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オーディションのために貸したバッグに、ジョーイがサンドイッチを入れているのを見て、注意するレイチェル。
レイチェル: Joey, you know you get any mustard on that bag, you can't return it. (ジョーイ、そのバッグにマスタードを少しでもつけたら、バッグを返却できないってこと、わかってるでしょ。)
ジョーイ: Why would I return this? I love this bag! (どうしてこのバッグを俺が返却するんだよ? このバッグが大好きなのに!)
レイチェル: All right, then you owe me $350. (わかったわ、それじゃあ、私に 350ドル払ってね。)
ジョーイ: Fine! Do you take Vasa or Mooster Card [or Mustercard] ? (He's holding the fake credit cards that come with the bag.) (わかったよ! バーサカードかムスター[マスター]カードは使える? [ジョーイはそのバッグに付いているニセのクレジットカードを掲げる])
レイチェル: (glaring at him) Joey.... ([ジョーイを睨みながら] ジョーイ…。)
ジョーイ: All right, relax, look, I'll pay you with the money from the acting job I am definitely gonna get. Thanks to you. (わかったよ、落ち着けよ。なぁ、俺が間違いなくゲットすることになるその芝居の仕事の金で、レイチェルに支払うよ。(役をゲットできるのは)君のおかげだよ。)
ロス: What's the part? Auntie Mame? (何の役? メイム叔母さん?)
レイチェル: Hey, don't listen to them. I think it's sexy. (ちょっと、ロスたちの言うことを聞かないで。私はセクシーだと思うわ。)
ジョーイ: You-and-I sexy? (Smiles provocatively.) (君と俺とで…みたいなセクシー?) (挑発するように微笑む)
レイチェルは、you know... 「…ってことわかってるわよね」と念押しするような形で、バッグにマスタードをつけたら返却できないわよ、と警告しています。
ジョーイは、「俺はこのバッグを気に入ってるから、返却しない」と言うので、レイチェルはジョーイに代金を請求します。
それに対してジョーイは、にせのクレジットカードを見せて、これで払ってもいい?と言っていますね。
ト書きできちんと説明して下さっているのでとてもありがたいのですが、このニセカードは、そのバッグに付いてきたもの、つまり、カード入れのスリットに見本として入っていたカードのようです。
ニセモノなので、有名なカードの名前を少しひねった名前に変えてあるようですね。
Vasa は見た目で想像できる通り、Visa カードを変形したもの。
2つ目のニセカードの名前は、DVD英語字幕では、Mooster Card と表記され、ネットスクリプトでは、Mustercard と書かれていました。
これは、Master Card 「マスターカード」をもじったものですね。
DVDとネットスクリプトで綴りが異なる場合、「市販されているオフィシャルなもの」であるDVDの綴りの方を正しいと解釈するのが通常のやり方ですが、今回は、Mustercard という綴りの方が、「セリフとしては面白い」ような気がします。
ちょうど、少し前のジョーイのセリフに、mustard 「マスタード、からし」という単語が登場していますよね。
そのマスタードという単語の中間に -erc の文字を挿入すると、Must-erc-ard 「マスターカード」という単語が出来上がります。
少し前に出てきた単語繋がり、そして、マスタード(からし)という単語をもじったカード名の方が、ネーミングとしては面白いような気が私はしました。
日本語だと、master も muster も「マスター」になってしまうので、それを日本語のだじゃれっぽく表現しようとすると「マスタードカード」(mustard card)みたいになるでしょうか。
そんなことを考えているうちに、ふと頭に浮かんだのですが、例えば、
ジョーイ: [notices some mustard on the 'Mustercard'] Oh, mustard (on the Mustercard)! [licks it off the card] ([”マスターカード”にマスタードがついているのに気付いて] あぁ、(マスターカードに)マスタードが! [マスタードをなめ取る])
レイチェル: Joey!! (ジョーイ!)
みたいなやり取りがあったら、mustard 繋がりのジョークであることも示せたのかなぁ、とか、それではあまりにもひねりがなさすぎて、却ってしらけてしまうのかなぁ、とか、一人でいろいろ考えてしまいました…(単なる思いつきなので、聞き流して下さい…笑)。
冗談はよしてよ、みたいな顔で睨むレイチェルに、お金は自分で払うから、と言うジョーイ。
I'll pay you with the money from the acting job I am definitely gonna get. の文章は長いので、こういう場合は前から順番に意味を取っていくと、「俺は君に払うよ、そのお金でね」→(どのお金かと言うと)「演技の・芝居の仕事からの[仕事で得る]お金(で)」→「(その acting job は)俺が間違いなく・確実にゲットすることになる(仕事だ)」になるでしょう。
それを自然な日本語に直すと、「俺が間違いなくゲットすることになる演技の仕事の金で君に支払うよ」ということになるのですね。
英語ではまず最初に主語+動詞で、「俺は君に支払うよ」と言っておいて、その後、どんなお金で支払うか、そのお金をどうやって手に入れるか、などを後から付け加える形で説明していきます。
そういう「英語の感覚」がよく出た文章だなぁ、と思いました。
Thanks to you. は、「君(レイチェル)のおかげで」。
その前に、「俺が間違いなくゲットすることになる演技の仕事」と言ったことについて、「その役がゲットできるのは、洗練された男のイメージ作りを、このバッグを勧めることで手伝ってくれた君のおかげだからね」と言っているのですね。
役がゲットできる、と自信満々のジョーイに、ロスは、「何の役? Auntie Mame? 」と尋ねています。
Auntie Mame は、1958年のアメリカの映画。邦題は「メイム叔母さん」。
Wikipedia 日本語版: メイム叔母さん
Wikipedia 英語版: Auntie Mame (film)
「絶対にゲットできる役って、メイム叔母さん役(つまり、女性の役)?」と言っているわけですね。
女物にしか見えないバッグを持っているジョーイをからかっているわけです。
女性役の名前なら、無数に名前は思い浮かびますが、より「女性」さらには「おばちゃん」感を出すために、固有名詞に Auntie が入った名前を例に出したのかなぁ、と思います。
からかうロスたちに、レイチェルは、「彼らの言うことなんか気にしないで。私はセクシーだと思うもの」と言っています。
sexy という言葉を聞いて、ジョーイは、You-and-I sexy? と、またジョーイお得意のちょっといやらしい顔をして(笑)言っていますね。
これは、過去記事、フレンズ5-13その2 で説明した「unisex (U-N-I sex) を you and I sex と聞き間違えた」話の延長で、「レイチェルが言う sexy っていうのは、"You and I sex" sexy? 「君と俺とでエッチする、っていう感じのセクシー? 君が俺とエッチしたくなるほど俺ってセクシー、ってこと?」のように言っているわけですね。
「まだその話を引っ張ってるんかい!」的なツッコミを入れたくなるような、ジョーイらしいセリフだと思いました。
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