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前回の続きです。
「ラルフ・ローレンがコピー室で誰かとキスしてた」という話をレイチェルから聞いた上司のキムは、独自の調査(笑)で、その時間帯にコピー室にいた人物がレイチェルであったことがわかった、とレイチェル本人に告げます。
ラルフとキスしたのが自分だと疑われたと知って、レイチェルは必死に否定するのですが、
キム: Listen to me. If you think sleeping with Ralph is gonna get you my job, you are sadly mistaken. (私の話をよく聞いて。ラルフと寝ることであなたに仕事がもらえると思ってるのなら、あなたは(嘆かわしいくらいに)ひどく間違ってるわ。)
レイチェル: I, I don't want your job. I, I don't. Ohh, this is such a mistake. I did not make out with him. Nobody made out with him. I did not use my keycard yesterday. I don't even know how to use my keycard. (The elevator stops. Ralph steps on.) (私はあなたの仕事を奪いたいわけじゃありません。そんなことありません。あぁ、これは間違いなんです。私は彼といちゃついたりしてません。誰も彼といちゃつかなかったんです。私は昨日、自分のキーカードを使いませんでした。キーカードの使い方さえ知らないんです。[エレベーターが止まる。ラルフが乗り込んでくる])
キム: Hi, Ralph. (はい、ラルフ。)
ラルフ・ローレン: Hi, Kim. (Dead silence until Ralph gets off the elevator.) (やあ、キム。[ラルフがエレベーターを降りるまで、完全な静寂が続く])
キム: Yeah. Nothing happened. You could cut the sexual tension in here with a knife. (そうね。何も起こらなかったのね。(でも)ここでの性的緊張感は、ナイフで切れそうなくらいだった[それくらい張りつめていた]わ。)
If you think sleeping... の文は、文の構造を簡単にすると、If you think..., you are mistaken. 「もし…だと思っているのなら、あなたは間違ってる」ということになります。
何を思っているかということが、sleeping 以下で語られているわけですが、sleeping with Ralph は動名詞で「ラルフと寝ること」、get someone something は「人にものをもたらす、持ってくる」。
「ラルフと寝ることがあなたに私の仕事をもたらすことになるだろう」、つまり、「ラルフと寝ることで、私の仕事があなたの手に渡るだろう」みたいなことですね。
ラルフといい仲になって、そういう関係を結ぶことで、上司の私の仕事があなたのものになると思ってるとしたら…と上司であるキムは言いたいわけです。
sadly は「悲しいことには、残念ながら」という意味ですが、このように be mistaken と結びつくと、「嘆かわしいほど(間違っている)、ひどく・とんでもなく(間違っている)」という感覚になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
sadly [adverb] :
3. very or very much
例) They're sadly mistaken if they think they're going to win.
つまり、意味としては「非常に、とても」で、例文は、「自分たちが勝つと思っているのなら、彼らはひどく間違っている」。
この例文も、今回のセリフと同じように、if A think B is going to do something, A is sadly mistaken. の形になっていることから、このような構文や文脈で、be sadly mistaken はよく使われる、ということがわかります。
「彼と寝ることで、上司の仕事がゲットできると思ってるとしたら、大間違いよ」と、「その愚かさ加減を嘆く」ニュアンスが sadly には込められている気がします。
ちなみに、mistake という単語についてもう少し見てみます。
「あなたが間違えている」というニュアンスで、be mistaken という形が使われていますね。
mistake がよく使われるのは、まずは名詞の、make a mistake 「誤りを犯す、間違える」でしょう。
そして、mistake には動詞としての意味もあって、その場合は「…を間違える」という他動詞で、例えば、mistake A for B なら、「A と B を間違える、取り違える、思い違いをする」という意味になります。
そして、mistake を過去分詞にした形の mistaken は、「間違えて」という意味の形容詞として使われます。
ですから、「君が間違っている」と言いたい場合は、You mistake. ではなく、You are mistaken. の形になります。
そのため、今回のセリフでも、You sadly mistake. ではなくて、You are sadly mistaken. という「be動詞+(過去分詞形の)形容詞」の形が使われているのですね。
LAAD では、
mistaken [adjective]
1. [not before noun] if you are mistaken, you are wrong about something you thought you knew or saw
例)I had thought the job was done, but I was sadly mistaken.
There's mint in this sauce, if I'm not mistaken.
つまり、「(名詞の前にはつかない) もし人が be mistaken だとしたら、自分が知っている、または見たと思った何かについて間違っている、ということ」。
例文は、「その仕事は終わったと私は思っていたが、私は完全に間違っていた」。
「このソースにはミントが入っている、もし私が間違っていなければ」。
ちなみに、LAAD の mistaken の語義説明の例文にも(sadly の語義の例文と同様に)、be sadly mistaken というフレーズが登場していますので、be sadly mistaken というコロケーションで覚えるのが効果的であることがさらによくわかると思います。
mistake について少し長めに説明しましたが、You are wrong. 「君は間違ってる」と同じようなニュアンスで mistake という単語を使おうとする場合、日本人だと何となく、You mistake. と言いたくなってしまいそうだけれど、実際は、You are mistaken. のように過去分詞形を形容詞として使う形が用いられる、ということを再確認していただきたかったと言うことです。
そういう be mistaken という形を忘れないためにも、You are sadly mistaken. や I was sadly mistaken. という一言フレーズで丸ごと覚えておいた方が、間違えにくいし、とっさに口から出てくるようにもなる、ということですね。
仕事が欲しくてラルフといちゃついた、かのように誤解されていることがわかって、レイチェルは必死にそれを否定しています。
昨日は自分のキーカードを使わなかった、と言った後、even 「…さえ」という単語を使って、「自分のカードの使い方を知ってさえいない」とも付け加えていますね。
使ったとか言われても、そもそもそのキーカードの使い方すら知らないんです、ということです。
疑われないために「カードの使い方も知らない」と言っている感じもしますが、レイチェルのキャラを考えた場合に(コピーしたい時には、誰か他の人に頼んじゃいそうな雰囲気があるため)ほんとに使い方を知らないかもしれない…と思えてしまうところもまた、笑いどころなのかもしれません。
そんな会話をしていると、止まった階で、ラルフ・ローレンご本人がエレベーターに乗り込んできます。
ラルフがキムに軽く挨拶した後、エレベーターは沈黙に包まれ、別の階でラルフは降りて行きます。
彼が出て行った後に、キムは、Nothing happened. 「何も起こらなかった」と過去形で言った後、the sexual tension の話をしています。
sexual tension は文字通り「性的緊張」。
could cut は「切ろうと思えば切れる」というようなニュアンスでしょう。
つまり、キムは、ラルフ、キム、レイチェルが一緒にエレベーターの中にいた時に、その中ではものすごい性的緊張が走っていて、それはまるでナイフで切れそうな感じだった、それくらい、「ピリピリして、ピンと張り詰めた」緊張感が漂っていた、と言いたいようですね。
そのように、ピンと張った感じがナイフで切れそうなほど、というのは、日本語の「張り詰める」「緊張する」という言葉ともなじむ気がします。
LAAD では、
tension : NERVOUS FEELING [uncountable] a nervous, worried, or excited feeling that makes it impossible for you to relax
つまり、「神経質な(ナーバスな)、心配した、または興奮した気持ちで、人がリラックスするのを不可能にする気持ち」。
この最後の部分のセリフで、キムはまず、「何も起こらなかった」と言っていますが、これは恐らく、「ラルフとレイチェルの間には何も起こらなかった」と言っているレイチェルの意見を、いったんは認めたような発言をしている気がします。
「今の様子を見ていると、あなたたち二人の間には本当に何も起こらなかったようねぇ」とレイチェルの言い分を理解したかのように言っておいて、その直後に、「(でも)さっきの空気には、ナイフで切れそうなほどの性的緊張感が漂っていたけどね」と言ってみせて、「お互い素知らぬ顔をしていたけれど、二人の間に妙な空気が流れていたのを私はちゃんと感じ取ったわよ」と言いたいのだろうと思いました。
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2011年11月29日
2011年11月25日
belong toの使い方 フレンズ6-8その4
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ラルフ・ローレンが誰かとキスしていちゃついていた、という話を上司のキムにしてしまったレイチェル。
フィービーがラルフ・ローレンだと思い込んでいたのは、コピー室のケニーだとわかって、何とかその間違いを伝えようとします。
[Scene: Elevator at the Ralph Lauren offices, Kim's waiting for it. The door opens and Rachel is inside.]
ラルフ・ローレンのオフィスのエレベーター、キムがエレベーターを待っている。ドアが開き、レイチェルが中にいる。
レイチェル: Ohh, hi, Kim. (あぁ、はーい、キム。)
キム: Hi, Rachel. (はーい、レイチェル。)
レイチェル: Yeah. Remember that thing I told you that happened yesterday? Well, it didn't happen. (はーい。昨日起こったって言ったこと、覚えてます? えーと、それは(実際には)起こらなかったんです。)
キム: You didn't cancel the fabric order from Taiwan? (台湾からの布地(生地)の注文をあなたはキャンセルしなかったってこと?)
レイチェル: Okay, two things didn't happen. Remember I told you that someone made out with Ralph Lauren in the copy room? Well, it turns out that's not true. (えっと、2つのことが起こらなかったんです。誰かがコピー室でラルフ・ローレンといちゃついてたって、私が言ったのを覚えてます? うーんと、それは本当のことじゃない、ってわかったんです。)
キム: That's not true? (それは本当じゃないの?)
レイチェル: No. (ええ、本当じゃないんです。)
キム: Oh, that's interesting. Because I checked. And only one keycard was used to access the copy machine yesterday during lunch, and that keycard belonged to you, Rachel. (まぁ、それは興味深いわね。だって、私はチェックしたから。そして、昨日の昼食の時間にコピー機にアクセスするために使われたキーカードはたった1枚だけだったの。そのカードはあなたのものだったのよ、レイチェル。)
レイチェル: Oh, no, no, no. Oh, God, you think I made out with him? (あー、違います、違います。なんてこと、あなたは私が彼といちゃついたと思ってるんですか?)
エレベーターで上司のキムに会って、レイチェルは昨日自分が言ったことを訂正しようとしています。
Remember that thing I told you that happened yesterday? Well, it didn't happen. は、「昨日起こったと、私があなたに言った、あのことを覚えていますか? えーっと、そのことは(実際には)起こらなかったんです」というような意味。
私は「そういうことがあった」と報告したけれど、それは間違いだったんです、と伝えたいわけですね。
そう言われたキムは、「じゃあ、あなたは台湾からの布地のオーダーをキャンセルしなかったの?」と返しています。
報告どおりに業務を行わなかったってこと?みたいな質問ですね。
それを聞いたレイチェルは、「2つのことが起こらなかった」と答えます。
1つは元々レイチェルが言いたかった「コピー室でラルフ・ローレンが誰かとキスしたこと」で、もう1つは今キムが指摘した「台湾からの布地の注文のキャンセル」ということになり、つまりはレイチェルは、上司キムに命じられた仕事をし忘れたことを、今のキムの発言で思い出したということです。
「キャンセルするの忘れちゃってました。すみません」とか謝るのではなく、「そうすると、昨日起きたと報告した事柄の中で実際には起きなかったことが2つになっちゃいますね」と答えているのが面白いわけですね。
レイチェルは、自分が言おうとしていたのは、コピー室でのラルフのキスの件だと説明します。
私はあなたにそう言ったけど、それは真実ではないとわかった、とも言っています。
レイチェルは、「その話は嘘、ただのデマだったんですよ」と軽く流そうとしたのですが、キムは新たな事実を掴んでいました(笑)。
そういう噂話を聞いて、誰がその時間帯にコピー室を使っていたのかを調べたことが、キムのセリフからわかります。
And only one keycard was used to access the copy machine yesterday during lunch, and that keycard belonged to you, Rachel. について。
長い文章なので、こういう場合は、前から、かたまりごとに、順番に意味を取っていきましょう。
まず前半の文章は、「たった1つのキーカードが使われた」「コピー機にアクセスするために」「昨日の昼食の間」という流れですね。
ラルフがキスしたというその昨日の昼食の時間帯に、コピー機にアクセスするために使われたキーカードはたった1枚だけだった、と使われたキーカードが1枚に絞られていることが最初の文でわかります。
そして後半は、「そのキーカードはあなたのものだったのよ、レイチェル」ということですね。
「その時間帯に使われたカードはたった1枚だけ、そして、そのカードは、レイチェル、あなたのものだったのよ」のように、推理小説で刑事や探偵が犯人を追いつめる時のセリフのように、言ってみせているわけですね。
belong to... は「(主語が)(所有物として)…に属する、…のものである」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
belong to somebody/something : to be the property of someone or of an organization
つまり、「誰か、または団体の所有物であること」。
belongings は名詞で「所有物、所持品」という意味の単語ですよね。
ちなみにその意味では、常に複数形で使われることにも注意しましょう。
LAAD では、
belongings [noun] [plural] : the things that you own, especially those that you can carry with you.
つまり、「人が所持しているもの、特に持ち運べる[携行できる]もの」。
今回のセリフでは、(コピー機を使うための)キーカードはレイチェルのものである、というニュアンスで belong to が使われていますが、同様に「パスワード」や「キーコード」の場合も、belong to が使われます。
ジャック・バウアーが活躍する「24」では、そのようなパスやコードの話がよく登場しますが、例えば、
2-10 では、
There's a four-digit subcode that only belongs to him. (彼だけが持っている4桁のサブコード(副暗証番号)が存在する。)
2-22 では、
Your key codes belong to ... now. It's protocol. (あなたのキーコードは今は…(人物名)のものです。規則です。)(※ネタバレ禁止のため、人名は伏せました…笑)
ような形で、belong to が使われています。
それと、全くの余談ですが、「24」は CTU (テロ対策ユニット)での捜査でコンピューターが多用されますね。
そのため、コンピューターの操作に関するフレーズも頻出なので、PC関係の業務を英語でこなす必要のある方は「24」のセリフが結構参考になるのでは?と思ったりもします。
また、恋愛関係のフレーズでの使われ方としては、アリー my Love (Ally McBeal)の挿入歌として使われていた、You Belong To Me という歌もありますね。
最後のサビの部分の歌詞が、
Just remember, darling all the while
You belong to me
「覚えていて、ダーリン、その間ずっと、あなたは私のもの」
となっていて、とてもロマンティックな一節になっています。
「私のもの」「誰々のもの」と言いたい場合に、日本人だとまず「所有代名詞」(mine など)が頭に浮かびそうですが、You are mine. のような意味で、You belong to me. という言い回しもあることを学ぶことが、豊かな表現力をつけるための第一歩となる気がします。
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フィービーがラルフ・ローレンだと思い込んでいたのは、コピー室のケニーだとわかって、何とかその間違いを伝えようとします。
[Scene: Elevator at the Ralph Lauren offices, Kim's waiting for it. The door opens and Rachel is inside.]
ラルフ・ローレンのオフィスのエレベーター、キムがエレベーターを待っている。ドアが開き、レイチェルが中にいる。
レイチェル: Ohh, hi, Kim. (あぁ、はーい、キム。)
キム: Hi, Rachel. (はーい、レイチェル。)
レイチェル: Yeah. Remember that thing I told you that happened yesterday? Well, it didn't happen. (はーい。昨日起こったって言ったこと、覚えてます? えーと、それは(実際には)起こらなかったんです。)
キム: You didn't cancel the fabric order from Taiwan? (台湾からの布地(生地)の注文をあなたはキャンセルしなかったってこと?)
レイチェル: Okay, two things didn't happen. Remember I told you that someone made out with Ralph Lauren in the copy room? Well, it turns out that's not true. (えっと、2つのことが起こらなかったんです。誰かがコピー室でラルフ・ローレンといちゃついてたって、私が言ったのを覚えてます? うーんと、それは本当のことじゃない、ってわかったんです。)
キム: That's not true? (それは本当じゃないの?)
レイチェル: No. (ええ、本当じゃないんです。)
キム: Oh, that's interesting. Because I checked. And only one keycard was used to access the copy machine yesterday during lunch, and that keycard belonged to you, Rachel. (まぁ、それは興味深いわね。だって、私はチェックしたから。そして、昨日の昼食の時間にコピー機にアクセスするために使われたキーカードはたった1枚だけだったの。そのカードはあなたのものだったのよ、レイチェル。)
レイチェル: Oh, no, no, no. Oh, God, you think I made out with him? (あー、違います、違います。なんてこと、あなたは私が彼といちゃついたと思ってるんですか?)
エレベーターで上司のキムに会って、レイチェルは昨日自分が言ったことを訂正しようとしています。
Remember that thing I told you that happened yesterday? Well, it didn't happen. は、「昨日起こったと、私があなたに言った、あのことを覚えていますか? えーっと、そのことは(実際には)起こらなかったんです」というような意味。
私は「そういうことがあった」と報告したけれど、それは間違いだったんです、と伝えたいわけですね。
そう言われたキムは、「じゃあ、あなたは台湾からの布地のオーダーをキャンセルしなかったの?」と返しています。
報告どおりに業務を行わなかったってこと?みたいな質問ですね。
それを聞いたレイチェルは、「2つのことが起こらなかった」と答えます。
1つは元々レイチェルが言いたかった「コピー室でラルフ・ローレンが誰かとキスしたこと」で、もう1つは今キムが指摘した「台湾からの布地の注文のキャンセル」ということになり、つまりはレイチェルは、上司キムに命じられた仕事をし忘れたことを、今のキムの発言で思い出したということです。
「キャンセルするの忘れちゃってました。すみません」とか謝るのではなく、「そうすると、昨日起きたと報告した事柄の中で実際には起きなかったことが2つになっちゃいますね」と答えているのが面白いわけですね。
レイチェルは、自分が言おうとしていたのは、コピー室でのラルフのキスの件だと説明します。
私はあなたにそう言ったけど、それは真実ではないとわかった、とも言っています。
レイチェルは、「その話は嘘、ただのデマだったんですよ」と軽く流そうとしたのですが、キムは新たな事実を掴んでいました(笑)。
そういう噂話を聞いて、誰がその時間帯にコピー室を使っていたのかを調べたことが、キムのセリフからわかります。
And only one keycard was used to access the copy machine yesterday during lunch, and that keycard belonged to you, Rachel. について。
長い文章なので、こういう場合は、前から、かたまりごとに、順番に意味を取っていきましょう。
まず前半の文章は、「たった1つのキーカードが使われた」「コピー機にアクセスするために」「昨日の昼食の間」という流れですね。
ラルフがキスしたというその昨日の昼食の時間帯に、コピー機にアクセスするために使われたキーカードはたった1枚だけだった、と使われたキーカードが1枚に絞られていることが最初の文でわかります。
そして後半は、「そのキーカードはあなたのものだったのよ、レイチェル」ということですね。
「その時間帯に使われたカードはたった1枚だけ、そして、そのカードは、レイチェル、あなたのものだったのよ」のように、推理小説で刑事や探偵が犯人を追いつめる時のセリフのように、言ってみせているわけですね。
belong to... は「(主語が)(所有物として)…に属する、…のものである」。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
belong to somebody/something : to be the property of someone or of an organization
つまり、「誰か、または団体の所有物であること」。
belongings は名詞で「所有物、所持品」という意味の単語ですよね。
ちなみにその意味では、常に複数形で使われることにも注意しましょう。
LAAD では、
belongings [noun] [plural] : the things that you own, especially those that you can carry with you.
つまり、「人が所持しているもの、特に持ち運べる[携行できる]もの」。
今回のセリフでは、(コピー機を使うための)キーカードはレイチェルのものである、というニュアンスで belong to が使われていますが、同様に「パスワード」や「キーコード」の場合も、belong to が使われます。
ジャック・バウアーが活躍する「24」では、そのようなパスやコードの話がよく登場しますが、例えば、
2-10 では、
There's a four-digit subcode that only belongs to him. (彼だけが持っている4桁のサブコード(副暗証番号)が存在する。)
2-22 では、
Your key codes belong to ... now. It's protocol. (あなたのキーコードは今は…(人物名)のものです。規則です。)(※ネタバレ禁止のため、人名は伏せました…笑)
ような形で、belong to が使われています。
それと、全くの余談ですが、「24」は CTU (テロ対策ユニット)での捜査でコンピューターが多用されますね。
そのため、コンピューターの操作に関するフレーズも頻出なので、PC関係の業務を英語でこなす必要のある方は「24」のセリフが結構参考になるのでは?と思ったりもします。
また、恋愛関係のフレーズでの使われ方としては、アリー my Love (Ally McBeal)の挿入歌として使われていた、You Belong To Me という歌もありますね。
最後のサビの部分の歌詞が、
Just remember, darling all the while
You belong to me
「覚えていて、ダーリン、その間ずっと、あなたは私のもの」
となっていて、とてもロマンティックな一節になっています。
「私のもの」「誰々のもの」と言いたい場合に、日本人だとまず「所有代名詞」(mine など)が頭に浮かびそうですが、You are mine. のような意味で、You belong to me. という言い回しもあることを学ぶことが、豊かな表現力をつけるための第一歩となる気がします。
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2011年11月22日
異性に対するステレオタイプなイメージ フレンズ6-8その3
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チャンドラーはモニカと一緒にポプリ(!)を作った後、ジョーイのところに行ってくる、と言います。
これから包装紙の引き出しを片づけることになってるわよ、と言うモニカに、
チャンドラー: Yes, but I feel like I've really gotten in touch with my feminine side enough today. You know. In fact, I think we're two sachets away from becoming a lesbian couple. (そうだね。でも俺は今日、自分の女性的一面に十分触れたような気がするんだ。実際、(ポプリの)サッシェあと2つで、俺たちはレズビアンのカップルになっちゃうよ。)
モニカ: You know what? This has been kind of a girlie day. You're right. I'm sorry. (ねぇ、今日はずっと女の子っぽい日だったわよね。あなたが正しいわ。ごめんなさい。)
チャンドラー: Nah, Nah, it's okay. I feel like I need to be in a "guy" place, you know, do kind of like a "man" thing. (いやぁ、いいんだよ。俺は「男」の場所にいる必要がある、って気がするんだよ、ほら、「男」っぽいこととかをする必要があるって。)
モニカ: Yeah. Go over to Joey's. Go over to Joey's and drink some beer and hammer up some dry wall. (そうね。ジョーイのところに行って。彼のところに行って、ビールを飲んで、壁をハンマーで叩いちゃえ。)
チャンドラー: You know when guys hang out, they don't just drink beer and hammer up dry wall. (ねぇ、男同士が一緒に過ごしてる時、ただビールを飲んで、壁をハンマーでたたく、なんてことはしないよ。)
モニカ: When girls hang out, we don't have pillow fights in our underwear. (Chandler gets a hurt look on his face.) I'm sorry. We do. We do. I don't know why I said that. (女の子同士が一緒に過ごしてる時、下着(姿)で枕投げしたりしないわよ。[チャンドラーは傷ついた表情を浮かべる] ごめんなさい。女の子はするわ。そういうことするわ。どうしてそんなこと言ったのか、自分でもわかんない。)
get in touch with は「…に連絡する、…と連絡をとる」という意味で使うことが多いですが、ここでは「…と接触する」という感覚ですね。
チャンドラーが「触れた」と言っているのは、my feminine side 「自分の女性的な一面・部分」なので、「今日はもう十分すぎるほど、自分の女性的な一面に触れちゃったと思う」という意味になります。
We're two sachets away from becoming a lesbian couple. について。
sachet はフランス語で「小袋」「におい袋」。英語では sack に該当する言葉です。
ここではポプリを小さな袋に入れたものを指していて、直訳すると、「俺たちは、レズビアンのカップルになるところから2袋分離れている」ということになるでしょう。
「(このポプリを)あともう2袋作ったら、俺たちはレズビアンのカップルになっちゃうね」とチャンドラーは言いたいわけで、つまりは、「俺が女になっちゃう」と言っていることになるでしょう。
「レズビアンカップルになるまで、あと2袋」みたいな感覚で、レズビアンのカップルになるまでそれだけしか離れていない、もうレズビアンカップルになる寸前だからこの辺で止めとかないと、みたいに言っているのです。
「数詞のついた名詞+away from」という表現で、「あとそれだけで、それと同じになる、その状態に到達する、それだけしか離れていない」ことを表しているのが面白いなと思います。
私がこれまでに見た他のドラマにもこの away from のフレーズは登場していました。
例えば、「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲」(Burn Notice) 1-1 : Pilot では、
... the place where everyone is a Jell-O shot away from alcohol poisoning 「ジェロ・ショット(酒入りゼリー)あと1つでアル中になるようなやつらばかりがいる場所」
Jell-O shot というのは「キツいお酒の入ったゼリー」のこと。
フレンズ3-11その15 で、チャンドラーが食べていたのをご記憶の方も多いでしょうか?
そういう「酒入りゼリー」をあと1個食べると、アルコール中毒になってしまうような人たち、ということは、ほとんどアル中同然、アル中の一歩手前くらいの酔っぱらいという意味ですね。
日本語なら「お猪口(おちょこ)1杯で」みたいに言いそうなところを、一口サイズの酒入りゼリーでその「あとちょっと感」を出しているのが面白いセリフだと思いました。
モニカは継続を表す完了形を使って、This has been kind of a girlie day. 「今日のこの日は、ずっとガーリーな・女の子っぽい日って感じだったものね」と言って、そういう女の子っぽいことにチャンドラーをつき合わせてしまったことを詫びています。
そんなの問題ないよ、と言いながら、チャンドラーは、in a "guy" place や do kind of like a "man" thing のように、guy, man という言葉を使って、男っぽい場所、男っぽいことが必要なんだと言っています。
男っぽいことの話になって、モニカは、drink some beer and hammer up some dry wall と言っていますね。
hammer は文字通り「ハンマー」で、ここでは動詞として使われています。
hammer up は wall に向かってハンマーを振り上げるイメージでしょう。
dry wall は研究社 新英和中辞典では、
dry wall 【名】【C】
T (モルタル・セメントを用いない)石積み壁
U (壁板・プラスターボードで作られた)乾式工法の壁
と説明されています。
Wikipedia 英語版: Drywall
では、also known as plasterboard... 「プラスターボード(石膏ボード)…などとしても知られている」とありますので、「石膏ボード」のイメージで理解するとよいでしょう。
ビールを飲んで、ハンマーで壁をガンガン叩く、みたいな感じでしょうから、ビール片手に、アメリカ人が好きな DIY (Do it yourself) つまり、日曜大工みたいなことをするイメージをモニカは頭に描いているのかなと思います。
男性が集まるとこういうことするんでしょう?みたいな、女性が想像するステレオタイプなイメージを語っているわけで、それを聞いたチャンドラーは、「男が集まっても、そんなことはしないよ」と笑いながら否定しています。
モニカもそれに対応する形で、When girls hang out, we don't have... 「私たち女性も、一緒にいる時に…はしない」と説明しています。
つまり、あなたたち男性が想像しがちな、イメージ通りのことは私たち女性もしないわよ、と言っているわけですが、その内容はと言うと、have pillow fights in our underwear つまり「下着姿でピローファイト(枕投げ)をする」こと。
軽く笑いながらそう言ったモニカでしたが、その発言を聞いた後、チャンドラーは、あ、と口を開けて寂しそうな顔をしています。そんなことって…とショックを受け、目の焦点が定まらず茫然とした顔になっています。
チャンドラーが想像していたそういう映像が、実際には行われたりはしていないとわかって衝撃を受けているわけですが、「下着姿で枕投げ」が虚構のイメージだと知った場合に、そこまでショックを受けるかぁ?!的な面白さがあるわけですね。
軽い気持ちでそう言っただけなのに、チャンドラーがものすごいショックを受けた様子なので、モニカは慌てて自分の発言を訂正しています。
We do. はその前の発言の、we don't have pillow fights... という否定文を、肯定文に訂正した形で、つまりは、We have pillow fights in our underwear. ということ。
「下着姿で枕投げはしない、って言ったけど、それは間違いよ。私たち女性はそういうことしてるわよ」と、言い直しているわけですね。
「どうしてそんなこと(下着姿で枕投げはしない、なんてこと)を言っちゃったのか自分でもわからない」とも付け足しています。
恋人チャンドラーの夢を壊さないように、必死に自分の発言を否定するモニカが微笑ましいですね。
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チャンドラーはモニカと一緒にポプリ(!)を作った後、ジョーイのところに行ってくる、と言います。
これから包装紙の引き出しを片づけることになってるわよ、と言うモニカに、
チャンドラー: Yes, but I feel like I've really gotten in touch with my feminine side enough today. You know. In fact, I think we're two sachets away from becoming a lesbian couple. (そうだね。でも俺は今日、自分の女性的一面に十分触れたような気がするんだ。実際、(ポプリの)サッシェあと2つで、俺たちはレズビアンのカップルになっちゃうよ。)
モニカ: You know what? This has been kind of a girlie day. You're right. I'm sorry. (ねぇ、今日はずっと女の子っぽい日だったわよね。あなたが正しいわ。ごめんなさい。)
チャンドラー: Nah, Nah, it's okay. I feel like I need to be in a "guy" place, you know, do kind of like a "man" thing. (いやぁ、いいんだよ。俺は「男」の場所にいる必要がある、って気がするんだよ、ほら、「男」っぽいこととかをする必要があるって。)
モニカ: Yeah. Go over to Joey's. Go over to Joey's and drink some beer and hammer up some dry wall. (そうね。ジョーイのところに行って。彼のところに行って、ビールを飲んで、壁をハンマーで叩いちゃえ。)
チャンドラー: You know when guys hang out, they don't just drink beer and hammer up dry wall. (ねぇ、男同士が一緒に過ごしてる時、ただビールを飲んで、壁をハンマーでたたく、なんてことはしないよ。)
モニカ: When girls hang out, we don't have pillow fights in our underwear. (Chandler gets a hurt look on his face.) I'm sorry. We do. We do. I don't know why I said that. (女の子同士が一緒に過ごしてる時、下着(姿)で枕投げしたりしないわよ。[チャンドラーは傷ついた表情を浮かべる] ごめんなさい。女の子はするわ。そういうことするわ。どうしてそんなこと言ったのか、自分でもわかんない。)
get in touch with は「…に連絡する、…と連絡をとる」という意味で使うことが多いですが、ここでは「…と接触する」という感覚ですね。
チャンドラーが「触れた」と言っているのは、my feminine side 「自分の女性的な一面・部分」なので、「今日はもう十分すぎるほど、自分の女性的な一面に触れちゃったと思う」という意味になります。
We're two sachets away from becoming a lesbian couple. について。
sachet はフランス語で「小袋」「におい袋」。英語では sack に該当する言葉です。
ここではポプリを小さな袋に入れたものを指していて、直訳すると、「俺たちは、レズビアンのカップルになるところから2袋分離れている」ということになるでしょう。
「(このポプリを)あともう2袋作ったら、俺たちはレズビアンのカップルになっちゃうね」とチャンドラーは言いたいわけで、つまりは、「俺が女になっちゃう」と言っていることになるでしょう。
「レズビアンカップルになるまで、あと2袋」みたいな感覚で、レズビアンのカップルになるまでそれだけしか離れていない、もうレズビアンカップルになる寸前だからこの辺で止めとかないと、みたいに言っているのです。
「数詞のついた名詞+away from」という表現で、「あとそれだけで、それと同じになる、その状態に到達する、それだけしか離れていない」ことを表しているのが面白いなと思います。
私がこれまでに見た他のドラマにもこの away from のフレーズは登場していました。
例えば、「バーン・ノーティス 元スパイの逆襲」(Burn Notice) 1-1 : Pilot では、
... the place where everyone is a Jell-O shot away from alcohol poisoning 「ジェロ・ショット(酒入りゼリー)あと1つでアル中になるようなやつらばかりがいる場所」
Jell-O shot というのは「キツいお酒の入ったゼリー」のこと。
フレンズ3-11その15 で、チャンドラーが食べていたのをご記憶の方も多いでしょうか?
そういう「酒入りゼリー」をあと1個食べると、アルコール中毒になってしまうような人たち、ということは、ほとんどアル中同然、アル中の一歩手前くらいの酔っぱらいという意味ですね。
日本語なら「お猪口(おちょこ)1杯で」みたいに言いそうなところを、一口サイズの酒入りゼリーでその「あとちょっと感」を出しているのが面白いセリフだと思いました。
モニカは継続を表す完了形を使って、This has been kind of a girlie day. 「今日のこの日は、ずっとガーリーな・女の子っぽい日って感じだったものね」と言って、そういう女の子っぽいことにチャンドラーをつき合わせてしまったことを詫びています。
そんなの問題ないよ、と言いながら、チャンドラーは、in a "guy" place や do kind of like a "man" thing のように、guy, man という言葉を使って、男っぽい場所、男っぽいことが必要なんだと言っています。
男っぽいことの話になって、モニカは、drink some beer and hammer up some dry wall と言っていますね。
hammer は文字通り「ハンマー」で、ここでは動詞として使われています。
hammer up は wall に向かってハンマーを振り上げるイメージでしょう。
dry wall は研究社 新英和中辞典では、
dry wall 【名】【C】
T (モルタル・セメントを用いない)石積み壁
U (壁板・プラスターボードで作られた)乾式工法の壁
と説明されています。
Wikipedia 英語版: Drywall
では、also known as plasterboard... 「プラスターボード(石膏ボード)…などとしても知られている」とありますので、「石膏ボード」のイメージで理解するとよいでしょう。
ビールを飲んで、ハンマーで壁をガンガン叩く、みたいな感じでしょうから、ビール片手に、アメリカ人が好きな DIY (Do it yourself) つまり、日曜大工みたいなことをするイメージをモニカは頭に描いているのかなと思います。
男性が集まるとこういうことするんでしょう?みたいな、女性が想像するステレオタイプなイメージを語っているわけで、それを聞いたチャンドラーは、「男が集まっても、そんなことはしないよ」と笑いながら否定しています。
モニカもそれに対応する形で、When girls hang out, we don't have... 「私たち女性も、一緒にいる時に…はしない」と説明しています。
つまり、あなたたち男性が想像しがちな、イメージ通りのことは私たち女性もしないわよ、と言っているわけですが、その内容はと言うと、have pillow fights in our underwear つまり「下着姿でピローファイト(枕投げ)をする」こと。
軽く笑いながらそう言ったモニカでしたが、その発言を聞いた後、チャンドラーは、あ、と口を開けて寂しそうな顔をしています。そんなことって…とショックを受け、目の焦点が定まらず茫然とした顔になっています。
チャンドラーが想像していたそういう映像が、実際には行われたりはしていないとわかって衝撃を受けているわけですが、「下着姿で枕投げ」が虚構のイメージだと知った場合に、そこまでショックを受けるかぁ?!的な面白さがあるわけですね。
軽い気持ちでそう言っただけなのに、チャンドラーがものすごいショックを受けた様子なので、モニカは慌てて自分の発言を訂正しています。
We do. はその前の発言の、we don't have pillow fights... という否定文を、肯定文に訂正した形で、つまりは、We have pillow fights in our underwear. ということ。
「下着姿で枕投げはしない、って言ったけど、それは間違いよ。私たち女性はそういうことしてるわよ」と、言い直しているわけですね。
「どうしてそんなこと(下着姿で枕投げはしない、なんてこと)を言っちゃったのか自分でもわからない」とも付け足しています。
恋人チャンドラーの夢を壊さないように、必死に自分の発言を否定するモニカが微笑ましいですね。
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2011年11月18日
友達なのに彼がわからないの? フレンズ6-8その2
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マッサージ師であるフィービーは、自分の顧客を増やすためにチラシを作り、そのコピーをさせてもらうために、レイチェルの勤務先ラルフ・ローレンを訪れます。
コピー室で、社長のラルフ・ローレンとキスしたと告白するフィービー。
それを聞いたレイチェルは、みんなにそのニュースを伝えます。
モニカ: My God, Rachel, I can't believe Phoebe made out with Ralph Lauren. Ohh, I'm so jealous! (Chandler looks at her.) (まぁ、なんてこと、レイチェル。フィービーがラルフ・ローレンといちゃついたなんて信じられないわ。あー、すっごく妬けちゃう! [チャンドラーはモニカを見る])
チャンドラー: Hi, I'm Chandler, your live-in boyfriend. (はーい、俺はチャンドラー、君の同棲中の恋人だ。)
モニカ: Chandler, please, come on. Look at him. (Pointing to a picture of Ralph on a magazine.) (チャンドラー、やめてよ。彼を見て。[雑誌に載っているラルフの写真を指差す])
チャンドラー: Oh, I am no woman, but that is one tasty dish. (Phoebe walks in.) (あー、俺は全然、女じゃないけど、でも、それって、おいしい料理だね[おいしそうだね]。[フィービーが入ってくる])
フィービー: Hey. Here. (Hands Chandler a copy of her flyer and sees the picture of Ralph.) Ohh, who's the silver fox? (はい、どうぞ。[チャンドラーにチラシを1部渡して、ラルフの写真を見る] まぁ、そのギンギツネ(シルバーグレイのいい男)は誰?)
レイチェル: That, that is your make-out buddy. Don't you recognize him? (Holding up the magazine in front of her face.) Oh, wait. "Ohh, Phoebe, I love you. Kiss me, please." (それは、あなたのいちゃつき友達でしょ? 彼のこと、見覚えないの[見分けられないの]? [フィービーの顔の前にその雑誌を掲げて] あぁ、待って。「おぉ、フィービー、愛してるよ。キスしておくれ」)
フィービー: That's not Ralph Lauren. Sounds like him, though. (それはラルフ・ローレンじゃないわ。声(の感じ)は彼みたいだけどね。)
make out は「いちゃつく」。
アカデミックな辞書であるLAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも、その意味はちゃんと、以下のように載っています。
make out : (informal) to kiss and touch someone in a sexual way
例) A couple was making out in the hallway.
つまり、「性的な方法で、誰かにキスしたり、触ったりすること」。
例文は、「あるカップルが廊下でいちゃついていた」。
有名ブランドのデザイナーであるラルフ・ローレン本人とフィービーがキスしてた、と聞いて、モニカは「うらやましくて妬けちゃう」みたいなことを言っています。
隣にいた恋人のモニカは、「もしもし、俺が隣にいるの、忘れてない?」みたいに、「俺は、君と同棲中の恋人チャンドラーだけど」と言っています。
live-in は「同棲中の、住み込みの」という意味で、live-in boyfriend/girlfriend なら「同棲中の恋人」ですし、live-in babysitter なら「住み込みのベビーシッター」という意味になります。
「でもね、この写真を見たら私の言ってる意味も納得できるわよ」みたいに、モニカはラルフ・ローレンの写真が載っている雑誌を見せます。
それを見たチャンドラーは、Oh, I am no woman, but that is one tasty dish. と言っていますね。
I am no woman. は、I'm not a woman よりもさらに否定を強めたようなニュアンスで、「俺は全く女性じゃないけど」みたいな感じになるでしょうか。
dish は「皿」という意味から、「皿に盛った料理」という意味にもなりますので、tasty dish は文字通り「おいしい料理」という感覚ですね。
the main dish 「メインディシュ、主な料理」は日本語になっていますので、ディッシュ=料理という発想は日本人にもピンとくると思います。
that はその雑誌に載っているラルフを指していて、「それはおいしい料理だね」、つまり、「それっておいしそう」と言っている感覚になるでしょう。
フレンズ1-12その3 では、フィービーのマッサージ師の同僚ジャスミンのセリフで、
ジャスミン: I don't mean to sound unprofessional, but...Yum! (プロらしくないかもしれないけど… おいしそう!)
というのがありましたが、魅力的な異性を見た時に「おいしそう」みたいに言う感覚は日本語にもあるように思います。
今回のチャンドラーの「おいしそうな料理」という表現も、Yummy! 「おいしそう!」と言ったのと同じ感覚でしょう。
ラルフのことを tasty dish と表現する前に、I am no woman. と、「必要以上に女性であることを否定」しているのは、男性のことを「おいしそう!」と表現するのがいかにも女性っぽい言い方であること、さらには、チャンドラー自身がよくゲイ疑惑を持たれることに対する自虐的な言い回しも含めてのことなのかな、と思います。
フィービーは、コピーした自分のチラシを配りながら、その雑誌の写真を見て、その the silver fox は誰?と尋ねています。
silver fox は文字通り「ギンギツネ」ですが、ここではシルバーグレーのいい男、みたいなニュアンスで使っているのでしょう。
LAAD では、
fox : (informal) someone who is sexually attractive
例) She's such a fox!
つまり、「性的に魅力的な人」。
今回のエピソードでは、ラルフ・ローレンご本人が本人役としてカメオ出演しており、これより後のシーンで出てきます。
自分のブランド服をビシッと着こなした、ダンディなシルバーグレーの男性なので、確かに、the silver fox という表現は当たっているという感じですね。
IMDb: Ralph Lauren
にも、今回のこのエピソードで本人役として出演したことが書いてあります。
ラルフとキスしたくせに、彼の顔もわからないの?みたいにレイチェルは言っていますね。
recognize は「見覚えがある、見分けがつく」。
LAAD では、
recognize : to know who someone is or what something is, because you have seen, heard, experienced, or learned about them in the past
つまり、「過去にそれを見たことがある、聞いたことがある、経験したことがある、それについて学んだことがあるという理由で、ある人が誰であるか、またはあることが何であるかを知っていること」。
上のロングマンの語義説明は、文章にするととても長いですが、recognize という動詞の示すニュアンスを的確に表しているように思います。
英和辞典は「日本語で言うとこういう意味」という「日本語での置き換え語」を主に紹介する役割がありますが、英英辞典はこのように「言葉の定義そのもの」を説明してくれていることが多く、その点が、ノンネイティブの学習者にとって、非常に有用だと思います。
日本語でわからない言葉を辞書で改めて調べてみると、「おー、こんな風に噛み砕いて説明するのかぁ〜」と感心してしまうことがありますが、それと似た感じがします。
英語と日本語は、違う民族の使う言葉ですから、英単語と日本語訳の意味が完全に一致すると考えるのは危険です。
そういう場合は、英和での日本語訳を参考にしつつ、根本的な意味を英英辞典でしっかり理解することも必要になる、ということですね。
レイチェルはラルフの写真を自分の顔の前に置いて、「愛してるよ、キスして」みたいにフィービーをからかっています。
が、フィービーは、「それはラルフ・ローレンじゃない」と衝撃的な発言をしていますね。
sound like は「…のように(…らしく、…っぽく)聞こえる、…と声が似ている」なので、今のレイチェルの言い方は、ラルフに似てるけどね、と付け加えていることになります。
この後、フィービーがラルフ・ローレンだと思っていたのは別人だということがわかり、「ラルフが誰かとキスしてた」と上司にチクってしまったレイチェルは大慌てすることになります。
結局、フィービーとラルフ・ローレンがいちゃついてた、という話は全くの大嘘だったわけですが、日本でも有名なブランドであるラルフ・ローレンにレイチェルが就職し、ついにはご本人登場となった今回のエピソード、そういう大物のゲスト出演も、フレンズという番組の人気ぶりがうかがえてファンとしては嬉しいところですね。
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マッサージ師であるフィービーは、自分の顧客を増やすためにチラシを作り、そのコピーをさせてもらうために、レイチェルの勤務先ラルフ・ローレンを訪れます。
コピー室で、社長のラルフ・ローレンとキスしたと告白するフィービー。
それを聞いたレイチェルは、みんなにそのニュースを伝えます。
モニカ: My God, Rachel, I can't believe Phoebe made out with Ralph Lauren. Ohh, I'm so jealous! (Chandler looks at her.) (まぁ、なんてこと、レイチェル。フィービーがラルフ・ローレンといちゃついたなんて信じられないわ。あー、すっごく妬けちゃう! [チャンドラーはモニカを見る])
チャンドラー: Hi, I'm Chandler, your live-in boyfriend. (はーい、俺はチャンドラー、君の同棲中の恋人だ。)
モニカ: Chandler, please, come on. Look at him. (Pointing to a picture of Ralph on a magazine.) (チャンドラー、やめてよ。彼を見て。[雑誌に載っているラルフの写真を指差す])
チャンドラー: Oh, I am no woman, but that is one tasty dish. (Phoebe walks in.) (あー、俺は全然、女じゃないけど、でも、それって、おいしい料理だね[おいしそうだね]。[フィービーが入ってくる])
フィービー: Hey. Here. (Hands Chandler a copy of her flyer and sees the picture of Ralph.) Ohh, who's the silver fox? (はい、どうぞ。[チャンドラーにチラシを1部渡して、ラルフの写真を見る] まぁ、そのギンギツネ(シルバーグレイのいい男)は誰?)
レイチェル: That, that is your make-out buddy. Don't you recognize him? (Holding up the magazine in front of her face.) Oh, wait. "Ohh, Phoebe, I love you. Kiss me, please." (それは、あなたのいちゃつき友達でしょ? 彼のこと、見覚えないの[見分けられないの]? [フィービーの顔の前にその雑誌を掲げて] あぁ、待って。「おぉ、フィービー、愛してるよ。キスしておくれ」)
フィービー: That's not Ralph Lauren. Sounds like him, though. (それはラルフ・ローレンじゃないわ。声(の感じ)は彼みたいだけどね。)
make out は「いちゃつく」。
アカデミックな辞書であるLAAD (Longman Advanced American Dictionary) にも、その意味はちゃんと、以下のように載っています。
make out : (informal) to kiss and touch someone in a sexual way
例) A couple was making out in the hallway.
つまり、「性的な方法で、誰かにキスしたり、触ったりすること」。
例文は、「あるカップルが廊下でいちゃついていた」。
有名ブランドのデザイナーであるラルフ・ローレン本人とフィービーがキスしてた、と聞いて、モニカは「うらやましくて妬けちゃう」みたいなことを言っています。
隣にいた恋人のモニカは、「もしもし、俺が隣にいるの、忘れてない?」みたいに、「俺は、君と同棲中の恋人チャンドラーだけど」と言っています。
live-in は「同棲中の、住み込みの」という意味で、live-in boyfriend/girlfriend なら「同棲中の恋人」ですし、live-in babysitter なら「住み込みのベビーシッター」という意味になります。
「でもね、この写真を見たら私の言ってる意味も納得できるわよ」みたいに、モニカはラルフ・ローレンの写真が載っている雑誌を見せます。
それを見たチャンドラーは、Oh, I am no woman, but that is one tasty dish. と言っていますね。
I am no woman. は、I'm not a woman よりもさらに否定を強めたようなニュアンスで、「俺は全く女性じゃないけど」みたいな感じになるでしょうか。
dish は「皿」という意味から、「皿に盛った料理」という意味にもなりますので、tasty dish は文字通り「おいしい料理」という感覚ですね。
the main dish 「メインディシュ、主な料理」は日本語になっていますので、ディッシュ=料理という発想は日本人にもピンとくると思います。
that はその雑誌に載っているラルフを指していて、「それはおいしい料理だね」、つまり、「それっておいしそう」と言っている感覚になるでしょう。
フレンズ1-12その3 では、フィービーのマッサージ師の同僚ジャスミンのセリフで、
ジャスミン: I don't mean to sound unprofessional, but...Yum! (プロらしくないかもしれないけど… おいしそう!)
というのがありましたが、魅力的な異性を見た時に「おいしそう」みたいに言う感覚は日本語にもあるように思います。
今回のチャンドラーの「おいしそうな料理」という表現も、Yummy! 「おいしそう!」と言ったのと同じ感覚でしょう。
ラルフのことを tasty dish と表現する前に、I am no woman. と、「必要以上に女性であることを否定」しているのは、男性のことを「おいしそう!」と表現するのがいかにも女性っぽい言い方であること、さらには、チャンドラー自身がよくゲイ疑惑を持たれることに対する自虐的な言い回しも含めてのことなのかな、と思います。
フィービーは、コピーした自分のチラシを配りながら、その雑誌の写真を見て、その the silver fox は誰?と尋ねています。
silver fox は文字通り「ギンギツネ」ですが、ここではシルバーグレーのいい男、みたいなニュアンスで使っているのでしょう。
LAAD では、
fox : (informal) someone who is sexually attractive
例) She's such a fox!
つまり、「性的に魅力的な人」。
今回のエピソードでは、ラルフ・ローレンご本人が本人役としてカメオ出演しており、これより後のシーンで出てきます。
自分のブランド服をビシッと着こなした、ダンディなシルバーグレーの男性なので、確かに、the silver fox という表現は当たっているという感じですね。
IMDb: Ralph Lauren
にも、今回のこのエピソードで本人役として出演したことが書いてあります。
ラルフとキスしたくせに、彼の顔もわからないの?みたいにレイチェルは言っていますね。
recognize は「見覚えがある、見分けがつく」。
LAAD では、
recognize : to know who someone is or what something is, because you have seen, heard, experienced, or learned about them in the past
つまり、「過去にそれを見たことがある、聞いたことがある、経験したことがある、それについて学んだことがあるという理由で、ある人が誰であるか、またはあることが何であるかを知っていること」。
上のロングマンの語義説明は、文章にするととても長いですが、recognize という動詞の示すニュアンスを的確に表しているように思います。
英和辞典は「日本語で言うとこういう意味」という「日本語での置き換え語」を主に紹介する役割がありますが、英英辞典はこのように「言葉の定義そのもの」を説明してくれていることが多く、その点が、ノンネイティブの学習者にとって、非常に有用だと思います。
日本語でわからない言葉を辞書で改めて調べてみると、「おー、こんな風に噛み砕いて説明するのかぁ〜」と感心してしまうことがありますが、それと似た感じがします。
英語と日本語は、違う民族の使う言葉ですから、英単語と日本語訳の意味が完全に一致すると考えるのは危険です。
そういう場合は、英和での日本語訳を参考にしつつ、根本的な意味を英英辞典でしっかり理解することも必要になる、ということですね。
レイチェルはラルフの写真を自分の顔の前に置いて、「愛してるよ、キスして」みたいにフィービーをからかっています。
が、フィービーは、「それはラルフ・ローレンじゃない」と衝撃的な発言をしていますね。
sound like は「…のように(…らしく、…っぽく)聞こえる、…と声が似ている」なので、今のレイチェルの言い方は、ラルフに似てるけどね、と付け加えていることになります。
この後、フィービーがラルフ・ローレンだと思っていたのは別人だということがわかり、「ラルフが誰かとキスしてた」と上司にチクってしまったレイチェルは大慌てすることになります。
結局、フィービーとラルフ・ローレンがいちゃついてた、という話は全くの大嘘だったわけですが、日本でも有名なブランドであるラルフ・ローレンにレイチェルが就職し、ついにはご本人登場となった今回のエピソード、そういう大物のゲスト出演も、フレンズという番組の人気ぶりがうかがえてファンとしては嬉しいところですね。
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2011年11月16日
赤ちゃん写真家アン・ゲデス フレンズ6-8その1
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シーズン6 第8話
The One With Ross' Teeth (キスの相手はラルフ・ローレン!?)
原題は「ロスの歯の話」
ジャニーンと同居するようになって、部屋がどんどん女の子っぽくなってる!とチャンドラーに指摘されたジョーイは、ジャニーンに注意しようと決心しますが…。
[Scene: Joey and Janine's apartment, Joey stares at a picture of a bay on the wall. Janine comes out of her room.]
ジョーイとジャニーンのアパートメント。ジョーイは壁の仕切り部分の写真を見つめている。ジャニーンが自分の部屋から出てくる。
ジャニーン: Hey, Joey. (はーい、ジョーイ。)
ジョーイ: Hey. Uh, can I talk to you for a second? There's a kid in this picture. Do you, uh, know this kid? Is that like a relative or something? (やあ。あの、ちょっと話せるかな? この写真には子供がいるよね。君はこの子供を知ってるの? 親戚か何か?)
ジャニーン: No. I just thought it was cute. (いいえ。私はただ、かわいいって思っただけよ。)
ジョーイ: Yeah, that's what I was afraid of. Okay, uhh... Look, Janine, I really want you to feel at home here, but some of this new stuff, it's too girlie. (あぁ、それが俺が恐れてたことなんだよ。よし、あー、ねぇ、ジャニーン。俺は本当に君にはここでくつろいだ気持ちになって欲しいと思ってる。でも、この新しいもののいくつかは、女の子っぽ過ぎるんだよ。)
ジャニーン: Ohh. Like what? (まぁ。例えばどんな?)
ジョーイ: Like this. (pointing to the picture) Pictures of cute babies we don't know. We... we can't have that. (こういうのだよ。[その写真を指差す] 俺たちの知らないかわいい赤ちゃんの写真だ。俺たちはそういうのは持てないよ[飾るわけにはいかないよ]。)
ジャニーン: Joey, it's Anne Geddes. She's a famous artist. (ジョーイ、それはアン・ゲデスよ。彼女は有名なアーティストなの。)
ジョーイ: Look, I don't know this baby. I don't know if she's a famous artist or not. You know, and I don't want to be a jerk, but you're changing too much around here. (なぁ、俺はこの赤ちゃんを知らないし、彼女(その赤ちゃん)が有名なアーティストかどうかも知らない。俺はいやなヤツにはなりたくないけど、君はこの辺をあまりにも変えすぎてるんだよ。)
壁には、花の中に小さな子供がいる写真が掛けてあります。
その絵を見ながら、ジョーイはジャニーンに、「この子供は親戚か何か?」と尋ねます。
I just thought it was cute. 「ただ可愛いと思った(から飾ってるだけよ)」みたいに答えたジャニーンに、ジョーイは、That's what I was afraid of. と言っていますね。
直訳通りの「それが俺が恐れていたことだ」ということで、親戚でもない知らない子供の写真をただ「可愛いと思った」という理由で飾っている、そのことがものすごく girlie 「女の子っぽい、少女趣味っぽい」と感じたわけでしょう。
理由を聞かれた時に、「だって可愛いんだもん」ですべてを片づけてしまいそうなところに「女の子っぽさ」を感じてしまうわけでしょうね。
feel at home を直訳すると、「家にいるように感じる」ですから、feel at home は「くつろいだ気分・気持ちになる、くつろぐ」という意味になります。
Look, Janine, I really want you to feel at home here, but... 「ねぇ(いいかい)、ジャニーン、俺はほんとに君に、この家でくつろいで欲しいと思ってるんだけど、でも…」という前振りがつくことで、その後、ジャニーンにとっては少々窮屈に思われるかもしれないような同居人としてのジョーイの希望が述べられるであろうことが想像できますね。
君には快適な気持ちで過ごして欲しいと、俺は本当に思ってるけど、でも俺の意見も聞いて欲しいんだ、みたいなことで、こういう「前振り」をつけることが、相手の気持ちを思いやりながら話す「会話」というものだと思います。
言いにくいことを言う時にはどうするか、相手を傷つけないように自分の言いたいことを切り出す時にはどう言うか?を学ぶことが、「英会話を学ぶ」ということだろうと。
そうやって、「これからちょっと君の気を悪くするようなことを言っちゃうことになるけど…」という雰囲気を匂わせておいてから、君が部屋に持ち込んだもののいくつかは、too girlie 「女の子っぽ過ぎる、少女趣味過ぎる」と言っています。
その例として、ジョーイは、さっき話題にした「知らない赤ちゃんの写真」を挙げます。
その後、ジャニーンは、その写真の説明として、It's Anne Geddes. だと言っています。
Anne Geddes でグーグル検索してみると、画像検索結果の中に、今回の写真と同じような「赤ちゃんを使ったファンシーな写真」の数々を見ることができます。
こういう感じの写真を撮る人なんだな、ということが一目瞭然ですね。
彼女の公式サイトはこちら。
Desinger baby clothes and baby pictures by Anne Geddes
ウィキペディアはこちら。
Wikipedia 英語版: Anne Geddes
ウィキペディアの説明にあるように、オーストラリア生まれの写真家です。
ジャニーンはオーストラリア出身という設定(ジャニーンを演じるスーパーモデル、エル・マクファーソン本人もオーストラリア出身)なので、自国の有名な写真家の写真を飾っているという自然な流れなわけですね。
ジャニーンの発音では、「アン・ゲディー(ス)」みたいな感じに聞こえますが、日本語ではもっぱら「アン・ゲデス」と表記されているようです。
ウィキペディアの説明に、以下の記述があります。
Typical images show babies or young children dressed as fairies and fairytale creatures, flowers, or small animals.
つまり、「(彼女の写真の)典型的なイメージは、妖精、おとぎ話の生き物、花、または小さな動物のような服を着ている、赤ちゃん、または小さな子供を表している。」
今回は、a baby dressed as a flower という感じで、アンの写真の典型的なパターンであるということです。
ですから、アン・ゲデスという写真家を前から知っている人なら、ジャニーンが説明する前に、すでにこれはアンの写真であると気付いた人もいるだろうということでしょう。
アン・ゲデスがジャケット写真を撮影した、セリーヌ・ディオンのCDもあるようです。
Sony Music Online Japan : セリーヌ・ディオン : ミラクル
上のソニーのサイトでは、「人気女性フォトグラファー、アン・ゲデスとの奇跡のコラボレーション!」という説明もあります。
Amazon.co.jp: ミラクル (セリーヌ・ディオン)
上のアマゾンの「商品の説明」にも、「幼児の写真を撮り続ける写真家、アン・ゲデスのフォト・カヴァーにも注目!」という記述がありますね。
アン・ゲデスの写真をいくつか見た後なら、このセリーヌ・ディオンのジャケットを見れば、「いかにもアン・ゲデスらしい」写真であることがわかる気がします。
セリーヌ・ディオンのジャケット写真に使われるくらい有名な写真家だということで、セリーヌ・ディオンが出産し、母となった後の作品で、母性の世界観を表現するのに、アンの赤ちゃんをモチーフにした写真はうってつけだった、ということですね。
写真の説明を受けたジョーイは、Look, I don't know this baby. I don't know if she's a famous artist or not. と言っていますね。
君がこの写真についてどういう説明をしようが、とにかく俺はこの赤ちゃんを知らないし、彼女が有名な写真家かどうかも知らない、と言っています。
このセリフの she ですが、これはどうやら、「その写真の赤ちゃん」を指しているようです。
ジョーイは、「こんな赤ちゃん知らないし、その赤ちゃん(である彼女)が有名な写真家かどうかも知らない」と言っている、だから、観客もそのセリフの後、さらに笑っている、ということのようですね。
ジャニーンは、「こんな風に赤ちゃんをモチーフにした写真は、アン・ゲデスの写真で、アンは有名なアーティストなのよ」と説明したわけですが、ジョーイは、その写真に写っている赤ちゃんの名前がアン・ゲデスで、その赤ちゃんが有名なアーティストだと勘違いした、というオチですね。
上で紹介した、アン・ゲデスのウィキペディアの Popular culture には、今回のフレンズのエピソードで、アンの写真が出てきたことが書いてあります。
その説明にも、
After being told that Anne Geddes is a famous artist, he assumes that the baby is Anne Geddes.
つまり、「アン・ゲデスが有名なアーティストであると言われた後、ジョーイは、その(写真の)赤ちゃんがアン・ゲデスだと思い込む」。
「それは、アン・ゲデスよ」と言われても、「アン・ゲデスという有名な写真家の作品」という意味だとは思わず、写真の赤ちゃん本人の名前がアンだと思い込んでしまった、ということで、そんな風に誤解してしまうところに、そういうアートに疎い(うとい)であろうジョーイらしさが出ている、という面白さでしょう。
その後も、また、and I don't want to be a jerk, but... 「ヤなヤツにはなりたくないけど、でも…」という前振りのセリフをつけた上で、「部屋の中、この辺を、君は変え過ぎてる」と言っています。
ごちゃごちゃ言って、いやなヤツだと思われるかもしれないけど、そう思われるのは承知の上で言うけど、changing too much 「あまりにも変え過ぎちゃってるんだよ、君は」と、急激な変化に対して、苦言を呈しているわけですね。
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シーズン6 第8話
The One With Ross' Teeth (キスの相手はラルフ・ローレン!?)
原題は「ロスの歯の話」
ジャニーンと同居するようになって、部屋がどんどん女の子っぽくなってる!とチャンドラーに指摘されたジョーイは、ジャニーンに注意しようと決心しますが…。
[Scene: Joey and Janine's apartment, Joey stares at a picture of a bay on the wall. Janine comes out of her room.]
ジョーイとジャニーンのアパートメント。ジョーイは壁の仕切り部分の写真を見つめている。ジャニーンが自分の部屋から出てくる。
ジャニーン: Hey, Joey. (はーい、ジョーイ。)
ジョーイ: Hey. Uh, can I talk to you for a second? There's a kid in this picture. Do you, uh, know this kid? Is that like a relative or something? (やあ。あの、ちょっと話せるかな? この写真には子供がいるよね。君はこの子供を知ってるの? 親戚か何か?)
ジャニーン: No. I just thought it was cute. (いいえ。私はただ、かわいいって思っただけよ。)
ジョーイ: Yeah, that's what I was afraid of. Okay, uhh... Look, Janine, I really want you to feel at home here, but some of this new stuff, it's too girlie. (あぁ、それが俺が恐れてたことなんだよ。よし、あー、ねぇ、ジャニーン。俺は本当に君にはここでくつろいだ気持ちになって欲しいと思ってる。でも、この新しいもののいくつかは、女の子っぽ過ぎるんだよ。)
ジャニーン: Ohh. Like what? (まぁ。例えばどんな?)
ジョーイ: Like this. (pointing to the picture) Pictures of cute babies we don't know. We... we can't have that. (こういうのだよ。[その写真を指差す] 俺たちの知らないかわいい赤ちゃんの写真だ。俺たちはそういうのは持てないよ[飾るわけにはいかないよ]。)
ジャニーン: Joey, it's Anne Geddes. She's a famous artist. (ジョーイ、それはアン・ゲデスよ。彼女は有名なアーティストなの。)
ジョーイ: Look, I don't know this baby. I don't know if she's a famous artist or not. You know, and I don't want to be a jerk, but you're changing too much around here. (なぁ、俺はこの赤ちゃんを知らないし、彼女(その赤ちゃん)が有名なアーティストかどうかも知らない。俺はいやなヤツにはなりたくないけど、君はこの辺をあまりにも変えすぎてるんだよ。)
壁には、花の中に小さな子供がいる写真が掛けてあります。
その絵を見ながら、ジョーイはジャニーンに、「この子供は親戚か何か?」と尋ねます。
I just thought it was cute. 「ただ可愛いと思った(から飾ってるだけよ)」みたいに答えたジャニーンに、ジョーイは、That's what I was afraid of. と言っていますね。
直訳通りの「それが俺が恐れていたことだ」ということで、親戚でもない知らない子供の写真をただ「可愛いと思った」という理由で飾っている、そのことがものすごく girlie 「女の子っぽい、少女趣味っぽい」と感じたわけでしょう。
理由を聞かれた時に、「だって可愛いんだもん」ですべてを片づけてしまいそうなところに「女の子っぽさ」を感じてしまうわけでしょうね。
feel at home を直訳すると、「家にいるように感じる」ですから、feel at home は「くつろいだ気分・気持ちになる、くつろぐ」という意味になります。
Look, Janine, I really want you to feel at home here, but... 「ねぇ(いいかい)、ジャニーン、俺はほんとに君に、この家でくつろいで欲しいと思ってるんだけど、でも…」という前振りがつくことで、その後、ジャニーンにとっては少々窮屈に思われるかもしれないような同居人としてのジョーイの希望が述べられるであろうことが想像できますね。
君には快適な気持ちで過ごして欲しいと、俺は本当に思ってるけど、でも俺の意見も聞いて欲しいんだ、みたいなことで、こういう「前振り」をつけることが、相手の気持ちを思いやりながら話す「会話」というものだと思います。
言いにくいことを言う時にはどうするか、相手を傷つけないように自分の言いたいことを切り出す時にはどう言うか?を学ぶことが、「英会話を学ぶ」ということだろうと。
そうやって、「これからちょっと君の気を悪くするようなことを言っちゃうことになるけど…」という雰囲気を匂わせておいてから、君が部屋に持ち込んだもののいくつかは、too girlie 「女の子っぽ過ぎる、少女趣味過ぎる」と言っています。
その例として、ジョーイは、さっき話題にした「知らない赤ちゃんの写真」を挙げます。
その後、ジャニーンは、その写真の説明として、It's Anne Geddes. だと言っています。
Anne Geddes でグーグル検索してみると、画像検索結果の中に、今回の写真と同じような「赤ちゃんを使ったファンシーな写真」の数々を見ることができます。
こういう感じの写真を撮る人なんだな、ということが一目瞭然ですね。
彼女の公式サイトはこちら。
Desinger baby clothes and baby pictures by Anne Geddes
ウィキペディアはこちら。
Wikipedia 英語版: Anne Geddes
ウィキペディアの説明にあるように、オーストラリア生まれの写真家です。
ジャニーンはオーストラリア出身という設定(ジャニーンを演じるスーパーモデル、エル・マクファーソン本人もオーストラリア出身)なので、自国の有名な写真家の写真を飾っているという自然な流れなわけですね。
ジャニーンの発音では、「アン・ゲディー(ス)」みたいな感じに聞こえますが、日本語ではもっぱら「アン・ゲデス」と表記されているようです。
ウィキペディアの説明に、以下の記述があります。
Typical images show babies or young children dressed as fairies and fairytale creatures, flowers, or small animals.
つまり、「(彼女の写真の)典型的なイメージは、妖精、おとぎ話の生き物、花、または小さな動物のような服を着ている、赤ちゃん、または小さな子供を表している。」
今回は、a baby dressed as a flower という感じで、アンの写真の典型的なパターンであるということです。
ですから、アン・ゲデスという写真家を前から知っている人なら、ジャニーンが説明する前に、すでにこれはアンの写真であると気付いた人もいるだろうということでしょう。
アン・ゲデスがジャケット写真を撮影した、セリーヌ・ディオンのCDもあるようです。
Sony Music Online Japan : セリーヌ・ディオン : ミラクル
上のソニーのサイトでは、「人気女性フォトグラファー、アン・ゲデスとの奇跡のコラボレーション!」という説明もあります。
Amazon.co.jp: ミラクル (セリーヌ・ディオン)
上のアマゾンの「商品の説明」にも、「幼児の写真を撮り続ける写真家、アン・ゲデスのフォト・カヴァーにも注目!」という記述がありますね。
アン・ゲデスの写真をいくつか見た後なら、このセリーヌ・ディオンのジャケットを見れば、「いかにもアン・ゲデスらしい」写真であることがわかる気がします。
セリーヌ・ディオンのジャケット写真に使われるくらい有名な写真家だということで、セリーヌ・ディオンが出産し、母となった後の作品で、母性の世界観を表現するのに、アンの赤ちゃんをモチーフにした写真はうってつけだった、ということですね。
写真の説明を受けたジョーイは、Look, I don't know this baby. I don't know if she's a famous artist or not. と言っていますね。
君がこの写真についてどういう説明をしようが、とにかく俺はこの赤ちゃんを知らないし、彼女が有名な写真家かどうかも知らない、と言っています。
このセリフの she ですが、これはどうやら、「その写真の赤ちゃん」を指しているようです。
ジョーイは、「こんな赤ちゃん知らないし、その赤ちゃん(である彼女)が有名な写真家かどうかも知らない」と言っている、だから、観客もそのセリフの後、さらに笑っている、ということのようですね。
ジャニーンは、「こんな風に赤ちゃんをモチーフにした写真は、アン・ゲデスの写真で、アンは有名なアーティストなのよ」と説明したわけですが、ジョーイは、その写真に写っている赤ちゃんの名前がアン・ゲデスで、その赤ちゃんが有名なアーティストだと勘違いした、というオチですね。
上で紹介した、アン・ゲデスのウィキペディアの Popular culture には、今回のフレンズのエピソードで、アンの写真が出てきたことが書いてあります。
その説明にも、
After being told that Anne Geddes is a famous artist, he assumes that the baby is Anne Geddes.
つまり、「アン・ゲデスが有名なアーティストであると言われた後、ジョーイは、その(写真の)赤ちゃんがアン・ゲデスだと思い込む」。
「それは、アン・ゲデスよ」と言われても、「アン・ゲデスという有名な写真家の作品」という意味だとは思わず、写真の赤ちゃん本人の名前がアンだと思い込んでしまった、ということで、そんな風に誤解してしまうところに、そういうアートに疎い(うとい)であろうジョーイらしさが出ている、という面白さでしょう。
その後も、また、and I don't want to be a jerk, but... 「ヤなヤツにはなりたくないけど、でも…」という前振りのセリフをつけた上で、「部屋の中、この辺を、君は変え過ぎてる」と言っています。
ごちゃごちゃ言って、いやなヤツだと思われるかもしれないけど、そう思われるのは承知の上で言うけど、changing too much 「あまりにも変え過ぎちゃってるんだよ、君は」と、急激な変化に対して、苦言を呈しているわけですね。
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2011年11月14日
発言の後にドラムの音 フレンズ6-7その6
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前回の続きです。
好きな女性にアイルランドのじゃがいも飢饉(the Irish potato famine)の話をして、相手の女性をヒカせてたじゃないか、とチャンドラーに言われてしまったロス。
ロス: Yeah, well, what about you? You weren't you know, so hot in college either. After everything he said, he'd go "ba dum bum chessh." (あぁ、そうだね、君はどうなんだ? 君も大学時代は、ほら、そんなにイケてなかったよ。チャンドラーは何か言うたびに、直後に「バ・ダム・バム・チシー」って言ってたもんだ。)
チャンドラー: Yeah, Monica doesn't like that either, Maybe I should stop doing that. (そうだな、モニカもそれは好きじゃないって。多分、俺はそういうことするのはやめるべきだよね。)
ロス: Oh y'know what, girls don't like it when I start talking about science. (あぁ、それからさ、女の子は科学の話を始めるといやがるよ。)
チャンドラー: That's not specific to girls. (それは女の子特有じゃないよ[女の子だけに当てはまる話じゃないよ]。)
ジョーイ: This is great, this is great, what else, what else? (これってすごいよ、すごい。他には何か、他には?)
ロス: Uh, they don't like it when you correct their grammar. (あー、文法を訂正されたら女の子はいやがるよ。)
チャンドラー: And they don't like it when you explain why your jokes are funny. (自分の言ったジョークがなぜ面白いかを説明するのもいやがる。)
ロス: They don't like it when you keep asking them if they like you. (相手が自分のことを好きかどうかを相手に尋ね続けるといやがるね。)
チャンドラー: Man, I'm so lucky I have Monica. (ああ、俺にはモニカがいて、ラッキーだ。)
ロス: (nonchalantly) I'm never gonna find love again. ([無関心な様子で] 僕は二度と愛を見つけることはないね。)
大学時代、好きな女性に「アイルランドのじゃがいも飢饉」の話ばかりしてたくせに、と言われたロスは、チャンドラーの逸話も披露します。
「君だって(僕と同じように)大学時代はそんなにホットじゃなかった、イケてなかった」と言い、After everything he said, he'd go "ba dum bum chessh." と説明しています。
go は say と同じような意味で、チャンドラーが言った、あらゆる言葉の後に、彼はこんな風に言ったものだった(he would say)みたいな感じです。
ネットスクリプトでは、ba dum bum chessh のように文字化されていますが、これはロスの手の動きからもわかるように、ドラム&シンバルの音ですね。
日本語で言うと、「ダ・ダン、チャーン♪」みたいな感覚でしょう。
これは、アメリカのスタンダップコメディアンがトークをする時に、オチの部分で、ドラムの音が入るイメージ。
チャンドラーは、ジョークのオチのたびに、いちいち自分でドラムの音を口で言っていた、ということですね。
こういうドラムによる効果は、過去記事、フレンズ2-24その23+コメディアンとドラムの話 でも説明しています。
ロスとチャンドラーが、お互いの「女性をヒカせるエピソード」を披露したせいで何かが吹っ切れたのでしょうか(笑)、二人は他にもいろいろとそういう「女性を遠ざけるコツ」について語り出します。
科学の話が好きなロスは、「女性は科学の話をするといやがる」と言いますが、「そのことは女の子に特有のものじゃない」とチャンドラーに言われています。
「俺たち男も、お前の科学話にはうんざりしてるんだけど」みたいなことですね。
「え、そうなの?」みたいな顔をしているロスにも笑えます。
文法を訂正する話をロスは言っていますが、そう言えば、過去記事、you'reをyourと書く間違い フレンズ4-1その7 では、レイチェルの手紙の文法的スペルミスを、ロスが指摘するシーンもありました。
チャンドラーは、「自分が言ったジョークがどうして面白いか? どこが面白いかという理由を説明すると女性はいやがる」と言っています。
ジョークがウケた場合は、説明は不要でしょうから、ジョークが不発だった場合に、「あ、今の、わからなかったかもしれないけど、これは、この言葉とこの言葉をかけててね…」みたいに、言い訳がましく説明するようなことを指すのでしょう。
女性に対して、「自分のことが好きかどうか」を尋ね続けるのもダメだ、と言っています。
それを聞いたチャンドラーは、「俺にはモニカがいてラッキーだ」と言っていますね。
ということはつまり、モニカの場合は、「ねぇ、モニカは俺のこと好き?」と何度尋ねても、モニカは嫌がらない、ということでしょうか。
モニカは愛情をいちいち言葉で確認することが嫌いではなさそうなタイプなので、確かにモニカなら問題ないかもしれません。
ロスは、「僕は二度と愛を見つけることはない」と言っていますが、これは恐らく、ロスがやたらと相手に「僕のこと、ほんとに好き?」と確認したがる傾向が強い、ということなのでしょう。
この「女性を遠ざけるコツ」の話では、ロスの文法訂正みたいに実際に過去のエピソードで見たものもありますが、チャンドラーがドラムの音を最後につけるのなんて、聞いたことないような気もしますね。
やはりこの作品はコメディーなので、話を面白くするために、あれやこれやと大げさに話を作っているのだと捉え、その「あるある!」と思えるような例を聞いて、素直に笑えば良いのでしょう。
ちなみに、「こういうことをすると、女性は嫌がる」という文章では、They don't like it when you... という構文が何度も使われていますね。
直訳すると、「男性が…をする時に、女性はそういう状況を嫌がる」みたいな感じになるでしょうか。
They don't like that you explain why... や、They don't like you/your explaining why のように、don't like の目的語に、男性が行う行為の内容(男性が…すること)を that 節や動名詞で続けるのではなく、they don't like it と先に言っておいてから、when you explain why... 「男性が…する時に」という文章を続ける形になっているわけです。
「男性が…するのをいやがる」ではなくて、「男性がこういうことをしている時に、女性はそれを(その状況を)いやだと思う」という感覚で、このように when の形で説明する場合には、They don't like it when... のように、it という目的語を置くことを忘れないようにしたいものですね。
過去記事、フレンズ5-19その2 でも、"I like it here." 「私はここが好きなの」というフレーズが出てきましたが、その文にも it が必要です。
日本語の単語を1つずつ英単語に置き換える感覚では、なかなかこういう it の存在に気づくことはできません。
実際に、セリフのような「生きた英語」にたくさん当たってみて、英語と日本語の構造の違いに気づくことが大切で、そういうことの繰り返しが、英語圏の人に通じるナチュラルな英語を身に付けるのに役立ってくれると思います。
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好きな女性にアイルランドのじゃがいも飢饉(the Irish potato famine)の話をして、相手の女性をヒカせてたじゃないか、とチャンドラーに言われてしまったロス。
ロス: Yeah, well, what about you? You weren't you know, so hot in college either. After everything he said, he'd go "ba dum bum chessh." (あぁ、そうだね、君はどうなんだ? 君も大学時代は、ほら、そんなにイケてなかったよ。チャンドラーは何か言うたびに、直後に「バ・ダム・バム・チシー」って言ってたもんだ。)
チャンドラー: Yeah, Monica doesn't like that either, Maybe I should stop doing that. (そうだな、モニカもそれは好きじゃないって。多分、俺はそういうことするのはやめるべきだよね。)
ロス: Oh y'know what, girls don't like it when I start talking about science. (あぁ、それからさ、女の子は科学の話を始めるといやがるよ。)
チャンドラー: That's not specific to girls. (それは女の子特有じゃないよ[女の子だけに当てはまる話じゃないよ]。)
ジョーイ: This is great, this is great, what else, what else? (これってすごいよ、すごい。他には何か、他には?)
ロス: Uh, they don't like it when you correct their grammar. (あー、文法を訂正されたら女の子はいやがるよ。)
チャンドラー: And they don't like it when you explain why your jokes are funny. (自分の言ったジョークがなぜ面白いかを説明するのもいやがる。)
ロス: They don't like it when you keep asking them if they like you. (相手が自分のことを好きかどうかを相手に尋ね続けるといやがるね。)
チャンドラー: Man, I'm so lucky I have Monica. (ああ、俺にはモニカがいて、ラッキーだ。)
ロス: (nonchalantly) I'm never gonna find love again. ([無関心な様子で] 僕は二度と愛を見つけることはないね。)
大学時代、好きな女性に「アイルランドのじゃがいも飢饉」の話ばかりしてたくせに、と言われたロスは、チャンドラーの逸話も披露します。
「君だって(僕と同じように)大学時代はそんなにホットじゃなかった、イケてなかった」と言い、After everything he said, he'd go "ba dum bum chessh." と説明しています。
go は say と同じような意味で、チャンドラーが言った、あらゆる言葉の後に、彼はこんな風に言ったものだった(he would say)みたいな感じです。
ネットスクリプトでは、ba dum bum chessh のように文字化されていますが、これはロスの手の動きからもわかるように、ドラム&シンバルの音ですね。
日本語で言うと、「ダ・ダン、チャーン♪」みたいな感覚でしょう。
これは、アメリカのスタンダップコメディアンがトークをする時に、オチの部分で、ドラムの音が入るイメージ。
チャンドラーは、ジョークのオチのたびに、いちいち自分でドラムの音を口で言っていた、ということですね。
こういうドラムによる効果は、過去記事、フレンズ2-24その23+コメディアンとドラムの話 でも説明しています。
ロスとチャンドラーが、お互いの「女性をヒカせるエピソード」を披露したせいで何かが吹っ切れたのでしょうか(笑)、二人は他にもいろいろとそういう「女性を遠ざけるコツ」について語り出します。
科学の話が好きなロスは、「女性は科学の話をするといやがる」と言いますが、「そのことは女の子に特有のものじゃない」とチャンドラーに言われています。
「俺たち男も、お前の科学話にはうんざりしてるんだけど」みたいなことですね。
「え、そうなの?」みたいな顔をしているロスにも笑えます。
文法を訂正する話をロスは言っていますが、そう言えば、過去記事、you'reをyourと書く間違い フレンズ4-1その7 では、レイチェルの手紙の文法的スペルミスを、ロスが指摘するシーンもありました。
チャンドラーは、「自分が言ったジョークがどうして面白いか? どこが面白いかという理由を説明すると女性はいやがる」と言っています。
ジョークがウケた場合は、説明は不要でしょうから、ジョークが不発だった場合に、「あ、今の、わからなかったかもしれないけど、これは、この言葉とこの言葉をかけててね…」みたいに、言い訳がましく説明するようなことを指すのでしょう。
女性に対して、「自分のことが好きかどうか」を尋ね続けるのもダメだ、と言っています。
それを聞いたチャンドラーは、「俺にはモニカがいてラッキーだ」と言っていますね。
ということはつまり、モニカの場合は、「ねぇ、モニカは俺のこと好き?」と何度尋ねても、モニカは嫌がらない、ということでしょうか。
モニカは愛情をいちいち言葉で確認することが嫌いではなさそうなタイプなので、確かにモニカなら問題ないかもしれません。
ロスは、「僕は二度と愛を見つけることはない」と言っていますが、これは恐らく、ロスがやたらと相手に「僕のこと、ほんとに好き?」と確認したがる傾向が強い、ということなのでしょう。
この「女性を遠ざけるコツ」の話では、ロスの文法訂正みたいに実際に過去のエピソードで見たものもありますが、チャンドラーがドラムの音を最後につけるのなんて、聞いたことないような気もしますね。
やはりこの作品はコメディーなので、話を面白くするために、あれやこれやと大げさに話を作っているのだと捉え、その「あるある!」と思えるような例を聞いて、素直に笑えば良いのでしょう。
ちなみに、「こういうことをすると、女性は嫌がる」という文章では、They don't like it when you... という構文が何度も使われていますね。
直訳すると、「男性が…をする時に、女性はそういう状況を嫌がる」みたいな感じになるでしょうか。
They don't like that you explain why... や、They don't like you/your explaining why のように、don't like の目的語に、男性が行う行為の内容(男性が…すること)を that 節や動名詞で続けるのではなく、they don't like it と先に言っておいてから、when you explain why... 「男性が…する時に」という文章を続ける形になっているわけです。
「男性が…するのをいやがる」ではなくて、「男性がこういうことをしている時に、女性はそれを(その状況を)いやだと思う」という感覚で、このように when の形で説明する場合には、They don't like it when... のように、it という目的語を置くことを忘れないようにしたいものですね。
過去記事、フレンズ5-19その2 でも、"I like it here." 「私はここが好きなの」というフレーズが出てきましたが、その文にも it が必要です。
日本語の単語を1つずつ英単語に置き換える感覚では、なかなかこういう it の存在に気づくことはできません。
実際に、セリフのような「生きた英語」にたくさん当たってみて、英語と日本語の構造の違いに気づくことが大切で、そういうことの繰り返しが、英語圏の人に通じるナチュラルな英語を身に付けるのに役立ってくれると思います。
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2011年11月11日
じゃがいも飢饉の話をする フレンズ6-7その5
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前回のシーンの続きです。
ロスとチャンドラーに対して、「俺には女性が寄ってきちゃうけど、お前たちは女性を遠ざけるよな」と失礼なことを言うジョーイ。
「僕は3回も結婚したんだぞ」と反論するロスですが、
ジョーイ: No, no, no I've seen it happen. You, you get a rapport going with a woman, but somehow you manage to kill it. What's your secret? (いやいやいや、俺は、そういうことが起こるのを見たことがあるんだ。女性と交際するような親密な関係ができるけど、どういうわけかそれをだめにしちゃうんだ。その秘訣は何?)
ロス: Look, we do not repel women, okay? That is completely untrue. (ねぇ、僕たちは女性を遠ざけたりしていないよ、いいかい? そんなのは、全く事実に反するね。)
チャンドラー: Oh, yes, we do, my man. Remember when we were back in college and we went to that spring dance and you walked right up to that girl you liked and you could not stop talking about the Irish potato famine? (あぁ、俺たちはそうしてるさ[女性を遠ざけてるさ]、友よ。あの時のこと、覚えてるか? 俺たちが大学の頃、あの春のダンスに行って、お前が好きだったあの子のところにお前はまっすぐ歩いて行って、アイルランドのじゃがいも飢饉(ききん)の話を話し続けたんだ。)
You get a rapport going with a woman, but somehow you manage to kill it. について。
rapport は「関係、調和」。フランス語起源の単語なので、発音は「ラポート」ではなく、「ラポァ」みたいな感じです。
LAAD では、
rapport [noun] [singular, uncountable] : friendly agreement and understanding between people
establish/build up/develop a rapport (with somebody)
例) He established a good rapport with his students.
つまり、「人の間の友好的な同意と理解」。例文は、「彼は自分の生徒と良い関係を築いた」。
manage to do は「どうにかして…する、何とか…する、まんまと…する、(反語的に)愚かにも…する」。
LAAD では、
manage : DO SOMETHING DIFFICULT
to succeed in doing something or dealing with a situation, especially when it is difficult
つまり、「何かをすること、またはある状況に対処することに成功する、特にそれが難しい時に」。
secret は「秘密」ですが、ここでは「秘訣、極意」という意味。
LAAD では、
secret : a particular way of achieving a good result, that is the best or only way
例) Your hair always looks so great - what's your secret (=how do you do it)?
つまり、「良い結果を達成するある方法で、それがベストで唯一な方法」。
例文は、「君の髪の毛(髪型)はいつもとっても素敵だね。秘訣は何?[どうやってるの?]」
まさに LAAD の例文の説明にあるように、What's your secret? は How do you do it? 「どうやって・どのようにして、(そんなに上手く・上手に)それをしてるの?」ということなわけですね。
ロスとチャンドラーは、せっかく女性と付き合うような良好な関係を持っても、どういうわけかそれを、どうにかしてだめにしてしまう、とジョーイは説明し、その秘訣は何?とまで尋ねています。
うまく行きかけた恋愛関係をすぐにダメにしちゃう、と言っているわけで、失礼千万な発言ですね。
somehow や manage to という言葉を使うことで、「俺みたいに、勝手に女を引き寄せちゃう男には、どうやったらそんなことができちゃうのかわからないけど」みたいなニュアンスが入るような気がします。
その「秘訣」を教えてくれ、みたいに言うのが、さらに失礼な感じを強めていますね。
repel women 「女性を遠ざける」と言われたので、それを否定するロス。
ですが、チャンドラーは、ジョーイの指摘は当たってる、みたいに、Yes, we do. 「実際に俺たちは repel women してる」と言っています。my man と呼び掛けたのは、「なぁ、同志よ」みたいな感覚でしょうか。
そして、大学時代の話を持ち出します。
春のダンスで、好きな女性に対して、the Irish potato famine 「アイルランドのじゃがいも飢饉」のことを話すのをやめなかった、つまり、つまり、ダンスの会場でそういう飢饉の話をずーっと女の子に話し続けてたじゃないか、ということです。
「ジャガイモ飢饉」については、詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: ジャガイモ飢饉
ウィキペディアの冒頭の説明によると、
「19世紀のアイルランドで主要食物のジャガイモが疫病により枯死したことで起こった食糧難、およびそれによってもたらされた一連の被害を指す。」
ダンスパーティーの料理に、じゃがいもでも出てきたのでしょうか?(笑)
「ねぇ知ってる? じゃがいもと言えばさぁ…」みたいに、そういう楽しい場にそぐわない「飢饉」という悲惨な話を、科学者っぽく、原因となった疫病についての情報なども織り交ぜながら、延々語り続けていた、という感じなのでしょう。
そういう「KY」なことを、お前は昔からよくしてたよ、そうやって女性をヒカせてたじゃないか、と大学時代からの友人チャンドラーは説明しているのですね。
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前回のシーンの続きです。
ロスとチャンドラーに対して、「俺には女性が寄ってきちゃうけど、お前たちは女性を遠ざけるよな」と失礼なことを言うジョーイ。
「僕は3回も結婚したんだぞ」と反論するロスですが、
ジョーイ: No, no, no I've seen it happen. You, you get a rapport going with a woman, but somehow you manage to kill it. What's your secret? (いやいやいや、俺は、そういうことが起こるのを見たことがあるんだ。女性と交際するような親密な関係ができるけど、どういうわけかそれをだめにしちゃうんだ。その秘訣は何?)
ロス: Look, we do not repel women, okay? That is completely untrue. (ねぇ、僕たちは女性を遠ざけたりしていないよ、いいかい? そんなのは、全く事実に反するね。)
チャンドラー: Oh, yes, we do, my man. Remember when we were back in college and we went to that spring dance and you walked right up to that girl you liked and you could not stop talking about the Irish potato famine? (あぁ、俺たちはそうしてるさ[女性を遠ざけてるさ]、友よ。あの時のこと、覚えてるか? 俺たちが大学の頃、あの春のダンスに行って、お前が好きだったあの子のところにお前はまっすぐ歩いて行って、アイルランドのじゃがいも飢饉(ききん)の話を話し続けたんだ。)
You get a rapport going with a woman, but somehow you manage to kill it. について。
rapport は「関係、調和」。フランス語起源の単語なので、発音は「ラポート」ではなく、「ラポァ」みたいな感じです。
LAAD では、
rapport [noun] [singular, uncountable] : friendly agreement and understanding between people
establish/build up/develop a rapport (with somebody)
例) He established a good rapport with his students.
つまり、「人の間の友好的な同意と理解」。例文は、「彼は自分の生徒と良い関係を築いた」。
manage to do は「どうにかして…する、何とか…する、まんまと…する、(反語的に)愚かにも…する」。
LAAD では、
manage : DO SOMETHING DIFFICULT
to succeed in doing something or dealing with a situation, especially when it is difficult
つまり、「何かをすること、またはある状況に対処することに成功する、特にそれが難しい時に」。
secret は「秘密」ですが、ここでは「秘訣、極意」という意味。
LAAD では、
secret : a particular way of achieving a good result, that is the best or only way
例) Your hair always looks so great - what's your secret (=how do you do it)?
つまり、「良い結果を達成するある方法で、それがベストで唯一な方法」。
例文は、「君の髪の毛(髪型)はいつもとっても素敵だね。秘訣は何?[どうやってるの?]」
まさに LAAD の例文の説明にあるように、What's your secret? は How do you do it? 「どうやって・どのようにして、(そんなに上手く・上手に)それをしてるの?」ということなわけですね。
ロスとチャンドラーは、せっかく女性と付き合うような良好な関係を持っても、どういうわけかそれを、どうにかしてだめにしてしまう、とジョーイは説明し、その秘訣は何?とまで尋ねています。
うまく行きかけた恋愛関係をすぐにダメにしちゃう、と言っているわけで、失礼千万な発言ですね。
somehow や manage to という言葉を使うことで、「俺みたいに、勝手に女を引き寄せちゃう男には、どうやったらそんなことができちゃうのかわからないけど」みたいなニュアンスが入るような気がします。
その「秘訣」を教えてくれ、みたいに言うのが、さらに失礼な感じを強めていますね。
repel women 「女性を遠ざける」と言われたので、それを否定するロス。
ですが、チャンドラーは、ジョーイの指摘は当たってる、みたいに、Yes, we do. 「実際に俺たちは repel women してる」と言っています。my man と呼び掛けたのは、「なぁ、同志よ」みたいな感覚でしょうか。
そして、大学時代の話を持ち出します。
春のダンスで、好きな女性に対して、the Irish potato famine 「アイルランドのじゃがいも飢饉」のことを話すのをやめなかった、つまり、つまり、ダンスの会場でそういう飢饉の話をずーっと女の子に話し続けてたじゃないか、ということです。
「ジャガイモ飢饉」については、詳しくは以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版: ジャガイモ飢饉
ウィキペディアの冒頭の説明によると、
「19世紀のアイルランドで主要食物のジャガイモが疫病により枯死したことで起こった食糧難、およびそれによってもたらされた一連の被害を指す。」
ダンスパーティーの料理に、じゃがいもでも出てきたのでしょうか?(笑)
「ねぇ知ってる? じゃがいもと言えばさぁ…」みたいに、そういう楽しい場にそぐわない「飢饉」という悲惨な話を、科学者っぽく、原因となった疫病についての情報なども織り交ぜながら、延々語り続けていた、という感じなのでしょう。
そういう「KY」なことを、お前は昔からよくしてたよ、そうやって女性をヒカせてたじゃないか、と大学時代からの友人チャンドラーは説明しているのですね。
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2011年11月10日
蛾が炎に引き寄せられるように フレンズ6-7その4
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魅力的な女性ジャニーン(エル・マクファーソン)が新しいルームメイトとなり大喜びのジョーイですが、ルームメイトと恋愛関係になったら、関係が悪化した時に大変なことになる、とフレンズたちに言われ、困っています。
ジョーイ: (entering) Look, what am I gonna do? I'm not flirting, but still, I'm drawing her to me like, like a moth to a flame! (Tries to put his feet on the coffee table...they won't reach and looks around.) What the hell's going on over here? (Points to Chandler) Monica's gonna kill you! Look I need your help. I have to do something to, to repel this woman! Wait a minute, wait a minute. You guys repel women all the time! ([入ってきて] なぁ、俺はどうすればいい? 俺は誘ったりしたりしてないけど、俺が彼女を引きつけちゃうんだよ、蛾が炎に寄ってくるみたいに! [自分の足をコーヒーテーブルに乗せようとするが届かないので、周りを見回す] ここでは何が起こってるんだ? [チャンドラーを指差して] モニカに殺されるぞ! なぁ、お前らの助けが必要なんだ。俺はこの女を遠ざけるために何かしなくちゃいけないんだ! ちょっと、ちょっと待てよ。お前らは女性たちをいつも遠ざけてるよな!)
ロス: Hey, I've been married 3 times. (おい、僕はこれまで3回結婚したんだぞ。)
(Chandler gives him a round of mock applause.)
チャンドラーはロスに、にせの[見せかけの]拍手をする。
flirt は「(異性と)ふざける、もてあそぶ、いちゃつく、面白半分に口説く、ナンパする」というような意味。
過去記事、フレンズ5-19その3 でも解説しています。
I'm not flirting. は俺の方からナンパしたり誘ったりしてない、みたいな意味ですね。
draw は「…を引く」「…を引きつける、引き寄せる」なので、I'm drawing her to me. は、俺からモーションかけたりはしてないけど、俺が彼女を俺の方に引き寄せちゃうんだ、ということ。
その様子を、like a moth to a flame 「炎に引き寄せられる蛾」に例えているのも面白いですね。
俺にはそういうつもりはなくても、あっちが勝手に寄ってきちゃうんだよ、みたいな、モテモテ男的発言になります。
ここまでのシーンを見ていると、ジャニーンの態度は淡々としていて、ジョーイの言っている様子とはだいぶ異なるのですが、ジョーイとしてはそう思っている、ということです。
そんなことを言いながら、いつものようにジョーイは、足をコーヒーテーブルに乗せようとしますが、距離が遠すぎて足が届きません。
家具の位置が変わってしまったことはジョーイにすらわかってしまう、ということです。
「勝手に家具の位置を変えたりして、お前はモニカに殺されるぞ」と脅しながらも、ジョーイは自分の抱えている問題について、ロスとチャンドラーに相談します。
彼女の方から自然に寄ってきてしまうから、近づけないようにするために何かしなくちゃ、と言った後、何かに気づいたように、「そうだ、お前たちはいつも女性を遠ざけてるよな」みたいな、大変失礼なことを言っていますね。
repel は「…を追い払う、寄せつけない」。
フレンズ2-14その9 では、ジョーイがチャンドラーに趣味の悪い金ピカのブレスレットをプレゼントし、チャンドラーはそれを、the "woman repeller" 「女よけ」と呼んでいました。
こんなの身に付けてたら、女性が寄ってこない、みたいな意味ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
repel
1. [transitive] if something repels you, it is so unpleasant that you do not want to be near it, or it makes you feel sick (SYN: repulse, OPP: attract)
3. [transitive] to keep something or someone away from you
つまり、1. は、「何かが人を repel するというのは、それが非常に不愉快で、その近くにいたくない、または人の気分を悪くする、ということ」。
3. は、「人から、何かまたは誰かを遠ざけること」。
辞書の語義にあるように、repel の対義語は attract 「…を引きつける」で、ジョーイが使った draw も同じような意味ですね。
自分のことは、「蛾が炎に引き寄せられるように、女を引き寄せちゃう」と言っておいて、友人たちに対しては、まるで「虫よけ」(repellent)のように、「お前たちは女を寄せつけない、女が離れていく」とひどいことを言っているわけです。
あまりにもひどい侮辱的発言に、ロスは経験を表す現在完了形を使って、「僕はこれまで(の人生で)3回結婚したんだぞ」と言っています。
ジョーイはプレイボーイながらも、結婚歴はないので、「僕は3人の女性と結婚した、それでも僕が女性にモテないって言うのか?」みたいなことですね。
それを横で聞いていたチャンドラーが、掃除用の黄色いゴム手袋をはめたまま、ゆっくりと手を叩き始めるのが面白いです。
「いやぁ、3回も結婚したなんて、それはすごいわ。まさにおみごと」みたいな「皮肉」っぽい拍手で、確かに3回結婚したけど、最終的には全部破たんして今は独身なんだから、それがモテモテであることの証明になるかなぁ、とチャンドラーは言いたい感じですね。
言葉でツッコミを入れずに、無言でゆっくりと大袈裟に手を叩く方が皮肉っぽい感じがより出るように思います。
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魅力的な女性ジャニーン(エル・マクファーソン)が新しいルームメイトとなり大喜びのジョーイですが、ルームメイトと恋愛関係になったら、関係が悪化した時に大変なことになる、とフレンズたちに言われ、困っています。
ジョーイ: (entering) Look, what am I gonna do? I'm not flirting, but still, I'm drawing her to me like, like a moth to a flame! (Tries to put his feet on the coffee table...they won't reach and looks around.) What the hell's going on over here? (Points to Chandler) Monica's gonna kill you! Look I need your help. I have to do something to, to repel this woman! Wait a minute, wait a minute. You guys repel women all the time! ([入ってきて] なぁ、俺はどうすればいい? 俺は誘ったりしたりしてないけど、俺が彼女を引きつけちゃうんだよ、蛾が炎に寄ってくるみたいに! [自分の足をコーヒーテーブルに乗せようとするが届かないので、周りを見回す] ここでは何が起こってるんだ? [チャンドラーを指差して] モニカに殺されるぞ! なぁ、お前らの助けが必要なんだ。俺はこの女を遠ざけるために何かしなくちゃいけないんだ! ちょっと、ちょっと待てよ。お前らは女性たちをいつも遠ざけてるよな!)
ロス: Hey, I've been married 3 times. (おい、僕はこれまで3回結婚したんだぞ。)
(Chandler gives him a round of mock applause.)
チャンドラーはロスに、にせの[見せかけの]拍手をする。
flirt は「(異性と)ふざける、もてあそぶ、いちゃつく、面白半分に口説く、ナンパする」というような意味。
過去記事、フレンズ5-19その3 でも解説しています。
I'm not flirting. は俺の方からナンパしたり誘ったりしてない、みたいな意味ですね。
draw は「…を引く」「…を引きつける、引き寄せる」なので、I'm drawing her to me. は、俺からモーションかけたりはしてないけど、俺が彼女を俺の方に引き寄せちゃうんだ、ということ。
その様子を、like a moth to a flame 「炎に引き寄せられる蛾」に例えているのも面白いですね。
俺にはそういうつもりはなくても、あっちが勝手に寄ってきちゃうんだよ、みたいな、モテモテ男的発言になります。
ここまでのシーンを見ていると、ジャニーンの態度は淡々としていて、ジョーイの言っている様子とはだいぶ異なるのですが、ジョーイとしてはそう思っている、ということです。
そんなことを言いながら、いつものようにジョーイは、足をコーヒーテーブルに乗せようとしますが、距離が遠すぎて足が届きません。
家具の位置が変わってしまったことはジョーイにすらわかってしまう、ということです。
「勝手に家具の位置を変えたりして、お前はモニカに殺されるぞ」と脅しながらも、ジョーイは自分の抱えている問題について、ロスとチャンドラーに相談します。
彼女の方から自然に寄ってきてしまうから、近づけないようにするために何かしなくちゃ、と言った後、何かに気づいたように、「そうだ、お前たちはいつも女性を遠ざけてるよな」みたいな、大変失礼なことを言っていますね。
repel は「…を追い払う、寄せつけない」。
フレンズ2-14その9 では、ジョーイがチャンドラーに趣味の悪い金ピカのブレスレットをプレゼントし、チャンドラーはそれを、the "woman repeller" 「女よけ」と呼んでいました。
こんなの身に付けてたら、女性が寄ってこない、みたいな意味ですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
repel
1. [transitive] if something repels you, it is so unpleasant that you do not want to be near it, or it makes you feel sick (SYN: repulse, OPP: attract)
3. [transitive] to keep something or someone away from you
つまり、1. は、「何かが人を repel するというのは、それが非常に不愉快で、その近くにいたくない、または人の気分を悪くする、ということ」。
3. は、「人から、何かまたは誰かを遠ざけること」。
辞書の語義にあるように、repel の対義語は attract 「…を引きつける」で、ジョーイが使った draw も同じような意味ですね。
自分のことは、「蛾が炎に引き寄せられるように、女を引き寄せちゃう」と言っておいて、友人たちに対しては、まるで「虫よけ」(repellent)のように、「お前たちは女を寄せつけない、女が離れていく」とひどいことを言っているわけです。
あまりにもひどい侮辱的発言に、ロスは経験を表す現在完了形を使って、「僕はこれまで(の人生で)3回結婚したんだぞ」と言っています。
ジョーイはプレイボーイながらも、結婚歴はないので、「僕は3人の女性と結婚した、それでも僕が女性にモテないって言うのか?」みたいなことですね。
それを横で聞いていたチャンドラーが、掃除用の黄色いゴム手袋をはめたまま、ゆっくりと手を叩き始めるのが面白いです。
「いやぁ、3回も結婚したなんて、それはすごいわ。まさにおみごと」みたいな「皮肉」っぽい拍手で、確かに3回結婚したけど、最終的には全部破たんして今は独身なんだから、それがモテモテであることの証明になるかなぁ、とチャンドラーは言いたい感じですね。
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2011年11月08日
エル・マクファーソンと水着特集 フレンズ6-7その3
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[Scene, Monica and Chandler's, Chandler is there. Everything is out of its place and Chandler's cleaning.]
モニカとチャンドラーの部屋。チャンドラーがそこにいる。すべてのものは元の場所から出されていて、チャンドラーが掃除中。
ロス: (enters) Wow. Couples who live together do start to look alike. So, Mondler... uh, what uh, what 'cha doin? ([入ってきて] わぁ、一緒に住んでるカップルはほんとに似てくるんだね。それで、モンドラー、何やってるんだ?)
チャンドラー: What does it look like? I am cleaning. (何に見えるって? 俺は掃除をしてるんだよ。)
ロス: Did you get Monica's authorization to move all of her stuff? (モニカの持ち物全部を動かす承諾をモニカから得たのか?)
チャンドラー: Authorization? I don't need that. I'm gonna put everything back. (承諾だって? そんなの必要ないよ。すべてのものを元の場所に戻すんだから。)
ロス: Put it back exactly where you found it? (それがあった正確な場所に戻すって?)
チャンドラー: Yes. I'm gonna put it back (Mocking Ross) exactly where I found it. (そうだよ、俺はそれがあった”正確な”場所に戻すよ。)
ロス: 'Kay, first of all, that attitude is not helping. (わかった。まず第一に、そういう態度は何の助けにもならないよ。)
チャンドラー: She's not gonna care if I put her stuff back in the same stupid place. (もし俺が彼女のものを元の場所に戻したら、モニカは気にしないさ。)
ロス: Whoa, hello? Did you just meet Monica? (おっとー、もしもし? 君はモニカと知り合ったばかりなの?)
チャンドラー: She is gonna recognize that I did a nice thing and, and, appreciate it. (俺がいいことをしたってモニカはわかってくれるよ。そしてそのことを感謝するさ。)
ロス: Hmm, you know, actually this'll work out well. Because when you have to move back in with Joey, Joey's hot new roommate can come and live with me. (ふーん、ほら、実際、これは結果としてうまくいくだろうね。だって君がジョーイのところに戻らなければならなくなった時、ジョーイのホットな新しいルームメイトは僕のところに来て一緒に住むことができるからね。)
ロスがモニカ&チャンドラーの部屋に入ってくると、チャンドラーは黄色いゴム手袋をして、お皿を磨いているところ。
それを見て、「一緒に住んでるカップルは似てくるんだねぇ」とロスは言っています。
do start の do は強調の do で、「ほんとによく似てくるんだな」みたいな感覚です。
モニカ化しているチャンドラーを「モンドラー」とまで呼んで(笑)、チャンドラーは一体何をやってるんだ?と尋ねています。
What does it look like? は、「何に見える?」という感じですね。
その後、「俺はクリーニングしてる、掃除をしてるんだよ」と言っていますから、「何に見える?」というのは、「見りゃわかるだろ」というニュアンスで言っているわけでしょう。
見たままのことをやってるのに、どうしてわざわざそんなことを尋ねるんだ?と、チャンドラーは逆に問いたいようです。
authorization は「権限を与えること、承諾、承認、許可」。
モニカの持ち物全部を、そんな風に動かす承諾を本人から得たのか? そういう承諾を得た上で、そういうことをやってるのか?とロスは尋ねています。
承諾、というものものしい言葉を聞いて、「そんなものは要らない、だって全部元の場所に戻すから」とチャンドラーは答えます。
put back という言葉を聞いたロスは、Put it back exactly where you found it? と念押しするように尋ねています。
where は、the place where ということで、 where you found it は、「お前がそれ(モニカのそれぞれの持ち物)を見つけた場所」、つまり、「それぞれのものが元々置いて・入れてあった場所」ということになります。
「元の”正確な”場所に戻せるのか?」とケチをつけられた感じなので、チャンドラーはその exactly の部分を大げさに真似てみせています。
細かいことにうるさいロスに対して、「ああ、おっしゃる通り、間違いなく正しい場所にきちんと!戻してみせるさ」みたいな感じですね。
ロスの言葉を皮肉っぽく真似て反抗的な態度を見せるチャンドラーに、ロスは、that attitude is not helping. と言っています。
attitude は「態度」。そんな態度をとっても、何の得にもならないよ、みたいな感覚でしょう。
ロスにしてみれば、チャンドラーのためを思って助言してやってるのに、まずはその態度が良くないぞ、と注意しているわけですね。
チャンドラーは、「同じ場所に戻しておけば、モニカは気にしないよ」と言っています。
in the same stupid place のように、stupid 「ばかな、愚かな」がついているのは、チャンドラー自身が「寸分違わず全く同じ場所になおす、しまう」という行為をばかばかしいと思っている、ということだと思います。
「俺としては、なんだかあほらしいって思ってるけど、その”全く同じ場所”ってヤツにちゃんと戻せば問題ないさ」みたいに言っている感覚でしょう。
その発言を聞いたロスは驚いたように、Whoa, hello? Did you just meet Monica? と言っていますね。
Did you just meet Monica? は just という言葉があることから、「君は、今さっき、モニカに会ったばかり? 知り合ったばかり?」みたいな感覚だと思います。
つまり、チャンドラーの今の発言を、「モニカと知り合ったばかりで、モニカの本質・本性を知らない人の発言」みたいに言っているわけでしょう。
そんなことで無事に済むと思ってるのか? お前はモニカって人間をわかってないのか?みたいなことですね。
「モニカのことを全然わかってない」みたいに言われたチャンドラーは、恋人として、「モニカは俺がいいことをしたってわかってくれる、感謝してくれる」と言っています。
恋人であるチャンドラーがそう反論した後、ロスは「実際、これは(結果として)うまくいくだろうね」と言っています。
うまくいく、というのは、この「チャンドラーがモニカの持ち物を動かしたこと」が問題にはならない、ということかと思いきや、because 以下では違うことが述べられています。
チャンドラーがジョーイのところに戻らないといけなくなったら、ジョーイの新しいホットな(つまりセクシーな)ルームメイトは僕と一緒に住むことができる、というのがその理由ですね。
つまり、ロスがうまくいく、と言っているのは、「ロスにとっては良い結果となる」と言っているだけで、いくらチャンドラーが反論しても、ロスは「モニカは激怒するに決まってる、そしてこの同居は解消となり、チャンドラーは元のジョーイの部屋に戻らないといけなくなる」と確信しているわけです。
現在恋人であるチャンドラーがいくら力説しても、ロスの意見が揺らぐ気配は全くなく、妹モニカをよくわかっている兄としての余裕な感じも見せている発言、ということです。
ちなみに、上のセリフにあるように、今回のエピソードでは早速、ジョーイに新しいルームメイトができます。
ジャニーン(Janine)という名前のそのルームメイトを演じているのは、スーパーモデルのエル・マクファーソン(Elle MacPherson)。
フレンズ3-1その24 では、以下のように、「エル・マクファーソン」という本人の名前がセリフの中にすでに登場していました。
チャンドラー: Okay, you know, you know when you're in bed with a woman. (わかった、ほら、その、ある女性とベッドにいるとするだろ。)
ロス: Hmph. (あぁ。)
チャンドラー: And, ah, you know, you're fooling around with her. And you get all these, like, mental images in your brain, you know, like Elle MacPherson, or that girl at the Xerox place? (それで、ほら、その子といちゃいちゃしてるんだ。そこで、頭の中に心的イメージが浮かぶんだよ、エル・マクファーソンとか、コピー屋のあの子、とか。)
その過去記事でも触れましたが、エル・マクファーソンは、The Body というニックネームを持つ、オーストラリア出身のモデルさんです。
Wikipedia 日本語版: エル・マクファーソン
Wikipedia 英語版: Elle Macpherson
超有名なスーパーモデルなので、フレンズ3-1 では、「ベッドに一緒にいるホットな女の子の理想的な例」として挙げられていたわけですが、それがシーズン6では、このようにジョーイのルームメイト役としてゲスト出演しているのが非常に面白いと思います。
フレンズではこのように、実在の俳優や有名人としてセリフに名前が挙げられていながら、後に「一般人役」(笑)としてゲスト出演する場合がよくあります。
フレンズはあくまでコメディーなので、そういう細かい話は気にせずに楽しむべき、ということなのでしょうね。
英語版ウィキペディアの説明に、以下の記述があります。
She is perhaps best known for her record five cover appearances for the Sports Illustrated Swimsuit Issue beginning in the 1980s.
つまり、「1980年代から「スポーツ・イラストレイテッド 水着特集」の表紙に5回登場したという記録で恐らく最も有名だろう」。
フレンズ4-19その4 で、"Didn't you ever read Sports Illustrated?" 「お前こそ、「スポーツ・イラストレイテッド」を読んでないのか?」というセリフが出てきた時に、その「水着特集(Swimsuit Issue)」についても少し説明しました。
「スポーツ・イラストレイテッド」はスポーツ誌のようですが、その「水着特集」はやはり、「殿方に嬉しい、水着美女がいっぱいの雑誌」のようです。
今回のエピソードの最初の方で(ブログでは解説を飛ばしてしまいましたが)、エル・マクファーソン演じるルームメイト、ジャニーンをフレンズたちに紹介する時に、ジョーイは嬉しくてたまらないという満面の笑みを浮かべていました。
「スポーツ・イラストレイテッド 水着特集」はどうやらジョーイの愛読誌(笑)らしいので、その表紙を何度も飾るような人…もちろん、今回のエピソードでは、そのモデル本人としてではなく、一般人の設定であったとしても、そういう「スタイル抜群のホットな美女」がルームメイト!となると、ジョーイが大喜びするのも当然だということですね。
過去のフレンズのセリフで、チャンドラーがエル・マクファーソンを例えに出したり、ジョーイが彼女が表紙に載るような雑誌を愛読していたり…ということがあったわけで、それを踏まえた上で今回のゲスト出演を見てみると、さらに面白く感じられる気がします。
サブカルネタがよく登場するシリーズものならではの楽しみ方と言えるかもしれません。
ちなみに、エル・マクファーソンが the Sports Illustrated Swimsuit Issue によく登場することが有名であることがわかるセリフが他の作品にも出てきました。
「となりのサインフェルド(原題:Seinfeld)」のシーズン3第12話「略奪は寝てる間に」(原題: The Suicide)の最後の方のシーンで、ある人がある場所でエル・マクファーソンに会った時のことを嬉しそうに話しています。(一応、ネタバレ防止のため、誰のセリフかは伏せておきます)
They were shooting the Sports Illustrated swimsuit issue right in the hotel pool. Not only that, the hotel opened up an area on the beach for nude bathing and all of the Sports Illustrated models went down there. I am on the next blanket from Elle Macpherson. We played backgammon nude. Oh, she's a sweet kid. (ホテルのプールで、「スポーツ・イラストレイテッド 水着特集」の撮影をしてたんだ。それだけじゃないぜ、ビーチのあるエリアを、裸で泳ぐために(ヌーディスト・ビーチとして)開放していて、スポーツ・イラストレイテッドのモデル全員がその場所に行ってたんだ。俺はエル・マクファーソンの隣のブランケットにいたんだぜ。裸でバックギャモン(というゲーム)をしたんだ。あぁ、エルはいい娘だよ。)
このセリフからも、この「水着特集」のモデルと言えば、エル・マクファーソンが一番に名前が上がる様子がよくわかりますね。
また、日本語では「エル・マクファーソン」と表記されていますが、Seinfeld のセリフを聞く限り、「マクフィアスン」みたいな発音の方が近いように思いました。
エル・マクファーソンの話から、随分脱線してしまいましたが、それくらい、Elle Macpherson と the Sports Illustrated swimsuit issue は密接な関係にある、ということがわかれば、Seinfeld のセリフもより楽しめるし、今回のジョーイの喜びようもうなずけるわけですね。
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[Scene, Monica and Chandler's, Chandler is there. Everything is out of its place and Chandler's cleaning.]
モニカとチャンドラーの部屋。チャンドラーがそこにいる。すべてのものは元の場所から出されていて、チャンドラーが掃除中。
ロス: (enters) Wow. Couples who live together do start to look alike. So, Mondler... uh, what uh, what 'cha doin? ([入ってきて] わぁ、一緒に住んでるカップルはほんとに似てくるんだね。それで、モンドラー、何やってるんだ?)
チャンドラー: What does it look like? I am cleaning. (何に見えるって? 俺は掃除をしてるんだよ。)
ロス: Did you get Monica's authorization to move all of her stuff? (モニカの持ち物全部を動かす承諾をモニカから得たのか?)
チャンドラー: Authorization? I don't need that. I'm gonna put everything back. (承諾だって? そんなの必要ないよ。すべてのものを元の場所に戻すんだから。)
ロス: Put it back exactly where you found it? (それがあった正確な場所に戻すって?)
チャンドラー: Yes. I'm gonna put it back (Mocking Ross) exactly where I found it. (そうだよ、俺はそれがあった”正確な”場所に戻すよ。)
ロス: 'Kay, first of all, that attitude is not helping. (わかった。まず第一に、そういう態度は何の助けにもならないよ。)
チャンドラー: She's not gonna care if I put her stuff back in the same stupid place. (もし俺が彼女のものを元の場所に戻したら、モニカは気にしないさ。)
ロス: Whoa, hello? Did you just meet Monica? (おっとー、もしもし? 君はモニカと知り合ったばかりなの?)
チャンドラー: She is gonna recognize that I did a nice thing and, and, appreciate it. (俺がいいことをしたってモニカはわかってくれるよ。そしてそのことを感謝するさ。)
ロス: Hmm, you know, actually this'll work out well. Because when you have to move back in with Joey, Joey's hot new roommate can come and live with me. (ふーん、ほら、実際、これは結果としてうまくいくだろうね。だって君がジョーイのところに戻らなければならなくなった時、ジョーイのホットな新しいルームメイトは僕のところに来て一緒に住むことができるからね。)
ロスがモニカ&チャンドラーの部屋に入ってくると、チャンドラーは黄色いゴム手袋をして、お皿を磨いているところ。
それを見て、「一緒に住んでるカップルは似てくるんだねぇ」とロスは言っています。
do start の do は強調の do で、「ほんとによく似てくるんだな」みたいな感覚です。
モニカ化しているチャンドラーを「モンドラー」とまで呼んで(笑)、チャンドラーは一体何をやってるんだ?と尋ねています。
What does it look like? は、「何に見える?」という感じですね。
その後、「俺はクリーニングしてる、掃除をしてるんだよ」と言っていますから、「何に見える?」というのは、「見りゃわかるだろ」というニュアンスで言っているわけでしょう。
見たままのことをやってるのに、どうしてわざわざそんなことを尋ねるんだ?と、チャンドラーは逆に問いたいようです。
authorization は「権限を与えること、承諾、承認、許可」。
モニカの持ち物全部を、そんな風に動かす承諾を本人から得たのか? そういう承諾を得た上で、そういうことをやってるのか?とロスは尋ねています。
承諾、というものものしい言葉を聞いて、「そんなものは要らない、だって全部元の場所に戻すから」とチャンドラーは答えます。
put back という言葉を聞いたロスは、Put it back exactly where you found it? と念押しするように尋ねています。
where は、the place where ということで、 where you found it は、「お前がそれ(モニカのそれぞれの持ち物)を見つけた場所」、つまり、「それぞれのものが元々置いて・入れてあった場所」ということになります。
「元の”正確な”場所に戻せるのか?」とケチをつけられた感じなので、チャンドラーはその exactly の部分を大げさに真似てみせています。
細かいことにうるさいロスに対して、「ああ、おっしゃる通り、間違いなく正しい場所にきちんと!戻してみせるさ」みたいな感じですね。
ロスの言葉を皮肉っぽく真似て反抗的な態度を見せるチャンドラーに、ロスは、that attitude is not helping. と言っています。
attitude は「態度」。そんな態度をとっても、何の得にもならないよ、みたいな感覚でしょう。
ロスにしてみれば、チャンドラーのためを思って助言してやってるのに、まずはその態度が良くないぞ、と注意しているわけですね。
チャンドラーは、「同じ場所に戻しておけば、モニカは気にしないよ」と言っています。
in the same stupid place のように、stupid 「ばかな、愚かな」がついているのは、チャンドラー自身が「寸分違わず全く同じ場所になおす、しまう」という行為をばかばかしいと思っている、ということだと思います。
「俺としては、なんだかあほらしいって思ってるけど、その”全く同じ場所”ってヤツにちゃんと戻せば問題ないさ」みたいに言っている感覚でしょう。
その発言を聞いたロスは驚いたように、Whoa, hello? Did you just meet Monica? と言っていますね。
Did you just meet Monica? は just という言葉があることから、「君は、今さっき、モニカに会ったばかり? 知り合ったばかり?」みたいな感覚だと思います。
つまり、チャンドラーの今の発言を、「モニカと知り合ったばかりで、モニカの本質・本性を知らない人の発言」みたいに言っているわけでしょう。
そんなことで無事に済むと思ってるのか? お前はモニカって人間をわかってないのか?みたいなことですね。
「モニカのことを全然わかってない」みたいに言われたチャンドラーは、恋人として、「モニカは俺がいいことをしたってわかってくれる、感謝してくれる」と言っています。
恋人であるチャンドラーがそう反論した後、ロスは「実際、これは(結果として)うまくいくだろうね」と言っています。
うまくいく、というのは、この「チャンドラーがモニカの持ち物を動かしたこと」が問題にはならない、ということかと思いきや、because 以下では違うことが述べられています。
チャンドラーがジョーイのところに戻らないといけなくなったら、ジョーイの新しいホットな(つまりセクシーな)ルームメイトは僕と一緒に住むことができる、というのがその理由ですね。
つまり、ロスがうまくいく、と言っているのは、「ロスにとっては良い結果となる」と言っているだけで、いくらチャンドラーが反論しても、ロスは「モニカは激怒するに決まってる、そしてこの同居は解消となり、チャンドラーは元のジョーイの部屋に戻らないといけなくなる」と確信しているわけです。
現在恋人であるチャンドラーがいくら力説しても、ロスの意見が揺らぐ気配は全くなく、妹モニカをよくわかっている兄としての余裕な感じも見せている発言、ということです。
ちなみに、上のセリフにあるように、今回のエピソードでは早速、ジョーイに新しいルームメイトができます。
ジャニーン(Janine)という名前のそのルームメイトを演じているのは、スーパーモデルのエル・マクファーソン(Elle MacPherson)。
フレンズ3-1その24 では、以下のように、「エル・マクファーソン」という本人の名前がセリフの中にすでに登場していました。
チャンドラー: Okay, you know, you know when you're in bed with a woman. (わかった、ほら、その、ある女性とベッドにいるとするだろ。)
ロス: Hmph. (あぁ。)
チャンドラー: And, ah, you know, you're fooling around with her. And you get all these, like, mental images in your brain, you know, like Elle MacPherson, or that girl at the Xerox place? (それで、ほら、その子といちゃいちゃしてるんだ。そこで、頭の中に心的イメージが浮かぶんだよ、エル・マクファーソンとか、コピー屋のあの子、とか。)
その過去記事でも触れましたが、エル・マクファーソンは、The Body というニックネームを持つ、オーストラリア出身のモデルさんです。
Wikipedia 日本語版: エル・マクファーソン
Wikipedia 英語版: Elle Macpherson
超有名なスーパーモデルなので、フレンズ3-1 では、「ベッドに一緒にいるホットな女の子の理想的な例」として挙げられていたわけですが、それがシーズン6では、このようにジョーイのルームメイト役としてゲスト出演しているのが非常に面白いと思います。
フレンズではこのように、実在の俳優や有名人としてセリフに名前が挙げられていながら、後に「一般人役」(笑)としてゲスト出演する場合がよくあります。
フレンズはあくまでコメディーなので、そういう細かい話は気にせずに楽しむべき、ということなのでしょうね。
英語版ウィキペディアの説明に、以下の記述があります。
She is perhaps best known for her record five cover appearances for the Sports Illustrated Swimsuit Issue beginning in the 1980s.
つまり、「1980年代から「スポーツ・イラストレイテッド 水着特集」の表紙に5回登場したという記録で恐らく最も有名だろう」。
フレンズ4-19その4 で、"Didn't you ever read Sports Illustrated?" 「お前こそ、「スポーツ・イラストレイテッド」を読んでないのか?」というセリフが出てきた時に、その「水着特集(Swimsuit Issue)」についても少し説明しました。
「スポーツ・イラストレイテッド」はスポーツ誌のようですが、その「水着特集」はやはり、「殿方に嬉しい、水着美女がいっぱいの雑誌」のようです。
今回のエピソードの最初の方で(ブログでは解説を飛ばしてしまいましたが)、エル・マクファーソン演じるルームメイト、ジャニーンをフレンズたちに紹介する時に、ジョーイは嬉しくてたまらないという満面の笑みを浮かべていました。
「スポーツ・イラストレイテッド 水着特集」はどうやらジョーイの愛読誌(笑)らしいので、その表紙を何度も飾るような人…もちろん、今回のエピソードでは、そのモデル本人としてではなく、一般人の設定であったとしても、そういう「スタイル抜群のホットな美女」がルームメイト!となると、ジョーイが大喜びするのも当然だということですね。
過去のフレンズのセリフで、チャンドラーがエル・マクファーソンを例えに出したり、ジョーイが彼女が表紙に載るような雑誌を愛読していたり…ということがあったわけで、それを踏まえた上で今回のゲスト出演を見てみると、さらに面白く感じられる気がします。
サブカルネタがよく登場するシリーズものならではの楽しみ方と言えるかもしれません。
ちなみに、エル・マクファーソンが the Sports Illustrated Swimsuit Issue によく登場することが有名であることがわかるセリフが他の作品にも出てきました。
「となりのサインフェルド(原題:Seinfeld)」のシーズン3第12話「略奪は寝てる間に」(原題: The Suicide)の最後の方のシーンで、ある人がある場所でエル・マクファーソンに会った時のことを嬉しそうに話しています。(一応、ネタバレ防止のため、誰のセリフかは伏せておきます)
They were shooting the Sports Illustrated swimsuit issue right in the hotel pool. Not only that, the hotel opened up an area on the beach for nude bathing and all of the Sports Illustrated models went down there. I am on the next blanket from Elle Macpherson. We played backgammon nude. Oh, she's a sweet kid. (ホテルのプールで、「スポーツ・イラストレイテッド 水着特集」の撮影をしてたんだ。それだけじゃないぜ、ビーチのあるエリアを、裸で泳ぐために(ヌーディスト・ビーチとして)開放していて、スポーツ・イラストレイテッドのモデル全員がその場所に行ってたんだ。俺はエル・マクファーソンの隣のブランケットにいたんだぜ。裸でバックギャモン(というゲーム)をしたんだ。あぁ、エルはいい娘だよ。)
このセリフからも、この「水着特集」のモデルと言えば、エル・マクファーソンが一番に名前が上がる様子がよくわかりますね。
また、日本語では「エル・マクファーソン」と表記されていますが、Seinfeld のセリフを聞く限り、「マクフィアスン」みたいな発音の方が近いように思いました。
エル・マクファーソンの話から、随分脱線してしまいましたが、それくらい、Elle Macpherson と the Sports Illustrated swimsuit issue は密接な関係にある、ということがわかれば、Seinfeld のセリフもより楽しめるし、今回のジョーイの喜びようもうなずけるわけですね。
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2011年11月04日
600万ドルの男 フレンズ6-7その2
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フィービーと同居することになったレイチェル。ジョギングをするつもりのレイチェルは、一緒に走ると楽しいわよ、とルームメイトのフィービーを誘います。
ですが、その走り方が独特だったため、そのことをロスとモニカに話しているところ。
[Scene, Central Perk: Rachel, Ross and Monica are there]
セントラルパーク。レイチェル、ロス、モニカがそこにいる。
レイチェル: You guys, I'm telling you, when she runs, she looks like a cross between Kermit the Frog and the Six Million Dollar Man. (ねぇみんな。はっきり言って、フィービーが走ると、カエルのカーミットと600万ドルの男を足して2で割ったような感じに見えるのよ。)
ロス: Monica had such a crush on him. Yeah, she used to kiss his poster every night before she went to bed. (モニカは彼にぞっこんでね。そうさ、モニカはベッドに入る前、毎晩、彼のポスターにキスしてたもんだったよ。)
レイチェル: Oh! I used to do that too! (まあ! 私もそれと同じことをしてたわ!)
モニカ: Did you also have his album, "It's Not Easy Being Green"? (あなたも彼のアルバムを持ってた? 「緑でいるのも楽じゃない」ってアルバムを。)
レイチェル: Oh, Mon... (Kisses her on the cheek) (あぁ、モニカ… [モニカの頬にキスする])
モニカ: So Phoebe runs weird, huh? (それで、フィービーは変な走り方をするのね?)
レイチェル: Yeah, yeah and you know what, I know she's gonna wanna run again, I just don't know how to get out of it, I mean, I live with her. (そうよ、そうなの、それでね、フィービーはまた走りたいって言うだろうけど、それを免(まぬが)れる方法がわからなくて。つまり、私はフィービーと一緒に住んでるわけだから。)
モニカ: Why don't you just be straight with her? Tell her the truth. (ただフィービーに正直に言ったらどう? 真実を言うのよ。)
ロス: Yeah. (そうだよ。)
レイチェル: You're right, you're right. I should just tell her the truth. (あなたは正しい、正しいわ。ただ真実を言うべきよね。)
[Phoebe enters]
フィービーが入ってくる。
フィービー: Hey! (はーい!)
ロス: Hey! (やあ!)
レイチェル: Pheebs, Monica tripped me, I don't think I can ever run again, ever! (フィービー、モニカが私を転ばせたの。だから、また走ることは無理だと思うの。)
フィービー: Why? Why would you do that? (どうして? どうしてそんなことをしたりするの?)
モニカ: I don't know. Rachel, I'm, I'm sorry that I hurt your ankles. (さあね、レイチェル。ごめんね、あなたの足首を両方とも痛めちゃって。)
レイチェル: Ankle. (片方よ。)
モニカ: We'll see. (今にわかるわ。)
フィービーが走る様子を、レイチェルは、she looks like a cross between Kermit the Frog and the Six Million Dollar Man. と表現しています。
look like は「…のように見える」で、a cross between A and B は、「A と B の異種交配、雑種、混血種、交配種」。「A と B の間のクロス」みたいに直訳しても、何となくそういう意味であることは想像できますね。
研究社 新英和中辞典には、
cross=折衷, 中間物, どっちつかずのもの 〔between〕
例) Brunch is a cross between breakfast and lunch. 「ブランチとは朝食とも昼食ともつかないものである」
という意味も載っています。
また、英辞郎には、
cross between=【名】A と B を足して2で割ったような人
という語義が載っていますが、今回はまさにそういうニュアンスだと思います。
そのように、フィービーの走り方は、何かと何かを足して2で割ったような感じ、と説明しているわけですが、その2つの例のどちらもが大文字で始まる固有名詞になっていますね。
まずは1つ目の Kermit the Frog について。
「カエルのカーミット」は、「セサミストリート」に登場するマペット。
「Google 画像検索」をすると、たくさんの画像が出てきますので、それを見たら思い出す、という方も多いでしょう。
Wikipedia 日本語版: カーミット
Wikipedia 英語版: Kermit the Frog
IMDb: Kermit the Frog (Character) from "The Muppet Show" (1976)
次に、the Six Million Dollar Man について。
「The Six Million Dollar Man」はアメリカのテレビドラマで、事故の後、改造手術を受けてサイボーグとなり、情報機関のエージェントとして活躍するお話のようです。
日本でも放映されていたそうですが、残念ながら私は見たことありません。
最初は「サイボーグ危機一髪」というタイトルで放映されていて、途中から「600万ドルの男」にタイトルが変更されたようです。
「600万ドルの男」というタイトルに記憶がある方なら、英語で the Six Million Dollar Man と言われてもピンと来たかもしれませんね。
Wikipedia 日本語版: 600万ドルの男
Wikipedia 英語版: The Six Million Dollar Man
Amazon ではこちら。
600万ドルの男[サイボーグ危機一髪] DVD-BOXI[初回限定版]
日本語版ウィキペディアの「ストーリー」にあるように、
この改造手術の費用に600万ドル(放映開始当時の日本円で約18億円)かかったというのが番組タイトルの由来である。
とのこと。
また、同じくウィキペディアによると、
両足―最高時速60マイル(≒96km/h)で走れる(100m走3秒7)
おお、めっちゃ速い!(笑)。
「地上最強の美女 バイオニック・ジェミー」というタイトルは聞いたことあったのですが、それはこの「600万ドルの男」のスピンオフなんですね。
Wikipedia 日本語版: 地上最強の美女バイオニック・ジェミー
カーミットというマペットは、手足がひょろ長い感じですよね。
さらにそれが「600万ドルの男」のサイボーグのように、すごいスピードで走り抜けていく、みたいな感覚なのでしょう。
実際にそのフィービーが走っている映像も、「(カエル+サイボーグ)÷2」と表現するのがドンピシャリ!な感じの、手足の動かし具合でした。
そんな風に、カエルのカーミットと600万ドルの男を彷彿とさせるような走り方だった、とフィービーが説明した後、ロスは、「モニカは彼にぞっこんだった、惚れ込んでた」と言っています。
夜寝る前にポスターにキスまでしてたんだ、とも言っていますね。
それを聞いたレイチェルは、「まぁ、私も彼が大好きで、同じようにポスターにキスしてたものだったわ!」みたいに言っています。
同じような大ファンだったと聞いて、モニカはさらに「じゃあ、レイチェルも(私と同じように)、"It's Not Easy Being Green" っていう彼のアルバムを持ってた?」と尋ねています。
それを聞いた後、レイチェルは、「まぁ、モニカったら…」みたいなちょっと同情するような顔をして、モニカの頬にキスしていますね。
"It's Not Easy Being Green" は直訳の通り、「緑でいるのは簡単ではない、楽じゃない」という意味。
この意味から想像できるように、これは、600万ドルの男の方ではなくて、カーミットのことを言っていることになります。
カエルのカーミットは、全身、緑ですものね。
実際に、カエルのカーミットの歌にそういうタイトルのものがあるようです。
Amazon ではこちら。
It's Not Easy Being Green [VHS] [Import]
It's Not Easy Being Green: And Other Things to Consider
2番目に挙げた方は、歌のアルバムではなくて、「本」のようですが、表紙の絵がなかなか味があるので、参照してみました。
つまり、モニカが大好きだった、というのは、ヒーローの600万ドルの男、の方ではなくて、カエルのカーミットだった、というオチだったわけです。
レイチェルの方は、600万ドルの男、の方だと思って話していたので、「まぁ、あなたがキスしてたのは、カーミットの方だったの…モニカったら…」みたいに、同情するような感じで頬にキスをした、ということでしょう。
一瞬、気まずくなったモニカは、フィービーの走り方に話題を戻します。
レイチェルは、「またフィービーは一緒に走りたいって言うだろうけど、どうやったらそれから逃れられるかわからない」みたいに言っています。
I live with her. つまり、私は今、フィービーと同居してるから、走りに行こうとしたら絶対に相手に気づかれてしまうから隠しようがない、ということですね。
モニカは、be straight with her とアドバイスしています。
straight は「まっすぐな」ですから、この場合は、「正直に、率直に、包み隠ししないで」。
フィービーの走り方が変わってるから、一緒に走りたくないの、と正直に言っちゃいなさいよ、ということです。
それに同意したらしいレイチェルでしたが、フィービーが入ってくると、Monica tripped me. と言っています。
trip は他動詞では「(人)を転ばせる、つまずかせる」。
まるでモニカが自分の足をひっかけて、レイチェルをつまずかせた、そして転んじゃった、みたいな言い方です。
それで足を痛めちゃったから走れなくなったの、みたいに言い訳しているのですね。
「モニカが私をつまずかせた」という話を聞いて、フィービーはモニカを非難しています。
フィービーに真実を話すと言いながら、自分を悪者にしたレイチェルにあきれたモニカは、「あなたの両足を痛めちゃってごめんなさいね」と皮肉っぽく言っています。
レイチェルは、「両足じゃなくて、片足だけよ」と言うのですが、それに対してモニカは、We'll see. と言っていますね。
We'll see. は「(結果がどうなるか)今にわかるだろう」「成り行きを見守ろう、様子を見よう」というような意味。
つまりこれは、「今は片足だけだけど、それが両足になるかもよ」みたいに言っているセリフになります。
フィービーに真実を告げたくないがために、モニカを悪者にした自分勝手なレイチェルに対して、「そんなことで私を巻き込むのなら、片足だけ足首を痛めたって話が、まじで両足痛めることになっちゃうかもよ」と、そのうちに本当にレイチェルの両足首がケガすることになるかも、と脅しているわけですね。
今は作り話の上での話だけど、あんまりふざけたこと言うと、片足どころか両足の足首を痛めさせるように、思いっ切り、レイチェルをつまずかせるわよ!と言っているわけです。
日本語だとただ「足首」と言うだけで、英語の ankle/ankles のように、単複の違いをわざわざ出すことはあまりしませんが、英語では普通に言う場合でも、必ず単数か複数かを言及することが必要になってきます。
そういう「単複の区別」を使って、「レイチェルは片足の足首だって言うけど…それはどうかしらね、これからが見ものね」みたいに脅して仕返しているところが、フレンズらしいオチだと思いました。
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フィービーと同居することになったレイチェル。ジョギングをするつもりのレイチェルは、一緒に走ると楽しいわよ、とルームメイトのフィービーを誘います。
ですが、その走り方が独特だったため、そのことをロスとモニカに話しているところ。
[Scene, Central Perk: Rachel, Ross and Monica are there]
セントラルパーク。レイチェル、ロス、モニカがそこにいる。
レイチェル: You guys, I'm telling you, when she runs, she looks like a cross between Kermit the Frog and the Six Million Dollar Man. (ねぇみんな。はっきり言って、フィービーが走ると、カエルのカーミットと600万ドルの男を足して2で割ったような感じに見えるのよ。)
ロス: Monica had such a crush on him. Yeah, she used to kiss his poster every night before she went to bed. (モニカは彼にぞっこんでね。そうさ、モニカはベッドに入る前、毎晩、彼のポスターにキスしてたもんだったよ。)
レイチェル: Oh! I used to do that too! (まあ! 私もそれと同じことをしてたわ!)
モニカ: Did you also have his album, "It's Not Easy Being Green"? (あなたも彼のアルバムを持ってた? 「緑でいるのも楽じゃない」ってアルバムを。)
レイチェル: Oh, Mon... (Kisses her on the cheek) (あぁ、モニカ… [モニカの頬にキスする])
モニカ: So Phoebe runs weird, huh? (それで、フィービーは変な走り方をするのね?)
レイチェル: Yeah, yeah and you know what, I know she's gonna wanna run again, I just don't know how to get out of it, I mean, I live with her. (そうよ、そうなの、それでね、フィービーはまた走りたいって言うだろうけど、それを免(まぬが)れる方法がわからなくて。つまり、私はフィービーと一緒に住んでるわけだから。)
モニカ: Why don't you just be straight with her? Tell her the truth. (ただフィービーに正直に言ったらどう? 真実を言うのよ。)
ロス: Yeah. (そうだよ。)
レイチェル: You're right, you're right. I should just tell her the truth. (あなたは正しい、正しいわ。ただ真実を言うべきよね。)
[Phoebe enters]
フィービーが入ってくる。
フィービー: Hey! (はーい!)
ロス: Hey! (やあ!)
レイチェル: Pheebs, Monica tripped me, I don't think I can ever run again, ever! (フィービー、モニカが私を転ばせたの。だから、また走ることは無理だと思うの。)
フィービー: Why? Why would you do that? (どうして? どうしてそんなことをしたりするの?)
モニカ: I don't know. Rachel, I'm, I'm sorry that I hurt your ankles. (さあね、レイチェル。ごめんね、あなたの足首を両方とも痛めちゃって。)
レイチェル: Ankle. (片方よ。)
モニカ: We'll see. (今にわかるわ。)
フィービーが走る様子を、レイチェルは、she looks like a cross between Kermit the Frog and the Six Million Dollar Man. と表現しています。
look like は「…のように見える」で、a cross between A and B は、「A と B の異種交配、雑種、混血種、交配種」。「A と B の間のクロス」みたいに直訳しても、何となくそういう意味であることは想像できますね。
研究社 新英和中辞典には、
cross=折衷, 中間物, どっちつかずのもの 〔between〕
例) Brunch is a cross between breakfast and lunch. 「ブランチとは朝食とも昼食ともつかないものである」
という意味も載っています。
また、英辞郎には、
cross between=【名】A と B を足して2で割ったような人
という語義が載っていますが、今回はまさにそういうニュアンスだと思います。
そのように、フィービーの走り方は、何かと何かを足して2で割ったような感じ、と説明しているわけですが、その2つの例のどちらもが大文字で始まる固有名詞になっていますね。
まずは1つ目の Kermit the Frog について。
「カエルのカーミット」は、「セサミストリート」に登場するマペット。
「Google 画像検索」をすると、たくさんの画像が出てきますので、それを見たら思い出す、という方も多いでしょう。
Wikipedia 日本語版: カーミット
Wikipedia 英語版: Kermit the Frog
IMDb: Kermit the Frog (Character) from "The Muppet Show" (1976)
次に、the Six Million Dollar Man について。
「The Six Million Dollar Man」はアメリカのテレビドラマで、事故の後、改造手術を受けてサイボーグとなり、情報機関のエージェントとして活躍するお話のようです。
日本でも放映されていたそうですが、残念ながら私は見たことありません。
最初は「サイボーグ危機一髪」というタイトルで放映されていて、途中から「600万ドルの男」にタイトルが変更されたようです。
「600万ドルの男」というタイトルに記憶がある方なら、英語で the Six Million Dollar Man と言われてもピンと来たかもしれませんね。
Wikipedia 日本語版: 600万ドルの男
Wikipedia 英語版: The Six Million Dollar Man
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日本語版ウィキペディアの「ストーリー」にあるように、
この改造手術の費用に600万ドル(放映開始当時の日本円で約18億円)かかったというのが番組タイトルの由来である。
とのこと。
また、同じくウィキペディアによると、
両足―最高時速60マイル(≒96km/h)で走れる(100m走3秒7)
おお、めっちゃ速い!(笑)。
「地上最強の美女 バイオニック・ジェミー」というタイトルは聞いたことあったのですが、それはこの「600万ドルの男」のスピンオフなんですね。
Wikipedia 日本語版: 地上最強の美女バイオニック・ジェミー
カーミットというマペットは、手足がひょろ長い感じですよね。
さらにそれが「600万ドルの男」のサイボーグのように、すごいスピードで走り抜けていく、みたいな感覚なのでしょう。
実際にそのフィービーが走っている映像も、「(カエル+サイボーグ)÷2」と表現するのがドンピシャリ!な感じの、手足の動かし具合でした。
そんな風に、カエルのカーミットと600万ドルの男を彷彿とさせるような走り方だった、とフィービーが説明した後、ロスは、「モニカは彼にぞっこんだった、惚れ込んでた」と言っています。
夜寝る前にポスターにキスまでしてたんだ、とも言っていますね。
それを聞いたレイチェルは、「まぁ、私も彼が大好きで、同じようにポスターにキスしてたものだったわ!」みたいに言っています。
同じような大ファンだったと聞いて、モニカはさらに「じゃあ、レイチェルも(私と同じように)、"It's Not Easy Being Green" っていう彼のアルバムを持ってた?」と尋ねています。
それを聞いた後、レイチェルは、「まぁ、モニカったら…」みたいなちょっと同情するような顔をして、モニカの頬にキスしていますね。
"It's Not Easy Being Green" は直訳の通り、「緑でいるのは簡単ではない、楽じゃない」という意味。
この意味から想像できるように、これは、600万ドルの男の方ではなくて、カーミットのことを言っていることになります。
カエルのカーミットは、全身、緑ですものね。
実際に、カエルのカーミットの歌にそういうタイトルのものがあるようです。
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It's Not Easy Being Green: And Other Things to Consider
2番目に挙げた方は、歌のアルバムではなくて、「本」のようですが、表紙の絵がなかなか味があるので、参照してみました。
つまり、モニカが大好きだった、というのは、ヒーローの600万ドルの男、の方ではなくて、カエルのカーミットだった、というオチだったわけです。
レイチェルの方は、600万ドルの男、の方だと思って話していたので、「まぁ、あなたがキスしてたのは、カーミットの方だったの…モニカったら…」みたいに、同情するような感じで頬にキスをした、ということでしょう。
一瞬、気まずくなったモニカは、フィービーの走り方に話題を戻します。
レイチェルは、「またフィービーは一緒に走りたいって言うだろうけど、どうやったらそれから逃れられるかわからない」みたいに言っています。
I live with her. つまり、私は今、フィービーと同居してるから、走りに行こうとしたら絶対に相手に気づかれてしまうから隠しようがない、ということですね。
モニカは、be straight with her とアドバイスしています。
straight は「まっすぐな」ですから、この場合は、「正直に、率直に、包み隠ししないで」。
フィービーの走り方が変わってるから、一緒に走りたくないの、と正直に言っちゃいなさいよ、ということです。
それに同意したらしいレイチェルでしたが、フィービーが入ってくると、Monica tripped me. と言っています。
trip は他動詞では「(人)を転ばせる、つまずかせる」。
まるでモニカが自分の足をひっかけて、レイチェルをつまずかせた、そして転んじゃった、みたいな言い方です。
それで足を痛めちゃったから走れなくなったの、みたいに言い訳しているのですね。
「モニカが私をつまずかせた」という話を聞いて、フィービーはモニカを非難しています。
フィービーに真実を話すと言いながら、自分を悪者にしたレイチェルにあきれたモニカは、「あなたの両足を痛めちゃってごめんなさいね」と皮肉っぽく言っています。
レイチェルは、「両足じゃなくて、片足だけよ」と言うのですが、それに対してモニカは、We'll see. と言っていますね。
We'll see. は「(結果がどうなるか)今にわかるだろう」「成り行きを見守ろう、様子を見よう」というような意味。
つまりこれは、「今は片足だけだけど、それが両足になるかもよ」みたいに言っているセリフになります。
フィービーに真実を告げたくないがために、モニカを悪者にした自分勝手なレイチェルに対して、「そんなことで私を巻き込むのなら、片足だけ足首を痛めたって話が、まじで両足痛めることになっちゃうかもよ」と、そのうちに本当にレイチェルの両足首がケガすることになるかも、と脅しているわけですね。
今は作り話の上での話だけど、あんまりふざけたこと言うと、片足どころか両足の足首を痛めさせるように、思いっ切り、レイチェルをつまずかせるわよ!と言っているわけです。
日本語だとただ「足首」と言うだけで、英語の ankle/ankles のように、単複の違いをわざわざ出すことはあまりしませんが、英語では普通に言う場合でも、必ず単数か複数かを言及することが必要になってきます。
そういう「単複の区別」を使って、「レイチェルは片足の足首だって言うけど…それはどうかしらね、これからが見ものね」みたいに脅して仕返しているところが、フレンズらしいオチだと思いました。
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