[Scene: Chandler's gym, He and Ross are there to cancel his membership.]
チャンドラーのジム。チャンドラーとロスはメンバーシップ(会員資格)をキャンセルするためにそこにいる。
ロス: Whoa-whoa-whoa, hey! Now remember what we talked about. You gotta be strong. (おいおいおい! 僕たちが話したことを思い出せよ。強くならなきゃだめだ。)
チャンドラー: Yes. (In a stronger voice) Yes! (ああ。[より力強い声で] そうだよ!)
ロス: One more time. "Hey, don't you want a washboard stomach and rock-hard pecs?" (もう一度いくぞ。「なあ、洗濯板のような腹筋と岩のようにかたい胸筋を欲しくないのか?」)
チャンドラー: No, I want a flabby gut and saggy man-breasts. (欲しくない。俺が欲しいのは、たるんだ腹と垂れた男の胸だ。)
ロス: Good! That's good. (いいよ。それでいい。)
チャンドラー: Okay. (They go inside) (To the guy at the desk) I wanna quit the gym. (よし。[二人は中に入る] [デスクにいる男性に対して] 俺はジムをやめたいんだ。)
ジムの従業員(Gym Employee): You wanna quit? (やめたいんですか?)
チャンドラー: I wanna quit the gym. (俺はジムをやめたいんだ。)
ジムの従業員: You do realize you won't have access to our new full service Swedish spa? (うちのジムのフルサービスのスウェーデン式スパをご利用できなくなるのをご承知の上ですか?)
ロスが、いかにも筋肉質の男性が言いそうな声色を使って、"Hey, don't you want a washboard stomach and rock-hard pecs?" とチャンドラーに尋ねるシミュレーションをしています。
washboard はまさに直訳通りの「洗う板」で、「洗濯板」を指します。また形容詞で「洗濯板のような」という意味にもなります。
ここでの「洗濯板のような」というのは、洗濯板のような形状の、鍛え上げられた筋肉の、というニュアンスですね。
英辞郎にも、以下のように、washboard belly/stomach という表現が出ています。
washboard belly=発達した[見事な]腹筋
washboard stomach=引き締まったおなか
stomach というと「胃」を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、内臓の「胃」以外に、「腹、腹部」も意味します。
ここではもちろん、内臓の意味ではなく、表面から見える部分の「腹」ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
a washboard stomach also washboard abs: someone's stomach on which you can see all the muscles clearly
つまり、「その上にすべての筋肉がはっきりと見える、人の腹」。
rock-hard は「岩のようにかたい」という形容詞。
pec は、pectoral muscle の省略形で、「胸の筋肉、胸筋」。
ここでは、pectoral muscles という複数形の略なので、pecs と複数形になっていますね。
flabby は「(肉・筋肉が)たるんだ、ゆるんだ、締まりのない」。
gut は「腸、内臓」などの意味もありますが、stomach と同じように「腹」という意味もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
gut: STOMACH [countable] (informal) your stomach
例) Phil has a huge beer gut (= unattractive fat stomach caused by drinking too much beer).
例文は、「フィルは大きなビール腹(=ビールを過剰に飲むことで引き起こされる、魅力的でない太ったお腹)を持っている[フィルの腹は、巨大なビール腹である]。」
「ビール腹」は、beer gut の他に、beer belly という表現もありますね。
saggy も「たるんだ」という形容詞。
動詞の sag 「たるむ、たわむ、垂れ下がる」から来た形容詞です。
breast は「胸」であり、フレンズでは「女性の乳房」の意味で登場することが多いですが、ここでわざわざ man-breasts と言っているのは、本来豊かな女性の胸が(年齢により、または太りすぎにより?)垂れ下がったものではなく、男の胸なのに垂れ下がってるんだよねー、というようなニュアンスかと思いました。
ジムの人が自分の筋肉や体つきを誇示して、こんな筋肉にあなたもなりたいでしょ?といわれたら、いや、俺はぶよぶよの腹と胸で構わないよ、と言って断るつもりだということです。
a washboard stomach と a flabby gut という腹の部分、rock-hard pecs と saggy man-breasts という胸の部分、それぞれのイメージのギャップを理解できたら、大笑いできるセリフですね。
早速、受付デスクにいる従業員にやめることを伝えるのですが、相手は新しいスウェーデン式スパの話を持ち出します。
You do realize... は do を使って realize が強調されていますね。
「やめるとかおっしゃってますけど、以下のことをご存知の上で、そうおっしゃってるんですか?」みたいなニュアンスでしょう。
やめてしまったら、そのスウェーデン式スパへアクセスできなくなる、つまり、その素晴らしい施設を利用できなくなってしまうんですが、もちろんそれをご承知の上での退会なんですよねぇ?という念押しの感覚です。
そのスパを利用できなくなるなんて、実に残念なことなのになぁ、もったいない…とでも言いたい感じですね。
チャンドラーが、ジムを退会できない理由 フレンズ4-4その1 で、they use all of these phrases 「ジムのやつらはいろんなフレーズを使う」とボヤいていましたが、それがこういうセリフのことだったのですね。
「今やめたらもったいないですよ」といろんな利用特典を挙げて引き止めるという作戦です。
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2009年07月30日
2009年07月28日
そっちこそ家賃安定化条例を聞いたことないな? フレンズ4-4その2
ゴミ捨ての方法がわからなかったレイチェルは、アパートの管理人であるトリーガーに皮肉を言われて、泣きながら帰ってきます。
それを許せなかったジョーイは、トリーガーの部屋に文句を言いに行くのですが…。
[Scene: Treeger's apartment, Joey knocks on the door and Treeger opens it.]
アパートの管理人トリーガーの部屋。ジョーイがドアをノックするとトリーガーがドアを開ける。
トリーガー(Mr. Treeger): Tribbiani. Hold on. I'll get the plunger. (トリビアーニ。ちょっと待て。トイレの吸引具(パコパコ)を取ってくる。)
ジョーイ: Hey! You hold on, pal! Now you made my friend Rachel cry. So now, you're gonna go up there and you're gonna apologize to her, unless you want me to call the landlord. (おい! 待つのはあんたの方だよ! 今、俺の友達のレイチェルを泣かせたな。だから今、上へ行ってレイチェルに謝れよ。もし俺が大家さんに電話するのを望まないんだったらな。)
トリーガー: And tell him what? (それで大家さんに何て言うんだ?)
ジョーイ: Maybe you haven't heard of a little something called "not making girls cry." (多分、あんたは「女の子を泣かせない」っていうやつを聞いたことがないんだな。)
トリーガー: Yeah. Well, maybe you haven't heard of something called the Rent Stabilization Act of 1968. (ほう。それじゃあ、多分、あんたは 1968年の家賃安定化条例ってやつを聞いたことがないんだな。)
ジョーイ: I have actually not heard of that. (俺はほんとにそんなのは聞いたことがないね。)
トリーガー: Yeah, well, your friends are in violation of it. I've been a nice guy up until now, but uh, I don't need this grief. I'm gonna call the landlord and tell him that Monica is illegally subletting her grandmother's apartment. Your friends are outta here, pal. (そうだな、あんたの友達はその条例に違反してる。今までは俺も(意地の悪いことをしないような)いいやつでいたが、こんな面倒はごめんだ。俺が大家さんに電話して、モニカがおばあさんのアパートを違法に又貸し(サブレット)している、って言うぞ。君の友達はここを出て行くんだ[出て行くことになるんだ]。)
ジョーイ: Why don't you tell me something I don't know? (He storms out, and once Treeger closes the door behind him, Joey mouths "Oops!") (俺の知らないことを(そうやってもっと)言ってたらどうだ? [ジョーイは勢いよく出て行く。そしてトリーガーがジョーイの後ろでドアを閉めた時、ジョーイは声には出さずに「しまった!」と言う])
plunge は「突っ込む、突き刺す」という意味の動詞です。
またビジネス英語では「(売り上げや株価などが)突然下がる、急落する」という意味でよく登場します。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
The company's profits plunged by 60 percent. 「その会社の利益は 60パーセント減少した。」
という例文が出ています。
今回の plunger という名詞は、トイレが詰まった時などに使う、柄の先にゴム製の吸引カップのついた吸引具、俗称(?)パコパコのことですね。
トイレの中に「突っ込む」から plunger という名前なのでしょう(多分)。
ジョーイが来たのを見て、何の用事かとも聞かずに、plunger を取って来るから・・・と奥に戻ろうとするトリーガーが面白いです。
ジョーイがトリーガーを訪ねてくる用事といえばこれしかない、というくらいにこれまで何回も plunger を借りに来ていることがこのトリーガーのセリフと行動でわかる、という仕組みです。
これまでどんだけトイレを詰まらせたんだよ!という感じですね(笑)。
Hold on 「そこでちょっと待ってろ」みたいに言われたジョーイは、Hey! You hold on, pal! と返します。
同じ hold on という言葉を使って、「待てよ、と言いたいのは俺の方だ、待つべき人間はあんただよ」という感じですね。
文頭に You のついた、強い調子の命令形になっています。
そんな用事で来たんじゃないから、勝手に奥に戻らずにここにいて俺の話を聞け、というニュアンスでしょう。
now という言葉を2回使って、今、レイチェルを泣かせたから、今すぐ彼女に謝れ、と言っています。
unless はこれまでフレンズに何度も登場していますが、ここでのニュアンスは、「もし大家さんに電話して欲しくなければ」「大家さんに電話して欲しい、って言うんなら、話は別だけど」という感じですね。
レイチェルに謝らないんなら、俺は大家さんに電話するぞ、それでもいいんだな?という脅しです。
何て電話するつもりだ?と内容を問われたジョーイは、Maybe you haven't heard of a little something called "not making girls cry." と答えます。
not making girls cry は、making girls cry 「女の子を泣かせること」という動名詞を否定した形だと思います。
a little something called "not making girls cry" を直訳すると、「「女の子を泣かせないこと」と呼ばれるちょっとした何か」みたいになるでしょうか。
「女の子を泣かせるな」っていう決まりや常識みたいなものを、あんたはこれまで聞いたことがないのか?、そんな当たり前のことも知らないのか?という感じですね。
それに対してトリーガーは、全く同じような文章を使って、別の話を持ち出します。
maybe you haven't heard of something called... という文章はジョーイのセリフと同じもので、「そんなことを言うあんたこそ(そっちこそ)、…ってのを聞いたことがないようだな」ということですね。
そんなことよりももっと大事なことがあるのに、それに気付いてないのか?というニュアンスです。
ジョーイは本当にその条例を知らなかったようですね(笑)。
「そんなもん、知るかよ」みたいに開き直られて、どう説明したらいいか困って、一瞬絶句するトリーガー。
その条例を知っていたら話が早く済むのに、こちらの脅しが全然通じてない、というか、意味がわからないようなので、肩透かしを食らった感じでしょうか。
Rent Stabilization Act of 1968 「1968年の家賃安定化条例」については、約2年前の記事、家賃安定化条例 フレンズ3-6その16 で触れています。
家賃安定化条例の内容については、過去記事でも引用させていただいた、週刊ST 2003年4月25日号 での以下の説明が大変わかりやすいです。
ニューヨークは家賃統制によって賃貸料を更新する上限が定められており、同じ建物に長く住む人の家賃は安く抑えられている。
つまり、モニカのアパートは、まだおばあちゃんの名義のままであり、いまだにそのおばあちゃんが住んでいることになっているから、家賃が安く抑えられたままである、ということです。
別人が住んでいるのに家賃は安いまま、その状態で又貸し(サブレット)、つまり別人とルームシェアまでしている、そのことも違法になるようですね。
大家さんに電話してやる、なんて息巻いているけれど、大家さんに真実が知れるとマズいのはそっちの方じゃないのか?、そんなことも知らずにあんたは怒鳴り込んできたのか?ということです。
ジョーイも使っていた、pal 「あんた、お前」という呼び掛け語をトリーガーも使っていますね。
そっちがそう言うのなら、こっちだってこう言ってやるさ、どうだい、あんた!みたいな感じのお返しです。
I don't need this grief. について。
grief は「深い悲しみ、嘆き、悲痛、悲嘆」という意味の他に、「悩みの種、トラブル」という意味もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
grief [noun]:
4. [uncountable] (informal) trouble or problems
つまり、「トラブルまたは問題」。
ジョーイは「俺の知らないことを言ってたらどうだ!」みたいな捨てゼリフを残してドアを閉めますが、ドアを閉めたあと、「やばっ!」みたいな顔をしています。
相手の目の前では強気な態度のままでしたが、ヤブヘビだったことに気付いて焦っている顔ですね。
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[Scene: Treeger's apartment, Joey knocks on the door and Treeger opens it.]
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トリーガー(Mr. Treeger): Tribbiani. Hold on. I'll get the plunger. (トリビアーニ。ちょっと待て。トイレの吸引具(パコパコ)を取ってくる。)
ジョーイ: Hey! You hold on, pal! Now you made my friend Rachel cry. So now, you're gonna go up there and you're gonna apologize to her, unless you want me to call the landlord. (おい! 待つのはあんたの方だよ! 今、俺の友達のレイチェルを泣かせたな。だから今、上へ行ってレイチェルに謝れよ。もし俺が大家さんに電話するのを望まないんだったらな。)
トリーガー: And tell him what? (それで大家さんに何て言うんだ?)
ジョーイ: Maybe you haven't heard of a little something called "not making girls cry." (多分、あんたは「女の子を泣かせない」っていうやつを聞いたことがないんだな。)
トリーガー: Yeah. Well, maybe you haven't heard of something called the Rent Stabilization Act of 1968. (ほう。それじゃあ、多分、あんたは 1968年の家賃安定化条例ってやつを聞いたことがないんだな。)
ジョーイ: I have actually not heard of that. (俺はほんとにそんなのは聞いたことがないね。)
トリーガー: Yeah, well, your friends are in violation of it. I've been a nice guy up until now, but uh, I don't need this grief. I'm gonna call the landlord and tell him that Monica is illegally subletting her grandmother's apartment. Your friends are outta here, pal. (そうだな、あんたの友達はその条例に違反してる。今までは俺も(意地の悪いことをしないような)いいやつでいたが、こんな面倒はごめんだ。俺が大家さんに電話して、モニカがおばあさんのアパートを違法に又貸し(サブレット)している、って言うぞ。君の友達はここを出て行くんだ[出て行くことになるんだ]。)
ジョーイ: Why don't you tell me something I don't know? (He storms out, and once Treeger closes the door behind him, Joey mouths "Oops!") (俺の知らないことを(そうやってもっと)言ってたらどうだ? [ジョーイは勢いよく出て行く。そしてトリーガーがジョーイの後ろでドアを閉めた時、ジョーイは声には出さずに「しまった!」と言う])
plunge は「突っ込む、突き刺す」という意味の動詞です。
またビジネス英語では「(売り上げや株価などが)突然下がる、急落する」という意味でよく登場します。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
The company's profits plunged by 60 percent. 「その会社の利益は 60パーセント減少した。」
という例文が出ています。
今回の plunger という名詞は、トイレが詰まった時などに使う、柄の先にゴム製の吸引カップのついた吸引具、俗称(?)パコパコのことですね。
トイレの中に「突っ込む」から plunger という名前なのでしょう(多分)。
ジョーイが来たのを見て、何の用事かとも聞かずに、plunger を取って来るから・・・と奥に戻ろうとするトリーガーが面白いです。
ジョーイがトリーガーを訪ねてくる用事といえばこれしかない、というくらいにこれまで何回も plunger を借りに来ていることがこのトリーガーのセリフと行動でわかる、という仕組みです。
これまでどんだけトイレを詰まらせたんだよ!という感じですね(笑)。
Hold on 「そこでちょっと待ってろ」みたいに言われたジョーイは、Hey! You hold on, pal! と返します。
同じ hold on という言葉を使って、「待てよ、と言いたいのは俺の方だ、待つべき人間はあんただよ」という感じですね。
文頭に You のついた、強い調子の命令形になっています。
そんな用事で来たんじゃないから、勝手に奥に戻らずにここにいて俺の話を聞け、というニュアンスでしょう。
now という言葉を2回使って、今、レイチェルを泣かせたから、今すぐ彼女に謝れ、と言っています。
unless はこれまでフレンズに何度も登場していますが、ここでのニュアンスは、「もし大家さんに電話して欲しくなければ」「大家さんに電話して欲しい、って言うんなら、話は別だけど」という感じですね。
レイチェルに謝らないんなら、俺は大家さんに電話するぞ、それでもいいんだな?という脅しです。
何て電話するつもりだ?と内容を問われたジョーイは、Maybe you haven't heard of a little something called "not making girls cry." と答えます。
not making girls cry は、making girls cry 「女の子を泣かせること」という動名詞を否定した形だと思います。
a little something called "not making girls cry" を直訳すると、「「女の子を泣かせないこと」と呼ばれるちょっとした何か」みたいになるでしょうか。
「女の子を泣かせるな」っていう決まりや常識みたいなものを、あんたはこれまで聞いたことがないのか?、そんな当たり前のことも知らないのか?という感じですね。
それに対してトリーガーは、全く同じような文章を使って、別の話を持ち出します。
maybe you haven't heard of something called... という文章はジョーイのセリフと同じもので、「そんなことを言うあんたこそ(そっちこそ)、…ってのを聞いたことがないようだな」ということですね。
そんなことよりももっと大事なことがあるのに、それに気付いてないのか?というニュアンスです。
ジョーイは本当にその条例を知らなかったようですね(笑)。
「そんなもん、知るかよ」みたいに開き直られて、どう説明したらいいか困って、一瞬絶句するトリーガー。
その条例を知っていたら話が早く済むのに、こちらの脅しが全然通じてない、というか、意味がわからないようなので、肩透かしを食らった感じでしょうか。
Rent Stabilization Act of 1968 「1968年の家賃安定化条例」については、約2年前の記事、家賃安定化条例 フレンズ3-6その16 で触れています。
家賃安定化条例の内容については、過去記事でも引用させていただいた、週刊ST 2003年4月25日号 での以下の説明が大変わかりやすいです。
ニューヨークは家賃統制によって賃貸料を更新する上限が定められており、同じ建物に長く住む人の家賃は安く抑えられている。
つまり、モニカのアパートは、まだおばあちゃんの名義のままであり、いまだにそのおばあちゃんが住んでいることになっているから、家賃が安く抑えられたままである、ということです。
別人が住んでいるのに家賃は安いまま、その状態で又貸し(サブレット)、つまり別人とルームシェアまでしている、そのことも違法になるようですね。
大家さんに電話してやる、なんて息巻いているけれど、大家さんに真実が知れるとマズいのはそっちの方じゃないのか?、そんなことも知らずにあんたは怒鳴り込んできたのか?ということです。
ジョーイも使っていた、pal 「あんた、お前」という呼び掛け語をトリーガーも使っていますね。
そっちがそう言うのなら、こっちだってこう言ってやるさ、どうだい、あんた!みたいな感じのお返しです。
I don't need this grief. について。
grief は「深い悲しみ、嘆き、悲痛、悲嘆」という意味の他に、「悩みの種、トラブル」という意味もあります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
grief [noun]:
4. [uncountable] (informal) trouble or problems
つまり、「トラブルまたは問題」。
ジョーイは「俺の知らないことを言ってたらどうだ!」みたいな捨てゼリフを残してドアを閉めますが、ドアを閉めたあと、「やばっ!」みたいな顔をしています。
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2009年07月26日
ジムを退会できない理由 フレンズ4-4その1
シーズン4 第4話
The One with Ballroom Dancing (ジョーイの Shall We ダンス?)
原題は「舞踏会のダンスの話」
モニカ: (Picking up a card from Chandler's wallet.) God! Is this a gym card? ([チャンドラーの財布から1枚のカードを取り上げて] まぁ! これは(スポーツ)ジムのカード?)
チャンドラー: Oh yeah, gym member. I try to go four times a week, but I've missed the last 1200 times. (あぁ、そうだよ。(俺は)ジムのメンバーなんだ。週に4回は行こうとしてるんだけど、この 1200回は行き損ねちゃってるな。)
ロス: So why don't you quit? (それじゃあ、やめたら[ジムを退会したら]?)
チャンドラー: You don't think I've tried? You think I like having 50 dollars taken out of my bank account every month? No, they make you go all the way down there. Then they use all of these phrases and peppiness to try and confuse you. And then they bring out Maria. (俺がやめようとしたことがないとでも思ってるのか? 毎月自分の銀行口座から 50ドル引き落とされるのを俺が喜んでるとでも思うのか? とんでもない。わざわざジムまで行くはめになるんだけど、するとジムのやつらはあらゆるフレーズと元気いっぱいさを使って、俺を混乱させようとするんだよ。それから、やつらはマリアを出してくるんだ。)
ロス: Who is Maria? (マリアって誰?)
チャンドラー: Oh, Maria! You can't say no to her. She's like this lycra, spandex-covered, gym treat. (おぉ、マリア! 彼女にノーなんて言えないよ。彼女は、ライクラとスパンデックスに身を包んだジムの特別な喜び[楽しみ]だよ。)
ロス: Do you need me to go down there with you and hold your hand? (僕が君と一緒にジムに行って、君の手を握ってて欲しい?)
チャンドラー: No. (いいや。)
ロス: So you're strong enough to face her on your own? (それじゃあ、自分ひとりで彼女に向き合えるほどに君は強いんだな?)
チャンドラー: Oh, no. You'll have to come. (そんなことないよ。ロスも一緒に来て欲しいな。)
チャンドラーはスポーツジムのメンバーカードを持っていました。
週に4回通うつもりで、もうかれこれ、ここ最近 1200回は miss している、つまり、行く機会を逃している、行き損ねている、と言っています。
300週ずっと行けてない、ということになりますね(笑)。
チャンドラーはとにかく「長い間行ってない」ことをいうために大袈裟な例えをしているだけかもしれませんが、「ジムの会員になってから”もう何年も”行ってない状態」であることは間違いないようです。
ちっとも利用してないのなら、やめちゃえばいいのに、というロス。
それに対して、「毎月会費を取られてるのに、俺だってやめたいと思ってるさ、でもなかなかやめられないんだよ。」と説明しています。
No, they make you go all the way down there. Then they use all of these phrases and peppiness to try and confuse you. について。
この they はジムの担当者などの「ジム側の人間」を指しているのでしょうね。
そして、you は、「あなた」と表現することで、「一般の人」を指し、回り回って「自分自身(俺)」をも指す、という you ですね。
自分の体験を話す時によく使われる you です。
they make you go all the way down there について。
go all the way down there は「ジムの場所までわざわざ足を運ぶ」みたいなニュアンスでしょう。
make you go という使役動詞が使われているのは、こっちは施設を全然利用してないのに、毎月50ドル引かれるもんだから、お金を引き落とされるのを止めようと足を運ぶはめになる、足を運ばざるを得なくなる、みたいな感覚かなと思います。
それで、ジムに行って退会手続きをしようとしたら、あれやこれやといろんなフレーズや peppiness を使って、俺を混乱・困惑させようとするんだ、と言っています。
try and confuse は、try to confuse と同じ意味で、and を使う方がより口語的なようです。
peppy は「元気いっぱいの、活発な、張り切った」。
その名詞形なので、peppiness は「元気いっぱいさ、活発さ」みたいな感じです。
ジムで働いている人は、職業柄、常に元気ハツラツ!みたいな感じがありますが、それを peppiness と言っているのでしょうね。
ジムに通っているとこんなに元気になれますよ、それでもあなたはやめちゃうんですか?、一緒に元気になりましょうよ!みたいな感じの説得を受けてしまう、ということでしょう。
そして最後にマリアの話をしています。ジムの最後の切り札みたいな使われ方ですね。
突然出てきた名前に、「誰それ?」というロスですが、チャンドラーはそれにはすぐに答えず、Oh, Maria! と遠い目をして、彼女の姿を思い浮かべている様子。この絶妙なタイミングに笑ってしまいます。
lycra 「ライクラ」も、spandex 「スパンデックス」も合成繊維の名称です。
その名前を出すことで、マリアがそういう生地でできたレオタードを着用していることがわかる仕組みですね。
treat には「ごちそう」という意味もありますが、ここでは「(特別な)楽しみ、喜び」みたいな意味でしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
treat [noun]:
2. [countable] something special that you give someone or do for them because you know they will enjoy it
例) He took his son to the game as a birthday treat.
3. [countable usually singular] an event that gives you a lot of pleasure, especially if it is unexpected
例) Getting your letter was a real treat.
つまり、2. は「人が誰かにあげる、または誰かのためにしてあげる特別なこと。誰かがそれを喜ぶのを知っているから。」
例文は、「誕生日の楽しみとして、彼は息子をその試合に連れて行った。」
3. は「人に多くの喜びを与えるイベント、特にそれが予想外のものである場合。」
例文は、「あなた(から)の手紙を受け取ったことは、ほんとうに嬉しいことでした。」
そんな風に、やめたいと思っても、相手に言いくるめられちゃってやめられないんだ、というチャンドラー。
ロスは、ジムに一緒に行って、手を握っててやろうか?と言っています。
子供が一人では何にも出来なくて、ママに横についていてもらう、みたいなイメージですね。
その申し出をいったんは断るチャンドラーですが、「じゃあ、一人で退会できるんだな?」と言われ、You'll have to come. と答えます。
will have to は「…しなくてはならないだろう」ですが、ここでのニュアンスは「・・・してくれると助かる、・・・して欲しい、…してくれないと困る」みたいな感じでしょうね。
come だけで止めているのは、子供みたいに hold my hand はしてくれなくてもいいけど、という意味が込められているのでしょう。
手は握っててくれなくてもいいけど、付き添いはお願いするよ、ということですね。
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The One with Ballroom Dancing (ジョーイの Shall We ダンス?)
原題は「舞踏会のダンスの話」
モニカ: (Picking up a card from Chandler's wallet.) God! Is this a gym card? ([チャンドラーの財布から1枚のカードを取り上げて] まぁ! これは(スポーツ)ジムのカード?)
チャンドラー: Oh yeah, gym member. I try to go four times a week, but I've missed the last 1200 times. (あぁ、そうだよ。(俺は)ジムのメンバーなんだ。週に4回は行こうとしてるんだけど、この 1200回は行き損ねちゃってるな。)
ロス: So why don't you quit? (それじゃあ、やめたら[ジムを退会したら]?)
チャンドラー: You don't think I've tried? You think I like having 50 dollars taken out of my bank account every month? No, they make you go all the way down there. Then they use all of these phrases and peppiness to try and confuse you. And then they bring out Maria. (俺がやめようとしたことがないとでも思ってるのか? 毎月自分の銀行口座から 50ドル引き落とされるのを俺が喜んでるとでも思うのか? とんでもない。わざわざジムまで行くはめになるんだけど、するとジムのやつらはあらゆるフレーズと元気いっぱいさを使って、俺を混乱させようとするんだよ。それから、やつらはマリアを出してくるんだ。)
ロス: Who is Maria? (マリアって誰?)
チャンドラー: Oh, Maria! You can't say no to her. She's like this lycra, spandex-covered, gym treat. (おぉ、マリア! 彼女にノーなんて言えないよ。彼女は、ライクラとスパンデックスに身を包んだジムの特別な喜び[楽しみ]だよ。)
ロス: Do you need me to go down there with you and hold your hand? (僕が君と一緒にジムに行って、君の手を握ってて欲しい?)
チャンドラー: No. (いいや。)
ロス: So you're strong enough to face her on your own? (それじゃあ、自分ひとりで彼女に向き合えるほどに君は強いんだな?)
チャンドラー: Oh, no. You'll have to come. (そんなことないよ。ロスも一緒に来て欲しいな。)
チャンドラーはスポーツジムのメンバーカードを持っていました。
週に4回通うつもりで、もうかれこれ、ここ最近 1200回は miss している、つまり、行く機会を逃している、行き損ねている、と言っています。
300週ずっと行けてない、ということになりますね(笑)。
チャンドラーはとにかく「長い間行ってない」ことをいうために大袈裟な例えをしているだけかもしれませんが、「ジムの会員になってから”もう何年も”行ってない状態」であることは間違いないようです。
ちっとも利用してないのなら、やめちゃえばいいのに、というロス。
それに対して、「毎月会費を取られてるのに、俺だってやめたいと思ってるさ、でもなかなかやめられないんだよ。」と説明しています。
No, they make you go all the way down there. Then they use all of these phrases and peppiness to try and confuse you. について。
この they はジムの担当者などの「ジム側の人間」を指しているのでしょうね。
そして、you は、「あなた」と表現することで、「一般の人」を指し、回り回って「自分自身(俺)」をも指す、という you ですね。
自分の体験を話す時によく使われる you です。
they make you go all the way down there について。
go all the way down there は「ジムの場所までわざわざ足を運ぶ」みたいなニュアンスでしょう。
make you go という使役動詞が使われているのは、こっちは施設を全然利用してないのに、毎月50ドル引かれるもんだから、お金を引き落とされるのを止めようと足を運ぶはめになる、足を運ばざるを得なくなる、みたいな感覚かなと思います。
それで、ジムに行って退会手続きをしようとしたら、あれやこれやといろんなフレーズや peppiness を使って、俺を混乱・困惑させようとするんだ、と言っています。
try and confuse は、try to confuse と同じ意味で、and を使う方がより口語的なようです。
peppy は「元気いっぱいの、活発な、張り切った」。
その名詞形なので、peppiness は「元気いっぱいさ、活発さ」みたいな感じです。
ジムで働いている人は、職業柄、常に元気ハツラツ!みたいな感じがありますが、それを peppiness と言っているのでしょうね。
ジムに通っているとこんなに元気になれますよ、それでもあなたはやめちゃうんですか?、一緒に元気になりましょうよ!みたいな感じの説得を受けてしまう、ということでしょう。
そして最後にマリアの話をしています。ジムの最後の切り札みたいな使われ方ですね。
突然出てきた名前に、「誰それ?」というロスですが、チャンドラーはそれにはすぐに答えず、Oh, Maria! と遠い目をして、彼女の姿を思い浮かべている様子。この絶妙なタイミングに笑ってしまいます。
lycra 「ライクラ」も、spandex 「スパンデックス」も合成繊維の名称です。
その名前を出すことで、マリアがそういう生地でできたレオタードを着用していることがわかる仕組みですね。
treat には「ごちそう」という意味もありますが、ここでは「(特別な)楽しみ、喜び」みたいな意味でしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
treat [noun]:
2. [countable] something special that you give someone or do for them because you know they will enjoy it
例) He took his son to the game as a birthday treat.
3. [countable usually singular] an event that gives you a lot of pleasure, especially if it is unexpected
例) Getting your letter was a real treat.
つまり、2. は「人が誰かにあげる、または誰かのためにしてあげる特別なこと。誰かがそれを喜ぶのを知っているから。」
例文は、「誕生日の楽しみとして、彼は息子をその試合に連れて行った。」
3. は「人に多くの喜びを与えるイベント、特にそれが予想外のものである場合。」
例文は、「あなた(から)の手紙を受け取ったことは、ほんとうに嬉しいことでした。」
そんな風に、やめたいと思っても、相手に言いくるめられちゃってやめられないんだ、というチャンドラー。
ロスは、ジムに一緒に行って、手を握っててやろうか?と言っています。
子供が一人では何にも出来なくて、ママに横についていてもらう、みたいなイメージですね。
その申し出をいったんは断るチャンドラーですが、「じゃあ、一人で退会できるんだな?」と言われ、You'll have to come. と答えます。
will have to は「…しなくてはならないだろう」ですが、ここでのニュアンスは「・・・してくれると助かる、・・・して欲しい、…してくれないと困る」みたいな感じでしょうね。
come だけで止めているのは、子供みたいに hold my hand はしてくれなくてもいいけど、という意味が込められているのでしょう。
手は握っててくれなくてもいいけど、付き添いはお願いするよ、ということですね。
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2009年07月24日
ミルトン・バールの伝説 フレンズ4-3その7
[Scene: Joanna's office, Rachel and Chandler are still negotiating.]
ジョアンナのオフィス。レイチェルとチャンドラーはまだ交渉中。
いったんはチャンドラーの手錠を外したレイチェルでしたが、「私がジョアンナのオフィスの鍵を持っていたことがばれたらクビになる!」ということに気付いたレイチェルは、チャンドラーに最初の状態(椅子に手錠で繋がれた状態)に戻ってもらうように懇願します。
レイチェル: I ah, will buy and wrap all of your Christmas gifts! (あなたが用意するクリスマスプレゼントを全部買って、全部ラッピングするわ!)
チャンドラー: No! (だめだ!)
レイチェル: I ah.... Oh! I'll squeeze you fresh orange juice every morning! (私は…そうだ! 毎朝あなたにフレッシュ・オレンジジュースを絞ってあげる!)
チャンドラー: With extra pulp? (果肉が余分に[多めに]入ってるやつ?)
レイチェル: (happily) Yeah! ([幸せそうに] えぇ!)
チャンドラー: No! (だめだ!)
レイチェル: D'oh!! (pause) I've got it! (もう! [沈黙] いい考えを思いついた!)
チャンドラー: You don't have it. (いい考えなんか持ってないだろ[それはいい考えじゃないだろ]。)
レイチェル: I have so got it! There's gonna be rumors about this. There's no way to stop it. Sophie knows, Monica and Phoebe know. (私は本当にいい考えを思いついたのよ! 今回のことが噂になるのよ。噂を止める方法はないわ。(レイチェルの同僚の)ソフィーは知ってる。モニカとフィービーも知ってる。)
チャンドラー: How do Monica and Phoebe know? (どうやって[どういう手段・方法で]モニカとフィービーが知ってるんだよ。)
レイチェル: Oh, I called them. And when they ask me what I saw, I can be very generous (Holds her hands far apart) or very (In a high pitched voice) stingy. (あぁ、私が二人に電話したから。それで、私が見たことをみんなが尋ねてきた時に、私はものすごく気前よく[寛大に]なることもできるし[手を大きく広げる]、もしくはとっても[ハイトーンな声で]出し惜しみすることもできるわ。)
チャンドラー: (intrigued) Go on. ([興味をひかれて] 続けて。)
レイチェル: I can make you a legend. I can make you this generation's Milton Berle. (あなたを伝説的人物にすることもできるわ。あなたを、この[今の]世代のミルトン・バールにすることができるのよ。)
チャンドラー: And Milton Berle has-- (ミルトン・バールが持ってるのは…)
レイチェル: No, not compared to you. (Chandler nods in agreement) (いいえ、あなたとは比較にならないわ。[チャンドラーは同意してうなずく])
your Christmas gifts というのは、クリスマスの時に、チャンドラーが友達に用意するクリスマスプレゼントのことのようですね。
アメリカではプレゼント交換が盛んなので、かなりの量を準備しないといけない、その準備を私が全部やってあげるわ、という申し出のようです。
毎朝フレッシュジュースを絞ってあげる、と言われて、チャンドラーは目を輝かせて、With extra pulp? と尋ねていますね。
パルプという日本語は、紙の原料であるパルプを指しますが、それ以外にもこのように「(柔らかい)果肉」という意味もあります。
市販のジュースにも「果肉入り」を売りにしているものがありますが、それと同じように、液体部分だけじゃなく、ちゃんと果肉も入ってるやつ?と聞いているのです。
チャンドラーが興味を示したので嬉しそうなレイチェルですが、その後、チャンドラーは No! と言っています。
最初からオレンジジュースで折れるつもりはなくて、「ただ聞いてみただけ」というジョークだったようですね。
しばらく考えた後、レイチェルは I've got it! と言っています。
I've got it. や I got it. は「(いい考えを)思いついた。」というニュアンスですね。
それを聞いたチャンドラーは、You don't have it. 「君は it なんか持ってない」と言っています。
チャンドラーを納得させることができるようなアイディアを思いついたようにレイチェルが言うので、「レイチェルはそんなアイディアを持ってないよ、いいアイディアだと思っているようだけど、それはいいアイディアなんかじゃないはずだよ。」という気持ちですね。
レイチェルは自分の考えを話し始めます。
今回、ジョアンナのオフィスにチャンドラーがいた話は噂になるだろう、と言っています。
stingy は「けちな、せこい、出し惜しみする」。generous 「寛大な、気前のよい、出し惜しみしない」の反対語ですね。
発音はスティンギーではなくてスティンジーです。
レイチェルが言っているのは、噂になった場合、その現場をちゃんと見ているのはレイチェルだけだから、何から何まで事細かに真実を語ったり、もしくは、わざと出し惜しみしたりするなどの情報操作が私には可能なのよ、ということでしょう。
a legend は「伝説」「伝説的人物」。
私の話次第では、あなたを伝説的人物に仕立てることもできるのよ、という感じです。
あなたを、「今の世代のミルトン・バール」にすることが私にはできるのよ、とも言っていますね。
ミルトン・バールについて詳しくはこちら(↓)。
Wikipedia 英語版: Milton Berle
IMDb: Biography for Milton Berle
ウィキペディアによると、エミー賞を受賞したアメリカのコメディアン・俳優で、テレビの黄金時代に Uncle Miltie や Mr. Television と呼ばれて有名だった人のようですね。
で、彼はどうやら、penis が大きいことで有名な人のようです(笑)。
IMDb の Trivia の最後に以下の記述があります。
Berle was famed in Hollywood for the alleged size of an "unmentionable" portion of his anatomy. An often recounted (and possibly apocryphal) story was that when he was once challenged to a "face-off" with another man to prove who had the larger one, a friend said, "We're in a hurry, Milton, just take out enough to win.".
訳しますと、
バールは、彼の体の「言及するのがはばかられる」部分の(はっきりした証拠はないが、そうだといわれている)サイズのことで、ハリウッドでは有名であった。しばしば話される(そして作り話である可能性が高い)話は以下の内容であった。どちらがより大きいモノを持っているかを証明するために、ある男性と「フェイス・オフ[対決]」することを一度挑まれた時、友達の一人がこう言った。「俺たちは急いでるんだよ、ミルトン。ただ勝つのに十分な分だけ取り出せよ。」
face-off という言葉に、男のプライドとかロマンみたいなものを感じなくもないですが(笑)、とにかく誰かと見せ合いっこ対決をする時に、「おまえのモノを全部取り出して見せなくても、その一部を取り出してみせれば、相手は降参するからさ」みたいなことをバールの友人が言った、ということのようですね。
全部取り出すには時間がかかるのかよ!とツッコミを入れたくなるようなジョークにもなるのでしょうか??(私は女なので、微妙なニュアンスはよくわかりませんが…笑)
英語版ウィキペディアの、Uncle Miltie offstage 「アンクル・ミルティーの舞台裏」という項目にも、penis の話が書いてあります。
いろんな逸話が書いてありますが、冒頭部分を紹介すると、
Berle was also famous within show business for the rumored size of his penis.
つまり、「バールはショウビズ界で、彼の penis の噂されているサイズ(これくらいだろうと噂になっているサイズ)でも有名である。」
逸話として挙げられている誰かのコメントでは、anaconda (アナコンダ、大ヘビ)や、pepperoni (ペパローニ、ソーセージ)という表現も登場しています。
ということで、レイチェルがミルトン・バールの名前を出したのは、「彼の penis は大きい」というイメージからだったようですね。
チャンドラーの "And Milton Berle has--" は、"And Milton Berle has an enormous penis...." みたいなことを言おうとしたのかな、と思います。
No, not compared to you. は省略されているのでわかりずらいですが、
No, he can not be compared to you. か、No, compared to you, he does not have.... かのどちらかでしょう。
前者であれば、「いいえ、彼はあなたとは比べものにならないわ。」
「比べものにならない」という表現は、比べものにならないくらいすごい or 大したことない、の両方の意味として使えると思いますが、この文脈では、あなたのライバルにはなりえない、あなたの方がずっとすごい、という意味になるでしょうね。
後者であれば、「いいえ、あなたと比較したら、彼は(大きな penis)を持っているとはいえないわ。」
というニュアンスになるでしょうか?
レイチェルは自分の言うことを聞いてくれたら、チャンドラーは(もしくはチャンドラーのモノは)ミルトン・バールみたいにすごかった、という噂を流して、あなたを伝説的人物にしてあげるわよ、と言っているのですね。
それに納得してうなずくチャンドラーも面白いです。
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ジョアンナのオフィス。レイチェルとチャンドラーはまだ交渉中。
いったんはチャンドラーの手錠を外したレイチェルでしたが、「私がジョアンナのオフィスの鍵を持っていたことがばれたらクビになる!」ということに気付いたレイチェルは、チャンドラーに最初の状態(椅子に手錠で繋がれた状態)に戻ってもらうように懇願します。
レイチェル: I ah, will buy and wrap all of your Christmas gifts! (あなたが用意するクリスマスプレゼントを全部買って、全部ラッピングするわ!)
チャンドラー: No! (だめだ!)
レイチェル: I ah.... Oh! I'll squeeze you fresh orange juice every morning! (私は…そうだ! 毎朝あなたにフレッシュ・オレンジジュースを絞ってあげる!)
チャンドラー: With extra pulp? (果肉が余分に[多めに]入ってるやつ?)
レイチェル: (happily) Yeah! ([幸せそうに] えぇ!)
チャンドラー: No! (だめだ!)
レイチェル: D'oh!! (pause) I've got it! (もう! [沈黙] いい考えを思いついた!)
チャンドラー: You don't have it. (いい考えなんか持ってないだろ[それはいい考えじゃないだろ]。)
レイチェル: I have so got it! There's gonna be rumors about this. There's no way to stop it. Sophie knows, Monica and Phoebe know. (私は本当にいい考えを思いついたのよ! 今回のことが噂になるのよ。噂を止める方法はないわ。(レイチェルの同僚の)ソフィーは知ってる。モニカとフィービーも知ってる。)
チャンドラー: How do Monica and Phoebe know? (どうやって[どういう手段・方法で]モニカとフィービーが知ってるんだよ。)
レイチェル: Oh, I called them. And when they ask me what I saw, I can be very generous (Holds her hands far apart) or very (In a high pitched voice) stingy. (あぁ、私が二人に電話したから。それで、私が見たことをみんなが尋ねてきた時に、私はものすごく気前よく[寛大に]なることもできるし[手を大きく広げる]、もしくはとっても[ハイトーンな声で]出し惜しみすることもできるわ。)
チャンドラー: (intrigued) Go on. ([興味をひかれて] 続けて。)
レイチェル: I can make you a legend. I can make you this generation's Milton Berle. (あなたを伝説的人物にすることもできるわ。あなたを、この[今の]世代のミルトン・バールにすることができるのよ。)
チャンドラー: And Milton Berle has-- (ミルトン・バールが持ってるのは…)
レイチェル: No, not compared to you. (Chandler nods in agreement) (いいえ、あなたとは比較にならないわ。[チャンドラーは同意してうなずく])
your Christmas gifts というのは、クリスマスの時に、チャンドラーが友達に用意するクリスマスプレゼントのことのようですね。
アメリカではプレゼント交換が盛んなので、かなりの量を準備しないといけない、その準備を私が全部やってあげるわ、という申し出のようです。
毎朝フレッシュジュースを絞ってあげる、と言われて、チャンドラーは目を輝かせて、With extra pulp? と尋ねていますね。
パルプという日本語は、紙の原料であるパルプを指しますが、それ以外にもこのように「(柔らかい)果肉」という意味もあります。
市販のジュースにも「果肉入り」を売りにしているものがありますが、それと同じように、液体部分だけじゃなく、ちゃんと果肉も入ってるやつ?と聞いているのです。
チャンドラーが興味を示したので嬉しそうなレイチェルですが、その後、チャンドラーは No! と言っています。
最初からオレンジジュースで折れるつもりはなくて、「ただ聞いてみただけ」というジョークだったようですね。
しばらく考えた後、レイチェルは I've got it! と言っています。
I've got it. や I got it. は「(いい考えを)思いついた。」というニュアンスですね。
それを聞いたチャンドラーは、You don't have it. 「君は it なんか持ってない」と言っています。
チャンドラーを納得させることができるようなアイディアを思いついたようにレイチェルが言うので、「レイチェルはそんなアイディアを持ってないよ、いいアイディアだと思っているようだけど、それはいいアイディアなんかじゃないはずだよ。」という気持ちですね。
レイチェルは自分の考えを話し始めます。
今回、ジョアンナのオフィスにチャンドラーがいた話は噂になるだろう、と言っています。
stingy は「けちな、せこい、出し惜しみする」。generous 「寛大な、気前のよい、出し惜しみしない」の反対語ですね。
発音はスティンギーではなくてスティンジーです。
レイチェルが言っているのは、噂になった場合、その現場をちゃんと見ているのはレイチェルだけだから、何から何まで事細かに真実を語ったり、もしくは、わざと出し惜しみしたりするなどの情報操作が私には可能なのよ、ということでしょう。
a legend は「伝説」「伝説的人物」。
私の話次第では、あなたを伝説的人物に仕立てることもできるのよ、という感じです。
あなたを、「今の世代のミルトン・バール」にすることが私にはできるのよ、とも言っていますね。
ミルトン・バールについて詳しくはこちら(↓)。
Wikipedia 英語版: Milton Berle
IMDb: Biography for Milton Berle
ウィキペディアによると、エミー賞を受賞したアメリカのコメディアン・俳優で、テレビの黄金時代に Uncle Miltie や Mr. Television と呼ばれて有名だった人のようですね。
で、彼はどうやら、penis が大きいことで有名な人のようです(笑)。
IMDb の Trivia の最後に以下の記述があります。
Berle was famed in Hollywood for the alleged size of an "unmentionable" portion of his anatomy. An often recounted (and possibly apocryphal) story was that when he was once challenged to a "face-off" with another man to prove who had the larger one, a friend said, "We're in a hurry, Milton, just take out enough to win.".
訳しますと、
バールは、彼の体の「言及するのがはばかられる」部分の(はっきりした証拠はないが、そうだといわれている)サイズのことで、ハリウッドでは有名であった。しばしば話される(そして作り話である可能性が高い)話は以下の内容であった。どちらがより大きいモノを持っているかを証明するために、ある男性と「フェイス・オフ[対決]」することを一度挑まれた時、友達の一人がこう言った。「俺たちは急いでるんだよ、ミルトン。ただ勝つのに十分な分だけ取り出せよ。」
face-off という言葉に、男のプライドとかロマンみたいなものを感じなくもないですが(笑)、とにかく誰かと見せ合いっこ対決をする時に、「おまえのモノを全部取り出して見せなくても、その一部を取り出してみせれば、相手は降参するからさ」みたいなことをバールの友人が言った、ということのようですね。
全部取り出すには時間がかかるのかよ!とツッコミを入れたくなるようなジョークにもなるのでしょうか??(私は女なので、微妙なニュアンスはよくわかりませんが…笑)
英語版ウィキペディアの、Uncle Miltie offstage 「アンクル・ミルティーの舞台裏」という項目にも、penis の話が書いてあります。
いろんな逸話が書いてありますが、冒頭部分を紹介すると、
Berle was also famous within show business for the rumored size of his penis.
つまり、「バールはショウビズ界で、彼の penis の噂されているサイズ(これくらいだろうと噂になっているサイズ)でも有名である。」
逸話として挙げられている誰かのコメントでは、anaconda (アナコンダ、大ヘビ)や、pepperoni (ペパローニ、ソーセージ)という表現も登場しています。
ということで、レイチェルがミルトン・バールの名前を出したのは、「彼の penis は大きい」というイメージからだったようですね。
チャンドラーの "And Milton Berle has--" は、"And Milton Berle has an enormous penis...." みたいなことを言おうとしたのかな、と思います。
No, not compared to you. は省略されているのでわかりずらいですが、
No, he can not be compared to you. か、No, compared to you, he does not have.... かのどちらかでしょう。
前者であれば、「いいえ、彼はあなたとは比べものにならないわ。」
「比べものにならない」という表現は、比べものにならないくらいすごい or 大したことない、の両方の意味として使えると思いますが、この文脈では、あなたのライバルにはなりえない、あなたの方がずっとすごい、という意味になるでしょうね。
後者であれば、「いいえ、あなたと比較したら、彼は(大きな penis)を持っているとはいえないわ。」
というニュアンスになるでしょうか?
レイチェルは自分の言うことを聞いてくれたら、チャンドラーは(もしくはチャンドラーのモノは)ミルトン・バールみたいにすごかった、という噂を流して、あなたを伝説的人物にしてあげるわよ、と言っているのですね。
それに納得してうなずくチャンドラーも面白いです。
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2009年07月22日
頭金ゼロ月々ゼロの分割払い フレンズ4-3その6
百科事典を興味深く読んでいるジョーイに、セールスマンが話しかけます。
セールスマン: So what do you say, Joey? You get the whole set of encyclopedias for twelve hundred dollars. That works out to just 50 bucks a book. (それでどう思いますか、ジョーイ? 1,200ドルで百科事典まるまる1セットが手に入ります。それは1冊たったの50ドル、ということになりますよ。)
ジョーイ: Twelve hundred dollars? You think I have $1200? I'm home in the middle of the day, and I got patio furniture in my living room. I guess there's a few things you don't get from book learnin'. (1,200ドルだって? 俺に 1,200ドルあると思う? 俺は真っ昼間に家にいて、リビングルームにパティオ用の家具を置いてる。本からは学べないことがいくつかあるみたいだね。)
セールスマン: Well ah, what can you swing? (えーっと、どういうことなら可能ですか?)
ジョーイ: How about zero down and zero a month for a long, long time? (頭金はゼロで、それから、長い長い間、毎月ゼロドル支払う、っていうのはどうかな?)
セールスマン: You don't have anything? (あなたは少しも持っていないんですか?)
ジョーイ: You wanna see what I got? (He gets up to empty out his pockets) Okay? I got a baby Tootsie Roll, a movie stub, keys, a Kleenex, a rock, and an army man. Hey! (俺が持ってるもの知りたい? [ジョーイは立ち上がり、ポケットの中身を出す] いいか? 小さなトゥッツィー・ロールに、映画の半券、鍵、ティッシュ1枚、小石、それからアーミー人形だ。[人形に] よう!)
セールスマン: Okay, I-I get the picture. Uh, thanks for your time. (Starts to leave) (オッケー。状況がよくわかりました。あぁ、お時間を取ってくれてありがとう。[立ち去ろうとする])
ジョーイ: And a fifty. (The salesman stops suddenly) Huh, these must be Chandler's pants. (それから、50ドル。[セールスマンは突然立ち止まる] ほー、これはチャンドラーのパンツに違いないな。)
セールスマン: For 50 bucks you can get one book. What will it be? A? B? C? (50ドルで1冊の本が買えますよ。どれにします? Aの本? Bの本? Cの本?)
ジョーイ: Oh, I-I think I'm gonna stick with the V. I wanna see how this bad boy turns out. (あぁ、Vの本にこだわってみようかな[Vの本を続けて読んでみようかな]。この悪ガキがどんな風になるのかを見たいから。)
work out to は「…ということになる」。
1セットで 1,200ドルだから、1冊当たりに換算すると 50ドルになる、とセールスマンらしいトークをしています。
book learning は「本から学んだこと、学んだ知識」。
百科事典でいろんなことが学べると宣伝しているけど、俺が 1,200ドルを持ってないことくらい、見てわからないか?、そういう知識は、百科事典を読むことでは得られないようだねぇ、と言っているのですね。
セールスマンに対しては、なかなか冴えた切り返しだと思うのですが(笑)。
swing は「揺り動かす、振る」ですね。名詞では「(遊戯具の)ぶらんこ」の意味もあります。
今回の動詞の意味は「…をうまくやってのける、うまく処理する」というような意味でしょうか。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
swing [verb]: ARRANGE SOMETHING [transitive] (spoken) to make arrangements for something to happen, although it takes a lot of effort to do this.
例) I'll come over Friday if I can swing it.
つまり、「何かが起こるように手配する[手はずを整える]こと。これをするのに多くの努力が必要であったとしても。」
例文は、「手配できるのなら[なんとかできるなら]、金曜日に来るつもりだ。」
ですから、1,200ドルなんて持ってないよ、というジョーイに、「どういうことなら、何とか手配可能ですか?」みたいな意味で、what can you swing? と尋ねたようです。
つまり、即金で払えないなら、ローンを組むってのもアリですが、どういう支払い方法なら可能ですか?という感じでしょうね。
How about zero down and zero a month for a long, long time? について。
down は「頭金の、頭金で」。down payment は「(分割払いの)頭金、手付け金」で、make a down payment で「頭金を支払う」になります。
ジョーイが言っているのは、「頭金はゼロ、それから、超長い間、ひと月にゼロドルずつ支払う、っていうのはどう?」という感じですね。
ローン、分割払いにしても、月々お金を全く払わない案を提示しているわけです。
少しの金額も払えないほどの金欠なんですか?と言われたので、ジョーイは自分のポケットの中身を見せています。
Tootsie Roll は、キャンディーの名前ですね。
Wikipedia 英語版: Tootsie Rolls
公式サイトはこちら(↓)。
Welcome to the Tootsie Roll Website
Tootsie Roll の名前は、フレンズ3-20 にも登場しました。
解説では飛ばしてしまった部分ですが、フィービーが手作りのドールハウスを披露していた時、以下のセリフがありました。
フィービー: You can eat all the furniture. And when guests come over, they can stay on the Tootsie Roll-away bed. (家具は全部食べられるのよ。それにお客さんが来た時、トゥッツィー・ロール・アウェイ・ベッドで泊まることができるのよ。)
ロールアウェイベッド、というのは、移動式の簡易ベッド、エキストラベッドみたいなもののようですね。
roll-away bed の roll という言葉にひっかけて、名前に roll がつくお菓子(Tootsie Roll)を使った、ということです。
stub は「木の切り株、たばこの吸い残し・吸殻」などの意味がありますが、ここでは「入場券などの半券」という意味です。
Kleenex はご存知「クリネックス」で、ティッシュペーパーなどの商標名です。
Wikipedia 英語版: Kleenex
get the picture を直訳すると「絵をゲットする」という感じですから、「様子がわかる、状況・事態を理解する」という意味になります。
ポケットの中身を見て、あぁ、この人はほんとにお金を持ってないんだな、とわかった、ということですね。
Thank you for your time. は「お時間を取って下さってありがとう」みたいな意味です。
結局、商談は成立しなかったけど、時間を取ってもらって話を聞いてくれてありがとう、というニュアンスですね。
セールスマンが帰りかけた時、ポケットの中に 50ドルが入っていたことを発見したジョーイ。
俺のポケットに 50ドル入ってるわけないから、これはチャンドラーのパンツだな、と言っています。
このやり取りの最初に言っていたように、50ドルだと1冊買えることになりますね。
What will it be? の it は、50ドルで買える1冊の本を指します。
1冊買えるので、どれにします?という感覚ですね。
stick with は「…から離れないでいる、…にこだわる」というような意味ですが、今まで V の本を見ていたので、その V の本を続けてそのまま読んでみるよ、という感じでしょう。
V の本に興味を持ったジョーイは、その V の本を this bad boy 「この悪ガキ」と呼んでいます。
そいつが最終的にどんな本であるかを読んで確かめたい、見届けたいんだよ、みたいなことですね。
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セールスマン: So what do you say, Joey? You get the whole set of encyclopedias for twelve hundred dollars. That works out to just 50 bucks a book. (それでどう思いますか、ジョーイ? 1,200ドルで百科事典まるまる1セットが手に入ります。それは1冊たったの50ドル、ということになりますよ。)
ジョーイ: Twelve hundred dollars? You think I have $1200? I'm home in the middle of the day, and I got patio furniture in my living room. I guess there's a few things you don't get from book learnin'. (1,200ドルだって? 俺に 1,200ドルあると思う? 俺は真っ昼間に家にいて、リビングルームにパティオ用の家具を置いてる。本からは学べないことがいくつかあるみたいだね。)
セールスマン: Well ah, what can you swing? (えーっと、どういうことなら可能ですか?)
ジョーイ: How about zero down and zero a month for a long, long time? (頭金はゼロで、それから、長い長い間、毎月ゼロドル支払う、っていうのはどうかな?)
セールスマン: You don't have anything? (あなたは少しも持っていないんですか?)
ジョーイ: You wanna see what I got? (He gets up to empty out his pockets) Okay? I got a baby Tootsie Roll, a movie stub, keys, a Kleenex, a rock, and an army man. Hey! (俺が持ってるもの知りたい? [ジョーイは立ち上がり、ポケットの中身を出す] いいか? 小さなトゥッツィー・ロールに、映画の半券、鍵、ティッシュ1枚、小石、それからアーミー人形だ。[人形に] よう!)
セールスマン: Okay, I-I get the picture. Uh, thanks for your time. (Starts to leave) (オッケー。状況がよくわかりました。あぁ、お時間を取ってくれてありがとう。[立ち去ろうとする])
ジョーイ: And a fifty. (The salesman stops suddenly) Huh, these must be Chandler's pants. (それから、50ドル。[セールスマンは突然立ち止まる] ほー、これはチャンドラーのパンツに違いないな。)
セールスマン: For 50 bucks you can get one book. What will it be? A? B? C? (50ドルで1冊の本が買えますよ。どれにします? Aの本? Bの本? Cの本?)
ジョーイ: Oh, I-I think I'm gonna stick with the V. I wanna see how this bad boy turns out. (あぁ、Vの本にこだわってみようかな[Vの本を続けて読んでみようかな]。この悪ガキがどんな風になるのかを見たいから。)
work out to は「…ということになる」。
1セットで 1,200ドルだから、1冊当たりに換算すると 50ドルになる、とセールスマンらしいトークをしています。
book learning は「本から学んだこと、学んだ知識」。
百科事典でいろんなことが学べると宣伝しているけど、俺が 1,200ドルを持ってないことくらい、見てわからないか?、そういう知識は、百科事典を読むことでは得られないようだねぇ、と言っているのですね。
セールスマンに対しては、なかなか冴えた切り返しだと思うのですが(笑)。
swing は「揺り動かす、振る」ですね。名詞では「(遊戯具の)ぶらんこ」の意味もあります。
今回の動詞の意味は「…をうまくやってのける、うまく処理する」というような意味でしょうか。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
swing [verb]: ARRANGE SOMETHING [transitive] (spoken) to make arrangements for something to happen, although it takes a lot of effort to do this.
例) I'll come over Friday if I can swing it.
つまり、「何かが起こるように手配する[手はずを整える]こと。これをするのに多くの努力が必要であったとしても。」
例文は、「手配できるのなら[なんとかできるなら]、金曜日に来るつもりだ。」
ですから、1,200ドルなんて持ってないよ、というジョーイに、「どういうことなら、何とか手配可能ですか?」みたいな意味で、what can you swing? と尋ねたようです。
つまり、即金で払えないなら、ローンを組むってのもアリですが、どういう支払い方法なら可能ですか?という感じでしょうね。
How about zero down and zero a month for a long, long time? について。
down は「頭金の、頭金で」。down payment は「(分割払いの)頭金、手付け金」で、make a down payment で「頭金を支払う」になります。
ジョーイが言っているのは、「頭金はゼロ、それから、超長い間、ひと月にゼロドルずつ支払う、っていうのはどう?」という感じですね。
ローン、分割払いにしても、月々お金を全く払わない案を提示しているわけです。
少しの金額も払えないほどの金欠なんですか?と言われたので、ジョーイは自分のポケットの中身を見せています。
Tootsie Roll は、キャンディーの名前ですね。
Wikipedia 英語版: Tootsie Rolls
公式サイトはこちら(↓)。
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Tootsie Roll の名前は、フレンズ3-20 にも登場しました。
解説では飛ばしてしまった部分ですが、フィービーが手作りのドールハウスを披露していた時、以下のセリフがありました。
フィービー: You can eat all the furniture. And when guests come over, they can stay on the Tootsie Roll-away bed. (家具は全部食べられるのよ。それにお客さんが来た時、トゥッツィー・ロール・アウェイ・ベッドで泊まることができるのよ。)
ロールアウェイベッド、というのは、移動式の簡易ベッド、エキストラベッドみたいなもののようですね。
roll-away bed の roll という言葉にひっかけて、名前に roll がつくお菓子(Tootsie Roll)を使った、ということです。
stub は「木の切り株、たばこの吸い残し・吸殻」などの意味がありますが、ここでは「入場券などの半券」という意味です。
Kleenex はご存知「クリネックス」で、ティッシュペーパーなどの商標名です。
Wikipedia 英語版: Kleenex
get the picture を直訳すると「絵をゲットする」という感じですから、「様子がわかる、状況・事態を理解する」という意味になります。
ポケットの中身を見て、あぁ、この人はほんとにお金を持ってないんだな、とわかった、ということですね。
Thank you for your time. は「お時間を取って下さってありがとう」みたいな意味です。
結局、商談は成立しなかったけど、時間を取ってもらって話を聞いてくれてありがとう、というニュアンスですね。
セールスマンが帰りかけた時、ポケットの中に 50ドルが入っていたことを発見したジョーイ。
俺のポケットに 50ドル入ってるわけないから、これはチャンドラーのパンツだな、と言っています。
このやり取りの最初に言っていたように、50ドルだと1冊買えることになりますね。
What will it be? の it は、50ドルで買える1冊の本を指します。
1冊買えるので、どれにします?という感覚ですね。
stick with は「…から離れないでいる、…にこだわる」というような意味ですが、今まで V の本を見ていたので、その V の本を続けてそのまま読んでみるよ、という感じでしょう。
V の本に興味を持ったジョーイは、その V の本を this bad boy 「この悪ガキ」と呼んでいます。
そいつが最終的にどんな本であるかを読んで確かめたい、見届けたいんだよ、みたいなことですね。
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2009年07月20日
スポックの産児制限 フレンズ4-3その5
[Scene: Chandler and Joey's, The salesman is trying to sell Joey the encyclopedias.]
チャンドラーとジョーイの部屋。セールスマンはジョーイに百科事典を売ろうとしている。
セールスマン: So, here's somebody interesting, Joey. What do you know about Van Gogh? (それで、ここに興味深い人がいますよ[載っていますよ]、ジョーイ。君はヴァン・ゴッホについて何を知っていますか?)
ジョーイ: He cut off his ear. (彼は自分の耳を切り落とした。)
セールスマン: And? (それから?)
ジョーイ: I'm out. (俺、(このクイズ)下りるよ。)
セールスマン: He painted that. (Points to one of his paintings in the book) (彼はこれを描いたんだ。[本にあるゴッホの絵の一つを指差す])
ジョーイ: Wow. That's pretty nice. I thought he cut off his ear 'cause he sucked. What else you got in there? (わぉ。それってすっごくいい絵だね。俺は、彼がダメなやつだから、耳を切り落としたんだと思ってたよ。そこには他に何が載ってるの?)
セールスマン: Let's see, ahhh.... Where does the Pope live? (そうだな、えーっと…。法王はどこに住んでいるでしょう?)
ジョーイ: In the woods. No, wait-wait, that's the joke answer. (森の中だ。[セールスマンが怖い顔をしたので] いや、待て待て。今のはジョークの答えだよ[ジョークでそう答えたんだよ]。)
セールスマン: Actually, it's Vatican City. Now ahh, what do you know about vulcanized rubber? (本当は、バチカン市国ですよ。それじゃあ、うーんと、ヴァルカナイズド・ラバーについて何か知っていますか?)
ジョーイ: Spock's birth control. (スポックの産児制限[避妊]。)
セールスマン: (laughs) You need these books. ([笑って(その後、すぐに真顔になって)] あなたにはこの本[百科事典]が必要です。)
セールスマンは、百科事典を売るために、そこにはいろんなことが載っているのを説明しています。
Van Gogh は「ひまわり」などの作品で有名なゴッホのことですね。
Wikipedia 日本語版: フィンセント・ファン・ゴッホ
英語の発音は、「ヴァン・ゴー」のようになります。
ゴッホが耳を切った話は有名なので、ジョーイもそれだけは知っていたようです。
それ以外のことについて聞かれて、I'm out. と言っていますね。
これは、ゲームやクイズの解答などから「抜ける」「下りる」イメージかな、と思います。
セールスマンは、百科事典に載っているゴッホの絵を見せ、ジョーイはその絵に対して感嘆の声をあげています。
耳を切ったことは知っていたのに、彼が有名な画家であることは知らなかったようです(笑)。
the Pope は「ローマ法王、ローマ教皇」。
普通はこのように、the をつけて、P を大文字で書きます。
Vatican City は「バチカン市国」。
「市国」という日本語は、City を訳したもの、なんでしょうね。
vulcanize は「ゴムを硫化・加硫・硬化する」という動詞なので、vulcanized rubber は「硫化されたゴム」すなわち「硫化ゴム」ということですね。
硫化、加硫(Vulcanization)は、以下のウィキペディアに詳しく書いてあります。
Wikipedia 英語版: Vulcanization
その英語版ウィキペディアから、参考になる部分を引用させていただきます。
The process is named after Vulcan, Roman god of fire.
「その(硫化という)過程は、ローマの火の神である、Vulcan から名付けられた。」
A vast array of products are made with vulcanized rubber including ice hockey pucks, tires, shoe soles, hoses and many more.
「ありとあらゆる製品が、硫化ゴムで作られている。例えば、アイスホッケーのパック、タイヤ、靴底、ホースなど、さらに多くのもの。」
Hard vulcanized rubber is known as ebonite or vulcanite and is used to make bowling balls and clarinet mouth pieces.
「硬質硫化ゴムは、エボナイトまたはヴァルカナイトとして知られていて、ボウリングのボールや、クラリネットのマウスピースを作るのに使われている。」
このように、化学の専門用語っぽい言葉なので、ジョーイが知っているはずもないのですが、意外にもジョーイは自信満々で答えます。
その答えが、Spock's birth control。
まず、Spock ですが、これはスタートレックで有名なキャラクターですね。
元々は、スタートレックシリーズの第1作 Star Trek: The Original Series の主要キャラで、最近公開された映画「スター・トレック」では、そのスポックの若かりし頃が描かれていました。
スポックについては以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: スポック
Wikipedia 英語版: Spock
birth control を直訳すると「出産調整」になるでしょうか。
すなわち、「産児制限、妊娠調節、避妊」という意味になります。
ジョーイは、「スポックの避妊、スポックが避妊に使うもの」という意味で答えたことになります。
なぜ、スポックの名前が出てきたかと言うと、彼が Vulcan 「ヴァルカン人、バルカン人」だからですね。(正確に言うと、彼はヴァルカン人と地球人とのハーフです。)
vulcanized という言葉で、ヴァルカン人を思い出した、ということです。
vulcanize という単語に「ヴァルカン化された、ヴァルカン風に変えられた」みたいなニュアンスを感じたのかもしれません。
そして、rubber は「ゴム」ですね。
ちなみに、イギリスでは rubber は「消しゴム」の意味にもなります。(アメリカでは消しゴムは eraser)
そして、rubber は避妊に使う「コンドーム」も指すのですね。(日本語でも「ゴム」って表現する人、いますよね?…笑)
ですから、vulcanized rubber という言葉を聞いて、Vulcan condom を想像したジョーイは、「(ヴァルカン人の)スポックの産児制限・避妊(または避妊に使う手段、道具)」と答えた、ということです。
Spock's condom ではなくて、birth control という言葉を使ったのは、産児制限に使うアレだろ?みたいなニュアンスかなと思いました。
ダイレクトに condom と言ってしまうのではなく、抽象的な birth control という言葉を使って遠回しに言うことで、知的な感じを出してみた、という気がするのですがどうでしょう?
ちなみに余談ですが、今回の encyclopedia (百科事典)つながりにもなりますが、トレッキーである私は、「スタートレック エンサイクロペディア」という、スタートレックシリーズの百科事典を持っています。
スタートレック エンサイクロペディア ニュー・エディション THE STAR TREK ENCYCLOPEDIA: A Reference Guide to the Future
総ページ数 794ページ、税別 8,000円というものすごい本ですが、この本には当然のことながら、vulcanized rubber は載っていませんでした(笑)。
もちろん、V の項目に、ヴァルカン関係の言葉が列挙してあるのですが、例えば、ヴァルカン船(ヴァルカン人の宇宙船)は、Vulcan ship と表記されます。
つまり、Vulcan だけで「ヴァルカン(人、星)の」という形容詞にもなるのですね。
ですから、Vulcan rubber であれば、本当に「スポックのコンドーム」という意味になるかもしれません(笑)。
フレンズのセリフでトレックネタが出てくるのは、私の記憶では5回あり、今回が4回目ですが、数あるトレックネタのうちで、私はこれが一番大ウケでした。
得意気に「スポックのコンドームだ」と答えるジョーイに、「そんなに何も知らないんだったら、やっぱりあなたにはこの本が必要ですよ。」と真顔で言うセールスマンに笑えますね。
ちなみに今回セールスマンの説明に出てきた言葉は、Van Gogh, Vatican City, vulcanized rubber でした。
アルファベット順に並んでいる百科事典の V の本を使って説明していたことがわかりますね。
(2009.9.7 追記)
下のコメント欄で、Spock は「スポック博士の育児書」を書いたスポック博士とも関連があるのでは?というご意見をいただきました。
以下の記事で、そのスポック博士について調べたことを書いています。
興味のある方は覗いてみて下さい。
「スポック博士の育児書」との関連性 フレンズ4-3その8
(追記はここまで)
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チャンドラーとジョーイの部屋。セールスマンはジョーイに百科事典を売ろうとしている。
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ジョーイ: He cut off his ear. (彼は自分の耳を切り落とした。)
セールスマン: And? (それから?)
ジョーイ: I'm out. (俺、(このクイズ)下りるよ。)
セールスマン: He painted that. (Points to one of his paintings in the book) (彼はこれを描いたんだ。[本にあるゴッホの絵の一つを指差す])
ジョーイ: Wow. That's pretty nice. I thought he cut off his ear 'cause he sucked. What else you got in there? (わぉ。それってすっごくいい絵だね。俺は、彼がダメなやつだから、耳を切り落としたんだと思ってたよ。そこには他に何が載ってるの?)
セールスマン: Let's see, ahhh.... Where does the Pope live? (そうだな、えーっと…。法王はどこに住んでいるでしょう?)
ジョーイ: In the woods. No, wait-wait, that's the joke answer. (森の中だ。[セールスマンが怖い顔をしたので] いや、待て待て。今のはジョークの答えだよ[ジョークでそう答えたんだよ]。)
セールスマン: Actually, it's Vatican City. Now ahh, what do you know about vulcanized rubber? (本当は、バチカン市国ですよ。それじゃあ、うーんと、ヴァルカナイズド・ラバーについて何か知っていますか?)
ジョーイ: Spock's birth control. (スポックの産児制限[避妊]。)
セールスマン: (laughs) You need these books. ([笑って(その後、すぐに真顔になって)] あなたにはこの本[百科事典]が必要です。)
セールスマンは、百科事典を売るために、そこにはいろんなことが載っているのを説明しています。
Van Gogh は「ひまわり」などの作品で有名なゴッホのことですね。
Wikipedia 日本語版: フィンセント・ファン・ゴッホ
英語の発音は、「ヴァン・ゴー」のようになります。
ゴッホが耳を切った話は有名なので、ジョーイもそれだけは知っていたようです。
それ以外のことについて聞かれて、I'm out. と言っていますね。
これは、ゲームやクイズの解答などから「抜ける」「下りる」イメージかな、と思います。
セールスマンは、百科事典に載っているゴッホの絵を見せ、ジョーイはその絵に対して感嘆の声をあげています。
耳を切ったことは知っていたのに、彼が有名な画家であることは知らなかったようです(笑)。
the Pope は「ローマ法王、ローマ教皇」。
普通はこのように、the をつけて、P を大文字で書きます。
Vatican City は「バチカン市国」。
「市国」という日本語は、City を訳したもの、なんでしょうね。
vulcanize は「ゴムを硫化・加硫・硬化する」という動詞なので、vulcanized rubber は「硫化されたゴム」すなわち「硫化ゴム」ということですね。
硫化、加硫(Vulcanization)は、以下のウィキペディアに詳しく書いてあります。
Wikipedia 英語版: Vulcanization
その英語版ウィキペディアから、参考になる部分を引用させていただきます。
The process is named after Vulcan, Roman god of fire.
「その(硫化という)過程は、ローマの火の神である、Vulcan から名付けられた。」
A vast array of products are made with vulcanized rubber including ice hockey pucks, tires, shoe soles, hoses and many more.
「ありとあらゆる製品が、硫化ゴムで作られている。例えば、アイスホッケーのパック、タイヤ、靴底、ホースなど、さらに多くのもの。」
Hard vulcanized rubber is known as ebonite or vulcanite and is used to make bowling balls and clarinet mouth pieces.
「硬質硫化ゴムは、エボナイトまたはヴァルカナイトとして知られていて、ボウリングのボールや、クラリネットのマウスピースを作るのに使われている。」
このように、化学の専門用語っぽい言葉なので、ジョーイが知っているはずもないのですが、意外にもジョーイは自信満々で答えます。
その答えが、Spock's birth control。
まず、Spock ですが、これはスタートレックで有名なキャラクターですね。
元々は、スタートレックシリーズの第1作 Star Trek: The Original Series の主要キャラで、最近公開された映画「スター・トレック」では、そのスポックの若かりし頃が描かれていました。
スポックについては以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: スポック
Wikipedia 英語版: Spock
birth control を直訳すると「出産調整」になるでしょうか。
すなわち、「産児制限、妊娠調節、避妊」という意味になります。
ジョーイは、「スポックの避妊、スポックが避妊に使うもの」という意味で答えたことになります。
なぜ、スポックの名前が出てきたかと言うと、彼が Vulcan 「ヴァルカン人、バルカン人」だからですね。(正確に言うと、彼はヴァルカン人と地球人とのハーフです。)
vulcanized という言葉で、ヴァルカン人を思い出した、ということです。
vulcanize という単語に「ヴァルカン化された、ヴァルカン風に変えられた」みたいなニュアンスを感じたのかもしれません。
そして、rubber は「ゴム」ですね。
ちなみに、イギリスでは rubber は「消しゴム」の意味にもなります。(アメリカでは消しゴムは eraser)
そして、rubber は避妊に使う「コンドーム」も指すのですね。(日本語でも「ゴム」って表現する人、いますよね?…笑)
ですから、vulcanized rubber という言葉を聞いて、Vulcan condom を想像したジョーイは、「(ヴァルカン人の)スポックの産児制限・避妊(または避妊に使う手段、道具)」と答えた、ということです。
Spock's condom ではなくて、birth control という言葉を使ったのは、産児制限に使うアレだろ?みたいなニュアンスかなと思いました。
ダイレクトに condom と言ってしまうのではなく、抽象的な birth control という言葉を使って遠回しに言うことで、知的な感じを出してみた、という気がするのですがどうでしょう?
ちなみに余談ですが、今回の encyclopedia (百科事典)つながりにもなりますが、トレッキーである私は、「スタートレック エンサイクロペディア」という、スタートレックシリーズの百科事典を持っています。
スタートレック エンサイクロペディア ニュー・エディション THE STAR TREK ENCYCLOPEDIA: A Reference Guide to the Future
総ページ数 794ページ、税別 8,000円というものすごい本ですが、この本には当然のことながら、vulcanized rubber は載っていませんでした(笑)。
もちろん、V の項目に、ヴァルカン関係の言葉が列挙してあるのですが、例えば、ヴァルカン船(ヴァルカン人の宇宙船)は、Vulcan ship と表記されます。
つまり、Vulcan だけで「ヴァルカン(人、星)の」という形容詞にもなるのですね。
ですから、Vulcan rubber であれば、本当に「スポックのコンドーム」という意味になるかもしれません(笑)。
フレンズのセリフでトレックネタが出てくるのは、私の記憶では5回あり、今回が4回目ですが、数あるトレックネタのうちで、私はこれが一番大ウケでした。
得意気に「スポックのコンドームだ」と答えるジョーイに、「そんなに何も知らないんだったら、やっぱりあなたにはこの本が必要ですよ。」と真顔で言うセールスマンに笑えますね。
ちなみに今回セールスマンの説明に出てきた言葉は、Van Gogh, Vatican City, vulcanized rubber でした。
アルファベット順に並んでいる百科事典の V の本を使って説明していたことがわかりますね。
(2009.9.7 追記)
下のコメント欄で、Spock は「スポック博士の育児書」を書いたスポック博士とも関連があるのでは?というご意見をいただきました。
以下の記事で、そのスポック博士について調べたことを書いています。
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(追記はここまで)
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2009年07月18日
アメージングなマジシャン フレンズ4-3その4
フレンズ3-20その7 で別れたはずなのに、レイチェルの上司ジョアンナとばったり再会した後、いい仲になってしまうチャンドラー。
ジョアンナのオフィスでいちゃついた後、仕事のため出かけないといけなくなったジョアンナは、面白半分に、下着姿のチャンドラーを椅子に手錠で繋いで、そのまま出て行ってしまいます。
たまたまジョアンナのオフィスの鍵を持っていたレイチェルは、チャンドラーのその姿を発見してびっくり仰天。
レイチェル: Y'know what, Chandler, you got yourself into those cuffs, you get yourself out of them. (ねぇ、チャンドラー。あなたが手錠をかけられるようなことをしたんだから、自分の力で手錠から抜け出しなさいよ。)
チャンドラー: No-no-no-no-no-no-no! I can't get myself right out of them. You must have me confused with the "Amazing Chandler"! Come on, you have to unlock me, she could be gone for hours, and I'm cold and.... (Stops and looks up the skirt on a statue behind Joanna's desk.) (無理無理無理! 俺は手錠から抜け出すことなんてできないよ。レイチェルはきっと、俺が「(ジ・)アメージング・チャンドラー」だと錯覚されるようにしてるんだな。ねぇ、手錠を外してよ。ジョアンナは何時間も帰ってこない可能性があるし、それに寒いし… [言葉を止め、ジョアンナのデスクの後ろにある(マリリン・モンロー風の)像のスカートを下から覗き込む])
レイチェル: Oh, Chandler! All right! This is it! (Grabs the key) You never see Joanna again. (もう、チャンドラー! わかったわ! これで終わりよ! [手錠の鍵を掴む] ジョアンナには二度と会わないで。)
チャンドラー: Never! (二度と会わない!)
レイチェル: You never come into this office again! (このオフィスに二度と来ないで!)
チャンドラー: Fine! (わかった!)
レイチェル: You give me back my Walkman! (私のウォークマンを返して!)
チャンドラー: I... I never borrowed your Walkman. (俺は…俺は君のウォークマンは借りてない。)
レイチェル: Well, then I lost it. You buy me one! (それじゃあ、私がなくしたのね。私にウォークマンを買って!)
チャンドラー: You got it! Here we go! Come on. This is great! (Rachel goes over and unlocks the handcuffs) Ahhh! (He starts rubbing his wrist) (わかった! よし行くぞ[手錠を外すぞ]。よし。これって最高! [レイチェルがやってきて、手錠の鍵を外す] あぁぁー! [チャンドラーは自分の手首をこすり始める])
レイチェル: Does it hurt? (痛むの?)
チャンドラー: No, I just always see guys doing this when they get handcuffs taken off them. (He runs over to where his pants are hanging) Hello, sweet pants! (いいや。ただ、手錠を外された人がこうするのをいつも見てたからさ。[自分のパンツ[ズボン]がかけてあるところに走っていって] はーい、愛しのパンツ!)
レイチェル: Wait a minute! What are you gonna tell Joanna? (ちょっと待ってよ! あなたはジョアンナに何て言うつもり?)
チャンドラー: About what? (何のこと?)
レイチェル: When she sees that you're gone, she's gonna know that I let you out, and that I was in here, and I'm gonna get fired! (あなたがいなくなっているのをジョアンナが見たら、ジョアンナは、私があなたを手錠から外したってことを、そして、私がここにいたことを知ることになるわ。そして私はクビになっちゃうのよ!)
チャンドラー: I'll make something up! I'm good at lying! I actually did borrow your Walkman! (何か作り話をしておくさ! 俺はウソをつくのがうまいんだ。実は俺は、君のウォークマンを借りてたんだよ!)
you got yourself into those cuffs, you get yourself out of them. という表現が英語らしくていいですね。
get oneself ... は、「自らを…の状況にする」という感じでしょうか。
最初が got という過去形、次が get になっています。
後半の get は、現在形というよりは、命令形に主語の you がついた形と解釈すべきでしょう。
命令文に主語の You をつける件については、1週間ほど前の記事、ビリーブ・ユー・ミー フレンズ1-8その6 で説明しています。
「あなたは自分自身をその手錠の中に入れた」、つまり、「手錠がかけられるような状況に自らを陥(おとしい)れたのはあなたよ」というニュアンスですね。
だから、「(他の誰でもない)あなたが、自分自身を手錠から抜け出す状況に持って行きなさい」という感じです。
あなたの行動の結果、手錠をかけられちゃったんだから、誰の助けも借りずに、あなた自身の力でそこから抜け出しなさい、ということですね。
鍵のかかった手錠から抜け出すなんて無理だよ、というチャンドラー。
confuse A with B は、「AをBと混同する、錯覚する」。
the Amazing Chandler について。
ここのセリフは、「手錠を外せだなんて、俺はジ・アメージング・チャンドラーじゃないんだぞ。」みたいな意味ですね。
ですから、「アメージング・なんとか」という名前、またはキャッチフレーズのマジシャンがいるのでは?と推測しました。
チャンドラーが名前に出すくらいの有名な人であれば、Wikipedia にその人の記事(article)が存在するだろうと思ったので、amazing magician wikipedia で検索してみました。
すると、stage name に Amazing とつくマジシャンを二人見つけました。
1人目が、Wikipedia 英語版: James Randi
ステージネームが The Amazing Randi だとあります。
2人目が、Wikipedia 英語版: The Amazing Johnathan
John Edward Szeles という名前のスタンダップ・コメディアン、マジシャンで、ステージネームが The Amazing Johnathan だそうです。
amazing 「驚くべき、見事な」という形容詞は、マジシャンのキャッチフレーズにぴったりなので、ステージネームに amazing という言葉がつくのはイメージとしてよくわかりますね。
上の二人のウィキペディアを見比べてみると、James Randi の記事の量が膨大でした。
ですから、The Amazing... とついたマジシャンでは、Randi の方が有名であると判断してよいと思います。
実際、Randi は、日本語のウィキペディアにも記事が存在していました。
Wikipedia 日本語版: ジェームズ・ランディ
日本語版ウィキペディアにも、「脱出技を得意とするプロマジシャン」との説明がありますので、チャンドラーの言っている手錠抜けのイメージにもぴったり当てはまります。
あのユリ・ゲラーと対決した人でもあるようですね。
手錠をかけられて、お願いだからどうか助けて、とか言いながらも、ふと目をやった像のスカートが短かったので、それを思わず覗き込んでしまうチャンドラーに笑えます。
緊張感がないというか、ホントに真面目にお願いしてるのか?と言いたくなりますね。
手錠を外す代わりに、いろいろなことを誓わせるレイチェル。
最後がウォークマンの話になっているのは、日本のコメディにもよくある「三段落ち」ですね。(同じようなパターンを繰り返して、3回目にボケる、落とす、というジョーク)。
英語圏では、トリロジーという3部作もありますし、A, B and/or C という風に3つ列挙するのも好きですし、この三段落ちもその流れでしょうか??
ウォークマンなんて借りてないぞ、というチャンドラーに、あぁ、じゃあなくしたのね、と言いながら、ウォークマンの名前が出たんだから、このお詫びのついでにそれも買ってよ、みたいにレイチェルは言っています。
手錠を外した後、「あぁぁぁ〜」と手錠で繋がれていた手首をこするチャンドラー。
痛いの?と心配するレイチェルに、「よく映画やドラマでこういうシーンを見るから、それを真似てみただけだ」と言っています。
確かに、日本のドラマでもよく見るシーンかもしれない(笑)。
チャンドラーを手錠から解放した後、レイチェルははたと気づきます。
これじゃあ、私が手錠を外したことを知られてしまう、そして私がこの部屋の鍵を持っていてジョアンナのオフィスにこっそり入ったことがバレてしまう、そしたら私はクビだわ、どうしよう?!という感じですね。
自由になったチャンドラーは気楽なもので、「適当に何か話を作っておくよ」と言っています。
I'm good at lying! I actually did borrow your Walkman! というセリフが面白いです。
俺はうそが得意だから心配しないでよ。さっき、ウォークマンは借りてない、って言って君はそれを信じたけど、ほんとは俺、ウォークマン借りてたんだよ。俺、うそ上手いだろ?という感じですね。
多分、チャンドラーは本当にウォークマンは借りてないと思うのですが(笑)、さっき言ったあれはウソだったから、と言うことで、俺は作り話が上手だから問題ないよ、という説得に使っているのです。
前に出てきた「ウォークマンを返して」というのは、三段落ちのオチとしては、少々パンチ不足な気がしたのですが、(脚本上)後でこういう形で使われることになっていたんですねぇ。
脚本の構成の妙みたいなものが感じられて楽しいです。
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ジョアンナのオフィスでいちゃついた後、仕事のため出かけないといけなくなったジョアンナは、面白半分に、下着姿のチャンドラーを椅子に手錠で繋いで、そのまま出て行ってしまいます。
たまたまジョアンナのオフィスの鍵を持っていたレイチェルは、チャンドラーのその姿を発見してびっくり仰天。
レイチェル: Y'know what, Chandler, you got yourself into those cuffs, you get yourself out of them. (ねぇ、チャンドラー。あなたが手錠をかけられるようなことをしたんだから、自分の力で手錠から抜け出しなさいよ。)
チャンドラー: No-no-no-no-no-no-no! I can't get myself right out of them. You must have me confused with the "Amazing Chandler"! Come on, you have to unlock me, she could be gone for hours, and I'm cold and.... (Stops and looks up the skirt on a statue behind Joanna's desk.) (無理無理無理! 俺は手錠から抜け出すことなんてできないよ。レイチェルはきっと、俺が「(ジ・)アメージング・チャンドラー」だと錯覚されるようにしてるんだな。ねぇ、手錠を外してよ。ジョアンナは何時間も帰ってこない可能性があるし、それに寒いし… [言葉を止め、ジョアンナのデスクの後ろにある(マリリン・モンロー風の)像のスカートを下から覗き込む])
レイチェル: Oh, Chandler! All right! This is it! (Grabs the key) You never see Joanna again. (もう、チャンドラー! わかったわ! これで終わりよ! [手錠の鍵を掴む] ジョアンナには二度と会わないで。)
チャンドラー: Never! (二度と会わない!)
レイチェル: You never come into this office again! (このオフィスに二度と来ないで!)
チャンドラー: Fine! (わかった!)
レイチェル: You give me back my Walkman! (私のウォークマンを返して!)
チャンドラー: I... I never borrowed your Walkman. (俺は…俺は君のウォークマンは借りてない。)
レイチェル: Well, then I lost it. You buy me one! (それじゃあ、私がなくしたのね。私にウォークマンを買って!)
チャンドラー: You got it! Here we go! Come on. This is great! (Rachel goes over and unlocks the handcuffs) Ahhh! (He starts rubbing his wrist) (わかった! よし行くぞ[手錠を外すぞ]。よし。これって最高! [レイチェルがやってきて、手錠の鍵を外す] あぁぁー! [チャンドラーは自分の手首をこすり始める])
レイチェル: Does it hurt? (痛むの?)
チャンドラー: No, I just always see guys doing this when they get handcuffs taken off them. (He runs over to where his pants are hanging) Hello, sweet pants! (いいや。ただ、手錠を外された人がこうするのをいつも見てたからさ。[自分のパンツ[ズボン]がかけてあるところに走っていって] はーい、愛しのパンツ!)
レイチェル: Wait a minute! What are you gonna tell Joanna? (ちょっと待ってよ! あなたはジョアンナに何て言うつもり?)
チャンドラー: About what? (何のこと?)
レイチェル: When she sees that you're gone, she's gonna know that I let you out, and that I was in here, and I'm gonna get fired! (あなたがいなくなっているのをジョアンナが見たら、ジョアンナは、私があなたを手錠から外したってことを、そして、私がここにいたことを知ることになるわ。そして私はクビになっちゃうのよ!)
チャンドラー: I'll make something up! I'm good at lying! I actually did borrow your Walkman! (何か作り話をしておくさ! 俺はウソをつくのがうまいんだ。実は俺は、君のウォークマンを借りてたんだよ!)
you got yourself into those cuffs, you get yourself out of them. という表現が英語らしくていいですね。
get oneself ... は、「自らを…の状況にする」という感じでしょうか。
最初が got という過去形、次が get になっています。
後半の get は、現在形というよりは、命令形に主語の you がついた形と解釈すべきでしょう。
命令文に主語の You をつける件については、1週間ほど前の記事、ビリーブ・ユー・ミー フレンズ1-8その6 で説明しています。
「あなたは自分自身をその手錠の中に入れた」、つまり、「手錠がかけられるような状況に自らを陥(おとしい)れたのはあなたよ」というニュアンスですね。
だから、「(他の誰でもない)あなたが、自分自身を手錠から抜け出す状況に持って行きなさい」という感じです。
あなたの行動の結果、手錠をかけられちゃったんだから、誰の助けも借りずに、あなた自身の力でそこから抜け出しなさい、ということですね。
鍵のかかった手錠から抜け出すなんて無理だよ、というチャンドラー。
confuse A with B は、「AをBと混同する、錯覚する」。
the Amazing Chandler について。
ここのセリフは、「手錠を外せだなんて、俺はジ・アメージング・チャンドラーじゃないんだぞ。」みたいな意味ですね。
ですから、「アメージング・なんとか」という名前、またはキャッチフレーズのマジシャンがいるのでは?と推測しました。
チャンドラーが名前に出すくらいの有名な人であれば、Wikipedia にその人の記事(article)が存在するだろうと思ったので、amazing magician wikipedia で検索してみました。
すると、stage name に Amazing とつくマジシャンを二人見つけました。
1人目が、Wikipedia 英語版: James Randi
ステージネームが The Amazing Randi だとあります。
2人目が、Wikipedia 英語版: The Amazing Johnathan
John Edward Szeles という名前のスタンダップ・コメディアン、マジシャンで、ステージネームが The Amazing Johnathan だそうです。
amazing 「驚くべき、見事な」という形容詞は、マジシャンのキャッチフレーズにぴったりなので、ステージネームに amazing という言葉がつくのはイメージとしてよくわかりますね。
上の二人のウィキペディアを見比べてみると、James Randi の記事の量が膨大でした。
ですから、The Amazing... とついたマジシャンでは、Randi の方が有名であると判断してよいと思います。
実際、Randi は、日本語のウィキペディアにも記事が存在していました。
Wikipedia 日本語版: ジェームズ・ランディ
日本語版ウィキペディアにも、「脱出技を得意とするプロマジシャン」との説明がありますので、チャンドラーの言っている手錠抜けのイメージにもぴったり当てはまります。
あのユリ・ゲラーと対決した人でもあるようですね。
手錠をかけられて、お願いだからどうか助けて、とか言いながらも、ふと目をやった像のスカートが短かったので、それを思わず覗き込んでしまうチャンドラーに笑えます。
緊張感がないというか、ホントに真面目にお願いしてるのか?と言いたくなりますね。
手錠を外す代わりに、いろいろなことを誓わせるレイチェル。
最後がウォークマンの話になっているのは、日本のコメディにもよくある「三段落ち」ですね。(同じようなパターンを繰り返して、3回目にボケる、落とす、というジョーク)。
英語圏では、トリロジーという3部作もありますし、A, B and/or C という風に3つ列挙するのも好きですし、この三段落ちもその流れでしょうか??
ウォークマンなんて借りてないぞ、というチャンドラーに、あぁ、じゃあなくしたのね、と言いながら、ウォークマンの名前が出たんだから、このお詫びのついでにそれも買ってよ、みたいにレイチェルは言っています。
手錠を外した後、「あぁぁぁ〜」と手錠で繋がれていた手首をこするチャンドラー。
痛いの?と心配するレイチェルに、「よく映画やドラマでこういうシーンを見るから、それを真似てみただけだ」と言っています。
確かに、日本のドラマでもよく見るシーンかもしれない(笑)。
チャンドラーを手錠から解放した後、レイチェルははたと気づきます。
これじゃあ、私が手錠を外したことを知られてしまう、そして私がこの部屋の鍵を持っていてジョアンナのオフィスにこっそり入ったことがバレてしまう、そしたら私はクビだわ、どうしよう?!という感じですね。
自由になったチャンドラーは気楽なもので、「適当に何か話を作っておくよ」と言っています。
I'm good at lying! I actually did borrow your Walkman! というセリフが面白いです。
俺はうそが得意だから心配しないでよ。さっき、ウォークマンは借りてない、って言って君はそれを信じたけど、ほんとは俺、ウォークマン借りてたんだよ。俺、うそ上手いだろ?という感じですね。
多分、チャンドラーは本当にウォークマンは借りてないと思うのですが(笑)、さっき言ったあれはウソだったから、と言うことで、俺は作り話が上手だから問題ないよ、という説得に使っているのです。
前に出てきた「ウォークマンを返して」というのは、三段落ちのオチとしては、少々パンチ不足な気がしたのですが、(脚本上)後でこういう形で使われることになっていたんですねぇ。
脚本の構成の妙みたいなものが感じられて楽しいです。
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2009年07月16日
医者に止められていた禁句 フレンズ4-3その3
シェフであるモニカは、両親が開くパーティーの料理を作るために雇われます。
やっとママが、自分のシェフの腕を認めてくれた、と張り切るモニカでしたが、青い付け爪を誤ってキッシュ(料理名)の中に入れてしまったことに気付きます。
モニカ: Okay ah, please don't freak out. Umm, but ah, there's a blue fingernail in one of the quiche cups. And there's no way to know which one. ((覚悟を決めて)いいわ。お願いだからパニクらないで。あの、キッシュのカップのどれか1つの中に、青い付け爪が入ってるの。そして、それがどのカップかを知る方法がないのよ。)
フィービー: And whoever finds it wins the prize! (そして、その付け爪を見つけた人が、賞を獲得する[1等賞]になるのよ!)
モニカのママ: (laughs) I'm not freaking out. ([笑って] 私はパニクったりしないわよ[パニクってないわよ]。)
モニカ: Why are you laughing? (どうしてママは笑ってるの?)
モニカのママ: It's nothing. It's just that now your father owes me five dollars. (別に。ただ、今(この時点で)、あなたのパパは私に5ドル払わないといけない、っていうだけのことよ。)
モニカ: What? You bet I'd lose a nail? (何ですって? 私が爪をなくすだろうってお金を賭けてたの?)
モニカのママ: Oh no, don't be silly. I just bet that I'd need these. (Opens the freezer to reveal). (いいえ、ばかなこと言わないで。私はただ、これが必要になるだろうって賭けていただけよ。[冷凍庫を開けて、見せる])
モニカ: Frozen lasagnas? (冷凍ラザニア?)
モニカのママ: Um-hmm. (えぇ。)
モニカ: You bet that I'd screw up? So all that stuff about hiring me because I was good was-- (私が失敗するだろうって賭けてたの? それじゃあ、私の腕がいいから私を雇った、っていう話は全部…)
モニカのママ: No-no-no, that was all true. This was just in case you "pulled a Monica." (違う違う違う。あの話は全部本当よ。これはただ、あなたが万が一、「モニカをしでかした」場合に備えての用心だったのよ。)
モニカ: You promised Dr. Weinberg you'd never use that phrase. (そのフレーズは二度と使わないって、医者のワインバーグ先生にママは約束したでしょ。)
モニカのママ: Oh honey, come on. Have a sense of humor. You're never able to laugh at yourself. (あぁ、ハニー。いいでしょ。ユーモアのセンスを持ちなさいよ。あなたは自分自身を笑うことができないんだから。)
モニカ: (laughs) That's right. My mom doesn't have any faith in me! Oh, that's hilarious! Ha-ha-ha-ha-ha. ([笑って] その通りね。私のママは私のことを信頼[信用]してないのよ! あぁ、それって大笑いよね! ははははは。)
フィービー: I don't get it. (それ、意味がわからない。)
モニカのママ: No. I have faith. (いいえ、違うわ。私は信頼してるわ。)
モニカ: (interrupting) No. You have lasagnas! (Storms out and an awkward silence follows.) ([ママの発言を遮って] いいえ。ママはラザニアを用意してたもの! [モニカは怒って飛び出す。気まずい沈黙が後に続く])
オーブンの音: Ding! (チン!)
フィービー: Op, the ruined quiches are ready! (あら、そのダメになったキッシュができたわね!)
付け爪を間違ってキッシュの中に入れてしまったことをママに告白するモニカ。
フィービーは「その爪を見つけた人が1等賞!」と、ジョークで和ませようとしています。
モニカの失敗を聞いて、ママがパニックになると思っていたのに、ママは笑みさえ浮かべています。
モニカのその話を聞いて、パパがママに5ドル借りがあることになる、5ドル払うことになる、と言っていますが、これは、こういう結果になるだろうと、パパとママとで賭けをしていたことを示唆しますね。
今の話で、私はパパに賭けで勝ったわ、と言っているのです。
モニカは何のことかわからず、まさか、私が爪をなくす方に賭けてたの?と言います。
私が付け爪をすることが事前にわかっていたはずもないのに、そんな賭けがあり得るの?という感じ。
「まさか。爪のことじゃないわよ」と言うママは、冷凍庫を開けて、何に賭けていたかをモニカに見せます。
冷凍ラザニアが前もって用意されていた、つまり、モニカに料理を頼んだけれど、失敗する可能性を見越して、すぐに準備できる別の料理を用意していた、ということです。
このラザニアが必要となる方にママは5ドル賭けていたわけです。
自分が失敗する方にママが賭けていたと知ったモニカは大ショック。
私の腕を認めて雇ってくれたと思ってたのに、と言うモニカに、そのことは否定しないながらも、pull a Monica する可能性があるから、万一のことを考えて念のために準備しておいただけよ、と説明するママ。
この pull a Monica は日本語にどう訳すかが難しいですが、ここでの pull という動詞には「何かどんくさいこと、失敗、悪いことを”しでかす”」というニュアンスがあるように思います。
Monica という言葉には、ネガティブな形容詞はついていませんが、pull という動詞とセットにすることで、モニカの悪い部分を示唆することになる気がします。
悪いニュアンスのpull フレンズ3-9その13 でも、そういう「悪いニュアンス」の pull について触れています。
LAAD では、
pull: TRICK/JOKE/LIE
pull a stunt/trick/joke/prank etc. (informal) to do something that annoys or harms other people
例) boys pulling practical jokes
つまり、「他人を悩ませたり、他人を害する[危害をもたらす]ようなことをすること」。
例文は、「相手に実害を与えるような悪いいたずらをする[しでかす]少年たち」
そういう悪い事柄とペアになる他動詞 pull のニュアンスで、pull a Monica は、「悪いモニカが出る、ダメなモニカをやっちゃう、ドジなモニカをしでかす」みたいな感じになるのかなぁ、と。
pull a Monica というフレーズを聞いて、瞬時に反応するモニカ。
「医者との約束で、そのフレーズは使わないことになってるのに、それをママは言っちゃったわね」という感じの非難です。
子供の頃のモニカは非常に太っていたので、医者のカウンセリングを受ける機会も頻繁にあったでしょう。
その医者のカウンセリングで、「お母さん、この言葉はモニカの自尊心を傷付けるので、使うのはやめて下さい」とアドバイスされたであろうことが、モニカのセリフからわかります。
禁句となっていたその言葉でモニカがまた傷ついたことを知ってか知らずか、ママは、「自分自身のことを笑い飛ばせないとだめよ。」みたいなことを言っています。
You've never been able to は、現在完了形プラス可能の形で、「自分の失敗や欠点を笑い飛ばせることがこれまでに一度もできたことがない」というような「経験」を表すでしょうか。
そんな風に言われて、「ママに信頼されてない私。大笑いよね!」と、モニカは無理に自分自身を笑ってみせます。
フィービーは「信頼されてないことの何が面白いの?」みたいな感じで、モニカのセリフが不可解だと言います。
フィービーが思う通り、確かに面白くもおかしくもない、モニカにとってはただただ悲しいだけですね。
モニカは怒って嵐のように勢いよく飛び出して行き、残された二人には気まずい沈黙が流れます。
その時、オーブンが鳴って、モニカの付け爪入りの問題のキッシュができたことがわかります。
the ruined quiches の the は「その、例の、ご存知の」という特定された the で、今まさに話題になり、この気まずさの原因ともなった「その失敗作のキッシュ」が準備できたわ、ということです。
準備できたところで、使い物にならないんだけどね、というところですね。
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フィービー: And whoever finds it wins the prize! (そして、その付け爪を見つけた人が、賞を獲得する[1等賞]になるのよ!)
モニカのママ: (laughs) I'm not freaking out. ([笑って] 私はパニクったりしないわよ[パニクってないわよ]。)
モニカ: Why are you laughing? (どうしてママは笑ってるの?)
モニカのママ: It's nothing. It's just that now your father owes me five dollars. (別に。ただ、今(この時点で)、あなたのパパは私に5ドル払わないといけない、っていうだけのことよ。)
モニカ: What? You bet I'd lose a nail? (何ですって? 私が爪をなくすだろうってお金を賭けてたの?)
モニカのママ: Oh no, don't be silly. I just bet that I'd need these. (Opens the freezer to reveal). (いいえ、ばかなこと言わないで。私はただ、これが必要になるだろうって賭けていただけよ。[冷凍庫を開けて、見せる])
モニカ: Frozen lasagnas? (冷凍ラザニア?)
モニカのママ: Um-hmm. (えぇ。)
モニカ: You bet that I'd screw up? So all that stuff about hiring me because I was good was-- (私が失敗するだろうって賭けてたの? それじゃあ、私の腕がいいから私を雇った、っていう話は全部…)
モニカのママ: No-no-no, that was all true. This was just in case you "pulled a Monica." (違う違う違う。あの話は全部本当よ。これはただ、あなたが万が一、「モニカをしでかした」場合に備えての用心だったのよ。)
モニカ: You promised Dr. Weinberg you'd never use that phrase. (そのフレーズは二度と使わないって、医者のワインバーグ先生にママは約束したでしょ。)
モニカのママ: Oh honey, come on. Have a sense of humor. You're never able to laugh at yourself. (あぁ、ハニー。いいでしょ。ユーモアのセンスを持ちなさいよ。あなたは自分自身を笑うことができないんだから。)
モニカ: (laughs) That's right. My mom doesn't have any faith in me! Oh, that's hilarious! Ha-ha-ha-ha-ha. ([笑って] その通りね。私のママは私のことを信頼[信用]してないのよ! あぁ、それって大笑いよね! ははははは。)
フィービー: I don't get it. (それ、意味がわからない。)
モニカのママ: No. I have faith. (いいえ、違うわ。私は信頼してるわ。)
モニカ: (interrupting) No. You have lasagnas! (Storms out and an awkward silence follows.) ([ママの発言を遮って] いいえ。ママはラザニアを用意してたもの! [モニカは怒って飛び出す。気まずい沈黙が後に続く])
オーブンの音: Ding! (チン!)
フィービー: Op, the ruined quiches are ready! (あら、そのダメになったキッシュができたわね!)
付け爪を間違ってキッシュの中に入れてしまったことをママに告白するモニカ。
フィービーは「その爪を見つけた人が1等賞!」と、ジョークで和ませようとしています。
モニカの失敗を聞いて、ママがパニックになると思っていたのに、ママは笑みさえ浮かべています。
モニカのその話を聞いて、パパがママに5ドル借りがあることになる、5ドル払うことになる、と言っていますが、これは、こういう結果になるだろうと、パパとママとで賭けをしていたことを示唆しますね。
今の話で、私はパパに賭けで勝ったわ、と言っているのです。
モニカは何のことかわからず、まさか、私が爪をなくす方に賭けてたの?と言います。
私が付け爪をすることが事前にわかっていたはずもないのに、そんな賭けがあり得るの?という感じ。
「まさか。爪のことじゃないわよ」と言うママは、冷凍庫を開けて、何に賭けていたかをモニカに見せます。
冷凍ラザニアが前もって用意されていた、つまり、モニカに料理を頼んだけれど、失敗する可能性を見越して、すぐに準備できる別の料理を用意していた、ということです。
このラザニアが必要となる方にママは5ドル賭けていたわけです。
自分が失敗する方にママが賭けていたと知ったモニカは大ショック。
私の腕を認めて雇ってくれたと思ってたのに、と言うモニカに、そのことは否定しないながらも、pull a Monica する可能性があるから、万一のことを考えて念のために準備しておいただけよ、と説明するママ。
この pull a Monica は日本語にどう訳すかが難しいですが、ここでの pull という動詞には「何かどんくさいこと、失敗、悪いことを”しでかす”」というニュアンスがあるように思います。
Monica という言葉には、ネガティブな形容詞はついていませんが、pull という動詞とセットにすることで、モニカの悪い部分を示唆することになる気がします。
悪いニュアンスのpull フレンズ3-9その13 でも、そういう「悪いニュアンス」の pull について触れています。
LAAD では、
pull: TRICK/JOKE/LIE
pull a stunt/trick/joke/prank etc. (informal) to do something that annoys or harms other people
例) boys pulling practical jokes
つまり、「他人を悩ませたり、他人を害する[危害をもたらす]ようなことをすること」。
例文は、「相手に実害を与えるような悪いいたずらをする[しでかす]少年たち」
そういう悪い事柄とペアになる他動詞 pull のニュアンスで、pull a Monica は、「悪いモニカが出る、ダメなモニカをやっちゃう、ドジなモニカをしでかす」みたいな感じになるのかなぁ、と。
pull a Monica というフレーズを聞いて、瞬時に反応するモニカ。
「医者との約束で、そのフレーズは使わないことになってるのに、それをママは言っちゃったわね」という感じの非難です。
子供の頃のモニカは非常に太っていたので、医者のカウンセリングを受ける機会も頻繁にあったでしょう。
その医者のカウンセリングで、「お母さん、この言葉はモニカの自尊心を傷付けるので、使うのはやめて下さい」とアドバイスされたであろうことが、モニカのセリフからわかります。
禁句となっていたその言葉でモニカがまた傷ついたことを知ってか知らずか、ママは、「自分自身のことを笑い飛ばせないとだめよ。」みたいなことを言っています。
You've never been able to は、現在完了形プラス可能の形で、「自分の失敗や欠点を笑い飛ばせることがこれまでに一度もできたことがない」というような「経験」を表すでしょうか。
そんな風に言われて、「ママに信頼されてない私。大笑いよね!」と、モニカは無理に自分自身を笑ってみせます。
フィービーは「信頼されてないことの何が面白いの?」みたいな感じで、モニカのセリフが不可解だと言います。
フィービーが思う通り、確かに面白くもおかしくもない、モニカにとってはただただ悲しいだけですね。
モニカは怒って嵐のように勢いよく飛び出して行き、残された二人には気まずい沈黙が流れます。
その時、オーブンが鳴って、モニカの付け爪入りの問題のキッシュができたことがわかります。
the ruined quiches の the は「その、例の、ご存知の」という特定された the で、今まさに話題になり、この気まずさの原因ともなった「その失敗作のキッシュ」が準備できたわ、ということです。
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2009年07月14日
人に合わせてただ頷くだけ フレンズ4-3その2
ジョーイの部屋に誰かが訪ねてきます。
セールスマン(The Salesman): (Entering before Joey can say anything) Good afternoon. Are you the decision-maker of the house? ([ジョーイが何か言う前に入ってきて] こんにちは。あなたはこの家の意思決定者ですか?)
ジョーイ: Uhhhh. (He's not sure) (あぁ…。 [確信が持てない])
セールスマン: Do you ah, currently own a set of encyclopedias? (あなたは、その、現在、百科事典を1セット、お持ちですか?)
ジョーイ: No! No. But ah, try the classifieds. People sell everything in there. (いや、持ってないよ。でも、ほら、広告欄を見てみたら? 人はそこであらゆるものを売ってるからさ。)
セールスマン: Actually, I'm not buying. I'm selling. Let me ask you one question. Do your friends ever have a conversation and you just nod along, even though you're not really sure what they're talking about? (実は、私は買おうとしているんじゃないんです。私は売ろうとしているんです。一つ質問させて下さい。あなたのお友達が会話をしていて、あなたはただそれに合わせてうなずくだけということはありませんか? その友達が話していることがあまりわかっていないにもかかわらず、です。)
(We go into a flashback sequence with Joey remembering some of those times.)
ジョーイがそういう時を思い出しているフラッシュバックの画面に入る。
[Cut to Monica and Rachel's apartment, all are there.]
モニカとレイチェルのアパートメント。全員がそこにいる。
ロス: I'm telling you, it's totally unconstitutional. (はっきり言って、それは全くの憲法違反[違憲]だよ。)
モニカ、チャンドラー、フィービー、レイチェル: Oh yeah, I totally agree. (Joey just nods his head.) (そうだ/そうよ。全く同意する。 [ジョーイはただ、うなずくだけ])
decision-maker は、make a decision する人、ということですね。
つまり、「決定する、決心する、決定を下す」人ということで、「意思決定者」という意味になります。
上のセリフでは、この家で決定権がある人、何を買うかなどの支出を決める権限がある人、ということになるでしょう。
あなたは decision-maker か?と尋ねられて、後ろを振り向き、あいまいな返事をするジョーイ。
ト書きにも He's not sure とあるように、自分が決定者である、という確信が持てない、そう言い切れないということだと思います。
(もしかすると、ジョーイのことですから、decision-maker という言葉の意味や意図がよくわからなかった、ということかもしれません…が、多分、上の方の解釈が正しいかと。)
特に今は、ジョーイの不注意から、家財道具一式を盗まれてしまった後なので、「俺はこの家で決定権がある人間だ!」と強く言えないようです。
セールスマンの男性は、百科事典セットを持っていますか?と尋ねています。
encyclopedia は「百科事典」。
日本語だとローマ字読みで「エンサイクロペディア」などと表記されますが、英語の発音は「インサイクラピーディア」という感じで、ピーにアクセントがあります。
ウィキペディア(Wikipedia)という言葉も、encyclopedia に関係がありますね。
Wikipedia 日本語版: ウィキペディア に、ウィキペディア(Wikipedia)という語の由来が書いてあります。
引用させていただくと、
ウィキペディアという語は、Wikipediaが使用しているMediaWikiと呼ばれるwikiソフトウェアの「Wiki」と、英語「encyclopedia」(百科事典)との合成語である「Wikipedia」を日本語として表記したものである。
ということです。
百科事典であることを示すために、-pedia という語尾がついているのですね。
見かけや口調、そしてこのセリフで、この人は百科事典のセールスマンであると普通はわかりそうなものですが、ジョーイはこの人が百科事典のセットを求めて、家々を訪ね歩いていると思ったようです(笑)。
俺は持ってないけど、それが欲しいのなら、新聞の三行広告欄などの「売ります」コーナーを見てみたらいいんじゃない? あそこには、ありとあらゆるものが売ってるからね、と、ちょっとかっこつけてアドバイスをしています。
「私は百科事典を買いたいんじゃなくて、売りたいんです」といい、握手するセールスマン。
ここから彼のセールストークが始まるわけですが、「友達の話の内容がわからないまま、うんうんとただうなずいているだけ、ってことはありませんか?」という質問は、日頃のジョーイのイメージにあまりにもドンピシャなので笑えますね。
nod along の along は「一緒に、同調して、合わせて」みたいなニュアンスです。
回想シーンに入る際にありがちな音楽も流れ、セールスマンが言ったような状況が回想されていきます。
unconstitutional は形容詞で「憲法違反の、違憲の」。
constitution が「憲法」ですね。
それは憲法違反だ、とみんなが同意する中、その内容についていけてないジョーイですが、憲法のどういう内容に反しているのかわからない、もしくは unconstitutional という言葉の意味がわからない、その言葉自体を知らない、ということかもしれません。
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セールスマン(The Salesman): (Entering before Joey can say anything) Good afternoon. Are you the decision-maker of the house? ([ジョーイが何か言う前に入ってきて] こんにちは。あなたはこの家の意思決定者ですか?)
ジョーイ: Uhhhh. (He's not sure) (あぁ…。 [確信が持てない])
セールスマン: Do you ah, currently own a set of encyclopedias? (あなたは、その、現在、百科事典を1セット、お持ちですか?)
ジョーイ: No! No. But ah, try the classifieds. People sell everything in there. (いや、持ってないよ。でも、ほら、広告欄を見てみたら? 人はそこであらゆるものを売ってるからさ。)
セールスマン: Actually, I'm not buying. I'm selling. Let me ask you one question. Do your friends ever have a conversation and you just nod along, even though you're not really sure what they're talking about? (実は、私は買おうとしているんじゃないんです。私は売ろうとしているんです。一つ質問させて下さい。あなたのお友達が会話をしていて、あなたはただそれに合わせてうなずくだけということはありませんか? その友達が話していることがあまりわかっていないにもかかわらず、です。)
(We go into a flashback sequence with Joey remembering some of those times.)
ジョーイがそういう時を思い出しているフラッシュバックの画面に入る。
[Cut to Monica and Rachel's apartment, all are there.]
モニカとレイチェルのアパートメント。全員がそこにいる。
ロス: I'm telling you, it's totally unconstitutional. (はっきり言って、それは全くの憲法違反[違憲]だよ。)
モニカ、チャンドラー、フィービー、レイチェル: Oh yeah, I totally agree. (Joey just nods his head.) (そうだ/そうよ。全く同意する。 [ジョーイはただ、うなずくだけ])
decision-maker は、make a decision する人、ということですね。
つまり、「決定する、決心する、決定を下す」人ということで、「意思決定者」という意味になります。
上のセリフでは、この家で決定権がある人、何を買うかなどの支出を決める権限がある人、ということになるでしょう。
あなたは decision-maker か?と尋ねられて、後ろを振り向き、あいまいな返事をするジョーイ。
ト書きにも He's not sure とあるように、自分が決定者である、という確信が持てない、そう言い切れないということだと思います。
(もしかすると、ジョーイのことですから、decision-maker という言葉の意味や意図がよくわからなかった、ということかもしれません…が、多分、上の方の解釈が正しいかと。)
特に今は、ジョーイの不注意から、家財道具一式を盗まれてしまった後なので、「俺はこの家で決定権がある人間だ!」と強く言えないようです。
セールスマンの男性は、百科事典セットを持っていますか?と尋ねています。
encyclopedia は「百科事典」。
日本語だとローマ字読みで「エンサイクロペディア」などと表記されますが、英語の発音は「インサイクラピーディア」という感じで、ピーにアクセントがあります。
ウィキペディア(Wikipedia)という言葉も、encyclopedia に関係がありますね。
Wikipedia 日本語版: ウィキペディア に、ウィキペディア(Wikipedia)という語の由来が書いてあります。
引用させていただくと、
ウィキペディアという語は、Wikipediaが使用しているMediaWikiと呼ばれるwikiソフトウェアの「Wiki」と、英語「encyclopedia」(百科事典)との合成語である「Wikipedia」を日本語として表記したものである。
ということです。
百科事典であることを示すために、-pedia という語尾がついているのですね。
見かけや口調、そしてこのセリフで、この人は百科事典のセールスマンであると普通はわかりそうなものですが、ジョーイはこの人が百科事典のセットを求めて、家々を訪ね歩いていると思ったようです(笑)。
俺は持ってないけど、それが欲しいのなら、新聞の三行広告欄などの「売ります」コーナーを見てみたらいいんじゃない? あそこには、ありとあらゆるものが売ってるからね、と、ちょっとかっこつけてアドバイスをしています。
「私は百科事典を買いたいんじゃなくて、売りたいんです」といい、握手するセールスマン。
ここから彼のセールストークが始まるわけですが、「友達の話の内容がわからないまま、うんうんとただうなずいているだけ、ってことはありませんか?」という質問は、日頃のジョーイのイメージにあまりにもドンピシャなので笑えますね。
nod along の along は「一緒に、同調して、合わせて」みたいなニュアンスです。
回想シーンに入る際にありがちな音楽も流れ、セールスマンが言ったような状況が回想されていきます。
unconstitutional は形容詞で「憲法違反の、違憲の」。
constitution が「憲法」ですね。
それは憲法違反だ、とみんなが同意する中、その内容についていけてないジョーイですが、憲法のどういう内容に反しているのかわからない、もしくは unconstitutional という言葉の意味がわからない、その言葉自体を知らない、ということかもしれません。
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2009年07月13日
「英語らしい発音は、音読でこそ身につく。」を読んで
晴山陽一さんの最新刊、「英語らしい発音は、音読でこそ身につく。」がアスク出版さんより刊行されました。
アスク出版のご担当者の方が、私にその最新刊を送って下さいました。ありがとうございます!
アマゾンではこちら(↓)。
英語らしい発音は、音読でこそ身につく。
晴山陽一さんのオフィシャルサイトはこちら(↓)。
作家・英語教育研究家 晴山陽一オフィシャルサイト
今日はその晴山さんの御本を読ませていただいた感想について書いてみたいと思います。
1年前、拙ブログで、晴山さんの「英語ベストセラー本の研究」(幻冬舎)の書評記事を書きました。
晴山陽一氏の「英語ベストセラー本の研究」を読んで(その1)
その本の中で晴山さんは「音読」の効果と効用を強調されていました。
今回の「英語らしい発音は、音読でこそ身につく。」は、その「音読」学習法の実践編にあたります。
この本のまえがきにあたる部分のタイトルは、「英語は、発音よりリズム!」
その中に、この本のテーマが書かれていました。
「英語の発音は、個々の母音や子音の練習も大事だが、それ以上に、英語特有の強弱のリズムが重要だ!」
まさにその通りですね。
晴山さんのサイトの ■コラム20■ 《英語らしい発音は、音読でこそ身につく。》序文 に、「日本人の英語が外国人には日本語にしか聞こえない」ことを笑いの種にしたジョークが載っています。
英語が日本語に聞こえてしまう最大の理由、それが「リズム」なのですね。
そういう日本人の弱点を克服するためのトレーニング本として、この本に載っている例文は、強く読む部分を太字で印刷してくれています。
例文を読む際に、強弱を意識しないではいられない仕組みになっている、ということです。
強弱をつけたリズムが大切、ということは、フレンズのような「生きた英語」のセリフを解釈している時に強く実感することです。
セリフの意味を捉えるのに、どこが強調されているか、が大きな意味を持つからですね。
I can do it. と、I can't do it. の聞き分けは、can か can't かを聞き取るのではなく、I can DO it. か、I CAN'T do it. かの違いです。
音そのものよりも、そういうリズムや強弱で英語を聞く訓練ができていないといけません。
いえむしろ、英語とはそういう言語であることをまずはちゃんと認識していないといけません。
リスニングというのは、個々の音を全て聞き漏らさないようにすることではなく、文全体を聞いた時に、強く発音された重要な「内容語」がポンポンポンと聞いた順番で頭に入ってくるかどうかで決まるような気がします。
日本人である我々も、英語を音として口から出す場合、リズムや強弱を強く意識しないといけない、ということです。
そのリズムや強弱は、やはり何かのお手本を聞くことで学ぶより他ないのですね。
カラオケで歌を歌う場合でも、必ずオリジナルの歌手の歌う歌が、頭の中にお手本として入っているはずです。
少しでもうまく歌おうと思えば、その歌手の歌いまわし、ブレスやビブラートを真似たりしますよね。
英語をうまく、ネイティブっぽく発音しようと思えば、それと同じことをするのは当然です。
なのに、それを真似する人があまりいないのは、もちろん恥ずかしいのもあるでしょうが、「かっこよく聞こえるかどうかだけの問題、かっこいい英語かそうでないかだけの問題」だと思っている人が多いから、のような気がします。
日本人の話す英語ですから、「ネイティブのようなかっこいい英語」でなくてもいい、ということで、ネイティブの発音を真似ることを最初から放棄している人が時々おられるようですが、ネイティブの話す英語の強弱やリズムを真似しないと、ネイティブには意味が取りにくい、それこそ日本語をしゃべっているように思われてしまう、という「実質的なマイナス点」があることを見逃している人が多いように思います。
意味が通じなければ、言葉を発している意味がありません。
私は元々、「帰国子女に間違われるような発音ができたら、超かっこいい!」みたいな非常にミーハーな気持ちで、32歳から英語のやり直しを始めた人間なので、ネイティブっぽい発音をすることに対してとても憧れを持っていました。
だから、誰かに言われなくても、ネイティブの発音を意識して真似るようにしていたし、ネイティブの発音の特徴を掴むように常に意識していました。
私自身は今でもあまり発音がうまくないのでえらそうなことはいえませんが、ネイティブの発音を意識して真似ることが大切だ、という考え方は間違っていなかったと思うのですね。
ミーハーな気持ちが、良い結果を生むこともあるわけです(笑)。
TOEIC のリスニングで満点を何度か取れたのも、そういう「リズムで聞く耳」ができているからだろう、と自分では思っています。
リスニングをする時は、ネイティブの吹き込んだものにやたらとこだわる人が多いですが、それはただ耳を慣らすだけのものではないのです。
自分が実際に発音練習をするための最高のお手本なのですね。
映画やドラマの英語がかっこいい!と思うのであれば、その俳優さんを真似て自分もそのセリフを言ってみなければ、もったいないです。
この本の例文は、晴山さんのご親友である英国人作家クリストファー・ベルトンさんが書き下ろされたものだそうです。
ベルトンさんのオフィシャルサイトはこちら(↓)。
Christopher Belton Official Web Site: 作家・翻訳家 クリストファー・ベルトン
CDに吹き込まれているネイティブのナレーションもとても美しいです。
男性と女性があるのもありがたいですね。
(やはり、自分の同性の人の方が真似しやすい、というのはあるでしょう。歌を歌うときもそうですが)
付属CDは、各英文が2回ずつ収録されています。
トレーニング用のCDには、例文の後に、我々が音読するための空白時間を設けてあるものが多いですが、このCDにはその空白時間はありません。
実際にCDに合わせて音読してみたのですが、英文を1回読んだ後、同じ長さの空白時間があるよりも、今回のCDのように、2回文章を繰り返してくれる方がいいな、と感じました。
「1回目−よく聞く、2回目−CDに合わせて音読」や「1回目も2回目もCDに合わせて音読」など、自分のレベルに合わせて練習内容を変えられるからです。
また、リズムの感覚を養うために、聞き流しをすることを考えても、空白の時間があるよりも、その分、ネイティブの英語をたくさん聞くことができる方がありがたいように思います。
英語を聞く時も読む時も、リズムを強く意識すること。
この本を通じて、英語における強弱のリズムの重要性を多くの人が認識して下さるようになることを祈ります。
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英語らしい発音は、音読でこそ身につく。
晴山陽一さんのオフィシャルサイトはこちら(↓)。
作家・英語教育研究家 晴山陽一オフィシャルサイト
今日はその晴山さんの御本を読ませていただいた感想について書いてみたいと思います。
1年前、拙ブログで、晴山さんの「英語ベストセラー本の研究」(幻冬舎)の書評記事を書きました。
晴山陽一氏の「英語ベストセラー本の研究」を読んで(その1)
その本の中で晴山さんは「音読」の効果と効用を強調されていました。
今回の「英語らしい発音は、音読でこそ身につく。」は、その「音読」学習法の実践編にあたります。
この本のまえがきにあたる部分のタイトルは、「英語は、発音よりリズム!」
その中に、この本のテーマが書かれていました。
「英語の発音は、個々の母音や子音の練習も大事だが、それ以上に、英語特有の強弱のリズムが重要だ!」
まさにその通りですね。
晴山さんのサイトの ■コラム20■ 《英語らしい発音は、音読でこそ身につく。》序文 に、「日本人の英語が外国人には日本語にしか聞こえない」ことを笑いの種にしたジョークが載っています。
英語が日本語に聞こえてしまう最大の理由、それが「リズム」なのですね。
そういう日本人の弱点を克服するためのトレーニング本として、この本に載っている例文は、強く読む部分を太字で印刷してくれています。
例文を読む際に、強弱を意識しないではいられない仕組みになっている、ということです。
強弱をつけたリズムが大切、ということは、フレンズのような「生きた英語」のセリフを解釈している時に強く実感することです。
セリフの意味を捉えるのに、どこが強調されているか、が大きな意味を持つからですね。
I can do it. と、I can't do it. の聞き分けは、can か can't かを聞き取るのではなく、I can DO it. か、I CAN'T do it. かの違いです。
音そのものよりも、そういうリズムや強弱で英語を聞く訓練ができていないといけません。
いえむしろ、英語とはそういう言語であることをまずはちゃんと認識していないといけません。
リスニングというのは、個々の音を全て聞き漏らさないようにすることではなく、文全体を聞いた時に、強く発音された重要な「内容語」がポンポンポンと聞いた順番で頭に入ってくるかどうかで決まるような気がします。
日本人である我々も、英語を音として口から出す場合、リズムや強弱を強く意識しないといけない、ということです。
そのリズムや強弱は、やはり何かのお手本を聞くことで学ぶより他ないのですね。
カラオケで歌を歌う場合でも、必ずオリジナルの歌手の歌う歌が、頭の中にお手本として入っているはずです。
少しでもうまく歌おうと思えば、その歌手の歌いまわし、ブレスやビブラートを真似たりしますよね。
英語をうまく、ネイティブっぽく発音しようと思えば、それと同じことをするのは当然です。
なのに、それを真似する人があまりいないのは、もちろん恥ずかしいのもあるでしょうが、「かっこよく聞こえるかどうかだけの問題、かっこいい英語かそうでないかだけの問題」だと思っている人が多いから、のような気がします。
日本人の話す英語ですから、「ネイティブのようなかっこいい英語」でなくてもいい、ということで、ネイティブの発音を真似ることを最初から放棄している人が時々おられるようですが、ネイティブの話す英語の強弱やリズムを真似しないと、ネイティブには意味が取りにくい、それこそ日本語をしゃべっているように思われてしまう、という「実質的なマイナス点」があることを見逃している人が多いように思います。
意味が通じなければ、言葉を発している意味がありません。
私は元々、「帰国子女に間違われるような発音ができたら、超かっこいい!」みたいな非常にミーハーな気持ちで、32歳から英語のやり直しを始めた人間なので、ネイティブっぽい発音をすることに対してとても憧れを持っていました。
だから、誰かに言われなくても、ネイティブの発音を意識して真似るようにしていたし、ネイティブの発音の特徴を掴むように常に意識していました。
私自身は今でもあまり発音がうまくないのでえらそうなことはいえませんが、ネイティブの発音を意識して真似ることが大切だ、という考え方は間違っていなかったと思うのですね。
ミーハーな気持ちが、良い結果を生むこともあるわけです(笑)。
TOEIC のリスニングで満点を何度か取れたのも、そういう「リズムで聞く耳」ができているからだろう、と自分では思っています。
リスニングをする時は、ネイティブの吹き込んだものにやたらとこだわる人が多いですが、それはただ耳を慣らすだけのものではないのです。
自分が実際に発音練習をするための最高のお手本なのですね。
映画やドラマの英語がかっこいい!と思うのであれば、その俳優さんを真似て自分もそのセリフを言ってみなければ、もったいないです。
この本の例文は、晴山さんのご親友である英国人作家クリストファー・ベルトンさんが書き下ろされたものだそうです。
ベルトンさんのオフィシャルサイトはこちら(↓)。
Christopher Belton Official Web Site: 作家・翻訳家 クリストファー・ベルトン
CDに吹き込まれているネイティブのナレーションもとても美しいです。
男性と女性があるのもありがたいですね。
(やはり、自分の同性の人の方が真似しやすい、というのはあるでしょう。歌を歌うときもそうですが)
付属CDは、各英文が2回ずつ収録されています。
トレーニング用のCDには、例文の後に、我々が音読するための空白時間を設けてあるものが多いですが、このCDにはその空白時間はありません。
実際にCDに合わせて音読してみたのですが、英文を1回読んだ後、同じ長さの空白時間があるよりも、今回のCDのように、2回文章を繰り返してくれる方がいいな、と感じました。
「1回目−よく聞く、2回目−CDに合わせて音読」や「1回目も2回目もCDに合わせて音読」など、自分のレベルに合わせて練習内容を変えられるからです。
また、リズムの感覚を養うために、聞き流しをすることを考えても、空白の時間があるよりも、その分、ネイティブの英語をたくさん聞くことができる方がありがたいように思います。
英語を聞く時も読む時も、リズムを強く意識すること。
この本を通じて、英語における強弱のリズムの重要性を多くの人が認識して下さるようになることを祈ります。
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