英英辞典を使うと、日本語をワンクッション挟むことなく、英語を英語のまま理解することができます。
ある英語を別の英語に置き換える訓練もできます。
そうすることで、様々な単語が関連付けられて、自分の語彙がどんどん広がるわけですね。
ただ、その英語で書かれた語義を「解読」するのに四苦八苦している間は、つまり、その英英辞典の語義を「解釈」しないといけない時期には、英英辞典を使っている効用は見えにくい、という気がします。
私もずっと「英英を使った方がいい!」といろんな方に説得されたにもかかわらず、なかなか英英をメインにすることができないでいました。
英和ではその本当の深い意味がわからないと感じた時、あるいは誰かと解釈について意見を交換した時に自分の意見を理論武装するための手段として(笑)、ここぞ!という時だけ英英を使っていました。
でも、そうやって時々でもいいから英英を使っていると、だんだんその「英英の語義の形式、表現」というものに慣れていくのですね。
この「英英辞典特有の表現に慣れる」というのが、実はとても大事なことのような気がします。
英英辞典の語義がよくわからない、というのは、その中で使われている単語を知らない、ということも時々ありますが、語義説明の「文の構造」がわかっていない、ということが多いのかもしれません。
何度も使って、その「文の構造」に慣れてくると、その語義が、英語の単語のまま、英語の語順のままで頭に入ってくるようになります。
それはそのまま、英語を英語の語順のまま理解する訓練に繋がります。
英英辞典は、基本的な単語で、シンプルに、的確に、説明することを求められています。
そういう文章にたくさん「出会う、ぶつかる」ことが、英語力を高めることに繋がるのですね。
そうして英英に慣れてくると、そのうち英和では物足りなくなって、いろんな言葉を英英ではどう説明されているのかが知りたくなる。
私の場合は、そうやって徐々に英和から英英へのシフトが行われました。
最初から英英を使うか、後から英英に乗り換えるか?
英語を英語のままで理解しようと思えば、必ず最終的には英英を使いこなせるようにならないといけないでしょう。
そのためには、「最初から英英のみで」という方法か、「英和から英英へシフト」という方法かのどちらかを選択することになります。
私は元々「英英を使う」ということは全く頭にありませんでした。
ああいうのは「プロ」が使うものだと思っていて(笑)、ブログを始める前は使ったことなかったのです。
その当時の TOEIC の点数は、930点でしたが、英和だけを使っていても、その点数は取れた、ということですね。
DVD学習法に関する記事で、私は英和辞典をこう使った というのを書きましたが、それは「使った」と過去形になっているところがポイントです(笑)。
実際に英和だけでやってきて、英英を使いこなすところまで行かなくても 900点ホルダーになれた、というのは事実ですし、実際、900点ホルダーの人全てが、英英辞典を鬼のように(?)使いこなしているというわけでもないと思うんですよねぇ。(←勝手な想像ですが)
私は確かに、ずっと「英和だけ」を使ってフレンズを見てきましたが、ドラマでは「状況」「心情」などから様々な情報を得ることができます。
ですから、「ただ英和だけを使って学ぶ」よりももう少し多くの情報を手に入れていた、英英辞典に書いてあるようなことを、実際に英語の文字として確認することはしなかったけれど、そのイメージをどこかで受け取っていた、ということなのかな、と思います。
そういう意味では、英和の語義に「映像からもたらされるイメージ」を自ら付け加えていた、ということになるでしょうか。
だから、私の場合は「英和だけで 900点超えできました!」と言っても、そこにはやはり「ドラマを使った効用」を無視することはできないのですね。
ドラマを使っていたからこそ英和だけでできた、と言えるのでしょう。
「最初から英英のみで」か、「英和から英英へシフト」か?については、私は後者だったので、前者と後者を客観的に比べることはできないのですが、英英を手放せなくなった今、思うところを述べてみます。
「最初から英英のみで」は、英英辞典というものに慣れるまでが大変かなぁ、と思います。
でも、そこまでは本当に大変だろうと思うけれど、慣れたらその後の英語力は急速に伸びるだろうと思います。
「英和から英英へシフト」というのは、とっつきやすいけれど、ある意味遠回りで、下手をすると私のようにいつまでも「英和にどっぷり浸かった」ままで(笑)、なかなか英英に手を出せない、ということにもなりかねません。
「英英に手を出せない」というのは、まだ心のどこかに「オール英語で書いてあるものに対する恐怖心」みたいなものがある、ということだろうと思います。
どこかに「日本語でのヒントを欲しがっている自分」がいる、ということかな、と。
英英にすっと手が伸びなかった頃の自分は、まだ、英英の語義をすっと理解できる素地ができていなかったんではないか、という気もします。
だから、英英の語義をすんなり受け入れられるような時期が来たら、自然に英英に手が伸びるようになるだろう、と思っていました。
実際、私も「英英を使わなくちゃダメだ!」と自分を追い込んだのではなく、気がついたら自然と英英がメインになっていた、という感じだったんですね。
「英英を使わないと伸びない!」という恐怖心からではなく、「英英では何と説明してあるのか知りたい!」という心からの欲求が生まれて初めて、英英を使いこなすことができる、英英を使うことで自分のボキャブラリーをどんどん増やしていくことができる、という気がします。
英英を使ったことのない方は、たまにでも使ってみて下さい。
そして、自分にはまだ早いな、と思ったら、メインは英和のままでもいいかと思います。
その後も、折に触れて英英を使ってみて、「使えそうかも」と思える瞬間が来るのを待ってみて下さい。
もちろん「俺は最初から英英しか使わんぞ!」という根性のある方は、是非それに挑戦してみて下さい。
英英辞典の語義には、「英語のスピリット」のようなものが溢れています。
基本的な語彙で書かれたそれを読み続けることで、自然とそういうものが身に付くはずです。
私もいつも英英の語義を読んでは「ふ〜ん、そうかぁ」と感心することばかりです。
こんな風に論理的にシンプルに英語が書けたらいいなぁ、と思います。
「人にわかるように説明する」ということは、「わかりやすい文章を書く」ことに繋がりますからね。
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2007年11月10日
2007年11月09日
シリアスなものと言えば… フレンズ3-8その13
[Scene: The street, Chandler and Joey are walking past a jewelry store.]
ストリート。チャンドラーとジョーイは宝石店の横を通り過ぎているところ。
チャンドラー: Hey, hold on a second, hold on a second. Do you think these pearls are nice? (なぁ、ちょっと待って、待って。このパールっていいと思う?)
ジョーイ: I'd really prefer a mountain bike. (俺はマウンテンバイクの方がずっといいな。)
チャンドラー: Janice's birthday's coming up, I wanna get her something special. Come in here with me. (ジャニスの誕生日がもうすぐなんだ。俺は何か特別なものを買ってあげたいんだ。店に俺と一緒に入ってくれ[入ろう]。)
ジョーイ: Whoa, whoa, whoa, wait, whoa. Do you ah, wanna get her something special? Get her flowers, get her candy, get her gum, girls love gum. (おいおいおい、待てよ、おい。お前は彼女に特別なものを買ってあげたいのか? 花をあげろ、キャンディーをあげろ、ガムをあげろ。女の子はガムが好きなもんだ。)
チャンドラー: That's a good idea, "Dear Janice: Have a Hubba-Bubba birthday." I would like to get her something serious. (それは良い考えだ。”愛しのジャニスへ。ハブ・ア・ハバブバ・バースデイ。” 俺は彼女にシリアスな[本格的な、真剣な]ものをあげたいんだ。)
ジョーイ: Oh, you want something serious. Y'know what you should do? You should get her one of those um, barium enemas. Those are dead serious. (あぁ、シリアスなものが必要なんだな。何をすべきかわかってるか? お前は例のバリウムの浣腸(かんちょう)をあげるべきだよ。あれは本当にシリアスだからな。)
チャンドラー: All right. Look, I'm gonna go in here, and you don't buy me anything, ever! (starts to go into the store) (わかった。なぁ、俺は店の中に入るよ。そしてお前は金輪際、俺に何も買うなよ!)
チャンドラーは店に入ろうとする。
チャンドラーが「このパールいいよね。」と言うと、「俺はバイクの方が好きだ。」というジョーイ。
宝石だから、女性にあげるプレゼントとして良いか悪いかの話をしているわけですが、ジョーイらしいボケですね。
ジャニスと元夫がキスしていたことを知っているジョーイは、「特別なもの」つまり「高価なもの」をあげようとするチャンドラーを阻止しようとします。
最初は花ですが、それがキャンディー、ガムとどんどん安っぽいものを挙げていくのですね。
girls love gum. は現在形で習慣や習性を表し、「女の子はガムが好きなものだ。それが常識だ。」みたいなことです。
ガムをあげると、Have a Hubba-Bubba birthday. になる、とチャンドラーは言っています。
Have a Happy Birthday. は「良い誕生日を。」みたいな決まり文句ですね。
Have a nice day. Have a Happy Christmas. などと同じです。
それが、バブルガムみたいなものを食べながら、フーセンを膨らませながら言うと、ハッピーが「ハバブバ」みたいになっちゃうよ、という感じでしょうか。
そんなジョークや冗談みたいなものじゃなくて、もっと恋人としてシリアスなもの、本格的なものをあげたい、というチャンドラーに、serious なものと言えば…と妙なものを出してくるジョーイ。
enema は「浣腸、浣腸剤、浣腸器」。
ロングマン現代英英辞典では、
enema: [countable] a liquid that is put into someone's rectum to make their bowels empty
つまり、「人の腸を空にするために、直腸に入れる液体」
ロングマンの barium の項目には、a barium enema も載っています。
a barium meal/enema/swallow: a substance containing barium that you swallow or that is put in your bowels before you have an X-ray, because it makes the organs in your body easier to see
つまり、「a barium meal/enema/swallow とは、X線撮影をする前に飲み込む、または腸に入れるバリウムを含んだ物質。そうすることで、体の中の器官がより見えやすくなる。」
よく胃の検査などでバリウムを飲むと言いますが(私は飲んだことないですが)、そういう口から入るものが、a barium meal や a barium swallow になるのでしょうね。
enema はお尻に刺す方ですから、大腸がんの検査などの時に使うのでしょうか。
キツいやつ、って言えばあれしかない、あれはこたえるぜ、みたいな感じですね。
one of those は、フレンズ3-6その19 で解説しました。
「みんながよく知ってる例の…の一つ」のような感じですね。
この場合は、「お前も知ってるようなあの浣腸、ああいうのを1個プレゼントとしてあげたらいい。」みたいにアドバイスしているのですね。
しかし、ほかにもいろいろキツいものはあるだろうのに、よりにもよって浣腸だなんて…(笑)。
ロマンチックのかけらもないですね。
dead は「完璧に、完全に」とその後に続く形容詞を強調する副詞です。
今回のセリフでは、浣腸が dead serious だと言っているのですが、「自分が冗談ではなく真剣である、本気である」ことを示すセリフとして、I'm dead serious. 「僕は(冗談ではなく)大真面目だ。」というフレーズはよく使われますね。
つまり、上の二人のやり取りは、serious を別のニュアンスで受け止めている面白さなのですね。
今回のジョーイは、チャンドラーが真剣なものを買ってしまわないように、わざと意味を取り違えたように返事しているのです。
チャンドラーが言っているのは、「冗談でなく真剣な」という意味、ジョーイが言っているのは、「重大な、ゆゆしい」ことと言う意味、serious damage 「重大な損害」や、a serious illness 「重病」みたいな悪い意味の serious ですね。
heavy と似た感じでしょうか。
真剣に商品を吟味しようとしているのに、ジョーイが変なことばかり言うので怒ってしまったチャンドラー。
ジョーイはプレゼントの趣味が悪過ぎるから、今後、お前からのプレゼントは要らない、買ってくれなくていいよ、と言っていますね。
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チャンドラー: Hey, hold on a second, hold on a second. Do you think these pearls are nice? (なぁ、ちょっと待って、待って。このパールっていいと思う?)
ジョーイ: I'd really prefer a mountain bike. (俺はマウンテンバイクの方がずっといいな。)
チャンドラー: Janice's birthday's coming up, I wanna get her something special. Come in here with me. (ジャニスの誕生日がもうすぐなんだ。俺は何か特別なものを買ってあげたいんだ。店に俺と一緒に入ってくれ[入ろう]。)
ジョーイ: Whoa, whoa, whoa, wait, whoa. Do you ah, wanna get her something special? Get her flowers, get her candy, get her gum, girls love gum. (おいおいおい、待てよ、おい。お前は彼女に特別なものを買ってあげたいのか? 花をあげろ、キャンディーをあげろ、ガムをあげろ。女の子はガムが好きなもんだ。)
チャンドラー: That's a good idea, "Dear Janice: Have a Hubba-Bubba birthday." I would like to get her something serious. (それは良い考えだ。”愛しのジャニスへ。ハブ・ア・ハバブバ・バースデイ。” 俺は彼女にシリアスな[本格的な、真剣な]ものをあげたいんだ。)
ジョーイ: Oh, you want something serious. Y'know what you should do? You should get her one of those um, barium enemas. Those are dead serious. (あぁ、シリアスなものが必要なんだな。何をすべきかわかってるか? お前は例のバリウムの浣腸(かんちょう)をあげるべきだよ。あれは本当にシリアスだからな。)
チャンドラー: All right. Look, I'm gonna go in here, and you don't buy me anything, ever! (starts to go into the store) (わかった。なぁ、俺は店の中に入るよ。そしてお前は金輪際、俺に何も買うなよ!)
チャンドラーは店に入ろうとする。
チャンドラーが「このパールいいよね。」と言うと、「俺はバイクの方が好きだ。」というジョーイ。
宝石だから、女性にあげるプレゼントとして良いか悪いかの話をしているわけですが、ジョーイらしいボケですね。
ジャニスと元夫がキスしていたことを知っているジョーイは、「特別なもの」つまり「高価なもの」をあげようとするチャンドラーを阻止しようとします。
最初は花ですが、それがキャンディー、ガムとどんどん安っぽいものを挙げていくのですね。
girls love gum. は現在形で習慣や習性を表し、「女の子はガムが好きなものだ。それが常識だ。」みたいなことです。
ガムをあげると、Have a Hubba-Bubba birthday. になる、とチャンドラーは言っています。
Have a Happy Birthday. は「良い誕生日を。」みたいな決まり文句ですね。
Have a nice day. Have a Happy Christmas. などと同じです。
それが、バブルガムみたいなものを食べながら、フーセンを膨らませながら言うと、ハッピーが「ハバブバ」みたいになっちゃうよ、という感じでしょうか。
そんなジョークや冗談みたいなものじゃなくて、もっと恋人としてシリアスなもの、本格的なものをあげたい、というチャンドラーに、serious なものと言えば…と妙なものを出してくるジョーイ。
enema は「浣腸、浣腸剤、浣腸器」。
ロングマン現代英英辞典では、
enema: [countable] a liquid that is put into someone's rectum to make their bowels empty
つまり、「人の腸を空にするために、直腸に入れる液体」
ロングマンの barium の項目には、a barium enema も載っています。
a barium meal/enema/swallow: a substance containing barium that you swallow or that is put in your bowels before you have an X-ray, because it makes the organs in your body easier to see
つまり、「a barium meal/enema/swallow とは、X線撮影をする前に飲み込む、または腸に入れるバリウムを含んだ物質。そうすることで、体の中の器官がより見えやすくなる。」
よく胃の検査などでバリウムを飲むと言いますが(私は飲んだことないですが)、そういう口から入るものが、a barium meal や a barium swallow になるのでしょうね。
enema はお尻に刺す方ですから、大腸がんの検査などの時に使うのでしょうか。
キツいやつ、って言えばあれしかない、あれはこたえるぜ、みたいな感じですね。
one of those は、フレンズ3-6その19 で解説しました。
「みんながよく知ってる例の…の一つ」のような感じですね。
この場合は、「お前も知ってるようなあの浣腸、ああいうのを1個プレゼントとしてあげたらいい。」みたいにアドバイスしているのですね。
しかし、ほかにもいろいろキツいものはあるだろうのに、よりにもよって浣腸だなんて…(笑)。
ロマンチックのかけらもないですね。
dead は「完璧に、完全に」とその後に続く形容詞を強調する副詞です。
今回のセリフでは、浣腸が dead serious だと言っているのですが、「自分が冗談ではなく真剣である、本気である」ことを示すセリフとして、I'm dead serious. 「僕は(冗談ではなく)大真面目だ。」というフレーズはよく使われますね。
つまり、上の二人のやり取りは、serious を別のニュアンスで受け止めている面白さなのですね。
今回のジョーイは、チャンドラーが真剣なものを買ってしまわないように、わざと意味を取り違えたように返事しているのです。
チャンドラーが言っているのは、「冗談でなく真剣な」という意味、ジョーイが言っているのは、「重大な、ゆゆしい」ことと言う意味、serious damage 「重大な損害」や、a serious illness 「重病」みたいな悪い意味の serious ですね。
heavy と似た感じでしょうか。
真剣に商品を吟味しようとしているのに、ジョーイが変なことばかり言うので怒ってしまったチャンドラー。
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2007年11月08日
こちらから理由を提示する フレンズ3-8その12
ベンのこぶは帽子で隠せばいい、とレイチェルに言われて、
モニカ: A hat! Yes! We need a hat! (帽子! そうよ! 帽子が要るわ!)
レイチェル: We need a hat.. (帽子が要るわ…)
モニカ: Where are we gonna find a tiny little hat? (小さな小さな帽子なんてどこで見つけるの?)
レイチェル: Oh, oh, oh, I'll get Rainy Day Bear! (runs to get him) (あぁ、私、レイニーデイ・ベアを取ってくる! [それを取りに走る])
モニカ: Because he'll know what to do? (Rachel comes out of her room with a bear that's dressed in a rain suit.) Oh, my God, you're a genius! (それは、そのベアが、どうすべきか知ってるから? [レイチェルはレインスーツ(レインコート)を着たクマを持って部屋から出てくる。] まぁ。あなたって天才よ!)
レイチェル: Oh God, it's kind of sewn on, though. (なんてこと。帽子は縫い付けてあるわ。)
モニカ: Give it. Give it. (貸して、貸して。)
レイチェル: Okay. (いいわ。)
(Monica takes the bear, grabs his hat, and rips off his head.)
モニカはベアを取り、帽子を掴んで、彼の頭をもぎ取る。
モニカ&レイチェル: Oh!! (あぁ!)
レイチェル: Oh, it's just like a bloodbath in here today! (あぁ、今日ここで、大虐殺があったみたい。)
レイニーデイ・ベアを取ってくると部屋に走るレイチェルに対して、モニカは、"Because he'll know what to do?" と尋ねています。
モニカには、どうして突然レイチェルがそのベアを取りに行ったのかの理由がわかりません。
それで、「レイチェルがクマを取りに行ったのは…それは、そのクマちゃんが、know what to do 「(今)どうすべきかを知っている」、つまり、そのクマが解決策でも知ってるからなの?、そのクマが何か良い策を編み出してくれるとでも言うの?」みたいに尋ねているのですね。
このように、Because... ? 「なぜならそれは…だから?」と語尾を上げて尋ねると、あなたの行動の理由はそれなの?というニュアンスになるのですね。
フレンズ3-4その10 でも、ジャニスにどうして会いたくないかを説明する時、
チャンドラー: Okay, last night at dinner, when the meals came, she put half her chicken piccata on my plate and took all my tomatoes. (昨日の晩、ディナーの席で、食事が来た時、ジャニスは自分のチキンピカタの半分を俺の皿に置いて、俺のトマトを全部取ったんだ。)
ロス: And that's bad because..., you hate chicken piccata? (そしてそれがいやだった。それは…チャンドラーがチキンピカタが嫌いだから?)
というやり取りがありましたね。
「君の言いたい理由はこういうことか?」と推測する場合に、理由になりそうなことを、先にこちらから言い出している、というようなニュアンスでしょう。
クマが解決策を知っているわけもないし、チャンドラーが大嫌いなピカタを押し付けられていやがっているわけでもないことくらいは、モニカもロスもわかっているはずです。
でも、そういうトンチンカンな理由しか思いつかないほど、相手の行動の意味がわからない、理由をちゃんと説明してくれないとわかんないよ、という気持ちが出ているのですね。
それがクマの実物を見て、あぁ、そのクマがかぶっている帽子を使うってことね、と気付くわけです。
rainy day は「雨の日」なので、Rainy Day Bear は、「雨の日のコスチュームを着ているクマさんの人形」なのですね。
you're a genius. は「あなたは天才だ。」
good idea をひらめいた人、うまく立ち回った人などに対して言う決まり文句ですね。
sewn (発音はソウン)は sew (発音はソウ)の過去分詞。
sew は「縫う」、sew ... on なら「…を縫い付ける」。
この場合は、帽子をただかぶせてあるのではなくて、頭に縫い付けて固定してあるということです。
手芸のことを日本語でも「ソーイング」と言ったりします。
ミシンは英語で a sewing machine と言いますね。
余談ですが、何故日本語では「ミシン」なのかと言うと、マシーンが訛ったもの、というか、マシーンがミシンに聞こえた、ということのようです。
語頭の ma- にはアクセントがないために、あいまい母音で発音されるので、はっきり「マ」とは聞こえませんから、ミシンという聞き取りもそれほど間違ったものでもないですよね。
American が「メリケン」になった、というのも、その方が実際の発音に近い気がしますし。
焦っているモニカは急いで帽子を取ろうとして、思いっきり引っ張ったので、クマの頭ごと取れてしまいます(かなり強力に縫い付けてあったんですね)。
それを見たレイチェルは、bloodbath だと言っていますね。
直訳すると「血の風呂」ということですから、それだけ大量の血が流れるような「大量殺人、大虐殺」という意味になります。
確かに今日のモニカの部屋(in here today)では、ベンにこぶができるわ、クマは頭を引きちぎられるわで、流血の惨事の現場と呼ぶにふさわしいですね。
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モニカ: A hat! Yes! We need a hat! (帽子! そうよ! 帽子が要るわ!)
レイチェル: We need a hat.. (帽子が要るわ…)
モニカ: Where are we gonna find a tiny little hat? (小さな小さな帽子なんてどこで見つけるの?)
レイチェル: Oh, oh, oh, I'll get Rainy Day Bear! (runs to get him) (あぁ、私、レイニーデイ・ベアを取ってくる! [それを取りに走る])
モニカ: Because he'll know what to do? (Rachel comes out of her room with a bear that's dressed in a rain suit.) Oh, my God, you're a genius! (それは、そのベアが、どうすべきか知ってるから? [レイチェルはレインスーツ(レインコート)を着たクマを持って部屋から出てくる。] まぁ。あなたって天才よ!)
レイチェル: Oh God, it's kind of sewn on, though. (なんてこと。帽子は縫い付けてあるわ。)
モニカ: Give it. Give it. (貸して、貸して。)
レイチェル: Okay. (いいわ。)
(Monica takes the bear, grabs his hat, and rips off his head.)
モニカはベアを取り、帽子を掴んで、彼の頭をもぎ取る。
モニカ&レイチェル: Oh!! (あぁ!)
レイチェル: Oh, it's just like a bloodbath in here today! (あぁ、今日ここで、大虐殺があったみたい。)
レイニーデイ・ベアを取ってくると部屋に走るレイチェルに対して、モニカは、"Because he'll know what to do?" と尋ねています。
モニカには、どうして突然レイチェルがそのベアを取りに行ったのかの理由がわかりません。
それで、「レイチェルがクマを取りに行ったのは…それは、そのクマちゃんが、know what to do 「(今)どうすべきかを知っている」、つまり、そのクマが解決策でも知ってるからなの?、そのクマが何か良い策を編み出してくれるとでも言うの?」みたいに尋ねているのですね。
このように、Because... ? 「なぜならそれは…だから?」と語尾を上げて尋ねると、あなたの行動の理由はそれなの?というニュアンスになるのですね。
フレンズ3-4その10 でも、ジャニスにどうして会いたくないかを説明する時、
チャンドラー: Okay, last night at dinner, when the meals came, she put half her chicken piccata on my plate and took all my tomatoes. (昨日の晩、ディナーの席で、食事が来た時、ジャニスは自分のチキンピカタの半分を俺の皿に置いて、俺のトマトを全部取ったんだ。)
ロス: And that's bad because..., you hate chicken piccata? (そしてそれがいやだった。それは…チャンドラーがチキンピカタが嫌いだから?)
というやり取りがありましたね。
「君の言いたい理由はこういうことか?」と推測する場合に、理由になりそうなことを、先にこちらから言い出している、というようなニュアンスでしょう。
クマが解決策を知っているわけもないし、チャンドラーが大嫌いなピカタを押し付けられていやがっているわけでもないことくらいは、モニカもロスもわかっているはずです。
でも、そういうトンチンカンな理由しか思いつかないほど、相手の行動の意味がわからない、理由をちゃんと説明してくれないとわかんないよ、という気持ちが出ているのですね。
それがクマの実物を見て、あぁ、そのクマがかぶっている帽子を使うってことね、と気付くわけです。
rainy day は「雨の日」なので、Rainy Day Bear は、「雨の日のコスチュームを着ているクマさんの人形」なのですね。
you're a genius. は「あなたは天才だ。」
good idea をひらめいた人、うまく立ち回った人などに対して言う決まり文句ですね。
sewn (発音はソウン)は sew (発音はソウ)の過去分詞。
sew は「縫う」、sew ... on なら「…を縫い付ける」。
この場合は、帽子をただかぶせてあるのではなくて、頭に縫い付けて固定してあるということです。
手芸のことを日本語でも「ソーイング」と言ったりします。
ミシンは英語で a sewing machine と言いますね。
余談ですが、何故日本語では「ミシン」なのかと言うと、マシーンが訛ったもの、というか、マシーンがミシンに聞こえた、ということのようです。
語頭の ma- にはアクセントがないために、あいまい母音で発音されるので、はっきり「マ」とは聞こえませんから、ミシンという聞き取りもそれほど間違ったものでもないですよね。
American が「メリケン」になった、というのも、その方が実際の発音に近い気がしますし。
焦っているモニカは急いで帽子を取ろうとして、思いっきり引っ張ったので、クマの頭ごと取れてしまいます(かなり強力に縫い付けてあったんですね)。
それを見たレイチェルは、bloodbath だと言っていますね。
直訳すると「血の風呂」ということですから、それだけ大量の血が流れるような「大量殺人、大虐殺」という意味になります。
確かに今日のモニカの部屋(in here today)では、ベンにこぶができるわ、クマは頭を引きちぎられるわで、流血の惨事の現場と呼ぶにふさわしいですね。
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2007年11月07日
彼の注意をそらす作戦 フレンズ3-8その11
ロスの子供のベンの子守をしていて、ベンの頭にこぶを作ってしまったモニカ。
モニカ: Okay, we're gonna need a distraction. (わかった、(ロスの)注意をそらすものが必要になるわね。)
レイチェル: Okay, okay, okay. (そうね、そうね、そうね。)
モニカ: That's it. I got it! (それよ、思いついたわ!)
レイチェル: Okay. (よし。)
モニカ: The second that Ross walks in that door, I want you take him back to your bedroom and do whatever it is that you do that makes him go, (high pitched) "rheeeee!" (ロスがそのドアを入ってきた瞬間に、レイチェルにロスをベッドルームに連れて行ってもらいたいの。そして何でもいいからするのよ、彼が「リーッ!」(と甲高い声でモニカは叫ぶ)ってなるようなことをね。)
レイチェル: Or... we could put a hat on his head. (もしくは…ベンの頭に帽子をかぶせる、ってのもアリよ。)
distraction は「気を散らすこと、注意散漫、放心」という人の状態、またそういう状態を生む原因となる「注意をそらすもの、気を散らすもの」、そこから良い意味で気分を紛らわす「気晴らし、娯楽」という意味にもなります。
ロングマン現代英英辞典には、
distraction: 3. [countable] (old-fashioned) a pleasant activity 「楽しい活動」
とありますので、distraction を「娯楽」という意味で使うのは、古い(old-fashioned)ということのようですが。
今回のセリフの「注意をそらすもの、気を散らすもの」という意味は、ロングマンでは以下のように定義してあります。
distraction: 1. [uncountable and countable] something that stops you paying attention to what you are doing
例) I study in the library as there are too many distractions at home.
つまり、「自分がやっていることに注意を向けるのをやめさせる何か」。
例文は、「家に、気をそらす[散らす]ものがたくさんある時は[あるので]、図書館で勉強する。」
distract の -tract は「引っ張る」という意味ですね。
農耕用のトラクター(tractor)も、「牽引車」という意味です。
dis- は分離を表す接頭語。
つまり、distract は pull apart または draw apart ということになります。
「誰かの注意をそらすもの」という意味では、フレンズ2-22その11 に diversion という単語も出てきました。
フィービー: Shh. In a minute, I'm gonna create a diversion. When I do, walk quickly to the door and don't look back. (シーッ。もうすぐ私が気をそらせるわ。その時、ドアへ素早く歩いて行って、振り返らないで。)
diversion は「わきへそらすこと」。
動詞 divert の語源はラテン語で「別の方向に曲がる」(turn in opposite directions)という意味だそうです。
普通の状態であれば、自然とそれに意識が行ってしまうはずのものが存在した場合、その対象物から、意識や注意を「引っ張って離す」のが distract で、「別の方向に曲げる」のが divert だ、ということですね。
モニカが考えた「気をそらすもの」は、レイチェルがロスをすぐに寝室に連れ込むこと(笑)。
そしてその中でたっぷりサービスしてあげればいい、そしたら、ベンのことが気にならないだろうと(笑)。
彼が喜んでいる様子を、go "rheeeee!" と表現しているのに笑えます。
くどくどやることを説明しなくても、その声でわかりますね。
なんか”いいこと”してあげてるんだ、ってことが(笑)。
それにしても、だいたい「注意をそらして」というと、決まって「脱いで!」系の話になることが多い(笑)。
フレンズ3-7その28 では、レースカー・ベッドをチャンドラーに見られたくないモニカが、
モニカ: (to Phoebe) Quick! Take off your dress, he won't notice the bed. ([フィービーに] 急いで! ドレスを脱いで、(そうすれば)チャンドラーはそのベッドに気付かないわ。)
と言っていました。
distraction や diversion という言葉は使われていませんが、ドレスを脱ぐことでチャンドラーの視線がベッドに行かないようにしようとしているのですね。
レイチェルがあっさり解決策を思いつくのもおかしいです。レイチェルの方が冷静です。
こういう場合、だいたいケガをさせた方がパニクるのが普通ですから、しょうがないですが。
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モニカ: Okay, we're gonna need a distraction. (わかった、(ロスの)注意をそらすものが必要になるわね。)
レイチェル: Okay, okay, okay. (そうね、そうね、そうね。)
モニカ: That's it. I got it! (それよ、思いついたわ!)
レイチェル: Okay. (よし。)
モニカ: The second that Ross walks in that door, I want you take him back to your bedroom and do whatever it is that you do that makes him go, (high pitched) "rheeeee!" (ロスがそのドアを入ってきた瞬間に、レイチェルにロスをベッドルームに連れて行ってもらいたいの。そして何でもいいからするのよ、彼が「リーッ!」(と甲高い声でモニカは叫ぶ)ってなるようなことをね。)
レイチェル: Or... we could put a hat on his head. (もしくは…ベンの頭に帽子をかぶせる、ってのもアリよ。)
distraction は「気を散らすこと、注意散漫、放心」という人の状態、またそういう状態を生む原因となる「注意をそらすもの、気を散らすもの」、そこから良い意味で気分を紛らわす「気晴らし、娯楽」という意味にもなります。
ロングマン現代英英辞典には、
distraction: 3. [countable] (old-fashioned) a pleasant activity 「楽しい活動」
とありますので、distraction を「娯楽」という意味で使うのは、古い(old-fashioned)ということのようですが。
今回のセリフの「注意をそらすもの、気を散らすもの」という意味は、ロングマンでは以下のように定義してあります。
distraction: 1. [uncountable and countable] something that stops you paying attention to what you are doing
例) I study in the library as there are too many distractions at home.
つまり、「自分がやっていることに注意を向けるのをやめさせる何か」。
例文は、「家に、気をそらす[散らす]ものがたくさんある時は[あるので]、図書館で勉強する。」
distract の -tract は「引っ張る」という意味ですね。
農耕用のトラクター(tractor)も、「牽引車」という意味です。
dis- は分離を表す接頭語。
つまり、distract は pull apart または draw apart ということになります。
「誰かの注意をそらすもの」という意味では、フレンズ2-22その11 に diversion という単語も出てきました。
フィービー: Shh. In a minute, I'm gonna create a diversion. When I do, walk quickly to the door and don't look back. (シーッ。もうすぐ私が気をそらせるわ。その時、ドアへ素早く歩いて行って、振り返らないで。)
diversion は「わきへそらすこと」。
動詞 divert の語源はラテン語で「別の方向に曲がる」(turn in opposite directions)という意味だそうです。
普通の状態であれば、自然とそれに意識が行ってしまうはずのものが存在した場合、その対象物から、意識や注意を「引っ張って離す」のが distract で、「別の方向に曲げる」のが divert だ、ということですね。
モニカが考えた「気をそらすもの」は、レイチェルがロスをすぐに寝室に連れ込むこと(笑)。
そしてその中でたっぷりサービスしてあげればいい、そしたら、ベンのことが気にならないだろうと(笑)。
彼が喜んでいる様子を、go "rheeeee!" と表現しているのに笑えます。
くどくどやることを説明しなくても、その声でわかりますね。
なんか”いいこと”してあげてるんだ、ってことが(笑)。
それにしても、だいたい「注意をそらして」というと、決まって「脱いで!」系の話になることが多い(笑)。
フレンズ3-7その28 では、レースカー・ベッドをチャンドラーに見られたくないモニカが、
モニカ: (to Phoebe) Quick! Take off your dress, he won't notice the bed. ([フィービーに] 急いで! ドレスを脱いで、(そうすれば)チャンドラーはそのベッドに気付かないわ。)
と言っていました。
distraction や diversion という言葉は使われていませんが、ドレスを脱ぐことでチャンドラーの視線がベッドに行かないようにしようとしているのですね。
レイチェルがあっさり解決策を思いつくのもおかしいです。レイチェルの方が冷静です。
こういう場合、だいたいケガをさせた方がパニクるのが普通ですから、しょうがないですが。
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2007年11月06日
こぶを押し込め! フレンズ3-8その10
[Scene: Monica and Rachel's, Monica and Rachel are babysitting Ben.]
モニカとレイチェルの部屋。モニカとレイチェルはベンの子守をしている[ベンのベビーシッターをしている]
レイチェル: (holding Ben) Look, Benny! Spoon! (moves it back and forth) Spoon! Come on. All right, y'know what? I think he's bored. ([ベンを抱っこしながら] 見て、ベニー! スプーンよ! [スプーンを前後に動かす] スプーン! ほら、もういいわ。ねぇ、ベンは退屈してるみたい。)
モニカ: Here. Ben, do you wanna play the airplane game? You wanna show Rachel? Come here. (takes Ben) You wanna do something fun? Okay. (throws Ben up in the air a little bit and catches him) Weee!! (moves into the living room and does it again) Weee!! (starts to walk back into the kitchen as she does it again, and hits Ben's head on that wooden beam across the ceiling.) (ほら、ベン。飛行機ごっこをしたい? レイチェルに見せたいわよね? おいで。[ベンを引き寄せる] 楽しいことしたい? いくわよ。[ベンを少し空中に放り上げて、彼を受け止める] ウィー! [リビングに移動して、それを繰り返す] ウィー! [もう一度それをする際に、台所に歩いていこうとして、天井にある木製の梁(はり)にベンの頭をぶつけてしまう])
[cut to later]
カットして、時間が経過した場面になる。
モニカ: (to Ben) Who's so brave, you're so brave, yes you are, you're so brave. ([ベンに] すごく勇敢な子は誰でしょうね? ベンはすごく勇敢よ、そうよ、ベンはものすごく強いわ。)
レイチェル: Okay. Okay, honey, he's fine, he's fine, let's just put him down. Come here, babe. (sets him on the couch) Yes, you're such a good boy. (to Monica) How could you do that to him?! Ross trusted me! What's he gonna say? (わかった。ハニー、彼は大丈夫よ、大丈夫よ、まず彼を降ろしましょう。こっちにおいて、坊や。[彼をカウチに乗せる] そうよ、あなたは良い子だわ。[モニカに] どうして彼にそんなことができるの? ロスは私を信頼してくれてたのに! 彼は何て言うかしら?)
モニカの腕をパンパンたたいて怒るレイチェル。
モニカ: He's not gonna say anything, because we're not gonna tell him. (ロスは何も言わないわよ。だって、私たちが彼に(そのことを)しゃべらないもの。)
レイチェル: We're not?! (しゃべらないの?)
モニカ: No, we're not. (えぇ、しゃべらないわ。)
レイチェル: All right, I like that. (そうね、それがいいわ。)
モニカ: Okay. (そうよ。)
レイチェルは子供と遊んだことがあまりないからか、子供をどうやってあやしたらいいか、よくわからないようですね。
スプーンを近づけたり遠ざけたりしても反応が薄いので、「ちっとも喜んでくれない」とボヤいています。(でも、確かに子供が喜びそうな遊びでもない…笑)
早々にあきらめてしまうのもレイチェルらしい気がします。
モニカは子供好きなので、子供が何をしたら喜ぶかを知っているようです。
日本人でも「飛行機〜!」と言いながら、子供を水平に持ち上げたりします。
モニカはベンを前に抱えて、上に高く上げては下ろす、ということをやっています。
ト書きには、throws Ben up in the air a little bit and catches him 「ベンを少し空中に放り上げて、彼を受け止める」と書いてあるのですが、実際は手から離れるか離れないか、と言った程度です。
一瞬だけ、up in the air 「宙に浮いた状態」になっているような感じですが、ほとんど手は離していませんね。
男性だったら、本当に放り投げる人がいたりしますけど…(笑)。
とにかく、こういう子供を上に勢い良く持ち上げる遊びを、英語では、the airplane game と言うんですね。
日本語では、大人が小さな赤ちゃんに話しかける時に「可愛いお手々でちゅねぇ〜」みたいに言ったりすることがありますが、モニカのベンに対するセリフの発音にもそんな感じが出ています。
特に、You wanna do something fun? は口をとんがらかして「ユー・ワナ・ヂュー・シャムシィング・ファン?」みたいな感じに聞こえますね(カタカナでは雰囲気出ませんが…)。
子供好きのモニカは、ベンが可愛くてしょうがないんだなぁ、というのがわかります。
高く上げすぎて、梁にゴン!と頭をぶつけた後、ベンをなだめているシーンに切り替わるのですが、モニカは brave を連呼しています。
日本でも、転んでしまった子供に「泣かないんだね、強いね。」などと言ったりしますから、それと同じですね。
How could you do that to him? は「どうしてそんなことができたのか?」
あなたはベンが可愛いんじゃなかったの?、どうしてそんなひどいことするの?信じられない、と言ったニュアンスですね。
trusted me という過去形は、「ロスは私を信頼して私に預けてくれた。…のに、こんなことじゃ、その信頼が消えてしまうわ。」というニュアンスでしょうか。
ロスがこのことを知ったら何て言うか…と心配するレイチェルですが、モニカは言わないつもりらしい。
「私たちは何も言わないから、彼が文句を言うはずもないのよ。」と言われて、I like that. 「そのモニカの案が気に入ったわ。」と言っています。
That's a good idea. I agree with you. という感じですね。
レイチェル: So we're okay, we're okay, we're okay, (starts to exam Ben) aren't we? No, we're not okay, we're not okay, there's a bump, there's a bump. (だから、私たちは大丈夫よ。大丈夫、大丈夫。[ベンを確かめる] そうよね? いやだ、大丈夫じゃない。大丈夫じゃないわ。こぶがある、こぶがある。)
モニカ: Oh, my God! Well, push it in! Push it in!
(まぁ、なんてこと! そうだわ、こぶを押し込んで! それを押し込んで!)
レイチェル: I cannot push it in! (押し込むなんて出来ないわ!)
ト書きの examine は「調査する、検査する、審査する」。
ロングマン現代英英辞典では、
examine:
1. to look at something carefully and thoroughly because you want to find out more about it
2. if a doctor examines you, they look at your body to check that you are healthy
つまり、1. は「何かを注意深く徹底的に見ること。そのことについてより多くのことを見つけたいという理由から。」
2. は「医者が人を examine するとは、その人が健康であるかを調べるために体を見ること。」
2. は日本語では「診察する」ですね。
今回のベンへの仕草も体に異常がないか触って確かめている、診察している感じです。
で、診察して異常を発見してしまった、ということですね。
"Push it in!" と叫ぶモニカに笑ってしまったのですが…。
push 「押す」+ in 「中に」で、まさに「(出っ張っているこぶを)頭の中に押し込む」(笑)。
子供好きのモニカなのに、そしてベンのことも愛しているのに、ものすごいことを言っていますね。
自分の罪を隠すのに必死です。
人はピンチの時に、ついその本性が見えてしまうものなのでしょう(笑)。
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モニカとレイチェルの部屋。モニカとレイチェルはベンの子守をしている[ベンのベビーシッターをしている]
レイチェル: (holding Ben) Look, Benny! Spoon! (moves it back and forth) Spoon! Come on. All right, y'know what? I think he's bored. ([ベンを抱っこしながら] 見て、ベニー! スプーンよ! [スプーンを前後に動かす] スプーン! ほら、もういいわ。ねぇ、ベンは退屈してるみたい。)
モニカ: Here. Ben, do you wanna play the airplane game? You wanna show Rachel? Come here. (takes Ben) You wanna do something fun? Okay. (throws Ben up in the air a little bit and catches him) Weee!! (moves into the living room and does it again) Weee!! (starts to walk back into the kitchen as she does it again, and hits Ben's head on that wooden beam across the ceiling.) (ほら、ベン。飛行機ごっこをしたい? レイチェルに見せたいわよね? おいで。[ベンを引き寄せる] 楽しいことしたい? いくわよ。[ベンを少し空中に放り上げて、彼を受け止める] ウィー! [リビングに移動して、それを繰り返す] ウィー! [もう一度それをする際に、台所に歩いていこうとして、天井にある木製の梁(はり)にベンの頭をぶつけてしまう])
[cut to later]
カットして、時間が経過した場面になる。
モニカ: (to Ben) Who's so brave, you're so brave, yes you are, you're so brave. ([ベンに] すごく勇敢な子は誰でしょうね? ベンはすごく勇敢よ、そうよ、ベンはものすごく強いわ。)
レイチェル: Okay. Okay, honey, he's fine, he's fine, let's just put him down. Come here, babe. (sets him on the couch) Yes, you're such a good boy. (to Monica) How could you do that to him?! Ross trusted me! What's he gonna say? (わかった。ハニー、彼は大丈夫よ、大丈夫よ、まず彼を降ろしましょう。こっちにおいて、坊や。[彼をカウチに乗せる] そうよ、あなたは良い子だわ。[モニカに] どうして彼にそんなことができるの? ロスは私を信頼してくれてたのに! 彼は何て言うかしら?)
モニカの腕をパンパンたたいて怒るレイチェル。
モニカ: He's not gonna say anything, because we're not gonna tell him. (ロスは何も言わないわよ。だって、私たちが彼に(そのことを)しゃべらないもの。)
レイチェル: We're not?! (しゃべらないの?)
モニカ: No, we're not. (えぇ、しゃべらないわ。)
レイチェル: All right, I like that. (そうね、それがいいわ。)
モニカ: Okay. (そうよ。)
レイチェルは子供と遊んだことがあまりないからか、子供をどうやってあやしたらいいか、よくわからないようですね。
スプーンを近づけたり遠ざけたりしても反応が薄いので、「ちっとも喜んでくれない」とボヤいています。(でも、確かに子供が喜びそうな遊びでもない…笑)
早々にあきらめてしまうのもレイチェルらしい気がします。
モニカは子供好きなので、子供が何をしたら喜ぶかを知っているようです。
日本人でも「飛行機〜!」と言いながら、子供を水平に持ち上げたりします。
モニカはベンを前に抱えて、上に高く上げては下ろす、ということをやっています。
ト書きには、throws Ben up in the air a little bit and catches him 「ベンを少し空中に放り上げて、彼を受け止める」と書いてあるのですが、実際は手から離れるか離れないか、と言った程度です。
一瞬だけ、up in the air 「宙に浮いた状態」になっているような感じですが、ほとんど手は離していませんね。
男性だったら、本当に放り投げる人がいたりしますけど…(笑)。
とにかく、こういう子供を上に勢い良く持ち上げる遊びを、英語では、the airplane game と言うんですね。
日本語では、大人が小さな赤ちゃんに話しかける時に「可愛いお手々でちゅねぇ〜」みたいに言ったりすることがありますが、モニカのベンに対するセリフの発音にもそんな感じが出ています。
特に、You wanna do something fun? は口をとんがらかして「ユー・ワナ・ヂュー・シャムシィング・ファン?」みたいな感じに聞こえますね(カタカナでは雰囲気出ませんが…)。
子供好きのモニカは、ベンが可愛くてしょうがないんだなぁ、というのがわかります。
高く上げすぎて、梁にゴン!と頭をぶつけた後、ベンをなだめているシーンに切り替わるのですが、モニカは brave を連呼しています。
日本でも、転んでしまった子供に「泣かないんだね、強いね。」などと言ったりしますから、それと同じですね。
How could you do that to him? は「どうしてそんなことができたのか?」
あなたはベンが可愛いんじゃなかったの?、どうしてそんなひどいことするの?信じられない、と言ったニュアンスですね。
trusted me という過去形は、「ロスは私を信頼して私に預けてくれた。…のに、こんなことじゃ、その信頼が消えてしまうわ。」というニュアンスでしょうか。
ロスがこのことを知ったら何て言うか…と心配するレイチェルですが、モニカは言わないつもりらしい。
「私たちは何も言わないから、彼が文句を言うはずもないのよ。」と言われて、I like that. 「そのモニカの案が気に入ったわ。」と言っています。
That's a good idea. I agree with you. という感じですね。
レイチェル: So we're okay, we're okay, we're okay, (starts to exam Ben) aren't we? No, we're not okay, we're not okay, there's a bump, there's a bump. (だから、私たちは大丈夫よ。大丈夫、大丈夫。[ベンを確かめる] そうよね? いやだ、大丈夫じゃない。大丈夫じゃないわ。こぶがある、こぶがある。)
モニカ: Oh, my God! Well, push it in! Push it in!
(まぁ、なんてこと! そうだわ、こぶを押し込んで! それを押し込んで!)
レイチェル: I cannot push it in! (押し込むなんて出来ないわ!)
ト書きの examine は「調査する、検査する、審査する」。
ロングマン現代英英辞典では、
examine:
1. to look at something carefully and thoroughly because you want to find out more about it
2. if a doctor examines you, they look at your body to check that you are healthy
つまり、1. は「何かを注意深く徹底的に見ること。そのことについてより多くのことを見つけたいという理由から。」
2. は「医者が人を examine するとは、その人が健康であるかを調べるために体を見ること。」
2. は日本語では「診察する」ですね。
今回のベンへの仕草も体に異常がないか触って確かめている、診察している感じです。
で、診察して異常を発見してしまった、ということですね。
"Push it in!" と叫ぶモニカに笑ってしまったのですが…。
push 「押す」+ in 「中に」で、まさに「(出っ張っているこぶを)頭の中に押し込む」(笑)。
子供好きのモニカなのに、そしてベンのことも愛しているのに、ものすごいことを言っていますね。
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2007年11月05日
ホモ・サピエンスその2 フレンズ3-8その9
ジョーイ: Hey-hey, Ross? (なぁ、ロス?)
ロス: Yeah. (うん。)
ジョーイ: I got a science question. (科学的な質問があるんだけど。)
ロス: Hmm? (何?)
ジョーイ: If the Homo sapiens, were in fact, "homo" sapiens, okay? Is that why they're extinct? (もし、ホモ・サピエンスが、実際に、「ホモ」サピエンスだったんならさぁ、そのせいで彼らは絶滅したの?[今、絶滅している状態なの?])
ロス: Joey, Homo sapiens are people. (ジョーイ、ホモ・サピエンスっていうのは人類のことだよ[人間だよ]。)
ジョーイ: Hey-hey, I'm not judging. (おいおい、俺は差別してる[批判的なことを言ってる]わけじゃないぞ。)
ジョーイからの質問です。
わざわざ a science question と言っているのですが、それが却って、またトンチンカンな質問が来るんだろうなぁ、と予感させますね(笑)。
extinct 「絶滅した、死に絶えた」は古生物学者のロスが扱う対象物に必ず付きまとう形容詞でもありますね。
彼が扱っている生物たちはほとんどすべて、絶滅しているものばかりですから。
ロングマン現代英英辞典では、
extinct: an extinct type of animal or plant does not exist any more
つまり、「extinct である動物や植物は、もう存在していない」。
フレンズ3-7その1 でも、become extinct 「絶滅する」という表現が出てきました。
今回のジョーイのセリフは、they're extinct、つまり be extinct で「絶滅している、絶滅した状態である」ということです。
ジョーイの質問は、フレンズ3-8その7 で、「ホモ・サピエンス」という表示を「ホモ」にしてフィギュアを並べ替えた、という子供のレベルと変わりません。
ホモと聞くと、そっち方面のホモしか思い浮かばないわけですね。
モニカやレイチェルはそのジョーイの質問を聞いて、「あっちゃ〜」という感じになっています。(さすがにジョーイ以外の人は「ホモ・サピエンスとは何か」くらいは知っていたようです…笑)
people というのは、ロスは「人類」と言う生物学上の種(分類)を言っています。
つまり、Homo sapiens は「今地球上に生きている人類の学術的名称」のことで、ホモ・サピエンスは絶滅なんかしてないよ、だって僕ら「人類、人間」を指す言葉なんだからね、と説明しているのですね。
ところが、ホモ・サピエンス=人類、であることを知らないジョーイは、その people を「ひと」みたいな感じに捉えています。
フレンズ1-6その6 では、美人のオーロラという女性に声を掛けるのをためらうチャンドラーに、
レイチェル: Oh, c'mon. She's a person, you can do it! (ねぇ、大丈夫よ。彼女だって人間よ。あなたならできるわよ。)
というセリフがありましたが、その She's a person. には「彼女だって(私たちと同じ)人間よ。特別な存在じゃない。」というニュアンスがあります。
ジョーイは、Homo sapiens are people. というセリフに、それと同じニュアンスを感じたようです。
つまり、ジョーイはロスが「そんなことを言うなよ、彼らも人間なんだぞ、同性愛者だから子孫を残すことができなかった、みたいな言い方をしちゃいけない、そんな差別的なことを言っちゃいけない」と言ったと思ったのですね。
それで、「俺は批判的な決め付けはしていない、差別してない」とジョーイは答えているのです。
judge は「審判する、判定する、判断する」という意味ですが、「批判する、非難する、断定する」という意味もあります。
ロングマン現代英英辞典では、
judge: CRITICIZE
to form an opinion about someone, especially in an unfair or criticizing way
つまり、「誰かについての意見を持つ、特にフェアでない、または批判的な形で」。
その対象物に対して、批判的な意見を持つ、ネガティブな評価を下す、ということです。
フレンズ2-24その24 では、
レイチェル: ... people are going to be looking at me and judging me and, and thinking about the last time. (出席者の人たちは私を見て、私を批判して、この前のこと[私が逃げ出したこと]を考えることになるんだもの。)
というセリフもありましたね。
Don't be judgmental. だったら「決め付けないで。批判的なことを言わないで。」のような感じです。
フレンズ2-4その1 では、
フィービー: I'm sorry, but I knew if I told you, you'd get judgmental and wouldn't approve. (ごめんね。でも、もしあなたに言ったら、批判的なことを言うし、認めてくれそうにない、ってわかってたから。)
というセリフもありました。
ロングマン現代英英辞典では、
judgmental: criticizing people very quickly - used to show disapproval
つまり、「人を素早く批判する。(非難・不満を示す、難色を示すのに使われる)」。
show disapproval というのは、「すぐに人を非難・批判する」という誰かの性格・性質に対して難色を示している、ということで、judgmental はネガティブなニュアンス、悪い意味で使われる言葉である、誉め言葉としては使えないということです。
「あなたって judgmental ね。」という場合には、「そんな風に人を勝手に判断するのは良くないわ、決め付けるのは良くないわ」という気持ちが表れている、ということですね。
ということで、ロスは「ホモ・サピエンスというのは、人類を表す生物学上の分類で、同性愛のホモセクシャルとは関係ない。僕たち人類のことだから、絶滅してもいない。」と言っているのですが、それをジョーイは、「ホモ(・サピエンス)も僕らと同じ人間なんだ。分け隔てしちゃいけない。」と言ったと思ったので、「俺は同性愛者を差別してるわけじゃないぞ。」と答えているのですね。
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ロス: Yeah. (うん。)
ジョーイ: I got a science question. (科学的な質問があるんだけど。)
ロス: Hmm? (何?)
ジョーイ: If the Homo sapiens, were in fact, "homo" sapiens, okay? Is that why they're extinct? (もし、ホモ・サピエンスが、実際に、「ホモ」サピエンスだったんならさぁ、そのせいで彼らは絶滅したの?[今、絶滅している状態なの?])
ロス: Joey, Homo sapiens are people. (ジョーイ、ホモ・サピエンスっていうのは人類のことだよ[人間だよ]。)
ジョーイ: Hey-hey, I'm not judging. (おいおい、俺は差別してる[批判的なことを言ってる]わけじゃないぞ。)
ジョーイからの質問です。
わざわざ a science question と言っているのですが、それが却って、またトンチンカンな質問が来るんだろうなぁ、と予感させますね(笑)。
extinct 「絶滅した、死に絶えた」は古生物学者のロスが扱う対象物に必ず付きまとう形容詞でもありますね。
彼が扱っている生物たちはほとんどすべて、絶滅しているものばかりですから。
ロングマン現代英英辞典では、
extinct: an extinct type of animal or plant does not exist any more
つまり、「extinct である動物や植物は、もう存在していない」。
フレンズ3-7その1 でも、become extinct 「絶滅する」という表現が出てきました。
今回のジョーイのセリフは、they're extinct、つまり be extinct で「絶滅している、絶滅した状態である」ということです。
ジョーイの質問は、フレンズ3-8その7 で、「ホモ・サピエンス」という表示を「ホモ」にしてフィギュアを並べ替えた、という子供のレベルと変わりません。
ホモと聞くと、そっち方面のホモしか思い浮かばないわけですね。
モニカやレイチェルはそのジョーイの質問を聞いて、「あっちゃ〜」という感じになっています。(さすがにジョーイ以外の人は「ホモ・サピエンスとは何か」くらいは知っていたようです…笑)
people というのは、ロスは「人類」と言う生物学上の種(分類)を言っています。
つまり、Homo sapiens は「今地球上に生きている人類の学術的名称」のことで、ホモ・サピエンスは絶滅なんかしてないよ、だって僕ら「人類、人間」を指す言葉なんだからね、と説明しているのですね。
ところが、ホモ・サピエンス=人類、であることを知らないジョーイは、その people を「ひと」みたいな感じに捉えています。
フレンズ1-6その6 では、美人のオーロラという女性に声を掛けるのをためらうチャンドラーに、
レイチェル: Oh, c'mon. She's a person, you can do it! (ねぇ、大丈夫よ。彼女だって人間よ。あなたならできるわよ。)
というセリフがありましたが、その She's a person. には「彼女だって(私たちと同じ)人間よ。特別な存在じゃない。」というニュアンスがあります。
ジョーイは、Homo sapiens are people. というセリフに、それと同じニュアンスを感じたようです。
つまり、ジョーイはロスが「そんなことを言うなよ、彼らも人間なんだぞ、同性愛者だから子孫を残すことができなかった、みたいな言い方をしちゃいけない、そんな差別的なことを言っちゃいけない」と言ったと思ったのですね。
それで、「俺は批判的な決め付けはしていない、差別してない」とジョーイは答えているのです。
judge は「審判する、判定する、判断する」という意味ですが、「批判する、非難する、断定する」という意味もあります。
ロングマン現代英英辞典では、
judge: CRITICIZE
to form an opinion about someone, especially in an unfair or criticizing way
つまり、「誰かについての意見を持つ、特にフェアでない、または批判的な形で」。
その対象物に対して、批判的な意見を持つ、ネガティブな評価を下す、ということです。
フレンズ2-24その24 では、
レイチェル: ... people are going to be looking at me and judging me and, and thinking about the last time. (出席者の人たちは私を見て、私を批判して、この前のこと[私が逃げ出したこと]を考えることになるんだもの。)
というセリフもありましたね。
Don't be judgmental. だったら「決め付けないで。批判的なことを言わないで。」のような感じです。
フレンズ2-4その1 では、
フィービー: I'm sorry, but I knew if I told you, you'd get judgmental and wouldn't approve. (ごめんね。でも、もしあなたに言ったら、批判的なことを言うし、認めてくれそうにない、ってわかってたから。)
というセリフもありました。
ロングマン現代英英辞典では、
judgmental: criticizing people very quickly - used to show disapproval
つまり、「人を素早く批判する。(非難・不満を示す、難色を示すのに使われる)」。
show disapproval というのは、「すぐに人を非難・批判する」という誰かの性格・性質に対して難色を示している、ということで、judgmental はネガティブなニュアンス、悪い意味で使われる言葉である、誉め言葉としては使えないということです。
「あなたって judgmental ね。」という場合には、「そんな風に人を勝手に判断するのは良くないわ、決め付けるのは良くないわ」という気持ちが表れている、ということですね。
ということで、ロスは「ホモ・サピエンスというのは、人類を表す生物学上の分類で、同性愛のホモセクシャルとは関係ない。僕たち人類のことだから、絶滅してもいない。」と言っているのですが、それをジョーイは、「ホモ(・サピエンス)も僕らと同じ人間なんだ。分け隔てしちゃいけない。」と言ったと思ったので、「俺は同性愛者を差別してるわけじゃないぞ。」と答えているのですね。
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2007年11月04日
相手の意向を尋ねるDo you want me to...? フレンズ3-8その8
モニカ: So, do you want me to watch Ben for you? (それで、ロスの代わりに私がベンの子守をしてあげようか?)
ロス: Yes, that's what I was gonna ask, thank you. (そうなんだ、それを僕はお願いしようとしてたんだよ、ありがとう。)
レイチェル: Whoa! Wait! Hello! What about me? (ちょっと! 待って! もしもし! 私のことはどうなるの?)
ロス: You. You want to watch Ben? (in the background Monica mouths 'Don't worry, I'll be here the whole time.' to Ross.) Yes! That'd be great! No, I just asked Monica, because I know how empty her life is. (Monica sarcastically mouths 'Yeah!' and holds up her thumb.)
(レイチェルのこと? レイチェルはベンの面倒をみたいの? [後ろでモニカが「心配ないわ、私はずっとここにいるから」と声には出さずに口を動かして言っている。] そうだね! そうしてもらえるとありがたい! いや、僕がモニカにお願いしたのは、モニカの生活[人生]がどれほど空虚なものかを知ってるからだよ。)
モニカは皮肉っぽく「その通りよ!」と口を動かし、親指を立てる。
フレンズ3-7その13 のコメント欄 で、Do you want me to...? のニュアンスについてのコメントをいただきました。
直訳すると、「あなたは私に…して欲しい?」ということなのですが、そういう傲慢な感じはなくて、「…しましょうか?」と「相手の意向を積極的に聞く」ニュアンスで使われる場合が多いようです。
「あなたがそれを望んでいるのなら、私はそれをしてあげるつもりよ」という感じでしょうか。
仕事に出ないといけないとボヤいているので、留守中のベンの子守を頼みに来たんだな、とピンと来るモニカ。
ロスも「そうなんだよ、さすが僕の妹、僕の言いたいことがわかってるね。」という感じで、ベンの世話を頼むならモニカ、という暗黙の了解が出来ている感じです。
that's what I was gonna ask は、was gonna ask = was going to ask で「お願いしようと思っていた、お願いする予定だった」ということ。
こちらから頼もうと思っていたのに、それを察して先に言い出してくれてありがとう、ということですね。
ところが、そこにレイチェルが引っかかるんですね。
妹に頼むのはわかるけど、その妹の同居人である私には一言もないの、そもそも私はあなたの恋人なのに、どっちかって言うと、私に先に頼むのが筋なんじゃない?とでも言いたいようです。
モニカは子供好きを公言しているので、まかせても安心なのですが、レイチェルは以前のエピソードからもわかるように、どうも子供が苦手らしい。
フレンズ2-20その15 ではうまくベンを抱っこできなくて、「ベンは爆弾じゃないんだから」とロスに言われていましたね。
だから、ロスとしては、レイチェルに頼む、ということは全く頭になかったようで、返事に困ってしまいます。
でも、レイチェルに見えないようにモニカが合図して、「私がちゃんと見てるから」と言うので、レイチェルにもお願いすることにするんですね。
そして、先にモニカに頼んだのは、「モニカが寂しい人生を送っているから、少しでも楽しみを与えてあげようと思って。」みたいな理由を言います。
フレンズ3-4その4 では、モニカのことではないですが(笑)、
フィービー: What a sad little life she must lead. (その人は何とも悲しくてちっぽけな人生[毎日、生活]を送ってるのね。)
というセリフもありましたね。
モニカはベンの世話を引き受け、さらにはレイチェルが気を悪くしないように上手に立ち回っているというのに、そのお返しがこれかよ!というところです(笑)。
「誉めてくれてありがとう、ナイス・フォローね!」という感じで、イェーイ!と親指を立てているのが面白いです。
(Rach からのお願い)
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ロス: Yes, that's what I was gonna ask, thank you. (そうなんだ、それを僕はお願いしようとしてたんだよ、ありがとう。)
レイチェル: Whoa! Wait! Hello! What about me? (ちょっと! 待って! もしもし! 私のことはどうなるの?)
ロス: You. You want to watch Ben? (in the background Monica mouths 'Don't worry, I'll be here the whole time.' to Ross.) Yes! That'd be great! No, I just asked Monica, because I know how empty her life is. (Monica sarcastically mouths 'Yeah!' and holds up her thumb.)
(レイチェルのこと? レイチェルはベンの面倒をみたいの? [後ろでモニカが「心配ないわ、私はずっとここにいるから」と声には出さずに口を動かして言っている。] そうだね! そうしてもらえるとありがたい! いや、僕がモニカにお願いしたのは、モニカの生活[人生]がどれほど空虚なものかを知ってるからだよ。)
モニカは皮肉っぽく「その通りよ!」と口を動かし、親指を立てる。
フレンズ3-7その13 のコメント欄 で、Do you want me to...? のニュアンスについてのコメントをいただきました。
直訳すると、「あなたは私に…して欲しい?」ということなのですが、そういう傲慢な感じはなくて、「…しましょうか?」と「相手の意向を積極的に聞く」ニュアンスで使われる場合が多いようです。
「あなたがそれを望んでいるのなら、私はそれをしてあげるつもりよ」という感じでしょうか。
仕事に出ないといけないとボヤいているので、留守中のベンの子守を頼みに来たんだな、とピンと来るモニカ。
ロスも「そうなんだよ、さすが僕の妹、僕の言いたいことがわかってるね。」という感じで、ベンの世話を頼むならモニカ、という暗黙の了解が出来ている感じです。
that's what I was gonna ask は、was gonna ask = was going to ask で「お願いしようと思っていた、お願いする予定だった」ということ。
こちらから頼もうと思っていたのに、それを察して先に言い出してくれてありがとう、ということですね。
ところが、そこにレイチェルが引っかかるんですね。
妹に頼むのはわかるけど、その妹の同居人である私には一言もないの、そもそも私はあなたの恋人なのに、どっちかって言うと、私に先に頼むのが筋なんじゃない?とでも言いたいようです。
モニカは子供好きを公言しているので、まかせても安心なのですが、レイチェルは以前のエピソードからもわかるように、どうも子供が苦手らしい。
フレンズ2-20その15 ではうまくベンを抱っこできなくて、「ベンは爆弾じゃないんだから」とロスに言われていましたね。
だから、ロスとしては、レイチェルに頼む、ということは全く頭になかったようで、返事に困ってしまいます。
でも、レイチェルに見えないようにモニカが合図して、「私がちゃんと見てるから」と言うので、レイチェルにもお願いすることにするんですね。
そして、先にモニカに頼んだのは、「モニカが寂しい人生を送っているから、少しでも楽しみを与えてあげようと思って。」みたいな理由を言います。
フレンズ3-4その4 では、モニカのことではないですが(笑)、
フィービー: What a sad little life she must lead. (その人は何とも悲しくてちっぽけな人生[毎日、生活]を送ってるのね。)
というセリフもありましたね。
モニカはベンの世話を引き受け、さらにはレイチェルが気を悪くしないように上手に立ち回っているというのに、そのお返しがこれかよ!というところです(笑)。
「誉めてくれてありがとう、ナイス・フォローね!」という感じで、イェーイ!と親指を立てているのが面白いです。
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2007年11月03日
英英辞典で補完する
今日は、英英辞典の効用について語ります。
Rach流DVD学習法の最終段階「英語音声、英語字幕」で英語の意味を調べる際に、英英辞典を使うとどういう効果があるか、という話です。
この最後の段階では、その出てきた言葉は、ドラマの中で様々な情報が与えられた状態になっています。
話の流れ、状況、表情、口調など、その単語の意味を推測できるヒントがたくさんあります。
「その時」に、辞書で意味をしっかり確認する、というのが非常に効果的なのです。
自分がセリフから受けたイメージ・感覚を、論理的説明によって固める、という感じでしょうか。
いろんな情報が与えられている、というのはとても有利なことです。
例え意味がパッとわからなかったとしても、その解釈を大きく外す可能性が少なくなります。
そういう意味では、洋書のリーディングは文字情報しかないので、読み取りが難しいわけですね。
ドラマが与えてくれた情報をフルに活用して、その単語・表現のイメージを自分の中で固めていく、それがDVD学習法なのです。
ドラマは情報が与えられすぎて、英語の力はつかないんじゃないか?という方がいたとしたら、それは逆だと思います。
たくさんの情報が与えられるからこそ、その意味の感覚が掴めるんですね。
例えば、「レイチェルが○○した。」というセリフが出てきたとします。
ストーリーを追っていれば、そのレイチェルのしたことが何かわかりますよね。
それを英語では、○○という単語を使うのだ、ということが英語のセリフからわかるのです。
日本人が英作文をする場合、「これは日本語では△△と言うから、それを英語では何て言うんだろう?」と和英辞典を引いたりすることがありますが、そういうのとは全く違う、「見た動作・行動をそのまま英語の単語に置き換える」ということがドラマでは可能なのです。
そうして覚えた動詞は、そのセリフと共に頭に定着して、その「動いているイメージ」が頭の中に出来上がるのですね。
もっと顕著な例は「ト書き」で、あれは誰かの行動を英語にしたものです。
フレンズのネットスクリプトには、ト書きもついています。
私は最近になって、解説記事中で、そういうト書きの表現を説明するようになったのですが、それは私自身が、「へぇ〜、英語ではこんな単語を使うんだ、こんな風に表現するんだぁ〜」と勉強になる部分が多いことに気付いたからですね。
例えば、簡単な単語を例に出します。
フレンズ3-7その9 では、(glares at him) というト書きが出てきます。
この場合は、Joey glares at Ross. という状況なのですが、その表情を見ると、ジョーイはロスをにらんでいる、どうやら怒っているらしいことがわかります。
「こういう顔で相手を見つめることを、英語では glare というんだな。」ということがわかりますね。
まさに、
「百聞は一見にしかず」
Seeing is believing.
A picture is worth a thousand words.
です。
この顔が、glare している顔、なのです。
その後で、英英辞典の、言葉で論理的に説明された語義を読んでみます。
ロングマン現代英英辞典では、
glare: to look angrily at someone for a long time
つまり、「長い時間、誰かを怒って見つめる」。
やはり、そのシーンのように、angrily という「怒った感情」が入っているところがポイントだ、それも「ちらっと」見るのではなくて、「じっと」見るのだ、ということもわかりますね。
ドラマのシーンから読み取るイメージと、英英辞典に書かれた語義とがお互い補完し合って、より正確なイメージが自分の中にできるのです。
または、自分の受け取ったイメージが、本来の意味から少しずれていた場合には、それを英英辞典は修正してくれるのです。
「ジョーイがロスを見る」という場合でも、どんな風に見たのかで、単語の選択が違います。
「見る」という単語のバリエーションはとても多い。
それを理解するには、それぞれの「見る」がどんなものかをまさしく「見る」必要があるのです。
そしてそれを英英辞典で確認すると、それが非常に理路整然とした言葉で説明してくれていることに感動すら覚えます。
このイメージを英語で表現すると、こうなるのか!と、その英語での説明が頭にすっと入りやすくなるわけですね。
また「目にはっきりとは見えない動作」の場合でも、英英辞典の語義は有効です。
フレンズ3-5その29 では、ロスが有名女優のイザベラ・ロッセリーニを見つけた時のト書きが以下のように書いてあります。
(Ross recognises her and goes over to the couch, mouthing 'Oh, my God')
ロスは彼女を認めて、(フレンズたちがいる)カウチに向かう、声には出さず口を動かして「なんてことだ!」と言う。
recognize (recognise) はロングマン現代英英辞典によると、
recognize: [not in progressive] to know who someone is or what something is, because you have seen, heard, experienced, or learned about them in the past
つまり、「ある人や物について、過去に見た、聞いた、経験した、学んだなどの理由で、ある人が誰か、またはある物が何か、を知ること。」
つまり、ロスは、映画などでイザベラを何度も見ていたから、「あ、あれはイザベラ・ロッセリーニだ!」と気付いた、ということです。
漠然とした「分かる、認める、認識する」という日本語訳ではなく、この時のロスのように、有名女優を見てその人だと分かる、これが recognize なんだ!と知ることが大切だと思うのですね。
このロングマンの語義も、その語義だけを読んでいる時よりも、そのロスの行動と照らし合わせた方が、その意味するところがはっきりしますね。
語義そのものを論理的に説明するのはとても難しいです。
日本語の場合でも、子供に言葉の意味を聞かれたときに答えに窮することがよくあります。
そういう場合、「例えば、こういう状況で、こうしたとき、それを○○と言うのよ。」と説明したり、動作ならそれを実際にやって見せたり…。
「もの」ならその写真を見せるのが一番手っ取り早いですよね。
実際に、私が使っているロングマン現代英英辞典の CD-ROM 版には、たくさんの写真が載っています。
結局、それが一番わかりやすいからでしょう。
そういう「例えば、という例を示す」「動作をやってみせる」「実物を見せる」のがドラマで、
その大人でも難しい語義の説明を、非常に基本的な単語を使って、非常にシンプルに論理的に書いてくれているのが英英辞典だ、ということです。
イメージを言葉で表現する、言葉をイメージとして捉える…。
ドラマと英英辞典、今の私の中では、これが
「英語学習における史上最強の組み合わせ」
ですね(笑)。
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Rach流DVD学習法の最終段階「英語音声、英語字幕」で英語の意味を調べる際に、英英辞典を使うとどういう効果があるか、という話です。
この最後の段階では、その出てきた言葉は、ドラマの中で様々な情報が与えられた状態になっています。
話の流れ、状況、表情、口調など、その単語の意味を推測できるヒントがたくさんあります。
「その時」に、辞書で意味をしっかり確認する、というのが非常に効果的なのです。
自分がセリフから受けたイメージ・感覚を、論理的説明によって固める、という感じでしょうか。
いろんな情報が与えられている、というのはとても有利なことです。
例え意味がパッとわからなかったとしても、その解釈を大きく外す可能性が少なくなります。
そういう意味では、洋書のリーディングは文字情報しかないので、読み取りが難しいわけですね。
ドラマが与えてくれた情報をフルに活用して、その単語・表現のイメージを自分の中で固めていく、それがDVD学習法なのです。
ドラマは情報が与えられすぎて、英語の力はつかないんじゃないか?という方がいたとしたら、それは逆だと思います。
たくさんの情報が与えられるからこそ、その意味の感覚が掴めるんですね。
例えば、「レイチェルが○○した。」というセリフが出てきたとします。
ストーリーを追っていれば、そのレイチェルのしたことが何かわかりますよね。
それを英語では、○○という単語を使うのだ、ということが英語のセリフからわかるのです。
日本人が英作文をする場合、「これは日本語では△△と言うから、それを英語では何て言うんだろう?」と和英辞典を引いたりすることがありますが、そういうのとは全く違う、「見た動作・行動をそのまま英語の単語に置き換える」ということがドラマでは可能なのです。
そうして覚えた動詞は、そのセリフと共に頭に定着して、その「動いているイメージ」が頭の中に出来上がるのですね。
もっと顕著な例は「ト書き」で、あれは誰かの行動を英語にしたものです。
フレンズのネットスクリプトには、ト書きもついています。
私は最近になって、解説記事中で、そういうト書きの表現を説明するようになったのですが、それは私自身が、「へぇ〜、英語ではこんな単語を使うんだ、こんな風に表現するんだぁ〜」と勉強になる部分が多いことに気付いたからですね。
例えば、簡単な単語を例に出します。
フレンズ3-7その9 では、(glares at him) というト書きが出てきます。
この場合は、Joey glares at Ross. という状況なのですが、その表情を見ると、ジョーイはロスをにらんでいる、どうやら怒っているらしいことがわかります。
「こういう顔で相手を見つめることを、英語では glare というんだな。」ということがわかりますね。
まさに、
「百聞は一見にしかず」
Seeing is believing.
A picture is worth a thousand words.
です。
この顔が、glare している顔、なのです。
その後で、英英辞典の、言葉で論理的に説明された語義を読んでみます。
ロングマン現代英英辞典では、
glare: to look angrily at someone for a long time
つまり、「長い時間、誰かを怒って見つめる」。
やはり、そのシーンのように、angrily という「怒った感情」が入っているところがポイントだ、それも「ちらっと」見るのではなくて、「じっと」見るのだ、ということもわかりますね。
ドラマのシーンから読み取るイメージと、英英辞典に書かれた語義とがお互い補完し合って、より正確なイメージが自分の中にできるのです。
または、自分の受け取ったイメージが、本来の意味から少しずれていた場合には、それを英英辞典は修正してくれるのです。
「ジョーイがロスを見る」という場合でも、どんな風に見たのかで、単語の選択が違います。
「見る」という単語のバリエーションはとても多い。
それを理解するには、それぞれの「見る」がどんなものかをまさしく「見る」必要があるのです。
そしてそれを英英辞典で確認すると、それが非常に理路整然とした言葉で説明してくれていることに感動すら覚えます。
このイメージを英語で表現すると、こうなるのか!と、その英語での説明が頭にすっと入りやすくなるわけですね。
また「目にはっきりとは見えない動作」の場合でも、英英辞典の語義は有効です。
フレンズ3-5その29 では、ロスが有名女優のイザベラ・ロッセリーニを見つけた時のト書きが以下のように書いてあります。
(Ross recognises her and goes over to the couch, mouthing 'Oh, my God')
ロスは彼女を認めて、(フレンズたちがいる)カウチに向かう、声には出さず口を動かして「なんてことだ!」と言う。
recognize (recognise) はロングマン現代英英辞典によると、
recognize: [not in progressive] to know who someone is or what something is, because you have seen, heard, experienced, or learned about them in the past
つまり、「ある人や物について、過去に見た、聞いた、経験した、学んだなどの理由で、ある人が誰か、またはある物が何か、を知ること。」
つまり、ロスは、映画などでイザベラを何度も見ていたから、「あ、あれはイザベラ・ロッセリーニだ!」と気付いた、ということです。
漠然とした「分かる、認める、認識する」という日本語訳ではなく、この時のロスのように、有名女優を見てその人だと分かる、これが recognize なんだ!と知ることが大切だと思うのですね。
このロングマンの語義も、その語義だけを読んでいる時よりも、そのロスの行動と照らし合わせた方が、その意味するところがはっきりしますね。
語義そのものを論理的に説明するのはとても難しいです。
日本語の場合でも、子供に言葉の意味を聞かれたときに答えに窮することがよくあります。
そういう場合、「例えば、こういう状況で、こうしたとき、それを○○と言うのよ。」と説明したり、動作ならそれを実際にやって見せたり…。
「もの」ならその写真を見せるのが一番手っ取り早いですよね。
実際に、私が使っているロングマン現代英英辞典の CD-ROM 版には、たくさんの写真が載っています。
結局、それが一番わかりやすいからでしょう。
そういう「例えば、という例を示す」「動作をやってみせる」「実物を見せる」のがドラマで、
その大人でも難しい語義の説明を、非常に基本的な単語を使って、非常にシンプルに論理的に書いてくれているのが英英辞典だ、ということです。
イメージを言葉で表現する、言葉をイメージとして捉える…。
ドラマと英英辞典、今の私の中では、これが
「英語学習における史上最強の組み合わせ」
ですね(笑)。
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2007年11月02日
ホモ・サピエンスその1 フレンズ3-8その7
ロス: Okay, I have a problem. I have to go into work for a few hours. Some kids messed up the Homo sapien display. (問題があって、2、3時間仕事に出ないといけないんだ。子供らがホモ・サピエンスの展示をむちゃくちゃにしちゃって。)
ジョーイ: What did they do? (その子たちは何をやったんだ?)
ロス: Well, they painted over the word "sapien," for one thing, then they rearranged the figures. Let's just leave it at that. (そうだな、まず一つは、彼らは「サピエン」という言葉を塗りつぶしたんだよ。それから、フィギュア[人形、像]を並べ替えた。そのくらいにしておこう。)
Homo sapien は「ホモ・サピエンス、人類」のことですね。
通常は、Homo sapiens と最後に -s がつくはずなのですが、ロスは sapien と言っています。
この件については、話が長くなるので、最後におまけの形で触れたいと思います。
セリフの解釈にはあまり関係のない話ですが、英語の単語の変化の視点から見ると面白いかも、という話です(←私だけ?…笑)
ちなみに、Homo sapiens の発音は、「ホモ・セイピエンズ」となります。(ロスも、「セイピエン」と発音しています。)
子供たちのいたずらを説明するのに、"... for one thing, then..." と言っています。
ロングマン現代英英辞典では、
for one thing: used to give one reason for something
例1) Well, for one thing, it's too big.
例2) He's not that wonderful. He's bad-tempered for one thing.
つまり、「何かに一つの理由を与えるために使う」。
例文1は、「そうだな、一つの理由としては、それは大きすぎるんだ。」
例文2は、「彼はそれほど素晴らしい人ではない。一つには、彼は気難しいんだ。」
ロスのセリフも、for one thing というのは、やった悪いことの一つがこれだ、という言い方です。
まだ他にもあるんだ、ということを示唆しているのですね。
サピエンという言葉を塗りつぶして、つまり「ホモ」という表示にして、それから、フィギュアを並べ替えた、と言っているので、ホモセクシャルがしているような行為のポーズをフィギュアにさせた、ということですね。
まぁ、それほどハードなものではなく、ただ男同士が抱き合っているだけかもしれませんが、とにかく、ホモと聞けば、子供はそれしか思いつかない、ということです。
ちなみに、Homo sapiens の Homo は、ラテン語で「人間」という意味で、「ヒト属」という生物学上の分類を指します。
そして、homosexual の接頭語 homo- は、「同一(the same)」という意味になります。
その反意語は、hetero- 「ヘテロ」。
「同性愛者」(homosexual)の反対語の「異性愛者」なら heterosexual になりますね。
フレンズ2-6その6 では、ジョーイとチャンドラーがロスの子供ベンの子守をしていて、ホモセクシャルのカップルに間違われないようにと、
ジョーイ: We're two heterosexual guys hanging with the son of our other heterosexual friend, doing the usual straight-guy stuff. (僕たちは、ヘテロ(異性愛者)で、別のヘテロの友達の息子と遊んでるんだ。普通にストレートの男性がするようなことをしてるだけさ。)
と必死に説明しているシーンがありました。
わざわざ heterosexual だと言っているのは、homosexual じゃない、と念押ししているわけですね。
leave it at that は「それをその状態においておく、放っておく」という感じで、「そのくらいにしておこう、そのくらいでやめておこう」ということですね。
Homo habilis, Homo sapiens などの「ホモなんとか」という名前が出る度に、誰かが同性愛者のホモセクシャルのことを話題にする…古生物学者であるロスは、そういうことにもうあきあきしているのでしょう。
今回もそういうありがちな子供のいたずらにあきれて、または、がっくりして、それ以上詳しく説明する気にはなれない、言わなくてもわかるだろ、ってことですね。
(今日のおまけ話… Homo sapien というのは正しい表現か?)
上でも説明しましたが、Homo sapiens の Homo は、ラテン語で「人間」という意味で、「ヒト属」という生物学上の分類を指します。
Homo sapiens はラテン語で wise man という意味になります。
実際に英語で sapience 「(文語)知恵」という単語もあります。
ですから、sapiens の語尾の -s は複数形を表す語尾、ということではないようですし、辞書では、Homo sapiens は不可算名詞(uncountable)だと書いてあります。
…となると、ロスのセリフの、Homo sapien という表現は変な感じがするのですが…。
と思っていたら、同じような疑問を持っている方がネイティブにもおられたようで(笑)、
WordReference.com Language Forums: "homo sapien" というフォーラムで、「homo sapien と -s がつかないのは変じゃないか?」ということが話題になっています。
興味のある方は覗いてみて下さい。
(このフォーラムでは、最初が homo と小文字であることも問題になっていますが、フレンズのセリフでは、Homo と正しく大文字で表記されていますので、そこは問題ありません。)
やはり、見た目が -s で終わっているために、Homo sapiens を複数形だと捉えて、その -s を取った形を単数形のように使う人がいる、ということのようですね。
ですが、正確に言うと、やはり Homo sapien という言葉は生物学上の正しい名称ではなく、必ず Homo sapiens と -s をつけなければいけないようです。
となると、古生物学者、すなわち専門家のロスが Homo sapien という incorrect な表現を使っていていいのか?!という疑問が浮かぶのですが…(笑)。
ホモ・サピエンスにまつわる話はまだこの後にも出てきます。
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ロス: Well, they painted over the word "sapien," for one thing, then they rearranged the figures. Let's just leave it at that. (そうだな、まず一つは、彼らは「サピエン」という言葉を塗りつぶしたんだよ。それから、フィギュア[人形、像]を並べ替えた。そのくらいにしておこう。)
Homo sapien は「ホモ・サピエンス、人類」のことですね。
通常は、Homo sapiens と最後に -s がつくはずなのですが、ロスは sapien と言っています。
この件については、話が長くなるので、最後におまけの形で触れたいと思います。
セリフの解釈にはあまり関係のない話ですが、英語の単語の変化の視点から見ると面白いかも、という話です(←私だけ?…笑)
ちなみに、Homo sapiens の発音は、「ホモ・セイピエンズ」となります。(ロスも、「セイピエン」と発音しています。)
子供たちのいたずらを説明するのに、"... for one thing, then..." と言っています。
ロングマン現代英英辞典では、
for one thing: used to give one reason for something
例1) Well, for one thing, it's too big.
例2) He's not that wonderful. He's bad-tempered for one thing.
つまり、「何かに一つの理由を与えるために使う」。
例文1は、「そうだな、一つの理由としては、それは大きすぎるんだ。」
例文2は、「彼はそれほど素晴らしい人ではない。一つには、彼は気難しいんだ。」
ロスのセリフも、for one thing というのは、やった悪いことの一つがこれだ、という言い方です。
まだ他にもあるんだ、ということを示唆しているのですね。
サピエンという言葉を塗りつぶして、つまり「ホモ」という表示にして、それから、フィギュアを並べ替えた、と言っているので、ホモセクシャルがしているような行為のポーズをフィギュアにさせた、ということですね。
まぁ、それほどハードなものではなく、ただ男同士が抱き合っているだけかもしれませんが、とにかく、ホモと聞けば、子供はそれしか思いつかない、ということです。
ちなみに、Homo sapiens の Homo は、ラテン語で「人間」という意味で、「ヒト属」という生物学上の分類を指します。
そして、homosexual の接頭語 homo- は、「同一(the same)」という意味になります。
その反意語は、hetero- 「ヘテロ」。
「同性愛者」(homosexual)の反対語の「異性愛者」なら heterosexual になりますね。
フレンズ2-6その6 では、ジョーイとチャンドラーがロスの子供ベンの子守をしていて、ホモセクシャルのカップルに間違われないようにと、
ジョーイ: We're two heterosexual guys hanging with the son of our other heterosexual friend, doing the usual straight-guy stuff. (僕たちは、ヘテロ(異性愛者)で、別のヘテロの友達の息子と遊んでるんだ。普通にストレートの男性がするようなことをしてるだけさ。)
と必死に説明しているシーンがありました。
わざわざ heterosexual だと言っているのは、homosexual じゃない、と念押ししているわけですね。
leave it at that は「それをその状態においておく、放っておく」という感じで、「そのくらいにしておこう、そのくらいでやめておこう」ということですね。
Homo habilis, Homo sapiens などの「ホモなんとか」という名前が出る度に、誰かが同性愛者のホモセクシャルのことを話題にする…古生物学者であるロスは、そういうことにもうあきあきしているのでしょう。
今回もそういうありがちな子供のいたずらにあきれて、または、がっくりして、それ以上詳しく説明する気にはなれない、言わなくてもわかるだろ、ってことですね。
(今日のおまけ話… Homo sapien というのは正しい表現か?)
上でも説明しましたが、Homo sapiens の Homo は、ラテン語で「人間」という意味で、「ヒト属」という生物学上の分類を指します。
Homo sapiens はラテン語で wise man という意味になります。
実際に英語で sapience 「(文語)知恵」という単語もあります。
ですから、sapiens の語尾の -s は複数形を表す語尾、ということではないようですし、辞書では、Homo sapiens は不可算名詞(uncountable)だと書いてあります。
…となると、ロスのセリフの、Homo sapien という表現は変な感じがするのですが…。
と思っていたら、同じような疑問を持っている方がネイティブにもおられたようで(笑)、
WordReference.com Language Forums: "homo sapien" というフォーラムで、「homo sapien と -s がつかないのは変じゃないか?」ということが話題になっています。
興味のある方は覗いてみて下さい。
(このフォーラムでは、最初が homo と小文字であることも問題になっていますが、フレンズのセリフでは、Homo と正しく大文字で表記されていますので、そこは問題ありません。)
やはり、見た目が -s で終わっているために、Homo sapiens を複数形だと捉えて、その -s を取った形を単数形のように使う人がいる、ということのようですね。
ですが、正確に言うと、やはり Homo sapien という言葉は生物学上の正しい名称ではなく、必ず Homo sapiens と -s をつけなければいけないようです。
となると、古生物学者、すなわち専門家のロスが Homo sapien という incorrect な表現を使っていていいのか?!という疑問が浮かぶのですが…(笑)。
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2007年11月01日
落ちる穴と落下物に気をつけて フレンズ3-8その6
[Scene: Monica and Rachel's, All are there except for Chandler.]
モニカとレイチェルの部屋。チャンドラーを除いた全員がそこにいる。
ジョーイ: (looking out the window) Ewww! Ugly Naked Guy is using his new hammock. It's like a Play-Doh fat factory. ([窓の外を見て] おぉやだ! 裸のブ男が新しいハンモックを使ってるぞ。まるで「プレイ・ドウ・ファット・ファクトリー」みたいだ。)
ジョーイが例えに出している、Play-Doh は「子供用の粘土」の名前です。
アメリカのおもちゃメーカー、Hasbro の製品ですね。
Hasbro の公式サイトはこちら(↓)。
Play-Doh.com: Imagination Taking Shape!
Wikipedia 英語版: Play-Doh に書いてあるのですが、どうして、doh かというと、ドーナツの原料などになる dough 「ドウ、こね粉、パン生地」と同じような肌触り(texture)だから、ということのようです。
Amazon.com: Playdoh Fun Factory
上の Amazon.com のサイトに、粘土セットのパッケージの写真が載っているのですが、いろんな形を作るための、粘土の「型抜き」の道具も入っているようです。
上のサイトの商品名は、Playdoh Fun Factory (プレイ・ドウ・ファン・ファクトリー)と言うのですが、ジョーイはそれをもじって、Play-Doh fat factory と言っているようですね。
型抜きをして、型から粘土がぶにょっと出る感じと、ハンモックの隙間から、彼のぜい肉がぶにょっと出る感じが似ている、彼の肉を見ていると、押し出される粘土を思い出す、ということかなぁ、と。
そして、fat は「脂肪」ですから、fun factory 「楽しい(粘土加工)工場」の fun の代わりに fat を使って、「脂肪工場、あぶら身工場」のように、そういう脂肪分の多いお肉がぶら下がっている工場であるかのように表現しているわけですね。
Ugly Naked Guy がハンモックに乗っている姿を描写するのに、絶妙のネーミングだな、と思いました。
フィービー: Well, I'm going to the dentist, so listen, okay, just be on the lookout for anything that, that, that you can fall into, or, or that can fall on you, or... All right, just look out! Okay, And um, I also just wanna, I just wanna tell you all that um...... (starts to cry and runs out) (今から歯医者さんに行くわ。だから聞いて。いい? あらゆるものに気をつけてね。例えば、その中に落ちちゃうようなものとか、あなたの上に落ちてくるようなものとか…そうね、ただとにかく気をつけて! それから、私はただあなたたちみんなに言いたいの…。[泣き出して、走り去る])
be on the lookout for... は「…に気をつけて、警戒して、注意して」という意味になります。
この lookout は名詞で、look out という動詞を名詞化したものですね。
look out は「外を見る」ですから、「気をつける、警戒する」という意味になります。
Look out! 「気をつけて!、危ない!」という命令形の形でよく使われますね。(実際、フィービーのセリフの中ごろで、just look out! という命令形が出てきます。)
just be on the lookout for anything that... と that を使って、以下にその気をつけるべき対象物の具体例を挙げていっています。
気をつける対象物をいったん anything と言った後に、その詳しい説明を付け足す、というのがいかにも英語っぽいですし、その方が考えもまとまりやすいですよね。
日本語のように、「Aとか、Bとか、Cとか…に気をつけて。」というよりも、「いろんなことに気をつけてね。例えばAとか、Bとか、Cとか…。」と言われる方が、聞いている方もわかりやすいと思うのですが。
anything that you can fall into は、you can fall into something ということで、「あなたが何かの中に落ちる」、例えば、マンホールや溝などの穴、を指しています。
anything that can fall on you は something can fall on you 「何かがあなたの上(頭上)に落ちてくる」という、その「何か」を指していますね。
日本語にすると「あなたの頭上に落ちてくるもの、落下物」ということで、ビルの上から鉄骨が落ちてくるとか、そういうものを指しています。
そういう類のものには、anything 「どれでも、何にでも」注意を払ってね、と言っているのですね。
can は「可能性」を表しています。
二つとも動詞 fall を使っていますが、前者は「あなたが落ちる」(主語があなた)で、後者は「あなたに落ちる」(目的語があなた)、と、とにかく「落ちる(fall)」に気をつけろ、と言っているのが面白いです。
日本語では、「あなた”が”落ちるものと、あなた”に”落ちるものに気をつけて」と表現すると、この英語の雰囲気が出るかな、と思います。
いろいろ具体例を挙げようとするのですが、「落ちること、落ちてくるもの」のような漠然とした言い方しか思い浮かばず、「とにかく気をつけること、それだけよ」と念押しするフィービー。
もうこれで「今生(こんじょう)の別れ」であるかのように、お別れの挨拶を言おうとしています。
「死ぬかもしれない誰か」にお別れを言いたかったのでしょうが、それが誰になるかもわからないので、you all 「あなたたちみんな」に何か言おうとしていますね。
でも、あまりにも悲しくて言葉が続かなかった、と。
そんな不吉な(笑)。
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モニカとレイチェルの部屋。チャンドラーを除いた全員がそこにいる。
ジョーイ: (looking out the window) Ewww! Ugly Naked Guy is using his new hammock. It's like a Play-Doh fat factory. ([窓の外を見て] おぉやだ! 裸のブ男が新しいハンモックを使ってるぞ。まるで「プレイ・ドウ・ファット・ファクトリー」みたいだ。)
ジョーイが例えに出している、Play-Doh は「子供用の粘土」の名前です。
アメリカのおもちゃメーカー、Hasbro の製品ですね。
Hasbro の公式サイトはこちら(↓)。
Play-Doh.com: Imagination Taking Shape!
Wikipedia 英語版: Play-Doh に書いてあるのですが、どうして、doh かというと、ドーナツの原料などになる dough 「ドウ、こね粉、パン生地」と同じような肌触り(texture)だから、ということのようです。
Amazon.com: Playdoh Fun Factory
上の Amazon.com のサイトに、粘土セットのパッケージの写真が載っているのですが、いろんな形を作るための、粘土の「型抜き」の道具も入っているようです。
上のサイトの商品名は、Playdoh Fun Factory (プレイ・ドウ・ファン・ファクトリー)と言うのですが、ジョーイはそれをもじって、Play-Doh fat factory と言っているようですね。
型抜きをして、型から粘土がぶにょっと出る感じと、ハンモックの隙間から、彼のぜい肉がぶにょっと出る感じが似ている、彼の肉を見ていると、押し出される粘土を思い出す、ということかなぁ、と。
そして、fat は「脂肪」ですから、fun factory 「楽しい(粘土加工)工場」の fun の代わりに fat を使って、「脂肪工場、あぶら身工場」のように、そういう脂肪分の多いお肉がぶら下がっている工場であるかのように表現しているわけですね。
Ugly Naked Guy がハンモックに乗っている姿を描写するのに、絶妙のネーミングだな、と思いました。
フィービー: Well, I'm going to the dentist, so listen, okay, just be on the lookout for anything that, that, that you can fall into, or, or that can fall on you, or... All right, just look out! Okay, And um, I also just wanna, I just wanna tell you all that um...... (starts to cry and runs out) (今から歯医者さんに行くわ。だから聞いて。いい? あらゆるものに気をつけてね。例えば、その中に落ちちゃうようなものとか、あなたの上に落ちてくるようなものとか…そうね、ただとにかく気をつけて! それから、私はただあなたたちみんなに言いたいの…。[泣き出して、走り去る])
be on the lookout for... は「…に気をつけて、警戒して、注意して」という意味になります。
この lookout は名詞で、look out という動詞を名詞化したものですね。
look out は「外を見る」ですから、「気をつける、警戒する」という意味になります。
Look out! 「気をつけて!、危ない!」という命令形の形でよく使われますね。(実際、フィービーのセリフの中ごろで、just look out! という命令形が出てきます。)
just be on the lookout for anything that... と that を使って、以下にその気をつけるべき対象物の具体例を挙げていっています。
気をつける対象物をいったん anything と言った後に、その詳しい説明を付け足す、というのがいかにも英語っぽいですし、その方が考えもまとまりやすいですよね。
日本語のように、「Aとか、Bとか、Cとか…に気をつけて。」というよりも、「いろんなことに気をつけてね。例えばAとか、Bとか、Cとか…。」と言われる方が、聞いている方もわかりやすいと思うのですが。
anything that you can fall into は、you can fall into something ということで、「あなたが何かの中に落ちる」、例えば、マンホールや溝などの穴、を指しています。
anything that can fall on you は something can fall on you 「何かがあなたの上(頭上)に落ちてくる」という、その「何か」を指していますね。
日本語にすると「あなたの頭上に落ちてくるもの、落下物」ということで、ビルの上から鉄骨が落ちてくるとか、そういうものを指しています。
そういう類のものには、anything 「どれでも、何にでも」注意を払ってね、と言っているのですね。
can は「可能性」を表しています。
二つとも動詞 fall を使っていますが、前者は「あなたが落ちる」(主語があなた)で、後者は「あなたに落ちる」(目的語があなた)、と、とにかく「落ちる(fall)」に気をつけろ、と言っているのが面白いです。
日本語では、「あなた”が”落ちるものと、あなた”に”落ちるものに気をつけて」と表現すると、この英語の雰囲気が出るかな、と思います。
いろいろ具体例を挙げようとするのですが、「落ちること、落ちてくるもの」のような漠然とした言い方しか思い浮かばず、「とにかく気をつけること、それだけよ」と念押しするフィービー。
もうこれで「今生(こんじょう)の別れ」であるかのように、お別れの挨拶を言おうとしています。
「死ぬかもしれない誰か」にお別れを言いたかったのでしょうが、それが誰になるかもわからないので、you all 「あなたたちみんな」に何か言おうとしていますね。
でも、あまりにも悲しくて言葉が続かなかった、と。
そんな不吉な(笑)。
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