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チャンドラーとモニカは、二人だけになれる場所を求めて、ついには、ロスとエミリーが泊まる予定だったハネムーンスイートにやってきました。
どうせ二人はこの部屋を使わないんだから…とベッドに入ろうとしたその瞬間、エミリーを探しているロスが部屋に入ってきました。
ロス: (entering) Emily? ([部屋に入ってきて] エミリー?)
チャンドラー: Nope! Not under here! (いや、この下にはいないぞ。)
モニカ: You didn't find her? (ロスはエミリーを見つけてないの?)
ロス: No, I've looked everywhere! (見つけてない。これまであらゆる場所を見た[捜した]のに!)
チャンドラー: Well, you couldn't have looked everywhere, or else you would've found her! (そうだな、ロスはすべての場所を見ることができていなかったんだよ。そうじゃなきゃ、お前は彼女を見つけてただろうよ。)
モニカ: Yeah, I think you should keep looking! (そうよ、ロスは捜し続けるべきだと思うわ。)
チャンドラー: Yeah! For about... uh... 30 minutes? (そうだよ! だいたい(あと)…30分くらいかな?)
モニカ: Or forty-five? (それとも、45分?)
チャンドラー: Wow, in 45 minutes, you could find her twice. (Monica smiles at that.) (わぁ、45分なら、ロスは彼女を2回発見できそうだよ。[モニカはその言葉に微笑む])
ロス: No! For all I know, she's trying to find me but couldn't because I kept moving around. No, from now on, I'm staying in one place. (He sits down on the bed.) Right here. (だめだよ! 多分、エミリーは僕を見つけようとしているんだ、でもそれができなかった、それは僕があちこち動き回っているせいだ。だめだよ、今から僕は1つの場所に留まることにする。[ロスはベッドの上に腰を下ろす] ここにね。)
モニカ: Well, it's getting late. (そうね、もう時間も遅いし。)
チャンドラー: Yeah, we're gonna go. (ああ、俺たちは行くよ。)
去ろうとする二人を寂しそうな顔で見つめて
ロス: Actually, do you guys mind staying here for a while? (実は…しばらくここにいてくれないかな?)
モニカ: Ugh, y'know, umm we gotta get up early and catch that plane to New York. (あー、ほら、あの、私たちは明日の朝早く起きて、NY行きのその飛行機を捕まえないといけないの。)
チャンドラー: Yeah, it's a very large plane. (あぁ、とても大きな飛行機なんだ。)
ベッドに潜り込もうと、ベッドカバーをめくった瞬間にロスが入ってきたので、チャンドラーはすかさず、"Nope! Not under here!" と言ってごまかしています。
自分たちも一緒になってエミリーを捜しているふりをしたのですね。
have looked everywhere 「すべての場所を見た、捜した」というロスに対して、チャンドラーは、couldn't have+過去分詞、would have+過去分詞、の形を使ってセリフを返しています。
could have+過去分詞、という肯定文だと、「…できただろうに(実際はそうしなかった)」という意味になりますね。
ここではその否定形になっているので、「…できていないんだろう(やろうと思えばできたはずなのに、できたかもしれないのに)」みたいなニュアンスになるのかな、と思います。
or else は「さもないと」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) には or else... に3つの意味が載っていますが、恐らく下記の意味がこのセリフのニュアンスに一番近いと思います。
or else... :
c) used for saying that a situation would be different if something were not true.
例) I'm sure the baby's sleeping, or else we'd hear him.
つまり、「もし何かが真実でないならば状況は違っているだろう、と言うために用いられる」。
例文は、「赤ちゃんは眠っていると思う[確信している]わ。そうじゃないと、私たちに彼の(泣き)声が聞こえるだろうから」
チャンドラーのセリフの、would've found her (would have found her) は、「彼女を見つけていただろうに」という意味。
ですから、「ロスは全ての場所を捜せていない。もし捜せていたとしたら、ロスは(とっくに)エミリーを見つけてただろうから」とチャンドラーは言いたいようです。
チャンドラーとこの部屋で二人きりになりたいモニカも、「(まだ捜し足りないから)捜し続けるべきよ」と言っています。
チャンドラーは、ちょっとモニカの様子を伺いながら「ロスはもうあと30分くらい捜してみたら?」という具体的な数字を挙げています。
それに続けてモニカが、「45分はどう?」と言っていますね。
ロスは「は?」みたいな顔でモニカを見ています。その細かい時間設定にどういう意味があるの?と言いたげな顔です。
45分、という時間を聞いて、チャンドラーは「45分もあれば、ロスはエミリーを2回見つけられちゃうね」と言っていますが、これはもちろん、ロスが45分間ここを離れている間に、モニカと2回エッチができちゃうね、と言っているわけですね。
モニカがチャンドラーよりも時間を長く設定したことに対して、チャンドラーが喜んでいるセリフになります。
それを聞いたモニカが、嬉しさを隠すためか、口を閉じてにっこり顔で笑っているのも、何だか微笑ましいですね。
チャンドラーがちょっとモニカの方を気にして30分という数字を挙げたのは、このシーンの前にも同じような時間に言及する場面があったからです。
(それが上のやり取りの伏線にもなっていますので、今回ここでご紹介します)
二人きりになれる場所を探して、ホテルのモニカの部屋にやってきたチャンドラーとモニカは、部屋の中にレイチェルがいるのを発見してがっかり。
レイチェルはホテルの下(のバー)でちょっと飲まない?と誘います。
レイチェル: Do you guys want to go downstairs and get a drink? (下に行って、ちょっと飲まない?)
チャンドラー: Yes, we do. But we have to change first. (そうだね、飲みたいよ。でも最初に俺たちは(礼服を)着替えないと。)
モニカ: Yes, I wanna change. And why, why don't you go down and get us a table? (そうね、着替えたいわ。だから、レイチェルが(先に)そこに行って、私たちのテーブルを取っといてくれる?)
チャンドラー: Yeah, we'll be down in like five minutes. (そうだね、俺たちは、そうだな、5分で下に降りるよ。)
モニカ: (elbows him) Fifteen minutes. ([チャンドラーに肘鉄を食らわせて] 15分よ。)
レイチェル: Okay. (わかったわ。)
このように、レイチェルとの時にチャンドラーが5分と言ったところ、「5分なんて短すぎる、15分よ!」とエルボーを食らったので、次のロスとの会話の時は、モニカの様子を伺いながら、長めの時間を挙げたのですね。
チャンドラーが先に時間を言い、モニカがその時間を延長する、というパターンも同じです。
それだけモニカもチャンドラーとのエッチに夢中になっているということがわかりますね。
女性のモニカの方が積極的なところも、この二人らしくて面白いなと思いました。
また、チャンドラーが最初に「5分」という時間を挙げたのも、「早い」ことを強調するチャンドラーお決まりの自虐ネタですね。
フレンズ2-13その6 でも、部屋で、スージー(ジュリア・ロバーツ)といちゃつきながら、
スージー: We gotta go. Got a reservation in 30 minutes. (もう行かなくちゃ。30分後に予約してるのよ。)
チャンドラー: What I had planned shouldn't take more than two, three minutes, tops. (俺の予定してることは、どんなに長くても2、3分以上はかかるはずないよ。)
というセリフがありましたね。
時間の話で脱線しすぎましたので(笑)、セリフに戻ります。
エミリーが見つからなかったのは、自分が動き回っているせいだ、だから僕はここで待つことにする、とロスはベッドに座り込みます。
ここでのエッチは無理だな…と判断した二人は部屋を出ようとするのですが、ロスは二人に一緒にいて欲しいと言います。
それに対して、モニカは「明日、早い飛行機に乗らないといけないから」と言うのですが、その後のチャンドラーのセリフはそれを少しジョークに変えたもののようですね。
catch は「捕(つか)まえる、捕(と)らえる」という意味がありますね。
日本語でも「タクシーをつかまえる」などと表現するのと同じで、人や動物をつかまえるだけではなく、乗り物に対しても catch は使われます。
このモニカとチャンドラーのセリフは、モニカが「NY行きの早い便の飛行機に間に合うように乗らないといけないから」と、明日の朝早いからもう帰る理由を述べているのですが、その catch という言葉を動物などを「捕獲する」というニュアンスに捉えて、「捕獲しようとしてるのは、とても大きな飛行機なんだよね」と言っているジョークのように思えました。
DVDの日本語字幕も、「早朝に飛行機を捕まえるの」「デカい獲物だ」となっていましたが、まさにそういうジョークなのだろうと。
The early bird catches the worm. 「早起きの鳥は虫を捕らえる」、つまり「早起きは三文の徳」という諺(ことわざ)もありますが、その catch のニュアンスでジョークを言ってみた、ということでしょう。
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