フィリー(店の名前)。チャンドラーとジョーイはクロエと話をしている。
クロエ: And the advances in collating in the past five years, I mean we just got in an X-5000, y'know? The X-5000 makes the X-50 look like a T-71. (それで、この過去5年間のページそろえの進歩よ。つまり、私たちは X-5000 を導入したの。X-5000 は X-50 を、まるで T-71 のように見せるわけ。)
(Chandler agrees in an absolutely bored way.)
チャンドラーは、全く退屈した様子で同意する。
クロエ: (seeing Ross enter) Hey, it's the dinosaur guy! (runs over to Ross) Hi, Ross! ([ロスが入ってくるのを見る] はーい。恐竜男さん[恐竜のお兄さん]! [ロスのところに走ってくる] ハーイ、ロス!)
ロス: Oh, hi, Chloe. (あぁ、はーい、クロエ。)
クロエ: I want you to meet some friends of mine. (Introduces him to Chandler and Joey) This guy is my hero. He comes in with some stuff he wants it blown up 400%, we said we don't do that, and he says, "You gotta." And y'know what? We did it. And now anytime anybody wants 400, we just say, "Let's Ross it!" (あなたに、私の友達に会ってもらいたいの。[ロスをチャンドラーとジョーイに紹介する] この人は私のヒーローなの。彼は、400%に拡大コピーしたいものを持って、やってきたの。私たちはそんなことできないって言ったわ。するとロスが言ったの、「やらなきゃだめだ。」って。で、どうなったと思う? 私たちは拡大コピーできたの。そして、今では、だれかが 400%拡大コピーをしたい時はいつでも、私たちはただこう言うのよ。「それをロスしよう![ロスろう]」って。)
チャンドラー: And that's the only color that comes in. (そして、それが提供される唯一の色だね。[そのコピー、一色でしかコピーできないんじゃないの?])
アイザック: Yo, Chloe! Do you have a quarter for the condom machine? (よぉ、クロエ! コンドームの自販機に使うクオーター(25セント硬貨)を持ってるか?)
クロエ: Oh! (storms off) (えぇ! [走って去る])
チャンドラー: So, what are you doing here? I thought tonight was your big anniversary dinner. (それで、お前はここで何してるんだ? 俺は(てっきり)今夜はお前たちの盛大な記念日ディナーだと思ってたのに。)
ロス: Yeah, little change of plans. Ahh, we're gonna break up instead. (あぁ、計画に少し変更があったんだ。うーんと、代わりに、僕たちは break up すること[別れること]になった。)
(Chandler and Joey stare at each other in shock.)
チャンドラーとジョーイはショックでお互いを見つめる。
the advances in collating の collate という動詞について。
collate が日本語に訳しにくいのですが、コピー、製本などの専門用語っぽいです。
英和辞典では、「(版などを)照合する」「(本などを)ページ順に並べる、ページ順をそろえる」という意味が載っています。
このクロエの話、「わけわかんないところ」がいいですね。
X-5000, X-50, T-71 という、コピー機の型番号みたいなものも登場しています。
ですから、collate というコピーの専門用語のような言葉がよくわからなくてもいい、という感じ。
その最新鋭の X-5000 が導入されたら、今まで使っていた X-50 は T-71 みたいに見えるのよ、と説明されても、その T-71 がどんなものか知らない人にとっては、何のことか全然わからない。
クロエの話が、コピーおたくみたいなので、そこが面白いわけですね。
セクシーなクロエに誘われてワクワクしていたのに、こんな席でコピー技術の進歩の話を聞かされてうんざりしているジョーイとチャンドラーに笑えます。
クロエも、たまたまコピー屋で働いていたイケイケねーちゃん、でもなくて、コピーの話をすると夢中になる、コピーの仕事に誇りを持っていて(?)その仕事を楽しんでいるらしいところも、意外な面白さがありますね。
it's the dinosaur guy! を「恐竜男」と訳してしまうと、何だかヘンな感じなのですが…。
決して悪口ではなく、「恐竜に詳しい人」「いつも恐竜の話をしてるお兄さん」みたいな感じでしょう。
DVDの日本語訳は「恐竜博士」となっていましたが、確かにそういう感じの褒め言葉ですね。
ジョーイとチャンドラーが夢中になっているクロエが、ロスと何気(なにげ)に仲が良いのが面白い。
そして、ロスは二人と違って、別にデレデレともせずに、普通に応対しているのがおかしいです。
フレンズ3-1その24 で、クロエ(らしき人)の話題が出た時、「あぁ、(彼女は)たまんないよね!」みたいに言っていたので、彼女が嫌いではないはずで、素敵だと思っているはずですが、今のロスはレイチェルとのことで頭がいっぱいで、他の女の子は目に入らない、というところでしょうか。
クロエがロスに、チャンドラーたちを紹介するのもおかしいですね。
クロエの友達である前に、元々、チャンドラーとジョーイはロスの友達だってば!というところ。
blow up は「(風船などを)膨らませる」という意味で使いますが、その流れで「写真を引き伸ばす、拡大コピーする」という意味になります。
"Let's Ross it!" の「ロスイット!」というクロエの嬉しそうな言い方が面白いです。
400%拡大コピーなんてそんなの無理だ…と誰もが尻込みする中、ロスは「できなきゃだめだ。」と言った。で、やってみると、出来ちゃった!
だから、それ以来、400%拡大コピーのことを「ロスする」「ロスる」という動詞で呼ぶようになった、と説明しているのです。
こういう話で喜んでいるところでも、クロエがコピーマニアみたいで笑えます。
And that's the only color that comes in. について。
come in は「…の形式がある、…として提供される」。
ロングマン現代英英辞典では、
come: BE PRODUCED/SOLD
[always + adverb/preposition] to be produced or sold with particular features
come in
例) This particular sofa comes in four different colours.
例) Cats come in many shapes and sizes.
つまり、「特有・特定の特徴を持って、生産される、または売られること」。
例文は、「この特殊なソファは、4種類の違った色で提供されます[売られています]。」
「猫はいろんな形・姿やサイズで提供されています。」
come in を直訳すると、「…の状態で来る」みたいなことなので、「…の状態で提供される」という意味になるのでしょうね。
このチャンドラーのセリフ And that's the only color that comes in. を直訳すると、「そして、それが、提供される唯一の色だ。」となるようなのですが…。
DVDの日本語訳は、
日本語字幕「そのコピーってブルー?」
日本語音声(吹替)「そのコピーの色ってブルー一色じゃない?」
となっていました。
私もそういう意味なんだろうなぁ、と思いました。
つまり、ブルー一色のコピーというのは、「青写真、青焼き(blueprint)」のことですよね?
400%の拡大コピーができた!って大騒ぎしてるけど、それは設計図などの大きな図面でよく使うブループリントのことじゃないの?、それなら、それくらいのでっかいコピーは当たり前だよ、みたいなことを言いたかったのかなぁ、と思います。
(が、そのセリフをうまく日本語に訳すのは難しいです…。)
(2017.6.13 追記)
"Let's Ross it!" というセリフについて、下のコメント欄でご意見を頂戴しました。
russet という色が存在し(日本語では「あずき色」)、クロエのセリフ "Let's Ross it!" が、"Let's russet!" のように聞こえることから、「その言い方じゃ、russet 色だけの一色コピーになっちゃいそう」という意味で「それが出力される唯一の色」のようにチャンドラーが返した、ということになるようです。
下のコメント欄に追加説明がありますので、併せてお読みいただければ幸いです。
(追記はここまで)
クロエがアイザックに呼ばれて席を外した後、「今日は記念日だろ?」と尋ねるチャンドラー。
Yeah, little change of plans. Ahh, we're gonna break up instead. というロスが悲しいです。
「ちょっとした予定の変更」と言いながら、ロスは、ここで、break up という言葉を使っています。
フレンズでも頻繁に出てくる「(男女が)別れる」という意味ですね。
前回、フレンズ3-15その14 で、take a break の意味について説明しましたが、ロスはチャンドラーたちに対してそれをはっきりと、break up という言葉を使って表現しているのがポイントかな、と思います。
take a break from us と言ったレイチェルの本心はともかくとして、ロスはそれを「別れ」、つまり、break up だと捉えた、ということですね。
(Rach からのお願い)
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