2011年12月02日

内容じゃなくて言い方が問題 フレンズ6-8その6

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ルームメイトの女性ジャニーンに教わった花の生け方を、得意げにモニカに教えているジョーイ。
モニカが部屋を出て行った後、チャンドラーはジョーイに怒りの声を上げています。
チャンドラー: What is the matter with you? (お前は一体、どうしたんだよ?)
ジョーイ: What? (何?)
チャンドラー: You're arranging flowers! (Pointing to the dish on the table.) You got dead flowers! You got a picture, a picture, of a baby dressed like flowers! This is not Joey! (お前は花を生けてるんだぞ! [テーブルの上の皿を指差す] お前は死んだ花を飾ってる! お前は写真を飾ってる、花みたいな服を着た赤ちゃんの写真を! こんなのジョーイじゃないよ!)
ジョーイ: Hey. Hey. Look, I am still Joey, okay? Flowers, they're just, you know, they're nice to look at. And that happens to be a picture by a famous artist of a famous baby. (なぁ、おい、俺は今でもジョーイだよ、いいか? 花は、花はただ、ほら、見るのに素敵だってことだ。そして、あれは有名な赤ちゃんの有名なアーティストによる写真だったりするんだよ。)
チャンドラー: You're turning into a woman. (お前は女に変化してきてるぞ。)
ジョーイ: No, I'm not. Why would you say that? That's just mean. (いいや、俺はそんなことない。どうしてそんなことを言ったりするんだよ? それってただ、意地悪なだけだよ。)
チャンドラー: Now I've upset you? What did I say? (今、俺はお前を怒らせたか? 俺が何を言ったんだ?)
ジョーイ: It's not what you said. It's the way you said it. Oh, my God! I'm a woman! (お前が言ったこと(内容)じゃなくて、お前がそれを言った言い方なんだよ。なんてこった! 俺は女だ!)

モニカに生け花のコツを教えていたジョーイに対して、チャンドラーは、You're arranging flowers! と言っています。
いわゆる日本の伝統的な「生け花」も、英語では、flower arrangement と表現され、「フラワー・アレンジメント」のようなカタカナ表記もちょくちょく見かけますので、チャンドラーの You're arranging flowers! というセリフは日本人にもわかりやすいかと思います。

「生け花なんかしちゃって!」とジョーイに言った後、テーブルの上の皿を指差して、You got dead flowers! とも言っています。
got は have のニュアンスで、ここでは「部屋に置いている、飾っている」というようなニュアンスになるでしょう。
チャンドラーが dead flowers と言っているのは、ポプリのことですね。

今回のエピソードの前半のシーンでは、ジョーイとジャニーンの間に以下のようなやり取りがありました。
ジョーイ: Also what is with these chips you bought? (それに、君が買ってきた、このチップスは何だ?)
ジャニーン: No no no no, it's potpourri. You're supposed to smell it. (違う違う、それはポプリよ。香りを嗅ぐことになってるの[香りを嗅ぐ[嗅いで楽しむ]ものよ]。)

お皿に盛ってある乾燥させた花びらが、ジョーイには(ポテト)チップスに見えた、ということですね。
きっと、チップスだと思って食べてみたらマズかったのでしょう(笑)、一体何じゃこりゃ?と思ったジョーイはジャニーンに上のように尋ねたようです。

そして、壁に掛かっている写真を指差し、「花みたいな衣装を着た赤ちゃんの写真だ」と言っています。
「生け花、死んだ花(であるポプリ)、花の服着た赤ちゃん…って、部屋中、お花だらけじゃないか」と、お花に囲まれた状態で暮らしていることを、女の子みたいだと指摘して、こんな「女の子女の子」した部屋に住んでるなんて、ジョーイらしくないよ、と言いたいチャンドラーです。

This is not Joey! と言われたことに対して、I am stil Joey. と返すジョーイ。
俺は「いまだに、まだ」ジョーイだよ、ジョーイのままだよ、という感覚ですね。
nice to look at は、「見るのにナイス」ということで、鑑賞する対象物としてナイスなものだ、ということ。

turn into は「…に変わる」。
現在進行形は「徐々に…に変わりつつある」というような進行中の感覚でしょう。
「女みたいになってきてるぞ」と言われたジョーイは、Why would you say that? That's just mean. と返します。
それを聞いてチャンドラーは、「俺がお前を怒らせた? 俺は何を言った?」みたいに言っていますが、「何それくらいのことで怒ってるんだよ、俺は怒るようなことは何も言ってないじゃないか」と言いたいようです。
「女みたいになってるぞ」と言っただけなのに、どうしてそんなリアクションするんだよ、みたいなことですが、ジョーイが言った、Why would you say that? That's just mean. というセリフが、「いかにも女の子が言いそうな言い回し」であるところが、このシーンのポイントですね。
日本語にすると、「どうしてそんなこと言ったりするの? それってただ意地悪なだけだわ」みたいな感じで、「どうしてそんなこと言うの〜 そんなのひどいぃ〜、いじわるぅ〜」みたいに少しすねて駄々をこねている女の子みたいなセリフだったので、チャンドラーは「いじわるって言われても、俺はジョーイが怒るような、何かひどいことを言ったか? 俺は事実を述べてるだけだ」みたいな感覚で、Now I've upset you? What did I say? と言ったのですね。

その後のジョーイのセリフが、先ほどよりさらに輪をかけて女の子っぽいセリフになっているのも楽しいです。
It's not what you said. It's the way you said it. の It's not A. It's B. は「(問題は、ポイントは) A じゃなくて、B」という意味。
what you said つまり「チャンドラーが言ったこと、言った内容」が問題なんじゃなくて、the way you said it 「それを言った方法」、つまり「言い方」に問題があるんだ、自分がひっかかっているのはそこだ、ということですね。
「あなたの言った内容うんぬんの問題じゃなくて、その言い方が意地悪なのよ。同じことを言うにしても、もっと優しい言い方ってもんがあるんじゃないの?」みたいな「女の子」のセリフになってしまっているわけです。
そう自分で言った後、自分の言った内容に改めて気づいて、「俺は女だ、女になっちまってる!」と驚くジョーイにも笑えます。
お花に囲まれ、ジャニーンに女の子っぽいことをいろいろ教わっているうちに、発言までもが女っぽくなってしまった、ということに、自らの発言でようやく気付いたジョーイでした。

英語の場合は、単語の語尾などで男性のセリフ、女性のセリフの区別をつけることはできませんが、ここの二人のやり取りを聞きながら、ジョーイが、「どうしてそんなこと言うの? そんな言い方ひどいっ!」みたいな女言葉を使っているように感じられれば、この場のニュアンスが理解できている、ということになるのかなと思います。
このシーンの会話を見ていると、「男性/女性がそれぞれ言いそうなこと」というのは、英語圏でも日本語圏でも似ている気がして、なかなか興味深いですね。


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posted by Rach at 16:19| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする