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シーズン7 第2話
The One With Rachel's Book (モニカの結婚式プラン)
原題は「レイチェルの本の話」
チャンドラー、モニカ、フィービーの家。婚約したことで、ハッピーな気分のモニカに、
レイチェル: Yeah, so let's get started on the wedding plans! (じゃあ、結婚式のプランを始めましょう!)
モニカ: Okay! (Runs off.) (オッケー! [走って行く])
チャンドラー: (incredulous) Already? ([懐疑的な顔で] もう?)
レイチェル: Yeah, we got a lot to do! We gotta think about the flowers, the caterers, the music-- (そうよ、やることがたくさんあるんだもの! 花を考えないといけないでしょ、ケータリング業者でしょ、音楽でしょ…)
チャンドラー: Oh, I got some thoughts on the music. (あぁ、音楽ならちょっと考えがあるんだけど。)
レイチェル: Oh, Chandler, too many cooks.... (あぁ、チャンドラー、船頭多くして…)
ロス: Take it from me. As the groom all you have to do is show up and try to say the right name. (僕の言葉を信じて。花婿として君がすべきことは、(式に)出席して、正しい名前を言うようにすることだけだよ。)
モニカ: (returning) Okay! (Sets down a huge 3" 3-ring binder on the table.) ([戻ってきて] オッケー! [巨大な、3インチの3リングバインダーを机の上に置く])
チャンドラー: What in God's name is that?! (一体そりゃ何だ?!)
ロス: Oh, my God, the wedding book? I haven't seen that since the forth grade! (なんてこった、あのウェディングブックか? それを見たのは4年生以来だよ!)
モニカ: This baby has got everything. Take, y'know, locations for instance: (She opens up the binder to the locations chapter.) First organized alphabetically, then geographically, then by square footage. (この子は何でも持ってるの[この子の中には何もかも入ってるの]。例えば、場所(ロケーション)を例にとるとね。[モニカはバインダーの場所の章(チャプター)を開ける] 最初にアルファベット順に整理されてて、それから地理的な順番、それから面積順。)
フィービー: That is so smart! (To Chandler, under her breath) Break it off. Break it off, now. (それってほんとに賢いわね! [チャンドラーに声をひそめて] (婚約を)解消しなさい、解消して、すぐに。)
レイチェルはモニカに「結婚式のプランを始めましょう」と言っています。
start は「始める」という動詞なので、「始めましょう」と言う場合は、Let's start. でいいような気がしますが、セリフでは、Let's get started. という表現をよく聞きますね。
チャンドラーの Already? は、「もう、すでに」の already で、婚約が決まったばかりだと言うのに、「もう」結婚式のプランを考えるのか?と言っているニュアンスになります。
We got a lot to do! は、We have a lot to do. 「やるべきことをたくさん持っている、やるべきことがたくさんある」ということ。
音楽という言葉を聞いて、音楽なら俺にもプランがあるよ、と言ったチャンドラーですが、レイチェルは、too many cooks.... と言っています。
これは、Too many cooks spoil the broth. 「多すぎるコック(料理人)はスープをだめにする、コックが多すぎるとスープがだめになる・まずくなる」という諺(ことわざ)で、日本語の「船頭多くして船山に上る」と同じ意味ですね。
大勢の人間が好き勝手にやろうとすると、物事はうまく行かない、というような意味のことわざですが、cook や broth 「煮汁、だし」「スープ」で例えるところが、西洋っぽい感じですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
too many cooks (spoil the broth) : used when you think there are too many people trying to do the same job at the same time, so that the job is not done well
つまり、「同時に同じ仕事をしようとする人があまりにも多くいて、そのため、その仕事がうまく行かないと思う時に使われる」。
ロングマンでも、spoil the broth の部分がカッコ書きになっているように、このような有名なことわざは、その前半部分だけで済ませてしまう場合も多いようですね。
レイチェルも、「船頭多くして…ってやつよ、わかるでしょ」みたいに言っているわけですが、それは日本語で「噂をすれば(何とやら)…だな」みたいに、最後まで言わずともわかる、というのと同じ感覚だと言えるでしょう。
Take it from me. は「僕を信じてよ。僕を信じていいよ」という感覚。
LAAD では、
take it from me : used to persuade someone that what you are saying is true
つまり、「自分の言っていることが本当だと誰かを説得するために使われる」。
直訳すると、「僕からそれを取ってよ」みたいな感じでしょうから、僕の言うことを正しいこととして、そのまま素直に受け取って、持って行って、みたいに言っているニュアンスだろうと思います。
As the groom all you have to do is... は、「花婿として、君がしなければいけないことの全ては…だ」。
つまり、「花婿として、君は…だけをすればいい」と言っていることになります。
経験者として、ロスは何をすればいいと言っているかと言うと、show up and try to say the right name 、すなわち、「(その場に)現れて(出席して)、正しい名前を言おうとする」。
これは、フレンズ4-24 の、ロンドンでのロスとエミリーの結婚式の誓いの言葉で、ロスが take thee, Emily... 「汝、エミリーを…」と言うべきところを、Take thee, Rachel-- 「汝、レイチェルを…」と言ってしまったことに由来しています。
「花婿は、花嫁の名前を間違えたりしなけりゃそれでいいんだ、一番大切な仕事は花嫁の名前を正しく言うことさ」と、自分の大失敗を自虐的に持ち出しているのですね。
そんなことを言っていると、モニカは大きなバインダーを持って帰ってきます。
ト書きに、3" 3-ring binder と書いてありますが、「"」は inch 「インチ」の省略記号なので、「3インチの3リングバインダー」ということだろうと思います。
おまけにその省略記号の話をしておくと、「"」はインチで、「'」はフィートの略ですね。
例えば、IMDb (Internet Movie Database)では、レイチェル役のジェニファー・アニストンの身長は、
Height
5' 4½" (1.64 m)
のように表記されています。
つまり、5フィート4.5インチということですね。
チャンドラーは、What in God's name is that?! と驚愕しています。
通常の、What's that? (What is that?) に、in God's name という言葉を挿入してより強調しているわけですね。
ロスは、the wedding book のように the を付けて呼んでいることからもわかるように、そのバインダーのことを知っているようです。
I haven't seen that since the forth grade! は「4年生以来、僕はそれを見たことない」ということですから、「そのバインダーを見るのは、実に4年生以来だね」と言っていることになります。
This baby has got everything. は「このベイビーは全てを持っている」という感覚。
「この子(私のかわいいこのバインダーちゃん)の中にはあらゆる情報が詰まってるの、この子はかなりの優れモノなのよ」みたいなニュアンスでしょう。
take ... for instance は「…を例に取る、例に挙げる」。
ロケーションを例にとって見てみると…と言いながらページを開けて、どんな風に情報が便利に整理されているかを説明しています。
first, then, then は「最初は A、それから B、それから C」みたいに順番に説明していく感覚ですね。
organized alphabetically は「アルファベット順に整理されている」で、その後もすべて「〜(順)に整理されている(organized)」と言っていることになります。
square footage は「平方フィート」ということで、「(平方フィート表示された)面積」を表します。
by は「〜によって、〜に基づいて」整理されている、ということですね。
結婚式の場所の候補地を、アルファベット順(名前順)、地理順(近い順?)、面積順(大きい順)に並べて整理しているわけですが、それを見たフィービーは、「それってほんとに賢いわ」と感心したようなことを言った後、チャンドラーにだけ聞こえるように声をひそめて、Break it off. と言っています。
break off は「切断する」+「分離」のようなニュアンスですから、「中止する、やめる」「別れる、縁を切る」「(婚約を)解消する、破棄する」のような日本語訳が浮かんできます。
婚約したばかりのチャンドラーとモニカのことなので、「今すぐ婚約を解消しなさい」というのが一番ニュアンス的に近いと思いますが、「結婚するのを中止しなさい」や「別れなさい」みたいな感じに取ることも可能かもしれません。
いずれにしても、結婚式の場所についてだけでも、それだけの情報を集めているという「モニカのマニアック的なこだわり」みたいなものを見て、「こんな人が妻になったら、あとあと大変そうよ、別れるなら今よ」と小声でアドバイスしているわけですね。
「こだわりの強すぎるモニカとそれにうんざりしているフレンズたち」というお決まりの構図が楽しいです。
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