[Scene: Chandler and Joey's, Ross and Joey are talking to Frank.]
チャンドラーとジョーイの部屋。ロスとジョーイはフランクと話をしている。
ロス: All we're saying is, don't rush into anything. (僕らが言っているのはただ、どんなことも焦ってするな、ということだよ。)
ジョーイ: Yeah, come on, think about it. You're 18. Okay? She's 44. When you're 36, she's gonna be 88. (そうだよ。なぁ、考えてみろよ。お前は18歳だろ? 彼女は44歳だ。お前が36歳になった時、彼女は88歳になるんだぞ。)
フランク: What, you don't think I know that? (何? 俺がそのことに気付いてないと思ってるの?)
フランクを説得中のロスとジョーイ。
ジョーイが二人の年齢差を強調しようとするのですが、ジョーイは計算を間違えています。
18歳が36歳になるのは18年後ですから、44歳のアリスは62歳になるはずです。
が、18歳を2倍にすると36歳なので、44歳の方も2倍の88歳にしてしまったのですね(笑)。
さらにそれに輪をかけて面白いのが、フランクの次のセリフ。
You don't think I know that? というのは、英語の特徴で否定語の not が前に来ていますが、日本語の感覚にすると、You think I don't know that? というような意味です。
俺がそのことを知らないとジョーイは思ってるの?ということですね。
that はジョーイの言った内容、つまり、フランクが36歳の時、アリスは88歳になる、という話で、そんなことジョーイに言われなくても知ってるさ、年齢差のことは自覚してるさ、という意味になるのですね。
計算を間違えるジョーイもジョーイですが、「そんなことわかってる」とその間違いにも気付かないフランクもフランクで、どっちもどっちの似たもの同士ということです。
その二人の様子を見て、ロスは、こりゃだめだ、という顔をしています。
ジョーイ: The point is, there's a lot of women out there you haven't even had sex with yet. (大事なことは、お前がまだエッチしたことのない女性が世間にはたくさんいる、ってことだ。)
ロス: Yeah, he-he's right. He's right. This is your time, y'know, yeah, you're young. You're-you're weird. Chicks dig that. (あぁ、ジョーイの意見は正しいよ。彼は正しい。今この時が君の最高の時なんだよ。君は若い。君は、君は変わってる。女の子はそういうのが好きだろ。)
This is your time. について。
This is your life. だったら、「これは君の人生だ。」でしょうが、time の場合はどういうニュアンスになるのでしょう?
君は今、人生で一番いい時にいるんだぞ、みたいな意味かなぁ?と思ったのですが。
そんな時に焦って身を固めるな、もっと自由に遊んだらいいじゃないか、ということでしょうか。
chick はフレンズでこれまでに何度も出てきましたが、「若い女性」という意味。
dig は「…を好む、気に入る」。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
dig: [transitive] (old-fashioned) to like something
例) I dig that hat!
つまり、「(古風な表現) 何かを好きなこと」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) でも、
dig: LIKE SOMEBODY/SOMETHING [transitive] (old-fashioned slang) to like someone or something
例) I really dig that dress.
つまり、dig の意味は like で、old-fashioned 「古風な表現、古臭い表現」なのですね。
最初にロスのセリフを聞いた時、フランクの年齢に合わせて、ロスはわざと若者言葉を使ったのかと思ったのですが、辞書にあるように、old-fashioned な表現だということだと、無理に若者言葉を使おうとして、逆に古臭い表現を使ってしまった、ということでしょうか?
もしくは、この古臭い表現をイマドキの若者が逆に新鮮に捉えて使っていたりする可能性もあるのでしょうか?
ロングマンを見る限りは、古い表現のようなので、ロスが新しい言葉を使おうとするあまり、逆に古い言葉を言ってしまった、というのが素直な解釈だとは思いますが。
フランク: Okay, but isn't sex better when it's with one person that you really, really care about? (よし、でも、自分がほんとにほんとに大切に思う一人の人との時、エッチはもっといいものになるんじゃない?)
ジョーイ: Yeah, in a poem maybe. (あぁ。ポエムの中では多分そうだろうね。)
ロス: No, the man's right. That's what I had with Rachel. (いいや、その男の意見は正しい。それは僕がレイチェルとしていたことだよ[レイチェルと僕の関係・エッチがそれだったんだよ]。)
フランク: You don't have it anymore? (ロスはもうその関係を持ってないの?[そういうエッチをしないの?])
ロス: No, I ah, I slept with someone else. (もうないんだ。僕は、あぁ、僕は他の誰かと寝たんだよ[浮気したんだよ]。)
フランク: Okay, so wait, all right, so how does that make things better? (わかった。ちょっと待って。いいか。それで、そのこと[浮気したこと]で物事が好転した?)
ロス: It didn't. (良くならなかった。)
椅子に座るロス。
フランク: Okay, so what you used to have with Rachel is what I got with Alice. (よし。それで、ロスがレイチェルとかつて持っていたこと[していたこと]が、俺がアリスと持っていることなんだ。)
ジョーイ: Now, wh-what, what is that like? (じゃあ、どんな、どんな、それはどんな感じなんだ?)
今度はジョーイまでもが椅子に座って、真剣に聞き始める。
フランク: It's so cool, man. It's so, it's just 'cause being with her is so much better than, like, not being with her. (すごく最高だよ。すごく。彼女と一緒にいることは、ほら、彼女と一緒にいないことよりもずっと素敵だから。)
ロス: Yeah, yeah. (あぁ、そうだよ。)
ジョーイ: (to Ross) Why can't I find that? ([ロスに] どうして俺はそれを見つけられないんだ?)
ロス: Don't ask me, I had it and I blew it. (僕に聞くなよ。僕はそれを持っていたのにふいにしてしまったんだぞ。)
ジョーイ: Well, I want it! (あぁ、俺もそれが欲しいよ!)
世間には女性がたくさんいると言われて、フランクは反論します。
care about は「…を気に掛ける、大事に思う」。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
care: to think that something is important, so that you are interested in it, worried about it etc
つまり、「何かが重要だと思うこと、そのために、そのことに興味を持ったり、そのことを心配したりする。」
エッチというのは、いろんな人とたくさんするよりも、自分が大事に思うただ一人の人とする方が better なんじゃないの?とフランクは言っています。
ジョーイはそんなのは理想論で、ポエムの中だけの話だよ、と一蹴するのですが、ロスはフランクの言葉に食いつきます。
フランクは sex の話をしているので、That's what I had with Rachel. も基本的には sex のことを言っているのだと思われます。
have sex with で、「…とエッチする」ですから、フランクが今言っているような、「愛する一人の人とのエッチ」を、僕もレイチェルとしていた。僕とレイチェルがしていたエッチが、フランクの言う、「愛する一人の人とのエッチ」だったんだ、ということですね。
これ以降の会話でも、話題になっているのは基本的にはエッチのことだと思うのですが、エッチに限定せずに、エッチを含めた男女関係、恋愛関係、男女の愛と捉えることも可能でしょうか。
ですから、What I had with Rachel は、レイチェルとしていたエッチであり、もっと大きな枠で言うと、レイチェルと僕とが持っていたもの、二人の関係、二人の愛、というニュアンスになるのだと思います。
ロスが過去形の、I had with Rachel を使ったので、過去形ということは、今はもうその関係がないのか?とフランクが尋ねています。
その大切な一人の人との関係が破綻した後、何もいいことなんかなかった、ということにロスは気付きます。
ロスは、自分とレイチェルの関係が、フランクとアリスの関係だと言われ、ものすごく納得してしまうのですが、今度はプレイボーイのジョーイが、そのたった一人の人との関係というのはどういうものかと興味津々で真剣に尋ねます。
椅子に座ってフランクの話に聞き入る二人。
結婚を踏み止まらせようとした二人が、逆に恋愛の講義を受けるような形になっているのがおかしいですね。
フランクの説明は、彼女と一緒にいることは、so much better than だと言うのですが、何と比較しているかと言うと、「彼女と一緒にいないこと」に比べて better だと言っているのですね。
好きな相手なので、一緒にいないよりは、一緒にいた方がいいに決まっているのですが、他の何か素晴らしいことと比較するのかと思いきや、being with her は、not being with her よりも better だ、と当たり前のことを述べているのが面白い、ということでしょう。
冷静に聞いていれば、別に感動するような内容でもないように思うのですが、「たった一人の人との究極の愛」の話に魅了されてしまった二人には、そのフランクのセリフまでもが感動的に聞こえるようですね。
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2009年02月28日
2009年02月26日
テキサス・レンジャー フレンズ3-18その3
フィービーはフランクとアリスの結婚に反対しています。自分の代わりにフランクを説得して欲しいと、ロスとジョーイに頼んでいます。
フィービー: Come on, you guys. You have nothing to lose. I have everything to lose. Do you want me to lose everything? Everything? (ねぇ、あなたたちは失うものは何もない。私はあらゆることを失うことになる。あなたたちは、私に全てを失わせたいの? 全てを?)
ロス&ジョーイ: No. (そんなことないよ。)
フィービー: Okay, I'm gonna go get Frank. (exits) (よーし。フランクを連れてくるわ。)
ジョーイ: So, we're walking down the street, and I turn to you and I say: "Hey, let's go hang out at Totally Nude Nudes." Remember? And then, and then, you turn to me and say, "Nah, let's just hang out at your place." Well, that was a nice move, dumb ass. (それで、俺たちは通りを歩いてて、お前を振り向いて俺はこう言う。「なぁ、トータリー・ヌード・ヌーズに行こうよ[時間を過ごそうよ]。」 覚えてる? で、それから、それから、お前が俺の方を向いて、こう言うんだ。「やめようよ。ただ、お前のところ[家]で、時間を過ごそうよ。」って。あぁ、あれはナイスな行動だったよな、おばかさん。)
Totally Nude Nudes は名前からして、ストリップ劇場みたいなものでしょうね。
「全く、裸の、裸体の人」みたいなネーミングでしょうか。
ジョーイのセリフは、最後の that was a nice move だけが過去形で、後は全て現在形になっています。
これは、フレンズ2-21その22 で説明した、ハートで感じる大西先生の「過去のできごとを生き生きと語っている」現在形、ですね。
上のジョーイのセリフは、何の前触れもなく、いきなり「俺たちは通りを歩いてる」で始まっています。
実際には部屋にいるわけですから、現在進行形が使われることで、そのジョーイの語る別世界(この場合は、過去の回想)に話が切り替わった、ということがわかるのでしょうね。
「ストリップ見に行こう、って言ったら、お前が俺の部屋でのんびりしようって言って…ほんと良い提案だったよ。」みたいなことをジョーイは言っているのですね。
あの時、俺の提案に乗って、ストリップを見ていたら、フランクが結婚をやめるように説得する、といういやな仕事を引き受けないで済んだのに、こんなことになったのは、あの時、ジョーイのうちに行こうと言ったお前のせいだぞ、と言いたいのですね。
a nice move のナイスはもちろん皮肉です。
最後に呼び掛け語として、dumb ass がついていることからもそれは明白ですね。
[Scene: Monica and Rachel's, Rachel and Monica are entering.]
モニカとレイチェルの部屋。レイチェルとモニカが入ってくる。
レイチェル: I think you should definitely go out with this guy. (モニカは絶対にこの人とデートすべきだと思うわ。)
モニカ: Nah, he doesn't do anything for me. (いいえ。彼は私のために何もしてくれないもの。)
レイチェル: Monica, last Saturday night, what happened on Walker, Texas Ranger? (モニカ、先週の土曜日の晩、「ウォーカー、テキサス・レンジャー[炎のテキサス・レンジャー]」で何が起こった?)
モニカ: Well, umm, Walker was looking for this big busload of kids. (realizes) All right, I get your point. (そうね、うーんと、ウォーカーはバスいっぱいの子供たちを探して… [気付いて] いいわ、あなたの言いたいことはわかったわ。)
レイチェル: All right. (それでいいわ。)
ピートとデートすべきだと説得するレイチェル。
その説得に、あるドラマのシーンを持ち出すのですが…。
モニカは、I get your point. と言っていて、レイチェルの言いたいことがわかったようです。
が、私にはよくわかりません(爆)。
このドラマ、見たことないもので…。
とりあえず、わかったことだけ書いておきます。
Walker, Texas Ranger というのはアメリカのドラマですね。
Wikipedia 英語版: Walker, Texas Ranger
IMDb: Walker, Texas Ranger" (1993) TV series 1993-2001
日本では「炎のテキサス・レンジャー」と呼ばれているようです。
Super! drama TV: チャック・ノリス炎のテキサス・レンジャー
上のサイトにはとても詳しい情報が書いてあります。
そこに、「全米マスコミが注目した土曜の夜の大ヒット」という記事があり、それがとても興味深いです。
レイチェルのセリフにも、last Saturday night という言葉が出てきます。
それだけ、「テキサス・レンジャーは土曜日の夜」というのはみんなの共通認識のようですね。
busload は「バス1台の収容能力、バスいっぱいの乗客」なので、busload of kids は「バス1台分の子供、バスいっぱいの子供」ということでしょう。
エピソードの内容を調べるには、IMDb (The Internet Movie Database) がいいかなと思って、Google のボックスに、
"walker, texas ranger" bus IMDb
と入れてぐぐってみると、以下のサイトを発見。
Episode list for "Walker, Texas Ranger" (1993)
そのページで、bus という言葉で検索してみると、bus という単語はいくつかヒットしますが、その中で子供が出てくるエピソードを発見。
それが、Season 5, Episode 10: Cyclone
ざっと内容を要約してみると、
「小学校5、6年生が誘拐され、犯人は身代金1000万ドルを要求。子供たちをバスに閉じ込め、バスを埋め立て地に駐車し、泥でバスを覆い隠してしまう。それを助けようとするウォーカーたちは時間との戦いとなる。さらに竜巻を伴う暴風雨も近づいてきて…。」
という手に汗握る内容のようですね。
IMDb によると、この Cyclone というエピソードの放映は、96年11月23日。
この フレンズ3-18 の放映は、97年3月13日。
セリフでは、last Saturday night 「先週の土曜日の夜」と言い切っていますが、フレンズは公開録画なので、撮影と放映までに少し間があるでしょうから、4ヶ月弱のずれなら、やはりこのエピソードを内容を指している、ということで合っていそうな気がします。
で、結局、そのエピソードの結末がどうなったかは IMDb ではわからないので、レイチェルが何を言いたいのかがわからないんですよねぇ…。
プロットを見てみると、生き埋め(?)状態になっているわ、サイクロンは近づいてくるわ、で、race against the clock 「時間と競争する、時間と戦う」状態になっているわけですね。
だから、時間に関する説得で、「そんな風にあれやこれや選り好みしていたら、すぐにおばさんになっちゃうわよ、手遅れになっちゃうわよ」ということか、あるいは、劇中で意外な人が思いも寄らぬ活躍をしてその人がとても素敵な人だとわかった、とかだと、「人間、第一印象ではわからないものよ。意外な人が実は素敵だったりするものよ」という説得なのかもしれません。
まぁ、そのテキサス・レンジャーのエピソードを見ずにいろいろ語っても無駄かもしれませんので、推測はこの辺りでやめておきます。
上に書いたあらすじを見て、「それ、見たことある!」という方は、レイチェルが一体何を言いたかったのかを教えていただけると嬉しいです。
これだけ長々書いておいて、Cyclone のエピソードのことじゃなかったら、超ショックだなぁ(笑)。
モニカの部屋に入ってきたチャンドラー。
テープを聞いてみてどうだった?と聞かれて、
チャンドラー: Good. I haven't smoked yet today, I feel great, and-and-and confident. That is a stunning blouse. (いいよ。今日はまだタバコを吸ってないし。気分は最高だよ。それにそれに、自信に満ちた感じ。それ、素敵なブラウス(だ)ね。)
男性が、女性の服を褒めるのは、外国でも珍しいようです。
クリストファー・ベルトンさんのメルマガ、クリストファー・ベルトンの「英語の世界」 <第65号> (2009年2月8日発行)で、
★ 男が絶対に言わないこと
の一つに、
Those shoes match your dress perfectly. その靴は君のワンピースにぴったりだね。
というのが挙げられていました。
今回のセリフも、それ系の「服装に関する話」ですね。
男性のチャンドラーが「そのブラウス素敵」と褒めるのは、やはり違和感があります。
チャンドラーが confident という言葉を使っていることからわかるように、前回の記事、フレンズ3-18その2 の催眠テープの内容が刷り込まれているのがわかります。
その後に、この女性っぽいセリフが続くので、You are a strong, confident woman. という洗脳(?)にかかってしまったことが、観客にわかるのですね。
部屋に入ってきた時は、Chap Stick (リップクリーム)を貸してと言っていましたし、女性用テープの影響があちこちに見え始めているのが面白いです。
日本語だと、語尾の「…だぜ」を「…だわ」にすることで、女性言葉に変化したことがわかりますが、英語の場合は、その変化を出すのは難しいかもしれません。
その代わりに、「リップ持ってる?」「そのブラウス素敵!」のように、言っている内容で女性っぽさを出す、ということも可能なのですね。
(Chandler is putting on the Chap Stick the same way that women put on lipstick, including the bit with the piece of tissue.)
チャンドラーは、ティッシュの切れ端を使ったお決まりのしぐさも含めて、女性が口紅を塗るのと同じやり方で、リップスティックを塗っている。
チャンドラー: (to the girls who are staring at him) What? ([チャンドラーをじっと見つめている女性陣に向かって] なあに?)
ここの面白さはとにかく実際にそのシーンを見ていただかないとわからないと思うのですが、ト書きにある通り、ペターッとリップを塗り、おまけにティッシュで付け過ぎた分を押さえています。
including the bit with の bit は、英辞郎によると、
bit=お決まりのしぐさ
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
bit [noun]: TYPICAL BEHAVIOUR/EXPERIENCE
(informal) used to mean a kind of behaviour or experience that is typical of someone or something
つまり、「誰かや何かにありがちな[典型的な]ある種の行動や経験を意味するのに使われる」。
そのしぐさだけでも十分面白いのですが、What? の一言がまた笑いを誘います。
チャンドラーが言いそうな「何だよ?」ではなく、女の子がつぶらな瞳で聞き返す、まさに「なあに?」のニュアンスです。
口をすぼめて可愛く言った感じがとても女性っぽく、思わずモニカが、というか演じているコートニー自身が吹き出してしまっているように見えます。
英語で見ていても、やはり女性っぽくなっていることはいろんな部分で気付けますね。
今回のエピソードの見どころの一つです。
What? という短い単語一つでも、男っぽい言い方と女っぽい言い方がある、ということがわかる良い例だと思いました。
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フィービー: Come on, you guys. You have nothing to lose. I have everything to lose. Do you want me to lose everything? Everything? (ねぇ、あなたたちは失うものは何もない。私はあらゆることを失うことになる。あなたたちは、私に全てを失わせたいの? 全てを?)
ロス&ジョーイ: No. (そんなことないよ。)
フィービー: Okay, I'm gonna go get Frank. (exits) (よーし。フランクを連れてくるわ。)
ジョーイ: So, we're walking down the street, and I turn to you and I say: "Hey, let's go hang out at Totally Nude Nudes." Remember? And then, and then, you turn to me and say, "Nah, let's just hang out at your place." Well, that was a nice move, dumb ass. (それで、俺たちは通りを歩いてて、お前を振り向いて俺はこう言う。「なぁ、トータリー・ヌード・ヌーズに行こうよ[時間を過ごそうよ]。」 覚えてる? で、それから、それから、お前が俺の方を向いて、こう言うんだ。「やめようよ。ただ、お前のところ[家]で、時間を過ごそうよ。」って。あぁ、あれはナイスな行動だったよな、おばかさん。)
Totally Nude Nudes は名前からして、ストリップ劇場みたいなものでしょうね。
「全く、裸の、裸体の人」みたいなネーミングでしょうか。
ジョーイのセリフは、最後の that was a nice move だけが過去形で、後は全て現在形になっています。
これは、フレンズ2-21その22 で説明した、ハートで感じる大西先生の「過去のできごとを生き生きと語っている」現在形、ですね。
上のジョーイのセリフは、何の前触れもなく、いきなり「俺たちは通りを歩いてる」で始まっています。
実際には部屋にいるわけですから、現在進行形が使われることで、そのジョーイの語る別世界(この場合は、過去の回想)に話が切り替わった、ということがわかるのでしょうね。
「ストリップ見に行こう、って言ったら、お前が俺の部屋でのんびりしようって言って…ほんと良い提案だったよ。」みたいなことをジョーイは言っているのですね。
あの時、俺の提案に乗って、ストリップを見ていたら、フランクが結婚をやめるように説得する、といういやな仕事を引き受けないで済んだのに、こんなことになったのは、あの時、ジョーイのうちに行こうと言ったお前のせいだぞ、と言いたいのですね。
a nice move のナイスはもちろん皮肉です。
最後に呼び掛け語として、dumb ass がついていることからもそれは明白ですね。
[Scene: Monica and Rachel's, Rachel and Monica are entering.]
モニカとレイチェルの部屋。レイチェルとモニカが入ってくる。
レイチェル: I think you should definitely go out with this guy. (モニカは絶対にこの人とデートすべきだと思うわ。)
モニカ: Nah, he doesn't do anything for me. (いいえ。彼は私のために何もしてくれないもの。)
レイチェル: Monica, last Saturday night, what happened on Walker, Texas Ranger? (モニカ、先週の土曜日の晩、「ウォーカー、テキサス・レンジャー[炎のテキサス・レンジャー]」で何が起こった?)
モニカ: Well, umm, Walker was looking for this big busload of kids. (realizes) All right, I get your point. (そうね、うーんと、ウォーカーはバスいっぱいの子供たちを探して… [気付いて] いいわ、あなたの言いたいことはわかったわ。)
レイチェル: All right. (それでいいわ。)
ピートとデートすべきだと説得するレイチェル。
その説得に、あるドラマのシーンを持ち出すのですが…。
モニカは、I get your point. と言っていて、レイチェルの言いたいことがわかったようです。
が、私にはよくわかりません(爆)。
このドラマ、見たことないもので…。
とりあえず、わかったことだけ書いておきます。
Walker, Texas Ranger というのはアメリカのドラマですね。
Wikipedia 英語版: Walker, Texas Ranger
IMDb: Walker, Texas Ranger" (1993) TV series 1993-2001
日本では「炎のテキサス・レンジャー」と呼ばれているようです。
Super! drama TV: チャック・ノリス炎のテキサス・レンジャー
上のサイトにはとても詳しい情報が書いてあります。
そこに、「全米マスコミが注目した土曜の夜の大ヒット」という記事があり、それがとても興味深いです。
レイチェルのセリフにも、last Saturday night という言葉が出てきます。
それだけ、「テキサス・レンジャーは土曜日の夜」というのはみんなの共通認識のようですね。
busload は「バス1台の収容能力、バスいっぱいの乗客」なので、busload of kids は「バス1台分の子供、バスいっぱいの子供」ということでしょう。
エピソードの内容を調べるには、IMDb (The Internet Movie Database) がいいかなと思って、Google のボックスに、
"walker, texas ranger" bus IMDb
と入れてぐぐってみると、以下のサイトを発見。
Episode list for "Walker, Texas Ranger" (1993)
そのページで、bus という言葉で検索してみると、bus という単語はいくつかヒットしますが、その中で子供が出てくるエピソードを発見。
それが、Season 5, Episode 10: Cyclone
ざっと内容を要約してみると、
「小学校5、6年生が誘拐され、犯人は身代金1000万ドルを要求。子供たちをバスに閉じ込め、バスを埋め立て地に駐車し、泥でバスを覆い隠してしまう。それを助けようとするウォーカーたちは時間との戦いとなる。さらに竜巻を伴う暴風雨も近づいてきて…。」
という手に汗握る内容のようですね。
IMDb によると、この Cyclone というエピソードの放映は、96年11月23日。
この フレンズ3-18 の放映は、97年3月13日。
セリフでは、last Saturday night 「先週の土曜日の夜」と言い切っていますが、フレンズは公開録画なので、撮影と放映までに少し間があるでしょうから、4ヶ月弱のずれなら、やはりこのエピソードを内容を指している、ということで合っていそうな気がします。
で、結局、そのエピソードの結末がどうなったかは IMDb ではわからないので、レイチェルが何を言いたいのかがわからないんですよねぇ…。
プロットを見てみると、生き埋め(?)状態になっているわ、サイクロンは近づいてくるわ、で、race against the clock 「時間と競争する、時間と戦う」状態になっているわけですね。
だから、時間に関する説得で、「そんな風にあれやこれや選り好みしていたら、すぐにおばさんになっちゃうわよ、手遅れになっちゃうわよ」ということか、あるいは、劇中で意外な人が思いも寄らぬ活躍をしてその人がとても素敵な人だとわかった、とかだと、「人間、第一印象ではわからないものよ。意外な人が実は素敵だったりするものよ」という説得なのかもしれません。
まぁ、そのテキサス・レンジャーのエピソードを見ずにいろいろ語っても無駄かもしれませんので、推測はこの辺りでやめておきます。
上に書いたあらすじを見て、「それ、見たことある!」という方は、レイチェルが一体何を言いたかったのかを教えていただけると嬉しいです。
これだけ長々書いておいて、Cyclone のエピソードのことじゃなかったら、超ショックだなぁ(笑)。
モニカの部屋に入ってきたチャンドラー。
テープを聞いてみてどうだった?と聞かれて、
チャンドラー: Good. I haven't smoked yet today, I feel great, and-and-and confident. That is a stunning blouse. (いいよ。今日はまだタバコを吸ってないし。気分は最高だよ。それにそれに、自信に満ちた感じ。それ、素敵なブラウス(だ)ね。)
男性が、女性の服を褒めるのは、外国でも珍しいようです。
クリストファー・ベルトンさんのメルマガ、クリストファー・ベルトンの「英語の世界」 <第65号> (2009年2月8日発行)で、
★ 男が絶対に言わないこと
の一つに、
Those shoes match your dress perfectly. その靴は君のワンピースにぴったりだね。
というのが挙げられていました。
今回のセリフも、それ系の「服装に関する話」ですね。
男性のチャンドラーが「そのブラウス素敵」と褒めるのは、やはり違和感があります。
チャンドラーが confident という言葉を使っていることからわかるように、前回の記事、フレンズ3-18その2 の催眠テープの内容が刷り込まれているのがわかります。
その後に、この女性っぽいセリフが続くので、You are a strong, confident woman. という洗脳(?)にかかってしまったことが、観客にわかるのですね。
部屋に入ってきた時は、Chap Stick (リップクリーム)を貸してと言っていましたし、女性用テープの影響があちこちに見え始めているのが面白いです。
日本語だと、語尾の「…だぜ」を「…だわ」にすることで、女性言葉に変化したことがわかりますが、英語の場合は、その変化を出すのは難しいかもしれません。
その代わりに、「リップ持ってる?」「そのブラウス素敵!」のように、言っている内容で女性っぽさを出す、ということも可能なのですね。
(Chandler is putting on the Chap Stick the same way that women put on lipstick, including the bit with the piece of tissue.)
チャンドラーは、ティッシュの切れ端を使ったお決まりのしぐさも含めて、女性が口紅を塗るのと同じやり方で、リップスティックを塗っている。
チャンドラー: (to the girls who are staring at him) What? ([チャンドラーをじっと見つめている女性陣に向かって] なあに?)
ここの面白さはとにかく実際にそのシーンを見ていただかないとわからないと思うのですが、ト書きにある通り、ペターッとリップを塗り、おまけにティッシュで付け過ぎた分を押さえています。
including the bit with の bit は、英辞郎によると、
bit=お決まりのしぐさ
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
bit [noun]: TYPICAL BEHAVIOUR/EXPERIENCE
(informal) used to mean a kind of behaviour or experience that is typical of someone or something
つまり、「誰かや何かにありがちな[典型的な]ある種の行動や経験を意味するのに使われる」。
そのしぐさだけでも十分面白いのですが、What? の一言がまた笑いを誘います。
チャンドラーが言いそうな「何だよ?」ではなく、女の子がつぶらな瞳で聞き返す、まさに「なあに?」のニュアンスです。
口をすぼめて可愛く言った感じがとても女性っぽく、思わずモニカが、というか演じているコートニー自身が吹き出してしまっているように見えます。
英語で見ていても、やはり女性っぽくなっていることはいろんな部分で気付けますね。
今回のエピソードの見どころの一つです。
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2009年02月24日
生徒を学校にいさせる方法 フレンズ3-18その2
弟フランクが結婚する、と大喜びのフィービーに、
モニカ: Yeah, ah, but Pheebs, don't you think he's a little young to get married? (そうね。でも、フィービー、フランクは結婚するには少し若いと思わない?)
フィービー: Well, he's 18. (うーんと、彼は18歳なの。)
ロス: Exactly. It'll be illegal for him to drink at his own bachelor party. (その通り。彼が自分自身のバチェラー・パーティーでお酒を飲むのも違法だよ。)
ジョーイ: Yeah, or-or to get a hooker. (そうだよ。それとか、売春婦と遊ぶのも。)
チャンドラー: Always illegal, Joe. (いつでも[未成年じゃなくても]違法だよ、ジョーイ。)
バチェラー・パーティーは「独身さよならパーティー」のこと。
フランクの年齢が若すぎるため、自分の結婚を祝う独身最後のパーティーで新郎本人がお酒を飲めないことになる、というのですが、ジョーイは付け足しで、hooker (売春婦)の話を出します。
過去記事、バチェラー・パーティーに付き物の… フレンズ3-12その3 で、バチェラー・パーティーについて詳しく解説していますが、アリー my Love (Ally McBeal)で、a hooker を呼ぶ話が出てきました。
男性陣がバチェラー・パーティーで想像するのが a stripper とか a hooker で、若いフランクはそれも楽しめないよねぇ、とジョーイは言っているのですが…。
それはフランクが未成年とかには関係なく、フランクがいい大人になっていても、売春は許されない行為だろ、とチャンドラーはツッコミを入れているのですね。
モニカ: So, um, how-how did you guys meet? (それで、あなたたち二人はどうやって出会ったの?)
フランク: Well um, I was in ah Mrs. Knight's ah, I mean, Alice. Sorry, Alice, I always do that. I was in her ah, home-ec class. (そうだな。俺はミセス・ナイトの、いや、アリスだ、ごめん、アリス。俺はいつもそう[ミセス・ナイトって]言っちゃって。俺は彼女の家庭科の授業の生徒なんだ。)
アリス: And he was my best student. (そして彼は私の最高の生徒なの。)
フランク: Yeah, she was my best teacher. (あぁ、彼女は俺の最高の先生なんだ。)
アリス: Ohhh. (They embrace in a very passionate kiss.) (まぁ。[二人はとても情熱的なキスをして抱き合う])
チャンドラー: If that doesn't keep kids in school, what will? (もしあれで子供たちを学校にとどめておけないなら、何が彼らを学校につなぎとめてくれるんだ?)
home ec は、home economics 「家政学、家庭科」の略です。
I was in her home-ec class. というのは、「俺は彼女の家庭科の授業・クラスにいた」ですから、彼女が家庭科の先生で俺はその授業を受けていた生徒だった、ということですね。
婚約者なので、アリスと呼ぶべきなのに、フランクはつい癖で、Mrs. Knight と呼んでしまうようです。
Mrs. は既婚女性(a married woman)につける敬称ですが、これからフランクと結婚しようとしている人が、誰かの妻である、ということはないですよねぇ?
過去に結婚していたことがある…とかなのでしょうか?
未亡人の場合だと、Mrs. Knight と呼ぶこともあるかもしれませんが、離婚した場合だとどうなんでしょう??
日本で「ナイト先生」と呼ぶニュアンスで、Mrs. Knight と生徒たちが呼んでいる、ということだとは思います。
が、アリスに結婚歴がない場合でも先生の場合はそう呼ぶことがあるのか、もしくは、Mrs. とついていることで、結婚歴があることを示唆しているのか、その辺がよくわかりません。
お互いを、最高の生徒、最高の先生と呼び合いながら、熱いキスを交わすラブラブの二人ですが、それを見てのチャンドラーの一言、If that doesn't keep kids in school, what will? について。
that は二人が熱いキスをして抱き合っている様子を指しています。
keep kids in school は、子供たちを学校にキープしておく、とどめておく、学校内にいさせる、ということですから、学校に行きたくない、授業をサボりたいという子供たちがきちんと授業に出るようにする、学校から逃げ出さないようにする、という感じでしょうね。
チャンドラーは、授業にまじめに出ない生徒の話を思い出して、学校ではあんな風に先生が生徒とキスして抱き合ったりしてくれるのかぁ、それでも生徒を学校にとどめておけない、っていうのなら、何をしたら、生徒は学校にとどまっていてくれるんだ?と言っているわけです。
先生があんなサービスをしてくれたら、みんな学校に喜んで行っちゃうよねぇ、ということでしょう。
あそこまでして、学校を逃げ出されてしまうのなら、もう他に打つ手はないよねぇ、という感じです。
[Scene: Chandler's bedroom, Chandler is listening to the hypnosis tape.]
チャンドラーの寝室。チャンドラーは催眠テープを聴いている。
催眠テープ(Hypnosis Tape): You are falling fast asleep. Deeper, deeper, deeper. You are now completely asleep. You don't need to smoke. Cigarettes don't control you. You are a strong, confident woman, who does not need to smoke. A strong, confident woman. (あなたは深い眠りに落ちていきます。より深く、深く、深く。あなたは今完全に眠っています。あなたはタバコを吸う必要がありません。タバコはあなたを支配しません[コントロールしません]。あなたは、強く、自信に満ちた女性です。あなたはタバコを吸う必要がありません。強く、自信に満ちた女性です。)
このシーン、チャンドラーが健やかな顔をしながら寝ています。
テープのナレーションも、催眠術っぽい感じですね。
You are a strong, confident woman... というところで、観客が笑っています。
レイチェルが貸してくれた禁煙用催眠テープは女性用のものだということがここでわかるのですね。
チャンドラーが幸せそうな顔で寝ているだけに、この催眠テープのメッセージが彼に刷り込まれて、彼はこの後一体どうなるのか…?と、観客が大いに期待することになります。
モニカの職場、The Moondance Diner にて。
素敵な男性がいないと、レイチェルにボヤいていたモニカ。
モニカ: (to a customer) Pete, can I get you something else? ([お客に] ピート、何か他にいるものある?)
ピート: Yeah, a slice of cheesecake and-and a date, if you're giving them out. (あぁ。チーズケーキを一切れと、それから、デートだね。もし君がデートを(注文に応じて)配っているのなら。)
モニカ: Haven't you and I covered that topic? (あなたと私はその件を前にも話したわよね?)
ピート: Hmm, come on, you just said to her that you.... (うーん。ほら、君はちょうど彼女にこう言ってたじゃないか…)
モニカ: Aww, you only wanna go out with me because my blond wig, and the big boobs, and the fact that I serve you food. (あー。あなたがただ私とデートしたいと思ってるのは、私の金髪のカツラと、大きな胸と、私があなたに食べ物を出すっていう事実のせいよ。)
ピート: Well, if that were true, I'd be dating my Aunt Ruth. And the two times we went out, it was just plain awkward. (そうだな。もしそれが真実だとしたら、僕は、今、ルースおばさんとデートしてるところだよ。そして(実際に)2回、俺とおばさんは一緒に出かけたんだ。それはただ、全く気まずい感じだったよ。)
give out は「配る、配布する」というニュアンスだと思います。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
give something out, give out something: to give something to each person in a group (synonym hand out)
つまり、「グループの一人ずつに何かを与える。同義語・類義語 hand out」
何か欲しいものはある?と注文を聞かれたので、チーズケーキとデート、と答えて、デートがチーズケーキみたいに注文可能なものだとしたらね、と付け足している感覚でしょう。
cover は「主題・議題などを)取り上げる、取り扱う」。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
cover: INCLUDE
to include or deal with a particular subject or group of things
つまり、「ある特定の話題や一群の物事を含む、または扱う」。
そのトピックはもうすでにカバーしたでしょ、みたいな感覚で、もうその件についてはこれまでに話し合ったじゃない、前にもその話題は出たじゃない、その件は取り上げたじゃない、ということで、それは暗に、その時にデートの件は断ったでしょ、と言っているのですね。
デートに誘いたいと思ってるのは、ダイナーのサービスでやっている、マリリン・モンロー風の金髪のカツラと作り物の大きな胸、そして、食事を出しているからだ、とモニカは言います。
見た目はにせものだし、serve you food はダイナーの仕事、それをあなたは女性としての魅力と勘違いしているのよ、と忠告しているのですね。
もし僕が本当にその部分に惚れているだけだとしたら、僕は今頃、ルースおばさんとデートしているところだよ、とピートは答えます。
彼の親戚のおばさんも、金髪で胸が大きくて、きっとおいしい料理やお菓子を作ってくれる人だったのでしょう。
plain awkward の plain は副詞で「まったく、すっかり」。
ちょっと惹かれるところもあって(?)デートみたいな感じでお出かけしたこともあるけど、何しろ親戚のおばさんだから、結局そのデートは気まずい結果に終わったよ、ということですね。
このピートのセリフは、「モニカが挙げた点だけを魅力に感じているのなら、別にルースおばさんでもいいわけだし…」と言っているわけですが、それは、モニカを誘うのは、他にも魅力を感じているからだ、と示唆していることになるでしょうか。
モニカのことを直接褒めているわけではないさりげないセリフの中に、「君には他にもっと魅力的な部分があるんだよ」という彼の積極的なアプローチが感じられる気がします。
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モニカ: Yeah, ah, but Pheebs, don't you think he's a little young to get married? (そうね。でも、フィービー、フランクは結婚するには少し若いと思わない?)
フィービー: Well, he's 18. (うーんと、彼は18歳なの。)
ロス: Exactly. It'll be illegal for him to drink at his own bachelor party. (その通り。彼が自分自身のバチェラー・パーティーでお酒を飲むのも違法だよ。)
ジョーイ: Yeah, or-or to get a hooker. (そうだよ。それとか、売春婦と遊ぶのも。)
チャンドラー: Always illegal, Joe. (いつでも[未成年じゃなくても]違法だよ、ジョーイ。)
バチェラー・パーティーは「独身さよならパーティー」のこと。
フランクの年齢が若すぎるため、自分の結婚を祝う独身最後のパーティーで新郎本人がお酒を飲めないことになる、というのですが、ジョーイは付け足しで、hooker (売春婦)の話を出します。
過去記事、バチェラー・パーティーに付き物の… フレンズ3-12その3 で、バチェラー・パーティーについて詳しく解説していますが、アリー my Love (Ally McBeal)で、a hooker を呼ぶ話が出てきました。
男性陣がバチェラー・パーティーで想像するのが a stripper とか a hooker で、若いフランクはそれも楽しめないよねぇ、とジョーイは言っているのですが…。
それはフランクが未成年とかには関係なく、フランクがいい大人になっていても、売春は許されない行為だろ、とチャンドラーはツッコミを入れているのですね。
モニカ: So, um, how-how did you guys meet? (それで、あなたたち二人はどうやって出会ったの?)
フランク: Well um, I was in ah Mrs. Knight's ah, I mean, Alice. Sorry, Alice, I always do that. I was in her ah, home-ec class. (そうだな。俺はミセス・ナイトの、いや、アリスだ、ごめん、アリス。俺はいつもそう[ミセス・ナイトって]言っちゃって。俺は彼女の家庭科の授業の生徒なんだ。)
アリス: And he was my best student. (そして彼は私の最高の生徒なの。)
フランク: Yeah, she was my best teacher. (あぁ、彼女は俺の最高の先生なんだ。)
アリス: Ohhh. (They embrace in a very passionate kiss.) (まぁ。[二人はとても情熱的なキスをして抱き合う])
チャンドラー: If that doesn't keep kids in school, what will? (もしあれで子供たちを学校にとどめておけないなら、何が彼らを学校につなぎとめてくれるんだ?)
home ec は、home economics 「家政学、家庭科」の略です。
I was in her home-ec class. というのは、「俺は彼女の家庭科の授業・クラスにいた」ですから、彼女が家庭科の先生で俺はその授業を受けていた生徒だった、ということですね。
婚約者なので、アリスと呼ぶべきなのに、フランクはつい癖で、Mrs. Knight と呼んでしまうようです。
Mrs. は既婚女性(a married woman)につける敬称ですが、これからフランクと結婚しようとしている人が、誰かの妻である、ということはないですよねぇ?
過去に結婚していたことがある…とかなのでしょうか?
未亡人の場合だと、Mrs. Knight と呼ぶこともあるかもしれませんが、離婚した場合だとどうなんでしょう??
日本で「ナイト先生」と呼ぶニュアンスで、Mrs. Knight と生徒たちが呼んでいる、ということだとは思います。
が、アリスに結婚歴がない場合でも先生の場合はそう呼ぶことがあるのか、もしくは、Mrs. とついていることで、結婚歴があることを示唆しているのか、その辺がよくわかりません。
お互いを、最高の生徒、最高の先生と呼び合いながら、熱いキスを交わすラブラブの二人ですが、それを見てのチャンドラーの一言、If that doesn't keep kids in school, what will? について。
that は二人が熱いキスをして抱き合っている様子を指しています。
keep kids in school は、子供たちを学校にキープしておく、とどめておく、学校内にいさせる、ということですから、学校に行きたくない、授業をサボりたいという子供たちがきちんと授業に出るようにする、学校から逃げ出さないようにする、という感じでしょうね。
チャンドラーは、授業にまじめに出ない生徒の話を思い出して、学校ではあんな風に先生が生徒とキスして抱き合ったりしてくれるのかぁ、それでも生徒を学校にとどめておけない、っていうのなら、何をしたら、生徒は学校にとどまっていてくれるんだ?と言っているわけです。
先生があんなサービスをしてくれたら、みんな学校に喜んで行っちゃうよねぇ、ということでしょう。
あそこまでして、学校を逃げ出されてしまうのなら、もう他に打つ手はないよねぇ、という感じです。
[Scene: Chandler's bedroom, Chandler is listening to the hypnosis tape.]
チャンドラーの寝室。チャンドラーは催眠テープを聴いている。
催眠テープ(Hypnosis Tape): You are falling fast asleep. Deeper, deeper, deeper. You are now completely asleep. You don't need to smoke. Cigarettes don't control you. You are a strong, confident woman, who does not need to smoke. A strong, confident woman. (あなたは深い眠りに落ちていきます。より深く、深く、深く。あなたは今完全に眠っています。あなたはタバコを吸う必要がありません。タバコはあなたを支配しません[コントロールしません]。あなたは、強く、自信に満ちた女性です。あなたはタバコを吸う必要がありません。強く、自信に満ちた女性です。)
このシーン、チャンドラーが健やかな顔をしながら寝ています。
テープのナレーションも、催眠術っぽい感じですね。
You are a strong, confident woman... というところで、観客が笑っています。
レイチェルが貸してくれた禁煙用催眠テープは女性用のものだということがここでわかるのですね。
チャンドラーが幸せそうな顔で寝ているだけに、この催眠テープのメッセージが彼に刷り込まれて、彼はこの後一体どうなるのか…?と、観客が大いに期待することになります。
モニカの職場、The Moondance Diner にて。
素敵な男性がいないと、レイチェルにボヤいていたモニカ。
モニカ: (to a customer) Pete, can I get you something else? ([お客に] ピート、何か他にいるものある?)
ピート: Yeah, a slice of cheesecake and-and a date, if you're giving them out. (あぁ。チーズケーキを一切れと、それから、デートだね。もし君がデートを(注文に応じて)配っているのなら。)
モニカ: Haven't you and I covered that topic? (あなたと私はその件を前にも話したわよね?)
ピート: Hmm, come on, you just said to her that you.... (うーん。ほら、君はちょうど彼女にこう言ってたじゃないか…)
モニカ: Aww, you only wanna go out with me because my blond wig, and the big boobs, and the fact that I serve you food. (あー。あなたがただ私とデートしたいと思ってるのは、私の金髪のカツラと、大きな胸と、私があなたに食べ物を出すっていう事実のせいよ。)
ピート: Well, if that were true, I'd be dating my Aunt Ruth. And the two times we went out, it was just plain awkward. (そうだな。もしそれが真実だとしたら、僕は、今、ルースおばさんとデートしてるところだよ。そして(実際に)2回、俺とおばさんは一緒に出かけたんだ。それはただ、全く気まずい感じだったよ。)
give out は「配る、配布する」というニュアンスだと思います。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
give something out, give out something: to give something to each person in a group (synonym hand out)
つまり、「グループの一人ずつに何かを与える。同義語・類義語 hand out」
何か欲しいものはある?と注文を聞かれたので、チーズケーキとデート、と答えて、デートがチーズケーキみたいに注文可能なものだとしたらね、と付け足している感覚でしょう。
cover は「主題・議題などを)取り上げる、取り扱う」。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
cover: INCLUDE
to include or deal with a particular subject or group of things
つまり、「ある特定の話題や一群の物事を含む、または扱う」。
そのトピックはもうすでにカバーしたでしょ、みたいな感覚で、もうその件についてはこれまでに話し合ったじゃない、前にもその話題は出たじゃない、その件は取り上げたじゃない、ということで、それは暗に、その時にデートの件は断ったでしょ、と言っているのですね。
デートに誘いたいと思ってるのは、ダイナーのサービスでやっている、マリリン・モンロー風の金髪のカツラと作り物の大きな胸、そして、食事を出しているからだ、とモニカは言います。
見た目はにせものだし、serve you food はダイナーの仕事、それをあなたは女性としての魅力と勘違いしているのよ、と忠告しているのですね。
もし僕が本当にその部分に惚れているだけだとしたら、僕は今頃、ルースおばさんとデートしているところだよ、とピートは答えます。
彼の親戚のおばさんも、金髪で胸が大きくて、きっとおいしい料理やお菓子を作ってくれる人だったのでしょう。
plain awkward の plain は副詞で「まったく、すっかり」。
ちょっと惹かれるところもあって(?)デートみたいな感じでお出かけしたこともあるけど、何しろ親戚のおばさんだから、結局そのデートは気まずい結果に終わったよ、ということですね。
このピートのセリフは、「モニカが挙げた点だけを魅力に感じているのなら、別にルースおばさんでもいいわけだし…」と言っているわけですが、それは、モニカを誘うのは、他にも魅力を感じているからだ、と示唆していることになるでしょうか。
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2009年02月22日
公共物破壊行為 フレンズ3-18その1
シーズン3 第18話
The One With The Hypnosis Tape (愛さえあれば年の差なんて!)
原題は「催眠テープの話」
昨日の記事、スピードアップ宣言! での予告通り、3-18 から、ペースを上げます。
レイチェルは、チャンドラーに、禁煙のための a hypnosis tape (催眠テープ)を使ってみて、とすすめます。
それを聞いて、プッ!とばかにしたような声を出すロス。
レイチェル: (to Ross) What's your problem? ([ロスに] 何が問題なの?)
ロス: Nothing. It's just that hypnosis is beyond crap. (別に。ただ、催眠(術)なんて、クソ以下だよ。)
レイチェル: Ross, I watched you get hypnotized in Atlantic City. (ロス、私はあなたがアトランティック・シティで催眠術にかけられるのを(ずっと)見てたのよ。)
ロス: Hey, that guy did not hypnotize me, okay? (おい、あの男は僕に催眠術なんかかけてないよ、いいか?)
レイチェル: All right, 'cause you always pull your pants down at the count of three and play "Wipe Out" on your butt cheeks. (あぁ、そうね。だって、あなたはいつも、3のカウントでパンツをずり下げて、お尻(の肉)でワイプアウトをするものね。)
フィービー: All right, forget hypnosis. The way to quit smoking is you have to dance naked in a field of heather, and then bathe in the sweat of six healthy, young men. (いいわ。催眠術のことは忘れて。タバコをやめるには、ヒースの草原で裸で踊らないといけないの。それから健康で若い6人の男の汗のお風呂に入るのよ。)
チャンドラー: Or what my father calls "Thursday night." (もしくは、俺の父親が「サーズデー・ナイト」と呼んでいるやつだ。)
hypnosis は「催眠、催眠状態」。
レイチェルがチャンドラーに渡したカセットテープ(テープ、というところが、ちょっと時代を感じさせますが…笑)は、睡眠中に聞き、催眠術をかけられたような状態になって禁煙に導くテープのようです。
beyond は「…を越えて、凌駕して、超越して」。
crap は「ふん、うんち」のことで、日本語の「くそ」と同じように「ひどいもの、くず」という意味があります。
beyond crap は crap を超越するもの、という感じで、crap よりもっとひどいもの、ということですね。
日本語で「クソ以上」のように「以上」と表現すると何だか変な感じで、あえて日本語にすると「クソ以下」になるでしょうか?
hypnotize は「…に催眠術をかける」。
at the count three は、1、2、3と数える、その3のタイミングで、ということでしょう。
butt cheek はお尻の肉ですね。
フレンズ1-19その6 にも出てきました。
お尻を丸出しにして、Wipe Out をする、ということですが、その「ワイプアウト」がどんなものか、よくわかりません。
掃除などで wipe out だと「ふき取る、ぬぐい取る」という感じですので、お尻を、雑巾で窓を拭くみたいに動かす、ということかなぁ?とも思うのですが…。
でもそれだと、前置詞は on ではなくて、with かもしれない…。
on your butt cheeks だと、「お尻の上で、お尻の表面で」ワイプアウトをする、ということになりそうな気もします。
ますます、どんなものかわかりません(笑)。
'cause you always pull your pants down at the count of three and play "Wipe Out" on your butt cheeks は、過去形ではなく現在形で、さらには always もついています。
これが過去形だったら、「ロスはパンツをずり下げて、ワイプアウトをやった」になるのですが、always+現在形ですから、「あなたはいつもそうする」という習慣を表していることになります。
レイチェルが言いたいのは、「催眠術にかかってないというあなたの主張はごもっともね。だって、あなたは1、2、3と数えられると、いつでもどこでも、ワイプアウトをするんだから」ということです。
アトランティック・シティでもいつものあなたの行為が出ただけで、あれは催眠術のせいじゃないわよねぇ?と皮肉を言っているのですね。
「催眠術なんかかかってないと言いながら、あの時のあなたはとても恥ずかしいことをしてたわよ、それでもかかってないって言うの?」ということが言いたいのですが、それをそうは言わずに、「あの恥ずかしい行為は、催眠術にかかってない普段からやってることだもんね。」と言っているのです。
heather は「ヒース、ギリュウモドキ」などと辞書にあります。とにかく植物の名前です。
その後、若い男の汗の話まで出てきますが、フィービーお得意の「それは一体どこの国のおまじないだ?」みたいな儀式ですね。
Or what my father calls... というチャンドラーのセリフは、bathe in the sweat of... のことを言い換えているのかな、と思います。
俺の父親によると、それは別名 Thursday night だね、という感じでしょうか。
フレンズ3-8その26 で、「チャンドラーのパパはゲイである」話を書いたのですが、若い男の汗うんぬんの話を聞いて、そういうのは自分の父親が好きそうなやつだなぁ、ということで、今フィービーが言ったのは、父親が「サーズデー・ナイト」と呼んでるやつだ、と言ったのかなぁ、と思うのですが…。
チャンドラーのパパは、シーズン7に登場します。
また、4-12 で、チャンドラーのパパの職業がわかるセリフが出てきます。
そのパパの職業を知ると、Thursday night というネーミングが、具体的に何を指す名前なのか、何となく想像がつくのですが、この 3-18 の時点では、(私の記憶では)パパの職業はまだわかっていないように思いますので、「パパがそう呼んでいる」という程度にとどめておきます。
セントラルパークに、フィービーの弟フランクが久しぶりにやってきたので、フィービーはびっくり。
フィービー: What are you doing here? (どうしてここに来たの?)
フランク: Oh, well, y'know, I would've called, but I lost your phone number. And then ah, my mom locked me out of the house, so I couldn't find it. And then, I tried to find a pay phone, and ah, the receiver was cut off. So.... (あぁ、えーっと、(電話番号を知っていたら)電話をかけてただろうけど、姉さんの電話番号をなくしちゃって。それから、俺のママが俺を家から締め出したんで、それで、電話番号を見つけることもできなくて。それから、公衆電話を探そうとしてみたら、受話器(のコード)が切られてて。それで…)
フィービー: What happened? (何があったの?)
フランク: Ah, oh, the ah, vandalism. (あぁ、公共物破壊だよ。)
フィービー: But also, what happened between you and your mom? (でも、それと同じように、あなたとあなたのママの間に何が起こったの?)
フランク: Well, we got into a fight 'cause ah, she said I was too immature to get married. (そうだな。俺とママは喧嘩したんだ。だって、ママが俺は結婚するには未熟すぎるって言ったから。)
フィービー: You're getting married? (あなた、結婚するの?)
フランク: Oh, yeah! (あぁ、そうなんだよ!)
みんな: Wow! (ワオ!)
I would've called は、if I had known your phone number という仮定が含まれているように思います。
フランクのセリフは、I would've called, but I lost your phone number. となっていて、電話をかけられなかった理由(電話番号をなくした)が後で述べられていますが、I would've called は「過去の事実に反する仮定」をすれば「電話をかけただろうに」というニュアンスですから、would've called が使われていることで、実際は事情があってかけられなかった、だからこうして直接会いに来た、という流れに繋がるのだと思います。
vandalism は「暴力行為、野蛮行為、芸術・文化への破壊(行為)、公共物破壊(行為)」。
Vandal (the Vandals) は「バンダル族」のことで、その民族がローマに入り、ローマ文化を破壊したことから、vandalism という言葉が生まれたようです。
フィービーは、フランクのセリフの、ママに締め出された、という話にひっかかって、「締め出されるなんて、一体あなたは何をしたの? 何があったの?」と尋ねたのですが、フランクはその直前の受話器のコードが切られていた、についての質問かと思って、「ほら、街でよくある、乱暴行為、公共物を破壊する、ってやつだよ。」と答えているのですね。
フィービーがよくやる、質問の取り違えですが、姉弟だから、その辺りの反応がそっくり、いえむしろ、フィービーよりもさらにボケた感じなのが面白いです。
フランクの返事を聞いて、フィービーは、But also, what happened between... と言っていますが、公共物破壊も、確かに What happened? な出来事だけど、「それと同じように」あなたとママの間に何があったの?という意味で、also を使っているのだと思います。
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The One With The Hypnosis Tape (愛さえあれば年の差なんて!)
原題は「催眠テープの話」
昨日の記事、スピードアップ宣言! での予告通り、3-18 から、ペースを上げます。
レイチェルは、チャンドラーに、禁煙のための a hypnosis tape (催眠テープ)を使ってみて、とすすめます。
それを聞いて、プッ!とばかにしたような声を出すロス。
レイチェル: (to Ross) What's your problem? ([ロスに] 何が問題なの?)
ロス: Nothing. It's just that hypnosis is beyond crap. (別に。ただ、催眠(術)なんて、クソ以下だよ。)
レイチェル: Ross, I watched you get hypnotized in Atlantic City. (ロス、私はあなたがアトランティック・シティで催眠術にかけられるのを(ずっと)見てたのよ。)
ロス: Hey, that guy did not hypnotize me, okay? (おい、あの男は僕に催眠術なんかかけてないよ、いいか?)
レイチェル: All right, 'cause you always pull your pants down at the count of three and play "Wipe Out" on your butt cheeks. (あぁ、そうね。だって、あなたはいつも、3のカウントでパンツをずり下げて、お尻(の肉)でワイプアウトをするものね。)
フィービー: All right, forget hypnosis. The way to quit smoking is you have to dance naked in a field of heather, and then bathe in the sweat of six healthy, young men. (いいわ。催眠術のことは忘れて。タバコをやめるには、ヒースの草原で裸で踊らないといけないの。それから健康で若い6人の男の汗のお風呂に入るのよ。)
チャンドラー: Or what my father calls "Thursday night." (もしくは、俺の父親が「サーズデー・ナイト」と呼んでいるやつだ。)
hypnosis は「催眠、催眠状態」。
レイチェルがチャンドラーに渡したカセットテープ(テープ、というところが、ちょっと時代を感じさせますが…笑)は、睡眠中に聞き、催眠術をかけられたような状態になって禁煙に導くテープのようです。
beyond は「…を越えて、凌駕して、超越して」。
crap は「ふん、うんち」のことで、日本語の「くそ」と同じように「ひどいもの、くず」という意味があります。
beyond crap は crap を超越するもの、という感じで、crap よりもっとひどいもの、ということですね。
日本語で「クソ以上」のように「以上」と表現すると何だか変な感じで、あえて日本語にすると「クソ以下」になるでしょうか?
hypnotize は「…に催眠術をかける」。
at the count three は、1、2、3と数える、その3のタイミングで、ということでしょう。
butt cheek はお尻の肉ですね。
フレンズ1-19その6 にも出てきました。
お尻を丸出しにして、Wipe Out をする、ということですが、その「ワイプアウト」がどんなものか、よくわかりません。
掃除などで wipe out だと「ふき取る、ぬぐい取る」という感じですので、お尻を、雑巾で窓を拭くみたいに動かす、ということかなぁ?とも思うのですが…。
でもそれだと、前置詞は on ではなくて、with かもしれない…。
on your butt cheeks だと、「お尻の上で、お尻の表面で」ワイプアウトをする、ということになりそうな気もします。
ますます、どんなものかわかりません(笑)。
'cause you always pull your pants down at the count of three and play "Wipe Out" on your butt cheeks は、過去形ではなく現在形で、さらには always もついています。
これが過去形だったら、「ロスはパンツをずり下げて、ワイプアウトをやった」になるのですが、always+現在形ですから、「あなたはいつもそうする」という習慣を表していることになります。
レイチェルが言いたいのは、「催眠術にかかってないというあなたの主張はごもっともね。だって、あなたは1、2、3と数えられると、いつでもどこでも、ワイプアウトをするんだから」ということです。
アトランティック・シティでもいつものあなたの行為が出ただけで、あれは催眠術のせいじゃないわよねぇ?と皮肉を言っているのですね。
「催眠術なんかかかってないと言いながら、あの時のあなたはとても恥ずかしいことをしてたわよ、それでもかかってないって言うの?」ということが言いたいのですが、それをそうは言わずに、「あの恥ずかしい行為は、催眠術にかかってない普段からやってることだもんね。」と言っているのです。
heather は「ヒース、ギリュウモドキ」などと辞書にあります。とにかく植物の名前です。
その後、若い男の汗の話まで出てきますが、フィービーお得意の「それは一体どこの国のおまじないだ?」みたいな儀式ですね。
Or what my father calls... というチャンドラーのセリフは、bathe in the sweat of... のことを言い換えているのかな、と思います。
俺の父親によると、それは別名 Thursday night だね、という感じでしょうか。
フレンズ3-8その26 で、「チャンドラーのパパはゲイである」話を書いたのですが、若い男の汗うんぬんの話を聞いて、そういうのは自分の父親が好きそうなやつだなぁ、ということで、今フィービーが言ったのは、父親が「サーズデー・ナイト」と呼んでるやつだ、と言ったのかなぁ、と思うのですが…。
チャンドラーのパパは、シーズン7に登場します。
また、4-12 で、チャンドラーのパパの職業がわかるセリフが出てきます。
そのパパの職業を知ると、Thursday night というネーミングが、具体的に何を指す名前なのか、何となく想像がつくのですが、この 3-18 の時点では、(私の記憶では)パパの職業はまだわかっていないように思いますので、「パパがそう呼んでいる」という程度にとどめておきます。
セントラルパークに、フィービーの弟フランクが久しぶりにやってきたので、フィービーはびっくり。
フィービー: What are you doing here? (どうしてここに来たの?)
フランク: Oh, well, y'know, I would've called, but I lost your phone number. And then ah, my mom locked me out of the house, so I couldn't find it. And then, I tried to find a pay phone, and ah, the receiver was cut off. So.... (あぁ、えーっと、(電話番号を知っていたら)電話をかけてただろうけど、姉さんの電話番号をなくしちゃって。それから、俺のママが俺を家から締め出したんで、それで、電話番号を見つけることもできなくて。それから、公衆電話を探そうとしてみたら、受話器(のコード)が切られてて。それで…)
フィービー: What happened? (何があったの?)
フランク: Ah, oh, the ah, vandalism. (あぁ、公共物破壊だよ。)
フィービー: But also, what happened between you and your mom? (でも、それと同じように、あなたとあなたのママの間に何が起こったの?)
フランク: Well, we got into a fight 'cause ah, she said I was too immature to get married. (そうだな。俺とママは喧嘩したんだ。だって、ママが俺は結婚するには未熟すぎるって言ったから。)
フィービー: You're getting married? (あなた、結婚するの?)
フランク: Oh, yeah! (あぁ、そうなんだよ!)
みんな: Wow! (ワオ!)
I would've called は、if I had known your phone number という仮定が含まれているように思います。
フランクのセリフは、I would've called, but I lost your phone number. となっていて、電話をかけられなかった理由(電話番号をなくした)が後で述べられていますが、I would've called は「過去の事実に反する仮定」をすれば「電話をかけただろうに」というニュアンスですから、would've called が使われていることで、実際は事情があってかけられなかった、だからこうして直接会いに来た、という流れに繋がるのだと思います。
vandalism は「暴力行為、野蛮行為、芸術・文化への破壊(行為)、公共物破壊(行為)」。
Vandal (the Vandals) は「バンダル族」のことで、その民族がローマに入り、ローマ文化を破壊したことから、vandalism という言葉が生まれたようです。
フィービーは、フランクのセリフの、ママに締め出された、という話にひっかかって、「締め出されるなんて、一体あなたは何をしたの? 何があったの?」と尋ねたのですが、フランクはその直前の受話器のコードが切られていた、についての質問かと思って、「ほら、街でよくある、乱暴行為、公共物を破壊する、ってやつだよ。」と答えているのですね。
フィービーがよくやる、質問の取り違えですが、姉弟だから、その辺りの反応がそっくり、いえむしろ、フィービーよりもさらにボケた感じなのが面白いです。
フランクの返事を聞いて、フィービーは、But also, what happened between... と言っていますが、公共物破壊も、確かに What happened? な出来事だけど、「それと同じように」あなたとママの間に何があったの?という意味で、also を使っているのだと思います。
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2009年02月21日
スピードアップ宣言!
次回から、エピソード3-18 に突入するにあたり、「スピードアップ宣言」をします。
具体的には、「2週間で1エピソードを終える」のが目標です。
以下、長くなりますが、方針変更の事情を説明します。
(フレンズ解説の進度が遅かった理由)
シーズン3を開始した、つまり、フレンズ3-1その1 を書いたのが、2007年2月4日! 何と2年前!!
2年もかかって、まだ 25話中17話までしか進んでない、というのは、ちょっとやばいよねぇ、とずーっと自分で思っていました。
進度が遅かったのは、フレンズ解説記事そのものが長かった以外にも、いろいろと理由があります。
シーズン3に入った少し後の 2007年3月に、私は英検1級に合格しました。
それがとても嬉しかったし、忘れないうちにいろいろと書いておこうと思って、1級合格体験記シリーズを書きました。(カテゴリー: 英検)
その1年後、2008年3月に拙著 シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法 を出版した時、これまた夢のように嬉しい出来事だったので、拙著に関する記事をたくさん書いてしまいました。(カテゴリー: 私の著書)
また、自分が本を出したことで、他の方が出しておられる本の書評を書くことが楽しくなり、2008年7月以降、書評もいくつか書きました。(カテゴリー: 書評)
そんなこんなで、フレンズ以外の記事をたくさん書いてしまったために、どんどん遅れ、現在に至る…わけです。
また、フレンズ記事そのものが長い、という理由も大きいですね。
今までは、とりあえずフレンズのエピソードを見て、思いついたことをひたすら書く、という方式を取っていました。
すると、どんどん長くなっていくことに気付きました。
私はすでにフレンズを一通りファイナルまで見ているので、今は2巡目なのですね。
ですから、初見では気付かなかったことに気付きますし、英語をこれまで学んできて身に付いた知識のお陰で、細かい部分にまで注意がいくようになりました。
それが自分の成長だと思うし、その自分の成長が嬉しくもあり、また、最初の頃はわからない部分はこっそり飛ばしていた(笑)のも、今では、わからないなりに、「仮説、叩き台」くらいなら書けるようになったぞ!という思いもあって、それで余計に文章が長くなってしまったようです。
ト書きから学べることも多いし、ネットスクリプト全てに日本語訳をつけることで、私が気付かず犯している間違いに気付いてもらえたりすることもありました。
わからない部分こそ、ネットで私の意見をお見せして、「私はこう思ったんですが、皆さんはどう思われましたか?」というのを尋ねてみたい、という気持ちが強いのです。
そうすることで、これまで非常に多くのことをこのブログ上で学ばせていただいてきましたので。
たかだか正味23分くらいのエピソード1本で、どんだけ長い記事を書くねん!と思っておられた方も多いでしょう。
それだけ、生きた英語から学べることはたくさんある、ということです。
これまでの記事で、そのことは十分示せたと思いますし、このペースでは、仮にずっとブログを続けたとしても、おばあちゃんになってもまだ終わらない、ということにもなりかねないので、今回、思い切って方針を変更することにしたのです。
拙著で「あまり一つのエピソードにこだわりすぎず、どんどん次のエピソードに進んでいった方がいい」ということを書いたのですが、一つのエピソードにこだわりすぎているのは、他でもないこの私やんか!と思うと、やはり、これではいかん!と思ったのですね。
(具体的な今後の方針)
今のところの予定としては、各エピソードの「その1」は日曜日に始め、これまで通りの隔日更新で、2週間で1エピソードを終わることにします。
2週間隔日更新、つまり、日、火、木、土、月、水、金の7回の記事(「その7」まで)の間で、できるだけそのエピソードのポイントとなる表現を網羅できるようにします。
スクリプトの全訳はしません。
全部訳そうとすると、的確な日本語訳をつけるためにいろいろ調べることになります。
いろいろ調べると、その調べた結果を読者の皆さんとシェアしたくなり、結局記事が長くなる、という結果になるのですね。
そうするとなかなか先に進めない。
一つのエピソードの中にこだわりたい部分はいろいろとあるけれど、それをできるだけ絞って、どんどんと次のエピソードに進んでいくことで学べることも多いはずだ、と思っています。
強制的に書く期間を設定することで、これまでより、もっと内容の濃いものが書けるといいなと思います。
また、ト書きの解説もできるだけ避け、セリフそのものの解説に重点を置くことにします。
そして、また日曜日から、次のエピソードの「その1」が始まる、といった具合です。
この計画がうまく行くかどうかもわからないのに気が早いのですが、その「2週間1エピソード」ペースを維持すると、このブログの4周年、6月15日には、シーズン4に突入できているはず、です。
4年で3シーズン分の解説を終了することになり、ちょうど1年遅れることになりますが、そのペースで続けると、1シーズンはだいたい24話ですから、その後も1年1シーズンのペースで書いていくことができるかな、と。
フレンズ解説以外の記事(書評など)、または過去エピソードの追加記事を書く場合には、その隔日更新の合間合間に挟んでいって、メインのフレンズ解説が遅れることのないように努めたいと思います。
そのように、3-18 からは、スクリプト全部に日本語訳をつけることはやめますが、私がフレンズ解説で飛ばした部分、省いた箇所についても、ご意見、ご質問等あれば、コメント欄でお寄せ下さい。
ペースを上げた分だけ、コメントのお返事に時間がかかるかもしれませんが、そのように読者の方と意見交換させていただくことで、私が気付かなかったポイントに気付かせていただけることも多いと思っています。
スピードアップをすることで、ファイナルまで行けるかも、という気持ちが「少し」出てきました。
もちろん、人生は何があるかわかりませんが、読んで下さる人がいることを実感できる間は、続けていきたいと思います。
新しいパターンに慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、試行錯誤しながらも、その内容が『「フレンズ」英語攻略ガイド』の名前に恥じないものとなるように、頑張っていくつもりです。
今回の方針変更については賛否両論あるかもしれませんが、多分、「とっとと進んでいくこと」については賛成の人の方が多いでしょう(笑)。
私自身、あのエピソードも好き、このエピソードも好き、と、説明したいエピソードがたくさんあります。
ですから今後、ペースを上げて、どんどん新しいエピソードを説明できることがとても楽しみなのです。
これまで私のマニアックなこだわりのため、ちんたらとしか進めなかったにもかかわらず、我慢強く読み続けて下さった読者の方に、心から感謝の意を述べたいと思います。
今までありがとうございました。
そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
ということで、早速、明日日曜日から、3-18 の解説を始めます!
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(フレンズ解説の進度が遅かった理由)
シーズン3を開始した、つまり、フレンズ3-1その1 を書いたのが、2007年2月4日! 何と2年前!!
2年もかかって、まだ 25話中17話までしか進んでない、というのは、ちょっとやばいよねぇ、とずーっと自分で思っていました。
進度が遅かったのは、フレンズ解説記事そのものが長かった以外にも、いろいろと理由があります。
シーズン3に入った少し後の 2007年3月に、私は英検1級に合格しました。
それがとても嬉しかったし、忘れないうちにいろいろと書いておこうと思って、1級合格体験記シリーズを書きました。(カテゴリー: 英検)
その1年後、2008年3月に拙著 シットコムで笑え! 楽しくきわめる英語学習法 を出版した時、これまた夢のように嬉しい出来事だったので、拙著に関する記事をたくさん書いてしまいました。(カテゴリー: 私の著書)
また、自分が本を出したことで、他の方が出しておられる本の書評を書くことが楽しくなり、2008年7月以降、書評もいくつか書きました。(カテゴリー: 書評)
そんなこんなで、フレンズ以外の記事をたくさん書いてしまったために、どんどん遅れ、現在に至る…わけです。
また、フレンズ記事そのものが長い、という理由も大きいですね。
今までは、とりあえずフレンズのエピソードを見て、思いついたことをひたすら書く、という方式を取っていました。
すると、どんどん長くなっていくことに気付きました。
私はすでにフレンズを一通りファイナルまで見ているので、今は2巡目なのですね。
ですから、初見では気付かなかったことに気付きますし、英語をこれまで学んできて身に付いた知識のお陰で、細かい部分にまで注意がいくようになりました。
それが自分の成長だと思うし、その自分の成長が嬉しくもあり、また、最初の頃はわからない部分はこっそり飛ばしていた(笑)のも、今では、わからないなりに、「仮説、叩き台」くらいなら書けるようになったぞ!という思いもあって、それで余計に文章が長くなってしまったようです。
ト書きから学べることも多いし、ネットスクリプト全てに日本語訳をつけることで、私が気付かず犯している間違いに気付いてもらえたりすることもありました。
わからない部分こそ、ネットで私の意見をお見せして、「私はこう思ったんですが、皆さんはどう思われましたか?」というのを尋ねてみたい、という気持ちが強いのです。
そうすることで、これまで非常に多くのことをこのブログ上で学ばせていただいてきましたので。
たかだか正味23分くらいのエピソード1本で、どんだけ長い記事を書くねん!と思っておられた方も多いでしょう。
それだけ、生きた英語から学べることはたくさんある、ということです。
これまでの記事で、そのことは十分示せたと思いますし、このペースでは、仮にずっとブログを続けたとしても、おばあちゃんになってもまだ終わらない、ということにもなりかねないので、今回、思い切って方針を変更することにしたのです。
拙著で「あまり一つのエピソードにこだわりすぎず、どんどん次のエピソードに進んでいった方がいい」ということを書いたのですが、一つのエピソードにこだわりすぎているのは、他でもないこの私やんか!と思うと、やはり、これではいかん!と思ったのですね。
(具体的な今後の方針)
今のところの予定としては、各エピソードの「その1」は日曜日に始め、これまで通りの隔日更新で、2週間で1エピソードを終わることにします。
2週間隔日更新、つまり、日、火、木、土、月、水、金の7回の記事(「その7」まで)の間で、できるだけそのエピソードのポイントとなる表現を網羅できるようにします。
スクリプトの全訳はしません。
全部訳そうとすると、的確な日本語訳をつけるためにいろいろ調べることになります。
いろいろ調べると、その調べた結果を読者の皆さんとシェアしたくなり、結局記事が長くなる、という結果になるのですね。
そうするとなかなか先に進めない。
一つのエピソードの中にこだわりたい部分はいろいろとあるけれど、それをできるだけ絞って、どんどんと次のエピソードに進んでいくことで学べることも多いはずだ、と思っています。
強制的に書く期間を設定することで、これまでより、もっと内容の濃いものが書けるといいなと思います。
また、ト書きの解説もできるだけ避け、セリフそのものの解説に重点を置くことにします。
そして、また日曜日から、次のエピソードの「その1」が始まる、といった具合です。
この計画がうまく行くかどうかもわからないのに気が早いのですが、その「2週間1エピソード」ペースを維持すると、このブログの4周年、6月15日には、シーズン4に突入できているはず、です。
4年で3シーズン分の解説を終了することになり、ちょうど1年遅れることになりますが、そのペースで続けると、1シーズンはだいたい24話ですから、その後も1年1シーズンのペースで書いていくことができるかな、と。
フレンズ解説以外の記事(書評など)、または過去エピソードの追加記事を書く場合には、その隔日更新の合間合間に挟んでいって、メインのフレンズ解説が遅れることのないように努めたいと思います。
そのように、3-18 からは、スクリプト全部に日本語訳をつけることはやめますが、私がフレンズ解説で飛ばした部分、省いた箇所についても、ご意見、ご質問等あれば、コメント欄でお寄せ下さい。
ペースを上げた分だけ、コメントのお返事に時間がかかるかもしれませんが、そのように読者の方と意見交換させていただくことで、私が気付かなかったポイントに気付かせていただけることも多いと思っています。
スピードアップをすることで、ファイナルまで行けるかも、という気持ちが「少し」出てきました。
もちろん、人生は何があるかわかりませんが、読んで下さる人がいることを実感できる間は、続けていきたいと思います。
新しいパターンに慣れるまで時間がかかるかもしれませんが、試行錯誤しながらも、その内容が『「フレンズ」英語攻略ガイド』の名前に恥じないものとなるように、頑張っていくつもりです。
今回の方針変更については賛否両論あるかもしれませんが、多分、「とっとと進んでいくこと」については賛成の人の方が多いでしょう(笑)。
私自身、あのエピソードも好き、このエピソードも好き、と、説明したいエピソードがたくさんあります。
ですから今後、ペースを上げて、どんどん新しいエピソードを説明できることがとても楽しみなのです。
これまで私のマニアックなこだわりのため、ちんたらとしか進めなかったにもかかわらず、我慢強く読み続けて下さった読者の方に、心から感謝の意を述べたいと思います。
今までありがとうございました。
そして、これからもどうぞよろしくお願いいたします。
ということで、早速、明日日曜日から、3-18 の解説を始めます!
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2009年02月20日
ちょうどのeven フレンズ3-17その25
フィービー: Okay. Good, all right, let's get back in the car, 'cause it's freezing, and my chest is unsupported. (よし、それでいいわ。さあ車の中に戻りましょう。だって凍えるように寒いし、私の胸はサポートされていないから。)
ジョーイ: Oh, what, wait, wait a second! I mean, what are we doing? Who's going with who? (あぁ、待って、待って、ちょっと待ってよ! 俺たちはこれからどうするの? 誰が誰と一緒に行くんだよ。)
ロス: Look, you guys, you guys should go. (Joey tries to say something, but Ross cuts him off.) No, I'm, you know, you planned this all out, and I don't want to ruin it. So you guys should just go. (ねぇみんな、君たちは行くべきだよ。[ジョーイは何かを言おうとするが、ロスはそれをさえぎる] いいや、僕は、ほら、君たちはこのスキー旅行の予定をすっかり立ててたんだろ。だから、僕はそれを壊したくないんだ。だから、君たちはただ行くべきだよ。)
ジョーイ: Come on, man, you drove all the way up here. (なぁ、ロス。お前はわざわざここまで運転して来てくれたのに。)
ロス: No, no, really, I've got to take the car back anyway. I'm spending all day tomorrow with Ben, It's fine, okay? Just go. No guilt, I promise. (いやいや、ほんとに、どのみち僕は車を返さないといけないんだ。僕は明日一日中ベンと過ごす予定だし。大丈夫だよ。ただ行ってくれ。罪の意識を感じる必要はないよ、約束する。)
レイチェル: Thank you. (ありがとう。)
モニカ: All right, we'll call you when we get back. (これでいいわ。戻ったら電話するわね。)
ロス: Okay. (わかった。)
フィービー: Maybe we can, like, go to a movie or something. (多分、ほら、映画に行くとかできると思うの。)
ロス: Okay. (オッケー。)
フィービー: Or, or the rodeo! (それとか、それとか、ロデオよ!)
ロス: That would be great. (それはいいね。)
フィービー: Okay! (オッケー!)
チャンドラー: I was being Shelly Winters from The Poseidon Adventure. (俺は、ポセイドン・アドベンチャーのシェリー・ウィンタース(の真似)をやってたんだ。)
ロス: I know. (わかってる。)
[They all get in the cab and drive away.]
フレンズたちはみんなキャブに乗り込み、走り去る。
フィービー: Bye! (バーイ!)
[Ross tries to start the truck, and discovers the battery's dead.]
ロスはトラックを発進させようとするが、バッテリーが切れているのを発見する。
CLOSING CREDITS
my chest is unsupported. は、ロックされた車を開けるのにフィービーのブラを使ったので、今はブラをしていない、だから胸がスースーして寒い、ということです。
ここでのロスはだだをこねたり、皮肉を言うことなく、素直に、みんなで行ってくれ、と言っています。
僕が行くというと話がややこしくなるのがわかっているからですね。
Just go. No guilt, I promise. について。
guilt は「有罪、罪があること」「罪の責任」「罪の意識、罪悪感、自責」などの意味がありますが、No guilt は恐らく、「僕を置いていくことに罪悪感を感じないでくれ。」みたいなニュアンスかなと思います。
I promise. は、あの時置いていかれたのはひどかった、君たちは冷たかった、などと後から責めたりしないって約束するよ、という感じかなと思いました。
大人の対応を見せたロスに対して、今回はレイチェルも素直にありがとう、と言っています。
これが、前回の記事、無礼にならない程度に丁寧 フレンズ3-17その24 で説明した、civil な対応、ということですね。
ロスに対して、みんながいたわりを見せるのが泣けます。
フィービーはなぜか、ロデオはどう?などと言っています。
フレンズたちがしなさそうな遊びですが(笑)、とにかく何か楽しいことをしましょうね!と言っているフィービーの気持ちが伝わったので、ロスは That would be great. 「それをしたら楽しいだろうね、それは素敵だね。」と素直に返事しています。
前回の記事、フレンズ3-17その24 でチャンドラーがやっていたジェスチャーゲーム(?)の答えがここでわかります。
ポセイドン・アドベンチャーってかなり有名な映画だと思うのですが、私、申し訳ありませんが、見ていません(爆)。
映画を見た方が手っ取り早いかな、と思いつつ、とりあえずネットで調べたことを書いておきます。
Wikipedia 日本語版: ポセイドン・アドベンチャー を見ると、
ベル・ローゼン(中年婦人・元水泳選手) … シェリー・ウィンタース Shelley Winters
と出ています。
また、
ゴールデングローブ賞 助演女優賞:シェリー・ウィンタース
ともありますので、劇中で結構活躍する役柄なのでしょう。
Wikipedia 英語版: The Poseidon Adventure (1972 film)
上の英語版ウィキペディアの Popular Culture には、今回のフレンズのことが以下のように書いてあります。
On an episode of Friends, Chandler imitates a dance by Belle Rosen, saying he was "Shelly Winters from Poseidon Adventure".
つまり、ベル・ローゼンのダンスを真似ている、ということですね。
映画の中でこんな踊りをするシーンがあるのでしょうか。
この映画を見た人なら、あぁあれか!とわかるものなのか、もしくはあの映画を見た人でも忘れているような恐ろしくマニアックな物真似なのか(笑)、どちらでしょう?(多分、前者だと思うのですが。)
ご存知の方は、どういう状況の場面だったか、などを教えていただけるとありがたいです。
シェリーさんについて、詳しくは以下のサイトで。
Wikipedia 英語版: Shelley Winters
IMDb: Shelley Winters
誰も当ててくれなかったので(笑)、結局自分で答えを言ったチャンドラーですが、それに対して、しばらくの沈黙の後、「わかってる」と答えたロス。
多分、わからなかったと思うのですが、自分とレイチェルの喧嘩でチャンドラーにも迷惑をかけてしまった、という思いから、そのように答えたのかな、という気がします。
みんなが去って行った後、ロスも帰ろうとすると、エンジンがかからなくて、プーッと警笛を鳴らしているのがなんともかわいそう。
[Scene: Carol and Susan's, Carol is running to answer the door.]
キャロルとスーザンの家。キャロルは(呼び出し音があったので)来客に応対するために走っている。
キャロル: (looking through the peephole) Ugh. (opening the door) Ross! ([のぞき穴から見て] あー。[ドアを開けて] ロス!)
ロス: (entering) Hi. Sorry I'm late. Were you sleeping? ([入ってきて] やぁ。遅くなってごめん。寝てた?)
キャロル: Ahh, nooo!! (あぁー、いいえ!)
ロス: Oh, great. Listen, oh, I had to get you a whole new battery. I got you the best one I could, 'cause that's not where you want to skimp. (あぁ、良かった。聞いてよ。そう、僕は君に新しいバッテリーを(丸ごと)買わないといけなかったんだ。僕が買える最高のバッテリーを買ったよ。だって、バッテリーはケチりたくないところだからね。)
キャロル: You're a genius, Ross. (あなたは天才ね、ロス。)
ロス: Yeah, well, it came to about $112. But what the hell, just call it an even 110? (あぁ、それで、112ドルくらいしたんだけど、でもそれがどうした! ちょうど110ドルにしておくよ。)
キャロル: Okay, I'll pay you tomorrow. (pushes him out the door) (わかったわ。明日あなたに払うから。[ロスをドアの外に押し出す])
ロス: Okay. (わかった。)
キャロル: Okay, bye! (オッケー。バーイ!)
ロス: So they, ah, they all took off. It was pretty hard watching them go, y'know? (それで、あいつらは、あいつらはみんな行った[出発した]んだ。みんなが行くのを見るのはとっても辛かったよ、わかるだろ?)
キャロル: Yeah, okay. Bye. (closes the door, turns out the lights, and runs back to the bedroom) (えぇ、そうね。さよなら。[ドアを閉め、明かりを消し、寝室に走って戻る])
ロス: (outside the door) So I'm gonna take off then! ([ドアの外で] それじゃ、僕は今から帰るよ!)
夜中に来客で、慌ててドアのところに行くキャロル。
ロスに寝てた?と聞かれて、言いよどんだ後、一応否定してみせるキャロルですが、寝ていたのは明らかですね。
フレンズ3-17その17 で、今日は記念日だ、と言っていましたし、キャロルとスーザンは情熱的な夜を過ごしていたであろうことは、キャロルの様子を見ればわかります。
が、自分のことで頭がいっぱいなロスは、そこまで気が回らない、ということですね。
skimp は「けちる、節約する、切り詰める」。
最高級のものを買った理由について、that's not where you want to skimp. と言っていますが、「バッテリーは、けちりたいと思うところではないから」ということです。
この you は、キャロル、というよりも、一般の人を表すニュアンスかもしれません。
バッテリーは車の大切な部分だから、誰もそこをケチりたくはないだろ?ということでしょう。
come to $... は「合計金額などが…ドルになる」という意味。
What the hell について。
英辞郎では、
What the hell!=(下品)くそくらえ!/かまうもんか!/やっちゃおうよ!/そうしようよ! (「どうなってもいいからやってしまえ」という意味)
と出ています。
研究社 新英和中辞典では、
What the hell!=どうということはない、たいしたことはない
とありますね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
what the hell!: (spoken not polite) used to say that you will do something and not worry about any problems it causes
例) Elaine poured herself a large glass of whisky - what the hell, it was Christmas.
つまり、「自分が何かをし、そしてそれが引き起こすどんな問題も気にしないことを言う時に使われる。」
例文は、「エレインは自分のために、大きなグラス1杯のウイスキーを注いだ。そんなことかまうもんか[それがどうしたっていうの]。クリスマスだったのだから。」
Just call it an even 110? について。
110 は、one ten と発音されていますが、110ドルのことですね。
call it even という表現だと「貸し借りなしにする、チャラにする、おあいこにする」という意味ですが、ここでは、call it even ではなく、call it an even 110 となっています。
このように、数字の前につく even は、「(数や金額などが)端数なしの、ちょうど」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
even [adjetive]: EXACT
an even amount, measurement, price etc. can be expressed as an exact number of units
例) Our grocery bill came to an even $30.00.
つまり、「even な量、寸法、価格などは、単位の正確な数字として表される。」
例文は、「食料雑貨品[店]の勘定は、ちょうど30ドルになった。」
ロスのセリフは、Just call it even. 「貸し借りなしにしよう」と言っているのではなくて、112ドルを、ちょうど 110ドルにしよう、と言っているわけです。
What the hell という言葉をわざわざ挿入して、思い切りの良さを見せようとしているようですが、その内容が「2ドルまけとく」というだけの話だったので、What the hell というほどの大袈裟な話か!と笑ってしまうわけですね。
ちなみに、この even の感覚ですが、形容詞 even は「面が平らな、平坦な」という意味が基本のようです。
「数字がちょうど」という感覚は、小さな端数という邪魔者を切り捨てて平らにする、というニュアンスかなと思います。
また、call it even の「貸し借りなしにしよう」というのは、二者の間で、大きな貸しがある方と大きな借りがある方、という風にバランスが悪いのではなく、どちらの負担も同じくらいのレベル、どちらかが突出して負担しているわけではない、突出した部分を別の形で埋め合わせることで結局平らに持って行く、という意味で「平ら」なんだろうな、と思います。
くどくどと話を続けるロスを何とか追い出して慌てて寝室に戻るキャロル。
フレンズたちが自分を残して take off した(出発した)話をしていたロスは、「今度は、僕が行っちゃうよ、帰っちゃうよ。いいんだね?」みたいにドアの外で言っています。
フレンズたちには去られ、キャロルには引き止められることもなく、最後までかわいそうなロスでした。
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ロス: Look, you guys, you guys should go. (Joey tries to say something, but Ross cuts him off.) No, I'm, you know, you planned this all out, and I don't want to ruin it. So you guys should just go. (ねぇみんな、君たちは行くべきだよ。[ジョーイは何かを言おうとするが、ロスはそれをさえぎる] いいや、僕は、ほら、君たちはこのスキー旅行の予定をすっかり立ててたんだろ。だから、僕はそれを壊したくないんだ。だから、君たちはただ行くべきだよ。)
ジョーイ: Come on, man, you drove all the way up here. (なぁ、ロス。お前はわざわざここまで運転して来てくれたのに。)
ロス: No, no, really, I've got to take the car back anyway. I'm spending all day tomorrow with Ben, It's fine, okay? Just go. No guilt, I promise. (いやいや、ほんとに、どのみち僕は車を返さないといけないんだ。僕は明日一日中ベンと過ごす予定だし。大丈夫だよ。ただ行ってくれ。罪の意識を感じる必要はないよ、約束する。)
レイチェル: Thank you. (ありがとう。)
モニカ: All right, we'll call you when we get back. (これでいいわ。戻ったら電話するわね。)
ロス: Okay. (わかった。)
フィービー: Maybe we can, like, go to a movie or something. (多分、ほら、映画に行くとかできると思うの。)
ロス: Okay. (オッケー。)
フィービー: Or, or the rodeo! (それとか、それとか、ロデオよ!)
ロス: That would be great. (それはいいね。)
フィービー: Okay! (オッケー!)
チャンドラー: I was being Shelly Winters from The Poseidon Adventure. (俺は、ポセイドン・アドベンチャーのシェリー・ウィンタース(の真似)をやってたんだ。)
ロス: I know. (わかってる。)
[They all get in the cab and drive away.]
フレンズたちはみんなキャブに乗り込み、走り去る。
フィービー: Bye! (バーイ!)
[Ross tries to start the truck, and discovers the battery's dead.]
ロスはトラックを発進させようとするが、バッテリーが切れているのを発見する。
CLOSING CREDITS
my chest is unsupported. は、ロックされた車を開けるのにフィービーのブラを使ったので、今はブラをしていない、だから胸がスースーして寒い、ということです。
ここでのロスはだだをこねたり、皮肉を言うことなく、素直に、みんなで行ってくれ、と言っています。
僕が行くというと話がややこしくなるのがわかっているからですね。
Just go. No guilt, I promise. について。
guilt は「有罪、罪があること」「罪の責任」「罪の意識、罪悪感、自責」などの意味がありますが、No guilt は恐らく、「僕を置いていくことに罪悪感を感じないでくれ。」みたいなニュアンスかなと思います。
I promise. は、あの時置いていかれたのはひどかった、君たちは冷たかった、などと後から責めたりしないって約束するよ、という感じかなと思いました。
大人の対応を見せたロスに対して、今回はレイチェルも素直にありがとう、と言っています。
これが、前回の記事、無礼にならない程度に丁寧 フレンズ3-17その24 で説明した、civil な対応、ということですね。
ロスに対して、みんながいたわりを見せるのが泣けます。
フィービーはなぜか、ロデオはどう?などと言っています。
フレンズたちがしなさそうな遊びですが(笑)、とにかく何か楽しいことをしましょうね!と言っているフィービーの気持ちが伝わったので、ロスは That would be great. 「それをしたら楽しいだろうね、それは素敵だね。」と素直に返事しています。
前回の記事、フレンズ3-17その24 でチャンドラーがやっていたジェスチャーゲーム(?)の答えがここでわかります。
ポセイドン・アドベンチャーってかなり有名な映画だと思うのですが、私、申し訳ありませんが、見ていません(爆)。
映画を見た方が手っ取り早いかな、と思いつつ、とりあえずネットで調べたことを書いておきます。
Wikipedia 日本語版: ポセイドン・アドベンチャー を見ると、
ベル・ローゼン(中年婦人・元水泳選手) … シェリー・ウィンタース Shelley Winters
と出ています。
また、
ゴールデングローブ賞 助演女優賞:シェリー・ウィンタース
ともありますので、劇中で結構活躍する役柄なのでしょう。
Wikipedia 英語版: The Poseidon Adventure (1972 film)
上の英語版ウィキペディアの Popular Culture には、今回のフレンズのことが以下のように書いてあります。
On an episode of Friends, Chandler imitates a dance by Belle Rosen, saying he was "Shelly Winters from Poseidon Adventure".
つまり、ベル・ローゼンのダンスを真似ている、ということですね。
映画の中でこんな踊りをするシーンがあるのでしょうか。
この映画を見た人なら、あぁあれか!とわかるものなのか、もしくはあの映画を見た人でも忘れているような恐ろしくマニアックな物真似なのか(笑)、どちらでしょう?(多分、前者だと思うのですが。)
ご存知の方は、どういう状況の場面だったか、などを教えていただけるとありがたいです。
シェリーさんについて、詳しくは以下のサイトで。
Wikipedia 英語版: Shelley Winters
IMDb: Shelley Winters
誰も当ててくれなかったので(笑)、結局自分で答えを言ったチャンドラーですが、それに対して、しばらくの沈黙の後、「わかってる」と答えたロス。
多分、わからなかったと思うのですが、自分とレイチェルの喧嘩でチャンドラーにも迷惑をかけてしまった、という思いから、そのように答えたのかな、という気がします。
みんなが去って行った後、ロスも帰ろうとすると、エンジンがかからなくて、プーッと警笛を鳴らしているのがなんともかわいそう。
[Scene: Carol and Susan's, Carol is running to answer the door.]
キャロルとスーザンの家。キャロルは(呼び出し音があったので)来客に応対するために走っている。
キャロル: (looking through the peephole) Ugh. (opening the door) Ross! ([のぞき穴から見て] あー。[ドアを開けて] ロス!)
ロス: (entering) Hi. Sorry I'm late. Were you sleeping? ([入ってきて] やぁ。遅くなってごめん。寝てた?)
キャロル: Ahh, nooo!! (あぁー、いいえ!)
ロス: Oh, great. Listen, oh, I had to get you a whole new battery. I got you the best one I could, 'cause that's not where you want to skimp. (あぁ、良かった。聞いてよ。そう、僕は君に新しいバッテリーを(丸ごと)買わないといけなかったんだ。僕が買える最高のバッテリーを買ったよ。だって、バッテリーはケチりたくないところだからね。)
キャロル: You're a genius, Ross. (あなたは天才ね、ロス。)
ロス: Yeah, well, it came to about $112. But what the hell, just call it an even 110? (あぁ、それで、112ドルくらいしたんだけど、でもそれがどうした! ちょうど110ドルにしておくよ。)
キャロル: Okay, I'll pay you tomorrow. (pushes him out the door) (わかったわ。明日あなたに払うから。[ロスをドアの外に押し出す])
ロス: Okay. (わかった。)
キャロル: Okay, bye! (オッケー。バーイ!)
ロス: So they, ah, they all took off. It was pretty hard watching them go, y'know? (それで、あいつらは、あいつらはみんな行った[出発した]んだ。みんなが行くのを見るのはとっても辛かったよ、わかるだろ?)
キャロル: Yeah, okay. Bye. (closes the door, turns out the lights, and runs back to the bedroom) (えぇ、そうね。さよなら。[ドアを閉め、明かりを消し、寝室に走って戻る])
ロス: (outside the door) So I'm gonna take off then! ([ドアの外で] それじゃ、僕は今から帰るよ!)
夜中に来客で、慌ててドアのところに行くキャロル。
ロスに寝てた?と聞かれて、言いよどんだ後、一応否定してみせるキャロルですが、寝ていたのは明らかですね。
フレンズ3-17その17 で、今日は記念日だ、と言っていましたし、キャロルとスーザンは情熱的な夜を過ごしていたであろうことは、キャロルの様子を見ればわかります。
が、自分のことで頭がいっぱいなロスは、そこまで気が回らない、ということですね。
skimp は「けちる、節約する、切り詰める」。
最高級のものを買った理由について、that's not where you want to skimp. と言っていますが、「バッテリーは、けちりたいと思うところではないから」ということです。
この you は、キャロル、というよりも、一般の人を表すニュアンスかもしれません。
バッテリーは車の大切な部分だから、誰もそこをケチりたくはないだろ?ということでしょう。
come to $... は「合計金額などが…ドルになる」という意味。
What the hell について。
英辞郎では、
What the hell!=(下品)くそくらえ!/かまうもんか!/やっちゃおうよ!/そうしようよ! (「どうなってもいいからやってしまえ」という意味)
と出ています。
研究社 新英和中辞典では、
What the hell!=どうということはない、たいしたことはない
とありますね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
what the hell!: (spoken not polite) used to say that you will do something and not worry about any problems it causes
例) Elaine poured herself a large glass of whisky - what the hell, it was Christmas.
つまり、「自分が何かをし、そしてそれが引き起こすどんな問題も気にしないことを言う時に使われる。」
例文は、「エレインは自分のために、大きなグラス1杯のウイスキーを注いだ。そんなことかまうもんか[それがどうしたっていうの]。クリスマスだったのだから。」
Just call it an even 110? について。
110 は、one ten と発音されていますが、110ドルのことですね。
call it even という表現だと「貸し借りなしにする、チャラにする、おあいこにする」という意味ですが、ここでは、call it even ではなく、call it an even 110 となっています。
このように、数字の前につく even は、「(数や金額などが)端数なしの、ちょうど」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
even [adjetive]: EXACT
an even amount, measurement, price etc. can be expressed as an exact number of units
例) Our grocery bill came to an even $30.00.
つまり、「even な量、寸法、価格などは、単位の正確な数字として表される。」
例文は、「食料雑貨品[店]の勘定は、ちょうど30ドルになった。」
ロスのセリフは、Just call it even. 「貸し借りなしにしよう」と言っているのではなくて、112ドルを、ちょうど 110ドルにしよう、と言っているわけです。
What the hell という言葉をわざわざ挿入して、思い切りの良さを見せようとしているようですが、その内容が「2ドルまけとく」というだけの話だったので、What the hell というほどの大袈裟な話か!と笑ってしまうわけですね。
ちなみに、この even の感覚ですが、形容詞 even は「面が平らな、平坦な」という意味が基本のようです。
「数字がちょうど」という感覚は、小さな端数という邪魔者を切り捨てて平らにする、というニュアンスかなと思います。
また、call it even の「貸し借りなしにしよう」というのは、二者の間で、大きな貸しがある方と大きな借りがある方、という風にバランスが悪いのではなく、どちらの負担も同じくらいのレベル、どちらかが突出して負担しているわけではない、突出した部分を別の形で埋め合わせることで結局平らに持って行く、という意味で「平ら」なんだろうな、と思います。
くどくどと話を続けるロスを何とか追い出して慌てて寝室に戻るキャロル。
フレンズたちが自分を残して take off した(出発した)話をしていたロスは、「今度は、僕が行っちゃうよ、帰っちゃうよ。いいんだね?」みたいにドアの外で言っています。
フレンズたちには去られ、キャロルには引き止められることもなく、最後までかわいそうなロスでした。
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2009年02月18日
無礼にならない程度に丁寧 フレンズ3-17その24
フィービー: Y'know what? But there is, there is no right or wrong here. (ねぇ聞いて。ここでは、正しいことも悪い[間違っている]ことも何もないのよ[何が正しくて何が悪い[間違い]ってことはないのよ])
レイチェル: No, I think it's very obvious who's wrong here. (いいえ。ここで誰が悪いか[間違っているか]はとても明白だと思うわ。)
ロス: Obviously not to Joey. (明らかに、ジョーイにとっては違うね。)
[They all turn around and look at Joey.]
フレンズたちは全員振り返ってジョーイを見る。
ジョーイ: (pause) What? ([少しの沈黙] 何?)
[They all start fighting with each other.]
フレンズたちはみんな、お互いに喧嘩し始める。
ロス: (to Rachel) Look, both Joey and Monica feel the same way that I do. No-no-no-no. ([レイチェルに] ほら、ジョーイとモニカは二人とも僕と同じように感じてるんだ。違う違う違う違う。)
レイチェル: You and this innocent puppy act! (あなたと、この無邪気な子犬の演技!)
チャンドラー: Hey, guess who I am?! (starts dancing around in an effort to stop the fighting.) (おい、俺が誰か当ててみて! [喧嘩を止めようとして、踊り回り始める]
[They stop briefly to look at Chandler, but then start fighting again.]
フレンズたちは、チャンドラーを見て少しの間喧嘩をやめる、がそれからまた喧嘩を始める。
ここでは何が right で何が wrong かなんてことはないのよ、と口論を止めようとするフィービー。
right or wrong は、「善 or 悪、(道徳的に)正しい or 悪い」か、「(言い分が)正しい or 間違い」かのどちらかでしょう。
最初、善悪のことを言っているように思ったのですが、「モニカがこう言った、ジョーイがこう言った」という「言った言わないの話」の続きなので、それだと「ジョーイは僕に賛成の意見を言った」というロスの意見に対する真偽のことかもしれません。
Obviously not to Joey. というのは、Obviously, it's not obvious who's wrong here. ということだと思います。
レイチェルは、ロスが悪い[or ロスが間違ってる]に決まってる、と決め付けているけれども、少なくともジョーイにとっては、それは明らかではない、ジョーイはロスが絶対に悪い、なんて思ってないよ、または、ジョーイはロスの言っていること(ジョーイがロスに賛同した、ということ)が正しいと思っているよ、ということでしょう。
レイチェルが、it's very obvious... 「…は明らかだ、明白だ」と言った内容を、Obviously not to Joey 「明らかに、ジョーイにとっては it's very obvious ではない」と、同じ obvious という言葉を使って言い返しているのが面白い、ということのようです。
「とても明白だ」だなんて言ってるけど、「ジョーイにとってはそれが明白ではない」ということが明白なんだよ、みたいな感じでしょうか。
You and this innocent puppy act! について。
このレイチェルのセリフは、ネットスクリプトには載っておらず、喧嘩で声が重なっているために、音声としてもはっきり聞き取れないのですが、DVD字幕にそう書いてあったので載せてみました。
問い詰められたジョーイが、What? 「何?、何のこと?」とつぶらな瞳で聞き返すのが、「ぼく、わかんない」と、無邪気な、無垢な子犬のふりをした演技のようだ、と言っているようです。
ジョーイが同意してるって言ったって、ただ、子犬みたいな顔をして立ってるだけでしょ、そんな行為であなたのことを援護していることにはならないわ、ということでしょう。
ついには、みんなが喧嘩を始めます。
その状況に耐え切れないチャンドラーは、"Guess who I am?!" と言いながら、変なジェスチャーを始めます。
ト書きには dance around とありますが、走っているようにも見えますね。
(ちょっと先走りますが)一体誰の真似をしているのか?については、次回の記事で説明があります。
フィービー: Hey! Hey! Hey! Hey!! Hey!!! (they all stop fighting, Chandler continues to dance.) Look what you're doing to Chandler! (Chandler finally stops) (to Ross and Rachel) Yeah, look, we know that this is really, really hard for you guys. Okay? (Ross starts to leave) You don't, all right, you don't have to love each other, okay? You don't, you don’t even have to like each other much right now. But please, you have to figure out a way to be around each other. (ちょっと、ちょっと、ちょっと、ちょっと! ちょっと!! [みんなが喧嘩をやめる。チャンドラーは踊り続けている] あなたたちがチャンドラーにしていることを見てよ! [チャンドラーはついにやめる] [ロスとレイチェルに] ねぇ、あなたたち二人にとって、これが本当に本当に辛いことだって私たちはわかってるわ。[ロスは行こうとする] ロスとレイチェルは愛し合う必要はないわ。今は、お互いをそれほど好きでいる必要さえないわ。でも、お願い、お互いの近くにいられるような方法を考えてくれないといけないのよ。)
ジョーイ: Yeah, and not put us in the middle. (そうだよ。それから、俺たちを巻き込まない方法もね。)
フィービー: Yeah, otherwise, I mean, that's, that's just, that's it for us hanging out together. Y'know is that what you want? (they both look away) Can you be civil? (そうね。そうじゃないと、私たちが一緒に遊ぶのがこれでおしまいになっちゃう。それがあなたたちの望むことなの? [二人とも視線をそらす] あなたたちは礼儀正しくできる?[相手に対して失礼なことを言わないようにできる?])
レイチェル: Yeah. (えぇ。)
ロス: I can. (できるよ。)
Look what you're doing to Chandler! は、「あなたたちがチャンドラーに対してしていることを見てみなさい。」ということですね。
あなたたちがいつまでも喧嘩をやめないから、チャンドラーがあんな行動に出ちゃったじゃない、あんな風に変な踊りを続けているのはあなたたちのせいよ、チャンドラーのあの姿を見て、目を覚ましなさい、みたいなことです。
フィービーの説得は非常にもっともですね。
普段はボケたことを言うフィービーですが、みんながパニクっていて収拾がつかない時に、しごくまっとうなことを言うのが、フィービーのキャラでもあります。
愛し合えとは言わない、好きになれとも今は言わない、ただ、一緒にいるだけで喧嘩になってしまうような、そんな状態は何とか回避して欲しい、元の恋人同士に今すぐ戻れないのはわかっているけれど、せめて同席できるように、何か解決策を考えて欲しい、といことですね。
put us in the middle は、「俺たちを真ん中に入れる」ですから、二人の喧嘩の間に俺たちを立たせる、二人の喧嘩に俺たちを巻き込む、という感じですね。
and not put us in the middle. は、前のフィービーのセリフの続きとして言われているので、完全な文にすると、You have to figure out a way not to put us in the middle. ということだろうと思います。
ジョーイのセリフが、and not to put us ではなく、and not put us となっていることから、figure out a way to not put us in the middle という語順になるかもしれません。
not to put を、to not put と表現する話については、過去記事、分離不定詞 フレンズ3-13その20 をご覧下さい。
ですから、Yeah, and not put us in the middle. は「それから、俺たちを巻き込まない方法も考えてくれよな」という感じでしょう。
言いたいことは、Don't put us in the middle. 「俺たちを巻き込まないでくれ」と同じですが、don't ではなく、not を使っているのは、上に書いたように、フィービーの言葉の続きとして言っている、ということだと思います。
That's it. には、「これでおしまい」という意味がありますね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English)では、
that's it: (spoken) used to say that something is completely finished or that a situation cannot be changed
つまり、「何かが完全に終わること、またはある状況を変えることができないこと、を言うのに用いられる」。
ですから、Otherwise, that's it for us hanging out together. は、「あなたたちが同席できない、私たちをすぐに喧嘩に巻き込むようなことが続けば、私たちが一緒に遊ぶことはもうおしまい、ってことになっちゃうわ。」ということでしょう。
Can you be civil? について。
civil は、研究社 新英和中辞典では、
civil =(不作法にならない程度に)礼儀正しい、ていねいな (類語 ⇒polite)
と出ています。
その類義語の polite の項目に、polite と civil の違いが挙がっています。
(類語) polite は相手の気持ちを思いやり、礼儀をわきまえている気持ちを表わす。従って、消極的に「失礼にならないような」の意にもなる。時に「外交辞令の」の意味もある。
civil は polite よりは冷たい感じの語で、無礼にならない程度に、また不快な感じを与えない程度に礼儀を守る。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary)では、
civil: polite, but not really very friendly
例) I know you don't like Phil, but try to be civil.
つまり、「礼儀正しいが、あまり親しげではない[フレンドリーではない]」。
例文は、「君がフィルを好きじゃないのは知ってるよ。でも、civil であるように努めてみて。」
上の LAAD の例文が、今回のフィービーのセリフの状況「好きにならなくてもいいから、civil でいられる?」にそっくりですね。
相手を怒らせたり、相手を傷付けたりしない程度に、必要最小限の敬意を相手に払うことができる?というところでしょうか。
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レイチェル: No, I think it's very obvious who's wrong here. (いいえ。ここで誰が悪いか[間違っているか]はとても明白だと思うわ。)
ロス: Obviously not to Joey. (明らかに、ジョーイにとっては違うね。)
[They all turn around and look at Joey.]
フレンズたちは全員振り返ってジョーイを見る。
ジョーイ: (pause) What? ([少しの沈黙] 何?)
[They all start fighting with each other.]
フレンズたちはみんな、お互いに喧嘩し始める。
ロス: (to Rachel) Look, both Joey and Monica feel the same way that I do. No-no-no-no. ([レイチェルに] ほら、ジョーイとモニカは二人とも僕と同じように感じてるんだ。違う違う違う違う。)
レイチェル: You and this innocent puppy act! (あなたと、この無邪気な子犬の演技!)
チャンドラー: Hey, guess who I am?! (starts dancing around in an effort to stop the fighting.) (おい、俺が誰か当ててみて! [喧嘩を止めようとして、踊り回り始める]
[They stop briefly to look at Chandler, but then start fighting again.]
フレンズたちは、チャンドラーを見て少しの間喧嘩をやめる、がそれからまた喧嘩を始める。
ここでは何が right で何が wrong かなんてことはないのよ、と口論を止めようとするフィービー。
right or wrong は、「善 or 悪、(道徳的に)正しい or 悪い」か、「(言い分が)正しい or 間違い」かのどちらかでしょう。
最初、善悪のことを言っているように思ったのですが、「モニカがこう言った、ジョーイがこう言った」という「言った言わないの話」の続きなので、それだと「ジョーイは僕に賛成の意見を言った」というロスの意見に対する真偽のことかもしれません。
Obviously not to Joey. というのは、Obviously, it's not obvious who's wrong here. ということだと思います。
レイチェルは、ロスが悪い[or ロスが間違ってる]に決まってる、と決め付けているけれども、少なくともジョーイにとっては、それは明らかではない、ジョーイはロスが絶対に悪い、なんて思ってないよ、または、ジョーイはロスの言っていること(ジョーイがロスに賛同した、ということ)が正しいと思っているよ、ということでしょう。
レイチェルが、it's very obvious... 「…は明らかだ、明白だ」と言った内容を、Obviously not to Joey 「明らかに、ジョーイにとっては it's very obvious ではない」と、同じ obvious という言葉を使って言い返しているのが面白い、ということのようです。
「とても明白だ」だなんて言ってるけど、「ジョーイにとってはそれが明白ではない」ということが明白なんだよ、みたいな感じでしょうか。
You and this innocent puppy act! について。
このレイチェルのセリフは、ネットスクリプトには載っておらず、喧嘩で声が重なっているために、音声としてもはっきり聞き取れないのですが、DVD字幕にそう書いてあったので載せてみました。
問い詰められたジョーイが、What? 「何?、何のこと?」とつぶらな瞳で聞き返すのが、「ぼく、わかんない」と、無邪気な、無垢な子犬のふりをした演技のようだ、と言っているようです。
ジョーイが同意してるって言ったって、ただ、子犬みたいな顔をして立ってるだけでしょ、そんな行為であなたのことを援護していることにはならないわ、ということでしょう。
ついには、みんなが喧嘩を始めます。
その状況に耐え切れないチャンドラーは、"Guess who I am?!" と言いながら、変なジェスチャーを始めます。
ト書きには dance around とありますが、走っているようにも見えますね。
(ちょっと先走りますが)一体誰の真似をしているのか?については、次回の記事で説明があります。
フィービー: Hey! Hey! Hey! Hey!! Hey!!! (they all stop fighting, Chandler continues to dance.) Look what you're doing to Chandler! (Chandler finally stops) (to Ross and Rachel) Yeah, look, we know that this is really, really hard for you guys. Okay? (Ross starts to leave) You don't, all right, you don't have to love each other, okay? You don't, you don’t even have to like each other much right now. But please, you have to figure out a way to be around each other. (ちょっと、ちょっと、ちょっと、ちょっと! ちょっと!! [みんなが喧嘩をやめる。チャンドラーは踊り続けている] あなたたちがチャンドラーにしていることを見てよ! [チャンドラーはついにやめる] [ロスとレイチェルに] ねぇ、あなたたち二人にとって、これが本当に本当に辛いことだって私たちはわかってるわ。[ロスは行こうとする] ロスとレイチェルは愛し合う必要はないわ。今は、お互いをそれほど好きでいる必要さえないわ。でも、お願い、お互いの近くにいられるような方法を考えてくれないといけないのよ。)
ジョーイ: Yeah, and not put us in the middle. (そうだよ。それから、俺たちを巻き込まない方法もね。)
フィービー: Yeah, otherwise, I mean, that's, that's just, that's it for us hanging out together. Y'know is that what you want? (they both look away) Can you be civil? (そうね。そうじゃないと、私たちが一緒に遊ぶのがこれでおしまいになっちゃう。それがあなたたちの望むことなの? [二人とも視線をそらす] あなたたちは礼儀正しくできる?[相手に対して失礼なことを言わないようにできる?])
レイチェル: Yeah. (えぇ。)
ロス: I can. (できるよ。)
Look what you're doing to Chandler! は、「あなたたちがチャンドラーに対してしていることを見てみなさい。」ということですね。
あなたたちがいつまでも喧嘩をやめないから、チャンドラーがあんな行動に出ちゃったじゃない、あんな風に変な踊りを続けているのはあなたたちのせいよ、チャンドラーのあの姿を見て、目を覚ましなさい、みたいなことです。
フィービーの説得は非常にもっともですね。
普段はボケたことを言うフィービーですが、みんながパニクっていて収拾がつかない時に、しごくまっとうなことを言うのが、フィービーのキャラでもあります。
愛し合えとは言わない、好きになれとも今は言わない、ただ、一緒にいるだけで喧嘩になってしまうような、そんな状態は何とか回避して欲しい、元の恋人同士に今すぐ戻れないのはわかっているけれど、せめて同席できるように、何か解決策を考えて欲しい、といことですね。
put us in the middle は、「俺たちを真ん中に入れる」ですから、二人の喧嘩の間に俺たちを立たせる、二人の喧嘩に俺たちを巻き込む、という感じですね。
and not put us in the middle. は、前のフィービーのセリフの続きとして言われているので、完全な文にすると、You have to figure out a way not to put us in the middle. ということだろうと思います。
ジョーイのセリフが、and not to put us ではなく、and not put us となっていることから、figure out a way to not put us in the middle という語順になるかもしれません。
not to put を、to not put と表現する話については、過去記事、分離不定詞 フレンズ3-13その20 をご覧下さい。
ですから、Yeah, and not put us in the middle. は「それから、俺たちを巻き込まない方法も考えてくれよな」という感じでしょう。
言いたいことは、Don't put us in the middle. 「俺たちを巻き込まないでくれ」と同じですが、don't ではなく、not を使っているのは、上に書いたように、フィービーの言葉の続きとして言っている、ということだと思います。
That's it. には、「これでおしまい」という意味がありますね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English)では、
that's it: (spoken) used to say that something is completely finished or that a situation cannot be changed
つまり、「何かが完全に終わること、またはある状況を変えることができないこと、を言うのに用いられる」。
ですから、Otherwise, that's it for us hanging out together. は、「あなたたちが同席できない、私たちをすぐに喧嘩に巻き込むようなことが続けば、私たちが一緒に遊ぶことはもうおしまい、ってことになっちゃうわ。」ということでしょう。
Can you be civil? について。
civil は、研究社 新英和中辞典では、
civil =(不作法にならない程度に)礼儀正しい、ていねいな (類語 ⇒polite)
と出ています。
その類義語の polite の項目に、polite と civil の違いが挙がっています。
(類語) polite は相手の気持ちを思いやり、礼儀をわきまえている気持ちを表わす。従って、消極的に「失礼にならないような」の意にもなる。時に「外交辞令の」の意味もある。
civil は polite よりは冷たい感じの語で、無礼にならない程度に、また不快な感じを与えない程度に礼儀を守る。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary)では、
civil: polite, but not really very friendly
例) I know you don't like Phil, but try to be civil.
つまり、「礼儀正しいが、あまり親しげではない[フレンドリーではない]」。
例文は、「君がフィルを好きじゃないのは知ってるよ。でも、civil であるように努めてみて。」
上の LAAD の例文が、今回のフィービーのセリフの状況「好きにならなくてもいいから、civil でいられる?」にそっくりですね。
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2009年02月16日
valid reason フレンズ3-17その23
ロス: All right, Pheebs, your cab's ready. (よし。フィービー、君のキャブは発進できるよ。)
レイチェル: All right. Let's go. (よーし、行きましょ。)
ロス: You're welcome. (どういたしまして。)
レイチェル: Oh, I'm sorry. Were you speaking to me, or sleeping with someone else? (あら、ごめんなさい。あなたは私に話していたの? それとも誰か別の人と寝ていたの?)
ロス: We were on a break! (僕たちはブレイク中だったんだ!)
レイチェル: Y'know, Ross, why don't you put that on your answering machine? (ねぇ、ロス。その言葉をあなたの留守電に入れたらどうなの?)
ガソリンを入れて、車を動かせることになった時、レイチェルは、All right. Let's go. と言い、ロスは、You're welcome. と言っています。
You're welcome. は、Thank you. に対するお返しの決まり文句です。
ロスの行為に対するお礼の言葉を一言も言わず、「さ、行きましょ。」と去っていこうとするレイチェルに対して、先に「どういたしまして。」と言っているのですね。
Thank you. も言わずに君は行くのか、お礼の一言もないのか、君からお礼の言葉は聞いてないな、という感じです。
フレンズ2-14その12 でも、レイチェルがありがとうと言っていないのに、ロスが先に、You're welcome. というシーンがありました。
「どういたしまして」と先に言う フレンズ3-11その8 でも、先に「どういたしまして」を言うシーンがあります。
「どういたしまして」が自分に対する皮肉だとわかったレイチェルは、「その You're welcome. っていう言葉は私に向かって話していたのかしら?」と言っています。
あなたは私にお礼を言って欲しくて、どういたしまして、と言っているの?という感じでしょう。
その後の、or sleeping with someone else? は、or were you sleeping with someone else? ということで、同じように過去進行形で表現される過去の行為として、「誰か他の女と寝ていた」ことを持ち出しているのです。
あなたはそうやって、私にお礼を催促していたようだけど、そういうあなたは過去に別の女と寝ていたんじゃなかったかしらねぇ?、ということが言いたいのだろうと思います。
浮気をしていたあなたが、You're welcome. なんて皮肉を言うのはおかしいんじゃない?、自分がひどいことをしたことを忘れてるの?みたいなことでしょう。
ここでもまた、ロスの言い訳、"We were on a break!" が出てきます。
このセリフは、今後のエピソードにも登場します。
Urban Dictionary にも、WE WERE ON A BREAK! という項目があるくらいで(笑)、フレンズの中でも有名なセリフの一つです。
下に Urban Dictionary へのリンクをはりましたが、語義を見ると、ややネタバレになる部分もありますので、ご注意を。
Urban Dictionary: WE WERE ON A BREAK!
レイチェルは、Why don't you put THAT on your...? と、that を強調して話しています。
その言い訳は聞き飽きたわ、その「決め台詞」を留守電の応答メッセージにしたらどう?ということです。
今回のエピソードの最初の方にも、留守電メッセージの話がありました。
フレンズ3-17その5 で、
チャンドラー: Yeah, he's really excited about it too, he even recorded showtimes on his answering machine. (そうなんだ。ロスもそれ[新しいホームシアターのお披露目会]にものすごくワクワクしていて、自分の留守電に開始時刻を録音してさえいたんだよ。)
レイチェル: Ohh! (まぁ!)
今回のもそれと同じパターンですね。
「こちらはロスです。ただ今出かけています…」などと言った後、「なお、皆様にご心配をおかけしている件ですが…僕たちはブレイク中だったんだ!」と突如絶叫するような(笑)メッセージにしたらどうなの?ということでしょうか。
このように、同じエピソードの中で、留守電に吹き込む話が2回登場しているのが興味深いですね。
留守電が、脚本家が好きなアイテムなのかもしれませんし、上にも書いたように、3-17その5 で、ロスが開始時刻を留守電に吹き込んでいる、という話をレイチェルは聞いていて、そのことが頭にあったので、今回のセリフに繋がった、ということかもしれません。
ロス: Hey-hey, it's valid, okay? And I'm not the only one who thinks so. Monica agrees with me. (おいおい、それは妥当なんだよ、いいか? それにそう思ってるのは僕だけじゃない。モニカも僕に同意してくれたんだ。)
レイチェル: (to Monica) What? ([モニカに] 何ですって?)
モニカ: (shyly) I don't know. ([恥ずかしそうに] さぁ、わからないわ。)
ロス: That's what you said last night. (モニカは昨日の晩、そう言っただろ。)
モニカ: What I said was, was that I understood. Joey is the one who agreed with you. (私が言ったのは、「理解する、わかる」よ。ロスに同意したのはジョーイよ。)
ロス: Okay. (よし[ほらね]。)
レイチェル: Really, Joey? (本当なの? ジョーイ。)
ジョーイ: (pause) What? ([少しの沈黙] 何?)
valid は、TOEIC では、「(切符や免許証などが)有効な、効力のある」という意味でよく登場しますが、ここでの意味は、「正当な、妥当な、根拠の確実な」です。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English)では、
valid reason/argument/criticism etc
a reason, argument etc that is based on what is reasonable or sensible
つまり、valid reason/argument/criticism などは、「道理や理にかなっていることに基づいている、理由や論拠」。
ですから、We were on a break! という僕の主張は、主張として筋が通っている、ちゃんと認めてもらえるはずの正当な理由だ、ということですね。
事実、モニカも同意してくれたわけだし、と今度はフレンズたちを味方につけようとしています。
二人の板挟みになったモニカは、私は I agree with you. とは言っていない、I understand. 「あなたの言いたいことはわかる。あなたの気持ちはわかる。」と言っただけだと言い訳します。
そして、ジョーイにふるのですね。
すっとぼけるジョーイが面白いです。
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レイチェル: All right. Let's go. (よーし、行きましょ。)
ロス: You're welcome. (どういたしまして。)
レイチェル: Oh, I'm sorry. Were you speaking to me, or sleeping with someone else? (あら、ごめんなさい。あなたは私に話していたの? それとも誰か別の人と寝ていたの?)
ロス: We were on a break! (僕たちはブレイク中だったんだ!)
レイチェル: Y'know, Ross, why don't you put that on your answering machine? (ねぇ、ロス。その言葉をあなたの留守電に入れたらどうなの?)
ガソリンを入れて、車を動かせることになった時、レイチェルは、All right. Let's go. と言い、ロスは、You're welcome. と言っています。
You're welcome. は、Thank you. に対するお返しの決まり文句です。
ロスの行為に対するお礼の言葉を一言も言わず、「さ、行きましょ。」と去っていこうとするレイチェルに対して、先に「どういたしまして。」と言っているのですね。
Thank you. も言わずに君は行くのか、お礼の一言もないのか、君からお礼の言葉は聞いてないな、という感じです。
フレンズ2-14その12 でも、レイチェルがありがとうと言っていないのに、ロスが先に、You're welcome. というシーンがありました。
「どういたしまして」と先に言う フレンズ3-11その8 でも、先に「どういたしまして」を言うシーンがあります。
「どういたしまして」が自分に対する皮肉だとわかったレイチェルは、「その You're welcome. っていう言葉は私に向かって話していたのかしら?」と言っています。
あなたは私にお礼を言って欲しくて、どういたしまして、と言っているの?という感じでしょう。
その後の、or sleeping with someone else? は、or were you sleeping with someone else? ということで、同じように過去進行形で表現される過去の行為として、「誰か他の女と寝ていた」ことを持ち出しているのです。
あなたはそうやって、私にお礼を催促していたようだけど、そういうあなたは過去に別の女と寝ていたんじゃなかったかしらねぇ?、ということが言いたいのだろうと思います。
浮気をしていたあなたが、You're welcome. なんて皮肉を言うのはおかしいんじゃない?、自分がひどいことをしたことを忘れてるの?みたいなことでしょう。
ここでもまた、ロスの言い訳、"We were on a break!" が出てきます。
このセリフは、今後のエピソードにも登場します。
Urban Dictionary にも、WE WERE ON A BREAK! という項目があるくらいで(笑)、フレンズの中でも有名なセリフの一つです。
下に Urban Dictionary へのリンクをはりましたが、語義を見ると、ややネタバレになる部分もありますので、ご注意を。
Urban Dictionary: WE WERE ON A BREAK!
レイチェルは、Why don't you put THAT on your...? と、that を強調して話しています。
その言い訳は聞き飽きたわ、その「決め台詞」を留守電の応答メッセージにしたらどう?ということです。
今回のエピソードの最初の方にも、留守電メッセージの話がありました。
フレンズ3-17その5 で、
チャンドラー: Yeah, he's really excited about it too, he even recorded showtimes on his answering machine. (そうなんだ。ロスもそれ[新しいホームシアターのお披露目会]にものすごくワクワクしていて、自分の留守電に開始時刻を録音してさえいたんだよ。)
レイチェル: Ohh! (まぁ!)
今回のもそれと同じパターンですね。
「こちらはロスです。ただ今出かけています…」などと言った後、「なお、皆様にご心配をおかけしている件ですが…僕たちはブレイク中だったんだ!」と突如絶叫するような(笑)メッセージにしたらどうなの?ということでしょうか。
このように、同じエピソードの中で、留守電に吹き込む話が2回登場しているのが興味深いですね。
留守電が、脚本家が好きなアイテムなのかもしれませんし、上にも書いたように、3-17その5 で、ロスが開始時刻を留守電に吹き込んでいる、という話をレイチェルは聞いていて、そのことが頭にあったので、今回のセリフに繋がった、ということかもしれません。
ロス: Hey-hey, it's valid, okay? And I'm not the only one who thinks so. Monica agrees with me. (おいおい、それは妥当なんだよ、いいか? それにそう思ってるのは僕だけじゃない。モニカも僕に同意してくれたんだ。)
レイチェル: (to Monica) What? ([モニカに] 何ですって?)
モニカ: (shyly) I don't know. ([恥ずかしそうに] さぁ、わからないわ。)
ロス: That's what you said last night. (モニカは昨日の晩、そう言っただろ。)
モニカ: What I said was, was that I understood. Joey is the one who agreed with you. (私が言ったのは、「理解する、わかる」よ。ロスに同意したのはジョーイよ。)
ロス: Okay. (よし[ほらね]。)
レイチェル: Really, Joey? (本当なの? ジョーイ。)
ジョーイ: (pause) What? ([少しの沈黙] 何?)
valid は、TOEIC では、「(切符や免許証などが)有効な、効力のある」という意味でよく登場しますが、ここでの意味は、「正当な、妥当な、根拠の確実な」です。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English)では、
valid reason/argument/criticism etc
a reason, argument etc that is based on what is reasonable or sensible
つまり、valid reason/argument/criticism などは、「道理や理にかなっていることに基づいている、理由や論拠」。
ですから、We were on a break! という僕の主張は、主張として筋が通っている、ちゃんと認めてもらえるはずの正当な理由だ、ということですね。
事実、モニカも同意してくれたわけだし、と今度はフレンズたちを味方につけようとしています。
二人の板挟みになったモニカは、私は I agree with you. とは言っていない、I understand. 「あなたの言いたいことはわかる。あなたの気持ちはわかる。」と言っただけだと言い訳します。
そして、ジョーイにふるのですね。
すっとぼけるジョーイが面白いです。
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2009年02月14日
ハンドルは僕の名前の一部 フレンズ3-17その22
Phoebe: (to Chandler and Monica) You guys... what, what do we do about Ross? He drove all the way up here. What do we do? Just like send him back and we're gonna go skiing? ([チャンドラーとモニカに] ねぇみんな、ロスのこと、どうしたらいい? ロスはわざわざここまで車を運転して来てくれたのよ。私たちはどうしたらいいの? ただ、彼を家に帰して、私たちはスキーに行くことになるの?)
チャンドラー: Oh, this is horrible. It's just horrible. (あぁ、こういうのは最低。ただただ最低だよ。)
ジョーイ: Hey, you guys, do you think we should ask Ross to come along? (なぁみんな、俺たちがロスに一緒に来るように言うべきだって思う?)
モニカ: I know, but what about Rachel? I mean, how are we gonna even ask her? (そうね。でもレイチェルはどうなるの? つまり、どんな風にレイチェルにそれを尋ねる[言う]ことになるの?)
レイチェル: Ask me what? (私に何を尋ねるの?)
モニカ: Umm, if ah, it might be okay if Ross came skiing? (あー、もしロスがスキーに行くとしたら、それでもオッケーかどうかってこと。)
チャンドラー、フィービー&ジョーイ: No, I wasn't gonna ask that. (いいや、俺たちはそんなこと尋ねるつもりじゃなかったよ。)
レイチェル: You guys are unbelievable. No, he cannot come! (あなたたちって信じられないわ。だめよ、ロスは(一緒に)行くことはできないわ!)
ロス: Excuse me? (何だって?[今、何て言った?])
チャンドラー: It's horrible! (最悪だ!)
わざわざ助けに来てくれたロスをこのまま追い返すわけにはいかない、と思うフレンズたち。
モニカは思いきって、ロスも一緒にスキーに行っても問題ない?とレイチェルに尋ねるのですが、他のフレンズたちは、「それはモニカが勝手に言っていることで、ロスが一緒に行ってもいいかなんて、俺たちはレイチェルに尋ねるつもりはなかったんだよ」と言っています。
レイチェルの怒るのが目に見えているからですね。
No, he cannot come! の come について。
過去記事、フレンズ1-9その1 で解説したように、「come は、”話者がイメージしている場所、話題の中心となる場所”に向かう、近づく」というニュアンスです。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English)には、
come [verb]: GO WITH SOMEBODY
if someone comes with you, they go to a place with you
例) We're going for a drink this evening. Would you like to come?
語義を日本語に訳すと却ってややこしいのですが、要は、「AさんがBさんと一緒に come するというのは、AさんがBさんと一緒に、ある場所に行く」という意味になる、ということです。
どこかに行く話をしている時、話者がイメージしている場所は、その行き先となる場所のことですから、話者が今いる場所に「来る」のではなく、そのイメージしている場所へ「行く、向かう」というニュアンスになるのですね。
少し前のセリフにあった、ジョーイの "Do you think we should ask Ross to come along?" の come along も同じニュアンスで、一緒にその目的地であるスキー場に「行く」ということですね。
頭の中にイメージされているスキー場に自分がいると想像してみると、「ロスも一緒にスキー場に来る」と表現することも可能でしょうか。
上のロングマンの例文も、「僕らは今夜飲みに行く予定なんだ。君も来る?」という日本語に訳せますよね。
君も「その行く予定の場所に来る」というニュアンスです。
Excuse me? は相手の言葉が聞き取れなかった時に「何とおっしゃいましたか?、もう一度言っていただけますか?」という意味で使いますね。
その場合は、語尾を上げて疑問文として用います。
I beg your pardon? と同じです。
今回のロスのように、Excuse me? を語尾を上げて、さらには怒りのニュアンスで言った場合は、「何だって?、今のは聞き捨てならない、もう一回言ってみろ」というようなニュアンスになります。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English)にも、以下の語義が出ています。
excuse me (spoken): (American English) used to show that you disagree with someone or are very surprised or upset by what they have just said
例) 'You're going to pay, right?' 'Excuse me?'
つまり、「誰かに同意しない、または、誰かが今言ったことに非常に驚いたり動揺したりするのを示すのに用いられる」。
例文は、「君がお金を払うんだよね?」「何だって?(そんなはずないよ、どうしてそういうことになるんだよ)」
ロスが聞き捨てならん、という感じで対応したので、こりゃ最悪、また喧嘩が始まる、という険悪な空気になります。
で、チャンドラーはまた horrible という言葉を使っていますね。
ロス: (sarcastic) Oh, please? Can't I come to your special, magical cabin? ([皮肉っぽく] あぁ、どうかお願いだよ。僕は君の特別な、魅惑的なキャビンに行くことはできないの?)
レイチェル: Why would you even want to come, Ross? You're a horrible skier. (ロス、どうして行きたいと思うの? あなたはスキーが下手なのに。)
ロス: Oh-oh, hitting me where it hurts! My ski skills! (あ、あ。痛いところを突いてくる! 僕のスキーの技術のことを!)
モニカ: Here we go again. (あー、また始まったわ。)
ジョーイ: I-I can't handle this, you guys. (俺の手には負えないよ[俺はこの問題に対処できないよ]、みんな。)
チャンドラー: Y'know, I can handle it. "Handle" is my middle name. Actually, it's the ah, middle part of my first name. (なぁ、俺には対処できるよ。「ハンドル」は俺のミドルネームだから。実際には、俺のファーストネームのミドルパートだけどね。)
Oh, please? Can't I come to your special, magical cabin? は、ト書きに sarcastic とあるように、皮肉っぽく、嫌味を言う感じで言っています。
わざわざ来て助けてやったのに、レイチェルは「お願いだからどうか一緒に来て」と頼むどころか、「ロスは来ないで。一緒にスキーに行くことはできないわ!」とはっきり口にしたので、「僕はその”素敵な”キャビンに行くことができないんだね?、行くことを拒否されちゃったんだね」と言っているのです。
別に行きたいわけじゃないけれど、君がダメだと拒否するのは許せない、というところでしょうか。
レイチェルもそれをわかっていて、「あなたも別に行きたいわけでもないでしょ、だって、スキーが下手なんだから。」と言っています。
来るなと言われた上に、どうせスキーは下手なんだし、とまで言われて、そんな言わなくてもいいことまで持ち出された、言われたくないことを指摘された、と、ロスは傷ついた演技をしています。
Here we go again. は、英辞郎には、
Here we go again.=またかよー。嫌だなー。まいったなー。あーまただ。
という訳が載っています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary)では、
here we go: also here we go again
said when something bad or annoying is beginning to happen again
つまり、「ひどいことやうっとうしいことがまた起こり始めている時に言う」
LAAD では、again なしの Here we go. にもそういう意味があると出ていますが、Here we go. は通常「さあ行くよ、さあ始めるよ」という意味で使われることが多いので、「またこれだわ。また始まった」という場合は、again をつけた方が「また」の感じが出ますよね。
handle は「対処する、処理する」。
I can't handle this. と言ったジョーイに対して、I can handle it. と答えるチャンドラー。
でもそれは、本当にこの事態を収拾できる、と言ったのではなくて、ただ単に、handle という言葉を使ったジョークが言いたいだけだった、と(笑)。
handle はミドルネームだ、と言った後、実際には、ミドルネームではなくて、正確に言うと、ファーストネームのミドルパート(中間部分)なんだけどね、と説明を補足しています。
チャンドラーのファーストネームは Chandler で、C-handle-r と、確かに中間に handle という単語が入っています。
名前に handle って言葉が入ってるくらいだから、名前に handle って付いてるくらいだから、handle は得意中の得意さ、みたいに言っているのですね。
ちなみに、チャンドラーの本当のミドルネームは、Muriel (ミュリエル)です。
フレンズ2-21その1+ミドルネームの話 で、フレンズたちのミドルネームについて語っています。
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チャンドラー、フィービー&ジョーイ: No, I wasn't gonna ask that. (いいや、俺たちはそんなこと尋ねるつもりじゃなかったよ。)
レイチェル: You guys are unbelievable. No, he cannot come! (あなたたちって信じられないわ。だめよ、ロスは(一緒に)行くことはできないわ!)
ロス: Excuse me? (何だって?[今、何て言った?])
チャンドラー: It's horrible! (最悪だ!)
わざわざ助けに来てくれたロスをこのまま追い返すわけにはいかない、と思うフレンズたち。
モニカは思いきって、ロスも一緒にスキーに行っても問題ない?とレイチェルに尋ねるのですが、他のフレンズたちは、「それはモニカが勝手に言っていることで、ロスが一緒に行ってもいいかなんて、俺たちはレイチェルに尋ねるつもりはなかったんだよ」と言っています。
レイチェルの怒るのが目に見えているからですね。
No, he cannot come! の come について。
過去記事、フレンズ1-9その1 で解説したように、「come は、”話者がイメージしている場所、話題の中心となる場所”に向かう、近づく」というニュアンスです。
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come [verb]: GO WITH SOMEBODY
if someone comes with you, they go to a place with you
例) We're going for a drink this evening. Would you like to come?
語義を日本語に訳すと却ってややこしいのですが、要は、「AさんがBさんと一緒に come するというのは、AさんがBさんと一緒に、ある場所に行く」という意味になる、ということです。
どこかに行く話をしている時、話者がイメージしている場所は、その行き先となる場所のことですから、話者が今いる場所に「来る」のではなく、そのイメージしている場所へ「行く、向かう」というニュアンスになるのですね。
少し前のセリフにあった、ジョーイの "Do you think we should ask Ross to come along?" の come along も同じニュアンスで、一緒にその目的地であるスキー場に「行く」ということですね。
頭の中にイメージされているスキー場に自分がいると想像してみると、「ロスも一緒にスキー場に来る」と表現することも可能でしょうか。
上のロングマンの例文も、「僕らは今夜飲みに行く予定なんだ。君も来る?」という日本語に訳せますよね。
君も「その行く予定の場所に来る」というニュアンスです。
Excuse me? は相手の言葉が聞き取れなかった時に「何とおっしゃいましたか?、もう一度言っていただけますか?」という意味で使いますね。
その場合は、語尾を上げて疑問文として用います。
I beg your pardon? と同じです。
今回のロスのように、Excuse me? を語尾を上げて、さらには怒りのニュアンスで言った場合は、「何だって?、今のは聞き捨てならない、もう一回言ってみろ」というようなニュアンスになります。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English)にも、以下の語義が出ています。
excuse me (spoken): (American English) used to show that you disagree with someone or are very surprised or upset by what they have just said
例) 'You're going to pay, right?' 'Excuse me?'
つまり、「誰かに同意しない、または、誰かが今言ったことに非常に驚いたり動揺したりするのを示すのに用いられる」。
例文は、「君がお金を払うんだよね?」「何だって?(そんなはずないよ、どうしてそういうことになるんだよ)」
ロスが聞き捨てならん、という感じで対応したので、こりゃ最悪、また喧嘩が始まる、という険悪な空気になります。
で、チャンドラーはまた horrible という言葉を使っていますね。
ロス: (sarcastic) Oh, please? Can't I come to your special, magical cabin? ([皮肉っぽく] あぁ、どうかお願いだよ。僕は君の特別な、魅惑的なキャビンに行くことはできないの?)
レイチェル: Why would you even want to come, Ross? You're a horrible skier. (ロス、どうして行きたいと思うの? あなたはスキーが下手なのに。)
ロス: Oh-oh, hitting me where it hurts! My ski skills! (あ、あ。痛いところを突いてくる! 僕のスキーの技術のことを!)
モニカ: Here we go again. (あー、また始まったわ。)
ジョーイ: I-I can't handle this, you guys. (俺の手には負えないよ[俺はこの問題に対処できないよ]、みんな。)
チャンドラー: Y'know, I can handle it. "Handle" is my middle name. Actually, it's the ah, middle part of my first name. (なぁ、俺には対処できるよ。「ハンドル」は俺のミドルネームだから。実際には、俺のファーストネームのミドルパートだけどね。)
Oh, please? Can't I come to your special, magical cabin? は、ト書きに sarcastic とあるように、皮肉っぽく、嫌味を言う感じで言っています。
わざわざ来て助けてやったのに、レイチェルは「お願いだからどうか一緒に来て」と頼むどころか、「ロスは来ないで。一緒にスキーに行くことはできないわ!」とはっきり口にしたので、「僕はその”素敵な”キャビンに行くことができないんだね?、行くことを拒否されちゃったんだね」と言っているのです。
別に行きたいわけじゃないけれど、君がダメだと拒否するのは許せない、というところでしょうか。
レイチェルもそれをわかっていて、「あなたも別に行きたいわけでもないでしょ、だって、スキーが下手なんだから。」と言っています。
来るなと言われた上に、どうせスキーは下手なんだし、とまで言われて、そんな言わなくてもいいことまで持ち出された、言われたくないことを指摘された、と、ロスは傷ついた演技をしています。
Here we go again. は、英辞郎には、
Here we go again.=またかよー。嫌だなー。まいったなー。あーまただ。
という訳が載っています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary)では、
here we go: also here we go again
said when something bad or annoying is beginning to happen again
つまり、「ひどいことやうっとうしいことがまた起こり始めている時に言う」
LAAD では、again なしの Here we go. にもそういう意味があると出ていますが、Here we go. は通常「さあ行くよ、さあ始めるよ」という意味で使われることが多いので、「またこれだわ。また始まった」という場合は、again をつけた方が「また」の感じが出ますよね。
handle は「対処する、処理する」。
I can't handle this. と言ったジョーイに対して、I can handle it. と答えるチャンドラー。
でもそれは、本当にこの事態を収拾できる、と言ったのではなくて、ただ単に、handle という言葉を使ったジョークが言いたいだけだった、と(笑)。
handle はミドルネームだ、と言った後、実際には、ミドルネームではなくて、正確に言うと、ファーストネームのミドルパート(中間部分)なんだけどね、と説明を補足しています。
チャンドラーのファーストネームは Chandler で、C-handle-r と、確かに中間に handle という単語が入っています。
名前に handle って言葉が入ってるくらいだから、名前に handle って付いてるくらいだから、handle は得意中の得意さ、みたいに言っているのですね。
ちなみに、チャンドラーの本当のミドルネームは、Muriel (ミュリエル)です。
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2009年02月12日
彼は何しに来たの? フレンズ3-17その21
[Scene: The rest stop, Joey is making a sign.]
休憩所。ジョーイは(木の枝で)(助けを求めるための)サインを作っている。
ジョーイ: Okay, done! (よし、できた!)
モニカ: (reading the sign) What's "pleh"? ([サインを読んで] PLEH って何?)
ジョーイ: That's "help" spelled backwards so that the helicopters can read it from the air. (それは、逆から・後ろから綴った[綴りを逆から書いた]HELP だよ。ヘリコプターが空からそれを読めるようにね。)
モニカ: Huh. What's "dufus" spelled backwards? (そうなの。dufus (は逆さに綴ると何になるんだっけ?)
雪に小さな枝で、PLEH と書いているジョーイ。
助けを求めるサインのようですが、PLEH という言葉が意味不明なので、モニカがそれは何?と尋ねると、「ヘリコプターから読めるように、HELP を逆さに綴って PLEH にしたんだ。」と答えます。
どうして空から見るのに、アルファベットを逆さに綴る必要があるんだよ!と、みんなでつっこみましょう(笑)。
文字を大きく書く必要はあるけれども、別に綴りを逆にする必要性はないわけです。
その辺りを何か勘違いしているのが、ジョーイらしい、ということですね。
dufus という単語について。
発音は「ドゥーファス」で、ネットスクリプトでは doofus と書いてあります。
英辞郎には、
doofus=(米俗)ばか者、愚か者
などの語義が載っていて、
(同)dufus
と出ています。
つまり、doofus=dufus ということですね。
ロングマン現代英英辞典(LDOCE)には載っていませんが、Longman Advanced American Dictionary (LAAD)には、
doofus [noun] [countable] (informal): a silly or stupid person
という語義が載っています。
doofus については、フレンズ3-4その28 でも説明しています。
また、フレンズ2-18その16 のコメント欄 で少し触れていますが、フレンズ2-17 で、ロスと喧嘩しているモニカが、洗面所にこもって髪の毛をブローしているロスに、
モニカ: GET OUT YOU DUFUS!! (出てきなさいよ、このバカ!!)
と言うセリフもありました。
あまりにおバカな行動をしたジョーイに、dufus (おバカ)の逆さ綴りは何だっけ?と尋ねる、つまり「おバカが書きました」って意味で、PLEH の横にそれも一緒に書いといたら?という感じでしょうね。
[Ross drives up.]
ロスが車でやって来る。
レイチェル: (all excited) Op, op, car! Car! (sees it's Ross) Ugh!!! ([すっかり興奮して] あ、あ、車、車よ! [ロスだとわかって] あー!)
フィービー: Oh, it's Ross on one of his drives! (あぁ、ちょうどドライブの最中のロスね。[ロスはちょうどドライブしているところだったのね。])
チャンドラー&ジョーイ: Hey!! (やあ!)
フィービー: Hi! (はーい!)
レイチェル: What is he doing here? (彼はここで何をしているの?[彼は何しにきたの?])
ロス: He is saving your butt. Ah, unless of course I'm stepping on some toes here, in which case I can just mosey on. I've got plenty of people to help on the interstate. (”彼”は君を助けるつもりで来たんだよ。あぁ、もちろん、ここにいる誰かの機嫌を損ねないならだけどね。誰かさんが不快に思う場合は、僕はただ、ここを立ち去ることも可能だ。州間道路で助けを待つ人がたくさんいるからね。)
みんな: No! Come on! (だめだよ! お願いだよ!)
モニカ: We need your help, please! (私たちはあなたの助けが必要なの。お願いよ!)
レイチェル: All right! Fine! Fine! (わかったわ! いいわ! それでいいわ[構わないわ]!)
[Ross grabs the gas can he brought along, and walks through Joey's sign destroying it.]
ロスは持ってきたガソリンの缶を掴んで、ジョーイの作ったサインを壊しながら、歩いていく。
ジョーイ: Arrrghh!! (あーーー!)
チャンドラー: Oh, no! Now it's not gonna make any sense. (あぁ、大変だ! もう、そのサインが何の意味もなさなくなるな。)
ロスがやって来た時、フィービーは、It's Ross on one of his drives! と言っています。
これは、フィービーたちがロスを呼んだのではなくて、on one of his drives つまり、「ロスが何度かドライブをする、たまたまそのうちの一つのドライブの最中だった」みたいな感覚だろうと思います。
ドライブしているロスが偶然通りかかって、フィービーたちを発見したかのように言っているのでしょう。
レイチェルは、ロスが偶然通りかかるなんてことはあり得ないとわかっているので、きっと誰かが私に内緒でロスを呼んだのね、ということに気付いたはずです。
ロスが助けに来たのをわかっていながら、ロスにだけは助けを求めたくないレイチェルは、"What is he doing here?" と言っています。
「何だか彼がやって来たみたいだけど、一体彼は何しに来たのかしらね?」みたいなニュアンスの感じられるセリフで、彼の来たことが不満なのがわかります。
それを聞いたロスは、わざわざ来てやったのにそんな言い方をするのか、という感じで、HE を強調して答えています。
「彼は何してるのって、その「彼」は君を助けに来たんだよ。」というニュアンスですね。
助けに来た人に向かって、その言い方は失礼じゃないかなぁ、という感じの怒りです。
フレンズ3-17その16 で、思いがけないロスの訪問に対して、
キャロル: Hey, what are you doing here? (まぁ、ここで何をしてるの? [今日はどんな用事で来たの?])
というセリフがありました。
ロスとレイチェルが恋人であった時期の、フレンズ3-11その39 でも、面接の終わったレイチェルをロビーで待っていたロスに対して、
レイチェル: What are you doing here? (ここで何をしてるの?)
と言っていました。
ですから、What are you doing here? という言葉自体は、相手に対して失礼な言葉ではなくて、単にびっくりした気持ちを表す言葉なのですが、今回のレイチェルの場合は、表情や言い方を見ても「まぁ、あなたが助けに来てくれたなんて!」という喜びや感激とは程遠いものですね。
また、ロスと言葉を交わしたくないレイチェルは、ロスに対して "What are you doing here?" と言うのではなくて、周りのフレンズたちに対して "What is he doing here?" と尋ねています。
you ではなく he を使って、「関係のない彼、あそこにいる人」は何しに来たのかしら?みたいな言い方になっている、というニュアンスだと思いました。
He is saving your butt. について。
save your butt は、save you 「君を助ける」ということでしょう。
それを、butt 「尻」という言葉を使って、ちょっと乱暴に表現しているという感じでしょうか。
your body を your butt と表現している、というニュアンスかもしれません。
フレンズ3-2その23 では、
ロス: ...just get your butt in there and pick out any shoes that fit your feet, okay? (ただ(つべこべ言わずに)その部屋に行って、君の足に合う靴をどれか選んできてよ、わかった?)
というセリフもありました。
step on some toes については、step on someone's toes という表現があります。
直訳すると、「誰かのつま先を踏んづける」ということで、足や足先を踏まれると不愉快になることから、「(人)を怒らせる、(人)の感情を損ねる・害する、(人)を不快にする」という意味になります。
unless はフレンズ頻出表現で、「…でない限り、もし…でなければ、…なら話は別だが」。
このように、おまけや付け足しの形で使われる場合は、「もし…なら、話は別だけどね。」と訳すとニュアンスが伝わりやすいかなと思います。
He is saving you butt. 「彼は君を助けるつもり(で来た)」んだけど、もし彼(つまり僕)がそうすることで誰かを怒らせることになるのならば、話は別だけどね、ロスはそのつもりで来たけれど、誰かが怒るのなら、助けるのはやめるよ、ということです。
in which case の which は前の文章の内容を指していて、誰かが怒る場合は、僕はただ mosey on することが可能なんだけどね、ということ。
mosey は「ぶらつく、ぶらぶら歩く」という意味ですが、英辞郎には「(急いで)立ち去る、ずらかる」という意味も載っています。
ロングマン現代英英辞典(LDOCE)では、
mosey [verb] (American English informal):
1. to walk somewhere in a slow relaxed way - used humorously
2. I'd better mosey along/be moseying along
I should leave now
つまり、1. は「ゆっくりリラックスして、どこかを歩く(ユーモラスに使われる)。」
2. は I'd better mosey along/be moseying along = I should leave now 「今、出発すべきだ」という意味。
LAAD(Longman Advanced American Dictionary)では、
mosey along [phrasal verb]: to leave a place
と出ています。
今回のロスの、mosey on は、mosey along と同じようなニュアンスで、ここを離れる、ここを発つ、ということでしょう。
interstate は「州間高速自動車道、州間道路」。
I've got plenty of people to help on the interstate. を直訳すると、「州間道路上に、助けるべき人がたくさんいる状態を僕は持っている」みたいになるでしょうか。
州間道路では、多くの人が僕の助けを待ってるんだ、僕には僕の助けを待っている人がたくさんいるんだ、みたいなことですね。
助けてあげようとしているのにいやな顔をされるのならば、他の人を助けた方がましだから、ということです。
歩きながら、ジョーイの小枝を踏み散らかしていくロス。
せっかく作ったのにぐちゃぐちゃにされたぁ、何てことしてくれるんだ!と言わんばかりに、ジョーイはアー!と叫んでいます。
それに対してのチャンドラーのセリフは、「そんな風に踏まれてぐちゃぐちゃになっちゃって、もうその意味がわからなくなっちゃうな。意味不明になっちゃうな。」ということ。
今回の解説の最初に出てきたように、HELP の逆さ文字、PLEH では、元々意味不明なのに、それを壊されて大騒ぎするジョーイに、「元々、意味不明だったのに、壊されて大騒ぎするなよ」と言う代わりに、「せっかく意味のあるもの(make sense するもの)を書いたのに、意味が通じなくなってかわいそうに。」みたいなことを言っているのですね。
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休憩所。ジョーイは(木の枝で)(助けを求めるための)サインを作っている。
ジョーイ: Okay, done! (よし、できた!)
モニカ: (reading the sign) What's "pleh"? ([サインを読んで] PLEH って何?)
ジョーイ: That's "help" spelled backwards so that the helicopters can read it from the air. (それは、逆から・後ろから綴った[綴りを逆から書いた]HELP だよ。ヘリコプターが空からそれを読めるようにね。)
モニカ: Huh. What's "dufus" spelled backwards? (そうなの。dufus (は逆さに綴ると何になるんだっけ?)
雪に小さな枝で、PLEH と書いているジョーイ。
助けを求めるサインのようですが、PLEH という言葉が意味不明なので、モニカがそれは何?と尋ねると、「ヘリコプターから読めるように、HELP を逆さに綴って PLEH にしたんだ。」と答えます。
どうして空から見るのに、アルファベットを逆さに綴る必要があるんだよ!と、みんなでつっこみましょう(笑)。
文字を大きく書く必要はあるけれども、別に綴りを逆にする必要性はないわけです。
その辺りを何か勘違いしているのが、ジョーイらしい、ということですね。
dufus という単語について。
発音は「ドゥーファス」で、ネットスクリプトでは doofus と書いてあります。
英辞郎には、
doofus=(米俗)ばか者、愚か者
などの語義が載っていて、
(同)dufus
と出ています。
つまり、doofus=dufus ということですね。
ロングマン現代英英辞典(LDOCE)には載っていませんが、Longman Advanced American Dictionary (LAAD)には、
doofus [noun] [countable] (informal): a silly or stupid person
という語義が載っています。
doofus については、フレンズ3-4その28 でも説明しています。
また、フレンズ2-18その16 のコメント欄 で少し触れていますが、フレンズ2-17 で、ロスと喧嘩しているモニカが、洗面所にこもって髪の毛をブローしているロスに、
モニカ: GET OUT YOU DUFUS!! (出てきなさいよ、このバカ!!)
と言うセリフもありました。
あまりにおバカな行動をしたジョーイに、dufus (おバカ)の逆さ綴りは何だっけ?と尋ねる、つまり「おバカが書きました」って意味で、PLEH の横にそれも一緒に書いといたら?という感じでしょうね。
[Ross drives up.]
ロスが車でやって来る。
レイチェル: (all excited) Op, op, car! Car! (sees it's Ross) Ugh!!! ([すっかり興奮して] あ、あ、車、車よ! [ロスだとわかって] あー!)
フィービー: Oh, it's Ross on one of his drives! (あぁ、ちょうどドライブの最中のロスね。[ロスはちょうどドライブしているところだったのね。])
チャンドラー&ジョーイ: Hey!! (やあ!)
フィービー: Hi! (はーい!)
レイチェル: What is he doing here? (彼はここで何をしているの?[彼は何しにきたの?])
ロス: He is saving your butt. Ah, unless of course I'm stepping on some toes here, in which case I can just mosey on. I've got plenty of people to help on the interstate. (”彼”は君を助けるつもりで来たんだよ。あぁ、もちろん、ここにいる誰かの機嫌を損ねないならだけどね。誰かさんが不快に思う場合は、僕はただ、ここを立ち去ることも可能だ。州間道路で助けを待つ人がたくさんいるからね。)
みんな: No! Come on! (だめだよ! お願いだよ!)
モニカ: We need your help, please! (私たちはあなたの助けが必要なの。お願いよ!)
レイチェル: All right! Fine! Fine! (わかったわ! いいわ! それでいいわ[構わないわ]!)
[Ross grabs the gas can he brought along, and walks through Joey's sign destroying it.]
ロスは持ってきたガソリンの缶を掴んで、ジョーイの作ったサインを壊しながら、歩いていく。
ジョーイ: Arrrghh!! (あーーー!)
チャンドラー: Oh, no! Now it's not gonna make any sense. (あぁ、大変だ! もう、そのサインが何の意味もなさなくなるな。)
ロスがやって来た時、フィービーは、It's Ross on one of his drives! と言っています。
これは、フィービーたちがロスを呼んだのではなくて、on one of his drives つまり、「ロスが何度かドライブをする、たまたまそのうちの一つのドライブの最中だった」みたいな感覚だろうと思います。
ドライブしているロスが偶然通りかかって、フィービーたちを発見したかのように言っているのでしょう。
レイチェルは、ロスが偶然通りかかるなんてことはあり得ないとわかっているので、きっと誰かが私に内緒でロスを呼んだのね、ということに気付いたはずです。
ロスが助けに来たのをわかっていながら、ロスにだけは助けを求めたくないレイチェルは、"What is he doing here?" と言っています。
「何だか彼がやって来たみたいだけど、一体彼は何しに来たのかしらね?」みたいなニュアンスの感じられるセリフで、彼の来たことが不満なのがわかります。
それを聞いたロスは、わざわざ来てやったのにそんな言い方をするのか、という感じで、HE を強調して答えています。
「彼は何してるのって、その「彼」は君を助けに来たんだよ。」というニュアンスですね。
助けに来た人に向かって、その言い方は失礼じゃないかなぁ、という感じの怒りです。
フレンズ3-17その16 で、思いがけないロスの訪問に対して、
キャロル: Hey, what are you doing here? (まぁ、ここで何をしてるの? [今日はどんな用事で来たの?])
というセリフがありました。
ロスとレイチェルが恋人であった時期の、フレンズ3-11その39 でも、面接の終わったレイチェルをロビーで待っていたロスに対して、
レイチェル: What are you doing here? (ここで何をしてるの?)
と言っていました。
ですから、What are you doing here? という言葉自体は、相手に対して失礼な言葉ではなくて、単にびっくりした気持ちを表す言葉なのですが、今回のレイチェルの場合は、表情や言い方を見ても「まぁ、あなたが助けに来てくれたなんて!」という喜びや感激とは程遠いものですね。
また、ロスと言葉を交わしたくないレイチェルは、ロスに対して "What are you doing here?" と言うのではなくて、周りのフレンズたちに対して "What is he doing here?" と尋ねています。
you ではなく he を使って、「関係のない彼、あそこにいる人」は何しに来たのかしら?みたいな言い方になっている、というニュアンスだと思いました。
He is saving your butt. について。
save your butt は、save you 「君を助ける」ということでしょう。
それを、butt 「尻」という言葉を使って、ちょっと乱暴に表現しているという感じでしょうか。
your body を your butt と表現している、というニュアンスかもしれません。
フレンズ3-2その23 では、
ロス: ...just get your butt in there and pick out any shoes that fit your feet, okay? (ただ(つべこべ言わずに)その部屋に行って、君の足に合う靴をどれか選んできてよ、わかった?)
というセリフもありました。
step on some toes については、step on someone's toes という表現があります。
直訳すると、「誰かのつま先を踏んづける」ということで、足や足先を踏まれると不愉快になることから、「(人)を怒らせる、(人)の感情を損ねる・害する、(人)を不快にする」という意味になります。
unless はフレンズ頻出表現で、「…でない限り、もし…でなければ、…なら話は別だが」。
このように、おまけや付け足しの形で使われる場合は、「もし…なら、話は別だけどね。」と訳すとニュアンスが伝わりやすいかなと思います。
He is saving you butt. 「彼は君を助けるつもり(で来た)」んだけど、もし彼(つまり僕)がそうすることで誰かを怒らせることになるのならば、話は別だけどね、ロスはそのつもりで来たけれど、誰かが怒るのなら、助けるのはやめるよ、ということです。
in which case の which は前の文章の内容を指していて、誰かが怒る場合は、僕はただ mosey on することが可能なんだけどね、ということ。
mosey は「ぶらつく、ぶらぶら歩く」という意味ですが、英辞郎には「(急いで)立ち去る、ずらかる」という意味も載っています。
ロングマン現代英英辞典(LDOCE)では、
mosey [verb] (American English informal):
1. to walk somewhere in a slow relaxed way - used humorously
2. I'd better mosey along/be moseying along
I should leave now
つまり、1. は「ゆっくりリラックスして、どこかを歩く(ユーモラスに使われる)。」
2. は I'd better mosey along/be moseying along = I should leave now 「今、出発すべきだ」という意味。
LAAD(Longman Advanced American Dictionary)では、
mosey along [phrasal verb]: to leave a place
と出ています。
今回のロスの、mosey on は、mosey along と同じようなニュアンスで、ここを離れる、ここを発つ、ということでしょう。
interstate は「州間高速自動車道、州間道路」。
I've got plenty of people to help on the interstate. を直訳すると、「州間道路上に、助けるべき人がたくさんいる状態を僕は持っている」みたいになるでしょうか。
州間道路では、多くの人が僕の助けを待ってるんだ、僕には僕の助けを待っている人がたくさんいるんだ、みたいなことですね。
助けてあげようとしているのにいやな顔をされるのならば、他の人を助けた方がましだから、ということです。
歩きながら、ジョーイの小枝を踏み散らかしていくロス。
せっかく作ったのにぐちゃぐちゃにされたぁ、何てことしてくれるんだ!と言わんばかりに、ジョーイはアー!と叫んでいます。
それに対してのチャンドラーのセリフは、「そんな風に踏まれてぐちゃぐちゃになっちゃって、もうその意味がわからなくなっちゃうな。意味不明になっちゃうな。」ということ。
今回の解説の最初に出てきたように、HELP の逆さ文字、PLEH では、元々意味不明なのに、それを壊されて大騒ぎするジョーイに、「元々、意味不明だったのに、壊されて大騒ぎするなよ」と言う代わりに、「せっかく意味のあるもの(make sense するもの)を書いたのに、意味が通じなくなってかわいそうに。」みたいなことを言っているのですね。
(Rach からのお願い)
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