[Scene: Monica and Rachel's, Joey, Monica, and Phoebe are opening their invitations.]
モニカとレイチェルの部屋で、ジョーイ、モニカ、フィービーは、(ロスから彼らに送られてきた)結婚式の招待状を開封しているところ。
モニカ: Ohh, this is soo amazing! I can't believe my brother's getting married and in London! It's just, it's so romantic. (あぁ、これってすっごく素晴らしいわ! 私の兄さんが結婚する、それもロンドンで結婚するなんて信じられない! ただ、すっごくロマンティックだわ。)
ジョーイ: (taking apart the invitation) Hey, pretty smart! Tissue paper. You're at the wedding. You have to cry. Handkerchief? No, no, I got my invitation. (招待状を開けながら) おい、すっごく賢いな! ティッシュペーパーだ。結婚式にいるとするだろ。泣かずにはいられない。ハンカチーフは? いやいや、俺には自分の招待状があるからね。)
invitation は「招待」ですが、invitation で「招待状」という意味にもなります。その場合は数えられるので可算名詞扱いになりますね。
モニカは招待状を見て感動しています。
my brother's getting married and in London! は、and のない場合の getting married in London とは少しニュアンスが異なる気がします。
and がないと、「私の兄さんがロンドンで結婚するなんて信じられない」という感じになりますが、getting married and in London だと、「私の兄さんが結婚するなんて信じられない、しかもロンドンで(なんて信じられない)」というニュアンスになると思われます。
兄の結婚に驚いていると同時に、しかもその結婚する場所がロンドンだなんて、さらにびっくりだわ、という感じですね。
ジョーイは招待状からある紙を取り出してヒラヒラさせています。
ジョーイのセリフにあるように、この紙は tissue paper なのですが、それを招待状に入れとくなんて賢いよな、と言っていますね。
You're at the wedding. というのは、「ほら、結婚式にいるとするだろ」と、結婚式にいる状況を仮定して話している感覚です。
ここでの you は「あなた」ではなくて、「あなたを含めた一般の人、回りまわって自分も含む」というニュアンス。
結婚式では感動して泣いてしまう。その時に涙を拭くためのハンカチを持ってるか?となった時に、俺にはハンカチはいらないよ、この招待状に入ってる tissue paper を使うからね、と言っているわけです。
泣くのを見越してあらかじめ招待状の中に tissue paper を入れとくなんて冴えてるよな、とジョーイは言いたいわけですが…。
ここで、tissue paper というものについて説明します。
日本語で「ティッシュペーパー」というと、鼻をかむ時に使う「ちり紙、鼻紙」を指しますが、それを英語で言う場合はたいてい、tissue と言います。
涙が出そうになってティッシュを取って欲しい時には、Get me that tissue. / Would you get me that tissue? 「そこのティッシュ取って。/そのティッシュを取ってくれる?」などと言いますね。
これが tissue paper になると、英語ではそういう「ちり紙」ではなく、包装などに使われる薄い紙を指すことになります。
研究社 新英和中辞典でも、
tissue paper=【名】【U】 薄葉(うすよう)紙 《包装・トレーシングなどに用いる》 (比較:「ちり紙」の意では用いない)
tissue=
1. 【C】 ティッシュペーパー、ちり紙 (比較:ちり紙の意の「ティッシュペーパー」は和製英語; 参照: tissue paper)
2. tissue paper
と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
tissue [noun]
1. [countable] a piece of soft thin paper, used especially for blowing your nose on (SYN: Kleenex (R) )
例) a box of tissues
2. [uncountable] also tissue paper light thin paper used for wrapping, packing etc
つまり、1. は「柔らかく薄い一片の紙、特に鼻をかむために使われる。同義語 Kleenex」
2. は「tissue paper ともいう。ラッピングやパッキングに使われる軽くて薄い紙」
つまり、tissue は「ちり紙、鼻紙」の意味で、tissue paper は「包装用の薄葉紙」。
tissue だけで「薄葉紙」(tissue paper)を指すことはあるが、tissue paper と言うと「ちり紙」ではなく「薄葉紙」を指すことになってしまう、ということですね。
その tissue と tissue paper の違いを認識した上で、ジョーイのセリフのシーンを見てみると、ジョーイが手に持ってヒラヒラさせている紙は、「ちり紙」ではなく、「包装用の薄葉紙」のようです。
トレーシングペーパーみたいな感じの紙で、振ると音がシャラシャラ鳴っていますね。
ですからこの紙は、涙を拭くための tissue ではなく、正式な招待状に挟み込まれた薄葉紙だということでしょう。
日本でも、人にお祝いの品をあげる場合などに、丁寧に包装されたものには、品物の上にそういう薄葉紙を乗せてあったりしますので、それと同じ感覚なのかなと思います。
ジョーイは tissue paper を見て、「涙を拭くための tissue の上等版」が入ってるかのように勘違いした、ということでしょう。
ジョーイがヒラヒラしてシャラシャラ音がしているように、この紙で涙を拭いたらちょっとゴワゴワするし、あまり涙も吸い取ってくれなさそうなのですが…(笑)。
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2010年04月30日
2010年04月28日
なかなか死なぬダイハード フレンズ4-21その2
チャンドラーとジョーイは、「俺たち、エベレストに登るぞ!」と盛り上がったものの、命の危険性があることをフィービーに指摘されて、「それじゃあ、エベレスト登山のビデオを見るだけにしよう」とトーンダウンします。
ジョーイ: And while we're down at the video store, you know what else we could rent? Die Hard! (Chandler's excited.) But, y'know what? I just remembered. That Everest thing is only available through mail order. (そして、ビデオ屋にいる間に、他に何が借りられるかわかるか? ダイ・ハードだよ! [チャンドラーは興奮する] でも、ほら、俺、今、思い出しちゃった。そのエベレストのやつ(ビデオ)は、通信販売でしか買えないんだ。)
チャンドラー: (dejected) Oh, well.... ([落胆して] ああ、そうか…)
フィービー: So you guys'll stay here and hang out with me? (それじゃあ、あなたたちはここにいて、私と時間を過ごす?)
チャンドラー: Yeeeeahhhh. (あーー、そうだね。)
ジョーイ: Yeah. Yeah. (ああ。ああ。)
チャンドラー: But I'll tell you something. One of these days we're gonna get off our butts and rent Die Hard again! (でも、言っとくけどさ。いつかそのうちに、再び俺たちは腰を上げて動き出し、ダイ・ハードを借りるぞ!)
ジョーイ: Yeah we are! (そうだ、そうするぞ!)
エベレスト登山のビデオを借りるために(レンタル)ビデオショップに行けば、そのついでに「ダイ・ハード」も借りられるじゃん!とジョーイは大喜びしています。
1988年の映画「ダイ・ハード」(原題:Die Hard)は日本でも有名ですよね。
最近の洋画の邦題は「カタカナでそのまんま」のものが多くて味気ない、という意見もありますが、そういうカタカナタイトルだと、今回のように英語のセリフ内で言及された場合、日本人でも「ああ、あの映画か」とわかる利点もありますよね。
Wikipedia 日本語版: ダイ・ハード
いかにも男子が好きそうな、アクション映画の代名詞で、実際、後のエピソード フレンズ7-6 でも、フレンズ男性陣がダイ・ハードのビデオを見るシーンが出てきます。その後、ダイ・ハードに関するセリフのやり取りもあります。
そのダイ・ハードの主役を演じるブルース・ウィリスは、フレンズ6-21,22,23 にゲスト出演します(そこでは一般人を演じています)。
フレンズではこのように、俳優(有名人)として認識されているはずの人物が、別人の(一般人の)役柄でゲスト出演する、ということが時々あります。
(ウィノナ・ライダーは、3-5, 3-24 で俳優として名前が言及されますが、7-20 では一般人を演じています。スーザン・サランドンも 3-5 で俳優として名前が挙げられますが、7-15 で別の名前の女優を演じています。)
ちなみに、die hard は「なかなか死なない」「(習慣・慣習・考え方などが)なかなかなくならない、容易に滅びない」という意味です。
ブルース・ウィリス演じるジョン・マクレーン刑事が「なかなか死なない」タフな奴、だからですね。(そういうキャッチコピーがあったような、なかったような…ちょっとうろ覚えです)
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
old habits/prejudices/customs etc. die hard :
used to say that it takes a long time to change to a new way of doing something
つまり、「古い習慣・偏見・慣習などが die hard 」という表現は、「新しいやり方に変わるのに長い時間がかかることを言うのに用いられる」ということ。
「昔からの古い習慣などは、いつまでも残っていて”なかなか死なない”」というニュアンスですね。
上にも書きましたが、映画のタイトルとして原題そのままの「ダイ・ハード」という言葉を知っている日本人は多いですよね。
英語を学びたいと思うのなら、そこからもう一歩進んで、その die hard という言葉の意味と、Old habits die hard. のような決まり文句とを一緒に覚えることで、英語の知識を増やしていけると思います。
「エンターテインメントなどの娯楽」と「語学学習」を別物と考えないこと、それが楽しく英語を学べるコツだと思っています。
エベレスト登山のビデオをレンタルしようとしたジョーイは、ある残念なことに気づきます。
そのビデオはレンタル屋さんで借りることはできず、only available through mail order だと言っていますね。
available は「入手できる」、つまり「販売されている」ということで、メールオーダー、つまり通信販売を通してのみ入手可能、通販でのみ購入できる、というニュアンスです。
こういう available は TOEIC によく登場しますね。
エベレストのビデオがレンタル店で借りられないことを知り、がっくりする二人。
結局、いつものように、セントラルパークで時を過ごすことになるのですが、チャンドラーは決意表明のように、「いつかダイ・ハードのビデオを借りるぞ!」と叫んでいます。
one of these days は「いつかそのうちに、近いうちに、近日中に」。
LAAD では、
one of these days : at some time in the future
例) One of these days I'm going to clean out the garage.
つまり、「未来のいつか」。例文は「いつかそのうちに、ガレージをきれいに掃除するつもりだ」
この例文も、今回のセリフと同じように、未来形の be going to が使われていますね。
one of がつかない these days の例文では、LAAD に以下の文章が載っています。
I don't have the time to do much exercise these days (= now, as opposed to in the past).
意味は「今は十分な運動をする時間がない」で、these days は「now の意味で、「過去に」と対照的な言葉である」と説明されています。
these days は「現在」で、one of these days は「未来」になるという違いが興味深いですね。
get off one's butt は「腰を上げる、(仕事に)取りかかる」。
今はこうして、セントラルパークでだらだら過ごしてるけど、いつかきっと、ここからすっくと立ち上がって、ビデオ店にダイ・ハードを借りに行くぞー!ということですが、よく考えてみると、そんなことはいつでもできちゃいそうな簡単なことですよね。
「エベレストに登るぞ!」→「死の危険があるから、ビデオを借りるだけにする」→「ついでにダイ・ハードも借りる」→「エベレストのビデオは通販のみで、レンタルできないことが判明」→「セントラルパークでいつものように過ごすしかない」→「でも、いつかそのうちに、ダイ・ハードのビデオを借りに行くぞ!」という流れですね。
エベレストに登ると言っていたのが、最終的に「ダイ・ハードのビデオを借りるぞ!」という話に変化してしまって、いつもの日常にスケールダウンしているにもかかわらず、それをエベレスト登山と同じような決意表明のように叫んでいる面白さ、なのでしょう。
それじゃあ、結局いつもとおんなじじゃん!というところで、それなら one of these days とか言ってないで、If you wanna rent Die Hard, just do it, now! とツッコミたくなる感じですね。
(おまけの話)
全くの余談ですが、今回の記事タイトルは、「なかなか死なないダイ・ハード」と書きたいところを「なかなか死なぬダイハード」にしました。
というのは、人気ブログランキングの新着記事のタイトルが12文字までしか表記されないので、何とかそれに全部入るように合わせたからです。
いつも12文字以内に収まるわけではありませんが、収まらない場合でも、最初の12文字で何とか記事の内容が伝わるように、いつもタイトルを考えています。
4月26日の日経新聞夕刊の「話題新書インフォメーション」で「ヤフー・トピックスの作り方」という話題の本が紹介されていました。
ヤフトピは「見出しが13文字」と決まっていて、その理由は「ひと目で内容を理解しやすい長さ」であること、また「(見出しを)13文字で抽出する、大変だけど面白い作業です」という著者のお話も載っていました。
私もいつも12文字を意識しながらタイトルを考えているので、その「13文字へのこだわり」には共感する部分が多くありました。
いざ文字にしてみると、12文字や13文字というのは、すっごく少ない文字数なんですよね。
私も、ヤフトピほどバシッとキメることはできないながらも、12文字でどこまで読者の方にアピールできるかを意識しながら記事タイトルを考えて行きたい、と改めて思いました。
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チャンドラー: (dejected) Oh, well.... ([落胆して] ああ、そうか…)
フィービー: So you guys'll stay here and hang out with me? (それじゃあ、あなたたちはここにいて、私と時間を過ごす?)
チャンドラー: Yeeeeahhhh. (あーー、そうだね。)
ジョーイ: Yeah. Yeah. (ああ。ああ。)
チャンドラー: But I'll tell you something. One of these days we're gonna get off our butts and rent Die Hard again! (でも、言っとくけどさ。いつかそのうちに、再び俺たちは腰を上げて動き出し、ダイ・ハードを借りるぞ!)
ジョーイ: Yeah we are! (そうだ、そうするぞ!)
エベレスト登山のビデオを借りるために(レンタル)ビデオショップに行けば、そのついでに「ダイ・ハード」も借りられるじゃん!とジョーイは大喜びしています。
1988年の映画「ダイ・ハード」(原題:Die Hard)は日本でも有名ですよね。
最近の洋画の邦題は「カタカナでそのまんま」のものが多くて味気ない、という意見もありますが、そういうカタカナタイトルだと、今回のように英語のセリフ内で言及された場合、日本人でも「ああ、あの映画か」とわかる利点もありますよね。
Wikipedia 日本語版: ダイ・ハード
いかにも男子が好きそうな、アクション映画の代名詞で、実際、後のエピソード フレンズ7-6 でも、フレンズ男性陣がダイ・ハードのビデオを見るシーンが出てきます。その後、ダイ・ハードに関するセリフのやり取りもあります。
そのダイ・ハードの主役を演じるブルース・ウィリスは、フレンズ6-21,22,23 にゲスト出演します(そこでは一般人を演じています)。
フレンズではこのように、俳優(有名人)として認識されているはずの人物が、別人の(一般人の)役柄でゲスト出演する、ということが時々あります。
(ウィノナ・ライダーは、3-5, 3-24 で俳優として名前が言及されますが、7-20 では一般人を演じています。スーザン・サランドンも 3-5 で俳優として名前が挙げられますが、7-15 で別の名前の女優を演じています。)
ちなみに、die hard は「なかなか死なない」「(習慣・慣習・考え方などが)なかなかなくならない、容易に滅びない」という意味です。
ブルース・ウィリス演じるジョン・マクレーン刑事が「なかなか死なない」タフな奴、だからですね。(そういうキャッチコピーがあったような、なかったような…ちょっとうろ覚えです)
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
old habits/prejudices/customs etc. die hard :
used to say that it takes a long time to change to a new way of doing something
つまり、「古い習慣・偏見・慣習などが die hard 」という表現は、「新しいやり方に変わるのに長い時間がかかることを言うのに用いられる」ということ。
「昔からの古い習慣などは、いつまでも残っていて”なかなか死なない”」というニュアンスですね。
上にも書きましたが、映画のタイトルとして原題そのままの「ダイ・ハード」という言葉を知っている日本人は多いですよね。
英語を学びたいと思うのなら、そこからもう一歩進んで、その die hard という言葉の意味と、Old habits die hard. のような決まり文句とを一緒に覚えることで、英語の知識を増やしていけると思います。
「エンターテインメントなどの娯楽」と「語学学習」を別物と考えないこと、それが楽しく英語を学べるコツだと思っています。
エベレスト登山のビデオをレンタルしようとしたジョーイは、ある残念なことに気づきます。
そのビデオはレンタル屋さんで借りることはできず、only available through mail order だと言っていますね。
available は「入手できる」、つまり「販売されている」ということで、メールオーダー、つまり通信販売を通してのみ入手可能、通販でのみ購入できる、というニュアンスです。
こういう available は TOEIC によく登場しますね。
エベレストのビデオがレンタル店で借りられないことを知り、がっくりする二人。
結局、いつものように、セントラルパークで時を過ごすことになるのですが、チャンドラーは決意表明のように、「いつかダイ・ハードのビデオを借りるぞ!」と叫んでいます。
one of these days は「いつかそのうちに、近いうちに、近日中に」。
LAAD では、
one of these days : at some time in the future
例) One of these days I'm going to clean out the garage.
つまり、「未来のいつか」。例文は「いつかそのうちに、ガレージをきれいに掃除するつもりだ」
この例文も、今回のセリフと同じように、未来形の be going to が使われていますね。
one of がつかない these days の例文では、LAAD に以下の文章が載っています。
I don't have the time to do much exercise these days (= now, as opposed to in the past).
意味は「今は十分な運動をする時間がない」で、these days は「now の意味で、「過去に」と対照的な言葉である」と説明されています。
these days は「現在」で、one of these days は「未来」になるという違いが興味深いですね。
get off one's butt は「腰を上げる、(仕事に)取りかかる」。
今はこうして、セントラルパークでだらだら過ごしてるけど、いつかきっと、ここからすっくと立ち上がって、ビデオ店にダイ・ハードを借りに行くぞー!ということですが、よく考えてみると、そんなことはいつでもできちゃいそうな簡単なことですよね。
「エベレストに登るぞ!」→「死の危険があるから、ビデオを借りるだけにする」→「ついでにダイ・ハードも借りる」→「エベレストのビデオは通販のみで、レンタルできないことが判明」→「セントラルパークでいつものように過ごすしかない」→「でも、いつかそのうちに、ダイ・ハードのビデオを借りに行くぞ!」という流れですね。
エベレストに登ると言っていたのが、最終的に「ダイ・ハードのビデオを借りるぞ!」という話に変化してしまって、いつもの日常にスケールダウンしているにもかかわらず、それをエベレスト登山と同じような決意表明のように叫んでいる面白さ、なのでしょう。
それじゃあ、結局いつもとおんなじじゃん!というところで、それなら one of these days とか言ってないで、If you wanna rent Die Hard, just do it, now! とツッコミたくなる感じですね。
(おまけの話)
全くの余談ですが、今回の記事タイトルは、「なかなか死なないダイ・ハード」と書きたいところを「なかなか死なぬダイハード」にしました。
というのは、人気ブログランキングの新着記事のタイトルが12文字までしか表記されないので、何とかそれに全部入るように合わせたからです。
いつも12文字以内に収まるわけではありませんが、収まらない場合でも、最初の12文字で何とか記事の内容が伝わるように、いつもタイトルを考えています。
4月26日の日経新聞夕刊の「話題新書インフォメーション」で「ヤフー・トピックスの作り方」という話題の本が紹介されていました。
ヤフトピは「見出しが13文字」と決まっていて、その理由は「ひと目で内容を理解しやすい長さ」であること、また「(見出しを)13文字で抽出する、大変だけど面白い作業です」という著者のお話も載っていました。
私もいつも12文字を意識しながらタイトルを考えているので、その「13文字へのこだわり」には共感する部分が多くありました。
いざ文字にしてみると、12文字や13文字というのは、すっごく少ない文字数なんですよね。
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2010年04月26日
couldとwould フレンズ4-21その1
シーズン4 第21話
The One with the Invitation (ふたりの思い出、ロスとレイチェル)
原題は「招待状の話」
ロスは結婚、フィービーは出産、と、友達の人生にビッグな出来事が起きているのに、自分たちはただここセントラルパークで座ってるだけだ、と嘆くチャンドラーとジョーイ。
エベレストに登る人のビデオの広告を見た、と言うジョーイは、二人でエベレストに登ろう!と言い出します。
フィービーが入ってきて、
フィービー: What, what's up? (どうしたの?)
ジョーイ: We're gonna climb Mt. Everest. (俺たち、エベレスト(山)に登るんだ。)
チャンドラー: Yeah, baby! (そうさ、ベイビー!)
フィービー: Really? I looked into that. Yeah, but, I mean it costs like $60,000, and y'know, you could die. And you would die. (ほんとに? 私もそのこと(エベレストに登ること)を調べた[検討した]わ。そうなのよ、でも、6万ドルくらい費用がかかるし、ほら、死ぬ可能性もあるしね。そして、あなた(たち)なら(本当に)死んじゃうわ。)
チャンドラー: (dejected) Yeah, well.... ([落胆して] ああ、そうか…)
ジョーイ: We could get that Everest video, though. (でも、俺たちはそのエベレストのビデオをゲットすることはできるぞ。)
チャンドラー: Yeah, we could do that without, y'know, risking our lives at all. (そうだ、俺たちはそうすることが可能だ、ほら、自分たちの命を全く危険にさらすことなく。)
エベレストに登ろうと思ってるんだ、と話すジョーイたちに、フィービーは、I looked into that. と言っています。
look into は「…を詳しく調べる、検討する」。
まさに「その中に入り込んで見る」感覚ですね。
フィービーもかつて、エベレスト登山に興味を持ったことがあるらしく(笑)、それについていろいろ調べてみたんだけど、費用がものすごくかかるのよ、と言っています。
Wikipedia 日本語版: エベレスト に「登山料」という項目があり、金額が書いてありますが、そこでは最も安いルートで、25,000 ドルだとあります。
フィービーの言っている金額と少し違いますが、いずれにしても、かなりの高額の登山料を払わないと登れない、ということですね。
高額な費用の話をした後で、...and y'know, you could die. And you would die. とフィービーは言っています。
you could die の could は「可能性」。
世界最高峰の登山ですから、「死ぬ可能性がある」という話です。
ここでは「コストもかかるし、死ぬ可能性もある」という一般論を述べているので、you could die の you は「一般の人」を指すと考えられます。
そういう一般論を述べた後、And you would die. と言う時に、フィービーはチャンドラーの顔をまじまじと見て、その後、ジョーイの方も見ていますね。
一般論として「死ぬ可能性がある」という話をした後、「エベレストに登るぞ!」と張り切っているチャンドラーたちを見て、「そういう死の危険性のあるところに行ったら、あなた(たち)は多分死ぬでしょうね」と、今度は話者の「推量」を述べている、ということです。
登山家でもない素人で、登山を甘く見ているあなたたちなら、間違いなく死ぬわね、みたいな言い方です。
...you could die. And you would die. というセリフは、同じような内容を繰り返しているように見えますが、2つの you のニュアンスも異なりますし、could と would を使い分けていることで、そこに話者の考えが見えます。
「エベレスト登山では(人が)死ぬ可能性がある。そして(あなたたちの姿を見ていると)あなたたちなら死ぬだろうな、って思える」という厳しい指摘ですね。
「死の危険のある場所へ行ったら、あなたたちなら間違いなくその「死ぬ方の人間」になっちゃうわ。だからやめた方がいい」とやんわり忠告しているわけです。
それで、チャンドラーもがっかりしたように、Yeah, well.... と言っているのですね。
could を would と言い換えたことで生じるニュアンスの違いを楽しめるようになれば「いい感じ!」です。
英語を理解するためには、難しい単語をたくさん知っていることよりも、こういう could と would のニュアンスの違いを知っていることの方がずっと大切だと思います。
エベレスト登山は無理だと言われたジョーイですが、気を取り直して、「実際に登ることはできなくても、そのビデオを入手して見ることなら俺たちにもできる!」と言っています。
チャンドラーも、「ビデオを見るだけなら、死ぬ危険性もないもんな」とそれに賛同していますね。
「エベレストに登る」という壮大な話が、「ビデオを見る」といういつもと変わらぬ話にトーンダウンしている面白さを感じて下さい。
この後に続くやり取りについては、次回の「その2」で解説します。
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The One with the Invitation (ふたりの思い出、ロスとレイチェル)
原題は「招待状の話」
ロスは結婚、フィービーは出産、と、友達の人生にビッグな出来事が起きているのに、自分たちはただここセントラルパークで座ってるだけだ、と嘆くチャンドラーとジョーイ。
エベレストに登る人のビデオの広告を見た、と言うジョーイは、二人でエベレストに登ろう!と言い出します。
フィービーが入ってきて、
フィービー: What, what's up? (どうしたの?)
ジョーイ: We're gonna climb Mt. Everest. (俺たち、エベレスト(山)に登るんだ。)
チャンドラー: Yeah, baby! (そうさ、ベイビー!)
フィービー: Really? I looked into that. Yeah, but, I mean it costs like $60,000, and y'know, you could die. And you would die. (ほんとに? 私もそのこと(エベレストに登ること)を調べた[検討した]わ。そうなのよ、でも、6万ドルくらい費用がかかるし、ほら、死ぬ可能性もあるしね。そして、あなた(たち)なら(本当に)死んじゃうわ。)
チャンドラー: (dejected) Yeah, well.... ([落胆して] ああ、そうか…)
ジョーイ: We could get that Everest video, though. (でも、俺たちはそのエベレストのビデオをゲットすることはできるぞ。)
チャンドラー: Yeah, we could do that without, y'know, risking our lives at all. (そうだ、俺たちはそうすることが可能だ、ほら、自分たちの命を全く危険にさらすことなく。)
エベレストに登ろうと思ってるんだ、と話すジョーイたちに、フィービーは、I looked into that. と言っています。
look into は「…を詳しく調べる、検討する」。
まさに「その中に入り込んで見る」感覚ですね。
フィービーもかつて、エベレスト登山に興味を持ったことがあるらしく(笑)、それについていろいろ調べてみたんだけど、費用がものすごくかかるのよ、と言っています。
Wikipedia 日本語版: エベレスト に「登山料」という項目があり、金額が書いてありますが、そこでは最も安いルートで、25,000 ドルだとあります。
フィービーの言っている金額と少し違いますが、いずれにしても、かなりの高額の登山料を払わないと登れない、ということですね。
高額な費用の話をした後で、...and y'know, you could die. And you would die. とフィービーは言っています。
you could die の could は「可能性」。
世界最高峰の登山ですから、「死ぬ可能性がある」という話です。
ここでは「コストもかかるし、死ぬ可能性もある」という一般論を述べているので、you could die の you は「一般の人」を指すと考えられます。
そういう一般論を述べた後、And you would die. と言う時に、フィービーはチャンドラーの顔をまじまじと見て、その後、ジョーイの方も見ていますね。
一般論として「死ぬ可能性がある」という話をした後、「エベレストに登るぞ!」と張り切っているチャンドラーたちを見て、「そういう死の危険性のあるところに行ったら、あなた(たち)は多分死ぬでしょうね」と、今度は話者の「推量」を述べている、ということです。
登山家でもない素人で、登山を甘く見ているあなたたちなら、間違いなく死ぬわね、みたいな言い方です。
...you could die. And you would die. というセリフは、同じような内容を繰り返しているように見えますが、2つの you のニュアンスも異なりますし、could と would を使い分けていることで、そこに話者の考えが見えます。
「エベレスト登山では(人が)死ぬ可能性がある。そして(あなたたちの姿を見ていると)あなたたちなら死ぬだろうな、って思える」という厳しい指摘ですね。
「死の危険のある場所へ行ったら、あなたたちなら間違いなくその「死ぬ方の人間」になっちゃうわ。だからやめた方がいい」とやんわり忠告しているわけです。
それで、チャンドラーもがっかりしたように、Yeah, well.... と言っているのですね。
could を would と言い換えたことで生じるニュアンスの違いを楽しめるようになれば「いい感じ!」です。
英語を理解するためには、難しい単語をたくさん知っていることよりも、こういう could と would のニュアンスの違いを知っていることの方がずっと大切だと思います。
エベレスト登山は無理だと言われたジョーイですが、気を取り直して、「実際に登ることはできなくても、そのビデオを入手して見ることなら俺たちにもできる!」と言っています。
チャンドラーも、「ビデオを見るだけなら、死ぬ危険性もないもんな」とそれに賛同していますね。
「エベレストに登る」という壮大な話が、「ビデオを見る」といういつもと変わらぬ話にトーンダウンしている面白さを感じて下さい。
この後に続くやり取りについては、次回の「その2」で解説します。
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2010年04月23日
花婿は花嫁のドレスを見てはいけない フレンズ4-20その6
ロスとエミリーの結婚に焦ったレイチェルは、ジョシュアに対して「私たち、結婚するっていうのはどうかしら?」と言ってしまい、ジョシュアをビビらせてしまいます。
落ち込んだ時に元気を出すのはこれよ!ということで、女性陣3人がしたことは、ウェディングドレスを着ること!でした。
今回のエピソードでは、まずはモニカが、エミリーの代わりに受け取ったドレスを部屋で試しに着てみて、それを見たフィービーが妊婦用のレンタルドレスを借りてきて、最後のこのシーンで、レイチェルもがドレスを着ることになるのですね。
ドレスを着た状態で、いつものようにソファに座り、ポップコーンを食べながらテレビを見ている女性陣3人の姿に笑えます。
レイチェルのドレスは、フレンズ1-1 (パイロット版)で着ていたドレスのようですね。
クローゼットにしまってあったものを引っ張り出してきた、というところでしょう。
レイチェル: Y'know, I gotta tell ya, this really does put me in a better mood. (ねぇ、ちょっと言わせて。これ(こんな風にウェディングドレスを着ること)は、本当に気分が良くなるわ。)
モニカ: Oh, I wish there was a job where I could wear this all the time. (Pause) Maybe someday there will be. (あぁ、これをずっと着ることができるような仕事があればいいのに。[間があって] 多分、いつの日か、そういう仕事が存在することになるわ。)
(There's a knock on the door.)
ドアにノックの音。
モニカ: Oh God! That's Chanlder. He's gonna come by and borrow some candles for his big date. (まあ大変! あれはチャンドラーよ。彼が来て、大切なデートのためのキャンドルを借りることになってるの。)
レイチェル: Oh, okay! (She goes to answer the door.) (ああ、いいわ! [レイチェルは応対しようとドアへ行く])
モニカ: No-no, Rachel, don't get it! He'll see us! (だめだめ、レイチェル。出ちゃだめよ! チャンドラーが私たちの姿を見ちゃうわ!)
フィービー: No, yeah! The groom cannot see the bride. (だめ。そうよ! 花婿は花嫁を見ちゃいけないのよ。)
レイチェル: I'm not gonna marry Chandler! (私はチャンドラーと結婚するわけじゃないわ。)
フィービー: Not after this! (これを見た後は、結婚することにはならないわね。)
this really does put me in a better mood を直訳すると、「これ(ドレスを着ること)は、私を、本当に、より良い気分に置く」というような感じですね。
これを着たら、ずっと気分が良くなるわ、嫌なことや落ち込んだことを忘れちゃうわ、ということです。
I wish there was a job where I could wear this all the time. は、I wish の後に仮定法過去(過去形 was)が使われていて、「現在の事実に反する願望」が述べられています。
a job where I could wear this all the time の where は関係副詞で、「仕事(の中)で、このドレスをずっと着ることができる」ような、そういう仕事が(1つ)あればいいのに!という願いですね。
その後、there was という仮定法過去が、there will be という未来形に変化し、「いつか、そういう仕事が存在する時代が来るわ、いつかそういう仕事が存在するようになるわ」と言っています。
未来には、こんなきれいなドレスを着ながらできる仕事もきっとあるはずよ、と自分に言い聞かせている感じですね。
3人がドレス姿でくつろいでいる時に、ノックの音がします。
チャンドラーがキャンドルを借りに来る予定だったことを思い出したモニカ。
構わず応対しようとするレイチェルに、「今のこの状態で、応対しちゃだめよ、ドアを開けたら、チャンドラーが私たちのこのドレス姿を見ちゃうでしょ!」とモニカは注意しています。
それは当然、3人が揃ってドレスを着ているところを他人に見られたら恥ずかしいでしょ!ということですね。
「君ら、そんな格好で何やってんの?」と笑われたり、ジョークのネタにされたり、他のフレンズたちに言いふらされたりしかねないので、それを心配して、「そんな姿のままで出ちゃだめよ」と言っているわけです。
ですが、「彼が私たちの姿を見ることになる」というセリフを、フィービーは別の意味に理解したようですね。
「モニカの言う通りよ、だって花婿は花嫁のドレス姿を見ちゃいけないもの」とフィービーは言っています。
日本では特にそういう風習(?)はないように思いますが、アメリカでは、結婚式当日まで、花婿は花嫁のドレス姿を見てはいけない、という決まりのようなものがある…のでしょうか?
今回のエピソードの最初の方で、「エミリーはロンドンでウェディングドレスを見つけた。でも、サイズが合わなくて、彼女のサイズに合うものがアメリカの店にあることがわかった」とロスが説明した後、
ロス: But I'm the groom, I'm not supposed to see the dress-- (でも、僕は花婿だろ。僕はそのドレスを見ちゃいけないことになってるから…)
モニカ: I'll pick it up for you. (私がロスのために[ロスの代わりに]そのドレスを受け取りに行くわ。)
というやり取りもありました。
ロスが結婚式当日の感動をとっておくために、「僕は花嫁のドレス姿を(式の前に)見たくないんだ」という個人的な希望を述べるのであれば、I don't wanna see the dress-- のようなセリフになるだろうと思います。
ですが、上のセリフでは、「花婿は花嫁のドレスを見てはいけないことになっている」と be not supposed to が使われていることと、そのロスのセリフが自然に受け止められていることからも、それがアメリカでの一般的な感覚だと考えられると思います。
フィービーが「だって花婿は花嫁のドレスを見ちゃいけないもの!」というのを聞いてレイチェルは、「私は別にチャンドラーと結婚するわけじゃない」と言っています。
チャンドラーが花婿じゃないから、花婿と花嫁の話はここでは関係ないでしょ、というところですね。
それを聞いたフィービーは、Not after this! と言っています。
これは省略されている部分を補うとすると、You're not gonna marry Chandler after this! になるでしょう。
after this というのは、「3人が揃ってドレスを着ているこんな姿を見た後」ということでしょうね。
「私はチャンドラーと結婚しないわ」というレイチェルのセリフを受けて、「ええ、そうでしょうね。例え、結婚する予定だったとしても、この3人の姿を見た後では、結婚することにはならないわ」と言っているのだと思います。
私たちのこの姿を見たら、唖然として、あきれてしまって、ドン引きして、相手はとても結婚する気にはなれないでしょうね、ということでしょう。
Not after this! は「(そりゃあ)この後では(結婚)しない」というニュアンスになるでしょう。
「姿を見せちゃだめ」→「そうよ、花婿は花嫁のドレスを見ちゃいけない」→「チャンドラーは私と結婚しない」→「そりゃこの姿を見たら、(チャンドラーとあなたは)結婚しないでしょうね」という、トンチンカンながらも「ああ言えばこう言う」的フィービーの返しの面白さを感じていただけたら、と思います。
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落ち込んだ時に元気を出すのはこれよ!ということで、女性陣3人がしたことは、ウェディングドレスを着ること!でした。
今回のエピソードでは、まずはモニカが、エミリーの代わりに受け取ったドレスを部屋で試しに着てみて、それを見たフィービーが妊婦用のレンタルドレスを借りてきて、最後のこのシーンで、レイチェルもがドレスを着ることになるのですね。
ドレスを着た状態で、いつものようにソファに座り、ポップコーンを食べながらテレビを見ている女性陣3人の姿に笑えます。
レイチェルのドレスは、フレンズ1-1 (パイロット版)で着ていたドレスのようですね。
クローゼットにしまってあったものを引っ張り出してきた、というところでしょう。
レイチェル: Y'know, I gotta tell ya, this really does put me in a better mood. (ねぇ、ちょっと言わせて。これ(こんな風にウェディングドレスを着ること)は、本当に気分が良くなるわ。)
モニカ: Oh, I wish there was a job where I could wear this all the time. (Pause) Maybe someday there will be. (あぁ、これをずっと着ることができるような仕事があればいいのに。[間があって] 多分、いつの日か、そういう仕事が存在することになるわ。)
(There's a knock on the door.)
ドアにノックの音。
モニカ: Oh God! That's Chanlder. He's gonna come by and borrow some candles for his big date. (まあ大変! あれはチャンドラーよ。彼が来て、大切なデートのためのキャンドルを借りることになってるの。)
レイチェル: Oh, okay! (She goes to answer the door.) (ああ、いいわ! [レイチェルは応対しようとドアへ行く])
モニカ: No-no, Rachel, don't get it! He'll see us! (だめだめ、レイチェル。出ちゃだめよ! チャンドラーが私たちの姿を見ちゃうわ!)
フィービー: No, yeah! The groom cannot see the bride. (だめ。そうよ! 花婿は花嫁を見ちゃいけないのよ。)
レイチェル: I'm not gonna marry Chandler! (私はチャンドラーと結婚するわけじゃないわ。)
フィービー: Not after this! (これを見た後は、結婚することにはならないわね。)
this really does put me in a better mood を直訳すると、「これ(ドレスを着ること)は、私を、本当に、より良い気分に置く」というような感じですね。
これを着たら、ずっと気分が良くなるわ、嫌なことや落ち込んだことを忘れちゃうわ、ということです。
I wish there was a job where I could wear this all the time. は、I wish の後に仮定法過去(過去形 was)が使われていて、「現在の事実に反する願望」が述べられています。
a job where I could wear this all the time の where は関係副詞で、「仕事(の中)で、このドレスをずっと着ることができる」ような、そういう仕事が(1つ)あればいいのに!という願いですね。
その後、there was という仮定法過去が、there will be という未来形に変化し、「いつか、そういう仕事が存在する時代が来るわ、いつかそういう仕事が存在するようになるわ」と言っています。
未来には、こんなきれいなドレスを着ながらできる仕事もきっとあるはずよ、と自分に言い聞かせている感じですね。
3人がドレス姿でくつろいでいる時に、ノックの音がします。
チャンドラーがキャンドルを借りに来る予定だったことを思い出したモニカ。
構わず応対しようとするレイチェルに、「今のこの状態で、応対しちゃだめよ、ドアを開けたら、チャンドラーが私たちのこのドレス姿を見ちゃうでしょ!」とモニカは注意しています。
それは当然、3人が揃ってドレスを着ているところを他人に見られたら恥ずかしいでしょ!ということですね。
「君ら、そんな格好で何やってんの?」と笑われたり、ジョークのネタにされたり、他のフレンズたちに言いふらされたりしかねないので、それを心配して、「そんな姿のままで出ちゃだめよ」と言っているわけです。
ですが、「彼が私たちの姿を見ることになる」というセリフを、フィービーは別の意味に理解したようですね。
「モニカの言う通りよ、だって花婿は花嫁のドレス姿を見ちゃいけないもの」とフィービーは言っています。
日本では特にそういう風習(?)はないように思いますが、アメリカでは、結婚式当日まで、花婿は花嫁のドレス姿を見てはいけない、という決まりのようなものがある…のでしょうか?
今回のエピソードの最初の方で、「エミリーはロンドンでウェディングドレスを見つけた。でも、サイズが合わなくて、彼女のサイズに合うものがアメリカの店にあることがわかった」とロスが説明した後、
ロス: But I'm the groom, I'm not supposed to see the dress-- (でも、僕は花婿だろ。僕はそのドレスを見ちゃいけないことになってるから…)
モニカ: I'll pick it up for you. (私がロスのために[ロスの代わりに]そのドレスを受け取りに行くわ。)
というやり取りもありました。
ロスが結婚式当日の感動をとっておくために、「僕は花嫁のドレス姿を(式の前に)見たくないんだ」という個人的な希望を述べるのであれば、I don't wanna see the dress-- のようなセリフになるだろうと思います。
ですが、上のセリフでは、「花婿は花嫁のドレスを見てはいけないことになっている」と be not supposed to が使われていることと、そのロスのセリフが自然に受け止められていることからも、それがアメリカでの一般的な感覚だと考えられると思います。
フィービーが「だって花婿は花嫁のドレスを見ちゃいけないもの!」というのを聞いてレイチェルは、「私は別にチャンドラーと結婚するわけじゃない」と言っています。
チャンドラーが花婿じゃないから、花婿と花嫁の話はここでは関係ないでしょ、というところですね。
それを聞いたフィービーは、Not after this! と言っています。
これは省略されている部分を補うとすると、You're not gonna marry Chandler after this! になるでしょう。
after this というのは、「3人が揃ってドレスを着ているこんな姿を見た後」ということでしょうね。
「私はチャンドラーと結婚しないわ」というレイチェルのセリフを受けて、「ええ、そうでしょうね。例え、結婚する予定だったとしても、この3人の姿を見た後では、結婚することにはならないわ」と言っているのだと思います。
私たちのこの姿を見たら、唖然として、あきれてしまって、ドン引きして、相手はとても結婚する気にはなれないでしょうね、ということでしょう。
Not after this! は「(そりゃあ)この後では(結婚)しない」というニュアンスになるでしょう。
「姿を見せちゃだめ」→「そうよ、花婿は花嫁のドレスを見ちゃいけない」→「チャンドラーは私と結婚しない」→「そりゃこの姿を見たら、(チャンドラーとあなたは)結婚しないでしょうね」という、トンチンカンながらも「ああ言えばこう言う」的フィービーの返しの面白さを感じていただけたら、と思います。
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2010年04月21日
どうしてそんなことが起こったの フレンズ4-20その5
セントラルパーク。睡眠クリニックから帰ってきたチャンドラー。
モニカ: So, is Joey gonna stop snoring? (それで、ジョーイのいびきは止まりそう?)
チャンドラー: Yep! And a beautiful woman agreed to go out with me. (They're stunned.) Joey wanted to ask her out, but uh, you know, she picked me. (ああ! そして、きれいな女性が、俺とのデートをオッケーしてくれた。[みんなはびっくりする] ジョーイが彼女をデートに誘いたかったんだけど、でも、ほら、彼女は俺を選んだんだ。)
フィービー: Oh, how'd that happen? (まあ、どうしてそんなことが起こったの?)
チャンドラー: Because I'm cooler. (なぜって、俺の方がかっこいいからさ。)
モニカ: No, seriously. (違うわ、マジで聞いてるのよ。)
チャンドラー: She's, she's the kinda girl..... Joey was unconscious. (彼女は…。ジョーイの意識がなかったんだよ。)
Is Joey gonna stop snoring? は、is gonna = is going to が使われていますから、もうすでにいびきをかかなくなったかどうか、ではなく、クリニックでの診察と治療の結果、今晩からもういびきはかかないかしら、今夜からジョーイはいびきをかかないで眠れそう?みたいに尋ねている感覚ですね。
それを肯定したチャンドラーは、その後、おまけの情報として、美人が自分とのデートに同意してくれた、オッケーしてくれた、という自慢話をします。
ジョーイがそばにいて、彼も彼女を狙ってたのに、それでも彼女は俺を選んだんだぜ!という自慢ですね。
次のフィービーの質問 How'd that happen? は、How did that happen? で、「どうして・どのようにして、そんなこと(美女がジョーイじゃなくてチャンドラーを選んだこと)が起こったの?」という意味。
失礼な質問をされたので、チャンドラーは「何て失礼な…」みたいな顔をしています。
それで、「俺の方がジョーイよりかっこいいから、というのが理由だよ」と説明するのですが、今度はモニカに、No, seriously. と言われてしまいます。
seriously は、「真面目に、冗談抜きに」ですから、そんな冗談言ってないで、真面目に答えてよ、こっちは本当の理由を知りたいんだから、ということですね。
「なんでそんなことが」「冗談抜きで答えて」と言われたチャンドラーは、彼女は…と何か説明しようとしますが、フィービーとモニカを欺くことはできず、結局、「ジョーイは意識が朦朧(もうろう)としてたから」と本当の理由を告げることになります。
前回、フレンズ4-20その4 で説明したように、寝不足だったジョーイは、いつもの調子で女性を口説くことができなかった、ジョーイと一緒にいたけど、ジョーイはいないも同然だったから、ということですね。
それを聞いて、「なるほどー、そういうわけねー」と納得したような女性たちにも笑えます。
チャンドラーは得意気に話しているのに、フィービーとモニカは何か裏があるはず、と思っている、そしてついにはチャンドラーが本当のことを白状することになる…という会話の流れを感じ取っていただければ、と思います。
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チャンドラー: Yep! And a beautiful woman agreed to go out with me. (They're stunned.) Joey wanted to ask her out, but uh, you know, she picked me. (ああ! そして、きれいな女性が、俺とのデートをオッケーしてくれた。[みんなはびっくりする] ジョーイが彼女をデートに誘いたかったんだけど、でも、ほら、彼女は俺を選んだんだ。)
フィービー: Oh, how'd that happen? (まあ、どうしてそんなことが起こったの?)
チャンドラー: Because I'm cooler. (なぜって、俺の方がかっこいいからさ。)
モニカ: No, seriously. (違うわ、マジで聞いてるのよ。)
チャンドラー: She's, she's the kinda girl..... Joey was unconscious. (彼女は…。ジョーイの意識がなかったんだよ。)
Is Joey gonna stop snoring? は、is gonna = is going to が使われていますから、もうすでにいびきをかかなくなったかどうか、ではなく、クリニックでの診察と治療の結果、今晩からもういびきはかかないかしら、今夜からジョーイはいびきをかかないで眠れそう?みたいに尋ねている感覚ですね。
それを肯定したチャンドラーは、その後、おまけの情報として、美人が自分とのデートに同意してくれた、オッケーしてくれた、という自慢話をします。
ジョーイがそばにいて、彼も彼女を狙ってたのに、それでも彼女は俺を選んだんだぜ!という自慢ですね。
次のフィービーの質問 How'd that happen? は、How did that happen? で、「どうして・どのようにして、そんなこと(美女がジョーイじゃなくてチャンドラーを選んだこと)が起こったの?」という意味。
失礼な質問をされたので、チャンドラーは「何て失礼な…」みたいな顔をしています。
それで、「俺の方がジョーイよりかっこいいから、というのが理由だよ」と説明するのですが、今度はモニカに、No, seriously. と言われてしまいます。
seriously は、「真面目に、冗談抜きに」ですから、そんな冗談言ってないで、真面目に答えてよ、こっちは本当の理由を知りたいんだから、ということですね。
「なんでそんなことが」「冗談抜きで答えて」と言われたチャンドラーは、彼女は…と何か説明しようとしますが、フィービーとモニカを欺くことはできず、結局、「ジョーイは意識が朦朧(もうろう)としてたから」と本当の理由を告げることになります。
前回、フレンズ4-20その4 で説明したように、寝不足だったジョーイは、いつもの調子で女性を口説くことができなかった、ジョーイと一緒にいたけど、ジョーイはいないも同然だったから、ということですね。
それを聞いて、「なるほどー、そういうわけねー」と納得したような女性たちにも笑えます。
チャンドラーは得意気に話しているのに、フィービーとモニカは何か裏があるはず、と思っている、そしてついにはチャンドラーが本当のことを白状することになる…という会話の流れを感じ取っていただければ、と思います。
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2010年04月19日
寝言を言う癖がある フレンズ4-20その4
ジョーイはいびきがひどいので、その治療のために、睡眠クリニックにチャンドラーとやってきました。
が、検査のために前日寝てはいけないと言われたジョーイは、眠気に耐えられず、待合室で居眠りしています。
きれいな女性が待合室に入ってきたのを見て、
チャンドラー: Check out that girl. She's really hot. (あの子を見てみろよ。彼女は、すごくセクシーだぜ。)
ジョーイ: (sleepily) Yeah, she is. Wow. (Falls back asleep, loudly) How you doin'? (Chandler wakes him up, again.) ([眠そうに] ああ、そうだね。ワオ。[再び眠りに落ちて、大きな声で] 調子はどーお? [チャンドラーはまたジョーイを起こす])
ジョーイ: What? (何?)
チャンドラー: You're coming on to the entire room. (He goes over to pick up a stack of magazines next to her, and to get her attention, he throws them back down.) I'm Chandler. (お前は、この部屋全体を口説いてるんだぞ。[チャンドラーはその美女の隣の雑誌を取りに行く。そして、彼女の注意を引くために、(取った)雑誌を下に(ドサッと)投げる] 俺はチャンドラー。)
女性: I'm Marjorie. (私はマージョリー。)
チャンドラー: Hi. (はーい。)
マージョリー: Hi. (はーい。)
チャンドラー: You mind if I sit? (俺が(ここに)座っても構わない?)
マージョリー: No, please. (構わないわ、どうぞ。)
(He sits down next to her.)
チャンドラーは彼女の隣に座る。
チャンドラー: So uh, what are you in for? (それで、あの、君は何の治療を受けるの?)
マージョリー: I talk in my sleep. (私は寝ながら話す[寝言を言う]のよ。)
チャンドラー: What a coincidence! I listen in my sleep. (奇遇だね! 俺は寝ながら聞く[寝言を聞く]んだ。)
いつもなら美人に興味津々のジョーイですが、今回は睡眠不足のため、チャンドラーに美女がいるぞと言われても、それを寝ぼけながら聞いています。
が、半分眠った状態ながらも、いつもの口説き文句 How you doin'? を使って、彼女に声をかけるところがまたジョーイらしいですね。
How you doin'? については、ジョーイのナンパのセリフ フレンズ4-13その5 でも説明しています。
女性を口説く場合は、普通、相手の女性の目を見て言うものですが、今回のジョーイは眠っていて目は閉じたまま。
そんな状態で、かなり大きな声で How you doin'? と言ったため、部屋中にその声が響いてしまいました。
それでチャンドラーは、「目を閉じたまま大声でそんなことを言うと、誰に対して言っているのかわからなくて、この部屋にいる人全員に声をかけてるみたいだぞ」と言っているのですね。
come on to を直訳すると、「…のところに来る、近づく」ということで、恋愛関係の意味では「(異性を)口説く、誘いをかける」という意味になります。
いつもはプレイボーイのジョーイがそんな状態でまともに口説けないので、チャンスと思ったのか(笑)、チャンドラーは彼女に近づき、声をかけます。
You mind if I sit? は、Do you mind if I sit? ということ。
この場合の動詞の mind は「…を気にする、構う、嫌と思う」という意味ですね。
Do you mind if I sit? を直訳すると、「もし僕が座ったら、あなたは嫌だと思いますか?」ということで、つまりは「僕が座っても構わないですか?、座ってもいいですか?」と相手の意向を丁寧に尋ねる疑問文になります。
Do you mind if...? に対しては、Yes. と答えてしまうと「気にする、嫌である」ということになる(sit の場合だと、「座って欲しくない」という意味になる)ので、No. などの否定で答えないといけない…というのは、学校英語にもよく登場した事柄です。
やはりここでもマージョリーは、No, please. と No を使って答えていることをよく確認しておきましょう。
クリニックに通っている理由を聞かれて、マージョリーは、I talk in my sleep. と答えています。
in one's sleep を直訳すると「自分の睡眠中に」ということですが、「眠りながら」というニュアンスですね。
talk in one's sleep だと「眠りながら話す、しゃべる」ですから、「寝言を言う」という意味になります。
ここでは現在形が使われているので、その人の習慣・習性を表します。
「私、寝言を言う癖があるの」という感覚です。
それに返すチャンドラーのセリフが面白いですね。
「へえ、奇遇だね。君は寝ながらしゃべるのか。僕は寝ながら(人を話を)聞く癖があるんだよ」ということ。
「二人とも寝ながら、君はしゃべって、僕がその話を聞く。僕たち、いいコンビになれそうだね」と口説いているわけですね。
話を合わせようとした場合、普通、頭に浮かぶのは、「へえ、奇遇だね。僕も寝言を言うんだよ!」と相手と全く同じ癖が自分にもあることを言うパターンでしょうか。。
チャンドラーの場合は、「相手が話すなら、僕はそれを聞く」と、二人がうまい組み合わせになるように話を持っていっているわけで、とっさにそういうことを言って返すのが、チャンドラーらしいな、と思いました。
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きれいな女性が待合室に入ってきたのを見て、
チャンドラー: Check out that girl. She's really hot. (あの子を見てみろよ。彼女は、すごくセクシーだぜ。)
ジョーイ: (sleepily) Yeah, she is. Wow. (Falls back asleep, loudly) How you doin'? (Chandler wakes him up, again.) ([眠そうに] ああ、そうだね。ワオ。[再び眠りに落ちて、大きな声で] 調子はどーお? [チャンドラーはまたジョーイを起こす])
ジョーイ: What? (何?)
チャンドラー: You're coming on to the entire room. (He goes over to pick up a stack of magazines next to her, and to get her attention, he throws them back down.) I'm Chandler. (お前は、この部屋全体を口説いてるんだぞ。[チャンドラーはその美女の隣の雑誌を取りに行く。そして、彼女の注意を引くために、(取った)雑誌を下に(ドサッと)投げる] 俺はチャンドラー。)
女性: I'm Marjorie. (私はマージョリー。)
チャンドラー: Hi. (はーい。)
マージョリー: Hi. (はーい。)
チャンドラー: You mind if I sit? (俺が(ここに)座っても構わない?)
マージョリー: No, please. (構わないわ、どうぞ。)
(He sits down next to her.)
チャンドラーは彼女の隣に座る。
チャンドラー: So uh, what are you in for? (それで、あの、君は何の治療を受けるの?)
マージョリー: I talk in my sleep. (私は寝ながら話す[寝言を言う]のよ。)
チャンドラー: What a coincidence! I listen in my sleep. (奇遇だね! 俺は寝ながら聞く[寝言を聞く]んだ。)
いつもなら美人に興味津々のジョーイですが、今回は睡眠不足のため、チャンドラーに美女がいるぞと言われても、それを寝ぼけながら聞いています。
が、半分眠った状態ながらも、いつもの口説き文句 How you doin'? を使って、彼女に声をかけるところがまたジョーイらしいですね。
How you doin'? については、ジョーイのナンパのセリフ フレンズ4-13その5 でも説明しています。
女性を口説く場合は、普通、相手の女性の目を見て言うものですが、今回のジョーイは眠っていて目は閉じたまま。
そんな状態で、かなり大きな声で How you doin'? と言ったため、部屋中にその声が響いてしまいました。
それでチャンドラーは、「目を閉じたまま大声でそんなことを言うと、誰に対して言っているのかわからなくて、この部屋にいる人全員に声をかけてるみたいだぞ」と言っているのですね。
come on to を直訳すると、「…のところに来る、近づく」ということで、恋愛関係の意味では「(異性を)口説く、誘いをかける」という意味になります。
いつもはプレイボーイのジョーイがそんな状態でまともに口説けないので、チャンスと思ったのか(笑)、チャンドラーは彼女に近づき、声をかけます。
You mind if I sit? は、Do you mind if I sit? ということ。
この場合の動詞の mind は「…を気にする、構う、嫌と思う」という意味ですね。
Do you mind if I sit? を直訳すると、「もし僕が座ったら、あなたは嫌だと思いますか?」ということで、つまりは「僕が座っても構わないですか?、座ってもいいですか?」と相手の意向を丁寧に尋ねる疑問文になります。
Do you mind if...? に対しては、Yes. と答えてしまうと「気にする、嫌である」ということになる(sit の場合だと、「座って欲しくない」という意味になる)ので、No. などの否定で答えないといけない…というのは、学校英語にもよく登場した事柄です。
やはりここでもマージョリーは、No, please. と No を使って答えていることをよく確認しておきましょう。
クリニックに通っている理由を聞かれて、マージョリーは、I talk in my sleep. と答えています。
in one's sleep を直訳すると「自分の睡眠中に」ということですが、「眠りながら」というニュアンスですね。
talk in one's sleep だと「眠りながら話す、しゃべる」ですから、「寝言を言う」という意味になります。
ここでは現在形が使われているので、その人の習慣・習性を表します。
「私、寝言を言う癖があるの」という感覚です。
それに返すチャンドラーのセリフが面白いですね。
「へえ、奇遇だね。君は寝ながらしゃべるのか。僕は寝ながら(人を話を)聞く癖があるんだよ」ということ。
「二人とも寝ながら、君はしゃべって、僕がその話を聞く。僕たち、いいコンビになれそうだね」と口説いているわけですね。
話を合わせようとした場合、普通、頭に浮かぶのは、「へえ、奇遇だね。僕も寝言を言うんだよ!」と相手と全く同じ癖が自分にもあることを言うパターンでしょうか。。
チャンドラーの場合は、「相手が話すなら、僕はそれを聞く」と、二人がうまい組み合わせになるように話を持っていっているわけで、とっさにそういうことを言って返すのが、チャンドラーらしいな、と思いました。
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2010年04月16日
取り置きしてあるドレス フレンズ4-20その3
花婿であるロスに頼まれて、モニカとフィービーは、エミリーの代わりにウェディングドレスを受け取るため、ブライダルショップにやってきます。
モニカ: Oh my God! Ohh! Look at this one! It's so beautiful. (まあ、すごいわ! わぁ! これ見て! とってもきれいね!)
フィービー: Yeah, y'know, about half of these are gonna end up getting divorced. (ええ。ねぇ、このうちの約半分は、結局離婚することになるのよね。)
女性販売員(The Saleslady): May I help you ladies? (いらっしゃいませ。)
モニカ: Oh, yes, umm, I'm here to pick up a dress that you have on hold. (ああ、はい。えーっと、取り置きしてもらっているドレスを取りに来たんです。)
販売員: Yes, what's the name, please? (はい。お名前は?)
モニカ: Emily Waltham. (エミリー・ウォルサム。)
販売員: Oh, yes! I have it right here. (Phoebe and Monica both gasp at the dress.) Would you like to try it on, Miss Waltham? (ああ、わかりました! ちょうどここにありますわ。 [フィービーとモニカは二人とも、そのドレスに息を呑む] ご試着なさいますか、ウォルサム様?)
モニカ: (laughs) Okay. ([笑って] そうね。)
[Time lapse. Monica is wearing the dress and starring at herself in the mirror.]
時間が経過。モニカはその(エミリーの)ドレスを着て、鏡に映った自分自身を見つめている。
フィービー: You're the most beautiful bride I've ever seen. (今まで見た中で最高に美しい花嫁よ。)
モニカ: I am, aren't I? (私、きれいよね?)
販売員: Miss Waltham? (ウォルサム様?)
モニカ: Yes? (はい?)
販売員: We're closing. (間もなく閉店です。)
モニカ: All right. (Goes to take off the dress.) (わかったわ。[ドレスを脱ぎに行く])
販売員: And could I get my ring back? (それに、私の指輪をお返しいただけますか?)
(She disgustedly takes the ring off and gives it back.)
彼女(モニカ)は、むかついたように指輪を取り、それを(販売員に)返す。
ブライダルショップには、きれいなウェディングドレスがいっぱい。
その美しさに感動しているモニカの横で、「こんなきれいなドレスを着ても、そのうちの半分は、離婚することになっちゃうのよね」などと、興醒めなセリフを述べるフィービーが何とも辛辣です。
on hold は「保留の状態で」という意味なので、a dress that you have on hold は「あなたがた(の店)がとっておいてくれているドレス、取り置きしてくれているドレス」ですね。
他の人の手に渡ってしまわないように、店側で預かってくれている、という感覚です。
モニカはエミリーの名前を言い、販売員はすぐさま受付後ろに確保していたドレスを持ってきます。
販売員は、モニカを花嫁のエミリー本人だと勘違いして、試着なさいますか?と尋ねます。
間違えているのがわかって、うふふふ…と笑っていたモニカですが、急に真顔になって、Okay. と試着を承諾するのに笑ってしまいますね。
その後、すぐに、鏡に映った自分のウェディングドレス姿にうっとりしているモニカに画面がカットします。
その横で、ティッシュで涙を拭きながら(アメリカ人はハンカチではなく、ティッシュで涙を拭きますね)、今まで見た中で最高にきれいな花嫁よ、とフィービーは感動しています。
人のドレスを着てうっとりしているモニカも楽しいですが、その横で、娘の挙式に感動している母親のようになっているフィービーの姿にも笑ってしまいます。
I am, aren't I? は、1人称の付加疑問文。
文法書などに、1人称の付加疑問は、amn't I とかではなく、aren't I になる、などと書いてありますが、このセリフを見ると、その文法書の説明どおりであることが確認できますね。
ドレス姿にうっとりしている二人の傍に販売員がやってきて、We're closing. と告げます。
このような自動詞の close は「(店などが)閉店する」という意味。
我々の店はもうじき閉店になります、もうすぐ閉店の時間です、ということで、モニカたちが何時ごろこの店に来たのかははっきりとはわかりませんが、とにかく店が閉店になる時間まで、ドレスを試着したまま、鏡を見つめていた、ということがわかる仕組みです。
おまけに指輪を返すようにも言われるモニカ。
よくドレスの試着では、アクセサリーも借りることができたりしますが、それを返さずに去ろうとしたので、販売員に注意されてしまったのですね。
my ring と言っていることから、販売員の私物だったと思われます。
ちょっと鏡で確認するつもりで気軽に貸したのに、長い間返してもらえなくて販売員もムッとした、ということなのでしょう。
今回の一連のセリフは、あまり難しすぎない表現を使いながらも、そのテンポや間(ま)の良さで笑わせてくれる、という感じです。
マニアックなサブカルネタで笑うのは難しいですが、まずは今回のようなやり取りを英語で聞いて笑えるようになることが、自分の英語力に自信をつける一歩になるのでは?と思っています。
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モニカ: Oh my God! Ohh! Look at this one! It's so beautiful. (まあ、すごいわ! わぁ! これ見て! とってもきれいね!)
フィービー: Yeah, y'know, about half of these are gonna end up getting divorced. (ええ。ねぇ、このうちの約半分は、結局離婚することになるのよね。)
女性販売員(The Saleslady): May I help you ladies? (いらっしゃいませ。)
モニカ: Oh, yes, umm, I'm here to pick up a dress that you have on hold. (ああ、はい。えーっと、取り置きしてもらっているドレスを取りに来たんです。)
販売員: Yes, what's the name, please? (はい。お名前は?)
モニカ: Emily Waltham. (エミリー・ウォルサム。)
販売員: Oh, yes! I have it right here. (Phoebe and Monica both gasp at the dress.) Would you like to try it on, Miss Waltham? (ああ、わかりました! ちょうどここにありますわ。 [フィービーとモニカは二人とも、そのドレスに息を呑む] ご試着なさいますか、ウォルサム様?)
モニカ: (laughs) Okay. ([笑って] そうね。)
[Time lapse. Monica is wearing the dress and starring at herself in the mirror.]
時間が経過。モニカはその(エミリーの)ドレスを着て、鏡に映った自分自身を見つめている。
フィービー: You're the most beautiful bride I've ever seen. (今まで見た中で最高に美しい花嫁よ。)
モニカ: I am, aren't I? (私、きれいよね?)
販売員: Miss Waltham? (ウォルサム様?)
モニカ: Yes? (はい?)
販売員: We're closing. (間もなく閉店です。)
モニカ: All right. (Goes to take off the dress.) (わかったわ。[ドレスを脱ぎに行く])
販売員: And could I get my ring back? (それに、私の指輪をお返しいただけますか?)
(She disgustedly takes the ring off and gives it back.)
彼女(モニカ)は、むかついたように指輪を取り、それを(販売員に)返す。
ブライダルショップには、きれいなウェディングドレスがいっぱい。
その美しさに感動しているモニカの横で、「こんなきれいなドレスを着ても、そのうちの半分は、離婚することになっちゃうのよね」などと、興醒めなセリフを述べるフィービーが何とも辛辣です。
on hold は「保留の状態で」という意味なので、a dress that you have on hold は「あなたがた(の店)がとっておいてくれているドレス、取り置きしてくれているドレス」ですね。
他の人の手に渡ってしまわないように、店側で預かってくれている、という感覚です。
モニカはエミリーの名前を言い、販売員はすぐさま受付後ろに確保していたドレスを持ってきます。
販売員は、モニカを花嫁のエミリー本人だと勘違いして、試着なさいますか?と尋ねます。
間違えているのがわかって、うふふふ…と笑っていたモニカですが、急に真顔になって、Okay. と試着を承諾するのに笑ってしまいますね。
その後、すぐに、鏡に映った自分のウェディングドレス姿にうっとりしているモニカに画面がカットします。
その横で、ティッシュで涙を拭きながら(アメリカ人はハンカチではなく、ティッシュで涙を拭きますね)、今まで見た中で最高にきれいな花嫁よ、とフィービーは感動しています。
人のドレスを着てうっとりしているモニカも楽しいですが、その横で、娘の挙式に感動している母親のようになっているフィービーの姿にも笑ってしまいます。
I am, aren't I? は、1人称の付加疑問文。
文法書などに、1人称の付加疑問は、amn't I とかではなく、aren't I になる、などと書いてありますが、このセリフを見ると、その文法書の説明どおりであることが確認できますね。
ドレス姿にうっとりしている二人の傍に販売員がやってきて、We're closing. と告げます。
このような自動詞の close は「(店などが)閉店する」という意味。
我々の店はもうじき閉店になります、もうすぐ閉店の時間です、ということで、モニカたちが何時ごろこの店に来たのかははっきりとはわかりませんが、とにかく店が閉店になる時間まで、ドレスを試着したまま、鏡を見つめていた、ということがわかる仕組みです。
おまけに指輪を返すようにも言われるモニカ。
よくドレスの試着では、アクセサリーも借りることができたりしますが、それを返さずに去ろうとしたので、販売員に注意されてしまったのですね。
my ring と言っていることから、販売員の私物だったと思われます。
ちょっと鏡で確認するつもりで気軽に貸したのに、長い間返してもらえなくて販売員もムッとした、ということなのでしょう。
今回の一連のセリフは、あまり難しすぎない表現を使いながらも、そのテンポや間(ま)の良さで笑わせてくれる、という感じです。
マニアックなサブカルネタで笑うのは難しいですが、まずは今回のようなやり取りを英語で聞いて笑えるようになることが、自分の英語力に自信をつける一歩になるのでは?と思っています。
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2010年04月14日
シンクに皿が放置されたままでも フレンズ4-20その2
前回のエピソードで、ロスとエミリーは結婚することを決めました。
フレンズたちにもそれをすでに発表しています。
フィービー: I still cannot believe you're engaged. (Ross looks at her) Just 'cause its happening so fast. Not 'cause you're such a loser. (ロスが婚約したなんて、まだ信じられないわ。[ロスはフィービーを見る] ものすごく早く(結婚話が)進行しているからってだけよ。ロスはそんなに負け犬なのに、って理由じゃないわ。)
ロス: Oh. Thanks. Uh, has anyone seen, um, Rach? (ああ、ありがと。あのー、誰かレイチェルを見た?)
モニカ: Ugh, she's upstairs not doing the dishes. And I tell ya something. You know, I'm not doing them this time. I don't care if those dishes sit in the sink until they're all covered with-- I'll do them when I get home. (あー、レイチェルは、皿洗いをせずに、上の階にいるわ。そして、これだけは言わせて。ほら、私は今回は皿洗いをしない。シンクにある皿がそのままでも気にしない、その皿が全部○○で覆われるまでね…。(やっぱり)家に帰ったら皿洗いをするわ。)
be engaged は「婚約している」。
ロスが婚約してるなんて信じられない、とフィービーは言っています。
ロスは「信じられない」ってのはどういう意味?みたいな顔をフィービーに向けていますね。
それでフィービーは理由を説明しています。
Just 'cause A. Not 'cause B. というのは「理由はAだからなだけで、Bが理由じゃない」というニュアンス。
付き合って間がないのにもう結婚を決めたというそのスピードが余りにも早いから信じられないって言ってるだけよ、別に、You're such a loser. 「あなたはそんなにも負け犬なのに」結婚するなんて信じられない、って言ってるわけじゃないのよ、ということ。
後半部分はわざわざ口に出して言うのはかえって失礼ですね(笑)。
レイチェルはどこか尋ねられたモニカの返事が面白いです。
do the dishes は「皿洗いをする」。
レイチェルはどこか?って、今は、上の階にいて、not doing the dishes 「皿洗いをしていない」ところよ、と説明しています。
「上の階にいて、皿洗いをしている」と言うのならまだ普通ですが、それをあえて「していない」ことを挙げているのがポイントですね。
ほんとはレイチェルが皿洗いをしなきゃいけないんだけど、どうせ今、部屋にいてもそれはしていないでしょうけど、と言いたいのですね。
ロスはただ、レイチェルの居場所を知りたかっただけなのに、「皿洗いしてないのよ」というレイチェルへの愚痴になってしまっています。
I'm not doing them の doing them は、doing the dishes のことで、今回は私は皿洗いをする予定はない、するつもりはない、ということ。
those dishes sit in the sink について。
sit は「座る」ですが、ここでは「…にある、位置する」「…に放置されている、置かれている」という感覚で、those dishes sit in the sink は、(複数の)皿が、(洗われないで)シンクに置かれたままの状態である、という意味になります。
ここで動詞 sit を使う感覚は、日本人にはなかなか出てこない発想ですね。
I don't care if those dishes sit in the sink until they're all covered with-- というのは、日本語的語順で訳すと、「(皿が)すべて…で覆われるまで、皿がシンクに置かれているとしても[置かれていようがいまいが]私は気にしない」という感じになりますね。
ただ、このように長い英語のセリフの場合は、聞こえた順番に意味を取っていかないとそのスピードについていけなくなりますので、聞こえたままに頭の中でイメージしていくようにしましょう。
前から訳すと、「…かどうかは気にしない」→「皿がシンクにある」→「皿がすべて…で覆われるまで」ということになります。
皿が長い間シンクに放置されて、最後にはそれが…で覆われるようになっても…と言いたいのですが、with-- で言葉が途切れていますね。
多分、モニカは、covered with mold 「カビで覆われる、カビだらけになる」と言おうとしたのだと思いますが、mold という言葉を言う前に頭でその様子を想像したら、きれい好きのモニカは耐えられなくなった、ということでしょう。
それで、「やっぱり家に帰ったら、私が皿洗いをするわ」という感じで、I'm not doing them this time. という前言を撤回し、I'll do them when I get home.と最後に言っているわけです。
「今回は絶対にレイチェルに洗わせよう、私は絶対に洗わないわ!」と決めていたのに、いろいろ考えた末、結局気が変わった、だから、今決めた意思を表す will が使われているのですね。
ここが、I'm going to do them だと、前からそれをすることを決めていたようでおかしい、ということになります。
will が使われていることで、「やっぱり、私が洗うことにするわ」という「今決めた」感じが出るのですね。
また、英語の場合は、covered with (mold) という語順になるので、covered with-- と表現することで、最後の mold を言葉として口に出す前に、気が変わったという感じが出るのですが、それを日本語に訳そうとすると、「覆われる前に、ほら、あれで…」みたいな感じになって、どうにも不自然ですね。
「(カビ)で覆われる」のように、日本語では必ず「カビ」などが前についてしまう形になるので、mold をあえて言わなかったことを日本語に出すのが難しくなるということです。
外国語を学ぶ場合は、このような語順の違いから来るニュアンスの差にも注目してみたいですね。
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ロス: Oh. Thanks. Uh, has anyone seen, um, Rach? (ああ、ありがと。あのー、誰かレイチェルを見た?)
モニカ: Ugh, she's upstairs not doing the dishes. And I tell ya something. You know, I'm not doing them this time. I don't care if those dishes sit in the sink until they're all covered with-- I'll do them when I get home. (あー、レイチェルは、皿洗いをせずに、上の階にいるわ。そして、これだけは言わせて。ほら、私は今回は皿洗いをしない。シンクにある皿がそのままでも気にしない、その皿が全部○○で覆われるまでね…。(やっぱり)家に帰ったら皿洗いをするわ。)
be engaged は「婚約している」。
ロスが婚約してるなんて信じられない、とフィービーは言っています。
ロスは「信じられない」ってのはどういう意味?みたいな顔をフィービーに向けていますね。
それでフィービーは理由を説明しています。
Just 'cause A. Not 'cause B. というのは「理由はAだからなだけで、Bが理由じゃない」というニュアンス。
付き合って間がないのにもう結婚を決めたというそのスピードが余りにも早いから信じられないって言ってるだけよ、別に、You're such a loser. 「あなたはそんなにも負け犬なのに」結婚するなんて信じられない、って言ってるわけじゃないのよ、ということ。
後半部分はわざわざ口に出して言うのはかえって失礼ですね(笑)。
レイチェルはどこか尋ねられたモニカの返事が面白いです。
do the dishes は「皿洗いをする」。
レイチェルはどこか?って、今は、上の階にいて、not doing the dishes 「皿洗いをしていない」ところよ、と説明しています。
「上の階にいて、皿洗いをしている」と言うのならまだ普通ですが、それをあえて「していない」ことを挙げているのがポイントですね。
ほんとはレイチェルが皿洗いをしなきゃいけないんだけど、どうせ今、部屋にいてもそれはしていないでしょうけど、と言いたいのですね。
ロスはただ、レイチェルの居場所を知りたかっただけなのに、「皿洗いしてないのよ」というレイチェルへの愚痴になってしまっています。
I'm not doing them の doing them は、doing the dishes のことで、今回は私は皿洗いをする予定はない、するつもりはない、ということ。
those dishes sit in the sink について。
sit は「座る」ですが、ここでは「…にある、位置する」「…に放置されている、置かれている」という感覚で、those dishes sit in the sink は、(複数の)皿が、(洗われないで)シンクに置かれたままの状態である、という意味になります。
ここで動詞 sit を使う感覚は、日本人にはなかなか出てこない発想ですね。
I don't care if those dishes sit in the sink until they're all covered with-- というのは、日本語的語順で訳すと、「(皿が)すべて…で覆われるまで、皿がシンクに置かれているとしても[置かれていようがいまいが]私は気にしない」という感じになりますね。
ただ、このように長い英語のセリフの場合は、聞こえた順番に意味を取っていかないとそのスピードについていけなくなりますので、聞こえたままに頭の中でイメージしていくようにしましょう。
前から訳すと、「…かどうかは気にしない」→「皿がシンクにある」→「皿がすべて…で覆われるまで」ということになります。
皿が長い間シンクに放置されて、最後にはそれが…で覆われるようになっても…と言いたいのですが、with-- で言葉が途切れていますね。
多分、モニカは、covered with mold 「カビで覆われる、カビだらけになる」と言おうとしたのだと思いますが、mold という言葉を言う前に頭でその様子を想像したら、きれい好きのモニカは耐えられなくなった、ということでしょう。
それで、「やっぱり家に帰ったら、私が皿洗いをするわ」という感じで、I'm not doing them this time. という前言を撤回し、I'll do them when I get home.と最後に言っているわけです。
「今回は絶対にレイチェルに洗わせよう、私は絶対に洗わないわ!」と決めていたのに、いろいろ考えた末、結局気が変わった、だから、今決めた意思を表す will が使われているのですね。
ここが、I'm going to do them だと、前からそれをすることを決めていたようでおかしい、ということになります。
will が使われていることで、「やっぱり、私が洗うことにするわ」という「今決めた」感じが出るのですね。
また、英語の場合は、covered with (mold) という語順になるので、covered with-- と表現することで、最後の mold を言葉として口に出す前に、気が変わったという感じが出るのですが、それを日本語に訳そうとすると、「覆われる前に、ほら、あれで…」みたいな感じになって、どうにも不自然ですね。
「(カビ)で覆われる」のように、日本語では必ず「カビ」などが前についてしまう形になるので、mold をあえて言わなかったことを日本語に出すのが難しくなるということです。
外国語を学ぶ場合は、このような語順の違いから来るニュアンスの差にも注目してみたいですね。
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2010年04月12日
沈黙を埋める必要はない フレンズ4-20その1
シーズン4 第20話
The One with All the Wedding Dresses (マイ・ウェディング・ドレス)
原題は「ウェディングドレスばかりの話」
[Scene: Central Perk, Chandler is getting another cup of coffee.]
セントラルパーク。チャンドラーはコーヒーをもう1杯もらおうとしている。
チャンドラー: Gunther, could I get another cup of coffee, please? (Gunther starts to pour him another cup.) So uh, what do you do when you're not working here? (ガンター、もう1杯コーヒーをもらえるかな?[コーヒーのおかわり、もらえるかな?] [ガンターはチャンドラーにおかわりを注ぎ始める] それで、あの、君はここで働いてない時、(いつも普段は)何をしてるの?)
ガンター: You don't need to fill these silences. (こういう沈黙を埋める必要はないよ。)
チャンドラー: Oh, okay, thanks. (He goes back to the couch and rejoins Monica, Joey, and Phoebe.) (ああ、わかった、ありがと。 [チャンドラーはカウチに戻り、モニカ、ジョーイ、フィービーに加わる])
モニカ: Chandler, that's, like, your fourth cup of coffee. (チャンドラー、それって、ほら、(もう)4杯目よ。)
チャンドラー: Well, I'm drinking lots of cups of coffee because I'm exhausted! Because Joey started snoring. (そうだな、俺はとっても疲れてるから、コーヒーをたくさん飲んでるんだよ。だって、ジョーイがいびきをかき始めたから。)
モニカ: He's in a different room. He's really that loud? (ジョーイは別の部屋のいるんでしょ。ジョーイ(のいびき)はほんとにそんなにうるさいの?)
ジョーイ: (proudly) Oh, you should hear me. ([誇らしげに] あぁ、モニカも聞くべきだよ。)
チャンドラー: It's not something to be proud of, okay? You have to go to a sleep clinic. (自慢するようなことじゃないよ、いいか? 睡眠クリニックに行くべきだ。)
チャンドラーは、カウンターにカップを持って行って、ガンターにコーヒーのおかわりを頼んでいます。
Could I get another cup of coffee, please? のように、could と please を使って、丁寧に頼んでいますね。
What do you do when you're not working here? の What do you do? の部分は、習慣などを表す現在形ですね。
いつもこのコーヒーハウスで会ってるけど、ここで働いている時以外のガンターを知らないから、ここで働いてない時は、普段いつも何してるの?という感じの質問になります。
ガンターの日常生活が謎なので、それを尋ねているのですね。
それに対するガンターの返事が面白いです。
You don't need to fill these silences. は直訳の通り、「君は(今の)こういう沈黙を埋める必要はない」で、おかわりを入れるのを待っている間、沈黙しているのが気まずいので、何か無理に話題を見つけようとしているみたいだけど、無理にしゃべろうとしなくてもいいよ、黙って待っててくれたらいいよ、という感じです。
silence は「沈黙、無言」という意味では不可算名詞として使われますが、今回のように具体的な「沈黙の時間」を指す場合は、可算名詞扱いになるのですね。
these silences のような複数形になっているのが面白いなと思いました。
チャンドラーは何杯もコーヒーをおかわりしている様子。
ジョーイがいびきをかいてうるさくて眠れないと言っています。
He's really that loud? の that loud は「それほど、そんなにうるさい」。
「それほど」とは「どれほど」かと言うと、別の部屋で寝てるのに、それでも眠れないほどいびきがうるさいの?という感覚ですね。
It's not something to be proud of. は、「自慢すべきことじゃない」。
be proud of something 「何かを自慢する」の something が前に出た形です。
英語の構造に慣れていない間は、something を前に出した時に proud of の of を最後に残すのを忘れてしまいがちですが、be proud of すべき何か、ですから、最後の of をつけるのを忘れないようにしましょう。
単語を移動させた後も、元の前置詞などがきちんと残っているのは、数学の方程式の変形に似た感覚があるような気もします。
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[Scene: Central Perk, Chandler is getting another cup of coffee.]
セントラルパーク。チャンドラーはコーヒーをもう1杯もらおうとしている。
チャンドラー: Gunther, could I get another cup of coffee, please? (Gunther starts to pour him another cup.) So uh, what do you do when you're not working here? (ガンター、もう1杯コーヒーをもらえるかな?[コーヒーのおかわり、もらえるかな?] [ガンターはチャンドラーにおかわりを注ぎ始める] それで、あの、君はここで働いてない時、(いつも普段は)何をしてるの?)
ガンター: You don't need to fill these silences. (こういう沈黙を埋める必要はないよ。)
チャンドラー: Oh, okay, thanks. (He goes back to the couch and rejoins Monica, Joey, and Phoebe.) (ああ、わかった、ありがと。 [チャンドラーはカウチに戻り、モニカ、ジョーイ、フィービーに加わる])
モニカ: Chandler, that's, like, your fourth cup of coffee. (チャンドラー、それって、ほら、(もう)4杯目よ。)
チャンドラー: Well, I'm drinking lots of cups of coffee because I'm exhausted! Because Joey started snoring. (そうだな、俺はとっても疲れてるから、コーヒーをたくさん飲んでるんだよ。だって、ジョーイがいびきをかき始めたから。)
モニカ: He's in a different room. He's really that loud? (ジョーイは別の部屋のいるんでしょ。ジョーイ(のいびき)はほんとにそんなにうるさいの?)
ジョーイ: (proudly) Oh, you should hear me. ([誇らしげに] あぁ、モニカも聞くべきだよ。)
チャンドラー: It's not something to be proud of, okay? You have to go to a sleep clinic. (自慢するようなことじゃないよ、いいか? 睡眠クリニックに行くべきだ。)
チャンドラーは、カウンターにカップを持って行って、ガンターにコーヒーのおかわりを頼んでいます。
Could I get another cup of coffee, please? のように、could と please を使って、丁寧に頼んでいますね。
What do you do when you're not working here? の What do you do? の部分は、習慣などを表す現在形ですね。
いつもこのコーヒーハウスで会ってるけど、ここで働いている時以外のガンターを知らないから、ここで働いてない時は、普段いつも何してるの?という感じの質問になります。
ガンターの日常生活が謎なので、それを尋ねているのですね。
それに対するガンターの返事が面白いです。
You don't need to fill these silences. は直訳の通り、「君は(今の)こういう沈黙を埋める必要はない」で、おかわりを入れるのを待っている間、沈黙しているのが気まずいので、何か無理に話題を見つけようとしているみたいだけど、無理にしゃべろうとしなくてもいいよ、黙って待っててくれたらいいよ、という感じです。
silence は「沈黙、無言」という意味では不可算名詞として使われますが、今回のように具体的な「沈黙の時間」を指す場合は、可算名詞扱いになるのですね。
these silences のような複数形になっているのが面白いなと思いました。
チャンドラーは何杯もコーヒーをおかわりしている様子。
ジョーイがいびきをかいてうるさくて眠れないと言っています。
He's really that loud? の that loud は「それほど、そんなにうるさい」。
「それほど」とは「どれほど」かと言うと、別の部屋で寝てるのに、それでも眠れないほどいびきがうるさいの?という感覚ですね。
It's not something to be proud of. は、「自慢すべきことじゃない」。
be proud of something 「何かを自慢する」の something が前に出た形です。
英語の構造に慣れていない間は、something を前に出した時に proud of の of を最後に残すのを忘れてしまいがちですが、be proud of すべき何か、ですから、最後の of をつけるのを忘れないようにしましょう。
単語を移動させた後も、元の前置詞などがきちんと残っているのは、数学の方程式の変形に似た感覚があるような気もします。
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2010年04月10日
シットコムと吉本の共通点 フレンズ4-19その6
「ゲームに勝った方が、部屋もニックスのチケットも両方もらえる」という賭けをすることにした4人。
結局、トランプのゲームで男性陣が勝ってしまいます。
早速ニックスの試合を楽しんできた男性陣が、おみやげのTシャツをあげようと女性陣の部屋(小さい方の部屋)を訪ねるのですが…。
(He knocks on the girls' door and walks in. Surprise! The girls, obviously using Star Trek technology, have completely moved everything in both apartments back to their original positions, all in the time it took for the guys to go to a basketball game. Wow! Anyhoo, Chandler is stunned, and Joey doesn't even realize it.)
チャンドラーは女性陣のドアをノックして中に入る。そしてびっくり! 女性陣はどう見てもスタートレックのテクノロジーを使ったようで、2つの部屋のもの全てをそれぞれ元の場所に完全に移動させていた、男性陣がバスケの試合に行っている時間内に。ワオ! とにかく、チャンドラーは唖然としているが、ジョーイはそのこと(部屋が交換されていること)に気づいていない。
チャンドラー: Oh. Oh, God! (He starts running around like a chicken with his head cut off.) (ああ、なんてこった! [頭を切り落とされたニワトリのように、走り回る])
ジョーイ: Hey, want a beer? (Hands him a beer and sits down in one of the chairs.) (Jumping up.) WHOA!! (おい、ビールいるか? [チャンドラーにビールを渡し、チェアの1つに腰を下ろす] [飛び上がって] わぁっ!)
チャンドラー: I know! (そうだろ!)
(They both sprint to what used to be their apartment.)
二人は自分たちの部屋だったところにダッシュする。
チャンドラー: Open up! Open up! Open up! (開けろ! 開けろ! 開けろ!)
(A very angry Monica opens the door with the security chain still on.)
非常に怒った(顔の)モニカが、チェーンロックをかけたままドアを開ける。
モニカ: We'll discuss it in the morning. (Slams the door shut.) (その件は明日の朝に話しましょう。[ドアをバタンと閉める])
チャンドラー: What the hell is going on? (一体何が起こってる?)
(It's Rachel's turn to open the door.)
レイチェルがドアを開ける番。
レイチェル: We took our apartment back! (Slams the door shut.) (私たちの部屋を取り返したのよ! [ドアをバタンと閉める])
フィービー: (opening the door) I had nothing to do with it. (Closes the door.) (Opens the door.) Okay, it was my idea. But I don't feel good about it. ([ドアを開けながら] 私は関係ないけどね。[ドアを閉める] [ドアを開ける] いいわ、私のアイデアなの。でも、いい気持ちはしないわ。)
今回はちょっとト書きにも注目してみます。
部屋がすっかり元通りになっているのを見て驚くチャンドラーですが、The girls, obviously using Star Trek technology というト書きが、トレッキーの私としては面白いです。
あまりにも見事に元通りになっているので、スタートレックの転送装置でも使ったのか?と言いたいのですね。
スタートレックの転送技術については、転送して、神様 フレンズ3-17その11 で説明しています。
日本人だったら、「ドラえもんの道具でも使ったのか」とでも表現されそうな感じですね。(実際、少し前のドラえもんで、ひみつ道具を使って簡単に引っ越しする話を放映していました)
チャンドラーは部屋の変化にすぐ気づいたのに、ジョーイはそれに全然気づいていないことも、ト書きでちゃんと描かれています。(「頭を切り落とされたニワトリ」の例えはすごい…笑)
ジョーイは冷蔵庫からビールを取って、それをチャンドラーに渡し、革のリクライニングソファーに深々と腰を下ろします。が、しばらくしてから飛び上がって叫んでいますね。
かなり時間が経ってから、やっとその事実に気づいたということです。
I know! は「知ってる! そうでしょ!」というモニカの口癖ですが、ここでは「そうだよ、俺はとっくに気づいてたよ。お前もやっとわかったか」という感覚ですね。
女子の部屋を訪ねたはずなのに、自分の椅子があるなんておかしいじゃん!とやっと気づいたわけですが、この長い間(ま)を置いてから気づく、というギャグは、吉本新喜劇の内場勝則さんの持ちネタにありますね。
(ちょっと脱線しますが、わかる人にはわかるネタなので、説明させて下さい…笑)
Wikipedia 日本語版: 内場勝則 の「舞台でよく言うセリフ(持ちネタ)」という項目に、以下の説明があります。
ひどく驚いた時は「イィィィィーーー!」(『え』と『い』の中間の音)
これの発展系として、重大な事実を告げられた時にその直後は平然と振る舞い、相当の間を置いた上で「イィィィィーーー!」と叫び笑いを取るパターンもある。
この「相当の間を置いた上で」というのが、今回のジョーイのボケに通じるものがあります。
私の記憶に残っているのは以下のような話。
旅館の宿泊客の内場さんが、部屋に帰ってテレビをつけるとニュースをやっていて、「この事件の容疑者は…」と自分の名前が登場したのにも関わらず、それを聞いていなかったかのようにしばらく新聞を読んでいて、かなり間があいてから、「いぃぃぃーっ?」(確かに「え」と「い」の中間音なんだな、これが)と驚く、というもの。
お客さんの方も、その「いぃぃぃーっ?」が出るまで笑いをくっとこらえているという、舞台と客席との妙な一体感すらあります。
シットコムと吉本で同じようなギャグがある、というのは楽しいですよね。
どちらがどちらかの真似をしたわけではないでしょうから、英語と日本語の違いはあれど、お笑いの発想は似ている、ということですね。
慌てて大きな部屋に突進するチャンドラーとジョーイ。
security chain 「ドアチェーン、チェーンロック」をかけたままドアを開ける、というト書きも、勉強になりますね。
直訳すると、「チェーンロックをまだオンした状態でドアを開ける」という感じです。
怖い顔をしたモニカが、We'll discuss it in the morning. と言いますが、これも直訳すると、「それは朝に議論しましょう」ということで、「何か言いたいことがあって訪ねてきたんでしょうけど、もう今日は夜遅いから、その話なら(or 何か話があるのなら)明日の朝にして!」と言って、この場で議論することを拒否しているセリフになります。
チャンドラーたちは状況が飲み込めず首をひねっていますが、観客は大喜び。女性陣うまくやったね!という感じの歓声・拍手も起こっています。
次はレイチェルの番。
「私たちは、自分たちの部屋を取り返したのよ」とだけ言って、またドアをバタン。
あなたたちがニックス戦で浮かれている間に、部屋は返してもらったわ!という勝利宣言ですね。
最後にフィービーもドアを開けています。
今回の賭けは、チャンドラー&ジョーイ vs モニカ&レイチェル、の戦いだったので、フィービーは部外者なのですが、関係ないはずのフィービーまでもが、「私にも一言言わせて」とばかりに登場するのが、いかにもコメディーっぽい笑いです。
わざわざドアを開けて、「私は無関係だけどね」と言うのが、日本のお笑い(吉本新喜劇など)でもよくある三段落ちの感覚ですね。(「3人目は必ずボケろ!」というのが、吉本の鉄則ですから…笑)
フィービーのセリフは、単なる三段落ちでは終わらず、「無関係って言ったけど、実は関係がないこともない」と言い直しているのも楽しいです。
関係がないどころか、「二人がニックスの試合を観戦している間に、こっそり部屋を交換しちゃったら?」と提案したのがフィービーだったということ。
feel good about... は「…に良い気持ちを感じる、…をよく思う」ということで、「部屋を交換しようって提案したのは私だけど、あなたたちのことを考えると、申し訳ないって思ってるわ、心苦しいと思ってるわ」というような感じでしょうね。
(Rach からのお願い)
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結局、トランプのゲームで男性陣が勝ってしまいます。
早速ニックスの試合を楽しんできた男性陣が、おみやげのTシャツをあげようと女性陣の部屋(小さい方の部屋)を訪ねるのですが…。
(He knocks on the girls' door and walks in. Surprise! The girls, obviously using Star Trek technology, have completely moved everything in both apartments back to their original positions, all in the time it took for the guys to go to a basketball game. Wow! Anyhoo, Chandler is stunned, and Joey doesn't even realize it.)
チャンドラーは女性陣のドアをノックして中に入る。そしてびっくり! 女性陣はどう見てもスタートレックのテクノロジーを使ったようで、2つの部屋のもの全てをそれぞれ元の場所に完全に移動させていた、男性陣がバスケの試合に行っている時間内に。ワオ! とにかく、チャンドラーは唖然としているが、ジョーイはそのこと(部屋が交換されていること)に気づいていない。
チャンドラー: Oh. Oh, God! (He starts running around like a chicken with his head cut off.) (ああ、なんてこった! [頭を切り落とされたニワトリのように、走り回る])
ジョーイ: Hey, want a beer? (Hands him a beer and sits down in one of the chairs.) (Jumping up.) WHOA!! (おい、ビールいるか? [チャンドラーにビールを渡し、チェアの1つに腰を下ろす] [飛び上がって] わぁっ!)
チャンドラー: I know! (そうだろ!)
(They both sprint to what used to be their apartment.)
二人は自分たちの部屋だったところにダッシュする。
チャンドラー: Open up! Open up! Open up! (開けろ! 開けろ! 開けろ!)
(A very angry Monica opens the door with the security chain still on.)
非常に怒った(顔の)モニカが、チェーンロックをかけたままドアを開ける。
モニカ: We'll discuss it in the morning. (Slams the door shut.) (その件は明日の朝に話しましょう。[ドアをバタンと閉める])
チャンドラー: What the hell is going on? (一体何が起こってる?)
(It's Rachel's turn to open the door.)
レイチェルがドアを開ける番。
レイチェル: We took our apartment back! (Slams the door shut.) (私たちの部屋を取り返したのよ! [ドアをバタンと閉める])
フィービー: (opening the door) I had nothing to do with it. (Closes the door.) (Opens the door.) Okay, it was my idea. But I don't feel good about it. ([ドアを開けながら] 私は関係ないけどね。[ドアを閉める] [ドアを開ける] いいわ、私のアイデアなの。でも、いい気持ちはしないわ。)
今回はちょっとト書きにも注目してみます。
部屋がすっかり元通りになっているのを見て驚くチャンドラーですが、The girls, obviously using Star Trek technology というト書きが、トレッキーの私としては面白いです。
あまりにも見事に元通りになっているので、スタートレックの転送装置でも使ったのか?と言いたいのですね。
スタートレックの転送技術については、転送して、神様 フレンズ3-17その11 で説明しています。
日本人だったら、「ドラえもんの道具でも使ったのか」とでも表現されそうな感じですね。(実際、少し前のドラえもんで、ひみつ道具を使って簡単に引っ越しする話を放映していました)
チャンドラーは部屋の変化にすぐ気づいたのに、ジョーイはそれに全然気づいていないことも、ト書きでちゃんと描かれています。(「頭を切り落とされたニワトリ」の例えはすごい…笑)
ジョーイは冷蔵庫からビールを取って、それをチャンドラーに渡し、革のリクライニングソファーに深々と腰を下ろします。が、しばらくしてから飛び上がって叫んでいますね。
かなり時間が経ってから、やっとその事実に気づいたということです。
I know! は「知ってる! そうでしょ!」というモニカの口癖ですが、ここでは「そうだよ、俺はとっくに気づいてたよ。お前もやっとわかったか」という感覚ですね。
女子の部屋を訪ねたはずなのに、自分の椅子があるなんておかしいじゃん!とやっと気づいたわけですが、この長い間(ま)を置いてから気づく、というギャグは、吉本新喜劇の内場勝則さんの持ちネタにありますね。
(ちょっと脱線しますが、わかる人にはわかるネタなので、説明させて下さい…笑)
Wikipedia 日本語版: 内場勝則 の「舞台でよく言うセリフ(持ちネタ)」という項目に、以下の説明があります。
ひどく驚いた時は「イィィィィーーー!」(『え』と『い』の中間の音)
これの発展系として、重大な事実を告げられた時にその直後は平然と振る舞い、相当の間を置いた上で「イィィィィーーー!」と叫び笑いを取るパターンもある。
この「相当の間を置いた上で」というのが、今回のジョーイのボケに通じるものがあります。
私の記憶に残っているのは以下のような話。
旅館の宿泊客の内場さんが、部屋に帰ってテレビをつけるとニュースをやっていて、「この事件の容疑者は…」と自分の名前が登場したのにも関わらず、それを聞いていなかったかのようにしばらく新聞を読んでいて、かなり間があいてから、「いぃぃぃーっ?」(確かに「え」と「い」の中間音なんだな、これが)と驚く、というもの。
お客さんの方も、その「いぃぃぃーっ?」が出るまで笑いをくっとこらえているという、舞台と客席との妙な一体感すらあります。
シットコムと吉本で同じようなギャグがある、というのは楽しいですよね。
どちらがどちらかの真似をしたわけではないでしょうから、英語と日本語の違いはあれど、お笑いの発想は似ている、ということですね。
慌てて大きな部屋に突進するチャンドラーとジョーイ。
security chain 「ドアチェーン、チェーンロック」をかけたままドアを開ける、というト書きも、勉強になりますね。
直訳すると、「チェーンロックをまだオンした状態でドアを開ける」という感じです。
怖い顔をしたモニカが、We'll discuss it in the morning. と言いますが、これも直訳すると、「それは朝に議論しましょう」ということで、「何か言いたいことがあって訪ねてきたんでしょうけど、もう今日は夜遅いから、その話なら(or 何か話があるのなら)明日の朝にして!」と言って、この場で議論することを拒否しているセリフになります。
チャンドラーたちは状況が飲み込めず首をひねっていますが、観客は大喜び。女性陣うまくやったね!という感じの歓声・拍手も起こっています。
次はレイチェルの番。
「私たちは、自分たちの部屋を取り返したのよ」とだけ言って、またドアをバタン。
あなたたちがニックス戦で浮かれている間に、部屋は返してもらったわ!という勝利宣言ですね。
最後にフィービーもドアを開けています。
今回の賭けは、チャンドラー&ジョーイ vs モニカ&レイチェル、の戦いだったので、フィービーは部外者なのですが、関係ないはずのフィービーまでもが、「私にも一言言わせて」とばかりに登場するのが、いかにもコメディーっぽい笑いです。
わざわざドアを開けて、「私は無関係だけどね」と言うのが、日本のお笑い(吉本新喜劇など)でもよくある三段落ちの感覚ですね。(「3人目は必ずボケろ!」というのが、吉本の鉄則ですから…笑)
フィービーのセリフは、単なる三段落ちでは終わらず、「無関係って言ったけど、実は関係がないこともない」と言い直しているのも楽しいです。
関係がないどころか、「二人がニックスの試合を観戦している間に、こっそり部屋を交換しちゃったら?」と提案したのがフィービーだったということ。
feel good about... は「…に良い気持ちを感じる、…をよく思う」ということで、「部屋を交換しようって提案したのは私だけど、あなたたちのことを考えると、申し訳ないって思ってるわ、心苦しいと思ってるわ」というような感じでしょうね。
(Rach からのお願い)
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