2009年09月10日

「ここが好き」のit フレンズ4-7その3

[Scene: Chandler and Joey's, Chandler is watching Yasmein Bleeth running on TV, and the duck starts quacking.]
チャンドラーとジョーイの部屋。チャンドラーは、テレビでヤスミン・ブリースが走っているのを見ている。そして、アヒルがクワックワッと鳴き始める。
チャンドラー: Yeah, I know what you think. Yes, yes, your breasts are just as firm and juicy. (そうだね。お前の考えはわかってるよ。そうそう、お前の胸は(彼女と)同じくらい、引き締まっていて、みずみずしいよ[ジューシーだよ]。)
(There's a knock on the door.)
ドアにノックの音。
チャンドラー: Come in. (入って。)
キャシー: (entering) Hey! (sees what's on TV) Oh, God! Is that Baywatch? ([入ってきて] はーい! [テレビでやっているものを見る] まぁ! それってベイウォッチ?)
チャンドラー: Uh yes, but uh, I just watch it for the articles. (あぁ、そうだよ。でも、その、ただ、記事(or 論文)を書くために見てるだけなんだ。)
キャシー: So is Joey around? (それで、ジョーイはここにいる?)
チャンドラー: No-no, he's not back yet, but he'll be here any minute. So uh, come on in, have a seat. Bow or stern? (いや、いや。ジョーイはまだ帰ってない。でも、すぐに戻るよ。それで、あの、こっちに入ってきて、座りなよ。(カヌーの)船首[へさき]がいい?、それとも、船尾がいい?)
キャシー: I uh, don't really have a preference. You? (私は、その、特に好みはないわ。あなたは?)
チャンドラー: I like it in the stern. (Realizes what he just said.) Of the boat. (俺は、お尻の方がいいな。[自分がたった今言ったことに気付いて] (お尻と言っても)ボートの、だよ。)

チャンドラーは、また(!)ベイウォッチを見ています。
最近のエピソードでは、フレンズ3-21その6 でもベイウォッチを見ていました。

ベイウォッチを見ながら(?)鳴いているアヒルに、チャンドラーは面白いことを言っています。
アヒルが何か訴えようとしていると(もちろんジョークですが)解釈したチャンドラーは、お前が思っていることはわかってるよ、と理解を示します。
just as があることから、省略されている部分を補うと、your breasts are just as firm and juicy as hers [her breasts]. になるでしょう。
お前の胸は、彼女(ヤスミン・ブリース)の胸と同じくらい、firm で juicy だよ、お前がそう言いたいことは、俺はちゃんとわかってるよ、という感じですね。

firm は「硬い、堅固な」という意味ですが、肉や筋肉の場合は「堅く引き締まった、身が締まった」という意味になります。
juicy は日本語にもなっている「ジューシー」で、「水分の多い、みずみずしい」です。
また、juicy gossip だと「刺激的できわどいうわさ話」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
juicy gossip/details/stories etc. (informal) interesting or shocking information, especially about people's sexual behavior
つまり、「興味深くて、衝撃的な情報。特に、人の性的行動に関する情報。」

juicy gossip は、「エッチがらみのゴシップ」という感じですね。

ヤスミンの胸も、アヒルの胸も、同じくらいどっちも firm で juicy だ、と言っているのですが、ヤスミンの胸については、セクシーな女性の胸としての魅力を語っています。
そして同じ言葉を使いながら、それがアヒルの胸の話になると、胸肉という食材としての魅力を語っているように聞こえるのがミソですね。

ヤスミンの胸は、引き締まった美しい形をしている、つまり、ぶよぶよだったり垂れたりしてない…(笑)、そしてみずみずしい、つまり、ピチピチしていてはちきれんばかりの感じだと言いたいのでしょう。
また、juicy gossip などの juicy のイメージもあって、セクシーであるというニュアンスも入っているのかもしれません。
まぁ、女性の胸を juicy と表現するのは、露骨な感じもしますので、相手を目の前にしての褒め言葉としては使えない気もしますが…。

その同じ形容詞で、今度はアヒルの胸肉を形容した場合、「ぶよぶよじゃなくて、身が引き締まっている」「パサパサじゃなくて、(肉汁たっぷりで)ジューシー(でおいしい)」というような意味に聞こえますね。
魅力的なヤスミンの胸にお前の胸も負けてないよ、と言いながら、アヒルの胸肉を食肉として褒めているのがこのチャンドラーのセリフのポイントだということですね。

チャンドラーがベイウォッチを見ていたのを知って、キャシーは「まぁ」と言っています。
「やっぱりあなたも男の子ね。そういうの、好きなのねぇ」みたいにちょっとあきれている感じ。
article は「記事、論説、論文」のような意味があるので、具体的に何に載せる記事か論文かは知りませんが、そういうものを書くために見てるだけなんだよ、と言い訳しているようです。(もちろん、すぐにウソだとバレる、白々しい言い訳ですが)

部屋の真ん中には、相変わらずカヌーが置いてあります。
ジョーイが帰ってくるまでの間、そのカヌーの中に座って待ってたら?とチャンドラーは提案します。
bow は「船首、へさき」で、stern は「船尾」ですね。
preference は「好み、嗜好」ですから、I don't really have a preference. は「特に、これという好みがない。特にどちらがいい、ということはない」というニュアンスです。
カヌーに乗るシチュエーションはそんなにないから、どっちがいい?と急に言われてもわからないわ、という感じでしょう。
あなたはどっちが好きとかあるの?、あなたが好きなのはどっち?とキャシーが尋ね返すと、チャンドラーは、I like it in the stern. と答えます。
その後、Of the boat. と付け加えていますね。
stern は船だけではなく、「(ものの)後部」も指します。
そこから、「尻」という意味にもなるようです。
stern の方がいい、と言った後、「後部、尻」と言っても、もちろん、船の後部のことだからね、と付け加えたのですね。

I like it in the stern. は、「stern の場所にいるのが好き」という感じでしょうか。
I like the stern. だと、「船尾」という対象物が好きか嫌いかの話になってしまう気がします。
どっちに座りたい?という話なので、「stern にいる、座るのが好き」という意味で、I like it in the stern. という風に、目的語として it が入り、その後、in the stern という副詞句が続きます。
it は漠然と状況を指している感じでしょうか。

ちなみに、自分の職場などを指して「私はここが好き」ということがありますが、その場合も、I like it here. と it が入ります。
here は副詞ですから、like の目的語にはならないのですね。
日本語では「ここが好き」となりますが、それが実際に指す内容は「ここにいるのが好き」のようなことになりますので、英語では「ここ」は目的語になりません。
「ここにいるという状況」を指す感じで、it を目的語にしている感覚かな、と思います。
TOEICテスト 新公式問題集 の Part 3、『解答・解説編』の p.97 でも、転職を考えているという女性とのやり取りで、
(Man) I thought you liked it here. (ここが気に入っていると思っていたのに。)
(Woman) I do like it here. (大好きよ。)

というものがありました。
この it、日本人の感覚では抜かしてしまう気がするんですよねぇー。

I like it in the stern. は、I like it here. と同じような感覚で、「ある場所にいるのが好き」という意味になりますが、stern が「尻」に聞こえてしまうとすると、I like it in the stern. は、(勘ぐり過ぎかもしれませんが)「お尻を使ったエッチが好き」みたいな意味に聞こえてしまうのかもしれません。
エッチを it と表現したりすることもありますので、言ってしまった後、「お尻でのアレが好きなんだよね」みたいに聞こえたらマズいと思って、stern と言っても「(人間の)尻」じゃなくて、「船尾」だからね、と慌てて付け足した、ということかも?とも思います。


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2009年09月08日

いつも聞いてるものとは違う フレンズ4-7その2

学生時代に音楽をやっていた話をするロス。その音楽を聴きたいというフレンズたちの前で、キーボード(シンセサイザー)の演奏を始めようとしています。
ロス: Here we go. (Plays one note) Y'know, I've-I've never played my stuff for anyone before. So it's important that-that you understand it's about communicating very private emotions. (Plays another note) Y'know, umm, you should-you should think of umm, my work as wordless sound poems. That's what I-- (よし、いくよ。[一つの音を出して] ほら、僕はこれまで、自分の曲を誰かに対して演奏したことがないんだよ。だから、とても個人的な感情を伝えることである、ってことを君たちが理解してくれることが重要なんだ。[別の音を出して] ほら、うーんと、君たちにはこう思ってほしい、その、僕の作品は言葉のない音のポエムだ、って。それが僕が…)
チャンドラー: (interrupting) Oh, my God! Play! ([ロスの言葉をさえぎって] なんてこった! (しゃべってないで、さっさと)演奏しろよ!)
Ross starts to play.
ロスは演奏を始める。

さぁ演奏が始まるぞー、とみんなが期待しているのに、前口上が長くてなかなか演奏を始めない、というのは、コメディによくあるパターンですね。
特にロスは理屈っぽいキャラなので、こういう流れになるのがハマっている気がします。

ロスにとって、演奏にはどういう意味があるのかを一生懸命説明していますね。
「非常に個人的な感情を伝える」「言葉のない音のポエム」という風に、自分の内面を表現したものであると力説しているわけです。

で、実際のロスの音楽がどういうものであったかは、実際にドラマを見て確認していただきたいところですが、犬の鳴き声やサイレンなどの効果音てんこ盛りで、最後は、crash 音で終わる、というトンデモナイものでした。(大真面目に演奏しているロスの表情がこれまた、おかしい)

ですが、ロスの演奏をけなすわけにもいかず、フレンズたちは「すごい」というような言葉で感想を述べ、ロスはそれを賞賛と受け取って、演奏用の別のディスクを取りに行くために、部屋を出て行きます。
ロスが去った後、正直な感想を述べ合うフレンズたち。
モニカ: Oh, God bless my dad for soundproofing the basement! (あぁ、パパが地下室を防音にしてくれたことで、パパに神の祝福がありますように!)
レイチェル: Oh, I can't believe I ever let him touch me with those fingers. (あぁ、信じられないわ。ロスにあの指で私を触らせていたなんて。)
フィービー: What are you guys talking about? I loved it! It was soo moving. Oh, plus it's just, it's so different from the stuff you usually hear. (あなたたち、何言ってるの? 私は大好きよ! とっても感動的だったわ。あぁ、それに、ただ、いつも聞くものとは全く違うでしょ。)
チャンドラー: You mean, music? (いつも聞くもの、って音楽のこと?)

bless は「(神が)人に恵みを授ける、祝福する」ですね。
God bless you! 「あなたに神の恵み・祝福がありますように」というフレーズでよく使われます。
今回のセリフでは、「パパは地下室を防音にした、そのことで、神よ、パパに祝福を与えたまえ!」みたいな感じでしょう。

少し前のシーンで、学生時代に音楽をやっていた頃のロスの様子を、モニカが話していました。
モニカ: He used to lock himself in the basement for hours. No one was ever allowed to hear "the sound." (ロスは、何時間も地下室に閉じこもっていたものだったわ。誰も「そのサウンド」を聞かせてもらえなかったの。)

このセリフから、ロスはずっと地下室で音楽を演奏していたことがわかります。
今の演奏を聞いたモニカは、「ロスが演奏をしていた地下室が防音になっていて良かったわ。あの音楽が外に筒抜けだったら、近所の笑い者になるところだったもの」みたいなことで、「地下室を防音にしておいてくれたパパに感謝しないとね。そのでかしたパパに神の祝福を!」と、大袈裟に God bless my dad... という表現を使っているのです。

元恋人のレイチェルも、「今のようなひどい演奏を生み出した指が、私の体を触っていたのかと思うとぞっとするわ」みたいなことを言っています。

ところが、フィービーだけは本当にロスの音楽に感激していたようです。
悪口を並べるフレンズたちに、「何言ってるの? 私はすごく気に入ったわ」と力説しています。
「いつも私たちが聞くものとは全然違ってるでしょ?」と、ロスの音楽の斬新さ、前衛性(?)みたいなものを褒めちぎるのですが、それを聞いたチャンドラーは、「フィービーの言ってるのは、音楽のこと?」と言っています。

つまり、フィービーが、the stuff you usually hear と表現したものを指して、「それは音楽のことを言ってるの?」と尋ねているのです。
つまり、ロスが演奏したものは「音楽」とは全然違う、ロスのは音楽じゃない、音楽だとはとても言えない、と言っているわけですね。

今のロスの演奏、ありゃー音楽じゃないよ、と直接的に言うのではなく、「いつも聞くものとは違う」→「いつも聞くものって音楽のこと?」ということで、「俺たちがいつも聞いている「音楽」というジャンルから外れている、ロスのはとても「音楽」とは言えない」ということを示唆しているセリフになる、フィービーのセリフに一言付け足すことで、自分の言いたい本音を言っている、ということですね。


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2009年09月07日

「スポック博士の育児書」との関連性 フレンズ4-3その8

過去記事 スポックの産児制限 フレンズ4-3その5 で、百科事典のセールスマンに、vulcanized rubber 「硫化ゴム、ヴァルカナイズド・ラバー」のことを尋ねられたジョーイが、Spock's birth control 「スポックの産児制限[避妊]」だと自信ありげに答えるシーンがありました。

この Spock、スタートレックに出てくる Vulcan 「ヴァルカン人、バルカン人」のスポックを指していると解説したのですが、その記事のコメント欄で、「スポック博士の育児書」という有名な本を書いている博士とも関連しているのでは?というご意見をいただきました。

今回はその育児書の「スポック博士」について、調べたことを書いてみたいと思います。
もっと早く追加記事を書く予定だったのですが、こんなに遅くなってしまったこと、申し訳ありません。


Google のサーチボックスに「スポック」と入れると、グーグル・サジェスト機能で「スポック博士の育児書」と出てくるくらいですから、この育児書とそれを書いたスポック博士は、日本でもかなり有名なようですね。
「スポック博士の育児書」の原題は、The Common Sense Book of Baby and Child Care で、スポック博士は、ベンジャミン・スポック(Benjamin Spock)という名前です。

Wikipedia 日本語版: ベンジャミン・スポック
Wikipedia 日本語版: スポック博士の育児書
Amazon.co.jp: 最新版 スポック博士の育児書

「スポック博士の育児書」の日本語版ウィキペディアには、「1946年以降では聖書の次に売れたとも言われる」「「育児の聖書」のように言われ」という記述もあるので、そういう超ベストセラーの本の著者である、Dr. Spock (スポック博士)のイメージを出して、「らしく」答えた、という可能性は非常に高いですね。

ジョーイのことだから、その育児書を書いたスポック博士が、あのスタートレックのスポックだと思っていたのかもしれません。(後述しますが、その二人は混同されることが多い、という記述もありました。)
ジョーイが、"Dr. Spock's birth control." と答えていたら、ジョーイがスタートレックのスポック(ミスター・スポック)と、育児書のスポック博士(ドクター・スポック)とを混同していたことがわかるジョークになっていたかもしれませんね。

Wikipedia 英語版: Spock (disambiguation) という「曖昧さ回避のためのページ」では、以下のように説明されています。

Spock (disambiguation)
Spock is a fictional character in the American television show Star Trek
Spock may also refer to:
Benjamin Spock, a pediatrician and best-selling author of books on child development


筆頭にスタートレックのスポックがあがっていて、その次に、ベンジャミン・スポックが出ていますね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には、Spock, Dr. Benjamin、すなわち、育児書のスポック博士が載っていました。
Spock, Dr. Benjamin: (1903-1998) a U.S. doctor whose books giving advice on how parents should take care of their children had a great influence on parents
つまり、「アメリカの医者で、親が子供の面倒をどのように見るかということに助言を与える彼の本は、親たちに大きな影響を与えた。」

スタートレックの Spock の名前の由来について、ウィキペディア英語版に興味深い記述があったのでご紹介します。

Wikipedia 英語版: Benjamin Spock の、Public misconceptions 「一般的な勘違い」の項目に以下の記述がありました。

It is common to see "Dr. Spock" confused with the fictional character "Mr. Spock" of Star Trek fame, particularly in references from people unfamiliar with the field of science fiction. Reportedly, Trek creator Gene Roddenberry did not intentionally name the character after Dr. Spock; this was a coincidence.

つまり、「「ドクター・スポック」が、スタートレックの架空のキャラクター「ミスター・スポック」と混同されるのを見ることがよくある。特にSF分野に詳しくない人の言及において(その混同がよく見られる)。伝えられるところによれば、トレックの製作者であるジーン・ロッデンベリーは故意に[意図的に]ドクター・スポックの名前をとってそのキャラを名付けたのではなかった。これは偶然であった。」

ジーンの話の出典は、The Making of Star Trek という本のようです。

そして、Wikipedia 英語版: Spock の、Development の項目に、

In The Making of Star Trek (1968), Roddenberry noted that he had been looking for an alien-sounding name, and didn't know until later of Dr. Benjamin Spock, the renowned child psychologist.

という記述があります。
この文章、ちょっと訳しにくいのですが、didn't know (until later) of Dr. ... ということだと解釈して訳してみると、
「1968年の Making of Star Trek という本の中で、ロッデンベリーは以下のように言及していた。ロッデンベリーはエイリアンっぽく聞こえる名前をずっと探していて、後になるまで[後になって知るまで]、有名な児童心理学者であるベンジャミン・スポック博士については知らなかった、と。」

このコメントの出典も、さっきと同じ Making of Star Trek ですが、「名前が同じなのは偶然だ」というコメントと合わせて考えると、スポック博士の名前を見て「これだ!」と思ったわけでもないようですね。
「後にスポック博士の名前を知ることにはなったけれど、エイリアンっぽい名前を探している当時はまだ彼のことを知らなかった(だから、スポック博士の名前から付けたわけではない)」みたいな意味だろうと思うのですが…。


長くなってしまいましたが、育児書のスポック博士はこのようにとても有名な人であるし、スタートレックのスポックと混同されることもよくあるので、脚本家は、スポック博士を想像させることも意図して、このセリフを言わせた、ということなのでしょう。

育児関係の博士だから、birth control という言葉とも馴染みますし、そのこともあって、condom というダイレクトで世俗的な言葉を避け、birth control という抽象的な、育児の専門家が使いそうな言葉を使ったのでしょうね。


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2009年09月06日

2回の夕食の前にピザ1枚 フレンズ4-7その1

シーズン4 第7話
The One Where Chandler Crosses the Line (From ジョーイ To チャンドラー)
原題は「チャンドラーが一線を越える話」


[Scene: Central Perk, Joey is getting a phone number from a woman
(Casey) as Chandler watches from the doorway.]
セントラルパーク。ジョーイがある女性(ケイシー)から電話番号をもらっているところ、チャンドラーは出入り口からそれを見る。
ケイシー: Here you go. (どうぞ。)
ジョーイ: Great! All right, so I'll call you later. (やった! よし、じゃあ、後で電話するね。)
ケイシー: Great! (leaves) (いいわ! [立ち去る])
チャンドラー: (rushing up) Hey-Hey-Hey! Who was that? ([慌てて近づいて来て] おいおいおい! 今のは誰?)
ジョーイ: That would be Casey. We're going out tonight. (ケイシー(って名前)みたいだな。俺たち、今夜デートするんだ)
チャンドラー: Goin' out, huh? Wow! Wow! (Does a little celebration dance) So things didn't work out with Kathy, huh? Bummer. (デートするって? ワオ! ワオ! [少し喜びのダンスをする] それじゃあ、キャシーとはうまくいかなかったんだな? 残念だよ。)
ジョーイ: No, things are fine with Kathy. I'm having a late dinner with her tonight, right after my early dinner with Casey. (いいや。キャシーとはうまくいってるよ。今夜、キャシーと一緒に遅い夕食を食べるんだ。ケイシーと早い夕食を食べた直後にね。)
チャンドラー: (shocked) What? ([ショックを受けて] 何だって?)
ジョーイ: Yeah-yeah. And the craziest thing is, I just ate a whole pizza myself! (Laughs) (そう、そうなんだよ。それに、最高にクレイジーなことに、俺はたった今、一人で、ピザを丸ごと1枚食べちゃったんだ! [笑う])

ジョーイが女の子から電話番号をもらっているらしいのを見て、慌てて飛んでくるチャンドラー。
「あれは誰?」との問いに、ジョーイは、That would be Casey. と答えていますね。

She is Casey. ではなくて、That would be Casey. になっていることについて。
That は、チャンドラーの Who was that? を受けたものでしょう。
彼女は(she)というよりも、that girl(今のあの子は)みたいな感じでチャンドラーが尋ねたので、お前が知りたがってる今のあの子は、さっきの子は、という感覚で、主語を That にしたのでしょう。
is ではなく、would be になっているのは「推量」を表す would かな、と思います。
今、会ったばかりでよく知らないけど、書いてくれたメモに Casey と書いてあるから、ケイシーって名前みたいだな、みたいな感じだろうと。

そのケイシーと go out tonight 「今夜でかける」、つまり「夜に会う、デートする」と聞いて、チャンドラーは、軽くセレブレーション・ダンスを踊っています。
その次のセリフにあるように、ケイシーとデートすると言うからには、キャシーと別れたのだと思ったのですね。

bummer は過去にも何度か登場しましたが、「いやなこと、がっかりすること」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
bummer [noun] [singular] (spoken): a situation that is disappointing
例) You can't go? What a bummer!

つまり、「失望させるような状況」。例文は「君は行けないの? 何て残念な!」

ところが、ジョーイはキャシーとまだ別れていませんでした。
ケイシーとは早い夕食を食べて、その後、キャシーと遅い夕食を取る予定だと言っています。
てっきりキャシーと別れたと思って喜んだチャンドラーはそれを聞いて、What? と叫びますが、ジョーイはチャンドラーが何に対して驚いたかを勘違いしたようですね。

ジョーイは、「それに、さっきピザを丸ごと1枚食べちゃった」と言って笑っています。
つまりジョーイは、この後、二人の女性と2回も夕食を取ることになっているのに、あろうことかその前に、ピザをたらふく食べちゃったんだよ、俺ってバカだよな、みたいな感じで笑っているのですね。

チャンドラーは、同じ夜に2人の女性とデートすることに驚いている(さらには、キャシーと別れたと思ったのに、実はまだ別れてなかったという事実に驚いている)のに、ジョーイは「2回の夕食だけでも驚くよな。でもさらに俺は、ピザまで食べちゃってるんだぜ。俺ってどんだけ食べるんだよ」みたいに笑っている、ということです。


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2009年09月04日

彼のためにそこまでしてあげるなんて フレンズ4-6その7

キャシーの誕生日に、ジョーイはチャンドラーが苦労して入手した「ビロードうさぎ」の本をプレゼントします。
そして、ジョーイは自分が文房具店で買った「時計つきペン」を、チャンドラーからのプレゼントだと言って、チャンドラーからキャシーにプレゼントさせます。
その後のシーン。
チャンドラー: [to Kathy] Good night. ([キャシーに] おやすみ。)
キャシー: Um, thank you for the gift. (あの、贈り物をありがとう。)
チャンドラー: Oh, uh, yeah... I just knew that sometimes when you're writing, you... you don't always know the exact time. (あぁ、そうだね…時々君が書きものをしてる時、正確な時間がいつもわかるわけじゃない、って知ってたから。)
キャシー: No, I... I didn't mean the pen. Thank you for the book. (いいえ。私はペンのことを言ったんじゃないの。あの本をありがとう。)
チャンドラー: Uh, the book? (あー、本って?)
キャシー: The Velveteen Rabbit? I kinda have the feeling you had something to do with it. (「ビロードうさぎ」のことよ。あなたがあの本に関係してるっていう気がした、っていうか。)
チャンドラー: What do you mean? (どういう意味?)
キャシー: Well, uh, when Joey gave it to me he said: "This is 'cause I know ya like rabbits, and I know ya like cheese." Thanks. I love it. And I know how hard it must have been for you to find. (そうね、あの、ジョーイがそれを私にくれた時、ジョーイはこう言ったのよ。「これをあげるのは、君がうさぎが好きなことを知ってるからだ。それに、チーズが好きなことも知ってるから。」 ありがとう。これ大好きよ。それに、(この本を)見つけるのがどれほど大変だっただろうかもわかるわ。)
チャンドラー: (tongue-tied) Uhl..ell. By the way, in case you missed that, that sound was, "Oh, well." ([舌足らずになって] アー、エル。ところで、今のを君が聞き損ねた時のために言っておくと、今のは、「オー、ウェル(あぁ、まあね)」って言ったんだ。)
キャシー: You must really like... Joey... to go to all that trouble for him. (あなたは本当にジョーイが好きなのね。彼のためにそれほど骨を折ってあげるなんて。)
チャンドラー: Oh, yeah. He's my-- He's my best friend. (あぁ、そうだね。彼は俺の…俺の親友だから。)

むりやり時計つきペンを押し付けられたチャンドラー。
キャシーがプレゼントのお礼を言うので、「書きものをしている時に、いつでも時間がわかるようにと思ってプレゼントしたんだ」と言っています。
ジョーイがこのプレゼントを買ってきた時に言っていた理由をそのまま使っているのですね。

でも、キャシーがお礼を言ったのは、ペンではなく本のことでした。
have something to do with... は「…と関係・関連・かかわりがある」。
have nothing to do with... なら「…と関係ない」になります。
kinda (= kind of) と言葉をボカしながらも、あなたはあの本に関係してる、って気がしたの、というキャシー。

キャシーは、ジョーイのセリフから、この本を買ったのはジョーイじゃない、ということに気づいたのですね。
そのジョーイのセリフ、"This is 'cause I know ya like rabbits, and I know ya like cheese." について。
this は、この「ビロードうさぎ」の本、またはこの本をあげること、を指していると思います。
どうして俺がこの本をあげるかって言うと、「俺は君が…を好きなことを知ってるからさ。」と言っているわけですが、好きなものとして、rabbits と cheese が挙げられていますね。
チャンドラーはジョーイに、この本のタイトルと、小さい頃の彼女の愛読書であったことは教えましたが、ジョーイはどうやらこのお話を知らないようです。
お話にチーズは登場しませんので、cheese という言葉を出した時点で、ジョーイはこの本の中身を知らない、この本をよく知らない人が、高価な初版本を苦労して手に入れようとするはずがない、ということにキャシーは気づいた、ということですね。
この本をあげる理由としては、あまりにトンチンカンなので、キャシーはそのことに気づいたわけですが、ジョーイがどうして、cheese という言葉を出したのか?がよくわかりません。
私の意見を2つ書いてみます(あまり自信はありません)。

まず、1つ目は、cheese という食べ物を出したことで、rabbits も食べ物を指しているのではないか?ということ。
料理にウサギの肉が使われることもありますので、キャシーがウサギの肉が好物で、それと並べて好物であるチーズも挙げた、逆に言うと、チーズを出したことで、うさぎは食用の肉の種類を指していることになり、ぬいぐるみのうさぎの話であることを知らないことが露呈してしまった、という流れかなぁ、と。
ただ、食べ物としてのウサギを指す場合は、不可算名詞の rabbit になるような気もするのですが…。
まぁ、普通のうさぎと思わせておいて、実は食べ物だった、というオチだとすると、食べ物だとわからないようにわざと複数形で言わせてみた、ということかもしれません。

2つ目は、Welsh rabbit という名前の「チーズトースト」が存在するので、それからの連想かな?ということ。
研究社 新英和中辞典の rabbit の項目を見ていると、
rabbit=Welsh rabbit
という語義があり、さらに Welsh rabbit を調べると、
Welsh rabbit, Welsh rarebit=【名】【C】 [料理名には 【U】] チーズトースト 《チーズをあぶるか溶かして薬味などを加えトーストにかけたもの; 熱いうちに食べる》
という説明がありました。
Wikipedia 英語版: Welsh rarebit には、写真も載っています。

rabbit という名前のつく cheese 料理なので、このジョーイのセリフに関係あるような気がする、ということです。
The Velveteen Rabbit というタイトルから、Welsh rabbit を連想したジョーイは、Velveteen rabbit もそれと同じような料理の名前だと思った、というオチなのかな、と。

ということで、なぜ cheese も一緒に挙げたのか、についてはよくわからないのですが、少なくとも、そのジョーイのセリフを聞けば、ジョーイはこの本の内容を知らないということはわかりますよね。

この本のファンであるキャシーは、この初版本を入手するのがどれほど大変だったか、ということもわかってくれていました。
その言葉を聞いたことで、チャンドラーも今までの苦労が報われた気がしたでしょう。
嬉しさのあまり、舌が上手く回らず、Uhl..ell. と意味不明な言葉を発しています。
照れ隠しからか、今の言葉は Oh, well. と言おうとして舌がもつれちゃったんだよ、みたいに説明していますね。
キャシーが喜んでくれているのがわかって、叫びたいほど嬉しいはずのチャンドラーですが、「大変だったでしょ」という労いと感謝の言葉に、わざと気軽に「あぁ、まあね。」と返すつもりが、変に力が入りすぎてしまったようです。

ネットスクリプトでは、 You must really like... Joey と表記されていて、Joey と言うまでに少し間があるように書かれていますが、実際のセリフでは、それは「微妙な間(ま)」ですね。
キャシーはこの初版本の価値がよくわかっているので、それをくれたチャンドラーの気持ちに気付き始めているのかも…と思わせる「間」です。
この like... Joey の間がもう少し長いと、「こんなにしてくれるほど、あなたは私のことを…?」と一瞬言いそうになるのを飲み込んで Joey と言った感じが出ますが、今回はそこまでではない、ただ、ネットスクリプトを書いた人が ... を入れたくなるような雰囲気は確かにある、という感じがします。

go to all the trouble for... は「…のために骨を折る、…のために労を惜しまない」というニュアンスですね。
直訳すると「…のために全ての困難に向かう」というような感じでしょうか。
あらゆる困難を物ともせず、その人のために頑張る感じが出ている気がします。

「ここまでしてくれるなんて、ほんとにあなたは…ジョーイのことが好きなのね」と言ったキャシーに、チャンドラーは相槌を打ち、ジョーイが入っていった寝室を振り向いた後、キャシーの方を見るのですが、キャシーを見つめる顔が真剣で、完全に恋する男の顔になっています。
キャシーも、go to all that trouble for him と言いながらも、実は「私のためにそこまでしてくれるなんて(go to all that trouble for me) 」という気持ちも混ざっているはずで、チャンドラーの真剣な表情を見た時、「もしかして、あなたはやっぱり…」とちょっと焦った表情になっています。
が、ふっと力を抜いたように、「彼は俺の親友なんだ」と笑うチャンドラー。
この時のチャンドラーはとてもステキですね。
このハラハラするシーンを、英語で見ていながら、英語を見ていることを忘れるほど入り込めるようになれば「いい感じ」かな、と思います。


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posted by Rach at 06:43| Comment(8) | フレンズ シーズン4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2009年09月03日

what's sayという表現 フレンズ1-14その6

以前に、フレンズ1-14その5 のコメント欄 で、
what's say you and I give it another shot?
というセリフについてのご質問をいただきました。
今日はそれに対する私の見解を記事にしてみました。
本当はもっと早くお返事するつもりだったのですが、子供が夏休みの間はバタバタしてしまって、お返事がこんなに遅くなってしまいました。
誠に申し訳ありません。

このセリフは、偶然、料理店で再会した元妻キャロルと楽しい時間を過ごしたロスが、二人でもう一度やり直そう、みたいなことを言っているセリフです。
ご質問の内容は、上のセリフの「what's say という表現と it がわかりません」とのことでした。

まず、give it another shot の方から。
shot は「試み」ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
shot [noun]: ATTEMPT
[countable] an attempt to do something or achieve something
例) I've never tried before, but I'll give it a shot.

つまり、「何かをしよう、または何かを成し遂げようという試み」。
例文は、以前にやってみたことがないが、やってみようと思う。」

ロングマンの例文も、give it a shot というふうに it が使われていますが、その it は、今の状況を漠然と指しているのだと思います。
give it a shot で成句になっている、という感じでしょうね。
give は目的語を二つ取る他動詞で、it に another shot を与える、つまり、「今のこの状況に、もう一度試みを与える」ということから、「もう一度やってみる、もう一度チャンスにかけてみる」みたいな意味になると思います。
このセリフでは「二人がもう一度やり直してみる」みたいなことでしょう。

次に what's say について。
ネットスクリプトでは以下のようになっています。
ロス: You know? Here's a wacky thought. Um, what's say you and I give it another shot.
そして、DVDの英語字幕には、Let's say you and I give it another shot? と書いてあります。

実際に音声を聞いてみると、what's say に聞こえるような気がします。
でも、what's say という表現は、手元の英和や英英辞典には載っていません。

まずは、DVD字幕通りの、Let's say について見てみます。
Let's say だと「仮に…だと仮定してみましょう」という意味ですね。
LAAD では、
let's say:
said to ask someone to imagine something in order to discuss it or understand it better
例) If you found some money on the street -- let's say $100 -- what would you do?
let's say (that)
例) Okay, let's say he comes. Will you be happy to see him?


つまり、「何かを議論するために、またはそれをより良く理解するために、誰かに何かを想像するように言うために使われる」。
例文は、「君が通りでお金を見つけたとしたら…100ドルだと仮定しよう…君はどうする?」
「オッケー。彼が来ると仮定しよう。彼に会って嬉しいと思うかな?」

Let's say だとすると、セリフの意味は、「君と僕でもう一度やり直してみる、と仮定してみようよ。」になるでしょうか。

「what say ならみたことあるような」とのお話だったので、実際に映画やドラマのセリフで、What say が使われているかどうかを、映画やドラマのデータベースである、IMDb (Internet Movie Database)で調べてみました。
グーグルの検索ボックスに、site:www.imdb.com quotes what-say と入れると、IMDb のサイト内で、quotes (引用文、つまりサイトで引用されているセリフ)で、what say が使われているものが探せます。

ざっと見たところ、What say you? や、What say you to+名詞、あるいは、What say+文(SV)の形もあります。

What say you? については、Urban Dictionary に出ていました。
Urban Dictionary: What say you
What do you thik? のような意味のようです。

ですから、「What say you to+名詞」は、「…について/対してどう思う?」という意味でしょうし、What say+文(SV) は「SがVであることをどう思う?」みたいな意味になるのかな、と思います。

What do you say+文...? 「…はどうですか?」という、相手の意見を尋ねる表現がありますが、その do you が省略された形が、What say+文、なんだろうなぁ、と。

LAAD では、
what do you say?: used to ask someone if they agree with a suggestion
例) What do you say we split the two sandwiches?

つまり、「ある提案に同意するかどうかを誰かに尋ねる時に使われる」
例文は、「その2つのサンドウィッチを分ける、っていうのはどうかな?」

What say+文という形はそれなりに使われていそうだ、とわかったところで、では問題の What's say という表現です。
IMDb では、以下の2つのセリフを発見しました。

Quotes for Dr. Raymond Stantz (Character) from Ghost Busters (1984)
Ray Stantz: He's right... we do need to give you a name. Just to annoy Peter, what's say we call you Slimer?

Memorable quotes for Star Trek: Borg (1996) (VG)
Q: (一部省略) What's say we give the old goat a second chance to save Sprint's life?

とりあえず見つけたのは上の2例だけなので、頻出フレーズというほどではないですが、what's say という表現もアリなのかな?と思わせる結果ではあります。
この場合も意味としては、What say...? と同じでしょうね。

ただ、少々ひっかかるのは、What do you say が、What say になるのはいいとして、What's say とわざわざ -'s が付くのがどうにも違和感があるんですよ。
ネイティブがそんな略し方をするだろうか?と。
What でいいところを、わざわざ What's と言うと、何らかの省略形であることを示すことになり、その -'s は何の略?と他の人に思わせることになるような気がするのです。
日本人の話す英語だと、What を What's と言ってしまうような間違いはよくあると思うのですが、ネイティブは「意味もなく」 What を What's と言わない気がするんですよねぇ。

でも、IMDb に What's say と書いてあるセリフがあるわけですから、使う人もいる、ってことでいいのかなぁ?

仮に、What's say を What do you say 「…はどうかな?」のニュアンスで訳してみると、「君と僕とでもう一度やり直してみる、ってのはどうかな?」という提案になり、意味は通りますね。

上で引用した、IMDb にあったセリフも、
「君を Slimer と呼ぶのはどうだ?」
「その old goat に、スプリントの命を救う第2のチャンスを与えるのはどうだ?」と訳すとしっくり来る気がしますので。

ロスのセリフも、話の流れで言うと、「二人がもう一度やり直すって仮定しよう」よりも、「二人がもう一度やり直すってのはどうかな?」という提案の方がしっくり来るようには思います。
もちろん、Let's say 「仮定しよう」であったとしても、「そういう仮定を想像してみることで、君はどう思うかを考えさせる」わけですから、本質的な内容は同じことになるのでしょうが。
言葉としては、ここでは、What do you say...? のような「相手の意向を尋ねる」ニュアンスの方がぴったりくるかな?と思うのです。

くどくなりますが、セリフの流れを確認するため、この一連のセリフを以下にちょっと書いてみます。

ロス: You know? Here's a wacky thought. Um, what's say you and I give it another shot. (ねぇ、変なこと考えちゃった。君と僕とがもう一度やり直すってのはどう? [(Let's say なら) 君と僕とがもう一度やり直すと仮定してみようよ 。])
キャロル: Ross.... ([困ったように] ロス…)
ロス: No no no. I know what you're gonna say. You're a lesbian. But what do you say we just put that aside for now, you know? Let's just stick a pin in it, okay? Because we're great together, you know? You can't deny it. And besides, you're carrying my baby. I mean, how perfect is that? (いやいやいや。君が何て言うつもりかわかってるよ。君はレズだ。でも、とりあえず今はそのことを脇に置いておくっていうのはどうかな? それにはただピンを刺しておこうよ、いいだろ? だって僕らは二人で最高だっただろ。君はそれを否定できないはずだ。その上、君は僕の子供を妊娠してる。つまり、それってすごくパーフェクトじゃないか。)
ロス: Ross.... (ロス…)

2番目のロスの長セリフの中に、But what do you say we just put that aside for now, you know? というのがあり、上で関連表現として紹介した、what do you say...? の形が登場していますね。

仮定してみようよ、と言う場合は、「それを仮定することでこうなるはずだ、というロスの見解」がどこかで述べられるような気がします。
Let's say という表現は、大事なことを言うための前振り表現のように思うのですね。
今回のセリフの場合は、ロスが自ら、a wacky thought (ばかげだ、突飛な、奇抜な考え)と表現した上で、「君と僕、もう一度やり直さないか?」とキャロルに思い切った提案していることがメインテーマになると思うのです。
ですからその大事な部分を Let's say と仮定の表現で言うのは、インパクト不足のような気がするのです。

その後のセリフも、そう仮定したらどうなるか、の説明ではなくて、僕の提案を君は突拍子もないことだと思うだろうけど、実は何も不思議なことはなくて、それが一番自然な姿なはずなんだよ、ということを、because の後に理由を続けて、「二人がもう一度やり直すこと」の正当性を訴えていますね。

そういうことからも、Let's say よりも、What do you say のニュアンスに近いような気がするので、What's say というのは、What do you say のニュアンスで使っている、と考えた方がいいように思う、ということです。

今の私の見解は、
1. ロスのセリフは、Let's say ではなくて、What's say と言っているらしい。
2. What's say は、What say と同じような表現で、What do you say...? の意味らしい。
ということになります。

以上、大変長くなりましたが、what's say とそれに似た表現を比較したものとして、今回の記事を読んでいただければ幸いです。


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2009年09月02日

犯罪と戦う名コンビ フレンズ4-6その6

お葬式でのケータリングの仕事を終えたモニカとフィービーが、セントラルパークに帰ってきます。
レイチェル: Hey, how'd the catering go? (ねぇ、ケータリングはどうだったの?)
モニカ: Oh, it was great! The widow wouldn't pay, so Phoebe yelled at her till she did. (あぁ、最高だったわ! 未亡人がお金を払おうとしなかったの。それでフィービーが、彼女が支払いをするまで怒鳴ったの。)
フィービー: Yeah. I'm a hard-ass. (えぇ。私はタフな女なのよ。)
モニカ: And I'm a wuss. And we should be partners. (そして私は弱虫なの。だから私たちはパートナーになるべきね。)
フィービー: Yeah. Hard-ass and wuss. We could fight crime. (そうね。ハードアス&ウス。私たちなら犯罪と戦えそうね。)
モニカ: Wait a minute, Phoebe. We should be partners. We should be catering partners. I mean, think about it. You're not working right now, and we have such a great time together. (ちょっと待って、フィービー。私たちは(冗談じゃなくて本当に)パートナーになるべきよ。私たちはケータリング・パートナーになるべきなの。つまり、考えてみて。あなたは今現在、働いていないわ[失業中だわ]。そして、私たちは(一緒にケータリングすることで)あんなに最高の時間を一緒に過ごせるのよ。)
フィービー: Okay. (そうね。)
モニカ: I can cook and you can take care of the money. (私は料理を作れる、そしてあなたは金銭面を引き受けることができるのよ。)
フィービー: Yeah. Oh! It'll be like I have a wife in the '50s! (そうね。まあ! 私はまるで 50年代の妻を持ったみたい。)
二人とも(Both): (screaming with excitement) Aah! ([興奮して叫びながら] あー!)

ケータリングの結果をレイチェルに語って聞かせるモニカたち。
未亡人は、支払いをする時になると、急に泣き出したりして、なかなかケータリングの料金を払おうとしませんでした。
そのことを、The widow wouldn't pay. と表現していますね。
この wouldn't は「拒絶」を表しますね。
The door would not open. 「ドアはどうしても開かなかった。」などの例文でよく説明される would です。

未亡人が泣いたふりをしているのにひるむことなく、大声で支払いをきっちり要求したフィービーは、自分のことを hard-ass だと言っています。
英辞郎によると、
hard-ass=【名】〈米・卑俗〉頑固者
【形】〈卑〉固い、頑固な、強硬な、タフな、攻撃的な、非妥協的な


ass という卑語が使われているので、hard-ass も卑語になりますから、むやみには使わない方がよい言葉のようです。
が、何を言われてもびくともしないタフな感じが出ていますね。
相手が何とか支払いから逃げようとするので、「私はそんなウソにひるんだりしない強い女なのよ」みたいな感じで、わざとそういう下品な言い回しを使ったということでしょう。

hard-ass という言葉を聞いて、モニカは自分のことを wuss だと言っています。
wuss は「弱虫、意気地(いくじ)なし、根性なし」で、発音はウス。
フレンズ3-9その6 などにも出てきました。

フィービーはタフで、モニカは意気地なし、だから二人一緒に行動するとうまくいく、私たちはいいコンビなのよ、と言うモニカに、Hard-ass and wuss. We could fight crime. とフィービーは続けます。
対照的な意味合いを持つ、hard-ass と wuss という言葉であり、さらに、ass と wuss が「アス」と「ウス」で韻を踏んでいて、コンビ名としてもゴロがいいわけですね。
ハード&ウス、というコンビとして犯罪と戦える、つまり、刑事モノの buddy movie のように、二人は相棒としてコンビを組めそうね、組むべきね、と言っているのです。
今回のように、支払うべき支払いから逃げようとする悪と戦う、というイメージでしょう。

「強い女、ハードでタフなやつ」という意味を表す表現はいくつもあると思いますが、今回は wuss との組み合わせを考えて、hard-ass という言葉をフィービーに言わせた、というのが、脚本家の意図でしょうね。

私がダメな部分をフィービーが補ってくれるので、パートナーになるべきなの…と言ったモニカですが、それが今回に限ったことではなくて、これからもずっとそうしたらどう?とモニカは提案しています。
マッサージの仕事をクビになったフィービーはただいま失業中だし、一緒に組んで仕事をしたら、さっきみたいに楽しく仕事ができるわけだしね、ということです。

私はシェフだから料理担当で、あなたは hard-ass でお金の取り立てがうまいから(笑)、お金を扱う方の担当ね、と言うモニカ。
それを聞いてフィービーは、自分は 50年代の夫になった気分だ、と言っています。
ほとんどが専業主婦だった1950年代は、妻は家で料理を作り、夫は外でお金を稼いでくるのが一般的だったわけですが、まるでその頃の夫婦の役割分担みたいね、と言っているのですね。
「私は料理を作るから、お金を稼いで来てね」と妻に言われた夫の気分よ、ということです。


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