2012年10月31日

レストランと言ってもコンロがあるだけ フレンズ7-4その2

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チャンドラーがセントラルパークにいると、そこにモニカとフィービーが入ってきて、何やらひそひそ話をしています。
フィービーが出て行った後、その内緒話の内容を尋ねるチャンドラーですが、モニカは「これは秘密なの」と言って教えてくれません。
夫婦になるなら、秘密は持つべきじゃないと力説するチャンドラー。
チャンドラー: No, I'm serious. We should tell each other everything. I do not have any secrets from you. (いや、俺はマジで言ってるんだ。俺たちはお互いに何もかも話すべきなんだよ。俺は君に何も秘密を持ってないんだぞ。)
モニカ: Really? Okay, so why don't you tell me what happened to Ross, junior year at Disneyland? (ほんとに? わかった、それじゃあ、大学3年の時、ディズニーランドでロスに起こったことを話したらどう?)
チャンドラー: Oh no-no, I can't do that. (ああ、だめだめ。それは話せないよ。)
モニカ: If you tell me, I'll tell you what Phoebe said. (もしあなたが私に話せば、私もフィービーが言ったことをあなたに話すわ。)
チャンドラー: Okay. (オッケー。)
モニカ: Okay. (オッケー。)
チャンドラー: So Ross and I are going to Disneyland and we stop at this restaurant for tacos. And when I say restaurant, I mean a guy, a hibachi, and the trunk of his car. So Ross has about 10 tacos. And anyway, we're on Space Mountain and Ross starts to feel a little iffy. (で、ロスと俺はディズニーランドに行こうとして、タコスの店に立ち寄ったんだ。レストランと言っても、ほら、男が一人、(バーベキュー)コンロ、それに車のトランク、ってことなんだけどね。それでロスは10個くらいのタコスを食べたんだ。で、とにかく、俺たちはスペース・マウンテンに乗った。そしたらロスが危うい状態になり始めたんだ。)

モニカと婚約中のチャンドラーは、「お互いに何もかも話すべきだ。君に秘密は持っていない」と言っています。
have secrets from ... は「…に隠し事をしている、…に秘密にしている」。
このセリフのように、前置詞は from を使うのですね。
Macmillan Dictionary には、keep something a secret from someone 「人に〜を秘密にしておく」という表現も出ていますが、そこでも、from が使われています。
「人から秘密にしておく」のようなニュアンスですが、「…に隠し事をしている」という日本語訳には「から」という言葉が登場しないため、とっさに from が出てこない気もしますので、注意したいところですね。

君に対して秘密は持ってない、と言うチャンドラーに、「そう言うなら、大学3年のロスの事件を話したらどう?」みたいにモニカは言います。
「それは話せない」といったんは拒むチャンドラーですが、If you tell me, I'll tell you と交換条件を出されて、ロスの事件を語り始めます。

ディズニーランドに行く途中、タコスの店に立ち寄った、と言って、その後、店の様子を説明していますね。
And when I say restaurant, I mean A, B & C. という表現が、英会話っぽいなと思いました。
直訳すると、「俺がレストランと言う時、AとBとCを意味している」になるでしょうか。
「”レストラン”と言っても、ただ、A、B、Cが置いてあるだけなんだけどさ」みたいな日本語の感覚になるでしょう。
このように、日本語でも、「〜と言っても、実際のところは、ただの…なんだ」みたいな言い方をしますから、それを英語にすると、And when I say 〜、I mean ... と表現できる、ということですね。

チャンドラーは、restaurant と言っても実際には、a guy, a hibachi, and the trunk of his car だと言っています。
男が一人いて、ヒバチがあって、それが車のトランクの上に置いてある、みたいなことでしょう。
hibachi というのは、日本語の「火鉢(ひばち)」から来た単語ですが、時代劇に出てくるような火鉢ではなくて、アメリカでは「バーベキューコンロ」みたいなものですね。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
hibachi [noun] : a small piece of equipment for cooking food outdoors, over burning charcoal
つまり、「燃えている木炭の上で、外で調理するための小さな器具」。

タコスを10個食べて、ディズニーランドのスペース・マウンテンに乗ったら、ロスは少し、iffy になり始めた、とチャンドラーは言います。
iffy は「疑わしい、怪しい、危うい」。条件を表す if からできた口語のようです。
LAAD では、
iffy [adjective] (informal) : an iffy situation is one in which you do not know what will happen, but you think the result will probably not be good
例) Your chances of finding a better job are iffy.

つまり、「iffy な状況というのは、何が起こるかわからない、でもその結果は恐らく良いものではないだろうと思われる、という状況のこと」。
例文は、「より良い仕事を見つけるチャンスは、危うい」。
「どうなるかわからないけれど、悪い結果になる可能性が高いと思われる」みたいなニュアンスになるわけですね。


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posted by Rach at 14:57| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月29日

人について多くを語る フレンズ7-4その1

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シーズン7 第4話
The One With Rachel's Assistant (レイチェルのアシスタント)
原題は「レイチェルのアシスタントの話」


[Scene: Central Perk, Phoebe and Monica are reading on the couch.]
セントラルパーク。フィービーとモニカはカウチで読書をしている[雑誌を読んでいる]。
モニカ: Phoebe, do you think your favorite animal says very much about you? (フィービー、自分のお気に入りの動物って、その人について多くを語ると思う?[その人の性格をよく表すと思う?])
フィービー: What? You mean behind my back? (何? それって、私に隠れて(語ってるの)?)
レイチェル: (entering, excitedly) Oh! Hi you guys, oh my God! You're never gonna believe what happened to me today! I am sitting in my office and-- ([興奮した様子で入ってきて] ああ、はーい、みんな。すごいのよ! 今日私に起こったことが信じられないでしょうね! オフィスに座ってると…)
ジョーイ: (entering from bathrooms excitedly) You guys! You guys! You're not gonna believe what my agent just told me! ([興奮した様子でトイレからこちらに入ってきて] みんな! みんな! 俺のエージェントがたった今言ったこと、信じられないだろうな!)
レイチェル: Joey! Kinda in the middle of a story here! (ジョーイ! 今ここである話をしてる途中だったりするんだけど。)
ジョーイ: Ooh, sorry. Sorry. You finish, go. (おお、ごめん、ごめん。先に言って、どうぞ。)
レイチェル: Okay, so anyway I'm sittin' in my office and guess who walks in. (わかった。それでね、とにかく、私がオフィスに座っていたの。で、誰が入ってきたと思う?)
ジョーイ: I'm gonna be on two TV shows! (俺は、2つのテレビ番組に出演することになるんだ!)
モニカ&フィービー: Oh, that's great!! (わぁ、それってすごい!!)
レイチェル: Joey! (ジョーイ!)
ジョーイ: Oh, you weren't finished? (あぁ、(話はまだ)終わってなかったの?)
レイチェル: Yeah! "Guess who walks into my office" is the end of my story. (To Monica and Phoebe) It was Ralph Lauren! (Monica and Phoebe gasp) Ralph Lauren walked into my office! (終わってたわ! 「誰が私のオフィスに入ってきたと思う?」が私の話の終わりよ。[モニカとフィービーに] ラルフ・ローレンだったのよ! [モニカとフィービーは息を呑む] ラルフ・ローレンが私のオフィスに入ってきたの!)

モニカは、do you think your favorite animal says very much about you? と言っています。
この you は、「あなた」を含めた人々一般を指す感覚で、直訳すると、「人のお気に入りの動物は、その人について非常に多くのことを言うと思うか?」のようになるでしょうか。
それはつまり、「お気に入りの動物って、その人について多くを語る[物語る]と思う?」と言っている感覚になります。

このようなニュアンスは、英英辞典では以下のように出ています。
LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
say : 10. SHOW CHARACTER/QUALITIES [transitive] to show what someone or something's real character or qualities are
例1) What you wear says a lot about who you are.
例2) The test scores don't say much for the quality of the teaching.

つまり、「誰かや何かの本当の性格や性質が何かを示すこと」。
例文1は、「人が着ているものは、その人が誰であるかをよく示す[語る、物語る]」。
例文2は、「テストの点数は、教えること(指導・授業)の質をよく示すものではない[あまり示さない]」。

この部分、DVDの日本語訳も「好きな動物って、その人のことを物語ると思う?」となっていましたが、まさに「物語る」という訳語が、英単語 say の2つの意味、「言う」と「何かの本質を示す」の両方をカバーするのに適切だと思いました。
「着ている服はその人を物語る」というロングマンの例文1が、非常にわかりやすいと思うのですが、「〜について多くを語る」という英語が、「〜の性格・質・本質を示す」という意味になるのは、日本人にもわかる気がしますね。
モニカは雑誌を見ながらそう言っているので、女性誌によくあるような、「好きな動物を選ぶと、あなたの性格がわかる」みたいなチャートでも見ながら、そう言ったのだろうと推定されます。

次のフィービーのセリフは、say very much about という言葉を「〜について多くを言う」という文字通りの意味にとったもの。
behind one's back は「人の背後で、人に隠れて、人のいないところで」という感覚。
モニカのセリフを文字通り、「フィービーのお気に入りの動物が、あなたのことをいっぱい話してると思う?」と言ったように受け止めて、「その動物が私のことを何か話してるの? 私はそんなの初耳だけど、私に隠れて私のことをしゃべってるわけ?」みたいに問い返したわけです。
DVDの日本語字幕では「動物が話すか?」となっていましたが、ジョークのポイントはまさにそういうことで、モニカは「示す、物語る」という意味で say を使ったのに、フィービーは「実際に声に出してしゃべる、話す」という意味の say だと捉えたジョーク、ということになるのですね。

興奮した様子で入ってきたレイチェルは、You're never gonna believe what... と言っていますね。
「今日、私に起こったことを、あなたたちは決して信じることができないでしょう」ということで、「みんなが、信じられない!と言いそうな、びっくりするニュースを教えてあげるわね」というニュアンスになります。
「私がオフィスに座ってると…」と説明し始めた時に、トイレから出て来たジョーイが、You're not gonna believe what... という、レイチェルと全く同じフレーズのセリフを言っています。
もちろん、コメディの脚本だから、全く同じフレーズを使っている、ということも言えますが、二人が使っていることから、みんながびっくりするようなビッグニュースを伝える時の決まり文句であることもわかりますよね。

話の途中で割り込まれたレイチェルは、Kinda in the middle of a story here! と怒っています。
kinda = kind of は、「まぁ、その、ちょっと」のように言葉を濁す、断定を避ける感覚の表現。
「ここで(今)ある話の途中、って感じなんだけど」みたいなことですね。
誰が見てもそれは明らかだと思うのですが、ジョーイがそれに気付かず自分の話を始めたので、「ジョーイにはわからなかったかもしれないけど、話の途中だったりするんだけどね」と、わざとボカして言ってみせるニュアンスになるでしょう。

そう言われたジョーイは、素直にごめんと謝って、You finish, go. と言っていますね。
finish は「話を終える」という感覚で、You finish は「君が(先に)話を終えて、最後まで話して」と言っていることになります。
二者が口論している時に、"Let me finish." "No, let ME finish." 「俺に先に言わせろ」「いや、俺が先だ!」とモメることがありますが、これも、「俺が(先に)話を終わるようにさせろ」ということから、「(お前が話すより前に)俺に話をさせろ、俺の話を最後まで言わせろ、俺の話が終わるまで、話に入ってくるな!」と言っていることになるわけですね。

先にどうぞ、と促されたレイチェルは、「オフィスに座っていると、誰が入ってきたと思う?」と言っています。
その後、ジョーイが「俺は2つのテレビ番組に出演するんだ!」と言うので、モニカとフィービーはすごい!と喜んでいますが、話を邪魔されたレイチェルは怒った声で、ジョーイ!と言っています。
日本語でもそうですが、普通、「そこに誰が入ってきたと思う?」と言えば、その後、「ジャジャーン、なんとそれは○○だったのよ!」と話が続くことが想定されますよね。
それなのに、「誰が入ってきたと思う?」のところで割り込まれたのでレイチェルは怒っているのですが、ジョーイは悪びれた風もなく、you weren't finished? 「君は(君の話は)終わってなかったの?」などと聞き返しています。

その次のレイチェルのセリフは、明らかな皮肉ですね。
直訳すると、「『誰が私の部屋に入ってきたと思う?』が私の話の終わりである」ということ。
もちろん、それは話の終わりではないのですが、「もう話は終わったんじゃなかったの?」とトボけたことを言ったジョーイに対して、「ええ、あなたの言う通り、私の話は終わってたわ。『誰が入ってきたと思う?』というところが私の話の最後なの」と皮肉っぽく返しているわけです。
本心は、「誰が入ってきたと思う?」っていうフレーズが話の終わりなわけないでしょうが!という気持ちなのですね。
その気持ちをそのまま文にすると、Did you really think "Guess who walks into my office" was the end of my story? 「『誰が入ってきたと思う?』が私の話の終わりだと本当に思ったの?」という感じになるでしょうが、それを、「ええ、あなたの言う通り、『誰が入ってきたと思う?』が話の終わりよ」と冷たい感じで言うことで、却ってジョーイの言動にあきれきっているレイチェルの気持ちが出る、ということですね。


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posted by Rach at 14:42| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月26日

over my dead body フレンズ7-3その6

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フィービーのおばあちゃん秘伝のチョコチップ・クッキーのレシピを解明しようとするものの、うまく行かないモニカたち。
ロス: Aww, Pheeb, come on, isn't there any relative that would have the recipe? What about, what about your sister? (あー、フィービー、ねぇ、そのレシピを持ってそうな親戚はいないの? 君のお姉さんはどう?)
フィービー: Oh no-no, no, I made a promise to myself that the next time I would talk to Ursula is over my dead body. And that's not happening ‘til October 15th, 2032. (あー、だめだめだめ。私は自分に約束したの、次に(姉の)アースラと話すのは、私が死んでからだって[私が生きている間には絶対にない、って]。そしてそれは 2032年の10月15日まで起こらないのよ。)
ロス: That's the day you're gonna die? See, darnit, I've got shuffleboard that day. (それが、フィービーが死ぬことになる日なの? ほら、残念だね、僕はその日はシャッフルボードがあるんだ。)
フィービー: That's what you think. (あなたはそう思ってるみたいだけど。)

ロスはフィービーに、「フィービー以外に、親戚とかでそのレシピを持ってる人はいないの?」と尋ねています。
そして、ロスは、フィービーの双子の姉(アースラ)のことを言っていますね。
これまでのエピソードで何度も語られてきたように、一卵性双生児でありながら、フィービーとアースラは非常に仲が悪いのです。

フィービーは、I made a promise to myself that 「私は自分自身に(that 以下)と約束したの」と言った後、the next time I would talk to Ursula is over my dead body. と言います。
これは、私がアースラと話す次の時(機会)は、over my dead body である、というような感覚。
over my dead body は「自分の目の黒いうちは誰が何と言っても絶対に…させない、私の生きている限りは絶対に…させない」という意味。
over 「…を越えて」ですから、直訳すると「私の死体を乗り越えて」ということです。
つまりは、「私が死んでから、もしくはそのことに反対している私を倒してから」という感覚でしょう。
日本語でも「俺の屍(しかばね)を越えてゆけ」みたいな表現がありますよね。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
over my dead body: (spoken) used to say that you are determined not to allow something to happen
例) You'll marry him over my dead body!

つまり、「何かが起こることを許さない、と固く決心していることを言うのに用いられる」
例文は、「絶対にお前を彼とは結婚させない」。
「俺が生きている間は、絶対にお前を彼と結婚させない!」という意味ですね。

Macmillan Dictionary では、
over my dead body : (spoken) used for telling someone angrily that you will never allow something to happen
例) 'Half the money should be mine.' 'Over my dead body!'

つまり、「何かが起こることを決して許さない、と誰かに怒って言うために用いられる」。
例文は、「金の半分は俺のもののはずだ」「絶対にだめだ(そんなことは許さない)」。

over my dead body というフレーズは、過去のエピソードにも出てきました。
フレンズ2-24その4 で、俳優であるジョーイが、男性とキスする役をゲットしたいがために、練習相手としてロスの方を見た時、
ロス: Over my dead body. (絶対にいやだ。[僕を倒してからにしてくれ。])
今度は矛先がチャンドラーに。
チャンドラー: And I'll be using his dead body as a shield. (そして俺はロスの死体を盾として使うぞ。)

このやりとりは、いかにも「フレンズ」的で、私も拙著の「イディオムとジョークの関係」という項目で説明に使ったほどなのですが、over my dead body というイディオムの、dead body 「死体」という文字通りの意味をジョークに使っているわけですね。

今回のフィービーのセリフの場合は、「私が次にアースラと話すのは、私の死体を越えてから」みたいな感じですから、「生きている間はもうアースラと話さないと自分に約束したの」と言っていることになります。
over my dead body は「私が生きてるうちは絶対に起こらない、絶対にそんなことを起こさせない」みたいな意味で、never を大げさに表現している感覚ですが、その後、「それは 2032年10月15日まで起こらない」と言っているのが、オカルトっぽいことの好きなフィービーらしいセリフになっています。
「生きているうちには決して起こらない」→「それが起こるとすれば、それは私の死後で、それは2032年10月15日になる」みたいなことを言っているわけです。
つまり、フィービーは自分が死ぬ日を、2032年10月15日だと今の時点で断言しているわけですね。
普段から霊感が強く、そういう話をよくするフィービーなので、このセリフも彼女のキャラらしい発言になるわけです。

フィービーのセリフの意図を理解して、ロスは That's the day you're gonna die? 「それが、フィービーが死ぬことになる日なの?」と問い返しています。
See, darnit は「ほら、残念だね」という感覚。
映画や海外ドラマなどで、「くそっ!」「ちくしょう!」みたいな言葉で、よく、"Damn it!" ("Dammit." と表記されることもある)が使われますね。(「24」のジャック・バウアーもよく使います…笑)
が、動詞 damn は「呪う、罵る(ののしる)」という意味で、卑俗・下品な言葉とされているので、damn の代わりにその婉曲形として、darn が使われることがよくあります。
今回のロスのセリフも、まさにそれですね。
darnit は、darn it 、つまり、damn it の婉曲表現だということです。
ロスも darnit をさらっと言っていますから、「くそっ!」と言うほど激しい感じではなくて、「おや、それは残念」という程度の軽い感覚になるでしょう。

I've got shuffleboard that day. の have got は、have の感覚で、「(フィービーが死ぬという2032年の)その日に、僕は、シャッフルボードがあるんだ」と言っていることになります。

シャッフルボード(またはシャフルボード)については、以下のウィキペディアで。
Wikipedia 日本語版 : シャフルボード
シャフルボード(英語: shuffleboard)は、細長いコートの上でディスク(円盤)を押し出し、「ダイアグラム」と呼ばれる得点盤上に到達させてその得点を競うニュースポーツ。

Wikipedia 英語版 : Shuffleboard の説明は以下の通り。
Shuffleboard ... is a game in which players use broom-shaped paddles to push weighted pucks, sending them gliding down a narrow and elongated court, with the purpose of having them come to rest within a marked scoring area.
つまり、「シャッフルボードは、プレイヤーが、ほうきの形をしたパドルを使って、重さのあるパックを押し、狭くて細長いコートを滑らしながらパックを送るゲーム。印のつけられた得点エリア内に留まるようにするのを目的とする」。

英語版ウィキペディアの写真では、白髪の方がゲームをプレイしている画像が載っています。
ロスがこの競技名を挙げたのは、「高齢者に人気のスポーツ」というイメージからなのでしょうね。
日本だとこういう場合は、「ゲートボール」が出てくる気がします。

ロスは、フィービーのオカルトっぽい話は理解できないタイプの人なので、フィービーが自分の死ぬ日を正確に予言したことについて、ジョークで返したわけですね。
「私はその日に死ぬのよ」と知っているかのように言うので、「残念だな、フィービーが死ぬ日に、僕は先約が入ってる。(高齢になった)友人たちと、シャッフルボードをする予定なんだよ」とからかったわけです。
そんなの言ったもの勝ちじゃん、僕だって「その日は予定がある」とか言えちゃうよ、みたいなことですね。

それで会話が終わりかと思いきや、フィービーは、"That's what you think." と不吉なことを言っています。
直訳すると、「それ(あなたが今言ったこと)は、あなたが思う・考えること」。
つまり、「あなたがそう思ってるだけで、実際には違うわよ」と言っていることになります。
日本語にすると、「あなたはそう思ってるみたいだけどね」「あなたがそう思ってるだけよ」みたいな感覚になるでしょう。

その後、ロスはギョッとした顔をしていますね。
フィービーは、「実際には、ロスは2032年にシャッフルボードをしない」と言っていることになり、それはただ、「その日にそのゲームをしない」と言っているだけとも取れますが、もっと深読みすると、「あなたはその時、もうこの世にいない」と言っているようにも聞こえます。
フィービーの発言をジョークだと捉え、それに悪乗りした形のロスでしたが、図らずも、「あなたはその時、もう死んでる」みたいに言われてしまった、というオチですね。


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2012年10月24日

おばあちゃんが見上げてる フレンズ7-3その5

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フィービーのおばあちゃんのチョコチップ・クッキーのレシピを、婚約祝にもらおうと思っていたモニカでしたが、そのレシピは火事で焼けてしまいました。
そこで、シェフであるモニカは、試作品をたくさん作って、何とかそのレシピを解明しようとするのですが、失敗続きでうまくいきません。
フィービー: Y'know, I bet it would actually make my grandmother really happy to know that we're trying to figure out her recipe. I bet she's l-l-lookin' up at us and smiling right now. (ねぇ、私たちがおばあちゃんのレシピを解明しようとしてるってことを知ったら、おばあちゃんは本当に喜ぶと思うわ。きっと、おばあちゃんは私たちを見上げて、ちょうど今笑ってると思うの。)
ロス: Looking up? (見上げてる?)
フィービー: Oh yeah - No, she was really nice to me, but she's in hell for sure. (ええ、そうよ。違うの、おばあちゃんは本当に私に優しかったの。でも、間違いなく地獄にいるわ。)
モニカ: Well, I've tried everything. I give up. I guess I'm not gonna be the mom who makes the world's best chocochip cookies. I do make the best duck confit with broccoli raab. Kids love that, right? (あぁ、私はあらゆることをやってみたわ。もうあきらめる。世界で一番のチョコチップクッキーを作るママにはなれないわ。最高の「鴨のコンフィのブロッコリー・ラーブ添え」は作るけど。子供ってそういうの大好きよねぇ?)

I bet は「きっと〜だと思う」という感覚。
フィービーは、I bet を何度も使って、「レシピの持ち主であったおばあちゃんは、きっと〜よ」と語っています。
it would actually make my grandmother... の文はかなり長いですが、構造をシンプルにすると、to know that 「that 以下だと知ること」が、実際に、おばあちゃんを幸せにするだろう、ということになります。
レシピが火事で焼けてしまったことで、シェフであるモニカは、試作品をたくさん作り、フィービーやロスがそれを試食して感想を述べる、ということを何度も繰り返しているわけですが、そうやって「実際のレシピがどんなものであったか」を私たちが突き止めようとしていることを知ったら、きっとおばあちゃんは幸せな気持ちになるでしょうね、と言っているわけですね。

その後の、she's lookin' up at us and smiling right now. という発言に、ロスは引っかかったようで、Looking up? 「見上げてる、って?」と聞き返しています。
普通は、亡くなった人のことを語る場合、「きっとおばあちゃんは、”空の上から”私たちのことを見てくれてるわよ、下の私たちを見てるわよ」のように、死者は「上」にいて、「上から私たちを見下ろしている」 look down at us と表現するはずです。
それを、「おばあちゃんが私たちを”見上げている”」とフィービーが言ったので、「じゃあ、君のおばあちゃんは、天国じゃなくて地獄にいるわけ?」という意味で、ロスは問い返したのですね。

フィービーは、ロスの意図を悟って、「ええそうよ(地獄にいるわ)。(そんなにひどい人だったのかと思うかもしれないけどそれは)違うの、私にとってはすっごくいいおばあちゃんだったんだけどね」と言いながらも、「でも、間違いなく、おばあちゃんは地獄にいるわ」と、はっきり言い切ってしまうのが、フィービーっぽいところです。
孫の私にはいい人だったけど、他人にはいろいろと恨まれるような人だったの、と言っている感じです。

このやり取りが面白いのは、最初ははっきりとは地獄(hell)という単語を使わず、ただ「見上げている」と表現したところ。
「見上げてる…ってことは、地獄にいるの?」という連想をさせて笑いを取る、という面白さです。
私たちが英語で見ている場合でも、この looking up の部分に引っかかって、ロスと同じように、Did you say, "looking up"? 「見上げてる、って言った?」みたいに、ツッコミを入れられるようになると「いい感じ」かな、と思います。
こそっと潜ませているジョークのフレーズに気づけるかどうか、というところがポイントですね。

モニカは、I've tried everything. 「あらゆることを、何もかもやってみた」と言って、I give up. 「もうだめ。降参。あきらめる」と言います。
私は「世界一のチョコチップ・クッキーを作るママになれないと思うわ」と絶望的な顔で言っていますね。
I do make the best... の do は動詞 make を強調していて、「世界一のクッキーは作らない(作れない)けど、世界一の…は(確かに)作る(作れる)」と言っている感覚になります。
そのメニューの内容はと言うと、duck confit with broccoli raab 。
duck 「アヒル、鴨」、broccoli 「ブロッコリー」という単語から、レストランのメニューにあるような、オシャレな料理であることはわかりますね。

先に raab の方から見ていきます。
この単語、ネットスクリプトでは、broccoli rabe、DVD英語字幕では、broccoli raab と表記されていました。
このように、いろいろな呼び名があるようですが、その野菜は一般的には、rapini と呼ばれているようです。
Wikipedia 英語版 : Rapini
そのウィキペディアの説明にも、also known as 「別名」として、broccoli rabé、raab という名前が出ています。
写真を見ていただくとわかる通り、緑の野菜です。

confit は「コンフィ」と発音されているように、フランス語が語源の言葉で、
Merriam-Webster Dictionary では、以下のように出ています。
confit
1 : meat (as goose, duck, or pork) that has been cooked and preserved in its own fat

つまり、「ガチョウ、アヒル、豚などの肉を、その油(脂肪)の中で(に漬けて)調理し、保存したもの」。

Wikipedia 日本語版: コンフィ では、その「コンフィ」という調理法について、日本語で詳しく説明されています。

ネットで、「ダックコンフィ」、「鴨 コンフィ」などで検索すると、レシピや画像もたくさんヒットします。
Wikipedia 英語版: Duck confit に出ている、2番目の写真が、Duck confit with salad という名前で、緑の野菜を敷いた上に、duck confit を載せています。
その野菜が、ウィキペディアに載っていた、broccoli raab の写真によく似ていますので、モニカの言っている料理は、まさにこういうイメージなのだろうと思います。

やはり、名前から想像された通りの、レストランのメインディッシュで出てくるような鴨料理、というところですね。
そういう自分の得意料理を挙げた後に、モニカは、Kids love that, right? と泣きそうな顔で言っています。
文字通りの意味は、「子供って、そういう料理が大好きよね?」と言っていることになりますが、泣きそうな顔で言っていることからもわかる通り、自分を慰めるため、自分にそう言い聞かせている、という感じであることがわかります。
そんな凝りすぎた料理、(大きくなってからならともかく)小さい子供が喜んで食べるわけない、と自分でもわかっているのですが、そうやって、自分は(シェフで)料理上手なママなのよ、と言うことで、なんとか、クッキーの件をあきらめようとしている、「子供が大好きな、世界一おいしいお菓子を作れるママになりたい」という希望が絶たれた悲しみから逃れようとしている、ということになるでしょうね。


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2012年10月22日

船の用語では何と言うかは知らないが フレンズ7-3その4

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レイチェルはジョーイに船のセーリングのやり方をコーチしたのですが、あまりの厳しさに、ジョーイは半泣き状態になってしまいました。
そういうことがあった、少し後のシーン。
セントラルパークで、ロスとレイチェルが話しているところに、ジョーイが入ってきます。
ジョーイ: (entering) Hey. ([入ってきて] やあ。)
ロス: Hey. (やあ。)
レイチェル: Well, hello! So when are we gettin' back out on the water, matey? (あら、こんにちは! それで、私たちはいつ海の上に戻るのかしら、メイティ?)
ジョーイ: Oh uh, I don't know the boat way to say this, but uh never! (あぁ、これを船の言い方(船の用語)ではどういうのか知らないけど、でも、二度と戻らない!)
レイチェル: Why not? (どうして戻らないの?)
ジョーイ: Because! You're mean on the boat. (だって! ボートの上では、レイチェルはいじわるなんだもん。)
レイチェル: What? I was just trying to teach you. (何ですって? 私はただ、あなたに教えようとしているだけよ。)
ジョーイ: Well, lesson learned! Rachel is mean! (あぁ、レッスンはもう学んだよ[教訓は得たよ]! レイチェルはいじわるだ!)
ロス: Yeeeeeep... Yep-yep-yep-yep-yep. I remember when she took me out on her dad's boat. She wouldn't let me help at all. (そーう、そうそうそうそうそう。レイチェルが、レイチェルのパパの船で僕を海に連れ出した時のことを覚えてる。レイチェルは僕に少しも手伝わせようとはしなかった。)
レイチェル: Excuse me, I wanted you to help. But you couldn't move your arms because you were wearing three life jackets. (失礼、私はあなたに手伝ってもらおうと思ったわ。でもあなたは腕が動かせなかった、救命胴衣(ライフジャケット)を3枚も着てたから。)
ロス: You have to respect the sea! (Storms off.) (海には敬意を払わないといけないんだぞ! [怒って飛び出していく])

セーリングのトレーニングで、レイチェルに怒鳴られたジョーイは、レイチェルへの挨拶もそこそこに済まそうとするのですが、レイチェルの方から、"So when are we gettin' back out on the water, matey?" と言われてしまいます。
「それで、あなたと私は、いつ水の上に戻るの?」ということは、「次のセーリングの特訓はいつにする?」という意味ですね。
最後に呼び掛け語としてついている、matey は、船乗りが仲間への呼び掛けによく使う言葉。
少し前の記事、男3人がかりで船を入れる フレンズ7-3その1 でも、「フルハウス」のダニーが船乗りを気取って、"Ahoy, mateys." と挨拶していたセリフをご紹介しましたよね。

その matey という呼び掛け語は、過去記事、所有格のme (possessive me) フレンズ6-4その2 で、ロスがイギリス人風のセリフを言う場面でも登場していました。
その過去記事内でも解説しましたが、「パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド」で、ヘクター・バルボッサ(船長)が、以下のようなセリフで、よくこの mateys を使っていました。
バルボッサ: It be too late to alter course now, mateys.
バルボッサ: Feast your eyes upon this, mateys.
ちなみに、ジャック・スパロウは、matey より、mate の方をよく使っています。

そんな風に、海賊や船乗りが使う、matey という呼び掛け語を使って、レイチェルはジョーイに声を掛けているわけですね。
ジョーイ的には、怒られて怒鳴られてばっかりのレイチェルのセーリングのトレーニングはもうこりごり…というところなのでしょう。
そこで、「船乗り仲間」みたいな意味の matey で呼び掛けられたことに対して、I don't know the boat way to say this, but... と返したわけです。
直訳すると、「これを言うボート(船)の方法は知らないが」みたいなことで、つまりは、「これ(今から言おうとすること)を、船の(専門)用語では何て言うのか知らないけど」みたいなことですね。
never 「二度と〜しない、絶対に〜しない」という意味の特別なセーリング用語があるのかもしれないけど俺は知らないから、ただ普通に never と言わせてもらうよ、という感覚です。
セーリングのトレーニング中、セーリング用語を質問責めにされたことに怒っているジョーイは、「never みたいな普通の単語にも、こ難しいセーリング用語があるのかもしんないけど、俺はそんな言葉にはもう興味がないからね」みたいに皮肉っぽくそう返してみせたのですね。

どうして?と言われたジョーイは、「だってレイチェルは船の上でいじわるだもん!」と子供のようなことを言っています(笑)。
mean は「意味する」という動詞で使われることも多いですが、フレンズのようなドラマでは、「意地悪な」という形容詞で使われることも多いですね。

「意地悪だなんて、私はただあなたに教えようとしただけなのに」と言うレイチェルに、ジョーイは、lesson learned! Rachel is mean! と返します。
lesson learned は、受動態の be動詞が抜けた形だと思われます。
Apology accepted. 「謝罪は受け入れられた」、Problem solved. 「問題解決(問題は解決された)」と同じ形式で、無理やり日本語にすると、「lesson が学ばれた」みたいになるでしょう。
learn one's lesson というフレーズだと、「教訓を得る、経験で悟る」という意味で使われますね。
ですから、「私はあなたを教えようとしていただけ、けいこ・レッスンをしようとしていただけ」と言ったレイチェルに対して、「レッスンはもう学んだ、教訓を得たよ」と言って、「レイチェルがいじわるだってことを、この経験から俺は学んだんだ」と返しているわけですね。

レイチェルが意地悪だと何度も言うジョーイの話を聞いて、元カレのロスも話に参加してきます。
「レイチェルが僕を海に連れ出した時のことを覚えてる。僕に少しも手伝わせようとはしなかった」と言うロスですが、それに対するレイチェルの反論が面白いですね。
「失礼、私はあなたに手伝って欲しいと思ったのよ」と言って、手伝うことができなかったのはロス自身のせいだ、というように、その後のセリフを続けています。
you couldn't move your arms because... 「あなたは腕を動かすことができなかった、その理由は…」と言って、because 以下が、このセリフのオチになっています。
なぜ、腕を動かせなかったか、それは「救命胴衣を3枚も着ていたから」!(笑)
セリフの最後の部分、「3枚の救命胴衣」まで聞いた時に、ロスのそういう姿が想像され、確かにロスならやりかねない…とみんなが思えてしまうことから、ジョークのオチがここで決まるわけですね。

それに対して怒ったような顔で反論するセリフがまたロスらしいので笑えます。
You have to respect the sea! は、「海に敬意を払わなければいけない」、つまり、「海をばかにしちゃだめだ、海をなめちゃだめだ、みくびっちゃだめだ」みたいなことですね。
溺れやしないだろう、などと高をくくって、軽装で海に出るようなやつは、海に対する敬意が欠如してるんだ、と言いたい様子です。
「ライフジャケットを3枚も着込んで来るから、手が動かせなかったのよ…」とバカにしたようなレイチェルの発言に、「君は海をバカにしてるのか? 海へのリスペクトが足りないぞ!」と捨て台詞を残して、ロスは出て行ったわけですね。


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posted by Rach at 14:06| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月19日

カムアゲイン もう一度言って フレンズ7-3その3

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船を買ったものの、全くセーリングをしていないジョーイに、「私は子供の頃から船に乗ってるから、セーリングを教えてあげる」とレイチェルは言います。
そして、実際に、レイチェルがジョーイにセーリングを教えるシーン。
船の操作方法を教えたはずなのに、ちっとも覚えていないジョーイに、レイチェルはだんだんイライラしてきている様子。
レイチェル: No. What do you do if I say we're coming about? (違うわ。「船を風上に回すわよ」って私が言ったら、何をするの?)
ジョーイ: I'd say, "Come again?" No-no, wait, I-I-I know this one, I know this one, uh.... (俺ならこう言うね、「何だって?(もう一度言ってくれ)」って。いやいや、待って、これは知ってるんだ。これは知ってる、えーっと…)
(Rachel blasts an air horn in his ear.)
レイチェルは、ジョーイの耳に、エアホーン(空気警音器)を鳴らす。
レイチェル: Time's up. Now you're dead. (時間切れ。あなたはもう死んでるわ。)
ジョーイ: And deaf! (それに、耳も聞こえない!)
レイチェル: Okay, you just go on and make your little jokey-jokes, but if you do not know what you are doing out at sea you will die at sea. Am I getting through to you, sailor?! (She punctuates each word by slapping him on the forehead.) (いいわ、ただそうやって、つまらないジョークを続けてなさい。でも、もし海に出て自分のやっていることがわかっていなかったら、海で死ぬことになるわ。私の言ってることがわかる、セイラー?! [レイチェルは、ジョーイのおでこをぺしぺししながら、各語を(強調して)区切って言う])
ジョーイ: Yes. (はい。)
レイチェル: Don't just say yes! This isn't a game. Joey, you can really get hurt out here. Okay, so do you want to pay attention, or do you want to die?! (ただ、はい、とだけ言うな! これはゲームじゃない。ジョーイ、ここであなたは本当にけがをすることになるわ。よし、じゃあ、注意して話を聞きたいか、それとも死にたいか、どっち?)
ジョーイ: I want to make a ship-to-shore call to Chandler. (チャンドラーに、船から陸への無線電話をしたいよ。)

レイチェルはジョーイに、セーリングの操作を指導しています。
What do you do if I say we're doing... は、「"We're doing..." と(私が)言ったら、何をする?」という感覚。
この場合は、"We're coming about." と言ったら、どんな船の操作をすればいい?と質問していることになります。
be coming about という現在進行形は、「今、come about しているところ」という意味にも取れますし、「これから come about する、come about しようとする」という意味にも取れると思うのですが、それについては後で述べます。

come about というのは、一般的には「起こる、生じる」みたいな意味で使われますが、今回のようにセーリング関係の意味では、辞書には以下のような意味が出ています。

研究社 新英和中辞典では、
come about
(2) 〈風が〉変わる
(3) 〈船が〉上手(うわて)回しになる 《船首を風上に回すこと》


今回のセリフは、主語が we になっているので、「私たちの乗っている船が、上手(うわて)回しになる、船首が風上になる」という意味がふさわしいでしょう。

Macmillan Dictionary では、
come about [Phrasal Verb] [intransitive] : if a ship comes about, it changes direction
つまり、「船が come about するとは、方向を変えること」。

さきほどの現在進行形の話に戻ると、「今、私たちの船が方向を変えている、変えつつある」という「現在進行中」の意味としてとらえると、「船の方向が違ってきてるので、どうやって修正したらいいか?」を尋ねていることになるでしょう。
また、「これから、船の方向を変えるつもりである、変えようとしている」という「予定」を言っていると考えると、「船の方向を変えるには、どうしたらいいか?」を質問していることになりますね。
セーリングの専門用語の話なので、深入りは避けますが(笑)、とにかく、この場面ではレイチェルは船の向きをどうするか、みたいな話をしていることがわかれば良いということになるでしょう。

それに対するジョーイの返事は、I'd say, "Come again?"
これは、「俺なら、"Come again?" って言うね」という感じ。
come about という表現を使ったレイチェルに対して、同じ動詞 come を使って返したわけですが、これはジョーイなりのジョークです。

Come again? というのは、相手の発言が聞き取れなかった時に聞き返す時の定番のセリフで、「何だって? (聞き取れなかったので)もう一度言ってくれ」という意味。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
come again? : used to ask someone to repeat what they just said
例) "She's a paleontologist." "Come again?"

つまり、「誰かがたった今言ったことを繰り返すように頼む時に使われる」
例文は、「彼女は古生物学者なんだ」「何だって?(もう一度言って)」

この例文の中で、paleontologist 「古生物学者」が、「一瞬聞いただけではパッと理解できず、聞き直されてしまう」ような学者名の例に出されているのに、ちょっとウケてしまいました。
古生物学者と言えば、「フレンズ」のロスの職業なので、フレンズでは何度も耳にしている単語です。
この例文を読んで、I wouldn't say, "Come again?" 「私なら、「何だって?」って聞き直したりしない」と勝ち誇ったような気分になったフレンズファンは多いかもしれませんね。

ということで、レイチェルがセーリングの専門用語である、come about を使ったことに対して、ジョーイは、セーリング用語ではない、通常会話のフレーズ、"Come again?" を使って、「その come なんちゃら、ってのは何? もっかい(もう1回)言って!」と、動詞 come つながりのジョークで返した、ということになります。

Come again? と言った後、自分でハハと笑っているジョーイですが、レイチェルが怒っているらしいのを感じ取って、慌てて、「いや、待ってよ、これは俺、知ってるんだ、知ってるんだよ…」と時間稼ぎしながら、正しい答えを言おうとします。

もたもたしている間に、レイチェルはキレてしまって、ジョーイの耳の横で、ラッパみたいなものをプオーッと大音量で鳴らしています。
Time's up. Now you're dead. 「時間切れ。あなたはもう死んでいる」みたいな容赦のない言い方をされたジョーイは、you're dead と言われたことに付け加えて、And deaf! と言っています。
deaf は「耳が聞こえない」という意味ですね。
俺が dead だと言うけど、今のラッパの大きな音で、耳まで聞こえなくなっちゃったよ、と言っているわけです。
dead と deaf が dea- で始まる音的に似た言葉なので、dead & deaf のように表現したのですね。

you just go on and make your little jokey-jokes は、「ただそうやって、くだらない冗談を続けてなさい、続けてればいいわ」みたいな、ちょっと突き放したようなニュアンスでしょう。
その後に、でも、と続けて、「海に出て、自分がしていることがわからなかったら、海で死ぬわ」とも言っていますね。
you do not know what you are doing は、「あなたは自分のやっていることがわかっていない」ということで、さっきのジョーイみたいに、船の操作が全くわかっていない様子を指します。
out は at sea の方にかかっていて、out at sea で、「海に出て」というニュアンスですね。
実際に、船で海に出てしまってから、そんな風にやるべきこともわかってなくて、何も操作できなかったら、死んじゃうわよ、と警告しているわけです。

Am I getting through to you, sailor?! は、「私の言ってることがわかる? セイラー!」という感覚。
get through は文字通り、「通り抜ける、切り抜ける」という意味でよく使われますが、ここでは、「(相手に自分の)考えを理解させる」という意味になります。
get though to someone で「人に考えを理解させる、人に話(言っていること)をわかってもらう」というニュアンスになります。
私の言っていることが、あなたに通じているか?、私の話をちゃんと理解しているか?と怒鳴っているわけですね。

あまりの剣幕に、ジョーイは、おとなしく、Yes. と言うしかありません。
その返事にすらキレているレイチェルも面白いですね。
Don't just say yes! は「ただ、イエスと言うな!」という感じで、「はいはい、って返事すりゃあいいってもんじゃない」みたいなニュアンスでしょう。

これはゲーム(お遊び)じゃない、と言って、You can really get hurt out here. とも言っています。
この can は「できる」ではなくて、「可能性がある」ということですね。
out here つまり、out at sea で、「本当にけがをする可能性がある」と言っているわけです。
さらに、"Okay, so do you want to A, or do you want to B?" 「よし、それじゃあ、Aしたいか、それともBしたいか?」みたいにレイチェルは言っています。
二択の質問形式になっていますが、これは、Pay attention, or you'll die. 「注意を集中しろ、さもないと死ぬぞ」と言っているのと同じです。
日本語でも、誰かを脅す時に、「全部白状するか、それともこのままここで死にたいか?」みたいに言うセリフがあったりしますので、感覚はよく似ている気がします。

Aしたい? それともBしたい?と問われて、ジョーイは、全く別のことをしたいと言っています。
a ship-to-shore call は文字通り「船から陸へのコール」、つまり、「船から陸への無線電話」の意味。
こんなところで、レイチェルにキャンキャン怒鳴られて、俺は今すぐチャンドラーに電話して、この顛末を聞いてもらいたい…と弱気なことを言っている、というオチになるわけですね。


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posted by Rach at 15:19| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月17日

原本とコピーを離して保管 フレンズ7-3その2

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フィービーから「婚約祝いには何が欲しい?」と聞かれたモニカは、「フィービーのおばあちゃん特製チョコチップ・クッキーのレシピが欲しい」と言います。
門外不出だと言いながらも、「自分の子供に作ってやりたくて」と言われたことに心を打たれ、そのレシピをプレゼントすることに決めたフィービーでしたが…。
(Phoebe enters, walks up to Monica, and exhales exasperatedly.)
フィービーが部屋に入ってきて、歩いてモニカに近づいてくる。憤慨した様子で息を吐いて、
モニカ: What's wrong, Phoebe? (どうしたの、フィービー?)
フィービー: I just went to my old apartment to get you the-the cookie recipe and the stupid fire burned it up! (私、例のクッキーレシピをあなたにあげるために、前に住んでいたアパートメントに行ってきたんだけど、あのバカな火事でそれがすっかり焼けちゃってたの!)
モニカ: No!! Why didn't you make a copy and-and keep it in a fireproof box and keep it at least a hundred yards away from the original?!! (そんな! どうしてあなたは、コピーを取って、それを耐火製の箱に入れて、その箱をオリジナル(のレシピ)から最低100ヤードは離しておかなかったの?)
フィービー: (pauses as she figures out how to answer that) Because I'm normal! That was the one legacy my grandmother left me. And I know you wanted it as an engagement present. ([それにどう答えるかを考えて、しばらく沈黙して] だって私はノーマルだもの! あれは私のおばあちゃんが私に残した(たった)1つの遺産(形見)だったのに。そしてあなたがそれを婚約プレゼントとして欲しがってたこともわかってるのに。)
ロス: Oh, we have to get you an engagement present? (あぁ、僕たちは君らに婚約プレゼントを買ってあげないといけないの?)
チャンドラー: Don't worry about it, Pheebs. (気にしないでよ、フィービー。)
ロス: No one got me an engagement present. (誰も僕に婚約プレゼントをくれなかったのに。)
フィービー: Okay, here, I don't have the recipe, but here. I wish you health and happiness. (She hands Monica a cookie in a plastic baggie.) (いいわ、私はそのレシピは持っていないけれど、でも、これを。あなたの健康と幸せを祈ってる。[フィービーはモニカに、小さなビニル袋に入った1枚のクッキーを手渡す])
チャンドラー: An old cookie? (古いクッキー?)
モニカ: (To Chandler) This is what happens when you don't register for gifts! ([チャンドラーに] ギフト登録しないと、こういうことが起こるのよ!)

部屋に入ってきたフィービーは何かに憤慨している様子。
モニカが尋ねると、「(火事になった)前のアパートメントに行ったら、その火事でレシピが焼けちゃってた」と言います。
to get you the cookie recipe は、「例のクッキーレシピをあなたにあげるために」、the stupid fire burned it up! は、「あのバカな火事がそのレシピを、焼き尽くしてしまった、灰にしてしまった」という感覚。

婚約プレゼントとして、秘伝のクッキーレシピをもらうことを望んでいたモニカは、レシピの持ち主だったフィービー以上に、そのことにキレています。
その後の、長台詞(ながぜりふ)は、早口モニカの真骨頂という感じですね。
Why don't you...? であれば、「なぜ…しないの?」であることから、「…したらどう?」という提案・勧誘を表すフレーズになりますが、今回の Why didn't you...? は直訳通り、「なぜ…しなかったの?」という意味になり、今回のモニカのように、キツく相手を責め立てる感じで言うと、「本来なら…すべきだったのに、どうしてあなたはそれをしなかったの?!」と、相手の過去の行動を非難するフレーズになります。

その「どうしてあなたは…しなかったの?」の内容が、やたらと細かくて長いのが面白いですね。
make a copy は文字通り、「コピーを作る、コピーを取る」で、「どうしてコピーを取っておかなかったの?」というのは、まだ普通の話ですが、その後は、
keep it in a fireproof box 「それ(そのコピー)を耐火性の箱に入れて」
keep it at least a hundred yards away from the original 「それ(その箱)を、オリジナル(のレシピ)から少なくとも100ヤード離れたところに保管する」
ということを、どうしてあなたはしなかったの?!とフィービーを非難しているわけですね。
コピーを作った後、同時に火災に遭わないように、耐火性金庫などに入れて、オリジナルの原本と距離を離して保管しておくべきだったのに、ということです。

そんなことを一気にまくしたてられたフィービーは、一度にたくさんのことを言われて戸惑っている様子。
いろいろ頭を巡らせているのが表情からもわかります。
やっと口を開いたフィービーのセリフ、Because I'm normal! 「だって私はノーマルだもん。だって私は普通の人間だもん」というのも楽しいですね。
火災の可能性を考えて、そこまで万全な対策を取ることを考えるモニカは異常(abnormal)だ、と暗に言っていることになるでしょう。

私のおばあちゃんが私に残した(left)、(たった)1つの形見なのに、モニカが婚約プレゼントとしてそれを欲しがっていたことも知ってるのに…と言って、フィービーはその大事なレシピが焼けてしまったことを残念がっています。

そばでその話を聞いていたロスは、「僕たちはチャンドラーとモニカに婚約プレゼントをあげないといけないの?」と尋ねています。
その後に、「誰も僕に婚約プレゼントをくれなかったのに」と言っていることからもわかるように、「僕には誰もくれなかったのに、チャンドラーたちにはあげるのか? そんなの不公平だ」と思っていることがわかりますね。

フィービーは、「あなたの健康と幸せを祈る」というお祝いの言葉と共に、ビニル袋に入ったものを差し出します。
中に入っていたのは、クッキーだったので、「(それって)(ずっと前に作った)古いクッキー?」とチャンドラーは不審そうな顔で尋ねます。
その後の、モニカのセリフは、register for gifts の部分がポイントですね。
これは、過去記事、お祝いギフトを登録する フレンズ6-1その5 でも説明した、gift registry system (ギフト登録制度)というシステムのこと。
registry や、bridal resistry などとも呼ばれます。
これは、「結婚や出産などのお祝いをもらう立場にいる人が、あらかじめ大型店舗に自分の欲しい商品を登録しておいて、贈り物を贈る側の人が、そのリストの中から商品を選んでプレゼントする」というシステムで、「フレンズ」のプレゼントにまつわる話では、ジョークがらみでよく登場する言葉です。

このシステムは、希望商品を先に登録しておくことで、「自分が欲しいと思っているものをもらえる、相手が喜ぶものをプレゼントできる」という双方に利点がある(win-win な)ところが魅力です。
モニカが「ギフト登録しておけばこんなことにならなかったのに」みたいに言っているのは、「レシピが焼けちゃったせいで、こんな欲しくもない、古びたクッキー1枚をプレゼントとしてもらうことになっちゃったわ」とボヤいているのですね。


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posted by Rach at 15:36| Comment(2) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月15日

男3人がかりで船を入れる フレンズ7-3その1

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シーズン7 第3話
The One With Phoebe's Cookies (秘伝のクッキー・レシピ)
原題は「フィービーのクッキーの話」


チャンドラーとモニカの部屋に、ジョーイが入ってきます。
ジョーイ: (entering) Ahoy! ([入ってきて] アホイ[よお]!)
チャンドラー: Hey! How's the boat?! (よお! 船はどう?)
ジョーイ: Great! I'm really getting into this sailing stuff. (最高! 俺はほんとにこのセーリングってやつにハマってるんだ。)
モニカ: Oh, so you finally took it out of the marina, huh? (あぁ、それじゃあ、ついに船をマリーナから出したのね?)
ジョーイ: Why would I do that? It took three guys to get the thing in there! (どうして俺がそんなことをするんだよ? そいつをそこに入れるのに男3人がかりだったんだぞ!)
フィービー: If you don't sail your boat, what do you do on it? (自分の船を走らせないなら、船の上で何をしてるの?)
ジョーイ: Oh, it's great! It's a great place to just kinda, sit, hang around, drink a few beers, eat some chips. (He says that as he sits, hangs around, drinks a beer, and eats a chip.) (あぁ、最高なんだよ! 最高の場所なんだ、ほら、ちょっと、座って、のんびりして、ビールを2、3本飲んで、チップスを食べるのにね。[ジョーイがそれを言う時、ジョーイは、座って、のんびりして、ビールを2、3本飲んで、チップスを食べている])
チャンドラー: Well, it's good that you finally have a place to do that. (ふーん、良かったな、ついにそういうことをする場所が持てて。)

ジョーイは、部屋に入ってくる時、Ahoy! と挨拶しています。
ahoy というのは、船に乗っている人がよく使う挨拶。
研究社 新英和中辞典では、
ahoy 【間】
次の成句で.
Ahoy there!
《戯言》 おーい君! 《遠くにいる人間への呼び掛け》
Ship ahoy!
〔海〕 おーい! 《遠方の他の船を呼ぶ声》

と出ています。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
ahoy [interjection] (old-fashioned) : used by sailors to get someone's attention or greet them
つまり、「(間投詞、古風な言葉) 誰かの注意を引いたり、誰かに挨拶するために、船乗りによって使われる」。

その他のドラマでも、この挨拶を聞いたことがあります。
シットコム「フルハウス」の 1-5 「海は恋の予感」(原題:Sea Cruise)。
ダニーの提案で、男3人で夜釣りをしようとするシーンで、
ダニー: Ahoy, mateys. There she be. Neptune's Bride. The finest lady to sail the seven seas. (おーい、みんな。彼女だ。ネプチューン・ブライド号。7つの海を渡る貴婦人だよ。)
というセリフが出てきました。
これも、船の男っぽく、船乗りが使う言葉を真似して雰囲気を出しているわけですね。
ちなみに、船の代名詞はいつも「彼女」という女性名詞が使われます。
私の好きなスタートレックに出てくるような「宇宙船」も(やはりあれも船(spaceship)なので)、代名詞は she が使われていました。

フルハウスのダニーのセリフの、mateys という呼び掛け語も、船乗りがよく使う言葉で、「パイレーツ・オブ・カリビアン」のセリフにも出てきます。
それについては、過去記事、所有格のme (possessive me) フレンズ6-4その2 で解説しています。

アホイの説明がアホ(い)ほど長くなってしまいましたが(笑)、ジョーイがそんな風に、船乗りっぽく挨拶したので、チャンドラーも即座に、「そういや、例の船はどんな感じ?」と尋ねているわけですね。
Ahoy があるからこそ、How's the boat? という質問が唐突でなくなる、という仕組みです。

I'm really getting into は「俺はほんとに〜にハマってる」という感覚。
フレンズでは、I'm into のように、into だけで使うことも多いですね。
into でも「入り込む」という感じは十分に出ますが、get into のように句動詞の形の方が「入り込むという動き」が余計に感じられる気はします。

「セーリング、船を走らせること」にハマっちゃってさ、みたいに言うので、モニカは、「それじゃあやっと、船をマリーナから出せたのね?」と尋ねます。
がジョーイは、「何で俺がそんなことをしたりするんだよ?」みたいに言っていますね。

It took three guys to... を直訳すると、「…するのに3人の男を必要とした、3人の男手が必要だった」みたいな感じ。
この take は「…するのに(時間・金・労力)がかかる、を必要とする」という意味ですね。
もう少し日本語らしくすると、「…するのに、男3人がかりだった」という感じになるでしょう。

船を楽しんでるみたいに言っているのに、船はマリーナに入ったままって、一体何をしてるわけ?とフィービーは尋ねています。
ジョーイは、最高なんだよ!と言って、It's a great place to... 「…するのに最高の場所なんだ」と言っていますね。
その後、sit, hang around... という内容が続きますが、直後に出てくるト書きを読むと笑ってしまいますね。
船の上では、「座って、のんびりして、ビール飲んで、チップス食べて」ってのができて最高なんだよ、と言いながら、それを言っているジョーイは今、「座って、のんびりして、ビール飲んで、チップス食べて」いるわけです。
ト書きでは、これでもか!というくらいに、ジョーイが言った言葉をそのまんまト書きにして、「全く同じことを今ここでもしているんだけど…」ということを描写しています。
こんなことができて最高!と言っていることを、実は毎日この部屋でやってるじゃんか!と誰もがツッコミを入れたくなるのに、それに気付かぬは本人ばかりなり…という面白さですね。
その後のチャンドラーのセリフが、これまた楽しいです。
「そんなこと、いつもここで、まさに今ここでもやってるじゃん」とツッコむのではなく、「そういうことができる場所が、”ついに・やっと(finally)”できて、良かったねぇ」と皮肉っぽく言っているのが、チャンドラーらしいですね。


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posted by Rach at 10:48| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月13日

あなたが今言ったこと全てが欲しい フレンズ7-2その6

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モニカの両親は、モニカの結婚資金をビーチハウス購入に使ってしまっていました。
チャンドラーが自分にもいくらかの貯金があるから、とその金額を示すと、「それを使えば、計画していた結婚式ができる」とモニカは大喜び。
ですが、チャンドラーは、「1回のパーティーに自分の貯金の全額を使うつもりなんかない」と一歩も譲りません。
ですが、しばらく経った後、チャンドラーは「君を幸せにするためなら何でもすると誓ったから」と言って、貯金をはたいて豪華な結婚式をすることを決心します。
「お金がないのなら、子供は2人して、気に入った方一人だけを大学に行かせればいいんだし」みたいに冗談めかして将来のことを語るチャンドラーに、
モニカ: How many kids were we gonna have? (私たちは何人の子供を持つことになってたの?)
チャンドラー: Uh, four. A boy, twin girls and another boy. (あぁ、4人だ。1人が男の子で、、双子の女の子に、もう一人男の子。)
モニカ: What else did you think about? (何か他に考えたの?)
チャンドラー: Well, stuff like where we'd live, y'know? Like a small place outside the city, where our kids could learn to ride their bikes and stuff. Y'know, we could have a cat that had a bell on its collar and we could hear it every time it ran through the little kitty door. Of course, we'd have an apartment over the garage where Joey could grow old. (そうだな、俺たちがどこに住むか、とか。例えば、市外の小さな場所で、そこでは子供たちが自転車に乗る練習とかができるんだ。猫も飼えるよ、首輪に鈴をつけて、その音が聞こえるんだ、ネコが小さなネコちゃんドアを走り抜けるたびにね。もちろん、ガレージの上にアパートメントがあるんだよ、そこでジョーイが年を取っていけるように。)
モニカ: (laughs) Y'know what? I-I don't want a big, fancy wedding. ([笑って] ねえ。私は大きくて豪華な結婚式は欲しくないわ。)
チャンドラー: Sure you do. (きっと君は欲しいよ。)
モニカ: No, I want everything that you've just said. I want a marriage. (いいえ、私はあなたが今言ったことの全てが欲しいの。私は(結婚式じゃなくて)結婚が欲しいのよ。)

How many kids were we gonna have? の were gonna have (was going to have) という形は、「(何人の子供を)持つことになっていたの?」という感覚。
結婚式に全額使うとなると、人生設計を変えて、子供は2人にすればいいんだよ、と言った流れから、「じゃあ、当初の計画では、何人子供を持つ予定だったわけ?」と尋ねているのですね。

チャンドラーは、4人と答え、その内訳を、A boy, twin girls and another boy. と答えています。
最後が a boy ではなくて、another boy 「もう一人」というのが、生きたセリフっぽいですね。
日本人が日本語で同じようなことを説明しようとする場合も、確かに「あと、もう一人は男の子」と言う気はします。
ただ、another=もう一人の、もう一つの、という訳語で頭にインプットされていたとしても、このセリフのこの場所で、another という単語がすっと出てくるかと言うと、ちょっと難しいような気もするのですね。

将来の子供の内訳まで考えていたと知って、モニカは「他にも何か考えてたの?」とさらに尋ねます。
stuff like where we'd live は、「俺たちが住むであろう場所とかのこと」という感覚。
where our kids の where は関係副詞で、その前の「市外の小さな場所」を、where 以下でさらに詳しく説明しているニュアンスになります。
「そこでは、その場所では」子供たちが自転車に乗ることを学ぶことができる、つまり、市外でそんなに車の通りも多くないだろうから、道で自転車に乗る練習ができる、みたいなことなのかなぁ、と。

we could have a cat は「猫を飼える、飼おうと思えば飼うことができる、もしそういう状況になれば飼える」という感覚。
could have a cat と言う言い回しを聞くと、フレンズファンだったら、Heckles さんの「飼おうと思えば飼えるさ」を思い出す人も多いかもしれませんね(笑)。
やろうと思えばできる フレンズ3-6その13 で、フレンズ1-16 のセリフ、
レイチェル: You don't even have cats. (ネコなんか飼ってないじゃないですか。)
ヘッケル: I could have cats. (ネコくらい飼えるさ。)
などの、Heckles さんの I could... シリーズをご紹介しています。

チャンドラーがモニカに語る将来の描写では、常に could が使われていますが、「もし、結婚資金を将来の生活のために残しておけたら、こういうことも可能になる、こういう生活ができる」という感覚から、「もし〜なら、…できる」のニュアンスで could が使われていることになります。

that had a bell の that は関係代名詞で、that 以下で、その前の先行詞 cat を説明しています。
have a bell on its collar は「首輪の上に鈴を付けている」。
we could hear it every time は「〜するたびに、それ(鈴、鈴の音)が聞こえる」。
it ran through の it は、ネコを指す代名詞。
its collar が its になっていたのもそれと同じですね。
普通、ペットのことを語る場合、その性別に合わせて、he/she を使い分けるのが常ですが、この場合はあくまで想像なので、ネコの性別がわからないから it を使っているということになるでしょう。
チャンドラーに、「メス猫を飼うつもりだ」というような明確なビジョン(?)があるのなら、無意識のうちに she/her などの女性代名詞を使っていたところでしょうが、そこまでの具体的なイメージは今はまだ持っていないということですね。

チャンドラーは、もちろん、と言って、ガレージ(車庫)の上にアパートメントを持つ、と言っています。
また、where という関係副詞を使って、「そこでジョーイが grow old することができる」と説明していますね。
grow old は「大人になる、年を取る」ということですが、ジョーイはもう立派な大人なので(笑)、そこで「年を取っていける、年齢を重ねていける」みたいな意味になるでしょう。
ジョーイが安心して、老人になっていけるように、車庫の上にジョーイの住まいを用意するつもりだよ、ということです。
俺たち夫婦が、ジョーイの面倒を見てやらなきゃな、みたいに思っているわけですね。

そんな楽しい想像をチャンドラーはモニカに聞かせるのですが、それを聞いたモニカは、「私は大きくて豪華な結婚式は欲しくないわ」と言います。
私が言っていたような、豪勢な結婚式はしなくていい、ということですね。
Sure you do. は、Sure you want a big, fancy wedding. を省略した形。
「欲しくない」と言ったモニカに対して、「確かに、欲しいに決まってる」とモニカの発言を否定した感覚になります。

モニカは、No とはっきり否定して、I want everything that you've just said. と言います。
you've just said は「あなたがたった今言った」という意味の現在完了形。
「あなたが今言ったことすべてが欲しい」ということで、あなたが話して聞かせてくれたような結婚生活を私もしてみたい、と言っていることになります。
その後のモニカのセリフには感動してしまいますね。
I want a marriage. は「私は結婚が欲しい」。
それまでモニカは、wedding 「結婚式」をどんなに素敵にするか、ということにばかりこだわっていたわけですが、本当に私が欲しかったのはそういう「結婚式」じゃなくて、「結婚」そのものなのよ、ということです。
豪華な結婚式ができなくなってもいいから、あなたが計画しているそういう結婚生活を私もしてみたいわ、と言っているわけで、結婚式という晴れの舞台のことで頭がいっぱいだったモニカが、本来の「結婚」の意義や意味に気づいた瞬間と言えるかもしれませんね。


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posted by Rach at 08:41| Comment(6) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月10日

使い古してもう1冊買った フレンズ7-2その5

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フィービーは現在、ロスの家に居候中。
ロスが自宅にいると、セクシーな女性がやってきて、フィービーのマッサージを希望します。
その女性に触れられると思い、とっさに「フィービーはいませんが、僕もできます」とマッサージを引き受けるロス。
ですが実は、マッサージするのはその女性の父親である男性で、直接その肌に触りたくないロス(笑)は、サラダのスプーンを使って指圧のようなマッサージでごまかそうとします。
また、レイチェルのベッドでこっそり昼寝をしようとしたジョーイは、ベッドの中に、エッチな小説が隠されているのを発見してしまいます。
Her loins were burning. 「彼女の下腹部は燃えていた」というような描写の小説で、それをネタにジョーイは、セントラルパークでレイチェルをからかっていると、そこにロスがやってきます。
ロス: (takes a drink) Damn, this coffee's cold! Hey Rach, do you mind if I heat this up on your loins? (Joey and he both laugh.) ([コーヒーを一口飲んで] ああ、このコーヒーは冷たいよ! ねぇ、レイチェル、これを君の下腹部の上で温めてもいいかなぁ? [ジョーイとロスは二人とも笑う])
レイチェル: Y'know, I cannot believe you told him, Joey! (ねぇ、ロスに話したなんて信じられないわ、ジョーイ!)
ロス: So I guess you bought that book after we broke up, huh? (じゃあ、僕たちが別れた後に、その本を買ったんだね、だろ?)
レイチェル: Uh-huh, yeah I did, because I wore out my first copy when I was with you. (Exits.) (ええ、そうよ。だって、あなたと付き合っていた時に、最初の本を(読み過ぎて)だめにしちゃったから。[出て行く])
ロス: (chases her) Oh yeah, yeah? Well uh, when we were going out, I read tons of porno magazines! (Realizes a table of women overheard him.) (To that table.) ‘Sup? ([レイチェルを追いかけて] ああ、そうか、そうかい? 僕たちが付き合っていた時、僕もポルノ雑誌を山ほど読んだよ! [テーブルの女性が話を聞いているのに気づいて] [そのテーブルに] やあ元気?)
フィービー: (entering) Ross! How could you do that to an old man?! ([パークに入ってきて] ロス! どうしたらおじいちゃんにあんなことができるわけ?[どうしてあなたはおじいちゃんにあんなことしたの?])
ロス: (looking at the table) Excuse me, ladies. (To Phoebe) I'm sorry? ([テーブルを見ながら] 失礼、ご婦人がた。[フィービーに] なんだって?)
フィービー: My massage client. Arthur? His daughter called and said that some guy that worked for me gave him a really weird massage this afternoon. (私のマッサージのお客さん、アーサーよ。彼の娘さんが電話してきて、私のところで働いているある男が、今朝、アーサーに実に奇妙なマッサージをしたって言ってたわ。)

ロスはコーヒーを飲みながら、「なんてこった、このコーヒーは冷たいじゃないか」みたいにグチっています。
その後、do you mind if I... 「僕が…してもいい?」という表現を使って、これ(コーヒー)を君の loins で温めてもいい?と言っていますね。
loins で heat up する、という言い回しから、ロスも、その小説の Her loins were burning. という表現を知っていたことがわかります。
何も知らないふりをして、すでにジョーイからそのエッチな小説のことを聞いていたのですね。

ちなみに、loin という単語は、研究社 新英和中辞典では、
loin 【名】
T [複数形で] 腰、腰部
U 【U】 (獣類の)腰肉

と出ています。
動物の腰肉という意味は、サーロインステーキの「ロイン」のことですね。
sirloin は「腰の上部の肉」という意味になります。
そんな風に、体の部位としては「腰、腰部」を指すのですが、英英辞典では以下のように出ています。

LAAD (Longman Advanced American Dictionary) では、
loins : [plural] (literary) the part of your body below your waist and above your legs, which includes your sexual organs
つまり、「(複数形)(文語、文学的) 身体の腰の下、脚の上の部分、性器を含む」。

Macmillan Dictionary では、
loins : [PLURAL] MAINLY LITERARY the part of your body below your waist at the front
a. someone's sex organs

つまり、「(主に文学的) 体の前面、腰から下の部分。a. 人の性器」。
(訳語がダイレクトですみません…笑)

つまり、いわゆる「腰」という部位の意味だけではなく、場合によっては sex organs そのものを指している言葉にもなる、ということですね。
今回の小説も、それ系のエッチな小説ですから、体の部位としての「腰」よりももっと具体的な部分を、あえて、loins という言葉で表している、という感覚になると思います。
DVDの日本語訳では「下腹部」と訳してありましたが、ダイレクトすぎず、エッチ系の意味っぽくもあるその日本語訳は絶妙だと思いました。

ロスにしゃべったの?!と怒るレイチェルに、ロスは「ふーん、僕と別れた後に、そんなエッチな小説を買ったんだな、レイチェルは…」みたいに言っています。
「僕と別れた後、僕とエッチができなくて(もしくは僕が恋しくて)欲求不満になって、それを解消するために、エッチな本を買ったんだね」と、勝ち誇ったように言っているわけですね。

そのロスのセリフに対して、レイチェルは yean I did と肯定し、「ロスと別れた後にその本を買った」という事実を認めます。
「やっぱり、ロスと別れた後に欲求不満になったの?」と一瞬、観客も思ってしまったかもしれませんが、その後のレイチェルのセリフが面白いです。

ロスと別れた後にその本を買った理由として、レイチェルは、because I wore out my first copy when I was with you. と説明しています。
wore out は wear out の過去形で、wear out とは「使い古す、使い切る、使ってすり減らす」というような感覚。
使い過ぎて、ボロボロになって、もう使い物にならなくなった、というような感じです。
my first copy は「私が買ったその本の1冊目」という感覚。
a copy は、同じ本が何部もある中での「1部、1冊」のニュアンスですね。

when I was with you は、「あなたと一緒にいた時」、すなわち、「あなたと付き合っていた時」。
あなたと交際中に、前の本を使い古してしまったから、別れた後で、新しいのをもう1冊買ったのよ、と言っていることになります。
つまり、レイチェルは、「あなたと別れてから、初めてそういう本に手を出したんじゃなくて、あなたと付き合っている時も、さんざんそういう本にお世話になってたけどね」と言っているわけですね。
すなわち、「ロスと付き合ってる時も、(満たされた感じがなくて)いつも欲求不満で、不満を解消するためにそういう本を読んでたわ」ということです。
wear out というフレーズを使うことで、「ボロボロになるほど使い切ってしまった」という感じが出るために、「ロスとの交際中、ロスに満たされることがなくて、エッチな小説に何度も手を伸ばした」ことがより強調されるわけですね。

ロスにとっては大変不名誉な捨て台詞を残して、レイチェルは立ち去ろうとします。
ロスはそれを追いかけて、同じようなことを言い返していますね。
when we were going out, I read tons of porno magazines! は文字通り、「僕らが付き合っていた時、僕はたくさんのポルノ雑誌を読んだ」。
付き合ってた当時は、僕だって満足できなくて、エッチな雑誌のお世話になってたさ!みたいなことです。
それを、去り行き際のレイチェルに向かって叫んだので、近くのテーブルに座っていた女性が、あっけにとられてロスを見ています。
「エッチな雑誌を山ほど読んだ!」と叫んでいるのを聞かれたことに気づいて、何事もなかったかのように、‘Sup? と軽い挨拶をするロスも面白いですね。
この ‘Sup? は、前回のエピソード、フレンズ7-1その2 で、19歳の役作りのためにジョーイが連発していたセリフですね。
そのジョーイの姿が記憶に新しい次の回で、ロスが「ロスらしからぬ」こういう挨拶をする、というのが、ファンにとっては楽しく思える部分でしょう。

「この人、一体どういう人なわけ?」みたいな、微妙な空気が流れる中、パークに入ってきたフィービーは、開口一番、How could you do that to an old man?! と叫んでいます。
直訳すると、「どうしたら(どのようにして)おじいちゃんにあんなことができるわけ?」みたいなことですが、それはつまり、「おじいちゃんにあんなことするなんて信じられない」という感覚ですね。
そのセリフを聞くと、ロスが、an old man に「何かとんでもないこと」をしたことが想像されるわけですが、「ポルノ雑誌を山ほど読んだ!」と言った直後のことなので、「この人は、高齢の男性にも、何かそういうエッチなことをしたんだろうか?」と思わせてしまうことになります。
性的な変質者みたいに思われたかもしれないと悟ったロスは、Excuse me, ladies. と丁寧にその場を離れ、フィービーに事情を問うています。

フィービーの話から、フィービーが言っているのは、ロスが老人に行った奇妙なマッサージのことであるとわかります。
work for は「〜のために働く」ということで、for 以下が会社名であれば、「〜に勤める、勤務する」、for 以下が人であれば、「〜の部下として働く」という感覚になります。
アーサーの娘さんは、ロスを「フィービーの下で働く助手」みたいに思ったようですね。

今回の一連のシーンは、レイチェルの捨て台詞と、それに同じように返すロスとのやり取りも面白いのですが、周りの人間が「何? この人?」みたいにロスのことを思っている雰囲気の中で、フィービーがさらにロスのイメージを悪くするようなセリフを言ってくる、という、畳み掛けるような展開も楽しいです。
「ポルノ雑誌を山ほど読んだ」の後だからこそ、フィービーのセリフに別の意味が出てきてしまう、というジョークになっているところが、フレンズらしいなと思いました。


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posted by Rach at 15:18| Comment(0) | フレンズ シーズン7 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする