2008年05月31日

他動詞の意味で自動詞として使う? フレンズ3-13その22

ボウルの中で手が触れてしまい、一瞬沈黙する二人。
リチャード: Okay. (よし。)
モニカ: Gotta keep squishing. (つぶし続けなきゃ。)
リチャード: Tomatoes are squishing. (ぐちゃぐちゃを音を立てながら、トマトがつぶれてるね。)
モニカ: Okay. (そうね。)
(Richard squishes a little too hard and some lands on his shirt.)
リチャードは少し力を入れすぎてつぶす。そしてその(トマトの)一部が彼のシャツにつく。
リチャード: Op. (あぁ。)
モニカ: Oh, gosh, you got some on your shirt. (まぁ、少しシャツについちゃったわね。)
リチャード: Yeah. (そうだね。)

上のシーンでは、squish という単語が(ト書きも含めて)3回出てきます。
一昨日の記事、フレンズ3-13その21 で、squish のロングマンの語義を紹介しましたが、そこに自動詞(intransitive)の意味も出ていました。
squish:
2. [intransitive and transitive] (informal) to squash something, especially something soft and wet, or to become squashed

他動詞の意味が、to squash something 「何かをつぶす」、自動詞の意味が、to become squashed 「(押し)つぶされた状態になること」ですね。
自動詞の意味はロングマンにもう一つ載っています。
1. [intransitive always + adverb/preposition] to make a soft sucking sound by moving in or through something soft and wet
つまり、「何か柔らかくて湿ったものの中を進む、またはそれを通って進むことで、柔らかい吸い込むような(?)音を立てること。」
この 1. の意味は、研究社 新英和中辞典では、
squish=(自)びしゃびしゃ[ごぼごぼ]と音を立てる[立てて歩く]
と表現されています。

Gotta keep squishing. ですが、ここでは主語が省略されています。
gotta = have got to = have to で「…しなくちゃ」、keep doing は「(ずっと)〜し続ける」ですね。
その意味を考えると、主語が Tomatoes だと考えるのはやや無理がある気がします。
上の自動詞の語義を当てはめようとすると、「ずっとつぶされなくちゃ」「ずっと音を立て続けなくちゃ」みたいな感じですが、ここではむしろ他動詞の「…をつぶす」という意味で、その目的語が省略された形、と見る方がしっくり来る気がします。
普通は省略不可能な目的語を「省略した」と言うと語弊があるのですが、他動詞の意味を自動詞として使っている、と表現したら良いでしょうか?
squash something あるいは、squish something という意味で、「squish を目的語なしで使っている」という感じ??

本来は、We have to keep squishing them (=tomatoes). という形になるはずですが、何をつぶすか、という部分は明白なので、「何かをつぶすという行為をする」という意味で、squish を使っている、つまり、Gotta keep squishing. は「つぶすという行為を続けなきゃ。つぶし続けなきゃ。」という感じかな、と思いました。
ト書きの、Richard squishes a little too hard and ... も、それと同じニュアンスのようですね。(だから、ここでも、文法的には、目的語の them が必要な気がするわけですが…)

「つぶす」という意味の場合、その「つぶす対象物」が必ず存在するはずで、だからそういう語義の場合は他動詞なのですが、それが他動詞であることをわかった上で、あえて目的語を取らずに「つぶすという行為をする」という意味で使っているような気がして、そこが面白いと私は思ったのですが…。
(他のご意見がありましたら、お寄せ下さい。)

辞書にそういう自動詞の意味が載っているとか載っていないとかいう問題ではなくて、その状況から「つぶす」という意味で使っているのだろうな、と思う…それが英語の感覚を学んでいくことなのかな?と思ったりします。

そして、Tomatoes are squishing. は、トマトを主語にした正真正銘の自動詞ですね。
トマトが「つぶされている、つぶされた状態になっている」か「ぐちゃぐちゃと音を立てている」ということで、「ぐちゃぐちゃと音を立てながら、トマトがつぶれてるね。」みたいなことでしょう。

そのつぶしたトマトが服に付くのに、ト書きでは、land on という表現が使われています。
land on は「…に上陸する、(飛行機・宇宙船が)…に着陸する、船が…に着く」ということです。
ここでは、飛行機が着陸するようなイメージでしょうか。
つぶした拍子にトマトがはねて、それが空中を飛んでリチャードのシャツに「着陸、到着」したイメージかと。


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posted by Rach at 08:50| Comment(6) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月29日

アマゾンの「ヒット商品」にランクイン

ネット書店のアマゾン(Amazon.co.jp)には、「ヒット商品」というコーナーがあります。
「過去24時間に最も売上が伸びた商品を紹介」するコーナーです。
5/29(木) 12:00現在、その 76-100位のページ(↓)に、私の本が載っています。(データは頻繁に更新されるので、少し時間が経つと載っていない可能性が高いです。)
Amazon.co.jp: ヒット商品: 本の売上ランキングで、過去24時間に最も売上が伸びた商品をご紹介します。(76-110位)
ヒット商品としては、91位にランクインしており、以下のように説明があります。
91. ↑78% 本の売上ランキング: 424 (昨日の売上ランキングは756でした)

私が調べたところ、どうもこれは、本の総合売上ランキングで、450位までに入っているものを対象としているらしく(なぜか 500位というキリのいい数字でないのが不思議だけど…笑)、今(5/29 12:00現在)は、売上ランキングで 424位なので、ここに表示してもらっているようですね。
ランキングなどでは、「情報は1時間ごとに更新されます。」とのことなので、今、この瞬間しか、その「ヒット商品」に入っているのを見ることができないかもしれません。
でも、「貴重な経験」(笑)なので、ご紹介させていただきました。
今度情報が更新されたら、きっと圏外になっているでしょう(泣)。

ベストセラーのランキングだけではなく、アマゾンにはいろんな情報があるんですねぇ…。
面白いな、と思ったので、まずはお知らせまで。


(上の記事投稿直後 5/29 12:43 追記 )
ちなみに、過去記事、日経新聞1面に広告が掲載されました と、アマゾンで115位!? で触れましたように、4/19 に日経新聞に広告を出した後、アマゾンでは、115位までランキングが上がりました。
その 115位の瞬間ではなく、255位だった時の「ヒット商品」のデータを、後に Google のキャッシュで見つけました。
その表示は、以下のようになっていました。
8. ↑2,970% 本の売上ランキング: 255 (昨日の売上ランキングは7,831でした)

前日との比較なので、前日の順位が低いほど、ヒット商品としてのランキングは上がる仕組みなのですが、それにしても 8位とは!
広告を出したら上がるのはある意味当然としても、やはり実際にその効果が確認できる、というのは嬉しいものです。
今回の広告も、一瞬だけでも「ヒット商品」にランクインできて良かったなぁ、と思います。
購入して下さった方々、ありがとうございました!

あ、著書の広告やランキングの話ばかりすみません。
今日は、この下(↓)に、フレンズ解説記事を投稿しております。
(追記はここまで)


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posted by Rach at 12:18| Comment(6) | 著書1冊目 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2つのコンプリメント フレンズ3-13その21

[Scene: Monica and Rachel's, Monica is teaching Richard how to make lasagne.]
モニカとレイチェルの部屋。モニカはリチャードにラザニアの作り方を教えている。
リチャード: So when people compliment me on my cooking tonight, what do I say? (それで、今夜の料理について人々が僕を褒(ほ)めたら、僕は何て言ったらいいんだ?)
モニカ: You say, "Thank you very much," and then you buy me something pretty. Come on, we're gonna put our hands in this bowl, and we're gonna start squishing the tomatoes. (あなたはこう言うのよ。「どうもありがとう。」 そして、それから、私に何か素敵なもの[可愛いもの]を買ってくれたらいいのよ。ねぇ来て。このボウルに二人の手を入れるわよ。そして、トマトを押しつぶす(のを始める)のよ。)

ト書きに出てくる lasagne は、「ラザニア」という料理名です。
フレンズ3-13その10 のセリフにも登場したのですが、ネットスクリプトでは lasagne、DVD英語字幕では lasagna と表記されていました。
どちらの綴りも可能なようで、辞書にも二つの綴りが載っています。

compliment は、名詞だと「賛辞、褒め言葉」、動詞だと「賛辞を述べる、称賛する」という意味ですね。
今回のように、compliment someone on A の形で「Aのことで(人を)褒める、称賛する」という意味になります。
名詞の compliment は、誰かが褒めてくれた時に、Thank you for your compliment. 「お褒めいただきありがとうございます。」のように使いますね。
また、動詞の compliment には「(敬意の贈り物を)贈呈する」という意味があり、形容詞 complimentary は「無料の、招待の、サービスの」という意味になります。
a complimentary ticket 「招待券、優待券」などは、TOEIC のリスニングによく登場しますね。

見た目がよく似た単語に、complement があります。
こちらは、名詞で「補足物」、動詞で「補足する」。
compliment と complement は「ンプラメント、ンプルメント」みたいな感じで発音も同じようです。
ローマ字読み(?)をすると、「コンプリメント」と言いたくなりますが、中央部分の -li- や -le- の部分は「あいまい母音」なので、「リ」とはっきり発音しないようにするのがポイントです。
(英語の発音は、アクセントのある部分を強く、あいまい母音の部分を意識的にあいまいに発音することで、随分とネイティブっぽく聞こえるようになるものです。)

形容詞形 complementary 「補足的な」というのもあり、前述の形容詞 complimentary 「無料の」と紛らわしいですね。
リスニングで聞いた場合は、文脈で判断することになるわけです。

自分は料理など得意でないように思われているのに、おいしいラザニアを作ったら、みんなが不審がるんじゃないか?、僕はどう説明したらいいんだ?、と言っています。
モニカは、「褒められたことに、ただ、ありがとう、と答えて、私にはお礼に何か素敵なものを買ってくれたら、それでいいのよ。」と答えています。
リチャードの質問は、料理上手な「誰か」の存在を疑われるんじゃないか?という含みもあるような気もします。
元カノのモニカがシェフであることを知っている人も多いかもしれないので、モニカとまたヨリを戻した?みたいに疑う人もいるかもしれない、というのを示唆しているようにも思います。
その思わせぶりな質問を、モニカは軽くかわしているような感じがするのですが、どうでしょう??


(They both start squishing the tomatoes.)
二人はトマトをつぶし始める。
リチャード: Ew, this feels very weird. (うー、この感触はすごく奇妙だね。)
モニカ: You touch people's eyeballs every day and this feels weird? (あなたは毎日人間の眼球を触ってるのよ。それでこれが奇妙な感じがするの?)
リチャード: Yeah, well, sure I touch them, But I spent years learning not to squish them. (Monica grabs his hand in the tomatoes.) That's my hand. (そうだね。確かに僕は眼球を触るよ。でも、それをぐしゃっとつぶさないようにすることを何年もかけて学んだんだ。[モニカはトマトの中の彼の手を掴む] それは僕の手だ。)
モニカ: Oops. (まぁ。)

squish は「…をぐしゃっとつぶす」。
似た単語で、squash 「押しつぶす」という単語もありますね。
ロングマン現代英英辞典では、
squish: [intransitive and transitive] (informal) to squash something, especially something soft and wet, or to become squashed
つまり、「何かを押しつぶすこと、特に柔らかくて湿ったものを。または押しつぶされた状態になること」。
squash という単語が、squish に変化した、ということでしょうか?

squash の名詞は、レモンスカッシュなどような「スカッシュ(果汁に水を加えた飲み物)」、あるいは、squash rackets 「スカッシュ」というスポーツもありますね。

トマトをつぶすぐちゃぐちゃ感が気持ち悪い、奇妙な感触、と言うリチャード。
リチャードは眼科医なので、モニカは、「あなたは毎日、人の目を、それも眼球を触ってるわけでしょ。それも結構気持ち悪いと思うのに、トマトの方を気持ち悪がるわけ?」みたいに言っているのです。
私にしてみたら、眼球を触る方が気持ち悪いと思うけど…みたいなことです。

それに対してのリチャードの答えが面白いです。
確かに触るけど、こんな風にぐちゃっとつぶしたりはしないんだ、眼球をつぶさないことを学ぶのに何年もかけてきた、みたいなことです。
つぶさないことを何年もかけて学んだ、と言うと、まるで何回か誤ってつぶしたことがあるようにも聞こえる気がします。
そこが彼のユーモアのようですね。

で、二人でトマトをつぶしていたら、モニカが間違って(?)リチャードの手に触れてしまいます。
元恋人同士なので、ちょっとヤバい空気が流れています。
見ている方もちょっとドキドキしてしまうシーンですね。


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posted by Rach at 11:41| Comment(0) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月28日

毎日新聞にカラー広告掲載されました

毎日新聞の第1面下段の書籍広告欄に、私の著書、シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法 の広告が掲載されました!

毎日新聞の書籍広告掲載日は、地域によって時差があるらしく、東京版では、2008年5月26日(月)に掲載されたようです。
私は大阪に住んでいるのですが、こちらの大阪版(?)では、今日、5月28日(水)に掲載されていました。
他の地域はどうなのかなぁ?(毎日新聞をとっておられる方は、「○○日に載ってたよ!」と教えていただけると嬉しいです♪)

東京版では月曜日に掲載されたようだ、という情報は知っていたのですが、実際に現物を見るまでは心配で(笑)、大阪版に載っているのをしかと確認した後、こうしてご報告させていただいております。

過去記事、日経新聞1面に広告が掲載されました の記事で書いたように、4月19日に日経新聞でも広告が掲載されたのですが、その時よりもスペースは大きくなっています。
また、本の表紙の写真(帯なし)も載っています。
しかも、カラー!!

6冊紹介されているのですが、一番右端に載っています。
イラストが大きく入った、オレンジ色の派手な(?)表紙なので、多くの方の目に止まるといいなぁ。
目立つ形で宣伝してもらえて、すごく嬉しいです♪

オンライン書店の「本やタウン」というサイトがあります。
オンライン書店 本やタウン: HOME
そのホームの左サイドバーに、「パブリシティ:新聞で紹介された本」という項目があり、各新聞名をクリックすると、「新聞紙上に掲載された主な本の情報を表示」するページに飛びます。
拙著が広告に掲載されたことは、
毎日新聞 2008年5月26日掲載 のページで紹介されています。(このページの掲載内容は、東京版のものになります。)
7行目に出ている、私の本のタイトルをクリックすると、「本やタウン」さんでの、私の本の紹介ページにジャンプします。
オンライン書店 本やタウン: シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法
そのページにも、
新聞情報
・2008年5月26日毎日新聞・朝刊「広告欄」に掲載されました。

と情報を書いて下さっています。

東京版で月曜日に広告が掲載された後、アマゾンの動向をチェックしていたのですが(笑)、その月曜日の 16:23 に見た時は、本の総合ランキングで、610位まで上昇していました。(昼間外出していたので、その前の時間帯の順位はわからないのですが…)
ここのところ、ずっと 4桁が続いていたので、やはり 3桁は嬉しいですね。
(2008.5.29 追記)
5月29日(木) 12:00 には、424位まで上がりました。
(追記はここまで)

本の発売日は 3月19日でした。
もう発売から 2ヶ月以上が経過しました。
その時期に、こうして「てこ入れ」のような形で広告を出してもらえる、というのは本当に嬉しいです。
アマゾンを毎日見ているのでわかるのですが、極端に順位が落ちることもなく、一定のペースで本が売れているようです。
それが、今回の広告掲載に繋がったのですね。
本をお買い上げ下さった皆様、そしてブログを応援して下さった皆様のお陰だと、心より感謝いたしております。
ありがとうございます!!

少しでも多くの方に本の存在を知っていただける…こんなに嬉しいことはありません。
これからも、「フレンズ」で学ぶ楽しさ、英語を学ぶ楽しさ、をより多くの方と共有していきたいと思います。
これからもよろしくお願いします!


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posted by Rach at 07:15| Comment(3) | メディア掲載 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月27日

分離不定詞 フレンズ3-13その20

フィービーのデート相手であるロバートが、短パンをはきながら脚を広げているので、隙間から彼の大切な部分が見えてしまっています。
それを見て、戸惑いを隠せないチャンドラーとロス。
チャンドラー: What do we do? What do we do? (俺たちはどうすればいい? 俺たちはどうすればいい?)
ロス: Well, I suppose we just try to not look directly at it. (そうだな、それをただ、直接見ないようにしたらいいんじゃないかな。)
チャンドラー: Like an eclipse. (日食(を見る時)みたいに。)
(Ross nods his head.)
ロスは頷く。

we just try to not look directly at it. について。
普通は、「…しないようにする」という場合、「try not to 動詞」という語順になることが多いように思います。
が、口語ではこのように、「try to not 動詞」という語順になることもあるようです。
これを「分離不定詞」といいます。
本来、「to+動詞」という形を「to 不定詞」と呼んでいるのですが、その to と 動詞の間に別の語(ここでは not)が入っている、それで分離されているから、分離不定詞、なのですね。

ノンネイティブの私が言うのもなんですが、私は、try to not ... という語順では、おさまりが悪くて、何だかしっくり来ない、というか、違和感を感じます。
自分で書く場合でも、私はやっぱり、try not to ... の語順で書きますね。

分離不定詞と言えば…。
「英検1級つながり」で、お話をさせていただくようになった、「かいちゃん」さんの 30歳からの英検1級 というブログがあります。
そのブログの、「ロングマン」の使い方・その6 という記事で、この分離不定詞(split infinitive)について語られています。
最近ではネイティブでも、to not という語順を使う人も結構いて、またあの有名な英英辞典「ロングマン」の語義説明にも使われていたりするそうです。

この、かいちゃんさんの記事、面白いので是非読んでいただきたいのですが、特にすごいと思ったのは、

1. かいちゃんさんが、to not という語順に疑問を持ち、イギリスのロングマン本社へメールで問い合わせをされた、ということ、
2. そして、ロングマン本社からすぐにメールで回答が来た、ということ、
3. そして、その回答の中で、
The most famous split infinitive of the last 30 years is at the beginning of Star Trek, as the opening credits roll, and the narrator says: ...
つまり、「過去30年でもっとも有名な文体による分離不定詞の例」として、スタートレックの冒頭ナレーションが挙げられていた、ということです。

ナレーションの最後の、
To boldly go where no one has gone before!
の、to boldly go が「分離不定詞」、つまり、to go という「to 不定詞」の間に副詞の boldly が入ってしまっている、ということですね。

その例に挙げられているナレーションは、スタートレック・シリーズの中でも、特に私が好きな「新スタートレック」(Star Trek: The Next Generation)のもので、パトリック・スチュワートがピカード艦長を演じているシリーズです。
何度も何度も聞いたそのナレーション、一字一句間違いなく言えるそのナレーション(笑)、その中に分離不定詞が隠れていたとは、そのかいちゃんさんの記事を読むまで、全然気付きませんでした(爆)。

マイブログの過去記事、遥か彼方の銀河系の話 フレンズ3-1その21 で、スター・ウォーズの話からの脱線で、そのスタートレックのナレーションについて触れていますが、それくらい大好きなナレーションなんですよねぇ…。

ちょっと思い出話みたいになるのですが、マイブログの英検1級に関する過去記事、出だしでつまずく 1級面接2回目 のコメント欄 で、かいちゃんさんがマイブログに初めてコメントを下さいました。
その時のかいちゃんさんのブログでの最新記事が、ちょうどその分離不定詞の記事だったのです。
トレッキーの私にとっては、あまりにも面白すぎる「直球ど真ん中」の内容だったので、とても嬉しい気持ちでコメントさせていただいたのをよく覚えています。

だから私は今でも、分離不定詞を見ると、「かいちゃん」「ロングマン」「スタートレック」の3つのキーワードを必ず思い出します。
また私も、ロングマン本社にメールで問い合わせるくらいの熱意を持って英語を学んでいきたいものだなぁ、と思います。
(かいちゃんさん、記事を引用させていただき、ありがとうございました。)

eclipse は「太陽や月の食」、つまり「日食、月食」のことですね。
(余談:来年の7月にトカラ列島で皆既日食が見られると、昨日のNHKのニュースウォッチ9で言っていました)
直接見ないようにする、直視しなければいい、と聞いて、まるで「日食みたいだな。」と言っているわけです。
皆既日食のように周囲のコロナしか見えない場合は大丈夫なのかもしれませんが(←よくは知らないのですが)、部分日食の場合は、太陽が一部、月で隠れているとは言え、その光線が直接目に入ると、目を傷めてしまいますよね。

フレンズ1-6その3 で、ジョーイがお尻にローションを塗っている姿を(恐らく)見てしまったチャンドラーが、
チャンドラー: My eyes! My eyes! (俺の目が、目が!!)
と叫んでいました。
ちょうどそんな感じで、ダイレクトに見てしまうとショックを受ける、目がやられるから、直接その方向を見るな、見ないように気を付けた方がいい、ということでしょうね。


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posted by Rach at 11:50| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月26日

言葉を別の表現に言い換えるという決まり フレンズ3-13その19

ロス: Hold on. (walks over behind the couch) I'm sorry, you guys, that was a coffee and a.... (ちょっと待って。[カウチの後ろに歩いていく] ごめんよ、みんな。さっきのは、コーヒーとそれから…)
ロバート: Coffee. (コーヒーだよ。)
ロス: Okay. (オッケー。)
ロバート: We could write it down for you? (君のために、それを(メモに)書いてあげることもできるけど?)
ロス: No, no, that won't be ah, that won't be necessary. (leans down and looks up Robert's shorts, seeing Robert's package) (いやいや、それは必要ないよ。 [下にかがんでロバートの短パンを見上げる。すると、ロバートのパッケージが見える。])
チャンドラー: (to Ross) Well? (どうだ?)
ロス: Yeah, yeah, yeah! (あぁ、あぁ、あぁ!(チャンドラーの言う通りだよ!))

本当にロバートがソレを見せているのかを確かめるために、もう一度オーダーを確認しに戻るロス。
ロバートのセリフは、別にイヤミでもないようですが、「何ならメモしようか?」みたいなことですね。
「コーヒー3つ」という非常に覚えやすいオーダーで、何も悩むようなことじゃないのに、聞き直してきたから、「覚えられないの?、何ならメモに書いてあげようか?」と言っているのですね。

ト書きにでは常に、「ロバートの大事な部分が見えている」ことに触れられているのですが、今回はそれを、seeing Robert's package と表現してあります。

package は「包み」。
英辞郎には「男性器」という語義が載っています。
そのニュアンスはわかるような気はしますが(笑)、ロングマンなどには載っていませんね。

英語では、同じものを指す場合でも、「同じ単語を繰り返すのではなく、言葉を別の表現に言い換える」という決まりのようなものがあります。
同じ単語が続くと、稚拙で、ボキャ貧な感じがするからでしょう。
今回のようなモノを指す場合でも、ト書きに出てくる度に言い換えているのが、英語の法則に則っていて、大変興味深い(笑)。
いろんな言い方があるもんだなぁ、と感心します。

little Robert という表現が前に出てきたので、Robert's package と聞くと、「あぁ、アレのことか!」とピンと来ますよね。
ト書きを読むたびに、「今度はこう来たか!」と笑えてしまう、そんな風に楽しんで英語を覚えていけたらな、と思います。


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posted by Rach at 17:14| Comment(3) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月25日

脳を見せる フレンズ3-13その18

チャンドラー: No. He.....he's coming out of his shorts. (違うよ。彼が…彼が、彼の短パンから出て来てるんだ。)
ロス: What? (何だって?)
チャンドラー: The man is showing brain. (その男性はブレイン[脳]を見せてるんだ。)
ロス: Are you sure? (Chandler nods: Yes!) (ほんとか? [チャンドラーは、そうなんだ!とうなずく])

coming out だけだと、ゲイのカミングアウトと間違えられてしまうので、「どこからカミングアウトしているか」という場所についての情報を付け足しています。
he's coming out of his shorts. つまり、「ショートパンツ(短パン)から彼が出て来ている。」と説明しています。
それでもまだわからない様子のロスに、今度は brain という言葉を使って説明するチャンドラー。
そこでやっと、ロスは気が付いたようですね。

brain というと「脳」ですね。
スラングに強い Urban Dictionary で調べてみたのですが、brain という単語の語義には、そーゆー意味は載っていません。
でも、今回のセリフのニュアンスに限りなく近いものを発見しました。

show brain:
(v) - when one's scrotal sack is visible, regardless of clothing. Usually the result of short shorts.
例) Look at that guy's shorts! They're so short he's showing brain!

つまり…(解説するという使命感に燃えて、恥じらいを忘れて訳してみますと…笑)
「服をつけているにも関わらず、人の陰嚢の袋が見えている時。たいていはショートパンツをはいている結果。」
例文は、「あの男の短パンを見ろよ! パンツ(の丈)がすごく短いから、アレが見えちゃってるよ!」

今回のチャンドラーのセリフも、The man is showing brain. となっていますから、状況といい、セリフの内容といい、「そのまんま、全く同じ」表現ですね。
フレンズは人気ドラマなので、そこで使われた表現がポピュラーな表現となる、ということもあり得るのですが、今回の場合は、それを聞いてやっとロスにもピンと来た、ということですから、一般的に理解されるものとして、元々そういう表現があったと考えるのが妥当かと思います。

なぜ、brain なのか?ですが…。
「脳」であることから、「(機械などの)頭脳部、中枢部」という意味にもなるようです。(研究社 新英和中辞典、英辞郎にもそういう意味が載っています。)
だから、ここでは、「男性の中枢部、一番大切なところ」(?)みたいな意味で使っているんでしょうか??
あるいは…本来は頭の中に隠れている(大事な)部分が見えている、という感じか?
または… Urban Dictionary の語義では、show brain は、one's scrotal sack is visible だと言っているので、brain = scrotal sack であるという認識、つまり、形や見た目が似ている、ということか…(追求するのはこの辺でやめておきます…笑)

「脳」「中枢部」という意味で使っているとすると、普通は、show his brain のように、his (所有格の人称代名詞)が付きそうな気がします。
頭脳, 知力(intelligence)という意味だと、冠詞の付かない不可算名詞にもなるようですが、その場合でも複数形で使うことが多いようです。
そういう意味でも、show brain という無冠詞の表現は特殊な感じがして、イディオムっぽい、というか、特定の人たちが使う特殊な俗語、という感じもします。


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posted by Rach at 08:52| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月24日

カミングアウト フレンズ3-13その17

チャンドラー: Anybody, ah, want anything? (誰か、何か欲しい?)
フィービー: I'll have coffee. (私はコーヒーをもらうわ。)
ロバート: Yeah, me too. (あ、僕も。)
ロス: Yeah, make that three. (あぁ、それを3つね。)

make that three という表現が面白いですね。
フィービーがコーヒーを頼んで、ロバートが「僕も」と言って、ロスが「それを3つね。」と言っている、つまり、ロスもコーヒーを頼みたいから、合計3つ注文して、というのを「コーヒーを3つにして。」と言っているのですね。
こういう合間のささいなシーンでも、みんなが "Me too." と同じことを言うのではなく、ちょっと違ったバリエーションの答えをしたりする…そういうのを見て、自分の表現を増やしていきたいですね。


チャンドラー: Okay Ross, why don't you come with me? (よし、ロス。俺と一緒に来ないか?)
ロス: Okay. (goes over to the counter) (to Chandler) What ah, what is the matter with you? What's going on? (わかった。[カウンターのところまで来る][チャンドラーに] 一体お前どうしたんだよ? 何があったんだ?)
チャンドラー: Robert's coming out. (ロバートがカミングアウトしてる。)
ロス: What, what do you mean, what? Is he gay? (どういう意味だよ? 何? 彼はゲイなのか?)

Robert's coming out. について。
come out は文字通り「出てくる、外へ出る」ですね。
でも、日本でもすっかりメジャーになったように、「カミングアウト」には、「ゲイ・同性愛者であることを認める・公言する・明らかにする」という意味があります。

ロングマン現代英英辞典で、まず基本的な意味を見てみると、
come out (phrasal verb):
1. if something comes out, it is removed from a place

「何かが come out するということは、それがある場所から動かされる[離れる]ということ」。

そして「カミングアウト」として有名になってしまった意味はこちら。
12. if someone comes out, they say that they are gay when this was a secret before
「誰かが come out するということは、以前にそれが秘密であった時に、自分はゲイであると言うこと」。

ちょっと when 以下のニュアンスをうまく訳せないのですが、ずっと秘密・内緒にしていた「ゲイであるという事実」を言う・公表する、ということですね。

今まで隠れていたものが出てくる、という基本的な意味を考えると、「秘密を公表する」という意味になるのはよくわかります。
「秘密」にもいろいろあると思うのですが、come out というと、特にゲイであることを告白する、と言う意味に特定されるのが、興味深いですね。

で、チャンドラーは「外に出る」という意味で使っています。
Robert と言っているのは、昨日の記事、フレンズ3-13その16 に出てきた、little Robert というニュアンス、もしくは、「彼が」「彼自身が」「彼そのものが」という「男の象徴」(笑)のニュアンスでしょうか。
ロバートの大事なモノが外に出ている、見えている、という意味で言っているのです。
でも、聞いているロスは、主語が Robert なので、何か特定のモノや部位を指していることに気付きません。
そこで、「人がカミングアウトしている」というと、ゲイの方のカミングアウトかと思って、「彼はゲイなの?」と返しているのですね。

このやり取りは、日本語でもカミングアウトという言葉が有名であることで、日本人にもわかりやすいジョークになっています。
ちょっとしたことを知っているか知らないかで、アメリカンジョークに笑えるかどうかが決まる、ということがよくわかるシーンだと思います。


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posted by Rach at 07:36| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月23日

小さなロバート フレンズ3-13その16

[Scene: Central Perk, Chandler and Ross are there, Phoebe is entering with her date Robert.]
セントラルパーク。チャンドラーとロスがそこにいる。フィービーはデートの相手のロバートと一緒に入ってくる。
フィービー: (to Robert) You have lipstick right here. (points to her cheek) That's okay, it's mine. We just kissed. ([ロバートに] ここに口紅がついてるわよ。[フィービーは自分の頬を(この辺りよ、という感じで)指差す] いいの。その口紅は私のよ。ちょうどキスしたところなの。)
ロス: Oh. (あぁ。)
チャンドラー: (to Robert) So ah, isn't it a bit cold out for shorts? ([ロバートに] それで、ショートパンツだと、外は少し寒くない?)
ロバート: Well, I'm from California. (あぁ、僕はカリフォルニア出身だからね。)
チャンドラー: Right, right. Sometimes you guys just burst into flame. (そう、そうだね。時々、君たち(のようなカリフォルニアの人)は燃え上がるからね。)

口紅がついてる、と指摘した後、それは私のだから問題ないの、というフィービー。
フレンズたちに紹介したそうそう、さっそくノロけているのですね。

そんな短パンじゃ寒いだろ、というチャンドラーの問いに、カリフォルニア出身だ、と答えるロバート。
答えになっているようななっていないような回答です。
普通は、「僕は西海岸の暖かい地方の出身だから、北東部のNYはやっぱり少し寒いよね。」みたいに答えるような気がします。
彼の答えだと、「あったかいところの人間だから、どこにいても寒くないんだ。」みたいに言っていることになりますね。
それで、チャンドラーは、「へっちゃらなのは、体が燃え上がっているからだよね。カリフォルニア出身の人は暖かい体質の持ち主だからね。」みたいに答えているのでしょう。
なんとなくちぐはぐな感じのする会話で、チャンドラーもそれくらいしかつっこめない、みたいな感じでしょうか。

セリフでは、burst into flame となっていますが、burst into flames という複数形で使われることも多いような気がします。
「パッと燃え上がる、炎を上げて燃える」という意味ですね。
「炎」という意味では、flame は不可算名詞なのですが、しばしば複数形 flames の形で使われるようです。


(Robert leans back on the arm of the chair and allows Chandler to see up his shorts and sees 'little Robert.' Chandler is horrified by this view.) 
ロバートは椅子の腕の上で背中をそらせる。そして、それでチャンドラーがロバートの短パンを見上げることになり、チャンドラーは「リトル・ロバート」を見てしまう。この光景にチャンドラーはおののく。)
チャンドラー: (standing up) I'm up. I'm up. I've gotten up now. Anybody, ah, want anything? ([立ち上がって] 俺は立ち上がってるぞ。立ち上がってるぞ。今、立ち上がらなくちゃいけないんだ。誰か、何か欲しい?)
フィービー: I'll have coffee. (私はコーヒーをもらうわ。)

little Robert とは「彼のモノ」ということです(笑)。
「えらいものを見てしまった!」という感じでおののいているチャンドラーに笑えます。
そこにいたたまれなくなって、思わず立ち上がってしまったので、何か注文しに行くふりをするのですね。
フレンズ1-4その1 では、
ジョーイ: Probably kill myself. If little Joey's dead, then I got no reason to live. (多分、自殺するよ。もし、俺のムスコが死んじゃったら、生きている理由がないから。)
というセリフが出てきました。
ここでも、ジョーイは「自分のモノ」のことを、little Joey と言っていますね。
penis と言ってしまうとあまりにも直接的なので、皆さんもなんと表現したらよいか困った場合は、「little+男性名」にしておきましょう(笑)。
1-4 の日本語訳にも書いたように、日本語ではアレのことを、「俺のムスコ」と表現したりしますよね。
英語の little Joey (ちっちゃなジョーイ)と、日本語の「俺のムスコ」という表現には、共通したニュアンスを感じる気がして、何だか面白いです。

(2008.7.28 追記)
上の日本語訳で、I've gotten up now. を「今、立ち上がらなくちゃいけないんだ。」と書いてしまったのですが、正しくは「今、立ち上がったところだ。」という現在完了形の意味になります。
下のコメント欄に訂正と追加説明があります。
興味のある方は合わせてご覧下さい。
(追記はここまで)


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posted by Rach at 12:29| Comment(2) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月22日

形容詞を副詞として使う フレンズ3-13その15

ジョーイ: Ah, now Rach, these ah, these little women. (ねぇ、レイチェル。このリトル・ウィメン(小さな女性たち)だけど…)
レイチェル: Yeah. (えぇ。)
ジョーイ: How little are they? I mean, are they, like, scary little? (彼女たちはどのくらい小さいの? つまり、恐ろしいほど小さいの?)

若草物語の原題 Little Women 「リトル・ウィメン」については、Wikipedia 日本語版: 若草物語 の「概要」で、「リトル・ウィメン」という言葉について触れられています。
一部引用すると、
単なる幼い少女ではなく一人の立派な女性であるという意味合いで用いられていた。
とのことです。
つまり、little girls ではなくて、「一人前の女性」として接しているという意味合い、「ちっちゃな淑女たち」みたいな感じなんでしょうね。

ジョーイはホラー小説を読んでいるので、何でも「怖い話」だと思ってしまうようです。
タイトルに little とついているから、little であることがポイントだと思ったのでしょう。
「恐ろしいほど、怖いほど、ぞっとするほど」小さい女性たちの話なの?みたいに尋ねていますが、そんな話じゃないってば(笑)。
よほど、シャイニングが scary なんでしょうね。
本を読まないジョーイにとっては、「本、小説=シャイニング」で、その視点でしか本の良し悪しを判断できないみたいな感じです。

最初に How little と little の度合いを尋ねているわけですから、意味は、「ぞっとするほど小さいの?」と尋ねているはずですね。
ジョーイは、"are they, like, scary little?" と言っていますが、scary は形容詞ですから、本来ならば、scarily little という風に、「副詞の scarily」になるような気がするのですがどうでしょう??

DVD英語字幕も、ネットスクリプトも scary ですし、実際のジョーイの発音も scary と言っているように聞こえます。
scarily は r と l が続いて少々発音しにくいので、scary と言っているのかなぁ?
scary little と言っても、その位置関係から、scarily little という意味で使っているだろうことは想像できますしね。

そう言えば、real という単語は、普通は「本物の、本当の」という意味の形容詞ですが、really 「本当に、非常に(副詞)」の意味で real を使っているのもたまに見かけます。
ロングマン現代英英辞典では、real は副詞としての語義も載っています。
real [adverb]:
(American English spoken)
very
例) He's real cute. It was real nice to see you again.

つまり、「とても、非常に(very)」と後ろの形容詞を強調する副詞として使われていて、really と同じニュアンスになりますね。

今回の scary little の scary も、その real と似た感じでしょうか?

英語は語順が非常に大事な意味を持ちます。
He's real cute. という文章を見た場合でも、He's real & cute. という意味ではなくて、He's really cute. という意味であるとわかる、つまり、real は cute を修飾していて、それを強調しているのだ、とわかる感覚が大事なのかな、と思います。
文法的に正しく書くと、really cute となるべきなのでしょうが、それを今の英語では、real cute とも言うんだね、と知ることが「生きた英語を学ぶ」ということなのかな、と。

基本的な文法ではどう表現するのか?を知っておくことは大切です。
でも、文法ルールに合っていないからと言って「それは間違いだ。」で済まして切り捨ててしまうのはもったいないです。
その間違いのままでもニュアンスが確実に通じているからこそ、多くの人がその表現を使うわけですよね。
私はフレンズをずっと見てきて、「文法的には「???」だけど、そのニュアンスはよくわかる!」という表現にたくさん出会ってきました。
「ネイティブの言葉の並べ方から、そのニュアンスを掴めるようになること」が、英語を学ぶ上で非常に大切なのだと思っています。
そういう「ネイティブならわかる感覚」をどんどん掴んでいきたいものですね。

"are they, like, scary little?" というセリフを見て、
"scarily little" が正しいんじゃないの?と思う「文法的感覚」と
"scarily little" を "scary little" って言っちゃうんだぁ、面白い!と思える「ネイティブのニュアンスを楽しめる感覚」、
その両方の感覚をバランス良く持ち合わせることが、英語を学ぶ上では大事なのではないかと思っています。


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posted by Rach at 10:14| Comment(4) | フレンズ シーズン3 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする