2007年11月01日

落ちる穴と落下物に気をつけて フレンズ3-8その6

[Scene: Monica and Rachel's, All are there except for Chandler.]
モニカとレイチェルの部屋。チャンドラーを除いた全員がそこにいる。
ジョーイ: (looking out the window) Ewww! Ugly Naked Guy is using his new hammock. It's like a Play-Doh fat factory. ([窓の外を見て] おぉやだ! 裸のブ男が新しいハンモックを使ってるぞ。まるで「プレイ・ドウ・ファット・ファクトリー」みたいだ。)

ジョーイが例えに出している、Play-Doh は「子供用の粘土」の名前です。
アメリカのおもちゃメーカー、Hasbro の製品ですね。
Hasbro の公式サイトはこちら(↓)。
Play-Doh.com: Imagination Taking Shape!

Wikipedia 英語版: Play-Doh に書いてあるのですが、どうして、doh かというと、ドーナツの原料などになる dough 「ドウ、こね粉、パン生地」と同じような肌触り(texture)だから、ということのようです。

Amazon.com: Playdoh Fun Factory
上の Amazon.com のサイトに、粘土セットのパッケージの写真が載っているのですが、いろんな形を作るための、粘土の「型抜き」の道具も入っているようです。
上のサイトの商品名は、Playdoh Fun Factory (プレイ・ドウ・ファン・ファクトリー)と言うのですが、ジョーイはそれをもじって、Play-Doh fat factory と言っているようですね。

型抜きをして、型から粘土がぶにょっと出る感じと、ハンモックの隙間から、彼のぜい肉がぶにょっと出る感じが似ている、彼の肉を見ていると、押し出される粘土を思い出す、ということかなぁ、と。
そして、fat は「脂肪」ですから、fun factory 「楽しい(粘土加工)工場」の fun の代わりに fat を使って、「脂肪工場、あぶら身工場」のように、そういう脂肪分の多いお肉がぶら下がっている工場であるかのように表現しているわけですね。
Ugly Naked Guy がハンモックに乗っている姿を描写するのに、絶妙のネーミングだな、と思いました。


フィービー: Well, I'm going to the dentist, so listen, okay, just be on the lookout for anything that, that, that you can fall into, or, or that can fall on you, or... All right, just look out! Okay, And um, I also just wanna, I just wanna tell you all that um...... (starts to cry and runs out) (今から歯医者さんに行くわ。だから聞いて。いい? あらゆるものに気をつけてね。例えば、その中に落ちちゃうようなものとか、あなたの上に落ちてくるようなものとか…そうね、ただとにかく気をつけて! それから、私はただあなたたちみんなに言いたいの…。[泣き出して、走り去る])

be on the lookout for... は「…に気をつけて、警戒して、注意して」という意味になります。
この lookout は名詞で、look out という動詞を名詞化したものですね。
look out は「外を見る」ですから、「気をつける、警戒する」という意味になります。
Look out! 「気をつけて!、危ない!」という命令形の形でよく使われますね。(実際、フィービーのセリフの中ごろで、just look out! という命令形が出てきます。)

just be on the lookout for anything that... と that を使って、以下にその気をつけるべき対象物の具体例を挙げていっています。
気をつける対象物をいったん anything と言った後に、その詳しい説明を付け足す、というのがいかにも英語っぽいですし、その方が考えもまとまりやすいですよね。
日本語のように、「Aとか、Bとか、Cとか…に気をつけて。」というよりも、「いろんなことに気をつけてね。例えばAとか、Bとか、Cとか…。」と言われる方が、聞いている方もわかりやすいと思うのですが。

anything that you can fall into は、you can fall into something ということで、「あなたが何かの中に落ちる」、例えば、マンホールや溝などの穴、を指しています。
anything that can fall on you は something can fall on you 「何かがあなたの上(頭上)に落ちてくる」という、その「何か」を指していますね。
日本語にすると「あなたの頭上に落ちてくるもの、落下物」ということで、ビルの上から鉄骨が落ちてくるとか、そういうものを指しています。
そういう類のものには、anything 「どれでも、何にでも」注意を払ってね、と言っているのですね。

can は「可能性」を表しています。
二つとも動詞 fall を使っていますが、前者は「あなたが落ちる」(主語があなた)で、後者は「あなたに落ちる」(目的語があなた)、と、とにかく「落ちる(fall)」に気をつけろ、と言っているのが面白いです。
日本語では、「あなた”が”落ちるものと、あなた”に”落ちるものに気をつけて」と表現すると、この英語の雰囲気が出るかな、と思います。

いろいろ具体例を挙げようとするのですが、「落ちること、落ちてくるもの」のような漠然とした言い方しか思い浮かばず、「とにかく気をつけること、それだけよ」と念押しするフィービー。

もうこれで「今生(こんじょう)の別れ」であるかのように、お別れの挨拶を言おうとしています。
「死ぬかもしれない誰か」にお別れを言いたかったのでしょうが、それが誰になるかもわからないので、you all 「あなたたちみんな」に何か言おうとしていますね。
でも、あまりにも悲しくて言葉が続かなかった、と。
そんな不吉な(笑)。


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posted by Rach at 07:23| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする