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[Scene: Monica and Rachel's, after the party. Everyone has left, except for the gang.]
モニカとレイチェルの部屋。(新年を迎えた)パーティーの後。フレンズ以外の人たちはみんな帰ってしまっている。
ロス: Y'know what? I'm gonna go out on a limb and say, "No divorces in '99!" (ねぇ? 僕は思い切って言うよ、「1999年は離婚はナシ!」って。)
レイチェル: But your divorce isn't even final yet. (でも、あなたの離婚はまだ確定してないんでしょ?)
ロス: Just the one divorce in '99! Y'know what, I am gonna be happy this year. I am gonna make myself happy. (1999年は1回だけの離婚にするぞ! ねぇ、今年は僕は幸せになるんだ。僕は自分自身を幸せにするんだよ。)
チャンドラー: Do you want us to leave the room, or...? (俺たちに部屋を出て行って欲しい? それとも…?)
ロス: Every day, I am gonna do one thing I have never done before. That, my friends, is my New Year's resolution. (毎日、僕はこれまでにしたことのないことを1つするつもりだ。それがね、みんな、僕の新年の決意なんだよ。)
フィービー: Ooh! That's a good one! Mine is to pilot a commercial jet. (うー! それは良い決意ね! 私の(決意)は商用[民間営業用]ジェット機の操縦をすることよ。)
チャンドラー: That's good one too, Pheebs. Now all you have to do is find a planeload of people whose resolution is to plummet to their deaths. (それも良い決意だね、フィービー。今、君は、(新年の)決意が落ちて死ぬこと、っていう人を飛行機1台分見つけたらいいだけだね。)
go out on a limb は「危険な・不利な・困難な立場になる、孤立無援の状態になる、危険を冒す」というような意味。
limb は「(木の)枝」なので、直訳すると「枝の上に乗り出して」ということになります。
out on a limb というフレーズは、
フレンズ3-1その14、フレンズ4-5その1 にも出てきました。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
go/be out on a limb : to do something risky or uncertain
つまり、「危険な、または不確かなことをすること」。
ロスのセリフは、危険を恐れずに思い切って言っちゃうけど、とか、危険かもしれないけどあえてこう言うよ、みたいなニュアンスかなと思います。
最初の妻キャロルと離婚し、イギリス人エミリーとの結婚も破綻し、ロスは今、バツ2状態。
離婚の話は友人たちにもよくネタにされるので、「今年は離婚ナシの年にするぞ!」と高らかに宣言しているわけですね。
ですがレイチェルに早速ツッコミを入れられてしまいます。
final は「ファイナル」と日本語になっているように、「最後の、最終の」という意味があり、また「決定的な、確定的な」という意味もあります。
今回のセリフは、「決定的な、確定的な」というニュアンスで、But your divorce isn't even final yet. を直訳すると、「でも、あなたの離婚はまだ、決定的になってさえいないでしょ」のようになるでしょうか。
離婚手続きが完全には済んでなくて、まだ正式には離婚してないわけでしょ?、これから正式に離婚することになるんだから、99年は少なくとも1回の離婚は確定してるんじゃない?みたいなツッコミですね。
ちょうど、英辞郎の final の例文に以下のものがありました。
Our divorce became final just recently. 「つい先日、正式に離婚しました。」
まさに、final が今回のセリフと同じ状況・ニュアンスで使われている例文ですね。
そんな風につっこまれたロスは、レイチェルに文句も言わず、言い訳もせず、たださきほどの「離婚はナシ」宣言を「離婚は1回きり」宣言に、何事もなかったかのように変えるのも面白いです。
1回は決まってるからそれはしょうがないとして、今年はそれ以上は離婚しないぞ!と誓っているのですね。
ロスは、「僕は今年は幸せになるんだ」と言った後、I am gonna make myself happy. 「僕は自分自身を幸せにするんだ、するつもりだ」と言っています。
それに対するチャンドラーの返しは、彼お得意のエッチネタ。
Do you want us to leave the room, or...? を直訳すると、「ロスは俺たちにこの部屋を出て行って欲しいと思ってる? それとも…?」みたいな感じ。
「俺たちに席を外して欲しい? ロスは今、一人になりたい?」みたいに言っているわけで、それはつまり、「今からこの部屋で一人になって、一人エッチをするつもり?」みたいに言ってからかっているのですね。
「自分自身を幸せにする」というフレーズは、普通に聞けば文字通りの抽象的な意味に聞こえますが、その myself の部分にちょっとエッチなニュアンスを持たせて解釈すると(日本語で言うと、「俺”自身”」のように「自身」をやたらと強調する感じ?…笑)、自分で自分を幸せにする、自分で自分を気持ち良くさせる、自分で自分の身体(もしくは、象徴的な大切な部分)を気持ち良くする…というような意味にも聞こえてしまいます。
フレンズ1-17 で、お猿のマルセルが窒息しかかっており、動物病院ではない(人間用の)病院で何とか診てもらおうとしていた時のロスのセリフに以下のものがありました。
ロス: He touches himself when nobody's watching. (誰も見ていない時には、彼(マルセル)は自分自身を触るんだよ。)
これも、himself というのは、彼の身体、というよりも、ある特定の部位を指している感覚がありますよね。
マルセルは人間と同じなんだよ、こんなことだってするし…と挙げた例の一つがこれだったわけですが(笑)、一人エッチをするくらい彼は人間的なんだぞ、と言っているわけですね。
チャンドラーはまさにそのマルセルのことを語るロスのセリフと同じようなことを、ロスに対して言っていることになります。
「見られてるとやりにくいだろうから、それじゃあみんなで外に出ようか?」みたいに言っているわけですね。
意味としては「一人エッチをするつもりか?」と言っているわけですが、ダイレクトにはそう言わず、「一人にして欲しい?」とだけ言っているのが、このジョークの面白いところだなぁ、と思いました。
That, my friends, is my New Year's resolution. のカンマに挟まれた my friends は、フレンズたちに対する呼び掛けで、文頭や文尾に来ることが多いそういう呼び掛け語を、「いいかい、みんな」みたいに注意を引くために、わざと文の間に挿入している感じですね。
New Year's resolution は文字通り「新年の決意」。新年の抱負や新年の誓い、でもいいでしょう。
どこの国の人でも、一年の最初には何かを決意したくなるものなのですねぇ(笑)。
ロスの新年の決意を聞いて、フィービーも自分の決意を述べています。
commercial は日本語にもなっている「コマーシャル」ですが、形容詞としては、「商業の、商用の」という意味になり、a commercial jet は「商用・民間営業用ジェット機」というニュアンスになります。
わざわざ commercial と付けているのは、a private jet 「自家用ジェット機」との対比でしょうね。
(お金持ちがよくやるように)自家用ジェット機を買ってそれを操縦する、とかじゃなくて、航空会社が飛ばしているジェット機のパイロットをしてみたいのよ、という感じでしょう。
その決意を聞いて、いつものようにちゃちゃを入れるチャンドラー。
Now all you have to do is find a planeload of people whose resolution is to plummet to their deaths. の文の構造の基本は、all you have to do is (to) find... になります。
「君がしなければならないことのすべては…を見つけることだ」という構造ですね。
つまり、「君は…を見つけさえすればいい」と、あるものを find しさえすればその夢は叶うね、と言っていることになります。
で、何を見つけるか、ということが、find 以下で語られています。
find a planeload of people whose resolution is to plummet to their deaths の構造について。
planeload は「飛行機の搭載量」のことなので、a planeload of people は「飛行機1台分の人々」というところ。
whose 以下で、その人々の決意が、to plummet... である人、だと説明を付け加えています。
plummet は「まっすぐに落ちる、急落する」という自動詞。
物価などが落ちる、という意味でも使われるため、ビジネス英語でもちょくちょく見かける単語です。
今回のセリフの plummet to their deaths は「死に向けて落ちる、急落して死に至る」というようなニュアンスでしょうか。
簡単に言うと、「落ちて死ぬ」みたいな感じですね。
チャンドラーは、「今年は高いところから落ちて死ぬぞ!というのを新年の決意にしているような人を、飛行機一台分見つけることができたら、フィービーの願いは叶っちゃうね」と皮肉を言っているのです。
飛行機を操縦したこともないのに、いきなり商用ジェットだなんて、そんなパイロットが操縦する飛行機にお金を出して乗り込む物好きはいないよ、自殺願望のある人なら別だけど、みたいに言って、からかっている感じですね。
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