ブログを続ける原動力となります。どうか今日も応援クリックをよろしくお願いします。


シーズン5 第17話
The One with Rachel's Inadvertent Kiss (レイチェルの勘違いキス)
原題は「レイチェルのうかつなキスの話」
前回のエピソードで、フィービーは Gary (ギャリー)という名の警官と出会いました。
彼が落とした警官バッジを使って警官のふりをしていたフィービーですが、その彼はフィービーのことを気に入り、二人は今、付き合っています。
モニカの部屋で、仕事に行く彼を見送った後、
フィービー: Oh, God! (まぁ、なんてこと!)
モニカ: What? (何?)
フィービー: Oh, I just miss him so much! (あぁ、ただ彼がいなくてものすごく寂しいのよ!)
モニカ: Wow! For just a week, you guys are really close, huh? (まぁ! たったの1週間なのに、あなたたちは本当に親密なのね?)
フィービー: Yeah, it's weird. I can't help it, though, he's so sweet. He's like this little puppy dog, y'know? But like a really tough one who shoots bad guys. Ohh, I just love the beginning parts of relationships, y'know? You just, like, can't keep your hands off each other. (そうね、変な感じなのよ。自分ではどうしようもないんだけど、彼ってとっても優しいの。彼は小さな子犬って感じよ、でしょ? でも、悪いやつらを銃で撃つ本当にタフな男って感じでもあるの。あぁ、恋愛関係の始まりの部分って大好きだわ、でしょ? お互いに触れずにはいられないって感じよね。)
モニカ: I know. It is the best. (わかるわ。最高よね。)
フィービー: God. So-so how long did that last for you and Chandler? (あぁ。それで、それで、あなたとチャンドラーとは、それがどのくらいの長さ続いたの?)
モニカ: What? It's still going on. (何ですって? まだ続いてるわよ。)
フィービー: Come on, seriously. When did it end? (よしてよ、真面目に答えて。いつ終わったの?)
モニカ: I-I am serious, I mean, we're, we're all over each other all the time. (私は真面目に話してるわ。つまり、私たちはずっとお互いべったりくっついてるもの。)
フィービー: Okay, you know where you are better than I do. I was just curious. (いいのよ、あなたは自分の今の状況を、私よりもよくわかってるでしょ。ただちょっと興味があっただけよ。)
モニカ: (Start annoying hyper-competitive mode now.) (Jumping up) What don't you just calm down, Phoebe! All right? Why don't you just get all your facts before you run around telling everybody that you're the only hot couple! ([うっとうしい、超・負けず嫌いモードを開始して] [椅子から飛び上がって] ちょっと落ち着いたらどうなの、フィービー? いい? 全ての事実をきちんと理解したらどうなのよ、自分たちが唯一のラブラブカップルだっていろんな人に触れ回る前にね!)
フィービー: (Under her breath) God, I woke the beast. Sorry. (To Monica) I was wrong obviously. I just, I misspoke. It's okay. ([小声で] なんてこと、野獣を目覚めさせちゃった。しまった。 [モニカに] 明らかに私が間違ってたわ。私はただ…私は失言したのよ。もういいのよ。)
彼を見送った後、フィービーは胸に手を当てて、ハッと何かに気づいたような声を上げます。
どうしたの?というモニカに、「ただ彼がいないのがすごく寂しくて、彼がものすごく恋しくて」みたいに答えるフィービーが微笑ましいですね。
miss は、I miss you. などと使われるように、「(人)がいなくて寂しく思う」という意味ですね。
ついさっきまで一緒にいて、今、離れたばかりなのに、もう寂しく恋しくなってしまった、という、相手にラブラブだからこそ出てくるセリフとも言えるでしょう。
フレンズ1-14その2 では、部屋の外に出た途端に、
ジャニス: Oh, I miss you already. (あぁ、もうあなたが恋しいわ。)
と言っていたことがありましたが、それと同じ感覚ですね。
I can't help it. は「どうしようもない、しょうがない、そうするより仕方ない」という意味で使われます。
この場合の help は「…を避ける、抑える」という意味ですね。
ここでは、自分としてはそういう気持ちになるのをどうすることもできない、彼に対して今こんな気持ちになっているのを自分では抑えることができない、みたいな感じだと思います。
「自分ではどうしようもないのよ」みたいなことでしょうね。
彼は、小さな子犬みたいでもあり、また悪人を撃つようなタフガイみたいだとも言うフィービー。
恋に落ちたばかりの初期の頃って素敵よね、お互いから手を離すことができない、つまり、片時も離れていることができない、みたいなそういうラブラブの時期っていいわよね、みたいなことも言っています。
「それ、わかるわぁ」みたいに同意するモニカに対して、フィービーは、How long did that last for you and Chandler? と尋ねています。
that は、the beginning parts of relationships のことで、そういう「片時も離れることができない時期」を指しています。
last は「続く、存続する、持続する」という自動詞ですから、そういうラブラブの時期がどのくらい続いたか?を尋ねる質問になります。
did という「過去形」を使った質問であることから、フィービーはその期間がもう「終わってしまった」のだと思っていることがわかりますね。
それでモニカは、「まだ過去形じゃないわ、現在もまだ進行中よ」と抗議するように、It's still going on. と答えているわけです。
「真面目に答えてよ」「私は真剣に答えてるわ」と言い合う二人。
be all over somebody は、「人に性的に迫る」というような意味があります。
フレンズ5-14その4 でも、She was all over me. というセリフが出てきました。
今回の場合は、恋人同士の話なので、文字通りのニュアンスの「…の上一面に」という感覚でイメージした方が近いかもしれませんね。
相手の身体にぴったりくっついて離れない、二人はいつも繋がってるのよ、みたいな、そういう「アツアツのラブラブ感」を表現しているのだと思います。
You know where you are better than I do. について。
中1で習うような簡単な単語ばかりですが、意外と解釈に迷う人が多いかも、と思ったりします。
ネイティブなら感覚的にわかるであろうこういう文章を、ノンネイティブの我々が理解するためには、やはり、文章の構造を読み解くための「文法知識」が必要になってくると思います。
better という比較級が出ていることから、何かと何かを比較していることがわかりますね。
比較級に付き物の than も登場していることから、I do と何かを比較していることがわかります。
do は一般動詞(be 動詞ではない動詞)の繰り返しを避けるために使われる「代動詞」ですね。
このセリフの中の一般動詞は know ですから、than I do = than I know となり、このセリフは、You know ... better than I know. 「あなたは私よりも…をよく知っている」という意味になります。
where you are は、know の目的語に当たり、「あなたが(今)どこにいるか」というような意味になるでしょう。
「あなたが今いる場所」とはつまり、「あなたが今どういう状況にいるか、あなたは今どういう状態か」を指すと考えられます。
このやり取りの中での where you are とは、モニカとチャンドラーが恋愛関係において今、どういう位置にいるか、というようなことを指すでしょう。
つまりフィービーは、「モニカが今、恋愛関係のどの段階にいるか、ってことは、私よりもあなたの方がよくわかってるでしょ」と言いたいのだと思います。
「いつもべったり」だなんてモニカは言うけど、もうそういう段階はとっくに過ぎてるってことは、本人のあなたたちがよくわかってるはずでしょ?と言いたいわけですね。
私に言われるまでもなく自分たちが誰よりわかってるはずなのに、そんなに無理して嘘つかなくてもいいわよ、くらいの意味になると思われます。
「ちょっと興味があっただけ」というのは、「私たちまだラブラブよ」と嘘をついてまで言いたくないのならこれ以上は聞かないけど、モニカたちのラブラブ期間はどのくらい続いたか?を参考までにただちょっと聞いてみたかっただけよ、みたいなことですね。
「自分でももうラブラブじゃないってわかってるくせに」みたいに言われて、モニカはついにキレてしまいます。
ト書きの、annoying hyper-competitive mode という表現に笑えますね。
Why don't you just...? という表現を2回も使って、「(つべこべ言わないで)ただ…したらどうなのよ?!」みたいに、キツい調子で叫んでいます。
「ハイパー負けず嫌いモード」(笑)になったモニカを見て、声をひそめて、God, I woke the beast. と言うフィービーにも笑えますね。
モニカの逆鱗(げきりん)に触れることを言ってしまって、野獣を目覚めさせてしまった…という後悔のセリフです。
mis- は「誤って」という意味の接頭辞ですから、「誤って話す」、つまり「失言する」ということになります。
ランキングをクリックして、応援していただけると嬉しいです。

