2011年09月01日

どうしてそういうことするかなぁ? フレンズ6-3その5

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チャンドラー: Well, we are fond of the silliness. But we also have a soft spot for the love. (そうだな、俺たちは、ばかなことは好きだよ。でも同時に、愛に対しても弱いんだよな[愛っていうのも好きなんだよね]。)
モニカ: Love is the best medicine. (愛は最良の薬、よね。)
チャンドラー: That's "laughter." (それは(「愛」じゃなくて)「笑い」だよ。)
モニカ: Why do you do it? (どうしてそういうことするの?)
チャンドラー: I don't know. (わかんない。)
ロス: Okay! All right! Now, Chandler, you, you wanna live with Monica, right? (オッケー! わかった! さあ、チャンドラー、君はモニカと一緒に住みたいよね?)
チャンドラー: Yeah, I do. (ああ、住みたいよ。)
ロス: And, Mon, you wanna live with Chandler, don't ya? (そして、モニカ、君はチャンドラーと一緒に住みたいよね?)
モニカ: Yes. (ええ。)
ロス: (jumping up) Good! A verbal contract is binding in the state of New York! (Storms out.) ([(椅子から)パッと立ち上がって] よし! ニューヨーク州では口約束[口頭契約]は拘束力を持つ! [部屋を飛び出す])

チャンドラーとモニカが同居を取りやめようとするのを必死に止めようと説得するロス。
二人が付き合い出してからは、これまでの100万倍幸せそうなのに、たった1つの部屋の使い道をめぐって同居をやめるなんてばかげてる、と、silly や silliness という単語をロスは何度も使います。
be fond of は「…を好む、…が好きである」。
soft spot は直訳すると、「弱い所、弱点」ということですから、have a soft spot for は「…に対して弱点を持っている、弱点がある、弱い部分がある」、つまり、「…が好きである、ぞっこんである」というような意味になります。
日本語でも、好みの話で「…に弱い」というと、その魅力に抵抗できない、みたいなニュアンスがあるでしょうか。そのあたり、日英、似た感覚なのかなと思います。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
have a soft spot for somebody/something : to like someone or something, even though other people might not
つまり、「誰かや何かを好きなこと、他の人は好きではないかもしれないけれど」。

Macmillan Dictionary では、
have a soft spot for someone : to like someone a lot, even if they do not deserve it
つまり、「誰かを大変好きなこと、例えその人がそれを受けるに値(あたい)しなくても」。

英英辞典の2つの語義を見てみると、どちらも最後に「他の人は好きではないかもしれない」「好きだと思われる価値がない」のようなネガティブな条件がついていますね。
手持ちの英和辞典には、あまりそういうネガティブなニュアンスは載っていないのですが、これらの英英辞典の語義を見る限り、「その人特有の、他の人には理解できないような、ちょっと変わった好み」について語る場合に使われる表現…ということになるのでしょうか??
元々は「…に対して弱点がある、…に弱い」という意味から来たとすると、本来の常識から言うとそういうものを好きになるべきではないのに、それを好きになることが一般的ではないのに、その魅力に逆らえずに好きになってしまう、という意味から、弱点という言葉が使われている、ということになるのかなぁ、と。
誰もが好きだと認めるようなものであれば、それを他の人と同じように好きであることを弱点とは言わないでしょうから、特にその人はそれに弱い、というニュアンスだということでしょうかねぇ??
(問いかけ口調ばかりですみません)

もしそういう「(世間一般の人とは異なる)その人独特の好み」というニュアンスがあるとすると、一般的にみんなが好きであろう「愛」という言葉に対して使ったということは、「ばかなことも好きだけど、愛も好き」と言うのに照れがあって、わざとそんな風に「愛ってやつにも俺たちは弱くてね」と言ってみせた、しゃくだけど愛も好きだと認めざるを得ない、みたいなニュアンスが出せるということになるのかな、と思ったりもしました。

愛という言葉を出したチャンドラーに対して、モニカも、「そうよ、愛は最良の薬よ」と言うのですが、それを言うなら、love じゃなくて、laughter だろ、みたいに訂正されてしまいます。
実際、研究社 新英和中辞典にも、
Laughter is the best medicine. 「笑いは最良の薬」
という言葉が載っています。
LAAD にも、medicine の項目に、
the best medicine : the best way of making you feel better when you are sad.
例) Laughter is the best medicine.

のように載っていますので、有名なフレーズのようですね。

正しい言い回しは確かに、love ではなく、laughter だったようですが、モニカはそれを訂正されて、Why do you do it? とムッとした顔で言い、チャンドラーは反射的に I don't know. と返しています。
Why do you do it? を直訳すると、「なぜ・どうしてあなたはそれをするの?」ですから、日本語で言うところの、「どうしてそういうことをするかなぁ?」「どうしてそういうことをするわけ?」に近いニュアンスを感じます。
「愛」という言葉が出たところで、せっかく二人が仲直りしようとしているこの時に、そういうささいな間違いをいちいち訂正するわけ?、仲直りの気持ちに水を差そうってつもり?みたいな気持ちがモニカにはあるのでしょう。
そう責められて、即座に I don't know. と返すのも、「なんでそんな言葉が口を突いて出ちゃったのか、俺自身にもわからない、何でそんなこと言っちゃったんだろう、俺」みたいな感じですね。
二人の、"Why do you do it?" "I don't know." のスピーディーさが絶妙で、思わず笑ってしまう、そういうシーンでもあります。

ちょっとしたモメごとはあるものの(笑)、お互いの愛を再認識して、ばかな喧嘩はよそうと決めた二人。
ロスは「相手と一緒に住みたいよね?」とそれぞれに尋ねています。
何だか、結婚式の牧師さんみたいな尋ね方で、それに対する二人の返事も、結婚式の誓いの言葉にイエスと答えている感じに似ているのもポイントでしょう。
やっぱり一緒に住みたいという二人の意志を確認すると、ロスはすくっと椅子から立ち上がって、A verbal contract is binding in the state of New York! と叫んだ後、部屋を飛び出して行きます。

verbal contract は「口頭契約、口約束」。
bind は他動詞で「…を縛る、くくる」「(契約・法律などで)束縛する、拘束する、義務づける」、自動詞で「(契約などが)拘束力を持つ」という意味があります。(発音は「バインド」)
このセリフでは、「契約などで拘束する」という動詞に -ing がついて、「拘束力のある」という意味の形容詞として使われています。

LAAD では、
binding [adjective] :
a binding contract/promise/agreement etc. : a promise, agreement etc. that legally forces someone to obey it

つまり、「a binding contract (など)とは、法的に人に強制してそれに従わせる約束など」。

まるで結婚式の誓いの言葉のように、それぞれの意思を確認したわけですが、「確かに今イエスと言ったよね。紙に書いた契約じゃなくても、今みたいな口頭契約でも、NY州では拘束力があるんだ」ということで、今、口頭で誓ったから、もう撤回はできないぞ、正式に契約として認められたんだからな、と念押ししたようなセリフになるでしょう。
また同居とりやめ話がぶり返すといけないから、今の言葉には法的拘束力があるんだぞ、と高らかに宣言して出て行った、ということですね。


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posted by Rach at 17:43| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする