チャンドラー: (entering with Rachel) I'm telling ya, Joanna's got it all wrong. Okay? All I said was, "This was fun. Let's do it again sometime. I'll give you a call." ([レイチェルと一緒に入ってくる] 言っとくけど、ジョアンナは完全に誤解してる。いいか? 俺が言ったのは「今日は[今回は]楽しかった。またいつかこんな風にしましょう。俺からあなたに電話します。」ってだけだよ。)
レイチェル: Ohh, gee. I wonder why she thinks you're going to call her? (あらら。どうしてジョアンナが、チャンドラーから電話があるだろうと思ってるのか不思議だわ。)
チャンドラー: That's what you say at the end of a date. (それは、デートの終わりに言う言葉だろ。)
レイチェル: You can't just say, "Nice to meet you. Good night?" (ただ、「会えて良かったよ、おやすみ」って言えないの?)
チャンドラー: To her face? Look, it's the end of the date, I'm standing there, I know all she's waiting for is for me to say I'll call her and it just, y'know, comes out. I can't help it. It's a compulsion. (彼女の顔に向かって(そんなことを言えってか)? なぁ、デートの終わりで、俺はその場にいる。俺が電話するっていうのだけを彼女は待ってるってことが俺にはわかるから、ただ、その言葉が出てきちゃうんだ。仕方ないんだ。(これはもう)強制だよ。)
モニカ: Come on, Rach, when a guy says he's going to call, it doesn't mean he's going to call. This never happened to you? (ねぇ、レイチェル。男性が電話するよって言っても、それは電話するって意味じゃないわ。こういうこと、あなたには起こったことないの?[そういう経験ないの?])
レイチェル: Well, they always called. (そうねぇ、男性たちはいつも電話してくれたわ。)
モニカ: Bite me. (むかつく。)
チャンドラーとジョアンナはデートをし、チャンドラーはジョアンナをつまらない女性だと思ったけれど、ジョアンナはすっかりチャンドラーを気に入ってしまった、というシーンが少し前に出てきました。
その流れで、チャンドラーがジョアンナに電話しないことについて、レイチェルとチャンドラーはモメているのですね。
俺はただ、こんな風に言っただけだ、とチャンドラーは言うのですが、その言った言葉の中に I'll give you a call. という言葉が入っています。
レイチェルが、「どうしてチャンドラーが電話をくれるとジョアンナが期待してるのか不思議だわ」と言っているのは、あなたは確かに「電話する」と言ったんだから、ジョアンナが電話をもらえると思ってるのは当たり前でしょ、と言いたいのですね。
「電話する」って自分で言ったくせに、「電話があると思ってるのは誤解だ」なんて、矛盾してるわよ、ということを皮肉っぽく言っているのです。
That's what you say at the end of a date. は、I'll give you a call. などの俺の言った言葉は、人なら誰もデートの終わりに言うことだよ、ということですね。
you は一般の人を指し、相手の好き嫌いに関わらず、デートの終わりには誰だってそう言うだろ?、それが社交辞令で決まり文句でもあるだろ、ということです。
でもレイチェルは、二度とデートする気がないのなら、そんな相手に期待を持たせるような思わせぶりなことは言わずに、「会えて良かったよ、おやすみ」だけでいいじゃない、と思うわけですね。
(ちなみに、レイチェルのセリフでは、Nice to meet you. となっていますが、別れ際の場合は、Nice meeting you. になるのでは?と思うのですが…。)
To her face? つまり、彼女の顔に向かって、面と向かって、そんないかにも「君とは二度と会うつもりはありません」みたいなセリフを言えっていうのか?とチャンドラーは言っています。
その後、現在形になっているのは、その時の状況を臨場感を出して語っているのですね。
It just comes out. は、ただ自然に口からポロっと出てしまう、という感覚で、「目の前に彼女がいて、彼女が待っている言葉はただ一つ。だからその言葉がつい口から出てしまう。」という感じでしょう。
compulsion は「強制」。
もう彼女の顔が「電話するって言って!」と強制してたんだよ、俺はそれに逆らえなかったんだよ、ということですね。
そこにモニカが助け舟を出します。
「男性が電話するって言ったって、それは単なる社交辞令でしょ。レイチェルもそんな経験あるでしょ?」と言うのですが、レイチェルの返事は、「電話するって言った人たちは、いつも電話してきた」。
で、モニカは「むかつく」と言うのですね。
ロスが学生時代からレイチェルのことが好きだったように、レイチェルは若い頃からモテていて、「電話するよ」と言った相手はいつも本当に電話をくれていたようです。
「男の「電話する」って言葉を信じちゃだめよ。男は電話するって言って、電話をくれないことなんてしょっちゅうなんだから」と自分の体験談を語ってチャンドラーを援護しようとしたモニカが、レイチェルの発言でみじめに見えてしまうので、むかついた、ということです。
そのように、Bite me. は日本語で言うと「むかつく!」が一番合っているような気がします。
英辞郎には以下の語義が載っています。
Bite me!=むかつく!/くたばれ!/ほっといてくれ!/かまわないでくれ!/消え失せろ!(憤りを表わす俗語表現)
Bite me. は過去記事、フレンズ2-9その2、フレンズ2-17その15 にも出てきましたが、今回は英英辞典の語義を見てみます。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) やLAAD (Longman Advanced American Dictionary) にはなぜか、Bite me. の形では載っていないのですが、マクミラン英英辞典(Macmillan English Dictionary)には以下の説明が載っていました。
bite me: (American English, very informal) used for rudely telling someone that you are upset or annoyed with something they have just said or done.
例) "You're not smart enough to get a job like that." "Bite me!"
つまり、「(アメリカ英語、非常にインフォーマル) 誰かがたった今言ったこと、またはしたことに憤慨したりいらいらしたりしていることをその人に乱暴に言うために使われる」。
例文は、「そんな仕事をゲットできるほど君は賢くないよ。」「むかつく!」
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) には、what's biting you? というフレーズは載っていました。
what's biting you/her etc?: (spoken) used to ask why someone is annoyed or upset
つまり、「なぜイライラしたり憤慨したりしているのかを尋ねるのに使われる」。
これらの場合の bite 「噛む」は、annoy のニュアンスだ、ということですね。
マクミランにあったように、Bite me! は、very informal であり、語義に rudely という言葉も使われているように、まさに相手に向かって「むかつく!」と言う、かなり乱暴な言葉です。
使い方には気をつけるべきですね。
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2009年03月30日
2009年03月28日
セーターの下が大事 フレンズ3-20その4
電話に応対するために、リハーサルの場所から席を外すディレクター。
かなり変わっているディレクターの様子を見て、
ジョーイ: (to Kate) The guy's like a cartoon. What do you see in him, anyway? ([ケイトに] あの男はアニメみたいだよ。とにかく、彼のどこがいいの?)
ケイト: He happens to be brilliant. Which is more than I can say for that sweater you're dating. ((たまたま)彼は才能にあふれている人なのよ。あなたがデートしているあのセーターについては、そんな理由も言えないわ。)
ジョーイ: Hey, I'm not interested in her sweater. It's what's underneath her sweater that counts. And besides, since ah, since when do you care who I'm going out with? (おい、俺は彼女のセーターに興味はないよ。大事なのは、彼女のセーターの下にあるものだ。それから、いつから君は俺が誰とデートしているかを気にするようになったんだ?)
ケイト: I don't care. Why, do you want me to care? (私は気にしてないわ。まぁ、あなたは私に気にして欲しいの?)
ジョーイ: Do you want me to want you to care? (君に気にして欲しいと俺に思って欲しいの?)
ケイト: Do you? (そうなの?)
ジョーイ: What? (何だって?)
cartoon は「カルトゥーン、アニメ」ですね。
動きのあるアニメの意味で使うことが多いようですが、「ニュースや政治家の風刺漫画」「新聞のコマ割漫画(comic strip)」の意味もあるようです。
ジョーイは、ディレクターのオーバーアクションを見て、アニメに出てくるキャラみたいだな、と言っているのでしょうね。
日本でも「あいつは漫画みたいなやつだ」などと表現したりするでしょうか?
What do you see in him? を直訳すると、「彼の中に何を見ているの?」ということで、「彼には何かしらの魅力があるの?(僕にはわからないけど)」という感じでしょう。
ケイトはこのディレクターと付き合っているので、「彼のどこがいいの?」と尋ねているわけです。
フレンズ1-24その5 でも、
ロス: I don't get it. What do you see in this guy anyway? (わからないな。一体、この男のどこがいいんだ?)
というセリフがありましたね。
Which is more than... について。
まず、that sweater you're dating は、観客席に座っているローレンを指しています。
ちょうど今、セーターを着ているからですね。
which は、前のセリフ、He happens to be brilliant. を指しているのでしょう。
is more than I can say for... は、「…に対して私が言えること以上のものである」で、彼女について何かコメントできるとしても、何か長所を挙げることができるとしても、私が今言った理由はそれ以上のものだわ、彼女について何が言えるかわからないけど、「彼は才能にあふれているの」という以上の内容は出てこないはずよ、「彼は才能がある」って言えるけど、彼女についてはそんな理由も言えないわ、という感じかな、と思いました。
ケイトは「あんな女のどこがいいの?」という感じで、「あのセーター(that sweater)」と呼んだのですね。
ケイトが自分の代役であるローレンの名前を知らないわけではないでしょうが、名前で呼ばずにあえて着ている服装で表現したわけです。
若い体にピタッとフィットしたセーターが魅力的なあの娘(こ)、というニュアンスが含まれているのかなと思います。
「あのポニーテール」とか「あのタンクトップ」みたいに、髪型や服装で人間を指すことは日本語でもあるような気がします。
that sweater you're dating に対して、ジョーイは、「俺はセーターとデートしてるわけじゃないよ。セーターに興味があるわけじゃないんだから。」と言っているのが面白いですね。(そんなのわかってるって!…笑)
その後のセリフがさらに面白くて、「重要である、大事である」(動詞 count)のは、彼女のセーターの下にあるものだ、と言っています。
つまり、着ているものは何でもよくて、その中身の彼女自身、もっとダイレクトに言うと、「彼女の体」に俺は興味を持っているんだよ、と言っているのですね。
ケイトの意図も理解せず、さらにはあまりにも正直に自分の欲望を述べているのが、ジョーイらしくて楽しいです。
さらにジョーイは、自分のデート相手のことをとやかく言うケイトに、「いつからそんなことを気にするようになったの?」と尋ねています。
相手の付き合っている人にケチをつけたくなるのは、相手のことを意識している証拠ですよね。
お互いの会話でそれがだんだんわかってくるジョーイとケイトです。
最後のやり取り、Do you want me to care? と Do you want me to want you to care? というのはお互いの気持ちを探り合っている感じですね。
「わー、俺のデート相手のこと気にしてるんだ」「私に気にして欲しいわけ?」「君に気にして欲しいと俺に思って欲しいわけ?」と、だんだん、文章の構造が複雑になってきます。
で、ケイトが、Do you? と尋ねた時、Do you... の後に続く文章が何であるか、つまり、ケイトが何を尋ねているのかわからなくなって、頭がこんがらがってしまって、ジョーイは、What? 「は? 何だって?」みたいに答えた、ということですね。
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かなり変わっているディレクターの様子を見て、
ジョーイ: (to Kate) The guy's like a cartoon. What do you see in him, anyway? ([ケイトに] あの男はアニメみたいだよ。とにかく、彼のどこがいいの?)
ケイト: He happens to be brilliant. Which is more than I can say for that sweater you're dating. ((たまたま)彼は才能にあふれている人なのよ。あなたがデートしているあのセーターについては、そんな理由も言えないわ。)
ジョーイ: Hey, I'm not interested in her sweater. It's what's underneath her sweater that counts. And besides, since ah, since when do you care who I'm going out with? (おい、俺は彼女のセーターに興味はないよ。大事なのは、彼女のセーターの下にあるものだ。それから、いつから君は俺が誰とデートしているかを気にするようになったんだ?)
ケイト: I don't care. Why, do you want me to care? (私は気にしてないわ。まぁ、あなたは私に気にして欲しいの?)
ジョーイ: Do you want me to want you to care? (君に気にして欲しいと俺に思って欲しいの?)
ケイト: Do you? (そうなの?)
ジョーイ: What? (何だって?)
cartoon は「カルトゥーン、アニメ」ですね。
動きのあるアニメの意味で使うことが多いようですが、「ニュースや政治家の風刺漫画」「新聞のコマ割漫画(comic strip)」の意味もあるようです。
ジョーイは、ディレクターのオーバーアクションを見て、アニメに出てくるキャラみたいだな、と言っているのでしょうね。
日本でも「あいつは漫画みたいなやつだ」などと表現したりするでしょうか?
What do you see in him? を直訳すると、「彼の中に何を見ているの?」ということで、「彼には何かしらの魅力があるの?(僕にはわからないけど)」という感じでしょう。
ケイトはこのディレクターと付き合っているので、「彼のどこがいいの?」と尋ねているわけです。
フレンズ1-24その5 でも、
ロス: I don't get it. What do you see in this guy anyway? (わからないな。一体、この男のどこがいいんだ?)
というセリフがありましたね。
Which is more than... について。
まず、that sweater you're dating は、観客席に座っているローレンを指しています。
ちょうど今、セーターを着ているからですね。
which は、前のセリフ、He happens to be brilliant. を指しているのでしょう。
is more than I can say for... は、「…に対して私が言えること以上のものである」で、彼女について何かコメントできるとしても、何か長所を挙げることができるとしても、私が今言った理由はそれ以上のものだわ、彼女について何が言えるかわからないけど、「彼は才能にあふれているの」という以上の内容は出てこないはずよ、「彼は才能がある」って言えるけど、彼女についてはそんな理由も言えないわ、という感じかな、と思いました。
ケイトは「あんな女のどこがいいの?」という感じで、「あのセーター(that sweater)」と呼んだのですね。
ケイトが自分の代役であるローレンの名前を知らないわけではないでしょうが、名前で呼ばずにあえて着ている服装で表現したわけです。
若い体にピタッとフィットしたセーターが魅力的なあの娘(こ)、というニュアンスが含まれているのかなと思います。
「あのポニーテール」とか「あのタンクトップ」みたいに、髪型や服装で人間を指すことは日本語でもあるような気がします。
that sweater you're dating に対して、ジョーイは、「俺はセーターとデートしてるわけじゃないよ。セーターに興味があるわけじゃないんだから。」と言っているのが面白いですね。(そんなのわかってるって!…笑)
その後のセリフがさらに面白くて、「重要である、大事である」(動詞 count)のは、彼女のセーターの下にあるものだ、と言っています。
つまり、着ているものは何でもよくて、その中身の彼女自身、もっとダイレクトに言うと、「彼女の体」に俺は興味を持っているんだよ、と言っているのですね。
ケイトの意図も理解せず、さらにはあまりにも正直に自分の欲望を述べているのが、ジョーイらしくて楽しいです。
さらにジョーイは、自分のデート相手のことをとやかく言うケイトに、「いつからそんなことを気にするようになったの?」と尋ねています。
相手の付き合っている人にケチをつけたくなるのは、相手のことを意識している証拠ですよね。
お互いの会話でそれがだんだんわかってくるジョーイとケイトです。
最後のやり取り、Do you want me to care? と Do you want me to want you to care? というのはお互いの気持ちを探り合っている感じですね。
「わー、俺のデート相手のこと気にしてるんだ」「私に気にして欲しいわけ?」「君に気にして欲しいと俺に思って欲しいわけ?」と、だんだん、文章の構造が複雑になってきます。
で、ケイトが、Do you? と尋ねた時、Do you... の後に続く文章が何であるか、つまり、ケイトが何を尋ねているのかわからなくなって、頭がこんがらがってしまって、ジョーイは、What? 「は? 何だって?」みたいに答えた、ということですね。
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2009年03月26日
俺にシャフトを与えた フレンズ3-20その3
ジョーイが出演する芝居の劇場。
女性: Hi, oh, I'm Lauren. Kate's understudy. (はーい。あ、私はローレンよ。ケイトの代役なの。)
ジョーイ: Oh, hey! Joey Tribbiani. (あ、やぁ! ジョーイ・トリビアーニだ。)
ローレン: I know. I-I'm a big fan of yours. (知ってるわ。私はあなたの大ファンだもの。)
ジョーイ: (looks at her, shocked) What? ([彼女を見て、びっくりした様子で] 何だって?)
ローレン: I used to umm, schedule my classes so I could watch Dr. Drake Remoray on Days of Our Lives. (私は、デイズ・オブ・アワ・ライヴズのドクター・ドレイク・ラモレーを見られるように、自分の授業を組んでいたんだもの。)
ジョーイ: Get out of here. Really? (よしてくれよ。ほんとに?)
ローレン: Absolutely. (もちろん。)
ジョーイ: Yeah? (そうなのか?)
ローレン: Oh, but then they went and dropped you down that elevator shaft. (あぁ、でも、あの時、あなたはあのエレベーターシャフトから落とされちゃったわね。)
ジョーイ: They gave me the shaft, all right. (やつらは俺にシャフトをくれたんだよ[俺はやつらにひどい目に合わされたんだよ]。)
ローレン: (laughing) Oh, you're so funny. ([笑いながら] まぁ、あなたってすごく面白い。)
understudy は「代役」。「代役をする」という動詞としても使えます。
ローレンはジョーイのことを知っていました。
I'm a big fan of yours. は「私はあなたの大ファンです。」という決まり文句ですね。
これはこのまま覚えてしまいましょう。
ローレンは、ドクラー・ラモレーのファンだったようで、昼メロであるソープオペラを見ることができるように、自分の授業を組んでいたと言っています。
ローレンは見た目も若いので、つい最近まで学生だった、ということですね。
used to 「以前は…したものだった」という表現を使って、過去の習慣を述べています。
Get out of here! は怒った調子で言うと、「ここから出て行け!」という意味(leave)になりますし、アクションシーンでその場所が危ない時などに「ここから出るんだ!、逃げるんだ!」という意味(escape)としても使われますね。
今回のジョーイのセリフはそんな緊迫した状況ではなく、「まさか!、冗談だろ!」という意味になります。
相手があまりにも嬉しいことを言って褒めてくれるので、びっくりして信じられない、と言っているのです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
Get out of here!: (spoken) used to say that you don't believe someone
つまり、「誰かのことが信じられないと言う時に使われる」。
フレンズ1-9その3 では、
ジョーイ: You're the best in the business. (君は、一番の売り手だったよね!)
女性: Get out! (やめてよ!)
ジョーイ: I'm serious. (俺はマジで言ってるんだよ。)
というやり取りもありました。
今回の場合も、ジョーイの嬉しそうな照れたような表情を見ていると、「出て行け!」という意味だと解釈することはないですが、「出て行け!」という意味しか知らないと、一瞬「は?」となってしまいますよね。
言葉というのは文字通りの意味ばかりではない、というのは、どの言語でも同じです。
日本語だったらあまりに相手が褒めると「よしてくれよ、やめてくれよ」などと言いますが、これも褒めるのをやめて欲しいわけではないですよねぇ。
「やめてくれよ」を文字通り受け取って、「じゃあ、今言ったことは撤回します」とか言われたらがっかりしちゃいますから(笑)、その言葉の持つ本当のニュアンスを理解しないといけない、ということです。
ローレンはドクター・ラモレーがエレベーターシャフトに落とされたシーンのことを言っています。
そのシーンは、フレンズ2-18その19 に出てきました。
ここでの they は、ドラマの番組制作者・スタッフのことですね。
そのセリフに対して、ジョーイは、They gave me the shaft. と言い、それを聞いたローレンは大笑いしています。
かなり笑っているので、何かしらのジョークを言ったのだろうと思ったら、やはりこれは shaft を使ったジョークでした。
give someone the shaft は「人をひどい目にあわせる、人をだます」。
get the shaft だと「ひどい目にあう」という意味になります。
また、動詞の shaft は「人をひどい目にあわせる」という意味です。
この動詞は get shafted という受身の形で「ひどい目にあう」という意味で使うことが多いようです。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) や、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には、動詞 shaft や、get the shaft は載っていますが、give someone the shaft は載っていませんでした。
マクミラン英英辞典 (Macmillan English Dictionary) には、get と give の両方の形が載っていました。
get the shaft: (American English, informal) to be treated in a very bad or unfair way
つまり、「非常に悪い、または不公平な方法で扱われること」。
give somebody the shaft: (American English, informal) to treat someone in a bad or unfair way
つまり、「非常に悪い、または不公平な方法で人を扱うこと」。
the shaft を「get する」のと、誰かに the shaft を「give する」のが対照的な意味であるように、英語での語義も、be treated と、treat という風に態(たい)が逆になっていますね。
ロングマンには、get the shaft という意味しか載っていないことを考えると、最初に get the shaft というフレーズがあって、その反対の行為として、give someone the shaft というフレーズが出来たのかな?とも思います。(多分)
ということで、ジョーイは実際に、エレベーターシャフトに落とされる結末を迎えたので、その shaft という言葉を含んだフレーズの give me the shaft を使うことで、「やつらは俺にシャフト(に落ちるという罰)をくれた」と「やつらは俺をひどい目にあわせた」という二重の意味を表したジョークになる、ということですね。
ジョーイにしては、なかなか上手いジョークだと思うのですが。
それにしても、たまたまエレベーターシャフトに落とされるというシーンがあったから使えたジョークなわけですが、まさか脚本家は、いつか They gave me the shaft. とジョーイに言わせることができるように、ラモレーが死ぬ場面でエレベーターシャフトを使った、ということもあり得るのでしょうか??
もしそうなら、2-18 から、この 3-20 までそのジョークを温存していたことになりますので、ちょっとすごいなぁ、と。
ところで、最近、ちょくちょくマクミラン英英辞典も使うようになったのですが、それについて軽く説明を。
マクミラン英英辞典は、かなり前から持っていたのですが(多分、ロングマンと一緒に購入した気がします)、ロングマンがすっかり気に入ってしまった私はロングマンばかり使ってしまい、マクミラン英英辞典は本棚の飾りになっていました。
ですが、この2月に、日向清人先生のビジネス英語雑記帳 で、「英英辞典の是非、選び方など」の英英辞典に関する記事を日向先生がたくさん書いて下さいました。
その中に、(6)英英辞典:Macmillan English Dictionary という記事があり、Macmillan の長所をたくさん挙げておられたのを読んで、「そう言えば、私、マクミラン、持ってたじゃん!」ということに改めて気付き(笑)、本棚の奥からよっこらしょと引っ張り出してきた、ということです。
英和をメイン、ロングマン英英辞典をサブで使っていた頃は、「私には2つも英英辞典なんか使えないや」という感じだったのですが、今のように、ロングマン英英辞典を中心に使っていると、今度は別の英英の定義を見比べてみたくなってきます。(我ながら進歩だな、と思います…笑)
そして、上の give someone the shaft のように、ロングマンには載っていないけれど、マクミランには載っている、というものもやはり存在するのですね。
日向先生の記事を読まなければ、マクミランは本棚の中で朽ち果てているところでした。
日向先生、ありがとうございます!
複数の英英辞典を見比べてみて、その違いを面白いと思えるようになったら、英語はどんどん楽しくなりますね。
「私には英英はまだ早い」と思われる方も、折を見て、英英を使ってみて下さい。
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女性: Hi, oh, I'm Lauren. Kate's understudy. (はーい。あ、私はローレンよ。ケイトの代役なの。)
ジョーイ: Oh, hey! Joey Tribbiani. (あ、やぁ! ジョーイ・トリビアーニだ。)
ローレン: I know. I-I'm a big fan of yours. (知ってるわ。私はあなたの大ファンだもの。)
ジョーイ: (looks at her, shocked) What? ([彼女を見て、びっくりした様子で] 何だって?)
ローレン: I used to umm, schedule my classes so I could watch Dr. Drake Remoray on Days of Our Lives. (私は、デイズ・オブ・アワ・ライヴズのドクター・ドレイク・ラモレーを見られるように、自分の授業を組んでいたんだもの。)
ジョーイ: Get out of here. Really? (よしてくれよ。ほんとに?)
ローレン: Absolutely. (もちろん。)
ジョーイ: Yeah? (そうなのか?)
ローレン: Oh, but then they went and dropped you down that elevator shaft. (あぁ、でも、あの時、あなたはあのエレベーターシャフトから落とされちゃったわね。)
ジョーイ: They gave me the shaft, all right. (やつらは俺にシャフトをくれたんだよ[俺はやつらにひどい目に合わされたんだよ]。)
ローレン: (laughing) Oh, you're so funny. ([笑いながら] まぁ、あなたってすごく面白い。)
understudy は「代役」。「代役をする」という動詞としても使えます。
ローレンはジョーイのことを知っていました。
I'm a big fan of yours. は「私はあなたの大ファンです。」という決まり文句ですね。
これはこのまま覚えてしまいましょう。
ローレンは、ドクラー・ラモレーのファンだったようで、昼メロであるソープオペラを見ることができるように、自分の授業を組んでいたと言っています。
ローレンは見た目も若いので、つい最近まで学生だった、ということですね。
used to 「以前は…したものだった」という表現を使って、過去の習慣を述べています。
Get out of here! は怒った調子で言うと、「ここから出て行け!」という意味(leave)になりますし、アクションシーンでその場所が危ない時などに「ここから出るんだ!、逃げるんだ!」という意味(escape)としても使われますね。
今回のジョーイのセリフはそんな緊迫した状況ではなく、「まさか!、冗談だろ!」という意味になります。
相手があまりにも嬉しいことを言って褒めてくれるので、びっくりして信じられない、と言っているのです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
Get out of here!: (spoken) used to say that you don't believe someone
つまり、「誰かのことが信じられないと言う時に使われる」。
フレンズ1-9その3 では、
ジョーイ: You're the best in the business. (君は、一番の売り手だったよね!)
女性: Get out! (やめてよ!)
ジョーイ: I'm serious. (俺はマジで言ってるんだよ。)
というやり取りもありました。
今回の場合も、ジョーイの嬉しそうな照れたような表情を見ていると、「出て行け!」という意味だと解釈することはないですが、「出て行け!」という意味しか知らないと、一瞬「は?」となってしまいますよね。
言葉というのは文字通りの意味ばかりではない、というのは、どの言語でも同じです。
日本語だったらあまりに相手が褒めると「よしてくれよ、やめてくれよ」などと言いますが、これも褒めるのをやめて欲しいわけではないですよねぇ。
「やめてくれよ」を文字通り受け取って、「じゃあ、今言ったことは撤回します」とか言われたらがっかりしちゃいますから(笑)、その言葉の持つ本当のニュアンスを理解しないといけない、ということです。
ローレンはドクター・ラモレーがエレベーターシャフトに落とされたシーンのことを言っています。
そのシーンは、フレンズ2-18その19 に出てきました。
ここでの they は、ドラマの番組制作者・スタッフのことですね。
そのセリフに対して、ジョーイは、They gave me the shaft. と言い、それを聞いたローレンは大笑いしています。
かなり笑っているので、何かしらのジョークを言ったのだろうと思ったら、やはりこれは shaft を使ったジョークでした。
give someone the shaft は「人をひどい目にあわせる、人をだます」。
get the shaft だと「ひどい目にあう」という意味になります。
また、動詞の shaft は「人をひどい目にあわせる」という意味です。
この動詞は get shafted という受身の形で「ひどい目にあう」という意味で使うことが多いようです。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) や、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には、動詞 shaft や、get the shaft は載っていますが、give someone the shaft は載っていませんでした。
マクミラン英英辞典 (Macmillan English Dictionary) には、get と give の両方の形が載っていました。
get the shaft: (American English, informal) to be treated in a very bad or unfair way
つまり、「非常に悪い、または不公平な方法で扱われること」。
give somebody the shaft: (American English, informal) to treat someone in a bad or unfair way
つまり、「非常に悪い、または不公平な方法で人を扱うこと」。
the shaft を「get する」のと、誰かに the shaft を「give する」のが対照的な意味であるように、英語での語義も、be treated と、treat という風に態(たい)が逆になっていますね。
ロングマンには、get the shaft という意味しか載っていないことを考えると、最初に get the shaft というフレーズがあって、その反対の行為として、give someone the shaft というフレーズが出来たのかな?とも思います。(多分)
ということで、ジョーイは実際に、エレベーターシャフトに落とされる結末を迎えたので、その shaft という言葉を含んだフレーズの give me the shaft を使うことで、「やつらは俺にシャフト(に落ちるという罰)をくれた」と「やつらは俺をひどい目にあわせた」という二重の意味を表したジョークになる、ということですね。
ジョーイにしては、なかなか上手いジョークだと思うのですが。
それにしても、たまたまエレベーターシャフトに落とされるというシーンがあったから使えたジョークなわけですが、まさか脚本家は、いつか They gave me the shaft. とジョーイに言わせることができるように、ラモレーが死ぬ場面でエレベーターシャフトを使った、ということもあり得るのでしょうか??
もしそうなら、2-18 から、この 3-20 までそのジョークを温存していたことになりますので、ちょっとすごいなぁ、と。
ところで、最近、ちょくちょくマクミラン英英辞典も使うようになったのですが、それについて軽く説明を。
マクミラン英英辞典は、かなり前から持っていたのですが(多分、ロングマンと一緒に購入した気がします)、ロングマンがすっかり気に入ってしまった私はロングマンばかり使ってしまい、マクミラン英英辞典は本棚の飾りになっていました。
ですが、この2月に、日向清人先生のビジネス英語雑記帳 で、「英英辞典の是非、選び方など」の英英辞典に関する記事を日向先生がたくさん書いて下さいました。
その中に、(6)英英辞典:Macmillan English Dictionary という記事があり、Macmillan の長所をたくさん挙げておられたのを読んで、「そう言えば、私、マクミラン、持ってたじゃん!」ということに改めて気付き(笑)、本棚の奥からよっこらしょと引っ張り出してきた、ということです。
英和をメイン、ロングマン英英辞典をサブで使っていた頃は、「私には2つも英英辞典なんか使えないや」という感じだったのですが、今のように、ロングマン英英辞典を中心に使っていると、今度は別の英英の定義を見比べてみたくなってきます。(我ながら進歩だな、と思います…笑)
そして、上の give someone the shaft のように、ロングマンには載っていないけれど、マクミランには載っている、というものもやはり存在するのですね。
日向先生の記事を読まなければ、マクミランは本棚の中で朽ち果てているところでした。
日向先生、ありがとうございます!
複数の英英辞典を見比べてみて、その違いを面白いと思えるようになったら、英語はどんどん楽しくなりますね。
「私には英英はまだ早い」と思われる方も、折を見て、英英を使ってみて下さい。
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2009年03月24日
似合う、鳴くのgo フレンズ3-20その2
死んだおばさんのドールハウスをゲットしたモニカ。
フィービーも一緒に遊びましょ、と言われたので、家からいろいろと小道具を持ってきたフィービー。
最初に取り出したのが、ドールハウスの2階まで届くような大きな陶製の犬の置き物。
モニカ: What's this? (これは何?)
フィービー: That's a dog. Every house should have a dog. (それは犬よ。どの家にも犬はいるはずでしょ。)
モニカ: Not one that can pee on the roof. (屋根の上におしっこできるような犬はいないはずよ。)
フィービー: Maybe it's so big because the house was built on radioactive waste. (たぶん、その家が放射性廃棄物の上に建てられたから、そんなに大きいのよ。)
チャンドラー: (holding a tissue) And is this in case the house sneezes? ([(フィービーが持ってきたらしい)ティッシュを持ちながら] そして、これは、その家がくしゃみした時のためにあるの?)
フィービー: No, no, that's the ghost for the attic. (違う違う。それは、屋根裏の幽霊なの。)
モニカ: I don't want a ghost. (私は幽霊なんか欲しくない[いらない]。)
フィービー: Well, nobody wants a ghost. But you've got one, because the house is sitting on an ancient Indian burial ground. (そうね、幽霊を欲しい人なんていないわ。でも、あなたのうちには幽霊がいるの。だって、その家は古代インディアンの墓地の上に建ってるんだもの。)
ロス: Wait a minute. The house was built on radioactive waste, and an ancient Indian burial ground? That would never happen. (ちょっと待ってよ。その家は放射性廃棄物の上に建ってて、さらには古代インディアンの墓地の上にも建ってるの? そんなことは起こらないだろ。)
フィービー: Okay, obviously you don't know much about the U.S. government. (いいわ。明らかに、あなたはアメリカ政府についてよくわかっていないようね。)
ドールハウスと不釣合いな大きさの陶器の犬を持ってきたフィービー。
足を上げておしっこすると、屋根にかかりそうだとモニカは言っています。
その犬が大きい理由を無理に設定するフィービー。
放射性廃棄物の放射能のせいで巨大化した、というのですが…ゴジラの設定みたいですね(笑)。
画面を見る限りはよくわからないのですが、チャンドラーの持っているティッシュも、フィービーが自分のカバンから取り出したもののようです。
そこまで無茶な設定だと、家がくしゃみしてもおかしくない、という感じですね。
I don't want a ghost. に対して、nobody wants a ghost. と答えるフィービーが面白いです。
モニカはドールハウスで女の子らしく遊びたいので、幽霊なんておどろおどろしい小道具はいらないわ、という意味で、I don't want a ghost. と言っているのに、フィービーは、「そりゃ、幽霊が好きな人なんていないわよ。でも、存在するんだからしょうがないのよ」みたいに言っているのがおかしいのです。
ちょっと論点がずれているわけで、そこがまたフィービーらしいのですね。
burial は名詞で「埋葬」。
-al という語尾は、natural, national などの形容詞も作りますが、今回の burial や arrival のように名詞を作ることもできます。
bury は動詞で「…を埋葬する」ですね。
burial はベリアル、bury はベリーと発音しますのでご注意を。
放射性廃棄物の上で、さらには古代インディアンの墓地の上に建っている、という設定を言うフィービーに対して、そんなこと起こらないよ、というロス。
それは、犬がデカイのは放射能のせい、幽霊は墓地のせい、とありえない設定を作って、自分の都合のいいように話を進めていることに対しての軽い非難ですね。
それをフィービーは、アメリカ政府の話にすり替えています。
ロスは、古代の墓地という神聖な場所に、放射性廃棄物を捨てるはずなんてない、って言いたいんでしょうけど、アメリカ政府のやることはわからないわよ、みんなの知らないところでそういう非人道的なことも平気でするのよ、と言っているのですね。
このドールハウスでのやり取りは、フィービーのズレ具合がよくわかる会話になっていて、面白いなと思います。
恐竜の人形まで持ち出して、家を攻撃(笑)し始めるフィービーを見て、
モニカ: All right, Phoebe, y'know what? That-that's it, that's it, all right? No dinosaurs, no ghosts, no giant dogs, okay? They're not the right size, they're not Victorian and they just don't go. (いいわ、フィービー。ねぇ聞いて。そこまで、そこまでよ、いい? 恐竜もなし、幽霊もなし、巨大な犬もなしよ。いい? それらは正しいサイズじゃないし、ヴィクトリア風じゃないし、ただ(この家に)合ってない[似合ってない]のよ。)
フィービー: Okay, (starts to pack up her stuff) fine. Come, dinosaur. We're not welcome in the house of no imagination. (いいわ。[自分の持ってきたものをかばんにつめ始める] いいわ。おいで、恐竜さん。私たちは、想像力のない家では歓迎されないのよ。)
ロス: Uh, Pheebs, while we're hovering around the subject, I just have to say dinosaurs, they-they don't go, "ruff!" (あ、フィービー。ちょうどその話題になっている時だから言うけど、ちょっとこれだけは言っとかないと。恐竜は「ラフ!」って鳴かないよ。)
フィービー: The little ones do. (小さな恐竜はそんな風に鳴くわよ。)
フィービー流の遊び方が気に入らないモニカ。
フィービーは自分の持ち物を拒否されたので、かばんにしまい始めます。
We're not welcome in the house of no imagination. は、モニカには想像力が欠けていて、面白くないわ、と言いたいのでしょう。
ロスのセリフの、while we're hovering around the subject という表現が面白いなと思いました。
hover は「(鳥やヘリコプターが)空中停止する、ホバリングする」で、「漂う、うろつく、さまよう」という意味もあります。
hover around だと「…のあたりをうろつく」感じですね。
ですから、while we're hovering around the subject を直訳すると、「その件のあたりをうろついている間に」ということで、ちょうどフィービーの口から恐竜の話が出たから、ちょうどその話題が出ているところで、というニュアンスでしょうね。
DVD英語字幕では、While we’re on the subject と書いてあり、意味としてはまさにそういうことですが、そこを be hovering around と表現しているのが生きた英語、という感じがします。
この一連のやり取りでは、go という動詞が2種類の意味で使われています。
they just don't go. の go は「…と合う、調和する、適合する」。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
go: COLOURS/STYLES/TASTES
[intransitive] if colours, tastes, styles etc go, they look, taste etc good together
つまり、「色や風情[味?]やスタイルなどが go するということは、一緒にあると見た目や風情が良いこと。」
この「似合う」という意味は、go with の形でフレンズに何度も出てきました。
フレンズ2-3その3 では、趣味の悪いランプを部屋に置こうとしたレイチェルに、
モニカ: It doesn't go with any of my stuff. (そのランプは、私の持ち物のどれとも釣り合わないわ。)
と言っていました。
自分の持ち物と合わないのをいやがるところは、今回と同じですね(笑)。
they-they don't go, "ruff!" の go は「動物などが…と鳴く」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
go: MAKE A SOUND [transitive] to make a particular sound
例) Cats go "meow."
つまり、「ある特定の音を出すこと」。例文は、「ネコはニャオ[ミアウ]と鳴く。」
フィービーが恐竜の人形を使って、犬のような鳴き声を出したことにロスはひっかかったようです。
ネットスクリプトでは、roof! rrroof! のように書かれていました。
ロスは、恐竜はそんな犬みたいな声は出さないよ、と言ったのですが、小さい恐竜ならそう鳴くわよ、とフィービーは答えています。
犬は家に比べてデカすぎるのですが、恐竜の人形は逆に小さすぎる。これくらいの小さいサイズの恐竜なら、犬みたいに鳴くと思うわ、ということみたいですね。
余談ですが、恐竜って鳴くんですかねぇ?
怪獣のような声を出すイメージがありますが、恐竜の出てくる映画では鳴いていましたっけ?(ジュラシック・パークとかダイナソーとか)
映画はエンターテインメントであり、迫力や雰囲気を出すために実際とは違った脚色をしている場合もあるでしょうから、仮に映画の中で鳴いていたとしても、それが学術的に正しいかどうかはわかりませんし。
ウィキペディアになら何か書いてあるかと思ったら、鳴き声についての記述はありませんでした。
怪獣みたいに「ガォー」とか「キェー」みたいな声は出さないような気がしますが、何らかの音くらいは出すような気もしますけど…。
恐竜が鳴くのか、鳴くとしたらどんな声なのか?はともかくとして、ロスは自分が専門的に研究している恐竜で、犬みたいな声を出されたのが気に食わなかった、ということでしょうね。
最後に、go の話に戻りますが、go のような基本動詞には本当にいろんな訳語があります。
それを「似合う」「(動物が)…と鳴く」と機械的に暗記するのではなく、話の流れから判断して、この場合は「似合う」だな、この場合は「鳴く」だな、と、go という動詞の持つニュアンスを捉えていくことが大事なのだと思います。
日本語で言ってみると、「goする」とはどういう感覚なのかを、いろんな会話例での使われ方を見ていくことで、自分の中に、 go という動詞のイメージを作り上げていく、ということなんですね。
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フィービー: That's a dog. Every house should have a dog. (それは犬よ。どの家にも犬はいるはずでしょ。)
モニカ: Not one that can pee on the roof. (屋根の上におしっこできるような犬はいないはずよ。)
フィービー: Maybe it's so big because the house was built on radioactive waste. (たぶん、その家が放射性廃棄物の上に建てられたから、そんなに大きいのよ。)
チャンドラー: (holding a tissue) And is this in case the house sneezes? ([(フィービーが持ってきたらしい)ティッシュを持ちながら] そして、これは、その家がくしゃみした時のためにあるの?)
フィービー: No, no, that's the ghost for the attic. (違う違う。それは、屋根裏の幽霊なの。)
モニカ: I don't want a ghost. (私は幽霊なんか欲しくない[いらない]。)
フィービー: Well, nobody wants a ghost. But you've got one, because the house is sitting on an ancient Indian burial ground. (そうね、幽霊を欲しい人なんていないわ。でも、あなたのうちには幽霊がいるの。だって、その家は古代インディアンの墓地の上に建ってるんだもの。)
ロス: Wait a minute. The house was built on radioactive waste, and an ancient Indian burial ground? That would never happen. (ちょっと待ってよ。その家は放射性廃棄物の上に建ってて、さらには古代インディアンの墓地の上にも建ってるの? そんなことは起こらないだろ。)
フィービー: Okay, obviously you don't know much about the U.S. government. (いいわ。明らかに、あなたはアメリカ政府についてよくわかっていないようね。)
ドールハウスと不釣合いな大きさの陶器の犬を持ってきたフィービー。
足を上げておしっこすると、屋根にかかりそうだとモニカは言っています。
その犬が大きい理由を無理に設定するフィービー。
放射性廃棄物の放射能のせいで巨大化した、というのですが…ゴジラの設定みたいですね(笑)。
画面を見る限りはよくわからないのですが、チャンドラーの持っているティッシュも、フィービーが自分のカバンから取り出したもののようです。
そこまで無茶な設定だと、家がくしゃみしてもおかしくない、という感じですね。
I don't want a ghost. に対して、nobody wants a ghost. と答えるフィービーが面白いです。
モニカはドールハウスで女の子らしく遊びたいので、幽霊なんておどろおどろしい小道具はいらないわ、という意味で、I don't want a ghost. と言っているのに、フィービーは、「そりゃ、幽霊が好きな人なんていないわよ。でも、存在するんだからしょうがないのよ」みたいに言っているのがおかしいのです。
ちょっと論点がずれているわけで、そこがまたフィービーらしいのですね。
burial は名詞で「埋葬」。
-al という語尾は、natural, national などの形容詞も作りますが、今回の burial や arrival のように名詞を作ることもできます。
bury は動詞で「…を埋葬する」ですね。
burial はベリアル、bury はベリーと発音しますのでご注意を。
放射性廃棄物の上で、さらには古代インディアンの墓地の上に建っている、という設定を言うフィービーに対して、そんなこと起こらないよ、というロス。
それは、犬がデカイのは放射能のせい、幽霊は墓地のせい、とありえない設定を作って、自分の都合のいいように話を進めていることに対しての軽い非難ですね。
それをフィービーは、アメリカ政府の話にすり替えています。
ロスは、古代の墓地という神聖な場所に、放射性廃棄物を捨てるはずなんてない、って言いたいんでしょうけど、アメリカ政府のやることはわからないわよ、みんなの知らないところでそういう非人道的なことも平気でするのよ、と言っているのですね。
このドールハウスでのやり取りは、フィービーのズレ具合がよくわかる会話になっていて、面白いなと思います。
恐竜の人形まで持ち出して、家を攻撃(笑)し始めるフィービーを見て、
モニカ: All right, Phoebe, y'know what? That-that's it, that's it, all right? No dinosaurs, no ghosts, no giant dogs, okay? They're not the right size, they're not Victorian and they just don't go. (いいわ、フィービー。ねぇ聞いて。そこまで、そこまでよ、いい? 恐竜もなし、幽霊もなし、巨大な犬もなしよ。いい? それらは正しいサイズじゃないし、ヴィクトリア風じゃないし、ただ(この家に)合ってない[似合ってない]のよ。)
フィービー: Okay, (starts to pack up her stuff) fine. Come, dinosaur. We're not welcome in the house of no imagination. (いいわ。[自分の持ってきたものをかばんにつめ始める] いいわ。おいで、恐竜さん。私たちは、想像力のない家では歓迎されないのよ。)
ロス: Uh, Pheebs, while we're hovering around the subject, I just have to say dinosaurs, they-they don't go, "ruff!" (あ、フィービー。ちょうどその話題になっている時だから言うけど、ちょっとこれだけは言っとかないと。恐竜は「ラフ!」って鳴かないよ。)
フィービー: The little ones do. (小さな恐竜はそんな風に鳴くわよ。)
フィービー流の遊び方が気に入らないモニカ。
フィービーは自分の持ち物を拒否されたので、かばんにしまい始めます。
We're not welcome in the house of no imagination. は、モニカには想像力が欠けていて、面白くないわ、と言いたいのでしょう。
ロスのセリフの、while we're hovering around the subject という表現が面白いなと思いました。
hover は「(鳥やヘリコプターが)空中停止する、ホバリングする」で、「漂う、うろつく、さまよう」という意味もあります。
hover around だと「…のあたりをうろつく」感じですね。
ですから、while we're hovering around the subject を直訳すると、「その件のあたりをうろついている間に」ということで、ちょうどフィービーの口から恐竜の話が出たから、ちょうどその話題が出ているところで、というニュアンスでしょうね。
DVD英語字幕では、While we’re on the subject と書いてあり、意味としてはまさにそういうことですが、そこを be hovering around と表現しているのが生きた英語、という感じがします。
この一連のやり取りでは、go という動詞が2種類の意味で使われています。
they just don't go. の go は「…と合う、調和する、適合する」。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
go: COLOURS/STYLES/TASTES
[intransitive] if colours, tastes, styles etc go, they look, taste etc good together
つまり、「色や風情[味?]やスタイルなどが go するということは、一緒にあると見た目や風情が良いこと。」
この「似合う」という意味は、go with の形でフレンズに何度も出てきました。
フレンズ2-3その3 では、趣味の悪いランプを部屋に置こうとしたレイチェルに、
モニカ: It doesn't go with any of my stuff. (そのランプは、私の持ち物のどれとも釣り合わないわ。)
と言っていました。
自分の持ち物と合わないのをいやがるところは、今回と同じですね(笑)。
they-they don't go, "ruff!" の go は「動物などが…と鳴く」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
go: MAKE A SOUND [transitive] to make a particular sound
例) Cats go "meow."
つまり、「ある特定の音を出すこと」。例文は、「ネコはニャオ[ミアウ]と鳴く。」
フィービーが恐竜の人形を使って、犬のような鳴き声を出したことにロスはひっかかったようです。
ネットスクリプトでは、roof! rrroof! のように書かれていました。
ロスは、恐竜はそんな犬みたいな声は出さないよ、と言ったのですが、小さい恐竜ならそう鳴くわよ、とフィービーは答えています。
犬は家に比べてデカすぎるのですが、恐竜の人形は逆に小さすぎる。これくらいの小さいサイズの恐竜なら、犬みたいに鳴くと思うわ、ということみたいですね。
余談ですが、恐竜って鳴くんですかねぇ?
怪獣のような声を出すイメージがありますが、恐竜の出てくる映画では鳴いていましたっけ?(ジュラシック・パークとかダイナソーとか)
映画はエンターテインメントであり、迫力や雰囲気を出すために実際とは違った脚色をしている場合もあるでしょうから、仮に映画の中で鳴いていたとしても、それが学術的に正しいかどうかはわかりませんし。
ウィキペディアになら何か書いてあるかと思ったら、鳴き声についての記述はありませんでした。
怪獣みたいに「ガォー」とか「キェー」みたいな声は出さないような気がしますが、何らかの音くらいは出すような気もしますけど…。
恐竜が鳴くのか、鳴くとしたらどんな声なのか?はともかくとして、ロスは自分が専門的に研究している恐竜で、犬みたいな声を出されたのが気に食わなかった、ということでしょうね。
最後に、go の話に戻りますが、go のような基本動詞には本当にいろんな訳語があります。
それを「似合う」「(動物が)…と鳴く」と機械的に暗記するのではなく、話の流れから判断して、この場合は「似合う」だな、この場合は「鳴く」だな、と、go という動詞の持つニュアンスを捉えていくことが大事なのだと思います。
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2009年03月22日
ターキーが焼けたという意味の名前 フレンズ3-20その1
シーズン3 第20話
The One With the Doll House (ハートブレイク)
原題は「ドールハウスの話」
[Scene: Monica and Rachel's, Chandler, Monica, Phoebe, and Joey are there.]
モニカとレイチェルの部屋。チャンドラー、モニカ、フィービー、ジョーイがそこにいる。
チャンドラー: Wait a minute, wait. You're telling me this actress person is the only woman you ever wanted who didn't want you back? (ちょっと待て、待てよ。その女優の人は、お前が求めたのに、相手がお前を求め返さなかった唯一の女性だ、って言うんだな。)
ジョーイ: Yeah! Oh my God. (to Chandler) Is this what it's like to be you? (そうなんだよ! なんてこった。[チャンドラーに] お前の状態はこんな感じなのか?)
the only woman you ever wanted who didn't want you back の want は、恋愛で使われる、I want you. のニュアンスですね。
ジョーイが「欲しい」と思った、つまり、好きで、デートしたいとか寝たいとか思った(笑)相手なのに、そのジョーイの気持ちに「欲しい」という気持ちを返してくれない、相手はジョーイに見向きもしない、興味がなさそう、という感じです。
ジョーイはプレイボーイなので、これまでは、自分が興味を持った女の子は、全部落としてきた、ということですね。でも、今回だけは違う、と。
チャンドラーにそのことを確認されたジョーイは、「あぁ、これがチャンドラーがいつもいる状態なのか」と気付きます。
to be you は、to be Chandler で、「チャンドラーであるという状態」。
自分が好きな相手が振り向いてくれない、っていうのは、こういう感じのことなのか、チャンドラーの状態でいる、っていうのは、こういう感じのことなんだな、と言っています。
…って、なんて失礼な!(笑)
レイチェルの職場。チャンドラーはレイチェルと一緒にランチを食べ、帰ってきたところ。
[Rachel's boss, Joanna, enters]
レイチェルの上司、ジョアンナが入ってくる。
ジョアンナ: Rachel, I need the Versace invoice. (to Chandler) Hello. You don't work for me. (レイチェル、ベルサーチの請求書が必要なの。[チャンドラーに] こんにちは。あなたは私の部下じゃないわね。)
レイチェル: (introduces them) Joanna, this is my friend Chandler Bing. (to Chandler) Joanna. ([二人を紹介する] ジョアンナ。こちらは私の友人のチャンドラーです。[チャンドラーに] (こちらは)ジョアンナよ。)
ジョアンナ: Bing? That's a great name. (ビング? それは素敵な名前ね。)
チャンドラー: Thanks, it's ah, Gaelic for, "Thy turkey's done." (ありがとう。それは、その、ゲール語で「汝のターキーは焼けた」という意味なんです。)
work for を直訳すると、「…のために働く」。
for の後に会社が来ると、「その会社で働いている」という意味になりますし、for の後に人が来ると、「その人のために働いている」ということになり、その人が上司である、主語はその人の部下である、という意味になります。
フレンズ3-10その15 でも、work for について説明しています。
ジョアンナは、見慣れない顔のチャンドラーがオフィスにいたので、「あなた、知らない顔ねぇ」と言う代わりに、「あなたは私の部下じゃないわね。」と言って、暗に「あなたは一体誰かしら?」と尋ねているということです。
ちなみに、ジョアンナは今回初登場ですが、セリフの中ではすでに登場していました。
フレンズ3-11その39 のセリフでは、今の職場の面接を受けた時、面接官がジョアンナであったことがわかります。
また、フレンズ3-12その8 では、マークとレイチェルがジョアンナのアシスタントである、というセリフも出てきます。
上司の名前はジョアンナである、という情報は以前から提示されていて、今回、その本人が登場、ということになったのですね。
Bing という名字は珍しいらしく、この名前はいろんな人によくいじられます(笑)。
発信音と間違えられる名前 フレンズ3-6その3 では、Bing という名前で遊ばれたり、音と間違えられたりする話が出てきました。
Gaelic は「ゲール語」
ゲール語についてはこちら。
Wikipedia 日本語版: ゲール語
Bing という名字には意味がある、とその由来がゲール語であると説明するチャンドラーですが、もちろん、これはジョークですね。
The turkey is done. は、「(料理としての)ターキーが出来上がった、焼き上がった。」
フレンズ3-9その20 では、フットボールで勝っているモニカが、
モニカ: Forty-two to 21. Like the turkey, Ross is done! (42対21。ターキーみたいに、ロスはおしまいね!)
と言っていましたね。
彼の説明では、「ターキーが焼けたぞ」という意味だとのことですが、それは、ターキーが焼けてオーブンがチン!と鳴るイメージを言っているのでしょう。
Bing という音が、擬音みたいだとよくからかわれるので、それを逆手に取って、「ターキーが出来たよ」というメッセージのビン!という音です、と言っているようです。
thy というのは、古い英語で「なんじの、そなたの」という意味。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
thy: (old use) your
と出ています。つまり、your の古い形、ということですね。
シェークスピアなどの作品に、thy や thou (なんじは、そなたは)はよく登場します。
上のウィキペディアの説明にあるように、「今日では、上記の3地域で話されているゲール語が残っているが、いずれも英語に取って代わられつつある。」とのことなので、チャンドラーがゲール語を出したのは、古くからある言葉のイメージなのでしょう。
さらにシェークスピアで使われるような古語を使って、その意味を説明しているのですが、実際に意味するところは、オーブンのタイマーの音のイメージなので、その古語と古めかしい表現と、現代の調理機器とのギャップが面白い、ということです。
チャンドラーが去っていった後。
ジョアンナ: (to Rachel) So ah, what's wrong with him? ([レイチェルに] それで、彼には悪いところがあるの?)
レイチェル: Oh, nothing. He's just goofy like that. I actually hardly notice it anymore. (あぁ、悪いところはないんです。彼はただ、あんな風におちゃらけているだけなんですよ。私も実際のところ、もうほとんどそれに気付かないくらいで。)
ジョアンナ: Oh, no, no-no-no, I mean, is he ah, married or involved with anyone? (あら、違う違う、違うのよ。私が言いたいのは、彼は結婚してたり、もしくは、誰かと付き合っていたりするのか?ってことよ。)
レイチェル: No! No! He's not married or involved with anyone. (いいえ!いいえ! 彼は結婚してませんし、誰かと付き合ったりもしていません。)
ジョアンナ: Oh, Rachel. (pause) Actually, y'know what? Forget it. (まぁ、レイチェル。[沈黙] 実際のところ、ほら…。今のは忘れて。)
レイチェル: Well, I'll ask him for you, if you want me to? (えーっと、私があなたのために、彼に尋ねますよ。もし、あなたが私にそうして欲しいと望まれるのであれば。)
ジョアンナ: Would you? Or is it just too sad and desperate, y'know, something that Sophie would do? (そうしてくれるの? もしくは、ただ、あまりに悲しくて必死過ぎるかしら? ほら、ソフィーがやりそうなことかしら?)
ソフィー: Uh, uh, uh, I am here. (あー、私はここにいるんですが。)
ジョアンナ: I know that. (そんなこと、知ってるわ。)
What's wrong with him? を直訳すると、「彼にある悪いものは何?」という感じになるでしょうか?
つまり、「彼のダメなところは何かしら?、彼は何が悪いの?」みたいなことだと思います。
こういう質問だと、ジョアンナは彼に悪い印象を持って、「彼どっかおかしいんじゃないかしら?」みたいに言っているように聞こえる気がします。
純粋にその悪い部分を尋ねる質問として、フレンズ2-8その9 では、
チャンドラー: Okay, let's do Julie. What's wrong with her? (オーケー。今度はジュリーの方を作ろう。彼女の悪いところは?)
ロス: She's not Rachel. (彼女はレイチェルじゃない。)
という会話がありましたね。
ジョアンナの質問を聞いて、初対面の人にいきなりああいうジョークをかました(笑)チャンドラーのことを、ジョアンナはよく思わなかったのだろうと思ったレイチェルは、チャンドラーを弁護するようなことを言います。
goofy は「おろかな、ばかな、おちゃらけた」。
グーフィー フレンズ3-4その28 では、goof や goofy という単語について説明しています。
I actually hardly notice it anymore. について。
actually は「実際、実際のところ」、hardly notice it は「ほとんどそれに気付かない」。
hardly 「ほとんど…ない」の否定のニュアンスに anymore がプラスされて、「もう・もはやほとんど気付かない」というニュアンスになります。
it は、彼がおちゃらけてふざけたことばかり言うこと、ですね。
他人のジョアンナから見れば、「彼、どっかおかしいの?」と言いたくなるようなキャラだけど、彼はいつもあんな感じなので、いつも一緒にいる友達の私は、彼がおふざけばっかりしていることに気付きもしない、彼はあんな人だとわかっているので、もう彼のああいうセリフや態度に慣れちゃったんです、でも彼をよく知らない人が彼を変わったヤツだと思うのは、無理もないですね、という感じでしょう。
でも、ジョアンナの質問はレイチェルの考えとは違っていたようです。
ジョアンナが聞きたかったのは、チャンドラーにすでに決まった相手がいるかどうか?だったんですね。
そういう意味だと理解すると、私が彼にアプローチをかけるとして、彼には何かマズイこと、不都合なことがあるかしら?みたいなことを最初に聞きたかったのだろうと思います。
ジョアンナはその後、何かを言おうとして、やめます。
言いかけてやめたので、ジョアンナが言いたいことを察して、私からチャンドラーに言いましょうか?と言っています。
そうしてくれると嬉しいわ、という感じで、Would you? と言っていますね。
そうしてくれるの? 私のために彼に尋ねてくれる?という感じ。
desperate は「必死の、死に物狂いの」。
フレンズ1-20その3 で、desperate という単語について説明しています。
部下まで使って、自分が気に入った人にアプローチをかけようなんて、ちょっと必死な感じがして、みっともないかしら?と言っているのですね。
その後、それじゃあまるでソフィーがやることみたいだわ、とまで言っています。
ソフィーだったらそんなに必死になるのはわかるけど、ソフィーがするようなことを私がするのはみじめよね、というニュアンスですね。
明らかにソフィーに対して失礼なセリフなのですが、実はそのソフィーは、ジョアンナのすぐ後ろに座っていました。
それで、「私がいないと思って名前を出されたのかもしれませんが、今のお言葉、私はここで聞いてしまったんですけど…」というソフィー。
それに対してジョアンナが、「あなたがそこにいるのは知ってるわ。」と言うのに笑えます。
本人に聞こえるのを知っていながら、ソフィーの悪口を言っていた、名前を出した、ということです。
このやり取りで、ジョアンナは、部下のソフィーのことが嫌いだ、ということがわかりますね。
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モニカとレイチェルの部屋。チャンドラー、モニカ、フィービー、ジョーイがそこにいる。
チャンドラー: Wait a minute, wait. You're telling me this actress person is the only woman you ever wanted who didn't want you back? (ちょっと待て、待てよ。その女優の人は、お前が求めたのに、相手がお前を求め返さなかった唯一の女性だ、って言うんだな。)
ジョーイ: Yeah! Oh my God. (to Chandler) Is this what it's like to be you? (そうなんだよ! なんてこった。[チャンドラーに] お前の状態はこんな感じなのか?)
the only woman you ever wanted who didn't want you back の want は、恋愛で使われる、I want you. のニュアンスですね。
ジョーイが「欲しい」と思った、つまり、好きで、デートしたいとか寝たいとか思った(笑)相手なのに、そのジョーイの気持ちに「欲しい」という気持ちを返してくれない、相手はジョーイに見向きもしない、興味がなさそう、という感じです。
ジョーイはプレイボーイなので、これまでは、自分が興味を持った女の子は、全部落としてきた、ということですね。でも、今回だけは違う、と。
チャンドラーにそのことを確認されたジョーイは、「あぁ、これがチャンドラーがいつもいる状態なのか」と気付きます。
to be you は、to be Chandler で、「チャンドラーであるという状態」。
自分が好きな相手が振り向いてくれない、っていうのは、こういう感じのことなのか、チャンドラーの状態でいる、っていうのは、こういう感じのことなんだな、と言っています。
…って、なんて失礼な!(笑)
レイチェルの職場。チャンドラーはレイチェルと一緒にランチを食べ、帰ってきたところ。
[Rachel's boss, Joanna, enters]
レイチェルの上司、ジョアンナが入ってくる。
ジョアンナ: Rachel, I need the Versace invoice. (to Chandler) Hello. You don't work for me. (レイチェル、ベルサーチの請求書が必要なの。[チャンドラーに] こんにちは。あなたは私の部下じゃないわね。)
レイチェル: (introduces them) Joanna, this is my friend Chandler Bing. (to Chandler) Joanna. ([二人を紹介する] ジョアンナ。こちらは私の友人のチャンドラーです。[チャンドラーに] (こちらは)ジョアンナよ。)
ジョアンナ: Bing? That's a great name. (ビング? それは素敵な名前ね。)
チャンドラー: Thanks, it's ah, Gaelic for, "Thy turkey's done." (ありがとう。それは、その、ゲール語で「汝のターキーは焼けた」という意味なんです。)
work for を直訳すると、「…のために働く」。
for の後に会社が来ると、「その会社で働いている」という意味になりますし、for の後に人が来ると、「その人のために働いている」ということになり、その人が上司である、主語はその人の部下である、という意味になります。
フレンズ3-10その15 でも、work for について説明しています。
ジョアンナは、見慣れない顔のチャンドラーがオフィスにいたので、「あなた、知らない顔ねぇ」と言う代わりに、「あなたは私の部下じゃないわね。」と言って、暗に「あなたは一体誰かしら?」と尋ねているということです。
ちなみに、ジョアンナは今回初登場ですが、セリフの中ではすでに登場していました。
フレンズ3-11その39 のセリフでは、今の職場の面接を受けた時、面接官がジョアンナであったことがわかります。
また、フレンズ3-12その8 では、マークとレイチェルがジョアンナのアシスタントである、というセリフも出てきます。
上司の名前はジョアンナである、という情報は以前から提示されていて、今回、その本人が登場、ということになったのですね。
Bing という名字は珍しいらしく、この名前はいろんな人によくいじられます(笑)。
発信音と間違えられる名前 フレンズ3-6その3 では、Bing という名前で遊ばれたり、音と間違えられたりする話が出てきました。
Gaelic は「ゲール語」
ゲール語についてはこちら。
Wikipedia 日本語版: ゲール語
Bing という名字には意味がある、とその由来がゲール語であると説明するチャンドラーですが、もちろん、これはジョークですね。
The turkey is done. は、「(料理としての)ターキーが出来上がった、焼き上がった。」
フレンズ3-9その20 では、フットボールで勝っているモニカが、
モニカ: Forty-two to 21. Like the turkey, Ross is done! (42対21。ターキーみたいに、ロスはおしまいね!)
と言っていましたね。
彼の説明では、「ターキーが焼けたぞ」という意味だとのことですが、それは、ターキーが焼けてオーブンがチン!と鳴るイメージを言っているのでしょう。
Bing という音が、擬音みたいだとよくからかわれるので、それを逆手に取って、「ターキーが出来たよ」というメッセージのビン!という音です、と言っているようです。
thy というのは、古い英語で「なんじの、そなたの」という意味。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
thy: (old use) your
と出ています。つまり、your の古い形、ということですね。
シェークスピアなどの作品に、thy や thou (なんじは、そなたは)はよく登場します。
上のウィキペディアの説明にあるように、「今日では、上記の3地域で話されているゲール語が残っているが、いずれも英語に取って代わられつつある。」とのことなので、チャンドラーがゲール語を出したのは、古くからある言葉のイメージなのでしょう。
さらにシェークスピアで使われるような古語を使って、その意味を説明しているのですが、実際に意味するところは、オーブンのタイマーの音のイメージなので、その古語と古めかしい表現と、現代の調理機器とのギャップが面白い、ということです。
チャンドラーが去っていった後。
ジョアンナ: (to Rachel) So ah, what's wrong with him? ([レイチェルに] それで、彼には悪いところがあるの?)
レイチェル: Oh, nothing. He's just goofy like that. I actually hardly notice it anymore. (あぁ、悪いところはないんです。彼はただ、あんな風におちゃらけているだけなんですよ。私も実際のところ、もうほとんどそれに気付かないくらいで。)
ジョアンナ: Oh, no, no-no-no, I mean, is he ah, married or involved with anyone? (あら、違う違う、違うのよ。私が言いたいのは、彼は結婚してたり、もしくは、誰かと付き合っていたりするのか?ってことよ。)
レイチェル: No! No! He's not married or involved with anyone. (いいえ!いいえ! 彼は結婚してませんし、誰かと付き合ったりもしていません。)
ジョアンナ: Oh, Rachel. (pause) Actually, y'know what? Forget it. (まぁ、レイチェル。[沈黙] 実際のところ、ほら…。今のは忘れて。)
レイチェル: Well, I'll ask him for you, if you want me to? (えーっと、私があなたのために、彼に尋ねますよ。もし、あなたが私にそうして欲しいと望まれるのであれば。)
ジョアンナ: Would you? Or is it just too sad and desperate, y'know, something that Sophie would do? (そうしてくれるの? もしくは、ただ、あまりに悲しくて必死過ぎるかしら? ほら、ソフィーがやりそうなことかしら?)
ソフィー: Uh, uh, uh, I am here. (あー、私はここにいるんですが。)
ジョアンナ: I know that. (そんなこと、知ってるわ。)
What's wrong with him? を直訳すると、「彼にある悪いものは何?」という感じになるでしょうか?
つまり、「彼のダメなところは何かしら?、彼は何が悪いの?」みたいなことだと思います。
こういう質問だと、ジョアンナは彼に悪い印象を持って、「彼どっかおかしいんじゃないかしら?」みたいに言っているように聞こえる気がします。
純粋にその悪い部分を尋ねる質問として、フレンズ2-8その9 では、
チャンドラー: Okay, let's do Julie. What's wrong with her? (オーケー。今度はジュリーの方を作ろう。彼女の悪いところは?)
ロス: She's not Rachel. (彼女はレイチェルじゃない。)
という会話がありましたね。
ジョアンナの質問を聞いて、初対面の人にいきなりああいうジョークをかました(笑)チャンドラーのことを、ジョアンナはよく思わなかったのだろうと思ったレイチェルは、チャンドラーを弁護するようなことを言います。
goofy は「おろかな、ばかな、おちゃらけた」。
グーフィー フレンズ3-4その28 では、goof や goofy という単語について説明しています。
I actually hardly notice it anymore. について。
actually は「実際、実際のところ」、hardly notice it は「ほとんどそれに気付かない」。
hardly 「ほとんど…ない」の否定のニュアンスに anymore がプラスされて、「もう・もはやほとんど気付かない」というニュアンスになります。
it は、彼がおちゃらけてふざけたことばかり言うこと、ですね。
他人のジョアンナから見れば、「彼、どっかおかしいの?」と言いたくなるようなキャラだけど、彼はいつもあんな感じなので、いつも一緒にいる友達の私は、彼がおふざけばっかりしていることに気付きもしない、彼はあんな人だとわかっているので、もう彼のああいうセリフや態度に慣れちゃったんです、でも彼をよく知らない人が彼を変わったヤツだと思うのは、無理もないですね、という感じでしょう。
でも、ジョアンナの質問はレイチェルの考えとは違っていたようです。
ジョアンナが聞きたかったのは、チャンドラーにすでに決まった相手がいるかどうか?だったんですね。
そういう意味だと理解すると、私が彼にアプローチをかけるとして、彼には何かマズイこと、不都合なことがあるかしら?みたいなことを最初に聞きたかったのだろうと思います。
ジョアンナはその後、何かを言おうとして、やめます。
言いかけてやめたので、ジョアンナが言いたいことを察して、私からチャンドラーに言いましょうか?と言っています。
そうしてくれると嬉しいわ、という感じで、Would you? と言っていますね。
そうしてくれるの? 私のために彼に尋ねてくれる?という感じ。
desperate は「必死の、死に物狂いの」。
フレンズ1-20その3 で、desperate という単語について説明しています。
部下まで使って、自分が気に入った人にアプローチをかけようなんて、ちょっと必死な感じがして、みっともないかしら?と言っているのですね。
その後、それじゃあまるでソフィーがやることみたいだわ、とまで言っています。
ソフィーだったらそんなに必死になるのはわかるけど、ソフィーがするようなことを私がするのはみじめよね、というニュアンスですね。
明らかにソフィーに対して失礼なセリフなのですが、実はそのソフィーは、ジョアンナのすぐ後ろに座っていました。
それで、「私がいないと思って名前を出されたのかもしれませんが、今のお言葉、私はここで聞いてしまったんですけど…」というソフィー。
それに対してジョアンナが、「あなたがそこにいるのは知ってるわ。」と言うのに笑えます。
本人に聞こえるのを知っていながら、ソフィーの悪口を言っていた、名前を出した、ということです。
このやり取りで、ジョアンナは、部下のソフィーのことが嫌いだ、ということがわかりますね。
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2009年03月20日
スパイダーマンは名字じゃない フレンズ3-19その7
[Scene: Monica and Rachel's, Monica is in the kitchen chopping vegetables. Chandler and Phoebe are sitting in the living room.]
モニカとレイチェルの部屋。モニカはキッチンで野菜を切っている。チャンドラーとフィービーはリビングに座っている。
フィービー: (to Chandler) Hey! (Chandler looks up, startled) Why isn't it "Spiderman"? Y'know like Goldman, Silverman? ([チャンドラーに] ねぇ! [チャンドラーはびっくりして顔を上げる] どうして”スパイダーマン”じゃないの? ほら、ゴールドマンやシルバーマンみたいに。)
チャンドラー: 'Cause it's-it's not his last name. (だって、彼の名字[姓]じゃないから。)
フィービー: It isn't? (名字じゃないの?)
チャンドラー: No, it's not, like, like, Phil Spiderman. He's a Spider-man. Y'know, like, ah, like, Goldman is a last name. But there's no Gold Man. (フィル・スパイダーマンみたいな名字じゃないよ。彼は、スパイダー・マン(蜘蛛の男)なんだ。ほら、ゴールドマンは名字だけど、ゴールド・マン(黄金[金]の男)はいないだろ。)
フィービー: Oh, okay. There should be a Gold Man! (あぁ、そうなの。黄金の男もいるはずよ[黄金の男がいてもおかしくないわ]。)
この「スパイダーマンとゴールドマン論争」(笑)ですが、どうやら、単語の切れ目とアクセントの付き方にポイントがあるようです。
日本では、スパイダーマンと表記しますが、実際の英語表記では、spider と man の間にハイフンがあるんですね。
Wikipedia 英語版: Spider-Man
私もあまり自信がないのですが、フィービーの最初の質問は、「どうして、Spiderman じゃなくて、Spider-Man なの?」、つまり、「どうしてハイフンが入って途中で切れてるの? どうして一気に Spiderman と書かないの、発音しないの?」みたいな感じかなぁ、と。
人の名字で、Goldman や Silverman というのがあるから、それと同じように、Spiderman でいいはずなのに、どうしてわざわざハイフンを入れて、man の部分も Man と大文字表記なの?みたいなことでしょうか?
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)という投資銀行がありますが、Wikipedia 英語版: Goldman Sachs によると、この名前も、設立者のマーカス・ゴールドマン(Marcus Goldman)氏と、彼の義理の息子のサミュエル・サックス(Samuel Sachs)氏のそれぞれの名字を取ったものだそうです。
そう考えて聞いてみると、フィービーが Spiderman という言葉を言う時、スパイの i のみにアクセントがあり、spiderman という単語を最後まで一息(ひといき)で発音し、man には全くアクセントがないように聞こえます。
コミックスや映画の Spider-Man の場合だと、日本語で書くと「スパイダー・マン」と間に「・」が入る感じで、spider と man のどちらにもアクセントが来る、ということでしょうか??
両方とも同じ強さのアクセントが来るかどうかはわかりませんが、少なくとも、man の方にも第二アクセント的なものが来るのかなぁ?と思うのですが、どうなんでしょう??
その後の説明で、チャンドラーは、Goldman を例に出して説明していますが、これも、、二つの単語の間に少し間を空けることと、Man を強く発音することで、Goldman と、Gold Man との違いを説明していますよね。
Goldman というのはゴールドマンという名字であって、Gold Man じゃないだろ、と言うのですが、フィービーは、Gold Man っていうヒーロー(?)がいたっていいじゃない、と返しています。
ちなみに、ネットで調べ物をしていて知ったのですが、キン肉マンの登場人物に、ゴールドマンとシルバーマンというのがいるそうですね。(私は、キン肉マンには詳しくないので、その二人のことは全く知りませんでした…。「キン肉マンGo Fight!」は歌えますが… ♪Go! Go! Muscle!(マソー!)♪)
ところで、スパイダーマンと同じようなアメコミヒーローであるバットマンは、Batman という表記みたいなんですよねぇ。
それこそ、Bat-Man じゃなくていいのかしら?と思ってしまうのですが…(笑)。
Wikipedia 英語版: Batman によると、
Batman (originally referred to as the Bat-Man...
つまり、「当初は、the Bat-Man と呼ばれていた」という記述もあるので、最初はハイフンがはいっていたようでもありますが。
上でリンクした Wikipedia 英語版: Spider-Man で、hyphen についての記述を探してみると、
The hyphen was included in the character's name to avoid confusion with DC Comics' Superman.
とありました。
つまり、「DCコミックスのスーパーマンとの混同を避けるために、そのハイフンをキャラクター名に含めた」ということで、spiderman という表記だと、superman と紛らわしいので(笑)、中にハイフンを入れた、ということらしいです。
じゃあ、superman と紛らわしい綴りでなければ、Spider-Man も、Spiderman という綴りになっていた、ということになってしまいますね。
仮に Spiderman という綴りであっても、やっぱり、man に多少のアクセントが来て、Spiderman と一息に発音する名字との違いは出る、ということなのでしょう(多分)。
チャンドラーとフィービーのやり取りを、何とか日本語チックに表現しようとすると、日本人の男性名の例えならいけそうな気がしますね。
「蜘蛛男は、どうして「くもお」じゃなくて、「くもおとこ」って読むの?」
「だって、蜘蛛男は名前じゃないからさ。」
「え、名前じゃないの?」
「田中蜘蛛男(くもお)っていう名前じゃなくて、蜘蛛の男、だから、蜘蛛男(くもおとこ)なんだよ。」
みたいな感じとか(イメージ湧きませんかねぇ…笑)
[Scene: Chandler and Joey's, Phoebe and Chandler are sitting in the
black chairs.]
チャンドラーとジョーイの部屋。フィービーとチャンドラーは黒い椅子に座っている。
チャンドラー: So, ahh, what kind of powers would "Gold Man" have? (それで、ゴールド・マン(黄金の男)はどんなパワーを持ってるの?)
フィービー: Okay. Well, he would turn things to gold. (いいわ。そうね、彼はものを黄金[金]に変えるのよ。)
チャンドラー: What about things that are already gold? (すでに黄金になっているものについてはどうなの?)
フィービー: Ahh, his work is done. (あぁ、彼の仕事が行われたってことよ[行われているのよ]。)
チャンドラー: Okay, let's play my game now. (よし。さあ、俺のゲームをやろう。)
フィービー: Okay. All right, you yellow-bellied, lily-livered-- Draw! (they both kick up the foot rests like an old fashioned gun fight.) (いいわ。よし。この、臆病で気の弱い… (銃を)引き抜け! [昔のガン・ファイトのように、椅子のフットレストを蹴り上げる] (注:実際には、レバーを引っ張って、フットレストを起こしていますが)
フィービー: Yeah, it's fun. (あぁ、楽しいわ。)
場面が変わっても、まだ、ゴールド・マンの話をしています。
ゴールド・マンってヒーローがいてもおかしくないとフィービーが言っていたので、もしそういうヒーローがいるとしたら、彼はどんな特技を持ってるの?とチャンドラーは尋ねます。
黄金の男だから、あらゆるものを金に変える、と言うのですが、じゃあ、もうすでに金になっているものはどうするの?と意地悪な質問をするチャンドラー。
his work is done. は、彼の仕事が済んだ、というような意味なので、「その金は、彼が何かを金に変えた結果のものなの」という感じですね。
チャンドラーがやっているゲームは、ジョーイが帰ってくる前に、一人で遊んでいたゲームです。(解説は省略してしまいましたが)
フットレストをどちらが早く上げるかを競うゲームで、それは、西部劇の早撃ちガンマンがホルスターから素早く銃を抜き取る行為の真似ですね。
フィービーが言っている、yellow-bellied, lily-livered という表現が面白いなと思いました。
yellow-bellied も、lily-livered も、どちらも「臆病な」という意味です。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
yellow: also yellow-bellied
(informal) not brave
lily-livered [adjective]: (old-fashioned) lacking courage
yellow-bellied は、-ell- が同じ、lily-livered は、li- が同じで、どちらも、同じような音が重なっており、そこが音的に面白い効果を出していると思います。
ロングマンには語源が載っていなかったのですが、belly は「腹」、liver は「肝臓」ですよね。
belly, liver を動詞の受身形として使っている形なので、「黄色い腹を持った、腹が黄色くなった」、「ユリ(花)のような肝臓を持った、肝臓がユリのようになった」みたいな意味になるのでしょう。
黄色い、臆病で思い出すのが、chicken という単語。
chicken には「臆病者」という意味がありますよね。(フレンズ2-13その13 で説明しています。)
チキンは「鶏」ですが「ひよこ」という意味もあるので、yellow-bellied は、その黄色のイメージなのかな?と思ったりしたのですが、辞書などに語源が載っていないので正直よくわかりません。
lily は「白い花」で、lily-white だと「純白」ですから、「白い肝臓を持った」→「血の気のない、機能していない肝臓を持った」ということから、「肝が据わる」的な根性がないという意味になるのかなあ、と。
そんな風に、相手を威嚇するように、「この臆病者の…」とその後に何かの名詞を続けようとしたのですが、考えるのがめんどくさくなって、Draw! 「銃を引き抜け!」と、スタートの合図を叫んだ、という感じでしょうね。
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モニカとレイチェルの部屋。モニカはキッチンで野菜を切っている。チャンドラーとフィービーはリビングに座っている。
フィービー: (to Chandler) Hey! (Chandler looks up, startled) Why isn't it "Spiderman"? Y'know like Goldman, Silverman? ([チャンドラーに] ねぇ! [チャンドラーはびっくりして顔を上げる] どうして”スパイダーマン”じゃないの? ほら、ゴールドマンやシルバーマンみたいに。)
チャンドラー: 'Cause it's-it's not his last name. (だって、彼の名字[姓]じゃないから。)
フィービー: It isn't? (名字じゃないの?)
チャンドラー: No, it's not, like, like, Phil Spiderman. He's a Spider-man. Y'know, like, ah, like, Goldman is a last name. But there's no Gold Man. (フィル・スパイダーマンみたいな名字じゃないよ。彼は、スパイダー・マン(蜘蛛の男)なんだ。ほら、ゴールドマンは名字だけど、ゴールド・マン(黄金[金]の男)はいないだろ。)
フィービー: Oh, okay. There should be a Gold Man! (あぁ、そうなの。黄金の男もいるはずよ[黄金の男がいてもおかしくないわ]。)
この「スパイダーマンとゴールドマン論争」(笑)ですが、どうやら、単語の切れ目とアクセントの付き方にポイントがあるようです。
日本では、スパイダーマンと表記しますが、実際の英語表記では、spider と man の間にハイフンがあるんですね。
Wikipedia 英語版: Spider-Man
私もあまり自信がないのですが、フィービーの最初の質問は、「どうして、Spiderman じゃなくて、Spider-Man なの?」、つまり、「どうしてハイフンが入って途中で切れてるの? どうして一気に Spiderman と書かないの、発音しないの?」みたいな感じかなぁ、と。
人の名字で、Goldman や Silverman というのがあるから、それと同じように、Spiderman でいいはずなのに、どうしてわざわざハイフンを入れて、man の部分も Man と大文字表記なの?みたいなことでしょうか?
ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)という投資銀行がありますが、Wikipedia 英語版: Goldman Sachs によると、この名前も、設立者のマーカス・ゴールドマン(Marcus Goldman)氏と、彼の義理の息子のサミュエル・サックス(Samuel Sachs)氏のそれぞれの名字を取ったものだそうです。
そう考えて聞いてみると、フィービーが Spiderman という言葉を言う時、スパイの i のみにアクセントがあり、spiderman という単語を最後まで一息(ひといき)で発音し、man には全くアクセントがないように聞こえます。
コミックスや映画の Spider-Man の場合だと、日本語で書くと「スパイダー・マン」と間に「・」が入る感じで、spider と man のどちらにもアクセントが来る、ということでしょうか??
両方とも同じ強さのアクセントが来るかどうかはわかりませんが、少なくとも、man の方にも第二アクセント的なものが来るのかなぁ?と思うのですが、どうなんでしょう??
その後の説明で、チャンドラーは、Goldman を例に出して説明していますが、これも、、二つの単語の間に少し間を空けることと、Man を強く発音することで、Goldman と、Gold Man との違いを説明していますよね。
Goldman というのはゴールドマンという名字であって、Gold Man じゃないだろ、と言うのですが、フィービーは、Gold Man っていうヒーロー(?)がいたっていいじゃない、と返しています。
ちなみに、ネットで調べ物をしていて知ったのですが、キン肉マンの登場人物に、ゴールドマンとシルバーマンというのがいるそうですね。(私は、キン肉マンには詳しくないので、その二人のことは全く知りませんでした…。「キン肉マンGo Fight!」は歌えますが… ♪Go! Go! Muscle!(マソー!)♪)
ところで、スパイダーマンと同じようなアメコミヒーローであるバットマンは、Batman という表記みたいなんですよねぇ。
それこそ、Bat-Man じゃなくていいのかしら?と思ってしまうのですが…(笑)。
Wikipedia 英語版: Batman によると、
Batman (originally referred to as the Bat-Man...
つまり、「当初は、the Bat-Man と呼ばれていた」という記述もあるので、最初はハイフンがはいっていたようでもありますが。
上でリンクした Wikipedia 英語版: Spider-Man で、hyphen についての記述を探してみると、
The hyphen was included in the character's name to avoid confusion with DC Comics' Superman.
とありました。
つまり、「DCコミックスのスーパーマンとの混同を避けるために、そのハイフンをキャラクター名に含めた」ということで、spiderman という表記だと、superman と紛らわしいので(笑)、中にハイフンを入れた、ということらしいです。
じゃあ、superman と紛らわしい綴りでなければ、Spider-Man も、Spiderman という綴りになっていた、ということになってしまいますね。
仮に Spiderman という綴りであっても、やっぱり、man に多少のアクセントが来て、Spiderman と一息に発音する名字との違いは出る、ということなのでしょう(多分)。
チャンドラーとフィービーのやり取りを、何とか日本語チックに表現しようとすると、日本人の男性名の例えならいけそうな気がしますね。
「蜘蛛男は、どうして「くもお」じゃなくて、「くもおとこ」って読むの?」
「だって、蜘蛛男は名前じゃないからさ。」
「え、名前じゃないの?」
「田中蜘蛛男(くもお)っていう名前じゃなくて、蜘蛛の男、だから、蜘蛛男(くもおとこ)なんだよ。」
みたいな感じとか(イメージ湧きませんかねぇ…笑)
[Scene: Chandler and Joey's, Phoebe and Chandler are sitting in the
black chairs.]
チャンドラーとジョーイの部屋。フィービーとチャンドラーは黒い椅子に座っている。
チャンドラー: So, ahh, what kind of powers would "Gold Man" have? (それで、ゴールド・マン(黄金の男)はどんなパワーを持ってるの?)
フィービー: Okay. Well, he would turn things to gold. (いいわ。そうね、彼はものを黄金[金]に変えるのよ。)
チャンドラー: What about things that are already gold? (すでに黄金になっているものについてはどうなの?)
フィービー: Ahh, his work is done. (あぁ、彼の仕事が行われたってことよ[行われているのよ]。)
チャンドラー: Okay, let's play my game now. (よし。さあ、俺のゲームをやろう。)
フィービー: Okay. All right, you yellow-bellied, lily-livered-- Draw! (they both kick up the foot rests like an old fashioned gun fight.) (いいわ。よし。この、臆病で気の弱い… (銃を)引き抜け! [昔のガン・ファイトのように、椅子のフットレストを蹴り上げる] (注:実際には、レバーを引っ張って、フットレストを起こしていますが)
フィービー: Yeah, it's fun. (あぁ、楽しいわ。)
場面が変わっても、まだ、ゴールド・マンの話をしています。
ゴールド・マンってヒーローがいてもおかしくないとフィービーが言っていたので、もしそういうヒーローがいるとしたら、彼はどんな特技を持ってるの?とチャンドラーは尋ねます。
黄金の男だから、あらゆるものを金に変える、と言うのですが、じゃあ、もうすでに金になっているものはどうするの?と意地悪な質問をするチャンドラー。
his work is done. は、彼の仕事が済んだ、というような意味なので、「その金は、彼が何かを金に変えた結果のものなの」という感じですね。
チャンドラーがやっているゲームは、ジョーイが帰ってくる前に、一人で遊んでいたゲームです。(解説は省略してしまいましたが)
フットレストをどちらが早く上げるかを競うゲームで、それは、西部劇の早撃ちガンマンがホルスターから素早く銃を抜き取る行為の真似ですね。
フィービーが言っている、yellow-bellied, lily-livered という表現が面白いなと思いました。
yellow-bellied も、lily-livered も、どちらも「臆病な」という意味です。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
yellow: also yellow-bellied
(informal) not brave
lily-livered [adjective]: (old-fashioned) lacking courage
yellow-bellied は、-ell- が同じ、lily-livered は、li- が同じで、どちらも、同じような音が重なっており、そこが音的に面白い効果を出していると思います。
ロングマンには語源が載っていなかったのですが、belly は「腹」、liver は「肝臓」ですよね。
belly, liver を動詞の受身形として使っている形なので、「黄色い腹を持った、腹が黄色くなった」、「ユリ(花)のような肝臓を持った、肝臓がユリのようになった」みたいな意味になるのでしょう。
黄色い、臆病で思い出すのが、chicken という単語。
chicken には「臆病者」という意味がありますよね。(フレンズ2-13その13 で説明しています。)
チキンは「鶏」ですが「ひよこ」という意味もあるので、yellow-bellied は、その黄色のイメージなのかな?と思ったりしたのですが、辞書などに語源が載っていないので正直よくわかりません。
lily は「白い花」で、lily-white だと「純白」ですから、「白い肝臓を持った」→「血の気のない、機能していない肝臓を持った」ということから、「肝が据わる」的な根性がないという意味になるのかなあ、と。
そんな風に、相手を威嚇するように、「この臆病者の…」とその後に何かの名詞を続けようとしたのですが、考えるのがめんどくさくなって、Draw! 「銃を引き抜け!」と、スタートの合図を叫んだ、という感じでしょうね。
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2009年03月18日
スライスしたパン以来の フレンズ3-19その6
チャンドラーとジョーイの部屋。
ジョーイが帰ってきます。
チャンドラー: (Joey starts angrily throwing his stuff down.) Uh-oh, what did she do now? ([ジョーイは怒りながら、自分の持ち物を下に投げ下ろす] おやおや。今度は彼女は何をしたんだ?)
ジョーイ: Just because she went to Yale drama, she thinks she's, like, the greatest actress since, since sliced bread. (ただ、彼女がイェール大学の演劇大学院に通っていたということだけで、彼女は、そう、自分がスライスト・ブレッド以来の最高の女優だと思ってるんだ。)
チャンドラー: Ah, Sliced Bread. A wonderful Lady Macbeth. (あぁ、スライスト・ブレッドね。(彼女の)マクベス夫人は最高だった。)
ご機嫌ななめのジョーイを見て、チャンドラーは、また共演者の女性との間にもめ事があったんだろうな、と察して、ジョーイが説明する前に、what did she do now? と言っています。
now は、今度は、今回は、という感じでしょうね。
最近、ジョーイが怒ることといえば、そのケイトのことしかないので、またその話を聞くことになるだろう、それを見越して、「今度は彼女は何をやったんだ?」と尋ねているのですね。
Yale は Yale University 「イェール大学」。アメリカの名門校ですね。
Wikipedia 日本語版: イェール大学 を見るとわかりますが、イェール大学には演劇大学院、というのがあるようです。
ジョーイが言っている、Yale drama というのは、正式には、Yale School of Drama という名前のようです。
Wikipedia 英語版: Yale School of Drama を見ると、
The Yale School of Drama is a graduate professional school of Yale University
とあります。
graduate school は大学院、なので、イェール大学の専門大学院(?)という感じなのだと思います。
その英語版ウィキペディアの Notable Alumni (有名な卒業生)という項目には、Paul Newman(ポール・ニューマン)、Meryl Streep (メリル・ストリープ)、Sigourney Weaver (シガニー・ウィーバー)などの名前が並んでいます。
その名優たちの名前を見てもわかるように、Yale drama というのは演劇を学ぶ人の名門で、そこを出ているから自分は大女優だと彼女は思ってるんだよ、ということです。(もしくは、卒業したとは言っていないので、通っていたけれど中退したというニュアンスかもしれません)
ご存知のように、ジョーイは演劇をきちんと学んだことがなく、以前は履歴書にウソの経歴を書いていたくらいでした。
ジョーイにしてみれば、名門を出てるからってえらそうにすんなよ、という感じなのでしょうね。
sliced bread について。
これは「スライスしたパン」という意味ですが、since sliced bread という成句があるようです。
英辞郎の説明がとてもわかりやすいので、長くなりますが、引用させていただきます。
since sliced bread=スライスした食パン以来の。
・Otto Frederick Rohwedder が1928年に米国で発売した bread slicing machine は食パンを好みの厚さにスライスしてパックする機械で当時画期的な発明と絶賛を浴びた。
・the greatest thing や the best thing などと組み合わせて(スライスパンの発明以来の)「画期的なもの」、「大したもの」、「素晴らしいもの」という意味でいまも使われている。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) にも載っていました。
the best/greatest thing since sliced bread: (informal) used humorously to say that something new is very helpful, useful etc
つまり、「何か新しいものがとても役立つということをユーモラスに言うために使われる」。
Wikipedia 英語版: Sliced bread には、a "new electrical bread slicing machine" の写真も載っています。
また、The greatest thing since sliced bread という項目もあり、このフレーズが上の辞書に載っているような意味で使われるとありますね。
そういう決まり文句のフレーズ、since sliced bread を使ったジョーイに対して、チャンドラーが面白い返しをしています。
Lady Macbeth とは、シェークスピアの名作「マクベス」に登場する、マクベスの妻、つまり、マクベス夫人ですね。
Wikipedia 英語版: Lady Macbeth
チャンドラーは、sliced bread を、それが人名であるかのように受け止めてみた、ということです。
チャンドラーのセリフでは、Sliced Bread と最初が大文字表記になっているのも、人名であることを表していますね。
スライスト・ブレッド以来の大女優、という感じで、スライスト・ブレッドが往年の大女優、昔の名女優であるように言っているのです。
昔の女優であることを表現するために、シェークスピアという古典中の古典の名前を挙げたのですね。
スライスト・ブレッド(という名前の女優)が演じる、マクベス夫人は最高だったよ、というのが、A wonderful Lady Macbeth のニュアンスでしょう。
ジョーイ: God, I just, I hate her. I hate her with her "Oh, I'm so talented" and "Oh, I'm so pretty," and "Ooh, I smell so good." (なんてこった。俺はただ、俺は彼女が大嫌いだ。彼女の「あぁ、私はとっても才能があるの」とか、「私はとっても可愛いのよ」とか、「あぁー、私はとってもいい匂いがするでしょ」っていうのが大嫌いなんだよ。)
チャンドラー: I think somebody has a crush on somebody. (誰かさんは誰かさんに惚れてるみたいだな。)
ジョーイ: Hey, Chandler, can we please try and stay focused on my problem here? Y'know? (おい、チャンドラー。この俺の問題に集中するようにしてくれないかな?)
チャンドラー: I'm talking about you, you big, big freak. (俺はお前のことを言ってるんだよ。ビッグフリーク。)
ジョーイ: Oh. (realizes) Ohh. Ohh, you're out of your mind! (あぁ。[チャンドラーの言うことに気付いて] おいおい。そんなこというなんてお前はどうかしてるよ!)
チャンドラー: Hey, you've done nothing but talk about her for the last 48 hours. If you were in a school yard, you'd be pulling her pigtails and pushing her down now. (おい。お前はこの48時間の間、彼女のことばかり話してる。もし、お前が校庭にいるとしたら、お前は今頃、彼女のおさげ(髪)を引っ張って、彼女を突き飛ばして転ばせてるところだな。)
ジョーイ: Oh, yeah? Then how come I keep thinking about her in all these sexual scenarios and stuff, huh?! (あぁ、そうかい? それじゃあ、どうして俺は、エッチなシナリオ(筋書き)とかの中にいる彼女のことを考えてばかりいるんだ?)
I hate her with her... と her の後ろに彼女が言いそうな言葉が続いています。
彼女はいつもこんなことを言ってる、という感じ、彼女に付き物のセリフ、みたいな感じで、with が使われているのでしょう。
彼女とその彼女におまけのようについている口癖も嫌いだよ、という感覚でしょうか。
ジョーイが言っている内容を聞いて、チャンドラーは真実を言い当てます。
hate って言ってるけど、実は彼女に惚れてるんじゃないか、ということですね。
pretty や smell so good は、彼女自身が実際にそう言っているんじゃなくて、ジョーイの気持ちが彼女のセリフとして出たものだと気付いたのでしょう。
その後のジョーイのセリフを聞くと、ジョーイは自分のことを言われたことに気付いていないようですね。
you have a crush on her. ではなく、わざと、somebody 「誰かさん」と言ったのを、ここにいない誰か別の人の話だと思ったようです。
誰かさんってのはお前のことだよ、と言いながら、big freak と呼びかけていますね。
こういう呼び掛け語は訳しにくいのですが、freak は、「フリーク、熱狂者、…狂の人」ということなので、彼女のことばっかり考えて彼女にものすごく熱狂している人、という意味の呼び掛けですね。
push down は「押し倒す」と訳せますが、「押し倒す」というと、何だかエッチな行為を想像させます(笑)。
ここでは、小学生のような子供に例えているので、背中を突き飛ばして倒す、転ばせる、みたいなニュアンスでしょう。
嫌い嫌いとか言って彼女の話ばかりしているジョーイは、好きな子をいじめる小学生男子みたいだぜ、とチャンドラーは言いたいのですね。
それに対して、俺はそんな小学生とは違うよ、と言わんばかりに、そんな子供じみたことじゃなくて、エッチなシナリオの中で彼女とセクシーに絡むようなシーンのことばっかり考えてるんだぜ、それでもその小学生と同じだって言うのかよ、と言っています。
ここで、ジョーイ自身が、もし今回の脚本にもっとエッチなシーンがあったら、彼女と俺はこんな感じで…ということばかり想像している、ということを自分で認めてしまったのですね。
それを言った後、そういうことばかり考えている自分に気付き、自分が彼女に惚れていることに気付いてしまった、という顔をしています。
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ジョーイが帰ってきます。
チャンドラー: (Joey starts angrily throwing his stuff down.) Uh-oh, what did she do now? ([ジョーイは怒りながら、自分の持ち物を下に投げ下ろす] おやおや。今度は彼女は何をしたんだ?)
ジョーイ: Just because she went to Yale drama, she thinks she's, like, the greatest actress since, since sliced bread. (ただ、彼女がイェール大学の演劇大学院に通っていたということだけで、彼女は、そう、自分がスライスト・ブレッド以来の最高の女優だと思ってるんだ。)
チャンドラー: Ah, Sliced Bread. A wonderful Lady Macbeth. (あぁ、スライスト・ブレッドね。(彼女の)マクベス夫人は最高だった。)
ご機嫌ななめのジョーイを見て、チャンドラーは、また共演者の女性との間にもめ事があったんだろうな、と察して、ジョーイが説明する前に、what did she do now? と言っています。
now は、今度は、今回は、という感じでしょうね。
最近、ジョーイが怒ることといえば、そのケイトのことしかないので、またその話を聞くことになるだろう、それを見越して、「今度は彼女は何をやったんだ?」と尋ねているのですね。
Yale は Yale University 「イェール大学」。アメリカの名門校ですね。
Wikipedia 日本語版: イェール大学 を見るとわかりますが、イェール大学には演劇大学院、というのがあるようです。
ジョーイが言っている、Yale drama というのは、正式には、Yale School of Drama という名前のようです。
Wikipedia 英語版: Yale School of Drama を見ると、
The Yale School of Drama is a graduate professional school of Yale University
とあります。
graduate school は大学院、なので、イェール大学の専門大学院(?)という感じなのだと思います。
その英語版ウィキペディアの Notable Alumni (有名な卒業生)という項目には、Paul Newman(ポール・ニューマン)、Meryl Streep (メリル・ストリープ)、Sigourney Weaver (シガニー・ウィーバー)などの名前が並んでいます。
その名優たちの名前を見てもわかるように、Yale drama というのは演劇を学ぶ人の名門で、そこを出ているから自分は大女優だと彼女は思ってるんだよ、ということです。(もしくは、卒業したとは言っていないので、通っていたけれど中退したというニュアンスかもしれません)
ご存知のように、ジョーイは演劇をきちんと学んだことがなく、以前は履歴書にウソの経歴を書いていたくらいでした。
ジョーイにしてみれば、名門を出てるからってえらそうにすんなよ、という感じなのでしょうね。
sliced bread について。
これは「スライスしたパン」という意味ですが、since sliced bread という成句があるようです。
英辞郎の説明がとてもわかりやすいので、長くなりますが、引用させていただきます。
since sliced bread=スライスした食パン以来の。
・Otto Frederick Rohwedder が1928年に米国で発売した bread slicing machine は食パンを好みの厚さにスライスしてパックする機械で当時画期的な発明と絶賛を浴びた。
・the greatest thing や the best thing などと組み合わせて(スライスパンの発明以来の)「画期的なもの」、「大したもの」、「素晴らしいもの」という意味でいまも使われている。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) にも載っていました。
the best/greatest thing since sliced bread: (informal) used humorously to say that something new is very helpful, useful etc
つまり、「何か新しいものがとても役立つということをユーモラスに言うために使われる」。
Wikipedia 英語版: Sliced bread には、a "new electrical bread slicing machine" の写真も載っています。
また、The greatest thing since sliced bread という項目もあり、このフレーズが上の辞書に載っているような意味で使われるとありますね。
そういう決まり文句のフレーズ、since sliced bread を使ったジョーイに対して、チャンドラーが面白い返しをしています。
Lady Macbeth とは、シェークスピアの名作「マクベス」に登場する、マクベスの妻、つまり、マクベス夫人ですね。
Wikipedia 英語版: Lady Macbeth
チャンドラーは、sliced bread を、それが人名であるかのように受け止めてみた、ということです。
チャンドラーのセリフでは、Sliced Bread と最初が大文字表記になっているのも、人名であることを表していますね。
スライスト・ブレッド以来の大女優、という感じで、スライスト・ブレッドが往年の大女優、昔の名女優であるように言っているのです。
昔の女優であることを表現するために、シェークスピアという古典中の古典の名前を挙げたのですね。
スライスト・ブレッド(という名前の女優)が演じる、マクベス夫人は最高だったよ、というのが、A wonderful Lady Macbeth のニュアンスでしょう。
ジョーイ: God, I just, I hate her. I hate her with her "Oh, I'm so talented" and "Oh, I'm so pretty," and "Ooh, I smell so good." (なんてこった。俺はただ、俺は彼女が大嫌いだ。彼女の「あぁ、私はとっても才能があるの」とか、「私はとっても可愛いのよ」とか、「あぁー、私はとってもいい匂いがするでしょ」っていうのが大嫌いなんだよ。)
チャンドラー: I think somebody has a crush on somebody. (誰かさんは誰かさんに惚れてるみたいだな。)
ジョーイ: Hey, Chandler, can we please try and stay focused on my problem here? Y'know? (おい、チャンドラー。この俺の問題に集中するようにしてくれないかな?)
チャンドラー: I'm talking about you, you big, big freak. (俺はお前のことを言ってるんだよ。ビッグフリーク。)
ジョーイ: Oh. (realizes) Ohh. Ohh, you're out of your mind! (あぁ。[チャンドラーの言うことに気付いて] おいおい。そんなこというなんてお前はどうかしてるよ!)
チャンドラー: Hey, you've done nothing but talk about her for the last 48 hours. If you were in a school yard, you'd be pulling her pigtails and pushing her down now. (おい。お前はこの48時間の間、彼女のことばかり話してる。もし、お前が校庭にいるとしたら、お前は今頃、彼女のおさげ(髪)を引っ張って、彼女を突き飛ばして転ばせてるところだな。)
ジョーイ: Oh, yeah? Then how come I keep thinking about her in all these sexual scenarios and stuff, huh?! (あぁ、そうかい? それじゃあ、どうして俺は、エッチなシナリオ(筋書き)とかの中にいる彼女のことを考えてばかりいるんだ?)
I hate her with her... と her の後ろに彼女が言いそうな言葉が続いています。
彼女はいつもこんなことを言ってる、という感じ、彼女に付き物のセリフ、みたいな感じで、with が使われているのでしょう。
彼女とその彼女におまけのようについている口癖も嫌いだよ、という感覚でしょうか。
ジョーイが言っている内容を聞いて、チャンドラーは真実を言い当てます。
hate って言ってるけど、実は彼女に惚れてるんじゃないか、ということですね。
pretty や smell so good は、彼女自身が実際にそう言っているんじゃなくて、ジョーイの気持ちが彼女のセリフとして出たものだと気付いたのでしょう。
その後のジョーイのセリフを聞くと、ジョーイは自分のことを言われたことに気付いていないようですね。
you have a crush on her. ではなく、わざと、somebody 「誰かさん」と言ったのを、ここにいない誰か別の人の話だと思ったようです。
誰かさんってのはお前のことだよ、と言いながら、big freak と呼びかけていますね。
こういう呼び掛け語は訳しにくいのですが、freak は、「フリーク、熱狂者、…狂の人」ということなので、彼女のことばっかり考えて彼女にものすごく熱狂している人、という意味の呼び掛けですね。
push down は「押し倒す」と訳せますが、「押し倒す」というと、何だかエッチな行為を想像させます(笑)。
ここでは、小学生のような子供に例えているので、背中を突き飛ばして倒す、転ばせる、みたいなニュアンスでしょう。
嫌い嫌いとか言って彼女の話ばかりしているジョーイは、好きな子をいじめる小学生男子みたいだぜ、とチャンドラーは言いたいのですね。
それに対して、俺はそんな小学生とは違うよ、と言わんばかりに、そんな子供じみたことじゃなくて、エッチなシナリオの中で彼女とセクシーに絡むようなシーンのことばっかり考えてるんだぜ、それでもその小学生と同じだって言うのかよ、と言っています。
ここで、ジョーイ自身が、もし今回の脚本にもっとエッチなシーンがあったら、彼女と俺はこんな感じで…ということばかり想像している、ということを自分で認めてしまったのですね。
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2009年03月16日
弾丸が銃を離れるより速く フレンズ3-19その5
[Scene: Chandler and Joey's, Chandler is watching a basketball game, Ross is staring out the peephole.]
チャンドラーとジョーイの部屋。チャンドラーはバスケットボールの試合を(テレビで)見ている。ロスは、のぞき穴から(外を)じっと見つめている。
チャンドラー: Ross, you gotta stop, okay? You can't just stare through the peephole for three hours. You're gonna get peep-eye. (ロス、そんなことやめなきゃだめだ、いいか? 3時間も、のぞき穴から見てちゃだめだ。「のぞき目[のぞき穴みたいな目]」になるぞ。
ロス: I knew it. I knew it. I always knew she liked him. Y'know, she'd say no, but here we are, right? We just broke up, first thing she does! (知ってたんだ、知ってたんだよ。ずっとわかってた、レイチェルはマークが好きだってことを。ほら、レイチェルは違うと言うだろうけど、今の状態を見てよ、だろ? 僕たちは別れたばかりなのに、彼女がする最初のことがこれだよ!)
チャンドラー: You didn't "just break up." (お前たちは、”別れたばかり”じゃないだろ。)
ロス: Hey, it's been, like, three weeks! (おい、ほら、(まだ)3週間しか経ってないんだぞ!)
チャンドラー: You slept with somebody three hours after you thought you broke up. I mean, bullets have left guns slower. (ロスは、自分たちが別れたと思った3時間後に、他の誰かと寝たんだぞ。ほら、弾丸が銃を離れる速度の方が遅いくらいだよ。)
レイチェルとマークがデートに出かけたので、その帰りを待っているロス。
レイチェルにわからないように、向かいの部屋ののぞき穴からずっと廊下を見ています。
peep-eye は、peep hole (のぞき穴)をずっと見ていると、のぞき穴みたいな形の目になるぞ、みたいな感じでしょう。
ロスは、We just broke up. と言っています。
just を使うことで、別れたのはついこの間のことだ、というニュアンスを出しているのですね。
研究社 新英和中辞典では、
just (副詞)=[完了形・過去形とともに用いて] ほんの今 (…したばかり)
(用法) 過去形とともに用いるのは《米》だが, 現在では《英》でも用いることがある
とあります。
イギリスでは、こういう just は、We've just broken up. という風に、現在完了形と共に使うことが多い、ということですね。
そのロスが使った、just という表現は違うだろ、別れてからしばらく経ってるんだから、とチャンドラーが言うと、まだ3週間しか経ってない、と頑張るロス。
それを聞いて、チャンドラーがあきれた風に、お前はレイチェルと別れたと思い込んで、その3時間後にクロエと寝てたじゃないか、と指摘するのですね。
3週間に対して3時間という風に、同じ3という数字を使って、長さの違いを明確にしています。
それも、you thought you broke up で、二人で話し合って別れた後ではなく、ロスが勝手に別れたと思い込んでその3時間後なんだから、と言って、ロスがレイチェルを非難するのはおかしいよ、と言っているのですね。
I mean, bullets have left guns slower. について。
ここで比喩のように、bullets (弾丸)、guns (銃)が登場しているので、ことわざのもじりかな、と思ったのですが、私が調べたところでは、これに似たことわざはないようです。
"bullets have left guns slower" でぐぐると、ヒットするのはほとんどフレンズのネットスクリプトですが、その検索結果の中に、"Bullets have left guns slower than this." と書いてあるものを見つけました。
than this という言葉を補うことで、このチャンドラーのセリフの意味がよりはっきりする気がします。
つまり直訳すると、「弾丸はこれよりもゆっくりと銃を離れた。」
今回のセリフの場合、「これ」は、ロスがクロエと寝たことを表すことになると思います。
弾丸はスピーディーなものの例えに使われるように、弾丸が銃を離れるスピードというのはものすごく速いですよね。
この比較級は、「ロスのしたことは、弾丸が銃を離れる速度よりも速かった」「弾丸が銃を離れるスピードよりも速く、ロスはクロエと寝た」ということを言いたいのだと思います。
DVDの日本語訳は、「別れて3時間で寝た早業師は誰だよ」となっていましたが、その「早業師」という部分に、「電光石火の早業(はやわざ)」みたいな、スピーディなニュアンスが出ていますよね。
ですから、「弾丸が銃を離れる方がそれよりも遅いくらいだった」と言って、ロスがクロエと3時間後に寝ていたのがあまりにも早すぎることを、チャンドラーは指摘しているのですね。
レイチェルの部屋に、レイチェルとマークが入って行くのを見て、パニクるロス。
何とか二人の邪魔をしよう、二人が寝てしまわないようにしようと、ジュースを借りに行くという名目で、レイチェルの部屋に入ろうとするロス。
チャンドラーはそれを力づくで引き止めます。
チャンドラー: She's moving on. Okay? If it's not this guy, it's gonna be somebody else. And unless you're thinking about subletting my peephole, you are going to have to get used to the fact that the relationship is over! Okay, man? It's over. (レイチェルは前に進もうとしているんだよ。そうだろ? この男じゃなくても、また別のやつが出てくるさ。俺ののぞき穴をお前がまた貸しすることを考えていないのなら、二人の関係は終わったという事実にお前は慣れないといけないんだ! いいか? 終わったんだよ。)
今回、マークとのことを邪魔したとしても、また別の男が現れる。そのたびに、お前は同じことをするつもりなのか?ということですね。
sublet は「…をまた貸しする」。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
sublet: to rent to someone else a property that you rent from its owner
つまり、「オーナー(持ち主)から借りている資産を、誰か他の人に貸すこと」。
チャンドラーは、この部屋を家賃を払って借りているので、それをさらに誰かに貸す場合は、「また貸し」になります。
のぞき穴はドアにくっついているもので、それだけを別の人にまた貸しすることなど当然不可能なわけですが、そういう不可能なことをあえて持ち出すことで、こののぞき穴だけを他の人に貸せるのならともかく、この部屋を俺が借りている限り、こののぞき穴もついてくるんだ、と言っているのですね。
彼女が他の男と何かするたびに、こんな風にのぞき穴からのぞくという行為をこれからもずっと続けるつもりか?、彼女が男性と部屋に入ることにお前は慣れないといけないんだよ、と説得しているのです。
レイチェルの部屋で、レイチェルとマークは二人きり。
(She sits down, and Mark leans over and kisses her. Rachel doesn't react. He tries it again, and Rachel jumps back quickly.)
レイチェルは座る。そしてマークはレイチェルの方にかがみこんで、キスをする。レイチェルは反応しない。マークは再びキスを試みるも、レイチェルは素早く飛び上がって後ろに下がる。
レイチェル: Y'know what? (ねぇ、聞いて[私が何を話そうとするかわかるでしょ?]。)
マーク: No, and I don't think I'm gonna want to.
(いいや。それに、今後もそれを知りたいとは思わない。)
レイチェル: I can't do this. (こんなこと、できないわ。)
マーク: Yep. Yep. That's what I didn't want to know. (そうだね、そうだね。それが、僕が聞きたくなかったことだよ。)
レイチェル: Well, oh, Mark, I'm doing this for the wrong reasons, y'know? I'm just doing it to get back at Ross. I'm sorry. It's not very fair to you. (そうね。ねぇ、マーク。私は間違った理由でこんなことをしているのよ、そうでしょ? 私はロスにし返しするために、こんなことをしているの。ごめんなさい。あなたにとってはあまりフェアじゃないわよね。)
マーク: Ahh! Fair, shmair. Y'know? Look, if you wanna get back at Ross, I am here for you. Really. No-no, I say-I say, I say we get back at him right here on this couch. Right here! (あー! フェアー・シュメアーだよ。ねぇ、もし君がロスに仕返しをしたいのなら、僕は(今)君のためにここにいるんだ。本当だよ。違う、違う。ほら、今このカウチの上で、僕たちは彼に仕返ししようよ。ちょうどここで。)
レイチェル: Oh God. I'm sorry about this. (まぁ。今回のことについては、ごめんなさい。)
マーク: That's okay. (もういいよ。)
レイチェル: You sure? (ほんとに?)
マーク: Yeah. I can just go home and get back at him by myself. (あぁ。僕はただ家に帰って、一人で彼に仕返しをすることができるから。)
You know what? というのは、フレンズの頻出表現で、これから何か言おうとしている時に、「ねぇ、聞いて。」と相手の注意を引く言葉ですよね。
You know what I'm gonna say? や、You know what I'm about to say? 「私が今から言おうとしていることがわかる?」みたいな感じだろうと思います。
レイチェルにキスを拒まれた後のセリフが、You know what? だったので、だいたいどんな話が続くか、マークは見当がついたのですね。
No. というのは、「そんなことを言うのはやめてくれ。」という意味のノーというよりは、No, I don't know what you're gonna say. 「知ってる?って言うけど、僕は知らない。」というニュアンスかな、と思います。
I don't think I'm gonna want to. は、want to の後に、know が省略されていて、直訳すると、「これから君の言うことを知りたいと願うようになるとは思えない」、つまり、「これから先も、君が言おうとしていることを知りたいとは思わない」という感じでしょうか。
You know what? 「ねぇ、知ってる?」と、会話の決まり文句を使って、大切なことを切り出そうとしたレイチェルに対して、「知らないし、これから先も知りたいとは思わない」と言って、レイチェルが言おうとしていることを聞きたくない、と拒絶するセリフになるわけですね。
マークはそうして聞くことを拒むのですが、レイチェルのセリフは、I can't do this. つまり、こんなことはできない、あなたとキスできないし、それ以上進むこともできない、ということになります。
レイチェルの口からはっきりそう言われて、「そういうことを言うだろうと思ったんだよ、だから僕は聞きたくないって言ったんだ。」と説明していますね。
マークとデートしたのは、ロスへの当て付け、ロスへの仕返しだったと言うレイチェル。
そんな理由であなたとデートしたのは、あなたにとってフェアじゃなかったわよね、と言っています。
Fair, shmair. は「フェアー・シュメアー」という感じの発音で、ネットスクリプトでは、schmair という綴りになっていました。
辞書には載っていないのですが、fair と韻を踏んだ感じの言葉なのでしょうね。
意味としては、「フェアーが何だって言うんだ」みたいな感じの、「フェアーでもシュメアーでも何でもいいよ」みたいなニュアンスでしょうか。
男女の恋愛のことで、fair かどうかなんてナンセンスだ、みたいなことかなぁ、と。
レイチェルがロスに対して仕返しをする、というのは、ロスがクロエと寝たことに対しての仕返しですよね。
それを知っているマークは、僕とこのカウチの上でエッチしたら、それが本当にロスへの仕返しになるよ、と言っているわけです。
仕返しがしたいのなら、今僕はここにいるから、僕がエッチの相手になってあげるよ、と言って、カウチの上でエッチすることを誘っているのですね。
でもやはり、レイチェルはマークと寝る気になれず、断ります。
残念そうなマークの最後のセリフについて。
「ロスに仕返しする」=「レイチェルとマークがエッチする」なわけですから、レイチェルに断られたマークは、レイチェルとエッチできると思って盛り上がってしまった気持ちを家に持ち帰って(笑)、一人エッチをするからいいさ、みたいなことを言っているわけです。
一人エッチの話を聞いて、複雑な表情をしているレイチェル。
マークに期待させておいて、こんな形で断ることになってしまって、悪いことをしちゃったわ、と、マークのセリフを聞いて笑うに笑えない感じです。
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チャンドラー: Ross, you gotta stop, okay? You can't just stare through the peephole for three hours. You're gonna get peep-eye. (ロス、そんなことやめなきゃだめだ、いいか? 3時間も、のぞき穴から見てちゃだめだ。「のぞき目[のぞき穴みたいな目]」になるぞ。
ロス: I knew it. I knew it. I always knew she liked him. Y'know, she'd say no, but here we are, right? We just broke up, first thing she does! (知ってたんだ、知ってたんだよ。ずっとわかってた、レイチェルはマークが好きだってことを。ほら、レイチェルは違うと言うだろうけど、今の状態を見てよ、だろ? 僕たちは別れたばかりなのに、彼女がする最初のことがこれだよ!)
チャンドラー: You didn't "just break up." (お前たちは、”別れたばかり”じゃないだろ。)
ロス: Hey, it's been, like, three weeks! (おい、ほら、(まだ)3週間しか経ってないんだぞ!)
チャンドラー: You slept with somebody three hours after you thought you broke up. I mean, bullets have left guns slower. (ロスは、自分たちが別れたと思った3時間後に、他の誰かと寝たんだぞ。ほら、弾丸が銃を離れる速度の方が遅いくらいだよ。)
レイチェルとマークがデートに出かけたので、その帰りを待っているロス。
レイチェルにわからないように、向かいの部屋ののぞき穴からずっと廊下を見ています。
peep-eye は、peep hole (のぞき穴)をずっと見ていると、のぞき穴みたいな形の目になるぞ、みたいな感じでしょう。
ロスは、We just broke up. と言っています。
just を使うことで、別れたのはついこの間のことだ、というニュアンスを出しているのですね。
研究社 新英和中辞典では、
just (副詞)=[完了形・過去形とともに用いて] ほんの今 (…したばかり)
(用法) 過去形とともに用いるのは《米》だが, 現在では《英》でも用いることがある
とあります。
イギリスでは、こういう just は、We've just broken up. という風に、現在完了形と共に使うことが多い、ということですね。
そのロスが使った、just という表現は違うだろ、別れてからしばらく経ってるんだから、とチャンドラーが言うと、まだ3週間しか経ってない、と頑張るロス。
それを聞いて、チャンドラーがあきれた風に、お前はレイチェルと別れたと思い込んで、その3時間後にクロエと寝てたじゃないか、と指摘するのですね。
3週間に対して3時間という風に、同じ3という数字を使って、長さの違いを明確にしています。
それも、you thought you broke up で、二人で話し合って別れた後ではなく、ロスが勝手に別れたと思い込んでその3時間後なんだから、と言って、ロスがレイチェルを非難するのはおかしいよ、と言っているのですね。
I mean, bullets have left guns slower. について。
ここで比喩のように、bullets (弾丸)、guns (銃)が登場しているので、ことわざのもじりかな、と思ったのですが、私が調べたところでは、これに似たことわざはないようです。
"bullets have left guns slower" でぐぐると、ヒットするのはほとんどフレンズのネットスクリプトですが、その検索結果の中に、"Bullets have left guns slower than this." と書いてあるものを見つけました。
than this という言葉を補うことで、このチャンドラーのセリフの意味がよりはっきりする気がします。
つまり直訳すると、「弾丸はこれよりもゆっくりと銃を離れた。」
今回のセリフの場合、「これ」は、ロスがクロエと寝たことを表すことになると思います。
弾丸はスピーディーなものの例えに使われるように、弾丸が銃を離れるスピードというのはものすごく速いですよね。
この比較級は、「ロスのしたことは、弾丸が銃を離れる速度よりも速かった」「弾丸が銃を離れるスピードよりも速く、ロスはクロエと寝た」ということを言いたいのだと思います。
DVDの日本語訳は、「別れて3時間で寝た早業師は誰だよ」となっていましたが、その「早業師」という部分に、「電光石火の早業(はやわざ)」みたいな、スピーディなニュアンスが出ていますよね。
ですから、「弾丸が銃を離れる方がそれよりも遅いくらいだった」と言って、ロスがクロエと3時間後に寝ていたのがあまりにも早すぎることを、チャンドラーは指摘しているのですね。
レイチェルの部屋に、レイチェルとマークが入って行くのを見て、パニクるロス。
何とか二人の邪魔をしよう、二人が寝てしまわないようにしようと、ジュースを借りに行くという名目で、レイチェルの部屋に入ろうとするロス。
チャンドラーはそれを力づくで引き止めます。
チャンドラー: She's moving on. Okay? If it's not this guy, it's gonna be somebody else. And unless you're thinking about subletting my peephole, you are going to have to get used to the fact that the relationship is over! Okay, man? It's over. (レイチェルは前に進もうとしているんだよ。そうだろ? この男じゃなくても、また別のやつが出てくるさ。俺ののぞき穴をお前がまた貸しすることを考えていないのなら、二人の関係は終わったという事実にお前は慣れないといけないんだ! いいか? 終わったんだよ。)
今回、マークとのことを邪魔したとしても、また別の男が現れる。そのたびに、お前は同じことをするつもりなのか?ということですね。
sublet は「…をまた貸しする」。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
sublet: to rent to someone else a property that you rent from its owner
つまり、「オーナー(持ち主)から借りている資産を、誰か他の人に貸すこと」。
チャンドラーは、この部屋を家賃を払って借りているので、それをさらに誰かに貸す場合は、「また貸し」になります。
のぞき穴はドアにくっついているもので、それだけを別の人にまた貸しすることなど当然不可能なわけですが、そういう不可能なことをあえて持ち出すことで、こののぞき穴だけを他の人に貸せるのならともかく、この部屋を俺が借りている限り、こののぞき穴もついてくるんだ、と言っているのですね。
彼女が他の男と何かするたびに、こんな風にのぞき穴からのぞくという行為をこれからもずっと続けるつもりか?、彼女が男性と部屋に入ることにお前は慣れないといけないんだよ、と説得しているのです。
レイチェルの部屋で、レイチェルとマークは二人きり。
(She sits down, and Mark leans over and kisses her. Rachel doesn't react. He tries it again, and Rachel jumps back quickly.)
レイチェルは座る。そしてマークはレイチェルの方にかがみこんで、キスをする。レイチェルは反応しない。マークは再びキスを試みるも、レイチェルは素早く飛び上がって後ろに下がる。
レイチェル: Y'know what? (ねぇ、聞いて[私が何を話そうとするかわかるでしょ?]。)
マーク: No, and I don't think I'm gonna want to.
(いいや。それに、今後もそれを知りたいとは思わない。)
レイチェル: I can't do this. (こんなこと、できないわ。)
マーク: Yep. Yep. That's what I didn't want to know. (そうだね、そうだね。それが、僕が聞きたくなかったことだよ。)
レイチェル: Well, oh, Mark, I'm doing this for the wrong reasons, y'know? I'm just doing it to get back at Ross. I'm sorry. It's not very fair to you. (そうね。ねぇ、マーク。私は間違った理由でこんなことをしているのよ、そうでしょ? 私はロスにし返しするために、こんなことをしているの。ごめんなさい。あなたにとってはあまりフェアじゃないわよね。)
マーク: Ahh! Fair, shmair. Y'know? Look, if you wanna get back at Ross, I am here for you. Really. No-no, I say-I say, I say we get back at him right here on this couch. Right here! (あー! フェアー・シュメアーだよ。ねぇ、もし君がロスに仕返しをしたいのなら、僕は(今)君のためにここにいるんだ。本当だよ。違う、違う。ほら、今このカウチの上で、僕たちは彼に仕返ししようよ。ちょうどここで。)
レイチェル: Oh God. I'm sorry about this. (まぁ。今回のことについては、ごめんなさい。)
マーク: That's okay. (もういいよ。)
レイチェル: You sure? (ほんとに?)
マーク: Yeah. I can just go home and get back at him by myself. (あぁ。僕はただ家に帰って、一人で彼に仕返しをすることができるから。)
You know what? というのは、フレンズの頻出表現で、これから何か言おうとしている時に、「ねぇ、聞いて。」と相手の注意を引く言葉ですよね。
You know what I'm gonna say? や、You know what I'm about to say? 「私が今から言おうとしていることがわかる?」みたいな感じだろうと思います。
レイチェルにキスを拒まれた後のセリフが、You know what? だったので、だいたいどんな話が続くか、マークは見当がついたのですね。
No. というのは、「そんなことを言うのはやめてくれ。」という意味のノーというよりは、No, I don't know what you're gonna say. 「知ってる?って言うけど、僕は知らない。」というニュアンスかな、と思います。
I don't think I'm gonna want to. は、want to の後に、know が省略されていて、直訳すると、「これから君の言うことを知りたいと願うようになるとは思えない」、つまり、「これから先も、君が言おうとしていることを知りたいとは思わない」という感じでしょうか。
You know what? 「ねぇ、知ってる?」と、会話の決まり文句を使って、大切なことを切り出そうとしたレイチェルに対して、「知らないし、これから先も知りたいとは思わない」と言って、レイチェルが言おうとしていることを聞きたくない、と拒絶するセリフになるわけですね。
マークはそうして聞くことを拒むのですが、レイチェルのセリフは、I can't do this. つまり、こんなことはできない、あなたとキスできないし、それ以上進むこともできない、ということになります。
レイチェルの口からはっきりそう言われて、「そういうことを言うだろうと思ったんだよ、だから僕は聞きたくないって言ったんだ。」と説明していますね。
マークとデートしたのは、ロスへの当て付け、ロスへの仕返しだったと言うレイチェル。
そんな理由であなたとデートしたのは、あなたにとってフェアじゃなかったわよね、と言っています。
Fair, shmair. は「フェアー・シュメアー」という感じの発音で、ネットスクリプトでは、schmair という綴りになっていました。
辞書には載っていないのですが、fair と韻を踏んだ感じの言葉なのでしょうね。
意味としては、「フェアーが何だって言うんだ」みたいな感じの、「フェアーでもシュメアーでも何でもいいよ」みたいなニュアンスでしょうか。
男女の恋愛のことで、fair かどうかなんてナンセンスだ、みたいなことかなぁ、と。
レイチェルがロスに対して仕返しをする、というのは、ロスがクロエと寝たことに対しての仕返しですよね。
それを知っているマークは、僕とこのカウチの上でエッチしたら、それが本当にロスへの仕返しになるよ、と言っているわけです。
仕返しがしたいのなら、今僕はここにいるから、僕がエッチの相手になってあげるよ、と言って、カウチの上でエッチすることを誘っているのですね。
でもやはり、レイチェルはマークと寝る気になれず、断ります。
残念そうなマークの最後のセリフについて。
「ロスに仕返しする」=「レイチェルとマークがエッチする」なわけですから、レイチェルに断られたマークは、レイチェルとエッチできると思って盛り上がってしまった気持ちを家に持ち帰って(笑)、一人エッチをするからいいさ、みたいなことを言っているわけです。
一人エッチの話を聞いて、複雑な表情をしているレイチェル。
マークに期待させておいて、こんな形で断ることになってしまって、悪いことをしちゃったわ、と、マークのセリフを聞いて笑うに笑えない感じです。
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2009年03月14日
タマネギをむく フレンズ3-19その4
[Scene: The Theatre, Joey and Kate are rehearsing for the play.]
劇場。ジョーイとケイトは、芝居のリハーサルをしているところ。
ジョーイ: I talk to you, and nothing! You look at me, and it's nothing! (He kisses her) Nothing. (俺は君に話しかける、でも、何もない! 君は俺を見る、でも、何もない! [ジョーイはケイトにキスをする] 何もないんだ。)
ディレクター(The Director): Tasty. I'm really starting to feel like you guys have a history. It's-it's nice. (エッチな感じでいいねぇ。君たちには歴史があるように、僕は本当に感じ始めたよ。ナイスだ。)
ディレクターの感想、Tasty. について。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
tasty [adjective]:
2. (informal) tasty news, gossip etc is especially interesting and often connected with sex or surprising behaviour
3. (British English informal) sexually attractive
つまり、2. は「tasty news, tasty gossip は特に興味深く、しばしば sex や驚くような行動と関連がある。」
3. は、「(イギリス英語、インフォーマル) 性的に魅力的である」。
3. はイギリス英語、と書いてありますが、2. にも、性的なことの言及がありますので、性に関係のある形容詞として使われることがある、ということですね。
今回のセリフも、夫婦である二人の演技が、性的な雰囲気を醸し出しているとか、エロティックな感じでいいよぉ〜、みたいな褒め言葉なのでしょう。
実際の演技はというと、ジョーイはプレイボーイであるにもかかわらず、キスは「いかにも演技」という感じだし、キスの後の、Nothing. は、手振りといい、言い方といい、全くの「ダイコン」です。
(俳優さんが、「大根役者」の演技をするのって難しいだろうな、といつも思うのですが、このジョーイのダイコン演技はなかなかのものです…笑)
そんな下手な演技を見てそんなに褒めるか?みたいな印象を観客が持つ、という流れでしょうか。
ディレクターの才能にも、ちょっと疑問符を感じるところですね。
history は、フレンズ1-20その3 にも出てきました。
二人は役者で他人だけど、まるで本当の夫婦みたいに、二人の間にはいろんなことがあったんだろうな、と思わせる演技だったよ、ということです。
ケイト: I have a question about this scene. (このシーンについて質問があります。)
ディレクター: Yes? (何だ?)
ケイト: Well, I don't understand why Adrianne's attracted to Victor. (えーっと、私はなぜエイドリアンがヴィクターに惹かれているかわからないんです。)
ディレクター: Peel the onion. First of all, he's good-looking. (中身を掘り下げろ。まず第一に、彼はルックスがいい。)
ジョーイ: Yeah. (そうですよね。)
ケイト: I think my character's gonna need a little bit more of a reason than that. (私の(演じる)キャラクターは、それ以上の理由をもう少し必要とすると思うのですが。)
ジョーイ: Oh, hey, how about this one? Ah, it says so in the script! Y'know ah, I-I don't know why my character likes you either. I mean, it says in the script here that you're a bitch. (へー。なぁ、こういう理由はどうだい? 「あ、脚本にそう書いてある!」ってのは。ねぇ、どうして俺のキャラクターが君を好きなのか、俺もわからないよ。だって、この脚本に、君は最低女だって書いてあるのに。)
ケイト: It doesn't say that in the script. (そんなこと、脚本には書いてないわ。)
ジョーイ: It does in mine. (俺の脚本には書いてあるよ。)
ディレクターに褒められて嬉しそうなジョーイですが、ケイトは納得できない様子。
peel the onion は直訳すると、「たまねぎの皮をむけ」ですね。
こういうイディオムがあるのかと思って調べてみたのですが、特に有名なイディオムとかではないようです。
DVDの日本語訳では、「ふかーく読み込め。深く掘り下げろ」となっていましたが、恐らくそういう意味なんだろうと私も思います。
たまねぎはどんどんむいていくことができ、最後には芯にたどり着きますよね。
そのイメージで、外側の目に見える部分だけじゃなくて、もっと内側の真実を突き止めろ、本当の姿を見極めろ、みたいな意味だろうと。
で、そんな風に言った後、ヴィクターの魅力を述べるのですが、それが、good-looking、つまり、見かけがいい、ハンサムだ、ということ。
内面・中身を見ろ、みたいなことを言っておきながら、いきなり、「見かけ」という外面(そとづら)、上っ面(うわっつら)を挙げているところが何ともトンチンカンであり、このディレクターの話が浅いものだということがわかる気がします。
くだらないことを質問するな、という感じで、ジョーイはいらついていますね。
そういう設定なんだから、そういう風にスクリプトに書いてあるんだから、素直に受け入れろよ、演劇の通ぶって、いちいち、脚本にケチをつけるなよ、と言いたいわけです。
ジョーイの発音は、...likes YOU either. となっていて、「俺の方こそ、どうしてヴィクターがエイドリアンを好きなのか、わかんないよ。」という感じで、それは俺が言いたいセリフだ、こっちだってこんな女の魅力がちっともわかんないよ、と言っているのですね。
役柄の描写にケチをつけているのではなく、相手の俳優に対しての個人的な感情をぶつけているのがお互いわかっているわけです。
実際の脚本では、エイドリアンも魅力的な女性として描かれているのでしょう。
ですから、エイドリアンが bitch だなんてことは、脚本には書いてないわ、とケイトは言うのですが、in mine つまり、in my script にはそう書いてる、というジョーイ。
ソープオペラ俳優であることやインフォマーシャルへの出演をバカにされたジョーイは、脚本に bitch と落書きして、ケイトに対する怒りをぶつけていているのかな、と思います。
[Scene: The Hallway, Chandler and Ross are returning from working out.]
廊下。チャンドラーとロスはワークアウト[トレーニング]から戻ってきたところ。
チャンドラー: I can blow-dry it. I can put gel on it. It doesn't matter, I still wind up with this little (pats the flat spot on the back of his head) cowlick-y thing on the middle part of my head. It's so annoying. Does it bug you? (ブローすることもできる。それにジェルをつけることもできる。でも、そんなこと無意味なんだ。やっぱり、この小さな [頭の後ろの平らな部分をたたく] 頭の中央の逆毛みたいなやつが直らないんだ。すごくうっとうしいよ。お前も逆毛でイライラする?)
ロス: You bug me. (お前にイライラするよ。)
[Rachel comes out of her apartment, followed by Mark, and they leave on their date, without saying a word to Ross. Ross is stunned.]
レイチェルは彼女の部屋から出てくる。その後にマークが続く。そして二人はデートに出かける、ロスには一言も言わずに。ロスは愕然とする。
チャンドラー: Is there any chance you didn't see that? (今のをお前が見なかったって可能性はあるかな?)
cowlick は「逆毛」。
前のカウの方にアクセントがあります。
手元の英和を見ると、通常は、額の上のものを指すとありますが、今回のチャンドラーは、頭の後ろの毛を言っていますね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
cowlick [noun]: [countable]
hair that sticks up on your head
つまり、「頭の上に突き出ている髪の毛」。毛がピンと立っている感じでしょう。
Word origin には、
Origin: Because it looks as if it had been licked by a cow
とあり、「牛になめられたように見えるから」だそうです(笑)。
wind up with は「…で終わる、…で締めくくる」。
ドライヤーでブローしても、ジェルをつけても、結局、この cowlick-y thing がそのままの形で残ってしまう、という感じでしょう。
bug は「(人を)悩ます、いらいらさせる」。
フレンズ3-7その19 にも出てきましたが、bug = annoy です。
上のセリフでも、"It's so annoying. Does it bug you?" となっていて、annoy と bug が同じ意味として使われていることがわかりますね。
ロスは、そんなくだらないことをいちいち僕に尋ねてくる、チャンドラーにいらいらするよ、と答えています。
そんな風にのどかでささいな話をしていたら、レイチェルとマークがデートに出かける場面に出くわしてしまいます。
ばっちりそれを見てしまい、呆然としているロスに対して、you didn't see that の chance はあるかな?と聞いていますね。
この chance は日本語の「チャンス」ではなく、「見込み、可能性」ですね。
多分見てしまったと思うけど、その時、よそ見をしていて、今のを見ないで済んだ、って可能性はあるかな?という感じ。
「見てはいけないものを見てしまったな、今の見なきゃ良かったよな、ロス。」という感じのことが言いたいのでしょうね。
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劇場。ジョーイとケイトは、芝居のリハーサルをしているところ。
ジョーイ: I talk to you, and nothing! You look at me, and it's nothing! (He kisses her) Nothing. (俺は君に話しかける、でも、何もない! 君は俺を見る、でも、何もない! [ジョーイはケイトにキスをする] 何もないんだ。)
ディレクター(The Director): Tasty. I'm really starting to feel like you guys have a history. It's-it's nice. (エッチな感じでいいねぇ。君たちには歴史があるように、僕は本当に感じ始めたよ。ナイスだ。)
ディレクターの感想、Tasty. について。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
tasty [adjective]:
2. (informal) tasty news, gossip etc is especially interesting and often connected with sex or surprising behaviour
3. (British English informal) sexually attractive
つまり、2. は「tasty news, tasty gossip は特に興味深く、しばしば sex や驚くような行動と関連がある。」
3. は、「(イギリス英語、インフォーマル) 性的に魅力的である」。
3. はイギリス英語、と書いてありますが、2. にも、性的なことの言及がありますので、性に関係のある形容詞として使われることがある、ということですね。
今回のセリフも、夫婦である二人の演技が、性的な雰囲気を醸し出しているとか、エロティックな感じでいいよぉ〜、みたいな褒め言葉なのでしょう。
実際の演技はというと、ジョーイはプレイボーイであるにもかかわらず、キスは「いかにも演技」という感じだし、キスの後の、Nothing. は、手振りといい、言い方といい、全くの「ダイコン」です。
(俳優さんが、「大根役者」の演技をするのって難しいだろうな、といつも思うのですが、このジョーイのダイコン演技はなかなかのものです…笑)
そんな下手な演技を見てそんなに褒めるか?みたいな印象を観客が持つ、という流れでしょうか。
ディレクターの才能にも、ちょっと疑問符を感じるところですね。
history は、フレンズ1-20その3 にも出てきました。
二人は役者で他人だけど、まるで本当の夫婦みたいに、二人の間にはいろんなことがあったんだろうな、と思わせる演技だったよ、ということです。
ケイト: I have a question about this scene. (このシーンについて質問があります。)
ディレクター: Yes? (何だ?)
ケイト: Well, I don't understand why Adrianne's attracted to Victor. (えーっと、私はなぜエイドリアンがヴィクターに惹かれているかわからないんです。)
ディレクター: Peel the onion. First of all, he's good-looking. (中身を掘り下げろ。まず第一に、彼はルックスがいい。)
ジョーイ: Yeah. (そうですよね。)
ケイト: I think my character's gonna need a little bit more of a reason than that. (私の(演じる)キャラクターは、それ以上の理由をもう少し必要とすると思うのですが。)
ジョーイ: Oh, hey, how about this one? Ah, it says so in the script! Y'know ah, I-I don't know why my character likes you either. I mean, it says in the script here that you're a bitch. (へー。なぁ、こういう理由はどうだい? 「あ、脚本にそう書いてある!」ってのは。ねぇ、どうして俺のキャラクターが君を好きなのか、俺もわからないよ。だって、この脚本に、君は最低女だって書いてあるのに。)
ケイト: It doesn't say that in the script. (そんなこと、脚本には書いてないわ。)
ジョーイ: It does in mine. (俺の脚本には書いてあるよ。)
ディレクターに褒められて嬉しそうなジョーイですが、ケイトは納得できない様子。
peel the onion は直訳すると、「たまねぎの皮をむけ」ですね。
こういうイディオムがあるのかと思って調べてみたのですが、特に有名なイディオムとかではないようです。
DVDの日本語訳では、「ふかーく読み込め。深く掘り下げろ」となっていましたが、恐らくそういう意味なんだろうと私も思います。
たまねぎはどんどんむいていくことができ、最後には芯にたどり着きますよね。
そのイメージで、外側の目に見える部分だけじゃなくて、もっと内側の真実を突き止めろ、本当の姿を見極めろ、みたいな意味だろうと。
で、そんな風に言った後、ヴィクターの魅力を述べるのですが、それが、good-looking、つまり、見かけがいい、ハンサムだ、ということ。
内面・中身を見ろ、みたいなことを言っておきながら、いきなり、「見かけ」という外面(そとづら)、上っ面(うわっつら)を挙げているところが何ともトンチンカンであり、このディレクターの話が浅いものだということがわかる気がします。
くだらないことを質問するな、という感じで、ジョーイはいらついていますね。
そういう設定なんだから、そういう風にスクリプトに書いてあるんだから、素直に受け入れろよ、演劇の通ぶって、いちいち、脚本にケチをつけるなよ、と言いたいわけです。
ジョーイの発音は、...likes YOU either. となっていて、「俺の方こそ、どうしてヴィクターがエイドリアンを好きなのか、わかんないよ。」という感じで、それは俺が言いたいセリフだ、こっちだってこんな女の魅力がちっともわかんないよ、と言っているのですね。
役柄の描写にケチをつけているのではなく、相手の俳優に対しての個人的な感情をぶつけているのがお互いわかっているわけです。
実際の脚本では、エイドリアンも魅力的な女性として描かれているのでしょう。
ですから、エイドリアンが bitch だなんてことは、脚本には書いてないわ、とケイトは言うのですが、in mine つまり、in my script にはそう書いてる、というジョーイ。
ソープオペラ俳優であることやインフォマーシャルへの出演をバカにされたジョーイは、脚本に bitch と落書きして、ケイトに対する怒りをぶつけていているのかな、と思います。
[Scene: The Hallway, Chandler and Ross are returning from working out.]
廊下。チャンドラーとロスはワークアウト[トレーニング]から戻ってきたところ。
チャンドラー: I can blow-dry it. I can put gel on it. It doesn't matter, I still wind up with this little (pats the flat spot on the back of his head) cowlick-y thing on the middle part of my head. It's so annoying. Does it bug you? (ブローすることもできる。それにジェルをつけることもできる。でも、そんなこと無意味なんだ。やっぱり、この小さな [頭の後ろの平らな部分をたたく] 頭の中央の逆毛みたいなやつが直らないんだ。すごくうっとうしいよ。お前も逆毛でイライラする?)
ロス: You bug me. (お前にイライラするよ。)
[Rachel comes out of her apartment, followed by Mark, and they leave on their date, without saying a word to Ross. Ross is stunned.]
レイチェルは彼女の部屋から出てくる。その後にマークが続く。そして二人はデートに出かける、ロスには一言も言わずに。ロスは愕然とする。
チャンドラー: Is there any chance you didn't see that? (今のをお前が見なかったって可能性はあるかな?)
cowlick は「逆毛」。
前のカウの方にアクセントがあります。
手元の英和を見ると、通常は、額の上のものを指すとありますが、今回のチャンドラーは、頭の後ろの毛を言っていますね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
cowlick [noun]: [countable]
hair that sticks up on your head
つまり、「頭の上に突き出ている髪の毛」。毛がピンと立っている感じでしょう。
Word origin には、
Origin: Because it looks as if it had been licked by a cow
とあり、「牛になめられたように見えるから」だそうです(笑)。
wind up with は「…で終わる、…で締めくくる」。
ドライヤーでブローしても、ジェルをつけても、結局、この cowlick-y thing がそのままの形で残ってしまう、という感じでしょう。
bug は「(人を)悩ます、いらいらさせる」。
フレンズ3-7その19 にも出てきましたが、bug = annoy です。
上のセリフでも、"It's so annoying. Does it bug you?" となっていて、annoy と bug が同じ意味として使われていることがわかりますね。
ロスは、そんなくだらないことをいちいち僕に尋ねてくる、チャンドラーにいらいらするよ、と答えています。
そんな風にのどかでささいな話をしていたら、レイチェルとマークがデートに出かける場面に出くわしてしまいます。
ばっちりそれを見てしまい、呆然としているロスに対して、you didn't see that の chance はあるかな?と聞いていますね。
この chance は日本語の「チャンス」ではなく、「見込み、可能性」ですね。
多分見てしまったと思うけど、その時、よそ見をしていて、今のを見ないで済んだ、って可能性はあるかな?という感じ。
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2009年03月12日
フランキーセイリラックス フレンズ3-19その3
ロスを部屋に呼び出したレイチェルは、ロスの所持品をロスに返します。
よりを戻すための話し合いだと思っていたロスは、予想外の展開に驚いています。
ロス: (takes a dinosaur mug out of the box) Hey! This-this was a gift. ([箱から恐竜マグを取り出して] おい! これは、これは、ギフト[贈り物]だぞ。)
レイチェル: Ross, you got that for free from the museum gift shop. (ロス、あなたはそれを、博物館のギフトショップからただで手に入れたのよ。)
ロス: It's still a gift. I got it from the "gift" shop. (それでも、ギフトはギフトだ。僕はそれを「ギフト」ショップで手に入れたんだから。)
レイチェル: Okay! All right! Give me the mug! I'll keep the mug! (いいわ! わかったわ! そのマグをちょうだい! 私がそのマグを持っておくわ!)
ロス: No! Y'know-y'know, don't do me any favors. In fact, where, where's the rest of my stuff? Huh? Like-like my umm, (picks up a book) Hey, this book is mine! And-and-and, and that T-shirt you sleep in? I'd like that back too. Yes, I do. (だめだ! 僕に親切にしてくれなくて[気を使ってくれなくて]いいよ。実際、僕の所持品の残りはどこにあるの? 例えば、僕の…[本を取り上げて] ほら、この本は僕のだよ! それから、それから、あの、君が着て寝ていたTシャツは? 僕はあれも返して欲しいな。そう、(ほんとに)返して欲しい。)
レイチェル: You know how much I love that T-shirt. You never even wear that T-shirt. (私があのTシャツをどのくらい大好きか知ってるでしょ。あなたはあのTシャツを着ることさえないのに。)
恐竜のマグカップは、やはりロスからのプレゼントだったのですね(笑)。
僕からの贈り物までつき返すのか?と怒るロスに対して、それはお金を払って買ったものじゃないでしょ、と返すレイチェル。
ロスが、勤務先の博物館のギフトショップで手に入れたもののようですね。(社員優待があるのでしょう…笑)
例え、それが買ったものではないとしても、「ギフト」ショップで手に入れたものだから、「ギフト」であることに違いない、と理屈をこねるロスが、いかにもロスらしいです。
僕からの贈り物を返すというのなら、他にもっと返してもらうべきものがあるはずだ、と言い出すロス。
目の前に見えている本も僕のものだ、と言い、レイチェルのお気に入りのTシャツも返して欲しい、と言います。
自分の寝室から、そのTシャツを取ってきて、ロスに投げつけるレイチェル。
レイチェル: You are so just doing this out of spite. (あなたは腹いせで、ただこんなことをしてるのね。)
ロス: Awwwahuh, no, no, no!! (あ〜? 違う違う違う!)
レイチェル: Huh? (そう?)
ロス: I'm gonna wear this all the time! I love this shirt! (he kisses the shirt) (僕はこれをずっと着るつもりだよ! 僕はこのシャツが大好きだから! [ロスはそのシャツにキスする])
レイチェル: You have not worn that T-shirt since you were 15! It doesn't even fit you anymore! (あなたは15歳の時以来、そのTシャツを着ていないでしょ! もうそのシャツは、あなたに(サイズ的に)合いもしないし[フィットしないし]。)
ロス: Oh-oh, okay, okay! (He quickly takes off his sweater in order to put on the T-shirt. It's an old "Frankie says relax" T-shirt, that barely fits him. Rachel nods her head in approval of the new look.) If you don't mind, I'm gonna take the rest of my stuff, and "relax" in my favorite shirt. (Starts to leave) You have a pleasant evening. (He exits and leaves the door open.) (あぁ、いいよ、いいよ。[ロスはそのTシャツを着るために、素早く自分のセーターを脱ぐ。それは古びた Frankie say(s) relax のTシャツである。そのシャツはほとんどロスの体にフィットしていない。レイチェルは、そのニュールックを(結構似合ってるわねぇ、と皮肉っぽく言いたげに)承認するようにうなずく。] 君が構わないなら、僕の持ち物の残りを僕は持って行くよ。そして、僕のお気に入りのシャツの「リラックス」もね。[出て行こうとする] 楽しい夜を。[彼は、ドアを開けたままで部屋を出て行く。])
spite という単語は、in spite of... 「…にもかかわらず」というフレーズで頻出しますが、spite だけだと、「悪意、意地悪」という意味になります。
ですから、out of spite は「悪意から、腹いせに」という意味になるのですね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では
spite [noun]: a feeling of wanting to hurt or upset people, for example because you are jealous or think you have been unfairly treated
out of spite
(=because of spite)
例) She broke it just out of spite.
つまり、「人を傷つけたり動揺させたりしたいと思う気持ち。例えば、自分が嫉妬している、または、自分が不公平に扱われたと思う、という理由から。」
out of spite = because of spite ということで、例文は、「彼女はただ、腹いせで、それを壊した。」
大声を上げながら、このシャツが好きだ!と言って、軽くチュッとシャツにキスをするロスがかわいいですね。
レイチェルに対しては、このシャツは僕のお気に入りだから返して欲しい、というアピールなのですが、ロスの本音は、レイチェルが気に入って毎晩パジャマ代わりに着ていたシャツだから、それが愛おしいのです。
本当はレイチェルとよりを戻したいのに、こんな口論になってしまってはそれも言い出せない、でもそれをわかっている観客は、こっそりキスをするロスを見て、彼の複雑な気持ちを理解できるのですね。
レイチェルにもわからないように、こっそりキスをするしぐさが、余計にレイチェルへの想いの深さを物語っている気がします。
さて、その問題のTシャツ。
ネットスクリプトのト書きには、It's an old "Frankie says relax" T-shirt と書いてあるのですが、実際に画面で見ると、白いシャツに黒文字で、FRANKIE SAY RELAX と書いてあります。(つまり、3単現の -s はついていない、ということです)
ト書きにもわざわざそう書いてあり、観客もこのシャツを見て笑っているので、有名なシャツなのだろうと思ったら、やっぱりそうでした。
Google のサーチボックスに "Frankie say relax" と入力すると、その続きに、shirt や t shirt という語句が続いた候補が表示されます。(この機能を「Google サジェスト(suggest)」といいます)
この候補が出た時点で、「今回の検索は、元ネタにたどり着けそう!」と思えて、私はとても嬉しくなるのですが(笑)。
このTシャツは、Frankie Goes to Hollywood というイギリスのバンドに関係するアイテムです。
Wikipedia 英語版: Frankie Goes to Hollywood
Wikipedia 日本語版: フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド
そのバンドの曲に、Relax という曲があって、その曲のプロモーションのため、このTシャツが作られた、ということらしいです。
英語版ウィキペディアの "Relax" の項目に以下の記述があります。
Part of this promotion...(中略)...included the iconic "Frankie Say Relax Don't Do It" T-shirts, which were credited to Morley but were in fact based on designs by Katharine Hamnett....
訳すと、「この Relax という曲のプロモーションの一部には、象徴的な "Frankie Say Relax Don't Do It" のTシャツが含まれる。このシャツは、モーリー(ZTTレーベルの associate である Paul Morley)が作ったとされているが、実際は、キャサリン・ハムネットのデザインをベースにしており…」
"Frankie Say..." T-shirts would become ubiquitous in the UK during the summer of 1984.
訳すと、「このTシャツは、1984年の夏の間、イギリスのいたるところで見られるようになったものだった。」
このシャツは、イギリスの有名デザイナー、キャサリン・ハムネットのデザインなんですねぇ。
また、このシャツが大ブームとなり、それを着ている人がイギリスのあちこちで見られた、という文章で、日本語にもなっている「ユビキタス」という単語が使われているのが興味深いです。
ubiquitous という単語はこんな風に使うのだ、という好例ですね。
Relax という曲は、イギリスBBC で放送禁止になった、という話が、日英両方のウィキペディアに書いてあります。
YouTube で探して聞いてみたのですが(リンクははりませんが)、確かに聞いたことのある曲でした。
Relax don't do it というリフレインが印象的な曲ですね。
それから、ト書きでは、Frankie says となっていたけれども、実際のデザインでは、Frankie say となっている件について。
Frankie というのは、フランキーという一人の人の名前ではなくて、Frankie Goes to Hollywood というバンド名を表しているわけですよね。(ウィキペディアには、この変わったバンド名の由来が載っています)
バンドは複数のメンバーで構成されていることから、集合名詞(?)のような扱いになって、バンド Frankie Goes to Hollywood が relax と言う、という文章だから、Frankie say relax と、3単現の -s がつかない形になっているのだろうと思います。
普通の文章では、固有名詞が主語の場合、3単現の -s が付きますから、ト書きを書いた方は、ついそのクセで、-s をつけてしまった、ということなのだろうと。
調べついでに、もう一つ。
Wikipedia 英語版: Ross Geller (←ネタバレ満載なのでご注意!)の Age and birthday という項目によると、ロスの生まれた年には諸説あるようです。
連続ドラマではそんな風に、設定が統一されていないことがよくありますね。
(誕生日は一応、10月18日という設定ですが、それでは計算が合わなくなるセリフが登場したこともあります。)
ウィキペディアでは、生まれた年として、1967年や 1970年という記載がありますが、レイチェルの言っていることが正確で、このシャツが流行った年(1984年)の夏にロスが15歳だったとすると、ロスは 1968年10月生まれになるのでしょうか?(だとすると、私と同学年になるのですが…笑)
実際には、レイチェルは、「このシャツが流行った時、あなたは 15歳”くらい”だったでしょ」というニュアンスでしょうから、1、2歳の誤差はあるかもしれません。
まぁそれでも、だいたい、ウィキペディアに記載の生まれた年とほぼ同じになるのが興味深いですね。
この「15歳の時以来、全然着ていない」というのは、見当違いの数字ではない、ということです。
I'm gonna take the rest of my stuff, and "relax" in my favorite shirt. について。
"relax" in my favorite shirt は、「シャツに書いてある relax という文字」という意味と、「このシャツを身に付けて、relax になっている状態」という意味の二つをかけているのかなぁ、という気がします。
I'm gonna take "relax" で、僕の持ち物と一緒に、relax も僕が持っていくよ、という感じで、このシャツにリラックスと書いてあるからそれをシャツごと持っていく、そして、このシャツを着てすっかりリラックスになっている状態もそのまま持っていく、というニュアンスかな、と思いました。
シャツに relax という言葉が入っているために、そんなダブルミーニングで使える気がするのですね。
そして、レイチェルお気に入りのTシャツ、つまりそれを着てリラックスした気持ちで寝ていたはずのシャツを、ロスが持っていくことになるので、そのシャツはなくなっちゃって、リラックスして眠れないかもしれないけど、というニュアンスで、最後に、"You have a pleasant evening." 「素敵な夜を過ごしてね」と言い残していったようですね。
今回は、Tシャツの元ネタについて、しつこく調べてみましたが、それがわかったからと言って別に何かの役に立つわけではないでしょう(笑)。
ただ、生きた会話頻出表現を学ぶことだけを目的としてフレンズを見ている場合でも、観客が笑っている部分でどうして笑っているのかがわからないと、だんだんイライラしてくると思うんですよね。
何だか面白いことを言っているみたいだけど、どうして面白いのかわかんない…ということが続くと、フレンズという作品を見ることが辛くなってくるかもしれないし、そのうち見るのをやめてしまうかもしれないな、と。
作品としての面白さを堪能できないと、それを見続けることはできないし、セリフを深く理解したいという意欲も湧かないだろうと思います。
ですから、私が調べたことで、少しでも「作品」としての面白さを感じていただけたらいいなと思いますし、ますますフレンズという作品が好きになって、もっともっと英語のセリフのニュアンスを深く探ってみたい!と思ってくれる方が増えると嬉しいな、と思いながら、いつもブログを書いています。
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よりを戻すための話し合いだと思っていたロスは、予想外の展開に驚いています。
ロス: (takes a dinosaur mug out of the box) Hey! This-this was a gift. ([箱から恐竜マグを取り出して] おい! これは、これは、ギフト[贈り物]だぞ。)
レイチェル: Ross, you got that for free from the museum gift shop. (ロス、あなたはそれを、博物館のギフトショップからただで手に入れたのよ。)
ロス: It's still a gift. I got it from the "gift" shop. (それでも、ギフトはギフトだ。僕はそれを「ギフト」ショップで手に入れたんだから。)
レイチェル: Okay! All right! Give me the mug! I'll keep the mug! (いいわ! わかったわ! そのマグをちょうだい! 私がそのマグを持っておくわ!)
ロス: No! Y'know-y'know, don't do me any favors. In fact, where, where's the rest of my stuff? Huh? Like-like my umm, (picks up a book) Hey, this book is mine! And-and-and, and that T-shirt you sleep in? I'd like that back too. Yes, I do. (だめだ! 僕に親切にしてくれなくて[気を使ってくれなくて]いいよ。実際、僕の所持品の残りはどこにあるの? 例えば、僕の…[本を取り上げて] ほら、この本は僕のだよ! それから、それから、あの、君が着て寝ていたTシャツは? 僕はあれも返して欲しいな。そう、(ほんとに)返して欲しい。)
レイチェル: You know how much I love that T-shirt. You never even wear that T-shirt. (私があのTシャツをどのくらい大好きか知ってるでしょ。あなたはあのTシャツを着ることさえないのに。)
恐竜のマグカップは、やはりロスからのプレゼントだったのですね(笑)。
僕からの贈り物までつき返すのか?と怒るロスに対して、それはお金を払って買ったものじゃないでしょ、と返すレイチェル。
ロスが、勤務先の博物館のギフトショップで手に入れたもののようですね。(社員優待があるのでしょう…笑)
例え、それが買ったものではないとしても、「ギフト」ショップで手に入れたものだから、「ギフト」であることに違いない、と理屈をこねるロスが、いかにもロスらしいです。
僕からの贈り物を返すというのなら、他にもっと返してもらうべきものがあるはずだ、と言い出すロス。
目の前に見えている本も僕のものだ、と言い、レイチェルのお気に入りのTシャツも返して欲しい、と言います。
自分の寝室から、そのTシャツを取ってきて、ロスに投げつけるレイチェル。
レイチェル: You are so just doing this out of spite. (あなたは腹いせで、ただこんなことをしてるのね。)
ロス: Awwwahuh, no, no, no!! (あ〜? 違う違う違う!)
レイチェル: Huh? (そう?)
ロス: I'm gonna wear this all the time! I love this shirt! (he kisses the shirt) (僕はこれをずっと着るつもりだよ! 僕はこのシャツが大好きだから! [ロスはそのシャツにキスする])
レイチェル: You have not worn that T-shirt since you were 15! It doesn't even fit you anymore! (あなたは15歳の時以来、そのTシャツを着ていないでしょ! もうそのシャツは、あなたに(サイズ的に)合いもしないし[フィットしないし]。)
ロス: Oh-oh, okay, okay! (He quickly takes off his sweater in order to put on the T-shirt. It's an old "Frankie says relax" T-shirt, that barely fits him. Rachel nods her head in approval of the new look.) If you don't mind, I'm gonna take the rest of my stuff, and "relax" in my favorite shirt. (Starts to leave) You have a pleasant evening. (He exits and leaves the door open.) (あぁ、いいよ、いいよ。[ロスはそのTシャツを着るために、素早く自分のセーターを脱ぐ。それは古びた Frankie say(s) relax のTシャツである。そのシャツはほとんどロスの体にフィットしていない。レイチェルは、そのニュールックを(結構似合ってるわねぇ、と皮肉っぽく言いたげに)承認するようにうなずく。] 君が構わないなら、僕の持ち物の残りを僕は持って行くよ。そして、僕のお気に入りのシャツの「リラックス」もね。[出て行こうとする] 楽しい夜を。[彼は、ドアを開けたままで部屋を出て行く。])
spite という単語は、in spite of... 「…にもかかわらず」というフレーズで頻出しますが、spite だけだと、「悪意、意地悪」という意味になります。
ですから、out of spite は「悪意から、腹いせに」という意味になるのですね。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では
spite [noun]: a feeling of wanting to hurt or upset people, for example because you are jealous or think you have been unfairly treated
out of spite
(=because of spite)
例) She broke it just out of spite.
つまり、「人を傷つけたり動揺させたりしたいと思う気持ち。例えば、自分が嫉妬している、または、自分が不公平に扱われたと思う、という理由から。」
out of spite = because of spite ということで、例文は、「彼女はただ、腹いせで、それを壊した。」
大声を上げながら、このシャツが好きだ!と言って、軽くチュッとシャツにキスをするロスがかわいいですね。
レイチェルに対しては、このシャツは僕のお気に入りだから返して欲しい、というアピールなのですが、ロスの本音は、レイチェルが気に入って毎晩パジャマ代わりに着ていたシャツだから、それが愛おしいのです。
本当はレイチェルとよりを戻したいのに、こんな口論になってしまってはそれも言い出せない、でもそれをわかっている観客は、こっそりキスをするロスを見て、彼の複雑な気持ちを理解できるのですね。
レイチェルにもわからないように、こっそりキスをするしぐさが、余計にレイチェルへの想いの深さを物語っている気がします。
さて、その問題のTシャツ。
ネットスクリプトのト書きには、It's an old "Frankie says relax" T-shirt と書いてあるのですが、実際に画面で見ると、白いシャツに黒文字で、FRANKIE SAY RELAX と書いてあります。(つまり、3単現の -s はついていない、ということです)
ト書きにもわざわざそう書いてあり、観客もこのシャツを見て笑っているので、有名なシャツなのだろうと思ったら、やっぱりそうでした。
Google のサーチボックスに "Frankie say relax" と入力すると、その続きに、shirt や t shirt という語句が続いた候補が表示されます。(この機能を「Google サジェスト(suggest)」といいます)
この候補が出た時点で、「今回の検索は、元ネタにたどり着けそう!」と思えて、私はとても嬉しくなるのですが(笑)。
このTシャツは、Frankie Goes to Hollywood というイギリスのバンドに関係するアイテムです。
Wikipedia 英語版: Frankie Goes to Hollywood
Wikipedia 日本語版: フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッド
そのバンドの曲に、Relax という曲があって、その曲のプロモーションのため、このTシャツが作られた、ということらしいです。
英語版ウィキペディアの "Relax" の項目に以下の記述があります。
Part of this promotion...(中略)...included the iconic "Frankie Say Relax Don't Do It" T-shirts, which were credited to Morley but were in fact based on designs by Katharine Hamnett....
訳すと、「この Relax という曲のプロモーションの一部には、象徴的な "Frankie Say Relax Don't Do It" のTシャツが含まれる。このシャツは、モーリー(ZTTレーベルの associate である Paul Morley)が作ったとされているが、実際は、キャサリン・ハムネットのデザインをベースにしており…」
"Frankie Say..." T-shirts would become ubiquitous in the UK during the summer of 1984.
訳すと、「このTシャツは、1984年の夏の間、イギリスのいたるところで見られるようになったものだった。」
このシャツは、イギリスの有名デザイナー、キャサリン・ハムネットのデザインなんですねぇ。
また、このシャツが大ブームとなり、それを着ている人がイギリスのあちこちで見られた、という文章で、日本語にもなっている「ユビキタス」という単語が使われているのが興味深いです。
ubiquitous という単語はこんな風に使うのだ、という好例ですね。
Relax という曲は、イギリスBBC で放送禁止になった、という話が、日英両方のウィキペディアに書いてあります。
YouTube で探して聞いてみたのですが(リンクははりませんが)、確かに聞いたことのある曲でした。
Relax don't do it というリフレインが印象的な曲ですね。
それから、ト書きでは、Frankie says となっていたけれども、実際のデザインでは、Frankie say となっている件について。
Frankie というのは、フランキーという一人の人の名前ではなくて、Frankie Goes to Hollywood というバンド名を表しているわけですよね。(ウィキペディアには、この変わったバンド名の由来が載っています)
バンドは複数のメンバーで構成されていることから、集合名詞(?)のような扱いになって、バンド Frankie Goes to Hollywood が relax と言う、という文章だから、Frankie say relax と、3単現の -s がつかない形になっているのだろうと思います。
普通の文章では、固有名詞が主語の場合、3単現の -s が付きますから、ト書きを書いた方は、ついそのクセで、-s をつけてしまった、ということなのだろうと。
調べついでに、もう一つ。
Wikipedia 英語版: Ross Geller (←ネタバレ満載なのでご注意!)の Age and birthday という項目によると、ロスの生まれた年には諸説あるようです。
連続ドラマではそんな風に、設定が統一されていないことがよくありますね。
(誕生日は一応、10月18日という設定ですが、それでは計算が合わなくなるセリフが登場したこともあります。)
ウィキペディアでは、生まれた年として、1967年や 1970年という記載がありますが、レイチェルの言っていることが正確で、このシャツが流行った年(1984年)の夏にロスが15歳だったとすると、ロスは 1968年10月生まれになるのでしょうか?(だとすると、私と同学年になるのですが…笑)
実際には、レイチェルは、「このシャツが流行った時、あなたは 15歳”くらい”だったでしょ」というニュアンスでしょうから、1、2歳の誤差はあるかもしれません。
まぁそれでも、だいたい、ウィキペディアに記載の生まれた年とほぼ同じになるのが興味深いですね。
この「15歳の時以来、全然着ていない」というのは、見当違いの数字ではない、ということです。
I'm gonna take the rest of my stuff, and "relax" in my favorite shirt. について。
"relax" in my favorite shirt は、「シャツに書いてある relax という文字」という意味と、「このシャツを身に付けて、relax になっている状態」という意味の二つをかけているのかなぁ、という気がします。
I'm gonna take "relax" で、僕の持ち物と一緒に、relax も僕が持っていくよ、という感じで、このシャツにリラックスと書いてあるからそれをシャツごと持っていく、そして、このシャツを着てすっかりリラックスになっている状態もそのまま持っていく、というニュアンスかな、と思いました。
シャツに relax という言葉が入っているために、そんなダブルミーニングで使える気がするのですね。
そして、レイチェルお気に入りのTシャツ、つまりそれを着てリラックスした気持ちで寝ていたはずのシャツを、ロスが持っていくことになるので、そのシャツはなくなっちゃって、リラックスして眠れないかもしれないけど、というニュアンスで、最後に、"You have a pleasant evening." 「素敵な夜を過ごしてね」と言い残していったようですね。
今回は、Tシャツの元ネタについて、しつこく調べてみましたが、それがわかったからと言って別に何かの役に立つわけではないでしょう(笑)。
ただ、生きた会話頻出表現を学ぶことだけを目的としてフレンズを見ている場合でも、観客が笑っている部分でどうして笑っているのかがわからないと、だんだんイライラしてくると思うんですよね。
何だか面白いことを言っているみたいだけど、どうして面白いのかわかんない…ということが続くと、フレンズという作品を見ることが辛くなってくるかもしれないし、そのうち見るのをやめてしまうかもしれないな、と。
作品としての面白さを堪能できないと、それを見続けることはできないし、セリフを深く理解したいという意欲も湧かないだろうと思います。
ですから、私が調べたことで、少しでも「作品」としての面白さを感じていただけたらいいなと思いますし、ますますフレンズという作品が好きになって、もっともっと英語のセリフのニュアンスを深く探ってみたい!と思ってくれる方が増えると嬉しいな、と思いながら、いつもブログを書いています。
(Rach からのお願い)
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