2012年06月01日

まだあったの?もうないよ フレンズ6-19その4

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チャンドラーが部屋に帰ってくると、テーブルの上にはたくさんの食材が並んでいて、疲れ切った表情のジョーイがそれらの食品を食べています。
チャンドラー: Well, you... don't look good, Joe. (うーん、元気そうじゃないな、ジョーイ。)
ジョーイ: The fridge broke, so I have to eat everything. Cold cuts, ice cream, limes... Hey, what was in that brown jar? (冷蔵庫が壊れたんだ、だから、全部食べなきゃいけないんだよ。ハム、アイスクリーム、ライム…なあ、あの茶色の瓶に入っていたのは何だ?)
チャンドラー: That's still in there?! (それって、まだ冷蔵庫にあるのか[あったのか]?)
ジョーイ: Not anymore. So, anyway, how do you want to pay me? ((いや)もう、ないよ。それで、とにかく、どうやって俺に金を払いたい?)
チャンドラー: Is this a service you'e providing me? (これは、お前が俺に提供してるサービスなのか?)
ジョーイ: No! No! No! For my new fridge. Our new fridge! (違う違う違う! 俺の新しい冷蔵庫の支払いだよ。俺たちの新しい冷蔵庫だ!)
チャンドラー: "Our" new fridge? I don't live here anymore. (”俺たちの”新しい冷蔵庫だって? 俺はもうここに住んでないんだぞ。)
ジョーイ: So what? Look, okay, suppose we were a divorced couple. (それが何だよ? いいか、よし、俺たちが離婚した夫婦だと想像してみろ。)
チャンドラー: Uh-huh. (あぁ。)
ジョーイ: And I got custody of the kid, right? Now suppose the kid dies and-and I gotta buy a new kid. (それで、俺が子供の養育権を持つ[子供を引き取る]。で、その子が死んだとするだろ、そしたら俺は新しい子供を買わなきゃいけないんだ。)
チャンドラー: (not quite sure where Joey's going and is a little worried) Okay.... ([ジョーイが何を言おうとしているのかよくわからず、少し不安そうに] オッケー…。
ジョーイ: (pause) Gimme $400! ([間があって] 俺に 400ドル、よこせ!)

大量の食べ物を前にして、疲れた顔でアイスクリームを食べているジョーイを見て、「調子悪そうだな」みたいなことをチャンドラーは言っています。
食べ物をめちゃ食いしている理由を、「冷蔵庫が壊れたから、全部食べなきゃいけないんだ」とジョーイが説明します。

cold cuts というのは、「ハムやソーセージなどの薄切り冷肉」のこと。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
cold cuts [noun] [plural] : thinly cut pieces of cold cooked meat
つまり、「調理済みの冷たい肉を薄くカットしたもの(断片)」。
辞書にも plural とあるように、常にこの複数形の形で使うようですね。
言葉そのものは恐らく、「カットされた冷たいもの」という感覚で、それで、「冷蔵保存するような調理済みカット肉(ハムなど)」という意味で使われるのでしょう。

ジョーイはあんなのやこんなのを食べなきゃいけない…といろいろ品を挙げた後、ふと思い出したように、What was in that brown jar? と尋ねています。
直訳すると、「あの茶色の瓶の中には何があった?」という感じですが、ニュアンスとしては、What was that in the brown jar? 「あの茶色の瓶の中にあった、あれは何だったんだ?」と同じことでしょう。冷蔵庫に入っていた茶色の瓶の中身が何だったかを尋ねているのですね?

それを聞いたチャンドラーは、驚いた顔で、That's still in there?! と聞き返しています。
still は「依然として、まだ」、in there は、in the fridge のことですね。
チャンドラーのセリフからは、「もう食べちゃった、捨てたと思ってたのに、その茶色の瓶って、まだ冷蔵庫に残ってたのかよ」と思っていることが伺えます。
その後、ジョーイがあっさりと、Not anymore. と言うのがおかしいですね。
「もはや・もう、(その茶色の瓶の中身は)ない」と言っているので、つまりは、ジョーイが食べちゃった、ということです。
チャンドラーが「茶色の瓶がまだ冷蔵庫に存在していた」ことに驚いているくらいですから、賞味期限などとっくに過ぎたものだったのでしょう。
それを「もうないよ、俺がさっき食っちまった」みたいに言っているのが、大食漢のジョーイらしいですね。
普通なら、チャンドラーのセリフから「期限切れの食品」であることを察するものですが、それに気付かないところもまた、ジョーイらしいと言えるでしょう。

そんな「期限切れ」のことなど全く気にしていないジョーイは、違う話題を出しています。
How do you want to pay me? を直訳すると、「君は俺にどのようにして金を払いたいか?」ということで、支払方法について尋ねていることがわかります。
いきなり「支払方法はどうしたい?」みたいに言っていることから、この時点ですでに「チャンドラーがジョーイにお金を払うこと」は大前提として決まっているかのような言い方です。
「金はどうやって払うの?」みたいにいきなり言われたので、チャンドラーは、Is this a service you'e providing me? と聞き返しています。
provide service は「サービスを提供する」ですね。
つまり、チャンドラーは、「これはお前が俺に提供しているサービスなのか?」と言っていることになります。
this とは、今、目の前で行われていること、つまり、ジョーイが大量の食べ物をむちゃ食いしていることを指すでしょう。
お前のそのむちゃ食いは見世物で、お前はそれで俺から金を取るつもりなのか?みたいなことですね。
DVDの日本語字幕も「大食いショーなの?」となっていましたが、まさにそういうことだと思います。

ジョーイは、「俺の新しい冷蔵庫」の金だ、と言った後、「俺たちの新しい冷蔵庫」だと言い直しています。
「俺たち」という言葉を使われたチャンドラーは、「”俺たち”だって? 俺はもうここに住んでないんだぞ」と抗議しています。
So what? は「それがどうした? それが何か?」というニュアンス。
「チャンドラーはもうここには住んでいない、それが何だって言うんだ」という挑戦的なフレーズですね。
ジョーイは、suppose 「想像する、仮定する」という動詞を使って、「俺たちが離婚した夫婦だと想像してみろ、仮定してみろ」と言っています。
ジョーイが自ら、「よし、じゃあ俺たちが離婚した夫婦だって想像してみろよ」などと言うのが面白いですね。
チャンドラーはよくゲイ疑惑を持たれる人で、ジョーイとチャンドラーがここで同居していた頃は、ゲイカップルみたいに誤解されたり、知らない間に二人の会話が夫婦喧嘩のようになったりしていたこともありました。
そういう「カップルみたいに見えてしまう」ことを二人はいつも必死に否定するのに、こんな例え話では、あっさり「俺たちが離婚した夫婦だとするだろ」と言ってしまう、そのギャップが面白いわけですね。
custody は、犯罪がらみの話では、「拘留、拘置、監禁」という意味でよく使われますね。
今回の場合は、「養育権」のような意味になります。
LAAD では、
custody [noun] [uncountable] : the right to take care of a child, especially when the child's parents are legally separated from each other
つまり、「ある子供を世話する権利、特にその子供の両親が法的に別れた時に。」

離婚後、ジョーイが子供を引き取るという設定の後、さらにはその子供が死んだ場合を仮定しています。
で、「子供が死んだら、新しい子供を買わなきゃいけない」と言っているジョーイに、チャンドラーは困惑した表情を浮かべていますね。
ジョーイは、同居時代一緒に使っていた冷蔵庫を、二人の子供に例えたわけですが、子供が死んだからって、新しい子供に買い替えるわけもないのに、すでに最初の時点で例えの設定を間違えていた感がありますね。
それらしい例えになるのかと聞いていたら、やっぱり「買い替える」という話だったので、「全然、子供の例えになってないだろ!」とツッコミを入れたいところです。
普通は、「ほら、例えばこうだとするだろ、そしたらこうなるじゃないか…」と論理的に説得力のあるたとえ話になれば、「それもそうだよなぁ…」と渋々でも納得したりするものですが、ジョーイの例え話はただ、冷蔵庫を子供に置き換えただけのものだった、という面白さですね。


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posted by Rach at 17:41| Comment(2) | フレンズ シーズン6 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする