ヴィンスが勤務する消防署に来たフィービー。
フィービー: Excuse me. Umm, is Vince here? (もしもし。あの、ヴィンスはここにいる?)
消防士: Oh, sure. Vince? (ああ、もちろん。ヴィンス?)
ヴィンス: Yo! (slides down that pole that fire station's have) (よお! [消防署にあるあのポールを滑り降りる])
フィービー: Wow! I didn't know you guys actually used those. (まあ! あなたたち消防士が実際にそのポールを使うって知らなかったわ。)
ヴィンス: So what's up? (それで、どうしたの?)
フィービー: Umm, wow. This-this isn't gonna be easy. Umm, I don't think we should see each other anymore. (あぁ、どうしよう。これ[今からあなたに言おうとする行為]は簡単じゃないんだけど、あの、私たち、もうお互い会わないほうがいいと思うの。)
ヴィンス: Uh-huh. G-good deal. (ああ、そう。わかったよ。)
フィービー: I'm sorry. (ごめんなさい。)
ヴィンス: No-no it's okay. It's just that ah, I thought we had something pretty special here. And y'know I-I felt like you were someone I could finally open up to.... (starts choking up) that there's so much in me I haven't shared with you yet. (いやいや、いいんだ。ただ、俺たちはここでかなり特別なものを持っていると思ってたんだ。そして、君は俺がついに心を開くことができる人だと感じてた…。[言葉に詰まる] 君とまだ分け合っていないものが俺の中にすごくたくさんあると感じてたんだ。)
フィービー: Oh, my God! I didn't know you were so-- (まぁ、なんてこと! 私は知らなかったわ、あなたがそんなに…。)
ヴィンス: (starting to cry) I'm sorry, I can't talk. I'm gonna go write in my journal. (walks away) ([泣き始める] ごめんよ。(もう)話せない。俺の日記に書くことにするよ[俺、日記に書いてくる]。[立ち去る])
フィービー: (running after him) Wait! Wait! Wait! Wait!! ([ヴィンスの後を追いかけて走る] 待って、待って、待って、待って!)
ヴィンスを呼び出すと、ヴィンスはポール(棒)をスルスルと伝って降りてきます。
それを見て、I didn't know you guys actually used those. とフィービーは言っていますね。
テレビのシーンでよく見るけど、ほんとにこの棒は存在したのね、消防士はほんとうにこの棒を使ってるのね、と感心しているわけです。
this isn't gonna be easy と最初に言うことで、今からしようとしていることは(私にとっては)簡単なことじゃないんだけど、つらいんだけど、という気持ちが出ます。
言いにくいこと、ヴィンスにとって良くないことを言おうとしている、というサインですね。
I don't think we should see each other anymore. 「私たち、もうこれ以上会わない方がいいと思う。」というのは別れを切り出す側の決まり文句です。
やはり相手を傷つけないように、I (don't) think と「私の考えでは、私はこう思う」という言葉をつけて、やんわりと表現していますね。
open up to を直訳すると「…に対してオープンである、…に対して開いている」という感じでしょう。
つまり、「…に心を許す、…に心を開く」ということです。
君とシェアできること、つまり、共有できること、分け合えることがまだたくさん僕の中にはあった、と言葉に詰まりながら話しています。
体つきが頑強で、男の中の男!という感じのヴィンスなのに、心を開く、分け合う、などという言葉が次々と出てくるので、フィービーは意外だわ、という感じでびっくりしています。
I didn't know you were so-- と絶句していますが、この後に続くのは、you were so sensitive. のような形容詞でしょうね。
これより前のシーンで、消防士のヴィンスと、幼稚園の先生のジェイソンのどちらを選ぶかで、フレンズたちと話をするシーンがありました。
ヴィンスにしろよ、と言ったジョーイに対して、
フィービー: Yeah, but Jason's really sensitive. (そうね、でもジェイソンは本当に繊細なのよ。)
チャンドラー: Well, sensitive is important. Pick him. (そうだな、繊細なのは大切なことだ。ジェイソンを選べよ。)
やはり付き合うには、見た目の男らしさだけじゃなくて、中身、心の繊細さが大事だと判断して、今回、ヴィンスに別れを告げに来たのですが、その別れの時に、ヴィンスも実はとても繊細な人だったと気付いて、フィービーは驚いている、「あなたがそんなに繊細な人だなんて、私知らなかったわ。」と言っているのですね。
心が傷ついたヴィンスは、もうこれ以上、直接君と話をすることができない、と言い、後のことは日記に書いてくる、と言って去って行きます。
I'm gonna write なら、「(日記に)書くつもりだ」ですが、go write ですから、つまり、go and write または、go to write のニュアンスで、「行って[(ここを去って]書く」か「書くために行く[ここを去る]」という感じだと思います。
ここでフィービーと向き合っていても、言葉に詰まって話せないから、僕はもう行くよ(go)、行って続きは日記に書いてくるよ、というニュアンスだろうと。
日記と言えば、diary という英単語が真っ先に浮かびますが、journal も「日記、日誌」です。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
journal: [noun] a written record that you make of the things that happen to you each day (synonym: diary)
つまり、「それぞれの日に自分に起こる出来事から作る、書かれた記録。同義語は diary」
フレンズ3-3その24 では、diary や journal に似た言葉、log 「記録日誌」という単語を説明しています。
あまりに sensitive な部分を見せ付けられて、別れに来たつもりのフィービーの心も動いたようです。
追いかけて行くところで、場面がカットしてしまいますが、フィービーの言動から、この後、別れ話を撤回したであろうことは想像できますね。
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2009年05月14日
2009年05月13日
彼はbad news フレンズ3-22その8
フレンズ3-22その6 のコメント欄 で、3-22 に関するご質問をいただきましたので、今回、記事の形で回答させていただきます。
以下のセリフは、時系列に並べてあります。
また、DVD字幕とネットスクリプトで表記が異なる場合は、実際の音声とチェックして正しいと思われる方を書いてあります。
1. エピソードの冒頭シーン。
レイチェル: Oh, Phoebe, are you still on hold? I was supposed to call my dad back, like, two hours ago. (まぁ、フィービー。まだ保留中の状態なの? 私は、2時間前くらいに、パパに電話をかけ直すことになってたのよ。)
フィービー: Oh, yeah. He clicked on. He said call him as soon as you get a chance. He's at Flimbees. (えぇ、そうね。パパのキャッチホンが入ったわよ。パパは、レイチェルが電話できるようになり次第、電話してくれ、って言ってたわ。パパはフリンビーズにいるって。)
ネットスクリプトでは、clipped on と表記されていますが、DVD英語字幕では、clicked on になっています。
click はマウスのクリックのように、「カチッと音を立てる」感覚ですね。
click on は「カチッと音がして、何かが on になる」ような感覚で、何かカチッというような音がして、キャッチホンが「入った、つながった」感覚だと思います。
2. プレミア後のパーティーで。
ロス: (drags Chandler over to buffet table) I'm telling you, this guy Rachel is with is crazy. Okay? He viciously screamed at total strangers. I think he's baaad news. ([チャンドラーをビュッフェテーブルに引っ張ってきて] 話したいことがあるんだけど、レイチェルが一緒にいる男はクレージーなんだよ。彼は全くの他人に悪意を持って叫んだんだ。彼は危険人物だと思うよ。)
ネットスクリプトでは、viscously と書いてあるのですが、正しくは、viciously です。
DVD英語字幕では、viciously と書いてあり、音声でも「ヴィシャスリー」と発音されています。
実際に、viscous 「粘着性の、粘性の」という形容詞とその副詞、viscously も存在しますので、紛らわしかったですね。(こちらの発音は「ヴィスカス」という感じ)
viciously は「悪意を持って、意地悪く」という意味ですね。
ロスは bad を強調して、baaad news と言っています。
bad news は「嫌な人、困った人、要注意人物」。
研究社 新英和中辞典、英辞郎などに載っていました。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bad news: (informal) someone or something that always causes trouble
つまり、「いつもトラブルを起こす誰か、または何か」。
3. パーティーで、なれそめを聞かれたピートとモニカ。
ケイリン: So how'd you guys meet? (それで、あなたたちはどんな風に出会ったの?)
ピート: Well ah, the short version is, I ah pursued her for a couple of months. Then I gave her a check for 20,000 dollars and she was mine. (そうだな。短いバージョンで言うと[短く言うと、手っ取り早く言うと]僕がモニカを2、3ヶ月追いかけた。それから、僕はモニカに2万ドルの小切手を挙げた。そして彼女は僕のものになった。)
モニカ: Yeah, and in the long version, I dump him for telling people the short version. (そうね。そして、長いバージョンでは、ピートがその短いバーションを人に話すから、私は彼を振るのよ。)
dump はフレンズによく出てくる「(恋人を)振る」ですね。
ピートは、短く言うと、手っ取り早く言うとこんな感じなんだ、と、「モニカは金でころっと落ちた」みたいな言い方をします。
それはモニカにとっては不名誉な話なので、長いバージョンとして情報を付け足すのですが、そのセリフを直訳すると、「そうね、で、長いバージョンで言うと、そのショートバージョンを人々に言って[ふれて]回ることで私は彼を振るのよ」みたいなことでしょうか。
この for は、研究社 新英和中辞典の、
for=[報償・返報を表わして] 〈好意・成果など〉に対して、…の返報として
He was fined for speeding. 彼はスピード違反で罰金を科せられた。
の「返報の for」かなと思います。
「人にそういう誤解を招くことをしゃべって回ることへの返報(報い、仕返し)として、彼を振るのよ」という感じでしょうか。
ピートが人聞きの悪いことを言うから、「そんなことばっかり言ってるから、私に振られちゃうのよ、私を怒らせちゃうのよ」と、ピートの説明にモニカは怒っている、ということを冗談っぽく言っている感覚かなと思いました。
正直、I dump him の dump という「現在形」のニュアンスがよくわからないのですが、「習性」の現在形だとすると、「そういうこと言ってるから、私は彼を振るわけね」みたいなことになるでしょうか。
4. ジョーイが自分のエージェントのエステルをフレンズたちに紹介するシーン。
エステル: How do you do? (to Rachel and Monica) Ooh, you two girls were outstanding! (to Joey) Do they have representation? (初めまして。[レイチェルとモニカに]まぁ、あなたたち女の子二人、抜群[素敵]ね! [ジョーイに] 彼女たちにはエージェントがいるの?)
representation は「代表、代理」なので、俳優の代理人として、仕事を請け負ったり、他者と交渉したりするエージェント、(俳優の)所属事務所、という意味なのだと思います。
エステルは彼女たちも女優、もしくは女優の卵だと思ったようですね。
5. ケイトの部屋。ジョーイと良い感じになりながら、かなり酔っ払っていたケイトは、ジョーイにもたれて眠ってしまいます。
ケイトをソファに寝かせた後、
ジョーイ: (Looks at her) Good night, Kate. Sweet dreams. (Picks up a garbage can) I'm gonna put this can right here in case you have to hurl. ([ケイトを見て] おやすみ、ケイト。良い夢を。[ごみ箱[ごみ入れ]を持ち上げて] このごみ箱をちょうどここに置いておくよ。万が一、吐かなきゃいけない時のために[吐きたくなったらいけないから]。)
hurl は「…を強く投げつける、(言葉などを)浴びせる」という意味がありますね。
そういう、何かを投げつける、浴びせる、という勢いのある強い感覚が、「吐く」という意味になるようです。
実際、英辞郎には、「(自動詞)吐く」という意味が載っていました。
また、LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) には、
hurl: [intransitive and transitive] (American English informal) to vomit
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には、
hurl: [intransitive] (slang) to VOMIT
と出ていますので、アメリカのスラングで「吐く」という意味になるようです。
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以下のセリフは、時系列に並べてあります。
また、DVD字幕とネットスクリプトで表記が異なる場合は、実際の音声とチェックして正しいと思われる方を書いてあります。
1. エピソードの冒頭シーン。
レイチェル: Oh, Phoebe, are you still on hold? I was supposed to call my dad back, like, two hours ago. (まぁ、フィービー。まだ保留中の状態なの? 私は、2時間前くらいに、パパに電話をかけ直すことになってたのよ。)
フィービー: Oh, yeah. He clicked on. He said call him as soon as you get a chance. He's at Flimbees. (えぇ、そうね。パパのキャッチホンが入ったわよ。パパは、レイチェルが電話できるようになり次第、電話してくれ、って言ってたわ。パパはフリンビーズにいるって。)
ネットスクリプトでは、clipped on と表記されていますが、DVD英語字幕では、clicked on になっています。
click はマウスのクリックのように、「カチッと音を立てる」感覚ですね。
click on は「カチッと音がして、何かが on になる」ような感覚で、何かカチッというような音がして、キャッチホンが「入った、つながった」感覚だと思います。
2. プレミア後のパーティーで。
ロス: (drags Chandler over to buffet table) I'm telling you, this guy Rachel is with is crazy. Okay? He viciously screamed at total strangers. I think he's baaad news. ([チャンドラーをビュッフェテーブルに引っ張ってきて] 話したいことがあるんだけど、レイチェルが一緒にいる男はクレージーなんだよ。彼は全くの他人に悪意を持って叫んだんだ。彼は危険人物だと思うよ。)
ネットスクリプトでは、viscously と書いてあるのですが、正しくは、viciously です。
DVD英語字幕では、viciously と書いてあり、音声でも「ヴィシャスリー」と発音されています。
実際に、viscous 「粘着性の、粘性の」という形容詞とその副詞、viscously も存在しますので、紛らわしかったですね。(こちらの発音は「ヴィスカス」という感じ)
viciously は「悪意を持って、意地悪く」という意味ですね。
ロスは bad を強調して、baaad news と言っています。
bad news は「嫌な人、困った人、要注意人物」。
研究社 新英和中辞典、英辞郎などに載っていました。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bad news: (informal) someone or something that always causes trouble
つまり、「いつもトラブルを起こす誰か、または何か」。
3. パーティーで、なれそめを聞かれたピートとモニカ。
ケイリン: So how'd you guys meet? (それで、あなたたちはどんな風に出会ったの?)
ピート: Well ah, the short version is, I ah pursued her for a couple of months. Then I gave her a check for 20,000 dollars and she was mine. (そうだな。短いバージョンで言うと[短く言うと、手っ取り早く言うと]僕がモニカを2、3ヶ月追いかけた。それから、僕はモニカに2万ドルの小切手を挙げた。そして彼女は僕のものになった。)
モニカ: Yeah, and in the long version, I dump him for telling people the short version. (そうね。そして、長いバージョンでは、ピートがその短いバーションを人に話すから、私は彼を振るのよ。)
dump はフレンズによく出てくる「(恋人を)振る」ですね。
ピートは、短く言うと、手っ取り早く言うとこんな感じなんだ、と、「モニカは金でころっと落ちた」みたいな言い方をします。
それはモニカにとっては不名誉な話なので、長いバージョンとして情報を付け足すのですが、そのセリフを直訳すると、「そうね、で、長いバージョンで言うと、そのショートバージョンを人々に言って[ふれて]回ることで私は彼を振るのよ」みたいなことでしょうか。
この for は、研究社 新英和中辞典の、
for=[報償・返報を表わして] 〈好意・成果など〉に対して、…の返報として
He was fined for speeding. 彼はスピード違反で罰金を科せられた。
の「返報の for」かなと思います。
「人にそういう誤解を招くことをしゃべって回ることへの返報(報い、仕返し)として、彼を振るのよ」という感じでしょうか。
ピートが人聞きの悪いことを言うから、「そんなことばっかり言ってるから、私に振られちゃうのよ、私を怒らせちゃうのよ」と、ピートの説明にモニカは怒っている、ということを冗談っぽく言っている感覚かなと思いました。
正直、I dump him の dump という「現在形」のニュアンスがよくわからないのですが、「習性」の現在形だとすると、「そういうこと言ってるから、私は彼を振るわけね」みたいなことになるでしょうか。
4. ジョーイが自分のエージェントのエステルをフレンズたちに紹介するシーン。
エステル: How do you do? (to Rachel and Monica) Ooh, you two girls were outstanding! (to Joey) Do they have representation? (初めまして。[レイチェルとモニカに]まぁ、あなたたち女の子二人、抜群[素敵]ね! [ジョーイに] 彼女たちにはエージェントがいるの?)
representation は「代表、代理」なので、俳優の代理人として、仕事を請け負ったり、他者と交渉したりするエージェント、(俳優の)所属事務所、という意味なのだと思います。
エステルは彼女たちも女優、もしくは女優の卵だと思ったようですね。
5. ケイトの部屋。ジョーイと良い感じになりながら、かなり酔っ払っていたケイトは、ジョーイにもたれて眠ってしまいます。
ケイトをソファに寝かせた後、
ジョーイ: (Looks at her) Good night, Kate. Sweet dreams. (Picks up a garbage can) I'm gonna put this can right here in case you have to hurl. ([ケイトを見て] おやすみ、ケイト。良い夢を。[ごみ箱[ごみ入れ]を持ち上げて] このごみ箱をちょうどここに置いておくよ。万が一、吐かなきゃいけない時のために[吐きたくなったらいけないから]。)
hurl は「…を強く投げつける、(言葉などを)浴びせる」という意味がありますね。
そういう、何かを投げつける、浴びせる、という勢いのある強い感覚が、「吐く」という意味になるようです。
実際、英辞郎には、「(自動詞)吐く」という意味が載っていました。
また、LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) には、
hurl: [intransitive and transitive] (American English informal) to vomit
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2009年05月12日
newsは不可算名詞 フレンズ3-23その5
モニカはテレビ電話でピートと話をします。
話があると言っていたのは、good news だとピートから聞いて安心するモニカ。
ピートとのテレビ電話を切った後、
モニカ: Okay. Well, it's good news. It's good news. (よし。あぁ、良いニュース[グッド・ニュース]。良いニュースだって。)
チャンドラー: So, what do you think the good news is? (それで、その良いニュースって何だと思う?)
ジョーイ: (looking at the checkbook) Wow! Look at this! He wrote a check for 50,000 dollars to "Hugo Lindgren's Ring Design." (Monica is stunned) Oh, sorry. What do you think the good news is? ([ピートの小切手帳を見ながら] わぁ! これを見ろよ! ピートは「ヒューゴー・リンドグレン・リング・デザイン」に、5万ドルの小切手を切ってるぞ。[モニカは唖然となる] あぁ、ごめん。良いニュースって何だと思う?)
[pause]
沈黙。
モニカ: Oh, my! (まぁ、なんてこと!)
レイチェル: Monica's gonna marry a millionaire! (モニカは億万長者と結婚することになるのね!)
ロス: Hey, you gotta get Mom on the phone! Call Mom! Call Mom! (ねぇ、ママと電話しないと! ママに電話! ママに電話!)
(Pete's computer automatically calls Mom, Pete's Mom.)
ピートのコンピューターは自動的に、ママに、(つまり)ピートのママに(テレビ)電話をかける。
ピートのママ: Hello. (こんにちは。)
モニカ: And that's Pete's mom. (それで、あれはピートのママよ。)
(The gang quickly hides again.)
(ピートがテレビ電話に出た時と同じように)フレンズたちは、また、素早く隠れる。
日本語にもなっている「ニュース」ですが、英語の発音は「ニューズ」です。
また、-s がついていて、複数形に見えますが、news という単語自体は、不可算名詞(uncountable)です。
研究社 新英和中辞典に、
語源:元来は名詞として用いられた new の複数形
とありますので、元々は複数形だったわけでしょうが、今では複数形としては扱わない、ということです。
ですから、news に続く be動詞は、are ではなく、is を使います。
(この知識を使ったひっかけが、TOEIC に出たこともあります。)
今回のセリフでも、the good news is のように、is が使われていますね。
Bad news travels fast [quickly]. なら、「悪いニュースは早く伝わる。悪事千里を走る。」で、この場合も、travel ではなくて、travels になることに注意しましょう。
このシーンの少し前にピートの小切手帳を発見していたジョーイ。
良いニュースって何だろう?と話題になっている時に、ピートが何かに高額の小切手を切っているのを発見します。
write a check は「小切手を書く、切る」。
Hugo Lindgren's Ring Design は、「ヒューゴー・リンドグレンという人が経営しているリング・デザイン会社の名前」(5万ドルの支払い先)か、「ヒューゴー・リンドグレンというデザイナーに頼んだ、リング・デザイン料」(5万ドルという出費の件名)かのどちらかだろうと思ったのですが、"Hugo Lindgren's Ring Design." の前に to という前置詞が使われていますね。
研究社 新英和中辞典の、check 「小切手」の項目に以下の例文があります。
write a person a check [make out a check to a person] for a hundred dollars 人に100ドルの小切手を切る
これを見ると、to の後に、小切手を切った相手が来るようなので、今回も、to 以下は支払先、小切手を切った相手だと考えるのが妥当かなと思います。
また、Hugo Lindgren's Ring Design と単語の頭が大文字になっているのも、そういうデザイン会社、デザイン事務所の名称(固有名詞)であるからだと思うのですね。
リング・デザイン、つまり、リングという言葉を聞いて、モニカはびっくりした顔をしています。
ピートは大事な話、それも良いニュースがあると言う、そしてピートは高額を支払ってリングのデザインをさせた…ということになると、リング=(婚約)指輪、良いニュース=プロポーズ、結婚、が頭に浮かんだからですね。
誰もがリングという言葉でそれに気付いたのに、その小切手帳を読んだジョーイ本人だけがその重大さに気付いていません。
「あぁ、話の腰を折っちゃってごめん。で、良いニュースって、一体なんだろうね?」みたいなトボけたことを言っています。
get someone on the phone を直訳すると、「電話の上(電話の回線上)に人を連れてくる、呼び寄せる」みたいな感覚でしょうか。
つまり、「人を電話で呼び出す、人に電話する」ということです。
モニカが恋人にプロポーズされる!というビッグニュースをママにも知らせなきゃ!というところですね。
Call Mom! という命令形は、モニカに対して言われたものですが、そのコマンドを、ピートのコンピューターの音声認識システムが聞き取り、Mom= Pete's Mom と判断した賢い(笑)コンピューターは、ピートのママに電話を繋いでしまいます。
ピートが億万長者であることを示すためのアイテムである音声認識システムですが、それをいろんな形でジョークに取り込むところが、フレンズの脚本らしいなと思いました。
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話があると言っていたのは、good news だとピートから聞いて安心するモニカ。
ピートとのテレビ電話を切った後、
モニカ: Okay. Well, it's good news. It's good news. (よし。あぁ、良いニュース[グッド・ニュース]。良いニュースだって。)
チャンドラー: So, what do you think the good news is? (それで、その良いニュースって何だと思う?)
ジョーイ: (looking at the checkbook) Wow! Look at this! He wrote a check for 50,000 dollars to "Hugo Lindgren's Ring Design." (Monica is stunned) Oh, sorry. What do you think the good news is? ([ピートの小切手帳を見ながら] わぁ! これを見ろよ! ピートは「ヒューゴー・リンドグレン・リング・デザイン」に、5万ドルの小切手を切ってるぞ。[モニカは唖然となる] あぁ、ごめん。良いニュースって何だと思う?)
[pause]
沈黙。
モニカ: Oh, my! (まぁ、なんてこと!)
レイチェル: Monica's gonna marry a millionaire! (モニカは億万長者と結婚することになるのね!)
ロス: Hey, you gotta get Mom on the phone! Call Mom! Call Mom! (ねぇ、ママと電話しないと! ママに電話! ママに電話!)
(Pete's computer automatically calls Mom, Pete's Mom.)
ピートのコンピューターは自動的に、ママに、(つまり)ピートのママに(テレビ)電話をかける。
ピートのママ: Hello. (こんにちは。)
モニカ: And that's Pete's mom. (それで、あれはピートのママよ。)
(The gang quickly hides again.)
(ピートがテレビ電話に出た時と同じように)フレンズたちは、また、素早く隠れる。
日本語にもなっている「ニュース」ですが、英語の発音は「ニューズ」です。
また、-s がついていて、複数形に見えますが、news という単語自体は、不可算名詞(uncountable)です。
研究社 新英和中辞典に、
語源:元来は名詞として用いられた new の複数形
とありますので、元々は複数形だったわけでしょうが、今では複数形としては扱わない、ということです。
ですから、news に続く be動詞は、are ではなく、is を使います。
(この知識を使ったひっかけが、TOEIC に出たこともあります。)
今回のセリフでも、the good news is のように、is が使われていますね。
Bad news travels fast [quickly]. なら、「悪いニュースは早く伝わる。悪事千里を走る。」で、この場合も、travel ではなくて、travels になることに注意しましょう。
このシーンの少し前にピートの小切手帳を発見していたジョーイ。
良いニュースって何だろう?と話題になっている時に、ピートが何かに高額の小切手を切っているのを発見します。
write a check は「小切手を書く、切る」。
Hugo Lindgren's Ring Design は、「ヒューゴー・リンドグレンという人が経営しているリング・デザイン会社の名前」(5万ドルの支払い先)か、「ヒューゴー・リンドグレンというデザイナーに頼んだ、リング・デザイン料」(5万ドルという出費の件名)かのどちらかだろうと思ったのですが、"Hugo Lindgren's Ring Design." の前に to という前置詞が使われていますね。
研究社 新英和中辞典の、check 「小切手」の項目に以下の例文があります。
write a person a check [make out a check to a person] for a hundred dollars 人に100ドルの小切手を切る
これを見ると、to の後に、小切手を切った相手が来るようなので、今回も、to 以下は支払先、小切手を切った相手だと考えるのが妥当かなと思います。
また、Hugo Lindgren's Ring Design と単語の頭が大文字になっているのも、そういうデザイン会社、デザイン事務所の名称(固有名詞)であるからだと思うのですね。
リング・デザイン、つまり、リングという言葉を聞いて、モニカはびっくりした顔をしています。
ピートは大事な話、それも良いニュースがあると言う、そしてピートは高額を支払ってリングのデザインをさせた…ということになると、リング=(婚約)指輪、良いニュース=プロポーズ、結婚、が頭に浮かんだからですね。
誰もがリングという言葉でそれに気付いたのに、その小切手帳を読んだジョーイ本人だけがその重大さに気付いていません。
「あぁ、話の腰を折っちゃってごめん。で、良いニュースって、一体なんだろうね?」みたいなトボけたことを言っています。
get someone on the phone を直訳すると、「電話の上(電話の回線上)に人を連れてくる、呼び寄せる」みたいな感覚でしょうか。
つまり、「人を電話で呼び出す、人に電話する」ということです。
モニカが恋人にプロポーズされる!というビッグニュースをママにも知らせなきゃ!というところですね。
Call Mom! という命令形は、モニカに対して言われたものですが、そのコマンドを、ピートのコンピューターの音声認識システムが聞き取り、Mom= Pete's Mom と判断した賢い(笑)コンピューターは、ピートのママに電話を繋いでしまいます。
ピートが億万長者であることを示すためのアイテムである音声認識システムですが、それをいろんな形でジョークに取り込むところが、フレンズの脚本らしいなと思いました。
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2009年05月10日
コマンドよりスイッチを探せ フレンズ3-23その4
[Scene: Pete's apartment, Monica is there to water the plants, and is showing the gang around.]
ピートのアパートメント。モニカは植物の水やりのためにそこにいる。そして、フレンズたちを案内している。
モニカ: Okay, this is the den. All right, check this out. Lights! (the lights turn on automatically, but are very bright) Whoa! All right, less lights! Bad lights! Lights, go away! (they dim) Oh, see? You just need to find the right command. (それで、これが書斎ね。いいわ、これを見てて。ライト! [ライトが自動的に点灯するが、非常に明るい。] わっ! よし、少ない[明るくない]ライト! 悪いライトね! ライト、どっかに行け![消えろ、消え失せろ!] [ライトが薄暗くなる] ね、見た? ただ正しいコマンド[命令・指令]を見つければいいだけよ。)
ロス: Yes, and the dimmer switch. (そうだね。それと、減光スイッチを(見つければいいだけだ)ね。)
ジョーイ: Whoa! For a rich guy, he's got, that's a pretty small TV. (わぁ! 金持ちにしては、彼は…あれはすごく小さなテレビだね。)
モニカ: No-no-no, that's the video phone. But, hey guys, you're not supposed to be here, so please do not touch anything. (違う違う違う。あれはテレビ電話なの。でも、ねぇ、みんな。あなたたちはここにはいないことになってるの。だから、どうか何も触らないで。)
チャンドラー: (sitting down on the couch) I-KEA! This is comfortable. ([カウチに座りながら] アイ!キア! これって快適だな。)
dimmer は動詞 dim に -er がついたもので「薄暗くする人・もの」。
ですから、dimmer は「(照明の)減光スイッチ、調光器・制光装置」という意味になります。
dimmer だけでもそういうスイッチの意味になりますし、今回のように dimmer switch と言うこともあります。
音声認識システムで、ライトがついたり消えたりするのですが、ちょうどいい明るさにするのに、どういう言葉で指令したらいいかわからず困るモニカ。
適当に言っていたらちょうどいい明るさになったので、「ほら、適切なコマンドで指示すれば、ちゃんと思い通りに動くのよ。」と自慢げに語るのですが、実はそのちょうどいい明るさは、ロスが壁にあるディマー・スイッチ(減光スイッチ)をひねって調節したものだったのですね。
find the right command 「正しいコマンドを見つける」と言ったモニカに対して、「それとディマー・スイッチもね」という感じで、Yes, and the dimmer switch. と付け足したのです。
ロスが言ったのは、「(ちょうどいい明るさにするには)ディマー・スイッチを見つけたらいいだけだよ」(You just need to find the dimmer switch.)ということで、システムが認識できる指令の言葉をあれこれ探すよりも、ディマー・スイッチを見つけた方が手っ取り早い、find すべきものはスイッチだよ、という感じです。
for a rich guy の for は「…にしては」。
研究社 新英和中辞典では以下のように説明されています。
for (前置詞)=[基準を表わして] …としては、 …の割には
He's young for his age. 彼は年の割には若い。
It's cold for May. 5月にしては寒い。
For a learner, he swims well. 初心者にしては彼は泳ぎが上手だ。
金持ちだったらもっとでっかいテレビを持っているかと思ったけど、意外と小さいんだねぇ、という感じです。
モニカは、それはテレビじゃなくて、the video phone だと説明していますね。
日本語では、テレビ電話と言いますが、英語では、a video phone になります。
日本語のテレビゲームも、英語では、a video game と言います。
日本語の感覚は、テレビ画面、テレビのスクリーンに映すから、テレビ電話、テレビゲームと言うわけでしょうが、本来それはテレビ局が放送・放映しているものではないので、実際のシステムから考えると、ビデオフォン、ビデオゲームの方が正しい感覚なのかもしれません。
モニカ一人が来ることになっていて、フレンズたちを連れてくるって言ってないから、余計なものを触らないで、と言うのですが、チャンドラーは早速、カウチにどっかり座ってしまいます。
座りながら、I-KEA! (ネットスクリプトでは、I-kea!、DVD英語字幕では、IKEA)と言っていますが、これは、「あー!」と気持ちよさそうな声を出しながら座っているように聞こえて、実は IKEA という家具店の名前を言っているのですね。
Wikipedia 日本語版: イケア にあるように、イケア(IKEA)は、スウェーデン発祥の大手家具店です。
日本にも進出しているので、日本人にもおなじみの名前ですね。
日本ではそのようにイケアと呼ばれていますが、英語ではチャンドラーのように「アイキア」と発音するのですね。
ウィキペディアにも、
アメリカ、カナダやオーストラリアなど英語圏では「アイキア」と発音する
と書いてあります。
イケアの特徴は「格安、安価の組み立て式家具を売る」という部分でしょうか。
自分で組み立てる分、値段がお安くなっている、という感じでしょうね。(私は IKEA を利用したことがないので詳しくは知らないのですが。)
フレンズ1-1 (パイロット版)で、ロスたちがブックケースなどの家具を組み立てていましたが、あれが、IKEA のイメージなのかな、と思います。
で、イケアはそういうイメージであることを認識した上で、チャンドラーのセリフを見てみましょう。
ピートの書斎(den)は、さすがはお金持ち、という感じで、家具や調度品もどっしりした高級そうなものが置かれているように見えます。
ですから、ピートの書斎の家具がイケアで買ったものである、という可能性は低いように思うのですね。
チャンドラーが座ったカウチも恐らくかなり高価なもので、だから座り心地も最高!という感じだと思います。
それなのに、座る時にわざわざ、IKEA (アイキア)と声を出して、「あー!」というくつろいだ声に続けて、格安の組み立て家具店の名前を出したのは、「あー、やっぱりイケアの家具は最高だね!」と、「違いのわからない庶民の男」のふりをしてみた、というジョークなのかな、と思いました。
イケアの家具であるはずはないのに、「さすがはイケアだ、快適だ」と言って、みんなが心の中で「それはイケアじゃないってば!」とツッコミを入れることを期待しているようなボケなのかな、と思ったのですが、どうでしょう??
超高級中華料理店の餃子を食べて、「オー!ショー!(王将!) これはおいしいね。」と言っているような感じなのかな、と思ったりもするのですが…関西圏に「餃子の王将」という中華料理チェーン店があるんですよ(笑)。
(Rach からのお詫び)
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ピートのアパートメント。モニカは植物の水やりのためにそこにいる。そして、フレンズたちを案内している。
モニカ: Okay, this is the den. All right, check this out. Lights! (the lights turn on automatically, but are very bright) Whoa! All right, less lights! Bad lights! Lights, go away! (they dim) Oh, see? You just need to find the right command. (それで、これが書斎ね。いいわ、これを見てて。ライト! [ライトが自動的に点灯するが、非常に明るい。] わっ! よし、少ない[明るくない]ライト! 悪いライトね! ライト、どっかに行け![消えろ、消え失せろ!] [ライトが薄暗くなる] ね、見た? ただ正しいコマンド[命令・指令]を見つければいいだけよ。)
ロス: Yes, and the dimmer switch. (そうだね。それと、減光スイッチを(見つければいいだけだ)ね。)
ジョーイ: Whoa! For a rich guy, he's got, that's a pretty small TV. (わぁ! 金持ちにしては、彼は…あれはすごく小さなテレビだね。)
モニカ: No-no-no, that's the video phone. But, hey guys, you're not supposed to be here, so please do not touch anything. (違う違う違う。あれはテレビ電話なの。でも、ねぇ、みんな。あなたたちはここにはいないことになってるの。だから、どうか何も触らないで。)
チャンドラー: (sitting down on the couch) I-KEA! This is comfortable. ([カウチに座りながら] アイ!キア! これって快適だな。)
dimmer は動詞 dim に -er がついたもので「薄暗くする人・もの」。
ですから、dimmer は「(照明の)減光スイッチ、調光器・制光装置」という意味になります。
dimmer だけでもそういうスイッチの意味になりますし、今回のように dimmer switch と言うこともあります。
音声認識システムで、ライトがついたり消えたりするのですが、ちょうどいい明るさにするのに、どういう言葉で指令したらいいかわからず困るモニカ。
適当に言っていたらちょうどいい明るさになったので、「ほら、適切なコマンドで指示すれば、ちゃんと思い通りに動くのよ。」と自慢げに語るのですが、実はそのちょうどいい明るさは、ロスが壁にあるディマー・スイッチ(減光スイッチ)をひねって調節したものだったのですね。
find the right command 「正しいコマンドを見つける」と言ったモニカに対して、「それとディマー・スイッチもね」という感じで、Yes, and the dimmer switch. と付け足したのです。
ロスが言ったのは、「(ちょうどいい明るさにするには)ディマー・スイッチを見つけたらいいだけだよ」(You just need to find the dimmer switch.)ということで、システムが認識できる指令の言葉をあれこれ探すよりも、ディマー・スイッチを見つけた方が手っ取り早い、find すべきものはスイッチだよ、という感じです。
for a rich guy の for は「…にしては」。
研究社 新英和中辞典では以下のように説明されています。
for (前置詞)=[基準を表わして] …としては、 …の割には
He's young for his age. 彼は年の割には若い。
It's cold for May. 5月にしては寒い。
For a learner, he swims well. 初心者にしては彼は泳ぎが上手だ。
金持ちだったらもっとでっかいテレビを持っているかと思ったけど、意外と小さいんだねぇ、という感じです。
モニカは、それはテレビじゃなくて、the video phone だと説明していますね。
日本語では、テレビ電話と言いますが、英語では、a video phone になります。
日本語のテレビゲームも、英語では、a video game と言います。
日本語の感覚は、テレビ画面、テレビのスクリーンに映すから、テレビ電話、テレビゲームと言うわけでしょうが、本来それはテレビ局が放送・放映しているものではないので、実際のシステムから考えると、ビデオフォン、ビデオゲームの方が正しい感覚なのかもしれません。
モニカ一人が来ることになっていて、フレンズたちを連れてくるって言ってないから、余計なものを触らないで、と言うのですが、チャンドラーは早速、カウチにどっかり座ってしまいます。
座りながら、I-KEA! (ネットスクリプトでは、I-kea!、DVD英語字幕では、IKEA)と言っていますが、これは、「あー!」と気持ちよさそうな声を出しながら座っているように聞こえて、実は IKEA という家具店の名前を言っているのですね。
Wikipedia 日本語版: イケア にあるように、イケア(IKEA)は、スウェーデン発祥の大手家具店です。
日本にも進出しているので、日本人にもおなじみの名前ですね。
日本ではそのようにイケアと呼ばれていますが、英語ではチャンドラーのように「アイキア」と発音するのですね。
ウィキペディアにも、
アメリカ、カナダやオーストラリアなど英語圏では「アイキア」と発音する
と書いてあります。
イケアの特徴は「格安、安価の組み立て式家具を売る」という部分でしょうか。
自分で組み立てる分、値段がお安くなっている、という感じでしょうね。(私は IKEA を利用したことがないので詳しくは知らないのですが。)
フレンズ1-1 (パイロット版)で、ロスたちがブックケースなどの家具を組み立てていましたが、あれが、IKEA のイメージなのかな、と思います。
で、イケアはそういうイメージであることを認識した上で、チャンドラーのセリフを見てみましょう。
ピートの書斎(den)は、さすがはお金持ち、という感じで、家具や調度品もどっしりした高級そうなものが置かれているように見えます。
ですから、ピートの書斎の家具がイケアで買ったものである、という可能性は低いように思うのですね。
チャンドラーが座ったカウチも恐らくかなり高価なもので、だから座り心地も最高!という感じだと思います。
それなのに、座る時にわざわざ、IKEA (アイキア)と声を出して、「あー!」というくつろいだ声に続けて、格安の組み立て家具店の名前を出したのは、「あー、やっぱりイケアの家具は最高だね!」と、「違いのわからない庶民の男」のふりをしてみた、というジョークなのかな、と思いました。
イケアの家具であるはずはないのに、「さすがはイケアだ、快適だ」と言って、みんなが心の中で「それはイケアじゃないってば!」とツッコミを入れることを期待しているようなボケなのかな、と思ったのですが、どうでしょう??
超高級中華料理店の餃子を食べて、「オー!ショー!(王将!) これはおいしいね。」と言っているような感じなのかな、と思ったりもするのですが…関西圏に「餃子の王将」という中華料理チェーン店があるんですよ(笑)。
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2009年05月08日
俺たちが水やりするよ フレンズ3-23その3
[Scene: Central Perk, Chandler, Monica, and Joey are there.]
セントラルパーク。チャンドラー、モニカ、ジョーイがそこにいる。
出張中のピートから、"We need to talk." と言われたので、ピートに振られそうだと思っているモニカ。
モニカ: (starting to get up) I gotta go water Pete's plants. (stops) Y'know what? If he's gonna break up with me, maybe I won't water his plants. ([立ち上がろうとする] ピートの(観葉)植物に水をやりに行かなくちゃ。[動きを止めて] ねぇ、もしピートが私と別れるつもりなら、多分、私は彼の植物に水やりしないわ[するつもりはないわ]。)
チャンドラー: Well, if he's gonna break up with you, maybe Joey and I should water his plants. If you know what I mean. (そうだな。もしピートがモニカと別れるつもりなら、多分、ジョーイと俺が彼の植物に水やりをすべきだな。俺の言っている意味がわかるかな。)
ジョーイ: Or, ha-ha, we could go over there and pee on them. (それとも、ハハハ。俺たちがそこに行って、植物におしっこかけることもできるぞ。)
ピートが家にいない間、彼の部屋に置いてある植物に水やり(水遣り)をすることになっているようですが、ピートに振られると思っているモニカは、振られるなら水やりなんかしてあげる必要ないかも、と言っています。
ここでの water は他動詞で「…に水をやる、かける、まく」ですね。
それを聞いたチャンドラーは、ちょっと得意そうに、maybe Joey and I should water his plants. と言った後、If you know what I mean. と付け加えています。
このニュアンスについては、以下の英辞郎の語義がわかりやすいです。
英辞郎では、
if you know what I mean=(あなたには)意味が分からないかもしれないけど、分かるかな、ピンと来ないかもしれないけど。(用法)複雑な内容・遠回しな表現・隠語的表現などについて
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
(do) you know what I mean? also if you know what I mean:
used when checking that someone has understood what you are saying
つまり、「自分が言っていることを誰かが理解したかを確認する時に使われる」
直訳すると、「もし俺の言っていることの意味が分かれば(の話だけどね)」という感じでしょうか。
チャンドラーとしては、ちょっと遠回しに言い過ぎたかもしれないけど、俺の言うこと、わかるよね?ということです。
そのチャンドラーの発言を妙に真面目な顔をして聞いていたジョーイは、Or 「または」を使って、チャンドラーが言ったこともいいけど、こういうこともできるよ、と、植物におしっこをかける案を提案します。
それを聞いて、チャンドラーがあっちゃー!という顔をしていますね。
これは、「ジョーイは俺の言うこと、ちっともわかってねぇー!」という感じの顔です。
チャンドラーは、男2人で水やりに行く、と言ったのですが、それは「俺たち二人が、水じゃなくて、小便をかけに行ってやる」という意味だったようですね。
モニカが行かないって言うんなら、俺たちがモニカを振ろうとしている男のところへ行って、モニカの友人として仕返ししてやろうじゃん、という感じです。
もちろん、文字通り解釈すれば、「俺とジョーイで植物に水をやる」になるのですが、If you know what I mean という言葉をわざわざ付け足して、「ちょっと遠回しに言ってみたんだけどわかるかな?」と得意気に、また少しいたずらっぽく言ったことを考えると、「water というのはある行為を意味する婉曲表現であり隠喩であることを示唆している」と考えるべきでしょう。
そのチャンドラーのセリフを「なるほど」という顔をして聞いていたジョーイが、「それもいいけど、こういうのもどう?」と出した提案が、チャンドラーが隠喩で表現したことをそのまんまダイレクトに言い直した内容(pee on them[plants])だったので、俺がわざわざ婉曲的に表現してみたのに、全然通じてなかったのかよ!とがっかりした、ということです。
ドクター・ロウズの診察室。ロスの周りにたくさんの医者が集まってきている。
ロス: Y'know, I have dinner plans. (あのー、ディナーの予定があるんですけど。)
ドクター・ロウズ: Thank you so much for coming on such a short notice. Ladies and gentlemen, I've-I've-I've been practicing medicine for 23 years, and I'm stumped. (急な呼び出しに来てくれてありがとう。皆さん、私は、私は、私は、23年間、医業を営んできたが、(今回は)お手上げだ。)
(He removes the blanket covering the thing.)
ドクター・ロウズは、(ロスの)モノを覆っているブランケットを取り除く。
全員: Whoa. (they all lean in to get a closer look, Ross isn't pleased) (おぉー。[医者たちは全員、より間近で見ようと、身を乗り出す。ロスは嬉しくない。]
Thank you so much for coming on such a short notice. について。
notice は「通知、告知」。
トゥーウィークスノーティス フレンズ3-10その16 で、I'm giving my week's notice. というセリフが出てきて、その時に、記事中そしてコメント欄で、notice についていろいろ書いています。
その時のコメント欄で書いたことと重複しますが、notice についてここでまた説明させて下さい。
セリフでは、on such a short notice となっていますが、「通知、告知」という意味は不可算名詞のようなので、文法的には a のない形が正しいのかもしれません。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
at short notice British English
on short notice American English
: if you do something at short notice, you do not have very much time to prepare for it
例) The trip was planned on short notice.
Thanks for agreeing to see me at such short notice.
a cancellation at very short notice
つまり、at を使うのがイギリス式、on を使うのがアメリカ式ということで、その意味は、「at short notice で何かをするということは、それに対して準備する時間があまりないこと。」
ロングマンの3つの例文すべて、不定冠詞の a はついていませんね。
2番目の例文、Thanks for agreeing to see me at such short notice. 「急な依頼・通知にもかかわらず私に会うことに同意してくれてありがとう。」は、今回のセリフと同じようなニュアンスです。
このフレーズは、TOEIC の Part 4 で、会議を招集した人が出席者に対して開口一番、「急な呼び出しに集まってくれてありがとう」などと言うパターンに出てきそうなフレーズで、実際、TOEICテスト新公式問題集 解答・解説編 p.112 にも出てきます。
その問題集のナレーションも、on such short notice となっていて、such a... ではありません。
そのように、正式には、on such short notice が正しいと思われるのですが、ネットで検索してみると、on such a short notice という検索結果も結構出てきます。
今回、フレンズのセリフに登場し、DVD字幕にもはっきり、on such a short notice と書かれているくらいなので、文法的には間違いかもしれないけれど、結構使われている表現なんだろうな、と思います。
私のようなノンネイティブは、such a ... という形で覚えたものが多いので、such とくると、a を入れたくなるわけですが、ネイティブの場合でも、such a というフレーズって言いやすいんでしょうかねぇ?
practice medicine は「医者を開業する、医業を営む」。
stump は「(質問などが)(人)を悩ませる、困らせる、参らせる、困惑させる」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stump: [transitive] to ask someone such a difficult question that they are completely unable to think of an answer.
つまり、「全く答えを思いつくことができないような難しい質問をすること」。
たまたま、2つ前の記事、フレンズ3-23その1 で、「犬が文字を読む時、犬の唇は動くかしら?」ととんちんかんなことを言ったフィービーに対して、"...Chandler and Rachel, who're also stumped" というト書きがありました。
これもフィービーの言っている意味がわからないで困惑している様子を表していますね。
長年医者をやってきたが今回のできものはよくわからないと医者に言われ、他の医者たちも、おぉー!という歓声を上げていて、ロスがいやーな顔をしているのが面白いです。
大袈裟にしたくないのに、どんどん話が大きくなっていくのが、フレンズらしいです。
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セントラルパーク。チャンドラー、モニカ、ジョーイがそこにいる。
出張中のピートから、"We need to talk." と言われたので、ピートに振られそうだと思っているモニカ。
モニカ: (starting to get up) I gotta go water Pete's plants. (stops) Y'know what? If he's gonna break up with me, maybe I won't water his plants. ([立ち上がろうとする] ピートの(観葉)植物に水をやりに行かなくちゃ。[動きを止めて] ねぇ、もしピートが私と別れるつもりなら、多分、私は彼の植物に水やりしないわ[するつもりはないわ]。)
チャンドラー: Well, if he's gonna break up with you, maybe Joey and I should water his plants. If you know what I mean. (そうだな。もしピートがモニカと別れるつもりなら、多分、ジョーイと俺が彼の植物に水やりをすべきだな。俺の言っている意味がわかるかな。)
ジョーイ: Or, ha-ha, we could go over there and pee on them. (それとも、ハハハ。俺たちがそこに行って、植物におしっこかけることもできるぞ。)
ピートが家にいない間、彼の部屋に置いてある植物に水やり(水遣り)をすることになっているようですが、ピートに振られると思っているモニカは、振られるなら水やりなんかしてあげる必要ないかも、と言っています。
ここでの water は他動詞で「…に水をやる、かける、まく」ですね。
それを聞いたチャンドラーは、ちょっと得意そうに、maybe Joey and I should water his plants. と言った後、If you know what I mean. と付け加えています。
このニュアンスについては、以下の英辞郎の語義がわかりやすいです。
英辞郎では、
if you know what I mean=(あなたには)意味が分からないかもしれないけど、分かるかな、ピンと来ないかもしれないけど。(用法)複雑な内容・遠回しな表現・隠語的表現などについて
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
(do) you know what I mean? also if you know what I mean:
used when checking that someone has understood what you are saying
つまり、「自分が言っていることを誰かが理解したかを確認する時に使われる」
直訳すると、「もし俺の言っていることの意味が分かれば(の話だけどね)」という感じでしょうか。
チャンドラーとしては、ちょっと遠回しに言い過ぎたかもしれないけど、俺の言うこと、わかるよね?ということです。
そのチャンドラーの発言を妙に真面目な顔をして聞いていたジョーイは、Or 「または」を使って、チャンドラーが言ったこともいいけど、こういうこともできるよ、と、植物におしっこをかける案を提案します。
それを聞いて、チャンドラーがあっちゃー!という顔をしていますね。
これは、「ジョーイは俺の言うこと、ちっともわかってねぇー!」という感じの顔です。
チャンドラーは、男2人で水やりに行く、と言ったのですが、それは「俺たち二人が、水じゃなくて、小便をかけに行ってやる」という意味だったようですね。
モニカが行かないって言うんなら、俺たちがモニカを振ろうとしている男のところへ行って、モニカの友人として仕返ししてやろうじゃん、という感じです。
もちろん、文字通り解釈すれば、「俺とジョーイで植物に水をやる」になるのですが、If you know what I mean という言葉をわざわざ付け足して、「ちょっと遠回しに言ってみたんだけどわかるかな?」と得意気に、また少しいたずらっぽく言ったことを考えると、「water というのはある行為を意味する婉曲表現であり隠喩であることを示唆している」と考えるべきでしょう。
そのチャンドラーのセリフを「なるほど」という顔をして聞いていたジョーイが、「それもいいけど、こういうのもどう?」と出した提案が、チャンドラーが隠喩で表現したことをそのまんまダイレクトに言い直した内容(pee on them[plants])だったので、俺がわざわざ婉曲的に表現してみたのに、全然通じてなかったのかよ!とがっかりした、ということです。
ドクター・ロウズの診察室。ロスの周りにたくさんの医者が集まってきている。
ロス: Y'know, I have dinner plans. (あのー、ディナーの予定があるんですけど。)
ドクター・ロウズ: Thank you so much for coming on such a short notice. Ladies and gentlemen, I've-I've-I've been practicing medicine for 23 years, and I'm stumped. (急な呼び出しに来てくれてありがとう。皆さん、私は、私は、私は、23年間、医業を営んできたが、(今回は)お手上げだ。)
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ドクター・ロウズは、(ロスの)モノを覆っているブランケットを取り除く。
全員: Whoa. (they all lean in to get a closer look, Ross isn't pleased) (おぉー。[医者たちは全員、より間近で見ようと、身を乗り出す。ロスは嬉しくない。]
Thank you so much for coming on such a short notice. について。
notice は「通知、告知」。
トゥーウィークスノーティス フレンズ3-10その16 で、I'm giving my week's notice. というセリフが出てきて、その時に、記事中そしてコメント欄で、notice についていろいろ書いています。
その時のコメント欄で書いたことと重複しますが、notice についてここでまた説明させて下さい。
セリフでは、on such a short notice となっていますが、「通知、告知」という意味は不可算名詞のようなので、文法的には a のない形が正しいのかもしれません。
LDOCE (Longman Dictionary of Contemporary English) では、
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例) The trip was planned on short notice.
Thanks for agreeing to see me at such short notice.
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つまり、at を使うのがイギリス式、on を使うのがアメリカ式ということで、その意味は、「at short notice で何かをするということは、それに対して準備する時間があまりないこと。」
ロングマンの3つの例文すべて、不定冠詞の a はついていませんね。
2番目の例文、Thanks for agreeing to see me at such short notice. 「急な依頼・通知にもかかわらず私に会うことに同意してくれてありがとう。」は、今回のセリフと同じようなニュアンスです。
このフレーズは、TOEIC の Part 4 で、会議を招集した人が出席者に対して開口一番、「急な呼び出しに集まってくれてありがとう」などと言うパターンに出てきそうなフレーズで、実際、TOEICテスト新公式問題集 解答・解説編 p.112 にも出てきます。
その問題集のナレーションも、on such short notice となっていて、such a... ではありません。
そのように、正式には、on such short notice が正しいと思われるのですが、ネットで検索してみると、on such a short notice という検索結果も結構出てきます。
今回、フレンズのセリフに登場し、DVD字幕にもはっきり、on such a short notice と書かれているくらいなので、文法的には間違いかもしれないけれど、結構使われている表現なんだろうな、と思います。
私のようなノンネイティブは、such a ... という形で覚えたものが多いので、such とくると、a を入れたくなるわけですが、ネイティブの場合でも、such a というフレーズって言いやすいんでしょうかねぇ?
practice medicine は「医者を開業する、医業を営む」。
stump は「(質問などが)(人)を悩ませる、困らせる、参らせる、困惑させる」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
stump: [transitive] to ask someone such a difficult question that they are completely unable to think of an answer.
つまり、「全く答えを思いつくことができないような難しい質問をすること」。
たまたま、2つ前の記事、フレンズ3-23その1 で、「犬が文字を読む時、犬の唇は動くかしら?」ととんちんかんなことを言ったフィービーに対して、"...Chandler and Rachel, who're also stumped" というト書きがありました。
これもフィービーの言っている意味がわからないで困惑している様子を表していますね。
長年医者をやってきたが今回のできものはよくわからないと医者に言われ、他の医者たちも、おぉー!という歓声を上げていて、ロスがいやーな顔をしているのが面白いです。
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2009年05月06日
奇妙なものは彼の得意分野 フレンズ3-23その2
ロスのお尻に正体不明のできものが出来たので、それを診てもらうため、医者を訪ねたロス。
[Scene: A Doctor's Office, Ross is having his thing looked at by Dr. Rhodes.]
医者の診察室。ロスはドクター・ロウズに自分のモノ[できもの]を見てもらおうとしているところ。
ロス: Th-th-that's all it is. A third nipple. Y'know? Just your run-of-the-mill third nipple. Y'know? You can take it off. Just slice that baby right off. (それだけなんです。3番目の乳首ですよ。ごく普通の3番目の乳首なんです。あなたはそれを取ることができるはずだ。そのベイビーをただ薄く[スパッと]切って下さい。)
ドクター・ロウズ: Take your shirt off. Let's see what we're dealing with here. (Ross starts to take off his pants) What are you doing? (シャツを脱いでくれ。ここで我々が扱おうとしているものを見よう。[ロスはパンツ[ズボン]を脱ぎ始める] 何をしてるんだ?)
ロス: Just showing you my run-of-the-mill, slice-it-right-off third nipple. (ごく普通の、スパッと切っちゃう3番目の乳首を、ただあなたに見せようとしてるんです。)
ドクター・ロウズ: Well, that's not a third nipple. (うーん、それは3番目の乳首じゃないな。)
ロス: No? (違いますか?)
ドクター・ロウズ: First of all, it's on your ass. (まず第一に、それは君の尻にあるじゃないか。)
ロス: Well, then what is it? (えぇ、それじゃあ、それは何ですか?)
ドクター・ロウズ: Wait a minute. Hold it. (He goes to the door and opens it.) Jansen! Will you come in here a moment? (ちょっと待って。そのままの状態でじっとして。[ドクターはドアのところに行き、ドアを開ける] ジャンセン! ちょっとこっちに来てくれるか?)
ドクター・ジャンセン: I'm with Hamilton! (僕は今ハミルトンと一緒なんです[話をしてるところなんです]。)
ドクター・ロウズ: He's good with weird things. Bring him in too. (ハミルトンは奇妙な[変わった]ものが得意だ。彼も一緒に連れて来い。)
自分のお尻にできた正体不明のできものを、a third nipple 「3番目の乳首、第3の乳首」だと言い張るロス。
チャンドラーに、a third nipple がある話は、フレンズ2-4その1 に出てきました。
フレンズ3-14その18 では、それが原因で恋人ジンジャーと別れることになり、
そのエピソードの最後、フレンズ3-14その21 で、除去手術で3番目の乳首を取ってきた話をしていました。
詳しい説明は以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Supernumerary nipple
supernumerary は「定数以上の、過剰な」という意味です。本来乳首は2つなので、それ以上の数がある乳首、ということですね。
そのウィキペディアでは、Known examples として、実際に a third nipple を持っている有名人の名前が書いてあります。
また、Examples in popular culture では、チャンドラーのこともちゃんと書いてありますね。
run-of-the-mill は「普通の、平凡な、月並みの、ありふれた」。
ロスは自分のできもののことを、ありふれた3番目の乳首だと言って、ことを大げさにせずに切ってもらおうとします。
できものを見せるために、下半身の衣服を脱ごうとするので、医者はびっくり。
「尻にあるのなら、乳首なわけないじゃないか。」ということですね。
自分だけでは手に負えない、誰かの助けを借りようと、ロウズは隣の部屋にいるジャンセンに声を掛けます。
隣室から、I'm with Hamilton! という返事が返ってきますが、具体的な名前を挙げているところから、ハミルトンが同僚の医者であることが想像できます。
一緒にいるのが患者なら、そんな風に固有名詞は出さないように思うのですね。
ロウズがハミルトンの名前を知っているからこそ、「あなたに呼ばれたけれど、今、私はハミルトンと一緒にいて、打ち合わせなどをしているところなので…」と言い、大切な用事の最中だから、来てくれと言われても、今すぐは無理です、と言っていることになるのでしょう。
それを聞いたロウズは、He's good with weird things. Bring him in too. と言っています。
be good with は「…が得意で、上手で、うまくて、…に強くて」。
be good の後には at, in, on, with など様々な前置詞が使われますが、その使い分けについて、研究社 新英和中辞典では、
at, in は技術の対象、on は特定のもの[事]、with は扱いの対象に用いる
と説明されています。
今回の be good with も、まさに「扱いの対象」を言っていますね。
with 以下のものの扱いや対応がうまい、得意だ、ということです。
He's good with weird things. の部分、ネットスクリプトでは、He's good with rear things. になっていました。
rear は「後ろの、後方の、お尻の」で、名詞 rear には「尻」という意味もあります。
ですから、He's good with rear things. だと「彼はお尻のこと[お尻に関すること]が得意、お尻のものの扱いがうまい」みたいな意味になるでしょうね。
今回ロスのできものはお尻に出来ているため、それはそれで意味が通じるのですが、DVD英語字幕では weird things となっていて、音声も weird に聞こえるので、weird が正解だろうと思います。
weird things は「変わったもの、変なもの、奇妙なもの、風変わりなもの」で、ロウズが見ても何だかよくわからない、そういう正体不明のものについては、彼、つまり、ハミルトンの得意分野だから、今そこで一緒にいるというハミルトンもこっちに連れて来い、ハミルトンも一緒に診てくれると助かるから、ということです。
隣室の同僚まで呼ばれるのも困るのに、さらに、奇妙な病気・症例が得意分野だというもう一人の同僚まで呼ばれてしまう…。
ありきたりな3番目の乳首ですよ、と言って、あっさり処理してもらおうと思ったのに、ロスの意に反して、どんどん話が大きくなるところが面白いですね。
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[Scene: A Doctor's Office, Ross is having his thing looked at by Dr. Rhodes.]
医者の診察室。ロスはドクター・ロウズに自分のモノ[できもの]を見てもらおうとしているところ。
ロス: Th-th-that's all it is. A third nipple. Y'know? Just your run-of-the-mill third nipple. Y'know? You can take it off. Just slice that baby right off. (それだけなんです。3番目の乳首ですよ。ごく普通の3番目の乳首なんです。あなたはそれを取ることができるはずだ。そのベイビーをただ薄く[スパッと]切って下さい。)
ドクター・ロウズ: Take your shirt off. Let's see what we're dealing with here. (Ross starts to take off his pants) What are you doing? (シャツを脱いでくれ。ここで我々が扱おうとしているものを見よう。[ロスはパンツ[ズボン]を脱ぎ始める] 何をしてるんだ?)
ロス: Just showing you my run-of-the-mill, slice-it-right-off third nipple. (ごく普通の、スパッと切っちゃう3番目の乳首を、ただあなたに見せようとしてるんです。)
ドクター・ロウズ: Well, that's not a third nipple. (うーん、それは3番目の乳首じゃないな。)
ロス: No? (違いますか?)
ドクター・ロウズ: First of all, it's on your ass. (まず第一に、それは君の尻にあるじゃないか。)
ロス: Well, then what is it? (えぇ、それじゃあ、それは何ですか?)
ドクター・ロウズ: Wait a minute. Hold it. (He goes to the door and opens it.) Jansen! Will you come in here a moment? (ちょっと待って。そのままの状態でじっとして。[ドクターはドアのところに行き、ドアを開ける] ジャンセン! ちょっとこっちに来てくれるか?)
ドクター・ジャンセン: I'm with Hamilton! (僕は今ハミルトンと一緒なんです[話をしてるところなんです]。)
ドクター・ロウズ: He's good with weird things. Bring him in too. (ハミルトンは奇妙な[変わった]ものが得意だ。彼も一緒に連れて来い。)
自分のお尻にできた正体不明のできものを、a third nipple 「3番目の乳首、第3の乳首」だと言い張るロス。
チャンドラーに、a third nipple がある話は、フレンズ2-4その1 に出てきました。
フレンズ3-14その18 では、それが原因で恋人ジンジャーと別れることになり、
そのエピソードの最後、フレンズ3-14その21 で、除去手術で3番目の乳首を取ってきた話をしていました。
詳しい説明は以下のウィキペディアで。
Wikipedia 英語版: Supernumerary nipple
supernumerary は「定数以上の、過剰な」という意味です。本来乳首は2つなので、それ以上の数がある乳首、ということですね。
そのウィキペディアでは、Known examples として、実際に a third nipple を持っている有名人の名前が書いてあります。
また、Examples in popular culture では、チャンドラーのこともちゃんと書いてありますね。
run-of-the-mill は「普通の、平凡な、月並みの、ありふれた」。
ロスは自分のできもののことを、ありふれた3番目の乳首だと言って、ことを大げさにせずに切ってもらおうとします。
できものを見せるために、下半身の衣服を脱ごうとするので、医者はびっくり。
「尻にあるのなら、乳首なわけないじゃないか。」ということですね。
自分だけでは手に負えない、誰かの助けを借りようと、ロウズは隣の部屋にいるジャンセンに声を掛けます。
隣室から、I'm with Hamilton! という返事が返ってきますが、具体的な名前を挙げているところから、ハミルトンが同僚の医者であることが想像できます。
一緒にいるのが患者なら、そんな風に固有名詞は出さないように思うのですね。
ロウズがハミルトンの名前を知っているからこそ、「あなたに呼ばれたけれど、今、私はハミルトンと一緒にいて、打ち合わせなどをしているところなので…」と言い、大切な用事の最中だから、来てくれと言われても、今すぐは無理です、と言っていることになるのでしょう。
それを聞いたロウズは、He's good with weird things. Bring him in too. と言っています。
be good with は「…が得意で、上手で、うまくて、…に強くて」。
be good の後には at, in, on, with など様々な前置詞が使われますが、その使い分けについて、研究社 新英和中辞典では、
at, in は技術の対象、on は特定のもの[事]、with は扱いの対象に用いる
と説明されています。
今回の be good with も、まさに「扱いの対象」を言っていますね。
with 以下のものの扱いや対応がうまい、得意だ、ということです。
He's good with weird things. の部分、ネットスクリプトでは、He's good with rear things. になっていました。
rear は「後ろの、後方の、お尻の」で、名詞 rear には「尻」という意味もあります。
ですから、He's good with rear things. だと「彼はお尻のこと[お尻に関すること]が得意、お尻のものの扱いがうまい」みたいな意味になるでしょうね。
今回ロスのできものはお尻に出来ているため、それはそれで意味が通じるのですが、DVD英語字幕では weird things となっていて、音声も weird に聞こえるので、weird が正解だろうと思います。
weird things は「変わったもの、変なもの、奇妙なもの、風変わりなもの」で、ロウズが見ても何だかよくわからない、そういう正体不明のものについては、彼、つまり、ハミルトンの得意分野だから、今そこで一緒にいるというハミルトンもこっちに連れて来い、ハミルトンも一緒に診てくれると助かるから、ということです。
隣室の同僚まで呼ばれるのも困るのに、さらに、奇妙な病気・症例が得意分野だというもう一人の同僚まで呼ばれてしまう…。
ありきたりな3番目の乳首ですよ、と言って、あっさり処理してもらおうと思ったのに、ロスの意に反して、どんどん話が大きくなるところが面白いですね。
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2009年05月04日
二人の男をジャグリング フレンズ3-23その1
シーズン3 第23話
The One With Ross' Thing (フィービーはどっちも好き!)
原題は「ロスのモノの話」
(追記)
以下の記事で、冒頭シーンの追加説明をしています。
興味のある方は覗いてみて下さい。
フレンズ3-23その8
(追記はここまで)
セントラルパーク。消防士であるフィービーの恋人ヴィンスが出て行った後、
レイチェル: Wow, he's cute, Pheebs. But I thought you just started dating that kindergarten teacher. (まぁ、彼ってかっこいいわね、フィービー。でも、あなたはあの幼稚園の先生とデートし始めたばかりだって思ってたんだけど。)
フィービー: Oh, Jason? Yeah, uh-huh, we're seeing each other tonight. (あぁ、ジェイソン? えぇ、その、私と彼は今夜デートする予定よ。)
レイチェル: What, Pheebs? Two dates in one day? That's so unlike you. (何ですって、フィービー? 一日に二つのデート? それってものすごくあなたらしくないわ。)
フィービー: I know, I know. I'm, like, playing the field. Y'know? Like, juggling two guys. I'm sowing my wild oats. Y'know? Y'know, this kind of, like, y'know, oat-sowin', field-playin' juggler. (そうね、わかってる。私は、ほら、遊び回ってるのよ。わかるでしょ? 二人の男性をジャグリングしてるの[同時に上手くこなしてるの]。私は(若気の至りで)道楽をしているのよ。でしょ? ほら、オートをまいて[道楽をして]、フィールドでプレイするような[遊び回るような]ジャグラーの一種なの。)
ジョーイ: So Pheebs, do they know about each other? (それで、フィービー、彼らはお互いのことを知ってるの?)
フィービー: Does a dog's lips move when he reads? (Joey makes an 'I don't know' face, and looks to Chandler and Rachel, who're also stumped) Okay, no, they don't know. (犬が文字を読む時、犬の唇は動くかしら? [ジョーイは「わからない」という顔をして、チャンドラーとレイチェルの方を見るが、彼らも当惑している[言葉に詰まっている]。] いいわ。いいえ、彼らは知らないの。)
消防士のヴィンスとラブラブでありながら、幼稚園の先生ジェイソンともデートすると言うフィービー。
一日に2つのデートをするなんて、フィービーらしくないわ、とレイチェルは言っています。
That's so unlike you. について。
like だと「…らしい、…にふさわしい」なので、その反対語の unlike は、not like、つまり「…らしくない」ですね。
unlike you の前に強調の so がついているので、「あなたらしくない度合いが強い」、つまり、全くあなたらしくない、全然あなたらしくない、あなたのイメージと全く違う、というニュアンスになります。
play the field は「たくさんの異性とデートする、交際する」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
play the field: to have romantic relationships with a lot of different people
つまり、「多くの違った人と、ロマンティックな関係を持つこと」。
play the field という言葉自体は「野原・フィールドでプレイする・遊ぶ」なので、そこに恋愛に関係する単語は入っていませんが、play the field で「多くの異性と遊び回る」という意味に理解されるのですね。
日本語でも、「彼は遊び回ってるよ」とか「彼は遊び人だよ」という場合には、異性との恋愛関係が派手であることを示唆するので、まさに日本語の「遊び回る」に近い言葉なのでしょう。
sow one's wild oats は「若気の至りから道楽をする、独身の間に女遊びをする」という意味。
フレンズ2-18その12 には以下のセリフが出てきました。
モニカ: Don't you have a lot of wild oats to sow? Or is that what you're doing with me? Oh, my God! Am I an oat? (リチャードは、若い時に女遊びをしようと思わなかったの? それとも、その女遊びを、今私とやってるの? あぁ、なんてこと! 私はオート麦なの?)
その時に、sow one's wild oats について説明しています。
oats は「オートミール」のオートで、「オート麦」のことですね。
LAAD では、
sow your wild oats: if a man sows his wild oats, he has sex with many different women, especially when he is young
つまり、「男性が sow his wild oats するというのは、その男性が多くの違った女性とエッチをすること、特に若い時期に。」
普通はそのように、男性が女遊びをする時に使う表現なのですが、それを女性のフィービーが使っているのが面白いわけでしょう。
男が女遊びをするみたいに、私も男遊びをしているのよ、道楽をしているのよ、いうところです。
juggling two guys の juggle は、大道芸人のジャグラー(juggler)がするような、「ボール・皿・ナイフなどを空中に投げては受けるという曲芸をする、複数のものを巧みにさばく・操る」ことですね。
その感覚から、「複数の仕事や役目などを巧みにこなす、上手に処理する・操作する」という意味にもなります。
LAAD では、
juggle:
1. to keep three or more objects moving through the air by throwing and catching them very quickly
2. to try to fit two or more jobs, activities etc. into your life, especially when this is difficult
例) It's hard trying to juggle a job, kids, and housework.
1. は曲芸のジャグリングのことで、「3つ以上の物体を、それを素早く投げたり受けたりして、空中で動かし続けること」。
2. は「2つ以上の仕事や活動を自分の生活に順応・適応させるようにつとめること。特にこのことが難しい時に」。
例文は、「仕事と子供と家事を巧みにこなそうとすることは難しい。」
仕事と家庭のように二つのものであれば「両立させる」という日本語が合いますね。
ジャグラーやジャグリングという言葉は日本語になっているので、二人の男をジャグリングしている、とか、ジャグラーのように二人の男を巧みに操っている、というと、何となく意味はわかりますね。
上手い具合にバランスを取って、どちらも落とさないようにしている感覚でしょうか。
私は、play the field をして、sow my wild oats をしているジャグラーなのよ、と言って、フィービーは喜んでいます。
juggle という言葉で思い出したのですが、日本語にもそれと似た行為から来た言葉「手玉にとる」がありますね。
「手玉にとる」は、広辞苑によると、
手玉(てだま)=女子の玩具の一種。おてだま。
手玉に取る=手玉のようになげてもてあそぶ。翻弄する。
とあります。
お手玉は遊び道具であるために、「こちらがいいようにもてあそぶ」という意味になるのでしょう。
英語の juggle の場合だと、仕事と家庭の両立のような意味にも使えるわけですが、今回のフィービーの juggling two guys のような場合だと、「二人の男を手玉に取る」という日本語の感覚が「かなり近い」かもしれません。
でも、完全なイコールで結ばれるかというと、そうでもない気もします。
フィービーとしては、男を騙して「もて遊んでいる」というつもりはなくて、ただ二人の男性と「うまい具合に」付き合っていることを、ジャグラーの巧みな手さばきに例えているだけかもしれないので、「手玉に取る」という日本語ほど、悪女っぽいイメージはないかもしれません。
女の子がお手玉をする行為と、ジャグラーがボールを操る行為とは、見た目よく似ているので、日英どちらにもそこから派生した言葉や表現があるのが面白いなと思ったのですが、少しニュアンスが異なる部分もありそうなので、そこがまた興味深いなとも思いました。
「手玉に取る」という日本語は、自分の都合のいいようにして相手を翻弄するイメージがありますが、juggle は「複数の仕事や活動や責任を上手にこなす」「やらなければならないことをうまくさばく」という意味であって、完全に「手玉に取る」とイコールではない、という気がするのです。
実際、「複数の仕事を手玉に取る」とは言いませんしねぇ。
二人の男をジャグリングしている、と嬉しそうなフィービーに、ジョーイは、「その二人は、別の男性の存在を知ってるの?」と尋ねます。
つまり、「フィービーが別の男と付き合っていることを知ってるの?、フィービーが今、二股かけてることを知ってるの?」ということですね。
それに対するフィービーの答えはかなりトンチンカンです。
フィービーの言ったことを訳すと、「犬が(本などの)文字を読む時に、犬の唇は動くかしら?」。
フィービーが言いたいことは恐らく、「他人にわからないように黙読することが可能な時に、わざわざ唇を動かして、今読んでいる内容を他人に知られるようなバカなことをする犬がいるかしら?」ということでしょう。
わざわざ唇を動かして人に気取られるようなことをする必要はない、というような意味で、ヴィンスとジェイソンは、お互いの存在を知らないのに、私がわざわざ自分の口からそれを伝える必要なんてないわ、ということが言いたいのでしょう。
しかし、そういうことが言いたいんだろう、ということはわからないではないけれど、「何故に犬?!」と思わずにはいられない例えです。
だいたい、犬は文字を読めないだろうから、read するという行為もしないし、読唇術ができるほど、犬の唇がはっきり動く姿もイメージしにくい(笑)。
「二人の男性に相手の存在を伝えるなんて、そんなバカなことするわけないじゃない。考えても見てよ、犬もこんなことはしないわよね…」と犬の例えを出して勝ち誇ったように語るフィービーですが、その犬の例えがしっくり来なくて意味不明なので、ジョーイは「??」となっているのですね。
ジョークが高度過ぎて(?)ジョーイにだけその意味がわからない、ということはフレンズによくあるのですが、今回ばかりはチャンドラーとレイチェルにも意味不明だったようです。
救いを求めてチャンドラーとレイチェルの方を見たジョーイですが、その二人も「今のはよくわからない」という顔をしています。
フレンズたちに意味が通じていないのを悟ったフィービーは、犬の例えで説明するのはあきらめて、Do they know about each other? に対して、No, they don't know. 「いいえ、彼らは(お互いのことを)知らないわ。」とスタンダードな答えに言い直したということですね。
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原題は「ロスのモノの話」
(追記)
以下の記事で、冒頭シーンの追加説明をしています。
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フレンズ3-23その8
(追記はここまで)
セントラルパーク。消防士であるフィービーの恋人ヴィンスが出て行った後、
レイチェル: Wow, he's cute, Pheebs. But I thought you just started dating that kindergarten teacher. (まぁ、彼ってかっこいいわね、フィービー。でも、あなたはあの幼稚園の先生とデートし始めたばかりだって思ってたんだけど。)
フィービー: Oh, Jason? Yeah, uh-huh, we're seeing each other tonight. (あぁ、ジェイソン? えぇ、その、私と彼は今夜デートする予定よ。)
レイチェル: What, Pheebs? Two dates in one day? That's so unlike you. (何ですって、フィービー? 一日に二つのデート? それってものすごくあなたらしくないわ。)
フィービー: I know, I know. I'm, like, playing the field. Y'know? Like, juggling two guys. I'm sowing my wild oats. Y'know? Y'know, this kind of, like, y'know, oat-sowin', field-playin' juggler. (そうね、わかってる。私は、ほら、遊び回ってるのよ。わかるでしょ? 二人の男性をジャグリングしてるの[同時に上手くこなしてるの]。私は(若気の至りで)道楽をしているのよ。でしょ? ほら、オートをまいて[道楽をして]、フィールドでプレイするような[遊び回るような]ジャグラーの一種なの。)
ジョーイ: So Pheebs, do they know about each other? (それで、フィービー、彼らはお互いのことを知ってるの?)
フィービー: Does a dog's lips move when he reads? (Joey makes an 'I don't know' face, and looks to Chandler and Rachel, who're also stumped) Okay, no, they don't know. (犬が文字を読む時、犬の唇は動くかしら? [ジョーイは「わからない」という顔をして、チャンドラーとレイチェルの方を見るが、彼らも当惑している[言葉に詰まっている]。] いいわ。いいえ、彼らは知らないの。)
消防士のヴィンスとラブラブでありながら、幼稚園の先生ジェイソンともデートすると言うフィービー。
一日に2つのデートをするなんて、フィービーらしくないわ、とレイチェルは言っています。
That's so unlike you. について。
like だと「…らしい、…にふさわしい」なので、その反対語の unlike は、not like、つまり「…らしくない」ですね。
unlike you の前に強調の so がついているので、「あなたらしくない度合いが強い」、つまり、全くあなたらしくない、全然あなたらしくない、あなたのイメージと全く違う、というニュアンスになります。
play the field は「たくさんの異性とデートする、交際する」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
play the field: to have romantic relationships with a lot of different people
つまり、「多くの違った人と、ロマンティックな関係を持つこと」。
play the field という言葉自体は「野原・フィールドでプレイする・遊ぶ」なので、そこに恋愛に関係する単語は入っていませんが、play the field で「多くの異性と遊び回る」という意味に理解されるのですね。
日本語でも、「彼は遊び回ってるよ」とか「彼は遊び人だよ」という場合には、異性との恋愛関係が派手であることを示唆するので、まさに日本語の「遊び回る」に近い言葉なのでしょう。
sow one's wild oats は「若気の至りから道楽をする、独身の間に女遊びをする」という意味。
フレンズ2-18その12 には以下のセリフが出てきました。
モニカ: Don't you have a lot of wild oats to sow? Or is that what you're doing with me? Oh, my God! Am I an oat? (リチャードは、若い時に女遊びをしようと思わなかったの? それとも、その女遊びを、今私とやってるの? あぁ、なんてこと! 私はオート麦なの?)
その時に、sow one's wild oats について説明しています。
oats は「オートミール」のオートで、「オート麦」のことですね。
LAAD では、
sow your wild oats: if a man sows his wild oats, he has sex with many different women, especially when he is young
つまり、「男性が sow his wild oats するというのは、その男性が多くの違った女性とエッチをすること、特に若い時期に。」
普通はそのように、男性が女遊びをする時に使う表現なのですが、それを女性のフィービーが使っているのが面白いわけでしょう。
男が女遊びをするみたいに、私も男遊びをしているのよ、道楽をしているのよ、いうところです。
juggling two guys の juggle は、大道芸人のジャグラー(juggler)がするような、「ボール・皿・ナイフなどを空中に投げては受けるという曲芸をする、複数のものを巧みにさばく・操る」ことですね。
その感覚から、「複数の仕事や役目などを巧みにこなす、上手に処理する・操作する」という意味にもなります。
LAAD では、
juggle:
1. to keep three or more objects moving through the air by throwing and catching them very quickly
2. to try to fit two or more jobs, activities etc. into your life, especially when this is difficult
例) It's hard trying to juggle a job, kids, and housework.
1. は曲芸のジャグリングのことで、「3つ以上の物体を、それを素早く投げたり受けたりして、空中で動かし続けること」。
2. は「2つ以上の仕事や活動を自分の生活に順応・適応させるようにつとめること。特にこのことが難しい時に」。
例文は、「仕事と子供と家事を巧みにこなそうとすることは難しい。」
仕事と家庭のように二つのものであれば「両立させる」という日本語が合いますね。
ジャグラーやジャグリングという言葉は日本語になっているので、二人の男をジャグリングしている、とか、ジャグラーのように二人の男を巧みに操っている、というと、何となく意味はわかりますね。
上手い具合にバランスを取って、どちらも落とさないようにしている感覚でしょうか。
私は、play the field をして、sow my wild oats をしているジャグラーなのよ、と言って、フィービーは喜んでいます。
juggle という言葉で思い出したのですが、日本語にもそれと似た行為から来た言葉「手玉にとる」がありますね。
「手玉にとる」は、広辞苑によると、
手玉(てだま)=女子の玩具の一種。おてだま。
手玉に取る=手玉のようになげてもてあそぶ。翻弄する。
とあります。
お手玉は遊び道具であるために、「こちらがいいようにもてあそぶ」という意味になるのでしょう。
英語の juggle の場合だと、仕事と家庭の両立のような意味にも使えるわけですが、今回のフィービーの juggling two guys のような場合だと、「二人の男を手玉に取る」という日本語の感覚が「かなり近い」かもしれません。
でも、完全なイコールで結ばれるかというと、そうでもない気もします。
フィービーとしては、男を騙して「もて遊んでいる」というつもりはなくて、ただ二人の男性と「うまい具合に」付き合っていることを、ジャグラーの巧みな手さばきに例えているだけかもしれないので、「手玉に取る」という日本語ほど、悪女っぽいイメージはないかもしれません。
女の子がお手玉をする行為と、ジャグラーがボールを操る行為とは、見た目よく似ているので、日英どちらにもそこから派生した言葉や表現があるのが面白いなと思ったのですが、少しニュアンスが異なる部分もありそうなので、そこがまた興味深いなとも思いました。
「手玉に取る」という日本語は、自分の都合のいいようにして相手を翻弄するイメージがありますが、juggle は「複数の仕事や活動や責任を上手にこなす」「やらなければならないことをうまくさばく」という意味であって、完全に「手玉に取る」とイコールではない、という気がするのです。
実際、「複数の仕事を手玉に取る」とは言いませんしねぇ。
二人の男をジャグリングしている、と嬉しそうなフィービーに、ジョーイは、「その二人は、別の男性の存在を知ってるの?」と尋ねます。
つまり、「フィービーが別の男と付き合っていることを知ってるの?、フィービーが今、二股かけてることを知ってるの?」ということですね。
それに対するフィービーの答えはかなりトンチンカンです。
フィービーの言ったことを訳すと、「犬が(本などの)文字を読む時に、犬の唇は動くかしら?」。
フィービーが言いたいことは恐らく、「他人にわからないように黙読することが可能な時に、わざわざ唇を動かして、今読んでいる内容を他人に知られるようなバカなことをする犬がいるかしら?」ということでしょう。
わざわざ唇を動かして人に気取られるようなことをする必要はない、というような意味で、ヴィンスとジェイソンは、お互いの存在を知らないのに、私がわざわざ自分の口からそれを伝える必要なんてないわ、ということが言いたいのでしょう。
しかし、そういうことが言いたいんだろう、ということはわからないではないけれど、「何故に犬?!」と思わずにはいられない例えです。
だいたい、犬は文字を読めないだろうから、read するという行為もしないし、読唇術ができるほど、犬の唇がはっきり動く姿もイメージしにくい(笑)。
「二人の男性に相手の存在を伝えるなんて、そんなバカなことするわけないじゃない。考えても見てよ、犬もこんなことはしないわよね…」と犬の例えを出して勝ち誇ったように語るフィービーですが、その犬の例えがしっくり来なくて意味不明なので、ジョーイは「??」となっているのですね。
ジョークが高度過ぎて(?)ジョーイにだけその意味がわからない、ということはフレンズによくあるのですが、今回ばかりはチャンドラーとレイチェルにも意味不明だったようです。
救いを求めてチャンドラーとレイチェルの方を見たジョーイですが、その二人も「今のはよくわからない」という顔をしています。
フレンズたちに意味が通じていないのを悟ったフィービーは、犬の例えで説明するのはあきらめて、Do they know about each other? に対して、No, they don't know. 「いいえ、彼らは(お互いのことを)知らないわ。」とスタンダードな答えに言い直したということですね。
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2009年05月01日
フリーダイヤルは800 フレンズ3-22その7
[Scene: Monica and Rachel's, the gang, except Joey, is there. Phoebe is, well you y'know.]
モニカとレイチェルの部屋。ジョーイを除いたギャングたち(フレンズたち)はそこにいて、フィービーは、ほら、察しの通り…。
モニカ: Phoebe, it's been two days. (フィービー。もう2日よ。)
フィービー: Yeah, I know. Oh, good thing it's one of those 801 numbers, right? (そうね、わかってるわ。あぁ、良かったことは、(こういう時によく使う) 801 番号だってことね、でしょ?)
ロス: Phoebe, 800 is toll free. 801 is-is Utah. (フィービー、800 が通話料無料[フリーダイヤル]だよ。801 は、ユタ州だ[ユタ州の局番だ]。)
フィービー: No, no, no, oh no-no, it's has to be 800. (picks up the instruction manual to check the phone number) 'Cause all those big companies have 800 numbers. Every... (Finds the number) Yeah, every big Utah-based company has one. (違う、違うわ。(私がかけてるのは 801 じゃなくて) 800 のはずよ。[電話番号をチェックするために、取扱説明書を取り上げる] だって、そういう大企業は全部、800 ナンバーを持っているもの。すべての… [番号を見つける] そうね。ユタ州に本社を置くすべての大企業は 1番[801番]の番号を持ってるの。)
レイチェル: Phoe-be!! (フィービー!!)
フィービー: Sorry. I'm so sorry. I will pay you back. (ごめんなさい。本当にごめんなさい。私が電話代を返すから。)
チャンドラー: And yet she's still not hanging up the phone. (それにもかかわらず、フィービーはまだ電話を切らない状態でいるし。)
みんな: Hang it up! Hang up the phone! (それを切れ! その電話を切れ!)
フィービー: Fine! Fine! (slams the phone down, breaking it) Oh-oh! (わかったわ、わかったわよ! [電話を叩きつけて、電話を壊す] あーあ!)
モニカ: What? (何?)
フィービー: Well, I think I broke it. But that's all right. Here's the number where you can call. (うーんと、電話を壊しちゃったみたい。でも大丈夫。ここに壊れた時に電話する番号があるから。)
モニカ: (sarcastic) Oh. ([皮肉っぽく] あぁ。)
最初のト書きの説明の、Phoebe is, well you y'know. が面白いですね。
フレンズ2-15その1 で説明しましたが、2-15 のエピソードの英語タイトルは、
The One Where Ross and Rachel...You Know 「ロスとレイチェルが・・・ほらわかってるでしょ?の話」
でした。
2-15 の時は、前回キスをしたロスとレイチェルがその後どうなるか?という話なので、具体的な言葉を使わず、わざと、You know と表現したのですね。
今回のト書きもそれと同じ感覚で、「言わずもがな」というか、皆さんご想像どおり、お察しの通り、CLOSING CREDITS の後でもフィービーはまだこの状態(電話を待ち続けている状態)なんですよ、という感じです。
フィービーは、「今かけている番号が 801 で良かった」というようなことを言っています。
one of those は、「みんながよく知っているそういう…の一つ」というニュアンス。
フレンズ3-6その19 でも、one of those の感覚について説明しています。
フィービーは、「ほら、今かけているのは、例の 801 ナンバーの1つだから助かったわよね。」と言っているわけですが、そのセリフにロスがツッコミを入れます。
ロスが言っているのは、「フィービーは、801 がトールフリー(通話料無料、フリーダイヤル)だと思っているようだけど、トールフリーの番号は 800 だよ。801 はユタ州の局番じゃないか。」ということ。
(参考までに、801 は eight-O-one (エイト・オー・ワン)、800 は eight hundred と発音されています。)
実際、このロスの発言は正しいです。
まず、800 がトールフリーである件については、
Wikipedia 日本語版: 着信課金電話番号
のリストの下から2番目に北米の 800 (800 numbers) が載っています。
Wikipedia 英語版: Toll-free telephone number
にも詳しく書いてあります。
801 がユタ州、の件については以下。
Wikipedia 英語版: Area codes 385 and 801 に、ユタ州のことが書いてあります。
area code は「電話の市外局番(3桁)」のことです。
ロスの発言を聞いたフィービーは、「あぁ、私の勘違いだった。私は今、801 って言っちゃったけど、私がかけているのは、801 じゃなくて、800 のはずよ。だって、大企業のカスタマーセンターは、そういうフリーダイヤルを持っているもの。」と言いながら、自分のかけている番号を確かめるために、取説を調べます。
カスタマーセンターの番号については、フレンズ3-22その2 のコメント欄 で、「普通はカスタマーサービスは、800-から始まるフリーコールの番号なので、電話代はかかりません。」というコメントをいただきましたが、フィービーも当然そういう認識を持っているので、絶対にフリーコールのはずだから、と調べようとしたのですね。
それを見た後のセリフ、every big Utah-based company has one. について。
one というのは、恐らく、801 (eight-O-one) のことでしょう。
800 (eight hundred) じゃなくて、one を持ってる、1の番号がついてるのね、ということで、ユタ州にベースを置く企業だから、局番が 801 なのね、とその仕組みを悟った、ということです。
大企業はみんな 800 のフリーダイヤルのはずよ…と言いながら、今回の場合は、801 であることに気付いてしまったので、「そうそう、大企業でもユタにある企業は、801 の局番、になるのよね。」と、自分がかけているのはフリーダイヤルではなかったことを、ここで認めたことになります。
長電話していても電話代がかからないと思っていたのに、実はものすごい電話代がかかっていたと知って、フレンズたちはフィービーに怒りの声を上げます。
アメリカの電話料金の仕組みは詳しく知らないのですが、ユタ州はアメリカ西部の州(州都はソルトレイクシティ)で、NYからかなり距離があることを考えると、電話代も、ものすごくかかりそうな感じですし。
電話代は私が払うわ、と言いながらも電話を切らないフィービーに、みんなが「切れ! 切れ!」と言います。
せかされてガシャン!と電話を置いたら、今度は電話を壊してしまい…。
「あ、壊れちゃった。でも、ここに修理を依頼するカスタマーセンターの電話があるから…」と言うフィービーにみんなはゲンナリ。
そのカスタマーセンターの電話が全ての元凶だったのに、またその振り出しに戻るのか!みたいな、まるで日本の落語のオチのような終わり方ですね。
(2009.5.13 追記)
以下の記事に、この 3-22 のエピソードに関する追加説明があります。
興味のある方は覗いてみて下さい。
フレンズ3-22その8
(追記はここまで)
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モニカとレイチェルの部屋。ジョーイを除いたギャングたち(フレンズたち)はそこにいて、フィービーは、ほら、察しの通り…。
モニカ: Phoebe, it's been two days. (フィービー。もう2日よ。)
フィービー: Yeah, I know. Oh, good thing it's one of those 801 numbers, right? (そうね、わかってるわ。あぁ、良かったことは、(こういう時によく使う) 801 番号だってことね、でしょ?)
ロス: Phoebe, 800 is toll free. 801 is-is Utah. (フィービー、800 が通話料無料[フリーダイヤル]だよ。801 は、ユタ州だ[ユタ州の局番だ]。)
フィービー: No, no, no, oh no-no, it's has to be 800. (picks up the instruction manual to check the phone number) 'Cause all those big companies have 800 numbers. Every... (Finds the number) Yeah, every big Utah-based company has one. (違う、違うわ。(私がかけてるのは 801 じゃなくて) 800 のはずよ。[電話番号をチェックするために、取扱説明書を取り上げる] だって、そういう大企業は全部、800 ナンバーを持っているもの。すべての… [番号を見つける] そうね。ユタ州に本社を置くすべての大企業は 1番[801番]の番号を持ってるの。)
レイチェル: Phoe-be!! (フィービー!!)
フィービー: Sorry. I'm so sorry. I will pay you back. (ごめんなさい。本当にごめんなさい。私が電話代を返すから。)
チャンドラー: And yet she's still not hanging up the phone. (それにもかかわらず、フィービーはまだ電話を切らない状態でいるし。)
みんな: Hang it up! Hang up the phone! (それを切れ! その電話を切れ!)
フィービー: Fine! Fine! (slams the phone down, breaking it) Oh-oh! (わかったわ、わかったわよ! [電話を叩きつけて、電話を壊す] あーあ!)
モニカ: What? (何?)
フィービー: Well, I think I broke it. But that's all right. Here's the number where you can call. (うーんと、電話を壊しちゃったみたい。でも大丈夫。ここに壊れた時に電話する番号があるから。)
モニカ: (sarcastic) Oh. ([皮肉っぽく] あぁ。)
最初のト書きの説明の、Phoebe is, well you y'know. が面白いですね。
フレンズ2-15その1 で説明しましたが、2-15 のエピソードの英語タイトルは、
The One Where Ross and Rachel...You Know 「ロスとレイチェルが・・・ほらわかってるでしょ?の話」
でした。
2-15 の時は、前回キスをしたロスとレイチェルがその後どうなるか?という話なので、具体的な言葉を使わず、わざと、You know と表現したのですね。
今回のト書きもそれと同じ感覚で、「言わずもがな」というか、皆さんご想像どおり、お察しの通り、CLOSING CREDITS の後でもフィービーはまだこの状態(電話を待ち続けている状態)なんですよ、という感じです。
フィービーは、「今かけている番号が 801 で良かった」というようなことを言っています。
one of those は、「みんながよく知っているそういう…の一つ」というニュアンス。
フレンズ3-6その19 でも、one of those の感覚について説明しています。
フィービーは、「ほら、今かけているのは、例の 801 ナンバーの1つだから助かったわよね。」と言っているわけですが、そのセリフにロスがツッコミを入れます。
ロスが言っているのは、「フィービーは、801 がトールフリー(通話料無料、フリーダイヤル)だと思っているようだけど、トールフリーの番号は 800 だよ。801 はユタ州の局番じゃないか。」ということ。
(参考までに、801 は eight-O-one (エイト・オー・ワン)、800 は eight hundred と発音されています。)
実際、このロスの発言は正しいです。
まず、800 がトールフリーである件については、
Wikipedia 日本語版: 着信課金電話番号
のリストの下から2番目に北米の 800 (800 numbers) が載っています。
Wikipedia 英語版: Toll-free telephone number
にも詳しく書いてあります。
801 がユタ州、の件については以下。
Wikipedia 英語版: Area codes 385 and 801 に、ユタ州のことが書いてあります。
area code は「電話の市外局番(3桁)」のことです。
ロスの発言を聞いたフィービーは、「あぁ、私の勘違いだった。私は今、801 って言っちゃったけど、私がかけているのは、801 じゃなくて、800 のはずよ。だって、大企業のカスタマーセンターは、そういうフリーダイヤルを持っているもの。」と言いながら、自分のかけている番号を確かめるために、取説を調べます。
カスタマーセンターの番号については、フレンズ3-22その2 のコメント欄 で、「普通はカスタマーサービスは、800-から始まるフリーコールの番号なので、電話代はかかりません。」というコメントをいただきましたが、フィービーも当然そういう認識を持っているので、絶対にフリーコールのはずだから、と調べようとしたのですね。
それを見た後のセリフ、every big Utah-based company has one. について。
one というのは、恐らく、801 (eight-O-one) のことでしょう。
800 (eight hundred) じゃなくて、one を持ってる、1の番号がついてるのね、ということで、ユタ州にベースを置く企業だから、局番が 801 なのね、とその仕組みを悟った、ということです。
大企業はみんな 800 のフリーダイヤルのはずよ…と言いながら、今回の場合は、801 であることに気付いてしまったので、「そうそう、大企業でもユタにある企業は、801 の局番、になるのよね。」と、自分がかけているのはフリーダイヤルではなかったことを、ここで認めたことになります。
長電話していても電話代がかからないと思っていたのに、実はものすごい電話代がかかっていたと知って、フレンズたちはフィービーに怒りの声を上げます。
アメリカの電話料金の仕組みは詳しく知らないのですが、ユタ州はアメリカ西部の州(州都はソルトレイクシティ)で、NYからかなり距離があることを考えると、電話代も、ものすごくかかりそうな感じですし。
電話代は私が払うわ、と言いながらも電話を切らないフィービーに、みんなが「切れ! 切れ!」と言います。
せかされてガシャン!と電話を置いたら、今度は電話を壊してしまい…。
「あ、壊れちゃった。でも、ここに修理を依頼するカスタマーセンターの電話があるから…」と言うフィービーにみんなはゲンナリ。
そのカスタマーセンターの電話が全ての元凶だったのに、またその振り出しに戻るのか!みたいな、まるで日本の落語のオチのような終わり方ですね。
(2009.5.13 追記)
以下の記事に、この 3-22 のエピソードに関する追加説明があります。
興味のある方は覗いてみて下さい。
フレンズ3-22その8
(追記はここまで)
(Rach からのお願い)
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