[There's a knock on the door.]
ドアをノックする音。
チャンドラー: Oh that's great. With my luck, that's gonna be him. (あぁ、最高だね。俺の運がよければ、あれはヒム[彼]だろうね。)
フィービー: Him? Him, Ross? (ヒム? ヒムってロス?)
チャンドラー: Nope, "Hymn" 253: "His Eyes Are on the Sparrow!" When my parents got divorced is when I started using humor as a defense mechanism. (answers the door and it's Rachel again.) (いいや。ヒム[賛美歌]253番。「彼の目はスズメに注がれていた」だよ! 俺の両親が離婚した時が、俺が防御機構として、ユーモアを使い始めた時なんだ。[ドアに応対して開けると、再びレイチェルである])
研究社 新英和中辞典では、
with luck=運がよければ
例) With luck, the patient will recover. 運がよければ病人は回復するだろう。
と出ています。
with my luck は「俺の運がよければ」ということでしょう。
さっきはレイチェルが来て気まずくて、その気まずさが抜けきらないうちに、今度はその気まずい原因であるロスが来たらしい、と言っているわけですから、with my luck というのは、皮肉ですね。
「あぁ、全く俺は幸運だよね、今度はロスが来たよ」というニュアンスでしょう。
hymn は「(教会の)賛美歌、聖歌」。
him と hymn は発音が全く同じです。
幸運にも彼が来た、と言っているわけなので、その話題の当事者であるロスに決まっているのに、ヒムってロスのこと?とわかりきったことをフィービーが尋ねるので、「いいや、ヒムってのは、賛美歌の hymn のことだよ」と、ボケているのですね。
こんな風に「わかりきったことを尋ねてくる相手に、あり得ない返事を返す」というジョークのパターンは非常に多いです。
「当たり前だろ」という代わりに、「あまりにもわかりきったことを聞いてくるから、こっちもちょっとふざけてみた」みたいなジョークになるでしょうか。
日本のボケとツッコミの場合は、「ヒムが”賛美歌の hymn”なわけないだろ!」とツッコむか、「違うよーん、ヒムというのは、賛美歌の hymn のことだよ ♪ラララ〜♪(としばらく歌って)…って、そんなわけあるかーい!」と「一人ボケツッコミ」をするかのパターン(ザブングルの加藤歩さんがこんな感じ?)に分かれそうな気がするのですが…。
アメリカンジョークの場合は、「いや、ヒムっていうのは賛美歌の hymn のことだ」と「あり得ないことを”しれっと”言う」、そしてそれに対して周りのものが「はぁ?」とあきれて、観客の笑い声が入る、のが特徴のような気もします。
みんなが「またそんなジョークを言って…」みたいにあきれるので、防衛機構としてユーモアを使う話を語って、こんなジョークばかり言う言い訳をしているのですね。
チャンドラーが名前を出した、"His Eyes Are on the Sparrow" について。
ウィキペディアにありました。(His Eyes Are という複数形ではなくて、His Eye Is という単数形になっていますが…)
Wikipedia 英語版: His Eye Is on the Sparrow
チャンドラーは賛美歌の番号を 253 だと言っていますが、それが正しいのかどうかは裏が取れませんでした。(賛美歌には詳しくないもので)
彼の目、というのは神様の目でしょうから、神様がその一羽のスズメを見つめていた、神様の目が一羽のスズメに注がれていた、という意味のタイトルでしょうね。
Marvin Gaye などもこの曲をカヴァーしているようです。
When SV is when SV、という形について。
「両親が…した時が、俺が〜した時なんだ。」みたいな構造ですね。
そのヒムジョークがあまりウケなかったので、つまらないジョークだって責めないでよ、何だか辛いことがあると、こうしてついジョークが口から出てしまうんだよな、こういうジョークをディフェンス・メカニズムとして使うようになったのも、タバコを始めたのと同じ、両親が離婚した時だったんだよ、という言い訳です。
defense mechanism は「防衛機構」。
何か辛いことを撥ね退けるためのメカニズム、いやなことから自分を守るためのメカニズム、という感じですね。
いやなことをダイレクトに受け入れないで済むように、ジョークでごまかすようになった、ということです。
use humor as a defense mechanism というフレーズは以前のエピソードにも出てきました。
フレンズ2-13その3 で、
スージー: Remember the class play? You pulled up my skirt and the entire auditorium saw my underpants? (クラスのお芝居を覚えてる? あなたが私のスカートを引き上げたから、観客席全員が私のパンツを見ちゃったのよ。)
チャンドラー: Yes. Back then, I used humor as a defense mechanism. Thank God I don't do that anymore. (そうだね。あの頃は、ユーモアを防衛機構として使ってたから。もうあんなことしなくなってて良かったよ。)
チャンドラーのユーモアが防衛機構の表れであることは、フレンズにおける常識、と言ったところでしょうか。
レイチェル: Hi! Uhh, do you guys have plans for the weekend? Because I have my sister on hold, and she said that we could use her cabin for the weekend and go skiing. Huh? I'm asking you first, right?! I mean I'm playing by the rules. (はーい! えーっと、みんなは週末の予定ある? (どうしてこんなことを尋ねるかって言うと)妹との電話を保留中なんだけど、妹がこう言ったの。週末に妹のキャビンを使って、スキーに行くことができるんじゃないか、って。どう? 私はあなたたちに最初に尋ねているわよね? つまり、私はルールに従って行動しているのよ。)
みんな: Absolutely, yeah! (もちろん、イエスだよ!)
レイチェル: Chandler! You're smoking? What are you doing?! (チャンドラー! あなた、タバコを吸ってるの? 何やってるのよ?!)
チャンドラー: Hey, shut up!! You're not my real mom!! (おい、黙れよ! 君は俺の本当のママじゃないんだから!)
on hold は「保留の状態で」。
ですから、I have my sister on hold というのは、妹が「保留の状態である」という状況を私が持っている、という感じで、つまりは、電話で妹と話していて、「ちょっと待っててね」と今、妹との電話を保留状態にしている、ということでしょう。
play by the rules は「ルールに従って行動する、フェアプレーをする」。
さっきは、ロスの方が先約だったから、断られちゃったけど、週末の約束は私の方が早いでしょ? 早い者勝ちがルールなら、私はルール通りに動いて誘っていることになるわよね、という感じです。
ちょうどレイチェルに対して申し訳ないとみんなが思っていたところなので、今度は断る理由もないから、みんな大賛成しています。
後から入ってきたレイチェルにまで、喫煙をとがめられたので、「俺のほんとのママじゃないくせに!」みたいにチャンドラーは言っています。
タバコもジョークも、原因は両親の離婚だった、という話の流れから、わざと大人に叱られた子供のような言い回しを使ったのでしょうね。
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2009年01月10日
2009年01月08日
againとstill フレンズ3-17その6
[Chandler makes a noise of absolute disgust and heads into the living room.]
チャンドラーは、完全にむっとした嫌悪の声を出して、リビングに向かう。
フィービー: Ohhh boy, do I feel bad! (あぁ、なんてこと、(ほんとに)気分が悪いわ!)
ジョーイ: Oh yeah. (あぁ、そうだね。)
モニカ: Very bad. (とっても気分が悪いわ。)
[We see Chandler lighting up a cigarette.]
観客・視聴者は、チャンドラーがタバコに火をつけるのを見る。
フィービー: Chandler, what are you doing?! (チャンドラー、あなた、何やってるのよ?)
モニカ: Chandler!! (チャンドラー!)
チャンドラー: (jumps back and points at the cigarette) Oh, my God! ([後ろに飛びのいて、タバコを指差して] なんてこった!)
(makes) a noise of absolute disgust は「あぁ、なんてこった、くそっ!」という感じの音というか声ですね。
Ohhh boy, do I feel bad! について。
この do I feel bad! という語順は倒置ですね。
フレンズ2-14その21 でも触れましたが、大西泰斗先生の ハートで感じる英文法 会話編 の Lesson 4 「倒置−感情を乗せる−」の回で説明されていた「倒置の呼吸」、つまり、
倒置という「基本語順から逸脱した形」を取ることで、「感情の高まり」という「特別なニュアンス」を与える。
ということですね。
feel bad については、フレンズ3-17その2 でいろいろな意味を説明しましたが、ここでは、feel good の反対で、「気分が悪い、不愉快に思う」ということでしょう。
「レイチェルがせっかく誘ってくれたのに、それを断らないといけないなんて、いやーな気分」ということです。
レイチェルが「みんな、きっと喜ぶわ!」と思いながら、ワクワクして持ってきたお誘いだっただけに、そして、レイチェルとけんか中のロスとの先約がレイチェルの誘いを断る理由となってしまっただけに、断る側の気分は最悪、という感じなのですね。
後ろに飛びのき、タバコを指差して驚いてみせる、というなんともしらじらしいリアクション。
チャンドラーっぽいリアクションとも言えますね。
俺はいつの間にこんなものを手に持ってたんだ!という感じを出しています。
ジョーイ: You're smoking again?! (お前、またタバコを吸い始めてるのか?)
チャンドラー: Well, actually, yesterday I was smoking again. Today, I'm, I'm smoking, still. (そうだな、実際のところ、昨日、俺は前と同じように喫煙するという状態になったんだ。今日は、俺は、俺は喫煙している、昨日の状態と変わらずにね。)
フィービー: Why would you start again after chewing all that quitting gum? (ああいう禁煙ガムを噛んだ後に、どうしてまた(タバコを)始めたの?)
チャンドラー: Look, I'm telling you this is just like my parents' divorce, which is when I started smoking in the first place. (なぁ、言っとくけど、これは俺の両親の離婚と同じ感じなんだ。その両親の離婚の時に、俺は最初にタバコを吸い始めたんだよ。)
モニカ: Weren't you 9?! ([両親が離婚した時って]あなたは9歳じゃなかった?)
チャンドラー: Yeahhh. I'm tellin' ya something, that ah, first smoke after naptime.... (そうだよ。いいか。お昼寝の時間の後の最初のタバコは…)
You're smoking again?! 、つまり、You are smoking again?! と現在進行形で尋ねたジョーイに対して、実際のところは、 yesterday I was smoking again. だと返事しています。
again は「再び、また」と訳されることが多いですが、この場合は以下の語義が近いでしょうか。
研究社 新英和中辞典では、
again=元の所[状態]へ
come [go] back again 戻って来る[戻って行く]
come to life again 生き返る
get well again 病気が治る、また元気になる
ロングマン現代英英辞典では、
again [adverb]: back to the same state or situation that you were in before
つまり「人が以前にあったのと同じ状態や状況に戻る」。
何か違った状態になっていてそれが元の状態に戻る、違った所に行っていて元の場所に帰ってくる、というニュアンスの「元の状態へ」、それが again なのですね。
チャンドラーは以前にタバコを吸っていました。(フレンズ1-3その1)
それから禁煙してタバコはやめていたはずなのに、また今、「元の状態に戻って」吸っているのか?とジョーイは尋ねているのですが、厳密に言うと、again 、つまり「禁煙から喫煙の状態に戻った」のは昨日で、今日は昨日の状態が「続いている」という、I'm smoking, still. の状態なんだ、と言っているのですね。
still は、研究社 新英和中辞典では、
still=まだ、今までどおり
(still は前の動作や状態がその時なお続いている場合に用いる)
とありますので、今日、今現在こうして吸っているのは、昨日と同じ状態だ、昨日の状態が続いているんだ、ということになります。
ですから、「また吸ってるのか?」と言ったジョーイに対して、「禁煙から喫煙の状態に移る」という again という変化が起こったのは(変化が起こった時点は)昨日で、今日吸っているのは、「昨日の喫煙状態が現在も続いている」という still の状態であって、again ではないよ、という感じの言い訳です。
「なんてことをしてるんだ!」という感じで抗議っぽく言われたので、言葉の本来の厳密な定義で言うと、ジョーイの言っていることはちょっと違うよ、とジョーイの抗議のニュアンスを軽く流しているのですね。
technically speaking, stricktly speaking 「厳密に言えば、厳密に言うと」という感じでしょうか。
禁煙するために噛むガムのことを、quitting gum と言うのですね。
禁煙する、タバコをやめることは、quit smoking ですからね。
nap は「昼寝、日中の居眠り、うたた寝」。
take a nap は「昼寝する、居眠りする」ですね。
両親が離婚した時に、初めてタバコを吸った、って、離婚の時あなたは9歳だったんでしょ?とモニカは聞き返しています。
それに対して、「そうだよ、それがおかしいか?」といわんばかりに、「お昼寝の後に、最初の一服を経験したんだった」と回想しています。
「9歳で初タバコ」がほんとかどうかは知りませんが、naptime という言葉を入れることで、お昼寝するような小さな子供がタバコを吸っていた、ということを言っているのですね。
ちなみに、9歳は「お昼寝」という年齢ではないようにも思いますが…(うちの長男はもうすぐ9歳ですけど、お昼寝なんてしませんし…笑)。
ですから、「9歳なのにタバコを?! 信じられない!」みたいに驚いたモニカに対して、わざと「そうだよ。初めて吸った時は、昼寝するくらいのお子チャマだった」と大袈裟に言ってみた、9歳というイメージをさらに子供っぽくして naptime という言葉を使った、ということでしょう。
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チャンドラーは、完全にむっとした嫌悪の声を出して、リビングに向かう。
フィービー: Ohhh boy, do I feel bad! (あぁ、なんてこと、(ほんとに)気分が悪いわ!)
ジョーイ: Oh yeah. (あぁ、そうだね。)
モニカ: Very bad. (とっても気分が悪いわ。)
[We see Chandler lighting up a cigarette.]
観客・視聴者は、チャンドラーがタバコに火をつけるのを見る。
フィービー: Chandler, what are you doing?! (チャンドラー、あなた、何やってるのよ?)
モニカ: Chandler!! (チャンドラー!)
チャンドラー: (jumps back and points at the cigarette) Oh, my God! ([後ろに飛びのいて、タバコを指差して] なんてこった!)
(makes) a noise of absolute disgust は「あぁ、なんてこった、くそっ!」という感じの音というか声ですね。
Ohhh boy, do I feel bad! について。
この do I feel bad! という語順は倒置ですね。
フレンズ2-14その21 でも触れましたが、大西泰斗先生の ハートで感じる英文法 会話編 の Lesson 4 「倒置−感情を乗せる−」の回で説明されていた「倒置の呼吸」、つまり、
倒置という「基本語順から逸脱した形」を取ることで、「感情の高まり」という「特別なニュアンス」を与える。
ということですね。
feel bad については、フレンズ3-17その2 でいろいろな意味を説明しましたが、ここでは、feel good の反対で、「気分が悪い、不愉快に思う」ということでしょう。
「レイチェルがせっかく誘ってくれたのに、それを断らないといけないなんて、いやーな気分」ということです。
レイチェルが「みんな、きっと喜ぶわ!」と思いながら、ワクワクして持ってきたお誘いだっただけに、そして、レイチェルとけんか中のロスとの先約がレイチェルの誘いを断る理由となってしまっただけに、断る側の気分は最悪、という感じなのですね。
後ろに飛びのき、タバコを指差して驚いてみせる、というなんともしらじらしいリアクション。
チャンドラーっぽいリアクションとも言えますね。
俺はいつの間にこんなものを手に持ってたんだ!という感じを出しています。
ジョーイ: You're smoking again?! (お前、またタバコを吸い始めてるのか?)
チャンドラー: Well, actually, yesterday I was smoking again. Today, I'm, I'm smoking, still. (そうだな、実際のところ、昨日、俺は前と同じように喫煙するという状態になったんだ。今日は、俺は、俺は喫煙している、昨日の状態と変わらずにね。)
フィービー: Why would you start again after chewing all that quitting gum? (ああいう禁煙ガムを噛んだ後に、どうしてまた(タバコを)始めたの?)
チャンドラー: Look, I'm telling you this is just like my parents' divorce, which is when I started smoking in the first place. (なぁ、言っとくけど、これは俺の両親の離婚と同じ感じなんだ。その両親の離婚の時に、俺は最初にタバコを吸い始めたんだよ。)
モニカ: Weren't you 9?! ([両親が離婚した時って]あなたは9歳じゃなかった?)
チャンドラー: Yeahhh. I'm tellin' ya something, that ah, first smoke after naptime.... (そうだよ。いいか。お昼寝の時間の後の最初のタバコは…)
You're smoking again?! 、つまり、You are smoking again?! と現在進行形で尋ねたジョーイに対して、実際のところは、 yesterday I was smoking again. だと返事しています。
again は「再び、また」と訳されることが多いですが、この場合は以下の語義が近いでしょうか。
研究社 新英和中辞典では、
again=元の所[状態]へ
come [go] back again 戻って来る[戻って行く]
come to life again 生き返る
get well again 病気が治る、また元気になる
ロングマン現代英英辞典では、
again [adverb]: back to the same state or situation that you were in before
つまり「人が以前にあったのと同じ状態や状況に戻る」。
何か違った状態になっていてそれが元の状態に戻る、違った所に行っていて元の場所に帰ってくる、というニュアンスの「元の状態へ」、それが again なのですね。
チャンドラーは以前にタバコを吸っていました。(フレンズ1-3その1)
それから禁煙してタバコはやめていたはずなのに、また今、「元の状態に戻って」吸っているのか?とジョーイは尋ねているのですが、厳密に言うと、again 、つまり「禁煙から喫煙の状態に戻った」のは昨日で、今日は昨日の状態が「続いている」という、I'm smoking, still. の状態なんだ、と言っているのですね。
still は、研究社 新英和中辞典では、
still=まだ、今までどおり
(still は前の動作や状態がその時なお続いている場合に用いる)
とありますので、今日、今現在こうして吸っているのは、昨日と同じ状態だ、昨日の状態が続いているんだ、ということになります。
ですから、「また吸ってるのか?」と言ったジョーイに対して、「禁煙から喫煙の状態に移る」という again という変化が起こったのは(変化が起こった時点は)昨日で、今日吸っているのは、「昨日の喫煙状態が現在も続いている」という still の状態であって、again ではないよ、という感じの言い訳です。
「なんてことをしてるんだ!」という感じで抗議っぽく言われたので、言葉の本来の厳密な定義で言うと、ジョーイの言っていることはちょっと違うよ、とジョーイの抗議のニュアンスを軽く流しているのですね。
technically speaking, stricktly speaking 「厳密に言えば、厳密に言うと」という感じでしょうか。
禁煙するために噛むガムのことを、quitting gum と言うのですね。
禁煙する、タバコをやめることは、quit smoking ですからね。
nap は「昼寝、日中の居眠り、うたた寝」。
take a nap は「昼寝する、居眠りする」ですね。
両親が離婚した時に、初めてタバコを吸った、って、離婚の時あなたは9歳だったんでしょ?とモニカは聞き返しています。
それに対して、「そうだよ、それがおかしいか?」といわんばかりに、「お昼寝の後に、最初の一服を経験したんだった」と回想しています。
「9歳で初タバコ」がほんとかどうかは知りませんが、naptime という言葉を入れることで、お昼寝するような小さな子供がタバコを吸っていた、ということを言っているのですね。
ちなみに、9歳は「お昼寝」という年齢ではないようにも思いますが…(うちの長男はもうすぐ9歳ですけど、お昼寝なんてしませんし…笑)。
ですから、「9歳なのにタバコを?! 信じられない!」みたいに驚いたモニカに対して、わざと「そうだよ。初めて吸った時は、昼寝するくらいのお子チャマだった」と大袈裟に言ってみた、9歳というイメージをさらに子供っぽくして naptime という言葉を使った、ということでしょう。
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2009年01月06日
理由を説明する「ただ…なだけなんだ」 フレンズ3-17その5
[Scene: Chandler and Joey's, the whole gang is there, except for Ross and Rachel. Joey is trying to eat Chinese with chopsticks and fails miserably. There’s a knock on the door, and Chandler answers it to reveal Rachel]
チャンドラーとジョーイの部屋。ロスとレイチェルを除いて、フレンズ全員がそこにいる。ジョーイは箸を使って中華を食べようと試みているが、無惨にも失敗する。ドアをノックする音、チャンドラーがそれに応えると、レイチェルが現れる[レイチェルだとわかる]。
レイチェル: (softly) Is he here? ([そっと] 彼はここにいる?)
チャンドラー: No. (いいや。)
レイチェル: Oh. (smiles) Here's your moisturizer. Hi! (あぁ。[にっこりして] これ、あなたのモイスチャーローションよ。[モニカたちに]はーい!)
モニカ&フィービー: Hey! (はーい!)
レイチェル: You guys are gonna love meee! Okay, check it out, Thursday night, five tickets, Calvin Klein lingerie show, and you guys are coming with me. (they're all silent and look away) Okay, I said that out loud, right? (あなたたち、私を大好きになるわよ! ねぇ、聞いて。木曜日の夜、5枚のチケット、カルバン・クラインのランジェリー・ショー、そしてあなたたちは、私と一緒に出席するのよ。[フレンズたちは全員黙っていて、目をそらす。] うーん、私は今のセリフ、声に出して言ったわよね?)
チャンドラー: Yes, yes, it's just that we ah, we kinda already... made plans with Ross. (うん、うん(聞こえたよ)。ただ、俺たちは、その、すでに…ロスと計画を立ててたんだ。)
レイチェル: Oh, well okay. Well, there you go. (あぁ、そうなの。いいわ。そうね、それは良かったわ。)
フィービー: No, it's just that he got this new, like, home theater dealy, and he wants y'know, us to check it out. (違うの。ただ、ロスは新しい、ほら、ホームシアターなんとか(ってやつ)を買ったのよ。それで、私たちにそれを見てもらいたい、って。)
レイチェル: Hm-mm. (ふーん。)
チャンドラー: Yeah, he's really excited about it too, he even recorded showtimes on his answering machine. (そうなんだ。ロスもそれにものすごくワクワクしていて、自分の留守電に開始時刻を録音してさえいたんだよ。)
レイチェル: Ohh! (まぁ!)
モニカ: We're sorry, honey. (ごめんなさい、ハニー。)
レイチェル: Oh, it's okay. (starts to leave) (あぁ、いいのよ。[立ち去ろうとする])
ジョーイ: Rach, it's, it's ah, it's not that we don't want to. Really. (quietly) Are we talking models in their underwear? (レイチェル、俺たち、行きたくない、っていうんじゃないんだ。本当に。[静かに] 下着を着たモデルの話をしてるんだよな?)
レイチェル: And heels. (それからヒールもね。)
ジョーイ: (He turns around to Chandler looking for approval to go with Rachel, Chandler mouths 'Come on!') (turning back to Rachel) Ross did ask us first, and we set that night aside. ([レイチェルと一緒に行くことができるという許可を期待しながらジョーイはチャンドラーの方を振り返るが、チャンドラーは声には出さずに口の動きで「やめろ!」と言う。] [レイチェルの方に向き直り] ロスは俺たちに先に尋ねたんだ。だから、俺たちはその夜の時間をそのために取っておいたんだ[他の予定を入れないようにしていたんだ]。)
レイチェル: No, hey, come on, if he asked you first, that's only fair. (leaves) (いいのよ。ねぇ、もしロスがあなたたちを最初に誘ったなら、それはまさにフェアーだわ。[立ち去る])
ジョーイがお箸を使っている時のト書きの fail miserably は、英辞郎では、
fail miserably=無惨にも失敗する、ひどく失敗する
と出ています。
これはコロケーションとして覚えてもいいのかもしれませんね。
見ている人が「へたくそ!」と言いたくなるような感じの失敗です。
このように中華のテイクアウトをお箸を使って食べているシーンがフレンズにはよく出てきますが、日本人が想像するより、みんなお箸の使い方が上手です。(今回ジョーイは失敗していましたが…)
フレンズ1-1その2 でもちょっと触れたのですが、日本人はすぐに "Can you use chopsticks?" 「お箸使えますか?」と尋ねてくるので、アメリカ人はその質問にはいい加減うんざりしている、という話を聞いたことがあるのですが…本当にそうですか? ネイティブの方々?(笑)
まだ、「 moisturizer ネタ」が続いているのがおかしいですね。
にっこりして「貸してくれてありがとう」と返すレイチェルに、「みんなの前で返すなよ!」とあせるチャンドラーに笑えます。
You guys are gonna love meee! について。
meee は、「ミィ〜〜」という感じで、me を強調してしゃべっているので、ネットスクリプトではわざとこんな綴りで書かれています。
DVD英語字幕では、普通に me と書いてあるのですが。
ちなみに、ネットスクリプトでは、強調の so を sooo と書いたりしてあることがよくあって、そういう表記に慣れない方にとっては、「何だこの単語は?!」と悩む原因になりはしないかと、少々心配にもなります。
慣れてくると、「あぁ、確かにこういう表記の感じだな」とも思えるようになり楽しいですが。
You guys are gonna love meee! は、「このままの流れでいくと、今から私が話す内容を聞いたら、きっと私が好きになるわ。」という感じですね。
みんながきっと喜ぶと確信しているニュースを持っている、ということで、今からすっごく良いニュースを言うから、みんな期待して聞いててね、という予告です。
それを聞いた後、"Wow, I love you!" とみんながレイチェルにハグして喜ぶ様子が想像できるような、素敵なお知らせ、という感じです。
予告通り、「カルバン・クラインのランジェリー・ショーにみんなをご招待!」なのに、みんな沈黙しています。
それで、"I said that out loud, right?" 「今のは声に出して言ったわよね。今の聞こえた?」と言っているのですね。
it's just that は、「ただ…というだけだ」みたいなニュアンス。
just には「ただ…だけ」という意味がありますので、「ただ、that 以下の事情があるだけなんだ。」ということです。
チャンドラーも、フィービーもそのフレーズを使っています。
ロングマン現代英英辞典にもちゃんと説明が載っていました。
(spoken) it's just that: used when explaining the reason for something, especially when someone thinks there is a different reason
例) No, I do like Chinese food, it's just that I'm not hungry.
つまり、「何かに対する理由を説明する時に使う。特に、別の理由があると誰かが思う時に。」
例文は、「いや、俺は中華料理は好きなんだよ。ただ、腹が減ってない、っていうだけなんだ。」
チャンドラーやフィービーがこのフレーズを使っているのも、「レイチェルが考えているような理由から断るんじゃないんだ」ということが言いたいからですね。
フィービーが、"No, it's just that...." と、No. を使っているのも、「あなたが考えているような理由じゃないのよ、ただこういう理由なのよ」と、「理由は別のところにある」ことを一生懸命説明している感じが出ているように思います。
せっかくレイチェルが誘ってくれたのに反応しないのは、「ロスとの先約があるから」「ロスがそれをとても見せたがっているから」という別の理由があって、決して「レイチェルの誘いがつまらないものだから、それに興味がないから」とか、「レイチェルが大事な人じゃないから」とかで断るんじゃないんだ、ということですね。
dealy という単語、辞書に載っていないのですが、deal の変形でしょうかね?
Urban Dictionary には載っていました。
Urban Dictionary: dealy
その語義をざっと見てみると、「名前のよくわからないものを指す」みたいな感じです。
home theater system とか、home theater set とか、そういう感じのことを言いたいけれど、どういう単語を使ったらいいかわからないので、dealy とぼかしている、という感じなんでしょうねぇ?
home theater なので、でっかいテレビとすごいスピーカーの音響システムなどが何がしかのセットになっている、そういうものをひっくるめて、dealy と表現した、ということだろうと思います。
showtime は、ロングマン現代英英辞典では、
showtime: [uncountable]
1. the time that a play or film will begin in a theatre or cinema
2. (American English informal) the time when an activity should begin
つまり、1. は「劇や映画が、劇場や映画館で始まる時間」、2. は「ある活動が開始すべき時間」。
元々は、劇や映画で使われていた用語が、他の出来事の開始時刻を言うのにも使われるようになった、ということですね。
「ロスの留守電に録音」ということは、チャンドラーが留守の時に、チャンドラーの留守電に向かってロスが開始時間を言ったのではなくて、ロスの電話の留守電応答メッセージに録音されていた、ということでしょうね。
「こちらはロスです。ただ今出かけています。メッセージのある方はピーと言う音の後に…」などと言った後、「なお、僕の新しいホームシアターお披露目会は、木曜日○○時からです!」みたいな感じでメッセージが録音されていた、ということだろうと。
it's ah, it's not that we don't want to. の it's not that は、it's just that の否定バージョンで、「that 以下ということじゃない。that 以下というわけじゃない。」ということですね。
今回出てきた、It's just that 「ただ…なだけなんだ」、It's not that 「…っていうわけじゃないんだ」は、実際の会話で大いに使える便利な表現です。
Are we talking models in their underwear? について。
この talk は前置詞を取らずに目的語(models)が来ていますので、他動詞でしょうか?
talk は基本的に自動詞だと思うのですが、研究社 新英和中辞典には、他動詞の用法も載っています。
talk=(他動詞)(…のことを)語る
例) We talked politics for a long time. 我々は長時間政治を論じ合った。
この talk をその他動詞だと考えると、「俺たちは今、下着を着たモデルのことを語っている?」みたいなことになりますね。
それはつまり、ランジェリー・ショーに出てくるモデルっていうのは、当然のことながら下着を着たモデルさんなんだよね、ということを確認しているセリフ、ということでしょう。
ですから、talk を自動詞として表現すると、Are we talking about models in their underwear? みたいに about が入る感じかな?と思います。
最初に "Are we talking models in their underwear?" を聞いた時は、talking to のイメージかと思いました。
「俺たちは(ショーを見に行ったら)下着のモデルと話をする予定なの?、話をすることができるの?」みたいなニュアンスかと思ったのです。
が、ショーに行くことが決まっている場合は、「すでに決まっている予定」として、現在進行形を使うことは可能ですが、今回は行かないことが(ほぼ)決定しているので、「もし行けたとしたら、下着のモデルと話ができるのかなぁ?」ということを言いたい場合には、このように現在進行形は使えない気がするのです。
そしてやっぱり「モデルと話す」だと、to とか、with などの前置詞が必要だと思うのですね。
ですから、やはり「今の話題」について語っている現在進行形なんだろうな、「talk about の意味の他動詞 talk 」なんだろうな、と思います。
下着姿でヒールをはいたモデルたち!?と聞いて、ジョーイは素直にあきらめることができません。
look for は「…を探す」ですが、そこから「…を予期する、期待する」という意味もあります。
この場合は、チャンドラーがジョーイに行くことを促す顔、つまり「そんなに行きたきゃ行ってもいいよ」みたいな顔をしてくれるのを期待して、チャンドラーの方を振り向いた、ということですね。
Come on! にはいろいろなニュアンスがありますが、ここでは、「そんなことはだめだ、よせ、やめろ。ばかな。」みたいな否定のニュアンスですね。
did ask us first と、did という過去形を使って、ロスが「実際に先に ask してきた」ことを強調しています。
set aside は「…を脇に置く、取りのけておく」「(金・時間などを)(…のために)取っておく」ということですから、「時間を取っておく、予定を空けておく、そこには別の予定を入れないようによけておく」という感じですね。
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チャンドラーとジョーイの部屋。ロスとレイチェルを除いて、フレンズ全員がそこにいる。ジョーイは箸を使って中華を食べようと試みているが、無惨にも失敗する。ドアをノックする音、チャンドラーがそれに応えると、レイチェルが現れる[レイチェルだとわかる]。
レイチェル: (softly) Is he here? ([そっと] 彼はここにいる?)
チャンドラー: No. (いいや。)
レイチェル: Oh. (smiles) Here's your moisturizer. Hi! (あぁ。[にっこりして] これ、あなたのモイスチャーローションよ。[モニカたちに]はーい!)
モニカ&フィービー: Hey! (はーい!)
レイチェル: You guys are gonna love meee! Okay, check it out, Thursday night, five tickets, Calvin Klein lingerie show, and you guys are coming with me. (they're all silent and look away) Okay, I said that out loud, right? (あなたたち、私を大好きになるわよ! ねぇ、聞いて。木曜日の夜、5枚のチケット、カルバン・クラインのランジェリー・ショー、そしてあなたたちは、私と一緒に出席するのよ。[フレンズたちは全員黙っていて、目をそらす。] うーん、私は今のセリフ、声に出して言ったわよね?)
チャンドラー: Yes, yes, it's just that we ah, we kinda already... made plans with Ross. (うん、うん(聞こえたよ)。ただ、俺たちは、その、すでに…ロスと計画を立ててたんだ。)
レイチェル: Oh, well okay. Well, there you go. (あぁ、そうなの。いいわ。そうね、それは良かったわ。)
フィービー: No, it's just that he got this new, like, home theater dealy, and he wants y'know, us to check it out. (違うの。ただ、ロスは新しい、ほら、ホームシアターなんとか(ってやつ)を買ったのよ。それで、私たちにそれを見てもらいたい、って。)
レイチェル: Hm-mm. (ふーん。)
チャンドラー: Yeah, he's really excited about it too, he even recorded showtimes on his answering machine. (そうなんだ。ロスもそれにものすごくワクワクしていて、自分の留守電に開始時刻を録音してさえいたんだよ。)
レイチェル: Ohh! (まぁ!)
モニカ: We're sorry, honey. (ごめんなさい、ハニー。)
レイチェル: Oh, it's okay. (starts to leave) (あぁ、いいのよ。[立ち去ろうとする])
ジョーイ: Rach, it's, it's ah, it's not that we don't want to. Really. (quietly) Are we talking models in their underwear? (レイチェル、俺たち、行きたくない、っていうんじゃないんだ。本当に。[静かに] 下着を着たモデルの話をしてるんだよな?)
レイチェル: And heels. (それからヒールもね。)
ジョーイ: (He turns around to Chandler looking for approval to go with Rachel, Chandler mouths 'Come on!') (turning back to Rachel) Ross did ask us first, and we set that night aside. ([レイチェルと一緒に行くことができるという許可を期待しながらジョーイはチャンドラーの方を振り返るが、チャンドラーは声には出さずに口の動きで「やめろ!」と言う。] [レイチェルの方に向き直り] ロスは俺たちに先に尋ねたんだ。だから、俺たちはその夜の時間をそのために取っておいたんだ[他の予定を入れないようにしていたんだ]。)
レイチェル: No, hey, come on, if he asked you first, that's only fair. (leaves) (いいのよ。ねぇ、もしロスがあなたたちを最初に誘ったなら、それはまさにフェアーだわ。[立ち去る])
ジョーイがお箸を使っている時のト書きの fail miserably は、英辞郎では、
fail miserably=無惨にも失敗する、ひどく失敗する
と出ています。
これはコロケーションとして覚えてもいいのかもしれませんね。
見ている人が「へたくそ!」と言いたくなるような感じの失敗です。
このように中華のテイクアウトをお箸を使って食べているシーンがフレンズにはよく出てきますが、日本人が想像するより、みんなお箸の使い方が上手です。(今回ジョーイは失敗していましたが…)
フレンズ1-1その2 でもちょっと触れたのですが、日本人はすぐに "Can you use chopsticks?" 「お箸使えますか?」と尋ねてくるので、アメリカ人はその質問にはいい加減うんざりしている、という話を聞いたことがあるのですが…本当にそうですか? ネイティブの方々?(笑)
まだ、「 moisturizer ネタ」が続いているのがおかしいですね。
にっこりして「貸してくれてありがとう」と返すレイチェルに、「みんなの前で返すなよ!」とあせるチャンドラーに笑えます。
You guys are gonna love meee! について。
meee は、「ミィ〜〜」という感じで、me を強調してしゃべっているので、ネットスクリプトではわざとこんな綴りで書かれています。
DVD英語字幕では、普通に me と書いてあるのですが。
ちなみに、ネットスクリプトでは、強調の so を sooo と書いたりしてあることがよくあって、そういう表記に慣れない方にとっては、「何だこの単語は?!」と悩む原因になりはしないかと、少々心配にもなります。
慣れてくると、「あぁ、確かにこういう表記の感じだな」とも思えるようになり楽しいですが。
You guys are gonna love meee! は、「このままの流れでいくと、今から私が話す内容を聞いたら、きっと私が好きになるわ。」という感じですね。
みんながきっと喜ぶと確信しているニュースを持っている、ということで、今からすっごく良いニュースを言うから、みんな期待して聞いててね、という予告です。
それを聞いた後、"Wow, I love you!" とみんながレイチェルにハグして喜ぶ様子が想像できるような、素敵なお知らせ、という感じです。
予告通り、「カルバン・クラインのランジェリー・ショーにみんなをご招待!」なのに、みんな沈黙しています。
それで、"I said that out loud, right?" 「今のは声に出して言ったわよね。今の聞こえた?」と言っているのですね。
it's just that は、「ただ…というだけだ」みたいなニュアンス。
just には「ただ…だけ」という意味がありますので、「ただ、that 以下の事情があるだけなんだ。」ということです。
チャンドラーも、フィービーもそのフレーズを使っています。
ロングマン現代英英辞典にもちゃんと説明が載っていました。
(spoken) it's just that: used when explaining the reason for something, especially when someone thinks there is a different reason
例) No, I do like Chinese food, it's just that I'm not hungry.
つまり、「何かに対する理由を説明する時に使う。特に、別の理由があると誰かが思う時に。」
例文は、「いや、俺は中華料理は好きなんだよ。ただ、腹が減ってない、っていうだけなんだ。」
チャンドラーやフィービーがこのフレーズを使っているのも、「レイチェルが考えているような理由から断るんじゃないんだ」ということが言いたいからですね。
フィービーが、"No, it's just that...." と、No. を使っているのも、「あなたが考えているような理由じゃないのよ、ただこういう理由なのよ」と、「理由は別のところにある」ことを一生懸命説明している感じが出ているように思います。
せっかくレイチェルが誘ってくれたのに反応しないのは、「ロスとの先約があるから」「ロスがそれをとても見せたがっているから」という別の理由があって、決して「レイチェルの誘いがつまらないものだから、それに興味がないから」とか、「レイチェルが大事な人じゃないから」とかで断るんじゃないんだ、ということですね。
dealy という単語、辞書に載っていないのですが、deal の変形でしょうかね?
Urban Dictionary には載っていました。
Urban Dictionary: dealy
その語義をざっと見てみると、「名前のよくわからないものを指す」みたいな感じです。
home theater system とか、home theater set とか、そういう感じのことを言いたいけれど、どういう単語を使ったらいいかわからないので、dealy とぼかしている、という感じなんでしょうねぇ?
home theater なので、でっかいテレビとすごいスピーカーの音響システムなどが何がしかのセットになっている、そういうものをひっくるめて、dealy と表現した、ということだろうと思います。
showtime は、ロングマン現代英英辞典では、
showtime: [uncountable]
1. the time that a play or film will begin in a theatre or cinema
2. (American English informal) the time when an activity should begin
つまり、1. は「劇や映画が、劇場や映画館で始まる時間」、2. は「ある活動が開始すべき時間」。
元々は、劇や映画で使われていた用語が、他の出来事の開始時刻を言うのにも使われるようになった、ということですね。
「ロスの留守電に録音」ということは、チャンドラーが留守の時に、チャンドラーの留守電に向かってロスが開始時間を言ったのではなくて、ロスの電話の留守電応答メッセージに録音されていた、ということでしょうね。
「こちらはロスです。ただ今出かけています。メッセージのある方はピーと言う音の後に…」などと言った後、「なお、僕の新しいホームシアターお披露目会は、木曜日○○時からです!」みたいな感じでメッセージが録音されていた、ということだろうと。
it's ah, it's not that we don't want to. の it's not that は、it's just that の否定バージョンで、「that 以下ということじゃない。that 以下というわけじゃない。」ということですね。
今回出てきた、It's just that 「ただ…なだけなんだ」、It's not that 「…っていうわけじゃないんだ」は、実際の会話で大いに使える便利な表現です。
Are we talking models in their underwear? について。
この talk は前置詞を取らずに目的語(models)が来ていますので、他動詞でしょうか?
talk は基本的に自動詞だと思うのですが、研究社 新英和中辞典には、他動詞の用法も載っています。
talk=(他動詞)(…のことを)語る
例) We talked politics for a long time. 我々は長時間政治を論じ合った。
この talk をその他動詞だと考えると、「俺たちは今、下着を着たモデルのことを語っている?」みたいなことになりますね。
それはつまり、ランジェリー・ショーに出てくるモデルっていうのは、当然のことながら下着を着たモデルさんなんだよね、ということを確認しているセリフ、ということでしょう。
ですから、talk を自動詞として表現すると、Are we talking about models in their underwear? みたいに about が入る感じかな?と思います。
最初に "Are we talking models in their underwear?" を聞いた時は、talking to のイメージかと思いました。
「俺たちは(ショーを見に行ったら)下着のモデルと話をする予定なの?、話をすることができるの?」みたいなニュアンスかと思ったのです。
が、ショーに行くことが決まっている場合は、「すでに決まっている予定」として、現在進行形を使うことは可能ですが、今回は行かないことが(ほぼ)決定しているので、「もし行けたとしたら、下着のモデルと話ができるのかなぁ?」ということを言いたい場合には、このように現在進行形は使えない気がするのです。
そしてやっぱり「モデルと話す」だと、to とか、with などの前置詞が必要だと思うのですね。
ですから、やはり「今の話題」について語っている現在進行形なんだろうな、「talk about の意味の他動詞 talk 」なんだろうな、と思います。
下着姿でヒールをはいたモデルたち!?と聞いて、ジョーイは素直にあきらめることができません。
look for は「…を探す」ですが、そこから「…を予期する、期待する」という意味もあります。
この場合は、チャンドラーがジョーイに行くことを促す顔、つまり「そんなに行きたきゃ行ってもいいよ」みたいな顔をしてくれるのを期待して、チャンドラーの方を振り向いた、ということですね。
Come on! にはいろいろなニュアンスがありますが、ここでは、「そんなことはだめだ、よせ、やめろ。ばかな。」みたいな否定のニュアンスですね。
did ask us first と、did という過去形を使って、ロスが「実際に先に ask してきた」ことを強調しています。
set aside は「…を脇に置く、取りのけておく」「(金・時間などを)(…のために)取っておく」ということですから、「時間を取っておく、予定を空けておく、そこには別の予定を入れないようによけておく」という感じですね。
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2009年01月04日
わかりました、殿下 フレンズ3-17その4
チャンドラー: Y'know what, maybe it's gonna be okay, I mean, it's been a week. (なぁ、多分、大丈夫だよ。だって、まだ1週間だぞ。)
ジョーイ: Yeah, it's never taken me more than a week to get over a relationship. (あぁ。(男女)関係(の問題)を克服するのに俺が1週間以上かかった経験はこれまでないよ。)
モニカ: It's never taken you more than a shower to get over a relationship. (あなたの場合は、関係(の問題)を克服するのに、シャワー1回分以上かかったことないでしょ。)
it's been a week. は「現在の時点までで1週間」で、It's been a week since they broke up. ということですね。
まだ1週間しか経ってないぞ、そのうち仲直りするさ、ということです。
get over は「乗り越える、克服する、打ち勝つ、立ち直る」。
ロングマン現代英英辞典では、
get over: UNPLEASANT EXPERIENCE
get over something
to begin to feel better after a very upsetting experience
つまり、「非常に動揺させるような経験の後で、気分が前よりよくなること」。
チャンドラーの「まだ1週間だ」に対応するセリフなので、get over a relationship は、「男女の恋愛関係の問題を克服する」というような意味だと思います。
get over a relationship という表現を最初聞いた時、「きっちり別れてケリをつけ、別れ・別離を克服する」ようなイメージに聞こえたのですが、フレンズの誰もがロスとレイチェルが別れることを望んでいないので、ここではやはり、「今、喧嘩しているという悪い状態・状況を克服する」、つまり「また、よりを戻す」という意味だろうと思います。
to get back together ならはっきりと「よりを戻す」と言っていることになりますが、ジョーイの get over a relationship という言い方だと、「別れがドロ沼になっていて、それから早く抜け出したい、きっぱり別れたい場合」、「二人の気持ちが行き違いになっていて、早く上手に仲直りしたい場合」のどちらも使えるような気がしました。
ジョーイが「俺なら1週間もかからない」というのに対して、モニカは「1週間どころか、シャワー1回分もかからないくせに」と言っています。
シャワーを浴びるのは数分のことなので、ジョーイの場合はそんなことで数日も悩んだりしないでしょ、ということです。
男女の恋愛において、シャワーというのは、エッチの後に浴びるイメージがあるでしょうか?
ジョーイのようなプレイボーイの場合、相手と寝た後、その後シャワーを浴びている間にその人のことはどうでもよくなってしまって、何の後腐れもない、みたいなことをモニカは言いたいのかもしれません。
[Rachel enters.]
レイチェルが入ってくる。
モニカ: (seeing her) Okay, let's go!! Let's hit the road!! ([レイチェルを見て] よし、行きましょう! 出発しましょう!)
レイチェル: Hey! (はーい[と挨拶する]。)
モニカ: Let's get the show on it! (計画を開始しましょう!)
レイチェル: Okay, let me just get a cup of coffee. (わかった。ちょっとコーヒーを1杯飲ませて。)
モニカ: Oh Rachel, I know the best coffee house and it’s sooo close. (まぁ、レイチェル。私は最高のコーヒーハウスを知ってるの、すごーく近くなのよ。)
レイチェル: Closer than here? (ここよりも近いの?)
フィービー: (turning around and picking a cup off of a table) Oh, hey, look, I found coffee! (handing her the cup) Okay, let's skedaddle. ([振り返って、テーブルからカップを1つ取り上げる] あぁ、ねぇ、見て。コーヒーを見つけたわ! [レイチェルにそのカップを手渡す] さぁ、ずらかろう。)
レイチェル: Wait, I'm not just gonna drink somebody's old coffee. (待って。私は誰かの古い[飲みさしの]コーヒーを飲むつもりはないわよ。)
フィービー: Okay, Your Highness. (わかりました、殿下。)
hit the road は「出発する、立ち去る」。
フレンズ2-22その22 でも、
レイチェルママ: Alright, Monica dear, I'm gonna hit the road. (モニカ、もう行くわね。)
というセリフがありました。
get the show on it ですが、get the show on the road という表現があるようです。
get the show on the road は、「計画・仕事などを始める、仕事に取りかかる、活動を開始する」という意味。
ショーを道に乗せる、つまり、何かの計画を軌道に乗せる、というようなニュアンスでしょうか。
ロングマン現代英英辞典では、以下のように載っています。
let's get this show on the road: (spoken) used to tell people it is time to start working or start a journey
つまり、「仕事を始める、または旅を始める時間だと人に言うために使われる(表現)」。
その前のセリフで、hit the road という言葉を使っており、今回も同じ the road という言葉を使うイディオムなので、2回目は it と表現しているようですね。
このモニカの一連のセリフ、Let's go! だけなら普通ですが、あとの2つはちょっと表現が「わざとらしくて大袈裟」ということだと思います。
「行こう、出発よ、計画開始よ!」と言って、ここからすぐに立ち去ることを促しているのですが、イディオムを使うことで、大仰しい感じを出している、「さぁ、素晴らしい計画のために、これから張り切って出発しましょう!、いざ出陣!、出発進行!」みたいに、普段使わないような表現を使って必要以上に盛り上げようとしている、その勢いでさっさとここを出ちゃおう、と思っているモニカの気持ちが見て取れるセリフなのかな、と思いました。
今、モニカたちがいるセントラルパークはコーヒーハウスなので、その店の中で、I know the best coffee house and it's sooo close. 「最高のコーヒーハウスを知ってる、すごく近くなの。」と周りの人に聞こえるような声で言ってしまっていいのかしら?と思ったりしたのですが…(笑)。
レイチェルは「近くもなにも、今、私たちはコーヒーハウス内にいるでしょ。近くにわざわざ行かなくても、ここで飲んでいけばいいじゃない。」と言っているのですね。
let's skedaddle について。
skedaddle は、研究社 新英和中辞典では、
skedaddle=(動)(自)(口語) 急いで[あわてて]逃げる、逃走する
見慣れない単語なので、フィービーの造語かと思ったら、上に挙げた研究社の辞書にも、英辞郎にもちゃんと載ってました(笑)。
でも、ネットスクリプトでは、let's scidaddle. と書いてあったので、ネイティブにとっても、それほどなじみの単語ではないのかもしれません。
スケダードルみたいに、ダにアクセントが来ますね。
ロングマン現代英英辞典では、
skedaddle: [intransitive] (spoken) to leave a place quickly, especially because you do not want to be caught - used humorously
つまり、「ある場所を素早く離れる、特に捕まえられたくないという理由で。ユーモラスに使われる」。
used humorously というのがポイントでしょうか。
日本語で言うと、「とっととずらかろう」みたいな感じかな、と思いました。
highness は、high の名詞形で「高いこと、高さ、高位」。
そこから、皇族に対する敬称や呼び掛けとして使われ「殿下」という意味になります。
Your Highness は2人称として使われますので、このフィービーのセリフでは、レイチェルに対して「殿下」と言っていることになりますね。
人の飲みさしのコーヒーは飲まない、と言ったレイチェルのことを、「あなたはそういうものは飲めない高貴な方なのね。」という感じで、「殿下」と呼びかけた、ということです。
日本語でも「上から目線の人」「態度のでかい人」に対して、「お前は何様のつもりだ?」みたいに言うことがありますが、今回はそこまで喧嘩を売っていないにしても、「高貴なお方である殿下に、わたくしは無礼なことを申し上げましたわね。」みたいなニュアンスを込めたようです。
[Ross enters behind Rachel, and look at each other for a moment.]
ロスがレイチェルの後ろに入ってくる、お互いをしばらく見る。
フィービー: (in a deep voice, imitating Ross) "Um, Rachel I'm really sorry." (imitating Rachel) "That's okay, Ross. Wanna get back together?" (imitating Ross) "Yeah, okay." (in her normal voice) Did anyone else hear that?! ([ロスを真似しながら、太い・低い声で] 「あぁ、レイチェル。本当にごめんよ。」 [レイチェルを真似しながら] 「いいのよ、ロス。よりを戻したい?」 [ロスを真似しながら] 「あぁ、いいよ。」 [フィービーの通常のいつもの声で] 他の人も誰か今の聞こえた?)
OPENING CREDITS
レイチェルがまだいる時にロスが入ってきたので、出会ってしまって気まずい二人。
そこで、フィービーが一人芝居を始めます。
声色や言い方が全く似ていない、いい加減な物真似なのに笑えますね。
Did anyone else hear that?! で、anyone else が使われているのは、「私以外の誰かにもそれが聞こえた?」ということですね。
誰が見ても、フィービーがしゃべっていたのはバレバレなのに、さも自分がしゃべったのではないように、「今、ロスとレイチェルの声が”私には聞こえた”けど、”他にも誰か”聞こえた人がいる?」と言っているのですね。
そのように言うことで、「今しゃべったのは私ではない」ということを示唆、主張しているわけですが。
フレンズ3-5その4 では、
チャンドラー: Does anyone else think David Copperfield's cute? (デビッド・カッパーフィールドがキュートだと思う人は他にもいる?)
というセリフもありました。
この場合はジャニスがそう思っている、ということだったのですが、チャンドラーがそう思っているように(わざと)誤解されていましたね。
ロスとレイチェル、それを見ているフレンズたちの気まずさを解消する方法としては、あまり役に立たない方法ですが、それでも、フィービーが二人がよりを戻すことを願っているというのは、このセリフからもわかります。
ロスとレイチェルもそれには気付いているでしょうが、それでも簡単には仲直りできないほど、今回の喧嘩はこじれにこじれているのが悲しいですね。
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モニカ: It's never taken you more than a shower to get over a relationship. (あなたの場合は、関係(の問題)を克服するのに、シャワー1回分以上かかったことないでしょ。)
it's been a week. は「現在の時点までで1週間」で、It's been a week since they broke up. ということですね。
まだ1週間しか経ってないぞ、そのうち仲直りするさ、ということです。
get over は「乗り越える、克服する、打ち勝つ、立ち直る」。
ロングマン現代英英辞典では、
get over: UNPLEASANT EXPERIENCE
get over something
to begin to feel better after a very upsetting experience
つまり、「非常に動揺させるような経験の後で、気分が前よりよくなること」。
チャンドラーの「まだ1週間だ」に対応するセリフなので、get over a relationship は、「男女の恋愛関係の問題を克服する」というような意味だと思います。
get over a relationship という表現を最初聞いた時、「きっちり別れてケリをつけ、別れ・別離を克服する」ようなイメージに聞こえたのですが、フレンズの誰もがロスとレイチェルが別れることを望んでいないので、ここではやはり、「今、喧嘩しているという悪い状態・状況を克服する」、つまり「また、よりを戻す」という意味だろうと思います。
to get back together ならはっきりと「よりを戻す」と言っていることになりますが、ジョーイの get over a relationship という言い方だと、「別れがドロ沼になっていて、それから早く抜け出したい、きっぱり別れたい場合」、「二人の気持ちが行き違いになっていて、早く上手に仲直りしたい場合」のどちらも使えるような気がしました。
ジョーイが「俺なら1週間もかからない」というのに対して、モニカは「1週間どころか、シャワー1回分もかからないくせに」と言っています。
シャワーを浴びるのは数分のことなので、ジョーイの場合はそんなことで数日も悩んだりしないでしょ、ということです。
男女の恋愛において、シャワーというのは、エッチの後に浴びるイメージがあるでしょうか?
ジョーイのようなプレイボーイの場合、相手と寝た後、その後シャワーを浴びている間にその人のことはどうでもよくなってしまって、何の後腐れもない、みたいなことをモニカは言いたいのかもしれません。
[Rachel enters.]
レイチェルが入ってくる。
モニカ: (seeing her) Okay, let's go!! Let's hit the road!! ([レイチェルを見て] よし、行きましょう! 出発しましょう!)
レイチェル: Hey! (はーい[と挨拶する]。)
モニカ: Let's get the show on it! (計画を開始しましょう!)
レイチェル: Okay, let me just get a cup of coffee. (わかった。ちょっとコーヒーを1杯飲ませて。)
モニカ: Oh Rachel, I know the best coffee house and it’s sooo close. (まぁ、レイチェル。私は最高のコーヒーハウスを知ってるの、すごーく近くなのよ。)
レイチェル: Closer than here? (ここよりも近いの?)
フィービー: (turning around and picking a cup off of a table) Oh, hey, look, I found coffee! (handing her the cup) Okay, let's skedaddle. ([振り返って、テーブルからカップを1つ取り上げる] あぁ、ねぇ、見て。コーヒーを見つけたわ! [レイチェルにそのカップを手渡す] さぁ、ずらかろう。)
レイチェル: Wait, I'm not just gonna drink somebody's old coffee. (待って。私は誰かの古い[飲みさしの]コーヒーを飲むつもりはないわよ。)
フィービー: Okay, Your Highness. (わかりました、殿下。)
hit the road は「出発する、立ち去る」。
フレンズ2-22その22 でも、
レイチェルママ: Alright, Monica dear, I'm gonna hit the road. (モニカ、もう行くわね。)
というセリフがありました。
get the show on it ですが、get the show on the road という表現があるようです。
get the show on the road は、「計画・仕事などを始める、仕事に取りかかる、活動を開始する」という意味。
ショーを道に乗せる、つまり、何かの計画を軌道に乗せる、というようなニュアンスでしょうか。
ロングマン現代英英辞典では、以下のように載っています。
let's get this show on the road: (spoken) used to tell people it is time to start working or start a journey
つまり、「仕事を始める、または旅を始める時間だと人に言うために使われる(表現)」。
その前のセリフで、hit the road という言葉を使っており、今回も同じ the road という言葉を使うイディオムなので、2回目は it と表現しているようですね。
このモニカの一連のセリフ、Let's go! だけなら普通ですが、あとの2つはちょっと表現が「わざとらしくて大袈裟」ということだと思います。
「行こう、出発よ、計画開始よ!」と言って、ここからすぐに立ち去ることを促しているのですが、イディオムを使うことで、大仰しい感じを出している、「さぁ、素晴らしい計画のために、これから張り切って出発しましょう!、いざ出陣!、出発進行!」みたいに、普段使わないような表現を使って必要以上に盛り上げようとしている、その勢いでさっさとここを出ちゃおう、と思っているモニカの気持ちが見て取れるセリフなのかな、と思いました。
今、モニカたちがいるセントラルパークはコーヒーハウスなので、その店の中で、I know the best coffee house and it's sooo close. 「最高のコーヒーハウスを知ってる、すごく近くなの。」と周りの人に聞こえるような声で言ってしまっていいのかしら?と思ったりしたのですが…(笑)。
レイチェルは「近くもなにも、今、私たちはコーヒーハウス内にいるでしょ。近くにわざわざ行かなくても、ここで飲んでいけばいいじゃない。」と言っているのですね。
let's skedaddle について。
skedaddle は、研究社 新英和中辞典では、
skedaddle=(動)(自)(口語) 急いで[あわてて]逃げる、逃走する
見慣れない単語なので、フィービーの造語かと思ったら、上に挙げた研究社の辞書にも、英辞郎にもちゃんと載ってました(笑)。
でも、ネットスクリプトでは、let's scidaddle. と書いてあったので、ネイティブにとっても、それほどなじみの単語ではないのかもしれません。
スケダードルみたいに、ダにアクセントが来ますね。
ロングマン現代英英辞典では、
skedaddle: [intransitive] (spoken) to leave a place quickly, especially because you do not want to be caught - used humorously
つまり、「ある場所を素早く離れる、特に捕まえられたくないという理由で。ユーモラスに使われる」。
used humorously というのがポイントでしょうか。
日本語で言うと、「とっととずらかろう」みたいな感じかな、と思いました。
highness は、high の名詞形で「高いこと、高さ、高位」。
そこから、皇族に対する敬称や呼び掛けとして使われ「殿下」という意味になります。
Your Highness は2人称として使われますので、このフィービーのセリフでは、レイチェルに対して「殿下」と言っていることになりますね。
人の飲みさしのコーヒーは飲まない、と言ったレイチェルのことを、「あなたはそういうものは飲めない高貴な方なのね。」という感じで、「殿下」と呼びかけた、ということです。
日本語でも「上から目線の人」「態度のでかい人」に対して、「お前は何様のつもりだ?」みたいに言うことがありますが、今回はそこまで喧嘩を売っていないにしても、「高貴なお方である殿下に、わたくしは無礼なことを申し上げましたわね。」みたいなニュアンスを込めたようです。
[Ross enters behind Rachel, and look at each other for a moment.]
ロスがレイチェルの後ろに入ってくる、お互いをしばらく見る。
フィービー: (in a deep voice, imitating Ross) "Um, Rachel I'm really sorry." (imitating Rachel) "That's okay, Ross. Wanna get back together?" (imitating Ross) "Yeah, okay." (in her normal voice) Did anyone else hear that?! ([ロスを真似しながら、太い・低い声で] 「あぁ、レイチェル。本当にごめんよ。」 [レイチェルを真似しながら] 「いいのよ、ロス。よりを戻したい?」 [ロスを真似しながら] 「あぁ、いいよ。」 [フィービーの通常のいつもの声で] 他の人も誰か今の聞こえた?)
OPENING CREDITS
レイチェルがまだいる時にロスが入ってきたので、出会ってしまって気まずい二人。
そこで、フィービーが一人芝居を始めます。
声色や言い方が全く似ていない、いい加減な物真似なのに笑えますね。
Did anyone else hear that?! で、anyone else が使われているのは、「私以外の誰かにもそれが聞こえた?」ということですね。
誰が見ても、フィービーがしゃべっていたのはバレバレなのに、さも自分がしゃべったのではないように、「今、ロスとレイチェルの声が”私には聞こえた”けど、”他にも誰か”聞こえた人がいる?」と言っているのですね。
そのように言うことで、「今しゃべったのは私ではない」ということを示唆、主張しているわけですが。
フレンズ3-5その4 では、
チャンドラー: Does anyone else think David Copperfield's cute? (デビッド・カッパーフィールドがキュートだと思う人は他にもいる?)
というセリフもありました。
この場合はジャニスがそう思っている、ということだったのですが、チャンドラーがそう思っているように(わざと)誤解されていましたね。
ロスとレイチェル、それを見ているフレンズたちの気まずさを解消する方法としては、あまり役に立たない方法ですが、それでも、フィービーが二人がよりを戻すことを願っているというのは、このセリフからもわかります。
ロスとレイチェルもそれには気付いているでしょうが、それでも簡単には仲直りできないほど、今回の喧嘩はこじれにこじれているのが悲しいですね。
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2009年01月02日
カブスカウトの後にさらわれる フレンズ3-17その3
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。
チャンドラー: Y'know what this is like? This is like when my parents got divorced. Man, I hope Ross doesn't try to kidnap me after Cub Scouts. (これって何に似てるか知ってる? これは、俺の両親が離婚した時と同じなんだ。あぁ、ロスがカブスカウトの後で、俺を誘拐しようと[さらおうと]試みないことを願うよ。)
フィービー: Y'know I had a dream where Ross and Rachel were still together, they never broke up. And we were all just like hanging out, and everyone was happy.... (ねぇ、私はロスとレイチェルがまだ(今までどおり)一緒にいて、決して別れない、って夢を見たの。そして、私たちは一緒に遊んでいて、みんなが幸せで…)
ジョーイ: I had the same dream! (俺も同じ夢を見たよ!)
フィービー: Yeah, and nobody slept with that Xerox girl. (そうね、そして、誰もあのコピー屋の女の子とで寝てないのよ。)
ジョーイ: Oh, I had the opposite dream. (あぁ、俺はその反対の夢を見てた。)
cub scout は、研究社 新英和中辞典では、
cub scout=(ボーイスカウト団(Boy Scouts)の)カブスカウト (8−10歳の年少隊員)
つまり、8歳から10歳のボーイスカウト、ということですね。
kidnap は「(身代金目当てに)(人を)誘拐する」という意味で使われることが多いですが、kid (=child)という言葉が使われていることからもわかるように、「子供をさらう」という意味もあります。
多分、元々は「子供をさらう」という意味だったのが、「誘拐」という意味で使われる場合は、相手が大人であっても、kidnap という言葉を使うようになった、ということでしょう。
ここでチャンドラーが語っているのは、自分の経験ですね。
両親が離婚した時、カブスカウト、つまりボーイスカウトが終わった頃に、パパが自分をさらいに来た、と言っているのです。
離婚に伴って、両親が親権争いをしている場合、親権のない方の親が、幼稚園や小学校に子供を迎えに来て、そのまま一緒に逃げてしまう、妻の知らない間に、夫が子供をどこかに連れ去ってしまう、というニュースを時々聞きますが、それと同じことですね。
ロスとレイチェルの話のこじれ方が、自分の親が離婚した時と同じなので、男性側、つまり、チャンドラーの家族に例えるとパパに当たるロスが、あの時と同じように「自分を」連れ去ったりしないだろうな、というジョークを言っているのです。
I had a dream where Ross and Rachel ... は「ロスとレイチェルが…する、という夢を見た」ですね。
関係副詞 where が使われていて、「ある夢を見た、そのある夢の中ではロスとレイチェルが…だった」というニュアンスです。
フレンズのタイトルに良く使われている、The One Where+S+V と同じ感じですね。
この dream ですが、英語の dream は日本語の「夢」と同じで、「(睡眠中に見る)夢」と「(心に抱く)夢、希望、理想」という意味がありますね。
ここではどちらなのか?
何となく私のイメージでは、「夜寝る時に見る夢」のような気がするのですが、正直、よくわかりません。
I had a dream last night などのように、last night 「昨晩、そういう夢を見た」と言っていれば問題ないのですが、残念ながらここではそういう過去のどの時点かを表す言葉がありませんよねぇ。
フレンズ1-15その2 では、アメリカの黒人指導者マーティン・ルーサー・キング牧師による「I have a dream スピーチ」について少し説明しました。
この演説は、
"I have a dream that my four children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character. I have a dream..."
「私には夢がある。いつの日か、私の四人の子供たちが、皮膚の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むことができることを。私には夢がある…」
というものですね。
このキング牧師の演説の I have a dream... は、夜見る夢ではなくて、未来に対しての希望という意味の夢です。
それと同じように、上のフィービーのセリフが、私は「ロスとレイチェルがずっと一緒で決して別れない」という「夢を描いていた、夢を持っていた」のよ、という意味だとすると、
I had a dream where Ross and Rachel would be together forever.
というような英語になりそうに思うのです。
フィービーのセリフの still という言葉が、どうもひっかかるんですよね。
still は「今でもまだ、今もなお、やはり、今までどおり」という意味。
研究社 新英和中辞典では、「still は前の動作や状態がその時なお続いている場合に用いる」との説明があります。
still が使われているために、「ロスとレイチェルが今でもまだ一緒にいる(別れていない、付き合っている)という夢を見た、実際には別れてしまったけれど、その現実とは異なる夢を見た」というニュアンスになりそうに思うのです。
実際には別れてしまった、ということを踏まえた上で、still が使われているように思うので、「以前はずっとこんな風に思っていたのよ、夢見ていたのよ」というニュアンスとは違う、という気がするのですね。あまり自信はないのですが。
それに対して、ジョーイが「俺もそんな夢を見たよ」と同調するのですが、フィービーが「もちろん、私たちの誰かがコピー屋の女の子クロエと寝る、っていうのもなし、の夢よ。」と言ったので、「それは「あり」がいいな、俺がロスの代わりにクロエと寝る役どころだったら良かったのに…」みたいな意味で、その部分は正反対、つまり「ロスの代わりに俺がクロエと寝た、そしてロスとレイチェルは別れなかった」という夢を見たよ、と言い直しているように思います。
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チャンドラー: Y'know what this is like? This is like when my parents got divorced. Man, I hope Ross doesn't try to kidnap me after Cub Scouts. (これって何に似てるか知ってる? これは、俺の両親が離婚した時と同じなんだ。あぁ、ロスがカブスカウトの後で、俺を誘拐しようと[さらおうと]試みないことを願うよ。)
フィービー: Y'know I had a dream where Ross and Rachel were still together, they never broke up. And we were all just like hanging out, and everyone was happy.... (ねぇ、私はロスとレイチェルがまだ(今までどおり)一緒にいて、決して別れない、って夢を見たの。そして、私たちは一緒に遊んでいて、みんなが幸せで…)
ジョーイ: I had the same dream! (俺も同じ夢を見たよ!)
フィービー: Yeah, and nobody slept with that Xerox girl. (そうね、そして、誰もあのコピー屋の女の子とで寝てないのよ。)
ジョーイ: Oh, I had the opposite dream. (あぁ、俺はその反対の夢を見てた。)
cub scout は、研究社 新英和中辞典では、
cub scout=(ボーイスカウト団(Boy Scouts)の)カブスカウト (8−10歳の年少隊員)
つまり、8歳から10歳のボーイスカウト、ということですね。
kidnap は「(身代金目当てに)(人を)誘拐する」という意味で使われることが多いですが、kid (=child)という言葉が使われていることからもわかるように、「子供をさらう」という意味もあります。
多分、元々は「子供をさらう」という意味だったのが、「誘拐」という意味で使われる場合は、相手が大人であっても、kidnap という言葉を使うようになった、ということでしょう。
ここでチャンドラーが語っているのは、自分の経験ですね。
両親が離婚した時、カブスカウト、つまりボーイスカウトが終わった頃に、パパが自分をさらいに来た、と言っているのです。
離婚に伴って、両親が親権争いをしている場合、親権のない方の親が、幼稚園や小学校に子供を迎えに来て、そのまま一緒に逃げてしまう、妻の知らない間に、夫が子供をどこかに連れ去ってしまう、というニュースを時々聞きますが、それと同じことですね。
ロスとレイチェルの話のこじれ方が、自分の親が離婚した時と同じなので、男性側、つまり、チャンドラーの家族に例えるとパパに当たるロスが、あの時と同じように「自分を」連れ去ったりしないだろうな、というジョークを言っているのです。
I had a dream where Ross and Rachel ... は「ロスとレイチェルが…する、という夢を見た」ですね。
関係副詞 where が使われていて、「ある夢を見た、そのある夢の中ではロスとレイチェルが…だった」というニュアンスです。
フレンズのタイトルに良く使われている、The One Where+S+V と同じ感じですね。
この dream ですが、英語の dream は日本語の「夢」と同じで、「(睡眠中に見る)夢」と「(心に抱く)夢、希望、理想」という意味がありますね。
ここではどちらなのか?
何となく私のイメージでは、「夜寝る時に見る夢」のような気がするのですが、正直、よくわかりません。
I had a dream last night などのように、last night 「昨晩、そういう夢を見た」と言っていれば問題ないのですが、残念ながらここではそういう過去のどの時点かを表す言葉がありませんよねぇ。
フレンズ1-15その2 では、アメリカの黒人指導者マーティン・ルーサー・キング牧師による「I have a dream スピーチ」について少し説明しました。
この演説は、
"I have a dream that my four children will one day live in a nation where they will not be judged by the color of their skin but by the content of their character. I have a dream..."
「私には夢がある。いつの日か、私の四人の子供たちが、皮膚の色によってではなく、人格そのものによって評価される国に住むことができることを。私には夢がある…」
というものですね。
このキング牧師の演説の I have a dream... は、夜見る夢ではなくて、未来に対しての希望という意味の夢です。
それと同じように、上のフィービーのセリフが、私は「ロスとレイチェルがずっと一緒で決して別れない」という「夢を描いていた、夢を持っていた」のよ、という意味だとすると、
I had a dream where Ross and Rachel would be together forever.
というような英語になりそうに思うのです。
フィービーのセリフの still という言葉が、どうもひっかかるんですよね。
still は「今でもまだ、今もなお、やはり、今までどおり」という意味。
研究社 新英和中辞典では、「still は前の動作や状態がその時なお続いている場合に用いる」との説明があります。
still が使われているために、「ロスとレイチェルが今でもまだ一緒にいる(別れていない、付き合っている)という夢を見た、実際には別れてしまったけれど、その現実とは異なる夢を見た」というニュアンスになりそうに思うのです。
実際には別れてしまった、ということを踏まえた上で、still が使われているように思うので、「以前はずっとこんな風に思っていたのよ、夢見ていたのよ」というニュアンスとは違う、という気がするのですね。あまり自信はないのですが。
それに対して、ジョーイが「俺もそんな夢を見たよ」と同調するのですが、フィービーが「もちろん、私たちの誰かがコピー屋の女の子クロエと寝る、っていうのもなし、の夢よ。」と言ったので、「それは「あり」がいいな、俺がロスの代わりにクロエと寝る役どころだったら良かったのに…」みたいな意味で、その部分は正反対、つまり「ロスの代わりに俺がクロエと寝た、そしてロスとレイチェルは別れなかった」という夢を見たよ、と言い直しているように思います。
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