(they go into Monica and Rachel's, and see Phoebe hopping around.)
ロスとレイチェルは、モニカとレイチェルの部屋に入る。そして、フィービーがあちこち飛び跳ねているのを見る。
ロス: Hey Pheebs, what are you doing? (ねぇ、フィービー。何やってるの?)
フィービー: I'm, I'm freaking out! Monica kinda trusted me with something and she shouldn't have! All right, I haven't lived here in a while, so I have to ask you something. Does Monica still turn on the lights in her bedroom? (私はパニクってるのよ! モニカは私のことを信頼してくれてたみたいだけど、信頼すべきじゃなかったのよ! よし、私はここにしばらく住んでいないから、あなたたちにちょっと尋ねるわね。モニカは今でも、彼女の寝室の電気をつけるかしら?)
レイチェル: Um. yeah. (えぇ、そうね。)
フィービー: I am soo dead! (goes to Monica's room) (私はおしまいね。[モニカの部屋に行く])
フィービーがパニクっているのは、自分が目を離している隙に、注文したものとは別のベッド(レースカー・ベッド)が運び込まれてしまったのに気付いたから、ですね。
フィービーがレースカー・ベッドを見て驚くシーンは出てきませんでしたが、観客にはそれがわかっている、そして今帰ってきたばかりのロスとレイチェルは全く何のことかわからない、という状況なのですね。
フィービーは「モニカは寝室の電気をつける?」と、当たり前のことを質問しています。
電気をつけなければ真っ暗でベッドがどんなものかわからないだろう、と期待しているようです。
ベッドが見えないほど真っ暗なままでその部屋にいるはずもないのですが、「私が以前に同居してた時は、確かにモニカは電気をつけていたわ。でも、私が引っ越してしばらく経つから、その間にモニカの習慣が変化していて、もしかして、今は電気をつけないって習慣になったりしてないかしら?」みたいなことですね。
Does Monica turn on...? という現在形で「習慣」を表し、still 「まだ、今までどおり」、つまり、私の知っていた頃と同じように、今でも電気をつける?と尋ねているわけですね。
I am so dead. は「私はおしまいだ、終わりだ、だめだ。もう死ぬわ。」みたいな感じ。
フレンズ2-18その5 では、余計なことを言ってしまったフィービーに対して、
レイチェル: Phoebe's dead. (フィービーは死ぬわね。)
というセリフもありましたよね。
どちらの場合もフィービーがモニカを怒らせることを言った・した、わけで、「モニカに殺されるわ。」というところですね。
(今日のポイント)
・I haven't lived here in a while, so I have to ask you something. Does Monica still turn on the lights in her bedroom? というセリフの中にある一連の話の流れ。
どうしてわざわざ「私はここにしばらく住んでいない」と言っているのか。
聞いても無駄かもしれないけど、もしかしたら彼女の習慣が変わっているかもしれない、という少しの期待を持って尋ねたいの、という感じでしょうか。
「しばらくここに住んでいない」→「だから私は尋ねたい」→「彼女は”まだ”(あの頃と同じように)電気をつける習慣があるか?」という流れになるのですね。
・I am (so) dead.
「死ぬ」=「ダメ、終わり」という発想はどこの国でも同じですね。
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2007年10月11日
2007年10月10日
カイロプラクター フレンズ3-7その23
[Scene: Hallway, Ross and Rachel are returning from dinner.]
廊下。ロスとレイチェルはディナーから帰ってくる。
レイチェル: You had to do it, didn't you? You couldn't just leave it alone. (あなたはそうしなくちゃいけなかったのね? あなたはそれをそのまま放っておくことができなかったのね。)
ロス: Four percent, okay? I tip more than that when there's a bug in my food. (4%だよ、いいかい? 食べ物に虫が入っていても、僕はそれ以上のチップを払うよ。)
レイチェル: Ross, tonight was about the two of you getting along. (Ross groans and rubs his neck) Oh, would you just see my chiropractor already? (ロス、今夜はパパとロスの二人が仲良くなる晩だったのよ。[ロスはうめきながら首をさする。] まぁ、ロスはいい加減、私のカイロプラクター(カイロの先生)に見てもらったら?)
ロス: Yeah, I'm gonna go to a doctor who went to medical school in a mini-mall. (あぁ、ミニモールにある医学校に通っていた先生のところに行くよ。)
leave ... alone は「(人)を一人にしておく」ということから、「そのままにしておく、放っておく」という意味になります。
ですから、leave it alone はチップが少ないままでそれに手を加えずに置いておく、ということですね。
レイチェルは、ロスの気持ちをここで代弁しているわけですが、それには非難の気持ちが込められているのでしょう。
あなたはそうせざるを得なかった、それをほっとけなかったわけね?と言いながら、どうして我慢してくれなかったの?と言っているわけです。
だから、ロスも「だってしょうがないだろ。チップがたったの4%だったんだから。」と言い返しているのですね。
「あー、肩が凝った」という風に首をさするロス。
see は「会う」ですが、go to see a doctor は「医者に会いに行く」、つまり「医者に(自分の体を)見てもらいに行く」という意味です。
already は「もう、すでに」ですが、このように Would you...? や命令形についた already は「とっとと(…して)、もういい加減に」のようないらだちを表す表現になります。
フレンズ2-19その4 でも、
エステル: Don't worry about it, already! Things happen. (もう心配するのはやめなさいよ! そんなことはよくあるわ。)
というセリフがありましたね。
chiropractor は「脊柱指圧師、カイロプラクター」。
最近は日本語でも脊椎指圧療法のことを「カイロプラクティック」と言いますね。
ロングマン現代英英辞典では、
chiropractic: [uncountable] the treatment of physical problems by pressing on and moving the bones in someone's back and joints
つまり、「人の背中や関節の骨を押したり、動かしたりすることによって、身体的問題を治療すること。」
ちょっと余談ですが、カイロプラクターは、アリー my Love にも出てきました。
アリー my Love の 5-9 「風に吹かれて」(原題: Blowin' In The Wind)に出てきたカイロプラクターの診察室には、ある椅子(a massage chair)がありました。
それに乗ると、女性たちがことごとくその振動で気持ち良くなり(←エッチ系の意味…笑)、うっとりしてしまう…というものでした。
最初にそれを事務所の女性に教えたコレッタ(Corretta)によると、
コレッタ: Be very careful, Jenny. That chair can ruin relationships. (気をつけないとだめよ、ジェニー。あの椅子が原因で別れた男女もいるのよ。)
だそうです(すごい…笑)。
カイロ、というと、ついその話を思い出して笑ってしまう私です。
a doctor who went to medical school in a mini-mall について。
まず、mall というのはロングマン現代英英辞典によると、
mall: [countable] (especially American English)
a large area where there are a lot of shops, usually a covered area where cars are not allowed (synonym: shopping centre)
つまり、「たくさんの店がある大きなエリア、たいていは車の乗り入れが禁止されている(?)屋根のあるエリア。同義語: shopping centre (center)」
cars are not allowed は、店のエリアまでは車では入れない、屋外、または屋内の店から離れた場所にある駐車場に止めてから、歩いて店に行かないといけない、という意味でしょうね。
日本語でも、ショッピングモールなどと言いますから、「モール」はほとんど日本語になっているようです。
日本人の持つイメージも「ショッピングセンター」という感じですね。
また、mall の関連語として、strip mall という名称もあるようです。
同じくロングマンでは、
strip mall: [countable] (American English)
a row of shops built together, with a large area for parking cars in front of it
つまり、「並んで建てられた店の列、その前に車を止めるための大きなエリアがある。」
Wikipedia 英語版: Strip mall の冒頭の説明で、「a strip mall は mini-mall とも呼ばれる」と書いてあり、strip mall の写真も載っています。
ですから、今回のセリフに出てきた mini mall というのは、mall のミニ版で、規模の小さいモールである、上に挙げた strip mall の語義が近い、ということのようですね。
ショッピングモール(ミニモール)にある医学校、というのは冗談で言っているのでしょうが、要はまともな医学校ではない、正式な医学校ではない、と言いたいのでしょう。
日本で言うと、カルチャースクールみたいなところでカイロの技術を学んだ、フランチャイズのチェーン店みたいな医学校で学んだ、という感じのニュアンスでしょうか?
本当の医師免許を持っていないような人、本当の医者ではないような人のところには僕は行きたくないよ、とバカにしているわけですね。
ロスは自分が博士号を持った科学者であることにこだわりのある人ですから、アカデミックな教育を受けていない我流のようなお医者さんに行くのは抵抗があるようですね。
(今日のポイント)
・Would you ... already? の already のニュアンス。
・medical school in a mini-mall という表現に込められたロスの気持ち、考え。
実際にアメリカで生活していれば「mini-mall と言えばあれ」とすぐにわかるのでしょうが、だいたいどんな感じのものかくらいは掴めていないと、このロスのセリフの意味が伝わってきませんよね。
ムキになってトコトン調べることもないですが、「だいたいこんな感じのもの」と知っておくことは大切だと思います。
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廊下。ロスとレイチェルはディナーから帰ってくる。
レイチェル: You had to do it, didn't you? You couldn't just leave it alone. (あなたはそうしなくちゃいけなかったのね? あなたはそれをそのまま放っておくことができなかったのね。)
ロス: Four percent, okay? I tip more than that when there's a bug in my food. (4%だよ、いいかい? 食べ物に虫が入っていても、僕はそれ以上のチップを払うよ。)
レイチェル: Ross, tonight was about the two of you getting along. (Ross groans and rubs his neck) Oh, would you just see my chiropractor already? (ロス、今夜はパパとロスの二人が仲良くなる晩だったのよ。[ロスはうめきながら首をさする。] まぁ、ロスはいい加減、私のカイロプラクター(カイロの先生)に見てもらったら?)
ロス: Yeah, I'm gonna go to a doctor who went to medical school in a mini-mall. (あぁ、ミニモールにある医学校に通っていた先生のところに行くよ。)
leave ... alone は「(人)を一人にしておく」ということから、「そのままにしておく、放っておく」という意味になります。
ですから、leave it alone はチップが少ないままでそれに手を加えずに置いておく、ということですね。
レイチェルは、ロスの気持ちをここで代弁しているわけですが、それには非難の気持ちが込められているのでしょう。
あなたはそうせざるを得なかった、それをほっとけなかったわけね?と言いながら、どうして我慢してくれなかったの?と言っているわけです。
だから、ロスも「だってしょうがないだろ。チップがたったの4%だったんだから。」と言い返しているのですね。
「あー、肩が凝った」という風に首をさするロス。
see は「会う」ですが、go to see a doctor は「医者に会いに行く」、つまり「医者に(自分の体を)見てもらいに行く」という意味です。
already は「もう、すでに」ですが、このように Would you...? や命令形についた already は「とっとと(…して)、もういい加減に」のようないらだちを表す表現になります。
フレンズ2-19その4 でも、
エステル: Don't worry about it, already! Things happen. (もう心配するのはやめなさいよ! そんなことはよくあるわ。)
というセリフがありましたね。
chiropractor は「脊柱指圧師、カイロプラクター」。
最近は日本語でも脊椎指圧療法のことを「カイロプラクティック」と言いますね。
ロングマン現代英英辞典では、
chiropractic: [uncountable] the treatment of physical problems by pressing on and moving the bones in someone's back and joints
つまり、「人の背中や関節の骨を押したり、動かしたりすることによって、身体的問題を治療すること。」
ちょっと余談ですが、カイロプラクターは、アリー my Love にも出てきました。
アリー my Love の 5-9 「風に吹かれて」(原題: Blowin' In The Wind)に出てきたカイロプラクターの診察室には、ある椅子(a massage chair)がありました。
それに乗ると、女性たちがことごとくその振動で気持ち良くなり(←エッチ系の意味…笑)、うっとりしてしまう…というものでした。
最初にそれを事務所の女性に教えたコレッタ(Corretta)によると、
コレッタ: Be very careful, Jenny. That chair can ruin relationships. (気をつけないとだめよ、ジェニー。あの椅子が原因で別れた男女もいるのよ。)
だそうです(すごい…笑)。
カイロ、というと、ついその話を思い出して笑ってしまう私です。
a doctor who went to medical school in a mini-mall について。
まず、mall というのはロングマン現代英英辞典によると、
mall: [countable] (especially American English)
a large area where there are a lot of shops, usually a covered area where cars are not allowed (synonym: shopping centre)
つまり、「たくさんの店がある大きなエリア、たいていは車の乗り入れが禁止されている(?)屋根のあるエリア。同義語: shopping centre (center)」
cars are not allowed は、店のエリアまでは車では入れない、屋外、または屋内の店から離れた場所にある駐車場に止めてから、歩いて店に行かないといけない、という意味でしょうね。
日本語でも、ショッピングモールなどと言いますから、「モール」はほとんど日本語になっているようです。
日本人の持つイメージも「ショッピングセンター」という感じですね。
また、mall の関連語として、strip mall という名称もあるようです。
同じくロングマンでは、
strip mall: [countable] (American English)
a row of shops built together, with a large area for parking cars in front of it
つまり、「並んで建てられた店の列、その前に車を止めるための大きなエリアがある。」
Wikipedia 英語版: Strip mall の冒頭の説明で、「a strip mall は mini-mall とも呼ばれる」と書いてあり、strip mall の写真も載っています。
ですから、今回のセリフに出てきた mini mall というのは、mall のミニ版で、規模の小さいモールである、上に挙げた strip mall の語義が近い、ということのようですね。
ショッピングモール(ミニモール)にある医学校、というのは冗談で言っているのでしょうが、要はまともな医学校ではない、正式な医学校ではない、と言いたいのでしょう。
日本で言うと、カルチャースクールみたいなところでカイロの技術を学んだ、フランチャイズのチェーン店みたいな医学校で学んだ、という感じのニュアンスでしょうか?
本当の医師免許を持っていないような人、本当の医者ではないような人のところには僕は行きたくないよ、とバカにしているわけですね。
ロスは自分が博士号を持った科学者であることにこだわりのある人ですから、アカデミックな教育を受けていない我流のようなお医者さんに行くのは抵抗があるようですね。
(今日のポイント)
・Would you ... already? の already のニュアンス。
・medical school in a mini-mall という表現に込められたロスの気持ち、考え。
実際にアメリカで生活していれば「mini-mall と言えばあれ」とすぐにわかるのでしょうが、だいたいどんな感じのものかくらいは掴めていないと、このロスのセリフの意味が伝わってきませんよね。
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2007年10月09日
232を13で割ってみよう フレンズ3-7その22
ジョーイ: Okay, let’s say I’ve just gotten bad news, well, all I do there is try and divide 232 by 13. (looks all confused) And that's how it's done. Great soap opera acting tonight, everybody. Class dismissed. (よし、今ちょうど悪いニュースを聞いたとしよう。そこでやるべきことは、ただ、232 を 13 で割る、という割り算をしてみることだ。[全く困惑した顔をする] 演技はそんな風にするんだよ。素晴らしいソープオペラ演技の夜だったね、みんな。解散だ。)
演技のコツとして、何故唐突に割り算が出てくるんだ?という感じなのですが、実際にそれをジョーイがやっているらしいと想像することで、その意味がわかりますね。
232÷13 を計算しようとすると、まずは、1 が立って、それから 23-13 で 10 が下りてきて…と、頭の中で筆算(ひっさん)をする感じになります。
うまく割り切れなくてすんなり答えが出ないので、頭の中であーでもないこーでもない…と悩む様子が、悪いニュースを聞いて頭の中が混乱してうまく考えがまとまらないという表情を作ることになる、ということです。
生徒: Hey, Mr. Trib. (あの、トリブさん。)
ジョーイ: Hey-hey. (おぉ、なんだ。)
生徒: Guess what? I got an audition! (何だと思いますか? オーディションを受けることになったんです!)
ジョーイ: Awww, one of my students got an audition. I'm so proud! (あぁー! 僕の生徒の一人がオーディションをゲットした。僕はとても鼻が高いよ[とても誇りに思うよ]!)
生徒: I was wondering if you would consider coaching me for it? (その役について、先生が僕をコーチして下さるかなぁ…と思ったりするんですが。)
ジョーイ: You bet! What's the part? (もちろんだよ! どんな役なんだ?)
生徒: Oh, it's great! It's a role on All My Children. Nick the boxer. (えぇ、すごい役なんですよ! オール・マイ・チルドレンの役で、ボクサーのニックです。)
(Joey does the '232 divided by 13 bad news' look.)
ジョーイは「232÷13 の悪いニュース」の表情をする。
Mr. Trib という呼び名、トリビアーニをかっこ良く言うとこうなるんでしょうか?
ジョーイが胸に手を当てて、大袈裟に驚いて感動してみせているのが面白いです。
もちろん、嬉しいのは本心でしょうが。
I was wondering if... は遠回しで婉曲なお願い表現です。
フレンズ1-9その1 にも出てきましたね。
consider は「よく考える、熟考する、検討する」で、「…することを考える」と後ろに動詞が続く場合は、to 不定詞ではなくて、-ing 形の動名詞を使います。
ですから、上のセリフでも、consider to coach ではなく、consider coaching になっていますね。
「僕にコーチすることを考えてもらえるかな〜どうかな〜、と僕は思っていたところなんですよ。」みたいなニュアンスですね。
その生徒の受ける役が、ジョーイが受けようとしている「ボクサーのニック」役だと聞いてショックを受けるジョーイ。
目が泳いでいて、あれがこうなって、これがああなって、と悩んでいる様子。
生徒がオーディションを受けると聞いて喜んだのに、自分の生徒が自分の欲しがっていた役と同じオーディションを受けるなんて…思ってもみなかった結果に、頭が混乱しているわけですね。
これは演技ではなく、本当に混乱しているわけですが、それがついさっきジョーイが説明した「割り算の表情」と全く同じなので、観客は大笑いしているのですね。
おぉ、彼の演技のアドバイスは本当に使えるね!とわかるのです(笑)。
(今日のポイント)
・ジョーイの演技アドバイスその3
悪いニュースを聞いて頭が混乱している時→ 232÷13 という割り算をしてみろ!(笑)。
日本のコメディでも使えそうなジョーク。そして、ちゃんとそれを使ったオチがあるのもポイント。
・I was wondering if you would... という、遠慮がちに相手にお願いする表現。
生徒と先生という立場を考慮した表現。このシーンのイメージが頭にあると、実際に自分がそういう場面に遭遇した時に、使えるようになると思います。
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演技のコツとして、何故唐突に割り算が出てくるんだ?という感じなのですが、実際にそれをジョーイがやっているらしいと想像することで、その意味がわかりますね。
232÷13 を計算しようとすると、まずは、1 が立って、それから 23-13 で 10 が下りてきて…と、頭の中で筆算(ひっさん)をする感じになります。
うまく割り切れなくてすんなり答えが出ないので、頭の中であーでもないこーでもない…と悩む様子が、悪いニュースを聞いて頭の中が混乱してうまく考えがまとまらないという表情を作ることになる、ということです。
生徒: Hey, Mr. Trib. (あの、トリブさん。)
ジョーイ: Hey-hey. (おぉ、なんだ。)
生徒: Guess what? I got an audition! (何だと思いますか? オーディションを受けることになったんです!)
ジョーイ: Awww, one of my students got an audition. I'm so proud! (あぁー! 僕の生徒の一人がオーディションをゲットした。僕はとても鼻が高いよ[とても誇りに思うよ]!)
生徒: I was wondering if you would consider coaching me for it? (その役について、先生が僕をコーチして下さるかなぁ…と思ったりするんですが。)
ジョーイ: You bet! What's the part? (もちろんだよ! どんな役なんだ?)
生徒: Oh, it's great! It's a role on All My Children. Nick the boxer. (えぇ、すごい役なんですよ! オール・マイ・チルドレンの役で、ボクサーのニックです。)
(Joey does the '232 divided by 13 bad news' look.)
ジョーイは「232÷13 の悪いニュース」の表情をする。
Mr. Trib という呼び名、トリビアーニをかっこ良く言うとこうなるんでしょうか?
ジョーイが胸に手を当てて、大袈裟に驚いて感動してみせているのが面白いです。
もちろん、嬉しいのは本心でしょうが。
I was wondering if... は遠回しで婉曲なお願い表現です。
フレンズ1-9その1 にも出てきましたね。
consider は「よく考える、熟考する、検討する」で、「…することを考える」と後ろに動詞が続く場合は、to 不定詞ではなくて、-ing 形の動名詞を使います。
ですから、上のセリフでも、consider to coach ではなく、consider coaching になっていますね。
「僕にコーチすることを考えてもらえるかな〜どうかな〜、と僕は思っていたところなんですよ。」みたいなニュアンスですね。
その生徒の受ける役が、ジョーイが受けようとしている「ボクサーのニック」役だと聞いてショックを受けるジョーイ。
目が泳いでいて、あれがこうなって、これがああなって、と悩んでいる様子。
生徒がオーディションを受けると聞いて喜んだのに、自分の生徒が自分の欲しがっていた役と同じオーディションを受けるなんて…思ってもみなかった結果に、頭が混乱しているわけですね。
これは演技ではなく、本当に混乱しているわけですが、それがついさっきジョーイが説明した「割り算の表情」と全く同じなので、観客は大笑いしているのですね。
おぉ、彼の演技のアドバイスは本当に使えるね!とわかるのです(笑)。
(今日のポイント)
・ジョーイの演技アドバイスその3
悪いニュースを聞いて頭が混乱している時→ 232÷13 という割り算をしてみろ!(笑)。
日本のコメディでも使えそうなジョーク。そして、ちゃんとそれを使ったオチがあるのもポイント。
・I was wondering if you would... という、遠慮がちに相手にお願いする表現。
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2007年10月08日
眉毛に釣り針 フレンズ3-7その21
[Scene: Classroom, Joey is lecturing on facial expressions.]
授業。ジョーイは「顔の表現」についてレクチャー(講義)している。
ジョーイ: Okay, some tricks of the trade. Now, I've never been able to cry as an actor, so if I'm in a scene where I have to cry, I cut a hole in my pocket, take a pair of tweezers, and just start pulling. (よし、業界の秘訣をいくつか(これから話すよ。) さて、僕は俳優として、泣くことができなかった。だから、もし泣かないといけないシーンがあれば、ポケットに穴を開けて、ピンセット[毛抜き]を持って、ただ(毛を)引き抜き[引っ張り]始めるんだ。)
trade は日本語のトレードからわかるように、「商い、商売」です。
また「職業」という意味もあります。
そして、このセリフのように the を付けると、「業界」のような意味になります。
ロングマン現代英英辞典では
the trade: a particular kind of business, and the people who are involved in it
つまり、「ある特定の種類の仕事(ビジネス)、そしてそれに従事する人々」
tweezer は「ピンセット、毛抜き」ですね。
はさみなどと同じで二股に分かれているので、a pair of tweezers で「ピンセット(毛抜き)1本」という意味になります。
何を pull 「引っ張る」のかという目的語が書いていないのですが、パンツのポケットに穴を開けて、ということは、そこで直接肌に触れることになるので、その素足に生えている毛をピンセットで引き抜く、もしくは引き抜かないまでも引っ張る、ということを言っているのでしょう。
痛くて涙が出ちゃう、わけですね。(笑)
ジョーイ: Or ah, or, let's say I wanna convey that I've just done something evil. That would be your basic I've-got-a-fish-hook-in-my-eyebrow-and-I-like-it. (Does it by raising one eyebrow, and showing off the pretend fishhook.) (もしくは、何か邪悪なことを今やったばかりだ、ということを伝えたいとしよう。その場合は、「眉毛に釣り針がついていて、それを気に入る」という基本的なやつになる。[片方の眉毛を持ち上げて、うその釣り針があるように見せて、その表情を作る。])
convey は「…を運ぶ、運搬する」。
そこから、「(感情・意思・情報を)伝達する、伝える」という意味にもなります。
convey my feelings なら「私の感情・気持ちを伝える」ですね。
日本語でベルト・コンベヤーなどの「コンベヤー、コンベアー」という言葉がありますが、これは convey という動詞に -or という「行為者を表す」語尾がついた、「運搬するもの」という意味です。
DVD英語字幕では、上に書いたように、That would be your basic I've-got-a-fish-hook-in-my-eyebrow-and-I-like-it. とハイフンで繋げて表示されていますが、ネットスクリプトでは、That would be the basic 'I have a fishhook in my eyebrow and I like it' と引用符でくくって表記されています。
ハイフンで結ばれたもの、引用符(single quotation marks)でくくられたもの、どちらの場合も、その部分を「まとめて名詞のように扱っている」のですね。
感覚的な見た目では引用符の方がわかりやすい気がするのですが、DVDでは概してハイフンで結んである場合が多いです。
show off は「見せびらかす、誇示する」という意味ですが、この場合は、眉毛を上げてそこにいかにも釣り針がひっかかっているかのように見せている、という感じでしょうね。
「ちょっと悪いことをしてやったぜ、へへへ…」みたいな時は、そんな風にちょっと眉毛が上がったりしますね。
そして "I like it." 「それっていい感じ。」みたいに、ほくそ笑む…と(笑)。
それをジョーイ風に言うと、そんな感じになるわけです。
(今日のポイント)
・the trade 「業界」
・「ジョーイが教える演技のコツ」に笑って下さい。
1. 泣くためには→足の毛をピンセットで引っ張る
2. 邪悪なことをやった!という表情→眉毛に釣り針(?!)
まだ明日ももう一つ出てきます(笑)。
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ジョーイ: Okay, some tricks of the trade. Now, I've never been able to cry as an actor, so if I'm in a scene where I have to cry, I cut a hole in my pocket, take a pair of tweezers, and just start pulling. (よし、業界の秘訣をいくつか(これから話すよ。) さて、僕は俳優として、泣くことができなかった。だから、もし泣かないといけないシーンがあれば、ポケットに穴を開けて、ピンセット[毛抜き]を持って、ただ(毛を)引き抜き[引っ張り]始めるんだ。)
trade は日本語のトレードからわかるように、「商い、商売」です。
また「職業」という意味もあります。
そして、このセリフのように the を付けると、「業界」のような意味になります。
ロングマン現代英英辞典では
the trade: a particular kind of business, and the people who are involved in it
つまり、「ある特定の種類の仕事(ビジネス)、そしてそれに従事する人々」
tweezer は「ピンセット、毛抜き」ですね。
はさみなどと同じで二股に分かれているので、a pair of tweezers で「ピンセット(毛抜き)1本」という意味になります。
何を pull 「引っ張る」のかという目的語が書いていないのですが、パンツのポケットに穴を開けて、ということは、そこで直接肌に触れることになるので、その素足に生えている毛をピンセットで引き抜く、もしくは引き抜かないまでも引っ張る、ということを言っているのでしょう。
痛くて涙が出ちゃう、わけですね。(笑)
ジョーイ: Or ah, or, let's say I wanna convey that I've just done something evil. That would be your basic I've-got-a-fish-hook-in-my-eyebrow-and-I-like-it. (Does it by raising one eyebrow, and showing off the pretend fishhook.) (もしくは、何か邪悪なことを今やったばかりだ、ということを伝えたいとしよう。その場合は、「眉毛に釣り針がついていて、それを気に入る」という基本的なやつになる。[片方の眉毛を持ち上げて、うその釣り針があるように見せて、その表情を作る。])
convey は「…を運ぶ、運搬する」。
そこから、「(感情・意思・情報を)伝達する、伝える」という意味にもなります。
convey my feelings なら「私の感情・気持ちを伝える」ですね。
日本語でベルト・コンベヤーなどの「コンベヤー、コンベアー」という言葉がありますが、これは convey という動詞に -or という「行為者を表す」語尾がついた、「運搬するもの」という意味です。
DVD英語字幕では、上に書いたように、That would be your basic I've-got-a-fish-hook-in-my-eyebrow-and-I-like-it. とハイフンで繋げて表示されていますが、ネットスクリプトでは、That would be the basic 'I have a fishhook in my eyebrow and I like it' と引用符でくくって表記されています。
ハイフンで結ばれたもの、引用符(single quotation marks)でくくられたもの、どちらの場合も、その部分を「まとめて名詞のように扱っている」のですね。
感覚的な見た目では引用符の方がわかりやすい気がするのですが、DVDでは概してハイフンで結んである場合が多いです。
show off は「見せびらかす、誇示する」という意味ですが、この場合は、眉毛を上げてそこにいかにも釣り針がひっかかっているかのように見せている、という感じでしょうね。
「ちょっと悪いことをしてやったぜ、へへへ…」みたいな時は、そんな風にちょっと眉毛が上がったりしますね。
そして "I like it." 「それっていい感じ。」みたいに、ほくそ笑む…と(笑)。
それをジョーイ風に言うと、そんな感じになるわけです。
(今日のポイント)
・the trade 「業界」
・「ジョーイが教える演技のコツ」に笑って下さい。
1. 泣くためには→足の毛をピンセットで引っ張る
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2007年10月07日
head=be headed フレンズ1-1その7
昨日の、「DVD学習法の最終段階で英語字幕をどのように調べるか」という話の続きです。
今、例として取り上げているセリフは、フレンズ1-1 の、
レイチェル: Well, I was kinda supposed to be headed for Aruba on my honeymoon, so nothing! (えぇと、私はハネムーンでアルバ島へ行く[向かう]ことになってたって感じだから、(予定は)何もないわね!)
です。
今日は、動詞 head に関する話です。
普通は、head という自動詞として使うと、head for で「…へ向かう、行く、進む」という意味になります。
Where are you heading for? だと「どこへ行くつもりですか?」になります。
上のセリフでは、それが be headed for、つまり、「be動詞+過去分詞」という「受身形」で書かれています。
この head は他動詞で、「head+目的語+for」で、「(目的語)を…へ向ける、進める」という意味です。
そういう他動詞の意味があるために、be headed for でも「…の方向へ向かう」という意味になるのですね。
実際、英辞郎で調べると、
be headed for=〜に向かって進む
(例) Where are you headed for? 「どこ行くの?」
と載っています。
つまり、What are you heading for? という現在進行形でも、What are you headed for? という受動態でも、言っている内容はほぼ同じ、ということになるのですね。
ロングマン現代英英辞典でも、head を調べると、
head [verb]:
1. GO TOWARDS
also be headed
to go or travel towards a particular place, especially in a deliberate way
つまり、「ある特定の場所に向かって行く、または旅行する。特に計画的な方法で。」
ロングマンに also be headed と書いてあるのは、この意味の head という動詞は、be headed とも表現できる、つまり、head = be headed だということを表しています。
実際に他人から見た状況では、be heading for でも、be headed for でも、「その主語がどこかに向かっている」という様子を表していることになりますね。
だから、同じような意味で使われることが可能だ、ということなんでしょう。
ロングマンに head = go towards = be headed と書いてあるところを見ると、今はもう、head = be headed として成立していて、そこに元々あった「受身」の意味はほとんどなくなっている、be headed は「何かに向かっている」という状態を示す言葉として、head と同じように使われる、ということのようです。
つまり、be+headed 「…に向かっている(形容詞)という状態」ということですね。
head の過去分詞形 headed が形容詞化した、ということになるのだと思います。
ちょっと余談であり、私見ですが、言葉の成り立ちから厳密に考えると、be heading for (または head for)と be headed for には微妙な意味の違いがあるのかもしれません。
be heading for という自動詞は、主語が自ら意思を持って進んでいる感じがする、そして、be headed for という他動詞は、誰かの指示に任せて「どこかへ向かうという流れの中に乗っている」という状態を表している感じがする、ということでしょうか?(←あくまで私の感覚に過ぎませんが…)
上のセリフの場合も、恐らく、レイチェルが積極的にアルバ島に向かっていた、というよりも、新婚旅行としてアルバ島に向かう、というスケジュールに則って、そこへ向かっているはずだった、みたいな感じがどこかに含まれているのかもしれない、とも思います。
今日は head という動詞について細かく見てみたのですが、私は動詞が自動詞か他動詞かを判別することが大切だ、と言いたかったわけですね。
ただ、実際にフレンズを初見で見た時に、そこまで気が回るかというと、実際はそんな細かいところにまでは目が行かないでしょう。
私もフレンズ1-1 の解説を見ると、be supposed to については触れていますが、head については説明してありません。
2年前の私は、その be headed for というフレーズに「ひっかからずにスルーしてしまった」ということです。
誰かに「head には進む、という自動詞の意味があるのに、どうしてここはわざわざ過去分詞形を使った受動態になっているのですか?」と尋ねられて初めて、「そう言えばそうやなぁ〜」と思って改めて調べてみる、という程度でしょうね。
ですから、そこを見過ごしたからと言って自分を責める必要もありません。
学習していくうちに、そういうことに気付く時もいずれ来るだろう、と思いながら学習を続けていったらいいのだと思いますね。
どうして、ここが be headed for なんだろう?と思うのが一つ目の段階です。
そこに気付くのがまず一つ目のポイントで、それを調べてみて何か掴めたらそれで万々歳ですし、わからなければ、「どうしてここは headed と過去分詞が使われているの?」とメモするだけでもいい。
どこかでまた、be headed という表現に再びぶつかる時がきっと来るからです。
または誰かがチラっとそういうことを説明しているのを、本を読んだり、他のブログで知ったりして、「あぁ、あれはそういうことだったのか!」とわかればいい、ということですね。
まず日本人は head というと、「ヘッド、頭」という意味が思い浮かびますね。
それが、ここでは「進むという意味の動詞だ」と気付くことで、まずはカタカナ英語から脱却したことになります。
さらに、そこからもう一歩進んで、「これは自動詞か他動詞か? be headed という形になっているから他動詞だ。その他動詞が形容詞化した形で be headed でも進むという意味になるんだ!」と理解することが、「深く理解する」ということなのかなぁ、と。
そんな細かい話どうでもいい、という方がおられるのは承知の上ですが、そういう部分に「日本語訳を超越した英語の感覚、スピリット」のようなものを感じるのです。
そういう「深い理解」を、初見で全てクリアしようと思うのは無理な話だと思います。
だから、「今の自分が気付くこと、ひっかかったこと」だけを取りあえず調べてみればいいと思っているのです。
まずはわからない単語を調べることから始めればいいのです。
私もそうしてやってきました。
そして、わからないことは「わからない」とメモしておきました。
その「わからない」と思っていたことが少しずつわかっていく、ということが「英語力が伸びる」ということなのだと思います。
最初から全てがわかる人などいないでしょう。
どんな英語の達人の方々でも、そうやって、自分のわからない部分を一つ一つクリアしてこられたんだと思います。
何かを深く学ぶ、ということは、わかることが増えていく、と同時に、今まで気付かないことに気付くようになる、ということでしょうね。
(今日のポイント)
・自動詞として使っているか、他動詞として使っているか、の違いは重要です。
日本語の訳語にばかり注目していると、「そんなのどっちでもいいじゃん」ということになりかねないのですが、英語では動詞が文のキモであり、それが自動詞であるか他動詞であるかで文の構造が根本的に違ってきます。
英語を英語のまま理解するには、自動詞・他動詞の違いに敏感にならないといけないと私は思っています。
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今、例として取り上げているセリフは、フレンズ1-1 の、
レイチェル: Well, I was kinda supposed to be headed for Aruba on my honeymoon, so nothing! (えぇと、私はハネムーンでアルバ島へ行く[向かう]ことになってたって感じだから、(予定は)何もないわね!)
です。
今日は、動詞 head に関する話です。
普通は、head という自動詞として使うと、head for で「…へ向かう、行く、進む」という意味になります。
Where are you heading for? だと「どこへ行くつもりですか?」になります。
上のセリフでは、それが be headed for、つまり、「be動詞+過去分詞」という「受身形」で書かれています。
この head は他動詞で、「head+目的語+for」で、「(目的語)を…へ向ける、進める」という意味です。
そういう他動詞の意味があるために、be headed for でも「…の方向へ向かう」という意味になるのですね。
実際、英辞郎で調べると、
be headed for=〜に向かって進む
(例) Where are you headed for? 「どこ行くの?」
と載っています。
つまり、What are you heading for? という現在進行形でも、What are you headed for? という受動態でも、言っている内容はほぼ同じ、ということになるのですね。
ロングマン現代英英辞典でも、head を調べると、
head [verb]:
1. GO TOWARDS
also be headed
to go or travel towards a particular place, especially in a deliberate way
つまり、「ある特定の場所に向かって行く、または旅行する。特に計画的な方法で。」
ロングマンに also be headed と書いてあるのは、この意味の head という動詞は、be headed とも表現できる、つまり、head = be headed だということを表しています。
実際に他人から見た状況では、be heading for でも、be headed for でも、「その主語がどこかに向かっている」という様子を表していることになりますね。
だから、同じような意味で使われることが可能だ、ということなんでしょう。
ロングマンに head = go towards = be headed と書いてあるところを見ると、今はもう、head = be headed として成立していて、そこに元々あった「受身」の意味はほとんどなくなっている、be headed は「何かに向かっている」という状態を示す言葉として、head と同じように使われる、ということのようです。
つまり、be+headed 「…に向かっている(形容詞)という状態」ということですね。
head の過去分詞形 headed が形容詞化した、ということになるのだと思います。
ちょっと余談であり、私見ですが、言葉の成り立ちから厳密に考えると、be heading for (または head for)と be headed for には微妙な意味の違いがあるのかもしれません。
be heading for という自動詞は、主語が自ら意思を持って進んでいる感じがする、そして、be headed for という他動詞は、誰かの指示に任せて「どこかへ向かうという流れの中に乗っている」という状態を表している感じがする、ということでしょうか?(←あくまで私の感覚に過ぎませんが…)
上のセリフの場合も、恐らく、レイチェルが積極的にアルバ島に向かっていた、というよりも、新婚旅行としてアルバ島に向かう、というスケジュールに則って、そこへ向かっているはずだった、みたいな感じがどこかに含まれているのかもしれない、とも思います。
今日は head という動詞について細かく見てみたのですが、私は動詞が自動詞か他動詞かを判別することが大切だ、と言いたかったわけですね。
ただ、実際にフレンズを初見で見た時に、そこまで気が回るかというと、実際はそんな細かいところにまでは目が行かないでしょう。
私もフレンズ1-1 の解説を見ると、be supposed to については触れていますが、head については説明してありません。
2年前の私は、その be headed for というフレーズに「ひっかからずにスルーしてしまった」ということです。
誰かに「head には進む、という自動詞の意味があるのに、どうしてここはわざわざ過去分詞形を使った受動態になっているのですか?」と尋ねられて初めて、「そう言えばそうやなぁ〜」と思って改めて調べてみる、という程度でしょうね。
ですから、そこを見過ごしたからと言って自分を責める必要もありません。
学習していくうちに、そういうことに気付く時もいずれ来るだろう、と思いながら学習を続けていったらいいのだと思いますね。
どうして、ここが be headed for なんだろう?と思うのが一つ目の段階です。
そこに気付くのがまず一つ目のポイントで、それを調べてみて何か掴めたらそれで万々歳ですし、わからなければ、「どうしてここは headed と過去分詞が使われているの?」とメモするだけでもいい。
どこかでまた、be headed という表現に再びぶつかる時がきっと来るからです。
または誰かがチラっとそういうことを説明しているのを、本を読んだり、他のブログで知ったりして、「あぁ、あれはそういうことだったのか!」とわかればいい、ということですね。
まず日本人は head というと、「ヘッド、頭」という意味が思い浮かびますね。
それが、ここでは「進むという意味の動詞だ」と気付くことで、まずはカタカナ英語から脱却したことになります。
さらに、そこからもう一歩進んで、「これは自動詞か他動詞か? be headed という形になっているから他動詞だ。その他動詞が形容詞化した形で be headed でも進むという意味になるんだ!」と理解することが、「深く理解する」ということなのかなぁ、と。
そんな細かい話どうでもいい、という方がおられるのは承知の上ですが、そういう部分に「日本語訳を超越した英語の感覚、スピリット」のようなものを感じるのです。
そういう「深い理解」を、初見で全てクリアしようと思うのは無理な話だと思います。
だから、「今の自分が気付くこと、ひっかかったこと」だけを取りあえず調べてみればいいと思っているのです。
まずはわからない単語を調べることから始めればいいのです。
私もそうしてやってきました。
そして、わからないことは「わからない」とメモしておきました。
その「わからない」と思っていたことが少しずつわかっていく、ということが「英語力が伸びる」ということなのだと思います。
最初から全てがわかる人などいないでしょう。
どんな英語の達人の方々でも、そうやって、自分のわからない部分を一つ一つクリアしてこられたんだと思います。
何かを深く学ぶ、ということは、わかることが増えていく、と同時に、今まで気付かないことに気付くようになる、ということでしょうね。
(今日のポイント)
・自動詞として使っているか、他動詞として使っているか、の違いは重要です。
日本語の訳語にばかり注目していると、「そんなのどっちでもいいじゃん」ということになりかねないのですが、英語では動詞が文のキモであり、それが自動詞であるか他動詞であるかで文の構造が根本的に違ってきます。
英語を英語のまま理解するには、自動詞・他動詞の違いに敏感にならないといけないと私は思っています。
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2007年10月06日
文の要素の機能とニュアンスを知る フレンズ1-1その6
Rach流DVD学習法に関する記事 私は英和辞典をこう使った のコメント欄 で、フレンズ1-1 に出てきた、I was supposed to be headed for Aruba on my honeymoon. というセリフについて触れました。
そのセリフは、フレンズ1-1その1 で簡単に説明していますが、今見ると説明し足りないと思う部分がたくさんあります。
このセリフを例に取って、DVD学習法の最終段階で、
「どんな風に英語のセリフを”調べる”か?」
について具体的に説明してみたいと思います。
このシーンはネットスクリプトでは以下のようなやり取りになっています。
ロス: So Rachel, what're you, uh... what're you up to tonight? (それで、レイチェル、君は…君は今夜、何か予定があるの?)
レイチェル: Well, I was kinda supposed to be headed for Aruba on my honeymoon, so nothing! (えぇと、私はハネムーンでアルバ島へ行く[向かう]ことになってたって感じだから、(予定は)何もないわね!)
セリフを解釈するには、そのセリフの中にある、アルバ島、ハネムーン、という「情報」は確かに大切なのですが、その情報が聞き取れたこと、読み取れたことで安心してはいけません。
特に、DVD学習法の場合は、最後の段階で英語字幕を確認する前に、日本語音声・字幕による情報が頭に入っていますから、アルバ島、ハネムーン、という単語を英語で確認すると、「あぁ、日本語と合ってる!」と安心してしまいがちです。
しかし、このセリフで一番学ぶべき部分は、be supposed to というフレーズのニュアンスと使い方です。
つまり、「どういう状況、どういう心情の時に使うか」「それにはどういうニュアンスがあって、それを使うことでどういう効果が生まれるか」ということです。
そのニュアンスを深く理解して初めて、自分で使えるまでになるのです。
よく、「読めるけど、または意味はわかるけど、自分では使えない単語・表現」というのがありますね。
それは、「使えるほどには”深く”理解できていない」ということなのです。
「日本語ではこういう意味」という「置き換え」の意味は知っていても、その表現の「機能」と「ニュアンス」がわかっていないと、自分では使えないと思うのです。
過去記事、英語字幕をリーディングする で、私は、英語を解釈する段階では、「意味が取れればいい」と説明しました。
それは、「訳す」としてしまうと、「日本語に訳す」という意味に捉えられてしまうからです。
日本語に訳す必要は全くありません。むしろ、「訳していてはいけない」のです。
英語を英語のまま理解する場合に、「意味の通る自然で美しい日本語に変換する」必要はないからです。
それは通訳・翻訳の仕事をされている方には必要なことですが、英語を英語のままで理解するのに、日本語をワンクッション挟むことは、タイムラグを生じさせるだけです。
その「意味が取れる」という意味は、英語字幕を見て、「だいたいこんなことを言っている」という大意を掴む、という意味でもありません。
I / was supposed to / be headed for Aruba / on my honeymoon.
という文のそれぞれの「要素」の意味を掴む、それぞれの要素がどういう意味を持ち、どういう機能を持ち、どういうニュアンスを出しているかを掴む、ということです。
わざわざ be supposed to を使っているのには、それを使って出したいニュアンスがあるのです。
どうしてここで be supposed to を使っているのかがわからなければ、自分でその言葉を使えるようにはなりませんよね。
それがどういうニュアンスであるかを、様々な情報から掴んでみよう、というのがDVD学習法の目的です。
要素、ということで、まずは、DVD英語字幕では省略されていますが、実際の音声にはある、kinda から見てみましょう。
kinda というのは、「…みたいに、みたいな」と「ちょっとはぐらかす」表現ですね。
フレンズにはしょっちゅう出てきます。
kinda はその日本語の意味を覚えるよりも、「はぐらかすために、断定を避けるために使うものだ」という「機能」を覚えるべきです。
その方が、いろんなセリフに出てきた時に応用が利くからです。
「日本語訳」を覚えていると、その日本語訳を「あてはめよう」としてしまって、却ってそのニュアンスがわからなくなってしまうのです。
ここでは、ハネムーンの予定が変わったことを説明するのが恥ずかしい、という気持ちがあるために、はっきり言いたくない、だから、はぐらかす表現を使っているのですね。
be supposed to について。
辞書で調べると、is supposed to と現在形の場合は、「…することになっている」と出ています。
「…するはずだ、…するのが決まりだ、…する予定だ」みたいな感じですね。
上のセリフでは過去形で、was supposed to ですから「…することになっていた」。
過去形で表現されていることで、「…することになっていたけれど、(レイチェルが結婚式を逃げ出したことで)その予定が変わってしまった。」ということまでが示唆されているのですね。
ですから、日本語っぽく訳すと、「アルバ島に向かっている”はずだったんだけど”…」と、逆接が続くみたいになるでしょうか。
ですから、「でもロスも知ってる通り、私は結婚式を逃げ出して、その予定が変わったから。」という理由をわざわざ付け加える必要はないのです。
was supposed to と過去形で表現することで、「その予定が変わってしまった」ことがわかるからです。
だから、その後すぐに、「だから、(予定は)何もないわ。」と繋がるのですね。
そして、be headed for という表現が実は説明が結構難しい。
この部分は、私は過去記事でも説明を飛ばしていました。
ですから、初見で気付かなくても問題はないと思うのですが、堀り下げ甲斐のある話でもあります。
それは明日にします。
(今日のポイント)
・何かを調べる時、どうしても難しい単語、知らない単語に目が行きがちですね。
でも、「使える英語」を身に付けようと思うなら、そのセリフで「何らかのニュアンスを醸し出している部分」に注目すべきです。
そのニュアンスを学んでいくことで、自分の使う英語にもいろいろなニュアンスが出せるようになるのだと思います。
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そのセリフは、フレンズ1-1その1 で簡単に説明していますが、今見ると説明し足りないと思う部分がたくさんあります。
このセリフを例に取って、DVD学習法の最終段階で、
「どんな風に英語のセリフを”調べる”か?」
について具体的に説明してみたいと思います。
このシーンはネットスクリプトでは以下のようなやり取りになっています。
ロス: So Rachel, what're you, uh... what're you up to tonight? (それで、レイチェル、君は…君は今夜、何か予定があるの?)
レイチェル: Well, I was kinda supposed to be headed for Aruba on my honeymoon, so nothing! (えぇと、私はハネムーンでアルバ島へ行く[向かう]ことになってたって感じだから、(予定は)何もないわね!)
セリフを解釈するには、そのセリフの中にある、アルバ島、ハネムーン、という「情報」は確かに大切なのですが、その情報が聞き取れたこと、読み取れたことで安心してはいけません。
特に、DVD学習法の場合は、最後の段階で英語字幕を確認する前に、日本語音声・字幕による情報が頭に入っていますから、アルバ島、ハネムーン、という単語を英語で確認すると、「あぁ、日本語と合ってる!」と安心してしまいがちです。
しかし、このセリフで一番学ぶべき部分は、be supposed to というフレーズのニュアンスと使い方です。
つまり、「どういう状況、どういう心情の時に使うか」「それにはどういうニュアンスがあって、それを使うことでどういう効果が生まれるか」ということです。
そのニュアンスを深く理解して初めて、自分で使えるまでになるのです。
よく、「読めるけど、または意味はわかるけど、自分では使えない単語・表現」というのがありますね。
それは、「使えるほどには”深く”理解できていない」ということなのです。
「日本語ではこういう意味」という「置き換え」の意味は知っていても、その表現の「機能」と「ニュアンス」がわかっていないと、自分では使えないと思うのです。
過去記事、英語字幕をリーディングする で、私は、英語を解釈する段階では、「意味が取れればいい」と説明しました。
それは、「訳す」としてしまうと、「日本語に訳す」という意味に捉えられてしまうからです。
日本語に訳す必要は全くありません。むしろ、「訳していてはいけない」のです。
英語を英語のまま理解する場合に、「意味の通る自然で美しい日本語に変換する」必要はないからです。
それは通訳・翻訳の仕事をされている方には必要なことですが、英語を英語のままで理解するのに、日本語をワンクッション挟むことは、タイムラグを生じさせるだけです。
その「意味が取れる」という意味は、英語字幕を見て、「だいたいこんなことを言っている」という大意を掴む、という意味でもありません。
I / was supposed to / be headed for Aruba / on my honeymoon.
という文のそれぞれの「要素」の意味を掴む、それぞれの要素がどういう意味を持ち、どういう機能を持ち、どういうニュアンスを出しているかを掴む、ということです。
わざわざ be supposed to を使っているのには、それを使って出したいニュアンスがあるのです。
どうしてここで be supposed to を使っているのかがわからなければ、自分でその言葉を使えるようにはなりませんよね。
それがどういうニュアンスであるかを、様々な情報から掴んでみよう、というのがDVD学習法の目的です。
要素、ということで、まずは、DVD英語字幕では省略されていますが、実際の音声にはある、kinda から見てみましょう。
kinda というのは、「…みたいに、みたいな」と「ちょっとはぐらかす」表現ですね。
フレンズにはしょっちゅう出てきます。
kinda はその日本語の意味を覚えるよりも、「はぐらかすために、断定を避けるために使うものだ」という「機能」を覚えるべきです。
その方が、いろんなセリフに出てきた時に応用が利くからです。
「日本語訳」を覚えていると、その日本語訳を「あてはめよう」としてしまって、却ってそのニュアンスがわからなくなってしまうのです。
ここでは、ハネムーンの予定が変わったことを説明するのが恥ずかしい、という気持ちがあるために、はっきり言いたくない、だから、はぐらかす表現を使っているのですね。
be supposed to について。
辞書で調べると、is supposed to と現在形の場合は、「…することになっている」と出ています。
「…するはずだ、…するのが決まりだ、…する予定だ」みたいな感じですね。
上のセリフでは過去形で、was supposed to ですから「…することになっていた」。
過去形で表現されていることで、「…することになっていたけれど、(レイチェルが結婚式を逃げ出したことで)その予定が変わってしまった。」ということまでが示唆されているのですね。
ですから、日本語っぽく訳すと、「アルバ島に向かっている”はずだったんだけど”…」と、逆接が続くみたいになるでしょうか。
ですから、「でもロスも知ってる通り、私は結婚式を逃げ出して、その予定が変わったから。」という理由をわざわざ付け加える必要はないのです。
was supposed to と過去形で表現することで、「その予定が変わってしまった」ことがわかるからです。
だから、その後すぐに、「だから、(予定は)何もないわ。」と繋がるのですね。
そして、be headed for という表現が実は説明が結構難しい。
この部分は、私は過去記事でも説明を飛ばしていました。
ですから、初見で気付かなくても問題はないと思うのですが、堀り下げ甲斐のある話でもあります。
それは明日にします。
(今日のポイント)
・何かを調べる時、どうしても難しい単語、知らない単語に目が行きがちですね。
でも、「使える英語」を身に付けようと思うなら、そのセリフで「何らかのニュアンスを醸し出している部分」に注目すべきです。
そのニュアンスを学んでいくことで、自分の使う英語にもいろいろなニュアンスが出せるようになるのだと思います。
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2007年10月05日
新しいあだ名は「大物くん」 フレンズ3-7その20
ドクター・グリーン: All right, kids. Ready? (よし、君たち。準備はいいか?)
ロス: Thanks again, Dr. Greene. (もう一度御礼を言いますね、ドクター・グリーン。)
(Ross takes a twenty and slips it underneath the bill when Dr. Green isn't looking.)
ロスは、20ドルを取り出して、ドクター・グリーンが見ていない間に、請求書(勘定書)の下に紙幣を滑り込ませる。
ドクター・グリーン: Oh, wait, wait, wait, wait, I think I forgot my receipt. (おぉ、待ってくれ、待ってくれ。レシート(領収書)を忘れたようだ。)
ロス: Oh, ah, you don't need that. (あぁ、そんなの要らないですよ。)
ドクター・グリーン: Why not? (どうして要らないんだ?)
ロス: The carbon. It's messy, I mean, it gets on your fingers and causes, the, the ah, night blindness. (カーボン紙ですよ。手が汚れます。つまり、カーボンが指について、夜盲症(鳥目)を引き起こしますよ。)
ドクター・グリーン: (gets his receipt and notices the twenty) What is this? Who put a 20 down here? Huh? ([レシートを取って、20ドル紙幣に気付く。] これは何だ? 誰がここに20ドル紙幣を置いたんだ? あぁ?)
ロス: Oh, yeah, that would be me, um, I have, I have a problem I-I tip way too much, way, way, too much, it’s a sickness, really. (あぁ、それは僕みたいですね。僕には問題があるんです。チップを出しすぎる、もうものすごく高額のチップを出す、っていう問題が。それは病気ですね、本当に。)
レイチェル: Yeah, it is, it is. (to Ross) We really, really have to do something about that. (あぁ、そうね。そうね。[ロスに] 私たち、本当にその件について対処しないといけないわね。)
ロス: I know. (そうだね。)
ドクター・グリーン: Excuse me, you think I'm cheap? (ちょっと待て。ロスは私がせこいと思っているのか?)
レイチェル: Oh Daddy, no, he didn't mean anything by that, he really didn't. (まぁ、パパ。違うわ。ロスの今の発言は、何かを意図したものじゃないのよ[何も(深い)意味はないのよ]。本当に何のつもりもないの。)
ロス: Nothing I do means anything, really. (僕のすることで、意味のあることなどありません。)
ドクター・グリーン: This is nice. I pay $200 for dinner. You put down 20, and you come out looking like Mr. Big Shot. You really want to be Mr. Big Shot? Here, I'll tell you what, you pay the whole bill, Mr. Big Shot, all right? (rips up the bill, and throws it at Ross, then leaves) (これはいい。私はディナーに200ドル払う。君は20ドルを置いて、大物ぶって(ミスター・ビッグ・ショットのような姿で)店を出る。ロスは本当に大物になりたいか? ほら、いいか、全部の勘定を君が払いなよ、大物くん。いいだろ?)
請求書をビリビリに破いて、それをロスに投げつけて、出て行く。
ロス: Well, "Mr. Big Shot" is better than "Wet-Head." (あぁ、「ミスター・ビッグ・ショット(大物くん)は、ウェット・ヘッドよりもましだよね。)
carbon は「炭素」ですね。
日本語にもなっていますが、「複写用のカーボン紙」も指します。
carbon dioxide だと「二酸化炭素」ですね。
請求書(bill)と領収書(receipt)が2枚複写式になっていて、その領収書の方を持って帰らないといけない…ということでしょう。
messy は「取り散らかした」「汚れた、体を汚す(ような)、やっかいな、面倒な」という意味になります。
ロングマン現代英英辞典では、
messy:
1. dirty or untidy
「汚い、または散らかった」
2. (informal) a messy situation is complicated and unpleasant to deal with
「messy な状況とは、複雑で扱うのが不愉快なこと」
3. making someone or something dirty or untidy
「人やものを汚くしたり、散らかった状態にする(ような)」
この場合は、カーボン紙そのものが汚いとか汚れているのではなくて、「それに触ると、触れると」手が汚れる、という意味の messy なんですね。
ちょっと調べてみたのですが、night blindness と carbon との関係はよくわかりませんでした。
ロスが適当に思いつきで言っているだけかもしれません。
ついチップを置き過ぎてしまうのが僕の病気だとごまかすのですが、それでパパの置いたチップの額に不満であることがわかってしまうのですね。
Nothing I do means anything. という表現はなかなか日本人には出てこない感覚ですね。
日本人的に考えると、What I do doesn't mean anything. または、What I do means nothing. と言ったところでしょうか?
英語では名詞を否定する no や nothing という単語がありますので、主語としていきなり否定のものを持ってきて、"無 means anything" のような構文になるのですね。
means anything なもの(何かしら意味のあるもの)が「ない」ということです。
文の後半に、not mean anything や mean nothing と来て「(主語)は意味がない」とするよりも、いきなり nothing で文を始めて、「…するものは全くない」とする方が、意味は強烈になる気がします。
上では、「僕のすることで、意味のあることなどありません。」と訳してみましたが、「僕のすることにはどれも意味がない。意味など深く考えずに行動してしまうのが僕なんです。」とも言えるでしょうか?
big shot は「大物(おおもの)、有力者」。
パパにしてみれば、「ディナーを全額払わせておいて、その私のチップにケチをつけて、少しチップを上乗せしただけで、偉そうにするな!」という感じなのでしょう。
パパのセリフによると、今回のディナーの料金は200ドル。
ロスは20ドルを置いたので、10%をチップとして置くのが「普通」みたいです。
パパは4%ほどしか置いていない、とロスは言っていましたので、それはかなり少ないようですね。
タイムリーなことに、アメリカ人のデイズさんが、ご自分のブログで、チップについての記事を書いて下さっています。
Rocking in Hakata: チップについて
日本語と英語の両方で書かれていて、チップと労働者最低賃金との関係、州によるチップの違い、の話が書かれていてとても参考になります。
興味のある方はぜひご覧下さい。
パパを完璧に怒らせて、またプライドを傷つけてしまったので、非常に困った立場になったロス。
Wet-Head というあだ名については、フレンズ3-7その6 で出てきました。
「濡れた頭」「濡れ頭」よりはまだ「大物くん」の方がましだよね、と自分を慰めるしかありませんね。
(今日のポイント)
・messy は「汚い、散らかった」という意味ですが、他のものを汚す、つまり「それに触ると、触れると(手など)が汚れる」という意味もあります。
・Nothing I do means anything. についての考察。
・新しいあだ名 Mr. Big Shot 「大物くん」(笑)
「どうせ私はチップをケチった小人物だよ、君はチップを弾む太っ腹の大物だね。」みたいな皮肉が込められたあだ名ですね。
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ロス: Thanks again, Dr. Greene. (もう一度御礼を言いますね、ドクター・グリーン。)
(Ross takes a twenty and slips it underneath the bill when Dr. Green isn't looking.)
ロスは、20ドルを取り出して、ドクター・グリーンが見ていない間に、請求書(勘定書)の下に紙幣を滑り込ませる。
ドクター・グリーン: Oh, wait, wait, wait, wait, I think I forgot my receipt. (おぉ、待ってくれ、待ってくれ。レシート(領収書)を忘れたようだ。)
ロス: Oh, ah, you don't need that. (あぁ、そんなの要らないですよ。)
ドクター・グリーン: Why not? (どうして要らないんだ?)
ロス: The carbon. It's messy, I mean, it gets on your fingers and causes, the, the ah, night blindness. (カーボン紙ですよ。手が汚れます。つまり、カーボンが指について、夜盲症(鳥目)を引き起こしますよ。)
ドクター・グリーン: (gets his receipt and notices the twenty) What is this? Who put a 20 down here? Huh? ([レシートを取って、20ドル紙幣に気付く。] これは何だ? 誰がここに20ドル紙幣を置いたんだ? あぁ?)
ロス: Oh, yeah, that would be me, um, I have, I have a problem I-I tip way too much, way, way, too much, it’s a sickness, really. (あぁ、それは僕みたいですね。僕には問題があるんです。チップを出しすぎる、もうものすごく高額のチップを出す、っていう問題が。それは病気ですね、本当に。)
レイチェル: Yeah, it is, it is. (to Ross) We really, really have to do something about that. (あぁ、そうね。そうね。[ロスに] 私たち、本当にその件について対処しないといけないわね。)
ロス: I know. (そうだね。)
ドクター・グリーン: Excuse me, you think I'm cheap? (ちょっと待て。ロスは私がせこいと思っているのか?)
レイチェル: Oh Daddy, no, he didn't mean anything by that, he really didn't. (まぁ、パパ。違うわ。ロスの今の発言は、何かを意図したものじゃないのよ[何も(深い)意味はないのよ]。本当に何のつもりもないの。)
ロス: Nothing I do means anything, really. (僕のすることで、意味のあることなどありません。)
ドクター・グリーン: This is nice. I pay $200 for dinner. You put down 20, and you come out looking like Mr. Big Shot. You really want to be Mr. Big Shot? Here, I'll tell you what, you pay the whole bill, Mr. Big Shot, all right? (rips up the bill, and throws it at Ross, then leaves) (これはいい。私はディナーに200ドル払う。君は20ドルを置いて、大物ぶって(ミスター・ビッグ・ショットのような姿で)店を出る。ロスは本当に大物になりたいか? ほら、いいか、全部の勘定を君が払いなよ、大物くん。いいだろ?)
請求書をビリビリに破いて、それをロスに投げつけて、出て行く。
ロス: Well, "Mr. Big Shot" is better than "Wet-Head." (あぁ、「ミスター・ビッグ・ショット(大物くん)は、ウェット・ヘッドよりもましだよね。)
carbon は「炭素」ですね。
日本語にもなっていますが、「複写用のカーボン紙」も指します。
carbon dioxide だと「二酸化炭素」ですね。
請求書(bill)と領収書(receipt)が2枚複写式になっていて、その領収書の方を持って帰らないといけない…ということでしょう。
messy は「取り散らかした」「汚れた、体を汚す(ような)、やっかいな、面倒な」という意味になります。
ロングマン現代英英辞典では、
messy:
1. dirty or untidy
「汚い、または散らかった」
2. (informal) a messy situation is complicated and unpleasant to deal with
「messy な状況とは、複雑で扱うのが不愉快なこと」
3. making someone or something dirty or untidy
「人やものを汚くしたり、散らかった状態にする(ような)」
この場合は、カーボン紙そのものが汚いとか汚れているのではなくて、「それに触ると、触れると」手が汚れる、という意味の messy なんですね。
ちょっと調べてみたのですが、night blindness と carbon との関係はよくわかりませんでした。
ロスが適当に思いつきで言っているだけかもしれません。
ついチップを置き過ぎてしまうのが僕の病気だとごまかすのですが、それでパパの置いたチップの額に不満であることがわかってしまうのですね。
Nothing I do means anything. という表現はなかなか日本人には出てこない感覚ですね。
日本人的に考えると、What I do doesn't mean anything. または、What I do means nothing. と言ったところでしょうか?
英語では名詞を否定する no や nothing という単語がありますので、主語としていきなり否定のものを持ってきて、"無 means anything" のような構文になるのですね。
means anything なもの(何かしら意味のあるもの)が「ない」ということです。
文の後半に、not mean anything や mean nothing と来て「(主語)は意味がない」とするよりも、いきなり nothing で文を始めて、「…するものは全くない」とする方が、意味は強烈になる気がします。
上では、「僕のすることで、意味のあることなどありません。」と訳してみましたが、「僕のすることにはどれも意味がない。意味など深く考えずに行動してしまうのが僕なんです。」とも言えるでしょうか?
big shot は「大物(おおもの)、有力者」。
パパにしてみれば、「ディナーを全額払わせておいて、その私のチップにケチをつけて、少しチップを上乗せしただけで、偉そうにするな!」という感じなのでしょう。
パパのセリフによると、今回のディナーの料金は200ドル。
ロスは20ドルを置いたので、10%をチップとして置くのが「普通」みたいです。
パパは4%ほどしか置いていない、とロスは言っていましたので、それはかなり少ないようですね。
タイムリーなことに、アメリカ人のデイズさんが、ご自分のブログで、チップについての記事を書いて下さっています。
Rocking in Hakata: チップについて
日本語と英語の両方で書かれていて、チップと労働者最低賃金との関係、州によるチップの違い、の話が書かれていてとても参考になります。
興味のある方はぜひご覧下さい。
パパを完璧に怒らせて、またプライドを傷つけてしまったので、非常に困った立場になったロス。
Wet-Head というあだ名については、フレンズ3-7その6 で出てきました。
「濡れた頭」「濡れ頭」よりはまだ「大物くん」の方がましだよね、と自分を慰めるしかありませんね。
(今日のポイント)
・messy は「汚い、散らかった」という意味ですが、他のものを汚す、つまり「それに触ると、触れると(手など)が汚れる」という意味もあります。
・Nothing I do means anything. についての考察。
・新しいあだ名 Mr. Big Shot 「大物くん」(笑)
「どうせ私はチップをケチった小人物だよ、君はチップを弾む太っ腹の大物だね。」みたいな皮肉が込められたあだ名ですね。
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2007年10月04日
チップの少ない客への仕返し フレンズ3-7その19
ロス: Yeah. (sees the bill) Op! Uh-oh! I think your Dad must've added wrong. He only tipped like 4%. (あぁ。[勘定を見る] あぁ? 君のパパはチップを間違って足しちゃったみたいだよ。4%くらいしかチップの分を上乗せしてない。)
レイチェル: Yeah. That's Daddy. (えぇ、それがパパなのよ。)
ロス: "That's Daddy"? Doesn't it bother you? You're a waitress. (「それがパパだ。」だって? それで君はいやな気持ちがしないの? 君はウェイトレスだろ。)
レイチェル: Yes, it bothers me, Ross, but y'know if he was a regular at the coffee house, I'd be serving him sneezers. (そうね、とてもいやな気持ちになるわよ、ロス。もしパパがあのコーヒーハウス(セントラルパーク)の常連さんなら、私は彼に sneezers を出しているところでしょうね。)
ロス: So? (それで?)
レイチェル: So, Ross, I've bugged him about this a million times, he's not gonna change. (それでね、ロス。私はこの件に関して、何百万回も忠告したのよ、(でも)パパはこの先も(自分の主義や行動を)変えようとはしないわ。)
ロス: Do you really serve people sneezers? (君は本当にお客さんに sneezers を出すのか?)
レイチェル: Well, I don't. (えぇっと、私は(そんなことは)しないわよ。)
I think your Dad must've added wrong. は、must+現在完了形で、過去についての推定を表し、「…したに違いない」という意味ですね。
「チップの金額がおかしいよ。きっと、計算を間違えてしまったんだね。」のような感じです。
でもそれが、"That's Daddy." だとレイチェルは答えています。
「間違えたんじゃなくて、4%しかチップを出さないのがパパなのよ。」ということ。
フレンズ1-17その4 で、
モニカ: Yeah, I know it's pretty selfish, but...hey, that's me! (えぇ、かなり自己チューだと思うわ。でも…そうよ、それが私よ!)
というセリフがありました。
これは、ある事情のため、モニカとレイチェルが入れ替わっている、というシーンでした。
レイチェルを演じているモニカは、レイチェルの過去を暴露した後、それを pretty selfish だと認めた上で、"That's me." 「それが私なのよ!」と言っているのですね。
serve は「(人や店が)(飲食物を)出す」で、serve someone something / serve something to someone で、「人に飲食物を出す」という意味になります。
sneeze は「(名詞)くしゃみ、(動詞)くしゃみをする」なので、通常は、sneezers =「くしゃみをする人」という意味になりますね。
serve を二つの目的語を取る他動詞として規則どおりに訳すと、「彼に、くしゃみをする人を出す」みたいな感じになってしまいます。
この serve him sneezers の意味がよくわからないのですが…。
DVD日本語音声では、「コーヒーにコショウを入れる」、DVD日本語字幕では、「ツバ入りコーヒーを出す」となっていました。
私もそのどちらかだろうと思います。
まずは、「コショウ」説について。
この場合は、飲み物(コーヒー)などに、コショウのような「くしゃみを誘発するもの」を入れる、または、「客がくしゃみをするように、コーヒーにコショウを入れる」みたいなことでしょうか。
日本では、くしゃみをさせるにはコショウを使う、というイメージがありますが、外国ではどうなんでしょう?
辞書では、sneeze は自動詞「くしゃみをする」なのですが、それを他動詞のように使って「くしゃみをさせるもの」というニュアンスで、コショウを sneezer(s) と呼ぶ可能性もあるのかな?と思ったのですが、調べた限りはよくわかりませんでした。
「彼に sneezers を出す」と文字通り解釈すると、「くしゃみを誘発する飲食物を出す」→「コショウの入った飲食物を出す」という解釈も可能かな、と思います。
次に、「ツバ入りコーヒー」説について。
これは、飲み物に向かってハクション!(英語では achoo!)とくしゃみしてからお客に出す、ということですね。
(ちなみに、achoo の発音はアチョーではなくアチューです…笑)
フレンズ2-5その12 でも、ウェイターとくしゃみの話が出てきました。
ウェイター: Anything else? (他には何か?)
チャンドラー: Yes, how about a verse of Killing Me Softly. You're gonna sneeze on my fish, aren't you? (「キリング・ミー・ソフトリー」の一節はどうかな。[チャンドラーの悪乗りで気分を害したウェイターに]俺の魚にくしゃみするつもりだろ、あんた。)
sneeze on my fish で「俺が注文した魚にくしゃみをする」ということなので、ウェイターやウェイトレスが気分を害した場合に、こっそりとくしゃみをしてから出してやる!というのは、彼らの仕返しの常套手段のようなんですよね。
レイチェルのセリフが、"I'd be sneezing on his drink." となっていたら、まさに上のチャンドラーのセリフと同じニュアンスなのですが、それを、"I'd be serving him sneezers." と表現できるかどうか?が問題でしょうか。
sneezers を「何回もそれに向かってくしゃみしたもの」みたいに捉えることが可能ならば、こちらの方が仕返しとしては、しっくり(?)きますよね?
ということで、私は「飲み物にくしゃみをしてから客に出す」という説が有力だと思っています。
So? 「それで?」は、そんな風にやっぱりチップが少ないことには君も怒りを感じるんだろ?、でも今はどうしてそれを止めようとはしないんだ?ということですね。
bug は「(小さな)虫」。
それを動詞として使うと、「(人を)悩ます、いらいらさせる」という意味になります。
ハエのような小さな虫が自分の回りをブンブンしていたら、「あぁ、うっとーしいっ!」と思うから、でしょう。
ロングマン現代英英辞典にも、
bug (verb): (informal) to annoy someone
つまり、「人を悩ませること」とあります。
レイチェルのセリフの場合は、「チップが少ないことについて、何度も何度も、それはおかしい、増やした方がいい、とあれこれ言ってみた、何とか説得しようとうるさく言ってみた」ということですね。
ロスが、「ところで、さっきのレイチェルの serve people sneezers の話は本当か?」と聞き直すのが面白いですね。
I don't. と言う時に、I を強く発音して、人差し指で自分を指差しています。
「うーん、”私は”しないけどね。」みたいな感じで、仲間のウェイトレスにはそんなことをする人もいる、って話よ、みたいに語っているのです。
レイチェルは一応否定していますが、一瞬言いよどんだところを見ると、本当にやっているようですね(笑)。
(今日のポイント)
・bug には annoy 「(人)を悩ませる」の意味もある。
・serve someone sneezers とは何だろう??
上では2つの説を挙げて、多分「飲み物にくしゃみをする」方だろう…くらいにしか結論づけていません。
わからない時はそれでいいと思います。
また別の作品で、同じようなセリフが出てきた時にわかることもありますし。
「結論がわからなければ意味がない」ということはありません。
「わからない」と「わかる」の間にも多くの段階があるのです。
「全く何のことかわからない」と、「AかBかのどちらかだと思う」との間には大きな違いがあります。
「様々なヒントからそのニュアンスを絞り込めることに意味がある」と思った方がいいですね。
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ロス: "That's Daddy"? Doesn't it bother you? You're a waitress. (「それがパパだ。」だって? それで君はいやな気持ちがしないの? 君はウェイトレスだろ。)
レイチェル: Yes, it bothers me, Ross, but y'know if he was a regular at the coffee house, I'd be serving him sneezers. (そうね、とてもいやな気持ちになるわよ、ロス。もしパパがあのコーヒーハウス(セントラルパーク)の常連さんなら、私は彼に sneezers を出しているところでしょうね。)
ロス: So? (それで?)
レイチェル: So, Ross, I've bugged him about this a million times, he's not gonna change. (それでね、ロス。私はこの件に関して、何百万回も忠告したのよ、(でも)パパはこの先も(自分の主義や行動を)変えようとはしないわ。)
ロス: Do you really serve people sneezers? (君は本当にお客さんに sneezers を出すのか?)
レイチェル: Well, I don't. (えぇっと、私は(そんなことは)しないわよ。)
I think your Dad must've added wrong. は、must+現在完了形で、過去についての推定を表し、「…したに違いない」という意味ですね。
「チップの金額がおかしいよ。きっと、計算を間違えてしまったんだね。」のような感じです。
でもそれが、"That's Daddy." だとレイチェルは答えています。
「間違えたんじゃなくて、4%しかチップを出さないのがパパなのよ。」ということ。
フレンズ1-17その4 で、
モニカ: Yeah, I know it's pretty selfish, but...hey, that's me! (えぇ、かなり自己チューだと思うわ。でも…そうよ、それが私よ!)
というセリフがありました。
これは、ある事情のため、モニカとレイチェルが入れ替わっている、というシーンでした。
レイチェルを演じているモニカは、レイチェルの過去を暴露した後、それを pretty selfish だと認めた上で、"That's me." 「それが私なのよ!」と言っているのですね。
serve は「(人や店が)(飲食物を)出す」で、serve someone something / serve something to someone で、「人に飲食物を出す」という意味になります。
sneeze は「(名詞)くしゃみ、(動詞)くしゃみをする」なので、通常は、sneezers =「くしゃみをする人」という意味になりますね。
serve を二つの目的語を取る他動詞として規則どおりに訳すと、「彼に、くしゃみをする人を出す」みたいな感じになってしまいます。
この serve him sneezers の意味がよくわからないのですが…。
DVD日本語音声では、「コーヒーにコショウを入れる」、DVD日本語字幕では、「ツバ入りコーヒーを出す」となっていました。
私もそのどちらかだろうと思います。
まずは、「コショウ」説について。
この場合は、飲み物(コーヒー)などに、コショウのような「くしゃみを誘発するもの」を入れる、または、「客がくしゃみをするように、コーヒーにコショウを入れる」みたいなことでしょうか。
日本では、くしゃみをさせるにはコショウを使う、というイメージがありますが、外国ではどうなんでしょう?
辞書では、sneeze は自動詞「くしゃみをする」なのですが、それを他動詞のように使って「くしゃみをさせるもの」というニュアンスで、コショウを sneezer(s) と呼ぶ可能性もあるのかな?と思ったのですが、調べた限りはよくわかりませんでした。
「彼に sneezers を出す」と文字通り解釈すると、「くしゃみを誘発する飲食物を出す」→「コショウの入った飲食物を出す」という解釈も可能かな、と思います。
次に、「ツバ入りコーヒー」説について。
これは、飲み物に向かってハクション!(英語では achoo!)とくしゃみしてからお客に出す、ということですね。
(ちなみに、achoo の発音はアチョーではなくアチューです…笑)
フレンズ2-5その12 でも、ウェイターとくしゃみの話が出てきました。
ウェイター: Anything else? (他には何か?)
チャンドラー: Yes, how about a verse of Killing Me Softly. You're gonna sneeze on my fish, aren't you? (「キリング・ミー・ソフトリー」の一節はどうかな。[チャンドラーの悪乗りで気分を害したウェイターに]俺の魚にくしゃみするつもりだろ、あんた。)
sneeze on my fish で「俺が注文した魚にくしゃみをする」ということなので、ウェイターやウェイトレスが気分を害した場合に、こっそりとくしゃみをしてから出してやる!というのは、彼らの仕返しの常套手段のようなんですよね。
レイチェルのセリフが、"I'd be sneezing on his drink." となっていたら、まさに上のチャンドラーのセリフと同じニュアンスなのですが、それを、"I'd be serving him sneezers." と表現できるかどうか?が問題でしょうか。
sneezers を「何回もそれに向かってくしゃみしたもの」みたいに捉えることが可能ならば、こちらの方が仕返しとしては、しっくり(?)きますよね?
ということで、私は「飲み物にくしゃみをしてから客に出す」という説が有力だと思っています。
So? 「それで?」は、そんな風にやっぱりチップが少ないことには君も怒りを感じるんだろ?、でも今はどうしてそれを止めようとはしないんだ?ということですね。
bug は「(小さな)虫」。
それを動詞として使うと、「(人を)悩ます、いらいらさせる」という意味になります。
ハエのような小さな虫が自分の回りをブンブンしていたら、「あぁ、うっとーしいっ!」と思うから、でしょう。
ロングマン現代英英辞典にも、
bug (verb): (informal) to annoy someone
つまり、「人を悩ませること」とあります。
レイチェルのセリフの場合は、「チップが少ないことについて、何度も何度も、それはおかしい、増やした方がいい、とあれこれ言ってみた、何とか説得しようとうるさく言ってみた」ということですね。
ロスが、「ところで、さっきのレイチェルの serve people sneezers の話は本当か?」と聞き直すのが面白いですね。
I don't. と言う時に、I を強く発音して、人差し指で自分を指差しています。
「うーん、”私は”しないけどね。」みたいな感じで、仲間のウェイトレスにはそんなことをする人もいる、って話よ、みたいに語っているのです。
レイチェルは一応否定していますが、一瞬言いよどんだところを見ると、本当にやっているようですね(笑)。
(今日のポイント)
・bug には annoy 「(人)を悩ませる」の意味もある。
・serve someone sneezers とは何だろう??
上では2つの説を挙げて、多分「飲み物にくしゃみをする」方だろう…くらいにしか結論づけていません。
わからない時はそれでいいと思います。
また別の作品で、同じようなセリフが出てきた時にわかることもありますし。
「結論がわからなければ意味がない」ということはありません。
「わからない」と「わかる」の間にも多くの段階があるのです。
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2007年10月03日
サビはボートのガンだ フレンズ3-7その18
[Scene: After dinner.]
ディナーの後。
ロス: So, Dr. Greene, how's the old boat? (それで、ドクター・グリーン。例のボートはどうですか?)
ドクター・グリーン: They found rust. You know what rust does to a boat? (ボートにはサビが出たんだ。君は、サビがボートにどういう影響を与えるか知ってるか?)
ロス: Gives it a nice antique-y look? (ボートにアンティークな印象を与える?)
ドクター・グリーン: (he stares at Ross) Rust is boat cancer, Ross. ([彼はロスを見つめる] サビはボートのガンだよ、ロス。)
ロス: Wow. I'm sorry, when I was a kid, I lost a bike to that. (Rachel giggles at that) (あぁ、それはお気の毒に。僕も子供の時、バイク[自転車]をサビで亡くしました。)
レイチェルはそれを聞いてクスクス笑う。
すっかりあきれてしまったパパは、
ドクター・グリーン: Excuse me for a moment, will you please, I want to say good night to the Levines before we go. (悪いけど、ちょっと失礼するよ[席を外すよ]。 (店を)出る前にレヴィーンさん一家におやすみを言いたいんだ。)
レイチェル: Okay. (わかったわ。)
ロス: Okay! (picks up a knife and pretends to stab his heart.) (わかりました!)
ロスはナイフを取って、心臓に突き刺す真似をする。
レイチェル: Aw, honey, stop. It's not that bad.
(あぁ、ハニー。やめて。そんなに悪くなかったわよ。)
boat について。
フレンズ2-22その21 で、
レイチェル: Every year we would go out on my dad's boat and watch the fireworks. (毎年、(独立記念日には)パパのボートに乗って、花火を見ていたものだったわ。)
というセリフが出てきました。
パパはボートが趣味なんですね。
You know what? というフレーズはフレンズに何度も出てきましたが、その what の内容が以下に続いています。
what rust does to a boat つまり、「サビがボートに何をするか」ですから、「サビのせいで、ボートがどういうことになるか、どんな影響を与えるか」ということですね。
ここでのセリフは単純に「どんなことになるかわかるか?」という疑問かもしれないし、「どんなことになるか、当然君にもわかるだろう?、サビがボートに悪影響を与えることくらい、君も知ってるだろう?」という「当然知っているだろう」のニュアンスかもしれません。
それなのに、「サビがつくことで価値や箔がつく」みたいに、「レトロでアンティークな印象を与える、という効果があるんですか?」などと返事したので、ドクターはムッとしているのです。
antique は形容詞で「古くて価値のある、骨董の、時代ものの」、名詞で「古物、骨董品」という意味。
antique という単語には、上に書いたように形容詞の意味があるので、わざわざ -y をつけて形容詞化しなくても「骨董の」という意味になると思うのですが、名詞の意味に -y をつけたニュアンスで「骨董品のような」という感じで使っているような気がします。
サビはボートのガンなんだよ!と怒っているパパに、「そうですよね、確かにそういう器械(機械)類にとってのサビは、人間にとってのガンと同じで致命傷になりますよね。僕も小さい頃、バイクにサビが出て、そのせいでバイクが死んでしまいましたから…。」などと言っています。
lose someone は「人を失う」ということで「人を亡くす」という意味ですが、その後に「to+病名」をつけて、lose someone to ... とすると、「…(という病気)で人を亡くす」という意味になります。
ロングマン現代英英辞典では、
lose: DEATH
if you lose a relative or friend, they die - use this when you want to avoid saying the word 'die'
つまり、「親戚や友達を lose するというのは、彼らが死ぬ、ということ。die という単語を言うのを避けたい時に、lose を使う。」
lose somebody to cancer/AIDS etc
例) He lost his father to cancer (=his father died of cancer) last year.
例文は「彼は自分の父親を昨年ガンで亡くした。(彼の父親はガンで死んだ。)」
the Levines は「レヴィーン(さん)一家」という意味。
「the+苗字の複数形」で「〜(さん)一家」という意味になるのです。
苗字が Levine という人が複数いるから、ですね。
フレンズ1-18その2 で、説明しているのですが、「Mr.インクレディブル」という映画の原題は The Incredibles となっていて、その意味は「インクレディブル一家」ということです。
ナイフで胸を刺す真似をするロス。
僕はまたパパを怒らせちゃった、責任を取って死なないと…という感じ。
"I'm dead!" 「僕はもう終わりだ、もうダメだ。」と言ったところですね。
(今日のポイント)
・lose someone to ... 「…(という病気)で人を亡くす」
・サビはボートのガンだ、というパパに、「僕もバイクをサビというガンで亡くしました」と返すロス。(このジョーク、ちょっとチャンドラーっぽいかも…笑)
・「the+苗字の複数形」で「〜(さん)一家」。
DVDの日本語訳でも、きちんと「一家」と訳出されています。
日本人だと見逃してしまいそうな細かい部分ですが、まずは、「どうして人の名前に the がついているんだろう?」と気付くことが、英語に近づく第一歩かな、と思います。
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ディナーの後。
ロス: So, Dr. Greene, how's the old boat? (それで、ドクター・グリーン。例のボートはどうですか?)
ドクター・グリーン: They found rust. You know what rust does to a boat? (ボートにはサビが出たんだ。君は、サビがボートにどういう影響を与えるか知ってるか?)
ロス: Gives it a nice antique-y look? (ボートにアンティークな印象を与える?)
ドクター・グリーン: (he stares at Ross) Rust is boat cancer, Ross. ([彼はロスを見つめる] サビはボートのガンだよ、ロス。)
ロス: Wow. I'm sorry, when I was a kid, I lost a bike to that. (Rachel giggles at that) (あぁ、それはお気の毒に。僕も子供の時、バイク[自転車]をサビで亡くしました。)
レイチェルはそれを聞いてクスクス笑う。
すっかりあきれてしまったパパは、
ドクター・グリーン: Excuse me for a moment, will you please, I want to say good night to the Levines before we go. (悪いけど、ちょっと失礼するよ[席を外すよ]。 (店を)出る前にレヴィーンさん一家におやすみを言いたいんだ。)
レイチェル: Okay. (わかったわ。)
ロス: Okay! (picks up a knife and pretends to stab his heart.) (わかりました!)
ロスはナイフを取って、心臓に突き刺す真似をする。
レイチェル: Aw, honey, stop. It's not that bad.
(あぁ、ハニー。やめて。そんなに悪くなかったわよ。)
boat について。
フレンズ2-22その21 で、
レイチェル: Every year we would go out on my dad's boat and watch the fireworks. (毎年、(独立記念日には)パパのボートに乗って、花火を見ていたものだったわ。)
というセリフが出てきました。
パパはボートが趣味なんですね。
You know what? というフレーズはフレンズに何度も出てきましたが、その what の内容が以下に続いています。
what rust does to a boat つまり、「サビがボートに何をするか」ですから、「サビのせいで、ボートがどういうことになるか、どんな影響を与えるか」ということですね。
ここでのセリフは単純に「どんなことになるかわかるか?」という疑問かもしれないし、「どんなことになるか、当然君にもわかるだろう?、サビがボートに悪影響を与えることくらい、君も知ってるだろう?」という「当然知っているだろう」のニュアンスかもしれません。
それなのに、「サビがつくことで価値や箔がつく」みたいに、「レトロでアンティークな印象を与える、という効果があるんですか?」などと返事したので、ドクターはムッとしているのです。
antique は形容詞で「古くて価値のある、骨董の、時代ものの」、名詞で「古物、骨董品」という意味。
antique という単語には、上に書いたように形容詞の意味があるので、わざわざ -y をつけて形容詞化しなくても「骨董の」という意味になると思うのですが、名詞の意味に -y をつけたニュアンスで「骨董品のような」という感じで使っているような気がします。
サビはボートのガンなんだよ!と怒っているパパに、「そうですよね、確かにそういう器械(機械)類にとってのサビは、人間にとってのガンと同じで致命傷になりますよね。僕も小さい頃、バイクにサビが出て、そのせいでバイクが死んでしまいましたから…。」などと言っています。
lose someone は「人を失う」ということで「人を亡くす」という意味ですが、その後に「to+病名」をつけて、lose someone to ... とすると、「…(という病気)で人を亡くす」という意味になります。
ロングマン現代英英辞典では、
lose: DEATH
if you lose a relative or friend, they die - use this when you want to avoid saying the word 'die'
つまり、「親戚や友達を lose するというのは、彼らが死ぬ、ということ。die という単語を言うのを避けたい時に、lose を使う。」
lose somebody to cancer/AIDS etc
例) He lost his father to cancer (=his father died of cancer) last year.
例文は「彼は自分の父親を昨年ガンで亡くした。(彼の父親はガンで死んだ。)」
the Levines は「レヴィーン(さん)一家」という意味。
「the+苗字の複数形」で「〜(さん)一家」という意味になるのです。
苗字が Levine という人が複数いるから、ですね。
フレンズ1-18その2 で、説明しているのですが、「Mr.インクレディブル」という映画の原題は The Incredibles となっていて、その意味は「インクレディブル一家」ということです。
ナイフで胸を刺す真似をするロス。
僕はまたパパを怒らせちゃった、責任を取って死なないと…という感じ。
"I'm dead!" 「僕はもう終わりだ、もうダメだ。」と言ったところですね。
(今日のポイント)
・lose someone to ... 「…(という病気)で人を亡くす」
・サビはボートのガンだ、というパパに、「僕もバイクをサビというガンで亡くしました」と返すロス。(このジョーク、ちょっとチャンドラーっぽいかも…笑)
・「the+苗字の複数形」で「〜(さん)一家」。
DVDの日本語訳でも、きちんと「一家」と訳出されています。
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2007年10月02日
3つも注文?よほど空腹なんですね フレンズ3-7その17
ドクター・グリーン: You know what's really good here? The lobster. What do you say? Shall I just order three? (ここでは何が名物か知ってるか? ロブスターだよ。どうだい? 3つ注文しようか?)
ロス: Yeah, if you're really hungry. (Dr. Green stares at him) It was a joke, I made a joke. (えぇ、もしあなたがとてもお腹がすいておられるのなら。[パパはロスを見つめる。] 今のはジョークです。ジョークを言ったんですよ。)
レイチェル: Yeah, actually, Daddy, Ross is allergic to lobster. (そうよ、実際にね、パパ、ロスはロブスターにアレルギーがあるのよ。)
ドクター・グリーン: What kind of person is allergic to lobster? I guess the kind of person that works at a library. (ロブスターにアレルギーがあるなんて、どんなやつだ。思うに、図書館で働くようなタイプの人間だな。)
ロス: It's not a library... (図書館じゃなくて…)
ドクター・グリーン: (interrupting him) I know. It's a museum! What, you’re the only one around here who can make a joke? At least mine was funny. Ah, waiter, we will have two lobsters and a menu. (nods at Ross, and mouths I don't know to the waiter.) ([ロスのセリフを遮って] わかってる、博物館だろ! 何だ? ここで、ジョークを言うことができるのは君一人だけなのか? 少なくとも私のジョークも面白いだろ。あぁ、ウェイター、ロブスターを2つと、それからメニューを1つ。)
ドクター・グリーンは、ロスの方を顎でしゃくって見せて、ウェイターに声は出さずに口の動きで "I don't know." と言う。
名物のロブスターを人数分注文しようとするパパに、ロスがまた余計なことを言ってしまいます。
一人で3つも食べるんですか? よほどお腹がすいてるんですね、ということです。
仲の良い友達同士なら、面白いジョークで済みますが、パパに対してはかなりトゲのあるジョークですね。
ちょっと脱線しますが、NHKの「サラリーマンNEO」という番組で、よく似た感じのコントがありました。(ちょっとうろ覚えですけど…)
部下二人を喫茶店に連れてきた上司が、「ここは喫茶店なんだけど、カツ丼が絶品なんだよ。」と言いながら、カツ丼を3つ注文するのですが、その後、部下が「僕はオムライス」「私はカレー」とそれぞれ自分の食べたいものを注文してしまう…というコントでした。
おいしいものをおごってあげようとした上司は、3つのカツ丼を食べないといけないはめになるのですね(笑)。
レイチェルは、Yeah, actually, Daddy, Ross is allergic to lobster. と言っています。
actually というのは、「今のは確かに冗談だけど、本当に、冗談抜きで、ロスはロブスター・アレルギーなのよ。」ということ。
フレンズ2-6その1 で、
ロス: That's what's gonna kill me. I'm allergic to kiwi. (それじゃ、僕は死んじゃうよ。僕はキウイアレルギーなんだ。)
モニカ: No, you're not. You're allergic to lobster and peanuts and...Oh, my God! (いいえ、そんなことはないわ。ロスがアレルギーなのは、ロブスターとピーナッツと、それから…あら、やだ!)
というセリフがあったように、ロスはロブスター・アレルギーなんですね。
エビ系、というか、甲殻類系のものはアレルギーが多いと聞きます(うちのダンナさんも、エビを食べると、口がかゆくなる、とか言ってます)。
パパは多分、ロスのアレルギーのことは知らないのでしょう。
もしくは、レイチェルから事前に聞いていたかもしれませんが、このパパの性格を考えると、そんなことを律儀に覚えているとも思えませんしね。
上のサラリーマンNEOのコントと同じで(笑)、おいしいから一度食べてみたらいい、という好意で言ったつもりなのに、そんな風に茶々を入れられて、パパはムッとしたのですね。
What kind of person... ? は「どんな種類の人間だ?」ということで、そういうことを言う・する人間に対してあきれた時に使う表現ですね。
「どんな類の人間か、それは”図書館”で働く人間だ」とパパは自分で結論づけています。
また訂正しようとするロスに、「これはジョークでわざと間違えて言ってみたんだよ。」というパパ。
パパも負けてませんね。
「ロブスター3つ」の代わりに、「ロブスター2つとメニューを1つ(a menu)」と「注文」するのが面白いです。
「こいつがごちゃごちゃ言うから、”ロブスター3つ”って注文できないんだよ。」という感じです。
nod は「うなずく、首を縦に振る」ですが、nod at は「…の方を見てうなずく」ことから「…の方を顎でしゃくって見せる」という意味になります。
この場合は、メニューが必要なのは「あいつ」のために、だよ、とロスを顎で示している、ということですね。
ここの名物のロブスターを食べないなんて、私には信じられないよ、何を考えているのかわからないよ!とウェイターにわざと声を出さずに言っているところが何ともイヤミな感じ。
nod はロングマン現代英英辞典では、
nod:
1. to move your head up and down, especially in order to show agreement or understanding
2. to move your head down and up again once in order to greet someone or give someone a sign to do something
nod at:
例) The judge nodded at the foreman to proceed.
つまり、1. は「自分の頭を上下に動かす、特に同意や理解を示すために」
2. は「自分の頭を下に動かしてから、もう一度上に動かす、誰かに挨拶するために、または誰かに何かをするようにサインを送るために」
例文は、「その判事は、陪審長に(議事)進行を(顎をしゃくって)促した。」
日本でも、人をそんな風に顎でしゃくって示す、というのはかなり失礼な態度になりますよね。
(今日のポイント)
・ロスとパパのやり取りがますます激しくなってきます(笑)。
ロス「ロブスターを3つ注文?、随分お腹が減ってるんですねぇ。」
パパ「”図書館”で働いている人間はロブスターが苦手なんだね。」
皮肉の応酬をセリフから感じ取って下さい。
(Rach からのお願い)
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ロス: Yeah, if you're really hungry. (Dr. Green stares at him) It was a joke, I made a joke. (えぇ、もしあなたがとてもお腹がすいておられるのなら。[パパはロスを見つめる。] 今のはジョークです。ジョークを言ったんですよ。)
レイチェル: Yeah, actually, Daddy, Ross is allergic to lobster. (そうよ、実際にね、パパ、ロスはロブスターにアレルギーがあるのよ。)
ドクター・グリーン: What kind of person is allergic to lobster? I guess the kind of person that works at a library. (ロブスターにアレルギーがあるなんて、どんなやつだ。思うに、図書館で働くようなタイプの人間だな。)
ロス: It's not a library... (図書館じゃなくて…)
ドクター・グリーン: (interrupting him) I know. It's a museum! What, you’re the only one around here who can make a joke? At least mine was funny. Ah, waiter, we will have two lobsters and a menu. (nods at Ross, and mouths I don't know to the waiter.) ([ロスのセリフを遮って] わかってる、博物館だろ! 何だ? ここで、ジョークを言うことができるのは君一人だけなのか? 少なくとも私のジョークも面白いだろ。あぁ、ウェイター、ロブスターを2つと、それからメニューを1つ。)
ドクター・グリーンは、ロスの方を顎でしゃくって見せて、ウェイターに声は出さずに口の動きで "I don't know." と言う。
名物のロブスターを人数分注文しようとするパパに、ロスがまた余計なことを言ってしまいます。
一人で3つも食べるんですか? よほどお腹がすいてるんですね、ということです。
仲の良い友達同士なら、面白いジョークで済みますが、パパに対してはかなりトゲのあるジョークですね。
ちょっと脱線しますが、NHKの「サラリーマンNEO」という番組で、よく似た感じのコントがありました。(ちょっとうろ覚えですけど…)
部下二人を喫茶店に連れてきた上司が、「ここは喫茶店なんだけど、カツ丼が絶品なんだよ。」と言いながら、カツ丼を3つ注文するのですが、その後、部下が「僕はオムライス」「私はカレー」とそれぞれ自分の食べたいものを注文してしまう…というコントでした。
おいしいものをおごってあげようとした上司は、3つのカツ丼を食べないといけないはめになるのですね(笑)。
レイチェルは、Yeah, actually, Daddy, Ross is allergic to lobster. と言っています。
actually というのは、「今のは確かに冗談だけど、本当に、冗談抜きで、ロスはロブスター・アレルギーなのよ。」ということ。
フレンズ2-6その1 で、
ロス: That's what's gonna kill me. I'm allergic to kiwi. (それじゃ、僕は死んじゃうよ。僕はキウイアレルギーなんだ。)
モニカ: No, you're not. You're allergic to lobster and peanuts and...Oh, my God! (いいえ、そんなことはないわ。ロスがアレルギーなのは、ロブスターとピーナッツと、それから…あら、やだ!)
というセリフがあったように、ロスはロブスター・アレルギーなんですね。
エビ系、というか、甲殻類系のものはアレルギーが多いと聞きます(うちのダンナさんも、エビを食べると、口がかゆくなる、とか言ってます)。
パパは多分、ロスのアレルギーのことは知らないのでしょう。
もしくは、レイチェルから事前に聞いていたかもしれませんが、このパパの性格を考えると、そんなことを律儀に覚えているとも思えませんしね。
上のサラリーマンNEOのコントと同じで(笑)、おいしいから一度食べてみたらいい、という好意で言ったつもりなのに、そんな風に茶々を入れられて、パパはムッとしたのですね。
What kind of person... ? は「どんな種類の人間だ?」ということで、そういうことを言う・する人間に対してあきれた時に使う表現ですね。
「どんな類の人間か、それは”図書館”で働く人間だ」とパパは自分で結論づけています。
また訂正しようとするロスに、「これはジョークでわざと間違えて言ってみたんだよ。」というパパ。
パパも負けてませんね。
「ロブスター3つ」の代わりに、「ロブスター2つとメニューを1つ(a menu)」と「注文」するのが面白いです。
「こいつがごちゃごちゃ言うから、”ロブスター3つ”って注文できないんだよ。」という感じです。
nod は「うなずく、首を縦に振る」ですが、nod at は「…の方を見てうなずく」ことから「…の方を顎でしゃくって見せる」という意味になります。
この場合は、メニューが必要なのは「あいつ」のために、だよ、とロスを顎で示している、ということですね。
ここの名物のロブスターを食べないなんて、私には信じられないよ、何を考えているのかわからないよ!とウェイターにわざと声を出さずに言っているところが何ともイヤミな感じ。
nod はロングマン現代英英辞典では、
nod:
1. to move your head up and down, especially in order to show agreement or understanding
2. to move your head down and up again once in order to greet someone or give someone a sign to do something
nod at:
例) The judge nodded at the foreman to proceed.
つまり、1. は「自分の頭を上下に動かす、特に同意や理解を示すために」
2. は「自分の頭を下に動かしてから、もう一度上に動かす、誰かに挨拶するために、または誰かに何かをするようにサインを送るために」
例文は、「その判事は、陪審長に(議事)進行を(顎をしゃくって)促した。」
日本でも、人をそんな風に顎でしゃくって示す、というのはかなり失礼な態度になりますよね。
(今日のポイント)
・ロスとパパのやり取りがますます激しくなってきます(笑)。
ロス「ロブスターを3つ注文?、随分お腹が減ってるんですねぇ。」
パパ「”図書館”で働いている人間はロブスターが苦手なんだね。」
皮肉の応酬をセリフから感じ取って下さい。
(Rach からのお願い)
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