2007年11月30日

俺だってやりたいことはある フレンズ3-9その2

フィービー: Y'know, for once, I am going to sit down and try to watch one of these things. (just as she sits down). (一度くらい、座って、そういうやつを見てみようかな。)
とフィービーがちょうど座った時に、
ロス: Halftime. (ハーフタイムだ。)
ジョーイ: Hey, who wants to ah, throw the ball around a little, maybe get a little 3-on-3 going? (なぁ、誰かちょっとボールを投げたいやつはいないか? 多分、ちょっとした3オン3になると思うけど。)
レイチェル: Oh! That would be sooo much fun! (まぁ! それ、すっごく楽しそうね。)
フィービー: Oh, can I play too? I've never played football, like ever. (まぁ、私もプレーできる? 私はこれまでにフットボールをやったことないのよ、そう、全くね。)
ジョーイ: Great! You can cover Chandler. (すごい! フィービーならチャンドラーをカバーできるよ。)

one of those については、フレンズ3-6その19 で説明しました。
男性たちが夢中で見ているフットボール、「そういうやつのうちの1試合」を、私もどんなものかちょっと見てみようかな、というニュアンスです。
せっかく見ようと思ったら、ハーフタイムで立ち上がる男性陣。なんともタイミングが悪い。
フィービーがその試合の展開を全くわかっていない、ということがわかるシーンですね。

never ever は「決して〜ない」で、never をさらに強調する感じです。
フレンズ2-21その11 では、
アーサー: ... so long as never ever show your faces in this coffee house ever again. (… このコーヒーハウスに二度と顔を出さない限りはな。)
というセリフが出てきました。
上のフィービーのセリフは、I've never ever played football. という文の ever を最後に持ってきて、「これまでの人生で、本当に全くないのよ!」と後付けで強調している感じでしょうか?

フィービーは経験ゼロなのに、ジョーイは「それならチャンドラーをカバーできる」と言っていますね。
経験ゼロの人がカバーできるほど、チャンドラーは下手っぴぃだと言いたい、というか、そう言って、からかっているわけでしょう。


チャンドラー: No, no, no, I don't, I don't really wanna play. (いや、いや、いや、俺はやらないよ。俺はそんなにプレーしたくないんだ。)
ジョーイ: Come on man! You never want to do anything since you and Janice broke up. (おいおい! チャンドラーは、ジャニスと別れてから、何にもしたがらないじゃないか。)
チャンドラー: That's not true. I wanted to wear my bathrobe and eat peanut clusters all day. I wanted to start drinking in the morning. Don't say that I don't have goals! (それは正しくないよ。俺は、バスローブを着て、ピーナッツ・クラスターを一日中食べたいと思った。朝に酒を飲むことを始めたいと思った。俺に目的[したいこと]がないなんて言うなよ。)

don't really wanna は「ものすごく…したいってわけじゃない」という部分否定です。
I really don't wanna play なら、「本当に、そういうことするのはいやなんだ」みたいになるでしょうね。

冗談ではなく悲しそうに、ゴール(目標、目的)がないなんて言うなよ、と言っています。
ジョーイは、ジャニスとの別れという悲しい出来事があってから、チャンドラーは楽しいことを何もしたがらない、と言っているのですが、チャンドラーは「したいこと」くらいはあるよ、といいつつ、ネガティブな内容ばかりを挙げています。
彼の悲しみいかばかりか、というところですね。
drink はこの場合は「酒を飲む」ということで、朝から酒を飲む、というのは、どこの国でも、「人生に悲観して後ろ向きになっている」という感情の表れなんでしょう。
服も着替えないで、おつまみと酒だけ、他には何もしたくない、という悲惨な状況であるのが、このセリフからわかるわけですね。


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posted by Rach at 10:37| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月29日

私がしたいのはこれよ フレンズ3-9その1

シーズン3 第9話
The One With the Football (フットボールは燃えるぜ!)
原題は「フットボールの話」

最初に少し説明させて下さい。
今回のエピソードはタイトルからもわかるように「フットボールの話」です。
フレンズには珍しくスポーツをしながら話が進む、という展開で、フットボール用語が頻発、掛け声のような短いセリフが続くシーンが多いです。
今回、思い切って、そういう部分はバッサリ省略することにしました。
面白いジョークを説明すること、英語学習者として学べる表現などに注目して、解説を進めていくことにします。
今回の 3-9 で様子を見ながら進めていって、できたら、3-10 以降も、そんな風に解説全体を短くしていって、一気にスピードアップをはかろうかな、とも考えています。
そういう「ブログの解説方針」については、いろいろと思うところがあるのですが、そういうことに関してはまた別の機会に改めて述べます。


女性陣は感謝祭の料理を作っていますが、男性陣はテレビのフットボールに釘付けです。
フィービー: Hey, it's your Thanksgiving too, y'know, instead of watching football, you could help. (ねぇ、あなたたちの感謝祭でもあるのよ。フットボールを見る代わりに、手伝うことができるんじゃない?)
男性陣: We know. (they don't move) (そうだね。[彼らは動かない])
モニカ: Okay, Rachel, you wanna put the marshmallows in concentric circles. (ねぇ、レイチェル、マシュマロを同心円上に並べたいでしょ?[並べたいわよね])
レイチェル: No Mon, you want to put them in concentric circles. I want to do this. (いいえ、モニカ。それを同心円状に並べたいと思っているのはあなたよ。私がしたいのはこれよ。)
(Rachel sticks a marshmellow into Monica's nose. Monica takes it out of her nose by closing one nostril, and blowing.)
レイチェルはモニカの鼻にマシュマロを突っ込む。モニカは片方の鼻の穴を閉じて鼻から息を出すことで、マシュマロを鼻から取り出す[押し出す]。
モニカ: Every year. (毎年、これよ。)

concentric は「同心の、同中心の」。
concentric circles は「同心円」です。
concentric の反意語は、eccentric 「(円が)中心を異にする、離心の」。
eccentric と言えば「(人・行動などが)常軌を逸した、一風変わった」、というエキセントリックの意味の方でよく使いますね。
エキセントリックという言葉を知っている日本人は多いと思うので、この機会に、concentric という単語も覚えてしまいましょう(笑)。

you wanna ... と人に言う表現は、ちょっと高慢なお願い、命令のような感じがします。
フレンズ2-22その11 で、
モニカ: You wanna push the caps until you hear them click. (カチッって音が聞こえるまで(ペンの)キャップを押してね。)
というセリフがあり、その記事のコメント欄で、「You wanna という表現は、押しつけがましく聞こえる」というコメントをいただきました。

その記事の時にいろいろ考えてみたのですが、You wanna というのは直訳すると、「あなたは〜したい」ということで、つまり「あなたは〜したいわよね?」とか「あなたは〜したいと思ってるはずよ」というニュアンスが出てしまうから、押しつけがましく聞こえる、ということなんだと思います。
「並べてね、並べるのを手伝ってね。」というようにお願いするのではなく、レイチェルがそれをするのが当然であるかのように You wanna を使ったので、レイチェルはムッとしたのでしょう。

その後のセリフ、"No Mon, you want to... I want to do this." で、レイチェルは you と I の部分を強調しています。
そこがあなたと私の見解の異なるところだ、というのを明白にしているのですね。
このように主語が違うことを明白にしたい場合は、日本語では、「…したいのはあなたで、私がしたいのは〜よ」みたいに言うといいでしょうか?
今回のニュアンスも、「いいえ、モニカ。それをしたいと思ってるのは”あなた”の方よ。”私”がしたいのはこれよ。」という感じですね。

辞書で、you want to という表現について調べてみると、you should や、you ought to 「…すべきである、…した方がいい」のようなニュアンスであると書いてあります。
フレンズ2-22その11 のコメント欄 でその辺りについても説明しています。

you should と you want to の違いはどこにあるか?について、私なりの意見を述べてみると…。(以前に書いたコメント欄の内容とカブりますが)

You want というと、相手がそれを「欲する、望む」ということを話者が勝手に決め付けているような響きがあるように思います。
それがもっともなアドバイスだったら、「そうねぇ、その通りよねぇ…」と素直に聞けるのでしょうが、そのアドバイスが思ってもみないことだったり指摘されたくないことだったりすると、「私が want to かどうかはあなたが決めることじゃないわ、大きなお世話よ!」てな感じに受け止めてしまって、今回のレイチェルみたいな反応をしてしまうのかな…と思ったりします。

モニカの Every year! は、あきれたように腕を上げて、「全く、毎年これよ!」という感じ。
毎年、マシュマロのことでこういうやり取りをしているのか、マシュマロに限らず、こんな風に料理を作るのを仕切るたびに、レイチェルに仕返しされるというやり取りが繰り返されている、ということか…。
3-18 では、これと同じようなパターンのセリフ、Every night! 「毎晩だよ。毎晩、これだよ。」というセリフも出てきます。
面白いシーンが出てきた場合、それだけでも面白いのに、それが「毎年、毎晩」繰り返されている、というのがその every ... というフレーズでわかって、さらに笑えてしまうのですね。


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2007年11月28日

針に糸を通す フレンズ3-8その31

ジョーイ: All right, ladies and gentlemen, let's poke. (they start to advance the giant poking device) Steady. Steady. Okay, a little higher. Careful of the angle. Okay, okay, we're approaching the window (as he says this the camera cuts to their view of Ugly Naked Guy, so that we actually see him!) Thread the needle. Thread the needle. (さあ、紳士淑女諸君。突こう! [巨大な突っつく装置を前に動かす] ゆっくり、ゆっくり。よし、少し上。角度に気をつけて。よし、よし、窓に近づいてるぞ。[彼がこのセリフを言っている時、カメラはフレンズたちの見ている裸のブ男の姿にカットする。それで我々(視聴者は)彼を実際に見る!] 針に糸を通せ、針に糸を通せ。)

上のト書きの部分がちょっと面白いので注目してみましょう。
their view とは、フレンズたちの視界、ということですね。
フレンズたちの視線で見た裸のブ男が、視聴者の私たちにも見える、ということです。
これまで何度も話題に上ってきた彼ですが、そのお姿をやっと拝めたわけで、その喜びがト書きにも溢れていますね。
ハンモックに寝ている裸のお腹が見えているだけですが、まさに、初めて見た!瞬間です。
後のエピソード 5-14 でも、また彼の姿を見ることができます(笑)。

thread は「糸」、この場合は動詞で「(針に)糸を通す」ということですね。
窓にスティックを差す様を、針の穴に糸を通す感じで慎重にその穴を狙って、という意味で言っているのでしょう。

掲示板で「スレッドを立てる」とか言いますが、このスレッドは、thread のことのようですね。
ロングマン現代英英辞典では、
thread: INTERNET
[countable] a series of messages concerning the same subject, written by members of an Internet discussion group

つまり、「インターネットで議論するグループのメンバーによって書かれた、同じ話題に関する一連のメッセージ」。


(They thread the needle and start poking him, he then stirs.)
フレンズたちは針に糸を通して(?)、彼を突っつき始める、そこで彼は動き出す[目覚める]。
フィービー: He's alive! He's alive! (彼は生きてるわ! 彼は生きてるわ!)
モニカ: And yet we're still poking him. (それなのに、私たちはまだ彼を突っついてるわ。)
ジョーイ: Okay, retract the device! Retract the device! (わかった。デバイスを引っ込めろ! デバイスを引っ込めろ!)
ロス: He does not look happy. (彼は嬉しそうじゃないねぇ。)
レイチェル: Hey-hey, now he's showing us his poking device. (ねぇねぇ、今、彼は彼のポーキング・デバイス[突っつく装置]を私たちに見せてるわよ。)
ジョーイ: Hey, that's never gonna make it all the way over here, buddy! (おい、それじゃあ、ここまでずっとは届かないよな!)

stir は、フレンズ3-6その26 にも出てきました。
そこでは他動詞で「人を目覚めさせる、起こす」という意味でしたが、ここでは自動詞で、「動く、動き出す、身動きする、起きる」ということです。
ツンツンすると、うっとうしいのかお腹をたたいていますね。虫でも止まったと思ったようです。
retract は「引っ込める、納める」、また「(約束などを)撤回する」という意味もあります。

彼は裸なので、きっとパンツもはいていないのでしょうね。
his poking device 「彼の突く装置」とはつまり、アレのことですね(笑)。
make it にはいろな意味がありますが、ここでは「届く」という意味のようです。
ジョーイたちが使っているデバイスは長いのでそっちに届くけれど、お前のデバイスの方はさすがにここまでは届かないだろう!と、何故か勝ち誇ったようにジョーイは言っています(笑)。

エンド・クレジット後のシーン。
チャンドラーはヘッドフォンをしながら、ライオネル・リッチーのアルバムを抱き締めていますね。
後からフィービーが入ってきて、一緒に歌に加わるのですが、二人が歌っているのは、ダイアナ・ロスとライオネル・リッチーのデュエット曲、エンドレス・ラブ(Endless Love)です。
ブルック・シールズ主演の映画「エンドレス・ラブ」(Endless Love)の主題歌だそうです。
Amazon.co.jp: Endless Love (1981 Film) [Soundtrack] [from US] [Import]
Wikipedia 英語版: Endless Love (song)
これはもう画面を見て、ただ笑っていただくより他ないのですが、チャンドラーのハイピッチ・ボイスと、love の部分でなかなか二人のピッチがかみ合わない様子が面白いです。

どうしてここでこの歌が出てくるかと言うと、フレンズ3-8その27 で、ライオネル・リッチーの歌の話が出てきたからですね。
そこでは歌のタイトルは出ていませんでしたが、ジャニスの言っていた歌はこの Endless Love だった、ということです。
その曲を一人で聴いて、失恋の寂しさにどっぷり浸かっていたチャンドラーだったのに、フィービーとのハモリがうまく行かず…というエンディングがいかにもフレンズらしいなぁ、と思います。


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2007年11月27日

串に刺さった フレンズ3-8その30

ロス: Can we please focus here? A naked man's life hangs in the balance. (ここでは集中してもらえるかな? 一人の裸の男の命が、どうなるかわからない状態なんだよ。)
フィービー: I'm telling you, he's dead. What we're about to have here is a dead fat guy on a stick! (言っとくけど、彼は死んでるわ。私たちがここで持つことになるのは、串に刺さった太った男の死体よ!)

A naked man's life hangs in the balance. について。
最初聞いた時は、「彼の命は、そのデバイスのバランスにかかってるんだ。」という意味かと思ったら、そうではありませんでした。
in the balance は「どちらとも決まらないで」という意味。
be in the balance または、hang in the balance で「不安定な状態にある、未定のままである」という意味になるのですね。
バランスの中にいる、バランスの中でぶら下がっている、という感じです。

ロングマン現代英英辞典では、
be/hang in the balance: if the future or success of something hangs in the balance, you cannot yet know whether the result will be bad or good
例) Meanwhile, the fate of the refugees continues to hang in the balance.

つまり、「未来や何かの成功が hang in the balance である、というのは、その結果が悪いか良いかのどちらかまだ知ることができない、ということ。」
例文は、「その間、難民たちの運命は引き続き、不安定な状態[未定のまま]であった。」

この場合は、わざと Ugly Naked Guy とか、the naked guy と言わずに、「一人の裸の男の運命(A naked man's life)がまだわからない状態である」と言っているのですね。

フィービーは、自分が歯医者に行くと誰かが死ぬと思い込んでいますので、その男性が死んだものだと決めてかかっています。
a dead fat guy は「死んだ太った男」ですが、「太った男の死体」と訳した方が日本語らしいかなと思います。
on a stick の on は「接触を表す on」ですが、この場合は、スティック「の上に載っている」というよりも、スティック「にささってくっついている」イメージですね。
刺さっている場合でも、串にお肉は「接触している」わけですから。
a fish on a skewer なら「串刺しになった魚」ということです。
「串刺しになった」ってどう表現するんだろう?と一瞬躊躇してしまいそうですが、ただ on a skewer と言えばいいのだとわかると、安心しますね。

そんなデバイスでつんつん突っついたところで彼は助からないわ、スティックで突いたら、彼の死体を串刺しすることになっちゃうわ、とフィービーは言っているのですね。


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2007年11月26日

巧みに扱う フレンズ3-8その29

[Scene: Monica and Rachel's, Joey, Rachel, Monica, Phoebe, and Ross are holding the giant poking device.]
モニカとレイチェルの部屋。ジョーイ、レイチェル、モニカ、フィービー、そしてロスは巨大な突っつく装置を持っている。
ジョーイ: All right, now remember, something this big and long is very difficult to maneuver. Fortunately, I have a lot of experience in that area. (よし。覚えておいてよ。こんなに大きくて長いものはとても扱いが難しいんだ。幸運にも、俺はその分野では多くの経験があるけどね。)

maneuver は「…を巧みに操縦する」。
ロングマン現代英英辞典では、
maneuver: to move or turn skilfully or to move or turn something skilfully, especially something large and heavy
「巧みに動く、または回転する、または何かを巧みに動かす、または回転させる、特に大きくて重たいものを」。

この単語のポイントは、skillfully 「上手く、巧みに、器用に」という部分でしょうね。
特に large で heavy なものを、とあるので、今回の giant なものはまさにイメージにぴったりです。

manuever という単語は、フレンズ1-5 の冒頭シーンにも出てきました。
女性のここがすごい!とロスが語っているセリフ。
ロス: Not that big a deal? It's amazing. Ok, you just reach in there, there's one little maneuver, and bam, a bra right out the sleeve. All right, as far as I'm concerned, there is nothing a guy can do that even comes close. Am I right? (そんなに大したことじゃないって? すごいことだよ。ほら、君ら女性は、そこに手を入れて、ちょっと巧みに操って、バン!とブラを袖から出すだろ。僕の知る限りは、男性のできることで、それと似たようなものはないよ。僕は正しいだろ?)

服の中でささっとブラのホックを外して袖から出すのが、マジシャンか何かのように鮮やかな手際だ、と言っているようですね。
このセリフの maneuver は名詞で「巧みな操縦、操作」という感じですね。
他には、「工作、策略」「(軍隊の)機動作戦」という意味もあります。

私は Trekkie (スタートレック・ファン)なので、maneuver と聞くと、ピカード艦長が編み出した Picard Maneuver 「ピカード作戦(戦術、戦略)」という言葉を真っ先に思い出します(笑)。
これも宇宙船を巧みに操る、という感じが出ていますね(笑)。
さらに余談ですが、ピカード艦長の制服は(というか、宇宙艦隊の制服はみんな)上下がくっついたものになっていて、その腰の部分の収まりが悪いんでしょうか(笑)、立ち上がる時に、必ず服をキュキュッと下に引っ張って伸ばす(Captain Picard straightens his uniform every time he stands)という仕草をします。
Trekkie たちは、その仕草のことも、「ピカード作戦」に引っかけて、Picard Maneuver と呼んでいるんですねぇ。
「ちょっとコツがいる仕草、動作」みたいな感じでしょうか?(どーでもいい話、失礼しました)

"something this big and long is very difficult to maneuver. Fortunately, I have a lot of experience in that area." について。
えーっと…男性が「大きい、長い」というと、アレの自慢しかありませんね(爆)。
ジョーイはプレイボーイですから、きっとそれがご自慢なんでしょう(笑)。
俺はそういう大きくて長いものは扱いなれてるよ、この「突っつく装置」みたいな「大きくて長いものを扱う」分野は俺に任せておけ、と言っています。
幸運にも、という副詞に、彼の自慢げな気持ちが表れていますね。
ロスやチャンドラーにはちょっと言えないセリフ、でしょうか(笑)。


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2007年11月25日

わけのわからないことをしゃべる フレンズ3-8その28

ジャニスと別れると言っていたのに、急に「やっぱり俺を捨てないで!」と言い始めるチャンドラー。
チャンドラー: Forget what I said! I was babbling! Pick me! (俺の言ったことは忘れて! 俺はわけのわからないことをくっちゃべってただけなんだ! 俺を選んで!)
ジャニス: No, you were right, you were right. I mean, I-I-I gotta give my marriage another chance. (いいえ、あなたは正しかったわ。あなたは正しかったのよ。つまり、私は私の結婚にもう一度チャンスを与えないと。)
チャンドラー: No, you don't! No, no, no, I say you have to give your divorce another chance! (だめだ、そんなことしないで! だめ、だめ、だめ。ジャニスは君の離婚にもう一度チャンスを与えないといけないよ。)
ジャニス: (standing up) I'm sorry. (hugs him) ([立ち上がって] ごめんなさい。[チャンドラーをハグする])
チャンドラー: Ohhh. Don't go. (あぁ、行かないで。)
ジャニス: No, I-I-I gotta go. (she starts to walk away, but Chandler doesn't let her go.) (だめよ、私は行かなくちゃ。[彼女は立ち去ろうとする。が、チャンドラーが彼女を行かせない])
チャンドラー: No. No! No! No! (だめだ、だめだ、だめだ、だめだ!)
ジャニス: Honey, honey, people are looking. (ハニー、ハニー、人が見てるわよ。)
チャンドラー: I don't care! (turns around and to the people watching them) I don't care! (俺は気にしないぞ! [振り向いて、二人を見ている人たちに] 俺は気にしない!)
ジャニス: Yeah, um, okay. I'm, I'm leaving now. (tries to get her leg out of Chandler's grasp, she finally does, but Chandler takes off her shoe.) (えぇ。いいわ。私は、私はもう行くわ。[チャンドラーがしっかりつかまえているのから足を取り出そうとする。彼女はついに彼の腕から足を外すが、チャンドラーは彼女の靴を脱がす])
チャンドラー: You can't leave! I have your shoe! (立ち去ることはできないぞ! 俺が君の靴を持ってるもん!)
ジャニス: Goodbye, Chandler Bing. (walks out with one shoe) (さよなら、チャンドラー・ビング。[片方の靴だけで歩いて去って行く])
ガンター: Rachel has those in burgundy. (レイチェルはこの靴のバーガンディ[ワインレッド]のを持ってる。)

babble は「(子供が)片言を言う」「無駄口をたたく、ぺちゃくちゃしゃべる」。
「泡が立つ」という方のバブルは bubble で綴りが違います。
ロングマン現代英英辞典では、
babble: to speak quickly in a way that is difficult to understand or sounds silly
つまり、「理解するのが難しいようなやり方[様子・状態・方法]で、または愚かに聞こえるようなやり方で、素早く話すこと」。
「わけわかんないことをくっちゃべる」という感じが近いかと思って、上ではそう訳してみました。

結婚にもう一度チャンスを与えなきゃ、と言ったら、離婚にもう一度チャンスを与えて、と言い返すチャンドラー…泥沼ですね(笑)。
子供が駄々をこねてるみたいになってます。
何だかすごくかわいそうですよねぇ…。

ジャニスの言った感動的なセリフのせいで、チャンドラーは未練タラタラになってしまったわけですが、これはジャニスにとっては想定外だったようです。
結局、ジャニスは別れ際にそういうロマンチックなことを言ってみたかっただけなのかな、と思いますね。女というものは、別れすら美しい思い出にしたいものなのです。
大好きだった人と、あんまり汚い別れ方はしたくないと思いますよねぇ?(笑)

tries to get her leg out of Chandler's grasp の grasp は名詞で、「しっかり握っていること、捕まえていること、抱き締めていること」。
チャンドラーがギューっとしているのから、足を抜こうとする、ということです。

結局、靴を残してジャニスは去っていってしまいました。
ヒールの高い靴なだけに、片方だけになって妙に歩きにくそうに歩いているのが印象的です。
呆然とするチャンドラーですが、その靴を見て、ガンターはその靴の色違いをレイチェルが持っていることに気づきます。

burgundy は「バーガンディ、ワイン色、ワインレッド」。
burgundy とは元々、ブルゴーニュ・ワインを指すようです。
フランスのブルゴーニュ(Bourgogne)地方のことで、それを英語では Burgundy と表記するようですね。
このシリアスな場面でチャンドラーを慰めようともせず、常にレイチェルのことしか考えていないガンターでした。

ちなみに、burgundy という単語は、フレンズ1-8 にも出てきました。
亡くなったおばあちゃんを棺に入れる時に着せる服や靴を探すシーン。
ママやリリアンおばさんにあれこれ注文されて困っているロス。
その一部を取り上げると、以下のような感じ。

ロス: [Forages around] Okay, I have nothing in an evening shoe in the burgundy. I can show you something in a silver that may work. ([そこらじゅうを探しながら] ねぇ、ワインレッドのイブニング・シューズ[よそ行きの靴]はないよ。服に合いそうなシルバーの靴なら見せることができるけど。)
リリアンおばさん: No, it really should be burgundy. (だめよ。絶対にワインレッドでなければだめなの。)

wine red や wine-red でも英語として意味は通じるだろうと思うのですが、フレンズでよく、burgundy という単語が出てくるところを見ると、こちらの方が普通のようですね。
女性のファッションの話においては欠かせない、メジャーな色のようです。


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posted by Rach at 08:57| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月24日

ソウル・メイト フレンズ3-8その27

ジャニスは元夫のところへ帰るべきだ、それが正しいことなんだ、と言うチャンドラーに、
ジャニス: Oh! You're right. Oh, God. But before I can say goodbye, there's something I really need you to know, Chandler. The way I feel about you, it's like I finally understand what Lionel Ritchie's been singing about. Y'know? I mean, what we have, it's like movie love. You're my soul mate. I can't believe we're not gonna be spending the rest of our lives together. (あぁ。あなたは正しいわ。なんてこと。でも私がさよならを言う前に、あなたにどうしても知っておいてもらいたいことがあるのよ、チャンドラー。私があなたを思う気持ちは、ライオネル・リッチーがずっと歌ってきていることをついに理解できたような感じよ。わかる? ほら、私たちが持っているもの[私たちの間にあるもの]、それはまるで映画の(ような)恋なの。あなたは私のソウル・メイトよ。私たちが残りの人生を一緒に過ごすことができないなんて、信じられないわ。)
チャンドラー: Then don't leave me. (それなら、置いていかないで。)
ジャニス: What? (何ですって?)

チャンドラーの感動的なセリフに合わせて、ジャニスも素敵な言葉を返しています。
The way I feel about you というのは、「あなたについて私が感じる様子」みたいな感じでしょうか?
I finally understand what Lionel Ritchie's been singing about. は、継続を表す現在完了進行形が使われていて、「ライオネル・リッチーがずっとこれまで歌ってきていること、題材にしているテーマ、何について歌っているか」がついに理解できた、という意味ですね。
これまで何度も何度も繰り返し歌われてきて、私も何度もその歌を聴いていた、その歌詞の本当の意味が今やっと理解できたわ、と言っているのです。
あなたを感じている、あなたを思っている時、あぁ、これがライオネル・リッチーが歌っていたことなのね、とわかる、このあなたへの感覚・気持ちが、ライオネル・リッチーの歌で歌われていることなのね、ということです。

movie love は「映画の恋、映画に出てくるようなロマンティックで美しい恋、愛」。
soul mate は「愛人」と訳されることが多いですが、ここでは、直訳の「魂の配偶者」みたいな感じが近いでしょうか。
現実世界では引き裂かれてしまうけど、魂の世界ではいつまでも繋がっている、世間のしがらみがなければ、一生一緒に連れ添いたい、みたいな感じが出ているような気がします。
「生まれ変わったら一緒になろうね。」という、郷ひろみサンと松田聖子サンの記者会見を思い出すのは私だけ?(笑)

そういう比喩的な表現を「愛人、良きパートナー」という意味で普通は使っているのですね。
引き裂くものがない場合は(笑)、「理想的な恋人・パートナー」という意味になるわけです。
ロングマン現代英英辞典では、
soul mate: [countable] someone you have a very close relationship with because you share or understand the same emotions and interests
つまり、「同じ感情や興味を分かち合い、理解しているという理由で、非常に近い関係を築いている誰か」。

英和辞典には「気の合う人」という語義もあり、上のロングマンの語義を見ても、別に恋人でなくても使えるような気はします。
ですが、実際に、恋人でない異性の友人に、"You're my soul mate." と言ったら、ドン引きされるような気がするのですが、どうでしょう?
soul 「魂」という言葉が、ちょっと重いよなぁ…(笑)。

…とここまではまさに movie love のように美しかったのですが、そんな情熱的なセリフを聞いて、急に気が変わったチャンドラー。
"Then don't leave me." つまり、「そんな風に、僕のことをまだ思ってくれているんだったら、僕を置いていかないで。僕を捨てないで。」ということですね。

その前の感動的な「身を引く」セリフは何だったんだ?!と言いたくなるくらい、未練タラタラになってしまいます。
その泥沼具合は、また明日(笑)。


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posted by Rach at 10:04| Comment(8) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月23日

オチは最後に持ってくる フレンズ3-8その26

自分の両親が離婚する原因となった男について語っているチャンドラー。
チャンドラー: And I hated that guy. And it didn't matter how nice he was or how happy he made my dad. (そして、俺はそいつを憎んだ。彼がどんなにいい人だろうと、彼が俺のパパをどんなに幸せにしようと、そんなことは関係なかった。)
ジャニス: Wow! (まぁ!)
チャンドラー: Yeah, well. It's the right thing to do. (あぁ。これが正しい行動なんだよ[こうすべきなんだよ]。)

深刻な話をしていながら、チャンドラーのセリフには、ちゃんとオチがついています(笑)。
チャンドラーとしては、オチのつもりで言っているわけではなくて、事実を述べているだけなのですが、離婚の原因になった男、というのは、「ママの男」じゃなくて、「パパの男」だった、ということなのですね。

フレンズ1-13その5 で、
チャンドラー: If I turn into my parents, I'll either be an alcoholic blond chasing after 20-year-old boys, or I'll end up like my mom! (俺がもし両親みたいになったら、20歳の男を追い掛け回す酔っぱらったブロンドになるか、ママみたいになっちゃうか、だな。)
というセリフが出てきて、そのブロンドとは誰のことか、について考察したことがあります。

私は、an alcoholic blond chasing after 20-year-old boys という「酔っ払いのブロンド」はチャンドラーのパパを指しているのだと解釈しました。
実は、後のシーズン7に出てくるパパはブロンドではありません。
私の解釈では、それは長期ドラマにありがちな「設定の統一が取れてない」というヤツかな、と思っています。(←自分に都合のいい解釈ですが…笑)
また、「ブロンド」だと言うことで、母親のノーラ・ビングのことを視聴者に想像させておいて、最後に実はパパのことだった、と落とす、というテクニックの一つかな、とも思うのです。

私はその「チャンドラーのパパはゲイ」説が、今回のエピソードではっきりした、ということになると思うのですね。
(今回の 3-8 のこのセリフのことが頭にあって、「パパはゲイである」という先入観を持って 1-13 のセリフを解釈してしまった、という逆の作用も考えられるのですが…)

今回のセリフについてその「オチ」の仕組みを詳しく見てみると…。
"when my parents split up, it was because of that guy." と聞いた時点で、普通は「男が原因で別れた」→「妻に男ができた」ということだと思いますよね。
最後のセリフ、"And it didn't matter how nice he was or how happy he made my..." まで聞くと、「その男が俺の○○(親)をどんなに幸せにしたとしても、そんなことは重要じゃない」と言っているのがわかります。
He made my ○○ happy. 「彼は俺の○○を幸せにした」の happy が前に出て、how happy 「どんなに幸せか」は問題じゃない、と言っているのです。
で、誰を幸せにするのかというのが最後の最後の単語でわかるのですが、それが一般的な予想に反して、dad であった、というところが、爆笑のポイントなのですね。

この落とし方は絶品だなぁ、と思います。
そして英語だからこそ、この落とし方が可能なのだと。
日本語ではこのように目的語が最後に位置しないので、このセリフを最後の最後で落とすように訳すのは大変難しいです。
何とか「パパ」を最後に持ってこようと思うと、
「彼が俺の”親”をどんなに幸せにしたとしても、そんなことは重要じゃなかったんだ。その親ってのは、俺のパパのことなんだけどね。」
みたいに、わざとらしいオチになってしまいますよね。

日本語訳でもその「内容の面白さ」はわかります。
でも、本当にオチ(punch line)の部分でドッと爆笑するためには、英語のセリフの語順で聞かないと、その面白みが完全には伝わらない気がするのですね。
"how happy he made my dad." と聞いて、"Dad? You said 'dad'?" と思わず聞き返してしまうような反応ができて初めて、ジョークを英語で理解することができた、と言える気がします。

まぁ、そのオチはともかくとして、「その人がいい人がどうかなんて関係ない、その人とパパがどんなに愛し合っていようが関係ない、俺にとっては、家族を引き裂いた reason でしかなかったんだ」という言葉は本当に重いですね。
私も子供を持つ親として、肝に銘じておかなくっちゃ…(←おいおい…)。

the right thing to do は「すべきである正しいこと」、つまりは「正しい行動、すべきこと」ということです。
フレンズ2-8その10 では、
ロス: I did the right thing. (僕はするべきことをしたんだ。)
というセリフもありました。
その過去記事でも書いたのですが、「するべき正しいことをする」という言葉には、自分の感情はともかく、客観的な状況から判断して、より正しいと思われる方を選ぶ、というニュアンスが感じられます。
今回も、本当はチャンドラーは別れたくはない、でも、自分の過去の経験を考えると、俺がジャニスと元夫を引き裂くのは正しいことではない、二人の間の子供がどんな気持ちになるかを俺は誰よりもわかっているから、その子のためにも正しい選択をすべきなんだ、ということです。
ジャニスは彼のところに戻るべきだし、俺はジャニスと別れるべきだ、それが正しいことなんだ、と自分に、そしてジャニスに言い聞かせている感じですね。


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posted by Rach at 09:37| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月22日

reasonとcauseの違い フレンズ3-8その25

[Scene: Central Perk, Chandler and Janice are there.]
セントラル・パーク。チャンドラーとジャニスがそこにいる。
チャンドラー: Janice, I have something I need to tell you, and I want you to let me get through it, because it's, it's not gonna be easy. (ジャニス。君に言わなきゃいけないことがあるんだ。俺にそれを最後まで言わせて欲しい、だって、それは簡単じゃないことだから。)
ジャニス: Okay. (わかったわ。)
チャンドラー: I think you should go back with Gary. I don't wanna be the guy that breaks up a family. You know, when my parents split up, it was because of that guy. Whenever I'd see him, I'd always think y'know "You're the reason. You are why they're not together." (俺は、ジャニスがゲーリーのところへ戻るべきだと思う。俺は家族を引き裂くような男にはなりたくない。ほら、俺の両親が別れた[離婚した]時、その離婚はそういう男が原因だったんだよ。彼を見るといつも、俺はこう思ってた。「お前が理由[原因]なんだ。お前が、パパとママが一緒にいない理由なんだ。」って。)

get through は「通り抜ける、やり終える」。
今から言うことを、最後まできちんと言えるようにさせて欲しい、つまり、俺が言葉に詰まったりしても、言葉を挟んだりしないで、俺が言い終わるまで黙って聞いていて欲しい、ということですね。
it's not gonna be easy. と言っていることからも、チャンドラーがとても言いにくいこと、言うのが辛いことを言おうとしているのがわかります。
最近の記事では、次にどんな話が来るかを事前に知らせる前振りのセリフ(No offense, but... など)についていくつか取り上げていますが、これも「これから非常に深刻で大事なことを言うぞ。」という前振りですね。
聞くほうは真面目に心して聞かないといけない、ということです。

ジャニスの元夫(ex-husband)の名前が Gary だということが今回初めてわかりました。
チャンドラーは自分の子供の頃の体験談を語っていますね。
Whenever I'd see him, I'd always think について。
この場合の、would は「もし見たら、思うだろう」という仮定の意味ではなく、「したものだった」という意味だと思います。
フレンズ3-6その21 でも説明した「過去の回想」を表す would でしょう。

自分の両親を引き裂くことになった男性の話をして、その男に対して、"You're the reason. You are why they're not together." だと思っていたと言っています。
reason はロングマン現代英英辞典では、
reason: CAUSE
why someone decides to do something, or the cause or explanation for something that happens

つまり、「誰かが何故あることをしようと決心したのかということ、または起こる出来事の原因や説明」。

ロングマンでは上のように reason は cause であると説明してありますが、研究社 新英和中辞典では、cause の語義説明に、cause と reason の違いが以下のように述べられています。
cause はある結果・行動を引き起こす直接の原因となるもの、reason はある行動をしたり信念などをもつようになった理由

参考までに cause についてロングマン現代英英辞典で調べてみると、
cause [noun]:
1. [countable] a person, event, or thing that makes something happen (see also effect)

つまり、「何かを起こさせる人、出来事、またはもの」
2. [uncountable] a fact that makes it right or reasonable for you to feel or behave in a particular way (synonym reason)
つまり、「人がある特定のやり方で感じる、または行動することが、正しい、または道理にかなっているようにする事実」。(←直訳するとわかりにくいですが…)
1. は日本語で「原因」、2. は「根拠、正当な理由」などと訳されますね。

今回 reason という言葉が使われているのは、離婚を引き起こした直接の原因というよりも、その男性の存在があったために、夫婦仲が冷めて険悪になって行き、離婚にまで発展してしまった、という経緯があるということでしょうか。
上の訳では、「理由、原因」と二つの訳を書いていますが、細かいニュアンスを言うと、「両親が離婚することになった原因がお前だ!」じゃなくて、「何故、両親が離婚することになったのか、その理由がお前だ!」という、「”何故”そうなったかの”理由”」が、reason のニュアンスなのでしょうね。
続いて、You are why they're not together. と言っていますが、これも、That's why... 「それが…の理由である」と同じで、「お前が…の理由である」と言っているわけです。
「何故両親が一緒にいないか?という疑問に対する理由・答え、が”お前”なんだ!」という感じですね。


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posted by Rach at 12:29| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年11月21日

体を壊す、物を破壊する フレンズ3-8その24

(Monica runs into the kitchen from the terrace.)
モニカがテラスからキッチンに走ってくる。
ロス: Monica? (モニカ?)
モニカ: Yeah. (えぇ。)
ロス: Umm, did you notice anything weird about Ben today? (うーん、今日、ベンについて何か変わったことに気付かなかった?)
モニカ: No, why? (いいえ、どうして?)
ロス: Well, I was just playing with him, and y'know we were doing the "Alphabet Song," which he used to be really good at, but suddenly he's leaving out "E" and "F." It's like they just ah, I don't know, fell out of his head. (うん、僕がちょうど彼と遊んでいた時、「アルファベットの歌」を歌っていたんだ。いつも彼はその歌が得意だったのに、突然、EとFを抜かしたんだ。それはまるで、そうだな、彼の頭から抜け落ちたみたいに。)
モニカ: Really? (本当?)
ロス: Oh, and also, he's, he's walkin' kind of funny. I mean, it's like his left leg is moving a lot faster than his right leg. Yeah, he's in there, just sort of y'know... (walks around in a circle) (あぁ。それにベンは変な風に歩くんだ。ほら、右足よりも左足がかなり早く動くみたいな感じで。あぁ、彼はちょうどこんな感じで… [円を描いて歩き回る])
モニカ: Oh, my God! I wrecked your baby! (runs into the bedroom) (なんてこと! 私、あなたの赤ちゃんを壊しちゃった! [ベッドルームに走っていく])
レイチェル: I hope it's still funny when you're in hell. (地獄に行ってもそれがまだ面白いままならいいわね。)
モニカ: (coming out of the bedroom) You jerk! You know how much I love that kid! (starts to chase Ross around the living room) ([ベッドルームから出てきて] このひどいやつ! 知ってるでしょ、私があの子をどれほど愛しているかを! [リビングじゅう、ロスを追いかけ始める])
ロス: Monica bang! Monica bang! (runs into one of the posts) Ow! (モニカ、バーン! モニカ、バーン! [柱の一つにぶつかる] いたっ!)
レイチェル: I'll get the hat. (例の帽子を取ってくるわ。)

fall out of は「…からはずれて落ちる、(髪などが)抜け落ちる」。
ロスはわざと head という言葉を出していますね。
頭をぶつけたショックで、アルファベットのEとFが頭から抜け落ちた、落っこちたというイメージを植えつけようとしているのですね。
ロスが真似している仕草は、まるで壊れた人形のようです。
それでモニカも、wreck という言葉を使ったようですね。

wreck という言葉そのものは、人の体や健康を目的語にすることもできるようです。
研究社 新英和中辞典では、
wreck=(体を)こわす、(人の)健康を損う
Overwork wrecked his health. 過労で彼は体をこわした。

という例文も載っています。
ただ、モニカの使ったイメージはやはり、車などの「ものを破壊する」というイメージでしょうね。
ロングマン現代英英辞典では、
wreck: DAMAGE
to damage something such as a building or vehicle so badly that it cannot be repaired

つまり、「建物や車などを、修理できないほどひどく破損してしまうこと」

ここでは、ベンが、壊れた仕掛け人形やからくり人形みたいに変な動きをすると聞いて、「修理不可能なほどひどく壊しちゃった」みたいなニュアンスかな、と思います。
もちろん、冗談で言っているのではなく、自分がそれを「ぶつけて壊しちゃった」という意識がそう言わせているのでしょうね。

I hope it's still funny when you're in hell. をそのままの語順で訳すと、「私は祈ってるわ、それがまだ funny であることをね。あなたが地獄にいる時でも。」という感じ。
つまり、そんな風に面白がってるけど、地獄に行ったらそんな風に笑っていられないわよ、そんなことしてたら、地獄に落ちるわよ、地獄でもそうやって面白がっていられるかしら?、と言っているのです。
モニカだってわざとしたんじゃないのに、そのちょっとした過失をそんなに面白がってからかうなんて、性格悪いわよ、ということですね。

あわててベンの様子を見に行って、ベンが普通の状態であると知ったモニカは、ロスが自分をからかっていたことに気づきます。
You know how much I love that kid! は、「私(モニカ)が甥のベンをどれだけ愛しているかをロスは知ってるでしょう?」ということですね。
ベンが壊れたって聞いて、私がどれほど辛い気持ちになったかわかる?という感じです。
You know how much I love you. なら「私があなたをどれほど愛しているか知ってるでしょ?」になりますね。
そんなセリフ、言ってみたいし、言われてみたいです(笑)。
今度は追っかけっこをしていて、ロスが柱に頭をぶつけてしまいました。
「レイニーデイ・ベアの帽子を取ってくる、それでこぶを隠さなきゃ。」みたいに言うレイチェルに笑えますね。


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posted by Rach at 10:57| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする