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シーズン6 第12話
The One With The Joke (ジョーク泥棒はどっち?)
原題は「ジョークの話」
[Scene: Central Perk, Chandler, Phoebe, Rachel and Monica are there. Ross walks in with a magazine in his hand.]
セントラルパーク。チャンドラー、フィービー、レイチェル、モニカがそこにいる。ロスが雑誌を手に持って入ってくる。
ロス: Hey! You're not gonna believe this. I made up a joke and sent it in to Playboy. They printed it! (やあ! 君たちはこんなこと信じられないだろうね。僕はあるジョークを作って、それをプレイボーイに送った。それが印刷されたんだ[掲載されたんだ]!)
フィービー: I didn't know Playboy prints jokes. (プレイボーイがジョークを載せてるなんて知らなかったわ。)
ロス: Yeah, they print jokes, interviews, hard-hitting journalism. It's not just about the pictures. (ああ、プレイボーイは載せるんだよ、ジョークや、インタビューや、痛烈なジャーナリズムをね。写真ばっかりじゃないんだよ。)
モニカ: Didn't work on Mom, it's not gonna work on us. (ママに効果がなかったのよ。(そんな言い訳)私たちにも効かないわ。)
ロス: (showing them the page) Here, check it out. It's, it's the first one, too. ([フレンズたちにそのページを見せながら] ほら、見てみて。最初のやつだよ。)
ロス: Right there. (ちょうどそこだよ。)
(They all laugh indifferently, except Chandler, who's a little angry.)
みんながあまり感動しない様子で笑う、ただしチャンドラーを除いて。彼は少し怒っている。
チャンドラー: That is funny. It was also funny when I made it up. (それは面白いね。俺がそれを作った時も面白かったけどね。)
ロス: What? (何だって?)
チャンドラー: I made that joke up. (俺がそのジョークを考えたんだ。)
ロス: Uh, oh-oh, no, you didn't. I did. (おーおーおー。違うよ、チャンドラーが考えたんじゃない。僕が考えたんだ。)
チャンドラー: Oh, oh, oh! Yes, I did. I told it to Dan at work, and he said it was the funniest joke he'd ever heard. (おーおーおー! 俺が考えたんだ。職場でダンにそのジョークを言ったんだ。そして彼は、それまで聞いた中で最も面白いジョークだって言ったんだぞ。)
ロス: Hey, tell Dan thanks. (ねぇ、ダンに、ありがとって言っといて。)
ロスは入ってくるなり、You're not gonna believe this. と言っています。
this つまり、今から僕が言おうとしていることを、君たちは信じないだろう、という感覚ですね。
君らが信じられないような、びっくりするようなニュースを今から言うよ、という場合の前振りのセリフになります。
ジョークを作って・考えて、それをプレイボーイ誌に送った、というロスは、They printed it! と嬉しそうに言っています。
この they は、プレイボーイ誌の関係者・編集部の人を漠然と指しています。
プレイボーイ誌の人たちが、僕の作ったジョークを印刷したんだ、ということはつまり、僕のジョークが掲載されたんだ、ということになりますね。
その話を聞いたフィービーは、I didn't know Playboy prints jokes. と言って驚いています。
prints という「現在形」は、これまでも何度も説明してきたように、「習慣・習性」を表しています。
「プレイボーイ誌が常に・いつもジョークを掲載する」「プレイボーイ誌はジョークを掲載するような雑誌である」ということを知らなかったわぁ、みたいな驚きで、「へぇ、プレイボーイって、ジョークも載せたりするんだぁ」みたいなニュアンスです。
そのフィービーのセリフを受けて、ロスは得意げに、「そうさ、ジョークやインタビューなんかも載せるんだ」と説明していますが、ここでもまた主語が they になっているのもポイントでしょう。
ロスの頭の中では、プレイボーイ誌の編集部の複数の人たちが、あれやこれやと掲載項目を選んで載せているイメージが浮かんでいる、ということなのでしょう。
hard-hitting を直訳すると「強く打つ」みたいなことですから、「強力な、パンチのきいた、痛烈な」というような意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hard-hitting [adjective] : criticizing someone or something in a strong and effective way
例) a hard-hitting TV documentary
つまり、「誰かや何かを強く、そして効果的な方法で非難する」。例は、「痛烈なテレビ・ドキュメンタリー」。
モニカのセリフにある、work on は、「…に有効である、効果を発揮する」というような意味。
ママに対しては「効果がなかった」という過去形で、私たちに対しては「効果がないだろう」という未来形が使われており、時制で対比した形になっています。
「ジョークも載せるんだぁ」とフィービーが驚いたように、「プレイボーイ」と言えば、女性のセクシーな写真満載の雑誌として有名ですが(笑)、そういう写真以外にも、ジョークとか、硬派なジャーナリズムも扱ってるんだ、みたいに言ったロスに対して、「そういう言い訳を過去にママにも使ったことあったけど、通用しなかったでしょ。私たちにも同様にそんな手は通用しないわよ」と言っていることになります。
エッチな雑誌を買ったのがバレた時に、「真面目な記事も載ってるんだよ!」とその雑誌の硬派さを力説するのが少年たちのいつもの手だけど、そんなこと言ってもムダよ、みたいなことですね。
ロスは、掲載されている自分のジョークをみんなに見せます。
ト書きの laugh indifferently は「無関心に・冷淡に笑う」という意味。
実際のシーンを見ても、フレンズたちは、バカウケというほどの大爆笑はしておらず、ハハーン、みたいに口だけで笑っている感じです。
indifferent の英英辞典の語義を見てみると、
LAAD では、
indifferent [adjective] : not interested in someone or something, or not having any feelings or opinions about a person, thing, event etc.
つまり、「誰かや何かに興味がない、または人やものや出来事について何の感情も、意見も持っていない」。
まさに英英の語義のような感じで、「ふーん」みたいな無関心さが感じられる笑いだということです。
みんなが一応笑ってあげている、という感じの中、チャンドラーだけが一人、怒った顔をしています。
「俺がそのジョークを考えた時も面白かった」という言い回しから、チャンドラーは「これはロスが作ったんじゃなくて、俺が作ったジョークだ」と主張していることがわかります。
自分のジョークだと主張するチャンドラーは、そのジョークを最初に披露した時の状況を語っています。
職場で(おそらく)同僚のダンにそのジョークを話した時に、それまで聞いた中で最も面白いジョークだって、ダンは言ってくれたんだ、と説明しています。
ロスはそれを聞いても動じる風もなく、ポケットに手を入れて余裕な感じで、「ダンに、ありがと、って言っといて」と言っていますね。
チャンドラーは、「俺が言ったそのジョークを聞いて、ダンは確かにそう言ってくれたんだ!」と主張することで、自分のオリジナル作品であることを訴えているわけですが、ロスは「”僕の”ジョークを、史上最強に面白い、と言って褒めてくれてありがとう、礼を言ってたとダンに伝えといて」みたいに言ってみせて、チャンドラーが何と言おうと、これは僕のジョークだということを一歩も譲らないロスの気持ちがよく出ていますね。
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2012年01月31日
2012年01月27日
それより退屈なことが1つだけある フレンズ6-11その6
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チャンドラー&モニカ、ジョーイ&ジャニーンは、今度こそ仲良くなろうと、また4人で出掛けました。
前はあんな態度を取ってごめんなさい、今日は楽しかったわ、と言うジャニーン。
廊下でさよならして、それぞれが部屋に入ります。
[Cut to Joey and Janine's, they're entering.]
ジョーイとジャニーンの部屋に画面がカット。二人が入ってくる。
ジョーイ: See? Eh, wasn't that fun? (ね? あー、今のは楽しくなかった?[楽しかっただろ?])
ジャニーン: We have got to move! (私たち、引っ越さないといけないわ!)
ジョーイ: What? (何だって?)
モニカ: (bursting in) I knew it! Y'know, you're not so quiet yourself, missy! ([勢いよく部屋に入ってきて] やっぱりね!(わかってたわ!) ほら、あなた自身もそんなに声が静かじゃないわよ、お嬢ちゃん!)
チャンドラー: And I'm blah? Listen, the only thing more boring than watching modern dance is having to listen to you talk about it. (Imitating her) "Oh, Chandler, I just lost myself in the moment." (で、俺がつまらない、だって? ねぇ、モダンダンスを見るよりも、もっと退屈なことが1つだけある。それは君がモダンダンスについて話すのを聞かないといけないことだ。[ジャニーンの口真似をして] 「あー、チャンドラー、その瞬間に夢中になっちゃうのよね。」)
ジャニーン: Y'know, I know you're talking, but all I hear is blah-blah-blah-blah. (ねぇ、あなたが今、話してるってことはわかってる。でも、私に聞こえるのは、ブラブラブラブラ…(何たらかんたら)ってだけよ。)
モニカ: (steps up and points at her) All right, you and me! Let's go, right now! ([一歩前に出て、ジャニーンを指差して] いいわ、あなたと私! 外に出ましょう、今すぐ!)
ジャニーンが楽しかったという顔をしながら別れたので、今度こそ仲良くなれたと思ったジョーイでしたが、やっぱりそれも「演技」だったようです。
have got to = have to で「…しなければいけない」ですね。
アメリカ英語だと、have got to は、got to となり、さらにはそれを gotta と発音する場合が多いですが、ジャニーンはオーストラリア出身(つまり、オージーイングリッシュ)であるため、gotta ではなく、have got to を使っている、ということになるでしょう。
廊下と部屋の中で、態度や言うことがコロっと変わるジャニーンですが、今回はモニカもそれを察していたらしく、廊下から中の話を聞いていたようです。
部屋に乱入してきたモニカたちは、I knew it! と言っていますね。
I knew it. を直訳すると、「私はそれを知っていた、わかっていた」ということですから、「やっぱり、こんなことだろうと思っていた、私には前からわかってた」みたいなニュアンスになります。
I knew は、意味としては「前からわかっていた」ということですから、必ずしも「こんなこったろうと思ってた」みたいな悪い意味ばかりではなく、例えば、I knew you could do it. だと「君はそれができると思ってた」→「それができるなんて、さすがは君だね」という感じの「さすが!」というニュアンスで使うこともできます。
You're not so quiet yourself. は「あなた自身も[あなた本人も]、それほど静かではない」。
モニカのことを「(体が小さいのに)声がデカい」と言ったことに対して、「あんただって、人の声のデカさを非難できるほど、声が小さいわけでもないわよ!」と言っているのですね。
「(モニカたちに耐えられないから)引っ越さないと」と言った声が、廊下まで筒抜けだったわよ、ということです。
missy は「お嬢さん」。ここでは喧嘩の時に相手に挑むような感じで「お嬢ちゃん!」と言うニュアンスになるでしょう。
チャンドラーはここで、、自分のことを blah だと言ったことをジャニーン本人に向かって非難しています。
The only thing more boring than watching modern dance is having to listen to you talk about it. は、主語が長いですが、構造を簡単にすると、
The (only) thing... is having to listen 「…である(唯一の)ことは、聞かなければならないことである」になります。
長い文章であればあるほど、前から順番にイメージしていく必要があります。
唯一のこと→…よりもっと退屈な(こと)→(何より退屈かというと)→モダンダンスを見る・鑑賞すること
ここまでが主語で、そういう「モダンダンスを見るよりももっと退屈な唯一のこと」というのは、それ以下の動名詞 having to listen 「…を聞かなければいけないこと」→何を聞かなければならないかと言うと→君がそれについて話すのを(聞かなければならないこと)、になります。
上の構文解釈では、ちょっと細かくフレーズを切り過ぎた感はありますが、こういう文章を聞き取る時に、「予期すべきこと」は、
1. The only thing で始まっていれば、「唯一のことは…である」というような構文であることを想像する。
2. more が出てきたら、その後に比較の対象である than が出てくる可能性を想像する。
(出てこない場合は、何と比べての比較級なのかをイメージして聞く)。
3. is doing のような is +動名詞、が、主語の「唯一のこと」を説明した、述部「…することである」であると確認する。
などが挙げられるでしょう。
lose oneself in は「…に夢中になる」。
直訳すると、「自分自身を失う」ということですが、日本語でも、何かに夢中になることを「我を忘れる」と言いますから、その感覚は同じですね。
ト書きの通り、チャンドラーはジャニーンの口真似をしていますが、彼女のオージーイングリッシュをわざと特徴的に真似ている感じがします。
モダンダンスを見るのはすごく退屈だけど、ジャニーンがその話をするのを聞くのはさらに退屈だ、と言われたジャニーンも負けていません。
自分がチャンドラーのことを blah と言ったことをさらに強調するように、「あなたは今、何かしゃべってるみたいだけど、私には、blah-blah-blah-blah としか聞こえないわ」みたいに言い返します。
あなたのしゃべってる内容がよくわからない、あなたの話すことなどどうでもいい、という感じの、ブラブラブラ…ですね。
もはや完全な対決状態となったジャニーンとモニカ。
All right, you and me! Let's go, right now! は、「このあなたの部屋じゃなくて、廊下に出て、勝負しましょう!」みたいなノリですね。
人の家で喧嘩するのは気が引けるのか、中立地帯(?)である廊下に出て、勝負をつけようじゃないの、みたいな喧嘩を売るセリフだということですね。
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チャンドラー&モニカ、ジョーイ&ジャニーンは、今度こそ仲良くなろうと、また4人で出掛けました。
前はあんな態度を取ってごめんなさい、今日は楽しかったわ、と言うジャニーン。
廊下でさよならして、それぞれが部屋に入ります。
[Cut to Joey and Janine's, they're entering.]
ジョーイとジャニーンの部屋に画面がカット。二人が入ってくる。
ジョーイ: See? Eh, wasn't that fun? (ね? あー、今のは楽しくなかった?[楽しかっただろ?])
ジャニーン: We have got to move! (私たち、引っ越さないといけないわ!)
ジョーイ: What? (何だって?)
モニカ: (bursting in) I knew it! Y'know, you're not so quiet yourself, missy! ([勢いよく部屋に入ってきて] やっぱりね!(わかってたわ!) ほら、あなた自身もそんなに声が静かじゃないわよ、お嬢ちゃん!)
チャンドラー: And I'm blah? Listen, the only thing more boring than watching modern dance is having to listen to you talk about it. (Imitating her) "Oh, Chandler, I just lost myself in the moment." (で、俺がつまらない、だって? ねぇ、モダンダンスを見るよりも、もっと退屈なことが1つだけある。それは君がモダンダンスについて話すのを聞かないといけないことだ。[ジャニーンの口真似をして] 「あー、チャンドラー、その瞬間に夢中になっちゃうのよね。」)
ジャニーン: Y'know, I know you're talking, but all I hear is blah-blah-blah-blah. (ねぇ、あなたが今、話してるってことはわかってる。でも、私に聞こえるのは、ブラブラブラブラ…(何たらかんたら)ってだけよ。)
モニカ: (steps up and points at her) All right, you and me! Let's go, right now! ([一歩前に出て、ジャニーンを指差して] いいわ、あなたと私! 外に出ましょう、今すぐ!)
ジャニーンが楽しかったという顔をしながら別れたので、今度こそ仲良くなれたと思ったジョーイでしたが、やっぱりそれも「演技」だったようです。
have got to = have to で「…しなければいけない」ですね。
アメリカ英語だと、have got to は、got to となり、さらにはそれを gotta と発音する場合が多いですが、ジャニーンはオーストラリア出身(つまり、オージーイングリッシュ)であるため、gotta ではなく、have got to を使っている、ということになるでしょう。
廊下と部屋の中で、態度や言うことがコロっと変わるジャニーンですが、今回はモニカもそれを察していたらしく、廊下から中の話を聞いていたようです。
部屋に乱入してきたモニカたちは、I knew it! と言っていますね。
I knew it. を直訳すると、「私はそれを知っていた、わかっていた」ということですから、「やっぱり、こんなことだろうと思っていた、私には前からわかってた」みたいなニュアンスになります。
I knew は、意味としては「前からわかっていた」ということですから、必ずしも「こんなこったろうと思ってた」みたいな悪い意味ばかりではなく、例えば、I knew you could do it. だと「君はそれができると思ってた」→「それができるなんて、さすがは君だね」という感じの「さすが!」というニュアンスで使うこともできます。
You're not so quiet yourself. は「あなた自身も[あなた本人も]、それほど静かではない」。
モニカのことを「(体が小さいのに)声がデカい」と言ったことに対して、「あんただって、人の声のデカさを非難できるほど、声が小さいわけでもないわよ!」と言っているのですね。
「(モニカたちに耐えられないから)引っ越さないと」と言った声が、廊下まで筒抜けだったわよ、ということです。
missy は「お嬢さん」。ここでは喧嘩の時に相手に挑むような感じで「お嬢ちゃん!」と言うニュアンスになるでしょう。
チャンドラーはここで、、自分のことを blah だと言ったことをジャニーン本人に向かって非難しています。
The only thing more boring than watching modern dance is having to listen to you talk about it. は、主語が長いですが、構造を簡単にすると、
The (only) thing... is having to listen 「…である(唯一の)ことは、聞かなければならないことである」になります。
長い文章であればあるほど、前から順番にイメージしていく必要があります。
唯一のこと→…よりもっと退屈な(こと)→(何より退屈かというと)→モダンダンスを見る・鑑賞すること
ここまでが主語で、そういう「モダンダンスを見るよりももっと退屈な唯一のこと」というのは、それ以下の動名詞 having to listen 「…を聞かなければいけないこと」→何を聞かなければならないかと言うと→君がそれについて話すのを(聞かなければならないこと)、になります。
上の構文解釈では、ちょっと細かくフレーズを切り過ぎた感はありますが、こういう文章を聞き取る時に、「予期すべきこと」は、
1. The only thing で始まっていれば、「唯一のことは…である」というような構文であることを想像する。
2. more が出てきたら、その後に比較の対象である than が出てくる可能性を想像する。
(出てこない場合は、何と比べての比較級なのかをイメージして聞く)。
3. is doing のような is +動名詞、が、主語の「唯一のこと」を説明した、述部「…することである」であると確認する。
などが挙げられるでしょう。
lose oneself in は「…に夢中になる」。
直訳すると、「自分自身を失う」ということですが、日本語でも、何かに夢中になることを「我を忘れる」と言いますから、その感覚は同じですね。
ト書きの通り、チャンドラーはジャニーンの口真似をしていますが、彼女のオージーイングリッシュをわざと特徴的に真似ている感じがします。
モダンダンスを見るのはすごく退屈だけど、ジャニーンがその話をするのを聞くのはさらに退屈だ、と言われたジャニーンも負けていません。
自分がチャンドラーのことを blah と言ったことをさらに強調するように、「あなたは今、何かしゃべってるみたいだけど、私には、blah-blah-blah-blah としか聞こえないわ」みたいに言い返します。
あなたのしゃべってる内容がよくわからない、あなたの話すことなどどうでもいい、という感じの、ブラブラブラ…ですね。
もはや完全な対決状態となったジャニーンとモニカ。
All right, you and me! Let's go, right now! は、「このあなたの部屋じゃなくて、廊下に出て、勝負しましょう!」みたいなノリですね。
人の家で喧嘩するのは気が引けるのか、中立地帯(?)である廊下に出て、勝負をつけようじゃないの、みたいな喧嘩を売るセリフだということですね。
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2012年01月25日
俺がそのことを知らないとでも? フレンズ6-11その5
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ジャニーンがチャンドラーとモニカを嫌っていることがバレて、二人は怒ってしまうのですが、何とか仲直りしてもらおうと、ジョーイがモニカたちの部屋にやってきます。
4人で一緒に映画に行こうと誘っても、それに応じないモニカを見て、
ジョーイ: Ha-ha, very funny. Look! I don't know what to do. I really want you guys to get along. Just please come to the movie with us. I mean, you owe me! (はは、すっごく面白いね。ほら! 俺はどうしたらいいかわからない。俺は本当に、君らに仲良くして欲しいんだ。ただ俺たちと一緒に映画に行ってくれよ。だって、君らは俺に借りがあるだろ!)
モニカ: We owe you? (私たちがあなたに借りがある、ですって?)
ジョーイ: That's right. I helped you guys out a lot in the start of your relationship. Huh? I helped you guys sneak around for like six months, and I looked like an idiot! And I was humiliated. And I only made 200 dollars! (そうだよ。君らの関係の始まりの頃に、俺は君らをたくさん助けてやったろ? 6か月くらい、君らがこそこそ動き回るのを(こそこそ付き合うのを)俺は助けてやったんだ。で俺は(そのせいで)バカみたいに見えたんだ。それに俺は恥をかいた。で、俺はたったの200ドルしか稼げなかった。)
モニカ: We didn't give you any money! (Chandler is motioning, "No!") (私たちは、あなたに少しもお金なんてあげてないわよ! [チャンドラーは「だめだ!」という身振りをする])
ジョーイ: You don't think I know that? (俺がそのことを知らないとでも思ってるのか?)
4人で映画に行こうと誘っても、いい返事がもらえないので、ジョーイは必死に説得しようとしています。
get along は「仲良くやっていく」というようなニュアンスですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
get along [phrasal verb] : to have a friendly relationship with someone or a group of people
例) Dave and Vince get along really well.
with
例) Rachel doesn't get along with Cyrus at all.
つまり、「誰かや人々のグループとフレンドリーな関係を持つこと」。
例文は、「デイブとヴィンスは非常に仲が良い」「レイチェルはサイラスと全く仲が良くない」。
「俺の彼女ジャニーンと、君らとが、仲良くして欲しいんだ」という希望を述べた後、ジョーイは、切り札を出すかのように、You owe me! 「君らは俺に借りがある!」と言っています。
ジョーイの言う「借り」は、彼自身がその後、説明しているように、チャンドラーとモニカが付き合い始めた頃に、たまたまそのことを知ってしまったジョーイが、他のフレンズたちに気付かれないように二人を助けてあげていたことを指します。
sneak around は「こそこそうろつく」というニュアンスですが、これは、「人に気付かれないように付き合う」様子を指すでしょう。
そういう君らを助けたせいで、俺はバカ(an idiot)みたいに見えたし、恥もかいた、と言っています。
この「バカみたいに見えた、恥をかいた」という部分に該当するシーンはいくつかありますが、特に、フレンズ5-9 での、チャンドラーとモニカが自分たちのエッチを録画しようと設置したビデオを、ジョーイが設置したものと誤解されたり、チャンドラーが持っていたモニカの裸の写真をジョーイのものと誤解されたり…ということが、それをよく表していたと思います。
「俺はお前らのせいで、恥をかいて…」と言った後に、And I only made 200 dollars! と言っています。
make ... dollars は、make money の make と同じで、「金を作る」、つまり「金をもうける、金を稼ぐ」。
ジョーイは、「そして俺はたったの200ドルしか稼げなかった」と言っていることになります。
「私たちの仲を隠すために、あなたが恥をかいたのはわかるとして、私たちはあなたにお金なんて渡してないわよ」とモニカは言うのですが、その隣にいるチャンドラーは、モニカに見えないように、「それは言うな、言っちゃだめだ」みたいに、ジョーイに向かって手を否定のしぐさで振っています。
それがト書きの、Chandler is motioning, "No!" 「チャンドラーは No! の身振りをする」ですね。
チャンドラーが否定の合図を送るのを見て、ジョーイは、You don't think I know that? と言っています。
直訳すると、「俺がそれを知ってるって君らは知らないのか?」みたいなことですが、「それ」とは、その前にモニカが言ったこと、「チャンドラーとモニカはジョーイにお金をあげていないということ」を指します。
つまり、「君らが俺にお金をくれてないことくらい(当然)俺はわかってるさ・知ってるさ、俺がそのことをわかってないとでも思ってるのか?」みたいになるでしょう。
ジョーイは自分で「200ドルしか稼いでない」と言っておきながら、モニカに「お金なんてあげてないわよ」と否定されたので、「もちろん、君らからお金なんてもらってないさ。そんなことわかってるよ。冗談で言ったに決まってるだろ」としらばっくれている、ということなのでしょうね。
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4人で一緒に映画に行こうと誘っても、それに応じないモニカを見て、
ジョーイ: Ha-ha, very funny. Look! I don't know what to do. I really want you guys to get along. Just please come to the movie with us. I mean, you owe me! (はは、すっごく面白いね。ほら! 俺はどうしたらいいかわからない。俺は本当に、君らに仲良くして欲しいんだ。ただ俺たちと一緒に映画に行ってくれよ。だって、君らは俺に借りがあるだろ!)
モニカ: We owe you? (私たちがあなたに借りがある、ですって?)
ジョーイ: That's right. I helped you guys out a lot in the start of your relationship. Huh? I helped you guys sneak around for like six months, and I looked like an idiot! And I was humiliated. And I only made 200 dollars! (そうだよ。君らの関係の始まりの頃に、俺は君らをたくさん助けてやったろ? 6か月くらい、君らがこそこそ動き回るのを(こそこそ付き合うのを)俺は助けてやったんだ。で俺は(そのせいで)バカみたいに見えたんだ。それに俺は恥をかいた。で、俺はたったの200ドルしか稼げなかった。)
モニカ: We didn't give you any money! (Chandler is motioning, "No!") (私たちは、あなたに少しもお金なんてあげてないわよ! [チャンドラーは「だめだ!」という身振りをする])
ジョーイ: You don't think I know that? (俺がそのことを知らないとでも思ってるのか?)
4人で映画に行こうと誘っても、いい返事がもらえないので、ジョーイは必死に説得しようとしています。
get along は「仲良くやっていく」というようなニュアンスですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
get along [phrasal verb] : to have a friendly relationship with someone or a group of people
例) Dave and Vince get along really well.
with
例) Rachel doesn't get along with Cyrus at all.
つまり、「誰かや人々のグループとフレンドリーな関係を持つこと」。
例文は、「デイブとヴィンスは非常に仲が良い」「レイチェルはサイラスと全く仲が良くない」。
「俺の彼女ジャニーンと、君らとが、仲良くして欲しいんだ」という希望を述べた後、ジョーイは、切り札を出すかのように、You owe me! 「君らは俺に借りがある!」と言っています。
ジョーイの言う「借り」は、彼自身がその後、説明しているように、チャンドラーとモニカが付き合い始めた頃に、たまたまそのことを知ってしまったジョーイが、他のフレンズたちに気付かれないように二人を助けてあげていたことを指します。
sneak around は「こそこそうろつく」というニュアンスですが、これは、「人に気付かれないように付き合う」様子を指すでしょう。
そういう君らを助けたせいで、俺はバカ(an idiot)みたいに見えたし、恥もかいた、と言っています。
この「バカみたいに見えた、恥をかいた」という部分に該当するシーンはいくつかありますが、特に、フレンズ5-9 での、チャンドラーとモニカが自分たちのエッチを録画しようと設置したビデオを、ジョーイが設置したものと誤解されたり、チャンドラーが持っていたモニカの裸の写真をジョーイのものと誤解されたり…ということが、それをよく表していたと思います。
「俺はお前らのせいで、恥をかいて…」と言った後に、And I only made 200 dollars! と言っています。
make ... dollars は、make money の make と同じで、「金を作る」、つまり「金をもうける、金を稼ぐ」。
ジョーイは、「そして俺はたったの200ドルしか稼げなかった」と言っていることになります。
「私たちの仲を隠すために、あなたが恥をかいたのはわかるとして、私たちはあなたにお金なんて渡してないわよ」とモニカは言うのですが、その隣にいるチャンドラーは、モニカに見えないように、「それは言うな、言っちゃだめだ」みたいに、ジョーイに向かって手を否定のしぐさで振っています。
それがト書きの、Chandler is motioning, "No!" 「チャンドラーは No! の身振りをする」ですね。
チャンドラーが否定の合図を送るのを見て、ジョーイは、You don't think I know that? と言っています。
直訳すると、「俺がそれを知ってるって君らは知らないのか?」みたいなことですが、「それ」とは、その前にモニカが言ったこと、「チャンドラーとモニカはジョーイにお金をあげていないということ」を指します。
つまり、「君らが俺にお金をくれてないことくらい(当然)俺はわかってるさ・知ってるさ、俺がそのことをわかってないとでも思ってるのか?」みたいになるでしょう。
ジョーイは自分で「200ドルしか稼いでない」と言っておきながら、モニカに「お金なんてあげてないわよ」と否定されたので、「もちろん、君らからお金なんてもらってないさ。そんなことわかってるよ。冗談で言ったに決まってるだろ」としらばっくれている、ということなのでしょうね。
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2012年01月23日
風邪には大食、熱には小食 フレンズ6-11その4
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2晩連続でモニカたちと過ごすのはいや、というジャニーンの意見を聞き入れて、ジョーイはモニカとチャンドラーに、ジャニーンが夕食に参加できないことを伝えます。
ジャニーンはひどい風邪を引いちゃって…とジョーイが説明した直後に、「前からお芝居の予定が入ってたから、ごめんなさいね」と言って元気そうに出て行くジャニーン。
風邪を引いてるようには見えないけど、と不信感いっぱいのチャンドラーたちに対して、
ジョーイ: No, no, she really is sick! (違う、違うよ。ジャニーンは本当に病気なんだ!)
チャンドラー: Then why, why is she going to a play?! (じゃあ、どうして、どうして、彼女は芝居を見に行こうとしてるんだよ?)
ジョーイ: Uh, y'know, "Starve a fever, go to a play for a cold." (あー、ほら、「熱には小食、風邪には観劇」って言うだろ。)
モニカ: Joey! Why is Janine not coming over for dinner? (ジョーイ! どうしてジャニーンは夕食に来ないの?)
ジョーイ: Well, uh, she didn't want to hang out with you guys two nights in a row. I'm so sorry. (うーんと、ジャニーンは2晩連続で君らと過ごしたくなかったんだ。ほんとにごめんよ。)
チャンドラー: Why, why does she not wanna hang out with us? (どうして俺たちと過ごしたくないんだよ?)
ジョーイ: Because she uh, she, she thinks that you are "blah," and, and that you, Monica, are too loud. (それは、ジャニーンがこう思ってるからだ。お前は、つまらなくて、それからモニカは声が大きすぎるって。)
モニカ: (loudly) What?!! (Quietly) What? ([大声で] 何ですって?! [静かに] 何ですって?)
チャンドラー: So she was just pretending to have a good time last night? She was lying to our faces? (それじゃあ、昨日の晩は、楽しい時を過ごしたふりをしていたわけ? 彼女は俺たちに面と向かって嘘をついてたのか?)
モニカ: Ugh, I cannot believe this! I mean, who is she to judge us? We could not have been nicer to her! (あー、こんなことって信じられない! だって、私たちを批判するなんて彼女は一体何様なの? これ以上はないってくらいに、彼女に良くしてあげたのに!)
チャンドラー: And I am not "blah," I am a hoot! (それに俺は「つまらない」なんてことはないぞ。俺は最高に面白いんだ!)
「ジャニーンはひどい風邪なのに、芝居を見に行くなんてどういうことだ?」と問い詰められたジョーイは、 "Starve a fever, go to a play for a cold." という言葉を言っています。
引用符がついていることから、ことわざや格言っぽい言葉として、それを挙げていることが想像できますね。
Google の検索ボックスに、starve a fe... まで入れると、グーグル・サジェスト機能で、feed a cold starve a fever という言葉が候補に出てきました。
それだけで、そういう言い回しが英語に存在するんだな、ということがわかります。
Wiktionary (ウィクショナリー)の語義は以下。
Wiktionary : feed a cold, starve a fever
ウィクショナリーの説明にあるように、proverb 「ことわざ」のようですね。
ウィクショナリーによると意味は、
Eating more will cure the common cold, and eating less will cure a fever.
直訳すると、「より多く食べることが、一般的な風邪を治す、そして、より少なく食べることが熱を治す」。
つまり、「風邪を治すにはたくさん食べ、熱を下げたいならあまり食べるな」みたいなことですね。
ウィクショナリーには、Translations という項目があり、show というボタンをクリックすると、
日本語訳も出てきます。その訳は、
Japanese: 風邪には大食, 熱には絶食
日本語もことわざっぽい言い回しに訳されていますね。
また、The Free Dictionary にも載っていました。
The Free Dictionary : Feed a cold and starve a fever
ネット上の検索で、そういうことわざがあるとわかったので、改めて手持ちの辞書で調べてみると、
研究社 新英和中辞典には、feed の項目で、
Feed a cold and starve a fever. 《諺》 かぜには大食, 熱には小食(がよい)
英辞郎にも、feed の項目に、
・Feed a cold and starve a fever. 《諺》風邪には大食、熱には小食が良い。
と載っていました。
元のことわざがそれだと考えると、ジョーイの言ったセリフは、starve a fever の部分は一緒としても、他の部分は、cold という単語以外は全くと言っていいほど違いますね。前後の順番も逆ですし。
聞いたことのあることわざに、とりあえず go to play を当てはめた、というような「無理やり感」が感じられるセリフだということなのでしょう。
ジャニーンが断った理由を問い正すモニカたち。
「2晩連続で一緒に過ごしたくないから」と言った後、とうとう、「チャンドラーは blah で、モニカは too loud だと思ってるから」という本当の理由を伝えることになります。
ジャニーンが自分たちの悪口を言っていると知ったモニカは、まさにト書きの通り、loudly 「大きな声で」 What?! と叫ぶのですが、そこがまさに欠点だと言われた箇所だと気付いて、今度は静かな声で、What? と言い直しているのが面白いですね。
楽しいと言っていたのに、あれは嘘だったのか?とチャンドラーも言っています。
pretend to は「…であるふりをする」。
lie to somebody は「(人に)嘘を言う、嘘をつく」ですが、今回のセリフは、She was lying to us? 「彼女は俺たちに嘘をついてたの?」ではなく、to our faces になっていますね。
to someone's face は「(人)に面と向かって」という意味になります。
つまり、「俺たちに面と向かって嘘をついてたのか?」という感じですね。
俺たちの前で、にこやかな顔を見せながら、実は嘘をついてたのかよ!という、楽しそうなふりをしていたくせに腹の底ではそんなことを思ってたのか、「よくもまぁぬけぬけと」みたいな怒りが、lie to our faces には出ている気がします。
Who is she to judge us? を直訳すると、「私たちをジャッジする、つまり、(良いか悪いかを)判定する、批判・非難するなんて、彼女は誰?」みたいな感じになるでしょうか?
私たちのことをあれこれ言うなんて、一体自分を何様(なにさま)だと思ってんの?みたいな感じですね。
えらそうに、人のことをあれこれ言える立場なの?みたいな感覚です。
We could not have been nicer to her! を直訳すると、「私たちは、彼女に対して、それ以上ナイスであることはできなかっただろう」みたいな感じ。
つまり、「彼女に対しては、これ以上できない、というくらい、ナイスに接した、よくしてあげた」みたいなことですね。
チャンドラーは、自分が blah だと言われたことに対して、俺は blah じゃなくて、a hoot だと言っています。
hoot (発音は「フート」)の意味としては、まず、「ホー」という「フクロウの鳴き声」という意味があります。
そう言えば、Twitter のクライアントソフトに HootSuite 「フートスイート」というのがありますが、そのソフトのマークには、フクロウの絵が描いてありますよね? (ちなみに私は HootSuite ではなく、TweetDeck を使っていますが…)
それ以外の hoot の意味としては、「面白いこと、面白いもの」という意味もあるようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hoot [noun] [countable] :
1. a shout or laugh that shows you think something is funny or stupid
例) Leary's speech drew hoots from the crowd.
3. be a hoot (spoken) to be very funny or amusing
例) I thought the movie was a hoot.
つまり、1. は「何かが面白い、または愚かだと思うことを示す叫びや笑い」
例文は、「レアリーのスピーチは群衆の叫び声(or笑い)を引き起こした(招いた)」。
3. の be a hoot は、「非常に面白い、または楽しい」。
例文は、「その映画は非常に面白いと思った」。
Macmillan Dictionary では、
hoot : a short loud sound made by people who are laughing or criticizing something
つまり、「笑っている人や何かを批判している人から発せられる短く大きな音」。
オンラインの Macmillan Dictionary の hoot の項目
Macmillan Dictionary : hoot
では、語義の前に♪マークがついていて、それにポインタを当てると、Sound effect: hoot と出ます。
2か所ある♪マークのどちらも同じ音らしく、「ホーホー or フーフー」みたいな「フクロウの声」を聞くことができます。
LAAD やマクミランの語義を見ていると、hoot には「笑い声」と「批判の声(やじ、あざけり)」の両方の意味があるように見えますね。
そのどちらになるかは、文脈から判断せざるを得ない、ということでしょうか?
研究社 新英和中辞典では、
hoot 【名】【C】
I
1 ホー 《フクロウの鳴き声》.
2 ブーブー, ポー 《汽笛・警笛の音》.
II やじる声, あざけり[不賛成]の叫び.
III 《口語》
1 笑い.
2 おかしなこと, こっけいなこと.
IV [否定文で] 《口語》 無価値なもの, 少量
と出ています。
つまり、III で「口語」として「笑い」「おかしなこと、こっけいなこと」と出ていることを考えると、元々は「やじる声、あざけりの叫び」という意味だったのが、現代口語では「おかしなこと」という「笑い」の方面でも使われるようになった、ということかなぁ?と。
be a hoot = be very funny ということだと、チャンドラーが、「俺は blah じゃない!」と言った後に、I'm very funny! と言っても良かったように思いますが、そこをあえて、I am a hoot! と言ったのは、blah も hoot も「擬音語(または擬音語のようなもの)」という共通点があるからかな?と思ったりします。
LAAD のそれぞれの単語の Etymology (Word Origin) 「語源」を見てみると、
hoot : From the sound
blah : From the sound of empty talk
のようにどちらも、「音から来た」という説明がありますね。
ですから、「チャンドラーってつまらない」という意味で、blah という言葉を使ったジャニーンに対して、俺のことを擬音語で表現するなら、ブラーじゃなくて、フートだろ、みたいに、つまり、「同じ”音カテゴリーの言葉”で言うと、こっちだろ!」的な言い方をしたのかなぁ、と思いました。
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2晩連続でモニカたちと過ごすのはいや、というジャニーンの意見を聞き入れて、ジョーイはモニカとチャンドラーに、ジャニーンが夕食に参加できないことを伝えます。
ジャニーンはひどい風邪を引いちゃって…とジョーイが説明した直後に、「前からお芝居の予定が入ってたから、ごめんなさいね」と言って元気そうに出て行くジャニーン。
風邪を引いてるようには見えないけど、と不信感いっぱいのチャンドラーたちに対して、
ジョーイ: No, no, she really is sick! (違う、違うよ。ジャニーンは本当に病気なんだ!)
チャンドラー: Then why, why is she going to a play?! (じゃあ、どうして、どうして、彼女は芝居を見に行こうとしてるんだよ?)
ジョーイ: Uh, y'know, "Starve a fever, go to a play for a cold." (あー、ほら、「熱には小食、風邪には観劇」って言うだろ。)
モニカ: Joey! Why is Janine not coming over for dinner? (ジョーイ! どうしてジャニーンは夕食に来ないの?)
ジョーイ: Well, uh, she didn't want to hang out with you guys two nights in a row. I'm so sorry. (うーんと、ジャニーンは2晩連続で君らと過ごしたくなかったんだ。ほんとにごめんよ。)
チャンドラー: Why, why does she not wanna hang out with us? (どうして俺たちと過ごしたくないんだよ?)
ジョーイ: Because she uh, she, she thinks that you are "blah," and, and that you, Monica, are too loud. (それは、ジャニーンがこう思ってるからだ。お前は、つまらなくて、それからモニカは声が大きすぎるって。)
モニカ: (loudly) What?!! (Quietly) What? ([大声で] 何ですって?! [静かに] 何ですって?)
チャンドラー: So she was just pretending to have a good time last night? She was lying to our faces? (それじゃあ、昨日の晩は、楽しい時を過ごしたふりをしていたわけ? 彼女は俺たちに面と向かって嘘をついてたのか?)
モニカ: Ugh, I cannot believe this! I mean, who is she to judge us? We could not have been nicer to her! (あー、こんなことって信じられない! だって、私たちを批判するなんて彼女は一体何様なの? これ以上はないってくらいに、彼女に良くしてあげたのに!)
チャンドラー: And I am not "blah," I am a hoot! (それに俺は「つまらない」なんてことはないぞ。俺は最高に面白いんだ!)
「ジャニーンはひどい風邪なのに、芝居を見に行くなんてどういうことだ?」と問い詰められたジョーイは、 "Starve a fever, go to a play for a cold." という言葉を言っています。
引用符がついていることから、ことわざや格言っぽい言葉として、それを挙げていることが想像できますね。
Google の検索ボックスに、starve a fe... まで入れると、グーグル・サジェスト機能で、feed a cold starve a fever という言葉が候補に出てきました。
それだけで、そういう言い回しが英語に存在するんだな、ということがわかります。
Wiktionary (ウィクショナリー)の語義は以下。
Wiktionary : feed a cold, starve a fever
ウィクショナリーの説明にあるように、proverb 「ことわざ」のようですね。
ウィクショナリーによると意味は、
Eating more will cure the common cold, and eating less will cure a fever.
直訳すると、「より多く食べることが、一般的な風邪を治す、そして、より少なく食べることが熱を治す」。
つまり、「風邪を治すにはたくさん食べ、熱を下げたいならあまり食べるな」みたいなことですね。
ウィクショナリーには、Translations という項目があり、show というボタンをクリックすると、
日本語訳も出てきます。その訳は、
Japanese: 風邪には大食, 熱には絶食
日本語もことわざっぽい言い回しに訳されていますね。
また、The Free Dictionary にも載っていました。
The Free Dictionary : Feed a cold and starve a fever
ネット上の検索で、そういうことわざがあるとわかったので、改めて手持ちの辞書で調べてみると、
研究社 新英和中辞典には、feed の項目で、
Feed a cold and starve a fever. 《諺》 かぜには大食, 熱には小食(がよい)
英辞郎にも、feed の項目に、
・Feed a cold and starve a fever. 《諺》風邪には大食、熱には小食が良い。
と載っていました。
元のことわざがそれだと考えると、ジョーイの言ったセリフは、starve a fever の部分は一緒としても、他の部分は、cold という単語以外は全くと言っていいほど違いますね。前後の順番も逆ですし。
聞いたことのあることわざに、とりあえず go to play を当てはめた、というような「無理やり感」が感じられるセリフだということなのでしょう。
ジャニーンが断った理由を問い正すモニカたち。
「2晩連続で一緒に過ごしたくないから」と言った後、とうとう、「チャンドラーは blah で、モニカは too loud だと思ってるから」という本当の理由を伝えることになります。
ジャニーンが自分たちの悪口を言っていると知ったモニカは、まさにト書きの通り、loudly 「大きな声で」 What?! と叫ぶのですが、そこがまさに欠点だと言われた箇所だと気付いて、今度は静かな声で、What? と言い直しているのが面白いですね。
楽しいと言っていたのに、あれは嘘だったのか?とチャンドラーも言っています。
pretend to は「…であるふりをする」。
lie to somebody は「(人に)嘘を言う、嘘をつく」ですが、今回のセリフは、She was lying to us? 「彼女は俺たちに嘘をついてたの?」ではなく、to our faces になっていますね。
to someone's face は「(人)に面と向かって」という意味になります。
つまり、「俺たちに面と向かって嘘をついてたのか?」という感じですね。
俺たちの前で、にこやかな顔を見せながら、実は嘘をついてたのかよ!という、楽しそうなふりをしていたくせに腹の底ではそんなことを思ってたのか、「よくもまぁぬけぬけと」みたいな怒りが、lie to our faces には出ている気がします。
Who is she to judge us? を直訳すると、「私たちをジャッジする、つまり、(良いか悪いかを)判定する、批判・非難するなんて、彼女は誰?」みたいな感じになるでしょうか?
私たちのことをあれこれ言うなんて、一体自分を何様(なにさま)だと思ってんの?みたいな感じですね。
えらそうに、人のことをあれこれ言える立場なの?みたいな感覚です。
We could not have been nicer to her! を直訳すると、「私たちは、彼女に対して、それ以上ナイスであることはできなかっただろう」みたいな感じ。
つまり、「彼女に対しては、これ以上できない、というくらい、ナイスに接した、よくしてあげた」みたいなことですね。
チャンドラーは、自分が blah だと言われたことに対して、俺は blah じゃなくて、a hoot だと言っています。
hoot (発音は「フート」)の意味としては、まず、「ホー」という「フクロウの鳴き声」という意味があります。
そう言えば、Twitter のクライアントソフトに HootSuite 「フートスイート」というのがありますが、そのソフトのマークには、フクロウの絵が描いてありますよね? (ちなみに私は HootSuite ではなく、TweetDeck を使っていますが…)
それ以外の hoot の意味としては、「面白いこと、面白いもの」という意味もあるようです。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hoot [noun] [countable] :
1. a shout or laugh that shows you think something is funny or stupid
例) Leary's speech drew hoots from the crowd.
3. be a hoot (spoken) to be very funny or amusing
例) I thought the movie was a hoot.
つまり、1. は「何かが面白い、または愚かだと思うことを示す叫びや笑い」
例文は、「レアリーのスピーチは群衆の叫び声(or笑い)を引き起こした(招いた)」。
3. の be a hoot は、「非常に面白い、または楽しい」。
例文は、「その映画は非常に面白いと思った」。
Macmillan Dictionary では、
hoot : a short loud sound made by people who are laughing or criticizing something
つまり、「笑っている人や何かを批判している人から発せられる短く大きな音」。
オンラインの Macmillan Dictionary の hoot の項目
Macmillan Dictionary : hoot
では、語義の前に♪マークがついていて、それにポインタを当てると、Sound effect: hoot と出ます。
2か所ある♪マークのどちらも同じ音らしく、「ホーホー or フーフー」みたいな「フクロウの声」を聞くことができます。
LAAD やマクミランの語義を見ていると、hoot には「笑い声」と「批判の声(やじ、あざけり)」の両方の意味があるように見えますね。
そのどちらになるかは、文脈から判断せざるを得ない、ということでしょうか?
研究社 新英和中辞典では、
hoot 【名】【C】
I
1 ホー 《フクロウの鳴き声》.
2 ブーブー, ポー 《汽笛・警笛の音》.
II やじる声, あざけり[不賛成]の叫び.
III 《口語》
1 笑い.
2 おかしなこと, こっけいなこと.
IV [否定文で] 《口語》 無価値なもの, 少量
と出ています。
つまり、III で「口語」として「笑い」「おかしなこと、こっけいなこと」と出ていることを考えると、元々は「やじる声、あざけりの叫び」という意味だったのが、現代口語では「おかしなこと」という「笑い」の方面でも使われるようになった、ということかなぁ?と。
be a hoot = be very funny ということだと、チャンドラーが、「俺は blah じゃない!」と言った後に、I'm very funny! と言っても良かったように思いますが、そこをあえて、I am a hoot! と言ったのは、blah も hoot も「擬音語(または擬音語のようなもの)」という共通点があるからかな?と思ったりします。
LAAD のそれぞれの単語の Etymology (Word Origin) 「語源」を見てみると、
hoot : From the sound
blah : From the sound of empty talk
のようにどちらも、「音から来た」という説明がありますね。
ですから、「チャンドラーってつまらない」という意味で、blah という言葉を使ったジャニーンに対して、俺のことを擬音語で表現するなら、ブラーじゃなくて、フートだろ、みたいに、つまり、「同じ”音カテゴリーの言葉”で言うと、こっちだろ!」的な言い方をしたのかなぁ、と思いました。
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2012年01月19日
財布の紐をゆるめる フレンズ6-11その3
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は6位、「にほんブログ村」は7位です。
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レイチェルは、家具・インテリアショップの「ポタリー・バーン」で「薬剤師(薬屋)のテーブル」(an apothecary table)を購入するのですが、同居しているフィービーがそういう「大量生産の家具」が嫌いだと知り、フリーマーケットで買ったと嘘をつきます。
ところが、ロスの部屋に行ってみると、ロスが全く同じ薬剤師のテーブルを買っていたので、レイチェルは大慌て。
フィービーに見つからないように、ロスがポタリー・バーンで買ったシーツを上にかぶせてテーブルを隠します。
その後、フィービーがやって来て…
レイチェル: Ooh, Phoebe's here! Okay, let's turn out all the lights and we'll just watch the movie! (あー、フィービーが来たわ! オッケー、明かりを全部消して、映画を観ましょう!)
フィービー: Okay. Hey. Ooh, cool sheet! (Notices the sheet over the table.) (いいわ。まぁ、素敵なシーツね! [テーブルの上に掛けてあるシーツに気付く])
ロス: Oh, you like it? You wanna know where I got it? (おぉ、気に入った? それをどこで買ったか(手に入れたか)知りたい?)
フィービー: Sure! (もちろん!)
レイチェル: He got it at a flea market! (ロスはそれをフリー・マーケットで買ったのよ!)
フィービー: You bought your sheets at a flea market? Ross, come on, you gotta loosen the purse strings a little. (ロスは自分のシーツを、フリーマーケットで買ったの? ロス、ちょっと、あなたは財布の紐をもう少し緩(ゆる)めないといけないわね。)
ポタリー・バーンで、レイチェルもロスも購入した、an apothecary table 「薬剤師のテーブル」。
ここで、apothecary という単語について解説しておきます。
このエピソードの最初の方のシーンで、このテーブルについて語るセリフがありました。
レイチェル: Monica, look. Look, look, look. Here is that table that I ordered. (Shows her the picture.) (モニカ、見て。見て見て見て。これが私が注文したテーブルよ。[モニカに(ポタリー・バーンのカタログの)写真を見せる])
モニカ: You got it from Pottery Barn? (それをポタリー・バーンで手に入れたの?[買ったの?])
レイチェル: Yeah! It's an apothecary table. Does anyone even know what an apothecary is? (そうよ! apothecary table なの。an apothecary って何かを、知っている人はいる?)
チャンドラー: A pharmacist. (薬剤師。)
レイチェル: "A pharmacist." (Rachel mocks him.) (「薬剤師。」 [レイチェルはチャンドラーの真似をする])
レイチェルが、an apothecary table を買ったのよー!と得意げに言っておきながら、「で、apothecary って何? 誰かその意味を知ってる人、いる?」みたいに尋ねたので、チャンドラーは「そんなことも知らずに買ったのかよ、「薬剤師」のことだよ」と説明してあげたのですが、そのチャンドラーの言い方にどことなく「バカにされたような」印象を受けたのでしょうね。
レイチェルは、チャンドラーのセリフを、いやそうな顔で、大袈裟に真似ています。
「そんなことも知らずに買って、悪うございましたね」みたいな気持ちなのでしょう。
レイチェルも知らなかったように、apothecary という言葉はそれほどメジャーな単語ではないようで、現在で言うところの、pharmacist 「薬剤師」なのですね。
研究社 新英和中辞典では、
apothecary 【名】【C】 《米・英古》 薬屋 《人》(注:もと英国では医療も行なった)
語源:ギリシャ語「貯蔵庫」の意
と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
apothecary [noun] [countable] : someone who mixed and sold medicines in past times
つまり、「昔、薬を調合し、売っていた人」。
ポタリー・バーン嫌いのフィービーに見つからないように、シーツでテーブルを隠した後、フィービーがやってきます。
電気を消して、映画を観ましょう!と言うレイチェルですが、フィービーはテーブルの上のシーツに気付きます。
ちなみに、日本語では「シーツ」と言いますが、英語の場合は、今回のようにテーブルの上に掛けた1枚ものを指す場合には、単数形の sheet になっていることにも注意しましょう。
ロスが得意げに、「それ好き?(気に入った?) どこで買ったか知りたい?」と言うので、話題がポタリー・バーンに移ることを恐れたレイチェルは、「ロスはそのシーツをフリーマーケットで買ったのよ!」と横入りして答えます。
フリーマーケットは、もう「フリマ」と訳されているくらいで、すっかり日本語になっていますが、日本語で言うと、「のみの市」ですね。
flea はいわゆるピョンピョン飛ぶ小さなあの「ノミ」です。
LAAD では、
flea market [noun, countable] : a market, usually in the street, where old or used goods are sold
つまり、「たいていは通りでのマーケット(市場)、そこでは古い物や中古品が売られている」。
レイチェルが「ロスはそのシーツをフリマで手に入れた」と言ったので、フィービーは、You bought your sheets at a flea market? と驚いています。
注目すべきは、ロスやレイチェルが got、つまり、get 「入手する、手に入れる、ゲットする」の過去形を使っているのに対して、フィービーは、bought、つまり、buy 「(お金を出して)買う」の過去形を使っている点です。
何かを買った、と言う場合、「手に入れた」ということを言いたいだけであれば、got を使うことが一般的には多いように思います。
buy/bought だと「”お金を出して、払って”(もの)を買う、購入する」というイメージが強いため、「お金を出して」というところをさほど強調する必要がない場合には、get/got の方が望ましいということでしょう。
ここでフィービーがわざわざ、got ではなく、bought と言っているのは、「ロスは自分のシーツをフリーマーケットで”買った”わけ?」と、「お金を払って購入した」ことに焦点が置かれていることになります。
そのフィービーのセリフからは、「身体に接するような、衛生用品とも言えるシーツを、「古いものや中古品を売っている」フリマであなたは買ったわけ?」というニュアンスが感じられます。
それって、不潔じゃないの、不衛生じゃないの?と言いたいわけでしょう。
その後のセリフ、You gotta loosen the purse strings a little. という表現が、なかなか興味深いです。
直訳すると、「あなたは財布の紐を少し緩(ゆる)めなければいけない」ということになりますが、それは、「財布の紐を緩める」という日本語の表現と全く同じですね。
紐を緩めると、中からお金が出やすくなるわけですから、「そんなにケチケチしないで、もっと大らかにお金を使うべきなんじゃない?」と言っていることになるでしょう。
以下、少々、日本語の慣用表現の話に脱線します。
ちなみに、広辞苑で「財布」の項目を調べると、財布を使った慣用句が6種類載っています。
「財布の口を締める」「財布の尻を押える」「財布の底をはたく」「財布の紐が長い」「財布の紐を頸に懸けるよりは心に掛けよ」「財布の紐をにぎる」
結構、「財布の紐」という言葉が使われている中で、「財布の紐を緩める」は広辞苑には載っていないんですねぇ…何だか、意外なのですが…。
三省堂の新明解国語辞典では、財布の項目の用例として、「財布のひもが堅い」が載っており、以下、慣用句としては、「財布の口を締める」「財布の底をはたく」「財布の紐(ひも)を握る」「財布の紐(ひも)を緩める」が出ています。
意味は、
財布の紐を緩める=むだな金を使う
これらの財布にまつわる日本語表現を見ていて面白いなと思うのは、「財布の紐を緩める」の反対語は、「財布の口を締める」だと言うこと。
意味は、
(広辞苑) むだ金を使わないように気をつける。
(新明解) むだ遣いしないようにする。
「しめる」と「ゆるめる」なんだから、どっちも「紐」にするか、どっちも「口」にするかで統一すればいいものを(笑)、「緩める方は紐」で、「締める方は口」なんですね。
口を締めるの「口」は、いわゆる「がま口(がまぐち)」財布のイメージなのでしょう。
…では、「紐」は?
Wikipedia 日本語版: 財布 の中で、「紐」に関係しそうな部分を見てみると…。
欧米では17世紀に紙幣が登場するのと時を合わせて登場した。それ以前は紐付きの小さな袋が硬貨をいれて財布として使われていた。
日本では江戸時代に、藩紙が使われるようになって広まり、懐紙入れの技術を応用して作られた。紙幣が流通する以前は、中央に穴があけられた硬貨が使われており、穴に紐を通して持ち運ばれていた。
ウィキペディアの記述を参考にすると、欧米の昔の財布は、「紐付きの小さな袋」、つまり、巾着袋みたいなものだったので、紐とはその巾着袋の口の紐を指すようです。
日本の場合は、「穴に紐を通して」、つまり、上の記述は銭形平次みたいなイメージを彷彿とさせますね。
ただ、そういう銭形平次みたいなお金の穴に通した紐のイメージだとすると、「財布の紐」と言うよりは、「金(かね)の紐、銭の紐」って感じですよね。
私はあまり時代劇には詳しくないのですが、日本の時代劇で懐(ふところ)から出した財布って、折り畳んだ後、紐みたいなものでクルクル巻いていたような気がするのですが…。
もしそういう形状だったとすると、「財布の紐」は「布製の財布をくるくる巻く紐」ってことでいいのかなぁ??
もはや英語の話ではなくなっていますが、とにかく日英どちらも、財布の紐、the purse strings のように、同じ表現が使われているところが、私的には「すごく面白い」と思ったわけです。
the purse srtings というフレーズは、ちゃんと LAAD にも載っています。
hold/control the purse strings : to control the money in a family, company etc.
tighten/loosen the purse strings : to allow more or less of a family's, company's etc. money to be spent
つまり、hold/control the purse strings は、「家庭、または会社の金をコントロールすること」。
tighten/loosen the purse strings は、「家庭、または会社の金を、多かれ少なかれ使うことを許すこと」。
ということで、まさに日本語に直訳した通りの意味で、「フリマでシーツを買うなんて。あなた、そこまでケチケチしないで、もっと財布の紐を緩めないとだめよ」とフィービーは忠告していることになるわけです。
本当はポタリー・バーンで買った新品なのに、フリマの中古品のように言われてムッとしているロスには同情しちゃいますね。
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レイチェルは、家具・インテリアショップの「ポタリー・バーン」で「薬剤師(薬屋)のテーブル」(an apothecary table)を購入するのですが、同居しているフィービーがそういう「大量生産の家具」が嫌いだと知り、フリーマーケットで買ったと嘘をつきます。
ところが、ロスの部屋に行ってみると、ロスが全く同じ薬剤師のテーブルを買っていたので、レイチェルは大慌て。
フィービーに見つからないように、ロスがポタリー・バーンで買ったシーツを上にかぶせてテーブルを隠します。
その後、フィービーがやって来て…
レイチェル: Ooh, Phoebe's here! Okay, let's turn out all the lights and we'll just watch the movie! (あー、フィービーが来たわ! オッケー、明かりを全部消して、映画を観ましょう!)
フィービー: Okay. Hey. Ooh, cool sheet! (Notices the sheet over the table.) (いいわ。まぁ、素敵なシーツね! [テーブルの上に掛けてあるシーツに気付く])
ロス: Oh, you like it? You wanna know where I got it? (おぉ、気に入った? それをどこで買ったか(手に入れたか)知りたい?)
フィービー: Sure! (もちろん!)
レイチェル: He got it at a flea market! (ロスはそれをフリー・マーケットで買ったのよ!)
フィービー: You bought your sheets at a flea market? Ross, come on, you gotta loosen the purse strings a little. (ロスは自分のシーツを、フリーマーケットで買ったの? ロス、ちょっと、あなたは財布の紐をもう少し緩(ゆる)めないといけないわね。)
ポタリー・バーンで、レイチェルもロスも購入した、an apothecary table 「薬剤師のテーブル」。
ここで、apothecary という単語について解説しておきます。
このエピソードの最初の方のシーンで、このテーブルについて語るセリフがありました。
レイチェル: Monica, look. Look, look, look. Here is that table that I ordered. (Shows her the picture.) (モニカ、見て。見て見て見て。これが私が注文したテーブルよ。[モニカに(ポタリー・バーンのカタログの)写真を見せる])
モニカ: You got it from Pottery Barn? (それをポタリー・バーンで手に入れたの?[買ったの?])
レイチェル: Yeah! It's an apothecary table. Does anyone even know what an apothecary is? (そうよ! apothecary table なの。an apothecary って何かを、知っている人はいる?)
チャンドラー: A pharmacist. (薬剤師。)
レイチェル: "A pharmacist." (Rachel mocks him.) (「薬剤師。」 [レイチェルはチャンドラーの真似をする])
レイチェルが、an apothecary table を買ったのよー!と得意げに言っておきながら、「で、apothecary って何? 誰かその意味を知ってる人、いる?」みたいに尋ねたので、チャンドラーは「そんなことも知らずに買ったのかよ、「薬剤師」のことだよ」と説明してあげたのですが、そのチャンドラーの言い方にどことなく「バカにされたような」印象を受けたのでしょうね。
レイチェルは、チャンドラーのセリフを、いやそうな顔で、大袈裟に真似ています。
「そんなことも知らずに買って、悪うございましたね」みたいな気持ちなのでしょう。
レイチェルも知らなかったように、apothecary という言葉はそれほどメジャーな単語ではないようで、現在で言うところの、pharmacist 「薬剤師」なのですね。
研究社 新英和中辞典では、
apothecary 【名】【C】 《米・英古》 薬屋 《人》(注:もと英国では医療も行なった)
語源:ギリシャ語「貯蔵庫」の意
と出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
apothecary [noun] [countable] : someone who mixed and sold medicines in past times
つまり、「昔、薬を調合し、売っていた人」。
ポタリー・バーン嫌いのフィービーに見つからないように、シーツでテーブルを隠した後、フィービーがやってきます。
電気を消して、映画を観ましょう!と言うレイチェルですが、フィービーはテーブルの上のシーツに気付きます。
ちなみに、日本語では「シーツ」と言いますが、英語の場合は、今回のようにテーブルの上に掛けた1枚ものを指す場合には、単数形の sheet になっていることにも注意しましょう。
ロスが得意げに、「それ好き?(気に入った?) どこで買ったか知りたい?」と言うので、話題がポタリー・バーンに移ることを恐れたレイチェルは、「ロスはそのシーツをフリーマーケットで買ったのよ!」と横入りして答えます。
フリーマーケットは、もう「フリマ」と訳されているくらいで、すっかり日本語になっていますが、日本語で言うと、「のみの市」ですね。
flea はいわゆるピョンピョン飛ぶ小さなあの「ノミ」です。
LAAD では、
flea market [noun, countable] : a market, usually in the street, where old or used goods are sold
つまり、「たいていは通りでのマーケット(市場)、そこでは古い物や中古品が売られている」。
レイチェルが「ロスはそのシーツをフリマで手に入れた」と言ったので、フィービーは、You bought your sheets at a flea market? と驚いています。
注目すべきは、ロスやレイチェルが got、つまり、get 「入手する、手に入れる、ゲットする」の過去形を使っているのに対して、フィービーは、bought、つまり、buy 「(お金を出して)買う」の過去形を使っている点です。
何かを買った、と言う場合、「手に入れた」ということを言いたいだけであれば、got を使うことが一般的には多いように思います。
buy/bought だと「”お金を出して、払って”(もの)を買う、購入する」というイメージが強いため、「お金を出して」というところをさほど強調する必要がない場合には、get/got の方が望ましいということでしょう。
ここでフィービーがわざわざ、got ではなく、bought と言っているのは、「ロスは自分のシーツをフリーマーケットで”買った”わけ?」と、「お金を払って購入した」ことに焦点が置かれていることになります。
そのフィービーのセリフからは、「身体に接するような、衛生用品とも言えるシーツを、「古いものや中古品を売っている」フリマであなたは買ったわけ?」というニュアンスが感じられます。
それって、不潔じゃないの、不衛生じゃないの?と言いたいわけでしょう。
その後のセリフ、You gotta loosen the purse strings a little. という表現が、なかなか興味深いです。
直訳すると、「あなたは財布の紐を少し緩(ゆる)めなければいけない」ということになりますが、それは、「財布の紐を緩める」という日本語の表現と全く同じですね。
紐を緩めると、中からお金が出やすくなるわけですから、「そんなにケチケチしないで、もっと大らかにお金を使うべきなんじゃない?」と言っていることになるでしょう。
以下、少々、日本語の慣用表現の話に脱線します。
ちなみに、広辞苑で「財布」の項目を調べると、財布を使った慣用句が6種類載っています。
「財布の口を締める」「財布の尻を押える」「財布の底をはたく」「財布の紐が長い」「財布の紐を頸に懸けるよりは心に掛けよ」「財布の紐をにぎる」
結構、「財布の紐」という言葉が使われている中で、「財布の紐を緩める」は広辞苑には載っていないんですねぇ…何だか、意外なのですが…。
三省堂の新明解国語辞典では、財布の項目の用例として、「財布のひもが堅い」が載っており、以下、慣用句としては、「財布の口を締める」「財布の底をはたく」「財布の紐(ひも)を握る」「財布の紐(ひも)を緩める」が出ています。
意味は、
財布の紐を緩める=むだな金を使う
これらの財布にまつわる日本語表現を見ていて面白いなと思うのは、「財布の紐を緩める」の反対語は、「財布の口を締める」だと言うこと。
意味は、
(広辞苑) むだ金を使わないように気をつける。
(新明解) むだ遣いしないようにする。
「しめる」と「ゆるめる」なんだから、どっちも「紐」にするか、どっちも「口」にするかで統一すればいいものを(笑)、「緩める方は紐」で、「締める方は口」なんですね。
口を締めるの「口」は、いわゆる「がま口(がまぐち)」財布のイメージなのでしょう。
…では、「紐」は?
Wikipedia 日本語版: 財布 の中で、「紐」に関係しそうな部分を見てみると…。
欧米では17世紀に紙幣が登場するのと時を合わせて登場した。それ以前は紐付きの小さな袋が硬貨をいれて財布として使われていた。
日本では江戸時代に、藩紙が使われるようになって広まり、懐紙入れの技術を応用して作られた。紙幣が流通する以前は、中央に穴があけられた硬貨が使われており、穴に紐を通して持ち運ばれていた。
ウィキペディアの記述を参考にすると、欧米の昔の財布は、「紐付きの小さな袋」、つまり、巾着袋みたいなものだったので、紐とはその巾着袋の口の紐を指すようです。
日本の場合は、「穴に紐を通して」、つまり、上の記述は銭形平次みたいなイメージを彷彿とさせますね。
ただ、そういう銭形平次みたいなお金の穴に通した紐のイメージだとすると、「財布の紐」と言うよりは、「金(かね)の紐、銭の紐」って感じですよね。
私はあまり時代劇には詳しくないのですが、日本の時代劇で懐(ふところ)から出した財布って、折り畳んだ後、紐みたいなものでクルクル巻いていたような気がするのですが…。
もしそういう形状だったとすると、「財布の紐」は「布製の財布をくるくる巻く紐」ってことでいいのかなぁ??
もはや英語の話ではなくなっていますが、とにかく日英どちらも、財布の紐、the purse strings のように、同じ表現が使われているところが、私的には「すごく面白い」と思ったわけです。
the purse srtings というフレーズは、ちゃんと LAAD にも載っています。
hold/control the purse strings : to control the money in a family, company etc.
tighten/loosen the purse strings : to allow more or less of a family's, company's etc. money to be spent
つまり、hold/control the purse strings は、「家庭、または会社の金をコントロールすること」。
tighten/loosen the purse strings は、「家庭、または会社の金を、多かれ少なかれ使うことを許すこと」。
ということで、まさに日本語に直訳した通りの意味で、「フリマでシーツを買うなんて。あなた、そこまでケチケチしないで、もっと財布の紐を緩めないとだめよ」とフィービーは忠告していることになるわけです。
本当はポタリー・バーンで買った新品なのに、フリマの中古品のように言われてムッとしているロスには同情しちゃいますね。
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2012年01月13日
小柄な人にしては声がデカい フレンズ6-11その2
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ジョーイとジャニーンがカップルになったことで、やっとダブルデートができる!と大喜びのモニカとチャンドラー。
そのダブルデートから帰った後、廊下では「今夜は楽しかった、明日も楽しみ!」と言っていたジャニーンでしたが…。
[Cut to Joey and Janine's.]
ジョーイとジャニーンの部屋に場面がカットする。
ジャニーン: How are we gonna get out of that one? (どうやって、今の件(明日の約束)から抜け出したらいいの?)
ジョーイ: What? (何だって?)
ジャニーン: I can't handle two nights in a row with them. (あの人たちと一緒の夜を2晩連続なんて私にはできないわ。)
ジョーイ: What, what's wrong with Monica and Chandler? (モニカとチャンドラーの何がいけないんだよ?)
ジャニーン: I don't know, they're just a little... blah! (よくわからないけど、あの人たちはちょっと…つまらないわ!)
ジョーイ: Blah? (つまらない?)
ジャニーン: Well, y'know, he's blah. She's just.... She's very loud for such a small person. (そうねぇ、ほら、チャンドラーはつまらないし。モニカは… モニカはすっごく声が大きいの、あんなに小柄な人にしてはね。)
ジョーイ: Uh, they're, like, my best friends. Are you saying we can't hang out with them? 'Cause that'd be kind of a problem. (あー、あの二人は、俺の親友なんだよ。俺たちはあいつらと一緒に過ごせないって君は言ってるわけ? だって、それってちょっと問題だぞ。)
ジャニーン: No! Of course we can still hang out with them. Just y'know, not two nights in a row. Okay? (違うわ! もちろん、それでも、彼らと一緒に過ごすことはできるわよ。ただ、2晩連続は無理なの? いい?)
ジョーイ: I guess. (まあね。)
ジャニーン: Thank you. (They kiss.) (ありがとう。[二人はキスする])
ジョーイ: If you want, I'll sell my friends and use the money to buy you presents. (君が望むなら、俺の友達を売って、君へプレゼントを買うためにその金を使うよ。)
廊下ではダブルデートを楽しんだように言っていたジャニーンでしたが、部屋に入るなり、「さっきの話からどうやって抜け出せばいいの?」みたいに言っています。
モニカが「明日の夜、パスタを作るから、うちに来て」と言われたことから、どうやって逃れたらいいの?ということですね。
つまりそのセリフで、嬉しそうに約束をオッケーしていたジャニーンは、実はそれに参加したくないと思っていることがわかります。
can't handle は「対処できない」という感覚。
row は「列」という意味なので、in a row は「列をなして」、そこから、「連続して、続けて」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
in a row : used to say that the same thing happens or is done a number of times, one after the other
例) They won six times in a row.
つまり、「何度も相次いで、同じことが起こる、または同じことがなされることを言うために用いられる」。
例文は、「彼らは6回連続で勝った(6連勝した)。」
ジャニーンのセリフを直訳すると、「モニカたちと一緒の連続2晩には対処できない」ということなので、「2晩連続でモニカたちと過ごすことはできない、私にはムリ」と言っていることになります。
ジョーイが驚いた様子で、「二人のどこがいけないの?」と尋ねると、ジャニーンは「わからないわ」と言いながらも、理由を述べていますね。
blah は「つまらない、おもしろくない」。
これまでのフレンズでも、「何とかかんとか」みたいに、重要な意味のない言葉やつまらない事柄を blah-blah-blah と表現したセリフが何度も出てきましたね。
そのblah が単独の形容詞で使われているのが、今回のセリフになります。
LAAD では、
blah : [adjective] (spoken) : not having an interesting taste, appearance, character etc.
つまり、「興味深い味(風味・趣)や、様子や、特徴(個性)を持っていないこと」。
She's very loud for such a small person. の for は「…にしては」というニュアンス。
「あんなに小さい(小柄な)人にしては、すっごく声が大きい」という感覚ですね。
研究社 新英和中辞典には、以下のように出ています。
for (前置詞)=[基準を表わして] …としては、 …の割には
He's young for his age. 彼は年の割には若い。
上の例文の He's young for his age. が、この for の感覚を一番わかりやすく表している気がします。
ジャニーンを演じるエル・マクファーソンは、183cm(6フィート)(さすがはスーパーモデル!)、それに対してモニカ役のコートニー・コックスは 165cm(5フィート5インチ)なので、確かに、エルからモニカを見れば、such a small person と言いたくなるのでしょう。
ジョーイは、Are you saying...? を使って、「君は…だと言ってるの? …だと言うつもり?」と相手の真意を問い正しています。
チャンドラーは面白くない、モニカは声がデカい、って文句を言ってるけど、それってつまりは、俺たちは4人で過ごせないってこと? そう言いたいの?という感じですね。
ジャニーンはそれを否定して、still、つまり、あの二人についていやに感じる部分はあるけれど、「それでも、今でも」、彼らと一緒に過ごすことはできる、と言っています。
Just y'know, not two nights in a row. は、It's just that we can't hang out with them two nights in a row. ということですね。
「一緒に遊ぶことは可能だけど、ただ、2晩連続っていうのはムリってだけなのよ」みたいなことです。
I guess. と返事したジョーイは、あまり納得していない様子でしたが、ジャニーンとキスした後は、親友の大切さを強調していたことなど忘れたかのように、「あんな友達は売っ払っちゃって、その金で君にプレゼントを買おうか」みたいに言っています。
ジャニーンとこうしてラブラブでいられるのなら、親友の問題なんかどうでもいっか、みたいになってしまっているのが、何ともジョーイらしいですね。
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そのダブルデートから帰った後、廊下では「今夜は楽しかった、明日も楽しみ!」と言っていたジャニーンでしたが…。
[Cut to Joey and Janine's.]
ジョーイとジャニーンの部屋に場面がカットする。
ジャニーン: How are we gonna get out of that one? (どうやって、今の件(明日の約束)から抜け出したらいいの?)
ジョーイ: What? (何だって?)
ジャニーン: I can't handle two nights in a row with them. (あの人たちと一緒の夜を2晩連続なんて私にはできないわ。)
ジョーイ: What, what's wrong with Monica and Chandler? (モニカとチャンドラーの何がいけないんだよ?)
ジャニーン: I don't know, they're just a little... blah! (よくわからないけど、あの人たちはちょっと…つまらないわ!)
ジョーイ: Blah? (つまらない?)
ジャニーン: Well, y'know, he's blah. She's just.... She's very loud for such a small person. (そうねぇ、ほら、チャンドラーはつまらないし。モニカは… モニカはすっごく声が大きいの、あんなに小柄な人にしてはね。)
ジョーイ: Uh, they're, like, my best friends. Are you saying we can't hang out with them? 'Cause that'd be kind of a problem. (あー、あの二人は、俺の親友なんだよ。俺たちはあいつらと一緒に過ごせないって君は言ってるわけ? だって、それってちょっと問題だぞ。)
ジャニーン: No! Of course we can still hang out with them. Just y'know, not two nights in a row. Okay? (違うわ! もちろん、それでも、彼らと一緒に過ごすことはできるわよ。ただ、2晩連続は無理なの? いい?)
ジョーイ: I guess. (まあね。)
ジャニーン: Thank you. (They kiss.) (ありがとう。[二人はキスする])
ジョーイ: If you want, I'll sell my friends and use the money to buy you presents. (君が望むなら、俺の友達を売って、君へプレゼントを買うためにその金を使うよ。)
廊下ではダブルデートを楽しんだように言っていたジャニーンでしたが、部屋に入るなり、「さっきの話からどうやって抜け出せばいいの?」みたいに言っています。
モニカが「明日の夜、パスタを作るから、うちに来て」と言われたことから、どうやって逃れたらいいの?ということですね。
つまりそのセリフで、嬉しそうに約束をオッケーしていたジャニーンは、実はそれに参加したくないと思っていることがわかります。
can't handle は「対処できない」という感覚。
row は「列」という意味なので、in a row は「列をなして」、そこから、「連続して、続けて」という意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
in a row : used to say that the same thing happens or is done a number of times, one after the other
例) They won six times in a row.
つまり、「何度も相次いで、同じことが起こる、または同じことがなされることを言うために用いられる」。
例文は、「彼らは6回連続で勝った(6連勝した)。」
ジャニーンのセリフを直訳すると、「モニカたちと一緒の連続2晩には対処できない」ということなので、「2晩連続でモニカたちと過ごすことはできない、私にはムリ」と言っていることになります。
ジョーイが驚いた様子で、「二人のどこがいけないの?」と尋ねると、ジャニーンは「わからないわ」と言いながらも、理由を述べていますね。
blah は「つまらない、おもしろくない」。
これまでのフレンズでも、「何とかかんとか」みたいに、重要な意味のない言葉やつまらない事柄を blah-blah-blah と表現したセリフが何度も出てきましたね。
そのblah が単独の形容詞で使われているのが、今回のセリフになります。
LAAD では、
blah : [adjective] (spoken) : not having an interesting taste, appearance, character etc.
つまり、「興味深い味(風味・趣)や、様子や、特徴(個性)を持っていないこと」。
She's very loud for such a small person. の for は「…にしては」というニュアンス。
「あんなに小さい(小柄な)人にしては、すっごく声が大きい」という感覚ですね。
研究社 新英和中辞典には、以下のように出ています。
for (前置詞)=[基準を表わして] …としては、 …の割には
He's young for his age. 彼は年の割には若い。
上の例文の He's young for his age. が、この for の感覚を一番わかりやすく表している気がします。
ジャニーンを演じるエル・マクファーソンは、183cm(6フィート)(さすがはスーパーモデル!)、それに対してモニカ役のコートニー・コックスは 165cm(5フィート5インチ)なので、確かに、エルからモニカを見れば、such a small person と言いたくなるのでしょう。
ジョーイは、Are you saying...? を使って、「君は…だと言ってるの? …だと言うつもり?」と相手の真意を問い正しています。
チャンドラーは面白くない、モニカは声がデカい、って文句を言ってるけど、それってつまりは、俺たちは4人で過ごせないってこと? そう言いたいの?という感じですね。
ジャニーンはそれを否定して、still、つまり、あの二人についていやに感じる部分はあるけれど、「それでも、今でも」、彼らと一緒に過ごすことはできる、と言っています。
Just y'know, not two nights in a row. は、It's just that we can't hang out with them two nights in a row. ということですね。
「一緒に遊ぶことは可能だけど、ただ、2晩連続っていうのはムリってだけなのよ」みたいなことです。
I guess. と返事したジョーイは、あまり納得していない様子でしたが、ジャニーンとキスした後は、親友の大切さを強調していたことなど忘れたかのように、「あんな友達は売っ払っちゃって、その金で君にプレゼントを買おうか」みたいに言っています。
ジャニーンとこうしてラブラブでいられるのなら、親友の問題なんかどうでもいっか、みたいになってしまっているのが、何ともジョーイらしいですね。
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2012年01月10日
彼女は俺のママより上手 フレンズ6-11その1
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シーズン6 第11話
The One With The Apothecary Table (対決! モニカ対ジャニーン)
原題は「薬剤師のテーブルの話」
前回のエピソードの終わりで、ジャニーンは自分からジョーイにキスをし、今回のエピソードではすっかりラブラブ状態になっています。
セントラルパークで、ジャニーンがジョーイにキスをして出て行った後、
ジョーイ: Have you kissed her yet? It's awesome! I could do it forever! Y'know what? She, she kisses better than my mom cooks! (ジャニーンとキスしたことある? すごいんだぜ! 永久にキスできちゃうよ! ほら、彼女のキスは上手なんだぜ、俺のママの料理よりも!)
モニカ: I am so glad you said "cooks." (良かったわぁ、あなたが「料理」って言って。)
レイチェル: I know. (そうね。)
チャンドラー: (entering) Oh hey Rachel, sweetheart? You have got to tell the post office that you've moved, okay? We are still getting all your bills and stuff. (Hands her all of her bills and stuff.) ([入ってきて] やあ、レイチェル、ハニー。君が引っ越したって郵便局に言わないといけないよ、だろ? 俺たちはいまだに君の請求書とかそういうものを全部受け取ってるんだ。[レイチェルに、請求書などを手渡す])
レイチェル: Oh-oh, Pottery Barn! (Grabs the aforementioned catalog and holds the rest back out to Chandler.) You can throw the rest away. (あぁ、ポタリー・バーンだわ! [前述のカタログを掴んで、残りはチャンドラーに差し出す] 残りは捨てちゃっていいわ。)
チャンドラー: I'm not your garbage man. I'm your mailman. (俺は君のゴミ屋さんじゃないぞ。俺は君の郵便屋さんだ。)
ジャニーンとラブラブのジョーイは、ジャニーンと何度もキスをした後、モニカたちに「ジャニーンとキスしたことある? もうすごいんだぜ!」と言っています。
awesome の元々の意味は、「畏怖の念を抱かせる、荘厳(そうごん)な」。
それが現代口語では、「すごい、素晴らしい」というような意味で使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
awesome [adjective] :
1. extremely impressive, serious, or difficult, so that you feel great admiration, worry, or fear
2. (slang) very good
つまり、1. は、「極度に印象的、深刻、または難しくて、大いなる感嘆、心配、恐怖を感じること」。2. は、「(俗語) 非常に良い」。
I could do it forever! は、I could kiss her forever! ということで、could は「しようと思えばできる」というニュアンス。
ですから、「彼女にキスしてようと思ったら、永遠にキスできる、それくらい、彼女とのキスは素敵なんだよ」みたいなことですね。
She kisses better than my mom cooks! について。
彼女のキスの良さ(どのくらい good か)ということを、better という比較級を使って表現していますが、その「良さ」の比較の対象になっているのが、my mom cooks です。
彼女がキスするのは、俺のママが料理するのより、better だと言っているわけです。
つまり、動詞(動作の内容)が異なる比較なわけですが、それを聞いて、モニカが、「あなたが cooks と言ってくれて良かったわ」と言うのが面白いですね。
She kisses better than my mom. のように、最後が動詞なしで終わっていたとしたら、my mom の次に省略されている動詞は kisses になってしまうので、「ママのキスより、ジャニーンのキスの方がいい」と言ったことになってしまいます。
つまり、「キスの良さ」の話において、ママのキスとジャニーンのキスを比較していることになり、恋人のキスと母親のキスを比較するつもり?!みたいに、ドン引きしてしまいそうになりますね。
ですから、ジョーイが my mom の後に、cooks という動詞をつけたことに対して、比較の対象を「ママが料理するより、ママの料理より」と言ってくれてホッとしたわ、というのが、モニカたちの正直な気持ちだったということです。
これまでのエピソードを振り返ってみても、フレンズ1-6 では「ママなら俺の尻を見分けられる」という発言がありましたし、フレンズ1-11 では、チャンドラーのママ、ノーラ・ビングをセクシーだと言ったロスに対して、「じゃあ、俺のママはセクシーじゃないっていうのか?」と激怒してみたりと、ジョーイのママに対する思い入れはかなりのものであることがわかります。
そういうことを考えると、ジョーイがジャニーンとのロマンティックなキスを、「ママのキス」と比較してもおかしくないかも…という思いがあるために、モニカはこんなことを言ったのでしょうね。
「あー、良かった。ママのキスより…って言うのかと思っちゃった」みたいな感じです。
セントラルパークにチャンドラーが入ってきて、レイチェルに「引っ越したことを郵便局に言わないとだめだよ」と言っています。
チャンドラーとモニカが同居することにしたために、レイチェルはモニカの部屋からフィービーの部屋に引っ越したわけですが、その転居届を郵便局に出していないために、まだレイチェル宛の郵便物がこんなに届いちゃうんだ、ということですね。
たくさんの郵便物を渡されたレイチェルは、その中のポタリー・バーンのカタログだけを受け取り、残りはチャンドラーに突き返しています。
ちなみに、ポタリー・バーン(Pottery Barn)は、家具・インテリアショップ。
公式サイトはこちら。
Home Furnishings, Home Decor, Outdoor Furniture & Modern Furniture : Pottery Barn
ウィキペディアはこちら。
Wikipedia 英語版: Pottery Barn
上のウィキペディアの Appearances in popular culture でも、今回のフレンズエピソードのことが言及されています。
「残りはあなたが捨てていいわ、捨ててくれちゃっていいわ」みたいに言われたチャンドラーは、郵便物を届けさせられた上に、要らないものの処分まで任されてしまったことにカチンと来たようで、「俺は君のゴミ屋さんじゃないよ」と言っています。
ちょっと男っぽく強気な感じで、「俺は君のゴミ処理人じゃない、そんなことを俺に頼むのはやめてくれ!」みたいに言ってみたわけですが、その後、「(ゴミ屋じゃなくて)俺は君の郵便屋だよ」と弱気に付け足すのが、チャンドラーらしいです。
「ゴミ処理なんかごめんだよ!」とキツく言った後に、「でも、郵便物は届けてあげたから、君のメイルマンにはなってるわけだけど」とか、「まぁ、これからも、うちに来た郵便物は君に届けてやってもいいけどさ」みたいに、自分の強気な発言にレイチェルがムッとしないように、フォローしている感じですね。
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シーズン6 第11話
The One With The Apothecary Table (対決! モニカ対ジャニーン)
原題は「薬剤師のテーブルの話」
前回のエピソードの終わりで、ジャニーンは自分からジョーイにキスをし、今回のエピソードではすっかりラブラブ状態になっています。
セントラルパークで、ジャニーンがジョーイにキスをして出て行った後、
ジョーイ: Have you kissed her yet? It's awesome! I could do it forever! Y'know what? She, she kisses better than my mom cooks! (ジャニーンとキスしたことある? すごいんだぜ! 永久にキスできちゃうよ! ほら、彼女のキスは上手なんだぜ、俺のママの料理よりも!)
モニカ: I am so glad you said "cooks." (良かったわぁ、あなたが「料理」って言って。)
レイチェル: I know. (そうね。)
チャンドラー: (entering) Oh hey Rachel, sweetheart? You have got to tell the post office that you've moved, okay? We are still getting all your bills and stuff. (Hands her all of her bills and stuff.) ([入ってきて] やあ、レイチェル、ハニー。君が引っ越したって郵便局に言わないといけないよ、だろ? 俺たちはいまだに君の請求書とかそういうものを全部受け取ってるんだ。[レイチェルに、請求書などを手渡す])
レイチェル: Oh-oh, Pottery Barn! (Grabs the aforementioned catalog and holds the rest back out to Chandler.) You can throw the rest away. (あぁ、ポタリー・バーンだわ! [前述のカタログを掴んで、残りはチャンドラーに差し出す] 残りは捨てちゃっていいわ。)
チャンドラー: I'm not your garbage man. I'm your mailman. (俺は君のゴミ屋さんじゃないぞ。俺は君の郵便屋さんだ。)
ジャニーンとラブラブのジョーイは、ジャニーンと何度もキスをした後、モニカたちに「ジャニーンとキスしたことある? もうすごいんだぜ!」と言っています。
awesome の元々の意味は、「畏怖の念を抱かせる、荘厳(そうごん)な」。
それが現代口語では、「すごい、素晴らしい」というような意味で使われます。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
awesome [adjective] :
1. extremely impressive, serious, or difficult, so that you feel great admiration, worry, or fear
2. (slang) very good
つまり、1. は、「極度に印象的、深刻、または難しくて、大いなる感嘆、心配、恐怖を感じること」。2. は、「(俗語) 非常に良い」。
I could do it forever! は、I could kiss her forever! ということで、could は「しようと思えばできる」というニュアンス。
ですから、「彼女にキスしてようと思ったら、永遠にキスできる、それくらい、彼女とのキスは素敵なんだよ」みたいなことですね。
She kisses better than my mom cooks! について。
彼女のキスの良さ(どのくらい good か)ということを、better という比較級を使って表現していますが、その「良さ」の比較の対象になっているのが、my mom cooks です。
彼女がキスするのは、俺のママが料理するのより、better だと言っているわけです。
つまり、動詞(動作の内容)が異なる比較なわけですが、それを聞いて、モニカが、「あなたが cooks と言ってくれて良かったわ」と言うのが面白いですね。
She kisses better than my mom. のように、最後が動詞なしで終わっていたとしたら、my mom の次に省略されている動詞は kisses になってしまうので、「ママのキスより、ジャニーンのキスの方がいい」と言ったことになってしまいます。
つまり、「キスの良さ」の話において、ママのキスとジャニーンのキスを比較していることになり、恋人のキスと母親のキスを比較するつもり?!みたいに、ドン引きしてしまいそうになりますね。
ですから、ジョーイが my mom の後に、cooks という動詞をつけたことに対して、比較の対象を「ママが料理するより、ママの料理より」と言ってくれてホッとしたわ、というのが、モニカたちの正直な気持ちだったということです。
これまでのエピソードを振り返ってみても、フレンズ1-6 では「ママなら俺の尻を見分けられる」という発言がありましたし、フレンズ1-11 では、チャンドラーのママ、ノーラ・ビングをセクシーだと言ったロスに対して、「じゃあ、俺のママはセクシーじゃないっていうのか?」と激怒してみたりと、ジョーイのママに対する思い入れはかなりのものであることがわかります。
そういうことを考えると、ジョーイがジャニーンとのロマンティックなキスを、「ママのキス」と比較してもおかしくないかも…という思いがあるために、モニカはこんなことを言ったのでしょうね。
「あー、良かった。ママのキスより…って言うのかと思っちゃった」みたいな感じです。
セントラルパークにチャンドラーが入ってきて、レイチェルに「引っ越したことを郵便局に言わないとだめだよ」と言っています。
チャンドラーとモニカが同居することにしたために、レイチェルはモニカの部屋からフィービーの部屋に引っ越したわけですが、その転居届を郵便局に出していないために、まだレイチェル宛の郵便物がこんなに届いちゃうんだ、ということですね。
たくさんの郵便物を渡されたレイチェルは、その中のポタリー・バーンのカタログだけを受け取り、残りはチャンドラーに突き返しています。
ちなみに、ポタリー・バーン(Pottery Barn)は、家具・インテリアショップ。
公式サイトはこちら。
Home Furnishings, Home Decor, Outdoor Furniture & Modern Furniture : Pottery Barn
ウィキペディアはこちら。
Wikipedia 英語版: Pottery Barn
上のウィキペディアの Appearances in popular culture でも、今回のフレンズエピソードのことが言及されています。
「残りはあなたが捨てていいわ、捨ててくれちゃっていいわ」みたいに言われたチャンドラーは、郵便物を届けさせられた上に、要らないものの処分まで任されてしまったことにカチンと来たようで、「俺は君のゴミ屋さんじゃないよ」と言っています。
ちょっと男っぽく強気な感じで、「俺は君のゴミ処理人じゃない、そんなことを俺に頼むのはやめてくれ!」みたいに言ってみたわけですが、その後、「(ゴミ屋じゃなくて)俺は君の郵便屋だよ」と弱気に付け足すのが、チャンドラーらしいです。
「ゴミ処理なんかごめんだよ!」とキツく言った後に、「でも、郵便物は届けてあげたから、君のメイルマンにはなってるわけだけど」とか、「まぁ、これからも、うちに来た郵便物は君に届けてやってもいいけどさ」みたいに、自分の強気な発言にレイチェルがムッとしないように、フォローしている感じですね。
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2012年01月06日
クリスマスを語るライナス フレンズ6-10その6
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レイチェルとフィービーは、モニカが隠しているクリスマスプレゼントを発見しようと、部屋中を探し回っています。
とうとう、そのプレゼントを発見し、中身を見ようとするレイチェルたちを制して
チャンドラー: I don't wanna know what Monica got me. Y'know? I mean, look, I'm sure she worked really hard at getting you a present, and wanting to surprise me. And you guys are gonna ruin that, and I... Look, we have to put these back. This is not what Christmas is about. (モニカが俺に何を買ってくれたかを俺は知りたくないよ、だろ? つまり、ほら、モニカがプレゼントを買って、俺を驚かせようとするのに、ものすごく一生懸命になってくれたってよくわかるから。そして君たちはそれを台無しにしようとしてる、それに俺は、ねぇ、俺たちはこのプレゼントを元に戻さなきゃだめだよ。こんなのはクリスマスじゃない[クリスマスっていうのは、こういうものじゃない])
レイチェル: Whatever, Linus. I'm opening mine. (どうでもいいわ、ライナス。私は自分のプレゼントを開けるわよ。)
今回のエピソードでは、レイチェルとフィービーが、モニカが隠したクリスマスプレゼントをあちこち探し回る、というのがプロットの一つになっています。
現実世界では、もう年を越してしまったというのに、何だか話が年末に逆戻りしたみたいですみません(笑)。
とうとう、モニカのプレゼント隠し場所を見つけ、いそいそとそのプレゼントを開けようとするレイチェルたちに、チャンドラーは「俺はモニカが何を俺に買ってくれたかを知りたくない」と言っています。
その後、モニカがプレゼントを買うために、俺を驚かすために頑張ってくれたって俺にはわかる、君たちはそれを台無しにしようとしてるんだ…と訴えかけています。
だから、そういうモニカの気持ちを考えて、そのプレゼントを元の場所に戻さないとだめだ、とも言っていますね。
This is not what Christmas is about. は、過去記事、クリスマスってそういうものでしょ フレンズ6-10その1 で説明した、まさに、A is not what Christmas is about. 「A はクリスマスの本質ではない、クリスマスって A みたいなことじゃない」の形です。
プレゼントの中身だけが興味の対象みたいに君らは思ってるようだけど、クリスマスってそういうもんじゃないだろ? と言いたいわけですね。
自分の恋人モニカの気持ちを汲んで、そういう感動的なことを話しているチャンドラーですが、レイチェルはその言葉にちっとも感動しない様子で、Whatever, Linus. I'm opening mine. と言っています。
投げ遣り(なげやり)に、捨て鉢(すてばち)な感じで、Whatever! と言うセリフは、これまでのフレンズでも何度も登場しましたが、「何でもいいわ、どうでもいいわ」みたいなニュアンス。
「あなたが何を言おうと、私にとってはどうでもいい。私は自分のプレゼントを開けるからね」と言っているわけですが、そのセリフの中に、Linus という呼び掛け語が入っていますね。
ライナスは日本でも有名な、(スヌーピーの出てくる)「ピーナッツ」のキャラクターのあの「ライナス」です。
スヌーピー公式サイト ピーナッツの仲間たち
そのサイトでの、ライナスの説明を見てみると…
Linus ライナス
彼はピーナッツタウンきっての知性派で、哲学的な話でみんなを煙にまくのが得意です。
指をしゃぶって、security blanket (安心毛布)を手放さないあのライナスですが、上の説明にあるように、実は「知性派、哲学的」少年なのですね。
クリスマスってそういうものでしょ フレンズ6-10その1 で、ちょうどその日がクリスマスだったこともあり、タイムリーだということで先にご紹介しましたが、1965年の「スヌーピーのメリークリスマス」(原題:A Charlie Brown Christmas)という作品があります。
Amazon ではこちら(↓)
スヌーピーのメリークリスマス 特別版 [DVD]
その作品の中で、妹のサリーがプレゼントのことばかり言っているのにげんなりしたチャーリー・ブラウンは、「クリスマスって何なのか?」と悩み始めることになります。
そして、作品のラスト近くに、「クリスマスとは何か?、クリスマスの本当の意味」について、チャーリー・ブラウンとライナスが話し合う場面があります。
過去記事よりも詳しめに、以下に引用させていただくと…
チャーリー・ブラウン: I guess I really don't know what Christmas is all about. Isn't there anyone who knows what Christmas is all about? (クリスマスって何なのか、本当にわからなくなったよ。クリスマスって何なのか(どういうことなのか)知ってる人は誰かいる?)
ライナス: Sure, Charlie Brown. I can tell you what Christmas is all about. (もちろんさ、チャーリー・ブラウン。クリスマスが何なのかを僕が君に教えてあげられるよ。)
舞台の真ん中に進み出たライナス。
ライナス: Lights, please. (ライト(照明)をお願い。)
ライナス: And there were in the same country shepherds abiding in the field, keeping watch over their flock by night. (そして、同じ国では、野にとどまっている羊飼いたちがおりました。夜、羊飼いたちが羊の群れを見張っていると…)
この後、新約聖書のルカの福音書2章8節から14節までをライナスは暗唱する。
その暗唱を終えた後、
ライナス: That's what Christmas is all about, Charlie Brown. (今のがクリスマスが何かってことなんだよ(クリスマスの意味なんだよ)、チャーリー・ブラウン。)
その後、夜の帰り道に、チャーリー・ブラウンは夜空を見上げながら、ライナスの言っていた言葉を思い出し、
チャーリー・ブラウン: Linus is right. I won't let all this commercialism ruin my
Christmas. (ライナスは正しい。僕はこういう商業主義(営利主義)に自分のクリスマスを台無しにはさせないぞ。)
でも、その後、スヌーピーの家が電飾コンテストで1位に選ばれたのを知って、
チャーリー・ブラウン: Oh, well. This commercial dog is not going to ruin my Christmas. (まぁ、ともかく、この商業的な(営利主義の)犬も僕のクリスマスをダメにしたりはしないんだな。)
プレゼントの中身ばかりを気にする商業主義のクリスマスの風潮に疑問を感じているチャーリー・ブラウンに対して、ライナスはただ、聖書の一節を述べることで、クリスマスとは「キリストの誕生を祝う日」であることを教え、チャーリーはその聖書を語るライナスの言葉から、クリスマスの本質に気付いたようです。
commercialism 「コマーシャリズム」にクリスマスを台無しにさせたりはしない!と言っているチャーリーではありますが、スヌーピーが電飾で飾った彼の家(犬小屋)が第1位に選ばれたのを知ると、「それはそれで悪くないかも」と思ったりもしているのですね。
クリスマスはキリストの誕生を祝う日、でも、派手に飾ったりして盛大に祝うのも別に悪いことじゃない、みたいな「悟り」が感じられる作品だと私は思いました。
悩んでいるチャーリー・ブラウンにとって、ライナスの聖書の暗唱はそのように大きな意味のあるものだったのですが、聖書を噛み砕いて、そこから世俗的な言葉で説教したりするのではなく、「ただ聖書を暗唱する」ことでチャーリーに何かを気づかせたところが、まさにライナスの「知的で哲学的」な部分を見せてくれているように思いました。
この作品の映像特典として収録されていた「メイキング・オブ・スヌーピーのメリークリスマス」の中でスタッフが、
「(この1965年の作品は)人気は衰えず、魅力も色あせない。毎年、放送されているんだ。再放送回数、世界一だろう。」
というコメントをしています。
つまり、毎年、クリスマスシーズンになると、この作品が再放送される、ということですね。
1965年の作品ということだと、フレンズたちが生まれる前の作品ということになりますが(私は彼らと同世代だから瞬時にそれがわかるのです…笑)、フレンズたちもそういう「再放送」でこの作品を知っていて、だから、「クリスマスとは何か」について「語る」チャンドラーを見て、「あなたはあの作品のライナスのつもり?」と言っているわけでしょう。
あの作品の中で、ライナスが、"That's what Christmas is all about." と語っている姿を多くの人が知っているからこそ、レイチェルがチャンドラーに「ライナス」と呼び掛けたセリフに、観客が反応できるということでしょうね。
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レイチェルとフィービーは、モニカが隠しているクリスマスプレゼントを発見しようと、部屋中を探し回っています。
とうとう、そのプレゼントを発見し、中身を見ようとするレイチェルたちを制して
チャンドラー: I don't wanna know what Monica got me. Y'know? I mean, look, I'm sure she worked really hard at getting you a present, and wanting to surprise me. And you guys are gonna ruin that, and I... Look, we have to put these back. This is not what Christmas is about. (モニカが俺に何を買ってくれたかを俺は知りたくないよ、だろ? つまり、ほら、モニカがプレゼントを買って、俺を驚かせようとするのに、ものすごく一生懸命になってくれたってよくわかるから。そして君たちはそれを台無しにしようとしてる、それに俺は、ねぇ、俺たちはこのプレゼントを元に戻さなきゃだめだよ。こんなのはクリスマスじゃない[クリスマスっていうのは、こういうものじゃない])
レイチェル: Whatever, Linus. I'm opening mine. (どうでもいいわ、ライナス。私は自分のプレゼントを開けるわよ。)
今回のエピソードでは、レイチェルとフィービーが、モニカが隠したクリスマスプレゼントをあちこち探し回る、というのがプロットの一つになっています。
現実世界では、もう年を越してしまったというのに、何だか話が年末に逆戻りしたみたいですみません(笑)。
とうとう、モニカのプレゼント隠し場所を見つけ、いそいそとそのプレゼントを開けようとするレイチェルたちに、チャンドラーは「俺はモニカが何を俺に買ってくれたかを知りたくない」と言っています。
その後、モニカがプレゼントを買うために、俺を驚かすために頑張ってくれたって俺にはわかる、君たちはそれを台無しにしようとしてるんだ…と訴えかけています。
だから、そういうモニカの気持ちを考えて、そのプレゼントを元の場所に戻さないとだめだ、とも言っていますね。
This is not what Christmas is about. は、過去記事、クリスマスってそういうものでしょ フレンズ6-10その1 で説明した、まさに、A is not what Christmas is about. 「A はクリスマスの本質ではない、クリスマスって A みたいなことじゃない」の形です。
プレゼントの中身だけが興味の対象みたいに君らは思ってるようだけど、クリスマスってそういうもんじゃないだろ? と言いたいわけですね。
自分の恋人モニカの気持ちを汲んで、そういう感動的なことを話しているチャンドラーですが、レイチェルはその言葉にちっとも感動しない様子で、Whatever, Linus. I'm opening mine. と言っています。
投げ遣り(なげやり)に、捨て鉢(すてばち)な感じで、Whatever! と言うセリフは、これまでのフレンズでも何度も登場しましたが、「何でもいいわ、どうでもいいわ」みたいなニュアンス。
「あなたが何を言おうと、私にとってはどうでもいい。私は自分のプレゼントを開けるからね」と言っているわけですが、そのセリフの中に、Linus という呼び掛け語が入っていますね。
ライナスは日本でも有名な、(スヌーピーの出てくる)「ピーナッツ」のキャラクターのあの「ライナス」です。
スヌーピー公式サイト ピーナッツの仲間たち
そのサイトでの、ライナスの説明を見てみると…
Linus ライナス
彼はピーナッツタウンきっての知性派で、哲学的な話でみんなを煙にまくのが得意です。
指をしゃぶって、security blanket (安心毛布)を手放さないあのライナスですが、上の説明にあるように、実は「知性派、哲学的」少年なのですね。
クリスマスってそういうものでしょ フレンズ6-10その1 で、ちょうどその日がクリスマスだったこともあり、タイムリーだということで先にご紹介しましたが、1965年の「スヌーピーのメリークリスマス」(原題:A Charlie Brown Christmas)という作品があります。
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その作品の中で、妹のサリーがプレゼントのことばかり言っているのにげんなりしたチャーリー・ブラウンは、「クリスマスって何なのか?」と悩み始めることになります。
そして、作品のラスト近くに、「クリスマスとは何か?、クリスマスの本当の意味」について、チャーリー・ブラウンとライナスが話し合う場面があります。
過去記事よりも詳しめに、以下に引用させていただくと…
チャーリー・ブラウン: I guess I really don't know what Christmas is all about. Isn't there anyone who knows what Christmas is all about? (クリスマスって何なのか、本当にわからなくなったよ。クリスマスって何なのか(どういうことなのか)知ってる人は誰かいる?)
ライナス: Sure, Charlie Brown. I can tell you what Christmas is all about. (もちろんさ、チャーリー・ブラウン。クリスマスが何なのかを僕が君に教えてあげられるよ。)
舞台の真ん中に進み出たライナス。
ライナス: Lights, please. (ライト(照明)をお願い。)
ライナス: And there were in the same country shepherds abiding in the field, keeping watch over their flock by night. (そして、同じ国では、野にとどまっている羊飼いたちがおりました。夜、羊飼いたちが羊の群れを見張っていると…)
この後、新約聖書のルカの福音書2章8節から14節までをライナスは暗唱する。
その暗唱を終えた後、
ライナス: That's what Christmas is all about, Charlie Brown. (今のがクリスマスが何かってことなんだよ(クリスマスの意味なんだよ)、チャーリー・ブラウン。)
その後、夜の帰り道に、チャーリー・ブラウンは夜空を見上げながら、ライナスの言っていた言葉を思い出し、
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Christmas. (ライナスは正しい。僕はこういう商業主義(営利主義)に自分のクリスマスを台無しにはさせないぞ。)
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プレゼントの中身ばかりを気にする商業主義のクリスマスの風潮に疑問を感じているチャーリー・ブラウンに対して、ライナスはただ、聖書の一節を述べることで、クリスマスとは「キリストの誕生を祝う日」であることを教え、チャーリーはその聖書を語るライナスの言葉から、クリスマスの本質に気付いたようです。
commercialism 「コマーシャリズム」にクリスマスを台無しにさせたりはしない!と言っているチャーリーではありますが、スヌーピーが電飾で飾った彼の家(犬小屋)が第1位に選ばれたのを知ると、「それはそれで悪くないかも」と思ったりもしているのですね。
クリスマスはキリストの誕生を祝う日、でも、派手に飾ったりして盛大に祝うのも別に悪いことじゃない、みたいな「悟り」が感じられる作品だと私は思いました。
悩んでいるチャーリー・ブラウンにとって、ライナスの聖書の暗唱はそのように大きな意味のあるものだったのですが、聖書を噛み砕いて、そこから世俗的な言葉で説教したりするのではなく、「ただ聖書を暗唱する」ことでチャーリーに何かを気づかせたところが、まさにライナスの「知的で哲学的」な部分を見せてくれているように思いました。
この作品の映像特典として収録されていた「メイキング・オブ・スヌーピーのメリークリスマス」の中でスタッフが、
「(この1965年の作品は)人気は衰えず、魅力も色あせない。毎年、放送されているんだ。再放送回数、世界一だろう。」
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つまり、毎年、クリスマスシーズンになると、この作品が再放送される、ということですね。
1965年の作品ということだと、フレンズたちが生まれる前の作品ということになりますが(私は彼らと同世代だから瞬時にそれがわかるのです…笑)、フレンズたちもそういう「再放送」でこの作品を知っていて、だから、「クリスマスとは何か」について「語る」チャンドラーを見て、「あなたはあの作品のライナスのつもり?」と言っているわけでしょう。
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2012年01月04日
お前は小学2年生かっ! フレンズ6-10その5
皆様の応援のお陰で、現在、「人気ブログランキング」は4位、「にほんブログ村」は7位です。
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カウントダウンの番組にジャニーンと一緒に参加したジョーイですが、その番組のディレクターが、ジャニーンと背の高い男(Tall Guy)をペアにしてしまいます。
ジャニーンと楽しそうに踊っている Tall Guy を見た後、トイレで彼に会ったジョーイは、「自分は今日ジャニーンと一緒に来た連れで、新年のカウントダウンのキスをするつもりなんだ」と言って、自分のパートナーと交換してもらおうとするのですが…
背の高い男: Look, are you dating this girl you came with? (なぁ、君は一緒に来た子とデートしてるのか[付き合ってるのか]?)
ジョーイ: Well, I was hoping after tonight that maybe I could you know.... (そうだな、今夜の後、多分、そうできるって願ってたんだけど…)
背の高い男: No, no. She's fair game if you ask me. Sorry, buddy. (いやいや、俺に言わせると、彼女はかっこうの的なんだよ。悪いね、君。)
ジョーイ: Alright, hey, y'know, fair is fair, (he pretends to wash his hands) if you're right, you're right. What can I say, but, hey! Oh no! (He throws water on the guy's pants) (そうかい、じゃあ、お互い公平に行こう、[ジョーイは自分の手を洗うふりをする] もし君が正しいなら、(それは)正しいんだ。俺に何が言える? でも、ほら! あーあ! [ジョーイは水をその男のパンツ(ズボン)にかける]
背の高い男: God! What, are you in second grade? (なんてこった! 何だよ、お前は小学2年生か?)
ジョーイ: Hey, man. You're the one who wet his pants. (He throws another handful on him and runs out) (おい、自分のパンツを濡らしてるのはお前だろ。[もうひとすくいの水を彼にかけて、走り去る])
ジャニーンとペアに戻りたいから、パートナーを交換してくれ、と頼むジョーイに、背の高い男は、「君は彼女とデートしてるのか? 付き合ってるのか?」と尋ねています。
ジャニーンに告白もしていないし、付き合ってもいないジョーイは、嘘をつくこともできず、I was hoping... 「…ということを願ってたんだけど」と言って、今夜のダンスパーティーが終わった後にそうできるようにと願っていたんだ、と説明します。
「彼女と付き合えることを願っていた」ということはまだジョーイの彼女ではない、ということなので、それを聞いた彼は、ジョーイの発言を遮るように、パートナーの交換を拒否しています。
fair game の game はいわゆる「ゲーム」ですが、狩猟においては「(猟の)獲物」という意味があります。
そして、fair game だと「(攻撃・嘲笑などの)かっこう(恰好・格好)の的、かっこうの餌食(えじき)、いいカモ」のような意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fair game [noun] [uncountable] : if someone or something is fair game, it is acceptable, reasonable, or right to criticize or attack them
例) Politicians are fair game for the press.
つまり、「誰かや何かが fair game であるとは、それらを批判、または攻撃することが容認できる、道理にかなっている、正しい、ということ」。
例文は、「政治家は報道機関のかっこうの餌食だ」。
She's fair game if you ask me. の if you ask me について。
If you ask me は「私の考えでは、私の意見では、私に言わせれば、私の考えを言わせてもらうとすると」。
「もし君が僕に意見を求めるとしたら、僕の意見はこうだよ。」と、自分の意見や考えを述べる時に使うフレーズのようです。
if you ask me は、フレンズ3-10その15 にも出てきました。
また、フレンズ1-6その1 のコメント欄 では、if you have to ask というフレーズについて解説していますが、if you have to ask は、if you ask me の「have to バージョン」だと考えたら良い、ということなのでしょうね。
ですから、She's fair game if you ask me. は「君はどう思ってるか知らないけど、僕にしてみたら、彼女は恰好の的だよ、落とすべき、狙うべきターゲットだよ。君がどう思おうが、僕には関係ない」みたいな感じのことが言いたいわけでしょう。
このシーンの前にあったジョーイとの会話の中で、トールガイは「もう少しで妻を連れてくるところだった」と言っていました。
つまり、彼は既婚者なわけですが、それでもいい女がいたら手を出してもいいだろ、みたいなタイプの人だと言うこともわかります。
Fair is fair. / Fair's fair. は「お互いフェアでいこう、公平にやろう」というニュアンス。
If you're right, you're right. は「君が正しいのなら、やっぱり正しいんだ」みたいな感じで、「君がそれを正しいっていうんなら、それは正しいってことなんだろう」と相手の言い分を認めたようなセリフになるでしょう。
What can I say? を直訳すると、「俺は何を言うことができる?」ですから、「君が正しいと言うのなら、俺はそれ以上は何も言えない、どうすることもできない」というニュアンスなのでしょう。
そうやって、ジャニーンとペアに戻ることをあきらめたかのようなセリフを言っていたジョーイですが、手を洗いながら、いきなり水をトールガイのパンツ(ズボン)にかけます。
相手に対するいやがらせで、パンツに水をかけたわけですが、その行為が小学生の子供がやりそうなことなので、トールガイも思わず、"What, are you in second grade?" 「何だよ、お前は(小学)2年生か?」みたいに言っています。
ただ、ジョーイも負けておらず、「自分のパンツを濡らしているのはお前だぞ」みたいに返していますね。
「お前は小学生かっ?!」と言ったトールガイに対して、「自分のパンツを濡らしておもらししてるお前の方が小学生じゃないのかな?」と言い返しているわけです。
ちなみに、「お前は子供か? ガキか? 小学生か?」みたいなニュアンスのセリフとして、フレンズでは、「8歳」という年齢がよく登場していました。
過去記事、
何故8歳なのか? フレンズ1-1その8
やっぱり8歳だった フレンズ5-9その7
という記事で、「8歳」という言葉が出てきたセリフについて触れています。
今回のセリフは、その「8歳」が「小学2年生」という「学年バージョンになった」と理解すると良いですね。
「小学校低学年レベル」というガキっぽさを表現するには「8歳」または「小学2年生」が例えとして最適だということでしょう。
彼を困らせるにしても、パンツに水をかける、なんて子供じみているし、また卑怯な手という感じもするわけですが、妻がいるというのに、ジョーイの恋路を邪魔して、彼女を獲物のように狙うトールガイに対しては、ジョーイとしてはそれくらいしないと気が収まらなかった、ということなのでしょうね。
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ジャニーンと楽しそうに踊っている Tall Guy を見た後、トイレで彼に会ったジョーイは、「自分は今日ジャニーンと一緒に来た連れで、新年のカウントダウンのキスをするつもりなんだ」と言って、自分のパートナーと交換してもらおうとするのですが…
背の高い男: Look, are you dating this girl you came with? (なぁ、君は一緒に来た子とデートしてるのか[付き合ってるのか]?)
ジョーイ: Well, I was hoping after tonight that maybe I could you know.... (そうだな、今夜の後、多分、そうできるって願ってたんだけど…)
背の高い男: No, no. She's fair game if you ask me. Sorry, buddy. (いやいや、俺に言わせると、彼女はかっこうの的なんだよ。悪いね、君。)
ジョーイ: Alright, hey, y'know, fair is fair, (he pretends to wash his hands) if you're right, you're right. What can I say, but, hey! Oh no! (He throws water on the guy's pants) (そうかい、じゃあ、お互い公平に行こう、[ジョーイは自分の手を洗うふりをする] もし君が正しいなら、(それは)正しいんだ。俺に何が言える? でも、ほら! あーあ! [ジョーイは水をその男のパンツ(ズボン)にかける]
背の高い男: God! What, are you in second grade? (なんてこった! 何だよ、お前は小学2年生か?)
ジョーイ: Hey, man. You're the one who wet his pants. (He throws another handful on him and runs out) (おい、自分のパンツを濡らしてるのはお前だろ。[もうひとすくいの水を彼にかけて、走り去る])
ジャニーンとペアに戻りたいから、パートナーを交換してくれ、と頼むジョーイに、背の高い男は、「君は彼女とデートしてるのか? 付き合ってるのか?」と尋ねています。
ジャニーンに告白もしていないし、付き合ってもいないジョーイは、嘘をつくこともできず、I was hoping... 「…ということを願ってたんだけど」と言って、今夜のダンスパーティーが終わった後にそうできるようにと願っていたんだ、と説明します。
「彼女と付き合えることを願っていた」ということはまだジョーイの彼女ではない、ということなので、それを聞いた彼は、ジョーイの発言を遮るように、パートナーの交換を拒否しています。
fair game の game はいわゆる「ゲーム」ですが、狩猟においては「(猟の)獲物」という意味があります。
そして、fair game だと「(攻撃・嘲笑などの)かっこう(恰好・格好)の的、かっこうの餌食(えじき)、いいカモ」のような意味になります。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
fair game [noun] [uncountable] : if someone or something is fair game, it is acceptable, reasonable, or right to criticize or attack them
例) Politicians are fair game for the press.
つまり、「誰かや何かが fair game であるとは、それらを批判、または攻撃することが容認できる、道理にかなっている、正しい、ということ」。
例文は、「政治家は報道機関のかっこうの餌食だ」。
She's fair game if you ask me. の if you ask me について。
If you ask me は「私の考えでは、私の意見では、私に言わせれば、私の考えを言わせてもらうとすると」。
「もし君が僕に意見を求めるとしたら、僕の意見はこうだよ。」と、自分の意見や考えを述べる時に使うフレーズのようです。
if you ask me は、フレンズ3-10その15 にも出てきました。
また、フレンズ1-6その1 のコメント欄 では、if you have to ask というフレーズについて解説していますが、if you have to ask は、if you ask me の「have to バージョン」だと考えたら良い、ということなのでしょうね。
ですから、She's fair game if you ask me. は「君はどう思ってるか知らないけど、僕にしてみたら、彼女は恰好の的だよ、落とすべき、狙うべきターゲットだよ。君がどう思おうが、僕には関係ない」みたいな感じのことが言いたいわけでしょう。
このシーンの前にあったジョーイとの会話の中で、トールガイは「もう少しで妻を連れてくるところだった」と言っていました。
つまり、彼は既婚者なわけですが、それでもいい女がいたら手を出してもいいだろ、みたいなタイプの人だと言うこともわかります。
Fair is fair. / Fair's fair. は「お互いフェアでいこう、公平にやろう」というニュアンス。
If you're right, you're right. は「君が正しいのなら、やっぱり正しいんだ」みたいな感じで、「君がそれを正しいっていうんなら、それは正しいってことなんだろう」と相手の言い分を認めたようなセリフになるでしょう。
What can I say? を直訳すると、「俺は何を言うことができる?」ですから、「君が正しいと言うのなら、俺はそれ以上は何も言えない、どうすることもできない」というニュアンスなのでしょう。
そうやって、ジャニーンとペアに戻ることをあきらめたかのようなセリフを言っていたジョーイですが、手を洗いながら、いきなり水をトールガイのパンツ(ズボン)にかけます。
相手に対するいやがらせで、パンツに水をかけたわけですが、その行為が小学生の子供がやりそうなことなので、トールガイも思わず、"What, are you in second grade?" 「何だよ、お前は(小学)2年生か?」みたいに言っています。
ただ、ジョーイも負けておらず、「自分のパンツを濡らしているのはお前だぞ」みたいに返していますね。
「お前は小学生かっ?!」と言ったトールガイに対して、「自分のパンツを濡らしておもらししてるお前の方が小学生じゃないのかな?」と言い返しているわけです。
ちなみに、「お前は子供か? ガキか? 小学生か?」みたいなニュアンスのセリフとして、フレンズでは、「8歳」という年齢がよく登場していました。
過去記事、
何故8歳なのか? フレンズ1-1その8
やっぱり8歳だった フレンズ5-9その7
という記事で、「8歳」という言葉が出てきたセリフについて触れています。
今回のセリフは、その「8歳」が「小学2年生」という「学年バージョンになった」と理解すると良いですね。
「小学校低学年レベル」というガキっぽさを表現するには「8歳」または「小学2年生」が例えとして最適だということでしょう。
彼を困らせるにしても、パンツに水をかける、なんて子供じみているし、また卑怯な手という感じもするわけですが、妻がいるというのに、ジョーイの恋路を邪魔して、彼女を獲物のように狙うトールガイに対しては、ジョーイとしてはそれくらいしないと気が収まらなかった、ということなのでしょうね。
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2012年01月02日
乾燥した日にはリップクリームが必要 フレンズ6-10その4
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明けましておめでとうございます!
昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年も読者の皆様と、楽しく英語を学んでいけたら幸せです。
前回の続きです。
「年越しカウントダウンのキス」を理由にして、真夜中にジャニーンにキスすることで、彼女の気持ちを確かめることができる、と言うジョーイに、
レイチェル: Well, that's a lot better than Ross trying to kiss me in high school, and saying that he did it because he needed Chap Stick. (そうねぇ、今のは、高校の時、ロスが私にキスしようとしたのよりはずっとマシね。ロスはリップクリームが必要だからキスしようとしたって言ったのよ。)
ロス: It was a dry day. (乾燥した日だったんだ[あの日は空気が乾燥してたんだ]。)
カウントダウンのキスに乗じて、ジャニーンの気持ちを確かめようとするジョーイの説明を、「そんなことではごまかされないだろ」みたいな顔で聞いているロスとモニカですが、レイチェルは「今のジョーイの考えた言い訳は、ロスが高校でキスしようとした時(の言い訳)よりずっと良い、ずっとまし」だと言います。
Chap Stick はいわゆる「(唇の荒れを防止する)リップクリーム」のこと。
大文字になっているのは、商品名、商標だからですね。
商品名ながらも、ちゃんと、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) に載っています。
Chap Stick [noun] [uncountable] trademark :
a stick of a wax-like substance that you put oon your lips to make them feel softer when they are chapped and to prevent them from becoming more chapped
つまり、「ワックスのような物質のスティックで、唇が荒れている時に、よりソフトになるようにするために、またはそれより荒れてしまうことを避けるために、唇に塗る」。
語義説明の中に、chapped という言葉が2回出てきていますが、chap は名詞で「皮膚や唇などの荒れ、ひび」、自動詞で「(手や唇が)荒れる」、他動詞で「ひびをきらす、あかぎれを作る、(手や唇を)荒れさせる」という意味になります。
ですから、be chapped は「(唇が)荒れている・ひび割れている(状態)」ということですね。
そういう chap を防止するスティック、chap 用のスティック、という意味で、Chap Stick という名称が商品につけられた、ということになるでしょう。
Chap Stick が何かわかった上で、レイチェルのセリフを見てみます。
レイチェルのセリフは結構長いので、こういう場合は前から順番にイメージしていくのが良いですね。
そうねぇ、今のはずっと良かったわ→(何より?)→ロスが高校で私にキスしようとしたことより→(その後のことをさらに追加で説明)→(キスしようとして)…と言ったことよりずっと良い→(その言った内容は?と言うと)→ロスはリップクリームが必要だったからレイチェルにキスしようとした(と言った)、という感じになるでしょうか。
自然な日本語に直すとすると、「今のは、ロスが高校時代に私にキスしようとして、リップクリームが必要だからキスしようとしたんだ、って言ったのより、ずっとマシだわね」みたいなセリフになるでしょう。
ただ、音としてのセリフを聞いている場合には、文が終わるのを待ってから、そういう日本語に組み立て直している時間はありません。
英語をしゃべっている人がイメージのまましゃべっている語順で、聞く方も受けとめないといけない、ということですね。
リスニングと言うと、「音そのもの」の聞き取りばかりが取り沙汰される傾向にありますが、英語を聞いて理解するために一番大切なのは、相手が言った語順のまま、こちらもイメージする、という感覚です。
このレイチェルのセリフは最後の Chap Stick が話のオチになっています。
レイチェルのセリフを聞きながら、「へぇ、ロスは高校時代、レイチェルにキスしようとしたんだ、そのために何か理由を言ったらしいけど、その理由って…リップクリームが欲しいから!?」みたいな感じで、最後の単語を聞いた瞬間に笑えてしまう、みたいなことが、「英語で理解して笑える」ということになるでしょう。
高校時代の恥ずかしい思い出を暴露されて、ロスはレイチェルをにらんでいます。
が、その真面目な顔のまま、It was a dry day. と言っていますね。
dry day は「乾燥した日」なので、「僕が君にそう言った日は、空気が乾燥してたんだ」みたいなことを言いたいわけです。
レイチェルに「そんなミエミエのウソついて、私にキスしようとしてたのよね、高校時代のロスは」みたいに言われたので、「あの日は空気が乾燥してて、本当に僕の唇はカサカサだったんだよ!」と、その理由が嘘ではなかったと訴えているわけですね。
激昂するわけでもなく、真面目な顔のままそういうセリフを言うのがいかにもロスらしく、面白いなと思いました。
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明けましておめでとうございます!
昨年は大変お世話になり、ありがとうございました。
今年もどうぞよろしくお願いいたします。
今年も読者の皆様と、楽しく英語を学んでいけたら幸せです。
前回の続きです。
「年越しカウントダウンのキス」を理由にして、真夜中にジャニーンにキスすることで、彼女の気持ちを確かめることができる、と言うジョーイに、
レイチェル: Well, that's a lot better than Ross trying to kiss me in high school, and saying that he did it because he needed Chap Stick. (そうねぇ、今のは、高校の時、ロスが私にキスしようとしたのよりはずっとマシね。ロスはリップクリームが必要だからキスしようとしたって言ったのよ。)
ロス: It was a dry day. (乾燥した日だったんだ[あの日は空気が乾燥してたんだ]。)
カウントダウンのキスに乗じて、ジャニーンの気持ちを確かめようとするジョーイの説明を、「そんなことではごまかされないだろ」みたいな顔で聞いているロスとモニカですが、レイチェルは「今のジョーイの考えた言い訳は、ロスが高校でキスしようとした時(の言い訳)よりずっと良い、ずっとまし」だと言います。
Chap Stick はいわゆる「(唇の荒れを防止する)リップクリーム」のこと。
大文字になっているのは、商品名、商標だからですね。
商品名ながらも、ちゃんと、LAAD (Longman Advanced American Dictionary) に載っています。
Chap Stick [noun] [uncountable] trademark :
a stick of a wax-like substance that you put oon your lips to make them feel softer when they are chapped and to prevent them from becoming more chapped
つまり、「ワックスのような物質のスティックで、唇が荒れている時に、よりソフトになるようにするために、またはそれより荒れてしまうことを避けるために、唇に塗る」。
語義説明の中に、chapped という言葉が2回出てきていますが、chap は名詞で「皮膚や唇などの荒れ、ひび」、自動詞で「(手や唇が)荒れる」、他動詞で「ひびをきらす、あかぎれを作る、(手や唇を)荒れさせる」という意味になります。
ですから、be chapped は「(唇が)荒れている・ひび割れている(状態)」ということですね。
そういう chap を防止するスティック、chap 用のスティック、という意味で、Chap Stick という名称が商品につけられた、ということになるでしょう。
Chap Stick が何かわかった上で、レイチェルのセリフを見てみます。
レイチェルのセリフは結構長いので、こういう場合は前から順番にイメージしていくのが良いですね。
そうねぇ、今のはずっと良かったわ→(何より?)→ロスが高校で私にキスしようとしたことより→(その後のことをさらに追加で説明)→(キスしようとして)…と言ったことよりずっと良い→(その言った内容は?と言うと)→ロスはリップクリームが必要だったからレイチェルにキスしようとした(と言った)、という感じになるでしょうか。
自然な日本語に直すとすると、「今のは、ロスが高校時代に私にキスしようとして、リップクリームが必要だからキスしようとしたんだ、って言ったのより、ずっとマシだわね」みたいなセリフになるでしょう。
ただ、音としてのセリフを聞いている場合には、文が終わるのを待ってから、そういう日本語に組み立て直している時間はありません。
英語をしゃべっている人がイメージのまましゃべっている語順で、聞く方も受けとめないといけない、ということですね。
リスニングと言うと、「音そのもの」の聞き取りばかりが取り沙汰される傾向にありますが、英語を聞いて理解するために一番大切なのは、相手が言った語順のまま、こちらもイメージする、という感覚です。
このレイチェルのセリフは最後の Chap Stick が話のオチになっています。
レイチェルのセリフを聞きながら、「へぇ、ロスは高校時代、レイチェルにキスしようとしたんだ、そのために何か理由を言ったらしいけど、その理由って…リップクリームが欲しいから!?」みたいな感じで、最後の単語を聞いた瞬間に笑えてしまう、みたいなことが、「英語で理解して笑える」ということになるでしょう。
高校時代の恥ずかしい思い出を暴露されて、ロスはレイチェルをにらんでいます。
が、その真面目な顔のまま、It was a dry day. と言っていますね。
dry day は「乾燥した日」なので、「僕が君にそう言った日は、空気が乾燥してたんだ」みたいなことを言いたいわけです。
レイチェルに「そんなミエミエのウソついて、私にキスしようとしてたのよね、高校時代のロスは」みたいに言われたので、「あの日は空気が乾燥してて、本当に僕の唇はカサカサだったんだよ!」と、その理由が嘘ではなかったと訴えているわけですね。
激昂するわけでもなく、真面目な顔のままそういうセリフを言うのがいかにもロスらしく、面白いなと思いました。
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