたんですよね、多分、あなたにコーヒーを1杯おごることができるかなぁ、って。 [ガンターは彼女にお釣りを手渡す] または、そのコーヒー代を僕があなたに支払うか。)
イザベラ: Aren't you with that girl over there? (points at Rachel, who waves back) (あなた、あそこの女の子と付き合ってるんじゃないの?)
レイチェルを指差す。レイチェルは手を振り返す。
ロス: Well, yeah, kinda. Um, but that's okay, see we have an understanding, um, see we each have this list of five famous people, (gets his out) and you were one of mine. So I'm allowed to sleep with you. No, no, no, it's flattering. (えぇ、そんな感じですけど。でも、大丈夫なんです。僕たちは理解し合ってるんですよ。お互いに5人の有名人のリストをそれぞれ持っている。[自分のリストを取り出す] そして、あなたは僕のリストに載っていた有名人の一人だったんです。だから、僕はあなたと寝ることを許されているんです。いやいやいや、それは誉め言葉なんですよ。)
イザベラ: I don't know... (starts to leave) (どうかしらね…。[立ち去ろうとする])
ロス: Oh no, no, no, wait, wait, Isabella. Don't, don't just dismiss this so fast. I mean, this is a once-in-a-lifetime opportunity. (だめだめ、待って、待って、イザベラ。これをそんなにすぐに却下しないで。だって、これは一生に一度の機会なんですよ。)
イザベラ: Yeah, for you. Is that the list? (えぇ、あなたにとってはそういう機会でしょうね。それがリスト?)
ロス: Um, yes. (あぁ、そうです。)
イザベラ: Can I see it? (それ見てもいい?)
ロス: Um, no. (あ、ダメです。)
イザベラ: Come on! (grabs the list) (いいじゃない! [リストを掴む])
ロス: But, okay. (でも…どうぞ。)
イザベラ: (reading it) I'm not on the list! ([リストを読んで] 私はリストに載ってないわよ!)
ロス: Um, see, but that's not the final draft. (あぁ、でも、それは最終案じゃないんです。)
イザベラ: It's laminated. (リストはラミネートされてるわよ。)

ロスが例に挙げた映画はブルーベルベット。
Wikipedia 日本語版: ブルーベルベット
監督は、デヴィッド・リンチ。
デヴィッド・リンチと言えば、テレビドラマ「ツイン・ピークス(Twin Peaks)」が日本でも話題になりましたよね。
アマゾンではこちら(↓)。
Amazon.co.jp: ブルーベルベット 特別編

reimburse は「(人に)費用などを払い戻す、弁済する、弁償する、返済する」。
イザベラのコーヒー代をかっこよく(?)払ってあげようと思ったら、もう既に支払っていて、お釣りまでもらった後なので、その代金を僕があなたに支払うことで、おごったことにしましょうか?と言っているのですね。

flatter は「(人に)おべっかを使う、お世辞を言う、喜ばせる」で、その形容詞の flattering は「お世辞の、喜ばせる」という意味。
この場合は、sleep with という露骨な言葉を使ったためイザベラがいやな顔をしたのですが、それは、その人のことが大好きで、「チャンスがあったら寝てもいい」と恋人が認めるくらい素敵な人、恋人が焼きもちを焼くのをあきらめるくらいの素晴らしい人、という意味のリストだから、「寝れる女」みたいな悪い意味じゃなくて、誉め言葉の一種で良い意味なんですよ、とフォローしているのでしょう。

ロスが、「イザベラ」と相手をファースト・ネームで呼んでいるのがおかしいですね。
少しでも雰囲気を和ませよう、少しでもお近づきになって相手の心を開かせよう、との試みでしょうか。

dismiss は「(集団などを)解散させる、(考えを心から)捨てる、簡単に片付ける、おしまいにする」。
突然近づいて来たファンが、わけのわからないことを言うので、「早く切り上げて出て行こう」とイザベラは考えているかもしれないけど、でも、もう少し話を聞いて欲しい、ということです。

lifetime は「一生、生涯」で、once-in-a-lifetime は「一生に一度の、生涯に一度の」という形容詞です。
フレンズ2-23その25 には、 the role of a lifetime 「生涯にまたとない役柄、生涯で最高のはまり役」という表現が出てきました。
その時に、lifetime に関する表現をいくつか説明しています。

for you 「あなたにとっては、それは生涯で一度の機会でしょうけど。」というのは、有名な俳優ならではの言い方ですね。
そんなのにいちいち取り合ってたら、私の身体がいくつあっても足りない、という感じでしょうか。
そういうことを言われ慣れている人のセリフです。

draft は「草案、草稿、下書き」。
final draft は「最終案、確定案」。
イザベラが載っていないので、このリストは最終案じゃない、と言い訳するロスですが、しっかりラミネートしちゃったことが、ここで裏目に出ちゃいましたね(笑)。

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posted by Rach at 09:24| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年08月12日

お好みにカスタマイズ フレンズ3-5その29

[Scene: Central Perk, Rachel is serving some guy coffee.]
セントラルパーク。レイチェルはある男性にコーヒーを給仕して[出して]いる。
レイチェル: Okay sir, um-mm, let me just see if I've got this right. Ah, so this is a half-caf, double-tall, easy hazelnut, nonfat, no foam, with whip, extra hot latte, right? (the guy nods) Okay, great. (she starts to walk away and under her breath) You freak. (ではお客様、これが(注文通り)正しいかどうか私に確認させて(下さい)。これは、カフェインが半分、エスプレットショット追加、サイズはトールで、ヘーゼルナッツ(シロップ)の追加、無脂肪乳、泡なし、ホイップクリームの追加、超熱いラテ、ですね? [その男性は頷く] あぁ、良かった。[彼女は立ち去るが声をひそめて] このフリークめ!)

この注文は、「お好みにカスタマイズ」というやつでですね。
時々、スタバ(STARBUCKS)などで、どれだけややこしい注文ができるか、ということに挑戦したりしている方もおられるようです。
私はあまりこういうオーダーに詳しくないので、近所のスタバに置いてある「スターバックスのドリンクメニュー」というリーフレット(チラシ)を参考のために貰って来ました(笑)。

ダブル、というのは「エスプレッソショットを1回追加する→合計2回にする(?)」ことのようです。
トールはサイズですね。(スタバでは 360cc )
スタバのメニューには、「 Decaffeinated Coffee ディカフェ(カフェインレス)」というのもありますが、上のセリフは half-caf なので、カフェイン半分、ということですね。
シロップの追加・変更という項目に「バニラ/ヘーゼルナッツ/キャラメル/アーモンド」と書いてありますので、easy hazelnut はシロップのことを言っているのだと思いますが、easy って何かなぁ?
ローファットミルク(低脂肪乳)やノンファットミルク(無脂肪乳)への変更も出来るのですね。
また、「ドリンクの温度調節」というのもできるそうで、extra hot というのは通常のものよりももっと熱い温度にする、ということですよね?

「こういうオーダーには私はうるさいよ!」という方は、私の説明で間違っている部分があればご指摘下さい。

(Isabella Rosselini enters)
イザベラ・ロッセリーニが入ってくる。
ロス: (to Gunther) Thank you. ([ガンターに] ありがとう。)
イザベラ: (to Gunther) A coffee to go, please. ([ガンターに] コーヒー一つを持ち帰り[テイクアウト]でお願い。)
(Ross recognises her and goes over to the couch, mouthing 'Oh, my God')
ロスは彼女を認めて、(フレンズたちがいる)カウチに向かう、声には出さず口を動かして「なんてことだ!」と言う。
ロス: Isabella Rossellini! (points to her) (イザベラ・ロッセリーニだよ!)
と彼女を指差す。
モニカ: Are you serious? (they all look) Oh, my God! (本当に? [みんなが見る] まぁ、なんてこと。)
ロス: Damn! I can't believe I took her off my list! (くそっ! 彼女をリストから外しちゃったなんて、信じられないよ。)
モニカ: Why? Because otherwise you'd go for it? (どうして? もしリストから外さなかったなら[リストに載ったままだったら]、トライするつもりだった、って言うの?)
ロス: Yeah, maybe. (あぁ、多分ね。)
レイチェル: Oh-oh, you lie. (またぁ、あなたは嘘つきね。)
ロス: You don't think I'd go up to her? (僕が彼女に近づけないと思ってるの?)
レイチェル: Ross, it took you 10 years to finally admit you liked me. (ロス、あなたが私のことを好きだと最終的に認めるのに10年もかかったのよ。)
ロス: Yeah? Well, missy, you better be glad that list is laminated. (そう? ねぇ、お嬢さん、そのリストがラミネートされていることを喜んだ方がいいね。)
レイチェル: You know what, honey? You go ahead. We'll call her an alternate. (ねぇ、ハニー。どうぞ行って来て。彼女を代役[代理、補欠]とみなす[認める]わよ。)
ロス: Okay, hold my cruller. (わかった。僕のクルーラー(ねじって揚げたドーナツ)を持ってて。)
レイチェル: Okay. (いいわ。)
モニカ: Rach, are you really gonna let him do this? (レイチェル、本当にロスにこんなことさせるつもり?)
レイチェル: Honey, he's about to go hit on Isabella Rossellini. I'm just sorry we don't got popcorn. (ハニー、ロスはイザベラ・ロッセリーニに声を掛けようと[ナンパしようと]しているところなのよ。ただただ残念だわ、ポップコーンがなくて。)

to go はファーストフード店などの決まり文句で、「持ち帰り(用)で、テイクアウトで」。
Is this to eat here or to go? 「こちらでお召し上がりですか? それともお持ち帰りですか?」というのは決まり文句ですね。
フレンズ1-14その1フレンズ2-19その10 にも出てきました。

ロスがイザベラ・ロッセリーニを recognize (recognise) した、ということですが…。
ロングマン現代英英辞典によると、
recognize: [not in progressive] to know who someone is or what something is, because you have seen, heard, experienced, or learned about them in the past
つまり、「ある人や物について、過去に見た、聞いた、経験した、学んだなどの理由で、ある人が誰か、またはある物が何か、を知ること。」

この場合は、リストに入れようとしていたくらいですから、ロスは何度も映画で彼女を見ていて、彼女の顔や姿を知っていた、だから、本人を目の前にした時に、「あ、イザベラ・ロッセリーニだ!」と気付いた、ということです。
recognize が「分かる、認める、認識する」という意味だと知っている方は多いと思うのですが、「”どういう風に”分かるのか」が分からないと(笑)、細かいニュアンスや他の「分かる」という意味の単語との使い分けができません。
こういう単語こそ、英英辞典できちんと調べてみるべきだと思います。

あまりの驚きと、本人を目の前にして騒いではいけない、という気持ちとで、mouth しているのが笑えます。
この mouth は動詞で、ロングマン現代英英辞典によると、
mouth: [transitive] to move your lips in the same way you do when you are saying words, but without making any sound
つまり、「言葉を言う時にするのと同じように唇を動かすが、音は何も立てないこと」。
つまり、声には出さないで、口の形だけでその内容を相手に伝えようとしているのですね。
声にはならないような、こういうリアクションを、ロスは時々しますよねぇ。

go for it は「目標に向かって努力する、頑張ってやってみる」という意味。
フレンズ2-1その1 にも出てきましたが、フレンズではよく使われる表現です。
go up to は「…の所に行く、…に近寄る」。

ロスは高校生の頃からずっとレイチェルが好きだった、でも、その気持ちをはっきり伝えるのに10年もかかった、とレイチェルは言っています。
「一般人、普通の人」の私にさえ、そんな様子だったんだから、相手がセレブだったら、とてもそんな度胸はないわね、ということでしょう。

それに対してロスは、「ラミネートされている→変更できない→これが最終決定である」と説明して、イザベラは正式な候補者ではないからアタックできないよ、恋人の君としては、イザベラがリスト外だから安心だね、と言っています。

call+人+補語は「人を…と呼ぶ、称する」「人を…とみなす、考える」というニュアンスでしょうか。
または審判がコール(判定)するイメージで、「宣言する」みたいなニュアンスもあるのかもしれません。
最終のリストから外れてはいるけれど、途中で候補に挙がっていたのを私たちは知ってるから、彼女をリストの特別番外編として認めるわ、ということですね。

I'm just sorry we don't got popcorn. について。
don't の後なのに、got と過去形になっていますね。
ネットスクリプト、DVDの英語字幕、どちらも got になっていて、実際にレイチェルも「ガット」と言っていますので、本当に got で間違いないようです。
have got = have で、その have が省略されることもよくありますから、have が省略された形の have got 、つまり、got = have という意味で使われているのでしょうね。
日本の学校の英作文で don't got と書いたら、不正解にされそうですけど…(笑)。

レイチェルは、ロスがどんな風にアタックしようとするのかを観察、鑑賞しようとしています。
だから、恋人としてではなくて、一人の観客として、映画を見るみたいに、その一部始終を見届けたいと思っているのですね。
だから、映画館での必需品のポップコーンのことを言っているのでしょう。

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