2010年11月06日

思い出の品としてとっておく フレンズ5-9その6

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モニカはセントラルパークで、チャンドラーに自分の裸の写真を渡します。
チャンドラーはそれを雑誌に挟み、自分の家のカウンターに置いておいたのですが、ジョーイが偶然それを発見。
最初は驚いていたジョーイですが、それから「ほぉー」みたいにニヤニヤしてその写真に見入っていたところを(笑)、後ろから近づいてきたレイチェルに気付かれてしまいます。
フレンズみんなが集まってきて、ジョーイを変質者(pervert)呼ばわりするのですが、チャンドラーはジョーイのことを、a sex addict 「エッチ中毒(者)、エッチ依存症」だと説明して、その騒ぎを収めようとします。
何でもかんでも自分のことにされるのはもうごめんだ、とばかりに、ジョーイはこれが真実だ、と言って、みんなに、"I slept with Monica." 「俺はモニカと寝た」、"We just did it once in London." 「ロンドンで1回やった(エッチした)」と言ったため、その場が凍り付いてしまいます。

レイチェル: Monica, is this true? (モニカ、これは本当なの?)
ジョーイ: Of course, it's true. How else would you explain all the weird stuff that's been going on? (もちろん本当さ。ずっと起こっている奇妙なこと全部を、他にどうやって説明できるんだ?)
モニカ: Yes, it's true. (えぇ、本当よ。)
レイチェル: Okay, but if it only happened that one time, how come we found your underwear in our apartment the other day? (いいわ、でも、それが起こったのが、その一度だけだったなら、どうして、この前、私たちの部屋であなたの下着を見つけたの?)
ジョーイ: Ahh? Oy! That was the underwear I was wearing that night in London. Right, Monica? (あー、ほら! それは、あの夜、俺がロンドンではいていた下着だったんだ。そうだよな、モニカ?)
モニカ: I guess I wanted to keep it (Pause) as a souvenir. (それを取っときたかったんだと思うの…記念の品として。)
ロス: My God, Monica!! (なんてことだ、モニカ!)
チャンドラー: Are you sure, Joe? Are you sure you're not just a sex addict? (確かか、ジョーイ? お前がエッチ依存症じゃないってのは確かか?)
ジョーイ: No! If anyone's a sex addict here, it's Monica! Yeah. Yeah. She has been trying to get me back in the sack ever since London! (違うよ(おれはエッチ依存症じゃないよ)! もしここで、誰かがエッチ依存症なら、それはモニカだ! そうだよ、そうさ。モニカは、ロンドン以来ずっと、俺をベッドに連れ戻そうとし続けてたんだ。)
フィービー: So that's why she gave you a naked picture of herself. (それじゃあ、そういうわけで[だから]、モニカはあなたに自分の裸の写真を渡したのね?)
ジョーイ: That makes sense! (それならつじつまが合うだろ!)
レイチェル: And the video camera? (それで、あのビデオカメラは?)
ジョーイ: Uhh, Monica? (あー、モニカ?)
モニカ: I guess I set up the video camera to try and entice Joey. (ジョーイをそそのかそうとしてビデオカメラをセットしたんだと思うの。)
ジョーイ: But, sadly, I could not be enticed. (でも、悲しいかな、俺はそそのかされなかったんだよね。)
ロス: Unbelievable! I mean you really kept Joey's underwear? Why? Why would you do that? (信じられないよ! だって、モニカはほんとにジョーイの下着を持ってたのか? どうして? どうしてそんなことをしたんだよ?)
モニカ: I'm Monica. I'm disgusting. I stalk guys and keep their underpants. (モニカだもの。私は最低なの。男をストーカーして、その人の下着をとっておくのよ[とっておくような人間なのよ]。)

ジョーイの「モニカと寝た」という発言を聞いて、信じられないという顔でモニカに真偽を問うレイチェル。
モニカが答える前にジョーイが、「本当に決まってるさ、それ以外にこの一連の奇妙な出来事を説明する方法なんかないもんな」みたいなことを言っていますね。
ジョーイの発言を認めたモニカですが、レイチェルはまだ食い下がります。
ロンドンで1回エッチしただけなら、つまり、モニカの部屋でエッチしたんじゃないのなら、どうしてあの部屋にジョーイの下着があったわけ?という質問です。

ジョーイも自分の名誉を守るために必死なのか、今回はやたらと冴えまくっていますね(笑)。
レイチェルが見つけた下着は、俺がロンドンではいてたものだ、と説明します。
そうだよな!という感じで、パンと勢いよくモニカの背中を叩くジョーイ。
チャンドラーと付き合っているという事実を絶対に知られたくないモニカは、何とかそれに合うように話を作らなければなりません。
それでしぶしぶ、「その下着を記念の品として取っておきたかったの」と言うはめになります。

souvenir は「おみやげ、記念品」。
研究社 新英和中辞典では、
souvenir=(旅行・場所・出来事などの思い出となるような)記念品、みやげ
(語源) フランス語「思い出す」の意

と出ています。
まさに、ロンドンでのジョーイとの一夜の思い出として…みたいな感じで取っておいたの、というニュアンスになりますね。

話が変な方向へ行きそうなので、チャンドラーはまた、ジョーイは a sex addict 「エッチ依存症」だ、という方向に話を戻そうとしますが、逆に、「ここにエッチ依存症がいるとしたら、それはモニカだ!」と言われてしまいます。

sack は「寝床、ベッド」という意味。
ですから、get me back in the sack は「俺をベッドに連れ戻す」みたいな感じですね。
has been trying は、継続を表す現在完了進行形ですから、ロンドン以来、ずーっとトライし続けていた、というニュアンスが出ます。

That's why は、「それが…の理由である」。
モニカがジョーイを誘おうとしていたことが、裸の写真を渡した理由なのね?という感覚です。
モニカはそういう気持ちだったから、「だから、そんなわけで」写真を渡したのね、ということになります。
make sense は「意味をなす、道理にかなう、筋が通っている、つじつまが合う」。
そういうことなら全てすんなり納得できるだろ、みたいな感じですね。
レイチェルは今度はビデオカメラについて尋ねます。
ジョーイはまたモニカの背中をパンと叩いて、その件はモニカから説明させようとします。

entice は「(人)をそそのかす、うまい話で釣る」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
entice : to persuade someone to do something by offering them something nice
つまり、「何か良いものを提供することで、誰かに何かをさせるように説得する[勧める]こと」。

英辞郎の entice の語義説明によると
(entice は) seduce に比べて性的な意味合いは弱い。
とあります。
seduce は「性的に誘惑する」という意味で、フレンズ2-23その27 や、フレンズ4-16その4 でもそういう意味で出てきました。

英辞郎でも比較されているように、entice と seduce は意味的には近い言葉ですが、ここでのモニカは、嘘とはいえ、seduce Joey とは言いたくなかったのかもしれませんね。
例えば日本語の場合でも、「彼を誘惑する」と表現すると、少し性的なイメージが湧いてしまうので、そういう関係を他人にリアルに想像されたくない相手の場合は、「彼を誘う」程度に表現を押さえるような気もします。
ジョーイが、get me back in the sack と、直接的な表現をしたので、モニカの方はあまり生々しい表現にならないように必死に押さえようとしているのかな、と思いました。

またここで、モニカのセリフ2つ(I wanted to keep it as a souvenir と、I set up the video camera の文)のどちらにも、I guess がついているのにも注目してみましょう。
I guess は、I think を口語っぽく言ったもので、「…(だと)思う」という意味。
フレンズでも、I think と同じような意味でよく登場しますね。

ジョーイと寝たということにされて、その過去の出来事をモニカの口から説明する際に、I guess と最初に言ってから内容を説明しているわけですが、I guess をつけることで、ちょっとワンクッション置いて、ダイレクトになりすぎないようにボヤかしている印象を受けます。

「あの時の私は常軌を逸していた、どうかしていた」と言いたくて、自分のその時の気持ちや行動を回想するような感じで、距離を置いて話している。今の自分にはその時の気持ちや行動はとても理解できないけれど、今思うと、多分そういうことだったんだろうと思うの…的に話している感覚なのかな、と思いました。

下着を記念に取っておいただの、誘惑するためにビデオカメラをセットしただの、と聞いて、兄であるロスは、信じられない!と叫んでいます。
なぜそんなことを!と言われたモニカの返事は、どこかで聞いたようなセリフ…ですね。

過去記事、フレンズ5-9その1 で解説したように、下着はジョーイのものと言われた時に、同じようなセリフをジョーイが言っていました。
その後、ビデオカメラの罪を着せられた時も、それと同じような、以下のセリフを言っていました。
ジョーイ: I'm Joey. I mean, I'm disgusting. I make low-budget adult films. (俺はジョーイだ。つまり、俺は最低なんだよ。俺は低予算のアダルト映画を作るんだ[作るような人間なんだ]。)

そして、ここで最後にモニカがそのセリフを言うことになってしまった…というオチですね。

このように「同じようなセリフを繰り返すジョーク」というのは、誰かが直前に言ったセリフを繰り返したのであれば、そこに気付く人は多いですが、今回のこの3つのセリフは、かなり時間的に離れています。
1つ目はオープニング前、2つ目はアドブレイク(コマーシャルブレイク)前、そして今回のモニカのセリフがエンドクレジット前、と、見事なまでに離れているのですが、そのセリフの2回目、3回目の登場で笑えてしまう、ということは、そのセリフが「言葉」としてきちんと記憶に残っているということですよね。

そういう「記憶の保持、保持力、記憶力」のことをリテンション(retention)と言いますが、英検について書いた過去記事、リテンションが物を言う 1級一次(リスニング編)その2 でも触れたように、リスニングにおいてはそういう「リテンション」の能力が非常に大切だと思っています。
こういうストーリーのあるコメディで笑えるかどうかも、そういうリテンションが大きくものを言います。
忘れた頃に登場する「またその話かい!」的なノリのセリフに笑うことができるリテンションの力をつけることが、私が考える「シットコムで笑え!」というスローガンの意図するところでもあります。

また、ジョーイの "I slept with Monica." が、形勢逆転のターニングポイントになったことで思い出すことがあります。
今回のエピソードのオープニング直前のやり取りは(ブログでは解説していませんが)、以下のようになっていました。

モニカ: We'll try to be more careful, okay? It's just that, we don't want everyone to know because this is going really well. And maybe the reason it's going really well is because it's a secret. (私たち、もっと気をつけるようにするわ、ね? ただこういうことなのよ、この今の関係はほんとうにうまく行ってるから、誰にも知られたくないの。そして、多分、うまく行っている理由は、それが秘密である[秘密にしてる]からよ。)
チャンドラー: I know it sounds really weird, but we're just so bad at relationships. (ほんとに変な風に聞こえるってわかってるけど、でも、俺たち、恋愛関係ってのがすごく苦手なんだよ。)
モニカ: We are! Help us! (そうなの(苦手なの)! 私たちを助けて!)
チャンドラー: Help! (助けてくれよ!)
ジョーイ: All right. But, (To Monica) you do it with me once. (わかったよ。でも、[モニカに] モニカは俺と1回やるんだ。)
モニカ: Joey! (ジョーイ!)
ジョーイ: Didn't think so. (そんなこと、思ってなかったさ。)
と言って立ち去る。

do it は「エッチする」という意味で、You do it with me once. は、Do it with me once. という命令形に、強調のための主語 you がついた形。
直訳すると、「モニカは俺と一度エッチしなさい」みたいなことですが、お下品に言うと、「1回やらせろ」みたいなことですね(笑)。

「何てこと言うの! ジョーイ!」みたいにモニカが非難したので、Didn't think so. つまり、I didn't think so. 「俺はそんなこと、別に思ってなかったさ」と言って、ジョーイは自分の寝室へと向かいます。
意味としては「本気にするなよ、冗談で言ってみただけさ」みたいな感じのセリフですが、ジョーイが自分の部屋に向かう時の顔を見ると、何だかぶすっとしていて不機嫌で(笑)、「この状況でそう言ってみたら、あわよくばモニカと寝れるかも…」みたいに思っていたのでは?という印象を受けます。
「どさくさに紛れて言ってみたけど、ちぇっ、やっぱりムリだったか」みたいなのがジョーイの本音なのでしょうね。

そんな風に冒頭で、「黙っててやるから1回やらせて」みたいに言っていたという経緯があって、このエピソードの最後に、もちろんほんとに寝たわけではないけれど、「モニカと1回寝た」と嘘をつくセリフが登場するのですね。
その嘘でチャンドラーとモニカの仲を隠すという結末になっているわけですが、さらっと言っていた冒頭のジョーイのセリフも、この最後のオチに繋げるための伏線だったのかな、と考えるとなかなか興味深いです。
レイチェルたちへ語った架空の話の中では、まさに、黙っててやる代わりに「モニカとやった」ということになっている、そういう皮肉な結末に、フレンズの脚本の奥深さを感じた気がして、面白いな、と思いました。


(Rach からのお詫び)
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posted by Rach at 07:58| Comment(6) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月04日

何かに例える、なぞらえる フレンズ5-9その5

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ニュー・スクール大学で、文学講座を一緒に受講しているフィービーとレイチェル。
レイチェルは、家で本を読んでくることもせずに、フィービーに内容を尋ねます。
あらかじめ読んできて自分なりの意見をまとめてきていたフィービーは、レイチェルにそれを話して聞かせます。が、その意見をまるで自分が考えたように発表したレイチェルを見て激怒。
その次の回、また懲りずに「ジェーン・エア」ってどんな人?と尋ねてきたレイチェルに、「ジェーン・エアは実はサイボーグなの」とフィービーは嘘の情報を教えます。
その情報を信じたレイチェルが、先生の前で自説を発表した後のシーン。
(2011.1.15 追記)
上であらすじとして説明している部分のやり取りを、以下の記事で追加説明しています。
光年は「距離」だけど… フレンズ5-9その8
(追記はここまで)

[Scene: Monica and Rachel's, Rachel and Phoebe are returning from class.]
モニカとレイチェルの部屋。レイチェルとフィービーは講座から帰ってきたところ。
レイチェル: (entering, angrily) Ugh, that was so embarrassing! I can't believe you let me go on and on and on like that! ([怒りながら入ってきて] あー、さっきのはすっごく恥ずかしかったわ! あなたがあんな風に私に延々、話を続けさせたなんて信じられない。)
フィービー: (smiling) I'm sorry. It was just so funny when you started comparing Jane Eyre to Robocop. ([微笑んで] ごめんなさい。あなたがジェーン・エアをロボコップにたとえ[なぞらえ]始めた時、ただすっごく面白かったもんだから。)
レイチェル: That was not funny! (あんなの面白くないわ!)
フィービー: Well, I snapped, okay? You weren't taking the class seriously. (そうねぇ、私はキレちゃったのよ、いい? あなたはあの講座を真剣に受けてなかったもの。)
レイチェル: Phoebe, come on! What is the big deal? I thought this was going to be something we could do together, y'know? I thought it would be fun! (フィービー、いい加減にしてよ! 何を大騒ぎしているの? これが、私たち二人が一緒にできる何かになるって思ってたのに、でしょ? 楽しいものになるって思ったのに!)
フィービー: Well, yeah! Fun is good. But y'know I also wanted to learn. Y'know, people are always talking about what they learned in high school and I never went to high school. (えぇ、そうね! 楽しいのはいいことよ。でも、ほら、私は同時に学びたかったの。ほら、みんないつも、高校で何を習ったかについて話してばかりいるでしょ。で、私は高校には行ってなかったから。)
レイチェル: Ohh. Oh, so you really wanted to learn. Yeah, y'know, Pheebs, I just wanted to have fun. Ohh, you know who you should go with? (あぁ。あぁ、それじゃああなたは本当に学びたかったのね。そうよ、フィービー、私はただ楽しみたかっただけなの。あ、あなたが一緒に行くべきなのは誰かわかる?)
[Scene: The Class; Monica has taken Rachel's spot.]
(画面が急にカットして)その文学講座。モニカがレイチェルの場所に座っている。
モニカ: (yelling and waving her hand in the air) I know! I know! I know! ([叫んで手を空中でひらひらさせて] 知ってる! 知ってる! 知ってる!)
先生: Monica, you asked the question. (モニカ、君がその質問をしたんだよ。)
(She sits back defeated, and Phoebe groans with disgust.)
モニカは敗北したように[がっかりしたように]椅子の背にもたれる。フィービーは嫌悪したようなうめき声を上げる。

レイチェルは、すっごく恥ずかしかった、と言ってプリプリしながら部屋に入ってきます。
that や like that は、文学講座での様子を指していますね。
you let me go on and on and on like that! の go on は「…を続ける、…し続ける」「言い続ける、話し続ける」など、何かを続けているニュアンス。
その go on を、go on and on and on のように何度も on を繰り返す表現にすることで、「延々と、長々と、くどくどと、話し続ける」というように、その続けるという行為が、かなりの時間、継続して行われていたニュアンスを出すことができます。
英語では、over again 「さらに繰り返して」をさらに強調して、over and over again 「何度も繰り返して、何度も何度も」と表現することもありますが、それと同じ感覚ですね。

その前の文学講座のシーンでは、レイチェルが robot という単語を出したところで場面が終わっていました。
ですから実際にレイチェルがどういう自説を述べたのかはこの時点ではわからないのですが、今のこのレイチェルのセリフから、そのロボットネタで、レイチェルが延々話を続けていたらしいことが想像できますね。

レイチェルは恥をかかされた、どうして止めてくれなかったのよ!と激怒していますが、フィービーは楽しそうに微笑んでいます。
止めなかった理由として、「だってすごく面白かったんだもん」と言っていますが、何が面白かったかの説明がその後の when 以下で語られていますね。

compare は「比較する」という意味で、「A と B を比較する」という意味だと、compare A with B, compare A to B のように、with や to の前置詞が使われます。
また、compare A to B の形は、「比較する」という意味以外に、「A を B に例える、なぞらえる(準える・擬える)」という意味にもなります。
A は B に似ているという「類似」を示す表現ですね。

今回のセリフも、ただ単に「ジェーン・エア」と「ロボコップ」を「比較した」というよりも、ジェーン・エアはサイボーグだと思い込んでいるレイチェルは、それがまさにロボコップのようだと思ったので、ジェーン・エアをロボコップになぞらえて、延々話を続けていた、ということになります。
今さらですが、「ジェーン・エア」については、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: ジェーン・エア
シャーロット・ブロンテの小説ですね。
今回の文学講座では、「嵐が丘」に続いて、ブロンテ姉妹の作品が取り上げられているのもポイントです。

「ロボコップ」は日本でも有名な映画ですね。
Wikipedia 日本語版: ロボコップ
サイボーグになった、文字通り「ロボット警官(ロボコップ)」のお話です。

snap は「キレる」というニュアンス。
snap one's fingers なら「指をパチンと鳴らす」で、snap には「パチン、ポキッ、パクリ、カチッ」などの音のイメージがあります。
フレンズ1-10その2 でも「キレる」という意味で出てきました。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
snap : BECOME ANGRY/ANXIOUS ETC. [intransitive] to suddenly stop being able to control your anger, anxiety, or other feelings in a difficult situation.
例) When he hit me, I just snapped.


つまり、「怒る、心配になる、など。難しい状況下で、自分の怒りや心配や他の感情をコントロールできる状態を突然やめてしまうこと」。
例文は、「彼が私を叩いた時、私はキレてしまった」。

レイチェルが怒るのもわかるけど、私はあの時、怒ってキレちゃってたのよ、という感じです。
レイチェルが真面目に講座を受けてなかったから、不真面目だったから、というのがその理由ですが、レイチェルは What is the big deal? と言って怒っています。
big deal はフレンズ頻出表現ですが、「おおごと、一大事」。
直訳すると、「何が、おおごとなの?」ということですから、講義を真面目に受けていなかったってことが、そんなに大袈裟な話なの? みんなの前で私に大恥をかかせてもいいと思えるくらい、重大な話なの? 授業を真面目に受けてないくらいのことで、それがどうしたっていうのよ、というところです。
I thought this was going to be something we could do together を上では「私たち二人が一緒にできる何かになるって思ってたのに」と直訳しましたが、つまりは、女の子がよく言う「二人で一緒に何かやりましょ」っていうやつになると思ってたのに、という感じですね。
「一緒に仲良く楽しく何かをしよっ!」って思ってただけなのに、フィービーは私がちょっとサボったくらいでそんなに目くじらを立ててカリカリするから…とボヤいているわけです。

フィービーはそこで本音を語っていますね。
「楽しいのもいいけれど、私は学びたかった、勉強したかったのよ」と。

people are always talking about what they learned in high school という文では、always と現在進行形が使われていますね。
このように、現在進行形に always がつくと、「しょっちゅう…してばかりいる」というニュアンスが出ますね。

研究社 新英和中辞典でも、
always=[通例進行形に伴って] いつでも、しょっちゅう (注:しばしば話者の不満・怒りなどの感情が入ることがある)
と説明されています。

数研出版「基礎と完成 新英文法」の p.103 でも、現在進行形の用法として、
<絶えず継続している動作>
always (いつも)、continually (絶えず)、for ever (始終) などの副詞語句と共に用いられる。一種の”誇張”表現で、しばしば<不快・いらだち>などの感情的色彩を伴う。

という説明があります。

She's always complaining. 「彼女はいつも文句ばっかり言っている」などはその典型例ですね。

フィービーは高校生くらいの年齢の時、ストリートで路上生活をしていた、という話はこれまでにも何度も出てきました。
だからフィービーは高校には行っていないのですね。
このフィービーのセリフも、「みんな、何かっていうと、高校時代に何を習ったとかの話ばっかりしてさぁ…」みたいな不満が出た愚痴のセリフだということでしょう。

その話を聞いて、レイチェルは、自分とフィービーの求めていたものが違っていたことを悟ります。
レイチェルは女の子がよく考えるように、ただ誰かと一緒に何かをして楽しみたかっただけ、なのですね。
勉強など嫌いそうなレイチェルですから(笑)、フィービーのように真剣に文学について学びたかったわけではない、ということです。
その後、レイチェルは、フィービーが一緒に行くべき相手を急に思いついたような発言をしています。
それが誰か、をセリフで説明する間もなく、突然画面が切り替わり、威勢よく手を挙げて、I know! と繰り返し叫んでいるモニカが映るのにはやはり笑ってしまいます。

モニカなら何かを真面目に学ぶ、とかに興味がありそう…と二人は考え、それでレイチェルの代わりにモニカが行くことになったようですが、その辺の経緯は一切見せず、いきなり張り切りすぎのモニカを見せる、というカットの妙ですね。
モニカの場合は必要以上に頑張りすぎちゃって、レイチェルとはまた別の意味で困った連れになってしまっている、という面白さです。

I know! はモニカお得意の口癖ですね。
何人かで授業を受けているのに、「私、それ知ってる、知ってる!」みたいに一人だけ大声で叫んでいるのもちょっとKYな感じなのですが、次の先生のセリフで、さらにモニカの困ったちゃんぶりが明らかになります。
You asked the question. というのは、つまり、You are the one who asked the question. のようなニュアンスで、「君は答えを知ってる知ってると騒ぐけど、元々その質問をしたのは君自身じゃないか。質問をした張本人なのに、自分で質問して自分で答える、っていうのはやめてくれないかな」と先生は言っているのですね。
得意気に答えようと張り切っていたモニカは、そのように言われて、えーっ?みたいに、ぶーたれた顔をし、そういうモニカの様子を見たフィービーはげんなりしているわけですね。


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posted by Rach at 12:39| Comment(8) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月02日

リスニングの脳内処理

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フレンズ5-1その7 のコメント欄 で、「ネイティブはリスニングの時に 100% 音が取れているのかどうか」という話題が出ました。
それについて、私になりにいろいろ考えてみましたので、今日はそれを記事として投稿したいと思います。


私はリスニングをする際には常に、「音がどれだけ拾えるか?」ではなくて、「音だけで意味がどこまでわかるか?」という部分を重要視しています。
結局、リスニングは「聞いて意味がわかるかどうか?」が大事だからです。
Rach流DVD学習法と称した自身の学習法での第一段階が、「ネタバレ禁止状態で、英語音声、字幕なし」なのもそのためですね。
何の予備知識もなしに、映像と音だけでどれだけ話の流れ、セリフの意味がわかるか、を確かめたいからです。
家で TOEIC の問題集を使って、リスニングの問題を解く時に、先に解答編の英文スクリプトや日本語訳を読んでから取り組む人はいませんよね。
それだとカンニングしたのと同じことになってしまいます。
ドラマで英語を学ぶ時も、私は同じやり方をしている、ということです。
他の情報を遮断することで、(映像はついていますが)音だけでどこまでわかったかがはっきり認識でき、そこで自分の弱点に気付けるからです。

海外ドラマのセリフは、TOEIC のナレーションに比べて、ずっとラフで早口で不明瞭です。
それをリスニングする際には、全ての音が完璧に拾えなくても、重要な言葉を英語の語順で理解する能力があれば、だいたいの意味は取れるはず、と私は思っています。

私は、「時々聞こえない音もあるけれど、それでも意味はわかる」という部分が大切なのだと思っています。
日本人はどうしてもあの「音」に対する苦手意識があるせいで、「あの音さえ全部拾えれば、あの音を全部文字化できれば、意味がわかるに違いない」と思ってしまいがちですが、音から文字化してそれから意味を取る、のではなくて、音と状況から意味を判断して「ここではこれしかありえないだろう」という適切な単語を選択し、あの音を文章化する、というのが、ネイティブがやっている脳内作業のような気がしています。

ネイティブには、「スクリプト通りに音が聞こえる」というよりも、前後の状況や文脈を考えて、ここでこの音だったらこの文章しかあり得ない、というものを文字にしている、という気がするのですね。
例えば、誰かが何か言いかけて絶句している時、音としては本当に最初の部分しか聞こえていなくて、実際にも最後まで言い切っていない場合でも、何を言おうとしたか、どんな単語が来るはずだったかわかる、ということがあります。
実際には音としては、途中までしか聞こえていないものを、ネットスクリプトでは完全な単語として書いてあるものもありますが、それも、「音」ではなく、話の流れからその単語だと決めているわけですよね。


これまでフレンズのセリフを解説してきて、「聞き間違い」が絡むやり取りがいくつかありました。
以下に思い出したものをいくつか挙げてみます。

フレンズ1-4その1
omnipotent を impotent や I'm impotent と聞き間違える。

フレンズ2-14その13
accept that を except that と聞き間違える。

フレンズ3-4その20
lose her を loser と聞き間違える。

どうして聞き間違えることになったのかは、過去記事の解説を読んでいただきたいのですが、全般的に言えることは、聞く方の知識・考え・意図が聞き取りの結果に影響する、ということですね。

1-4 は、ジョーイは恐らく omnipotent という言葉になじみがなくて、自分の知っている impotent という言葉にしか聞こえなかった。
2-14 は、レイチェルがまさかそんなことを言うとはロスは夢にも思っておらず、自分の都合のいい方に音を解釈してしまった。
3-4 は、はからずも、レイチェルがチャンドラーのことを loser だと内心思っていたことがバレてしまった。
と分析できるでしょう。

もちろん、上に挙げた例は、ドラマとしてストーリーを展開させるための、通常ではあり得ないような聞き間違い、なのかもしれません。
ですが、聞く側の意識の違いによって、同じ音が別の言葉に聞こえてしまう、ということはあり得ると思うのです。


私はこのブログの原稿を書くために、まず最初に、「ネットスクリプトとDVD英語字幕を突き合わせて、一番、実際の音声に近いと思われる形に修正する」という作業をしています。
そういう突き合わせをしていると、ネットスクリプトとDVD英語字幕の不一致をしばしば発見するのですが、ただのタイポ(タイプミス、書き間違い)だけではない、リスニング面において興味深いと思われる事例にも遭遇します。
以下、そういう例を3例挙げてみます。

今、解説している フレンズ5-9 のエンドクレジットの時のセリフに、
モニカ: I just convinced Carl to give us a test next week.
というセリフがあるのですが、
DVD英語字幕では、Carl になっていて、ネットスクリプトでは、Paul になっていました。
ただのタイポと言ってしまえばそれまでですが、実際に音を聞いてみると、早口な上、不明瞭で、字幕通り、Carl と言っていると思えるけれど、Paul と聞き間違えても無理はない、みたいな微妙な音なんですよね。
この一つの例から、何かの結論を導き出すのは危険かもしれませんが、一つの仮説として、ネイティブでも不明瞭な音はやっぱり聞き取りにくい、ということは言える気がします。

また、次に解説する予定の フレンズ5-10 では、
who can say "Merry Christmas" in 25 languages というフレーズが出てきますが、
DVD英語字幕では、say になっていて、ネットスクリプトでは、sing になっています。
say でも sing でも、文としては成立しますよね。
音はやはり say と言っているようですが、s- の音を聞いて、sing と聞き間違えるというのも、文章がそれで成り立つだけに、ごく自然な聞き間違いと言える気がします。
ここでも、「音を全て聞き取っている」というよりも、「聞こえた s- の音から文脈に合う動詞を選んでいる」という気がするのですね。

また、過去の例では、フレンズ3-23その2 の、
DVD英語字幕では、weird things 、それがネットスクリプトでは、rear things になっていた、というのもありました(w- と r- の音は意外と良く似ています)。

このように、やはりネイティブでも不明瞭な発音は聞き間違えるし、実はかなり文脈から判断している場合も多いのでは?と思うのですね。
もちろん、聞き間違える場合でも、やはり、ある程度文脈に合う、意味のある言葉に聞き間違えているところが「さすがはネイティブ」なのだと思います。
無意識のうちに、音を自分の知っている言葉に結び付けてしまうのが、言葉を聞く時に行う脳の作業だからなのでしょうね。

その話されている内容から判断して、聞こえた音から元の単語や文章を瞬時に復元できる、それがネイティブなのでしょう。
日本語も同音異義語が多いですが、それを瞬時に判断することができるのも、音と内容から適切な単語を頭の中で選択することができるからですよね。
英語ネイティブは、私のように大人になってからリスニングをトレーニングした日本人の英語ノンネイティブよりも、明らかに音の聞き分けは優れているはずですが、「音」そのものをかなりの部分聞き取っているのに加えて、「聞こえた音から適切な単語を判断する」能力に長けている、ということだと思います。

単語の選択だけではなく、その音から文を復元するのに、文章として成り立つもの、意味として通じるものをきちんと瞬時に形成できる、という文章構成力もあるでしょうね。
それは、ずっと母国語としてその言語を聞いて育ってきたお陰で、音と言葉の結びつきがデータベースとして蓄積されているからでしょう。
音に対する慣れと、これまでに蓄積された知識、文章構成力がリスニングの精度を上げるのですね。
不明瞭で聞こえない部分をそれらが補完してくれるのです。

ですから、日本人がリスニング力を上げたいと思う場合も、もちろん「本物の英語の音」を聞き、それに耳を慣らすことが大事なのは言うまでもないですが、多くの英語の文に触れて、自然な英文の構造をたくさん学ぶことで、断片的に聞こえてくる「音」から、その文脈にあった自然な英文を作り上げることができる能力も必要になってくると思います。
聞こえてきた音を文にできるのは、耳の良し悪しではなく、英文の構造を理解し、その構造を音から復元できる力だ、と言える気がします。


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posted by Rach at 11:58| Comment(9) | 英語学習のコツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年11月01日

クローゼットからカムアウト フレンズ5-9その4

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ジョーイはシンシアという女性を連れて部屋に帰ってきます。
ドアを開けるとそこにはビデオカメラが設置されていました。
それは、チャンドラーとモニカが自分たちのために設置したものだったのですが、シンシアはジョーイが設置したと誤解して、「初デートのエッチを録画するつもりだったの?」と怒って出て行ってしまいます。
その様子をレイチェルにまで目撃されてしまったジョーイ。
またチャンドラーにお願いされて、渋々自分がやったとレイチェルに認めたジョーイですが、レイチェルが去った後、チャンドラーとモニカに怒りをぶつけます。
ジョーイ: You guys promised you'd be more careful! I mean, come on! The good Joey name is being dragged through the mud here! (もっと気をつけるって、お前ら約束しただろ! もう、いい加減にしてくれよ! 良きジョーイの名前がここで泥に引きずり込まれてるよ。)
モニカ: We're so sorry. (私たち、ほんとにごめんなさい。)
チャンドラー: Yeah. (ああ。)
ジョーイ: Well, I'm telling everyone about you! That's the only way to explain the underwear and the video camera that doesn't make me look like a pig! (あぁ、お前(たち)のことをみんなに言うからな! あの下着とビデオカメラのことを説明するのに、俺がブタみたいに見えないようにする、それが唯一の方法なんだ。)
チャンドラー: No, no, wait! There's got to be a better explanation. You could tell them you had to make an adult film for your... (Thinks) adult film class. (だめ、だめだ、待ってくれ! もっといい説明があるはずだ。ジョーイは、アダルト映画を作らないといけないんだ、って言えるぞ… [考えて] アダルト映画の講座のために。)
ジョーイ: Yeah, I like that. But no, no. How does that explain why Rachel found my underwear at your place? (あぁ、それはいいな。でも、だめだ、だめだ。レイチェルが俺の下着をモニカの家で見つけたことを、そのことがどう説明するんだ?)
チャンドラー: Oh? I don't know. (ああ? わかんない。)
ジョーイ: Well, get ready to come out of the non-gay closet! (なぁ、ゲイじゃないってことをカミングアウトする準備をしろよ。)
モニカ: Okay, just wait, please. I promise we'll come up with something. Just give us a little more time. (わかったわ。ちょっと待って、お願いよ。二人で何かの案を考えるって約束する。ただ私たちにもう少しだけ時間をちょうだい。)
ジョーイ: All right. Hey, but it better make me look really, really good. (Starts for his room.) Oh, and another thing: The video camera? Nice!! (わかったよ。なぁ、でも、俺を本当に本当に良く見せるようにしてくれよ。[自分の部屋に向かおうとする] あぁ、それとあともう一つ。そのビデオカメラのことだけど。ナイス!)

being dragged は、受動態(受身)の進行形ですね。泥の中に引きずりこまれる、という受身の状態が今、進行中である、という感覚になります。

That's the only way to explain the underwear and the video camera that doesn't make me look like a pig! は、長い文章になっていますが、こういうものは、前から順番に意味を取っていくしかないですね。
that は、その前にジョーイが言った内容、「お前たちのことについて、みんなに話す、話そうとしている」ことを指します。
前から順番に意味を取っていくと、
「それが唯一の方法だ」→何の方法かと言うと→「(モニカの部屋にあった)下着と(この部屋に設置してあった)ビデオカメラを説明する(唯一の方法)」→ that という関係代名詞で the only way to explain... をさらに詳しく説明→「俺がブタみたいに見えない(唯一の方法)」
のようになるでしょうか。

pig は文字通り「ブタ」で、ここでは「ひどい男、最低の男」というような意味ですね。
過去記事、相手をブタとののしる フレンズ3-20その6 でも、そういう pig のニュアンスについて詳しく説明しています。

今は、あの下着もこのビデオも、ジョーイの仕業(しわざ)ということになっている、それだと俺が最低の男に見えてしまう。だから、俺が最低の男みたいに見えなくてこの二つの件を説明できる唯一の方法といえば、チャンドラーとモニカの関係について真実を話すことしかないんだよ、ということですね。

「このままじゃ俺が最低男ってことになってしまうから、真実を話すしかない」と言うジョーイですが、チャンドラーは何とかそれを引きとめようとしています。
真実を語る以外にも、何かうまく説明できる方法があるはずだ、と言いながら、思いついた案が、「アダルト映画の授業を受けてて、そのためにそういう映画を撮らなくちゃいけないんだ、って言ったらどう?」みたいなこと。
今回のエピソードでは、フィービーが大学の文学講座を受講している、というのがプロットの一つになっていますので、そこからの連想ですね。
それを聞いて Yeah, I like that. 「あぁ、それっていいよね」みたいに一瞬同意してしまうのが、何ともジョーイらしいですが、「だめだめ、そんなことじゃごまかされないぞ」みたいに、ビデオはそれでいいとして、下着の件はそれでは説明できないだろ、とジョーイも頑張っています。

How does that explain why Rachel found my underwear at your place? の that もやはり、直前の発言を指しています。
その前のチャンドラーの発言、「ジョーイが講座のためにアダルト映画を撮らないといけないということ」ですね。

explain why は「なぜ…したかを説明・釈明・弁明する」。
How does that explain why... を直訳すると、「「アダルト映画を撮影しないといけない、ってことが、なぜレイチェルがモニカの部屋で俺(ジョーイ)の下着を発見したかをどのように説明するのか?」という感じでしょう。
チャンドラーが考えた理由では、俺の下着があそこにあったことの説明にはならない、と言いたいのですね。

get ready to come out of the non-gay closet! というジョーイのセリフが面白いです。
get ready は命令形で、「…する準備をしろよ」ということでしょうね。
come out of the non-gay closet というフレーズがこのセリフのポイントなのですが、これは日本語でもよく聞く「カミングアウト」のニュアンスと同じです。

come out の基本的な意味は「外に出る」で、そこから「物事が知れる、(真相・真実・秘密などが)明らかになる」という意味にもなります。
そして、直訳では「クローゼットから出る」という意味になる、come out of the closet は、「(ホモ・レズなどの)同性愛者であることを告白する、自分がゲイであると公言する」という意味になります。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
come out of the closet also come out : (informal) to tell people that you are HOMESEXUAL (=sexually attracted to people who are the same sex as you) after keeping that a secret
つまり、「自分が同性愛者である(自分と同じ性別の人に性的に魅力を感じる)ということを、それを秘密にしていた後に、人に言うこと」。

LAAD にもあるように、come out だけでも、come out of the closet と同じ意味で使われます。
日本でも「カミングアウト」はそのような意味で認識されていますので、理解しやすいですね。

姿を隠していたクローゼットから出る、と表現することで、隠していた秘密を暴露する、という意味になるわけですが、今回のジョーイのセリフが面白いのは、ただのクローゼットではなくて、non-gay closet になっている点。
普通は、ゲイであることをこれまで隠していたけれどそれを告白する、という意味で使うわけですが、チャンドラーの場合は、多くの人が彼をゲイだと思っている(フレンズ1-8 は、ありとあらゆる人にそう思われていたというエピソードでした)、でも、実は俺はゲイじゃないんだよ、という秘密を暴露する、という意味で、ジョーイは、come out of the non-gay closet と言っているわけです。

ゲイの人に対して、get ready to come out of the closet と言えば、「ゲイだと告白する準備をしろ、そろそろゲイだと告白する覚悟を決めろよ」みたいな意味になるでしょうが、そこに non-gay がつくと、「ゲイじゃないって告白する準備をしろ、モニカと付き合ってることを告白して、自分はゲイじゃないって表明する覚悟を決めろ」みたいな意味になるわけですね。
モニカとの仲を公表することで、ゲイ疑惑も晴れるわけだしいいじゃんか、と言いたいようです。

ですがまだ、「ゲイじゃないとカミングアウトする」(笑)心の準備ができていないらしいチャンドラー。
モニカは何か別の案を考えるからもうちょっと待って、とジョーイに頼んでいます。
それを了解したジョーイは自分の部屋に行きかけますが、もう一つ、と言って、ビデオカメラのことを話題にします。
Nice! はまさに日本語の「ナーイス!」と同じノリなので、ここで笑えた人は多いでしょうね。
まぁジョーイの性格や行動パターンを考えると、予期されたセリフではありますが、ビデオのことまで俺のせいにされて…とえらく怒っていたわりには、ビデオ撮影に好意的(笑)なのが、ジョーイらしくて、やっぱり笑ってしまいました。


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posted by Rach at 13:40| Comment(8) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする