2008年02月19日

理由なき親切 フレンズ3-11その16

レイチェル: (entering, to Ross) The most unbelievable thing happened to me today. ([部屋に入ってきて、ロスに] 最高に信じられないことが、今日私に起こったのよ。)
ロス: Hi! (はーい!)
レイチェル: Hi! So I'm out having lunch at Monica's and this guy starts talking to me, and it turns out he works for a buyer at Bloomingdale's and there happens to be an opening in his department. So I gave him my phone number and he's gonna call me this weekend to see if he can get me an interview! (はーい! それで、私がモニカの職場でランチを食べていると、ある男性が私に話しかけてくるの。それで、彼はブルーミングデールズでバイヤーのもとで働いているっていうのがわかったの。 そして、彼の部署でたまたま(仕事の、職の)空きがあるのよ。だから私は彼に私の電話番号を渡したの。私に面接を用意できるかどうかを、今週末に彼が私に電話してくれる予定なの。)
ロス: Wow! (ワオ!)
レイチェル: I know! (そうでしょ! [ワオ!って感じでしょ?])
ロス: What, so this guy is helping you for no apparent reason? (何、それじゃあ、そいつは、特に何の理由もなく君を助けようとしているの?)
レイチェル: Uh-huh! (えぇ、そうよ!)
ロス: And he's, he's a total stranger? (それで、彼は全く知らない人なんだね。)
レイチェル: Yeah! His name is um, "Mark" something. (そうなの! 彼の名前は、うーんと、「マーク・なんとか」よ。)
ロス: Huh. Sounds like "Mark Something" wants to have some sex! (ふーん。「マーク・なんとか」は(君と)エッチしたいみたいだね!)
レイチェル: What? (何ですって?)

レイチェルは入って来ていきなり、ビッグニュースを伝えようとします。
ハイ!のような挨拶もなしで話を始めようとしていたので、ロスはその話を聞く前に、まずは「はーい、やあ」と言ってみたようですね。
「挨拶もなしかい? ちょっと落ち着いて話してよ。」というところでしょうか。
それに対してレイチェルも、興奮する気持ちを抑えて、「はーい」といったん答えてから、話を始めているのですね。

その出来事を語る時、途中までは現在形が使われていますね。
臨場感、その場の状況をリアルに実況している感じでしょう。

he works for a buyer は「バイヤーのもとで働く」。
work for は「…に勤めている、…で働く、…に雇われている」。
フレンズ3-10その15 にも出てきました。
彼がバイヤーなのではなく、彼はバイヤーのために働いている、上司がバイヤーである、ということだと思います。

ロスがワオ!と言うので、I know! と返すのですが、「そうなのよ!」というニュアンスですね。
「そうでしょ?、ワオって感じでしょ、すごいでしょ?」とレイチェルは言いたいのですね。
でも、ロスが言ったワオ!の意味は違うようです。

apparent は「明白な、明らかな」なので、for no apparent reason は「はっきりした理由もなく、これといった理由もなく」という意味になります。
フレンズ3-8その20 では、for no reason が出てきました。

「理由」という言葉が出たついでに、ちょっと脱線するのですが…。

「理由なく」と聞くと、ジェームズ・ディーンの映画「理由なき反抗」を思い出してしまう私です。
その原題は "Rebel Without A Cause" ですね。
フレンズ2-11その1 で、ちょこっとそのタイトルについて触れています。)
without cause 「理由もなく」、without good cause で「正当な理由なく、しかるべき理由なしに」という意味です。

普通は、without cause と冠詞なしで使うようですが、映画のタイトルは、without a cause と a が入っていますね。
cause は基本的には不可算名詞ですが、具体的なものを指す場合には可算になる、と辞書にあります。
タイトルに入っている a は、「たった一つの理由もなく」みたいな強調のニュアンスがあるのかなぁ?
without a cause の方がリズム感があるように思うし、インパクトを感じます。(私だけ?)

フレンズ3-8その25 では、reason と cause の違いについて触れています。
cause には「(何かを引き起こす)原因」、reason は「(何かをするようになった)理由」というニュアンスがあるようです。
ジェームズ・ディーンの without a cause のニュアンスは、「反抗を引き起こすことになった”きっかけ・原因”もなく」「きっかけもなく反抗する」みたいなことでしょうか?
若さゆえの反抗心、別に何かトリガーとなる出来事があったわけではないけれど、何だかむしょうに反抗したくなる…というような…??

上のセリフの for no reason は、「何故助けようとしたか?の理由」もなしに助けた、というニュアンスだと思います。
人がある行動をする場合、普通は何らかの理由・目的があるものだけれど、この男性の場合はそれがないの?という感じですね。

…ということで、長い脱線になりましたが、日本語で「理由なく」と訳される可能性の高い、for no reason と without cause のニュアンスの違いについて考察してみました。

レイチェルは本当に、その男性に対して異性として興味を持っているわけではないようです。
名前もちゃんと覚えていない、というのは本当のことでしょう。
その仕事に関する夢のような話で頭がいっぱいなのですね。

ロスのワオ!は、初対面の見ず知らずの男性が、そんな親切な話を「何の理由もなく」持ち出した、ということに驚いた、そんなの信じられないよ、という意味のワオ!です。
男としてそんなの納得できない、その for no reason にはウラがあるに違いない…。
「彼は君とエッチしたいから、そんな親切にするんだよ。」(!!)
ついに「男の本音」を言ってしまったロス(笑)。
have some sex の後には、with you がついていないので、「君と(エッチしたい)」とまではっきり言っているわけではありませんが、「エッチが目的で女性に近づいた、下心があって親切にした」とロスは言いたいわけですね。


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posted by Rach at 12:54| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月18日

舌に色が付くほど食べる フレンズ3-11その15

ロス: Oh, somebody's feeling better. (あぁ、誰かさんは元気になったみたいだな。)
モニカ: (to Chandler) Stick out your tongue! ([チャンドラーに] 舌を出して!)
チャンドラー: (to Monica) Take off your shirt! ([モニカに] シャツを脱いで!)
(Chandler sticks out his tongue and it's a horrible shade of green.)
チャンドラーは舌を出す、すると、ひどい緑色の陰ができている。
モニカ: Oh my! (まぁ、なんてこと!)
ジョーイ: Oh, my God! How many of these did you have? These are pure vodka. (なんてこった! そのジェロ・ショットを何杯分食べたんだよ? それは(水割りしてない?、混じり気ない?)純粋なウォッカなんだぞ。)
チャンドラー: Yeah, Jell-O. Just like Mom used to make. (あぁ、ジェロ。ママが昔作ってくれたのと同じだ。)

somebody's feeling better. について。
このエピソードの最初の方で「元カノのジャニスが夫と幸せそうにしているところを見た」と落ち込んでいたチャンドラー。
それに対して、フレンズ3-11その6 で、
ロス: Hey Chandler, there's a party tomorrow, you'll feel better then. (ねぇ、チャンドラー。明日パーティーがあるんだ。そしたら、気分がよくなると思うよ。)
と言っていました。
今のロスのセリフはその落ち込んでいたことを踏まえて、「誰かさんは、今は(以前より)気分が良くなったようだね。」と言っているということでしょうか。

日本語で、ほろ酔い、または酔っぱらってご機嫌な人に向かって「いい気分みたいだねぇ、ご機嫌だねぇ」みたいに言いますよね。
最初、somebody's feeling better. にもそういう「酔っぱらって良い気分」のニュアンスを感じたのですが、この場合はやはり上に書いたように「落ち込んでいたのから立ち直った」ということなんでしょうか??

stick out one's tongue は「(ペロリと・ベーッと)舌を突き出す」。
フレンズ2-22その9 でも、少し触れています。

「舌を出せ!」と言われて反射的に「シャツを脱げ!」と返しているのが面白いです。
俺にえらそうに命令するなら、俺も命令しちゃうぞ、みたいな感じ。

shade は「陰」ですが、「(色の)濃淡」という意味があります。
陰のようにそこだけ色が濃いということのようですね。
a horrible shade of green は「ひどく緑が濃くなった部分、ものすごく濃い緑の部分」みたいな感じでしょうか。

昨日の記事、フレンズ3-11その14 で、Jell-O shot のことを「ジェロで出来たお酒」と書いてしまったのですが、正しくは「お酒をジェロで固めたゼリー、キツいお酒の入ったゼリー」のようです。
(その記事のコメント欄で、Jell-O shot についての情報を教えていただきました。ありがとうございます。)

ジェロには、いろんな色があって、それを食べるとこんな風に舌に色が付くんですね。
こんなに色が付くほどのたくさんの量のゼリーを食べちゃった、ということです。
その「お酒入りゼリー」に使っているお酒は、ウォッカ、それも pure vodka だと言っています。
ウォッカをたくさん飲んでしまったのと同じだ、ということですね。

最後のセリフですが、このジェロの味は、ママが昔作ってくれたのと同じだ、それを思い出すよ、みたいなことを言っています。
それを言った後、チャンドラーはロスの方を向いてうなずいていますね。

ジェロの味がママの作ってくれたデザートを思い出させるということか、それとも、ママは実際にウォッカを入れたものを作っていた、ということか…?

普通ならば前者でしょうが、フレンズ1-11その1 で登場したチャンドラーのママのノーラ・ビングという人はかなり過激な人です(笑)。
自分もお酒が好きだから、ウォッカ入りのジェロ・ショットをよく作っていた、という可能性がありますし、それを息子のチャンドラーにも飲ませていた、という可能性だってあります。
上のセリフも、「ママはウォッカ入りのジェロ・ショットをよく作ってくれてたなぁ」と懐かしく思い出している、ということかもしれないな、と。
冗談じゃなくマジで、ほんとにその時もウォッカが入ってたんだよ、という意味で、ロスの方を向いてうなずいているのかな、と思ったのですが、どうでしょう??


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2008年02月17日

Jell-O(ジェロ) フレンズ3-11その14

モニカ: Joey? Where are the Jell-O shots? (ジョーイ? ジェロ・ショット[ジェロで出来たお酒]はどこにあるの?)
ジョーイ: I don't know, Chandler is supposed to be passin' 'em... (知らないよ。チャンドラーがそれを配ってるはずだけど…)
(Camera cuts to show Chandler giving a Jello shot to the ceramic dog and holding an empty tray of Jello shots.)
カメラがカットして、チャンドラーがセラミックの犬にジェロ・ショットをあげていて、ジェロ・ショットの空になったお盆を持っている様子が映る。
ジョーイ: Chandler! (チャンドラー!)
チャンドラー: Hello-dee-lo! (ハロー、デロー!)

Jell-O について。
英辞郎には、
Jell-O=(商標)ジェロ(米国クラフト社から販売されているゼリーの素)
とあります。
詳しくはこちら(↓)。
Wikipedia 英語版: Jell-O
Kraft Foods の公式サイト JELL-O

フレンズ1-23 で、生まれたばかりのベンを見て、
キャロル: What does he look like? (彼はどんな感じ[誰に似てる]?)
ロス: Kinda like my uncle Ed, covered in Jello. (ジェロで覆われた、エドおじさんみたいな感じだね。)
というセリフがありました。
生まれたばかりの時は、ベトベトして濡れた状態なので、それを「ジェロで覆われた」と表現しているのですね。

Chandler is supposed to be passin' 'em... は「チャンドラーがそのジェロ・ショットを配っているはずである」ということで、「今姿を見かけないけど、どっかそこら辺で配ってると思うよ、配ってるはずだから、周りを探してみたら?」みたいなニュアンスですね。
Chandler is passing と現在進行形ではなくて、be supposed to を使うことで、「(今実際にそうしているかどうか見たわけじゃないけれど)そういうことになっているはずだ」という気持ちが出る気がします。

the ceramic dog (セラミック・ドッグ)、まだいたんですね(笑)。
フレンズ2-19その21 で出てきた白い犬の置物です。
その過去記事のト書きには、porcelain greyhound 「磁器製のグレーハウンド(猟犬)」や、porcelain dog などと書いてあります。
今回のト書きでは、ポーセリン(磁器)ではなくて、セラミック(陶磁器?)になっていますね。
その違いは微妙なので、まぁ、ト書きを書くに当たってはどちらでもいいんですが(笑)。

犬の置物に飲ませようとする、という尋常ではない行動(?)をしているし、お盆のお酒はからっぽだし、ということで、チャンドラーがそれを全部飲んでしまって、今かなり酔っぱらっているであろうことが、そのシーンでわかります。
チャンドラー!と呼び掛けられて、妙な言葉で返しているのも、それを表していますね。


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2008年02月16日

彼はあまりにもチャーミング フレンズ3-11その13

[Scene: Chandler and Joey's, it's Joey's party.]
チャンドラーとジョーイの部屋。ジョーイのパーティー。
モニカ: (to Phoebe) I mean you're going out on a date with the noisy guy upstairs? ([フィービーに] フィービーは、上のうるさい[音を立てる]男性とデートに行く予定なの?)
フィービー: Well, he's very charming. (えぇ、彼はとってもチャーミングなの。)
モニカ: I know, he's too charming! But if you two start going out, then it's just gonna make it so much harder for me to hate him. (そうね。彼はものすごくチャーミングよ! でも、もしあなたと彼の二人が付き合い始めたら、そしたら、そのことで、私が彼を憎むことがもっとずっと難しくなってしまうわ。)
フィービー: Well, you're just going to have to try. (そうね、ただ頑張るしかないわね。)

charming は「チャーミング」とすっかり日本語になっているので意味はすぐにわかりますが、本来は charm 「(人を)うっとりさせる、魅了する、魅惑する」という他動詞なのですね。
ですから、charming という現在分詞形だと、「人をうっとりさせる、ほれぼれさせるほど魅力的な」という意味の形容詞になるわけです。
be charmed with/by だと、「…にうっとりした、…に引き付けられた、見とれた」みたいな意味になります。

he's very charminig. と言ったフィービーに対して、モニカは he's too charming. と返しています。
very は so とも言い換えられますが、これを、too と使って言い換えると、少しニュアンスが変わってきます。

ロングマン現代英英辞典では、
too [adverb]:
[+ adjective/adverb] more than is acceptable or possible

つまり、「容認できる範囲または可能な範囲を超えた」。

ですから、日本語では「過度に…である」「あまりにも…すぎる」と訳されることが多いように、「度が過ぎた」イメージがあります。
この場合も、「彼はチャーミングすぎて、正当な文句も言えなくなるほどだわね。」「文句を言いに行ってもそれを撤回してしまうほどチャーミングだわね。」みたいなニュアンスが込められているのでしょう。

今でも文句を言うのは難しいのに、それが「フィービーの恋人」ということになったら、ますます「うるさい」とか文句を言えなくなる、どんなにうるさくても黙ってないといけなくなる、ということですね。
フィービーは「ただ頑張るしかないわね。」みたいに言っています。
「難しくなろうがなるまいが知ったこっちゃない。文句を言いたかったら、文句が言えるように頑張るしかないわよね。」みたいなことですね。


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2008年02月15日

ブルーミングデールズ フレンズ3-11その12

(A guy at the end of the table starts laughing.)
テーブルの端の男性が笑い出す。
レイチェル: (to him) Hi. Is my misery amusing to you? ([彼に向かって] はい。私の不幸があなたには面白いかしら?)
男性: I'm sorry, I wa, I wa, I was just ah.... (starts to laugh again) (ごめん。僕は、僕は、僕はただ… [再び笑い出す])
レイチェル: It's not funny. This is actually my job. (面白いことじゃないわ[笑いごとじゃないわ]。現実にこれが私の仕事なのよ。)
男性: Oh believe me, I-I-I've been there. I had to sort mannequin heads at that Mannequins Plus. (あぁ、信じてくれ。僕もそういうところ[業界]にずっといるんだ。マネキン・プラスでマネキンの頭を分類[区分け]しなくちゃいけなかったんだよ。)
レイチェル: Oh well then, so I'm just going to go back to talking to my friend here. And you can go back to enjoying your little hamburger. (へぇ、そうなの。それじゃあ、私はここにいる私の友達との会話に戻るから。そして、あなたはあなたのハンバーガーを楽しむのに戻ってね。)
男性: Ah, just one other thing. (あぁ、あともう一つだけ。)
レイチェル: Yes?! (はい?)
男性: I ah, I work at Bloomingdale's and I might know of a job possibility if you're, if you're interested. (僕は、ブルーミングデールズで働いているんだけど、働き口の可能性を知ってるかも[働き口について心当たりがあるかも]しれない。もし君が、もし君が興味があれば(の話だけど)。)
レイチェル: (looks at Monica) (to him) Do you want my pickle? ([いったんモニカを見て、それから彼に] 私のピクルス欲しい?)

自分の悩みを笑う人に対しては、"Is my misery amusing to you?" 「私の不幸があなたには面白いかしら?」
これは、親しい間柄なら使えそうですね。(今回は初対面の相手に使ってますが…笑)

Mannequins Plus はマネキンを保管してある場所、みたいな意味だと思うのですが、大文字で書いてあるところを見ると、固有名詞でしょうか?
(ぐぐってみましたが、それらしいものを発見できませんでした)
Mannequins Plus という名前で、マネキンがたくさん置いてあるようなイメージが観客には浮かぶ、ということかな、とも思います。

go back to enjoying で、enjoy という行為に戻ってね、という感じですね。
your little hamburger の little は「つまらない、ちっぽけな」とばかにしたニュアンスか、もしくは「あなたのハンバーガーちゃん」みたいなニュアンスか…。

その男性はブルーミングデールズで働いていて、働き口を紹介してくれるかもしれない…と聞いて、とたんに態度が変わるレイチェル。

Bloomingdale's は、ニューヨークにある有名百貨店です。
Wikipedia 英語版: Bloomingdale's
上のウィキペディアによると、全国に36店舗あるそうですが、このNYのお店がやはり一番有名ですね。
ウィキペディアの Photo gallery にも、flagship store (本店、一号店、主要店)の NY の写真が載っています。

bloom は「花が咲く」「栄える、真っ盛りである」、dale は詩的な表現の「(広々とした)谷」という意味なので、blooming dales のイメージは「花真っ盛りの谷」みたいな意味なのかなぁ、と思っていたら…。
創始者が brothers Joseph and Lyman G. Bloomingdale という兄弟で、その苗字が Bloomingdale だから、Bloomingdale's 「ブルーミングデールさんの店」のように所有格がついているのですね。
(McDonald's などと同じです。)

ブルーミングデールズは、フレンズ2-2その1 のセリフにも出てきました。
この時、レイチェルはロスのことが好きだったのですが、ロスはジュリーという女性と付き合っていました。
そのジュリーとブルーミングデールズで買い物するつもりのモニカに、
チャンドラー: You're going to Bloomingdale's with Julie. It's like cheating on Rachel in her house of worship. (モニカはジュリーとブルーミングデールズに行こうとしてるんだぞ。それって、レイチェルの教会で、レイチェルに隠れて浮気をしているようなもんだぞ。)
と言っていました。
それくらい、レイチェルにとってブルーミングデールズとは「憧れの聖地」なのですね。

「私のことをばかにするのはやめて、さっさと自分のハンバーガーに戻りなさいよ。」みたいなことを言ってしまった後なので、「ハンバーガーが好きなら、私のピクルスもあげちゃうわよ。」と急に下手(したて)に出るレイチェルが可愛いです。


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posted by Rach at 11:43| Comment(5) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月14日

ファッションの何が学べるというの? フレンズ3-11その11

レイチェル: Oh honey, come on, I'm sorry, I didn't.... I don't mind paying my dues, y'know. It's just how much am I gonna learn about fashion by walking Myra, the arthritic seamstress, to the bathroom? (あぁ、ハニー。ねぇ。ごめんなさい。私は(そんなつもりじゃなかったの)…。私は下積みをするのがいやなわけじゃないのよ。ただ、マイラっていう関節炎の裁縫師の女性をトイレまで歩いて連れて行くことで、ファッションに関するどれほどのことが学べるのかしら?って。)

I didn't.... の後は省略されていますが、I didn't mean to offend you. 「モニカが気を悪くするようなことを言うつもりはなかったのよ。」という感じでしょう。
フレンズ3-11その9 で、自分の愚痴を言ったところ、「それって私のこと?」みたいにモニカが気分を害してしまったので、その発言を反省しているセリフです。

pay one's dues は「下積みの仕事を経験する」。
フレンズ2-10その2 にも、
ロス: Come on, you're just paying your dues. (そんなこと言うなよ。ジョーイは今、経験を積んでるところなんだよ。)
というセリフが出てきました。
そこで、pay one's dues について詳しく説明しています。

by walking Myra, the arthritic seamstress, to the bathroom について。
the arthritic seamstress はコンマでくくられた挿入句になっていて、Myra という人物を説明しています。
マイラと言ってもモニカにはどんな人かわからないから、マイラ、その人は the arthritic seamstress なんだけど…と説明を追加しているのですね。

先に、その挿入句を省いた部分を見てみます。
この文章は、by walking Myra to the bathroom ということで、ここでの walk は他動詞として使われています。
「歩く」ではなくて「…を歩かせる」という意味になります。
「(一緒に歩いて)送る、案内する」ということで、この場合は to the bathroom トイレまで案内する、連れて行く、ということですね。
walk one's dog だったら「犬を散歩させる」になります。

arthritic は「関節炎患者」「関節炎の」という意味があります。
seamstress は「女性の裁縫師」。
seam だと「(服などの)縫い目」ですね。
ロングマン現代英英辞典で、seamstress の Word Origin を見ると、
seamster = person who sews
と書いてあります。
つまり「縫う人」という意味ですね。
(その seamster という単語そのものは、ロングマンの項目にはありません。)
その seamster に女性形の語尾 -ess がついた形が、seamstress になるのですね。
waiter - waitress, actor - actress などと同じです。

learn about 〜 by ...ing は「…することで[…するという行為で]〜について学ぶ」。
やっていることは雑用ばかりで、手足の痛い裁縫師の女性に付き添ってトイレにいくとか、コーヒーを入れるとか、ちっともファッションそのものとは関係のないものばかり…こんなことをしていて、ファッションの何が学べるっていうの?という感じです。


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posted by Rach at 10:34| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月13日

何かをもじったメニューの名称 フレンズ3-11その10

モニカ: Order up! I got a Yentl soup, a James Beans, and a Howdy, hold the Doody. (オーダー上がりました[出来ました]! (愛の)イエントル・スープに、ジェームズ・ビーンズに、ハウディ・ホールド・ザ・デューディ。)

モニカの言っているメニューの名前ですが、みんな、何かをもじったもののようですね。
フレンズ2-21その4 でも、有名なシットコム Laverne & Shirley をもじった Laverne-and-Curly Fries というメニュー名が出てきました。

Yentl は 1983年の映画。邦題は「愛のイエントル」というそうです。
Wikipedia 英語版: Yentl
IMDb: Yentl (1983)
主演はバーブラ・ストライサンド。

アマゾンでのサントラ盤はこちら(↓)。
Yentl (1983 Film) [Soundtrack] [from US] [Import]

原作は、1978年にノーベル文学賞を受賞しているアイザック・バシェヴィス・シンガー(Isaac Bashevis Singer)だそうです。
Wikipedia 日本語版: アイザック・バシェヴィス・シンガー

James Beans は James Dean のもじりですね。(これは映画などに疎い私にもわかりました…笑)
Wikipedia 日本語版: ジェームズ・ディーン
beans は bean 「豆」の複数形ですが、a James Beans と a がついていますね。
これは、「ジェームズ・ビーンズ」という「メニュー」を「一人前・一人分、一つ・一品・一丁(?)」という意味でついているのだと思います。
他のメニューにも全て a がついているのも同じことでしょうね。

a Howdy, hold the Doody について。
howdy は南部の(?)挨拶でしたっけ?
How do you do? の短縮形ですよね。
いろいろ検索をかけていて、ネーミングの元になったと思われるものを見つけました。
Wikipedia 英語版: Howdy Doody
1947年から1960年にかけて放映された、子供番組のようです。

以下のアマゾンには画像があります。
Howdy Doody Show (4pc)
Howdy Doody Show: Andy Handy & Other (1947)
2番目のサイトの画像にある、腹話術の人形のようなマリオネットの名前が、Howdy Doody だそうです。

で、今回その番組名または人形の名前をもじって、(a) Howdy, hold the Doody というメニュー名にしているのですが…。

実は英辞郎にこんな意味が載っています。
doody=(名)(米・幼児語)うんち
それに関連して、フレンズ2-10その13 では以下のようなセリフもありました。
チャンドラー: Unless "Knight in White Satin" was sung by the Doody Blues. (そうじゃないと、「白いサテンの騎士」(あるいは「サテンの夜」)を歌ってるのが、Doody Blues になっちゃうよ。)
これも、doody が「うんち」という意味であることを使ったジョークになっているようでした。

ですから、Howdy, hold the Doody だと「やあ、うんちをつかんでよ」(??)みたいな意味になってしまうのかなぁ、と思うのです。
howdy と見た目が似た単語の hold を間に挟むことで、Howdy Doody という名前を、変なセリフのジョークになるように変えているのかな?と思うのですが、どうでしょう??
しかし、仮にそういう意味だとすると、メニューの名前としては何とも不適切だしなぁ…(笑)。
勘ぐりすぎ、かも。


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posted by Rach at 16:36| Comment(7) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月12日

ムーンダンス・ダイナー フレンズ3-11その9

[Scene: The Moondance Diner, Rachel is talking to Monica about her job.]
ザ・ムーンダンス・ダイナー。レイチェルは自分の仕事についてモニカと話をしている。
レイチェル: Oh God, I hate my job, I hate it, I hate my job, I hate it. (もう、私の仕事が大嫌い。大嫌い、仕事が嫌い、大嫌い。)
モニカ: I know, honey, I'm sorry. (わかるわ、ハニー。同情するわ。)
レイチェル: Oh, I wanna quit, but then I think I should stick it out. Then I think: "Why would such a person stay in such a demeaning job, just because it's remotely related to the field they're interested in?" (あぁ、辞めたいって思うの。でも、その後で、その仕事を最後まで我慢すべきだと思うの。それからこう思うのね。「どうしてそういう人間がそういう自分をおとしめるような仕事に留まっているのか、って。ただその仕事が自分の興味ある分野にちょっぴり関係しているからっていう理由だけで。)
モニカ: (gives her a look) Gee, I don't know, Rach. ([レイチェルに視線を向けて] まぁ、どうかしらね[さあね、私にはわからないわ]、レイチェル。)

過去記事、フレンズ2-21その27フレンズ2-22その1 などにも出てきた、モニカの勤務先のダイナー(簡易食堂)について。
このシーンの最初にそのお店の外観が映ります。
ですから、実際にこういう名前のお店があるんだろうなぁ…とは以前から思っていたのですが、少し前に新聞で興味深い記事を見つけました。

2007年10月21日(日) 日経新聞の「世界 いまを刻む」という記事で、
消えるNYの「名所」 老舗料理店・ライブハウス… 賃料高騰、立ち退き迫られ
という見出しで、ムーンダンス・ダイナーのことが書いてありました。

その記事を以下に一部、引用させていただきます。

米人気映画「スパイダーマン」で主人公の恋人がアルバイトをするレストラン「ムーンダンス・ダイナー」。スクリーンだけではなく、実在する人気店だったが、今年五月、七十年の歴史にあっけなく幕をおろした。
1930年代に流行したアールデコ調の独特の姿にファンは多く、歴史的建造物として、市当局への登録を求める意見も出たが、マンション建築に伴う立ち退きには逆らえなかった。
(引用終わり)

記事の「ムーンダンス・ダイナー」という名前を見て、これってモニカの働いてるダイナーじゃん!とびっくりしたのですが、映画にも登場するほどの有名店だったのですね。

それについて触れている英語の記事を見つけました。
Goodnight, Moondance - February 13, 2007 - The New York Sun
上のサイトの記事によると、このダイナーはソーホー(SoHo)にあるんですね。
ここにもスパイダーマンに出てきた話が書いてあります。
ピーター・パーカーの恋人メリー・ジェーン(MJ)(演じるはキルスティン・ダンスト)がウェイトレスをやっていた、とありますね。
フレンズ以外では、SATC (Sex and the City) にも登場したようです。
また、有名なミュージカル「レント(Rent)」の脚本家 Jonathan Larson は実際にこのダイナーで働いていたそうです。

…ということで、スパイダーマンをご覧になった方は、MJ とモニカの勤務先が同じだと気付いておられましたか?(私はスパイダーマン見てなくて…泣)
そんな有名なお店がなくなってしまったとは、残念ですねぇ…。

stick it out は「最後まで頑張る、最後まで持ちこたえる、我慢する」。
レイチェルのセリフには、then I think が2回登場しています。
「その後、私はこう思う」と、考えが二転三転している様子がわかりますね。

demean は「(人の)品位を落とす」、demean oneself は「品位を落とす、身を落とす」。
それに -ing をつけて形容詞化した demeaning は「自分をおとしめる、卑(いや)しめる」という意味になります。
形容詞の mean は「(人・行為が)卑劣な、下品な」ですね。

remote は「(距離的に)遠い、遠隔の」。リモコン(remote control)の remote ですね。
その副詞の remotely は「遠く離れて」で、be remotely related は「遠く離れて関係している」、つまり「関係が薄い、わずかに関係している」という意味になります。
ファッション業界に関係している、と言っても名ばかりだ、というのを remotely という副詞で説明しているのですね。
「いささかほんのちょっぴり」というところです。

give her a look というのは「ちらっと彼女を見る、彼女に視線を向ける」ということ。
レイチェルは自分のことをボヤいているのですが、実はその内容はそのままモニカにも当てはまるわけですね。
ここは食堂だから、シェフのモニカとしては、料理に関係した職場である、でも、ニセモノの胸をつけたりという変な格好をして働かなくてはいけない…。

むしろモニカの方が状況としてはひどい境遇にいるわけで、それを知ってて、レイチェルはそのセリフを私に向かって言っているのかしら?、私がもっとひどい境遇だってことわかってる?、みたいにレイチェルを一瞥しているのですね。


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posted by Rach at 11:57| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月11日

「どういたしまして」と先に言う フレンズ3-11その8

カプラン氏: Well, don't think I haven't noticed your potential. Well, I've got a project for you that's a lot more related to fashion. How does that sound? (君の潜在能力に私が気付いていないように思わないでくれ。君のためのプロジェクトがあるんだ。それはもっとファッションに関係することだよ。どんな感じかな?)
レイチェル: Oh, that sounds great! (まぁ、それはとってもいい感じですね。)
カプラン氏: Come on over here, sweetheart. (they walk over to a storage closet) (こっちへ来たまえ、スイートハート。[二人は収納クローゼットに歩いていく]
レイチェル: Oh, thank you so much Mr. Kaplan, thank you so much. (まぁ、本当にありがとう、カプランさん。本当にありがとうございます。)
カプラン氏: (opening the closet door revealing that it's full of tangled up hangers.) I need these hangers separated ASAP. (she is stunned) You're welcome. ([クローゼットのドアを開けると、絡まったハンガーがたくさん現れる] このハンガーをすぐに分離して欲しいんだ。[レイチェルはショックを受けている] お礼ならいいよ。)

How does that sound? は「その話がどんな風に聞こえるか?」ということで、「君が気に入りそうな良い話だと思わないか?」みたいなニュアンスでしょうね。
レイチェルも「その話を聞く限りは、とてもいいお話のようですね。」と言っています。
その計画そのものを聞いたわけではないのではっきりとはわからないけど、「もっとファッションに関係する仕事」という説明を聞いて、何だか素敵な話っぽい予感がする、ということですね。

昨日の記事のセリフでは dear、上のセリフでは sweetheart と、やたらと愛称語を連発していますね。
カプランさんは見た目からわかるようにおじいちゃんなので、若い娘さんに対して、「かわいいお嬢さん」という意味で使っているのでしょう。
これは推測ですが、プロとして雇っている、というよりも、若い女の子にちょっと手伝ってもらっている、という感じの呼び掛けっぽくて、会社で「ちょっとそこの女の子、お茶入れてくれへんかな。」みたいな感じのニュアンスに聞こえなくもないです。
プロとして、一人の従業員として、一人前に見てもらえていないような、「子ども扱い、女の子扱い」されているような感じがしますが、どうでしょう?

tangle は「もつれる、からまる」。
このシーンを見るとわかるのですが、まさに細い針金状のハンガーが見事にからまっていますね。
それを元に戻すのが、separete 「分離する、分ける」という動詞になるわけです。

ASAP は「エー・エス・エー・ピー」と発音されますが、as soon as possible 「できるだけ早く」という意味ですね。
レイチェルはびっくりして声も出ないのですが、カプランさんはファッション関係の仕事を彼女に用意してあげたと思っていて、嬉しくて声も出ないかのように思ったようです。
そのハンガーを見る前には、Thank you so much. を連発していた彼女ですが、今はそれを言っていないのに、先に Thank you. に対する返事、You're welcome. 「どういたしまして。」を言っていますね。

フレンズ2-14その12 では、レイチェルに近づいてきた男性を追い払った後、
ロス: You're welcome. (どういたしまして。)
レイチェル: What? (何が?)
ロス: I was saving you. (僕は君を救ったんだよ。)
とお礼を言われる前に You're welcome. を先走って言っているセリフがありました。
(この時のロスとレイチェルは大喧嘩の後で険悪なムードだったので、ロスのしたことは「恋人でもないのに行き過ぎた行為」だったのです。)

その行為をされた方はちっとも感謝していないのに、してあげた方は相手のためにしてやったと思っている、そういう場合によく、こういう先走りの You're welcome. が登場しますね。
ちっとも空気が読めてない感じ(KYな感じ?…笑)が出ていると思います。
2-14 のロスのセリフは恐らく「しらばっくれて」いるのだろうと思いますが、今回のカプラン氏のセリフは、本当に「お礼なんかいらないよ。」という意味で言っているようですね。


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posted by Rach at 11:18| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年02月10日

私はコーヒーを飲むと… フレンズ3-11その7

[Scene: Fortunata Fashions, Rachel's new job.]
フォーチュナタ・ファッションズ。レイチェルの新しい仕事場。
カプラン氏: (entering) How's that coffee comin', dear? (例のコーヒーはまだかな?)
レイチェル: (jumping up from reading her magazine) Yeah, right away Mr. Kaplan. ([雑誌を読んでいるのから飛び上がって] はい、すぐに入れます、カプランさん。)
カプラン氏: I'm not supposed to drink coffee, it makes me gassy. (私はコーヒーを飲まないことになってるんだ[本当は飲んじゃいけないんだ]。コーヒーを飲むとおならが出るのでね。)
レイチェル: I know! (えぇ、知ってます。)
カプラン氏: I'll bet you're thinking, "What's an intelligent girl who wants to be in fashion doing making coffee?" Eh? (私が思うに、君はこう考えてるだろ。「ファッション(業界)の中にいたいと思っている聡明な女性は(今)何をしているか…。コーヒーを入れている?」ってね。)
レイチェル: Op. (あぁ。)
カプラン氏: Eh. (だろ?)
レイチェル: Oh, you got me. (あぁ、わかってしまったんですね[その通りです]。)


フレンズ3-10その33 で、Mr. Kaplan Sr. likes his coffee strong. 「カプラン・シニアさんは濃いコーヒーが好きなんだ。」というセリフがありましたが、この人がそのカプランさんみたいですね。

How's that coffee comin'? を直訳してみると「そのコーヒーはどんな風に来るか」で、頼んでいたコーヒーはどうなってるかな、もうコーヒーが出来るかな?みたいな意味でしょうね。

gassy は「ガスのような」で、make me gassy は「私を gassy にする」、つまりは「おならが出る」ということです。
カプランさんがよくおならをするのをレイチェルは知っているようですね(笑)。

「おならをする」は、break gas, pass gas、または break wind とも言います。
俗語では、fart というのもあります。
フレンズ2-11その3 では、
ジョーイ: She taught me about how to work with the cameras and smell-the-fart acting. (彼女はカメラに向かってどうすればいいかとか、「おならを嗅(か)ぐ」演技はどうやるのか、とか教えてくれたんだ。)
というセリフが出てきました。

I'm not supposed to drink coffee. について。
be supposed to はフレンズに何度も登場しますが、その意味は、「〜することになっている、(規則や取り決めで)〜しなければならない」ということですね。
上のセリフのニュアンスは、「おならが出るのでコーヒーは飲まない、飲まない方がいい、ってことに(一応は)なってるんだけど…」みたいなことでしょう。
ロングマン現代英英辞典では以下の語義が近いかな、と思います。
be supposed to do/be something:
a) used to say what someone should or should not do, especially because of rules or what someone in authority has said

つまり、「人がすべきこと、もしくはすべきでないことを言うのに用いる、特に規則や、または権威のある人が事前に言ったことを理由として」。

カプランさんは冒頭でコーヒーを頼んでいますよね。
つまり、実際には飲むつもりなわけです。
コーヒーを飲むとおならが出るから、コーヒーは飲まない、ってことになってるんだけど、でも好きだから実はこっそり飲んでいる、ということだろうと思います。

"What's an intelligent girl who wants to be in fashion doing making coffee?" について。
まず、an intelligent girl who wants to be in fashion というのは、レイチェルのことを言っていますね。
ファッション業界にいることを望んでいる優秀な女性、という感じです。
自分ではそう思ってるんだろう?ということで、そんな表現を使っているのですね。
文の構造をわかりやすくするために、それを一言 she で表現するとすると、"What's she doing making coffee?" という文になると思います。
見た目が変な形なのですが、これはおそらく、"What's she doing? Is she making coffee?" ということかなぁ、と。
「その(優秀な)彼女は何をしているか? その(優秀な)彼女は(今)コーヒーを入れているのか?!」という感じで、「そんなのおかしいじゃないか? それでいいのか?」みたいな感じを醸し出しているのかなぁ、と。
(2008.3.13 追記)
下のコメント欄で、この部分の解釈について、たくさんのご意見をいただきました。
What are you doing ...ing? という構文が存在するようです。
詳しくは、下のコメント欄をご覧下さい。
(追記はここまで)

You got me. は「私の考えがわかってしまったんですね。」みたいな感じです。
コーヒーを入れていることが不満、早くファッション関係の仕事がしたい〜!と思っていることがわかってくれて嬉しい、というところですね。


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posted by Rach at 19:57| Comment(9) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする