[Scene: The Philly, Chandler and Joey are talking to Chloe.]
フィリー(店の名前)。チャンドラーとジョーイはクロエと話をしている。
クロエ: And the advances in collating in the past five years, I mean we just got in an X-5000, y'know? The X-5000 makes the X-50 look like a T-71. (それで、この過去5年間のページそろえの進歩よ。つまり、私たちは X-5000 を導入したの。X-5000 は X-50 を、まるで T-71 のように見せるわけ。)
(Chandler agrees in an absolutely bored way.)
チャンドラーは、全く退屈した様子で同意する。
クロエ: (seeing Ross enter) Hey, it's the dinosaur guy! (runs over to Ross) Hi, Ross! ([ロスが入ってくるのを見る] はーい。恐竜男さん[恐竜のお兄さん]! [ロスのところに走ってくる] ハーイ、ロス!)
ロス: Oh, hi, Chloe. (あぁ、はーい、クロエ。)
クロエ: I want you to meet some friends of mine. (Introduces him to Chandler and Joey) This guy is my hero. He comes in with some stuff he wants it blown up 400%, we said we don't do that, and he says, "You gotta." And y'know what? We did it. And now anytime anybody wants 400, we just say, "Let's Ross it!" (あなたに、私の友達に会ってもらいたいの。[ロスをチャンドラーとジョーイに紹介する] この人は私のヒーローなの。彼は、400%に拡大コピーしたいものを持って、やってきたの。私たちはそんなことできないって言ったわ。するとロスが言ったの、「やらなきゃだめだ。」って。で、どうなったと思う? 私たちは拡大コピーできたの。そして、今では、だれかが 400%拡大コピーをしたい時はいつでも、私たちはただこう言うのよ。「それをロスしよう![ロスろう]」って。)
チャンドラー: And that's the only color that comes in. (そして、それが提供される唯一の色だね。[そのコピー、一色でしかコピーできないんじゃないの?])
アイザック: Yo, Chloe! Do you have a quarter for the condom machine? (よぉ、クロエ! コンドームの自販機に使うクオーター(25セント硬貨)を持ってるか?)
クロエ: Oh! (storms off) (えぇ! [走って去る])
チャンドラー: So, what are you doing here? I thought tonight was your big anniversary dinner. (それで、お前はここで何してるんだ? 俺は(てっきり)今夜はお前たちの盛大な記念日ディナーだと思ってたのに。)
ロス: Yeah, little change of plans. Ahh, we're gonna break up instead. (あぁ、計画に少し変更があったんだ。うーんと、代わりに、僕たちは break up すること[別れること]になった。)
(Chandler and Joey stare at each other in shock.)
チャンドラーとジョーイはショックでお互いを見つめる。
the advances in collating の collate という動詞について。
collate が日本語に訳しにくいのですが、コピー、製本などの専門用語っぽいです。
英和辞典では、「(版などを)照合する」「(本などを)ページ順に並べる、ページ順をそろえる」という意味が載っています。
このクロエの話、「わけわかんないところ」がいいですね。
X-5000, X-50, T-71 という、コピー機の型番号みたいなものも登場しています。
ですから、collate というコピーの専門用語のような言葉がよくわからなくてもいい、という感じ。
その最新鋭の X-5000 が導入されたら、今まで使っていた X-50 は T-71 みたいに見えるのよ、と説明されても、その T-71 がどんなものか知らない人にとっては、何のことか全然わからない。
クロエの話が、コピーおたくみたいなので、そこが面白いわけですね。
セクシーなクロエに誘われてワクワクしていたのに、こんな席でコピー技術の進歩の話を聞かされてうんざりしているジョーイとチャンドラーに笑えます。
クロエも、たまたまコピー屋で働いていたイケイケねーちゃん、でもなくて、コピーの話をすると夢中になる、コピーの仕事に誇りを持っていて(?)その仕事を楽しんでいるらしいところも、意外な面白さがありますね。
it's the dinosaur guy! を「恐竜男」と訳してしまうと、何だかヘンな感じなのですが…。
決して悪口ではなく、「恐竜に詳しい人」「いつも恐竜の話をしてるお兄さん」みたいな感じでしょう。
DVDの日本語訳は「恐竜博士」となっていましたが、確かにそういう感じの褒め言葉ですね。
ジョーイとチャンドラーが夢中になっているクロエが、ロスと何気(なにげ)に仲が良いのが面白い。
そして、ロスは二人と違って、別にデレデレともせずに、普通に応対しているのがおかしいです。
フレンズ3-1その24 で、クロエ(らしき人)の話題が出た時、「あぁ、(彼女は)たまんないよね!」みたいに言っていたので、彼女が嫌いではないはずで、素敵だと思っているはずですが、今のロスはレイチェルとのことで頭がいっぱいで、他の女の子は目に入らない、というところでしょうか。
クロエがロスに、チャンドラーたちを紹介するのもおかしいですね。
クロエの友達である前に、元々、チャンドラーとジョーイはロスの友達だってば!というところ。
blow up は「(風船などを)膨らませる」という意味で使いますが、その流れで「写真を引き伸ばす、拡大コピーする」という意味になります。
"Let's Ross it!" の「ロスイット!」というクロエの嬉しそうな言い方が面白いです。
400%拡大コピーなんてそんなの無理だ…と誰もが尻込みする中、ロスは「できなきゃだめだ。」と言った。で、やってみると、出来ちゃった!
だから、それ以来、400%拡大コピーのことを「ロスする」「ロスる」という動詞で呼ぶようになった、と説明しているのです。
こういう話で喜んでいるところでも、クロエがコピーマニアみたいで笑えます。
And that's the only color that comes in. について。
come in は「…の形式がある、…として提供される」。
ロングマン現代英英辞典では、
come: BE PRODUCED/SOLD
[always + adverb/preposition] to be produced or sold with particular features
come in
例) This particular sofa comes in four different colours.
例) Cats come in many shapes and sizes.
つまり、「特有・特定の特徴を持って、生産される、または売られること」。
例文は、「この特殊なソファは、4種類の違った色で提供されます[売られています]。」
「猫はいろんな形・姿やサイズで提供されています。」
come in を直訳すると、「…の状態で来る」みたいなことなので、「…の状態で提供される」という意味になるのでしょうね。
このチャンドラーのセリフ And that's the only color that comes in. を直訳すると、「そして、それが、提供される唯一の色だ。」となるようなのですが…。
DVDの日本語訳は、
日本語字幕「そのコピーってブルー?」
日本語音声(吹替)「そのコピーの色ってブルー一色じゃない?」
となっていました。
私もそういう意味なんだろうなぁ、と思いました。
つまり、ブルー一色のコピーというのは、「青写真、青焼き(blueprint)」のことですよね?
400%の拡大コピーができた!って大騒ぎしてるけど、それは設計図などの大きな図面でよく使うブループリントのことじゃないの?、それなら、それくらいのでっかいコピーは当たり前だよ、みたいなことを言いたかったのかなぁ、と思います。
(が、そのセリフをうまく日本語に訳すのは難しいです…。)
(2017.6.13 追記)
"Let's Ross it!" というセリフについて、下のコメント欄でご意見を頂戴しました。
russet という色が存在し(日本語では「あずき色」)、クロエのセリフ "Let's Ross it!" が、"Let's russet!" のように聞こえることから、「その言い方じゃ、russet 色だけの一色コピーになっちゃいそう」という意味で「それが出力される唯一の色」のようにチャンドラーが返した、ということになるようです。
下のコメント欄に追加説明がありますので、併せてお読みいただければ幸いです。
(追記はここまで)
クロエがアイザックに呼ばれて席を外した後、「今日は記念日だろ?」と尋ねるチャンドラー。
Yeah, little change of plans. Ahh, we're gonna break up instead. というロスが悲しいです。
「ちょっとした予定の変更」と言いながら、ロスは、ここで、break up という言葉を使っています。
フレンズでも頻繁に出てくる「(男女が)別れる」という意味ですね。
前回、フレンズ3-15その14 で、take a break の意味について説明しましたが、ロスはチャンドラーたちに対してそれをはっきりと、break up という言葉を使って表現しているのがポイントかな、と思います。
take a break from us と言ったレイチェルの本心はともかくとして、ロスはそれを「別れ」、つまり、break up だと捉えた、ということですね。
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2008年09月30日
2008年09月28日
ブレイクをとる フレンズ3-15その14
ロス: Is this about Mark? (これって、マークが関係してる?)
レイチェル: (shocked) Oh, my God. ([ショックを受けて] なんてこと。)
ロス: Okay, it's not, it's not. (わかった。違う、違うんだね。)
レイチェル: Oh my God. I cannot keep having this same fight over and over again, Ross, no, you're, you're, you're making this too hard. (なんてこと。こんな同じ喧嘩を何度も何度も繰り返し続けることはできないわ。ロス。あなたは、あなたは、あなたはこの状況をものすごく困難にしているのよ。)
ロス: Oh, I'm, I'm making this too hard? Okay, what do you want me to do. (あぁ、僕が、僕がこれをものすごく困難にしているんだね? わかった。君は僕に何をして欲しいの?)
レイチェル: I don't know, I don't know. Look, maybe we should just take a break! (わからない、わからないわ。ほら、多分、私たちはただ、ブレイク(break)をとるべきだと思うの。)
ロス: Okay, okay, fine, you're right. Let's ah, let's take a break. (goes to the door) Let's cool off, okay? Let's get some frozen yogurt or something.... (opens the door) (わかった、わかった。いいよ。君は正しいよ。ブレイクを取ろう。[ドアのところに行く] 頭を冷やそうよ。フローズンヨーグルトか何かを買ってこよう。[ドアを開ける])
レイチェル: No. (Ross is standing in the doorway.) A break from us. (違うの。[ロスは戸口に立っている] 私たち二人(の関係)からブレイクを取るのよ。)
(Ross looks at her, then leaves slamming the door behind him.)
ロスはレイチェルを見る。それから後ろのドアをバタンと閉めて立ち去る。
お互いどうしたらいいかわからない、と言った後のロスのダメ押し。
「君がこんなに仕事に熱心なのは、それがマークと繋がる仕事だから?」みたいに言ってしまいます。
レイチェルは、まだそんなことを考えていたのかと知ってショックを受けます。
レイチェルのリアクションで、やっぱりマークは全く関係ないと気付き、さすがのロスも、それは違うよね、と撤回するのですが。
レイチェルが今の仕事が楽しくてしょうがないと思っていること、だからどんなに忙しくても責任感を持ってそれを果たそうとしている気持ちは、レイチェル自身の発言でわかりますね。
それなのに、その仕事を愛する気持ちを、「もしかしてあのマークって男のせい?」みたいに、恋愛問題にすり替えられて、というか、男のためにやっているように思われてしまう、ということは、レイチェルにとっては衝撃的な一言だったでしょう。
これだけ説明しても、まだわかってもらえてないのか、みたいな気持ちでしょうね。
you're making this too hard. の this は今の状況を指しているのでしょうね。
確かにレイチェルは仕事が忙しくて、恋人のロスに会えない、という困った状況なわけですが、そこにロスが感情的に絡んでくることで、ますますこの状況を hard にしている、あまりにも hard な状態にしている、ということかな、と思います。
cool off は「頭を冷やす、冷静になる」。
Look, maybe we should just take a break! について。
ここで、今回のエピソードのタイトル The One Where Ross and Rachel Take a Break にもある、break という言葉が出てきました。
フレンズ3-15その1 でタイトルを書いた時に、私は「ロスとレイチェルがブレイクをとる話」と訳した上で、「take a break については、ネタバレにならないように、また、意味に幅を持たせるように、あえてぼんやり訳しました。」と説明したのですが…この break のニュアンス、訳しにくいですねぇ。
break という動詞は「切断する、壊す」「中断する、遮断する」という意味です。
それが名詞になると「割れ目、切れ目」という意味になり、そこから「(仕事などの)小休止、休み時間」という意味にもなります。
コーヒーブレイク、ティーブレイクなどは日本語になっていますね。
レイチェルの take a break という言葉を聞いて、ロスは、「このまま頭に血が上ったままで口論・喧嘩をしていても埒が明かないから、一休みしましょう。」という意味に捉えました。
そこで、cool off 「冷静になる、頭を冷やす」という言葉を使って、興奮しているのを冷ますために、冷たい食べ物の frozen yogurt を買ってくる、と言いながら部屋を出て行こうとするのですね。
ところが、レイチェルの言っている意味はそうではありませんでした。
喧嘩からのブレイクではなく、a break from us つまり、「私たちからブレイクを取る」、「お互いが相手から距離を置く」みたいなニュアンスでしょうか。
(この from us のニュアンスも訳しにくい。)
break には「断絶、絶好、決別」のようなニュアンスもあり、make a break with tradition なら「伝統と決別する」という意味になります。
ロングマン現代英英辞典にも以下の語義が載っています。
break [noun]: END A RELATIONSHIP
[singular] a time when you leave a person or group, or end a relationship with someone
つまり、「ある人やあるグループを去る時、または、誰かとの関係を終える時」。
ロスの思っているような「休憩、一休み、小休止」の意味ではなく、A break from us. だと言うレイチェルですが、それ以上深く説明はしません。
ロスもそれを聞いて意味を悟って去っていきます。
ですから、ここでの、a break from us という言葉は、その言葉以上の具体的な説明はされないまま終わります。
ロスは口論からの break かと思った、するとレイチェルは、from us つまり、our relationship のブレイクであると言った、ということです。
が、それが relationship に関する break だとわかったところで、レイチェルの発言だけでは、「休み」の感じのブレイク、つまり「少し距離を置く、しばらく離れる」という感じなのか、「切断」という完全に切れてしまう「別れ」のイメージのブレイクなのかがよくわからないような気がします。
レイチェルが最初に言ったのは、we should just take a break! で、その後、A break from us. と説明を付け加えています。
男女の別れにおいてよく使われるのは、break up (with...) という表現ですが、レイチェルは、we should break up. と言ったわけではありません。
take a break, a break from us という表現からは、break up ほどはっきりとした「別れる」ニュアンスが感じられないような気がするのですが、どうでしょう?
脚本上、ロスが休憩というニュアンスのブレイクと勘違いする、という話の流れになるように、take a break という表現を使った、ということは大いにありますが、break up ではなく、take a break (from us) となっているのにも大きな意味があるような気がします。(今後の展開に関係するので、ここでは詳しく語れませんが…)
お互いが、a break from us をどういうレベルのブレイクだと理解しているか、が、今後の展開の鍵となっていくように思います。
ですから、今の時点では、ブレイクというカタカナでの理解にとどめて、これは「離れる」なのか「別れる」なのか?という最適な日本語を探すことはしません。
「私たち二人の関係からブレイクを取るのよ。」という妙な日本語のままの理解で、ここは納得して下さい。
寂しそうに少し笑ってドアをバタンと閉めるロス。
見ている方もつらいですね。
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レイチェル: (shocked) Oh, my God. ([ショックを受けて] なんてこと。)
ロス: Okay, it's not, it's not. (わかった。違う、違うんだね。)
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ロス: Oh, I'm, I'm making this too hard? Okay, what do you want me to do. (あぁ、僕が、僕がこれをものすごく困難にしているんだね? わかった。君は僕に何をして欲しいの?)
レイチェル: I don't know, I don't know. Look, maybe we should just take a break! (わからない、わからないわ。ほら、多分、私たちはただ、ブレイク(break)をとるべきだと思うの。)
ロス: Okay, okay, fine, you're right. Let's ah, let's take a break. (goes to the door) Let's cool off, okay? Let's get some frozen yogurt or something.... (opens the door) (わかった、わかった。いいよ。君は正しいよ。ブレイクを取ろう。[ドアのところに行く] 頭を冷やそうよ。フローズンヨーグルトか何かを買ってこよう。[ドアを開ける])
レイチェル: No. (Ross is standing in the doorway.) A break from us. (違うの。[ロスは戸口に立っている] 私たち二人(の関係)からブレイクを取るのよ。)
(Ross looks at her, then leaves slamming the door behind him.)
ロスはレイチェルを見る。それから後ろのドアをバタンと閉めて立ち去る。
お互いどうしたらいいかわからない、と言った後のロスのダメ押し。
「君がこんなに仕事に熱心なのは、それがマークと繋がる仕事だから?」みたいに言ってしまいます。
レイチェルは、まだそんなことを考えていたのかと知ってショックを受けます。
レイチェルのリアクションで、やっぱりマークは全く関係ないと気付き、さすがのロスも、それは違うよね、と撤回するのですが。
レイチェルが今の仕事が楽しくてしょうがないと思っていること、だからどんなに忙しくても責任感を持ってそれを果たそうとしている気持ちは、レイチェル自身の発言でわかりますね。
それなのに、その仕事を愛する気持ちを、「もしかしてあのマークって男のせい?」みたいに、恋愛問題にすり替えられて、というか、男のためにやっているように思われてしまう、ということは、レイチェルにとっては衝撃的な一言だったでしょう。
これだけ説明しても、まだわかってもらえてないのか、みたいな気持ちでしょうね。
you're making this too hard. の this は今の状況を指しているのでしょうね。
確かにレイチェルは仕事が忙しくて、恋人のロスに会えない、という困った状況なわけですが、そこにロスが感情的に絡んでくることで、ますますこの状況を hard にしている、あまりにも hard な状態にしている、ということかな、と思います。
cool off は「頭を冷やす、冷静になる」。
Look, maybe we should just take a break! について。
ここで、今回のエピソードのタイトル The One Where Ross and Rachel Take a Break にもある、break という言葉が出てきました。
フレンズ3-15その1 でタイトルを書いた時に、私は「ロスとレイチェルがブレイクをとる話」と訳した上で、「take a break については、ネタバレにならないように、また、意味に幅を持たせるように、あえてぼんやり訳しました。」と説明したのですが…この break のニュアンス、訳しにくいですねぇ。
break という動詞は「切断する、壊す」「中断する、遮断する」という意味です。
それが名詞になると「割れ目、切れ目」という意味になり、そこから「(仕事などの)小休止、休み時間」という意味にもなります。
コーヒーブレイク、ティーブレイクなどは日本語になっていますね。
レイチェルの take a break という言葉を聞いて、ロスは、「このまま頭に血が上ったままで口論・喧嘩をしていても埒が明かないから、一休みしましょう。」という意味に捉えました。
そこで、cool off 「冷静になる、頭を冷やす」という言葉を使って、興奮しているのを冷ますために、冷たい食べ物の frozen yogurt を買ってくる、と言いながら部屋を出て行こうとするのですね。
ところが、レイチェルの言っている意味はそうではありませんでした。
喧嘩からのブレイクではなく、a break from us つまり、「私たちからブレイクを取る」、「お互いが相手から距離を置く」みたいなニュアンスでしょうか。
(この from us のニュアンスも訳しにくい。)
break には「断絶、絶好、決別」のようなニュアンスもあり、make a break with tradition なら「伝統と決別する」という意味になります。
ロングマン現代英英辞典にも以下の語義が載っています。
break [noun]: END A RELATIONSHIP
[singular] a time when you leave a person or group, or end a relationship with someone
つまり、「ある人やあるグループを去る時、または、誰かとの関係を終える時」。
ロスの思っているような「休憩、一休み、小休止」の意味ではなく、A break from us. だと言うレイチェルですが、それ以上深く説明はしません。
ロスもそれを聞いて意味を悟って去っていきます。
ですから、ここでの、a break from us という言葉は、その言葉以上の具体的な説明はされないまま終わります。
ロスは口論からの break かと思った、するとレイチェルは、from us つまり、our relationship のブレイクであると言った、ということです。
が、それが relationship に関する break だとわかったところで、レイチェルの発言だけでは、「休み」の感じのブレイク、つまり「少し距離を置く、しばらく離れる」という感じなのか、「切断」という完全に切れてしまう「別れ」のイメージのブレイクなのかがよくわからないような気がします。
レイチェルが最初に言ったのは、we should just take a break! で、その後、A break from us. と説明を付け加えています。
男女の別れにおいてよく使われるのは、break up (with...) という表現ですが、レイチェルは、we should break up. と言ったわけではありません。
take a break, a break from us という表現からは、break up ほどはっきりとした「別れる」ニュアンスが感じられないような気がするのですが、どうでしょう?
脚本上、ロスが休憩というニュアンスのブレイクと勘違いする、という話の流れになるように、take a break という表現を使った、ということは大いにありますが、break up ではなく、take a break (from us) となっているのにも大きな意味があるような気がします。(今後の展開に関係するので、ここでは詳しく語れませんが…)
お互いが、a break from us をどういうレベルのブレイクだと理解しているか、が、今後の展開の鍵となっていくように思います。
ですから、今の時点では、ブレイクというカタカナでの理解にとどめて、これは「離れる」なのか「別れる」なのか?という最適な日本語を探すことはしません。
「私たち二人の関係からブレイクを取るのよ。」という妙な日本語のままの理解で、ここは納得して下さい。
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2008年09月26日
ただの仕事にすぎない フレンズ3-15その13
レイチェル: Wh, Ross, what do you want from me? You want me, you want me to quit me job so you can feel like you have a girlfriend? (ロス、あなたは私から何を求めてるの?[私に何をして欲しいの?] あなたは私に、私に仕事を辞めて欲しいの? そうすればあなたは恋人がいるって実感できるから?)
ロス: No, but it would be nice if you'd realize that it's just a job! (違うよ。でも、もし君が、それはただの仕事にすぎないってことに[ただの仕事だってことに]気付いてくれたら、いいなと思う。)
レイチェル: Just a job? (ただの仕事、ですって?)
ロス: Yes. (そうだよ。)
レイチェル: Ross, do you realize this is the first time in my life I'm doing something I actually care about! This is the first time in my life I'm doing something that I'm actually good at! I mean. if you don't get that... (ロス、あなたは気付いてる? これが、私が本当に関心がある何かをしている、人生で最初の経験なの。これが、私が本当に得意な何かをしている、人生で初めての経験なの。つまり、もしあなたがそれをわかってくれないのなら…)
ロス: No, hey, I get that, okay? I get that big time. And I'm happy for ya, but I'm tired of having a relationship with your answering machine! Okay, I don't know what to do anymore. (いいや。ねぇ、それはわかってるよ。いいかい? 僕はその最高の時を理解してる。(→下に追記と訂正あり) そして、君のためにそれを喜んでるよ。でも、君の留守電と付き合うのはもうこりごりなんだ! そう、もうどうしたらいいかわからないんだよ。)
レイチェル: Well, neither do I! (そうね、私もわからないわ!)
あなたは私に仕事を辞めさせたいの? 辞めて欲しいと思っているの?というレイチェルに、it's just a job. だと気付いてくれたらいいと思うと答えたロス。
その just という言葉に、レイチェルはまたカチンと来たようです。
just a job は「ただの仕事、たかが仕事、単なる仕事」みたいなニュアンスですね。
今のレイチェルは仕事が全てみたいになっている、だから、仕事はあくまで仕事であって、人生の全てじゃないんだから、仕事はただの仕事にすぎない、ってことに気付いてくれたら嬉しい、とロスは言うのですが、それに対して、レイチェルは猛烈に反論します。
今のこの仕事が、"I'm doing something I actually care about" と言える、人生最初のことなの。
私の人生で初めて、"I'm doing something I actually care about" と言えることを今やっているのよ、という感じです。
今までは人の言いなりの人生で、自分が心からしたいと思うこと、大好きなこと、関心があることをしたことなんかなかった。
それが、今のこの仕事は、自分の大好きなファッション関係の仕事。
前のいやいややっていたウェイトレスとは違う、自分が本当に好きで関心があって(care about)、自分が得意なことで(be good at)、そういう分野のことをやっているのは、今回が人生で初めてなのよ!と訴えているのですね。
初めて面白いと思えることを見つけた、仕事を楽しいと思えた、天職を見つけたような気がする、人生で初めてそんな風に思えたその仕事を、just a job と言ってしまうの?、私の気持ち、わかってくれないの?ということです。
big time は英辞郎に以下の語義が載っていました。
big time=(the〜) 非常に楽しい時、愉快な時、大変楽しい時、絶好調
Merriam-Webster Online Dictionary には、
big time [noun]:
2 : the top rank of an activity or enterprise
語義の activity, enterprise はどちらも「活動」というニュアンスだろうと思うので、「活動のトップランク」という感じでしょうか?
日本語のビッグタイムというカタカナで想像されるようなイメージで、「最高の時」みたいな感覚でしょうね。
(2008.9.28 追記)
big time について、下のコメント欄でご指摘いただきました。
この big time は、名詞ではなく、「完全に、よく、大いに」という意味の副詞です。
ですから、I get that, okay? I get that big time. の訳は、「わかってるよ。いいかい? 僕は、よ〜くわかってるよ。」になります。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
レイチェルにとって仕事が幸せなのはわかってる。でも、恋人である僕は、君と直接話すこともできなくて、いつも留守電相手にしゃべるだけ。
have a relationship with は「…と関係を持つ、…とつきあっている」という男女間の恋愛関係を指す言葉ですが、今の状態では「恋人が留守電」みたいになっていて、そういうのはもううんざりなんだ、ということです。
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ロス: No, but it would be nice if you'd realize that it's just a job! (違うよ。でも、もし君が、それはただの仕事にすぎないってことに[ただの仕事だってことに]気付いてくれたら、いいなと思う。)
レイチェル: Just a job? (ただの仕事、ですって?)
ロス: Yes. (そうだよ。)
レイチェル: Ross, do you realize this is the first time in my life I'm doing something I actually care about! This is the first time in my life I'm doing something that I'm actually good at! I mean. if you don't get that... (ロス、あなたは気付いてる? これが、私が本当に関心がある何かをしている、人生で最初の経験なの。これが、私が本当に得意な何かをしている、人生で初めての経験なの。つまり、もしあなたがそれをわかってくれないのなら…)
ロス: No, hey, I get that, okay? I get that big time. And I'm happy for ya, but I'm tired of having a relationship with your answering machine! Okay, I don't know what to do anymore. (いいや。ねぇ、それはわかってるよ。いいかい? 僕はその最高の時を理解してる。(→下に追記と訂正あり) そして、君のためにそれを喜んでるよ。でも、君の留守電と付き合うのはもうこりごりなんだ! そう、もうどうしたらいいかわからないんだよ。)
レイチェル: Well, neither do I! (そうね、私もわからないわ!)
あなたは私に仕事を辞めさせたいの? 辞めて欲しいと思っているの?というレイチェルに、it's just a job. だと気付いてくれたらいいと思うと答えたロス。
その just という言葉に、レイチェルはまたカチンと来たようです。
just a job は「ただの仕事、たかが仕事、単なる仕事」みたいなニュアンスですね。
今のレイチェルは仕事が全てみたいになっている、だから、仕事はあくまで仕事であって、人生の全てじゃないんだから、仕事はただの仕事にすぎない、ってことに気付いてくれたら嬉しい、とロスは言うのですが、それに対して、レイチェルは猛烈に反論します。
今のこの仕事が、"I'm doing something I actually care about" と言える、人生最初のことなの。
私の人生で初めて、"I'm doing something I actually care about" と言えることを今やっているのよ、という感じです。
今までは人の言いなりの人生で、自分が心からしたいと思うこと、大好きなこと、関心があることをしたことなんかなかった。
それが、今のこの仕事は、自分の大好きなファッション関係の仕事。
前のいやいややっていたウェイトレスとは違う、自分が本当に好きで関心があって(care about)、自分が得意なことで(be good at)、そういう分野のことをやっているのは、今回が人生で初めてなのよ!と訴えているのですね。
初めて面白いと思えることを見つけた、仕事を楽しいと思えた、天職を見つけたような気がする、人生で初めてそんな風に思えたその仕事を、just a job と言ってしまうの?、私の気持ち、わかってくれないの?ということです。
big time は英辞郎に以下の語義が載っていました。
big time=(the〜) 非常に楽しい時、愉快な時、大変楽しい時、絶好調
Merriam-Webster Online Dictionary には、
big time [noun]:
2 : the top rank of an activity or enterprise
語義の activity, enterprise はどちらも「活動」というニュアンスだろうと思うので、「活動のトップランク」という感じでしょうか?
日本語のビッグタイムというカタカナで想像されるようなイメージで、「最高の時」みたいな感覚でしょうね。
(2008.9.28 追記)
big time について、下のコメント欄でご指摘いただきました。
この big time は、名詞ではなく、「完全に、よく、大いに」という意味の副詞です。
ですから、I get that, okay? I get that big time. の訳は、「わかってるよ。いいかい? 僕は、よ〜くわかってるよ。」になります。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
レイチェルにとって仕事が幸せなのはわかってる。でも、恋人である僕は、君と直接話すこともできなくて、いつも留守電相手にしゃべるだけ。
have a relationship with は「…と関係を持つ、…とつきあっている」という男女間の恋愛関係を指す言葉ですが、今の状態では「恋人が留守電」みたいになっていて、そういうのはもううんざりなんだ、ということです。
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2008年09月24日
謝るチャンスをあげようとしたのに フレンズ3-15その12
[Scene: Monica and Rachel's, Ross is eating the picnic as Rachel comes home from work.]
モニカとレイチェルの部屋。ロスはピクニックの食事を食べている。その時、レイチェルが仕事から家に帰ってくる。
ロス: Hey. (やぁ。)
レイチェル: Hi. Look um, about what happened earlier... (はい。ねぇ、さっき起こったことについてだけど…)
ロス: No, hey, well, I-I completely understand. You were, you were stressed. (いいや。ねぇ、僕は完璧に理解しているよ。君は、君は、ストレスがたまってたんだ。)
レイチェル: (throws her stuff down) I was gonna give you a chance to apologize to me. ([自分の持ち物を投げ落として] 私はあなたに、私に対して謝るチャンスを与えてあげようとしていたのよ。)
ロス: For what? For letting you throw me out of your office? (謝るって何に? 僕を君のオフィスから追い出すことを、僕が君に許してあげたことに対して?)
レイチェル: You had no right coming down to my office, Ross. You do not bring a picnic basket to somebody's work! Unless maybe they were a park ranger! (あなたに私のオフィスに来る権利はなかったのよ、ロス。あなたは、誰かの仕事場にピクニックバスケットを持ってきちゃいけないのよ。多分、その(差し入れをする相手の)人が、パークレンジャー[公園管理者]であったなら、話は別だけど。)
ロス: Yeah, well, excuse me for wanting to be with my girlfriend on our anniversary. Boy, what an ass am I! (そうだね。じゃあ、「申し訳ありませんが、僕たちの記念日に彼女と一緒にいたいと思ってもいいでしょうか?[一緒にいたいと願うことをお許し下さい。] わぁ、僕ってなんてバカなんだ!)(→下に追記と訂正あり)
レイチェル: But I told you I didn't have the time! (でも私は言ったわ。私は時間がない、って!)
ロス: Yeah, well, you never have the time. I mean, I don't feel like I even have a girlfriend anymore, Rachel. (あぁ、そうだね。君は常に時間がないんだ。つまり、もう、僕に恋人がいるような気持ちを感じられないんだよ、レイチェル。)
レイチェルは帰ったそうそう、さっきのオフィスでのトラブルを話題として持ち出しています。
「さっきの僕はどうかしてたんだよ。ごめん。」と言ってもらうのを期待していたわけですね。
さっきのロスの行為はあまりにもひどかった、だから当然ロスの方から謝るだろう、と。
でも、ロスの口から出たのは、「君のさっきの行為については理解しているよ。君はストレスがたまってたんだよね。」という言葉でした。
「ストレスがたまってたから、レイチェルはあんなひどいことをしたんだよね。」と言いたいわけです。
それで、とうとうレイチェルはブチギレてしまいます。
「私はあなたに謝るチャンスをあげようとしたのに、反省するどころか、私の行為を非難するわけ?!」
ロスはロスで自分は悪くないと思っています。
いくら忙しくても、わざわざやってきた恋人をオフィスから追い出すのはひどすぎる、と思っているのですね。
僕が謝るのはおかしい、謝る理由なんてない。オフィスを追い出されたのは僕で、傷ついたのは僕なんだから、と。
ranger は「森林警備隊員、森林監視員」。
また「突撃隊員」のことも指しますね。
park ranger だと「公園管理者、公園保護官」。
日本でも、男児に人気の「戦隊もの」というジャンルがありますが、あれも「ゴレンジャー」など「レンジャー」という言葉がついています。
「突撃隊員」のニュアンスでしょうね。
過去記事、フレンズ1-22その5 でも触れましたが、そういうレンジャーもののアメリカ版のタイトルは、Power Rangers で、英語でもやはり ranger という単語が使われています。
英語の発音では正しくは「レインジャー」ですが。
レイチェルは、ロスが仕事場にやってきたこと、そしてそこにピクニックセットまで持ち込んだことを怒っています。
事務的な仕事をしている仕事場にピクニックの差し入れはふさわしくない、と言いたいのですね。
例えば、それが「公園管理者(park ranger)」であったなら、仕事場が屋外でピクニックセットを広げてもさまになったでしょうけど、違和感ないでしょうけど、その人も怒らないでしょうけど…みたいなことです。
You do not bring a picnic basket to somebody's work! Unless maybe they were a park ranger! ですが、they は somebody を言い換えたものです。
その「誰か」の性別がはっきりしないために、通常なら、he/she (he or she) was a park ranger などと言うところですが、そういう性別の使い分けをしないで済む、they を使っているのですね。
そんな風に、口語では、somebody などの性別のわからない単数名詞を they で受けることがよくあります。
レイチェルは忙しいと言っているのに、それでも強引に尋ねてきたロスが許せない、そしてピクニックみたいにお遊び気分のものを持ち込んだのがなおさら許せないわけですね。
せめて、レイチェルの好きなベーグルとかを持ってきて、Good luck! とだけ言って去っていく、とかなら、優しい気遣いありがとう、で終わっていたはずで、レイチェルもここまで怒らなかっただろうと思うのですが。
権利はないと言われたことにロスは反論します。
ロスは、恋人なら彼女のオフィスを訪ねる権利はある、と言いたいのですね。
Excuse me for doing... は「僕が…することを許して下さい」。
記念日に恋人と一緒にいたいと思うのは当然だ、それをわざわざ、Excuse me for ... という表現を使って、そう願うことを許してくれ、と許可を得る必要があるのか?と言っています。
そんなことをいちいち言う人がいたとしたらそれはバカだよ、ということですね。
(2008.9.26 追記)
Excuse me for doing... について、下のコメント欄でご指摘いただきました。
上の訳、解説では「僕が…することを許して下さい」と私は書いてしまいましたが、正しくは、「僕が…したことを許して下さい。…してすみません。」で、自分が過去に行なった行為を詫びる表現です。
また、「…して悪かったね。」と皮肉っぽく使うこともあります。
ですから日本語訳は、「僕たちの記念日に彼女と一緒にいたいと思って悪かったね。何てイヤなやつなんだ、僕は!」になると思います。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
レイチェルは「時間がない」とはっきり言ったのに…と思っているのですが、ロスはそれが今回だけのことではなく、このように仕事するようになってからは、それが口癖のようになっていることをいやがっているのですね。
恋人らしいことが全く出来ていない、これじゃあ、恋人がいないのと同じことだよ、ということです。
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モニカとレイチェルの部屋。ロスはピクニックの食事を食べている。その時、レイチェルが仕事から家に帰ってくる。
ロス: Hey. (やぁ。)
レイチェル: Hi. Look um, about what happened earlier... (はい。ねぇ、さっき起こったことについてだけど…)
ロス: No, hey, well, I-I completely understand. You were, you were stressed. (いいや。ねぇ、僕は完璧に理解しているよ。君は、君は、ストレスがたまってたんだ。)
レイチェル: (throws her stuff down) I was gonna give you a chance to apologize to me. ([自分の持ち物を投げ落として] 私はあなたに、私に対して謝るチャンスを与えてあげようとしていたのよ。)
ロス: For what? For letting you throw me out of your office? (謝るって何に? 僕を君のオフィスから追い出すことを、僕が君に許してあげたことに対して?)
レイチェル: You had no right coming down to my office, Ross. You do not bring a picnic basket to somebody's work! Unless maybe they were a park ranger! (あなたに私のオフィスに来る権利はなかったのよ、ロス。あなたは、誰かの仕事場にピクニックバスケットを持ってきちゃいけないのよ。多分、その(差し入れをする相手の)人が、パークレンジャー[公園管理者]であったなら、話は別だけど。)
ロス: Yeah, well, excuse me for wanting to be with my girlfriend on our anniversary. Boy, what an ass am I! (そうだね。じゃあ、「申し訳ありませんが、僕たちの記念日に彼女と一緒にいたいと思ってもいいでしょうか?[一緒にいたいと願うことをお許し下さい。] わぁ、僕ってなんてバカなんだ!)(→下に追記と訂正あり)
レイチェル: But I told you I didn't have the time! (でも私は言ったわ。私は時間がない、って!)
ロス: Yeah, well, you never have the time. I mean, I don't feel like I even have a girlfriend anymore, Rachel. (あぁ、そうだね。君は常に時間がないんだ。つまり、もう、僕に恋人がいるような気持ちを感じられないんだよ、レイチェル。)
レイチェルは帰ったそうそう、さっきのオフィスでのトラブルを話題として持ち出しています。
「さっきの僕はどうかしてたんだよ。ごめん。」と言ってもらうのを期待していたわけですね。
さっきのロスの行為はあまりにもひどかった、だから当然ロスの方から謝るだろう、と。
でも、ロスの口から出たのは、「君のさっきの行為については理解しているよ。君はストレスがたまってたんだよね。」という言葉でした。
「ストレスがたまってたから、レイチェルはあんなひどいことをしたんだよね。」と言いたいわけです。
それで、とうとうレイチェルはブチギレてしまいます。
「私はあなたに謝るチャンスをあげようとしたのに、反省するどころか、私の行為を非難するわけ?!」
ロスはロスで自分は悪くないと思っています。
いくら忙しくても、わざわざやってきた恋人をオフィスから追い出すのはひどすぎる、と思っているのですね。
僕が謝るのはおかしい、謝る理由なんてない。オフィスを追い出されたのは僕で、傷ついたのは僕なんだから、と。
ranger は「森林警備隊員、森林監視員」。
また「突撃隊員」のことも指しますね。
park ranger だと「公園管理者、公園保護官」。
日本でも、男児に人気の「戦隊もの」というジャンルがありますが、あれも「ゴレンジャー」など「レンジャー」という言葉がついています。
「突撃隊員」のニュアンスでしょうね。
過去記事、フレンズ1-22その5 でも触れましたが、そういうレンジャーもののアメリカ版のタイトルは、Power Rangers で、英語でもやはり ranger という単語が使われています。
英語の発音では正しくは「レインジャー」ですが。
レイチェルは、ロスが仕事場にやってきたこと、そしてそこにピクニックセットまで持ち込んだことを怒っています。
事務的な仕事をしている仕事場にピクニックの差し入れはふさわしくない、と言いたいのですね。
例えば、それが「公園管理者(park ranger)」であったなら、仕事場が屋外でピクニックセットを広げてもさまになったでしょうけど、違和感ないでしょうけど、その人も怒らないでしょうけど…みたいなことです。
You do not bring a picnic basket to somebody's work! Unless maybe they were a park ranger! ですが、they は somebody を言い換えたものです。
その「誰か」の性別がはっきりしないために、通常なら、he/she (he or she) was a park ranger などと言うところですが、そういう性別の使い分けをしないで済む、they を使っているのですね。
そんな風に、口語では、somebody などの性別のわからない単数名詞を they で受けることがよくあります。
レイチェルは忙しいと言っているのに、それでも強引に尋ねてきたロスが許せない、そしてピクニックみたいにお遊び気分のものを持ち込んだのがなおさら許せないわけですね。
せめて、レイチェルの好きなベーグルとかを持ってきて、Good luck! とだけ言って去っていく、とかなら、優しい気遣いありがとう、で終わっていたはずで、レイチェルもここまで怒らなかっただろうと思うのですが。
権利はないと言われたことにロスは反論します。
ロスは、恋人なら彼女のオフィスを訪ねる権利はある、と言いたいのですね。
Excuse me for doing... は「僕が…することを許して下さい」。
記念日に恋人と一緒にいたいと思うのは当然だ、それをわざわざ、Excuse me for ... という表現を使って、そう願うことを許してくれ、と許可を得る必要があるのか?と言っています。
そんなことをいちいち言う人がいたとしたらそれはバカだよ、ということですね。
(2008.9.26 追記)
Excuse me for doing... について、下のコメント欄でご指摘いただきました。
上の訳、解説では「僕が…することを許して下さい」と私は書いてしまいましたが、正しくは、「僕が…したことを許して下さい。…してすみません。」で、自分が過去に行なった行為を詫びる表現です。
また、「…して悪かったね。」と皮肉っぽく使うこともあります。
ですから日本語訳は、「僕たちの記念日に彼女と一緒にいたいと思って悪かったね。何てイヤなやつなんだ、僕は!」になると思います。
下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
レイチェルは「時間がない」とはっきり言ったのに…と思っているのですが、ロスはそれが今回だけのことではなく、このように仕事するようになってからは、それが口癖のようになっていることをいやがっているのですね。
恋人らしいことが全く出来ていない、これじゃあ、恋人がいないのと同じことだよ、ということです。
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2008年09月21日
村上憲郎氏の「村上式シンプル英語勉強法」を読んで(その2)
前回 に引き続き、米 Google 副社長(兼日本法人社長)の村上憲郎氏の書かれた、
村上式シンプル英語勉強法 について語ります。
Chapter 3 英語を聴く
p.92 1日1時間×3年。生の英語を1000時間聴く
とあります。
やはり、「1000時間」は必要だろうな、と私も思います。
有名な教材、「アルクのヒアリングマラソン」も、1000時間、なんですよね。
アルク・オンラインショップ 1000時間ヒアリングマラソン
アルクが「1000時間」という時間を設定しているのは、やはり、それだけの時間が必要である、と多くの人が考えていることの証だろうと思います。
私はこの教材を試したことはないのですが、良い素材をこれだけの時間聞き続ければ、必ず英語が聞こえるようになるはずだと思います。
「英語が聞けるようになりたい!」と思う人は、これくらいの時間をかけなければいけない、という覚悟は絶対に必要だと思いますね。
私も、耳が空いている時間は、DVDプレーヤーをリピートモードにしてひたすら聞いていました。
そして、1年半くらいでプレーヤーを壊してしまいました(笑)。
が、それを聞いている時はいつでも、「アルクのヒアリングマラソンも1000時間と言っているのだから…」と、それくらいの時間、英語を耳にすることができるようにできるだけ努めました。
Chapter 4 英語を書く
p.104 日本人には英作文は無理。あきらめて”英借文”を。
p.106 ただ、上手に英借文するためには、準備も必要です。
つまりコピー元になる文章の手持ちを増やすことが大切になるんです。
p.108 英借文用のテンプレートをストックせよ
とにかく常に「これは、いつか使えそうだな」という視点で英語の文章を見る習慣、そしてそれをストックしておく習慣をつけるんです。
これは本当にその通りですね。
私も全く同意見です。
拙著でも、
p.93 私は問題集に出てきた表現でも、これは使えそうだな、と思ったものを、自分のパソコンにメモしています。自分で英語を書く時に、これはかなり使えるデータベースとなります。
p.105 インプットしている時に常に思うこと、それは「これをいつか使ってやろう」という気持ちです。使うことのない言葉なら、はっきり言って覚える必要がありません。
究極を言うと、言葉というのは全て、最初は「借り物」だ、と私は思っています。
「こんにちは、ありがとう、さようなら」という簡単な言葉ですら、そうです。
自分が子供の頃、初めて何らかの言葉を発した時、その言葉を自ら生み出したわけでも、作り出したわけでもないはずです。
ずっと大人の会話を聞いていて、こういう状況の時、こういう言葉を使う、というのを知り、その状況になった時に、その大人が使っている言葉を「借りて」使ってみた、ということですね。
借り物として使っているうちに、だんだん自分の心情とリンクしてくる、そうして自分の気持ちを直接伝える言葉となっていくのだろうと。
これは、自分の子供たちが日本語を覚えていく様を目の当たりにしていて感じたことです。
子供はうまく大人の言葉を「借りながら」、自分の言葉を覚えていくのです。
英語を学ぶ日本人も、ネイティブの英語を上手に「借りながら」英語を覚えていきたいですね。
p.110 作文より、借文より、まずはタイピング
そもそも英語を手で書くというスキルなど必要ないのです。
そうですね。タイピングのスキルは大切ですね。
私は、こんな風にブログを書いているせいで、日本語・英語ともお陰様でタイピングはかなり早くなりました。
パソコンでタイピングしている時が、一番ものを考えるのがスムーズになります。
考えるスピードとタイピングのスピードがほとんど同じだからです。
手書きだと、スピードがものすごくトロくて、頭の回転速度も一緒に下がってしまう感じがします(笑)。
鉛筆で書くのに慣れてなくて…(?) 1級一次(英作文) でも書きましたが、1級一次試験のライティングでは、ほんとに手書きで書けなくなっていて困りました。
手書きではなくタイピングだったなら、あまりスペルの間違いもしなかっただろうし、時間もそれほどかからなかっただろうと思っているのですが。
そういう意味では、学生さんが大学受験をする際には、今でもまだやはり手書きの部分があるでしょうから、学生さんの場合は、「ある程度書ける」ことは必要かもしれません。
ただ、社会人になってからの場合は、手書きで書く機会は本当に少ないでしょうね。
英検1級ライティングは手書きですが、他のライティングのある試験、TOEFL iBT(Internet-based Testing) や、TOEIC Speaking & Writing Tests は、コンピュータ上で文字を入力するんですよね?(受けたことないので、詳しくは知りません)
そして、ビジネスでは、書類は手書きではなくワープロでしょうし、連絡も e-mail でしょうから、なおさら、手書きが登場する出番はありませんね。
村上氏がおっしゃるように、ビジネスの世界では、英文タイピングの能力がものを言うことになるでしょう。
Chapter 5 英語を話す
p.120 自分に関する100の話題を丸暗記する
p.122 英語では話題を事前に準備できていないだけです。
p.124 話すことで「マイ・ストーリー」を磨く
p.126 自分の周囲の「関心事」も、英語で言えるようにしておく
話すためには、話すためのネタのストックが大切、ということですね。
私はネイティブと話すチャンスがないので、この「話す」というスキルを磨くことについては、いつも頭を悩ませています。
私の場合は、村上氏がおっしゃったようなことを、「ネット上で書く」ことで、代用しようとしています。
それが、Karen という別のハンドルネームで書いている、Karen's blog supplemental という英語日記です。
(この英語日記については、過去記事、もう一つの私のブログ で詳しく語っています。)
これはアウトプットの練習としてやっていることですが(今は更新頻度がものすごく低くて、ちっとも練習になっていないのですが…笑)、こんな風に、自分の日記を書く、ということは、自分に関する話題、自分の関心事を英語でまとめることの良いきっかけになるかな、と思います。
何か書け!と言われると、結局は、自分の身近な話題を書くことになるわけですよね。
私の英語日記も、子供の話か、ある日の出来事か、趣味の話か、もしくは英語学習者としての悩みや考えなど…になるでしょうか。
同じような日常を過ごしているので、どうしても似たりよったりの内容になってしまうのは否めませんが、それでも、自分のことを語る世間話としてのネタのストックにはなっているのかな、と思います。
これを書いているからと言って、それがネイティブ相手にすいすいと会話となって流れ出るか、というと、これまた少々別問題のような気もするのですが、少なくとも、何も用意していないよりはましかな、と思います。
ネイティブの友達が読んでくれていると想像して、その人に語りかける気持ちで、その人に伝わるように、自分のことを英語で綴ってみれば、それが、実際に会話する時の大きな材料になるのではないか、と。
話は戻りますが、こういう「英語日記」は、Chapter 4 英語を書く の「英借文」の話にも関係がありますね。
自分の日記に使えそうなフレーズを探しながら英語を見る習慣ができますし、それを実際に「英借文」してアウトプットする貴重な場となるわけです。
村上氏の本について長々と語ってきましたが、タイトルに「シンプル」と銘打っているだけのことはあって、部門ごとに、「着実でもっともだ」と思える方法が、わかりやすく具体的に書いてありました。
私が多くの勉強法の本を読んでいつも勇気付けられること、それは、「こんなにすごい人も、こんなに時間をかけて、こんなに努力をして、英語を身につけてきたんだ!」という事実です。
見たこともない単語が読めるはずはない。聞いたこともない単語が聞けるはずもない。
やはり、「大量の英語を読む、聞くことが大切」というのは、この村上氏の本でも強調されていました。
私もそれだけは絶対に譲れないと思っています。
帯には「必要なことしかやらない」と書いてありますが、裏を返せば「必要なことは必ずやらなければならない」ということでしょう。
村上氏が英語を学ぶ過程で、何を「必要なこと」だと思ったのか、何を「不必要なこと」だと思ったのか、それを知り、さらには自分が目指している英語との兼ね合いを考えて、自分にとっての「必要なこと」とは何かを探して行くべきなんだろうと思います。
Google がなければ、このブログを書けない、と私は前回の記事で書きました。
Google を始めとする、ネット環境の整備があってこそ、Rach というブロガーが存在し得ると思っています。
Google の村上氏は、パソコンやネットがない時代に、自力で英語を身につけた。
私は、その村上氏の会社 Google のツールを使って、こうして今、英語の勉強を続けている。
時代によって、使うツールはいろいろと変わってくるのかもしれません。
ただ、間違いなく言えることは、どんなにツールが進化しても、「時間をかけて、大量の英語を浴びる」ということが重要であることに変わりはない、ということです。
改めてそれを多くの人に伝えて下さった村上氏に感謝したいと思います。
ありがとうございました。
そして、英語学習をサポートしてくれる Google のツールが、今後ますます発展してくれることを心より願っています。
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とあります。
やはり、「1000時間」は必要だろうな、と私も思います。
有名な教材、「アルクのヒアリングマラソン」も、1000時間、なんですよね。
アルク・オンラインショップ 1000時間ヒアリングマラソン
アルクが「1000時間」という時間を設定しているのは、やはり、それだけの時間が必要である、と多くの人が考えていることの証だろうと思います。
私はこの教材を試したことはないのですが、良い素材をこれだけの時間聞き続ければ、必ず英語が聞こえるようになるはずだと思います。
「英語が聞けるようになりたい!」と思う人は、これくらいの時間をかけなければいけない、という覚悟は絶対に必要だと思いますね。
私も、耳が空いている時間は、DVDプレーヤーをリピートモードにしてひたすら聞いていました。
そして、1年半くらいでプレーヤーを壊してしまいました(笑)。
が、それを聞いている時はいつでも、「アルクのヒアリングマラソンも1000時間と言っているのだから…」と、それくらいの時間、英語を耳にすることができるようにできるだけ努めました。
Chapter 4 英語を書く
p.104 日本人には英作文は無理。あきらめて”英借文”を。
p.106 ただ、上手に英借文するためには、準備も必要です。
つまりコピー元になる文章の手持ちを増やすことが大切になるんです。
p.108 英借文用のテンプレートをストックせよ
とにかく常に「これは、いつか使えそうだな」という視点で英語の文章を見る習慣、そしてそれをストックしておく習慣をつけるんです。
これは本当にその通りですね。
私も全く同意見です。
拙著でも、
p.93 私は問題集に出てきた表現でも、これは使えそうだな、と思ったものを、自分のパソコンにメモしています。自分で英語を書く時に、これはかなり使えるデータベースとなります。
p.105 インプットしている時に常に思うこと、それは「これをいつか使ってやろう」という気持ちです。使うことのない言葉なら、はっきり言って覚える必要がありません。
究極を言うと、言葉というのは全て、最初は「借り物」だ、と私は思っています。
「こんにちは、ありがとう、さようなら」という簡単な言葉ですら、そうです。
自分が子供の頃、初めて何らかの言葉を発した時、その言葉を自ら生み出したわけでも、作り出したわけでもないはずです。
ずっと大人の会話を聞いていて、こういう状況の時、こういう言葉を使う、というのを知り、その状況になった時に、その大人が使っている言葉を「借りて」使ってみた、ということですね。
借り物として使っているうちに、だんだん自分の心情とリンクしてくる、そうして自分の気持ちを直接伝える言葉となっていくのだろうと。
これは、自分の子供たちが日本語を覚えていく様を目の当たりにしていて感じたことです。
子供はうまく大人の言葉を「借りながら」、自分の言葉を覚えていくのです。
英語を学ぶ日本人も、ネイティブの英語を上手に「借りながら」英語を覚えていきたいですね。
p.110 作文より、借文より、まずはタイピング
そもそも英語を手で書くというスキルなど必要ないのです。
そうですね。タイピングのスキルは大切ですね。
私は、こんな風にブログを書いているせいで、日本語・英語ともお陰様でタイピングはかなり早くなりました。
パソコンでタイピングしている時が、一番ものを考えるのがスムーズになります。
考えるスピードとタイピングのスピードがほとんど同じだからです。
手書きだと、スピードがものすごくトロくて、頭の回転速度も一緒に下がってしまう感じがします(笑)。
鉛筆で書くのに慣れてなくて…(?) 1級一次(英作文) でも書きましたが、1級一次試験のライティングでは、ほんとに手書きで書けなくなっていて困りました。
手書きではなくタイピングだったなら、あまりスペルの間違いもしなかっただろうし、時間もそれほどかからなかっただろうと思っているのですが。
そういう意味では、学生さんが大学受験をする際には、今でもまだやはり手書きの部分があるでしょうから、学生さんの場合は、「ある程度書ける」ことは必要かもしれません。
ただ、社会人になってからの場合は、手書きで書く機会は本当に少ないでしょうね。
英検1級ライティングは手書きですが、他のライティングのある試験、TOEFL iBT(Internet-based Testing) や、TOEIC Speaking & Writing Tests は、コンピュータ上で文字を入力するんですよね?(受けたことないので、詳しくは知りません)
そして、ビジネスでは、書類は手書きではなくワープロでしょうし、連絡も e-mail でしょうから、なおさら、手書きが登場する出番はありませんね。
村上氏がおっしゃるように、ビジネスの世界では、英文タイピングの能力がものを言うことになるでしょう。
Chapter 5 英語を話す
p.120 自分に関する100の話題を丸暗記する
p.122 英語では話題を事前に準備できていないだけです。
p.124 話すことで「マイ・ストーリー」を磨く
p.126 自分の周囲の「関心事」も、英語で言えるようにしておく
話すためには、話すためのネタのストックが大切、ということですね。
私はネイティブと話すチャンスがないので、この「話す」というスキルを磨くことについては、いつも頭を悩ませています。
私の場合は、村上氏がおっしゃったようなことを、「ネット上で書く」ことで、代用しようとしています。
それが、Karen という別のハンドルネームで書いている、Karen's blog supplemental という英語日記です。
(この英語日記については、過去記事、もう一つの私のブログ で詳しく語っています。)
これはアウトプットの練習としてやっていることですが(今は更新頻度がものすごく低くて、ちっとも練習になっていないのですが…笑)、こんな風に、自分の日記を書く、ということは、自分に関する話題、自分の関心事を英語でまとめることの良いきっかけになるかな、と思います。
何か書け!と言われると、結局は、自分の身近な話題を書くことになるわけですよね。
私の英語日記も、子供の話か、ある日の出来事か、趣味の話か、もしくは英語学習者としての悩みや考えなど…になるでしょうか。
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これを書いているからと言って、それがネイティブ相手にすいすいと会話となって流れ出るか、というと、これまた少々別問題のような気もするのですが、少なくとも、何も用意していないよりはましかな、と思います。
ネイティブの友達が読んでくれていると想像して、その人に語りかける気持ちで、その人に伝わるように、自分のことを英語で綴ってみれば、それが、実際に会話する時の大きな材料になるのではないか、と。
話は戻りますが、こういう「英語日記」は、Chapter 4 英語を書く の「英借文」の話にも関係がありますね。
自分の日記に使えそうなフレーズを探しながら英語を見る習慣ができますし、それを実際に「英借文」してアウトプットする貴重な場となるわけです。
村上氏の本について長々と語ってきましたが、タイトルに「シンプル」と銘打っているだけのことはあって、部門ごとに、「着実でもっともだ」と思える方法が、わかりやすく具体的に書いてありました。
私が多くの勉強法の本を読んでいつも勇気付けられること、それは、「こんなにすごい人も、こんなに時間をかけて、こんなに努力をして、英語を身につけてきたんだ!」という事実です。
見たこともない単語が読めるはずはない。聞いたこともない単語が聞けるはずもない。
やはり、「大量の英語を読む、聞くことが大切」というのは、この村上氏の本でも強調されていました。
私もそれだけは絶対に譲れないと思っています。
帯には「必要なことしかやらない」と書いてありますが、裏を返せば「必要なことは必ずやらなければならない」ということでしょう。
村上氏が英語を学ぶ過程で、何を「必要なこと」だと思ったのか、何を「不必要なこと」だと思ったのか、それを知り、さらには自分が目指している英語との兼ね合いを考えて、自分にとっての「必要なこと」とは何かを探して行くべきなんだろうと思います。
Google がなければ、このブログを書けない、と私は前回の記事で書きました。
Google を始めとする、ネット環境の整備があってこそ、Rach というブロガーが存在し得ると思っています。
Google の村上氏は、パソコンやネットがない時代に、自力で英語を身につけた。
私は、その村上氏の会社 Google のツールを使って、こうして今、英語の勉強を続けている。
時代によって、使うツールはいろいろと変わってくるのかもしれません。
ただ、間違いなく言えることは、どんなにツールが進化しても、「時間をかけて、大量の英語を浴びる」ということが重要であることに変わりはない、ということです。
改めてそれを多くの人に伝えて下さった村上氏に感謝したいと思います。
ありがとうございました。
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2008年09月19日
「村上式シンプル英語勉強法」を読んで(その1)
米 Google 副社長(兼日本法人社長)の村上憲郎さんが書かれた本として話題の、
村上式シンプル英語勉強法 を読みました。
私がこのブログを書くのに、なくてはならない存在の Google。
そのトップの方が書かれた本としても、英語勉強法の本としても、とても面白く、一気に読み終えてしまいました。
まず最初に、「私が勝手に親近感を覚えてしまった点」(笑)を3点挙げます。
一つ目。
著者略歴によると、村上氏は、1970年京都大学工学部をご卒業、とのこと。
私事で恐縮ですが、私は、1969年生まれで(このブログでは、初めてはっきりと年齢を書くことになりますが…笑)、1992年に京都大学農学部を卒業しました。
(学部は違いますが、私も理系出身ということになります。)
…ということで、村上氏は、「私が生まれた頃に大学を卒業された大先輩」ということになります。
二つ目。
本の帯にも紹介されていますが、村上氏は31歳で外資に転職、そこから自力で英語を身につけられたそうです。
過去記事、学習暦 でも語ったことがありますが、私が子持ち専業主婦になってから、英語のやり直し学習を始めたのが、2001年4月。
それは年齢で言うと、私が32歳の時になります。
同じような年齢で英語学習を始めた、という点でも、共感を覚えます。
さらにもう一つ。
Amazon.co.jp: 村上式シンプル英語勉強法 の「商品の説明」に、「週刊ST」のレビューが書いてありますね。
僭越ながら、私の著書 シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法 も、週刊STのレビューで取り上げていただきました。
そのことについて触れた記事はこちら(↓)。
週刊STの書評で取り上げていただきました!
「同じように週刊STの書評欄で紹介された!」というのが、私にとってはとても嬉しいです。
「勝手に親近感を抱く」話はこのくらいにして(笑)、以下、この本を読んで思ったことを書いてみます。
この本を読んで、私はやってないなぁ、と思うこともたくさんありました。
また、私と考え方が全く同じ!と思う部分もたくさんありました。
私は、どんな方の勉強法・学習法の本を読ませていただく場合でも、必ず「自分の方法とどこが同じで、どこが違うか」という視点で、その本を読ませていただきます。
以下、村上氏の本について語らせていただくにおいて、どうしても「私の本、私の方法、私の考え」との比較で語ることになってしまいますが、その点はお許し下さいませ。
英語学習者であれば誰でも、自分の方法や考え方と比較しながら他の方が語る勉強法の本を読んで、「何を取り入れるか?」を決めていくべきだと思うからです。
引用部分については、
村上氏の本からの引用
私の本からの引用
と、色分けして区別させていただきます。
まずは、この本を読んで、意外であり、また同時に面白いと思った部分。
p.14 私が Google のトップだから、Google のツールを駆使した勉強法を紹介するのでは……と期待をしていた読者の方には申し訳ありませんが、モバイルやパソコンを駆使した勉強法なども、本書ではほとんど紹介していません。
そうなんですよ。私も「それ」を期待していた読者の一人でした(笑)。
私はこのブログを、Google なしでは書けません。
私のブログに何度「ぐぐる」という動詞が登場することか。
フレンズに頻出する固有名詞などのサブカルネタは、必ず Google で検索する私です。
アメリカで暮らしたことのない私が、アメリカのドラマの解説を書けるのも、Google があってこそ!です。
拙著では、サブカルネタの調べ方、自分のデータベースを検索する方法などの項目で、Google の『画像』検索や Google デスクトップというツールについて説明しています。
米 Google 副社長の村上氏の本よりも、私の本の方が、Google についての言及が多いのです(笑)。
それだけ、私の英語学習には、パソコンもネットも必要不可欠なものなのに、村上氏の本に書いてある方法はそうではない。
それが、まさに「意外」だったんですね。
その理由は、まだそういうツールが存在しない、村上氏が自力で英語を身につけた30年前の方法が、この本では述べられているからです。
Chapter 1 英語を読む
p.31 「英語を読む」とは、英語を、英語のまま、「内容を英語で読む」ということなんです。
全く同感です。拙著も、それと同じことをリスニングの話として語っています。
p.23 長い文章が聞こえたままの姿で頭に入ってきて、当然その語順のまま頭の中でイメージされていく、それが「英語を英語のまま理解する」ということです。
村上氏は「多読」を勧めておられるのですが、そのジャンルの話で、
p.47 SFものは×。
一般の小説には出てこない、何とも言い難いへんてこりんな単語がいっぱい出てくるんです。
これには笑いました。
私はトレッキー(Trekkie=スタートレック・ファン)で、スタートレックのDVDを見ながらの英語学習もやったのですが、確かに「へんてこりんな単語」は多いですね。
よりSFチックに見せるために、余計にそういう「わけわかんない」単語が多くなってしまう、というのもあるでしょう。
そんな中でも、人間同士の普通の会話はあるとは言え、日常会話で使う単語・表現を覚える、という意味では、効率は悪いだろうな、と思っていました。
時々、このブログでも脱線して、トレックネタを披露することもありますが、とにかくあの世界観を知らない人には何のことやらわからないでしょうから、そういう意味でも、効率が悪いのです。
私は、スタートレックを見ている時は、英語学習の一環ではあるけれど、限りなく「趣味として」(笑)見ていた気がします。
「フレンズ」よりも「スタートレック」の方が、より詳しい英語ブログを書ける自信があったりするのですが(笑)、スタートレックの場合だと、「使える生きた英語表現を学ぶ」よりも、「マニアックな専門用語に酔いしれる」ようなブログになってしまいそうな気がします。
でも、英語がある程度わかるようになると、そういう専門的なものでも英語でチャレンジすることは良いことですね。
自分の「趣味」が英語で楽しめるというのは、とても楽しいことですから。
村上氏も、
初心者にはSF小説はオススメしません。
と書かれていて、「初心者には」という限定がついています。
ご自身は「実はSFモノは大好きで何冊も読んだ」とのことです。
スタートレックはお好きかしら?(笑)
Chapter 2 単語を覚える
では、語彙を増やすことについての方法を述べておられます。
恥ずかしながら、私は語彙については全く自信がありません。
過去記事、Pass単断念 1級一次(語彙編) で書いたように、英検1級向けの単語を覚えることをさっさとあきらめてしまった私なので、ボキャビルに関しては大したことは言えません。
そんな私ですが、村上氏のおっしゃる、
「ひたすら眺める」「毎日1万語、全部を見る」「その単語に何回も出会う」
というのは面白い方法だな、と思いました。
拙著では、ボキャビルの話ではなく、頻出表現に関する話で出てくるのですが、「単語に出会う」ことについて書いています。
p.47 何度も何度も出てくる表現が、日常生活でもよく使われる表現だということですね。一つのエピソードで出てきた単語を全部覚えても、そのうちのいくつかは普段はあまり使わない単語かもしれません。そういう頻度の低い単語を完璧に覚える時間があったら、何度も出会う単語を覚える方に力を注ぐべきです。
私の場合は、「ドラマでよく使われる英語表現をどう覚えるか?」という話なのですが、「何度も出会うと覚える」という部分は同じかな、と思います。
私が本で言いたかったのは、日常会話として、覚える単語に優先順位をつけるのであれば、出会う頻度の高い単語を優先的に覚えるべきだ、ということです。
村上氏の場合は、本を早く読むためには、語彙を増やすべきだ、というお考えのもと、覚えるべき単語に「毎日、強制的に出会うようにせよ。」とおっしゃっているような気がします。
長くなりましたので、続きは 次回 にします。
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村上式シンプル英語勉強法 を読みました。
私がこのブログを書くのに、なくてはならない存在の Google。
そのトップの方が書かれた本としても、英語勉強法の本としても、とても面白く、一気に読み終えてしまいました。
まず最初に、「私が勝手に親近感を覚えてしまった点」(笑)を3点挙げます。
一つ目。
著者略歴によると、村上氏は、1970年京都大学工学部をご卒業、とのこと。
私事で恐縮ですが、私は、1969年生まれで(このブログでは、初めてはっきりと年齢を書くことになりますが…笑)、1992年に京都大学農学部を卒業しました。
(学部は違いますが、私も理系出身ということになります。)
…ということで、村上氏は、「私が生まれた頃に大学を卒業された大先輩」ということになります。
二つ目。
本の帯にも紹介されていますが、村上氏は31歳で外資に転職、そこから自力で英語を身につけられたそうです。
過去記事、学習暦 でも語ったことがありますが、私が子持ち専業主婦になってから、英語のやり直し学習を始めたのが、2001年4月。
それは年齢で言うと、私が32歳の時になります。
同じような年齢で英語学習を始めた、という点でも、共感を覚えます。
さらにもう一つ。
Amazon.co.jp: 村上式シンプル英語勉強法 の「商品の説明」に、「週刊ST」のレビューが書いてありますね。
僭越ながら、私の著書 シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法 も、週刊STのレビューで取り上げていただきました。
そのことについて触れた記事はこちら(↓)。
週刊STの書評で取り上げていただきました!
「同じように週刊STの書評欄で紹介された!」というのが、私にとってはとても嬉しいです。
「勝手に親近感を抱く」話はこのくらいにして(笑)、以下、この本を読んで思ったことを書いてみます。
この本を読んで、私はやってないなぁ、と思うこともたくさんありました。
また、私と考え方が全く同じ!と思う部分もたくさんありました。
私は、どんな方の勉強法・学習法の本を読ませていただく場合でも、必ず「自分の方法とどこが同じで、どこが違うか」という視点で、その本を読ませていただきます。
以下、村上氏の本について語らせていただくにおいて、どうしても「私の本、私の方法、私の考え」との比較で語ることになってしまいますが、その点はお許し下さいませ。
英語学習者であれば誰でも、自分の方法や考え方と比較しながら他の方が語る勉強法の本を読んで、「何を取り入れるか?」を決めていくべきだと思うからです。
引用部分については、
村上氏の本からの引用
私の本からの引用
と、色分けして区別させていただきます。
まずは、この本を読んで、意外であり、また同時に面白いと思った部分。
p.14 私が Google のトップだから、Google のツールを駆使した勉強法を紹介するのでは……と期待をしていた読者の方には申し訳ありませんが、モバイルやパソコンを駆使した勉強法なども、本書ではほとんど紹介していません。
そうなんですよ。私も「それ」を期待していた読者の一人でした(笑)。
私はこのブログを、Google なしでは書けません。
私のブログに何度「ぐぐる」という動詞が登場することか。
フレンズに頻出する固有名詞などのサブカルネタは、必ず Google で検索する私です。
アメリカで暮らしたことのない私が、アメリカのドラマの解説を書けるのも、Google があってこそ!です。
拙著では、サブカルネタの調べ方、自分のデータベースを検索する方法などの項目で、Google の『画像』検索や Google デスクトップというツールについて説明しています。
米 Google 副社長の村上氏の本よりも、私の本の方が、Google についての言及が多いのです(笑)。
それだけ、私の英語学習には、パソコンもネットも必要不可欠なものなのに、村上氏の本に書いてある方法はそうではない。
それが、まさに「意外」だったんですね。
その理由は、まだそういうツールが存在しない、村上氏が自力で英語を身につけた30年前の方法が、この本では述べられているからです。
Chapter 1 英語を読む
p.31 「英語を読む」とは、英語を、英語のまま、「内容を英語で読む」ということなんです。
全く同感です。拙著も、それと同じことをリスニングの話として語っています。
p.23 長い文章が聞こえたままの姿で頭に入ってきて、当然その語順のまま頭の中でイメージされていく、それが「英語を英語のまま理解する」ということです。
村上氏は「多読」を勧めておられるのですが、そのジャンルの話で、
p.47 SFものは×。
一般の小説には出てこない、何とも言い難いへんてこりんな単語がいっぱい出てくるんです。
これには笑いました。
私はトレッキー(Trekkie=スタートレック・ファン)で、スタートレックのDVDを見ながらの英語学習もやったのですが、確かに「へんてこりんな単語」は多いですね。
よりSFチックに見せるために、余計にそういう「わけわかんない」単語が多くなってしまう、というのもあるでしょう。
そんな中でも、人間同士の普通の会話はあるとは言え、日常会話で使う単語・表現を覚える、という意味では、効率は悪いだろうな、と思っていました。
時々、このブログでも脱線して、トレックネタを披露することもありますが、とにかくあの世界観を知らない人には何のことやらわからないでしょうから、そういう意味でも、効率が悪いのです。
私は、スタートレックを見ている時は、英語学習の一環ではあるけれど、限りなく「趣味として」(笑)見ていた気がします。
「フレンズ」よりも「スタートレック」の方が、より詳しい英語ブログを書ける自信があったりするのですが(笑)、スタートレックの場合だと、「使える生きた英語表現を学ぶ」よりも、「マニアックな専門用語に酔いしれる」ようなブログになってしまいそうな気がします。
でも、英語がある程度わかるようになると、そういう専門的なものでも英語でチャレンジすることは良いことですね。
自分の「趣味」が英語で楽しめるというのは、とても楽しいことですから。
村上氏も、
初心者にはSF小説はオススメしません。
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ご自身は「実はSFモノは大好きで何冊も読んだ」とのことです。
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Chapter 2 単語を覚える
では、語彙を増やすことについての方法を述べておられます。
恥ずかしながら、私は語彙については全く自信がありません。
過去記事、Pass単断念 1級一次(語彙編) で書いたように、英検1級向けの単語を覚えることをさっさとあきらめてしまった私なので、ボキャビルに関しては大したことは言えません。
そんな私ですが、村上氏のおっしゃる、
「ひたすら眺める」「毎日1万語、全部を見る」「その単語に何回も出会う」
というのは面白い方法だな、と思いました。
拙著では、ボキャビルの話ではなく、頻出表現に関する話で出てくるのですが、「単語に出会う」ことについて書いています。
p.47 何度も何度も出てくる表現が、日常生活でもよく使われる表現だということですね。一つのエピソードで出てきた単語を全部覚えても、そのうちのいくつかは普段はあまり使わない単語かもしれません。そういう頻度の低い単語を完璧に覚える時間があったら、何度も出会う単語を覚える方に力を注ぐべきです。
私の場合は、「ドラマでよく使われる英語表現をどう覚えるか?」という話なのですが、「何度も出会うと覚える」という部分は同じかな、と思います。
私が本で言いたかったのは、日常会話として、覚える単語に優先順位をつけるのであれば、出会う頻度の高い単語を優先的に覚えるべきだ、ということです。
村上氏の場合は、本を早く読むためには、語彙を増やすべきだ、というお考えのもと、覚えるべき単語に「毎日、強制的に出会うようにせよ。」とおっしゃっているような気がします。
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2008年09月17日
オフィスにコメディアンがいる フレンズ3-15その11
レイチェル: Well, let me just check that with what I've got here, all right, see 038 is not the number for (Ross starts making a lot of noise with a handheld pepper grinder) this store, 038 is Atlanta. And I... (stops and looks at Ross) (そうね。私がここに持っているもので、それをちょっとチェックさせて。いい、ねぇ、038 はこの店の番号じゃないの… [ロスが手で操作するこしょうひきで、大きな音を立て始める] 038 はアトランタよ、そして… [話すのをやめてロスを見る])
ロス: (stopping grinding) Pepper? ([こしょうをひくのをやめて] こしょう、いる?)
レイチェル: (angrily) None for me. ([怒って] 私はいらないわ。)
ロス: Okay, sorry, whew. (わかった、ごめんよ。フー。)
レイチェル: I'm sorry, as I was saying, the store number is wrong, and I'm sorry but that's... (notices a fire that Ross's candle has started) Oh my God!! ((電話を中断して)ごめんなさい。私が言っていたように、その店番号が間違っているのよ。悪いんだけど、それは… [ロスのろうそくが起こした火に気付く] まぁ、大変!)
ロス: (putting out the fire with a squeeze bottle of water) Okay, that's a fire. Oh yeah. Oh yeah. ([スクイーズボトルの水で、火を消している] あぁ、火だ。[火が消えてきたので] あぁ、いいぞ、いいぞ。)
レイチェル: (on phone) Excuse me, I'm sorry, I'm gonna have to call you back, I've got Shemp in my office. (hangs up) (to Ross) What are you doing? ([電話で] 失礼、ごめんなさい。折り返し電話をかけ直さないといけなくなりそうなの。オフィスにシェンプがいるの。[電話を切って] [ロスに] 何をやってるの?)
a handheld pepper grinder の handheld は「手持ち式の、手のひらサイズの、手で操作できる、携帯用の」という意味。
squeeze bottle は「スクイーズボトル、小型容器」で、squeeze は「絞る、圧迫する、強く押す」ということですから、押すことで中身が出るボトル、ということですね。
I'm gonna have to call you back, I've got Shemp in my office. について。
Shemp というのは、先頭が大文字になっていることから固有名詞だとわかりますが、どうやら人名のようです。
ぐぐっていると以下の人を発見しました。多分、この人のことだと思います。
Wikipedia 英語版: Shemp Howard
この人は、The Three Stooges という、コメディ・トリオ(comedy trio)の一員のようです。
Wikipedia 英語版: Three Stooges には画像がたくさんあるのですが、いわゆるドタバタ喜劇みたいなものを演じる人たちのようですね。
次から次へととんでもないことをしでかすロスのことを、「ドタバタ喜劇のコメディアンが一人、今、このオフィスにいるから大変なの」みたいに言っているようです。
ロス: I'm sorry. But ah, hey, oh, somebody's off the phone! How 'bout a glass of wine by the fire? I can get it going again.... (ごめんよ。でも、ほら、誰かさんは電話を終えたよね! 火のそばでワインを1杯どうかな? もう一度やり直すことができるし…)
レイチェル: Ross, you're not listening to me, I don't have time to stop. (ロス、あなたは私の言うことを(ちっとも)聞いてないのね。私は仕事の手を止める時間がないのよ。)
ロス: Come on, Rach, you don't have what, 10 minutes? (よしてよ、レイチェル。例えば10分の時間もないの?)
レイチェル: I don't have 10 minutes!! (10分の時間もないわ!)
ロス: What? (to Sophie) Sophie, does she have 10 minutes? (何だって? [ソフィーに] ソフィー、彼女は10分の時間もないのか?)
レイチェル: Hey, Ross!!! I told you, I don't! (ねぇ、ロス! 私は言ったわよね。時間はないの!)
ロス: Don't yell at me, okay? This is the most I've seen you all week. (僕に向かって怒鳴らないでくれ、いいか? この1週間、こればっかり見てるんだ。)
レイチェル: Look, I cannot do this right now, okay? I've got a deadline! Would you just go home? I'll talk to you later. (storms out) (ねぇ、私は今、こんなことできないのよ、わかるでしょ? 私には締め切りがあるの! ただ(つべこべ言わずに)家に帰ってくれる? 後で話をするから。[怒って部屋を出て行く])
ロス: Yeah, but wait...! (あぁ、でも、待って!)
レイチェル: Goodbye! (さよなら!)
(Ross starts to pack up the picnic in anger, and throws a three-hole punch in the basket.)
ロスは怒りながらピクニックを詰め始める。そしてバスケットに3穴パンチを投げ入れる。
ソフィー: Actually, that's our three-hole punch. (実は、それは私たちの3穴パンチなんだけど。)
somebody's off the phone! 「誰かさんは電話を終えた!、電話から離れた!」と言っています。
誰かさん、というのは、仕事が忙しくて話す暇もないレイチェルのことで、それをわざと somebody と呼んでいるのですね。
それまでずっとおちゃらけた、というか、ふざけた感じのロスでしたが、レイチェルが怒鳴った時、顔がマジになります。
怒鳴るレイチェルに対して、"This is the most I've seen you all week." と言っています。
この1週間、君の姿で「最も」見たのがこれだ、みたいなニュアンスでしょうね。
これというのはその「怒鳴っている姿」で、この1週間、怒鳴ってばかりだ、僕が何を言ってもいらいらしてて…みたいな感じです。
(2008.8.19 追記)
下のコメント欄でご意見をいただきました。
"This is the most I've seen you all week." は、
「今が今週一番多く君に会えた時なんだから」=「しばらく満足に会ってなかったんだから」
というニュアンスのようです。
詳しくは、下のコメント欄をご覧下さい。
(追記はここまで)
レイチェルも我慢の限界を超えたようで、ついには、"Would you just go home?" とまで言ってしまいます。
この Would you...? は、フレンズ2-17その15 に出てきた、
レイチェル: Would you guys stop! (あなたたち、もういい加減にやめてよ!)
の Would you...? のニュアンスに近いでしょうか。
just は「ただ」ということですが、この場合は、「とにかく、つべこべ言わずに」という感じが出ていますね。
フレンズ3-2その23 で、そういう just について説明しています。
ロスにもいろいろと不満がたまっていて、それを説明しようとするのですが、とにかく時間がなくてそれどころではないレイチェルは、「ごちゃごちゃ言わずに、今はとにかく家に帰って。話は家に帰ってからよ。」とロスを追い返してしまった、ということです。
storm は「嵐、暴風(雨)」。
それが動詞になると、「嵐が吹く、天気が荒れる」という意味になり、その荒々しい感じから「突進する」という意味にもなります。
storm out は「嵐のように部屋を出て行く」イメージで、「怒って勢いよく部屋を出て行く」という感じですね。
このソフィーという人はえらい修羅場を見たわりには妙に冷静ですね。
ロスが間違って、オフィスの文具(a three-hole punch 3穴パンチ)をバスケットに入れたことを指摘しています。
どんどん状況が悪化するロスとレイチェル。
You're not listening to me. 「あなたは私の言うことを(ちっとも)聞いてない。」
I told you... 「私は(確かに)言ったでしょ…」
Don't yell at me! 「僕に怒鳴らないでくれ!」
Would you just go home? 「とにかく家に帰ってくれる?」
など、喧嘩する時の表現がいろいろと学べるのですが、見ている方もちょっと辛いシーンですね。
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レイチェル: (angrily) None for me. ([怒って] 私はいらないわ。)
ロス: Okay, sorry, whew. (わかった、ごめんよ。フー。)
レイチェル: I'm sorry, as I was saying, the store number is wrong, and I'm sorry but that's... (notices a fire that Ross's candle has started) Oh my God!! ((電話を中断して)ごめんなさい。私が言っていたように、その店番号が間違っているのよ。悪いんだけど、それは… [ロスのろうそくが起こした火に気付く] まぁ、大変!)
ロス: (putting out the fire with a squeeze bottle of water) Okay, that's a fire. Oh yeah. Oh yeah. ([スクイーズボトルの水で、火を消している] あぁ、火だ。[火が消えてきたので] あぁ、いいぞ、いいぞ。)
レイチェル: (on phone) Excuse me, I'm sorry, I'm gonna have to call you back, I've got Shemp in my office. (hangs up) (to Ross) What are you doing? ([電話で] 失礼、ごめんなさい。折り返し電話をかけ直さないといけなくなりそうなの。オフィスにシェンプがいるの。[電話を切って] [ロスに] 何をやってるの?)
a handheld pepper grinder の handheld は「手持ち式の、手のひらサイズの、手で操作できる、携帯用の」という意味。
squeeze bottle は「スクイーズボトル、小型容器」で、squeeze は「絞る、圧迫する、強く押す」ということですから、押すことで中身が出るボトル、ということですね。
I'm gonna have to call you back, I've got Shemp in my office. について。
Shemp というのは、先頭が大文字になっていることから固有名詞だとわかりますが、どうやら人名のようです。
ぐぐっていると以下の人を発見しました。多分、この人のことだと思います。
Wikipedia 英語版: Shemp Howard
この人は、The Three Stooges という、コメディ・トリオ(comedy trio)の一員のようです。
Wikipedia 英語版: Three Stooges には画像がたくさんあるのですが、いわゆるドタバタ喜劇みたいなものを演じる人たちのようですね。
次から次へととんでもないことをしでかすロスのことを、「ドタバタ喜劇のコメディアンが一人、今、このオフィスにいるから大変なの」みたいに言っているようです。
ロス: I'm sorry. But ah, hey, oh, somebody's off the phone! How 'bout a glass of wine by the fire? I can get it going again.... (ごめんよ。でも、ほら、誰かさんは電話を終えたよね! 火のそばでワインを1杯どうかな? もう一度やり直すことができるし…)
レイチェル: Ross, you're not listening to me, I don't have time to stop. (ロス、あなたは私の言うことを(ちっとも)聞いてないのね。私は仕事の手を止める時間がないのよ。)
ロス: Come on, Rach, you don't have what, 10 minutes? (よしてよ、レイチェル。例えば10分の時間もないの?)
レイチェル: I don't have 10 minutes!! (10分の時間もないわ!)
ロス: What? (to Sophie) Sophie, does she have 10 minutes? (何だって? [ソフィーに] ソフィー、彼女は10分の時間もないのか?)
レイチェル: Hey, Ross!!! I told you, I don't! (ねぇ、ロス! 私は言ったわよね。時間はないの!)
ロス: Don't yell at me, okay? This is the most I've seen you all week. (僕に向かって怒鳴らないでくれ、いいか? この1週間、こればっかり見てるんだ。)
レイチェル: Look, I cannot do this right now, okay? I've got a deadline! Would you just go home? I'll talk to you later. (storms out) (ねぇ、私は今、こんなことできないのよ、わかるでしょ? 私には締め切りがあるの! ただ(つべこべ言わずに)家に帰ってくれる? 後で話をするから。[怒って部屋を出て行く])
ロス: Yeah, but wait...! (あぁ、でも、待って!)
レイチェル: Goodbye! (さよなら!)
(Ross starts to pack up the picnic in anger, and throws a three-hole punch in the basket.)
ロスは怒りながらピクニックを詰め始める。そしてバスケットに3穴パンチを投げ入れる。
ソフィー: Actually, that's our three-hole punch. (実は、それは私たちの3穴パンチなんだけど。)
somebody's off the phone! 「誰かさんは電話を終えた!、電話から離れた!」と言っています。
誰かさん、というのは、仕事が忙しくて話す暇もないレイチェルのことで、それをわざと somebody と呼んでいるのですね。
それまでずっとおちゃらけた、というか、ふざけた感じのロスでしたが、レイチェルが怒鳴った時、顔がマジになります。
怒鳴るレイチェルに対して、"This is the most I've seen you all week." と言っています。
この1週間、君の姿で「最も」見たのがこれだ、みたいなニュアンスでしょうね。
これというのはその「怒鳴っている姿」で、この1週間、怒鳴ってばかりだ、僕が何を言ってもいらいらしてて…みたいな感じです。
(2008.8.19 追記)
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"This is the most I've seen you all week." は、
「今が今週一番多く君に会えた時なんだから」=「しばらく満足に会ってなかったんだから」
というニュアンスのようです。
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(追記はここまで)
レイチェルも我慢の限界を超えたようで、ついには、"Would you just go home?" とまで言ってしまいます。
この Would you...? は、フレンズ2-17その15 に出てきた、
レイチェル: Would you guys stop! (あなたたち、もういい加減にやめてよ!)
の Would you...? のニュアンスに近いでしょうか。
just は「ただ」ということですが、この場合は、「とにかく、つべこべ言わずに」という感じが出ていますね。
フレンズ3-2その23 で、そういう just について説明しています。
ロスにもいろいろと不満がたまっていて、それを説明しようとするのですが、とにかく時間がなくてそれどころではないレイチェルは、「ごちゃごちゃ言わずに、今はとにかく家に帰って。話は家に帰ってからよ。」とロスを追い返してしまった、ということです。
storm は「嵐、暴風(雨)」。
それが動詞になると、「嵐が吹く、天気が荒れる」という意味になり、その荒々しい感じから「突進する」という意味にもなります。
storm out は「嵐のように部屋を出て行く」イメージで、「怒って勢いよく部屋を出て行く」という感じですね。
このソフィーという人はえらい修羅場を見たわりには妙に冷静ですね。
ロスが間違って、オフィスの文具(a three-hole punch 3穴パンチ)をバスケットに入れたことを指摘しています。
どんどん状況が悪化するロスとレイチェル。
You're not listening to me. 「あなたは私の言うことを(ちっとも)聞いてない。」
I told you... 「私は(確かに)言ったでしょ…」
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2008年09月15日
クライシスとクスクス フレンズ3-15その10
ロス: (entering, carrying a basket) Hi! ([入ってくる、バスケットをかかえて] はーい!)
レイチェル: (startled) Oh!! My God, what are you doing here? ([びっくりして] まぁ、なんてこと。ここで何をしてるの?)
ロス: Well, you said you couldn't go out, so.... (pulls the cover off of the basket) (そうだね。君が外に出られないって言ったから。それで… [バスケットのカバーを引っ張って取る])
ソフィー: You brought a picnic! Oh, what a boyfriend. That's it. On Monday, I start wearing makeup. (あなたは、ピクニックを持ち込んだのね! まぁ、なんて恋人かしら。まさにそれよ。月曜日に、私はお化粧を始めるわ。)
レイチェル: Ross, honey, this is very nice, but, but I-I've got a crisis. (ロス、ハニー。これはとっても素敵よ。でも、でも、私は危機を抱えてるのよ。)
ロス: Yeah, but I've got couscous! (そうだね。でも僕はクスクスを抱えてるよ。)
レイチェル: Honey, honey, I'm sorry, I know it's our anniversary, but I told you on the phone, I don't have time to stop. (ハニー、ハニー。ごめんなさい。(今日が)私たちの記念日だってことはわかってるの。でも私は電話で言ったわ。仕事の手を止める時間はないの。)
ロス: Okay, you don't have to stop, I'm invisible, I'm not here. (lights a candle) (わかった。君は仕事を止める必要はないよ。僕は見えないんだ。僕はここにはいないんだ。[キャンドルに火をつける])
レイチェル: Yeah, but I don't, hmm... (on phone) Oh, who approved that order?! (listens) Well, there is no Mark Robinson in this office. (to Sophie) Get me Mark on the phone! (あぁ、でも私は… [電話で] あぁ、誰がその注文を承認したの? [聞いて] そうね、このオフィスにマーク・ロビンソンはいないわ。[ソフィーに] 電話でマークを呼び出して!)
ソフィー: I love Mark. (to Ross) Do you know Mark? (マーク大好き。[ロスに] マークを知ってる?)
ロス: Yeah!! (あぁ!)
同僚ソフィーのセリフ、You brought a picnic! Oh, what a boyfriend. That's it. On Monday, I start wearing makeup. について。
picnic はいわゆる「ピクニック」という行事も指すし、「屋外で食べる簡単な食事」も指します。
この場合は、「野外で食べるはずのピクニックを(室内に)持ち込んだ」というニュアンスかもしれませんし、そういう「外で食べるようなピクニック形式の食事」を持ってきたのね、というだけかもしれません。
残業している時にピクニックセットを持ってきてくれるような恋人なんて! と感動しているセリフのようですが、もしかしたら、イヤミで言っているような気がしないでもない。(よくわかりませんが)
セリフの意味としては、「そんな恋人がいるなんて素敵。今は化粧っ気のない私も、月曜日からはちゃんと化粧して、恋人をゲットしなくちゃね。」という意味ですね。
突然やってきたロスに対して、レイチェルは、"this is very nice, but, but I-I've got a crisis." と事情を説明します。
それに対してロスは、"Yeah, but I've got couscous!" と返しています。
crisis と、couscous が韻を踏んでいて、君は、a crisis を have got (すなわち have)していて、僕は、couscous を have (今、ここに持っている)んだよ、と冗談を言っているのです。
クスクスとはこんな料理(↓)。
Wikipedia 日本語版: クスクス
相手をする時間がない、というレイチェルに、"I'm invisible, I'm not here." と言いながら、準備を進めていくロス。
僕は透明人間だから、僕のことは気にしないで仕事を続けてよ、ということですが、そう言いながら、わざとレイチェルの目の前でキャンドルに火をつけてみたりしています。
get me Mark は「マークを呼んで来て」とか「マークを(今私がいるここに)連れて来て」ということですが、on the phone なので、マークを電話に呼び出して!ということでしょう。
I love Mark. というのは、「マーク大好き」という感じですが、I miss Mark. に近いでしょうか。
マークがいたころは良かったわ、こんな時にマークがいてくれたら、という感じ。
マークの名前を出されて、ますますエキサイトするロスです。
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レイチェル: (startled) Oh!! My God, what are you doing here? ([びっくりして] まぁ、なんてこと。ここで何をしてるの?)
ロス: Well, you said you couldn't go out, so.... (pulls the cover off of the basket) (そうだね。君が外に出られないって言ったから。それで… [バスケットのカバーを引っ張って取る])
ソフィー: You brought a picnic! Oh, what a boyfriend. That's it. On Monday, I start wearing makeup. (あなたは、ピクニックを持ち込んだのね! まぁ、なんて恋人かしら。まさにそれよ。月曜日に、私はお化粧を始めるわ。)
レイチェル: Ross, honey, this is very nice, but, but I-I've got a crisis. (ロス、ハニー。これはとっても素敵よ。でも、でも、私は危機を抱えてるのよ。)
ロス: Yeah, but I've got couscous! (そうだね。でも僕はクスクスを抱えてるよ。)
レイチェル: Honey, honey, I'm sorry, I know it's our anniversary, but I told you on the phone, I don't have time to stop. (ハニー、ハニー。ごめんなさい。(今日が)私たちの記念日だってことはわかってるの。でも私は電話で言ったわ。仕事の手を止める時間はないの。)
ロス: Okay, you don't have to stop, I'm invisible, I'm not here. (lights a candle) (わかった。君は仕事を止める必要はないよ。僕は見えないんだ。僕はここにはいないんだ。[キャンドルに火をつける])
レイチェル: Yeah, but I don't, hmm... (on phone) Oh, who approved that order?! (listens) Well, there is no Mark Robinson in this office. (to Sophie) Get me Mark on the phone! (あぁ、でも私は… [電話で] あぁ、誰がその注文を承認したの? [聞いて] そうね、このオフィスにマーク・ロビンソンはいないわ。[ソフィーに] 電話でマークを呼び出して!)
ソフィー: I love Mark. (to Ross) Do you know Mark? (マーク大好き。[ロスに] マークを知ってる?)
ロス: Yeah!! (あぁ!)
同僚ソフィーのセリフ、You brought a picnic! Oh, what a boyfriend. That's it. On Monday, I start wearing makeup. について。
picnic はいわゆる「ピクニック」という行事も指すし、「屋外で食べる簡単な食事」も指します。
この場合は、「野外で食べるはずのピクニックを(室内に)持ち込んだ」というニュアンスかもしれませんし、そういう「外で食べるようなピクニック形式の食事」を持ってきたのね、というだけかもしれません。
残業している時にピクニックセットを持ってきてくれるような恋人なんて! と感動しているセリフのようですが、もしかしたら、イヤミで言っているような気がしないでもない。(よくわかりませんが)
セリフの意味としては、「そんな恋人がいるなんて素敵。今は化粧っ気のない私も、月曜日からはちゃんと化粧して、恋人をゲットしなくちゃね。」という意味ですね。
突然やってきたロスに対して、レイチェルは、"this is very nice, but, but I-I've got a crisis." と事情を説明します。
それに対してロスは、"Yeah, but I've got couscous!" と返しています。
crisis と、couscous が韻を踏んでいて、君は、a crisis を have got (すなわち have)していて、僕は、couscous を have (今、ここに持っている)んだよ、と冗談を言っているのです。
クスクスとはこんな料理(↓)。
Wikipedia 日本語版: クスクス
相手をする時間がない、というレイチェルに、"I'm invisible, I'm not here." と言いながら、準備を進めていくロス。
僕は透明人間だから、僕のことは気にしないで仕事を続けてよ、ということですが、そう言いながら、わざとレイチェルの目の前でキャンドルに火をつけてみたりしています。
get me Mark は「マークを呼んで来て」とか「マークを(今私がいるここに)連れて来て」ということですが、on the phone なので、マークを電話に呼び出して!ということでしょう。
I love Mark. というのは、「マーク大好き」という感じですが、I miss Mark. に近いでしょうか。
マークがいたころは良かったわ、こんな時にマークがいてくれたら、という感じ。
マークの名前を出されて、ますますエキサイトするロスです。
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2008年09月13日
発注書にはっきり書いてある フレンズ3-15その9
[Scene: Rachel's office, Rachel and a co-worker (Sophie) are dealing with the crisis.]
レイチェルのオフィス。レイチェルと同僚(ソフィー)は難題[危機]を扱っているところ。
レイチェル: (on the phone) No, no, no, I'm looking at a purchase order right here and it clearly states that we ordered the Riviera bikini in a variety of sizes and colors. And.... (listens) What does it matter what I'm wearing?! Can I please speak to your supervisor? (listens) Thank you. (to Sophie) We're holding. ([電話で] 違う違う違う。私はここで発注書を見ているのよ。そして、そこにははっきりと書いてあるわ。さまざまなサイズと色のリヴィエラビキニを注文した、って。そして… [聞いて] 私が何を着ているかが重要なの? あなたの上司と話ができるかしら? [聞いて] ありがとう。[ソフィーに] 今、保留中。)
purchase order は「発注書、注文書」。
TOEIC にもよく出てくる単語ですし、ビジネス英語での頻出単語でもあります。
日向清人先生の 即戦力がつくビジネス英会話 の p.90 にも purchase order は登場します。
そこでも、「クレームとその処理 DIALOG 苦情を言う Making a Complaint」の場面で登場していましたので、今回のレイチェルの電話と同じような状況ですね。
state は「(公式に)述べる、記載する」という意味ですから、it clearly states that... は「その(私が今見ている)発注書に、はっきり(that以下)と書いてある」ということです。
the Riviera bikini について。
Riviera (リヴィエラ、リビエラ)は地中海沿岸地方の名称のようです。
森進一さんの曲に「冬のリヴィエラ」というのもありました。
(全くの余談ですが、この曲、「作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一」で、演歌ではなく、ニューミュージックやポップスに近い感じの曲でした。)
Wikipedia 日本語版: リヴィエラ に説明がありますが、「海岸の景勝地や避寒地」のイメージがあるようです。
Wikipedia 英語版: Riviera にも説明があります。
Riviera という言葉は、「特に暖かい地域の、観光客に人気の沿岸地域」を指すと書いてあり、The Italian Riviera(イタリアのリヴィエラ)と、The French Riviera(フランスのリヴィエラ)がある、とのことです。
ハイジ・クラインというブランドがあるようで、そこにいろんなビキニが載っています。
その中に、Riviera Bikini の写真もありました。
Bikinis : Heidi Klein
in a variety of sizes and colors は「さまざまなサイズや色で」。
サイズや色のバラエティーがある、という感じです。
in a variety of areas なら「さまざまな分野で」という意味になります。
今、着ているものを尋ねられているらしいレイチェルですが、きっと相手は若い男性で、レイチェルがえらい剣幕で怒っているので、それをなだめよう、もしくはからかおうとして、「ところで君は今、どんな下着を着てるの?」とでも尋ねたようなふしがあります。(ちょっとセクハラっぽいですが)
ビキニの流れから、そういう風に話を持っていったのでしょうね。
そんな風に「女の子」扱いされたことにムッとしたレイチェルは、あなたじゃ話にならないからとでもいうように、「上司を出して」と言っています。
hold は「電話を切らずに待つ」ということですから、今、黙ってるのは、相手の上司が出てくるのを待ってるところなのよ、と同僚に説明しているのですね。
頑張ってますねぇ、レイチェル。
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レイチェルのオフィス。レイチェルと同僚(ソフィー)は難題[危機]を扱っているところ。
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purchase order は「発注書、注文書」。
TOEIC にもよく出てくる単語ですし、ビジネス英語での頻出単語でもあります。
日向清人先生の 即戦力がつくビジネス英会話 の p.90 にも purchase order は登場します。
そこでも、「クレームとその処理 DIALOG 苦情を言う Making a Complaint」の場面で登場していましたので、今回のレイチェルの電話と同じような状況ですね。
state は「(公式に)述べる、記載する」という意味ですから、it clearly states that... は「その(私が今見ている)発注書に、はっきり(that以下)と書いてある」ということです。
the Riviera bikini について。
Riviera (リヴィエラ、リビエラ)は地中海沿岸地方の名称のようです。
森進一さんの曲に「冬のリヴィエラ」というのもありました。
(全くの余談ですが、この曲、「作詞:松本隆、作曲:大瀧詠一」で、演歌ではなく、ニューミュージックやポップスに近い感じの曲でした。)
Wikipedia 日本語版: リヴィエラ に説明がありますが、「海岸の景勝地や避寒地」のイメージがあるようです。
Wikipedia 英語版: Riviera にも説明があります。
Riviera という言葉は、「特に暖かい地域の、観光客に人気の沿岸地域」を指すと書いてあり、The Italian Riviera(イタリアのリヴィエラ)と、The French Riviera(フランスのリヴィエラ)がある、とのことです。
ハイジ・クラインというブランドがあるようで、そこにいろんなビキニが載っています。
その中に、Riviera Bikini の写真もありました。
Bikinis : Heidi Klein
in a variety of sizes and colors は「さまざまなサイズや色で」。
サイズや色のバラエティーがある、という感じです。
in a variety of areas なら「さまざまな分野で」という意味になります。
今、着ているものを尋ねられているらしいレイチェルですが、きっと相手は若い男性で、レイチェルがえらい剣幕で怒っているので、それをなだめよう、もしくはからかおうとして、「ところで君は今、どんな下着を着てるの?」とでも尋ねたようなふしがあります。(ちょっとセクハラっぽいですが)
ビキニの流れから、そういう風に話を持っていったのでしょうね。
そんな風に「女の子」扱いされたことにムッとしたレイチェルは、あなたじゃ話にならないからとでもいうように、「上司を出して」と言っています。
hold は「電話を切らずに待つ」ということですから、今、黙ってるのは、相手の上司が出てくるのを待ってるところなのよ、と同僚に説明しているのですね。
頑張ってますねぇ、レイチェル。
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2008年09月11日
英語でしゃべらナイト「寅さん海外へ」
2008年9月8日(月)放送の 英語でしゃべらナイト を見ました。
『男はつらいよ』 40年、寅さん海外へ
という内容でした。
NHK番組公式ホームページでの紹介はこちら。
英語でしゃべらナイト 『男はつらいよ』 40年、寅さん海外へ
番組の主な内容は、
・寅さんの名口上を英語に訳す
・字幕制作担当の方がセリフに英語字幕をつけていく様子を紹介
・日本語のセリフを、出演者全員で英語に吹き替え
というものでした。
私はいつもこのブログで、英語のドラマである「フレンズ」のセリフから「日本語で言うとこんな感じ」というニュアンスを掴もうとしていますが、今回の「しゃべらナイト」は、それの逆バージョン(「寅さんのセリフは英語で言うとこんな感じ」を追求する)なので、そういう意味でも非常に興味深かったです。
以下、内容を紹介しながら、感想を述べてみます。
寅さんファンであるという外国人の方2人がゲストとして来られていました。
一人目は、トニー・ラズロ(Tony LASZLO)さん。
番組でも紹介されていましたが、ベストセラーとなった、小栗左多里さんの「ダーリンは外国人」 の「ダーリン」がトニーさんなんですよね。
そのトニーさんは、私がいろいろとお世話になったジャパンタイムズの抄訳付き英字新聞「週刊ST」で、ずっと英文エッセー(コラム)を書いておられました。
…ので、私にとっては、「あのベストセラー本のダーリン」というより、「STでコラムを書いていた方」というイメージの方が強いです。
週刊ST ONLINE: Contributor Profile Tony Laszlo トニー・ラズロ
上のページから、トニーさんの英文エッセーも読めますよ。
「ばか野郎!、この野郎!」は、"Hey, you!" と訳される、という話から、トニーさんは、
「バカって言っても、頭が悪いって言っているわけではないんですよね。」
とおっしゃっていました。
まさにその通り。
セリフを訳すことは、単語を直訳することではない、そのセリフに込められた感情やニュアンスを、別の言語に直すこと、なんですよね。
もう一人のゲスト、カレン・ヘドリック(Karen HAEDRICH)さんが興味深い発言をされていました。
「寅さん、って、すごい、アメリカの situation comedy に近いと思ったんですね。」
その日本語での発言の際には、英語で字幕がついていました。
The movies are like American sit-coms.
そう、カレンさんは、寅さんがシットコムに似ている、とおっしゃったのです!!
それを聞いて、出演者全員が、なるほどぉ〜!という感じでうなずいていたので、出演者の皆さんは、シットコムというジャンルをよくご存知なんですよね?
私は「シットコム」という言葉を、ブログや本のタイトルに使っているのですが、「シットコム」という言葉の意味をご存じない方って結構おられるのです。
その言葉の知名度の低さにいつも寂しい思いをしているのですが、それが、こんな風にゲストの発言の中で普通に使われているところを見ると、やっぱり「知ってる人は知ってる言葉」という認識で良い、ということなんですねぇ??
(そこでもう一押し、「situation comedy や sit-com(sitcom)とは何ぞや?」の説明が入ると、私的にはさらに嬉しかったんですが…笑)
カレンさんは、寅さんを見て、もっと日本語を勉強しようと思った、とおっしゃっていました。
それと似た話では、海外でクール・ジャパンと人気のアニメやマンガから日本語に興味を持ち、それでたくさんの日本語を覚えた、という話もよく聞きますね。
私も、フレンズというシットコムを面白いと思って、フレンズたちのジョーク(特にチャンドラーのジョーク…笑)を英語で理解したくて、もっと英語を勉強しようと思ったのです。
その私の気持ちとカレンさんの気持ちがとても似ている気がして、大変共感を覚えました。
今回、この番組では、寅さんの有名な口上をどう英訳するか、ということにトライしていましたが、口上にはリズムが大切で、でも、そのリズムも維持する中で、できるだけ内容もオリジナルに近いものにしたい、つまりオリジナルで使われている言葉と似た言葉を探さなくてはならない、出来ることならその言葉で韻も踏みたい…ということで、とてもその部分の翻訳が難しいことであることがよくわかりました。
フレンズにはああいう口上は出てきませんが、あえて例えるとしたら、あのフィービーの名曲(迷曲?)を、あのメロディーに乗せて、リズムも壊さずに、日本語としても通じる、韻を踏んだ歌詞に直せ!というようなものです。
それはとても難しい。
同じ音の連発がリズムを作り、言葉が韻を踏み、それを早口で流れるように話すことによる口上の面白さ。
トニーさんが英語の早口の口上である、patter を実演して見せていました。
番組の最後では、パックンも寅さん風の口上を英語でしゃべっていました。
どちらもすごいです。「さすがはネイティブ」のすごさを知った感じでしたね。
「Let's dub into English! Pakkun's アテレコ」というコーナーでは、寅さんのシーンを一度日本語で見てみた後、出演者が英語アテレコに挑戦していました。
これも面白い試みだと思いました。
というのは、これは、声をアテる側の人にとっては、「その演じるキャストの気持ちになって英語を言う」という素晴らしい訓練になると思ったからです。
寅さんという映画を知っている我々日本人にとっては、そのワンシーンを見ただけで、登場人物がどういう状況にいて、どういう気持ちでいるかがよくわかりますよね。
私がフレンズ解説でよく使う「キャラ立ち」という言葉の通り、寅さんではみんな「キャラクターが立って」います。
そういう背景を知っているからこそ、それを英語に直したセリフを読む時でも、「その時のキャラクターの気持ち」になって言葉を出すことができるんですね。
この英語になったセリフを、その日本語のセリフのニュアンスを出そうと思いながら英語で読む、という行為が、その英語のセリフのニュアンスを深く理解することに繋がると思うのです。
まるで日本語で話しているように、その英語に気持ちを込めることができると思うのです。
番組中に吹き替えをしていた方々は、なんとかオリジナルの雰囲気を伝えようと思いながら、その英語のセリフを読んでいたはずです。
そうやって英語を読むことで、「あぁ、あのセリフは、こういう英語になるのか。」と言うことが直感的にわかるはずです。
あの吹き替えは番組の企画として行なわれたもので、家で吹き替えの練習をする必要はないのですが(笑)、大事なのは、あの「吹き替えに気持ちを込める」感覚で、自分の持っている日本語のイメージを、英語という言葉に投影していくことだと思うのですね。
本で文字として学んだ英語表現は、そういう「状況」「心情」「背景」に関する情報が不足しているので、なかなか実生活で使えるようにならないのかな、と思います。
逆に、ああいう映画やドラマで学んだセリフは、ストーリーとして状況や心情を理解しているために、「自分の言葉」として使えるようになるのだと思います。
寅さんの場合は、先に日本語があって、ニュアンスをわかった上で訳された英語を見つめることができます。
フレンズのセリフは英語なので、私はまずそのニュアンスをできるだけ深く理解しようとします。
そのために、字幕や吹替などの日本語の情報を利用します。
さらには、文法的知識を使って、英文の構造を分析し、セリフの内容をより深く理解しようとします。
そうやって、どういうニュアンスか掴めた上で、「日本語で言うとこんな感じ」という日本語訳を作ってみているわけですが、その日本語訳を作ることが最終ゴールではありません。
その日本語訳、日本語で理解したニュアンスを頭に入れた上で、その英語を読み、そのフレーズを自分で書いたり使ったりしていくことが大切なのです。
ただ、英語という音声を口から出すだけではない、ただローマ字を読み上げるだけではない、そのセリフに隠された気持ち、意味を意識しながら、言葉として使う、という訓練ですね。
映画などの文化が輸出されること、というのはその国の価値観や考え方を広げることにも繋がります。
翻訳という作業には大きな意味があって、まずは、そういう翻訳を通して、他国の人が作品の面白さを知るわけですね。
訳されて初めて輸出が可能になるわけです。
各国の作品がいろんな言語に翻訳されて世界中を駆け巡るという今の時代はとても素晴らしいと思います。
そんな風に、字幕や吹替、翻訳や通訳、という素晴らしい技術があるので、外国の作品を自国の言葉で楽しむことはいくらでもできます。
が、本当にそれが好きになったら、それをオリジナルで楽しみたい、という気持ちが出てくるのがほんとかな、と。
誰かに訳してもらうんじゃなくて、自分の心で肌で直接オリジナルを感じたい、という気持ちが、外国語を学ぶことに繋がるのですね。
私も、フレンズのセリフを「日本語で言うとこんな感じ」と、まずはそのイメージを解説を交えて伝えていくことで、少しでもフレンズという作品の魅力を多くの日本人に知ってもらえたらと思っています。
そして、それを面白いと思った人たちが、今度は自分自身の力で、オリジナルの英語のままで理解したい!、と思って下さることを心より願っています。
この番組は、今日 9月11日(木)深夜3:10〜(すなわち、9月12日(金)午前3:10〜)に再放送されますので、興味のある方は是非ご覧下さい。
英語でしゃべらナイトの、英語サブタイトルは、 Communication entertainment for a new era! ですが、そのサブタイトル通りの面白い企画でした。
楽しい番組をありがとうございました!
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『男はつらいよ』 40年、寅さん海外へ
という内容でした。
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英語でしゃべらナイト 『男はつらいよ』 40年、寅さん海外へ
番組の主な内容は、
・寅さんの名口上を英語に訳す
・字幕制作担当の方がセリフに英語字幕をつけていく様子を紹介
・日本語のセリフを、出演者全員で英語に吹き替え
というものでした。
私はいつもこのブログで、英語のドラマである「フレンズ」のセリフから「日本語で言うとこんな感じ」というニュアンスを掴もうとしていますが、今回の「しゃべらナイト」は、それの逆バージョン(「寅さんのセリフは英語で言うとこんな感じ」を追求する)なので、そういう意味でも非常に興味深かったです。
以下、内容を紹介しながら、感想を述べてみます。
寅さんファンであるという外国人の方2人がゲストとして来られていました。
一人目は、トニー・ラズロ(Tony LASZLO)さん。
番組でも紹介されていましたが、ベストセラーとなった、小栗左多里さんの「ダーリンは外国人」 の「ダーリン」がトニーさんなんですよね。
そのトニーさんは、私がいろいろとお世話になったジャパンタイムズの抄訳付き英字新聞「週刊ST」で、ずっと英文エッセー(コラム)を書いておられました。
…ので、私にとっては、「あのベストセラー本のダーリン」というより、「STでコラムを書いていた方」というイメージの方が強いです。
週刊ST ONLINE: Contributor Profile Tony Laszlo トニー・ラズロ
上のページから、トニーさんの英文エッセーも読めますよ。
「ばか野郎!、この野郎!」は、"Hey, you!" と訳される、という話から、トニーさんは、
「バカって言っても、頭が悪いって言っているわけではないんですよね。」
とおっしゃっていました。
まさにその通り。
セリフを訳すことは、単語を直訳することではない、そのセリフに込められた感情やニュアンスを、別の言語に直すこと、なんですよね。
もう一人のゲスト、カレン・ヘドリック(Karen HAEDRICH)さんが興味深い発言をされていました。
「寅さん、って、すごい、アメリカの situation comedy に近いと思ったんですね。」
その日本語での発言の際には、英語で字幕がついていました。
The movies are like American sit-coms.
そう、カレンさんは、寅さんがシットコムに似ている、とおっしゃったのです!!
それを聞いて、出演者全員が、なるほどぉ〜!という感じでうなずいていたので、出演者の皆さんは、シットコムというジャンルをよくご存知なんですよね?
私は「シットコム」という言葉を、ブログや本のタイトルに使っているのですが、「シットコム」という言葉の意味をご存じない方って結構おられるのです。
その言葉の知名度の低さにいつも寂しい思いをしているのですが、それが、こんな風にゲストの発言の中で普通に使われているところを見ると、やっぱり「知ってる人は知ってる言葉」という認識で良い、ということなんですねぇ??
(そこでもう一押し、「situation comedy や sit-com(sitcom)とは何ぞや?」の説明が入ると、私的にはさらに嬉しかったんですが…笑)
カレンさんは、寅さんを見て、もっと日本語を勉強しようと思った、とおっしゃっていました。
それと似た話では、海外でクール・ジャパンと人気のアニメやマンガから日本語に興味を持ち、それでたくさんの日本語を覚えた、という話もよく聞きますね。
私も、フレンズというシットコムを面白いと思って、フレンズたちのジョーク(特にチャンドラーのジョーク…笑)を英語で理解したくて、もっと英語を勉強しようと思ったのです。
その私の気持ちとカレンさんの気持ちがとても似ている気がして、大変共感を覚えました。
今回、この番組では、寅さんの有名な口上をどう英訳するか、ということにトライしていましたが、口上にはリズムが大切で、でも、そのリズムも維持する中で、できるだけ内容もオリジナルに近いものにしたい、つまりオリジナルで使われている言葉と似た言葉を探さなくてはならない、出来ることならその言葉で韻も踏みたい…ということで、とてもその部分の翻訳が難しいことであることがよくわかりました。
フレンズにはああいう口上は出てきませんが、あえて例えるとしたら、あのフィービーの名曲(迷曲?)を、あのメロディーに乗せて、リズムも壊さずに、日本語としても通じる、韻を踏んだ歌詞に直せ!というようなものです。
それはとても難しい。
同じ音の連発がリズムを作り、言葉が韻を踏み、それを早口で流れるように話すことによる口上の面白さ。
トニーさんが英語の早口の口上である、patter を実演して見せていました。
番組の最後では、パックンも寅さん風の口上を英語でしゃべっていました。
どちらもすごいです。「さすがはネイティブ」のすごさを知った感じでしたね。
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というのは、これは、声をアテる側の人にとっては、「その演じるキャストの気持ちになって英語を言う」という素晴らしい訓練になると思ったからです。
寅さんという映画を知っている我々日本人にとっては、そのワンシーンを見ただけで、登場人物がどういう状況にいて、どういう気持ちでいるかがよくわかりますよね。
私がフレンズ解説でよく使う「キャラ立ち」という言葉の通り、寅さんではみんな「キャラクターが立って」います。
そういう背景を知っているからこそ、それを英語に直したセリフを読む時でも、「その時のキャラクターの気持ち」になって言葉を出すことができるんですね。
この英語になったセリフを、その日本語のセリフのニュアンスを出そうと思いながら英語で読む、という行為が、その英語のセリフのニュアンスを深く理解することに繋がると思うのです。
まるで日本語で話しているように、その英語に気持ちを込めることができると思うのです。
番組中に吹き替えをしていた方々は、なんとかオリジナルの雰囲気を伝えようと思いながら、その英語のセリフを読んでいたはずです。
そうやって英語を読むことで、「あぁ、あのセリフは、こういう英語になるのか。」と言うことが直感的にわかるはずです。
あの吹き替えは番組の企画として行なわれたもので、家で吹き替えの練習をする必要はないのですが(笑)、大事なのは、あの「吹き替えに気持ちを込める」感覚で、自分の持っている日本語のイメージを、英語という言葉に投影していくことだと思うのですね。
本で文字として学んだ英語表現は、そういう「状況」「心情」「背景」に関する情報が不足しているので、なかなか実生活で使えるようにならないのかな、と思います。
逆に、ああいう映画やドラマで学んだセリフは、ストーリーとして状況や心情を理解しているために、「自分の言葉」として使えるようになるのだと思います。
寅さんの場合は、先に日本語があって、ニュアンスをわかった上で訳された英語を見つめることができます。
フレンズのセリフは英語なので、私はまずそのニュアンスをできるだけ深く理解しようとします。
そのために、字幕や吹替などの日本語の情報を利用します。
さらには、文法的知識を使って、英文の構造を分析し、セリフの内容をより深く理解しようとします。
そうやって、どういうニュアンスか掴めた上で、「日本語で言うとこんな感じ」という日本語訳を作ってみているわけですが、その日本語訳を作ることが最終ゴールではありません。
その日本語訳、日本語で理解したニュアンスを頭に入れた上で、その英語を読み、そのフレーズを自分で書いたり使ったりしていくことが大切なのです。
ただ、英語という音声を口から出すだけではない、ただローマ字を読み上げるだけではない、そのセリフに隠された気持ち、意味を意識しながら、言葉として使う、という訓練ですね。
映画などの文化が輸出されること、というのはその国の価値観や考え方を広げることにも繋がります。
翻訳という作業には大きな意味があって、まずは、そういう翻訳を通して、他国の人が作品の面白さを知るわけですね。
訳されて初めて輸出が可能になるわけです。
各国の作品がいろんな言語に翻訳されて世界中を駆け巡るという今の時代はとても素晴らしいと思います。
そんな風に、字幕や吹替、翻訳や通訳、という素晴らしい技術があるので、外国の作品を自国の言葉で楽しむことはいくらでもできます。
が、本当にそれが好きになったら、それをオリジナルで楽しみたい、という気持ちが出てくるのがほんとかな、と。
誰かに訳してもらうんじゃなくて、自分の心で肌で直接オリジナルを感じたい、という気持ちが、外国語を学ぶことに繋がるのですね。
私も、フレンズのセリフを「日本語で言うとこんな感じ」と、まずはそのイメージを解説を交えて伝えていくことで、少しでもフレンズという作品の魅力を多くの日本人に知ってもらえたらと思っています。
そして、それを面白いと思った人たちが、今度は自分自身の力で、オリジナルの英語のままで理解したい!、と思って下さることを心より願っています。
この番組は、今日 9月11日(木)深夜3:10〜(すなわち、9月12日(金)午前3:10〜)に再放送されますので、興味のある方は是非ご覧下さい。
英語でしゃべらナイトの、英語サブタイトルは、 Communication entertainment for a new era! ですが、そのサブタイトル通りの面白い企画でした。
楽しい番組をありがとうございました!
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