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[Scene: Chandler and Joey's, Chandler is returning from his disastrous weekend. He throws his bag down and sits down on one of the leather chairs, but he sits on something and picks it up and throws it away.]
チャンドラーとジョーイの部屋。チャンドラーは悲惨な週末から戻ってくる。バッグを下に投げ、革の椅子の一つに座る。が、何かの上に座ったチャンドラーは、それを取り上げて投げる。
チャンドラー: Damn Rolos! (くそったれの(いまいましい)ローローめ!)
ジョーイ: Hey, you're back! (よお、戻ったんだな!)
チャンドラー: Hey. (よお。)
ジョーイ: How was your conference? (会議はどうだった?)
チャンドラー: It was terrible. I fought with (Pause) my colleagues y'know, the entire time. Are you kidding with this? (Throws away another Rolo) (最低だったよ。喧嘩したんだよ、[一瞬の沈黙] 同僚とね、ほら、ずっと。これ、ふざけてんのか? [もう1つのローローを投げる])
ジョーイ: Oh, so your weekend was a total bust? (あー、じゃあ、週末は大失敗だったんだな。)
チャンドラー: Uh, no, I got to see Donald Trump waiting for an elevator. (いや、そうでもないよ。ドナルド・トランプがエレベーターを待ってるところを見れちゃったし。)
モニカ: (entering) Hi! ([入ってきて] はーい。)
ジョーイ: Hey, you're back too! (よお、モニカも戻ってきたんだ!)
モニカ: Yeah. Umm, Chandler, can I talk to you outside for a second? (ええ。あのー、チャンドラー、外で少し話せるかしら?)
ジョーイ: Hey, how was your chef thing? (ねぇ、モニカのシェフのやつはどうだったの?)
モニカ: Oh, it was awful. (To Chandler) I guess some people just don't appreciate really good food. (あー、最悪よ。[チャンドラーに] 本当においしい食べ物の良さがただわからない人もいるみたいね。)
チャンドラー: Well, maybe it was the kind of food that tasted good at first but then made everybody vomit and have diarrhea. (あぁ、多分、それはこういう類の食べ物だったんだよ。最初はおいしかったけど、その後、食べた人がそれを吐いて、下痢しちゃうような類のね。)
ラブラブの週末旅行のはずがモニカと大喧嘩してしまい、不機嫌な顔で戻ってきたチャンドラー。
いつものリクライニングチェアに座ったチャンドラーは、座った下に異物を感じ、それを取り上げて、床に投げています。
セリフからわかるようにこれは、Rolo ですね。
フレンズ5-5その2 で説明した小さなチョコレートです。
ジョーイと一緒に暮らしたら、部屋じゅうにチョコが置いてあるぞ、と言っていた、そのオチがここで今、出てきたわけですね。
以前のチャンドラーのセリフから、子供の食べ残し、食べ散らかしみたいにあちこちにチョコが落ちていると想像されていたことが、実際の画面で明らかになった、というシーンになります。
モニカとの話題で出たローロー、それを見ると、話題が出た時はまだ幸せだったのに、その後にひどい喧嘩になった…ということを思い出してしまうので、余計にローローに当り散らしてしまうわけですね。
チャンドラーが帰ってきているのを見て、ジョーイは、「お、帰ってきたんだな。で、会議はどうだった」と尋ねています。
外から帰ってきた相手に How was+名詞? と尋ねるのは、日常会話の決まり文句ですね。
まさに「名詞は”どうであったか”」を尋ねている文になります。
それに対して、terrible などのように、それが”どうであったか”の感想や結果を述べることで、会話が進んでいく、というパターンが多いですね。
フレンズの場合も、そのセリフが新たな話題への導入となり、話が広がっていくという展開が多いので、この How was+名詞? というセリフは非常によく登場します。
How was your date? 「デートはどうだった?」もよく出てきますよね。
terrible だったよ、と答えるチャンドラーの頭の中には、モニカと喧嘩したことが浮かんでいるわけですが、モニカとの旅行は他のフレンズたちには内緒なので、I fought with... my colleagues と嘘の話を作っています。
そうボヤきながらも、また椅子の下にローローを見つけて、またそれを投げていますね。
椅子の下や隙間に、どんだけローローが落ちてるんだよ、いい加減にしてくれよ、お前は子供かっ、という気持ちでしょう。
bust は「(計画などの)失敗」。
Macmillan Dictionary では、
bust : [noun] [singular] (mainly American informal) a complete failure
例) The movie was a bust.
つまり、「(主にアメリカ英語、インフォーマル) 完全なる失敗(大失敗)」。
例文は、「その映画は大失敗だった。」
フレンズ2-5その10 でも、
ロス: Aside from that, the evening was pretty much a bust. (それ以外は、昨日の夜は、全くの大失敗だったよ。)
という形で登場しました。
「そっか、じゃあ週末は最低最悪だったんだー」みたいに言われたチャンドラーは、「いや、そうでもないよ、ドナルド・トランプを見れたしね」みたいに答えています。
ドナルド・トランプ(Donald Trump)は、「トランプ・タワー」などで有名な、アメリカの不動産王、大富豪。
フレンズ4-11その2 のセリフにも登場しています。
see Donald Trump waiting つまり、see someone doing という形は、「人が…しているところ(瞬間)を見る」という感覚。
これが see someone do なら、「人が…するのを見る」という感じになります。
do の場合は、一瞬ではなく、その行為が「ある程度の長さ」行われているところを見る、という感覚になるでしょう。
-ing 形が使われることで、トランプ氏がエレベーターを待っているところを瞬間的に見た、彼をちらっと見たけど、その時の彼は(エレベーターのドアの前で)エレベーターが来るのを待ってるところだった、みたいな「一瞬」の感覚が出るように思います。
got to see で使われている get to は「…するようになる」「…できるチャンスを得る」というような感覚。
I saw なら単に「俺は見た」になりますが、got to (get to) が使われることで、「見れることになった、見るチャンスを得た、(運よく)見れちゃった」みたいなニュアンスが加わる気がします。
モニカが入ってきたのを見て、ジョーイはモニカに、「モニカの chef thing はどうだったの?」と尋ねています。
ここでも、さきほどのチャンドラーへの挨拶と同じように、How was+名詞? で尋ね、それに対して、awful だったわ、と答えるパターンは同じですね。
ジョーイはモニカがシェフとしての仕事で「料理フェア(culinary fair)」に行っていたことは以前に聞いていましたが、具体的に fair という言葉は使わずに、your chef thing だけで済ませていますね。
詳しく言わなくても、「ほら、その”モニカのシェフのやつ、シェフの件”はどうだったの?」と言うだけで十分意味は通じるからです。
こういう thing の使い方を覚えておくと便利ですよね。
モニカにとっても旅行は最悪だったわけですが、本当のことを話すわけにもいかず、「おいしい料理がわからないやつがいるのよねー」みたいに、料理フェアでいやな出来事があったかのように語っています。
それが自分に対する皮肉だとわかったチャンドラーは、「モニカはおいしい料理って言うけど、それって最初はおいしいけど、後で吐き気や下痢を起こすような料理じゃないの?」と返します。
モニカは really good food という言葉で、「週末を一緒に過ごす最高の彼女」である自分をイメージしているのでしょう。
こんなにいい女と旅行してたのに、その彼はそのありがたみもわからずにテレビばっかり見て、さらには私を非難したりもしたのよ、と言いたいのだと思います。
それを聞いたチャンドラーは、「最初は確かに素敵だな、と思ってたけど、ささいなことで文句ばっかり言う口うるさい女だってことが後でわかって俺はえらい目に遭ったんだよ」ということを食べ物に例えて表現し、モニカに皮肉を返しているわけでしょう。
at first は「初めは、最初は」。
フレンズ5-3その2 で説明したように、at first but then というフレーズガ使われることで、「最初は…だったけど、でもその後に(それとは違った結果になった)」というニュアンスも出ていますね。
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