シーズン3 第25話
The One At the Beach (渚でロスとレイチェル…)
原題は「ビーチでの話」
[Scene: Outside Central Perk, Chandler and Monica are waiting for Phoebe to arrive with the cab.]
セントラルパークの外。チャンドラーとモニカはフィービーがキャブで来るのを待っているところ。
モニカ: (watching a happy couple walk by, arm in arm) Would you look at them? Am I ever gonna find a boyfriend again? I'm gonna die an old maid. ([幸せなカップルが腕を組んで歩いて行くのを見ながら] 彼らを見て。私はまた恋人を見つけることができるのかしら? 私はオールドメイド[オールドミス]のままで死ぬことになるのよ。)
チャンドラー: You're not gonna die an old maid. Maybe an old spinster cook. (モニカはオールドメイド[年老いたメイド]のままで死ぬことはないよ。多分、年老いた未婚のコックとして死ぬことになるだろうね。)
モニカ: (sarcastic) Thanks. ([皮肉っぽく] ありがとう。)
チャンドラー: Hey now besides, worse comes to worse, I'll be your boyfriend. (ねぇ、それに、最悪の状況になったら、俺がモニカの恋人になってやるよ。)
(At that suggestion Monica starts laughing.)
その提案に、モニカは笑い始める。
モニカ: Yeah, right. (えぇ、そうね。)
チャンドラー: Why is that so funny? (何がそんなにおかしいの?)
モニカ: You made a joke, right? So I laughed. (あなたは冗談を言ったんでしょ? だから私は笑ったの。)
チャンドラー: Ha-ha-ha. A little too hard. What, am I not ah, boyfriend material? (ははは。ちょっとキツいな。ねぇ、俺は、その、恋人になる資質がないの?)
モニカ: Well, no. You're Chandler. Y'know, Chandler! (hits him on the arm) (そうね。あなたはチャンドラーよ。ほら、チャンドラーなのよ。[彼の腕をこづく])
前回の話で、恋人ピートと別れてしまったモニカは、自分にはもう一生恋人ができないわ、an old maid として死ぬことになるのね、と言っています。
「die+補語」の形で、「…(の状態)で死ぬ」という意味になります。
die young なら「若死にする」、die a martyr なら「殉教者として死ぬ」ですね。
an old maid について。
old maid は「未婚女性」を侮蔑的に表現した言葉で、日本語で言うと「オールドミス」に当たります。(「オールドミス」は和製英語です。)
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
old maid [noun] [countable]: an insulting expression meaning a woman who has never married and is not young anymore
つまり、「これまでに結婚したことがなく、もう若くない女性を意味する侮辱的な表現」。
侮辱的な表現と書いてあるので、人に対して使うのは避けるべき言葉ですね。
モニカは結婚願望の強い女性ですから、その侮辱的表現を自虐的に使っている、ということです。
それを聞いて、そんなことないよ、と否定するチャンドラー。
普通は「きっといい人が見つかって結婚できるよ」と言いそうなところですが、チャンドラーの答えは違いました。
多分、an old maid じゃなくて、an old spinster cook として死ぬことになるだろうね、と言っています。
spinster は「未婚女性、未婚婦人」という意味です。
LAAD では、
spinster [noun] [countable] old-fashioned
: an unmarried woman, usually one who is not young anymore and who seems unlikely to marry
つまり、「未婚女性、たいていはもう若くなくて、結婚しそうにないように思われる女性」。
cook は「コック、料理人」ですね。
モニカの職業が cook なので、モニカは、an old spinster cook つまり「年老いた未婚のコックさんとして死ぬことになるだろう」と言っていることになります。
ここで cook という職業を出したことで、チャンドラーは、old maid の maid を、職業の maid として捉えたことがわかります。
maid は「メイド、お手伝い、女中」。メイド喫茶のメイドです(笑)。
モニカは、「年老いたメイド、お手伝いさん」として死ぬって言ってるけど、君はコックなんだから、老いたメイドさんじゃなくて、未婚のコックとして死ぬことになるんじゃないの?と言っているわけです。
old maid 「未婚女性」と同義の spinster という言葉をちゃっかり入れた上で、職業を maid から cook に変えているのが面白いのですね。
old maid として死ぬわけじゃないよ、と否定しておきながら、「未婚のおばあちゃんのコックとして死ぬんだよ」と言っているわけで、全くフォローになっていない、ということです。
モニカの真剣な悩みを、ジョークとして茶化して和らげようとした、ということでしょう。
モニカも「それじゃ全然慰めになってないわよ」と言いたげに、皮肉っぽく、Thanks. と言っています。
チャンドラーのセリフ、Hey now besides, worse comes to worse, I'll be your boyfriend. について。
この部分、DVD英語字幕では、Besides, worse comes to worse... と書いてあります。
また、ネットスクリプトでは、Hey now besides, if worst comes to worst... と書いてあります。
チャンドラーの発音を聞くと、worse comes to worse と言っているように聞こえるので、上のセリフは、DVD英語字幕に合わせてみましたが、worse comes to worst の形が本来の形かな、と思います。
LAAD には、以下のように出ています。
if worse/worst comes to worst: if the situation develops in the worst possible way
例) If worse comes to worst, I can always get my old job back.
つまり、「もし状況が可能な限り最悪の方法で進展したら」。
例文は、「最悪の状態になったら、僕はいつでも昔の仕事を取り戻すことができる。」
英辞郎にも if worse comes to worst と、if worst comes to worst が同じ意味で載っています。
if worse comes to worst の語義を引用すると、
if worse comes to worst=《if (the) worst [worse] comes to (the) worst》 最悪[万一]の場合(には)、悪くすると、最悪の状態[ケース]になったら、まかり間違えば、下手をすると
いろいろなパターンを見た上で考えると、if worse comes to worst という「比較級(worse)」から「最上級(worst)」への変化が理屈として一番わかりやすい気がします。
今でも「より悪い」状態だけど、その「より悪い」状態が、「いちばん悪い、最悪の」状態になったら、なったとしたら、というニュアンスでしょうね。
それが決まり文句になって、今では、どちらも worst のバージョンも存在する、ということでしょうか。
どん底の状態がさらにどん底になったとしたら、みたいに、もう行き着くところまで行ってるけど、それがそれよりももっと悪い状態になった場合、のようなニュアンスが生まれるのかもしれません。
辞書の語義と比較して、チャンドラーのセリフの worse comes to worse という表現を見ると、「より悪い状態がより悪い状態になる」と言っていることになってしまい、何だか意味不明になってしまいます。
ですから、今回のセリフは、単なる言い間違いかもしれません。
また、決まり文句なので、worse や worst の違いにそれほど目くじらを立てなくても、意味は通じるから問題ない、ということかもしれません。
最悪の場合は俺がいるからさ、と慰めたつもりですが、モニカは笑い出してしまいます。
冗談だとしか思えないから笑ったのよ、というモニカに、俺は、boyfriend material じゃないの?と尋ねるチャンドラー。
material は「物質、素材」という意味なので、「人材、〜に向いている人、〜としての資質のある人」という意味にもなります。
boyfriend material は、「恋人としての資質がある人」ということですね。
まるで論外みたいに笑われたら、友達でもショックだよ、と言うのですが、だってあなたはチャンドラーだもの、と考える余地もないように笑うモニカです。
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2009年05月31日
2009年05月29日
上司が部下を褒める言葉 フレンズ3-24その7
[Scene: Chandler's office, he is just finishing up a meeting with his boss and the rest of his team.]
チャンドラーのオフィス。チャンドラーはちょうど、ボスとチームの残りの人と一緒のミーティングを終えたところ。
ダグ: So, in conclusion, the lines all go up (points to the chart), so I'm happy. Great job, team! Tomorrow at 8:30. (They start to leave) Phil, nice job! (smacks him on the butt) Stevens, way to go! (smacks him on the butt) Goldberg, you maniac! I love ya! (smacks him on the butt) (Chandler walks up) Bing! Good job, couldn't have done it without ya. (he shakes his hand) (それで、結論としては、線は全て上向きで[グラフを指す] だから、俺はハッピーだ。よくやったよ、チームのみんな! 明日は 8:30 だ。[チームのメンバーは部屋を出て行き始める] フィル、いい仕事だった! [彼のお尻を叩く] スティーブンス、よくやった! [彼のお尻を叩く] ゴールドバーグ、このマニアック野郎! 愛してるぜ! [彼のお尻を叩く] [チャンドラーが歩み寄る] ビング! よくやった、お前なしでは成し遂げられなかったよ。[ダグはチャンドラーと握手する])
チャンドラー: Thank you, sir. (ありがとうございます。)
スティーブンス: (coming back in) Oh, excuse me. I forgot my briefcase, y'know, by accident. ([戻ってきて] あぁ、失礼。ブリーフケースを忘れました。あの、うっかりしてまして。)
ダグ: Of course, you did. Forgot something else too, ya bastard! (smacks him on the butt) (to Chandler) Well, what about you? You're not feeling left out or anything, are ya? (もちろん、うっかり忘れたんだろうさ。他にも忘れ物があるぞ、このろくでなし! [彼のお尻を叩く] [チャンドラーに] それで、お前はどうなんだ? のけ者になったりしているように感じてないか、どうだ?)
チャンドラー: No. No, not at all. That's-that's ridiculous. (いえいえ、全然そんなことありません。(のけ者になっているように感じるなんて)そんなのばかげてます。)
ダグ: Everybody else got one, and you want one too. Don't you? (他のみんなはもらった[尻を叩かれた]から、お前もそれが欲しいだろ? どうだ?)
チャンドラー: Ye-ye-yeah, yes I do. (え、えぇ。そうですね、欲しいです。)
ダグ: Now, get on out of here, you! (smacks him on the butt) (さぁ、出て行きやがれ、こいつ! [彼のお尻を叩く])
嬉しそうに飛び跳ねながら部屋を出て行くチャンドラー。
チームの業績をグラフにして見せているボスのダグ。
ホワイトボードを指すのに、ゴルフクラブを使っているのが、体育会系というか、大のスポーツ好きであることをよく表していますね。
グラフの線が4本ともかなりの角度で上向きになっているのがコメディならではですが、その結果を見て、ダグは I'm happy. だと言っています。
そこで観客が笑っていますね。
チームの中にはアイがない フレンズ3-24その2 のコメント欄 で、「このボスには「俺のものは俺のもの、お前のものは俺のもの」的なジャイアンと似た雰囲気を感じます」というご意見をいただいたのですが、上のセリフの I'm happy. という言葉からも、その雰囲気が感じられる気がします。
ボスだから、チームの業績が上がれば嬉しいのは当然ですが、「このグラフを見て俺はハッピーだ」と言っているのが、殿様が「余(よ)は満足じゃ」と言っているように私には聞こえるのですね。
「俺のためによく頑張ってくれた」と言っているように聞こえるので、ちょっと笑ってしまう感じでしょうか。
その後、チャンドラー以外の3人のメンバーに、それぞれ賞賛の言葉をかけて、お尻を一発ずつ叩いていきます。
みんな嬉しそうに叩かれているのが可愛いですね。
Great job, team! / Phil, nice job! / Stevens, way to go! / Goldberg, you maniac! I love ya! と相手によって言葉を使い分けているのがポイントでしょうか。
日本人に比べて、アメリカ人の上司は部下を褒めるのが上手だと言いますね。
ですから、褒め言葉もいろんなバリエーションを持っているようです。
日本人の場合だと「よくやった」「でかした」くらいの言葉しか浮かんでこないのですが、これもそれぞれの個性に合わせた褒め言葉を使えると、もっと相手の心に響くんだろうなと思います。
maniac というのはいわゆる「マニアック」で(発音は「メイニアック」という感じ)、「マニア、熱狂的愛好家」または「狂気の人」という意味もあります。
どういう意味で maniac と言ったのかはよくわかりません。
チームとして一緒に仕事をしている時に、maniac な部分が見えたということか、あるいは、他の二人より少し遅れて嬉しそうな顔で近づいて来たのを見て、「尻を叩かれるのをそんなに楽しみにしてるのか?、この”尻を叩かれるのが大好き人間”め!」みたいな意味で maniac と言った、ということかもしれません。
このマニアックめ、みたいに言った後、フォローとして、I love ya! と言っているのが、口の悪いダグらしいなと思います。
そういうお前が大好きだぜ!という感じですね。
やはり上司のダグは、チャンドラーの気持ちをちゃんと受け止めていて、子供じみた真似をして、お尻を叩いたりはしませんね。
握手のための手を差し出し、チャンドラーがいなければ、このプロジェクトの成功はあり得なかった、お前が最大の功労者だよ、と賛辞の言葉を述べています。
couldn't have done it without ya は、仮定法過去完了を使った文で、「もし君がいなければ…できなかった」という意味ですね。
実際には、君がいたお陰で、それをすることができた、ということです。
チャンドラーもそれに対して、部下らしく、Thank you, sir. と言っていますね。
その後、先に出て行ったはずのスティーブンスが戻ってきます。
カバンを取りに戻ってきただけ、と言い訳していますが、by accident 「偶然に、ふとしたことで」という言葉をわざわざ口に出して言っているのが、逆にわざと(on purpose)置き忘れたことを示唆していますね。
「いや、ほんと、偶然、ついうっかりなんですよ。決してわざとじゃないんです。」と言って、逆のことをアピールしている感覚です。
ダグもそれをわかっていて、Of course, you did. つまり「お前は偶然それを忘れたんだよな。」と相手の言葉を認めた上で、他にも何か忘れてるぞ、と言って、お尻を叩きます。
「これが欲しくてわざとそれを置き忘れたくせに」と言うのを、言葉ではなく態度で表したのですね。
みんながお尻を叩かれて喜んでいるのを見ているチャンドラー。
leave out は「…を除く、除外する」「…を忘れる、無視する」なので、feel left out は「自分のことを無視されているように感じる、のけ者にされているように感じる」ということです。
お前だけ叩かれてないのは、のけ者にされたみたいで寂しくないか?とダグは尋ねます。
叩かれるのがいやだから、ダグに言いにくいことまで言ってそれをやめてもらったのに、今さら叩かれたいだなんて、そんなばかげたことはありませんよ、とチャンドラーは否定しています。
でもダグはチャンドラーの気持ちの変化を見抜いていたのですね。
チャンドラーが部屋からなかなか立ち去らないことからもそれは明白ですし。
ダメ押しでもう一度、「みんながもらってるから、お前も欲しいだろ? どうだ?」と聞かれて、えへへ、実は…という感じで嬉しそうに、yes と答えるチャンドラー。
両手でサムアップして(両手の親指を立てて)、やったぁ〜!みたいにピョンピョン飛び跳ねて部屋を出て行くチャンドラーが可愛いです。
ちょっと自分中心な感じはありますが、ボスとしてなかなか良い人なのではないかと思わせるダグさんでした。
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チャンドラー: Thank you, sir. (ありがとうございます。)
スティーブンス: (coming back in) Oh, excuse me. I forgot my briefcase, y'know, by accident. ([戻ってきて] あぁ、失礼。ブリーフケースを忘れました。あの、うっかりしてまして。)
ダグ: Of course, you did. Forgot something else too, ya bastard! (smacks him on the butt) (to Chandler) Well, what about you? You're not feeling left out or anything, are ya? (もちろん、うっかり忘れたんだろうさ。他にも忘れ物があるぞ、このろくでなし! [彼のお尻を叩く] [チャンドラーに] それで、お前はどうなんだ? のけ者になったりしているように感じてないか、どうだ?)
チャンドラー: No. No, not at all. That's-that's ridiculous. (いえいえ、全然そんなことありません。(のけ者になっているように感じるなんて)そんなのばかげてます。)
ダグ: Everybody else got one, and you want one too. Don't you? (他のみんなはもらった[尻を叩かれた]から、お前もそれが欲しいだろ? どうだ?)
チャンドラー: Ye-ye-yeah, yes I do. (え、えぇ。そうですね、欲しいです。)
ダグ: Now, get on out of here, you! (smacks him on the butt) (さぁ、出て行きやがれ、こいつ! [彼のお尻を叩く])
嬉しそうに飛び跳ねながら部屋を出て行くチャンドラー。
チームの業績をグラフにして見せているボスのダグ。
ホワイトボードを指すのに、ゴルフクラブを使っているのが、体育会系というか、大のスポーツ好きであることをよく表していますね。
グラフの線が4本ともかなりの角度で上向きになっているのがコメディならではですが、その結果を見て、ダグは I'm happy. だと言っています。
そこで観客が笑っていますね。
チームの中にはアイがない フレンズ3-24その2 のコメント欄 で、「このボスには「俺のものは俺のもの、お前のものは俺のもの」的なジャイアンと似た雰囲気を感じます」というご意見をいただいたのですが、上のセリフの I'm happy. という言葉からも、その雰囲気が感じられる気がします。
ボスだから、チームの業績が上がれば嬉しいのは当然ですが、「このグラフを見て俺はハッピーだ」と言っているのが、殿様が「余(よ)は満足じゃ」と言っているように私には聞こえるのですね。
「俺のためによく頑張ってくれた」と言っているように聞こえるので、ちょっと笑ってしまう感じでしょうか。
その後、チャンドラー以外の3人のメンバーに、それぞれ賞賛の言葉をかけて、お尻を一発ずつ叩いていきます。
みんな嬉しそうに叩かれているのが可愛いですね。
Great job, team! / Phil, nice job! / Stevens, way to go! / Goldberg, you maniac! I love ya! と相手によって言葉を使い分けているのがポイントでしょうか。
日本人に比べて、アメリカ人の上司は部下を褒めるのが上手だと言いますね。
ですから、褒め言葉もいろんなバリエーションを持っているようです。
日本人の場合だと「よくやった」「でかした」くらいの言葉しか浮かんでこないのですが、これもそれぞれの個性に合わせた褒め言葉を使えると、もっと相手の心に響くんだろうなと思います。
maniac というのはいわゆる「マニアック」で(発音は「メイニアック」という感じ)、「マニア、熱狂的愛好家」または「狂気の人」という意味もあります。
どういう意味で maniac と言ったのかはよくわかりません。
チームとして一緒に仕事をしている時に、maniac な部分が見えたということか、あるいは、他の二人より少し遅れて嬉しそうな顔で近づいて来たのを見て、「尻を叩かれるのをそんなに楽しみにしてるのか?、この”尻を叩かれるのが大好き人間”め!」みたいな意味で maniac と言った、ということかもしれません。
このマニアックめ、みたいに言った後、フォローとして、I love ya! と言っているのが、口の悪いダグらしいなと思います。
そういうお前が大好きだぜ!という感じですね。
やはり上司のダグは、チャンドラーの気持ちをちゃんと受け止めていて、子供じみた真似をして、お尻を叩いたりはしませんね。
握手のための手を差し出し、チャンドラーがいなければ、このプロジェクトの成功はあり得なかった、お前が最大の功労者だよ、と賛辞の言葉を述べています。
couldn't have done it without ya は、仮定法過去完了を使った文で、「もし君がいなければ…できなかった」という意味ですね。
実際には、君がいたお陰で、それをすることができた、ということです。
チャンドラーもそれに対して、部下らしく、Thank you, sir. と言っていますね。
その後、先に出て行ったはずのスティーブンスが戻ってきます。
カバンを取りに戻ってきただけ、と言い訳していますが、by accident 「偶然に、ふとしたことで」という言葉をわざわざ口に出して言っているのが、逆にわざと(on purpose)置き忘れたことを示唆していますね。
「いや、ほんと、偶然、ついうっかりなんですよ。決してわざとじゃないんです。」と言って、逆のことをアピールしている感覚です。
ダグもそれをわかっていて、Of course, you did. つまり「お前は偶然それを忘れたんだよな。」と相手の言葉を認めた上で、他にも何か忘れてるぞ、と言って、お尻を叩きます。
「これが欲しくてわざとそれを置き忘れたくせに」と言うのを、言葉ではなく態度で表したのですね。
みんながお尻を叩かれて喜んでいるのを見ているチャンドラー。
leave out は「…を除く、除外する」「…を忘れる、無視する」なので、feel left out は「自分のことを無視されているように感じる、のけ者にされているように感じる」ということです。
お前だけ叩かれてないのは、のけ者にされたみたいで寂しくないか?とダグは尋ねます。
叩かれるのがいやだから、ダグに言いにくいことまで言ってそれをやめてもらったのに、今さら叩かれたいだなんて、そんなばかげたことはありませんよ、とチャンドラーは否定しています。
でもダグはチャンドラーの気持ちの変化を見抜いていたのですね。
チャンドラーが部屋からなかなか立ち去らないことからもそれは明白ですし。
ダメ押しでもう一度、「みんながもらってるから、お前も欲しいだろ? どうだ?」と聞かれて、えへへ、実は…という感じで嬉しそうに、yes と答えるチャンドラー。
両手でサムアップして(両手の親指を立てて)、やったぁ〜!みたいにピョンピョン飛び跳ねて部屋を出て行くチャンドラーが可愛いです。
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2009年05月28日
ライク何々オンリーベター フレンズ3-23その8
フレンズ3-23その1 のコメント欄 で、3-23 のセリフについてのご質問をいただきました。
それに対する私なりの回答を、今回記事として投稿します。
3-23 の最初のシーン。
ロス: Listen, I-I need a favor. Umm, I was in the shower, and as I was... cleansing myself, I ah, I-I, well I felt something. (ねぇ、頼みがあるんだよ。あの、僕がシャワーをしていて、自分の体を洗っていた時、その、僕は何かを感じたんだ。)
チャンドラー: Was it like a sneeze, only better? (訳は省略)
ロス: No, no, I mean, I mean, like, a thing on my body. (違う、違うんだよ。僕が言いたいのは、僕の体になにかがある、ってことだ。)
このチャンドラーのセリフの only better をどう解釈したらいいでしょう?というご質問でした。
only better の部分を除くと、「それはくしゃみみたいなものだったのか?」というニュアンスですね。
ロスが feel something と言ったのを聞いて、くしゃみが出ちゃうような、「ちょっとブルっとくるかんじ」だったのか?と尋ねているようです。
それに対してロスは、「そういうのじゃなくて、僕の体に a thing があるのを feel したってことだよ。」と訂正しています。
これは、feel という動詞が「(ある感覚を)感じる」という意味と「(何かに)触れる、触る」という両方の意味があるからですね。
felt something というのは、「何らかの快感のような気持ちよさなどを感じた」という意味じゃなくて、「手で何かに触れた、手で触ったらそこになにかがあった」という意味だと説明しているのです。
ネットで、"like * only better" で検索すると、いくつも使用例が見つかりましたので、like... only better という組み合わせはよく使われるようです。
この only は、but のニュアンスのようですね。
Macmillan Dictionary には以下のように出ています。
only:
4. but used for adding a comment to something that you have just said which makes it less true or correct
例) Fiction is like real life, only better.
Her car is like mine, only it has four doors.
つまり、「but の意味。自分がたった今言ったことにコメントを追加するために使われる。その追加したコメントは、(その前に)言った内容の真実性や正確性を下げる。」
例文は、「フィクションは実生活のようなものだ。だけど、それ(日常生活)よりも良い。」
「彼女の車は私の車に似ている。でも、4ドアだけどね。」
マクミランの語義の which makes it less true or correct をどう訳すかが難しいのですが、which = a comment, it = something that you have just said かな、と思います。
そのコメントというのは、たった今言ったことを less true or correct にする、つまり、真実、正確の度合いを下げる、という感覚でしょうか。
only は、何かを言った後に、コメントの追加に使うもので、それは前に言ったことを少し否定するニュアンスが入る、その前に言ったことは 100% 真実ではなくて、例外としてこういうこともあるんだけど、と情報を付け足す感覚かなと思います。
そして、上に挙げたマクミランの例文に、まさに like... only better のフレーズが登場しています。
Fiction is like real life, only better. は、「fiction は real life に似ている。けれども、real life よりも better だ。」というようなニュアンスですね。
似たものを例に挙げて、その後に、でも全く同じということはなくて、その例に挙げたものよりも、もう少し良い、と情報を追加している感じです。
ですから、チャンドラーのセリフを日本語に訳すとすると、「それはくしゃみみたいだけど、それよりも(もっと、もう少し)良い感じだった?」みたいになるでしょうか。
「ちょっとブルっとくる感じ」よりももう少し良い、というのはやはり「快感」のことを言っているのでしょうね。
裸でシャワーをしている最中の話ですから、デリケートなところに水流が当たって、快感でも感じたのか?と言うところを、わざと遠回しに言っているような気がします。
それでロスは「そういう快感系の話じゃなくて、何かが手に触れてそこに何かあるのを感じたんだ」と言い直しているという流れです。
この like... only better のパターンは、better を他の比較級に変えても使えるようです。
研究社 新英和中辞典では、
only(接続詞)(口語)=ただし、だがしかし
This is just like beef, only tougher. これはちょうど牛肉みたいだ。でもちょっと硬い。
like... only better や、like... only+比較級は、「…みたいだけど、でもそれよりも〜だ」というように、「but のような逆接のニュアンスが入る」ところがポイントだと言えそうです。
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それに対する私なりの回答を、今回記事として投稿します。
3-23 の最初のシーン。
ロス: Listen, I-I need a favor. Umm, I was in the shower, and as I was... cleansing myself, I ah, I-I, well I felt something. (ねぇ、頼みがあるんだよ。あの、僕がシャワーをしていて、自分の体を洗っていた時、その、僕は何かを感じたんだ。)
チャンドラー: Was it like a sneeze, only better? (訳は省略)
ロス: No, no, I mean, I mean, like, a thing on my body. (違う、違うんだよ。僕が言いたいのは、僕の体になにかがある、ってことだ。)
このチャンドラーのセリフの only better をどう解釈したらいいでしょう?というご質問でした。
only better の部分を除くと、「それはくしゃみみたいなものだったのか?」というニュアンスですね。
ロスが feel something と言ったのを聞いて、くしゃみが出ちゃうような、「ちょっとブルっとくるかんじ」だったのか?と尋ねているようです。
それに対してロスは、「そういうのじゃなくて、僕の体に a thing があるのを feel したってことだよ。」と訂正しています。
これは、feel という動詞が「(ある感覚を)感じる」という意味と「(何かに)触れる、触る」という両方の意味があるからですね。
felt something というのは、「何らかの快感のような気持ちよさなどを感じた」という意味じゃなくて、「手で何かに触れた、手で触ったらそこになにかがあった」という意味だと説明しているのです。
ネットで、"like * only better" で検索すると、いくつも使用例が見つかりましたので、like... only better という組み合わせはよく使われるようです。
この only は、but のニュアンスのようですね。
Macmillan Dictionary には以下のように出ています。
only:
4. but used for adding a comment to something that you have just said which makes it less true or correct
例) Fiction is like real life, only better.
Her car is like mine, only it has four doors.
つまり、「but の意味。自分がたった今言ったことにコメントを追加するために使われる。その追加したコメントは、(その前に)言った内容の真実性や正確性を下げる。」
例文は、「フィクションは実生活のようなものだ。だけど、それ(日常生活)よりも良い。」
「彼女の車は私の車に似ている。でも、4ドアだけどね。」
マクミランの語義の which makes it less true or correct をどう訳すかが難しいのですが、which = a comment, it = something that you have just said かな、と思います。
そのコメントというのは、たった今言ったことを less true or correct にする、つまり、真実、正確の度合いを下げる、という感覚でしょうか。
only は、何かを言った後に、コメントの追加に使うもので、それは前に言ったことを少し否定するニュアンスが入る、その前に言ったことは 100% 真実ではなくて、例外としてこういうこともあるんだけど、と情報を付け足す感覚かなと思います。
そして、上に挙げたマクミランの例文に、まさに like... only better のフレーズが登場しています。
Fiction is like real life, only better. は、「fiction は real life に似ている。けれども、real life よりも better だ。」というようなニュアンスですね。
似たものを例に挙げて、その後に、でも全く同じということはなくて、その例に挙げたものよりも、もう少し良い、と情報を追加している感じです。
ですから、チャンドラーのセリフを日本語に訳すとすると、「それはくしゃみみたいだけど、それよりも(もっと、もう少し)良い感じだった?」みたいになるでしょうか。
「ちょっとブルっとくる感じ」よりももう少し良い、というのはやはり「快感」のことを言っているのでしょうね。
裸でシャワーをしている最中の話ですから、デリケートなところに水流が当たって、快感でも感じたのか?と言うところを、わざと遠回しに言っているような気がします。
それでロスは「そういう快感系の話じゃなくて、何かが手に触れてそこに何かあるのを感じたんだ」と言い直しているという流れです。
この like... only better のパターンは、better を他の比較級に変えても使えるようです。
研究社 新英和中辞典では、
only(接続詞)(口語)=ただし、だがしかし
This is just like beef, only tougher. これはちょうど牛肉みたいだ。でもちょっと硬い。
like... only better や、like... only+比較級は、「…みたいだけど、でもそれよりも〜だ」というように、「but のような逆接のニュアンスが入る」ところがポイントだと言えそうです。
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2009年05月27日
僕が僕でなくなってしまう フレンズ3-24その6
UFC に参戦しているピートは、また別の対戦相手と戦って敗れます。
上半身にギブスをした状態なのに、まだ UFC への参加をやめないというピート。
モニカ: You are insane! You-you've gotta give this up! (あなたは正気じゃないわ! こんなことやめなきゃだめよ。)
ピート: I can't until I'm the Ultimate Fighter. I will do it. I'm telling you, the day will come when children will argue over who will win a fight, me or Superman. Not that I could beat Superman, but y'know, kids are stupid. (僕はアルティメット・ファイター[究極のファイター]になるまでやめることはできないよ。僕はやるんだ。いいかい、僕とスーパーマンとどちらが勝つかについて子供たちが論争する日がくるよ。僕がスーパーマンを倒せるってことはないけど、でも、ほら、子供はバカだからね。)
モニカ: Just sit down. All right? Please listen to me. You are terrible at this, okay? You are the worst Ultimate Fighter ever. Ever! (とにかく座って。いい? お願いだから私の話を聞いて。あなたはこういう格闘技はダメなのよ、いい? あなたはこれまでで最低のアルティメット・ファイターよ。今までの誰よりも!)
ピート: Y'know, I have a torn rotator cuff, a hairline fracture in my right forearm, and a severely bruised Adam's apple, but that really hurt. (ねぇ、僕は回旋筋腱板断裂[損傷]で、右前腕にはひびが入ってる。それから、のどぼとけもひどい打撲だ。でも、今のモニカのセリフは本当に痛かったよ。)
モニカ: Well, then, y'know what? I care about you too much to watch you hurt yourself like this. So if you have to do this, then you're gonna have to do it without me. (そうね、それじゃあ聞いて。私はあなたのことがものすごく心配だから、あなたがこんな風に自分を傷付けるのを見ていられない。だから、あなたは私なしで、それをしないといけなくなるわ。)
ピート: Well, if you're asking me to quit, then you're asking me to be someone I'm not. I've got to do this. (そうか、もし君が僕に(戦いを)やめるように頼んでいるのなら、それは、君が僕に、僕以外の誰かになってくれと頼んでいることになる。僕はこれをやらなきゃいけないんだよ。)
モニカ: Then I've gotta go. Bye. (kisses him and starts to walk out) (それじゃあ、私は行かなくちゃ。さよなら。[彼にキスして出て行こうとする])
ピート: Mon-Monica? (モニカ?)
モニカ: Yes? (なに?)
ピート: Could you leave a note? 'Cause I'm on a lot of painkillers now, and I don't know if I'll remember this tomorrow. (She leaves.) (メモを残しておいてくれる? 僕は今、鎮痛剤をたくさん飲んでるから、明日このことを覚えているかどうかわからないんだよ。)
戦いをやめるように言うモニカですが、ピートは考えを変えません。
the day will come when children will argue... は、when 以下、me or Superman までが、the day を修飾しています。
「子供たちが…ということについて議論する時[日]」という文章が長いので、先に、the day will come と言っておいて、その後、the day の内容を when 以下の文章を付け足すことで詳しく説明している形です。
Not that は、It's not that で、「that 以下というわけではないけれど」。
スーパーマンは架空のヒーローで実際に戦えるわけじゃないし、仮に戦えたとしても人間離れした超人だから彼を倒せるはずもないけれど、子供っていうのは、夢と現実の区別がつかないから、スーパーマンとピートならどっちが強いかな?というカテゴリー違いの決闘話で盛り上がったりするんだよ、ということでしょう。
ギブスをはめた痛々しい姿なのに、強気の発言を変えないピート。
とにかく座って話を聞いて、とモニカは言います。
be terrible at は、be good at 「…が得意である」の反対語ですね。
そういう分野はあなたは全然ダメなのよ、という感じです。
You are the worst Ultimate Fighter ever. Ever! は、これまでいた Ultimate Fighter つまり、UFC 参加者の中で、最低最悪だ、と言っていることになります。
ever は最上級と組み合わさって、「これまでで最も・一番(ひどい)」ということがより強調されます。
「あなたは UFC 史上、一番ダメなファイターなのよ。」と言われてしまったピート。
自分がどれほどひどいケガをしているかを3つ挙げた後、that really hurt と言っています。
that が主語なのに、hurts になっていないので、hurt は過去形ですね。
hurt は他動詞の場合「…を傷つける、傷める、ケガをさせる」という意味になります。
ですから、That really hurt me. だったら、「君のその言葉は僕を傷つけた」ということになりますが、今回のセリフは、that really hurt という自動詞になっています。
自動詞 hurt は「痛む」「人の気持ちを害する、こたえる」なので、「モニカの今の発言は痛かった、こたえた」という感覚でしょう。
どんなひどいケガよりも、君の発言が僕は一番痛いと感じたよ、ということですね。
ピートが挙げたケガについて。
rotator cuff は「回旋筋腱板」で、rotator cuff tear 「回旋筋腱板損傷[断裂]」というケガの名称もあります。
詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikpedia 日本語版: 回旋筋腱板
Wikipedia 英語版: Rotator cuff
ここでは、I have を使って、「torn (つまり tear された) rotator cuff を持っている」と表現しています。
hairline は「(髪の)生え際」という意味もありますが、「毛のように細い線」という意味もあります。
hairline fracture は「毛髪のような骨折、裂け目」ということで、骨にひびが入ることを言うようです。
bruise は名詞だと「打撲、打ち身」、動詞では「…に打撲傷を与える」ですね。
I care about you too much to watch you hurt yourself like this. について。
これはおなじみの too... to 〜 構文ですね。
あなたをとても care about (心配する、気にかける)しているので、watch することができない、という文章です。
さきほどは自動詞で出てきた hurt ですが、ここでは、hurt yourself で「あなた自身を傷つける」という他動詞で登場しています。
あなたのことを恋人としてものすごく気にかけて心配しているから、こんな風に試合に負け続けて、あなたが自分を傷めつけるのを見ていられないの、というところです。
私はもう見ていられないから、それを続けたいなら私なしでやって(do it without me)と言っています。
それに対してのピートのセリフは、セリフとしては、なかなかかっこいいですね。
これをやめろというのは、僕以外の人間になれと言っているのと同じだ、ということです。
これをやめたら僕は僕でなくなってしまうんだ、だから続けないといけないんだ、という固い決意ですね。
尾崎豊さんの「僕が僕であるために」を思い出してしまった私です。
I've got to do this. と言ったピートに対して、Then 「あなたがそう言うのなら」 I've gotta go. 「私は行かなくちゃ。」と答えます。
どこかに行く用事がある時、相手との話を切り上げるために、I've gotta go. (I gotta go.) と言うことがよくありますが、今回のモニカの go はもっと重たい go ですね。
あなたの元を去る、もう会わない、という go です。
モニカと別れることになっても、やはり戦いをやめるわけにはいかないと決めているピートは、モニカとの別れを素直に受け入れます。
出て行こうとするモニカに、「鎮痛剤をたくさん飲んでいて、記憶が朦朧としているから、今、モニカと別れたことを明日覚えているかどうか自信がない。だから、別れたことをメモに書いておいて。」と言っています。
鎮痛剤を大量摂取しているので記憶があいまいになるかもしれないという話は事実かもしれません。
そして、ピートなりの最後のジョークでもあるような気もします。
ジョークであるにしても、今のモニカには笑えない、という感じで、言われた通りのメモも残さずに出て行くモニカ。
その姿を見るのは、何だか寂しいですね。
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モニカ: Just sit down. All right? Please listen to me. You are terrible at this, okay? You are the worst Ultimate Fighter ever. Ever! (とにかく座って。いい? お願いだから私の話を聞いて。あなたはこういう格闘技はダメなのよ、いい? あなたはこれまでで最低のアルティメット・ファイターよ。今までの誰よりも!)
ピート: Y'know, I have a torn rotator cuff, a hairline fracture in my right forearm, and a severely bruised Adam's apple, but that really hurt. (ねぇ、僕は回旋筋腱板断裂[損傷]で、右前腕にはひびが入ってる。それから、のどぼとけもひどい打撲だ。でも、今のモニカのセリフは本当に痛かったよ。)
モニカ: Well, then, y'know what? I care about you too much to watch you hurt yourself like this. So if you have to do this, then you're gonna have to do it without me. (そうね、それじゃあ聞いて。私はあなたのことがものすごく心配だから、あなたがこんな風に自分を傷付けるのを見ていられない。だから、あなたは私なしで、それをしないといけなくなるわ。)
ピート: Well, if you're asking me to quit, then you're asking me to be someone I'm not. I've got to do this. (そうか、もし君が僕に(戦いを)やめるように頼んでいるのなら、それは、君が僕に、僕以外の誰かになってくれと頼んでいることになる。僕はこれをやらなきゃいけないんだよ。)
モニカ: Then I've gotta go. Bye. (kisses him and starts to walk out) (それじゃあ、私は行かなくちゃ。さよなら。[彼にキスして出て行こうとする])
ピート: Mon-Monica? (モニカ?)
モニカ: Yes? (なに?)
ピート: Could you leave a note? 'Cause I'm on a lot of painkillers now, and I don't know if I'll remember this tomorrow. (She leaves.) (メモを残しておいてくれる? 僕は今、鎮痛剤をたくさん飲んでるから、明日このことを覚えているかどうかわからないんだよ。)
戦いをやめるように言うモニカですが、ピートは考えを変えません。
the day will come when children will argue... は、when 以下、me or Superman までが、the day を修飾しています。
「子供たちが…ということについて議論する時[日]」という文章が長いので、先に、the day will come と言っておいて、その後、the day の内容を when 以下の文章を付け足すことで詳しく説明している形です。
Not that は、It's not that で、「that 以下というわけではないけれど」。
スーパーマンは架空のヒーローで実際に戦えるわけじゃないし、仮に戦えたとしても人間離れした超人だから彼を倒せるはずもないけれど、子供っていうのは、夢と現実の区別がつかないから、スーパーマンとピートならどっちが強いかな?というカテゴリー違いの決闘話で盛り上がったりするんだよ、ということでしょう。
ギブスをはめた痛々しい姿なのに、強気の発言を変えないピート。
とにかく座って話を聞いて、とモニカは言います。
be terrible at は、be good at 「…が得意である」の反対語ですね。
そういう分野はあなたは全然ダメなのよ、という感じです。
You are the worst Ultimate Fighter ever. Ever! は、これまでいた Ultimate Fighter つまり、UFC 参加者の中で、最低最悪だ、と言っていることになります。
ever は最上級と組み合わさって、「これまでで最も・一番(ひどい)」ということがより強調されます。
「あなたは UFC 史上、一番ダメなファイターなのよ。」と言われてしまったピート。
自分がどれほどひどいケガをしているかを3つ挙げた後、that really hurt と言っています。
that が主語なのに、hurts になっていないので、hurt は過去形ですね。
hurt は他動詞の場合「…を傷つける、傷める、ケガをさせる」という意味になります。
ですから、That really hurt me. だったら、「君のその言葉は僕を傷つけた」ということになりますが、今回のセリフは、that really hurt という自動詞になっています。
自動詞 hurt は「痛む」「人の気持ちを害する、こたえる」なので、「モニカの今の発言は痛かった、こたえた」という感覚でしょう。
どんなひどいケガよりも、君の発言が僕は一番痛いと感じたよ、ということですね。
ピートが挙げたケガについて。
rotator cuff は「回旋筋腱板」で、rotator cuff tear 「回旋筋腱板損傷[断裂]」というケガの名称もあります。
詳しくは以下のウィキペディアで。
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Wikipedia 英語版: Rotator cuff
ここでは、I have を使って、「torn (つまり tear された) rotator cuff を持っている」と表現しています。
hairline は「(髪の)生え際」という意味もありますが、「毛のように細い線」という意味もあります。
hairline fracture は「毛髪のような骨折、裂け目」ということで、骨にひびが入ることを言うようです。
bruise は名詞だと「打撲、打ち身」、動詞では「…に打撲傷を与える」ですね。
I care about you too much to watch you hurt yourself like this. について。
これはおなじみの too... to 〜 構文ですね。
あなたをとても care about (心配する、気にかける)しているので、watch することができない、という文章です。
さきほどは自動詞で出てきた hurt ですが、ここでは、hurt yourself で「あなた自身を傷つける」という他動詞で登場しています。
あなたのことを恋人としてものすごく気にかけて心配しているから、こんな風に試合に負け続けて、あなたが自分を傷めつけるのを見ていられないの、というところです。
私はもう見ていられないから、それを続けたいなら私なしでやって(do it without me)と言っています。
それに対してのピートのセリフは、セリフとしては、なかなかかっこいいですね。
これをやめろというのは、僕以外の人間になれと言っているのと同じだ、ということです。
これをやめたら僕は僕でなくなってしまうんだ、だから続けないといけないんだ、という固い決意ですね。
尾崎豊さんの「僕が僕であるために」を思い出してしまった私です。
I've got to do this. と言ったピートに対して、Then 「あなたがそう言うのなら」 I've gotta go. 「私は行かなくちゃ。」と答えます。
どこかに行く用事がある時、相手との話を切り上げるために、I've gotta go. (I gotta go.) と言うことがよくありますが、今回のモニカの go はもっと重たい go ですね。
あなたの元を去る、もう会わない、という go です。
モニカと別れることになっても、やはり戦いをやめるわけにはいかないと決めているピートは、モニカとの別れを素直に受け入れます。
出て行こうとするモニカに、「鎮痛剤をたくさん飲んでいて、記憶が朦朧としているから、今、モニカと別れたことを明日覚えているかどうか自信がない。だから、別れたことをメモに書いておいて。」と言っています。
鎮痛剤を大量摂取しているので記憶があいまいになるかもしれないという話は事実かもしれません。
そして、ピートなりの最後のジョークでもあるような気もします。
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2009年05月25日
「悪態をつく」swear フレンズ3-24その5
上司のダグはチャンドラーを褒める時、いつもお尻をパシッと叩きます。
それがいやなチャンドラーはわざと仕事をサボるのですが…。
ダグ: (laughs) That's okay. You're still my number-one guy! (slaps him on the butt) Bing! ([笑って] そんなことはいい。お前は今でも俺の一番のお気に入りだよ! [チャンドラーのお尻を叩く] ビング!)
チャンドラー: Doug! (ダグさん!)
ダグ: Hmm. (ん?)
チャンドラー: I'm a little bit uncomfortable with the way you express yourself. (あなたの自己表現のやり方が、少しだけ居心地が悪いんです。)
ダグ: Oh, is it the swearing? I mean, is it the constant swearing? Because I gotta tell ya, if it is, you can just... kiss my ass! (あぁ、口汚い言葉を使うことだな? つまり、いつも汚い言葉で悪態ばかりついている、って言うんだろ? なぜなら、俺はこう言わないといけないな。もしそれが原因なら、お前はただ…俺の尻にキスすればいい[俺にこびへつらえばいい]!)
チャンドラー: No, no. It-it's not about the swearing. It's more about ah, the way, that you ah, occasionally concentrate your enthusiasm on my buttocks. (違う、違うんです。悪態をつくことじゃありません。それはもっと、あなたが、その、時々、あなたの情熱を私のお尻に集中させることについてなんです。)
ダグ: Oh? (あぁ(そのことか)。)
チャンドラー: Oh, and don't get me wrong. I appreciate the sentiment. It's just that I, I have a rather, sensitive posterior. And ah, besides, it's making all the other guys jealous. (あぁ、それから誤解しないで下さいね。僕はその気持ちには感謝しています。ただ、僕のお尻はかなり敏感なだけなんです。その上、あなたが僕のお尻を叩くことで、他のみんなが嫉妬するんです。)
ダグ: Well, say no more. Y'know, it takes guts to bring this up. Bing, you're okay. (あぁ、それ以上は言うな。このことを言い出すのには勇気が要るな。ビング、もう大丈夫だよ[心配するな]。)
仕事をサボっても、やはりお尻を叩かれるので、チャンドラーはとうとう、本当の気持ちをボスのダグに話そうとします。
やはり相手はボスですから、遠回しにそれとなく伝えようとするのですが、なかなかダグには真意が伝わりません。
express oneself は「自分自身を表現する」ということで、「自己(の感情を)表現する、自分の思い・考え・意見を述べる」ですね。
それを聞いたダグは、「あぁ、swearing のことか。」と勘違いします。
swear は「誓う」ですが、「ののしる、悪態をつく、罰当たりなことを言う」という意味もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
swear: OFFENSIVE LANGUAGE [intransitive] to use offensive language, especially because you are angry.
つまり、「無礼な言葉を使うこと。特に怒っている場合に。」
その後のセリフで、kiss my ass という表現を使っていますが、これがまさに swearing ですね。
kiss someone's ass は「人の尻にキスする」ことから、「人のご機嫌を取る、ゴマをする、こびへつらう」という意味になります。
ass という卑語が使われているので、これは、swear word 「ののしり語、下品な言葉」になるのです。
ダグがわかってくれないので、もっと具体的な部分を挙げて説明しようとするチャンドラー。
しかしやはり上司なので、できるだけ相手を怒らせないように、傷つけないようにと言葉を選んでいるチャンドラーに注目です。
smack my butt ではなく、concentrate your enthusiasm on my buttocks と言っていますね。
buttocks は「尻、臀部(でんぶ)」。
フレンズでは、お尻は butt と表現されることが多いですが、butt の方がより口語的表現のようです。
smack 「叩く」という動詞を使うのはやはりまずいと思ったのか、「情熱をお尻に集中する」という抽象的な表現を使っているのに笑えます。
buttocks という言葉でさすがのダグも気付いたようですね。
「センチメンタル」は日本語になっていますが、sentiment は「感情、気持ち。感想、意見」
そうやって部下を褒めてやろうと思ってくれる気持ちには感謝している、ということです。
posterior は形容詞だと「(時間・順序が)後の、次の」。prior の反対語です。
「より後ろの」という意味から「後部の、後方の」という意味になり、名詞では「尻、臀部」という意味になります。
LAAD では、
posterior [noun] [countable]: (humorous) the part of the body you sit on (SYN: butt)
と出ていますので、butt の同義語だが、ユーモラスな表現、ということになりますね。
お尻を叩くことが悪いと言っているわけではなく、僕のお尻は他の人に比べてかなり敏感なので、バンバン叩かれるのはちょっとつらいんです、みたいな理由です。
この前のシーンで、他の同僚たちが「チャンドラーがうらやましい。僕たちもお尻を叩かれたい!」と言っていたので、そのこともここでダグに話していますね。
あなたが僕のお尻を叩くことが、他のみんなを jealous な状態にする、つまり、僕だけそんな風に叩かれると、みんながやきもちを焼くんです、ということです。
今回のやり取りは、上司に対して言いにくいことを切り出すにはどうすればいいか?の参考になりそうな気がします。
相手がわかってくれないからと言って、ダイレクトに相手の悪い行為を挙げて、それをやめるように言ってしまうと、人間関係にひびを入れることになります。
今回のチャンドラーは言葉遣いも丁寧ですし、いつものように茶化したりもせず、何とか上司に自分の気持ちを伝えようと一生懸命な感じが出ていると思います。
ちょっと失礼なことを言ってしまったかな、と思ったら、Don't get me wrong. I appreciate the sentiment. It's just that... 「僕の言ったことを誤解しないで下さい。お気持ちには感謝しています。ただ、こういう理由があるだけなんです。」と、相手の気持ちに感謝の気持ちを示しつつ、自分の正直な気持ちを述べていますよね。
自分の気持ちをしっかり伝えたチャンドラーに対して、ダグも冷静に応対しています。
チャンドラーの発言に怒ることもなく、「もうそれ以上説明しなくても事情はわかった」と言い、上司である自分にそのことを言い出す、その話題を持ち出すのは、勇気がいることだよな、とチャンドラーの勇気を称えていますね。
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それがいやなチャンドラーはわざと仕事をサボるのですが…。
ダグ: (laughs) That's okay. You're still my number-one guy! (slaps him on the butt) Bing! ([笑って] そんなことはいい。お前は今でも俺の一番のお気に入りだよ! [チャンドラーのお尻を叩く] ビング!)
チャンドラー: Doug! (ダグさん!)
ダグ: Hmm. (ん?)
チャンドラー: I'm a little bit uncomfortable with the way you express yourself. (あなたの自己表現のやり方が、少しだけ居心地が悪いんです。)
ダグ: Oh, is it the swearing? I mean, is it the constant swearing? Because I gotta tell ya, if it is, you can just... kiss my ass! (あぁ、口汚い言葉を使うことだな? つまり、いつも汚い言葉で悪態ばかりついている、って言うんだろ? なぜなら、俺はこう言わないといけないな。もしそれが原因なら、お前はただ…俺の尻にキスすればいい[俺にこびへつらえばいい]!)
チャンドラー: No, no. It-it's not about the swearing. It's more about ah, the way, that you ah, occasionally concentrate your enthusiasm on my buttocks. (違う、違うんです。悪態をつくことじゃありません。それはもっと、あなたが、その、時々、あなたの情熱を私のお尻に集中させることについてなんです。)
ダグ: Oh? (あぁ(そのことか)。)
チャンドラー: Oh, and don't get me wrong. I appreciate the sentiment. It's just that I, I have a rather, sensitive posterior. And ah, besides, it's making all the other guys jealous. (あぁ、それから誤解しないで下さいね。僕はその気持ちには感謝しています。ただ、僕のお尻はかなり敏感なだけなんです。その上、あなたが僕のお尻を叩くことで、他のみんなが嫉妬するんです。)
ダグ: Well, say no more. Y'know, it takes guts to bring this up. Bing, you're okay. (あぁ、それ以上は言うな。このことを言い出すのには勇気が要るな。ビング、もう大丈夫だよ[心配するな]。)
仕事をサボっても、やはりお尻を叩かれるので、チャンドラーはとうとう、本当の気持ちをボスのダグに話そうとします。
やはり相手はボスですから、遠回しにそれとなく伝えようとするのですが、なかなかダグには真意が伝わりません。
express oneself は「自分自身を表現する」ということで、「自己(の感情を)表現する、自分の思い・考え・意見を述べる」ですね。
それを聞いたダグは、「あぁ、swearing のことか。」と勘違いします。
swear は「誓う」ですが、「ののしる、悪態をつく、罰当たりなことを言う」という意味もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
swear: OFFENSIVE LANGUAGE [intransitive] to use offensive language, especially because you are angry.
つまり、「無礼な言葉を使うこと。特に怒っている場合に。」
その後のセリフで、kiss my ass という表現を使っていますが、これがまさに swearing ですね。
kiss someone's ass は「人の尻にキスする」ことから、「人のご機嫌を取る、ゴマをする、こびへつらう」という意味になります。
ass という卑語が使われているので、これは、swear word 「ののしり語、下品な言葉」になるのです。
ダグがわかってくれないので、もっと具体的な部分を挙げて説明しようとするチャンドラー。
しかしやはり上司なので、できるだけ相手を怒らせないように、傷つけないようにと言葉を選んでいるチャンドラーに注目です。
smack my butt ではなく、concentrate your enthusiasm on my buttocks と言っていますね。
buttocks は「尻、臀部(でんぶ)」。
フレンズでは、お尻は butt と表現されることが多いですが、butt の方がより口語的表現のようです。
smack 「叩く」という動詞を使うのはやはりまずいと思ったのか、「情熱をお尻に集中する」という抽象的な表現を使っているのに笑えます。
buttocks という言葉でさすがのダグも気付いたようですね。
「センチメンタル」は日本語になっていますが、sentiment は「感情、気持ち。感想、意見」
そうやって部下を褒めてやろうと思ってくれる気持ちには感謝している、ということです。
posterior は形容詞だと「(時間・順序が)後の、次の」。prior の反対語です。
「より後ろの」という意味から「後部の、後方の」という意味になり、名詞では「尻、臀部」という意味になります。
LAAD では、
posterior [noun] [countable]: (humorous) the part of the body you sit on (SYN: butt)
と出ていますので、butt の同義語だが、ユーモラスな表現、ということになりますね。
お尻を叩くことが悪いと言っているわけではなく、僕のお尻は他の人に比べてかなり敏感なので、バンバン叩かれるのはちょっとつらいんです、みたいな理由です。
この前のシーンで、他の同僚たちが「チャンドラーがうらやましい。僕たちもお尻を叩かれたい!」と言っていたので、そのこともここでダグに話していますね。
あなたが僕のお尻を叩くことが、他のみんなを jealous な状態にする、つまり、僕だけそんな風に叩かれると、みんながやきもちを焼くんです、ということです。
今回のやり取りは、上司に対して言いにくいことを切り出すにはどうすればいいか?の参考になりそうな気がします。
相手がわかってくれないからと言って、ダイレクトに相手の悪い行為を挙げて、それをやめるように言ってしまうと、人間関係にひびを入れることになります。
今回のチャンドラーは言葉遣いも丁寧ですし、いつものように茶化したりもせず、何とか上司に自分の気持ちを伝えようと一生懸命な感じが出ていると思います。
ちょっと失礼なことを言ってしまったかな、と思ったら、Don't get me wrong. I appreciate the sentiment. It's just that... 「僕の言ったことを誤解しないで下さい。お気持ちには感謝しています。ただ、こういう理由があるだけなんです。」と、相手の気持ちに感謝の気持ちを示しつつ、自分の正直な気持ちを述べていますよね。
自分の気持ちをしっかり伝えたチャンドラーに対して、ダグも冷静に応対しています。
チャンドラーの発言に怒ることもなく、「もうそれ以上説明しなくても事情はわかった」と言い、上司である自分にそのことを言い出す、その話題を持ち出すのは、勇気がいることだよな、とチャンドラーの勇気を称えていますね。
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2009年05月23日
本物のUFC出演者も登場 フレンズ3-24その4
ピートの UFC の試合を見に来たロスとモニカ。
アナウンサー: From New York City, New York! Appearing in his Ultimate Fighting Championship debut! He's known for his confrontational business style! Ladies and Gentlemen, introducing Pete Beck-errrr!! (ニューヨーク州ニューヨーク市出身。UFC のデビュー戦に登場します。彼はその対決を辞さないビジネススタイルで有名! 紳士淑女の皆さん、紹介します、ピート・ベッカー!)
(中略)
試合開始前のレフェリーの確認。
レフェリー: Here we go, gentlemen. Here we go! (to Tank Abbott) Are you ready? (He nods, and takes out his teeth) (to Pete) Are you ready? (Pete nods, "Yes.") Let's get it on! (行くぞ、二人とも、行くぞ! [タンク・アボットに] 準備はいいか? [アボットは頷き、(前歯の)入れ歯を取る] [ピートに] 準備はいいか? [ピートはイエスと頷く] 始めよう!)
confrontation は「対立、衝突、対決」ですから、その形容詞 confrontational は「対立的な、真正面からぶつかる[衝突する]、対決を辞さない」ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
confrontational [adjective]: likely to cause arguments or make people angry
例) a radio talk show host with a confrontational style
つまり、「議論・口論を起こしがちな、または、人を怒らせがちな」
例文は、「対決姿勢を持ったラジオのトークショーのホスト」。
ピートはビジネスにおいては、相手との対決を辞さない強気な態度を取る人なので、それを宣伝文句に使っているわけです。
confrontational という少々攻撃的な形容詞をつけて、少しでも格闘家らしいキャッチフレーズにしようとしているのが面白い、ということですね。
観客もここで笑っていますし、ロスは目を丸くして、「あんな宣伝文句を言ってるよ」みたいな顔をモニカに向けています。
アナウンサーの紹介の後、コーチの Hoshi を先頭に、ピートとそのセコンドたちが、電車のように連なって登場します。
これは、グレイシー一族のグレイシー・トレイン(Gracie train)の真似ですね(笑)。
その後、ピートの対戦相手として、タンク・アボット(Tank Abbott)が登場しますが、彼は本物の UFCファイターです。
Wikipedia 日本語版: タンク・アボット
Wikipedia 英語版: Tank Abbott
フレンズ1-14その5 のおまけの記事で、PRIDE GP 2005 にタンク・アボットが出る、という話を書いています。
2005年8月の記事ですが、ようやくそのタンク・アボットが登場する 3-24 の解説まで辿り着いたと思うと感無量…(笑)。
Wikipedia 英語版: Ultimate Fighting Championship の In other media の Television の項目に、以下の記述があります。
In the Friends episode 'The One with the Ultimate Fighting Champion', Pete enters an Ultimate Fighting Championship competition and fights Tank Abbott as an opponent with Bruce Buffer as the ring announcer and "Big" John McCarthy as the referee.
訳しますと、「フレンズのエピソード 'The One with the Ultimate Fighting Champion' で、ピートは UFC に参加し、タンク・アボットと対戦する。そして、リング・アナウンサーはブルース・バッファー、レフェリーは、ビッグ・ジョン・マッカーシーである。」
つまり、対戦相手のタンク・アボットだけではなく、リング・アナウンサーやレフェリーも、UFC から本物を連れてきた、ということですね。
ブルース・バッファーは UFC のリング・アナウンサーとして有名なようです。
Wikipedia 英語版: Bruce Buffer
ブルース・バッファーの兄のマイケル・バッファーも有名なスポーツアナウンサーです。
Wikipedia 日本語版: マイケル・バッファー
レッツゲットレディトゥランブル フレンズ3-9その19 で、ロスチームとモニカチームがフットボールをしている時、Let's get ready to rumble! というコールがナレーションで入りましたが、あの声の主がマイケル・バッファーでしたね。
レフェリーについて。
Wikipedia 日本語版: ジョン・マッカーシー (レフェリー)
公式サイト Big John McCarthy: The Official Site
上の2つのサイトにも書いてあるように、"Are you ready? Let's get it on!" はレフェリーとしての彼の決め台詞のようです。(公式サイトでは彼のそのセリフが聞けます。)
ピートの試合を見ている観客の中に、LET’S GET IT OOON! と書いたプラカードを持った人もいましたし、この人がこのセリフを言うことで、格闘技ファンも大喜び、ということですね。
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アナウンサー: From New York City, New York! Appearing in his Ultimate Fighting Championship debut! He's known for his confrontational business style! Ladies and Gentlemen, introducing Pete Beck-errrr!! (ニューヨーク州ニューヨーク市出身。UFC のデビュー戦に登場します。彼はその対決を辞さないビジネススタイルで有名! 紳士淑女の皆さん、紹介します、ピート・ベッカー!)
(中略)
試合開始前のレフェリーの確認。
レフェリー: Here we go, gentlemen. Here we go! (to Tank Abbott) Are you ready? (He nods, and takes out his teeth) (to Pete) Are you ready? (Pete nods, "Yes.") Let's get it on! (行くぞ、二人とも、行くぞ! [タンク・アボットに] 準備はいいか? [アボットは頷き、(前歯の)入れ歯を取る] [ピートに] 準備はいいか? [ピートはイエスと頷く] 始めよう!)
confrontation は「対立、衝突、対決」ですから、その形容詞 confrontational は「対立的な、真正面からぶつかる[衝突する]、対決を辞さない」ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
confrontational [adjective]: likely to cause arguments or make people angry
例) a radio talk show host with a confrontational style
つまり、「議論・口論を起こしがちな、または、人を怒らせがちな」
例文は、「対決姿勢を持ったラジオのトークショーのホスト」。
ピートはビジネスにおいては、相手との対決を辞さない強気な態度を取る人なので、それを宣伝文句に使っているわけです。
confrontational という少々攻撃的な形容詞をつけて、少しでも格闘家らしいキャッチフレーズにしようとしているのが面白い、ということですね。
観客もここで笑っていますし、ロスは目を丸くして、「あんな宣伝文句を言ってるよ」みたいな顔をモニカに向けています。
アナウンサーの紹介の後、コーチの Hoshi を先頭に、ピートとそのセコンドたちが、電車のように連なって登場します。
これは、グレイシー一族のグレイシー・トレイン(Gracie train)の真似ですね(笑)。
その後、ピートの対戦相手として、タンク・アボット(Tank Abbott)が登場しますが、彼は本物の UFCファイターです。
Wikipedia 日本語版: タンク・アボット
Wikipedia 英語版: Tank Abbott
フレンズ1-14その5 のおまけの記事で、PRIDE GP 2005 にタンク・アボットが出る、という話を書いています。
2005年8月の記事ですが、ようやくそのタンク・アボットが登場する 3-24 の解説まで辿り着いたと思うと感無量…(笑)。
Wikipedia 英語版: Ultimate Fighting Championship の In other media の Television の項目に、以下の記述があります。
In the Friends episode 'The One with the Ultimate Fighting Champion', Pete enters an Ultimate Fighting Championship competition and fights Tank Abbott as an opponent with Bruce Buffer as the ring announcer and "Big" John McCarthy as the referee.
訳しますと、「フレンズのエピソード 'The One with the Ultimate Fighting Champion' で、ピートは UFC に参加し、タンク・アボットと対戦する。そして、リング・アナウンサーはブルース・バッファー、レフェリーは、ビッグ・ジョン・マッカーシーである。」
つまり、対戦相手のタンク・アボットだけではなく、リング・アナウンサーやレフェリーも、UFC から本物を連れてきた、ということですね。
ブルース・バッファーは UFC のリング・アナウンサーとして有名なようです。
Wikipedia 英語版: Bruce Buffer
ブルース・バッファーの兄のマイケル・バッファーも有名なスポーツアナウンサーです。
Wikipedia 日本語版: マイケル・バッファー
レッツゲットレディトゥランブル フレンズ3-9その19 で、ロスチームとモニカチームがフットボールをしている時、Let's get ready to rumble! というコールがナレーションで入りましたが、あの声の主がマイケル・バッファーでしたね。
レフェリーについて。
Wikipedia 日本語版: ジョン・マッカーシー (レフェリー)
公式サイト Big John McCarthy: The Official Site
上の2つのサイトにも書いてあるように、"Are you ready? Let's get it on!" はレフェリーとしての彼の決め台詞のようです。(公式サイトでは彼のそのセリフが聞けます。)
ピートの試合を見ている観客の中に、LET’S GET IT OOON! と書いたプラカードを持った人もいましたし、この人がこのセリフを言うことで、格闘技ファンも大喜び、ということですね。
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2009年05月21日
Fameの出演者は今 フレンズ3-24その3
フィービーは、ロスにボニーという女性を紹介することになっています。
フィービーは、事前に元カノのレイチェルに「ロスに女の子を紹介してもいいか?」と尋ねるのですが、レイチェルはボニーが、前に会ったことのある、頭がつるつる(bald)の女の子だと知ってオッケーします。
その後のシーン。
セントラルパーク。フィービーとある女性がいるところに、レイチェルが入ってきます。
レイチェル: (to Phoebe) Well, that was depressing, I think I just bought a soft pretzel from one of the kids from Fame. Ready to go to the movies? ([フィービーに]ねぇ、今のはがっかりだったわ。「フェーム」に出演していた子供の一人から、ソフトプレッツェルを買ったように思うの。映画に行く準備はできた?)
フィービー: Um-hmm. Oh, Rach. This is Bonnie. (who has hair by the way) (ふーん。あぁ、レイチェル。この人がボニーよ。[ところでそのボニーには髪の毛がある])
ボニー: Hi. (はーい。)
レイチェル: This is Bonnie? (to Phoebe) This is Bonnie? (to Bonnie) You're Bonnie? (この人がボニー? [フィービーに]この人がボニー? [ボニーに]あなたがボニー?)
ボニー: I can show you an I.D. if you want. (もしあなたが見たいなら、身分証明書を見せることもできるけど?)
レイチェル: Oh, no. I'm sorry. You look a lot different than the last time I-I saw you. (あぁ、いいわ。ごめんなさい。この前会った時[最後に会った時]から、あなたの見た目が随分違っているから。)
ボニー: Oh, yeah. Well, I just started wearing bras again. (あぁ、そうね。うーんと、私はちょうど、またブラを付け始めたところなの。)
レイチェル: Oh, that must be it. (あぁ、それに違いないわね。)
(中略)
ボニーに別れを告げて、セントラルパークの外に出たレイチェルとフィービー。
レイチェル: (to Phoebe) You said she was bald. ([フィービーに] ボニーは頭がつるつるだって、あなたは言ったわよ。)
フィービー: Yeah, she was bald. She's not now. (えぇ、ボニーの頭はつるつる”だった”わ。今はつるつるじゃないけど。)
レイチェル: How could you not tell me that she has hair? (ボニーには髪の毛があるって、どうして私に言ってくれなかったのよ?)
フィービー: I don't know. I hardly ever say that about people. (さあね。人について語る時に、髪の毛があるかどうかを言うことはほとんどないから。)
レイチェルの最初のセリフについて。
Fame というのは、アメリカの映画、ドラマのタイトルです。
1980年に、アイリーン・キャラ主演の映画があって(↓)
Wikipedia 英語版: Fame (1980 film)
その後、テレビ版も作られたようです。
Wikipedia 英語版: Fame (1982 TV series)
2009年9月25日に、映画のリメイク版も公開されるようですね。
FAME : Official Movie Site : In Theaters September 25th
映画やドラマの内容は、NYの芸能専門高校である、the New York City High School for the Performing Arts で、スターを目指す生徒と教員の生活をを描いたもののようです。
Wikipedia 英語版: Fame (1982 TV series) の最初に、興味深いことが書いてあったので引用させていただきます。
Despite its success, very few of the actors maintained high-profile careers after the series was cancelled.
訳しますと、「その番組の人気にもかかわらず、シリーズ終了後も目立ったキャリアを維持した俳優はほとんどいなかった。」
つまり、人気番組だったけれど、その出演者たちは、その後、あまり脚光を浴びることはなかった、その後の俳優としてのキャリアは輝かしいものではなかった、というところですね。
「今、プレッツェルを売ってたのは、昔、フェームに出てた子だったと思うわ。それって、気がめいるわね、がっかりするわね(depressing)。」とレイチェルが言っているのも、「あんなに人気者だったのに、今では路上でプレッツェルを売っているなんて、何だか悲しいわ。」というニュアンスなのでしょう。
上で引用したウィキペディアの「シリーズ終了後のキャリアが芳(かんば)しくない」というイメージを多くの人が持っているために、このレイチェルのセリフが面白く聞こえる、ということだろうと思います。
若い頃、ファンだった芸能人が、「あの人は今」みたいな番組に出てきて、昔のオーラがなくなっているのを見たりすると、少しショックだったりしますよね。そういう感覚かなぁ、と。
フィービーと一緒にいるのがボニーだと知って驚くレイチェル。
フィービー、そして本人に「ボニーなの?」と何度も尋ねていることからも、レイチェルの驚きが伝わってきますね。
これより前のシーンで、ロスにボニーを紹介してもいいか?と元カノのレイチェルに尋ねる場面がありました。
そのやり取りは以下のようになっていました。
レイチェル: Oh-oh-oh, which one is Bonnie again? (あぁ、ボニーってどの子だっけ?)
フィービー: You remember her from my birthday party two years ago. She's yeah, like, average height, medium build, bald.... (2年前の私の誕生日パーティーで彼女のこと覚えてるでしょ。彼女は、そうね、ほら、平均的な身長で、中肉中背で、髪の毛がなくて…)
レイチェル: Oh! (laughs) That's fine. (ああ! [笑って] それならいいわ。)
bald は「(頭が)はげた、髪の毛のない」ですね。
つまり、スキンヘッドの女の子、ということで、それを聞いたレイチェルは、「あぁ、頭がツルツルのあの子なら、ロスに紹介しても構わないわ!」とオッケーした、ということです。
それなのに、今、目の前にいるボニーは、ロングの金髪の可愛い女の子だったので、レイチェルはびっくり仰天しているのですね。
ID は日本語にもなっているように「身分証明書(ID card, identity card)」のこと。
レイチェルは、「bald だと聞いていたのに、あなたは bald じゃない」と言うのはさすがに憚られたのか、「以前と見た目がかなり違うから、ボニーだとわからなかった」と説明します。
それを聞いたボニーは、「最近、ブラをまた付け始めたから、それで違って見えるのね。」というような返事をしています。
「最大のトレードマークの bald」ではなくなったからだ、という理由に気付いていないボニーも、かなり変わったキャラクターですね。
ブラのせいね、と言われて、「ブラのあるなしとか、そんな小さなレベルの話じゃないでしょ!」と言うのをこらえて、「あぁ、きっとブラのせいで見間違えたに違いないわね。」と言うしかないレイチェルです。
ちなみに、フレンズ1-14 で、以下のやり取りがありました。
フィービー: You know my friend Abby who shaves her head? She says that if you want to break the bad-boyfriend-cycle, you can do, like, a cleansing ritual. (頭を剃っている私の友達アビーを知ってるでしょ? 彼女が言うのよ、もし悪い恋人のサイクルを断ち切りたいのなら、ほら、浄化の儀式とかをしたらいい、って。)
レイチェル: Phoebes, this woman is voluntarily bald. (フィービー、その人は、自発的に[自分から進んで]頭をつるつるにしているのよ。)
友達の意見を参考にしたら、というフィービーに対して、自分から進んで髪の毛を剃って坊主頭にしているような女の子の話を参考にしろって言うの?、そんな変わり者の言うことを真に受けろって言うの?というレイチェルの抗議ですね。
1-14 では、名前がアビーになっていましたが、このセリフのキャラクターのイメージがずっと残っていて、「坊主頭の変わった女の子」という設定が、今回の、3-24 に生かされたのかな、と思います。
1-14 と 3-24 のセリフを並べて気付くことは、レイチェルは「bald の女の子=ヘンな子」というイメージを持っている、でも、友達であるフィービーは、bald であることを特徴としては述べているけれど、bald であることに対して悪いイメージを持っていないらしい、ということですね。
レイチェルは、You said she was bald. 「フィービーはあの子が bald だって言ったじゃない!」と抗議します。
said に合わせて、時制の一致で、be動詞が was になっています。
それを聞いたフィービーは、「えぇ、レイチェルの言う通り、She WAS bald. よ。」と was という過去形を強調して話しています。
実際、フィービーは、レイチェルが2年前にボニーと会った時(過去)の彼女の特徴を教えたわけで、今でも bald だと言ったわけではありませんから、フィービーが嘘をついたわけでもないのです。
レイチェルにしてみれば、bald のヘンな女の子だからオッケーしたのに、その一番大事な部分の変化(今は bald じゃなくて、髪の毛がある)をちゃんと説明してくれないとダメじゃない!と言いたいのですね。
どうして、She has hair (now). だと言ってくれなかったの?というレイチェルに、「人の特徴を説明するのに、その人には髪の毛がある、というような条件をわざわざ言ったりしないもの。」と返すフィービー。
普通の会話では、「彼女はどんな人?」「あぁ、彼女には髪の毛があってね。」「そんなの当たり前でしょ!」みたいになるから、そういうことはあえて言わないものでしょ?と言いたいわけです。
でも、レイチェルにしてみたら、オッケーした最大の原因が bald だったので、それが今は違うのなら、そう言ってくれないと困るじゃない!と怒りたくなるのは当然ですね。
上にも書いたように、フィービーは、ボニーが bald であろうがなかろうが、普通に友達付き合いをしているので、そんなことが重要なファクターになるとは思いもしなかった、というところでしょう。
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フィービーは、事前に元カノのレイチェルに「ロスに女の子を紹介してもいいか?」と尋ねるのですが、レイチェルはボニーが、前に会ったことのある、頭がつるつる(bald)の女の子だと知ってオッケーします。
その後のシーン。
セントラルパーク。フィービーとある女性がいるところに、レイチェルが入ってきます。
レイチェル: (to Phoebe) Well, that was depressing, I think I just bought a soft pretzel from one of the kids from Fame. Ready to go to the movies? ([フィービーに]ねぇ、今のはがっかりだったわ。「フェーム」に出演していた子供の一人から、ソフトプレッツェルを買ったように思うの。映画に行く準備はできた?)
フィービー: Um-hmm. Oh, Rach. This is Bonnie. (who has hair by the way) (ふーん。あぁ、レイチェル。この人がボニーよ。[ところでそのボニーには髪の毛がある])
ボニー: Hi. (はーい。)
レイチェル: This is Bonnie? (to Phoebe) This is Bonnie? (to Bonnie) You're Bonnie? (この人がボニー? [フィービーに]この人がボニー? [ボニーに]あなたがボニー?)
ボニー: I can show you an I.D. if you want. (もしあなたが見たいなら、身分証明書を見せることもできるけど?)
レイチェル: Oh, no. I'm sorry. You look a lot different than the last time I-I saw you. (あぁ、いいわ。ごめんなさい。この前会った時[最後に会った時]から、あなたの見た目が随分違っているから。)
ボニー: Oh, yeah. Well, I just started wearing bras again. (あぁ、そうね。うーんと、私はちょうど、またブラを付け始めたところなの。)
レイチェル: Oh, that must be it. (あぁ、それに違いないわね。)
(中略)
ボニーに別れを告げて、セントラルパークの外に出たレイチェルとフィービー。
レイチェル: (to Phoebe) You said she was bald. ([フィービーに] ボニーは頭がつるつるだって、あなたは言ったわよ。)
フィービー: Yeah, she was bald. She's not now. (えぇ、ボニーの頭はつるつる”だった”わ。今はつるつるじゃないけど。)
レイチェル: How could you not tell me that she has hair? (ボニーには髪の毛があるって、どうして私に言ってくれなかったのよ?)
フィービー: I don't know. I hardly ever say that about people. (さあね。人について語る時に、髪の毛があるかどうかを言うことはほとんどないから。)
レイチェルの最初のセリフについて。
Fame というのは、アメリカの映画、ドラマのタイトルです。
1980年に、アイリーン・キャラ主演の映画があって(↓)
Wikipedia 英語版: Fame (1980 film)
その後、テレビ版も作られたようです。
Wikipedia 英語版: Fame (1982 TV series)
2009年9月25日に、映画のリメイク版も公開されるようですね。
FAME : Official Movie Site : In Theaters September 25th
映画やドラマの内容は、NYの芸能専門高校である、the New York City High School for the Performing Arts で、スターを目指す生徒と教員の生活をを描いたもののようです。
Wikipedia 英語版: Fame (1982 TV series) の最初に、興味深いことが書いてあったので引用させていただきます。
Despite its success, very few of the actors maintained high-profile careers after the series was cancelled.
訳しますと、「その番組の人気にもかかわらず、シリーズ終了後も目立ったキャリアを維持した俳優はほとんどいなかった。」
つまり、人気番組だったけれど、その出演者たちは、その後、あまり脚光を浴びることはなかった、その後の俳優としてのキャリアは輝かしいものではなかった、というところですね。
「今、プレッツェルを売ってたのは、昔、フェームに出てた子だったと思うわ。それって、気がめいるわね、がっかりするわね(depressing)。」とレイチェルが言っているのも、「あんなに人気者だったのに、今では路上でプレッツェルを売っているなんて、何だか悲しいわ。」というニュアンスなのでしょう。
上で引用したウィキペディアの「シリーズ終了後のキャリアが芳(かんば)しくない」というイメージを多くの人が持っているために、このレイチェルのセリフが面白く聞こえる、ということだろうと思います。
若い頃、ファンだった芸能人が、「あの人は今」みたいな番組に出てきて、昔のオーラがなくなっているのを見たりすると、少しショックだったりしますよね。そういう感覚かなぁ、と。
フィービーと一緒にいるのがボニーだと知って驚くレイチェル。
フィービー、そして本人に「ボニーなの?」と何度も尋ねていることからも、レイチェルの驚きが伝わってきますね。
これより前のシーンで、ロスにボニーを紹介してもいいか?と元カノのレイチェルに尋ねる場面がありました。
そのやり取りは以下のようになっていました。
レイチェル: Oh-oh-oh, which one is Bonnie again? (あぁ、ボニーってどの子だっけ?)
フィービー: You remember her from my birthday party two years ago. She's yeah, like, average height, medium build, bald.... (2年前の私の誕生日パーティーで彼女のこと覚えてるでしょ。彼女は、そうね、ほら、平均的な身長で、中肉中背で、髪の毛がなくて…)
レイチェル: Oh! (laughs) That's fine. (ああ! [笑って] それならいいわ。)
bald は「(頭が)はげた、髪の毛のない」ですね。
つまり、スキンヘッドの女の子、ということで、それを聞いたレイチェルは、「あぁ、頭がツルツルのあの子なら、ロスに紹介しても構わないわ!」とオッケーした、ということです。
それなのに、今、目の前にいるボニーは、ロングの金髪の可愛い女の子だったので、レイチェルはびっくり仰天しているのですね。
ID は日本語にもなっているように「身分証明書(ID card, identity card)」のこと。
レイチェルは、「bald だと聞いていたのに、あなたは bald じゃない」と言うのはさすがに憚られたのか、「以前と見た目がかなり違うから、ボニーだとわからなかった」と説明します。
それを聞いたボニーは、「最近、ブラをまた付け始めたから、それで違って見えるのね。」というような返事をしています。
「最大のトレードマークの bald」ではなくなったからだ、という理由に気付いていないボニーも、かなり変わったキャラクターですね。
ブラのせいね、と言われて、「ブラのあるなしとか、そんな小さなレベルの話じゃないでしょ!」と言うのをこらえて、「あぁ、きっとブラのせいで見間違えたに違いないわね。」と言うしかないレイチェルです。
ちなみに、フレンズ1-14 で、以下のやり取りがありました。
フィービー: You know my friend Abby who shaves her head? She says that if you want to break the bad-boyfriend-cycle, you can do, like, a cleansing ritual. (頭を剃っている私の友達アビーを知ってるでしょ? 彼女が言うのよ、もし悪い恋人のサイクルを断ち切りたいのなら、ほら、浄化の儀式とかをしたらいい、って。)
レイチェル: Phoebes, this woman is voluntarily bald. (フィービー、その人は、自発的に[自分から進んで]頭をつるつるにしているのよ。)
友達の意見を参考にしたら、というフィービーに対して、自分から進んで髪の毛を剃って坊主頭にしているような女の子の話を参考にしろって言うの?、そんな変わり者の言うことを真に受けろって言うの?というレイチェルの抗議ですね。
1-14 では、名前がアビーになっていましたが、このセリフのキャラクターのイメージがずっと残っていて、「坊主頭の変わった女の子」という設定が、今回の、3-24 に生かされたのかな、と思います。
1-14 と 3-24 のセリフを並べて気付くことは、レイチェルは「bald の女の子=ヘンな子」というイメージを持っている、でも、友達であるフィービーは、bald であることを特徴としては述べているけれど、bald であることに対して悪いイメージを持っていないらしい、ということですね。
レイチェルは、You said she was bald. 「フィービーはあの子が bald だって言ったじゃない!」と抗議します。
said に合わせて、時制の一致で、be動詞が was になっています。
それを聞いたフィービーは、「えぇ、レイチェルの言う通り、She WAS bald. よ。」と was という過去形を強調して話しています。
実際、フィービーは、レイチェルが2年前にボニーと会った時(過去)の彼女の特徴を教えたわけで、今でも bald だと言ったわけではありませんから、フィービーが嘘をついたわけでもないのです。
レイチェルにしてみれば、bald のヘンな女の子だからオッケーしたのに、その一番大事な部分の変化(今は bald じゃなくて、髪の毛がある)をちゃんと説明してくれないとダメじゃない!と言いたいのですね。
どうして、She has hair (now). だと言ってくれなかったの?というレイチェルに、「人の特徴を説明するのに、その人には髪の毛がある、というような条件をわざわざ言ったりしないもの。」と返すフィービー。
普通の会話では、「彼女はどんな人?」「あぁ、彼女には髪の毛があってね。」「そんなの当たり前でしょ!」みたいになるから、そういうことはあえて言わないものでしょ?と言いたいわけです。
でも、レイチェルにしてみたら、オッケーした最大の原因が bald だったので、それが今は違うのなら、そう言ってくれないと困るじゃない!と怒りたくなるのは当然ですね。
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2009年05月19日
チームの中にはアイがない フレンズ3-24その2
[Scene: Chandler's office, he is just finishing a meeting with his boss.]
チャンドラーのオフィス。チャンドラーはちょうど、ボスとのミーティングを終えようとしているところ。
ダグ(ボスの名前): So thanks for the warm welcome. It's good to have you guys on my team. I come to play. I hope you do too. Now, let's go out there and get 'em! Huh? And remember: There is no "I" in "team." (それで、温かい歓迎をありがとう。俺のチームに君たちがいるのは嬉しいことだ。俺はプレーするために来ている。君たちもそうして欲しい。さて、出て行ってゲットするぞ[やっつけるぞ、戦うぞ]! いいか? それから、覚えておいてくれ。「チーム」の中には「俺(I=アイ)」はなしだ。)
チャンドラー: Yes, but there's two in "martini." So, everybody, back to my office. (そうですよね。でも、「マティーニ」の中には、二つの I (アイ)がありますけど。じゃあみんな、俺のオフィスに戻ろう。)
ダグ: (to Chandler) You! Chuckles. What's your name? ([チャンドラーに]お前! そこの含み笑い! 名前は?)
チャンドラー: Oh, it's Bing, sir. I'm sorry. I was just ah.... (あぁ、ビングです。申し訳ありません。僕はただ…)
ダグ: No, no. I heard what you said. Funny. I like funny. (Chandler starts to leave) This team's about hard work, but it's also about having fun. Good to have you aboard, Bing! (smacks him on the butt, and Chandler leaves shocked.) (いやいや。お前の発言を聞いたよ。面白い。俺は面白いのが好きだ。[チャンドラーは部屋を出て行こうとする] このチームはハードワーク[きつい仕事]になるが、同時に、楽しむことも必要なんだ。お前を迎え入れることができて嬉しいよ、ビング! [チャンドラーのお尻をパシッと叩く。チャンドラーはショックを受けて出て行く])
Thanks for the warm welcome. と言っているので、このダグという人は、今回初めてこのチームにボスとしてやってきた、もしくは、今回新たなプロジェクトのために、新しいチームが作られた、ということでしょう。
最初に team の話をして、その後、play, let's go out there and get 'em などと言っています。
これはスポーツのイメージで話をしているようですね。
チーム一丸となって、いい試合をしようぜ、思いっきりプレーしようぜ、試合のフィールドに出るように、このプロジェクトに颯爽と乗り出して、相手をやっつけよう、つまり、目標を達成しよう、みたいな感覚なのでしょう。
最後に一言、これだけは忘れないでくれ、という感じで、There is no "I" in "team." と言っています。
これは、チームの中には、1人称の I は存在しない、ということです。
プロジェクトのために集められたチームだから、、「俺が、俺が」とぬけがけをしたり、人を出し抜いたり、一人でスタンドプレーをしたりせずに、チームプレーを大切にして、チームであることを忘れるな、という忠告ですね。
それを聞いたチャンドラーは、Yes, but there's two in "martini." と言っています。
「チームの中には、I はない」という言葉を聞いたチャンドラーは、「おっしゃるように、team という単語の中に、I の文字はありませんが、martini だったら、i の文字が2つありますよね。」と言っているわけです。
ダグは、「私は、私が」という意味で、I という言葉を言ったのに、それをアルファベットの I だと捉えて、茶化してみたのですね。
そんな風にふざけたことを言ったので、ボスに早速、You! Chuckles. と呼び止められます。
chuckle は動詞は「くすくす笑う、含み笑いをする」で、名詞では「くすくす笑い、含み笑い、ほくそ笑み」という感じ。
ちょっと面白いジョークを言ってみて、ひとり悦に入る状態のチャンドラーのことを、「そこで、ほくそ笑んでいるやつ、にやにやしてるやつ」という名前で呼んでみた、という感覚だと思います。
ダグは初めてのボスでどんな人かわからないチャンドラーは、相手はこういうジョークは嫌いなのかなと思って、素直に謝っています。
友達ではなく、ビジネスの場面ですから、名乗る時も姓のビングの方を名乗っていますね。
さらには、sir という言葉を最後につけて、相手が上司であり目上の人であることに対する敬意を払っています。
ダグはチャンドラーのジョークを気に入ったようです。
This team's about hard work, but it's also about having fun. の about のニュアンスについて。
これは、以下の英辞郎の語義が近いでしょうか。
about=(前置詞)〜に従事して、〜が目的である、〜を必要とする
例文) Science is about knowing. 科学の目的は知ることである。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
about [preposition]: if an organization, a job, an activity etc. is about something, that is its basic purpose
つまり、「組織や仕事や活動が、about something であるという場合、それは組織などの基本的目的である。」
ダグのセリフのニュアンスは、「このチームは、ハードワークに従事する[ハードワークを必要とする]が、同時に、楽しむこともまた目的の一つである」みたいな感じかな、と思いました。
aboard は「(船、飛行機、列車、バスなど)に乗って」ですね。
Welcome aboard! なら「ご乗船[搭乗、乗車]ありがとうございます」になります。
チームとして一つの船に乗って船出するようなイメージで、お前が一緒の船にこうして乗り込んでくれて嬉しいよ、と言っているのです。
その嬉しさの表現として、チャンドラーのお尻をパシッと勢い良く叩くダグ。
おどおどした顔をして、部屋を出て行くチャンドラーの表情が面白いです。
smack は、LAAD では、
smack: to hit or crash into something, or to hit something against something else so that it makes a short loud noise
つまり、「何かに当たる、または衝突すること。または、何かを別の何かに当てて、その結果、短い大きな音を出すこと。」
やはり、パシッ、ピシャリという感じの音がポイントのようですね。
フレンズ3-3その33 のト書きでは、smacks Chandler over the head with a magazine (チャンドラーの頭の上を雑誌でパシンとたたく)という表現もありました。
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チャンドラーのオフィス。チャンドラーはちょうど、ボスとのミーティングを終えようとしているところ。
ダグ(ボスの名前): So thanks for the warm welcome. It's good to have you guys on my team. I come to play. I hope you do too. Now, let's go out there and get 'em! Huh? And remember: There is no "I" in "team." (それで、温かい歓迎をありがとう。俺のチームに君たちがいるのは嬉しいことだ。俺はプレーするために来ている。君たちもそうして欲しい。さて、出て行ってゲットするぞ[やっつけるぞ、戦うぞ]! いいか? それから、覚えておいてくれ。「チーム」の中には「俺(I=アイ)」はなしだ。)
チャンドラー: Yes, but there's two in "martini." So, everybody, back to my office. (そうですよね。でも、「マティーニ」の中には、二つの I (アイ)がありますけど。じゃあみんな、俺のオフィスに戻ろう。)
ダグ: (to Chandler) You! Chuckles. What's your name? ([チャンドラーに]お前! そこの含み笑い! 名前は?)
チャンドラー: Oh, it's Bing, sir. I'm sorry. I was just ah.... (あぁ、ビングです。申し訳ありません。僕はただ…)
ダグ: No, no. I heard what you said. Funny. I like funny. (Chandler starts to leave) This team's about hard work, but it's also about having fun. Good to have you aboard, Bing! (smacks him on the butt, and Chandler leaves shocked.) (いやいや。お前の発言を聞いたよ。面白い。俺は面白いのが好きだ。[チャンドラーは部屋を出て行こうとする] このチームはハードワーク[きつい仕事]になるが、同時に、楽しむことも必要なんだ。お前を迎え入れることができて嬉しいよ、ビング! [チャンドラーのお尻をパシッと叩く。チャンドラーはショックを受けて出て行く])
Thanks for the warm welcome. と言っているので、このダグという人は、今回初めてこのチームにボスとしてやってきた、もしくは、今回新たなプロジェクトのために、新しいチームが作られた、ということでしょう。
最初に team の話をして、その後、play, let's go out there and get 'em などと言っています。
これはスポーツのイメージで話をしているようですね。
チーム一丸となって、いい試合をしようぜ、思いっきりプレーしようぜ、試合のフィールドに出るように、このプロジェクトに颯爽と乗り出して、相手をやっつけよう、つまり、目標を達成しよう、みたいな感覚なのでしょう。
最後に一言、これだけは忘れないでくれ、という感じで、There is no "I" in "team." と言っています。
これは、チームの中には、1人称の I は存在しない、ということです。
プロジェクトのために集められたチームだから、、「俺が、俺が」とぬけがけをしたり、人を出し抜いたり、一人でスタンドプレーをしたりせずに、チームプレーを大切にして、チームであることを忘れるな、という忠告ですね。
それを聞いたチャンドラーは、Yes, but there's two in "martini." と言っています。
「チームの中には、I はない」という言葉を聞いたチャンドラーは、「おっしゃるように、team という単語の中に、I の文字はありませんが、martini だったら、i の文字が2つありますよね。」と言っているわけです。
ダグは、「私は、私が」という意味で、I という言葉を言ったのに、それをアルファベットの I だと捉えて、茶化してみたのですね。
そんな風にふざけたことを言ったので、ボスに早速、You! Chuckles. と呼び止められます。
chuckle は動詞は「くすくす笑う、含み笑いをする」で、名詞では「くすくす笑い、含み笑い、ほくそ笑み」という感じ。
ちょっと面白いジョークを言ってみて、ひとり悦に入る状態のチャンドラーのことを、「そこで、ほくそ笑んでいるやつ、にやにやしてるやつ」という名前で呼んでみた、という感覚だと思います。
ダグは初めてのボスでどんな人かわからないチャンドラーは、相手はこういうジョークは嫌いなのかなと思って、素直に謝っています。
友達ではなく、ビジネスの場面ですから、名乗る時も姓のビングの方を名乗っていますね。
さらには、sir という言葉を最後につけて、相手が上司であり目上の人であることに対する敬意を払っています。
ダグはチャンドラーのジョークを気に入ったようです。
This team's about hard work, but it's also about having fun. の about のニュアンスについて。
これは、以下の英辞郎の語義が近いでしょうか。
about=(前置詞)〜に従事して、〜が目的である、〜を必要とする
例文) Science is about knowing. 科学の目的は知ることである。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
about [preposition]: if an organization, a job, an activity etc. is about something, that is its basic purpose
つまり、「組織や仕事や活動が、about something であるという場合、それは組織などの基本的目的である。」
ダグのセリフのニュアンスは、「このチームは、ハードワークに従事する[ハードワークを必要とする]が、同時に、楽しむこともまた目的の一つである」みたいな感じかな、と思いました。
aboard は「(船、飛行機、列車、バスなど)に乗って」ですね。
Welcome aboard! なら「ご乗船[搭乗、乗車]ありがとうございます」になります。
チームとして一つの船に乗って船出するようなイメージで、お前が一緒の船にこうして乗り込んでくれて嬉しいよ、と言っているのです。
その嬉しさの表現として、チャンドラーのお尻をパシッと勢い良く叩くダグ。
おどおどした顔をして、部屋を出て行くチャンドラーの表情が面白いです。
smack は、LAAD では、
smack: to hit or crash into something, or to hit something against something else so that it makes a short loud noise
つまり、「何かに当たる、または衝突すること。または、何かを別の何かに当てて、その結果、短い大きな音を出すこと。」
やはり、パシッ、ピシャリという感じの音がポイントのようですね。
フレンズ3-3その33 のト書きでは、smacks Chandler over the head with a magazine (チャンドラーの頭の上を雑誌でパシンとたたく)という表現もありました。
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2009年05月17日
ルールがないのがルール フレンズ3-24その1
シーズン3 第24話
The One With the Ultimate Fighting Champion (格闘技は男の美学!?)
原題は「アルティメット・ファイティング・チャンピオンの話」
セントラルパーク。ピートが UFC (Ultimate Fighting Championship) に参加するという話をフレンズたちに聞かせるモニカ。
男性陣は、UFC がどんな競技かを説明します。
ジョーイ: And it's not fake. It's totally brutal. (UFC は、フェイク[ごまかし・やらせ]じゃないんだ。全く残忍な競技なんだよ。)
チャンドラー: Yeah, it's two guys in the ring and the rules are, "There are no rules"! (そうだな。二人の男がリングにいて、そのルールは「ルールはなし」!)
モニカ: So you can like, bite and pull people's hair and stuff? (それじゃあ、例えば、噛み付いたり、相手の髪の毛とかを引っ張ったりすることも可能なの?)
ロス: Yeah, anything goes except ah, eye-gouging and fish-hooking. (そうさ。何でもオッケーだよ、目潰し[指を目に突っ込むこと]と釣り針以外はね。)
モニカ: What's fish-hooking? (釣り針って何?)
ロス: Huh, what's fish-hook-- (Joey sticks his finger in Ross's mouth and pulls on his cheek, y'know like when you hook a fish.) (to Joey, sarcastic) Thanks, man. That would have been really hard to describe. What is that taste? (あぁ、釣り針は何かと言うと… [ジョーイは自分の指をロスの口の中に突き刺し、ロスの頬を引っ張る。釣り針で魚を釣る時のように] [ジョーイに皮肉っぽく] ありがとう。釣り針は、ものすごく表現[口で説明]しにくいことだったろうから。今の味は何?)
ジョーイ: What? My hands are totally clean. I just gave the duck a bath. (何だよ。俺の手は全くきれいだぞ。アヒルを風呂に入れてやったところだ。)
ピートが UFC に参戦するつもりであることを、モニカはフレンズたちに話します。
さすがに男性陣は、UFC についてよく知っているようですね。
プロレスのようにショーとして見せるためのフェイクは一切なく、残忍極まりない競技だとジョーイは言っています。
チャンドラーの説明は、「ルールがないのがルールなんだよ、ルール無用のシビアな闘いなんだよ」というところですね。
Wikipedia 英語版: Ultimate Fighting Championship の Emergence of more rules に、
Although "There are no rules!" was the tagline in the early 1990s, this was not strictly true;
という記述があります。
「"There are no rules!" が、1990年代初期のキャッチフレーズだったが、これは厳密に言うと真実ではない。」ということです。
「ルール無用!」という言葉が刺激的なので、それをキャッチフレーズに使っていた、ということですが、確かにルールが全くないと、ただの喧嘩になってしまいます。
ですから、少しくらいのルールがあるのは当然なのですが、初期の頃は本当に反則も少なかったようです。(その件に関しては後述します)
anything goes は「何でもあり、何でもオッケー」というニュアンス。
日本語でいうと、「何でもいける」という感じでしょうか。
研究社 新英和中辞典では、
go(自動詞)=認められる; 受け入れられる(必要がある)
Anything goes (here). (ここでは)何でも認められる、何をしてもよい。
英辞郎では、
anything goes=どんなことでもまかり通る、何でもあり、制限なし、自由気まま
と出ています。
gouge は「(丸のみなどで)…をえぐる」「(刑罰として)(目玉)をえぐる、えぐり出す」。
格闘技の場合は、相手の目の中に手や指を突っ込むことですね。
フレンズ3-5その13 では、
モニカ: You gouged a hole in my dingy floor! (ジョーイはうちのくすんだ床をえぐって穴をあけちゃったのよ!)
というセリフもありました。
hook は「フック、鉤(かぎ)、釣り針」なので、hook a fish は「魚を釣り針で釣る」こと。
眉毛に釣り針 フレンズ3-7その21 では、眉毛に釣り針が引っかかったような顔をして邪悪な表情を作る、という演技のコツをジョーイが教えていました(笑)。
モニカが fish-hooking って何?と尋ねるので、ロスはその意味を説明しようとするのですが、すぐさまジョーイがロスの口に指を突っ込んで、fish-hooking ってのはこういうやつのことだよ、と実演して見せます。
That would have been really hard to describe. は、fish-hooking の意味を口で説明するのは、本当に難しかっただろうと思う、という感じですね。
ジョーイが実際にやって見せてくれたお陰で、難しい説明をせずに済んで助かったよ、と口では言っているのですが、ロスの本音は、口で説明することは簡単なのに、わざわざ実際にやってみせる、それもこともあろうに僕の口を使って実演することはないだろ!という抗議ですね。
ジョーイが指を入れた後、変な味がする、とロスは言っています。
ジョーイは、「まるで俺の手が汚いみたいに言うなよ。アヒルを風呂に入れたばっかで、手はきれいなんだから。」と怒っていますが、それを聞いてロスはいやな顔をしています。
ペットを触りまくった手だったから、変な味がした、ということです。
ここで、細かい話になりますが、UFC の反則についてもう少し。
モニカとロスの話だと、「噛み付き、髪の毛を引っ張ること」はオッケーで、反則は「目潰し、釣り針」だけ、ということですが、実際のルールは少々違うようです。
Wikipedia 英語版: Ultimate Fighting Championship の Emergence of more rules に興味深い記述があるので、引用させていただきます。(上で引用した部分と一部重複します)
Although "There are no rules!" was the tagline in the early 1990s, this was not strictly true; the UFC operated with limited rules. There was no biting, no eye gouging, and the system frowned on (but allowed) techniques such as hair pulling, headbutting, groin strikes and fish-hooking.
訳しますと、
「"There are no rules!" が、1990年代初期のキャッチフレーズだったが、これは厳密に言うと真実ではない。UFC は、限定されたルールで運営されていた。噛み付き(biting)、eye gouging (目潰し)は禁止で、髪の毛を引っ張ること(hair pulling)、頭突き(headbutting)、股間への攻撃(groin strikes)、釣り針(fish-hooking)には難色を示していた[を良しとしなかった](frowned on)(がルールとしては禁止されていなかった)。」
今回、モニカとロスのセリフでは、4種類の反則技が出ていますが、噛み付きと目潰しは初期からの禁止事項だったようですね。
(ですから、「噛み付きはオッケー」というセリフは間違いということになるようです。)
そして、髪を引っ張ることと釣り針は、望ましくない行為だとみなされていた、ということです。
hair-pulling や fish-hooking がいつ反則として禁止されたかについて。
英語版ウィキペディアの Controversy and reform では、
From UFC 14 gloves became mandatory and kicks to a downed opponent, hair pulling, fish hooking, headbutting, and groin strikes were banned.
という記述があり、hair-pulling と fish-hooking は UFC 14(1997年7月27日)以降、禁止された、とあります。
が、それよりずっと下の方にある、Evolution of the UFC rules という項目では、
UFC 15 - (中略) and hair-pulling became illegal.
とあって、1997年10月17日の UFC 15 から hair-pulling が禁止になった、と書いてありますね。
fish-hooking については、1997年7月禁止で間違いないようですが、hair-pulling については、ウィキペディア英語版内でも記述の不一致がある、ということです。
3ヶ月くらいの差しかないので、よほどのマニアの方以外は、どっちでもいい、という感じですが(笑)、今回のフレンズ3-24 の放映は、1997年5月8日なので、いずれにしても、この時点ではまだ、hair-pulling は(望ましくはないが)反則ではない、ということになり、hair-pulling が反則ではない、というフレンズのセリフは正解ということになります。
また、fish-hooking が正式に禁止されたのは、フレンズ放映後ですから、「釣り針は禁止」というセリフは厳密に言うと間違っている、ということになるでしょうか?
上にも述べたように、初期の頃から、hair-pulling や fish-hooking は望ましくない行為とされていましたので、その線引きは難しいですね。
ですから、ロスたちの言った内容をルールと照合して合っている合っていないと騒ぐのもナンセンスかもしれませんが、ちょっと面白いなと思ったので長々と説明してしまいました。
現在の反則は、ウィキペディア日本語版、英語版の両方で見ることができます。
英語版を見てみると、Fouls として、2. Eye gouging of any kind, 3. Biting, 4. Hair pulling, 5. Fish hooking が挙げられていますね。
結局、今では4種類全てが反則だということです。
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原題は「アルティメット・ファイティング・チャンピオンの話」
セントラルパーク。ピートが UFC (Ultimate Fighting Championship) に参加するという話をフレンズたちに聞かせるモニカ。
男性陣は、UFC がどんな競技かを説明します。
ジョーイ: And it's not fake. It's totally brutal. (UFC は、フェイク[ごまかし・やらせ]じゃないんだ。全く残忍な競技なんだよ。)
チャンドラー: Yeah, it's two guys in the ring and the rules are, "There are no rules"! (そうだな。二人の男がリングにいて、そのルールは「ルールはなし」!)
モニカ: So you can like, bite and pull people's hair and stuff? (それじゃあ、例えば、噛み付いたり、相手の髪の毛とかを引っ張ったりすることも可能なの?)
ロス: Yeah, anything goes except ah, eye-gouging and fish-hooking. (そうさ。何でもオッケーだよ、目潰し[指を目に突っ込むこと]と釣り針以外はね。)
モニカ: What's fish-hooking? (釣り針って何?)
ロス: Huh, what's fish-hook-- (Joey sticks his finger in Ross's mouth and pulls on his cheek, y'know like when you hook a fish.) (to Joey, sarcastic) Thanks, man. That would have been really hard to describe. What is that taste? (あぁ、釣り針は何かと言うと… [ジョーイは自分の指をロスの口の中に突き刺し、ロスの頬を引っ張る。釣り針で魚を釣る時のように] [ジョーイに皮肉っぽく] ありがとう。釣り針は、ものすごく表現[口で説明]しにくいことだったろうから。今の味は何?)
ジョーイ: What? My hands are totally clean. I just gave the duck a bath. (何だよ。俺の手は全くきれいだぞ。アヒルを風呂に入れてやったところだ。)
ピートが UFC に参戦するつもりであることを、モニカはフレンズたちに話します。
さすがに男性陣は、UFC についてよく知っているようですね。
プロレスのようにショーとして見せるためのフェイクは一切なく、残忍極まりない競技だとジョーイは言っています。
チャンドラーの説明は、「ルールがないのがルールなんだよ、ルール無用のシビアな闘いなんだよ」というところですね。
Wikipedia 英語版: Ultimate Fighting Championship の Emergence of more rules に、
Although "There are no rules!" was the tagline in the early 1990s, this was not strictly true;
という記述があります。
「"There are no rules!" が、1990年代初期のキャッチフレーズだったが、これは厳密に言うと真実ではない。」ということです。
「ルール無用!」という言葉が刺激的なので、それをキャッチフレーズに使っていた、ということですが、確かにルールが全くないと、ただの喧嘩になってしまいます。
ですから、少しくらいのルールがあるのは当然なのですが、初期の頃は本当に反則も少なかったようです。(その件に関しては後述します)
anything goes は「何でもあり、何でもオッケー」というニュアンス。
日本語でいうと、「何でもいける」という感じでしょうか。
研究社 新英和中辞典では、
go(自動詞)=認められる; 受け入れられる(必要がある)
Anything goes (here). (ここでは)何でも認められる、何をしてもよい。
英辞郎では、
anything goes=どんなことでもまかり通る、何でもあり、制限なし、自由気まま
と出ています。
gouge は「(丸のみなどで)…をえぐる」「(刑罰として)(目玉)をえぐる、えぐり出す」。
格闘技の場合は、相手の目の中に手や指を突っ込むことですね。
フレンズ3-5その13 では、
モニカ: You gouged a hole in my dingy floor! (ジョーイはうちのくすんだ床をえぐって穴をあけちゃったのよ!)
というセリフもありました。
hook は「フック、鉤(かぎ)、釣り針」なので、hook a fish は「魚を釣り針で釣る」こと。
眉毛に釣り針 フレンズ3-7その21 では、眉毛に釣り針が引っかかったような顔をして邪悪な表情を作る、という演技のコツをジョーイが教えていました(笑)。
モニカが fish-hooking って何?と尋ねるので、ロスはその意味を説明しようとするのですが、すぐさまジョーイがロスの口に指を突っ込んで、fish-hooking ってのはこういうやつのことだよ、と実演して見せます。
That would have been really hard to describe. は、fish-hooking の意味を口で説明するのは、本当に難しかっただろうと思う、という感じですね。
ジョーイが実際にやって見せてくれたお陰で、難しい説明をせずに済んで助かったよ、と口では言っているのですが、ロスの本音は、口で説明することは簡単なのに、わざわざ実際にやってみせる、それもこともあろうに僕の口を使って実演することはないだろ!という抗議ですね。
ジョーイが指を入れた後、変な味がする、とロスは言っています。
ジョーイは、「まるで俺の手が汚いみたいに言うなよ。アヒルを風呂に入れたばっかで、手はきれいなんだから。」と怒っていますが、それを聞いてロスはいやな顔をしています。
ペットを触りまくった手だったから、変な味がした、ということです。
ここで、細かい話になりますが、UFC の反則についてもう少し。
モニカとロスの話だと、「噛み付き、髪の毛を引っ張ること」はオッケーで、反則は「目潰し、釣り針」だけ、ということですが、実際のルールは少々違うようです。
Wikipedia 英語版: Ultimate Fighting Championship の Emergence of more rules に興味深い記述があるので、引用させていただきます。(上で引用した部分と一部重複します)
Although "There are no rules!" was the tagline in the early 1990s, this was not strictly true; the UFC operated with limited rules. There was no biting, no eye gouging, and the system frowned on (but allowed) techniques such as hair pulling, headbutting, groin strikes and fish-hooking.
訳しますと、
「"There are no rules!" が、1990年代初期のキャッチフレーズだったが、これは厳密に言うと真実ではない。UFC は、限定されたルールで運営されていた。噛み付き(biting)、eye gouging (目潰し)は禁止で、髪の毛を引っ張ること(hair pulling)、頭突き(headbutting)、股間への攻撃(groin strikes)、釣り針(fish-hooking)には難色を示していた[を良しとしなかった](frowned on)(がルールとしては禁止されていなかった)。」
今回、モニカとロスのセリフでは、4種類の反則技が出ていますが、噛み付きと目潰しは初期からの禁止事項だったようですね。
(ですから、「噛み付きはオッケー」というセリフは間違いということになるようです。)
そして、髪を引っ張ることと釣り針は、望ましくない行為だとみなされていた、ということです。
hair-pulling や fish-hooking がいつ反則として禁止されたかについて。
英語版ウィキペディアの Controversy and reform では、
From UFC 14 gloves became mandatory and kicks to a downed opponent, hair pulling, fish hooking, headbutting, and groin strikes were banned.
という記述があり、hair-pulling と fish-hooking は UFC 14(1997年7月27日)以降、禁止された、とあります。
が、それよりずっと下の方にある、Evolution of the UFC rules という項目では、
UFC 15 - (中略) and hair-pulling became illegal.
とあって、1997年10月17日の UFC 15 から hair-pulling が禁止になった、と書いてありますね。
fish-hooking については、1997年7月禁止で間違いないようですが、hair-pulling については、ウィキペディア英語版内でも記述の不一致がある、ということです。
3ヶ月くらいの差しかないので、よほどのマニアの方以外は、どっちでもいい、という感じですが(笑)、今回のフレンズ3-24 の放映は、1997年5月8日なので、いずれにしても、この時点ではまだ、hair-pulling は(望ましくはないが)反則ではない、ということになり、hair-pulling が反則ではない、というフレンズのセリフは正解ということになります。
また、fish-hooking が正式に禁止されたのは、フレンズ放映後ですから、「釣り針は禁止」というセリフは厳密に言うと間違っている、ということになるでしょうか?
上にも述べたように、初期の頃から、hair-pulling や fish-hooking は望ましくない行為とされていましたので、その線引きは難しいですね。
ですから、ロスたちの言った内容をルールと照合して合っている合っていないと騒ぐのもナンセンスかもしれませんが、ちょっと面白いなと思ったので長々と説明してしまいました。
現在の反則は、ウィキペディア日本語版、英語版の両方で見ることができます。
英語版を見てみると、Fouls として、2. Eye gouging of any kind, 3. Biting, 4. Hair pulling, 5. Fish hooking が挙げられていますね。
結局、今では4種類全てが反則だということです。
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2009年05月15日
UFCのオクタゴンリング フレンズ3-23その7
[Scene: Pete's apartment, Pete and Monica are coming back from a date.]
ピートのアパートメント。ピートとモニカはデートから帰ってきたところ。
ピート: Lights. (The lights turn on, once again they're too bright.) Uh, romantic lights. (The lights dim.) (ライト。[ライトがつくが、またもや明るすぎる] あぁ、ロマンティック・ライト。[ライトが薄暗くなる])
モニカ: Ooh, nice. (まぁ、ナイスね。)
ピート: So ah, there was this thing I wanted to talk to you about. (それで、君に話したいことがあったんだけど。)
モニカ: Oh, right. I'd completely forgot about that. (まぁ、そうね。私はそのことをすっかり忘れてしまっていたわ。)
ピート: Well ah, I've been doing a lot of thinking. And I look at my life.... (そうだな、僕は随分考えていたんだ。そして自分の人生を見つめて…)
モニカ: Yeah? (そうなの?)
ピート: ...and I feel like I've conquered the business world. And I feel like I've conquered the intellectual world. And now I-I have the most beautiful woman in the world. (そして、僕はビジネスの世界を征服したという気がする。また、知的な世界も征服した気持ちでいる。そして今は、世界で最も美しい女性と一緒にいる。)
モニカ: Wow. (まぁ。)
ピート: But there's one thing missing. (でも、一つだけ欠けているものがある。)
モニカ: What's that? (それは何?)
ピート: It's time for me to conquer the physical world. (僕が肉体的な世界を征服する時が来たんだ。)
モニカ: Okay. (not sure of herself) (いいわ。[自信がない様子で])
ピート: Monica, I wanna become (pause) the Ultimate Fighting Champion. (モニカ、僕はなりたいんだよ [沈黙] アルティメット・ファイティング・チャンピオンに。)
モニカ: You wanna what? (何になりたいですって?)
ピート: I wanna become the Ultimate Fighting Champion. It's the most intense physical competition in the world. It's banned in 49 states. (僕はアルティメット・ファイティング・チャンピオンになりたいんだ。世界中で最も激しい肉体競技なんだ。アメリカの49州で禁止されている競技なんだ。)
モニカ: What are you talking about? (何を言ってるの?)
ピート: Okay, my trainer, Hoshi, is teaching me a combination of Jeet Kune Do and Brazilian streetfighting. I even had my own octagon training ring designed. (いいかい、僕のトレーナーのホシは、ジークンドーとブラジリアン・ストリート・ファイティングのコンビネーションを僕に教えてくれている。僕は、僕専用のオクタゴンの訓練用リングのデザインまでさせたんだよ。)
モニカ: And I suppose you used a ring designer for that. (それじゃあ、私が想像するに、あなたはそのためにリング・デザイナーを使ったのね。)
ピート: Yeah. Monica, I want you there, in the front row, when I win. I want you close enough to smell the blood. What do you think? (そうだよ、モニカ。僕は、君にそこに、最前列にいて欲しい、僕が勝つ時に。血の匂いを嗅ぐことができるほど近くにいて欲しい。君はどう思う?)
モニカ: My parents will be so happy. (私の両親が(きっと)とても喜ぶと思うわ。)
ピートの部屋の音声認識システムは、Lights. と言うと、また思いっきりまぶしいライトをつけてしまいます。
コマンドよりスイッチを探せ フレンズ3-23その4 の時と同じですね。
その後、romantic lights. と言い直したら、今度は、恋人との過ごすのにちょうどいい感じの、薄暗い明るさになりました。
さすがはピート、これくらいの明度を romantic lights というコマンドで設定していたようです。
そう言えば、前に言っていたように君に話したいことがあったんだ、と切り出すピート。
モニカは、しらじらしく、Oh, right. I'd completely forgot about that. と言います。
モニカの頭の中は「大事な話」でいっぱいで、それがいつ来るかいつ来るかと待っていたはずなのに(笑)、さもそんなことはすっかり忘れていたかのように言っている女心、よくわかります。
conquer は「征服する」。名詞形は conquest です。
feel like は、feel like doing で「…したい気がする」、feel like+名詞で「(飲食物など)を欲しい気がする」という意味がありますね。
今回のピートのセリフは、feel like+文、の形になっていて、その場合は、「(まるで)…のような気がする」という意味になります。
like は as if のような意味ですね。
有名なソフトを開発して、億万長者のピートですから、ビジネスの世界を征服した、と言い切ってしまっても問題ないとは思いますが、征服したのが事実かどうかよりも、「自分としては、ビジネスの世界を征服してしまったような気がしているんだよ」という、自分の見解、自分ではそう思っているんだ、ということを言うために、わざわざ I feel like と言っているように思います。
ビジネスの世界は頭脳を使う知的な世界なので、その世界も征服した気がする、と言っていますね。
さらに、モニカを目の前にして、世界一美しい女性を手にしたとも言い、モニカはそれをうっとりした気持ちで聞いています。
一つだけ欠けているものがある、というピート。
モニカはきっと、「愛する人と築く新しい家庭、家族」みたいな答えを期待していたでしょうね。
いよいよプロポーズされるのね、と思った時のピートの答えは、「ビジネスの世界、知的な世界ではなく、今度は肉体的な世界を征服する時だ。」というものでした。
モニカは怪訝な顔をしていますね。
何だか思っていたのと違って、変な方向に話が行きそうな予感がしているので、続きを聞くのが怖い、といった表情です。
ピートがなりたいもの、それは、the Ultimate Fighting Champion でした。
ultimate は「究極の」。
UFC という略称の格闘技があり、日本でも結構有名です。
UFC という略語は、Ultimate Fighting Championship の略で、そのチャンピオンシップで、ピートはチャンピオンになりたい、と言っているわけです。
UFC のチャンピオンになれば、肉体的な世界・分野も征服したことになる、と。
UFC という格闘技がどんなものかをわかりやすくまとめてくれているのが、こちら(↓)。
UFC WORLD : WOWOW ONLINE
もっと詳しく知りたい方はこちら(↓)。
Wikipedia 日本語版: UFC
Wikipedia 英語版: Ultimate Fighting Championship
実は、次のエピソード、フレンズ3-24 のタイトルは、The One With the Ultimate Fighting Champion で、実際に UFC の試合のシーンが出てきます。
その時にまた、ウィキペディアの興味深い情報をご紹介する予定です。今は、ピートのセリフに関係ある部分だけご紹介します。
確かに、ピートの言うように、the most intense という表現は当たっているでしょう。
アメリカは50州ありますが、あまりにも危険であるということで 49州で禁止されている、とピートは言っています。
つまり、ピートの言葉では、たった1州だけしか、UFC の興行が許されていない、ということになりますね。
このフレンズが放映されたのは 1997年ですが、ピートの言っていることがその当時の事実を語ったものかどうかは裏が取れませんでした。
ピートが言う1州というのは、恐らく、ラスベガスのあるネバダ(Nevada)州のことかな、と思います。
ウィキペディアの日本語版や英語版に、2008年の共和党大統領候補だったジョン・マケイン上院議員が、この競技に反対していた話が書いてあります。
英語版では、マケイン議員がアメリカ50州全ての知事に手紙を書いた、という記述がありますし、日本語版ではそのために「開催地を規制の緩い州で転々とし」という記述もあります。
ですから、多くの州で UFC が禁止されていた、というのは間違いないようです。
州で禁止、の流れで…。
フレンズ1-22その5 で、イーサンが高校生だと知らずにエッチしてしまい、
モニカ: My lie didn't make one of us a felon in 48 states! (私の嘘では、私たちのうちのどちらかが48州で重罪犯罪者になることはないわ[あなたのついた嘘で、私は48州で重罪犯罪者にされちゃうのよ]!)
というセリフがありました。
アメリカは州によって独自の法律が制定されているためにこういうセリフが可能なのですね。
(50州のうちの)48州が、49州が、と言うことで、ほとんどの州では禁止されている事柄であることが説明できる、というアメリカならではのセリフです。
Jeet Kune Do 「ジークンドー」は、ブルース・リーの武術、また、UFC では、ブラジルのグレイシー一族が有名であることから、Brazilian streetfighting の名前も出ていますね。
そのコンビネーション、つまりその二つを組み合わせたものをトレーニングしている、ということです。
究極総合格闘技である UFC のチャンピオンを目指すためにやっているトレーニングとして、それっぽい名前が挙がっているのが面白いですね。
I even had my own octagon training ring designed. というセリフで、ring という単語が登場し、フレンズ3-23その5 で、ジョーイが小切手帳で発見した ring という言葉の意味がここでわかる仕組みになっています。
ジョーイ: (looking at the checkbook) Wow! Look at this! He wrote a check for 50,000 dollars to "Hugo Lindgren's Ring Design." ([ピートの小切手帳を見ながら] わぁ! これを見ろよ! ピートは「ヒューゴー・リンドグレン・リング・デザイン」に、5万ドルの小切手を切ってるぞ。)
というセリフがあり、ring は指輪のことだと思い込んでいたフレンズたちですが、その ring は、ボクシングやレスリングなどの格闘技のリング、のことだったのですね(爆)。
octagon 「オクタゴン」とは、「八角形」のこと。(ヘキサゴンだと六角形です)
octa- や、oct- という接頭語は「8…」という意味があります。
タコは8本足だから、octopus です。
October は、oct- という接頭語がついているのに 8月ではなく 10月ですが、これについては、研究社 新英和中辞典に、以下の説明があります。
語源:ラテン語「8番目の月」の意; 古代ローマでは3月から1年が始まったことから
3月から1年が始まった話は、Wikipedia 日本語版: ローマ暦 に詳しく書いてあります。
I even had my own octagon training ring designed. の構造は、had+目的語+過去分詞(designed)で、「目的語を…させる状態にした、…させた」という使役ですね。
自分自身の八角形(オクタゴン)のトレーニングリングをデザインさせた、ということです。
even は「…さえも、…すら」という副詞で、僕の UFC にかける意気込みはすごくて、自分専用のリングのデザインを特注すること「さえ」したんだよ、特注「すら」したんだよ、という感覚です。
上でリンクしたUFC のサイトからもわかるように、UFC のリングがオクタゴンであることは有名です。
うちの主人に、「UFC のリングって知ってる?」と聞くと、「あぁ、あのオクタゴンの?」と即答したくらいですから(笑)。
fighting ring だけでももちろん、格闘技のリングだとわかるのですが、octagon という言葉がつくことで、知っている人は「UFC のあのオクタゴンのリングか!」と気付いて、余計にそのギャップに笑ってしまうのですね。
モニカが夢見ていたロマンティックな指輪ではなくて、情け無用の究極格闘技のリングのことだったとは!というオチです。
モニカは、UFC については詳しく知らないようでしたが、激しい格闘技であることはピートの説明でわかったようです。
ここで、リング・デザイン会社に高額で発注したリングのデザインは、格闘技のリングのデザインだったのね…とわかってがっかりする、という仕組みです。
格闘家らしく(?)、「血の匂いを嗅げるほど近くで、僕が勝つのを見ていて欲しい」と言っていますが、ロマンティックというより、おどろおどろしいですね(笑)。
UFC 参戦を告げられたモニカは、感想を求められて、「私の両親はすごく喜ぶでしょうね。」と言っています。
これはきっと、ピートにプロポーズされた時に言おうと思っていたセリフの一つでしょうね。
「私は嬉しい、幸せ、天にも昇る気持ちよ」など、自分の喜びを伝えるセリフをあれこれ考えていたのでしょうが、自分が幸せであることを述べた言葉はここではとても使えない、そう思ったモニカは、「私はそれについては嬉しくもなんともないけれど」という言葉をぐっとこらえて、「両親は喜ぶでしょうね」と他人の話に振るのが精一杯だった、という感じです。
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ピートのアパートメント。ピートとモニカはデートから帰ってきたところ。
ピート: Lights. (The lights turn on, once again they're too bright.) Uh, romantic lights. (The lights dim.) (ライト。[ライトがつくが、またもや明るすぎる] あぁ、ロマンティック・ライト。[ライトが薄暗くなる])
モニカ: Ooh, nice. (まぁ、ナイスね。)
ピート: So ah, there was this thing I wanted to talk to you about. (それで、君に話したいことがあったんだけど。)
モニカ: Oh, right. I'd completely forgot about that. (まぁ、そうね。私はそのことをすっかり忘れてしまっていたわ。)
ピート: Well ah, I've been doing a lot of thinking. And I look at my life.... (そうだな、僕は随分考えていたんだ。そして自分の人生を見つめて…)
モニカ: Yeah? (そうなの?)
ピート: ...and I feel like I've conquered the business world. And I feel like I've conquered the intellectual world. And now I-I have the most beautiful woman in the world. (そして、僕はビジネスの世界を征服したという気がする。また、知的な世界も征服した気持ちでいる。そして今は、世界で最も美しい女性と一緒にいる。)
モニカ: Wow. (まぁ。)
ピート: But there's one thing missing. (でも、一つだけ欠けているものがある。)
モニカ: What's that? (それは何?)
ピート: It's time for me to conquer the physical world. (僕が肉体的な世界を征服する時が来たんだ。)
モニカ: Okay. (not sure of herself) (いいわ。[自信がない様子で])
ピート: Monica, I wanna become (pause) the Ultimate Fighting Champion. (モニカ、僕はなりたいんだよ [沈黙] アルティメット・ファイティング・チャンピオンに。)
モニカ: You wanna what? (何になりたいですって?)
ピート: I wanna become the Ultimate Fighting Champion. It's the most intense physical competition in the world. It's banned in 49 states. (僕はアルティメット・ファイティング・チャンピオンになりたいんだ。世界中で最も激しい肉体競技なんだ。アメリカの49州で禁止されている競技なんだ。)
モニカ: What are you talking about? (何を言ってるの?)
ピート: Okay, my trainer, Hoshi, is teaching me a combination of Jeet Kune Do and Brazilian streetfighting. I even had my own octagon training ring designed. (いいかい、僕のトレーナーのホシは、ジークンドーとブラジリアン・ストリート・ファイティングのコンビネーションを僕に教えてくれている。僕は、僕専用のオクタゴンの訓練用リングのデザインまでさせたんだよ。)
モニカ: And I suppose you used a ring designer for that. (それじゃあ、私が想像するに、あなたはそのためにリング・デザイナーを使ったのね。)
ピート: Yeah. Monica, I want you there, in the front row, when I win. I want you close enough to smell the blood. What do you think? (そうだよ、モニカ。僕は、君にそこに、最前列にいて欲しい、僕が勝つ時に。血の匂いを嗅ぐことができるほど近くにいて欲しい。君はどう思う?)
モニカ: My parents will be so happy. (私の両親が(きっと)とても喜ぶと思うわ。)
ピートの部屋の音声認識システムは、Lights. と言うと、また思いっきりまぶしいライトをつけてしまいます。
コマンドよりスイッチを探せ フレンズ3-23その4 の時と同じですね。
その後、romantic lights. と言い直したら、今度は、恋人との過ごすのにちょうどいい感じの、薄暗い明るさになりました。
さすがはピート、これくらいの明度を romantic lights というコマンドで設定していたようです。
そう言えば、前に言っていたように君に話したいことがあったんだ、と切り出すピート。
モニカは、しらじらしく、Oh, right. I'd completely forgot about that. と言います。
モニカの頭の中は「大事な話」でいっぱいで、それがいつ来るかいつ来るかと待っていたはずなのに(笑)、さもそんなことはすっかり忘れていたかのように言っている女心、よくわかります。
conquer は「征服する」。名詞形は conquest です。
feel like は、feel like doing で「…したい気がする」、feel like+名詞で「(飲食物など)を欲しい気がする」という意味がありますね。
今回のピートのセリフは、feel like+文、の形になっていて、その場合は、「(まるで)…のような気がする」という意味になります。
like は as if のような意味ですね。
有名なソフトを開発して、億万長者のピートですから、ビジネスの世界を征服した、と言い切ってしまっても問題ないとは思いますが、征服したのが事実かどうかよりも、「自分としては、ビジネスの世界を征服してしまったような気がしているんだよ」という、自分の見解、自分ではそう思っているんだ、ということを言うために、わざわざ I feel like と言っているように思います。
ビジネスの世界は頭脳を使う知的な世界なので、その世界も征服した気がする、と言っていますね。
さらに、モニカを目の前にして、世界一美しい女性を手にしたとも言い、モニカはそれをうっとりした気持ちで聞いています。
一つだけ欠けているものがある、というピート。
モニカはきっと、「愛する人と築く新しい家庭、家族」みたいな答えを期待していたでしょうね。
いよいよプロポーズされるのね、と思った時のピートの答えは、「ビジネスの世界、知的な世界ではなく、今度は肉体的な世界を征服する時だ。」というものでした。
モニカは怪訝な顔をしていますね。
何だか思っていたのと違って、変な方向に話が行きそうな予感がしているので、続きを聞くのが怖い、といった表情です。
ピートがなりたいもの、それは、the Ultimate Fighting Champion でした。
ultimate は「究極の」。
UFC という略称の格闘技があり、日本でも結構有名です。
UFC という略語は、Ultimate Fighting Championship の略で、そのチャンピオンシップで、ピートはチャンピオンになりたい、と言っているわけです。
UFC のチャンピオンになれば、肉体的な世界・分野も征服したことになる、と。
UFC という格闘技がどんなものかをわかりやすくまとめてくれているのが、こちら(↓)。
UFC WORLD : WOWOW ONLINE
もっと詳しく知りたい方はこちら(↓)。
Wikipedia 日本語版: UFC
Wikipedia 英語版: Ultimate Fighting Championship
実は、次のエピソード、フレンズ3-24 のタイトルは、The One With the Ultimate Fighting Champion で、実際に UFC の試合のシーンが出てきます。
その時にまた、ウィキペディアの興味深い情報をご紹介する予定です。今は、ピートのセリフに関係ある部分だけご紹介します。
確かに、ピートの言うように、the most intense という表現は当たっているでしょう。
アメリカは50州ありますが、あまりにも危険であるということで 49州で禁止されている、とピートは言っています。
つまり、ピートの言葉では、たった1州だけしか、UFC の興行が許されていない、ということになりますね。
このフレンズが放映されたのは 1997年ですが、ピートの言っていることがその当時の事実を語ったものかどうかは裏が取れませんでした。
ピートが言う1州というのは、恐らく、ラスベガスのあるネバダ(Nevada)州のことかな、と思います。
ウィキペディアの日本語版や英語版に、2008年の共和党大統領候補だったジョン・マケイン上院議員が、この競技に反対していた話が書いてあります。
英語版では、マケイン議員がアメリカ50州全ての知事に手紙を書いた、という記述がありますし、日本語版ではそのために「開催地を規制の緩い州で転々とし」という記述もあります。
ですから、多くの州で UFC が禁止されていた、というのは間違いないようです。
州で禁止、の流れで…。
フレンズ1-22その5 で、イーサンが高校生だと知らずにエッチしてしまい、
モニカ: My lie didn't make one of us a felon in 48 states! (私の嘘では、私たちのうちのどちらかが48州で重罪犯罪者になることはないわ[あなたのついた嘘で、私は48州で重罪犯罪者にされちゃうのよ]!)
というセリフがありました。
アメリカは州によって独自の法律が制定されているためにこういうセリフが可能なのですね。
(50州のうちの)48州が、49州が、と言うことで、ほとんどの州では禁止されている事柄であることが説明できる、というアメリカならではのセリフです。
Jeet Kune Do 「ジークンドー」は、ブルース・リーの武術、また、UFC では、ブラジルのグレイシー一族が有名であることから、Brazilian streetfighting の名前も出ていますね。
そのコンビネーション、つまりその二つを組み合わせたものをトレーニングしている、ということです。
究極総合格闘技である UFC のチャンピオンを目指すためにやっているトレーニングとして、それっぽい名前が挙がっているのが面白いですね。
I even had my own octagon training ring designed. というセリフで、ring という単語が登場し、フレンズ3-23その5 で、ジョーイが小切手帳で発見した ring という言葉の意味がここでわかる仕組みになっています。
ジョーイ: (looking at the checkbook) Wow! Look at this! He wrote a check for 50,000 dollars to "Hugo Lindgren's Ring Design." ([ピートの小切手帳を見ながら] わぁ! これを見ろよ! ピートは「ヒューゴー・リンドグレン・リング・デザイン」に、5万ドルの小切手を切ってるぞ。)
というセリフがあり、ring は指輪のことだと思い込んでいたフレンズたちですが、その ring は、ボクシングやレスリングなどの格闘技のリング、のことだったのですね(爆)。
octagon 「オクタゴン」とは、「八角形」のこと。(ヘキサゴンだと六角形です)
octa- や、oct- という接頭語は「8…」という意味があります。
タコは8本足だから、octopus です。
October は、oct- という接頭語がついているのに 8月ではなく 10月ですが、これについては、研究社 新英和中辞典に、以下の説明があります。
語源:ラテン語「8番目の月」の意; 古代ローマでは3月から1年が始まったことから
3月から1年が始まった話は、Wikipedia 日本語版: ローマ暦 に詳しく書いてあります。
I even had my own octagon training ring designed. の構造は、had+目的語+過去分詞(designed)で、「目的語を…させる状態にした、…させた」という使役ですね。
自分自身の八角形(オクタゴン)のトレーニングリングをデザインさせた、ということです。
even は「…さえも、…すら」という副詞で、僕の UFC にかける意気込みはすごくて、自分専用のリングのデザインを特注すること「さえ」したんだよ、特注「すら」したんだよ、という感覚です。
上でリンクしたUFC のサイトからもわかるように、UFC のリングがオクタゴンであることは有名です。
うちの主人に、「UFC のリングって知ってる?」と聞くと、「あぁ、あのオクタゴンの?」と即答したくらいですから(笑)。
fighting ring だけでももちろん、格闘技のリングだとわかるのですが、octagon という言葉がつくことで、知っている人は「UFC のあのオクタゴンのリングか!」と気付いて、余計にそのギャップに笑ってしまうのですね。
モニカが夢見ていたロマンティックな指輪ではなくて、情け無用の究極格闘技のリングのことだったとは!というオチです。
モニカは、UFC については詳しく知らないようでしたが、激しい格闘技であることはピートの説明でわかったようです。
ここで、リング・デザイン会社に高額で発注したリングのデザインは、格闘技のリングのデザインだったのね…とわかってがっかりする、という仕組みです。
格闘家らしく(?)、「血の匂いを嗅げるほど近くで、僕が勝つのを見ていて欲しい」と言っていますが、ロマンティックというより、おどろおどろしいですね(笑)。
UFC 参戦を告げられたモニカは、感想を求められて、「私の両親はすごく喜ぶでしょうね。」と言っています。
これはきっと、ピートにプロポーズされた時に言おうと思っていたセリフの一つでしょうね。
「私は嬉しい、幸せ、天にも昇る気持ちよ」など、自分の喜びを伝えるセリフをあれこれ考えていたのでしょうが、自分が幸せであることを述べた言葉はここではとても使えない、そう思ったモニカは、「私はそれについては嬉しくもなんともないけれど」という言葉をぐっとこらえて、「両親は喜ぶでしょうね」と他人の話に振るのが精一杯だった、という感じです。
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