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フレンズ6-1 で、結婚するにはまだ早いけれど、まずは二人で一緒に住もう!と決心したチャンドラーとモニカ。
モニカの部屋にチャンドラーが引っ越す形を考えている二人ですが、そのことをフレンズたちにどう告げるかで悩んでいます。
モニカ: Hey, have you figured out a way to tell him you're moving out? (ねぇ、あなたが引っ越して部屋を出て行くことを、ジョーイにどうやって告げるか考えた?)
チャンドラー: No, no, I keep trying, y’know? And I can get out, "Joey, I have to--" but then I lose my nerve and I always finish with "--go to the bathroom." He may think I'm sick. (いやいや、ずっとトライし続けてるんだよ。で、こう口には出るんだ、「ジョーイ、俺はしなくちゃいけないんだよ…」、でもそれから、怖じ気(おじけ)づいちゃって、いつもこうやって言葉を終えてしまうんだ。「…トイレに行かなくちゃ」ってね。ジョーイは多分、俺を病気だと思ってるだろうな。)
モニカ: Y'know, I really have to tell Rachel, but I... We just gotta get it over with! Y'know what? The next time we see them, we're just gonna tell them. Okay? That's it. (ほら、私もほんとにレイチェルに言わないといけないの、でも…私たち、この件を片づけないとね! ねえいい? 次に二人に会う時に、二人に言うわよ。いいわね? それだけよ。)
チャンドラー: Oh, so that's how it is gonna work now? You're just gonna order me around all the time? (おぉ、じゃあ、そんな感じで、ことが運ぶんだな? 君がただ俺にいつも、あれこれ命令するってわけ?)
モニカ: Pretty much. (大体そうね。)
チャンドラー: All right. (わかったよ。)
ジョーイ: (entering) Hey, Monica! ([入ってきて] やあ、モニカ!)
モニカ: Hi! (はーい!)
ジョーイ: (To Chandler) Hey, man, you feeling any better? ([チャンドラーに] よお、お前、ちょっとは気分が良くなったか?)
figure out は、ここでは「考え出す、考え付く」というニュアンス。ですから、have you figured out a way to tell him you're moving out? は、「あなたが引っ越して出て行く予定だということを彼に言う方法を何か一つ(もう)考え付いた?」と言っていることになります。
チャンドラーは、keep trying トライしてる、努力してる、と言いながら、でも実際にはこんな風になっちゃうんだよな、という事情を以下で説明しています。
get out は「外に出る」で、この場合は、「言葉が外に出る」、つまり、「口に出す、述べる」ということ。
nerve は日本語の「度胸、勇気」のニュアンスで、It takes nerve to do... なら、「…するには勇気がいる」になります。
lose one's nerve は「度胸や勇気を失う」ということですから、「怖じ気(おじけ)づく、気後れする、うろたえる」。
I always finish with... は、「いつも…という言葉で終える」という感覚。
つまり、Joey, I have to-- までは口から出るんだけど、その後、怖じ気づいちゃって、結局、その後、go to the bathroom と言葉をつなげて、言葉を終えてしまうんだ、ということですね。
肝心の部分が言えなくて、普段よく使う、I have to go to the bathroom. とつい言ってしまう、ということです。
日本人の普段の生活でも、「途中まで言葉は出るんだけど、そこでくじけちゃって、つい別のことを言ってしまう」ってこと、ありますよね?
そういう場合は、今回のチャンドラーのセリフのように、I can get out A, but then I lose my nerve and I always finish with B. みたいに表現すると、そういう感覚が英語で出せるということです。
get out, lose one's nerve, finish with というフレーズはそれぞれ辞書に載っていますが、それをこんな感じで組み合わせて、話の流れをつけながら話す、ということは、なかなか辞書からは学びにくい気がします。
「言おうと思ったけど、勇気が出ずに違うことを言っちゃった」みたいなことは、まさにそういう状況にいるキャラクターのセリフから学ぶのが一番わかりやすいということですね。
そういう面白い表現に出会ったら、どこかに記録しておいて、自分の日記とかでちょっと使ってみたりすると楽しいし、自然な英語にもなる、ということです。
このセリフの最後の、He may think I'm sick. というオチも楽しいですね。
always とあるので、引っ越しすることを言おう言おうと思うたびに、結局いつも、「トイレに行ってくるわ」みたいに言ってしまうようです。
口を開くと、「トイレに行く」ばかり言っているため、「腹の調子でも悪いのか? 体がどっか悪いのか?」とジョーイは思ってるだろうなぁ、ということですね。
なかなか言えないんだ、と言うチャンドラーに、言わなきゃいけないのよ、と強い調子で言うモニカ。
get ... over with は、「(いやな仕事など)を片付ける、けりをつける、終えてしまう」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
get something over with [phrasal verb] :
to finish doing something you do not like doing as quickly as possible
例) "The shot should only hurt a little." "OK. Just get it over with."
つまり、「したくないと思っていること[するのが好きではないこと]を、できるだけ早く終わらせること」。
例文は、「その注射はちょっと痛むだけですよ」「わかった。(さっさと)終わらせちゃって」
やはり、something you do not like doing 「するのが好きではないこと」→「いやなこと」がポイントになるようです。
自分もレイチェルに言わないといけないモニカは、それぞれがお互いのルームメートに次に会った時に絶対に同居の話をすること!と決めています。
チャンドラーの意見も聞かずに、「絶対にそうするのよ、いいわね!」と強い口調で言っているモニカを見て、チャンドラーは少々ご不満の様子。
that's how it is gonna work now? の work は「(物事が)機能する、動作する」という感覚でしょう。
それ、つまり、今モニカが言ったような感じで、ことは運ぶんだな、物事が動いていくんだな、というニュアンスだと思います。
その漠然とした言い方を、次の言葉で具体的に、order around を使って言い換えています。
order someone around は、「人をこき使う、人にあれこれ命令する、いちいち指図する」。
LAAD では、
order somebody around [phrasal verb] :
to continuously give someone orders in an annoying or threatening way
例) Stop ordering me around!
つまり、「うっとうしい、または脅迫的なやり方で、人に命令を連続して(絶え間なく)与えること」。
例文は、「あれこれ命令するのはやめて!」
around は「あちこちに、方々(ほうぼう)に」という意味がありますので、やれ、あれをしろ、今度はこれをしろ、と、命令で相手をあちこち振り回すような感覚が、order someone around には感じられる気がします。
pretty much は「大体、ほとんど」。
「モニカは今後も、こんな風に俺にあれこれ指図するつもりか?」と聞かれて、普通なら、「そんなことないわよ〜」と否定する女性も多いように思いますが、モニカはあっさりと、「うん、大体はそんな感じでしょうね」と否定しません。
それを聞いてチャンドラーも、そうだろうと思ってた、みたいにあっさり、All right. と答えるのも面白いです。
モニカがキャンキャン言うのを、チャンドラーがハイハイと聞いてあげる、みたいなのが、この二人ならではの関係だというところですね。
そこにジョーイが入ってきます。
モニカには普通にいつも通りの挨拶をしていますが、チャンドラーには、you feeling any better? と少し心配そうな顔で尋ねていますね。
「いくらか少しでも、気分はましになったか?」みたいな言い方ですが、このセリフから、ジョーイがチャンドラーの健康状態を気にしていることがわかります。
少し前のセリフで、「ジョーイは俺のことを病気だと思ってるかもしれない」とチャンドラーが予想していた通りの結果になっているということです。
He may think I'm sick. のオチで一度笑い、その後、しばらく経ってから、このジョーイのセリフで、「やっぱりジョーイはチャンドラーを病気だと思ってる」ことが確認できて笑える面白さですね。
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