2011年01月31日

ゴッドファーザーは名づけ親 フレンズ5-15その1

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シーズン5 第15話
The One with the Girl Who Hits Joey (チャンドラーが結婚宣言!?)
原題は「ジョーイを殴る女の子の話」


前回のエピソードの最後、裸のブ男が住んでいた部屋に住むことになったロスは、窓からチャンドラーとモニカがエッチしているところを目撃してしまいます。
今回のエピソードの最初では、部屋に駆け込んで来てそのことを責めるロスですが、二人が本当に愛し合ってると知り、意外とあっさり(笑)、二人の仲を認めることとなります。
これで、フレンズのみんなが知ることとなり、チャンドラーとモニカは、晴れて公認の仲となったわけです。
[Scene: Central Perk, everyone is there.]
セントラルパーク、みんながそこにいる。
ロス: Hey, you know what I just realized? If you guys ever have kids-- (ねぇ、今、気づいたんだけどさぁ。もし君らが子供を持つとすると[君たちに子供ができるとしたら]…)
チャンドラー: (interrupting) Whoa-whoa-whoa! We're having kids? ([ロスが言うのをさえぎって] ちょっとちょっと待てよ! 俺たちが子供を持つ、だって?)
ジョーイ: (quickly) I call godfather! ([素早く] 俺、名づけ親ね!)
ロス: You can't just call godfather. Don't you think her brother should be godfather? (名づけ親をただ宣言することなんてできないよ。モニカの兄が名づけ親になるべきだと思わない?)
ジョーイ: Sure. If you cared enough to call it first. (確かにね。もし、名づけ親に最初に名乗りを上げるほどそのことを気にかけてるんだったらね。)
モニカ: Guys, you're a few steps ahead of us. (ねぇ、あなたたちは私たちより何歩も先を行ってる[先走ってる]わよ。)
チャンドラー: Yeah, big zero gravity moon steps. (そうだよ、大きな、無重力の、月での何歩かだよ。)

公認の仲となったことから、フレンズたちは早速二人を冷やかしています。
ロスが、「君たち二人が子供を持つことになったら…」などと言い出すので、チャンドラーは慌てていますね。
子供の話が出た途端、ジョーイはさっと手を上げて、I call godfather! と言っています。
「ゴッドファーザー」と言えば、マフィアを描いたフランシス・フォード・コッポラ監督の映画「ゴッドファーザー」(原題:The Godfather)を思い出す方も多いと思いますが、元々、godfather というのは、「(キリスト教での)名づけ親」という意味です。

研究社 新英和中辞典では、
godfather= 【名】【C】
1. 教父、名親、代父 (解説:生まれた子の洗礼式に立ち会って名を与え、霊魂上の親として宗教教育を保証する)
stand godfather to a child 「子供の名親になってやる」
(用法:役目を示す時は無冠詞)
3. [しばしば G〜] 《口語》 マフィア[組織暴力団]の首領、ゴッドファーザー


日本語で「名づけ親」というと、名前を考えてくれた人、みたいなニュアンスに聞こえますが、英語の godfather は、洗礼式に立会い、その後の宗教教育の後見人となる、というような、宗教的に非常に重要な人物であると言えそうです。

フレンズのセリフからは脱線してしまいますが、映画「ゴッドファーザー」から、godfather という存在の重要性を示唆するセリフをいくつか紹介させて下さい。

映画の冒頭シーン、「娘を傷つけた男たちを殺して欲しい」と頼みに来た人物に、ドン・ヴィト・コルレオーネ(マーロン・ブランド)は以下のようなセリフを言っていました。
ドン・コルレオーネ: I've known you many years, but this is the first time you've asked for help. I can't remember the last time you invited me for a cup of coffee. Even though my wife is godmother to your only child. (私は君を長い間知っているが、君が助けを求めて来たのは今回が初めてだ。お茶でもと最後に誘われたのがいつかも覚えていない。私の妻が、君のたった一人の子供の名づけ親だというのに。)

名づけ親は godparent で、それが男性であれば godfather、女性であれば godmother になります。
この人物の子供は、ドンの妻が名づけ親だったわけですね。

その後には、こんなセリフもありました。
ドン・コルレオーネ: You don't offer friendship. You don't even think to call me Godfather. You come on my daughter's wedding day and ask me to murder for money. (君は私に友情を示さない。私のことをゴッドファーザーと呼ぼうとも思わない。君は私の娘の結婚式の日にやって来て、私に金で人殺しをしろと言う。)

このようなドンのセリフを聞いていると、godfather という存在の重要さがよくわかる気がします。
妻が君の娘の godmother である、という密接な関係にあるのに、君は私をずっと避けていた。そして私を Godfather と呼ぼうともせず、金は出すから報復してくれ、と言う…。
そのことにドンは非常な怒りを感じているわけですね。
その後、この客は、ドンを Godfather. と呼び、手にキスをし、友情と忠誠を示します。
名づけ親であることに敬意を示し、と同時に心からの忠誠を誓う人物「ドン」(Don)であると認めた瞬間と言えるでしょう。
名づけ親の意味がある godfather という言葉が、マフィアのドンの呼び名として使われるというのは、それだけ godfather という存在が、キリスト教において重要な役割がある、ということを示しているとも言えると思います。
名づけ親の意味では小文字の godfather、マフィアのドンの敬称としては大文字の Godfather 、のように使い分けされているのも、注目したいところだと思います。

(フレンズのセリフに戻ります)
I call godfather! と叫んだジョーイに対して、ロスは、You can't just call godfather. と言っています。
この call という動詞、なかなか訳しにくいのですが、call は元々、「大声で呼ぶ」というような意味ですね。
また、「(審判などが)…とコールする、宣する」というような意味もあります。
今回のセリフでは、「俺が名づけ親になるって大声で宣言するよ、コールするよ」というような意味で、「俺、名づけ親ね!」と訳すのが妥当かな、と思いました。
そういって、元気良く名乗りを上げたジョーイに対して、「名づけ親なんて大事なものは、名乗り出たやつに即決まり、みたいな決め方はしないよ。俺、名づけ親ね、って自分で名乗り出るのなんかナシだよ」という意味で、ロスは、You can't just call godfather. と返したのでしょう。

そして、「モニカの子供だったら、モニカの兄(である僕)が名づけ親になるべきだと思わないか?」とも言っています。
それにはいったんは納得した風で、Sure. と答えていますが、その後、If you cared enough to call it first. と付け足していますね。
「あぁ、確かに母親の兄である君が名づけ親になるべきだよね。もし…だったらだけど」という感じです。
care enough to call it first は「最初に、名づけ親をコールするほどに気にかけている」ということ。
つまり、俺が手を上げる前にロスが手を上げて「自分が名づけ親になる!」って宣言するほど、その子供のことや名づけ親のことを深く考えているのだったら、お前がなるべきだよ、という意味になるでしょう。
それはつまり、「手を上げたのは俺(ジョーイ)が先だろ。兄がなるのが当然だ、みたいにえらそうなこと言うなよ、俺が名づけ親のことを言うまでは、ロスはそんなこと考えもみなかったくせに…」と言いたいのですね。

ちなみに、ロスが言ったように、妹に子供が生まれた場合、兄が名づけ親になる、ということもあるようです。
映画「ゴッドファーザー」でも、
ケイ(マイケル・コルレオーネの妻): They want you to be godfather to their boy. (妹さん夫婦は、あなたに、子供の名づけ親になって欲しいのよ。)
と妻が夫マイケル(アル・パチーノ)に言うシーンがあります。
その時は即答しなかったマイケルですが、後に、
マイケル・コルレオーネ: I've decided to be godfather to Connie's baby. (コニー(妹)の赤ちゃんの名づけ親になることに決めた。)
というセリフがあり、その赤ちゃんの洗礼式のシーンも出てきます。
その洗礼式と同時進行の形で、別の場所では激しいマフィアの抗争シーンが描かれています。
洗礼式で妹の赤ちゃんの godfather として誓いの言葉を述べているマイケルと、マフィアのドンとしてその抗争を指示した、冷酷な Godfather としてのマイケルを映し出す、非常に象徴的なシーンだと思いました。

勝手に子供の名づけ親の話で盛り上がっているのを見て、モニカは、you're a few steps ahead of us と言っています。
まさに直訳通り、「2、3歩先を行っている」ですね。
やっと公認の仲になったばかりだと言うのに、話が先走りすぎよ、と言っているわけです。
そのセリフを受けて、チャンドラーは、その step は、big zero gravity moon steps だと言っています。
これも直訳すると、「大きな、無重力[重力ゼロ]の月(で)のステップだ」となるでしょう。
実際、月の重力は地球の重力の約6分の1だと言われていますので、「無重力」(zero gravity)ではない気がするのですが、とにかくそういう重力の非常に軽いところで、一歩だけでピョーンと長い距離を進めてしまう、そういうイメージを連想させたいのですね。
モニカは数歩先、って言ったけど、その一歩も地球での一歩じゃなくて、月面での一歩くらい、一歩の長さがすごく長いんだよね、と言っているのです。
ロスとジョーイの話が、あまりにも先走りすぎているということを、月の一歩という単位を使ってジョークにしているわけですね。


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posted by Rach at 12:41| Comment(2) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月28日

脱帽。敵ながらあっぱれ フレンズ5-14その6

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チャンドラーに「うちに来ない?」と電話で誘われ、その誘いに乗ることにしたフィービー。
フィービーは、チャンドラーに迫ることで、チャンドラーにモニカと付き合っていることを認めさせようとしています。
チャンドラーは、フィービーとエッチしたがっているように見せることで、フィービーがチャンドラーを騙そうとしていたことを認めさせようとしています。
どちらも折れず、チャンドラーとフィービーは、ついにキスをするのですが…。
これ以上嘘をつけなくなったチャンドラーは、キスしていたフィービーを押しのけます。
チャンドラー: Okay! Okay! Okay! You win! You win!! I can't have sex with ya! (わかった! わかった! わかった! 君の勝ちだ! 君の勝ちだよ! 僕は君とはエッチできない!)
フィービー: And why not? (それで、どうしてできないの?)
チャンドラー: Because I'm in love with Monica! (なぜなら、俺はモニカを愛しているからだ!)
フィービー: You're, you're what? (あなたは、あなたは、何ですって?)
(Monica comes out of the bathroom like a bolt, and Rachel and Joey both enter.)
モニカはバスルームから突然出てくる。そして、レイチェルとジョーイも部屋に入ってくる。
チャンドラー: Love her! That's right. I love her! I love her! (They walk together and hug.) I love you, Monica. (彼女を愛してる! そうさ。俺は彼女を愛してるんだ! 彼女を愛してるんだ! [チャンドラーとモニカは歩み寄りハグする] 愛してるよ、モニカ。)
モニカ: I love you too, Chandler. (They kiss.) (私も愛してるわ、チャンドラー。[二人はキスする])
フィービー: I just, I thought you guys were doing it. I didn't know you were in love! (私はただ、私はあなたたちがエッチしてるとは思ってた。(でも)あなたたちが愛し合ってるとは知らなかったわ!)
ジョーイ: Dude! (お前(ら)…。)
チャンドラー: And hats off to Phoebe. Quite a competitor. (Pause) And may I say your breasts are still showing? (それに、フィービーには脱帽だよ。敵ながらあっぱれだった。 [間があって] それから、君の胸がまだ見えてるって言ってもいいかな?)
フィービー: God! (She turns and buttons up.) (まあ! [フィービーは向きを変えてボタンを留める])
ジョーイ: All right! So that's it? It's over! Everybody knows! (よーし。じゃあ、それで終わりだよな? おしまいだ! みんな(二人の仲を)知ってる!)
モニカ: Well, actually, Ross doesn't. (うーんと、実は、ロスは知らないわ。)
チャンドラー: Yes, and we'd appreciate it if no one told him yet. (その通り。だから、ロスにはまだ誰も言わないでいてくれると、俺たちはありがたいんだけど。)
(Joey suddenly gets very angry.)
ジョーイは突然、ものすごく不機嫌になる。

お互い、相手を騙すためにしていただけなので、見ていても明らかに不自然で違和感のあるキスでしたが(笑)、結局、折れたのはチャンドラーの方でした。
君の勝ちだ、君の勝ちを認めるから、と言って、フィービーとはこれ以上は進めない、エッチはできない、と言っています。
Why not? は、文字通りの「どうして(私とエッチ)できないの?、どうしてだめなの?」という意味ですね。
Why? と聞かれたので、Because を使ってその理由を述べるチャンドラー。
I'm in love with Monica. 「俺はモニカを愛している、モニカと愛し合っている」とはっきり宣言したので、理由を尋ねた方のフィービーが非常に驚いています。
You're what? は、まさに、in love with Monica の部分があまりにも衝撃的だったため、その部分を what にして聞き返しているわけですね。
意味としては、What did you say? 「今、何て言った?」ということですが、特に聞き返したい部分、本当にそう言ったのかどうか確認したい部分を what にして、You're what? のように言うのは、セリフのような口語英語ではよく出てくるパターンです。
「あなたは…何ですって?」という日本語を直訳したような英語ですが、これでちゃんと通じるのです。
このような形なら、日本人でもとっさに聞き返せそうな気がします。

「モニカを愛している」という衝撃発言に、当人のモニカが出てきて、そして、ドアの向こうで様子を伺っていたレイチェルとジョーイもやってきます。
もう隠す必要がなくなったチャンドラーは、何度も何度も「愛してる」という言葉を使い、それをうっとり見つめていたモニカと抱き合います。
みんなのいる前で、二人がお互いを愛している、と言い合うシーンは、何だか泣けてしまいますね。

そういうロマンチックなムードの中での、フィービーの発言、I thought you guys were doing it. I didn't know you were in love! にはくすっと笑ってしまいます。
文の構造は、「Aだとは思ってたけど、Bだとは知らなかった」という形。
do it は、これまでもフレンズで何度も登場してきましたが、「エッチする」という意味。
ですから、「あなたたちがエッチしてるって思ってたけど、愛してるとは知らなかったわ」と言っていることになり、「ただのエッチ友達かと思ってたけど、あなたたちは本当に愛し合っていたのね!」と驚いているセリフになります。

これまでの記事でも何度か触れたことがありますが、エッチをするような深い関係になっていても、I'm in love with you. や I love you. のような、love という言葉の入ったセリフは、そんなに軽々しくは使われません。
今回は、チャンドラーが(それも、真剣な男女交際に常に逃げ腰だった、あのチャンドラーが!)、友達の前ではっきりと、迷うことなくそう断言した、そのことに、みんなが衝撃を受けたわけですね。

ブログの解説では飛ばしてしまったのですが、フレンズ5-8 で、怒ったチャンドラーの機嫌を直そうと、モニカが頭にターキーをかぶって踊るシーンがありました。
それがあまりにもユーモラスだったので、チャンドラーはつい、
チャンドラー: You are so great. I love you. (モニカってほんと最高だよ。愛してる。)
と言ってしまったのですが、その時、チャンドラー自身が、ハッとした顔をして固まり、それを聞いてたモニカも、ダンスをピタリと止め、信じられないというようにゆっくり振り向く(そのターキー頭で…笑)、というシーンでした。
その後、「俺は何も言ってない、「君は最高だ」としか言ってない」とチャンドラーは言い、「あなたは確かに愛してるって言ったわ、あなたは私を愛してるのね?」とモニカが追求する、という流れになっていましたが、そのシーンの二人の様子からも、I love you. という言葉の重みがよくわかった気がしました。

フレンズ5-8 では、まるで失言であったかのように、チャンドラーはそう発言したことを必死に否定していたわけですが、今回は堂々とみんなの前でそれを告白した、だから、モニカ自身がものすごくびっくりしていたわけですね。
これまで二人でいちゃついていた時も、You are so cute! みたいなことは何度も言っていましたが、考えてみれば確かに、I love you. と言い合っているのを聞いたのはこれが初めてで、そういう意味でも、非常に重いセリフだったということです。

hats off to は「…に脱帽で、・・・に(帽子を脱いで)敬意を払って」。
日本語の「脱帽」と全く同じニュアンスのようですね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hats off to somebody also take your hat off to somebody : (informal) used when you want to praise someone for their achievement.
例) I take my hat off to him - he's a good lawyer.

つまり、「人の功績を称えたい時に使われる」。
例文は、「彼には脱帽だ。彼は良い弁護士だよ」

Quite a competitor. について。
quite a ... は「大した…、なかなかの…、すごい…、並外れた…」。
competitor は「競争相手」。
ですから、Quite a competitor. は「(君は)大した競争相手だったよ」と言っていることになり、よく聞く日本語だと「敵ながらあっぱれだったよ」みたいなニュアンスになりますね。
俺も負けないように頑張ってたけど、君の方がちょっと一枚上手(うわて)だったね、と、騙し合い合戦に勝ったフィービーを称えているセリフになります。
そんな風に負けを素直に認めながらも、チャンドラーを誘惑するために胸のボタンが外れたままになっているのを指摘するのも楽しいです。

これでみんなに秘密がバレたから、もう隠し事をしなくてもいいんだよね!と喜ぶジョーイですが、ロスはまだ知らないから黙ってて欲しいと言われ、ムッとした顔に戻るジョーイが何だかかわいそう。

I'd appreciate it if... は「もし…してくれたら感謝する、ありがたい」という決まり文句。
ここでは、チャンドラーとモニカの二人の気持ちを述べているので主語が we になっています。
We would appreciate it if no one told... は、仮定法過去が使われているのがポイントです。
「もしそうしてくれるのなら、感謝するだろう」と仮定の形で表現することで、相手の気持ちを尊重して、押し付けがましくならないようにお願いするニュアンスが出るわけですね。


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posted by Rach at 11:54| Comment(14) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月26日

…と言えば嘘になる フレンズ5-14その5

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チャンドラーとモニカの仲を知ったフィービーは、二人をからかうために、チャンドラーに気があるようなふりをします。
チャンドラーのお尻をつねったり、とだんだんエスカレートしていくフィービーの態度に、フィービーが二人の仲を知っていてからかっていることに気付くモニカたち。
そっちが知らないふりをするのなら、こっちもそれに気づいてないふりをするわ、と、状況は「だまし合い合戦」のようになってきました。
(The phone rings and Rachel answers it.)
電話がなり、レイチェルが出る。
レイチェル: Hello! (Listens) Oh yeah! Hey! Hold on a second. She's right here. (To Phoebe) It's Chandler. (はーい! [電話を聞いて] あぁ、そうね。ええ。ちょっと待ってね。彼女はここにいるから。[フィービーに] チャンドラーよ。)
フィービー: (in a sexy voice) Oh? (Takes the phone from Rachel.) Hello, you. ([セクシーな声で] まぁ? [レイチェルから電話を受け取って] はーい、あなた。)
チャンドラー: Hello, Phoebe, I've been thinking about you all day. (He's holding the phone so that Monica can hear it as well.) (はーい、フィービー。一日中君のことを考えてたんだ。[チャンドラーは(横にいる)モニカにも聞こえるように電話を持っている])
フィービー: Eh? (え?)
チャンドラー: Well, you know that thing you said before, I'd be lying if I said I wasn't intrigued. (そうだな、ほら、前に君が言ったあのことだけど、もし俺が興味をそそられなかったと言ったら、嘘になるよ。)
フィービー: Really? (ほんとに?)
チャンドラー: Yeah, listen, Joey isn't gonna be here tonight, so why don't you come over and I'll let you uh, feel my bicep. Or maybe more. (あぁ、ねぇ聞いてよ、今夜ジョーイはここにいないから、だから、こっちに来たらどう? 俺のニ頭筋を触らせてあげるよ。もしくは、多分、それ以上も。)
フィービー: I'll have to get back to you on that. Okay, bye! (Hangs up.) Oh, my God! He wants me to come over and feel his bicep and more! (その件については、後であらためて連絡しなくちゃ。それじゃあ、バイバイ。[電話を切って] なんてこと! チャンドラーは、私に来て欲しいって、そしてニ頭筋やそれ以上を触って欲しいって!)
レイチェル: Are you kidding? (冗談でしょ?)
フィービー: No! (いいえ!(冗談じゃないわ))
レイチェル: I cannot believe he would do that to Mon-- Whoa! (She stops suddenly and slowly turns to point at Joey. Joey is avoiding her eyes.) Joey? Do they know that we know? (チャンドラーがモニカに対してそんなことをするなんて信じられないわ… ちょっと待った! [レイチェルは突然止まり、ゆっくり振り返りジョーイを指差す。ジョーイはレイチェルの視線を避けている] ジョーイ? 私たちが知ってるってこと、二人は知ってるの?)
ジョーイ: No. (いいや。)
レイチェル: Joey! (ジョーイ!)
ジョーイ: They know you know. (君たちが知ってることを二人は知ってる。)
レイチェル: Ugh, I knew it! Oh, I cannot believe those two! (あー、そんなことだろうと思ったわ! あぁ、あの二人、信じられない!)
フィービー: God, they thought they could mess with us? They're trying to mess with us? They don't know that we know they know we know! (Joey just shakes his head.) Joey, you can't say anything. (全く、私たちを困らせることができると思ってたのね? 二人は私たちを困らせようとしてるのね? 私たちが知ってるってことを二人が知ってるってことを私たちが知ってるって、二人は知らないわ! [ジョーイはただ首を振る] ジョーイ、何も言っちゃだめよ。)
ジョーイ: Couldn't if I wanted to. (言いたいと思っても、言えないよ[言うことができないよ]。)

チャンドラーが電話をかけてきたので、フィービーはお色気作戦を続行します。セクシーな声で、Hello, you. と呼び掛けますが、チャンドラーが返してきたのは意外な言葉でした。

I've been thinking about you all day. は、継続を表す現在完了進行形で、「一日中ずーっと、君のことを考えてたんだ」というニュアンス。
相手にぞっこんで、相手のことが片時も頭から離れない、みたいな感じですね。
恋人に対してよく使われる言葉であり、また、継続を表す現在完了進行形のニュアンスを掴むのに最適なフレーズだと思います。

フィービーが情熱的に迫ってくるので、チャンドラーはおどおどしてびびっていると思っていたのに、思いがけない返事が返ってきたので、フィービーは「え?」または「へ?」みたいな、すっとんきょうな声を上げています。

驚くフィービーに、チャンドラーはさらに思わせぶりなセリフを続けます。
you know that thing you said before を直訳すると、「君が前に言ったあのことを知ってるだろ」みたいな感じになり、フィービーが少し前にチャンドラーに言っていた思わせぶりな言葉を、フィービー自身に思い起こさせているようなニュアンスになります。
「ほら、前に、あんなこと言ってただろ、そのことなんだけどさぁ」みたいな感じでしょう。

I'd be lying if I said I wasn't intrigued. は、仮定法過去の文。
直訳すると、「(フィービーが前に言ったあの言葉に)もし俺が興味をそそられなかったと言えば、俺は嘘をついているだろう」のようになるでしょう。
つまり、「そそられなかったと言えば嘘になる」→「実はあの言葉に、俺はそそられちゃったんだよね」と言っていることになります。
日本語でも、「・・・だと言えば嘘になる」みたいな表現は存在しますから、似たような表現があるのはなかなか興味深いですね。
単純に「そそられちゃったんだ」というよりも、「そそられなかったと言えば嘘になる」という回りくどい言い方を用いることで、セリフをよりドラマチックにしている感じでしょう。

why don't you...? は「・・・したらどう?」と相手を勧誘するニュアンス。
セントラルパークで、フィービーがチャンドラーのニ頭筋に興味を示していたことから、「今晩ジョーイはいないから、うちに来たらどう? ニ頭筋を触らせてあげるよ」と言うのですが、チャンドラーは「ニ頭筋だけじゃなく、それ以上も」などと付け加えています。
形勢逆転しているのを感じとって、ちょっと悪ノリしている感じでしょう。

get back to someone は「人に返事をする、人に電話をかけ直す、改めて・折り返し連絡する」。
on that は「その件について、その件に関して」のようなニュアンスですね。
「うちに来ない?」と誘われてしまったことに対して、今ここでは即答できかねるので、「その件については、また後であらためて連絡するわ!」と言って、慌てて電話を切ったわけです。

電話を切った後、フィービーはチャンドラーの発言内容をレイチェルに報告しています。
I cannot believe he would do that to Mon-- のように、発言が途中で切れていますが、to Monica と言おうとして、レイチェルはハタと気付いたわけですね。
「チャンドラーが(恋人)モニカに対してそんなことをするなんて信じられない」というのは、モニカというラブラブの恋人がいながら、フィービーの誘いにホイホイ乗ってくるなんておかしいわ、という意味です。

レイチェルは、チャンドラーとモニカは私たちが知っていることに気付いてる、という事実に気付いて(ややこしいですね…笑)、真相を知っているはずのジョーイにキツい感じで質問します。
最初はしらばっくれるジョーイですが、Joey! と強い調子で言われると、本当のことを話してしまうのも、いつものジョーイのパターンですね。

mess は名詞では「めちゃくちゃ、散らかっていること」などを指し、他動詞では「…をめちゃめちゃにする、台無しにする」という意味があります。
mess with の形だと、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、以下のように出ています。

mess with [phrasal verb]
2. mess with somebody : to deliberately cause trouble for someone
3. mess with somebody/something : to try to deceive or confuse someone

2. は、「人に故意に迷惑をかける」、3. は「人を欺(あざむ)く・騙す、または困惑・混乱させようとする」。

今回のニュアンスは、「騙す」とか「困らせようとする」という感じが近いように思います。

they thought they could と言ったあと、they're trying to とも言っています。
mess with us できると思ってた、そして、今も mess with us しようとしてるのね、というニュアンスですね。

その次の、They don't know that we know they know we know! は、もうひたすら前からSVの意味を取っていくしかありません。
自然な日本語にしようとすると、上で訳したように、後ろから訳し上げるような形になってしまいますが、セリフのように音で聞いて英語を英語のまま理解するためには、文の最後まで待っていてはそれまでの意味を忘れてしまいます。
前から意味を取ると、「彼らは知らないの」→(何を)→「私たちが知ってるってことを」→(何を)→「彼らが知ってるってことを」→(何を)→「私たちが(チャンドラーとモニカの仲を)知ってるってことを」になります。
チャンドラーは私たちの作戦に気付いて、逆にこちらを騙そうとしている、そのことに私たちが気付いたことはまだ彼らは知らないわ、ということですね。

知ってるだの知らないだの、話がややこしくなってきたので、ジョーイの頭は混乱しています。
あぁ、もう勘弁してくれよ、という風に首を振っていますね。
2組の間で板挟み状態になっているジョーイに、「何も話しちゃだめよ」とクギを刺すフィービーですが、それに対して、Couldn't if I wanted to. と返すジョーイも楽しいです。
これも仮定法過去の文章で、「もしチャンドラーたちに何かを言いたいと思っても、言うことができない」という意味になります。
言うことができないのは、フィービーたちに後で怒られるから、とかではなくて、誰がどこまで何を知っているか、という話がややこしくて、ジョーイの頭の中で整理ができていないからですね。
ジョーイは、もう嘘をつき続けるのはいやなので、話せるものなら話したいのでしょうが、話したくても話がややこしすぎて、どうせ説明できないし、と返事していることになるわけです。
They don't know that we know they know we know! という状況を、ジョーイだけがきちんと理解できていないのが、ジョーイの表情や態度からわかるので、「話したくても話せない」というオチで笑えるわけですね。


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posted by Rach at 11:56| Comment(2) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月24日

相手にいらいらして発する言葉 フレンズ5-14その4

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セントラルパークで、フィービーが自分にモーションをかけてきた、と、恋人モニカに話して聞かせるチャンドラー。
チャンドラー: I'm telling you I think Phoebe thinks I'm foxy. (はっきり言って、フィービーは俺のことをセクシーだと思ってると思う。)
モニカ: It's not possible! (そんなのあり得ないわ!)
チャンドラー: Ow! (いてて[グサッ]!)
モニカ: I'm sorry, it's just, Phoebe's just always thought you were, you were charming in a, in a sexless kind of way. (ごめんなさい、ただ、フィービーはただいつも、あなたが、あなたがチャーミングだって思ってるわよ、性的な意味ではないけどね。)
チャンドラー: Oh, y'know, I, I can't hear that enough. (おぉ。ねぇ、今の言葉、いくら聞いても聞き足りないんだけど[もっと聞きたいんだけど]。)
モニカ: I'm sorry, I just think you misunderstood her. (ごめんなさい、私はただ、あなたがフィービーを誤解してると思うのよ。)
チャンドラー: No, I didn't misunderstand, okay? She was all over me. She touched my bicep, for crying out loud. (いいや、誤解なんかしてないよ、いいか? フィービーは俺に迫ってきたんだ。フィービーは俺のニ頭筋に触ったんだぞ、全く、もう…。)
モニカ: This bicep? (このニ頭筋?)
チャンドラー: Well, it's not flexed right now! (あぁ、今は、筋肉に力が入ってないんだよ!)

foxy は sexy の意味。
fox 「キツネ」に、「性的に魅力的な人」という意味があるのですね。
そういう fox や foxy については、フォクシーはセクシー フレンズ3-5その4 で説明しています。

foxy という言葉を強調したチャンドラーに対して、「ありえない」と返すモニカ。
ow は「アウ」と発音し、痛い時に発する言葉ですね。ouch 「アウチ」と似た感じです。
日本人だと、ケガした足を引きずりながら歩く時には、「いてて」とか「あいたたた…」とか言いながら歩いたりしますが、英語ではそういう場合、Ow, ow, ow, ow... 「アウ、アウ、アウ、アウ」と言いながら歩いているシーンをよく見かけます。
今回のチャンドラーのアウ!は、さっきまであれだけセクシーだと褒めておきながら、フィービーもそう思ってると言った途端、「そんなの、あり得ない」とバッサリ切り捨てたことに対して、「恋人からそんなこと言われて、俺は深く傷ついた、今のはこたえたよ」というニュアンスで、「いてて」みたいな言葉を言ったのだと思います。
俺の彼女なのに、その発言はひどいよぉ〜、という感じですね。
日本語で言うと、「イタッ! いてて!」でもいいでしょうし、傷つくことを言われた時に刃物で心臓をえぐられたかのように「グサッ!」と言ったりすることもありますので、とにかくそんな風に、傷つくことを言われたので今、心が痛んでいる、というニュアンスが伝わればいいかな、と思います。

モニカは、「もちろんフィービーはあなたのことをチャーミングだとは思ってると思うけど、それは異性として魅力的だと思ってるわけじゃないわ」とはっきり言います。
それに対して、チャンドラーは、I can't hear that enough. と返していますね。
can't ... enough を直訳すると、「十分に…できない」ということですから、「いくら…しても足りない」という意味になります。
人にお礼を言う時の決まり文句に、I can't thank you enough. というのがありますが、これも「いくら感謝しても感謝し足りません」ということなので、日本語で言うところの「感謝のしようもありません、お礼の申しようもありません」という意味になります。
言葉にできないほど、ものすごく感謝している、というようなニュアンスですね。

そういうニュアンスを今回のセリフにも当てはめてみると、(正直、よくわからないのですが、) I can't hear that enough. は「いくら聞いても聞き足りない」→「もっともっと聞きたい」というニュアンスになるのかなぁ、と思います。
「今のじゃ十分じゃないから、もっと言ってくれる?」みたいな感じで使われているのかなぁ、と。
言葉ではそう言っていますが、「フィービーはあなたをチャーミングだと思ってるけど、それは性的な意味じゃないわよ」とはっきり断言したモニカに対して、「恋人の君が俺のことを性的魅力がない、みたいに言うのか?」と、モニカの発言にあきれて、皮肉っぽく、「今の発言、もっと聞かせてよ、もういっぺん言ってみて」と言ってみせたのかなぁ、と思いました。

一瞬、「君の発言、よく聞こえないんだけど」と、相手のひどい発言に対して聞こえないふりをしたのかな?とも思ったのですが、もしそう言いたいのなら、I can't hear you well. のように well を使うと思うのですね。
やはり、not well 「よく(聞こえ)ない」ではなくて、not enough 「十分には(聞こえ)ない」なので、「まだ聞き”足りない”、もっと聞きたい」ということかな、と私は思いました。

恋人として失礼な発言をしたことに気付いたモニカは、ごめんなさい、と謝った後、「あなたはフィービー(の言動)を誤解してるのよ」と、さっきよりマイルドな表現を使いますが、チャンドラーは、勘違いなんかじゃない、She was all over me. だと説明します。

She was all over me. について。

LAAD には、以下のように出ています。

be all over somebody: (informal) to be trying to kiss someone or touch them, especially in a sexual way
つまり、「(インフォーマル) 誰かにキスやタッチをしようとすること、特に性的なやり方で」。

all over の元々のニュアンスは、「・・・の上一面に」という感じですから、それを人に対しての言葉として使うと、ばっと相手の全身を覆ってしまう、覆いかぶさる感じから、そういう意味になるのでしょうね。
感覚としては、「性的に相手に迫る」というところでしょう。

フレンズ2-10 でも、
ジョーイ: It was unbelievable! I walked in there and she was all over me. (信じられなかったよ! 俺がその部屋に入ると、彼女が俺に(性的に)迫ってきたんだ。)
というセリフがありました。
ジョーイに気があるキャスティング担当の女性が、部屋に入るなりいきなり迫ってきた(笑)という意味ですね。

チャンドラーは、俺に迫ってきたんだ、と説明した後、実際にフィービーは俺のニ頭筋を触ってきたんだから、とも言っています。
for crying out loud は、命令文につけると「頼むから、お願いだから」というニュアンスになり、それ以外だと、「おやまあ! あきれた!」というようなニュアンスになります。いずれも「強調」の効果があります。

LAAD では、
for crying out loud : (spoken) used when you feel annoyed or impatient with someone
例) It's right in front of you, for crying out loud.

つまり、「誰かに対していらいらしたり、耐えられないと感じる時に使われる」。
例文は、「まさにお前の目の前にあるだろ[まん前にあるだろ]、あきれたね!」

今回のセリフは訳しにくいのですが、フィービーが自分に気があることを全く信じようとしない恋人モニカにいらだって、「勘違いも何も、実際にフィービーは俺のニ頭筋を触ったんだってば! (どうしてそれを信じてくれないんだよ、全く…)」のような感じで、相手に対するいらいらを「強調」しているのかな、と思いました。

フィービーが触ったというその筋肉に触れたモニカは、「えー、これがぁ〜?」みたいに、また信じられないという顔をしています。
flex は「(筋肉や関節)を曲げる」という他動詞。

LAAD では、
flex [transitive] : to bend or move part of your body so that your muscles become tight
つまり、「体の部位を曲げたり動かしたりして、筋肉が堅く引き締まる」。

flex one's muscles だと「力・能力を示す、誇示する」という意味になります。
力こぶをぎゅっと作って、「どうだ!」と自分の力を見せる感覚なのでしょう。

(恐らく)ぷよぷよの(笑)筋肉を掴まれて、「だって今は、力こぶを作るように力は込めてなかったから」と言い訳しているのも、チャンドラーらしくて笑えますね。


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posted by Rach at 12:29| Comment(4) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月23日

初めての「校正協力」

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まもなく発売になる、晴山陽一さん(オフィシャルサイトTwitter )の「ポケット版 たった60単語の英文法」(青春出版社:青春文庫)で、私 Rach は校正のお手伝いをさせていただきました。

アマゾンではこちら(↓)。
ポケット版 たった60単語の英文法 (青春文庫)
ポケット版たった60単語の英文法 (青春文庫)

これまでの新書判、四六判をさらに使いやすく文庫化したもので、その文庫化にあたり、私が校正協力させていただいた、ということです。

これまで、自分の著書のゲラを校正した経験はありますが、他の方の本の校正のお仕事をさせていただいたのはこれが初めてです。
記念すべき「初・校正」なので、このように記事の形でご報告させていただきました。
この本の 6ページに、「校正協力」として、しっかり名前も載せていただいています!

私に校正を任せようと思って下さった晴山さんには、心から感謝しております。貴重な機会を与えて下さって、ありがとうございました。
また、青春出版社のご担当者の方にも、校正の作業でいろいろお世話になりました。ありがとうございました。

今回、校正という作業をするにあたり、改めて手持ちの辞書や文法書をひっくり返したりして、英語学習者としても大変勉強になりました。
英検1級に出てくるような難しい単語を暗記するよりも、この本に出ているような簡単な単語を「使いこなす」ことの方がもっとずっと大切であることを、改めて感じました。

例文も、その単語の特徴がよく出た、シンプルで、簡潔なもので構成されているため、単語のニュアンスをすんなり理解できる気がします。
文法を毛嫌いする方は多いですが、要は、「ネイティブが頻繁に使う単語を、その単語の用法通り、ナチュラルに使いこなせるかどうか」が大事になってくると思います。
この本は、「この単語はこんな風に使われる」という用法を学ぶのに最適な本だと思います。
また、本屋さんで見かけられたら、是非手に取ってご覧になって下さいね。
(ついでに、私の名前も見つけて下さると、なお嬉しいです…笑)

ということで、Rach からの嬉しいご報告でした。


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posted by Rach at 09:00| Comment(2) | その他のお知らせ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月21日

祖父母がcuteだったから フレンズ5-14その3

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[Scene: Chandler's bedroom, Chandler and Monica are there, of course. Like who else would it be, duh!]
チャンドラーの寝室。チャンドラーとモニカがそこにいる、言うまでもなく。…って、(チャンドラーと一緒にいるのが)他の誰だって言うんだよ、当たり前じゃないか!
モニカ: You are so cute. How did you get to be so cute? (あなたってとってもセクシー[キュート]ね。どんな風にしてそんなにセクシーになったの?)
チャンドラー: Well, my grandfather was Swedish. And my grandmother was actually a tiny little bunny. (そうだな、おじいちゃんがスウェーデン人で、おばあちゃんが実はちっちゃなちっちゃなウサちゃんだったんだよ。)
モニカ: Okay, now you're even cuter!! (そうね、(そういうことを言う)あなたは今、ずっともっとセクシーよ!!)
チャンドラー: Y'know, that is a popular opinion today, I must say. (ねぇ、それって、今日の世論[多くの人の意見]なんだよね、本当に。)
モニカ: What? (何ですって?)
チャンドラー: The weirdest thing happened at the coffeehouse, I think, I think Phoebe was hitting on me. (最高に妙なことがコーヒーハウスで起きたんだ。俺が思うに、フィービーは俺に言い寄ってた。)
モニカ: What are you talking about? (何言ってるの?)

最初のト書き部分の表現、面白いなと思ったので、ちょっと説明します。
通常のト書き通り、場所とそこにいる人を説明しているわけですが、チャンドラーの寝室に、チャンドラーとその恋人モニカがいる、と説明した後、Like who else would it be, duh! と書かれています。
これは、自分の書いたことに自分でツッコミを入れているみたいな感じですね。
Like who else would it be (= Like, "Who else would it be?")を直訳すると、「それ(チャンドラーと一緒にいる人)が他の誰になるんだ? 他の誰だって言うんだ? みたいな」というところでしょうか。
一緒にいるのはモニカしかあり得ないだろ、もしそうじゃなかったら、おおごとだろ?みたいなことでしょう。

最後についている duh は、「(わかりきったことに対して)そんなの当たり前じゃないか、当然じゃないか」のように言う時の間投詞。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
duh also no duh [interjection] (informal) : used to say that what someone else has just said or asked is stupid or unnecessary because it is very easy to understand.
例) "You mean I can't park there?" "Duh, that's what the big sign says."


つまり、「(インフォーマル) 誰か他の人が直前に言ったり尋ねたりしたことが、愚か、または不必要であることを言うために使われる。(どうして愚か、不必要かと言うと)それが非常にわかりやすいものだから、という理由で。」
例文は、「そこには駐車できないってこと?」「当たり前だろ、そのデカい看板にそう書いてあるじゃないか」。

語義を直訳したせいで、却ってわかりにくい日本語になっていますが、つまりは、誰にでもわかるような、わざわざ人に尋ねるまでもない、口に出すまでもないことを言った相手に対して、「そんなの当たり前だろ」とあきれた時に使う間投詞、ということですね。

今回のト書きの duh も、チャンドラーの寝室に、チャンドラーと知らない女性がいる・・・とか、んなわけないでしょ、わざわざ説明するまでもないじゃん、みたいなニュアンスで、一応、いつものト書きの形式に合わせて説明してみたけど、チャンドラーの寝室が画面に映れば、そこにチャンドラーとモニカがいる…って、そうじゃないとマズいだろっ!みたいに、当たり前のことを説明してしまった自分に対しての照れみたいなものが感じられる気がします。

モニカはチャンドラーのことを cute だと言っています。
男性に対する cute は「セクシー」の意味になる、ということは、ホットとキュート フレンズ5-1その7 で説明しました。
get to (be) は「…(の状態)になる」。
「どうしてあなたは(今)セクシーなの?」という質問ではなく、何らかの過程があってセクシーになった、その経緯を尋ねているような感覚があるように思います。
how と get to のニュアンスを出して訳すと、「どういう風にして、どんな風に、あなたはセクシーな状態になったの?」と、so cute な状態にどんな風に到達したのか、を聞いているような感じになるのでしょう。

それに対して、チャンドラーはまたお得意のジョークで返しています。
俺が cute になったのは、祖父がスウェーデン人、祖母が小さなウサちゃんだったから、と言っています。
そのセリフからすると、「スウェーデン人の男性はセクシー」というイメージがある、ということなのでしょうかねぇ?
北欧の女性は美しい、というようなイメージは私にもありますから、何となくわかるような気はしますが。
で、おばあちゃんの方は、小さなウサちゃん。これは、cute の「かわいい、かわいらしい、愛くるしい」の方の意味から、ウサちゃんを出したのですね。
cute には「(男性が)性的に魅力的な」という意味と「(赤ちゃん・子供・動物などが)かわいらしい」という意味の両方があることから、祖父と祖母から、両方の cute さを受け継いで、それで俺は、very very cute になっちゃったんだよね、みたいに言っているわけです。
そういうジョークを言うチャンドラーがますます愛しいモニカは(笑)、even cuter だと言っています。
even は、cuter という比較級をさらに強める働きがありますね。

チャンドラーを cute だと褒めちぎるモニカに、チャンドラーは、セントラルパークでフィービーがモーションをかけてきたことを話します。
popular opinion は、普通は「世論」と訳されますね。
今回はちょっと大袈裟に「世論」と訳しても良いでしょうし、「民衆の意見」、つまり、「(大勢の)みんなの意見、一般の(よくある)意見」みたいな感覚に捉えても良いでしょう。
俺が cute だっていう意見は、何もモニカだけじゃないんだよね、今日はみんなにそう言われるんだよ、という感じです。
hit on は「(異性に)言い寄る、口説く、ナンパする」。フレンズにはたびたび登場するフレーズですね。


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posted by Rach at 13:43| Comment(2) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月19日

thatの代わりにhowを使うと フレンズ5-14その2

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前回の続きです。
フィービー: I think it's just you know that I haven't been with a guy in so long and how sometimes you're looking for something and you just don't even see that it's right there in front of you, sipping coffee.... Oh no. Have I said too much? Well, just something to think about. I know I will. (思うに、ただこういうことなのよ。わかるでしょ、私は長い間、男性と付き合ってないの。それで、こういうのもわかるでしょ、何かを探していて、そして、それ(探している何か)が、自分の目の前のすぐそこにあるっていうことが見えてさえいない、ってことが時々あることを。(その何かは)コーヒーをすすってて… [自分がコーヒーカップを手に持っていることに気付いて、「それって俺のこと?」と驚くチャンドラー] あぁ、だめ。私、言い過ぎちゃったわよね? そうね、考えるべきことよ。私はこれからそのことを考えるわ。)
(She makes a show of bending over to get her coat and showing off her bum. She then walks out, leaving no one to eat her cookie.)
フィービーは、コートを取るために前かがみになり、自分のお尻を見せびらかす。それから、フィービーは歩いて出て行く、誰もフィービーのクッキーを食べないようにして(?)。

このシーン最後のフィービーの長ゼリフは、「you know that 文 ... and how 文」の形になっていて、つまりは、「you know that 文 ... and you know how 文」ということ。
「私がこういう状態なのを知ってるでしょ、そしてこういうことがあるのも知ってるでしょ」のようなニュアンスだと思います。

how は、how sometimes 「どれほど時々」のように sometimes にかかっているのではなく、you know how (sometimes you're looking... and you just don't even see) のように、how 以降続く長い文章全体を、how で繋いでいる感覚でしょう。

sometimes は「時々」と訳されることが多いですが、この場合は、sometimes 以下の文章のようなことが「時々ある」と訳した方が自然な気がします。

こういう場合の how は、that とも言い換え可能ですが、you know that sometimes you're looking for something... だと、「人が何かを探していて、…することが時々ある、って”こと”をあなたは知ってるでしょ」というニュアンスになり、you know how sometimes... だと、「人が何かを探して…することがある”様子”をあなたは知ってるでしょ、”どんな風に”人が何かを探して…することがあるかを知ってるでしょ?」というニュアンスが出るように思います。

研究社 新英和中辞典では、
how=[関係詞]《口語》 …ということ
(用法)
接続詞ともいえる
I told him how I had read it in the papers. 「それを新聞で読んだのだと彼に告げた。」
(用法)
how を that の代わりに用いるのは, 特に物語風の調子でしばしば込み入った事情などを述べる場合

と出ています。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
how : INTRODUCING A FACT used like "that" for referring to a particular fact, an event, or a situation
例) It's amazing how they've managed to do the work so quickly.

つまり、「事実を紹介する。ある特定の事実や出来事や状況を言及するのに、that のように使われる」。
例文は、「彼らがその仕事をそんなに早くやり遂げたことは素晴らしい。」

各辞書の説明にあるように、こういう how は、接続詞 that と同じようなニュアンスで、「…ということ」という意味になるわけですが、「こと」という「単なる事実」よりももう少し「込み入った事情、様子」を述べたい場合に、how+S+V 「どんな風にSがVしたかを、SがVした様子を」というニュアンスが感じられる how を使う、ということのようです。

フレンズ3-6その4 では、妻キャロルには親友がいなくて、自分には君たちみたいな親友がいる、という状況を説明するのに、
ロス: Yeah, y'know how I have you guys? (あぁ、ほら、僕は君たちみたいな友達を持ってるだろ?)
と言っていました。
これも、you know that I have you guys? と似たような感じですが、微妙にニュアンスは違いますよね。
how が使われているために、「僕がどんな風に君たちという親友を持っているか知ってるだろ?」となり、「こんな風にいつも一緒に時間を過ごして仲良くしている”様子”」を相手に思い起こさせる効果が生じる気がします。

最初の文では、I haven't been... のように主語が I になっていて、これはフィービーには長年彼氏がいない、という事実を述べています。
後半の how 以下では、今度は主語が you になっていますが、それは「あなた」=「フィービーが話しかけている相手のチャンドラー」を指しているのではなくて、「相手を含めた一般の人々」を表す you を使って、相手の共感を呼びつつ、自分のことを語っているのですね。
「ほら、人にはよくこういうことがあるじゃない」という表現を使って、「何かを探していて、それが目の前にあることすら見えていない・わかっていないってことが時々あるのよね」と、自分の経験を語っているわけです。

sipping coffee は、目の前のすぐそこにある something you're looking for の状態を述べています。
そういうセリフを語っている時に、フィービーのすぐ目の前にいるのはチャンドラーで、そのチャンドラーは今まさに手にカップを持っている…そのことに気付いたチャンドラーは、
「フィービーがずっと探していたのに目の前にあってずっと気付かなかったもの」=「俺(チャンドラー」??
だと気付いて、驚いた顔をしているわけですね。
「大切な人、理想の恋人、ずっと探し続けていたその人が、ずっと傍にいたのにそのことに気付かなかった」というのは、恋愛ドラマでよく聞くセリフですが、フィービーはチャンドラーに向かってまさにそういう密かな愛の告白をした、ということになります。

チャンドラーがその意味を悟って驚いた顔をしたのを見て、「私、言い過ぎちゃったわね」とフィービーは言っています。
too much の too は「度を過ぎて」のニュアンスなので、言わなくてもいいことまで言ってしまった、そんなことまで言っちゃったら、遠回しに言ったことにならないわよね、本人に気付かれちゃうわよね、という感じになるでしょう。
フィービーには珍しい「ぶりっこ」風にそのセリフを言っているところも、わざとらしいほど思わせぶりな感じをさらに強調しています。

そこまで言った後、それ以上は過激なことは言わず、「そういうことは、これからゆっくりじっくり考えるべきことだわ、これから考えるから」みたいに言って、そのやり取りを終えます。
その後、コートを取る時に、わざとお尻をチャンドラーに向けて、自分のセクシーさをアピールするフィービー。
ネットスクリプトのト書きでは、She then walks out, leaving no one to eat her cookie. と書かれていますが、このト書きの意味がイマイチよくわかりません。
クッキーの話が出ているのは、このシーンの前、フィービーがチャンドラーにモーションをかけようとする前に、レイチェル&ジョーイに対して、
フィービー: Watch, learn, and don't eat my cookie. (見て、学んで、そして私のクッキーは食べないで。)
と言っていたことを受けてのものですが、フィービーはチャンドラーにお尻を向けた後は、そのままクッキーには目もくれず、カバンとコートを持ってセントラルパークを出て行き、レイチェルとジョーイが気まずい顔をしてソファに座っているのを見せて、そのシーンは終わります。
leaving no one to eat her cookie は、付帯情況を表す分詞構文だと思われ、そのまま訳すと、「(フィービーは)自分のクッキーを誰にも食べられない状態にしたまま(出て行った)」みたいになるでしょうか。
でも実際は、「クッキーを食べないで」と言いながら、クッキーのことを忘れた様子で出て行ってしまったので、結局、レイチェルとジョーイが食べることになりそうな気がします。
それを考えると、leaving someone to eat her cookie 「誰かに自分のクッキーを自由に・好きに食べさせる状態で(出て行く)」というト書きであれば、「食べないでと言いながら、ほったらかして帰って行った」感が出るのかなぁ、と思ったりするのですが、どうでしょう??

今回は、一人のセリフにこだわってみましたが、それは「意味はわかるかもしれないけれど、日本人の口からは出てこない感覚」の文章だなぁ、と思ったからです。
You know that+S+V と言える日本人は多いだろうけど、ちょっとニュアンスの異なる、You know how+S+V という how を使ったバージョンがとっさに口から出る日本人は少ないかも、とか、自分のことや経験を語るのに、最初は I を使って、その後は主語を you にして、「こういうこと、あるでしょ?」という共感を呼びながら話をする、というテクニックも、日本人にはとっさには出てこない発想かな、と思ったのですね。
英語を学ぶ時は、「読んで聞いて意味がわかる」のと同時に、「自分が話す時に、そういう表現がすっと自分から出てくるかどうか、自然に使えるかどうか?」という視点も大切なのかな、と思います。


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posted by Rach at 11:44| Comment(8) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月17日

言えないけど言いたい相手 フレンズ5-14その1

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シーズン5 第14話
The One Where Everyone Finds Out (とうとう熱愛発覚!!)
原題は「みんなが知ってしまう話」


モニカたちの向かいのアパートメントに住んでいる裸のブ男(Ugly Naked Guy)が引っ越すと知り、彼の後にその部屋に住みたいと思ったロスは、早速、彼の部屋を見学に行きます。
ロス、レイチェル、フィービーの3人が部屋を見学している時、偶然、窓からチャンドラーとモニカがエッチしているのを目撃してしまったフィービー。
これで、ジョーイ、レイチェルと合わせて、フィービーまでもが二人の仲を知ることとなりますが、ロスだけはまだそれを知りません。
フィービーは、気付かれたことを知らないチャンドラーとモニカをからかおうと提案し、それを実行に移します。
セントラル・パークで、チャンドラーに声を掛けるフィービー。
フィービー: Hey! Ooh, wow, that jacket looks great on you! (はーい! わぁ、そのジャケット、あなたに似合うわね!)
チャンドラー: Really? (ほんとに?)
フィービー: (feels his arm) Yeah, the material is so soft. Hello, Mr. Bicep! You've been working out? ([チャンドラーの腕に触って] えぇ、素材がとっても柔らかいわ。ハロー、ミスター・二頭筋! ずっとワークアウトしてた?)
チャンドラー: Well, I try to, y'know, squeeze things. (Phoebe giggles uncontrollably.) Are you okay? (そうだね、心がけてるよ、ほら、物を搾(しぼ)ったりね。[フィービーはおさえきれずにクスクス笑う] 大丈夫?)
フィービー: Well, if you really wanna know, I'm... Oh! I can't tell you this. (えぇ、もしあなたがほんとに知りたいのなら、私は…あぁ! このことはあなたには言えないわ。)
チャンドラー: Phoebe, it's me. You can tell me anything. (フィービー、(相手は)俺だよ。何でも言ってよ。)
フィービー: Well, actually you're the one person I can't tell this to. And the one person I want to the most. (そのー、実は、このことを言えない唯一の人があなたなの。そして、最も言いたい唯一の人でもあるんだけど。)
チャンドラー: What's going on? (一体どういうことなの?)

フィービーは、チャンドラーに声をかけ、彼の腕を触っています。
biceps は「(特に上腕の)ニ頭筋、力こぶ」のこと。
Mr. Bicep には、「ニ頭筋が魅力的な男」みたいな意味が込められていますね。
You've been working out? は、継続を表す現在完了進行形で、「今までずっとワークアウト(運動・トレーニング)をしてきてた?」という感覚になります。
こんなにステキな力こぶがあるんだもの、きっとずっと鍛えてきたんでしょうね、というお世辞です。
チャンドラーがワークアウトしていたという話も聞きませんし、チャンドラーの腕がそんなにたくましいわけもありませんから(笑)、フィービーはミエミエの嘘を言って褒めているのがわかる仕組みです。
ですから、傍で聞いているレイチェルとジョーイは、いやーな顔をしているのですね。
モニカとの関係を隠しているチャンドラーをからかうために、フィービーはわざとチャンドラーに色目を使ってチャンドラーの反応を確かめようとしているわけですが、あまりにもわざとらしい褒め方なので、二人はあきれています。

チャンドラーはそれが嘘のお世辞だとは気付かずに、褒められてちょっと嬉しくなったのか、「物を squeeze してみたりしてるよ」と答えています。
それを聞いてフィービーは、コロコロ笑っていますので、チャンドラーお得意のジョークを言って、それにフィービーがバカウケしている、ということになるでしょう。

squeeze は、「圧搾(あっさく)する、搾(しぼ)る、強く・ぎゅっと・きつく握る」。
この部分、DVDの日本語字幕では、「果物をしぼったり」と訳されていました。
things のような漠然とした言葉を使ってはいますが、私もそういう「果物を搾る」ニュアンスだろうと思いました。
フレンズ4-3その7 に、
レイチェル: I'll squeeze you fresh orange juice every morning! (私は、毎朝あなたにフレッシュ・オレンジジュースを搾ってあげる!)
というセリフもありましたが、そんな風に「オレンジなどの果物を搾る」ニュアンスだと思います。

鍛えてるの?と聞かれたので、「鍛えてるってほどじゃないけど、そう言えば果物を搾るようには努めてるよ」と、日常生活でニ頭筋を鍛えるのに関係ありそうなことを挙げてみた、という感じでしょう。
「まぁ、果物を搾ったりはしてるけどね」と冗談めかして言ったところ、「あなたって面白い人!」みたいにフィービーが過剰に反応しているのも、これまたわざとらしい感じが出ています。
あまり面白くないジョークだからこそ、過剰な反応が不自然に見えるわけですね。

いつもとは違うフィービーの様子に驚いているチャンドラー。
「あなたにはこのことは言えない」と言うので、チャンドラーは it's me と言っています。
「(何も遠慮することなんてないよ、気心の知れた)俺だよ、俺じゃないか」みたいなニュアンスです。
actually you're the one person I can't tell this to. And the one person I want to the most という文章は長いですが、こういう場合はいつものように、前から順にイメージして行きましょう。

「実際、あなたがその一人の人」→(どういう人かと言うと)「私がこのことを言うことができない(たった一人の人)」。
「そして(同時に、あなたは)その一人の人」→「私がこのことを最も言いたい(たった一人の人)」。

tell this to the (one) person (tell something to someone の形)ということなので、the one person が前に来たため、to は後ろに残っていることにも注目しましょう。
また、後半の I want to の後ろは省略されていて、それを補うと、I want to tell this to the most になります。
the one person I want なら、「私が欲しいと思う、ただ一人の人」のように、愛の告白みたいになってしまいそうですが、I want to のように to があるために、I want someone「(人)が欲しい」のではなく、I want to do 「…したい」と言っていることになります。
何をしたいと言っているかと言うと、前文で語られている tell this to (someone) と同じことなので、後半では、want to だけで後は省略してあるわけですね。
以下の動詞が省略されていることを示すために、to は省かずに残しておかないといけない、ということです。

「あなたには、このことを言えない、でも一番言いたいのもあなたよ」と何だか意味深なセリフを述べるフィービー。
この後のフィービーの長ゼリフは、次回に説明します。


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posted by Rach at 13:59| Comment(2) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月15日

光年は「距離」だけど… フレンズ5-9その8

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フレンズ2-6その4+longに関する疑問点(2) のコメント欄 で、「光年」という言葉の意味についてのコメントがありました。
私が、フレンズ2-6その1 のコメント欄 で、「光年」をまるで「時間」であるかのように書いてしまっていたことに対してのご指摘でした。
そのご指摘通り、「光年」という言葉は「年」という文字が入っているけれども、「距離」(光が1年間に進む距離)を表す単位ですよね。
どうやら「時間」を表す「年」という漢字に引っ張られて、勘違いしてしまったようです。
光年と言えば、宇宙戦艦ヤマトで「14万8千光年の彼方のイスカンダル」と言っていたように、光年が距離であることは小学生の頃から知っていたはずなんですが…(爆)。
誤りをご指摘していただき、ありがとうございます。

そんな風に「光年」の話題が出た時に、最近のフレンズのエピソード(フレンズ5-9)で、light years (つまり、光年)という単語が出てきたことを、ふと思い出しました。
それに関連して、辞書を調べていると、いろいろと興味深いことが出てきたので、今日は、フレンズ5-9 の追加記事として、light years を中心に記事にしたいと思います。

light years という単語が出てきたのは、フレンズ5-9その5 の少し前のシーン。
上の記事では、その部分を省略して、日本語であらすじを説明しています。
そのあらすじにあるように、文学講座を受講しながら、自分で本を読んでこないレイチェル、さらにはフィービーが考えた意見をさも自分が考えたように発表して得意気なレイチェルに、フィービーは激怒しています。
また本を読んでこないまま、「ジェーン・エア」ってどんな人?と尋ねてきたレイチェルに、フィービーが嘘の情報を教えるのが以下のシーン。

フィービー: Fine. Okay, all right. So, Jane Eyre? First of all, you'd think she's a woman, but she's not. She's a cyborg. (いいわ、わかった。それじゃあ、ジェーン・エアね? まず第一に、あなたは彼女を女性だと思ってるだろうけど、そうじゃないわ。彼女はサイボーグよ。)
レイチェル: A cyborg? Isn't that like a robot? (サイボーグ? それってロボットみたいなものじゃないの?)
フィービー: Yeah, this book was light years ahead of its time. (えぇ(ロボットみたいなものよ)。この本は、ものすごく先進的な話なの。)
先生(The Teacher): (entering) Sorry I'm late. Let's get started. So, what did everybody think of Jane Eyre? ([入ってきて] 遅れてすまない。さあ始めよう。それで、みんなはジェーン・エアのことをどう思ったかな?)
フィービー: Umm, Rachel and I were just discussing it, and she had some very interesting insights. (あのー、レイチェルと私はちょうどそのことを議論していたところです。それで、レイチェルが非常に興味深い洞察をしていました。)
先生: Well, go ahead, Rachel. (そうか、さあ、どうぞ(それを話して)、レイチェル。)
レイチェル: Uh, thank you, Phoebe. Umm, well, what struck me most when reading Jane Eyre was uh, how the book was so ahead of its time. (あー、ありがとう、フィービー。あのー、ジェーン・エアを読んでいて、私が最も感銘を受けたのは、この本が非常に先進的である、ということです。)
先生: If you're talking about feminism, I think you're right. (もし君がフェミニズム(男女同権主義)のことを言っているのだったら、君は正しいと思うよ。)
レイチェル: Yeah, well, feminism, yes. But also the robots. (ええ、そう、フェミニズム、そうですね。でも、ロボットのこともです。)
それを聞いて、ニヤッと笑うフィービー。

フィービーは、ジェーン・エアはサイボーグだと嘘をついて、レイチェルに恥をかかせようとしているわけですが、そのサイボーグの話が出た時の this book was light years ahead of its time というセリフで light years が登場していますね。
最後の方のセリフでも、the book was so ahead of its time という表現が出てきていますが、light years ahead of its time は、ahead of its time の強調バージョンといったところです。

まずは、ahead of its time という表現から見てみます。
ahead of one's time は、「時代に先駆けて、進歩的で」という意味。

Macmillan Dictionary では、
ahead of your/its etc. time : much more modern or advanced than most other people or things
例) As an artist, he was years ahead of his time.


つまり、「他の多くの人々や物事よりも、ずっともっと近代的で[最新で]、進んだ[進歩した、進化した、高度な]」。
例文は、「芸術家として、彼は何年も時代を先駆けていた。」

そして、今度は、light year の語義を英英で調べてみると、ロングマンには、今回のセリフで使われた、light years ahead のフレーズが載っていました。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
light year [noun] [countable]
1. PHYSICS the distance that light travels in one year, about 9,500,000,000,000 kilometers (5.88 trillion miles), used for measuring distances between stars
2. light years ahead/better etc. than something : (informal) much more advanced, much better etc. than someone or something else
例) The show was light years ahead of its competition.
3. light years ago : a long time ago


つまり、1. は「(物理学) 1年で光が進む距離、約9兆5千億キロ(5兆8800億マイル)、星間距離を測定するために用いられる」。
2. の light years ahead/better etc. than something は、「(インフォーマル) 誰かや何かよりももっとずっと進歩している、ずっと良い」
例文は、「その番組は、ライバル番組よりもずっと進んでいた[ずっと良いものだった]。」
3. の light years ago は、a long time ago 「ずっと以前に、ずっと昔に」。

Macmillan Dictionary では、
light year
1. [COUNTABLE] ASTRONOMY the distance that light travels in a year, used as a unit for measuring distances in space
2. light years [PLURAL] : (INFORMAL) a very long way in time, distance, or quality
例) Her life in Hollywood was light years away from her childhood in the East End of London.


つまり、1. は、「(天文学) 1年で光が移動する距離、宇宙での距離を測定するための単位として用いられる」。
2. の light years は、「(インフォーマル) 時間、距離、品質において非常に長い距離」
例文は、「ハリウッドでの彼女の生活は、ロンドンのイーストエンドでの子供時代とは、ものすごくかけ離れたものだった。」

マクミランの語義では、本来の定義である distance 「距離」に限らず、time 「時間」や quality 「品質」における a very long way も表す、と書いてあるのが興味深いところです。
このマクミランの例文は、生活の「質」がものすごく違う、異なることを、light years away で表現しているわけですね。

ということで、物理学、天文学の定義で言うと、「距離」だけれども、インフォーマルな使い方としては、距離だけに限らず、時間やクオリティの面においても大きな「隔たり」がある、ということを示す意味として使われることもある、ということのようです。

特に、light years ago は、a long time ago 「ずっと昔に」という「時間」の感覚で使われていますね。
years ago 「何年も前に」というフレーズがあるため、それと似た感覚で使っている、というのもあるでしょうし、light years が「尋常ではない距離」を表すために、時の隔たりが非常に「長い」→ずっと昔、という流れにもなるのでしょうね。
日本語でも「遙か遠い昔」「近い将来」などと言いますが、距離を表す「遠近」を時間軸上で捉えた場合には、距離=時間の長さになる、ということも納得できる気がします。

マクミランに、he was years ahead of his time という例文が出ていましたが、この years を light years と「誇張」した感じのフレーズが、今回のセリフの light years ahead of its time なのでしょう。
ですから、this book was light years ahead of its time というセリフは、「この本は、時代の遙か先を行っていたのよ」という感じになるのでしょうね。

ちなみにこのセリフ、DVDの日本語訳は、「(字幕)遠い未来の話なの/(吹替)実は何億光年も未来の話なのよ」と訳されていました。
サイボーグの話だから、「(西暦2500年のような)ずっと遠い未来の話」だとも言えるわけですが、厳密に言うと、「物理的な時間における、遙か遠い”未来”」というよりも、advanced の感覚が近いようです。
その当時の同類のものよりも、ずっと進んでいる、先進的である、という感じでしょう。

「先進的、進歩的」という意味で使っているので、レイチェルが先生にその話を説明した時に、「当時の保守的な社会において、フェミニズム(男女同権主義)の点で先進的だ、と君は言いたいのだね?」と解釈されたわけです。
そこで、「えぇ、まぁ、そういう感じのことです」と言って終わっておけばいいものを、はっきり、サイボーグという言葉を出してしまったので、墓穴を掘ることになってしまう、というオチになります。

以上、「光年」の定義の話から、それこそ何万光年も脱線してしまいましたが(笑)、インフォーマルな使い方としては、「距離」以外の隔たりを表す場合もある、というところが、個人的には大変興味深かったです。
例えば日本の辞書である広辞苑などで「光年」を引くと、そこには通常の天文学の定義である「距離」の意味しか載っていません。
ですが、英語の場合は、「何年も」の意味で years が使われているフレーズが多く、それを誇張する感覚で、light years ago や、light years ahead of its time のようなフレーズも存在するということ、それは、「光年は距離を表す」という天文学の定義からすると少々不思議な感覚ではあるけれども、あくまで「インフォーマルな形」としては頻繁に使われ、さらにはちゃんと辞書にもそのフレーズが載っていた、という点が、私的にはとても面白かった、ということです。
本来の定義とは異なるために、英英の語義でも、「天文学」と「インフォーマル」のように厳密に区分けしてあったわけですね。

超長い「光年」話にお付き合いいただき、ありがとうございました。


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posted by Rach at 08:09| Comment(2) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月13日

自己弁護のために言うと フレンズ5-13その6

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フィービーのおばあちゃんのお葬式にやってきた男性が、行方不明だったフィービーの父親、フランク・ブッフェだとわかり、びっくりのフィービー。
自分が彼の娘であることは明かさずに、おばあちゃん(フランシス)の遺言執行者(the executor person of Francis' will)のふりをして、セントラルパークに父を呼び出します。
話をするうちに、妻(フィービーの母)リリーが亡くなっていたこと、今目の前にいるのが娘のフィービーであることを知って、フランクは動揺しています。
フランク(Frank Sr.): Phoebe, I-I-I-umm, (Sits down next to her and brushes against her leg.) Oops. (He backs up.) I just, I-I-I-I don't, I don't know what to say. I just can't believe that you're my daughter. You're so pretty. (フィービー、私は、その… [フィービーの隣に座り、彼女の脚に軽く触れてしまう] おっと。 [父は手を引く] 私はただ、何て言ったらいいかわからないよ。ただ信じられないんだ、君が私の娘だなんて。君はすごくきれいだから。)
フィービー: Yes, well, that's neither here nor there. (えぇ、そうね。そんなの、重要じゃないわ[取るに足らない問題よ]。)
フランク: So would it, would it make you feel better if I said that I was very, very sorry that I left? (それで、私が出て行ったことをものすごく申し訳ないと思っていると言ったら、それで君の気持ちはましになるかな?)
フィービー: Y'know what? It doesn't matter what you say. It's not gonna make a difference anyway. So you can just go. (ねぇ、あなたが言うことなんかどうでもいいわ。どのみち、何も変わらないもの。だから(ここから)出て行って構わないわよ。)
フランク: All right. Well, y'know, in my defense, I was a lousy father. (わかったよ。そうだな、ほら、自己弁護のために言うと、私はひどい父親だった。)
フィービー: That's your defense? (それが自己弁護なの?)
フランク: Yes. Yes it is. I burned the formula, and I put your diapers on backwards. I mean, I made up a song to sing you to sleep, but that made you cry even more. (そうだよ、そうなんだ。私は赤ちゃん用のミルクは焦がすし、おしめをさかさまにつけちゃうし。歌って寝かしつけるために歌を作ったけど、それで君をさらにもっと泣かせちゃったし。)
フィービー: You make up songs? (あなたは歌を作るの?)
フランク: Well, no, just-just that one. But it was stupid. Let's see, how did it, how did it go. Umm. Yeah, okay. (Singing.) (そうだな、いや、その曲だけだよ。でもそれがひどくてね。ほら、それはどんなだっけ、どんな…あぁ、そうだ。よし。[歌う])
Sleepy girl, sleepy girl
Why won't you go to sleep?
Sleepy girl, sleepy girl
You're, you're, you're keeping me up!

(Yeah, that's to the tune of Smelly Cat.)
(♪眠い子、眠い子
どうして君は眠らないの?
眠い子、眠い子
君は私を寝かさない[君のせいで私は眠れない]!♪
[そう、その歌はスメリー・キャットの旋律に合わせて(歌われている)])


こんなきれいな女性が私の娘だなんて…と娘の成長した姿に驚くフランクに、フィービーは、ちょっと冷たい顔をして、that's neither here nor there と言っています。
neither here not there は「無関係で取るに足らない、問題外で」。
直訳すると、「ここにもないし、そこにもない」という感じで、ここでもそこでも、つまりはどこでも関係ない、問題外の無関係なこと、大事ではなくつまらないこと、という意味になるのでしょう。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
be neither here nor there : used when saying that something is not important because it does not affect or change a fact or situation
例) What I think about him is neither here nor there.

つまり、「事実や状況に影響を与えない、それらを変えないという理由で、あることが重要ではない、と言う時に用いられる」。
例文は、「彼について私が思うことは、重要ではない」。

つまりフィービーは父がフィービーの姿を褒めているのを聞いて、「そんなのどうでもいいつまらない問題よ」と言っているわけですね。
口ではそう言っているのですが、やはりそう言われたことはまんざらでもないらしく、髪をかき上げて、しなをつくるような仕草もしています。
自分たちを捨てた父に対する怒りは消えていないので、そのパパの発言を素直に喜ぶわけにはいかない、そこで、「私がきれいって褒めたって、そんなのどうでもいいことよ」みたいに言ってみせている、一種の照れ隠しでしょうね。

defense は「ディフェンス、防御」で、この場合は「弁護」のニュアンスになります。

LAAD では、以下の例文が出ています。
In his defense (= used before making a statement to support someone), he is very new to the job.

つまり、「in someone's defense は、人をサポートするための発言をする前に使われる」ということで、例文の意味は、「彼の弁護のために言うと、彼はその仕事では全くの新入りだったんだ[その仕事についたばかりだったんだ]。」

今回のパパのセリフも、in my defense と先に言うことで、「私の自己弁護のために言わせてもらうと」というようなニュアンスになるわけですが、その後、無理もないもっともらしい理由を述べるのかと思ったら、「私はひどい父親だった」と、そのひどさをただ認めただけの発言をしているので、フィービーは、「それが、あなたの言う defense なの?」と聞き返しているのですね。
会話のやり取りがトンチンカンなところは、さすがはフィービーの実のパパ、という感じです。

パパは、自分がダメなパパであったことを語り始めます。
formula には「公式」などの意味もありますが、ここでは「乳児用ミルク(人工乳)」を指します。
母乳(breast milk)の代わりとなるミルクのことですね。
それを鍋で温めているうちに焦がしてしまった、ということです。
子守歌を作ったけど、that made you cry even more 「その歌が、君(たち)をさらにもっと泣かせてしまった」とも言っていますね。

歌を作った、という話を聞いて、フィービーは、You make up songs? と聞き返しています。
これは「そんな歌を(実際に、本当に)作ったの?」という過去の事実を尋ねている過去形ではなく、「現在形」になっていますね。
これは、習慣を表す現在形で、普段から歌を作るの? あなたは歌を(何曲も)作ったりする人なの?という意味になります。
それで、songs という複数形が使われているのですね。
歌を作った、という事実に驚いているというよりも、フィービー自身がシンガーソングライターなので、血の繋がったパパも、そういう趣味があるのかどうかを確認したかった感じです。

パパが思い出しながら歌った歌は、メロディーを聞くと、フィービーの Smelly Cat にそっくりなところも(ある程度予期された流れではありますが)、やはり微笑ましいと思いました。
メロディーだけではなく、歌詞の構造も似ているのも楽しいですね。
keep someone up は、「人を up の状態にしておく」ということで、up は(寝ていることに対して)「起きている(状態)」を指します。
子守歌を歌っているのに、ちっとも寝ないで泣き続けるから、私は全然眠ることができないよ、という意味になります。


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posted by Rach at 12:28| Comment(6) | フレンズ シーズン5 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする