アレサンドロ: Well, you said that we accept the Discover Card, which we do not! (それに、君は記事の中で、うちの店はディスカバー・カードを使えるって書いてたけど、そのカードはうちでは使えないんだよ!)
モニカ: All right, that I'll retract. But I stand by my review, I know food, and that wasn't it. Your marinara sauce tasted like tomato juice. You should serve it with vodka and a piece of celery. (わかったわ、その件は撤回しましょう。でも私は自分の批評記事を支持するわ。私は料理[食べ物]のことを知っているもの、そして、あんなのは料理じゃないわ。あなたの店のマリナラソースはトマトジュースみたいな味だった。あのソースは、ウォッカとセロリと一緒に出すべきよ。)
アレサンドロ: Hey! I'm proud of that sauce. It's delicious. (おい! 私はあのソースが自慢なんだ。おいしいんだぞ。)
モニカ: Oh my God! You own an Italian restaurant, and you think that tastes good? Where are you even from? (なんてこと! イタリアンレストランを持っているのに、あれがおいしいですって? 一体どこの出身なのよ?)
アレサンドロ: (shyly) Lebanon. ([恥ずかしそうに] レバノン。)
Well, you said that we accept the Discover Card, which we do not! について。
このセリフ、DVD英語字幕では accept になっていますが、ネットスクリプトでは、except と書いてありました。
フレンズ2-14その13 でも、accept that を except that に聞き間違えるというやり取りがあったくらいで、間違いやすい単語のようですね。
この2つの言葉は発音もよく似ていて、実際、アレサンドロの発音は、except と言っているように聞こえるのですが、DVD英語字幕の通り、accept と言っている方と解釈した方が、セリフとしては面白いものになると思います。
以下、accept と except でどう意味が変わるか、ということを考えてみたいと思います。
accept は「受け取る、受け入れる」で、支払いなどに関しては「(その方法での支払いを)引き受ける、(その支払い方法を)使える」ということになります。
except は「…を除いて、…以外に」という意味でよく使われますが、これが他動詞になると「(例外として)…を除く、除外する」という意味になります。
ですから、accept the Discover Card なら、「店の支払いにディスカバー・カードが使える」、except the Discover Card なら「ディスカバー・カードを除外する」、つまり「店の支払いでディスカバー・カードは使えない」というニュアンスになりそうですね。
正反対の意味になってしまうわけですが、どちらの意味かを判断するのに、次のモニカのセリフ、All right, that I'll retract. がヒントになるように思います。
モニカの性格を考えると、自分が自信と責任を持って書いた記事を、そう簡単に撤回するとは思えません。
こんなにあっさり撤回する、と言ったのは、「その店では本当はそのカードが使えないのに、使えると書いてしまった」からでしょう。
アレサンドロは、「自分の店ではディスカバー・カードが使えない」という店の側としては不利な条件を示してまで、モニカの記事の間違いを指摘したかったのですね。
よくお店のデータに、利用可能なカードの名前が書いてありますが、そこにディスカバー・カードが入っているのは間違いだ、と言っているわけです。
「いいわよ、撤回しましょう」というのは、「あなたの店にとっては、より不利な条件を提示することになってしまうけど、あなたがそう言うのなら、その部分はいくらでも本当のことを書いてあげるわ」という感じなのだと思います。
これが、except ならどうでしょう。
「モニカの記事では、ディスカバー・カードは使えない、って書いてあるが、実際は使えるんだ。使えるものを使えないって書くなんて店に対する嫌がらせだ。うちの不利になるような嘘を書いたんだから、撤回して謝罪しろ!」と言われてしまいそうです。
モニカがあっさり撤回を認めたことからも、アレサンドロは何とか撤回させたいあまり、店としてはマイナスになる情報をわざわざ言っている、使えるカードの種類が1種類減ったことで、まずくてサービスが悪い上に、使えるカードにまで制限がある(ディスカバーカードは使えない)ということがわかって、やっぱり最低の店なんじゃん、ということになってしまう面白さ、なんだろうと思います。
カードの件は撤回するとしても、料理はダメダメだった、という意見は変えないモニカ。
マリナラソースは、フレンズ2-13その13 にも出てきました。
ソースなので本当はもっとこってりしているものなのに、水っぽくてまるでトマトジュースみたいだったとモニカは言っています。
トマトジュースみたいだから、ウォッカと一片のセロリと一緒に出したら?と言っているのは、有名なカクテル、ブラッディー・マリー(Bloody Mary)にして出したら?ということですね。
Wikipedia 日本語版: ブラッディ・マリー の説明にも、「ウォッカベースのカクテルで、トマト・ジュースを用いる」という記述があり、また、「セロリをはじめとした野菜スティック等を添えたり」という説明もあり、「野菜スティックなどを添えたブラッディ・マリー」の写真も載っています。
あのソースが自慢だと頑張るアレサンドロに、あんなまずいものをおいしいと思うなんて、イタリアンレストランを経営する資格なんてないわ、みたいなことをモニカは言っています。
出身地を聞かれて、ちょっとひるんだ後、恥ずかしそうに「レバノン…」と言っているのが面白いです。
イタリア系ではあるのでしょうが、イタリアで生まれ育ったわけではない、ということがバレてしまったわけですね。
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2009年10月10日
2009年10月08日
エディブルとイータブル フレンズ4-9その3
モニカはチェルシー・リポーター(the Chelsea Reporter)という地元の新聞に、レストランの批評(レビュー)を書きます。
そこで、アレサンドロズ(Allesandro's)というレストランを酷評したのですが、そのレストランのオーナーが、直接文句を言いに、モニカの部屋にやってきてしまいました。
アレサンドロ: (entering) I want a retraction. Our food is not "inedible swill." ([部屋に入ってきて] 記事の撤回[取り消し]を要求する。私の店の料理は「食用に適さない残飯」じゃない。)
モニカ: I couldn't eat it. I had five friends who couldn't eat it, and one of them eats books. (私はその料理を食べることができなかったわ。私の友達5人もそれを食べられなかった。そして、5人のうちの1人は本を食べるような人間なのよ。)
アレサンドロ: Well, our service is not "grossly incompetent." (それに、私達のサービスは「はなはだしく不適格」じゃない。)
モニカ: The waiter carried the breadsticks in his pants. (ウェイターは、ブレッドスティック(棒状のパン)を自分のパンツ[ズボン]の中に入れて運んでいたわ。)
店の名前 Allesandro's は「アレサンドロの店」という意味ですね。
過去記事、フレンズ2-15その17 で触れましたが、's (アポストロフィー+ s )で終わるレストランの名前は、経営者の名前に所有格の 's をつけて、「誰々さんのお店」を意味しているのですね。(McDonald's など)
今回の場合も、店の名前の通り、オーナーの名前はアレサンドロさんです。
今回、レイチェルの職場である、NYの有名百貨店ブルーミングデールズ(Bloomingdale's)が登場しますが、ブルーミングデールズ フレンズ3-11その12 で説明したように、この名前も、創始者の苗字が Bloomingdale さんだから付いた名前でした。
retract は「引っ込める」という動詞ですから、retraction は「撤回、取り消し」。
Our food is not... の後の内容は、モニカの批評記事に書いてあった表現だということで、そんな表現はけしからんから撤回しろ、と言いに来たわけです。
inedible は「食べられない、食用に適さない」、swill は「残飯、食べ残し」です。
inedible は edible 「食べられる」の否定形ですね。
他に「食べられる」という意味では、eatable という単語もありますが、eatable と edible の違いは、以下の研究社 新英和中辞典の語義説明がわかりやすいと思います。
edible=(毒性などがないので)食べられる、食用に適する (対義語 inedible)
例) edible fat [oil] 食用脂[油]
eatable=〈ものが〉(おいしく)食べられる (対義語 uneatable)
例) This meat is hardly eatable. この肉は(古くて、硬くて)とても食べられない。
その違いを理解した上で、改めて inedible swill という表現を見てみると、「おいしく食べられない」ではなくて「食用に適さない、(おいしいとかおいしくないとかの味の問題じゃなくて)食べられたもんじゃない」みたいな感じが出ているように感じられます。
「まずい」んじゃなくて、「こんなの食べ物じゃないわ」というニュアンスですね。
ですから、レストランの料理を批評した言葉としてはものすごくひどい批判です。
本当に料理がひどくて食べられなかった、一緒に連れて行った友達も食べられなかった、と言うモニカ。
one of them eats books は「その友達の一人は、本を食べる」ということで、習慣・習性などを表す現在形ですね。
日本語らしく言うと、「本を食べる(ような)人だ」という感覚です。
フレンズ4-9その1 で、you paid me 50 bucks to eat that book (俺があの本を食べるのにお前らが50ドル払った)というセリフがあったように、これはジョーイのことですね。
本を食べる話がセリフに出てきた時は、突拍子もない唐突な感じもしましたが、ここで店の料理がまずいことを形容するために使われる伏線だったということです。
本を食べるような人でさえ、あなたの店の料理を食べられなかった、それくらいひどい料理だった、とモニカは言いたいのですね。
記事ではサービスのことも批判していたようです。
grossly は「極めて、ひどく、はなはだしく」、incompetent 「無能な、役に立たない、不適格な」。
抗議するオーナーに、スティックブレッドをパンツ[ズボン]に突っ込んで運んでたわ!と怒っていますね。
ポケットに入れるならまだしも、パンツの腰の辺りに差していた、という感じでしょう。
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そこで、アレサンドロズ(Allesandro's)というレストランを酷評したのですが、そのレストランのオーナーが、直接文句を言いに、モニカの部屋にやってきてしまいました。
アレサンドロ: (entering) I want a retraction. Our food is not "inedible swill." ([部屋に入ってきて] 記事の撤回[取り消し]を要求する。私の店の料理は「食用に適さない残飯」じゃない。)
モニカ: I couldn't eat it. I had five friends who couldn't eat it, and one of them eats books. (私はその料理を食べることができなかったわ。私の友達5人もそれを食べられなかった。そして、5人のうちの1人は本を食べるような人間なのよ。)
アレサンドロ: Well, our service is not "grossly incompetent." (それに、私達のサービスは「はなはだしく不適格」じゃない。)
モニカ: The waiter carried the breadsticks in his pants. (ウェイターは、ブレッドスティック(棒状のパン)を自分のパンツ[ズボン]の中に入れて運んでいたわ。)
店の名前 Allesandro's は「アレサンドロの店」という意味ですね。
過去記事、フレンズ2-15その17 で触れましたが、's (アポストロフィー+ s )で終わるレストランの名前は、経営者の名前に所有格の 's をつけて、「誰々さんのお店」を意味しているのですね。(McDonald's など)
今回の場合も、店の名前の通り、オーナーの名前はアレサンドロさんです。
今回、レイチェルの職場である、NYの有名百貨店ブルーミングデールズ(Bloomingdale's)が登場しますが、ブルーミングデールズ フレンズ3-11その12 で説明したように、この名前も、創始者の苗字が Bloomingdale さんだから付いた名前でした。
retract は「引っ込める」という動詞ですから、retraction は「撤回、取り消し」。
Our food is not... の後の内容は、モニカの批評記事に書いてあった表現だということで、そんな表現はけしからんから撤回しろ、と言いに来たわけです。
inedible は「食べられない、食用に適さない」、swill は「残飯、食べ残し」です。
inedible は edible 「食べられる」の否定形ですね。
他に「食べられる」という意味では、eatable という単語もありますが、eatable と edible の違いは、以下の研究社 新英和中辞典の語義説明がわかりやすいと思います。
edible=(毒性などがないので)食べられる、食用に適する (対義語 inedible)
例) edible fat [oil] 食用脂[油]
eatable=〈ものが〉(おいしく)食べられる (対義語 uneatable)
例) This meat is hardly eatable. この肉は(古くて、硬くて)とても食べられない。
その違いを理解した上で、改めて inedible swill という表現を見てみると、「おいしく食べられない」ではなくて「食用に適さない、(おいしいとかおいしくないとかの味の問題じゃなくて)食べられたもんじゃない」みたいな感じが出ているように感じられます。
「まずい」んじゃなくて、「こんなの食べ物じゃないわ」というニュアンスですね。
ですから、レストランの料理を批評した言葉としてはものすごくひどい批判です。
本当に料理がひどくて食べられなかった、一緒に連れて行った友達も食べられなかった、と言うモニカ。
one of them eats books は「その友達の一人は、本を食べる」ということで、習慣・習性などを表す現在形ですね。
日本語らしく言うと、「本を食べる(ような)人だ」という感覚です。
フレンズ4-9その1 で、you paid me 50 bucks to eat that book (俺があの本を食べるのにお前らが50ドル払った)というセリフがあったように、これはジョーイのことですね。
本を食べる話がセリフに出てきた時は、突拍子もない唐突な感じもしましたが、ここで店の料理がまずいことを形容するために使われる伏線だったということです。
本を食べるような人でさえ、あなたの店の料理を食べられなかった、それくらいひどい料理だった、とモニカは言いたいのですね。
記事ではサービスのことも批判していたようです。
grossly は「極めて、ひどく、はなはだしく」、incompetent 「無能な、役に立たない、不適格な」。
抗議するオーナーに、スティックブレッドをパンツ[ズボン]に突っ込んで運んでたわ!と怒っていますね。
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2009年10月06日
責任ある仕事を任されてきた フレンズ4-9その2
レイチェルの職場(ブルーミングデールズ)では、女子ジュニア部門アシスタント・バイヤー(an assistant buyer in Junior Miss)の空きがあり、応募者を受け付けていました。
その面接を受けているレイチェル。
今の部署の上司であるジョアンナも、三人いる面接官の一人として参加しています。
ミセス・リンチ(Mrs. Lynch)(面接官): I notice that you've been entrusted with a lot of rather important responsibilities. (あなたはこれまでかなり重要な多くの責任を任されてきたのね。)
レイチェル: Yes, Joanna really has been an incredible mentor to me. (はい。ジョアンナ(さん)は私にとって、本当に素晴らしいメンター(指導者)でしたので。)
ジョアンナ: Oh. And Rachel has been really incredible in getting my morning bagel for me. It's amazing how she gets it right almost every time. (まぁ。そしてレイチェルは本当に信じられないほど素晴らしかったですよ、私のために朝のベーグルを買ってくるのが。ほとんど毎回正しいものを買ってくるのが素晴らしいわ。)
レイチェル: I-I-I of course, I have more responsibilities than that. (私は…もちろん、私はそれよりもっといろいろな責任があります。)
ジョアンナ: Oh yes, well there's the coffee too. (to the committee) Rachel can carry two things at once. (えぇ、そうね。そう、コーヒーもあるわよね。[面接委員に] レイチェルは一度に2つのものを持つことができるんです。)
entrust は「(人に)(責任・職務・任務などを)(信頼して)任せる」という他動詞。
ここでは受動態でなおかつ現在完了形になっているので「多くの責任(ある仕事)をこれまで任されてきた」というニュアンスです。
今ここで面接を受けるまでの間の経歴の話をしているので、現在完了形が使われているのですね。
面接は、履歴書も含め、これまでの仕事の経験などから適性を判断するものであることから、この後も、「素晴らしい指導者だった」「レイチェルは(…で)素晴らしい仕事をした」という部分で現在完了形が何度も登場していることにも注目しましょう。
mentor は日本語でも「メンター」などと書かれることも増えてきましたが、「良き指導者」という意味ですね。
「あなたは素晴らしいわ」「いえ、そこにいらっしゃる上司のジョアンナさんが良き指導者だったからです」と、面接官として一緒に並んでいる上司のジョアンナを褒めることで、上司との関係も良好であることをアピールしようとしています。
それに対してジョアンナも、And Rachel has been really incredible in... とレイチェルの仕事ぶりを褒めるのですが、その仕事の内容はというと、getting my morning bagel for me、つまり「毎朝、私のためにベーグルを買ってくる」という仕事でした。
英語では「レイチェルは本当に驚くほど素晴らしい」と言ってから、「何が素晴らしかったのか」という内容が続きますね。
ですから、incredible in までは普通に上司の言いそうな内容なのですが、その後の getting my morning bagel がオチになっている、ということです。
さらには、It's amazing how she gets it right almost every time. とも付け加えていますね。
get ... right は「…をちゃんとやる」ということで、「言われたベーグルをちゃんと間違いなく買ってくる」ということでしょう。
almost every time は「ほとんど毎回」で、ここに almost がついていることで、「毎回ではないけど、ほとんど毎回」であることが示唆されてしまいます。
つまり、たまに頼んだものと違うものを買ってきたりするけど、ほとんど毎回ちゃんと言われた通りのものを買ってくる、そこがすごいんですよ、みたいなコメントですね。
これではまるで「子供のおつかい」状態です。
仕事と言ってもその程度の責任しか与えられていないと思われては大変と、レイチェルは「そんなつまらない仕事だけじゃなくて、もっと責任を与えられています」と言うのですが、また口を挟んだジョアンナは、「そうそう、ベーグルだけじゃなくて、コーヒーも買ってきてくれるわよね」と言います。
carry two things at once は抽象的な意味で「一度に・同時に2つの仕事をこなす」みたいな意味かなぁ?とも思ったのですが、ここでは文字通りに「一度に2つのものを持つ、運ぶ」という意味なのかもしれません。
レイチェルはすごいんですよ、ベーグルとコーヒーを同時に運んでくるんです、みたいなニュアンスかな、と。
2つのものを同時に持てる!と賞賛されたら、まるで「おサルさんのおつかい」みたいです。
あまりにつまらない仕事を「こんなことができるなんてすごい、素晴らしい」と褒めれば褒めるほど、レイチェルがそのくらいのことしかできない無能な人間であることをアピールすることになってしまうわけです。
この一連のシーンでは、レイチェルは上司を立てるなど、きちんと面接の受け答えにふさわしいことを言っているのに、その自分を援護してくれるはずのジョアンナが「レイチェルは全然大した仕事をしていません」ということを次々に言っている、という面白さを楽しんでもらえれば、と思います。
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その面接を受けているレイチェル。
今の部署の上司であるジョアンナも、三人いる面接官の一人として参加しています。
ミセス・リンチ(Mrs. Lynch)(面接官): I notice that you've been entrusted with a lot of rather important responsibilities. (あなたはこれまでかなり重要な多くの責任を任されてきたのね。)
レイチェル: Yes, Joanna really has been an incredible mentor to me. (はい。ジョアンナ(さん)は私にとって、本当に素晴らしいメンター(指導者)でしたので。)
ジョアンナ: Oh. And Rachel has been really incredible in getting my morning bagel for me. It's amazing how she gets it right almost every time. (まぁ。そしてレイチェルは本当に信じられないほど素晴らしかったですよ、私のために朝のベーグルを買ってくるのが。ほとんど毎回正しいものを買ってくるのが素晴らしいわ。)
レイチェル: I-I-I of course, I have more responsibilities than that. (私は…もちろん、私はそれよりもっといろいろな責任があります。)
ジョアンナ: Oh yes, well there's the coffee too. (to the committee) Rachel can carry two things at once. (えぇ、そうね。そう、コーヒーもあるわよね。[面接委員に] レイチェルは一度に2つのものを持つことができるんです。)
entrust は「(人に)(責任・職務・任務などを)(信頼して)任せる」という他動詞。
ここでは受動態でなおかつ現在完了形になっているので「多くの責任(ある仕事)をこれまで任されてきた」というニュアンスです。
今ここで面接を受けるまでの間の経歴の話をしているので、現在完了形が使われているのですね。
面接は、履歴書も含め、これまでの仕事の経験などから適性を判断するものであることから、この後も、「素晴らしい指導者だった」「レイチェルは(…で)素晴らしい仕事をした」という部分で現在完了形が何度も登場していることにも注目しましょう。
mentor は日本語でも「メンター」などと書かれることも増えてきましたが、「良き指導者」という意味ですね。
「あなたは素晴らしいわ」「いえ、そこにいらっしゃる上司のジョアンナさんが良き指導者だったからです」と、面接官として一緒に並んでいる上司のジョアンナを褒めることで、上司との関係も良好であることをアピールしようとしています。
それに対してジョアンナも、And Rachel has been really incredible in... とレイチェルの仕事ぶりを褒めるのですが、その仕事の内容はというと、getting my morning bagel for me、つまり「毎朝、私のためにベーグルを買ってくる」という仕事でした。
英語では「レイチェルは本当に驚くほど素晴らしい」と言ってから、「何が素晴らしかったのか」という内容が続きますね。
ですから、incredible in までは普通に上司の言いそうな内容なのですが、その後の getting my morning bagel がオチになっている、ということです。
さらには、It's amazing how she gets it right almost every time. とも付け加えていますね。
get ... right は「…をちゃんとやる」ということで、「言われたベーグルをちゃんと間違いなく買ってくる」ということでしょう。
almost every time は「ほとんど毎回」で、ここに almost がついていることで、「毎回ではないけど、ほとんど毎回」であることが示唆されてしまいます。
つまり、たまに頼んだものと違うものを買ってきたりするけど、ほとんど毎回ちゃんと言われた通りのものを買ってくる、そこがすごいんですよ、みたいなコメントですね。
これではまるで「子供のおつかい」状態です。
仕事と言ってもその程度の責任しか与えられていないと思われては大変と、レイチェルは「そんなつまらない仕事だけじゃなくて、もっと責任を与えられています」と言うのですが、また口を挟んだジョアンナは、「そうそう、ベーグルだけじゃなくて、コーヒーも買ってきてくれるわよね」と言います。
carry two things at once は抽象的な意味で「一度に・同時に2つの仕事をこなす」みたいな意味かなぁ?とも思ったのですが、ここでは文字通りに「一度に2つのものを持つ、運ぶ」という意味なのかもしれません。
レイチェルはすごいんですよ、ベーグルとコーヒーを同時に運んでくるんです、みたいなニュアンスかな、と。
2つのものを同時に持てる!と賞賛されたら、まるで「おサルさんのおつかい」みたいです。
あまりにつまらない仕事を「こんなことができるなんてすごい、素晴らしい」と褒めれば褒めるほど、レイチェルがそのくらいのことしかできない無能な人間であることをアピールすることになってしまうわけです。
この一連のシーンでは、レイチェルは上司を立てるなど、きちんと面接の受け答えにふさわしいことを言っているのに、その自分を援護してくれるはずのジョアンナが「レイチェルは全然大した仕事をしていません」ということを次々に言っている、という面白さを楽しんでもらえれば、と思います。
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2009年10月05日
魔法使いのガンダルフ フレンズ4-9その1
シーズン4 第9話
The One Where They're Going To Party! (モニカは夢の料理長?!)
原題は「彼らが大騒ぎでもりあがるぞ!の話」
昔の友人 Mike "Gandalf" Ganderson が来るというので、パーティーで盛り上がるぞー!と大騒ぎしているチャンドラーとロス。
そのあまりの興奮ぶりに、ほかのフレンズたちはあきれています。
ジョーイ: Really. And what do you mean you never have fun anymore? You have fun with me. Remember that time we saw those strippers and you paid me 50 bucks to eat that book? ([あきれているモニカに同意して]全くだ。それに、今はもう楽しい時間を過ごすことはない、ってどういう意味だ? お前らは俺と楽しんでるじゃないか。俺たちであのストリッパーを見たり、俺があの本を食べるのにお前らが50ドル払ったりしたあの時のこと覚えてるだろ?)
ロス: Joey, you are gonna love this guy. Gandalf is like the party wizard. (ジョーイ、君もこの男を好きになるよ。ガンダルフは、パーティーの魔術師なんだ。)
ジョーイ: Well, why do you call him "Gandalf"? (ところで、どうしてお前たちは彼のことをガンダルフって呼ぶんだ?)
ロス: Gandalf the Wizard. (Joey is still confused) Hello! Didn't you read Lord of the Rings in high school? (魔法使いのガンダルフだよ。[ジョーイはまだわからない様子] もしもし[おいおい]! 高校でロード・オブ・ザ・リング[指輪物語]を読まなかったのか?)
ジョーイ: No, I had sex in high school. (いいや読んでない。俺は高校ではエッチ(ばかり)してたから。)
このシーンの前に出てきたチャンドラーの一言、"We never party anymore." 「俺たち、今はもうパーティーする[大騒ぎする]ことないもんな」に、男友達であるジョーイはひっかかったようです。
ここでの party は動詞で、「パーティーをする、参加する」「パーティーで盛り上がる、どんちゃん騒ぎ・ばか騒ぎをする」という意味です。
Let's party. 「盛り上がろう、楽しもう」などというフレーズもよく聞きますね。
今回のエピソードの英語タイトルは、The One Where They're Going To Party! となっていますが、この party も動詞です。
「be going to+動詞」の形ですね。
何となく「パーティーに行く(予定)」みたいな意味に見えますが、その場合だと party は名詞になり、to a party や to the party のように何らかの冠詞が必要になると思います(party は可算名詞なので)。
今回は動詞として使われているので「パーティーやるぞ!の話」みたいなニュアンスですね。
否定語+anymore は「今は・もはや〜しない」。
ガンダルフと一緒にいた頃(恐らく大学時代)は、ガンダルフと一緒にばか騒ぎをしたけれど、彼が傍にいなくなった今はもう、そんな風にパーティーすることもないもんな、という感じでしょう。
ジョーイは、俺と一緒じゃつまらないのか?楽しくないのか?と言いたいようです。
こんなことやあんなことをして、俺とも一緒に楽しく過ごしたろ?と言うのですが、一つはストリッパーを見たこと(笑)、そしてもう1つは、お前らが50ドル払って俺が本を食べたこと(!)だと言っています。
pay someone+金額+to do は「人に金を払って…させる」。
きっとジョーイが「50ドルくれたら、この本を食べてみせるよ」と賭けをして、実際に本を食べてみせた、ということでしょう。
ジョーイが思いつく「楽しかった出来事」がこれかよ!というおかしさもあるのですが、この「本を食べる話」は、後のシーンに出てくるセリフの伏線にもなっています。(またその時に解説します)
ジョーイは、Mike Ganderson というその友人のことを、どうして、Gandalf と呼んでいるのか尋ねます。
ロスのセリフにあるように、ガンダルフ(Gandalf)は、The Lord of the Rings に出てくる wizard の名前です。
The Lord of the Rings というお話は日本語では「指輪物語」という題名で訳されていますが、2001年にはそれを原作とした映画「ロード・オブ・ザ・リング」も作られましたので、The Lord of the Rings というフレーズにピンと来た人は多いかもしれません。
この フレンズ4-9 放映当時(1997年)にはまだ映画は公開されていませんでしたが、映画になる前から、英語圏では誰もが知っている有名なお話だったようですね。
「指輪物語」は「ホビットの冒険(The Hobbit)」の続編に当たりますが、その The Hobbit も、フレンズ2-19その3 のセリフに出てきました。
以下に、関連するウィキペディアをご紹介します。
Wikipedia 英語版: Gandalf
Wikipedia 日本語版: 指輪物語
Wikipedia 日本語版: ロード・オブ・ザ・リング
Ganderson という名字であり、パーティーの魔術師だから、「魔法使いのガンダルフ」というあだ名になったんだ、と説明するのですが、ジョーイは、ガンダルフの名前は知らないし、原作を読んだこともないようです。
「高校の時、読んでないのか?」という否定疑問文は、普通は高校生ぐらいの頃に読むもんだろ?みたいなニュアンスですね。
「指輪物語を知らないなんて信じられないよ」とあきれた風に、チャンドラーも手を広げてみせています。
そんな風にバカにされたことにカチンときたのか、ジョーイは、「俺は高校ではエッチしてた」と答えます。俺は女の子と遊ぶのに忙しくて、本読んでる時間なんかなかったんだよ、という感じですね。
高校の頃、女の子にモテなかった二人(ロスとチャンドラー)に対しては、何とも辛辣な返しです。
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The One Where They're Going To Party! (モニカは夢の料理長?!)
原題は「彼らが大騒ぎでもりあがるぞ!の話」
昔の友人 Mike "Gandalf" Ganderson が来るというので、パーティーで盛り上がるぞー!と大騒ぎしているチャンドラーとロス。
そのあまりの興奮ぶりに、ほかのフレンズたちはあきれています。
ジョーイ: Really. And what do you mean you never have fun anymore? You have fun with me. Remember that time we saw those strippers and you paid me 50 bucks to eat that book? ([あきれているモニカに同意して]全くだ。それに、今はもう楽しい時間を過ごすことはない、ってどういう意味だ? お前らは俺と楽しんでるじゃないか。俺たちであのストリッパーを見たり、俺があの本を食べるのにお前らが50ドル払ったりしたあの時のこと覚えてるだろ?)
ロス: Joey, you are gonna love this guy. Gandalf is like the party wizard. (ジョーイ、君もこの男を好きになるよ。ガンダルフは、パーティーの魔術師なんだ。)
ジョーイ: Well, why do you call him "Gandalf"? (ところで、どうしてお前たちは彼のことをガンダルフって呼ぶんだ?)
ロス: Gandalf the Wizard. (Joey is still confused) Hello! Didn't you read Lord of the Rings in high school? (魔法使いのガンダルフだよ。[ジョーイはまだわからない様子] もしもし[おいおい]! 高校でロード・オブ・ザ・リング[指輪物語]を読まなかったのか?)
ジョーイ: No, I had sex in high school. (いいや読んでない。俺は高校ではエッチ(ばかり)してたから。)
このシーンの前に出てきたチャンドラーの一言、"We never party anymore." 「俺たち、今はもうパーティーする[大騒ぎする]ことないもんな」に、男友達であるジョーイはひっかかったようです。
ここでの party は動詞で、「パーティーをする、参加する」「パーティーで盛り上がる、どんちゃん騒ぎ・ばか騒ぎをする」という意味です。
Let's party. 「盛り上がろう、楽しもう」などというフレーズもよく聞きますね。
今回のエピソードの英語タイトルは、The One Where They're Going To Party! となっていますが、この party も動詞です。
「be going to+動詞」の形ですね。
何となく「パーティーに行く(予定)」みたいな意味に見えますが、その場合だと party は名詞になり、to a party や to the party のように何らかの冠詞が必要になると思います(party は可算名詞なので)。
今回は動詞として使われているので「パーティーやるぞ!の話」みたいなニュアンスですね。
否定語+anymore は「今は・もはや〜しない」。
ガンダルフと一緒にいた頃(恐らく大学時代)は、ガンダルフと一緒にばか騒ぎをしたけれど、彼が傍にいなくなった今はもう、そんな風にパーティーすることもないもんな、という感じでしょう。
ジョーイは、俺と一緒じゃつまらないのか?楽しくないのか?と言いたいようです。
こんなことやあんなことをして、俺とも一緒に楽しく過ごしたろ?と言うのですが、一つはストリッパーを見たこと(笑)、そしてもう1つは、お前らが50ドル払って俺が本を食べたこと(!)だと言っています。
pay someone+金額+to do は「人に金を払って…させる」。
きっとジョーイが「50ドルくれたら、この本を食べてみせるよ」と賭けをして、実際に本を食べてみせた、ということでしょう。
ジョーイが思いつく「楽しかった出来事」がこれかよ!というおかしさもあるのですが、この「本を食べる話」は、後のシーンに出てくるセリフの伏線にもなっています。(またその時に解説します)
ジョーイは、Mike Ganderson というその友人のことを、どうして、Gandalf と呼んでいるのか尋ねます。
ロスのセリフにあるように、ガンダルフ(Gandalf)は、The Lord of the Rings に出てくる wizard の名前です。
The Lord of the Rings というお話は日本語では「指輪物語」という題名で訳されていますが、2001年にはそれを原作とした映画「ロード・オブ・ザ・リング」も作られましたので、The Lord of the Rings というフレーズにピンと来た人は多いかもしれません。
この フレンズ4-9 放映当時(1997年)にはまだ映画は公開されていませんでしたが、映画になる前から、英語圏では誰もが知っている有名なお話だったようですね。
「指輪物語」は「ホビットの冒険(The Hobbit)」の続編に当たりますが、その The Hobbit も、フレンズ2-19その3 のセリフに出てきました。
以下に、関連するウィキペディアをご紹介します。
Wikipedia 英語版: Gandalf
Wikipedia 日本語版: 指輪物語
Wikipedia 日本語版: ロード・オブ・ザ・リング
Ganderson という名字であり、パーティーの魔術師だから、「魔法使いのガンダルフ」というあだ名になったんだ、と説明するのですが、ジョーイは、ガンダルフの名前は知らないし、原作を読んだこともないようです。
「高校の時、読んでないのか?」という否定疑問文は、普通は高校生ぐらいの頃に読むもんだろ?みたいなニュアンスですね。
「指輪物語を知らないなんて信じられないよ」とあきれた風に、チャンドラーも手を広げてみせています。
そんな風にバカにされたことにカチンときたのか、ジョーイは、「俺は高校ではエッチしてた」と答えます。俺は女の子と遊ぶのに忙しくて、本読んでる時間なんかなかったんだよ、という感じですね。
高校の頃、女の子にモテなかった二人(ロスとチャンドラー)に対しては、何とも辛辣な返しです。
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2009年10月02日
路上じゃなく部屋でやって フレンズ4-8その7
箱の中でもジョークばかり言っていたチャンドラーは、本当に反省する気があるのなら一言もしゃべるな、とジョーイに言われます。
「親友の仲を裂くような人間になりたくないから」とキャシーが別れを告げに来ますが、箱の中で沈黙していなければならないチャンドラーは、キャシーの顔を見ることも、話すこともできません。
キャシーが立ち去った後、とうとうジョーイは、チャンドラーを許すことを決め、箱から出るように言います。
ジョーイ: Now go! 'Cause you can still catch her! And Merry Christmas from your Secret Santa! (Chandler runs out and closes the door.) (ほら、行けよ! 今ならまだ彼女に追いつけるからな! そして、お前のシークレットサンタから、メリークリスマスだ! [チャンドラーは走って出て行き、ドアを閉める])
(After he's gone.)
チャンドラーが行ってしまった後、
ジョーイ: All right, who got Chandler? 'Cause I uh, need to trade. (よし、誰がチャンドラーに当たった? だって、あの、俺はトレードしたいから。)
CLOSING CREDITS
[Scene: Monica and Rachel's Balcony, the gang is all there watching Chandler.]
モニカとレイチェルの部屋のバルコニー。フレンズたちは全員そこにいて、チャンドラーを見ている。
レイチェル: Oh, he sees her! (あぁ、チャンドラーがキャシーを見てる。)
モニカ: Oh, he's catching up to her. (あぁ、チャンドラーがキャシーに追いつこうとしているわ。)
フィービー: Oh, she sees him! Oh, they're hugging! (あぁ、キャシーがチャンドラーを見てる! あぁ、二人はハグしてる!)
ロス: He's taking her purse. (彼は彼女のバッグを取ろうとしてる[ひったくってる]。)
ジョーイ: Uhh, that's not them. I'm gonna go call the police. (あぁ、あれはチャンドラーとキャシーじゃない。俺、警察に電話してくるよ。)
フィービー: Oh, there they are! (あぁ、あそこに二人がいるわ!)
(They watch them making up and sigh)
フレンズたちは、二人がこれまでの埋め合わせをしているのを見て、ため息をつく。
フィービー: All right, get a room. (わかったわ、部屋を取りなさいよ[部屋でやりなさいよ]。)
catch は「捕まえる」ですが、この場合は「追いつく」という感覚ですね。
今ならまだ間に合うから、早く彼女を追いかけろ、と言うジョーイ。
Merry Christmas from your Secret Santa は、「お前のシークレットサンタからの、これがクリスマスプレゼントだよ」という感じ。
「箱から出て、彼女を追いかけて、彼女とまた恋人に戻っていいぞ」という、お前にとって最高のクリスマスプレゼントになっただろ?というニュアンスですね。
ちょっと泣ける一言を言った後、ジョーイは、チャンドラーにプレゼントをあげる担当になっていたのは誰?と尋ねています。
俺は今、こうして最高のプレゼントをあいつにあげたから、チャンドラー担当になっていた人は、俺が当たった人の分のプレゼント担当になってよ、ということですね。
せっかくの感動的なセリフも、現実的なこのセリフでしぼんでしまいますよねぇ。
キャシーを追いかけてビルの外に出たチャンドラー。
その様子をフレンズたちはバルコニーから見ています。
「追いついた、抱き合った」までは良かったのですが、ロスの He's taking her purse. あたりから様子がおかしくなってきます。
二人だと思って見ていたのは別人で、男が女に近づいてきて、抱きつく形でバッグをひったくる現場を見てしまったわけですね。
ひったくりの現場を見てしまったので、ジョーイは警察に通報しに行きます。
今度こそ、本当の二人を見つけたフレンズたち。
ト書きには、They watch them making up and sigh. とあります。
make up には、「仲直りする」という意味もありますが、この場合は「埋め合わせる」でしょうかねぇ?
いったん別れるという話になった後、それを修復するという意味の「仲直りする」かもしれませんし、それまでいろいろあったことを「埋め合わせている」ということなのかもしれません。
これが make out なら「(男女が)イチャイチャする、愛撫し合う」という意味になりますが、この後、説明するフィービーのセリフを考えると、それでも意味は通るような気もします。
あぁ、素敵ねぇ、とため息をつきながら見ているのですが、最後のフィービーの get a room というセリフに笑えます。
get a room は「部屋を取る、部屋を確保する」。
もう誰に遠慮もいらないとわかった二人は、路上で抱き合いながら、かなり激しい愛情表現をしているのでしょう。
ちょっと路上でそこまでするのはマズいんじゃないの?というくらい、ハードな行為をしている(またはしそうになっている)二人に対して、そういうことは、部屋の中でしなさいよ、部屋を用意して、つまり、路上じゃなくて自分の部屋とかとにかく人目につかないところで、そういうことはしなさいよね、とフィービーは言っているのですね。
路上にいる人に get a room と言うことで、「路上ではなくて部屋でしろ」と注意しているのがわかる、今の二人は、とても路上では見せられないような激しいことになっている、というのがそのフィービーのセリフでわかるわけですね。
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「親友の仲を裂くような人間になりたくないから」とキャシーが別れを告げに来ますが、箱の中で沈黙していなければならないチャンドラーは、キャシーの顔を見ることも、話すこともできません。
キャシーが立ち去った後、とうとうジョーイは、チャンドラーを許すことを決め、箱から出るように言います。
ジョーイ: Now go! 'Cause you can still catch her! And Merry Christmas from your Secret Santa! (Chandler runs out and closes the door.) (ほら、行けよ! 今ならまだ彼女に追いつけるからな! そして、お前のシークレットサンタから、メリークリスマスだ! [チャンドラーは走って出て行き、ドアを閉める])
(After he's gone.)
チャンドラーが行ってしまった後、
ジョーイ: All right, who got Chandler? 'Cause I uh, need to trade. (よし、誰がチャンドラーに当たった? だって、あの、俺はトレードしたいから。)
CLOSING CREDITS
[Scene: Monica and Rachel's Balcony, the gang is all there watching Chandler.]
モニカとレイチェルの部屋のバルコニー。フレンズたちは全員そこにいて、チャンドラーを見ている。
レイチェル: Oh, he sees her! (あぁ、チャンドラーがキャシーを見てる。)
モニカ: Oh, he's catching up to her. (あぁ、チャンドラーがキャシーに追いつこうとしているわ。)
フィービー: Oh, she sees him! Oh, they're hugging! (あぁ、キャシーがチャンドラーを見てる! あぁ、二人はハグしてる!)
ロス: He's taking her purse. (彼は彼女のバッグを取ろうとしてる[ひったくってる]。)
ジョーイ: Uhh, that's not them. I'm gonna go call the police. (あぁ、あれはチャンドラーとキャシーじゃない。俺、警察に電話してくるよ。)
フィービー: Oh, there they are! (あぁ、あそこに二人がいるわ!)
(They watch them making up and sigh)
フレンズたちは、二人がこれまでの埋め合わせをしているのを見て、ため息をつく。
フィービー: All right, get a room. (わかったわ、部屋を取りなさいよ[部屋でやりなさいよ]。)
catch は「捕まえる」ですが、この場合は「追いつく」という感覚ですね。
今ならまだ間に合うから、早く彼女を追いかけろ、と言うジョーイ。
Merry Christmas from your Secret Santa は、「お前のシークレットサンタからの、これがクリスマスプレゼントだよ」という感じ。
「箱から出て、彼女を追いかけて、彼女とまた恋人に戻っていいぞ」という、お前にとって最高のクリスマスプレゼントになっただろ?というニュアンスですね。
ちょっと泣ける一言を言った後、ジョーイは、チャンドラーにプレゼントをあげる担当になっていたのは誰?と尋ねています。
俺は今、こうして最高のプレゼントをあいつにあげたから、チャンドラー担当になっていた人は、俺が当たった人の分のプレゼント担当になってよ、ということですね。
せっかくの感動的なセリフも、現実的なこのセリフでしぼんでしまいますよねぇ。
キャシーを追いかけてビルの外に出たチャンドラー。
その様子をフレンズたちはバルコニーから見ています。
「追いついた、抱き合った」までは良かったのですが、ロスの He's taking her purse. あたりから様子がおかしくなってきます。
二人だと思って見ていたのは別人で、男が女に近づいてきて、抱きつく形でバッグをひったくる現場を見てしまったわけですね。
ひったくりの現場を見てしまったので、ジョーイは警察に通報しに行きます。
今度こそ、本当の二人を見つけたフレンズたち。
ト書きには、They watch them making up and sigh. とあります。
make up には、「仲直りする」という意味もありますが、この場合は「埋め合わせる」でしょうかねぇ?
いったん別れるという話になった後、それを修復するという意味の「仲直りする」かもしれませんし、それまでいろいろあったことを「埋め合わせている」ということなのかもしれません。
これが make out なら「(男女が)イチャイチャする、愛撫し合う」という意味になりますが、この後、説明するフィービーのセリフを考えると、それでも意味は通るような気もします。
あぁ、素敵ねぇ、とため息をつきながら見ているのですが、最後のフィービーの get a room というセリフに笑えます。
get a room は「部屋を取る、部屋を確保する」。
もう誰に遠慮もいらないとわかった二人は、路上で抱き合いながら、かなり激しい愛情表現をしているのでしょう。
ちょっと路上でそこまでするのはマズいんじゃないの?というくらい、ハードな行為をしている(またはしそうになっている)二人に対して、そういうことは、部屋の中でしなさいよ、部屋を用意して、つまり、路上じゃなくて自分の部屋とかとにかく人目につかないところで、そういうことはしなさいよね、とフィービーは言っているのですね。
路上にいる人に get a room と言うことで、「路上ではなくて部屋でしろ」と注意しているのがわかる、今の二人は、とても路上では見せられないような激しいことになっている、というのがそのフィービーのセリフでわかるわけですね。
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2009年10月01日
その言葉そっくり返すよ フレンズ1-4その5
フレンズ1-4その4 ご質問 のコメント欄 で、
Finders keepers, loosers weepers.
I'm rubber, you're glue, whatever...
というフレーズに関するコメントをいただきました。
今回の記事では、そのフレーズに関して、もう少し詳しく説明したいと思います。
また、フレンズ1-4その2 のコメント欄 では、
...And he lived in a village, and you live in the Village.
というセリフに出てきた Village についてのご質問がありました。
Village は、モニカたちが住んでいる Greenwich Village(グリニッチ・ヴィレッジ)を指すのですが、その Village についても、今回の記事でもう少し説明してみたいと思います。
まず、Finders keepers, loosers weepers. と I'm rubber, you're glue, whatever.... が出てくるやり取りは以下のようになっていました。
ホッケーの試合を観戦中に、パックが顔に当たり、病院で治療を受けたロスは、そのパックがどこにいったか尋ねます。
ロス: Where's my puck? (僕のパックはどこ?)
ジョーイ: Oh, ah- the kid has it. (あぁ、あー、その子供が持ってる。)
ロス: The kid? (TO KID) Excuse me, uh, that's, that's my puck. (子供だって? [子供に] ちょっと、あの、それは、それは僕のパックだよ。)
子供: I found it. Finders keepers, losers weepers. (僕が見つけたんだ。拾った者が持ち主で、落とした者は泣きを見る、だよ。)
(ROSS LOOKS AT CHANDLER FOR HELP)
ロスは助けを求めるようにチャンドラーを見る。
チャンドラー: You gotta do it, man. (やらなきゃだめだ。)
ロス: (TO KID) Oh, yeah? Well, I'm rubber, you're glue. Whatever you-- (TO CHANDLER) I can't do it. (TO KID) Listen, uh, give me back my puck. ([子供に] ああ、そうかい? そうだな、僕はゴムで君はのりだ。君が何を言おうと… [チャンドラーに] 僕にはできないよ。[子供に] ねぇ、僕のパックを返してよ。)
Finders keepers, loosers weepers. も、I'm rubber, you're glue. も、よく知られた決まり文句みたいですね。
Finders keepers というフレーズは、英辞郎の finder 「見つける人、発見者」の例文に載っていました。
英辞郎では、
Finders keepers.=《諺》拾ったものは自分のもの。
Finders keepers, losers weepers.=《諺》拾った者が持ち主、落とした者は泣きをみる
とあります。
I'm rubber, you're glue. について。
rubber は「ゴム」、glue は「のり、接着剤、膠(にかわ)」ですね。
こちらは、オンラインスラング辞典である Urban Dictionary に載っていました。
Urban Dictionary: I'm rubber you're glue
英語で詳しく説明されているので、以下に引用させていただきます。
I'm rubber you're glue 142 up, 18 down
A riposte used when someone calls you a name. Indicates that whatever names or words someone uses in an attempt to offend or insult you, those words will bounce off you, and stick to the name-caller, indicating that he or she is actually indicative of the connotation he or she originally wanted to impart upon you. Also, what I say to Peter to make him cry.
例) I'm rubber you're glue, your words bounce off me and stick to you.
訳しますと、「誰かが人をある名前で呼ぶ(呼んだ)時に使われる当意即妙の答え[鋭い即答]。人の感情を害する、または侮辱しようとして、誰かが使う名前や言葉がどんなものであっても、それらの言葉は相手から跳ね返って、その名前を呼んだ人にくっつく、ということを示唆する。また、その人(名前を呼んだ人)が元々相手に伝えたいと思っていた言外の意味を実際に暗示しているということも同時に示唆する。別の表現で、what I say to Peter to make him cry という表現もある。
例文は、「僕はゴム。君はのり。君の言葉は僕から跳ね返って、君にくっつくよ。」
(ちなみに、「同じ意味として、what I say to Peter to make him cry という表現もある」ように書いてあるのですが、この表現は、検索してもヒットしません。ほんとにこういう表現あるんでしょうか…??)
直訳したので、意味がわかりにくいですが、相手が自分に対して悪口を言ってきた場合に、それを「そっくりそのまま返すよ」と言いたい場合の表現だということですね。
indicating that he or she is actually indicative of... の部分がよくわからないのですが、何かの名前を言うことで、相手を侮辱しようとしていたという話者の意図もお見通しさ、ということも示すことになる、ということでしょうか。
(2015.5.12 追記)
上に書いた Urban Dictionary の訳について、下のコメント欄でご意見をいただきました。
call someone names は「人の悪口を言う」という意味になります。
そのフレーズの意味と、また、indicating... 以下の訳について、下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
上の例文では、your words bounce off me... となっていますが、your words 「君の言葉、君の発言」が、whatever you say 「君の言うことは何でも」というフレーズになっている場合もよくあるようです。
whatever を使うと、
I'm rubber, you're glue. Whatever you say bounces off me and sticks to you.
となるわけですね。
ロスのセリフは、I'm rubber, you're glue. Whatever you-- となっていましたが、Whatever you の部分も、その決まり文句の続きだったようで、そこまで言って結局最後まで言わずに途中で言うのをやめた、という描写だったようです。
まとめますと、直訳では「僕はゴム、君はのり。君が言うことは何でも僕で跳ね返って、君にくっつく」。
相手が自分に対して言ってきたことに対して、その内容は跳ね返って君への言葉になるよ、ということで、「君の言った言葉は、君に跳ね返ってくるよ」「その言葉、そっくり君に返すよ」というニュアンスになるわけです。
子供もロスも、自分で考えた言葉ではなくて、元々存在する表現を使っているわけですが、このタイミングで子供が Finders keepers, loosers weepers. と韻を踏んだことわざを使ってうまく返してきた、そこで大人のロスが負けじと返したセリフが、I'm rubber.... だったので、全然対抗できてない、という面白さがあるのでしょう。
I'm rubber... は本来、相手が自分に対して何らかの悪口、例えば「このバカ!」みたいなことを言った場合に、「バカはそっちだよ」とその言葉をそっくり返して、そんな風に言うお前の方がバカだよ、と言い返す言葉だと思われます。
子供とロスのやり取りについては、喧嘩で言い返す時の常套句であるけれども、ことわざを使って「拾った者勝ちだよ」みたいなことを言った子供に対しての返しとしては、ややピント外れであった、という面白さがあるように思います。
「その言葉をそっくり返す」と言ってしまったら、「拾った者勝ち」であることを認めたことになってしまいそうですしね。
常套句で言い返した後、この状況でこのセリフでは相手を言い負かせないことに気付いたので、これではダメだと思って途中でやめた、という感じなのかな、と思いました。
次に、Village について。
レイチェルは、「ジャックと豆の木」のジャックのようだわ、とフィービーが言う場面。
フィービー: And he lived in a village, and you live in the Village. (ジャックはヴィレッジ[村]に住んでいた。そしてあなたはヴィレッジに住んでいる。)
最初の village は「村」で、2番目に出てくる Village は、場所の名前(地名)です。
地名、すなわち固有名詞なので、大文字で始まっている、ということです。
ドラマの設定では、モニカたちは、Greenwich Village(グリニッチ・ヴィレッジ)に住んでいることになっていて、その Greenwich Village のことを、Village とも言うのですね。
この記事で解説している フレンズ1-4 より後のエピソードになってしまいますが、フレンズ2-10その7 のセリフにも、Village という地名が出てきます。
Wikipedia 日本語版: グリニッチ・ヴィレッジ には、以下の説明があります。
なお、観光ガイドブックや地図などでは「グリニッチ・ヴィレッジ」を「ウェスト・ヴィレッジ(West Village)とイースト・ヴィレッジ(East Village)を合せた総称」のように記載しているものが多いが、実は必ずしもそうではなく、現地では「グリニッチ・ヴィレッジ」と言えば一般に「ウェスト・ヴィレッジの別称」である。たんに「ヴィレッジ」と言うときにも、一般には「グリニッチ・ヴィレッジ」のことを指す。一方の「イースト・ヴィレッジ」は、常に「イースト・ヴィレッジ」と呼称され区別される。
Wikipedia 英語版: Greenwich Village でも、
Greenwich Village, often simply called "the Village"
つまり、「しばしば簡単に the Village と呼ばれる」という記述もありますね。
英語版ウィキペディアの In media という項目にも、
The 1994-2004 NBC sitcom Friends is set in the Village と書いてあります。
set in は「(ドラマなどの舞台を)…に設定する」ということですから、フレンズというシットコムは the Village を舞台として設定されているということです。
モニカたちのアパートの外観がシーンの切り替わりに挿入されますが、あの外観は、West Village の Grove Street と Bedford Street の角にある実在する建物で、その写真がウィキペディアにも出ていますね。
この写真が説明に使われていることからも、フレンズと The Village との関係の深さがよくわかる気がします。
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Finders keepers, loosers weepers.
I'm rubber, you're glue, whatever...
というフレーズに関するコメントをいただきました。
今回の記事では、そのフレーズに関して、もう少し詳しく説明したいと思います。
また、フレンズ1-4その2 のコメント欄 では、
...And he lived in a village, and you live in the Village.
というセリフに出てきた Village についてのご質問がありました。
Village は、モニカたちが住んでいる Greenwich Village(グリニッチ・ヴィレッジ)を指すのですが、その Village についても、今回の記事でもう少し説明してみたいと思います。
まず、Finders keepers, loosers weepers. と I'm rubber, you're glue, whatever.... が出てくるやり取りは以下のようになっていました。
ホッケーの試合を観戦中に、パックが顔に当たり、病院で治療を受けたロスは、そのパックがどこにいったか尋ねます。
ロス: Where's my puck? (僕のパックはどこ?)
ジョーイ: Oh, ah- the kid has it. (あぁ、あー、その子供が持ってる。)
ロス: The kid? (TO KID) Excuse me, uh, that's, that's my puck. (子供だって? [子供に] ちょっと、あの、それは、それは僕のパックだよ。)
子供: I found it. Finders keepers, losers weepers. (僕が見つけたんだ。拾った者が持ち主で、落とした者は泣きを見る、だよ。)
(ROSS LOOKS AT CHANDLER FOR HELP)
ロスは助けを求めるようにチャンドラーを見る。
チャンドラー: You gotta do it, man. (やらなきゃだめだ。)
ロス: (TO KID) Oh, yeah? Well, I'm rubber, you're glue. Whatever you-- (TO CHANDLER) I can't do it. (TO KID) Listen, uh, give me back my puck. ([子供に] ああ、そうかい? そうだな、僕はゴムで君はのりだ。君が何を言おうと… [チャンドラーに] 僕にはできないよ。[子供に] ねぇ、僕のパックを返してよ。)
Finders keepers, loosers weepers. も、I'm rubber, you're glue. も、よく知られた決まり文句みたいですね。
Finders keepers というフレーズは、英辞郎の finder 「見つける人、発見者」の例文に載っていました。
英辞郎では、
Finders keepers.=《諺》拾ったものは自分のもの。
Finders keepers, losers weepers.=《諺》拾った者が持ち主、落とした者は泣きをみる
とあります。
I'm rubber, you're glue. について。
rubber は「ゴム」、glue は「のり、接着剤、膠(にかわ)」ですね。
こちらは、オンラインスラング辞典である Urban Dictionary に載っていました。
Urban Dictionary: I'm rubber you're glue
英語で詳しく説明されているので、以下に引用させていただきます。
I'm rubber you're glue 142 up, 18 down
A riposte used when someone calls you a name. Indicates that whatever names or words someone uses in an attempt to offend or insult you, those words will bounce off you, and stick to the name-caller, indicating that he or she is actually indicative of the connotation he or she originally wanted to impart upon you. Also, what I say to Peter to make him cry.
例) I'm rubber you're glue, your words bounce off me and stick to you.
訳しますと、「誰かが人をある名前で呼ぶ(呼んだ)時に使われる当意即妙の答え[鋭い即答]。人の感情を害する、または侮辱しようとして、誰かが使う名前や言葉がどんなものであっても、それらの言葉は相手から跳ね返って、その名前を呼んだ人にくっつく、ということを示唆する。また、その人(名前を呼んだ人)が元々相手に伝えたいと思っていた言外の意味を実際に暗示しているということも同時に示唆する。別の表現で、what I say to Peter to make him cry という表現もある。
例文は、「僕はゴム。君はのり。君の言葉は僕から跳ね返って、君にくっつくよ。」
(ちなみに、「同じ意味として、what I say to Peter to make him cry という表現もある」ように書いてあるのですが、この表現は、検索してもヒットしません。ほんとにこういう表現あるんでしょうか…??)
直訳したので、意味がわかりにくいですが、相手が自分に対して悪口を言ってきた場合に、それを「そっくりそのまま返すよ」と言いたい場合の表現だということですね。
indicating that he or she is actually indicative of... の部分がよくわからないのですが、何かの名前を言うことで、相手を侮辱しようとしていたという話者の意図もお見通しさ、ということも示すことになる、ということでしょうか。
(2015.5.12 追記)
上に書いた Urban Dictionary の訳について、下のコメント欄でご意見をいただきました。
call someone names は「人の悪口を言う」という意味になります。
そのフレーズの意味と、また、indicating... 以下の訳について、下のコメント欄に訂正と追加説明がありますので、詳しくはそちらをご覧下さい。
(追記はここまで)
上の例文では、your words bounce off me... となっていますが、your words 「君の言葉、君の発言」が、whatever you say 「君の言うことは何でも」というフレーズになっている場合もよくあるようです。
whatever を使うと、
I'm rubber, you're glue. Whatever you say bounces off me and sticks to you.
となるわけですね。
ロスのセリフは、I'm rubber, you're glue. Whatever you-- となっていましたが、Whatever you の部分も、その決まり文句の続きだったようで、そこまで言って結局最後まで言わずに途中で言うのをやめた、という描写だったようです。
まとめますと、直訳では「僕はゴム、君はのり。君が言うことは何でも僕で跳ね返って、君にくっつく」。
相手が自分に対して言ってきたことに対して、その内容は跳ね返って君への言葉になるよ、ということで、「君の言った言葉は、君に跳ね返ってくるよ」「その言葉、そっくり君に返すよ」というニュアンスになるわけです。
子供もロスも、自分で考えた言葉ではなくて、元々存在する表現を使っているわけですが、このタイミングで子供が Finders keepers, loosers weepers. と韻を踏んだことわざを使ってうまく返してきた、そこで大人のロスが負けじと返したセリフが、I'm rubber.... だったので、全然対抗できてない、という面白さがあるのでしょう。
I'm rubber... は本来、相手が自分に対して何らかの悪口、例えば「このバカ!」みたいなことを言った場合に、「バカはそっちだよ」とその言葉をそっくり返して、そんな風に言うお前の方がバカだよ、と言い返す言葉だと思われます。
子供とロスのやり取りについては、喧嘩で言い返す時の常套句であるけれども、ことわざを使って「拾った者勝ちだよ」みたいなことを言った子供に対しての返しとしては、ややピント外れであった、という面白さがあるように思います。
「その言葉をそっくり返す」と言ってしまったら、「拾った者勝ち」であることを認めたことになってしまいそうですしね。
常套句で言い返した後、この状況でこのセリフでは相手を言い負かせないことに気付いたので、これではダメだと思って途中でやめた、という感じなのかな、と思いました。
次に、Village について。
レイチェルは、「ジャックと豆の木」のジャックのようだわ、とフィービーが言う場面。
フィービー: And he lived in a village, and you live in the Village. (ジャックはヴィレッジ[村]に住んでいた。そしてあなたはヴィレッジに住んでいる。)
最初の village は「村」で、2番目に出てくる Village は、場所の名前(地名)です。
地名、すなわち固有名詞なので、大文字で始まっている、ということです。
ドラマの設定では、モニカたちは、Greenwich Village(グリニッチ・ヴィレッジ)に住んでいることになっていて、その Greenwich Village のことを、Village とも言うのですね。
この記事で解説している フレンズ1-4 より後のエピソードになってしまいますが、フレンズ2-10その7 のセリフにも、Village という地名が出てきます。
Wikipedia 日本語版: グリニッチ・ヴィレッジ には、以下の説明があります。
なお、観光ガイドブックや地図などでは「グリニッチ・ヴィレッジ」を「ウェスト・ヴィレッジ(West Village)とイースト・ヴィレッジ(East Village)を合せた総称」のように記載しているものが多いが、実は必ずしもそうではなく、現地では「グリニッチ・ヴィレッジ」と言えば一般に「ウェスト・ヴィレッジの別称」である。たんに「ヴィレッジ」と言うときにも、一般には「グリニッチ・ヴィレッジ」のことを指す。一方の「イースト・ヴィレッジ」は、常に「イースト・ヴィレッジ」と呼称され区別される。
Wikipedia 英語版: Greenwich Village でも、
Greenwich Village, often simply called "the Village"
つまり、「しばしば簡単に the Village と呼ばれる」という記述もありますね。
英語版ウィキペディアの In media という項目にも、
The 1994-2004 NBC sitcom Friends is set in the Village と書いてあります。
set in は「(ドラマなどの舞台を)…に設定する」ということですから、フレンズというシットコムは the Village を舞台として設定されているということです。
モニカたちのアパートの外観がシーンの切り替わりに挿入されますが、あの外観は、West Village の Grove Street と Bedford Street の角にある実在する建物で、その写真がウィキペディアにも出ていますね。
この写真が説明に使われていることからも、フレンズと The Village との関係の深さがよくわかる気がします。
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