2012年06月06日

この水着はサポーティブ? フレンズ6-19その6

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ロスが付き合っている大学生のエリザベスは、春休みにフロリダに旅行するとロスに告げます。
最初は何も気にしていなかったロスでしたが、フレンズたちが「それはきっと男遊びをしに行くんだ」と言うので、心配で仕方ないようです。
[Scene: Elizabeth's apartment, she is packing for her trip as Ross watches.]
エリザベスの部屋、彼女は旅行用の荷造りをしていて、ロスがそれを見ている。
ロス: I'm so glad you're going on this trip! (君がこの旅行に行くのが、僕はとても嬉しいよ!)
エリザベス: Yeah! I've been working so hard this semester. I really need to go crazy y'know, blow off some steam. (そうね! 今学期はすっごく頑張ってきたの。ほんとにはしゃぎまくる必要があるわ、ほら、ストレス発散ね。)
ロス: Sure. Sure. Look, I don't, I don't know if your plans are finalized yet, but umm, hey I-I know another great way to blow off steam. (そう、その通り。ねぇ、君の計画がもう決定済みなのかどうかは知らないけど、でも、ほら、別のすごいストレス発散法を僕は知ってるよ。)
エリザベス: What? (何?)
ロス: Are you into crafts at all? (君は少しでも工芸(手芸)に興味あったりする?)
エリザベス: Ross, are you okay? (ロス、あなた大丈夫?)
ロス: Well, yeah, of-of course I'm okay! What? I'm just being supportive. Supportive of you and this whole trip, and-and (notices something) what-what is uh, what's this? (He holds up a rather skimpy bathing suit.) (ああ、そうさ、もちろん、大丈夫だよ! 何? 僕はただサポーティブである[協力的である]だけだよ。君とこの旅行全部に協力的なんだよ、それから [何かに気付いて] 何、これは何? [ロスはかなり露出度の高い水着を掲げる] )
エリザベス: It's a bathing suit? (水着だけど?)
ロス: To wear in front of people? (人々の前で着るための?)
エリザベス: Is that supportive? (それ[そのあなたの態度]がサポーティブなの?)
ロス: Is this? ((じゃあ)これ[この水着]は?(サポーティブなの?))

他の若い男と寝たりするんじゃないか、と心配なロスですが、言葉では、「君がこの旅行に行くのが、僕は嬉しいよ!」と言っています。
you're going は「決まった近い将来の予定」を表す現在進行形ですね。
エリザベスは、ロスの心配に気づく様子もなく、I've been working という現在完了進行形を使って、「今学期は、ずーっと勉強を頑張ってきた」と言い、だから、go crazy, blow off some steam する必要があるの、と言っています。
go crazy は文字通り、「クレイジーになる」ということで、はしゃいで、大騒ぎして、みたいな感じですね。

blow off steam は「鬱憤(うっぷん)を晴らす、ストレスを解消する」という意味。
blow は「吹く」、off は「分離」の意味ですから、blow off で「吹き飛ばす」ということ。
steam は「スチームアイロン」などの steam で「蒸気、湯気(ゆげ)」。
確かに鍋などに溜まった蒸気を吹き飛ばして逃がす感じは、「うっぷん晴らし」の感覚に繋がる気がします。
爆発、破裂しそうになっているのを蒸気を逃がすことで回避する、みたいな感じでしょう。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
let/blow off steam : to get rid of your anger or excitement in a way that does not harm anyone, by doing something active
例) Recess is a good chance for kids to blow off steam.

つまり、「何かアクティブなことをすることにより、誰かを傷つけない方法で怒りや興奮を取り除くこと」。
例文は、「休憩時間は子供がストレスを解消する良い機会だ」。

エリザベスが、go crazy, blow off steam という言葉を使うので、余計に「ハメをはずす」イメージが強まってしまい、ロスはますます心配になってきます。
その旅行の計画が最終決定になったかどうかは知らないけど、他にもすごいストレス発散法があるよ、と言って、何とか計画を変えさせようとしています。
で、その別の方法が何かと言うと…「君は工芸に興味があったりする?」
crafts は「ペーパークラフト」などのクラフトで「工芸、手芸」ですよね。
今学期は超ハードに勉強してきたから、パーッとその鬱憤晴らしをしたいのよね、と言っているのに、じゃあ、工芸なんかどう? と「静かな文化系の趣味」を持ち出すというそのギャップに笑ってしまうわけです。
うまく出来なかったら、ますますイライラが溜まりそうな感じすらしますよね(笑)。

フロリダに行かずに、工芸でもしてみたら?という発言にはエリザベスも違和感を感じたらしく、「大丈夫?」と尋ねています。
ロスは平気な風を装って、大丈夫だ、と言い、I'm just being supportive. とも言っています。
このような「be 動詞+being」の形は、これまでのフレンズでも何度も登場しましたが、「今、この瞬間(だけ)、supportive である状態になっている」という感覚ですね。
supportive は「協力的な、支えとなる」。
これが、I'm supportive. という普通の現在形だと、「僕は協力的だ」というような「性格」や「(いつもそうであるという)普段の様子」を示していることになるでしょう。
I'm just being supportive. という形を使うことで、「今、僕はただ、supportive でいるだけなんだよ」のように、今、君に対して協力的であろうとしているだけ、協力的な態度を取っているだけのことなんだ、みたいに言っているわけですね。
「be 動詞+being」をあえて日本語化しようとすると、「〜であるという状態を今まさにしているところ」みたいな感覚になるでしょうか。
(微妙な違いですが)「協力的である」と「今、協力的でいる」のように差異を出すことも可能でしょうか??

その後の、Supportive of you and this whole trip は、I'm just being supportive of you and... 「君や…のことで(に対して)サポーティブ」のように、of 以下で、supportive の対象、サポートすべき対象を挙げていることになります。
of 以下で、「僕は協力的でいるんだよ、君に対しても、この旅行全体に対しても、そして…」と、その対象を挙げている時に、ロスは何かを見つけて驚いています。
ロスが掲げたそれは、赤いビキニ、それも、布の部分が小さな小さなビキニでした。
ト書きの、a rather skimpy bathing suit という表現もそのビキニの小ささを表しています。

skimpy については英辞郎に、
skimpy attire=肌もあらわな服装
skimpy bikinis=露出度の高いビキニ

と出ていますが、まさにそういう「肌もあらわな、露出度の高い」という意味なのですね。
LAAD では、
skimpy : a skimpy dress, skirt etc. is very short and does not cover very much of a woman's body
つまり、「skimpy なドレスやスカートは、非常に短く、女性の体を十分にカバーしていない[覆っていない]。」

水着を掴んで、何だよこれ?みたいに言ったロスに、エリザベスは「(何って)水着よ、水着だけど?」みたいに返します。
ロスはさらに、「人々の前で着るための水着か?」と尋ねていますね。
こんな露出度の高い肌もあらわな小さな水着を、大勢の男の前で着るつもり?と言いたいわけです。

「君の旅行には僕は協力的な態度でいるんだ」と言っておきながら、「こんな水着を男の前で着るのか?」と怒るロスに矛盾を感じたエリザベスは、Is that supportive? と言います。
that はその直前のロスの発言や態度を指しますね。
「そんな風に、水着にケチをつけたりするのが、協力的なの? 協力的だって言える?」みたいな抗議です。

それに対してロスが、Is this? と返すのが面白いなと思いました。
Is this? というのは、Is this supportive? ということですね。
Is that...? を受けての、Is this? ですから、「それはサポーティブなの?」「(じゃあ)これはサポーティブなの?」と「じゃあ、こっちはどうなんだ?」と逆に挑んでいる感覚になります。
ロスの言う this とは、ロスが今、手に持っている「肌もあらわな水着」のこと。

上で説明したように、supportive とは「協力的な、支えとなる」という意味でした。
人について使うと、その人が誰かや誰かの行動に対してサポートしてあげる、協力的である、という意味になりますが、元々、support 「支える」という動詞から派生した形容詞ですから、まさに「何かが何かを(物理的に)支える」という意味での「支えとなる」でもあるわけですね。
「このビキニ(のブラ)は支えになるのか?」とロスは聞き返しているわけで、「こんな少ない布きれで、君の胸が支えられるのか?」みたいに言っていることになります。
こんな小さなビキニじゃあ、ビキニとしてのサポート機能を果たしてないじゃないか、こんなのビキニとは言えないじゃないか、と、そのあまりの小ささと露出度の高さを指摘しているわけですね。

ブラなどの下着の機能説明で「しっかりサポート」みたいな言葉が使われることもありますが、まさにそういう「サポート」のニュアンスです。
僕はサポーティブだよ、と supportive という単語を連呼していたのは、(脚本的に)最後にこのビキニの話でオチをつけるためだったんですね(笑)。

"Is that supportive?" "Is this?" という、単語だけ見れば非常に簡単なやり取りではありますが、that はロスの言動、this はビキニを指し、それぞれに supportive という言葉を使うことで、「(人が)協力的である」「(衣服が)しっかりサポートする」という2つの意味を持たせ、コメディのジョークにしているわけです。
ここで最後のロスのセリフが、"Is this supportive?" になっていたら、意味はもっとはっきりしたかもしれませんが、今回のようにあえて、"Is this?" 「じゃあ、これは(どうなの)?」で止める方が、セリフとしてもオチとしても、すっきり聞こえる気がします。


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posted by Rach at 16:27| Comment(0) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月04日

失うものが何かある? フレンズ6-19その5

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レイチェルは、偶然知り合った男性セバスチャンをセントラルパークに連れてきます。
レイチェルに紹介する男性をそれぞれ用意(笑)していたフィービーと、チャンドラー&モニカは、そのセバスチャンに失礼な質問を浴びせ、気まずくなった彼は逃げるように帰ってしまいます。
「あなたたちのせいで、セバスチャンが逃げちゃったじゃないの!」と怒るレイチェルですが、チャンドラーとフィービーはまだ彼をネタにしてからかっています。
モニカ: All right, guys, stop it. Rachel, we're very sorry that is a very insensitive thing for us to do. And y'know what? Let us make it up to you. We have two really great guys for you. (いいわ、みんな、もうやめて。レイチェル、さっきの私たちの行動は、ものすごく無神経だわ。本当にごめんなさい。それで、ねえ? 私たちに埋め合わせをさせて。私たち、あなたのために、とっても素敵な男性を用意してるのよ。)
フィービー: Yeah! What have you got to lose? Y'know you might even end up with someone really special, (whispers) if you pick my guy. (そうよ! 何を失うものがあるの? ほら、最終的にすごく特別な誰かと一緒にいられるかもしれないのよ [ささやき声で] もし私の方を選んだらね。)
レイチェル: All right. (そうね。)
チャンドラー: Okay, so you will meet our guys? (オッケー、で、俺たちの男に会う?)
レイチェル: Yes, I'll meet ‘em. (ええ、その人たちに会うわ。)
チャンドラー: Okay now it doesn't matter which one you choose, y'know? It's completely up to you. Our guy is perfect, or you can go out with the guy Phoebe deemed not good enough to go out with herself. (よし、じゃあ、君がどっちを選んでも構わないよ、いい? 全く君次第なんだ。俺たちの男は完璧だぜ。そうじゃない場合は、フィービー自身がデートするほど良くはないと[自分自身がデートするほどではないと]みなした男とデートできるんだ。)

sensitive は「敏感な」ですから、それに not の意味を表す in- がついた insensitive は「無神経な」ですね。
that is a very insensitive thing for us to do を直訳すると、「それは(今のは、さっきのは)、私たちがするには、非常に無神経なことである」みたいになるでしょうか。
for us to do を自然な日本語にしにくいのですが、「私たちが行なう行動としては、無神経なものだ」という感覚になると思います。

モニカは自分たちの行動を詫びて、really great guys を持っている、つまり、あなたのためにそういう素敵な男性を用意していると説明します。
フィービーもそれに同意して、What have you got to lose? と言っています。
この lose は、have nothing to lose 「失うものは何もない」の lose と同じ感覚ですね。
LAAD では、have nothing to lose を使った、以下の例文が出ています。
You should apply for the job - you have nothing to lose (= will not make the situation worse by trying).
例文は、「君はその仕事に応募すべきだ。失うものなんてないだろ。(=トライしてみることで、状況が悪くなることがないだろう)」。

そのように have nothing to lose の場合は、「あることにトライすることで、何かを失うわけじゃない」という感覚で、それをすることで何かと引きかえになって損をすることもないから、やってみたらいいじゃないか、という時に良く使われます。

What have you got to lose? の文の構造ですが、これは恐らく、have got = have つまり、What do you have to lose? という意味だと思います。

have got が have の意味を表すことについては、
研究社 新英和中辞典に、以下のように説明されています。

have got
用法
(1) 話し言葉では have got は have の、また have got to は have to の代用になる
(2) 一般に have got (to) は have (to) よりも強調的

(1) もっている
"Have you got a newspaper?" - "Yes, I have [《米》 Yes, I do]." 「新聞はありますか」「はいあります」 (参照: "Do you have a newspaper?" - "Yes, I do.")


直訳すると、「君は失うべきものを何か持っているか?」ということで、「別に(それをすることで)失うものなんか何もないじゃないか、それで状況が悪くなるわけじゃないじゃないか」と反語的なニュアンスが出るでしょう。
その問いにあえて文章で答えるとすると、I have nothing to lose. (または I've got nothing to lose.) 「私には失うものは何もない」という意味になりますよね。

研究社の説明に、「have got は have よりも強調的」とありますので、have よりも have got を使うことで「失うものがあるとでも言うのか? そんなもの何もないだろ?」と「強調」する感じが増すのかな?と思ったりもします。

私の見た作品の中で、この "What have you got to lose?" がセリフに出てきたものがありました。
それが、映画「ゴッドファーザー PART III」(原題:The Godfather Part III)。
マイケル・コルレオーネ(アル・パチーノ)が、枢機卿に会い、彼に懺悔を促されるシーン。

マイケル: What is the point of confessing if I don't repent? (悔い改めずに(懺悔の)告白をすることに何の意味があるのですか?)
枢機卿: I hear you are a practical man. What have you got to lose? (君は現実的な人間だと聞いている。(懺悔することで)何か失うものがありますか?)

DVDの日本語字幕では、「懺悔して どんな損が?」と訳されていましたが、まさに「懺悔をしたからと言って、それで何か困ることがあるわけではない、仮に得ることがないとしても、少なくともそれで損をすることはないでしょう?」というニュアンスですね。

「誰かとデートしたからって、何も失うものなんかないでしょう?」と言いながら、フィービーは、「もしかしたら、すごく特別な誰かさんと最終的に一緒にいられるかもしれない」と言っています。
そう言いながら、ささやき声で、if you pick my guy と付け加えるのが面白いですね。
「もし私の方の男性を選べばね」みたいな条件付きのようになっていて、裏を返せば、「モニカたちの方を選んだら、”素敵な男性と巡り合えたわ!”とはならないだろうけど」と言っていることになります。

その二人の男性と会う気になったレイチェル。
チャンドラーは「レイチェルがどちらの男性を選んでも、問題ない、構わない」と言っています。
It's completely up to you. は、「(どうするかは、選択は)完全に君に任せるよ、一任するよ」というニュアンス。
君が自由に選んでくれていいからね、とフェアなところを見せているようですが、その後のセリフ、Our guy is perfect, or you can go out with... を聞くと、チャンドラーもフィービーと同じように、自分たちのおすすめする男性を強力にプッシュしていることがわかる、のがこのセリフのポイントですね。

「俺たちの(おすすめの)男は完璧だよ」と言った後、or 「もしくは、さもなければ」を使って、「俺たちの男を選ばなければこうなる」と、別の選択をした場合の結果を述べています。
or you can go out with は、「俺たちの男を選ばなければ、レイチェルは…とデートできる」と言っているわけですが、その男性の説明として、the guy Phoebe deemed not good enough to go out with herself と言っています。
deem は、「deem+目的語+補語」の形で、「(目的語)を〜(補語)だと思う、みなす」という意味になります。
LAAD では、
deem (formal) : to think of or consider something in a particular way (SYN: consider)
deem something appropriate/necessary/acceptable etc.
例) Judges can give any punishment they deem appropriate.

つまり、「(フォーマル) 何かを特別な方法・様子で思うこと、または見なすこと」。
例文は、「判事らは、彼らが適切だと思うどんな刑罰をも与えることができる」。

the guy Phoebe deemed not good enough to go out with herself の中心となる文は、
Phoebe deemed the guy not good enough になるでしょう。
「フィービーは、その男性を、十分に良いものとは思わなかった」になります。
何に対して十分良いとは言えないかと言うと、 "enough to go out with herself" になります。
つまり、「彼女自身と一緒に出掛けるのに(デートするのに)十分なほど(良いとは言えない)」ということですね。

ほんとにすっごくいい男なら、フィービー自身がデートしたいし、彼氏にしたいと思うだろう、レイチェルに紹介してくれたってことは、「私は別にデートしたいとは思わないけどね」とフィービーが思う程度の男なんだよ、と、チャンドラーは言いたいのですね。

「俺たちの男は完璧、それを選ばない場合は、こういう男とデートできるよ」ともう一つの選択肢を説明する中で、その男っていうのは、「フィービーが、自分がデートするほどでもないと思った男」なんだけどね、と最後にオチをつけて、フィービーの男が大したことないと言っているわけです。

「いい男と付き合えるわよ、私の方を選べば」とささやき声で言うフィービーと、「俺たちの方を断れば、フィービーも大したことないと思ってるレベルの男とデートすることになっちゃうぜ」みたいに言うチャンドラーとの、応酬合戦みたいなものを楽しんでいただければと思います。


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posted by Rach at 16:11| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年06月01日

まだあったの?もうないよ フレンズ6-19その4

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チャンドラーが部屋に帰ってくると、テーブルの上にはたくさんの食材が並んでいて、疲れ切った表情のジョーイがそれらの食品を食べています。
チャンドラー: Well, you... don't look good, Joe. (うーん、元気そうじゃないな、ジョーイ。)
ジョーイ: The fridge broke, so I have to eat everything. Cold cuts, ice cream, limes... Hey, what was in that brown jar? (冷蔵庫が壊れたんだ、だから、全部食べなきゃいけないんだよ。ハム、アイスクリーム、ライム…なあ、あの茶色の瓶に入っていたのは何だ?)
チャンドラー: That's still in there?! (それって、まだ冷蔵庫にあるのか[あったのか]?)
ジョーイ: Not anymore. So, anyway, how do you want to pay me? ((いや)もう、ないよ。それで、とにかく、どうやって俺に金を払いたい?)
チャンドラー: Is this a service you'e providing me? (これは、お前が俺に提供してるサービスなのか?)
ジョーイ: No! No! No! For my new fridge. Our new fridge! (違う違う違う! 俺の新しい冷蔵庫の支払いだよ。俺たちの新しい冷蔵庫だ!)
チャンドラー: "Our" new fridge? I don't live here anymore. (”俺たちの”新しい冷蔵庫だって? 俺はもうここに住んでないんだぞ。)
ジョーイ: So what? Look, okay, suppose we were a divorced couple. (それが何だよ? いいか、よし、俺たちが離婚した夫婦だと想像してみろ。)
チャンドラー: Uh-huh. (あぁ。)
ジョーイ: And I got custody of the kid, right? Now suppose the kid dies and-and I gotta buy a new kid. (それで、俺が子供の養育権を持つ[子供を引き取る]。で、その子が死んだとするだろ、そしたら俺は新しい子供を買わなきゃいけないんだ。)
チャンドラー: (not quite sure where Joey's going and is a little worried) Okay.... ([ジョーイが何を言おうとしているのかよくわからず、少し不安そうに] オッケー…。
ジョーイ: (pause) Gimme $400! ([間があって] 俺に 400ドル、よこせ!)

大量の食べ物を前にして、疲れた顔でアイスクリームを食べているジョーイを見て、「調子悪そうだな」みたいなことをチャンドラーは言っています。
食べ物をめちゃ食いしている理由を、「冷蔵庫が壊れたから、全部食べなきゃいけないんだ」とジョーイが説明します。

cold cuts というのは、「ハムやソーセージなどの薄切り冷肉」のこと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cold cuts [noun] [plural] : thinly cut pieces of cold cooked meat
つまり、「調理済みの冷たい肉を薄くカットしたもの(断片)」。
辞書にも plural とあるように、常にこの複数形の形で使うようですね。
言葉そのものは恐らく、「カットされた冷たいもの」という感覚で、それで、「冷蔵保存するような調理済みカット肉(ハムなど)」という意味で使われるのでしょう。

ジョーイはあんなのやこんなのを食べなきゃいけない…といろいろ品を挙げた後、ふと思い出したように、What was in that brown jar? と尋ねています。
直訳すると、「あの茶色の瓶の中には何があった?」という感じですが、ニュアンスとしては、What was that in the brown jar? 「あの茶色の瓶の中にあった、あれは何だったんだ?」と同じことでしょう。冷蔵庫に入っていた茶色の瓶の中身が何だったかを尋ねているのですね?

それを聞いたチャンドラーは、驚いた顔で、That's still in there?! と聞き返しています。
still は「依然として、まだ」、in there は、in the fridge のことですね。
チャンドラーのセリフからは、「もう食べちゃった、捨てたと思ってたのに、その茶色の瓶って、まだ冷蔵庫に残ってたのかよ」と思っていることが伺えます。
その後、ジョーイがあっさりと、Not anymore. と言うのがおかしいですね。
「もはや・もう、(その茶色の瓶の中身は)ない」と言っているので、つまりは、ジョーイが食べちゃった、ということです。
チャンドラーが「茶色の瓶がまだ冷蔵庫に存在していた」ことに驚いているくらいですから、賞味期限などとっくに過ぎたものだったのでしょう。
それを「もうないよ、俺がさっき食っちまった」みたいに言っているのが、大食漢のジョーイらしいですね。
普通なら、チャンドラーのセリフから「期限切れの食品」であることを察するものですが、それに気付かないところもまた、ジョーイらしいと言えるでしょう。

そんな「期限切れ」のことなど全く気にしていないジョーイは、違う話題を出しています。
How do you want to pay me? を直訳すると、「君は俺にどのようにして金を払いたいか?」ということで、支払方法について尋ねていることがわかります。
いきなり「支払方法はどうしたい?」みたいに言っていることから、この時点ですでに「チャンドラーがジョーイにお金を払うこと」は大前提として決まっているかのような言い方です。
「金はどうやって払うの?」みたいにいきなり言われたので、チャンドラーは、Is this a service you'e providing me? と聞き返しています。
provide service は「サービスを提供する」ですね。
つまり、チャンドラーは、「これはお前が俺に提供しているサービスなのか?」と言っていることになります。
this とは、今、目の前で行われていること、つまり、ジョーイが大量の食べ物をむちゃ食いしていることを指すでしょう。
お前のそのむちゃ食いは見世物で、お前はそれで俺から金を取るつもりなのか?みたいなことですね。
DVDの日本語字幕も「大食いショーなの?」となっていましたが、まさにそういうことだと思います。

ジョーイは、「俺の新しい冷蔵庫」の金だ、と言った後、「俺たちの新しい冷蔵庫」だと言い直しています。
「俺たち」という言葉を使われたチャンドラーは、「”俺たち”だって? 俺はもうここに住んでないんだぞ」と抗議しています。
So what? は「それがどうした? それが何か?」というニュアンス。
「チャンドラーはもうここには住んでいない、それが何だって言うんだ」という挑戦的なフレーズですね。
ジョーイは、suppose 「想像する、仮定する」という動詞を使って、「俺たちが離婚した夫婦だと想像してみろ、仮定してみろ」と言っています。
ジョーイが自ら、「よし、じゃあ俺たちが離婚した夫婦だって想像してみろよ」などと言うのが面白いですね。
チャンドラーはよくゲイ疑惑を持たれる人で、ジョーイとチャンドラーがここで同居していた頃は、ゲイカップルみたいに誤解されたり、知らない間に二人の会話が夫婦喧嘩のようになったりしていたこともありました。
そういう「カップルみたいに見えてしまう」ことを二人はいつも必死に否定するのに、こんな例え話では、あっさり「俺たちが離婚した夫婦だとするだろ」と言ってしまう、そのギャップが面白いわけですね。
custody は、犯罪がらみの話では、「拘留、拘置、監禁」という意味でよく使われますね。
今回の場合は、「養育権」のような意味になります。
LAAD では、
custody [noun] [uncountable] : the right to take care of a child, especially when the child's parents are legally separated from each other
つまり、「ある子供を世話する権利、特にその子供の両親が法的に別れた時に。」

離婚後、ジョーイが子供を引き取るという設定の後、さらにはその子供が死んだ場合を仮定しています。
で、「子供が死んだら、新しい子供を買わなきゃいけない」と言っているジョーイに、チャンドラーは困惑した表情を浮かべていますね。
ジョーイは、同居時代一緒に使っていた冷蔵庫を、二人の子供に例えたわけですが、子供が死んだからって、新しい子供に買い替えるわけもないのに、すでに最初の時点で例えの設定を間違えていた感がありますね。
それらしい例えになるのかと聞いていたら、やっぱり「買い替える」という話だったので、「全然、子供の例えになってないだろ!」とツッコミを入れたいところです。
普通は、「ほら、例えばこうだとするだろ、そしたらこうなるじゃないか…」と論理的に説得力のあるたとえ話になれば、「それもそうだよなぁ…」と渋々でも納得したりするものですが、ジョーイの例え話はただ、冷蔵庫を子供に置き換えただけのものだった、という面白さですね。


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posted by Rach at 17:41| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする